JP6783891B2 - ω3脂肪酸の自己乳化組成物 - Google Patents
ω3脂肪酸の自己乳化組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6783891B2 JP6783891B2 JP2019074764A JP2019074764A JP6783891B2 JP 6783891 B2 JP6783891 B2 JP 6783891B2 JP 2019074764 A JP2019074764 A JP 2019074764A JP 2019074764 A JP2019074764 A JP 2019074764A JP 6783891 B2 JP6783891 B2 JP 6783891B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- self
- mass
- pufa
- hours
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
近年のライフスタイルの変化に伴い朝食等の食事を摂らない人や、少量の食事しか摂取できない患者、流動食(牛乳、重湯、葛湯、卵、スープ、果汁、経口栄養剤)しか摂取できない患者、腸管での吸収能が低下した患者(高齢者、腸疾患患者、腸手術後、末期癌患者、リパーゼ阻害剤服用時)あるいは脳梗塞後など食事摂取不可能な患者等への服用法、あるいは服薬コンプライアンスの遵守が課題の一つとなっている。
これらの組成物はフェノフィブラートの溶解性の向上を目的としてエタノールを含有するが、エタノールが揮発すると、カプセルの変形や気泡の混入、カプセルの変形やクラック発生等の品質変化、カプセル内容物の白濁や分離等の変性が懸念される。また、アルコール(エタノール)不耐性の患者にとって服用できないあるいは服用しづらい製剤である。
また服用性の観点では、一度に服用するω3PUFAの量は定められているため、自己乳化組成物のω3PUFA以外の成分が増えるとその分一度に服用する薬剤の量が増えてしまう。そのため、製剤の小型化の観点からも乳化剤やアルコール類の使用量は少ないことが望ましい。
また、自己乳化組成物中に含有させる乳化剤を減らした製剤が望まれている。
また、自己乳化組成物中のω3PUFA類を高含量化した製剤が望まれている。
また、服薬コンプライアンスに優れる自己乳化組成物が望まれている。
また、自己乳化組成物を医薬品として用いる場合に寒冷地等での保管も想定されるため、室温に加え低温又は高温環境下で保存した場合に、組成物が白濁、分離等の変性のない、外観が良好な自己乳化組成物が望まれている。
また、組成物が安定な品質を有する自己乳化組成物が望まれている。
また、組成物をカプセル化した製剤の提供が望まれている。
また、組成物をカプセル化した場合に、カプセル皮膜の軟化を抑制し、変形しない製剤が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性に優れる自己乳化組成物が望まれている。
また、投与されるω3PUFA類の用量が従来のω3PUFA製剤より少なくても、従来のω3PUFA製剤の食直後投与の薬物動態と同等である自己乳化組成物が望まれている。
また、自己乳化組成物の投与によるω3PUFA類の血中濃度(血中とは、全血中、血漿中または血清中をいう。以下、同じ。)を高める方法が望まれている。
また、ω3PUFA類の投与による副作用(下部消化管副作用、悪心、腹部不快感、下痢、腹痛、胸やけ、嘔吐、食欲不振、便秘、口内炎、口渇、腹部膨満感、鼓腸等)が低減された自己乳化組成物あるいは低減方法が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性が食事に左右されない、あるいはされ難い自己乳化組成物あるいは方法が望まれている。
また、ω3PUFA類単体では吸収量が飽和し、それ以上ω3PUFAが血液中に吸収されない高用量であっても、投与により吸収される自己乳化組成物が望まれている。
また、ω3PUFA類の吸収性に優れる乳剤や、乳剤を速やかに製造するための自己乳化組成物、乳剤の製造方法が望まれている。
そして、これらの性質の少なくとも1つを改善する自己乳化組成物、およびその組成物をカプセル化した製剤、それを用いた治療方法およびその使用方法を提供することが本発明の課題である。
また、組成物中の含量もエタノールや多価アルコールよりも少ない0.5〜6質量%で良く、この少量の水の相溶性改善の効果により乳化剤の含量をさらに少なく出来ることから、ω3PUFA類が高含量の自己乳化組成物となることを見出した。
そして、かかる組成物では上記課題の少なくとも1つに優れる自己乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
また、乳化剤の含量をより少なく出来ることも見出し、ω3PUFA類が高含量の自己乳化組成物の発明を完成させた。
また、特定の乳化剤を含むことにより、ω3PUFA類の血中濃度が高くなる、副作用が低減できる、ω3PUFA類の吸収性が食事に左右されない・され難い、ω3PUFA類の吸収量が飽和しない、等の少なくとも1つに優れる自己乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
そして、本発明の組成物は上記課題の少なくとも1つ以上に優れる組成物である。
(1−1)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%の乳化剤(ただしレシチンを除く)、好ましくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステル100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン、
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1−2)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3〜40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン、
を含有し、
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1−3)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、
モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンおよびトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンからなる群から選択される少なくとも1つである(1−1)または(1−2)に記載の自己乳化組成物。
(1−4)乳化剤がさらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油および/またはポリオキシエチレンヒマシ油を含む(1−1)ないし(1−3)に記載の自己乳化組成物。
(1−5)乳化剤がさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(1−1)ないし(1−4)に記載の自己乳化組成物。
(1−7)組成物中に0〜4質量%の多価アルコールを含む(1−1)ないし(1−6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−8)組成物中に4質量%より多い多価アルコールを含まない(1−1)ないし(1−6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−9)組成物中の多価アルコールが1質量%以下である(1−1)ないし(1−8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−10)組成物中に0〜1質量%の多価アルコールを含む(1−1)ないし(1−9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−11)組成物中に1質量%より多い多価アルコールを含まない(1−1)ないし(1−8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−12)組成物中に多価アルコールを実質的に含有しない(1−1)ないし(1−11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−13)組成物中のエタノールが4質量%以下である(1−1)ないし(1−12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−14)組成物中に0〜4質量%のエタノールを含む(1−1)ないし(1−12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−15)組成物中に4質量%より多いエタノールを含まない(1−1)ないし(1−12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−16)組成物中にエタノールを実質的に含有しない(1−1)ないし(1−15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−18)ω3PUFAのエステルがエチルエステルまたはトリグリセリドエステルである(1−1)ないし(1−17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−19)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、または、そのエステルがEPA−EまたはDHAエチルエステル(以下、DHA−Eと記す)である(1−1)ないし(1−18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−20)EPA、DHA、これらの製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含有する(1−1)ないし(1−19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−21)EPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する(1−1)ないし(1−20)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−22)EPA−Eを有効成分として含有する(1−1)ないし(1−21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−24)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つの乳化剤の含量が組成物の全量の5質量%未満である(1−1)ないし(1−23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。さらにはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの各乳化剤の含量がそれぞれ組成物の全量の5質量%未満である(1−1)ないし(1−23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−27)組成物を静置した時に組成物の外観が分離または濁りのない(1−1)ないし(1−25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−28)組成物を5℃あるいは40℃の環境下で12時間保存した時の組成物の外観が澄明である(1−1)ないし(1−27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−29)組成物を5℃あるいは40℃の環境下で12時間保存した時の組成物の外観が分離または濁りのない(1−1)ないし(1−28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−30)組成物が自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性の少なくとも1つが良好である(1−1)ないし(1−29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−31)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、滴下しただけで自然に乳化する(1−1)ないし(1−30)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−32)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、撹拌により組成物が分散する(1−1)ないし(1−31)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−33)組成物10μLを37℃の精製水または日局溶出試験第1液5mLに滴下し、油の分離が無い(1−1)ないし(1−32)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−35)雄性カニクイザルに12時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として体重1kgあたり45mgとなる(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が400μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である上記(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−36)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物として各ヒト当り、500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgからなる群から選択される量となる(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が10μg/mL以上である(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物の用途。
(1−37)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト当り、500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgからなる群から選択される量となる(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が10μg/mL以上および/または投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が250μg・hr/mL以上である(1−1)ないし(1−33)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(1−39)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のEPA−E、
