JP2023015786A - X線ct移動検診車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 X線CT移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させること。【解決手段】 実施形態に係るX線CT移動検診車は、蓄電部、コンバータ、ホイール及びCT回転部を備えている。前記蓄電部は、電気エネルギーを蓄電する。前記コンバータは、前記蓄電部への充電と放電を制御する。前記ホイールは、前記コンバータからの出力に基づいて回転する。前記CT回転部は、前記コンバータからの出力に基づいて回転する。【選択図】図1
Description
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線CT移動検診車に関する。
移動検診とは、検診を行うための医用機器を搭載した自動車(以下、移動検診車ともいう)が地域や職場等に移動し、移動先で検診を行う形態の健康診断である。この種の医用機器としては、車載型X線装置、X線CT(computed tomography)装置などが知られている。また、この種の自動車の技術としては、電気自動車EV(electric vehicle)、燃料電池自動車FCV(fuel cell vehicle)など、内燃機関によらずに電気エネルギーを用いる方式が知られている。また、医用機器の電力を得る方法としては、移動検診車に発動発電機又は電池を搭載する方式が知られている。
しかしながら、医用機器の電力を得る方法のうち、発動発電機を搭載する方式は、検診中に発動発電機からの排気ガスと騒音が発生するので、移動検診には不向きである。また、電池を搭載する方式は、排気ガス等の発生はないものの、電池の出力密度及びエネルギー密度が高くないと、占有する体積及び重量が増加して、移動に不利となる。このため、電池を搭載する方式では、移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させる必要がある。特に、医用機器がX線CT装置のような大型装置の場合、移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させる必要性が高い。
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線CT移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るX線CT移動検診車は、蓄電部、コンバータ、ホイール及びCT回転部を備えている。前記蓄電部は、電気エネルギーを蓄電する。前記コンバータは、前記蓄電部への充電と放電を制御する。前記ホイールは、前記コンバータからの出力に基づいて回転する。前記CT回転部は、前記コンバータからの出力に基づいて回転する。
以下、図面を参照しながら各実施形態に係るX線CT移動検診車について説明する。以下の説明では、異なる図面間における略同一部分に同一符号を付すことにより、重複した説明の記載を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。このX線CT移動検診車100は、水素をエネルギー源とする燃料電池自動車(FCV)に、医用機器としてX線CT装置が搭載されている。X線CT移動検診車100は、燃料電池自動車(FCV)及びX線CT装置の共用の機関として、水素タンク1、燃料電池2、蓄電部12及びパワーコントロールユニット15からなる電源系統と、モータ5及び駆動伝達(変速)機構6を含む駆動系統とを備えている。また、X線CT移動検診車100は、燃料電池自動車(FCV)に固有の構成として、ホイール7を備えている。また、X線CT移動検診車100は、X線CT装置に固有の構成として、駆動伝達(変速)機構26、CT架台27、スリップリング30、インバータ31、高圧発生器32、X線管33、DCDCコンバータ41、CT架台内機器42、コンバータ51及びCT固定部機器52を備えている。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。このX線CT移動検診車100は、水素をエネルギー源とする燃料電池自動車(FCV)に、医用機器としてX線CT装置が搭載されている。X線CT移動検診車100は、燃料電池自動車(FCV)及びX線CT装置の共用の機関として、水素タンク1、燃料電池2、蓄電部12及びパワーコントロールユニット15からなる電源系統と、モータ5及び駆動伝達(変速)機構6を含む駆動系統とを備えている。また、X線CT移動検診車100は、燃料電池自動車(FCV)に固有の構成として、ホイール7を備えている。また、X線CT移動検診車100は、X線CT装置に固有の構成として、駆動伝達(変速)機構26、CT架台27、スリップリング30、インバータ31、高圧発生器32、X線管33、DCDCコンバータ41、CT架台内機器42、コンバータ51及びCT固定部機器52を備えている。
ここで、水素タンク1は、水素を貯蔵する。水素の貯蔵方式としては、例えば、気体の水素を高圧で圧縮して貯蔵する高圧水素タンク方式を用いている。但し、これに限らず、液体水素を貯蔵する液体水素タンク方式、又は水素を金属に吸蔵させる水素吸蔵合金方式等、といった他の方式を用いることも可能である。
燃料電池2は、水素タンク1の水素を電気エネルギーに変換する。具体的には、燃料電池2は、水素タンク1に貯蔵された水素を電気エネルギーに変換して直流電圧を昇圧コンバータ3に出力する。燃料電池2としては、例えば、固体高分子形燃料電池(polymer electrolyte fuel cell:PEFC)などが適宜、使用可能となっている。
昇圧コンバータ3は、燃料電池2の電圧を昇圧する。すなわち、昇圧コンバータ3は、燃料電池2から出力された直流電圧を昇圧してコンバータ13に供給する。具体的には、昇圧コンバータ3は、燃料電池2から出力された直流電圧が所望の電圧より低い場合に、当該直流電圧を昇圧する。
蓄電部12は、電気エネルギーを蓄電する。具体的には蓄電部12は、電気エネルギーを蓄電する2次電池又はキャパシタからなる蓄電装置であり、コンバータ13により充電(蓄電)又は放電(電圧出力)が制御される。なお、キャパシタとしては、例えば、EDLC(electrical double layer capacitor:電気二重層キャパシタ)等が適宜、使用可能となっている。
