JP2023010168A - 三次元造形装置及び三次元造形方法 - Google Patents

三次元造形装置及び三次元造形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の製造効率を高めつつ、装置の大型化を抑制できる三次元造形装置及び三次元造形方法を提供する。【解決手段】三次元造形装置1は、回転可能に支持され造形タンク14に接合され造形タンク14と共に回転する第一シャフト31と、第一シャフト31の内側に挿通され第一シャフト31と同軸状に配置され第一シャフト31に対し軸方向に移動可能に設けられテーブル13に接合されテーブル13と共に回転する第二シャフト32と、第一シャフト31及び第二シャフト32の一方に対し回転力を与える第一駆動部33と、第二シャフト32を軸方向へ移動させるための第二駆動部34と、第一シャフト31及び第二シャフト32の一方から他方に回転力を伝達し第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部35を備えて構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形装置及び三次元造形方法に関する。
従来、三次元造形装置及び三次元造形方法として、例えば、特許第4639087号公報に記載されるように、造形タンク内に設置されるテーブルに粉末材料を敷き均し、この粉末材料に対し予備加熱を行い、粉末材料にエネルギビームを照射して粉末材料を加熱し凝固させ、これらの工程を繰り返して積層させることにより三次元の物体を造形する装置及び方法が知られている。
特許第4639087号公報
ところで、このような三次元の物体の造形において、大きな物体を製造する場合、製造に長い時間を要することになる。このため、テーブルの周方向に各工程を行う領域を設定し、テーブルを回転させ、粉末材料の敷き均し、予備加熱及びビーム照射の各工程を同時に行うことが考えられる。これにより、物体の製造を効率良く行うことができ、製造時間を短縮することができる。ところが、この場合、テーブル及び造形タンクを回転させる必要があり、テーブルについては物体が造形されていくに従い徐々に下方へ移動させる必要がある。そのため、テーブルを回転させるテーブル回転機構、造形タンクを回転させるタンク回転機構及びテーブルを上下動させるテーブル移動機構を設けることが必要となる。従って、装置が大型化することが懸念される。
そこで、物体の製造効率を高めつつ、装置の大型化を抑制できる三次元造形装置及び三次元造形方法の開発が望まれる。
本開示の一態様に係る三次元造形装置は、造形タンク内に設置されるテーブル上に粉末材料を供給し粉末材料に対しエネルギビームを照射して三次元の物体を造形する三次元造形装置において、軸方向に延びる筒状の軸体であって回転可能に支持され造形タンクに接合され造形タンクと共に回転する第一シャフトと、第一シャフトの内側に挿通され第一シャフトと同軸状に配置され第一シャフトに対し軸方向に移動可能に設けられテーブルに接合されテーブルと共に回転する第二シャフトと、第一シャフト及び第二シャフトの一方に対し回転力を与える第一駆動部と、第二シャフトを軸方向へ移動させるための第二駆動部と、第一シャフト及び第二シャフトの一方から他方に回転力を伝達し第一シャフトに対し第二シャフトの軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部を備えて構成される。この三次元造形装置によれば、第一シャフト及び第二シャフトの一方から他方に回転力を伝達し第一シャフトに対し第二シャフトの軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部を備えることにより、第一駆動部により第一シャフト及び第二シャフトを回転させることができ、第二シャフトのみを軸方向へ移動させることができる。このため、少ない駆動源によりテーブルを回転させて物体の造形を効率良く行うことができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る三次元造形装置において、駆動力伝達部は、第一シャフト及び第二シャフトの一方に凸部を形成し第一シャフト及び第二シャフトの他方に凹部を形成し、凸部は、凹部に向けて突出して凹部に収容され、凹部は、軸方向へ延びる溝であってもよい。この場合、駆動力伝達部の凸部を凹部に収容するように構成することにより、第一シャフト及び第二シャフトの一方から他方に回転力を伝達し、第一シャフトに対し第二シャフトの軸方向への相対的な移動を許容することができる。
