JP2023026265A - 肥満,高血糖モデルの作製方法及び予防及び治療の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】肥満・高血糖モデル動物の作製方法とこれら病態に対する化合物の予防及び治療効果の評価方法を提供する.【解決手段】げっ歯類の飲水にグルコースなどの糖溶液を飲ませることにより,肥満,高コレステロール血症,高遊離脂肪酸血症,高ヘモグロビンA1cの病態を呈する動物モデルを作製する.また,病態モデルが出来上がる前から化合物投与を開始することによる予防効果を,病態モデルが出来上がってから化合物投与を開始することにより治療効果を評価する方法等.【選択図】なし

Description

本発明は,ヒトの肥満,及び/或いは高コレステロール血症,及び/或いは高遊離脂肪酸血症,及び/或いは高ヘモグロビンA1cを示す動物モデル作製及びそのモデル作製方法を用いての被験物質の予防及び治療効果の評価に関する.
ヒトにおける疾患の原因を解明し,又はその予防及び/或いは治療法をスクリーニングするためにヒトの疾患を発現する動物モデル及びその作製方法が有用である.
近年,ヒトにおいて肥満や糖尿病(高血糖)が大きな問題となっており,肥満者の割合は男性で31.3%,女性で20.6%,「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性16.3%、女性9.3%であり(平成28年度国民健康・栄養調査結果の概要),その発症の機構の解明や新たな治療薬の開発が望まれている.
肥満や糖尿病(高血糖)の動物モデルとして種々のモデル動物が開発されている.例えば、レプチン受容体を欠損し過食を特徴とするdb/dbマウス(非特許文献1を参照)、GKラット(非特許文献2を参照)、高脂肪食飼育により肥満症と糖尿病を発症するマウス(特許文献1を参照)等が報告されており,また遺伝子改変により肥満と糖尿病を発症させるマウス(特許文献2を参照)の開発も行われている.
しかしながら,これらの自然発症動物モデルであるdb/dbマウスやGKラットなどは1匹当たりの価格が高く,多くの匹数を揃えた実験をするためには予算が高額になり,特殊動物であるため数を確保するのも難しい.また、特許文献1に記載のマウスは、肥満症の発生に餌の成分として不安定である高脂肪食を用いるため,餌の交換を3から4日で交換しなくてはならず,更に高脂肪食は高額の上,冷凍保存しなければならない等,実験者に多くの手間がかかり,実験費用が高額になる.また,特許文献2に記載のマウスでは遺伝子改変という特殊な技術が必要であり,実験を始めるまでに時間がかかり,マウスの系統として維持できるようになったとしても,db/dbマウスのように高額で数を揃えるのが難しくなると考えられる.
特開2005-110632号公報 特開2019-180315号公報
Diabetologia,Vol.6,268-273,1970 Diabetologia 15,309-312(1978)
ヒトの肥満及び高血糖の発症機構の解明及び/或いは予防薬及び/或いは治療薬の開発のために,肥満及び高血糖を発症し,肥満及び糖尿病の特徴を有するモデル動物が必要とされており,更に低額で実験者の手間が少ない実験系の発明が求められている.本発明はこのような要望に応えるものであり,内臓脂肪型肥満症の発現、及び/或いは脂質異常,及び/或いは高ヘモグロビンA1cの併発という特性を有し,低額で実験者の手間を省くことができる動物モデルを作製する方法であり,これらの病態に対する予防及び治療の評価方法を提示するものである.
本発明者は,新たな肥満及び高血糖のモデル動物を開発すべく,糖の摂取により,摂餌量が減少しても動物が肥満及び高血糖を発症するかを検討し,げっ歯類の飲水に糖溶液を用いることにより,肥満及び高血糖(高ヘモグロビンA1c)の発症を確認した.
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]糖溶液を飲料水の代わりに飲水させることにより,内臓脂肪型肥満,及び/或いは高ステロール血症,及び/或いは高遊離脂肪酸血症,及び/或いは高ヘモグロビンA1c,及び/或いは耐糖能低下を呈するマウスを作製する方法.
