JP2023014820A - 車両用電池ユニット制御装置 - Google Patents

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Takashi Yamamoto
敏貴 ▲高▼橋
Toshitaka Takahashi
久未 吉原
Kumi Yoshihara
潔 大路
Kiyoshi Omichi
沙絵子 富岡
Saeko Tomioka
啓介 山下
Keisuke Yamashita
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Abstract

【課題】電流制限の介入頻度を過渡に高くすることなく、大電流充放電による電池の不可逆劣化を抑える。【解決手段】電池ユニット110の大電流充放電中に電池セルの内圧の上昇率が所定値以上になったとき、大電流充放電を禁止するとともに、上記内圧の上昇率が所定値以上になるまでの大電流充放電の継続時間の積算値に基いて、該積算値よりも所定時間短い時間を大電流での充放電の継続を許可する時間として設定する。【選択図】図1

Description

本発明は車両用電池ユニット制御装置に関する。
電気自動車やハイブリッド車に用いられる充放電可能な電池セルでは、大電流での充放電が継続されると、電池の内部抵抗が上昇する劣化(所謂「ハイレート劣化」)を生じることが知られている。大電流充放電の継続時間が短いときに生ずる劣化は一時的なもの(可逆劣化)であり、充放電を休止することで劣化は回復する。しかし、その継続時間が長くなると、充放電を休止しても電池性能が回復しない恒久的な劣化、すなわち、不可逆劣化を生ずる。
特許文献1には、電池の所定期間における充放電電流積算値が所定閾値以上のときに電池が劣化していると判定して、充放電電流値を所定値以下に制限する、すなわち、大電流での長時間の充放電を制限することが開示されている。
特開2021-69142号公報
大電流充放電によって生ずる電池の不可逆劣化を抑える簡易な方法は、大電流充放電の継続許可時間を設定し、その継続許可時間に達したときに大電流での充放電を禁止することである。つまり、不可逆劣化が始まるタイミングの手前で大電流充放電が停止されるように、その継続許可時間を設定するという手法である。
しかし、大電流充放電によって電池の不可逆劣化が始まるタイミングは、電池の経年劣化の状態や、電流値、温度等によって異なる。そのため、大電流充放電の継続時間の制御で不可逆劣化を避けるためには、相当な余裕をもって当該継続許可時間を短く設定しなければならなくなる。その場合、車両の運転状況によっては電流制限の介入頻度が高くなり、例えば、電気自動車にあっては車両の加速運転が制限され、ハイブリッド車にあってはエンジン駆動を強いられて燃費の悪化を招くことになる。
そこで、本発明は、電流制限の介入頻度を過渡に高くすることなく、大電流充放電による電池の不可逆劣化を抑える。
本発明者は、大電流充放電によって不可逆劣化が始まるタイミングと電池セルの内圧が急激に上昇し始めるタイミングに相関関係があることを見出した。この知見に基いて、本発明は、大電流充放電時に上記電池セルの内圧を監視して不可逆劣化の兆しを判定し、その判定に基いて大電流充放電の継続許可時間を設定するようにした。
ここに開示する車両用電池ユニットの制御装置は、その電池ユニットが複数の充放電可能な電池セルが直列に接続されて構成されており、
上記電池ユニットの所定電流値以上の大電流での充放電中の上記電池セルの内圧の状態を検出するセル内圧検出器と、
上記電池ユニットの充放電中において上記大電流での充放電が継続された時間を積算する継続時間積算部と、
上記セル内圧検出器によって検出される上記内圧の上昇率が所定値以上になったか否かを判定する内圧判定部と、
上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定されたときに、上記大電流での充放電を禁止する電流制限部と、
