JP2023009463A - 放射線撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現できる仕組みを提供する。【解決手段】放射線を放射線画像に係る電気信号へ変換する画像変換部を内包する筐体であって、少なくとも1つの開口が形成されており、少なくとも一部が導通部分である筐体導通部分を備える筐体113と、開口を覆うように配置されたカバー部材であって、筐体113に対して着脱可能に構成され、少なくとも一部が導通部分であるカバー導通部分を備えるカバー部材203と、カバー部材203と筐体113との間に介在する弾性部材204を備え、弾性部材204の反力によって、筐体113の筐体導通部分とカバー部材203カバー導通部分とが押し付けられて接触している。【選択図】図3
Description
本発明は、放射線を用いた撮影を行う放射線撮影装置に関するものである。放射線撮影装置としては、例えば、医用画像診断装置等に適用して好適なものである。
一般的な放射線撮影装置(例えば、放射線としてX線を適用したX線撮影装置)は、感染症対策等のため、撮影の度にエタノール等の液体を用いて洗浄を行うことが多い。このため、放射線撮影装置においては、液体で洗浄を行なっても内部の電気部品等に液体が入り込むことの無いように、防水機能を持った製品が求められている。また、放射線撮影装置においては、緊急時に充電切れ等により撮影ができないことが無いように、バッテリの交換ができるようになっているものもある。
上記の観点から、特許文献1の記載の放射線撮影装置では、内部の電気部品の一種であるバッテリの交換構造と防水構造とを兼ね備えた装置を提案している。
例えば、可搬型のX線撮影装置については、規格(JIS Z 4905)で厚みが規定されている。この規格で規定されている厚みを考慮した上で、上述した特許文献1に記載の構造を実現するためには、バッテリ収納部を形成するカバー部材は、薄さと剛性の双方を求められるため、金属が使用されることが多い。この際、導電体である金属が電気容量の大きい部品と電気的に接続されていないと、静電気が発生した場合等によってカバー部材を通じて内部の電気部品へ静電気が流れてしまい、内部の電気部品が破壊する恐れがある。このため、例えば、バネ等でカバー部材へ金属体を押し付けて、導電性を有するテープ等の複数の部品を介して、より電気容量の大きな筐体にカバー部材を電気的接続することも考えられるが、この場合には、部品点数が多くなり且つ構造も複雑になってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現できる仕組みを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮影装置は、放射線を放射線画像に係る電気信号へ変換する画像変換部と、前記画像変換部を内包する筐体であって、少なくとも1つの開口が形成されており、少なくとも一部が導通部分である筐体導通部分を備える筐体と、前記開口を覆うように配置されたカバー部材であって、前記筐体に対して着脱可能に構成され、少なくとも一部が導通部分であるカバー導通部分を備えるカバー部材と、前記カバー部材と前記筐体との間に介在する弾性部材と、を有し、前記弾性部材の反力によって、前記筐体導通部分と前記カバー導通部分とが押し付けられて接触している。
本発明によれば、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態においては、本発明における放射線として、X線を適用した場合を想定した例を説明するが、本発明においては、X線に限定されるものではなく、例えば、α線やβ線、γ線などの他の放射線も適用可能である。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について図1~図3を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について図1~図3を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図1(a)は、放射線撮影装置10-1において、図1(b)に示す放射線Rが入射する入射面部111と対向する位置に配置された後側筐体部113から見た外観図である。また、図1(b)は、放射線撮影装置10-1において、図1(a)に示すA-A断面における内部構成の一例を示す図である。
ここで、図1においては、図1(b)に示す放射線Rの入射方向をZ方向とし、このZ方向と直交する2方向であって且つ相互に直交する2方向をX方向及びY方向とした、XYZ座標系を図示している。この際、図1では、図1(a)に示すA-Aの方向をX方向としている。
放射線撮影装置10-1は、図1(b)に示すように、筐体110、画像変換部120、衝撃吸収部材130、基台140、及び、電気基板150を有して構成されている。
筐体110は、図1(b)に示すように、入射面部111、前側枠部112、後側筐体部113、及び、締結部材114を含み構成されている。この筐体110は、少なくとも一部が導通部分であるものである。
入射面部111は、X線等の放射線R(不図示の被検体を透過した放射線を含む)が入射する筐体110の入射面板として配置されている。この入射面部111は、例えば、X線等の放射線Rの吸収が少なく且つ剛性の高いCFRP等で形成されている。また、入射面部111は、前側枠部112に接着により固定されている。
