JP2023010565A - 空気調和システム、ビル空調システム及び二酸化炭素回収方法 - Google Patents

空気調和システム、ビル空調システム及び二酸化炭素回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素を回収し、回収した二酸化炭素を有効利用できる空気調和システム。【解決手段】窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部40と、窒素を吸着する窒素吸着筒52、54を有する窒素吸着部50と、酸素を吸着する酸素吸着筒62、64を有する酸素吸着部60と、回収部70と、を有し、排出部40の後段に窒素吸着部50又は酸素吸着部60が接続され、窒素吸着部50又は酸素吸着部60の後段に回収部70が接続され、窒素吸着部50と酸素吸着部60とが直列に接続されている、空気調和システム1。【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和システム、ビル空調システム及び二酸化炭素回収方法に関する。
建築物環境衛生管理基準には、空気調和設備を設けている場合の居室においては、二酸化炭素の含有率を1,000ppm(体積基準。以下、本明細書において同じ。)以下にすることが定められている。このように、空気調和設備を設けている建築物の室内においては、室内の空気から二酸化炭素を除去する技術が望まれている。
例えば、特許文献1には、二酸化炭素を含む処理対象空気をアミン担持固体吸収剤に吸収させる処理ゾーンと、吸収剤が吸収した二酸化炭素を再生用空気に脱離させる再生ゾーンとに区画されたロータを備え、処理ゾーンに供給される処理対象空気と再生ゾーンに供給される再生用空気とのエンタルピー差が特定の範囲になるように構成された空調システムが提案されている。特許文献1の発明によれば、室内の空気中の二酸化炭素を除去し、空気質を高めることが図られている。
特開2017-75715号公報
ところで、二酸化炭素は、適切な方法で回収することにより、有価物の製造に利用することができる。しかしながら、特許文献1の技術では、除去した二酸化炭素を室外へ排出しており、二酸化炭素を回収することについては考慮されていない。
そこで、本発明は、建築物における空気調和システムにおいて、二酸化炭素を回収し、回収した二酸化炭素を有効利用できる空気調和システム、ビル空調システム及び二酸化炭素回収方法を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、
窒素を吸着する窒素吸着筒を有する窒素吸着部と、
酸素を吸着する酸素吸着筒を有する酸素吸着部と、
回収部と、を有し、
前記排出部の後段に前記窒素吸着部又は前記酸素吸着部が接続され、
前記窒素吸着部及び前記酸素吸着部の後段に前記回収部が接続され、
前記窒素吸着部と前記酸素吸着部とが直列に接続されている、空気調和システム。
[2]前記窒素吸着部が前記酸素吸着部の前段に位置する、[1]に記載の空気調和システム。
[3]外気を供給する空気供給部と、前記空気供給部の後段に接続される混合部と、を有し、
前記窒素吸着部及び前記酸素吸着部の後段に前記混合部が接続されている、[1]又は[2]に記載の空気調和システム。
[4]前記窒素吸着筒は、窒素を脱着する機能を有し、
前記窒素吸着部が、並列に配置された二つ以上の前記窒素吸着筒と、窒素の吸着と窒素の脱着とを交互に切り替え可能な切替手段と、を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の空気調和システム。
[5]前記酸素吸着筒は、酸素を脱着する機能を有し、
前記酸素吸着部が、並列に配置された二つ以上の前記酸素吸着筒と、酸素の吸着と酸素の脱着とを交互に切り替え可能な切替手段と、を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の空気調和システム。
[6]窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、
窒素を分離する窒素分離膜を有する窒素分離部と、
酸素を分離する酸素分離膜を有する酸素分離部と、
回収部と、を有し、
前記排出部の後段に前記窒素分離部又は前記酸素分離部が接続され、
前記窒素分離部及び前記酸素分離部の後段に前記回収部が接続され、
前記窒素分離部と前記酸素分離部とが直列に接続されている、空気調和システム。
[7]前記排出部の内部の窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御部をさらに有する、[1]~[6]のいずれかに記載の空気調和システム。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の空気調和システムを異なるフロアに複数備える、ビル空調システム。
[9]窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素吸着剤に接触させて、前記処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を前記窒素吸着剤に吸着させる窒素吸着工程と、
前記処理対象空気を酸素吸着剤に接触させて、前記処理対象空気に含まれる酸素の一部又は全部を前記酸素吸着剤に吸着させる酸素吸着工程と、
前記窒素吸着工程及び前記酸素吸着工程を経て得られる、窒素濃度と酸素濃度とが低減され、二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を回収する回収工程と、を有する、二酸化炭素回収方法。
[10]窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素分離膜に通流させて、前記処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を除去する窒素分離工程と、
前記処理対象空気を酸素分離膜に通流させて、前記処理対象空気に含まれる酸素の一部又は全部を除去する酸素分離工程と、
前記窒素分離工程及び前記酸素分離工程を経て得られる、窒素濃度と酸素濃度とが低減され、二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を回収する回収工程と、を有する、二酸化炭素回収方法。
[11]前記処理対象空気に含まれる窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御工程をさらに有する、[9]又は[10]に記載の二酸化炭素回収方法。
本発明の空気調和システム、ビル空調システム及び二酸化炭素回収方法によれば、建築物における空気調和システムにおいて、二酸化炭素を回収し、回収した二酸化炭素を有効利用できる。
本発明の第一実施形態に係る空気調和システムを示す概略図である。 本発明の第二実施形態に係る空気調和システムを示す概略図である。 本発明の第三実施形態に係る空気調和システムを示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るビル空調システムを示す概略図である。
[第一実施形態]
≪空気調和システム≫
本実施形態の空気調和システムは、窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、窒素を吸着する窒素吸着筒を有する窒素吸着部と、酸素を吸着する酸素吸着筒を有する酸素吸着部と、回収部と、を有する。
以下に、本発明の第一実施形態に係る空気調和システムについて、図1に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気調和システム1は、空気供給部10と、混合部20と、空気調和部30と、排出部40と、窒素吸着部50と、酸素吸着部60と、回収部70と、を有する。
窒素吸着部50と、酸素吸着部60とは、配管L11で直列に接続されている。
本実施形態では、窒素吸着部50が、酸素吸着部60の前段に位置している。
