JP2023005427A - 筆記具用水性インキセット - Google Patents

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千夏 篠崎
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Abstract

【課題】幅広い色調に調整可能な筆記具用水性インキセットを提供する。【解決手段】筆記具用水性インキセットは、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、かつ互いに色の異なる第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物を備える。第1インキ組成物の最大吸収波長と第2インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上であり、第2インキ組成物の最大吸収波長と第3インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、筆記具用水性インキセットに関する。
万年筆やマーカー類等の筆記具に用いられる複数色のインキ組成物を混合することで、ユーザーの所望の色調のインキを調色することが行われている。例えば、調色に用いるインキ組成物として、イエロー色、マゼンタ色、シアン色の各々のインキを用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、調色に用いるインキ組成物として、イエロー、ピンク、ブルー、グレイ、および透明の5色のインキを用いる技術が開示されている。
特開2019-10823号公報
しかしながら従来技術では、調色できる色調の範囲に限界があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、幅広い色調に調色可能な筆記具用水性インキセットを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、上記課題を解決するために
「1.それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、かつ互いに色の異なる第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物を備え、前記第1インキ組成物の最大吸収波長と前記第2インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上であり、前記第2インキ組成物の最大吸収波長と前記第3インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上である、筆記具用水性インキセット。
2.前記第1インキ組成物はシアン色のインキ組成物であり、前記第2インキ組成物はマゼンタ色のインキ組成物であり、前記第3インキ組成物はイエロー色のインキ組成物である、第1項に記載の筆記具用水性インキセット。
3.前記第3インキ組成物がタートラジンを含む、第2項に記載の筆記具用水性インキセット。
4.透明色の第4インキ組成物を更に備える、第1項~第3項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
5.前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物のいずれか2つの最大吸収波長の間に最大吸収波長を有する第5インキ組成物を更に備える、第1項~第4項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
6.前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物は着色剤を含み、前記着色剤の含有量の差が0質量%以上1.0質量%未満である、第1項~第5項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
7.前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物は水性媒体を含む、第1項~第6項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
8.前記水性媒体は、多価アルコールおよびアルカノールアミンを含む、第7項に記載の筆記具用水性インキセット。
9.前記水性媒体は、尿素を更に含む、第8項に記載の筆記具用水性インキセット。
10.前記水性媒体は、界面活性剤を含む、第7項~第9項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
11.前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤およびアセチレン系界面活性剤の少なくとも一方を含んでなる、第10項に記載の筆記具用水性インキセット。
12.前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物の前記水性媒体の主成分が同一である、第7項~第11項の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。」とする。
本発明によれば、幅広い色調に調色可能な筆記具用水性インキセットを提供することができる。
図1は、実施例および比較例のインキ組成物の吸収波長の測定結果を示す図である。 図2は、実施例1の筆記具用水性インキセットに含まれるインキ組成物の吸収波長の測定結果を示す図である。 図3は、比較例1の比較水性インキセットに含まれるインキ組成物の吸収波長の測定結果を示す図である。 図4は、比較例2の比較水性インキセットに含まれるインキ組成物の吸収波長の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、および「比」等は、特に基準を示さない限り質量基準である。
本実施形態の筆記具用水性インキセットは、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、かつ互いに色の異なる第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物を備える。第1インキ組成物の最大吸収波長と第2インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上であり、第2インキ組成物の最大吸収波長と第3インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上である。
可視光領域とは、人の目により視認可能な光の波長範囲の領域である。JIS Z8120の定義によれば、可視光領域の下限は360nm以上400nm以下の範囲であり、上限は760nm以上830nm以下の範囲である。
本実施形態の筆記具用水性インキセットは、最大吸収波長の差が上記関係を示す。このため、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、第1インキ組成物と第2インキ組成物、および第2インキ組成物と第3インキ組成物、の少なくとも一方の最大吸収波長の差が100nm未満である場合に比べて、可視光領域における調整可能な色調の範囲を広げることができる。
従って、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物を任意の混合比で混合することで、幅広い色調のインキを調色することができる。本実施形態では、インキとは、複数のインキ組成物の混合物を表す。
第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物は、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、最大吸収波長の差が上記関係を満たし、かつ互いに色の異なるインキ組成物であればよい。本実施形態では、第1インキ組成物がシアン色のインキ組成物であり、第2インキ組成物がマゼンタ色のインキ組成物であり、第3インキ組成物がイエロー色のインキ組成物である形態を一例として説明する。
本実施形態の筆記具用水性インキセットは、透明色の第4インキ組成物を更に備えることが好ましい。透明色の第4インキ組成物を更に備えることで、インキの濃度や明度を調整することが可能となる。
また、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、第5インキ組成物を更に備えることが好ましい。第5インキ組成物は、第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物のいずれか2つの最大吸収波長の間に最大吸収波長を有するインキ組成物である。
本実施形態では、第5インキ組成物が、シアン色の第1インキ組成物の最大吸収波長とマゼンタ色の第2インキ組成物の最大吸収波長との間に最大吸収波長を有するインキ組成物である場合を一例として説明する。具体的には、本実施形態では、第5インキ組成物が、ブラック色のインキ組成物である形態を一例として説明する。
