JP2023018063A - てんかんの治療に使用するための組成物 - Google Patents

てんかんの治療に使用するための組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023018063A
JP2023018063A JP2022186420A JP2022186420A JP2023018063A JP 2023018063 A JP2023018063 A JP 2023018063A JP 2022186420 A JP2022186420 A JP 2022186420A JP 2022186420 A JP2022186420 A JP 2022186420A JP 2023018063 A JP2023018063 A JP 2023018063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
acid
decanoic acid
weight
octanoic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022186420A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023018063A5 (ja
Inventor
シモン イートン,
Eaton Simon
シモン ヒールズ,
Heales Simon
アジザ カブシュ,
Khabbush Aziza
マウラ, ルイーズ オドネル,
Louise Odonnell Maura
パトリシア ラザーフォード,
Rutherford Patricia
マシュー ウォーカー,
Walker Matthew
ロビン, シモン, ブルック ウィリアムズ,
Simon Brooke Williams Robin
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
VITAFLO (INTERNATIONAL) Ltd
UCL Business Ltd
Original Assignee
VITAFLO (INTERNATIONAL) Ltd
UCL Business Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by VITAFLO (INTERNATIONAL) Ltd, UCL Business Ltd filed Critical VITAFLO (INTERNATIONAL) Ltd
Publication of JP2023018063A publication Critical patent/JP2023018063A/ja
Publication of JP2023018063A5 publication Critical patent/JP2023018063A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/115Fatty acids or derivatives thereof; Fats or oils
    • A23L33/12Fatty acids or derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/20Carboxylic acids, e.g. valproic acid having a carboxyl group bound to a chain of seven or more carbon atoms, e.g. stearic, palmitic, arachidic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/30Dietetic or nutritional methods, e.g. for losing weight
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/08Antiepileptics; Anticonvulsants

