JP2023020741A - ホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイおよび移動体 - Google Patents

ホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイおよび移動体 Download PDF

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浩司 衛藤
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Abstract

【課題】ホログラム層の変色が抑制されたホログラムシートを提供する。【解決手段】ホログラム層と、ホログラム層の少なくとも一方の面上に位置するバリア層とを有するホログラムシートであって、バリア層が、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体に由来する構造と、反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造と、を有する硬化膜である、ホログラムシート。【選択図】なし

Description

本開示は、ホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイおよび移動体に関する。
一対の基板と、一対の基板の間に配置されたホログラム層と、を有するコンバイナが知られている。このようなコンバイナにおいて、一対の基板の間に、一対の基板を互いに接合する接合材が配置される場合がある。この場合、ホログラム層は、接合材と接触し得る。この接触により、ホログラム層が接合材により浸食されるおそれがある。より具体的には、ホログラム層に記録された干渉縞に、接合材に含まれる可塑剤が侵入し、これにより干渉縞が膨張するおそれがある。このため、可塑剤が侵入した部分において、透過スペクトルのピーク波長が長波長側にシフトし、その結果、ホログラム層が変色するおそれがある。このような変色を抑制するため、ホログラム層上に保護層を設けることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2020-528165号公報
従来の保護層では、ホログラム層の変色を充分に抑制できなかった。本開示の一つの課題は、ホログラム層の変色が抑制されたホログラムシート、コンバイナ、ヘッドアップディスプレイおよび移動体を提供することにある。
本開示のホログラムシートは、ホログラム層と、ホログラム層の少なくとも一方の面上に位置するバリア層とを有し、バリア層が、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体に由来する構造と、反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造と、を有する硬化膜である。
本開示によれば、ホログラム層の変色を抑制できる。
図1は、一実施形態に係るホログラムシートの模式断面図である。 図2は、一実施形態に係るホログラムシートの模式断面図である。 図3は、一実施形態に係るホログラムシートの模式断面図である。 図4は、ヘッドアップディスプレイを有する移動体を示す概略図である。 図5は、一実施形態に係るコンバイナの模式断面図である。 図6は、一実施形態に係るコンバイナの模式断面図である。 図7は、一実施形態に係るコンバイナの模式断面図である。 図8は、一実施形態に係るコンバイナの模式断面図である。 図9は、従来のコンバイナの透過スペクトルを示す図である。 図10は、実施例で作製したコンバイナの構成を示す模式断面図である。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。本明細書に添付する図面においては、図示と理解のし易さの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、一部の図において示された構成等が、他の図において省略されていることもある。
本明細書において、形状および幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
本明細書において、「シート」、「フィルム」および「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されない。本明細書において、シート状(フィルム状、板状)の部材の法線方向とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)の部材のシート面(フィルム面、板面)への法線方向のことを指す。
[ホログラムシート]
本開示のホログラムシートは、
ホログラム層と、
ホログラム層の少なくとも一方の面上に位置するバリア層と
を有する。
図1~図3を用いて、ホログラムシートの構成について説明する。ホログラム層10は、図1~図3に示すように、第1面10aと、第1面10aに対向する第2面10bとを有する。
図1に示すホログラムシート1は、ホログラム層10と、ホログラム層10の第1面10a上に位置するバリア層20とを有する。
図2に示すホログラムシート1は、ホログラム層10と、ホログラム層10の第1面10a上に位置するバリア層20と、ホログラム層10の第2面10b上に位置するバリア層22とを有する。図2において、一対のバリア層20,22は、ホログラム層10の両面上に設けられている。
図3に示すホログラムシート1は、ホログラム層10と、ホログラム層10の第1面10a上に位置する基材フィルム30と、ホログラム層10の第2面10b上に位置するバリア層22とを有する。
図1および図2において、バリア層20は、ホログラム層10の第1面10aと接触するように配置されているが、例えば接着剤層を介して第1面10a上に配置されていてもよい。図2および図3において、バリア層22は、ホログラム層10の第2面10bと接触するように配置されているが、例えば接着剤層を介して第2面10b上に配置されていてもよい。図3において、基材フィルム30は、ホログラム層10の第1面10aと接触するように配置されているが、例えば接着剤層を介して第1面10a上に配置されていてもよい。
図1および図2において、バリア層20は、ホログラム層10の第1面10aを覆っていてもよい。図2および図3において、バリア層22は、ホログラム層10の第2面10bを覆っていてもよい。図3において、基材フィルム30は、ホログラム層10の第1面10aを覆っていてもよい。
バリア層20,22および基材フィルム30は、ホログラム層10の表面を保護する役割を有する。バリア層20およびバリア層22は、同一の材料で同一に構成されてもよく、異なる材料で構成されてもよい。
バリア層20,22および基材フィルム30により、後述するように干渉縞が形成されているホログラム層10の表面を保護できる。例えば本開示のホログラムシートをコンバイナに適用した場合において、ホログラム層10の第1面および/または第2面が接合材50と接触することを抑制できる(図5~図8参照)。これにより、例えば、ホログラム層10の変色を抑制できる。
本開示のホログラムシートは、例えば、ヘッドアップディスプレイ、一般的な三次元ディスプレイ、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、IDカードなどのメモリ材料、建築用窓ガラスおよび広告宣伝媒体等の用途に使用できる。本開示のホログラムシートは、これらの中でも、ヘッドアップディスプレイ用途に好適である。
<バリア層>
バリア層は、ホログラム層の一方の面上に設けられていてもよく、両方の面上に設けられていてもよい。すなわち、バリア層は、ホログラム層の第1面上に設けられていてもよく、ホログラム層の第2面上に設けられていてもよく、ホログラム層の第1面および第2面の両方上に設けられていてもよい。
本開示のホログラムシートを例えばコンバイナに適用した場合において、バリア層は、例えば、可塑剤などの低分子量成分を含有する接合材における低分子量成分がホログラム層へ浸透することを抑制する。したがって、バリア層は、例えば可塑剤を含有しないことが好ましい。
バリア層は、平面視において、ホログラム層と重なっている。例えば、平面視において、バリア層の外周縁とホログラム層の外周縁とが重なっていてもよい。しかしながら、このことに限定されず、バリア層は、平面視において、ホログラム層と部分的に重なっていなくてもよい。ホログラム層の変色を抑制するという観点から、平面視において、ホログラム層の面積の好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上または95%以上がバリア層と重なっていてもよい。ここで、平面視とは、ホログラム層の法線方向に沿う方向で観察することを意味する。
バリア層は、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体に由来する構造と、反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造と、を有する硬化膜である。バリア層は、一実施形態において、上記ビニルアルコール系重合体と架橋剤との硬化物を少なくとも含有する。このような硬化膜により、例えば、上記低分子量成分のホログラム層への侵入を良好に抑制でき、加温または経時によるホログラム層の変色を抑制できる。
以下、「反応性官能基を含む側鎖」を「反応性側鎖」ともいい、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体を「変性ビニルアルコール系重合体」ともいう。
反応性官能基としては、例えば、カルボニル基に結合したメチレン基(活性メチレン基)、およびメチレン基に結合したカルボニル基(反応性カルボニル基)が挙げられる。反応性側鎖は、例えばポリビニルアルコールにおける主鎖に結合したヒドロキシ基と比較して、架橋剤と良好に反応して架橋構造を形成できる。
反応性側鎖としては、例えば、-A-CH2-COCH3で表される基が挙げられる。式中、Aは、有機基であり、例えば後述する連結基が挙げられる。反応性側鎖としては、具体的には、ジアセトン基およびアセトアセチルオキシ基が挙げられる。ジアセトン基は、-CO-NH-C(CH32-CH2-COCH3で表される基である。アセトアセチルオキシ基は、-OCO-CH2-COCH3で表される基である。反応性側鎖としては、その他、-COO-C24-OCO-CH2-COCH3で表される基、および-O-C24-OCO-CH2-COCH3で表される基が挙げられる。
本開示における硬化膜において、変性ビニルアルコール系重合体における反応性側鎖同士が、架橋剤由来の構造により架橋されている。このような硬化膜は、例えばポリビニルアルコールにおける主鎖のヒドロキシ基が架橋剤由来の構造により架橋されている硬化膜と比較して、架橋効率が高く、また、屈曲性および透明性にさらに優れる傾向にある。
変性ビニルアルコール系重合体としては、具体的には、ジアセトン基およびアセトアセチルオキシ基から選択される少なくとも1種を有するビニルアルコール系重合体が挙げられ、ビニルアルコール系重合体の主鎖に、直接または連結基を介してジアセトン基またはアセトアセチルオキシ基が結合した重合体が挙げられる。連結基としては、例えば、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-、-CO-NH-およびアルカンジイル基、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
変性ビニルアルコール系重合体は、例えば、反応性側鎖を含む繰返し構造単位を有する。反応性側鎖を含む繰返し構造単位としては、例えば、-(CH2-CH(-A-CH2-COCH3))で表される構造単位が挙げられ、具体的には、-(CH2-CH(CO-NH-C(CH32-CH2-COCH3))-で表される構造単位、および-(CH2-CH(OCO-CH2-COCH3))-で表される構造単位が挙げられる。その他、-(CH2-CH(COO-C24-OCO-CH2-COCH3))-で表される構造単位、および-(CH2-CH(O-C24-OCO-CH2-COCH3))-で表される構造単位も挙げられる。
