JP2023020746A - フェイスシールドおよび透明積層フィルム - Google Patents

フェイスシールドおよび透明積層フィルム Download PDF

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美希 風間
Miki Kazama
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Abstract

【課題】下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制することが可能な、フェイスシールドおよび透明積層フィルムを提供する。【解決手段】フェイスシールド10は、装着者Hに装着される保持部材20と、保持部材20に取り付けられ、装着者Hの顔面Fの少なくとも一部を覆う透明積層フィルム30とを備えている。透明積層フィルム30の下辺72に、複数の第1切り込み部74aが形成されている。第1切り込み部74aの一側に第1係合部75aが形成され、第1切り込み部74aの他側に第1係合部75aを係止する第1係止部76aが形成されている。第1係合部75aを第1係止部76aに係止することにより、下辺72の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面77aが形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、フェイスシールドおよび透明積層フィルムに関する。
従来より、くしゃみや咳による唾液等の飛沫が対面者の顔面に付着することを防止するためのフェイスシールドが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、装着者の顔の前方に設けられるシールド部と、シールド部を保持するためのフレームからなるフェイスシールドが開示されている。
登録実用新案第3227450号公報
ところで、くしゃみや咳による唾液等の飛沫は、装着者に対面する方向だけでなく、装着者から見た左右方向および上下方向に飛散する場合もある。また、飛沫が下方に飛散した場合、装着者が使用する構造物(テーブル等)に飛沫が付着する可能性があり、装着者が使用する構造物が汚染されてしまうおそれがある。
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制することが可能な、フェイスシールドおよび透明積層フィルムを提供することを目的とする。
また、本開示は、他者から飛散した飛沫が、装着者に付着することを抑制することが可能な、フェイスシールドおよび透明積層フィルムを提供することを目的とする。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、少なくとも前記下辺に、複数の第1切り込み部が形成されており、前記第1切り込み部の一側に第1係合部が形成され、前記第1切り込み部の他側に前記第1係合部を係止する第1係止部が形成されており、前記第1係合部を前記第1係止部に係止することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記上辺に、複数の第2切り込み部が形成されており、前記第2切り込み部の一側に第2係合部が形成され、前記第2切り込み部の他側に前記第2係合部を係止する第2係止部が形成されており、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第1係合部を前記第1係止部に係止し、かつ、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第3湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記下辺の近傍に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第1下部パネルおよび第2下部パネルが設けられ、前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記上辺側に、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルを固定する下部固定パネルが設けられ、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2下部切り込み部によって互いに分離され、前記第2下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面が形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記下辺側に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第3下部パネルおよび第4下部パネルが設けられ、前記第3下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルおよび前記第3下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5下部切り込み部によって互いに分離され、前記第2下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6下部切り込み部によって互いに分離され、前記第3下部パネルと前記第4下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第4下部切り込み部は、前記下辺から延びていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記上辺の近傍に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第1上部パネルおよび第2上部パネルが設けられ、前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記下辺側に、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルを固定する上部固定パネルが設けられ、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2上部切り込み部によって互いに分離され、前記第2上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記上辺側に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第3上部パネルおよび第4上部パネルが設けられ、前記第3上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルおよび前記第3上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5上部切り込み部によって互いに分離され、前記第2上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6上部切り込み部によって互いに分離され、前記第3上部パネルと前記第4上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1上部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第4上部切り込み部は、前記上辺から延びていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを前記下部固定パネルに固定し、かつ、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面と前記第1上部湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記中間部湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記透明積層フィルムに、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面とが形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記透明積層フィルムに、前記下辺から延びる一対の第2山折り部と、前記下辺から延びるとともに、一対の前記第2山折り部間に設けられた一対の第2谷折り部とが形成されており、一対の前記第2山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第2谷折り部は、前記下辺側から前記上辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、前記透明積層フィルムを、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の下方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた下面とが形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記透明積層フィルムに、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むとともに、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の側方に、前記前面から後方に広がる側面が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記保持部材は、前記透明積層フィルムを保持するための一対の取付部を含み、前記透明積層フィルムの前記一対の側辺の近傍に、それぞれ前記取付部が挿入される開口部が形成されていてもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記保持部材は、前記透明積層フィルムを上下方向に移動可能に保持してもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドにおいて、前記透明積層フィルムの光の反射率が、1.0%以下であってもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、少なくとも前記下辺に、複数の第1切り込み部が形成されており、前記第1切り込み部の一側に第1係合部が形成され、前記第1切り込み部の他側に前記第1係合部を係止する第1係止部が形成されており、前記第1係合部を前記第1係止部に係止することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成される、透明積層フィルムである。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記上辺に、複数の第2切り込み部が形成されており、前記第2切り込み部の一側に第2係合部が形成され、前記第2切り込み部の他側に前記第2係合部を係止する第2係止部が形成されており、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第1係合部を前記第1係止部に係止し、かつ、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第3湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記下辺の近傍に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第1下部パネルおよび第2下部パネルが設けられ、前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記上辺側に、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルを固定する下部固定パネルが設けられ、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2下部切り込み部によって互いに分離され、前記第2下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面が形成される、透明積層フィルムである。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記下辺側に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第3下部パネルおよび第4下部パネルが設けられ、前記第3下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4下部切り込み部によって互いに分離され、前記第1下部パネルおよび前記第3下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5下部切り込み部によって互いに分離され、前記第2下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6下部切り込み部によって互いに分離され、前記第3下部パネルと前記第4下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第4下部切り込み部は、前記下辺から延びていてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記上辺の近傍に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第1上部パネルおよび第2上部パネルが設けられ、前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記下辺側に、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルを固定する上部固定パネルが設けられ、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2上部切り込み部によって互いに分離され、前記第2上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記上辺側に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第3上部パネルおよび第4上部パネルが設けられ、前記第3上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4上部切り込み部によって互いに分離され、前記第1上部パネルおよび前記第3上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5上部切り込み部によって互いに分離され、前記第2上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6上部切り込み部によって互いに分離され、前記第3上部パネルと前記第4上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1上部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第4上部切り込み部は、前記上辺から延びていてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを前記下部固定パネルに固定し、かつ、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面と前記第1上部湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記中間部湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面とが形成される、透明積層フィルムである。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記下辺から延びる一対の第2山折り部と、前記下辺から延びるとともに、一対の前記第2山折り部間に設けられた一対の第2谷折り部とが形成されており、一対の前記第2山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第2谷折り部は、前記下辺側から前記上辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の下方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた下面とが形成される、透明積層フィルムである。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むとともに、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の側方に、前記前面から後方に広がる側面が形成されてもよい。
一実施の形態による透明積層フィルムにおいて、光の反射率が、1.0%以下であってもよい。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記下辺の近傍を湾曲させることにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態によるフェイスシールドは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、前記装着者に装着される保持部材と、前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記上辺の近傍を湾曲させることにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成されている、フェイスシールドである。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記下辺の近傍を湾曲させることにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成される、透明積層フィルムである。
一実施の形態による透明積層フィルムは、装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、前記上辺の近傍を湾曲させることにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成される、透明積層フィルムである。
本開示によれば、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
また、本開示によれば、他者から飛散した飛沫が、装着者に付着することを抑制できる。
図1は、第1の実施の形態によるフェイスシールドを示す斜視図である。 図2は、第1の実施の形態によるフェイスシールドを示す正面図である。 図3は、第1の実施の形態によるフェイスシールドの保持部材を示す斜視図である。 図3Aは、第1の実施の形態によるフェイスシールドの保持部材を示す平面図である。 図3Bは、第1の実施の形態によるフェイスシールドの保持部材の他の例を示す平面図である。 図4は、第1の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す正面図である。 図5は、第1の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す底面図である。 図6は、第1の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す平面図である。 図7は、第1の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す側面図である。 図8は、第1の実施の形態による透明積層フィルムを示す展開図である。 図9Aは、第1の実施の形態による保護フィルム付き透明積層フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 図9Bは、第1の実施の形態による保護フィルム付き透明積層フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 図9Cは、第1の実施の形態による保護フィルム付き透明積層フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 図9Dは、第1の実施の形態による保護フィルム付き透明積層フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 図10は、第1の実施の形態によるフェイスシールドの保持部材の変形例を示す斜視図である。 図11は、第1の実施の形態によるフェイスシールドの保持部材の変形例の連結部を示す正面図である。 図12は、第2の実施の形態によるフェイスシールドを示す斜視図である。 図13は、第2の実施の形態によるフェイスシールドを示す正面図である。 図14は、第2の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す底面図である。 図15は、第2の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す平面図である。 図16は、第2の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す側面図である。 図17は、第2の実施の形態による透明積層フィルムを示す展開図である。 図18は、第3の実施の形態によるフェイスシールドを示す斜視図である。 図19は、第3の実施の形態によるフェイスシールドを示す正面図である。 図20は、第3の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す底面図である。 図21は、第3の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す平面図である。 図22は、第3の実施の形態による透明積層フィルムであって、組み立てられた状態の透明積層フィルムを示す側面図である。 図23は、第3の実施の形態による透明積層フィルムを示す展開図である。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して第1の実施の形態について説明する。図1乃至図9Dは第1の実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されることなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
