JP2023017238A - 排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置 - Google Patents

排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材を提供する。【解決手段】排ガス処理体1と当該排ガス処理体を収容するケーシング2との間隙に配設される排ガス処理装置用保持材3であって、無機繊維と、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含み、前記無機繊維100質量部に対する前記天然繊維の含有量が0.20~3.00質量部、前記無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が0.02~2.50質量部である繊維集成体からなることを特徴とする排ガス処理装置用保持材である。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置に関する。
従来より、自動車等の車両には、そのエンジンの排ガス中に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の有害成分を除去するために、各種排ガス処理装置が装着されている。
このような排ガス処理装置は、通常、エンジンの排ガスマニホールドに連結された排気管の途上にケーシングを設け、その中に多数の微細孔を有する排ガス処理体を配置した構造となっている。
上記排ガス処理装置としては、排ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等が挙げられ、上記排ガス処理体としては、金属製や合金製のものの他、セラミック製のもの等が知られており、セラミック製の排ガス処理体としては、コーディエライト製のハニカムフィルタが知られている。
上記排ガス処理装置が触媒コンバーターである場合、一般に触媒コンバーターは、図1に断面図で示すように、(排ガス処理体に相当する)筒状に形成された触媒担体1と、触媒担体1を収容する金属製のケーシング2と、触媒担体1に装着されて触媒担体1とケーシング2との間隙に介装される保持材3とから構成されている。
触媒担体1としては、例えばコーディエライト等からなる円筒状のハニカム状成形体に貴金属触媒等が担持されたものが一般的であるため、触媒担体1とケーシング2との間隙に介装される保持材3には、高温耐熱性を有するとともに、自動車の走行中に振動等によって触媒担体1がケーシング2に衝突して破損しないように触媒担体1を安全に保持する機能と、触媒担体1とケーシング2との間隙から未浄化の排ガスが漏れないようにシールする機能とを兼ね備えることが必要とされている(例えば、特許文献1(特開2003-286837号公報)参照)。
そこで、排ガス処理体を保持する保持材としては、従来より、アルミナ繊維等のセラミック繊維を単独であるいは混合し、有機バインダーを用いて所定厚でマット状または円筒状に集成したものが提案されるようになっている。
特開2003-286837号公報
ところで、保持材3は、厚すぎると触媒担体1への巻装作業並びにケーシング2への装着作業を行い難くなるため、作業性(組み付け性)を向上させるため、ある程度薄くする必要がある。
このため、一般的な保持材3では、有機バインダーとして、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用い、これ等有機バインダーを保持材全量の5~8重量%、多いものでは10重量%程度使用して、薄肉化を図っている。
一方、近年においては、浄化効率を高めるために、触媒担体1は1000℃近くまで加熱されるため、上記有機バインダーは容易に分解、焼失して、特に触媒コンバーターの作動初期にCOやCO等の各種有機系ガスを多量に発生することになる。
近年、排ガス規制は厳しくなる一方であることから、上記有機バインダーの消失によって排ガス規定値を上回る可能性がある。また、最近ではエンジンの電子制御が進んでおり、本来の排ガスに関係の無いCOが存在すると、排気系センサー類の誤作動を生じてエンジンの電子制御に影響する場合が考えられる。
このため、保持材中の有機バインダー量を低減する対応が考えられるが、本発明者等の検討によれば、有機バインダーの減量分だけ無機繊維の結束力が弱まり、保持材3が厚くなって組み付け性が低下すること、特に保持材をフラットなマット状としたときに組み付け性が低下することが判明した。
このような状況下、本発明者等は、上記課題を解決する手段として、保持材を構成する有機バインダーの一部に代えて天然繊維を用いることを着想した。有機バインダーの一部代えて天然繊維を用いることで、天然繊維が無機繊維に絡み付いて結束力を発揮し保持材の厚みを十分に抑制し得ることが期待された。
一方、上記保持材としては、従来に比較してより一層組み付け性および引張強度に優れるものが求められるようになっていることから、さらなる検討が求められるようになっていた。
本発明は、有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成すべく、本発明者等が鋭意検討したところ、排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、無機繊維と、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含み、前記無機繊維100質量部に対する前記天然繊維の含有量が0.20~3.00質量部、前記無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が0.02~2.50質量部である繊維集成体からなる排ガス処理装置用保持材により、上記目的を達成できることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
無機繊維と、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含み、