Abstract

【課題】てんかんの治療又はてんかん発作の制御に使用する組成物を提供する。【解決手段】てんかんの治療又はてんかん発作の制御に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、全般的に、AMPA受容体が関与する疾患を治療するための、組成物に関する。特に、本発明は、てんかんを治療するための、組成物を提供する。
てんかんにより、発作によって特徴付けられる広範な神経性疾患が網羅される。発作は、異常な神経活性から生じ、けいれん及び意識喪失をはじめとする、多数の現れ方で症状が出る。多くの場合、てんかんは、抗けいれん薬の使用によって管理することができる。しかし、一定割合のてんかん患者については、従来の薬物による治療によると、発作活性に対する効果は最小限に留まる場合がある。手術は、特定の発作に罹患している患者を治療するための選択肢であるが、多くの個体では、ケトン食により、あまり侵襲的でなくうまく管理することができる。
中鎖トリグリセリド(MCT)ケトン食は、難治性てんかんの治療として、1971年に初めて確認された。耐薬物性てんかんの小児に対する最も効果的な治療取組みのうちの1つ(Liu,Epilepsia 2008;49 Suppl.8:33~36)が提供され、小児てんかんに効果的であることが無作為対照試験にて実証されている(Neal et al.Epilepsia 2009;50:1109~1117)。しかし、食餌には、下痢、吐き気、膨満感、及びけいれんなどの、有害な胃腸関連副作用がある(Liu,Epilepsia 2008:49 Suppl.8:33~36)。更に、多くの患者が食餌は許容困難であると分かることにより、食餌における脱落率が高いことも示されている(Levy et al.Cochrane Database Syst Rev 2012;3:CD001903)。
ケトン食は、高脂肪及び低炭水化物含有量を、成長及び回復に十分なタンパク質とともに有する。ケトン食は、身体に、そのエネルギー源として炭水化物の代わりに脂肪を代謝させることよって機能する。低食餌炭水化物条件下で、脂肪は肝臓において脂肪酸及びケトン体に分解され、これらの化合物は、アデノシン三リン酸(ATP)を生成する更なる代謝経路に、化学的エネルギー源として利用される。
ケトン食から生じるケトン体は、治療的役割を果たすことが前提とされてきたが、発作制御はケトン体濃度とわずかしか相関しない(Likhodii et al.,Epilepsia 2000;41:1400~1410;Thavendiranathan et al.,Exp Neurol 2000;161:696~703)。ケトンに加えて、食餌によりまた、MCT油にてもたらされる2つの脂肪酸、すなわち、直鎖で炭素10個のデカン酸及び炭素8個のオクタン酸の血漿中濃度が上昇する(Haidukewych et al.,Clin Chem 1982;28:642~645)。近年、デカン酸については、in vitro及びin vivoで、臨床的に適切な濃度で抗発作効果を有するが、オクタン酸についてはそうでないことが定説となっている(Chang et al.,Neuropharmacology 2013;69:105~114;Wlaz et al.,Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry 2014)。
α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸受容体(AMPA受容体)は、てんかん活性の生成及び伝播、並びにてんかん発作に関連する長期適応細胞可塑性に重要な役割を果たす(Chapman,J Nutr 2000;130:1043s-1045s;Rogawski and Donevan,Adv Neurol 1999;79:947~963)。受容体は、大脳皮質、扁桃体、視床、及び海馬をはじめとする、てんかんに関与する全ての領域に存在する。更に、AMPA受容体拮抗薬は、様々なin vitro及びin vivoでのてんかんモデルにおける、広範囲の抗けいれん活性を有する((Rogawski.,Epilepsy Curr 2011;11:56~63)。非競合的なAMPA受容体拮抗薬ペランパネルは、部分発作がある成人の治療に承認されている(French et al.,2012 Neurology.79(6):589~96)。
近年、本発明者らにより、デカン酸はAMPA受容体を阻害すること、及びデカン酸のAMPA受容体拮抗作用の程度によりその抗発作効果は十分に説明されることが、示された(Chang et al.,Brain 2016 Feb;139(2):431~443)。対照的に、オクタン酸がAMPA受容体電流に影響を及ぼさなかったことにより、オクタン酸は、AMPA受容体阻害による発作制御に直接影響を及ぼす可能性が低いことが、示唆されている。
抗けいれん薬の更なる開発を促進するために、てんかん発作の軽減に対する中鎖脂肪酸の寄与を更に理解する必要性が依然としてある。
本発明者らは、デカン酸及びオクタン酸の混合物の、AMPA受容体阻害に対する効果を調査した。以前の検討により、デカン酸及びオクタン酸では、AMPA受容体介在性発作対照に対して直接効果を及ぼす可能性は低いことが示唆されたが、本発明者らは、驚くべきことに、デカン酸及びオクタン酸を本明細書で言及される特定の比で組み合わせたときに、AMPA受容体阻害が最大になることを見出した。
本発明者らは、デカン酸及びオクタン酸が、神経様細胞によって区分されて代謝されることを、更に実証した。更に、オクタン酸は優先的に酸化され得、それによってデカン酸を酸化させずにおいておくことができる。
(発明の記載)
本発明の第1の態様によると、てんかんの治療に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、てんかん発作の制御に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、てんかんの対象において興奮性シナプス後電流(EPSC)の低減に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、AMPA受容体を阻害するのに、その阻害を必要とする対象において使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。この対象は、てんかんに罹患している場合がある。本発明の別の態様によると、この対象は、虚血、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌、又はアルツハイマー病に罹患している場合がある。
本発明の別の態様によると、虚血の治療に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、癌の治療に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、アルツハイマー病の治療に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物が、提供される。
本発明の別の態様によると、対象においててんかんの治療又は発作の制御に使用するための組成物であって、対象はAMPA受容体阻害に応答する対象であると確認されている、組成物が、提供される。
本発明に使用する組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10、71:29~89:11、72:28~88:12、73:27~87:13、74:26~86:14、75:25~85:15、76:24~84:16、77:23~83:17、78:22~82:18、又は79:21~81:19で含んでもよい。
好ましくは、本発明に使用する組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)約80:20で含む。
本明細書で言及するデカン酸及びオクタン酸は、トリグリセリドの形態であってもよい。
一実施形態では、オクタン酸及びデカン酸は、組成物の総脂肪酸含有量の少なくとも80重量%、85重量%、90重量%、95重量%若しくは99重量%、又は100重量%を構成する。一実施形態では、オクタン酸及びデカン酸は、中鎖トリグリセリドの形態であり、このトリグリセリドが、組成物の総脂肪含有量の少なくとも80%、85%、90%、95%若しくは99%、又は100%を構成する。好ましくは、MCTの実質的に全ての脂肪酸部分は、オクタン酸部分又はデカン酸部分である。
別の実施形態では、本発明に使用する組成物は、モノ又はポリ不飽和脂肪酸を実質的に含まない。
別の実施形態では、本発明に使用する組成物は、水中油型エマルジョン、粉末、又は食料品の形態である。
別の実施形態では、本発明に使用する組成物は、液体形態であり、デカン酸が、5g/L~500g/L、5g/L~200g/L、5g/L~100g/L、5g/L~50g/L、5g/L~30g/L、5g/L~20g/L、10g/L~500g/L、10g/L~200g/L、10g/L~100g/L、10g/L~50g/L、10g/L~30g/L、又は10g/L~20g/Lで存在する。
例えば、デカン酸は、約5g/L、約10g/L、約15g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、約150g/L、約175g/L、約200g/L、約225g/L、約250g/L、又は約500g/Lで存在してもよい。
別の実施形態では、本発明に使用する組成物は、炭水化物及びタンパク質を含まず、又は実質的に含まず、例えば、組成物は、2重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満の炭水化物及びタンパク質を有する。
別の実施形態では、組成物中の脂質の、タンパク質及び炭水化物の合計に対する重量量は、1~5対1である。例えば、脂質の、タンパク質及び炭水化物の合計に対する重量量は、1対1、2対1、3対1、4対1、5対1、2.4~4.0対1、又は2.6~3.8対1であってもよい。
組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってよい。一実施形態では、エマルジョンは、中鎖トリグリセリドの形態でオクタン酸及びデカン酸を含み、中鎖トリグリセリドは、組成物の総脂肪含有量の少なくとも80%、85%、90%、95%若しくは99%、又は100%を構成する。好ましくは、MCTの、全ての又は実質的に全ての脂肪酸部分は、オクタン酸部分又はデカン酸部分である。エマルジョンは、タンパク質又は炭水化物を実質的に含まなくてもよい。一実施形態では、水中油型エマルジョンの総脂肪含有量は、5~40g/100mL、例えば5~30g/100mL、5~25g/100mL、10~25g/100mL若しくは10~20g/100mL、又は15~25g/100mLである。一実施形態では、エマルジョンのエネルギー値は、100mL当たり50~300kcal、例えば100mL当たり100~300kcal、100mL当たり50~200kcal、100mL当たり150~250kcal、又は100mL当たり170~200kcalである。
一実施形態では、本発明に使用される組成物は、粉末形態である。
別の実施形態では、組成物は、噴霧乾燥形態である。
別の実施形態では、組成物は、食品又はドリンクを強化するのに好適な形態である。
別の実施形態では、組成物は、食料品の形態である。
別の実施形態では、組成物は、医療用食品の形態である。
別の実施形態では、組成物は、チューブフィードの形態である。