上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定されたときに、この判定時点までに上記継続時間積算部によって積算された上記大電流での充放電継続時間の積算値に基いて、該積算値よりも所定時間短い時間を上記大電流での充放電の継続を許可する時間として設定する継続許可時間設定部とを備えていることを特徴とする。
大電流での充放電が繰り返されると電池セルの内圧が上昇していく。これは、電解液中のイオンの挿入脱離に伴う負極活物質の膨張収縮や電解液の体積膨張等によって、負極活物質層から電解液が流出し、電池セル内において電解液の分布ムラを生ずるためである。この分布ムラを生ずることに伴って電池セルの内部抵抗も上昇していく。この電解液の分布ムラは、それが軽度であるときは、充放電を休止することによって解消するが、その程度が強くなってくると、電池セルの内圧が急激に上昇し始め、充放電を休止しても分布ムラは解消されなくなる。すなわち、電池セルの不可逆劣化を生ずる。
上記車両用電池ユニットの制御装置では、電池セルの内圧の上昇率が所定値以上になったことを判定することによって、電池セルの不可逆劣化の兆しを捉える。この判定があったときには大電流での充放電が禁止されるから(なお、上記所定電流値よりも低い小電流での充放電は禁止されない)、電池セルの不可逆劣化が進んでしまうことは避けられる。
そうして、上記判定があったときは、その時点までの大電流での充放電継続時間の積算値よりも所定時間短い時間が大電流での充放電継続許可時間として設定される。従って、以降は大電流での充放電が不可逆劣化を生ずる少し手前で禁止されることになる。よって、電池セルの不可逆劣化が効率良く抑制される。この場合、上記判定がある度に、大電流での充放電継続許可時間が少しずつ短くなっていくことになる。
上記判定は電池セルの不可逆劣化の兆しを捉えるものであるから、そのときに電池セルの不可逆劣化を生じないとは言い切れないが、不可逆劣化が進むとしてもそれは僅かである。その代わり、その判定によって充放電継続許可時間が設定されたときは、大電流での充放電は電池セルの不可逆劣化を生ずる少し手前までは禁止されない。そのため、大電流充放電の継続時間の管理による電流制限の介入頻度が少なくなる。よって、電気自動車の加速性の悪化やハイブリッド車の燃費悪化を抑制することができる。
ここに、大電流での充放電の継続時間の積算は、大電流での充放電と小電流での充放電が繰り返されるとき、大電流での充放電の継続時間を積算していくことを意味する。
一実施形態では、上記電池ユニットは、上記複数の電池セルが層状に重ねられてその重なり方向に拘束された電池モジュールと、上記電池セルに加わる拘束荷重を変える拘束荷重可変機構とを備え、
上記大電流での充放電中に上記セル内圧検出器によって検出される上記電池セルの内圧が所定の内圧閾値以上になったときに、上記電池セルに加わっている拘束荷重が低下するように上記拘束荷重可変機構を作動させる拘束荷重制御部を備え、
上記内圧判定部は、上記拘束荷重可変機構が上記拘束荷重を低下させた後に、上記セル内圧検出器によって検出される上記内圧の上昇率が所定値以上になったか否かを判定する。
上述の如く、電池セルの不可逆劣化(電解液の分布ムラ)は負極活物質からの電解液の流出によって生ずる。これに対して、電池セルの内圧が所定の内圧閾値以上になると、電池セルに加わっている拘束荷重が低下するから、拘束荷重を低下させない場合に比べて、電解液の流出量が少なくなる。すなわち、電池セルの劣化の進行が緩やかになる。当該実施形態では、拘束荷重を低下させて劣化の進行が緩やかになるようにした状態で、電池セルの内圧の上昇率を判定する。従って、この判定の度に電池セルの不可逆劣化が進んでしまうことが軽減される。
一実施形態では、上記拘束荷重が低下するように上記拘束荷重可変機構を作動させる上記内圧閾値は、上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定される度に所定値高い値に変更される。
