JP2023019994A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メニスカス面の振動が収まるまでの時間を確保可能であり、インク不吐出やインク溢れ等を発生させずにフラッシングを実行可能なインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、記録ヘッドと、ヘッド駆動部と、搬送ベルトと、制御部と、を備える。記録ヘッドは、複数の加圧室と、各加圧室内のインクに圧力をかけて各ノズルからインクを吐出させる複数の圧電素子と、を有する。ヘッド駆動部は、圧電素子に印加する駆動電圧の駆動波形を発生させる駆動パルス発生部を備える。制御部は、搬送ベルトの複数の開口部のうち特定の開口部にノズルからインクを連続して吐出させてフラッシングを実行し、フラッシングの実行時に用いる駆動波形の駆動周波数を2kHz以上20kHz以下とする。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置において、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを低減または予防するために、定期的にノズルからインクを吐き出すフラッシング(空吐出)が行われている。例えば特許文献1のインクジェット記録装置では、記録媒体を搬送する搬送ベルトに所定の間隔でフラッシング用の開口部を設け、搬送ベルトが一周する間に所定のタイミングで記録ヘッドの各ノズルからインクを吐出させて、搬送ベルトの開口部を通過させるようにしている。
画像品質を維持するためには、ノズル内で乾燥し、増粘したインクをフラッシングによって全て吐出しなければならない。特許文献2には、フラッシング動作時点であると判断された場合に、波形信号の中のフラッシング波形信号を選択して駆動素子に供給するインクジェット式の画像形成装置が開示されている。特許文献2では、画像記録に使用する駆動波形とは別にフラッシング用の駆動波形を用意し、吐出力を大きくしてインクの吐出を行っている。
特開2006-159556号公報 特開2013-52690号公報
乾燥により増粘したインクを吐き捨てるためには、強い力でノズルからインクを押し出す必要がある。しかし、増粘したインクを吐出し終えた後も同じ駆動波形で吐出を継続すると、余分な力による振動がノズル内のメニスカス面に残り、振動が増幅されてノズル内に気泡を噛みこんだり、逆に振幅を打ち消してしまいノズル面からインクが溢れたりすることで、インクの不吐出などの異常が発生する。
特許文献2の構成では、フラッシング用の駆動波形を用いて吐出力を大きくしてインク吐出を行うため、インクを吐出した後にメニスカス面が大きく揺れてしまう。そのため、駆動周波数が高くなるとメニスカス面が安定するまでの時間を十分確保できず、不安定なインク吐出を行ってしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、メニスカス面の振動が収まるまでの時間を確保可能であり、インク不吐出やインク溢れ等を発生させずにフラッシングを実行可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、記録ヘッドと、ヘッド駆動部と、搬送ベルトと、制御部と、を備えたインクジェット記録装置である。記録ヘッドは、インクを吐出する複数のノズルに連通し、内部にインクを収容可能な複数の加圧室と、複数の加圧室に対応して配置され、各加圧室内のインクに圧力をかけて各ノズルからインクを吐出させる複数の圧電素子と、を有する。ヘッド駆動部は、圧電素子に印加する駆動電圧の駆動波形として、ノズルからのインク吐出量に応じて設定された1つ以上の駆動波形を発生させる駆動パルス発生部を備え、印字対象となる画像データを構成する1つの画素データにつき、画素データの階調に応じて定まる回数のインク吐出を各ノズルに対して実行させる。搬送ベルトは、無端状であって複数の開口部を有し、記録媒体を担持して搬送する。制御部は、ヘッド駆動部および搬送ベルトの駆動を制御して、画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて複数の開口部のいずれかを通過させるフラッシングを実行する。制御部は、複数の開口部のうち特定の開口部にノズルからインクを連続して吐出させてフラッシングを実行し、フラッシングの実行時に用いる駆動波形の駆動周波数を2kHz以上20kHz以下とする。
本発明の第1の構成によれば、フラッシング時に用いる駆動波形の駆動周波数を2kHz以上20kHz以下とすることで、ノズルの乾燥を抑制し、且つ、インク吐出後のメニスカス面の振動が収まるまでの時間を確保することができる。これにより、ノズル内への気泡の噛み込みやインク溢れ等の異常を発生させずにフラッシングを実行することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置としてのプリンターの概略の構成を示す説明図 本実施形態のプリンターが備える記録部の平面図 本実施形態のプリンターの給紙カセットから第1搬送ユニットを介して第2搬送ユニットに至る用紙の搬送経路の周辺の構成を模式的に示す説明図 本実施形態のプリンターの主要部のハードウェア構成を示すブロック図 記録ヘッドの要部構成を示す断面拡大図 本実施形態のプリンターに用いられる第1搬送ベルトの一構成例を示す平面図 図6における第1搬送ベルトの開口部周辺の部分拡大図 本実施形態のプリンターにおいて画像記録時に用いる画像記録用駆動波形の一例を示す波形図 本実施形態のプリンターにおいてフラッシング時に用いるフラッシング用駆動波形の一例を示す波形図 本実施形態のプリンターにおける、フラッシング時の駆動周波数の決定制御例を示すフローチャート 本実施形態のプリンターにおける、フラッシング時の駆動波形の切り換え制御例を示すフローチャート
〔1.インクジェット記録装置の構成〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置としてのプリンター100の概略の構成を示す説明図である。プリンター100は、用紙収容部である給紙カセット2を備えている。給紙カセット2は、プリンター本体1の内部下方に配置されている。給紙カセット2の内部には、記録媒体の一例である用紙Pが収容されている。
給紙カセット2の用紙搬送方向下流側、すなわち図1における給紙カセット2の右側の上方には給紙装置3が配置されている。この給紙装置3により、用紙Pは図1において給紙カセット2の右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
プリンター100は、その内部に第1用紙搬送路4aを備えている。第1用紙搬送路4aは、給紙カセット2に対してその給紙方向である右上方に位置する。給紙カセット2から送り出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aにより、プリンター本体1の側面に沿って垂直上方に搬送される。
