JP2023008186A - 自走式草刈機 - Google Patents

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Abstract

【課題】刈高さ調整機構を簡単低コストにし、かつ、傾斜地走行でも高い安定性を有する自走式草刈機の提供。【解決手段】自走式草刈機100の車台11の左右両側に複数の車輪12~14を有すると共に車台11の下部に回転可能な草刈刃40を備えた自走式草刈機100において、草刈刃40の両側に位置する少なくとも左右一対の車輪12のキャンバー角θを変化させることで草刈刃40の高さを調整可能にしたことを特徴とする。【選択図】図4C

Description

本発明は自走式草刈機に関する。
自走式草刈機は、休耕田、果樹園、法面等における雑草や、圃場における牧草等を刈り取るのに使用される。従来、このような自走式草刈機として例えば特許文献1(特許第4989616号公報)や特許文献2(特開平11-34897号公報)に記載されたものが知られている。これら自走式草刈機では、刈高さを調整するために、前後輪の高さを調整したり(特許文献1の図8)、後部ガイド輪33を上下方向に揺動調整したりしている(特許文献2の図1)。
特許第4989616号公報 特開平11-34897号公報
特許文献1のように前後輪の高さを調整する構造は複雑でコスト高になり小型化も困難である。また、特許文献2のようにモアMを前部支持輪32と後部ガイド輪33で昇降可能に支持する構造も複雑でコスト高になり小型化が困難である。
自走式草刈機を使用する休耕田、果樹園、圃場は基本的に平地が多いが、畝等の大小の凹凸や傾斜地も少なくない。特許文献1の草刈機の前後輪(図2)のようにキャンバーがニュートラルに設定されていると、平地での直進性はよいが傾斜地走行が不安定になる。また特許文献2の草刈機のように前輪(図3)がポジティブキャンバーに設定されていると、ステアリングの操舵力軽減に有効であるが傾斜地走行はかなり不安定になる。
そこで本発明の目的は、刈高さ調整機構を簡単低コストにし、かつ、傾斜地走行でも高い安定性を有する自走式草刈機を提供することにある。
前記課題を解決するため本発明の自走式草刈機は、車台の左右両側に複数の車輪を有すると共に前記車台の下部に回転可能な草刈刃を備えた自走式草刈機において、前記草刈刃の両側に位置する少なくとも左右一対の前記車輪のキャンバー角を変化させることで前記草刈刃の高さを調整可能にしたことを特徴とする。
本発明の自走式草刈機は、刈高さ調整機構が簡単低コストであり、傾斜地走行でも高い安定性が得られる。
本発明の実施形態に係る自走式草刈機の斜め前方斜視図である。 本発明の実施形態に係る自走式草刈機の斜め後方斜視図である。 本発明の実施形態に係る自走式草刈機の側面図である。 本発明の実施形態に係る自走式草刈機の平面図である。 自走式草刈機の下部に配設された草刈刃の斜視図である。 自走式草刈機のチェーン駆動部を示す斜視図である。 中輪と後輪のチェーン駆動部を示す斜視図である。 自走式草刈機の正面図である。 調整前の前輪のキャンバー調整機構の正面図である。 調整後の前輪のキャンバー調整機構の正面図である。 クローラを装着した自走式草刈機の斜め前方斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る自走式草刈機を図面を参照して説明する。図1Aは自走式草刈機100の斜め前方斜視図、図1Bは斜め後方斜視図、図1Cは側面図、図1Dは平面図である。この自走式草刈機100は小型・軽量・低重心に構成され、可搬式送信機によってリモコン操縦可能に構成されている。
(●自走式草刈機の概要)
車台11の上には、原動機15、作動油タンク16、油圧ポンプ17、左右の前輪12、12を駆動する左右の油圧モータ18、18、左右の中輪13、13と後輪14、14を駆動する左右の油圧モータ19、19、油圧コントロールバルブ20、受信機/コントローラ30などが配設されている。重量が大きい原動機15は、安定性を考慮して車台11の略中央に配置されている。
