JP2023020898A - 光学部材、受光装置、距離測定装置、移動体及び光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材、受光装置、距離測定装置、移動体及び光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂基材の黄変と、樹脂基材とその表面に設けられる膜との間の膜浮きを抑制することができる光学部材を提供する。【解決手段】本発明に係る光学部材は、樹脂基材の表面に複数の膜を備える光学部材であって、前記複数の膜は、前記樹脂基材側に形成され、相対的に欠陥密度が大きい第1の膜と、該第1の膜よりも外側に形成され、相対的に欠陥密度が小さい第2の膜と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材、受光装置、距離測定装置、移動体及び光学部材の製造方法に関する。
受光装置、受光装置を搭載した距離測定装置等に用いられる光学素子として、光学レンズ等の光学部材がある。光学部材は、一般に、ガラス、石英材料、樹脂等で形成されるが、中でも、樹脂製の光学部材は、ガラス及び石英材料等を用いて形成される光学部材に比べて、軽量で割れ難く、生産性に優れかつ大量に安価で製造できる点から、様々な分野で使用されている。
一般に、光学部材が光学レンズ等としてカメラ等の受光装置に搭載して使用される場合には、光学部材には、耐熱性、耐湿性及び耐久性等について高い特性が求められる。また、広角化による光学レンズの形状の複雑化及びアスペクト比の増大により、外部雰囲気の影響を受け易い樹脂基材に均一な保護層を形成することの必要性が高まっている。
樹脂製の光学部材として、例えば、表面の光路領域に設けたガスバリア性を有する第1の膜と、表面の光路以外の領域に第1の膜よりも展性が大きいガスバリア性を有する第2の膜とを設け、表面全面にガスバリア性を有する膜を設けたプラスチック製光学素子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明者らにより、保護膜によって樹脂製の光学部材を十分に保護できなければ、樹脂製の光学部材に黄変が発生するという課題が見出された。また、保護膜によっては、保護膜に膜浮きが発生するという課題が見出された。そのため、樹脂製の光学部材の保護膜には検討の余地があった。
本発明の一態様は、樹脂基材の黄変と、樹脂基材とその表面に設けられる膜との間の膜浮きを抑制することができる光学部材を提供することを目的とする。
本発明に係る光学素子の一態様は、樹脂基材の表面に複数の膜を備える光学部材であって、前記複数の膜は、前記樹脂基材側に形成され、相対的に欠陥密度が大きい第1の膜と、該第1の膜よりも外側に形成され、相対的に欠陥密度が小さい第2の膜と、を含む。
本発明に係る光学部材の一態様は、光学部材の黄変と、樹脂基材とその表面に設けられ
る膜との間の膜浮きを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る光学部材の平面図である。 図1のA-A断面図である。 図2中の一の複数の膜の層構成を模式的に示す断面図である。 図2中の他の複数の膜の層構成を模式的に示す断面図である。 図2中の膜の層構成を模式的に示す断面図である。 樹脂基材の表面が全て第2保護層で完全に覆われる場合を示す図である。 光学部材を用いた光学素子の他の一例を示す断面図である。 光学部材を用いた光学素子の他の一例を示す断面図である。 光学部材を用いた光学素子の他の一例を示す断面図である。 光学部材を用いた光学素子の他の一例を示す断面図である。 光学部材を用いた光学素子の他の一例を示す断面図である。 ライダ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。 ライダ装置の一例の概略図である。 距離測定装置の構成の他の一例を示す模式図である。 撮像装置の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
[光学部材]
本発明の実施形態に係る光学部材について説明する。なお、本実施形態では、光学部材は光学レンズとする。図1は、本実施形態に係る光学部材の平面図であり、図2は、図1のA-A断面図である。図1及び図2では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、光学部材の中心軸Jに平行な方向(厚さ方向)をZ軸方向とし、中心軸Jに直交する面において、互いに直交する2つの方向のうち一方をX軸方向とし、他方をY軸方向とする。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る光学部材1は、樹脂基材10と、複数の膜20とを備える。
樹脂基材10は、図1に示すように、平面視において略円形に形成されている。樹脂基材10は、平面視において、その外形の一部に、方向を決めるための目印となる、直線状に切断された切り欠き部(オリエンテーションフラット、オリフラ)を有してもよい。
図2に示すように、樹脂基材10は、その上面10aに第1突起部11を有する。樹脂基材10は、第1突起部11の頂点P1と頂点P2との間の領域A1の中に、凹状の面を含む曲面11aを有する。
樹脂基材10は、その下面10bに、第2突起部12と、第2突起部12の周方向に沿って形成された溝部13とを有する。樹脂基材10は、第2突起部12の頂点P3と頂点P4との間の領域A2の中に、凹状の面を含む曲面12aを有する。
樹脂基材10の形状等は、光学部材1の用途に応じて適宜任意の形状を有するように設計されてよい。第1突起部11及び第2突起部12の形状、大きさ等も光学部材1の用途に応じて適宜任意の形状を有するように設計されてよく、第1突起部11や第2突起部12を有さない形状であってもよい。
樹脂基材10は、光学部材1に用いられることから、樹脂基材10に使用し得る樹脂は、可視光に対して透過性を有することが好ましい。
なお、光透過性を有するとは、可視光(波長380nm~780nmの光)が樹脂基材10の外側から照射された際に、樹脂基材10の内部を透過する透過性を有していることをいう。樹脂基材10の可視光の透過率は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。可視光の透過率は、分光光度計を用いて波長380nm~780nmで測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定できる。
樹脂基材10に使用し得る樹脂としては、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等が挙げられる。
