JP2023012880A - 位置センサ - Google Patents

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佳嗣 川村
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寿幸 高橋
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Abstract

【課題】外部のノイズ発生源、特にパルス信号で制御される同期モータ、が影響する環境下においても、誤検出を回避し、高速で高性能な位置検出が可能な位置センサを提供する。【解決手段】位置センサは、励磁コイルと検出コイルを有するセンサ部と、CPUとDACとADCを有する制御部とを備えている。DAC及びADCは同一のクロック信号により同期して動作し、励磁コイルには、DACにより生成された励磁信号が印加される。制御部は、検出コイルからの出力信号を、励磁信号の所定のタイミングに同期して検出し、出力信号と励磁信号とからセンサ部と被測定対象物との距離を算出することが可能であり、さらに制御部は、モータのコントローラから制御パルス信号を入力し、予測されるノイズ発生時刻でのセンサ部と被測定対象物との距離の出力を回避する。【選択図】図1

Description

本発明は、位置センサに関するものである。
パルス信号により制御されるリニアモータやステッピングモータ等の同期モータは、デジタル制御可能なモータとして広く用いられている。このような電動モータは、磁界の変化にともない、周囲に電気ノイズを発生させることがある。
モータにより駆動された対象物の位置制御等の目的で、モータとともに位置検出装置を使用する場合、この電気ノイズは誤検出を招くおそれがある。リニアスケールを設け光学式位置検出装置を採用することにより電気ノイズを回避することは可能であるが、光学式位置検出装置は一般に高額であり、製造コスト低減のために磁気式位置検出装置の採用が要望される。
例えば、特許文献1は、磁気式位置検出装置を用いた、カーテン等の開閉装置のリニアモータの制御について開示する。発生するノイズの特性を利用し、ノイズと判断すべき検出信号を無効化する回路を用いて誤検出を回避する方法を開示する。
また、差動接続したコイルを用いてノイズを相殺する磁気式位置検出装置が知られている。(例えば特許文献2、3)
特開平9-51688号公報 特開2020-173232号公報 特開2019-15657号公報
特許文献1のように、ノイズと予想される検出信号を無効化する方法では、電子回路が複雑になるという問題があり、またこの方法を利用できる条件が非常に限られてしまうという問題がある。
差動接続を用いた位置検出装置の場合、検出器の構成が複雑になるため、一般に小型化が困難になるという問題がある。
また、ノイズフィルター回路によりノイズを回避することは可能であるが、ノイズフィルタ回路は、実質的に積分回路であり、検出器の応答性が低下することがある。
本発明は、外部のノイズ発生源、特にパルス信号で制御される同期モータ、が影響する環境下においても、高速で高性能な位置検出が可能であり、また低コストで、小型化が可能な位置センサの提供を課題とする。
本発明にかかる位置センサは、
励磁コイル及び検出コイルを有するセンサ部と、制御部とを備え、
前記制御部は、演算処理部とデジタルアナログ変換器とアナログデジタル変換器とを有し、
前記演算処理部と前記デジタルアナログ変換器と前記アナログデジタル変換器とはいずれも同一のクロック信号により同期して動作し、
前記励磁コイルには、前記デジタルアナログ変換器により生成された励磁信号が印加され、
前記演算処理部は、前記検出コイルからの出力信号を、前記励磁信号の所定のタイミングと同期して、前記アナログデジタル変換器により検出し、
同期して検出した前記出力信号と前記励磁信号とから前記センサ部と被測定対象物との距離を算出して出力することが可能であり、
前記制御部は、
パルス信号により制御可能なモータへ制御パルス信号を生成するコントローラから前記制御パルス信号を入力し、
前記制御パルス信号から前記モータ起因のノイズ発生時刻を予測し、前記ノイズ発生時刻での前記センサ部と前記被測定対象物との距離の出力を回避することを特徴とする。
このような位置センサの構成とすることにより、パルス信号により制御されるモータに起因したノイズの影響を回避しながら、位置検出が可能となる。
本発明にかかる位置センサは、
複数のセンサ部と、制御部とを備え、
前記複数のセンサ部のそれぞれは、励磁コイル及び検出コイルを有し、
前記制御部は、演算処理部とデジタルアナログ変換器とアナログデジタル変換器とを有し、
前記演算処理部と前記デジタルアナログ変換器と前記アナログデジタル変換器とはいずれも同一のクロック信号により同期して動作し、
前記制御部は、前記複数のセンサ部から1つの指定センサ部を順次選択し
前記指定センサ部の前記励磁コイルには、前記デジタルアナログ変換器により生成された励磁信号が排他的に印加され、
前記演算処理部は、前記指定センサ部の検出コイルからの出力信号を、前記励磁信号の所定のタイミングと同期して、前記アナログデジタル変換器により検出し、
前記指定センサ部からの前記出力信号と前記指定センサ部へ印加した前記励磁信号とから、前記指定センサ部と被測定対象物との距離を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる位置センサは、
前記制御部は、
パルス信号により制御可能なモータへ制御パルス信号を生成するコントローラから前記制御パルス信号を入力し、
前記制御パルス信号から前記モータ起因のノイズ発生時刻を予測し、前記ノイズ発生時刻での前記指定センサ部と前記被測定対象物との距離の出力を回避することを特徴とする。
このような構成の位置センサとすることにより、複数のセンサ部が互いに干渉し合い、ノイズ発生原因となって、誤検出を招くことを防止することができる。
また、外部モータのノイズの影響も回避することも可能となる。
また、本発明にかかる位置センサは、
前記励磁信号がピークとなるタイミングで前記出力信号を検出することを特徴とする。
位置センサは、励磁信号に正確に同期して検出コイルの出力信号を検知することで、高速に、ノイズの影響が極力少ない状態で、被測定物対象物の位置を検出することができる。