空気供給部10と混合部20とは、配管L1で接続されている。混合部20と空気調和部30とは、配管L2で接続されている。空気調和部30と排出部40とは、配管L3で接続されている。排出部40には、配管L4が接続されている。配管L4は、分岐101で窒素吸着部50と接続されている。配管L4には、ブロアA2が設けられている。窒素吸着部50は、分岐102で配管L11と接続されている。配管L11は、分岐103で酸素吸着部60と接続されている。酸素吸着部60は、分岐104で配管L14と接続されている。配管L14は、回収部70と接続されている。窒素吸着部50は、分岐105で配管L12と接続されている。配管L12は、分岐106及び分岐107で酸素吸着部60と接続されている。配管L12は、ポンプP2と接続されている。ポンプP2と混合部20とは、配管L13で接続されている。
図中の矢印は、空気等の流体の移動方向を表す。
本明細書において、「前段」とは、流体の移動方向に対して上流側を意味する。
本明細書において、「後段」とは、流体の移動方向に対して下流側を意味する。
<空気供給部>
空気供給部10は、混合部20に外気を供給する。本実施形態の空気供給部10は、外気取入口12と、配管L0と、ダンパD1とを有する。外気取入口12とダンパD1とは、配管L0で接続されている。ダンパD1は、配管L1を介して混合部20と接続されている。配管L0、L1には、例えば、羽根車の回転運動によって気体にエネルギーを与える送風機(ブロア)等が設けられていてもよい。
外気取入口12としては、例えば、外気を導入でき、雨水の侵入を防ぐ雨返し等が付いたガラリ等が挙げられる。
ダンパD1としては、例えば、バルブの開閉によって流量を調節できる風量調節器、外壁に面した部分の開口部に用いるための延焼防止機能を有する防火ダンパ等が挙げられる。
配管L0としては、例えば、金属製又は樹脂製のダクト等が挙げられる。配管L1としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
<混合部>
混合部20は、外気と後述する二酸化炭素低減ガスとを混合する。
混合部20としては、例えば、金属製又は樹脂製のチャンバー等が挙げられる。
配管L2としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
<空気調和部>
空気調和部30は、外気と二酸化炭素低減ガスとの混合流体を清浄し、温度を調整した上で、混合流体を排出部40に供給する。
空気調和部30は、フィルター32と、ブロアA1とを有する。
空気調和部30としては、例えば、エアハンドリングユニット(AHU)等の装置が挙げられる。
フィルター32としては、例えば、大気中の粉塵等を除去できる濾過器等が挙げられる。
ブロアA1としては、例えば、羽根車の回転運動によって気体にエネルギーを与える送風機等が挙げられる。
<排出部>
排出部40としては、例えば、オフィス等の屋内で人が活動する居室等が挙げられる。排出部40では、人が呼吸をすることで二酸化炭素の濃度が増大する。この他、排出部40としては、例えば、燃焼型の暖房機、焼成装置等を備える部屋が挙げられる。
本明細書において、排出部40は、大気中等に比べて二酸化炭素の濃度が増大し得る空間を意味し、必ずしも二酸化炭素の濃度が増大し続ける空間を意味するものではない。排出部40には、二酸化炭素の濃度が減少する瞬間も含まれるものとする。
排出部40は、給気口41、42と、排気口43とを有する。給気口41及び給気口42には、配管L3が接続されている。排気口43には、配管L4が接続されている。
給気口41、42としては、例えば、金属製又は樹脂製の制気口等が挙げられる。
排気口43としては、例えば、金属製又は樹脂製の制気口等が挙げられる。
配管L4としては、例えば、金属製又は樹脂製の還気ダクト等が挙げられる。
<窒素吸着部>
窒素吸着部50は、2つの窒素吸着筒52、54と、配管L5、L6、L7、L8、L9、L10と、ダンパND1、ND2、ND3、ND4と、開閉弁NV1、NV2と、制御部C1とを有する。窒素吸着筒52、54は、窒素を脱着する機能を有する。窒素吸着筒52には、配管L5と、配管L7と、配管L14とが接続されている。窒素吸着筒54には、配管L6と、配管L8と、配管L15とが接続されている。配管L5と配管L6とは、分岐101で接続されている。配管L7と、配管L8とは、分岐102で接続されている。すなわち、窒素吸着筒52と窒素吸着筒54とは、並列に配置されている。窒素吸着筒52と窒素吸着筒54とが並列に配置され、かつ、切替手段を有することで、一方の窒素吸着筒で窒素を吸着し、他方の窒素吸着筒で窒素の脱着を行える。
本実施形態において、ダンパND1、ND2、ND3、ND4と、開閉弁NV1、NV2と、制御部C1とが、切替手段を構成している。
本明細書において、「吸着」とは、液体又は気体が、他の固体又は液体の表面に吸い着けられることをいう。「脱着」とは、吸着された物質が吸着界面から離れることをいう。脱着は、脱離ともいう。「吸脱着」とは、吸着及び脱着の双方又はいずれか一方をいう。
配管L5には、ダンパND1が設けられている。配管L6には、ダンパND3が設けられている。配管L7には、ダンパND2が設けられている。配管L8には、ダンパND4が設けられている。
配管L9には、開閉弁NV1が設けられている。配管L10には、開閉弁NV2が設けられている。配管L9は、分岐105で配管L10と接続されている。
ダンパND1~ND4、開閉弁NV1、NV2は、制御部C1と接続されている。
窒素吸着筒52、54には、窒素吸着能を有する窒素吸着剤が充填されている。
窒素吸着筒52、54は、窒素吸着剤を担持可能な円筒形の部材である。窒素吸着筒52、54としては、例えば、金属製又は樹脂製の円筒形部材、セラミック繊維紙やガラス繊維紙等の不燃性のシートをコルゲート(波付け)加工した円筒形部材等が挙げられる。
窒素吸着剤としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミンを担持した固体吸収剤、アミン系の弱塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられる。窒素吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭が好ましく、ゼオライト、シリカゲルがより好ましい。
本明細書において、「窒素吸着剤」とは、窒素吸着能を有する吸着剤をいい、具体的には、標準状態において、吸着剤の単位質量(1kg)当たり、窒素を0.1モル以上吸着できる吸着剤をいう。
ダンパND1~ND4としては、制御部C1で開閉を制御できる風量調節器等が挙げられる。
開閉弁NV1、NV2としては、制御部C1で開閉を制御できる電磁弁等が挙げられる。
制御部C1としては、ダンパND1~ND4、開閉弁NV1、NV2の開閉を調整できるコンピュータ等が挙げられる。制御部C1でダンパND1~ND4、開閉弁NV1、NV2の開閉を調整することにより、窒素の吸着と、窒素の脱着とを、窒素吸着筒52と窒素吸着筒54とで交互に切り替え可能に制御できる。
配管L5~L10としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
<酸素吸着部>
酸素吸着部60は、2つの酸素吸着筒62、64と、配管L15、L16、L17、L18、L19、L22と、ダンパOD1、OD2、OD3、OD4と、開閉弁OV1、OV2と、制御部C2とを有する。酸素吸着筒62、64は、酸素を脱着する機能を有する。酸素吸着筒62には、配管L15と、配管L17と、配管L19とが接続されている。酸素吸着筒64には、配管L16と、配管L18と、配管L22とが接続されている。配管L15と配管L16とは、分岐103で接続されている。配管L17と、配管L18とは、分岐104で接続されている。すなわち、酸素吸着筒62と酸素吸着筒64とは、並列に配置されている。酸素吸着筒62と酸素吸着筒64とが並列に配置され、かつ、切替手段を有することで、一方の酸素吸着筒で酸素を吸着し、他方の酸素吸着筒で酸素の脱着を行える。
本実施形態において、ダンパOD1、OD2、OD3、OD4と、開閉弁OV1、OV2と、制御部C2とが、切替手段を構成している。
配管L15には、ダンパOD1が設けられている。配管L16には、ダンパOD3が設けられている。配管L17には、ダンパOD2が設けられている。配管L18には、ダンパOD4が設けられている。
