JP2023006270A - 繊維散布ブース、繊維マット堆積装置、およびシートモールディングコンパウンド製造装置 - Google Patents

繊維散布ブース、繊維マット堆積装置、およびシートモールディングコンパウンド製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短尺繊維束が繊維散布ブース内で壁に衝突または接触することにより、製造される繊維マットにおいて短尺繊維束の配向のランダム性が損なわれることを防止する技法を提供すること。【解決手段】繊維マット堆積装置に用いられる繊維散布ブースは、複数のブース壁と任意で設けられるブース屋根とを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置される。前記複数のブース壁の少なくともひとつは、内面が凹凸面とされた非平坦壁である。【選択図】図4

Description

本発明は、主として、繊維散布ブース、とりわけ、シートモールディングコンパウンド(SMC)で繊維補強材として用いられる繊維マットを製造するときに好ましく用いられる繊維散布ブースに関する。
本発明は、また、繊維散布ブースを備える繊維マット堆積装置と、それを含むSMC製造装置に関する。
SMCはプリプレグ成形材料の一種であり、短尺繊維束(short fiber bundle)からなる繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させた構造を有する。
SMCの製造において、チョッパーの下に、上方から落下する強化繊維束を分散させるための分散ロールとその回転軸に垂直な整流板を内部に有する繊維散布ブースを設けることが提案されている(特許文献1)。
特許文献1が開示する繊維散布ブースでは、分散ロールの回転軸に平行なブース壁を、分散ロールから十分な距離だけ遠ざけることによって、分散ロールにより弾き飛ばされた強化繊維束が該ブース壁に衝突または接触しないようにされている。
国際公開第2021/010084号
本発明の目的には、短尺繊維束が繊維散布ブース内で壁に衝突または接触することにより、製造される繊維マットにおいて短尺繊維束の配向のランダム性が損なわれることを防止する技法を提供することが含まれる。
本明細書中には、本発明の各実施形態により解決され得る課題が明示的にまたは黙示的に開示されている場合がある。
本発明の好ましい実施形態には以下が含まれるが、限定するものではない。
[1]繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブース屋根とを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置される繊維散布ブースであって、前記複数のブース壁の少なくともひとつは、内面が凹凸面とされた非平坦壁である、繊維散布ブース。
[2]前記非平坦壁は、上下方向の少なくとも一部において内面の水平断面が波の形を有する、[1]に記載の繊維散布ブース。
[3]前記非平坦壁では、内面の水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、[2]に記載の繊維散布ブース。
[4]前記非平坦壁では内面と外面が互いに平行である、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[5]前記非平坦壁がコルゲート板からなる、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[6]前記非平坦壁が板金加工された金属板からなる、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[7]前記複数のブース壁が、前記分散ロールをその回転軸方向に挟むように配置された2つの第一ブース壁と、前記分散ロールの回転軸と平行となるように配置された第二ブース壁とを含み、前記第二ブース壁が前記非平坦壁に該当する、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[8]前記複数のブース壁が、更に、前記第二ブース壁とで前記分散ロールを挟むように配置された第三ブース壁を含む、[7]に記載の繊維散布ブース。
[9]前記第三ブース壁が前記非平坦壁に該当する、[8]に記載の繊維散布ブース。
[10]前記2つの第一ブース壁がそれぞれ前記非平坦壁に該当する、[7]~[9]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[11]繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブースとを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置される繊維散布ブースであって、前記複数のブース壁から選ばれる少なくともひとつのブース壁の内面に沿って列をなすように配置された、それぞれが上下方向に延びる複数のロッドを有する、繊維散布ブース。
