JP2023032344A - 固体レーザ発振器 - Google Patents

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【課題】エンドポンピング方式の固体レーザ発振器において、高効率なTEM00発振を実現する。【解決手段】固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71は、光源102の各エミッタ102aから出力されたレーザビームB1をコリメートするFACレンズ103と、レーザビームB1を光軸Alまわりに回転するビームシェイパー104と、レーザビームB1を集光して励起ビームB3を生成する第1集光レンズ107と、レーザ媒質113と、を備える。第1集光レンズ107は、光軸Alに直交する一方向である第1集光方向Ac1においてレーザビームB1を集光し、励起ビームB3は、遅軸方向Asおよび速軸方向Afの双方に対して第1集光方向Ac1が傾斜するように第1集光レンズ107が配置されることによりで、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状G13を有する。【選択図】図16

Description

ここに開示する技術は、固体レーザ発振器に関する。
エンドポンピング方式を採用した固体レーザ発振器において、レーザダイオードからなる光源を光ファイバに結合し、その光ファイバから出射されるレーザ光によってレーザ媒質を励起させる構成が広く知られている。
しかしながら、光ファイバを用いた固体レーザ発振器は、発振器自体の小型化、および、レーザ特性の安定化等が容易ではない。そのため、光ファイバを使用しないファイバレスな構成が、予てから提案されてきた。
具体的に、非特許文献1には、ファイバレスな構成の一例として、ビームを出力する光源(mini-bar)と、光源から出力されたビームのX方向とY方向を入れ替えるビームシェイパーとして機能するBTS(Beam transformation System)と、BTSによってX方向とY方向とが入れ替えられたビームをコリメートするSACレンズおよびFACレンズと、を備えた構成が開示されている。
前記非特許文献1によれば、同文献に記載の構成を採用した場合、SACレンズまたはFACレンズを透過した直後のビームのプロファイルは、長方形ないし正方形となる。
また、非特許文献2には、ファイバレスな構成の別例として、複数のマイクロレンズによって構成されるホモジナイザーによって、ビームの強度分布を均一化する構成が開示されている。
前記非特許文献2によれば、同文献に記載の構成を採用した場合、ホモジナイザーによって強度分布が均一化されたビームのプロファイルは、前記非特許文献1と同様に、長方形ないし正方形となる。
Junhong Yu et al., "Optimization of beam transformation system for laser-diode bars", OPTICS EXPRESS Vol. 21, No.17, p.19728, 2016. V. Sinhoff et al., "Micro-lens arrays for laser beam homogenization and transformation", High-Power Diode Laser Technology and Applications XI, edited by Mark S. Zediker, Proc. of SPIE Vol. 8605, 2013.
ところで、高効率なTEM00発振を実現するためには、共振器の基本モードと励起ビームの空間モードとが一致するように、基本モードのビーム径(以下、「基本ビーム径」ともいう)と励起ビームのビーム径(以下、「励起ビーム径」ともいう)とを一致させることが考えられる。
ところが、前記非特許文献1および前記非特許文献2に記載された方法では、励起ビームのプロファイルは、長方形ないし正方形となる。この場合、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのは容易ではなく、高効率なTEM00発振を実現するには不都合なものとなる。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンドポンピング方式の固体レーザ発振器において、高効率なTEM00発振を実現することにある。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ビームシェイパーによるビーム整形、および、集光レンズによる集光のうちの少なくとも1つにおいて、意図的に収差を引き起こすことを考えた。そして、意図的に引き起こされた収差によって励起ビームのスポット形状を正方形または長方形から変形することで、そのスポット形状を真円に整えることを想到するに至った。
具体的に、本開示の第1の態様は、エンドポンプ方式の固体レーザ発振器に係る。この固体レーザ発振器は、遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備える。
そして、本開示の第1の態様によれば、前記集光レンズは、前記光軸に直交する一方向である集光方向において前記レーザビームを集光し、前記励起ビームは、前記遅軸方向および前記速軸方向の双方に対して前記集光方向が傾斜するように前記集光レンズが配置されることにより、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状を有し、前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する。
ここで、「遅軸方向および速軸方向の双方に対して集光方向が傾斜する」の語は、遅軸方向および速軸方向の双方に対して集光方向が非平行かつ非直交となることを示す。
また、「集光レンズ」の語は広義で用いる。つまり、前記第1の態様に係る集光レンズには、いわゆるコリメートレンズとして用いられるレンズも含まれる。
集光レンズをレイアウトする際には、励起ビームの強度分布の一様化等の観点から、遅軸方向および速軸方向の一方に対して集光方向を一致させるのが通常の使用態様である。対して、前記第1の態様によると、そうした通常の使用態様から意図的に集光レンズの使用態様を変更することで、励起ビームに収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームのスポット形状をぼやかすように作用することになる。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームのスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となる。これにより、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
本開示の第2の態様は、エンドポンプ方式の固体レーザ発振器に係る。この固体レーザ発振器は、遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備える。
そして、本開示の第2の態様によれば、前記励起ビームは、前記ビームシェイパーによる回転前の速軸方向および遅軸方向と、前記ビームシェイパーによる回転後の速軸方向および遅軸方向とが互いに傾斜するように前記ビームシェイパーが前記レーザビームを回転させることで、前記回転後の速軸方向が前記回転前の遅軸方向に一致しかつ前記回転後の遅軸方向が前記回転前の速軸方向に一致するようにビームシェイパーが前記レーザビームを回転させる場合に比して真円化されたスポット形状を有し、前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する。
ここで、「回転前の速軸方向および遅軸方向と、回転後の速軸方向および遅軸方向とが互いに傾斜する」の語は、回転前の速軸方向が、回転後の速軸方向および遅軸方向の双方に対して非平行かつ非直交となり、かつ、回転前の遅軸方向が、回転後の速軸方向および遅軸方向の双方に対して非平行かつ非直交となることを示す。
ビームシェイパーの構成を設定する際には、励起ビームの強度分布の一様化等の観点から、回転後の遅軸方向を回転前の速軸方向に一致させ、回転後の速軸方向を回転前の遅軸方向に一致させるのが通常の使用態様である。対して、前記第2の態様によると、そうした通常の使用態様から意図的にビームシェイパーの使用態様を変更することで、励起ビームに収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームのスポット形状をぼやかすように作用することになる。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームのスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となり、ひいては、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
本開示の第3の態様は、エンドポンプ方式の固体レーザ発振器に係る。この固体レーザ発振器は、遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備える。
そして、本開示の第3の態様によれば、前記励起ビームは、前記光軸に対して前記集光レンズの中心軸が傾斜するように該集光レンズが配置されることにより、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状を有し、前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する。
集光レンズをレイアウトする際には、励起ビームの強度分布の一様化等の観点から、光軸と、集光レンズの中心軸とを一致させるのが通常の使用態様である。対して、前記第3の態様によると、そうした通常の使用態様から意図的に集光レンズの使用態様を変更することで、励起ビームに収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームのスポット形状をぼやかすように作用する。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームのスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となり、ひいては、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
また、本開示の第4の態様によれば、前記固体レーザ発振器は、前記光源から出力されたレーザビームを、前記遅軸方向においてコリメートする遅軸コリメータを備える、としてもよい。
前記第4の態様によると、速軸コリメータに加えて遅軸コリメータを設けることで、遅軸方向におけるレーザビームの広がりを低減することができる。これにより、レーザビームに基づいて励起ビームを生成する際に、その励起ビームのビーム品質を高める上で有利になる。そのことで、励起ビームのスポット形状をより適切に整形することができるようになる。
また、本開示の第5の態様によれば、前記光源から前記レーザ媒質に向かって、前記速軸コリメータ、前記ビームシェイパーおよび前記遅軸コリメータの順番で配置されている、としてもよい。
また、本開示の第6の態様によれば、前記固体レーザ発振器は、前記集光レンズとは異なる方向に前記レーザビームを集光する第2の集光レンズを備え、前記集光レンズおよび前記第2の集光レンズは、それぞれ、シリンドリカルレンズによって構成される、としてもよい。
前記第6の態様によると、2枚のシリンドリカルレンズを用いることで、縦横比が異なるレーザビームが出射される場合であっても、そのレーザビームを2つの方向で個別に集光することができるようになる。これにより、励起ビームのビーム品質を高める上で有利になる。
特に、遅軸方向に並んだ複数のエミッタにより、直線状のビームが光源から出力されるため、速軸方向に比して遅軸方向に拡がった光が出力される。そこで、前述の如き2枚のシリンドリカルレンズを用いることで、速軸方向と、遅軸方向とで、集光比率を変化させることができる。これにより、励起ビームの品質を高めることができる。
また、本開示の第7の態様によれば、前記共振器の共振器長に基づいて決定される前記出力ビームのビーム径と、前記真円化されたスポット形状の半径とが略一致するように構成され、前記集光レンズおよび前記第2の集光レンズそれぞれの曲率半径は、前記真円化されたスポット形状の半径に基づいて設定される、としてもよい。
前記第7の態様によると、集光レンズおよび第2の集光レンズそれぞれの曲率半径は、真円化されたスポット形状の半径、ひいては基本ビーム径に基づいて設定することができる。このように設定することは、励起ビームおよび出力ビームのビーム品質を高める上で好適に作用する。
また、本開示の第8の態様によれば、前記共振器は、前記出力ビームをパルス発振させる可飽和吸収体と、前記レーザ媒質と前記可飽和吸収体との間に配置されるブリュースタ板と、を有し、前記ブリュースタ板は、p偏光を透過し、s偏光を反射する、としてもよい。
前記第8の態様によると、ブリュースタ板により、速軸方向の直線偏向であるp偏光を取り出し、該取り出した直線偏向を可飽和吸収体に入射させることができる。波長変換の効率を低下させる虞がある遅軸方向の偏光成分を取り除くことで、波長変換を効率的に行うことができる。
また、本開示の第9の態様によれば、前記2つ以上のミラー、前記レーザ媒質、前記可飽和吸収体および前記ブリュースタ板は、共通のベースプレート上に固定される、としてもよい。
前記第9の態様によると、共振器を構成する各光学部品は、共通のベースプレート上に固定されることになる。このように構成することで、光学部品同士の位置関係を一定に保ち、ひいては、出力ビームのビーム品質を保つ上で有利になる。
特に、レーザ媒質の端面には、真円化されたスポット形状を有する励起ビームが入射するように、共振器を構成する各光学部品は、最適条件を満たすようにレイアウトが調整されている。これらの光学部品の相対的な位置関係が、外部からの振動、衝撃や、温度変化などによりわずかにでも変動すると、最適条件を満たさなくなる。この場合、真円化されたスポット形状が形成されず、出力ビームの品質が低下してしまう虞がある。共振器を構成する各光学部品同士の位置関係を一定に保つことで、出力ビームの品質が低下してしまう虞を取り除くことができる。
また、本開示の第10の態様によれば、前記第1の態様において、前記非傾斜状態における集光方向が前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの一方に沿ったものとすると、前記光軸に直交する断面視において、前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの一方と前記集光方向とがなす鋭角は、前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの他方と前記集光方向とがなす鋭角に比して小さい、としてもよい。
また、本開示の第11の態様によれば、前記第2の態様において、前記光軸に直交する断面視において、前記ビームシェイパーによる回転前の前記速軸方向と該ビームシェイパーによる回転後の前記遅軸方向とがなす鋭角は、前記ビームシェイパーによる回転前の前記遅軸方向と該ビームシェイパーによる回転後の前記遅軸方向とがなす鋭角に比して小さい、としてもよい。
また、本開示の第12の態様によれば、前記第3の態様において、前記光軸を通過する断面視において、前記光軸と前記中心軸とがなす鋭角は、前記遅軸方向および前記速軸方向に沿って延びる平面と前記中心軸とがなす鋭角に比して小さい、としてもよい。
また、本開示の第13の態様によれば、前記励起ビームは、前記光軸に垂直な断面視において、該光軸から離間するにしたがって漸減する単峰性の強度分布をなす、としてもよい。
前記第13の態様によると、励起ビームの強度分布は、一様な分布ではなく、いわゆるガウシアンビームのように、ガウシアン状の分布となる。これにより、より高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
以上説明したように、本開示によれば、エンドポンピング方式の固体レーザ発振器において、高効率なTEM00発振を実現することができる。
図1は、分析観察装置の全体構成を例示する模式図である。 図2は、光学系アセンブリを例示する斜視図である。 図3は、光学系アセンブリを例示する側面図である。 図4は、光学系アセンブリを例示する正面図である。 図5は、光学系アセンブリを例示する分解斜視図である。 図6は、光学系アセンブリの構成を模式化して示す側面図である。 図7は、分析光学系の構成を例示する模式図である。 図8Aは、ヘッド部の水平移動について説明するための図である。 図8Bは、ヘッド部の水平移動について説明するための図である。 図9は、コントローラ本体の構成を例示するブロック図である。 図10は、分析観察装置の基本動作を例示するフローチャートである。 図11は、レーザ出射部の外観を例示する斜視図である。 図12は、筐体から第1蓋体および第2蓋体を取り外した状態を概略的に例示する平面図である。 図13は、レーザ出射部を構成する光学部品のレイアウトを例示する平面図である。 図14は、励起光源の構成を例示する斜視図である。 図15Aは、レーザビームに基づいて励起ビームを生成するための光学部品のレイアウトを例示する側面図である。 図15Bは、レーザビームに基づいて励起ビームを生成するための光学部品のレイアウトを例示する平面図である。 図16は、第1の方策について説明するための図である。 図17は、第2の方策について説明するための図である。 図18は、第3の方策について説明するための図である。 図19Aは、第1の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図19Bは、第1の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図19Cは、第1の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図19Dは、第1の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図20Aは、第2の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図20Bは、第2の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図20Cは、第2の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図20Dは、第2の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図21Aは、第3の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図21Bは、第3の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図21Cは、第3の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図21Dは、第3の方策を採用した場合のスポット形状の計測結果を示す図である。 図22は、共振器の概略構成を例示する縦断面図である。
以下、本開示の図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。
<分析観察装置Aの全体構成>