用紙搬送方向において第1用紙搬送路4aの下流端には、レジストローラー対13が設けられている。さらに、レジストローラー対13の用紙搬送方向下流側直近には、第1搬送ユニット5および記録部9が配置されている。給紙カセット2から送り出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aを通ってレジストローラー対13に到達する。レジストローラー対13は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、記録部9が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1搬送ユニット5(特に後述する第1搬送ベルト8)に向かって用紙Pを送り出す。
レジストローラー対13によって第1搬送ユニット5に送り出された用紙Pは、第1搬送ベルト8によって記録部9(特に後述する記録ヘッド17a~17c)との対向位置に搬送される。記録部9から用紙Pにインクが吐出されることにより、用紙P上に画像が記録される。このとき、記録部9におけるインクの吐出は、プリンター100の内部の制御装置110によって制御される。
用紙搬送方向において、第1搬送ユニット5の下流側(図1の左側)には、第2搬送ユニット12が配置されている。記録部9によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ユニット12へ送られる。用紙Pの表面に吐出されたインクは、第2搬送ユニット12を通過する間に乾燥される。
用紙搬送方向において、第2搬送ユニット12の下流側であってプリンター本体1の左側面近傍には、デカーラー部14が設けられている。第2搬送ユニット12によってインクが乾燥された用紙Pは、デカーラー部14へ送られて、用紙Pに生じたカールが矯正される。
用紙搬送方向において、デカーラー部14の下流側(図1の上方)には、第2用紙搬送路4bが設けられている。デカーラー部14を通過した用紙Pは、両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路4bを通り、プリンター100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ15aに排出される。用紙排出トレイ15aの下方には、印字不良等の発生した不要な用紙P(損紙)を排出するサブ排出トレイ15bが設けられている。
プリンター本体1の上部であって記録部9および第2搬送ユニット12の上方には、両面記録を行うための反転搬送路16が設けられている。両面記録を行う場合、用紙Pの一方の面(第1面)への記録が終了して第2搬送ユニット12およびデカーラー部14を通過した用紙Pは、第2用紙搬送路4bを通って反転搬送路16へ送られる。
反転搬送路16へ送られた用紙Pは、続いて用紙Pの他方の面(第2面)への記録のために搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは、プリンター本体1の上部を通過して右側に向かって送られ、レジストローラー対13を経て第2面を上向きにした状態で再び第1搬送ユニット5へ送られる。第1搬送ユニット5では、記録部9との対向位置に用紙Pが搬送され、記録部9からのインク吐出によって第2面に画像が記録される。両面記録後の用紙Pは、第2搬送ユニット12、デカーラー部14、第2用紙搬送路4bを順に通過して用紙排出トレイ15aに排出される。
また、第2搬送ユニット12の下方には、メンテナンスユニット19およびキャップユニット20が配置されている。メンテナンスユニット19は、パージを実行する際に記録部9の下方に水平移動し、記録ヘッド17a~17cのノズル18(図2参照)から押出されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。なお、パージとは、ノズル18内の増粘インク、異物、気泡を排出するために、記録ヘッド17a~17cのノズル18からインクを強制的に押し出す動作を言う。キャップユニット20は、記録ヘッド17a~17cのインク吐出面をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17a~17cの下面に装着される。
図2は、記録部9の平面図である。記録部9は、ヘッドハウジング10と、ラインヘッド11Y、11M、11C、11Kとを備えている。ラインヘッド11Y~11Kは、駆動ローラー6a、従動ローラー6b、テンションローラー7aおよび7b(図3参照)を含む複数のローラーに張架された無端状の第1搬送ベルト8の搬送面に対して、所定の間隔(例えば1mm)が形成される高さでヘッドハウジング10に保持される。駆動ローラー6aは、第1搬送ベルト8を用紙Pの搬送方向(矢印A方向)に走行させる。この駆動ローラー6aの駆動は、制御装置110の主制御部110a(図4参照)によって制御される。なお、上記複数のローラーは、第1搬送ベルト8の走行方向に沿って、テンションローラー7a、テンションローラー7b、従動ローラー6b、および駆動ローラー6aの順に配置されている(図3参照)。
ラインヘッド11Y~11Kは、複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a~17cをそれぞれ有している。記録ヘッド17a~17cは、用紙搬送方向(矢印A方向)と直交する用紙幅方向(矢印BB′方向)に沿って千鳥状に配列されている。記録ヘッド17a~17cは、複数のノズル18を有している。各ノズル18は、記録ヘッドの幅方向、つまり、用紙幅方向(矢印BB′方向)に等間隔で並んで配置されている。ラインヘッド11Y~11Kからは、記録ヘッド17a~17cのノズル18を介して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクが、第1搬送ベルト8で搬送される用紙Pに向かってそれぞれ吐出される。
図3は、給紙カセット2から第1搬送ユニット5を介して第2搬送ユニット12に至る用紙Pの搬送経路の周辺の構成を模式的に示している。また、図4は、プリンター100の主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンター100は、上記の構成に加えて、レジストセンサー21と、第1用紙センサー22と、第2用紙センサー23と、ベルトセンサー24および25と、をさらに備えている。
レジストセンサー21は、用紙カセット2から給紙装置3によって搬送され、レジストローラー対13に送られる用紙Pを検知する。このレジストセンサー21は、レジストローラー対13よりも用紙Pの供給方向の上流側に位置している。制御装置110(例えば用紙供給制御部110c)は、レジストセンサー21での検知結果に基づき、レジストローラー対13の回転開始タイミングを制御する。例えば、制御装置110は、レジストセンサー21での検知結果に基づき、レジストローラー対13によるスキュー(斜行)補正後の用紙Pの第1搬送ベルト8への供給タイミングを制御する。