[12]前記複数のブース壁が、前記分散ロールをその回転軸方向に挟むように配置された2つの第一ブース壁と、前記分散ロールの回転軸と平行となるように配置された第二ブース壁とを含み、前記複数のロッドの少なくとも一部が前記第二ブース壁の内面に沿って配置された、[11]に記載の繊維散布ブース。
[13]前記複数のブース壁が、更に、前記第二ブース壁とで前記分散ロールを挟むように配置された第三ブース壁を含む、[12]に記載の繊維散布ブース。
[14]前記複数のロッドの少なくとも一部が前記第三ブース壁の内面に沿って配置された、[13]に記載の繊維散布ブース。
[15]その内部に前記分散ロールの回転軸に対して垂直に配置された整流板を有する、[1]~[14]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[16]前記整流板は両面が凹凸面である、[15]に記載の繊維散布ブース。
[17]前記整流板は両面が互いに平行である、[16]に記載の繊維散布ブース。
[18]前記整流板は水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、[16]または[17]に記載の繊維散布ブース。
[19]前記整流板がコルゲート板である、[18]に記載の繊維散布ブース。
[20]前記整流板が板金加工された金属板である、[16]~[19]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[21]繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブース屋根とを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置されるとともに、前記分散ロールの回転軸に対して垂直となるように整流板が配置された繊維散布ブースであって、前記整流板は両面が凹凸面である、繊維散布ブース。
[22]前記整流板は両面が互いに平行である、[21]に記載の繊維散布ブース。
[23]前記整流板は水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、[21]または[22]に記載の繊維散布ブース。
[24]前記整流板がコルゲート板からなる、[23]に記載の繊維散布ブース。
[25]前記整流板が板金加工された金属板からなる、[21]~[24]のいずれかに記載の繊維散布ブース。
[26][1]~[25]のいずれかに記載の繊維散布ブースが、キャリアフィルムの走行路の上方に設置された、繊維マット堆積装置。
[27]更に、前記繊維散布ブースの上方に配置されたチョッパーを備える、[26]に記載の繊維マット堆積装置。
[28][26]または[27]に記載の繊維マット堆積装置を備える、シートモールディングコンパウンド製造装置。
[29]更に、2つの塗工機と、2枚のキャリアフィルムを貼り合わせる機構と、含浸機とを備える、[28]に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置。
[30][26]または[27]に記載の繊維マット堆積装置を用いる繊維マットの製造方法。
[31][28]または[29]に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置を用いるシートモールディングコンパウンドの製造方法。
本発明によれば、例えば、短尺繊維束が繊維散布ブース内で壁に衝突または接触することによって、製造される繊維マットにおいて短尺繊維束の配向のランダム性が損なわれることを防止する技法が提供される。
図1は、SMC製造装置の模式図である。 図2は、繊維マット堆積装置の模式図である。 図3は、繊維マット堆積装置の模式図である。 図4は、繊維散布ブースを平面視したカット図である。 図5は、コルゲート板からなる前壁の一例を示す斜視図である。 図6は、内面を凹凸面とした前壁を示す斜視図であり、図6(a)は内面上に複数の突起を縦横に並べた例、図6(b)は内面上に複数の窪みを縦横に並べた例である。 図7は、内面に沿って複数のロッドを配置した前壁を示す。図7(a)は斜視図であり、図7(b)は上面図である。 図8は、繊維散布ブースを平面視したカット図である。 図9は、繊維散布ブースを平面視したカット図である。
本発明の一実施形態は、次の(i)~(iv)を含むシートモールディングコンパウンド(SMC)の製造方法において好ましく用いられるSMC製造装置に関する。
(i)キャリアフィルムをロールから引き出して、その幅方向が水平に維持されるように走行させること。
(ii)水平でかつ前記キャリアフィルムの走行方向に垂直な方向をT方向としたとき、前記T方向に平行な回転軸を有するカッターロールを備えるチョッパーで連続繊維束をチョップして短尺繊維束にすること。
(iii)前記短尺繊維束を前記キャリアフィルム上に落下させて繊維マットを堆積させること。
(iv)前記繊維マットを熱硬化性樹脂組成物で含浸させること。
実施形態に係るSMC製造装置の概念図を図1に示す。
図1を参照すると、SMC製造装置100は、第一塗工機110、第二塗工機120、繊維マット堆積装置130および含浸機140を有する。
図2および図3に示すように繊維マット堆積装置130は、第一キャリアフィルム41の走行路の上方に配置され、チョッパー160、シューター170および繊維散布ブース180を有する。