b)0.5〜6質量%の水
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA−E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、
であることを特徴とする自己乳化組成物。
(1−40)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のEPA−E、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、
d)前記EPA−E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、
であることを特徴とする自己乳化組成物。
(2−1)内容液が(1−1)ないし(1−40)のいずれかに記載の自己乳化組成物であって、硬カプセルおよび/または軟カプセルでカプセル化されていることを特徴とするカプセル化された自己乳化製剤。
(2−2)製造直後の硬度が良好な(2−1)に記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2−3)製造直後の硬度が18kgf以上である(2−1)または(2−2)に記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2−4)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時に保管前と比較して硬度が6kgf以上低下しない(2−1)ないし(2−3)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2−5)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時に硬度が20kgf以上である(2−1)ないし(2−4)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2−6)製剤をアルミ包装に入れて密封し40℃で1週間保管した時の硬度が保管前の硬度の60%以上である(2−1)ないし(2−5)のいずれかに記載のカプセル化された自己乳化製剤。
(2−7)脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP−C)血症、低apoA−I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp−PLA2血症、高CETP活性血症、高高感度CRP(以下、hs−CRPと記す)血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高ヘモグロビンA1c(以下、HbA1cと記す)血症、高インスリン抵抗性指数(以下、HOMA−IRと記す)症、高細胞接着分子−1血症、高インターロイキン−6(以下、IL−6と記す)血症、高プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(以下、PAI−1と記す)血症、高クレアチニン血症、高アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(以下、ASTと記す)血症、高アラニンアミノトランスフェラーゼ(以下、ALTと記す)血症、高尿酸血症、高8−イソプロスタン血症、や高トロンボキサンA2(以下、TXA2と記す)血症および高ロイコトリエンB2(以下、LTB2と記す)血症、等治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患(以下、NAFLDと記す)、非アルコール性脂肪肝炎(以下、NASHと記す)、等)治療剤、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、混合型認知症、等)進行抑制・治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである(2−1)ないし(2−6)のいずれかに記載の製剤。
(3−1)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき
a)70ないし90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、および
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を任意の順序で混合し、得られる組成物中の
e)エタノールおよび/または多価アルコールが組成物全量の4質量%以下
とすることを特徴とする自己乳化組成物の製造方法。
(3−2)自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき
a)70ないし90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤、および
d)ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部のレシチン
を任意の順序で混合し、得られる組成物中の
e)エタノールが前記組成物全量の4質量%以下、
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
とすることを特徴とする自己乳化組成物の製造方法。
(3−3)前記工程のa)、b)および/またはc)を70℃以上に加温して混合する工程を含む、(3−1)または(3−2)に記載の自己乳化組成物の製造方法。
(4−1)前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかに記載の自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与するための製剤。
(4−2)前記(3−1)ないし(3−3)、のいずれかに記載の製造方法で製造した自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与するための製剤。
(4−3)医薬が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP−C血症、低apoA−I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp−PLA2血症、高CETP活性血症、高hs−CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA−IR症、高細胞接着分子−1血症、高IL−6血症、高PAI−1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8−イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである(4−1)または(4−2)に記載の製剤。
(4−4)1日1回投与する前記(4−1)ないし(4−3)のいずれかに記載の製剤。
(4−5)前記(4−1)ないし(4−4)のいずれかに記載の製剤の投薬および/または使用方法。
(4−6)前記(4−1)ないし(4−4)のいずれかに記載の経口投与により血漿中のω3PUFA濃度を上げる方法。
(5−1)前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を患者に経口投与することを特徴とする、脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP−C血症、低apoA−I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp−PLA2血症、高CETP活性血症、高hs−CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA−IR症、高細胞接着分子−1血症、高IL−6血症、高PAI−1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8−イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)、食後高TG血症、抗動脈硬化、血小板凝集亢進、末梢循環不全、心血管イベント発症、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)、認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、混合型認知症、等)、癌および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)からなる群から選ばれる少なくとも1つの疾患の予防、進行防止および治療方法である。
(5−2)前記自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、空腹時または就寝前に経口投与する前記(5−1)に記載の方法。
(5−3)前記自己乳化組成物またはカプセル化された自己乳化製剤、医薬または獣医薬を、1日1回投与する前記(5−1)または(5−2)に記載の方法。
(6−1)雄性ビーグル犬に18時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各匹600mgの量となる前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が30μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が50μg・hr/mL以上、ω3PUFA最高血漿中濃度が60μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が60μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が70μg・hr/mL以上、とする自己乳化組成物。
(6−2)雄性カニクイザルに12時間以上絶食条件下でω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として体重1kgあたり45mgとなる前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が400μg・hr/mL以上、またはω3PUFA最高血漿中濃度が70μg/mL以上および/または投与0から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である自己乳化組成物。
(6−3)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト1800mgの量となる前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上および/または投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が10μg/mL以上である自己乳化組成物。
(6−4)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として各ヒト1800mgの量となる前記(1−1)ないし(1−40)、(2−1)ないし(2−7)、のいずれかから選択される自己乳化組成物を食前に経口投与し、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が10μg/mL以上および/または投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が250μg・hr/mL以上である自己乳化組成物。
(7−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(e)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(7−2)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg〜10000mgである前記(7−1)に記載の自己乳化組成物。
(7−3)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7−1)または(7−2)に記載の自己乳化組成物。
(7−4)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7−1)ないし(7−3)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−5)ヒトに投与される自己乳化組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(7−1)ないし(7−4)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−6)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(7−5)に記載の自己乳化組成物
(7−7)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7−1)ないし(7−6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−8)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mLを満たす前記(7−1)ないし(7−7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−9)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7−1)ないし(7−8)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−10)前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7−1)ないし(7−9)のいずれかに記載の自己乳化組成物