変性ビニルアルコール系重合体における、反応性側鎖を有する繰返し構造単位の含有割合は、全繰返し構造単位を基準として、例えば0.1モル%以上20モル%以下であり、1モル%以上15モル%以下でもよく、2モル%以上10モル%以下でもよい。本開示において各繰返し構造単位の含有割合は、例えばNMR法により測定できる。
変性ビニルアルコール系重合体は、-(CH2-CH(OH))-で表される繰返し構造単位(以下「ビニルアルコール単位」ともいう)を有する。ビニルアルコール単位により構成される主鎖構造を「ポリビニルアルコール部分」ともいう。ビニルアルコール単位は、ビニルエステル化合物に由来する繰返し構造単位(以下「ビニルエステル単位」ともいう)のケン化により得られる。変性ビニルアルコール系重合体は、ビニルエステル単位を有してもよい。
変性ビニルアルコール系重合体における、ビニルアルコール単位およびビニルエステル単位の合計含有割合は、全繰返し構造単位を基準として、例えば80モル%以上99.9モル%以下であり、85モル%以上99モル%以下でもよく、90モル%以上98モル%以下でもよい。
変性ビニルアルコール系重合体のケン化度は、水溶性という観点から、例えば80モル%以上100モル%以下であり、85モル%以上99.9モル%以下でもよく、90モル%以上99.8モル%以下でもよく、95モル%以上99.5モル%以下でもよい。ケン化度は、JIS K6726に準拠して測定される。
ビニルエステル化合物としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルおよびバーサチック酸ビニルが挙げられる。これらの中でも、酢酸ビニルが好ましい。すなわち、変性ビニルアルコール系重合体は、酢酸ビニルに由来する繰返し構造単位である、-(CH2-CH(OCOCH3))-で表される繰返し構造単位を有してもよい。
変性ビニルアルコール系重合体は、一実施形態において、-(CH2-CH(OH))-で表される繰返し構造単位と、必要に応じて-(CH2-CH(OCOCH3))-で表される繰返し構造単位と、上述した-(CH2-CH(-A-CH2-COCH3))-で表される繰返し構造単位と、を有する。
変性ビニルアルコール系重合体は、ビニルアルコール単位、ビニルエステル単位および反応性側鎖を有する繰返し構造単位以外に、ビニルエステル化合物と共重合可能な化合物に由来する繰返し構造単位をさらに有してもよい。上記化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ドデセンおよび1-オクタデセン等の炭素数2以上20以下のα-オレフィン;3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オール、3,4-ジヒドロキシ-1-ブテン等のヒドロキシ基含有α-オレフィンおよびそのアシル化物などの誘導体;(メタ)アクリル酸およびクロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、その塩またはモノエステル;マレイン酸、イタコン酸およびフマル酸などの不飽和ジカルボン酸、その無水物、その塩、モノエステルまたはジアルキルエステル;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;(メタ)アクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸およびメタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸またはその塩;アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびN-ビニルピロリドン等のビニル化合物;が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」または「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」または「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」または「メタクリル」を意味し、類似の表現も同様の意味である。
変性ビニルアルコール系重合体における、ビニルエステル化合物と共重合可能な化合物に由来する繰返し構造単位の含有割合は、全繰返し構造単位を基準として、例えば10モル%以下でもよく、5モル%以下でもよい。
変性ビニルアルコール系重合体においてポリビニルアルコール部分は、アルデヒドにより変性されていてもよい。このような構造としては、例えば、ポリビニルホルマール構造、ポリビニルブチラール構造およびポリビニルアセトアセタール構造などのポリビニルアセタール構造が挙げられる。
変性ビニルアルコール系重合体の平均重合度は、例えば300以上4,000以下であり、400以上3,000以下でもよく、500以上2,500以下でもよい。平均重合度は、JIS K6726に準拠して測定される。
変性ビニルアルコール系重合体は、例えば、ビニルエステル化合物と反応性官能基を有するビニル単量体とを共重合し、得られた共重合体をケン化する方法;ビニルエステル化合物を重合し、得られた重合体をケン化してビニルアルコール系重合体を得て、ビニルアルコール系重合体に反応性側鎖を導入する方法;によって得ることができる。
ジアセトン基を有する変性ビニルアルコール系重合体は、例えば、ビニルエステル化合物とジアセトン基を有するビニル単量体とを共重合し、得られた共重合体をケン化する方法;ビニルエステル化合物を重合し、得られた重合体をケン化してビニルアルコール系重合体を得て、ビニルアルコール系重合体にジアセトン基を導入する方法;によって得ることができる。ジアセトン基を有するビニル単量体としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミドおよびジアセトン(メタ)アクリレートが挙げられる。
アセトアセチルオキシ基を有する変性ビニルアルコール系重合体は、例えば、ビニルアルコール系重合体とジケテンとを公知の方法で反応させて得られる。例えば、ビニルアルコール重合体を酢酸溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加する方法や、ビニルアルコール系重合体をジメチルホルムアルデヒドまたはジオキサンなどの溶媒に予め溶解させておき、これにジケテンを添加する方法が挙げられる。また、ビニルアルコール系重合体にジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させてもよい。
また、アセトアセチルオキシ基を有する変性ビニルアルコール系重合体は、例えば、ビニルエステル化合物とアセトアセチルオキシ基を有するビニル単量体とを共重合し、得られた共重合体をケン化する方法によっても得ることができる。アセトアセチルオキシ基を有するビニル単量体としては、例えば、アセト酢酸ビニル、2-(アセトアセチルオキシ)エチル(メタ)アクリレートおよび2-(アセトアセチルオキシ)エチルビニルエーテルが挙げられる。
変性ビニルアルコール系重合体は1種または2種以上用いることができる。
架橋剤は、変性ビニルアルコール系重合体における反応性官能基と架橋反応可能な官能基を有する化合物である。架橋剤としては、例えば、ヒドラジン化合物、アミン化合物、アルデヒド基含有化合物、メチロール基含有化合物、多価金属化合物、ホウ素化合物、シラン化合物、エポキシ化合物、チオール化合物、イソシアネート化合物およびポリアミド樹脂が挙げられる。これらの中でも、ヒドラジン化合物、アミン化合物、アルデヒド基含有化合物、メチロール基含有化合物および多価金属化合物が好ましく、ヒドラジン化合物がより好ましい。
ヒドラジン化合物としては、例えば、ヒドラジン、ヒドラジンの1水和物、ヒドラジンの無機酸塩、ヒドラジン誘導体およびヒドラジド化合物が挙げられる。これらの中でも、ヒドラジド化合物が好ましい。本開示において、ヒドラジン化合物にはヒドラジン誘導体およびヒドラジド化合物を含める。
ヒドラジンの無機酸塩における無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、リン酸、チオシアン酸および炭酸が挙げられる。ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジンのメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリルまたはフェニル等の一置換体;ヒドラジンの1,1-ジメチルまたは1,1-ジエチル等の非対称二置換体;ヒドラジンの1,2-ジメチル、1,2-ジエチルまたは1,2-ジイソプロピル等の対称二置換体が挙げられる。
ヒドラジド化合物としては、例えば、カルボヒドラジド、モノカルボン酸ヒドラジドおよびジカルボン酸ジヒドラジドが挙げられる。モノカルボン酸ヒドラジドとしては、例えば、安息香酸ヒドラジド、ギ酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、n-酪酸ヒドラジド、イソ酪酸ヒドラジド、n-吉草酸ヒドラジド、イソ吉草酸ヒドラジド、活性吉草酸ヒドラジドおよびピバリン酸ヒドラジドが挙げられる。ジカルボン酸ジヒドラジドとしては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドおよびテレフタル酸ジヒドラジドが挙げられる。ヒドラジド化合物としては、その他、クエン酸トリヒドラジドおよびポリ(メタ)アクリル酸ヒドラジドが挙げられる。ヒドラジド化合物の中でも、ジカルボン酸ジヒドラジドが好ましく、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N-アミノエチルピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、トリメチルヘキサメチレンジアミンおよびポリオキシプロピレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよびノルボルナンジアミン等の脂環式ポリアミン;4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエンおよびm-キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;ポリビニルアミン、ポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン等のアミノ基含有水溶性ポリマーが挙げられる。
アルデヒド基含有化合物としては、例えば、グリオキシル酸塩;グリオキザール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、テレフタルアルデヒドおよびジアルデヒド澱粉等のジアルデヒドが挙げられる。
グリオキシル酸塩としては、例えば、グリオキシル酸の金属塩またはアミン塩が挙げられる。グリオキシル酸の金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属;マグネシウムおよびカルシウム等のアルカリ土類金属;チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅等の遷移金属;亜鉛およびアルミニウム等のその他の金属;の金属塩が挙げられる。グリオキシル酸のアミン塩としては、例えば、グリオキシル酸と、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミンおよびトリメチルアミン等のアミン類と、の塩が挙げられる。
