JP2023012082A - 繊維と無機粒子との複合繊維を含有する固形物の製造方法 - Google Patents

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徹 中谷
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Abstract

【課題】本発明の課題は、繊維と無機粒子の複合繊維を含む固形物を提供することである。【解決手段】繊維を含有する液体中で無機粒子を合成して複合繊維を得る工程と、複合繊維を脱水する工程と、脱水した複合繊維を粉砕機で粉砕する工程と、を含む方法によって、繊維と無機粒子との複合繊維を含む固形物を製造する。【選択図】図5

Description

本発明は、繊維と無機粒子との複合繊維を含有する固形物の製造方法に関する。
繊維表面に無機粒子を付着させることによって、様々な特性を備えた複合繊維が開発されている。例えば、繊維の存在下で無機物を合成することにより、繊維表面に無機粒子を付着させることが知られている。
例えば、炭酸カルシウムと繊維の複合繊維(特許文献1)、炭酸マグネシウムと繊維の複合繊維(特許文献2)、リン酸カルシウムと繊維の複合繊維(特許文献3)、ハイドロタルサイトと繊維の複合繊維(特許文献4)、シリカ/アルミナと繊維との複合繊維(特許文献5)が知られている。
また、繊維表面の大部分を無機粒子によって被覆した複合繊維(特許文献6)、無機粒子を繊維表面に付着させて難燃性を向上させた複合繊維(特許文献7)なども報告されている。
国際公開WO2015/152283 国際公開WO2017/043580 国際公開WO2017/043585 国際公開WO2018/030521 国際公開WO2019/163659 国際公開WO2017/057154 国際公開WO2019/159943
本発明の課題は、繊維と無機粒子との複合繊維を含んでなり、輸送性と分散性に優れた固形物の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、脱水と粉砕の異なる2つの工程を組み合わせて加工することで輸送性と分散性に優れた固形物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、これに限定されるものではないが、下記の態様を包含する。
[1] 繊維と無機粒子との複合繊維を含む固形物を製造する方法であって、
繊維を含有する液体中で無機粒子を合成して複合繊維を得る工程と、
複合繊維を脱水する工程と、
脱水した複合繊維を粉砕機で粉砕する工程と、
を含む、上記方法。
[2] 前記複合繊維を脱水する工程において、複合繊維の含水率を60%未満にする、[1]に記載の方法。
[3] 前記複合繊維を脱水する工程が、圧搾機で脱水する、または、乾燥機で乾燥して脱水する、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記複合繊維を粉砕機で粉砕する工程において、複合繊維を平均粒径が10mm以下になるまで粉砕する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記無機粒子が、カルシウム、マグネシウム、バリウムあるいはアルミニウムの金属塩、チタン、銅あるいは亜鉛を含む金属粒子、またはケイ酸塩を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記無機粒子が、ハイドロタルサイトまたは硫酸バリウムである、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記繊維がセルロース繊維である、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記複合繊維が、繊維表面の50%以上が無機粒子によって被覆されている、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、繊維と無機粒子との複合繊維を加工した固形物を得ることができる。得られた固形物は、輸送性や分散性に優れるので、容易に他の製品に配合し、他の製品に無機粒子の特性に応じた機能性を効率よく付与することができる。例えば、消臭効果の高い無機粒子を用いた場合、高い消臭効果を有する固形物を得ることができる。
実験1で使用した製造装置の概略図である(P:ポンプ)。 サンプルaの電子顕微鏡写真である(倍率:3000倍)。 サンプルbの電子顕微鏡写真である(倍率:3000倍)。 サンプルcの電子顕微鏡写真である(倍率:3000倍)。 実験2のサンプル1の外観写真である。
本発明は、繊維と無機粒子との複合繊維を含有する固形物の製造方法に関する。固形物とは、一般に粉末よりも粒径の大きいものであり、粒径が1mm以上の粒状物をいう。固形物の粒径は、好ましくは50mm以下であり、30mm以下や20mm以下であってもよい。本発明に係る固形物の粒径は、最も長い箇所(長辺)の長さによって評価することができる。また、本発明に係る固形物の平均粒径は、例えば、1~30mmとすることができ、1~20mmや1~10mmとしてもよい。
本発明に係る繊維と無機粒子との複合繊維の固形物は、水を含む複合繊維を脱水後に、粉砕して製造する。固形物は、粉末のように、粉塵を発生したり、水を加えた際に凝固し溶解が妨げられたりするおそれが少ない。また、水性懸濁液またはパルプの形態の複合繊維と比較して、他の製品へ容易に分散できるという利点がある。
繊維と無機粒子との複合繊維を脱水する方法としては、物理的に圧搾する方法と熱源を利用して乾燥させる方法がある。
圧搾する際の圧搾機については特に制限はないが、例えば、フィルタープレス、ドラムフィルター、スクリュープレス、ローラープレスベルトプレス、チューブプレスなどを好適に使用することができる。このうち、スクリュープレスなどの連続式で製造を実施する事ができる装置を用いることが、作業性が容易となるため好ましい。
また、乾燥する際の乾燥機については特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機、真空乾燥機、低温乾燥機、ロータリー乾燥機、プロシェアミキサー、オーブンなどを好適に使用することができる。
脱水した複合繊維を粉砕する際の粉砕機については特に制限はないが、例えば、ボールミル、サンドグラインダーミル、インパクトミル、高圧ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、ダイノーミル、超音波ミル、カンダグラインダ、アトライタ、石臼型ミル、振動ミル、カッターミル、ジェットミル、ロータリー粉砕機、離解機、叩解機、短軸押出機、2軸押出機、2軸粉砕機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサーなどを好適に使用することができる。このうち、カッターミルやロータリー粉砕機などの短時間で大量に製造を実施する事ができる装置を用いることが、作業性が容易となるため好ましい。
本発明において、固形物の粒径は、1mm以上30mm以下である。固形物の粒径は、好ましくは3mm以上20mm以下であり、より好ましくは5mm以上15mm以下であり、固形物の粒径を7mm以上12mm以下とすることもできる。粒径が小さすぎると固形物が飛散しやすくなり、粒径が大きすぎると他の原料に配合する際に分散しにくくなる。
固形物に加工する前の原料の含水率(水分濃度)は、例えば、10~95%とすることができるが、30~90%が好ましく、40~85%がより好ましく、50~80%が好ましく、60~75%が特に好ましい。加工前の水分が多すぎると脱水に長時間を要してしまい効率が低下する一方、加工前の水分が低すぎると、固形物に加工する装置次第では、均一に原料を圧搾することが難しくなるため、適度に水分を含んでいる方が固形物の製造には適している。本発明において、粉砕する際の複合繊維の含水率は、10~60%が好ましく、20~55%がより好ましく、30~50%としてもよい
本発明に係る固形物の含水率は60%未満であり、好ましい態様において、固形物の含水率は50%未満であり、40%未満としてもよい。固形物の含水率を低くすることによって、固形物の流動性を優れたものにすることができる。
複合繊維の合成
本発明において、セルロース繊維などの繊維を含む溶液中で無機粒子を合成することによって複合繊維を合成することができる。繊維表面が、無機粒子の析出における好適な場となり、複合繊維を合成しやすいためである。複合繊維の合成方法としては、例えば、繊維と無機粒子の前駆体を含む溶液を開放型の反応槽中で撹拌、混合して複合体を合成しても良いし、繊維と無機粒子の前駆体を含む水性懸濁液を反応容器内に噴射することによって合成してもよい。後述するが、無機物の前駆体の水性懸濁液を反応容器内に噴射する際に、キャビテーション気泡を発生させ、その存在下で無機粒子を合成してもよい。無機粒子は、それぞれ、公知の反応によってセルロース繊維上に合成することができる。
