JP2023007907A - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023007907A
JP2023007907A JP2021111042A JP2021111042A JP2023007907A JP 2023007907 A JP2023007907 A JP 2023007907A JP 2021111042 A JP2021111042 A JP 2021111042A JP 2021111042 A JP2021111042 A JP 2021111042A JP 2023007907 A JP2023007907 A JP 2023007907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
weight
rotor
stator
spring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021111042A
Other languages
English (en)
Inventor
高一郎 尾崎
Koichiro Ozaki
章博 田中
Norihiro Tanaka
崇広 時田
Takahiro Tokita
浩平 室田
Kohei Murota
徹 仲田
Toru Nakada
俊吾 藤原
Shungo Fujiwara
達矢 今井
Tatsuya Imai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2021111042A priority Critical patent/JP2023007907A/ja
Publication of JP2023007907A publication Critical patent/JP2023007907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/16Mechanical energy storage, e.g. flywheels or pressurised fluids

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】高回転時の誘起電圧を抑制しつつ効率向上を図る。【解決手段】回転電機1は、ロータ2及びステータ4を有しロータ2に第2永久磁石12を配置した回転電機であり、ロータ2の回転速度に応じて第2永久磁石12を移動させることで、ステータ4への磁石磁束を変化させる可動機構10を有する。【選択図】図1

Description

本発明は回転電機に関する。
特許文献1には磁束可変機構付きの回転電機が開示されている。この回転電機はロータコアの軸方向端面に磁束可変機構を備える。磁束可変機構は遠心力を用いて磁束短絡材を永久磁石に近づける機構となっており、ロータが高回転速度で回転する場合にステータコイルに鎖交する磁束を低減する。結果、鎖交磁束によって生じる逆起電圧が過大になることが防止される。
特開2019-97359号公報
ロータに磁石を配置した回転電機では、ロータがステータ内を回転することによりステータコイルに誘起電圧が発生する。誘起電圧はロータの回転速度が高くなると高くなる。このため、ステータコイルに弱め界磁電流を流して誘起電圧を抑制することが一般に行われている。しかしながら、弱め界磁電流を流すと銅損が増加するので回転電機の効率が悪化する虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、高回転時の誘起電圧を抑制し効率向上を図ることを目的とする。
本発明のある態様の回転電機は、ロータ及びステータを有しロータに磁石を配置した回転電機であって、ロータの回転速度に応じて磁石を移動させることで、ステータへの磁石磁束を変化させる可動機構を有する。
この態様によれば、可動機構によりロータの回転速度に応じて磁石を移動させることにより、例えば磁石とステータとの離間距離の変化によりステータへの磁石磁束を変化させることができる。このため、可動機構により磁石を移動させることで、高回転時にステータへの鎖交磁束を減少させて誘起電圧を抑制することが可能になる。またこの際には、誘起電圧を抑制した分、弱め界磁電流を抑制できるので銅損を低減でき、これにより回転電機の効率向上を図ることが可能になる。さらに、可動機構はロータに配置した磁石を移動させるので、ロータコアの軸方向端面に磁束可変機構を設けた場合のように鎖交磁束の減少範囲が回転電機の軸方向端部に集中することはなく、回転電機の軸方向長さが長くなることもない。また、低回転時には可動機構により磁石を元の位置に戻すことで、ステータへの鎖交磁束を増加させることも可能なので、低回転時にトルクを確保することも可能になる。
回転電機の要部を示す図である。 低回転時の可動機構の状態を示す図である。 高回転時の可動機構の状態を示す図である。 可動機構における作用力の説明図である。 低回転時の第2永久磁石の作用を説明する図である。 高回転時の第2永久磁石の作用を説明する図である。 低回転時の磁束密度の一例を示す図である。 高回転時の磁束密度の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は回転電機1の要部を示す図である。図1では軸方向に沿って見た回転電機1の要部を示す。図1では高回転時の回転電機1の状態を示す。回転電機1は、ロータ2と第1永久磁石3とステータ4と可動機構10とを備える。回転電機1は、ロータ2に第1永久磁石3を埋め込んだ磁石埋込型の回転電機であり、インナーロータ構造の回転電機とされる。ロータ2はロータコアであり、リング状の形状を有する。ロータ2は例えば薄板の電磁鋼板を多数積層して構成される。ロータ2には磁石挿入孔が設けられ、磁石挿入孔には第1永久磁石3が配置される。第1永久磁石3は軸方向に垂直な方向の断面が矩形となる棒磁石により構成され、ロータ2は一磁極あたりに複数の第1永久磁石3を備える。複数の第1永久磁石3は複数の磁石に相当し、ロータ2に磁極を形成する。図1では、第1磁石31及び第2磁石32が複数の第1永久磁石3として磁極を形成するとともに、第3磁石33及び第4磁石34が複数の第1永久磁石3として磁極を形成する。第1永久磁石3は軸方向に沿って見た場合にq軸に対して斜めに延伸して配置される。q軸は周方向に隣り合う磁極同士の境界に位置し、径方向に沿って延伸する。周方向に互いに隣り合う磁極同士では第1永久磁石3の着磁方向は互いに逆とされる。例えば第1磁石31及び第2磁石32を外周側の極性がN極になるように着磁した場合、第3磁石33及び第4磁石34は外周側の極性がS極になるように着磁される。第1永久磁石3にはネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石等の希土類磁石のほか、フェライト磁石やアルニコ磁石等を用いることができる。ステータコアであるステータ4はリング状の形状を有し、ロータ2を収容する。ステータ4は例えば薄板の電磁鋼板を多数積層して構成される。ステータ4は径方向内側に突出する複数のティース41を有し、ティース41にはステータコイルが巻き回される。
可動機構10は、筐体枠11と第2永久磁石12と支持部材13とおもり14とおもりばね15と磁石ばね16とを備える。可動機構10はロータ2に配置される。ロータ2には可動機構10の挿入孔が設けられ、当該挿入孔には筐体枠11が可動機構10ごと押し込まれることによりロータ2に組み付けられる。筐体枠11は軸方向に沿って見た場合に径方向外側を上側とした逆Y字状の筒状の形状を有し、フラックスバリア(磁気的障壁)となる内部空間を形成する。筐体枠11のうち径方向に沿って延伸する部分はq軸上に配置される。当該部分は軸方向に沿って見た場合に径方向に長い矩形状の内部空間(以下、矩形空間と称す)を形成する。矩形空間には第2永久磁石12が配置される。筐体枠11のうち矩形空間の形成部に径方向外側から連なる部分は、当該形成部との接続部位で幅が狭められた外側空間を当該接続部位の径方向外側に形成する。外側空間では磁石ばね16が径方向内側から筐体枠11に接続される。可動機構10は、第2永久磁石12より径方向外側に外側フラックスバリア(磁気的障壁)B1を有する。外側フラックスバリアB1は、外側空間及び矩形空間のうち少なくとも外側空間により形成される。外側フラックスバリアB1は第2永久磁石12に隣接して形成される。
筐体枠11のうち矩形空間の形成部に径方向内側から連なる部分は、周方向中央で矩形空間に連なる変形扇状の内部空間(変形扇空間と称す)を形成する。変形扇空間には支持部材13とおもり14とおもりばね15が配置される。変形扇空間は軸方向に沿って見た場合にq軸に対し対称に形成され、変形扇空間には可動機構10における径方向内側の内側フラックスバリアB2が形成される。変形扇空間は軸方向に沿って見た場合に径方向外側に向かって凸となるように形成され、変形扇空間を区画する外周側壁面は曲面ではなく平面により構成される。当該平面はおもり14の案内斜面111とされる。案内斜面111は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側から中央に向かう方向、つまりq軸に直交しながら第2永久磁石12に向かう方向で、径方向外側に斜めに延伸する第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bそれぞれにより構成される。第1案内斜面111aはq軸より周方向一方の側に設けられ、第2案内斜面111bはq軸より周方向他方の側に設けられる。軸方向に沿って見た場合の第1案内斜面111aとq軸とがなす鋭角、及び第2案内斜面111bとq軸とがなす鋭角は例えば60°に設定される。筐体枠11は例えば樹脂や金属からなる非磁性体により構成される。
第2永久磁石12はq軸上に配置される。第2永久磁石12はq軸に沿って延伸するとともに、q軸に沿って移動可能に設けられる。第2永久磁石12には第1永久磁石3と同じ磁石を用いることができる。第2永久磁石12には径方向内側から支持部材13が接続される。支持部材13は、軸方向に沿って見た場合に径方向外側を上側とした逆Y字状の形状を有する。支持部材13は、軸方向に沿って見た場合に第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bそれぞれの延伸方向と径方向とに沿って分岐して延伸する。支持部材13のうち径方向に沿って延伸する部分はq軸上に配置され、第2永久磁石12に接続する。支持部材13のうち第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bそれぞれに沿って延伸する部分同士はq軸に対して対称に配置される。支持部材13のうち第1案内斜面111aに沿って延伸する部分は、第1先端部13aと第1対向面13cとを有する。第1対向面13cは第1案内斜面111aと対向する。支持部材13のうち第2案内斜面111bに沿って延伸する部分は、第2先端部13bと第2対向面13dとを有する。第2対向面13dは第2案内斜面111bと対向する。支持部材13には非磁性ステンレス等の非磁性体が用いられる。
おもり14は変形扇空間に移動可能に設けられる。おもり14には非磁性タングステン等の非磁性体が用いられる。おもり14にはおもりばね15が取り付けられる。おもり14は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側に配置される第1おもり141及び第2おもり142それぞれにより構成される。おもりばね15は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側に配置される第1おもりばね151及び第2おもりばね152それぞれにより構成される。第1おもり141と第2おもり142とは互いに同様に構成され、第1おもりばね151及び第2おもりばね152も互いに同様に構成される。このため、以下では主にq軸より周方向一方の側に設けられる第1おもり141及び第1おもりばね151について説明する。
第1おもり141は高回転時に第1案内斜面111aと第1対向面13cとの間に配置され、第1案内斜面111aに当接する。第1おもり141にはさらに第1対向面13cが当接する。第1おもり141は軸方向に沿って見た場合に、第1対向面13c、第1案内斜面111a、及び筐体枠11のうち変形扇空間を形成する周方向一方の側の側面それぞれに沿った面を有する。第1おもり141はq軸側には次のような面を有する。すなわち、第1おもり141は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向一方の側からq軸に向かう方向で径方向外側に斜めに延伸する斜面を有する。当該斜面は第1対向斜面141aとして第2おもり142が有する第2対向斜面142aと対向する。換言すれば、第1おもり141及び第2おもり142は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側から中央に向かう方向で、径方向外側に斜めに延伸する対向斜面それぞれである第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aを有する。第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aは後述する低回転時に支持部材13がおもり14を支持することを可能にする。第1おもり141が第1案内斜面111aに当接した状態で、軸方向に沿って見た場合の第1対向斜面141aとq軸とがなす鋭角はごく小さな角度(例えば数度)に設定される。第2対向斜面142aについても同様である。
第1おもりばね151は例えばコイルばねであり、第1おもり141に取り付けられる。第1おもりばね151は筐体枠11のうち変形扇空間を形成する周方向一方の側の側面と第1おもり141との間に配置される。第1おもりばね151はこれらを接続することで筐体枠11と第1おもり141とを接続する。第1おもりばね151は軸方向に沿って見た場合に第1案内斜面111aの延伸方向に沿ってばね力を作用させる。第1おもりばね151は軸方向に直交する方向に沿ってばね力を作用させる。第1おもりばね151は高回転時に引っ張られた状態、つまり自然長より延伸した状態になるよう設けられる。
磁石ばね16は例えばコイルばねであり、第2永久磁石12に取り付けられる。磁石ばね16は第2永久磁石12の径方向外側に配置される。磁石ばね16はq軸上に配置される。磁石ばね16は筐体枠11のうち外側空間を形成する部分の外周側の面と第2永久磁石12とを接続することで、筐体枠11と第2永久磁石12とを接続する。磁石ばね16は軸方向に沿って見た場合にq軸に沿ってばね力を作用させる。磁石ばね16は軸方向に直交する方向に沿ってばね力を作用させる。磁石ばね16は高回転時に引っ張られた状態になるように設けられる。
図2Aは低回転時の可動機構10の状態を示す図である。図2Bは高回転時の可動機構10の状態を示す図である。低回転時は第1回転速度時であり、高回転時は第1回転速度時よりも回転電機1の回転速度が高い第2回転速度時である。低回転時には第2永久磁石12は図2Aに示す径方向外側の後退位置に位置する。後退位置は元の位置であり、後退位置では第2永久磁石12が径方向内側から筐体枠11に当接し、矩形空間に収容される。後退位置では支持部材13は第1先端部13a及び第2先端部13bで第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aに当接する。第2永久磁石12が後退位置に位置する場合、おもりばね15は引っ張り力を発生させず、第1先端部13a及び第2先端部13bは、第2永久磁石12及び支持部材13に対して径方向外側に作用する力により第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aに当接する。従って、支持部材13は低回転時に第2永久磁石12及び支持部材13に対して径方向外側に作用する力によりおもり14を支持する。結果、低回転時でもおもり14が案内斜面111に当接した状態が維持される。
回転電機1の回転速度が高まると遠心力は大きくなる。結果、おもり14は支持部材13を径方向内側に押し退けながら、案内斜面111に沿って径方向外側に移動する。これにより、第2永久磁石12が支持部材13とともに径方向内側、つまりステータ4から離れる方向に移動する。第2永久磁石12は外側フラックスバリアB1を間に挟んで対向する部分のステータ4から離れる方向に移動する。外側フラックスバリアB1は第2永久磁石12の移動に応じて径方向長さが変化し、第2永久磁石12が径方向内側に移動すると径方向長さは長くなる。径方向長さは第2永久磁石12及びステータ4を結ぶ方向の長さに相当する。
おもり14が径方向外側にある程度移動すると、支持部材13のおもり14との当接部が、第1先端部13a及び第2先端部13bから第1対向面13c及び第2対向面13dに変わる。支持部材13が第1対向面13c及び第2対向面13dでおもり14と当接した状態では、おもり14が移動しても支持部材13は移動しない。結果、第2永久磁石12が図2Bに示す径方向内側の前進位置に位置した状態になる。おもり14は第2永久磁石12に当接するまで径方向外側に移動することができる。筐体枠11には第2永久磁石12が前進位置に位置する場合におもり14が当接し、おもり14の径方向外側への移動を規制するストッパが設けられてもよい。
図3は可動機構10における作用力の説明図である。回転電機1の作動時には、第2永久磁石12には径方向外側への遠心力F1及び吸着力F2が作用する。また、支持部材13には径方向外側への遠心力F3が作用し、おもり14には径方向外側への遠心力F4が作用する。おもり14の遠心力F4は、第1おもり141に作用する第1遠心力F41、及び第2おもり142に作用する第2遠心力F42それぞれにより構成される。第2永久磁石12の遠心力F1及び吸着力F2と支持部材13の遠心力F3とは磁石側合力を構成し、第2永久磁石12を径方向内側に移動させる際のおもり14の遠心力F4に抗する力となる。このため、おもり14の質量は低回転時から高回転時への移行時、従って高回転時に遠心力F4が磁石側合力より大きくなる質量に設定される。これにより、低回転時から高回転時への移行時におもり14の遠心力F4が磁石側合力に打ち勝つ結果、高回転時に第2永久磁石12を径方向内側の前進位置に位置させることが可能になる。
本実施形態ではさらに、おもりばね15のばね力の径方向成分F5(第1おもりばね151のばね力の径方向成分F51、及び第2おもりばね152のばね力の径方向成分F52それぞれ)と磁石ばね16のばね力F6も、第2永久磁石12を径方向内側に移動させる際のおもり14の遠心力F4に抗する力となる。このため、おもり14の質量は高回転時に遠心力F4が磁石側合力に加えてさらに、径方向成分F5の大きさ及びばね力F6の大きさより大きくなる質量に設定される。これにより、高回転時におもりばね15や磁石ばね16が引っ張り力を発生させている状態でも、第2永久磁石12を径方向内側の前進位置に位置させることができる。
高回転時から低回転時への移行時には、回転電機1の回転速度の低下に応じておもり14の遠心力F4が低下する。結果、おもりばね15が遠心力F4に抗しておもり14を径方向外側の後退位置に向かって移動させ始め、第2永久磁石12が最終的に後退位置に戻る。高回転時から低回転時への移行時及び低回転時には、支持部材13は磁石ばね16のばね力F6を利用しておもり14を支持する。従って、高回転時から低回転時への移行時には、おもり14は支持部材13に支持されながら径方向内側に向かって移動する。可動機構10はロータ2の回転速度に応じて第2永久磁石12を移動させることで、次に説明するようにステータ4への磁石磁束を変化させる。
図4Aは低回転時の第2永久磁石12の作用を説明する図である。図4Bは高回転時の第2永久磁石12の作用を説明する図である。図4A、図4Bでは配置されている構成やその形状を適宜簡略化して示す。図4A、図4Bに示すように、第2永久磁石12は径方向内側から外側に向かう向きの磁石磁束を形成する。図4Aに示すように、第2永久磁石12が径方向外側の後退位置に位置する場合は、第2永久磁石12がステータ4に近い分、外側フラックスバリアB1の径方向長さが短くなる。つまり、第2永久磁石12及びステータ4間のエアギャップが小さくなる。結果、この場合は磁気抵抗が小さくなり、その分ステータ4への磁石磁束も増加するので、ステータ4への鎖交磁束が増加する。図4Bに示すように、第2永久磁石12が径方向内側の前進位置に位置する場合は、第2永久磁石12がステータ4から遠い分、外側フラックスバリアB1の径方向長さが長くなる。つまり、外側フラックスバリアB1は第2永久磁石12が径方向内側に移動することで径方向長さが長くなり、これにより第2永久磁石12及びステータ4間のエアギャップが大きくなる。結果、この場合は単に第2永久磁石12がステータ4から離れるだけでなく磁気抵抗が大きくなるので、ステータ4への磁石磁束が減少する。結果、ステータ4への鎖交磁束が減少し誘起電圧が抑制される。またこの際には、誘起電圧を抑制した分、弱め界磁電流を抑制できるので銅損を低減でき、回転電機1の効率向上が図られる。
図5Aは本実施形態の場合の磁束密度の一例を示す図である。図5Bは比較例の場合の磁束密度の一例を示す図である。比較例の場合は可動機構10を有せず、回転電機1の回転速度に関わらず、第2永久磁石12が後退位置に位置する場合を示す。図5A、図5Bでは高回転時の第2永久磁石12の後退位置周辺部の磁束密度を示す。図5Aに示す本実施形態の場合は、高回転時に第2永久磁石12が径方向内側の前進位置に位置し、後退位置に位置しない。結果、本実施形態の場合はステータ4の領域R内において、図5Bに示す比較例の場合より磁束密度が減少していることがわかる。つまり、本実施形態の場合は高回転時に第2永久磁石12が後退位置に位置しないので、比較例の場合より外側フラックスバリアB1の径方向長さが長い。結果、本実施形態の場合は高回転時に比較例の場合よりステータ4への鎖交磁束を減少させることができる。
次に本実施形態の主な作用効果について説明する。
回転電機1は、ロータ2及びステータ4を有しロータ2に第2永久磁石12を配置した回転電機であり、ロータ2の回転速度に応じて第2永久磁石12を移動させることで、ステータ4への磁石磁束を変化させる可動機構10を有する。このような構成によれば、可動機構10により第2永久磁石12を移動させることにより、例えばステータ4との離間距離を変化させてステータ4への磁石磁束を変化させることができる。このため、可動機構10により第2永久磁石12を移動させることで、高回転時にステータ4への鎖交磁束を減少させて誘起電圧を抑制することが可能になる。またこの際には、誘起電圧を抑制した分、弱め界磁電流を抑制できるので銅損を低減でき、これにより回転電機の効率向上を図ることが可能になる。さらに、可動機構10はロータ2に配置した第2永久磁石12を移動させるので、ロータコアの軸方向端面に磁束可変機構を設けた場合のように鎖交磁束の減少範囲が回転電機1の軸方向端部に集中することはなく、回転電機1の軸方向長さが長くなることもない。また、低回転時には可動機構10により第2永久磁石12を後退位置に戻すことで、ステータ4への鎖交磁束を増加させることも可能なので、低回転時にトルクを確保することも可能になる。
本実施形態では、可動機構10は第2永久磁石12が径方向内側に移動することでステータ4への磁石磁束を減少させる機構とされる。このような構成によれば、高回転時に第2永久磁石12をステータ4から遠ざけることが可能になるので、高回転時にステータ4への鎖交磁束を減少させることが可能になる。
本実施形態では、可動機構10は第2永久磁石12より径方向外側に外側フラックスバリアB1を有する。外側フラックスバリアB1は、第2永久磁石12が径方向内側に移動することで径方向長さが長くなる。このような構成によれば、高回転時に外側フラックスバリアB1によりステータ4への磁石磁束を減少させることが可能になり、これにより高回転時にステータ4への鎖交磁束を減少させることが可能になる。
本実施形態では、可動機構10は遠心力F4により移動することで第2永久磁石12を移動させるおもり14を備える。このような構成によれば、径方向外側、つまりステータ4に近づく方向への遠心力が作用する第2永久磁石12に対し、低回転時から高回転時への移行時におもり14を利用して第2永久磁石12を径方向内側に移動させることが可能になる。また、おもり14の遠心力を利用するので、構成の簡素化やコスト低減の面でも有利である。
本実施形態では、可動機構10はおもり14に取り付けられるおもりばね15をさらに備え、第2永久磁石12が後退位置に戻る際におもりばね15がおもりばね15のばね力により縮む機構とされる。このような構成によれば、高回転時から低回転時への移行時におもりばね15のばね力を利用して第2永久磁石12を後退位置に戻すことができる。
本実施形態では、可動機構10はロータ2に設けられた挿入孔に押し込まれることによりロータ2に組み付けられる筐体枠11をさらに備える。このような構成によれば、筐体枠11を可動機構10ごとロータ2に押し込むことでロータ2に組み付けることができるので、可動機構10の組み付け性が向上する。
本実施形態では、おもり14は第2永久磁石12の周方向両側に設けられたおもりそれぞれである第1おもり141及び第2おもり142とされる。第1おもり141及び第2おもり142は、軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側から中央に向かう方向で径方向外側に斜めに延伸する対向斜面それぞれである第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aを有する。可動機構10は、第2永久磁石12に接続されるとともに、第2永久磁石が後退位置にある場合に第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aと当接する支持部材13をさらに備える。このような構成によれば、第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aに当接する支持部材13により、低回転時におもり14を支持し、おもり14を適切に配置することが可能な構造が得られる。
本実施形態では、筐体枠11は軸方向に沿って見た場合に第2永久磁石12の周方向両側から中央に向かう方向で径方向外側に斜めに延伸し、第1おもり141及び第2おもり142を案内する案内斜面それぞれである第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bを有する。支持部材13は、軸方向に沿って見た場合に第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bの延伸方向と径方向とに沿って分岐して延伸する。支持部材13は、径方向に沿って分岐して延伸した部分で第2永久磁石12に接続される。支持部材13は、第2永久磁石12が後退位置にある場合に、第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bの延伸方向に沿って分岐して延伸した部分の先端部それぞれである第1先端部13a及び第2先端部13bで第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aと当接する。第1おもり141と第2おもり142とは遠心力により第1案内斜面111a及び第2案内斜面111bのうち対応する案内斜面111に沿って径方向外側に移動して支持部材13を径方向内側に移動させることにより、第2永久磁石12を径方向内側に移動させる。
このような構成によれば、低回転時から高回転時への移行時に遠心力F4の増加に応じておもり14を案内斜面111で案内しながら径方向外側に移動させることで、第2永久磁石12を径方向内側に移動させることが可能な構造が得られる。さらに、高回転時から低回転時への移行時には、遠心力F4の低下に応じておもり14を支持部材13により支持しつつ径方向内側に移動させることで、第2永久磁石12を径方向外側に移動させることが可能な構造が得られる。また、低回転時には第1先端部13a及び第2先端部13bで第1対向斜面141a及び第2対向斜面142aに当接する支持部材13により、おもり14を支持することが可能な構造が得られる。つまり、回転電機1の作動時全般に亘って適切な構造が得られる。
本実施形態では、おもり14は非磁性体とされる。このような構成によれば、ロータ2におもり14を配置しても、おもり14がロータ2に配置された第2永久磁石12の磁石磁束等の磁束の影響を受けることを回避できる。
本実施形態では、ロータ2は一磁極あたりに複数の第1永久磁石3を備える。第2永久磁石12は、複数の第1永久磁石3によりロータ2に形成され周方向に隣り合う磁極同士の境界に位置するq軸上に配置され径方向に沿って移動する。このような構成によれば、複数の第1永久磁石3によりロータ2に磁極を形成しつつ、移動する第2永久磁石12をロータ2に適切に配置することができる。
本実施形態では、可動機構10は第2永久磁石12の径方向外側に配置され第2永久磁石12に取り付けられる磁石ばね16をさらに備え、第2永久磁石12が元の位置に戻る際に磁石ばね16が磁石ばね16のばね力により縮む機構とされる。このような構成によれば、高回転時から低回転時への移行時に磁石ばね16のばね力を利用して第2永久磁石12を後退位置に戻すことができる。また、高回転時から低回転時への移行時や低回転時に磁石ばね16のばね力を利用して支持部材13によりおもり14を支持できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば可動機構10は筐体枠11を備えていなくてもよく、外側フラックスバリアB1はロータ2に設けられた穴により形成されてもよい。また、回転電機1はアウターロータ構造の回転電機であってもよい。この場合、可動機構10は例えば、アウターロータに配置される第2永久磁石12が遠心力により径方向外側、つまりステータから離れる方向に移動することで、アウターロータに収容されるステータへの磁石磁束を減少させる機構とすることができる。この場合、第2永久磁石12には高回転時から低回転時への移行時に第2永久磁石12を径方向内側の元の位置に戻すリターンスプリングを取り付けることができる。
1 回転電機
2 ロータ
3 第1永久磁石
10 可動機構
11 筐体枠
111 案内斜面
12 第2永久磁石(磁石)
13 支持部材
13a 第1先端部
13b 第2先端部
13c 第1対向面
13d 第2対向面
14 おもり
141a 第1対向斜面
142a 第2対向斜面
15 おもりばね
16 磁石ばね
B1 外側フラックスバリア(フラックスバリア)

Claims (11)

  1. ロータ及びステータを有し前記ロータに磁石を配置した回転電機であって、
    前記ロータの回転速度に応じて前記磁石を移動させることで、前記ステータへの磁石磁束を変化させる可動機構を有する、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、前記磁石が前記ステータから離れる方向に移動することで前記ステータへの磁石磁束を減少させる機構である、
    ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1又は2に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、前記磁石と前記ステータとの間にフラックスバリアを有し、
    前記フラックスバリアは、前記磁石が前記ステータから離れる方向に移動することで前記磁石及び前記ステータを結ぶ方向の長さが長くなる、
    ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項2又は3に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、遠心力により移動することで前記磁石を移動させるおもりを備える、
    ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、前記おもりに取り付けられるおもりばねをさらに備え、前記磁石が元の位置に戻る際に前記おもりばねが当該おもりばねのばね力により縮む機構である、
    ことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項4又は5に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、前記ロータに設けられた挿入孔に押し込まれることにより前記ロータに組み付けられる筐体枠をさらに備える、
    ことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機であって、
    前記おもりは、前記磁石の周方向両側に設けられたおもりそれぞれであって、軸方向に沿って見た場合に前記磁石の周方向両側から中央に向かう方向で径方向外側に斜めに延伸する対向斜面それぞれを有し、
    前記可動機構は、前記磁石に接続されるとともに、前記磁石が元の位置にある場合に前記対向斜面それぞれと当接する支持部材をさらに備える、
    ことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項7に記載の回転電機であって、
    前記筐体枠は、軸方向に沿って見た場合に前記磁石の周方向両側から中央に向かう方向で径方向外側に斜めに延伸し、前記おもりそれぞれを案内する案内斜面それぞれを有し、