(7−11)前記組成物を絶食時に投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度が食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である(7−1)ないし(7−10)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−12)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7−1)〜(7−11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−13)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(7−1)〜(7−12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−14)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1〜29質量%である(7−1)〜(7−13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−15)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7−1)〜(7−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−16)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(7−1)ないし(7−15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−17)前記組成物が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP−C血症、低apoA−I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp−PLA2血症、高CETP活性血症、高hs−CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA−IR症、高細胞接着分子−1血症、高IL−6血症、高PAI−1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8−イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである前記(7−1)ないし(7−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−18)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を500mg〜10000mg含む前記組成物を1日1回投与する前記(7−1)ないし(7−17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−19)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(7−1)ないし(7−18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−20)ヒトにω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物であって、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として500mg〜10000mgを投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7−1)ないし(7−19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−21)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(7−1)〜(7−20)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−22)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(7−1)〜(7−21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−23)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7−1)〜(7−22)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−24)前記組成物が水を含む前記(7−1)ないし(7−23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−25)前記組成物中の水が組成物全量の0.5〜6質量%である前記(7−1)ないし(7−24)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−26)前記組成物中のエタノールが組成物全量の4質量%以下である前記(7−1)ないし(7−25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
(7−27)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のEPA−E、
b)0.5〜6質量%の水
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA−E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である前記(7−1)ないし(7−26)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−28)前記組成物を経口投与する、前記(7−1)〜(7−27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−29)前記組成物が経口用組成物である、前記(7−1)〜(7−28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−30)前記組成物がカプセルである、前記(7−1)〜(7−29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−31)前記(7−1)ないし(7−30)のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物をヒトに投与する方法、または、ヒトに使用する方法。
(7−32)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、レシチンまたは乳化剤を含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7−33)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤とを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7−34)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(7−33)に記載の自己乳化組成物。
(7−35)前記乳化剤または非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(7−33)または(7−34)に記載の自己乳化組成物。
(7−36)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7−37)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg〜10000mgである前記(7−33)ないし(7−36)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−38)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg、1000mg、1800mg、2000mg、3600mg、4000mg、6000mgおよび8000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7−33)ないし(7−37)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−39)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つである前記(7−33)ないし(7−38)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−40)ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(7−33)ないし(7−39)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−41)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(7−40)に記載の自己乳化組成物。
(7−42)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7−33)ないし(7−41)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−43)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mLを満たす前記(7−33)ないし(7−42)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−44)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7−33)ないし(7−43)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−45)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上、および、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下を満たす前記(7−33)ないし(7−44)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−46)前記組成物を投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上を満たす前記(7−33)ないし(7−45)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−47)前記組成物を絶食時に投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度が食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である(7−33)ないし(7−46)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−48)前記組成物がレシチンおよび乳化剤を含む(7−33)〜(7−47)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−49)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(7−33)〜(7−48)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−50)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7−33)〜(7−49)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−51)前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(7−33)〜(7−50)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−52)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(7−33)〜(7−51)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−53)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1〜29質量%である(7−33)〜(7−52)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−54)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(7−33)ないし(7−53)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−55)前記組成物が脂質異常症(高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高非HDLコレステロール血症、高VLDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高TG血症、高ApoB血症、低ApoAI血症、多LDL粒子数血症、小LDL粒径血症、高酸化LDL血症、高small dense LDL血症、高RLP−C血症、低apoA−I/ApoB比血症、高ApoCIII血症、ApoE遺伝子型異常血症、高リポタンパク質(a)血症、高Lp−PLA2血症、高CETP活性血症、高hs−CRP血症、低EPA血症(血漿中、血清中、赤血球膜中、血漿板膜中のEPA値が低い状態)、高遊離脂肪酸血症)、高空腹時血糖血症、高HbA1c血症、高HOMA−IR症、高細胞接着分子−1血症、高IL−6血症、高PAI−1血症、高クレアチニン血症、高AST血症、高ALT血症、高尿酸血症、高8−イソプロスタン血症、や高TXA2血症および高LTB2血症、等)治療剤、食後高TG血症治療剤、抗動脈硬化剤、血小板凝集抑制剤、末梢循環不全治療剤、心血管イベント発症予防剤、炎症性疾患(NAFLD、NASH、等)治療剤、抗癌剤および中枢性疾患(欝病、欝状態、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、等)予防剤、治療剤、進行防止剤からなる群から選択される少なくとも1つである前記(7−33)ないし(7−54)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−56)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が500mg〜10000mgを含む前記組成物を1日1回投与する前記(7−33)ないし(7−55)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−57)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油とを含む自己乳化組成物であって、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物として500mg〜10000mgをヒトに投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす前記(7−33)ないし(7−56)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−58)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(7−33)〜(7−57)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−59)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(7−33)〜(7−58)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−60)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(7−33)〜(7−59)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−61)前記組成物が水を含む前記(7−33)ないし(7−60)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−62)前記組成物中のエタノールが組成物全量の4質量%以下である前記(7−33)ないし(7−61)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