電池セルはその劣化が進むにつれて内圧が高くなっていくから、この劣化に対応して内圧閾値を高めていく趣旨である。これにより、電池セルの内圧上昇率の判定前の拘束荷重の低減を不必要に早めてしまうことが避けられ、電解液中のイオンの析出防止等の拘束効果が低下することが抑制される。
一実施形態では、上記電池セルの充放電履歴から上記電池セルの寿命が予定よりも短命になるか否かを予測する電池寿命予測部を備え、
上記継続許可時間設定部は、上記電池寿命予測部によって上記電池セルの短命が予測されたときは、上記大電流での充放電の継続許可時間を予め定めた最小時間に設定し、上記電池セルの短命が予測されないときに、上記大電流での充放電継続時間の積算値に基いて上記大電流での充放電の継続許可時間を設定する。
上述の如く、電池セルの内圧の上昇率が所定値以上になったことの判定は電池セルの不可逆劣化の兆しをみることから、その判定が度々繰り返されると電池セルの不可逆劣化が進むことになる。そこで、電池セルの短命が予測されるときは、上記判定による継続許可時間の設定ではなく、予め定めた最小の継続許可時間を設定する。これにより、判定に伴う上記不可逆劣化の進行が抑えられ、電池セルの延命に有利になる。例えば、車両を大電流充放電で運転する頻度が高いケースでは、電池セルが短命になり易いところ、上記判定によって電池寿命がさらに短くなることが避けられる。
本発明によれば、電池セルの内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定されたときに、その判定までの大電流での充放電継続時間の積算値よりも所定時間短い時間が大電流での充放電継続許可時間として設定されるから、以降は大電流での充放電は不可逆劣化を生ずる少し手前で禁止されることになり、大電流充放電の継続時間の管理による電流制限の頻度が少なくなから、電気自動車の加速性の悪化やハイブリッド車の燃費悪化を抑制することができる。
車両用電池ユニット及びその制御装置を搭載したハイブリッド車の全体構成図。 電池セルの拘束機構を示す説明図((a)は拘束荷重付与前の状態を示し、(b)は拘束荷重を付与した状態を示す。)。 大電流充放電の継続による電池内部抵抗の上昇率の変化を示す概念図。 大電流充放電の継続によるセル反力の上昇を示すグラフ図。 ハイレート劣化の進行に伴う電解液の移動を示す概念図。 大電流充放電のサイクル数が増大していくときのセル反力の上昇状態の変化を示すグラフ図。 大電流充放電後に充放電を休止したときの拘束荷重制御の有無による電池抵抗上昇率の変化の違いを示すグラフ図。 電池ユニットの制御のフロー図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態は本発明のハイブリッド車への適用である。
<ハイブリッド車の全体構成>
図1に示すように、ハイブリッド車100は、車輪10と、車軸12と、エンジン20と、トランスミッション30と、モータ40と、インバータ50と、電池ユニット110と、電池ユニット110を制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)70とを備えている。このハイブリッド車100は、パラレル式であり、エンジン20及びモータ40は車両の駆動力を出力する駆動源として機能し、運転条件に応じて、エンジン20のみによる走行、エンジン20とモータ40の双方による走行、あるいは、モータ40のみによる走行が実現される。
エンジン20はトランスミッション30を介して車軸12に連結されている。エンジン20は、例えばガソリンエンジンである。モータ40は、車軸12に連結されているとともに、インバータ50を介して電池ユニット110の電池モジュール60に接続されている。モータ40には、電池モジュール60の電力がインバータ50にて交流電力に変換された後供給される。モータ40は、電力供給を受けて電動機として機能して、車軸12を回転させる。モータ40は、ハイブリッド車100の減速時に回生動作を行なうことにより、発電機としても機能して電池モジュール60に充電する。
<電池ユニット>