第1用紙センサー22は、レジストローラー対13から第1搬送ベルト8に送られる用紙Pの幅方向の位置を検知する。制御装置110(例えば主制御部110a)は、第1用紙センサー22での検知結果に基づき、ラインヘッド11Y~11Kの記録ヘッド17a~17cの各ノズル18のうち、用紙Pの幅に対応するノズル18からインクを吐出させて用紙Pに画像を記録することができる。
第2用紙センサー23は、レジストローラー対13によって第1搬送ベルト8に供給された用紙Pの通過を検知する。つまり、第2用紙センサー23は、第1搬送ベルト8で搬送される用紙Pの搬送方向の位置を検知する。第2用紙センサー23は、用紙搬送方向において記録部9の上流側で第1用紙センサー22の下流側に位置している。制御装置110(例えば主制御部110a)は、第2用紙センサー23での検知結果に基づき、第1搬送ベルト8によってラインヘッド11Y~11K(記録ヘッド17a~17c)と対向する位置に到達する用紙Pに対するインクの吐出タイミングを制御することができる。
ベルトセンサー24および25は、第1搬送ベルト8に設けられた基準特定部Mref(図6参照)を検知する基準検知センサーである。基準特定部Mrefは、第1搬送ベルト8の1周の基準を示す部分であり、後述するように隣り合う2つの開口部群82の組み合わせで構成される。後述するように、基準特定部Mrefと他の開口部群82との位置関係は予めわかっているため、ベルトセンサー24および25が第1搬送ベルト8の基準特定部Mrefを検知することにより、検知した基準特定部Mrefの位置に基づいて、第1搬送ベルト8に設けられた各開口部群82の搬送方向の位置を検出することができる。したがって、ベルトセンサー24および25は、第1搬送ベルト8の開口部群82(開口部80)の位置を検出する開口部位置検出部として機能していると言える。
なお、第1搬送ベルト8のベルト幅方向の端部において、各開口部群82と対応する位置にマークを形成しておき、ベルトセンサー24および25が上記マークを検出することにより、上記マークに対応する開口部群82の位置を検出するようにしてもよい。
ベルトセンサー24は、第1搬送ベルト8を張架する従動ローラー6bよりも用紙搬送方向の上流側に位置している。ベルトセンサー25は、用紙搬送方向(第1搬送ベルト8の走行方向)において記録部9の下流側の2箇所に位置している。本実施形態では、ベルトセンサー25は、テンションローラー7aとテンションローラー7bとの間に位置しているが、従動ローラー6bとテンションローラー7bとの間に位置していてもよい。従動ローラー6bは、記録部9に対して第1搬送ベルト8の走行方向の上流側に位置している。なお、ベルトセンサー24は、第2用紙センサー23と同等の機能を兼ね備えている。制御装置110(例えば用紙供給制御部110c)は、ベルトセンサー24または25での検知結果に基づき、第1搬送ベルト8に対して所定のタイミングで用紙Pを供給するように、レジストローラー対13を制御することができる。
また、用紙Pの位置を複数のセンサー(第2用紙センサー23、ベルトセンサー24)で検知し、第1搬送ベルト8の基準特定部Mrefを複数のセンサー(ベルトセンサー24および25)で検知することにより、検知した位置の誤差修正や異常の検知も可能となる。
上述した第1用紙センサー22、第2用紙センサー23、ベルトセンサー24および25は、透過型または反射型の光学センサー、CISセンサー(Contact Image Sensor、密着型イメージセンサー)などで構成されてもよい。
その他、プリンター100は、第1搬送ベルト8の蛇行を検知する蛇行検知センサーを備え、その検知結果に基づいて第1搬送ベルト8の蛇行を修正する構成であってもよい。
ヘッド駆動部26は、駆動パルス発生部30と、バッファー32と、セレクター33と、を備える。駆動パルス発生部30は、記録ヘッド17a~17c内の圧電素子35(図5参照)を駆動するための駆動波形(駆動電圧)を発生させる。バッファー32は、画像処理部110eで生成された画像1ページ分の駆動波形選択データを格納する。セレクター33は、バッファー32に格納されている1ページ分の駆動波形選択データに基づいて、画像記録用駆動波形(図8参照)の駆動電圧を記録ヘッド17a~17cの圧電素子35に印加するか、或いは駆動波形を選択せず、記録ヘッド17a~17cの圧電素子35の駆動電圧を一定に保持する動作を行う。また、フラッシング時に使用する駆動波形(図9参照)の駆動電圧を記録ヘッド17a~17cの圧電素子35に印加することにより、後述するフラッシングを実行する。
図5は、記録ヘッド17a~17cの要部構成を示す断面拡大図である。図5に示すように、記録ヘッド17a~17cは用紙に対向する吐出面34を有する。吐出面34には、ノズル18の開口部である微小径を有する吐出口18aが、吐出面34の長手方向(主走査方向)において少なくとも印字領域の最大幅に亘って複数設けられている。
記録ヘッド17a~17cは、吐出面34の吐出口18a以外の部分を覆う撥水膜34aと、吐出口18aに対して1つずつ設けられた加圧室36と、インクを貯留するインクタンク(図示せず)と、インクタンクから複数の加圧室36にインクを供給する共通流路37とを備える。加圧室36と共通流路37とは供給孔39で連通されており、この供給孔39を介して共通流路37から加圧室36にインクが供給される。ノズル18は加圧室36内から吐出口18aまで連続している。
加圧室36の壁のうち吐出面34と逆側の壁は振動板40で構成されている。振動板40は複数の加圧室36に亘って連続して形成されており、振動板40には同様に複数の加圧室36に亘って連続して形成された共通電極41が積層されている。共通電極41上には、加圧室36毎に別個の圧電素子35が設けられており、共通電極41と共に圧電素子35を挟むように、加圧室36毎に別個の個別電極43が設けられる。
ヘッド駆動部26の駆動パルス発生部30で生成された駆動パルスが個別電極43に印加されることで、各圧電素子35は個別に駆動される。この駆動による圧電素子35の変形が振動板40に伝達され、振動板40の変形によって、加圧室36の体積は拡大あるいは縮小される。その結果、加圧室36内のインクに圧力が加わり、ノズル18を通ったインクが吐出口18aからインク滴となって吐出される。なお、インク滴が吐出されない間も、ノズル18内にはインクが入っており、ノズル18内でインクはメニスカス面Mを形成している。
また、プリンター100は、操作パネル27と、記憶部28と、通信部29と、をさらに備えている。
