JP2023017097A - ω3脂肪酸の自己乳化組成物 - Google Patents

ω3脂肪酸の自己乳化組成物 Download PDF

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Hiromitsu Ito
啓達 藤井
Hirotatsu Fujii
基生 山縣
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Abstract

【課題】 自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性および吸収性に優れ、エタノールおよび多価アルコール非添加、または添加濃度の低い自己乳化組成物を提供する。自己乳化組成物は、食品、医薬に有用である。【解決手段】 自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物70~90質量%、水を0.5~6質量%、1~29質量%の乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(任意でポリオキシルヒマシ油を更に含む、ただしレシチンを除く)およびω3多価不飽和脂肪酸等100質量部に対して3~40質量部のレシチンを含有する自己乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する自己乳化組成物、その医薬、その製法、それを用いた治療方法、その使用方法を提供する。
ω3多価不飽和脂肪酸(以下、ω3PUFAと記す)は、α-リノレン酸、イコサペント酸(以下、EPAと記す)、ドコサヘキサエン酸(以下、DHAと記す)などが知られている。ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびエステル(以下、ω3PUFA類と記す)は、抗動脈硬化作用、血小板凝集抑制作用、血中脂質低下作用、抗炎症作用、抗癌作用、中枢作用など、多彩な作用を示すことから各種食品に配合されたり、健康食品あるいは医薬品として市販されている。
EPAエチルエステル(以下、EPA-Eと記す)は、閉塞性動脈硬化症(以下、ASOと記す)に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善および高脂血症の経口治療薬として日本で市販されている(商品名エパデール、持田製薬)。EPA-Eを絶食下に経口投与した場合は血漿中EPA濃度の上昇は摂食下に経口投与した場合に比べて低い。これはEPA-Eの吸収には胆汁酸の分泌や食物からの成分が担体として必要であるためと考えられており、そのため、エパデールの用法は、食直後に経口投与するとされている(非特許文献1参照)。
近年のライフスタイルの変化に伴い朝食等の食事を摂らない人や、少量の食事しか摂取できない患者、流動食(牛乳、重湯、葛湯、卵、スープ、果汁、経口栄養剤)しか摂取できない患者、腸管での吸収能が低下した患者(高齢者、腸疾患患者、腸手術後、末期癌患者、リパーゼ阻害剤服用時)あるいは脳梗塞後など食事摂取不可能な患者等への服用法、あるいは服薬コンプライアンスの遵守が課題の一つとなっている。
また、空腹時には正常値を示すが、食後に血清トリグリセリド(以下、TGと記す)が異常な増加を示し、あるいはこの状態が遷延するような非空腹時高TG血症と冠動脈疾患との関連が注目されており、食前投与でも速やかに吸収されて食後の血清TG増加を抑制するω3PUFA製剤が望まれている。
製剤自体には水を含まず、水に接触した際に容易に分散・自己乳化する自己乳化型製剤として、ω3PUFAとフェノフィブラートの有効成分とエタノールおよび界面活性剤とを含む自己乳化組成物が報告されている(特許文献1および非特許文献4参照)。
これらの組成物はフェノフィブラートの溶解性の向上を目的としてエタノールを含有するが、エタノールが揮発すると、カプセルの変形や気泡の混入、カプセルの変形やクラック発生等の品質変化、カプセル内容物の白濁や分離等の変性が懸念される。また、アルコール(エタノール)不耐性の患者にとって服用できないあるいは服用しづらい製剤である。
ω3PUFAと界面活性剤に加え、エタノールや多価アルコールを含み、水に接触した際に小さいまたは非常に小さい平均粒径の分散体を生成できる自己乳化組成物が報告されている(特許文献2)。
エタノールの含量が少ない自己乳化組成物として、ω3PUFA、親水性親油性バランス(以下、HLBと記す)10以上の乳化剤、レシチン、プロピレングリコールやグリセリン等の多価アルコールを含有し、自己乳化性、空腹時における経口吸収性・吸収速度が良好な自己乳化組成物(特許文献3)が報告されている。
ω3PUFAエステルと界面活性剤を含有し、ω3PUFA遊離酸を含有せず、食事の影響を受けない自己乳化組成物(特許文献4)が報告されている。ω3PUFAエステルとして主としてEPA-Eである組成物は検討されていない。
組成物中の多価アルコール等の助溶媒はカプセル化した場合、カプセル皮膜へ移行し、組成物の変性やカプセルの軟化による変形を生じさせることが報告されている(特許文献5)。
自己乳化組成物は一般に乳化剤の使用量が多くなり、組成物全体の液量も多いため、消化管の炎症や1カプセルあたりに含まれる油剤に溶解している生理活性成分が少なくなる(特許文献6)課題が生じる。そのため、組成物に使用される乳化剤は連続投与しても毒性が無くあるいは少なく、また使用量が少ないことが望ましい。
また服用性の観点では、一度に服用するω3PUFAの量は定められているため、自己乳化組成物のω3PUFA以外の成分が増えるとその分一度に服用する薬剤の量が増えてしまう。そのため、製剤の小型化の観点からも乳化剤やアルコール類の使用量は少ないことが望ましい。
特表2008-516890号 特表2012-519728号 国際公開第2010/134614号パンフレット 国際公開第2013/148136号パンフレット 特開2011-12003号 特開2012-180337号
エパデールS 医薬品インタビューフォーム、持田製薬、2012年6月 日本動脈硬化学会編「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」協和企画、2007年4月25日 ダイアベーテス(Diabetes)、57巻、9号、2382-2392、2008年 ヨーロピアン ジャーナル オブ ファーマシューティカル サイエンス(European Journal of Pharmaceutical Sciences)、33巻、351-360、2008年 日本医薬品添加剤協会編「医薬品添加物事典2007」薬事日報社、2007年7月25日)
自己乳化組成物中に含有させるエタノール及び多価アルコールを減らした製剤が望まれている。
また、自己乳化組成物中に含有させる乳化剤を減らした製剤が望まれている。
また、自己乳化組成物中のω3PUFA類を高含量化した製剤が望まれている。
また、服薬コンプライアンスに優れる自己乳化組成物が望まれている。
また、自己乳化組成物を医薬品として用いる場合に寒冷地等での保管も想定されるため、室温に加え低温又は高温環境下で保存した場合に、組成物が白濁、分離等の変性のない、外観が良好な自己乳化組成物が望まれている。
また、組成物が安定な品質を有する自己乳化組成物が望まれている。
また、組成物をカプセル化した製剤の提供が望まれている。
また、組成物をカプセル化した場合に、カプセル皮膜の軟化を抑制し、変形しない製剤が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性に優れる自己乳化組成物が望まれている。
また、投与されるω3PUFA類の用量が従来のω3PUFA製剤より少なくても、従来のω3PUFA製剤の食直後投与の薬物動態と同等である自己乳化組成物が望まれている。
また、自己乳化組成物の投与によるω3PUFA類の血中濃度(血中とは、全血中、血漿中または血清中をいう。以下、同じ。)を高める方法が望まれている。
また、ω3PUFA類の投与による副作用(下部消化管副作用、悪心、腹部不快感、下痢、腹痛、胸やけ、嘔吐、食欲不振、便秘、口内炎、口渇、腹部膨満感、鼓腸等)が低減された自己乳化組成物あるいは低減方法が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性が食事に左右されない、あるいはされ難い自己乳化組成物あるいは方法が望まれている。
また、ω3PUFA類単体では吸収量が飽和し、それ以上ω3PUFAが血液中に吸収されない高用量であっても、投与により吸収される自己乳化組成物が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性に優れる乳剤や、乳剤を速やかに製造するための自己乳化組成物、乳剤の製造方法が望まれている。
そして、これらの性質の少なくとも1つを改善する自己乳化組成物、およびその組成物をカプセル化した製剤、それを用いた治療方法およびその使用方法を提供することが本発明の課題である。
本発明者らは、上記問題に鑑み、エタノールや多価アルコールに代わる成分について鋭意検討した結果、所定量の水が自己乳化組成物の相溶性改善に有用であることを見出した。
また、組成物中の含量もエタノールや多価アルコールよりも少ない0.5~6質量%で良く、この少量の水の相溶性改善の効果により乳化剤の含量をさらに少なく出来ることから、ω3PUFA類が高含量の自己乳化組成物となることを見出した。
そして、かかる組成物では上記課題の少なくとも1つに優れる自己乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
また、乳化剤の含量をより少なく出来ることも見出し、ω3PUFA類が高含量の自己乳化組成物の発明を完成させた。
また、特定の乳化剤を含むことにより、ω3PUFA類の血中濃度が高くなる、副作用が低減できる、ω3PUFA類の吸収性が食事に左右されない・され難い、ω3PUFA類の吸収量が飽和しない、等の少なくとも1つに優れる自己乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
そして、本発明の組成物は上記課題の少なくとも1つ以上に優れる組成物である。
すなわち、本発明の第一の態様は以下の自己乳化組成物である。
(1-1)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水、
c)1~29質量%の乳化剤(ただしレシチンを除く)、好ましくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステル100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン、
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1-2)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水、
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3~40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン、
を含有し、
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1-3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンおよびトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンからなる群から選択される少なくとも1つである(1-1)または(1-2)に記載の自己乳化組成物。
(1-4)乳化剤がさらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油および/またはポリオキシエチレンヒマシ油を含む(1-1)ないし(1-3)に記載の自己乳化組成物。
(1-5)乳化剤がさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(1-1)ないし(1-4)に記載の自己乳化組成物。
(1-6)多価アルコールがプロピレングリコールまたはグリセリンである(1-1)ないし(1-5)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-7)組成物中に0~4質量%の多価アルコールを含む(1-1)ないし(1-6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-8)組成物中に4質量%より多い多価アルコールを含まない(1-1)ないし(1-6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-9)組成物中の多価アルコールが1質量%以下である(1-1)ないし(1-8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-10)組成物中に0~1質量%の多価アルコールを含む(1-1)ないし(1-9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-11)組成物中に1質量%より多い多価アルコールを含まない(1-1)ないし(1-8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-12)組成物中に多価アルコールを実質的に含有しない(1-1)ないし(1-11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-13)組成物中のエタノールが4質量%以下である(1-1)ないし(1-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-14)組成物中に0~4質量%のエタノールを含む(1-1)ないし(1-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-15)組成物中に4質量%より多いエタノールを含まない(1-1)ないし(1-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-16)組成物中にエタノールを実質的に含有しない(1-1)ないし(1-15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-17)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルが、EPA、DHA、それらの製薬学上許容しうる塩、および、それらのエステルからなる群から選択される少なくとも1つである(1-1)ないし(1-16)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-18)ω3PUFAのエステルがエチルエステルまたはトリグリセリドエステルである(1-1)ないし(1-17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-19)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、または、そのエステルがEPA-EまたはDHAエチルエステル(以下、DHA-Eと記す)である(1-1)ないし(1-18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-20)EPA、DHA、これらの製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含有する(1-1)ないし(1-19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-21)EPA-Eおよび/またはDHA-Eを有効成分として含有する(1-1)ないし(1-20)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-22)EPA-Eを有効成分として含有する(1-1)ないし(1-21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-23)レシチンが、大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、水素添加大豆レシチンおよび卵黄レシチンからなる群から選択される少なくとも1つである(1-1)ないし(1-22)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-24)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つの乳化剤の含量が組成物の全量の5質量%未満である(1-1)ないし(1-23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。さらにはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの各乳化剤の含量がそれぞれ組成物の全量の5質量%未満である(1-1)ないし(1-23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-25)a)ないしd)を任意の順序で混合することを特徴とする(1-1)ないし(1-24)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-26)組成物を静置した時に組成物の外観が澄明である(1-1)ないし(1-25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-27)組成物を静置した時に組成物の外観が分離または濁りのない(1-1)ないし(1-25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-28)組成物を5℃あるいは40℃の環境下で12時間保存した時の組成物の外観が澄明である(1-1)ないし(1-27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-29)組成物を5℃あるいは40℃の環境下で12時間保存した時の組成物の外観が分離または濁りのない(1-1)ないし(1-28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-30)組成物が自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性の少なくとも1つが良好である(1-1)ないし(1-29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-31)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、滴下しただけで自然に乳化する(1-1)ないし(1-30)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-32)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、撹拌により組成物が分散する(1-1)ないし(1-31)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-33)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、油の分離が無い(1-1)ないし(1-32)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-34)雄性ビーグル犬に18時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物として各匹600mgの量となる(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度(血中濃度最大値ともいう)が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が30μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が50μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が60μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が60μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が70μg・hr/mL以上、とする(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-35)雄性カニクイザルに12時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として体重1kgあたり45mgとなる(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が400μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である上記(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-36)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物として各ヒト当り、500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgからなる群から選択される量となる(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が10μg/mL以上である(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物の用途。
(1-37)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト当り、500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgからなる群から選択される量となる(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が10μg/mL以上および/または投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が250μg・hr/mL以上である(1-1)ないし(1-33)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1-38)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(1-1)ないし(1-37)に記載の自己乳化組成物。
(1-39)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のEPA-E、
b)0.5~6質量%の水
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA-E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、
であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1-40)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のEPA-E、
b)0.5~6質量%の水、
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)前記EPA-E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、
であることを特徴とする自己乳化組成物。
本発明の第二の態様は以下のカプセル化された自己乳化型製剤である。
(2-1)内容液が(1-1)ないし(1-40)のいずれかに記載の自己乳化組成物であって、硬カプセルおよび/または軟カプセルでカプセル化されていることを特徴とするカプセル化された自己乳化製剤。
(2-2)製造直後の硬度が良好な(2-1)に記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2-3)製造直後の硬度が18kgf以上である(2-1)または(2-2)に記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2-4)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時に保管前と比較して硬度が6kgf以上低下しない(2-1)ないし(2-3)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2-5)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時に硬度が20kgf以上である(2-1)ないし(2-4)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2-6)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時の硬度が保管前の硬度の60%以上である(2-1)ないし(2-5)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2-7)脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高高感度CRP(以下、hs-CRPと記す)血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高ヘモグロビンA1c(以下、HbA1cと記す)血症、高インスリン抵抗性指数(以下、HOMA-IRと記す)症、高細胞接着分子-1血症、高インターロイキン-6(以下、IL-6と記す)血症、高プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(以下、PAI-1と記す)血症、高クレアチニン血症、高アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(以下、ASTと記す)血症、高アラニンアミノトランスフェラーゼ(以下、ALTと記す)血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高トロンボキサンA2(以下、TXA2と記す)血症および高ロイコトリエンB2(以下、LTB2と記す)血症、等治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患(以下、NAFLDと記す)、非アルコール性脂肪肝炎(以下、NASHと記す)、等)治療剤、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、混合型認知症、等)進行抑制・治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである(2-1)ないし(2-6)のいずれかに記載の製剤。