図1は、本開示の実施形態に係る固体レーザ発振器を備える分析観察装置Aの全体構成を例示する模式図である。図1に例示される分析観察装置Aは、載置台5に載置された観察対象物および分析対象物としてのサンプルSPの拡大観察を行うとともに、該サンプルSPの成分分析を行うことができる。特に本実施形態に係る載置台5は、開放空間に設けられるように構成されており、大気開放状態でサンプルSPの成分分析等を行うことができる。
詳しくは、本実施形態に係る分析観察装置Aは、例えば微少物体等の試料、電子部品、被加工物等からなるサンプルSPを拡大して撮像することで、そのサンプルSPにおいて成分分析が行われるべき部位を探索したり、その外観の検査、計測等を行ったりすることができる。分析観察装置Aは、その観察機能に着目した場合、拡大観察装置と呼称したり、単に顕微鏡と呼称したり、あるいは、デジタルマイクロスコープと呼称したりすることができる。
分析観察装置Aはまた、サンプルSPの成分分析に際し、レーザ誘起ブレークダウン法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)、レーザ誘起プラズマ分光法(Laser Induced Plasma Spectroscopy:LIPS)等と呼称される手法を実施することができる。分析観察装置Aは、その分析機能に着目した場合、成分分析装置と呼称したり、単に分析装置と呼称したり、あるいは、分光装置と呼称したりすることもできる。
図1に示すように、本実施形態に係る分析観察装置Aは、主要な構成要素として、光学系アセンブリ(光学系本体)1と、コントローラ本体2と、操作部3と、を備える。
このうち、光学系アセンブリ1は、サンプルSPの撮像および分析を行うとともに、その撮像結果および分析結果に対応した電気信号を外部に出力することができる。
コントローラ本体2は、第1カメラ81等、光学系アセンブリ1を構成する種々の部品を制御するための制御部21を有する。コントローラ本体2は、制御部21を介して、光学系アセンブリ1にサンプルSPの観察および分析を行わせることができる。コントローラ本体2はまた、種々の情報を表示可能な表示部22を有する。この表示部22には、光学系アセンブリ1において撮像された画像、サンプルSPの分析結果を示すデータ等を表示することができる。
操作部3は、ユーザによる操作入力を受け付けるマウス31、コンソール32およびキーボード33を有する(キーボード33は、図15Aにのみ図示)。コンソール32は、ボタン、調整ツマミ等を操作することで、コントローラ本体2に画像データの取込、明るさ調整、第1カメラ81のピント合わせ等を指示することができる。
なお、操作部3は、マウス31、コンソール32およびキーボード33を3つとも有する必要はなく、任意の1つまたは2つを有していてもよい。また、マウス31、コンソール32およびキーボード33に加えてまたは代えて、タッチパネル式の入力装置、音声式の入力装置等を用いてもよい。タッチパネル式の入力装置の場合、表示部22に表示されている画面上の任意の位置を検出可能に構成することができる。
<光学系アセンブリ1の詳細>
図2~図4は、それぞれ、光学系アセンブリ1を例示する斜視図、側面図および正面図である。また、図5は光学系アセンブリ1の分解斜視図であり、図6は光学系アセンブリ1の構成を模式化して示す側面図である。
図1~図6に示すように、光学系アセンブリ1は、各種機器を支持するとともにサンプルSPが載置されるステージ4と、このステージ4に取り付けられるヘッド部6と、を備える。ここで、ヘッド部6は、分析光学系7が収容された分析筐体70に、観察光学系9が収容された観察筐体90を装着してなる。ここで、分析光学系7はサンプルSPの成分分析を行うための光学系である。観察光学系9はサンプルSPの拡大観察を行うための光学系である。ヘッド部6は、サンプルSPの分析機能と拡大観察機能とを兼ね備えた装置群として構成されている。
なお、以下の説明では、図1~図4に示すように光学系アセンブリ1の前後方向および左右方向が定義される。すなわち、ユーザと対面する一側が光学系アセンブリ1の前側であり、これと反対側が光学系アセンブリ1の後側であり、ユーザと光学系アセンブリ1とが対面したときに、そのユーザから見て右側が光学系アセンブリ1の右側であり、ユーザから見て左側が光学系アセンブリ1の左側である。なお、前後方向および左右方向の定義は、説明の理解を助けるためのものであり、実際の使用状態を限定するものではない。いずれの方向が前となるように使用してもよい。
また、以下の説明では、光学系アセンブリ1の左右方向を「X方向」とし、光学系アセンブリ1の前後方向を「Y方向」とし、光学系アセンブリ1の上下方向を「Z方向」とし、このZ軸に平行な軸を中心に回転する方向を「φ方向」と定義する。X方向とY方向とは同一水平面上で互いに直交しており、その水平面に沿った方向を「水平方向」と定義する。Z軸は、その水平面に対して直交する法線の方向である。これらの定義についても、適宜変更することが可能である。
また、ヘッド部6は、図2~図6に示す中心軸Acに沿って移動したり、この中心軸Acまわりに揺動したりすることができる。この中心軸Acは、図6等に示すように、前述の水平方向、特に前後方向に沿って延びるように構成される。
(ステージ4)
ステージ4は、作業台等に設置されるベース41と、ベース41に接続されたスタンド42と、ベース41またはスタンド42によって支持された載置台5と、を有する。このステージ4は、載置台5およびヘッド部6の相対的な位置関係を規定するための部材であり、少なくとも、ヘッド部6の観察光学系9および分析光学系7を取付可能に構成される。
ベース41は、ステージ4の略下半部を構成しており、図2に示すように、左右方向の寸法に比して、前後方向の寸法が長い台座状に形成される。ベース41は、作業台等に設置される底面を有する。ベース41の前側部分には、載置台5が取り付けられる。
また、図6等に示すように、ベース41の後側部分(特に、載置台5よりも後側に位置する部分)には、第1支持部41aと第2支持部41bが、前側から順番に並んだ状態で設けられる。第1および第2支持部41a,41bは、双方ともベース41から上方へ突出するように設けられる。第1および第2支持部41a,41bには、前記中心軸Acと同心になるように配置される円形の軸受孔(不図示)が形成される。
スタンド42は、ステージ4の上半部を構成しており、図2~図3、図6等に示すように、ベース41(特にベース41の底面)に対して垂直な上下方向に延びる柱状に形成される。スタンド42における上側部分の前面には、別体の装着具43を介してヘッド部6が取り付けられる。
また、図6等に示すように、スタンド42の下側部分には、第1取付部42aと第2取付部42bが、前側から順番に並んだ状態で設けられる。第1および第2取付部42a,42bは、前述の第1および第2支持部41a,41bに対応した構成とされている。具体的に、第1および第2支持部41a,41bならびに第1および第2取付部42a,42bは、第1取付部42aと第2取付部42bによって第1支持部41aを挟み込むとともに、第1支持部41aと第2支持部41bによって第2取付部42bを挟み込むようにレイアウトされる。
また、第1および第2取付部42a,42bには、第1および第2支持部41a,41bに形成された軸受孔と同心かつ同径に構成された円形の軸受孔(不図示)が形成される。これら軸受孔に対し、クロスローラベアリング等のベアリング(不図示)を介して軸部材44が挿入される。この軸部材44は、その軸心が前述の中心軸Acと同心になるように配置される。軸部材44を挿入することで、ベース41とスタンド42は、相対的に揺動可能に連結される。軸部材44は、第1および第2支持部41a,41bならびに第1および第2取付部42a,42bとともに、本実施形態における傾斜機構45を構成する。
傾斜機構45を介してベース41とスタンド42を連結することで、スタンド42は、中心軸Acまわりに揺動可能な状態で、ベース41によって支持されることになる。スタンド42は、中心軸Acまわりに揺動することで、所定の基準軸Aiに対して左右方向に傾斜することになる(図14Aおよび図14Bを参照)。この基準軸Aiは、図4等に示す非傾斜状態においては、載置台5の上面(載置面51a)に垂直に延びる軸とすることができる。また、中心軸Acは、傾斜機構45による揺動の中心軸(回転中心)として機能することになる。
具体的に、本実施形態に係る傾斜機構45は、スタンド42を基準軸Aiに対して右側に90°程度傾斜させたり、基準軸Aiに対して左側に60°程度傾斜させたりすることができるようになっている。前述のように、スタンド42にはヘッド部6が取り付けられることになるため、このヘッド部6もまた、基準軸Aiに対して左右方向に傾斜させることができる。ヘッド部6を傾斜させることは、分析光学系7および観察光学系9を傾斜させること、ひいては、後述の分析光軸Aaおよび観察光軸Aoを傾斜させることに等しい。
装着具43は、スタンド42の長手方向に沿ってヘッド部6を案内するレール部43aと、レール部43aに対するヘッド部6の相対位置をロックするためのロックレバー43bと、を有する。ここで、スタンド42の長手方向は、非傾斜状態では上下方向(第1方向)に一致するとともに、分析光軸Aa、観察光軸Aoおよび基準軸Aiに沿って延びる方向に一致する。スタンド42の長手方向は、傾斜状態では上下方向および基準軸Aiに沿って延びる方向とは不一致になるものの、分析光軸Aaおよび観察光軸Aoに沿って延びる方向とは依然として一致する。スタンド42の長手方向は、以下の記載では「略上下方向」とも呼称される。
レール部43aにはヘッド部6の後面部分(具体的にはヘッド取付部材61)が挿入される。レール部43aは、その後面部分を略上下方向に沿って移動させることができる。そして、ヘッド部6を所望位置に設定した状態でロックレバー43bを操作することで、ヘッド部6を所望位置に固定することができる。また、図2~図3に示される第1操作ダイヤル46を操作することで、ヘッド部6の位置調整を行うこともできる。
さらに、ステージ4またはヘッド部6には、該ヘッド部6を略上下方向に移動させるためのヘッド駆動部47が内蔵される。このヘッド駆動部47は、コントローラ本体2によって制御される不図示のアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)と、そのステッピングモータの出力軸の回転を略上下方向の直線運動に変換する運動変換機構とを含んでおり、コントローラ本体2から入力される駆動パルスに基づいてヘッド部6を移動させる。ヘッド駆動部47がヘッド部6を移動させることで、このヘッド部6、ひいては分析光軸Aaおよび観察光軸Aoを略上下方向に沿って移動させることができる。
載置台5は、ベース41の前後方向中央部よりも前側に配置されており、このベース41の上面に取り付けられている。載置台5は、開放空間に設けられた電動式の載置台として構成されており、その載置面51a上に載置されたサンプルSPを水平方向に沿って移動させたり、上下方向に沿って昇降させたり、φ方向に沿って回動させたりすることができる。載置台5を開放空間に設けることで、載置面51a付近の空間は、カバー等の部材によって覆われていない非遮蔽空間となる。これにより、載置面51a上に載置されたサンプルSPに対し外部からアクセスすることが可能となり、サンプルSPの位置調整等を手作業または工具を用いて行うことができるようになる。さらに、載置面51a付近の空間が非遮蔽空間となることで、載置面51a上の空間を有効に活用し、比較的大きなサンプルSPを載置することもできるようになる。
具体的に、本実施形態に係る載置台5は、図2~図4に示すように、サンプルSPを載置するための載置面51aを有する載置台本体51と、ベース41および載置台本体51の間に配置されかつ載置台本体51を変位させる載置台支持部52と、後述の図15Bに示す載置台駆動部53と、を有する。
載置台本体51は、いわゆるXYステージとして構成されている。載置台本体51の上面は、サンプルSPが載置される載置面51aを構成している。この載置面51aは、略水平方向に沿って延びるように形成される。載置面51aには、大気開放状態、すなわち真空室等に収容されない状態でサンプルSPが載置される。
載置台支持部52は、ベース41と載置台本体51とを連結する部材であり、上下方向に沿って延びる略円柱状に形成される。載置台支持部52には、載置台駆動部53を収容することができる。
載置台駆動部53は、コントローラ本体2によって制御される不図示かつ複数のアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)と、そのステッピングモータの出力軸の回転を直線運動に変換する運動変換機構とを含んでおり、コントローラ本体2から入力される駆動パルスに基づいて載置台本体51を移動させる。載置台駆動部53が載置台本体51を移動させることで、この載置台本体51、ひいては、その載置面51aに載置されたサンプルSPを、水平方向および上下方向に沿って移動させることができる。
同様に、載置台駆動部53は、コントローラ本体2から入力される駆動パルスに基づいて、載置台本体51を所定の回転軸まわりにφ方向に沿って回転させることもできる。載置台駆動部53が載置台本体51を回転させることで、載置面51aに載置されたサンプルSPを、φ方向に回動させることもできる。なお、載置台駆動部53を備えた構成は必須ではない。載置台本体51を手動で回転させるように構成してもよい。
特に、本実施形態に係る載置面51aは、前記回転軸として、図6等に示した基準軸Aiまわりに回転可能に構成されている。つまり、本実施形態では、傾斜の基準となる基準軸Aiと、載置面51aの回転軸とが同軸化されている。
また、図2に例示される第2操作ダイヤル54等を操作することで、載置台本体51を手動で移動および回転させることもできる。第2操作ダイヤル54の詳細は省略する。
(ヘッド部6)
ヘッド部6は、ヘッド取付部材61と、分析筐体70に分析光学系7を収容してなる分析ユニット62と、観察筐体90に観察光学系9を収容してなる観察ユニット63と、筐体連結具64と、スライド機構(水平駆動機構)65と、を有する(分析ユニット62および観察ユニット63は、図5にのみ図示)。ヘッド取付部材61は、分析筐体70をスタンド42に接続するための部材である。分析ユニット62は、分析光学系7によってサンプルSPの成分分析を行うための装置である。観察ユニット63は、観察光学系9によってサンプルSPの観察を行うための装置である。筐体連結具64は、観察筐体90を分析筐体70に接続するための部材である。スライド機構65は、スタンド42に対して分析筐体70をスライド移動させるための機構である。
詳しくは、本実施形態に係るヘッド取付部材61は、ヘッド部6の後側に配置されており、スタンド42にヘッド部6を取り付けるための板状部材として構成される。前述のように、ヘッド取付部材61は、スタンド42の装着具43に固定される。
ヘッド取付部材61は、ヘッド部6の後面と略平行に延びるプレート本体61aと、プレート本体61aの下端部から前方に突出するカバー部材61bと、を有する。プレート本体61aは、サンプルSPに反射型対物レンズ74を向かい合わせた後述の第1モードにおいては、ヘッド部6の後面と密着または近接する。プレート本体61aは、サンプルSPに対物レンズ92を向かい合わせた後述の第2モードにおいては、前後方向においてヘッド部6の後面から離間する。
また、ヘッド取付部材61の左端部には、スライド機構65を構成するガイドレール65aが取り付けられている(図8Bにのみ図示)。ガイドレール65aは、ヘッド取付部材61と、ヘッド部6における他の要素(具体的には、分析光学系7、観察光学系9および筐体連結具64)と、を水平方向に相対変位可能に連結する。
以下、分析観察装置Aの要部である分析ユニット62、観察ユニット63、筐体連結具64、および、スライド機構65について順番に説明する。その後、本実施形態に係る固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71について、詳細に説明する。
-分析ユニット62-
図7は、分析光学系7の構成を例示する模式図である。
分析光学系7は、例えばLIBS法を用いた分析を行うことができる。この分析光学系7には、コントローラ本体2との間で電気信号を送受するための通信ケーブルC1が接続される。この通信ケーブルC1は必須ではなく、分析光学系7とコントローラ本体2とを無線通信によって接続してもよい。
なお、ここでいう「光学系」の語は、広義で用いる。すなわち、分析光学系7は、レンズ等の光学素子に加え、光源、撮像素子等を包括したシステムとして定義される。観察光学系9についても同様である。
図7に示すように、本実施形態に係る分析光学系7は、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71と、出力調整手段72と、偏向素子73と、反射型対物レンズ74と、分光素子75と、第1パラボリックミラー76Aと、第1検出器77Aと、第1ビームスプリッター78Aと、第2パラボリックミラー76Bと、第2検出器77Bと、第2ビームスプリッター78Bと、同軸照明79と、結像レンズ80と、第1カメラ81と、側射照明84と、を含んでなる。分析光学系7の構成要素のうちの一部は、図6にも示す。また、側射照明84は、図9のみに示す。
レーザ出射部71は、制御部21からの出射許可信号に基づいて、サンプルSPに1次電磁波を出射する。特に、本実施形態に係るレーザ出射部71は、1次電磁波としてのレーザ光をサンプルSPに出射するレーザ光源によって構成される。レーザ出射部71は、本実施形態における「固体レーザ発振器」の例示である。レーザ出射部71の詳細は後述する。
詳細は後述するが、本実施形態に係るレーザ出射部71は、1次電磁波として、紫外線からなるレーザ光を出力することができる。これにより、ガラスの様に光学的に透明なサンプルSPに対してもLIBS法による分析を行うことができる。加えて、紫外域にあるレーザ光は、人間の網膜に到達する割合が非常に少ない。網膜上でレーザ光が結像しないように構成することで、装置の安全性を高めることができる。
出力調整手段72は、レーザ出射部71と偏向素子73を結ぶ光路上に配置されており、レーザ光(1次電磁波)の出力を調整することができる。具体的に、本実施形態に係る出力調整手段72は、1/2波長板72aと、偏光ビームスプリッター72bと、を有する。1/2波長板72aは、偏光ビームスプリッター72bに対して相対的に回転するように構成されており、その回転角度を制御することで、偏光ビームスプリッター72bを通過する光量を調整することができる。
出力調整手段72によってその出力が調整されたレーザ光(1次電磁波)は、不図示のミラーによって反射された偏向素子73に入射する。
詳しくは、偏向素子73は、レーザ出射部71から出力されて出力調整手段72を通過したレーザ光を反射させ、反射型対物レンズ74を介してサンプルSPに導く一方、このレーザ光に対応してサンプルSPにおいて発生した光(サンプルSPの表面で生じるプラズマ化に伴って発せられる光であり、以下、「プラズマ光」と呼称する)を通過させ、これを第1検出器77A、第2検出器77Bに導くようにレイアウトされている。偏向素子73はまた、撮像用に集光した可視光を通過させ、その大部分を第1カメラ81に導くようにレイアウトされている。
偏向素子73によって反射された紫外レーザ光は、平行光として分析光軸Aaに沿って伝搬し、反射型対物レンズ74に至る。
収集ヘッドとしての反射型対物レンズ74は、レーザ出射部71から出射された1次電磁波がサンプルSPに照射されることによって該サンプルSPにおいて生じた2次電磁波を収集するように構成されている。特に、本実施形態に係る反射型対物レンズ74は、1次電磁波としてのレーザ光を集光してサンプルSPに照射するとともに、サンプルSPに照射されたレーザ光(1次電磁波)に対応してサンプルSPにおいて発生したプラズマ光(2次電磁波)を収集するように構成されている。この場合、2次電磁波は、サンプルSPの表面で生じるプラズマ化に伴って発せられるプラズマ光に相当する。