フェイスシールド
まず、図1により、フェイスシールド10について説明する。このフェイスシールド10は、装着者Hの顔面Fを保護する役割を果たす。図1に示すように、フェイスシールド10は、装着者Hに装着される保持部材20と、保持部材20に取り付けられ、装着者Hの顔面Fの少なくとも一部を覆うシールド部30A(透明積層フィルム30)とを備えている。
(保持部材)
保持部材20は、装着者Hがフェイスシールド10を装着した際に、装着者Hの鼻Nや口等とシールド部30Aとの間に所望の隙間が形成されるように、シールド部30Aを保持する部材である。図1乃至図3に示すように、保持部材20は、装着者Hの耳Eに装着される耳掛け部22を含む一対のテンプル部21と、一対のテンプル部21を装着者Hの後方から互いに連結する連結部23(図1および図3参照)とを有している。
このうちテンプル部21の耳掛け部22は、略円弧状に延びている。そして、耳掛け部22が、上方から装着者の耳Eに接触することにより、フェイスシールド10が装着者Hに装着されるようになっている。なお、本実施の形態では、フェイスシールド10は、耳掛け部22のみが装着者Hに接触し得る。
また、図1乃至図3に示すように、保持部材20のテンプル部21は、耳掛け部22の前方に設けられ、シールド部30Aを保持するための一対の取付部25を含んでいる。この取付部25は、透明積層フィルム30に形成された後述する開口部80に挿入されるようになっている。
本実施の形態では、取付部25は、後述する棒状部材の先端を折り曲げることによって形成されていてもよい。この取付部25は、第1突出部26と、第1突出部26よりも前方に位置する第2突出部27とを含んでいる。第1突出部26は、棒状部材の先端によって構成されており、水平方向に沿って、装着者Hの顔面Fから離れる側に突出している。これにより、第1突出部26が装着者Hの顔面Fに接触することを抑制できるようになっている。なお、上述したように、第1突出部26は棒状部材の先端によって構成されており、第1突出部26の高さは、棒状部材の直径と等しくなっている。
第2突出部27は、棒状部材を折り畳むことによって構成されており、水平方向に沿って、装着者Hの顔面Fから離れる側に突出している。これにより、第2突出部27が装着者Hの顔面Fに接触することを抑制できるようになっている。上述したように、第2突出部27は棒状部材を折り畳むことによって構成されており、第2突出部27の高さは、棒状部材の直径の2倍以上になっている。
保持部材20は、シールド部30Aを上下方向に移動可能に保持する。この場合、第1突出部26と後述する第1開口部81との間に遊びが設けられているとともに、第2突出部27と後述する第2開口部82との間に遊びが設けられている。これにより、シールド部30Aが、周囲の構造物に接触した場合であっても、シールド部30Aが保持部材20に対して移動することにより、フェイスシールド10から装着者Hに衝撃が加えられてしまうことや、フェイスシールド10が装着者Hから外れてしまうことを抑制できる。なお、第2突出部27と後述する第2開口部82との間の遊びは、第1突出部26と後述する第1開口部81との間の遊びよりも大きくなっていてもよい。また、第1突出部26と後述する第1開口部81との間に、遊びがほとんど設けられていなくてもよい。この場合であっても、シールド部30Aは、第1突出部26の中心軸線を中心に回動するように、上下方向に移動できる。
また、連結部23に、水平方向に対するテンプル部21の傾きを調整する錘24が取り付けられている。これにより、シールド部30Aが装着者Hの顔面Fに接触してしまうことを抑制できる。後述するように、本実施の形態による保持部材20は、金属製の棒状部材からなり、上述したように、本実施の形態による保持部材20は、耳掛け部22のみが装着者Hに接触し得るように構成されている。このような簡便な構成の保持部材20であっても、連結部23に、水平方向に対するテンプル部21の傾きを調整する錘24が取り付けられていることにより、シールド部30Aが装着者Hの顔面Fに接触してしまうことを抑制できる。このため、所望の性能を有するフェイスシールド10を低コストで作製できる。
本実施の形態では、テンプル部21および連結部23は、一体に成形されている。また、保持部材20は、金属製の棒状部材からなる。これにより、フェイスシールド10を落下させてしまった場合であっても、保持部材20が損傷を受けることを抑制できる。図示された例において、棒状部材は、丸棒により構成されている。この丸棒の直径は、例えば1mm以上5mm以下程度であってもよく、2mm以上3mm以下であることが好ましい。丸棒の直径が2mm以上であることにより、保持部材20の強度の低下を抑制できる。また、丸棒の直径が3mm以下であることにより、保持部材20の軽量化を図ることができる。
また、棒状部材を構成する金属は、アルミニウムであることが好ましい。これにより、保持部材20を容易に成形できる。また、保持部材20の軽量化を図ることができる。また、金属は、ステンレスやチタンなどでもよい。なお、保持部材20は樹脂製の棒状部材からなっていてもよい。これにより、保持部材20の更なる軽量化を図ることができる。また、保持部材20が樹脂製であることにより、保持部材20を折り曲げた際に、保持部材20に折り癖が付くことを抑制できる。この場合、保持部材20に用いられる樹脂材質としては、汎用に使用される樹脂材料から選択できる。例えば、樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂から選ばれる樹脂からなっていてもよい。
ここで、装着者Hの前方には、一対のテンプル部21同士の間に延びる他の部材が配置されていない。これにより、装着者Hが眼鏡をかけていた場合に、眼鏡と保持部材20とが干渉してしまうことを抑制できる。また、装着者Hの前方には、一対のテンプル部21同士の間に延びる他の部材が配置されていないため、保持部材20が目立ってしまうことを抑制できる。
また、フェイスシールド10をマネキン(株式会社大創産業社製のフェイスマネキン)に取り付けた場合に、正面視において、マネキンの顔面の面積A1に対する保持部材20の面積A2の割合(A2/A1)は、0.1%以上5%以下であることが好ましい。ここで、シールド部30Aを装着者Hの前方で保持するためには、フェイスシールド10をマネキンに取り付けた場合に、正面視において、保持部材20の先端がマネキンによって隠蔽されることなく、保持部材20の先端が視認できることが好ましい。この場合、シールド部30Aを装着者Hの前方で保持できるためには、当該割合が0.1%以上になり得る。また、当該割合が5%以下であることにより、装着者Hがフェイスシールド10を装着した際に、保持部材20を目立たせなくできる。ここで、本実施の形態では、「正面視」とは、一対のテンプル部21のうち、耳掛け部22よりも前方に位置する部分が水平となるように、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であって、第2突出部27が後述する第2開口部82の上端に当接した状態(図2に示す状態)において、シールド部30A(透明積層フィルム30)の後述する第3湾曲面77cの法線方向のうち、第3湾曲面77cの水平方向中央部77d(図2参照)における法線方向からフェイスシールド10を見ることを意味する。
また、図3Aに示すように、一対のテンプル部21は、耳掛け部22よりも前方において、互いに平行に延びていてもよい。これにより、一対のテンプル部21のうち、耳掛け部22よりも前方に位置する部分が、装着者Hの頭部(例えば、こめかみ)に接触することを抑制できる。このため、装着者Hの頭部が、一対のテンプル部21によって締め付けられてしまうことを抑制できる。この結果、装着者Hが不快感を覚えることを抑制でき、装着者Hがストレスを感じることなくフェイスシールド10を装着できる。また、図3Bに示すように、一対のテンプル部21は、耳掛け部22よりも前方において、前方に向かうにつれて、一対のテンプル部21間の距離が長くなるように延びていてもよい。この場合においても、一対のテンプル部21のうち、耳掛け部22よりも前方に位置する部分が、装着者Hの頭部(例えば、こめかみ)に接触することを抑制できる。
また、各々のテンプル部21の先端間の距離が130mmとなるように、各々のテンプル部21を互いに離間する方向に広げるために必要な力は、0.01N以上3.0N以下であることが好ましい。これにより、装着者Hの頭部が、一対のテンプル部21によって締め付けられてしまうことを抑制できる。この結果、装着者Hが不快感を覚えることを抑制でき、装着者Hがストレスを感じることなくフェイスシールド10を装着できる。なお、この場合、上記力は、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、MCT-2150(製品名))を用いて測定できる。
このような保持部材20の重量は、20g以下であることが好ましい。これにより、装着者Hがストレスを感じることなくフェイスシールド10を装着できる。
(シールド部)
次に、シールド部30Aについて説明する。シールド部30Aは、装着者Hのくしゃみや咳による唾液等の飛沫が他人の顔面に付着することや、他人のくしゃみや咳による唾液等の飛沫が装着者Hの顔面Fに付着することを抑制する役割を果たす。このシールド部30Aは、透明積層フィルム30によって構成されている。本実施の形態では、シールド部30Aは、装着者Hの顔面Fの全体を覆っている。なお、シールド部30Aが、装着者Hの顔面Fの一部のみを覆っていてもよい。
図4乃至図8に示すように、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30は、上辺71と、上辺71に対向する下辺72と、上辺71と下辺72との間に延びる一対の側辺73とを有する矩形状(図8参照)をもっている。
このうち下辺72に、複数の第1切り込み部74aが形成されている。本実施の形態では、3つの第1切り込み部74aが形成されており、各々の第1切り込み部74aは、それぞれ透明積層フィルム30をV字状に切り欠くことにより形成されている。また、V字の先端部には、透明積層フィルム30を厚み方向に貫通する貫通孔78aが形成されている。これにより、第1切り込み部74aをきっかけとして、透明積層フィルム30が破断してしまうことを抑制できるようになっている。なお、第1切り込み部74aの形状は任意であり、例えば、第1切り込み部74aは、透明積層フィルム30を直線状に切り込むことにより形成されていてもよい。
また、第1切り込み部74aの一側(図8に示す右側)に第1係合部75aが形成され、第1切り込み部74aの他側(図8に示す左側)に第1係合部75aを係止する第1係止部76aが形成されている。このうち第1係合部75aは、各々の第1切り込み部74aの一側に形成されており、本実施の形態では、3つの第1係合部75aが形成されている。図示された例において、各々の第1係合部75aは、それぞれ下辺72から上辺71へ向かう側に突出するように設けられた突出片によって形成されている。
第1係止部76aは、各々の第1切り込み部74aの他側に形成されており、本実施の形態では、3つの第1係止部76aが形成されている。図示された例において、各々の第1係止部76aは、それぞれ透明積層フィルム30を厚み方向に貫通する貫通孔によって形成されており、第1係止部76aを構成する貫通孔は、それぞれ矩形状をもっている。しかしながら、これに限られず、第1係止部76aを構成する貫通孔は、円形状、楕円形状または角部が丸められている多角形状等、任意の形状をもっていてもよい。
そして、第1係合部75aを第1係止部76aに係止することにより、下辺72の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面77a(図4、図5および図7参照)が形成されるようになっている。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1湾曲面77aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。
また、第1湾曲面77aが装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲していることにより、第1湾曲面77aが形成された領域は、当該領域に衝撃が加えられた場合に、弾性変形しやすくなっている。このため、フェイスシールド10を落下させてしまった場合であっても、第1湾曲面77aが形成された領域が弾性変形することによって、当該領域が落下の衝撃を吸収できる。このため、フェイスシールド10が損傷を受けることを抑制できるようになっている。
この第1湾曲面77aは、三次元曲面であってもよい。なお、本明細書中「三次元曲面」とは、互いに非平行な複数の軸線の各々を中心として、部分的にまたは全体的に曲がっている面を意味する。例えば、第1湾曲面77aは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
また、本実施の形態では、上辺71に、複数の第2切り込み部74bが形成されている。本実施の形態では、3つの第2切り込み部74bが形成されており、各々の第2切り込み部74bは、それぞれ透明積層フィルム30をV字状に切り欠くことにより形成されている。また、V字の先端部には貫通孔78bが形成されている。これにより、第2切り込み部74bをきっかけとして、透明積層フィルム30が破断してしまうことを抑制できるようになっている。なお、第2切り込み部74bの形状は任意であり、例えば、第2切り込み部74bは、透明積層フィルム30を直線状に切り込むことにより形成されていてもよい。
また、第2切り込み部74bの一側(図8に示す左側)に第2係合部75bが形成され、第2切り込み部74bの他側(図8に示す右側)に第2係合部75bを係止する第2係止部76bが形成されている。このうち第2係合部75bは、各々の第2切り込み部74bの一側に形成されており、本実施の形態では、3つの第2係合部75bが形成されている。図示された例において、各々の第2係合部75bは、それぞれ上辺71から下辺72へ向かう側に突出するように設けられた突出片によって形成されている。
第2係止部76bは、各々の第2切り込み部74bの他側に形成されており、本実施の形態では、3つの第2係止部76bが形成されている。図示された例において、各々の第2係止部76bは、それぞれ透明積層フィルム30を厚み方向に貫通する貫通孔によって形成されており、第2係止部76bを構成する貫通孔は、それぞれ矩形状をもっている。しかしながら、これに限られず、第2係止部76bを構成する貫通孔は、円形状、楕円形状または角部が丸められている多角形状等、任意の形状をもっていてもよい。
そして、第2係合部75bを第2係止部76bに係止することにより、上辺71の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面77b(図4、図6および図7参照)が形成されるようになっている。これにより、上方に飛散した飛沫は、第2湾曲面77bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。また、上辺71の近傍に第2湾曲面77bが形成されることにより、第2湾曲面77bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できるようになっている。
この第2湾曲面77bは、三次元曲面であってもよい。例えば、第2湾曲面77bは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
また、第1係合部75aを第1係止部76aに係止し、かつ、第2係合部75bを第2係止部76bに係止することにより、第1湾曲面77aと第2湾曲面77bとの間に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面77cが形成されるようになっている。これにより、装着者に対面する方向および装着者から見た左右方向に飛散した飛沫は、第3湾曲面77cに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。
図7に示すように、第3湾曲面77cは、垂直断面において、直線形状をもっている。これにより、フェイスシールド10のサイズ(とりわけ前後方向のサイズ)が大きくなり過ぎることを抑制できる。このため、装着者Hが頭部を動かした場合等に、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30が、周囲の構造物や他人に接触してしまうことを抑制できる。また、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できるため、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であっても、装着者Hがストレスを感じることなく作業に集中できる。
第3湾曲面77cは、二次元曲面であってもよい。なお、本明細書中「二次元曲面」とは、単一の軸線を中心として二次元的に曲がった曲面、あるいは、互いに平行な複数の軸線を中心として同一または異なる曲率で二次元的に曲がった曲面を意味する。例えば、第3湾曲面77cは、任意の位置において、その垂直断面形状が、直線形状であってもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
また、図4、図7および図8に示すように、透明積層フィルム30に、取付部25が挿入される開口部80が形成されている。この場合、開口部80は、一対の側辺73の近傍に、それぞれ、形成されている。
各々の開口部80は、それぞれ、第1突出部26が挿入される第1開口部81と、第2突出部27が挿入される第2開口部82とを含んでいる。図示された例においては、各々の開口部80は、それぞれ、2つの第1開口部81と、2つの第2開口部82とを含んでいる。この場合、例えば、第1突出部26が挿入される第1開口部81を変更することにより、シールド部30Aの第1湾曲面77a、第2湾曲面77bおよび第3湾曲面77cの曲率を容易に変更できるようになっている。
各々の第1開口部81は、透明積層フィルム30を厚み方向に貫通している。また、各々の第1開口部81は、それぞれ第1突出部26に対応する形状をもっている。本実施の形態では、第1開口部81は、第1突出部26を構成する棒状部材の直径よりもわずかに大きい直径を有する円形状をもっている。
各々の第2開口部82は、透明積層フィルム30を厚み方向に貫通している。また、各々の第2開口部82は、それぞれ上下方向に沿って延びる矩形状をもっている。本実施の形態では、第2開口部82の高さは、第2突出部27の高さよりも高くなっており、上述したように、第2突出部27と第2開口部82との間に遊びが設けられるようになっている。なお、図示された例においては、一の開口部80において、各々の第2開口部82の形状が、互いに異なっている。すなわち、一の開口部80において、一方の第2開口部82の高さが、他方の第2開口部82の高さよりも高くなっている。しかしながら、これに限られず、一の開口部80において、各々の第2開口部82の形状が、互いに等しくなっていてもよい。
この開口部80は、第3湾曲面77cが形成される領域に形成されている。そして、上述したように、第3湾曲面77cは、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲している。このため、一対の取付部25を透明積層フィルム30の裏面(装着者H側の面)側から開口部80に挿入することにより、上述した保持部材20が、透明積層フィルム30を容易に保持できるようになっている。
保護フィルム付き透明積層フィルム
次に、保護フィルム付き透明積層フィルム60について説明する。図9A乃至図9Dは、保護フィルム付き透明積層フィルム60の層構成の一例を示している。図9A乃至図9Dに示すように、保護フィルム付き透明積層フィルム60は、本実施の形態による透明積層フィルム30と、透明積層フィルム30の表面301を保護する表面保護フィルム61と、透明積層フィルム30の裏面302を保護する裏面保護フィルム62とを備えている。
このうち表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、それぞれ透明積層フィルム30の表面301および裏面302に傷が付くことを抑制するとともに、表面301および裏面302が異物等によって汚染されることを抑制する役割を果たす。この表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、それぞれ着脱自在に透明積層フィルム30に取り付けられている。表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、それぞれ図示しない接合層を含み、この接合層により、透明積層フィルム30に取り付けられていてもよい。なお、接合層の粘着力は、例えば、0.05N/25mm以上5N/25mm以下程度であってもよい。また、上述したフェイスシールド10を使用する際には、表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、それぞれ透明積層フィルム30から剥がされる。表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62の材料は、例えば、ポリエステル樹脂やポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンからなるフィルムであってもよい。
透明積層フィルム
次に、本実施の形態による透明積層フィルム30について説明する。透明積層フィルム30は、上述したように、装着者Hの顔面Fを保護するフェイスシールド10に用いられてもよい。図9A乃至図9Dに示すように、透明積層フィルム30は、表面301を構成する表面反射防止層40と、裏面302を構成する裏面反射防止層50とを備えている。また、図9Aおよび図9Bに示すように、透明積層フィルム30は、表面反射防止層40と裏面反射防止層50とを接着する透明接着層31を更に備えていてもよい。
具体的には、図9Aおよび図9Bに示すように、透明積層フィルム30は、表面301から裏面302に向かって、表面反射防止層40と、透明接着層31と、裏面反射防止層50とをこの順に備えている。この場合、透明積層フィルム30において、表面反射防止層40が、表面301側から外方に露出する。また、透明積層フィルム30において、裏面反射防止層50が、裏面302側から外方に露出する。
また、図9Aおよび図9Bに示す例においては、表面反射防止層40は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面反射防止機能層41と、表面透明基材層42とを有している。また、表面反射防止機能層41は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面屈折層43と、表面ハードコート層44とを含んでいる。さらに、表面屈折層43は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面低屈折率層45と、表面高屈折率層46とを含んでいる。ここで、表面高屈折率層46は、図9Bに示すように、表面301から裏面302に向かって順に配置された第1表面高屈折率層47と、第2表面高屈折率層48とを含んでいてもよい。
また、図9Aおよび図9Bに示す例においては、裏面反射防止層50は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面反射防止機能層51と、裏面透明基材層52とを有している。また、裏面反射防止機能層51は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面屈折層53と、裏面ハードコート層54とを含んでいる。さらに、裏面屈折層53は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面低屈折率層55と、裏面高屈折率層56とを含んでいる。ここで、図9Bに示すように、裏面高屈折率層56は、裏面302から表面301に向かって順に配置された第1裏面高屈折率層57と、第2裏面高屈折率層58とを含んでいてもよい。
さらに、図9Cおよび図9Dに示すように、透明積層フィルム30は、表面反射防止層40と裏面反射防止層50との間に位置するコア層32を更に備えていてもよい。この場合、透明積層フィルム30は、表面反射防止層40とコア層32とを接着する第1透明接着層31aと、コア層32と裏面反射防止層50とを接着する第2透明接着層31bとを更に備えていてもよい。
具体的には、図9Cおよび図9Dに示すように、透明積層フィルム30は、表面301から裏面302に向かって、表面反射防止層40と、第1透明接着層31aと、コア層32と、第2透明接着層31bと、裏面反射防止層50とをこの順に備えている。この場合においても、透明積層フィルム30において、表面反射防止層40が、表面301側から外方に露出する。また、透明積層フィルム30において、裏面反射防止層50が、裏面302側から外方に露出する。
また、図9Cおよび図9Dに示す例においても、表面反射防止層40は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面反射防止機能層41と、表面透明基材層42とを有している。また、表面反射防止機能層41は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面屈折層43と、表面ハードコート層44とを含んでいる。さらに、表面屈折層43は、表面301から裏面302に向かって順に配置された表面低屈折率層45と、表面高屈折率層46とを含んでいる。ここで、表面高屈折率層46は、図9Dに示すように、表面301から裏面302に向かって順に配置された第1表面高屈折率層47と、第2表面高屈折率層48とを含んでいてもよい。
また、図9Cおよび図9Dに示す例においても、裏面反射防止層50は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面反射防止機能層51と、裏面透明基材層52とを有している。また、裏面反射防止機能層51は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面屈折層53と、裏面ハードコート層54とを含んでいる。さらに、裏面屈折層53は、裏面302から表面301に向かって順に配置された裏面低屈折率層55と、裏面高屈折率層56とを含んでいる。ここで、図9Dに示すように、裏面高屈折率層56は、裏面302から表面301に向かって順に配置された第1裏面高屈折率層57と、第2裏面高屈折率層58とを含んでいてもよい。
上述したように、表面反射防止層40は、表面透明基材層42上に表面高屈折率層46及び表面低屈折率層45を有する基本構成からなる。また、上述したように、裏面反射防止層50は、裏面透明基材層52上に裏面高屈折率層56及び裏面低屈折率層55を有する基本構成からなる。表面高屈折率層46(裏面高屈折率層56)及び表面低屈折率層45(裏面低屈折率層55)は、光学干渉機能により反射防止機能を付与する役割を果たす。
表面反射防止層40(裏面反射防止層50)は、さらに中屈折率層を設ける等して3層以上の光学干渉機能による反射防止機能を付与してもよいが、あまりに多層構造にすると費用対効果の点から好ましくない。したがって、本実施の形態による表面反射防止層40(裏面反射防止層50)は、表面高屈折率層46(裏面高屈折率層56)及び表面低屈折率層45(裏面低屈折率層55)の2層で光学干渉機能による反射防止機能を付与する構成であることが好ましい。なお、表面反射防止層40(裏面反射防止層50)は、表面ハードコート層44(裏面ハードコート層54)を中屈折率化して、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の3層で光学干渉機能による反射防止機能を付与してもよい。
以下、透明積層フィルム30の各層について説明する。
<表面反射防止層および裏面反射防止層>
表面反射防止層40は、透明積層フィルム30の表面301側から入射する光の反射を抑制するための層である。透明積層フィルム30が表面反射防止層40を備えていることにより、透明積層フィルム30の表面301における光の反射を抑制できる。これにより、例えばフェイスシールド10を装着した装着者Hを視認した際に、装着者Hの顔面Fの視認性を向上させることができる。このため、装着者Hの口元の視認性を向上させることができ、装着者Hと他者との円滑なコミュニケーションを図ることができる。
一方、裏面反射防止層50は、透明積層フィルム30の裏面302側から入射する光の反射を抑制するための層である。透明積層フィルム30が裏面反射防止層50を備えていることにより、透明積層フィルム30の裏面302における光の反射を抑制できる。これにより、例えばフェイスシールド10を装着した装着者Hが、透明積層フィルム30の裏面302において反射する光によって、不快感や疲労感を覚えることを抑制できる。
表面反射防止層40は、上述したように、表面反射防止機能層41と、表面透明基材層42とを有している。また、裏面反射防止層50は、上述したように、裏面反射防止機能層51と、裏面透明基材層52とを有している。ここでは、まず、表面透明基材層42および裏面透明基材層52について説明する。
[表面透明基材層および裏面透明基材層]
表面透明基材層42および裏面透明基材層52は、例えば、表面反射防止機能層41や裏面反射防止機能層51を支持するとともに、表面反射防止層40および裏面反射防止層50の全体の強度を高めるための層である。表面透明基材層42および裏面透明基材層52の材料は、一般的なフィルムの基材として用いられる透明な材料であれば特に限定されないが、材料コスト、生産性等の観点から、好ましくはプラスチックフィルム、プラスチックシート等を、用途に応じて適宜選択できる。
プラスチックフィルム又はプラスチックシートの材料としては、各種の合成樹脂からなる材料が挙げられる。合成樹脂としては、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、セロファン等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート-イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;低密度ポリエチレン樹脂(線状低密度ポリエチレン樹脂を含む)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンαオレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーあるいは、これらの混合物等のポリオレフィン樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂等のアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂;又はポリイミド樹脂等が好ましく挙げられる。また、表面透明基材層42および裏面透明基材層52の材料は、シクロオレフィンポリマー(COP)系樹脂、シクロオレフィンコポリマー(COC)系樹脂であってもよい。
表面透明基材層42および裏面透明基材層52としては、上記したプラスチックフィルム、プラスチックシートの中から単独で、又は2種以上を選んで混合物として用いることができるが、柔軟性、強靭性、透明性などの観点から、表面透明基材層42および裏面透明基材層52の材料としては、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。また、柔軟性、強靭性、透明性などの観点から、表面透明基材層42および裏面透明基材層52は、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートを含んでいることが好ましい。
表面透明基材層42および裏面透明基材層52の厚みについては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択される。表面透明基材層42および裏面透明基材層52の厚みは、それぞれ5μm以上130μm以下程度であってもよく、耐久性やハンドリング性等を考慮すると、10μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、各層の厚みは、それぞれ、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。測定する膜厚がμmオーダーの場合、SEMを用いることが好ましく、nmオーダーの場合、TEM又はSTEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は1kV以上10kV以下、倍率は1000倍以上7000倍以下とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は10kV以上30kV以下、倍率は5万倍以上30万倍以下とすることが好ましい。なお、以下に説明する各層についても、各層の膜厚は、表面透明基材層42および裏面透明基材層52の膜厚と同様の方法によって測定できる。
[表面反射防止機能層および裏面反射防止機能層]
次に、表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51について説明する。表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51は、それぞれ表面反射防止層40および裏面反射防止層50に対して、光の反射を抑制する機能を付与する役割を果たす。
また、表面反射防止機能層41は、表面透明基材層42上にコーティングされたコーティング層であってもよく、裏面反射防止機能層51は、裏面透明基材層52上にコーティングされたコーティング層であってもよい。このように、表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51がコーティング層であることにより、表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51の厚みを容易に制御でき、透明積層フィルム30の光の反射率や全光線透過率といった所望の機能を容易に制御できる。
表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51は、それぞれアクリルモノマーを含む硬化物からなることが好ましい。これにより、短時間の加工によっても均一性が高い表面反射防止機能層41および裏面反射防止機能層51を形成できる。
ここで、表面反射防止機能層41は、上述したように、表面屈折層43と、表面ハードコート層44とを含んでいる。また、裏面反射防止機能層51は、上述したように、裏面屈折層53と、裏面ハードコート層54とを含んでいる。表面ハードコート層44は、表面透明基材層42上にコーティングされたコーティング層であってもよく、表面屈折層43は、表面ハードコート層44上にコーティングされたコーティング層であってもよい。また、裏面ハードコート層54は、裏面透明基材層52上にコーティングされたコーティング層であってもよく、裏面屈折層53は、裏面ハードコート層54上にコーティングされたコーティング層であってもよい。このように、表面屈折層43、表面ハードコート層44、裏面屈折層53および裏面ハードコート層54がコーティング層であることにより、各層の厚みを容易に制御でき、透明積層フィルム30の光の反射率や全光線透過率、場合により色味といった所望の機能を容易に制御できる。
次に、表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54について説明する。
{表面ハードコート層および裏面ハードコート層}
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50の耐擦傷性を向上させる役割を果たす。ここで、ハードコートとは、JISK5600-5-4:1999で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示す性質をいう。表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54は、例えば、硬化性樹脂組成物を含むハードコート層塗布液から形成できる。硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、耐擦傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有する電磁波又は荷電粒子線を意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているモノマーでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたモノマーでもよい。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。これら光重合開始剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。光重合開始剤の融点を100℃以上とすることにより、透明導電膜形成時や結晶化工程の熱により残留した光重合開始剤が昇華し、透明導電膜の低抵抗化が損なわれることを防止できる。後述する高屈折率層及び低屈折率層で光重合開始剤を用いる際も同様である。また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができる材料であり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の厚みは、それぞれ0.1μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましく、0.8μm以上20μm以下の範囲にあることがより好ましい。表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の厚みが、それぞれ上記範囲内にあれば、充分なハードコート性能が得られ、外部からの衝撃に対してクラック等の発生もなく割れにくくなる。
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の屈折率は、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56の屈折率より小さいことが好ましく、1.45以上1.70以下であることがより好ましく、1.45以上1.60以下であることがさらに好ましい。表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の屈折率がこのような範囲にあれば、表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54が、それぞれ中屈折率層としての役割を有する。これにより、表面ハードコート層44、表面高屈折率層46および表面低屈折率層45の3層による干渉作用、および、裏面ハードコート層54、裏面高屈折率層56および裏面低屈折率層55の3層による干渉作用が可能となる。このため、光の反射を効果的に抑制できる。また、干渉縞を抑制する観点からは、表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の屈折率と、表面透明基材層42および裏面透明基材層52の屈折率との差を小さくすることが好ましい。
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54に中屈折率層としての役割を付与する手段としては、ハードコート層塗布液に屈折率の高い樹脂を配合する手段と、屈折率の高い粒子を配合する手段が挙げられる。屈折率の高い粒子を配合した場合、該粒子の凝集による白化や塗布欠陥が生じる場合があることから、前者の手段(屈折率の高い樹脂を配合)が好ましい。屈折率の高い樹脂としては、上述した熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性化合物に硫黄、リン、臭素を含有する基や芳香環等を導入した樹脂が挙げられる。屈折率の高い粒子としては、後述する表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56に用いる高屈折率粒子と同様の粒子を用いることができる。
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54等の各層の屈折率は、例えば、反射光度計により測定した反射スペクトルと、フレネル係数を用いた多層薄膜の光学モデルから算出した反射スペクトルとのフィッティングにより算出できる。
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54は、上述した硬化性樹脂組成物、必要に応じて配合する紫外線吸収剤やレベリング剤等の添加剤及び希釈溶剤によってハードコート層形成用塗布液を調整し、当該塗布液を透明基材上に従来公知の塗布方法によって塗布、乾燥、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
{表面屈折層および裏面屈折層}
次に、表面屈折層43および裏面屈折層53について説明する。表面屈折層43および裏面屈折層53は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50の光の反射率を低下させる役割を果たす。表面屈折層43は、上述したように、表面低屈折率層45と、表面高屈折率層46とを含んでいる。また、裏面屈折層53は、上述したように、裏面低屈折率層55と、裏面高屈折率層56とを含んでいる。ここでは、まず、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55について説明する。
(表面低屈折率層および裏面低屈折率層)
表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55は、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56上に設けられる層であり、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56との屈折率の差を用いて、干渉作用により表面反射防止層40および裏面反射防止層50の光の反射率を低下させる役割を果たす。表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50を超低反射率とするために、屈折率が1.26以上1.40以下であることが好ましく、1.28以上1.38以下であることがより好ましく、1.30以上1.32以下であることがさらに好ましい。表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の屈折率を低くすれば低くするほど、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56の屈折率をそれほど高くしなくても表面反射防止層40および裏面反射防止層50の屈折率を低くできる。その一方、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の屈折率を低くし過ぎると、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の強度が低下する傾向にある。このため、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の屈折率をそれぞれ上記範囲とすることにより、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の強度を保ちつつ、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56の後述する高屈折率粒子の添加量を抑えることができ、色味及び白化を抑制につながる点で好適である。また、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の厚みは、それぞれ80nm以上120nmであることが好ましく、85nm以上110nmであることがより好ましく、90nm以上105nmであることがさらに好ましい。また、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55は、それぞれ上記屈折率の範囲を満たす複数の層から形成してもよいが、費用対効果の観点から、2層以下が好ましく、単層がより好ましい。
