JP2023033097A - 車両用制御装置及び車両用制御方法 - Google Patents

車両用制御装置及び車両用制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周辺監視義務のない自動運転中における運転者の利便性の低下を防ぐことを可能にする。【解決手段】監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能であって、自車の走行環境を特定する走行環境認識部110と、監視義務なし自動運転中に、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、自車の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と自車とが並走状態とならないように自車の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御部155とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、車両用制御装置及び車両用制御方法に関するものである。
特許文献1には、運転者に周辺監視義務が要求されない高レベルの自動運転レベルにおいて、車両に対して並走する他車両との距離を広げるように車両の走行位置を車幅方向にオフセットさせるオフセット制御を行うことが記載されている。また、周辺監視義務が要求されない自動運転レベルにおいて、運転以外のセカンドタスクの実施が運転者に許可される技術が知られている。
国際公開第2019/043847号
特許文献1に開示の技術では、自車と並走車との車幅方向の距離を広げることは可能になる。しかしながら、並走車との並走状態が継続された場合、並走車の乗員から自車での運転者のセカンドタスクの状態が容易に見られることになってしまう。よって、運転者にとっての利便性が低下してしまう問題があった。
この開示の1つの目的は、周辺監視義務のない自動運転中における運転者の利便性の低下を防ぐことを可能にする車両用制御装置及び車両用制御方法を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、1つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本開示の車両用制御装置は、周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御装置であって、車両の走行環境を特定する走行環境特定部(110)と、監視義務なし自動運転中に、走行環境特定部で特定した走行環境をもとに、車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と車両とが並走状態とならないように車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御部(155,155a,155b,155d,155e,155f)とを備える。
上記目的を達成するために、本開示の車両用制御方法は、周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、車両の走行環境を特定する走行環境特定工程と、監視義務なし自動運転中に、走行環境特定工程で特定した走行環境をもとに、車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と車両とが並走状態とならないように車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御工程とを含む。
以上の構成によれば、監視義務なし自動運転中に、自車の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と自車とが並走状態とならないように自車の走行制御を行う並走抑制制御を実施することが可能になる。よって、監視義務なし自動運転中に、隣接車両と自車とが並走状態となるのを抑制することが可能になる。従って、隣接車両の乗員から自車での運転者のセカンドタスクの状態を見られにくくすることが可能になる。その結果、周辺監視義務のない自動運転中における運転者の利便性の低下を防ぐことが可能になる。
車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 自動運転ECU10の概略的な構成に一例を示す図である。 車間距離設定値の表示の一例について説明するための図である。 自動運転ECU10での並走抑制関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動運転ECU10でのエリア限定LV3処理の流れの一例を示す図である。 自動運転ECU10での渋滞限定LV3処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動運転ECU10でのLV4以上処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動運転ECU10aの概略的な構成に一例を示す図である。 自動運転ECU10bの概略的な構成に一例を示す図である。 車両用システム1cの概略的な構成の一例を示す図である。 自動運転ECU10cの概略的な構成に一例を示す図である。 並走抑制画像の表示の一例について説明するための図である。 自動運転ECU10dの概略的な構成の一例を示す図である。 自動運転ECU10eの概略的な構成の一例を示す図である。 自動運転ECU10fの概略的な構成の一例を示す図である。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示す車両用システム1は、自動運転が可能な車両(以下、自動運転車両)で用いることが可能なものである。車両用システム1は、図1に示すように、自動運転ECU10、通信モジュール11、ロケータ12、地図データベース(以下、地図DB)13、車両センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、ブラインド機構17、HCU(Human Machine Interface Control Unit)18、表示器19、及びユーザ入力装置20を含んでいる。例えば、自動運転ECU10、通信モジュール11、ロケータ12、地図DB13、車両センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、ブラインド機構17、及びHCU18は、車内LAN(図1のLAN参照)と接続される構成とすればよい。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
自動運転車両の自動運転の段階(以下、自動化レベル)としては、例えばSAEが定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のようにLV0~5に区分される。
LV0は、システムが介入せずに運転者が全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクは動的運転タスクと言い換えてもよい。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。LV0は、いわゆる手動運転に相当する。LV1は、システムが操舵と加減速とのいずれかを支援するレベルである。LV1は、いわゆる運転支援に相当する。LV2は、システムが操舵と加減速とのいずれをも支援するレベルである。LV2は、いわゆる部分運転自動化に相当する。LV1~2も自動運転の一部であるものとする。
例えば、LV1~2の自動運転は、安全運転に係る周辺監視義務(以下、単に監視義務)が運転者にある自動運転とする。つまり、監視義務あり自動運転に相当する。監視義務としては、目視による周辺監視がある。LV1~2の自動運転は、セカンドタスクが許可されない自動運転と言い換えることができる。セカンドタスクとは、運転者に対して許可される運転以外の行為であって、予め規定された特定行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ,アザーアクティビティ等と言い換えることもできる。セカンドタスクは、自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。一例として、動画等のコンテンツの視聴,スマートフォン等の操作,読書,食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
LV3の自動運転は、特定の条件下ではシステムが全ての運転タスクを実施可能であり、緊急時に運転者が運転操作を行うレベルである。LV3の自動運転では、システムから運転交代の要求があった場合に、運転手が迅速に対応可能であることが求められる。この運転交代は、車両側のシステムから運転者への周辺監視義務の移譲と言い換えることもできる。LV3は、いわゆる条件付運転自動化に相当する。LV3としては、特定エリアに限定されるエリア限定LV3がある。ここで言うところの特定エリアは、自動車専用道路,高速道路とすればよい。特定エリアは、例えば特定の車線であってもよい。LV3としては、渋滞時に限定される渋滞限定LV3もある。渋滞限定LV3は、例えば高速道路での渋滞時に限定される構成とすればよい。高速道路には、自動車専用道路を含んでもよい。
LV4の自動運転は、対応不可能な道路,極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV4は、いわゆる高度運転自動化に相当する。LV5の自動運転は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV5は、いわゆる完全運転自動化に相当する。
例えば、LV3~5の自動運転は、監視義務が運転者にない自動運転とする。つまり、監視義務なし自動運転に相当する。LV3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。レベル3~5の自動運転のうち、レベル4以上の自動運転が、運転者の睡眠が許可される自動運転に該当する。つまり、睡眠可能自動運転に相当する。レベル3~5の自動運転のうち、レベル3の自動運転が、運転者の睡眠が許可されない自動運転に該当する。つまり、睡眠不可自動運転に相当する。
本施形態の自動運転車両は、自動化レベルが切り替え可能であるものとする。自動化レベルは、LV0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。本実施形態では、自動運転車両が、少なくとも、LV4以上の自動運転と、LV3の自動運転と、LV2以下の運転とを切り替え可能な場合を例に挙げて説明する。LV2以下の運転には、LV0の手動運転も含む。
通信モジュール11は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、広域通信を行う。通信モジュール11は、センタから自車周辺の渋滞情報等を広域通信で受信する。通信モジュール11は、他車との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、車車間通信を行ってもよい。通信モジュール11は、路側に設置された路側機との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、路車間通信を行ってもよい。路車間通信を行う場合、通信モジュール11は、路側機を介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。また、通信モジュール11は、センタを介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を広域通信で受信してもよい。
ロケータ12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ12は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、ロケータ12を搭載した自車の車両位置(以下、自車位置)を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとする。なお、自車位置の測位には、自車に搭載された車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離も用いる構成としてもよい。
地図DB13は、不揮発性メモリであって、高精度地図データを格納している。高精度地図データは、ナビゲーション機能での経路案内に用いられる地図データよりも高精度な地図データである。地図DB13には、経路案内に用いられる地図データも格納していてもよい。高精度地図データには、例えば道路の三次元形状情報,車線数情報,各車線に許容された進行方向を示す情報等の自動運転に利用可能な情報が含まれている。他にも、高精度地図データには、例えば区画線等の路面標示について、両端の位置を示すノード点の情報が含まれていてもよい。なお、ロケータ12は、道路の三次元形状情報を用いることで、GNSS受信機を用いない構成としてもよい。例えば、ロケータ12は、道路の三次元形状情報と、道路形状及び構造物の特徴点の点群を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)若しくは周辺監視カメラ等の周辺監視センサ15での検出結果とを用いて、自車位置を特定する構成としてもよい。道路の三次元形状情報は、REM(Road Experience Management)によって撮像画像をもとに生成されたものであってもよい。
