JP2023026150A - セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

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Hironori Suzuki
茉穂 横倉
Maho YOKOKURA
雅之 本多
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Abstract

Figure 2023026150000001
【課題】
導電性に優れたセパレータおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、表面31に流路としての溝30,32を備えたプレート2と、溝30,32とプレート2の溝30,32以外の表面31とを含み、プレート2の厚さ方向の両側の表面31に形成されている層であって、プレート2よりガスバリア特性に優れたバリア層6,7と、を備え、プレート2は、グラファイトと樹脂とを含む中層プレート5と、グラファイトと樹脂と導電繊維とを含むプレートであって中層プレート5の厚さ方向の両側の表面に積層される表層プレート3,4と、を備えるセパレータ1およびその製造方法に関する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、セパレータおよびその製造方法に関する。
燃料電池は、水素と酸素の反応を利用してエネルギーを取り出す電池である。当該反応によって生成するのは水であるため、燃料電池は地球環境に優しい電池として知られている。特に、固体高分子型燃料電池は、高出力密度を可能とし、小型で軽量であることから、自動車、通信機器、電子機器等のバッテリーとして有力視され、一部実用化されている。燃料電池は、複数個のセルを積み重ねて構成されたセルスタックである。セルとセルとの間には、セパレータと称する板状部材が配置されている。セパレータは、隣同士になる水素と酸素の通路を仕切る隔壁板であり、水素と酸素がイオン交換膜の全面にわたって均一に接触して流れる役割を担っている。このため、セパレータには、その流路となる溝が形成されている。
セパレータは、その構成材料の観点で、金属材料系と、炭素材料系とに大別される。金属材料系のセパレータには、一般的に、ステンレススチール、アルミニウム若しくはその合金、あるいはチタニウム若しくはその合金が使用される。金属材料系のセパレータは、金属特有の強度と延性に起因して、加工性に優れ、かつ薄型化が可能である。しかし、金属材料系のセパレータは、後述の炭素材料系のセパレータに比べて比重が大きく、燃料電池の軽量化に反する。さらに、金属材料系のセパレータは、耐腐食性が低く、材料によっては不動態皮膜を形成するという欠点を有する。金属材料の腐食あるいは不動態皮膜は、セパレータの電気抵抗の上昇につながるので、好ましくない。金属材料系のセパレータの耐食性を改善するために貴金属をめっきあるいはスパッタ等によるコートする場合には高コスト化を招くが、当該高コスト化を防ぐために、セパレータの表面に形成される流路の凸部をフォトレジスト膜で形成する方法が知られている(特許文献1を参照)。
一方、炭素材料系のセパレータは、金属材料系のセパレータに比べて比重が小さく、耐食性にも優れるという利点を有する。しかし、炭素材料系のセパレータは、加工性および機械的強度に劣る。また、さらなる低電気抵抗化(すなわち、さらなる高導電性化)の要求もある。機械的強度の改善方法としては、例えば、熱可塑性樹脂に黒鉛粒子を分散させたセパレータが知られている(特許文献2を参照)。
特開2011-090937号公報 特開2006-294407号公報
本出願人に属する発明者らは、先に、炭素材料系のセパレータの厚さ方向両面に、樹脂(特に、ポリポリフェニレンスルファイドが好ましい)製のフィルムを備えたセパレータを開発した(特願2020-072036)。当該セパレータは、樹脂製のフィルムを備えることにより、従来よりも高強度であると共に、高いガスバリア性能も有する。しかし、燃料電池を含む電池のセル間に配置されるセパレータには、さらなる高導電性化が望まれている。
本発明は、強度、ガスバリア性および導電性に優れたセパレータおよびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係るセパレータは、表面に流路としての溝を備えたプレートと、前記溝と前記プレートの前記溝以外の表面とを含み、前記プレートの厚さ方向の両側の表面に形成されている層であって、前記プレートよりガスバリア特性に優れたバリア層と、を備え、前記プレートは、グラファイトと樹脂とを含む中層プレートと、グラファイトと樹脂と導電繊維とを含むプレートであって前記中層プレートの厚さ方向の両側の表面に積層される表層プレートと、を備える。
(2)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記バリア層は、前記プレートと異なるフィルム状の被覆層であっても良い。
(3)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記バリア層は、樹脂若しくはゴムが前記プレートを構成する粒子若しくは繊維の間を充填している充填層であっても良い。
(4)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記バリア層は、前記充填層と、前記プレートと異なるフィルム状の被覆層とを含んでいても良い。
(5)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記表層プレートは、その厚さ方向の前記バリア層側に前記導電繊維が偏在していても良い。
(6)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記導電繊維は、炭素繊維であっても良い。
(7)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記表層プレートは、前記樹脂とは別のアラミド繊維をさらに含んでも良い。
(8)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記表層プレートは、前記樹脂としてポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンスルファイドの内の少なくとも1つを含んでも良い。
(9)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記中層プレートは、前記樹脂とは別のアラミド繊維をさらに含んでも良い。
(10)別の実施形態に係るセパレータにおいて、好ましくは、前記中層プレートは、金属繊維をさらに含んでも良い。
(11)別の実施形態に係るセパレータは、好ましくは、燃料電池のセル同士の間に用いられる燃料電池用セパレータであっても良い。