本発明に使用する組成物は、飲料、マヨネーズ、サラダドレッシング、マーガリン、低脂肪スプレッド、乳製品、チーズスプレッド、プロセスチーズ、乳製品デザート、フレーバーミルク、クリーム、発酵乳製品、チーズ、バター、コンデンスミルク製品、アイスクリームミックス、大豆製品、低温殺菌液状卵、ベーカリー製品、菓子製品、菓子バー、チョコレートバー、高脂肪バー、UHTデザート(UHT pudding)、低温殺菌デザート、ゲル、ジェリー、ヨーグルト、又は脂肪ベースのフィリング若しくは含水フィリングを有する食品の形態であってもよい。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するための、オクタン酸の使用が提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸がてんかんの治療に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸がてんかん発作の制御に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸がAMPA受容体の阻害に、その阻害を必要とする対象において使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。この対象は、てんかんに罹患している場合がある。本発明の別の態様によると、この対象は、虚血、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌、又はアルツハイマー病に罹患している場合がある。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸が虚血の治療に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸が筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸が癌の治療に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、そのデカン酸がアルツハイマー病(AD)の治療に使用するためのものである、オクタン酸が、提供される。
本発明の別の態様によると、対象においててんかんを治療する方法が、提供され、この方法は、本明細書で定義されるように、組成物を対象に投与するステップ、を含む。
本発明の別の態様によると、対象においててんかん発作を制御する方法が、提供され、この方法は、本明細書で定義されるように、組成物を対象に投与するステップ、を含む。
本発明の別の態様によると、てんかんの対象において興奮性シナプス後電流(EPSC)を低減する方法が、提供され、この方法は、本明細書で定義されるように、組成物を対象に投与するステップ、を含む。
本発明の別の態様によると、対象においてAMPA受容体を阻害する方法が、提供され、この方法は、本明細書で定義されるように、組成物を対象に投与するステップ、を含む。この対象は、てんかんに罹患している場合がある。
AMPA受容体で生成した電流の、ブレンドされたデカン酸及びオクタン酸の適用による直接阻害である。実験では、GluA2/3AMPA受容体を、卵母細胞モデルにて発現させて使用し、100μMのグルタメートを添加した。デカン酸のオクタン酸に対する比を、阻害効果について評価した。8:2の比について4:6の比と比較すると、非常に有意な阻害の増大が示された。**P>0.01、***P>0.001、n.s.=非有意である。 SH-SY5Y細胞における、13Cで標識された3mMのグルコース、250μMのC8、及び250μMのC10の、6時間の経過にわたっての酸化である。細胞から培地への13CO放出速度を、経時的にd13C/12Cの比の変化によって測定したものであり、(a)は、3mMの[U-13C]グルコース処理下、並びに(b)は、250μMの[1-13C]デカン酸(C10)及び[113C]オクタン酸(C8)処理下である。(c)は、SH-SY5Y細胞における、13Cで標識された化合物の絶対酸化速度である。[1-13C]C10の酸化速度は、[U-13C]グルコース及び[1-13C]C8の両方の酸化速度よりも有意に低い(***P<0.0001)ことが見出された。データを、4つの複製ウェルで各々実施される5つの独立した実験(n=5)の平均±SEMとして表す。(d)は、C8の共インキュベーションの、C10の酸化に対する効果である。250μMの[1-13C]C10の酸化速度は、62.5μMの非標識C8の存在下で有意に低下した(p<0.05)。データを、4つの複製ウェルで各々実施される4つの独立した実験(n=4)の平均±SEMとして表す。
組成物
本発明では、デカン酸(C10)酸及びオクタン酸(C8)を含む、組成物を使用する。
オクタン酸(カプリル酸としても知られる)は、式CH(CHCOOHの飽和脂肪酸である。
デカン酸(カプリン酸としても知られる)は、式CH(CHCOOHの飽和脂肪酸である。
本発明に使用される組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む。
組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)71:29~89:11、72:28~88:12、73:27~87:13、74:26~86:14、75:25~85:15、76:24~84:16、77:23~83:17、78:22~82:18、79:21~81:19で含んでもよい。
好ましい実施形態では、組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)75:25~85:15、好ましくは76:24~84:16、77:23~83:17、78:22~82:18、好ましい実施形態では79:21~81:19で含んでもよい。
組成物は、デカン酸をオクタン酸に対する比約70:30、約71:29、約72:28、約73:27、約74:26、約75:25、約76:24、約77:23、約78:22、約79:21、約80:20、約81:19、約82:18、約83:17、約84:16、約85:15、約86:14、約87:13、約88:12、約89:11、又は約90:10で含んでもよい。好ましい実施形態では、比(重量/重量)は、約80:20である。
好ましくは、オクタン酸及びデカン酸は、組成物の総脂肪酸含有量の少なくとも80%、85%、90%、95%若しくは99%、又は100%を構成する。
デカン酸及びオクタン酸は、遊離形態(若しくはその塩の形態)であってもよく、又は、例えば、トリグリセリド、ジアシルグリセリド、モノアシルグリセリドの形態であってもよく、トリグリセリドが一般的に好ましいことが、理解される。
中鎖トリグリセリド(MCT)は、中の3つの脂肪酸部分全てが中鎖脂肪酸部分であるトリグリセリドである。本明細書で定義するとき、中鎖脂肪酸(MCFA)は、6~12個の炭素原子を有する脂肪酸であるが、8個及び10個の炭素原子を有する脂肪酸(すなわちオクタン酸及びデカン酸)が本発明に特に好ましく、これらは、本明細書でC8脂肪酸若しくはC8、及びC10脂肪酸若しくはC10と呼ばれる。
用語「脂肪酸部分」とは、グリセロールとのエステル化反応における脂肪酸に由来するMCTの一部を指す。一例では、グリセロールと、オクタン酸のみとのエステル化反応により、オクタン酸部分を有するMCTが生じる。別の例では、グリセロールと、デカン酸のみとのエステル化反応により、デカン酸部分を有するMCTが生じる。
本発明に使用される組成物は、ホモトリグリセリド(すなわち、MCTの脂肪酸部分の全てが同じものであり、例えば、C8ホモトリグリセリドは、3つのオクタン酸部分を含んでもよく、C10ホモトリグリセリドは、3つのデカン酸部分を含んでもよい)を含んでもよい。組成物は、ヘテロトリグリセリド(すなわち、MCTの脂肪酸部分は全てが同じものではない)を含んでもよい。
一実施形態では、組成物は、オクタン酸若しくはデカン酸ではない脂肪酸部分を含まない、又は実質的に含まない。一実施形態では、組成物は、オクタン酸若しくはデカン酸ではない脂肪酸部分を含むMCTを、含まない、又は実質的に含まない。しかし、微量(例えば、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満)の、このようなMCTが存在してもよい。
MCTの天然供給源の例としては、ココナッツ、ココナッツ油、パーム核、パーム核油などの植物供給源、及び乳などの動物供給源が挙げられる。デカン酸及びオクタン酸は、それぞれココナツ油の脂肪酸組成の約5~8%及び4~10%を構成する。
MCTはまた、グリセロールを1つ以上の中鎖脂肪酸(MCFA)とエステル化することによって合成することもできる。例えば、MCT-C8は、グリセロールをオクタン酸とエステル化することによって合成することができ、MCT-C10は、グリセロールをデカン酸とエステル化することによって合成することができる。
本発明では、長鎖トリグリセリド(LCT)を利用してもよい。好ましくは、LCTは、5重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、又は0.1重量%の濃度である。一実施形態では、LCTは、組成物中に存在しない。
組成物は更に、ミネラル類、ビタミン類、塩類、例えば、複数の嗜好剤(palatant)、複数の着色剤、複数の乳化剤、複数の抗菌剤、又は複数の他の防腐剤を含む複数の機能性添加剤などの、複数の物質を含むことができる。このような組成物に有用な場合があるミネラル類としては、例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、クロリド、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、フルオリドなどが挙げられる。本明細書に記載される組成物に有用な場合があるビタミン類の例としては、水溶性ビタミン(例えば、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ビオチン(ビタミンB7)、ミオ-イノシトール(ビタミンB8)、葉酸(ビタミンB9)、コバラミン(ビタミンB12)、及びビタミンC)、並びに脂溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKなど)が挙げられ、これらの塩類、エステル類、又は誘導体が挙げられる。イヌリン、タウリン、カルニチン、アミノ酸類、酵素類、補酵素類などは、様々な実施形態に含めると有用な場合がある。
一実施形態では、組成物は、水中油型エマルジョンの形態である。エマルジョンは、タンパク質又は炭水化物を実質的に含まなくてもよい。一実施形態では、水中油型エマルジョンの総脂肪含有量は、5~40g/100mL、例えば5~30g/100mL、5~25g/100mL、10~25g/100mL若しくは10~20g/100mL、又は15~25g/100mLである。一実施形態では、エマルジョンのエネルギー値は、100mL当たり50~300kcal、例えば100mL当たり100~300kcal、100mL当たり50~200kcal、100mL当たり150~250kcal、又は100mL当たり160~200kcalである。
別の実施形態では、組成物は、ケトン食の一部として送達される。簡潔に述べると、古典形(classical version)のケトン食では、比を使用して、脂肪含有量を決定及び記載する。したがって、ケトン比により、脂肪のグラム数と、タンパク質及び炭水化物の組み合わせのグラム数との間の関係が表される。4:1の比では、1gのタンパク質及び炭水化物の組み合わせごとに、4倍多いグラム数の脂肪が存在する。この比により、従来、ケトン症の程度を調節することが意図されており、より高い比率では、理論的にはより重いケトン症が亢進する。MCT形のケトン食では、脂肪からのエネルギー百分率(%)を使用して、脂肪含有量を決定及び記載する。他の2つの形態のケトン食は、いわゆる修正Atkinsダイエット(食)及び低血糖(GI)指数食であり、これらにより、人々が多くの脂肪を摂取するよう促す。これらの後者2つでは、脂肪の比率も百分率も式として計算されないが、典型的にはケトン比が約1:1である。ケトン食の4つ全ての形では、脂肪からの総エネルギーの百分率は50~92%の範囲であるが、典型的には70~90%である。
本発明品がケトン食の一部として送達される場合、総脂肪含有量:タンパク質/炭水化物含有量の比は、栄養目標を達成するため、かつ臨床的利点を最適化するために、治療中に変更することができる。比は、例えば、1:1~7:1、1:1~5:1の範囲、例えば1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、又は5:1であってもよい。