チョッパー160は、従来のSMC製造装置でも使用されているタイプのものであり、それぞれがT方向に平行なカッターロール161、受けロール(ゴムロール)162およびガイドロール163を備えている。
T方向とは、水平であり、かつM方向に垂直な方向をいう。M方向とは、第一キャリアフィルム41の走行方向に平行な方向のことをいう。
シューター170はチョッパー160の下方に設置されており、シューター170の下端は繊維散布ブース180と接続されている。
繊維散布ブース180は、4つのブース壁と、シューター170と接続された部分に開口を有するブース屋根184とからなる。ブース屋根184は省略してもよい。
繊維散布ブース180内には、駆動機構(図示せず)によって回転駆動される分散ロール190が設置される。分散ロール190の回転軸は、チョッパー160が備える3種のロールの回転軸と平行、すなわち、T方向に平行である。
分散ロール190の数は1個に限定されるものではなく、2個以上であってもよい。
分散ロール190は、ピンロールであることが好ましいが、限定されない。ピンロール以外の分散ロール190の形態については、特許文献1を参照してもよい。
繊維散布ブース180の4つのブース壁とは、M方向に平行な2つの側壁181と、それぞれT方向に平行な前壁182および後壁183である。
2つの側壁181は、分散ロール190をT方向に挟むように配置されている。前壁182と後壁183は分散ロール190をM方向に挟むように配置されており、前壁182は分散ロール190の下流側、後壁183は分散ロール190の上流側にある。前壁182と後壁183は、いずれか一方を省略してもよい。
繊維散布ブース180の4つのブース壁とブース屋根とは、好ましくは金属板で形成され得るが、限定するものではない。金属板を用いる場合、その厚さは例えば3~5mmであり、要求される剛性や強度に応じて、これより薄くしてもよいし、これより厚くしてもよい。
好ましい実施形態において、繊維散布ブース180の前壁の内面182aを凸凹面とすることができる。本明細書では、前壁182の内面182aが凹凸面であるときに、これを「前壁182が非平坦壁である」ともいう。
前壁の内面182aが凹凸面であるとき、すなわち、前壁182が非平坦壁であるとき、繊維散布ブース180内で前壁182に衝突または接触して落下する短尺繊維束20の向きが、前壁の内面182aのどの部分にどのように衝突または接触したかによって様々に変わることから、第一キャリアフィルム41上に堆積する繊維マットにおいて短尺繊維束20の配向のランダム性が損なわれない。
これに対し、前壁の内面が平らであると、散布ブース内で前壁に衝突または接触して落下する短尺繊維束の向きが前壁と平行になる傾向があるため、第一キャリアフィルム上に堆積する繊維マットにおいて短尺繊維束の配向のランダム性が損なわれる。
繊維散布ブースの前壁182が非平坦壁であるときは、その上下方向の少なくとも一部において、内面182aの水平断面が三角波、サイン波、台形波あるいは矩形波のような波の形を有することが好ましい。
図4の例では、前壁の内面182aが三角波状の水平断面を有している。
前壁の内面182aの水平断面が形作る波の周期と振幅は、波形に応じて試行錯誤により最適化することができ、限定するものではないが、例えば、周期は短尺繊維束の長さの1倍以上2倍以下とすることができ、振幅は短尺繊維束の長さの0.5倍以上1倍以下とすることができる。
ここでいう短尺繊維束の長さは、短尺繊維束の繊維方向の寸法のことをいう。例えば、平面形状が長方形で繊維方向を長手方向とする短冊状の短尺繊維束の場合、その長さは該長方形の長辺の長さに等しい。
好ましくは、前壁182は板金加工された金属板からなる。板金加工された金属板では、一方の表面と他方の表面が互いに平行な凹凸面である。
一例において、前壁182は図5に示すようにコルゲート板からなり、その水平断面の形状はどの高さにおいても同じである。
他の一例において、前壁182は図6(a)に示すように、内面182a上に縦横に並んだ複数の突起を有していてもよいし、あるいは、図6(b)に示すように、内面182a上に縦横に並んだ複数の窪みを有していてもよい。これらの例において、前壁182には、内面182aの水平断面が波の形である領域と直線である領域が上下方向に沿って交互に存在する。
図6(a)の例では、前壁の内面182a上に突起が密に並んでいるが、限定するものではなく、突起と突起の間は離れていてもよい。言い換えれば、突起と突起の間に平らな部分があってもよい。
突起の配列は図6(a)の例のような正方格子配列に限定されるものではなく、例えば三角格子配列であってもよい。
突起の形状は図6(a)の例に示す四角錘に限定されるものではなく、例えば円錐、円錐台、角柱、四角錘以外の角錐、角錐台、球面など様々であり得る。角柱、角錐、角錐台の、高さ方向に直交する断面の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、その他任意の多角形であり得る。
複数の突起は、全てが互いに同じ形状と寸法を有していることが好ましい。