本発明の第三の態様は以下の自己乳化組成物の製造方法である。
(3-1)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき
a)70ないし90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水、
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、および
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を任意の順序で混合し、得られる組成物中の
e)エタノールおよび/または多価アルコールが組成物全量の4質量%以下
とすることを特徴とする自己乳化組成物の製造方法。
(3-2)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき
a)70ないし90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水、
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、および
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部のレシチン
を任意の順序で混合し、得られる組成物中の
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
とすることを特徴とする自己乳化組成物の製造方法。
(3-3)前記工程のa)、b)および/またはc)を70℃以上に加温して混合する工程を含む、(3-1)または(3-2)に記載の自己乳化組成物の製造方法。
本発明の第四の態様は以下の自己乳化組成物の特定の投与方法の医薬である。
(4-1)前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかに記載の自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与するための製剤。
(4-2)前記(3-1)ないし(3-3)、のいずれかに記載の製造方法で製造した自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与するための製剤。
(4-3)医薬が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP-C血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高hs-CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA-IR症、高細胞接着分子-1血症、高IL-6血症、高PAI-1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである(4-1)または(4-2)に記載の製剤。
(4-4)1日1回投与する前記(4-1)ないし(4-3)のいずれかに記載の製剤。
(4-5)前記(4-1)ないし(4-4)のいずれかに記載の製剤の投薬および/または使用方法。
(4-6)前記(4-1)ないし(4-4)のいずれかに記載の経口投与により血漿中のω3PUFA濃度を上げる方法。
本発明の第五の態様は、以下の群から選ばれる少なくとも1つの疾患の予防、進行防止および治療方法である。
(5-1)前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を患者に経口投与することを特徴とする、脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP-C血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高hs-CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA-IR症、高細胞接着分子-1血症、高IL-6血症、高PAI-1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)、食後高TG血症、抗動脈硬化、血小板凝集亢進、末梢循環不全、心血管イベント発症、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、混合型認知症、等)、癌および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)からなる群から選ばれる少なくとも1つの疾患の予防、進行防止および治療方法である。
(5-2)前記自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与する前記(5-1)に記載の方法。
(5-3)前記自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、1日1回投与する前記(5-1)または(5-2)に記載の方法。
本発明の第六の態様は、以下の自己乳化組成物である。
(6-1)雄性ビーグル犬に18時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各匹600mgの量となる前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が30μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が50μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が60μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が60μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が70μg・hr/mL以上、とする自己乳化組成物。
(6-2)雄性カニクイザルに12時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として体重1kgあたり45mgとなる前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が400μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である自己乳化組成物。
(6-3)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト1800mgの量となる前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が10μg/mL以上である自己乳化組成物。
(6-4)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト1800mgの量となる前記(1-1)ないし(1-40)、(2-1)ないし(2-7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が10μg/mL以上および/または投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が250μg・hr/mL以上である自己乳化組成物。
本発明の第七の態様は、以下の自己乳化組成物である。
(7-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(e)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(7-2)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg~10000mgである前記(7-1)に記載の自己乳化組成物。
(7-3)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7-1)または(7-2)に記載の自己乳化組成物。
(7-4)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7-1)ないし(7-3)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-5)ヒトに投与される自己乳化組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(7-1)ないし(7-4)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-6)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(7-5)に記載の自己乳化組成物
(7-7)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7-1)ないし(7-6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-8)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mLを満たす前記(7-1)ないし(7-7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-9)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7-1)ないし(7-8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-10)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7-1)ないし(7-9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-11)前記組成物を絶食時に投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度が食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である(7-1)ないし(7-10)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-12)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7-1)~(7-11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-13)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(7-1)~(7-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-14)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1~29質量%である(7-1)~(7-13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-15)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7-1)~(7-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-16)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(7-1)ないし(7-15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-17)前記組成物が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP-C血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高hs-CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA-IR症、高細胞接着分子-1血症、高IL-6血症、高PAI-1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである前記(7-1)ないし(7-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-18)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を500mg~10000mg含む前記組成物を1日1回投与する前記(7-1)ないし(7-17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-19)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(7-1)ないし(7-18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-20)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物であって、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として500mg~10000mgを投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7-1)ないし(7-19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-21)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(7-1)~(7-20)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-22)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(7-1)~(7-21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-23)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7-1)~(7-22)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-24)前記組成物が水を含む前記(7-1)ないし(7-23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-25)前記組成物中の水が組成物全量の0.5~6質量%である前記(7-1)ないし(7-24)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-26)前記組成物中のエタノールが組成物全量の4質量%以下である前記(7-1)ないし(7-25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
(7-27)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のEPA-E、
b)0.5~6質量%の水
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA-E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である前記(7-1)ないし(7-26)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-28)前記組成物を経口投与する、前記(7-1)~(7-27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-29)前記組成物が経口用組成物である、前記(7-1)~(7-28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-30)前記組成物がカプセルである、前記(7-1)~(7-29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-31)前記(7-1)ないし(7-30)のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物をヒトに投与する方法、または、ヒトに使用する方法。
(7-32)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、レシチンまたは乳化剤を含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7-33)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤とを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7-34)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(7-33)に記載の自己乳化組成物。
(7-35)前記乳化剤または非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(7-33)または(7-34)に記載の自己乳化組成物。
(7-36)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7-37)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg~10000mgである前記(7-33)ないし(7-36)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-38)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7-33)ないし(7-37)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-39)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7-33)ないし(7-38)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-40)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(7-33)ないし(7-39)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-41)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(7-40)に記載の自己乳化組成物。
(7-42)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7-33)ないし(7-41)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-43)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mLを満たす前記(7-33)ないし(7-42)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-44)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7-33)ないし(7-43)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-45)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7-33)ないし(7-44)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-46)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上を満たす前記(7-33)ないし(7-45)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-47)前記組成物を絶食時に投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度が食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である(7-33)ないし(7-46)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-48)前記組成物がレシチンおよび乳化剤を含む(7-33)~(7-47)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-49)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(7-33)~(7-48)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-50)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7-33)~(7-49)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-51)前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7-33)~(7-50)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-52)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(7-33)~(7-51)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-53)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1~29質量%である(7-33)~(7-52)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-54)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(7-33)ないし(7-53)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-55)前記組成物が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP-C血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高hs-CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA-IR症、高細胞接着分子-1血症、高IL-6血症、高PAI-1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである前記(7-33)ないし(7-54)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-56)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg~10000mgを含む前記組成物を1日1回投与する前記(7-33)ないし(7-55)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-57)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油とを含む自己乳化組成物であって、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として500mg~10000mgをヒトに投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7-33)ないし(7-56)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-58)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(7-33)~(7-57)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-59)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(7-33)~(7-58)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-60)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7-33)~(7-59)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-61)前記組成物が水を含む前記(7-33)ないし(7-60)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-62)前記組成物中のエタノールが組成物全量の4質量%以下である前記(7-33)ないし(7-61)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