配管L19には、開閉弁OV1が設けられている。配管L22には、開閉弁OV2が設けられている。配管L19は、分岐107で配管L12と接続されている。配管L22は、分岐106で配管L12と接続されている。
ダンパOD1~OD4、開閉弁OV1、OV2は、制御部C2と接続されている。
酸素吸着筒62、64には、酸素吸着能を有する酸素吸着剤が充填されている。
酸素吸着筒62、64は、酸素吸着剤を担持可能な円筒形の部材である。酸素吸着筒62、64としては、例えば、金属製又は樹脂製の円筒形部材、セラミック繊維紙やガラス繊維紙等の不燃性のシートをコルゲート(波付け)加工した円筒形部材等が挙げられる。
酸素吸着剤としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミンを担持した固体吸収剤、アミン系の弱塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられる。酸素吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭が好ましく、ゼオライト、シリカゲルがより好ましい。
本明細書において、「酸素吸着剤」とは、酸素吸着能を有する吸着剤をいい、具体的には、標準状態において、吸着剤の単位質量(1kg)当たり、酸素を0.1モル以上吸着できる吸着剤をいう。
ダンパOD1~OD4としては、制御部C2で開閉を制御できる風量調節器等が挙げられる。
開閉弁OV1、OV2としては、制御部C2で開閉を制御できる電磁弁等が挙げられる。
制御部C2としては、ダンパOD1~OD4、開閉弁OV1、OV2の開閉を調整できるコンピュータ等が挙げられる。制御部C2でダンパOD1~OD4、開閉弁OV1、OV2の開閉を調整することにより、酸素の吸着と、酸素の脱着とを、酸素吸着筒62と酸素吸着筒64とで交互に切り替え可能に制御できる。
配管L15~L19、配管L22としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
配管L17、L18は、分岐104で配管L14と接続されている。配管L14は、回収部70と接続されている。配管L14には、ポンプP1が設けられている。
配管L14としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
ポンプP1としては、真空ポンプや吸引ポンプ等が挙げられる。
配管L9、L10は、分岐105で配管L12と接続されている。配管L12は、分岐106で配管L22と接続されている。配管L12は、分岐107で配管L19と接続されている。配管L12には、逆止弁RV1、RV2が設けられている。配管L12は、ポンプP2と接続されている。ポンプP2と混合部20とは、配管L13で接続されている。
配管L12、L13としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
ポンプP2としては、真空ポンプや吸引ポンプ等が挙げられる。
逆止弁RV1、RV2は、流体の背圧によって弁体が逆流を防止する形で作動する構造を有する弁である。逆止弁RV1、RV2としては、例えば、逆流防止弁、チェックバルブ、チャッキ弁等が挙げられる。
<回収部>
回収部70には、配管L14が接続されている。
回収部70には、窒素吸着部50及び酸素吸着部60で処理された処理済空気が供給される。処理済空気は、窒素濃度と酸素濃度とが低減されており、二酸化炭素濃度が高まっている。
回収部70としては、例えば、二酸化炭素を貯留できるタンク等の容器が挙げられる。
≪二酸化炭素回収方法(空気調和方法)≫
本発明の二酸化炭素回収方法(空気調和方法)は、窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気から、窒素及び酸素を吸着させて濃縮された二酸化炭素を回収する方法である。
本実施形態の二酸化炭素回収方法は、窒素吸着工程と、酸素吸着工程と、回収工程と、を有する。
本実施形態の二酸化炭素回収方法について、空気調和システム1を利用した空気調和方法を例にして説明する。
各工程について、以下に、図1に基づき詳細に説明する。
<窒素吸着工程>
窒素吸着工程は、排出部40から排出される窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素吸着剤に接触させて、処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を窒素吸着剤に吸着させる工程である。
表1に、窒素吸着工程における、窒素吸着筒52、54での吸脱着の状態と、ダンパND1~ND4、開閉弁NV1、NV2の開閉の状態との一例を示す。
窒素吸着部50において、ダンパND1~ND4、開閉弁NV1、NV2の開閉は、制御部C1によって調整される。
Figure 2023010565000002
表1に示すように、窒素吸着工程では、まず、ダンパND1を開とし、ダンパND3を閉とする。ダンパND2を開として、開閉弁NV1を閉とする。ブロアA2を運転して処理対象空気を吸引し、配管L4を介して、処理対象空気を窒素吸着筒52へと供給する。
本実施形態の処理対象空気は、排出部40から排出された空気である。排出部40では、人が活動することにより二酸化炭素濃度が高められた活動後空気が含まれる。処理対象空気としては、活動後空気のほか、燃焼により生じた燃焼後空気等が挙げられる。
処理対象空気における二酸化炭素の濃度は、例えば、100~5,000ppmが好ましく、200~4,000ppmがより好ましく、300~3,000ppmがさらに好ましく、400~2,000ppmがさらに好ましく、500~1,500ppmが特に好ましく、600~1,000ppmが最も好ましい。処理対象空気における二酸化炭素の濃度が上記下限値以上であると、より多くの二酸化炭素を後述する回収工程で回収できる。処理対象空気における二酸化炭素の濃度が上記上限値以下であると、窒素吸着の効率を高められる。
窒素吸着剤と接触した処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部は、窒素吸着筒52内の窒素吸着剤に吸着される(窒素吸着工程)。その結果、窒素濃度が低減された窒素低減ガスが得られる。
窒素低減ガスは、配管L7から分岐102を経て配管L11へと通流する。
窒素吸着工程における窒素吸着筒52の内部の温度は、例えば、0~60℃が好ましく、0~40℃がより好ましく、5~35℃がさらに好ましく、10~30℃が特に好ましい。窒素吸着筒52の内部の温度が上記下限値以上であると、快適な温度の窒素低減ガスが得られる。窒素吸着筒52の内部の温度が上記上限値以下であると、窒素吸着剤の吸着能をより高められる。窒素吸着筒52の内部の温度は、例えば、窒素吸着筒52の内部に冷却装置等(不図示)を導入し、その冷却装置により調節できる。
窒素吸着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力は、特に限定されないが、例えば、常圧である。
本明細書において、「常圧」とは、特別に減圧も加圧もしないときの圧力をいい、例えば、0.1MPaである。
次いで、ダンパND1を閉とし、ダンパND3を開とする。ダンパND4を開として、開閉弁NV2を閉とする。ブロアA2を運転して処理対象空気を吸引し、配管L4を介して、処理対象空気を窒素吸着筒54へと供給する。処理対象空気は、窒素吸着筒52へと供給する処理対象空気と同様である。
窒素吸着剤と接触した処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部は、窒素吸着筒54内の窒素吸着剤に吸着される(窒素吸着工程)。その結果、窒素濃度が低減された窒素低減ガスが得られる。
窒素低減ガスは、配管L8から分岐102を経て配管L11へと通流する。
窒素吸着工程における窒素吸着筒54の内部の温度は、窒素吸着筒52の内部の温度と同様である。窒素吸着工程における窒素吸着筒54の内部の温度は、窒素吸着筒52の内部の温度と同じでもよく、異なっていてもよい。