図6(b)の例では、前壁の内面182a上に窪みが密に並んでいるが、限定するものではなく、窪みと窪みの間は離れていてもよい。言い換えれば、窪みと窪みの間に平らな部分があってもよい。
窪みの配列は図6(b)の例のような正方格子配列に限定されるものではなく、例えば三角格子配列であってもよい。
窪みの形状は図6(b)の例に示す四角錘に限定されるものではなく、例えば円錐、円錐台、角柱、四角錘以外の角錐、角錐台、球面など様々であり得る。角柱、角錐、角錐台の、高さ方向に直交する断面の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、その他任意の多角形であり得る。
複数の窪みは、全てが互いに同じ形状と寸法を有していることが好ましい。
別の実施形態では、前壁182を非平坦壁とする代わりに、図7(a)および(b)に示すように、前壁182を平板とし、その内面182aに沿って列をなすように、それぞれが上下方向に伸びる複数のロッド151を配置してもよい。
この構成を採用すると、ロッド151がなければ前壁の内面182aに衝突または接触する筈だった短尺繊維束20が、前壁の内面182aに衝突または接触する前にロッド151に衝突または接触して落下する。ロッド151への衝突または接触の仕方によって短尺繊維束20の向きが様々に変わることから、第一キャリアフィルム41上に堆積する繊維マットにおいて短尺繊維束20の配向のランダム性が損なわれない。
ロッド151の材質は、強度が高いことから金属または合金が好ましいが、限定されない。
ロッド151の断面形状は、図6の例では円であるが、限定されない。
ロッド151の直径は、例えば1mm以上5mm以下である。強度が保たれるならばロッド151の直径は1mm未満であってもよい。
図7(b)を参照すると、ロッド151間のピッチPと、前壁の内面182aとロッド151の間の距離Dは試行錯誤により最適化することができ、限定するものではないが、例えば、ピッチPは短尺繊維束の長さの0.5倍以上2倍以下とすることができ、距離Dは短尺繊維束の長さの0.5倍以上1倍以下とすることができる。
ロッド151を支持する方法に特に限定はなく、適宜な支持体を用いることができる。
前壁182について以上に述べたことは、非平坦壁とすること、または、その内面に沿って列をなすように複数のロッドを配置することも含めて、全て、側壁181と後壁183にも該当する。
2つの側壁181、前壁182および後壁183の間において、非平坦壁とするときの態様、または、内面に沿ってロッドを配置するときの態様は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
好適例では、例えば図8に示すように、繊維散布ブース180の中に、T方向に垂直となるように整流板185が配置されてもよい。
整流板185の目的は、分散ロールの回転により繊維散布ブース180内に気流が発生するのを抑制することであり、したがって、整流板185はバッフル板といってもよい。
整流板185の作用は、繊維散布ブース180内において短尺繊維束がT方向に移動できる範囲を制限することであってもよい。
整流板185の設置位置や設置枚数に特段の限定はなく、特許文献1を参照してもよい。
整流板185は、好ましくは金属板であり得るが、限定するものではない。
例えば、金属板を整流板185に用いるとき、その厚さは例えば3~5mmであり、要求される剛性や強度に応じて、これより薄くしてもよいし、これより厚くしてもよい。
好適例では、図9に示すように、整流板185は、両面が凹凸面であってもよい。
整流板185の表面が凹凸面であるとき、整流板185に衝突または接触して落下する短尺繊維束20の向きが、整流板185のどの部分にどのように衝突または接触したかによって様々に変わることから、第一キャリアフィルム41上に堆積する繊維マットにおいて、短尺繊維束20の配向のランダム性が損なわれない。
これに対し、整流板185の表面が平らであると、整流板に衝突または接触して落下する短尺繊維束の向きが整流板と平行になる傾向があるため、第一キャリアフィルム上に堆積する繊維マットにおいて短尺繊維束の配向のランダム性が損なわれる。
表面を凹凸面とするときは、整流板185の上下方向の少なくとも一部において、その表面の水平断面が三角波、サイン波、台形波あるいは矩形波のような波の形を有することが好ましい。
図9の例では、整流板185の表面が三角波状の水平断面を有している。
整流板185の表面の水平断面が形作る波の周期と振幅は、波形に応じて試行錯誤により最適化することができ、限定するものではないが、例えば、周期は短尺繊維束の長さの1倍以上2倍以下とすることができ、振幅は短尺繊維束の長さの0.5倍以上1倍以下とすることができる。
好ましくは、整流板185は板金加工された金属板からなる。板金加工された金属板では、一方の表面と他方の表面が互いに平行な凹凸面である。
一例において、整流板185はコルゲート板からなり、その水平断面の形状はどの高さにおいても同じである。
SMC製造装置100を用いてSMCを製造するときの手順を説明すると次の通りである。
まず、予め準備された繊維パッケージから、連続繊維束10が引き出される。