前記無機繊維100質量部に対する前記天然繊維の含有量が0.20~3.00質量部、前記無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が0.02~2.50質量部である繊維集成体からなる
ことを特徴とする排ガス処理装置用保持材、
(2)前記天然繊維の平均繊維径が0.05~0.20μmである上記(1)に記載の排ガス処理装置用保持材、
(3)前記天然繊維の平均繊維長が0.01~10.00mmである上記(1)または(2)に記載の排ガス処理装置用保持材、
(4)前記繊維集成体が無機繊維100質量部に対してさらに無機バインダーを0.20~8.00質量部含む上記(1)~(3)のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材、
(5)前記繊維集成体を構成する無機繊維100質量部に対する天然繊維の含有量が0.20~1.00質量部である上記(1)~(4)のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材、および
(6)排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとを含み、
前記排ガス処理体と排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙において、
上記(1)~(5)のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材が圧縮された状態で配設されている
ことを特徴とする排ガス処理装置
を提供するものである。
本発明によれば、有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置を提供することができる。
触媒コンバーター用保持材を装着した触媒コンバーターの例を模式的に示す断面図である。
先ず、本発明に係る排ガス処理装置用保持材について説明する。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
無機繊維と、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含み、
前記無機繊維100質量部に対する前記天然繊維の含有量が0.20~3.00質量部、前記無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が0.02~2.50質量部である繊維集成体からなる
ことを特徴とするものである。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、繊維集成体からなる。
上記繊維集成体を構成する無機繊維は、骨格繊維として機能するものであって、例えば、アルミナ繊維、ムライト繊維、アルミナシリケート繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、ロックウール、および生体溶解性繊維から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、アルミナ繊維とは、アルミナ(Al)を主成分とする非晶質繊維または多結晶質繊維を意味し、Alを90~99質量%、SiOを1~10質量%含むものが好適であり、Alを95~99質量%、SiOを1~5質量%含むものがより好適であり、Alを96~99質量%、SiOを1~4質量%含むものがさらに好適である。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、ムライト繊維とは、アルミナ(Al)およびシリカ(SiO)を主成分とする非晶質繊維または多結晶質繊維を意味し、Alを60~90質量%、SiOを10~40質量%含むものが好適であり、Alを70~85質量%、SiOを15~30質量%含むものがより好適であり、Alを72~80質量%、SiOを20~28質量%含むものがさらに好適である。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、アルミナシリケート繊維とは、アルミナ(Al)およびシリカ(SiO)を主成分とする非晶質繊維または多結晶質繊維を意味し、Alを30~60質量%、SiOを40~70質量%含むものが好適であり、Alを35~60質量%、SiOを40~65質量%含むものがより好適であり、Alを40~60質量%、SiOを40~60質量%含むものがさらに好適である。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、シリカ繊維とは、シリカ(SiO)を主成分とする非晶質繊維または多結晶質繊維を意味し、Alを1~20質量%、SiOを80~99質量%含むものが好適であり、Alを1~10質量%、SiOを90~99質量%含むものがより好適であり、Alを1~5質量%、SiOを95~99質量%含むものがさらに好適である。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、ガラス繊維とは、石英ガラス等の無アルカリガラスを溶解し、牽引することによって繊維化した無機繊維を意味し、グラスファイバー、グラスウールとも称される。
ガラス繊維としては、短繊維及び連続繊維(長繊維)のいずれを使用することとしてもよい。具体的に、ガラス繊維としては、例えば、SiOを52~56質量%、Alを12~16質量%、MgOを0~5質量%、CaOを16~25質量%、Bを5~10質量%、NaO及び/又はKOを0~1質量%、TiOを0~1質量%含有するEガラス繊維や、SiOを62~65質量%、Alを20~25質量%、MgOを10~15質量%、CaOを0~1質量%、Bを0~1質量%、NaO及び/又はKOを0~1質量%、TiOを0~1質量%含有するTガラス繊維、SiOを56~62質量%、Alを9~15質量%、MgOを0~5質量%、CaOを17~25質量%、Bを0~1質量%、NaO及び/又はKOを0~1質量%、TiOを0~4質量%含有するNCRガラス繊維を使用することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、ロックウールとは、二酸化ケイ素(SiO)と、酸化カルシウム(CaO)とを主成分とする人造鉱物無機繊維を意味する。
