JP2023022719A - 軸流式ターボ機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】境界層の剥離を抑制すること。【解決手段】軸流式ターボ機械は、ハブ31と、ハブ31から径方向外側に突出する複数の翼33aと、ハブ31の表面において隣り合う翼33aの間、または、各翼33aの負圧面SSにおいて翼根33b寄りの領域の少なくとも一方に形成される偶数本の溝gであって、各溝gが流体の流れの方向FDに沿って延在する、偶数本の溝gと、を備える。【選択図】図2
Description
本開示は、軸流式ターボ機械に関する。
ターボ機械では、境界層の剥離が問題になる場合がある。このため、境界層の剥離を抑制するための様々な構成が提案されている。例えば、特許文献1は、掃除機に使用される遠心式のディフューザを開示する。このディフューザは、シュラウド板と、仕切板と、シュラウド板と仕切板との間の静止流路に設けられる複数のディフューザ静翼と、を備える。ディフューザ静翼の両端は、シュラウド板および仕切板に固定される。仕切板において、隣り合うディフューザ静翼の間には、1または複数の凹部が形成される。凹部は縦渦を発生し、境界層の剥離を低減する。
ターボ機械のうち、軸流式ターボ機械では、ハブ周辺における境界層の剥離が問題になる場合がある。したがって、軸流式ターボ機械では、このような境界層の剥離を抑制することができる構成の提案が望まれる。
本開示は、境界層の剥離を抑制することができる軸流式ターボ機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る軸流式ターボ機械は、ハブと、ハブから径方向外側に突出する複数の翼と、ハブの表面において隣り合う翼の間、または、各翼の負圧面において翼根寄りの領域の少なくとも一方に形成される偶数本の溝であって、各溝が流体の流れの方向に沿って延在する、偶数本の溝と、を備える。
複数の翼は、動翼であってもよい。
軸流式ターボ機械は、複数の動翼の下流に配置される複数の静翼をさらに備えてもよく、偶数本の溝は、ハブの表面において隣り合う翼の間に形成され、各溝は、ハブの表面において、動翼と静翼との間の隙間の手前まで延在してもよい。
軸流式ターボ機械は、ハブの表面において隣り合う翼の間に形成される少なくとも1つの凹部をさらに備えてもよい。
偶数本の溝は、ハブの表面において隣り合う翼の間に形成されてもよく、溝の少なくとも1本と凹部とが連続してもよい。
流体の流れの方向に垂直な断面において、偶数本の溝は、互いに異なる断面積を有してもよい。
偶数本の溝は、ハブの表面において隣り合う翼の間に形成されてもよく、翼の負圧面により近い溝が、より大きな断面積を有してもよい。
偶数本の溝は、流体の流れの方向において、互いに異なる長さを有してもよい。
偶数本の溝は、4本以上の溝を含んでもよい。
偶数本の溝は、ハブの表面において隣り合う翼の間に形成されてもよく、各溝は、流体の流れの方向において、負圧面と対面する周方向に隣接した翼の正圧面の頂点と、負圧面の頂点と、を結ぶ線分よりも下流に形成されてもよい。
偶数本の溝は、各翼の負圧面において翼根寄りの領域に形成されてもよく、各溝は、流体の流れの方向において、負圧面の頂点よりも下流に形成されてもよい。
本開示によれば、境界層の剥離を抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料および数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、実施形態に係る軸流式ターボ機械100の概略的な断面図である。軸流式ターボ機械(以下、単に「ターボ機械」と称され得る)100は、例えば、航空機用のターボファンエンジン、ターボジェットエンジン、ターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジン、ターボラムジェットエンジン、発電用のガスタービン、または、船舶用のガスタービンであってもよい。ターボ機械100は、これらに限定されず、他の軸流式のターボ機械であってもよい。
ターボ機械100は、ファン2と、圧縮機3と、燃焼室4と、高圧タービン5aと、低圧タービン5bと、アウターカウル6aと、インナーカウル6bと、を備える。
圧縮機3は、ファン2が吸入した流体、例えば空気を圧縮する。燃焼室4は、圧縮された流体と燃料との混合ガスを燃焼する。高圧タービン5aおよび低圧タービン5bの各々は、膨張する燃焼ガスの圧力エネルギーを回転エネルギーに変換する。高圧タービン5aからの回転エネルギーは、シャフト7aを介して圧縮機3のロータ31に伝達され、ロータ31を回転させる。低圧タービン5bからの回転エネルギーは、シャフト7a内のシャフト7bを介してファン2に伝達され、ファン2を回転させる。燃焼ガスは、排気ダクト8から外部に排出される。