前側枠部112は、筐体110の側面に位置し、入射面部111とは接着により固定され、後側筐体部113とはねじ等の締結部材114により固定されている。この前側枠部112は、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の金属で形成されている。
後側筐体部113は、筐体110の側面及び入射面部111と対向する位置に構成されている。この後側筐体部113は、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の金属で形成されている。また、後側筐体部113には、図1(a)に示すように、開口115が形成されている。
そして、放射線撮影装置10-1は、この開口115を覆うように配置された蓋部材であるカバー部材203を更に有している。このカバー部材203は、少なくとも一部が導通部分であるものである。また、カバー部材203の端部には、図1(a)に示すように、カバー部材203が後側筐体部113に装着されるようにロックするロック部207が設けられている。さらに、このロック部207には、一体的に操作部207aが備えられており、この操作部207aを後側筐体部113の内側方向へスライドさせることにより、カバー部材203を後側筐体部113から取り外すことができるようになっている。
締結部材114は、前側枠部112に対して後側筐体部113を締結により固定するねじ等の部材である。この際、前側枠部112と後側筐体部113との固定部に、例えば、不図示のガスケットを挟み込むことによって、入射面部111、前側枠部112及び後側筐体部113で筐体110の内部に密閉空間が形成される。この筐体110内部の密閉空間には、画像変換部120、衝撃吸収部材130、基台140及び電気基板150が所定の位置に配置されている。即ち、筐体110は、画像変換部120、衝撃吸収部材130、基台140及び電気基板150を所定の位置に内包している。
画像変換部120は、入射した放射線Rを放射線画像に係る電気信号へ変換する構成部である。この画像変換部120は、図1(b)に示すように、蛍光体(シンチレータ)121、センサパネル122、及び、遮蔽材123を有して構成されている。蛍光体121は、入射した放射線Rを光に変換する構成部であり、例えばGOSやCsI等から形成されている。センサパネル122は、蛍光体121で発生した光を放射線画像に係る電気信号へ変換する構成部である。遮蔽材123は、センサパネル122を通過した放射線Rの散乱線による放射線画像への影響や電気基板150への影響を軽減するために設けられた構成部である。この画像変換部120によって、放射線撮影装置10-1は、放射線画像を取得することができる。
衝撃吸収部材130は、筐体110の入射面部111と画像変換部120との間に配置されている。この衝撃吸収部材130は、例えば筐体110が外部から衝撃を受けた場合にその衝撃を吸収して、筐体110内部の画像変換部120や基台140、電気基板150等を保護する構成部である。
基台140は、画像変換部120を保持して外部からの荷重を受ける構成部である。
電気基板150は、基台140における入射面部111の側とは反対側に取り付けられており、画像変換部120を電気的に駆動する等を行う構成部である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1を示し、図1(a)に示すカバー部材203の取り付け方法の一例を説明するための図である。具体的に、図2(a)は、放射線撮影装置10-1において、図1(a)に示すカバー部材203を取り外した状態を後側筐体部113から見たカバー部材周辺の外観拡大図である。また、図2(b)は、後側筐体部113の周辺領域において、図2(a)に示すB-B断面に対してカバー部材203を取り付ける様子を説明するための図である。ここで、図2には、図1に示すXYZ座標系に対応したXYZ座標系を図示している。以下、この図2を用いて、主としてバッテリ201を保持する後側筐体部113の防水性に関する構造を説明する。なお、図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
放射線撮影装置10-1は、図2に示すように、図1(a)に示すカバー部材203及びロック部207に加えて、バッテリ201、ゴム部材202、パッキン204、ロック保持部205、ロック付勢ばね206、及び、端子208を更に有している。ここで、カバー部材203は、例えばアルミニウム合金等の金属で形成されている。
バッテリ201は、図2(a)に示す端子208を通じて、図1(b)に示す電気基板150に電力を供給する電気部品であり、電気基板150が画像変換部120を電気的に駆動させることができるようにしている。
後側筐体部113は、バッテリ201を収納するための凹形状(バッテリ201を保持可能な凹形状)を有するバッテリ保持筐体部113cを備え、さらに、カバー部材203が外れないように保持するための掛かり部113aを備えて構成されている。また、図2(b)では、バッテリ保持筐体部113cにおいて、凹形状の両端の出っ張った領域を防水領域113bとして図示している。ここで、後側筐体部113には、掛かり部113aの形状を形成するために開口が必要となるが、この開口を塞ぐようにゴム部材202が挿入されており、このゴム部材202によって筐体110内部への浸水を防ぐようにしている。