なお、通信モジュール11は、外部サーバから配信される地図データを例えば広域通信で受信し、地図DB13に格納してもよい。この場合、地図DB13を揮発性メモリとし、通信モジュール11が自車位置に応じた領域の地図データを逐次取得する構成としてもよい。
車両センサ14は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両センサ14としては、車速センサ,ステアリングトルクセンサ,アクセルセンサ,ブレーキセンサ等がある。車速センサは、自車の速度を検出する。ステアリングトルクセンサは、ステアリングホイールに印加される操舵トルクを検出する。アクセルセンサは、アクセルペダルの踏み込みの有無を検出する。アクセルセンサとしては、アクセルペダルに加わる踏力を検出するアクセル踏力センサを用いればよい。アクセルセンサとしては、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサを用いてよい。アクセルセンサとしては、アクセルペダルの踏み込み操作の有無に応じた信号を出力するアクセルスイッチを用いてもよい。ブレーキセンサは、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検出する。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルに加わる踏力を検出するブレーキ踏力センサを用いればよい。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキストロークセンサを用いてよい。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無に応じた信号を出力するブレーキスイッチを用いてもよい。車両センサ14は、検出したセンシング情報を車内LANへ出力する。なお、車両センサ14で検出したセンシング情報は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
周辺監視センサ15は、自車の周辺環境を監視する。一例として、周辺監視センサ15は、歩行者,他車等の移動物体、及び路上の落下物等の静止物体といった自車周辺の障害物を検出する。他にも、自車周辺の走行区画線等の路面標示を検出する。周辺監視センサ15は、例えば、自車周辺の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周辺の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、ソナー、LIDAR等のセンサである。例えば、所定範囲は、自車の前後左右を少なくとも部分的に含む範囲とすればよい。周辺監視カメラは、逐次撮像する撮像画像をセンシング情報として自動運転ECU10へ逐次出力する。ソナー、ミリ波レーダ、LIDAR等の探査波を送信するセンサは、障害物によって反射された反射波を受信した場合に得られる受信信号に基づく走査結果をセンシング情報として自動運転ECU10へ逐次出力する。周辺監視センサ15で検出したセンシング情報は、車内LANを介さずに自動運転ECU10に出力される構成としてもよい。
車両制御ECU16は、自車の走行制御を行う電子制御装置である。走行制御としては、加減速制御及び/又は操舵制御が挙げられる。車両制御ECU16としては、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等がある。車両制御ECU16は、自車に搭載された電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力することで走行制御を行う。
ブラインド機構17は、並走状態の隣接車両の乗員から車室内を見えにくくする機構である。ブラインド機構17は、自車のドアのウィンドウに設けられる構成とすればよい。つまり、少なくとも自車のサイドウィンドウに設けられる構成とすればよい。ブラインド機構17は、自車のフロントウィンドウ,リアウィンドウにも設けられる構成としてもよい。ブラインド機構17としては、例えば電圧の印加によって透光状態と遮光状態とを切り替え可能な調光フィルムを用いればよい。ブラインド機構17は、非作動時は透光状態である一方、作動時には遮光状態となるものとすればよい。ブラインド機構17としては、調光フィルム以外を用いる構成としてもよい。例えば、ルーバ,カーテン等を電動で閉めることによって車室内を見えにくくする機構を用いてもよい。
HCU18は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成される。HCU18は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、乗員と自車のシステムとのやり取りに関する各種の処理を実行する。
表示器19は、自車に設けられて、自車の運転者に情報提示を行う。表示器19は、情報を表示することで情報提示を行う。表示器19は、HCU18の指示に従って情報提示を行う。表示器19は、運転者以外の同乗者にも情報提示を行っても構わない。表示器19としては、例えばメータMID(Multi Information Display),CID(Center Information Display),HUD(Head-Up Display)等を用いることができる。メータMIDは、車室内のうちの運転席の正面に設けられる表示装置である。一例として、メータMIDは、メータパネルに設けられる構成とすればよい。CIDは、自車のインスツルメントパネルの中央に配置される表示装置である。HUDは、車室内のうちの例えばインスツルメントパネルに設けられる。HUDは、プロジェクタによって形成される表示像を、投影部材としてのフロントウインドシールドに既定された投影領域に投影する。フロントウインドシールドによって車室内側に反射された画像の光は、運転席に着座する運転者によって知覚される。これにより、運転者は、フロントウインドシールドの前方にて結像される表示像の虚像を、前景の一部と重ねて視認可能となる。HUDは、フロントウインドシールドの代わりに、運転席の正面に設けられるコンバイナに表示像を投影する構成としてもよい。
ユーザ入力装置20は、ユーザからの入力を受け付ける。このユーザ入力装置20が入力装置に相当する。ユーザ入力装置20は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作デバイスとすればよい。操作デバイスとしては、メカニカルなスイッチであってもよいし、表示器19と一体となったタッチスイッチであってもよい。一例として、ユーザ入力装置20としては、ステアリングに設けられるステアリングスイッチを用いればよい。なお、ユーザ入力装置20は、ユーザからの入力を受け付ける装置であれば、操作入力を受け付ける操作デバイスに限らない。例えば、ユーザからの音声によるコマンドの入力を受け付ける音声入力装置であってもよい。
自動運転ECU10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成される。自動運転ECU10は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、自動運転に関する処理を実行する。この自動運転ECU10が車両用制御装置に相当する。なお、自動運転ECU10の構成については以下で詳述する。
<自動運転ECU10の概略構成>
続いて、図2を用いて自動運転ECU10の概略構成についての説明を行う。自動運転ECU10は、図2に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。また、コンピュータによって自動運転ECU10の各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用制御方法が実行されることに相当する。なお、自動運転ECU10が実行する機能の一部又は全部を、1つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、自動運転ECU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
走行環境認識部110は、周辺監視センサ15から取得するセンシング情報に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。この走行環境認識部110が走行環境特定部に相当する。この走行環境認識部110での処理が走行環境特定工程に相当する。一例として、走行環境認識部110は、自車の走行車線(以下、自車線)の左右の区画線等の情報から、自車線における自車の詳細な位置を認識する。他にも、走行環境認識部110は、自車の周辺車両等の障害物の位置、大きさ、及び速度を認識する。走行環境認識部110は、自車線における車両等の障害物の位置、大きさ、及び速度を認識する。また、走行環境認識部110は、自車線の周辺車線における車両等の障害物の位置、大きさ、及び速度を認識する。周辺車線とは、自車が位置する道路区間における自車線以外の車線である。周辺車線には、例えば自車線に隣接する車線である隣接車線も含まれる。
走行環境認識部110は、周辺監視センサ15から取得するセンシング情報の他に、ロケータ12から取得する自車位置、地図DB13から取得する地図データ、及び通信モジュール11で取得する他車の情報等に基づき、自車の周囲の走行環境を認識してもよい。一例として、走行環境認識部110は、これらの情報を用いて、実際の走行環境を再現した仮想空間を生成する。
また、走行環境認識部110は、自車の走行地域における手動運転エリア(以下、MDエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部110は、自車の走行地域における自動運転エリア(以下、ADエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部110は、ADエリアにおける後述のST区間と非ST区間との判別も行えばよい。
MDエリアは、自動運転が禁止されるエリアである。言い換えると、MDエリアは、自車の縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視の全てを運転者が実行すると規定されたエリアである。縦方向とは、自車の前後方向と一致する方向である。横方向とは、自車の幅方向と一致する方向である。縦方向制御は、自車の加減速制御にあたる。横方向制御は、自車の操舵制御にあたる。例えば、MDエリアは、一般道路とすればよい。
ADエリアは、自動運転が許可されるエリアである。言い換えると、ADエリアは、縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視のうちの1つ以上を、自車が代替すること可能と規定されたエリアである。例えば、ADエリアは、高速道路,自動車専用道路とすればよい。渋滞限定LV3の自動運転(以下、渋滞限定自動運転)は、例えばADエリアにおける渋滞時にのみ許可される構成とすればよい。
ADエリアは、ST区間と非ST区間とに区分される。ST区間とは、エリア限定LV3の自動運転(以下、エリア限定自動運転)が許可される区間である。エリア限定自動運転は、ST区間のうちの特定の車線でのみ許可される構成としてもよい。非ST区間とは、LV2以下の自動運転が可能な区間である。本実施形態では、LV1の自動運転が許可される非ST区間と、LV2の自動運転が許可される非ST区間とを分けて区分しないものとする。ST区間は、例えば高精度地図データが整備された走行区間とすればよい。非ST区間は、ADエリアのうちのST区間に該当しない区間とすればよい。
走行環境認識部110は、隣接車線を走行する車両(以下、隣接車両)と自車との位置関係を認識する。走行環境認識部110は、隣接車両と自車との縦方向の位置関係を認識する。走行環境認識部110は、縦方向において、隣接車両と自車との車体の一部でも重なる場合に、並走状態と認識すればよい。走行環境認識部110は、縦方向において、隣接車両と自車とのサイドドアの位置が重ならない状態を並走状態から除いてもよい。自車の車体の占める範囲については、不揮発性メモリに予め記憶しておいた車体データをもとに特定すればよい。なお、自車線の対向車線については、隣接車線に含まない構成としてもよいし、隣接車線に含む構成としてもよい。
自車線の対向車線は、隣接車線に含む構成とすることがより好ましい。これは、対向車線の車両であっても、渋滞時等には自車と横並びの状態が維持される場合があり得るためである。自車線の対向車線を隣接車線に含む構成を採用する場合には、この横並びの状態も、並走状態に含む構成とすればよい。また、走行環境認識部110は、地図DB13から取得する地図をもとに、対向車線との間を一定距離空けたり壁で遮蔽したりする構造物のある区間については、対向車線を隣接車線に含まないようにしてもよい。これによれば、自車の車室内を視認しにくい対向車線を隣接車線に含む無駄を省くことが可能になる。ここで言うところの一定距離とは、自車の車室内を視認しにくいと推定される距離であって、任意に設定可能とすればよい。
走行環境認識部110は、横方向において、隣接車両が走行する車線が追越車線か否かも認識することが好ましい。追越車線は、日本であれば、同一方向の複数車線のうち、最も右側の車線である。追越車線は、アメリカ,ドイツであれば、同一方向の複数車線のうち、自車線よりも左側の車線である。追越車線は、中国であれば、同一方向の複数車線のうち、最も左側の車線である。