操作パネル27は、各種の設定入力を受け付けるための操作部である。例えば、ユーザーは、操作パネル27を操作して、給紙カセット2にセットする用紙Pのサイズ、つまり、第1搬送ベルト8によって搬送する用紙Pのサイズの情報を入力することができる。また、ユーザーは、操作パネル27を操作して、印刷する用紙Pの枚数の入力や、印刷ジョブの開始を指示することもできる。また、操作パネル27は、プリンター100の動作状況(画像記録や後述するフラッシング)に関する通知を行う通知装置としての機能も有する。
記憶部28は、制御装置110の動作プログラムを記憶するとともに、各種の情報を記憶するメモリであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどを含んで構成されている。操作パネル27によって設定された情報(例えば用紙Pのサイズ、枚数の情報)は、記憶部28に記憶される。
通信部29は、外部機器(例えばパーソナルコンピュータ(PC))との間で情報を送受信するための通信インターフェースである。例えば、ユーザーがPCを操作し、プリンター100に対して画像データとともに印刷コマンドを送信すると、上記の画像データおよび印刷コマンドが通信部29を介してプリンター100に入力される。プリンター100では、主制御部110aが上記画像データに基づいて記録ヘッド17a~17cを制御してインクを吐出させることにより、用紙Pに画像を記録することができる。
また、本実施形態のプリンター100は、制御装置110を備えている。制御装置110は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを含んで構成されている。具体的には、制御装置110は、主制御部110aと、フラッシング制御部110bと、用紙供給制御部110cと、メンテナンス制御部110dと、画像処理部110eと、を有する。制御装置110を構成する各制御部は、1つのCPUで構成されているが、別々のCPUで構成されていても勿論構わない。
主制御部110aは、プリンター100の各部の動作を制御する。例えば、プリンター100の内部の各ローラーの駆動、画像記録時(フラッシング時以外)の記録ヘッド17a~17cからのインク吐出等は、主制御部110aによって制御される。
フラッシング制御部110bは、ベルトセンサー24または25による開口部80(開口部群82)の位置検出に基づいて、記録ヘッド17a~17cにフラッシングを実行させる。なお、開口部80の位置検出に基づくフラッシングの詳細については後述する。
用紙供給制御部110cは、記録媒体供給部としてのレジストローラー対13を制御する記録媒体供給制御部である。例えば、用紙供給制御部110cは、ベルトセンサー24または25による開口部80の位置検出に基づいて、レジストローラー対13を制御する。なお、用紙供給制御部110cは、ベルトセンサー24または25による開口部80の位置検出とは独立して(位置検出とは無関係に)、レジストローラー対13を制御することもできる。
メンテナンス制御部110dは、各ノズル18からインクを強制的に押し出す上述のパージを記録ヘッド17a~17cに実行させる制御を行う。メンテナンス制御部110dは、記録ヘッド17a~17cにパージを実行させるときに、上述したメンテナンスユニット19の駆動(例えば記録部9の下方への移動および退避)も制御する。
画像処理部110eは、画像データの画像処理を行い、印字対象となる画像データを構成する各画素データを多値階調(256階調)で示した印字データを生成する。そして、印字データに基づいて所定数の階調(例えば2階調)の駆動波形選択データを生成する。生成された駆動波形選択データはヘッド駆動部26のバッファー32に格納される。
また、図3に示すように、プリンター100は、第1搬送ベルト8の内周面側に、インク受け部31Y、31M、31C、31Kを有している。インク受け部31Y~31Kは、フラッシングを記録ヘッド17a~17cに実行させたときに、記録ヘッド17a~17cから吐出されて第1搬送ベルト8の開口部80を通過したインクを受けて回収する。したがって、インク受け部31Y~31Kは、ラインヘッド11Y~11Kの記録ヘッド17a~17cと、第1搬送ベルト8を介して対向する位置に設けられている。インク受け部31Y~31Kで回収されたインクは、インク排出流路(図示せず)を介して、例えば廃インクタンク(図示せず)に送られて廃棄される。
第2搬送ユニット12は、第2搬送ベルト12aと、乾燥器12bとを有する。第2搬送ベルト12aは、2つの駆動ローラー12cおよび従動ローラー12dによって張架されている。第1搬送ユニット5によって搬送され、記録部9によるインク吐出によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ベルト12aによって搬送され、搬送中に乾燥器12bによって乾燥されて上述したデカーラー部14に搬送される。
〔2.第1搬送ベルトの詳細〕
次に、第1搬送ユニット5の第1搬送ベルト8の詳細について説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係るプリンター100に用いられる第1搬送ベルト8の一構成例を示す平面図である。図7は、図6における第1搬送ベルト8の第2開口部群82b、第3開口部群82c周辺の部分拡大図である。
本実施形態では、用紙Pを負圧吸引によって第1搬送ベルト8に吸着させて搬送する負圧吸引方式を採用している。そのため、第1搬送ベルト8の全域には、用紙Pを負圧吸引によって第1搬送ベルト8に吸着させるための吸引風を通過させる多数の吸引孔8aが形成されている。
第1搬送ベルト8は、フラッシングの際に記録ヘッド17a~17cの各ノズル18から吐出されるインクを通過させる開口部80を複数有している。各開口部80は、第1搬送ベルト8の幅方向(矢印BB′方向、以下単に幅方向ともいう)に長尺の孔で形成されている。各開口部80の平面視での形状は、本実施形態では、図6のように長方形の角部に相当する領域が丸みを帯びた形状であるが、長方形状であってもよいし、その他の形状(例えば楕円形状)であってもよい。
本実施形態では、幅方向および第1搬送ベルト8の搬送方向(矢印A方向、以下単に搬送方向ともいう)に並ぶ複数の開口部80で構成される第1開口部群82a~第7開口部群82gが、第1搬送ベルト8の1周期S内に搬送方向に沿って所定の間隔で7箇所に配置されている。各開口部群82a~82gは、2つの開口部列81aおよび81bで構成されている。各開口部群82a~82gの搬送方向の間隔は同一ではなく、搬送される用紙Pのサイズに応じた位置に不定期に形成されている。即ち、用紙搬送方向において、隣り合う開口部群82a~82g同士の間隔は一定ではなく異なっている。このとき、搬送方向に隣り合う2つの開口部群82a~82gの最大間隔は、印字可能な最小サイズ(例えばA4サイズ横置き)の用紙Pが第1搬送ベルト8上に載置されたときの上記用紙Pの搬送方向の長さよりも長い。