パッキン204は、例えばアルミニウム合金等の金属で形成されているカバー部材203に接着または両面テープで貼り付けられている弾性部材である。このような構成では、弾性部材であるパッキン204が、後側筐体部113に対するカバー部材203の着脱の際の繰り返し荷重で変形してしまうような場合でも、容易に交換することができる。
カバー部材203の一端には、後側筐体部113の掛かり部113aに引っ掛けるための爪部203aが設けられている。ここで、図2(b)では、掛かり部113aの下面113a1、及び、爪部203aの上面203a1を図示している。また、カバー部材203の前記一端とは反対側の他端には、ロック保持部205、ロック付勢ばね206及びロック部207が一体で形成されている。ここで、本実施形態においては、ロック保持部205、ロック付勢ばね206及びロック部207は、後側筐体部113と接触することによってカバー部材203が後側筐体部113に装着されるようにロックする「ロック機構」を構成する。具体的に、ロック保持部205は、カバー部材203に対して不図示のねじで固定される樹脂製の構成部である。また、ロック付勢ばね206は、例えば樹脂製のロック部207を、カバー部材203の外方向へ押し付けるためのばねである。
カバー部材203は、図2(b)に示す矢印方向に回転させながら後側筐体部113に取り付けられる。具体的に、カバー部材203を図2(b)に示す矢印方向に回転させていくと、ロック部207は、後側筐体部113から力を受け、ロック付勢ばね206を押し縮めながらカバー部材203の内側方向へ移動する。そして、ロック部207が掛かり部113aより下側(-Z側)に達すると、ロック部207は、ロック付勢ばね206によってカバー部材203の外側に押し付けられる。その結果、カバー部材203が、後側筐体部113に取り付けられる(装着される)。
このロック部207によるロック状態において、弾性部材であるパッキン204が、カバー部材203とバッテリ保持筐体部113cに挟まれて押しつぶされることで、筐体110の密封を保つことができる。また、ロック部207によるロック状態において、弾性部材であるパッキン204が押しつぶされることで、後側筐体部113におけるバッテリ保持筐体部113cの防水領域113bとの間で防水性を確保することができる。これにより、バッテリ201、及び、バッテリ201と電気基板150とを接続する端子208の電気的接続部における浸水を防ぐことができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1を示し、後側筐体部113にカバー部材203を取り付けた後の様子を示す図である。具体的に、図3(a)は、放射線撮影装置10-1において、後側筐体部113にカバー部材203を取り付けた状態を後側筐体部113から見たカバー部材203周辺の外観拡大図である。また、図3(b)は、後側筐体部113の周辺領域において、図3(a)に示すC-C断面における内部構造の一例を示す図である。ここで、図3には、図1及び図2に示すXYZ座標系に対応したXYZ座標系を図示している。以下、この図3を用いて、主としてバッテリ201を保持する後側筐体部113とカバー部材203との導通性に関する構造を説明する。なお、図3において、図1及び図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
カバー部材203は、外観部品であるために塗装が施されているが、少なくとも爪部203aの上面203a1は、塗装が施されていない部分であって金属を露出させている。このため、カバー部材203の少なくとも爪部203aの上面203a1は、導通部分である「カバー導通部分」に相当する部分である。同様に、後側筐体部113は、外観部品であるために塗装が施されているが、少なくとも掛かり部113aの下面113a1は、塗装が施されていない部分であって金属を露出させている。このため、後側筐体部113の少なくとも掛かり部113aの下面113a1は、導通部分である「筐体導通部分」に相当する部分である。
ここで、後側筐体部113にカバー部材203を取り付けた後の状態では、防水性を確保するために、弾性部材であるパッキン204が、カバー部材203とバッテリ保持筐体部113cに挟まれて押しつぶされている。このため、パッキン204を押しつぶすのに必要な力に対応する反力を、カバー部材203は上方向(+Z方向)に受け、後側筐体部113は下方向(-Z方向)に受けている。ここで、図3(b)では、カバー部材203が受けるパッキン204の反力を反力R1として図示し、後側筐体部113(より具体的には、掛かり部113a)が受けるパッキン204の反力を反力r2及びR2として図示している。この際、ロック部207と接触する掛かり部113aが受けるパッキン204の反力を反力r2とし、カバー部材203の爪部203aと接触する掛かり部113aが受けるパッキン204の反力を反力R2としている。そして、ここで説明したパッキン204の反力によって、カバー導通部分である爪部203aの上面203a1と、筐体導通部分である掛かり部113aの下面113a1とが押し付けられて接触している状態となり、安定的な導通が得られる。