シンプルな回路構成により位置センサを構成することができ、小型化、低コスト化を実現することも可能となる。
励磁信号が、ピーク、すなわち極大又は極小となるタイミングで、位置の検出が可能である。
また、本発明にかかる位置センサは、
前記励磁信号が階段関数からなる三角波であることを特徴とする。
デジタルアナログ変換器に生成される階段関数からなる三角波を励磁信号として使用するため、位相ずれがなく検出コイルの出力信号を検知することにより、正確に高速に位置検出が可能となる。
また、本発明にかかる位置センサは、
前記制御部は、前記出力信号を平均化することを特徴とする。
デジタルアナログ変換器により生成される特別な励磁信号を用い、励磁信号と同期して出力信号を検出することができるため、検出コイルの出力信号のノイズの低減のための平均化手法が容易となる。
本発明は、外部のノイズ発生源、特にパルス信号で制御される同期モータ、が影響する環境下においても、高速で高性能な位置検出が可能であり、また低コストで、小型化が可能な位置センサの提供が可能となる。
図1(A)は、実施形態1の位置センサ(位置検出装置)1の主な構成を示す構成図であり、図1(B)、(C)はセンサ部5を示す模式図である。 図2は、DAC42から出力された励磁信号の例を示すグラフである。図2(A)は励磁信号が三角波である例を示すグラフであり、図2(B)はその一部を拡大したグラフであり、図2(C)は励磁信号が鋸波である例を示すグラフである。 図3は、励磁コイル2に印加した励磁信号と、検出コイル3から出力された出力信号の実測値を示すグラフである。図3(A)は励磁信号の周波数が1kHz、図3(B)は励磁信号の周波数が2kHzの例を示す。 図4は、ピーク位置P近傍の階段状の励磁信号を示すグラフである。 図5は、平均化手法3を説明するためのグラフであり、複数のピークを有する励磁コイル2の励磁信号と検出コイル3の出力信号との対応、及びピーク-ピーク間隔を示すグラフである。 図6(A)は、モータ9の駆動時に電源ラインに発生するノイズを示すグラフ、図6(B)はモータ9の例であるリニアモータの主要構成図である。 図7(A)は、センサ部5に印加する励磁信号と、センサ部5からの出力信号と、予測されるノイズ発生時刻を示すグラフである。図7(B)は、ノイズ回避のため、ノイズ発生時刻と重なるピークを含む励磁信号の三角波を排除した励磁信号を示すグラフである。 図8(A)は複数のセンサ部5a、5b、5c、5dを備えた位置センサ1の主要構成を示す概念図である。図8(B)は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dに印加する励磁信号の例を示すグラフである。(実施形態2)
(実施形態1)
図1(A)は、実施形態1の位置センサ(位置検出装置)1の主な構成を示す構成図であり、図1(B)、(C)はセンサ部5を示す模式図である。
以下、図1を参照し、位置センサ1について説明する。
なお、位置センサ1は、センサ部5と被対象物6との距離を測定することにより、センサ部5の位置から被対象物6の位置を検出できる。そのため、「位置」と「距離」とを同意として記載することがある。
位置センサ1は、励磁コイル2と検出コイル3とを有するセンサ部5及び制御装置4(センサ制御部)を備えている。
また、図1(B)、(C)に示すように、センサ部5は励磁コイル2及び検出コイル3を備えている。図1(B)は、励磁コイル2と検出コイル3とを直列に配置した例を示し、図1(C)は、検出コイル3の外周に励磁コイル2を配置した例を示す。励磁コイル2と検出コイル3と配置は、いずれの配置を用いてもよい。センサ部5を設置する場所、用途に応じて、励磁コイル2と検出コイル3との配置は適宜選択することができる。
センサ部5は、コンデンサ(容量)を含まない構成とすることができ、RL回路で構成され得る。
制御装置4は、励磁コイル2に入力信号を供給するとともに、検出コイル3からの出力信号を入力し、センサ部5と被測定対象物6との距離、すなわち位置情報又は位置情報を反映した電気信号に変換し、外部に出力する。
制御装置4は、CPU(演算処理部)41、DAC(デジタルアナログ変換器)42、ADC(アナログデジタル変換器)43、記憶装置44及びIO(入出力部)45を備えた1つの半導体装置で構成され、同一のクロック信号により、CPU41とDAC42とADC43とがいずれも同期して動作する。
なお、クロック信号は、制御装置4に内蔵された発振器により生成された信号をクロック源として生成されてもよいが、外部の水晶発振器等の発振器により生成された信号をクロック源として生成されてもよい。
CPU41とDAC42とADC43とが同一のクロック信号により同期して動作すれば、クロック信号の生成回路は公知のいずれの回路を使用してもよい。なお、位置センサ1の小型化の観点からは、内蔵発振器を用いることが好適である。
CPU41は記憶装置44に保存されたプログラムに従ってDAC42、ADC43を動作させるとともに、ADC43から出力された信号を処理し、処理結果を記憶装置44に保存することができる。
制御装置4のIO45を介して、CPU41は外部との通信が可能であり、測定結果等を外部に出力することができるとともに、外部からの信号を受信することができる。例えば、外部からCPU41に指令(測定の開始、終了等)を入力することもできる。
IO45は信号線L1を介して外部との通信を行う。
なお、制御装置4には、不図示の電源から電力が供給される。電源は、例えば電池や、商用の交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を使用できる。
モータ9の動力は、伝達機構10(動力伝達機構)により被測定対象物6に伝達され、所望の方向に所望の速度で被測定対象物6を移動させる。
モータ9は、パルス信号により制御することが可能なステッピングモータ、スイッチドリラクタンスモータ、サーボモータやリニアDCモータ等の同期モータである。モータ9は、電力制御装置11により信号線L19を介して、パルス信号の形態で電力が供給され、制御される。
電力制御装置11は、ドライバ111とコントローラ(モータ制御部)112とを備えている。コントローラ112はモータ9を制御するパルス信号(制御パルス信号)を生成し、ドライバ111を介してモータ9に出力する。
コントローラ112は、信号線L10を介して外部から入力される指令に従ってモータ9に出力するパルス信号(例えば、HとLの2電圧を有する信号)の幅及び周期を制御する。
