JP2023022883A - 懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低減しやすい構造を実現する。【解決手段】ロアシェル3とインナチューブ61とロアブッシュ62とを、インナチューブ61とロアブッシュ62とにより、ロアシェル3の軸方向片側の端部を軸方向に挟持した状態で結合固定する。【選択図】図3

Description

本発明は、車輪を車体に支持するための懸架装置に関する。
自動車の車輪は、懸架装置(サスペンション)により車体に対し支持される。懸架装置は、車輪を構成するタイヤの外周面を路面に押し付けつつ、車輪を介して路面から車体に伝わる振動および衝撃を緩和する機能を有する。自動車用の懸架装置として、走行状態や路面の状況などに応じて、減衰力などを制御可能なものが開発され、一部で実施されている。
特開平4-59408号公報(特許文献1)には、通常の懸架装置(パッシブサスペンション)のショックアブソーバに代えて、油圧アクチュエータを使用することで、減衰力などを制御可能とした懸架装置(アクティブサスペンション)が記載されている。特開平4-59408号公報に記載の懸架装置は、走行状態や路面の状況などに応じて、油圧アクチュエータの油圧室への油圧の給排を制御することにより、減衰力などを制御することができる。ただし、特開平4-59408号公報に記載の懸架装置は、油圧アクチュエータを使用しているため、油圧ポンプや油圧配管などが必要となり、コストが嵩むといった問題がある。
これに対し、特開2010-228579号公報(特許文献2)には、電磁モータ(電動モータ)を備え、該電磁モータの回転力に基づいて、ばね上部とばね下部とに対して互いに接近・離間する方向の力を付与可能とした懸架装置が記載されている。具体的には、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置は、モータ軸の回転を、ボールねじ機構によりねじロッドの軸方向の直線運動に変換し、ばね上部とばね下部とに対して互いに接近・離間する方向の力を付与する、すなわち減衰力を調整できるように構成されている。特開2010-228579号公報に記載の懸架装置は、電磁モータを使用しているため、特開平4-59408号公報に記載の懸架装置のように、油圧アクチュエータを使用した構造と比べて、構造を単純化することができ、コストを低減することができる。
特開平4-59408号公報 特開2010-228579号公報
特開2010-228579号公報に記載の懸架装置は、部品点数を抑える、および/または、組立作業を容易にすることにより、製造コストを抑える面から改良の余地がある。
特開2010-228579号公報に記載の懸架装置では、それぞれが上下方向に伸長する筒状のアウターチューブおよび支持筒と、略水平方向に伸長する筒状の取付ブッシュとを、略円板状の結合部材を介して結合固定している。すなわち、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置は、結合部材を備えている分、部品点数が多くなり、組立作業や部品管理が面倒になって、製造コストが増大してしまう可能性がある。また、アウターチューブおよび支持筒と、取付ブッシュとは結合部材に対し、溶接などにより、それぞれ個別に固定する必要がある。このような固定作業は面倒であり、この面からも製造コストが増大する可能性がある。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、製造コストを低減しやすい、懸架装置の構造を実現することを目的としている。
本発明の一態様にかかる懸架装置は、アッパシェルと、ロアシェルと、ボールねじ軸と、軸受ユニットと、ボールナットと、複数個のボールと、インナチューブと、電動モータと、コイルスプリングと、ロアブッシュとを備える。
前記アッパシェルは、筒形状を有する。
前記ロアシェルは、前記アッパシェルの軸方向片側部分に、該アッパシェルに対する軸方向の相対変位を可能に、かつ、回転を不能に配置されている。
前記ボールねじ軸は、軸方向片側部分の外周面に雄ボールねじ溝を有し、前記アッパシェルの内側に回転自在に支持されている。
前記軸受ユニットは、前記ボールねじ軸の軸方向他側部分と前記アッパシェルとの間に配置され、前記ボールねじ軸を前記アッパシェルに対し回転自在に支持する。
前記ボールナットは、内周面に雌ボールねじ溝を有し、前記ボールねじ軸の軸方向片側部分の周囲に、該ボールねじ軸に対する相対回転を可能に支持されている。
前記ボールのそれぞれは、前記雄ボールねじ溝と前記雌ボールねじ溝との間に転動自在に配置されている。
前記インナチューブは、前記ロアシェルと前記ボールナットとを一体的な軸方向変位を可能に接続している。
前記電動モータは、前記ボールねじ軸の軸方向他側の端部にトルクの伝達を可能に接続された出力軸を有し、前記アッパシェルの軸方向他側の端部に対し支持されている。
前記コイルスプリングは、前記アッパシェルと前記ロアシェルとの間で軸方向に弾性的に圧縮された状態で挟持されている。
前記ロアブッシュは、前記ロアシェルの軸方向片側の端部と前記インナチューブの軸方向片側の端部とを結合固定する。
特に本発明の懸架装置においては、前記インナチューブと前記ロアブッシュとにより、前記ロアシェルの軸方向片側の端部が軸方向に挟持されている。
本発明の一態様にかかる懸架装置では、前記ロアシェルは、ロアシェル側底部と、前記ロアシェル側底部を軸方向に貫通し、かつ、非円形の開口形状を有する係合孔とを有することができる。また、前記インナチューブは、インナチューブ側底部と、前記インナチューブ側底部の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出する係合軸部とを有することができる。この場合、前記ロアシェルと前記インナチューブとを、前記係合軸部を前記係合孔に内嵌し、かつ、前記インナチューブ側底部の軸方向片側面を前記ロアシェル側底部の軸方向他側面に突き当てた状態で結合固定することができる。
本発明の一態様にかかる懸架装置では、前記インナチューブは、前記係合軸部の軸方向片側面に開口する結合孔を有することができ、かつ、前記ロアブッシュは、前記結合孔に螺合または挿通された軸部を有することができる。
この場合、前記結合孔を、内周面に雌ねじ部を有するねじ孔により構成することができ、かつ、前記軸部は、外周面に、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有することができる。
あるいは、本発明の一態様にかかる懸架装置では、前記ロアブッシュは、軸方向他側面に開口し、かつ、内周面に雌ねじ部を有するねじ孔を有することができ、前記インナチューブは、外周面に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有し、かつ、前記係合軸部の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出する軸部を有することができる。
本発明の一態様にかかる懸架装置では、前記ロアブッシュは、径方向外側に向けて突出する押えフランジ部を有することができ、かつ、前記押えフランジ部の軸方向他側面を、前記ロアシェル側底部の軸方向片側面に突き当てることができる。
本発明の一態様にかかる懸架装置では、前記ロアブッシュは、径方向外側に向けて突出する押えフランジ部を有することができ、かつ、前記押えフランジ部の軸方向他側面を、前記ロアシェル側底部の軸方向片側面に突き当てることができる。
本発明の懸架装置によれば、製造コストを低減しやすくすることができる。
図1は、実施の形態の第1例の懸架装置の斜視図である。 図2は、実施の形態の第1例の懸架装置の断面図である。 図3は、図2のX部拡大図である。 図4は、図2のY部拡大図である。 図5は、中間組立体の分解斜視図である。 図6は、アッパシェルの分解斜視図である。 図7は、中間組立体をアッパシェルの内側に支持し、かつ、アッパシェルに対しマウント部材を支持する様子を示す、分解斜視図である。 図8は、アッパシェルの周囲にコイルスプリングを配置し、かつ、アッパシェルとロアシェルとを組み合わせるとともに、ボールねじ軸に電動モータの出力軸を接続する様子を示す、分解斜視図である。 図9は、実施の形態の第2例の懸架装置を示す、図4に相当する図である。 図10は、実施の形態の第3例の懸架装置を示す、図4に相当する図である。 図11は、実施の形態の第4例の懸架装置を示す、図4に相当する図である。 図12は、実施の形態の第5例の懸架装置を示す、図4に相当する図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図8を用いて説明する。