(7-63)前記組成物中の水が組成物全量の0.5~6質量%である前記(7-33)ないし(7-62)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-64)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のEPA-E、
b)0.5~6質量%の水
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA-E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である前記(7-33)ないし(7-63)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-65)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油である乳化剤
d)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、f)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下、である自己乳化組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つとして1日1回投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす前記(7-33)ないし(7-64)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7-66)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物がEPA-Eである前記(7-65)に記載の自己乳化組成物。
(7-67)DHA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を実質的に含まない前記(6-1)ないし(7-66)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-68)組成物DHA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が前記組成物の全量の1質量%以下、である前記(7-1)ないし(7-67)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7-69)前記(7-33)ないし(7-68)のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物をヒトに投与する方法、または、ヒトに使用する方法。
(7-70)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす投与方法。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~500μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7-71)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70~90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、
b)0.5~6質量%の水
c)1~29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である自己乳化組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つとして1日1回投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(i)から選択される少なくとも1つを満たす、前記(7-33)ないし(7-67)のいずれかに記載の自己乳化組成物の投与方法。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
本発明の第八の態様は、以下の自己乳化組成物である。
(8-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500~2500mg(例えば、1800mg、2000mg)投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である自己乳化組成物。
(8-2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500~2500mg(例えば、1800mg、2000mg)投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である自己乳化組成物。
(8-3)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500~2500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最小血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である自己乳化組成物。
(8-4)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンまたは乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500~10000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最小血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つがから選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である自己乳化組成物。
(8-5)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(8-3)または(8-4)に記載の自己乳化組成物。
(8-6)前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(8-5)に記載の自己乳化組成物。
(8-7)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(8-1)ないし(8-6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-8)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(8-1)ないし(8-7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-9)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(8-1)ないし(8-8)に記載の自己乳化組成物。
(8-10)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(8-1)ないし(8-9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-11)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(8-3)ないし(8-10)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-12)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(8-3)ないし(8-11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-13)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(8-3)ないし(8-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-14)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(8-3)ないし(8-13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-15)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(8-1)ないし(8-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-16)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(8-1)~(8-15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-17)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(8-15)に記載の自己乳化組成物。
(8-18)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(8-1)~(8-17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-19)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(8-1)~(8-18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-20)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(8-1)~(8-19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-21)前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(8-1)~(8-20)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-22)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(8-1)~(8-21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-23)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1~29質量%である(8-1)~(8-22)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-24)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(8-1)ないし(8-23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-25)前記組成物を1日1回投与する前記(8-1)ないし(8-24)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-26)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(8-1)ないし(8-25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-27)EPA-Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に1800mgまたは2000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である前記(8-1)ないし(8-26)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-28)EPA-Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に1800mgまたは2000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(8-1)ないし(8-27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-29)EPA-Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に500~1500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である前記(8-1)ないし(8-28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8-30)EPA-Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に500~1500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(8-1)ないし(8-29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
本発明の第九の態様は、以下の方法である。
(9-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンを併用投与するω3PUFA類の血中濃度上昇方法。
(9-2)ω3PUFA類を1日500mg以上投与する前記(9-1)に記載の血中濃度上昇方法。
(9-3)さらにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用投与する前記(9-1)または(9-2)に記載の血中濃度上昇方法。
(9-4)さらにポリオキシエチレンヒマシ油を併用投与する前記(9-1)ないし(9-3)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-5)ω3PUFA類100質量部に対して乳化剤を5ないし45質量部併用投与する前記(9-1)ないし(9-4)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-6)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対してポリオキシエチレンヒマシ油120質量部以下を投与する前記(9-4)または(9-5)に記載の血中濃度上昇方法。
(9-7)ω3PUFA類100質量部に対してレシチンを1ないし25質量部併用投与する前記(9-1)ないし(9-6)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-8)ω3PUFA類を1日1回投与する前記(9-1)ないし(9-7)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-9)ω3PUFA類を絶食時、食前、食直後、または、食後投与する前記(9-1)ないし(9-8)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-10)ω3PUFA類として各個体に1日1回500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(9-1)ないし(9-9)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-11)ω3PUFA類として各個体に500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(9-1)ないし(9-10)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-12)ω3PUFA類として各個体に1日1回500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態における最高血漿中濃度、定常状態における最低血漿中濃度、および定常状態における平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(9-1)ないし(9-9)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-13)ω3PUFA類として各個体に500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血中ω3濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血中濃度、最高血中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態における最高血漿中濃度、定常状態における最低血漿中濃度、および定常状態における平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(9-1)ないし(9-9)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-14)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(9-1)ないし(9-13)に記載の血中濃度上昇方法。
(9-15)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(9-1)ないし(9-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(9-16)前記最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(9-1)ないし(9-15)に記載の血中濃度上昇方法。
(9-17)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(9-1)ないし(9-16)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-18)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(9-1)ないし(9-17)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-19)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(9-1)ないし(9-18)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-20)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(9-1)ないし(9-19)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9-21)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(9-1)ないし(9-20)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
本発明の第十の態様は、以下の方法である。
(10-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンを併用投与するω3PUFA類の副作用低減方法。
(10-2)ω3PUFA類を各個体当り1日1800mgまたは2000mg投与する前記(10-1)に記載の副作用低減方法。
(10-3)ω3PUFA類を各個体当り1日3600mgまたは4000mg投与する前記(10-1)または(10-2)に記載の副作用低減方法。
(10-4)ω3PUFA類を各個体当り1日4000mg以上投与する前記(10-1)に記載の副作用低減方法。
(10-5)さらにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用投与する前記(10-1)ないし(10-4)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-6)さらにポリオキシエチレンヒマシ油を併用投与する前記(10-1)ないし(10-5)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-7)ω3PUFA類100質量部に対して乳化剤を5ないし45質量部併用投与する前記(10-1)ないし(10-6)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-8)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対してポリオキシエチレンヒマシ油120質量部以下を投与する前記(10-7)に記載の副作用低減方法。
(10-9)ω3PUFA類100質量部に対してレシチンを1ないし25質量部併用投与する前記(10-1)ないし(10-8)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-10)ω3PUFA類を1日1回投与する前記(10-1)ないし(10-9)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-11)ω3PUFA類を絶食時、食前、食直後、または、食後投与する前記(10-1)ないし(10-10)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-12)ω3PUFA類として各個体に1日1回500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(10-1)ないし(10-11)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-13)ω3PUFA類として各個体に500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(10-1)ないし(10-12)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-14)ω3PUFA類として各個体に1日1回500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(10-1)ないし(10-13)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-15)ω3PUFA類として各個体に500~10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA-Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70~130%である前記(10-1)ないし(10-14)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-16)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(10-1)ないし(10-15)に記載の副作用低減方法。
(10-17)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(10-1)ないし(10-16)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-18)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(10-1)ないし(10-17)に記載の副作用低減方法。
(10-19)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(10-1)ないし(10-18)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-20)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(10-1)ないし(10-19)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-21)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(10-1)ないし(10-20)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-22)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(10-1)ないし(10-21)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10-23)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(10-1)ないし(10-22)のいずれかに記載の副作用低減方法。
本発明の第十一の態様は、以下の自己乳化組成物または方法である。
(11-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、
ω3PUFA類として各個体当り500~10000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、絶食時のω3PUFA最高血漿中濃度が、食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の70~130%である自己乳化組成物または投与方法。
(11-2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体当り500~10000mg投与したときに投与前の血中ω3濃度を減じた補正を行なって算出した、絶食時のω3PUFA最高血漿中濃度が、食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の70~130%である自己乳化組成物または投与方法。