一般的に、無機粒子の生成は、クラスター状態(集まる原子・分子数が少ない段階で、集合と離散を繰り返す)から、核(クラスターから安定な集合状態に移行し、臨界サイズ以上になると捕まった原子・分子が離散しなくなる)、そして成長(核に新たな原子・分子が集まり粒子が大きくなる)の過程を経ることが知られており、原料濃度や反応温度が高いほど、核生成が起こりやすいと言われている。本願発明の複合繊維は、主に原料濃度、パルプの叩解度(比表面積)、繊維を含む溶液の粘性、添加薬品の濃度および添加スピード、反応温度、撹拌スピードを調整することで、繊維上に効率的に核を結着させ、かつ粒子成長を促すことにより、セルロース繊維表面が無機粒子で強く被覆された複合繊維を得ることができる。
本発明の複合繊維を製造する際には、さらに公知の各種助剤を添加することができる。例えば、キレート剤を添加することができ、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などのポリヒドロキシカルボン酸、シュウ酸などのジカルボン酸、グルコン酸などの糖酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸などのポリリン酸のアルカリ金属塩、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸アリルなどのケトン類、ショ糖などの糖類、ソルビトールなどのポリオールが挙げられる。また、表面処理剤としてパルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、アビエチン酸等の樹脂酸、それらの塩やエステルおよびエーテル、アルコール系活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、アミド系やアミン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、長鎖アルキルアミノ酸、アミンオキサイド、アルキルアミン、第四級アンモニウム塩、アミノカルボン酸、ホスホン酸、多価カルボン酸、縮合リン酸などを添加することができる。また、必要に応じ分散剤を用いることもできる。この分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸-マレイン酸共重合体アンモニウム塩、メタクリル酸-ナフトキシポリエチレングリコールアクリレート共重合体、メタクリル酸-ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体アンモニウム塩、ポリエチレングリコールモノアクリレートなどがある。これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。また、添加のタイミングは合成反応の前でも後でも良い。このような添加剤は、無機粒子に対して、好ましくは0.001~20%、より好ましくは0.1~10%の量で添加することができる。
また、本発明において反応はバッチ反応とすることもでき、連続反応とすることもできる。一般に、反応後の残存物を排出する便利さから、バッチ反応工程を行うことが好ましい。反応のスケールは特に制限されないが、100L以下のスケールで反応させてもよいし、100L超のスケールで反応させてもよい。反応容器の大きさは、例えば、10L~100L程度とすることもできるし、100L~1000L程度としてもよい。
また、反応液の電導度や反応時間によって反応を制御することができ、具体的には、反応物が反応槽に滞留する時間を調整して制御することができる。その他、本発明においては、反応槽の反応液を攪拌したり、反応を多段反応としたりすることによって反応を制御することもできる。
本発明においては、反応生成物である複合繊維が懸濁液として得られるため、必要に応じて、貯蔵タンクに貯蔵したり、濃縮、脱水、粉砕、分級、熟成、分散などの処理を行ったりすることができる。これらは公知の工程によることができ、用途やエネルギー効率などを考慮して適宜決定すればよい。例えば濃縮・脱水処理は、遠心脱水機、沈降濃縮機などを用いて行われる。この遠心脱水機の例としては、デカンター、スクリューデカンターなどが挙げられる。濾過機や脱水機を用いる場合についてもその種類に特に制限はなく、一般的なものを使用することができるが、例えば、フィルタープレス、ドラムフィルター、ベルトプレス、チューブプレス等の加圧型脱水機、オリバーフィルター等の真空ドラム脱水機などを好適に用いて炭酸カルシウムケーキとすることができる。粉砕の方法としては、ボールミル、サンドグラインダーミル、インパクトミル、高圧ホモジナイザー、低圧ホモジナイザー、ダイノーミル、超音波ミル、カンダグラインダ、アトライタ、石臼型ミル、振動ミル、カッターミル、ジェットミル、離解機、叩解機、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。分級の方法としては、メッシュ等の篩、アウトワード型もしくはインワード型のスリットもしくは丸穴スクリーン、振動スクリーン、重量異物クリーナー、軽量異物クリーナー、リバースクリーナー、篩分け試験機等が挙げられる。分散の方法としては、高速ディスパーザー、低速ニーダーなどが挙げられる。
本発明における複合繊維は、完全に脱水せずに懸濁液の状態で填料や顔料に配合することもできるが、乾燥して粉体とすることもできる。この場合の乾燥機についても特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機などを好適に使用することができる。
本発明の複合繊維は、公知の方法によって改質することが可能である。例えば、ある態様においては、その表面を疎水化し、樹脂などとの混和性を高めたりすることが可能である。
本発明においては、懸濁液の調製などに水を使用するが、この水としては、通常の水道水、工業用水、地下水、井戸水などを用いることができる他、イオン交換水や蒸留水、超純水、工業廃水、反応液を分離・脱水する際に得られる水を好適に用いることできる。
また本発明においては、反応槽の反応液を循環させて使用することができる。このように反応液を循環させて、溶液の撹拌を促すことにより、反応効率を上げ、所望の無機粒子と繊維の複合体を得ることが容易になる。
無機粒子
本発明において、繊維と複合化する無機粒子は特に制限されないが、水に不溶性または難溶性の無機粒子であることが好ましい。無機粒子の合成を水系で行う場合があり、また、繊維複合体を水系で使用することもあるため、無機粒子が水に不溶性または難溶性であると好ましい。
ここで言う無機粒子とは、金属元素もしくは非金属元素の化合物のことを言う。金属元素の化合物とは、金属の陽イオン(例えば、Na、Ca2+、Mg2+、Al3+、Ba2+など)と陰イオン(例えば、O2-、OH、CO 2-、PO 3-、SO 2-、NO-、Si 2-、SiO 2-、Cl、F、S2-など)がイオン結合によって結合してできた、一般に無機塩と呼ばれるものを言う。非金属元素の化合物とは、ケイ酸(SiO)などである。本発明において、無機粒子の少なくとも一部が、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの金属塩、または、無機粒子の少なくとも一部が、ケイ酸、またはアルミニウムの金属塩、あるいはチタン、銅、銀、鉄、マンガン、セリウムまたは亜鉛を含む金属粒子であることが好ましい。
これら無機粒子の合成法は公知の方法によることができ、気液法と液液法のいずれでも良い。気液法の一例としては炭酸ガス法があり、例えば水酸化マグネシウムと炭酸ガスを反応させることで、炭酸マグネシウムを合成することができる。液液法の例としては、酸(塩酸、硫酸など)と塩基(水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなど)を中和によって反応させたり、無機塩と酸もしくは塩基を反応させたり、無機塩同士を反応させたりする方法が挙げられる。例えば、水酸化バリウムと硫酸を反応させることで硫酸バリウムを得たり、硫酸アルミニウムと水酸化ナトリウムを反応させることで水酸化アルミニウムを得たり、炭酸カルシウムと硫酸アルミニウムを反応させることでカルシウムとアルミニウムが複合化した無機粒子を得ることができる。また、このようにして無機粒子を合成する際、反応液中に任意の金属や非金属化合物を共存させることもでき、この場合はそれらの金属もしくは非金属化合物が無機粒子中に効率よく取り込まれ、複合化できる。例えば、炭酸カルシウムにリン酸を添加してリン酸カルシウムを合成する際に、二酸化チタンを反応液中に共存させることで、リン酸カルシウムとチタンの複合粒子を得ることができる。
(炭酸カルシウム)