(12)上記目的を達成するための一実施形態に係るセパレータの製造方法は、上述のいずれかに記載のセパレータを製造する方法であって、前記バリア層を形成するためのフィルムを金型内に配置する第1フィルム配置工程と、グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含む第1被成形物を前記フィルム上に配置する第1被成形物配置工程と、グラファイトと樹脂とを少なくとも含む第2被成形物を、前記金型内の前記第1被成形物上に配置する第2被成形物配置工程と、前記第1被成形物を前記第2被成形物上に配置する第3被成形物配置工程と、前記バリア層を形成するためのフィルムを、前記第1被成形物、前記第2被成形物および前記第1被成形物を含む積層物上に配置する第2フィルム配置工程と、前記積層物を前記フィルムによって挟んだ状態にて前記金型を閉じて成形を行い、前記プレートの厚さ方向の両側の表面に前記バリア層を形成する成形工程と、を含む。
(13)別の実施形態に係るセパレータの製造方法は、好ましくは、前記第1被成形物配置工程および前記第3被成形物配置工程に先立って、前記グラファイトと前記樹脂と前記導電繊維とを少なくとも含む第1混合物から半硬化状態の前記第1被成形物を得る第1前成形工程をさらに含み、前記第1被成形物配置工程は、前記半硬化状態の第1被成形物を前記フィルム上に配置し、前記第3被成形物配置工程は、前記半硬化状態の第1被成形物を前記第2被成形物上に配置しても良い。
(14)別の実施形態に係るセパレータの製造方法において、好ましくは、前記第1前成形工程は、前記第1混合物から、前記導電繊維が前記第1被成形物の厚さ方向の片側に偏在する前記半硬化状態の第1被成形物を得るものであり、前記第1被成形物配置工程は、前記第1被成形物における前記導電繊維が偏在する側の表面が前記金型内の前記フィルムに接するように、前記半硬化状態の第1被成形物を前記フィルム上に配置し、前記第3被成形物配置工程は、前記第1被成形物における前記導電繊維が偏在する側と反対側の表面が前記金型内の前記第2被成形物に接するように、前記半硬化状態の第1被成形物を前記第2被成形物上に配置しても良い。
(15)別の実施形態に係るセパレータの製造方法は、好ましくは、前記第2被成形物配置工程に先立って、前記グラファイトと前記樹脂とを少なくとも含む第2混合物から半硬化状態の前記第2被成形物を得る第2前成形工程をさらに含み、前記第2被成形物配置工程は、前記半硬化状態の前記第2被成形物を前記第1被成形物上に配置しても良い。
(16)別の実施形態に係るセパレータの製造方法において、好ましくは、前記金型は、その内側に前記溝の転写用の凹凸を備え、前記成形工程は、前記凹凸を備えた前記金型を用いて、前記積層物の成形および前記溝の形成を行っても良い。
本発明によれば、導電性に優れたセパレータおよびその製造方法を提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係るセパレータの平面図を示す。 図2Aは、図1のセパレータのA-A線断面図およびその一部Bの拡大図をそれぞれ示す。 図2Bは、図2Aの一部Bにおける一部Cのバリエーションa,b,cの各拡大図を示す。 図3は、本発明の実施形態に係るセパレータの製造方法の主な工程のフローの一例を示す。 図4は、図3の製造方法の各工程の状況を断面視にて示す。 図5は、図4に続く各工程の状況を断面視にて示す。 図6は、変形例に係るセパレータの製造方法の各工程の状況を断面視にて示す。 図7は、図6に続く各工程の状況を断面視にて示す。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.セパレータ
図1は、本発明の実施形態に係るセパレータの平面図を示す。図2Aは、図1のセパレータのA-A線断面図およびその一部Bの拡大図をそれぞれ示す。
この実施形態に係るセパレータ1は、平面視で略矩形の板状体である。セパレータ1は、例えば、燃料電池において、電解質膜の両面を空気極と水素極によって挟んだ膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly: MEA)の両側から挟む板状体である。この実施形態では、セパレータ1は、水素極(「アノード電極」ともいう)側に配置されるアノード側セパレータと、空気極(「カソード電極」ともいう)側に配置されるカソード側セパレータと、を含むように広義に解釈される。この実施形態では、セパレータ1は、炭素材料系のセパレータである。また、セパレータ1は、燃料電池用に限定されず、他の電池(好ましくは蓄電池)のセルとセルとの間に配置される板状部材に用いることもできる。
セパレータ1は、その厚さ方向に貫通する貫通孔11,12,21,22を備える。貫通孔11,21は、セパレータ1の一端側に配置されている。貫通孔12は、セパレータ1を平面視した際に、貫通孔21と対向して、セパレータ1の上記一端側と反対に位置する他端側に配置されている。貫通孔22は、セパレータ1を平面視した際に、貫通孔11と対向するように、セパレータ1の上記一端側と反対に位置する他端側に配置されている。セパレータ1の一面側(表面側)には、流路としての溝30が形成されている。溝30以外の表面31は、溝30に対して凸面となっている。また、セパレータ1の上記一面側の反対側の面(裏面側)には、流路としての溝32が形成されている。溝32以外の表面31は、溝32に対して凸面となっている。
セパレータ1がカソード側セパレータの場合、貫通孔11は、酸化ガスの供給口である。貫通孔12は、酸化ガスの排出口である。貫通孔21は、水素ガスの排出口である。貫通孔22は、水素ガスの供給口である。酸化ガスは、例えば、空気であるが、酸素でも良い。セパレータ1の表面側の溝30は、酸化ガスを流すための流路である。セパレータ1の裏面側の溝32は、冷却水を流すための流路である。図1では、白矢印にて、酸化ガスの流れを示す。
セパレータ1がアノード側セパレータの場合、貫通孔11は、水素ガスの供給口である。貫通孔12は、水素ガスの排出口である。貫通孔21は、酸化ガスの排出口である。貫通孔22は、酸化ガス供給口である。セパレータ1の表面側の溝30は、水素ガスを流すための流路である。セパレータ1の裏面側の溝32は、冷却水を流すための流路である。
セパレータ1は、プレート2と、バリア層8と、を少なくとも備えている。プレート2は、表層プレート3,4と、中層プレート4と、を備えている。プレート2は、表面31に流路としての溝30,32を備えている。
(中層プレート)