(11-3)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(11-1)または(11-2)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-4)前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(11-3)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-5)前記組成物を1日1回投与する前記(11-1)ないし(11-4)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-6)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(11-1)ないし(11-5)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-7)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(11-1)ないし(11-6)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-8)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(11-1)ないし(11-7)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-9)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(11-1)ないし(11-8)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-10)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(11-1)ないし(11-9)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-11)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(11-1)ないし(11-10)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-12)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(11-1)ないし(11-11)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-13)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(11-1)ないし(11-12)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-14)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(11-1)ないし(11-13)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-15)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(11-1)ないし(11-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-16)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(11-1)~(11-15)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-17)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(11-15)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-18)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(11-1)~(11-17)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-19)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(11-1)~(11-18)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-20)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(11-1)~(11-19)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-21)前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(11-1)~(11-20)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-22)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(11-1)~(11-21)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-23)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1~29質量%である(11-1)~(11-22)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11-24)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(11-1)ないし(11-23)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
本発明の第十二の態様は、以下の自己乳化組成物である。
(12-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物であって、ω3PUFA類として各個体3600mg含む組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度がω3PUFA類として各個体1800mg含む組成物を投与した場合の1.2倍以上である自己乳化組成物。
(12-2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物であって、ω3PUFA類として4000mg含む組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度がω3PUFA類として2000mg含む組成物を投与した場合の1.2倍以上である自己乳化組成物。
(12-3)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(12-1)または(12-2)に記載の自己乳化組成物。
(12-4)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(12-1)ないし(12-3)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-5)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(12-1)ないし(12-4)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-6)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(12-1)ないし(12-5)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-7)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(12-1)ないし(12-6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-8)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(12-1)~(12-7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-9)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(12-8)に記載の自己乳化組成物。
(12-10)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70~90質量%である(12-1)~(12-9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-11)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(12-1)~(12-10)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-12)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(12-1)~(12-11)に記載の自己乳化組成物。
(12-13)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(12-1)ないし(12-12)に記載の自己乳化組成物。
(12-14)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1~29質量%である(12-1)~(12-13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12-15)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(12-1)~(12-14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
本発明の第十三の態様は、以下の自己乳化組成物を水溶液に分散させた乳剤である。
(13-1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む乳剤。
本発明の自己乳化組成物は、エタノールや多価アルコールに代えて組成物中に少量の水を含んでおり、かかる組成により組成物の相溶性が向上し、使用する乳化剤もさらに少なくなることから、動物(ヒトを含む)に対する安全性に優れる。また、ω3PUFAが高含量となるため、使用する乳化剤を減らせ、服用性に優れる。
そして、組成物中に水を含むことでエタノールや多価アルコールの含量を低くする、あるいはこれらを含まないと出来るため、カプセル皮膜の軟化を防止し、カプセルの変形が生じない。
また、相溶性(外観)、自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性および吸収性の少なくとも1つに優れ、食前投与や低脂肪食摂取後の投与でも速やかに吸収されて食後の血清TG増加を抑制する、あるいは就寝前投与によりリパーゼ阻害剤服用時の必須脂肪酸欠乏を予防する。
さらに、上述の組成により、室温での保存に加え、低温(例えば5℃)や高温(例えば40℃)の条件下でも組成物が分離、白濁することなく、外観が良好である。
また、絶食時や食前、低脂肪食摂取後等のいずれの時期の投与でもω3PUFA類の吸収性に優れ、食直後投与が必要であった従来のω3PUFA製剤(例えばエパデールやロトリガ)より、投与時期の制限が緩やかであり、吸収性が食事に左右されない。
そして吸収性に優れることから、治療効果が高い、あるいは治療に必要なω3PUFA類を少なくできる。
高い治療効果を得るためにω3PUFA類を多量投与(例えば各個体当り1日4000mg)する場合、ヒトが吸収し切れない過剰量は腸管に留まるため下部消化管副作用等の副作用を招くが、本発明の自己乳化組成物は吸収性に優れることから腸管に止まるω3PUFA類を少なくあるいは無くすことができるため、副作用を低減できる。また、ω3PUFA類の投与では血中濃度が頭打ちとなる投与量であっても吸収できるため、血中濃度をω3PUFA類の投与時以上に高めることが出来る。
本発明の自己乳化組成物は投与により、TG、T-cho、LDL-C、non-HDL-C、VLDL-C、VLDL-TG、酸化LDL、small dense LDL、RLP-C、ApoB、ApoCIII、リポタンパク質(a)、Lp-PLA2、CETP活性、hs-CRP、血漿中リン脂質、遊離脂肪酸、空腹時血糖、HbA1c、HOMA-IR、細胞接着分子-1、IL-6、PAI-1、クレアチニン、AST、ALT、尿酸、8-イソプロスタン、やTXA2およびLTB2とその代謝物(ヒドロキシエイコサテトラエン酸、HETE)、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(減少)させることができ、HDL-C、apoA-I、apoA-I/ApoB比、血漿中または血清中EPA、赤血球膜中または血小板膜中EPA、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(増加)させることができ、また、LDL粒子数を減少させ、LDL粒径を大きくし、ApoE遺伝子型異常、ヘモグロビン異常、ヘマトクリット(Hematocrit)異常、トロンボサイト(thrombocyte)異常、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善することができる。
本発明の自己乳化組成物は上記の好ましい性質を少なくとも1つ以上、好ましくは2つ以上備え、さらに好ましくは全ての性質を備える。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明は、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の合計量が70ないし90質量%の範囲であり、特定の乳化剤を1ないし29質量%の範囲で含有し、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステル100質量部に対して3ないし40質量部または1ないし25質量%のレシチンを含有し、エタノールや多価アルコールが非添加または添加濃度が低い自己乳化組成物やそれを内容物としてカプセル化された自己乳化製剤、その医薬、その製法およびその使用方法である。
本発明において、「ω3PUFA」とは、分子内に複数の炭素-炭素の二重結合を有し、メチル基側から数えて3番目の位置に最初の二重結合がある脂肪酸である。代表的なものとして、α-リノレン酸、EPA、DHA、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸およびニシン酸などが例示される。本発明における「ω3PUFA類」、「EPA類」、「DHA類」および「脂肪酸類」の語は、特に断らない限りは、各々ω3PUFA、EPA、DHAおよび脂肪酸だけでなく、それら各々の製薬上許容される塩、あるいはエステルなども含む意味で用いられる。
本発明で用いられるω3PUFA類は、合成品、半合成品または天然品のいずれでもよく、これらを含有する天然油の形態でもよい。ここで、天然品とは、ω3PUFA類を含有する天然油から公知の方法によって抽出されたもの、粗精製されたもの、あるいはそれらを更に高度に精製したものを意味する。半合成品は、微生物などにより産生されたω3PUFA類を含み、また該ω3PUFA類あるいは天然のω3PUFA類にエステル化、エステル交換等の化学処理を施したものも含まれる。本発明では、ω3PUFA類として、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、ω3PUFA類としてEPA類およびDHA類が好ましい例として挙げられ、EPA類が更に好ましい例として挙げられる。また、ω3PUFAの製薬学上許容しうる塩としてナトリウム塩、カリウム塩などの無機塩基、ベンジルアミン塩、ジエチルアミン塩などの有機塩基、アルギニン塩、リジン塩などの塩基性アミノ酸との塩およびエステルとしてエチルエステル等のアルキルエステルやモノ-、ジ-およびTG等のエステルが例示される。好ましくはエチルエステルまたはTGエステルが挙げられ、エチルエステルが更に好ましい例として挙げられる。すなわち、EPA-E、EPAのTGエステル、DHA-E、およびDHAのTGエステルが好ましい例として挙げられ、EPA-EおよびDHA-Eが更に好ましい例として挙げられ、EPA-Eがより好ましい例として挙げられる。
本発明の自己乳化組成物に用いる原料のω3PUFA類の純度は特に限定されないが、通常、本組成物の全脂肪酸類中のω3PUFA類の含量として、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、とりわけ好ましくは96.5質量%以上のものがいっそう好ましく、最も好ましくは98質量%以上である。EPAが高純度のもの、例えば、ω3PUFA類中のEPA類含有比が50質量%以上のものが好ましく、60質量%以上のものがより好ましく、70質量%以上のものがさらに好ましく、80質量%以上のものがいっそう好ましく、90質量%以上のものがいっそう好ましく、98質量%以上のものがとりわけ好ましい。すなわち、本剤組成物は、全脂肪酸類中のω3PUFA類純度が高いことが好ましく、ω3PUFA類であるEPA類+DHA類の純度が高いことが更に好ましく、実質的にDHAを全く含まないか、含んでいても例えば1.0質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.2質量%未満であるEPAの純度が最も好ましい。
例えば、EPA-EとDHA-Eを用いる場合、EPA-Eの本剤組成物の純度が上記であれば、EPA-E/DHA-Eの組成比および全脂肪酸類中のEPA-E+DHA-Eの含量比は特に問わないが、好ましい組成比として、EPA-E/DHA-Eは、0.8以上であることが好ましく、更に好ましくは、1.0以上、より好ましくは、1.2以上である。
また、本剤組成物はリノール酸、γリノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸などのω3PUFA類以外の多価不飽和脂肪酸、それらの製薬学上許容される塩またはエステルを含んでいても良いが、アラキドン酸およびそれらの製薬学上許容される塩またはエステル含量は少ないことが望まれ、2質量%未満が好ましく、1質量%未満がさらに好ましく、アラキドン酸およびそれらの製薬学上許容される塩またはエステルを実質的に含まない態様がとくに好ましい。
本発明の自己乳化組成物中のω3PUFA類の含量は、50ないし95質量%、60ないし92質量%、70ないし90質量%、好ましくは70ないし86質量%、さらに好ましくは72ないし85質量%、より好ましくは74ないし84質量%である。ω3PUFA類は1種類であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。2種類以上の混合物である場合は混合物の合計量が自己乳化組成物中の70ないし90質量%である。
このω3PUFA類は、日本において、ASOおよび高脂血症治療薬として入手可能な高純度EPA-E(96.5質量%以上)含有軟カプセル剤(商品名エパデール:持田製薬社製)や、米国において、高TG血症治療薬として入手可能な高純度EPA-E含有軟カプセル剤(商品名VASCEPA:アマリン)を用いることができる。また、EPA-EとDHA-Eの混合物は、たとえば、高TG血症治療薬として、米国で市販されているロバザ(Lovaza(登録商標):グラクソ・スミス・クライン:EPA-E約46.5質量%、DHA-E約37.5質量%含有する軟カプセル剤)や日本で市販されているロトリガ(登録商標)(LOTRIGA(登録商標):武田薬品工業:EPA-E約46.5質量%、DHA-E約37.5質量%含有する軟カプセル剤)を使用することもできる。EPAとDHAの混合物は、たとえば、高TG血症治療薬として、米国で市販されているエパノバ(Epanova(登録商標):アストラ・ゼネカ:EPA遊離酸約50~60質量%、DHA遊離酸約15~25質量%含有する軟カプセル剤)を使用することもできる。
ω3PUFA類として、精製魚油も使用できる。また、ω3PUFA類のモノグリセリド、ジグリセリド、TG誘導体またはこれらの組合せなども好ましい態様の一つである。例えばインクロメガ(lncromega)F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(クローダ インターナショナル ピーエルシー (Croda International PLC, Yorkshire, England))、および EPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、EPAX7010EE、K85TG、K85EEおよびK80EE(プロノバ バイオファーマ(Pronova Biopharma, Lysaker, Norway) )などの種々のω3PUFA類を含有する製品が市販されており、これらを入手して使用することもできる。
本発明において、「ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル」は無水ソルビトールの水酸基の一部が脂肪酸でエステル化された脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテルである。エステル化する脂肪酸により種々の化合物が市販されており、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TL-10、ポリソルベート20、Tween20)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TP-10V、ポリソルベート40、Tween40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS-10MV、ポリソルベート60、Tween60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TS-30V、ポリソルベート65)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TI-10V)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO-10MV、ポリソルベート80、Tween80)、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(NIKKOL TO-30V、ポリソルベート85)等が例示され、好ましくは、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンが例示され、より好ましくは、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンが例示される。
また、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは上記のような化合物をすべて含む意味で用いられる。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし29質量%であり、好ましくは3ないし20質量%、より好ましくは5ないし15質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。
本発明において、「ポリオキシエチレンヒマシ油」は、ヒマシ油に酸化エチレンが付加重合した化合物である。酸化エチレンの平均付加モル数により種々の化合物が市販されており、例えば、平均付加モル数3のNIKKOL CO-3(日光ケミカルズ)、平均付加モル数10のNIKKOL CO-10(日光ケミカルズ)、平均付加モル数20のEMALEX C-20(日本エマルジョン)、平均付加モル数30のEMALEX C-30(日本エマルジョン)、平均付加モル数35のKolliphor EL(BASF)(ポリオキシル35ヒマシ油)、平均付加モル数40のEMALEX C-40(日本エマルジョン)および平均付加モル数50のEMALEX C-50(日本エマルジョン)が例示さ、好ましくはKolliphor ELである。また、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においてポリオキシエチレンヒマシ油とは、特に断らない限りは、上記のような化合物をすべて含む意味で用いられる。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンヒマシ油の含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし20質量%であり、好ましくは2ないし15質量%、より好ましくは3ないし10質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、とりわけ好ましくは110質量部以下、最も好ましくは100質量部以下となる割合で含ませることが好適である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンヒマシ油の量比が100質量部:5ないし150質量部、好ましくは100質量部:10ないし140質量部以下、より好ましくは100質量部:20~130質量部以下、さらに好ましくは30~120質量部、とりわけ好ましくは100質量部:50ないし110質量部、最も好ましくは100質量部:80ないし120質量部となる割合で含ませることが好適である。