炭酸カルシウムを合成する場合であれば、例えば、炭酸ガス法、可溶性塩反応法、石灰・ソーダ法、ソーダ法などによって炭酸カルシウムを合成することができ、好ましい態様において、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する。
一般に、炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを製造する場合、カルシウム源として石灰(ライム)が使用され、生石灰CaOに水を加えて消石灰Ca(OH)を得る消和工程と、消石灰に炭酸ガスCOを吹き込んで炭酸カルシウムCaCOを得る炭酸化工程とによって炭酸カルシウムが合成される。この際、生石灰に水を加えて調製した消石灰の懸濁液をスクリーンに通して、懸濁液中に含まれる低溶解性の石灰粒を除去してもよい。また、消石灰を直接カルシウム源としてもよい。本発明において炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、キャビテーション気泡の存在下で炭酸化反応を行うこともできる。
炭酸ガス法によって炭酸カルシウムを合成する場合、消石灰の水性懸濁液の固形分濃度は、好ましくは0.1~40重量%、より好ましくは0.5~30重量%、さらに好ましくは1~20重量%程度である。固形分濃度が低いと反応効率が低く、製造コストが高くなり、固形分濃度が高すぎると流動性が悪くなり、反応効率が落ちる。本発明においては、キャビテーション気泡の存在下で炭酸カルシウムを合成するため、固形分濃度の高い懸濁液(スラリー)を用いても、反応液と炭酸ガスを好適に混合することができる。
消石灰を含む水性懸濁液としては、炭酸カルシウム合成に一般に用いられるものを使用でき、例えば、消石灰を水に混合して調製したり、生石灰(酸化カルシウム)を水で消和(消化)したりして調製することができる。消和する際の条件は特に制限されないが、例えば、CaOの濃度は0.05重量%以上、好ましくは1重量%以上、温度は20~100℃、好ましくは30~100℃とすることができる。また、消和反応槽(スレーカー)での平均滞留時間も特に制限されないが、例えば、5分~5時間とすることができ、2時間以内とすることが好ましい。当然であるが、スレーカーはバッチ式であっても連続式であってもよい。なお、本発明においては炭酸化反応槽(カーボネーター)と消和反応槽(スレーカー)とを別々にしてもよく、また、1つの反応槽を炭酸化反応槽および消和反応槽として用いてもよい。
炭酸カルシウムの合成では、反応液中の原料(Caイオン、COイオン)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、複合繊維を製造する場合、このような条件下では、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、炭酸カルシウムが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、Caイオンおよびパルプ濃度の適正化と、COの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、反応容器中のCaイオン濃度は、0.01mol/L以上0.20mol/L未満が好ましい。0.01mol/L未満だと反応が進行しにくく、0.20mol/L以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。COの時間当たりの供給量は、反応溶液1Lあたり0.001mol/min以上0.060mol/min未満が望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.060mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
(炭酸マグネシウム)
炭酸マグネシウムを合成する場合、炭酸マグネシウムの合成方法は、公知の方法によることができる。例えば、水酸化マグネシウムと炭酸ガスから重炭酸マグネシウムを合成し、重炭酸マグネシウムから正炭酸マグネシウムを経て塩基性炭酸マグネシウムを合成することができる。炭酸マグネシウムは合成方法によって重炭酸マグネシウム、正炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどを得ることができるが、本発明の繊維複合体に係る炭酸マグネシウムは、塩基性炭酸マグネシムにすることが特に好ましい。なぜならば、重炭酸マグネシウムは安定性が比較的低く、柱状(針状)結晶である正炭酸マグネシウムは繊維へ定着しにくい場合があるためである。一方、繊維の存在下で塩基性炭酸マグネシウムにまで化学反応させることで、繊維表面をうろこ状などに被覆した炭酸マグネシウムと繊維の繊維複合体を得ることができる。
また本発明においては、反応槽の反応液を循環させて使用することができる。このように反応液を循環させて、反応液と炭酸ガスとの接触を増やすことにより、反応効率を上げ、所望の無機粒子を得ることが容易になる。
本発明においては、二酸化炭素(炭酸ガス)などのガスが反応容器に吹き込まれ、反応液と混合することができる。本発明によれば、ファン、ブロワなどの気体供給装置がなくとも炭酸ガスを反応液に供給することができ、しかも、キャビテーション気泡によって炭酸ガスが微細化されるため反応を効率よく行うことができる。
本発明において、二酸化炭素を含む気体の二酸化炭素濃度に特に制限はないが、二酸化炭素濃度が高い方が好ましい。また、インジェクターに導入する炭酸ガスの量に制限はなく適宜選択することができる。
本発明の二酸化炭素を含む気体は、実質的に純粋な二酸化炭素ガスでもよく、他のガスとの混合物であってもよい。例えば、二酸化炭素ガスの他に、空気、窒素などの不活性ガスを含む気体を、二酸化炭素を含む気体として用いることができる。また、二酸化炭素を含む気体としては、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の他、製紙工場の焼却炉、石炭ボイラー、重油ボイラーなどから排出される排ガスを二酸化炭素含有気体として好適に用いることができる。その他にも、石灰焼成工程から発生する二酸化炭素を用いて炭酸化反応を行うこともできる。
炭酸マグネシウムの合成では、反応液中の原料(Mgイオン、COイオン)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、複合繊維を製造する場合、このような条件下では、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、炭酸マグネシウムが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、Mgイオンおよびパルプ濃度の適正化と、COの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、反応容器中のMgイオン濃度は、0.0001mol/L以上0.20mol/L未満が好ましい。0.0001mol/L未満だと反応が進行しにくく、0.20mol/L以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。COの時間当たりの供給量は、反応溶液1Lあたり0.001mol/min以上0.060mol/min未満が望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.060mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
(硫酸バリウム)
硫酸バリウムを合成する場合、硫酸バリウム(BaSO)で表されるバリウムイオンと硫酸イオンからなるイオン結晶性の化合物であり、板状あるいは柱状の形態であることが多く、水には難溶性である。純粋な硫酸バリウムは無色の結晶であるが、鉄、マンガン、ストロンチウム、カルシウムなどの不純物を含むと黄褐色または黒灰色を呈し、半透明となる。天然の鉱物としても得られるが、化学反応によって合成することもできる。特に、化学反応による合成品は医薬用(X線造影剤)に用いられるほか、化学的に安定な性質を応用して塗料、プラスチック、蓄電池等に広く使用されている。
本発明においては、繊維の存在下で、溶液中で硫酸バリウムを合成することによって、硫酸バリウムと繊維の複合体を製造することができる。例えば、酸(硫酸など)と塩基を中和によって反応させたり、無機塩と酸もしくは塩基を反応させたり、無機塩同士を反応させたりする方法が挙げられる。例えば、水酸化バリウムと硫酸もしくは硫酸アルミニウムを反応させることで硫酸バリウムを得たり、硫酸塩の含まれる水溶液中に塩化バリウムを加えて硫酸バリウムを沈殿させたりすることができる。
硫酸バリウムの合成では、溶液中の原料(Baイオン、SOイオン)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、複合繊維を製造する場合、このような条件下では、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、硫酸バリウムが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、Baイオンおよびパルプ濃度の適正化と、SOイオンの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、反応容器中のBaイオン濃度は、0.01mol/L以上0.20mol/L未満が好ましい。0.01mol/L未満だと反応が進行しにくく、0.20mol/L以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。SOイオンの時間当たりの供給量は、反応溶液1Lあたり0.005mol/min以上0.080mol/min未満が望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.080mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
(ハイドロタルサイト)
ハイドロタルサイトを合成する場合、ハイドロタルサイトの合成方法は公知の方法によることができる。例えば、反応容器内に中間層を構成する炭酸イオンを含む炭酸塩水溶液とアルカリ溶液(水酸化ナトリウムなど)に繊維を浸漬し、次いで、酸溶液(基本層を構成する二価金属イオン及び三価金属イオンとを含む金属塩水溶液)を添加し、温度、pHなどを制御して共沈反応により、ハイドロタルサイトを合成する。また、反応容器内において、酸溶液(基本層を構成する二価金属イオン及び三価金属イオンを含む金属塩水溶液)に繊維を浸漬し、次いで、中間層を構成する炭酸イオンを含む炭酸塩水溶液とアルカリ溶液(水酸化ナトリウム等)を滴下し、温度、pH等を制御して共沈反応により、ハイドロタルサイトを合成することもできる。常圧での反応が一般的ではるが、それ以外にも、オートクレーブなどを使用しての水熱反応により得る方法もある(特開昭60-6619号公報)。
本発明においては、基本層を構成する二価金属イオンの供給源として、マグネシウム、亜鉛、バリウム、カルシウム、鉄、銅、コバルト、ニッケル、マンガンの各種塩化物、硫化物、硝酸化物、硫酸化物を用いることができる。また、基本層を構成する三価金属イオンの供給源として、アルミニウム、鉄、クロム、ガリウムの各種塩化物、硫化物、硝酸化物、硫酸化物を用いることができる。
本発明においては、層間陰イオンとして炭酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどを用いることができる。炭酸イオンを層間陰イオンとする場合、炭酸ナトリウムが供給源として使用される。ただし炭酸ナトリウムは、二酸化炭素(炭酸ガス)を含む気体で代替可能で、実質的に純粋な二酸化炭素ガスや、他のガスとの混合物であってもよい。例えば、製紙工場の焼却炉、石炭ボイラー、重油ボイラーなどから排出される排ガスを二酸化炭素含有気体として好適に用いることができる。その他にも、石灰焼成工程から発生する二酸化炭素を用いて炭酸化反応を行うこともできる。
ハイドロタルサイトの合成では、溶液中の原料(基本層を構成する金属イオン、COイオン等)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、このような条件下では、複合繊維を製造する場合、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、ハイドロタルサイトが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、COイオンおよびパルプ濃度の適正化と、金属イオンの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、反応容器中のCOイオン濃度は、0.01mol/L以上0.80mol/L未満が好ましい。0.01mol/L未満だと反応が進行しにくく、0.80mol/L以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。金属イオンの時間当たりの供給量は、金属の種類にもよるが、例えばMgイオンの場合、反応溶液1Lあたり0.001mol/min以上0.010mol/min未満が望ましく、0.001mol/min以上0.005mol/min未満がより望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.010mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
(アルミナ/シリカ)
アルミナおよび/またはシリカを合成する場合、アルミナおよび/またはシリカの合成方法は公知の方法によることができる。反応の出発物質として無機酸もしくはアルミニウム塩のいずれか1つ以上を用いた場合、珪酸アルカリ塩を添加して合成する。出発物質として珪酸アルカリ塩を用い、無機酸もしくはアルミニウム塩のいずれか1つ以上を添加して合成することもできるが、無機酸および/もしくはアルミニウム塩を出発物質として用いた場合の方が、生成物の繊維への定着は良好である。無機酸としては特に限定されるものではなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等を用いることができる。これらの中でもコストおよびハンドリングの点から硫酸が特に好ましい。アルミニウム塩としては、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ミョウバン、カリミョウバン等が挙げられ、中でも硫酸バンドを好適に用いることができる。珪酸アルカリ塩としては、珪酸ナトリウムもしくは珪酸カリウムなどが挙げられるが、入手しやすいため珪酸ナトリウムが好適である。珪酸とアルカリのモル比はいずれでも良いが、一般に3号珪酸として流通しているものはSiO2:Na2O=3~3.4:1程度のモル比のものであり、これを好適に用いることができる。
本発明においては、シリカおよび/またはアルミナが繊維表面に付着した複合繊維を製造するにあたって、繊維を含む反応液のpHを4.6以下に維持しながら繊維上にシリカおよび/またはアルミナを合成することが好ましい。これによって、繊維表面がよく被覆された複合繊維が得られる理由の詳細は完全には明らかになっていないが、pHを低く維持することによって3価のアルミニウムイオンへの電離率が高くなるため、被覆率や定着率が高い複合繊維が得られると考えられる。
シリカおよび/またはアルミナ合成では、反応液中の原料(珪酸イオン、アルミニウムイオン)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、複合繊維を製造する場合、このような条件下では、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、シリカおよび/またはアルミナが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、パルプ濃度の適正化と、添加する珪酸イオン、アルミニウムイオンの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。添加する珪酸イオン、アルミニウムイオンの時間当たりの供給量は、例えばアルミニウムイオンの場合、反応溶液1Lあたり0.001mol/min以上が望ましく、0.01mol/min以上がより望ましく、また、0.5mol/min未満が望ましく、0.050mol/min未満がより望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.050mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
一つの好ましい態様として、本発明の複合繊維における無機粒子の平均一次粒子径を、例えば、1.5μm以下とすることができるが、平均一次粒子径を1200nm以下や900nm以下にすることもでき、さらには平均一次粒子径が200nm以下や150nm以下にすることもできる。また、無機粒子の平均一次粒子径は10nm以上とすることも可能である。なお、平均一次粒子径は電子顕微鏡写真で測定することができる。
(水酸化アルミニウム)
水酸化アルミニウムはAl(OH)で表されるアルミニウムイオンと水酸化物イオンからなるイオン結晶性の化合物であり、粒状の形態であることが多く、水には難溶性である。化学反応による合成品は医薬品や吸着剤に用いられるほか、加熱時に水を放出する性質を利用して難燃化剤や不燃化剤として用いられる。
本発明においては、繊維の存在下で、溶液中で水酸化アルミニウムを合成することによって、水酸化アルミニウムと繊維の複合体を製造することができる。例えば、酸(硫酸など)と塩基を中和によって反応させたり、無機塩と酸もしくは塩基を反応させたり、無機塩同士を反応させたりする方法が挙げられる。例えば、水酸化ナトリウムと硫酸アルミニウムを反応させることで水酸化アルミウニウムを得たり、アルカリ塩の含まれる水溶液中に塩化アルミニウムを加えて水酸化アルミニウムを沈殿させたりすることができる。