f)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、
(7−63)前記組成物中の水が組成物全量の0.5〜6質量%である前記(7−33)ないし(7−62)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−64)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のEPA−E、
b)0.5〜6質量%の水
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記EPA−E 100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である前記(7−33)ないし(7−63)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−65)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油である乳化剤
d)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、f)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下、である自己乳化組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つとして1日1回投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす前記(7−33)ないし(7−64)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7−66)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物がEPA−Eである前記(7−65)に記載の自己乳化組成物。
(7−67)DHA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を実質的に含まない前記(6−1)ないし(7−66)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−68)組成物DHA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が前記組成物の全量の1質量%以下、である前記(7−1)ないし(7−67)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(7−69)前記(7−33)ないし(7−68)のいずれかから選択される少なくとも1つの自己乳化組成物をヒトに投与する方法、または、ヒトに使用する方法。
(7−70)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを含む自己乳化組成物であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす投与方法。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜500μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(7−71)前記組成物の全量を100質量%としたとき、
a)70〜90質量%のω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水
c)1〜29質量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである乳化剤
d)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部のレシチン
を含有し、
e)エタノールおよび/または多価アルコールが前記組成物の全量の4質量%以下、である自己乳化組成物を、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1800mg、2000mg、3600mgおよび4000mgから選ばれる少なくとも1つとして1日1回投与したときに、投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した(a)〜(i)から選択される少なくとも1つを満たす、前記(7−33)ないし(7−67)のいずれかに記載の自己乳化組成物の投与方法。
(a)ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(b)投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上
(c)ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(d)投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(e)投与24時間後のω3PUFA血漿中濃度が5〜100μg/mL
(f)投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上
(g)定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(h)定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg/mL以上
(i)定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg/mL以上
(8−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500〜2500mg(例えば、1800mg、2000mg)投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である自己乳化組成物。
(8−2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500〜2500mg(例えば、1800mg、2000mg)投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA−Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である自己乳化組成物。
(8−3)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500〜2500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最小血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である自己乳化組成物。
(8−4)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンまたは乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に500〜10000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最小血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つがから選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA−Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である自己乳化組成物。
(8−5)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(8−3)または(8−4)に記載の自己乳化組成物。
(8−6)前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(8−5)に記載の自己乳化組成物。
(8−7)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(8−1)ないし(8−6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−8)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(8−1)ないし(8−7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−9)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(8−1)ないし(8−8)に記載の自己乳化組成物。
(8−10)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(8−1)ないし(8−9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−12)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(8−3)ないし(8−11)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−13)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(8−3)ないし(8−12)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−14)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(8−3)ないし(8−13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−15)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(8−1)ないし(8−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−16)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(8−1)〜(8−15)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−17)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(8−15)に記載の自己乳化組成物。
(8−18)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(8−1)〜(8−17)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−19)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(8−1)〜(8−18)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−20)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(8−1)〜(8−19)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−22)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(8−1)〜(8−21)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−23)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1〜29質量%である(8−1)〜(8−22)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−24)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(8−1)ないし(8−23)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−25)前記組成物を1日1回投与する前記(8−1)ないし(8−24)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−26)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(8−1)ないし(8−25)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−27)EPA−Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に1800mgまたは2000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である前記(8−1)ないし(8−26)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−28)EPA−Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に1800mgまたは2000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である前記(8−1)ないし(8−27)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−29)EPA−Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に500〜1500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一である前記(8−1)ないし(8−28)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(8−30)EPA−Eと、レシチン、乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンヒマシ油を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体に1日1回絶食時に500〜1500mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である前記(8−1)ないし(8−29)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(9−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンを併用投与するω3PUFA類の血中濃度上昇方法。
(9−2)ω3PUFA類を1日500mg以上投与する前記(9−1)に記載の血中濃度上昇方法。