反射型対物レンズ74は、レーザ出射部71からの1次電磁波の出射に係る光学系と、第1カメラ81での反射光の受光ならびに第1および第2検出器77A,77Bでの2次電磁波の受光に係る光学系と、を同軸化するように構成されている。言い換えると、反射型対物レンズ74は、2種類の光学系で共有化されている。
反射型対物レンズ74は、前述の略上下方向に沿って延びる分析光軸Aaを有する。分析光軸Aaは、観察光学系9の対物レンズ92が有する観察光軸Aoと平行になるように設けられる。
詳しくは、本実施形態に係る反射型対物レンズ74は、2枚のミラーからなるシュヴァルツシルト型の対物レンズである。この反射型対物レンズ74は、円環状かつ相対的に大径の1次ミラー74aと、円板状かつ相対的に小径の2次ミラー74bと、を有する。
1次ミラー74aは、その中央部に設けた開口によってレーザ光(1次電磁波)を通過させる一方、その周囲に設けられた鏡面によってサンプルSPにて発生したプラズマ光(2次電磁波)を反射させる。後者のプラズマ光は、2次ミラー74bの鏡面によって再び反射され、レーザ光と同軸化された状態で1次ミラー74aの開口を通過する。
2次ミラー74bは、1次ミラー74aの開口を通過したレーザ光を透過させる一方、1次ミラー74aによって反射されたプラズマ光を集光して反射するように構成される。前者のレーザ光はサンプルSPに照射される一方、後者のプラズマ光は、前述のように1次ミラー74aの開口を通過して偏向素子73に至る。
したがって、反射型対物レンズ74にレーザ光を入力すると、そのレーザ光は、反射型対物レンズ74の中央部に配置された2次ミラー74bを透過してサンプルSPの表面に到達する。サンプルSPに到達したレーザ光によってサンプルSPが局所的にプラズマ化し、それに伴ってプラズマ光が発せられると、そのプラズマ光は2次ミラー74bの周囲に設けた開口を通過して1次ミラー74aに到達する。1次ミラー74aに到達したプラズマ光は、その鏡面によって反射されて2次ミラー74bに到達し、2次ミラー74bによって再び反射されて反射型対物レンズ74から偏向素子73に至る。偏向素子73に到達した反射光は、該偏向素子73を通過して分光素子75に至る。
分光素子75は、反射型対物レンズ74の光軸方向(分析光軸Aaに沿った方向)において偏向素子73と第1ビームスプリッター78Aとの間に配置されており、サンプルSPで発生したプラズマ光のうちの一部を第1検出器77Aに導く一方、他部を第2検出器77B等へ導く。後者のプラズマ光は、その大部分が第2検出器77Bに導かれるものの、その残りは第1カメラ81に至る。
詳しくは、サンプルSPから戻るプラズマ光(2次電磁波)には、1次電磁波としてのレーザ光に対応した波長以外にも種々の波長成分が含まれる。そこで、本実施形態に係る分光素子75は、サンプルSPから戻る2次電磁波のうち短い波長帯域の電磁波を反射させ、それを第1検出器77Aに導く。分光素子75はまた、それ以外の帯域の電磁波を透過させ、それを第2検出器77B等に導く。
第1パラボリックミラー76Aは、いわゆる放物面鏡であり、分光素子75と第1検出器77Aとの間に配置される。第1パラボリックミラー76Aは、分光素子75によって反射された2次電磁波を集光し、集光された2次電磁波を第1検出器77Aに入射させる。
第1検出器77Aは、サンプルSPにおいて発生しかつ反射型対物レンズ74によって収集されたプラズマ光(2次電磁波)を受光し、該プラズマ光の波長毎の強度分布である強度分布スペクトルを生成する。
特に、レーザ光源によってレーザ出射部71を構成するとともに、1次電磁波としてのレーザ光の照射に対応して発生した2次電磁波としてのプラズマ光を集光するように反射型対物レンズ74を構成した場合、第1検出器77Aは、波長毎に異なる角度に光を反射させることで光を分離し、分離させた各々を複数の画素を有する撮像素子に入射させる。これにより、各画素によって受光される光の波長を相違させるとともに、波長毎に受光強度を取得することができる。この場合、強度分布スペクトルは、光の波長毎の強度分布に相当する。
なお、強度分布スペクトルは、波数毎に取得された受光強度によって構成してもよい。波長と波数とは一意に対応しているため、波数毎に取得された受光強度を用いた場合であっても、強度分布スペクトルを波長毎の強度分布とみなすことができる。後述の第2検出器77Bにおいても同様である。
第1検出器77Aとしては、例えばツェルニターナー型の検出器をベースしたものを用いることができる。第1検出器77Aの入射スリットは、第1パラボリックミラー76Aの焦点位置にアライメントされている。第1検出器77Aによって生成された強度分布スペクトルは、コントローラ本体2の制御部21に入力される。
第1ビームスプリッター78Aは、分光素子75を透過した光のうちの一部(可視光帯域を含む赤外側の2次電磁波)を反射して第2検出器77Bに導く一方、他部(可視光帯域の一部)を透過して第2ビームスプリッター78Bに導く。可視光帯域に属するプラズマ光のうち、相対的に多量のプラズマ光が第2検出器77Bに導かれ、相対的に少量のプラズマ光が、第2ビームスプリッター78Bを介して第1カメラ81に導かれる。
第2パラボリックミラー76Bは、第1パラボリックミラー76Aと同様にいわゆる放物面鏡であり、第1ビームスプリッター78Aと第2検出器77Bとの間に配置される。第2パラボリックミラー76Bは、第1ビームスプリッター78Aによって反射された2次電磁波を集光し、集光された2次電磁波を第2検出器77Bに入射させる。
第2検出器77Bは、第1検出器77Aと同様に、レーザ出射部71から出射された1次電磁波がサンプルSPに照射されることによってサンプルSPで生じた2次電磁波を受光し、該2次電磁波の波長毎の強度分布である強度分布スペクトルを生成する。
特に、レーザ光源によってレーザ出射部71を構成するとともに、1次電磁波としてのレーザ光の照射に対応して発生した2次電磁波としてのプラズマ光を集光するように反射型対物レンズ74を構成した場合、第2検出器77Bは、波長毎に異なる角度に光を反射させることで光を分離し、分離させた各々を複数の画素を有する撮像素子に入射させる。これにより、各画素によって受光される光の波長を相違させるとともに、波長毎に受光強度を取得することができる。この場合、強度分布スペクトルは、光の波長毎の強度分布に相当する。
第2検出器77Bとしては、例えばツェルニターナー型の検出器をベースにしたものを用いることができる。第2検出器77Bの入射スリットは、第1パラボリックミラー76Aの焦点位置にアライメントされている。第2検出器77Bによって生成された強度分布スペクトルは、第1検出器77Aによって生成された強度分布スペクトルと同様に、コントローラ本体2の制御部21に入力される。
制御部21には、第1検出器77Aによって生成された紫外側の強度分布スペクトルと、第2検出器77Bによって生成された赤外側の強度分布スペクトルと、が入力される。制御部21は、それらの強度分布スペクトルに基づいて、後述の基本原理を用いてサンプルSPの成分分析を行う。制御部21は、紫外側の強度分布スペクトルと、赤外側の強度分布スペクトルとを組合わせて用いることで、より広い周波数域を利用した成分分析を行うことができる。
第2ビームスプリッター78Bは、LED光源79aから発せられて光学素子79bを通過した照明光(可視光)を反射して、これを第1ビームスプリッター78A、分光素子75、偏向素子73および反射型対物レンズ74を介してサンプルSPに照射する。サンプルSPで反射された反射光(可視光)は、反射型対物レンズ74を介して分析光学系7に戻る。
同軸照明79は、照明光を発するLED光源79aと、LED光源79aから発せられた照明光が通過する光学素子79bと、を有する。同軸照明79は、いわゆる「同軸落射照明」として機能する。LED光源79aから照射される照明光は、レーザ出射部71から出力されてサンプルSPに照射されるレーザ光(1次電磁波)、および、サンプルSPから戻る光(2次電磁波)と同軸に伝搬する。
詳しくは、同軸照明79は、レーザ出射部71から出射される1次電磁波と同軸化された光路を介して照明光を照射する。具体的に、照明光の光路のうち偏向素子73と反射型対物レンズ74とを結ぶ部分が、1次電磁波の光路と同軸化されている。また、照明光の光路のうち第1ビームスプリッター78Aと反射型対物レンズ74とを結ぶ部分が、2次電磁波の光路と同軸化されている。
第2ビームスプリッター78Bはまた、分析光学系7に戻った反射光のうち、第1ビームスプリッター78Aを透過した反射光と、第1および第2検出器77A,77Bに到達せずに第1ビームスプリッター78Aを透過したプラズマ光とをさらに透過させ、結像レンズ80を介して第1カメラ81に入射させる。
同軸照明79は、図7に示す例では分析筐体70に内蔵されているが、本開示は、そうした構成には限定されない。例えば、分析筐体70の外部に光源をレイアウトし、その光源と分析光学系7とを光ファイバーケーブルを介して結合してもよい。
側射照明84は、反射型対物レンズ74を取り囲むように配置される。図示は省略するが、側射照明84は、サンプルSPの側方(言い換えると、分析光軸Aaに対して傾斜した方向)から照明光を照射する。
第1カメラ81は、サンプルSPで反射された反射光を、反射型対物レンズ74を介して受光する。第1カメラ81は、受光した反射光の受光量を検出することで、サンプルSPを撮像する。
具体的に、本実施形態に係る第1カメラ81は、その受光面に配置された複数の画素によって結像レンズ80を通じて入射した光を光電変換し、被写体(サンプルSP)の光学像に対応した電気信号に変換する。
第1カメラ81は、受光面に沿って複数の受光素子を並べたものとすればよい。この場合、各受光素子が画素に対応することになり、各受光素子での受光量に基づいた電気信号を生成することができるようになる。具体的に、本実施形態に係る第1カメラ81は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)からなるイメージセンサによって構成されているが、この構成には限定されない。第1カメラ81としては、例えばCCD(Charged-Coupled Device)からなるイメージセンサを使用することもできる。
そして、第1カメラ81は、各受光素子での受光量を検出することで生成される電気信号をコントローラ本体2の制御部21に入力する。制御部21は、入力された電気信号に基づいて、被写体の光学像に対応した画像データを生成する。制御部21は、そうして生成された画像データを、被写体を撮像してなる画像として表示部22等に表示させることができる。
ここまでに説明した光学部品は、前述の分析筐体70に収容される。分析筐体70の下面には、貫通孔70aが設けられている。反射型対物レンズ74は、この貫通孔70aを介して載置面51aと対峙する。
分析筐体70内には、図7に示す遮蔽部材83が配置されていてもよい。この遮蔽部材83は、貫通孔70aと反射型対物レンズ74の間に配置されており、コントローラ本体2から入力される電気信号に基づいて、レーザ光の光路上に挿入することができる(図7の点線部を参照)。遮蔽部材83は、少なくともレーザ光を透過不能に構成されている。
光路上に遮蔽部材83を挿入することで、分析筐体70からのレーザ光の出射を制限することができる。遮蔽部材83は、レーザ出射部71と出力調整手段72との間に配置してもよい。
また、分析筐体70には、反射型対物レンズ74の着脱を検知するための着脱検知センサ82が設けられてもよい(図9にのみ図示)。着脱検知センサ82の検知信号に基づいて、制御部21は、レーザ光の出射を許可する出射許可信号、および、レーザ光の出射を不許可とする出射不許可信号のうちの少なくとも一方を生成することができる。
例えば、着脱検知センサ82は、反射型対物レンズ74が分析筐体70に取り付けられていることを検知すると、そのことを示す検知信号を制御部21に入力する。制御部21は、その検知信号を受けて出射許可信号を生成する。また、着脱検知センサ82は、反射型対物レンズ74が分析筐体70に非装着であることを検知すると、そのことを示す検知信号を制御部21に入力する。制御部21は、その検知信号を受けて出射不許可信号を生成する。
反射型対物レンズ74は、レーザ出射部71から出射されるレーザ光を集光する機能を有する。着脱検知センサ82の検知信号に基づいて出射許可信号が生成された場合にのみ、分析筐体70からの集光されたレーザ光の出射が許可される。これに対し、反射型対物レンズ74が非装着の状態では、レーザ光の出射は不許可となる。このように、着脱検知センサ82の検知信号に基づいてレーザ光の出射許可と出射不許可とを切り替えることで、分析観察装置Aの安全性をより一層向上させることができる。なお、着脱検知センサ82の検知信号に基づいて出射許可信号または出射不許可信号を生成する代わりに、着脱検知センサ82の検知信号を、そのまま出射許可信号または出射不許可信号として用いてもよい。
-分析光学系7による分析の基本原理-
制御部21は、検出器としての第1検出器77Aおよび第2検出器77Bから入力された強度分布スペクトルに基づいて、サンプルSPの成分分析を実行する。具体的な分析手法としては、前述のようにLIBS法を用いることができる。LIBS法は、サンプルSPに含まれる成分を元素レベルで分析する手法(いわゆる元素分析法)である。
一般に、物質に高いエネルギーを付与すると、原子核から電子が分離することで、その物質はプラズマ状態となる。原子核から分離した電子は、一時的に高エネルギーかつ不安定な状態となるものの、その状態からエネルギーを失うことで、再び原子核によって捕捉されて低エネルギーかつ安定な状態に遷移する(換言すれば、プラズマ状態から非プラズマ状態に戻る)ことになる。
ここで、電子から失われるエネルギーは、電磁波として電子から放出されるものの、その電磁波のエネルギーの大きさは、各元素に固有の殻構造に基づいたエネルギー準位によって規定されることになる。つまり、プラズマから非プラズマ状態に電子が戻る際に放出される電磁波のエネルギーは、元素(より正確には、原子核に束縛された電子の軌道)毎に固有の値を持つ。電磁波のエネルギーの大きさは、その電磁波の波長によって規定される。ゆえに、電子から放出される電磁波の波長分布、すなわちプラズマ化に際して物質から放出される光の波長分布を解析することで、その物質に含まれる成分を元素レベルで解析することができるようになる。このような手法は、一般に原子発光分光(Atomic Emission Spectroscopy:AES)法と呼称される。
LIBS法は、このAES法に属する分析手法である。具体的に、LIBS法では、物質(サンプルSP)に対してレーザ(1次電磁波)を照射することで、その物質にエネルギーを付与することになる。ここで、レーザの照射部位が局所的にプラズマ化されるため、そのプラズマ化に伴い発せられるプラズマ光(2次電磁波)の強度分布スペクトルを解析することで、物質の成分分析を行うことができるようになっている。
すなわち、上記のように、各プラズマ光(2次電磁波)の波長は、元素毎に固有の値を持つため、強度分布スペクトルが特定の波長においてピークを形成する場合、そのピークに対応した元素がサンプルSPの成分となる。そして、強度分布スペクトルに複数のピークが含まれる場合、各ピークの強度(受光量)を比較することで、各元素の成分比を算出することができる。
LIBS法によれば、真空引きが不要であり、大気開放状態で成分分析を行うことができる。また、サンプルSPの破壊試験ではあるものの、サンプルSP全体を溶解させるなどの処理は不要であり、サンプルSPの位置情報が残存する(局所的な破壊試験にすぎない)。
-観察ユニット63-
観察ユニット63は、観察光学系9と、観察光学系9が収容された観察筐体90と、を有する。観察光学系9は、観察対象物としてのサンプルSPの観察を行うための部品の集合であり、各部品が観察筐体90に収容されるようになっている。観察筐体90は、前述した分析筐体70とは別体に構成されており、撮像部としての第2カメラ93を収容する。また、サンプルSPの観察を行うための要素には、コントローラ本体2の制御部21も含まれる。
観察光学系9は、対物レンズ92を有するレンズユニット9aを備える。このレンズユニット9aは、図3等に示すように、観察筐体90の下端側に配置された筒状のレンズ鏡筒に相当する。レンズユニット9aは、分析筐体70によって保持される。レンズユニット9aは、観察筐体90から単体で取り外すことができる。
観察筐体90には、コントローラ本体2との間で電気信号を送受するための通信ケーブルC2と、外部から照明光を導光するための光ファイバーケーブルC3と、が接続される。なお、通信ケーブルC2は必須ではなく、観察光学系9とコントローラ本体2とを無線通信によって接続してもよい。
具体的に、観察光学系9は、図6に示すように、ミラー群91と、対物レンズ92と、撮像部としての第2カメラ93と、第2の同軸照明94と、第2の側射照明95と、倍率変更部としての拡大光学系96と、を含んでなる。
対物レンズ92は、略上下方向に沿って延びる観察光軸Aoを有し、照明光を集光して載置台本体51に載置されたサンプルSPに照射するとともに、そのサンプルSPからの光(反射光)を集光する。観察光軸Aoは、分析光学系7の反射型対物レンズ74が有する分析光軸Aaと平行になるように設けられる。対物レンズ92によって収集された反射光は、第2カメラ93によって受光される。
ミラー群91は、対物レンズ92によって収集された反射光を透過させ、これを第2カメラ93に導く。本実施形態に係るミラー群91は、図6に例示されるように全反射ミラーとビームスプリッター等を用いて構成することができる。ミラー群91はまた、第2の同軸照明94から照射された照明光を反射して、これを対物レンズ92に導く。
第2カメラ93は、サンプルSPで反射された反射光を、対物レンズ92を介して受光する。第2カメラ93は、受光した反射光の受光量を検出することで、サンプルSPを撮像する。
具体的に、本実施形態に係る第2カメラ93は、その受光面に配置された複数の画素によってサンプルSPから対物レンズ92を通じて入射した光を光電変換し、被写体(サンプルSP)の光学像に対応した電気信号に変換する。
第2カメラ93は、受光面に沿って複数の受光素子を並べたものとすればよい。この場合、各受光素子が画素に対応することになり、各受光素子での受光量に基づいた電気信号を生成することができるようになる。本実施形態に係る第2カメラ93は、第1カメラ81と同様にCMOSからなるイメージセンサによって構成されているが、CCDからなるイメージセンサを使用することもできる。
そして、第2カメラ93は、各受光素子での受光量を検出することで生成される電気信号をコントローラ本体2の制御部21に入力する。制御部21は、入力された電気信号に基づいて、被写体の光学像に対応した画像データを生成する。制御部21は、そうして生成された画像データを、被写体を撮像してなる画像として表示部22等に表示させることができる。
第2の同軸照明94は、光ファイバーケーブルC3から導光された照明光を出射する。第2の同軸照明94は、対物レンズ92を介して集光される反射光と共通の光路を介して照明光を照射する。つまり、第2の同軸照明94は、対物レンズ92の観察光軸Aoと同軸化された「同軸落射照明」として機能することになる。なお、光ファイバーケーブルC3を介して外部から照明光を導光する代わりに、レンズユニット9aの内部に光源を内蔵してもよい。その場合、光ファイバーケーブルC3は不要となる。
第2の側射照明95は、図6に模式的に例示したように、対物レンズ92を取り囲むように配置されたリング照明によって構成される。第2の側射照明95は、分析光学系7における側射照明84と同様に、サンプルSPの斜め上方から照明光を照射する。