水酸化アルミニウムの合成では、溶液中の原料(Alイオン、OHイオン)が高濃度であるほど、また、高温条件であるほど、核形成反応が進みやすいが、複合繊維を製造する場合、このような条件下では、セルロース繊維に核が定着されにくく、懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。従って、水酸化アルミニウムが強固に結着した複合繊維を製造するには、核形成反応を適切に制御することが必要となる。具体的には、OHイオンおよびパルプ濃度の適正化と、Alイオンの時間当たりの供給量を緩やかにすることで、これを達成できる。例えば、反応容器中のOHイオン濃度は、0.01mol/L以上0.50mol/L未満が好ましい。0.01mol/L未満だと反応が進行しにくく、0.50mol/L以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。パルプ濃度は、0.5%以上4.0%未満が好ましい。0.5%未満では繊維に原料が衝突する頻度が減るため、反応が進行しにくく、4.0%以上では攪拌不良から均一な複合体を得ることができない。Alイオンの時間当たりの供給量は、反応溶液1Lあたり0.001mol/min以上0.050mol/min未満が望ましい。0.001mol/min未満であると反応が進行しにくく、0.050mol/min以上では懸濁液中で遊離した無機粒子が合成されやすい。
繊維
本発明で使用する複合繊維は、セルロース繊維などの繊維と無機粒子とを複合化したものである。複合体を構成するセルロース繊維としては例えば、天然のセルロース繊維はもちろん、レーヨンやリヨセルなどの再生繊維(半合成繊維)や合成繊維などを制限なく使用することができる。セルロース繊維の原料としては、パルプ繊維(木材パルプや非木材パルプ)、セルロースナノファイバー、バクテリアセルロース、ホヤなどの動物由来セルロース、藻類などが例示され、木材パルプは、木材原料をパルプ化して製造すればよい。木材原料としては、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、メルクシマツ、ラジアータパイン等の針葉樹、及びこれらの混合材、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン、アカシア等の広葉樹及びこれらの混合材が例示される。
木材原料(木質原料)などの天然材料をパルプ化する方法は、特に限定されず、製紙業界で一般に用いられるパルプ化法が例示される。木材パルプはパルプ化法により分類でき、例えば、クラフト法、サルファイト法、ソーダ法、ポリサルファイド法等の方法により蒸解した化学パルプ;リファイナー、グラインダー等の機械力によってパルプ化して得られる機械パルプ;薬品による前処理の後、機械力によるパルプ化を行って得られるセミケミカルパルプ;古紙パルプ;脱墨パルプ等が挙げられる。木材パルプは、未晒(漂白前)の状態であってもよいし、晒(漂白後)の状態であってもよい。
非木材由来のパルプとしては、綿、ヘンプ、サイザル麻、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフ、サトウキビ、トウモロコシ、稲わら、楮(こうぞ)、みつまた等が例示される。
パルプ繊維は、未叩解及び叩解のいずれでもよく、複合体シートの物性に応じて選択すればよいが、叩解を行う方が好ましい。これにより、シート強度の向上並びに無機粒子の定着促進が期待できる。
また、これらセルロース原料はさらに処理を施すことで粉末セルロース、酸化セルロースなどの化学変性セルロース、およびセルロースナノファイバー:CNF(ミクロフィブリル化セルロース:MFC、TEMPO酸化CNF、リン酸エステル化CNF、カルボキシメチル化CNF、機械粉砕CNFなど)として使用することもできる。本発明で用いる粉末セルロースとしては、例えば、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製・乾燥し、粉砕・篩い分けするといった方法により製造される棒軸状である一定の粒径分布を有する結晶性セルロース粉末を用いてもよいし、KCフロック(日本製紙製)、セオラス(旭化成ケミカルズ製)、アビセル(FMC製)などの市販品を用いてもよい。粉末セルロースにおけるセルロースの重合度は好ましくは100~1500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は好ましくは70~90%であり、レーザー回折式粒度分布測定装置による体積平均粒子径は好ましくは500nm以上100μm以下である。
本発明で用いる酸化セルロースは、例えばN-オキシル化合物、及び、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で酸化剤を用いて水中で酸化することで得ることができる。セルロースナノファイバーとしては、上記セルロース原料を解繊する方法が用いられる。解繊方法としては、例えばセルロースや酸化セルロース等の化学変性セルロースの水懸濁液等を、リファイナー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、一軸または多軸混練機、ビーズミル等による機械的な磨砕、ないし叩解することにより解繊する方法を使用することができる。上記方法を1種または複数種類組み合わせてセルロースナノファイバーを製造してもよい。製造したセルロースナノファイバーの繊維径は電子顕微鏡観察などで確認することができ、例えば好ましくは5nm~300nmの範囲にある。このセルロースナノファイバーを製造する際、セルロースを解繊及び/又は微細化する前及び/又は後に、任意の化合物をさらに添加してセルロースナノファイバーと反応させ、水酸基が修飾されたものにすることもできる。修飾する官能基としては、アセチル基、エステル基、エーテル基、ケトン基、ホルミル基、ベンゾイル基、アセタール、ヘミアセタール、オキシム、イソニトリル、アレン、チオール基、ウレア基、シアノ基、ニトロ基、アゾ基、アリール基、アラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2-ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等のアシル基、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2-プロピル基、ブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、オキシル基、チイラン基、チエタン基等が挙げられる。これらの置換基の中の水素が水酸基、カルボキシ基等の官能基で置換されても構わない。また、アルキル基の一部が不飽和結合になっていても構わない。これらの官能基を導入するために使用する化合物としては特に限定されず、例えば、リン酸由来の基を有する化合物、カルボン酸由来の基を有する化合物、硫酸由来の基を有する化合物、スルホン酸由来の基を有する化合物、アルキル基を有する化合物、アミン由来の基を有する化合物等が挙げられる。リン酸基を有する化合物としては特に限定されないが、リン酸、リン酸のリチウム塩であるリン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、ポリリン酸リチウムが挙げられる。更にリン酸のナトリウム塩であるリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムが挙げられる。更にリン酸のカリウム塩であるリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸カリウムが挙げられる。更にリン酸のアンモニウム塩であるリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましいが、特に限定されない。カルボキシル基を有する化合物としては特に限定されないが、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸等のジカルボン酸化合物やクエン酸、アコニット酸などトリカルボン酸化合物が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物の酸無水物としては特に限定されないが、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸化合物の酸無水物が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物の誘導体としては特に限定されないが、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物の酸無水物のイミド化物としては特に限定されないが、マレイミド、コハク酸イミド、フタル酸イミド等のジカルボン酸化合物のイミド化物が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては特に限定されない。