本発明において、「ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油」は、ヒマシ油に水素を添加した硬化ヒマシ油に酸化エチレンが付加重合した化合物である。酸化エチレンの平均重合度により種々の化合物が市販されており、例えば、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-20、日光ケミカルズ)、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-40、日光ケミカルズ)、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-50、日光ケミカルズ)、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-60、日光ケミカルズ)およびポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-100、日光ケミカルズ)が例示され、好ましくはポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油が例示される。また、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とは、特に断らない限りは、上記のような化合物をすべて含む意味で用いられる。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし20質量%であり、好ましくは2ないし15質量%、より好ましくは3ないし10質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、とりわけ好ましくは110質量部以下、最も好ましくは100質量部以下となる割合で含ませることが好適である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンヒマシ油の量比が100質量部:5ないし150質量部、好ましくは100質量部:10ないし140質量部以下、より好ましくは100質量部:20ないし130質量部以下、さらに好ましくは30ないし120質量部、とりわけ好ましくは100質量部:50ないし110質量部、最も好ましくは100質量部:80ないし120質量部となる割合で含ませることが好適である。
本発明において、乳化剤は界面活性剤を包含するものとする。界面活性剤は陽イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を選択できるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が知られている。
本発明の自己乳化組成物は、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを少なくとも含んでいることを特徴とする。本発明の好ましい態様の一つは、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ポリオキシエチレンヒマシ油および/またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含む。また、別の本発明の好ましい態様の一つは、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油を含む。本発明の自己乳化組成物は、乳化剤として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル並びにポリオキシエチレンヒマシ油以外の乳化剤を含んでもよいが、その含量は、組成物に使用する乳化剤全量を100質量部とした時に、20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部未満であり、特に好ましくは、実質的に含まない。更に含むことの出来る乳化剤は前記課題の少なくとも1つを満たせば特に限定されないが、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、プロピレングリコール脂肪酸エステル、飽和ポリグリコール化グリセリド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、トコフェロール-ポリエチレングリコール-コハク酸エステル(TPGS)、等が挙げられる。
本発明の自己乳化組成物における乳化剤の合計含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし29質量%であり、好ましくは3ないし27質量%、より好ましくは5ないし27質量%、さらに好ましくは5ないし24質量%、とりわけ好ましくは10ないし20質量%である。あるいは8ないし27質量%が好ましく、10ないし27質量%がより好ましい。また、ω3PUFA類100質量部に対して5ないし45質量部、好ましくは10ないし45質量部、さらに好ましくは15ないし35質量部、とりわけ好ましくは15ないし20質量部である。
本発明の組成物および医薬は少量の水を含む。通常疎水性の脂質を含む組成物に水を添加することは相溶性が悪くなると考えられている。組成中に水を含むことにより、組成物の相溶性が良好となり、多価アルコールやエタノールが不要となるため、多価アルコールやエタノールを含まなくても外観が澄明で、組成物の分離や白濁を生じない。
少量の水は、自己乳化組成物の調製時に加えてもよく、ゼラチンカプセル等にカプセル化した時にゼラチン皮膜中の水分が自己乳化組成物に移行してもよい。
また、多価アルコールやエタノールを含まないと、カプセル化した場合にカプセルが軟化、変形せず、アルコール不耐性患者の服用時にエタノールによる副作用もない。
水は自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、0.5~6質量%であることが好ましく、0.5~4質量%がより好ましく、0.5~3質量%がさらに好ましい。最も好ましくは1~3質量%である。または、0.5質量%以上3質量%未満が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%未満がより好ましい。
本発明において、「レシチン」はグリセロリン脂質の1種であり、大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、水素添加大豆レシチン、大豆リン脂質、精製大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質、卵黄レシチン、卵黄リン脂質、水素添加リン脂質、牛乳由来リン脂質、高純度合成リン脂質、不飽和リン脂質、リゾレシチン、リン脂質プレミックス、ホスファチジン酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン(精製ホスファチジルコリンや精製卵黄ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルコリン、ポリエンホスファチジルコリン、水素添加精製卵黄ホスファチジルコリン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール(精製ホスファチジルグリセロールや精製卵黄ホスファチジルグリセロール、水素添加ホスファチジルグリセロール)、ホスファチジルイノシトール、カルジオリピン、α-グリセロホスホコリンおよび精製卵黄スフィンゴミエリン、が例示される。好ましくは、大豆レシチン、酵素分解大豆レシチン、水素添加大豆レシチンおよび卵黄レシチンが例示され、更に好ましくは大豆レシチンが例示される。また、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においてレシチンとは、特に断らない限りは、上記のようなグリセロリン脂質をすべて含む意味で用いられる。本発明において、レシチンは乳化剤には含まれない(構成要件の乳化剤には含まれず、組成物中の乳化剤含量に量的に参入をしない)。
精製大豆レシチン(日清オイリオ)、精製卵黄レシチン(旭化成ファーマ)、卵黄レシチンPL-100M(キューピー)などの種々の製品が市販されている。大豆レシチンは、例えば、ベイシスLP-20B(日清製油)、Lipoid S45、S20(リポイド)などが、酵素分解レシチンは例えばベイシスLP-20E(日清製油)、Phospholipon RLPC20(リポイド)などの種々の製品が市販されており、これらを入手して使用することもできる。
本発明の自己乳化組成物に添加するレシチンの含量は特に限定されないが、ω3PUFA類100質量部に対して、0.5ないし40質量部が好ましく、1ないし40質量部が好ましく、2ないし40質量部が好ましく、3ないし40質量部が好ましく、3ないし30質量部がより好ましく、3ないし25質量部がさらに好ましく、3ないし20質量部、3.2ないし17質量部、3.5ないし15質量部、3.7ないし17質量部がとりわけ好ましい。あるいは、3ないし15質量部が好ましく、3ないし12質量部がより好ましく、3ないし10質量部がさらに好ましい。最も好ましくは5ないし10質量部である。
レシチンは自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、2.1~36質量%であることが好ましく、2.1~20質量%がより好ましく、2.1~15質量%がさらに好ましい。あるいは、0.5~30質量%であることが好ましく、1~25質量%であることがより好ましく、1~20質量%であることがさらに好ましく、2~15質量%であることがとりわけ好ましい。最も好ましくは2.1~10質量%である。
レシチンは自己乳化組成物における乳化剤の合計含量を100質量部としたとき、10~75質量部であることが好ましく、11~60質量部がより好ましく、20~55質量部がさらに好ましい。最も好ましくは25~35質量部である。
レシチンは自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの合計含量を100質量部としたとき、10~150質量部であることが好ましく、20~120質量部がより好ましく、40~90質量部がさらに好ましい。最も好ましくは50~70質量部である。
本発明において、「多価アルコール」は、鎖式脂肪族炭化水素または環式脂肪族炭化水素の2つ以上の炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つポリオール化合物である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1、2-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、2、3-ブチレングリコールおよびペンタメチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよび1、2、6-ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールトリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、等が例示され、好ましくはプロピレングリコールまたはグリセリンである。グリセリンには濃グリセリンも包含される。本発明において多価アルコールとは、特に断らない限りは、上記のようなポリオール化合物をすべて含む意味で用いられる。
本発明の自己乳化組成物に添加する多価アルコールの含量は組成物をカプセルに充填した場合に、カプセルを変形させない範囲が好ましい。例えば、組成物全体を100質量%としたとき、組成中に4質量%より多い多価アルコールを含まないことが好ましい。また、組成中の多価アルコールの含量が4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がとりわけ好ましい。最も好ましいのは0質量%である。
本発明の自己乳化組成物に含有されるエタノールはカプセル化製造工程や流通・保存中に品質変化を生じさせず、かつ、カプセル内容物の変性を生じさせない範囲が望ましく、また、1日投与量として医薬品使用実績を超えない範囲が望ましい。例えば、組成物全体を100質量%としたとき、組成中に4質量%より多いエタノールを含まないことが好ましい。また、組成中のエタノールの含量が4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がとりわけ好ましい。最も好ましいのは0質量%である。
また、自己乳化組成物にエタノールと多価アルコールが含まれる場合には、組成物全体を100質量%としたとき、組成物中に合計含量として4質量%より多いエタノール及び多価アルコールを含まないことが好ましい。好ましい態様としてはエタノール及び多価アルコールを実質的に含まない。また、組成中のエタノール及び多価アルコールの合計量が4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がとりわけ好ましい。最も好ましいのは0質量%以下である。
好ましいエタノール濃度は、自己乳化組成物中のω3PUFA濃度と1日投与量により適宜定めることができる。本発明の自己乳化組成物をω3PUFAとして各個体当り1日1800mg経口投与する場合、例えば、ω3PUFAが75質量%の製剤とするとエタノールは0.135質量%以下であれば医薬品添加物事典に記載された1日最大使用量である3.26mgを超えないことになる。
上記のようなω3PUFA類と乳化剤とを含有する本発明の自己乳化組成物において、好ましい態様は1)EPA-Eおよび/またはDHA-E、2)水、3)乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、4)レシチンを含む組合せである。自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1)EPA-Eおよび/またはDHA-Eが70~90質量%、2)水が0.5~6質量%、3)ポリオキシエチレンソルビタンを含む乳化剤が1~29質量%(ただしレシチンは除く)、4)EPA-Eおよび/またはDHA-E100質量部に対してレシチンが3~40質量部、である。好ましい別の態様は1)EPA-Eおよび/またはDHA-E、2)水、3)乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、および4)ポリオキシルヒマシ油、5)レシチンを含む組合せである。自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1)EPA-Eおよび/またはDHA-Eが70~90質量%、2)水が0.5~6質量%、3)ポリオキシエチレンソルビタンおよびポリオキシルヒマシ油を含む乳化剤(ただし、レシチンは除く)が1~29質量%、4)EPA-Eおよび/またはDHA-E100質量部に対してレシチンが3~40質量部、である。好ましい別の態様は1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルから選択される少なくとも1つの化合物、2)水、3)乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油、4)レシチンを含む組合せである。自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルから選択される少なくとも1つの化合物が70~90質量%、2)水が0.5~6質量%、3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油を含む乳化剤で、該乳化剤が5~24質量%であって、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対してポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下、4)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルから選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対してレシチンが3~40質量部のレシチン、である。
本発明の自己乳化組成物はカプセルに封入することが出来る。カプセルは硬カプセルや軟カプセルが選択出来、好ましくは軟カプセルである。軟カプセルの形態は必ずしも限定されないが、好ましくはロータリー式軟カプセルまたはシームレスカプセルである。
本発明の軟カプセルにおいて、カプセル皮膜の組成は必ずしも限定されず、主要成分としては、例えば、ゼラチン、カラギーナン、ペクチン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース等、および種々の公知の成分が挙げられるが、好ましくはゼラチンである。ゼラチンとしては、制限はなく、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、両性ゼラチン、化学修飾ゼラチン等、公知のゼラチンを用いることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。好ましくは、酸処理ゼラチンまたはアルカリ処理ゼラチンである。ゼラチンの由来は、必ずしも限定されないが、例えば、牛骨、牛皮、豚骨、豚皮、魚鱗、魚皮、好ましくは牛骨、牛皮、豚骨、豚皮、である。
「ゼラチン」としては、軟カプセル剤の製造において通常使用されるもの、例えば、第16改正日本薬局方で規定される医薬用ゼラチン(ゼラチンおよび精製ゼラチン)が挙げられる。ゼラチンは、2種以上を組合せて用いてもよい。カプセル皮膜はその他に可塑剤等を含有しうる。
カプセル皮膜に配合する「可塑剤」としては、軟カプセル剤の製造において通常使用されるもの、例えば、グリセリン(例、濃グリセリン)、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコールなどが好ましい。これらの可塑剤は、2種以上を組合せて用いてもよい。中でも、グリセリン、ソルビトールが好ましい。また、グリセリンとソルビトールとの組み合わせを使用することも好ましい。この場合、グリセリンとソルビトールとの質量比を、1:5~5:1の範囲で使用することが好ましく、1:3~3:1の範囲で使用することがより好ましい。
本発明の軟カプセル剤、特にシームレスカプセルにおいて、カプセル皮膜液は、ゼラチンと可塑剤とを、その重量比において、10:1~1:10の範囲で含有することが好ましく、10:1~1:1の範囲で含有することがより好ましい。
カプセル皮膜液とカプセル内容物との重量比は、通常10:1~1:10で、好ましくは3:1~1:10である。
さらに、必要に応じて、カプセル皮膜に一般に用いられる各種添加剤、例えば、アミノ酸、クエン酸、グリセリン、ソルビトール、トレハロース、等の可塑剤、防腐剤、色素や酸化チタン等の着色剤、有機酸等を添加することができる。
カプセル皮膜用組成物は、ゼラチンおよび可塑剤、さらに必要に応じて各種添加剤を、常温又は加温下で、水に混合溶解することで製造できる。
本発明の自己乳化組成物を内容液としたカプセル化された自己乳化製剤は、製造直後の硬度が良好であり、保存により硬度低下しないことが好ましい。硬度の低下はカプセルを変形させるだけでなく、脆くなるためカプセルが割れ、内容液が流出してしまうため品質上好ましくない。カプセルの軟化の有無は、一般的な硬度計により硬度を測定することで確認することが出来る。
本発明のカプセル化された自己乳化製剤は、製造直後の硬度が18kgf以上、好ましくは20kgf以上、より好ましくは22kgf以上である。また、密封されたアルミ包装で40℃1週間保管した場合に製造直後と比較して硬度が実質的に低下しない、あるいは硬度が6kgf以上低下しないことが望ましく、40℃1週間の保管後の硬度が10kgf以上、好ましくは15kgf以上、より好ましくは20kgf以上である。
また、製造直後の硬度を100%とした時、密封されたアルミ包装で40℃1週間保管した場合の硬度が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上維持される。さらに好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上の硬度が維持される。
本発明の自己乳化組成物に用いられるω3PUFA類の投与量および投与期間は対象となる作用を現すのに十分な量および期間とされるが、投与方法、1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適宜増減することができる。
経口投与する場合は、例えばEPA-Eとして各個体当り、10~12000mg/日、50~10000mg/日、好ましくは50~8000mg、100~5000mg/日、100~4000mg/日、より好ましくは200~3000mg/日、300~3000mg/日、とりわけ好ましくは500~3000mg/日を1ないし3回に分けて投与する、あるいは500~10000mg/日、500~4500mg/日、1500~4200mg/日、好ましくは1500~2400mg/日、3300~4200mg/日、7000~8100mg/日を1ないし3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。また、各個体当り、1800mg、2000mg、2700mg、3000mg、3600mg、4000mg、6000mg、8000mg、10000mgを1ないし3回に分けて投与し、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。前記1日投与量または1回投与量は±5%の差を許容するものとする。1日の投与回数としては、1日1回投与、あるいは、1日2回または3回に分けて投与することが好ましい。1回/日投与とする場合、例えばEPA-Eとして1000mgを含有する軟カプセル剤の場合、1~10カプセルを、好ましくは1~8カプセルを、より好ましくは1~6カプセルを、さらに好ましくは1~4カプセルを、いっそう好ましくは1~3カプセルを投与することができる。また、EPA-Eとして100mgを含有する軟カプセル剤と500mgを含有する軟カプセル剤とを組み合わせて、500mg/回、1500mg/回、2500mg/回、3500mg/回、4500mg/回あるいは5500mg/回のように投与することもできる。EPA-Eの吸収は食事が影響するため、投与時間は食中ないし食後が好ましく、食直後(30分以内)投与が更に好ましいとされているが、本発明の自己乳化組成物は空腹時でも吸収性に優れるため、食中、食後あるいは食直後以外の時間、例えば絶食時(最後の食事から8時間以上、好ましくは10時間以上経過後)、食前、食直前、食間、就寝前に投与した場合、腸管での吸収能が低下した患者(高齢者、腸疾患患者、腸手術後、末期癌患者、リパーゼ阻害剤服用時)に投与した場合あるいは、投与量を減量した場合も本発明の効果を発現させることができる。
本発明の自己乳化組成物は、経口投与後ω3PUFA最高血漿中濃度に達するまでの時間がω3PUFA原液と同等かそれよりも短いという特徴を有することが好ましい。または、ω3PUFA最高血漿中濃度は、ω3PUFA原液(本発明の自己乳化組成物と同じω3PUFA類用量であり、乳化剤等を含まない組成物をいう)よりも高いという特徴を有することが好ましい。また、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、投与0~2時間のω3PUFA血漿中曲線下面積および/または0~72時間のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積はω3PUFA原液と同等かそれよりも高いという特徴を有することが好ましい。本発明の自己乳化組成物はより好ましくは、ω3PUFA最高血漿中濃度に達する時間はω3PUFA原液よりも短く、その濃度は高く、かつ、投与2時間後の血漿中濃度、投与0~2時間および/または0~72時間のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積以下のいずれもが、ω3PUFA原液より高いという特徴を有するものが好ましい。とりわけ好ましい本発明の自己乳化組成物は、これらのパラメータが食直後投与のω3PUFA原液よりも高い。
上記の薬物動態は、イヌやサル等の動物で確認することができるが、好ましくは、ヒトでの試験により確認される。
雄性ビーグル犬を使用した薬物動態試験において、雄性ビーグル犬に18時間以上絶食条件下でω3PUFA類として各匹600mgとなる自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度は例えば、50μg/ml以上が好ましく、60μg/ml以上がより好ましく、70μg/ml以上がとりわけ好ましい。また、投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積はが50μg・hr/mL以上が好ましく、60μg・hr/mL以上がより好ましく、70μg・hr/mL以上がとりわけ好ましい。さらに、ω3PUFA最高血漿中濃度とω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の組合せは、50μg/ml以上および50μg・hr/mL以上が好ましく、60μg/ml以上および60μg・hr/mL以上がより好ましく、70μg/ml以上および70μg・hr/mL以上がとりわけ好ましい。