連続繊維束10は、好ましくは炭素繊維からなるが、限定するものではなく、ガラス繊維やアラミド繊維など、炭素繊維以外の繊維からなるものであってもよい。連続繊維束10が炭素繊維束であるときの束当たりのフィラメント数は、限定するものではないが、例えば3000~100000本であり得る。連続繊維束は、予め複数本のサブ束に部分的スプリットされていてもよい。
複数本の連続繊維束10が互いに平行となるように引き揃えられたうえ、T方向に直交する方向からチョッパー160に供給され、切断されて短尺繊維束20となる。
短尺繊維束20の繊維長は、例えば10~60mmの範囲内であり、典型的には0.5インチ(約1.3cm)、1インチ(約2.5cm)、2インチ(約5.1cm)などであり得るが、限定はされない。
短尺繊維束20は、シューター170によって繊維散布ブース180内に導かれ、分散ロールと接触することや、分散ロールの回転により生じた気流の働きによって、様々な方向に飛ばされたうえで、第一キャリアフィルム41上に堆積し繊維マット30を形成する。
変形例では、その場でチョッパー160を使用して連続繊維束をチョップし短尺繊維束20を作ることに代えて、別途工程で予め製造された短尺繊維束20を、シューター170を通して繊維散布ブース180に供給してもよい。
繊維マット30を堆積させる前に、ロールから引き出される第一キャリアフィルム41には、第一塗工機110を用いて第一樹脂ペースト51が塗布される。
第一樹脂ペースト51は熱硬化性樹脂組成物であり、そのベース樹脂は、限定するものではないが、例えばビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂ともいう)、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂またはフェノール樹脂である。ビニルエステル樹脂と不飽和ポリエステル樹脂の混合樹脂をベース樹脂としてもよい。第一樹脂ペースト51には、必要に応じて、硬化剤、重合禁止剤、増粘剤、反応性希釈剤、低収縮剤、難燃剤、抗菌剤などが配合され得る。
別途工程では、第二塗工機120を用いて、第一樹脂ペースト51と同じ組成の第二樹脂ペースト52が第二キャリアフィルム42に塗布される。
第二キャリアフィルム42は、第二樹脂ペースト層52Lが形成された面を下にして、繊維マット30を上面に載せた第一キャリアフィルム41に重ね合わされ、それにより形成される積層体60が含浸機140で加圧されることにより、繊維マット30が第一樹脂ペースト51および第二樹脂ペースト52で含浸される。
含浸された繊維マット30は、第一キャリアフィルム41と第二キャリアフィルム42に挟まれたままボビンに巻き取られる。その後、繊維マット30に浸透した第一樹脂ペースト51および第二樹脂ペースト52を増粘させる工程が必要に応じて行われる。
完成したシートモールディングコンパウンドは、例えば圧縮成形法を用いた、FRP(繊維強化プラスチック)製品の成形に用いられる。シートモールディングコンパウンドを用いて製造され得るFRP製品は、航空機や無人航空機や自動車や船舶その他各種の輸送機器に用いられる部品、スポーツ用品、レジャー用品などを含め、多岐にわたる。
以上、本発明を具体的な実施形態に即して説明したが、各実施形態は例として提示されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載された各実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、様々に変形することができ、かつ、実施可能な範囲内で、他の実施形態により説明された特徴と組み合わせることができる。
10 連続繊維束
20 短尺繊維束
30 繊維マット
41 第一キャリアフィルム
42 第二キャリアフィルム
51 第一樹脂ペースト
51L 第一樹脂ペースト層
52 第二樹脂ペースト
52L 第二樹脂ペースト層
60 積層体
100 SMC製造装置
110 第一塗工機
120 第二塗工機
130 繊維マット堆積装置
140 含浸機
151 ロッド
160 チョッパー
161 カッターロール
162 受けロール(ゴムロール)
163 ガイドロール
170 シューター
180 繊維散布ブース
181 側壁
182 前壁
183 後壁
184 ブース屋根
185 整流板
190 分散ロール

Claims (31)

  1. 繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブース屋根とを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置される繊維散布ブースであって、前記複数のブース壁の少なくともひとつは、内面が凹凸面とされた非平坦壁である、繊維散布ブース。
  2. 前記非平坦壁は、上下方向の少なくとも一部において内面の水平断面が波の形を有する、請求項1に記載の繊維散布ブース。
  3. 前記非平坦壁では、内面の水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、請求項2に記載の繊維散布ブース。