一実施形態では、比は、2.25:1~3.9:1である。別の実施形態では、比は、2.26~3.8:1、又は2.7~3.4:1である。更なる実施形態では、比は、3.21:1、3.23:1、3.24:1、3.25:1、3.26:1、3.27:1、3.28:1、又は3.29:1である。
同じ年齢及び体重の異なる2個体が、同じ比率又は同じ量の脂肪に対して異なるレベルの臨床的利点を受ける場合があることは、念頭に置く必要がある。したがって、臨床医は、比を変更することで、最適な臨床的利点が達成されるよう望む場合がある。したがって、比又は総脂肪含有量を微調整し、治療の開始及び終了時に、並びに例えばコンプライアンスを向上させるために、治療中に、それを変更することは、本発明の範囲内である。
組成物は、経腸投与用又は非経口投与用のものであってもよい。好ましい実施形態では、組成物は、経口投与用のものである。
一実施形態では、本発明の組成物は、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ゲルキャップ、散剤、粒剤、液剤、エマルジョン、懸濁剤、被覆粒子、噴霧乾燥粒子、又は丸薬の形態である。
別の実施形態では、組成物は、散剤の形態であってもよい。散剤は、例えば、噴霧乾燥散剤又は凍結乾燥散剤であってもよい。
組成物は、水に戻して(for reconstitution)使用可能なものであってよい。
組成物は、食品物質に挿入又は混合されてもよい。組成物は、食料品又は飼料の形態であってもよい。一実施形態では、食料品は、ヒトの食料品である。
組成物は、医療用食品の形態であってもよい。本明細書で使用するとき、用語「医療用食品」とは、医学的疾患又は病状の食餌管理のために特に処方された食品製品を指し、例えば、医学的疾患又は病状には、通常の食餌のみによっては満たすことができない、明確な栄養的欠乏がある場合がある。医療用食品は、医学的指揮下で投与される場合がある。医療用食品は、経口摂取又は経管栄養法のためのものであってもよい。
組成物は、チューブフィードの形態であってもよい。用語「チューブフィード」とは、栄養を供給管によって対象の胃腸管(gastrointestinal tract)に直接導入することが意図された、製品を指す。チューブフィードは、例えば、対象の鼻を通って配置された供給管(経鼻胃管、経鼻十二指腸管、及び経鼻空腸管など)、又は対象の腹部に直接配置された供給管(胃瘻管(gastrostomy tube)、胃空腸瘻管(gastrojejunostomy tube)、又は空腸供給管(jejunostomy feeding tube)など)によって投与される場合がある。
組成物は、栄養組成物又は栄養補助食品の形態であってもよい。用語「栄養補助食品」とは、対象の普段の食生活を補助することを意図する製品を指す。
組成物は完全栄養製品の形態であってよい。用語「完全栄養製品」とは、対象に対する栄養の唯一の供給源とすることが可能な製品を指す。
様々な実施形態では、組成物は、飲料、マヨネーズ、サラダドレッシング、マーガリン、低脂肪スプレッド、乳製品、チーズスプレッド、プロセスチーズ、乳製品デザート、フレーバーミルク、クリーム、発酵乳製品、チーズ、バター、コンデンスミルク製品、アイスクリームミックス、大豆製品、低温殺菌液状卵、ベーカリー製品、菓子製品、菓子バー、チョコレートバー、高脂肪バー、液体エマルジョン、噴霧乾燥粉末、凍結乾燥粉末、UHTデザート、低温殺菌デザート、ゲル、ジェリー、ヨーグルト、又は脂肪ベースのフィリング若しくは含水フィリングを有する食品の形態であってもよい。
更に他の実施形態では、本発明の組成物は、食品をコーティングするために使用される場合がある。
組成物は、医薬組成物の形態であってもよく、1つ以上の好適な薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を含んでもよい。
本明細書に記載される組成物に好適な、このような賦形剤の例は、「Handbook of Pharmaceutical Excipients,2nd Edition,(1994),(A Wade and PJ Weller編)に見出すことができる。
治療使用に許容可能な担体又は希釈剤は、医薬分野において公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、1985)に記載されている。
好適な担体の例としては、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。好適な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール、及び水が挙げられる。
医薬担体、賦形剤又は希釈剤の選定にあたっては、意図した投与経路及び標準的な薬局業務に関連して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤、又は希釈剤として、又はそれに加え、任意の好適な結合剤(複数可)、潤滑剤(複数可)、懸濁化剤(複数可)、コーティング剤(複数可)、及び/又は可溶化剤(複数可)を含んでもよい。
好適な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、グルコース、無水ラクトース、流動性ラクトース、β-ラクトースなどの天然糖類、コーン甘味料類、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ガム類、又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
好適な潤滑剤の例としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。
複数の防腐剤、複数の安定剤、複数の染料、及び更には複数の香味剤を、組成物中に提供してもよい。複数の防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。複数の酸化防止剤及び複数の懸濁剤もまた、使用されてもよい。
栄養学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤としては、ヒト又は動物による摂取に好適な、食品産業で標準として使用されているものが挙げられる。典型的な栄養学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤は、当業者によく知られている。
AMPA受容体
AMPA受容体は、脳における高速興奮伝達の過半数を媒介する、グルタミン酸依存性カチオンチャネルである。これらは、4つの別個のサブユニット(GluA1~4)の組み合わせから構成される、リガンド依存性イオンチャネルである。最も多くのAMPA受容体は、ヘテロダイマーであり、GluR2と、GluR1、GluR3、又はGluR4のいずれかとの、対称「ダイマーのダイマー(dimer of dimers)」からなる。AMPA受容体は、構成的及び活性化依存性の移行を経てシナプスを再循環させ、シナプスから除去される、高移動性のタンパク質である(Henley et al.,Trends Neurosci.2011;34:258~268;Anggono et al.,Curr Opin Neurobiol.2012;22:461~469)。全てのサブユニットは、互いに共通の、及びNMDAR及びカイニン酸受容体サブユニットと共通の、膜トポロジーを共有する。
各AMPA受容体には、作動薬(グルタメートなど)が各サブユニットに1つずつ結合することができる、4つの部位がある。結合部位は、N末端尾部、及び膜貫通ドメイン3と4との間の細胞外ループによって形成されると考えられる。作動薬が結合すると、これらの2つのループは互いに向かって移動し、細孔を開く。チャネルは、2つの部位が占有されるときに開き、より多くの結合部位が占有されるにつれて、その電流が増加する。開くと、チャネルは急速な脱感作を経て、電流を停止することができる。AMPA受容体は素早く(1msで)開閉して、それにより、中枢神経系における高速興奮性シナプス伝達の大部分を担う。
AMPA受容体の阻害薬により、興奮性シナプス後電流(EPSC)が低減する。デカン酸によりこのような電流は減少すること、及びデカン酸はAMPA受容体の阻害薬であることが、示されている(Chang et al.,Brain.2016 Feb;139(2):431~443)。
本明細書で言及される組成物の、AMPA受容体を最適に阻害する能力により、組成物は、AMPA受容体を阻害するために、この阻害を必要とする対象に使用することができる。好ましくは、この対象は、てんかんに罹患している。
治療
本明細書で使用するとき、用語「治療」とは、病状に関係する少なくとも1つの症状を防止する、和らげる、低減する、若しくは改善させるために、及び/又は病状の進行を遅らせる、低下させる、若しくは阻止するために、本明細書に記載のような組成物を、病状を有する対象に投与することを意味する。
「防止する」とは、病状に関係する少なくとも1つの症状の発症を低減又は防止するために、本明細書に記載のような組成物を、病状の症状を全く示していない対象に投与することを意味する。
てんかん
てんかんは、脳において神経細胞活性が破壊され、発作、又は異常な行動、感覚、及び時には意識喪失の期間を引き起こす、神経性疾患である。
AMPA受容体は、てんかん発作の発生及び拡大に重要な役割を果たす(Rogawski et al.,Acta Neurolmaru Scand.Suppl.127(197):9~18)。受容体は、大脳皮質、扁桃体、視床、及び海馬をはじめとする、てんかんに関与する全ての領域に存在する。更に、AMPA受容体拮抗薬は、様々なin vitro及びin vivoでのてんかんモデルにおける、広範囲の抗けいれん活性を有する((Rogawski.,Epilepsy Curr 2011;11:56~63)。非競合的なAMPA受容体拮抗薬ペランパネル(Fycompa)は、部分的発症発作(partial-onset seizure)及び主要な強直性発作(tonic-clonic seizure)の補助的治療について承認されている。他のAMPA受容体拮抗薬としては、NBQX(2,3-ジヒドロキシ-6-ニトロ-7-スルファモイル-ベンゾ[f]キノキサリン-2,3-ジオン)が挙げられる。
本明細書で言及される組成物の、AMPA受容体を最適に阻害する能力により、組成物は、てんかんを治療するために、使用することができる。
筋萎縮性側索硬化症
ルーゲーリック病及び運動ニューロン疾患(MND)としても知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、最も一般的な成人発症運動ニューロン疾患であり、上部及び下部運動ニューロンの両方の進行性損失によって特徴付けられ、身体全体にわたって筋力低下及び萎縮をもたらす。ALSは、遺伝的である場合もあり、散発性である場合もある。典型的には、ALSの患者は、疾患発症後数年以内に、進行性呼吸筋麻痺により亡くなる。興奮毒性、すなわち、ニューロンがAMPA受容体の過剰活性によって損傷及び死滅する病理学的プロセスは、ALS病因の根底にあると提唱されている。経口投与されるペランパネル、すなわち、選択的で非競合的なAMPA受容体拮抗薬により、ALSのマウスモデルにおけるALS表現型の進行が防止された(Akamatsu et al.,Sci.Rep(2017)6:28649)。
虚血
虚血は、酸素及びグルコース供給の有害な不足、例えば低酸素症及び低血糖症に付随する、組織への血流の制限である。虚血の際、AMPA受容体のCa2+透過性は増加する場合があり、興奮毒性及び関連する神経細胞死につながる場合がある。Ca2+透過性のAMPA受容体は、CA1錐体神経細胞において高度に発現することが示されており、海馬の領域は、虚血イベントに続く細胞死に対して、他の海馬領域よりも脆弱である。NBQXなどのAMPA受容体拮抗薬は、虚血の動物モデルにおける神経細胞の損失を防止するのに有益であることが実証されている(Chang et al.,(2012)European Journal of Neuroscience,35,1908~1916)。