雄性カニクイザルを使用した薬物動態試験において、雄性カニクイザルに12時間以上絶食条件下でω3PUFA類として体重1kgあたり45mgとなる自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/ml以上が好ましく、70μg/mlがより好ましい。また、投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が400μg・hr/mL以上が好ましく、500μg/mlがより好ましい。さらに、ω3PUFA最高血漿中濃度とω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の組合せは、50μg/ml以上および400μg・hr/mL以上が好ましく、70μg/ml以上および500μg・hr/mL以上がより好ましい。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、500mg~10000mgの量となる自己乳化組成物を食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、180μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは350μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~700μg/mLがより好ましく、40~600μg/mLがとりわけ好ましく、50~500μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは60~480μg/mLである。また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mLが好ましく、10~90μg/mLがより好ましく、15~85μg/mLがとりわけ好ましく、20~80μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは30~70μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、800μg・hr/mL以上がより好ましく、1000μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、1500μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは1800μg・hr/mL以上である。あるいは500~9000μg・hr/mLが好ましく、600~8000μg・hr/mLがより好ましく、700~7000μg・hr/mLがとりわけ好ましく、800~5000μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは1500~4500μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、1500mg~4200mgの量となる自己乳化組成物を食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上が好ましく、60μg/mL以上がより好ましく、70μg/mL以上がとりわけ好ましく、100μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは150μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~600μg/mLがより好ましく、40~400μg/mLがとりわけ好ましく、50~300μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは60~250μg/mLである。また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が5~100μg/mLが好ましく、10~90μg/mLがより好ましく、12~60μg/mLがとりわけ好ましく、15~50μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは20~45μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、800μg・hr/mL以上がより好ましく、1000μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、1500μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは2000μg・hr/mL以上である。あるいは500~6000μg・hr/mLが好ましく、600~5000μg・hr/mLがより好ましく、700~4000μg・hr/mLがとりわけ好ましく、800~3500μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは1000~3000μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、1500mg~2400mg(例えば2000mg)の量となる自己乳化組成物を食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が40μg/mL以上が好ましく、50μg/mL以上がより好ましく、60μg/mL以上がとりわけ好ましく、65μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは100μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、40~300μg/mLがとりわけ好ましく、50~150μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは60~120μg/mLである。また、投与後24時間の血漿中濃度が5~70μg/mLが好ましく、10~60μg/mLがより好ましく、15~50μg/mLがとりわけ好ましく、18~40μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは20~35μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、800μg・hr/mL以上がより好ましく、1000μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、1200μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは1500μg・hr/mL以上である。あるいは500~5000μg・hr/mLが好ましく、600~4000μg・hr/mLがより好ましく、700~3000μg・hr/mLがとりわけ好ましく、800~2500μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは1000~2100μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、3300mg~4200mg(例えば4000mg)の量となる自己乳化組成物を食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、160μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは180μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、50~400μg/mLがとりわけ好ましく、100~300μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは150~200μg/mLである。また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が10~80μg/mLが好ましく、20~60μg/mLがより好ましく、25~55μg/mLがとりわけ好ましく、30~50μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは35~45μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、1000μg・hr/mL以上がより好ましく、1500μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、2000μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは2500μg・hr/mL以上である。あるいは500~5000μg・hr/mLが好ましく、1000~4700μg・hr/mLがより好ましく、1500~4500μg・hr/mLがとりわけ好ましく、2000~4000μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは2500~3500μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、7000mg~8500mg(例えば8000mg)の量となる自己乳化組成物を食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が100μg/mL以上が好ましく、200μg/mL以上がより好ましく、300μg/mL以上がとりわけ好ましく、350μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは400μg/mL以上である。あるいは100~1000μg/mLが好ましく、200~800μg/mLがより好ましく、300~600μg/mLがとりわけ好ましく、300~500μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは350~500μg/mLである。また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が10~100μg/mLが好ましく、30~90μg/mLがより好ましく、50~85μg/mLがとりわけ好ましく、55~85μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは65~80μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が1000μg・hr/mL以上が好ましく、2000μg・hr/mL以上がより好ましく、3000μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、4000μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは5000μg・hr/mL以上である。あるいは1000~10000μg・hr/mLが好ましく、2000~8000μg・hr/mLがより好ましく、3000~7000μg・hr/mLがとりわけ好ましく、3500~6500μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは4000~6500μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として各ヒト1800mgの量となる自己乳化組成物を絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、200μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは300μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、40~300μg/mLがとりわけ好ましく、50~150μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは50~100μg/mLである。あるいは50μg/mL以上が好ましく、60μg/mL以上がより好ましく、65μg/mL以上がとりわけ好ましく、80μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは100μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、40~300μg/mLがとりわけ好ましく、50~150μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは60~120μg/mLである。また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が5~70μg/mLが好ましく、10~60μg/mLがより好ましく、13~50μg/mLがとりわけ好ましく、15~40μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは18~30μg/mLである。また、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、1000μg・hr/mL以上がより好ましく、1500μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、2000μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは3000μg・hr/mL以上である。あるいは500~4500μg・hr/mLが好ましく、600~3000μg・hr/mLがより好ましく、700~2500μg・hr/mLがとりわけ好ましく、800~2000μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは1000~1500μg・hr/mLである。あるいは500μg・hr/mL以上が好ましく、800μg・hr/mL以上がより好ましく、1000μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、1500μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは1800μg・hr/mL以上である。あるいは500~4500μg・hr/mLが好ましく、600~3000μg・hr/mLがより好ましく、700~2500μg・hr/mLがとりわけ好ましく、800~2200μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは1000~2100μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間は6時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましく、3時間以下がとりわけ好ましく、1時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~5時間がさらに好ましく、最も好ましくは2.5~4時間である。あるいは、6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~7時間がさらに好ましく、最も好ましくは3~6時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期は10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として3600mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、200μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは300μg/mL以上である。あるいは、50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、160μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは180μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、50~400μg/mLがとりわけ好ましく、100~300μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは150~200μg/mLである。あるいは、また、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度が10~80μg/mLが好ましく、20~60μg/mLがより好ましく、25~50μg/mLがとりわけ好ましく、30~45μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは35~40μg/mLである。また、投与0から72時間のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上が好ましく、1000μg・hr/mL以上がより好ましく、1500μg・hr/mL以上がとりわけ好ましく、2000μg・hr/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは2500あるいは3000μg・hr/mL以上である。あるいは500~5000μg・hr/mLが好ましく、1000~4700μg・hr/mLがより好ましく、1500~4500μg・hr/mLがとりわけ好ましく、2000~4000μg・hr/mLがさらに好ましく、最も好ましくは2500~3500μg・hr/mLである。また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましく、3時間以下がとりわけ好ましく、1時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは6時間以下が好ましく、5.5時間以下がより好ましく、5時間以下がとりわけ好ましく、4.5時間以下がさらに好ましく、最も好ましくは0時間以下である。あるいは、0.5~10時間が好ましく、1~8時間がより好ましく、1.5~7時間がとりわけ好ましく、2~6時間がさらに好ましく、最も好ましくは3.5~5.5あるいは3~5時間である。また、ω3PUFA血漿中消失半減期が10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましく、30時間以上がとりわけ好ましく、40時間以上がさらに好ましく、最も好ましくは50時間以上である。あるいは、0~150時間が好ましく、10~120時間がより好ましく、30~100時間がとりわけ好ましく、25~75時間がさらに好ましく、最も好ましくは25~50時間である。
ヒトを使用した薬物動態試験の場合は、前記の他に以下の数値範囲でも良い。すなわち、ω3PUFA類またはEPA類として各ヒト1800mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した場合のω3PUFA最高血漿中濃度は特に限定されないが、例えば、10~150、20~160、30~170、40~180、50~190、60~200、10~50、50~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~350、350~400、400~450、450~500、500~600、600~700、700~800、800~900、900~1000、10~30、20~40、30~50、40~60、50~70、60~80、70~90、80~100、90~110、100~120、110~130、120~140、130~150、140~160、150~170、160~180、170~190、180~200、190~210、200~220、220~240、240~260、260~280、280~300、10~20、15~25、20~30、25~35、30~40、35~45、40~50、45~55、50~55、53~58、55~60、58~63、60~65、63~68、65~70、68~73、70~75、73~78、75~80、78~83、80~85、83~88、85~90、88~93、90~95、93~98、95~100、98~103、100~105、103~108、105~110、108~113、110~115、113~118、115~120、118~123、120~125、123~128、125~130、128~133、130~135、133~138、135~140、138~143、140~145、143~148、145~150、150~160、155~165、160~170、165~175、170~180、175~185、180~190、185~195、190~200、195~205、200~210、205~215、210~220、215~225、220~230、225~235、230~240、235~245、240~250μg/mlを選択出来、ω3PUFA類またはEPA類として各ヒト3600mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に投与する場合は例えば、10~200、30~220、50~240、70~260、90~280、110~300、130~320、150~350、10~50、50~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~350、350~400、400~450、450~500、500~600、600~700、700~800、800~900、900~1000、10~30、20~40、30~50、40~60、50~70、60~80、70~90、80~100、90~110、100~120、110~130、120~140、130~150、140~160、150~170、160~180、170~190、180~200、190~210、200~220、220~240、240~260、260~280、280~300、10~20、15~25、20~30、25~35、30~40、35~45、40~50、45~55、50~55、53~58、55~60、58~63、60~65、63~68、65~70、68~73、70~75、73~78、75~80、78~83、80~85、83~88、85~90、88~93、90~95、93~98、95~100、98~103、100~105、103~108、105~110、108~113、110~115、113~118、115~120、118~123、120~125、123~128、125~130、128~133、130~135、133~138、135~140、138~143、140~145、143~148、145~150、150~160、155~165、160~170、165~175、170~180、175~185、180~190、185~195、190~200、195~205、200~210、205~215、210~220、215~225、220~230、225~235、230~240、235~245、240~250μg/mlを選択出来る。
また、投与0から72時間のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積はω3PUFA類またはEPA類として各ヒト1800mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に投与する場合には例えば、500~2000、700~2200、900~2400、1100~2600、500~1500、1000~2000、1500~2500、2000~3000、2500~3500、3000~4000、500~1000、750~1250、1000~1500、1250~1750、1500~2000、1750~2250、2000~2500、2250~2750、2500~3000、2750~3250、3000~3500、3250~3750、3500~4000、3750~4250、4000~4500、4250~4750、4500~5000、500~700、600~800、700~900、800~1000、900~1100、1000~1200、1100~1300、1200~1400、1300~1500、1400~1600、1500~1700、1600~1800、1700~1900、1800~2000、1900~2100、2000~2200、2100~2300、2200~2400、2300~2500、2400~2600、2500~2700、2600~2800、2700~2900、2800~3000、2900~3100、3000~3200、3100~3300、3200~3400、3300~3500、3400~3600、3500~3700、3600~3800、3700~3900、3800~4000、3900~4100、4000~4200、4100~4300、4200~4400、4300~4500、500~600、550~650、600~700、650~750、700~800、750~850、800~900、850~950、900~1000、950~1050、1000~1100、1050~1150、1100~1200、1150~1250、1200~1300、1250~1350、1300~1400、1350~1450、1400~1500、1450~1550、1500~1600、1550~1650、1600~1700、1650~1750、1700~1800、1750~1850、1800~1900、1850~1950、1900~2000、1950~2050、2000~2100、2050~2150、2100~2200、2150~2250、2200~2300、2250~2350、2300~2400、2350~2450、2400~2500、2450~2550、2500~2600、2550~2650、2600~2700、2650~2750、2700~2800、2750~2850、2800~2900、2850~2950、2900~3000、2950~3050、3000~3100、3150~3250、3200~3300、3250~3350、3300~3400、3350~3450、3400~3500、3500~3600、3600~3700、3700~3800、3800~3900、3900~4000、4000~4100、4100~4200、4200~4300、4300~4400、4400~4500μg・hr/mLを選択出来、ω3PUFA類またはEPA類として各ヒト3600mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に投与する場合には例えば、1500~3000、1800~3300、2100~3600、2400~3900、500~1500、1000~2000、1500~2500、2000~3000、2500~3500、3000~4000、500~1000、750~1250、1000~1500、1250~1750、1500~2000、1750~2250、2000~2500、2250~2750、2500~3000、2750~3250、3000~3500、3250~3750、3500~4000、3750~4250、4000~4500、4250~4750、4500~5000、500~700、600~800、700~900、800~1000、900~1100、1000~1200、1100~1300、1200~1400、1300~1500、1400~1600、1500~1700、1600~1800、1700~1900、1800~2000、1900~2100、2000~2200、2100~2300、2200~2400、2300~2500、2400~2600、2500~2700、2600~2800、2700~2900、2800~3000、2900~3100、3000~3200、3100~3300、3200~3400、3300~3500、3400~3600、3500~3700、3600~3800、3700~3900、3800~4000、3900~4100、4000~4200、4100~4300、4200~4400、4300~4500、500~600、550~650、600~700、650~750、700~800、750~850、800~900、850~950、900~1000、950~1050、1000~1100、1050~1150、1100~1200、1150~1250、1200~1300、1250~1350、1300~1400、1350~1450、1400~1500、1450~1550、1500~1600、1550~1650、1600~1700、1650~1750、1700~1800、1750~1850、1800~1900、1850~1950、1900~2000、1950~2050、2000~2100、2050~2150、2100~2200、2150~2250、2200~2300、2250~2350、2300~2400、2350~2450、2400~2500、2450~2550、2500~2600、2550~2650、2600~2700、2650~2750、2700~2800、2750~2850、2800~2900、2850~2950、2900~3000、2950~3050、3000~3100、3150~3250、3200~3300、3250~3350、3300~3400、3350~3450、3400~3500、3500~3600、3600~3700、3700~3800、3800~3900、3900~4000、4000~4100、4100~4200、4200~4300、4300~4400、4400~4500μg・hr/mLを選択出来る。