表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55を形成する手法としては、ウェット法とドライ法とに大別できる。ウェット法としては、金属アルコキシド等を用いてゾルゲル法により形成する手法、フッ素樹脂のような低屈折率の樹脂を塗工して形成する手法、樹脂組成物に低屈折率粒子を含有させた低屈折率層形成用塗布液を塗工して形成する手法が挙げられる。ドライ法としては、後述する低屈折率粒子の中から所望の屈折率を有する粒子を選び、物理気相成長法又は化学気相成長法により形成する手法が挙げられる。ウェット法は生産効率の点で優れており、本実施の形態においては、ウェット法の中でも、樹脂組成物に低屈折率粒子を含有させた低屈折率層形成用塗布液により形成することが好ましい。
低屈折率粒子は、その屈折率を低下させるため、すなわち反射防止特性を向上させる目的で、好ましく用いられ、シリカやフッ化マグネシウムなどの無機系、又は有機系のいずれであっても制限なく用いることができるが、反射防止特性をより向上させ、かつ良好な表面硬度を確保する観点から、それ自身が空隙を有する構造の粒子が好ましく用いられる。
それ自身が空隙を有する構造をもつ粒子は、微細な空隙を内部に有しており、例えば、屈折率1.0の空気などの気体が充填されているので、それ自身の屈折率が低い粒子となっている。このような空隙を有する粒子としては、無機系、又は有機系の多孔質粒子、中空粒子などが挙げられ、例えば、多孔質シリカ、中空シリカ粒子、又はアクリル樹脂などが用いられた多孔質ポリマー粒子や中空ポリマー粒子が挙げられる。無機系の粒子としては、特開2001-233611号公報で開示される技術を用いて調製した空隙を有するシリカ粒子などが好ましい一例として挙げられる。また、有機系の粒子としては、特開2002-80503号公報で開示される技術を用いて調製した中空ポリマー粒子などが好ましい一例として挙げられる。上記のような空隙を有するシリカ、又は多孔質シリカは、それらの屈折率が1.18以上1.44以下の範囲にあり、屈折率が1.45程度である一般的なシリカ粒子よりも屈折率が低いため、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の低屈折率化を図る観点から好ましい。
中空状シリカ粒子は、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の塗膜強度を保持しつつ、その屈折率を下げる機能を有する粒子である。本実施の形態で用いる中空状シリカ粒子は、内部に空洞を有する構造のシリカ粒子である。中空状シリカ粒子は、シリカ粒子本来の屈折率(屈折率n=1.45程度)に比べて、内部の空洞の占有率に反比例して屈折率が低下するシリカ粒子である。このため、中空状シリカ粒子の粒子全体としての屈折率は1.18以上1.44以下となる。
中空状シリカ粒子としては、特に限定されず、例えば、外殻を有し、その内部が多孔質または空洞になっている粒子であり、特開平6-330606号公報、特開平7-013137号公報、特開平7-133105号公報、特開2001-233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ粒子が挙げられる。
低屈折率粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上80nm以下であることがさらに好ましい。一次粒子の平均粒子径が上記範囲内にあれば、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の透明性を損なうことがなく、良好な粒子の分散状態が得られる。特に、低屈折率粒子として中空状粒子を用い、該中空状粒子の平均粒子径が70nm以上80nm以下の粒子は、強度不足とならない外殻の厚みを保持しつつ空隙率を上げて屈折率を低下させることができ、かつ反射率を低くするための、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の理想的な厚み(約100nm)とのバランスにも優れる点で好適である。
本実施の形態で用いられる低屈折率粒子は、表面処理された粒子であることが好ましい。低屈折率粒子の表面処理としては、シランカップリング剤を用いた表面処理がより好ましく、この中で、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いた表面処理を行うことが好ましい。低屈折率粒子に表面処理を施すことにより、後述するバインダー樹脂との親和性が向上し、粒子の分散が均一となり、粒子同士の凝集が生じにくくなるので、凝集由来の大粒子化による表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の透明化の低下や、層形成用組成物の塗布性、該組成物の塗膜強度の低下が抑制される。
また、シランカップリング剤が(メタ)アクリロイル基を有した場合、該シランカップリング剤は電離放射線硬化性を有するため、後述するバインダー樹脂と容易に反応するので、層形成用組成物の塗膜中において、低屈折率粒子がバインダー樹脂に良好に固定される。すなわち、低屈折率粒子がバインダー樹脂中で架橋剤としての機能を有することになる。これにより、該塗膜全体の引き締め効果が得られ、バインダー樹脂が本来有する柔軟性を残したまま、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55に優れた表面硬度を付与することが可能となる。従って、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55がそれ自体の柔軟性をいかして変形することにより、外部衝撃に対する吸収力や、復元力を有するため、傷の発生が抑制されて、耐擦傷性に優れた高い表面硬度を有する層となる。
低屈折率粒子の表面処理において好ましく用いられるシランカップリング剤としては、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を例示できる。
表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55における低屈折率粒子の含有量は、それぞれ表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55の樹脂100質量部に対して10質量部以上250質量部以下であることが好ましく、50質量部以上200質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上180質量部以下であることがさらに好ましい。低屈折率粒子の含有量が上記範囲内にあれば、良好な反射防止特性と表面硬度とが得られる。また、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55に含まれる全低屈折率粒子に占める中空粒子及び/又は多孔質粒子の割合は、それぞれ70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
層形成用塗布液に含まれる樹脂組成物としては、まず硬化性樹脂組成物が挙げられる。硬化性樹脂組成物としては、表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の説明で例示した材料と同様の材料を用いることができ、電離放射線硬化性樹脂組成物が好適である。また、樹脂組成物として、それ自体が低屈折率性を示す含フッ素ポリマーやフッ素モノマーも好ましく用いられる。含フッ素ポリマーは、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物の重合体であり、防汚性及び滑り性を付与できる点で好適である。含フッ素ポリマーは、分子中に反応性基を有して硬化性樹脂組成物として機能するポリマーであることが好ましく、電離放射線硬化性反応性基を有して電離放射線硬化性樹脂組成物として機能するポリマーであることがより好ましい。
含フッ素ポリマーとしては、低屈折率層表面の汚れをはじくだけではなく、はじいた汚れの拭取り性を付与するために、フッ素とともにケイ素を含むポリマーであることが好ましく、例えば、共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体が好ましく挙げられる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサンや、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、シリコーン成分としては、ジメチルシロキサン構造を有する成分が好ましい。
表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55は、例えば、低屈折率粒子、樹脂組成物、必要に応じて配合する紫外線吸収剤やレベリング剤等の添加剤及び希釈溶剤によって層形成用塗布液を調整し、当該塗布液を表面高屈折率層46または裏面高屈折率層56上に従来公知の塗布方法によって塗布、乾燥、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
(表面高屈折率層および裏面高屈折率層)
表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、表面低屈折率層45および裏面低屈折率層55との屈折率の差を用いて、干渉作用により表面反射防止層40および裏面反射防止層50の光の反射率を低下させる役割を果たす。表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、それぞれ、例えば、硬化性樹脂組成物及び高屈折率粒子を含む層形成用塗布液から形成できる。
表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50を超低反射率化する観点からは屈折率を高くすることが好ましいが、屈折率を高くするには多量の高屈折率粒子が必要となり、高屈折粒子の凝集を招き、白化の原因となる。このため、屈折率は1.55以上1.85以下とすることが好ましく、1.56以上1.70以下とすることがより好ましい。また、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56の厚みは、200nm以下であることが好ましく、50nm以上180nm以下であることがより好ましい。なお、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56が、それぞれ後述する2層構成からなる場合、2層の合計厚みが前記値を満たすことが好ましい。また、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、上記屈折率の範囲を満たす複数の層から形成してもよいが、費用対効果の観点から、2層以下が好ましく、単層がより好ましい。
高屈折率粒子としては、五酸化アンチモン(1.79)、酸化亜鉛(1.90)、酸化チタン(2.3以上2.7以下)、酸化セリウム(1.95)、スズドープ酸化インジウム(1.95以上2.00以下)、アンチモンドープ酸化スズ(1.75以上1.85以下)、酸化イットリウム(1.87)及び酸化ジルコニウム(2.10)等が挙げられる。なお、上記かっこ内は、各粒子の材料の屈折率を示す。これら高屈折率粒子の中では、少量の添加で上記の好適な屈折率を達成する観点から、屈折率が2.0を超える粒子が好ましい。また、五酸化アンチモン、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の導電性を有する高屈折率粒子は、プラズマ振動数が近赤外域にある自由電子を有し、該自由電子のプラズマ振動を原因として、可視光域の光も一部吸収ないしは反射され、色味を抑制しづらくなる場合がある。このため、高屈折率粒子は非導電性の粒子であることが好ましい。以上のことから、上記に例示した高屈折率粒子の中では、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好適であり、さらに耐光性等の耐久安定性が高いという観点から、酸化ジルコニウムが最適である。なお、表面反射防止層40および裏面反射防止層50に帯電防止性を付与したい場合は、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56を後述のように2層構成として、一方の層に導電性の高屈折率粒子を含有させることが好ましい。
高屈折率粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上80nm以下であることがさらに好ましい。高屈折率粒子及び後述する低屈折率粒子の一次粒子の平均粒子径は、以下の(1)~(3)の作業により算出できる。
(1)粒子そのもの、または粒子の分散液を透明基材上に塗布乾燥させた材料について、SEM、TEMまたはSTEMの表面像を撮像する。
(2)表面像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の長径及び短径を測定し、長径及び短径の平均から個々の粒子の粒子径を算出する。なお、長径は、画面上において最も長い径とし、短径は、長径を構成する線分の中点に直交する線分を引き、該直交する線分が粒子と交わる2点間の距離とする。
(3)同じサンプルの別画面の撮像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子の粒子径の数平均から得られる値を平均粒子径とする。
なお、粒子の平均粒子径を算出する際において、算出する平均粒子径がμmオーダーの場合、SEMを用いることが好ましく、算出する平均粒子径がnmオーダーの場合、TEM又はSTEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は1kV以上10kV以下、倍率は1000倍以上7000倍以下とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は10kV以上30kV以下、倍率は5万以上30万倍以下とすることが好ましい。
高屈折率粒子の含有量は、高屈折率化、色味抑制及び白化抑制のバランスの観点から、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、30質量部以上400質量部以下であることが好ましく、50質量部以上200質量部以下であることがより好ましく、80質量部以上150質量部以下であることがさらに好ましい。
表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、高屈折粒子の過度な凝集を抑制するために、分散安定化することが好ましい。分散安定化の手段としては、例えば、ベースとなる高屈折粒子に対して、該粒子よりも表面電荷量が少ない別の高屈折率粒子を添加する手段が挙げられる。該手段によれば、該別の高屈折率粒子の周りにベースとなる高屈折率粒子が適度に集まり、ベースとなる高屈折粒子が過度に凝集することを抑制できる。また、別の分散安定化の手段として、高屈折率粒子として表面処理された粒子を用いたり、層形成用塗布液中に分散剤を添加する手段が挙げられる。
表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56を形成する硬化性樹脂組成物としては、
表面ハードコート層44および裏面ハードコート層54の説明で例示した材料と同様の材料を用いることができ、電離放射線硬化性樹脂組成物が好適である。また、高屈折率粒子の添加量を過度にすることなく上述した屈折率を得るために、屈折率の高い硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。硬化性樹脂組成物の屈折率は1.54以上1.70以下程度が好ましい。
ここで、上述したように、表面高屈折率層46は、第1表面高屈折率層47と、第2表面高屈折率層48とを含んでいてもよい。この場合、第1表面高屈折率層47の屈折率は、第2表面高屈折率層48の屈折率よりも高くすることが好ましい。これにより、表面高屈折率層46と表面低屈折率層45との間の屈折率差を大きくでき、表面反射防止層40の反射率を低くできるとともに、表面高屈折率層46と表面ハードコート層44との屈折率差を小さくでき、干渉縞の発生を抑制できる。
また、上述したように、裏面高屈折率層56は、第1裏面高屈折率層57と、第2裏面高屈折率層58とを含んでいてもよい。この場合、表面高屈折率層46の場合と同様に、第1裏面高屈折率層57の屈折率は、第2裏面高屈折率層58の屈折率よりも高くすることが好ましい。これにより、裏面高屈折率層56と裏面低屈折率層55との間の屈折率差を大きくでき、裏面反射防止層50の反射率を低くできるとともに、裏面高屈折率層56と裏面ハードコート層54との屈折率差を小さくでき、干渉縞の発生を抑制できる。
また、表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56をそれぞれ2層構成とする場合、第1表面高屈折率層47および第1裏面高屈折率層57の屈折率は、それぞれ1.60以上1.85以下であることが好ましく、第2表面高屈折率層48および第2裏面高屈折率層58の屈折率は、それぞれ1.55以上1.70以下であることが好ましい。さらに、上記2層構成において、一方の層に導電性の高屈折率粒子を含有させ、他方の層に非導電性の高屈折率粒子を含有させ、かつ、[導電性高屈折率粒子を含有する層の厚み<非導電性高屈折率粒子を含有する層の厚み]とすることが好ましい。当該構成とすることにより、色味の原因となり得る導電性高屈折率粒子の添加量を抑えつつ帯電防止性を付与できる。また、導電性高屈折率粒子は、層内でネットワーク化させることにより、少ない添加量で帯電防止性を付与し、ひいては色味及び白化を抑制し得る点で好ましい。
表面高屈折率層46および裏面高屈折率層56は、高屈折率粒子、硬化性樹脂組成物、必要に応じて配合する紫外線吸収剤やレベリング剤等の添加剤及び希釈溶剤によって層形成用塗布液を調整し、当該塗布液を表面ハードコート層44または裏面ハードコート層54上に従来公知の塗布方法によって塗布、乾燥、必要に応じて電離放射線を照射して硬化することにより形成できる。
[透明接着層並びに第1透明接着層および第2透明接着層]
透明接着層31、第1透明接着層31aおよび第2透明接着層31bといった透明接着層は、表面反射防止層40、裏面反射防止層50、コア層32などを互いに接着するための層である。ここで、本明細書における「透明接着層」は、透明粘着層を含む概念である。透明接着層は、一般に粘着剤として用いられる様々な材料を用いて形成できる。例として、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、オレフィン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤を挙げることができる。透明性が高く粘着力を大きくすることのできるアクリル系粘着剤が好ましい。
上記の各粘着剤は、透明度を阻害しない範囲で各種の機能化剤や安定化剤等を含有できる。また、粘着付与剤を配合して粘着力を高めることもできる。また、それぞれの樹脂に合わせてイソシアネート、エポキシ、二重結合含有化合物などの架橋剤を用いて架橋構造とすることができる。
透明接着層は、両面を剥離フィルムでラミネートしてあるタイプの粘着剤(OCA、Optical Clear Adhesive)を用いて形成することもできる。市販品を使用することもでき、例えば、光学用透明粘着シートLUCIACSシリーズ(日東電工株式会社製)、高透明両面テープ5400Aシリーズ(積水化学工業株式会社製)、光学粘着シートOpteriaシリーズ(リンテック株式会社製)、SANCUARYシリーズ(株式会社サンエー化研製)、光学透明粘着OADシリーズ(東洋包材株式会社製)、光学用芯無両面テープRAシリーズ(株式会社スミロン製)、パナクリーンシリーズ PD-S1(パナック株式会社製)等を挙げることができる。これら粘着剤の粘着力は一般的に10N/25mm以上である。
透明接着層の厚みは、特に限定されないが、例えば、2μm以上200μm以下となっていることが好ましい。透明接着層の膜厚が2μm以上であれば、表面反射防止層40と裏面反射防止層50等とを確実に接合でき、また透明接着層の膜厚が200μm以下であれば、透明性(光透過性)を維持できる。透明接着層の膜厚の下限は、5μm以上、10μm以上、または15μm以上であることがより好ましく、上限は、150μm以下、160μm以下、または170μm以下であることがより好ましい。