例えば、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシル基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。上記カルボン酸由来の基を有する化合物のうち、工業的に適用しやすく、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましいが、特に限定されない。また、化学的に結合させなくても、修飾する化合物がセルロースナノファイバーに物理的に吸着する形でセルロースナノファイバーを修飾してもよい。物理的に吸着する化合物としては界面活性剤等が挙げられ、アニオン性、カチオン性、ノニオン性いずれを用いてもよい。セルロースを解繊及び/又は粉砕する前に上記の修飾を行った場合、解繊及び/又は粉砕後にこれらの官能基を脱離させ、元の水酸基に戻すこともできる。以上のような修飾を施すことで、セルロースナノファイバーの解繊を促進したり、セルロースナノファイバーを使用する際に種々の物質と混合しやすくしたりすることができる。
以上に示した繊維は単独で用いても良いし、複数を混合しても良い。例えば、製紙工場の排水から回収された繊維状物質を本発明の炭酸化反応に供給してもよい。このような物質を反応槽に供給することにより、種々の複合粒子を合成することができ、また、形状的にも繊維状粒子などを合成することができる。
本発明においては、繊維の他にも、生成物である無機粒子に取り込まれて複合粒子を生成するような物質を用いることができる。本発明にいては、パルプ繊維を始めとする繊維を使用するが、それ以外にも無機粒子、有機粒子、ポリマーなどを含む溶液中で無機粒子を合成することによって、さらにこれらの物質が取り込まれた複合粒子を製造することが可能である。
複合化する繊維の繊維長は特に制限されないが、例えば、平均繊維長が0.1μm~15mm程度とすることができ、1μm~12mm、100μm~10mm、400μm~8mmなどとしてもよい。このうち、本発明においては、平均繊維長を400μm以上(0.4mm以上)とすることが好ましい。
複合化する繊維の平均繊維径は特に制限されないが、例えば、平均繊維径が1nm~100μm程度とすることができ、500nm~100μm、1μm~90μm、3μm~50μm、5μm~30μmなどとしてもよい。このうち、本発明においては、平均繊維径が500nm以上であると後工程での生産効率を向上できるため好ましい。
繊維の平均繊維長と平均繊維径は、繊維長測定装置により測定できる。繊維長測定装置としては、例えば、Valmet Fractionator(Valmet社製)が挙げられる。
複合化する繊維は、繊維表面の15%以上が無機粒子で被覆されるような量で使用することが好ましいが、例えば、繊維と無機粒子の重量比を、5/95~95/5とすることができ、10/90~90/10、20/80~80/20、30/70~70/30、40/60~60/40としてもよい。
本発明に係る複合繊維は、繊維表面の15%以上が無機粒子で被覆されており、このような面積率でセルロース繊維表面が被覆されていると無機粒子に起因する特徴が大きく生じるようになる一方、繊維表面に起因する特徴が小さくなる。
また、複合繊維において、無機粒子による繊維の被覆率(面積率)は、25%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。また、本発明にしたがって繊維を含有する溶液中で無機粒子を合成する方法によれば、被覆率を60%以上や80%以上とすることもできる。被覆率の上限値は用途に応じて適宜設定すればよいが、例えば、100%、90%、80%である。
本発明に係る複合繊維は、好ましい態様において、固形分濃度0.1%の複合繊維の水性懸濁液を、60メッシュ(目開き250μm)の篩で濾過処理したとき、濾過後に篩上に残る残渣の無機物量(B)と処理前の複合繊維の無機物量(A)の重量割合であるB/Aが0.3以上である。特に、B/Aは0.5以上が好ましく、0.6以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。この範囲であれば結着の強い良好な複合繊維であり、このような複合繊維を用いて得られる固形物も、良好な品質のものが得られる。
B/Aが0.3以上である複合繊維は、下記に記載するように、複合繊維の合成条件の調整や、複合繊維の濃度、複合繊維の分級処理などにより、複合繊維の水性懸濁液を調整することにより得ることができる。
本発明に係る複合繊維は、種々の形状で用いることができ、例えば、粉体、ペレット、モールド、水性懸濁液、ペースト、シート、ボード、ブロック、その他の形状にして用いることができる。また、複合繊維を主成分として他の材料と共にモールドや粒子・ペレットなどの成形体にすることもできる。乾燥して紛体にする場合の乾燥機についても特に制限はないが、例えば、気流乾燥機、バンド乾燥機、噴霧乾燥機などを好適に使用することができる。
本発明に係る複合繊維は、種々の用途に用いることができ、例えば、紙、繊維、セルロース系複合材料、フィルター材料、塗料、プラスチックやその他の樹脂、ゴム、エラストマー、セラミック、ガラス、タイヤ、建築材料(アスファルト、アスベスト、セメント、ボード、コンクリート、れんが、タイル、合板、繊維板、天井材、壁材、床材、屋根材など)、家具、各種担体(触媒担体、医薬担体、農薬担体、微生物担体など)、吸着剤(不純物除去、消臭、除湿など)、抗菌材、抗ウイルス剤、しわ防止剤、粘土、研磨材、摩擦材、改質剤、補修材、断熱材、耐熱材、放熱材、防湿材、撥水材、耐水材、遮光材、シーラント、シールド材、防虫剤、接着剤、医用材料、ペースト材料、変色防止剤、電波吸収材、絶縁材、遮音材、インテリア材、防振材、半導体封止材、放射線遮断材、材料等のあらゆる用途に広く使用することができる。また、前記用途における各種充填剤、コーティング剤などに用いることができる。このうち、吸着剤、抗菌材、抗ウイルス剤、摩擦材、放射線遮蔽材、難燃材料、建築材料、断熱材が好ましい。
本発明の複合繊維は、製紙用途に適用してもよく、例えば、印刷用紙、新聞紙、インクジェット用紙、PPC用紙、クラフト紙、上質紙、コート紙、微塗工紙、包装紙、薄葉紙、色上質紙、キャストコート紙、ノンカーボン紙、ラベル用紙、感熱紙、各種ファンシーペーパー、水溶紙、剥離紙、工程紙、壁紙用原紙、難燃紙(不燃紙)、積層板原紙、プリンテッドエレクトロニクス用紙、バッテリー用セパレータ、クッション紙、トレーシングペーパー、含浸紙、ODP用紙、建材用紙、化粧材用紙、封筒用紙、テープ用紙、熱交換用紙、化繊紙、減菌紙、耐水紙、耐油紙、耐熱紙、光触媒紙、化粧紙(脂取り紙など)、各種衛生紙(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイパー、おむつ、生理用品等)、たばこ用紙、板紙(ライナー、中芯原紙、白板紙など)、紙皿原紙、カップ原紙、ベーキング用紙、研磨紙、合成紙などが挙げられる。すなわち、本発明によれば、一次粒子径が小さくかつ粒度分布の狭い無機粒子と繊維との複合体を得ることができるため、2μm超の粒子径を有していた従来の無機填料とは異なった特性を発揮させることができる。更には、単に無機粒子を繊維に単に配合した場合と異なり、無機粒子を繊維と複合体化しておくと、無機粒子がシートに歩留易いだけでなく、凝集せずに均一に分散したシートを得ることができる。本発明における無機粒子は、好ましい態様において、繊維の外表面・ルーメンの内側に定着するだけでなく、ミクロフィブリルの内側にも生成することが電子顕微鏡観察の結果から明らかとなっている。