中層プレート5は、グラファイトと樹脂とを含むプレートである。中層プレート5は、グラファイトと樹脂とを含む成形体であり、溶融後に固化した樹脂中にグラファイトが分散した微細構造を有する。中層プレート5は、グラファイトと樹脂に加えて、当該樹脂とは別の繊維を備えていても良い。当該繊維は、樹脂繊維、炭素繊維、セラミックス繊維等のいかなる種類の非金属繊維でも良いが、好ましくは樹脂繊維、さらに好ましくはアラミド繊維である。当該アラミド繊維の繊維径は、好ましくは5~20μm、より好ましくは9~15μmである。当該アラミド繊維の繊維長は、好ましくは1~15mm、より好ましくは3~9mmである。繊維径および繊維長は、顕微鏡(大きさにより光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡を使い分けている)により独立した20本の繊維を選び、当該視野から計測した繊維径および繊維長をいう。平均繊維径または平均繊維長を求める場合には、20個の繊維径または繊維長を平均する。以下の繊維径、繊維長、平均繊維径および平均繊維長についても同様である。中層プレート5に繊維を加えることによって、中層プレート5の強度を高めることができる。中層プレート5は、グラファイトと樹脂に加えて、金属繊維を備えていても良い。金属繊維は、銅、ステンレススチール、チタン、鉄、アルミニウム、ニッケル、金、銀、クロム等の金属からなる繊維であり、好ましくは銅、ステンレススチール、チタンからなる繊維であり、より好ましくは銅からなる繊維である。金属繊維の繊維径は、好ましくは5~100μm、より好ましくは20~60μmである。金属繊維の繊維長は、好ましくは0.5~3.5mm、より好ましくは1.5~2.5mmである。中層プレート5の平面視における面積は、好ましくは10~1000cm、より好ましくは100~750cmである。中層プレート5の厚さは、好ましくは0.1~2.0mm、より好ましくは0.2~1.5mmである。
中層プレート5を構成する樹脂は、特に制約されないが、好ましくは熱可塑性樹脂である。中層プレート5としてより好適な樹脂は、耐熱性に優れた樹脂であり、具体的には、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ポリエーテルケトン(PEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)およびポリスルフォン(PSU)を例示できる。これらの中でも、PPSまたはPEEKが特に好適である。PPSとしては、東レ(株)製のM2888、E2180、大日本インキ化学工業(株)製のFZ-2140、FZ-6600を例示できる。
中層プレート5の成形前に用いられる樹脂の平均粒径は、好ましくは1μm以上300μm以下、より好ましくは5μm以上150μm以下、さらにより好ましくは10μm以上100μm以下である。ここで、平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定法にて測定される粒径をいう。以後の平均粒径の測定方法も同様である。
中層プレート5を構成するグラファイトは、人造黒鉛、膨張黒鉛、天然黒鉛等のいずれでも良い。ここで、膨張黒鉛とは、グラファイト(黒鉛)の正六角形平面を重ねた構造の特定の一面に他の物質層が入り込むこと(=インターカレーション)によって黒鉛層間を拡張させた黒鉛若しくは黒鉛層間化合物をいう。膨張黒鉛としては、例えば、富士黒鉛工業(株)製のBSP-60A(平均粒子径60μm)あるいはEXP-50SMを、人造黒鉛としては、例えば、オリエンタル産業(株)製の1707SJ(平均粒子径125μm)、AT-No.5S(平均粒子径52μm)、AT-No.10S(平均粒子径26μm)、AT-No.20S(平均粒子径10μm)、あるいは日本黒鉛工業(株)製PAG,HAGを、天然黒鉛としては、富士黒鉛工業(株)製のCNG-75N(平均粒子径43μm)あるいは日本黒鉛工業(株)製のCPB(鱗状黒鉛粉末、平均粒子径19μm)を、それぞれ用いることができる。また、黒鉛粒子の形状については、特に制約は無く、薄片状、鱗片状、球状等適宜選択することができる。さらに、グラファイトは、非晶質の炭素(アモルファスカーボン)を一部に含んでいても良い。
中層プレート5の成形前に用いられるグラファイトの平均粒径は、好ましくは1μm以上500μm、より好ましくは3μm以上300μm以下、さらにより好ましくは10μm以上150μm以下である。
グラファイトと樹脂とは、別々に粒径を調整してから混合して中層プレート5の成形用に用いても良く、あるいは先に混錬後、粉砕し、粒径を調整して中層プレート5の成形用に用いても良い。グラファイトと樹脂とを混錬後、粉砕し、粒径を調整する場合には、混合粉末の平均粒径は、好ましくは1μm以上500μm、より好ましくは3μm以上300μm以下、さらにより好ましくは10μm以上150μm以下である。
中層プレート5を構成するグラファイトと樹脂の質量比は、グラファイト:樹脂=70~95質量部:30~5質量部である。例えば、5質量部の樹脂に対して、70質量部以上95質量部以下の範囲のグラファイトを混合してセパレータ1の構成材料とすることができる。また、例えば、30質量部の樹脂に対しても、同様に、70質量部以上95質量部以下の範囲のグラファイトを混合してセパレータ1の構成材料とすることができる。セパレータ1は、樹脂よりもグラファイトを質量比にて多く含むのが好ましい。グラファイトと樹脂とのより好適な質量比は、樹脂1質量部に対して、グラファイト10質量部、若しくはグラファイト10.1質量部以上20質量部以下である。上述のように、樹脂の質量部よりもグラファイトの質量部を多くすると、従来のセパレータよりも、グラファイト同士の接触部位が多くなり、もって、セパレータ1の電気抵抗をより低く(すなわち、導電性をより高く)することができる。セパレータ1の代表的なサンプルでは、接触抵抗値は5mΩ・cmまたはそれ以下である。接触抵抗値とは、プレート2の厚さ方向の一方の表面に形成されているバリア層8(後述のフィルム6)とプレート2の厚さ方向の他方の表面に形成されているバリア層8(後述のフィルム7)との間の抵抗値を意味する。
(表層プレート)
表層プレート3,4は、中層プレート5の厚さ方向の両側の表面に積層されるプレートであって当該プレートの表面に流路としての溝30,32を備えている。表層プレート3,4は、グラファイトと樹脂と導電繊維とを含むプレートである。表層プレート3,4は、グラファイトと樹脂と導電繊維とを含む成形体であり、溶融後に固化した樹脂および導電繊維中にグラファイトが分散した微細構造を有する。導電繊維は、好ましくは、炭素繊維、銅およびニッケルの二層メッキを施したポリエステル繊維等であり、より好ましくは炭素繊維である。炭素繊維は、特に制約されないが、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。これらの中では、セパレータ1の可撓性および強度等の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、例えば、帝人(株)製のHT C137(平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)を用いることができる。炭素繊維の繊維径は、好ましくは2~50μm、より好ましくは5~15μmである。炭素繊維の繊維長は、好ましくは1~15mm、より好ましくは3~9mmである。表層プレート3は、好ましくは、表層プレート3の厚さ方向のバリア層8(後述のフィルム6)側に導電繊維が偏在している。また、表層プレート4は、好ましくは、表層プレート4の厚さ方向のバリア層8(後述のフィルム7)側に導電繊維が偏在している。このように導電繊維を偏在させることにより、セパレータ1の電気抵抗(接触抵抗)をより低く(すなわち、導電性をより高く)することができる。