セルロース系樹脂としては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン、シクロ系及びノルボルネン構造を有するポリオレフィン、シクロオレフィンコポリマー、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂として、具体的には、ポリメチルペンテン(TPX(登録商標)、三井石油化学社製)、シクロオレフィンコポリマー(アペルAPL3500(APO)、三井石油化学社製)、シクロオレフィンポリマー(COP)(ZEONNEX(登録商標、日本ゼオン、社製)、アートン樹脂(ARTON、日本合成ゴム社製)等を用いることができる。これらの材料は、一般に高温に対する耐熱性が低いため、160℃以下での製造プロセスで取り扱われる。そのため、これらの材料は、160℃以下の低温で製造する際に好適に用いれる。
アクリル系樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂として、ポリ塩化ビニル(PVA)等が挙げられる。
アミド系樹脂としては、ナイロンや芳香族ポリアミド等が挙げられる。
樹脂基材10は、図2に示すように、領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2と、領域A5-1及びA5-2とを有する。
領域A1は、曲面11aの形成されている領域、即ち、頂点P1と頂点P2との間の曲面に相当し、領域A2は、曲面12aの形成されている領域、即ち、頂点P3と頂点P4との間の曲面とからなる領域に相当する。なお、領域A1及びの領域A2は、樹脂基材10の設計により適宜変更されてよい。
領域A1及び領域A2は、光学部材1の有効領域を含むことが好ましい。なお、有効領域とは、光が入射又は反射して通過する領域である。
領域A3-1及びA3-2は、光学部材1の有効領域よりも光学部材1の軸方向外側であって、光学部材1の平坦面に形成され、光学的な影響を受け難い領域である。
領域A4-1及びA4-2は、光学部材1の有効領域よりも光学部材1の軸方向外側であって、溝部13の底面に形成され、光学的な影響を受け難い領域である。
領域A5-1及びA5-2は、光学部材1の有効領域よりも光学部材1の軸方向外側であって、第1突起部11の外周面に形成されている領域であり、領域A1と領域A3-1又は領域A3-2との間の領域である。
図2に示すように、複数の膜20は、樹脂基材10の表面に設けられている。複数の膜20は、第1の膜に相当する第1保護層21と、第2の膜に相当する第2保護層23とを含む。
第1保護層21は、第2保護層23よりも欠陥を多く含む。第1保護層21は、欠陥を有することにより、放出された元素やガス成分を吸収する機能を有する。
第2保護層23は、第1保護層21よりも欠陥が少なく高品質の膜であり、樹脂基材10に影響を与える元素が外部から侵入することを阻止する機能を有する。
複数の膜20は、複数の膜20Aと、膜20Bとを有する。
樹脂基材10は、複数の膜20Aが形成された第1の領域と、膜20Bが形成された第2の領域を有する。なお、図2では、複数の膜20Aと膜20Bとの違いを明確にするため、複数の膜20Aが形成されている領域は太線で表わす。
図2に示すように、複数の膜20Aは、樹脂基材10の表面の領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2とに設けられている。本実施形態では、領域A1、領域A2、領域A3-1及びA3-2、領域A4-1及びA4-2が、第1の領域に相当する。
図2に示すように、膜20Bは、樹脂基材10の表面の領域A5-1及びA5-2、即ち第1突起部11の外周面と、溝部13の側面と、樹脂基材10の外周及びその近傍とに設けられている。
図3-1は、図2中の複数の膜20Aの層構成を模式的に示す断面図である。なお、樹脂基材10の表面は湾曲しているため、複数の膜20Aも湾曲しているが、図3では、樹脂基材10の表面を平坦として示す。
図3-1に示すように、複数の膜20Aは、第1保護層21と、反射防止層22と、第2保護層23とを、この順に積層して備える積層膜である。なお、反射防止層22を備えることは必須ではなく、反射防止層22を設けない、若しくは第1保護層21上の一部の領域のみに反射防止層22を設ける形態であってもよい。この場合、図3-2に示すように、複数の膜20Aが、第1保護層21と第2保護層23とをこの順に積層して備える積層膜であってもよい。
図4は、膜20Bの層構成を模式的に示す断面図である。図4に示すように、膜20Bは、複数の膜20Aの第1保護層21と反射防止層22を備えない積層膜であり、第2保護層23を備える。膜20Bは、単一の膜には限定されず、第2保護層23に加えて他の膜が積層されていてもよい。
第1保護層21は、樹脂基材10の表面の、領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2の溝部13の底面とに設けられる。第1保護層21が樹脂基材10のこれらの領域の表面に設けられることにより、第1保護層21は、樹脂基材10の製造等に起因して樹脂基材10内に含まれるガス成分及び反射防止層22中のガス成分が放出されることを抑制できる。そのため、第1保護層21が形成された領域内において、樹脂基材10及び反射防止層22から放出されるガス成分がこれらの層と第2保護層23との間に溜まることを抑制できる。
なお、樹脂基材10内に含まれるガス成分の大部分は、樹脂基材10の表面に第1保護層21を形成する段階で放出されるが、一部のガス成分が残る。この残った一部のガス成分が光学部材1の使用時に樹脂基材10から放出される。第1保護層21は、樹脂基材10内に残った一部のガス成分を吸収し、樹脂基材10から外部への放出を抑える。
第1保護層21は、樹脂基材10の表面の一部に設けられればよく、領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2の溝部13の底面以外に、溝部13の立ち上がり部分(壁面)や領域A5-1及びA5-2に設けられてよい。
また、第1保護層21は、少なくとも光学部材1の有効領域に設けられることが好ましく、樹脂基材10の平面視における外周及びその近傍の、光学部材1の有効領域外の領域には設けられなくてもよい。なお、外周及びその近傍とは、領域A3-1及びA3-2、領域A4-1及びA4-2、溝部13よりも樹脂基材10の外側の領域を含む。樹脂基材10の外周近傍は、樹脂基材10を保持する、不図示の保持部材や不図示の受光装置及び距離測定装置に設置する際に固定される場所であり、第1保護層21が特に有効に機能しないためである。
第1保護層21を形成する材料としては、アルミナ等が挙げられる。
第1保護層21の厚さは、適宜設計可能であるが、10nm~40nmが好ましく、15nm~35nmがより好ましく、20nm~30nmがさらに好ましい。第1保護層21の厚さが上記の好ましい範囲内であれば、第1保護層21にクラックが発生することを抑制すると共に、第1保護層21としての機能を発揮できる。