各開口部列81aおよび81bは、複数(ここでは5個)の開口部80が幅方向に等間隔で配置されている。一方の開口部列81aの各開口部80は、搬送方向から見て、他方の開口部列81bの各開口部80とベルト幅方向の一部(長手方向の端部)が重なる(重複部分Dを有する)ように配置されている。つまり、第1搬送ベルト8において、各開口部群82を構成する複数の開口部80は千鳥状に配置されている。なお、一方の開口部列81aの開口部80の数と、他方の開口部列81bの開口部80の数とが異なっていてもよい。
ここで、ラインヘッド11Y~11K(記録ヘッド17a~17c)のヘッド幅をW1(mm)としたとき、開口部群82のベルト幅方向の幅W2(mm)は、W1よりも大きい。この結果、記録ヘッド17a~17cがフラッシングを実行したとき、記録ヘッド17a~17cの各ノズル18から吐出されるインクは、開口部列81aの各開口部80または開口部列81bの各開口部80のいずれかを通過する。したがって、記録ヘッド17a~17cにヘッド幅全体にわたってフラッシングを実行させて、全てのノズル18についてインクの乾燥による目詰まりを低減することが可能となる。
本実施形態では、制御装置110(例えばフラッシング制御部110b)は、第1搬送ベルト8の1周期Sにおいて、フラッシングの際に用いる複数の開口部群82の用紙搬送方向のパターン(組み合わせ)を、用いる用紙Pのサイズに応じて決定する。より詳細には、ベルトセンサー24または25により第1搬送ベルト8の基準特定部Mrefを読み取り、基準特定部Mrefの位置情報と用紙Pのサイズ情報とに基づいてレジストローラー対13から第1搬送ベルト8への用紙Pの供給タイミングを変化させる。これにより、連続して搬送される用紙Pの紙間に、一定の周期で第1開口部群82a~第7開口部群82gのいずれかが位置するように制御される。
用いる用紙Pのサイズは、制御装置110が、記憶部28に記憶された情報(例えば操作パネル27によって入力された用紙Pのサイズ情報)に基づいて認識することができる。なお、フラッシングを行うタイミングは「紙間」には限定されない。例えば、先頭の用紙Pに画像を形成する前や、最後尾の用紙Pに画像を形成した後でもフラッシングを行うことは可能である。
〔3.本実施形態のプリンターにおける駆動波形および駆動周波数の選択〕
次に、本実施形態のプリンター100における画像記録時およびフラッシング時に用いる駆動波形および駆動周波数の選択について説明する。
図8は、画像記録時に用いる画像記録用駆動波形の一例を示す波形図である。図8に示すように、画像記録用駆動波形は、インク吐出を行わせるパルス幅c(加圧室36の固有振動周期の1/2程度)のインク吐出用パルスの後に、加圧室36の固有振動周期の1/2よりも狭いパルス幅aで、インク吐出を行わない予備パルス(キャンセルパルス)を1回リレーさせた駆動波形(リセット波形)である。
このような駆動波形が圧電素子35に印加されると、ノズル18内のインクの流速が所定速度(例えば10m/s)を超えるため、吐出口18aからインクが1回吐出される。吐出時、ノズルからは長く伸びたインク柱が形成され、インク柱はインクの表面張力により1滴もしくは複数滴にまとまり、用紙Pまでの空間を飛翔したのち、用紙P上にドットを形成する。リセット波形はインク柱の後端を引き戻し、形成されるインク柱の長さを短くすることでインク滴を1滴にまとまりやすくする。インク滴を1滴にまとめることで用紙P上に形成されるドットの真円度が高くなり画像品質が向上する。なお、加圧室36の固有振動周期とは、より詳細には、加圧室36中のインクの固有振動周期のことである。加圧室36の固有振動周期は、加圧室36の形状に加えて、加圧室36の上流の供給口39までの流路および下流のノズル18までの流路の形状により定まる。
また、画像記録用駆動波形は、上述のリセット波形を含み、その前に、さらにインク吐出用パルスを1つ以上設けることで、吐出される液滴の数を増やし、合計の吐出量を増やしてもよい。この場合の画像記録用駆動波形は、複数回のインク吐出用パルスに続いて、予備パルスを1回リレーして液滴をまとめてもよいし、複数回のインク吐出用パルスのそれぞれに予備パルスを1回リレーしてもよい。
図8に示した画像記録用駆動波形では、画像の階調値から1ドットの大きさを決定し、1ドットを実現できるインク滴の体積を決定する。そして、インク滴が決定された体積になるように駆動波形が調整される。また、真円度の高いドットを形成するため、液滴は1滴に合一していなければならない。液滴の速度が速いと液滴は1滴に合一し難くなり、複数滴に分離する分滴が発生する。インク滴が分滴すると用紙上のドット形状が歪になり、さらに、メインのドットの周辺に微小なドットが発生するという画像品質低下が発生する。そのため、インク滴の速度が画像品質を保持できる範囲になるように駆動波形が調整されている。このように、画像記録用駆動波形は、分滴が発生し難く、画像品質を満たすようにインク滴の速度と体積を調整した波形である。
次に、フラッシング時に用いるフラッシング用駆動波形について説明する。本実施形態では、フラッシング用駆動波形として、加圧室36の固有振動周期(共振周期)の1/2の長さとなるpull-push波形(Acoustic Length(AL)波形)を用いる。
図9は、フラッシング時に用いるフラッシング用駆動波形(AL波形)の一例を示す波形図である。図9に示すように、フラッシング用駆動波形は、駆動電源の電圧値(V0)からパルス幅c′の間、駆動電源の電圧値よりも低い所定値(V1)になって駆動電源の電圧値(V0)に戻るものが用意されている。ここで、フラッシング用駆動波形は、予備パルスを含まない波形である。これにより、インク柱の後端を引き戻さない分、吐出口18aから吐出されるインクの量を多くできる。また、パルス幅c′は、画像記録用駆動波形のパルス幅cよりも狭い。このような駆動波形が圧電素子35に印加されると、ノズル18内のインクの流速が所定速度(例えば10m/s)を超えるため、吐出口18aからインクが1回吐出される。
フラッシング時に吐出されるインク滴は、開口部80を確実に通過すれば分滴していても構わない。図9に示したフラッシング用駆動波形は、分滴が発生し易くてもインク滴の体積、速度が大きくなるように調整された駆動波形である。
このように、フラッシング用駆動波形によって吐出されるインク吐出量が多いため、ノズル18内の乾燥増粘したインクを吐出するために必要な吐出回数(フラッシング回数)を低減することができる。その結果、非画像記録部のフラッシング領域の副走査方向(搬送方向)長さ、および第1搬送ベルト8に形成される開口部群82の副走査方向(搬送方向)長さを短縮することができる。