ヒト神経膠芽腫細胞により、増加したレベルのAMPA受容体が発現することを実証する検討によって、MCTのケトン食と、AMPA受容体及び癌治療との関係性が確認されており(Choi,J.,et al.,Glioblastoma cells induse differential glutamatergic gene expressions in human tumor-assoshiated microglia/macrophages and monocyte-derived macrophages.Cancer Biol Ther,2015.16(8):p.1205~13)、AMPA受容体の阻害により、神経膠芽腫細胞(GBM)の遊走及び増殖が抑制され(Ishiuchi,S.,et al.,Ca2+-permeable AMPA receptors regwate growth of human glioblastoma via Akt activation.J Neurosci,2007.27(30):p.7987~8000,Ishiuchi,S.,et al.,Blockage of Ca(2+)-permeable AMPA receptors suppresses migration and induces apoptosis in human glioblastoma cells.Nat Med,2002.8(9):p.971~8,Yoshida,Y.,et al.,Serum-dependence of AMPA receptor-mediated proliferation in glioma cells.Pathol Int,2006.56(5):p.262~71.)、並びに他の癌細胞の遊走及び増殖が抑制される(von Roemeling,C.A.,et al.,Neuronal pentraxin 2 supports clear cell renal cell cacinoma by activating the AMPA-selective glutamate receptor-4.Cancer Res,2014.74(17):p.4796~810)。更に、近年認可されたAMPA受容体特異的阻害薬、ペランパネルは、GBM治療の単一事例の検討において、場合により化学療法に活性なアジュバントであることが示されている(Rosche,J.,et al.,[Perampanel in the treatment of a patient with glioblastoma multiforme without IDH1 mutation and without MGMT promotor methylation].Fortschr Neurol Psychiatr,2015.83(5):p.286~9.)。したがって、これらの検討により、デカン酸によるAMPA受容体阻害には、補助的癌治療を提供する潜在力があることが、示唆される。
アルツハイマー病
アミロイドβ(Aβ)によりAMPA受容体電流が増加し、サブユニットの内在化を誘発するという強い証拠が存在し、アルツハイマー病においてグルタミン酸受容体の過剰活性(hyperactivity)を神経毒性及び記憶喪失と直接関係付ける理論が存在する。Aβにより、AMPA型グルタミン酸受容体をはじめとする様々な受容体の、遺伝子発現及び活性をcAMP/PKAシグナル伝達カスケードにより制限するβアドレナリン受容体が、妨害されることが、示されている(Wang,D.,et al.,Binding of amyloid beta peptide to beta2 adrenergic receptor induces PKA-dependent AMPA receptor hyperactivity.FASEB J,2010.24(9):p.3511~21,Wisely,E.V.Y.K.Xiang,and S.Oddo,Genetic suppression of beta2-adrenergic reseptors ameliorates tau pathology in a mouse model of tauopathies.Hum Mol Genet,2014.23(15):p.4024~34)。PKAによるAMPA受容体GluA1サブユニットのリン酸化によって、チャネル開口確率が増加し、細胞へのカルシウム流入は増加する結果となることが示されている(Banke,T.G.,et al.,Control of GluR1 AMPA reseptor function by cAMP-dependent protein kinase.J Neurosci,2000.20(1):p.89~102)。実際、多数の検討により、Aβを神経培養物に添加すると、カルシウム依存性AMPA受容体生成電流が強くなることによって、神経毒性が引き起こされることが示されている(Whitcomb,D.J.et al.,Intracellular oligomeric amyloid-beta rapidly regulates GluA1 subunit of AMPA receptor in the hippocampus.Sci Rep,2015.5:p.10934)。これにより、Aβ誘発興奮毒性は、アルツハイマー病における広範な神経細胞死に寄与し得ることが、示唆されている。したがって、耐糖性ニューロンにエネルギーをもたらすケトンに加えて、MCTケトン食により、デカン酸によるAMPA受容体の阻害を通してニューロンの生存を改善することができる。加えて、Aβ治療により、GluA2サブユニット、すなわち、カルシウム不透過性をもたらすAMPA受容体サブユニット型のみの内在化が誘発されるという証拠が存在する。したがって、GluA2の内在化により、シナプス後の総カルシウム流入が更に増加する場合があり、これによって、炎症及び神経毒性は更に増大する場合があり(Beppu,K.,et al.,Expression,subunit composition,and function of AMPA-type glutamate receptors are changed in activated microglia;possible contribution of GluA2(GluR-B)-deficiency under pathological conditions.Glia,2013.61(6):p.881~91,Noda,M.,Dysfunction of Glutamate Receptors in Microglia May Cause Neurodegeneration.curr Alzheimer Res,2016.13(4):p.381~6)、これにより、アルツハイマー病の治療におけるAMPA受容体拮抗薬の役割が示唆されている。
投与
本明細書に記載の組成物は、経腸投与されても、非経口投与されてもよい。
好ましくは、組成物は、経腸投与される。例えば、組成物は、食料品又は栄養補助食品の形態で投与されてもよい。
経腸投与は、経口、胃から、及び/又は直腸からであってもよい。
一般論として、本明細書に記載の組成物の投与は、例えば、経口経路又は別の経路により胃腸管に投与するというものであってよく、例えば、投与は経管栄養法によるものであってもよい。
対象は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、ブタ、シカ、及び霊長類などの哺乳動物であってもよい。好ましくは、対象は、ヒトである。
本発明の実施には、別途記載しない限り、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の従来技術を用いており、これらの技術は当業者の能力の範囲内である。かかる技術は文献で説明されている。例えば、J.Sambrook,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Books 1~3,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.et al.(1995 and periodic supplements;Current Protocols in Molecular Biology,ch.9,13,and 16,John Wiley & Sons,New York,N.Y.);B.Roe,J.Crabtree,and A.Kahn,1996,DNA Isolation and Sequencing:Essential Techniques,John Wiley & Sons;J.M.Polak and James O’D.McGee,1990,In Situ Hybridization:Principles and Practice;Oxford University Press;M.J.Gait(Editor),1984,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,Irl Press;D.M.J.Lilley and J.E.Dahlberg,1992,Methods of Enzymology:DNA Structure Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology,Academic Press;及びE.M.Shevach and W.Strober,1992 and periodic supplements,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,New York,NY.を参照されたい。これらの一般的なテキストの各々は、本明細書に参照により組み込まれる。
実施例1-デカン酸:オクタン酸比による治療の、卵母細胞からの電気生理学的記録に対する効果
方法
AMPA受容体サブユニットの、in vitroでのRNA転写
SP6ポリメラーゼ発現ベクター(pSP6T)に挿入されたAMPA受容体(フリップアイソフォーム)cDNAは、Prof Ralf Schoepfer(NPP、UCL)からの寄贈品であった。SP6 Promega RiboMax RNA合成キット(Madison、WI)を製造業者のプロトコルによって使用して、ただし、0.75mMのキャッピングヌクレオチドm7G(5’)ppm(5’)G(Promega、Madison、WI)及び1.6mMのGTPを添加して、Mlu I線形化転写物(linearised transcript)から、RNAを、in vitroで転写した。cRNAの濃度及び完全性(integrity)を、RNA変性ゲルにおける蛍光バンドの強度によって算出した。AMPA受容体cRNAを、見掛け上1:1の比で混合し、卵母細胞当たり約5ngを注入した。
卵母細胞の調製及び注入
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞は、European Xenopus Resource Centre,Univershity of Portsmouthから購入した。ステージV~ステージVIの卵母細胞を、機械的に切除し、次いで、変性Barth溶液(mM単位):88mMのNaCl、1mMのKCl、2.4mMのNaHCO、0.82mMのMgCl、0.77mMのCaClと、約30~50分間、室温で軽く振盪した。Tris-Cl 15を、NaOH(Sigma-Aldrich、UK)でpH7.4まで調整し、50IU/mLのペニシリンと50μg/mLのストレプトマイシン(Invitrogen、UK)と50μg/mLのテトラサイクリン(Sigma-Aldrich、UK)と1%のコラゲナーゼ(タイプ1A)とで補給した。健常な卵母細胞を手作業で濾胞除去し(defolliculate)、ホモマーサブユニット(GluA1)のみに対するcRNAの注入、又は2つのサブユニット(GluA2/GluA3)が一緒になったヘテロマー混合物に対するcRNAの注入を、自動Drummond Nanoinject II注入器(Broomall、PA)を使用して行った。次いで、卵母細胞を、電気生理学的記録における使用の少なくとも48時間前に、変性Barth溶液中にて17℃でインキュベートした。
卵母細胞からの電気生理学的記録
実験を、室温(約21~23℃)で行った。卵母細胞を記録チャンバ(0.3~0.5mLの体積)に入れ、ND96溶液(96mMのNaCl、2mMのKCl、1.8mMのCaCl、1mMのMgCl、5mMのHEPES、pH7.5まで調整済)で灌流した。電流及び電圧電極は、300mMのKClで充填され、薄肉ホウケイ酸ガラス(GC150TF-7.5、Harvard Apparantus(Kent、UK))からPC-10電極プーラー(ナリシゲ)を使用して作製したものであり、抵抗は0.5~2MΩであった。Turbo TEC-03増幅器(npi electronic(Tamin、Germany))を使用して、卵母細胞を、50mVまで又は60mVまでの保持電位に電圧固定した。化合物を蒸留水又はDMSOに溶解して、浴にする溶液(bathing solution)に溶解し、それらの最終濃度を実験中に得て、多弁灌流システム(VC3-8C,ALA Scientific Instruments(Farmingdale、NY))を使用することによって、実験中に自然流下(gravity flow)で適用した。浴の溶液を、10mL/分の速度で灌流した。記録を20Hzでフィルタリングし、100Hzでデジタル化(Digidata 1322A,Molecular Devices(Sunnyvale、CA)した後、コンピュータのハードディスクに記録した。Windows PCベースのプログラムである、WinEDR v3.0.6(John Dempster、Univershity of Strathclyde(UK))を使用して、データ取得を行った。
結果
本発明者らは、デカン酸には急性的抗発作効果があること、及びデカン酸のAMPA受容体拮抗作用はその抗発作効果を説明するのに十分なものであることを、以前に示した(Chang et al.,Neuropharmacology 2013;69:105~114);Wlaz et al.,Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry 2014)。