なお、本明細書において、第1保護層21の厚さとは、第1保護層21の所定の面の位置に垂直な方向の長さをいう。第1保護層21の厚さは、例えば、第1保護層21の断面において、任意の場所を測定した時の厚さである。第1保護層21の断面において、任意の場所で数カ所測定した場合は、これらの測定箇所の厚さの平均値としてもよい。なお、反射防止層22及び第2保護層23の厚さも、第1保護層21の厚さと同様に測定できる。
第1保護層21の製造方法は、例えば、化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、物理気相蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)、スパッタ法等の一般的な成膜方法を用いることができる。ただし、後述する原子層堆積法(ALD)によると、欠陥が極めて少ない膜が形成されるため、CVD、PVD及びスパッタ法のいずれかで第1保護層21を製造することが好ましい。
前述のように、第1保護層21の欠陥密度は、第2保護層23の欠陥密度よりも大きい。第1保護層21が第2保護層23よりも大きな欠陥密度を有することで、前述の放出された元素やガス成分を吸収する効果に加えて、第1保護層21の表面に反射防止層22又は第2保護層23が形成されるときに、これらの一部が第1保護層21の表面にくい込みやすくなり、高い密着性を有し易いという効果も得られる。
なお、欠陥密度は、走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡、及び透過電子顕微鏡(TEM)のいずれにより測定されてもよい。欠陥密度は、第1保護層21の断面をSEM、TEM等により観察して得られる画像に基づいて得られる第1保護層21の断面の単位面積当たりに存在する空隙の数を計算することで求められる。欠陥とは、点欠陥、線欠陥及び面欠陥のいずれでもよい。
蒸着法やスパッタ法によって形成された第1保護層21は、図2に示すように、樹脂基材10の表面の一部(領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2)を覆うが、樹脂基材10の表面全体を完全に覆ってはいない。
本実施形態では、樹脂基材10は、図2に示すように、樹脂基材10の第1突起部11は、その外周側が立ち上がった形状を有する。そのため、樹脂基材10の表面に第1保護層21を形成する際、特にマスク等を使用しなくても、樹脂基材10の表面の一部(領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2)のみに第1保護層21及び反射防止層22を形成できる。
また、第1保護層21は、反射防止層22から発生する酸素等を含むガス成分が樹脂基材10に侵入して樹脂基材10に悪影響を与えることを抑制する役割も有する。そのため、第1保護層21は、少なくとも反射防止層22が形成される領域を覆うように形成されることが好ましい。
図3-1に示すように、反射防止層22は、第1保護層21と第2保護層23との間に設けられてよい。反射防止層22は、第1保護層21と同様、樹脂基材10の表面の一部(領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2)に設けられる。反射防止層22は、第1保護層21と同様、樹脂基材10の全表面を覆わなくてもよい。なお、図2では、第1保護層21と反射防止層22とが形成される領域は同一となっているが、反射防止層22の形成される領域が第1保護層21の形成される領域に含まれていればよい。
反射防止層22は、屈折率の異なる元素を主成分とする各層が周期的に複数積層された多層膜である。反射防止層22は、一般に、光に対して高い屈折率を示す高屈折率層と、光に対して低い屈折率を示す低屈折率層とを第1保護層21側から交互に複数積層させた多層反射膜が用いられる。
反射防止層22は、高屈折率層と低屈折率層とを第1保護層21側からこの順に積層した積層構造を1周期として複数周期積層してもよいし、低屈折率層と高屈折率層とをこの順に積層した積層構造を1周期として複数周期積層してもよい。なお、低屈折率層がSiOである場合、反射防止層22は、第1保護層21側を、高屈折率層とすることが好ましい。これにより、他の材料に比べて酸素が離脱しやすいSiOからなる低屈折率層からの樹脂基材10への酸素の影響を低減することができる。
高屈折率層としては、Al、ZrOx(xは、1.5~2)、TiOx(xは、1~2)、TaOx(xは、2~2.5)、NbOx(xは、2~2.5)、HfO及びCeF等を用いることができる。ZrOxには、ZrO、ZrO、TiOxには、TiO、Ti、Ti、TaOxには、Ta、NbOには、Nbを用いることが好ましい。上記した金属酸化物は、化学量論組成でなくても、酸素の組成比率が上記xの範囲であればよい。高屈折率層は、上記各成分から選択される単層又は2種以上を含む混合層で形成されることが好ましい。反射防止層22内に積層される複数の高屈折率層の材質は、同一であっても異なっていてもよい。高屈折率層がこれらのうちの少なくとも1種を含むことで、反射防止層22は、優れた光の反射率を有することができる。
低屈折率層は、SiO、MgF、CeO、ZnSの単層又はこれらの何れかを含む混合層で形成されることが好ましい。低屈折率層としては、反射防止層22に積層される複数の低屈折率層の材質は、同一であっても異なっていてもよい。
反射防止層22は、高屈折率層及び低屈折率層をそれぞれ複数備えているが、高屈折率層同士の膜厚又は低屈折率層同士の膜厚は、必ずしも同じでなくてもよい。
反射防止層22を構成する各層の膜厚及び周期は、使用する膜材料、反射防止層22に要求される光の反射率又は光の波長等により適宜選択することができる。
なお、反射防止層22を構成する各層は、蒸着法、スパッタ法等の一般的な成膜方法を用いて所望の膜厚になるように成膜することができる。スパッタ法としては、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法等が挙げられる。
図3-1に示すように、第2保護層23は、少なくとも樹脂基材10及び第1保護層21を含む表面全体に設けられる。即ち、第2保護層23は、第1保護層21で被覆されていない樹脂基材10の表面と、第1保護層21の表面と設けられる。
第2保護層23は、Al23、HfO2、SiOx、SiNx、及びTiOxの少なくとも一つを含むこと好ましく、Al23を含むことがさらに好ましい。