さらに、本実施形態の放射線撮影装置10-1は、カバー部材203が受けるパッキン204の反力R1の中央位置から爪部203a(反力R2の位置)までの距離l2が、当該中央位置からロック部207(反力r2の位置)までの距離L2よりも短い。同様に、爪部203aの上面203a1(反力R2の位置)から右側のパッキン204(反力R1の位置)までの距離は、ロック部207の後側筐体部113との接触部分(反力r2の位置)から左側のパッキン204(反力R1の位置)までの距離よりも短い。そして、この場合、モーメントのつり合いから、爪部203a側の反力R2は、ロック部207側の反力r2よりも大きくなるため、導通部分側である爪部203a側の荷重が大きく、導通部分同士の導通を安定させることができる。
本実施形態では、筐体110は、外観面及び筐体導通部分である掛かり部113aを有する外観筐体部(少なくともバッテリ保持筐体部113cを除く部分)と、内部にバッテリ201を保持可能な凹部を有するバッテリ保持筐体部113cを含む。この際、バッテリ保持筐体部113cは、上述した外観筐体部と一体的に固定されて配置されている。また、本実施形態では、弾性部材であるパッキン204は、カバー部材203とバッテリ保持筐体部113cとの間に介在する形態となっている。
以上説明した第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1では、弾性部材であるパッキン204の反力によって、筐体導通部分である掛かり部113aの下面113a1とカバー導通部分である爪部203aの上面203a1とが押し付けられて接触している。
かかる構成によれば、筐体110とカバー部材203とを導通させるための専用部品を必要とせずに(導通のための部品を減らせ)、また、パッキン204の反力が筐体導通部分とカバー導通部分との接触を良くするため、安定的な導通を得ることができる。このため、例えば、カバー部材203が静電気を受けても、その静電気が後側筐体部113側へ伝わるため、内部の電気部品であるバッテリ201や電気基板150等を静電気から保護することが可能となる。即ち、第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1によれば、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。
かかる構成によれば、筐体110とカバー部材203とを導通させるための専用部品を必要とせずに(導通のための部品を減らせ)、また、パッキン204の反力が筐体導通部分とカバー導通部分との接触を良くするため、安定的な導通を得ることができる。このため、例えば、カバー部材203が静電気を受けても、その静電気が後側筐体部113側へ伝わるため、内部の電気部品であるバッテリ201や電気基板150等を静電気から保護することが可能となる。即ち、第1の実施形態に係る放射線撮影装置10-1によれば、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。
なお、本実施形態では、筐体110に対して着脱可能に構成されたカバー部材203が覆う対象として、内部にバッテリ201を保持可能な凹部を有するバッテリ保持筐体部113cを説明したが、本発明においては、この形態に限定されるものではない。本発明においては、筐体110に対して着脱可能であれば、如何なる対象を覆うカバー部材203であっても、適用可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図4~図5を用いて説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第2の実施形態について図4~図5を用いて説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置10-2の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図4(a)は、放射線撮影装置10-2において、図4(b)に示す放射線Rが入射する入射面部111と対向する位置に配置された背面部402から見た外観図である。また、図4(b)は、放射線撮影装置10-2において、図4(a)に示すD-D断面における内部構成の一例を示す図である。ここで、図4には、図1~図3に示すXYZ座標系に対応したXYZ座標系を図示している。また、図4において、図1~図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
第2の実施形態に係る放射線撮影装置10-2では、筐体410は、第1の実施形態で説明した入射面部111、前側枠部112及び締結部材114に加えて、後側枠部401、背面部402及びバッテリ保持部材501を含み構成されている。即ち、図4に示す第2の実施形態における筐体410は、図1に示す第1の実施形態における筐体110の後側筐体部113に替えて、図4(a)及び図4(b)に示す後側枠部401、背面部402及びバッテリ保持部材501を備えるようにしたものである。