本発明者らの以前の検討により、デカン酸を、AMPA受容体活性の直接阻害薬として確認した(GluA 2/3;IC50=0.52±0.02mM、n=12)。オクタン酸の効果は、同様であるがあまり強力ではなかった(GluA 2/3;IC50=3.82±0.03mM、n=10)。本発明者らは、末梢血中のデカン酸の濃度が87~552μMまでの前後、平均157μMであり、オクタン酸では104~859μM前後、平均306μM前後であることから、この阻害は発作制御につながる可能性が高いことを実証した。更に、動物モデルにおける血漿中のデカン酸の、脳に対する比は約0.7であることにより、デカン酸は、AMPA受容体阻害を生じさせる濃度で脳内に存在する可能性が高いことが、示唆される。興味深いことに、これらの実験におけるオクタン酸は、AMPA受容体阻害による発作制御に直接影響を及ぼす可能性が低い。
したがって、本発明者らは、MCTの関連する食餌に提供されるおよその投与を再現するために、両方の脂肪酸の、AMPA受容体阻害に対する効果を、混合物として調査した。これらの実験で、本発明者らは、卵母細胞モデルにおいてAMPA受容体(GluA 2/3)を発現し、デカン酸のオクタン酸に対する比として、0:1、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、8:2、9:1、及び1:0を使用して、1mMの総中鎖脂肪酸含有量で、グルタミン酸投与後のAMPA受容体電流の低下を比較した(図1)。これらの実験により、デカン酸のオクタン酸に対する比を増加させ、AMPA受容体の阻害が、最大8:2(デカン酸:オクタン酸)の比の阻害で、強化されたことを示した。この比(8:2)において、AMPA受容体阻害は、現在のMCT油において一般的に使用されている、4:6の比よりも有意に増大した。8:2を超える比(すなわち、9:1、及びデカン酸のみ(1:0))では、AMPA受容体阻害の増大は示されなかった。これらのデータにより、デカン酸とオクタン酸とを組み合わせることによる最大AMPA受容体阻害は、8:2の比でもたらされることが、示唆される。
実施例2-神経細胞デカン酸酸化の、神経細胞デカン酸オクタン酸酸化との比較
方法
細胞培養
SH-SY5Y細胞を、継代数の20~24の間で全ての実験手順のために利用した。17.5μMのグルコースを含有し、100mL/Lの加熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)及び10mL/Lの200mMのグルタミンで補給した、1:1のダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)/F12培地で、細胞を培養した。全ての細胞を、37℃及び5%のCOで、加湿雰囲気中に維持した。10mL/フラスコのMg2+/Ca2+不含のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)で洗浄して、2mLの0.25%のトリプシン-EDTAで剥離し、8mLの培養培地に懸濁することにより、細胞を継代培養して、トリプシンを不活性化した。細胞懸濁液を、ファルコンチューブに移し、500×gで4分間遠心分離した。上清を除去し、細胞を、既知の体積の新たな培養培地に懸濁した。生存率についてのTrypan Blue排除試験を使用して、細胞を計数した。既知の体積の細胞懸濁液を0.4%のTrypan Blue溶液と1:1で混合し、Bio-Rad TC20(登録商標)Automated Cell Counter(Hemel Hempstead(UK))で計数した。次いで、細胞を、6ウェルプレートに1×10細胞/cmの密度で播種し、新たな培地で最終体積2mLの構成とし、全ての実験前に5日間培養した。同じ開始数の細胞を、各調査に使用した。培地を、2日ごとにリフレッシュした。
グルコース、デカノエート、及びオクタノエートの、SH-SY5Y細胞における酸化
全ての実験手順について、最終濃度で15mMのHEPES、2.9mMの重炭酸ナトリウム、2mMのL-グルタミン、0.5mMのピルビン酸ナトリウム、及び21.5μMのフェノールレッドを含有する、特に処方されたDMEM培地を使用して実施した。134.3mMの[U-13C]グルコースの原液を、グルコースをDMEM溶液に溶解することによって調製して、次いでアリコートに分けて-20℃で凍結した。50mMの[1-13C]デカン酸([1-13C]C10)及び50mMの[1-13C]C8の原液を、DMSO中で調製して、滅菌濾過し、次いでアリコートに分けて-20℃で保存した。
培養5日目に、完全増殖培地を取り出し、細胞をDPBSで1回洗浄した。次いで37℃及び5%のCOで20時間(h)にわたって、細胞を、2mLのDMEM処方物でインキュベートし、10%のFBS及び3mMのD-グルコースで補給した。20時間後、培地を取り出し、細胞をDPBSで1回洗浄した。次いで、各ウェルに、3mMの[U-13C]グルコース及びビヒクル対照DMSO又は3mMのD-グルコースを含有する、3mLのDMEMを、250μMの[1-13C]C10若しくは250μMの[1-13C]C8のいずれかとともに添加した。次いで、培地と大気との間のガス交換を防止するため、及び13COの損失を防止するために、ウェルを、3mLの重質鉱油の層で封止した。細胞を37℃で6時間インキュベートして、100μLの培地を各ウェルから1時間間隔でサンプリングした。サンプリングした培地を、ゴム封止Exetainer(登録商標)バイアル(Labco Ltd(Ceredigion、UK))に直ちに保存し、分析まで-20℃で維持した。
C10及びC8の共インキュベーション
また、C10及びC8の共インキュベーションの、C10のSH-SY5Y細胞における酸化に対する効果も探究した。25mMのC8及び100mMの[1-13C]C10の更なる原液を、DMSO中で調製して、滅菌濾過し、アリコートに分けて-20℃で保存した。前述のように、3mMのD-グルコースを含有する、10%のFBSを補給したDMEM培地において、20時間、細胞を培養しインキュベートした。次いで、培地を取り出し、細胞を洗浄した。次いで、3mMの[U-13C]グルコース及びビヒクル対照DMSO又は3mMの非標識D-グルコースのいずれかを含有する、3mLのDMEMで、培地を置き換えた。各D-グルコース補給ウェルにおいて、最終濃度で250μMの[1-13C]C10、又は250μMの[1-13C]C10に62.5μMのC8を足したもののいずれかで、総体積を固定して、細胞を処理した。次いで、ウェルを重質鉱油で封止し、細胞をインキュベートして、培地を前に概説したようにサンプリングした。
[U-13C]パルミチン酸の調製
[U-13C]パルミチン酸を0.35MのNaOHで中和して、水中で17.5mMの濃度にした後、完全に溶解するまで、70℃まで加熱した。次いで、脂肪酸不含ウシ血清アルブミン(BSA)を、水中にて37℃で3.5mMの濃度まで溶解した。そっと軽く回して、次に[U-13C]パルミテート([U-13C]C16)を、BSAに対して1:1として37℃でゆっくりと添加し、8.75mMの[U-13C]C16:BSA複合体を形成した(5:1のモル比の脂肪酸:BSA)。また、水中で1.75mMのBSAの更なる原液も調製した。両方の溶液をアリコートに分け、更なる使用まで-20℃で保存した。
CPT1阻害アッセイ
50mMのエトモキシルの原液を、滅菌細胞培養グレードの水中で調製し、アリコートに分けて-20℃で保存した。培養5日目に、3mMのD-グルコース及び10%のFBSを含有する、2mLのDMEM処方物で、増殖培地を置き換えた。50μMのエトモキシルの存在下で、又はその存在なしで、細胞を、37℃及び5%のCOで20時間インキュベートした。次いで、培地を取り出し、3mMの[U-13C]グルコース及びビヒクル対照DMSO又は3mMのD-グルコースを、250μMの[1-13C]C10、[1-13C]C8、又は[U-13C]C16:BSAのいずれかとともに含有する、3mLのDMEMで、置き換え、また50μMのエトモキシルも、先立ってさらされた細胞に添加された。次いで、ウェルを重質鉱油で封止し、細胞をインキュベートして、培地を前述のようにサンプリングした。
13CO放出の測定
サンプルを室温で解凍し、100μLの1Mの塩酸を、隔壁を通して各バイアルに注入して、培地からCOを放出した。バイアルを、500×gで30秒間遠心分離した。次いで、Thermo Delta-XP同位体比質量分析計に連結されたGasBench IIで、サンプルを分析した。サンプル当たり10回の繰り返し注入を行い、較正されたCO参照ガスを使用して、Vienna Pee Dee Belemnite(VPDB)に対する、d13C/12Cの比を、測定した。13CO12COの比を、VPDBにおける13Cの12Cに対する絶対モル比(0.0111796)を使用して、モルパーセント過剰分に換算した。次いで、モルパーセント過剰分の変化を、培地の体積及び重炭酸塩の濃度(2.9mM)を使用して生成したナノモル(nmol)のCOに換算し、次いで、標識された炭素原子の数(C8及びC10については1、グルコースについては6、パルミテートについては16)に関して較正して、酸化されたナノモルの基質を得た。
細胞生存率
10%のFBSを補給したDMEM培地において、50μMのエトモキシルで、細胞を、37℃及び5%のCOで20時間インキュベートして、次いで、FBSなしのDMEM培地において、50μMのエトモキシルで、更に37℃で6時間インキュベートした。次いで、細胞を、1mLの0.25%のトリプシン-EDTAでウェルから剥離し、4mLの培養培地に懸濁し、500×gで4分間、遠心分離した。上清を除去し、細胞を、1mLの新たな培養培地に懸濁した。次いで、Trypan Blue排除試験を使用して、細胞の生存率を試験した。
統計解析
データを平均±SEMとして表し、nの数は、実施される独立した実験の数を示す。2つの群間の統計解析を、スチューデントのt検定を使用して実施し、p<0.05であれば統計的に有意とみなした。
結果
グルコース、C8、及びC10の、SHSY5Y細胞における酸化速度
13C標識化合物により、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性及び/又はTCAサイクルから発散するCO放出による、グルコース、C8、又はC10の細胞酸化速度の測定が可能になる。6時間にわたっての13CO放出を使用して、各化合物の細胞酸化速度を決定及び定量化した。MCT KD下の患者において観察される生理学的濃度を再現するために、細胞を3mMの13C標識グルコースで処理した。ミトコンドリア及び抗酸化剤状態に対する最適な効果のために、13C標識C10及びC8を、本発明者らによって前に決定されたC10の濃度である250μMの最終濃度まで、別々に添加した。更に、これにより、末梢C10投与後にもたらされる脳濃度が再現される(Hughes et al.2014;Wlaz et al.2015)。非標識の3mMのグルコースを、13C標識C10及びC8の存在下で使用した。
13CO放出は、検討した各分子について、6時間のインキュベーションにわたって直線的であった[図2a及び図2b]。予想されたように、グルコース濃度の速度は、C8又はC10のいずれかの速度よりも著しく速かった[図2c]。しかし、C8及びC10は、これらの細胞において区分されて酸化されることが見出され、C10の酸化は、C8の酸化よりも約80%、有意に低いことが判明した(図2c)。これにより、C8はSH-SY5Y細胞において優先的に酸化され得ることが、示唆される。
C8及びC10の共インキュベーションの、酸化に対する効果
ここでのMCT KD処方物は、C8及びC10の混合物から構成される。これに照らして、本発明者らは、SH-SY5Y細胞を62.5μMの非標識C8)で処理したときの、[1-13C]C10酸化に対する効果を試験した。比較的低い濃度にもかかわらず、C8添加により、C10の酸化速度は29%有意に損なわれることが判明した(図2d、p<0.05)。
CPT1阻害後のC10酸化
C8及びC10の区分された酸化の背後にある機構を決定するために、カルニチンシャトルの可能な役割を探究した。長鎖脂肪酸についてはこの系が必要とされるが、中鎖脂肪酸については、一般に、カルニチンから独立した様式でミトコンドリアマトリックスに入ることが可能であると考えられる。これはC8の場合であってもよいが、C8とは対照的にC10については、完全なミトコンドリア酸化のためにカルニチン系が必要とされる場合があることを示唆する、報告がある。カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT1)は、脂肪アシル基をカルニチンまで移動させるのに関与し、ミトコンドリア内のカルニチン依存性β-酸化における律速段階である。C8及びC10酸化におけるCPT1の可能な役割を評価するために、良好に特徴付けられたCPT1不可逆的阻害薬である、エトモキシルを使用した。[U-13C]パルミチン酸(C16)は、ミトコンドリア酸化についてCPT1に依存することが公知である。[U-13C]パルミチン酸を対照として使用することにより、CPT1を阻害するために使用することができるエトモキシルの最大濃度を、細胞生存率に影響を及ぼすことなく決定することが可能になった。使用した条件では、[U-13C]C16の酸化はほぼ完全に阻害され、99%低減され、これにより、CPT1の完全な不可逆的阻害が示唆された[表1]。更に、エトモキシルは、使用されるSH-SY5Y細胞の生存率に影響を及ぼさないことが観察された(データは示さない)。同じ条件下で、C10酸化は、エトモキシルの存在下で95%低減されることが判明した[表1]が、他方、C8酸化は、34%阻害されたのみであった。
結論として、デカン酸及びオクタン酸は、神経様細胞によって区分されて代謝される。C10のカルニチン依存性及び遅い代謝により、どのように臨界濃度が発生し得、重要な抗発作標的との相互作用が可能になるかの、説明が与えられる。対照的に、C8は、優先的に代謝され得るものであり、2つの重要な効果、すなわち、C10酸化の阻害によりC10を使わずにおく効果、及び脳エネルギー代謝のための燃料供給源として作用する効果がある。
Figure 2023018063000001