第2保護層23の厚さは、10nm~40nmであることが好ましく、15nm~35nmがより好ましく、20nm~30nmがさらに好ましい。第2保護層23を有しない樹脂基材10では、120℃、1000時間後における透過率損失量が10%を超える。これに対し、第2保護層23の厚さが上記の好ましい範囲内であれば、120℃、1000時間後における透過率損失量を8%以下と低く抑えることができる。特に、第2保護層23が後述するALDにより形成される場合、第2保護層23の厚さが20nm~40nmである場合、120℃、1000時間後における透過率損失量を0.5%に更に低く抑えることができる。
第2保護層23の膜厚均一性は、下記式(1)で表すことができ、10%以下であることが好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。第2保護層23の膜厚均一性が10%以下であれば、第2保護層23は、樹脂基材10の全体を略均一な膜厚で被覆でき、第2保護層23としての機能を発揮できる。
膜厚均一性(%)=(最大膜厚-最小膜厚)/(膜厚の平均×2)×100 ・・・(1)
式(1)中の膜厚の平均を下記式(2)で計算すると、上記式(1)は下記式(3)で表すことができる。
膜厚の平均=(最大膜厚+最小膜厚)/2 ・・・(2)
膜厚均一性(%)=(最大膜厚-最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100 ・・・(3)
図2に示すように、第2保護層23は、樹脂基材10の表面の一部(領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2)に形成され易いため、これらの領域において第2保護層23は最大厚さを有する。一方、領域A5-1及びA5-2、溝部13の側面にように、樹脂基材10の傾斜が高い領域には形成され難いため、これらの領域では第2保護層23は最小厚さを有する。そのため、樹脂基材10の表面の一部(領域A1と、領域A2と、領域A3-1及びA3-2と、領域A4-1及びA4-2)に形成される第2保護層23と、領域A5-1及びA5-2と、溝部13の側面に形成される第2保護層23との膜厚差が、10%以下であることが好ましい。
第2保護層23は、一般的な成膜方法により形成できるが、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)により形成されることが好ましい。ALDは、真空成膜技術の1つであり、原子の自己制御性を利用して堆積対象である反射防止層22の表面に1原子層ごとに薄膜を製膜する手法である。ALDは、従来の気相成長法(CVD、PVD)に比べて、膜欠陥の少ない薄膜を形成でき、反射防止層22の表面を均一に被覆することができる。
第2保護層23の形成にALDがCVDよりも好ましい理由について説明する。一般に、第2保護層23をCVDにより成膜すると、第2保護層23は膜欠陥を多く含み易い。また、CVDは成膜速度が速い(例えば、10nm/s~15nm/s)ため、光学特性に影響を与える膜厚まで層が厚くなってしまい、第2保護層23の膜厚が数10nmとなるように制御して成膜することは困難である。これに対して、ALDは1原子層ごとに成膜するため、成膜速度はCVDより遅く、第2保護層23にクラックが生じたり、第2保護層23の内部又は表面にパーティクル等の粒子が付着する等の不具合が生じ難く、CVDに比べて膜欠陥が少ない。また、一般的には高温で成長した膜の方が耐性において有利とされているが、ALDは気相成長の中では非常に低い温度で高品質の膜を成膜することができ、耐熱温度に制限がある樹脂基材への成膜法として適している。
また、被覆率もALDを用いて第2保護層23を形成した場合の方がCVDよりも良く、樹脂基材10がコンフォーマルな形状を有しても、第1保護層21又は反射防止層22に対して樹脂基材10の形状に沿うように略均一な厚さで成膜できる。第2保護層23のように、第1保護層21及び反射防止層22のような異種材料を樹脂基材10のような異形状の全面を覆う場合、樹脂基材10の側壁面の膜厚が薄くなったり、シームが発生しやすいため、CVDでは第2保護層23の膜厚を数10nmに制御して成膜することは困難である。これに対し、ALDは表面反応を用いた成膜方法であるため、1nmの薄い成膜でも、第1保護層21及び反射防止層22を確実に被覆でき、樹脂基材10の領域Aの表面と側壁部とにおける第2保護層23の膜厚を略均一にできる。
第2保護層23は、ALDにより形成されることで、樹脂基材10の全体を略均一に被覆できるため、外部からの水分及び酸素の侵入を抑制でき、樹脂基材10の黄変(樹脂の透過率悪化)を抑制することができる。
本実施形態では、第2保護層23は、厚み20nmのALDにより成膜されたアルミナで構成されることが好ましい。
ALDを用いて第2保護層23を形成する場合、一般的な成膜条件を用いて第2保護層23を形成できる。ALDの成形条件について説明する。
第2保護層23がAl23を含む場合、アルミニウム化合物を用いることが好ましい。アルミニウム化合物は、アルミニウムを含み、気化できるガス成分であればよく、例えば、トリメチルアルミニュウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、及びトリクロロアルミニウム等を用いることができる。
酸化剤は、アルミニウム化合物を酸化できる材料であればよく、例えば、水蒸気HO等を用いることができる。
反応温度は140℃以下であることが好ましい。
第2保護層23がAl23を含む場合、第2保護層23の特性はAl23に大きく依存する。ALDにより形成されたAl23膜の屈折率は、成長条件により数値は変化するものの、バルクAl23の屈折率よりも小さな値となることがわかっている。Al23を含む第2保護層23の波長が550nmの光に対する屈折率は、1.630以上1.670以下であることが好ましく、1.640以上1.660以下であることがより好ましい。
なお、第1保護層21と第2保護層23が同一の化合物で構成される場合、第1保護層21の欠陥密度よりも第2保護層23の欠陥密度が小さいということは、第1保護層21の密度よりも第2保護層23の密度が大きいということである。一般的に屈折率が大きいほど密度が大きいため、第1保護層21と第2保護層23が同一の化合物で構成される場合には、第1保護層21の屈折率よりも第2保護層23の屈折率が大きいことが好ましい。一例として、エリプソメトリーによる測定の結果、蒸着により成膜された第1保護層21としてのAl23膜の波長が550nmの光に対する屈折率は1.595~1.610程度であった。ALDにより成膜された第2保護層23としてのAl23膜の波長が550nmの光に対する屈折率は1.649程度であった。