電池ユニット110は上記電池モジュール60と電池セル拘束機構80を備えている。図2に示すように、電池モジュール60は、充放電可能な複数の電池セル62を備え、この複数の電池セル62は層状に重ねられている。具体的には、複数の電池セル62は、所定の方向D(本実施形態では水平方向)に重なった状態で直方体のケーシング61に収容され、隣接する2つの電池セル62の間にはバネ65が介装されている。重なり方向Dの両端の電池セル62とケーシング61の縦壁との間にはエンドプレート66が設けられている。
相隣る電池セル62はバスバー64によって直列接続されている。各バスバー64は、隣接する電池セル62の電極端子63に電気的に接続される一対の接続部64aと、一対の接続部64a間に渡された可撓性を有する電線64bとを備えている。
拘束機構80は、複数の電池セル62をその両端のエンドプレート66によって重なり方向Dに拘束する。拘束機構80は、一方のエンドプレート66を重なり方向Dに進退させることによって電池セル62に加わる拘束荷重を変える拘束荷重可変機構81を備えている。
拘束荷重可変機構81は、一方のエンドプレート66に結合された押圧ギア84と、当該押圧ギア84に噛み合って押圧ギア84を軸方向に進退させるように回転する駆動ギア86と、駆動ギア86を回転駆動するモータ85とを備えている。押圧ギア84の進退によって一方のエンドプレート66が進退し、複数の電池セル62に加わる拘束荷重が変わる。モータ85の作動が拘束荷重制御部82によって制御される。
一方のエンドプレート66と端の電池セル62の間には、セル内圧検出器としての面圧センサ67が設けられている。面圧センサ67は、電池セル62に対する拘束荷重の働く方向と逆方向に働くセル反力を検出する。このセル反力は電池セル62の内圧に対応する。面圧センサ67はその面内に複数個のセンシングポイントを有する。
電池セル62は電極捲回体を扁平な電池ケースに収容してなる。電池ケースのの上面に、電極端子63及びガス安全弁(図示省略)が設けられている。電極捲回体は、正極シート及び負極シートがシート状のセパレータを介して互いに絶縁した状態で捲回されたものである。
正極シートは、コバルト酸リチウム等の正極活物質、結着剤及び導電助剤を混合してアルミニウム箔等の集電体に塗布してなる。負極シートは、黒鉛系炭素材料等の負極活物質、結着剤及び導電助剤を混合して銅箔等の集電体に塗布してなる。セパレータ13は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の微多孔性フィルムよりなり、有機化合物を主成分とする非水電解液が含浸される。非水電解液は、非水溶媒にリチウム塩(支持電解質)を溶解してなり、必要に応じて添加剤が添加される。
なお、上記電池セル62は捲回型であるが、複数の正極シートと複数の負極シートを、正極シートと負極シートの間にセパレータを挟んで交互に積層した積層型であっても、他の形態であってもよく、本発明は電池セル62の形態を問題にするものではない。
<電池ユニットの制御装置>
電池ユニット110は制御装置70によって制御される。図1に示すように、制御装置70は、電池モジュール60の充放電中において所定電流値Ioを越える大電流での充放電が継続された時間を積算する継続時間積算部71、セル内圧判定部72、電流制限部73、電池寿命予測部74、継続許可時間設定部75、並びに上述の拘束荷重制御部82を備えている。
図3は、電池モジュール60が上記大電流で充放電されるときの電池セル62の劣化に伴う内部抵抗の上昇を模式的に示す。電池セル62の劣化には、負極表面に樹脂薄膜が成長して内部抵抗が上昇する不可逆な通常劣化と、大電流での充放電の継続に伴ってLiイオンの濃度分布の偏りを生じて内部抵抗が上昇するハイレート劣化がある。ハイレート劣化には、充放電の停止(電池の休止)によって上記濃度分布の偏りが解消される可逆的劣化(一時的な劣化)と、大電流での充放電の継続時間が長くなったときに生ずる、電池の休止では上記偏りが解消されず内部抵抗が上昇したままとなる不可逆劣化とがある。不可逆劣化を生じ始めると、内部抵抗の上昇が急になる。