コンバータ13は、蓄電部12への充電と放電を制御する。また、コンバータ13は、蓄電部12の出力と昇圧コンバータ3からの出力とに基づいた出力を行う。例えば、コンバータ13は、昇圧コンバータ3及び/又は蓄電部12から受けた直流電圧を適切な直流電圧に変換してインバータ4、スリップリング30及びコンバータ51に出力する。詳しくは、コンバータ13は、自動車走行時に、適切な直流電圧をインバータ4に出力する。また、コンバータ13は、CT検診時に、適切な直流電圧をインバータ4、スリップリング30及びコンバータ51に出力する。また、コンバータ13は、X線CT移動検診車100の減速時又はCT架台27の回転減速時に、インバータ4から受けた回生電力の電気エネルギー(回生エネルギー)を蓄電部12に充電する。
インバータ4は、コンバータ13の直流出力を交流変換する。具体的には、インバータ4は、コンバータ13から出力された直流電圧を交流電圧に変換し、得られた交流電圧をモータ5に出力する。
なお、昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4は、燃料電池2又は蓄電部12から受けた直流の電気エネルギーを変換してモータ5、スリップリング30又はコンバータ51に出力するためのパワーコントロールユニット15を構成している。
パワーコントロールユニット15は、X線CT移動検診車100の電力を適切に調整するためのプロセッサ(図示せず)を備え、昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4を制御する。例えば、パワーコントロールユニット15のプロセッサは、自動車走行時に、水素タンク1の水素残量と蓄電部12の蓄電残量とを監視し、当該監視結果と、ホイール7の回転状況とにより、水素残量を温存するように燃料電池2と蓄電部12の使用配分を変更して昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4を制御する。また例えば、パワーコントロールユニット15のプロセッサは、CT診断時に、水素タンク1の水素残量と蓄電部12の蓄電残量とを監視し、当該監視結果と、CT架台27の回転状況と、X線出力条件とにより、水素残量を温存するように燃料電池2と蓄電部12の使用配分を変更して昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4を制御する。
また、インバータ4は、X線CT移動検診車100の減速時又はCT架台27の回転減速時にモータ5が発生した回生電力を直流に変換して、直流の回生電力をコンバータ13に供給する。例えば、インバータ4は、スイッチング素子にダイオードが逆並列接続された複数のアームがブリッジ接続された回路を含んでいる。この場合、モータ5が発電機となるときには、インバータ4は、全てのスイッチング素子がオフされ、ダイオードがブリッジ接続された整流回路として機能する。このため、インバータ4は、モータ5が発生した回生電力を直流に変換する。
モータ5は、インバータ4により回転制御される。具体的には、モータ5は、インバータ4の交流出力により回転制御され、回転駆動力を駆動伝達(変速)機構6に出力する。なお、駆動伝達(変速)機構6が省略される場合、モータ5は、インバータ4の交流出力により回転制御され、回転駆動力をホイール7及び駆動伝達(変速)機構26に出力する。
また、モータ5は、X線CT移動検診車100の減速時には、ホイール7から駆動伝達(変速)機構6を介して受けた回転駆動力に応じて回転することにより、回生電力を発生してインバータ4に供給する発電機となる。同様に、モータ5は、CT架台27内の回転フレームの回転減速時には、CT架台27から駆動伝達(変速)機構26を介して受けた回転駆動力に応じて回転することにより、回生電力を発生してインバータ4に供給する発電機となる。
駆動伝達(変速)機構6は、モータ5の回転駆動力をホイール7及び駆動伝達(変速)機構26に伝達する。なお、インバータ4が適切にモータ5を回転制御する場合、駆動伝達(変速)機構6は、変速機が省略され、駆動伝達機構として設けられる。
ホイール7は、コンバータ13からの出力に基づいて回転する。例えば、ホイール7は、コンバータ13の直流出力を交流変換するインバータ4からの出力に基づいて回転する。また例えば、ホイール7は、インバータ4により回転制御されるモータ5からの出力に基づいて回転する。また例えば、ホイール7は、駆動伝達(変速)機構6から伝達されたモータ5の回転駆動力により回転する。但し、ホイール7は、必ずしも駆動伝達(変速)機構6を介さずに、モータ5の回転駆動力により回転する構成に変形してもよい。この変形例は、ホイール7とモータ5とが一体となったインホイールモータの場合である。インホイールモータの場合には駆動輪毎にインバータ4、モータ5及びホイール7が設けられる。例えば、4輪車4輪駆動の場合、4つのインバータ4と、4つのモータ5と、4つのホイール7とが設けられる。この場合、4つのインバータ4が個々に交流電圧を4つのモータ5に出力し、各モータ5が個別に各ホイール7を回転させる。補足すると、インホイールモータの場合、基本的には同時に回転するモータ5の数量分だけインバータ4が必要になり、インバータ4の制御は各々独立制御になる。これは、車両の進行方向が曲がるときの内輪差などがあるため、4輪を個別に駆動することによる。なお、インホイールモータは、前述した4輪車4輪駆動に限らず、任意の駆動方式に適用可能である。例えば、インホイールモータは、6輪車6輪駆動又は8輪車8輪駆動などの任意の全輪駆動に適用してもよく、4輪車2輪駆動などの前輪駆動(FF)又は後輪駆動(FR)に適用してもよい。あるいは、インホイールモータは、4輪車3モータ駆動(例、前輪1モータ、後輪2モータ)のうちの2モータ駆動分などの変則的な駆動方式に適用してもよい。なお、インホイールモータの変形例が可能なことは、以下の各実施形態でも同様である。
駆動伝達(変速)機構26は、車両用のホイール回転駆動力を変速してCT回転させるためのシャフト及びベルト等の機構であり、駆動伝達(変速)機構6から伝達されたモータ5の回転駆動力をCT架台27に伝達する。なお、モータ5がX線CT移動検診車の走行に適した位置に配置されるため、モータ5の駆動伝達(変速)機構6からCT架台27までの間には距離があることになる。このため、駆動伝達(変速)機構6と、CT架台27との間には、駆動伝達(変速)機構26が設けられる。但し、駆動伝達(変速)機構26は、必ずしも駆動伝達(変速)機構6を介さずに、モータ5の回転駆動力をCT架台27に伝達してもよい。例えば、駆動伝達(変速)機構6が省略される場合、駆動伝達(変速)機構26は、モータ5の回転駆動力をCT架台27に伝達する。また、インバータ4が適切にモータ5を回転制御する場合、駆動伝達(変速)機構26は、変速機が省略可能となる。