(9−3)さらにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用投与する前記(9−1)または(9−2)に記載の血中濃度上昇方法。
(9−4)さらにポリオキシエチレンヒマシ油を併用投与する前記(9−1)ないし(9−3)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−5)ω3PUFA類100質量部に対して乳化剤を5ないし45質量部併用投与する前記(9−1)ないし(9−4)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−6)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対してポリオキシエチレンヒマシ油120質量部以下を投与する前記(9−4)または(9−5)に記載の血中濃度上昇方法。
(9−7)ω3PUFA類100質量部に対してレシチンを1ないし25質量部併用投与する前記(9−1)ないし(9−6)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−8)ω3PUFA類を1日1回投与する前記(9−1)ないし(9−7)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−9)ω3PUFA類を絶食時、食前、食直後、または、食後投与する前記(9−1)ないし(9−8)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−11)ω3PUFA類として各個体に500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA−Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である前記(9−1)ないし(9−10)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−12)ω3PUFA類として各個体に1日1回500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態における最高血漿中濃度、定常状態における最低血漿中濃度、および定常状態における平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(9−1)ないし(9−9)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−13)ω3PUFA類として各個体に500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血中ω3濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血中濃度、最高血中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態における最高血漿中濃度、定常状態における最低血漿中濃度、および定常状態における平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA−Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である前記(9−1)ないし(9−9)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−14)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(9−1)ないし(9−13)に記載の血中濃度上昇方法。
(9−15)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(9−1)ないし(9−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(9−16)前記最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(9−1)ないし(9−15)に記載の血中濃度上昇方法。
(9−17)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(9−1)ないし(9−16)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−18)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(9−1)ないし(9−17)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−19)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(9−1)ないし(9−18)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−20)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(9−1)ないし(9−19)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(9−21)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(9−1)ないし(9−20)のいずれかに記載の血中濃度上昇方法。
(10−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンを併用投与するω3PUFA類の副作用低減方法。
(10−2)ω3PUFA類を各個体当り1日1800mgまたは2000mg投与する前記(10−1)に記載の副作用低減方法。
(10−3)ω3PUFA類を各個体当り1日3600mgまたは4000mg投与する前記(10−1)または(10−2)に記載の副作用低減方法。
(10−4)ω3PUFA類を各個体当り1日4000mg以上投与する前記(10−1)に記載の副作用低減方法。
(10−5)さらにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用投与する前記(10−1)ないし(10−4)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−6)さらにポリオキシエチレンヒマシ油を併用投与する前記(10−1)ないし(10−5)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−7)ω3PUFA類100質量部に対して乳化剤を5ないし45質量部併用投与する前記(10−1)ないし(10−6)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−8)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対してポリオキシエチレンヒマシ油120質量部以下を投与する前記(10−7)に記載の副作用低減方法。
(10−9)ω3PUFA類100質量部に対してレシチンを1ないし25質量部併用投与する前記(10−1)ないし(10−8)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−10)ω3PUFA類を1日1回投与する前記(10−1)ないし(10−9)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−11)ω3PUFA類を絶食時、食前、食直後、または、食後投与する前記(10−1)ないし(10−10)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−12)ω3PUFA類として各個体に1日1回500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、および投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積から選択される少なくとも1つが、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(10−1)ないし(10−11)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−14)ω3PUFA類として各個体に1日1回500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類を1日1800mg投与した場合と実質的に同一となる前記(10−1)ないし(10−13)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−15)ω3PUFA類として各個体に500〜10000mg(例えば、1800mg、2000mg)絶食時、食前、食直後、または、食後投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度、投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間、投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度、定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度、および定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度から選択される少なくとも1つの値が、食直後にω3PUFA類(例えばEPA−Eを含むエパデール)を1日1800mg投与した場合の値の70〜130%である前記(10−1)ないし(10−14)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−16)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(10−1)ないし(10−15)に記載の副作用低減方法。
(10−17)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(10−1)ないし(10−16)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−18)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(10−1)ないし(10−17)に記載の副作用低減方法。
(10−19)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(10−1)ないし(10−18)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−20)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(10−1)ないし(10−19)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−21)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(10−1)ないし(10−20)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−22)前記定常状態におけるω3PUFA最低血漿中濃度が10μg・hr/mL以上である(10−1)ないし(10−21)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(10−23)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(10−1)ないし(10−22)のいずれかに記載の副作用低減方法。
(11−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物を、
ω3PUFA類として各個体当り500〜10000mg投与したときに投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した、絶食時のω3PUFA最高血漿中濃度が、食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の70〜130%である自己乳化組成物または投与方法。
(11−2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤を含む自己乳化組成物を、ω3PUFA類として各個体当り500〜10000mg投与したときに投与前の血中ω3濃度を減じた補正を行なって算出した、絶食時のω3PUFA最高血漿中濃度が、食直後のω3PUFA最高血漿中濃度の70〜130%である自己乳化組成物または投与方法。
(11−3)前記乳化剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1つである前記(11−1)または(11−2)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−4)前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである前記(11−3)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−5)前記組成物を1日1回投与する前記(11−1)ないし(11−4)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−6)前記組成物を絶食時、食前、食直後または食後投与する前記(11−1)ないし(11−5)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−7)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(11−1)ないし(11−6)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−8)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(11−1)ないし(11−7)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−9)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(11−1)ないし(11−8)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−10)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(11−1)ないし(11−9)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−11)前記投与0から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が100μg・hr/mL以上である(11−1)ないし(11−10)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