ここで、第1保護層21及び第2保護層23を有する複数の膜20による効果について説明する。樹脂基材10の保護膜として第1保護層21のみが設けられた場合、光学部材のおかれる状況によるが、樹脂基材10に黄変が発生する。これは、第1保護層21が欠陥を含むことにより、第1保護層21のみでは外部雰囲気の影響を完全には遮断できず、外部の水分や酸素等が樹脂基材10に影響するためであると考えられる。また、従来の一般的な成膜技術では、樹脂基材10が凹凸を有している場合に段差部を均一に被覆することも難しい。一方、例えば、図5に示すように、樹脂基材10の保護膜として第2保護層23のみが設けられた場合、樹脂基材10と反射防止層22の界面、反射防止層22と第2保護層23の界面、樹脂基材10と第2保護層23の界面等で膜浮きが発生する可能性がある。これは、第2保護層23が低欠陥の膜であるため、第2保護層23の内側がほぼ完全気密の状態となり、樹脂基材10や反射防止層22から発生する元素やガスが第2保護層23の内側に留まってしまうためであると考えられる。
膜浮きが光学部材1の有効領域(例えば、領域A1及び領域A2等)で発生すると、光学部材1としての機能を十分発揮できなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、光学部材1の有効領域が少なくとも被覆されるように樹脂基材10の表面の一部に第1保護層21が設けられている。これは、CVD、PVD、スパッタ法等の成膜法の特徴上、樹脂基材10の表面全体を被覆することが難しいためであるが、第1保護層21が設けられていない領域が光学部材1の有効領域外であれば、膜浮きが発生したとしても光学部材1としての機能には大きな影響がない。
一方、樹脂基材10の黄変は、第1保護層21及び第2保護層23等の保護膜がない部分や保護膜の欠陥部分のみに生じるのではなく、樹脂基材10内に広がってしまう。そのため、外部から水分や酸素が侵入することを阻止する第2保護層23は、少なくとも光学部材1の有効領域と有効領域に隣接する領域に設けることが好ましく、樹脂基材10の表面全体を被覆するように設けることがさらに好ましい。
なお、樹脂基材10の有効領域を樹脂層で被覆し、樹脂基材10の有効領域以外の領域(非有効領域)の一部を金属膜で被覆して樹脂基材全体を被覆する方法がある(特許文献1)。この場合、有効領域に金属膜を形成しないようにマスクを形成する工程が必要となり、製造工程が増えて、製造に要する負担が増大する。本実施形態では、光学部材1は、樹脂基材10の全面を第2保護層23で覆うことができるため、マスクを形成する工程等を増やすことなく、製造コストを抑えることができる。
本実施形態に係る光学部材1の製造方法は、樹脂基材10の表面に第1の膜である第1保護層21及び第2の膜である第2保護層23を含む複数の膜20を備える光学部材1を製造できれば、特に限定されず、一般的な光学部材の製造方法を用いることができる。
光学部材1の製造方法は、樹脂基材10の表面に、第1保護層21を形成する第1の膜の形成工程と、第1保護層21の工程より後に、第1保護層21よりも欠陥密度が小さい第2保護層23を形成する第2の膜の形成工程とを含み、他の工程を含んでよい。
第1の膜の形成工程において第1保護層21を形成する方法と、第2の膜の形成工程において第2保護層23を形成する方法は、上述の通りであるため、詳細は省略する。
光学部材1は、第1の膜の形成工程及び第2の膜の形成工程を含むことで、光学部材1が製造される。
このように、本実施形態に係る光学部材1は、樹脂基材10と、複数の膜20と備え、複数の膜20は、第1保護層21及び第2保護層23を有する。第1保護層21は、相対的に大きい欠陥密度を有し、第2保護層23は、相対的に小さい欠陥密度を有している。光学部材1は、第2保護層23を備えるため、主に外部の酸素、水分等が樹脂基材10と接触することを低減できる。また、光学部材1は、樹脂基材10の表面に第1保護層21を備えるため、第1保護層21で樹脂基材10や反射防止層22から発生するガス成分等を取り込むことができるため、樹脂基材10等から発生するガス成分が樹脂基材10と第2保護層23との間に溜まることを低減できる。よって、光学部材1は、樹脂基材10に黄変が発生することを低減できると共に、樹脂基材10と複数の膜20との間に膜浮きが発生することを低減することができる。したがって、光学部材1は、使用時において、その劣化を抑えることができるので、長期間において信頼性を向上させることができる。
また、光学部材1は、第1保護層21の欠陥密度を相対的に第2保護層23の欠陥密度よりも大きくすることで、第1保護層21に第2保護層23を密着させ易くなるため、樹脂基材10と第2保護層23との密着性が低くても、第1保護層21を介して第2保護層23を樹脂基材10に安定して設けることができる。
光学部材1は、第1保護層21を第1の領域に設け、第2保護層23を第1の領域及び第2の領域に設けることができる。光学部材1は、第1保護層21及び第2保護層23を樹脂基材10の表面の一部にのみ設けることができる。この場合でも、光学部材1は、樹脂基材10の黄変の発生を低減できると共に、樹脂基材10と複数の膜20との間に膜浮きが発生することを低減することができる。よって、光学部材1は、光学特性を安定して発揮できる。
光学部材1は、第1の領域を、領域A1、領域A2、領域A3-1及びA3-2、領域A4-1及びA4-2を有する複数の領域で構成することができる。これにより、光学部材1は、第1の領域を樹脂基材10の複数の領域に形成できるため、樹脂基材10と複数の膜20との間に膜浮きが発生することを低減することができ、光学特性を安定して発揮できる。
光学部材1は、第1保護層21と第2保護層23との間の少なくとも一部に反射防止層22を備えることができる。この場合でも、光学部材1は、樹脂基材10の黄変を抑制できるため、樹脂基材10領域A1及び領域A2への光の入射及び入射した光の反射を行うことができる。よって、光学部材1は、光学特性を安定して発揮できる。
光学部材1は、第2保護層23を、Al23、HfO2、SiOx、SiNx及びTiOxの少なくとも一つを含むことができる。これにより、第2保護層23は外部からの水分、酸素等の内部への侵入を適切に抑制できるため、光学部材1は、樹脂基材10の黄変をより抑制できる。
光学部材1は、第2保護層23の厚さを10nm~40nmにできる。これにより、第2保護層23は、120℃、1000時間後における透過率損失量を低く抑えることができるので、外部からの空気、酸素等のガス成分の侵入を抑制できる。よって、光学部材1は、第2保護層23において、外部からの水分、酸素等の内部への侵入を抑制できるため、樹脂基材10の黄変をさらに確実に低減できる。
光学部材1は、550nmの波長を有する光に対する屈折率が1.630~1.670のアルミナを第2保護層23に含むことができる。これにより、光学部材1は、光学特性を発揮しつつ、外部からの水分、酸素等の内部への侵入を抑制できる。よって、光学部材1は、光学特性を維持しつつ樹脂基材10の黄変を抑えることができる。