拡大光学系96は、ミラー群91と第2カメラ93との間に配置されており、第2カメラ93によるサンプルSPの拡大倍率を変更可能に構成されている。本実施形態に係る拡大光学系96は、変倍レンズと、その変倍レンズを第2カメラ93の光軸に沿って移動させるように構成されたアクチュエータと、を有している。アクチュエータは、制御部21から入力される制御信号に基づいて変倍レンズを移動させることで、サンプルSPの拡大倍率を変更することができる。
なお、拡大光学系96の具体的な構成は、アクチュエータによって変倍レンズを移動させる構成には限定されない。例えば、変倍レンズを移動させるための操作部を拡大光学系に設けてもよい。この場合、ユーザによって操作部が操作されることにより、サンプルSPの拡大倍率を変更することができる。
また、拡大倍率の切替を検知するセンサを拡大光学系に設けてもよい。そして、低倍から高倍へと拡大倍率が切り替わったことが検知された場合に、自動的に切替前の画像(後述の低倍画像)を第2カメラ93によって撮像し、撮像された画像をコントローラ本体2に保存してもよい。このようにすることで、低倍画像に対する後述の高倍画像の相対的な位置関係をユーザに把握させることができる。
このような拡大光学系96は、第2カメラ93によるサンプルSPの拡大倍率を変更可能に構成されるだけでなく、第1カメラ81によるサンプルSPの拡大倍率を変更可能に構成されてもよい。その場合、拡大光学系96は、分光素子75と第1カメラ81との間に設けられることになる。
-筐体連結具64-
筐体連結具64は、分析筐体70に観察筐体90を連結するための部材である。筐体連結具64が両筐体70,90を連結することで、分析ユニット62と観察ユニット63とが一体化され、ひいては、分析光学系7と観察光学系9とが一体的に移動するようになる。
筐体連結具64は、分析筐体70の内外、すなわち分析筐体70の内部もしくは外部、または、スタンド42に取り付けることができる。特に本実施形態では、筐体連結具64は、分析筐体70の外面に取り付けられるようになっている。
具体的に、本実施形態に係る筐体連結具64は、分析筐体70において前方に突出した突出部70cに取付可能に構成されており、その突出部70cよりも右側にレンズユニット9aを保持するようになっている。
本実施形態に係る筐体連結具64は、分析筐体70に対して観察筐体90を固定することで、観察光軸Aoに対する分析光軸Aaの相対位置を固定することができる。
-スライド機構65-
図8Aおよび図8Bは、ヘッド部6の水平移動について説明するための図である。
スライド機構65は、観察光学系9によるサンプルSPの撮像と、分析光学系7によって強度分布スペクトルを生成する場合における電磁波(レーザ光)の照射(換言すれば、分析光学系7のレーザ出射部71による電磁波の照射)と、を観察対象物としてのサンプルSPにおける同一箇所に対して実行可能となるように、載置台本体51に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置を水平方向に沿って移動させるよう構成されている。
スライド機構65による相対位置の移動方向は、観察光軸Aoおよび分析光軸Aaの並び方向とすることができる。詳細は省略するが、本実施形態に係るスライド機構65は、載置台本体51に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置を前後方向に沿って移動させる。
図8Aおよび図8Bに示すように、スライド機構65が作動することで、ヘッド部6が水平方向に沿ってスライドし、載置台5に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置が移動(水平移動)することになる。この水平移動によって、ヘッド部6は、反射型対物レンズ74をサンプルSPに対峙させた第1モードと、対物レンズ92をサンプルSPに対峙させた第2モードと、の間で切り替わるようになっている。スライド機構65は、第1モードと第2モードとの間で、分析筐体70および観察筐体90をスライドさせることができる。
スライド機構65を作動させることで、第1モードと第2モードとの切替を行う前後のタイミングにおいて、観察光学系9によるサンプルSPの画像生成と、分析光学系7による強度分布スペクトルの生成(具体的には、分析光学系7によって強度分布スペクトルが生成される場合における、分析光学系7による1次電磁波の照射)と、をサンプルSP中の同一箇所に対して同一方向から実行することができるようになる。
<レーザ出射部の詳細>
前述のように、LIBS法によるサンプルSPの成分分析を実行する場合、サンプルSPの局所的なプラズマ化を引き起こすべく、サンプルSPの表面を瞬間的に高温にすることが求められる。そうしたニーズを満たす1次電磁波として、パルス発振された高エネルギーのレーザビームを用いることが広く知られている。
ここで、高品質なレーザビームを生成するためには、最低次の共振モードであるTEM00モードを高効率で発振することが求められる。従来、高効率なTEM00発振を実現するための方策として、ファイバーバンドルを利用したり、共振器長を長く設定したりすることが検討されてきた。
しかしながら、これらの方策は、いずれもヘッド部6のコンパクト化を図るには不都合である。本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71の構成に工夫を凝らすことで、ヘッド部6のコンパクト化と、高効率なTEM00発振と、を両立するに至った。
以下、本実施形態における固体レーザ発振器を例示するレーザ出射部71について、詳細に説明する。
(全体構成)
図11は、レーザ出射部71の外観を例示する斜視図である。図11に示すように、本実施形態に係るレーザ出射部71は、厚み方向の一側が開放された矩形薄箱状の筐体10aと、筐体10aを密閉するための矩形板状の第1蓋体10bおよび第2蓋体10cと、を有する。
以下、筐体10aの短手方向を第1方向(以下、「水平方向」とも呼称する)と呼称し、筐体10aの厚み方向を第2方向(以下、「垂直方向」とも呼称する)と呼称し、筐体10aの長手方向を第3方向(以下、「縦方向」とも呼称する)と呼称する。
本実施形態に係るレーザ出射部71は、第1方向を左右方向に一致させ、第2方向を前後方向に一致させ、第3方向を上下方向に一致させた姿勢で、分析筐体70の後部に内蔵される。
以下、分析筐体70に対するレーザ出射部71の相対位置に基づいて、第1方向としての水平方向の一側を「左」側とみなし、水平方向の他側を「右」側とみなす。同様に、第2方向としての垂直方向の一側を「前」側とみなし、垂直方向の他側を「後」側とみなす。同様に、第3方向としての縦方向の一側を「上」側とみなし、縦方向の他側を「下」側とみなす。
本実施形態に係るレーザ出射部71は、基本波生成部71Aと、波長変換部71Bと、基本波生成部71Aおよび波長変換部71Bを収容するための前記筐体10aと、を備える。
ここで、基本波生成部71Aは、励起光源102から出力されるレーザビームB1を整形することで励起ビームB3を生成するための光学部品と、励起ビームB3に基づいて基本波B5をパルス発振するための光学部品と、によって構成される。以下、ビーム状に出力される基本波B5を「基本ビーム」とも呼称する。基本ビームB5は、本実施形態における「出力ビーム」の例示である。
一方、波長変換部71Bは、基本波生成部71Aから出力された基本ビームB5を波長変換し、1次電磁波としてサンプルSPに出射されるべきレーザビーム(以下、「分析ビーム」と呼称する)B11を出力するための光学部品によって構成される。
図12は、筐体10aから第1蓋体10bおよび第2蓋体10cを取り外した状態を概略的に例示する平面図である。また、図13は、レーザ出射部71を構成する光学部品のレイアウトを例示する図である。
図11および図12に例示するように、本実施形態に係る筐体10aは、基本波生成部71Aを構成する光学部品を包囲して収容するための第1エンクロージャ100Aと、波長変換部71Bを構成する光学部品を包囲して収容するための第2エンクロージャ100Bと、を備える。
第1エンクロージャ100Aは、筐体10aの側壁部、底壁部、内壁部等によって構成されており、垂直方向の後側(図12の紙面手前側)に向かって開口したスペース(後述の第1および第2スペース)を区画する。このスペースは、第1蓋体10bを第1エンクロージャ100Aに取り付けることで閉塞可能である。第1エンクロージャ100Aの開口縁には、樹脂等からなる第1シール部材10gが設けられている。この第1シール部材10gは、第1エンクロージャ100Aの開口縁と第1蓋体10bとによって挟持可能とされており、第1シール部材10gに対して第1蓋体10bを密着させることで、第1エンクロージャ100Aを閉塞するとともに、その内部空間を気密状に密閉することができる。
第1エンクロージャ100Aによって区画されるスペースは、縦方向の上端から下端(図12の紙面上端から下端)にかけて延びる縦長の第1スペースと、その第1スペースの下側部分の右方に隣接する矩形状の第2スペースと、によって構成される。第1および第2スペースは互いに繋がっている。前者の第1スペースには、励起光源102、第1集光レンズ107等、励起ビームB3を生成するための光学部品が配置され、後者の第2スペースには、レーザ発振するための共振器111等、基本ビームB5を生成するための光学部品が配置される。
第2エンクロージャ100Bは、第2方向の前記一側に向かって開口した第3スペースを区画する。この第3スペースは、第2蓋体10cを第2エンクロージャ100Bに取り付けることで閉塞可能である。第2エンクロージャ100Bの開口縁には、樹脂等からなる第2シール部材10hが設けられている。この第2シール部材10hは、第2エンクロージャ100Bの開口縁と第2蓋体10cとによって挟持可能とされており、第2シール部材10hに対して第2蓋体10cを密着させることで、第2エンクロージャ100Bを閉塞するとともに、その内部空間を気密状に密閉することができる。
第2エンクロージャ100Bによって区画される第3スペースは、縦方向および水平方向に沿って延びる矩形状に形成される。この第3スペースは、第1エンクロージャ100Aの第1スペースに対して右側に隣接し、第2スペースに対して上側に隣接する。このように、第2エンクロージャ100Bは、第1エンクロージャ100Aによって左方から下方にかけて部分的に覆われた構成となっている。
また、筐体10aの内部には、第1エンクロージャ100Aと第2エンクロージャ100Bとを光学的に結合するための透過窓部10eが設けられている。この透過窓部10eは、第1エンクロージャ100Aと第2エンクロージャ100Bとを隔てる内壁部に貫通孔を設けるとともに、その貫通孔にガラス等の光学部品を嵌め込んでなる。第1エンクロージャ100A内でパルス発振された基本ビームB5は、透過窓部10eを透過して第2エンクロージャ100Bに到達する。
また、筐体10aの外面には、第2エンクロージャ100Bと分析筐体70の内部空間とを光学的に結合するための出力窓部10fが設けられている。この出力窓部10fは、筐体10aの側壁部に貫通孔を設けるとともに、その貫通孔にガラス等の光学部品を嵌め込んでなる。第2エンクロージャ100B内で生成された出力レーザは、出力窓部10fを透過して出力調整手段72に到達する。
筐体10aを第1蓋体10bによって閉塞した状態では、第1エンクロージャ100Aは、透過窓部10eを介して第2エンクロージャ100Bと光学的に接続されるものの、第1シール部材10gによって、筐体10aの外部空間からは気密状に遮断されることになる。また、第1エンクロージャ100A内に乾燥剤(不図示)を配置してもよい。乾燥剤を配置することで、第1エンクロージャ100A内での結露の発生を抑制することができるようになる。
同様に、筐体10aを第2蓋体10cによって閉塞した状態では、第2エンクロージャ100Bは、出力窓部10fを介して筐体10aの外部空間と光学的に接続されるものの、第2シール部材10hによって、筐体10aの外部空間からは気密状に遮断されることになる。また、第2エンクロージャ100B内に乾燥剤(不図示)を配置してもよい。乾燥剤を配置することで、第2エンクロージャ100B内での結露の発生を抑制することができるようになる。
また、筐体10aの開口縁には、複数(図例では3つ)の取付ネジ10dが設けられている。これらの取付ネジ10dは、分析筐体70の内部に筐体10aを固定するための締結具である第1エンクロージャ100Aを構成する部材と、第2エンクロージャ100Bを構成する部材と、に筐体10aを2分すると、複数の取付ネジ10dは、いずれも前者の部材、すなわち第1エンクロージャ100Aの開口縁に配置されている。
前述のように、第1エンクロージャ100Aは、励起ビームB3を生成するための光学部品が配置される第1スペースと、基本ビームB5を生成するための光学部品が配置される第2スペースとに2分される。ここで、複数の取付ネジ10dのレイアウトについて詳述すると、これらの取付ネジ10dは、図11および図12に示すように、第1スペースの開口縁に配置されている。後述するように、第2スペースに配置される光学部品の相対的な位置関係は、出力ビームの品質を保つために一定に保たれる。この第2スペースの開口縁に取付ネジ10dを設けた場合、第2スペースに歪みが生じ、出力ビームの品質が低下する虞がある。そこで、取付ネジ10dは、第1スペースの少なくとも一部を囲うように配置される。すなわち、第2スペースには、取付ネジ10dによる歪みが生じないように配置されている。これにより、出力ビームの品質を保つことができる。
なお、図12に示すように、複数の取付ネジ10dは、第1エンクロージャ100Aを垂直方向に沿って平面視したときに、基本波生成部71Aにおける共振器111と、波長変換部71Bにおける全ての光学部品と、を包囲しないように配置される。このように配置することで、共振器111と波長変換部71Bとの間の熱膨張率の差異に起因した種々の影響を抑制することができる。
(基本波生成部71A)
基本波生成部71Aは、励起光源102等をモジュール化してなる励起モジュール101と、第1集光レンズ107と、第2集光レンズ108と、第1折り返しミラー109と、第2折り返しミラー110と、2つ以上のミラー(リアミラー112および出力ミラー116)からなる共振器111と、を備える。
励起モジュール101は、励起光源102と、速軸コリメータとしてのFACレンズ103と、ビームシェイパー104と、遅軸コリメータとしてのSACレンズ106と、を有する。励起モジュール101は、第1温調部124と熱的に結合している。
また、共振器111は、リアミラー112と、レーザ媒質113と、ブリュースタ板114と、可飽和吸収体115と、出力ミラー116と、を有する。共振器111は、第2温調部125と熱的に結合している。
このうち、励起光源102、FACレンズ103、ビームシェイパー104、SACレンズ106、第1集光レンズ107、第2集光レンズ108および第1折り返しミラー109は、第3方向としての縦方向に沿って並んでいる。これらの光学部品は、第1エンクロージャ100Aにおける縦方向の上端から下方に向かって(図12の紙面上端から紙面下端)、励起光源102、FACレンズ103、ビームシェイパー104、SACレンズ106、第1集光レンズ107、第2集光レンズ108および第1折り返しミラー109の順番で並んでいる。
また、第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110は、第1方向としての水平方向に沿って並んでいる。これらの光学部品は、第1エンクロージャ100Aにおける水平方向の左端から中央部(図12の紙面左端から左右方向中央部)にかけて、第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110の順番で並んでいる。
第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110が水平方向に沿って配置されることにより、レーザビームB1と、基本ビームB5の向きと、が対向する。これにより、第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110を用いない場合と比較して、筐体10aを小型化することができる。
また、第2折り返しミラー110および共振器111は、縦方向に沿って並んでいる。これらの光学部品は、第1エンクロージャ100Aにおける縦方向の下端から上方に向かって、第2折り返しミラー110および共振器111の順番で並んでいる。
また、共振器111内では、縦方向の下側から上方に向かって、リアミラー112、レーザ媒質113、ブリュースタ板114、可飽和吸収体115および出力ミラー116の順番で並んでいる。
以下、基本波生成部71Aを構成する各光学部品について順番に説明する。
-励起光源102-
図14は、励起光源102の構成を例示する斜視図である。この励起光源102は、水平方向に並んだ複数のエミッタ102a,…,102aを有している。励起光源102は、各エミッタ102aから発振されるレーザビームB1を組み合わせることで、水平方向に沿って延びる直線状のビームを出力することができる。レーザビームB1の光軸Alは、水平方向および垂直方向と直交しており、縦方向に沿って延びる。
複数のエミッタ102aを用いることで、1つのエミッタ102aのみを用いる場合に比して、レーザビームの高出力化を図ることができる。各エミッタ102aは、水平方向および垂直方向に沿って広がる励起光源102の端面上に配置されている。各ビームB1の高出力化を可能にすべく、各エミッタ102aは、垂直方向の幅に比して、水平方向の幅が広くなるように構成されている。
各エミッタ102aから発振されるビームB1は、水平方向に比して垂直方向の位相速度が速い。すなわち、図14に示す例では、水平方向が遅軸方向Asに相当し、垂直方向が速軸方向Afに相当する。そのため、各ビームB1は、遅軸方向Asである水平方向に比して、速軸方向Afである垂直方向において大きく広がることになる。
例えば、本実施形態に係る励起光源102は、レーザダイオード(Laser Diode:LD)を用いて構成することができ、ファイバレスなLDバーとして構成されている。
また、各エミッタ102aから発振されるレーザビームB1は、本実施形態では近赤外線に属する。このレーザビームB1の波長は、所定の励起波長に設定される。この励起波長は、近赤外域に属するように設定することが好ましく、808±5nmまたは885±5nmの範囲内に設定することがさらに好ましい。
励起光源102はまた、制御部21と電気的に接続されており、該制御部21から入力される制御信号に基づいて動作する。ここで、各エミッタ102aは、レーザビームB1を間欠的に発振すべく、制御部21からの制御信号を受けてパルス動作するように構成されている。各エミッタ102aをパルス動作(QCW動作ともいう)させることで、励起光源102の放熱を抑制することができる。これにより、LDバーの長さに対するエミッタ幅の割合であるフィルファクターを可能な限り高く設定し、レーザビームB1のピークパワーを向上させることができる。
励起光源102から発振されたレーザビームB1は、光軸Alに沿って縦方向の上側から下側に向かって伝搬し、FACレンズ103に入射する。
また、励起モジュール101の筐体と第1エンクロージャ100Aを構成する壁部との間には、励起光源102の温度を調整するための第1温調部124が配置されている。第1温調部124は、例えばペルチェ素子によって構成されており、制御部21と電気的に接続されている。