[2]糖溶液の飲水を1週間以上飲水させる[1]の方法.
[3]糖溶液の種類は糖類がグルコース,フルクトースなどの単糖類,スクロース,マルトースなどの二糖類で水に溶解可能な糖を用いた[1]及び[2]の方法.
[4]用いる糖溶液の濃度が10%~70%濃度であり,更に好ましくは20%~50%,更に好ましくは50%である糖溶液を用いる[1]及び[2]の方法.
[5]内臓脂肪型肥満,及び/或いは高ステロール血症,及び/或いは高遊離脂肪酸血症,及び/或いは高ヘモグロビンA1c,及び/或いは耐糖能低下を呈するモデル動物を作製する[1]~[4]の方法.
[6]モデル作製開始直後から被験物質を投与し,[1]に記載の病態に対する予防効果を評価する方法.
[7][1]に記載の病態モデル作製後から被験物質を投与し,[1]に記載の病態に対する治療効果を評価する方法.
本発明の作製方法で作製した肥満,高血糖動物モデルは、従来の肥満モデルや高血糖モデルに比較して、低額で作製可能であり,早期に体重増加を示し,内臓脂肪型肥満,及び/或いは高コレステロール血症,及び/或いは高遊離脂肪酸血症,及び/或いは高血糖の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)等を増加させる動物モデルを作製することが可能である.本発明の作製方法では糖溶液を飲水させるだけで先に記載の病態を引き起こすことが可能であり,7日間に1回の飲水溶液の交換で良く,糖溶液も水に簡単に溶解できることから,実験者への負担は少ない.また,一般的に使用されているげっ歯類の系統を用いることで作製可能であり,実験にかかる費用を抑えることが出来る.また,従来の肥満或いは糖尿病モデルはその病態は重く,医薬品などの薬理効果が高い化合物であればその効果を検出することができるが,薬理効果が低い食品成分などではその効果を検出することが難しい.しかし,本方法で作製した動物モデルは先に記載の病態を示すが,その病態は他のモデルと比較して軽症であり,薬理効果が医薬品よりも弱い食品成分などの化合物の予防或いは治療等の有効性を確認することに対しても有効である.
体重増加曲線 摂餌量への影響 内臓脂肪(精巣周囲脂肪)への影響 内臓脂肪(腎臓周囲脂肪)への影響 血中総コレステロール値(T-cho)への影響 血中中性脂肪(TG)への影響 血中遊離脂肪酸(NEFA)への影響 血糖値に及ぼす影響 ヘモグロビンA1c(HbA1c)に対する影響 抗糖尿病薬の体重に対する影響 抗糖尿病薬の経口糖負荷試験に対する効果 抗糖尿病薬のヘモグロビンA1c対する効果
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は正常動物に糖溶液を飲水として与えることにより,内臓脂肪型肥満,高コレステロール血症,高遊離脂肪酸血症,高血糖の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)が高値を呈する動物モデルを作製するため方法及びこれら病態への被験物質の予防或いは治療効果を評価する方法を提供することである.
与える糖溶液はグルコース,フルクトースなどの単糖類,スクロース,マルトースなどの二糖類で水に溶解可能な糖を用いることであり,それまでの飼育には普通の飲用水を用いてよく,実験を開始するときに糖溶液に切り替えることにより作製することができる.
本発明の作製方法により作製されたモデル動物は以下の特徴を有する.
(1)飲水を糖溶液に切り替えてから早ければ1週間で少なくとも4週間で体重の増加が認められる.
(2)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間での内臓脂肪の増加が認められる.
(3)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間でHbA1cの増加が認められる.
(4)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間で血液中コレステロールの増加が認められる.
(5)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間で血液中遊離脂肪酸の増加が認められる.
(6)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間では血液中中性脂肪には増加は認められない.