CT架台27は、コンバータ13からの出力に基づいて回転する。例えば、CT架台27は、コンバータ13の直流出力を交流変換するインバータ4からの出力に基づいて回転する。また例えば、CT架台27は、インバータ4により回転制御されるモータ5からの出力に基づいて回転する。また例えば、CT架台27は、駆動伝達(変速)機構26から伝達されたモータ5の回転駆動力により回転する。なお、CT架台27が回転する場合、具体的には、CT架台27内の回転フレームが回転する。回転フレームは、X線管33とX線検出器とを対向支持し、X線管33とX線検出器とを回転させる円環状のフレームである。なお、回転フレームは、X線管33とX線検出器に加えて、インバータ31、高圧発生器32及びDAS(data acquisition system)を更に備えて支持する。CT架台27(内の回転フレーム)は、CT回転部の一例である。X線検出器及びDASは、後述するCT架台内機器42の一例である。
スリップリング30は、コンバータ13から出力された直流電圧をCT架台27内の回転フレームに搭載されたインバータ31及びDCDCコンバータ41に送出する。スリップリング30は、直流電圧が入力される固定フレームと、回転フレームとの境目を摺動子(ブラシ)が接触することにより、固定フレームから回転フレームに直流電圧を送出する。詳しくは、スリップリング30は、固定フレーム側から回転フレーム側の構成要素に電力を給電するための部材であり、固定フレームに設けられ給電を行なうブラシと、回転フレームに設けられブラシから電力の供給を受けるリングとを有する。なお、固定フレームは、回転フレームを回転可能に支持する非回転部材である。
インバータ31は、回転フレームに設けられ、スリップリング30より送出される直流電圧を交流変換する。
高圧発生器32は、回転フレームに設けられ、インバータ31の出力から直流高電圧を発生させる。具体的には、高圧発生器32は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管33に印加する高電圧を発生する機能を有する。
X線管33は、高圧発生器32が発生した直流高電圧によりX線を発生させる。具体的には、X線管33は、高圧発生器32からの高電圧の印加により、陰極(フィラメントから陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。例えば、X線管には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、インバータ31、高圧発生器32及びX線管33は、CT架台27内で最も電力を必要とするX線発生系統を構成している。
DCDCコンバータ41は、スリップリング30より供給される直流電圧をCT架台内機器42に適した直流電圧に変換する。
CT架台内機器42は、CT架台27内の回転フレームに搭載された機器であり、DCDCコンバータ41に変換された直流電圧により動作する。CT架台内機器42としては、例えば、X線検出器及びDASがある。
X線検出器は、X線管33から照射され、被検体を通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDASへと出力する。X線検出器は、例えば、X線管33の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。なお、X線検出器は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT等の光センサを有する。但し、X線検出器は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
DASは、X線検出器の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DASが生成した検出データは、通信回路を介して回転フレームから固定フレームに出力され、CT固定部機器52に属するコンソール装置へと転送される。ここで、回転フレームと固定フレームとの間の通信回路としては、例えば、非接触の通信方式として、発光ダイオード(LED)及びフォトダイオードを備えた光通信回路を搭載してもよい。この場合、DASが生成した検出データは、回転フレームに設けた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって、CT架台27の固定フレームに設けたフォトダイオードを有する受信機に送信され、さらに送信器によりCT架台27からコンソール装置へと転送される。なお、通信回路の通信方式としては、この他に容量結合式や電波方式などの非接触型のデータ伝送の他、スリップリングと電極ブラシを使った接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
コンバータ51は、コンバータ13の直流出力をCT固定部機器52に適した交流電圧及び直流電圧にそれぞれ変換する。
CT固定部機器52は、X線CT装置のうちの回転しない固定部機器であり、コンバータ51に変換された交流電圧及び直流電圧により動作する。CT固定部機器52としては、例えば、天板を含む寝台装置と、モニタを含むコンソール装置とがある。
寝台装置は、スキャン対象の被検体を載置、移動させる装置であり、基台と、寝台駆動装置と、天板と、支持フレームとを備えている。基台は、支持フレームを鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置は、被検体が載置された天板を天板の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。支持フレームの上面に設けられた天板は、被検体が載置される板である。なお、寝台駆動装置は、天板に加え、支持フレームを天板の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置は、メモリと、ディスプレイ(図中、モニタ)と、入力インタフェースと、処理回路(プロセッサ)とを備えている。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリは、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。