透明接着層の形成方法としては、特に限定されず、粘着テープ等の製造に用いられる公知の方法を採用できる。具体的には、上記の透明接着層を形成する各成分を適当な有機溶剤または水に溶解または分散させた粘着剤組成物の塗料を、基材の表面に塗工し、乾燥および硬化する方法、上記の透明接着層を形成する各成分、二重結合含有モノマー、オリゴマー、架橋剤等を無溶剤で基材に塗工した後、放射線等で架橋する方法、押し出しラミネート方法などの任意の方法で形成できる。
OCAを用いる場合は、OCAの軽剥離側の剥離フィルムを剥がして粘着面を基材に貼り合わせるという方法で透明接着層を形成できる。
[コア層]
コア層32は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50を支持する役割を果たす。コア層32の材料としては、上述した表面透明基材層42および裏面透明基材層52の材料と同様の材料を用いることができる。
コア層32の厚みについては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択される。コア層32の厚みは、5μm以上130μm以下程度であってもよく、耐久性やハンドリング性等を考慮すると、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
上述した透明積層フィルム30は、厚みが、60μm以上500μm以下であることが好ましい。透明積層フィルム30厚みが60μm以上であることにより、装着者Hの唾液等の飛沫が他人の顔面に付着することや、他人の唾液等の飛沫が装着者Hの顔面に付着することを効果的に抑制できる。また、透明積層フィルム30の厚みが500μm以下であることにより、透明積層フィルム30の透明性を向上させることができる。
また、上述した透明積層フィルム30は、復元性機能を有していることが好ましい。これにより、透明積層フィルム30を折り曲げたり丸めたりした際に、透明積層フィルム30は、平坦な形状に復元できる。ここで、復元性機能とは、対象物(透明積層フィルム30)を一定時間屈曲させた後であっても、屈曲させられた対象物に折り目が形成されることなく、対象物が平坦な形状に復元する機能を意味する。
上述した透明積層フィルム30は、光の反射率が、1.0%以下であり、全光線透過率(JISK7361-1:1997)が90%以上であることが好ましい。これにより、透明積層フィルム30を表面301側から見た場合の視認性を更に向上させつつ、透明積層フィルム30を裏面302側から見た場合の視認性を更に向上させることができる。また、透明積層フィルム30は、全光線透過率が、92%以上であることがより好ましい。また、透明積層フィルム30は、ヘイズ(JISK7136:2000)が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
上述した透明積層フィルム30は、波長380nm以下の紫外域の透過率が、1%以下であることが好ましい。これにより、フェイスシールド10を装着した装着者Hが、直射日光を浴びる環境化で作業した場合であっても、装着者Hが日焼けをしてしまうことを抑制できる。
上記した透明積層フィルム30は、曲げ応力が6N/20mm以下であることが好ましい。これにより、透明積層フィルム30の柔軟性を向上させることができる。このため、透明積層フィルム30では、透明積層フィルム30から作製されたシールド部30Aを折り曲げた際に、シールド部30Aに折り目や傷等が生じてしまうことを抑制できる。
上述した透明積層フィルム30において、表面301および裏面302の算術平均粗さRa(JISB0601:1994)は、それぞれ10nm以下であることが好ましく、1nm以上8nm以下であることがより好ましい。また、表面301および裏面302の十点平均粗さRz(JISB0601:1994)は、160nm以下であることが好ましく、50nm以上155nm以下であることがより好ましい。Ra、Rzが上記範囲であれば、平滑性を有し、耐擦傷性が向上する。
透明積層フィルムおよびフェイスシールドの製造方法
次に、本実施の形態による透明積層フィルムおよびフェイスシールドの製造方法について説明する。ここでは、まず、透明積層フィルム30の製造方法について説明する。
まず、表面反射防止層40を作製する。この際、例えば、まず、表面透明基材層42を構成する樹脂フィルムを準備する。次に、樹脂フィルム上に、ハードコート層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、表面ハードコート層44を形成する。次いで、この表面ハードコート層44上に、高屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、表面高屈折率層46を形成する。次いで、この表面高屈折率層46上に、低屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、表面低屈折率層45を形成する。このようにして、表面反射防止層40を得ることができる。
また、裏面反射防止層50を作製する。この際、例えば、まず、裏面透明基材層52を構成する樹脂フィルムを準備する。次に、樹脂フィルム上に、ハードコート層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、裏面ハードコート層54を形成する。次いで、この裏面ハードコート層54上に、高屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、裏面高屈折率層56を形成する。次いで、この裏面高屈折率層56上に、低屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、裏面低屈折率層55を形成する。このようにして、裏面反射防止層50を得ることができる。
そして、表面反射防止層40および裏面反射防止層50を、透明接着層31を介して互いに接着させて透明積層フィルム30を作製する。このようにして、透明積層フィルム30を作製できる。
次に、得られた透明積層フィルム30の表面301に表面保護フィルム61を取り付けるとともに、裏面302に裏面保護フィルム62を取り付ける。この際、表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、それぞれ図示しない接合層を含み、この接合層により、透明積層フィルム30に取り付けられていてもよい。このようにして、保護フィルム付き透明積層フィルム60を作製できる。なお、表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62は、表面反射防止層40および裏面反射防止層50が透明接着層31を介して互いに接合される前に、表面反射防止層40および裏面反射防止層50にそれぞれ別個に取りつけられてもよい。
次いで、フェイスシールド10を作製する。
この際、まず、保護フィルム付き透明積層フィルム60を所定の形状に加工する。この場合、保護フィルム付き透明積層フィルム60は、ビク型を用いる打ち抜き加工、ドリルを用いる切削加工、またはレーザーを用いるレーザー加工によって、加工されてもよい。なお、加工速度や生産性の観点からは、保護フィルム付き透明積層フィルム60は、打ち抜き加工によって加工されることが好ましい。
次に、所定の形状に加工された保護フィルム付き透明積層フィルム60から、表面保護フィルム61および裏面保護フィルム62を取り外す。これにより、所定の形状に加工された透明積層フィルム30が得られる(図4参照)。
その後、第1係合部75aを第1係止部76aに係止し、かつ、第2係合部75bを第2係止部76bに係止する。これにより、透明積層フィルム30に、第1湾曲面77a、第2湾曲面77bおよび第3湾曲面77cが形成される。このようにして、シールド部30Aが組み立てられる。
また、透明積層フィルム30を作製することと並行して、保持部材20を作製する。この際、例えば、アルミニウム製の棒状部材に対して曲げ加工を施すことにより、図1に示す保持部材20を作製する。
次いで、保持部材20の取付部25を、透明積層フィルム30に形成された開口部80に挿入する。これにより、図1に示すフェイスシールド10が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30の下辺72に、複数の第1切り込み部74aが形成されている。また、第1切り込み部74aの一側に第1係合部75aが形成され、第1切り込み部74aの他側に第1係合部75aを係止する第1係止部76aが形成されている。そして、第1係合部75aを第1係止部76aに係止することにより、下辺72の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面77aが形成されている。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1湾曲面77aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
また、第1湾曲面77aが装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲していることにより、第1湾曲面77aが形成された領域は、当該領域に衝撃が加えられた場合に、弾性変形しやすくなっている。このため、フェイスシールド10を落下させてしまった場合であっても、第1湾曲面77aが形成された領域が弾性変形することによって、当該領域が落下の衝撃を吸収できる。このため、フェイスシールド10が損傷を受けることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、透明積層フィルム30の上辺71に、複数の第2切り込み部74bが形成されている。また、第2切り込み部74bの一側に第2係合部75bが形成され、第2切り込み部74bの他側に第2係合部75bを係止する第2係止部76bが形成されている。そして、第2係合部75bを第2係止部76bに係止することにより、上辺71の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面77bが形成されている。これにより、上方に飛散した飛沫は、第2湾曲面77bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。また、上辺71の近傍に第2湾曲面77bが形成されることにより、第2湾曲面77bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部(上方)から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できる。
また、本実施の形態によれば、第1係合部75aを第1係止部76aに係止し、かつ、第2係合部75bを第2係止部76bに係止することにより、第1湾曲面77aと第2湾曲面77bとの間に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面77cが形成されている。これにより、装着者Hに対面する方向および装着者Hから見た左右方向に飛散した飛沫は、第3湾曲面77cに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、第3湾曲面77cが、垂直断面において、直線形状をもっている。これにより、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できる。このため、装着者Hが頭部を動かした場合等に、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30が、周囲の構造物や他人に接触してしまうことを抑制できる。また、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できるため、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であっても、装着者Hがストレスを感じることなく作業に集中できる。
また、本実施の形態によれば、保持部材20が、透明積層フィルム30を保持するための一対の取付部25を含み、透明積層フィルム30の一対の側辺73の近傍に、それぞれ取付部25が挿入される開口部80が形成されている。この場合、取付部25を開口部80に挿入することにより、保持部材20が、透明積層フィルム30を容易に保持できる。
さらに、本実施の形態によれば、保持部材20が、透明積層フィルム30を上下方向に移動可能に保持する。これにより、シールド部30Aが、周囲の構造物に接触した場合であっても、シールド部30Aが保持部材20に対して移動することにより、フェイスシールド10から装着者Hに衝撃が加えられてしまうことや、フェイスシールド10が装着者Hから外れてしまうことを抑制できる。
なお、上述した実施の形態において、透明積層フィルム30に第2湾曲面77bおよび第3湾曲面77cが形成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、透明積層フィルム30に第2湾曲面77bおよび第3湾曲面77cが形成されていなくてもよい。
また、上述した実施の形態において、テンプル部21および連結部23が、一体に成形されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図10に示すように、連結部23が、テンプル部21とは別体に設けられていてもよい。そして、連結部23が、水平方向に対するテンプル部21の傾きを調整してもよい。
この場合、図11に示すように、連結部23は、略円弧状に延びる本体部23aと、本体部23aの両端に設けられた係合部23bとを含んでいてもよい。このうち係合部23bには、それぞれ貫通孔23cが形成されていてもよい。そして、貫通孔23cにテンプル部21が挿入されることにより、連結部23がテンプル部21に取り付けられるように構成されていてもよい。この場合、例えば、テンプル部21に対する連結部23の位置を調整することにより、連結部23の重量によって、水平方向に対するテンプル部21の傾きを調整できる。なお、貫通孔23cの形状は、正面視において、円形状であってもよく、四角形状等の多角形状であることが好ましい。貫通孔23cの形状が、正面視において多角形状であることにより、連結部23がテンプル部21を安定して保持でき、水平方向に対するテンプル部21の傾きを所望の傾きに保つことができる。この場合、テンプル部21の長手方向に直行する方向に沿った断面において、テンプル部21の断面形状は、四角形状等の多角形状であることが好ましい。
本変形例によれば、連結部23が、テンプル部21とは別体に設けられており、水平方向に対するテンプル部21の傾きを調整する。これにより、シールド部30Aが装着者Hの顔面Fに接触してしまうことを抑制できる。また、連結部23がテンプル部21と別体に設けられている場合、装着者Hの頭部の大きさに合わせて、連結部23の大きさを変更することもできる。そして、連結部23の大きさ適宜変更することにより、装着者Hの頭部が、一対のテンプル部21によって締め付けられてしまうことを抑制できる。これにより、装着者Hが不快感を覚えることを抑制でき、装着者Hがストレスを感じることなくフェイスシールド10を装着できる。
第2の実施の形態
次に、図12乃至図17を参照して第2の実施の形態について説明する。図12乃至図17に示す第2の実施の形態は、主として、シールド部(透明積層フィルム)の構成が第1の実施の形態と異なるものである。図12乃至図17において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図12乃至図17に示すように、本実施の形態においても、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30は、上辺71と、上辺71に対向する下辺72と、上辺71と下辺72との間に延びる一対の側辺73とを有する矩形状(図17参照)をもっている。
図13乃至図17に示すように、下辺72の近傍に、下辺72の延在方向(図17の左右方向)に沿って配置された第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aが設けられている。また、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aよりも上辺71側に、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aを固定する下部固定パネル95aが設けられている。
第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aは、それぞれ、正面視において、長方形の1つの角部を切り欠いた五角形状をもっている。具体的には、第1下部パネル91aは、正面視において、長方形の右上の角部を切り欠いた五角形状をもっている。一方、第2下部パネル92aは、正面視において、長方形の左上の角部を切り欠いた五角形状をもっている。第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aは、後述する第1下部切り込み部101aに対して対称になっている。下部固定パネル95aは、正面視において、三角形状をもっている。
第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aは、透明積層フィルム30を貫通する第1下部切り込み部101aによって互いに分離されている。この第1下部切り込み部101aは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。
第1下部パネル91aおよび下部固定パネル95aは、透明積層フィルム30を貫通する第2下部切り込み部102aによって互いに分離されている。また、第2下部パネル92aおよび下部固定パネル95aは、透明積層フィルム30を貫通する第3下部切り込み部103aによって互いに分離されている。この第2下部切り込み部102aおよび第3下部切り込み部103aは、それぞれ、下辺72の延在方向(図17の左右方向)および側辺73の延在方向(図17の上下方向)の両方向に傾斜する方向に沿って形成されている。第3下部切り込み部103aおよび第4下部切り込み部104aは、互いに連結されているとともに、それぞれ第1下部切り込み部101aに連結されている。
そして、第1下部パネル91aと第2下部パネル92aとを互いに重ね合わせた状態で、下部固定パネル95aに固定することにより、下辺72の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面96a(図12、図13、図14および図16参照)が形成されるようになっている。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1下部湾曲面96aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。
また、第1下部湾曲面96aが装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲していることにより、第1下部湾曲面96aが形成された領域は、当該領域に衝撃が加えられた場合に、弾性変形しやすくなっている。このため、フェイスシールド10を落下させてしまった場合であっても、第1下部湾曲面96aが形成された領域が弾性変形することによって、当該領域が落下の衝撃を吸収できる。このため、フェイスシールド10が損傷を受けることを抑制できるようになっている。
この第1下部湾曲面96aは、三次元曲面であってもよい。例えば、第1下部湾曲面96aは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
また、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aよりも下辺72側(外側)に、下辺72の延在方向(図17の左右方向)に沿って配置された第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aが設けられている。なお、本明細書中、「外側」とは、透明積層フィルム30の中心から離れる側をいう。
第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aは、それぞれ、正面視において、L字形状をもっている。第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aは、後述する第4下部切り込み部104aに対して対称になっている。
第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aは、透明積層フィルム30を貫通する第4下部切り込み部104aによって互いに分離されている。この第4下部切り込み部104aは、下辺72から延びている。また、第4下部切り込み部104aは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第4下部切り込み部104aは、第1下部切り込み部101aに連結されている。
第1下部パネル91aおよび第3下部パネル93aは、透明積層フィルム30を貫通する第5下部切り込み部105aによって互いに分離されている。また、第2下部パネル92aおよび第4下部パネル94aは、透明積層フィルム30を貫通する第6下部切り込み部106aによって互いに分離されている。この第5下部切り込み部105aおよび第6下部切り込み部106aは、それぞれ、下辺72の延在方向(図17の左右方向)に沿って形成されている。第5下部切り込み部105aおよび第6下部切り込み部106aは、互いに連結されているとともに、それぞれ第1下部切り込み部101aおよび第4下部切り込み部104aに連結されている。
また、第1下部パネル91aおよび第3下部パネル93aは、透明積層フィルム30を貫通する第7下部切り込み部107aによって互いに分離されている。この第7下部切り込み部107aは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第7下部切り込み部107aは、第5下部切り込み部105aに連結されている。