(7)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間で絶食化の血糖値の増加が認められる.
(8)飲水を糖溶液に切り替えてから少なくとも4週間で,糖負荷試験の血糖値が正常動物よりも有意に高い値を示す.
(9)飲水を糖溶液に切り替えてから,摂餌量が減少する.
ことが特徴である.
本発明の動物モデルは、以下のモデル動物や評価用動物として用いることができる。
1.過剰な内臓脂肪蓄積の原因を解析するモデル
2.高血糖を解析するモデル動物
3.脂質代謝のモデル動物
4.摂食機構の解析モデル動物
5.既存の肥満関連物質との比較モデル動物
6.肥満と運動の関係の解析モデル動物
7.肥満予防及び/或いは治療の医薬品及び/或いは健康食品開発の評価用動物
8.高血糖(高HbA1c)予防及び/或いは治療の医薬品及び/或いは健康食品開発の評価用動物
上記の予防効果の評価とは上記病態の評価値の増加が認められない時期,すなわち飲水を通常の水から糖溶液に切り替えてから1週間以内に,更に好ましくは3日以内に,更に好ましくは切り替えた当日から予防効果を有すると思われる被験物質を投与することにより実験を実施する方法である.
上記の治療効果とは上記病態の評価値の増加が認められてから,或いは飲水を糖溶液に切り替えてから4週間後から治療効果を有すると思われる被験物質を投与することにより実験を実施する方法である.
上記のうち肥満予防及び/或いは高血糖予防の医薬品及び/或いは健康食品開発の評価用動物とは,公知の健康食品や化合物の肥満,高コレステロール血症,高遊離脂肪酸血症に対する治療又は予防効果及び高血糖に対する治療又は予防効果を評価することができる.さらに肥満,高コレステロール血症,高遊離脂肪酸血症に対する治療又は予防効果及び高血糖に効果がある新規な健康食品の治療又は予防に用いることができる化合物をスクリーニングすることができる。なお,本発明において健康食品という場合,健康食品のみならず特定保健用食品,栄養機能食品,栄養補助食品,サプリメント等を含む.ここで,特定保健用食品とは,食生活において特定の保健の目的で摂取をし,その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品をいう.
抗肥満効果及び/或いは抗高血糖効果の確認には,本発明方法で作製した動物モデルの上記の特性(1)~(8)の特性に変化が認められるか否かを基準にすればよい.
例えば,被験物質を投与することにより,体重増加が抑制される,内臓脂肪の蓄積が抑制される,高コレステロール血症が緩和される,高遊離脂肪酸血症が緩和される,高HbA1cが緩和される場合,その被験物質はそれぞれの病態に対して効果があると評価・判定することができる.
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない.
実施例1 マウスを用いた肥満及び高血糖モデルの作製
動物:マウス,C57BL/6J,雄
週齢:9週齢
群構成:水飲水群,20%グルコース飲水群,50%グルコース飲水群,各群10例
方法:
マウスに飲水させる糖溶液にはグルコースを溶解したものを用いた.
検疫,馴化期間終了後,飲水を通常水から20%或いは50%のグルコース溶液に切り替え飲水させた.水飲水群には引き続き通常水を飲水させた.
1.体重増加曲線
グルコース溶液に切り替え後,1週間ごとに体重を測定した.その結果,図1に示すように50%グルコース溶液では糖溶液に切り替え後1週間から,20%グルコース溶液では糖溶液に切り替え後4週間で水飲水群と比較して有意な増加が認められた.
2.摂餌量への影響
グルコース溶液の飲水が摂餌量にどのように影響するかを確認するために摂餌量を測定した.
図2に示すようにグルコース溶液の飲水により摂餌量の減少が認められ,水飲水群よりも有意に摂餌量は少なかった.このことから,体重の増加は摂餌量の増加に起因するものではなく,グルコース溶液の飲水により増加していることが示されている.