不可逆的なハイレート劣化を防止しつつ、できる限り大電流充放電を継続できるようにするには、電池の内部抵抗を監視し、その内部抵抗が急上昇するタイミングで大電流充放電の継続を止めるようにすればよい。しかし、そのタイミングは運転条件等によって変化し、これを捉えることは難しい。これに対して、大電流充放電の継続時間に閾値を設けて、当該不可逆劣化を生ずる前に大電流充放電の継続を止める電流制限をかければよいが、不可逆劣化を生じ始めるタイミングは、電池の運転条件や劣化度合い等によって異なる。そのため、不可逆劣化を防止するには、早めに大電流充放電の継続が止まるように時間閾値を設定しなければならず、大電流充放電を長く継続することができなくなる。
そこで、本発明者は、電池セル62のハイレート劣化が進むときにセル反力(セル内圧)が増大していくという知見に基いて、大電流充放電の継続時間が長くなるときのセル反力の変化を調べた。結果を図4に示す。大電流充放電の継続が進むとき、当初時点Aから暫くはセル反力の上昇が緩やかであるが、途中Bからセル反力が急激に上昇していく。調べると、このセル反力が急激に上昇し始めるタイミングと不可逆なハイレートが始まるタイミングは対応していることがわかった。
図5に示すように、大電流充放電が継続されるとき、当初(A)は電極捲回体62aの全体が電解液62bに浸っている状態にあるので、負極の全体で電池反応が進行する。大電流放電が進んでくると、負極活物質へのLiイオンの挿入に伴って、電解液が負極活物質から押し出されて電池ケースの端の方に流出していく。すなわち、電解液が電極捲回体62aの捲回軸方向の両端側に移動して電極中央側(捲回軸方向の中央側)では電解液が少なくなり、負極の反応面積が低下していく(B)。大電流充放電がさらに進むと、電極中央部では電解液が枯竭したような状態になって反応面積が大きく低下する(C)。
このように、大電流充放電が進むにつれてハイレート劣化が進むのは、電解液の流出によって負極の反応面積が少なくなっていくためである。電解液が電極端部側に流出することによって、電池セル62の内圧、すなわち、セル反力が上昇していく。
本発明者は、不可逆なハイレート劣化を生じ始めるタイミングと電池セル62の内圧が急激に上昇し始めるタイミングに相関関係があることを見出した。本発明者は、さらに、大電流充放電のサイクル数が増大していくときのセル反力を調べた。ここでいうサイクル数は、車両の運転が開始され大電流充放電が1回以上行なわれて運転が終了したときに、これを1サイクルとしてカウントする数である。図6に示すように、大電流充放電のサイクル数が増大するにつれて、セル反力が高くなっていくとともに、セル反力が急激に上昇するタイミングが早くなっていく。
また、図4に下向き矢符で示すセル反力が急上昇し始めるタイミング(不可逆なハイレート劣化が始まるタイミング)で電池セル62に加わっている拘束荷重を低下させ、その後、充放電を休止したときの、電池セル62の抵抗上昇率を調べた。結果を図7に示す。拘束荷重を低下させないケースでは、大電流充放電時間が長くなるほど、抵抗上昇率が大きく上昇している。これに対して、拘束荷重を低下させたケースでは、大電流充放電時間が長くなっても抵抗上昇率はそれほど大きくならず、充放電を休止した後に最終的に落ち着く抵抗上昇率も、拘束荷重を低下させないケースよりも小さい。すなわち、不可逆劣化の程度が低い。
本発明者は、上述の如く、不可逆なハイレート劣化が始まるタイミングと電池セル62の内圧が急激に上昇し始めるタイミングに相関関係があることを見出し、また、内圧が急上昇するタイミングで電池セル62に加わっている拘束荷重を小さくすると、当該不可逆劣化が抑制されることを見出した。本発明は、これら現象を電池モジュール60の制御に活用することで、電流制限の介入頻度を最小化できるようにしている。
以下、電池ユニットの制御装置70について具体的に説明する。
継続時間積算部71は、電池モジュール60の充放電中において、所定のサンプリング期間(例えば0.1~1秒)毎に電池モジュール60の充放電電流値Iを取得し、この充放電電流値Iが予め設定された電流値Io以上である(大電流充放電)ときの継続時間を求め、大電流充放電が行なわれるたびに、その継続時間を積算してく。