モニタは、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイは、処理回路によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。入力インターフェースは、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路に出力する。例えば、入力インターフェースは、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェースは、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。処理回路(プロセッサ)は、X線CT移動検診車100のうち、X線CT装置の動作を制御する。例えば、処理回路は、システム制御機能、画像生成機能、スキャン制御機能、表示制御機能などを実行する。システム制御機能は、入力インターフェースを介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路の各種機能を制御する。画像生成機能は、DASから出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前のデータ(検出データ)および前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。また、画像生成機能は、当該前処理を施したデータに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。また、画像生成機能は、入力インターフェースを介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、当該生成したCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。スキャン制御機能は、位置決めスキャン及び本スキャンを制御する。位置決めスキャン時に、スキャン制御機能は、スキャン範囲、撮影条件等を決定するための被検体の2次元の位置決め画像データを取得する。なお、位置決め画像データはスキャノ画像データやスカウト画像データと呼ばれる場合もある。また、本スキャン時に、スキャン制御機能は、位置決めスキャンにより決定されたスキャン範囲、撮影条件等に基づいて、ヘリカルスキャン或いはノンヘリカルスキャンによって被検体に対する全周分の検出データを収集する。収集された検出データは、画像生成機能により、CT画像データの生成に用いられる。表示制御機能は、医用画像やGUI等の各種の情報をディスプレイに表示させる。
次に、以上のように構成されたX線CT移動検診車の動作について図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、(1)自動車走行時の動作と、(2)CT検診時の動作とに分けて行う。また、以下の説明は、主に、電気エネルギーや回転駆動力の流れに関して述べる。すなわち、電気自動車の運転操作や、X線CTの位置決めスキャン及び画像生成などといった一般的な動作については記載を省略する。
(1)自動車走行時の動作
X線CT移動検診車100では、自動車走行時に、主に図1の左側における、水素タンク1、燃料電池2、蓄電部12及びパワーコントロールユニット15からなる電源系統と、モータ5、駆動伝達(変速)機構6及びホイール7からなる駆動系統とが動作する。ここで、電源系統のパワーコントロールユニット15は、図示するように、昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4を含んでいる。また、電源系統は、後述するCT検診時にも動作する。以下、自動車走行時の動作について具体的に説明する。
(1)自動車走行時の動作
X線CT移動検診車100では、自動車走行時に、主に図1の左側における、水素タンク1、燃料電池2、蓄電部12及びパワーコントロールユニット15からなる電源系統と、モータ5、駆動伝達(変速)機構6及びホイール7からなる駆動系統とが動作する。ここで、電源系統のパワーコントロールユニット15は、図示するように、昇圧コンバータ3、コンバータ13及びインバータ4を含んでいる。また、電源系統は、後述するCT検診時にも動作する。以下、自動車走行時の動作について具体的に説明する。
X線CT移動検診車100では、水素タンク1が水素を貯蔵しており、蓄電部12が電気エネルギーを保存しているとする。ここで、X線CT移動検診車100は、自動車走行を開始するとする。
X線CT移動検診車100では、自動車走行時に、燃料電池2が、水素タンク1に貯蔵された水素を電気エネルギーに変換して直流電圧を昇圧コンバータ3に出力する。
昇圧コンバータ3は、燃料電池2から出力された直流電圧を昇圧してコンバータ13に供給する。
コンバータ13は、蓄電部12への充電と放電を制御し、昇圧コンバータ3及び/又は蓄電部12から受けた直流電圧を適切な直流電圧に変換してインバータ4に出力する。
インバータ4は、当該出力された直流電圧を交流電圧に変換し、得られた交流電圧をモータ5に出力する。
モータ5は、インバータ4の交流出力により回転制御され、回転駆動力を駆動伝達(変速)機構6に出力する。なお、駆動伝達(変速)機構6が省略される場合、モータ5は、回転駆動力をホイール7に出力する。
ホイール7は、モータ5の回転駆動力により回転する。これにより、X線CT移動検診車100は、自動車走行を行う。
以上が自動車走行時におけるエネルギー消費動作の基本である。これに加え、自動車走行時における減速時(減速走行時)には、X線CT移動検診車100は、エネルギーを回収する回生動作を行う。すなわち、減速時にはホイール7からの回転駆動力が駆動伝達(変速)機構6を介してモータ5を回転させ、モータ5が発電機となって、インバータ4に回生電力を出力する。回生電力は、インバータ4により直流に変換されてコンバータ13に供給される。コンバータ13は、供給された回生電力の電気エネルギー(回生エネルギー)を蓄電部12に充電する。
(2)CT検診時の動作
X線CT移動検診車100では、CT検診時に、図1におけるホイール7以外の各要素が動作する。以下、CT検診時の動作について具体的に説明する。
(2)CT検診時の動作
X線CT移動検診車100では、CT検診時に、図1におけるホイール7以外の各要素が動作する。以下、CT検診時の動作について具体的に説明する。