また、本発明係る複合繊維を使用する際には、一般に無機填料及び有機填料と呼ばれる粒子や、各種繊維を併用することができる。例えば、無機填料として、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム)、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー(カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン)、タルク、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、二酸化チタン、ケイ酸ナトリウムと鉱酸から製造されるシリカ(ホワイトカーボン、シリカ/炭酸カルシウム複合体、シリカ/二酸化チタン複合体)、白土、ベントナイト、珪藻土、硫酸カルシウム、ゼオライト、脱墨工程から得られる灰分を再生して利用する無機填料および再生する過程でシリカや炭酸カルシウムと複合体を形成した無機填料などが挙げられる。炭酸カルシウム-シリカ複合物としては、炭酸カルシウムおよび/または軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物以外に、ホワイトカーボンのような非晶質シリカを併用しても良い。有機填料としては、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子、アクリルアミド複合体、木材由来の物質(微細繊維、ミクロフィブリル繊維、粉体ケナフ)、変性不溶化デンプン、未糊化デンプンなどが挙げられる。繊維としては、セルロースなどの天然繊維はもちろん、石油などの原料から人工的に合成される合成繊維、さらには、レーヨンやリヨセルなどの再生繊維(半合成繊維)、さらには無機繊維などを制限なく使用することができる。天然繊維としては上記の他にウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。セルロース系の原料としては、パルプ繊維(木材パルプや非木材パルプ)、バクテリアセルロース、ホヤなどの動物由来セルロース、藻類などが例示され、木材パルプは、木材原料をパルプ化して製造すればよい。木材原料としては、アカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、カラマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルース、バルサムファー、シーダ、パイン、メルクシマツ、ラジアータパイン等の針葉樹、及びこれらの混合材、ブナ、カバ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワン、アカシア等の広葉樹及びこれらの混合材が例示される。木材原料をパルプ化する方法は、特に限定されず、製紙業界で一般に用いられるパルプ化法が例示される。木材パルプはパルプ化法により分類でき、例えば、クラフト法、サルファイト法、ソーダ法、ポリサルファイド法等の方法により蒸解した化学パルプ;リファイナー、グラインダー等の機械力によってパルプ化して得られる機械パルプ;薬品による前処理の後、機械力によるパルプ化を行って得られるセミケミカルパルプ;古紙パルプ;脱墨パルプ等が挙げられる。木材パルプは、未晒(漂白前)の状態であってもよいし、晒(漂白後)の状態であってもよい。非木材由来のパルプとしては、綿、ヘンプ、サイザル麻、マニラ麻、亜麻、藁、竹、バガス、ケナフ、サトウキビ、トウモロコシ、稲わら、楮(こうぞ)、みつまた等が例示される。木材パルプ及び非木材パルプは、未叩解及び叩解のいずれでもよい。また、これらセルロース原料はさらに処理を施すことで粉末セルロース、酸化セルロースなどの化学変性セルロース、およびセルロースナノファイバー:CNF(ミクロフィブリル化セルロース:MFC、TEMPO酸化CNF、リン酸エステル化CNF、カルボキシメチル化CNF、機械粉砕CNF)として使用することもできる。合成繊維としてはポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル繊維、半合繊維としてはレーヨン、アセテートなどが挙げられ、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、各種金属繊維などが挙げられる。以上について、これらは単独でも2種類以上の組み合わせで用いても構わない。
本発明の複合繊維を構成する無機粒子の平均粒子径や形状等は、電子顕微鏡による観察により確認することができる。さらに、無機粒子を合成する際の条件を調整することによって、種々の大きさや形状を有する無機粒子を繊維と複合体化することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度や部などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:複合繊維の合成と評価
1-1.亜鉛系ハイドロタルサイトと繊維の複合繊維(サンプルa、b)
銅亜鉛系ハイドロタルサイト化合物(CuZnAl(OH)16CO・4HO)を合成するための溶液を準備した。アルカリ溶液(A溶液)として、NaCO(富士フイルム和光純薬)およびNaOH(富士フイルム和光純薬)の混合水溶液を調製した。また、酸溶液(B溶液)として、ZnSO(富士フイルム和光純薬)、CuSO(富士フイルム和光純薬)およびAl(SO・16HO(富士フイルム和光純薬)の混合水溶液を調製した。
・アルカリ溶液(A溶液、NaCO濃度:0.05M、NaOH濃度:0.8M)
・酸溶液(B溶液、Zn系、ZnSO濃度:0.6M、CuSO濃度:0.6M、Al(SO・16HO濃度:0.12M)
複合体化する繊維として、セルロース繊維を使用した。具体的には、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製、繊維幅20μm)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、日本製紙製、繊維幅50μm)を8:2の重量比で含み、シングルディスクリファイナー(SDR)を用いてカナダ標準濾水度を300mlに調整したパルプ繊維を用いた。
アルカリ溶液をパルプ繊維へ添加し、パルプ繊維を含む水性懸濁液を準備した(パルプ繊維濃度:3.0%、pH:約12.8)。この水性懸濁液(パルプ固形分20kg)を1000L容の反応容器に入れ、水性懸濁液を撹拌しながら、酸溶液を滴下してハイドロタルサイト微粒子と繊維との複合繊維を合成した。図1に示すような装置を用いて、反応温度は50℃であり、反応液のpHが約7.5になった段階で滴下を停止した。滴下終了後は、30分間、反応液を撹拌して熟成した。熟成後のサンプルは、遠心脱水機にて脱水し、さらに2~10倍量の水を添加し、電気伝導度が100mS/m以下になるまで脱水を繰り返して複合繊維を洗浄した。なお、サンプルa、bはそれぞれ仕上がりの無機分が50%、70%となるように添加するパルプ及び薬品(酸、アルカリ)の量を調製した。
1-2.硫酸バリウムと繊維の複合繊維(サンプルc)
サンプルaと同様に、カナダ標準濾水度を300mlに調整したパルプ繊維(LBKP:NBKP=8:2)を用いた。
水酸化バリウム八水和物(富士フイルム和光純薬)をパルプ繊維へ添加し、パルプ繊維を含む水性懸濁液を準備した(パルプ繊維濃度:3.0%、pH:約12.5)。この水性懸濁液(パルプ固形分20kg)を1000L容の反応容器に入れ、水性懸濁液を撹拌しながら、硫酸(富士フイルム和光純薬、2%水溶液に調製)を滴下し、硫酸バリウム微粒子と繊維との複合体を合成した。図1に示すような装置を用いて、反応温度は50℃であり、反応液のpHが約7.5になった段階で滴下を停止した。滴下終了後は、30分間、反応液を撹拌してから、10倍量の水を用いて水洗して塩を除去した。次いで、遠心脱水機にて脱水し、さらに2~10倍量の水を添加し、電気伝導度が100mS/m以下になるまで脱水を繰り返して複合繊維を洗浄した。なお、サンプルcは仕上がりの無機分が70%となるように添加するパルプ及び薬品(酸、アルカリ)の量を調製した。
1-3.複合繊維の評価
下記の手順に基づいて、複合繊維サンプルを評価した。
(1)表面被覆率
得られた複合繊維を電子顕微鏡で観察した(サンプルa:図2、サンプルb:図3、サンプルc:図4)。サンプルa~cのいずれも、繊維表面の約70%が無機粒子によって被覆されていた。
(2)含水率(水分率)
サンプルを105℃で2時間乾燥させ、乾燥によって減少した重量から含水率を算出した。なお、固形分(濃度)は「100-含水率」である。
(3)繊維と無機粒子の重量比
105℃で2時間乾燥させたサンプルについて、JIS P 8251:2003に基づいて複合繊維の灰分を測定し、複合繊維を構成する繊維と無機粒子の重量比を算出した。
Figure 2023012082000002
実験2:複合繊維を含有する固形物の製造と評価
2-1.複合繊維を含有する固形物の製造
(サンプル1)
サンプルaを原料として固形物を製造した。具体的には、サンプルa(含水率:約70%)をスクリュープレス(SHX型、富国工業)に投入し、回転数9rpmの条件で処理して脱水した(含水率:50%)。脱水したサンプルを、一軸のロータリー粉砕機(富国工業)に1回通して粉砕した(平均粒径:10mm以下)。その後、粉砕後のサンプルに3%程度含まれていた粗大物を10ミリメッシュの篩を用いて除去し、粒径が1~10mmの固形物を最終的に得た(図5)。
(サンプル2)
サンプル1の固形物を、一晩、風乾させて、含水率が20%の固形物を製造した。
(サンプル3)
サンプルbを原料とした以外は、サンプル1と同様に処理した。
(サンプル4)
サンプル3の固形物を、一晩、風乾させて、含水率が20%の固形物を製造した。
(サンプル4)
サンプルaを原料とすること以外は、サンプル3と同様にして固形物を製造した。