また、フラッシング時の駆動波形によって吐出されるインク滴の速度が速いため、吐出されるインク滴を第1搬送ベルト8の下方のインク受け部31Y~31Kに着弾させる可能性を高くできる。これにより、第1搬送ベルト8にインク滴が付着する可能性を低くでき、用紙Pの裏汚れを抑制することができる。さらに、画像記録時の駆動波形や駆動電圧を変更しないため、画像品質も維持することができる。
画像記録用駆動波形からフラッシング用駆動波形に切り換える方法は、例えば印字画像の階調値が4で、ヘッド駆動部26に入力できる駆動波形の種類が4種類であるとき、3種類の画像記録用駆動波形を第1~第3駆動波形として入力し、フラッシング用駆動波形を第4駆動波形として入力しておく。そして、画像記録時にはヘッド駆動部26に入力する画像データ信号として階調値1~4のデータを送信する。フラッシング時にはヘッド駆動部26に入力する画像データ信号として階調値5のデータを送信する。即ち、ヘッド駆動部26に入力可能な駆動波形の数が印字画像の階調値の数以上の場合、予めフラッシング用駆動波形を画像記録用駆動波形と共にヘッド駆動部26に入力しておく。
前述したように、乾燥により増粘したインクを十分に吐出するためにインク吐出力(吐出量および吐出速度)の大きい駆動波形を用いてフラッシングを行った場合、増粘したインクを吐出し終えた後も同一の駆動波形でフラッシングを継続すると、余分な力による振動がメニスカス面Mに伝達され、振動が収まるまでに時間を要する。その結果、ノズル18内に気泡を噛み込んだり、振動が打ち消されてノズル18からインクが漏れたりしてインクの不吐出が発生することがある。
そこで、本実施形態のプリンター100では、フラッシング時に用いる駆動波形の駆動周波数を低下させることで、インク吐出後のメニスカス面Mの振動が収まるまでの時間を確保する。これにより、ノズル18内への気泡の噛み込みやインク溢れ等の異常を発生させずにフラッシングを実行することができる。
また本実施形態では、図9に示したフラッシング用駆動波形に代えて、図8に示した画像記録用駆動波形のうち、AL波形よりもインク吐出量が多くなる駆動波形を用いてフラッシングを実行することもできる。例えば、印字画像の階調値が4で、ヘッド駆動部26に入力できる駆動波形の種類が3種類であるとき、3種類の画像記録用駆動波形を第1~第3駆動波形として入力しておく。そして、フラッシングを実行する直前に、ヘッド駆動部26に入力されている画像記録用駆動波形のうちインク吐出量が最も多い(階調値4のドットを印字する)第3駆動波形をフラッシング用駆動波形に切り換え、フラッシング時にはヘッド駆動部26に入力する画像データ信号として階調値4のデータを送信する。即ち、ヘッド駆動部26に入力可能な駆動波形の数が印字画像の階調値の数よりも少ない場合、ヘッド駆動部26に入力されている画像記録用駆動波形のうちインク吐出量が最も多い駆動波形を用いてフラッシングを実行する。
図9に示したフラッシング用駆動波形は、画像記録用駆動波形に比べてインクの吐出力が強く、波形自体の振動時間も短い。そのため、後述するように駆動周波数を20kHzまで低下させることで、乾燥増粘したインクを十分に吐出することができ、メニスカス面Mの振動によるインクの不吐出も解消することができる。従って、図9に示したフラッシング用駆動波形を、図8に示した画像記録用駆動波形と共にヘッド駆動部26に入力しておくことが好ましい。
次に、フラッシング時に用いる駆動周波数について説明する。プリンター100に使用するインクの種類(乾燥し易さや顔料の配合量等)によっては、吐出回数を一定回数(例えば20回)以上確保する必要がある。そのため、吐出可能領域(開口部80)の広さ(ベルト搬送方向の開口幅)によって駆動周波数の下限値が存在する。一方、吐出可能領域(開口部80)の広さに関係なく一定以上の駆動周波数を用いてインク吐出を行うと、フラッシング回数が必要以上に多くなってしまいインクを無駄に消費することとなる。
また、一定以上の吐出可能領域(開口部80)を確保できたとしても、駆動周波数を2kHzよりも低下させるとインクの吐出間隔が長くなり、ノズル18の乾燥が無視できなくなる。以上より、必要吐出回数および開口部80の広さに応じた最適な駆動周波数を決定することが好ましい。
図10は、本実施形態のプリンター100における、フラッシング時の駆動周波数の決定制御例を示すフローチャートである。図10に示すように、フラッシング制御部110bは、先ず、増粘したインクを吐出するための必要吐出回数N(例えば20回)を決定する(ステップS1)。必要吐出回数Nはインクの種類によって異なる。
次に、フラッシング制御部110bは、フラッシングに使用できる吐出可能領域(開口部80)を決定する(ステップS2)。そして、ステップS2で決定された吐出可能領域に最大限吐出したときの最大駆動周波数Hmax、最大吐出回数Nmaxを決定する(ステップS3)。例えば、駆動周波数40kHzで200回の吐出が可能である場合、Hmax=40[kHz]、Nmax=200[回]となる。
次に、フラッシング制御部110bは、吐出可能領域に必要吐出回数Nのインク吐出が行える最小の駆動周波数H=Hmax*N/Nmaxを算出する(ステップS4)。例えば、N=20[回]、Hmax=40[kHz]、Nmax=400[回]である場合、H=40*20/200=4[kHz]となる。
次に、フラッシング制御部110bは、ステップS4で算出された駆動周波数Hが2kHz以上であるか否かを判定する(ステップS5)。H≧2[kHz]である場合は(ステップS5でYes)、フラッシング制御部110bは駆動周波数H[kHz]でフラッシングを実行する(ステップS6)。一方、H<2[kHz]である場合は(ステップS5でNo)、フラッシング制御部110bは駆動周波数2[kHz]でフラッシングを実行する(ステップS7)。
ところで、図9に示したフラッシング用駆動波形や、画像記録用駆動波形のうちフラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の多い駆動波形を用いてフラッシングを行った場合、増粘したインクを十分に吐出できる反面、増粘したインクを吐出し終えた後も同じ吐出量でインクを吐出するため、フラッシング時に消費するインク量が多くなる。また、フラッシング終了時におけるメニスカス面Mの振動が残りやすく、インクの不吐出やインク漏れも発生し易くなる。一方、インク吐出量の少ない画像記録用駆動波形を用いてフラッシングを行うと、インク吐出力が弱いため増粘したインクを十分に吐出できない。
そこで、フラッシングの初期にはフラッシング用駆動波形またはフラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の多い画像記録用駆動波形を用いてフラッシングを行い、その後はフラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の少ない画像記録用駆動波形に切り換えてフラッシングを行うことが好ましい。