光学部材1は、第2保護層23の膜厚差を10%以内にできる。これにより、第2保護層23の厚さの均一性を高めることができるため、第2保護層23の機能のばらつきを抑えることができる。よって、光学部材1は、光学特性を維持しつつ樹脂基材10の黄変をより安定して抑えることができる。
光学部材1は、第2保護層23をADLにより形成された膜を用いることができる。これにより、第2保護層23を薄膜にできる。よって、光学部材1は、薄くしても、光学特性を維持しつつ樹脂基材10の黄変を抑えることができる。
光学部材1は、領域A1に光学部材1の有効領域を含むことができる。有効領域は、外部の光が入射すると共に入射した光が反射して通過する領域である。光学部材1は、領域A1に第1保護層21及び第2保護層23を備えることで、有効領域において樹脂基材10の黄変及び膜浮きを確実に抑えることができる。そのため、光学部材1は、第1の領域A1における外部の光の照射及び反射して通過する光を阻害することを抑えることができるため、高い光学特性を確実に発揮することができる。
光学部材1は、上記のように、樹脂基材10の黄変及び膜浮きを確実に抑えることができることから、樹脂製の光学レンズの他に、樹脂を基材とする様々な光学素子に対して好適に用いることができる。
図6-1~図6-5に、光学部材1を用いた光学素子の他の一例の断面図を示す。なお、複数の膜20A及び膜20Bは、図3-1及び図4に示すように、多層構造を有するが、図6-1~図6-5では、説明の便宜上、一層で示す。図6-1~図6-5における樹脂基材10の形状、複数の膜20A及び膜20Bの配置は、一例であり、これに限定されない。
図6-1に示すように、光学部材1は、光を通過させるための光学窓として用いてもよい。なお、図6-1に示す光学部材1では、樹脂基材10の長辺側の両面(図6-1中の左右両面)に複数の膜20Aを設け、樹脂基材10の短辺側の両面(図6-1中の上下両面)に膜20Bを設けてよい。
図6-2に示すように、光学部材1は、光の進行方向を変更させる光偏向素子としてのミラーとして用いてもよい。なお、図6-2に示す光学部材1では、樹脂基材10の長辺側の一方の面(図6-2中の左側の面)に複数の膜20Aを設け、樹脂基材10の長辺側の他方の面であるミラー面(図6-2中の右側の面)と、樹脂基材10の短辺側の両面(図6-2中の上下両面)に膜20Bを設けてよい。
図6-3に示すように、光学部材1は、例えば四面体形状を有するプリズムとして用いてもよい。なお、図6-3に示す光学部材1では、樹脂基材10の4辺の内の1辺の両面(図6-3中の底面)に膜20Bを設け、それ以外の面に複数の膜20A(図6-3中の底面以外の面)を設けてよい。なお、プリズムの形状は四面体形状以外の多角形状としてもよい。
図6-4に示すように、光学部材1は、微細構造14を形成した回折光学素子(DOE)として用いてもよい。なお、図6-4に示す光学部材1では、樹脂基材10の長辺側の一方の面(図6-4中の左側の面)と、他方の微細構造14が形成されている面(図6-4中の右側の面)とに複数の膜20Aを設け、樹脂基材10の短辺側の両面(図6-4中の上下両面)に膜20Bを設けてよい。微細構造14は、入射した光を回折できる構成であれば、特に限定されず、一般的な微細構造を用いてよい。
図6-5に示すように、光学部材1は、蛍光体15を含有する蛍光素子として用いてもよい。なお、図6-5に示す光学部材1では、複数の膜20A及び膜20Bを、図6-1に示す光学部材1と同様に設けてよい。
なお、本実施形態では、樹脂基材10は、図1及び図2に示すように、両側凹状レンズの形状であったが、これ以外に、非球面レンズ、球面レンズ、片側凹状レンズ、両側凸状レンズ、片側凸状レンズ等、様々な形状でもよい。
本実施形態では、樹脂基材10上に第1保護層21と反射防止層22と第2保護層23とを設けたが、反射防止層22は設けなくてもよい。光学部材1に必要とされる反射防止性能次第では、反射防止層22は省略してよい。
[距離測定装置]
次に、上記実施形態の光学部材1を適用した距離測定装置について説明する。距離測定装置は、光を射出する光源を備える投光部と、前記投光部から投光され物体で反射された反射光を受光する受光素子を備える検出部と、前記投光部及び前記検出部からの信号に基づき前記物体との距離を算出する演算部と、を備え、前記投光部及び前記検出部の少なくとも一方が、上記の光学部材を備える。
前記投光部は、投光装置として用いてもよい。この場合、投光装置は、光を出射する出射素子と、出射した光が通過する、上記の光学部材1とを備えることができる。
前記検出部は、受光装置として用いてもよい。この場合、受光装置は、上記の光学部材1と、光学部材1を通過した光を受光する受光素子とを備えることができる。
上記実施形態の光学部材1を適用した距離測定装置は、自動車等の車両及びドローン等の移動体に備えることができる。
(第1の態様)
上記実施形態の光学部材1を適用した距離測定装置の一の態様について、図7及び図8を用いて詳細に説明する。距離測定装置は、対象方向の距離を測定する装置であり、例えば自動車等に備えられるライダ装置として用いることができる。
図7は、距離測定装置の一例であるライダ(LiDAR;Laser Imaging Detection and Ranging)装置を搭載した自動車の概略図である。図8は、ライダ装置の一例の概略図である。
図7に示すように、ライダ装置100は、例えば「車両」の一例である自動車101に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物102からの反射光を受光することで、被対象物102の距離を測定する。なお、ライダ装置100は、車両以外にも、ドローン等の移動体に搭載することができる。
図8に示すように、ライダ装置100は、投光部110と、光検出器120及び測距回路130を備える。
投光部110は、光源装置111、コリメートレンズ112、平面ミラー113、可動装置114及び投光レンズ115を有する。光源装置111、コリメートレンズ112及び平面ミラー113が、入射光学系を構成し、投光レンズ115が投光光学系を構成する。コリメートレンズ112、平面ミラー113及び投光レンズ115は、上記の本実施形態に係る光学部材1を備えてよい。
光検出器120は、集光レンズ121、撮像素子122及び信号処理回路123を有する。集光レンズ121は、上記の本実施形態に係る光学部材1を備えてよい。
光源装置111から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメートレンズ112と、平面ミラー113とから構成される入射光学系を経て、反射面114aを有する可動装置114で1軸もしくは2軸方向に走査される。そして、投光光学系である投光レンズ115等を経て装置前方の被対象物102に照射される。光源装置111及び可動装置114は、制御装置116により駆動を制御される。被対象物102で反射された反射光は、光検出器120により光検出される。すなわち、反射光は入射光検出受光光学系である集光レンズ121等を経て撮像素子122により受光され、撮像素子122は検出信号を信号処理回路123に出力する。信号処理回路123は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路130に出力する。
