JP2023026914A - マルチモード伝送システム - Google Patents
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Abstract
Description
モード合分波器とマルチモードファイバを用いた伝送システムでは、デバイスごとの挿入損失のほか、モード依存損失を低減するようなモード合分波器が検討されている(例えば、非特許文献2を参照。)。
コヒーレント変調信号光を送信するN個(Nは2以上の整数)の光送信機と、
伝搬モードの数がL(Lは2以上の整数)であるマルチモード光ファイバと、
M個の前記コヒーレント変調信号光を受信するM個の光受信機と、
入力される複数の信号光をLモードのマルチモードに変換して前記マルチモード光ファイバに入力するモード合波器と、
前記マルチモード光ファイバのマルチモードの信号光を複数の信号光に分波するモード分波器と、
を備えるマルチモード伝送システムであって、
前記モード合波器の前段、及び前記モード分波器の後段の少なくとも一方に光線形変換器を備えており、
前記モード合波器から前記モード分波器までの間における伝達行列の逆行列に複素定数を乗じた行列で、
前記モード合波器の前段の前記光線形変換器は、N個の前記コヒーレント変調信号をN0個(N0はN以上の整数)のコヒーレントな中間信号光に変換し、前記モード合波器に入力し、
前記モード分波器の後段の前記光線形変換器は、前記モード分波器が分波したM0個のコヒーレントな中間信号をM個のコヒーレント変調信号光に変換し、前記光受信機に入力することを特徴とする。
図1は、本実施形態のマルチモード伝送システムを説明する図である。本システムは、N(N≧2)モードの光送信機10と、M(M≧2)モードの光受信機20と、L(L≧2)モードのマルチモード光ファイバ30と、を備える。具体的には、本システムは、
コヒーレント変調信号光を送信するN個(Nは2以上の整数)の光送信機10と、
伝搬モードの数がL(Lは2以上の整数)であるマルチモード光ファイバ30と、
M個の前記コヒーレント変調信号光を受信するM個の光受信機20と、
入力される複数の信号光をLモードのマルチモードに変換してマルチモード光ファイバ30に入力するモード合波器40と、
マルチモード光ファイバ30のマルチモードの信号光を複数の信号光に分波するモード分波器50と、
を備える。
モード合波器40からモード分波器50までの間における伝達行列の逆行列に複素定数を乗じた行列で、
光線形変換器60は、N個の前記コヒーレント変調信号をN0個(N0はN以上の整数)のコヒーレントな中間信号光に変換し、モード合波器40に入力し、
光線形変換器70は、モード分波器50が分波したM0個の中間信号をM個のコヒーレント変調信号光に変換し、光受信機20に入力する
ことを特徴とする。
コヒーレント変調信号光をシングルモード光ファイバ15に出射するN個(図2ではN=3)の光送信機10と、
c本(図2ではc=4)のシングルモード光ファイバ16からd個(図2ではd=L=3)のマルチモードに変換するモード合波器40と、
モード合波器40の前段でa個(図2ではa=N=3)のコヒーレント変調信号光に対して適切な干渉および損失を与えてb個(図2ではb=c=N0=4)のコヒーレント変調信号光を得るb×a光線形変換器60で構成される。
なお、図2は一例であるので、N、N0、L、a、b、c、dの数は図2の値に限定されない。
複素複素振幅列{y}=(y1,y2,...,yb)Tと
の対応を伝達行列Tで表すとき、{y}=T{x}で表すことができる。
伝達行列Tを特異値分解すると、ユニタリ行列U、Vと特異値を対角成分に持つ行列Sを用いて
N=L,
a≧L,
b≧L,
c≧L,
d≧L,
d≧a
とする。
モード合波器40の伝達行列をTsとする。この場合、モード合波器40の前段に、当該伝達行列の逆行列Ts -1に複素定数α倍を乗じたαTs -1の変換を行う光線形変換器60を配置する。上述したように、光線形変換器60の伝達行列USV+を、光ユニタリ変換器(61、63)の構成や光利得変換器62の構成を調整してαTs -1とする。光線形変換器60の配置によりモード合波器40のモード選択性を高め、モード依存損失を均一化することができる。