また、本開示の一態様に係る三次元造形方法は、造形タンク内に設置されるテーブル上に粉末材料を供給し粉末材料に対しエネルギビームを照射して三次元の物体を造形する三次元造形装置を用いて行う三次元造形方法であって、三次元造形装置は、軸方向に延びる筒状の軸体であって回転可能に支持され造形タンクに接合され造形タンクと共に回転する第一シャフトと、第一シャフトの内側に挿通され第一シャフトと同軸状に配置され第一シャフトに対し軸方向に移動可能に設けられテーブルに接合されテーブルと共に回転する第二シャフトと、第一シャフト及び第二シャフトの一方に対し回転力を与える第一駆動部と、第二シャフトを軸方向へ移動させるための第二駆動部と、第一シャフト及び第二シャフトの一方から他方に回転力を伝達し第一シャフトに対し第二シャフトの軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部とを備える。この三次元造形方法によれば、テーブルを回転させて物体を造形することができるため、物体の造形を効率良く行うことができる。また、第一駆動部の駆動により第一シャフト及び第二シャフトを通じてテーブル及び造形タンクを回転させることができ、第二駆動部の駆動により第一シャフトの軸方向への移動を通じてテーブルを軸方向へ移動させて造形を行うことができる。このため、第一シャフトと第二シャフトをそれぞれ回転させるための二つの駆動部を設ける必要がなく、三次元造形装置が大型化することを抑制できる。従って、造形するためのスペースが狭くても物体の造形を行うことができる。
本開示によれば、物体の造形を効率良く行うことができ装置の大型化を抑制することができる。
本開示の実施形態に係る三次元造形装置の構成概要図である。 図1の三次元造形装置の第二駆動部の構成概要を示す斜視図である。 図1のIII-IIIにおける第二駆動部の垂直断面図である。 図1の三次元造形装置における駆動力伝達機構の拡大図である。 図1のV-Vにおける駆動力伝達部の水平断面図である。 図1の三次元造形装置の処理部の説明図である。 図1の三次元造形装置の変形例の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本開示の実施形態に係る三次元造形装置の構成概要を示す垂直断面図である。図1に示すように、三次元造形装置1は、粉末材料Aにエネルギビームを照射して粉末材料Aを溶融又は焼結させて三次元の物体Oを造形する装置である。例えば、この三次元造形装置1は、敷き均した粉末材料Aに対し電子ビームを照射して造形を行うパウダーベッド方式の装置に適用される。粉末材料Aは、金属の粉末であり、例えばチタン系金属粉末、インコネル粉末、アルミニウム粉末等である。また、粉末材料Aは、金属粉末に限定されず、例えば樹脂粉末、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)などの炭素繊維と樹脂とを含む粉末であってもよい。また、粉末材料Aは、導電性を有するその他の粉末でもよい。なお、本開示における粉末材料は、導電性を有するものには限定されない。例えばエネルギビームとしてレーザを用いる場合には、粉末材料は導電性を有しなくてもよい。
三次元造形装置1は、駆動部3、制御部4、処理部6、フレーム7及びチャンバ8を備えている。フレーム7は、駆動部3、処理部6及びチャンバ8を支持し設置するための枠体である。例えば、フレーム7は、複数の平板部材を上下に設けて構成される。具体的には、フレーム7は、水平方向に向けて配置される平板状の第一部材71、第二部材72、第三部材73及び第四部材74を有している。第一部材71はフレーム7の最下位置に設けられている。第一部材71の上方に所定の間隔をおいて第二部材72が設けられ、第二部材72の上方に所定の間隔をおいて第三部材73が設けられ、第三部材73の上方に所定の間隔をおいて第四部材74が設けられている。第二部材72、第三部材73及び第四部材74は、縦方向に延びる柱部材又は壁部材によって支持されている。駆動部3は、フレーム7に組付けられており、チャンバ8はフレーム7の上方に設置されている。処理部6は、チャンバ8内に設置されている。なお、フレーム7の構造は、上述したものに限られず、駆動部3、処理部6及びチャンバ8を支持し設置することができれば、異なる構造であってもよい。
駆動部3は、テーブル13を回転及び昇降させ、造形タンク14を回転させる駆動機構である。テーブル13及び造形タンク14は、チャンバ8内に設けられている。テーブル13は、物体Oを造形するための台であり、例えば水平に配置した板体により構成される。造形タンク14は、造形を行うための容器であり、上方を開放した筒状のものが用いられ、内部にテーブル13を配置している。