ペルチェ素子によって第1温調部124を構成した場合、この第1温調部124は、コントローラ本体2、ヘッド部6等から供給される電力に応じて発熱する。第1温調部124からの発熱は、励起モジュール101に設けた不図示の第1温度センサによって検出される。第1温度センサの検出信号は、コントローラ本体2に入力される。コントローラ本体2は、第1温度センサの検出信号に基づいて、励起光源102の温度が第1目標温度±1℃の範囲内に収まるように、第1温調部124へ供給する電流を制御する。
なお、第1目標温度の大きさは、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71の用途等に応じて適宜変更可能である。本実施形態では、第1目標温度は、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上に設定されている。分析観察装置Aの使用環境における露点温度よりも第1目標温度を高く設定することで、結露の発生を抑制することができる。
-FACレンズ103-
図15Aは、レーザビームB1に基づいて励起ビームB3を生成するための光学部品のレイアウトを例示する側面図である。図15Aは、レーザビームB1に基づいて励起ビームB3を生成するための光学部品のレイアウトを例示する平面図である。FACレンズ103は、励起光源102から出力されたレーザビームB1を、遅軸方向Asとしての水平方向と、レーザビームB1の光軸Alと、に直交する速軸方向Afとしての垂直方向においてコリメートすることができる。
FACレンズ103を透過したレーザビームB1は、遅軸方向Asにおいては広がりを維持するものの、速軸方向Afにおいては広がることなく平行光として伝搬する。
例えば、本実施形態に係るFACレンズ103は、水平方向に沿って延びる柱状に形成されかつ平凸レンズ状の横断面を有する光学部材によって構成することができる。この場合、FACレンズ103は、平坦な背面を励起光源102に対向させ、凸状にカーブした前面をビームシェイパー104に対向させた姿勢で配置される。
FACレンズ103によって速軸方向AfにコリメートされたレーザビームB1は、縦方向に伝搬し、ビームシェイパー104に入射する。
-ビームシェイパー104-
ビームシェイパー104は、各エミッタ102aから発振されてFACレンズ103によってコリメータされたレーザビームB1を光軸Alまわりに回転することができる。
図15Aおよび図15Bに示すように、ビームシェイパー104は、レーザビームB1を回転することで、該レーザビームB1の遅軸方向Asおよび速軸方向Afを変換する。以下、ビームシェイパー104による回転前の遅軸方向Asおよび速軸方向Afと、ビームシェイパー104による回転後の遅軸方向Asおよび速軸方向Afと、を区別する場合、前者を「第1遅軸方向As1」および「第1速軸方向Af1」と呼称し、後者を「第2遅軸方向As2」および「第2速軸方向Af2」と呼称する。
本実施形態に係るビームシェイパー104は、予め定められた設計波長を有するレーザビームを入射させた場合に、該レーザビームを光軸Alまわりに90°回転させるように構成されている。
この場合、第2遅軸方向As2は、第1遅軸方向As1に対する直交方向となり、垂直方向に一致することになる。同様に、第2速軸方向Af2は、第1速軸方向Af1に対する直交方向となり、水平方向に一致することになる。
こうした特性を言い換えると、本実施形態に係るビームシェイパー104は、前記設計波長からオフセットした波長を有するレーザビームが入力された場合、第1遅軸方向As1および第1速軸方向Af1と、第2遅軸方向As2および第2速軸方向Af2と、が互いに傾斜するように、レーザビームを光軸Alまわりに回転させることになる。レーザビームの回転角度は、設計波長からのオフセット量に応じて90°からオフセットしたものとなる。
レーザビームの回転角度を回転させた場合、第2遅軸方向As2は、第1遅軸方向As1および第1速軸方向Af1に対して非直交かつ非平行な方向となる。この場合、第2速軸方向Af2もまた、第1遅軸方向As1および第1速軸方向Af1に対して非直交かつ非平行な方向となる。
この場合、第2遅軸方向As2は、第1遅軸方向As1に対する非直交方向となり、垂直方向に対して傾くことになる。同様に、第2速軸方向Af2は、第1速軸方向Af1に対する非直交方向となり、水平方向に対して傾くことになる。
仮に、レーザビームB1を90°回転させた場合、そのレーザビームB1は、第2遅軸方向As2としての垂直方向に比して、第2速軸方向Af2としての水平方向において大きく広がることになる。
例えば、本実施形態に係るビームシェイパー104は、いわゆるビームツイスターによって構成することができる。ビームツイスターによってビームシェイパー104を構成した場合、そのビームシェイパー104は、垂直方向に対して所定角度(≠90度)だけ傾けた円筒状の光学部材を水平方向に沿って結合してなる略柱状の部材として構成されることになる。
なお、ビームシェイパー104は、ビームツイスターには限定されない。ステップミラー方式のビームシェイパー等、エミッタ102a毎にレーザビームB1を回転可能な部材であれば、任意の光学素子を用いることができる。
ビームシェイパー104によって光軸Al回りに回転されたレーザビームB1は、縦方向に沿って伝搬し、SACレンズ106に入射する。
-SACレンズ106-
SACレンズ106は、励起光源102の各エミッタ102aから出力されたレーザビームB1を、遅軸方向As、特に第2遅軸方向As2においてコリメートすることができる。
SACレンズ106を透過したレーザビームB1は、第2遅軸方向As2における広がりが軽減された平行光として伝搬する。速軸方向Afにおける広がりについてはFACレンズ103によって既に軽減されているため、SACレンズ106を透過したレーザビームB1は、速軸方向Afおよび遅軸方向As双方の広がりが軽減された平行光として伝搬することになる。各方向の広がりを軽減することで、レーザビームB1に基づいて励起ビームB3を生成する際に、その励起ビームB3のビーム品質を高める上で有利になる。そのことで、後述の如きスポット形状の整形を、より適切に行うことができるようになる。
例えば、本実施形態に係るSACレンズ106は、水平方向に沿って延びる柱状に形成されかつ平凸レンズ状の横断面を有する光学部材によって構成することができる。この場合、SACレンズ106は、平坦な背面をビームシェイパー104に対向させ、凸状にカーブした前面を第1集光レンズ107に対向させた姿勢で配置される。
また、図例では、励起光源102から出射されるレーザビームB1の伝搬方向である、縦方向の上側から下側に向かって、FACレンズ103、ビームシェイパー104、SACレンズ106および第1集光レンズ107の順番で配置されているが、この順番には限定されない。例えば、レーザビームB1の伝搬方向に沿って、FACレンズ103、SACレンズ106、ビームシェイパー104および第1集光レンズ107の順番で配置してもよい。またそもそも、SACレンズ106は必須ではない。SACレンズ106を用いることなく、基本波生成部71Aを構成することもできる。
SACレンズ106によって第2遅軸方向As2にコリメートされたレーザビームB1は、縦方向に伝搬し、第1集光レンズ107に入射する。
-第1集光レンズ107-
第1集光レンズ107は、ビームシェイパー104により回転されたレーザビームB1を集光し、第2集光レンズ108と協働して励起ビームB3を生成することができる。前述のように、ビームシェイパー104と第1集光レンズ107との間にSACレンズ106を配置した場合、第1集光レンズ107には、SACレンズ106によってコリメートされたレーザビームB1が入射することになる。
第1集光レンズ107は、光軸Alに直交する一方向である第1集光方向Ac1においてレーザビームB1を集光することができる。本実施形態では、第1集光方向Ac1は、水平方向、つまり、第2速軸方向Af2に対して僅かに傾けるか、あるいは、第2速軸方向Af2と一致させるように設定されている。第1集光方向Ac1の設定の詳細については後述する。
例えば、本実施形態に係る第1集光レンズ107は、垂直方向に略直交する断面視において半円状の横断面を有するシリンドリカルレンズによって構成することができる。この場合、第1集光レンズ107は、半円状の曲面をビームシェイパー104およびSACレンズ106に向け、かつ平坦な端面を第2集光レンズ108に向けた姿勢で配置されることになる。
また、本実施形態に係る第1集光レンズ107は、前記励起波長(例えば、808±5nmまたは885±5nm)を有するレーザ光については95%以上の透過率を有するように設定してもよい。
また、基本ビームB5が有する波長を基本波長と呼称すると、第1集光レンズ107は、この基本波長を有するレーザ光については50%未満の透過率を有するように設定してもよい。基本波長は、近赤外域に属しかつ励起波長よりも高く設定することが好ましく、例えば、1064nmに設定することがさらに好ましい。
したがって、本実施形態に係る第1集光レンズ107は、レーザビームB1および励起ビームB3については相対的に透過率が高く、基本ビームB5については相対的に透過率が低くなるように構成されている。
また、第1集光レンズ107の曲率半径を調整することで、励起ビームB3のビーム半径を整えることができる。第1集光レンズ107の曲率半径は、共振器111の基本モードのビーム半径(以下、「基本ビーム径」と呼称する)に応じて設定することができる。なお、ここでいう「基本ビーム径」とは、リアミラー112、出力ミラー116、またはレーザ媒質113の端面における基本モードのビーム半径としてもよいし、基本モードのウェスト半径としてもよい。
第1集光レンズ107によって第1集光方向Ac1に集光されたレーザビームB1は、縦方向に沿って上側から下側に伝搬し、第2集光レンズ108に入射する。
-第2集光レンズ108-
第2集光レンズ108は、第1集光レンズ107を透過したレーザビームB1をさらに集光し、励起ビームB3を生成することができる。この第2集光レンズ108は、第1集光レンズとは異なる方向にレーザビームB1を集光する。
第2集光レンズ108は、光軸Alに直交しかつ第1集光方向Ac1とは相違する一方向である第2集光方向Ac2においてレーザビームB1を集光することができる。本実施形態では、第2集光方向Ac2は、垂直方向、つまり、第2遅軸方向As2に対して僅かに傾けるか、あるいは、第2遅軸方向As2と一致させるように設定されている。第2集光方向Ac2の設定の詳細については後述する。
例えば、本実施形態に係る第2集光レンズ108は、水平方向に略直交する断面視において半円状の横断面を有するシリンドリカルレンズによって構成することができる。この場合、第2集光レンズ108は、半円状の曲面を第1集光レンズ107に向け、かつ平坦な端面を第2集光レンズ108に向けた姿勢で配置されることになる。
また、本実施形態に係る第2集光レンズ108は、第1集光レンズ107と同様に、励起波長を有するレーザ光については95%以上の透過率を有する一方、基本波長(例えば、1064nm)を有するレーザ光については50%未満の透過率を有するように設定してもよい。
また、第2集光レンズ108の曲率半径を調整することで、励起ビームB3のビーム半径を整えることができる。第2集光レンズ108の曲率半径は、第1集光レンズ107と同様に、共振器111の前記基本ビーム径に応じて設定することができる。第1集光レンズ107および第2集光レンズ108という2枚のシリンドリカルレンズを用いることで、本実施形態のように縦横比が異なるレーザビームB1が出射される場合であっても、そのレーザビームB1を2つの方向で個別に集光することができるようになる。これにより、励起ビームB3のビーム品質を高める上で有利になる。
具体的に、複数のエミッタ102aから出力されるレーザビームB1を一体的な直線状のビームとみなした場合、そのビームの横断面は、エミッタ102aの並び方向である水平方向に沿って長く延びることにある。したがって、水平方向と垂直方向とで均等な強度分布にするためには、水平方向と垂直方向とで集光の度合いを異ならせることが考えられる。本実施形態のように、集光方向が相互に異なる2枚のシリンドリカルレンズによってレーザビームB1を集光することで、レーザビームB1をより適切に整形することができるようになる。
第1集光レンズ107によって第1集光方向Ac1に集光されるとともに、第2集光レンズ108によって第2集光方向Ac2に集光されたレーザビームB1は、レーザ媒質113を励起するための励起ビームB3として出力される。この励起ビームB3は、縦方向に沿って上側から下側に伝搬し、第1折り返しミラー109に入射する。
-第1折り返しミラー109-
第1折り返しミラー109は、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108によって生成された励起ビームB3を反射して、その伝搬方向を変換することができる。
詳しくは、第1折り返しミラー109は、励起光源102によるレーザビームB1の出射方向(図例では、第3方向としての縦方向)に対して直交させるように、励起ビームB3の伝搬方向を変換する。さらに詳しくは、第1折り返しミラー109は、第1方向としての水平方向に沿って伝搬させるように励起ビームB3を反射する。
また、本実施形態に係る第1折り返しミラー109は、励起波長を有するレーザ光については95%以上の反射率を有する一方、基本波長を有するレーザ光については50%未満の反射率を有するように設定してもよい。
これにより、共振器111により生成された基本波長を有する基本ビームB5が、共振器111から第1折り返しミラー109の方向へ戻ったとしても、励起光源102に戻る光を抑制することができるため、励起光源102の意図せぬ故障を防ぐことができる。
したがって、本実施形態に係る第1折り返しミラー109は、レーザビームB1および励起ビームB3については相対的に反射率が高く、基本ビームB5については相対的に反射率が低くなるように構成されている。
また、第1折り返しミラー109は、レーザ媒質113の光軸に沿って、励起ビームB3を入射できるように角度を変更することができる。これにより、どのような角度でレーザビームB1を受光したとしても、レーザビームB1の品質を低下させることなく、基本ビームB5を生成することができる。
第1折り返しミラー109によって反射された励起ビームB3は、水平方向に沿って左側から右側に伝搬し、第2折り返しミラー110に入射する。
-第2折り返しミラー110-
第2折り返しミラー110は、第1折り返しミラー109によって反射された励起ビームB3を再度反射して、その伝搬方向をさらに変換することができる。
詳しくは、第2折り返しミラー110は、励起光源102から出射されるレーザビームB1の伝搬方向とは反対側に向かって励起ビームB3を伝搬させるように、該励起ビームB3の伝搬方向を変換する。例えば本実施形態では、レーザビームB1は、第3方向としての縦方向に沿って上側から下側に向かって伝搬する。その伝搬方向に対応して、第2折り返しミラー110は、縦方向に沿って下側から上側に向かって伝搬させるように、励起ビームB3を反射する。
また、本実施形態に係る第2折り返しミラー110は、第1折り返しミラー110と同様に、励起波長を有するレーザ光については95%以上の反射率を有する一方、基本波長を有するレーザ光については50%未満の反射率を有するように設定してもよい。
これにより、共振器111により生成された基本波長を有する基本ビームB5が、共振器から第2折り返しミラー110の方向へ戻ったとしても、第2折り返しミラー110および第1折り返しミラー109を介して励起光源102に戻る光を抑制することができるため、励起光源102の意図せぬ故障を防ぐことができる。
また、第2折り返しミラー110は、レーザ媒質113の光軸に沿って、励起ビームB3を入射できるように角度を変更することができる。これにより、どのような角度でレーザビームB1を受光したとしても、レーザビームB1の品質を低下させることなく、基本ビームB5を生成することができる。
このように、第1折り返しミラー109と第2折り返しミラー110とによって励起ビームB3を反射することで、この励起ビームB3は、レーザビームB1とは反対方向に向かって伝搬することになる。これにより、第3方向としての縦方向におけるレーザ出射部71のコンパクト化を実現することができる。
-共振器111の全体構成-
図22は、共振器111の概略構成を例示する縦断面図である。この共振器111には、出力窓部10fから出力される分析ビームB11の出力を瞬間的に大きくするために、基本波をパルス発振するためのQスイッチとして、可飽和吸収体115を用いたパッシブQスイッチ方式が採用されている。
具体的に、本実施形態に係る共振器111は、前述のように、リアミラー112と、レーザ媒質113と、ブリュースタ板114と、可飽和吸収体115と、出力ミラー116と、を有する。
図22に示すように、リアミラー112、レーザ媒質113、ブリュースタ板114、可飽和吸収体115および出力ミラー116は、共通のベースプレート111a上に固定されている。このベースプレート111aは、金属製の一枚板として構成されており、同じく金属製の締結用プレート111bを介して筐体10aの底面に締結されている。
リアミラー112、レーザ媒質113、ブリュースタ板114、可飽和吸収体115および出力ミラー116を共通のベースプレート111a上に配置することで、これらの光学部品の相対的な位置関係を一定に保つことができる。これらの光学部品は、基本ビームB5のビーム品質を高めるために最適条件を満たすように配置されている。外部からの衝撃や温度変化などにより、これらの光学部品の配置が変動した場合、ビーム品質が低下してしまう虞がある。しかしながら、これらの光学部品の相対的な位置関係が一定に保たれることにより、光学部品の配置の変動を抑制でき、ひいては高いビーム品質の維持に資する。
また、図例のようなベースプレート111aと締結用プレート111bの間の空間には、共振器111の温度を調整するための第2温調部125が配置されている。第2温調部125は、例えばペルチェ素子によって構成されており、制御部21と電気的に接続されている。
ペルチェ素子によって第2温調部125を構成した場合、この第2温調部125は、コントローラ本体2、ヘッド部6等から供給される電力に応じて発熱する。第2温調部125からの発熱は、共振器111に設けた不図示の第2温度センサによって検出される。第2温度センサの検出信号は、コントローラ本体2に入力される。コントローラ本体2は、第2温度センサの検出信号に基づいて、共振器111が第2目標温度±1℃の範囲内に収まるように、第2温調部125へ供給する電流を制御する。
なお、第2目標温度の大きさは、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71の用途等に応じて適宜変更可能である。本実施形態では、第2目標温度は、好ましくは35℃以上に設定されている。
また、図示は省略するが、第2集光レンズ108からリアミラー112へ至る途中にアパーチャを挿入し、このアパーチャによって励起ビームB3のスポット形状を成形してもよい。アパーチャによる成形は、後述の第1~第3の方策と同様に、励起ビームB3のスポット形状を真円に近づけることができる。
以下、共振器111を構成する各光学部品について順番に説明をする。
-リアミラー112-
リアミラー112は、出力ミラー116とともに共振光路を構成する。リアミラー112は、励起光としての励起ビームB3を透過する透過面として機能するとともに、基本波としての基本ビームB5を反射する鏡面として機能する。リアミラー112の鏡面は、出力ミラー116の鏡面と向かい合わせに配置される。
本実施形態に係るリアミラー112は、前記励起波長を有するレーザ光については略100%の透過率を有し、前記基本波長を有するレーザ光については略100%の反射率を有する。リアミラー112は、基本ビームB5については実質的に全反射ミラーとして機能することになる。