メチロール基含有化合物としては、例えば、メチロールメラミンおよびエーテル化メチロールメラミンが挙げられる。エーテル化メチロールメラミンとしては、例えば、メチロールメラミンにおけるメチロール基の一部または全部が一価アルコールで変性されたメラミン樹脂が挙げられる。一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコールおよび2-エチルヘキシルアルコールが挙げられる。エーテル化メチロールメラミンとしては、具体的には、メチルエーテル化メラミンおよびブチルエーテル化メラミンが挙げられる。
多価金属化合物としては、例えば、アルミニウム原子、亜鉛原子、鉄原子、ジルコニウム原子、チタン原子、ガリウム原子、インジウム原子、ルテニウム原子およびハフニウム原子から選択される少なくとも1種を有する化合物が挙げられる。
ジルコニウム原子を有する化合物としては、例えば、無機酸または有機酸の単塩および複塩、有機金属化合物、金属錯体および酸化化合物が挙げられる。具体例としては、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ジルコニウム酸、ジルコニウム酸塩、塩化ジルコニル、塩基性塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、酢酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、乳酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテートおよびジルコニウムアシレートが挙げられる。
チタン原子を有する化合物としては、無機酸または有機酸の単塩および複塩、有機金属化合物、金属錯体および酸化化合物が挙げられる。具体例としては、チタンアセチルアセテート、トリエタノールアミンチタネート、チタンアンモニウムラクテートおよびチタンラクテートが挙げられる。
架橋剤は1種または2種以上用いることができる。
架橋剤の量は、変性ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上50質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上10質量部以下である。これにより、例えば、可塑剤の侵入を抑制しえる架橋構造を良好に形成できる。
硬化膜は、上述したように、変性ビニルアルコール系重合体の反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造を有する。架橋構造の具体例を以下の(1)~(3)に示す。
Figure 2023020741000001
式(1)~式(3)中、Aは、上記で定義したとおり有機基である。-NH-R-NH-で表される2価の基は、例えば、ヒドラジン化合物またはアミン化合物に由来する基である。-CH(OH)-R-CH(OH)-で表される2価の基は、例えば、アルデヒド基含有化合物に由来する基である。-CH2-R-CH2-で表される2価の基は、例えば、メチロール基含有化合物に由来する基である。
バリア層は、他の樹脂成分を1種または2種以上含有してもよい。他の樹脂成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールおよびポリビニルアセトアセタール)およびエチレン-ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系重合体;ポリ(メタ)アクリル酸;デンプンおよびセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、水溶性ポリアミド、水溶性ポリエステル、ポリ(メタ)アクリルアミドおよびポリエチレンイミン等の水溶性樹脂が挙げられる。バリア層における他の樹脂成分の含有割合は、例えば30質量%以下であり、20質量%以下でもよく、10質量%以下でもよい。
バリア層は、一実施形態において、水溶性ポリビニルアセタールおよびポリ(メタ)アクリル酸から選択される少なくとも1種をさらに含有してもよい。これにより、例えば、バリア層のバリア性をさらに向上できるとともに、バリア層と後述する接合材との層間密着性を向上できる。
バリア層は、添加剤を1種または2種以上含有してもよい。添加剤として、例えば、消泡剤、レベリング剤、着色剤、染料、顔料、蛍光増白剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤、熱安定化剤、界面活性剤、乾燥剤、消臭剤、抗菌剤、防腐剤および消泡剤が挙げられる。
バリア層は、透明な層である。
本明細書において「透明」とは、可視光透過率が、50%以上であることを意味し、好ましくは80%以上である。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K0115準拠品)を用いて測定波長380nm以上780nm以下の範囲内で1nm毎に測定したときの、各波長における全光線透過率の平均値として特定される。
バリア層の厚みは、例えば0.1μm以上50μm以下であり、0.5μm以上30μm以下でもよく、1μm以上20μm以下でもよく、1.5μm以上10μm以下でもよい。これにより、例えば、中間膜に含まれる可塑剤のホログラム層への浸透を抑制し、加温または経時によるホログラム層の変色を抑制できる。
バリア層は、例えば、バリアコート液をホログラム層に塗布、乾燥して形成してもよく、バリア層に対応するフィルムをホログラム層にラミネートして形成してもよい。ラミネートの場合は、必要に応じて、ホログラム層とバリア層に対応するフィルムとの間に接着剤層を設けてもよい。
バリア層は、例えば、変性ビニルアルコール系重合体と架橋剤とを含有するバリアコート液を用いて形成できる。バリアコート液における溶媒としては、変性ビニルアルコール系重合体および架橋剤のいずれに対しても良溶媒である水が好適に用いられる。
溶媒としては、水とアルコール溶媒との混合溶媒を用いてもよい。アルコール溶媒としては、沸点が例えば100℃以下、90℃以下または80℃以下であるアルコール溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノールおよびイソプロパノール等の炭素数1以上3以下のアルコールが挙げられる。これらの中でも、メタノールが好ましい。
溶媒として水とアルコール溶媒との混合溶媒を用いる場合、水とアルコール溶媒との混合比(水/アルコール溶媒)は、質量基準で、例えば20/80以上99.99/0.01以下であり、30/70以上99/1以下でもよく、40/60以上90/10以下でもよく、50/50以上80/20以下でもよい。
バリアコート液の固形分濃度は、乾燥時間および塗工粘度の観点から、好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、より好ましくは1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以上15質量%以下である。固形分とは、溶媒以外の全成分を指す。
バリア層は、例えば、バリアコート液をホログラム層上に塗布し、乾燥することにより形成できる。乾燥時の温度条件は、例えば50℃以上150℃以下であり、70℃以上140℃以下でもよい。乾燥時間は、例えば1分以上60分以下である。
バリア層は、離型性支持体上にバリア層を形成し、次に離型性支持体上のバリア層をホログラム層上に転写することにより形成してもよい。離型性支持体上のバリア層は、例えば、バリアコート液を離型性支持体層上に塗布し、乾燥することにより形成できる。乾燥時の温度条件および乾燥時間は、上記と同様である。
離型性支持体は、バリア層を支持できる程度の自己支持性を備え、かつ、支持体表面がバリア層に対して剥離可能な程度の接着力を有していればよく、通常の転写シートの分野で用いられている任意の支持体を用いることができる。剥離性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ナイロン等のポリアミド;からなるシートが挙げられる。離型性支持体の厚みは、例えば10μm以上500μm以下である。
<基材フィルム>
本開示のホログラムシートは、一実施形態において、ホログラム層と、ホログラム層の一方の面上に位置するバリア層と、ホログラム層の他方の面上に位置する基材フィルムとを有する。
基材フィルムは、バリア層とともに、ホログラム層の表面を保護する役割を有する。本開示のホログラムシートを例えばコンバイナに適用した場合において、基材フィルムは、例えば、可塑剤などの低分子量成分を含有する接合材における低分子量成分がホログラム層へ浸透することを抑制できる。したがって、基材フィルムは、例えば可塑剤を含有しないことが好ましい。
基材フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレンならびに環状ポリオレフィンが挙げられる。
基材フィルムは、透明なフィルムである。
基材フィルムは、平面視において、ホログラム層と重なっている。例えば、平面視において、基材フィルムの外周縁とホログラム層の外周縁とが重なっていてもよい。しかしながら、このことに限定されず、基材フィルムは、平面視において、ホログラム層と部分的に重なっていなくてもよい。ホログラム層の変色を抑制するという観点から、平面視において、ホログラム層の面積の好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上または95%以上が基材フィルムと重なっていてもよい。
基材フィルムの厚みは、例えば5μm以上100μm以下である。
基材フィルムは、例えば、上記熱可塑性樹脂を含有する溶液をホログラム層に塗布、乾燥して形成してもよく、上記熱可塑性樹脂から構成されるフィルムをホログラム層にラミネートして形成してもよい。ラミネートの場合は、必要に応じて、ホログラム層と基材フィルムとの間に接着剤層を設けてもよい。
<ホログラム層>
ホログラム層は、扁平形状を有する。ホログラム層は、平面視において、矩形形状を有してもよい。ホログラム層は、透明である。ホログラム層は、体積型ホログラムでもよい。ホログラム層は、反射型ホログラムでもよい。しかしながら、このことに限定されず、ホログラム層は、透過型ホログラムでもよい。ホログラム層の厚みは、例えば1μm以上100μm以下であり、5μm以上40μm以下でもよい。
ホログラム層は、一実施形態において、干渉縞が記録された記録部を有する。記録部は、平面視において、ホログラム層の全面に設けられていてもよい。本開示のホログラムシートをヘッドアップディスプレイ用途に用いる場合、図4に示すとおり、ホログラム層10は、画像形成装置103から照射された画像光を干渉縞で回折して、使用者105の側に向ける。これにより、使用者105は、画像光に含まれる画像情報を虚像としてコンバイナ104の背後の観察位置106で背景とともに視認できる。
ホログラム層は、複数の記録部を有してもよい。複数の記録部は、互いに異なる波長の光を高効率で回折できる。例えば、画像形成装置からの画像光は、青色の光、緑色の光、および赤色の光を含み得る。この例において、ホログラム層は、青色の光を高効率で回折する記録部、緑色の光を高効率で回折する記録部、および赤色の光を高効率で回折する記録部を含んでもよい。記録部が体積型ホログラムである場合には、多重記録によって、単一の記録部が複数の波長域の光を高効率で回折してもよい。
以下、ホログラム層形成用の感光性材料について説明する。
ホログラム層の形成に好適に用いられる感光性材料は、一実施形態において、光重合性モノマーと、光重合開始剤と、バインダー樹脂と、必要に応じて増感色素とを含有する。ホログラム層は、例えば、このような感光性材料の硬化物により構成される。