駆動部3は、第一シャフト31、第二シャフト32、第一駆動部33、第二駆動部34及び駆動力伝達部35を備えている。第一シャフト31は、軸方向に延びる筒状の軸体であって、回転可能にフレーム7に支持され、造形タンク14に接合され造形タンク14と共に回転する。つまり、第一シャフト31は、造形タンク14を回転させるための軸体として機能する。第一シャフト31は、例えば、第三部材73及び第四部材74を垂直に貫通して設けられ、第三部材73に対し転がり軸受311を介して取り付けられ、フレーム7に対し回転可能に支持されている。
第一シャフト31の上部は、第四部材74を突き抜けて造形タンク14に接合されている。例えば、第一シャフト31の上部は、支持部材131を介して造形タンク14に接合されている。支持部材131は、造形タンク14と一体に形成され、造形タンク14を下方から支持する部材である。支持部材131は、例えば造形タンク14とほぼ同径に形成された筒状体であり、造形タンク14と第一シャフト31の間に配置され、第一シャフト31の回転力を造形タンク14へ伝達する。このため、第一シャフト31が回転すると、支持部材131及び造形タンク14が一体となって回転する。
第二シャフト32は、第一シャフト31内に挿通され、第一シャフト31と同軸状に配置されている。第二シャフト32は、第一シャフト31に対し軸方向に移動可能に設けられ、テーブル13に接合されテーブル13と共に回転する。例えば、第二シャフト32は、第一シャフト31の内周に設けられるすべり軸受312により支持されている。このため、第二シャフト32は、第一シャフト31に対し軸方向に移動可能に支持される。
第二シャフト32の上部は、テーブル13の下面側に接合されている。このため、第二シャフト32が回転することによりテーブル13が回転し、第二シャフト32が軸方向へ移動することによりテーブル13も軸方向へ移動する。第二シャフト32は、図1のように直接テーブル13に接合されてもよいし、別部材を介してテーブル13に接合されていてもよい。第二シャフト32の下部は、スラスト軸受346を介して昇降体345に接合されている。スラスト軸受346は、第二シャフト32の回転を許容して第二シャフト32を支持する軸受部材である。昇降体345は、第二駆動部34の一部を構成する部材であって、軸方向へ移動可能となっている。第二シャフト32は、昇降体345の移動と共に、軸方向へ移動する。
第一駆動部33は、第一シャフト31に対し回転力を与える機構であり、例えば第三部材73に取り付けられ、第一シャフト31の外周近傍の位置に設けられている。第一駆動部33は、例えば第一モータ331、減速機332、ギアボックス333及び歯車334を備えて構成される。第一モータ331は、回転力を発生させる電動機であり、回転軸を水平に向けて設けられ、減速機332を介して第三部材73に取り付けられている。減速機332は、第一モータ331の回転速度を減速する減速装置であり、例えば遊星減速機、平行軸減速機など公知の減速機構を備えたものを用いることができる。減速機332は、第三部材73上に固定されている。ギアボックス333は、回転の軸方向を変換する歯車機構を備え、水平方向の入力軸と鉛直方向の出力軸を有している。ギアボックス333の入力軸は減速機332に接続され、出力軸には歯車334が取り付けられている。歯車334は、第一モータ331の回転力を第一シャフト31へ伝達させるための平歯車である。歯車334は、第一シャフト31の外周に形成される歯車313に噛み合っている。歯車313は、第一シャフト31の外周面に周方向へ沿って形成される複数の歯により構成されている。第一駆動部33は、第一モータ331の回転力を減速機332により減速し、ギアボックス333により回転軸の方向を水平から鉛直に変換し、歯車334を通じて第一シャフト31を回転させる。
図2は、第二駆動部34の構成概要を示す斜視図である。図3は、図1のIII-IIIにおける第二駆動部34の垂直断面図である。図2に示すように、第二駆動部34は、第二シャフト32を軸方向へ移動させるための駆動機構である。第二駆動部34は、例えば第二モータ341、減速機342、回転力伝達機構343、ボールねじ機構344及び昇降体345を備えている。第二モータ341は、回転力を発生させる電動機であり、回転軸を水平に向けて設けられ、減速機342を介して第二部材72に取り付けられている。減速機342は、第二モータ341の回転速度を減速する減速装置であり、例えば遊星減速機、平行軸減速機など公知の減速機構を備えたものを用いることができる。減速機342は、第二部材72上に固定されている。回転力伝達機構343は、減速機342の回転力を二つのボールねじ機構344へ伝達するための機構である。回転力伝達機構343は、例えば第二部材72上に設けられ、第一ギアボックス343a、二つの第二ギアボックス343b及び二つの第三ギアボックス343cを有している。第一ギアボックス343a、第二ギアボックス343b及び二つの第三ギアボックス343cは、シャフト343dにより連結され、シャフト343dを通じて回転力を伝達している。