X線CT移動検診車100では、水素タンク1が水素を貯蔵しており、蓄電部12が電気エネルギーを保存しているとする。ここで、X線CT移動検診車100は、CT検診を開始するとする。
X線CT移動検診車100では、CT検診時に、燃料電池2が、水素タンク1に貯蔵された水素を電気エネルギーに変換して直流電圧を昇圧コンバータ3に出力する。
昇圧コンバータ3は、燃料電池2から出力された直流電圧を昇圧してコンバータ13に供給する。
コンバータ13は、蓄電部12への充電と放電を制御し、昇圧コンバータ3及び/又は蓄電部12から受けた直流電圧を適切な直流電圧に変換してインバータ4、スリップリング30及びコンバータ51に出力する。
コンバータ51は、コンバータ13の直流出力をCT固定部機器52に適した交流電圧及び直流電圧にそれぞれ変換し、CT固定部機器52に供給する。
CT固定部機器52では、供給された交流電圧及び直流電圧により、寝台装置及びコンソール装置が動作する。コンソール装置は、操作者の操作に応じて、X線CT装置の動作を制御する。寝台装置は、コンソール装置に制御され、被検体が載置された天板をCT架台27の回転フレームに囲まれた開口部内に移動させる。
一方、インバータ4は、コンバータ13から出力された直流電圧を交流電圧に変換し、得られた交流電圧をモータ5に出力する。
モータ5は、インバータ4の交流出力により回転制御され、回転駆動力を駆動伝達(変速)機構6を介してX線CT装置の駆動伝達(変速)機構26に出力する。なお、駆動伝達(変速)機構6が省略される場合、モータ5は、回転駆動力をX線CT装置の駆動伝達(変速)機構26に出力する。
駆動伝達(変速)機構26は、モータ5の回転駆動力をCT架台27に伝達する。
CT架台27では、固定フレームに支持された回転フレームが、当該伝達された回転駆動力により回転する。CT架台27内の回転フレームは、互いに対向配置されたX線管33及びX線検出器を支持し、更に、インバータ31、高圧発生器32及びDASを支持している。
一方、回転する回転フレーム内の要素には、コンバータ13から出力された直流電圧がスリップリング30を介して供給される。すなわち、回転フレーム内において、最も電力を必要とするX線発生系統のインバータ31と、その他の系統のDCDCコンバータ41とにスリップリング30を介して直流電圧が供給される。
インバータ31は、スリップリング30より供給される直流電圧を変換し、得られた交流電圧を高圧発生器32に出力する。
高圧発生器32は、インバータ31の出力から直流の高電圧を発生させ、当該高電圧をX線管33に印加する。
X線管33は、当該印加された高電圧によりX線を照射する。
一方、DCDCコンバータ41は、スリップリング30より供給される直流電圧をCT架台内機器42に適した直流電圧に変換する。
CT架台内機器42であるX線検出器及びDAS等は、当該変換された直流電圧により動作する。
X線検出器は、X線管33から照射され、被検体を通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDASへと出力する。
DASは、X線検出器の出力に基づいて検出データを生成する。当該生成された検出データは、非接触型の通信回路を介して回転フレームから固定フレームに出力され、CT固定部機器52に属するコンソール装置へと転送される。
コンソール装置では、転送された検出データに基づいてCT画像データを生成し、CT画像データに基づいてCT画像をディスプレイに表示する。表示されたCT画像は、医師により読影される。あるいは、後日、読影するため、コンソール装置では、生成したCT画像データをメモリに保存する。
以上がCT検診時におけるエネルギー消費動作の基本である。これに加え、CT検診時における減速時(減速回転時)には、X線CT移動検診車100は、エネルギーを回収する回生動作を行う。すなわち、減速時にはCT架台27の回転フレームからの回転駆動力が駆動伝達(変速)機構26,6を介してモータ5を回転させ、モータ5が発電機となって、インバータ4に回生電力を出力する。回生電力は、インバータ4により直流に変換されてコンバータ13に供給される。コンバータ13は、供給された回生電力の電気エネルギー(回生エネルギー)を蓄電部12に充電する。
上述したように第1の実施形態によれば、蓄電部12が電気エネルギーを蓄電し、コンバータ13が蓄電部12への充電と放電を制御する。ここで、ホイール7は、コンバータ13からの出力に基づいて回転する。また、CT回転部としてのCT架台27の回転フレームは、コンバータ13からの出力に基づいて回転する。
従って、ホイールが回転する自動車走行時と、CT回転部が回転するCT検診時との間で蓄電部12及びコンバータ13を共用した構成により、X線CT移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させることができる。
例えば、図2に示す如き、比較例に係るX線CT移動検診車90の場合、燃料電池自動車(FCV)91にX線CT装置92を搭載した構成となっている。
ここで、燃料電池自動車(FCV)91は、前述同様の水素タンク1、燃料電池2、蓄電部12及びパワーコントロールユニット15からなる電源系統と、モータ5、駆動伝達(変速)機構6及びホイール7からなる駆動系統とを備えている。
また、X線CT装置92は、前述した構成とは異なり、AC電源21からの交流電圧がインバータ24を介してモータ25に供給され、モータ25の回転駆動力が駆動伝達(変速)機構26を介してCT架台27の回転フレームを回転させる。X線CT装置92は、前述した構成とは異なり、スリップリング30とインバータ31との間にAC/DC変換器22を有し、スリップリング30とDCDCコンバータ41との間にAC/DC変換器23を備えている。また、X線CT装置92は、前述した構成とは異なり、AC電源21からの交流電圧をCT固定部機器52に適した交流電圧及び直流電圧にそれぞれ変換して当該CT固定部機器52に供給するコンバータ53を備えている。
しかしながら、比較例に係るX線CT移動検診車においては、燃料電池自動車(FCV)91とX線CT装置92との間で共用する機関(電源系統、駆動系統)がないので、第1の実施形態の効果を得ることができない。
また、特許文献1に係る医療車両(500)は、[0061]及び図13(a)に示すように、車両とCTとの間で水素貯蔵タンク(75)及び燃料電池(73)を共用している。しかしながら、特許文献1に係る医療車両(500)は、燃料電池(73)の出力先が共用されず、車両駆動モータ(77)と架台(7)に分岐している。