後側枠部401は、筐体410の側面に構成されており、締結部材114によって前側枠部112に締結される。この後側枠部401は、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の金属で形成されている。
背面部402は、筐体110において入射面部111と対向する位置に構成されている背面板である。この背面部402は、後側枠部401に接着により固定されている。また、この背面部402は、例えば、高剛性で薄肉の3次元形状(立体構造)が作製可能なCFRPで形成されている。
上述したように、前側枠部112と後側枠部401とは、締結部材114によって結結されて固定される。この際、前側枠部112と後側枠部401との固定部に、例えば、不図示のガスケットを挟み込むことによって、入射面部111、前側枠部112、後側枠部401及び背面部402で筐体110の内部に密閉空間が形成される。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置10-2の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図5(a)は、放射線撮影装置10-2において、背面部402から見たカバー部材203周辺の外観拡大図である。また、図5(b)は、放射線撮影装置10-2において、図5(a)に示すE-E断面における内部構成の一例を示す図である。ここで、図5には、図1~図4に示すXYZ座標系に対応したXYZ座標系を図示している。以下、この図5を用いて、主としてバッテリ201を保持するバッテリ保持部材501の防水性に関する構造及び背面部402とカバー部材203との導通性に関する構造を説明する。なお、図5において、図1~図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
バッテリ保持部材501は、バッテリ201を収納するための凹形状(バッテリ201を保持可能な凹形状)を有するバッテリ保持筐体部501cを備え、図5(b)では、凹形状の両端の出っ張った領域を防水領域501bとして図示している。ここで、図5(b)に示すバッテリ保持筐体部501cは、図3(b)に示す第1の実施形態におけるバッテリ保持筐体部113cに相当する部分である。また、バッテリ保持部材501は、背面部402と接触する出っ張り領域501aも備えている。
このバッテリ保持部材501は、背面部402に対して接着剤等による接着により固定されており、端子208以外の開口を塞ぎ、一体の後側筐体として扱われる。
また、背面部402は、図5(b)に示すように、端部4021が入射面部111の方向(-Z方向)に延びる3次元立体構造における立壁の部分となっている。そして、背面部402の端部4021でカバー部材203の爪部203aとロック部207を抑えられるようになっており、カバー部材203を筐体410に装着した際の防水性を確保できるようになっている。上述したように、筐体410の一構成である背面部402は、3次元立体構造を有するCFRPで形成されている。ここで、CFRPは、炭素繊維を編み込んだシートの外側にエポキシ樹脂等で形状が崩れないようにした材料であるため、内部の炭素繊維は電気を通しやすく(導通性がある)、表面のエポキシ樹脂は電気を通しにくいという性質がある。このとき、図5(b)で示すような、3次元立体形状のCFRPで形成された背面部402において、カバー部材203の爪部203aやロック部207を抑える端部4021は、内部の炭素繊維が露出し、電気を流しやすい性質を持つ。即ち、背面部402の端部4021は、第1の実施形態で説明した「筐体導通部分」に相当する部分である。
ここで、カバー部材203の少なくとも爪部203aの上面203a1は、第1の実施形態で説明した「カバー導通部分」に相当する部分であるため、爪部203aの上面203a1と背面部402の端部4021とで導通が得られる。
そして、第1の実施形態と同様に、パッキン204を押しつぶす力に対応した反力を、カバー部材203は上方向(+Z方向)に受け、背面部402は下方向(-Z方向)に受ける。ここで、図5(b)では、カバー部材203が受けるパッキン204の反力を反力R1として図示し、背面部402が受けるパッキン204の反力を反力r2及びR2として図示している。ここで、図5(b)に示す反力R1、反力r2及びR2は、それぞれ、第1の実施形態で説明した図3(b)に示す反力R1、反力r2及びR2と同様のものと考えることができる。そして、ここで説明したパッキン204の反力によって、カバー導通部分である爪部203aの上面203a1と、筐体導通部分である背面部402の端部4021とが押し付けられて接触している状態となり、安定的な導通が得られる。
さらに、本実施形態の放射線撮影装置10-2は、カバー部材203が受けるパッキン204の反力R1の中央位置から爪部203a(反力R2の位置)までの距離l2が、当該中央位置からロック部207(反力r2の位置)までの距離L2よりも短い。同様に、爪部203aの上面203a1(反力R2の位置)から右側のパッキン204(反力R1の位置)までの距離は、ロック部207の背面部402との接触部分(反力r2の位置)から左側のパッキン204(反力R1の位置)までの距離よりも短い。そして、この場合、モーメントのつり合いから、爪部203a側の反力R2は、ロック部207側の反力r2よりも大きくなるため、導通部分側である爪部203a側の荷重が大きく、導通部分同士の導通を安定させることができる。