セル内圧判定部72は、上記大電流での充放電中において、面圧センサ(セル内圧検出器)67によって検出される電池セル62の内圧Pが所定の内圧閾値Poに到達したか(P≧Po)否かを判定する。また、セル内圧判定部72は、内圧Pが所定の内圧閾値Po以上になっことを判定し、且つ拘束荷重制御部82によって後述の拘束荷重低減制御がされたときに、内圧Pの上昇率Prが所定値Pro以上になったか否かを判定する。
電流制限部73は、継続時間積算部71によって積算された大電流充放電の継続時間の積算値Tが継続許可時間設定部74によって設定される後述の閾値以上になったとき、充放電の電流値Iが上記所定電流値Io以下になるように電流制限する(上記大電流での充放電の禁止)。また、電流制限部73は、セル内圧判定部72によって電池セル62の内圧の上昇率Prが所定値Pro以上になったことが判定されたときに、同様に電流制限する(上記大電流での充放電の禁止)。
電池寿命予測部74は、電池モジュール60の充放電履歴(充放電の電流値及び時間)に基いて、電池セル62が予定よりも短命になるか否かを予測する。具体的には、充放電履歴からEOL(End of Life:電池寿命末期)のSOH(States Of Health)を予測し、このEOLのSOHが保証SOH(例えば30%)以下であるとき、電池セル62が短命になると予測する。
継続許可時間設定部75は、電池寿命予測部74によって電池セル62の短命が予測されたとき、上記大電流での充放電の継続を許可する時間閾値として、最小時間を設定する。一方、電池セル62の短命が予測されないときは、セル内圧判定部72によって電池セル62の内圧の上昇率Prが所定値Pro以上になったことが判定されたときに、上記大電流での充放電継続時間の積算値Tに基いて上記大電流での充放電の継続を許可する時間閾値を設定する。この場合、当該積算値Tよりも所定時間短い時間が大電流充放電の継続を許可する時間閾値として設定される。
拘束荷重制御部82は、電解液中のイオンが負極に析出することを防止する等のために、電池セル62に対して所定の拘束荷重が付与されるように、拘束荷重可変機構81を機能させる。そうして、上記大電流での充放電中に電池セル62の内圧Pが所定の内圧閾値Po以上になっことをセル内圧判定部72が判定したときは、電池セル62に加わっている拘束荷重が所定荷重低下するように、拘束荷重可変機構81を作動させる。上記拘束荷重が低下するように上記拘束荷重可変機構を作動させる上記内圧閾値Poは、セル内圧判定部72によって上記内圧の上昇率Prが所定値Pro以上になったことが判定される度に所定値高い値に変更される。図6に示すように、大電流充放電のサイクル数が増大するにつれてセル反力が高くなっていくためである。
(制御の流れ)
制御の流れを図8に示す。スタート後のステップS1において、電池モジュール60の充放電履歴からEOL(End of Life:電池寿命末期)のSOH(States Of Health)が予測される。このEOLのSOHが保証SOH以下である(電池の短命が予測される)ときはステップS2に進んで、大電流での充放電の継続を許可する時間閾値として、短い最小時間を設定される。続くステップS3において充放電電流値Iが取得され、続くステップS4において、充放電電流値Iが所定値Ioを越えるか(大電流充放電)否かが判定される。ステップS1においてEOLのSOHが保証SOHよりも大きい(電池の短命が予測されない)ときは、上記時間閾値を設定することなく、ステップS3に進む。
ステップS4で大電流充放電と判定されたときはステップS5に進み、大電流充放電の継続時間が積算される。続くステップS6において、その積算値Tが閾値以上になった(No)と判定されると、ステップS7に進んで充放電の電流値Iが所定電流値Io以下になるように電流制限される(大電流充放電の禁止)。ステップS4で大電流充放電でないと判定されたときは、ステップS8に進んで車両の運転終了(IG-OFF)か否かが判定され、運転終了であれば当該制御は終了し、運転終了でなければ、ステップS3に戻って大電流充放電の監視が継続される。