さらに、第2下部パネル92aおよび第4下部パネル94aは、透明積層フィルム30を貫通する第8下部切り込み部108aによって互いに分離されている。この第8下部切り込み部108aは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第8下部切り込み部108aは、第6下部切り込み部106aに連結されている。
そして、第3下部パネル93aと第4下部パネル94aとを互いに重ね合わせた状態で、下部固定パネル95aに固定することにより、第1下部湾曲面96aの外側に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面97aが形成されるようになっている。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1下部湾曲面96aおよび第2下部湾曲面97aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを更に効果的に抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを更に効果的に抑制できるようになっている。
この第2下部湾曲面97aは、三次元曲面であってもよい。例えば、第2下部湾曲面97aは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
なお、本実施の形態においては、第1下部パネル91a、第2下部パネル92a、第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aは、固定部材100aを介して、下部固定パネル95aに固定されていてもよい。この場合、固定部材100aは、例えば、ホッチキスの針であってもよい。また、固定部材100aは、接着剤、テープまたはクリップ等であってもよい。
また、図13乃至図17に示すように、上辺71の近傍に、上辺71の延在方向(図17の左右方向)に沿って配置された第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bが設けられている。また、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bよりも下辺72側に、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bを固定する上部固定パネル95bが設けられている。
第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bは、それぞれ、正面視において、長方形の1つの角部を切り欠いた五角形状をもっている。具体的には、第1上部パネル91bは、正面視において、長方形の右下の角部を切り欠いた五角形状をもっている。一方、第2上部パネル92bは、正面視において、長方形の左下の角部を切り欠いた五角形状をもっている。第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bは、後述する第1上部切り込み部101bに対して対称になっている。上部固定パネル95bは、正面視において、三角形状をもっている。
第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bは、透明積層フィルム30を貫通する第1上部切り込み部101bによって互いに分離されている。この第1上部切り込み部101bは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。
第1上部パネル91bおよび上部固定パネル95bは、透明積層フィルム30を貫通する第2上部切り込み部102bによって互いに分離されている。また、第2上部パネル92bおよび上部固定パネル95bは、透明積層フィルム30を貫通する第3上部切り込み部103bによって互いに分離されている。この第2上部切り込み部102bおよび第3上部切り込み部103bは、それぞれ、上辺71の延在方向(図17の左右方向)および側辺73の延在方向(図17の上下方向)の両方向に傾斜する方向に沿って形成されている。第3上部切り込み部103bおよび第4上部切り込み部104bは、互いに連結されているとともに、それぞれ第1上部切り込み部101bに連結されている。
そして、第1上部パネル91bと第2上部パネル92bとを互いに重ね合わせた状態で、上部固定パネル95bに固定することにより、上辺71の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面96b(図12、図13、図15および図16参照)が形成されるようになっている。これにより、上方に飛散した飛沫は、第1上部湾曲面96bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。また、上辺71の近傍に第1上部湾曲面96bが形成されることにより、第1上部湾曲面96bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できるようになっている。
この第1上部湾曲面96bは、三次元曲面であってもよい。例えば、第1上部湾曲面96bは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
また、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bよりも上辺71側(外側)に、上辺71の延在方向(図17の左右方向)に沿って配置された第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bが設けられている。
第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bは、それぞれ、正面視において、L字形状をもっている。第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bは、後述する第4上部切り込み部104bに対して対称になっている。
第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bは、透明積層フィルム30を貫通する第4上部切り込み部104bによって互いに分離されている。この第4上部切り込み部104bは、上辺71から延びている。また、第4上部切り込み部104bは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第4上部切り込み部104bは、第1上部切り込み部101bに連結されている。
第1上部パネル91bおよび第3上部パネル93bは、透明積層フィルム30を貫通する第5上部切り込み部105bによって互いに分離されている。また、第2上部パネル92bおよび第4上部パネル94bは、透明積層フィルム30を貫通する第6上部切り込み部106bによって互いに分離されている。この第5上部切り込み部105bおよび第6上部切り込み部106bは、それぞれ、上辺71の延在方向(図17の左右方向)に沿って形成されている。第5上部切り込み部105bおよび第6上部切り込み部106bは、互いに連結されているとともに、それぞれ第1上部切り込み部101bおよび第4上部切り込み部104bに連結されている。
また、第1上部パネル91bおよび第3上部パネル93bは、透明積層フィルム30を貫通する第7上部切り込み部107bによって互いに分離されている。この第7上部切り込み部107bは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第7上部切り込み部107bは、第5上部切り込み部105bに連結されている。
さらに、第2上部パネル92bおよび第4上部パネル94bは、透明積層フィルム30を貫通する第8上部切り込み部108bによって互いに分離されている。この第8上部切り込み部108bは、側辺73の延在方向(図17の上下方向)に沿って形成されている。第8上部切り込み部108bは、第6上部切り込み部106bに連結されている。
そして、第3上部パネル93bと第4上部パネル94bとを互いに重ね合わせた状態で、上部固定パネル95bに固定することにより、第1上部湾曲面96bの外側に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面97bが形成されるようになっている。これにより、上方に飛散した飛沫は、第1上部湾曲面96bおよび第2上部湾曲面97bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。また、上辺71の近傍に第2上部湾曲面97bが形成されることにより、第2上部湾曲面97bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できるようになっている。
この第2上部湾曲面97bは、三次元曲面であってもよい。例えば、第2上部湾曲面97bは、任意の位置において、その垂直断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように全体的に曲がっていてもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
第1下部パネル91aと第2下部パネル92aとを下部固定パネル95aに固定し、かつ、第1上部パネル91bと第2上部パネル92bとを上部固定パネル95bに固定することにより、第1下部湾曲面96aと第1上部湾曲面96bとの間に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面98が形成されるようになっている。これにより、装着者に対面する方向および装着者から見た左右方向に飛散した飛沫は、中間部湾曲面98に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できるようになっている。
図16に示すように、中間部湾曲面98は、垂直断面において、直線形状をもっている。これにより、フェイスシールド10のサイズ(とりわけ前後方向のサイズ)が大きくなり過ぎることを抑制できる。このため、装着者Hが頭部を動かした場合等に、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30が、周囲の構造物や他人に接触してしまうことを抑制できる。また、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できるため、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であっても、装着者Hがストレスを感じることなく作業に集中できる。
中間部湾曲面98は、二次元曲面であってもよい。例えば、中間部湾曲面98は、任意の位置において、その垂直断面形状が、直線形状であってもよく、任意の位置において、その水平断面形状が、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように曲がっていてもよい。
なお、本実施の形態においては、第1上部パネル91b、第2上部パネル92b、第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bは、固定部材100bを介して、上部固定パネル95bに固定されていてもよい。この場合、固定部材100bは、例えば、ホッチキスの針であってもよい。また、固定部材100bは、接着剤、テープまたはクリップ等であってもよい。
また、本実施の形態では、「正面視」とは、一対のテンプル部21のうち、耳掛け部22よりも前方に位置する部分が水平となるように、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であって、第2突出部27が後述する第2開口部82の上端に当接した状態(図13に示す状態)において、中間部湾曲面98の法線方向のうち、中間部湾曲面98の水平方向中央部99(図13参照)における法線方向からフェイスシールド10を見ることを意味する。
また、本実施の形態においても、例えば、第1突出部26が挿入される第1開口部81を変更することにより、シールド部30Aの前後の位置を調整できるようになっている。
さらに、本実施の形態では、開口部80は、中間部湾曲面98が形成される領域に形成されている。そして、上述したように、中間部湾曲面98は、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲している。このため、一対の取付部25を透明積層フィルム30の裏面(装着者H側の面)側から開口部80に挿入することにより、上述した保持部材20が、透明積層フィルム30を容易に保持できるようになっている。
以上のように本実施の形態によれば、下辺72の近傍に、下辺72の延在方向に沿って配置された第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aが設けられている。また、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aよりも上辺71側に、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aを固定する下部固定パネル95aが設けられている。また、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aが、透明積層フィルム30を貫通する第1下部切り込み部101aによって互いに分離されている。また、第1下部パネル91aおよび下部固定パネル95aが、透明積層フィルム30を貫通する第2下部切り込み部102aによって互いに分離されている。さらに、第2下部パネル92aおよび下部固定パネル95aが、透明積層フィルム30を貫通する第3下部切り込み部103aによって互いに分離されている。そして、第1下部パネル91aと第2下部パネル92aとを互いに重ね合わせた状態で、下部固定パネル95aに固定することにより、下辺72の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面96aが形成される。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1下部湾曲面96aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
また、第1下部湾曲面96aが装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲していることにより、第1下部湾曲面96aが形成された領域は、当該領域に衝撃が加えられた場合に、弾性変形しやすくなっている。このため、フェイスシールド10を落下させてしまった場合であっても、第1下部湾曲面96aが形成された領域が弾性変形することによって、当該領域が落下の衝撃を吸収できる。このため、フェイスシールド10が損傷を受けることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、第1下部パネル91aおよび第2下部パネル92aよりも下辺72側に、下辺72の延在方向に沿って配置された第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aが設けられている。また、第3下部パネル93aおよび第4下部パネル94aは、透明積層フィルム30を貫通する第4下部切り込み部104aによって互いに分離されている。また、第1下部パネル91aおよび第3下部パネル93aは、透明積層フィルム30を貫通する第5下部切り込み部105aによって互いに分離されている。さらに、第2下部パネル92aおよび第4下部パネル94aは、透明積層フィルム30を貫通する第6下部切り込み部106aによって互いに分離されている。そして、第3下部パネル93aと第4下部パネル94aとを互いに重ね合わせた状態で、下部固定パネル95aに固定することにより、第1下部湾曲面96aの外側に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面97aが形成される。これにより、下方に飛散した飛沫は、第1下部湾曲面96aおよび第2下部湾曲面97aに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことをより効果的に抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することをより効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、第4下部切り込み部104aは、下辺72から延びている。これにより、第3下部パネル93aと第4下部パネル94aとによって形成される第2下部湾曲面97aの曲率を大きくできる。このため、第2下部湾曲面97aが、装着者Hの顎を下方から覆いやすくなる。この結果、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを更に効果的に抑制できる。このため、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを更に効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、上辺71の近傍に、上辺71の延在方向に沿って配置された第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bが設けられている。また、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bよりも下辺72側に、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bを固定する上部固定パネル95bが設けられている。また、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bが、透明積層フィルム30を貫通する第1上部切り込み部101bによって互いに分離されている。また、第1上部パネル91bおよび上部固定パネル95bが、透明積層フィルム30を貫通する第2上部切り込み部102bによって互いに分離されている。さらに、第2上部パネル92bおよび上部固定パネル95bが、透明積層フィルム30を貫通する第3上部切り込み部103bによって互いに分離されている。そして、第1上部パネル91bと第2上部パネル92bとを互いに重ね合わせた状態で、上部固定パネル95bに固定することにより、上辺71の近傍に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面96bが形成される。これにより、上方に飛散した飛沫は、第1上部湾曲面96bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。また、上辺71の近傍に第1上部湾曲面96bが形成されることにより、第1上部湾曲面96bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できる。
また、本実施の形態によれば、第1上部パネル91bおよび第2上部パネル92bよりも上辺71側に、上辺71の延在方向に沿って配置された第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bが設けられている。また、第3上部パネル93bおよび第4上部パネル94bは、透明積層フィルム30を貫通する第4上部切り込み部104bによって互いに分離されている。また、第1上部パネル91bおよび第3上部パネル93bは、透明積層フィルム30を貫通する第5上部切り込み部105bによって互いに分離されている。さらに、第2上部パネル92bおよび第4上部パネル94bは、透明積層フィルム30を貫通する第6上部切り込み部106bによって互いに分離されている。そして、第3上部パネル93bと第4上部パネル94bとを互いに重ね合わせた状態で、上部固定パネル95bに固定することにより、第1上部湾曲面96bの外側に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面97bが形成される。これにより、上方に飛散した飛沫は、第1上部湾曲面96bおよび第2上部湾曲面97bに付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことをより効果的に抑制できる。この結果、上方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することをより効果的に抑制できるようになっている。また、上辺71の近傍に第2上部湾曲面97bが形成されることにより、第2上部湾曲面97bによって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できる。
また、本実施の形態によれば、第4上部切り込み部104bは、上辺71から延びている。これにより、第3上部パネル93bと第4上部パネル94bとによって形成される第2上部湾曲面97bの曲率を大きくできる。このため、第2上部湾曲面97bが、装着者Hの頭部を上方から覆いやすくなる。この結果、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを更に効果的に抑制できる。このため、上方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを更に効果的に抑制できるようになっている。また、外部から飛散する飛沫から装着者Hを更に効果的に保護できる。