また、コントローラ112は、信号線L11を介してドライバ111にパルス信号を出力し、ドライバ111は入力したパルス信号に従って(同期して)、駆動電流(駆動電力)を信号線L19を介してモータ9に供給する。
なお、コントローラ112がモータ9を直接駆動できるパルス信号を供給可能な場合、ドライバ111を省略してもよい。
コントローラ112からドライバ111へ出力する出力信号は、信号線L14を介して制御装置4のIO45にも入力される。例えば、信号線L11を分岐して制御装置4に出力してもよい。
コントローラ112の出力信号を出力する信号線L14を利用することで、既存のモータ9のコントローラ112を利用することが可能である。
IO45の信号線L11の入力インピーダンスを十分高く設定することで、モータ9の制御に影響を与えることはない。
このように、モータ9を制御するパルス信号は、制御装置4のIO45を介してCPU41にも入力されるため、制御装置4のCPU41はモータ9の駆動状態、又は動作するタイミングを認識することができる。
まず、位置センサ1による位置検出機構について以下に詳細に説明する。
制御装置4は、DAC42を用いて、デジタル処理により励磁コイル2に入力する励磁信号を生成することが可能である。制御装置4は、モータ9を制御するパルス信号に同期して励磁信号を生成することが可能である。
なお、位置センサ1は、必要に応じて、励磁信号を増幅する入力信号増幅装置7(励磁信号増幅装置)を備えてもよい。入力信号増幅装置7は、励磁信号を積分することなく、そのままの波形を維持して増幅するため、位相ずれは生じない。DAC42により生成された励磁信号が、励磁コイル2を励磁するのに必要な電力を有しない場合、入力信号増幅装置7は、DAC42により生成された励磁信号を、励磁コイル2を励磁するのに十分な電力を有する励磁信号に増幅することができる。
従って、DAC42から出力される励磁信号により励磁コイル2を励磁できる場合、入力信号増幅装置7を省略してもよい。
なお、DAC42の出力は、一般に電圧出力が多いため、以下では電圧出力の例について説明するが、DAC42の出力が電流出力の場合も同様であり、励磁信号がDAC42からの電流出力信号であってもよい。
励磁コイル2に励磁信号が印加されると、電磁結合により検出コイル3に出力信号が誘導される。検出コイル3から出力される出力信号は、制御装置4のADC43に入力される。
なお、位置センサ1は、必要に応じて出力信号増幅装置8(検出信号増幅装置)を備えてもよい。例えば、検出コイル3から出力される出力信号が微弱な場合、ADC43の入力レンジに合わせて、出力信号増幅装置8により増幅することが可能である。出力信号増幅装置8は、出力信号の波形をそのまま維持しながら増幅し、位相ずれが生じない。
なお、入力信号増幅装置7及び出力信号増幅装置8の設置位置は、センサ部5や制御装置4に応じて、適宜設定することができる。
位置センサ1の被測定対象物6は、磁気応答部材であり、磁性金属又は非磁性金属である。検出コイル3からの出力信号は、励磁コイル2と検出コイル3との相互インダクタンスに依存する。相互インダクタンスは、センサ部5と被測定対象物6との相対的な距離dに依存して変化する。位置センサ1は、相互インダクタンスの変化から、センサ部5と被測定対象物6との距離dを検出することが可能であり、位置センサ1の既知の位置情報から被測定対象物6の位置を検出することが可能である。
相互インダクタンスは、励磁コイル2に印加する入力信号である励磁信号と検出コイル3から出力される出力信号との関係、例えば強度比から算出することができる。
位置センサ1は、同一クロック信号により動作するDAC42とADC43とにより、励磁信号の生成と出力信号の検知とを同期させることができる。そのため、位置センサ1は、任意のタイミングにおいて出力信号を検出することが可能である。
位置センサ1は、所定のタイミング、具体的には励磁信号がピークとなるタイミングにおいて、出力信号を検知し、励磁信号と出力信号との関係から距離dを測定する。
従来の位置センサの場合、励磁信号の振幅と出力信号の振幅とから距離dを算出するため、所定の周期毎に出力信号の振幅を計測する必要がある。そのため、出力信号の振幅の計測に時間がかかり、高速な位置検出が困難である。また計測中にノイズが混入する確率も高くなる。
しかし、位置センサ1は、励磁信号の特定のタイミング、具体的にはピークとなる瞬間毎に出力信号を取得し、距離dの算出を行うため、高速な位置検出が可能であり、さらにノイズの影響が小さい。
なお、位置センサ1による検出タイミングは、上記のように励磁信号が極大となるピーク位置の他、励磁信号が極小となるボトム(トラフ)であってもよい。
以下、ピーク位置での検出コイル3からの出力信号の検出の例について説明するが、励磁信号のボトム位置での検出コイル3からの出力信号の検出についても同様である。
励磁信号が極値を示す位置、又は励磁信号の時間変化の傾きの符号が正から負又は負から正に転ずる位置をピーク位置と称するものであり、ピークとは極大に限定的に解釈するものではなく、極小も含み、極値となる位置を示すものとする。
制御装置4は、検出コイル3の出力信号をADC43により数値化することにより、出力信号の電圧値を計測することができる。励磁信号はDAC42により生成されたものであるから、制御装置4は、出力信号を計測したタイミングにおける励磁信号である入力信号の電圧値も認識している。そのため、所定のタイミングで、励磁信号と出力信号との関係からインダクタンス変化を反映する計測値を算出することが可能である。
制御装置4の記憶装置44には、予め上記計測値と距離dとの相関データを例えばデータテーブル又は関係式として保存されている。
制御装置4のCPU41は、相関データと上記計測値とから距離dを算出することができ、IO45を介して外部に距離d又は距離dを反映する電気信号を出力することができる。なお、距離dを反映する電気信号はデジタル信号でもアナログ信号でもよい。
従来、励磁コイル2を励磁する励磁信号は、別途設けられた発振器で生成された正弦波が使用されてきた。しかし、以下に説明するように、位置センサ1の制御装置4は、励磁信号を三角波、又は鋸波として生成することができ、別途の発振器を必要としない。