また、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間はω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、1800mgないし3600mg、あるいは1800mgないし4000mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に投与する場合には例えば、0~5.5、1~6、1.5~6.5、2~7、0~2、1~3、2~4、3~5、4~6、5~7、6~8、7~9、8~10、0~1、0.5~1.5、1~2、1.5~2.5、2~3、2.5~3.5、3~4、3.5~4.5、4~5、4.5~5.5、5~6、5.5~6.5、6~7、6.5~7.5、7~8、7.5~8.5、8~9、8.5~9.5、9~10、0~0.5、0.3~0.8、0.5~1、0.8~1.3、1~1.5、1.3~1.8、1.5~2、1.8~2.3、2~2.5、2.3~2.8、2.5~3、2.8~3.3、3~3.5、3.3~3.8、3.5~4、3.8~4.3、4~4.5、4.3~4.8、4.5~5、4.8~5.3、5~5.5、5.3~5.8、5.5~6、5.8~6.3、6~6.5、6.3~6.8、6.5~7、6.8~7.3、7~7.5、7.3~7.8、7.5~8、7.8~8.3、8~8.5、8.3~8.8、8.5~9、8.8~9.3、9~9.5、9.3~9.8、9.5~10時間が選択出来る。
また、ω3PUFA血漿中消失半減期はω3PUFA類またはEPA類として各ヒト当り、1800mgないし3600mg、あるいは1800mgないし4000mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に投与する場合には例えば、0~70、10~80、20~90、30~100、40~110、0~50、25~75、50~100、75~125、100~150、125~175、150~200、0~20、10~30、20~40、30~50、40~60、50~70、60~80、70~90、80~100、90~110、100~120、110~130、120~140、130~150、0~10、5~15、10~20、15~25、20~30、25~35、30~40、35~45、40~50、45~55、50~60、55~65、60~70、65~75、70~80、75~85、80~90、85~95、90~100、95~105、100~110、105~115、110~120時間が選択出来る。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として1800mgまたは2000mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Css max)が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、200μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは300μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、50~400μg/mLがとりわけ好ましく、100~300μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは150~200μg/mLである。また、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度(Css min)が10μg/mL以上が好ましく、20μg/mL以上がより好ましく、30μg/mL以上がとりわけ好ましく、40μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは50μg/mL以上である。あるいは10~500μg/mLが好ましく、20~250μg/mLがより好ましく、40~200μg/mLがとりわけ好ましく、60~150μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは75~95μg/mLである。また、定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度(Css ave)が30μg/mL以上が好ましく、60μg/mL以上がより好ましく、90μg/mL以上がとりわけ好ましく、120μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは150μg/mL以上である。あるいは10~700μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、50~300μg/mLがとりわけ好ましく、100~200μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは130~150μg/mLである。
ヒトを使用した薬物動態試験において、ヒトにω3PUFA類またはEPA類として3600mgまたは4000mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Css max)が100μg/mL以上が好ましく、200μg/mL以上がより好ましく、250μg/mL以上がとりわけ好ましく、300μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは350μg/mL以上である。あるいは10~1000μg/mLが好ましく、100~800μg/mLがより好ましく、200~600μg/mLがとりわけ好ましく、250~500μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは350~400μg/mLである。また、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度(Cssmin)が50μg/mL以上が好ましく、100μg/mL以上がより好ましく、150μg/mL以上がとりわけ好ましく、170μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは200μg/mL以上である。あるいは10~500μg/mLが好ましく、20~250μg/mLがより好ましく、40~200μg/mLがとりわけ好ましく、60~150μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは75~95μg/mLである。また、定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度(Cssave)が30μg/mL以上が好ましく、60μg/mL以上がより好ましく、90μg/mL以上がとりわけ好ましく、120μg/mL以上がさらに好ましく、最も好ましくは5150μg/mL以上である。あるいは10~700μg/mLが好ましく、20~500μg/mLがより好ましく、50~300μg/mLがとりわけ好ましく、100~200μg/mLがさらに好ましく、最も好ましくは130~150μg/mLである。
ヒトを使用した薬物動態試験の場合、ω3PUFA類またはEPA類として各ヒト500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgまたは8000mgの量となる自己乳化組成物を例えば、絶食時、食前、食直後または食後に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した場合の定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Css max)、ω3PUFA最低血漿中濃度(Css min)、またはω3PUFA平均血漿中濃度(Css ave)はそれぞれ特に限定されないが、例えば、10~110、20~120、30~130、40~140、50~150、60~160、70~170、80~180、90~190、100~200、110~210、120~220、130~230、140~240、150~250、160~260、170~270、180~280、190~290、200~300、210~310、220~320、230~330、240~340、250~350、260~360、270~370、280~380、290~390、300~400、310~410、320~420、330~430、340~440、350~450、360~460、370~470、380~480、390~490、400~500、410~510、420~520、430~530、440~540、450~550、460~560、470~570、480~580、490~590、500~600、510~610、520~620、530~630、540~640、550~650、560~660、570~670、580~680、590~690、600~700、610~710、620~720、630~730、640~740、650~750、660~760、670~770、680~780、690~790、700~800、810~910、820~920、830~930、840~940、850~950、860~960、870~970、880~980、890~990、900~1000、10~30、20~40、30~50、40~60、50~70、60~80、70~90、80~100、90~110、100~120、110~130、120~140、130~150、140~160、150~170、160~180、170~190、180~200、190~210、200~220、210~230、220~240、230~250、240~260、250~270、260~280、270~290、280~300、290~310、300~320、310~330、320~340、330~350、340~360、350~370、360~380、370~390、380~400、390~410、400~420、410~430、420~440、430~450、440~460、450~470、460~480、470~490、480~500、490~510、500~520、510~530、520~540、530~550、540~560、550~570、560~580、570~590、580~600、590~610、600~620、610~630、620~640、630~650、640~660、650~670、660~680、670~690、680~700、690~710、700~720、710~730、720~740、730~750、740~760、750~770、760~780、770~790、780~800、790~810、800~820、810~830、820~840、830~850、840~860、850~870、860~880、870~890、880~900、890~910、900~920、910~930、920~940、930~950、940~960、950~970、960~980、970~990、980~1000、990~1010、1000~1020、1010~1030、1020~1040、1030~1050、1040~1060、1050~1070、1060~1080、1070~1090、1080~1100、1090~1110、1100~1120、1110~1130、1120~1140、1130~1150、1140~1160、1150~1170、1160~1180、1170~1190、1180~1200をそれぞれ選択出来る。
前記、ω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度、投与0から72時間のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、ω3PUFA血漿中消失半減期から選択する2以上を組み合わせて本発明を特定しても良い。
本発明の自己乳化組成物は投与により、TG、T-cho、LDL-C、non-HDL-C、VLDL-C、VLDL-TG、、酸化LDL、small dense LDL、レムナント様リポ蛋白コレステロール、ApoB、ApoCIII、リポタンパク質(a)、Lp-PLA2、CETP活性、hs-CRP、血漿中リン脂質、遊離脂肪酸、空腹時血糖、HbA1c、HOMA-IR、細胞接着分子-1、IL-6、PAI-1、クレアチニン、AST、ALT、尿酸、8-イソプロスタン、やTXA2およびLTB2とその代謝物(ヒドロキシエイコサテトラエン酸、HETE)、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(減少)させ、HDL-C、apoA-I、apoA-I/ApoB比、血漿中または血清中EPA、赤血球膜中または血小板膜中EPA、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(増加)させ、また、LDL粒子数を減少させ、LDL粒径を大きくし、ApoE遺伝子型異常、ヘモグロビン異常、ヘマトクリット異常、トロンボサイト異常、等から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善することが好ましい。
特に好ましいパラメーターとしてはsmall dense LDL、8-イソプロスタン、TXA2およびLTB2とその代謝物(HETE)から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(減少)することである。
本発明の自己乳化組成物は高用量投与となってもω3PUFAの吸収量が飽和せず、用量依存的にω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の値が増大することが好ましい。EPA類として各個体当り、500~10000mgの範囲内で、2倍量(例えば投与量が1800mgに対し3600mgや、2000mgに対し4000mg、4000mgに対し8000mg等)を例えば、食前、食直後または食後に投与する場合、ω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の値が1.2倍、好ましくは1.5倍、より好ましくは1.8倍、とりわけ好ましくは2.0倍である。
高い治療効果を得るためにω3PUFA類を多量投与(例えば各個体当り、1日4000mg)する場合、ヒトが吸収し切れない過剰量は腸管に留まるため下部消化管副作用等の副作用を招くが、本発明の自己乳化組成物は前述の通り高用量投与であっても吸収性に優れることから腸管に止まるω3PUFA類を少なくあるいは無くすことができるため、副作用を低減できる。
低減もしくは無くすことが出来る副作用としては、下部消化管副作用、悪心、腹部不快感、下痢、腹痛、胸やけ、嘔吐、食欲不振、便秘、口内炎、口渇、腹部膨満感、鼓腸等が挙げられる。
本発明の自己乳化組成物は食中、食後あるいは食直後以外の時間、例えば食前、食直前、食間、就寝前に投与した場合、腸管での吸収能が低下した患者(高齢者、腸疾患患者、腸手術後、末期癌患者、リパーゼ阻害剤服用時)に投与した場合にも変化しないしないことが好ましい。
例えば、食直後以外の時間(例えば食前)にEPA類として各個体当り、1500~4200mg(例えば1800mg、2000mg、3000mg、3600mg、4000mg)の量となる自己乳化組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した場合のω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が、食直後に投与した場合のω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の50~150%が好ましく、60~140%がより好ましく、70~130%がとりわけ好ましく、80~120%がさらに好ましく、最も好ましくは90~110%である。
本発明の自己乳化組成物に、乳化補助剤、安定化剤、防腐剤、界面活性剤、抗酸化剤などを含有させることもできる。乳化補助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、リノレン酸、ミリスチン酸などの炭素数12ないし22の脂肪酸またはそれらの塩などが例示される。安定化剤としては、フォスファチジン酸、アスコルビン酸、グリセリン、セタノール等が例示される。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどが例示される。界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどが例示される。抗酸化剤としては、ブチレート化ヒドロキシトルエン、ブレチート化ヒドロキシアニソール、プロピルガレート、没食子酸プロピル、医薬として許容されうるキノン、アスタキサンチンおよびα-トコフェロールなどの油溶性の抗酸化剤が例示される。
また、一般的に用いられる適当な担体または媒体、着色剤、香味剤、必要に応じて植物油、更には無害性有機溶媒あるいは無害性溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤(例えばツイーン80、アラビアゴム溶液)、等張化剤、pH調整剤、安定化剤、嬌味剤、着香剤、保存剤、酸化防止剤、吸収促進剤などの添加剤と適宜選択組み合わせて適当な医薬用製剤に調製することができる。
特に、ω3PUFA類は高度に不飽和であるため、油溶性の酸化防止剤、例えばブチレート化ヒドロキシトルエン、ブチレート化ヒドロキシアニソール、プロピルガレート、没食子酸プロピル、医薬として許容されうるキノン、アスタキサンチンおよびα-トコフェロールなどから選択される少なくとも1種を酸化防止剤として有効量含有させることが望ましい。
本発明の自己乳化組成物は医薬用途にも用いられるため、外観が良好で、自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性そして保存安定性に優れることが好ましい。外観は自己乳化組成物が分離せず、濁らず、固化せず、析出せず、澄明であることが好ましい。外観不良であると医薬として好ましくなく、自己乳化性等の本来必要とする性能を有しない可能性がある。
保存温度は、自己乳化組成物やこれらのカプセル化された製剤が寒冷地や高温環境で扱われる可能性を考慮し、低温・高温時にも外観が澄明であることが好ましい。
自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性に優れる自己乳化組成物の場合、水に触れると速やかに分散し、適度な乳化滴径を有するマイクロエマルションを形成する。EPA-E等の油の吸収性は乳化滴径の大きさが関係しており、これを測定することにより動物に投与した場合の吸収性が良好であるか予測することが出来る。
本発明において、「平均乳化滴径」は、粒度分布測定装置(例えばNanotorac、日機装製)により、分散媒として水を使用して、標準的な測定方法(例えば、Setzero時間30秒、測定時間30秒、測定回数3回の平均)により測定した乳化組成物中の体積平均径の値である。本発明の自己乳化組成物を水等に分散させた場合の平均乳化滴径は2μm以下であり、乳化分散性、乳化安定性あるいは吸収性に優れる範囲であれば特に限定されないが、通常、平均乳化滴径は1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下が例示され、最も好ましくは0.3μm以下が例示される。
本発明の自己乳化組成物に第二の有効成分を組み合わせて使用することもできる。第二の有効成分は対象疾患および症状の程度に応じて任意に選択することができ、ω3PUFA類の効果を減弱しないことが好ましく、例えば、高脂血症治療薬、降圧薬、抗糖尿病薬、抗酸化剤、血流改善剤、胆汁酸誘導体、NAFLD・NASH治療剤、認知症進行抑制・治療剤などが例示される。
好ましい第二の有効成分としては、高脂血症治療薬のうち、例えば、ポリエンフォスファチジルコリン、大豆油不けん化物(ソイステロール)、ガンマオリザノール、酪酸リボフラビン、デキストラン硫酸ナトリウムイオウ18、パンテチン、エラスターゼが挙げられる。また、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンのようなスタチンやシンフィブラート、クロフィブラート、クリノフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラートのようなフィブラート系薬剤、あるいはオルリスタット、セチリスタットのような脂肪分解酵素阻害剤、コレスチラミンやコレスチミドのようなレジン、エゼチミブなども挙げられる。
降圧薬としては、イルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、カンデサルタンレキセチル、テルミサルタン、バルサルタン、ロサルタンカリウムのようなアンギオテンシンII受容体拮抗剤、アラセプリル、イミダプリル塩酸塩、エナラプリルマレイン酸塩、カプトプリル、キナプリル塩酸塩、シラザプリル水和物、テモカプリル塩酸塩、デラプリル塩酸塩、トランドラプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ペリンドプリル、リシノプリル水和物のようなアンギオテンシン変換酵素阻害薬、アゼルニジピン、アムロジピンベシル酸塩、アラニジピン、エホニジピン塩酸塩、シルニジピン、ニカルジピン塩酸塩、ニフェジピン、ニモジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、バルニジピン塩酸塩、フェロジピン、ベニジピン、マニジピンのようなカルシウム拮抗薬、トラゾリン、フェントラミンのようなα受容体遮断薬、アテノロール、メトプロロール、アセブトロール、プロプラノロール、ピンドロール、カルベジロール、ラベタロール塩酸塩のようなβ受容体遮断薬、クロニジン、メチルドパなどのα受容体刺激薬、エプレレノン、ヒドロクロロチアジド、フロセミドのような利尿薬なども挙げられる。
抗糖尿病薬としては、アカルボース、ボグリボース、ミグリトールのようなα-グルコシダーゼ阻害剤、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリド、トルブタミドのようなスルホニルウレア系血糖降下薬、ナテグリニド、ミチグリニドのような速効型インスリン分泌促進薬、メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩のようなビグアナイド系血糖降下薬、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、テネグリプチン、アナグリプチン、サクサグリプチンのようなジペプチジルホスファターゼ4阻害薬、ピオグリゾン塩酸塩、ロシグリタゾンマレイン酸塩のようなチアゾリジン系薬、エクセナチド、リラグルチドのようなグルカゴン様ペプチド1誘導体薬、イプラグリフロジン、ダパグリフロジン、ルセオグリフロジン、トホグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンのようなナトリウム・グルコース共役輸送体2阻害剤なども挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールニコチン酸エステル等のビタミン類、Nアセチルシステイン、プロブコールなどが挙げられる。
血流改善剤としては、例えば、シロスタゾール、チクロピジン塩酸塩、アルプロスタジル、リマプロスト、ベラプロストナトリウム、サルポグレラート塩酸塩、アルガトロバン、ナフチドロフリル、塩酸イソクスプリン、バトロキソビン、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩、塩酸トラゾリン、ヘプロニカート、四物湯エキスなどが挙げられる。