また、本実施の形態によれば、第1下部パネル91aと第2下部パネル92aとを下部固定パネル95aに固定し、かつ、第1上部パネル91bと第2上部パネル92bとを上部固定パネル95bに固定することにより、第1下部湾曲面96aと第1上部湾曲面96bとの間に、装着者Hから遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面98が形成される。これにより、装着者Hに対面する方向および装着者Hから見た左右方向に飛散した飛沫は、中間部湾曲面98に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、中間部湾曲面98が、垂直断面において、直線形状をもっている。これにより、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できる。このため、装着者Hが頭部を動かした場合等に、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30が、周囲の構造物や他人に接触してしまうことを抑制できる。また、フェイスシールド10のサイズが大きくなり過ぎることを抑制できるため、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であっても、装着者Hがストレスを感じることなく作業に集中できる。
第3の実施の形態
次に、図18乃至図23を参照して第3の実施の形態について説明する。図18乃至図23に示す第3の実施の形態は、主として、シールド部(透明積層フィルム)の構成が第2の実施の形態と異なるものである。図18乃至図23において、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図18乃至図23に示すように、本実施の形態においても、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30は、上辺71と、上辺71に対向する下辺72と、上辺71と下辺72との間に延びる一対の側辺73とを有する矩形状(図23参照)をもっている。
図19乃至図23に示すように、シールド部30A(透明積層フィルム30)に、上辺71から延びる一対の第1山折り部121bと、上辺71から延びるとともに、一対の第1山折り部121b間に設けられた一対の第1谷折り部122bとが形成されている。
また、シールド部30A(透明積層フィルム30)に、下辺72から延びる一対の第2山折り部121aと、下辺72から延びるとともに、一対の第2山折り部121a間に設けられた一対の第2谷折り部122aとが形成されている。
一対の第1山折り部121bおよび一対の第2山折り部121aは、それぞれ側辺73の延在方向(図23の上下方向)に沿って延びている。また、一対の第1谷折り部122bは、上辺71側から下辺72側に向かうにつれて互いに離間するように、側辺73の延在方向に傾斜する方向に沿って延びている。さらに、一対の第2谷折り部122aは、下辺72側から上辺71側に向かうにつれて互いに離間するように、側辺73の延在方向に傾斜する方向に沿って延びている。
そして、透明積層フィルム30を、一対の第1山折り部121bおよび一対の第1谷折り部122bに沿って折り畳むことにより、前面150と、前面150の上方に設けられ、前面150から後方に折り畳まれた上面151とが形成されていてもよい(図18、図19、図21および図22参照)。これにより、上方に飛散した飛沫は、上面151に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。また、上面151が形成されることにより、上面151によって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部(上方)から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できる。
また、透明積層フィルム30を、一対の第2山折り部121aおよび一対の第2谷折り部122aに沿って折り畳むことにより、前面150と、前面150の下方に設けられ、前面150から後方に折り畳まれた下面152とが形成されていてもよい(図18、図19、図20および図22参照)。これにより、下方に飛散した飛沫は、下面152に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
さらに、透明積層フィルム30を、一対の第1山折り部121bおよび一対の第1谷折り部122bに沿って折り畳むとともに、一対の第2山折り部121aおよび一対の第2谷折り部122aに沿って折り畳むことにより、前面150の側方に、前面150から後方に広がる側面153が形成されている。これにより、装着者Hに対面する方向および装着者Hから見た左右方向に飛散した飛沫は、側面153に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
本実施の形態では、前面150は、正面視において、矩形状をもっている。また、前面150は、平坦面であってもよい。
上面151および下面152は、側面視において、それぞれ前面150に直交するように折り畳まれている。上面151および下面152は、それぞれ平坦面であってもよい。
側面153は、前面150、上面151および下面152に連結されている。側面153のうち、上面151および下面152の近傍の部分は、三次元曲面であってもよく、他の部分は、二次元曲面であってもよい。
なお、本実施の形態においては、透明積層フィルム30は、一対の第1山折り部121b等に沿って折り畳まれた際に、例えば固定部材(図示せず)によって固定されてもよい。なお、固定部材は、例えば、ホッチキスの針、接着剤、テープまたはクリップ等であってもよい。
また、本実施の形態では、「正面視」とは、一対のテンプル部21のうち、耳掛け部22よりも前方に位置する部分が水平となるように、装着者Hがフェイスシールド10を装着した状態であって、第2突出部27が後述する第2開口部82の上端に当接した状態において、前面150の法線方向のうち、前面150の中央部150a(図19参照)における法線方向からフェイスシールド10を見ることを意味する。
また、本実施の形態においても、例えば、第1突出部26が挿入される第1開口部81を変更することにより、シールド部30A(透明積層フィルム30)の前後の位置を調整できるようになっている。
さらに、本実施の形態では、開口部80は、側面153が形成される領域に形成されている。そして、上述したように、側面153は、前面150から後方に広がっている。このため、一対の取付部25を透明積層フィルム30の裏面(装着者H側の面)側から開口部80に挿入することにより、上述した保持部材20が、透明積層フィルム30を容易に保持できるようになっている。
以上のように本実施の形態によれば、透明積層フィルム30に、上辺71から延びる一対の第1山折り部121bと、上辺71から延びるとともに、一対の第1山折り部121b間に設けられた一対の第1谷折り部122bとが形成されている。また、一対の第1山折り部121bは、側辺73の延在方向に沿って延びている。さらに、一対の第1谷折り部122bは、上辺71側から下辺72側に向かうにつれて互いに離間するように、側辺73の延在方向に傾斜する方向に沿って延びている。そして、透明積層フィルム30を、一対の第1山折り部121bおよび一対の第1谷折り部122bに沿って折り畳むことにより、前面150と、前面150の上方に設けられ、前面150から後方に折り畳まれた上面151とが形成されている。これにより、上方に飛散した飛沫は、上面151に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の上方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。また、上面151が形成されることにより、上面151によって装着者Hの頭部を覆うこともでき、外部(上方)から飛散する飛沫から装着者Hを効果的に保護できる。
また、本実施の形態によれば、透明積層フィルム30に、下辺72から延びる一対の第2山折り部121aと、下辺72から延びるとともに、一対の第2山折り部121a間に設けられた一対の第2谷折り部122aとが形成されている。また、一対の第2山折り部121aは、側辺73の延在方向に沿って延びている。さらに、一対の第2谷折り部122aは、下辺72側から上辺71側に向かうにつれて互いに離間するように、側辺73の延在方向に傾斜する方向に沿って延びている。そして、透明積層フィルム30を、一対の第2山折り部121aおよび一対の第2谷折り部122aに沿って折り畳むことにより、前面150と、前面150の下方に設けられ、前面150から後方に折り畳まれた下面152とが形成されている。これにより、下方に飛散した飛沫は、下面152に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10よりも下方に落下してしまうことを抑制できる。この結果、下方に飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、透明積層フィルム30を、一対の第1山折り部121bおよび一対の第1谷折り部122bに沿って折り畳むとともに、一対の第2山折り部121aおよび一対の第2谷折り部122aに沿って折り畳むことにより、前面150の側方に、前面150から後方に広がる側面153が形成されている。これにより、装着者Hに対面する方向および装着者Hから見た左右方向に飛散した飛沫は、側面153に付着する。このため、飛沫が、フェイスシールド10の側方から、周囲に飛散してしまうことを抑制できる。この結果、飛散した飛沫が周囲の構造物に付着することを抑制できる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、図9Aに示す透明積層フィルム30を作製した。この際、まず、表面反射防止層40を作製した。表面反射防止層40を作製する際、まず、表面透明基材層42として、厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム(屈折率1.49)を準備した。次に、トリアセチルセルロースフィルム上に、下記処方のハードコート層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み10μm、屈折率1・54、鉛筆硬度2Hの表面ハードコート層44を形成した。次いで、この表面ハードコート層44上に、下記処方の高屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み150nm、屈折率1.63の表面高屈折率層46を形成した。次いで、この表面高屈折率層46上に、下記処方の低屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み100nm、屈折率1.30の表面低屈折率層45を形成し、表面反射防止層40を得た。
<ハードコート層形成用塗布液の調製>
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン)を1.6質量部、希釈溶剤(メチルイソブチルケトン/シクロヘキサノン=8/2)を58.3質量部入れ、溶け残りがなくなるまで撹拌した。ここに光硬化樹脂(荒川化学社製、ビームセット577)を20質量部、及び高屈折率樹脂(DIC株式会社製、ポリライトRX-4800)を20質量部入れ撹拌し、溶け残りがなくなるまで撹拌した。最後にレベリング剤(大日精化工業社製、セイカビーム10-28(MB))を0.1質量部入れ撹拌し、ハードコート層形成用塗布液を調製した。
<高屈折率層形成用塗布液の調製>
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127)0.1質量部、希釈溶剤(メチルイソブチルケトン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン=4/2/4)を92.6質量部入れ、溶け残りがなくなるまで撹拌した。ここに光硬化樹脂(荒川化学社製、ビームセット577)を1.25質量部入れ、溶け残りがなくなるまで撹拌した。さらに酸化ジルコニウム(住友大阪セメント社製、MZ-230X、固形分32.5質量%、平均一次粒子径15~50nm)を6質量部、レベリング剤(大日精化工業社製、セイカビーム10-28(MB))0.05質量部をそれぞれ入れ撹拌し、高屈折率層形成用塗布液を調製した。
<低屈折率層形成用塗布液の調製>
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア127)0.2質量部、希釈溶剤(MIBK/AN=7/3)を91.1質量部入れ、溶け残りがなくなるまで撹拌した。ここに光硬化樹脂(日本化薬社製、KAYARAD-PET-30)1.0質量部、中空シリカ粒子(固形分20質量%、平均一次粒子径60nm)7.6質量部、レベリング剤(大日精化工業社製、セイカビーム10-28(MB))0.1質量部をそれぞれ入れ撹拌し、低屈折率層形成用塗布液を調製した。
次に、裏面反射防止層50を作製した。裏面反射防止層50を作製する際、まず、裏面透明基材層52として、厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム(屈折率1.49)を準備した。次に、トリアセチルセルロースフィルム上に、上記処方のハードコート層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み10μm、屈折率1・54、鉛筆硬度2Hの裏面ハードコート層54を形成した。次いで、この裏面ハードコート層54上に、上記処方の高屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み150nm、屈折率1.63の裏面高屈折率層56を形成した。次いで、この裏面高屈折率層56上に、上記処方の低屈折率層形成用塗布液を塗布、乾燥及び紫外線照射し、厚み100nm、屈折率1.30の裏面低屈折率層55を形成し、裏面反射防止層50を得た。
次に、表面反射防止層40および裏面反射防止層50を、透明接着層(パナック株式会社製、パナクリーンシリーズ PD-S1、厚み25μm)を介して互いに接着させて透明積層フィルム30を作製した。得られた透明積層フィルム30の層構成は、以下の通りである。
低屈/高屈/ハードコート/TAC/粘/TAC/ハードコート/高屈/低屈
上記において、「低屈」は、表面低屈折率層または裏面低屈折率層を意味している(以下同様)。また、「高屈」は、表面高屈折率層または裏面高屈折率層を意味している(以下同様)。また、「ハードコート」は、表面ハードコート層または裏面ハードコート層を意味している(以下同様)。また、「TAC」は、トリアセチルセルロースフィルムを意味している(以下同様)。さらに、「粘」は透明接着層を意味している。
(1)反射率測定試験
次に、透明積層フィルム30に対して反射率測定試験を実施した。
この際、まず、得られた透明積層フィルム30から、20mm×20mmサイズのサンプルを切り出した。次に、サンプルの裏面に黒色の樹脂板を密着させた。次いで、サンプルの表面に対して、入射角が5°となるように光を照射した。このとき、光の波長を550nmとして、サンプルの表面に対して光を照射した。そして、分光光度計(日本分光株式会社社製、V-7100)を用いて、光の反射スペクトルを測定し、光の反射率を算出した。
(2)視認性評価試験
また、フェイスシールド10の視認性評価試験を実施した。
この際、まず、得られた透明積層フィルム30を用いて、図12に示すフェイスシールド10を作製した。次に、22歳以上の男女から、実験者を無作為に5名選出した。そして、フェイスシールド10を装着した実験者5名の表情の視認性を確認した。この際、蛍光灯により照明された一般的な室内環境下において、実験者から1m~2m程度離間した距離から、実験者の表情を観察した。また、観察者は、実験者と正対した状態から、フェイスシールド10の表面301を中心として左右に約20°ずつ移動しながら、実験者の表情を観察した。
(3)飛沫防止機能性評価試験
また、透明積層フィルム30の飛沫防止機能性評価試験を実施した。飛沫防止機能性評価試験では、外部から飛散する飛沫から装着者を保護する外部飛沫防止機能、および装着者から飛散した飛沫が周囲に飛散することを防止する内部飛沫防止機能を評価した。
この際、まず、アルコールスプレーボトル(容量30ml)に、脱イオン水を充填した。また、後頭部から口元に至る貫通孔が形成された人形を準備した。そして、人形の頭部に、フェイスシールド10を装着させた。また、粗大粒子カウンタ(オムロン株式会社製、ZN-PD-S(製品名))を準備した。
外部飛沫防止機能の評価
次に、粗大粒子カウンタの測定部(すなわち吸入口)にチューブを取り付けた。そしてチューブの先端が、人形とシールド部30Aとの間において、人形の口元近傍に配置されるように、チューブを設置した。
次いで、水平方向位置がフェイスシールド10から1m離れた位置であり、上下方向位置が、シールド部30Aを構成する透明積層フィルム30の上辺71の上下方向位置と同一となる位置から、スプレーに充填された脱イオン水を噴霧した。そして、粗大粒子カウンタによって、浮遊するインキの粒子の個数をカウントした。この際、インキの粒子の粒径が5μm以上50μm以下の粒子の個数をカウントした。
内部飛沫防止機能の評価
次に、2つの粗大粒子カウンタを設置した。この際、まず、一方の粗大粒子カウンタの測定部が、シールド部30Aの真下に配置されるように、一方の粗大粒子カウンタを設置した。また、他方の粗大粒子カウンタの測定部が、一方の粗大粒子カウンタの測定部から前方に30cm離れた位置に配置されるように、当該他方の粗大粒子カウンタを設置した。
次いで、人形の後頭部から口元に至る貫通孔から、スプレーに充填された脱イオン水を噴霧した。そして、粗大粒子カウンタによって、浮遊するインキの粒子の個数をカウントした。この際、インキの粒子の粒径が5μm以上50μm以下の粒子の個数をカウントした。
(実施例2)
図18に示すフェイスシールド10を作製したこと、以外は実施例1と同様にして、反射率測定試験、視認性評価試験および飛沫防止機能性評価試験を行った。
(比較例1)
人形にフェイスシールドを装着させなかったこと、以外は実施例1と同様にして、飛沫防止機能性評価試験を行った。
(比較例2)
透明フィルムを含む、市販品のフェイスシールド(山本光学株式会社製、YF-850L(商品名))を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、反射率測定試験、視認性評価試験および飛沫防止機能性評価試験を行った。
(比較例3)
透明フィルムを含む、市販品のフェイスシールド(シャープ株式会社製、FG-F10M(商品名))を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、反射率測定試験、視認性評価試験および飛沫防止機能性評価試験を行った。
(比較例4)
透明フィルムを含む、市販品のフェイスシールド(株式会社みやもと社製、halo(商品名))を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、反射率測定試験、視認性評価試験および飛沫防止機能性評価試験を行った。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2023020746000002
上記表1の視認性の欄において、「○」は、透明積層フィルムまたは透明フィルム(以下、単に透明積層フィルム等と記す)への装着者の映り込みが見えなく、フェイスシールドを装着している印象がないといったヒアリング結果であったことを意味する。また、「×」は、透明積層フィルム等への装着者の映り込みが見えてしまうため、作業の妨げになるとともに、フェイスシールドを装着している印象があり、疲労感を感じるといったヒアリング結果であったことを意味する。
この結果、表1に示すように、比較例2および比較例3によるフェイスシールドの透明フィルムでは、波長が550nmの光の反射率が、それぞれ0.4%、0.5%であった。また、比較例4によるフェイスシールドの透明フィルムでは、波長が550nmの光の反射率が8.0%であった。これに対して、実施例1および実施例2によるフェイスシールドの透明積層フィルムでは、波長が550nmの光の反射率が0.2%であった。このように、実施例1および実施例2によるフェイスシールドでは、波長が550nmの光の反射率を低減できた。
また、表1に示すように、視認性評価試験において、比較例4による透明フィルムでは、透明フィルムへの装着者の映り込みが見えてしまうため、作業の妨げになるとともに、フェイスシールドを装着している印象があり、疲労感を感じるといったヒアリング結果であった。一方、実施例1および実施例2では、透明積層フィルム30への装着者の映り込みが見えなく、フェイスシールドを装着している印象がないといったヒアリング結果であった。このように、実施例1および実施例2による透明積層フィルム30では、透明積層フィルム30への装着者の映り込みを低減でき、フェイスシールド10を装着した装着者が、疲労感を覚えることを抑制できた。
また、表1に示すように、飛沫防止機能性評価試験において、比較例2乃至比較例4例によるフェイスシールドでは、外部から脱イオン水を噴霧した際に、人形の口元近傍を浮遊する粒子の個数が約100個以上であった。これに対して、実施例1によるフェイスシールド10では、外部から脱イオン水を噴霧した際に、人形の口元近傍を浮遊する粒子の個数が19個であった。また、実施例2によるフェイスシールド10では、外部から脱イオン水を噴霧した際に、人形の口元近傍を浮遊する粒子の個数が10個であった。このように、実施例1および実施例2によるフェイスシールド10では、外部から飛散する飛沫から装着者を効果的に保護できることがわかった。
また、表1に示すように、飛沫防止機能性評価試験において、比較例2乃至比較例4例によるフェイスシールドでは、フェイスシールドの真下に落下した粒子の個数が約800個以上であった。これに対して、実施例1によるフェイスシールド10では、フェイスシールド10の真下に落下した粒子の個数が62個であった。また、実施例2によるフェイスシールド10では、フェイスシールド10の真下に落下した粒子の個数が35個であった。このように、実施例1および実施例2によるフェイスシールド10では、装着者から飛散した飛沫が周囲に飛散することを効果的に抑制できることがわかった。