本実施形態では、薄肉で成型でき且つ剛性も高いが表面での導通が取り難いというCFRPを用いて背面部402を形成しても、炭素繊維が露出する端部4021を導通部分とすることにより、良好な導通性能と防水性能を両立し、さらに軽量化も実現できる。
本実施形態においては、ロック機構の一構成であるロック保持部205及びロック部207をともに、アルミニウム等の金属(即ち、導電体)で形成してもよい。この場合、カバー部材203のロック保持部205との接触部分を塗装を施さないように作製することにより、カバー部材203、ロック保持部205及びロック部207が全て導通されるようになる。したがって、この場合、カバー部材203の爪部203a側だけでなくロック機構側においても導通部分を確保することができるため、導通箇所が増えることから、より安定的な導通が得られる。
本実施形態に係るロック機構は、第1の実施形態で説明した金属筐体へも適応可能である。
本実施形態に係るロック機構は、第1の実施形態で説明した金属筐体へも適応可能である。
第2の実施形態に係る放射線撮影装置10-2では、弾性部材であるパッキン204の反力によって、筐体導通部分である背面部402の端部4021とカバー導通部分である爪部203aの上面203a1とが押し付けられて接触している。
かかる構成によれば、第1の実施形態と同様に、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。
かかる構成によれば、第1の実施形態と同様に、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図6を用いて説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第3の実施形態について図6を用いて説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影装置10-3の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図6(a)は、放射線撮影装置10-3において、背面部402から見たカバー部材203周辺の外観拡大図である。また、図6(b)は、放射線撮影装置10-3において、図6(a)に示すF-F断面における内部構成の一例を示す図である。ここで、図6には、図1~図5に示すXYZ座標系に対応したXYZ座標系を図示している。以下、この図6を用いて、主として背面部402とカバー部材203との導通性に関する構造を説明する。なお、図6において、図1~図5に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
具体的に、第3の実施形態に係る放射線撮影装置10-3は、上述した第2の実施形態に係る放射線撮影装置10-2に対して、ロック機構(205~207)を設けずに、カバー部材203の形状を変えて対応させた形態である。
図6(b)に示すカバー部材203は、アルミニウム合金等の金属で形成されており、また、パッキン204は、カバー部材203に接着または両面テープで貼り付けられている。また、図6(b)に示すように、カバー部材203は、爪部203aが設けられている一端とは反対側の他端につまみ部203cを備え、また、つまみ部203cの下方に背面部402の端部に掛かる掛かり部203bを備えて構成されている。
本実施形態の放射線撮影装置10-3では、カバー部材203を背面部402に取り付ける場合には、掛かり部203bの金属の弾性を利用して、その根元から変形させながら挿入していく。また、カバー部材203を背面部402から取り外す場合には、つまみ部203cに対して図6(b)の右方向(-X方向)に力を掛けて掛かり部203bを変形させることで、掛かり部203bによるロックが解除される。
ここで、本実施形態の放射線撮影装置10-3では、カバー部材203を背面部402に取り付けた場合には、爪部203aと掛かり部203bの上面が背面部402の端部で押さえられてパッキン204が押しつぶされるため、防水性が確保される。本実施形態においても、第2の実施形態と同様に、パッキン204を押しつぶす力に対応した反力を、上方向(+Z方向)に受け、背面部402は下方向(-Z方向)に受ける。ここで、図6(b)に示す反力R1、反力r2及びR2は、それぞれ、第2の実施形態で説明した図5(b)に示す反力R1、反力r2及びR2と同様のものと考えることができる。そして、ここで説明したパッキン204の反力によって、カバー導通部分である爪部203aの上面203a1と、筐体導通部分である背面部402の端部4021とが押し付けられて接触している状態となり、安定的な導通が得られる。
ここで、本実施形態においては、掛かり部203bの上面は、塗装等が施されずに形成されている。この場合、掛かり部203bの上面と背面部402の端部がともに導通部分となるため、これらの導通部分同士が接触し、さらに安定的な導通が得られる。
第3の実施形態に係る放射線撮影装置10-3では、弾性部材であるパッキン204の反力によって、筐体導通部分である背面部402の端部4021とカバー導通部分である爪部203aの上面203a1とが押し付けられて接触している。