シャフト7a,7bおよびこれらと共に回転する要素は、共通の中心軸線方向、径方向および円周方向を有する。本開示において、シャフト7a,7bおよびこれらの要素の中心軸線方向、径方向および円周方向は、単に「中心軸線方向」、「径方向」および「円周方向」と称され得る。
圧縮機3は、ロータ(ハブ)31と、複数の静翼列32と、複数の動翼列33と、を含む。ロータ31とインナーカウル6bとの間に、流体の流路が規定される。静翼列32および動翼列33は、流路内に中心軸線方向に沿って交互に配置される。
高圧タービン5aおよび低圧タービン5bの各々は、ロータ(ハブ)51と、複数の静翼列52と、複数の動翼列53と、を含む。ロータ51とインナーカウル6bとの間に、流体の流路が規定される。静翼列52および動翼列53は、流路内に中心軸線方向に沿って交互に配置される。
図2は、圧縮機3の一部を示す概略的な部分斜視図である。なお、図2では、より良い理解のために、ロータ31の表面の一部および1列の動翼列33のうち3つの動翼33aのみが示される。矢印FDは、流体の流れの方向を示す。各動翼列33は、複数の動翼33aを備える。動翼33aは、ロータ31から径方向外側に突出する。複数の動翼33aは、円周方向に沿って互いに離間して配置される。
動翼33aは、リーディングエッジLEと、トレイリングエッジTEと、正圧面PSと、負圧面SSと、を含む。また、動翼33aは、翼根33bを含む。翼根33bは、径方向における動翼33aの一方の端部であり、動翼33aとロータ31との間の接続部分である。図1を参照して、また、動翼33aは、翼端33cを含む。翼端33cは、径方向における動翼33aの他方の端部であり、インナーカウル6bの内周面と対向する。
図2を参照して、負圧面SSは、頂点33dを含む。頂点33dは、径方向に垂直な断面、すなわち翼型において、負圧面SSのなかで円周方向に最も出っ張った部分を意味する。
圧縮機3は、ロータ31の表面に偶数本の溝gを含む。偶数本の溝gは、ロータ31の表面において、隣り合う動翼33aの間に形成される。なお、図2では、溝gは、隣り合う動翼33aの1つのペアの間のみに示されるが、溝gは、他のペアの間にも形成されることができる。
本実施形態では、4本の溝gがロータ31に形成される。他の実施形態では、2本の溝gがロータ31に形成されてもよく、または、溝gの数が偶数である限り、6本以上の溝gがロータ31に形成されてもよい。溝gは、流体の流れの方向FDに沿って延在する。例えば、溝gの幅は方向FDに沿って概ね均一である。他の実施形態では、溝gの幅は、方向FDに沿って変化してもよい。
ロータ31上の4本の溝gは、方向FDにおいて互いに異なる長さを有する。具体的には、動翼33aの負圧面SSにより近い溝gが、より長い長さを有する。他の実施形態では、4本の溝gは、互いに等しい長さを有してもよい。
図3は、ロータ31および動翼33aを示す概略的な部分断面図であり、ロータ31および動翼33aを径方向に見た図である。なお、図3では、より良い理解のために、ロータ31の表面の一部および2つの動翼33aのみが示される。上記のように、溝gは、流体の流れの方向FDに沿って延在する。そのため、ロータ31上の溝gは、負圧面SSと対面する周方向に隣接した動翼33aの正圧面PSの頂点33eと、負圧面SSの頂点33dと、を結ぶ線分LSより下流側において、下流側に向かい中心軸線方向より負圧面SS側に傾いて延伸する。別の表現では、溝gは、方向FDにおいて、線分LSよりも上流には延在しない。他の実施形態では、溝gは、線分LSよりも上流に延在してもよい。
ロータ31上の溝gは、ロータ31の表面において、動翼33aと、不図示の静翼と、の間の隙間の手前まで延在する。別の表現では、溝gは、動翼33aと静翼との間の隙間までは延在しない。他の実施形態では、溝gは、動翼33aと静翼との間の隙間まで延在してもよい。
図4は、ロータ31および動翼33aを示す概略的な断面図であり、流体の流れの方向FDに垂直な断面を示す。なお、図4では、より良い理解のために、ロータ31の表面の一部および2つの動翼33aのみが示され、ロータ31の表面は平面で示される。また、図4では、より良い理解のために、溝gのサイズは誇張されている可能性がある。
流体の流れの方向に垂直な断面において、ロータ31上の4本の溝gは、互いに異なる断面積を有する。具体的には、動翼33aの負圧面SSにより近い溝gが、より大きな断面積を有する。他の実施形態では、4本の溝gは、互いに等しい断面積を有してもよい。