−12)前記定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度が50μg・hr/mL以上である(11−1)ないし(11−11)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−14)前記定常状態におけるω3PUFA平均血漿中濃度が30μg・hr/mL以上である(11−1)ないし(11−13)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−15)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(11−1)ないし(11−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−16)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(11−1)〜(11−15)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−17)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(11−15)に記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−18)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(11−1)〜(11−17)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−19)前記組成物がレシチンおよび乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む(11−1)〜(11−18)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−20)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(11−1)〜(11−19)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−21)前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(11−1)〜(11−20)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−22)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(11−1)〜(11−21)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−23)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1〜29質量%である(11−1)〜(11−22)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(11−24)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(11−1)ないし(11−23)のいずれかに記載の自己乳化組成物または投与方法。
(12−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物であって、ω3PUFA類として各個体3600mg含む組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度がω3PUFA類として各個体1800mg含む組成物を投与した場合の1.2倍以上である自己乳化組成物。
(12−2)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む自己乳化組成物であって、ω3PUFA類として4000mg含む組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出したω3PUFA最高血漿中濃度がω3PUFA類として2000mg含む組成物を投与した場合の1.2倍以上である自己乳化組成物。
(12−3)前記ω3PUFA最高血漿中濃度が50μg/mL以上である前記(12−1)または(12−2)に記載の自己乳化組成物。
(12−4)前記投与2時間後のω3PUFA血漿中濃度が20μg/mL以上である前記(12−1)ないし(12−3)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−5)前記ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間が6時間以下である前記(12−1)ないし(12−4)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−6)前記投与0から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上である(12−1)ないし(12−5)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−7)投与するω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである前記(12−1)ないし(12−6)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−8)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(12−1)〜(12−7)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−9)EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである前記(12−8)に記載の自己乳化組成物。
(12−10)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が70〜90質量%である(12−1)〜(12−9)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−11)前記組成物がレシチンおよび乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む(12−1)〜(12−10)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−12)前記乳化剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む(12−1)〜(12−11)に記載の自己乳化組成物。
(12−13)組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が120質量部以下である(12−1)ないし(12−12)に記載の自己乳化組成物。
(12−14)前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、乳化剤が1〜29質量%である(12−1)〜(12−13)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(12−15)前記ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、レシチンが3ないし40質量部、あるいは、1ないし25質量部である(12−1)〜(12−14)のいずれかに記載の自己乳化組成物。
(13−1)ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、レシチンおよび/または乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む乳剤。
そして、組成物中に水を含むことでエタノールや多価アルコールの含量を低くする、あるいはこれらを含まないと出来るため、カプセル皮膜の軟化を防止し、カプセルの変形が生じない。
また、相溶性(外観)、自己乳化性、組成物分散性、乳化安定性および吸収性の少なくとも1つに優れ、食前投与や低脂肪食摂取後の投与でも速やかに吸収されて食後の血清TG増加を抑制する、あるいは就寝前投与によりリパーゼ阻害剤服用時の必須脂肪酸欠乏を予防する。
さらに、上述の組成により、室温での保存に加え、低温(例えば5℃)や高温(例えば40℃)の条件下でも組成物が分離、白濁することなく、外観が良好である。
また、絶食時や食前、低脂肪食摂取後等のいずれの時期の投与でもω3PUFA類の吸収性に優れ、食直後投与が必要であった従来のω3PUFA製剤(例えばエパデールやロトリガ)より、投与時期の制限が緩やかであり、吸収性が食事に左右されない。
そして吸収性に優れることから、治療効果が高い、あるいは治療に必要なω3PUFA類を少なくできる。
高い治療効果を得るためにω3PUFA類を多量投与(例えば各個体当り1日4000mg)する場合、ヒトが吸収し切れない過剰量は腸管に留まるため下部消化管副作用等の副作用を招くが、本発明の自己乳化組成物は吸収性に優れることから腸管に止まるω3PUFA類を少なくあるいは無くすことができるため、副作用を低減できる。また、ω3PUFA類の投与では血中濃度が頭打ちとなる投与量であっても吸収できるため、血中濃度をω3PUFA類の投与時以上に高めることが出来る。
本発明の自己乳化組成物は上記の好ましい性質を少なくとも1つ以上、好ましくは2つ以上備え、さらに好ましくは全ての性質を備える。
本発明は、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の合計量が70ないし90質量%の範囲であり、特定の乳化剤を1ないし29質量%の範囲で含有し、ω3PUFA、その製薬学上許容しうる塩およびそのエステル100質量部に対して3ないし40質量部または1ないし25質量%のレシチンを含有し、エタノールや多価アルコールが非添加または添加濃度が低い自己乳化組成物やそれを内容物としてカプセル化された自己乳化製剤、その医薬、その製法およびその使用方法である。
例えば、EPA−EとDHA−Eを用いる場合、EPA−Eの本剤組成物の純度が上記であれば、EPA−E/DHA−Eの組成比および全脂肪酸類中のEPA−E+DHA−Eの含量比は特に問わないが、好ましい組成比として、EPA−E/DHA−Eは、0.8以上であることが好ましく、更に好ましくは、1.0以上、より好ましくは、1.2以上である。
また、本剤組成物はリノール酸、γリノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸などのω3PUFA類以外の多価不飽和脂肪酸、それらの製薬学上許容される塩またはエステルを含んでいても良いが、アラキドン酸およびそれらの製薬学上許容される塩またはエステル含量は少ないことが望まれ、2質量%未満が好ましく、1質量%未満がさらに好ましく、アラキドン酸およびそれらの製薬学上許容される塩またはエステルを実質的に含まない態様がとくに好ましい。
ω3PUFA類として、精製魚油も使用できる。また、ω3PUFA類のモノグリセリド、ジグリセリド、TG誘導体またはこれらの組合せなども好ましい態様の一つである。例えばインクロメガ(lncromega)F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(クローダ インターナショナル ピーエルシー (Croda International PLC, Yorkshire, England))、および EPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、EPAX7010EE、K85TG、K85EEおよびK80EE(プロノバ バイオファーマ(Pronova Biopharma, Lysaker, Norway) )などの種々のω3PUFA類を含有する製品が市販されており、これらを入手して使用することもできる。
また、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明においてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは上記のような化合物をすべて含む意味で用いられる。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし29質量%であり、好ましくは3ないし20質量%、より好ましくは5ないし15質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンヒマシ油の含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし20質量%であり、好ましくは2ないし15質量%、より好ましくは3ないし10質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレンヒマシ油が150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、とりわけ好ましくは110質量部以下、最も好ましくは100質量部以下となる割合で含ませることが好適である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンヒマシ油の量比が100質量部:5ないし150質量部、好ましくは100質量部:10ないし140質量部以下、より好ましくは100質量部:20〜130質量部以下、さらに好ましくは30〜120質量部、とりわけ好ましくは100質量部:50ないし110質量部、最も好ましくは100質量部:80ないし120質量部となる割合で含ませることが好適である。
本発明の自己乳化組成物におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含量は本発明の効果を有すれば特に限定されないが、通常、自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、1ないし20質量%であり、好ましくは2ないし15質量%、より好ましくは3ないし10質量%、とりわけ好ましくは5ないし9質量%である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル100質量部に対し、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、とりわけ好ましくは110質量部以下、最も好ましくは100質量部以下となる割合で含ませることが好適である。また、組成物中のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンヒマシ油の量比が100質量部:5ないし150質量部、好ましくは100質量部:10ないし140質量部以下、より好ましくは100質量部:20ないし130質量部以下、さらに好ましくは30ないし120質量部、とりわけ好ましくは100質量部:50ないし110質量部、最も好ましくは100質量部:80ないし120質量部となる割合で含ませることが好適である。
少量の水は、自己乳化組成物の調製時に加えてもよく、ゼラチンカプセル等にカプセル化した時にゼラチン皮膜中の水分が自己乳化組成物に移行してもよい。