まず、本例の懸架装置1の構造について、図1~図4を用いて説明する。本例の懸架装置1は、アッパシェル2と、ロアシェル3と、ボールねじ軸4と、軸受ユニット5と、ボールナット6と、複数個のボール123と、インナチューブ61と、電動モータ7と、コイルスプリング8と、ロアブッシュ62とを備える。
アッパシェル2は、軸方向両側が開口した筒形状を有し、かつ、軸方向中間部内周面に、段部122を有する。本例では、アッパシェル2は、軸方向片側に位置する小径筒部10の軸方向他側の端部と、軸方向他側に位置する大径筒部11の軸方向片側の端部とを、軸方向他側に向かうほど直径が大きくなる円すい筒部12により接続することで、段付円筒状に構成されている。本例では、アッパシェル2は、円周方向に連続した段付円筒状に構成されている。換言すれば、アッパシェル2は、円周方向に分割されておらず、全体を一体に構成されている。大径筒部11は、軸方向片側部分の内周面に、径方向内側に向けて突出したフランジ部9を有する。本例では、段部122は、フランジ部9の軸方向他側面により構成されている。
なお、懸架装置1に関して、軸方向片側とは、車輪側、すなわち車両に組み付けた状態での下側である、図1および図5~図8の左下側、並びに、図2~図4の左側をいい、軸方向他側とは、車体側、すなわち車両に組み付けた状態での上側である、図1および図5~図8の右上側、並びに、図2~図4の右側をいう。
ロアシェル3は、アッパシェル2と同軸に配置され、かつ、筒形状を有する。ロアシェル3は、アッパシェル2の軸方向片側部分の周囲に、アッパシェル2に対する軸方向の相対変位を可能に、かつ、回転を不能に配置されている。すなわち、アッパシェル2とロアシェル3とは、全長を伸縮可能に組み合わされている。本例では、ロアシェル3は、シェル本体13と、ロアリテーナ14とを備える。
シェル本体13は、筒状部15と、筒状部15の軸方向片側の開口を塞ぐロアシェル側底部16とを備える。
筒状部15は、軸方向他側部分に、軸方向に伸長する長孔17を有し、かつ、軸方向中間部外周面に、雄ねじ部18を有する。
ロアシェル側底部16は、中央部を軸方向に貫通し、かつ、非円形の開口形状を有する係合孔19を有する。具体的には、例えば、係合孔19の内周面を、互いに平行な一対の平坦面と、該一対の平坦面同士を接続する一対の凹曲面とにより構成することができる。あるいは、係合孔19を、スプライン孔、または、矩形孔などの多角形孔により構成することもできる。
ロアリテーナ14は、筒形状を有する。ロアリテーナ14は、軸方向他側の端部に、径方向外側に向けて突出した、円輪状の外向フランジ部20を有し、かつ、軸方向中間部に、径方向に貫通するねじ孔21を有する。ロアリテーナ14は、ねじ孔21に螺合したボルト22の先端部を、シェル本体13の長孔17の内側に配置(係合)することで、シェル本体13の軸方向他側の端部の周囲に、回転を阻止した状態で支持されている。
ロアリテーナ14は、軸方向片側の端部を、シェル本体13の雄ねじ部18に螺合された第1ロックナット23の軸方向他側の端部に突き当てている。これにより、シェル本体13に対するロアリテーナ14の軸方向片側への変位が阻止されている。本例では、第1ロックナット23の軸方向片側の端部に、シェル本体13の雄ねじ部18に螺合された第2ロックナット24の軸方向他側の端部に突き当てることにより、第1ロックナット23の緩み止めが図られている。
ロアリテーナ14の外向フランジ部20の軸方向他側面には、弾性材製のシート25を介して、コイルスプリング8の軸方向の片側の端部が突き当てられる。これにより、シェル本体13に対するロアリテーナ14の軸方向他側への変位が規制される。
さらに、ロアリテーナ14は、軸方向他側の端部内周面に、ダストシール26を有する。ダストシール26は、先端部をアッパシェル2の外周面に摺接させることにより、ロアシェル3の軸方向他側の端部内周面とアッパシェル2の外周面との間部分からの、泥水などの異物の侵入を防止している。
ボールねじ軸4は、軸方向片側部分の外周面に雄ボールねじ溝27を有し、アッパシェル2の内側に回転自在に支持されている。雄ボールねじ溝27は、円弧形の断面形状を有し、ボールねじ軸4の外周面のうち、軸方向片側の端部からフランジ部9よりも軸方向片側に位置する部分までの範囲に、らせん状に形成されている。本例では、ボールねじ軸4は、軸方向他側部分に備えられた被支持部28を、軸受ユニット5により、アッパシェル2の大径筒部11の内周面に対し回転自在に支持している。
被支持部28は、軸方向片側の大径部29と、軸方向他側の小径部30と、大径部29の軸方向他側の端部外周面と小径部30の軸方向片側の端部外周面とを接続する、軸方向他側を向いたロア段部31とを有する。小径部30は、軸方向片側の端部外周面に、円筒面部32を有し、かつ、軸方向他側の端部外周面に、雄ねじ部33を有する。
軸受ユニット5は、軸受ホルダ34と、押えプレート35と、一対の転がり軸受36a、36bとを備える。
軸受ホルダ34は、クランク形の断面形状を有する。すなわち、軸受ホルダ34は、ホルダ円筒部37と、ホルダ円筒部37の軸方向片側の端部外周面から径方向外側に折れ曲がった外向フランジ部38と、ホルダ円筒部37の軸方向他側の端部内周面から径方向内側に折れ曲がった内向フランジ部39とを備える。外向フランジ部38は、円周方向複数箇所に、軸方向に貫通するねじ孔40を有する。
押えプレート35は、略L字形の断面形状を有する。すなわち、押えプレート35は、円輪部41と、円輪部41の径方向内側の端部から軸方向他側に向けて折れ曲がったプレート円筒部42とを備える。円輪部41は、円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する通孔43を有する。円輪部41は、アッパシェル2のフランジ部9の内径寸法よりも大きく、かつ、アッパシェル2の大径筒部11の内周面にがたつきなく内嵌可能な(大径筒部11の内径寸法よりもわずかに小さい)外径寸法を有する。プレート円筒部42は、軸受ホルダ34のホルダ円筒部37の軸方向片側の端部にがたつきなく内嵌可能な外径寸法を有する。
一対の転がり軸受36a、36bのそれぞれは、内輪44a、44bと、外輪45a、45bと、複数個の転動体46a、46bとを備える。転がり軸受36a、36bのそれぞれは、転動体46a、46bとして玉を使用し、かつ、転動体46a、46bに接触角が付与された、アンギュラ型の玉軸受により構成されている。
本例では、一対の転がり軸受36a、36bのそれぞれの転動体46a、46bには、正面組み合わせ(DF)型の接触角が付与されている。これにより、ボールねじ軸4の支持剛性を調整して、車輪から作用する水平方向の力に基づく、ボールねじ軸4の揺動変位をある程度許容している(背面組み合わせ(DB)型の接触角を付与した場合と比較して、ボールねじ軸4の許容揺動角度を大きくしている)。なお、一対の転がり軸受のそれぞれを、転動体として円すいころを使用した、円すいころ軸受により構成することもできる。
一対の転がり軸受36a、36のそれぞれの内輪44a、44bは、互いに対向する軸方向端面同士を突き当てた状態で、ボールねじ軸4の円筒面部32の軸方向片側部分に圧入により外嵌され、かつ、ロア段部31と、円筒面部32の軸方向他側部分に外嵌されたカラー47との間で軸方向に挟持されている。すなわち、軸方向片側の転がり軸受36aの内輪44aの軸方向片側の端面を、ロア段部31に突き当てており、かつ、軸方向他側の転がり軸受36bの内輪44bの軸方向他側の端面に、カラー47の軸方向片側の端面を突き当てている。これにより、軸受ユニット5は、ボールねじ軸4に対して軸方向に位置決めされている。カラー47は、含油メタルなどの低摩擦材により、全体を円筒状に構成されており、ボールねじ軸4の雄ねじ部33に螺合されたナット48により軸方向他側への変位が阻止されている。以上の構成により、ボールねじ軸4に対する内輪44a、44bの軸方向の位置決めが図られている。