走行環境認識部110は、自車の走行する区間の渋滞も認識することが好ましい。一例としては、通信モジュール11でセンタから受信する自車周辺の渋滞情報から、自車の走行する区間の渋滞を認識すればよい。他にも、走行環境認識部110は、周辺監視センサ15から取得するセンシング情報をもとに認識する他車両の位置及び速度の情報と、車両センサ14のうちの車速センサから取得する自車の速度の情報とを組み合わせて、自車の走行する区間の渋滞を認識してもよい。例えば、自車周辺の他車両の数が多く、自車及び自車の前後車両の速度が低いことから、自車の走行する区間の渋滞を認識すればよい。なお、走行環境認識部110は、上述した以外の手段で自車の走行する区間の渋滞を認識してもよい。
自車状態特定部120は、自車の状態を特定する。自車状態特定部120は、車両センサ14から取得するセンシング情報に応じて、自車の各種状態を特定する。自車状態特定部120は、車両センサ14から取得するセンシング情報に加え、走行環境認識部110で認識した自車の走行環境も用いて、より詳細な自車の状態を特定することが好ましい。具体例として、自車状態特定部120は、自車の渋滞における停止を特定することが好ましい。つまり、自車状態特定部120が渋滞停止特定部に相当する。この場合、自車状態特定部120は、自車の渋滞については、走行環境認識部110での認識結果から特定すればよい。また、自車状態特定部120は、自車の停止については、車両センサ14のうちの車速センサから取得する自車の速度の情報から特定すればよい。
HCU通信部130は、HCU18へ向けた情報の出力処理と、HCU18からの情報の取得処理とを行う。HCU通信部130は、自車の自動運転の実施状況に関する情報(以下、AD関連情報)等を、HCU18へ向けて逐次出力する。HCU通信部130は、提示処理部131をサブ機能ブロックとして備える。提示処理部131は、表示器19での表示を間接的に制御する。提示処理部131は、上述のAD関連情報等をHCU18へ向けて出力することで、HCU18に表示器19での表示を制御させる。提示処理部131は、どのような表示を行わせるかの指示もHCU18に出力することで、HCU18を介して表示器19に表示させる構成としてもよい。また、提示処理部131は、どのような表示を行わせるかの指示は出力せず、出力した情報の組み合わせに応じてHCU18が表示器19に表示させる構成としてもよい。この提示処理部131が表示指示部に相当する。
また、HCU通信部130は、ユーザ入力装置20を介してHCU18で受け付けた自動運転に関する設定の情報(以下、AD設定情報)を、HCU18から取得する。AD設定情報の一例としては、後述するACC制御における車速の設定値(以下、設定車速)、及び車間距離の設定値(以下、車間距離設定値)が挙げられる。設定車速は、例えば1km/h刻みの値とすればよい。車間距離設定値は、例えば「大」,「中」,「小」といった複数のレベルに区分けされた値とすればよい。本実施形態の例では、車間距離設定値は、「大」,「中」,「小」の3段階のレベルに区分けされたものとして説明を続ける。他にも、AD設定情報としては、自動運転機能のオンオフの設定の情報等が挙げられる。
行動判断部140は、運転者と自車のシステムとの間で運転操作の制御主体を切り替える。行動判断部140は、運転操作の制御権がシステム側にある場合、走行環境認識部110による走行環境の認識結果に基づき、自車を走行させる走行プランを決定する。走行プランとしては、目的地までの経路,目的地に到着するために自車が取るべき振る舞いを決定すればよい。振る舞いの一例としては、直進、右折、左折、車線変更等がある。
行動判断部140は、必要に応じて自車の自動運転の自動化レベルを切り替える。行動判断部140は、自動化レベルの上昇が可能か否かを判断する。例えば、自車がMDエリアからADエリアのうちの非ST区間に移る場合には、手動運転からLV2以下の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がMDエリアからADエリアのうちのST区間に移る場合には、LV0の手動運転からエリア限定LV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアのうちの非ST区間からST区間に移る場合には、LV2以下の自動運転からLV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアに位置し、且つ、自動化レベルがLV2以下の状態で、渋滞限定LV3の条件が全て揃った場合には、LV2以下の自動運転から渋滞限定LV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。他にも、LV4の開始条件を満たす場合に、LV3以下からLV4に切り替え可能と判断すればよい。行動判断部140は、自動化レベルの上昇が可能と判断した場合であって、自動化レベルの上昇について運転者から承認された場合に、自動化レベルを上昇させればよい。
行動判断部140は、自動化レベルの下降が必要と判断した場合に、自動化レベルを下降させればよい。自動化レベルの下降が必要と判断する場合としては、オーバーライド検出時、計画的な運転交代時、及び非計画的な運転交代時が挙げられる。オーバーライドとは、自車の運転者が自発的に自車の制御権を取得するための操作である。言い換えると、オーバーライドは、車両の運転者による操作介入である。行動判断部140は、車両センサ14から得られるセンシング情報からオーバーライドを検出すればよい。例えば、行動判断部140は、ステアリングトルクセンサで検出する操舵トルクが閾値を超える場合に、オーバーライドを検出すればよい。行動判断部140は、アクセルセンサでアクセルペダルの踏み込みを検出した場合に、オーバーライドを検出してもよい。他にも、行動判断部140は、ブレーキセンサでブレーキペダルの踏み込みを検出した場合に、オーバーライドを検出してもよい。
計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定された運転交代である。例えば、計画的な運転交代は、自車がADエリアのうちのST区間から非ST区間若しくはMDエリアに移る場合に行われる。この場合、自動化レベルは、エリア限定LV3からLV2以下に下降する。計画的な運転交代は、自車がADエリアのうちの非ST区間からMDエリアに移る場合に行われてもよい。この場合、自動化レベルは、エリア限定LV3からLV0に下降する。非計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定されない突発的な運転交代である。例えば、非計画的な運転交代は、渋滞限定LV3の自動運転中に、渋滞限定LV3の条件を満たさなくなった場合に行われる。この場合、自動化レベルは、渋滞限定LV3からLV2以下に下降する。渋滞限定LV3の条件としては、複数種類の条件とすればよい。条件の一例は、ADエリア内であること,前方車両若しくは自車の車速が渋滞と推定される閾値以下であること,渋滞情報での渋滞区間であること等とすればよい。非計画的な運転交代は、走行環境認識部110での走行環境の認識の不具合により自動化レベルが維持できなくなった場合に行われてもよい。
制御実行部150は、運転操作の制御権がシステム側にある場合、車両制御ECU16との連携により、行動判断部140にて決定された走行プランに従って自車を走行させるための各種の制御を実行する。制御実行部150には、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部151、LTA(Lane Tracing Assist)制御部152、LCA(Lane Change Assist)制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155をサブ機能ブロックとして備える。
ACC制御部151は、設定車速での自車の定速走行を行わせる定速走行制御、又は前方車両への追従走行を行わせる追従走行制御を実現するACC制御を実施する。ACC制御部151は、自車の前方の所定範囲内に前方車両が存在する場合に、追従走行制御を実施すればよい。ACC制御部151は、自車の前方の所定範囲内に前方車両が存在しない場合には、定速走行制御を実施すればよい。ACC制御部151が追従走行制御部に相当する。追従走行では、自車と直近の前方車両(以下、先行車)との車間距離を目標車間距離に維持するように加減速制御が行われる。目標車間距離は、自車の速度及び車間距離設定値に応じて設定される等すればよい。目標車間距離は、車間距離設定値ごとに一定の許容幅を持つものとする。許容幅とは、目標車間距離内に収まっているとして加減速制御を行わないようにする範囲と言い換えることができる。設定車速及び車間距離設定値は、HCU通信部130で取得したAD関連情報に含まれる値を用いればよい。つまり、ACC制御部151は、運転者からユーザ入力装置20を介して設定を受け付けた設定値に応じた、その設定値ごとに一定の許容幅を持つ目標車間距離となるように追従走行制御を行う。
提示処理部131は、ACC制御の実施中に、車間距離設定値を表示器19に表示させる。車間距離設定値については、HCU通信部130でAD関連情報として出力する車間距離設定値をHCU18が用いる構成とすればよい。車間距離設定値を表示する表示器19としては、例えばメータMIDとすればよい。ここで、図3を用いて、車間距離設定値の表示の一例を説明する。図3のPVが先行車を表すマークを示す。図3のDSVが車間距離設定値を表すマークを示す。図3の例では、車間距離設定値を、マークDSVの本数で表している。具体的には、車間距離設定値が「大」の場合に、図3の例のようにマークDSVの本数を3本にして表示する。車間距離設定値が「中」の場合には、マークDSVの本数を2本にして表示する。車間距離設定値が「小」の場合には、マークDSVの本数を1本にして表示する。
LTA制御部152は、自車の車線内走行を維持するLTA制御を実施する。LTA制御では、自車の車線内走行を維持するように操舵制御が行われる。つまり、LTA制御は、自動での車線維持である車線維持制御を行う。LTA制御部152は、例えば、走行環境認識部110によって認識された区画線、道路端の位置等に基づき、自車の操舵輪の舵角を制御することで、車線内走行を維持すればよい。LTA制御部152は、例えばデフォルトでは、自車線の中央が自車の走行位置となるように制御すればよい。自車の走行位置を自車線の中央に合わせる場合、例えば自車の車軸中心を自車線の中央に合わせるようにすればよい。
LCA制御部153は、自車を自車線から隣接車線に自動で車線変更させるLCA制御を実施する。LCA制御部153は、走行環境認識部110で認識した自車の周囲の車両の位置及び速度を用いて、LCA制御を実行すればよい。例えば、自車の先行車の速度が所定値以下の低速であって、自車の側方から後側方に接近する周辺車両が存在しない場合に、LCA制御を実行すればよい。LCA制御部153は、車両制御ECU16で加減速制御及び操舵制御を行わせることでLCA制御を実行すればよい。
制御実行部150は、ACC制御及びLTA制御の両方を実行することで、LV2以上の自動運転を実現する。LCA制御については、例えばACC制御及びLTA制御の実行時に実行可能とすればよい。制御実行部150は、ACC制御及びLTA制御のいずれか一方を実行することで、LV1の自動運転を実現すればよい。
オフセット制御部154は、自動で側方の車両との距離を広げるように自車の走行位置を車幅方向にオフセットさせるオフセット制御を行う。オフセット制御の対象となる車両は、並走状態にある隣接車両とすればよい。並走状態にあることは、走行環境認識部110で認識すればよい。並走状態にある隣接車両を以下では並走車と呼ぶ。例えば、オフセット制御は、並走車との距離が閾値以下となる場合に、その閾値よりも大きい間隔を並走車との間に空けるように自車の走行位置をオフセットさせればよい。ここで言うところの閾値は、任意に設定可能な値とすればよい。また、自車の左右の並走車の両方に対してオフセット制御が行われる場合には、左右の並走車のそれぞれに対して距離を保てるようにオフセットさせればよい。
LTA制御部152は、LTA制御の実施中にオフセット制御が実施される場合、並走車との距離を広げるように自車の走行位置を車幅方向にオフセットさせつつ、車線内走行は維持するように制御することが好ましい。
並走抑制制御部155は、隣接車両と自車とが並走状態とならないように自車の走行制御を行う並走抑制制御を実施する。この並走抑制制御部155での処理が並走抑制制御工程に相当する。並走抑制制御の例としては、縦方向制御と横方向制御とがある。縦方向制御の例としては、自車と先行車との車間距離を狭くする制御と、自車と先行車との車間距離を広くする制御と、自車を加速させる制御と、自車を減速させる制御とが挙げられる。自車と先行車との車間距離を狭くする制御、及び自車を加速させる制御を、以下では前方向制御と呼ぶ。自車と先行車との車間距離を広くする制御、及び自車を減速させる制御を、以下では後方向制御と呼ぶ。一例として、先行車が存在する場合には、前方向制御として自車と先行車との車間距離を狭くする制御を実施する一方、先行車が存在しない場合には、自車を加速させる制御を実施すればよい。また、先行車が存在する場合には、後方向制御として自車と先行車との車間距離を広くする制御を実施する一方、先行車が存在しない場合には、自車を減速させる制御を実施すればよい。