制御装置4が励磁信号を発生するために、クロック信号のカウント数と励磁信号の電圧との関係を指定するテーブル(励磁信号生成テーブルと称す。)が記憶装置44に保存されている。励磁信号生成テーブルは半周期のクロックカウント数と励磁信号の電圧との関係が指定されている。
CPU41は記憶装置44から励磁信号生成テーブルを読み出し、DAC42を制御して、クロック信号のカウント数に応じて励磁信号生成テーブルに指定された電圧を励磁信号として生成する。
このように制御装置4のDAC42は、ソフト的に所定の周波数の励磁信号を生成することができる。
励磁信号生成テーブルは、例えば初期状態のクロックカウント数を0、励磁信号の電圧を0Vとし、初期状態から、所定のクロックカウント数(クロック単位数ΔC)毎、例えば10カウント毎に、DAC42から出力される励磁信号の電圧を一定電圧(出力変化量ΔV)増大させ、励磁信号の電圧が最大値Vmaxとなるピーク位置Pのクロックカウント数(Cp)、例えば500(=Cp=50*ΔC)を超えると、所定のクロックカウント数毎に励磁信号の電圧を一定電圧(単位数Δ)減少させ、半周期の最後のクロックカウント数、例えば1000において励磁信号の電圧を初期状態の0Vとなるよう構成されている。
ここでクロック単位数ΔCは自然数、出力変化量(ΔV)はDAC42の分解能の自然数倍である。
励磁信号生成テーブルは、半周期単位で、例えば2次元配列(0、0)、(ΔC、ΔV)、(2ΔC、2ΔV)・・・(Cp、Vmax)、(Cp-ΔC、Vmax-ΔV)・・・(2Cp、0)として記憶装置44に保存できる。
なお、励磁信号生成テーブルの代わりに、半周期単位で励磁信号の電圧とクロックカウント数との関係を示す一次式として保存してもよい。しかし、テーブルとして記憶することにより、励磁信号の出力処理を高速に実行することができる。
図2は、DAC42から出力された励磁信号の例を示すグラフである。図2(A)は励磁信号が三角波である例を示すグラフであり、図2(B)はその一部を拡大したグラフであり、図2(C)は励磁信号が鋸波である例を示すグラフである。図2において横軸はクロックカウント数、縦軸は電圧である。
図2(A)、(C)に示すように、デジタル処理によりDAC42が直接出力する信号波形は、三角波、又は鋸波である。信号電圧は、巨視的には、図中Pで示すピーク位置までクロックカウント数とともに線形に増大し、その後クロックカウント数とともに線形に減少する。
図2(B)はピーク位置(P)近傍の励磁信号波形を示す。図2(B)中点線で示すように、信号波形は、ピーク位置(P)を境に、巨視的な傾斜が正から負に転じる。励磁信号波形は、図2(B)中のPで示すピーク位置まで、離散的にクロックカウント数とともに変化し、微視的に階段状に増大減少し、ピーク位置Pを境に減少する。
各階段の平坦部(ステップ領域と称す。)のクロックカウント数はクロック単位数ΔCであり、1以上の値である。クロック単位数ΔCを2以上の値とすることで、後述するように、特別なノイズ除去方法が可能となる。
このように励磁信号は、励磁信号は、階段関数から構成された三角波又は鋸波であり、図2(A)、(C)に示すように、巨視的には三角波又は鋸波であるが、図2(B)に示すように微視的には階段状の波形を有し、階段状の三角波又は鋸波である。励磁信号は、微視的に昇圧と保持とを繰り返しながら巨視的に増大し、ピークを越えると、微視的に降圧と保持とを繰り返しながら巨視的に減少する。
クロックカウント数に従って、信号波形が形成されるため、波形のピーク位置は明確に確定される。また、励磁信号生成テーブルにより励磁信号を生成する場合、CPUの負荷を少なくし、ピーク位置がずれることはなく、高速に励磁信号発生処理を実行することが可能となる。
図2(C)に示すように、励磁信号は、三角波の他に鋸波であってもよい。鋸波の場合、ピーク位置(P)を超えると、励磁信号の電圧が0Vとなり、再びクロックカウント数とともに励磁信号の電圧が増加する。
なお、鋸波は、三角波において、ピーク前後で傾斜角を異なるよう構成されたものであると考えられるため、「三角波」との表記は鋸波を含むものとする。
DAC42が生成した階段状の三角波の励磁信号は、平滑化することなく、励磁コイル2に入力される。従って、DAC42が生成した信号は位相がずれることなく、励磁コイル2に入力される。微視的に階段状の励磁信号により電磁誘導されながら、検出コイル3から出力信号が出力され、ADC43に入力される。
CPU41は、所定のタイミングでADC43を駆動し、検出コイル3の出力信号をデジタル化する。例えばDAC42の出力信号のピーク位置Pにおいて、ADC43を駆動し検出コイル3の出力信号をデジタル変換し、数値データ化する。数値化された出力信号のデータは、記憶装置44に保存される。
制御装置4のCPU41は、DAC42から生成される励磁信号のピーク位置と同一のクッロクカウント数において、ADC43に入力された検出コイル3からの出力信号を数値化し、計測することができる。センサ部5及び制御装置4には位相をずらすコンデンサを用いていないため、正確にピーク位置での励磁信号と出力信号との関係(例えば比)を認識し、算出することが出来る。
図3は、位置センサ1において、励磁コイル2にDAC42で生成した三角波の励磁信号を入力し、検出コイル3から出力された出力信号を示すグラフである。Viは励磁信号、Voは出力信号であり、それぞれ実測データである。図3(A)は励磁信号の周波数が1kHz、図3(B)は励磁信号の周波数が2kHzの例を示す。
図3(A)、(B)に示すように、励磁信号がピークとなる位置Pにおいて、出力信号もピークとなり、いずれの場合においても位相ずれが発生していないことが理解できる。
このように、DAC42により指定された励磁信号のピーク位置Pにおいて、正確にADC43により出力信号の値を検知し、数値化できることが実証された。
図3(A)に示すように、1KHzの励磁信号に対する出力信号は、ピーク位置Pの前にほぼ平坦な領域を有する。一方、図3(B)に示すように2kHzの励磁信号に対する出力信号は、平坦な領域がなく、励磁信号に対して出力信号の応答性が高い。そのため、励磁信号の周波数を高くすることで、高速で高精度な測定が可能である。
このような高い周波数の励磁信号であっても、同一クロックでDAC42とADC43とが動作するため、出力信号を正確に励磁信号と同期させて測定することができる。