一対の転がり軸受36a、36bのそれぞれの外輪45a、45bは、互いに対向する軸方向端面同士を突き当てた状態で、軸受ホルダ34のホルダ円筒部37に圧入により内嵌され、かつ、内向フランジ部39の軸方向片側面と、押えプレート35のプレート円筒部42の軸方向他側の端面との間で軸方向に挟持されている。すなわち、軸方向片側の転がり軸受36aの外輪45aの軸方向片側の端面を、プレート円筒部42の軸方向他側の端面に突き当てており、かつ、軸方向他側の転がり軸受36bの外輪45bの軸方向他側の端面に、内向フランジ部39の軸方向片側面を突き当てている。
軸受ホルダ34と押えプレート35とは、内向フランジ部39の軸方向片側面と、プレート円筒部42の軸方向他側の端面との間で、一対の転がり軸受36a、36bのそれぞれの外輪45a、45bを軸方向に挟持した状態で、通孔43を挿通したボルト49をねじ孔40に螺合することにより互いに結合固定されている。
押えプレート35は、円輪部41の外周面を、アッパシェル2の大径筒部11の内周面にがたつきなく内嵌し、かつ、円輪部41の軸方向片側面の径方向外側の端部を、ストッパホルダ50を介して、アッパシェル2の段部122(フランジ部9の軸方向他側面)に突き当てている。
軸受ホルダ34は、外向フランジ部38の外周面に係止したOリング51を、大径筒部11の内周面に弾性的に当接させることにより、大径筒部11に対する回転を阻止されている。また、軸受ホルダ34の外向フランジ部38の軸方向他側面の径方向外側の端部には、アッパシェル2の大径筒部11にがたつきなく内嵌されたスリーブ52の軸方向片側の端部が突き当てられている。スリーブ52は、大径筒部11の軸方向他側の端部内周面に備えられた雌ねじ部53に螺合されたロックナット54により、軸方向他側への変位が阻止されている。
以上のような構成により、軸受ユニット5により、アッパシェル2の内側にボールねじ軸4が回転自在に支持されている。
なお、軸受ホルダ34は、内向フランジ部39の内周面に、先端部をカラー47の外周面に摺接させたオイルシール55aを有し、かつ、押えプレート35は、内周面に、先端部をボールねじ軸4の大径部29の外周面に摺接させたオイルシール55bを有する。これにより、一対の転がり軸受36a、36bのそれぞれを潤滑するグリースが、内輪44a、44bと外輪45a、45bとの間の空間から漏洩することを防止している。
ボールねじ軸4は、中心部のうち、軸方向片側の端部から軸方向中間部までの範囲に、軸方向片側の端面に開口する有底孔56を有し、かつ、軸方向中間部を径方向に貫通する径方向通気孔57と、軸方向他側の端面と径方向通気孔57とに開口する軸方向通気孔58とからなる通気路59を有する。有底孔56は、インナチューブ61の内側の空間の体積を増大させることにより、懸架装置1の全長が伸縮することに伴う、インナチューブ61の内側の空間の体積の増減による影響を抑えるために備えられている。また、通気路59は、アッパシェル2とロアシェル3との内側に存在する内部空間60の体積を増大させることにより、懸架装置1の全長が伸縮することに伴う、内部空間60の体積増減の影響を抑えるために備えられている。さらに、有底孔56および通気路59は、ボールねじ軸4の軽量化にも寄与する。
ボールナット6は、内周面に雌ボールねじ溝124を有し、ボールねじ軸4のうち、外周面に雄ボールねじ溝27が形成された軸方向片側部分に螺合(軸方向片側部分の周囲に配置)され、かつ、ロアシェル3に対して一体的な軸方向の変位を可能に支持されている。複数個のボール123のそれぞれは、ボールねじ軸4の雄ボールねじ溝27と、ボールナット6の雌ボールねじ溝124の間に転動自在に配置され、かつ、図示しない循環機構により循環される。すなわち、ボールねじ軸4と、ボールナット6と、複数個のボール123と、循環機構とにより、ボールねじ機構が構成されている。
本例では、ボールナット6は、インナチューブ61とロアブッシュ62とにより、ロアシェル3に対して一体的な軸方向の変位を可能に接続されている。
ボールナット6は、円筒状の本体部63と、本体部63の軸方向他側の端部から径方向外側に向けて突出したナットフランジ部64とを備える。本体部63は、内周面に雌ボールねじ溝124を有する。ナットフランジ部64は、円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する通孔65を有する。
インナチューブ61は、円筒部66と、円筒部66の軸方向他側の端部から径方向外側に向けて突出したチューブフランジ部67と、円筒部66の軸方向片側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がったインナチューブ側底部68と、係合軸部69とを備える。
チューブフランジ部67は、円周方向複数箇所に、軸方向他側面に開口するねじ孔70を有する。
インナチューブ側底部68は、円周方向複数箇所に、軸方向片側面の径方向外側の端部と、軸方向他側面の径方向中間部とに開口する、通気孔71を有する。通気孔71は、インナチューブ61の内側の空間と、内部空間60とを連通することで、懸架装置1の全長が伸縮することに伴う、インナチューブ61の内側の空間の体積の増減による影響を抑えるために備えられている。また、インナチューブ側底部68は、軸方向片側面のうち、係合軸部69よりも径方向外側に位置する部分にインナチューブ側段部125を有する。本例では、インナチューブ側段部125は、インナチューブ61の中心軸に直交し、かつ、軸方向片側を向いた平坦面により構成されている。
係合軸部69は、インナチューブ側底部68の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出し、かつ、軸方向から見て非円形の輪郭形状を有する。また、本例では、係合軸部69は、ロアシェル3の係合孔19にがたつきなく内嵌(係合)可能な、外面形状を有する。
さらに、インナチューブ61は、インナチューブ側底部68と係合軸部69とを軸方向に貫通する結合孔72を有する。本例では、結合孔72は、軸方向他側部分の内周面に備えられた雌ねじ部5と、軸方向片側部分に備えられ、かつ、軸方向に関して内径が変化しない円筒面により構成されたインナチューブ側嵌合面部134とを有する。なお、結合孔72を、係合軸部69の軸方向片側面にのみ開口する有底孔により構成することもできる。
インナチューブ61は、アッパシェル2の小径筒部10の内側に、アッパシェル2に対する軸方向の相対変位を可能に配置されている。このために、小径筒部10の軸方向片側部分の内周面に、滑り軸受(ウェアリング)73が支持され、かつ、滑り軸受73の内側に、インナチューブ61が挿通(内嵌)されている。滑り軸受73は、小径筒部10に備えられた内向フランジ部74と、小径筒部10の内周面に係止された止め輪75とにより軸方向両側から挟持されている。なお、アッパシェル2は、小径筒部10の軸方向片側の端部に、先端部をインナチューブ61の外周面に摺接させたオイルシール76を有する。
ロアブッシュ62は、円環部77と、基部126と、軸部78と、押えフランジ部79とを備える。
円環部77は、インナチューブ61の中心軸に直交する方向、すなわち懸架装置1を車両に組み付けた状態で略水平方向に伸長する筒状に構成されている。
基部126は、円環部77の外周面のうち、軸方向他側の端部から軸方向他側に向けて突出している。
軸部78は、円柱形状を有し、基部126の軸方向他側面から軸方向他側に向けて突出している。本例では、軸部78は、軸方向他側部分の外周面に備えられた雄ねじ部80と、軸方向片側部分の外周面に備えられ、かつ、軸方向に関して内径が変化しない円筒面により構成されたロアブッシュ側嵌合面部135とを有する。
押えフランジ部79は、基部126の径方向外側の端部から径方向外側に向けて突出している。押えフランジ部79は、軸方向他側面の径方向外側部分に押え面127を有する。押え面127は、軸部78の中心軸に直交し、かつ、軸方向他側を向いた平坦面により構成されている。