横方向制御の例としては、車線変更を行わせる制御が挙げられる。車線変更は、LCA制御部153によって実施してもよい。以下では、並走抑制制御部155が縦方向制御と横方向制御とのうちの縦方向制御のみを行う場合を例に挙げて説明を続ける。
並走抑制制御部155は、監視義務なし自動運転中に、走行環境認識部110で認識した走行環境をもとに、隣接車両と自車とが並走状態とならないように並走抑制制御を実施する。並走抑制制御部155は、ACC制御部151で追従走行制御が実施されていない場合には、縦方向制御を、隣接車両と自車との並走状態が解消するまで実施すればよい。これによれば、監視義務なし自動運転中に、隣接車両と自車とが並走状態となるのを抑制することが可能になる。従って、隣接車両の乗員から自車での運転者のセカンドタスクの状態を見られにくくすることが可能になる。その結果、周辺監視義務のない自動運転中における運転者の利便性の低下を防ぐことが可能になる。
並走抑制制御部155は、ACC制御部151で追従走行制御が実施されている場合には、縦方向制御を、目標車間距離の許容幅の範囲内で、実施することが好ましい。これによれば、並走抑制制御を追従走行制御と並行して実施することが可能になる。この場合、提示処理部131は、並走抑制制御中であっても、運転者からユーザ入力装置20を介して設定を受け付けた車間距離設定値を表示させることが好ましい。これは、並走抑制制御中であっても、目標車間距離の許容幅を越えることがないため、運転者からユーザ入力装置20を介して設定を受け付けた車間距離設定値を表示させても、誤った表示とならずに済むためである。運転者からユーザ入力装置20を介して設定を受け付けた車間距離設定値が「大」の場合には、並走抑制制御中であっても、図3の例のようにマークDSVの本数が3本の表示を維持すればよい。
並走抑制制御部155は、監視義務あり自動運転中には、並走抑制制御を実施しないことが好ましい。これによれば、監視義務なし自動運転中には、運転者がセカンドタスクを実施していないため、無駄な並走抑制制御を実施せずに済む。並走抑制制御部155は、手動運転中にも、並走抑制制御を実施しないことが好ましい。これによれば、手動運転中には、運転者がセカンドタスクを実施していないため、無駄な並走抑制制御を実施せずに済む。
並走抑制制御部155は、監視義務なし自動運転中であって、且つ、隣接車両と自車との並走状態が一定時間以上継続する場合に、並走抑制制御を実施すればよい。これによれば、隣接車両との短時間でのすれ違いに対して並走抑制制御を実施する無駄を抑制することが可能になる。
並走抑制制御部155は、エリア限定自動運転中には、後方向制御を優先して用いる一方、渋滞限定自動運転中には、前方向制御を優先して用いることが好ましい。後方向制御を優先して用いるとは、後方向制御と後方向制御以外とのいずれでも隣接車両との並走状態が解消可能な場合に後方向制御を実施することを示す。なお、後方向制御では隣接車両との並走状態が解消可能でないが、後方向制御以外で隣接車両との並走状態が解消可能な場合には、後方向制御以外を実施すればよい。前方向制御を優先して用いるとは、前方向制御と前方向制御以外とのいずれでも隣接車両との並走状態が解消可能な場合に前方向制御を実施することを示す。なお、前方向制御では隣接車両との並走状態が解消可能でないが、前方向制御以外で隣接車両との並走状態が解消可能な場合には、前方向制御以外を実施すればよい。
渋滞限定自動運転中は、渋滞で自車と自車の前後の車両との車間距離が狭まっているので、自車と先行車との車間距離を広げることは難しい。一方、渋滞限定自動運転中は、渋滞で自車の車速が低いため、自車と先行車との車間距離を狭くできる余地がある。また、エリア限定自動運転中には、高速で走行することが可能であるため、自車と先行車との車間距離を狭くすることは難しい。これに対して、以上の構成によれば、並走抑制制御として、エリア限定自動運転中と渋滞限定自動運転中とのそれぞれに合った制御を実施することが可能になる。
なお、並走抑制制御部155は、エリア限定自動運転中には、自車と先行車との車間距離を広くする制御を優先して用いる一方、渋滞限定自動運転中には、自車と先行車との車間距離を狭くする制御を優先して用いる構成としてもよい。
並走抑制制御部155は、走行環境認識部110で認識した走行環境をもとに、隣接車両が追越車線に位置する場合には、並走抑制制御として、自車を減速させる制御以外よりも自車を減速させる制御を優先して用いることが好ましい。隣接車両が追越車線に位置することは、走行環境認識部110での認識結果から特定すればよい。自車を減速させる制御以外よりも自車を減速させる制御を優先して用いるとは、自車を減速させる制御と自車を減速させる制御以外とのいずれでも隣接車両との並走状態が解消可能な場合に自車を減速させる制御を実施することを示す。なお、自車を減速させる制御では隣接車両との並走状態が解消可能でないが、自車を減速させる制御以外で隣接車両との並走状態が解消可能な場合には、自車を減速させる制御以外を実施すればよい。
隣接車両が追越車線に位置する場合には、隣接車両による自車の追越を促せば、隣接車両との並走状態が解消しやすい。よって、以上の構成によれば、隣接車両との並走状態がより解消しやすくなる。
並走抑制制御部155は、オフセット制御部154でのオフセット制御が必要な状況においては、オフセット制御に並行して並走抑制制御を実施することが好ましい。オフセット制御が必要な状況とは、縦方向において、隣接車両と自車との車体の一部でも重なる状況とすればよい。以上の構成によれば、横方向の車間距離を狭め過ぎないようにして自車の乗員の不安を低減させつつ、周辺監視義務のない自動運転中における運転者の利便性の低下を防ぐことを両立することが可能になる。
並走抑制制御部155は、自車状態特定部120で自車の渋滞における停止を特定した場合には、並走抑制制御を実施しないことが好ましい。これは、周辺監視義務のない自動運転中であっても、渋滞において停止した場合には、自車の位置を前後にずらすことは難しく、並走抑制制御を実施するのは無駄になるためである。
困難状況特定部160は、並走抑制制御部155では隣接車両と自車とが並走状態とならないようにすることが困難な状況である並走抑制困難状況を特定することが好ましい。困難状況特定部160は、自車の停止時、及び走行中の自車の前後の車両に対する位置を前後に移動させることが困難な状況の少なくともいずれかを並走抑制困難状況として特定することが好ましい。困難状況特定部160は、自車の停止を、自車状態特定部120での特定結果から判断すればよい。走行中の自車の前後の車両に対する位置を前後に移動させることが困難な状況とは、例えば渋滞時において自車の前後の車両との車間距離に、並走抑制制御を行う余裕のない状況である。このような状況は、走行環境認識部110での認識結果から特定すればよい。
ブラインド制御部170は、監視義務なし自動運転中に、困難状況特定部160で並走抑制困難状況が特定される場合には、ブラインド機構17を作動させるブラインド制御を実施することが好ましい。これによれば、並走抑制制御で自車と隣接車両との並走状態が解消できない場合であっても、ブラインド機構17を作動させることで、隣接車両の乗員から自車での運転者のセカンドタスクの状態を見られにくくすることが可能になる。
ブラインド制御部170は、睡眠不可自動運転中にはブラインド制御が実施可能でない一方、睡眠可能自動運転中にはブラインド制御が実施可能であることが好ましい。これは、ブラインド機構17をフロントウィンドウ,リアウィンドウにも設ける場合、自動化レベルがより高くないとブラインド機構17を作動させることができない場合が想定されるためである。
<自動運転ECU10での並走抑制関連処理>
ここで、図4~図7のフローチャートを用いて、自動運転ECU10での並走抑制制御に関する処理(以下、並走抑制関連処理)の流れの一例について説明する。図4のフローチャートは、例えば自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオンになった場合に開始される構成とすればよい。他にも、自動運転機能のオンオフを切り替えることができる構成の場合には、自動運転機能がオンとなっていることも条件に加える構成とすればよい。
まず、ステップS1では、自車の自動化レベルがLV3以上である場合(S1でYES)には、ステップS2に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満である場合(S1でNO)には、ステップS7に移る。自車の自動化レベルについては、行動判断部140が特定すればよい。
ステップS2では、自車の自動化レベルがエリア限定LV3である場合(S2でYES)には、ステップS3に移る。一方、自車の自動化レベルがエリア限定LV3でない場合(S2でNO)には、ステップS4に移る。ステップS3では、エリア限定LV3処理を行って、ステップS7に移る。ここで、図5のフローチャートを用いて、エリア限定LV3処理の流れの一例について説明する。
まず、ステップS31では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定した場合(S31でYES)には、ステップS32に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定していない場合(S31でNO)には、ステップS36に移る。
ステップS32では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続した場合(S32でYES)には、ステップS33に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続しなかった場合(S32でNO)には、ステップS36に移る。
ステップS33では、走行環境認識部110で隣接車両が追越車線に位置することを特定した場合(S33でYES)には、ステップS34に移る。一方、隣接車両が追越車線以外に位置することを特定した場合(S33でNO)には、ステップS35に移る。
ステップS34では、並走抑制制御部155が、並走抑制制御として、自車を減速させる制御以外よりも自車を減速させる制御を優先して実施する。一方、ステップS35では、並走抑制制御として、後方向制御を優先して実施する。
ステップS36では、エリア限定LV3の条件を満たさなくなり、エリア限定LV3が解消された場合(S36でYES)には、ステップS7に移る。一方、エリア限定LV3の条件を満たしている場合(S36でNO)には、S31に戻って、処理を繰り返す。エリア限定LV3の条件は、例えば自車がST区間に位置することとすればよい。
なお、図5のフローチャートにおいて、S32の処理を省略する構成としてもよい。S33及びS34の処理を省略し、S32でYESの場合にS35に移る構成としてもよい。
図4に戻って、ステップS4では、自車の自動化レベルが渋滞限定LV3である場合(S4でYES)には、ステップS5に移る。一方、自車の自動化レベルが渋滞限定LV3でなく、自動化レベルがLV4以上の場合(S4でNO)には、ステップS6に移る。ステップS5では、渋滞限定LV3処理を行って、ステップS7に移る。ここで、図6のフローチャートを用いて、渋滞限定LV3処理の流れの一例について説明する。
まず、ステップS51では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定した場合(S51でYES)には、ステップS52に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定していない場合(S51でNO)には、ステップS55に移る。
ステップS52では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続した場合(S52でYES)には、ステップS53に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続しなかった場合(S52でNO)には、ステップS55に移る。
ステップS53では、自車状態特定部120で自車の渋滞における停止を特定した場合(S53でYES)には、ステップS55に移る。一方、自車の渋滞における停止を特定していない場合(S53でNO)には、ステップS54に移る。ステップS54では、並走抑制制御部155が、並走抑制制御として、前方向制御を優先して実施する。
ステップS55では、渋滞限定LV3の条件を満たさなくなり、渋滞限定LV3が解消された場合(S55でYES)には、ステップS7に移る。一方、渋滞限定LV3の条件を満たしている場合(S55でNO)には、S51に戻って、処理を繰り返す。渋滞限定LV3の条件は、例えば自車がADエリアに位置し、走行環境認識部110で自車の走行する区間の渋滞を認識していることとすればよい。
なお、図6のフローチャートにおいて、S52の処理を省略する構成としてもよい。S53の処理を省略する構成としてもよい。
図4に戻って、ステップS6では、LV4以上処理を行って、ステップS7に移る。ここで、図7のフローチャートを用いて、LV4以上処理の流れの一例について説明する。
まず、ステップS61では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定した場合(S61でYES)には、ステップS62に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定していない場合(S61でNO)には、ステップS70に移る。