測距回路130は、光源装置111がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器120でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、又は受光した撮像素子122の画素ごとの位相差によって、被対象物102の有無を認識し、さらに被対象物102との距離情報を算出する。
反射面114aを有する可動装置114は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。このようなライダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を測定することができる。ライダ装置100の搭載位置は、自動車101の上部前方に限定されず、側面や後方に搭載されてもよい。
上記距離測定装置では、一例としてのライダ装置100の説明をしたが、距離測定装置は、反射面114aを有した可動装置114を制御装置116で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物102の距離を測定する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部等にも同様に適用することができる。
本実施形態に係る光学素子を距離測定装置に用いることにより、長期信頼性の高い距離測定装置を提供できる。
(第2の態様)
上記実施形態に係る光学部材1を適用した距離測定装置の他の態様について、図8を用いて詳細に説明する。距離測定装置は、撮像ユニット及び画像解析ユニットを備え、対象方向の距離を測定する装置である。撮像ユニットは受光装置の一例である。
図8は、距離測定装置の構成の他の一例を示す図である。図8に示すように、距離測定装置200は、撮像ユニット210及び画像解析ユニット220を備える。
撮像ユニット210は、撮像手段としての2つの撮像部211及び212を備えたステレオカメラで構成されており、2つの撮像部211及び212は同一のものである。各撮像部211及び212は、それぞれ、撮像レンズ211a及び212aと、受光素子が2次元配置された画像センサ211b及び212bと、画像センサ211b及び212bを含んだセンサ基板211c及び212cと、センサ基板211c及び212cから出力されるアナログ電気信号(画像センサ211b及び212b上の各受光素子が受光した受光量に対応する電気信号)をデジタル電気信号に変換した撮像画像データを生成して出力する信号処理回路211d及び212dとを備えてよい。撮像ユニット210からは、輝度画像データと視差画像データが出力される。撮像部211及び212を構成する撮像レンズ211a及び212a等は、上記の本実施形態に係る光学部材1を備えてよい。
また、撮像ユニット210は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等からなる処理ハードウェア部213を備えている。この処理ハードウェア部213は、各撮像部211及び212から出力される輝度画像データから視差画像を得るために、各撮像部211及び212でそれぞれ撮像した撮像画像間の対応画像部分の視差値を演算する視差画像情報生成手段としての視差演算部2131を備えている。
ここでいう視差値とは、各撮像部211及び212でそれぞれ撮像した撮像画像の一方を基準画像、他方を比較画像とし、撮像領域内の同一地点に対応した基準画像上の画像部分に対する比較画像上の画像部分の位置ズレ量を、当該画像部分の視差値として算出したものである。三角測量の原理を利用することで、この視差値から当該画像部分に対応した撮像領域内の当該同一地点までの距離を算出することができる。
画像解析ユニット220は、画像処理基板等から構成され、撮像ユニット210から出力される輝度画像データ及び視差画像データを記憶するRAMやROM等で構成される記憶手段221と、識別対象の認識処理や視差計算制御等を行うためのコンピュータプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)222と、データI/F(インタフェース)223と、シリアルI/F224を備えている。
処理ハードウェア部213を構成するFPGAは、画像データに対してリアルタイム性が要求される処理、例えばガンマ補正、ゆがみ補正(左右の撮像画像の平行化)、ブロックマッチングによる視差演算を行って視差画像の情報を生成し、画像解析ユニット220のRAMに書き出す処理等を行う。画像解析ユニット220のCPU222は、各撮像部211及び212の画像センサコントローラの制御及び画像処理基板の全体的な制御を担うとともに、路面等の3次元形状の検出処理や各種オブジェクト(識別対象物)の検出処理等を実行するプログラムをROMからロードして、RAMに蓄えられた輝度画像データや視差画像データを入力として各種処理を実行し、その処理結果をデータI/F223やシリアルI/F224から外部へと出力する。外部に出力されるデータは、距離測定装置200が搭載された車両やロボット等の各種機器の制御(ブレーキ制御、速度制御、警告制御等)を行うための入力データとして使用される。
なお、撮像ユニット210及び画像解析ユニット220は、一体の装置である距離測定装置200として構成してもよい。
本実施形態の撮像ユニット210は、撮像レンズ211a及び212aとして、上記の本実施形態に係る光学部材1を用いているため、長期にわたって信頼性の高い画像データを生成することができる。また、本実施形態の距離測定装置200は、撮像レンズ211a及び212aとして本実施形態に係る光学部材1を用いているため、長期にわたって信頼性の高い画像データが得られ、信頼性の高い測距を行うことが可能である。
[撮像装置]
図9に示す第2の態様では、受光装置としての撮像ユニット210を備えるステレオカメラについて説明したが、本実施形態に係る光学部材は、撮像レンズ及び画像センサを備える撮像装置に適用することも可能である。なお、撮像装置は受光装置の一例である。上記実施形態に係る光学部材1を適用した受光装置の他の態様を図10を用いて詳細に説明する。
図10に示すように、撮像装置300は、撮像レンズ311aと、受光素子が2次元配置された画像センサ311bと、画像センサ311bを含んだセンサ基板311cと、センサ基板311cから出力されるアナログ電気信号(画像センサ311b上の各受光素子が受光した受光量に対応する電気信号)をデジタル電気信号に変換した撮像画像データを生成して出力する信号処理回路311dとを備えてよい。