光重合性モノマーは、光照射によって重合または二量化反応が進行し、かつ、感光性材料層中で拡散移動できる化合物である。感光性材料は、一実施形態において、ラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマーとを少なくとも含有する。ラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマーとを併用することにより、例えば、形成されるホログラム層の架橋密度(緻密さ)や、耐久性を向上できる。光重合性モノマーとしては、さらに、光二量化性化合物を用いてもよい。
ラジカル重合性モノマーは、光照射によって光ラジカル重合開始剤から発生した活性ラジカルの作用により重合する化合物である。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、ならびに不飽和カルボン酸のエステル、アミドおよび塩が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸およびマレイン酸が挙げられる。不飽和カルボン酸のエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、具体的には、不飽和カルボン酸と脂肪族一価アルコールまたは脂肪族多価アルコールとのエステルが挙げられる。不飽和カルボン酸のアミドとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のアミド化物が挙げられ、具体的には、不飽和カルボン酸と脂肪族一価アミンまたは脂肪族多価アミンとのアミド化物が挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。多官能(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリロイル基数は、例えば、2以上10以下、2以上8以下、または2以上6以下である。
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートおよびラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソボニル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの脂環含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、β-(メタ)アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、2,3-ナフタレンジカルボン酸((メタ)アクリロキシエチル)モノエステルおよびビフェニル-2,2’-ジカルボン酸(2-(メタ)アクリロキシエチル)モノエステルなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレートなどのグリコール系(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N-(メタ)アクリロイルモルホリンおよび2-(9-カルバゾリル)エチル(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート;トリフェニルメチルチオ(メタ)アクリレート、S-(1-ナフチルメチル)チオ(メタ)アクリレートおよび2-(トリシクロ[5.2.102,6]デシルチオ)エチル(メタ)アクリレートなどの硫黄原子含有(メタ)アクリレート;ならびにこれらのモノマーのハロゲン化物、例えば、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェニル(メタ)アクリレートおよび2-(トリシクロ[5.2.102,6]ジブロモデシルチオ)エチル(メタ)アクリレート、
が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、
1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジチオグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドおよびこれらのモノマーのハロゲン化物、例えば、ジブロモネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、などの脂肪族系多官能(メタ)アクリレート;
ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)メタン、ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、2,3-ナフタレンジカルボン酸(2-(メタ)アクリロキシエチル)(3-(メタ)アクリロキシプロピル-2-ヒドロキシ)ジエステル、ビフェニル-2,2’-ジカルボン酸(2-(メタ)アクリロキシエチル)(3-(メタ)アクリロキシプロピル-2-ヒドロキシ)ジエステル、4,5-フェナントレンジカルボン酸(2-(メタ)アクリロキシエチル)(3-(メタ)アクリロキシプロピル-2-ヒドロキシ)ジエステル、ジフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、1,3-ビス[2-(メタ)アクリロキシ-3-フェノキシプロポキシ]ベンゼンおよびこれらのモノマーのハロゲン化物、例えば、ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4-(メタ)アクリロキシエトキシ-3,5-ジブロモフェニル)スルホンおよび1,3-ビス[2-(メタ)アクリロキシ-3-(2,4,6-トリブロモフェノキシ)プロポキシ]ベンゼン、などの芳香族系多官能(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては、また、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレートおよびポリエステル(メタ)アクリレートも挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとして、例えば、スチレン、2-ブロモスチレンおよびα-メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;ならびに酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどのビニルモノマーを用いてもよい。
ラジカル重合性モノマーの中でも、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
感光性材料は、ラジカル重合性モノマーを1種または2種以上含有できる。
ラジカル重合性モノマーの平均屈折率は、カチオン重合性モノマーの平均屈折率より大きいことが好ましく、0.02以上大きいことが好ましい。このような態様により、例えば、所望の屈折率変調量が得られる。
カチオン重合性モノマーは、光照射によって光カチオン重合開始剤の分解により発生したブレンステッド酸またはルイス酸によってカチオン重合する化合物である。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、エポキシ基およびオキセタン基などのカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
カチオン重合性モノマーは、常温で液状でもよい。これにより、例えば、ラジカル重合性モノマーを比較的低粘度の感光性材料中で重合できる。
カチオン重合性モノマーとしては、エポキシ基を有するモノマーが好ましい。エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、エポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物、およびエポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ化合物が挙げられる。多官能エポキシ化合物におけるエポキシ基数は、例えば、2以上10以下、2以上8以下、または2以上6以下である。
上記単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2-ブチレンオキサイド、1,3-ブタジエンモノオキサイド、1,2-エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2-エポキシデカン、スチレンオキサイドおよびシクロヘキセンオキサイドが挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-3’,4’-エポキシ-1,3-ジオキサン-5-スピロシクロヘキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、4’,5’-エポキシ-2’-メチルシクロヘキシルメチル-4,5-エポキシ-2-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレングリコール-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、1,1,3-テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、1,2,5,6-ジエポキシ-4,7-メタノペルヒドロインデンが挙げられる。
オキセタン基を有するモノマーとしては、例えば、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3,3-ジエチルオキセタン、および3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどのオキセタン基を1つ有する単官能化合物;1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ(1-エチル(3-オキセタニル))メチルエーテル、およびペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテルなどのオキセタン基を2つ以上有する多官能化合物が挙げられる。該多官能化合物におけるオキセタン基数は、例えば、2以上10以下、2以上8以下、または2以上6以下である。
カチオン重合性モノマーとしては、ビニルエーテルも挙げられる。ビニルエーテルとしては、例えば、ビニル-2-クロロエチルエーテル、ビニル-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルが挙げられる。
感光性材料は、カチオン重合性モノマーを1種または2種以上含有できる。
感光性材料は、カチオン重合性モノマーとして、エポキシ基を有するモノマーを少なくとも含有することが好ましい。ラジカル重合性モノマーとともに、エポキシ基を有するモノマーを用いることにより、例えば、形成されるホログラム層の架橋密度(緻密さ)を向上でき、よってホログラム層への接合材からの可塑剤などの低分子量成分の侵入を抑制できる。
感光性材料におけるラジカル重合性モノマーの含有量は、感光性材料の全固形分100質量部中、5質量部以上90質量部以下でもよく、10質量部以上50質量部以下でもよい。固形分とは、溶媒以外の全成分をいい、常温で液状のモノマーも固形分に含まれる。
感光性材料におけるカチオン重合性モノマーの含有量は、感光性材料の全固形分100質量部中、5質量部以上90質量部以下でもよく、10質量部以上50質量部以下でもよい。このような態様により、例えば、所望の屈折率変調量が得られ、さらに、耐久性に優れるホログラム層が得られる。