また、多価アルコールやエタノールを含まないと、カプセル化した場合にカプセルが軟化、変形せず、アルコール不耐性患者の服用時にエタノールによる副作用もない。
水は自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、0.5〜6質量%であることが好ましく、0.5〜4質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。最も好ましくは1〜3質量%である。または、0.5質量%以上3質量%未満が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%未満がより好ましい。
精製大豆レシチン(日清オイリオ)、精製卵黄レシチン(旭化成ファーマ)、卵黄レシチンPL−100M(キューピー)などの種々の製品が市販されている。大豆レシチンは、例えば、ベイシスLP−20B(日清製油)、Lipoid S45、S20(リポイド)などが、酵素分解レシチンは例えばベイシスLP−20E(日清製油)、Phospholipon RLPC20(リポイド)などの種々の製品が市販されており、これらを入手して使用することもできる。
レシチンは自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、2.1〜36質量%であることが好ましく、2.1〜20質量%がより好ましく、2.1〜15質量%がさらに好ましい。あるいは、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、2〜15質量%であることがとりわけ好ましい。最も好ましくは2.1〜10質量%である。
レシチンは自己乳化組成物における乳化剤の合計含量を100質量部としたとき、10〜75質量部であることが好ましく、11〜60質量部がより好ましく、20〜55質量部がさらに好ましい。最も好ましくは25〜35質量部である。
レシチンは自己乳化組成物におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの合計含量を100質量部としたとき、10〜150質量部であることが好ましく、20〜120質量部がより好ましく、40〜90質量部がさらに好ましい。最も好ましくは50〜70質量部である。
また、自己乳化組成物にエタノールと多価アルコールが含まれる場合には、組成物全体を100質量%としたとき、組成物中に合計含量として4質量%より多いエタノール及び多価アルコールを含まないことが好ましい。好ましい態様としてはエタノール及び多価アルコールを実質的に含まない。また、組成中のエタノール及び多価アルコールの合計量が4質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がとりわけ好ましい。最も好ましいのは0質量%以下である。
「ゼラチン」としては、軟カプセル剤の製造において通常使用されるもの、例えば、第16改正日本薬局方で規定される医薬用ゼラチン(ゼラチンおよび精製ゼラチン)が挙げられる。ゼラチンは、2種以上を組合せて用いてもよい。カプセル皮膜はその他に可塑剤等を含有しうる。
カプセル皮膜に配合する「可塑剤」としては、軟カプセル剤の製造において通常使用されるもの、例えば、グリセリン(例、濃グリセリン)、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコールなどが好ましい。これらの可塑剤は、2種以上を組合せて用いてもよい。中でも、グリセリン、ソルビトールが好ましい。また、グリセリンとソルビトールとの組み合わせを使用することも好ましい。この場合、グリセリンとソルビトールとの質量比を、1:5〜5:1の範囲で使用することが好ましく、1:3〜3:1の範囲で使用することがより好ましい。
本発明の軟カプセル剤、特にシームレスカプセルにおいて、カプセル皮膜液は、ゼラチンと可塑剤とを、その重量比において、10:1〜1:10の範囲で含有することが好ましく、10:1〜1:1の範囲で含有することがより好ましい。
カプセル皮膜液とカプセル内容物との重量比は、通常10:1〜1:10で、好ましくは3:1〜1:10である。
さらに、必要に応じて、カプセル皮膜に一般に用いられる各種添加剤、例えば、アミノ酸、クエン酸、グリセリン、ソルビトール、トレハロース、等の可塑剤、防腐剤、色素や酸化チタン等の着色剤、有機酸等を添加することができる。
本発明のカプセル化された自己乳化製剤は、製造直後の硬度が18kgf以上、好ましくは20kgf以上、より好ましくは22kgf以上である。また、密封されたアルミ包装で40℃1週間保管した場合に製造直後と比較して硬度が実質的に低下しない、あるいは硬度が6kgf以上低下しないことが望ましく、40℃1週間の保管後の硬度が10kgf以上、好ましくは15kgf以上、より好ましくは20kgf以上である。
また、製造直後の硬度を100%とした時、密封されたアルミ包装で40℃1週間保管した場合の硬度が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上維持される。さらに好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上の硬度が維持される。
上記の薬物動態は、イヌやサル等の動物で確認することができるが、好ましくは、ヒトでの試験により確認される。
特に好ましいパラメーターとしてはsmall dense LDL、8−イソプロスタン、TXA2およびLTB2とその代謝物(HETE)から選ばれる少なくとも1つのパラメーターを改善(減少)することである。
低減もしくは無くすことが出来る副作用としては、下部消化管副作用、悪心、腹部不快感、下痢、腹痛、胸やけ、嘔吐、食欲不振、便秘、口内炎、口渇、腹部膨満感、鼓腸等が挙げられる。
例えば、食直後以外の時間(例えば食前)にEPA類として各個体当り、1500〜4200mg(例えば1800mg、2000mg、3000mg、3600mg、4000mg)の量となる自己乳化組成物を投与した場合の投与前の血漿中ω3PUFA濃度を減じた補正を行なって算出した場合のω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積が、食直後に投与した場合のω3PUFA血漿中濃度最大値、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度またはω3PUFA血漿中濃度曲線下面積の50〜150%が好ましく、60〜140%がより好ましく、70〜130%がとりわけ好ましく、80〜120%がさらに好ましく、最も好ましくは90〜110%である。
保存温度は、自己乳化組成物やこれらのカプセル化された製剤が寒冷地や高温環境で扱われる可能性を考慮し、低温・高温時にも外観が澄明であることが好ましい。
また、前記疾患のうち、特に、脂質異常症、食後高TG血症の改善または治療、再発予防あるいはメタボリックシンドロームや心・脳血管イベントや四肢末梢潰瘍や壊疽などへの進行抑制に有効である。哺乳動物とは、例えば、ヒトやウシ、ウマ、ブタなどの家畜動物やイヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどの家庭用動物等があげられ、好ましくはヒトである。特に、メタボリックシンドローム患者など、血中脂質が増加している、インスリン抵抗性を発現している、あるいは血圧が上昇している脂質異常症患者において脂質異常症や食後高TG血症の改善または治療効果を示すことが期待される。
水0.09g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル0.53g、大豆レシチン0.39g、EPA−E 4.0gを量り取り、密封し、約70℃に加温しながら混合し、自己乳化組成物を調製した。自己乳化組成物は窒素置換して密封し、評価を実施するまで室温にて保存した。表1に自己乳化組成物の処方を示す。
表1に記載の組成比となる様に、実施例1と同様の方法で実施例2〜8の自己乳化組成物および比較例1〜2の組成物を調製及び保存した。表1に自己乳化組成物および組成物の処方を示す。
表1に記載の組成比となる様に、実施例1と同様の方法で比較例3、4の組成物を調製および保存した。表1に組成物の処方を示す。
上記の製造方法にて自己乳化組成物および比較例の組成物を製造後、静置し、約1時間後外観を評価した。相溶性に優れ、組成物が均一となっている場合には「澄明」、分離している場合には「分離」、不透明である場合には「曇り」とした。
表1に試験結果を示す。
上記の製造方法にて製造した自己乳化組成物および比較例の組成物について、試験管内の37℃の精製水および日局溶出試験第1液、各5mLに各組成物を10μL滴下し、自己乳化性について評価した。滴下しただけで乳化した場合を良好とし、滴下しただけでは自然に乳化しなかった場合を不良とした。次いで、均一条件にて軽く撹拌した後、その性状を評価した。組成物分散性について、組成物が分散した場合を良好とし、組成物の一部が分散しないで塊として残った場合を不良とした。乳化安定性について、油の分離がなかった場合を良好とし、油の分離があった場合を不良とした。なお、外観の評価で「澄明」でなかった組成物は、組成が均一でないことから評価は妥当でないと考えられ、評価を行わなかった。
表1に試験結果を示す。
上記試験例2で得られた乳化組成物約1.5mLを用いて、粒度分布測定装置(Nanotorac、日機装製)により、分散媒として水を使用し、平均乳化滴径(体積平均径)を測定した。
試験例1にて「澄明」または「曇り」であった組成物について、5℃あるいは40℃で静置して一晩(約12時間)保管後、外観を評価した。相溶性に優れ、組成物が均一となっている場合には「澄明」、分離している場合には「分離」、不透明である場合には「曇り」とした。
表1に試験結果を示す。
製造した組成物あるいはカプセル(実施例1、3、5)を各々雄性ビーグル犬(2〜6年齢、体重8〜13kg、マーシャルビーグル3例、ノーサンビーグル3例)6例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価した。なお、各被験動物は投与の18時間以上前より絶食とし、各動物にはEPA−Eとして600mgとなる量の組成物を投与した。投与前、投与後0.5、1、1.5、2、3、4、6、8および24時間に採血を行い、血漿を分取して処理を行った後、血漿中のEPA濃度をLC/MS/MS(サンプルを液体クロマトグラフィーで分離し、それを質量分析で分離して測定する方法)により測定した。また、対照群としてカプセルに充填したEPA−E原液も投与した。
表1には試験結果より算出したω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から2時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−2)、0時間から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−24)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
製造した組成物あるいはカプセルをカニクイザル(2〜5歳、体重2.70〜4.65Kg、ハムリー)6例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価する。なお、各被験動物は投与の12時間以上前より絶食とし、各動物にはEPA−Eとして45mg/kgとなる量の自己乳化組成物を投与する。また、対照群としてカプセルに充填したEPA−E原液を投与する。投与前、投与後1、2、4、6、8、10、12、24、48および72時間に採血を行い、血漿を分取して処理を行った後、血漿中のEPAをLC/MS/MSにより測定する。試験結果よりω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から12時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−12)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−72)を算出する。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行なう。
組成物を投与した動物は、対照群と比較して、CmaxおよびAUC0−12等の血中濃度パラメーターの上昇を認める。すなわち、本発明の自己乳化組成物を投与した場合、吸収量が増加するのみならず、経口投与後速やかにEPAが吸収されることが確認される。
内容物としてEPA−Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルをヒト(20〜40歳で体重55.0〜77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)12例に絶食条件下で経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価した。なお、各ヒトは投与の10時間以上前より絶食とし、EPA−Eとして1800mgとなる量の自己乳化組成物を朝空腹時に水200mLを用いて単回経口投与した。投与後0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、18、24、48および72時間に採血を行った。採血後、直ちに氷冷して、4℃、2000×gで10分間遠心分離し、血漿を分取して−20℃以下で凍結保存した。得られた血漿中のEPA濃度をLC/MS/MS(サンプルを液体クロマトグラフィーで分離し、それを質量分析で分離して測定する方法)により測定した。
また、内容物としてEPA−Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルを食直後条件下でも経口投与し、同様に測定した。
また、対照群としてカプセルに充填したEPA−E原液(本発明の自己乳化組成物と同じEPA−E用量であり、乳化剤等を含まない高純度EPA−E(96.5質量%以上)をいう。以下、同じ。)をヒト(20〜40歳で体重55.0〜77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)12例に絶食条件下(投与の10時間以上前より絶食)で経口投与し、同様に測定した。
表2には試験結果より算出した最高血漿中濃度(Cmax)、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−72)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、ω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
試験例6−2において投与量を各ヒト3600mgとした試験を同様に実施した。なおヒト6例に対して実施した。表3には試験結果より算出したω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、0時間から72時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−72)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、ω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を示す。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行っている。