かかる構成によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。さらに、放射線撮影装置10-3では、第1及び第2の実施形態におけるロック機構(205~207)を設けていないため、カバー部材203のロックのために追加の部品を必要とせずに、安定的な導通性能と防水性能を満たすことができる。
かかる構成によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、静電気による内部電気部品の破壊の防止と防水性の確保を図る際に、部品点数が少なく且つ簡易な構造で実現することができる。さらに、放射線撮影装置10-3では、第1及び第2の実施形態におけるロック機構(205~207)を設けていないため、カバー部材203のロックのために追加の部品を必要とせずに、安定的な導通性能と防水性能を満たすことができる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10:放射線撮影装置、110:筐体、111:入射面部、112:前側枠部、113:後側筐体部、113a:掛かり部、113b:防水領域、113c:バッテリ保持筐体部、114:締結部材、115:開口、120:画像変換部、121:蛍光体(シンチレータ)、122:センサパネル、123:遮蔽材、130:衝撃吸収部材、140:基台、150:電気基板、201:バッテリ、202:ゴム部材、203:カバー部材、203a:爪部、203b:掛かり部、203c:つまみ部、204:パッキン(弾性部材)、205:ロック保持部、206:ロック付勢ばね、207:ロック部、207a:操作部、208:端子、401:後側枠部、402:背面部、410:筐体、501:バッテリ保持部材、501a:出っ張り領域、501b:防水領域、501c:バッテリ保持筐体部、R:放射線
Claims (12)
- 放射線を放射線画像に係る電気信号へ変換する画像変換部と、
前記画像変換部を内包する筐体であって、少なくとも1つの開口が形成されており、少なくとも一部が導通部分である筐体導通部分を備える筐体と、
前記開口を覆うように配置されたカバー部材であって、前記筐体に対して着脱可能に構成され、少なくとも一部が導通部分であるカバー導通部分を備えるカバー部材と、
前記カバー部材と前記筐体との間に介在する弾性部材と、
を有し、
前記弾性部材の反力によって、前記筐体導通部分と前記カバー導通部分とが押し付けられて接触していることを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記カバー部材は、少なくとも一部に塗装が施された金属で形成されており、
前記カバー導通部分は、前記カバー部材の前記塗装が施されていない部分であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。 - 前記カバー部材は、前記金属としてアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。
- 前記筐体は、少なくとも一部に塗装が施された金属で形成されており、
前記筐体導通部分は、前記筐体の前記塗装が施されていない部分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。 - 前記筐体は、前記金属としてマグネシウム合金またはアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
- 前記筐体は、立体構造を持つCFRPで形成されており、
前記筐体導通部分は、前記立体構造における立壁の端部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。 - 前記カバー導通部分は、前記カバー部材の一端に備えられており、
前記カバー部材の前記一端とは反対側の他端に配置され、前記筐体と接触することによって前記カバー部材が前記筐体に装着されるようにロックするロック機構を更に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。 - 前記カバー導通部分から前記弾性部材までの距離は、前記ロック機構の前記筐体との接触部分から前記弾性部材までの距離よりも短いことを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
- 前記ロック機構は、導電体で形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の放射線撮影装置。
- 前記ロック機構は、前記カバー部材と一体で形成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記筐体は、外観面および前記筐体導通部分を有する外観筐体部と、前記外観筐体部と一体的に固定され、内部に電気部品を保持可能な凹部を有する保持筐体部と、を含み構成されており、
前記弾性部材は、前記カバー部材と前記保持筐体部との間に介在することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。 - 前記電気部品は、バッテリであることを特徴とする請求項11に記載の放射線撮影装置。
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