窒素吸着工程における窒素吸着筒54の内部の圧力は、窒素吸着筒52の内部の圧力と同様である。窒素吸着工程における窒素吸着筒54の内部の圧力は、窒素吸着筒52の内部の圧力と同じでもよく、異なっていてもよい。
<窒素脱着工程>
窒素吸着筒54で、窒素を吸着している間、ダンパND2を閉とし、開閉弁NV1を開とする。ポンプP2を稼働し、窒素吸着筒52の内部の圧力を減圧する。窒素吸着筒52の内部の圧力を減圧すると、圧力差により、窒素吸着筒52内の窒素吸着剤に吸着している窒素が脱着される(窒素脱着工程)。脱着した窒素は、配管L9から、分岐105を経て、配管L12へと供給される。
窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力は、常圧よりも低いことが好ましい。窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力は、例えば、100kPa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、0.1Pa以下がさらに好ましい。窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力が上記上限値以下であると、より容易に、より多くの窒素を脱着できる。
窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力の下限値は、低いほど好ましく、理論上は絶対真空(0Pa)であるが、実質的には、超高真空(10-5Pa以下)である。
なお、窒素脱着工程における圧力差を利用して窒素を脱着させる原理を、圧力スイング吸着(PSA)ともいう。
窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力を100kPa以下に低下させて窒素を脱着させる原理を、真空スイング吸着(VSA)ともいう。
窒素吸着筒52内の窒素吸着剤に吸着している窒素が充分に脱着したら、開閉弁NV1を閉とし、ダンパND1及びND2を開とする。窒素吸着筒52の内部の圧力が常圧に戻り、処理対象空気が流入する。処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部は、窒素吸着剤と接触し、窒素吸着筒52内の窒素吸着剤に吸着される(窒素吸着工程)。窒素濃度が低減された窒素低減ガスは、配管L7から分岐102を経て配管L11へと通流する。
窒素吸着筒52で、窒素を吸着している間、ダンパND3及びND4を閉とし、開閉弁NV2を開とする。ポンプP2を稼働し、窒素吸着筒54の内部の圧力を減圧する。窒素吸着筒54の内部の圧力を減圧すると、圧力差により、窒素吸着筒54内の窒素吸着剤に吸着している窒素が脱着される(窒素脱着工程)。脱着した窒素は、配管L10から、分岐105を経て、配管L12へと供給される。
なお、後述するビル空調システム(全館、全フロア)に対応する場合、ポンプP2は、常時稼働状態であってもよい。
窒素脱着工程における窒素吸着筒54の内部の圧力は、窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力と同様である。窒素脱着工程における窒素吸着筒54の内部の圧力は、窒素脱着工程における窒素吸着筒52の内部の圧力と同じでもよく、異なっていてもよい。
本実施形態では、窒素吸着筒52と窒素吸着筒54とが並列に配置されていることで、処理対象空気の通流と、窒素の排出とを、同時に行うことができる。このため、処理対象空気を連続して処理することができ、処理対象空気の処理の効率をより高められる。加えて、窒素を安定的に供給できる。
本実施形態では、ダンパや開閉弁の開閉を制御することにより、窒素吸着工程と窒素脱着工程とを交互に切り替えることが可能となる。
本実施形態では、排出部40から排出された処理対象空気のうち、最も分圧が高い窒素(約78体積%)を最初に吸着させる。このため、処理対象空気から効率よく窒素を除去できる。
本実施形態では、排出部40から排出された、処理対象空気(還気)から窒素を除去できる。このため、より二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を容易に回収部に供給できる。
配管L11へと通流した窒素低減ガスは、分岐103を経て、酸素吸着部60へと供給される。
<酸素吸着工程>
酸素吸着工程は、排出部40から排出される窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を酸素吸着剤に接触させて、処理対象空気に含まれる酸素の一部又は全部を酸素吸着剤に吸着させる工程である。
表2に、酸素吸着工程における、酸素吸着筒62、64での吸脱着の状態と、ダンパOD1~OD4、開閉弁OV1、OV2の開閉の状態との一例を示す。
酸素吸着部60において、ダンパOD1~OD4、開閉弁OV1、OV2の開閉は、制御部C2によって調整される。
Figure 2023010565000003
表2に示すように、酸素吸着工程では、まず、ダンパOD1を開とし、ダンパOD3を閉とする。ダンパOD2を開として、開閉弁OV1を閉とする。ブロアA2を運転して処理対象空気から窒素を吸着させた窒素低減ガスを吸引し、配管L15を介して、窒素低減ガスを酸素吸着筒62へと供給する。
窒素低減ガスにおける二酸化炭素の濃度は、例えば、100~5,000ppmが好ましく、1,000~5,000ppmがより好ましい。窒素低減ガスにおける二酸化炭素の濃度が上記下限値以上であると、より多くの二酸化炭素を後述する回収工程で回収できる。窒素低減ガスにおける二酸化炭素の濃度が上記上限値以下であると、酸素吸着の効率を高められる。
酸素吸着剤と接触した窒素低減ガスに含まれる酸素の一部又は全部は、酸素吸着筒62内の酸素吸着剤に吸着される(酸素吸着工程)。その結果、酸素濃度が低減された処理済空気が得られる。
処理済空気は、配管L17から分岐104を経て配管L14へと通流する。
酸素吸着工程における酸素吸着筒62の内部の温度は、例えば、0~60℃が好ましく、0~40℃がより好ましく、5~35℃がさらに好ましく、10~30℃が特に好ましい。酸素吸着筒62の内部の温度が上記下限値以上であると、快適な温度の処理済空気が得られる。酸素吸着筒62の内部の温度が上記上限値以下であると、酸素吸着剤の吸着能をより高められる。酸素吸着筒62の内部の温度は、例えば、酸素吸着筒62の内部に冷却装置等(不図示)を導入し、その冷却装置により調節できる。
酸素吸着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力は、特に限定されないが、例えば、常圧である。
次いで、ダンパOD1を閉とし、ダンパOD3を開とする。ダンパOD4を開として、開閉弁OV2を閉とする。ブロアA2を運転して窒素低減ガスを吸引し、配管L16を介して、窒素低減ガスを酸素吸着筒64へと供給する。窒素低減ガスは、酸素吸着筒62へと供給する窒素低減ガスと同様である。
酸素吸着剤と接触した窒素低減ガスに含まれる酸素の一部又は全部は、酸素吸着筒64内の酸素吸着剤に吸着される(酸素吸着工程)。その結果、酸素濃度が低減された処理済空気が得られる。
処理済空気は、配管L18から分岐104を経て配管L14へと通流する。
酸素吸着工程における酸素吸着筒64の内部の温度は、酸素吸着筒62の内部の温度と同様である。酸素吸着工程における酸素吸着筒64の内部の温度は、酸素吸着筒62の内部の温度と同じでもよく、異なっていてもよい。
酸素吸着工程における酸素吸着筒64の内部の圧力は、酸素吸着筒62の内部の圧力と同様である。酸素吸着工程における酸素吸着筒64の内部の圧力は、酸素吸着筒62の内部の圧力と同じでもよく、異なっていてもよい。
<酸素脱着工程>
酸素吸着筒64で、酸素を吸着している間、ダンパOD2を閉とし、開閉弁OV1を開とする。ポンプP2を稼働し、酸素吸着筒62の内部の圧力を減圧する。酸素吸着筒62の内部の圧力を減圧すると、圧力差により、酸素吸着筒62内の酸素吸着剤に吸着している酸素が脱着される(酸素脱着工程)。脱着した酸素は、配管L19から、分岐107を経て、配管L12へと供給される。
酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力は、常圧よりも低いことが好ましい。酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力は、例えば、100kPa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、0.1Pa以下がさらに好ましい。酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力が上記上限値以下であると、より容易に、より多くの酸素を脱着できる。
酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力の下限値は、低いほど好ましく、理論上は絶対真空(0Pa)であるが、実質的には、超高真空(10-5Pa以下)である。
なお、酸素脱着工程における圧力差を利用して酸素を脱着させる原理を、圧力スイング吸着(PSA)ともいう。
酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力を100kPa以下に低下させて酸素を脱着させる原理を、真空スイング吸着(VSA)ともいう。
酸素吸着筒62内の酸素吸着剤に吸着している酸素が充分に脱着したら、開閉弁OV1を閉とし、ダンパOD1及びOD2を開とする。酸素吸着筒62の内部の圧力が常圧に戻り、窒素低減ガスが流入する。窒素低減ガスに含まれる酸素の一部又は全部は、酸素吸着剤と接触し、酸素吸着筒62内の酸素吸着剤に吸着される(酸素吸着工程)。酸素濃度が低減された処理済空気は、配管L17から分岐104を経て配管L14へと通流する。
酸素吸着筒62で、酸素を吸着している間、ダンパOD3及びOD4を閉とし、開閉弁OV2を開とする。ポンプP2を稼働し、酸素吸着筒64の内部の圧力を減圧する。酸素吸着筒64の内部の圧力を減圧すると、圧力差により、酸素吸着筒64内の酸素吸着剤に吸着している酸素が脱着される(酸素脱着工程)。脱着した酸素は、配管L22から、分岐106を経て、配管L12へと供給される。
なお、後述するビル空調システム(全館、全フロア)に対応する場合、ポンプP2は、常時稼働状態であってもよい。
酸素脱着工程における酸素吸着筒64の内部の圧力は、酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力と同様である。酸素脱着工程における酸素吸着筒64の内部の圧力は、酸素脱着工程における酸素吸着筒62の内部の圧力と同じでもよく、異なっていてもよい。
本実施形態では、酸素吸着筒62と酸素吸着筒64とが並列に配置されていることで、窒素低減ガスの通流と、酸素の排出とを、同時に行うことができる。このため、窒素低減ガスを連続して処理することができ、処理対象空気の処理の効率をより高められる。加えて、酸素を安定的に供給できる。
本実施形態では、ダンパや開閉弁の開閉を制御することにより、酸素吸着工程と酸素脱着工程とを交互に切り替えることが可能となる。
本実施形態では、窒素吸着部50から排出された窒素低減ガスのうち、最も分圧が高い酸素(40~99.45体積%)を吸着させる。このため、窒素低減ガスから効率よく酸素を除去できる。
本実施形態では、窒素吸着部50から排出された窒素低減ガスから酸素を除去できる。このため、より二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を容易に回収部に供給できる。
<回収工程>
配管L14へと供給された処理済空気は、窒素吸着工程及び酸素吸着工程を経て、窒素及び酸素が除去されているため、二酸化炭素濃度が高まっている。処理済空気は、ポンプP1を稼働させることにより、配管L14を介して回収部70へと回収される(回収工程)。この際、他の空気調和システムから排出された処理済空気を合流させてもよい。
回収された処理済空気は、気液分離等により水分が除去され、高濃度の二酸化炭素としてボンベ等に収缶され、炭素源として有効利用可能である(カーボンリサイクル)。
このように、回収工程では、濃度がより高まった二酸化炭素を回収できる。
回収された二酸化炭素の濃度は、例えば、1,000ppm以上であってよく、1,000~750,000ppm、1,000~500,000ppm、1,000~250,000ppm、1,000~100,000ppm、が好ましく、1,000~10,000ppmがより好ましく、2,000~10,000ppmがさらに好ましく、2,000~5,000ppmが特に好ましい。回収された二酸化炭素の濃度が上記下限値以上であると、より多くの二酸化炭素を有効利用できる。回収された二酸化炭素の濃度が上記上限値以下であると、管理がより容易になる。
回収された二酸化炭素の濃度は、窒素吸着剤の種類、量、酸素吸着剤の種類、量、窒素吸着部50の内部の圧力、窒素吸着部50の内部の温度、窒素脱着工程における時間、酸素吸着部60の内部の圧力、酸素吸着部60の内部の温度、酸素脱着工程における時間、及びこれらの組合せにより調節できる。
本実施形態では、圧力差による窒素脱着工程及び酸素脱着工程について説明したが、本発明は、上述の実施形態には限定されない。
窒素脱着工程及び酸素脱着工程は、温度差を利用した、温度スイング吸着(TSA)の原理による脱着でもよく、圧力差と温度差との双方による脱着でもよい。
圧力差と温度差との双方による脱着とすることで、窒素及び酸素をより効率的に脱着できる。このため、処理済空気における二酸化炭素の濃度をより高められる。
温度差としては、例えば、10~200℃が好ましく、20~180℃がより好ましく、30~160℃がさらに好ましい。温度差が上記下限値以上であると、より多くの窒素及び酸素を脱着できる。温度差が上記上限値以下であると、窒素吸着剤及び酸素吸着剤の劣化を抑制できる。加えて、エネルギーを節約できる。
窒素吸着部50で得られた窒素は、配管L12を通流する。配管L12には、逆止弁RV1が設けられているため、窒素の逆流を防止できる。配管L12を通流する窒素は、分岐106及び分岐107で、酸素吸着部60で得られた酸素と合流する。窒素と酸素とが合流して得られる合流ガスにおける二酸化炭素濃度は、処理対象空気における二酸化炭素の濃度よりも低い。
合流ガスにおける二酸化炭素濃度は、処理対象空気における二酸化炭素の濃度よりも低い。合流ガスにおける二酸化炭素濃度は、例えば、1,000ppm以下が好ましく、800ppm以下がより好ましく、500ppm以下がさらに好ましい。合流ガスにおける二酸化炭素濃度が上記上限値以下であると、建築物環境衛生管理基準を満たす二酸化炭素濃度にでき、より清浄な空気を排出部40に供給できる。合流ガスにおける二酸化炭素濃度の下限値は、特に限定されないが、実質的には10ppmであり、0ppmであってもよい。
合流ガスは、ポンプP2の吸引力により、配管L12から配管L13へと流入する。配管L12には、逆止弁RV2が設けられているため、合流ガスの逆流を防止できる。配管L13に流入した合流ガスは、混合部20へと通流する。
空気供給部10からは、ダンパD1を開とすることで、配管L0、L1を介して、外気が混合部20へと供給される。
混合部20では、外気と合流ガスとが混合され、混合流体となる。
混合部20を有することで、空気供給部10からの外気の導入量を減らすことができ、外気負荷による空調負荷を低減することができる。
本実施形態では、窒素吸着部50及び酸素吸着部60の後段に混合部20が接続されている。このため、二酸化炭素濃度が低減された混合流体が得られる。
混合流体は、配管L2を介して、空気調和部30へと供給される。
混合流体における二酸化炭素濃度は、例えば、100~5,000ppmが好ましく、200~4,000ppmがより好ましく、300~3,000ppmがさらに好ましく、400~2,000ppmがさらに好ましく、500~1,500ppmが特に好ましく、600~1,000ppmが最も好ましい。混合流体における二酸化炭素濃度が上記下限値以上であると、より多くの二酸化炭素を回収工程で回収できる。混合流体における二酸化炭素濃度が上記上限値以下であると、より清浄な空気を排出部40へと供給できる。