図3(A)に示すように出力信号が最小となる位置からピーク位置Pまでの時間(以下、ピーク周期と称す。)が時定数の5倍以上となる場合には、ピーク位置P直前の領域では、信号波形はほぼ平坦な飽和領域となる。しかし、図3(B)に示すように出力信号ピーク周期が時定数の3.5倍以下、好適には3倍以下となるように励磁信号の周波数を決定することで、出力信号が大きくなり、高いS/N比を得ることができ、高精度な位置検出が可能である。
図3に示すように、検出コイル3の出力信号を検出するタイミングは一部(一瞬)であり、殆どの出力信号はADC43によりデジタル化されない。
従って、ノイズが入力される確率は非常に少ない。また、ADC43を駆動する時間が少なく、位置センサ1の消費エネルギーの低減に寄与する。
なお、励磁信号の周波数は図3に示す例に限定するものではない。周波数として、例えば30kHz~0.1kHzを採用できる。センサ部5の設置状態、センサ部5と制御装置4との距離、被測定対象物6に対する応答性等に応じて、周波数は適宜設定可能である。例えば、高速性が要求される場合には高い周波数を採用し、センサ部5と制御装置4との距離が長い場合には低い周波数を採用する。
制御装置4は、各クロックカウント数毎に(又は、励磁信号を昇圧若しくは降圧する所定のクロック単位数毎に、)励磁信号と出力信号を検知し、距離dを算出できる。そのため、移動平均等のデジタル処理により、ノイズを除去することも可能である。
以下、ノイズ低減のための平均化手法について説明する。
下記の平均化処理により得られた各平均値は、ランダムなノイズが低減され、被測定対象物6までの距離dの算出に利用できる。
なお、以下では単純移動平均により平均値を算出しているが、適宜加重移動平均により平均値を算出してもよい。例えば、各タイミングで、出力信号を励磁信号で除した値を使用してもよい。
(平均化手法1)
図4は、ピーク位置P近傍の階段状の励磁信号を示すグラフである。
DAC42から生成される励磁信号は、クロック単位数ΔC毎に、昇圧又は降圧される。
励磁信号は、階段状の三角波で構成されているため、ピーク位置Pにおいてクロック単位数ΔCの間は励磁信号の電圧が一定に維持される。なお、この電圧が一定に維持される期間がステップ領域に相当する。
クロック単位数ΔCが2以上の場合には、複数のクロックカウント(クロック信号が”H(ハイ)”となる状態)が含まれているため、クロック単位数ΔCの各クロックカウントにおいて出力信号を平均化することができる。
ピーク位置のカウント数Cにおける出力信号の電圧をVo(C)とし、ピーク位置Cpにおける出力信号の平均値を<Vo(Cp)>とする。
図4に示すように、Cpをピーク位置での最初のクロックカウントとすると、<Vo(Cp)>は以下の式で定義される。
<Vo(Cp)>=ΣVo(C) ・・・(式-1)
積算範囲C=Cp~Cp+ΔC。
このようにピーク位置Pを有するステップ領域において、全て又は少なくともその一部の複数クロックカウントにおける出力信号を検出し、平均を求めることで、ランダムノイズを低減することができる。
(平均化手法2)
クロック単位数ΔCの連続するクロックカウントを1つの集団(グループ)として、ピーク位置P近傍の複数のクロック単位数ΔCの集団に対して、出力信号の平均化処理を行うことができる。
具体的には、図4に示すように、ピーク位置Pのクロックカウントの位置からnクロック単位数ΔC、例えば5ΔC前の出力信号を、クロック単位数ΔCの集団毎に検出し、平均化してもよい。すなわち、ピーク位置のカウント数がCpである場合、カウント数がCp-n*ΔCからCpの範囲で検出コイルの出力信号を検出し、取得した出力信号を平均化してもよい。
出力信号Voの平均値<Vo>は以下の式で定義される。
<Vo>=ΣVo(Cp-k*ΔC)/(n+1) ・・・(式-2)
積算範囲k=0~n、nは自然数であり、例えば2~10。
なお、平均化処理1と平均化処理2とを組み合わせ、Vo(Cp-k*ΔC)として、平均化処理1によりクロック単位数ΔCの集団の範囲で平均化した<Vo(Cp-k*ΔC)>を用いてもよい。
なお、DAC42で生成される励磁信号の電圧は、例えば励磁信号生成テーブルにより指定されている。その励磁信号の指定値をカウント数がCp-nからCpの範囲で平均化し、励磁信号の平均値<Vi>として、被測定対象物6までの距離dの算出に利用してもよい。また、クロックカウントCp-k*ΔCでの励磁信号の電圧をVi(Cp-k*ΔC)とし、Vo(Cp-k*ΔC)の代わりに、励磁信号と出力信号の強度比であるVo(Cp-k*ΔC)/Vi(Cp-k*ΔC)を用いて、強度比の平均値を算出してもよい。この場合、加重移動平均を算出することになる。
上記はカウント数がCp-n*ΔCからCpまでの範囲で平均化処理を行ったが、出力信号波形に応じて、カウント数がCpからCp+n*ΔCまでの範囲で平均化処理を行ってもよく、カウント数がCp-n*ΔCからCp+n*ΔCまでの範囲で平均化処理を行ってもよい。
例えば、図3(A)に示される出力信号の場合、カウント数がCp-n*ΔCからCpまでの範囲での平均化処理が好適であるが、図3(B)に示される出力信号の場合、いずれの範囲で平均化処理を行ってもよい。出力信号の波形に応じて平均化範囲を設定すればよい。
平均化手法2は、励磁信号がピークとなるタイミングの近傍、すなわちピークを含む所定のクロックカウント数の期間で、検出コイル3からの出力信号を平均化するため、平均化手法1と比較すると長期間での平均値を算出することになるが、出力信号の一部のみを用いて距離dの算出を行うため、高速な距離の算出(位置検出)が可能である。
(平均化手法3)
図5は、複数のピークを有する励磁コイル2の励磁信号と検出コイル3の出力信号との対応、及びピーク-ピーク間隔を示すグラフである。
図5に示すように、連続する複数のピーク位置Pでの出力信号の電圧を平均化することができる。1つのピーク位置Pから次のピーク位置までのクロックカウント数(ピーク位置からピーク位置までの間隔)をCfとする。1つのピーク位置のカウント数がCpであり、カウント数Cにおける出力信号の電圧をVo(C)とすると、出力信号の電圧平均値<Vo>は以下の式で定義される。
<Vo>=ΣVo(Cp+k*Cf)/(n+1) ・・・(式-3)
積算範囲k=0~n、nは自然数であり、例えば2~10。
平均化手法3は、励磁信号がピークとなる複数のタイミングにおいて、出力信号を平均化すものであり、平均化手法1、2と比較して、長期間での平均値を算出することになる。
なお、平均化手法1、2と平均化手法3との組み合わせも可能である。
すなわち、連続する複数のピーク位置において、それぞれ平均化手法1、2により出力信号の電圧の平均値<Vo>を算出し、得られた複数の平均値<Vo>を平均化手法3により平均化してもよい。
例えば最初のピーク位置における平均化手法1、2による平均値<Vo>を<Vo>とし、m番目のピーク位置における平均値<Vo>を<Vo>とすると、<Vo>の平均化手法3を応用した平均値<<Vo>>は以下の式で定期される。
<<Vo>>=Σ<Vo>/m ・・・(式-8)
積算範囲k=1~m、mは自然数であり、例えば2~10。
なお、出力信号に対して平均化処理を行ったが、検出した各出力信号に対して距離dを算出し、距離dに対して、上記平均化手法1~3を施し、距離dのノイズを低減してもよい。
このように、位置センサ1は、単純な構成でありながら、正確で高精度な位置検出が可能である。
また主要な構成部品である制御装置4は、DACとADCとを備えた市販のマイコンを用いることができ、小型で低コストな位置センサ1の製造を可能とすることができる。
さらに、検出コイル3からの出力信号の計測は、間欠的に実行されるため、消費電力を抑えることも可能である。そのため、位置センサ1を電池駆動することも可能であり、別途の電源供給を必要とせず、各種の装置に容易に組み込むことを可能とする。
さらに、クロックカウント毎又はクロック単位数ΔC毎に、励磁信号と同時した出力信号を検出できるため、種々の平均化処理によるノイズ低減対策を適用することができる。
上記のとおり位置センサ1は、位置検出のタイミングを制御装置4のCPU41により制御可能であるという特性を備えている。この特性を利用して、パルス信号により制御される同期モータであるモータ9に起因してノイズが発生する環境下においても、ノイズを回避して位置検出が可能となる。
図6(A)は、モータ9を駆動した際に電源ライン等に発生するノイズ信号の例を示すグラフである。横軸は時間であり、縦軸は電源電圧を示す。図6(B)は、モータ9としてリニアモータの例を示し、モータ9の主要な構成要素の模式図を示す。
ノイズはパルス信号に重畳するが、図6(A)はノイズ成分を示すものであり、電源ラインのグランド側の例を示す。
なお、ノイズは、リニアモータを駆動する電源ラインを介して位置センサ1の電源ラインやグランド線等に重畳することがある。特に、位置センサ1の電源を、モータ9の電源と共有する場合、ノイズの影響は大きくなる。
図6(A)中矢印により示すように、一定の周期のノイズがピークとして観察される。
発生したノイズ信号が、検出コイル3の出力信号に混入すると、位置を誤検出することになる。
図6(B)に示す例においては、モータ9は、例えば3つの電磁コイル20a、20b、20cから構成された電機子21と、N極及びS極とを有する円柱状の永久磁石を密着して交互に逆向きに並べられた界磁22とを備えている。電機子21と界磁22の一方が固定子、他方が可動子となる。
コントローラ112は電機子21の各電磁コイル20a、20b、20cに印加するパルス状の駆動電流のタイミング(周期、幅、デューティ等)を制御することで、電磁力により可動子を移動させ、可動子の位置や移動速度を制御することができる。
パルス状の駆動電流(パルス信号)によりモータ9を駆動させると、例えば電機子21と界磁22、特に各永久磁石の接合部との間で磁界が変化する際にノイズが発生する。また、ステッピングモータのように、可動子が回転する場合も同様に、コントローラ112は可動子の回転角や、回転速度を制御することができる。
このように、パルス信号により制御されるモータ9の場合、ノイズの発生タイミングは、モータ9を制御するコントローラ112からの出力パルス信号により確定される。
ノイズの発生タイミング又は周期は、例えば電源電圧が所定の閾値以上となるタイミングを計測することにより検出することができる。制御装置4はコントローラ112からの制御信号を信号線L14及びIO45を介して受信することができる(図1参照)。
予めノイズの発生タイミングとコントローラ112の出力パルス信号との相関関係データを取得しておき、相関関係データは制御装置4の記憶装置44に保存されている。
制御装置4の記憶装置44に保存された上記相関関係データを用いることにより、CPU41は、モータ9の制御信号であるコントローラ112の制御パルス信号(出力パルス信号)を、IO45を介して受信すると、モータ9によりノイズが発生するタイミングを認識(又は予測)することができる。
実使用状態では、一般に、パルス信号により制御される同期モータ(モータ9)は、パルス信号を生成するコントローラ112と組合わせて使用されているため、位置センサ1は既存のコントローラ112を活用することができる。そのため、位置センサ1は、モータ9を使用する装置や設備に複雑な改良を加えることなく、容易に、幅広く対応することができる。
図7(A)は、センサ部5の励磁コイル2に印加する励磁信号と、検出コイル3からの出力信号と、予測されるノイズ発生時刻(図中矢印で示される)を示すグラフである。
ノイズ発生時刻はコントローラ112から出力されるモータ9の制御信号と記憶装置44に保存された相関関係データから予測することが可能である。図7(A)に示すように、時刻txにおいて、励磁信号のピークPxの時刻とノイズ発生時刻とが重なることが理解できる。
図7(B)は、ノイズ回避のため、ノイズが発生する予測時刻(以下、ノイズ発生予測時刻と称することがある。)と重なるピークを含む励磁信号の三角波を排除した励磁信号を示すグラフである。
モータ9起因のノイズの影響を回避するため、制御装置4はノイズ発生予測時刻にピークPxを有する(又はノイズ発生予測時刻とピーク時刻が重なる)励磁信号の三角波、又は鋸波を発生させず、被測定対象物6の位置の検出を行わないか、又は検出コイル3からの出力信号を用いて被測定対象物6の位置の算出を行わないように構成することができる。
すなわち、位置センサ1は、ノイズ発生予測時刻において、位置(距離)を測定することを回避(停止)することで、ノイズによる誤検出を回避する。
具体的には、制御装置4のCPU41はコントローラ112の出力パルス信号を受信しながらノイズが発生する時刻txを予測し(ノイズ発生予測時刻を算出し)、時刻txが励磁信号のピークPxと重なることを認識(又は予測)すると、その時刻txを含む三角波又は鋸波の生成時刻においては、センサ部5を駆動しないように制御する。CPU41は、具体的には励磁コイル2に励磁信号を印加せず(図7(B)参照)、検出コイル3からの出力信号を受信しないように制御する。又は、CPU41は、モータ9のノイズが励磁信号のピークPxと時刻txとが重なることを認識(又は予測)すると、時刻txにおいては、ADC43を介して取得する検出コイル3の出力信号のデータを使用せず、距離dの算出を停止するように制御することができる。
いずれの場合においても、CPU41は、距離dの算出に関して、モータ9のノイズ発生予測時刻に同期して、検出コイル3からの出力信号をデジタル的に排除するように構成される。
なお、励磁コイル2に励磁信号を印加しないよう構成した場合、消費エネルギーを低減できるという効果がある。
位置センサ1は、短時間又は瞬間的に(励磁信号のピーク時刻において)位置検出が可能であるため、モータ9のノイズ発生タイミングを回避して、被測定対象物6の距離dを計測することが可能であり、正確に位置検出が可能となる。
なお、位置センサ1は、モータ9のコントローラ112と連動して、ノイズの影響を排除しながら被測定対象物6の位置を検出するものであり、被測定対象物6の形態は限定されない。図1(A)に示す例においては、被測定対象物6はモータ9により移動する例を示したが、その例に限定されない。例えば、被測定対象物6は、モータ9により移動する物体上に固定された物、モータ9の近傍に存在する物やモータ9自体であってもよい。
位置センサ1が、モータ9のノイズの影響下にある場合においても、位置センサ1は、モータ9のコントローラ112の出力信号を受信して、モータ9起因のノイズの発生時刻を予測し、ノイズの混入を回避しながら被測定対象物6の位置を計測することができる。
(実施形態2)
位置センサ1は複数のセンサ部5を備えることにより、モータ9起因のノイズを回避しながら多点測定を可能とすることもできる。
また、複数のセンサ部5が近接して配置された場合には、各センサ部5の動作自体が互いに干渉し、誤検出を招く場合がある。
例えば、1つのセンサ部5の励磁コイル2に印加された励磁信号により発生した磁界が、隣接する他のセンサ部5の検出コイル3にまで及ぶと、当該検出コイル3の出力信号に影響を与えることがある。複数のセンサ部5が存在する場合、複数のセンサ部5のそれぞれに対して、その他のセンサ部5の磁界は外部のノイズ発生源となることがある。
実施形態2においては、複数のセンサ部5が近接して配置された場合においても、互いに干渉することなく、1つの位置センサ1により正確に多点の位置計測が可能となる。
なお、センサ部5の励磁コイル2に励磁信号を印加することを、単にセンサ部5に励磁信号を印加すると表現し、センサ部5の検出コイル3から出力信号が出力されることを、単にセンサ部5から出力信号が出力されると表現することがある。
図8(A)は複数のセンサ部5a、5b、5c、5dを備えた位置センサ1の主要構成を示す概念図である。
図8(B)は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dの励磁コイル2a、2b、2c、2dに印加する励磁信号の例を示すグラフである。図8(B)において縦軸は励磁信号の電圧、横軸は時間を示す。
図8においては4つのセンサ部5を備えた例を示すが、センサ部5の数は4に限定するものではない。
図8(A)に示すように、制御装置4と複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのそれぞれとは、励磁信号線L57a、L57b、L57c、L57d及び検出信号線L58a、L58b、L58c、L58dにより電気的に接続されている。
制御装置4は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのそれぞれに、励磁信号線L57a、L57b、L57c、L57dを介して励磁信号を出力し、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのそれぞれから、検出信号線L58a、L58b、L58c、L58dを介して検出信号を入力することができる。
制御装置4は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dに対応した被測定対象6との距離をそれぞれ算出し、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのそれぞれに対応した距離の算出値を信号線L1を介して外部に出力する。
なお、制御装置4は複数のセンサ部5a、5b、5c、5dが接続可能なようにIO45は複数の入出力ポートを備えた構成とすることができる。
複数のセンサ部5a、5b、5c、5dの励磁コイル2a、2b、2c、2dの磁場が互いに干渉することを避けるため、同時に複数の励磁コイル2a、2b、2c、2dに励磁信号が印加されないように、励磁信号を印加するタイミングを制御する。
まず、制御装置4は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのうち1つ、例えば第1のセンサ部5aを選択して、排他的に励磁信号を印加し、第1のセンサ部5aの出力信号のみを受信する。
なお、選択された1つのセンサ部5を、単に指定センサ部5と称することがある。
次に、第1のセンサ部5aと異なる第2のセンサ部5bを選択して排他的に励磁信号を印加し、第2のセンサ部5bの出力信号のみを受信する。
以下順次、制御装置4は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのうちの1つのセンサ部5のみを選択(指定)して、指定センサ部5のみに励磁信号を排他的に印加し、指定センサ部5の出力信号のみを受信する。制御装置4は指定センサ部5と被対象物6との距離を算出することができる。
図8(B)は複数のセンサ部5a、5b、5c、5dに励磁信号を順次排他的に印加するタイミングを示す。4つのセンサ部5a、5b、5c、5dを有する場合について説明するが、センサ部5の台数は4に限定されない。
Taの期間に第1のセンサ部5aに励磁信号を印加し、その後Tbの期間に第2のセンサ部5bに励磁信号を印加する。励磁信号は、1つの制御装置4から供給されるため、Taの期間とTbの期間とは互いに重ならない。