表層プレート3,4は、グラファイトと樹脂と導電繊維に加えて、当該樹脂および導電繊維とは別の繊維を備えていても良い。当該繊維は、樹脂繊維、セラミックス繊維等のいかなる種類の繊維でも良いが、好ましくは樹脂繊維、さらに好ましくはアラミド繊維である。表層プレート3,4に当該繊維を備えることによって、表層プレート3,4の強度をより高めることができる。表層プレート3,4は、セパレータ1の溝30,32に相当する溝を備えている。表層プレート3,4を構成する樹脂は、中層プレート5を構成する樹脂の上記好適な選択肢の内の1または2以上の樹脂であり、より好ましくはPEEKおよびPPSの内の少なくとも1つである。また、表層プレート3,4を構成するグラファイトは、中層プレート5を構成するグラファイトの上記好適な選択肢の内の1または2以上のグラファイトである。表層プレート3,4を構成する樹脂およびグラファイトの平均粒径は、上述の中層プレート5を構成する樹脂およびグラファイトの平均粒径と同様である。
(バリア層)
バリア層8は、この実施形態では、溝30,32とプレート2の溝30,32以外の表面31とを含み、プレート2の厚さ方向の両側の表面を被覆している。すなわち、バリア層8は、溝30,32の内側の面も含めてプレート2の表側の面および裏側の面の両面を被覆している。バリア層8は、例えば、プレート2と異なるフィルム状の被覆層であり、表側の面を被覆するバリア層8の一例であるフィルム6および裏側の面を被覆するバリア層8の一例であるフィルム7の2種類を分離して、あるいは融着して成る。この実施形態では、バリア層8は、フィルム6とフィルム7とに分かれている。フィルム6は、プレート2の厚さ方向の片側の面、より具体的には、表層プレート3の厚さ方向における中層プレート5と反対側の面を被覆している。フィルム7は、当該厚さ方向の別の片側の面、より具体的には、表層プレート4の厚さ方向における中層プレート5と反対側の面を被覆している。しかし、バリア層8は、フィルム6とフィルム7とを接合した状態にてプレート2の外側表面を包む袋形状であっても良い。
図2Bは、図2Aの一部Bにおける一部Cのバリエーションa,b,cの各拡大図を示す。
形態aは、プレート2(表層プレート3,4)の表面に、好ましくは樹脂またはゴムを主材とするフィルムを備えた形態である。形態aでは、バリア層8は、プレート2と異なるフィルム状の被覆層Fである。また、形態bは、プレート2(主に、表層プレート3,4)の表面近傍に樹脂またはゴムが含侵したバリア層8を備えた形態である。形態bでは、バリア層8は、樹脂若しくはゴムがプレート2を構成する粒子若しくは繊維の間を充填している充填層Mである。さらに、形態cでは、バリア層8は、充填層Mと、被覆層Fとを含む。このように、バリア層8は、好ましくは、a、bまたはcの形態をとる。ただし、バリア層8は、プレート2よりもガスバリア特性に優れている限り、形態a,b,c以外の形態をとっていても良い。本願における「ガスバリア特性」または「ガスバリア性能」とは、ガスの透過を防ぐ性質を意味する。以下、形態aのバリア層8を主体に説明する。
バリア層8は、好ましくは、樹脂またはゴムである。バリア層8は、プレート2(表層プレート3,4および中層プレート5)を構成する樹脂の上記好適な選択肢の内の1または2以上を主材とし、より好ましくは、PEEKおよびPPSの内の少なくとも1つを主材とする。ここで、「主材」とは、バリア層8の50質量%を超える比率を占める材料を意味する。主材は、バリア層8の質量に対して50質量%を超える限り、例えば、51質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量%または100質量%でも良い。
バリア層8の厚さは、好ましくは2μm以上50μm以下、より好ましくは4μm以上35μm以下である。バリア層8の厚さを2μm以上、さらには4μm以上とすると、セパレータ1のガスバリア性をより高く、かつ強度(曲げ強度)をより高くすることができ、取り扱いやすさが向上する。一方、バリア層8の厚さを50μm以下、さらには35μm以下とすると、セパレータ1におけるバリア層8間の接触抵抗をより低く(すなわち、導電性をより高く)できる。この実施形態では、強度は、JIS K7171にて測定される曲げ強さを意味する。
表層プレート3,4を構成する樹脂と、バリア層8を構成する樹脂とを同一種の熱可塑性樹脂とすることもできる。その場合、表層プレート3,4のバリア層8近くの樹脂と、バリア層8とを部分的に一体化できるので、セパレータ1のさらなる強度向上を図ることができる。当該熱可塑性樹脂としては、好ましくはPEEKまたはPPSである。
2.セパレータの製造方法
次に、本発明の実施形態に係るセパレータの製造方法について説明する。
セパレータ1の製造方法(以下、単に「製造方法」ともいう。)は、フィルム6を金型内に配置する第1フィルム配置工程と、グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含む第1被成形物をフィルム6上に配置する第1被成形物配置工程と、グラファイトと樹脂とを少なくとも含む第2被成形物を金型内の第1被成形物上に配置する第2被成形物配置工程と、第1被成形物を第2被成形物上に配置する第3被成形物配置工程と、第1被成形物、第2被成形物および第1被成形物を含む積層物上にフィルム7を配置する第2フィルム配置工程と、積層物をフィルム6,7によって挟んだ状態にて金型を閉じて成形を行う成形工程と、を含む。また、セパレータ1の製造方法は、第1被成形物配置工程および第3被成形物配置工程に先立って、グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含む第1混合物から半硬化状態の第1被成形物を得る第1前成形工程をさらに含む。また、セパレータ1の製造方法は、第2被成形物配置工程に先立って、グラファイトと樹脂とを少なくとも含む第2混合物から半硬化状態の第2被成形物を得る第2前成形工程をさらに含む。セパレータの製造方法は、以下の実施形態では、好ましくは、燃料電池のセル同士の間に用いられる燃料電池用セパレータを製造する方法である。また、セパレータ1は、好ましくは炭素材料系のセパレータである。ただし、セパレータ1は、燃料電池用に限定されず、他の電池(好ましくは蓄電池)のセルとセルとの間に配置される板状部材に用いることもできる。
図3は、本発明の実施形態に係るセパレータの製造方法の主な工程のフローの一例を示す。図4は、図3の製造方法の各工程の状況を断面視にて示す。図5は、図4に続く各工程の状況を断面視にて示す。
セパレータ1は、第1混合物形成工程(S100)と、第1前成形工程(S110)と、第2混合物形成工程(S200)と、第2前成形工程(S210)と、第1フィルム配置工程(S300)と、第1被成形物配置工程(S310)と、第2被成形物配置工程(S320)と、第3被成形物配置工程(S330)と、第2フィルム配置工程(S340)と、成形工程(S350)と、を経て製造可能である。以下、S100~S350について、図3~5を参照して詳述する。