ロックウールは、通常、玄武岩、鉄炉スラグ等に石灰等を混合し、高温で溶解することにより生成される。
ロックウールは、原料によっても相違するが、一般的に、SiOを35~ 45質量%、Alを10~20質量%、MgOを4~8質量%、CaO を20~40質量%、Feを0~10質量%、MnOを0~4質量%含有するものを挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、生体溶解性繊維としては、生体内で分解される溶解性(分解性)を有する無機繊維であれば特に限定されないが、生体内での溶解性が付与された人造非晶質無機繊維を挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、繊維集成体を構成する無機繊維は、平均繊維長が、0.01~100.00mmであるものが好ましく、0.05~50.00mmであるものがより好ましく、0.10~10.00mmであるものがさらに好ましい。
上記無機繊維の平均繊維長は、任意に抽出した無機繊維100本の長さを光学顕微鏡で測定したときの算術平均値を意味する。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、繊維集成体を構成する無機繊維は、平均繊維径が、1~10μmであるものが好ましく、2~9μmであるものがより好ましく、3~8μmであるものがさらに好ましい。
上記無機繊維の平均繊維径は、任意に抽出した無機繊維100本の垂直断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率500倍で観察したときの各繊維断面における長径(最大繊維径)の算術平均値を意味する。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、繊維集成体を構成する無機繊維は、ウェットボリュームが、20~400cc/gであるものが好ましく、50~300cc/gであるものが好ましく、80~500cc/gであるものが好ましい。
なお、本出願書類において、ウェットボリュームは、以下の方法で算出した値を意味する。
(1)乾燥した繊維材料2g又は5gを少数点2桁以上の精度を有する秤で計量する。
(2)計量した繊維材料を500gのガラスビーカーに入れる。
(3)(2)のガラスビーカーに温度20~25℃の水を400cc程度入れ、攪拌機を用いて繊維材料を切断しないように慎重に攪拌し、分散させる。この分散は超音波洗浄機を使用してもよい。
(4)(3)のガラスビーカーの中味を1000mlのメスシリンダーに移し、目盛で1000ccまで水を加える。
(5)(4)のメスシリンダーの口を手等で塞ぎ、水が漏れないように注意しながら上下逆さまにして攪拌する。これを計10回繰り返す。
(6)攪拌停止後、室温下で静置し、30分経過後の繊維沈降体積を目視で計測する。
上記操作を3サンプルについて行い、その平均値を測定値とする。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、上記無機繊維とともに、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含む。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維としては、木材パルプ、靭皮繊維、綿等から選ばれる一種以上が挙げられる。
木材パルプとしては、一般的に繊維が長く可撓性がある「N-BKP」(針葉樹を原料とする晒(さらし)クラフトパルプ)が好ましく、靭皮繊維しては、麻繊維、コウゾ繊維、ミツマタ繊維等から選ばれる一種以上が好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維は、平均繊維長が、0.01~10.00mmであるものが好ましく、0.03~5.00mmであるものがより好ましく、0.05~2.00mmであるものがさらに好ましい。
上記天然繊維の平均繊維長は、任意に抽出した天然繊維100本の長さを光学顕微鏡で測定したときの算術平均値を意味する。
天然繊維の繊維長が上記範囲内にあることにより、バインダーとして容易に機能して目的とする厚さの保持材 を得やすくなるとともに、保持材中に容易に均一分散して使用時に一様な面圧を得やすくなる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維の平均繊維径は、0.01~2.00μmであり、0.03~1.00μmであるものが好ましく、0.05~0.20μmであるものがより好ましい。
上記天然繊維の平均繊維径は、任意に抽出した天然繊維100本の垂直断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率50000倍で測定したときの各繊維断面における長径(最大繊維径)の算術平均値を意味する。
なお、上記平均繊維径の算出時において、長径(最大繊維径)が1μmを超える天然繊維については、倍率2000倍のSEM画像を用いて算出した。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維は、フィブリル化処理されたものが好ましい。
天然繊維がフィブリル化処理されたものである場合、天然繊維のフィブリル化された部位の長さは、0.005~1.000mmであることが好ましい。
上記天然繊維のフィブリル化された部位の長さは、任意に抽出した天然繊維100本においてフィブリル化された部位の長さを光学顕微鏡で測定したときの算術平均値を意味する。