一方、第1の実施形態によれば、エネルギー源としての蓄電部12に加え、電力を調整するためのハードウェア資源であるコンバータ13を共用した構成により、特許文献1に係る医療車両に比べ、搭載する物の体積及び重量をより減少させる点で優れている。なお、第1の実施形態によれば、コンバータ13に加え、後述するようにインバータ4、モータ5及び駆動伝達(変速)機構26を共用する構成のように、共用する要素が増えるに従って、より一層優れた効果を奏することができる。
また、第1の実施形態によれば、前述したように、自動車としての機関の一部と、X線CT装置としての機関の一部とを共用するため、共用部分の体積と重量を減少でき、検診車全体のエネルギー利用効率を向上できる。これに加え、内燃機関によらない電気エネルギーを用いる構成により、自動車走行時及びCT検診時の双方において、排気ガスが発生しない。また、エネルギー利用効率を向上でき、排気ガスが発生しないことから、環境負荷を低減させることができる。
また、第1の実施形態によれば、コンバータ13の直流出力を交流変換するインバータ4を更に備えてもよい。ここで、ホイール7は、インバータ4からの出力に基づいて回転してもよく、CT回転部としてのCT架台27の回転フレームは、インバータ4からの出力に基づいて回転してもよい。この場合、前述した構成に加え、自動車走行時とCT検診時との間で、更にインバータ4を共用した構成により、前述した効果を一層、向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、インバータ4により回転制御されるモータ5を更に備えてもよい。ここで、ホイール7は、モータ5からの出力に基づいて回転してもよく、CT回転部としてのCT架台27の回転フレームは、モータ5からの出力に基づいて回転してもよい。この場合、前述した構成に加え、自動車走行時とCT検診時との間で、更にモータ5を共用した構成により、前述した効果を、より一層、向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、駆動輪毎にインバータ4、モータ5及びホイール7を設けてもよい。この場合、各インバータ4が個別にモータ5を回転制御させ、各モータ5が個別にホイール7を回転させる構成のインホイールモータを実装できると共に、前述した効果を同様にして得ることができる。
また、第1の実施形態によれば、駆動輪毎にインバータ4、モータ5及びホイール7を設けてもよい。この場合、各インバータ4が個別にモータ5を回転制御させ、各モータ5が個別にホイール7を回転させる構成のインホイールモータを実装できると共に、前述した効果を同様にして得ることができる。
また、第1の実施形態によれば、水素を貯蔵する水素タンク1と、水素タンク1の水素を電気エネルギーに変換する燃料電池2と、燃料電池2の電圧を昇圧する昇圧コンバータ3と、を更に備えてもよい。ここで、コンバータ13は、蓄電部12の出力と昇圧コンバータ3からの出力とに基づいた出力を行うようにしてもよい。この場合、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3を備えた燃料電池自動車(FCV)において、前述した作用効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態は、第1の実施形態の駆動系統における変形例であり、モータ5を共用する構成に代えて、モータ5をホイール7の回転駆動用に特化し、CT架台27の回転駆動用には、新たなモータ25を備えた構成となっている。
図3は、第2の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態は、第1の実施形態の駆動系統における変形例であり、モータ5を共用する構成に代えて、モータ5をホイール7の回転駆動用に特化し、CT架台27の回転駆動用には、新たなモータ25を備えた構成となっている。
すなわち、X線CT移動検診車100は、前述した構成において、インバータ4により回転制御されるモータ5、25を備えている。ここで、モータ5は、第1モータの一例である。モータ25は、第2モータの一例である。
ホイール7は、第1モータであるモータ5からの出力に基づいて回転する。図3に示す例では、ホイール7は、駆動伝達(変速)機構6から伝達されたモータ5の回転駆動力により回転する。但し、これに限らず、例えば、前述したインホイールモータとして、駆動輪毎にホイール7及びモータ5を設ける場合、駆動伝達(変速)機構6が省略される。
CT架台27の回転フレームは、第2モータであるモータ25からの出力に基づいて回転する。モータ25は、CT架台27と一体又は別体のいずれとして設けてもよい。モータ25がCT架台27と一体の場合には、駆動伝達(変速)機構26が省略可能となる。
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
次に、以上のように構成されたX線CT移動検診車の動作について図3を参照しながら説明する。以下の説明は、前述同様に、(1)自動車走行時の動作と、(2)CT検診時の動作とに分けて行う。
(1)自動車走行時の動作については、第1の実施形態と同様である。
(2)CT検診時の動作については、インバータ4と駆動伝達(変速)機構26との間にモータ25が介在する点を除き、第1の実施形態と同様である。
すなわち、CT検診時の動作においては、前述同様に、コンバータ13は、蓄電部12への充電と放電を制御し、昇圧コンバータ3及び/又は蓄電部12から受けた直流電圧を適切な直流電圧に変換してインバータ4、スリップリング30及びコンバータ51に出力する。
コンバータ51及びCT固定部機器52は、前述同様に動作する。
一方、インバータ4は、コンバータ13から出力された直流電圧を交流電圧に変換し、得られた交流電圧をモータ25に出力する。
モータ25は、インバータ4の交流出力により回転制御され、回転駆動力をX線CT装置の駆動伝達(変速)機構26に出力する。なお、駆動伝達(変速)機構26が省略される場合、モータ25は、回転駆動力をCT架台27に伝達する。
駆動伝達(変速)機構26は、モータ25の回転駆動力をCT架台27に伝達する。
CT架台27は、固定フレームに支持された回転フレームが、当該伝達された回転駆動力により回転する。以下、前述同様に、CT架台27内の各要素と、コンソール装置とが動作して、CT診断が行われる。