さらに、ロアブッシュ62は、ゴムの如きエラストマー製で円環状に構成され、かつ、円環部77の内側に保持された弾性材81と、弾性材81の内側に保持された円環状の支持環部82とを備える。
ボールナット6は、円板状のコンタクトプレート83の円周方向複数箇所に備えられた通孔84と、ナットフランジ部64の通孔65とを挿通したボルト85を、チューブフランジ部67のねじ孔70に螺合することにより、インナチューブ61に対し結合固定されている。なお、インナチューブ61は、チューブフランジ部67の軸方向片側面に、ゴムの如きエラストマーなどの弾性材製で、円環状のリバウンドストッパ86を有する。これにより、点検整備に伴い、車両をリフトアップするなどの際に、車輪の重量により、ロアシェル3が下側に引っ張られ、ボールナット6が軸方向片側に移動した場合に、ボールナット6の軸方向片側の端面が、アッパシェル2の内向フランジ部74の軸方向他側面に直接衝突(メタルコンタクト)することを防止している。
本例では、ボールナット6とインナチューブ61とをボルト85により結合した状態で、ボールナット6とインナチューブ61とが、アッパシェル2の段部122(フランジ部9)の径方向内側を通過できるようにしている。換言すれば、ボールナット6とインナチューブ61との結合体の外接円直径Dを、段部122(フランジ部9)の内径寸法dよりも小さくしている(D<d)。また、アッパシェル2の小径筒部の内径寸法は、ボールナット6とインナチューブ61との結合体の外接円直径Dよりも大きく、かつ、段部122の内径寸法dよりも小さくなっている。
インナチューブ61は、係合軸部69をロアシェル3の係合孔19に内嵌(非円形嵌合)し、かつ、インナチューブ側底部68に備えられたインナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てている。なお、本例では、係合軸部69を係合孔19にがたつきなく内嵌している。ただし、本発明を実施する場合、インナチューブの係合軸部をロアシェルの係合孔に、隙間嵌または締り嵌めで内嵌することもできる。いずれにしても、係合軸部69を係合孔19に内嵌し、かつ、インナチューブ側段部125をロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てた状態で、インナチューブ61の結合孔72の軸方向他側部分の内周面に備えられた雌ねじ部133に、ロアブッシュ62の軸部78の軸方向片側部分の外周面に備えられた雄ねじ部80を螺合し、ロアブッシュ62の押えフランジ部79の軸方向他側面に備えられた押え面127によりロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向片側面を押えつけることで、インナチューブ61がロアシェル3に対し結合固定されている。すなわち、ロアシェル3の軸方向片側の端部に備えられたロアシェル側底部16は、インナチューブ61のインナチューブ側段部125と、ロアブッシュ62の押え面127との間で軸方向に挟持されている。
なお、本例では、結合孔72の軸方向片側部分の内周面に備えられたインナチューブ側嵌合面部134と、軸部78の軸方向片側部分の外周面に備えられたロアブッシュ側嵌合面部135とをがたつきなく嵌合(インロー嵌合)させることにより、インナチューブ61とロアブッシュ62との軸合わせを行っている。ただし、本発明を実施する場合、インナチューブとロアブッシュとの間のインロー嵌合部は省略することもできる。
なお、本例では、インナチューブ61のインナチューブ側底部68に備えられたインナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てた状態で、インナチューブ61の係合軸部69の軸方向片側面と、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向片側面との軸方向位置がほぼ一致する。したがって、インナチューブ61の結合孔72に、ロアブッシュ62の雄ねじ部80を螺合しさらに締め付けた状態では、ロアブッシュ62の押え面127の径方向内側部分が、インナチューブ61の係合軸部69の軸方向片側面に当接または近接対向する。
電動モータ7は、先端部(軸方向片側の端部)を、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部にトルクの伝達を可能に接続された出力軸87を有し、かつ、アッパシェル2の軸方向他側の端部に支持されている。
出力軸87は、継手88により、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部に、トルクの伝達を可能に接続されている。
本例では、継手88は、円筒状のカップリング89と、一対のキー90a、90bとを備える。
一対のキー90a、90bのうち、軸方向片側のキー90aは、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部と、カップリング89との間にかけ渡されている。具体的には、軸方向片側のキー90aは、軸方向他側の端部を、カップリング89に対し結合し、かつ、軸方向片側部分を、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部に備えられた切り欠き91aに係合している。切り欠き91aは、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部外周面と軸方向他側の端面とに開口している。軸方向片側のキー90aは、キー90aを径方向に貫通し、かつ、先端部を、切り欠き91aの底部に係合させた、イモネジなどの結合部材92aにより、切り欠き91aからの脱落が防止されている。
一対のキー90a、90bのうち、軸方向他側のキー90bは、電動モータ7の出力軸87の軸方向片側の端部と、カップリング89との間にかけ渡されている。具体的には、軸方向他側のキー90bは、軸方向片側の端部を、カップリング89に対し結合し、かつ、軸方向他側部分を、出力軸87の軸方向片側の端部に備えられた切り欠き91bに係合している。切り欠き91bは、出力軸87の軸方向片側の端部外周面と軸方向片側の端面とに開口している。軸方向他側のキー90bは、キー90bを径方向に貫通し、かつ、先端部を、切り欠き91bの底部に係合させた、イモネジなどの結合部材92bにより、切り欠き91bからの脱落が防止されている。
本例では、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部にロアカラー93を外嵌し、かつ、電動モータ7の出力軸87の軸方向他側部分にアッパカラー94を外嵌している。ロアカラー93は、軸方向他側の端部に備えられた切り欠き95を、軸方向片側のキー90aに係合し、軸方向片側の端面を、ボールねじ軸4に備えられたアッパ段部96に当接または近接対向させ、かつ、軸方向他側の端面を、カップリング89の軸方向片側面に当接または近接対向させている。アッパカラー94は、軸方向片側の端部に備えられた切り欠き97を、軸方向他側のキー90bに係合し、軸方向片側の端面を、カップリング89の軸方向他側面に当接または近接対向させ、かつ、軸方向他側の端面を、電動モータ7のケーシング98の軸方向片側面に当接または近接対向させている。これにより、結合部材92a、92bが緩んだ場合においても、カップリング89の軸方向位置がずれるのを防止している。
なお、継手88の構造については、上述の構造に限定されず、従来から知られた種々の構造を採用することができる。
電動モータ7は、ブラケット99により、アッパシェル2の軸方向他側の端部に支持固定されている。ブラケット99は、ロックナット54と、マウント部材100と、防振部材101とを備える。
ロックナット54は、軸方向片側部分の外周面に雄ねじ部102を有する筒状部103と、筒状部103の軸方向他側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がった円輪部104とを備える。ロックナット54は、雄ねじ部102を、アッパシェル2の雌ねじ部53に螺合することにより、アッパシェル2に対し結合固定されている。電動モータ7は、ケーシング98を、ロックナット54の円輪部104に対しボルト止めなどにより支持固定されている。