胆汁酸誘導体としては、例えば、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、胆汁末、デオキシコール酸、コール酸、胆汁エキス、熊胆、牛黄やデヒドロコール酸などが挙げられる。また、ビオチン(ビタミンB7)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸(ビタミンB5)、葉酸(ビタミンB9)、チアミン(ビタミンB1)、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、チロシン、ピロドキシン(ビタミンB6)、ロイシン・イソロイシン・バリンなどの分岐鎖アミノ酸類、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなどが好ましい例として挙げられる。また、大豆たんぱく質、キトサン、低分子アルギン酸ナトリウム、サイリウム種皮由来の食物繊維、リン脂質結合大豆ペプチド、植物ステロールエステル、植物スタノールエステル、ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物、茶カテキンなどの特定保健用食品や栄養機能食品の成分が挙げられる。
NAFLD・NASH治療剤としては、上述のプラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンのようなスタチン系薬剤、イルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、カンデサルタンレキセチル、テルミサルタン、バルサルタン、ロサルタンカリウムのようなアンギオテンシンII受容体拮抗剤、メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩のようなビグアナイド系血糖降下薬、ピオグリゾン塩酸塩、ロシグリタゾンマレイン酸塩のようなチアゾリジン系薬、アスピリン、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、オベチコール酸のようなファルネソイドX受容体(以下、FXRと記す)リガンドなどが挙げられる。
認知症進行抑制・治療剤としては、ドネペジル塩酸塩、ガランタミン臭化水素酸塩のようなアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、メマンチン塩酸塩のようなNMDA受容体阻害剤、アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、シロスタゾール、チクロピジン塩酸塩のような抗血小板剤、リバーロキサバン、アピキサバンのような第Xa因子阻害剤、などが挙げられる。また、上述の高脂血症治療薬、降圧薬、抗糖尿病薬、抗酸化剤、血流改善剤、等も認知症抑制・治療剤として使用することができる。
本発明の自己乳化組成物は、ω3PUFA類の薬理作用を発現できるように、外観に優れる、自己乳化性に優れる、組成物分散性に優れる、乳化安定性に優れる、保存安定性(低温、高温での安定性も含まれる)に優れる、吸収性、特に空腹時の吸収性・吸収速度に優れる、食事の有無で吸収性が変わらない、患者の服用利便性、副作用の低減あるいはコンプライアンスに優れる製剤の少なくともいずれか1以上の効果を持つことが望ましい。
本発明の自己乳化組成物は、動物とりわけ哺乳動物の各種疾患治療剤、例えば、脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP-C血症、低apoA-I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp-PLA2血症、高CETP活性血症、高hs-CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA-IR症、高細胞接着分子-1血症、高IL-6血症、高PAI-1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8-イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、混合型認知症、等)進行抑制・治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)治療剤として使用することができる。前記疾患の治療において、本発明の自己乳化組成物の1日の投与回数は特に限定されないが、1日1回投与、あるいは、1日2回または3回に分けて投与することが好ましく、1日1回または2回投与がより好ましく、1日1回投与がとりわけ好ましい。
また、前記疾患のうち、特に、脂質異常症、食後高TG血症の改善または治療、再発予防あるいはメタボリックシンドロームや心・脳血管イベントや四肢末梢潰瘍や壊疽などへの進行抑制に有効である。哺乳動物とは、例えば、ヒトやウシ、ウマ、ブタなどの家畜動物やイヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどの家庭用動物等があげられ、好ましくはヒトである。特に、メタボリックシンドローム患者など、血中脂質が増加している、インスリン抵抗性を発現している、あるいは血圧が上昇している脂質異常症患者において脂質異常症や食後高TG血症の改善または治療効果を示すことが期待される。
次に、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
水0.09g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル0.53g、大豆レシチン0.39g、EPA-E 4.0gを量り取り、密封し、約70℃に加温しながら混合し、自己乳化組成物を調製した。自己乳化組成物は窒素置換して密封し、評価を実施するまで室温にて保存した。表1に自己乳化組成物の処方を示す。
実施例2~11、比較例1~2
表1に記載の組成比となる様に、実施例1と同様の方法で実施例2~8の自己乳化組成物および比較例1~2の組成物を調製及び保存した。表1に自己乳化組成物および組成物の処方を示す。
比較例3~4
表1に記載の組成比となる様に、実施例1と同様の方法で比較例3、4の組成物を調製および保存した。表1に組成物の処方を示す。
前述の方法で製造された自己乳化組成物および比較例の組成物はゼラチンを主成分に有する軟カプセルに封入した。
試験例1 <外観の評価>
上記の製造方法にて自己乳化組成物および比較例の組成物を製造後、静置し、約1時間後外観を評価した。相溶性に優れ、組成物が均一となっている場合には「澄明」、分離している場合には「分離」、不透明である場合には「曇り」とした。
表1に試験結果を示す。
試験例2 <自己乳化性の評価>
上記の製造方法にて製造した自己乳化組成物および比較例の組成物について、試験管内の37℃の精製水および日局溶出試験第1液、各5mLに各組成物を10μL滴下し、自己乳化性について評価した。滴下しただけで乳化した場合を良好とし、滴下しただけでは自然に乳化しなかった場合を不良とした。次いで、均一条件にて軽く撹拌した後、その性状を評価した。組成物分散性について、組成物が分散した場合を良好とし、組成物の一部が分散しないで塊として残った場合を不良とした。乳化安定性について、油の分離がなかった場合を良好とし、油の分離があった場合を不良とした。なお、外観の評価で「澄明」でなかった組成物は、組成が均一でないことから評価は妥当でないと考えられ、評価を行わなかった。
表1に試験結果を示す。
試験例3 <乳化滴径の評価>
上記試験例2で得られた乳化組成物約1.5mLを用いて、粒度分布測定装置(Nanotorac、日機装製)により、分散媒として水を使用し、平均乳化滴径(体積平均径)を測定した。
試験例4 <過酷条件保管後の外観の評価>
試験例1にて「澄明」または「曇り」であった組成物について、5℃あるいは40℃で静置して一晩(約12時間)保管後、外観を評価した。相溶性に優れ、組成物が均一となっている場合には「澄明」、分離している場合には「分離」、不透明である場合には「曇り」とした。
表1に試験結果を示す。
試験例5 <ビーグル犬における薬物動態>
製造した組成物あるいはカプセル(実施例1、3、5)を各々雄性ビーグル犬(2~6年齢、体重8~13kg、マーシャルビーグル3例、ノーサンビーグル3例)6例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価した。なお、各被験動物は投与の18時間以上前より絶食とし、各動物にはEPA-Eとして600mgとなる量の組成物を投与した。投与前、投与後0.5、1、1.5、2、3、4、6、8および24時間に採血を行い、血漿を分取して処理を行った後、血漿中のEPA濃度をLC/MS/MS(サンプルを液体クロマトグラフィーで分離し、それを質量分析で分離して測定する方法)により測定した。また、対照群としてカプセルに充填したEPA-E原液も投与した。
表1には試験結果より算出したω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-2)、0時間から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-24)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
試験例6 <カニクイザルにおける薬物動態>
製造した組成物あるいはカプセルをカニクイザル(2~5歳、体重2.70~4.65Kg、ハムリー)6例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価する。なお、各被験動物は投与の12時間以上前より絶食とし、各動物にはEPA-Eとして45mg/kgとなる量の自己乳化組成物を投与する。また、対照群としてカプセルに充填したEPA-E原液を投与する。投与前、投与後1、2、4、6、8、10、12、24、48および72時間に採血を行い、血漿を分取して処理を行った後、血漿中のEPAをLC/MS/MSにより測定する。試験結果よりω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-12)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-72)を算出する。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行なう。
組成物を投与した動物は、対照群と比較して、CmaxおよびAUC0-12等の血中濃度パラメーターの上昇を認める。すなわち、本発明の自己乳化組成物を投与した場合、吸収量が増加するのみならず、経口投与後速やかにEPAが吸収されることが確認される。
試験例6-2 <ヒトにおける薬物動態(単回投与試験 1800mg投与)>
内容物としてEPA-Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルをヒト(20~40歳で体重55.0~77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)12例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価した。なお、各ヒトは投与の10時間以上前より絶食とし、EPA-Eとして1800mgとなる量の自己乳化組成物を朝空腹時に水200mLを用いて単回経口投与した。投与後0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、18、24、48および72時間に採血を行った。採血後、直ちに氷冷して、4℃、2000×gで10分間遠心分離し、血漿を分取して-20℃以下で凍結保存した。得られた血漿中のEPA濃度をLC/MS/MS(サンプルを液体クロマトグラフィーで分離し、それを質量分析で分離して測定する方法)により測定した。
また、内容物としてEPA-Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルを食直後条件下でも経口投与し、同様に測定した。
また、対照群としてカプセルに充填したEPA-E原液(本発明の自己乳化組成物と同じEPA-E用量であり、乳化剤等を含まない高純度EPA-E(96.5質量%以上)をいう。以下、同じ。)をヒト(20~40歳で体重55.0~77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)12例に絶食条件下(投与の10時間以上前より絶食)で経口投与し、同様に測定した。
表2には試験結果より算出した最高血漿中濃度(Cmax)、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-72)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、ω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
試験例6-3 <ヒトにおける薬物動態(単回投与試験 3600mg投与)>
試験例6-2において投与量を各ヒト3600mgとした試験を同様に実施した。なおヒト6例に対して実施した。表3には試験結果より算出したω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-72)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、ω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
試験例6-4 <ヒトにおける薬物動態(連続投与試験)>
内容物としてEPA-Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルをヒト(20~40歳で体重55.0~77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)に1日1回、11日間朝食直後に経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価する。各ヒトにはEPA-Eとして500、1000、2000、40000、6000または8000gとなる量の自己乳化組成物を水200mLを用いて経口投与する。なお、食事は1日3回とする。投与1日目と11日目は、投与後1、2、3、4、5、6、8、10、12、18および24時間(24時間は翌日の投与前)に採血を行い、投与2~10日目には、投与後24時間に採血を行なう。採血後、直ちに氷冷して、4℃、2000×gで10分間遠心分離し、血漿を分取して-20℃以下で凍結保存する。得られた血漿中のEPA濃度をLC/MS/MSにより測定する。
また、対照群としてカプセルに充填したEPA-E原液をヒト(20~40歳で体重55.0~77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)に1日1回、11日間朝食直後にEPA-Eとして1800mgとなる量を経口投与し、同様にEPAの血中濃度の推移を評価する。
また、EPA-Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルを絶食条件下でも同様に経口投与し、同様に測定する。
試験結果より投与1日目におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0-24)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)およびω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を、また、投与1~11日目における投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、を算出する。また、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Css max)、ω3PUFA最低血漿中濃度(Css min)およびω3PUFA平均血漿中濃度(Css ave)を算出する。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行なう。
試験例7 <カプセルの外観>
実施例で得られた各軟カプセルについて、充てん、乾燥終了後、カプセルの色、形状および充てん液の性状について目視にて確認した。
色については変色が認められるもの、形状については歪みや凹み等が認められるもの、充てん液の性状については濁りや分離等が認められるものをそれぞれ不良とし、いずれも認められないものを正常とした。
表1に試験結果を示す。下記表中「―」の記載は、該当成分を添加せず、または測定せずを示す。
Figure 2023017097000001
Figure 2023017097000002
Figure 2023017097000003
実施例1は組成物に乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみを含み、さらに特定範囲のレシチン、水を含む組成であるが、表1のように組成物の外観が良好であり、自己乳化性等に優れた。この結果から、レシチンを含む組成物で、乳化剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのみの組成でも本発明の効果を有することが分かる。
実施例2~10は組成物に乳化剤として更にポリオキエチレンヒマシ油を含む組成であるが、これらについても同様に表1のように組成物の外観が良好であり、自己乳化性等に優れた。
実施例11は組成物に乳化剤として更にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含む組成であるが、これらについても同様に表1のように組成物の外観が良好であり、自己乳化性等に優れた。
比較例1は組成物に水を含まない組成であるが、かかる組成では分離した。また比較例2は組成物に水を8質量%含む組成であるが、かかる組成でも同様に分離した。
本発明は組成物の相溶性を良好にするためにエタノールや多価アルコールを含まず、水を使用した。水を含まない場合には組成物が相溶性を充分に有しないため分離した。また、水を含む処方であってもその量が組成物に対して多すぎても同様に分離した。水が1ないし4質量%の実施例1~6では分離しなかった。これより、0.5ないし6質量%程度の特定の量の水を含むことが外観等に優れるために重要であると分かる。
比較例3は水を含まず、多価アルコールを含む組成である。この組成物は外観が良好であり、自己乳化性等に優れる点で実施例1等と共通した。
しかしながら、40℃で一晩保管すると分離した。これより、0.5ないし6質量%程度の特定の量の水を含むことが外観等に優れるために重要であると分かる。
比較例4は組成物に乳化剤としてポリオキシエチレンヒマシ油を含み、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含まない組成であるが、かかる組成では外観が曇りとなった。
これより乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有することが外観に優れるために重要であると分かる。
実施例1、3、5は絶食時の動物に自己乳化組成物を投与した場合の動態の結果を示している。
これらの自己乳化組成物を投与した動物では対照群(絶食時)を投与した動物よりも吸収速度のパラメーターであるCmaxおよびAUC0-2値が著しく高かった。すなわち、実施例の自己乳化組成物を投与した場合、対照群に比べて経口投与24時間後までのEPA吸収量が増加するのみならず、特に経口投与後速やかにEPAが吸収されることが確認された。
試験例6-2ではEPA-Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物をEPA-Eとして1800mgとEPA-E1800mgをヒトに投与した場合の各パラメーターが示されている。絶食条件下ではCmax、C24、AUC0-72の何れのパラメーターも実施例組成物が約10倍程度高く(Cmaxは14.2倍、C24は8.1倍AUC0-72は11.2倍)、経口投与後速やかにEPAが吸収されることが確認された。試験例6-3では前記自己乳化組成物をEPA-Eとして3600mgとEPA-E3600mgを投与した場合の各パラメーターが示されているが、約数10倍程度高く(Cmaxは48.4倍、C24は30.3倍AUC0-72は25.0倍)、同様に速やかに吸収されることが確認された。また、本発明の自己乳化組成物は食事の影響を受けにくく、食事の有無に関わらず高いEPA吸収性を示す事が確認された。
従って、本発明の自己乳化組成物は、食前や就寝前などの空腹時に服用した場合でも血中EPA濃度が速やかに、かつより上昇し、その薬理作用を速やかに、かつより効果的に発揮する自己乳化型製剤として使用し得ることが期待される。
実施例2-1および2-2の自己乳化型カプセル製剤、比較例2-3のカプセル製剤
表4に記載の組成となる様に、実施例1と同様の方法で自己乳化組成物および比較例2-3の組成物を調製し保存した。表4に自己乳化組成物の処方を示す。
この自己乳化組成物を実施例2-1および2-2については375mg、比較例2-3については441mg(いずれも、EPA-Eとして300mg)それぞれ充てんしたソフトゼラチンカプセルを、ロータリー法により製造した。本法により製造した自己乳化型カプセル製剤は、カプセル皮膜の変形等は認められなかった。
表4に内容液の組成を示す。
試験例8 <カプセル硬度>
実施例2-1および2-2、比較例2-3の各カプセル製剤について、硬度を測定した。また、40℃相対湿度75%で1、2、4週間保管した製剤について、同様に硬度を測定した。
各製剤を初期、40℃ 1、2、4週間保管した場合の結果を表4に示す。なお、初期とはカプセルの製造後、評価するまで室温で保管した製剤をいう。また、各製剤はアルミ包装に密封して40℃に保管したため、湿度の影響は受けていない。
Figure 2023017097000004
実施例2-1および2-2は本発明の自己乳化組成物がカプセル化された製剤である。これらのカプセルは20kgf以上の硬度を有していた。一方、多価アルコールであるプロピレングリコールを8.3質量%と多量に含む比較例2-3では初期の時点で既に硬度が実施例と比較して低かった。密封環境下で40℃ 1ないし4週間保管後の硬度を評価したところ、実施例2-1および2-2がほぼ変化が無いのに対し、比較例2-3は1週間で初期の57%まで硬度が低下し、更に経時的に硬度低下した。
本発明の自己乳化組成物は、相溶性(外観)、自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性および吸収性の少なくとも1つに優れ、食前投与でも速やかに吸収されて食後の血清TG増加を抑制する。各種食品に配合されたり、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品および栄養機能食品)や健康食品(サプリメント)あるいは医薬品として有用である。
本発明の自己乳化組成物は、多価アルコール非添加または添加濃度が低いため、流通過程や保存中における多価アルコールが原因のカプセル軟化、変形が起こらず、品質変化のリスクが低い。
また、低温又は高温環境下の保存でも組成物が白濁、分離等の変性のないことから、医薬として用いられる場合に寒冷地や高温地での保管可能な品質を有する。

Claims (10)

  1. ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出した(a)~(e)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
    (a)ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が50μg/mL以上
    (b)投与2時間後のω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度が20μg/mL以上
    (c)ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
    (d)投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
    (e)投与24時間後のω3多価不飽和脂肪酸血中濃度が5~100μg/mL
  2. ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1000mg~10000mgである請求項1に記載の自己乳化組成物。
  3. ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1または請求項2に記載の自己乳化組成物。
  4. EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである請求項3に記載の自己乳化組成物。
  5. 前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
  6. 前記組成物を絶食時に投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出したω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が食直後のω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
  7. 前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
  8. 前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
  9. ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1000mg~10000mgを含む前記組成物を1日1回投与する請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
  10. 前記組成物が水を含む請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の自己乳化組成物。
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