(1)第1混合物形成工程(S100)
この工程は、グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含む第1混合物を形成する工程である。具体的には、グラファイトと樹脂と導電繊維とを水またはアルコール水溶液中で混合分散してスラリーを作製する。この工程において、グラファイト、樹脂および導電繊維に、さらに当該樹脂とは別の繊維を加えてスラリーを作製しても良い。
(2)第1前成形工程(S110)
この工程は、第1混合物から半硬化状態の第1被成形物を得る工程である。具体的には、第1混合物をメッシュ構造のシート機により液体をろ過分離した湿潤シートに形成し、この湿潤シートをプレス機にて加熱しながら加圧する。これにより、半硬化状態の第1被成形物(以下、「プリ表層プレート」ともいう。)を得ることができる。この工程において得られるプリ表層プレートは、好ましくは、その厚さ方向の片側に導電繊維が偏在している。この実施形態では、表層プレート3.4の前成形体である2つのプリ表層プレートが一度に成形される。しかし、2つのプリ表層プレートを個別に成形しても良い。また、この工程は、少なくとも表層プレート3の前成形体であるプリ表層プレートを製造する工程で足りる。表層プレート4の前成形体であるプリ表層プレートは、第3被成形物配置工程(S330)より前であればどの段階で製造されても良い。また、グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含むプレートを製造せずに、購入等の手法によって入手可能な場合には、第1混合物形成工程(S100)および第1前成形工程(S110)を省略可能である。
(3)第2混合物形成工程(S200)
この工程は、グラファイトと樹脂とを少なくとも含む第2混合物を形成する工程である。具体的には、グラファイトと樹脂とを水またはアルコール水溶液中で混合分散してスラリーを作製する。この工程において、グラファイト、樹脂および導電繊維に、さらに当該樹脂とは別の繊維および/または金属繊維を加えてスラリーを作製しても良い。
(4)第2前成形工程(S210)
この工程は、第2混合物から半硬化状態の第2被成形物を得る工程である。具体的には、第2混合物をメッシュ構造のシート機により液体をろ過分離した湿潤シートに形成し、この湿潤シートをプレス機にて加熱しながら加圧する。これにより、半硬化状態の第2被成形物(以下、「プリ中層プレート」ともいう。)を得ることができる。グラファイトと樹脂とを少なくとも含むプレートを製造せずに、購入等の手法によって入手可能な場合には、第2混合物形成工程(S200)および第2前成形工程(S210)を省略可能である。
(5)第1フィルム配置工程(S300)
この工程は、バリア層8を形成するためのフィルム6を金型60内に配置する工程である。具体的には、金型60を構成する下金型40を用意し、下金型40の凹部41にフィルム6を敷く(図4(a)を参照)。下金型40は、凹部41の内底面に、溝32を転写形成可能な凹凸42を備える。
(6)第1被成形物配置工程(S310)
この工程は、半硬化状態の第1被成形物であるプリ表層プレート72をフィルム6上に配置する工程である。具体的には、下金型40に敷かれたフィルム6上に、プリ表層プレート72を配置する(図4(b)を参照)。この工程において、プリ表層プレート72における導電繊維が偏在する側の表面がフィルム6に接するように、プリ表層プレート72をフィルム6上に配置することが好ましい。
(7)第2被成形物配置工程(S320)
この工程は、半硬化状態の第2被成形物であるプリ中層プレート74をプリ表層プレート72上に配置する工程である。具体的には、下金型40の凹部41に配置されたフィルム6上のプリ表層プレート72上にプリ中層プレート74を配置する(図4(c)を参照)。
(8)第3被成形物配置工程(S330)
この工程は、半硬化状態の第1被成形物であるプリ表層プレート72をプリ中層プレート74上に配置する工程である。具体的には、下金型40内のプリ中層プレート74上に、プリ表層プレート72を配置する(図4(d)を参照)。この工程において、プリ表層プレート72における導電繊維が偏在する側と反対側の表面がプリ中層プレート74に接するように、プリ表層プレート72をプリ中層プレート74上に配置することが好ましい。
(9)第2フィルム配置工程(S340)
この工程は、第3被成形物配置工程(S330)の後に、金型60内のプリ表層プレート72、プリ中層プレート74およびプリ表層プレート72を含む積層物70上に、バリア層8を形成するためのフィルム7を配置する工程である。具体的には、下金型40の凹部41に配置された積層物70のプリ表層プレート72上にフィルム7を配置する(図4(e)を参照)。このとき、当該プリ表層プレート72における導電繊維が偏在する側の表面がフィルム7に接するように、当該プリ表層プレート72上にフィルム7が配置される。
(10)成形工程(S350)
この工程は、積層物70をフィルム6,7によって挟んだ状態にて金型60を閉じて成形を行う工程である。具体的には、金型60を構成する上金型50を用意し、下金型40の凹部41側に重ね、下金型40と上金型50とを閉める(図5(f),(g)を参照)。上金型50は、下金型40の凹部41と対向する面に凹部51を有する。凹部51は、その内底面に、溝30を転写形成可能な凹凸52を備える。金型60の型締後、加温して、積層物70の成形を行う。この結果、積層物70は硬化してプレート2を形成する。また、凹凸41,51の転写によって、バリア層8(フィルム6およびフィルム7)にて覆われた状態の溝30,32が形成される(図5(h)を参照)。
成形工程(S350)後に、金型60を開き、セパレータ1が完成する。
図6は、変形例に係るセパレータの製造方法の各工程の状況を断面視にて示す。図7は、図6に続く各工程の状況を断面視にて示す。
この変形例では、プリ表層プレート72に代えて、厚さ方向の一方の表面に溝が形成されたプリ表層プレート72aを用いてセパレータ1が製造される。具体的には、第1前成形工程(S110)において、第1混合物形成工程(S100)にて形成された第1混合物から、厚さ方向の一方の表面に溝が形成されたプリ表層プレート72aを得る。より具体的には、第1混合物をメッシュ構造のシート機により液体をろ過分離した湿潤シートに形成し、内底面に凹凸が形成された金型内に当該湿潤シートを配置した状態でプレス機にて加熱しながら加圧する。このとき、湿潤シートの導電繊維が偏在している側の表面が金型内の凹凸に接するように、金型内に湿潤シートが配置されることが好ましい。これにより、導電繊維が偏在している側の表面に溝が形成されたプリ表層プレート72aを得ることができる。そして、先述の製造方法(図3を参照)と同様に、第2混合物形成工程(S200)、第2前成形工程(S210)および第1フィルム配置工程(S300)を経て、第1被成形物配置工程(S310)が行われる(図6(a),(b)を参照)。