Claims (16)

  1. てんかんの治療又はてんかん発作の制御に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物。
  2. てんかんの対象において興奮性シナプス後電流(EPSC)の低減に使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物。
  3. α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体を阻害するのに、前記阻害を必要とする対象において、好ましくはてんかんに罹患している対象において使用するための、デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)70:30~90:10で含む組成物。
  4. 対象においててんかんの治療又は発作の制御に使用するための組成物であって、
    前記対象はAMPA受容体阻害に応答する対象であると確認されている、組成物。
  5. デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)71:29~89:11、72:28~88:12、73:27~87:13、74:26~86:14、75:25~85:15、76:24~84:16、77:23~83:17、78:22~82:18、79:21~81:19、好ましくは約80:20で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. デカン酸をオクタン酸に対する比(重量/重量)80:20で含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. デカン酸及びオクタン酸が、トリグリセリドの形態である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記オクタン酸及びデカン酸が、前記組成物の総脂肪酸含有量の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%を構成する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. モノ又はポリ不飽和脂肪酸を実質的に含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 水中油型エマルジョン、粉末、又は食料品の形態である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が液体形態であり、前記デカン酸が5g/L~500g/Lで存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 炭水化物及びタンパク質を実質的に含まない、又は脂質の、タンパク質及び炭水化物の合計に対する重量量が、1.5~5.0対1である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 医療用食品、チューブフィード、栄養組成物、又は栄養補助食品の形態である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 飲料、マヨネーズ、サラダドレッシング、マーガリン、低脂肪スプレッド、乳製品、チーズスプレッド、プロセスチーズ、乳製品デザート、フレーバーミルク、クリーム、発酵乳製品、チーズ、バター、コンデンスミルク製品、アイスクリームミックス、大豆製品、低温殺菌液状卵、ベーカリー製品、菓子製品、菓子バー、チョコレートバー、高脂肪バー、UHTデザート、低温殺菌デザート、ゲル、ジェリー、ヨーグルト、又は脂肪ベースのフィリング若しくは含水フィリングを有する食品の形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. デカン酸の神経細胞酸化を低減又は防止するのに使用するための、好ましくは前記デカン酸が、てんかん発作の制御に使用するためのものである、オクタン酸。
  16. 前記オクタン酸が、トリグリセリドの形態である、請求項15に記載の使用のためのオクタン酸。
JP2022186420A 2017-04-10 2022-11-22 てんかんの治療に使用するための組成物 Pending JP2023018063A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP17165690 2017-04-10
EP17165690.3 2017-04-10
PCT/EP2018/059031 WO2018189113A1 (en) 2017-04-10 2018-04-09 Composition for use in the treatment of epilepsy
JP2019555489A JP7193471B2 (ja) 2017-04-10 2018-04-09 てんかんの治療に使用するための組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555489A Division JP7193471B2 (ja) 2017-04-10 2018-04-09 てんかんの治療に使用するための組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023018063A true JP2023018063A (ja) 2023-02-07
JP2023018063A5 JP2023018063A5 (ja) 2023-04-03