第一ギアボックス343aは、入力する回転の軸方向を垂直に変換し左右二方向へ出力する歯車機構を備え、正面から入力される回転を左右方向へそれぞれ出力する。第二ギアボックス343bは、入力する回転の軸方向を垂直に変換して出力する歯車機構を備え、側面から入力される回転を背面側へ出力する。二つの第三ギアボックス343cは、第二シャフト32を挟むように第二シャフト32の側方にそれぞれ設けられている。第三ギアボックス343cは、入力する回転の軸方向を垂直に変換して出力する歯車機構を備え、正面から入力される回転を底面側へ出力する。
図3に示すように、第三ギアボックス343cの下方には、ボールねじ機構344が設けられている。ボールねじ機構344は、回転力伝達機構343の回転を受けて昇降体345を上下方向へ移動させるための機構であり、ねじ軸344a及びナット344bを有している。ねじ軸344aは、第三ギアボックス343cに接合され、第三ギアボックス343cの下方に垂直方向へ向けて設けられている。ねじ軸344aの下端は、第一部材71上で軸受けされている。ねじ軸344aには、ナット344bが螺合されて設けられている。ナット344bは、昇降体345に取り付けられている。このため、ねじ軸344aが回転すると、ナット344b及び昇降体345が上下方向に移動する。昇降体345の移動によって第二シャフト32が軸方向へ移動する。なお、ナット344bの内部には図示しない複数のボールが設けられている。また、図2に示すように、フレーム7にはガイドシャフト347が設けられている。ガイドシャフト347は、昇降体345を上下方向に案内するためのシャフトであり、例えば第一部材71と第二部材72の間に軸方向に向けて設けられている。ガイドシャフト347は、複数設けられ、例えば昇降体345の各角部付近を貫通し軸受けされて設けられる。
このように、ボールねじ機構344は第二シャフト32を挟み込むように左右両側に一つずつ設けられているため、昇降体345を左右両側で支えることができる。従って、重量の大きい物体Oを造形する場合であっても昇降体345、テーブル13及び物体Oを確実に支持することができ円滑に移動させることができる。また、第二駆動部34を第二シャフト32の側方に配置することにより、第二駆動部34を第二シャフト32の下方に配置する場合と比べて、三次元造形装置1を低く構成することができ、三次元造形装置1をコンパクトに構成することができる。
フレーム7には、位置センサ41が取り付けられている。位置センサ41は、テーブル13の上下方向(軸方向)の位置を検出するためのセンサである。位置センサ41としては、例えばリニアエンコーダが用いられ、メインスケール41a及び検知部41bを備える。メインスケール41aは長尺状を呈し、第二シャフト32の下方であってその中心位置に垂直に向けて設けられている。例えば、メインスケール41aは、第一部材71上に取り付けられ、昇降体345を貫通して第二シャフト32内に挿通して設けられる。検知部41bは、例えば昇降体345に取り付けられる。位置センサ41の検知信号は、制御部4へ入力される。昇降体345、第二シャフト32及びテーブル13が一体となって移動する時に、位置センサ41がその移動を検知し、テーブル13の位置が制御部4によって検出される。この位置センサ41は、第二シャフト32の中心位置及びテーブル13の中心位置の下方に設置されているため、テーブル13の位置を正確に検出することができる。なお、位置センサ41としては、例えば電磁式、光学式などいずれタイプのセンサを用いることができる。また、位置センサ41としては、テーブル13の位置を検出することができるものであれば、上述した以外のセンサを用いることもできる。
図4は駆動力伝達部の拡大断面図であり、図5は図1のV-Vにおける駆動力伝達部の水平断面図である。
図4に示すように、駆動力伝達部35は、第一シャフト31の回転力を第二シャフト32に伝達し、第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容する機構である。例えば、駆動力伝達部35は、凸部351及び凹部352を備えて構成される。凸部351は、第一シャフト31に設けられ、内側の第二シャフト32に向けて突出する部材である。凸部351は、例えば第一シャフト31の下端の位置に設けられ、内周側へ向けて突出して形成される。凸部351は、凹部352内に収容されて掛止部材として機能する。また、凸部351の先端部分には、例えば伝達ローラ351aが設けられる。伝達ローラ351aは、突出方向を軸線として回転するローラである。伝達ローラ351aを設けることにより、第一シャフト31に対し第二シャフト32が軸方向へ移動する場合に凸部351と凹部352の間の摺動抵抗を低減することができ、第二シャフト32の移動が円滑に行える。凹部352は、第二シャフト32の外周面を窪ませて形成される溝であり、軸方向に向けて形成される長溝となっている。凹部352は、凸部351を収容可能な幅及び深さで形成される。