天然繊維のフィブリル化処理方法としては、特に制限されないが、所望長さに切断された天然繊維を、濾水度300~700mlの条件下で叩解機で長時間叩解処理して水性スラリーを得、次いで得られた水性スラリーを乾燥して得ることができる。
なお、上記濾水度は、JISP-8121に規定する方法により測定される、0.1重量%に調整したパルプの水懸濁液での値を意味する。
天然繊維がフィブリル化されたものであることにより、無機繊維を好適に交絡して結束力を容易に向上させることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維は、それぞれ単独で用いてもよいし、繊維径や繊維長の特性を利用して適宜組み合わせ、混合して使用することもできる。
天然繊維の混合例としては、木材パルプと靭皮パルプとを混合したものが挙げられる。この場合、木材パルプと靭皮パルプとを重量比が20:80~80:20となる範囲で混合したものが好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維100質量部に対する天然繊維の含有量が、0.20~3.00質量部であり、0.20~2.50質量部であることが好ましく、0.20~1.00質量部であることがより好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、天然繊維の含有量が上記範囲内にあることにより、無機繊維に対して十分な結束力を発揮して、保持材として必要な保持性能及びシール性能を容易に発揮することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記無機繊維および天然繊維とともに、有機バインダーを含む。
有機バインダーとしては特に制限されず、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
有機バインダーがゴム類である場合、n-ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンゴム等から選ばれる一種以上が挙げられる。
有機バインダーが水溶性有機高分子化合物である場合、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等から選ばれる一種以上が挙げられる。
有機バインダーが熱可塑性樹脂である場合、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体および共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
有機バインダーが熱硬化性樹脂である場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、特に上述した有機バインダーを含有する場合に、柔軟性を発揮し易くなり、触媒担体に巻き付ける際に巻き付けやすくなって作業性を容易に向上することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が、0.02~2.50質量部であり、0.10~1.50質量部であることが好ましく、0.20~1.00質量部であることがより好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、有機バインダーの含有量が上記範囲内にあることにより、COやCO等の各種有機系ガスの発生量を抑制しつつ十分な柔軟性を発揮して、保持材として必要な保持性能及びシール性能を容易に発揮することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、保持材を構成する繊維集成体が、有機バインダーとともに所定の平均繊維径を有する天然繊維を所定量含有することにより、従来に比較して有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを容易に維持することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記無機繊維、天然繊維および有機バインダーを、合計で、85~100質量%含むものであることが好ましく、90~100質量%含むものであることがより好ましく、95~100質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記無機繊維、天然繊維および有機バインダーとともに、さらに無機バインダーを含んでもよい。
無機バインダーとしては特に制限されず、ガラスフリット、コロイダルシリカ、アルミナゾル、シリカゾル、珪酸ソーダ、チタニアゾル、珪酸リチウム、水ガラス等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体が無機バインダーを含む場合、天然繊維の含有量が少なく、使用時に有機成分が揮発した場合であっても、無機繊維を良好に結束することができ、従来と同等の厚さに維持した触媒コンバーター用保持材を容易に提供することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維100質量部に対する前記無機バインダーの含有量が、0.20~8.00質量部であることが好ましく、0.20~2.50質量部であることがより好ましく、0.20~1.00質量部であることがさらに好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材において、無機バインダーの含有量が上記範囲内にあることにより、十分な結束力を発揮して、保持材として必要な保持性能及びシール性能を容易に発揮することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記無機繊維、天然繊維、有機バインダーおよび無機バインダーを、合計で、90~100質量%含むものであることが好ましく、95~100質量%含むものであることがより好ましく、97~100質