図2を参照して、圧縮機3は、各動翼33aの負圧面SSにも偶数本の溝gを含む。溝gは、負圧面SSおいて、翼根33b寄りの領域に形成される。例えば、「翼根33b寄りの領域」とは、翼根33bと、径方向における動翼33aの長さの中間位置、すなわち動翼33aの高さの中間位置と、の間の領域を意味することができる。なお、図2では、溝gは、1つの動翼33aのみに示されるが、溝gは、他の動翼33aにも形成されることができる。
本実施形態では、4本の溝gが負圧面SSに形成される。他の実施形態では、2本の溝gが動翼33aに形成されてもよく、または、溝gの数が偶数である限り、6本以上の溝gが動翼33aに形成されてもよい。各溝gは、流体の流れの方向FDに沿って延在する。
負圧面SS上の4本の溝gは、方向FDにおいて互いに概ね等しい長さを有する。他の実施形態では、4本の溝gは、互いに異なる長さを有してもよい。例えば、翼根33bにより近い溝gが、より長い長さを有してもよい。
負圧面SS上の溝gは、方向FDにおいて、頂点33dよりも下流に設けられる。別の表現では、溝gは、方向FDにおいて、頂点33dよりも上流には延在しない。他の実施形態では、溝gは、頂点33dよりも上流に延在してもよい。
負圧面SS上の溝gは、ロータ31の表面において、トレイリングエッジTEの手前まで延在する。別の表現では、溝gは、トレイリングエッジTEに到達しない。他の実施形態では、溝gは、トレイリングエッジTEに到達してもよい。
図4を参照して、流体の流れの方向に垂直な断面において、負圧面SS上の4本の溝gは、互いに等しい断面積を有する。他の実施形態では、4本の溝gは、互いに異なる断面積を有してもよい。例えば、翼根33bにより近い溝gが、より大きな断面積を有してもよい。
このようなロータ31上および動翼33aの負圧面SS上の溝gは、様々な断面形状を有することができる。例えば、溝gは、三角形状の断面形状を有する。他の実施形態では、溝gは、例えば、半円形状、正方形状、長方形状または台形状等の他の形状の断面形状を有してもよい。
溝gの形状および寸法は、後述する縦渦Vによってロータ31周りの境界層の剥離を抑制することができるように、例えば、数値流体力学(CFD)等の解析に基づいて決定されてもよい。例えば、溝gは、機械加工によって形成されてもよい。また、例えば、溝gは、ロータ31および動翼33aを機械加工する際に隣り合うツールパスの間に形成される、スキャロップによって規定されてもよい。具体的には、そのような溝gは、溝gが形成されることが意図されている領域を粗く機械加工することによって、形成することができる。例えば、偶数本の溝gは、奇数本の突起、例えばスキャロップによって規定されてもよい。
図2を参照して、また、圧縮機3は、ロータ31の表面に凹部Cを含む。凹部Cは、ロータ31の表面において、隣り合う動翼33aの間に少なくとも1つ形成される。本実施形態の凹部Cは、流体の流れ方向FDに沿った方向の幅が溝gと比べ短く、また流れ方向FDと交差する方向の幅も、流れ方向FDに沿った方向の幅と同等の大きさとなっている。。凹部Cは、様々な形状を有することができる。例えば、凹部Cは、半球状を有する。他の実施形態では、凹部Cは、例えば、円筒形状等の他の形状を有してもよい。凹部Cの直径は、溝gの幅、すなわち円周方向における溝gの長さよりも大きい。例えば、凹部Cは、溝gの深さよりも大きい深さを有してもよい。
凹部Cは、1本の溝gと接続されており、この溝gと連続する。例えば、凹部Cは、溝gに上流側から接続される。他の実施形態では、凹部Cは、複数の溝gと接続されてもよい。また、さらに他の実施形態では、凹部Cは、溝gと接続されなくてもよく、溝gと不連続であってもよい。
凹部Cの形状および寸法は、境界層がロータ31に沿うように境界層の方向を制御するべく、例えば、数値流体力学(CFD)等の解析に基づいて決定されてもよい。また、例えば、凹部Cは、本願と同じ出願人により提出されたUS2017/0074101A1に基づいて形成されてもよく、その内容は参照により本出願に援用される。
続いて、溝gの機能について説明する。
図4を参照して、流体が動翼の間の空間を通過する際、ロータの周りの境界層が剥離する場合がある。しかしながら、本開示では、溝gによって、流体の流れ方向FDを中心軸線とする縦渦Vが発生する。より大きな溝gは、より大きな縦渦Vを発生させる。また、より長い溝gは、より長い縦渦Vを発生させる。
本開示では、ロータ31の表面において、隣り合う動翼33aの間に偶数本の溝gが形成される。したがって、一対の隣り合う溝gによって、逆向きの回転方向を有する一対の縦渦Vが発生する。