3.内臓脂肪(精巣周囲脂肪,腎臓周囲脂肪)への影響
飲水をグルコース溶液に切り替え後4週間目に動物を安楽死させ,内臓脂肪重量を測定した.
図3及び図4に示すようにグルコース溶液の濃度に依存し,内臓脂肪が有意に水飲水群と比較して,増加した.このことから,体重の増加が内臓脂肪に依存していることが示されている.
4.血中総コレステロール値(T-cho)への影響
グルコース溶液の飲水により肥満が起こっており,その肥満により高コレステロール血症になっているかを確認するために血中コレステロール値を測定した.
図5に示すようにグルコース溶液の濃度に依存し,総コレステロール値が増加しており,水飲水群と比較して高値を示していることから,高コレステロール血症になっていることが示されている.
5.血中中性脂肪(TG)への影響
グルコース溶液の飲水により肥満が起こっており,その肥満により高中性脂肪血症になっているかを確認するために血中性脂肪値を測定した.
図6に示すようにグルコース溶液は濃度関係なく,中性脂肪値に影響を及ぼさないことが示された.
6.血中遊離脂肪酸(NEFA)への影響
グルコース溶液の飲水により肥満が起こっており,その肥満により高遊離脂肪酸血症になっているかを確認するために血中遊離脂肪酸値を測定した.
図7に示すようにグルコース溶液の濃度に依存し,遊離脂肪酸値が増加しており,水飲水群と比較して高値を示していることから,高遊離脂肪酸血症になっていることが示されている.血中遊離脂肪酸の上昇はインスリン抵抗性を増加させ,2型糖尿病の発症の原因と言われている.
7.血糖値に及ぼす影響
グルコース溶液の飲水における血糖値への影響を検討するため,週1回血糖値を測定した.血糖値の測定は血糖値測定直前のグルコース溶液の飲水の影響を除くために,血糖値測定前に飲水用の給水瓶は取り除いてから1時間後に測定した.
図8に示すように血糖値は水飲水群と比較して低い傾向を示し,50%グルコース溶液飲水群では有意な低値が認められた.これはグルコース溶液飲水群では摂餌量が少なく,血糖値測定直前に餌を食べることがないが,水飲水群では血糖値測定直前の摂餌の影響を受けた値が反映されているためと考えられる.
8.ヘモグロビンA1c(HbA1c)に対する影響
HbA1cとは赤血球中に存在するタンパク質であるヘモグロビンにブドウ糖が結合して出来た糖化ヘモグロビンのことである.HbA1cは定常状態の血糖値が高いほどヘモグロビンに結合するブドウ糖の量が多くなり,いったん糖化したヘモグロビンは、赤血球の寿命が尽きるまで元には戻らないといわれている.血糖値の高い状態が続くと、ヘモグロビンに結合するブドウ糖の量が多くなり,HbA1cは高くなることから高血糖の指標として用いられている.
図9に示すようにHbA1cはグルコース溶液飲水後28日目では,グルコース溶液の濃度に依存し,水飲水群よりも有意に高い値を示している.これはグルコース溶液の飲水により高血糖状態が維持されていることを示している.
実施例2 抗糖尿病薬であるシタグリプチン(以下,Sitaと略する)のグルコース溶液飲水マウスにおける体重,糖負荷試験及びHbA1cに対する効果.
動物:マウス,C57BL/6J,雄
週齢:7週齢
群構成:水飲水+水投与群,50%グルコース飲水+水投与群,50%グルコース飲水+Sita 3mg/kg群,50%グルコース飲水+Sita 10mg/kg群
方法:
飲水させる糖溶液の糖にはグルコースを用いた.
検疫,馴化期間終了後,飲水を通常水から50%のグルコース溶液に切り替え飲水させた.水飲水群には引き続き通常水を飲水させた.抗糖尿病薬であるシタグリプチン(ジャヌビア錠)を水に溶解し,糖溶液切り替え当日から1日1回投与した.