-出力ミラー116-
出力ミラー116は、リアミラー112とともに共振光路を構成する。出力ミラー116は、基本ビームB5を部分的に透過する鏡面を有する。前述のように、出力ミラー116の鏡面は、リアミラー112の鏡面と向かい合わせに配置される。
本実施形態に係る出力ミラー116は、少なくとも基本波長を有するレーザ光については70%以下の反射率を有する。出力ミラー116は、基本ビームB5については部分透過ミラーとして機能することになる。
-レーザ媒質113-
レーザ媒質113は、2つ以上のミラー(リアミラー112および出力ミラー116)により構成される共振器111内に配置され、集光レンズとしての第1集光レンズ107により生成された励起ビームB3に基づいて、出力ビームとしての基本ビームB5を出射することができる。
詳しくは、レーザ媒質113は、反転分布を形成可能な材料によって構成されている。レーザ媒質113は、励起ビームB3からエネルギーが供給されることで、その内部で電子を励起させて反転分布を形成することができる。また、レーザ媒質113は、反転分布が形成された状態で自然放出光が放出されることで、励起ビームB3に対応した誘導放出を行うことができる。誘導放出によって放出される光子は、前記基本波長(例えば、1064nm)を有する基本波としてレーザ媒質113から出力される。
この基本波は、Qスイッチがオフ状態(可飽和吸収体115が透明な状態)では、リアミラー112と出力ミラー116とを結ぶ共振光路を繰り返し往復する。これにより、レーザ媒質113中での誘導放出が促進され、基本波が増幅される。そうして増幅された基本波は、共振光路を往復することで、共振器111に対応したモードで伝搬する定常波を形成する。増幅が進んだ基本波は、所定の基本ビームB5としてパルス発振される。
基本ビームB5のモード(基本モード)は、共振器111の幾何学的な特性によって特徴付けられる。本実施形態では、基本モードとして、最低次のエルミート・ガウシアンモードであるTEM00モードで基本ビームB5を発振するように構成されている。つまり、光軸に垂直な横断面で見た場合、該基本ビームB5のプロファイルは真円状となる。
また、理想的なTEM00モードとならずとも、M<2.5となるように基本ビームB5を発振すればよい。Mは、レーザビームの品質を示す指標であり、TEM00モードからのズレを示す数値である。
TEM00モードまたはM<2.5となるように基本ビームB5を発振することで、集光性に優れた基本ビームB5を生成することができる。基本ビームB5の集光性を高めることは、分析ビームB11のパルスエネルギー密度およびピークパワー密度を高める上で有効である。後述のように、これらの特性は、分析ビームB11をLIBS法に用いる上で有効である。
本実施形態では、レーザ媒質113としてロッド状のNd:YAGを用いることができる。このレーザ媒質113は、ロッド状とされたレーザ媒質113の一端面から励起ビームB3を入射させることで、その他端面(励起ビームB3が入射する端面の反対側に位置する端面)から基本波が出射されるようになっている(いわゆる、エンドポンプ方式)。例えば、図13に示すレーザ媒質113は、励起ビームB3の入射方向と、基本ビームB5の出射方向とが一致するように配置されている。
なお、レーザ媒質113としてNd:YAGを用いる場合、励起ビームB3の波長(励起波長)は、誘導放出を促すべく、Nd:YAGの吸収スペクトルに基づいて設定することができる。そのように設定する場合、励起波長は、前述のように、808±5nmまたは885±5nmの範囲内に設定することが好ましい。また、レーザ媒質113としてNd:YAGを用いる場合、そのNd濃度は、0.5%以上に設定することが好ましい。
その他、レーザ媒質113として、Nd:YLF、Nd:YVO等を用いてもよい。レーザ媒質113の構成材料は、レーザ出射部71の用途等に応じて、適宜、変更することができる。
-ブリュースタ板114-
ブリュースタ板114は、レーザ媒質113と可飽和吸収体115との間に配置される。このブリュースタ板114は、該ブリュースタ板114を透過する励起ビームB3のうち、速軸方向Af、特に第2速軸方向Af2に沿った直線偏光であるp偏光を透過し、遅軸方向As、特に第2遅軸方向As2に沿った直線偏光であるs偏光を反射することができる。
レーザ媒質113と可飽和吸収体115との間にブリュースタ板114を設けることで、波長変換の効率を低下させる虞のあるs偏光を取り除くことができる。これにより、可飽和吸収体115に入射する光の大部分がp偏光となり、波長変換を効率的に行うことができる。
-可飽和吸収体115-
可飽和吸収体115は、リアミラー112と出力ミラー116の間、詳しくはレーザ媒質113と出力ミラー116の間、さらに詳しくはブリュースタ板114と出力ミラー116の間に配置される。この可飽和吸収体115は、基本ビームB5をパルス発振させるためのパッシブQスイッチとして機能する。
詳しくは、可飽和吸収体115は、誘導放出によってレーザ媒質113から放出される基本波を入射させるように配置されており、その基本波の強度に応じて透過率を変化させるように構成されている。
例えば、可飽和吸収体115に入射する基本波の強度が弱い場合、可飽和吸収体115の透過率は相対的に低くなる(可飽和吸収体115が不透明になる)。この場合、可飽和吸収体115は僅かに基本波を透過させることができるものの、共振光路における多重反射が規制された結果、レーザ発振には至らない。こうした状態を「Qスイッチのオン状態」とみなすことができる。オン状態では、基本ビームB5はレーザ発振されず、レーザ媒質113における反転分布の形成が進行する(レーザ媒質113中でのエネルギーの蓄積が進行する)ことになる。
一方、可飽和吸収体115に入射する基本波の強度が一定の閾値を超えると、可飽和吸収体115は、その透過率を高める(可飽和吸収体115が透明に近づく)。この場合、可飽和吸収体115の透過率が高まった結果、リアミラー112および出力ミラー116の間を基本波が多重反射し、ひいては、レーザ媒質113からの誘導放出が促されることになる。こうした状態を「Qスイッチのオフ状態」とみなすことができる。オフ状態では、基本波の誘導放出が進行し、その強度が加速度的に高まっていくことになる。最終的に基本ビームB5がレ-ザ発振されると、反転分布の解消に伴って基本波の強度が弱まるため、可飽和吸収体115の透過率は低い状態に戻ることになる。
なお、Qスイッチのオン状態とオフ状態との切替は、励起ビームB3のパルス動作を通じて制御することができる。例えば、励起ビームB3のパルス数を調整することで基本ビームB5の出射回数を制御したり、励起ビームB3のデューティ比を調整することで基本ビームB5の発振間隔を制御したりすることができる。
本実施形態では、可飽和吸収体115として、Cr4+:YAGを用いることができる。Cr4+:YAGを用いる場合、可飽和吸収体115の初期透過率は、10%以上かつ35%以下に設定することが好ましい。この初期透過率は、結晶中にドーピングされるクロムの濃度を大きくしたり、可飽和吸収体115を縦方向に長くしたりすることで低下可能である。
可飽和吸収体115の初期透過率が低い場合、透明になるまでの時間が相対的に長くなる分、レーザ媒質113では相対的に高い反転分布が形成される。これにより、基本ビームB5のパルスエネルギーを高めることができる。
しかしながら、可飽和吸収体115の透過率は、ESA(Excited State Absorption)によって100%には到達しない。ESAは、初期透過率が低いほど大きくなる。そのため、初期透過率を過度に低く設定してしまうと、レーザ発振時のエネルギーロスが大きくなり、パルスエネルギーを高めるには不都合なものとなる。
本願発明者らが鋭意検討を重ねた結果、得られた知見によれば、15%以上かつ35%以下の範囲内に収まるように初期透過率を設定することで、基本ビームB5のパルスエネルギーを高める上で有利になる。
また、本実施形態に係る可飽和吸収体115は、励起ビームB3のビーム径が小さくなるにしたがって、基本ビームB5のパルスエネルギーを低下させるように構成されている。この構成は、前述のように、可飽和吸収体115としてCr4+:YAGを用いことで実現することができる。
つまり、励起ビームB3を細くすると、励起密度が高まる分、可飽和吸収体115が飽和に達する(透明になる)までの時間が短くなる。この場合、基本ビームB5のパルスエネルギーは小さくなる。透明になるまでの時間を長くすべく、可飽和吸収体115の初期透過率を低くすることも考えられるが、前述のように、ESAの影響も考慮する必要がある。
Cr4+:YAGは、V:YAG等の他の材料と比較すると、基本波長に対する吸収断面積よりも、ESAに対する吸収断面積が相対的に小さい。これにより、ESAの影響を抑制しつつ、初期透過率を低く設定することが可能になる。その結果、高効率で大きなパルスエネルギーを実現することができる。
(波長変換部71B)
波長変換部71Bは、第1波長変換素子117と、第2波長変換素子118と、第1ハーモニックセパレータ119と、第2ハーモニックセパレータ120と、ビームエキスパンダ121と、を備える。波長変換部71Bには、基本波生成部71Aにおいて生成された基本ビームB5が透過窓部10eから入射する。
ビームエキスパンダ121は、平凹レンズ122と、平凸レンズ123と、を有する。
また、第1波長変換素子117は、第3温調部126と熱的に結合している。第2波長変換素子118は、第4温調部127と熱的に結合している。
これらの部品のうち、第1波長変換素子117、第2波長変換素子118および第1ハーモニックセパレータ119は、第2エンクロージャ100Bにおいて、縦方向に沿って下側からこの順番で並んでいる。これらの光学部品は、基本波生成部71Aを構成する光学部品の一部とも直線状に並んでいる。具体的に、縦方向に沿って下側から順に、第2折り返しミラー110、共振器111、透過窓部10e、第1波長変換素子117、第2波長変換素子118および第1ハーモニックセパレータ119が直線状に並んでいる。
また、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120は、第1方向としての水平方向に沿って並んでいる。これらの光学部品は、第2エンクロージャ100Bにおける水平方向の左端から右端にかけて、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120の順番で並んでいる。
また、第2ハーモニックセパレータ120、平凹レンズ122および平凸レンズ123は、縦方向に沿って並んでいる。これらの光学部品は、第2エンクロージャBにおける縦方向の上端から中央部にかけて、第2ハーモニックセパレータ120、平凹レンズ122および平凸レンズ123の順番で並んでいる。
以下、波長変換部71Bを構成する各光学部品について順番に説明する。
-第1波長変換素子117-
第1波長変換素子117は、第2高調波を生成可能な非線形光学結晶とされており、基本ビームB5が入射したときに、その基本ビームB5の周波数を2倍にして第2高調波として出射する(Second Harmonic Generation:SHG)ことができる。すなわち、基本波長を例えば1064nmに設定した場合、第2高調波の波長は532nmに設定されることになる。
一般に、第1波長変換素子117による基本波の変換効率は100%を下回る。そのため、第1波長変換素子117に入射した基本ビームB5の少なくとも一部は、第1波長変換素子117によって変換されずに出射される。したがって、第1波長変換素子117に基本ビームB5を入射すると、第2高調波を主体としつつも、若干の基本波が含まれた第2高調波ビームB7が出射されることになる。
本実施形態では、第1波長変換素子117としてLBO(LiB)を用いることができる。この場合、第1波長変換素子117の位相整合角度は、基本ビームB5の偏光が平行方向であるタイプ1の臨界位相整合(Critical Phase Matching:CPM)によって決定してもよい。あるいは、第1波長変換素子117の位相整合角度は、温度調整を利用した非臨界位相整合(Non Critical Phase Matching:NCPM)によって決定してもよい。
第1波長変換素子117の後段には第2波長変換素子118が配置されており、第1波長変換素子117から出射された第2高調波ビームB7は、第2波長変換素子118に入射する。
また、第1波長変換素子117を第2エンクロージャ100Bに固定するための固定具と、第2エンクロージャ100Bを構成する壁部との間には、第1波長変換素子117の温度を調整するための第3温調部126が配置されている。第3温調部126は、例えばペルチェ素子によって構成されており、制御部21と電気的に接続されている。
ペルチェ素子によって第3温調部126を構成した場合、この第3温調部126は、コントローラ本体2、ヘッド部6等から供給される電力に応じて発熱する。第3温調部126からの発熱は、第1波長変換素子117付近に設けた不図示の第3温度センサによって検出される。第3温度センサの検出信号は、コントローラ本体2に入力される。コントローラ本体2は、第3温度センサの検出信号に基づいて、第1波長変換素子117の温度が第3目標温度±1℃の範囲内に収まるように、第3温調部126へ供給する電流を制御する。
なお、第3目標温度の大きさは、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71の用途等に応じて適宜変更可能である。本実施形態では、第3目標温度は、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上に設定されている。分析観察装置Aの使用環境における露点温度よりも第3目標温度を高く設定することで、CPMを行う上でより適切な構成を実現することができる。
-第2波長変換素子118-
第2波長変換素子118は、第3高調波を生成可能な非線形光学結晶とされており、第2高調波ビームB7が入射したときに、基本波の3倍の周波数を有する第3高調波を出射する(Third Harmonic Generation:THG)ことができる。すなわち、基本波長を例えば1064nmに設定した場合、第3高調波の波長は355nm付近に設定されることになる。
一般に、第2波長変換素子118による変換効率は100%を下回る。そのため、第2波長変換素子118に入射した第2高調波ビームB7の少なくとも一部は、第2波長変換素子118によって変換されずに出射される。したがって、第2波長変換素子118に第2高調波ビームB7を入射すると、第3高調波を主体としつつも、若干の基本波および第2高調波が含まれた第3高調波ビームB9が出射されることになる。
本実施形態では、第2波長変換素子118としてLBO(LiB)を用いることができる。この場合、第2波長変換素子118の位相整合角度は、レーザビームの偏光が垂直方向であるタイプ2の臨界位相整合(Critical Phase Matching:CPM)によって決定してもよい。
第2波長変換素子118の後段には第1ハーモニックセパレータ119が配置されており、第2波長変換素子118から出射された第3高調波ビームB9は、第1ハーモニックセパレータ119に入射する。
また、第2波長変換素子118を第2エンクロージャ100Bに固定するための固定具と、第2エンクロージャ100Bを構成する壁部との間には、第2波長変換素子118の温度を調整するための第4温調部127が配置されている。第4温調部127は、例えばペルチェ素子によって構成されており、制御部21と電気的に接続されている。
ペルチェ素子によって第4温調部127を構成した場合、この第4温調部127は、コントローラ本体2、ヘッド部6等から供給される電力に応じて発熱する。第4温調部127からの発熱は、第2波長変換素子118付近に設けた不図示の第4温度センサによって検出される。第4温度センサの検出信号は、コントローラ本体2に入力される。コントローラ本体2は、第4温度センサの検出信号に基づいて、第2波長変換素子118の温度が第4目標温度±1℃の範囲内に収まるように、第4温調部127へ供給する電流を制御する。
なお、第4目標温度の大きさは、固体レーザ発振器としてのレーザ出射部71の用途等に応じて適宜変更可能である。本実施形態では、第4目標温度は、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上に設定されている。分析観察装置Aの使用環境における露点温度よりも第4目標温度を高く設定することで、CPMを行う上でより適切な構成を実現することができる。
-第1ハーモニックセパレータ119-
第1ハーモニックセパレータ119は、いわゆるビームスプリッターであって、基本波を透過する一方で、第2高調波と第3高調波を反射するように構成されている。この第1ハーモニックセパレータ119は、第1波長変換素子117と第2波長変換素子118を結んだ光軸と交わるように配置されており、その光軸に対して、略45度傾斜した姿勢とされている。
第1ハーモニックセパレータ119の後段には第2ハーモニックセパレータ120が配置されており、第1ハーモニックセパレータ119によって反射された第3高調波ビームB9は、基本波成分が取り除かれた状態で、第2ハーモニックセパレータ120に入射する。
-第2ハーモニックセパレータ120-
第2ハーモニックセパレータ120は、第1ハーモニックセパレータ119に類似したビームスプリッターであって、第2高調波を透過する一方で、第3高調波を反射するように構成されている。この第2ハーモニックセパレータ120は、第1ハーモニックセパレータ119により反射されたレーザビームの光軸と交わるように配置されており、その光軸に対して、略45度傾斜した姿勢とされている。
第2ハーモニックセパレータ120の後段にはビームエキスパンダ121が配置されており、第1ハーモニックセパレータ119によって反射された第3高調波ビームB9は、第2高調波成分が取り除かれた準出力ビームB10となった状態で、ビームエキスパンダ121に入射する(図13参照)。
前述のように、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120は、第1方向としての水平方向に沿って並んでいる。このように、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120が水平方向に沿って配置されることにより、第2高調波ビームB7と、分析ビームB11の向きと、が対向する。これにより、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120を用いない構成と比較して、筐体10aを小型化することができる。
また、前述の通り、第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110が水平方向に沿って配置されることにより、レーザビームB1と、基本ビームB5の向きとが対向する。
第1折り返しミラー109および第2折り返しミラー110でレーザビームB1と基本ビームB5の向きを対向させ、さらに、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120で第2高調波ビームB7と分析ビームB11の向きを対向させることができる。図13に示すように、基本ビームB5と第2高調波ビームB7とが同じ方向を指向していることに鑑みると、レーザビームB1と、分析ビームB11とが略同一方向を向くことになる。
最終的に、励起光源102により生成されたレーザビームB1は、複数回の折り返しを経て、分析ビームB11として出力される。これにより、レーザビームB1が折り返しを経ることなく分析ビームB11として出力される場合と比較して、筐体10aを小型化することができる。