図5に示すように、凸部351が凹部352内に収容されて設けられることにより、第一シャフト31が回転すると、凸部351が凹部352の内壁に当接し、第二シャフト32も回転する。一方、第二シャフト32が軸方向へ移動する場合、凸部351に対し凹部352が軸方向へ移動していくため、第二シャフト32から第一シャフト31へ移動力が伝達されず、第二シャフト32のみの移動が許容される。
なお、上述した駆動力伝達部35では、第一シャフト31側に凸部351を設け第二シャフト32側に凹部352を設ける場合について説明したが、第一シャフト31側に凹部352を設け第二シャフト32側に凸部351を設けてもよい。また、第一シャフト31の内周の水平断面形状を非円形とし、第二シャフト32の外周の水平断面形状を非円形とし、第一シャフト31の内周面を凹部352として機能させ、第二シャフト32の外周面を凸部351として機能させてもよい。例えば、第一シャフト31の内周の水平断面形状を矩形とし、第二シャフト32の外周の水平断面形状を矩形とすることにより、第一シャフト31の回転力を第二シャフト32に伝達させ、第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容させてもよい。
図1において、処理部6は、粉末材料Aを処理して物体Oを得る。粉末材料Aの処理は、例えば粉末材料Aの供給処理、粉末材料Aの予熱処理(予備加熱処理)および粉末材料Aの造形処理を含む。チャンバ8は、フレーム7の上方に形成されている。チャンバ8の内部は、造形空間Sとなっている。造形空間Sは、粉末材料Aを収容し、処理部6による粉末材料Aの処理を行うための減圧可能な気密空間である。
造形空間Sには、テーブル13と造形タンク14とが配置されている。テーブル13は、造形処理が行われる処理台である。テーブル13は、例えば円板状のものが用いられ、物体Oの原料である粉末材料Aが配置される。テーブル13には、駆動部3の第二シャフト32が接続されている。従って、テーブル13は、駆動部3によって、回転と回転軸線に沿った直線移動を行う。
図6は、造形処理に用いられる主要な部品を示している。処理部6は、テーブル13に対し対面するように配置されている。例えば、処理部6は、テーブル13の上方に配置され、テーブル13の造形面(主面又は上面)13aに対面している。処理部6は、例えば、処理ユニットとして、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63を備えている。フィーダ61は、粉末材料Aの供給処理を行う。ヒータ62は、粉末材料Aの予熱処理を行う。ビーム源63は、粉末材料Aの造形処理を行う。
フィーダ61は、テーブル13上に粉末材料Aを供給する供給部として機能する。例えば、フィーダ61は、図示しない原料タンクと均し部とを有する。原料タンクは、粉末材料Aを貯留すると共にテーブル13上に粉末材料Aを供給する。均し部は、テーブル13上の粉末材料Aの表面を均す。なお、三次元造形装置1は、均し部に替えて、ローラ部、棒状部材、刷毛部などを有してもよい。
ヒータ62は、テーブル13上に供給された粉末材料Aの予備加熱を行う加熱部として機能し、ビーム照射される前に粉末材料Aの予備加熱を行う。例えば、ヒータ62は、テーブル13の上方に配置され、放射熱によって粉末材料Aの温度を上昇させる。ヒータ62として、他の方式により加熱するものであってもよく、例えば赤外線ヒータを用いてもよい。
ビーム源63は、電子ビームを出射し、その電子ビームを粉末材料Aに照射するビーム出射部として機能する。例えば、ビーム源63として、電子銃が用いられる。ビーム源63は、カソードとアノードとの間に生じる電位差に応じた電子ビームを発生させ、電界調整により電子ビームを収束させ所望の位置に照射させる。
フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63は、テーブル13の回転方向に沿って配置されている。すなわち、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63は、テーブル13の上方においてテーブル13の回転方向に沿って設けられている。例えば、回転軸線Cを原点としたXY座標系を規定したとき、フィーダ61は第二象限の正のY軸に沿って配置され、ヒータ62は第二象限及び第三象限の領域に配置され、ビーム源63は第一象限及び第四象限の領域に配置される。