感光性材料は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、光照射によって活性ラジカルを生成する化合物である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、ジアゾ化合物、o-キノンジアジド化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、チオキサントン化合物、フェニルケトン化合物、ベンゾイン化合物、アントラキノン化合物、イミダゾール化合物、ビスイミダゾール化合物、チタノセン化合物、有機チオール化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、トリアジン化合物および有機過酸化物;ならびに芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。
感光性材料は、光ラジカル重合開始剤を1種または2種以上含有できる。
光カチオン重合開始剤としては、光酸発生剤が好ましい。光酸発生剤は、光照射によってブレンステッド酸またはルイス酸を生成する化合物である。光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩および鉄アレーン錯体が挙げられる。オニウム塩としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩などの芳香族ヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などの芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、ならびに芳香族ホスホニウム塩が挙げられる。鉄アレーン錯体としては、例えば、ビスシクロペンタジエニル-(η6-イソプロピルベンゼン)-鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩としては、例えば、芳香族ヨードニウムまたは芳香族スルホニウムの、クロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10-ジメトキシアントラセン-2-スルホネートが挙げられる。
感光性材料は、光カチオン重合開始剤を1種または2種以上含有できる。
一実施形態において、感光性材料は、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤とを含有する。これにより、光照射によってラジカル重合性モノマーおよびカチオン重合性モノマーの重合を良好に進めることができる。
一実施形態において、感光性材料は、光ラジカル重合開始剤としても光カチオン重合開始剤としても機能する光重合開始剤を含有する。この場合、感光性材料は、このような光重合開始剤を1種のみ含有してもよい。このような光重合開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるものであることが好ましい。
感光性材料における光重合開始剤の含有量は、感光性材料の全固形分100質量部中、0.1質量部以上10質量部以下でもよく、1質量部以上5質量部以下でもよい。このような態様により、例えば、光照射により光重合性モノマーが充分に重合し、所望の屈折率変調量が得られる。
感光性材料は、光重合開始剤を増感せしめる増感色素をさらに含有してもよい。
増感色素は、一般的に光を吸収する成分であり、光重合開始剤の記録光に対する感度を増感させる働きを有する。感光性材料は、増感色素を含有することによって可視光にも活性となり、可視光を用いてホログラムを記録できる。
増感色素としては、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン染料、ピリリウムイオン系色素、シクロペンタノン系色素、シクロヘキサノン系色素およびジフェニルヨードニウムイオン系色素が挙げられる。
ホログラム層に無色透明性が要求される場合(例えば、自動車等のヘッドアップディスプレイとして使用する場合)の増感色素としては、シアニン系色素が好ましい。シアニン系色素は、一般的に光によって分解しやすいため、後露光により、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することにより、ホログラム層中の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明なホログラム層が得られる。
シアニン系色素としては、例えば、アンヒドロ-3,3’-ジカルボキシメチル-9-エチル-2,2’-チアカルボシアニンベタイン、アンヒドロ-3-カルボキシメチル-3’,9-ジエチル-2,2’-チアカルボシアニンベタイン、3,3’,9-トリエチル-2,2’-チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,9-ジエチル-3’-カルボキシメチル-2,2’-チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3’,9-トリエチル-2,2’-(4,5,4’,5’-ジベンゾ)チアカルボシアニン・ヨウ素塩、2-[3-(3-エチル-2-ベンゾチアゾリデン)-1-プロペニル]-6-[2-(3-エチル-2-ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]-3-エチル-1,3,5-チアジアゾリウム・ヨウ素塩、2-[[3-アリル-4-オキソ-5-(3-n-プロピル-5,6-ジメチル-2-ベンゾチアゾリリデン)-エチリデン-2-チアゾリニリデン]メチル]3-エチル-4,5-ジフェニルチアゾリニウム・ヨウ素塩、1,1’,3,3,3’,3‘-ヘキサメチル-2,2’-インドトリカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3’-ジエチル-2,2’-チアトリカルボシアニン・過塩素酸塩、アンヒドロ-1-エチル-4-メトキシ-3’-カルボキシメチル-5’-クロロ-2,2’-キノチアシアニンベタイン、アンヒドロ-5,5’-ジフェニル-9-エチル-3,3’-ジスルホプロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩、2-[3-(3-エチル-2-ベンゾチアゾリデン)-1-プロペニル]-6-[2-(3-エチル-2-ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]-3-エチル-1,3,5-チアジアゾリウム・ヨウ素塩が挙げられる。
感光性材料は、増感色素を1種または2種以上含有できる。
感光性材料における増感色素の含有量は、感光性材料の全固形分100質量部中、0.001質量部以上2質量部以下でもよく、0.001質量部以上1.5質量部以下でもよい。このような態様により、例えば、光重合開始剤の感度を向上でき、またホログラム層の透明性を確保できる。
感光性材料は、一実施形態において、バインダー樹脂を含有する。
バインダー樹脂は、例えば、感光性材料の成膜性、ホログラム層の膜厚均一性、屈折率変調量、耐熱性および機械的物性を向上させ、ホログラフィ露光により形成されるホログラムを安定化させる。
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ-1,2-ジクロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリ-o-メチルスチレン、ポリ-p-メチルスチレン、ポリ-p-フェニルスチレン、ポリ-2,5-ジクロロスチレン、ポリ-p-クロロスチレン、ポリ-α-ビニルナフタレート、スチレン-(メタ)アクリロニトリル共重合体、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリアリーレート、ポリサルホンおよびポリエーテルサルホンが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリヘキシル(メタ)アクリレート、ポリシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリフェニル(メタ)アクリレート、ポリベンジル(メタ)アクリレート、ポリ1-フェニルエチル(メタ)アクリレート、ポリ2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、ポリフルフリル(メタ)アクリレート、ポリジフェニルメチル(メタ)アクリレート、ポリペンタクロルフェニル(メタ)アクリレート、ポリナフチル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレートおよびポリ(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
感光性材料は、熱可塑性樹脂を1種または2種以上含有できる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、ホログラム記録時の光重合性モノマーの拡散移動能および高温保存安定性という観点から、10,000以上150,000以下でもよく、10,000以上100,000以下でもよい。本開示において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ-(GPC)測定によるポリスチレン換算値である。
バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いると、加熱処理により熱硬化性樹脂を硬化させることで、ホログラム層の強度を高め、ホログラム記録特性が向上し、安定した層構造を形成できる。熱硬化性樹脂の官能基の一部は、光照射により光重合性モノマーの官能基の一部との間で相互作用が起こり、化学結合を形成できる。この場合、ホログラム記録後の光照射により、光重合性モノマーが固定されることから、ホログラム層の強度を向上できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、エポキシ変性不飽和ポリエステル、(メタ)アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂およびフェノール樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂の重量平均分子量は、5,000以上100,000以下でもよく、10,000以上50,000以下でもよい。これにより、例えば、ホログラム層の強度をより向上できる。
感光性材料は、熱硬化性樹脂を1種または2種以上含有できる。
感光性材料におけるバインダー樹脂の含有量は、感光性材料の全固形分100質量部中、5質量部以上90質量部以下でもよく、10質量部以上50質量部以下でもよい。これにより、例えば、ホログラム層の強度をより向上できる。
感光性材料は、一実施形態において、ラジカル重合性モノマーとしての(メタ)アクリレート化合物と、カチオン重合性モノマーとしてのエポキシ基を有するモノマーと、バインダー樹脂としての(メタ)アクリル樹脂とを含有する。このような態様により、例えば、架橋密度が高く、また屈折率変調性に優れたホログラム層が得られる。
感光性材料は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、微粒子、熱重合防止剤、連鎖移動剤、シランカップリング剤、レベリング剤および着色剤が挙げられる。微粒子としては、例えば、樹脂骨格として、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリ(メタ)アクリルを有する有機微粒子、該有機微粒子を構成する樹脂骨格中の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフッ素系微粒子;シリカ、マイカ、タルクおよびチタニアなどの無機粒子が挙げられる。
感光性材料は、添加剤を1種または2種以上含有できる。
感光性材料は、塗工適正の向上という観点から、溶媒を含有してもよい。感光性材料のうち、常温で液状である成分が含有されている場合は、溶媒が必要ない場合もある。