1.抗糖尿病薬の体重に対する影響
グルコース溶液に切り替え後,1週間ごとに体重を測定した.
その結果,図10に示すように50%グルコース溶液では糖溶液に切り替え後2週間から,水飲水群と比較して有意な増加が認められ,肥満を呈した.また,シタグリプチンの投与により,体重増加量は減少する傾向が示され,Sita10mg/kg投与群では50%グルコース溶液飲水+水投与群と比較して有意に体重が軽く,水飲水+水投与群と同等の体重であった.
2.抗糖尿病薬の経口糖負荷に対する効果
グルコース溶液に切り替え後,4週間目に経口糖負荷試験を行った.経口糖負荷試験はすべての群の飲水を通常水に切り替え,一晩絶食したマウスを用いた.一晩絶食したマウスに20%ブドウ糖を10mL/kgで投与し,ブドウ糖投与前,投与後0.5,1,2時間後に尾静脈より採血し血糖値を測定した.
その結果,図11に示すように20%ブドウ糖投与前では水飲水+水投与群と比較し,50%グルコース溶液飲水+水投与群は血糖値が高い傾向が認められ,50%グルコース飲水+Sita 3mg/kg群,50%グルコース飲水+Sita 10mg/kg群では50%グルコース溶液飲水+水投与群と比較して,絶食下血糖値が有意に低かった.これはシタグリプチンの連続投与が高血糖を抑制していることを示している.
20%ブドウ糖投与後,血糖値は急激に上昇し,50%グルコース溶液飲水+水投与群は水飲水+水投与群と比較し,20%ブドウ糖投与後0.5及び1時間で血糖値に有意な上昇が認められており,このことは50%グルコース溶液飲水が高血糖を誘発する状態(耐糖能の低下)になっていることを示している.
シタグリプチン投与群の20%ブドウ糖投与前,投与後0.5及び1時間後の血糖値は50%グルコース溶液飲水+水投与群と比較し,有意な低値を示し,シタグリプチンの血糖値低下作用という薬効を捉えていることを示している.
3.抗糖尿病薬のヘモグロビンA1c対する効果
糖負荷試験終了後,各群のマウスのHbA1cを測定した.
その結果,図12に示すように50%グルコース溶液飲水+水投与群は水飲水+水投与群と比較し,有意に高い値を示し,高血糖状態が維持されていたことを示した.
シタグリプチン投与群は50%グルコース溶液飲水+水投与群と比較し,有意な低値を示した.このことは本発明で作製したモデル動物が抗糖尿病薬の評価に用いることが可能であることを示している.
本発明により作製されたマウス或いはラットの動物モデルは内臓脂肪の蓄積,高コレステロール血症,高遊離脂肪酸血症,高HbA1cの病態モデルを作製できることから,基礎研究のモデルとして利用可能であり,モデル動物作製過程のうち,発症前に投与すればこれら病態の予防効果を,病態が発症してから投与すれば治療の評価に用いることができ,これら病態に対する創薬や健康食品成分などの開発に利用可能である.

Claims (4)

  1. げっ歯類に糖類を溶解させた水(糖溶液)を飲水させることにより肥満,脂質異常症,高血糖モデルを作製する方法であって,その病態が内臓脂肪型肥満,及び/或いは高ステロール血症,及び/或いは高遊離脂肪酸血症,及び/或いは高ヘモグロビンA1c,及び/或いは耐糖能低下を呈するモデル動物.
  2. 糖類がグルコース,フルクトースなどの単糖類,スクロース,マルトースなどの二糖類で水に溶解可能な糖を用いた請求項1の方法.
  3. 請求項1の方法でモデル動物作製のために糖溶液を与える時に被験物質を投与し始め,請求項1に記載の病態に対する予防効果を確認する評価方法.
  4. 請求項1の方法で糖溶液を与えモデル動物作製後,被験物質を投与し,請求項1に記載の病態に対する治療効果を確認する評価方法.
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