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙で圧縮される前の状態(非圧縮状態)における厚さが、2~30mmであることが好ましく、3~25mmであることがより好ましく、3~20mmであることがさらに好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、有機バインダーとともに所定の平均繊維径を有する天然繊維を所定量含有することから、有機バインダー量を低減しても、従来と同等の厚さを容易に維持することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を作製する方法は、特に制限されず、従来の有機バインダーを使用した排ガス処理装置用保持材の製造方法に準じた方法で製造することができる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材を作製する方法としては、例えば、適当な多孔性中空板状の金型の上に金網を装着して抄型を成し、そこへ、無機繊維、天然繊維、有機バインダーおよび必要により無機バインダーを含む水性スラリーを流し込み、吸引脱水し、乾燥することにより、フラットなマット状の繊維集成体からなる排ガス処理装置用保持材を作製することができる。
上記水性スラリーには、必要に応じて、分散剤や安定化剤等の公知の種々の添加剤を適量配合することができる。
また、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材である場合、上記抄型に代えて、触媒担体の外周とケーシングの内周の形状に対応する形状を有する円筒状の金網を有する所謂モールド型の保持器を用い、上記吸引脱水成形を行うことで、円筒状の繊維集成体からなる排ガス処理用保持材を作製してもよい。
上記フラットなマット状の保持材では、触媒担体に巻装した後、この巻装状態をテープ等により保持しなければならないが、上記モールド型保持器ではそのような作業が不要となるため、組み付け性に優れた触媒コンバーター用保持材等を容易に生産することができる。
このように、本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、無機繊維を、天然繊維及び少量の有機バインダーを併用して、所定形状に成形してなるものである。
次に、本発明に係る排ガス処理装置用保持材の使用形態について説明する。
本発明に係る保持材が配設される排ガス処理装置としては、排気ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等が挙げられる。
本発明に係る排ガス処理装置用保持材は、例えば、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体(湿式成形体)からなる保持材を適宜巻き付けた後、筒状のケーシングを半割状にした下部ケーシング内に収容し、次いで同じく筒状のケーシングを半割状にした上部ケーシングを、上記保持材を押圧しつつ重ね合わせ、ボルト等で接合することにより筒状物とすることにより、触媒コンバーター用保持材として機能させることができる。
また、例えば、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体(湿式成形体)からなる保持材を適宜巻き付けた巻付物を、筒状のケーシングの端部から押込み挿入することにより、触媒コンバーター用保持材として機能させることができる。
上記保持材を構成する繊維集成体として、上記湿式成形体を使用した場合、上記湿式成形体を触媒担体と当該触媒担体を収容するケーシングとの間隙に配設して触媒コンバーターに対応する形態とした上で、さらに自動車内部に配設した状態でエンジンを駆動させることにより上述した湿式成形体の加熱処理を施すこともできる。
本発明によれば、有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材を提供することができる。
次に、本発明に係る排ガス処理装置について説明する。
本発明に係る排ガス処理装置は、排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとを含み、
前記排ガス処理体と排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙において、
本発明に係る排ガス処理装置用保持材が圧縮された状態で配設されている
ことを特徴とするものである。
本発明に係る排ガス処理装置は、本発明に係る排ガス処理装置用保持材が配設されてなるものであり、本発明に係る排ガス処理装置用保持材の詳細は、上述したとおりである。
本発明に係る排ガス処理装置としては、排ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等が挙げられる。
また、本発明に係る排ガス処理装置を構成する排ガス処理体としては、触媒担体等を挙げることができ、金属製、合金製、セラミック製の何れのものであってもよい。
上記触媒担体としては、特に制限されないが、公知の排ガス浄化用触媒を担持する担体から選択することができ、例えば、コーディエライト等からなる円筒状のハニカム状成形体に貴金属触媒等が担持されたもの等を挙げることができる。また、触媒担体の形態も特に制限されず、例えば円筒形状等を挙げることができる。
本発明に係る排ガス処理装置を構成する排ガス処理体を収容するケーシングとしては、内部に排ガス処理体および排ガス処理装置用保持材を収容し得るものであれば特に制限されない。
ケーシングの形態も特に制限されないが、排ガス処理体の形状に対応した形状を有するものであることが好ましく、例えば排ガス処理体が円筒形状である場合、ケーシングの形状も円筒形状であることが好ましい。
ケーシングの構成材料も所望の耐熱性を有するものであれば特に制限されず、公知のものから適宜選択され、通常は、ステンレス鋼、鉄等の金属製のものから適宜選択される。