内容物としてEPA−Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルをヒト(20〜40歳で体重55.0〜77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)に1日1回、11日間朝食直後に経口投与し、EPAの血中濃度の推移を評価する。各ヒトにはEPA−Eとして500、1000、2000、40000、6000または8000gとなる量の自己乳化組成物を水200mLを用いて経口投与する。なお、食事は1日3回とする。投与1日目と11日目は、投与後1、2、3、4、5、6、8、10、12、18および24時間(24時間は翌日の投与前)に採血を行い、投与2〜10日目には、投与後24時間に採血を行なう。採血後、直ちに氷冷して、4℃、2000×gで10分間遠心分離し、血漿を分取して−20℃以下で凍結保存する。得られた血漿中のEPA濃度をLC/MS/MSにより測定する。
また、対照群としてカプセルに充填したEPA−E原液をヒト(20〜40歳で体重55.0〜77.0kg、BMI18.5以上25.0未満の健康成人男性)に1日1回、11日間朝食直後にEPA−Eとして1800mgとなる量を経口投与し、同様にEPAの血中濃度の推移を評価する。
また、EPA−Eを80質量%含有する本発明の自己乳化組成物のカプセルを絶食条件下でも同様に経口投与し、同様に測定する。
試験結果より投与1日目におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Cmax)、0時間から24時間までのω3PUFA血漿中濃度曲線下面積(AUC0−24)、ω3PUFA最高血漿中濃度到達時間(Tmax)およびω3PUFA血漿中消失半減期(t1/2)を、また、投与1〜11日目における投与後24時間のω3PUFA血漿中濃度(C24)、を算出する。また、定常状態におけるω3PUFA最高血漿中濃度(Css max)、ω3PUFA最低血漿中濃度(Css min)およびω3PUFA平均血漿中濃度(Css ave)を算出する。なお、各パラメーターの算出の際には各血中濃度より投与前の血中EPA濃度を減じた補正を行なう。
実施例で得られた各軟カプセルについて、充てん、乾燥終了後、カプセルの色、形状および充てん液の性状について目視にて確認した。
色については変色が認められるもの、形状については歪みや凹み等が認められるもの、充てん液の性状については濁りや分離等が認められるものをそれぞれ不良とし、いずれも認められないものを正常とした。
表1に試験結果を示す。下記表中「―」の記載は、該当成分を添加せず、または測定せずを示す。
本発明は組成物の相溶性を良好にするためにエタノールや多価アルコールを含まず、水を使用した。水を含まない場合には組成物が相溶性を充分に有しないため分離した。また、水を含む処方であってもその量が組成物に対して多すぎても同様に分離した。水が1ないし4質量%の実施例1〜6では分離しなかった。これより、0.5ないし6質量%程度の特定の量の水を含むことが外観等に優れるために重要であると分かる。
しかしながら、40℃で一晩保管すると分離した。これより、0.5ないし6質量%程度の特定の量の水を含むことが外観等に優れるために重要であると分かる。
これより乳化剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有することが外観に優れるために重要であると分かる。
これらの自己乳化組成物を投与した動物では対照群(絶食時)を投与した動物よりも吸収速度のパラメーターであるCmaxおよびAUC0−2値が著しく高かった。すなわち、実施例の自己乳化組成物を投与した場合、対照群に比べて経口投与24時間後までのEPA吸収量が増加するのみならず、特に経口投与後速やかにEPAが吸収されることが確認された。
従って、本発明の自己乳化組成物は、食前や就寝前などの空腹時に服用した場合でも血中EPA濃度が速やかに、かつより上昇し、その薬理作用を速やかに、かつより効果的に発揮する自己乳化型製剤として使用し得ることが期待される。
表4に記載の組成となる様に、実施例1と同様の方法で自己乳化組成物および比較例2−3の組成物を調製し保存した。表4に自己乳化組成物の処方を示す。
この自己乳化組成物を実施例2−1および2−2については375mg、比較例2−3については441mg(いずれも、EPA−Eとして300mg)それぞれ充てんしたソフトゼラチンカプセルを、ロータリー法により製造した。本法により製造した自己乳化型カプセル製剤は、カプセル皮膜の変形等は認められなかった。
表4に内容液の組成を示す。
実施例2−1および2−2、比較例2−3の各カプセル製剤について、硬度を測定した。また、40℃相対湿度75%で1、2、4週間保管した製剤について、同様に硬度を測定した。
各製剤を初期、40℃ 1、2、4週間保管した場合の結果を表4に示す。なお、初期とはカプセルの製造後、評価するまで室温で保管した製剤をいう。また、各製剤はアルミ包装に密封して40℃に保管したため、湿度の影響は受けていない。
本発明の自己乳化組成物は、多価アルコール非添加または添加濃度が低いため、流通過程や保存中における多価アルコールが原因のカプセル軟化、変形が起こらず、品質変化のリスクが低い。
また、低温又は高温環境下の保存でも組成物が白濁、分離等の変性のないことから、医薬として用いられる場合に寒冷地や高温地での保管可能な品質を有する。
Claims (15)
- 自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、
a)50〜95質量%のω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、
b)0.5〜6質量%の水、
c)1〜29質量%の非イオン性界面活性剤、
d)レシチン、を含有し、
e)多価アルコールが前記組成物全量の4質量%以下、である自己乳化組成物を内容液としてカプセル中に保持する軟カプセルでカプセル化されている自己乳化製剤であって、ヒトに投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出した(f)〜(j)から選択される少なくとも1つを満たす自己乳化製剤であって、前記自己乳化組成物中のエタノールの含有量が前記自己乳化組成物全量の4質量%以下である、自己乳化製剤。
(f)ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が50μg/mL以上
(g)投与2時間後のω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度が20μg/mL以上
(h)ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度到達時間(Tmax)が6時間以下
(i)投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上
(j)投与24時間後のω3多価不飽和脂肪酸血中濃度が5〜100μg/mL - 前記自己乳化組成物が、前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、70〜90質量%のω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物、を含有する請求項1に記載の自己乳化製剤。
- 前記自己乳化組成物が、前記自己乳化組成物の全量を100質量%としたとき、5〜29質量%の非イオン性界面活性剤、を含有する請求項1または請求項2に記載の自己乳化製剤。
- 前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1000mg〜10000mgである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- ヒトに投与される前記組成物に含まれるω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- EPA、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルがEPAエチルエステルである請求項6に記載の自己乳化製剤。
- 前記組成物を投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出した、ω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が50μg/mL以上、および、投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が500μg・hr/mL以上を満たす請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記組成物を絶食時に投与されたときに、投与前の血漿中ω3多価不飽和脂肪酸濃度を減じた補正を行なって算出したω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度が食直後のω3多価不飽和脂肪酸最高血漿中濃度の3倍以上、または、投与0から72時間までのω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積が食直後のω3多価不飽和脂肪酸血漿中濃度曲線下面積の2倍以上である請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記組成物がレシチンおよび非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記自己乳化組成物が、前記ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物100質量部に対して、3〜40質量部のレシチン、を含有する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記非イオン性界面活性剤としてさらにポリオキシエチレンヒマシ油を含む請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩、および、そのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が1000mg〜10000mgを含む前記組成物を1日1回投与する請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記自己乳化組成物中の多価アルコールの含有量が前記自己乳化組成物全量の1質量%以下である、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
- 前記軟カプセルのカプセル皮膜がゼラチンを含む、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の自己乳化製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019074764A JP6783891B2 (ja) | 2019-04-10 | 2019-04-10 | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019074764A JP6783891B2 (ja) | 2019-04-10 | 2019-04-10 | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016570401A Division JP6514720B2 (ja) | 2015-01-21 | 2015-01-21 | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020176384A Division JP2021008518A (ja) | 2020-10-21 | 2020-10-21 | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019147805A JP2019147805A (ja) | 2019-09-05 |
JP6783891B2 true JP6783891B2 (ja) | 2020-11-11 |
Family
ID=67849152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019074764A Active JP6783891B2 (ja) | 2019-04-10 | 2019-04-10 | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6783891B2 (ja) |
-
2019
- 2019-04-10 JP JP2019074764A patent/JP6783891B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019147805A (ja) | 2019-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7360521B2 (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP6514720B2 (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP2024028839A (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP6722118B2 (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP5784674B2 (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP6783891B2 (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
JP2021008518A (ja) | ω3脂肪酸の自己乳化組成物 | |
TWI788582B (zh) | ω3脂肪酸之自體乳化製劑及自體乳化組成物 | |
TWI668016B (zh) | ω3脂肪酸之自體乳化組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190508 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200428 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200923 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201022 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6783891 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R153 | Grant of patent term extension |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R153 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |