JP2023006926A - 画像処理装置、超音波診断装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、超音波診断装置、画像処理方法及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2023006926000001
【課題】スペックル等のノイズ低減とエッジ強調とを両立させる。
【解決手段】画像処理装置は、超音波画像データを取得し、超音波画像データを複数の階層で段階的に解像度が低減されるように多重解像度分解し、複数の階層のうち低解像度側の階層から出力される第1の合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行い第1エッジ強調画像を生成し、分解部によって生成される低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行い第2エッジ強調画像を生成し、第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成し、第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施し、分解部によって生成される複数の高域画像データと異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって第1の合成画像データよりも解像度の高い第2の合成画像データを生成する再構成処理部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、画像処理装置、超音波診断装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルスや超音波連続波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生じる超音波反射を振動素子により電気信号に変換して、被検体内の情報を非侵襲的に収集するものである。超音波診断装置を用いた医療検査は、超音波プローブを体表に接触させる操作によって、被検体内部の断層画像や3次元画像などの医用画像を容易に生成し、収集することができるため、臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
超音波画像には、スペックルと呼ばれるノイズが重畳することが知られている。複数の近接する被検体組織からの受信信号が、それぞれの不規則な位相関係によって干渉を起こし、振幅情報のみを合成する場合では発生しなかったノイズ状の画像パターンが発生する。このノイズ状の画像パターンが、スペックル、またはスペックルノイズと呼ばれている。スペックルは被検体組織の境界の位置や形状を正確に観測するのをしばしば妨げるため、これを除去するための各種の処理方法が提案されている。
そのひとつに、多重解像度分解処理と非線形異方性拡散フィルタ(Nonlinear Anisotropic Diffusion Filter)処理とを組み合わせた処理が知られている。多重解像度分解処理は、例えばウェーブレット変換を用いて対象画像の解像度を複数レベルに分解する処理である。各レベルに分解された画像に対してエッジ検出が行われる。そして、検出されたエッジ情報に基づいて、各レベルに分解された画像に対して、非線形異方性拡散フィルタ処理が行われる。
非線形異方性拡散フィルタ処理では、エッジの接線方向に沿った平滑化が行われる一方、エッジの法線方向に対しては平滑化を行わないか、或いは、エッジを鮮明にする処理を行う。このような処理によって、画像内のエッジを保持または強調して画像内の構造物の形状を鮮明にしたまま、スペックルその他のランダムなノイズ成分を低減している。
しかしながら、上述した従来の処理によっても、観察者に違和感を与えることなく、スペックルやその他のノイズを完全に除去することは難しく、さらなる性能改善が要望されている。
特開2009-153918号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、スペックル等のノイズ低減とエッジ強調とを両立させつつ、違和感なくノイズを低減することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
一実施形態の画像処理装置は、超音波画像データを取得する取得部と、前記超音波画像データを、複数の階層で段階的に解像度が低減されるように多重解像度分解する分解部と、前記複数の階層のうち、低解像度側の階層から出力される第1の合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行って第1エッジ強調画像を生成する第1エッジ検出部と、前記分解部によって生成される低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行って第2エッジ強調画像を生成する第2エッジ検出部と、前記第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成する加算部と、前記第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施すフィルタ処理部と、前記分解部によって生成される複数の高域画像データと前記異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって、前記第1の合成画像データよりも解像度の高い第2の合成画像データを生成する再構成処理部と、を備える。
実施形態に係る超音波診断装置の外観の一例を示す斜視図。 実施形態に係る超音波診断装置の機能構成例を示すブロック図。 実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図。 画像処理装置で行うスペックル/ノイズ除去処理の処理例を示すフローチャート。 多重解像度分解処理の動作概念を説明する図。 従来のスペックル/ノイズ除去処理とその課題を定性的に説明する図。 実施形態のスペックル/ノイズ除去処理の作用効果を定性的に説明する図。 実施形態のスペックル/ノイズ除去処理の効果を模式的な画像を用いて概念的に示す図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る超音波診断装置1の外観の一例を示す斜視図である。図1に示すように、超音波診断装置1は、装置本体20、ディスプレイ30、ユーザインタフェース40、及び、複数の超音波プローブ100(以下、単にプローブ100と呼ぶ)を備えている。なお、超音波診断装置1は、実施形態に係る画像処理装置10を具備している(図2参照)。
装置本体20は、プローブ100で収集した超音波信号から超音波画像データを生成する。また、装置本体20は、生成した超音波画像データに基づく超音波画像をディスプレイ30に表示させたり、装置本体20の内部に保存したりする。
装置本体20は、図1に示すように、例えば4つのキャスターを有する本体ケースに収納されている。ユーザは、移動ハンドル(図1において、ディスプレイ30の後ろに見えるハンドル)を把持しながら、超音波診断装置1を移動させることができる。
ディスプレイ30は、前述したように、装置本体で生成された超音波画像データに基づいて、Bモード画像やカラードップラ画像等の各種の超音波画像を表示する。また、ディスプレイ30には、超音波画像や本装置の動作に関連する各種の情報やデータも表示される。ディスプレイ30は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)を備えて構成される。
ユーザインタフェース40は、超音波診断装置1の各種の動作の設定やデータの入力を行うためのデバイスである。ユーザインタフェース40は、図1に例示するように、例えば、スイッチパネルとタッチパネルとを備える。スイッチパネルには、トラックボールや各種のスイッチやダイアルが配置される。また、タッチパネルは、パネル面をユーザがタッチすることにより、パネル面の表示内容に応じた各種のデータや情報を入力できるように構成されている。
図2は、本実施形態の超音波診断装置1の機能構成例を示すブロック図である。超音波診断装置1は、前述したように、例えば、プローブ100、装置本体20、ディスプレイ30、及び、ユーザインタフェース40を有している。また、装置本体20は、例えば、送信回路201、ビームフォーマ202、走査制御回路203、信号処理回路204、画像形成回路205、制御回路206、及び、画像処理装置10を備えている。
プローブ100は、送信回路201で生成された超音波パルスを被検体に向けて送信すると共に、被検体からの反射波を受信する。ビームフォーマ202は、超音波プローブ100で受信された反射波に対して重みづけ加算処理等を行うことにより、受信ビームを形成する。また、ビームフォーマ202は、走査制御回路203からの制御信号によって受信ビームを走査する。ビームの走査は、1次元アレイのプローブ100を用いた2次元走査でもよいし、2次元アレイのプローブ100を用いた3次元走査でもよい。
信号処理回路204は、ビーム形成処理された受信信号に対して、対数検波処理、相関処理、ドップラ処理等の信号処理を行う。
画像形成回路205は、信号処理後の信号と走査角等の情報に基づいて、Bモード画像やカラードップラ画像等の超音波画像を生成する。
画像処理装置10は、画像形成回路205で生成された超音波画像に対して各種の画像処理を施す。画像処理装置10で行う画像処理には、3次元の画像データを2次元の表示用の画像に変換するレンダリング処理や、ディスプレイ30に表示するためのスキャンコンバート処理の他、スペックル/ノイズ除去処理が含まれる。
画像形成回路205で生成された超音波画像には、被検体の臓器や組織などの構造物の形状や境界等の所望の情報が描出される他、スペックルや、スペックル以外のノイズ等の不要な情報も描出されている。そこで、画像処理装置10では、構造物の形状や境界等の所望の情報を保持または強調しつつ、スペックル等の不要な情報を除去または低減するための処理(即ち、スペックル/ノイズ除去処理)を行っている。画像処理装置10の構成及び処理内容については、後述する。
ディスプレイ30は、画像処理装置10で画像処理された画像を表示する。前述したように、ディスプレイ30は、液晶パネルや有機ELパネルを備えて構成される。
制御回路206は、ユーザインタフェース40から入力された操作情報やデータ等に基づいて、装置本体20の各部を制御するための制御信号を生成する。
図3は、画像処理装置10の構成例を示すブロック図である。図3は、上述したスペックル/ノイズ除去処理に焦点を絞った機能構成例を示すブロック図である。
実施形態の画像処理装置10は、記憶回路110と処理回路120とを少なくとも有して構成されている。処理回路120は、取得機能F10、多重解像度分解機能F20、第1エッジ検出機能F30,第2エッジ検出機能F40、加算機能F50,異方性拡散フィルタ機能F60、及び、再構成機能F70の各機能を実現する。
記憶回路110は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。記憶回路110は、処理回路120において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。
処理回路120は、専用又は汎用のプロセッサを有し、記憶回路110に記憶させるプログラムを実行することによるソフトウェア処理によって、上述した各種の機能を実現する。処理回路120は、ASIC(Application Specific Integration Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル論理デバイス等のハードウェアを備えて構成されてもよい。これらのデバイスを用いたハードウェア処理によっても、上述した各種の機能を実現することができる。また、処理回路120は、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組みわせて、上述した各種の機能を実現してもよい。
図4は、画像処理装置10で行うスペックル/ノイズ除去処理の処理例を示すフローチャートである。以下、上述した各機能を、図4に示すフローチャートを用いて順次説明していく。
図4のステップST100では、取得機能F10が、画像形成回路205で生成された超音波画像の画像データ(超音波画像データ)を取得する。取得する超音波画像データは、典型的にはBモード画像データであるが、カラードップラ画像データであってもよい。
ステップST101では、多重解像度分解により、ステップST100で取得した超音波画像データの解像度を、第1レベルから第Nレベルまで階層的に低下させると共に、階層ごとに1つの低域画像データと複数の高域画像データとを生成する。ここで、Nは2以上の自然数である。ステップST101の処理は図3に示す多重解像度分解機能F20が行う。多重解像度分解機能F20が第1レベルから第Nレベルまでの各階層において、同じ処理を行う。
図5は、多重解像度分解処理の動作概念を説明する図である。図5の左側の図は画像形成回路205から取得した超音波画像(原画像)を模式的に示す図である。図5の左側の図は解像度分解する前の画像であり、第0レベルに相当する。
多重解像度分解処理としては、離散ウェーブレット変換を用いた解像度分解を用いることができる。この他、ラプラシアン・ピラミッド法など他の手法によって多重解像度分解を実現するようにしてもよい。
多重解像度分解の結果、第1レベルでは、図5の中央の図に示すように、原画像データから、分解前の画像サイズに対して縦横の長さが半分の、即ち、分解前の画像に対して解像度が半分に低下された1つの低域画像データ(LL)と、複数(例えば3つの)の高域画像データとが生成される。言い換えると、原画像データが、低域画像データ(LL)、水平方向高域画像(LH)、垂直方向高域画像(HL)、対角線方向高域画像(HH)とに分解される。
次の第2レベルでは、図5の右側の図に示すように、第1レベルで生成された低域画像データから、第1レベルと同様に、分解前の画像サイズに対して縦横の長さが半分の、即ち、分解前の画像に対して解像度が半分に低下された1つの低域画像データ(LL)と、3つの高域画像データ(水平方向高域画像(LH)、垂直方向高域画像(HL)、対角線方向高域画像(HH))が生成される。
このようにして、第nレベルでは、1つ上の階層である第n-1レベルで生成された低域画像データに対して解像度が半分に低下された1つの低域画像データ(LL)と、3つの高域画像データが生成される。
図4に戻り、ステップST102では、最下位の階層、即ち、第Nレベルの階層まで解像度分解したか否かを判定し、否の場合はステップST101の処理を繰り返す。肯定判定の場合はステップST103に進む。
ステップST103では、最下位(第Nレベル)の階層において、合成画像データを生成する。即ち、第Nレベルでは、解像度分解で生成された低域画像データ(LL)に対して第1エッジ検出機能F30によるエッジ強調処理と、異方性拡散フィルタ機能F60による異方性拡散フィルタリング処理とを行い、その後、再構成機能F70による再構成処理を行って、合成画像データを生成する。エッジ強調処理、異方性拡散フィルタリング処理、及び、再構成処理については後述する。
ステップST104では、階層を1つ上げるために、レベルのカウンタnの値を1つ下げる。例えば、下から二番目の階層の処理の場合には、nの値をN-1に設定する。ステップST105からステップST109までの処理は、同じ階層での処理であり、第(N-1)から最上位の階層(第1レベルの階層)まで、ステップST105からステップST109までの処理を繰り返す。
以下、階層が第nレベルであるとして、ステップST105からステップST109までの処理を説明する。
ステップST105では、一段下の第(n+1)レベルの階層から出力される合成画像データ(即ち、第n合成画像データ)に対してエッジ検出処理(第1のエッジ検出処理)を行って第1エッジ強調画像を生成する。ステップST105の処理は、図3における第1エッジ検出機能F30が行う。ステップST105でのエッジ検出処理は、特に限定するものではないが、例えば、ソーベルフィルタ(Sobel filter)を用いたフィルタリング処理である。
ステップST106では、多重解像度分解機能F20によって生成された低域画像データ(LL)に対してエッジ検出処理(第2のエッジ検出処理)を行って第2エッジ強調画像を生成す。ステップST106の処理は、図3における第2エッジ検出機能F40が行う。ステップST106でのエッジ検出処理も、特に限定するものではないが、ステップST105と同様に、例えば、ソーベルフィルタ(Sobel filter)を用いたフィルタリング処理である。
ステップST107では、ステップST105で生成された第1エッジ強調画像と、ステップST106で生成された第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成する。ステップST107の処理は、図3における加算機能F50が行う。
第1エッジ強調画像と第2エッジ強調画像とを重み付け加算することにより、一段下の第(n+1)レベルの階層における異方性拡散フィルタ処理によって新たに発生したノイズ成分、或いは、疑似的なエッジ成分を抑制することができる。
第1エッジ強調画像と第2エッジ強調画像のそれぞれに対する重みは、例えば、画像処理装置10から最終的に出力される処理後の超音波画像におけるノイズ成分の抑圧の程度と、構造物の鮮明さの程度等を評価することによって決定することができるが、第1エッジ強調画像に対する重みよりも、第2エッジ強調画像に対する重みの方が大きくなるように設定すると更に好ましい。
画像処理装置10から最終的に出力される処理後の超音波画像の評価は、例えば、熟練したユーザが、処理後の超音波画像を目視で評価してもよいし、処理後の超音波画像におけるノイズ成分と構造物のエッジ成分とを定量的に解析して評価してもよい。
ステップST108では、ステップST107で生成された第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施す。ステップST108の処理は、図3における異方性拡散フィルタ機能F60が行う。
異方性拡散フィルタ処理の具体的な処理としては、例えば、特許文献1等に開示される公知の技術を用いることができる。異方性拡散フィルタ処理は、入力画像(ここでは、第3エッジ強調画像)のエッジの保存とノイズの平滑化を両立させる処理である。異方性拡散フィルタ処理では、入力画像のエッジの方向とエッジの大きさに基づいて、入力画像のエッジの接線方向に対しては画素値を平滑化する一方、エッジに直交する方向(エッジの法線方向)に対には平滑化せずにエッジを保存する。
ステップST109では、ステップST108において異方性拡散フィルタ処理が施された画像データと、同一階層(ここでは、第nレベルの階層)において多重解像度分解機能F20によって生成された複数の高域画像データ(即ち、水平方向高域画像(LH)、垂直方向高域画像(HL)、対角線方向高域画像(HH))とを用いた再構成処理によって、一段下の階層から出力された合成画像データ(即ち、第n合成画像データ)よりもサイズが大きく解像度の高い第(n-1)合成画像データを生成し、一段上の第(n-1)レベルの階層に出力する。
図5に示したように、再構成処理は解像度分解処理と逆方向の処理である。例えば、解像度分解処理が離散ウェーブレット変換処理の場合、再構成処理は、逆離散ウェーブレット変換処理である。
ステップST110で、当該レベルが最上位の階層(即ち、第1レベルの階層)か否かの判定が行われ、NOの場合はステップST104に戻り、YESの場合は処理を終了する。
なお、図5に示す多重解像度分解の各レベルにおいて、低域画像データ(LL)に対して平滑化等の画像処理を行わなかった場合、下位の階層から順次再構成処理を行うことにより、第0レベルの超音波画像は、原画像と同じ画像が完全に再現されることになる。
これに対して、上述したように、本実施形態では多重解像度分解の各レベルにおいて、第1エッジ検出処理、第2エッジ検出処理、加算処理、及び、異方性拡散フィルタ処理を行っている。この結果、画像処理装置10から出力される第0レベルの超音波画像は、エッジが保存された状態(即ち、臓器や組織等の構造物の形状、輪郭が保存された状態)で、スペックル等のノイズ成分が良好に低減されたものとなる。
ところで、従来のスペックル/ノイズ除去処理においても、エッジ検出処理(上記における第1のエッジ検出処理)、多重解像度分解処理/再構成処理、及び、異方性拡散フィルタ処理を行っている。
これに対して、本実施形態の画像処理装置10では、上記の従来の各処理(エッジ検出処理、多重解像度分解処理/再構成処理、及び、異方性拡散フィルタ処理)に対して、第2エッジ検出処理、及び、加算処理を付加した構成としている。この結果、従来に比べて、スペックル等のノイズをより一層低減することができる、という作用効果を得ている。以下、この作用効果について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、従来のスペックル/ノイズ除去処理とその課題を定性的に説明する図である。従来のスペックル/ノイズ除去処理も本実施形態と同様に、第1レベルから第Nレベルまで階層的に多重解像度分解処理を行っており、図6の上段は、1つの階層(第nレベル)での処理を示している。上述したように、従来の画像処理では、多重解像度分解処理、エッジ検出処理、異方性拡散フィルタ処理、及び、再構成処理を行っている。
図6の下段は、上記の各処理後の画像例を模式的に示したものである。今、多重解像度分解機能F20から出力される画像「A」(図6下段の最も左側の画像)が、例えば、右上から左下に斜めに延びるエッジ(真のエッジ)と、エッジの両側に分布する複数のスペックルやノイズを有しているものとする。
この画像「A」に対して、1つ下位のレベル(第(n+1)レベル)では、第nレベルと同じ処理が行われる。第(n+1)レベルの処理には異方性拡散フィルタ処理が含まれている。このため、スペックル等のノイズ成分は、平滑化によって画素値自体は低減されるものの、画素の領域はX方向やY方向に空間的に広がることになる。
この結果、下位レベルの再構成機能から出力される画像「B」(図6下段の左から2番目の画像)では、元々は分離されていた複数のノイズが平滑化によって連結され、元々は何も存在していなかったノイズとノイズの間の空間に新たなノイズ成分が発生するといった現象が起こり得る。そして、複数のノイズが連結された結果、いずれかの方向に延びる疑似的な(或いは、偽の)エッジが発生することになる。
疑似的なエッジを含む画像「B」は第1エッジ検出機能F30に入力され、ここで画像「B」に対してエッジ検出(或いはエッジ強調処理)が施される。エッジ検出(或いはエッジ強調処理)は、エッジを保持又は強調する処理であるため、疑似的なエッジが残存したままの画像「C」(図6下段の右から2番目の画像)が異方性拡散フィルタ機能F60に入力される。
前述したように、異方性拡散フィルタ処理は、ノイズ成分に対しては平滑化処理を行うものの、エッジ成分は保持する処理である。このため、異方性拡散フィルタ機能F60かた出力される画像「D」(図6下段の最も右側の画像)においても、疑似的なエッジは保持されることになる。
このように、従来のスペックル/ノイズ除去処理では、本来存在しなかった疑似的なエッジが発生し、このような画像に対して、エッジを保持しつつスペックルやノイズを低減する処理を行うことになり、余計なエッジ強調が増えて画像に違和感が発生するといった課題があった。
一方、図7は、本実施形態のスペックル/ノイズ除去処理の作用効果を定性的に説明する図である。図7の上段に示すように、本実施形態のスペックル/ノイズ除去処理は、従来の処理に対して、第2エッジ検出機能F40と加算機能F50とを付加している。
なお、図7下段の左から3つの画像「A」、画像「B」、及び画像「C」は、図6に示す従来のスペックル/ノイズ除去処理における各画像と同じである。
本実施形態のスペックル/ノイズ除去処理では、第1エッジ検出機能F30で生成される第1エッジ強調画像(画像「C」)と、第2エッジ検出機能F40で生成される第2エッジ強調画像とが、加算機能F50によって重み付け加算されて、第3エッジ強調画像(画像「C′」)(図7下段の右から2番目の画像)が生成される。
第2エッジ検出機能F40で生成される第2エッジ強調画像は、下位のレベルにおける平滑化処理を受けていない。このため、第2エッジ強調画像には、複数のノイズが連結されることによる発生する疑似的なエッジは存在しないと考えられる。したがって、疑似的なエッジが存在する第1エッジ強調画像(画像「C」)と、疑似的なエッジが存在しない第2エッジ強調画像とを重み付け加算する(例えば、平均する)ことにより、疑似的なエッジの振幅は低下することになる。
この結果、第3エッジ強調画像(画像「C′」)では、ノイズの連結によって生じていた疑似的なエッジが分断され、再び孤立したノイズに戻ることが期待される。つまり、第3エッジ強調画像(画像「C′」)では、第1エッジ強調画像(画像「C」)に発生していた疑似的なエッジが除去又は低減されることになる。
そして、疑似的なエッジが除去された第3エッジ強調画像(画像「C′」)に対して異方性拡散フィルタ処理が施されることにより、ノイズ成分が低減され、かつ、真のエッジのみが保持された画像「D」が生成される。
一方、図8は、本実施形態の画像処理装置10におけるスペックル/ノイズ除去処理の全体的な効果を、模式的な画像を用いて概念的に示す図である。
図8(a)は、従来のスペックル/ノイズ除去処理を用いた処理後の第1の画像例である。スペックルやノイズは良好に低減されているものの、エッジ強調は不十分である。このため、画像の左上から右下に延びる帯状の構造物に対しても平滑化が効きすぎて、構造物のエッジ或いは輪郭がボケた画像となっている。
また、図8(c)は、従来のスペックル/ノイズ除去処理を用いた処理後の第2の画像例である。この画像例では、エッジ強調は良好であり構造物のエッジ或いは輪郭は鮮明に描出されているものの、スペックルやノイズの低減が不十分である。
これらに対して、図8(b)は、本実施形態のスペックル/ノイズ除去処理を用いた処理後の画像例である。本実施形態のスペックル/ノイズ除去処理では、スペックルやノイズの低減も良好であり、かつ、エッジ強調も良好である。このため、構造物のエッジ或いは輪郭は鮮明に描出されると共に、スペックルやノイズの少ない画像となっている。
なお、本実施形態の記載における取得機能、多重解像度分解機能、第1エッジ検出機能,第2エッジ検出機能、加算機能,異方性拡散フィルタ機能、及び、再構成機能は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の取得部、分解部、第1エッジ検出部,第2エッジ検出部、加算部,フィルタ処理部、及び、再構成処理部の一例である。
以上説明してきたように、各実施形態の画像処理装置、超音波診断装置、画像処理方法及び画像処理プログラムによれば、スペックル等のノイズ低減とエッジ強調とを両立させつつ、違和感なくノイズを低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
10 画像処理装置
20 装置本体
30 ディスプレイ
100 プローブ
110 記憶回路
120 処理回路
F10 取得機能
F20 多重解像度分解機能
F30 第1エッジ検出機能
F40 第2エッジ検出機能
F50 加算機能
F60 異方性拡散フィルタ機能
F70 再構成機能

Claims (14)

  1. 超音波画像データを取得する取得部と、
    前記超音波画像データを、複数の階層で段階的に解像度が低減されるように多重解像度分解する分解部と、
    前記複数の階層のうち、低解像度側の階層から出力される第1の合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行って第1エッジ強調画像を生成する第1エッジ検出部と、
    前記分解部によって生成される低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行って第2エッジ強調画像を生成する第2エッジ検出部と、
    前記第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成する加算部と、
    前記第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施すフィルタ処理部と、
    前記分解部によって生成される複数の高域画像データと前記異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって、前記第1の合成画像データよりも解像度の高い第2の合成画像データを生成する再構成処理部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 超音波画像データを取得する取得部と、
    前記超音波画像データを多重解像度分解して解像度を第1レベルから第Nレベル(Nは2以上の自然数)まで階層的に低下させると共に、階層ごとに1つの低域画像データと複数の高域画像データとを生成する分解部と、
    第nレベル(nは1からN-1までの自然数)の階層において、一段下の第(n+1)レベルの階層から出力される第n合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行って第1エッジ強調画像を生成する第1エッジ検出部と、
    前記第nレベルの階層において、前記分解部によって生成される前記低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行って第2エッジ強調画像を生成する第2エッジ検出部と、
    前記第nレベルの階層において、前記第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成する加算部と、
    前記第nレベルの階層において、前記第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施すフィルタ処理部と、
    前記第nレベルの階層において、前記分解部によって生成された前記複数の高域画像データと前記異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって、前記第n合成画像データよりも解像度の高い第(n-1)合成画像データを生成し、一段上の第(n-1)レベルの階層に出力する再構成処理部と、