ステップS6において積算値Tが閾値に達していない(Yes)と判定されると、ステップS9に進んでセル反力Pが内圧閾値Poに到達したか否かが判定される。到達しているときは、ステップS10に進んで電池セル62に加わっている拘束荷重が所定値低減される。そして、続くステップS11においてセル反力の上昇率Prが所定値Pro以上になったか否か判定される。
セル反力の上昇率Prが所定値Pro以上になったときは、不可逆なハイレート劣化の兆しがあるとしてステップS12に進み、充放電の電流値Iが所定電流値Io以下になるように電流制限される(大電流充放電の禁止)。続くステップS13において、セル反力の上昇率Prが所定値Pro以上になった時点までの大電流充放電継続時間の積算値Tに基いて、その積算値Tよりも所定時間短い時間(すなわち、少し短い時間)が大電流充放電の継続を許可する閾値として設定される。併せて、セル反力Pの内圧閾値Poとして、今回の閾値よりも所定値高い圧が設定される。
ステップS9においてセル反力Pが内圧閾値Poに到達していないときは、ステップS14に進んで車両の運転終了(IG-OFF)か否かが判定され、運転終了であれば当該制御は終了し、運転終了でなければ、ステップS5に戻って大電流充放電継続時間の積算が続行される。
上記制御によれば、大電流充放電の継続が許可される時間閾値は、電池の短命が予測されたとき(EOLのSOH≦保証SOH)に最小時間が設定され、短命が予測されないときに最小時間よりも長い時間閾値が設定される。この長い時間閾値は、セル内圧の上昇率Prが所定上昇率Pro以上になったことを判定して設定するところ、その判定は不可逆なハイレート劣化の兆しをみる。そのため、当該長い時間閾値の設定のために電池の不可逆劣化が僅かではあるが進む懸念がある。そこで、電池の短命が予測されるときは、電池の延命の観点から、大電流充放電の継続許可時間として最小値を設定し、不可逆なハイレート劣化を招くことを避ける。
電池の短命が予測されないときの大電流充放電の継続許可時間閾値は、セル反力Pの上昇率Prが所定値Pro以上になった時点までの大電流充放電の継続時間の積算値Tに基いて設定される。すなわち、その積算値Tよりも所定時間短い時間が大電流の充放電の継続を許可する時間閾値として設定される。セル反力Pの上昇率Prが所定値Pro以上になった時点は、不可逆なハイレート劣化の兆しが現れた時点である。この閾値設定により、以降は不可逆なハイレート劣化の兆しが現れる少し手前で電流制限されることになる。大電流充放電によって不可逆なハイレート劣化が進むことを阻止する趣旨である。
セル内圧の監視によって不可逆なハイレート劣化の兆しを捉えて大電流充放電の継続許可時間閾値を設定するから、不可逆劣化を招かない限界に近い時間まで大電流充放電を継続することができるようになる。よって、大電流充放電の継続時間の管理による電流制限の介入頻度が少なくなる。このため、車両の燃費悪化を抑制することができる。
上記積算値Tに基づく大電流充放電の継続許可時間閾値の設定後の充放電において、その閾値に達するまでにセル反力Pの上昇率Prが所定値Pro以上になったときは、その時点で電流制限され、その時点までの積算値Tに基いて新たな時間閾値が設定される。この場合の積算値Tは、先の時間閾値設定における積算値Tよりも時間的に短い。従って、セル反力Pの上昇率Prの監視による当該時間閾値の設定では、その設定の度に、大電流での充放電継続許可時間が少しずつ短くなっていくことになる。
また、上記制御では、上述のセル反力Pの上昇率Prの判定は、セル反力Pの閾値Poへの到達に基いて電池セル62に加わっている拘束荷重が低減された後に行なわれる。この拘束荷重の低減により、負極活物質からの電解液の流出量が少なくなる。すなわち、電池セル62の不可逆劣化の進行が緩やかになる。このように、不可逆劣化の進行が緩やかになるようにした状態で、セル内圧の上昇率を判定して大電流充放電の継続許可時間閾値の設定を行なうから、この閾値の設定の度に電池セル62の不可逆劣化が進んでしまうことが軽減される。