空気調和部30へと供給された混合流体は、フィルター32で粉塵等の汚れが除去された後、空気調和部30内で温度、湿度が調整される。温度、湿度が調整された混合流体は、ブロアA1を稼働することで、清浄な空気として配管L3、給気口41、42を介して、排出部40へと供給される。
空気調和部30内の温度は、特に限定されないが、例えば、0~60℃が好ましく、0~40℃がより好ましく、5~35℃がさらに好ましく、10~30℃が特に好ましい。空気調和部30内の温度が上記数値範囲内であると、快適な温度の空気を排出部40に供給できる。
空気調和部30内の温度は、例えば、ヒーター(不図示)や冷媒等により調節できる。
空気調和部30内の湿度は、特に限定されないが、例えば、5~95%RHが好ましく、10~80%RHがより好ましく、20~70%RHがさらに好ましい。空気調和部30内の湿度が上記数値範囲内であると、排出部40の内部の湿度をより快適にできる。
空気調和部30内の湿度は、例えば、加湿器や除湿器等により調節できる。
排出部40へと供給された混合流体は、例えば、人が活動することにより二酸化炭素濃度が高められ、処理対象空気として排気口43から配管L4を介して、窒素吸着部50へと供給される。
本実施形態では、排出部40の後段に窒素吸着部50及び酸素吸着部60が位置する。このため、二酸化炭素濃度が増大した処理対象空気を窒素吸着部50及び酸素吸着部60へと供給することができる。窒素吸着部50及び酸素吸着部60では、窒素及び酸素が吸着により除去される。その結果、より濃縮された二酸化炭素を含む処理済空気を回収部70へと供給できる。回収された処理済空気は、高濃度の二酸化炭素としてボンベ等に収缶され、炭素源として有効利用可能である。
加えて、従来は、単に排出されていた活動後空気(処理対象空気)を屋外に排気せず、二酸化炭素の排出量を低減できる。
[第二実施形態]
≪空気調和システム≫
本実施形態の空気調和システムは、窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、窒素を分離する窒素分離膜を有する窒素分離部と、酸素を分離する酸素分離膜を有する酸素分離部と、回収部と、を有する。
本実施形態の空気調和システムは、窒素吸着部に代えて窒素分離部を有し、酸素吸着部に代えて酸素分離部を有する点で、第一実施形態の空気調和システムと相違する。
以下に、本発明の第二実施形態に係る空気調和システムについて、図2に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態の空気調和システム2は、空気供給部10と、混合部20と、空気調和部30と、排出部40と、窒素分離部80と、酸素分離部90と、回収部70と、を有する。
窒素分離部80と、酸素分離部90とは、配管L25で直列に接続されている。
本実施形態では、窒素分離部80が、酸素分離部90の前段に位置している。
排出部40と窒素分離部80とは、配管L4で接続されている。配管L4には、圧縮機CP1が設けられている。窒素分離部80には、配管L26が接続されている。配管L26には、逆止弁RV5が設けられている。配管L25には、圧縮機CP2が設けられている。酸素分離部90には、配管L14と配管L27とが接続されている。配管L14は、回収部70と接続されている。配管L27には、逆止弁RV6が設けられている。配管L26及び配管L27は、分岐205で配管L29と接続されている。配管L29は、混合部20と接続されている。配管L29には、ブロアA3が設けられている。
<窒素分離部>
窒素分離部80は、窒素分離膜82を有する。
窒素分離部80は、窒素分離膜82を設置可能な円筒形の部材である。窒素分離部80としては、例えば、金属製又は樹脂製の円筒形部材、セラミック繊維紙やガラス繊維紙等の不燃性のシートをコルゲート(波付け)加工した円筒形部材等が挙げられる。
窒素分離膜82としては、例えば、ポリイミド製の中空糸等が挙げられる。
本明細書において、「窒素分離膜」とは、窒素分離能を有する膜をいい、具体的には、標準状態において、膜の単位面積(1m)当たり、窒素を0.1モル以上分離できる膜をいう。
<酸素分離部>
酸素分離部90は、酸素分離膜92を有する。
酸素分離部90は、酸素分離膜92を設置可能な円筒形の部材である。酸素分離部90としては、例えば、金属製又は樹脂製の円筒形部材、セラミック繊維紙やガラス繊維紙等の不燃性のシートをコルゲート(波付け)加工した円筒形部材等が挙げられる。
酸素分離膜92としては、例えば、ペロブスカイト酸化物を含むセラミックス膜等が挙げられる。
本明細書において、「酸素分離膜」とは、酸素分離能を有する膜をいい、具体的には、標準状態において、膜の単位面積(1m)当たり、酸素を0.1モル以上分離できる膜をいう。
圧縮機CP1、CP2としては、例えば、気体を圧縮できるコンプレッサー等が挙げられる。
配管L25、L26、L27、L29としては、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
逆止弁RV5、RV6としては、例えば、逆流防止弁、チェックバルブ、チャッキ弁等が挙げられる。
ブロアA3としては、例えば、羽根車の回転運動によって気体にエネルギーを与える送風機等が挙げられる。
≪二酸化炭素回収方法(空気調和方法)≫
本実施形態の二酸化炭素回収方法は、窒素分離工程と、酸素分離工程と、回収工程と、を有する。
本実施形態の二酸化炭素回収方法について、空気調和システム2を利用した空気調和方法を例にして説明する。
各工程について、以下に、図2に基づき詳細に説明する。
<窒素分離工程>
窒素分離工程は、排出部40から排出される窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素分離膜82に通流させて、処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を除去する工程である。
窒素分離工程では、圧縮機CP1で処理対象空気を圧縮し、窒素分離部80に供給することが好ましい。
圧縮機CP1で処理対象空気を圧縮する際の圧力は、例えば、0.3~2.4MPaが好ましく、1.0~1.4MPaがより好ましい。圧縮機CP1で処理対象空気を圧縮する際の圧力が上記下限値以上であると、窒素分離部80での窒素の除去率をより高められる。圧縮機CP1で処理対象空気を圧縮する際の圧力が上記上限値以下であると、窒素分離膜82の劣化を抑制できる。
窒素分離工程で分離された窒素は、配管L26へ流入する。配管L26には、逆止弁RV5が設けられているため、窒素の逆流を防止できる。
窒素と分離された気体(酸素リッチな気体)は、配管L25へ流入する。酸素リッチな気体は、処理対象空気に比べて、二酸化炭素濃度も高められている。
<酸素分離工程>
酸素分離工程は、窒素分離工程で窒素と分離された気体(酸素リッチな気体)を酸素分離膜92に通流させて、酸素リッチな気体に含まれる酸素の一部又は全部を除去する工程である。
配管L25に流入した酸素リッチな気体は、酸素分離部90に流入する。酸素リッチな気体は、窒素分離膜82の圧力損失で圧力が低下する。このため、配管L25に設けられた圧縮機CP2で酸素リッチな気体を圧縮し、酸素分離部90に供給することが好ましい。
圧縮機CP2で酸素リッチな気体を圧縮する際の圧力は、例えば、0.3~2.4MPaが好ましく、1.0~1.4MPaがより好ましい。圧縮機CP2で酸素リッチな気体を圧縮する際の圧力が上記下限値以上であると、酸素分離部90での酸素の除去率をより高められる。圧縮機CP2で酸素リッチな気体を圧縮する際の圧力が上記上限値以下であると、酸素分離膜92の劣化を抑制できる。
酸素分離工程で分離された酸素は、配管L27へ流入する。配管L27には、逆止弁RV6が設けられているため、酸素の逆流を防止できる。配管L27を通流する酸素は、分岐205で、窒素分離工程で得られた窒素と合流する。窒素と酸素とが合流して得られる合流ガスにおける二酸化炭素濃度は、処理対象空気における二酸化炭素の濃度よりも低い。
合流ガスは、配管L29を通流し、ブロアA3によって、混合部20に供給される。
酸素分離膜92を通流して分離された酸素以外の二酸化炭素リッチな気体(処理済空気)は、配管L14へ流入する。