さらに、表1に示すように、飛沫防止機能性評価試験において、実施例1および実施例2によるフェイスシールド10においても、比較例2乃至比較例4例によるフェイスシールドと同様に、フェイスシールド10から30cm前方に落下した粒子の個数が3個以下であった。とりわけ実施例2によるフェイスシールド10では、フェイスシールド10から30cm前方に落下した粒子の個数が0個であった。このため、第1下部湾曲面96aおよび第1上部湾曲面96bが形成されたフェイスシールド10においても、特定サイズの飛沫がフェイスシールド10の装着者Hの前方に飛散することを抑制できることがわかった。
上記各実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 フェイスシールド
20 保持部材
25 取付部
30 透明積層フィルム
71 上辺
72 下辺
73 側辺
74a 第1切り込み部
74b 第2切り込み部
75a 第1係合部
75b 第2係合部
76a 第1係止部
76b 第2係止部
77a 第1湾曲面
77b 第2湾曲面
77c 第3湾曲面
80 開口部
91a 第1下部パネル
91b 第1上部パネル
92a 第2下部パネル
92b 第2上部パネル
93a 第3下部パネル
93b 第3上部パネル
94a 第4下部パネル
94b 第4上部パネル
95a 下部固定パネル
95b 上部固定パネル
96a 第1下部湾曲面
96b 第1上部湾曲面
97a 第2下部湾曲面
97b 第2上部湾曲面
98 中間部湾曲面
101a 第1下部切り込み部
101b 第1上部切り込み部
102a 第2下部切り込み部
102b 第2上部切り込み部
103a 第3下部切り込み部
103b 第3上部切り込み部
104a 第4下部切り込み部
104b 第4上部切り込み部
105a 第5下部切り込み部
105b 第5上部切り込み部
106a 第6下部切り込み部
106b 第6上部切り込み部
121a 第2山折り部
121b 第1山折り部
122a 第2谷折り部
122b 第1谷折り部
150 前面
151 上面
152 下面
153 側面
H 装着者
F 顔面

Claims (36)

  1. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、
    前記装着者に装着される保持部材と、
    前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、
    前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    少なくとも前記下辺に、複数の第1切り込み部が形成されており、
    前記第1切り込み部の一側に第1係合部が形成され、前記第1切り込み部の他側に前記第1係合部を係止する第1係止部が形成されており、
    前記第1係合部を前記第1係止部に係止することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成されている、フェイスシールド。
  2. 前記上辺に、複数の第2切り込み部が形成されており、
    前記第2切り込み部の一側に第2係合部が形成され、前記第2切り込み部の他側に前記第2係合部を係止する第2係止部が形成されており、
    前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成されている、フェイスシールドは湾曲している、請求項1に記載のフェイスシールド。
  3. 前記第1係合部を前記第1係止部に係止し、かつ、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面が形成されている、請求項2に記載のフェイスシールド。
  4. 前記第3湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもつ、請求項3に記載のフェイスシールド。
  5. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、
    前記装着者に装着される保持部材と、
    前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、
    前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記下辺の近傍に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第1下部パネルおよび第2下部パネルが設けられ、
    前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記上辺側に、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルを固定する下部固定パネルが設けられ、
    前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面が形成されている、フェイスシールド。
  6. 前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記下辺側に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第3下部パネルおよび第4下部パネルが設けられ、
    前記第3下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルおよび前記第3下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第3下部パネルと前記第4下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面が形成されている、請求項5に記載のフェイスシールド。
  7. 前記第4下部切り込み部は、前記下辺から延びている、請求項6に記載のフェイスシールド。
  8. 前記上辺の近傍に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第1上部パネルおよび第2上部パネルが設けられ、
    前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記下辺側に、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルを固定する上部固定パネルが設けられ、
    前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面が形成されている、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のフェイスシールド。
  9. 前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記上辺側に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第3上部パネルおよび第4上部パネルが設けられ、
    前記第3上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルおよび前記第3上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第3上部パネルと前記第4上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1上部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面が形成されている、請求項8に記載のフェイスシールド。
  10. 前記第4上部切り込み部は、前記上辺から延びている、請求項9に記載のフェイスシールド。
  11. 前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを前記下部固定パネルに固定し、かつ、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面と前記第1上部湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面が形成されている、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のフェイスシールド。
  12. 前記中間部湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもつ、請求項11に記載のフェイスシールド。
  13. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、
    前記装着者に装着される保持部材と、
    前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、
    前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記透明積層フィルムに、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面とが形成されている、フェイスシールド。
  14. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドにおいて、
    前記装着者に装着される保持部材と、
    前記保持部材に取り付けられ、前記装着者の前記顔面の少なくとも一部を覆う透明積層フィルムとを備え、
    前記透明積層フィルムは、上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記透明積層フィルムに、前記下辺から延びる一対の第2山折り部と、前記下辺から延びるとともに、一対の前記第2山折り部間に設けられた一対の第2谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第2山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第2谷折り部は、前記下辺側から前記上辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    前記透明積層フィルムを、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の下方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた下面とが形成されている、フェイスシールド。
  15. 前記透明積層フィルムに、前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面が形成されている、請求項14に記載のフェイスシールド。
  16. 前記透明積層フィルムを、一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むとともに、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の側方に、前記前面から後方に広がる側面が形成されている、請求項15に記載のフェイスシールド。
  17. 前記保持部材は、前記透明積層フィルムを保持するための一対の取付部を含み、
    前記透明積層フィルムの前記一対の側辺の近傍に、それぞれ前記取付部が挿入される開口部が形成されている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のフェイスシールド。
  18. 前記保持部材は、前記透明積層フィルムを上下方向に移動可能に保持する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のフェイスシールド。
  19. 前記透明積層フィルムの光の反射率が、1.0%以下である、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のフェイスシールド。
  20. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、
    上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    少なくとも前記下辺に、複数の第1切り込み部が形成されており、
    前記第1切り込み部の一側に第1係合部が形成され、前記第1切り込み部の他側に前記第1係合部を係止する第1係止部が形成されており、
    前記第1係合部を前記第1係止部に係止することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1湾曲面が形成される、透明積層フィルム。
  21. 前記上辺に、複数の第2切り込み部が形成されており、
    前記第2切り込み部の一側に第2係合部が形成され、前記第2切り込み部の他側に前記第2係合部を係止する第2係止部が形成されており、
    前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2湾曲面が形成される、請求項20に記載の透明積層フィルム。
  22. 前記第1係合部を前記第1係止部に係止し、かつ、前記第2係合部を前記第2係止部に係止することにより、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第3湾曲面が形成される、請求項21に記載の透明積層フィルム。
  23. 前記第3湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもつ、請求項22に記載の透明積層フィルム。
  24. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、
    上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記下辺の近傍に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第1下部パネルおよび第2下部パネルが設けられ、
    前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記上辺側に、前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルを固定する下部固定パネルが設けられ、
    前記第1下部パネルおよび前記第2下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2下部パネルおよび前記下部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記下辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1下部湾曲面が形成される、透明積層フィルム。
  25. 前記第1下部パネルおよび第2下部パネルよりも前記下辺側に、前記下辺の延在方向に沿って配置された第3下部パネルおよび第4下部パネルが設けられ、
    前記第3下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1下部パネルおよび前記第3下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2下部パネルおよび前記第4下部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6下部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第3下部パネルと前記第4下部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記下部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2下部湾曲面が形成される、請求項24に記載の透明積層フィルム。
  26. 前記第4下部切り込み部は、前記下辺から延びている、請求項25に記載の透明積層フィルム。
  27. 前記上辺の近傍に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第1上部パネルおよび第2上部パネルが設けられ、
    前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記下辺側に、前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルを固定する上部固定パネルが設けられ、
    前記第1上部パネルおよび前記第2上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第1上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第2上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2上部パネルおよび前記上部固定パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第3上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記上辺の近傍に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第1上部湾曲面が形成される、請求項24乃至26のいずれか一項に記載の透明積層フィルム。
  28. 前記第1上部パネルおよび第2上部パネルよりも前記上辺側に、前記上辺の延在方向に沿って配置された第3上部パネルおよび第4上部パネルが設けられ、
    前記第3上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第4上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第1上部パネルおよび前記第3上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第5上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第2上部パネルおよび前記第4上部パネルは、前記透明積層フィルムを貫通する第6上部切り込み部によって互いに分離され、
    前記第3上部パネルと前記第4上部パネルとを互いに重ね合わせた状態で、前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1上部湾曲面の外側に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する第2上部湾曲面が形成される、請求項27に記載の透明積層フィルム。
  29. 前記第4上部切り込み部は、前記上辺から延びている、請求項28に記載の透明積層フィルム。
  30. 前記第1下部パネルと前記第2下部パネルとを前記下部固定パネルに固定し、かつ、前記第1上部パネルと前記第2上部パネルとを前記上部固定パネルに固定することにより、前記第1下部湾曲面と前記第1上部湾曲面との間に、前記装着者から遠ざかる側に凸となるように湾曲する中間部湾曲面が形成される、請求項27乃至29のいずれか一項に記載の透明積層フィルム。
  31. 前記中間部湾曲面は、垂直断面において、直線形状をもつ、請求項30に記載の透明積層フィルム。
  32. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、
    上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面とが形成される、透明積層フィルム。
  33. 装着者の顔面を保護するフェイスシールドに用いられる透明積層フィルムであって、
    上辺と、前記上辺に対向する下辺と、前記上辺と前記下辺との間に延びる一対の側辺とを有する矩形状をもち、
    前記下辺から延びる一対の第2山折り部と、前記下辺から延びるとともに、一対の前記第2山折り部間に設けられた一対の第2谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第2山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第2谷折り部は、前記下辺側から前記上辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前面と、前記前面の下方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた下面とが形成される、透明積層フィルム。
  34. 前記上辺から延びる一対の第1山折り部と、前記上辺から延びるとともに、一対の前記第1山折り部間に設けられた一対の第1谷折り部とが形成されており、
    一対の前記第1山折り部は、前記側辺の延在方向に沿って延び、
    一対の前記第1谷折り部は、前記上辺側から前記下辺側に向かうにつれて互いに離間するように、前記側辺の延在方向に傾斜する方向に沿って延び、
    一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の上方に設けられ、前記前面から後方に折り畳まれた上面が形成される、請求項33に記載の透明積層フィルム。
  35. 一対の前記第1山折り部および一対の前記第1谷折り部に沿って折り畳むとともに、一対の前記第2山折り部および一対の前記第2谷折り部に沿って折り畳むことにより、前記前面の側方に、前記前面から後方に広がる側面が形成される、請求項34に記載の透明積層フィルム。
  36. 光の反射率が、1.0%以下である、請求項24乃至35のいずれか一項に記載の透明積層フィルム。
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