-ビームエキスパンダ121-
ビームエキスパンダ121は、複数枚の光学レンズによって構成されており、第2ハーモニックセパレータ120によって反射された準出力ビームB10のビーム径を整えるように構成されている。
例えば、本実施形態に係るビームエキスパンダ121は、平凹レンズ122と、平凸レンズ123と、を有する。平凹レンズ122および平凸レンズ123を透過した準出力ビームB10は、そのビーム径が好ましくは1mm以上に整えられる。ビームエキスパンダ121によってビーム径が整えられた準出力ビームB10は、1次電磁波としての分析ビームB11として、出力窓部10fを通じて第2エンクロージャ100Bから出射される。ここで、基本ビームB5の強度分布のプロファイルを真円状とした場合、分析ビームB11のプロファイルも真円状となる。
なお、ビーム径を整える必要がない場合は、ビームエキスパンダ121を省略することもできる。この場合、準出力ビームB10が、そのまま分析ビームB11として筐体10aから出力されることになる。
(レーザ出射部71の動作)
図13、図15Aおよび図15Bに示すように、励起光源102から出射されたレーザビームB1は、ビームシェイパー104によってエミッタ102a毎に回転された後、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108を透過することで励起ビームB3となる。
励起ビームB3は、共振器111において、リアミラー112を透過してレーザ媒質113の一端面へと入射する。そして、励起ビームB3によって励起されたレーザ媒質113は、基本波からなる基本ビームB5を出力する。この基本ビームB5は、パッシブQスイッチとしての可飽和吸収体115が透明状態になることで、リアミラー112と出力ミラー116との間を多重反射して増幅される。増幅された基本ビームB5は、共振器111の固有モードでレーザ発振されて、透過窓部10eを介して波長変換部71Bに入射する。
共振器111から出射されて波長変換部71Bに入射する基本ビームB5は、間欠的に発振されたパルスビームとなる。その際、基本ビームB5は、前述のように、TEM00モード、または、M<2.5となるようにパルス発振される。この基本ビームB5は、例えば真円状のプロファイルを有し、好ましくは1パルスあたり0.5[mJ]以上のパルスエネルギーを有する。
続いて、波長変換部71Bへと入射した基本ビームB5は、第1波長変換素子117および第2波長変換素子118を順番に透過することで、第3高調波を主体とした第3高調波ビームB9となる。
この第3高調波ビームB9は、第1ハーモニックセパレータ119および第2ハーモニックセパレータ120によって順番に反射された後にビームエキスパンダ121を透過することで、基本波成分と第2高調波成分が取り除かれかつビーム径が整えられた分析ビームB11となる。この分析ビームB11は、前述の第1電磁波として利用可能なパルスビームであり、出力窓部10fから出射されて、反射型対物レンズ74等を介してサンプルSPに照射される。
出力窓部10fから出射される分析ビームB11は、基本ビームと同様にパルスビームとなる。この分析ビームB11は、基本ビームB5と同様のプロファイル(例えば、真円状のプロファイル)を有し、好ましくは1パルスあたり0.1[mJ]以上のパルスエネルギーを有する。
(LIBS法に適したパルスビームについて)
LIBS法に適したパルスビームとは、パルス幅が短く、パルスエネルギーが大きく、かつ、集光性に優れたビームである。特に、局所的に高いエネルギーをサンプルSPに与えるためには、ビームを集光した際のピークパワー密度[GW/cm]、およびパルスエネルギー密度[J/cm]の両方を高めることが考えられる。
ここで、ピークパワー密度およびパルスエネルギー密度を高めるためには、本実施形態のようにパッシブQスイッチ法を用いることで、共振器長(リアミラー112と出力ミラー116との間の距離)を可能な限り短くすることが考えられる。
共振器長を短くすることで、ピークパワー密度およびパルスエネルギー密度を両方とも高めることができる。一般に、リアミラー112および出力ミラー116の半径が共振器長に対して十分に長いと仮定した場合、基本ビームB5のビーム径(基本ビーム径)は、共振器長の4分の1乗に比例する。そのため、共振器長を短くした分、基本ビームB5のビーム径(基本ビーム径)は小さくなる。すなわち、基本ビームB5のビーム径である基本ビーム径は、共振器長に基づいて決定される。
ここで、TEM00モードでのレーザ発振(以下、「TEM00発振」と呼称する)を高効率で行うためには、基本ビーム径と、前記一端面における励起ビームB3のビーム径(励起ビーム径)と、を一致させること(いわゆる「モードマッチング」)が求められる。したがって、共振器長を短くしつつ、高効率なTEM00発振を実現するためには、励起ビーム径も小さく絞ることが必要になる。
ところが、励起ビーム径を小さく絞ってしまうと、前述のように励起密度が上がった分、可飽和吸収体115が短時間で飽和に至る。そのため、反転分布が十分に形成されず、パルスエネルギーを大きくするには不都合なものとなる。LIBS法を用いるためには、1パルスあたり0.1[mJ]以上のパルスエネルギーとすることが望ましい。
本願発明者らは、高効率なTEM00発振と、パルスエネルギーの向上と、の両立を図った。このうち、高効率なTEM00発振を実現するための方策としては、例えば励起光源102をファイバに結合することが考えられる。しかしながら、ファイバを用いた構成では、レーザの特性は安定化するが、製造コストの抑制、レーザ出射部71のコンパクト化等の観点において難がある。
ファイバを使用しない構成として、ビームシェイパー104によってレーザビームB1を整形することも考えられる。しかしながら、ビームシェイパー104を用いた構成は、励起ビームB3のプロファイルが長方形または正方形となってしまい、モードマッチングを行うには不利なものとなる。この場合、基本ビームB5のプロファイルに正方形または長方形を内接させるべく、基本ビーム径以下となるように励起ビーム径を小さく絞ることが求められる。しかしながら、励起ビーム径を小さく絞ってしまうと、前述のように可飽和吸収体115が短時間で飽和に至るため、パルスエネルギーの向上を図る上では不利なものとなる。
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ビームシェイパー104によるビーム整形、SACレンズ106によるコリメート、ならびに、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108による集光のうちの少なくとも1つにおいて意図的に収差を引き起こすことを考えた。そして、その収差によって励起ビームB3のプロファイルを正方形または長方形からぼやかすことで、そのプロファイルを真円に整えることを想到するに至った。
本実施形態に係る基本波生成部71Aは、真円化されたスポット形状を有する状態で、励起ビームB3をレーザ媒質113の一端面に入射させる。これにより、励起ビーム径を小さくせずとも、モードマッチングを良好に行うことができるようになる。その結果、パルスエネルギーを損なうことなく、高効率なTEM00発振ができるようになった。
具体的に、本願発明者らは、意図的に収差を引き起こすための方策として、SACレンズ106、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108に関連した第1の方策と、ビームシェイパー104に関連した第2の方策と、第1の方策とは別の観点からSACレンズ106、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108に関連した第3の方策と、を創作した。
これらの方策は、独立して実施することを前提としたものではない。第1の方策、第2の方策および第3の方策のうちの任意の2つ以上を組み合わせて実施してもよい。
-第1の方策-
図16は、第1の方策について説明するための図である。また、図19A、図19B、図19Cおよび図19Dは、第1の方策を採用した場合のスポット形状G11,G12,G13,G14の計測結果を示す図である。
ここでは、SACレンズ106、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108のうち、第1集光レンズ107を集光レンズとして用いた場合を例示する。
第1集光レンズ107の代わりに第2集光レンズ108を用いた場合、以下の記載において、集光レンズとしての「第1集光レンズ107」を「第2集光レンズ108」に読み替えるとともに、集光方向としての「第1集光方向Ac1」を「第2集光方向Ac2」に読み替えればよい。
本願発明者らの知見によれば、第1の方策に係る励起ビームB3は、遅軸方向Asおよび速軸方向Afの双方に対して第1集光方向Ac1が傾斜するように第1集光レンズ107が配置されることにより、非傾斜状態となるように第1集光レンズ107が配置される場合に比して、真円化されたスポット形状(例えば、レーザ媒質113の端面におけるスポット形状)G13を有する。励起ビームB3は、真円化されたスポット形状G13を有する状態でレーザ媒質113の端面に入射する。
なお、ここでの遅軸方向Asおよび速軸方向Afには、第1遅軸方向As1および第1速軸方向Af1と、第2遅軸方向As2および第2速軸方向Af2と、の両方が含まれる。
この場合、図16に示すように、第1集光方向Ac1は、第1遅軸方向As1としての水平方向と、第1速軸方向Af1としての垂直方向と、の双方に対して傾斜角αだけ傾くように配置されることになる。
また、非傾斜状態における第1集光方向Ac1が、遅軸方向Asおよび速軸方向Afのうちの一方に沿ったものである場合(つまり、従来の配置を採用した場合)、光軸Alに直交する断面視において、遅軸方向Asおよび速軸方向Afのうちの一方と第1集光方向Ac1とがなす鋭角(=α)は、遅軸方向Asおよび速軸方向Afのうちの他方と第1集光方向Ac1とがなす鋭角(=90°-α)に比して小さい。
つまり、傾斜角αは、通常の集光方向から必要以上に傾けないようになっている。傾斜角αは、好ましくは0°以上45°未満の範囲内に設定され、さらに好ましくは2°以上10°未満の範囲内に設定され、より一層好ましくは5°に一致するように設定される。
図19Aに示すように、α=0°の場合、励起ビームB3のスポット形状G11は、正方形または長方形状の強度分布をなす。図19Bに示すように、α=2°の場合、励起ビームB3のスポット形状G12は、真円には近づいたものの、角度方向において若干の異方性が残存する。
そして、図19Cに示すように、α=5°の場合、励起ビームB3のスポット形状G13は、実質的に真円となる。この場合、励起ビームB3は、光軸Alに垂直な断面視において、該光軸Alから離間するにしたがって漸減する単峰性の強度分布をなす。この強度分布は、例えばガウス分布とすることができる。こうした強度分布は、TEM00モード、すなわちガウシアンモードにおけるビームのプロファイルと一致する。強度分布を意図的に非一様化することで、励起ビームB3の光軸Al付近から順番に可飽和吸収体1115を飽和させることができる。このことは、パルスエネルギーの安定化に資する。
なお、真円化されたスポット形状G13の半径は、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径と関連している。換言すれば、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径は、真円化されたスポット形状G13の半径に基づいて設定されるようになっている。
また、図19Dに示すように、α=10°の場合、励起ビームB3のスポット形状G14は、真円から離れた形状となり、図19Bに例示したスポット形状G12と同様に、角度方向において若干の異方性が残存する。
第1集光レンズ107をレイアウトする際には、励起ビームB3の強度分布の一様化等の観点から、遅軸方向Asおよび速軸方向Afの一方に対して第1集光方向Ac1を一致させるのが通常の使用態様である。対して、第1の方策によれば、そうした通常の使用態様から意図的に第1集光レンズ107の使用態様を変更することで、励起ビームB3に収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームB3のスポット形状をぼやかすように作用することになる。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームB3のスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となる。これにより、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
-第2の方策-
図17は、第2の方策について説明するための図である。また、図20A、図20B、図20Cおよび図20Dは、第2の方策を採用した場合のスポット形状G21,G22,G23,G24の計測結果を示す図である。
本願発明者らの知見によれば、第2の方策に係る励起ビームB3は、第1速軸方向Af1および第1遅軸方向As1と、第2速軸方向Af2および第2遅軸方向As2とが互いに傾斜するようにビームシェイパー104がレーザビームB1を回転させることで、第2速軸方向Af2が第1遅軸方向As1に一致しかつ第2遅軸方向As2が第1速軸方向Af1に一致するようにビームシェイパーがレーザビームB1を回転させる場合に比して真円化されたスポット形状を有する。励起ビームB3は、真円化されたスポット形状G23を有する状態でレーザ媒質113の端面に入射する。
なお、ここでの遅軸方向Asおよび速軸方向Afには、第1遅軸方向As1および第1速軸方向Af1と、第2遅軸方向As2および第2速軸方向Af2と、の両方が含まれる。この第2の方策では、第1速軸方向Af1は、第2速軸方向Af2および第2遅軸方向As2の双方に対し非平行かつ非直交となり、かつ、第1遅軸方向As1は、第2速軸方向Af2および第2遅軸方向As2の双方に対し非平行かつ非直交となる。すなわち、第2の方策に係るビームシェイパー104は、第2速軸方向Af2が第1速軸方向Af1および第1遅軸方向As1の双方に傾斜し、かつ、第2遅軸方向As2が第1速軸方向Af1および第1遅軸方向As1の双方に傾斜するように、レーザビームB1を回転させる。
この場合、図17において第1集光レンズ107に入射する直前のレーザビームB1を断面Csで見た場合、そのレーザビームB1における第2速軸方向Af2は、第1速軸方向Af1および第1遅軸方向As1の双方に対して非直交かつ非平行となる。第2遅軸方向As2もまた、第1速軸方向Af1および第1遅軸方向As1の双方に対して非直交かつ非平行となる。図例のように、第2遅軸方向As2は、第1遅軸方向As1に対して傾斜角βだけ傾き、第1速軸方向Af1に対して、傾斜角β+90°だけ傾くことになる。この場合、β≠0°かつβ≠90°の関係が満足される(ここで、0°≦β<180°と仮定した)。
なお、この第2の方策を実施する場合、励起光源102は、ビームシェイパー104に入力されるレーザビームB1として、前述した設計波長からオフセットした波長を有するレーザビームB1を出力する。既に説明したように、このように設定された励起光源102を用いることで、前記関係が満足されるようにβの値を調整することができる。
また、光軸Alに直交する断面視において、第1速軸方向Af1と第2遅軸方向As2とがなす鋭角(=β)は、第1遅軸方向As1と第2遅軸方向As2とがなす鋭角(=90°-β)に比して小さい。
つまり、傾斜角βは、ビームシェイパー104による通常の回転角度から必要以上に傾けないようになっている。傾斜角βは、好ましくは0°以上45°未満の範囲内に設定され、さらに好ましくは2°以上10°未満の範囲内に設定され、より一層好ましくは5°に一致するように設定される。
図20Aに示すように、β=0°の場合、励起ビームB3のスポット形状G21は、正方形または長方形状の強度分布をなす。図20Bに示すように、β=2°の場合、励起ビームB3のスポット形状G22は、真円には近づいたものの、角度方向において若干の異方性が残存する。
そして、図20Cに示すように、β=5°の場合、励起ビームB3のスポット形状G23は、実質的に真円となる。この場合、励起ビームB3は、光軸Alに垂直な断面視において、該光軸Alから離間するにしたがって漸減する単峰性の強度分布をなす。この強度分布は、例えばガウス分布とすることができる。こうした強度分布は、TEM00モード、すなわちガウシアンモードにおけるビームのプロファイルと一致する。強度分布を意図的に非一様化することで、励起ビームB3の光軸Al付近から順番に可飽和吸収体1115を飽和させることができる。このことは、パルスエネルギーの安定化に資する。
なお、真円化されたスポット形状G23の半径は、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径と関連している。換言すれば、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径は、真円化されたスポット形状G23の半径に基づいて設定されるようになっている。
また、図20Dに示すように、β=10°の場合、励起ビームB3のスポット形状G24は、真円から離れた形状となり、図20Bに例示したスポット形状G12と同様に、角度方向において若干の異方性が残存する。
ビームシェイパー104の構成を設定する際には、励起ビームB3の強度分布の一様化等の観点から、第2遅軸方向As2を第1速軸方向Af1に一致させ、第2速軸方向Af2を第1遅軸方向As1に一致させるのが通常の使用態様である。対して、第2の方策によれば、そうした通常の使用態様から意図的にビームシェイパー104の使用態様を変更することで、励起ビームB3に収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームB3のスポット形状をぼやかすように作用することになる。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームB3のスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となる。これにより、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
なお、第2の方策を実現するためのビームシェイパー104は、ビームツイスターには限定されない。ステップミラー方式のビームシェイパー等、エミッタ102a毎にレーザビームB1を回転可能な部材であれば、任意の光学素子を用いることができる。
-第3の方策-
図18は、第3の方策について説明するための図である。また、図21A、図21B、図21Cおよび図21Dは、第3の方策を採用した場合のスポット形状G31,G32,G33,G34の計測結果を示す図である。
ここでは、SACレンズ106、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108のうち、第1集光レンズ107を集光レンズとして用いた場合を例示する。
第1集光レンズ107の代わりに第2集光レンズ108を用いた場合は、以下の記載において、集光レンズとしての「第1集光レンズ107」を「第2集光レンズ108」に読み替えるとともに、集光方向としての「第1集光方向Ac1」を「第2集光方向Ac2」に読み替えればよい。
本願発明者らの知見によれば、第3の方策に係る励起ビームB3は、光軸Alに対して第1集光レンズ107の中心軸A3が傾斜するように該第1集光レンズ107が配置されることにより、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状(例えば、レーザ媒質113の端面におけるスポット形状)G33を有する。励起ビームB3は、真円化されたスポット形状G13を有する状態でレーザ媒質113の端面に入射する。