Family

ID=58544776

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555489A Active JP7193471B2 (ja) 2017-04-10 2018-04-09 てんかんの治療に使用するための組成物
JP2022186420A Pending JP2023018063A (ja) 2017-04-10 2022-11-22 てんかんの治療に使用するための組成物

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555489A Active JP7193471B2 (ja) 2017-04-10 2018-04-09 てんかんの治療に使用するための組成物

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11351138B2 (ja)
EP (1) EP3609489A1 (ja)
JP (2) JP7193471B2 (ja)
CN (1) CN110678173B (ja)
AU (1) AU2018250864B2 (ja)
BR (1) BR112019020785A2 (ja)
CA (1) CA3058047A1 (ja)
MX (1) MX2019012050A (ja)
WO (1) WO2018189113A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11351138B2 (en) * 2017-04-10 2022-06-07 Vitaflo International Ltd Composition for use in the treatment of epilepsy
WO2021240540A1 (en) 2020-05-26 2021-12-02 Celagenex Research (India) Pvt. Ltd. Novel synergistic nutritional compositions for treating seizures and chronic inflammatory diseases

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS591415A (ja) * 1982-06-28 1984-01-06 Mochida Pharmaceut Co Ltd 循環系疾患治療剤
JPH07316092A (ja) * 1993-06-01 1995-12-05 Ono Pharmaceut Co Ltd ペンタン酸誘導体、その製造方法およびそれらを含有する薬剤
WO2002038148A1 (en) * 2000-11-08 2002-05-16 Soda Aromatic Co.,Ltd ANTICANCER AGENTS, PERFUMES OR FOODS AND DRINKS CONTAINING φ-HYDROXYFATTY ACIDS
WO2009038110A1 (ja) * 2007-09-19 2009-03-26 Nagoya Industrial Science Research Institute 神経栄養因子様作用剤
WO2010052847A1 (ja) * 2008-11-06 2010-05-14 日清オイリオグループ株式会社 濃厚流動食
WO2012069790A1 (en) * 2010-11-26 2012-05-31 Royal Holloway And Bedford New College Therapeutic use of compounds
JP2015522256A (ja) * 2012-06-15 2015-08-06 ヴィタフロ (インターナショナル) リミテッドVitaflo (International) Ltd 栄養製品
JP7193471B2 (ja) * 2017-04-10 2022-12-20 ヴィタフロ (インターナショナル) リミテッド てんかんの治療に使用するための組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS591415A (ja) * 1982-06-28 1984-01-06 Mochida Pharmaceut Co Ltd 循環系疾患治療剤
JPH07316092A (ja) * 1993-06-01 1995-12-05 Ono Pharmaceut Co Ltd ペンタン酸誘導体、その製造方法およびそれらを含有する薬剤
WO2002038148A1 (en) * 2000-11-08 2002-05-16 Soda Aromatic Co.,Ltd ANTICANCER AGENTS, PERFUMES OR FOODS AND DRINKS CONTAINING φ-HYDROXYFATTY ACIDS
WO2009038110A1 (ja) * 2007-09-19 2009-03-26 Nagoya Industrial Science Research Institute 神経栄養因子様作用剤
WO2010052847A1 (ja) * 2008-11-06 2010-05-14 日清オイリオグループ株式会社 濃厚流動食
WO2012069790A1 (en) * 2010-11-26 2012-05-31 Royal Holloway And Bedford New College Therapeutic use of compounds
JP2015522256A (ja) * 2012-06-15 2015-08-06 ヴィタフロ (インターナショナル) リミテッドVitaflo (International) Ltd 栄養製品
JP7193471B2 (ja) * 2017-04-10 2022-12-20 ヴィタフロ (インターナショナル) リミテッド てんかんの治療に使用するための組成物

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF NEUROCHEMISTRY, vol. 129, JPN6021050828, 2014, pages 426 - 433, ISSN: 0005196567 *
JOURNAL OF RECEPTOR, LIGAND AND CHANNEL RESEARCH, vol. 7, JPN6021050829, 2014, pages 39 - 50, ISSN: 0005196568 *

Also Published As

Publication number Publication date
RU2019135829A3 (ja) 2021-05-26
US20200147025A1 (en) 2020-05-14
CN110678173B (zh) 2023-03-28
JP7193471B2 (ja) 2022-12-20
AU2018250864A1 (en) 2019-10-10
US11351138B2 (en) 2022-06-07
MX2019012050A (es) 2020-08-17
BR112019020785A2 (pt) 2020-04-28
CA3058047A1 (en) 2018-10-18
AU2018250864B2 (en) 2024-01-11
RU2019135829A (ru) 2021-05-11
CN110678173A (zh) 2020-01-10
JP2020518557A (ja) 2020-06-25
WO2018189113A1 (en) 2018-10-18
EP3609489A1 (en) 2020-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
McDonald et al. Ketogenic diets for adult neurological disorders
JP2023018063A (ja) てんかんの治療に使用するための組成物
Hashimoto et al. Docosahexaenoic acid: one molecule diverse functions
EP2861226B1 (en) Nutritional product comprising decanoic acid and octanoic acid
Prior et al. (N-3) Fatty acids: molecular role and clinical uses in psychiatric disorders
Ekstrand et al. Brain foods-the role of diet in brain performance and health
US9480672B2 (en) Internal composition
CN107428652B (zh) 用于治疗炎性疾病、退行性疾病和神经退行性疾病的化合物、组合物和方法
CN103200830A (zh) 用于治疗或预防焦虑或神经发生的方法和制剂
US10653641B2 (en) Use of cannabinoids in the treatment of mental disorders
US9968629B2 (en) Product and method for supporting uridine homeostasis
BR112015026207B1 (pt) Uso de uma preparação na fabricação de uma composição nutricional, composição nutricional e uso de uma composição nutricional
Haubenberger et al. Treatment of essential tremor with long-chain alcohols: still experimental or ready for prime time?
EP3179868B1 (en) Lipid composition for improving behaviour
AU2018293718B2 (en) Combination comprising decanoic acid for the treatment of epilepsy
RU2793246C2 (ru) Композиция для применения в лечении эпилепсии
US20220133700A1 (en) Compositions and methods for treating neurological disorders
Tan et al. Heptanoate is neuroprotective in vitro but triheptanoin post-treatment did not protect against middle cerebral artery occlusion in rats
RU2779202C2 (ru) Комбинация, содержащая декановую кислоту, для лечения эпилепсии
Abdelmissih Perspective Chapter: Neurotoxins and Erythrocytes–A Double-headed Arrow
Jain Nutrition and the brain
Belmaker et al. Perspectives for new pharmacological interventions
Bousquet Anti-Inflammatories
BR112013025088B1 (pt) Composições farmacêuticas orais líquidas e método de tratar ou impedir uma doença neurodegenerativa

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240213