上記溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルおよびエチレングリコールジアセテートなどのエステル溶媒;トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブおよびブチルセロソルブなどのセロソルブ溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどのアルコール溶媒;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル溶媒;ならびにジクロロメタンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。上記溶媒は、1種であってもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。
ホログラム層のゲル分率は、例えば30質量%以上であり、35質量%以上でもよく、40質量%以上でもよく、45質量%以上でもよい。ゲル分率の上限は特に限定されないが、例えば、90質量%、80質量%、70質量%または60質量%である。ラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマーとを併用することにより、例えば、上記のように高いゲル分率を有するホログラム層を形成できる。架橋密度が高いホログラム層は、接合材に含まれる可塑剤が、ホログラム層の端部から干渉縞に侵入し、干渉縞が膨張することを抑制できる。
ゲル分率は、以下の式で表される。
ゲル分率 = W2/W1×100(%)
ホログラム層の初期質量をW1とする。ホログラム層を、溶媒としてのメチルエチルケトン(MEK)中に室温(23℃)で24時間浸漬した後、ホログラム層を取り出し、溶媒をふき取り、乾燥した。乾燥後のホログラム層の質量をW2とする。
感光性材料を用いてホログラム層を形成する方法の一実施形態を説明する。ホログラフィ露光(干渉露光)前の光重合性モノマーを含む層を感光性材料層ともいう。
感光性材料を支持体に塗布し、必要に応じて乾燥して感光性材料層を形成する。
支持体としては、例えば、ガラス板および(メタ)アクリル樹脂板などの透明な板;ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリエチレンフィルムなどの透明な樹脂フィルムが挙げられる。支持体は、上述した基材フィルムでもよい。
支持体への感光性材料の塗布方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ワイヤーバー法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、コンマコート法、ロールコート法、ブレードコート法およびドクターロールコート法が挙げられる。
塗布された感光性材料の乾燥は、例えば、ホットプレート、オーブンおよびベルト炉などを用いて行う。乾燥温度は、例えば、20℃以上130℃以下である。乾燥時間は、例えば、1分以上60分以下である。
次に、感光性材料層に対して、ホログラフィ露光を行う。これにより、感光性材料層の露光部または露光量の大きい部分において光重合性モノマーの重合反応が進み、重合体が形成される。その結果、非露光部または露光量の小さい部分から、露光部または露光量の大きい部分へ、光重合性モノマーの移動が起こる。光重合性モノマーの重合および濃度変化によって感光性材料層内に屈折率差が生じ、感光性材料層内に干渉パターン(干渉縞)が形成され、よってホログラムが記録される。このようにして、ホログラム層を得ることができる。
感光性材料層にホログラムを記録した後、屈折率変調の促進および重合反応完結(定着)のために、ホログラム層に対して、さらに全面露光や、加熱処理を行ってもよい。全面露光と加熱処理とを共に行う場合、その順序は特に制限されず、全面露光を先に行ってもよく、加熱処理を先に行ってもよい。一実施形態において、全面露光および加熱処理を行うことが好ましい。これにより、架橋密度および耐久性により優れたホログラム層が得られる。
全面露光では、ホログラム層に対して、例えば、紫外線を照射する。全面露光で用いられる光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプおよびメタルハライドランプが挙げられる。紫外線による全面露光を行う場合の照射エネルギー量としては、例えば、0.1J/cm2以上200J/cm2以下、または0.3J/cm2以上50J/cm2以下である。全面露光により、例えば光重合性モノマーの重合が進み、架橋密度がより高いホログラム層が得られる。
加熱処理を行う際の温度は、例えば、50℃以上150℃であり、処理時間は、例えば、5分以上3時間以下である。加熱処理により、例えばエポキシ基を有するモノマーの重合が進み、架橋密度がより高いホログラム層が得られる。
[コンバイナ、ヘッドアップディスプレイおよび移動体]
ヘッドアップディスプレイおよび移動体を説明した後、コンバイナを説明する。
図4に示すように、ヘッドアップディスプレイ102は、画像形成装置103およびコンバイナ104を有する。ヘッドアップディスプレイ102は、コンバイナ104を用いて、画像形成装置103によって形成された画像を使用者105に表示する。コンバイナ104は、透明である。このため、使用者105は、コンバイナ104を介して、コンバイナ104の背後を観察できる。撮像装置が、コンバイナ104を介して、コンバイナ104を観察する使用者105を撮像してもよい。
本実施形態によるヘッドアップディスプレイ102は、種々の分野に適用可能である。ヘッドアップディスプレイ102は、ヘッドマウントディスプレイに適用されてもよい。ヘッドアップディスプレイ102は、プロンプターに適用されてもよい。プロンプターは、講演や撮像等に使用されてもよい。
図4に示す例においては、ヘッドアップディスプレイ102は、移動体101に適用されている。移動体101は、移動可能な装置である。移動体101は、人間が乗った状態で移動可能としてもよい。移動体101として、船、飛行機、ドローン、鉄道車両、図示された自動車等が例示される。図4に示すように、コンバイナ104は、自動車のフロントウインドウに適用されてもよい。
画像形成装置103は、画像を形成する画像光を放出する。使用者105は、画像光を受光することによって画像を観察する。画像光には、速度情報、視界補助情報、ナビゲーション情報等の画像情報が含まれる。図4に示すように、画像形成装置103は、ダッシュボード内に配置され、ダッシュボードによって隠蔽されていてもよい。画像形成装置103としては、特に限定されず、画像を形成可能な種々の装置を使用可能である。画像形成装置103として、液晶表示装置、レーザー表示装置、EL表示装置等が例示される。画像形成装置103は、光学シートと、光学シートを背面から照明する光源と、を有してもよい。画像形成装置103からの画像光は、コンバイナ104に照射される。画像形成装置103とコンバイナ104との間に、投射光学系(不図示)が設けられていてもよい。投射光学系は、画像形成装置103からコンバイナ104へ画像光を誘導する。投射光学系は、ミラー、レンズ、プリズム、回折光学素子およびこれらの組合せを含んでいてもよい。
コンバイナ104は、画像形成装置103からの画像光を使用者105に向ける。
本開示のコンバイナは、
一対の基板と、
一対の基板を互いに接合するように基板の間に配置された接合材と、
一対の基板の間に位置し、接合材と接触する本開示のホログラムシートと
を有する。
図5~図8を用いて、コンバイナの構成について説明する。コンバイナ104は、一対の基板40,42と、一対の基板40,42を互いに接合するように基板40,42の間に配置された接合材50と、一対の基板40,42の間に位置し、接合材50と接触する本開示のホログラムシート1と、を有する。ホログラムシート1は、平面視において一対の基板40,42の例えば中央部に配置されている。ホログラムシート1は、接合材50により被覆されている。
図5に示すコンバイナ104は、一対の基板40,42と、接合材50と、ホログラム層10およびバリア層20を含むホログラムシート1と、を有する。図5の実施形態では、コンバイナ104は、平面視の一部において、基板42と、ホログラム層10と、バリア層20と、接合材50と、基板40とを含む積層構造を有する。図5の実施形態では、基板42とホログラム層10とが接触している。
図6に示すコンバイナ104は、一対の基板40,42と、接合材50と、ホログラム層10およびバリア層20を含むホログラムシート1と、接着剤層60と、を有する。図6の実施形態では、コンバイナ104は、平面視の一部において、基板42と、接着剤層60と、ホログラム層10と、バリア層20と、接合材50と、基板40とを含む積層構造を有する。図6の実施形態では、基板42と接着剤層60とが接触している。
図7に示すコンバイナ104は、一対の基板40,42と、接合材50と、バリア層22、ホログラム層10およびバリア層20(または基材フィルム30)を含むホログラムシート1と、を有する。図7の実施形態では、コンバイナ104は、平面視の一部において、基板42と、接合材50と、バリア層22と、ホログラム層10と、バリア層20(または基材フィルム30)と、接合材50と、基板40とを含む積層構造を有する。
図8に示すコンバイナ104は、一対の基板40,42と、接合材50と、バリア層22、ホログラム層10およびバリア層20を含むホログラムシート1と、接着剤層60と、を有する。図8の実施形態では、コンバイナ104は、平面視の一部において、基板42と、接着剤層60と、バリア層22と、ホログラム層10と、バリア層20と、接合材50と、基板40とを含む積層構造を有する。図8の実施形態では、基板42と接着剤層60とが接触している。
このように、本開示のホログラムシートは、コンバイナまたは合わせガラスにおける封入形態に応じて、ホログラム層の第1面または第2面の一方の面上のみにバリア層を有してもよく、ホログラム層の第1面および第2面上、すなわちホログラム層の両面上にバリア層を有してもよく、第1面上に基材フィルムを有し、第2面上にバリア層を有してもよく、第1面上にバリア層を有し、第2面上に基材フィルムを有してもよい。本開示のホログラムシートは、コンバイナまたは合わせガラス用途に好適である。
<基板>
一対の基板は、互いに平行になるように配置されている。基板は、透明な板である。基板は、ホログラムシートを支持する。図4に示す例においては、一対の基板40,42は、移動体1のフロントウインドウを構成する風防用の部材として機能している。一実施形態において、基板40は、使用者105の側とは反対側、すなわち移動体101の外側に位置している。一実施形態において、基板42は、使用者105の側、すなわち移動体101の内側に位置している。基板の材料として、ソーダライムガラスや青板ガラス等の無機ガラスを用いてもよい。すなわち基板は、無機ガラス板でもよい。基板の材料として、(メタ)アクリル樹脂や三酢酸セルロース樹脂、ポリカーボネート、非晶質ポリオレフィン等の樹脂を用いてもよい。すなわち基板は、樹脂ガラス板でもよい。基板は、複数の層を有してもよい。基板の厚みは、例えば1mm以上5mm以下である。一対の基板は、同一の材料で同一に構成されてもよく、異なる材料で構成されてもよい。
<接合材>
接合材は、一対の基板の間に配置されている。合わせガラスにおいて、接合材により構成される層は「中間膜」とも呼ばれる。接合材は、透明である。接合材は、接着性または粘着性を有する。接合材は、一対の基板にそれぞれ接触し、一対の基板を互いに接合している。図5~図8においては、接合材50は、一対の基板40,42の間に充填されている。すなわち、接合材50は、一対の基板40,42の間に隙間なく配置されている。接合材の厚みは、例えば20μm以上1000μm以下である。
接合材は、一実施形態において、熱可塑性樹脂を含有する。