この場合、図18に示すように、第1集光レンズ107の中心軸A3は、第1遅軸方向As1としての水平方向に沿って見た場合、光軸Alに対して傾斜角γだけ傾くように配置されることになる。
また、光軸Alを通過する断面視において、光軸Alと中心軸A3とがなす鋭角(=γ)は、遅軸方向Asおよび速軸方向Afに沿って延びる平面P3と中心軸A3とがなす鋭角(=90°-γ)に比して小さい。
つまり、傾斜角γは、光軸Alに対して過度に傾けないようになっている。傾斜角γは、好ましくは0°以上45°未満の範囲内に設定され、さらに好ましくは2°以上10°未満の範囲内に設定され、より一層好ましくは5°に一致するように設定される。
図21Aに示すように、γ=0°の場合、励起ビームB3のスポット形状G31は、正方形または長方形状の強度分布をなす。図21Bに示すように、γ=2°の場合、励起ビームB3のスポット形状G32は、真円には近づいたものの、角度方向において若干の異方性が残存する。
そして、図21Cに示すように、γ=5°の場合、励起ビームB3のスポット形状G33は、実質的に真円となる。この場合、励起ビームB3は、光軸Alに垂直な断面視において、該光軸Alから離間するにしたがって漸減する単峰性の強度分布をなす。この強度分布は、例えばガウス分布とすることができる。こうした強度分布は、TEM00モード、すなわちガウシアンモードにおけるビームのプロファイルと一致する。強度分布を意図的に非一様化することで、励起ビームB3の光軸Al付近から順番に可飽和吸収体1115を飽和させることができる。このことは、パルスエネルギーの安定化に資する。
なお、真円化されたスポット形状G33の半径は、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径と関連している。換言すれば、第1集光レンズ107および第2集光レンズ108の曲率半径は、真円化されたスポット形状G33の半径に基づいて設定されるようになっている。
また、図21Dに示すように、γ=10°の場合、励起ビームB3のスポット形状G34は、真円から離れた形状となり、図21Bに例示したスポット形状G32と同様に、角度方向において若干の異方性が残存する。
第1集光レンズ107をレイアウトする際には、励起ビームB3の強度分布の一様化等の観点から、光軸Alと、第1集光レンズ107の中心軸A3とを一致させるのが通常の使用態様である。対して、第3の方策によれば、そうした通常の使用態様から意図的に第1集光レンズ107の使用態様を変更することで、励起ビームB3に収差を引き起こす。そうして引き起こされた収差は、励起ビームB3のスポット形状をぼやかすように作用することになる。この作用によって、スポット形状を真円に整えることができる。
このように、励起ビームB3のスポット形状を真円に整えることで、励起ビーム径を基本ビーム径に一致させるのが容易となる。これにより、ファイバレスな構成でありながらも、高効率なTEM00発振を実現することができるようになる。
なお、第1集光レンズ107の傾斜方向は、図例には限定されない。図18に示す例では、水平方向に沿って延びる回転軸まわりに第1集光レンズ107を回転させているが、これに代えて、垂直方向に沿って延びる回転軸まわりに第1集光レンズ107を回転してもよいし、前記平面P3上の任意の直線を回転軸に設定してもよい。第2集光レンズ108を傾斜させる場合も同様である。
<コントローラ本体の詳細>
図9は、コントローラ本体2の構成を例示するブロック図である。なお、本実施形態では、コントローラ本体2と光学系アセンブリ1とが別体に構成されているが、本開示は、そうした構成には限定されない。コントローラ本体2の少なくとも一部を光学系アセンブリ1に設けてもよい。例えば、制御部21を構成する処理部21aの少なくとも一部を光学系アセンブリ1に内蔵させることができる。
前述のように、本実施形態に係るコントローラ本体2は、種々の処理を行う制御部21と、制御部21が行う処理に係る情報を表示する表示部22と、を備える。制御部21には、少なくとも、マウス31、コンソール32、キーボード33、ヘッド駆動部47、載置台駆動部53、スライド機構65のアクチュエータ65b(図9にのみ図示)、レーザ出射部71の励起光源102、第1温調部124、第2温調部125、第3温調部126および第4温調部127、出力調整手段72、LED光源79a、第1カメラ81、遮蔽部材83、側射照明84、第2カメラ93、第2の同軸照明(第2同軸照明)94、第2の側射照明(第2側射照明)95、拡大光学系96、ならびに、図示しない各種センサが電気的に接続されている。
制御部21によって、ヘッド駆動部47、載置台駆動部53、アクチュエータ65b、レーザ出射部71、出力調整手段72、LED光源79a、第1カメラ81、遮蔽部材83、側射照明84、第2カメラ93、第2同軸照明94、第2側射照明95および拡大光学系96が電気的に制御される。
また、第1カメラ81、第2カメラ93および各種センサの出力信号は、制御部21に入力される。制御部21は、入力された出力信号に基づいた演算等を実行し、その演算結果に基づいた処理を実行する。そうした処理を行うためのハードウェアとして、本実施形態に係る制御部21は、種々の処理を実行する処理部21aと、処理部21aが行う処理に関連したデータを記憶する記憶装置21bと、入出力バス21cと、を有する。
処理部21aは、CPU、システムLSI、DSP等からなる。処理部21aは種々のプログラムを実行することで、サンプルSPの分析を実行したり、表示部22等、分析観察装置Aの各部を制御したりすることができる。
記憶装置21bは、揮発性メモリと、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の不揮発性メモリと、によって構成される。記憶装置21bは、各種データを一時的にまたは継続的に記憶することができる。
<制御フローの具体例>
図10は、分析観察装置Aの基本動作を例示するフローチャートである。
まず、図10のステップS1では、第2モードにおいて、観察光学系9による分析対象の探索が実行される。このステップS1では、ユーザによる操作入力に基づいて、制御部21が、第2カメラ93の露光時間、光ファイバーケーブルC3によって導光される照明光など、第2カメラ93によって生成される画像データの明るさ等の条件を調整しながら、サンプルSPの各部のうち、分析光学系7によって分析されるべき部分(分析対象)を探索する。このとき、制御部21は、必要に応じて、第2カメラ93によって生成される画像データを保存する。
なお、第2カメラ93の露光時間の調整および照明光の明るさの調整は、ユーザによる操作入力を伴わずとも、各種センサの検出信号に基づいて制御部21が自動的に実行するように構成することもできる。
また、このステップS1の最中、または、同ステップS1と前後して、例えばユーザによる手動操作に基づいて、分析対象の探索に際し、傾斜機構45によって観察光学系9、ひいてはヘッド部6全体が傾けられる。制御部21は、そのときの傾きθの大きさを検知する。その傾きθの大きさは、第2カメラ93によって生成される第1画像データとともに、表示部22上に表示してもよい。
続くステップS2では、制御部21がスライド機構65を作動させて観察光学系9と分析光学系7とを一体的にスライド移動させることで、第2モードから第1モードへの切替が実行される。
続くステップS3では、制御部21が載置台駆動部53を作動させて載置台5の位置調整を実行する。この位置調整は、前後方向、左右方向および上下方向の少なくとも1方向に沿って行われる。載置台5の位置調整を行うことで、反射型対物レンズ74に対するサンプルSPの相対位置が調整される。なお、第1モードから第2モードへの切替に際して同様の位置調整を実行してもよい。
続くステップS4では、着脱検知センサ82の検知信号に基づいて、分析筐体70に反射型対物レンズ74が装着されているか否か(装着状態か否か)を制御部21が判定する。この判定がYESの場合、制御部21はレーザ光の出射を許可する制御信号(出射許可信号)を生成し、レーザ出射部71に入力する。この場合、制御プロセスはステップS5に進む。一方、ステップS4に係る判定がNOの場合、制御部21はレーザ光の出射を不許可とする制御信号(出射不許可信号)を生成し、レーザ出射部71に入力する。この場合、制御プロセスはステップS5に進まず、ステップS4に係る判定に戻る。なお、出射許可信号および出射不許可信号は、少なくとも一方を用いればよい。また、出射許可信号および出射不許可信号は、制御部21による生成には限定されず、例えばヘッド部6に内蔵された制御装置によって生成してもよい。
続いて、図10のステップS5では、第1モードにおいて、分析光学系7によるサンプルSPの成分分析が実行される。具体的に、このステップS5では、制御部21は、励起光源102等の温度を適温に調整した状態で、該励起光源102からレーザビームB1を出射させ、このレーザビームB1に基づいて分析ビームB11を生成される。この分析ビームB11をサンプルSPに照射し、サンプルSPの局所的なプラズマ化を引き起こす。このステップS5に係る処理の最中(特に、分析ビームB11の生成よりも前のタイミング)に、ステップS4に係る判定を行ってもよい。例えば、励起光源102等の調温を実行した状態で待機し、制御部21からレーザ出射部71に出射許可信号が入力されたことを条件として、分析ビームB11の生成を開始するように構成することもできる。
あるいは、ステップS1とステップS2の間または途中のタイミングでステップS4に係る処理を実行したり、ステップS2とステップS3の間または途中のタイミングでステップS4に係る処理を実行したりしてもよい。着脱検知センサ82からの検知信号に基づいた処理は、分析ビームB11の生成以前であれば、任意のタイミングで行うことができる。
また、制御部21から出射許可信号を受け付ける代わりに、着脱検知センサ82から検知信号を受け付けて、その検知信号を出射許可信号として用いることもできる。
第1および第2検出器77A,77Bは、サンプルSPのプラズマ化に起因して発せられるプラズマ光を受光して、強度分布スペクトルを生成する。制御部21は、生成された強度分布スペクトルを解析することで、サンプルSPに含まれる元素の成分および成分比の分析と、その成分比に基づいた材料の推定と、を実行する。その後、制御部21は、分析結果等を表示部22上に表示させ、図10に示す制御プロセスを終了する。
A 分析観察装置
SP サンプル(分析対象物)
1 光学系アセンブリ
6 ヘッド部
62 分析ユニット
7 分析光学系
71 レーザ出射部(固体レーザ発振器)
102 励起光源(光源)
102a エミッタ
103 FACレンズ(速軸コリメータ)
104 ビームシェイパー
106 SACレンズ(遅軸コリメータ)
107 第1集光レンズ(集光レンズ)
108 第2集光レンズ(第2の集光レンズ)
111 共振器
112 リアミラー(ミラー)
113 レーザ媒質
114 ブリュースタ板
115 可飽和吸収体
116 出力ミラー(ミラー)
As 遅軸方向
As1 第1遅軸方向(回転前の遅軸方向)
As2 第2遅軸方向(回転後の遅軸方向)
Af 速軸方向
Af1 第1速軸方向(回転前の速軸方向)
Af2 第2速軸方向(回転後の速軸方向)
Al 光軸
Ac1 第1集光方向(集光方向)
Ac2 第2集光方向
A3 中心軸(集光レンズの中心軸)
B1 レーザビーム
B3 励起ビーム
B5 基本ビーム(出力ビーム)
G13 真円化されたスポット形状
G23 真円化されたスポット形状
G33 真円化されたスポット形状
P3 遅軸方向および速軸方向に沿って延びる平面

Claims (13)

  1. エンドポンプ方式の固体レーザ発振器であって、
    遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、
    前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、
    前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、
    前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、
    2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備え、
    前記集光レンズは、前記光軸に直交する一方向である集光方向において前記レーザビームを集光し、
    前記励起ビームは、前記遅軸方向および前記速軸方向の双方に対して前記集光方向が傾斜するように前記集光レンズが配置されることにより、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状を有し、
    前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  2. エンドポンプ方式の固体レーザ発振器であって、
    遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、
    前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、
    前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、
    前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、
    2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備え、
    前記励起ビームは、前記ビームシェイパーによる回転前の速軸方向および遅軸方向と、前記ビームシェイパーによる回転後の速軸方向および遅軸方向とが互いに傾斜するように前記ビームシェイパーが前記レーザビームを回転させることで、前記回転後の速軸方向が前記回転前の遅軸方向に一致しかつ前記回転後の遅軸方向が前記回転前の速軸方向に一致するようにビームシェイパーが前記レーザビームを回転させる場合に比して真円化されたスポット形状を有し、
    前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  3. エンドポンプ方式の固体レーザ発振器であって、
    遅軸方向に並んだ複数のエミッタを有し、各エミッタから出力されるレーザビームによって直線状のビームを出力する光源と、
    前記各エミッタから出力されたレーザビームを、該レーザビームの速軸方向においてコリメートする速軸コリメータと、
    前記速軸コリメータによりコリメータされたレーザビームを該レーザビームの光軸まわりに回転するビームシェイパーと、
    前記ビームシェイパーにより回転されたレーザビームを集光し、励起ビームを生成する集光レンズと、
    2つ以上のミラーにより構成される共振器内に配置され、前記集光レンズにより生成された励起ビームに基づいて出力ビームを出射するレーザ媒質と、を備え、
    前記励起ビームは、前記光軸に対して前記集光レンズの中心軸が傾斜するように該集光レンズが配置されることにより、非傾斜状態となるように集光レンズが配置される場合に比して真円化されたスポット形状を有し、
    前記励起ビームは、前記真円化されたスポット形状を有する状態で前記レーザ媒質の端面に入射する
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載された固体レーザ発振器において、
    前記光源から出力されたレーザビームを、前記遅軸方向においてコリメートする遅軸コリメータを備える
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  5. 請求項4に記載された固体レーザ発振器において、
    前記光源から前記レーザ媒質に向かって、前記速軸コリメータ、前記ビームシェイパーおよび前記遅軸コリメータの順番で配置されている
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された固体レーザ発振器において、
    前記集光レンズとは異なる方向に前記レーザビームを集光する第2の集光レンズを備え、
    前記集光レンズおよび前記第2の集光レンズは、それぞれ、シリンドリカルレンズによって構成される
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  7. 請求項6に記載された固体レーザ発振器において、
    前記共振器の共振器長に基づいて決定される前記出力ビームのビーム径と、前記真円化されたスポット形状の半径とが略一致するように構成され、
    前記集光レンズおよび前記第2の集光レンズそれぞれの曲率半径は、前記真円化されたスポット形状の半径に基づいて設定される
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載された固体レーザ発振器において、
    前記共振器は、
    前記出力ビームをパルス発振させる可飽和吸収体と、
    前記レーザ媒質と前記可飽和吸収体との間に配置されるブリュースタ板と、を有し、
    前記ブリュースタ板は、p偏光を透過し、s偏光を反射する
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  9. 請求項8に記載された固体レーザ発振器において、
    前記2つ以上のミラー、前記レーザ媒質、前記可飽和吸収体および前記ブリュースタ板は、共通のベースプレート上に固定される
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  10. 請求項1に記載された固体レーザ発振器において、
    前記非傾斜状態における集光方向が前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの一方に沿ったものとすると、前記光軸に直交する断面視において、前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの一方と前記集光方向とがなす鋭角は、前記遅軸方向および前記速軸方向のうちの他方と前記集光方向とがなす鋭角に比して小さい
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  11. 請求項2に記載された固体レーザ発振器において、
    前記光軸に直交する断面視において、前記ビームシェイパーによる回転前の前記速軸方向と該ビームシェイパーによる回転後の前記遅軸方向とがなす鋭角は、前記ビームシェイパーによる回転前の前記遅軸方向と該ビームシェイパーによる回転後の前記遅軸方向とがなす鋭角に比して小さい
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  12. 請求項3に記載された固体レーザ発振器において、
    前記光軸を通過する断面視において、前記光軸と前記中心軸とがなす鋭角は、前記遅軸方向および前記速軸方向に沿って延びる平面と前記中心軸とがなす鋭角に比して小さい
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載された固体レーザ発振器において、
    前記励起ビームは、前記光軸に垂直な断面視において、該光軸から離間するにしたがって漸減する単峰性の強度分布をなす
    ことを特徴とする固体レーザ発振器。
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