本発明に係る排ガス処理装置において、本発明に係る排ガス処理装置用保持材を構成する繊維集成体は、上記排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙で圧縮された状態における厚さが、1.0~12.0mmであることが好ましく、2.0~10.0mmであることがより好ましく、2.5~8.0mmであることがさらに好ましい。
本発明に係る排ガス処理装置において、保持材として所定の繊維集成体からなる本発明に係る排ガス処理装置用保持材を採用しつつ、繊維集成体の使用時における圧縮状態の厚さが上記範囲内にあることにより、優れた耐熱性を発揮し得るとともに、初期面圧を向上させたり、繰り返し圧縮後においても高い面圧を容易に発現することができる。
本発明に係る排ガス処理装置を製造する方法は特に制限されない。
例えば、排ガス処理装置が触媒コンバーターである場合には、排ガス処理体である円筒状の触媒担体の周囲に本発明に係る排ガス処理装置用保持材を適宜巻き付けた後、当該保持材を巻き付けた触媒担体を筒状のケーシングを半割状にした下部ケーシング内に収容し、次いで同じく筒状のケーシングを半割状にした上部ケーシングを、上記触媒担体周囲に巻き付けた保持材を押圧しつつ下部ケーシング上に重ね合わせ、ボルト等で接合して筒状物とすることにより、製造することができる。
また、例えば、排ガス処理装置用保持材が触媒コンバーター用保持材であり、円筒状の触媒担体を用いる場合には、当該円筒状の触媒担体の周囲に上記繊維集成体からなる保持材を適宜巻き付けた巻付物を、筒状のケーシングの端部から押込み挿入することにより、製造することができる。
本発明に係る保持材が配設される排ガス処理装置としては、排ガス浄化用触媒コンバーターやディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等が挙げられる。
本発明によれば、有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材を有する排ガス処理装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(触媒コンバーター用保持材の作製)
木材パルプを叩解機で叩解処理して水性スラリーを得、次いで得られた水性スラリーを乾燥することにより、平均繊維径が0.05μmであるフィブリル化された天然繊維を得た。
次いで、無機繊維としてアルミナ繊維(Al含有割合96質量%、SiO含有割合4.0質量%、ウェットボリューム160cc/g、平均繊維径 3.5μm)100質量部に対し、上記天然繊維0.50質量部と、有機バインダーとしてアクリル樹脂1.50質量部と、無機バインダーとしてアルミナゾル0.50質量部とを水に分散させることにより、水性スラリーを調製した。
次いで、底部にステンレス鋼製金網を有する脱水成形型に上記水性スラリーを流し込み、脱水成形して湿潤成形体を得た後、得られた湿潤成形体の全体を、その厚さが均一となるように圧縮しながら、180℃で15分間乾燥することにより、繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材(縦375mm、横80mm、厚さ7.7mm、重量36.7g、面密度1224g/m、嵩密度0.160g/cm)を得た。
(引張強度の測定)
上述した方法で得られた触媒コンバーター用保持材を長さ150mm×最小幅25mmのダンベル状に打ち抜き、試験片とした。
そして、試験片を引張試験機に装着し、引張速度20mm/分にて測定することにより引張強度(N/25mm)を測定した。結果を表1に示す。
(組み付け性の評価)
上述した方法で得られた触媒コンバーター用保持材を用いて、図1 に示す断面形状を有する触媒コンバーターを作製し、その際の組み付け性を評価した。
すなわち、触媒担体1として、外径110mmの円筒型セラミックス製触媒担体を用い、係る触媒担体の外面に上記触媒コンバーター用保持材3を巻き付けて組立体を作製した。
その後、テーパーを付けた治具を介して、ケース2として内径118mmの円筒ケースに1000mm/分の速度で組立体をキャニングすることにより触媒コンバーターを組み付けた。
この際の組み付け性を以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
〇: 触媒コンバーター用保持材の組み付け状態において、担体からはみ出すことなく触媒コンバーターが作製できる。
×: 触媒コンバーター用保持材の組み付け状態において、担体からはみ出したり、キャニングできずに、触媒コンバーターが作製できない。
(実施例2)
実施例1において、天然繊維として、平均繊維長が0.20mmで平均繊維径が0.10μmであるフィブリル化された天然繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製したところ、縦375mm、横80mm、厚さ8.1mm、重量36.7g、面密度1224g/m、嵩密度0.153g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、天然繊維として、平均繊維長が0.30mmで平均繊維径が0.20μmであるフィブリル化された天然繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製したところ、縦375mm、横80mm、厚さ8.5mm、重量36.7g、面密度1224g/m、嵩密度0.145g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、無機繊維(アルミナ繊維)100質量部に対する天然繊維の配合割合を0.20質量部とした以外は、実施例1と同様にして、縦375mm、横80mm、厚さ8.9mm、重量36.6g、面密度1220g/m、嵩密度0.139g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、天然繊維として、平均繊維長が0.50mmで平均繊維径が2.00μmであるフィブリル化された天然繊維を用いて、無機繊維(アルミナ繊維)100質量部に対する天然繊維の配合割合を1.50質量部とした以外は、実施例1と同様にして、縦375mm、横80mm、厚さ8.5mm、重量37.0g、面密度1232g/m、嵩密度0.147g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、無機繊維(アルミナ繊維)100質量部に対し、天然繊維の配合割合を1.00質量部、有機バインダーとしてアクリル樹脂を0.05質量部、無機バインダーとしてアルミナゾルを1.50質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、縦375mm、横80mm、厚さ8.2mm、重量37.0g、面密度1233g/m、嵩密度0.150g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、天然繊維として、平均繊維長が1.00mmで平均繊維径が10.00μmであるフィブリル化された天然繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒コンバーター用保持材を作製したところ、縦375mm、横80mm、厚さ9.4mm、重量36.7g、面密度1224g/m、嵩密度0.131g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、無機繊維(アルミナ繊維)100質量部に対する天然繊維の配合割合を0.10量部とした以外は、実施例1と同様にして、縦375mm、横80mm、厚さ9.3mm、重量36.6g、面密度1219m、嵩密度0.133/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、無機繊維(アルミナ繊維)100質量部に対し、天然繊維を0.10質量部、有機バインダーとしてアクリル樹脂を0.05質量部、無機バインダーとしてアルミナゾルを1.50質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、縦375mm、横80mm、厚さ13.5mm、重量36.3g、面密度1215g/m、嵩密度0.091g/cmの繊維集成体(湿式成形体)からなる触媒コンバーター用保持材を得た。
得られた触媒コンバーター用保持材を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023017238000002
表1に示すように、実施例1~実施例6で得られた触媒コンバーター用保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維に対し、有機バインダーとともに所定の平均繊維径を有する天然繊維を所定量有することから、有機バインダー量が少なくても、従来と同等の厚さを維持し、排ガス処理装置用保持材として組み付け性および引張強度に優れることが分かる。
一方、表1に示すように、比較例1で得られた触媒コンバーター用保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維に対し、有機バインダーとともに所定の上限値を超える平均繊維径を有する天然繊維を含むものであることから、実施例1~実施例3と有機バインダー量が同一であっても厚みが増して、排ガス処理装置用保持材として組み付け性が低減することが分かる。
比較例2~比較例3で得られた触媒コンバーター用保持材を構成する繊維集成体は、無機繊維に対し、所定の下限値を下回る量の天然繊維しか含まないことから、実施例1、実施例4、実施例6と天然繊維の平均繊維径が同一であっても厚みが増して、排ガス処理装置用保持材として組み付け性が低減するとともに、引張強度に劣ることが分かる。
本発明によれば、有機バインダー量を低減しても、組み付け性および引張強度に優れ、従来と同等の厚さを維持できる排ガス処理装置用保持材および排ガス処理装置を提供することができる。
1 触媒担体
2 ケーシング
3 保持材

Claims (6)

  1. 排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙に配設される排ガス処理装置用保持材であって、
    無機繊維と、平均繊維径が0.01~2.00μmである天然繊維と、有機バインダーとを含み、
    前記無機繊維100質量部に対する前記天然繊維の含有量が0.20~3.00質量部、前記無機繊維100質量部に対する前記有機バインダーの含有量が0.02~2.50質量部である繊維集成体からなる
    ことを特徴とする排ガス処理装置用保持材。
  2. 前記天然繊維の平均繊維径が0.05~0.20μmである請求項1に記載の排ガス処理装置用保持材。
  3. 前記天然繊維の平均繊維長が0.01~10.00mmである請求項1または請求項2記載の排ガス処理装置用保持材。
  4. 前記繊維集成体が無機繊維100質量部に対してさらに無機バインダーを0.20~8.00質量部含む請求項1~請求項3のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材。
  5. 前記繊維集成体を構成する無機繊維100質量部に対する天然繊維の含有量が0.20~1.00質量部である請求項1~請求項4のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材。
  6. 排ガス処理体と当該排ガス処理体を収容するケーシングとを含み、
    前記排ガス処理体と排ガス処理体を収容するケーシングとの間隙において、
    請求項1~請求項5のいずれかに記載の排ガス処理装置用保持材が圧縮された状態で配設されている
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
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