マウント部材100は、アッパ部材105と、ロア部材106とを備える。
アッパ部材105は、略U字形の断面形状を有する。すなわち、アッパ部材105は、円筒部107と、円筒部107の軸方向片側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がったロア円輪部108と、円筒部107の軸方向他側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がったアッパ円輪部109とを備える。本例の懸架装置1は、アッパ円輪部109の円周方向複数箇所に備えられた通孔を軸方向片側から挿通した支持ボルト110により、車体に対し結合固定される。
ロア部材106は、略クランク形の断面形状を有する。すなわち、ロア部材106は、円筒部111と、円筒部111の軸方向片側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がった円輪部112と、円輪部112の径方向内側の端部から軸方向片側に向けて折れ曲がった折れ曲がり部113と、円筒部111の軸方向他側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がった外向フランジ部114とを備える。
ロア部材106の円輪部112の軸方向片側の端面には、エンド部材115を介して、コイルスプリング8の軸方向他側の端部が突き当てられている。エンド部材115は、ゴムの如きエラストマーなどの弾性材により構成され、ロア部材106の折れ曲がり部113を包埋し、かつ、円輪部112の軸方向片側面を覆っている。
アッパ部材105とロア部材106とは、ロア円輪部108の軸方向片側面の径方向外側の端部と、外向フランジ部114の軸方向他側面とを突き合せた状態で、互いに溶接などにより結合固定されている。
防振部材101は、弾性部材116と、支持部材117とを備える。
弾性部材116は、ゴムの如きエラストマーなどの弾性材により構成され、軸方向に関して対称な略菱形の断面形状を有する。弾性部材116は、ロックナット54の円輪部104の径方向外側の端部を包埋することで、ロックナット54に対し支持されている。
支持部材117は、金属や合成樹脂など、弾性部材116を構成する弾性材よりも高い剛性を有する材料により、円筒状に構成されている。支持部材117は、内周面を、弾性部材116の径方向外側の端部に溶着することより、弾性部材116の周囲に支持されている。換言すれば、弾性部材116は、ロックナット54の円輪部104と、支持部材117との間にかけ渡すように設けられている。
支持部材117は、ロア部材106の円筒部111に圧入により内嵌されており、かつ、弾性部材116は、アッパ部材105のロア円輪部108と、ロア部材106の円輪部112との間で軸方向に挟持されている。すなわち、弾性部材116は、軸方向片側の端部を、ロア部材106の円輪部112の軸方向他側面に弾性的に当接させ、かつ、軸方向他側の端部を、アッパ部材105のロア円輪部108の軸方向片側面に弾性的に当接させている。これにより、アッパシェル2、アッパシェル2の内側または周囲に支持された部材、および、電動モータ7は、弾性部材116の軸方向中央位置を中心とする揺動を可能に車体に対し支持される。
電動モータ7は、ケーシング98の軸方向片側面の径方向外側部分を、ロックナット54の円輪部104の軸方向他側面の径方向内側部分に突き当てた状態で、ブラケット99に対し支持固定されている。これにより、電動モータ7は、軸方向片側部分を、マウント部材100の内側に配置し、マウント部材100よりも軸方向他側への突出量を抑えている。
コイルスプリング8は、アッパシェル2の周囲に配置され、かつ、アッパシェル2とロアシェル3との間で軸方向に弾性的に圧縮された状態で挟持されている。具体的には、コイルスプリング8は、ロアリテーナ14の外向フランジ部20の軸方向他側面に添着などにより支持されたシート25と、アッパシェル2に対しブラケット99を介して支持されたエンド部材115との間で軸方向に弾性的に圧縮挟持されている。
本例の懸架装置1は、ゴムやウレタンなどのエラストマー製のバンプストッパ118を備える。バンプストッパ118は、筒状に構成され、ストッパホルダ50により、アッパシェル2の円すい筒部12の内側で、かつ、ボールねじ軸4の軸方向中間部の周囲に支持されている。バンプストッパ118は、ロアシェル3の軸方向片側の端部に上向きの衝撃荷重が加わり、ロアシェル3が軸方向他側に移動することに伴って、ボールナット6が軸方向他側に向けて移動した場合に、コンタクトプレート83により押し潰される。すなわち、バンプストッパ118は、ロアシェル3に加わった衝撃荷重を吸収するとともに、コンタクトプレート83が、軸受ユニット5の軸方向片側面(押えプレート35)に直接衝突すること(メタルコンタクト)を防止するために設けられている。
ストッパホルダ50は、鋼板などの金属板を断面L字形に曲げ成形することにより構成されている。すなわち、ストッパホルダ50は、円輪部119と、円輪部119の径方向内側の端部から軸方向片側に向けて折れ曲がった円筒部120とを備える。ストッパホルダ50は、円輪部119を、アッパシェル2のフランジ部9と、軸受ユニット5の押えプレート35との間で軸方向に挟持することにより、アッパシェル2に対し支持されている。
バンプストッパ118は、軸方向他側の端部を、ストッパホルダ50の円筒部120に外嵌することにより、ボールねじ軸4の周囲に支持され、かつ、軸方向に押し潰された際の径方向内側への変形が規制されている。すなわち、バンプストッパ118は、軸方向に押し潰された場合でも、ボールねじ軸4の外周面に接触しないように、軸方向他側部分の内周面を円筒部120に外嵌し、かつ、軸方向片側部分の内周面形状を工夫している。
本例では、バンプストッパ118は、フランジ部9の内径寸法以下の外径寸法、好ましくはフランジ部9の内径寸法よりもわずかに小さい外径寸法を有する。これにより、バンプストッパ118は、軸方向他側の端部外周面を、アッパシェル2のフランジ部9の内周面に当接または近接対向させて、バンプストッパ118が軸方向に押し潰された際の径方向外側への変形を規制するようにしている。
なお、ストッパホルダ50の円筒部120は、ボールナット6の軸方向他側の端部に支持されたコンタクトプレート83の内径寸法dよりも小さい外径寸法Dを有する(d<D)。したがって、ロアシェル3の軸方向片側の端部に上向きの衝撃荷重が加わることに基づいて、ボールナット6が軸方向他側に移動し、バンプストッパ118が押し潰される際に、コンタクトプレート83は、円筒部120の周囲まで軸方向他側に移動することができる。要するに、コンタクトプレート83の軸方向寸法分だけ、アッパシェル2に対するロアシェル3の軸方向の相対変位量を長くすることができる。
本例の懸架装置1は、アッパシェル2の軸方向他側の端部を、マウント部材100を介して、車体に対し支持し、かつ、ロアシェル3の軸方向片側の端部に、ロアブッシュ62を介して、車輪を支持する。すなわち、懸架装置1は、アッパシェル2を上側に配置し、かつ、ロアシェル3を下側に配置した状態で、車体と車輪との間にかけ渡すように支持されている。
懸架装置1は、コイルスプリング8の弾性復元力によって、ロアシェル3をアッパシェル2に対し軸方向片側(下側)に向けて押圧する方向の力に基づいて、車輪を構成するタイヤの外周面(トレッド)を路面に押し付ける。
また、懸架装置1は、次のようにして、全長を伸縮させることにより、振動や衝撃などを吸収する。
すなわち、懸架装置1は、路面からの振動や衝撃などに基づいて、ロアシェル3の軸方向片側の端部に上向き(突き上げる方向)の力が加わると、ロアシェル3は、コイルスプリング8を弾性的に収縮させるとともに、ボールねじ軸4と電動モータの7の出力軸87とを回転させつつ、ボールナット6を軸方向他側(上側)に向けて移動させながら、アッパシェル2に対し軸方向他側に向けて相対変位する。これにより、懸架装置1の全長が収縮する。