    を備える画像処理装置。
  3. 前記加算部は、前記第1エッジ強調画像に対する重みよりも、前記第2エッジ強調画像に対する重みの方が大きくなるように、前記重み付け加算の重みを設定する、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1エッジ検出部、前記第2エッジ検出部、前記加算部、前記フィルタ処理部、及び前記再構成処理部のそれぞれは、最も解像度の低い階層から最も解像度の高い階層まで、それぞれの処理を繰り返す、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1のエッジ検出処理は、ソーベルフィルタによるフィルタリング処理である、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第2のエッジ検出処理は、ソーベルフィルタによるフィルタリング処理である、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記加算部による重み付け加算は、一段下の階層における前記異方性拡散フィルタ処理によって新たに発生したノイズ成分を抑制する処理である、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記多重解像度分解する処理はウェーブレット変換であり、前記再構成処理はウェーブレット逆変換である、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記多重解像度分解する処理及び前記再構成処理は、ラプラシアン・ピラミッド法である、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記フィルタ処理部における前記異方性拡散フィルタ処理は、第3エッジ強調画像のエッジの方向とエッジの大きさに基づいて、前記第3エッジ強調画像を前記エッジの接線方向に沿って平滑化する一方、前記エッジの法線方向には平滑化せずに前記エッジを保存する処理である、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記超音波画像データは、Bモード画像データ及びドプラ画像データの少なくとも一方である、
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置を備える超音波診断装置。
  13. 超音波画像データを取得し、
    前記超音波画像データを、複数の階層で段階的に解像度が低減されるように多重解像度分解し、
    前記複数の階層のうち、低解像度側の階層から出力される第1の合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行って第1エッジ強調画像を生成し、
    前記多重解像度分解によって生成された低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行って第2エッジ強調画像を生成し、
    前記第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成し、
    前記第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施し、
    前記多重解像度分解によって生成された複数の高域画像データと前記異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって、前記第1の合成画像データよりも解像度の高い第2の合成画像データを生成する、
    画像処理方法。
  14. 超音波画像データを取得するステップと、
    前記超音波画像データを、複数の階層で段階的に解像度が低減されるように多重解像度分解するステップと、
    前記複数の階層のうち、低解像度側の階層から出力される第1の合成画像データに対して第1のエッジ検出処理を行って第1エッジ強調画像を生成するステップと、
    前記多重解像度分解によって生成された低域画像データに対して第2のエッジ検出処理を行って第2エッジ強調画像を生成するステップと、
    前記第1エッジ強調画像と前記第2エッジ強調画像とを重み付け加算して第3エッジ強調画像を生成するステップと、
    前記第3エッジ強調画像に対して異方性拡散フィルタ処理を施すステップと、
    前記多重解像度分解によって生成された複数の高域画像データと前記異方性拡散フィルタ処理が施された画像データとを用いた再構成処理によって、前記第1の合成画像データよりも解像度の高い第2の合成画像データを生成するステップと、
    をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
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