図11は、本実施形態のプリンター100における、フラッシング時の駆動波形の切り換え制御例を示すフローチャートである。PC等の外部機器からプリンター100に対して画像データとともに印刷コマンドを送信すると、画像データおよび印刷コマンドが通信部29を介してプリンター100に入力され、印字が開始される(ステップS1)。
次に、ベルトセンサー24および25によって第1搬送ベルト8の各開口部群82a~82gの搬送方向の位置を検出する(ステップS2)。用紙供給制御部110cは、検出された各開口部群82a~82gの位置情報と、操作パネル27に入力された用紙Pのサイズ情報とに基づいてレジストローラー対13を制御し、各開口部群82a~82gが一定間隔で用紙Pの紙間に出現するように、第1搬送ベルト8上に用紙Pを所定のタイミングで供給する(ステップS3)。
次に、フラッシング制御部110bは、第2用紙センサー23から出力される検知信号に基づいて、非画像形成期間(紙間)Tfが認識されたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4で非画像形成期間Tfが認識されていない場合は(ステップS4でNo)、紙間フラッシングの実行タイミングに到達していないため、第1搬送ベルト8により搬送される用紙Pへの印字を継続する。
非画像形成期間Tfが認識された場合は(ステップS4でYes)、紙間フラッシングの実行タイミングに到達しているため、第1搬送ベルト8により搬送される用紙Pへの印字を停止する(ステップS5)。また、ステップS2で検出された各開口部群82a~82gの位置情報に基づいて、記録ヘッド17a~17cの開口部80に対向する全てのノズル18に対してフラッシングを実行させる(ステップS6)。このとき、図9に示したフラッシング用駆動波形、または図8に示した画像記録用駆動波形のうち、フラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の多い駆動波形を用いてフラッシングが実行される。同時に、フラッシング制御部110bにより各ノズル18の吐出回数nをカウントする(ステップS7)。
次に、フラッシング制御部110bは、吐出回数nが必要吐出回数Nの1/2(例えばN=20回の場合は10回)に到達したか否かを判定する(ステップS8)。n<1/2Nである場合は(ステップS8でNo)、各ノズル18からのフラッシング動作および吐出回数nのカウントを継続する。n=1/2Nである場合は(ステップS8でYes)、駆動パルス発生部30に入力された複数種の画像記録用駆動波形のうち、フラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の少ない画像記録用駆動波形に切り換えてフラッシングを継続する(ステップS9)。また、フラッシング制御部110bによる各ノズル18の吐出回数nのカウントを継続する。
次に、フラッシング制御部110bは、吐出回数nが必要吐出回数N(20回)に到達したか否かを判定する(ステップS10)。n<Nである場合は(ステップS10でNo)、各ノズル18からのフラッシング動作および吐出回数nのカウントを継続する。n=Nである場合は(ステップS10でYes)、各ノズル18の吐出回数nをリセット(n=0)する(ステップS11)。
その後、印字が終了しているか否かを判定し(ステップS12)、印字が継続している場合は(ステップS12でNo)ステップS3に戻り、同様の手順を繰り返す(ステップS3~S12)。印字が終了している場合は(ステップS12でYes)そのまま処理を終了する。
図11に示した制御例によれば、吐出回数nが必要吐出回数Nの1/2に到達するまではインク吐出力が強いフラッシング用駆動波形、またはフラッシング用駆動波形よりもインク吐出量の多い画像記録用駆動波形を用いてインク吐出を行うことで、ノズル18内で増粘したインクを効果的に吐出することができる。また、吐出回数nが必要吐出回数Nの1/2に到達した後は、既に増粘したインクを吐出し終えているため、インク吐出量の少ない画像記録用駆動波形を用いてフラッシングを行うことで、フラッシングの終了時にメニスカス面Mを激しく振動させることなくフラッシングを行うことができる。従って、ノズル18内への気泡の噛み込みやインク溢れの発生を抑制してフラッシング直後の吐出不良を抑制するとともに、フラッシングで消費されるインク量を削減することができる。
なお、図11に示した制御例では、必要吐出回数Nの1/2に到達したときフラッシングに用いる駆動波形をインク吐出量の少ない駆動波形に切り換えているが、駆動波形を切り換えるタイミングは必要吐出回数Nの1/2以下のタイミングであればよく、必要吐出回数Nの1/4以上1/2以下で切り換えることがより好ましい。
〔4.その他〕
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、負圧吸引によって用紙Pを第1搬送ベルト8に吸着させて搬送する場合について説明したが、第1搬送ベルト8を帯電させ、用紙Pを第1搬送ベルト8に静電吸着させて搬送するようにしてもよい(静電吸着方式)。
また、上記実施形態では、開口部群82a~82gが搬送方向の用紙サイズに応じた位置に不規則に配置された第1搬送ベルト8を用いた構成について説明したが、複数の開口部80で構成される開口部群82が、搬送方向の全域に一定間隔で並んで配置される第1搬送ベルト8を用いることもできる。その場合、例えば開口部検知用CISを用いて、第1搬送ベルト8の用紙Pと搬送方向にずれて位置する開口部80を読み取った開口部読取データを取得する。そして、記憶部28から読み出したフラッシング用の元データ(記録ヘッド17a~17cの全てのノズル18からインクを吐出させる駆動データ)を開口部読取データでマスクしたフラッシングデータを生成し、生成したフラッシングデータに基づいて、記録ヘッド17a~17cにフラッシングを実行させることができる。
また、上記実施形態では、インクジェット記録装置として、4色のインクを用いてカラー画像を記録するプリンター100を用いた例について説明したが、ブラックのインクを用いてモノクロの画像を記録するモノクロプリンターを用いた場合でも、本実施形態の第1ベルト搬送部5の構成を用いることは可能である。以下、実施例により本発明の効果について更に詳細に説明する。
フラッシング実行時の駆動波形および駆動周波数とフラッシングの効果との関係について調査した。試験方法は、正常に印字ができることを確認した記録ヘッド17a~17c(KJ4B-1200、京セラ社製)を用いて印字率100%のソリッド(ベタ)画像を印字した。インクは水系インクを使用した。印字後に記録ヘッド17a~17cにキャップをせず30分放置してノズル18内のインクを乾燥、増粘させた。その後、40kHzの駆動周波数であれば400回の吐出を行える開口部80に対して、4種類の駆動波形(波形1~4)を用いて、それぞれ駆動周波数を2kHz~40kHzの間で変更してフラッシングを行い、フラッシングの効果を確認した。