また、上記制御では、上記拘束荷重を低下させるセル内圧閾値Poは、大電流充放電の継続許可時間閾値の設定(セル内圧の上昇率が所定値以上になったことの判定)の度に所定値高い値に変更される。図6に示すように、電池セル62はその劣化が進むにつれて内圧が高くなっていくから、この劣化に対応して内圧閾値Poを高めていく趣旨である。これにより、電池セル62の拘束荷重の低減を不必要に早めてしまうことが避けられ、電解液中のイオンの析出防止等の拘束効果が低下することが抑制される。
なお、本発明の電池ユニットの制御装置は、上記のようにハイブリッド車100だけでなく、電気自動車(EV)にも適用可能である。
60 電池モジュール
62 電池セル
67 面圧センサ(セル内圧検出器)
70 制御装置
71 継続時間積算部
72 セル内圧判定部
73 電流制限部
74 電池寿命予測部
75 継続許可時間設定部
81 拘束荷重可変機構
82 拘束荷重制御部
100 車両
110 電池ユニット

Claims (4)

  1. 複数の充放電可能な電池セルが直列に接続されて構成された車両用電池ユニットの制御装置であって、
    上記電池ユニットの所定電流値以上の大電流での充放電中の上記電池セルの内圧の状態を検出するセル内圧検出器と、
    上記電池ユニットの充放電中において上記大電流での充放電が継続された時間を積算する継続時間積算部と、
    上記セル内圧検出器によって検出される上記内圧の上昇率が所定値以上になったか否かを判定する内圧判定部と、
    上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定されたときに、上記大電流での充放電を禁止する電流制限部と、
    上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定されたときに、この判定時点までに上記継続時間積算部によって積算された上記大電流での充放電継続時間の積算値に基いて、該積算値よりも所定時間短い時間を上記大電流での充放電の継続を許可する時間として設定する継続許可時間設定部とを備えていることを特徴とする車両用電池ユニット制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記電池ユニットは、上記複数の電池セルが層状に重ねられてその重なり方向に拘束された電池モジュールと、上記電池セルに加わる拘束荷重を変える拘束荷重可変機構とを備え、
    上記大電流での充放電中に上記セル内圧検出器によって検出される上記電池セルの内圧が所定の内圧閾値以上になったときに、上記電池セルに加わっている拘束荷重が低下するように上記拘束荷重可変機構を作動させる拘束荷重制御部を備え、
    上記内圧判定部は、上記拘束荷重可変機構が上記拘束荷重を低下させた後に、上記セル内圧検出器によって検出される上記内圧の上昇率が所定値以上になったか否かを判定することを特徴とする車両用電池ユニット制御装置。
  3. 請求項2において、
    上記拘束荷重が低下するように上記拘束荷重可変機構を作動させる上記内圧閾値は、上記内圧判定部によって上記内圧の上昇率が所定値以上になったことが判定される度に所定値高い値に変更されることを特徴とする車両用電池ユニット制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記電池セルの充放電履歴から上記電池セルの寿命が予定よりも短命になるか否かを予測する電池寿命予測部を備え、
    上記継続許可時間設定部は、上記電池寿命予測部によって上記電池セルの短命が予測されたときは、上記大電流での充放電の継続許可時間を予め定めた最小時間に設定し、上記電池セルの短命が予測されないときに、上記大電流での充放電継続時間の積算値に基いて上記大電流での充放電の継続許可時間を設定することを特徴とする車両用電池ユニット制御装置。
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