ステップS62では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続した場合(S62でYES)には、ステップS63に移る。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定している状態が前述の一定時間継続しなかった場合(S62でNO)には、ステップS70に移る。
ステップS63では、困難状況特定部160で並走抑制困難状況を特定した場合(S63でYES)には、ステップS67に移る。一方、並走抑制困難状況を特定していない場合(S63でNO)には、ステップS64に移る。
ステップS64では、走行環境認識部110で隣接車両が追越車線に位置することを特定した場合(S64でYES)には、ステップS65に移る。一方、隣接車両が追越車線以外に位置することを特定した場合(S64でNO)には、ステップS66に移る。
ステップS65では、並走抑制制御部155が、並走抑制制御として、自車を減速させる制御以外よりも自車を減速させる制御を優先して実施する。一方、ステップS66では、並走抑制制御を実施する。並走抑制制御として、前方向制御を実施してもよいし、後方向制御を実施してもよい。例えば、走行環境認識部110で自車の走行する区間の渋滞を認識している場合には、前方向制御を優先して用いる一方、渋滞を認識していない場合には、後方向制御を優先して用いればよい。
ステップS67では、ブラインド制御部170がブラインド制御を実施し、ステップS68に移る。ステップS68では、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定している場合(S68でYES)には、S68の処理を繰り返す。一方、自車と隣接車両とが並走状態と特定しなくなった場合(S68でNO)には、ステップS69に移る。ステップS69では、ブラインド制御部170がブラインド制御を終了し、ステップS70に移る。
なお、図7のフローチャートにおいて、S62の処理を省略する構成としてもよい。S63,S67~S69の処理を省略し、S62でYESの場合にS64に移る構成としてもよい。S64及びS65の処理を省略し、S63でNOの場合にS66に移る構成としてもよい。S63~S65,S67~S69の処理を省略し、S62でYESの場合にS66に移る構成としてもよい。
図4に戻って、ステップS7では、並走抑制関連処理の終了タイミングであった場合(S7でYES)には、並走抑制関連処理を終了する。一方、並走抑制関連処理の終了タイミングでなかった場合(S7でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。並走抑制関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと,自動運転機能がオフになったこと等が挙げられる。
図7のフローチャートでは、並走抑制困難状況を特定した場合に並走抑制制御を実施せずに、ブラインド制御を実施する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、並走抑制制御を実施しても並走状態が解消されない場合にブラインド制御を実施する構成としてもよい。この場合は、並走抑制制御を実施しても並走状態が解消されない状況を、困難状況特定部160が並走抑制困難状況として特定する構成とすればよい。なお、走行環境認識部110で自車と隣接車両とが並走状態と特定した場合に、並走抑制制御を実施する代わりにブラインド制御を実施する構成としてもよい。
実施形態1では、自車の自動化レベルが渋滞限定LV3かエリア限定LV3かに応じて、優先する並走抑制制御の種類を切り替える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の自動化レベルが渋滞限定LV3かエリア限定LV3かにかかわらず、優先する並走抑制制御の種類を切り替えない構成としてもよい。
実施形態1では、自車の自動化レベルをLV4以上に切り替え可能な構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の自動化レベルをLV4以上に切り替え可能でない構成としてもよい。
実施形態1では、車両用システム1にブラインド機構17を含むとともに、自動運転ECU10に困難状況特定部160及びブラインド制御部170を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両用システム1にブラインド機構17を含まず、自動運転ECU10に困難状況特定部160及びブラインド制御部170を備えない構成としてもよい。
(実施形態2)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態2の構成としてもよい。以下では、実施形態2の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態2の車両用システム1は、自動運転ECU10の代わりに自動運転ECU10aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<自動運転ECU10aの概略構成>
続いて、図8を用いて、自動運転ECU10aの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10aは、図8に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150a、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10aは、制御実行部150の代わりに制御実行部150aを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10aも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10aの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150aには、ACC制御部151、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155aをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150aは、並走抑制制御部155の代わりに並走抑制制御部155aを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
並走抑制制御部155aは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155aは、自車の側方のうち、自車の運転席から見て、自車のセンターコンソール部分に設けられる表示器19が位置する側(以下、確認方向側)の隣接車線に、他車両が存在しない場合には、並走抑制制御を実施しない。自車のセンターコンソール部分に設けられる表示器19とは、例えばCIDである。確認方向側は、自車の運転席が自車の右側に設けられる場合には、自車の運転席左側方にあたる。確認方向側は、自車の運転席が自車の左側に設けられる場合には、自車の運転席右側方にあたる。一方、確認方向側の隣接車線に、他車両が存在する場合には、並走抑制制御を実施する。
これによれば、自車の運転者がCIDを用いたセカンドタスク中に、運転者の視線が向く側に並走車両が存在した場合であっても、その並走車両が運転者の視界に入りにくくすることが可能になる。よって、セカンドタスクを他車両の乗員に見られている圧迫感を自車の運転者が感じにくくなる。また、自車の並走車両が存在する場合であっても、その並走車両が、運転者の視線が向く側に位置しない場合には、無駄な並走抑制制御を実施しないようにすることが可能になる。
(実施形態3)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態3の構成としてもよい。以下では、実施形態3の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態3の車両用システム1は、自動運転ECU10の代わりに自動運転ECU10bを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<自動運転ECU10bの概略構成>
続いて、図9を用いて、自動運転ECU10bの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10bは、図9に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150b、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10bは、制御実行部150の代わりに制御実行部150bを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10bも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10bの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150bには、ACC制御部151、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155bをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150bは、並走抑制制御部155の代わりに並走抑制制御部155bを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
並走抑制制御部155bは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155bは、直線路において並走抑制制御を可能にすればよい。直線路とは、カーブの度合が規定値未満の道路区間とすればよい。カーブの度合としては、例えば曲率を用いればよい。規定値は、直線路とカーブ路とを区分するための値であって、任意に設定可能とすればよい。並走抑制制御部155bは、カーブ路では並走抑制制御を実施しない構成とすればよい。カーブ路とは、カーブの度合が前述の規定値以上の道路区間とすればよい。
並走抑制制御部155bは、並走抑制制御を実施する場合に、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、自車がカーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができる場合には、自車がカーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させるようにする。カーブ路に進入するまでに並走抑制制御を完了させるとは、カーブ路に進入するまでに並走状態を解消させることを指す。カーブ路の走行中には、カーブ路を走行させるための速度制御に影響を与えないように、並走抑制制御を実施しないことが好ましいと考えられる。以上の構成によれば、カーブ路の進入前に並走抑制制御を完了するので、並走抑制制御がカーブ路を走行させるための速度制御に影響を与えることを抑えることが可能になる。
並走抑制制御部155bは、並走抑制制御を実施する場合に、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができない場合には、自車がカーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を可能な分だけ進めた上でその並走抑制制御を一時的に中止させるようにする。カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができない場合とは、自動運転として許容される加減速度の閾値範囲内の並走抑制制御では、自車がカーブ路に進入するまでに並走状態を解消できない場合が挙げられる。ここで言うところの可能な分とは、自動運転として許容される加減速度の閾値範囲内の並走抑制制御によって、自車がカーブ路に進入するまでに自車を並走車両に対して前後方向にずらすことができる分とすればよい。一時的に中止させた並走抑制制御は、自車がカーブ路から退出した場合に再開させればよい。以上の構成によれば、可能な分だけ自車を並走車両に対して前後方向にずらしつつ、並走抑制制御がカーブ路を走行させるための速度制御に影響を与えることを抑えることが可能になる。
並走抑制制御部155bでは、自車位置からカーブ路への進入地点までの走行距離若しくは走行時間を推算する。そして、推算した走行距離若しくは走行時間の範囲内で並走状態を解消するように、並走抑制制御を実施する。例えば、縦方向制御によって並走抑制制御を実施する場合には、推算した走行距離若しくは走行時間の範囲内で並走状態を解消するように、自車を減速させたりすればよい。横方向制御によって並走抑制制御を実施する場合には、推算した走行距離若しくは走行時間の範囲内で並走状態を解消するように、自車を車線変更すればよい。
(実施形態4)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態4の構成としてもよい。以下では、実施形態4の構成の一例について図を用いて説明する。
<車両用システム1cの概略構成>
車両用システム1cは、図10に示すように、自動運転ECU10c、通信モジュール11、ロケータ12、地図DB13、車両センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、ブラインド機構17、HCU18、ユーザ入力装置20、及び情報提示装置21を含んでいる。車両用システム1cは、自動運転ECU10及び表示器19の代わりに、自動運転ECU10c及び情報提示装置21を含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