モード合波器40からマルチモード光ファイバ30への結合を表す伝達行列をTcとする。この場合、モード合波器40の前段に、モード合波器40の伝達行列Tsとマルチモード光ファイバ30への結合の伝達行列Tcとの積Tcs=TcTsの逆行列Tcs -1に複素定数α倍を乗じたαTcs -1の変換を行う光線形変換器60を配置する。上述したように、光線形変換器60の伝達行列USV+を、光ユニタリ変換器(61、63)の構成や光利得変換器62の構成を調整してαTcs -1とする。光線形変換器60の配置により、モード合波器40のモード選択性を高め、且つ送信機側のモード依存損失を均一化することができる。
マルチモード光ファイバ30のモード間クロストークおよびモード依存損失、すなわち、マルチモード光ファイバ30の伝達行列をTfとする。伝達行列Tfが既知である場合、モード合波器40の前段に、前述の伝達行列Tcs=TcTsとの積Tfcs=TfTcTsの逆行列Tfcs -1に複素定数α倍を乗じたαTfcs -1の変換を行う光線形変換器60を配置する。上述したように、光線形変換器60の伝達行列USV+を、光ユニタリ変換器(61、63)の構成や光利得変換器62の構成を調整してαTfcs -1とする。光線形変換器60の配置により、モード合波器40のモード選択性を高め、送信機側のモード依存損失を均一化することができ、さらに、マルチモード光ファイバ30のモード間クロストークおよびモード依存損失を送信機側で補償することが可能となる。
実施形態1では、図1のマルチモード伝送システムのうち、送信側の機能について説明した。本実施形態では受信側の機能について説明する。図12は、本システムの受信側の構造を説明する図である。本システムの受信側は、
シングルモード光ファイバ25中を伝搬するコヒーレント変調信号光を受光するM個(図12ではM=3)の光受信機20と、
d個(図12ではd=L=3)のマルチモードからc個(図12ではc=M0=4)のシングルモードに変換してシングルモード光ファイバ26に出射するモード分波器50と、
モード分波器50の後段でb個(図12ではb=c=M0=4)のコヒーレント変調信号光に対して適切な干渉および損失を適切に与えてa個(図12ではa=M=3)のコヒーレント変調信号光を得るa×b光線形変換器70で構成される。
なお、図12は一例であるので、M、M0、L、a、b、c、dの数は図12の値に限定されない。
なお、以下の説明では、送信機側で説明した伝達行列U、S及びV+で説明しているが、送信機側の光線形変換器と受信機側の光線形変換器との伝達行列を一致させる必要は無い。系に応じた伝達行列を用いればよい。
モード分波器50の伝達行列をTsとする。この場合、モード分波器50の後段に、当該伝達行列の逆行列Ts -1に複素定数α倍を乗じたαTs -1の変換を行う光線形変換器70を配置する。上述したように、光線形変換器70の伝達行列V+SUを、光ユニタリ変換器(71、73)の構成や光利得変換器72の構成を調整してαTs -1とする。光線形変換器70の配置によりモード分波器50のモード選択性を高め、モード依存損失を均一化することができる。
モード分波器50からマルチモード光ファイバ30への結合を表す伝達行列をTcとする。この場合、モード分波器50の後段に、モード分波器50の伝達行列Tsとマルチモード光ファイバ30からの結合の伝達行列Tcとの積Tsc=TsTcの逆行列Tsc -1に複素定数α倍を乗じたαTsc -1の変換を行う光線形変換器70を配置する。上述したように、光線形変換器70の伝達行列V+SUを、光ユニタリ変換器(71、73)の構成や光利得変換器72の構成を調整してαTsc -1とする。光線形変換器70の配置により、モード分波器50のモード選択性を高め、且つ受信機側のモード依存損失を均一化することができる。
マルチモード光ファイバ30のモード間クロストークおよびモード依存損失、すなわち、マルチモード光ファイバ30の伝達行列をTfをとする。伝達行列Tfが既知である場合、モード分波器50の後段に、前述の伝達行列Tsc=TsTcとの積Tscf=TsTcTfの逆行列Tscf -1に複素定数α倍を乗じたαTscf -1の変換を行う光線形変換器70を配置する。上述したように、光線形変換器70の伝達行列V+SUを、光ユニタリ変換器(71、73)の構成や光利得変換器72の構成を調整してαTscf -1とする。光線形変換器70の配置により、モード分波器50のモード選択性を高め、受信機側のモード依存損失を均一化することができ、さらに、マルチモード光ファイバ30のモード間クロストークおよびモード依存損失を受信機側で補償することが可能となる。