第1被成形物配置工程(S310)において、プリ表層プレート72aの溝が凹凸42に合うように、下金型40に敷かれたフィルム6上にプリ表層プレート72aを配置する(図6(b)を参照)。そして、先述の製造方法(図3を参照)と同様に、第2被成形物配置工程(S320)を経て、第3被成形物配置工程(S330)において、プリ表層プレート72aの溝がプリ中層プレート74と反対側に配置されるように、下金型40内のプリ中層プレート74上にプリ表層プレート72aを配置する(図6(c),(d)を参照)。第2フィルム配置工程(S340)において、下金型40の凹部41に配置されたプリ表層プレート72a、プリ中層プレート74およびプリ表層プレート72aを含む積層物70a上にフィルム7を配置する(図6(e)を参照)。
成形工程(S350)において、プリ表層プレート72aの溝に上金型50の凹凸52を合わせて下金型40と上金型50とを閉め、金型60を型締めする(図7(f),(g)を参照)。そして、成形工程(S350)後に、金型60を開き、セパレータ1が完成する。なお、プリ表層プレート72aに形成されている溝は、溝30,32と同等の大きさの溝であっても良いし、溝30,32より浅い溝であっても良い。プリ表層プレート72aに形成されている溝が溝30,32より浅い溝である場合、成形工程(S350)にて金型60を閉じて成形した際に、予め形成された上記浅い溝を深くして、溝30,32に変化させることができる。
<その他の実施形態>
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
セパレータ1の溝30は、図1の白矢印で示す方向にガスを流す流路以外の流路を形成する溝でも良い。また、溝32は、如何なる形態の流路を形成する溝でも良い。例えば、溝30をセパレータ1の一端から他端に向かう直線的な流路を形成する溝とし、溝32を溝30に対して略直角方向の直線的な流路を形成する溝としても良い。また、セパレータ1は、溝30および溝32の少なくとも一方を形成していないものでも良い。
上記実施形態では、中層プレート5は、溝30,32に相当する溝を全く備えていないが、厚さ方向の少なくとも一方の表面に溝30,32に相当する溝を備えていても良い。その場合、成形工程(S350)にて金型60を閉じて成形した際に、凹凸41,51の転写によって、溝を有さないプリ中層プレート74に溝を形成し、溝30,32を備える中層プレート5が製造されても良い。また、プリ中層プレート74は、プリ表層プレート72a(図6を参照)と同様に、予め溝30,32に相当する溝が形成されていても良い。その場合、第2前成形工程(S210)にて、第2混合物から厚さ方向の少なくとも一方の表面に溝が形成されたプリ中層プレート72aが形成されても良い。
上記実施形態では、表層プレート3,4は、厚さ方向の一方の面にそれぞれ溝30,32を備えていたが、厚さ方向の両面に溝30,32をそれぞれ備えていても良い。その場合、成形工程(S350)にて金型60を閉じて成形した際に、凹凸41,51の転写によって、厚さ方向の両面に溝30,32を備える表層プレート3,4が製造されても良い。また、第1前成形工程(S110)にて、プリ表層プレート72aに代えて、厚さ方向の両面に溝が形成されたプリ表層プレートを形成しても良い。
第1被成形物配置工程(S310)に先立って、プリ表層プレート72,72a、プリ中層プレート74およびプリ表層プレート72,72aを含む積層体70,70aを形成しておき、第1被成形物配置工程(S310)にて当該積層体70,70aをフィルム6上に配置しても良い。その場合、第2被成形物配置工程(S320)および第3被成形物配置工程(S330)は省略すれば良い。なお、その場合、本発明の第1被成形物配置工程、第2被成形物配置工程および第3被成形物配置工程は、第1被成形物配置工程(S310)に相当する。
成形工程の後に、フィルム6,7の余分な領域をトリミングするトリミング工程を行っても良い。
上記実施形態の製造方法では、バリア層8が樹脂またはゴムの層である燃料電池用セパレータの製造方法であるが、バリア層8が図2Bの形態bまたは形態cの層の燃料電池用セパレータの製造方法であっても良い。
次に、本発明の実施例を、比較例と比較しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
1.中層プレートの主な原料
(1)グラファイト
セパレータの中層プレートの構成材料となるグラファイト粉末には、オリエンタル工業(株)製の品番:1707SJ(人造黒鉛,平均粒径125μm)およびオリエンタル工業(株)製の品番:AT-No.5S(人造黒鉛、平均粒径52μm)の2種類のグラファイト粉末を用いた。
(2)樹脂
セパレータの中層プレートの構成材料となる樹脂として、ポリフェニレンフルファイ(PPS)の粉末を用いた。PPSには、東レ(株)製のトレリナM2888のフレーク状のPPS粉末を冷凍粉砕して平均粒径50μmに調整したPPS微粉末を用いた。
(3)アラミド繊維
セパレータの中層プレートの構成材料となるアラミド繊維には、帝人(株)製のテクノーラT32PNW 3-12(平均繊維長3.2mm、平均繊維径18μm)、トワロン(登録商標)1094(平均繊維長1.1mm、比表面積13.6m/g)およびトワロン(登録商標)D8016(平均繊維長0.8mm)の3種類のアラミド繊維を用いた。
(4)金属繊維
セパレータの中層プレートの構成材料となる金属繊維には、虹技株式会社製の銅製金属繊維(平均繊維長1.88mm、平均繊維径52.08μm)を用いた。
2.表層プレートの主な原料
(1)グラファイト
セパレータの表層プレートの構成材料となるグラファイト粉末には、オリエンタル工業(株)製の品番:1707SJ(人造黒鉛,平均粒径125μm)およびオリエンタル工業(株)製の品番:AT-No.5S(人造黒鉛、平均粒径52μm)の2種類のグラファイト粉末を用いた。
(2)樹脂
セパレータの表層プレートの構成材料となる樹脂として、ポリフェニレンフルファイ(PPS)の粉末を用いた。PPSには、東レ(株)製のトレリナM2888のフレーク状のPPS粉末を冷凍粉砕して平均粒径50μmに調整したPPS微粉末を用いた。
(3)炭素繊維
セパレータの表層プレートの構成材料となる炭素繊維には、帝人(株)製のHT C137(平均繊維長6.0mm、平均繊維径7μm)を用いた。
(4)アラミド繊維
セパレータの表層プレートの構成材料となるアラミド繊維には、帝人(株)製のトワロン(登録商標)D8016(平均繊維長0.8mm)を用いた。
3.フィルム
セパレータ用のフィルムには、PPS製のフィルムを用いた。PPS製のフィルムには、東レ(株)製の厚さ9μmのフィルム(品番:トレリナ9-3017)を用いた。
4.金型
金型としては、上下分割式の大同特殊鋼(株)製プリハードン鋼NAK80を工材とした金型を用いた。閉じた状態の金型内部には、セパレータを成形可能な空間(約63cm)が形成されている。また、上下各金型の内側の底部には、セパレータの溝を形成するための凹凸が形成されている。