情報提示装置21は、自車の車室内に向けて情報を提示する。情報提示装置21は、表示器19及び音声出力装置22を有する。音声出力装置22は、音声を出力することで情報提示を行う。音声出力装置22としては、自車の車室内に設けられたスピーカ等が挙げられる。
<自動運転ECU10cの概略構成>
続いて、図11を用いて、自動運転ECU10cの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10cは、図11に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130c、行動判断部140、制御実行部150c、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10cは、HCU通信部130及び制御実行部150の代わりにHCU通信部130c及び制御実行部150cを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10cも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10cの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150cには、ACC制御部151c、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155cをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150cは、ACC制御部151及び並走抑制制御部155の代わりに、ACC制御部151c及び並走抑制制御部155cを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
ACC制御部151cは、車間距離設定値が、運転者からユーザ入力装置20を介して受け付けるものに限らない点を除けば、実施形態1のACC制御部151と同様である。例えば、ACC制御部151cでは、車間距離設定値が、予め設定されたデフォルトの固定値であってもよい。
並走抑制制御部155cは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155cは、ACC制御部151で追従走行制御が実施されている場合であって、縦方向制御を、目標車間距離の許容幅を超えて実施する必要がある場合には、この許容幅を超えて縦方向制御を実施する。縦方向制御を、目標車間距離の許容幅を超えて実施する必要がある場合とは、目標車間距離の許容幅の範囲内での縦方向制御では、隣接車両との並走状態が解消できない場合を指す。
HCU通信部130cは、提示処理部131cをサブ機能ブロックとして備える。HCU通信部130cは、提示処理部131の代わりに提示処理部131cを備える点を除けば、実施形態1のHCU通信部130と同様である。提示処理部131cは、情報提示装置19cでの情報提示を間接的に制御する。提示処理部131cは、表示器19での表示を間接的に制御するだけでなく、音声出力装置22での音声出力を間接的に制御することを除けば、実施形態1の提示処理部131と同様である。この提示処理部131cが提示指示部に相当する。
提示処理部131cは、並走抑制制御によってACC制御での目標車間距離を逸脱する場合には、目標車間距離が一時的に変更になったことを示す情報提示(以下、一時変更提示)と、並走抑制制御に関する情報提示(以下、並走抑制提示)とを行わせる。これらの情報提示は、表示によって行わせてもよいし、音声によって行わせてもよい。一時変更提示は、例えば表示器19に表示させる車間距離設定値(図3のDSV参照)の点滅によって行わせればよい。他にも、目標車間距離が一時的に変更になったことを説明する音声を出力させてもよい。並走抑制提示は、自車と隣接車両との並走状態を解消することを示す画像を表示器19に表示させることで行わせればよい。他にも、自車と隣接車両との並走状態を解消することを説明する音声を出力させてもよい。これによれば、運転者が、自車と隣接車両との並走状態を解消するために目標車間距離が一時的に変更されたことを認識しやすくなる。
ここで、図12を用いて、自車と隣接車両との並走状態を解消することを示す画像(以下、並走抑制画像)の表示の一例について説明する。並走抑制画像は、自車の周辺状況を示すための画像(以下、周辺状況画像)の一態様として表示すればよい。周辺状況画像は、例えばメータMIDに表示されるものとする。周辺状況画像は、自車よりも上方の仮想視点から見た、自車とその周辺の俯瞰画像とすればよい。この仮想視点は、自車の直上であってもよいし、自車の直上からずれた位置であってもよい。例えば、自車よりも上方且つ後方の仮想視点から見た俯瞰図であってもよい。なお、周辺状況画像は、自車の周辺状況を示すための仮想的な画像であってもよいし、周辺監視センサ15のうちの周辺監視カメラで撮像した撮像画像を加工したものであってもよい。
図12のScが表示器19の表示画面を示す。図12のPLIが、車線の区画線を表す画像(以下、区画線画像)を示す。図12のHVIが、自車を表す画像(以下、自車画像)を示す。図12のHVIaが、並走抑制制御による自車の予定位置を表す画像(以下、自車予定画像)を示す。図12のOVIが、自車の周辺車両を表す画像(以下、周辺車両画像)を示す。図12のOVIaが、並走抑制制御による自車の周辺車両の予定位置を表す画像(以下、周辺車両予定画像)を示す。図12に示すように、並走抑制画像は、並走抑制制御によって並走状態が解消される予定の自車と隣接車両とを表す自車予定画像と周辺車両予定画像で表現すればよい。なお、並走抑制制御による自車と隣接車両との予定される動きをアニメーションで示してもよいし、他の表現で示してもよい。
(実施形態5)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態5の構成としてもよい。以下では、実施形態5の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態5の車両用システム1は、自動運転ECU10の代わりに自動運転ECU10dを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<自動運転ECU10dの概略構成>
続いて、図13を用いて、自動運転ECU10dの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10dは、図13に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150d、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10dは、制御実行部150の代わりに制御実行部150dを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10dも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10dの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150dには、ACC制御部151、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155dをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150dは、並走抑制制御部155の代わりに並走抑制制御部155dを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
並走抑制制御部155dは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155dは、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、追越し車線側の隣接車両と並走状態となる場合には、並走抑制制御を実施する一方、追越し車線でない車線側の隣接車両と並走状態となる場合には、並走抑制制御を実施しない。並走抑制制御部155dは、隣接車両の走行車線が追越車線か否かは、隣接車両の位置と高精度地図データとから判別すればよい。
追越車線を走行する車両は、追越しのために車速が速いことが多い。よって、追越し車線側の隣接車両と自車が並走状態となる場合であっても、並走状態が速やかに解消される可能性が高い。実施形態5の構成によれば、このように自然に並走状態が解消される可能性が高い状況では、並走抑制制御を省略することが可能になる。一方、追越車線でない車線を走行する車両は、追越車線の車両に比べて車速が遅いことが多い。よって、追越し車線でない車線側の隣接車両と自車が並走状態となる場合には、並走状態が自然に解消されない可能性が高い。実施形態5の構成によれば、このように自然に並走状態が解消される可能性が低い状況では、並走抑制制御を実施することが可能になる。
(実施形態6)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態6の構成としてもよい。以下では、実施形態6の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態6の車両用システム1は、自動運転ECU10の代わりに自動運転ECU10eを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<自動運転ECU10eの概略構成>
続いて、図14を用いて、自動運転ECU10eの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10eは、図14に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150e、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10eは、制御実行部150の代わりに制御実行部150eを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10eも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10eの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150eには、ACC制御部151、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155eをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150eは、並走抑制制御部155の代わりに並走抑制制御部155eを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
並走抑制制御部155eは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155eは、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、隣接車両と並走状態となりそうになった場合に、その隣接車両を追い越さない位置関係で自車の走行を継続するように並走抑制制御を実施する。これによれば、自車が隣接車両と並走状態となってから並走状態を解消する場合に比べ、自車の運転者が受ける圧迫感をより低減することが可能になる。
並走抑制制御部155eは、自車の後側方から接近する隣接車両に対しては、自車を加速させる並走抑制制御を実施すればよい。並走抑制制御部155eは、自車の前側方から接近する隣接車両に対しては、自車を減速させる並走抑制制御を実施すればよい。また、並走抑制制御部155eは、自車に隣接車両が接近してくる場合に、その隣接車両が存在しない側に車線変更が可能であれば、車線変更させる並走抑制制御を実施してもよい。並走抑制制御部155eは、実施形態6の並走抑制制御にもかかわらず、隣接車両と並走状態となってしまった場合には、並走状態を解消する並走抑制制御を実施すればよい。
(実施形態7)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態7の構成としてもよい。以下では、実施形態7の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態7の車両用システム1は、自動運転ECU10の代わりに自動運転ECU10fを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
<自動運転ECU10fの概略構成>
続いて、図15を用いて、自動運転ECU10fの概略構成について説明を行う。自動運転ECU10fは、図15に示すように、走行環境認識部110、自車状態特定部120、HCU通信部130、行動判断部140、制御実行部150f、困難状況特定部160、及びブラインド制御部170を機能ブロックとして備える。自動運転ECU10fは、制御実行部150の代わりに制御実行部150fを備える点を除けば、実施形態1の自動運転ECU10と同様である。この自動運転ECU10fも車両用制御装置に相当する。また、コンピュータによって自動運転ECU10fの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用制御方法が実行されることに相当する。