熱可塑性樹脂として、例えば、ポリビニルアセタール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレートおよびエチレン-(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタールおよびエチレン-酢酸ビニル共重合体から選択される少なくとも1種が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
ポリビニルアセタールにおけるアセタール基の炭素数は、好ましくは6以下、より好ましくは3以上6以下である。ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラールが好ましい。すなわち、接合材を構成する熱可塑性樹脂として、ポリビニルブチラール(PVB)が好ましい。
接合材は、熱可塑性樹脂を1種または2種以上含有できる。
一般的に、接合材は、基板等に対するその接着力をより高めるという観点から、可塑剤を含有する。可塑剤は、一実施形態において、液状可塑剤である。すなわち、接合材は、一実施形態において、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有し、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有してもよく、ポリビニルブチラールと可塑剤とを含有してもよい。
可塑剤としては、合わせガラス用中間膜に一般的に用いられる可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基性有機酸エステルおよび多塩基性有機酸エステルなどのエステル系可塑剤;ならびに有機リン酸化合物および有機亜リン酸化合物などのリン酸系可塑剤が挙げられる。
一塩基性有機酸エステルとしては、例えば、グリコールと一塩基性有機酸とのエステルが挙げられる。上記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびトリプロピレングリコールが挙げられる。一塩基性有機酸としては、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、n-ノニル酸およびデシル酸が挙げられる。
多塩基性有機酸エステルとしては、例えば、多塩基性有機酸とアルコールとのエステルが挙げられる。多塩基性有機酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸が挙げられる。
エステル系可塑剤としては、具体的には、1,3-プロピレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、エチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエート、ジエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジプロピレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルペンタノエート、トリエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエート、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール-ジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、テトラエチレングリコール-ジ-2-エチルブチレート、テトラエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、アジピン酸ビス(2-ブトキシエチル)、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物が挙げられる。
リン酸系可塑剤としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェートおよびトリイソプロピルホスフェートが挙げられる。
接合材は、可塑剤を1種または2種以上含有できる。
接合材における可塑剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、10質量部以上80質量部以下でもよく、20質量部以上70質量部以下でもよい。これにより、例えば、接合材の接着性および透明性をより向上できる。
接合材は、添加剤を1種または2種以上含有してもよい。添加剤としては、例えば、接着力調整剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、顔料、染料、蛍光増白剤、紫外線遮蔽剤、熱線反射剤および熱線吸収剤が挙げられる。
接合材は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。
接合材は、例えば、接合材を構成する成分を混練して組成物を調製し、該組成物を用いて形成できる。例えば、押出法、カレンダー法およびプレス法などの通常の製膜法により、該組成物をシート状に製膜する方法が挙げられる。
<ホログラムシート>
本開示のホログラムシートは、一対の基板の間に配置されている。ホログラムシートは、接合材と接触するように配置されている。ホログラムシートは、一対の基板の間の中央部に配置されており、接合材により囲まれていてもよい(図7参照)。しかしながら、このことに限定されず、ホログラムシートは、一方の基板の側に接合材を介在させずに配置されて、一方の基板と接触していてもよく(図5参照)、一方の基板の側に接着剤層を介して配置されていてもよい(図6および図8参照)。
<接着剤層>
コンバイナを構成する各層の間に、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、天然ゴム系、再生ゴム系、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン-ブタジエンゴム系、熱可塑性エラストマー系などのエラストマー系接着剤;エポキシ樹脂系、ポリウレタン系などの合成樹脂系接着剤;反応型アクリル系、シアノアクリレート系などの化学反応型接着剤;紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤;エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性エラストマー系、反応ホットメルト系などのホットメルト系接着剤;水溶性接着剤、エマルション系接着剤、ラテックス系接着剤などの水性接着剤;無機系接着剤が挙げられる。
ホログラム層と接触する接着剤層の場合には、可塑剤を含有しない接着剤を用いて当該接着剤層を形成することが好ましい。ホログラムシートと一方の基板との間に接合材を介在させない場合において、ホログラム層、バリア層および基材フィルムがそれら自体で接着性または粘着性を有する場合には、基板とホログラム層、バリア層または基材フィルムとの間の接着剤層を省略できる。
接着剤層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下である。
<コンバイナの製造方法>
本開示のコンバイナの製造方法は、例えば、一対の基板、接合材および本開示のホログラムシートを準備する準備工程と、一対の基板の間に接合材およびホログラムシートを配置する配置工程と、一対の基板を圧着する圧着工程と、を有する。
まず、準備工程が行われる。準備工程は、一対の基板を準備する工程と、接合材を準備する工程と、本開示のホログラムシートを準備する工程と、を有する。
一対の基板を準備する工程においては、ガラス等から成る一対の基板が準備される。接合材を準備する工程においては、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する接合材が準備される。
続いて、配置工程が行われる。配置工程においては、一対の基板の間に接合材およびホログラムシートが配置される。接合材は、一対の基板にそれぞれ接触するように配置される。ホログラムシートは、平面視において一対の基板の中央部に配置される。ホログラムシートは、接合材と接触するように配置される。ホログラムシートは、接合材により囲まれるように配置される。接合材は、一対の基板の間に充填される。接合材は、一対の基板の間に隙間なく配置される。
次に、圧着工程が行われる。圧着工程においては、一対の基板が圧着される。より具体的には、真空雰囲気下において、一対の基板が、外側から、80℃以上200℃以下、特に100℃以上150℃以下の範囲内の温度で加圧される。これにより、接合材が一対の基板にそれぞれ溶着し、一対の基板が互いに接合(圧着)される。
このようにして、コンバイナを得ることができる。
ホログラムシートにおけるホログラム層が接合材と接触しているコンバイナにおいては、例えば上述した圧着工程において、接合材に含まれる可塑剤が、ホログラム層の干渉縞に侵入し得る。この可塑剤の侵入により、干渉縞が膨張するおそれがある。ホログラム層と接合材との間に従来の保護層が設けられている場合にも、このようなおそれがある。このため、接合材が侵入した部分において、図9に示すように、透過スペクトルのピーク波長が長波長側にシフトするおそれがある。本開示のコンバイナにおいては、ホログラム層の第1面および/または第2面上に特定の構造を有するバリア層が設けられていることから、ホログラム層への可塑剤の侵入を効果的に抑制できる。
図9は、耐熱性試験前後における従来のコンバイナの透過スペクトルを示している。図9の透過スペクトルにおいて、透過率の低下(ピーク波長)に相当する光が、コンバイナのホログラム層で回折されている。図9において、実線部は、耐熱性試験前のコンバイナにおけるホログラム層の中心部の透過スペクトルを示し、破線部は、耐熱性試験後のコンバイナにおけるホログラム層の中心部の透過スペクトルを示している。ここで、ピーク波長とは、透過率がピーク値(極小値を含む)を指すときの波長を意味する。また、ホログラム層の中心部とは、平面視におけるホログラム層の重心位置を意味する。上記熱処理は、80℃環境下における24時間の耐熱性試験を意味する。上記透過スペクトルは、耐熱性試験前後のコンバイナについて、波長400nm以上780nm以下の範囲において測定される。
本開示において、透過スペクトルの測定には、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K0115準拠品)等が用いられる。分光光度計により直線透過光を測定することで、平行光線透過率が得られる。
図9に示すように、従来のコンバイナにおいては、熱処理前のホログラム層の中心部における透過スペクトルのピーク波長と、熱処理後のホログラム層の中心部における透過スペクトルのピーク波長との差Δλの絶対値が20nmよりも大きい。これに対して本開示の一実施形態のコンバイナでは、上記ピーク波長の差Δλの絶対値が、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは5nm以下、特に好ましくは2nm以下である。この結果、ホログラムシートの変色を抑制できる。したがって、本開示のコンバイナは、耐熱性に優れる。
ホログラム層は、一実施形態において、複数の波長の光に対して回折効率のピークを有し、したがって透過スペクトルが複数のピークを有する。このような場合、上記Δλの絶対値は、各波長の光に関する回折効率のピークに対応する透過スペクトルのピーク波長における上記Δλの絶対値の平均値を意味する。
本開示は、例えば以下の[1]~[13]に関する。
[1]ホログラム層と、ホログラム層の少なくとも一方の面上に位置するバリア層とを有するホログラムシートであって、バリア層が、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体に由来する構造と、反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造と、を有する硬化膜である、ホログラムシート。