図1のように、マルチモード光ファイバ30中を伝搬するモード数L、モード合波器40の入力モード数N0、モード分波器50の出力モード数M0の全てが一致している場合(a=b=c=d)、次のシステム構成とすることができる。
(1)送信側又は受信側に1つの光線形変換器
当該場合においては、図4または図5で説明した構成の光線形変換器を送信側と受信側のいずれかに配置すればよい。つまり、光線形変換器60と光線形変換器70のいずれか一方でよい。
(2)送信側と受信側の双方に光線形変換器
図8または図9の構成を送信部および受信部の両方に配置して、伝達行列を対角行列にする。例えば、モード合波器からモード分波器までを考えた伝達行列Tscs=Ts +TcTsを特異値分解した伝達行列USV+に対して、光線形変換器60ではV+の逆行列、光線形変換器70ではUの逆行列の変換を行う。Sに対応する部分は、送信機10または受信機20で対応する。
図14は、マルチモード光ファイバ30として2LPモードファイバ(L=3)を採用し、モード合波器40として非特許文献2の2+2=4非選択的モード合波器(c=d=4)を用いる例を説明する図である。非選択的モード合波器は、図14に示すように、3つのY分岐導波路を組み合わせた構造であり、光線形変換器60からの基本モードの光を合波して3つのモード(LP01、LP11a、LP11b)をマルチモード光ファイバ30に励振する。
本発明に係るマルチモード伝送システムは、モード合波器の前処理、またはモード分波器の後処理として、光線形変換器を導入することで、システム全体の伝達行列を自在に変化させ、伝送品質を制御する。
例えば、光線形変換器は、マルチモード光ファイバのクロストーク、モード損失差および伝送後に求められるモード依存損失差に応じ、マルチモード光ファイバ中を伝搬する複数の伝搬モードの励振比率を調整できる。
本発明により、モ-ド分割多重技術を用いたマルチモード光ファイバ伝送において、光線形変換器のパラメータ(ユニタリ変換器の構成、光増幅/減衰器の利得、及び位相シフタのシフト量)を変更することで、モード合分波器とマルチモード光ファイバの励振モード数を制御できるようになり、モード合分波におけるモード依存損失も補償可能となる。
15、16:シングルモード光ファイバ
20:受信機
25、26:シングルモード光ファイバ
30:マルチモード光ファイバ
40:モード合波器
50:モード分波器
60、70:光線形変換器
61、63、71、73:ユニタリ変換器
62、72:光利得変換器(増幅器/減衰器)
81:入出力導波路
82:2×2光分配ユニット
Claims (3)
- コヒーレント変調信号光を送信するN個(Nは2以上の整数)の光送信機と、
伝搬モードの数がL(Lは2以上の整数)であるマルチモード光ファイバと、
M個の前記コヒーレント変調信号光を受信するM個の光受信機と、
入力される複数の信号光をLモードのマルチモードに変換して前記マルチモード光ファイバに入力するモード合波器と、
前記マルチモード光ファイバのマルチモードの信号光を複数の信号光に分波するモード分波器と、
を備えるマルチモード伝送システムであって、
前記モード合波器の前段、及び前記モード分波器の後段の少なくとも一方に光線形変換器を備えており、
前記モード合波器から前記モード分波器までの間における伝達行列の逆行列に複素定数を乗じた行列で、
前記モード合波器の前段の前記光線形変換器は、N個の前記コヒーレント変調信号光をN0個(N0はN以上の整数)のコヒーレントな中間信号光に変換し、前記モード合波器に入力し、
前記モード分波器の後段の前記光線形変換器は、前記モード分波器が分波したM0個のコヒーレントな中間信号をM個のコヒーレント変調信号光に変換し、前記光受信機に入力する
ことを特徴とするマルチモード伝送システム。 - 前記光線形変換器は、光ユニタリ変換器及び光利得変換器で構成され、前記伝達行列に応じて前記光利得変換器における光増幅量/光減衰量を設定されることを特徴とする請求項1に記載のマルチモード伝送システム。
- 前記モード合波器及び前記モード分波器の少なくとも一方が非選択的であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチモード伝送システム。
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