振動や衝撃などに基づく上向きの力が解放されるか、または、減少すると、コイルスプリング8の弾性復元力によって、ロアシェル3をアッパシェル2に対し軸方向片側(下側)に向けて押圧する方向の力に基づいて、ロアシェル3は、コイルスプリング8を弾性的に復元させるとともに、ボールねじ軸4と電動モータの7の出力軸87とを回転させつつ、ボールナット6を軸方向片側(下側)に向けて移動させながら、アッパシェル2に対し軸方向片側に向けて相対変位する。これにより、懸架装置1の全長が伸長する。
本例の懸架装置1は、走行状態や路面の状況などに応じて、電動モータ7への通電を制御することにより、車高や車両の姿勢、減衰力を制御することができる。
車高や車両の姿勢を制御する場合には、電動モータ7に通電し、出力軸87を回転駆動することにより、ボールねじ軸4を回転駆動させる。ボールねじ軸4の回転に伴い、ボールナット6が軸方向に移動し、ロアシェル3がアッパシェル2に対し軸方向に相対変位することで、懸架装置1の全長が伸縮する。この結果、ロアシェル3に、ロアブッシュ62を介して支持された車輪に対する、マウント部材100を介してアッパシェル2を支持した車体の高さが調整される。
減衰力を制御する場合には、電動モータ7への通電量を制御することで、出力軸87の回転抵抗を調整し、ボールねじ軸4の回転抵抗を調整することに基づいて、ボールナット6が軸方向に移動することに対する抵抗を調整する。これにより、路面からの振動や衝撃などに基づき懸架装置1の全長が伸縮する際に、ロアシェル3がアッパシェル2に対し軸方向に相対変位する速度を調整することにより、減衰力を調整することができる。
特に本例の懸架装置1では、ロアシェル3の軸方向片側の端部に備えられたロアシェル側底部16を、インナチューブ61のインナチューブ側底部68の軸方向片側面に備えられたインナチューブ側段部125と、ロアブッシュ62の押えフランジ部79の軸方向他側面に備えられた押え面127との間で軸方向に挟持し、かつ、インナチューブ61の結合孔72にロアブッシュ62の雄ねじ部80を螺合することで、ロアシェル3とインナチューブ61とロアブッシュ62とを結合固定している。すなわち、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置のように、アウターチューブおよび支持筒と、取付ブッシュとを結合部材に対し、溶接などにより、それぞれ個別に固定する必要がなく、組立作業を容易化することができる。このため、製造コストを低減しやすい。
また、本例の懸架装置1によれば、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置のように、アウターチューブおよび支持筒と取付ブッシュとは別に、結合部材を設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。この面からも、組立作業の容易化、および/または、部品管理の容易化を図ることができ、製造コストを低減しやすくすることができる。
なお、本例では、係合孔19と係合軸部69とを非円形嵌合している。このため、ロアシェル3とインナチューブ61とを相対回転させる方向の力が加わった場合にも、ロアシェル3とインナチューブ61との相対回転を防止することができる。すなわち、コイルスプリング8が収縮すると、該コイルスプリング8からロアシェル3には、軸方向に加え、円周方向の荷重が発生する可能性がある。この場合でも、ロアシェル3とインナチューブ61との相対回転を防止することができる。
また、電動モータ7により、ボールねじ軸4を回転駆動すると、ボール123とボールナット6とを介して、インナチューブ61にねじり方向のトルクが加わる。このトルクに基づいて、インナチューブ61が回転しようとすると、インナチューブ61の結合孔72に備えられた雌ねじ部133と、ロアブッシュ62の軸部78に備えられた雄ねじ部80との締め付けが緩んでしまう可能性がある。本例では、係合孔19と係合軸部69とを非円形嵌合して、ロアシェル3に対するインナチューブ61の回転を防止している。ここで、ロアシェル3は、外向フランジ部20に備えられ、かつ、円周方向を向いた段部と、コイルスプリング8の下側の端部(軸方向片側の端部)とを当接または近接対向させることにより、車体に対する相対回転が阻止されている。したがって、電動モータ7によるボールねじ軸4の回転駆動に伴って、インナチューブ61にねじり方向のトルクが加わった場合でも、インナチューブ61が車体に対して回転しようとすることを防止できて、インナチューブ61の雌ねじ部133と、ロアブッシュ62の雄ねじ部80との締め付けが緩むことを確実に防止できる。
また、本例の懸架装置1によれば、組立作業を容易に行うことができる。
すなわち、懸架装置1を組み立てる際には、まず、図5に示すように、ボールねじ軸4のうち、軸方向片側部分の周囲に、複数個のボールとボールナット6とを配置し、かつ、ボールナット6にインナチューブ61を結合固定する。また、ボールねじ軸4のうち、軸方向中間部の周囲に、バンプストッパ118を配置し、かつ、軸方向他側部分の周囲に、軸受ユニット5を配置する。すなわち、ボールねじ軸4と軸受ユニット5とボールナット6とバンプストッパ118とを組み合わせて、中間組立体を得る。
具体的には、まず、ボールねじ軸4のうち、雄ボールねじ溝27が備えられた軸方向片側部分に、ボールナット6を、複数個のボールを介して螺合する。次いで、コンタクトプレート83の通孔84と、ボールナット6の通孔65とにボルト85を挿通し、さらに、ボルト85を、チューブフランジ部67のねじ孔70にボルト85を螺合することで、ボールナット6とインナチューブ61とを結合固定する。また、ボールねじ軸4を、ストッパホルダ50に外嵌したバンプストッパ118に軸方向片側から挿入し、ボールねじ軸4の軸方向他側部分に、軸受ユニット5とカラー47とを外嵌する。さらに、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部にナット48を螺合する。
また、図6に示すように、アッパシェル2の小径筒部10の内側に、滑り軸受73とオイルシール76とを支持する。
次に、図7に示すように、中間組立体をアッパシェル2の内側に支持し、かつ、アッパシェル2の軸方向他側の端部に、マウント部材100を支持固定する。
具体的には、中間組立体を、アッパシェル2の内側に軸方向他側から挿入する。これにより、インナチューブ61を、アッパシェル2の軸方向片側の端部に支持された滑り軸受73に挿入(内嵌)し、かつ、ボールナット6を、段部122(フランジ部9)の内側を通過させ、小径筒部10の軸方向中間部まで移動させる。そして、軸受ユニット5の軸方向片側面の径方向外側の端部を、ストッパホルダ50を介して、段部122(フランジ部9の軸方向他側面)に突き当てることで、アッパシェル2に対する軸受ユニット5の軸方向の位置決めを図る。そして、アッパシェル2の大径筒部11にスリーブ52を内嵌し、さらに、大径筒部11の軸方向他側の端部内周面に備えられた雌ねじ部53に、マウント部材100のロックナット54を螺合する。
図7の例では、ロックナット54の軸方向片側の端面と、スリーブ52の軸方向他側の端面との間に、シム板121を挟持している。ただし、シム板121は、省略することもできる。
次いで、図8に示すように、アッパシェル2の周囲にコイルスプリング8を配置した後、インナチューブ61に対しロアシェル3を、ロアブッシュ62により支持するとともに、電動モータ7の出力軸87をボールねじ軸4に接続し、かつ、ケーシング98をマウント部材100に対し支持固定する。
すなわち、コイルスプリング8にアッパシェル2を軸方向片側から挿入し、コイルスプリング8の軸方向他側の端部を、エンド部材115に突き当てる。次いで、アッパシェル2の軸方向片側部分の周囲にロアシェル3を配置し、ロアシェル3の係合孔19とインナチューブ61の係合軸部69とをがたつきなく嵌合する。次いで、インナチューブ61の結合孔72に、ロアブッシュ62の雄ねじ部80を螺合することで、インナチューブ61とロアシェル3とを結合する。
また、電動モータ7の出力軸87の軸方向片側の端部を、継手88を介して、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部に、トルクの伝達を可能に接続し、かつ、電動モータ7のケーシング98を、マウント部材100に対し、ねじ止めなどにより、支持固定する。