(サンプル5)
サンプルb(含水率:約70%)を送風乾燥機に投入し、105℃で1時間処理した(含水率:約25%)。次いで、得られたサンプルを、一軸のロータリー粉砕機(富国工業)で粉砕した(平均粒径:10mm以下)。その後、10ミリメッシュの篩を用いて粗大物を除去し、粒径が1~10mmの固形物を最終的に得た。
(サンプル6)
サンプルb(含水率:約70%)をスクリュープレス(SHX型、富国工業)に投入し、回転数9rpmの条件で処理して脱水した(含水率:50%)。脱水したサンプルを、粉砕機としてウエットパルプ解砕機(熊谷理機工業株式会社)に1回通して粉砕した(平均粒径:20mm以下)。次いで、20ミリメッシュの篩を用いて粗大物を除去し、粒径が5~20mmの固形物を最終的に得た。
(サンプル7)
サンプルcを原料とすること以外は、サンプル1と同様に製造した。
(サンプル8:比較例)
サンプルb(含水率70%、脱水や乾燥などの処理は未実施)を使用した。
(サンプル9:比較例)
粉末状セルロース100g(商品名:W-50、日本製紙製、平均粒子径:40μm)に水を加えて撹拌混合してから、この湿潤粉末(含水率:約5%)を、転動造粒機を用いて、水を加えながら造粒した(造粒後の仕上がり粒径:約1mm、造粒後の含水率:約35%)。得られた造粒物を、1ミリメッシュの篩を用いて処理し、粒径が0.5~1.0mmの固形物を得た。
(サンプル10:比較例)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製、繊維幅20μm)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、日本製紙製、繊維幅50μm)を8:2の重量比で含み、シングルディスクリファイナー(SDR)を用いてカナダ標準濾水度を300mlに調整したパルプ繊維を原料として固形物を製造した。具体的には、上記繊維をスクリュープレス(SHX型、富国工業)に投入し、回転数9rpmの条件で処理して脱水した(含水率:50%)。得られたサンプルを、一軸のロータリー粉砕機(富国工業)で粉砕した後、10ミリメッシュの篩を用いて処理し、最終的に粒径が1~10mmの固形物を得た。
2-2.固形物の評価
下記の評価手順に基づいて、サンプルを評価した。含水率(水分率)、無機粒子の重量比は、実験1と同様にして測定した。
(1)粒径(固形物の大きさ)
定規を使用して固形物の一番長い箇所(長辺)を測定し、粒径とした。また、固形物の平均粒径は、ランダムに選抜した10個の固形物の粒径(長辺の長さ)を測定してその平均値を算出した。
(2)液体への分散性
ポリ袋(170mm×240mm)に、塩化ナトリウム450gとサンプル50gを添加し、3分間、手動で混合する。混合物から50gを取り、1000mlの蒸留水を添加し、スターラーを用いて塩化ナトリウムを溶解させる。ろ紙(JIS P3801、定量分析用、5種B)を用いて、処理後の溶液をろ過し、ろ紙上の残渣を50℃で2時間緊張乾燥させて、混合物50g中に含まれる固形物の重量を測定した。「乾燥後の固形物の重量/5g×100」という式に基づいて分散率を算出し、70%以上を最適(◎)、60%以上を合格(○)、60%未満を不合格(×)とした。
(3)かさ密度(g/cm
一定容積内に軽く充填した質量を計測し、容積で除した値を『かさ密度(ゆるみかさ密度)』とした。具体的には、1000mLのメスシリンダーにサンプルを1000mLの目盛りまで充填した際の質量を計測した。
(4)消臭試験(サンプルa、b)
製造した固形物を用いて、消臭特性を評価した。消臭試験に供する固形物は1gとした。消臭試験は、SEKマーク繊維製品認証基準(JEC301、繊維評価技術協議会)の方法に基づいて実施し、排泄臭や生ゴミ臭に該当する硫化水素を対象とした。
臭気減少率(%)は、以下の式から算出し、70%以上を合格(〇)、70%未満(×)を不合格とした。
臭気減少率 (%)= (Sb - Sm) / Sb ×100
Sb:空試験の平均値
Sm:測定の平均値
(5)抗菌試験(サンプルa,b)
製造した固形物を用いて抗菌特性を評価した。抗菌試験に供するシートの重さは0.4gとした。基準として、標準綿布を用いた。抗菌試験は、JIS L 1902に定める菌液吸収法(試験接種菌液を直接試験片上に接種する定量試験方法)にて実施した。試験菌種として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)と大腸菌(Escherichia coli NBRC 3301)の2種類を使用し、18時間培養後の生菌数を混釈平板培養法にて測定し、抗菌活性値を算出した。黄色ブドウ球菌および大腸菌のいずれに対しても抗菌活性値が2.0以上である場合を合格(〇)、それ以外を不合格(×)とした。
(測定手順)
1.試験片(上記固形物)0.4gをバイアル瓶に入れ、試験菌液0.2ml(0.05%の界面活性剤(Tween80)を含む)を滴下後、バイアル瓶のふたをする。
2.バイアル瓶を37℃で18時間培養する。
3.洗い出し液20mlを加えて試験片から試験菌を洗い出し、洗い出し液中の生菌数を混釈平板培養法又は発光測定法により測定する。
4.下記の式に従い抗菌活性値を算出する。抗菌活性値が2.0以上とは、菌の死滅率が99%以上であることを意味する。
抗菌活性値 = {log(対照試料の培養後生菌数) - log(対照試料の接種直後生菌数)} - {log(試験試料の培養後生菌数) - log(試験試料の接種直後生菌数)}
(6)放射線遮蔽性(サンプルc)
「X線防護用品の鉛当量試験法」(JIS Z 4501)に基づいて、放射線(X線)遮蔽能力を評価した。具体的には、下記の手順により透過X線量率を測定し、X線の線量減少率が30.0%以上を放射線遮蔽性あり(〇)、30.0%未満を放射線遮蔽性なし(×)とした。
(測定手順) JIS Z 4501の試験方法に準じた線質及び配置でX線を照射し、透過X線量率を測定した。各依頼品及び各測定位置につき5回測定を行い、平均値及び標準偏差を求めた。得られた透過線量率から、以下の式で線量減少率を算出した。
線量減少率(%)=(各サンプルの透過線量率/ブランク(サンプルなし)の透過線量率)×100
(測定条件)
・X線装置:エクスロン・インターナショナル社 MG-452型(平滑回路、焦点寸法5.5mm、Be窓)
・X線管電圧及び管電流:MG-452型 100kV 12.5mA 付加ろ過版0.25mmCu
・X線管焦点―試料間距離:1500mm
・試料―測定器間距離:50mm
・測定器:電離箱照射線量率計 東洋メディック社 RAMTEC―1000D型 A-4プローブ使用
・X線量測定単位:空気衝突カーマ
・X線ビーム:狭いビーム
Figure 2023012082000003
上記の表から明らかなように、本発明の方法で固形物を製造すると、得られた固形物の分散性が良好だった。また、本発明の固形物は、繊維と無機粒子との複合繊維を使用しない場合と比較して、機能性が良好であった。

Claims (8)

  1. 繊維と無機粒子との複合繊維を含む固形物を製造する方法であって、
    繊維を含有する液体中で無機粒子を合成して、繊維表面の15%以上が無機粒子によって被覆されている複合繊維を得る工程と、
    複合繊維を脱水する工程と、
    脱水した複合繊維を粉砕機で粉砕する工程と、
    を含む、上記方法。
  2. 前記複合繊維を脱水する工程において、複合繊維の含水率を60%未満にする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複合繊維を脱水する工程が、圧搾機で脱水する、または、乾燥機で乾燥して脱水する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記複合繊維を粉砕機で粉砕する工程において、複合繊維を平均粒径が10mm以下になるまで粉砕する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記無機粒子が、カルシウム、マグネシウム、バリウムあるいはアルミニウムの金属塩、チタン、銅あるいは亜鉛を含む金属粒子、またはケイ酸塩を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記無機粒子が、ハイドロタルサイトまたは硫酸バリウムである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記繊維がセルロース繊維である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記複合繊維が、繊維表面の50%以上が無機粒子によって被覆されている、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
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