<回収工程>
配管L14へと供給された処理済空気は、窒素分離工程及び酸素分離工程を経て、窒素及び酸素が除去されているため、二酸化炭素濃度が高まっている。処理済空気は、ポンプP1を稼働させることにより、配管L14を介して回収部70へと回収される(回収工程)。
本実施形態の回収工程における諸条件は、第一実施形態の回収工程における諸条件と同様である。
空気供給部10からは、ダンパD1を開とすることで、配管L0、L1を介して、外気が混合部20へと供給される。
混合部20では、外気と合流ガスとが混合され、混合流体となる。
混合部20を有することで、空気供給部10からの外気の導入量を減らすことができ、外気負荷による空調負荷を低減することができる。
本実施形態では、窒素分離部80及び酸素分離部90の後段に混合部20が接続されている。このため、二酸化炭素濃度が低減された混合流体が得られる。
混合流体は、配管L2を介して、空気調和部30へと供給される。
混合流体における二酸化炭素濃度は、第一実施形態と同様である。
空気調和部30へと供給された混合流体は、フィルター32で粉塵等の汚れが除去された後、空気調和部30内で温度、湿度が調整される。温度、湿度が調整された混合流体は、ブロアA1を稼働することで、清浄な空気として配管L3、給気口41、42を介して、排出部40へと供給される。
空気調和部30内の諸条件は、第一実施形態と同様である。
排出部40へと供給された混合流体は、例えば、人が活動することにより二酸化炭素濃度が高められ、処理対象空気として排気口43から配管L4を介して、窒素分離部80へと供給される。
本実施形態の二酸化炭素回収方法は、圧縮機CP1で処理対象空気を圧縮し、圧縮機CP2で酸素リッチな気体を圧縮する。このため、圧力を余剰エネルギーによる応力(超高層建物(例えば、地上40階以上の建物)での外部風圧等)として得られる建物等において、特に有用である。
様々な建物条件、立地条件等により、窒素酸素分離型の二酸化炭素回収方法の選択性が拡充する。
[第三実施形態]
≪空気調和システム≫
本実施形態の空気調和システムは、排出部の内部の窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御部をさらに有する。
以下に、本発明の第三実施形態に係る空気調和システムについて、図3に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の空気調和システム3は、第一実施形態の空気調和システム1が、排出部40の内部の窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御部300をさらに有する構成を備える。
<濃度制御部>
濃度制御部300は、濃度センサ301と、窒素供給部302と、電磁弁303と、酸素供給部304と、電磁弁305と、制御盤310と、を有する。
濃度センサ301、電磁弁303及び電磁弁305は、それぞれ制御盤310と接続されている。酸素供給部304と排出部40とは、配管L31で接続されている。窒素供給部302と排出部40とは、配管L32で接続されている。
濃度センサ301は、排出部40の内部の窒素濃度と酸素濃度とを測定できればよく、従来公知の窒素濃度計、酸素濃度計等が挙げられる。
窒素供給部302としては、例えば、公知の窒素ボンベ等が挙げられる。
酸素供給部304としては、例えば、公知の酸素ボンベ等が挙げられる。
電磁弁303、305としては、例えば、制御盤310で開閉を制御できる開閉弁等が挙げられる。
制御盤310としては、例えば、濃度センサ301で測定した窒素濃度、酸素濃度に応じて電磁弁303、305の開閉を調整できるコンピュータ等が挙げられる。
配管L31、L32としては、例えば、配管L0と同様のダクト等が挙げられる。
≪二酸化炭素回収方法(空気調和方法)≫
本実施形態の二酸化炭素回収方法は、処理対象空気に含まれる窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御工程をさらに有する。
本実施形態の二酸化炭素回収方法について、空気調和システム3を利用した空気調和方法を例にして説明する。
本実施形態の二酸化炭素回収方法において、窒素吸着工程、酸素吸着工程及び回収工程は、第一実施形態と同様である。
ここでは、第一実施形態にはない濃度制御工程について、図3に基づき詳細に説明する。
<濃度制御工程>
濃度制御工程は、処理対象空気に含まれる窒素濃度と酸素濃度とを制御する工程である。
例えば、窒素吸着部50、酸素吸着部60それぞれの効率により、脱着ガス(合流ガス)が還気された排出部40の内部の窒素濃度と酸素濃度とのバランスが崩れる場合が想定される。これを防ぐため、排出部40の内部に濃度センサ301を設置し、窒素と酸素との濃度比が概ね78:21になるように調整する。濃度の調整は、それぞれの供給源として、窒素供給部302、酸素供給部304のそれぞれの出口側に電磁弁303、305を配置する。濃度センサ301の測定値を制御盤310で判断し、例えば、窒素濃度が高い場合は、電磁弁305を開とし、排出部40の内部に配管L31から酸素を供給する。逆に、酸素濃度が高い場合は、電磁弁303を開とし、排出部40の内部に配管L32から窒素を供給する。
上述のように、窒素と酸素との濃度比が概ね78:21になるように調整することで、排出部40の内部の窒素濃度と酸素濃度とのバランスを、空気における窒素濃度と酸素濃度とになるように維持することができる。
人体への影響を考慮して、排出部40の内部の酸素濃度は、例えば、19体積%以上が好ましく、20体積%以上がより好ましく、21体積%以上がさらに好ましい。
本実施形態では、酸素濃度のみを濃度センサでモニタリングする態様であってもよい。
また、本実施形態は、第二実施形態の空気調和システム2に適用することもできる。
≪ビル空調システム≫
本発明のビル空調システムは、上述の空気調和システムを異なるフロアに複数備えたものである。ビル空調システムでは、1つのフロアに本発明の空気調和システムが1以上あればよい。
例えば、2以上のフロアに空気調和システムを備えることで、二酸化炭素の回収量を増加できる。この場合、異なるフロアの空気調和システムで回収された二酸化炭素をフロアごとに貯留してもよく、1カ所にまとめて貯留してもよい。貯留できる二酸化炭素の量は、空気調和システムの数に応じて増加できる。
本発明のビル空調システムの例を挙げて説明する。
図4のビル空調システム200は、複数の空気調和ユニット210と、配管L20と、配管L21と、回収部220とを有する。
空気調和ユニット210は、ビル201の各地上フロアAに設けられている。配管L21は、ビル201内の上下方向に延び、地上最上階から地下フロアBに至っている。配管L21は、真空ポンプ212を介して、地下フロアBの回収部220に接続されている。各地上フロアAの空気調和ユニット210は、配管L20を介して、配管L21に接続されている。
配管L20、L21としては、例えば、配管L14と同様のダクト等が挙げられる。
空気調和ユニット210は、図1の空気調和システム1における回収部70を配管L20で接続した装置である。
本実施形態のビル空調システム200において、各地上フロアAの空気調和ユニット210で回収された二酸化炭素は、配管L20を通流して配管L21に至る。配管L21に至った二酸化炭素は、配管L21を流下し、真空ポンプ212によって回収部220に充填される。
こうして、各フロアで二酸化炭素を回収し、これを集合させることで、より多くの二酸化炭素を回収できる。
以上説明したように、本実施形態の空気調和システムによれば、外気及び居室内の空気から二酸化炭素を除去できる。このため、二酸化炭素の濃度を低減した空気を居室に供給できる。
本実施形態の空気調和システムによれば、除去した二酸化炭素を回収できる。このため、回収した二酸化炭素を炭素源等のエネルギー源として利用できる。
本実施形態の空気調和システムによれば、合流ガスを循環して利用できるため、居室に供給する空気を外気に頼らなくてもよい。このため、空調負荷の4割を占めると言われる外気負荷を低減できる。