例えば、ロータ31上の4本の溝gのうち、最も左の溝gによって、時計回りの縦渦Vが発生し、左から2番目の溝gによって、反時計回りの縦渦Vが発生する。したがって、これらの溝gは、これらの間に境界層を引き込む回転方向を有する一対の縦渦Vを発生させる。この、一対の縦渦Vにより境界層の剥離が抑制される。
同様に、ロータ31上の4本の溝gのうち、最も右の溝gによって、反時計回りの縦渦Vが発生し、右から2番目の溝gによって、時計回りの縦渦Vが発生する。したがって、これらの溝gも、これらの間に境界層を引き込む回転方向を有する一対の縦渦Vを発生させる。よって、一対の縦渦Vにより境界層の剥離が抑制される。
同じことが、動翼33aの負圧面SS上の4本の溝gにも当てはまる。
なお、場合によっては、溝gによって、図4に示されるものとは逆向きの回転方向を有する縦渦Vが発生する可能性がある。しかしながら、ロータ31上および負圧面SS上の各々に4本の溝gが形成されるため、この場合にも、真中2つの溝gは、これらの間に境界層を引き込む回転方向を有する一対の縦渦Vを発生させる。
また、凹部Cは、境界層がロータ31に沿うように、境界層の方向を制御する。したがって、境界層の剥離および発達をより抑制する。
以上のようなターボ機械100は、ロータ31と、ロータ31から径方向外側に突出する複数の動翼33aと、ロータ31の表面において隣り合う動翼33aの間、および、各動翼33aの負圧面SSにおいて翼根33b寄りの領域に形成される偶数本の溝gを備える。各溝gは、流体の流れの方向FDに沿って延在する(そのため、各溝gは、延在方向に沿って下流側から上流側への折り返し部などを含んでいない)。このような構成によれば、一対の隣り合う溝gが、これらの間に境界層を引き込む回転方向を有する一対の縦渦Vを発生させ得る。よって、ロータ31の周りの境界層の剥離を抑制することができる。
また、ターボ機械100では、溝gは、回転体の周りの領域、すなわち動翼33aを回転させるロータ31の周りの領域に形成される。軸流式のターボ機械では、回転体の周りの境界層の剥離が問題になる場合がある。したがって、上記のような構成によれば、回転するロータ31の周りの境界層の剥離を抑制することができる。
また、ターボ機械100は、複数の動翼33aの下流に配置される複数の静翼をさらに備え、偶数本の溝gは、ロータ31の表面において隣り合う動翼33aの間に形成され、各溝gは、ロータ31の表面において、動翼33aと静翼との間の隙間の手前まで延在する。溝gによって形成される縦渦Vは、静翼列32では、圧縮機3の効率を低下させる可能性がある。上記のような構成によれば、溝gは動翼列33と静翼列32との間の隙間までは延在しないので、圧縮機3の効率の低下を防止することができる。
また、ターボ機械100は、ロータ31の表面において隣り合う動翼33aの間に形成される少なくとも1つの凹部Cをさらに備える。凹部Cは、境界層がロータ31に沿うように、境界層の方向を制御する。したがって、境界層の剥離をより抑制することができる。
また、ターボ機械100では、偶数本の溝gは、ロータ31の表面において隣り合う動翼33aの間に形成され、溝gの少なくとも1本と凹部Cとが連続する。このような構成によれば、凹部Cおよび溝gによって連続的に境界層を制御することができる。したがって、境界層の剥離を効率的に抑制することができる。
また、ターボ機械100では、流体の流れの方向FDに垂直な断面において、ロータ31上の偶数本の溝gは、互いに異なる断面積を有する。境界層は、位置に応じて大きく剥離する場合がある。上記の構成によれば、異なる断面積を有する偶数本の溝gによって、異なる大きさを有する縦渦Vを発生させることができる。したがって、位置に応じて、縦渦Vの大きさを調整することができる。
また、ターボ機械100では、偶数本の溝gは、ロータ31の表面において隣り合う動翼33aの間に形成され、動翼33aの負圧面SSにより近い溝gが、より大きな断面積を有する。境界層は、負圧面SSにより近い位置で大きく剥離する場合がある。上記のような構成によれば、負圧面SSにより近い位置により大きな縦渦Vを発生させることができる。よって、境界層の剥離を効率的に抑制することができる。
また、ターボ機械100では、ロータ31上の偶数本の溝gは、流体の流れの方向FDにおいて、互いに異なる長さを有する。上記のように、境界層は、位置に応じて大きく剥離する場合がある。上記の構成によれば、異なる長さを有する偶数本の溝gによって、異なる長さを有する縦渦Vを発生させることができる。したがって、位置に応じて、縦渦Vの長さを調整することができる。