自走式草刈機100は図示するように略矩形状の車台11を有し、当該車台11の左右両側に前輪12、中輪13及び後輪14の計6輪が配設されている。また、車台11の下面の前輪12相互間に図2のように左右一対の草刈刃40が回転可能に配設されている。
この草刈刃40の地面からの高さ(刈高さH2)は、図4Cで後述する前輪12のキャンバー角θを増減することで調整可能とされている。そして前輪12を所定の大きさのネガティブキャンバーに調整することで、40゜程度の傾斜地でも安全かつ効率的に草刈作業を行うことができるように構成されている。
原動機15の出力軸(図示せず)は前進方向(図1Dで上方)を向いて右側に突出し、当該出力軸の先端に駆動プーリが取り付けられている。一方、車台11上の前側にギアボックス42、42が左右一対で配置されている。この一対のギアボックス42、42の内部には、互いに噛み合った傘歯車が収容されている。
軸線が水平な一方の傘歯車に水平な回転軸が連結され、当該回転軸の端部に取り付けられた従動プーリと前記駆動プーリとの間にベルトが架け渡されている。またギアボックス42の内の軸線が垂直な他方の傘歯車は、図2に示すように、車台11を垂直に貫通する回転軸44を介して、車台11の下側に左右一対で配置された草刈刃40の中心に連結されている。
車台11の前端部と後端部には、自走式草刈機100の前後方向から前記草刈刃40が直接見えないように、縦スリット入りのゴム製垂れ板51、52が取り付けられている。当該ゴム製垂れ板51、52によって、草刈刃40で弾かれた小石等が周囲に飛び散るのが防止される。
前記油圧モータ18、19は、車台11上の前側と後ろ側において左右一対で配置されている。図3A、図3Bに示すように、各油圧モータ18、19の回転軸には駆動スプロケット18a、19aが固定されている。
前側の駆動スプロケット18aは、前輪ホイール12bの軸に固定された従動スプロケット12aとチェーン61で連結されている。そして左右の油圧モータ18を正逆回転することで、左右の前輪12が正逆回転するようになっている。
一方、後ろ側の油圧モータ19の下方には揺動アーム90が配設されている。この揺動アーム90は車台11の前後方向に延び、その長手方向中央部が支点ピン91によって車台11に支持されている。そして、揺動アーム90の前後両端に、中輪ホイール13bと後輪ホイール14bの軸がそれぞれ回転可能に支持されている。
図3Bに示すように、前記揺動アーム90の上には支点ピン91の近くでブラケット92が連結され、このブラケット92の内側に前述した後ろ側の油圧モータ19が固定されている。油圧モータ19で回転する駆動スプロケット19aは、中輪ホイール13bの軸に固定された従動スプロケット13aとチェーン62で連結され、かつ、後輪ホイール14bの軸に固定された従動スプロケット14aとチェーン63で連結されている。そして左右の油圧モータ19を正逆回転することで、左右の中輪13と後輪14が正逆回転するようになっている。
6輪走行の自走式草刈機100の場合、全輪が安定的に接地することが走行安定性にとって重要である。本実施形態では地面の凹凸に対応して揺動アーム90が支点ピン91を中心としてスイングするので、起伏の多い荒れ地においても良好な全輪接地性と走行安定性が得られる。
(●キャンバー調整機構)
図4Aは、ゴム製垂れ板51、52を取り外した自走式草刈機100を前から見た図である。また図4Bと図4Cは、チェーンカバー等を取り外した自走式草刈機100を前から見た図であって、キャンバー調整機構を見やすくしたものである。破線による想像線で示すものが左右一対の草刈刃40であり、この草刈刃40の高さ(刈高さH1、H2)をシリンダ80によるキャンバー調整機構で調整する。
図4Aに示すように、車台11の前部中央にブラケット76が配設されている。そしてこのブラケット76に設けた支点ピン70によって、図4Bと図4Cに示すように、左右の前輪12を独立に支持する前輪アーム71の基端部が揺動可能に軸支されている。なお、支点ピン70と左右一対の草刈刃40の垂直方向の間隔H3は一定(固定)であって、この間隔H3は図4Bから図4Cのようにキャンバーをネガティブに変化させても変わらない。