本実施形態の空気調和システムによれば、空調負荷を低減できるため、空調コストを削減でき、空調にかかるエネルギーを低減できる。このため、発電所における二酸化炭素の排出量の削減につながる。
本実施形態の空気調和システムによれば、外気の二酸化炭素を直接回収できるため、広く活用されれば、地球全体の二酸化炭素の削減につながる。加えて、外気の二酸化炭素を直接回収できるため、屋内排気のみから二酸化炭素を吸収していた従来技術に比べ、多量かつ安定的に二酸化炭素を回収できる。
本実施形態の空気調和システム、ビル空調システム又は二酸化炭素回収方法により回収された二酸化炭素は、工業的な利用に必要な量を安定的に供給できる。このため、回収された二酸化炭素は、人工光合成等の化学工学プロセスによる、一酸化炭素、メタン、メタノール及びギ酸等のC1化合物の合成の材料、エタン、エチレン及びエタノール等のC2化合物の合成の材料、又は、プロピレン、ブテン等のオレフィン系化合物の合成の材料として、好適である。
このように、本発明の技術は、地球環境に有益な技術である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
上述の実施形態では、窒素吸着部50が酸素吸着部60の前段に位置するが、本発明はこれに限定されない。例えば、酸素吸着部が窒素吸着部の前段に位置していてもよい。
しかし、酸素の吸着をより促進できることから、先に窒素を吸着することが好ましい。加えて、先に窒素を吸着することで、ガスが通流する配管の径を小型化できる。このため、配管や設備にかかる費用を削減できる。
以上の観点から、窒素吸着部が酸素吸着部の前段に位置していることが好ましい。
上述の実施形態では、窒素吸着筒を二つ有するが、本発明はこれに限定されない。
例えば、窒素吸着筒の数は、一つでもよいし、三つ以上でもよい。
窒素吸着筒の数が一つの場合、一つの窒素吸着筒で窒素の吸着と脱着とを行うことができる。
窒素吸着筒の数が三つ以上の場合、任意の窒素吸着筒で窒素の吸着を行い、他の任意の窒素吸着筒で窒素の脱着を行うことができる。窒素の吸着と脱着とを切り替えた後は、任意の窒素吸着筒で窒素の脱着を行い、他の任意の窒素吸着筒で窒素の吸着を行う。任意の窒素吸着筒の数と、他の任意の窒素吸着筒の数とは、特に限定されないが、窒素の吸着と脱着とのバランスを考慮すると、任意の窒素吸着筒の数と、他の任意の窒素吸着筒の数とが等しいことが好ましい。
窒素吸着筒の数は、空気調和システムをよりコンパクトにできることから、二つであることが好ましい。
酸素吸着筒の数については、窒素吸着筒の数と同様である。
上述の実施形態では、排出部40の給気口は二つであるが、給気口の数は一つでもよく、三つ以上でもよい。
上述の実施形態では、排出部40の排気口は一つであるが、排気口の数は二つ以上でもよい。
上述の実施形態では、一つのフロアに一つの空気調和システムが設置されているが、空気調和システムの数は、一つのフロアに二つ以上であってもよい。
上述の実施形態では、圧縮機CP2を備えるが、窒素分離膜82での圧力損失が小さい場合は、圧縮機CP2を省略してもよい。
1,2,3…空気調和システム、10…空気供給部、12…外気取入口、A1,A2,A3…ブロア、20…混合部、30…空気調和部、32…フィルター、40…排出部、41,42…給気口、43…排気口、50…窒素吸着部、52,54…窒素吸着筒、60…酸素吸着部、62,64…酸素吸着筒、70…回収部、80…窒素分離部、82…窒素分離膜、酸素分離部…90、酸素分離膜…92、D1,ND1,ND2,ND3,ND4,OD1,OD2,OD3,OD4…ダンパ、NV1,NV2,OV1,OV2…開閉弁、RV1,RV2,RV5,RV6…逆止弁、L0,L1~L22,L25~L27,L29,L31,L32…配管、P1,P2…ポンプ、CP1,CP2…圧縮機、101,102,103,104,105,106,107,205…分岐、200…ビル空調システム、201…ビル、210…空気調和ユニット、212…真空ポンプ、220…回収部、300…濃度制御部、301…濃度センサ、302…窒素供給部、303,305…電磁弁、304…酸素供給部、310…制御盤

Claims (11)

  1. 窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、
    窒素を吸着する窒素吸着筒を有する窒素吸着部と、
    酸素を吸着する酸素吸着筒を有する酸素吸着部と、
    回収部と、を有し、
    前記排出部の後段に前記窒素吸着部又は前記酸素吸着部が接続され、
    前記窒素吸着部及び前記酸素吸着部の後段に前記回収部が接続され、
    前記窒素吸着部と前記酸素吸着部とが直列に接続されている、空気調和システム。
  2. 前記窒素吸着部が前記酸素吸着部の前段に位置する、請求項1に記載の空気調和システム。
  3. 外気を供給する空気供給部と、前記空気供給部の後段に接続される混合部と、を有し、
    前記窒素吸着部及び前記酸素吸着部の後段に前記混合部が接続されている、請求項1又は2に記載の空気調和システム。
  4. 前記窒素吸着筒は、窒素を脱着する機能を有し、
    前記窒素吸着部が、並列に配置された二つ以上の前記窒素吸着筒と、窒素の吸着と窒素の脱着とを交互に切り替え可能な切替手段と、を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  5. 前記酸素吸着筒は、酸素を脱着する機能を有し、
    前記酸素吸着部が、並列に配置された二つ以上の前記酸素吸着筒と、酸素の吸着と酸素の脱着とを交互に切り替え可能な切替手段と、を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  6. 窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を排出する排出部と、
    窒素を分離する窒素分離膜を有する窒素分離部と、
    酸素を分離する酸素分離膜を有する酸素分離部と、
    回収部と、を有し、
    前記排出部の後段に前記窒素分離部又は前記酸素分離部が接続され、
    前記窒素分離部及び前記酸素分離部の後段に前記回収部が接続され、
    前記窒素分離部と前記酸素分離部とが直列に接続されている、空気調和システム。
  7. 前記排出部の内部の窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御部をさらに有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の空気調和システムを異なるフロアに複数備える、ビル空調システム。
  9. 窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素吸着剤に接触させて、前記処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を前記窒素吸着剤に吸着させる窒素吸着工程と、
    前記処理対象空気を酸素吸着剤に接触させて、前記処理対象空気に含まれる酸素の一部又は全部を前記酸素吸着剤に吸着させる酸素吸着工程と、
    前記窒素吸着工程及び前記酸素吸着工程を経て得られる、窒素濃度と酸素濃度とが低減され、二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を回収する回収工程と、を有する、二酸化炭素回収方法。
  10. 窒素と酸素と二酸化炭素とを含む処理対象空気を窒素分離膜に通流させて、前記処理対象空気に含まれる窒素の一部又は全部を除去する窒素分離工程と、
    前記処理対象空気を酸素分離膜に通流させて、前記処理対象空気に含まれる酸素の一部又は全部を除去する酸素分離工程と、
    前記窒素分離工程及び前記酸素分離工程を経て得られる、窒素濃度と酸素濃度とが低減され、二酸化炭素濃度が高まった処理済空気を回収する回収工程と、を有する、二酸化炭素回収方法。
  11. 前記処理対象空気に含まれる窒素濃度と酸素濃度とを制御する濃度制御工程をさらに有する、請求項9又は10に記載の二酸化炭素回収方法。
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