5.評価方法
セパレータ同士の接触抵抗値は、次の測定方法により測定を行った。まず、2つのセパレータを重ね、さらにその両側を2つの電極で挟持した状態で、電極を含む積層体全体に所定の圧力(0.8MPa)をかけながら、日置電機株式会社製の抵抗計(品番:RM3544)を用いて一定の電流を流して電気抵抗値を測定した。得られた抵抗値(以下、「積層体の接触抵抗値」と称する。)は、一方のセパレータと当該セパレータに接触する一方の電極との接触抵抗値と、他方のセパレータと当該セパレータに接触する他方の電極との接触抵抗値と、セパレータ同士の接触抵抗値とを合算した値である。
次に、一方のセパレータを2つの電極で挟持した状態で、所定の圧力(0.8MPa)をかけながら、日置電機株式会社製の抵抗計(品番:RM3544)を用いて一定の電流を流して電気抵抗値を測定した。得られた抵抗値は、当該セパレータ両面と電極との接触抵抗値を合算した値となるため、これを2で除して当該セパレータ片面と電極との接触抵抗値(以下、「一方のセパレータの接触抵抗値」と称する。)とした。
次に、他方のセパレータを2つの電極で挟持した状態で、所定の圧力(0.8MPa)をかけながら、日置電機株式会社製の抵抗計(品番:RM3544)を用いて一定の電流を流して電気抵抗値を測定した。得られた抵抗値は、当該セパレータ両面と電極との接触抵抗値を合算した値となるため、これを2で除して当該セパレータ片面と電極との接触抵抗値(以下、「他方のセパレータの接触抵抗値」と称する。)とした。
そして、積層体全体の接触抵抗値から、一方のセパレータの接触抵抗値および他方のセパレータの接触抵抗値を減じて得られた値をセパレータ同士の接触抵抗値とした。セパレータ同士の接触抵抗値が5mΩ・cm未満の場合には合格と評価した。
6.セパレータの製造
<実施例>
人造黒鉛粒子(品番:1707SJ)1083.3質量部、PPS粉末100質量部、アラミド繊維(品番:T32PNW 3-12)62.5質量部、アラミド繊維(品番:トワロン(登録商標)1094)4.2質量部および金属繊維138.9質量部を用意し、これらを水中で混合分散して固形分1%のスラリーを作製した。1質量部は0.1gに相当する。これは実施例の以後の記載でも同様である。このスラリーを25cm角の投入口を備えるろ過機へ投入し、ろ過によって得られる残渣であるシート状の湿潤シートを成形した。その湿潤シートを150℃に加熱したプレス機にセットして面圧13.4MPaの圧力で約20分間加圧加熱し、湿潤シートを乾燥させて水分を除去することにより、人造黒鉛粒子、PPS粒子、アラミド繊維、金属繊維が分散した厚さ1.4mm、坪量1435g/mのプリ中層プレートを製造した。
人造黒鉛粒子(品番:1707SJ)977.8質量部、人造黒鉛粒子(品番:AT-No.5S)244.4質量部、PPS粉末100質量部、炭素繊維62.5質量部およびアラミド繊維(品番:トワロン(登録商標)D8016)4.2質量部を用意し、これらを水中で混合分散して固形分1%のスラリーを作製した。このスラリーをメッシュ構造の25cm角の投入口を備えるろ過機へ投入し、ろ過によって得られる残渣であるシート状の湿潤シートを成形した。その湿潤シートを150℃に加熱したプレス機にセットして面圧13.4MPaの圧力で約20分間加圧加熱し、湿潤シートを乾燥させて水分を除去することにより、厚さ方向の片側に炭素繊維が偏在した厚さ0.3mm、坪量349g/mのプリ表層プレートを製造した。
次に、分割式の金型を構成する下金型の内側の凹部に、PPSフィルムを敷き、当該フィルム上に、上記プリ表層プレート、上記プリ中層プレート、上記プリ表層プレートを順に積層した。このとき、プリ表層プレートにおける炭素繊維が偏在する側と反対側の表面がプリ中層プレートと接するように、プリ表層プレート、プリ中層プレートおよびプリ表層プレートを積層した。そして、プリ中層プレート上に積層されたプリ表層プレートの上からPPSフィルムを載せた。次に、分割式の金型を構成する上金型と、上記下金型とを閉じて成形を行った。成形は、面圧13.4MPaにて、金型の温度が340℃迄上昇するように加熱し、面圧53.7MPaまで昇圧して、1分間保持した。その後、圧力をそのままに保ちながら金型を30℃になるまで加圧冷却した。成形終了後に、金型を開き、成形体を取り出し、セパレータの製造を終了した。このセパレータは、フィルム、表層プレート、中層プレート、表層プレート、フィルムの5層構造である。セパレータは、上記評価方法にて評価した。
<比較例>
(1)比較例1
人造黒鉛粒子(品番:1707SJ)977.8質量部、人造黒鉛粒子(品番:AT-No.5S)244.4質量部、PPS粉末100質量部、アラミド繊維(品番:T32PNW 3-12)62.5質量部およびアラミド繊維(品番:トワロン(登録商標)D8016)4.2質量部を用意し、これらを水中で混合分散して固形分1%のスラリーを作製した。このスラリーをメッシュ構造の25cm角のシート機により湿潤シートに形成し、湿潤シートを150℃に加熱したプレス機にセットして面圧13.4MPaの圧力で約20分間加圧加熱し、湿潤シートを乾燥させて水分を除去することにより、人造黒鉛粒子、PPS粒子およびアラミド繊維が分散した厚さ2.0mm、坪量2089g/mのプリ中層プレートを製造した。
次に、分割式の金型を構成する下金型の内側の凹部に、PPSフィルムを敷き、当該フィルム上に、上記プリ中層プレートを供した。そして、プリ中層プレート上からPPSフィルムを載せた。次に、分割式の金型を構成する上金型と、上記下金型とを閉じて成形を行った。成形は、面圧13.4MPaにて、金型の温度が340℃迄上昇するように加熱し、面圧53.7MPaまで昇圧して、1分間保持した。その後、圧力をそのままに保ちながら金型を30℃になるまで加圧冷却した。成形終了後に、金型を開き、成形体を取り出し、セパレータの製造を終了した。比較例1は、表層プレートを用いずに実施した。すなわち、比較例1のセパレータは、フィルム、中層プレート、フィルムの3層構造である。また、比較例1は、金属繊維を含まない中層プレートを用いて実施した。セパレータは、上記評価方法にて評価した。
(2)比較例2
分割式の金型を構成する下金型の内側の凹部に、PPSフィルムを敷き、当該フィルム上に、実施例1のプリ中層プレートを2つ積層した。プリ中層プレートは、厚さ方向の片側にアラミド繊維が偏在したプレートである。このとき、アラミド繊維が偏在する側と反対側の表面どうしが接するように、2つのプリ中層プレートを積層した。そして、プリ中層プレート上からPPSフィルムを載せた。次に、分割式の金型を構成する上金型と、上記下金型とを閉じて成形を行った。成形は、面圧13.4Mpaにて、金型の温度が340℃迄上昇するように加熱し、面圧53.7MPaまで昇圧して、1分間保持した。その後、圧力をそのままに保ちながら金型を30℃になるまで加圧冷却した。成形終了後に、金型を開き、成形体を取り出し、セパレータの製造を終了した。このセパレータは、フィルム、中層プレート、中層プレート、フィルムの4層構造である。セパレータは、上記評価方法にて評価した。