このように、造形処理を行うフィーダ61、ヒータ62及びビーム源63をテーブル13の回転方向に沿って配置し、テーブル13を回転させて造形を行うことにより、テーブル13上への粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱およびビーム照射による造形の各処理を並行して行うことができる。つまり、フィーダ61の位置で粉末材料Aの供給が行われ、ヒータ62の位置で粉末材料Aの予備加熱が行われ、ビーム源63の位置でビーム照射が行われて、物体Oが造形される。このため、粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱及びビーム照射を順次行う場合と比べて、物体Oの造形を効率良く行え、物体Oの造形時間を短くすることができる。特に、大型の物体Oを造形する場合に有効である。
図1において、制御部4は、三次元造形装置1の装置全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを含んで構成される。制御部4は、テーブル13の昇降制御および回転制御、造形タンク14の回転制御、フィーダ61の作動制御、ヒータ62の作動制御、ビーム源63の作動制御などを行う。また、制御部4は、例えば、物体Oの水平断面のスライスデータを取得し、回転軸線Cを中心としてスライスデータを周方向に分割した複数の分割データを取得し、この分割データごとに電子ビームの照射位置を設定する設定部として機能する。
制御部4は、第一モータ331及び第二モータ341と電気的に接続され、第一モータ331及び第二モータ341に対し制御信号を出力し、第一モータ331及び第二モータ341の動作を通じてテーブル13及び造形タンク14の回転制御を行い、テーブル13の軸方向への昇降制御(移動制御)を行う。
制御部4は、フィーダ61と電気的に接続され、フィーダ61に対し制御信号を出力し、粉末材料Aの供給制御を行う。例えば、制御部4は、フィーダ61を作動させて、テーブル13上に粉末材料Aを供給させ、その粉末材料Aを敷き均させる。
制御部4は、ヒータ62と電気的に接続され、ヒータ62に対し制御信号を出力し、粉末材料Aの予熱制御を行う。例えば、制御部4は、ヒータ62を作動させて、テーブル13上に粉末材料Aを加熱させ、粉末材料Aの予備加熱を実行させる。粉末材料Aの加熱量は、粉末材料Aの材質や種類、テーブル13の回転速度などに応じて設定すればよい。
制御部4は、ビーム源63と電気的に接続され、ビーム源63に対し制御信号を出力し、ビームの出射制御を行う。例えば、制御部4は、ビーム源63を作動させて、電子ビームを出射させ、粉末材料Aの所定の位置に電子ビームを照射させる。電子ビームを照射させる位置は物体Oを造形すべき領域であり、予め設定される照射位置に従って電子ビームが照射される。なお、図1では、制御部4は、フレーム7内に設置されているが、フレーム7の外部に設置されていてもよい。
次に、本実施形態に係る三次元造形装置1の動作及び本実施形態に係る三次元造形方法について説明する。
まず、図1において、テーブル13が上方へ移動させられ造形タンク14の上部の位置に配置される。すなわち、制御部4から第二モータ341に制御信号が出力され、第二モータ341が駆動する。これにより、図2に示すように、第二モータ341の回転速度が減速機342により減速され、減速機342の回転出力が回転力伝達機構343を通じてボールねじ機構344に伝達される。そして、図3に示すように、ねじ軸344aが回転されることにより、ナット344bが上方へ移動し、それに伴って昇降体345及び第二シャフト32が上方へ移動する。このため、第二シャフト32に接合されるテーブル13が上方へ移動する。
このとき、第二シャフト32は駆動力伝達部35を介して第一シャフト31と接合されているが、駆動力伝達部35は第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容するため、第二シャフト32のみを上方へ円滑に移動させることができる。
そして、図6に示すように、回転軸線Cを中心にテーブル13及び造形タンク14が回転させられる。すなわち、制御部4から第一モータ331に制御信号が出力され、第一モータ331が駆動する。これにより、図1に示すように、第一モータ331の回転速度が減速機332により減速され、減速機332の回転出力がギアボックス333を通じて歯車334に伝達される。そして、歯車334の回転により第一シャフト31が回転し、第一シャフト31に接合される造形タンク14が回転する。
また、第一シャフト31の回転に伴い、第二シャフト32も同じ方向へ同じ回転速度で回転する。すなわち、図5に示すように、第一シャフト31の回転力は駆動力伝達部35を通じて第二シャフト32に伝達され、第二シャフト32も回転する。従って、テーブル13及び造形タンク14は、同方向に同じ回転速度で回転することとなる。