支点ピン70は車台11の前後方向に短く延び、前輪アーム71は支点ピン70を中心として上下方向に揺動可能とされている。前輪アーム71の先端部72は下方に向けて直角に延び、この先端部72の下端部から水平方向外側に突出したピンによって前輪ホイール12bの軸が回転自在に支持されている。
左右の前輪アーム71の先端部72の上に、上方に延びたブラケット73が固定されている。このブラケット73の内側に、前述した油圧モータ18が固定されている。また、左右の前輪アーム71の中間部の上に、上方に延びたブラケット74が左右一対で固定されている。そして当該左右一対のブラケット74の間に、前輪アーム71を揺動駆動(キャンバー調整)するためのシリンダ80が配設されている。
シリンダ80の両端部はピン75を介してブラケット74に支持されている。そして、シリンダ80を伸縮作動することで、左右の前輪アーム71が図4Bと図4Cのように支点ピン70を中心として上下方向に揺動するように構成されている。このように、前輪アーム71とシリンダ80によるキャンバー調整機構(刈高さ調整機構)は構造が簡単であり、低コストに構成可能である。
(●自走式草刈機の作動)
自走式草刈機100は以上のように構成され、その作動は以下の通りである。まず原動機15を始動する。この原動機15の始動によって油圧ポンプ17が駆動され、この油圧ポンプ17から油圧コントロールバルブ20に圧油が供給される。また、ベルトクラッチのON操作で原動機15の出力軸の回転が左右の草刈刃40、40に伝達され、左右の草刈刃40、40が互いに逆方向に回転する。
油圧コントロールバルブ20は可搬式送信機によってリモコン操作が可能であり、各油圧モータ18、19とシリンダ80に対する圧油のON・OFFと供給方向をリモコンで切り替えることができる。左側の油圧モータ18、19同士と、右側の油圧モータ18、19同士は、それぞれ、直列に油圧で繋がっている。
そして左右の油圧モータ18、19を順転することで、6輪12~14が順転して自走式草刈機100が前進する。また左右の油圧モータ18、19を逆転することで、6輪12~14が逆転して自走式草刈機100が後進する。また、左右の油圧モータ18、19を互いに反対に回転することで、自走式草刈機100を旋回(進路変更)することができる。
油圧コントロールバルブ20の操作で油圧モータ18、19がロック(圧油OFF)されると、当該油圧モータ18、19にチェーン61~63で連結された6輪12~14がすべてロックされる。したがって、自走式草刈機100を傾斜地で停止させると同時に油圧モータ18、19及び6輪12~14にロックが掛かり、自走式草刈機100が傾斜地の低い方向に向かって自然発走するのを確実に防止することができる。
(●刈高さの調整)
本実施形態の自走式草刈機100では、草刈刃40の高さ調整(刈高さ調整)を図4B、図4Cに示すキャンバー調整機構で行う。図4Bはシリンダ80が最大長さに伸びて草刈刃40の高さH1が最大になった状態である。この状態で自走式草刈機100を草刈開始位置まで移動する。この移動のときはベルトクラッチをOFFにして草刈刃40、40を停止しておく。
自走式草刈機100が草刈開始位置に到着すると、シリンダ80を必要量だけ短縮する。草刈刃40の高さはシリンダ80の短縮量に対応して低くなる。図4Cはシリンダ80が最短長さに縮み、草刈刃40が最低高さH2になった状態である。
すなわち、シリンダ80が短縮作動すると、左右の前輪アーム71が支点ピン70を中心として上方に傾斜する。これにより、左右の前輪12が内側方向に角度θで傾斜してネガティブキャンバーになる。このネガティブキャンバーに伴い、車台11と支点ピン70の高さが低下し(低重心で車台11は前傾)、草刈刃40の高さも同じように低下する。
草刈刃40を図4Cのように高さH2に保持した状態で、自走式草刈機100を前進又は後進させることで草刈作業を進めることができる。地面の凹凸の避けるために草刈刃40をある程度高い位置にして草刈作業をしたい場合は、シリンダ80を図4Bと図4Cの中間長さに設定する。これにより、草刈刃40の高さをH1とH2の中間高さに保持することができる。