撮像装置300では、信号処理回路311dから出力された画像データが出力される。
撮像部311の撮像レンズ311aは、上記の本実施形態に係る光学部材1を備えてよい。また、撮像装置300は、上記の本実施形態に係る光学部材1を用いて形成した光学窓、ミラー、プリズム、回折光学素子等を備えてもよい。
撮像装置300は、上記の本実施形態に係る光学部材1を用いているため、対候性があり軽量で割れにくいレンズを有している。このため、撮像装置300は、橋脚等のインフラ監視・点検用ドローンに搭載するカメラ、手術用ロボット用カメラ、内視鏡用カメラ、ヘッドマウントディスプレイ用カメラ等に好適に用いることができ、長期にわたって信頼性の高い画像データを生成することができる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 樹脂基材の表面に複数の膜を備える光学部材であって、
前記複数の膜は、前記樹脂基材側に形成され、相対的に欠陥密度が大きい第1の膜と、該第1の膜よりも外側に形成され、相対的に欠陥密度が小さい第2の膜と、を含む光学部材。
<2> 前記第1の膜は、前記樹脂基材の表面の一部である第1の領域に設けられ、
前記第2の膜は、前記第1の領域及び前記第1の膜が形成されない第2の領域に設けられる前記<1>に記載の光学部材。
<3> 前記第1の領域が、複数の領域からなる前記<2>に記載の光学部材。
<4> 前記複数の膜は、前記第1の膜と前記第2の膜の間の少なくとも一部に反射防止層を有する前記<1>~<3>の何れか一つに記載の光学部材。
<5> 前記第2の膜は、Al23、HfO2、SiOx、SiNx及びTiOxの少なくとも一つを含む前記<1>~<4>の何れか一つに記載の光学部材。
<6> 前記第2の膜の厚さが、10nm~40nmである前記<1>~<5>の何れか一つに記載の光学部材。
<7> 前記第2の膜はAl23を含み、前記第2の膜の550nmの光に対する屈折率は、1.630以上1.670以下である前記<1>~<6>の何れか一つに記載の光学部材。
<8> 前記第2の膜における((最大膜厚-最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100)の値が、10%以下である前記<1>~<7>の何れか一つに記載の光学部材。
<9> 前記第2の膜は、原子堆積法により形成された膜である前記<1>~<8>の何れか一つに記載の光学部材。
<10> 前記第1の領域は、前記光学部材の有効領域を含む前記<2>に記載の光学部材。
<11> 前記<1>~<10>の何れか一つに記載の光学部材と、
前記光学部材を通過又は反射した光を受光する受光素子と、
を備える、受光装置。
<12> 光を射出する光源を備える投光部と、
前記投光部から投光され物体で反射された反射光を受光する受光素子を備える検出部と、
前記投光部及び前記検出部からの信号に基づき前記物体との距離を算出する演算部と、を備え、
前記投光部及び前記検出部の少なくとも一方が、前記<1>~<10>の何れか一つに記載の光学部材を備える、距離測定装置。
<13> 前記<11>に記載の受光装置を備える移動体。
<14> 前記<12>に記載の距離測定装置を備える移動体。
<15> 樹脂基材の表面に第1の膜及び第2の膜を含む複数の膜を備える光学部材の製造方法であって、
前記表面に、前記第1の膜を形成する第1の工程と、
前記第1の工程より後に、前記第1の膜よりも欠陥密度が小さい前記第2の膜を形成する第2の工程と、
を含む光学部材の製造方法。
1 光学部材
10 樹脂基材
20、20A 複数の膜
20B 膜
21 第1保護層(第1の膜)
22 反射防止層
23 第2保護層(第2の膜)
100 ライダ装置(距離測定装置)
200 距離測定装置
210 撮像ユニット
220 画像解析ユニット
特許5250851号公報

Claims (15)

  1. 樹脂基材の表面に複数の膜を備える光学部材であって、
    前記複数の膜は、前記樹脂基材側に形成され、相対的に欠陥密度が大きい第1の膜と、該第1の膜よりも外側に形成され、相対的に欠陥密度が小さい第2の膜と、を含む光学部材。
  2. 前記第1の膜は、前記樹脂基材の表面の一部である第1の領域に設けられ、
    前記第2の膜は、前記第1の領域及び前記第1の膜が形成されない第2の領域に設けられる請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第1の領域が、複数の領域からなる請求項2に記載の光学部材。
  4. 前記複数の膜は、前記第1の膜と前記第2の膜の間の少なくとも一部に反射防止層を有する請求項1に記載の光学部材。
  5. 前記第2の膜は、Al23、HfO2、SiOx、SiNx及びTiOxの少なくとも一つを含む請求項1に記載の光学部材。
  6. 前記第2の膜の厚さが、10nm~40nmである請求項1に記載の光学部材。
  7. 前記第2の膜はAl23を含み、前記第2の膜の550nmの光に対する屈折率は、1.630以上1.670以下である請求項1に記載の光学部材。
  8. 前記第2の膜における((最大膜厚-最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100)の値が、10%以下である請求項1に記載の光学部材。
  9. 前記第2の膜は、原子堆積法により形成された膜である請求項1に記載の光学部材。
  10. 前記第1の領域は、前記光学部材の有効領域を含む請求項2に記載の光学部材。
  11. 請求項1~10の何れか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材を通過又は反射した光を受光する受光素子と、
    を備える、受光装置。
  12. 光を射出する光源を備える投光部と、
    前記投光部から投光され物体で反射された反射光を受光する受光素子を備える検出部と、
    前記投光部及び前記検出部からの信号に基づき前記物体との距離を算出する演算部と、を備え、
    前記投光部及び前記検出部の少なくとも一方が、請求項1~10の何れか一項に記載の光学部材を備える、距離測定装置。
  13. 請求項11に記載の受光装置を備える移動体。
  14. 請求項12に記載の距離測定装置を備える移動体。
  15. 樹脂基材の表面に第1の膜及び第2の膜を含む複数の膜を備える光学部材の製造方法であって、
    前記表面に、前記第1の膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程より後に、前記第1の膜よりも欠陥密度が小さい前記第2の膜を形成する第2の工程と、
    を含む光学部材の製造方法。
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