そして、図1において、フィーダ61によりテーブル13上に粉末材料Aが供給される。すなわち、制御部4からフィーダ61に制御信号が出力されてフィーダ61が作動し、フィーダ61によりテーブル13上に粉末材料Aが供給されて敷き均される。
また、ヒータ62により粉末材料Aの予備加熱が行われる。すなわち、制御部4からヒータ62に制御信号が出力されてヒータ62が作動し、テーブル13の回転によってヒータ62の下方に移動してくる粉末材料Aが加熱される。
また、ビーム源63により粉末材料Aに電子ビームが照射され、物体Oの造形が行われる。すなわち、制御部4からビーム源63に制御信号が出力されビーム源63が作動し、テーブル13の回転によってビーム源63の下方に粉末材料Aに対し電子ビームが照射される。これにより、粉末材料Aが溶融又は焼結し、物体Oが造形されていく。
そして、テーブル13は、物体Oの造形が進むに連れて降下される。すなわち、制御部4から第二モータ341に制御信号が出力され、第二モータ341の作動によりテーブル13が軸方向に沿って降下する。具体的には、制御部4から第二モータ341に制御信号が出力され、第二モータ341が駆動する。これにより、図2に示すように、第二モータ341の回転速度が減速機342により減速され、減速機342の回転出力が回転力伝達機構343を通じてボールねじ機構344に伝達される。そして、図3に示すように、ねじ軸344aが回転されることにより、ナット344bが下方へ移動し、それに伴って昇降体345及び第二シャフト32が下方へ移動する。このため、第二シャフト32に接合されるテーブル13が下方へ移動する。
このとき、第二シャフト32は駆動力伝達部35を介して第一シャフト31と接合されているが、駆動力伝達部35は第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容するため、第二シャフト32のみを下方へ移動させることができる。なお、テーブル13の降下は、テーブル13の回転と同期させてもよいが、完全には同期させなくてもよい。
このように、テーブル13を回転させ、テーブル13上への粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱およびビーム照射による造形の各処理を並行して行い、テーブル13を徐々に降下させて粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱およびビーム照射による造形の各処理を繰り返すことにより物体Oを造形することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る三次元造形装置1によれば、第一シャフト31及び第二シャフト32の一方から他方に回転力を伝達し、第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部35を備えることにより、第一駆動部33により第一シャフト31及び第二シャフト32を回転させることができ、第二シャフト32のみを軸方向へ移動させることができる。このため、少ない駆動源によりテーブル13を回転させて物体Oの造形を効率良く行うことができ、装置の大型化を抑制することができる。
つまり、第一駆動部33により第一シャフト31及び第二シャフト32の双方を回転させることができるため、第一シャフト31及び第二シャフト32を回転させるための駆動部をそれぞれに設ける必要がない。このため、装置の大型化を抑制することが可能となる。また、第二シャフト32を回転させ軸方向に移動可能とすることにより、テーブル13を回転させ軸方向に移動させて、テーブル13上に物体Oを効率良く造形することができる。
また、本実施形態に係る三次元造形装置1によれば、駆動力伝達部35の凸部351を凹部352に収容するように構成することにより、第一シャフト31及び第二シャフト32の一方から他方に回転力を伝達し、第一シャフト31に対し第二シャフト32の軸方向への相対的な移動を許容することができる。
また、本実施形態に係る三次元造形方法によれば、テーブル13を回転させて物体Oを造形することができるため、物体の造形を効率良く行うことができる。また、第一駆動部33の駆動により第一シャフト31及び第二シャフト32を通じてテーブル13及び造形タンク14を回転させることができ、第二駆動部34の駆動により第一シャフト31の軸方向への移動を通じてテーブル13を軸方向へ移動させて造形を行うことができる。このため、三次元造形装置が大型化することを抑制できコンパクトに構成することができる。従って、造形するためのスペースが小さくても物体Oの造形を行うことができる。
以上のように本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様を取ることができる。