自走式草刈機100が図4B又は図4Cの状態で前進又は後進するとき、左右の前輪12が地面の凹凸のため高さが異なると、左右の前輪アーム71が支点ピン70を中心として揺動する。このように前輪アーム71が揺動することで自走式草刈機100の横傾斜が抑制されて傾斜地走行の安定性を向上することができる。
自走式草刈機100を図4Cの状態で前進又は後進させて草刈作業を行う際、左右の前輪12は内側方向に角度θで傾斜したネガティブキャンバーに保持されている。このため、前輪12がポジティブキャンバーや図4Bのニュートラルキャンバーのときと比べて、自走式草刈機100がより低重心かつ広トレッド幅Tとなり、傾斜地走行の安定性を大幅に向上させることができる。
(●草刈効率アップ)
本実施形態の自走式草刈機100は、前進と後進の両方で草刈刃40による草刈が可能であるから、従来のように自走式草刈機100を前進のみで草刈し、圃場の端まで来ると自走式草刈機100を旋回させて折り返す作業に比べて、草刈効率が大幅アップする。例えば長方形の圃場において草刈作業をする場合、本実施形態の自走式草刈機100では前進から後進に切り替え、また後進から前進に切り替える際に、自走式草刈機100を斜め移動することで次列へ移動する。したがって本実施形態の自走式草刈機100は180°旋回操作が不要であり、作業時間の大幅短縮と、旋回による車輪跡の圃場荒れ防止を図れる利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では、自走式草刈機100を6輪で構成したが、必ずしも6輪である必要はなく、4輪または3輪、或いは図5のように前輪12+クローラ94の構成も可能である。図5のようにクローラ94を使用する場合は、中輪13と後輪14のホイール13b、14bをクローラ用ホイール13c、14cに変更する。その他は6輪の自走式草刈機100と同じでよい。クローラ94を使用することで走行安定性と走破性が向上する。
また、草刈刃40は左右一対で配設する他、前後一対で配設したり中央に1つ配設したりしてもよい。また、前記実施形態ではシリンダ80を短縮して前輪キャンバーをネガティブにして草刈刃40の高さを低下させたが、これとは反対にシリンダ80を伸長して前輪キャンバーをポジティブにして草刈刃40の高さを上昇調整することも可能である。このように草刈刃40を上昇させるのは、大きく盛り上がった畝等を乗り越える場合に有効である。
11:車台 12:前輪
12a:従動スプロケット 12b:前輪ホイール
13:中輪 13a:従動スプロケット
13b:中輪ホイール 14:後輪
14a:従動スプロケット 14b:後輪ホイール
15:原動機 16:作動油タンク
17:油圧ポンプ 18、19:油圧モータ
18a、19a:駆動スプロケット 20:油圧コントロールバルブ
30:受信機/コントローラ 40:草刈刃
40、40:草刈刃 51、52:ゴム製垂れ板
61~63:チェーン 70:支点ピン
71:前輪アーム 72:先端部
73、74、76:ブラケット 75:ピン
80:シリンダ 90:揺動アーム
91:支点ピン 92:ブラケット
94:クローラ 100:自走式草刈機

Claims (3)

  1. 車台の左右両側に複数の車輪を有すると共に前記車台の下部に回転可能な草刈刃を備えた自走式草刈機において、前記草刈刃の両側に位置する少なくとも左右一対の前記車輪のキャンバー角を変化させることで前記草刈刃の高さを調整可能にしたことを特徴とする自走式草刈機。
  2. 前記キャンバー角をネガティブに変化させることで前記草刈刃の高さを調整可能にしたことを特徴とする請求項1の自走式草刈機。
  3. 車台の左右両側に前輪、中輪及び後輪を有し、前記草刈刃が左右一対の前記前輪の間に配設されていることを特徴とする請求項1又は2の自走式草刈機。
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