また、CT検診時における減速時(減速回転時)には、CT架台27の回転フレームからの回転駆動力が駆動伝達(変速)機構26を介してモータ25を回転させ、モータ25が発電機となって、インバータ4に回生電力を出力する。以下同様に、回生電力は、インバータ4及びコンバータ13を介し、回生エネルギーとして蓄電部12に充電される。
上述したように第2の実施形態によれば、インバータ4により回転制御されるモータ5(第1モータ)及びモータ25(第2モータ)を備えている。ホイール7は、モータ5からの出力に基づいて回転する。CT架台27(CT回転部)は、モータ25からの出力に基づいて回転する。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果のうち、モータを共用した場合の効果を除いた効果を得ることができる。例えば、第2の実施形態によれば、ホイールが回転する自動車走行時と、CT回転部が回転するCT検診時との間で蓄電部12及びコンバータ13を共用した構成により、X線CT移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させることができる。また例えば、第2の実施形態によれば、更にインバータ4を共用した構成により、前述した効果を一層、向上させることができる。また例えば、第2の実施形態によれば、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3を備えた燃料電池自動車(FCV)において、前述した効果を得ることができる。
なお、第2の実施形態は、以下の第1変形例又は第2変形例のように実装してもよい。
第2の実施形態の第1変形例は、図4に示すように、インバータ4と、モータ5又はモータ25との間の電気的な接続を切り替える切り替え機構8を更に備えている。
ここで、切り替え機構8は、X線CT移動検診車100を移動させる場合に、インバータ4とモータ5とを電気的に接続する。また、切り替え機構8は、X線CT移動検診車100によりCT検診を行う場合に、インバータ4とモータ25とを電気的に接続する。なお、切り替え機構8は、切り替え部の一例である。
このような第1変形例によれば、自動車走行時とCT検診時の間で、インバータ4と、モータ5又はモータ25と、の接続を切り替える切り替え機構8を設けた構成により、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
一方、第2の実施形態の第2変形例は、図5に示すように、前述したインバータ4が、自動車走行用のモータ5に接続されたインバータ4-1と、CT検診用のモータ25に接続されたインバータ4-2とを備えている。
ここで、インバータ4-1は、X線CT移動検診車100を移動させる場合に、コンバータ13の直流出力を交流変換する。このインバータ4-1により、第1モータであるモータ5は回転制御される。また、インバータ4-1は、CT検診時にはオフ状態に制御される。なお、インバータ4-1は、第1インバータの一例である。
インバータ4-2は、X線CT移動検診車100によりCT検診を行う場合に、コンバータ13の直流出力を交流変換する。このインバータ4-2により、第2モータであるモータ25は回転制御される。また、インバータ4-2は、自動車走行時にはオフ状態に制御される。なお、インバータ4-2は第2インバータの一例である。
このような第2変形例によれば、自動車走行時にモータ5を回転制御するインバータ4-1と、CT検診時にモータ25を回転制御するインバータ4-2とを備えている。従って、第2変形例によれば、第2の実施形態の効果のうち、インバータを共用した場合の効果を除いた効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第3の実施形態は、第1の実施形態の電源系統における変形例であり、水素タンク1及び燃料電池2などを有する燃料電池自動車(FCV)に代えて、蓄電部12に電気エネルギーを充電する充電機構11を備えた電気自動車(EV)を用いている。
図6は、第3の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第3の実施形態は、第1の実施形態の電源系統における変形例であり、水素タンク1及び燃料電池2などを有する燃料電池自動車(FCV)に代えて、蓄電部12に電気エネルギーを充電する充電機構11を備えた電気自動車(EV)を用いている。
具体的には、図6に示すX線CT移動検診車100は、図1に示した構成に比べ、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3を省略し、充電機構11を更に備えている。
充電機構11は、外部電源から蓄電部12に充電を行う。ここで、外部電源としては、例えば、交流電力を供給する普通充電設備としてもよく、直流大電流を供給する急速充電設備としてもよい。これに伴い、充電機構11は、例えば、外部電源に電気的に接続可能な第1充電口及び第2充電口を備えてもよい。すなわち、外部電源が普通充電設備の場合、充電機構11は、第1充電口から受けた外部電源の出力を変換して直流の電気エネルギーを蓄電部12に充電する。外部電源が急速充電設備の場合、充電機構11は、第2充電口から受けた外部電源の出力を蓄電部12に充電する。この充電機構11による充電は、例えば、自動車走行時以外の時点で行われる。なお、充電機構11は、充電部の一例である。
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
以上のような第3の実施形態によれば、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3に代えて、充電機構11を備えた構成により、第1の実施形態の効果に加え、電源系統の小型化及び軽量化を図ることができる。
<第4の実施形態>
図7は、第4の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第4の実施形態は、第2の実施形態の電源系統における変形例であり、水素タンク1及び燃料電池2などを有する燃料電池自動車(FCV)に代えて、蓄電部12に電気エネルギーを充電する充電機構11を備えた電気自動車(EV)を用いている。
図7は、第4の実施形態に係るX線CT移動検診車の構成の一例を示すブロック図である。第4の実施形態は、第2の実施形態の電源系統における変形例であり、水素タンク1及び燃料電池2などを有する燃料電池自動車(FCV)に代えて、蓄電部12に電気エネルギーを充電する充電機構11を備えた電気自動車(EV)を用いている。