例えば、上述した実施形態では、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63をそれぞれ一つずつ備えた三次元造形装置1について説明したが、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63をそれぞれ複数備えていてもよい。例えば、図7に示すように、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63をそれぞれ二つずつ備えていてもよい。すなわち、テーブル13の周方向にフィーダ61、ヒータ62及びビーム源63を二セット備えていてもよい。この場合、テーブル13の半分の一方側で粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱およびビーム照射が行え、これと並行して、テーブル13の半分の他方側でも粉末材料Aの供給、粉末材料Aの予備加熱およびビーム照射が行える。このため、より効率良く物体Oの造形が行える。また、フィーダ61、ヒータ62及びビーム源63をそれぞれ三つ以上備えて構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、一つのビーム源63によってテーブル13上の粉末材料Aに電子ビームを照射しているが、複数のビーム源63によってビーム照射を行ってもよい。
また、上述した実施形態では、エネルギビームとして電子ビームを用いて物体Oを造形する場合について説明したが、電子ビーム以外のエネルギビームを用いて造形を行うものであってもよい。例えば、イオンビーム、レーザビーム、紫外線などを照射して物体Oを造形するものであってもよい。また、パウダーベッド方式以外の方式で物体Oを造形するものであってもよい。
1 三次元造形装置
3 駆動部
4 制御部
6 処理部
7 フレーム
8 チャンバ
13 テーブル
14 造形タンク
31 第一シャフト
32 第二シャフト
33 第一駆動部
34 第二駆動部
35 駆動力伝達部
61 フィーダ
62 ヒータ
63 ビーム源
351 凸部
352 凹部
A 粉末材料
C 回転軸線
O 物体
S 造形空間

Claims (3)

  1. 造形タンク内に設置されるテーブル上に粉末材料を供給し、前記粉末材料に対しエネルギビームを照射して三次元の物体を造形する三次元造形装置において、
    軸方向に延びる筒状の軸体であって、回転可能に支持され、前記造形タンクに接合され前記造形タンクと共に回転する第一シャフトと、
    前記第一シャフトの内側に挿通され前記第一シャフトと同軸状に配置され、前記第一シャフトに対し前記軸方向に移動可能に設けられ、前記テーブルに接合され前記テーブルと共に回転する第二シャフトと、
    前記第一シャフト及び前記第二シャフトの一方に対し回転力を与える第一駆動部と、
    前記第二シャフトを前記軸方向へ移動させるための第二駆動部と、
    前記第一シャフト及び前記第二シャフトの一方から他方に前記回転力を伝達し、前記第一シャフトに対し前記第二シャフトの前記軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部と、
    を備える三次元造形装置。
  2. 前記駆動力伝達部は、前記第一シャフト及び前記第二シャフトの一方に凸部を形成し、前記第一シャフト及び前記第二シャフトの他方に凹部を形成し、
    前記凸部は、前記凹部に向けて突出して前記凹部に収容され、
    前記凹部は、前記軸方向へ延びる溝である、
    請求項1に記載の三次元造形装置。
  3. 造形タンク内に設置されるテーブル上に粉末材料を供給し前記粉末材料に対しエネルギビームを照射して三次元の物体を造形する三次元造形装置を用いて行う三次元造形方法であって、
    前記三次元造形装置は、
    軸方向に延びる筒状の軸体であって、回転可能に支持され、前記造形タンクに接合され前記造形タンクと共に回転する第一シャフトと、
    前記第一シャフトの内側に挿通され前記第一シャフトと同軸状に配置され、前記第一シャフトに対し前記軸方向に移動可能に設けられ、前記テーブルに接合され前記テーブルと共に回転する第二シャフトと、
    前記第一シャフト及び前記第二シャフトの一方に対し回転力を与える第一駆動部と、
    前記第二シャフトを前記軸方向へ移動させるための第二駆動部と、
    前記第一シャフト及び前記第二シャフトの一方から他方に前記回転力を伝達し、前記第一シャフトに対し前記第二シャフトの軸方向への相対的な移動を許容する駆動力伝達部と、を備える、
    三次元造形方法。
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