上述したように、本例の懸架装置1を組み立てる際には、ボールねじ軸4と軸受ユニット5とボールナット6とインナチューブ61とバンプストッパ118とからなる中間組立体を、アッパシェル2に軸方向他側から挿入する。そして、軸受ユニット5の軸方向片側面を、アッパシェル2の段部122(フランジ部9の軸方向他側面)に、ストッパホルダ50を介して突き当てることにより、アッパシェル2に対するボールねじ軸4の軸方向の位置決めを図った状態で、ボールねじ軸4をアッパシェル2の内側に支持する。その後、電動モータ7の出力軸87を、ボールねじ軸4の軸方向他側の端部に、継手88により、トルクの伝達を可能に接続し、かつ、電動モータ7のケーシング98を、マウント部材100により、アッパシェル2の軸方向他側の端部に支持固定している。
すなわち、重量が嵩む電動モータ7をアッパシェル2に対し支持固定する以前に、ボールねじ軸4をアッパシェル2の内側に、アッパシェル2に対するボールねじ軸4の軸方向の位置決めを図った状態で支持することができる。このため、本例の懸架装置1の組立方法によれば、組立作業を容易に行うことができる。
これに対し、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置では、ボールねじ機構およびインナチューブを、電磁モータのケーシングに対し支持固定し、かつ、ケーシングを、マウント部および防振ゴムを介してアッパーサポートに結合固定している。すなわち、ボールねじ機構およびインナチューブは、重量が嵩む電磁モータを介して、アッパーサポートに対し軸方向の位置決めを図った状態で支持固定されている。したがって、組立作業の際に、重量が嵩む電磁モータを、ボールねじ機構およびインナチューブと一体に(サブアセンブリとして)扱う必要があり、組立作業が面倒である。
さらに、本例では、ボールナット6とインナチューブ61とをボルト85により結合した状態で、ボールナット6とインナチューブ61とが、アッパシェル2の段部122(フランジ部9)の径方向内側を通過できるようにしている。このため、ボールナット6を、軸受ユニット5およびバンプストッパ118とともにボールねじ軸4の周囲に配置し、中間組立体を構成した状態で、該中間組立体をアッパシェル2の内側に、前記中間組立体の軸方向片側の端部を先頭にして前記アッパシェル2の軸方向他側の開口から挿入した場合でも、ボールナット6を、アッパシェル2のフランジ部9の内側を通過させることができる。要するに、アッパシェル2の内側に支持される、ボールねじ軸4と軸受ユニット5とボールナット6とインナチューブ61とバンプストッパ118とを組み合わせて、中間組立体として一体に取り扱うことができる。この面からも、懸架装置1の組立作業の容易化を図ることができる。
なお、上述した懸架装置1を組み立てる工程は、中間組立体を組み立てた後で、該中間組立体をアッパシェル2の内側に支持する工程を備え、かつ、矛盾を生じない限り、順番を入れ替えたり、同時に実施したりすることができる。
また、本例の懸架装置1では、アッパシェル2に対し、ロアシェル3を軸方向の相対変位を可能に外嵌し、かつ、アッパシェル2の軸方向他側の端部に支持固定されたエンド部材115と、ロアシェル3の外向フランジ部20との間でコイルスプリング8を挟持している。コイルスプリング8は、懸架装置1が全長を収縮させる、すなわちアッパシェル2とロアシェル3とが互いに近づく方向に相対変位するのに伴って、弾性的に収縮する。懸架装置1は、アッパシェル2の内向フランジ部74の軸方向他側面と、ロアシェル3に支持されたボールナット6の軸方向片側の端面とが、リバウンドストッパ86を介して衝突するまで、全長を収縮させることができる。したがって、本例の懸架装置1によれば、特開2010-228579号公報に記載の懸架装置と比較して、コイルスプリング8の収縮可能量を確保しやすくできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図9を用いて説明する。本例では、インナチューブ61aの軸方向片側の端部に備えられた係合軸部69aの軸方向寸法を、実施の形態の第1例にかかるインナチューブ61の係合軸部69の軸方向寸法よりも短くしている。このため、インナチューブ61aのインナチューブ側底部68に備えられたインナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てた状態で、インナチューブ61の係合軸部69aの軸方向片側面は、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向片側面よりも軸方向他側に位置する。したがって、インナチューブ61aの結合孔72に、ロアブッシュ62の雄ねじ部80を螺合しさらに締め付けた状態では、ロアブッシュ62の押え面127の径方向内側部分と、インナチューブ61の係合軸部69aの軸方向片側面との間には隙間が存在する。このため、本例の懸架装置によれば、ロアシェル3のロアシェル側底部16を、インナチューブ61aのインナチューブ側段部125と、ロアブッシュ62の押え面127との間で、大きな力で確実に挟持することができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図10を用いて説明する。本例では、インナチューブ61bに備えられた結合孔72aを、円孔により構成している。すなわち、結合孔72aは、内周面に雌ねじ部を有していない。本例では、インナチューブ61bの係合軸部69aを、ロアシェル3の係合孔19にがたつきなく内嵌し、かつ、インナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てるとともに、インナチューブ61bの結合孔72aに、ロアブッシュ62の軸部78を挿通している。この状態で、軸部78の外周面に備えられた雄ねじ部80のうち、結合孔72aの軸方向他側の端部から突出した部分にナット128を螺合し、さらに締め付けることで、ロアシェル3とインナチューブ61とロアブッシュ62とを結合固定している。
本例の懸架装置によれば、インナチューブ61bの結合孔72aを、円孔により構成しており、内周面に雌ねじ部を形成する必要がないため、インナチューブ61bの加工コストを低減することができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図11を用いて説明する。本例では、インナチューブ61cに備えられた結合孔72bを、段付孔により構成している。すなわち、結合孔72bは、軸方向他側の端部に、ナット保持部(ザグリ部)129を有する。ナット保持部129には、ナット128が内嵌保持されている。本例では、ナット保持部129は、ナット128の外径よりもわずかに大きい六角形の開口形状を有する。本例では、インナチューブ61bの係合軸部69aを、ロアシェル3の係合孔19にがたつきなく内嵌し、かつ、インナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てた状態で、軸部78を、結合孔72bのナット保持部129に内嵌保持されたナット128を螺合し、さらに締め付けている。これにより、ロアシェル3とインナチューブ61cとロアブッシュ62とを結合固定している。
本例の懸架装置によれば、インナチューブ61cのインナチューブ側底部68の軸方向他側面からの、ロアブッシュ62の軸部78の突出量を、実施の形態の第3例の構造と比較して短く抑えることができる。
なお、本例では、ナット保持部129は、ナット128の外径よりもわずかに大きい六角形の開口形状を有しているが、本発明を実施する場合には、ナット保持部を、内周面の径方向反対側2箇所位置に、互いに平行な1対の平坦面部を有する二面幅形状とすることもできる。あるいは、ナット保持部の内径を、ナットの外接円直径よりも十分に大きくして、ロアブッシュの軸部にナットを螺合する際に、ナットとナット保持部の間に工具を挿入できるだけの隙間を確保できるようにすることもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例~第3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図12を用いて説明する。本例では、インナチューブ61dは、インナチューブ側底部68と係合軸部69aとを貫通する結合孔を有していない。代わりに本例では、インナチューブ61dは、係合軸部69aの軸方向片側面の中央部から軸方向片側に向けて突出する軸部130を有する。軸部130は、外周面に雄ねじ部131を有する。
また、ロアブッシュ62aは、基部126の軸方向他側面から軸方向他側に向けて突出する軸部78を有していない。代わりに、ロアブッシュ62aは、基部126の軸方向他側面に開口するねじ孔132を有する。
本例では、インナチューブ61dの係合軸部69aを、ロアシェル3の係合孔19にがたつきなく内嵌し、かつ、インナチューブ側段部125を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向他側面に突き当てている。この状態で、ロアブッシュ62aのねじ孔132に、インナチューブ61dの軸部130を螺合し、さらに締め付けることで、ロアブッシュ62aの押えフランジ部79に備えられた押え面127を、ロアシェル3のロアシェル側底部16の軸方向片側面に突き当てている。これにより、ロアシェル3のロアシェル側底部16を、インナチューブ61dのインナチューブ側段部125と、ロアブッシュ62aの押え面127との間で軸方向に挟持した状態で、ロアシェル3とインナチューブ61dとロアブッシュ62aとを結合固定している。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
1 懸架装置
2 アッパシェル
3 ロアシェル
4 ボールねじ軸
5 軸受ユニット
6 ボールナット
7 電動モータ
8 コイルスプリング
9 フランジ部
10 小径筒部
11 大径筒部
12 円すい筒部
13 シェル本体
14 ロアリテーナ
15 筒状部
16 ロアシェル側底部
17 長孔
18 雄ねじ部
19 係合孔
20 外向フランジ部
21 ねじ孔
22 ボルト
23 第1ロックナット
24 第2ロックナット
25 シート
26 ダストシール
27 雄ボールねじ溝
28 被支持部
29 大径部
30 小径部
31 ロア段部
32 円筒面部
33 雄ねじ部
34 軸受ホルダ
35 押えプレート
36a、36b 転がり軸受
37 ホルダ円筒部
38 外向フランジ部
39 内向フランジ部
40 ねじ孔
41 円輪部
42 プレート円筒部
43 通孔
44a、44b 内輪
45a、45b 外輪
46a、46b 転動体
47 カラー
48 ナット
49 ボルト
50 ストッパホルダ
51 Oリング
52 スリーブ
53 雌ねじ部
54 ロックナット
55a、55b オイルシール
56 有底孔
57 径方向通気孔
58 軸方向通気孔
59 通気路
60 内部空間
61、61a、61b、61c、61d インナチューブ
62、62a ロアブッシュ
63 本体部
64 ナットフランジ部
65 通孔
66 円筒部
67 チューブフランジ部
68 インナチューブ側底部
69、69a 係合軸部
70 ねじ孔
71 通気孔
72、72a、72b 結合孔
73 滑り軸受
74 内向フランジ部
75 止め輪
76 オイルシール
77 円環部
78 軸部
79 押えフランジ部
80 雄ねじ部
81 弾性材
82 支持環部
83 コンタクトプレート
84 通孔
85 ボルト
86 リバウンドストッパ
87 出力軸
88 継手
89 カップリング
90a、90b キー
91a、91b 切り欠き
92a、92b 結合部材
93 ロアカラー
94 アッパカラー
95 切り欠き
96 アッパ段部
97 切り欠き
98 ケーシング
99 ブラケット
100 マウント部材
101 防振部材
102 雄ねじ部
103 筒状部
104 円輪部
105 アッパ部材
106 ロア部材
107 円筒部
108 ロア円輪部
109 アッパ円輪部
110 支持ボルト
111 円筒部
112 円輪部
113 折れ曲がり部
114 外向フランジ部
115 エンド部材
116 弾性部材
117 支持部材
118 バンプストッパ
119 円輪部
120 円筒部
121 シム板
122 段部
123 ボール
124 雌ボールねじ溝
125 インナチューブ側段部
126 基部
127 押え面
128 ナット
129 ナット保持部
130 軸部
131 雄ねじ部
132 ねじ孔
133 雌ねじ部
134 インナチューブ側嵌合面部
135 ロアブッシュ側嵌合面部

Claims (6)

  1. 筒形状を有するアッパシェルと、
    前記アッパシェルの軸方向片側部分に、該アッパシェルに対する軸方向の相対変位を可能に、かつ、回転を不能に配置されたロアシェルと、
    軸方向片側部分の外周面に雄ボールねじ溝を有し、前記アッパシェルの内側に回転自在に支持されたボールねじ軸と、
    前記ボールねじ軸の軸方向他側部分と前記アッパシェルとの間に配置され、前記ボールねじ軸を前記アッパシェルに対し回転自在に支持する軸受ユニットと、
    内周面に雌ボールねじ溝を有し、前記ボールねじ軸の軸方向片側部分の周囲に、該ボールねじ軸に対する相対回転を可能に支持されたボールナットと、
    前記雄ボールねじ溝と前記雌ボールねじ溝との間に転動自在に配置された複数個のボールと、
    前記ロアシェルと前記ボールナットとを一体的な軸方向変位を可能に接続するインナチューブと、
    前記ボールねじ軸の軸方向他側の端部にトルクの伝達を可能に接続された出力軸を有し、前記アッパシェルの軸方向他側の端部に対し支持された電動モータと、
    前記アッパシェルと前記ロアシェルとの間で軸方向に弾性的に圧縮された状態で挟持されたコイルスプリングと、
    前記ロアシェルの軸方向片側の端部と前記インナチューブの軸方向片側の端部とを結合固定するロアブッシュと、
    を備え、
    前記インナチューブと前記ロアブッシュとにより、前記ロアシェルの軸方向片側の端部が軸方向に挟持されている、
    懸架装置。
  2. 前記ロアシェルは、ロアシェル側底部と、前記ロアシェル側底部を軸方向に貫通し、かつ、非円形の開口形状を有する係合孔とを有し、
    前記インナチューブは、インナチューブ側底部と、前記インナチューブ側底部の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出する係合軸部とを有し、
    前記ロアシェルと前記インナチューブとは、前記係合軸部を前記係合孔に内嵌し、かつ、前記インナチューブ側底部の軸方向片側面を前記ロアシェル側底部の軸方向他側面に突き当てた状態で結合固定されている、
    請求項1に記載の懸架装置。
  3. 前記インナチューブは、前記係合軸部の軸方向片側面に開口する結合孔を有し、
    前記ロアブッシュは、前記結合孔に螺合または挿通された軸部を有する、
    請求項2に記載の懸架装置。
  4. 前記結合孔は、内周面に雌ねじ部を有するねじ孔により構成されており、
    前記軸部は、外周面に、前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有する、
    請求項3に記載の懸架装置。
  5. 前記ロアブッシュは、軸方向他側面に開口し、かつ、内周面に雌ねじ部を有するねじ孔を有し、
    前記インナチューブは、外周面に前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を有し、かつ、前記係合軸部の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出する軸部を有する、
    請求項2に記載の懸架装置。
  6. 前記ロアブッシュは、径方向外側に向けて突出する押えフランジ部を有し、
    前記押えフランジ部の軸方向他側面を、前記ロアシェル側底部の軸方向片側面に突き当てている、
    請求項2~5のいずれかに記載の懸架装置。
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