制御実行部150fには、ACC制御部151、LTA制御部152、LCA制御部153、オフセット制御部154、及び並走抑制制御部155fをサブ機能ブロックとして備える。制御実行部150fは、並走抑制制御部155の代わりに並走抑制制御部155fを備える点を除けば、実施形態1の制御実行部150と同様である。
並走抑制制御部155fは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の並走抑制制御部155と同様である。以下では、実施形態1と異なる処理について説明する。並走抑制制御部155fは、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに、縦方向制御を用いた並走抑制制御の実施が規定時間以上継続する場合であって、且つ、車線変更が可能な場合に、車線変更による並走抑制制御を実施する。これによれば、縦方向制御によって隣接車両との並走状態が解消できない場合であっても、横方向制御によって並走状態を解消することが可能になる。ここで言うところの規定時間は、任意に設定可能な時間とすればよい。ここで言うところの縦方向制御を用いた並走抑制制御は、前述の実施形態で述べたいずれの縦方向制御を用いた並走抑制制御であってもよい。並走抑制制御部155fは、車線変更が可能か否かを、走行環境認識部110で特定した走行環境をもとに判断する。車線変更による並走抑制制御では、並走抑制制御部155fが、車線変更が可能と判断された側の隣接車線へ車線変更を行わせる。並走抑制制御部155fは、LCA制御部153を機能させることで、車線変更を行わせればよい。
並走抑制制御部155fは、車線変更による並走抑制制御を実施する条件として、ACC制御の実施が規定時間以上継続していることも条件に加えてもよい。また、並走抑制制御部155fは、車線変更による並走抑制制御を実施する場合に、車線変更先の走行車線に位置する他車両の後方に車線変更を行わせるが、その他車両の前方の所定範囲には車線変更を行わせないことが好ましい。これは、車線変更先の走行車線に位置する他車両の運行を邪魔しにくくするためである。ここで言うところの所定範囲は、任意に設定可能な距離とすればよい。例えば、所定範囲は、自車の後方車両となる他車に少なくとも急制動を行わせずに済むと推定される距離とすればよい。
(実施形態8)
実施形態1では、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10fに走行環境認識部110を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10f以外のECUが走行環境認識部110の機能を担う構成としてもよい。この場合、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10fは、走行環境認識部110の機能を担うECUで認識した走行環境の情報を取得し、走行環境を特定すればよい。この場合、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10fにおいて走行環境を特定する機能ブロックが走行環境特定部に相当する。
(実施形態9)
実施形態1では、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10fにブラインド制御部170を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10f以外のECUがブラインド制御部170の機能を担う構成としてもよい。この場合、自動運転ECU10,10a,10b,10c,10d,10e,10fが、ブラインド制御部170の機能を担うECUに指示を出力し、ブラインド制御を行わせる構成とすればよい。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(開示されている技術的思想)
この明細書は、以下に列挙された複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
技術的思想1
周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御装置であって、
前記車両の走行環境を特定する走行環境特定部(110)と、
前記監視義務なし自動運転中に、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と前記車両とが並走状態とならないように前記車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御部(155,155a,155b,155d,155e,155f)とを備える車両用制御装置。
技術的思想2
技術的思想1に記載の車両用制御装置であって、
前記監視義務なし自動運転と周辺監視義務のある自動運転である監視義務あり自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
前記並走抑制制御部は、前記監視義務あり自動運転中には、前記並走抑制制御を実施しない車両用制御装置。
技術的思想3
技術的思想1又は2に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部(155a)は、前記車両の側方のうち、前記車両の運転席から見て、前記車両のセンターコンソール部分に設けられる表示器(19)が位置する側である確認方向側の隣接車線に、他車両が存在しない場合には、前記並走抑制制御を実施しない一方、前記確認方向側の隣接車線に、他車両が存在する場合には、前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
技術的思想4
技術的思想1~3のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部(155b)は、カーブの度合が規定値未満の直線路において前記並走抑制制御を可能にするものであり、前記並走抑制制御を実施する場合に、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、カーブの度合が規定値以上のカーブ路に前記車両が進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができる場合には、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させるようにする一方、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができない場合には、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を可能な分だけ進めた上で並走抑制制御を一時中止させるようにする車両用制御装置。
技術的思想5
技術的思想1~4のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、少なくとも前記車両とその前記車両の前方車両との車間距離を狭くする制御と、前記車両と前記前方車両との車間距離を広くする制御と、前記車両を加速させる制御と、前記車両を減速させる制御とのうちのいずれかである縦方向制御を用いる車両用制御装置。
技術的思想6
技術的思想5に記載の車両用制御装置であって、
前記監視義務なし自動運転として、エリアを限定して前記監視義務なし自動運転が許可されるエリア限定自動運転と、渋滞時に限定して前記監視義務なし自動運転が許可される渋滞限定自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
前記並走抑制制御部は、前記縦方向制御として、前記車両と前記前方車両との車間距離を狭くする制御と、前記車両を加速させる制御とのうちの少なくともいずれかである前方向制御と、前記車両と前記前方車両との車間距離を広くする制御と、前記車両を減速させる制御とのうちの少なくともいずれかである後方向制御とを用いるものであり、
前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、前記エリア限定自動運転中には、前記後方向制御を優先して用いる一方、前記渋滞限定自動運転中には、前記前方向制御を優先して用いる車両用制御装置。
技術的思想7
技術的思想5に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、前記車両を減速させる制御と前記車両を減速させる制御以外とを用いるものであり、
前記並走抑制制御部は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記隣接車両が追越車線に位置する場合には、前記並走抑制制御として、前記車両を減速させる制御以外よりも前記車両を減速させる制御を優先して用いる車両用制御装置。
技術的思想8
技術的思想5~7のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記車両の運転者から入力装置(20)を介して設定を受け付けた設定値に応じた、前記設定値ごとに一定の許容幅を持つ目標車間距離となるように前方車両への追従走行制御を行う追従走行制御部(151)と、
前記車両の運転者から前記入力装置を介して設定を受け付けた前記設定値を表示器(19)に表示させる表示指示部(131)とを備え、
前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御としての前記縦方向制御を、前記許容幅の範囲内で実施し、
前記表示指示部は、前記並走抑制制御中であっても、前記運転者から前記入力装置を介して設定を受け付けた前記設定値を表示させる車両用制御装置。
技術的思想9
技術的思想5~7のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
目標車間距離となるように前方車両への追従走行制御を行う追従走行制御部(151c)と、
前記車両の車室内に向けて情報提示装置(21)に情報提示を行わせる提示指示部(131c)とを備え、
前記提示指示部は、前記並走抑制制御によって前記目標車間距離を逸脱する場合には、前記目標車間距離が一時的に変更になったことを示す情報提示と、前記並走抑制制御の実施に関する情報提示とを行わせる車両用制御装置。
技術的思想10
技術的思想5~9のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部(155d)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、追越し車線側の前記隣接車両と並走状態となる場合には、前記並走抑制制御を実施しない一方、追越し車線でない車線側の前記隣接車両と並走状態となる場合には、前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
技術的思想11
技術的思想5又は9に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部(155e)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記隣接車両と並走状態となりそうになった場合に、その隣接車両を追い越さない位置関係で前記車両の走行を継続するように前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
技術的思想12
技術的思想5~11のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部(155f)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記縦方向制御を用いた前記並走抑制制御の実施が規定時間以上継続する場合であって、且つ、車線変更が可能な場合に、前記車線変更による前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
技術的思想13
技術的思想12に記載の車両用制御装置であって、
前記並走抑制制御部は、前記車線変更による前記並走抑制制御を実施する場合に、前記車線変更先の走行車線に位置する他車両の後方に前記車線変更を行わせるが、前記他車両の前方の所定範囲には前記車線変更を行わせない車両用制御装置。
技術的思想14
技術的思想1~13のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
自動で側方の車両との距離を広げるように前記車両の走行位置を車幅方向にオフセットさせるオフセット制御を実施するオフセット制御部(154)を備え、
前記並走抑制制御部は、前記オフセット制御部での前記オフセット制御が必要な状況においては、前記オフセット制御に並行して前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
技術的思想15
技術的思想1~14のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
前記車両の渋滞における停止を特定する渋滞停止特定部(120)を備え、
前記並走抑制制御部は、前記渋滞停止特定部で前記車両の渋滞における停止を特定した場合には、前記並走抑制制御を実施しない車両用制御装置。
技術的思想16
技術的思想1~15のいずれか1項に記載の車両用制御装置であって、