    前記支持部材は、軸方向に沿って見た場合に前記案内斜面それぞれの延伸方向と径方向とに沿って分岐して延伸し、径方向に沿って分岐して延伸した部分で前記磁石に接続されるとともに、前記磁石が元の位置にある場合に、前記案内斜面それぞれの延伸方向に沿って分岐して延伸した部分の先端部それぞれで前記対向斜面それぞれと当接し、
    前記おもりは、遠心力により前記案内斜面それぞれのうち対応する案内斜面に沿って径方向外側に移動して前記支持部材を径方向内側に移動させることにより、前記磁石を径方向内側に移動させる、
    ことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項4から8いずれか1項に記載の回転電機であって、
    前記おもりは非磁性体である、
    ことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項4から9いずれか1項に記載の回転電機であって、
    前記ロータは、一磁極あたりに複数の磁石を備え、
    前記磁石は、前記複数の磁石により前記ロータに形成され周方向に隣り合う磁極同士の境界に位置するq軸上に配置され径方向に沿って移動する、
    ことを特徴とする回転電機。
  11. 請求項4から10いずれか1項に記載の回転電機であって、
    前記可動機構は、前記磁石の径方向外側に配置され前記磁石に取り付けられる磁石ばねをさらに備え、前記磁石が元の位置に戻る際に前記磁石ばねが当該磁石ばねのばね力により縮む機構である、
    ことを特徴とする回転電機。
JP2021111042A 2021-07-02 2021-07-02 回転電機 Pending JP2023007907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021111042A JP2023007907A (ja) 2021-07-02 2021-07-02 回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021111042A JP2023007907A (ja) 2021-07-02 2021-07-02 回転電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023007907A true JP2023007907A (ja) 2023-01-19

Family

ID=85112487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021111042A Pending JP2023007907A (ja) 2021-07-02 2021-07-02 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023007907A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8723375B2 (en) Linear actuator
JP5265615B2 (ja) 永久磁石埋め込み回転子
US20110163618A1 (en) Rotating Electrical Machine
JP7076188B2 (ja) 可変磁力モータ
KR101481882B1 (ko) 회전 전기기계
JP2009136046A (ja) トロイダル巻式回転電機
JP2012130223A (ja) 同期モータ
JPH11136912A (ja) 永久磁石式リラクタンス型回転電機
JP2011239650A5 (ja)
JP2018148597A (ja) 回転電気機械
JP5120801B2 (ja) 回転機及び回転機を製造する方法
JP2021118611A (ja) 磁気ギアード回転電機
JP2008148455A (ja) 電動機及びその制御方法
JP2013132124A (ja) 界磁子用コア
JP2006115663A (ja) 永久磁石回転子
JP2005328679A (ja) 永久磁石式リラクタンス型回転電機
JP2018166377A (ja) 可変界磁回転電機
KR100912637B1 (ko) 회전기기 및 전자기 머신
JP2023007907A (ja) 回転電機
US4908592A (en) Electromagnetic actuating device
JP5673438B2 (ja) 回転電機のロータ構造
JP6440349B2 (ja) 回転電機
WO2011089797A1 (ja) ロータ、これを用いた回転電機および発電機
JP2002186244A (ja) 永久磁石型リニアモータ
JP2022502988A (ja) ロータ及び永久磁石モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240514