また、インク吐出量、吐出速度が大きくなると先頭の液滴と後続の液滴の距離(テール)が長くなる。このテールが長いほどインクの不吐出が発生しやすいことが知られている。記録ヘッド17a~17cの吐出面34から1mmの位置での先頭の液滴と後続の液滴の距離をテールの長さとして計測した。各駆動波形を用いた場合のインク吐出量[pl]、吐出速度[m/s]、テールの長さ[mm]を表1に示す。
Figure 2023019994000002
波形1~3は図8に示したような画像記録用駆動波形であり、インク吐出用パルスのパルス幅、パルス数が異なるためにインク吐出量、吐出速度、テールの長さが異なる。波形4は図9に示したようなフラッシング用駆動波形(AL波形)である。
フラッシングの効果の評価基準は、フラッシング後に全ノズルを用いて1ドットラインを印字し、抜けピンが5ピン以上発生している場合を×、1~4ピン発生している場合を△、発生していない場合を〇とした。評価結果を駆動周波数、吐出回数と合わせて表2に示す。
Figure 2023019994000003
表2から明らかなように、波形1、2ではインク吐出力が弱いため増粘したインクを十分に吐出できず、駆動周波数に関係なくフラッシングの実行後に不吐出(抜けピン)が発生した。波形3では吐出力が強いため、駆動周波数が40kHzでは余分な力による振動がメニスカス面に伝達されて若干の不吐出が発生しているが、駆動周波数を20kHzまで低下させれば不吐出は減少し、10kHzでは不吐出を解消できた。
一方、波形4は吐出力が強く、波形自体の振動時間も短いためメニスカス面が落ち着くまでの時間を確保しやすく、駆動周波数を20kHzまで低下させれば不吐出を解消できた。従って、フラッシング専用の波形を設定できる場合は波形4をフラッシング専用の波形に設定してフラッシングを行うことが望ましい。
本発明は、インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置に利用可能である。
8 第1搬送ベルト
11Y~11K ラインヘッド
17a~17c 記録ヘッド
18 ノズル
26 ヘッド駆動部
30 駆動パルス発生部
30a 画像記録用駆動電圧電源
30b フラッシング用駆動電圧電源
35 圧電素子
36 加圧室
80 開口部
100 プリンター(インクジェット記録装置)
110b フラッシング制御部
110d 主制御部
P 用紙(記録媒体)

Claims (7)

  1. インクを吐出する複数のノズルに連通し、内部にインクを収容可能な複数の加圧室と、複数の前記加圧室に対応して配置され、前記各加圧室内のインクに圧力をかけて前記各ノズルからインクを吐出させる複数の圧電素子と、を有する記録ヘッドと、
    前記圧電素子に印加する駆動電圧の駆動波形として、前記ノズルからのインク吐出量に応じて設定された1つ以上の前記駆動波形を発生させる駆動パルス発生部を備え、印字対象となる画像データを構成する1つの画素データにつき、前記画素データの階調に応じて定まる回数のインク吐出を前記各ノズルに対して実行させるヘッド駆動部と、
    複数の開口部を有し、記録媒体を担持して搬送する無端状の搬送ベルトと、
    前記ヘッド駆動部および前記搬送ベルトの駆動を制御して、画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで前記記録ヘッドの前記ノズルから前記インクを吐出させて複数の前記開口部のいずれかを通過させるフラッシングを実行する制御部と、
    を備えたインクジェット記録装置において、
    前記制御部は、複数の前記開口部のうち特定の前記開口部に前記ノズルから前記インクを連続して吐出させて前記フラッシングを実行し、前記フラッシングの実行時に用いる前記駆動波形の駆動周波数を2kHz以上20kHz以下とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御部は、前記フラッシングの実行時における前記ノズルからの必要吐出回数N、特定の前記開口部に最大限吐出したときの最大駆動周波数Hmax、最大吐出回数Nmaxを用いて、特定の前記開口部に必要吐出回数Nの前記インクの吐出が行える最小の駆動周波数H=Hmax*N/Nmaxを算出し、H≧2[KHz]である場合は算出された前記駆動周波数Hを用いて前記フラッシングを実行し、H<2[KHz]である場合は前記駆動周波数を2kHzとして前記フラッシングを実行することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御部は、前記画像記録時に用いる複数の画像記録用駆動波形と、前記フラッシングの実行時に用いるフラッシング用駆動波形と、を前記駆動パルス発生部から前記圧電素子に選択的に印加可能であり、
    前記フラッシング用駆動波形は、前記加圧室の固有振動周期の1/2周期となるpull-push波形、若しくは前記pull-push波形よりもインク吐出量の多い前記画像記録用駆動波形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記画像記録用駆動波形は、前記ノズルからインクを吐出させる所定のパルス幅のインク吐出用パルスの後に、前記加圧室の固有振動周期の1/2よりも狭いパルス幅の予備パルスを1回リレーさせた波形を含む駆動波形であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御部は、前記フラッシングの実行時に特定の前記開口部に対する前記インクの総吐出回数の1/4以上、1/2以下の回数までは前記フラッシング用駆動波形を用いて前記フラッシングを実行し、それ以降の回数では前記フラッシング用駆動波形よりも前記インク吐出量の少ない前記画像記録用駆動波形を用いて前記フラッシングを実行することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ヘッド駆動部に入力可能な前記駆動波形の数が印字画像の階調値の数以上の場合、前記制御部は、前記フラッシング用駆動波形として前記pull-push波形を用い、前記フラッシング用駆動波形は複数の前記画像記録用駆動波形と共に前記ヘッド駆動部に入力されることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ヘッド駆動部に入力可能な前記駆動波形の数が印字画像の階調値の数よりも少ない場合、前記制御部は、前記ヘッド駆動部に入力されている複数の前記画像記録用駆動波形のうち前記インク吐出量の最も多い前記駆動波形を前記フラッシング用駆動波形として前記フラッシングを実行することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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