  4. 前記非平坦壁では内面と外面が互いに平行である、請求項1~3のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  5. 前記非平坦壁がコルゲート板からなる、請求項1~4のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  6. 前記非平坦壁が板金加工された金属板からなる、請求項1~5のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  7. 前記複数のブース壁が、前記分散ロールをその回転軸方向に挟むように配置された2つの第一ブース壁と、前記分散ロールの回転軸と平行となるように配置された第二ブース壁とを含み、前記第二ブース壁が前記非平坦壁に該当する、請求項1~5のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  8. 前記複数のブース壁が、更に、前記第二ブース壁とで前記分散ロールを挟むように配置された第三ブース壁を含む、請求項7に記載の繊維散布ブース。
  9. 前記第三ブース壁が前記非平坦壁に該当する、請求項8に記載の繊維散布ブース。
  10. 前記2つの第一ブース壁がそれぞれ前記非平坦壁に該当する、請求項7~9のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  11. 繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブースとを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置される繊維散布ブースであって、前記複数のブース壁から選ばれる少なくともひとつのブース壁の内面に沿って列をなすように配置された、それぞれが上下方向に延びる複数のロッドを有する、繊維散布ブース。
  12. 前記複数のブース壁が、前記分散ロールをその回転軸方向に挟むように配置された2つの第一ブース壁と、前記分散ロールの回転軸と平行となるように配置された第二ブース壁とを含み、前記複数のロッドの少なくとも一部が前記第二ブース壁の内面に沿って配置された、請求項11に記載の繊維散布ブース。
  13. 前記複数のブース壁が、更に、前記第二ブース壁とで前記分散ロールを挟むように配置された第三ブース壁を含む、請求項12に記載の繊維散布ブース。
  14. 前記複数のロッドの少なくとも一部が前記第三ブース壁の内面に沿って配置された、請求項13に記載の繊維散布ブース。
  15. その内部に前記分散ロールの回転軸に対して垂直に配置された整流板を有する、請求項1~14のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  16. 前記整流板は両面が凹凸面である、請求項15に記載の繊維散布ブース。
  17. 前記整流板は両面が互いに平行である、請求項16に記載の繊維散布ブース。
  18. 前記整流板は水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、請求項16または17に記載の繊維散布ブース。
  19. 前記整流板がコルゲート板である、請求項18に記載の繊維散布ブース。
  20. 前記整流板が板金加工された金属板である、請求項16~19のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  21. 繊維マット堆積装置に用いられ、複数のブース壁と任意で設けられるブース屋根とを有し、その内部には上方から落下する短尺繊維束を分散させる分散ロールが設置されるとともに、前記分散ロールの回転軸に対して垂直となるように整流板が配置された繊維散布ブースであって、前記整流板は両面が凹凸面である、繊維散布ブース。
  22. 前記整流板は両面が互いに平行である、請求項21に記載の繊維散布ブース。
  23. 前記整流板は水平断面の形状がどの高さにおいても同じである、請求項21または22に記載の繊維散布ブース。
  24. 前記整流板がコルゲート板からなる、請求項23に記載の繊維散布ブース。
  25. 前記整流板が板金加工された金属板からなる、請求項21~24のいずれかに記載の繊維散布ブース。
  26. 請求項1~25のいずれかに記載の繊維散布ブースが、キャリアフィルムの走行路の上方に設置された、繊維マット堆積装置。
  27. 更に、前記繊維散布ブースの上方に配置されたチョッパーを備える、請求項26に記載の繊維マット堆積装置。
  28. 請求項26または27に記載の繊維マット堆積装置を備える、シートモールディングコンパウンド製造装置。
  29. 更に、2つの塗工機と、2枚のキャリアフィルムを貼り合わせる機構と、含浸機とを備える、請求項28に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置。
  30. 請求項26または27に記載の繊維マット堆積装置を用いる繊維マットの製造方法。
  31. 請求項28または29に記載のシートモールディングコンパウンド製造装置を用いるシートモールディングコンパウンドの製造方法。
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