具体的には、図7に示すX線CT移動検診車100は、図3に示した構成に比べ、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3を省略し、充電機構11を更に備えている。
充電機構11は、外部電源から蓄電部12に充電を行う。充電機構11及び外部電源の例としては、第3の実施形態と同様である。この充電機構11による充電は、例えば、自動車走行時以外の時点で行われる。なお、充電機構11は、充電部の一例である。
他の構成は、第2の実施形態と同様である。
以上のような第4の実施形態によれば、水素タンク1、燃料電池2及び昇圧コンバータ3に代えて、充電機構11を備えた構成により、第2の実施形態の効果に加え、電源系統の小型化及び軽量化を図ることができる。
なお、第4の実施形態は、第2の実施形態の第1変形例及び第2変形例に適用してもよい。この場合、第4の実施形態によれば、適用した第1変形例又は第2変形例と同様の効果を得ることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、X線CT移動検診車に搭載する物の体積及び重量を減少させることができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサはメモリに保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1及び図3から図7までの各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 水素タンク
2 燃料電池
3 昇圧コンバータ
4,4-1,4-2,31 インバータ
5 モータ
6,26 駆動伝達(変速)機構
7 ホイール
8 切り替え機構
11 充電機構
12 蓄電部
13,51 コンバータ
27 CT架台
30 スリップリング
32 高圧発生器
33 X線管
41 DCDCコンバータ
42 CT架台内機器
52 CT固定部機器
100 X線CT移動検診車
2 燃料電池
3 昇圧コンバータ
4,4-1,4-2,31 インバータ
5 モータ
6,26 駆動伝達(変速)機構
7 ホイール
8 切り替え機構
11 充電機構
12 蓄電部
13,51 コンバータ
27 CT架台
30 スリップリング
32 高圧発生器
33 X線管
41 DCDCコンバータ
42 CT架台内機器
52 CT固定部機器
100 X線CT移動検診車
Claims (8)
- 電気エネルギーを蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部への充電と放電を制御するコンバータと、
前記コンバータからの出力に基づいて回転するホイールと、
前記コンバータからの出力に基づいて回転するCT回転部と、
を備えるX線CT移動検診車。 - 前記コンバータの直流出力を交流変換するインバータを更に備え、
前記ホイールは、前記インバータからの出力に基づいて回転し、
前記CT回転部は、前記インバータからの出力に基づいて回転する、請求項1に記載のX線CT移動検診車。 - 前記インバータにより回転制御されるモータを更に備え、
前記ホイールは、前記モータからの出力に基づいて回転し、
前記CT回転部は、前記モータからの出力に基づいて回転する、請求項2に記載のX線CT移動検診車。 - 前記インバータにより回転制御される第1モータ及び第2モータを更に備え、
前記ホイールは、前記第1モータからの出力に基づいて回転し、
前記CT回転部は、前記第2モータからの出力に基づいて回転する、請求項2に記載のX線CT移動検診車。 - 前記インバータと、前記第1モータ又は前記第2モータとの間の電気的な接続を切り替える切り替え部、を更に備え、
前記切り替え部は、
前記X線CT移動検診車を移動させる場合に、前記インバータと前記第1モータとを電気的に接続し、
前記X線CT移動検診車によりCT検診を行う場合に、前記インバータと前記第2モータとを電気的に接続する、請求項4に記載のX線CT移動検診車。 - 前記インバータは、
前記X線CT移動検診車を移動させる場合に、前記コンバータの直流出力を交流変換する第1インバータと、
前記X線CT移動検診車によりCT検診を行う場合に、前記コンバータの直流出力を交流変換する第2インバータと、を備えており、
前記第1モータは、前記第1インバータにより回転制御されるモータであり、
前記第2モータは、前記第2インバータにより回転制御されるモータである、請求項4に記載のX線CT移動検診車。 - 水素を貯蔵する水素タンクと、
前記水素タンクの水素を電気エネルギーに変換する燃料電池と、
前記燃料電池の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、を更に備え、
前記コンバータは、前記蓄電部の出力と昇圧コンバータからの出力とに基づいた出力を行う、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のX線CT移動検診車。 - 外部電源から前記蓄電部に充電を行う充電部を更に備えた、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のX線CT移動検診車。
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JP2021119775A JP2023015786A (ja) | 2021-07-20 | 2021-07-20 | X線ct移動検診車 |
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JP2021119775A JP2023015786A (ja) | 2021-07-20 | 2021-07-20 | X線ct移動検診車 |
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JP2023015786A true JP2023015786A (ja) | 2023-02-01 |
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- 2021-07-20 JP JP2021119775A patent/JP2023015786A/ja active Pending
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