[2]硬化膜が、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体と、架橋剤と、の硬化物を含有する、上記[1]に記載のホログラムシート。
[3]ビニルアルコール系重合体が、反応性官能基を含む側鎖として、ジアセトン基およびアセトアセチルオキシ基から選択される少なくとも1種を有する、上記[1]または[2]に記載のホログラムシート。
[4]架橋剤が、ヒドラジン化合物、アミン化合物、アルデヒド基含有化合物、メチロール基含有化合物および多価金属化合物から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のホログラムシート。
[5]ホログラム層が、体積型ホログラムである、上記[1]~[4]のいずれかに記載のホログラムシート。
[6]ホログラム層が、ラジカル重合性モノマーと、カチオン重合性モノマーと、光重合開始剤と、バインダー樹脂と、増感色素とを含有する感光性材料から形成された層である、上記[1]~[5]のいずれかに記載のホログラムシート。
[7]ホログラム層と、ホログラム層の一方の面上に位置するバリア層と、ホログラム層の他方の面上に位置する基材フィルムとを有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載のホログラムシート。
[8]ホログラム層と、ホログラム層の両面上に位置するバリア層とを有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載のホログラムシート。
[9]一対の基板と、基板を互いに接合するように基板の間に配置された接合材と、基板の間に位置し、接合材と接触する、上記[1]~[8]のいずれかに記載のホログラムシートとを有するコンバイナ。
[10]接合材が、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する、上記[9]に記載のコンバイナ。
[11]接合材が、ポリビニルブチラールと可塑剤とを含有する、上記[9]または[10]に記載のコンバイナ。
[12]画像光を放出する画像形成装置と、画像光が照射される上記[9]~[11]のいずれかに記載のコンバイナとを備える、ヘッドアップディスプレイ。
[13]上記[12]に記載のヘッドアップディスプレイを備える、移動体。
以下、実施例に基づき本開示のホログラムシート等についてより詳細に説明する。
[実施例1]
図10に示すコンバイナ104のサンプルを作製した。コンバイナ104は、基板40、基板42、接合材50、およびホログラムシート1を有する。ホログラムシート1は、基材フィルム30、ホログラム層10およびバリア層22を有する。コンバイナ104において、ホログラムシート1を接合材50内に配置した合わせガラスとした。
<ホログラムシートの作製>
下記に示す材料を用いて、体積型ホログラム記録用感光性材料を調製した。
・ポリメチルメタクリレート
(ポリスチレン換算重量平均分子量:1万5千) 100質量部
・1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
(ナガセケムテックス製EX-212) 70質量部
・ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート
(大阪ガス製BPEFA) 80質量部
・ジアリールヨードニウム塩(ローディア製、PI2074) 5質量部
・2,5-ビス-(4-ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン 1質量部
・1-ブタノール 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記感光性材料を用いて、ホログラム層10を作製した。基材フィルム30として、厚み(T7)50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。PETフィルム上に上記感光性材料を塗布し、100℃で10分間乾燥させ、厚み15μmの感光性材料層を形成した。感光性材料層側をミラーにラミネートし、PETフィルム側から532nmレーザー光を60mJ/cm2入射して、体積型ホログラムを記録した。ホログラフィ露光を行った後、感光性材料層面における照射エネルギー量が1.2J/cm2となるように紫外線照射を感光性材料層全面に行い、さらに、80℃で10分間加熱処理を行った。このようにして、基材フィルム30上に、厚み(T6)15μmのホログラム層10を形成した。
ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF-17、平均重合度:1,700、ケン化度:98.5モル%、日本酢ビ・ポバール(株)製)を10質量%含有する水溶液Aを調製した。アジピン酸ジヒドラジド(ADH)を10質量%含有する水溶液Bを調製した。水溶液Aと水溶液BとをA:B=100:5の質量比率で混合し、バリアコート液を調製した。ホログラム層10上に上記バリアコート液を塗工し、120℃で3分間オーブンで乾燥して、厚み(T8)5μmのバリア層22を形成した。
以上のようにして、ホログラムシート1を得た。
<コンバイナ(サンプル)の作製>
基板40の法線方向に沿った厚みT1を2mmとした。基板40として青板ガラスを用いた。基板42の法線方向に沿った厚みT2を2mmとした。基板42として青板ガラスを用いた。接合材50として、ポリビニルブチラールと可塑剤とを含有する樹脂材を用いた。ホログラムシート1と基板40との間における接合材50の厚みT3を380μmとした。ホログラムシート1と基板42との間における接合材50の厚みT4を380μmとした。
基板40および基板42は、法線方向からの観察において、150mm×150mmの正方形形状を有する。ホログラムシート1は、法線方向からの観察において、100mm×100mmの正方形形状を有する。ホログラムシート1の周縁が、基板40および基板42の周縁から25mm内側に位置するように、接合材50中においてホログラムシート1を基板40および基板42に対して配置した。
このようにして、コンバイナ104のサンプルを得た。
得られたサンプルを、80℃環境下における24時間の耐熱性試験に供した。耐熱性試験前後のコンバイナのホログラム層の中心部における波長400nm以上780nm以下の範囲における透過スペクトルのピーク波長を、分光光度計を用いて測定した。その結果、耐熱性試験前後のピーク波長の差Δλの絶対値は、2nm以下であった。コンバイナにおけるホログラム層を観察したところ、干渉縞の大きな乱れや変色は観察されなかった。
[実施例2]
バリア層22の厚みを2μmに変更したこと以外は実施例1と同様に行った。その結果、耐熱性試験前後のピーク波長の差Δλの絶対値は、2nm以下であった。コンバイナにおけるホログラム層を観察したところ、干渉縞の大きな乱れや変色は観察されなかった。
[比較例1]
バリアコート液としてポリビニルアルコール(PVA124:平均重合度2,400、ケン化度98~99モル%、クラレ(株)製)を10質量%含有する水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。その結果、耐熱性試験前後のピーク波長の差Δλの絶対値は、約76nmであり、透過スペクトルにおいてレッドシフトが観察された。コンバイナにおけるホログラム層を観察したところ、干渉縞の乱れや変色が観察された。接合材から、可塑剤などの低分子量成分がホログラム層に浸透して干渉縞が乱れ、再生光の変色が発生したものと推測される。
[比較例2]
バリア層22の厚みを2μmに変更したこと以外は比較例1と同様に行った。その結果、耐熱性試験前後のピーク波長の差Δλの絶対値は、約90nmであり、透過スペクトルにおいてレッドシフトが観察された。コンバイナにおけるホログラム層を観察したところ、干渉縞の乱れや変色が観察された。
以上に述べた実施形態によれば、ホログラム層の変色を抑制できる。
以上において、具体例を参照しながら本開示のホログラムシート等を説明してきたが、上述した具体例が本開示のホログラムシート等を限定することを意図していない。上述した本開示のホログラムシート等は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
10:ホログラム層
10a:ホログラム層の第1面
10b:ホログラム層の第2面
20,22:バリア層
30:基材フィルム
40,42:基板
50:接合材
60:接着剤層
101:移動体
102:ヘッドアップディスプレイ
103:画像形成装置
104:コンバイナ
105:使用者
106:観察位置

Claims (13)

  1. ホログラム層と、
    前記ホログラム層の少なくとも一方の面上に位置するバリア層と
    を有するホログラムシートであって、
    前記バリア層が、反応性官能基を含む側鎖を有するビニルアルコール系重合体に由来する構造と、前記反応性官能基同士が架橋剤を介して結合して形成された架橋構造と、を有する硬化膜である、
    ホログラムシート。
  2. 前記硬化膜が、反応性官能基を含む側鎖を有する前記ビニルアルコール系重合体と、前記架橋剤と、の硬化物を含有する、請求項1に記載のホログラムシート。
  3. 前記ビニルアルコール系重合体が、前記反応性官能基を含む側鎖として、ジアセトン基およびアセトアセチルオキシ基から選択される少なくとも1種を有する、請求項1または2に記載のホログラムシート。
  4. 前記架橋剤が、ヒドラジン化合物、アミン化合物、アルデヒド基含有化合物、メチロール基含有化合物および多価金属化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  5. 前記ホログラム層が、体積型ホログラムである、請求項1~4のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  6. 前記ホログラム層が、ラジカル重合性モノマーと、カチオン重合性モノマーと、光重合開始剤と、バインダー樹脂と、増感色素とを含有する感光性材料から形成された層である、請求項1~5のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  7. 前記ホログラム層と、
    前記ホログラム層の一方の面上に位置する前記バリア層と、
    前記ホログラム層の他方の面上に位置する基材フィルムと
    を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  8. 前記ホログラム層と、
    前記ホログラム層の両面上に位置する前記バリア層と
    を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のホログラムシート。
  9. 一対の基板と、
    前記基板を互いに接合するように前記基板の間に配置された接合材と、
    前記基板の間に位置し、前記接合材と接触する、請求項1~8のいずれか一項に記載のホログラムシートと
    を有するコンバイナ。
  10. 前記接合材が、熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する、請求項9に記載のコンバイナ。
  11. 前記接合材が、ポリビニルブチラールと可塑剤とを含有する、請求項9または10に記載のコンバイナ。
  12. 画像光を放出する画像形成装置と、
    前記画像光が照射される請求項9~11のいずれか一項に記載のコンバイナと
    を備える、ヘッドアップディスプレイ。
  13. 請求項12に記載のヘッドアップディスプレイを備える、移動体。
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