7.結果
表1に、実施例および各比較例の製造条件および評価結果を示す。
Figure 2023026150000002
比較例2については、接触抵抗値が大きく不合格であった。これに対して、実施例は合格となった。
以上の結果から、実施例と比較例1,2との比較から、フィルム下に導電繊維を含有する表層プレートを使用する効果が確認できた。
本発明に係るセパレータは、電池、特に蓄電池におけるセル間のセパレータに利用できる。
1・・・セパレータ、2・・・プレート、3,4・・・表層プレート、5・・・中層プレート、6,7・・・フィルム、8・・・バリア層、30,32・・・溝、31・・・表面、40・・・下金型(金型の一構成部品)、41,51・・・凹部、42,52・・・凹凸、50・・・上金型(金型の一構成部品)、60・・・金型、70,70a・・・積層物、72,72a・・・プリ表層プレート(第1被成形物の一例)、74・・・プリ中層プレート(第2被成形物の一例)、F・・・被覆層、M・・・充填層。

Claims (16)

  1. 表面に流路としての溝を備えたプレートと、
    前記溝と前記プレートの前記溝以外の表面とを含み、前記プレートの厚さ方向の両側の表面に形成されている層であって、前記プレートよりガスバリア特性に優れたバリア層と、
    を備え、
    前記プレートは、
    グラファイトと樹脂とを含む中層プレートと、
    グラファイトと樹脂と導電繊維とを含むプレートであって前記中層プレートの厚さ方向の両側の表面に積層される表層プレートと、
    を備えることを特徴とするセパレータ。
  2. 前記バリア層は、前記プレートと異なるフィルム状の被覆層であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記バリア層は、樹脂若しくはゴムが前記プレートを構成する粒子若しくは繊維の間を充填している充填層であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ。
  4. 前記バリア層は、前記充填層と、前記プレートと異なるフィルム状の被覆層とを含むことを特徴とする請求項3に記載のセパレータ。
  5. 前記表層プレートは、その厚さ方向の前記バリア層側に前記導電繊維が偏在していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のセパレータ。
  6. 前記導電繊維は、炭素繊維であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のセパレータ。
  7. 前記表層プレートは、前記樹脂とは別のアラミド繊維をさらに含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のセパレータ。
  8. 前記表層プレートは、前記樹脂としてポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンスルファイドの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のセパレータ。
  9. 前記中層プレートは、前記樹脂とは別のアラミド繊維をさらに含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のセパレータ。
  10. 前記中層プレートは、金属繊維をさらに含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のセパレータ。
  11. 燃料電池のセル同士の間に用いられる燃料電池用セパレータであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のセパレータ。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のセパレータを製造する方法であって、
    前記バリア層を形成するためのフィルムを金型内に配置する第1フィルム配置工程と、
    グラファイトと樹脂と導電繊維とを少なくとも含む第1被成形物を前記フィルム上に配置する第1被成形物配置工程と、
    グラファイトと樹脂とを少なくとも含む第2被成形物を、前記金型内の前記第1被成形物上に配置する第2被成形物配置工程と、
    前記第1被成形物を前記第2被成形物上に配置する第3被成形物配置工程と、
    前記バリア層を形成するためのフィルムを、前記第1被成形物、前記第2被成形物および前記第1被成形物を含む積層物上に配置する第2フィルム配置工程と、
    前記積層物を前記フィルムによって挟んだ状態にて前記金型を閉じて成形を行い、前記プレートの厚さ方向の両側の表面に前記バリア層を形成する成形工程と、
    を含むセパレータの製造方法。
  13. 前記第1被成形物配置工程および前記第3被成形物配置工程に先立って、前記グラファイトと前記樹脂と前記導電繊維とを少なくとも含む第1混合物から半硬化状態の前記第1被成形物を得る第1前成形工程をさらに含み、
    前記第1被成形物配置工程は、前記半硬化状態の第1被成形物を前記フィルム上に配置し、
    前記第3被成形物配置工程は、前記半硬化状態の第1被成形物を前記第2被成形物上に配置することを特徴とする請求項12に記載のセパレータの製造方法。
  14. 前記第1前成形工程は、前記第1混合物から、前記導電繊維が前記第1被成形物の厚さ方向の片側に偏在する前記半硬化状態の第1被成形物を得るものであり、
    前記第1被成形物配置工程は、前記第1被成形物における前記導電繊維が偏在する側の表面が前記金型内の前記フィルムに接するように、前記半硬化状態の第1被成形物を前記フィルム上に配置し、
    前記第3被成形物配置工程は、前記第1被成形物における前記導電繊維が偏在する側と反対側の表面が前記金型内の前記第2被成形物に接するように、前記半硬化状態の第1被成形物を前記第2被成形物上に配置することを特徴とする請求項13に記載のセパレータの製造方法。
  15. 前記第2被成形物配置工程に先立って、前記グラファイトと前記樹脂とを少なくとも含む第2混合物から半硬化状態の前記第2被成形物を得る第2前成形工程をさらに含み、
    前記第2被成形物配置工程は、前記半硬化状態の前記第2被成形物を前記第1被成形物上に配置することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載のセパレータの製造方法。
  16. 前記金型は、その内側に前記溝の転写用の凹凸を備え、
    前記成形工程は、前記凹凸を備えた前記金型を用いて、前記積層物の成形および前記溝の形成を行うことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載のセパレータの製造方法。

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