並走状態の前記隣接車両の乗員から車室内を見えにくくするブラインド機構(17)も有する車両で用いることが可能であって、
前記並走抑制制御では前記隣接車両と前記車両とが並走状態とならないようにすることが困難な状況である並走抑制困難状況を特定する困難状況特定部(160)と、
前記監視義務なし自動運転中に、前記困難状況特定部で前記並走抑制困難状況が特定される場合には、前記ブラインド機構を作動させるブラインド制御を実施するブラインド制御部(170)とを備える車両用制御装置。
技術的思想17
技術的思想16に記載の車両用制御装置であって、
前記困難状況特定部は、前記車両の停止時、及び走行中の前記車両の前後の車両に対する位置を前後に移動させることが困難な状況の少なくともいずれかを前記並走抑制困難状況として特定する車両用制御装置。
技術的思想18
技術的思想16又は17に記載の車両用制御装置であって、
前記監視義務なし自動運転として、運転者の睡眠が許可される睡眠可能自動運転と、運転者の睡眠が許可されない睡眠不可自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
前記ブラインド制御部は、前記睡眠不可自動運転中には前記ブラインド制御が実施可能でない一方、前記睡眠可能自動運転中には前記ブラインド制御が実施可能である車両用制御装置。
技術的思想19
周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記車両の走行環境を特定する走行環境特定工程と、
前記監視義務なし自動運転中に、前記走行環境特定工程で特定した前記走行環境をもとに、前記車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と前記車両とが並走状態とならないように前記車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御工程とを含む車両用制御方法。
1 車両用システム、10,10a,10b,10c,10d,10e,10f 自動運転ECU(車両用制御装置)、17 ブラインド機構部、19 表示器、20 ユーザ入力装置(入力装置)、21 情報提示装置、110 走行環境認識部(走行環境特定部)、120 自車状態特定部(渋滞停止特定部)、131 提示処理部(表示指示部)、131c 提示処理部(提示指示部)、151,151c ACC制御部(追従走行制御部)、154 オフセット制御部、155,155a,155b,155d,155e,155f 並走抑制制御部、160 困難状況特定部、170 ブラインド制御部

Claims (19)

  1. 周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御装置であって、
    前記車両の走行環境を特定する走行環境特定部(110)と、
    前記監視義務なし自動運転中に、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と前記車両とが並走状態とならないように前記車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御部(155,155a,155b,155d,155e,155f)とを備える車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記監視義務なし自動運転と周辺監視義務のある自動運転である監視義務あり自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
    前記並走抑制制御部は、前記監視義務あり自動運転中には、前記並走抑制制御を実施しない車両用制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部(155a)は、前記車両の側方のうち、前記車両の運転席から見て、前記車両のセンターコンソール部分に設けられる表示器(19)が位置する側である確認方向側の隣接車線に、他車両が存在しない場合には、前記並走抑制制御を実施しない一方、前記確認方向側の隣接車線に、他車両が存在する場合には、前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部(155b)は、カーブの度合が規定値未満の直線路において前記並走抑制制御を可能にするものであり、前記並走抑制制御を実施する場合に、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、カーブの度合が規定値以上のカーブ路に前記車両が進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができる場合には、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させるようにする一方、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を完了させることができない場合には、前記車両が前記カーブ路に進入するまでにその並走抑制制御を可能な分だけ進めた上で並走抑制制御を一時中止させるようにする車両用制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、少なくとも前記車両とその前記車両の前方車両との車間距離を狭くする制御と、前記車両と前記前方車両との車間距離を広くする制御と、前記車両を加速させる制御と、前記車両を減速させる制御とのうちのいずれかである縦方向制御を用いる車両用制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記監視義務なし自動運転として、エリアを限定して前記監視義務なし自動運転が許可されるエリア限定自動運転と、渋滞時に限定して前記監視義務なし自動運転が許可される渋滞限定自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
    前記並走抑制制御部は、前記縦方向制御として、前記車両と前記前方車両との車間距離を狭くする制御と、前記車両を加速させる制御とのうちの少なくともいずれかである前方向制御と、前記車両と前記前方車両との車間距離を広くする制御と、前記車両を減速させる制御とのうちの少なくともいずれかである後方向制御とを用いるものであり、
    前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、前記エリア限定自動運転中には、前記後方向制御を優先して用いる一方、前記渋滞限定自動運転中には、前記前方向制御を優先して用いる車両用制御装置。
  7. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御として、前記車両を減速させる制御と前記車両を減速させる制御以外とを用いるものであり、
    前記並走抑制制御部は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記隣接車両が追越車線に位置する場合には、前記並走抑制制御として、前記車両を減速させる制御以外よりも前記車両を減速させる制御を優先して用いる車両用制御装置。
  8. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記車両の運転者から入力装置(20)を介して設定を受け付けた設定値に応じた、前記設定値ごとに一定の許容幅を持つ目標車間距離となるように前方車両への追従走行制御を行う追従走行制御部(151)と、
    前記車両の運転者から前記入力装置を介して設定を受け付けた前記設定値を表示器(19)に表示させる表示指示部(131)とを備え、
    前記並走抑制制御部は、前記並走抑制制御としての前記縦方向制御を、前記許容幅の範囲内で実施し、
    前記表示指示部は、前記並走抑制制御中であっても、前記運転者から前記入力装置を介して設定を受け付けた前記設定値を表示させる車両用制御装置。
  9. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    目標車間距離となるように前方車両への追従走行制御を行う追従走行制御部(151c)と、
    前記車両の車室内に向けて情報提示装置(21)に情報提示を行わせる提示指示部(131c)とを備え、
    前記提示指示部は、前記並走抑制制御によって前記目標車間距離を逸脱する場合には、前記目標車間距離が一時的に変更になったことを示す情報提示と、前記並走抑制制御の実施に関する情報提示とを行わせる車両用制御装置。
  10. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部(155d)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、追越し車線側の前記隣接車両と並走状態となる場合には、前記並走抑制制御を実施しない一方、追越し車線でない車線側の前記隣接車両と並走状態となる場合には、前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
  11. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部(155e)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記隣接車両と並走状態となりそうになった場合に、その隣接車両を追い越さない位置関係で前記車両の走行を継続するように前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
  12. 請求項5に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部(155f)は、前記走行環境特定部で特定した前記走行環境をもとに、前記縦方向制御を用いた前記並走抑制制御の実施が規定時間以上継続する場合であって、且つ、車線変更が可能な場合に、前記車線変更による前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
  13. 請求項12に記載の車両用制御装置であって、
    前記並走抑制制御部は、前記車線変更による前記並走抑制制御を実施する場合に、前記車線変更先の走行車線に位置する他車両の後方に前記車線変更を行わせるが、前記他車両の前方の所定範囲には前記車線変更を行わせない車両用制御装置。
  14. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    自動で側方の車両との距離を広げるように前記車両の走行位置を車幅方向にオフセットさせるオフセット制御を実施するオフセット制御部(154)を備え、
    前記並走抑制制御部は、前記オフセット制御部での前記オフセット制御が必要な状況においては、前記オフセット制御に並行して前記並走抑制制御を実施する車両用制御装置。
  15. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    前記車両の渋滞における停止を特定する渋滞停止特定部(120)を備え、
    前記並走抑制制御部は、前記渋滞停止特定部で前記車両の渋滞における停止を特定した場合には、前記並走抑制制御を実施しない車両用制御装置。
  16. 請求項1に記載の車両用制御装置であって、
    並走状態の前記隣接車両の乗員から車室内を見えにくくするブラインド機構(17)も有する車両で用いることが可能であって、
    前記並走抑制制御では前記隣接車両と前記車両とが並走状態とならないようにすることが困難な状況である並走抑制困難状況を特定する困難状況特定部(160)と、
    前記監視義務なし自動運転中に、前記困難状況特定部で前記並走抑制困難状況が特定される場合には、前記ブラインド機構を作動させるブラインド制御を実施するブラインド制御部(170)とを備える車両用制御装置。
  17. 請求項16に記載の車両用制御装置であって、
    前記困難状況特定部は、前記車両の停止時、及び走行中の前記車両の前後の車両に対する位置を前後に移動させることが困難な状況の少なくともいずれかを前記並走抑制困難状況として特定する車両用制御装置。
  18. 請求項16に記載の車両用制御装置であって、
    前記監視義務なし自動運転として、運転者の睡眠が許可される睡眠可能自動運転と、運転者の睡眠が許可されない睡眠不可自動運転との切り替えを実施する車両で用いることが可能であって、
    前記ブラインド制御部は、前記睡眠不可自動運転中には前記ブラインド制御が実施可能でない一方、前記睡眠可能自動運転中には前記ブラインド制御が実施可能である車両用制御装置。
  19. 周辺監視義務のない自動運転である監視義務なし自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用制御方法であって、
    少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
    前記車両の走行環境を特定する走行環境特定工程と、
    前記監視義務なし自動運転中に、前記走行環境特定工程で特定した前記走行環境をもとに、前記車両の走行車線の隣接車線を走行する隣接車両と前記車両とが並走状態とならないように前記車両の走行制御を行う並走抑制制御を実施する並走抑制制御工程とを含む車両用制御方法。
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