また、ターボ機械100では、ロータ31上の偶数本の溝gは、4本以上の溝gを含む。このような構成によれば、少なくとも一対の溝gが、これらの間に境界層を引き込む回転方向を有する一対の縦渦Vを必ず発生させる。よって、境界層の剥離を抑制することができる。同様に、動翼33aの負圧面SS上の偶数本の溝gも、4本以上の溝gを含む。したがって、境界層の剥離を抑制することができる。
また、ターボ機械100では、ロータ31上の溝gは、流体の流れの方向FDにおいて、負圧面SSと対面する周方向に隣接した動翼33aの正圧面PSの頂点33eと、負圧面SSの頂点33dと、を結ぶ線分LSよりも下流に形成される。さらに、動翼33a上の溝gは、流体の流れの方向FDにおいて、負圧面SSの頂点33dよりも下流に形成される。境界層は、負圧面SSの頂点33dよりも下流で大きく剥離する場合がある。上記の構成によれば、頂点33dよりも下流に縦渦Vを発生させることができる。したがって、境界層の剥離を効率的に抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の実施形態では、溝gは、ロータ31および動翼33aの負圧面SSの双方に形成される。他の実施形態では、溝gは、ロータ31または負圧面SSの一方のみに形成されてもよい。
また、上記の実施形態では、溝gは、圧縮機3のロータ31および動翼33aに形成される。他の実施形態では、追加的にまたは代替的に、溝gは、高圧タービン5aまたは低圧タービン5bの少なくとも一方において、ロータ51または動翼の少なくとも一方に形成されてもよい。
また、本開示に係る構成は、軸流式ターボ機械の静翼に適用されてもよい。
31 ロータ(ハブ)
33a 動翼(翼)
33b 翼根
33d 負圧面の頂点
100 軸流式ターボ機械
C 凹部
FD 流体の流れの方向
g 溝
SS 動翼の負圧面
33a 動翼(翼)
33b 翼根
33d 負圧面の頂点
100 軸流式ターボ機械
C 凹部
FD 流体の流れの方向
g 溝
SS 動翼の負圧面
Claims (11)
- ハブと、
前記ハブから径方向外側に突出する複数の翼と、
前記ハブの表面において隣り合う翼の間、または、各翼の負圧面において翼根寄りの領域の少なくとも一方に形成される偶数本の溝であって、各溝が流体の流れの方向に沿って延在する、偶数本の溝と、
を備える、軸流式ターボ機械。 - 前記複数の翼は、動翼である、請求項1に記載の軸流式ターボ機械。
- 前記軸流式ターボ機械は、
前記複数の動翼の下流に配置される複数の静翼、
をさらに備え、
前記偶数本の溝は、前記ハブの表面において隣り合う翼の間に形成され、
各溝は、前記ハブの表面において、前記動翼と前記静翼との間の隙間の手前まで延在する、
請求項2に記載の軸流式ターボ機械。 - 前記ハブの表面において隣り合う翼の間に形成される少なくとも1つの凹部さらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。
- 前記偶数本の溝は、前記ハブの表面において隣り合う翼の間に形成され、
前記溝の少なくとも1本と前記凹部とが連続する、請求項4に記載の軸流式ターボ機械。 - 前記流体の流れの方向に垂直な断面において、前記偶数本の溝は、互いに異なる断面積を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。
- 前記ハブの表面において隣り合う翼の間に、前記偶数本の溝が形成されており、
前記翼の前記負圧面により近い溝が、より大きな断面積を有する、請求項6に記載の軸流式ターボ機械。 - 前記偶数本の溝は、前記流体の流れの方向において、互いに異なる長さを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。
- 前記偶数本の溝は、4本以上の溝を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。
- 前記偶数本の溝は、前記ハブの表面において隣り合う翼の間に形成され、
各溝は、前記流体の流れの方向において、前記負圧面と対面する周方向に隣接した翼の正圧面の頂点と、前記負圧面の頂点と、を結ぶ線分よりも下流に形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。 - 前記偶数本の溝は、各翼の負圧面において前記翼根寄りの領域に形成され、
各溝は、前記流体の流れの方向において、前記負圧面の頂点よりも下流に形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の軸流式ターボ機械。
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