以下同様に、Tcの期間に第3のセンサ部5cに、Tdの期間に第4のセンサ部5dに1つの制御装置4から励磁信号が供給される。
なお、第4のセンサ部5dに印加する励磁信号のグラフに記載されているように、励磁信号が、モータ9からのノイズが発生するタイミング(ノイズ発生予測時刻)txを含む場合、特に励磁信号のピークPxがノイズ発生予測時刻txと重なることが予測される場合には、制御装置4から第4のセンサ部5dに励磁信号の供給を行わないように制御するか、または、第4のセンサ部5dからの出力信号により、距離の算出を行わないように制御する。
以上のように、制御装置4は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dから順次選択された1つのみに励磁信号を印加し、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dのうちの2つ以上に同時に励磁信号を印加されないように制御しているため、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dは、互いに干渉することなく距離の測定が可能となる。
さらに外部のモータ9からのノイズの影響を排除することも可能である。
なお、実施形態2の位置センサ1は、外部のモータ9からのノイズの影響が無い、又はモータ9等の外的ノイズ発生原因が存在しない場合にも、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dの相互干渉を防止しながら多点測定を行うことが可能であるという特別の効果を奏することができる。
この場合、制御装置4は、モータ9のコントローラ112等との電気的接続は不要である。
本発明にかかる位置センサは、外部ノイズ、特にパルス制御の同期モータによるノイズが影響する環境下においても、簡単な構成でありながら、高速で正確に被測定対象物までの距離を測定することができる。簡単な構成であり、従来より小型で、低コストで位置センサを製造することも可能となる。
また、本位置センサは、既存の同期モータと連携させることが可能であり、多点測定も可能であり、様々な用途、場面に適用することが可能であり、産業上の利用可能性は大きい。
1 位置センサ(位置検出装置)
2、2a、2b、2c、2d 励磁コイル
3 検出コイル
4 制御装置
41 CPU(演算処理部)
42 DAC(デジタルアナログ変換器)
43 ADC(アナログデジタル変換器)
43a 第1のADC
43b 第2のADC
44 記憶装置
45 IO(入出力部)
5、5a、5b、5c、5d センサ部
6 被測定対象物
7 入力信号増幅装置(励磁信号増幅装置)
8 出力信号増幅装置(検出信号増幅装置)
9 モータ
10 伝達機構(動力伝達機構)
11 電力制御装置
111 ドライバ
112 コントローラ(モータ制御部)
L11 信号線
20a、20b、20c 電磁コイル
21 電機子
22 界磁
L10 信号線
L11 信号線
L14 信号線
L57a、L57b、L57c、L57d 励磁信号線
L58a、L58b、L58c、L58d 検出信号線

Claims (6)

  1. 励磁コイル及び検出コイルを有するセンサ部と、制御部とを備え、
    前記制御部は、演算処理部とデジタルアナログ変換器とアナログデジタル変換器とを有し、
    前記演算処理部と前記デジタルアナログ変換器と前記アナログデジタル変換器とはいずれも同一のクロック信号により同期して動作し、
    前記励磁コイルには、前記デジタルアナログ変換器により生成された励磁信号が印加され、
    前記演算処理部は、前記検出コイルからの出力信号を、前記励磁信号の所定のタイミングと同期して、前記アナログデジタル変換器により検出し、
    同期して検出した前記出力信号と前記励磁信号とから前記センサ部と被測定対象物との距離を算出して出力することが可能であり、
    前記制御部は、
    パルス信号により制御可能なモータへ制御パルス信号を生成するコントローラから前記制御パルス信号を入力し、
    前記制御パルス信号から前記モータ起因のノイズ発生時刻を予測し、前記ノイズ発生時刻での前記センサ部と前記被測定対象物との距離の出力を回避することを特徴とする位置センサ。
  2. 複数のセンサ部と、制御部とを備え、
    前記複数のセンサ部のそれぞれは、励磁コイル及び検出コイルを有し、
    前記制御部は、演算処理部とデジタルアナログ変換器とアナログデジタル変換器とを有し、
    前記演算処理部と前記デジタルアナログ変換器と前記アナログデジタル変換器とはいずれも同一のクロック信号により同期して動作し、
    前記制御部は、前記複数のセンサ部から1つの指定センサ部を順次選択し
    前記指定センサ部の前記励磁コイルには、前記デジタルアナログ変換器により生成された励磁信号が排他的に印加され、
    前記演算処理部は、前記指定センサ部の検出コイルからの出力信号を、前記励磁信号の所定のタイミングと同期して、前記アナログデジタル変換器により検出し、
    前記指定センサ部からの前記出力信号と前記指定センサ部へ印加した前記励磁信号とから、前記指定センサ部と被測定対象物との距離を算出することを特徴とする位置センサ。
  3. 前記制御部は、
    パルス信号により制御可能なモータへ制御パルス信号を生成するコントローラから前記制御パルス信号を入力し、
    前記制御パルス信号から前記モータ起因のノイズ発生時刻を予測し、前記ノイズ発生時刻での前記指定センサ部と前記被測定対象物との距離の出力を回避することを特徴とする請求項2記載の位置センサ。
  4. 前記励磁信号がピークとなるタイミングで前記出力信号を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の位置センサ。
  5. 前記励磁信号が階段関数からなる三角波であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の位置センサ。
  6. 前記制御部は、前記出力信号を平均化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の位置センサ。
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