本実施形態の筆記具用水性インキセットは、ブラック色の第5インキ組成物を更に備えることで、インキの彩度を容易に調整することが可能となる。
なお、以下では、第1インキ組成物をシアン色のインキ組成物、第2インキ組成物をマゼンタ色のインキ組成物、第3インキ組成物をイエロー色のインキ組成物、と称して説明する場合がある。また、第4インキ組成物を透明色のインキ組成物と称し、第5インキ組成物をブラック色のインキ組成物と称して説明する場合がある。また、第1インキ組成物、第2インキ組成物、第3インキ組成物、第4インキ組成物、および第5インキ組成物を総称して説明する場合には、単に、インキ組成物と称して説明する場合がある。
以下、インキ組成物に含まれる各成分の詳細について説明する。
インキ組成物は、着色剤と、水性媒体と、を含む。なお、透明色のインキ組成物は、着色剤を含まない形態であってよい。
(着色剤)
本実施形態のインキ組成物に含まれる着色剤について説明する。インキ組成物に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。
染料としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能であれば特に制限されるものではない。染料としては、例えば、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料および食用色素等の各種の染料が挙げられる。これらの染料は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。染料の含有量は、インキ組成物の総質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド18、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー7、C.I.アシッドイエロー23(タートラジン)、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー22、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー239、C.I.アシッドブルー248、C.I.アシッドバオレット15、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、C.I.アシッドレッド87(エオシン)、C.I.アシッドレッド92(フロキシン)、C.I.アシッドレッド97、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン)、C.I.アシッドレッド94(ローズベンガル)、アクリジンレッド(C.I.45000)、ローダミン110、ローダミン123、ローダミン6G(C.I.ベーシックレッド1)、ローダミン6Gエキストラ、ローダミン116、ローダミンB(C.I.45170)、テトラメチルローダミン過塩素酸塩、ローダミン3B、ローダミン19、スルホローダミン、ピロニンG(C.I.45005)、ローダミンS(C.I.45050)、ローダミンG(C.I.45150)、エチルローダミンB(C.I.45175)、ローダミン4G(C.I.45166)、ローダミン3GO(C.I.45215)、スルホローダミンG等が挙げられる。
塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシックオレンジ2、C.I.ベーシックオレンジ14、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー26、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット10、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が挙げられる。
直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトバイオレット51、C.I.ダイレクトブラック19等が挙げられる。
食用色素としては、例えば、C.I.フードイエロー3、C.I.フードブラック2、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が挙げられる。
顔料としては、例えば、無機、有機、加工顔料等が挙げられる。具体的には、顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、顔料として、マイクロカプセル顔料を用いてもよい。マイクロカプセル顔料は、顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法等により樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたものである。更に、顔料としては、顔料を透明または半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子や、無色樹脂粒子を顔料もしくは染料で着色したもの等を用いることもできる。
なお、これらの顔料は、単独または2種以上組み合わせて使用してよい。顔料の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。また、染料と顔料を組み合わせて使用してもよい。
(水性媒体)
次に水性媒体について説明する。インキ組成物に含まれる水性媒体は、水と、必要により水溶性有機溶剤と、を含む。
水は特に限定されるものではなく、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水、蒸留水等を例示できる。水の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、好ましくは30質量%以上95質量%以下、より好ましくは40質量%以上95質量%以下である。
水溶性有機溶剤としては、例えば、(i)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの2価アルコール、またはグリセリン等の3価のアルコール、などの多価アルコール類、(ii)メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t-ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール類、および(iii)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブタノール、または3-メトキシ-3-メチルブタノール等のグリコールエーテル類等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
本実施形態のインキ組成物に含まれる水性媒体は、インキ物性や機能を向上させる目的で、pH調整剤、保湿剤、界面活性剤、防腐剤、防錆剤、キレート剤等の各種の添加剤を含んでもよい。
pH調整剤としては、例えば、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩基性無機化合物、酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等のアルカノールアミンなどの水溶性の塩基性有機化合物、乳酸およびクエン酸等が挙げられる。
pH調整剤の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
保湿剤としては、例えば、尿素、ソルビット等が挙げられる。保湿剤の含有量は、インキ組成物の全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
界面活性剤としては、インキに用いられる公知の界面活性剤を用いる事ができる。例えば、ポリオキシアルキレン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態においては、界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン系界面活性剤およびアセチレン系界面活性剤の少なくとも一方を用いることが好ましい。
ポリオキシアルキレン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、下記一般式(1)で表される化合物であり、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとが任意の配列で重合した構造を持つコポリマーである。また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、一般式(1)の式中のRがHの化合物である。
Figure 2023005427000002
一般式(1)中、Rはアルキル基またはHを示し、mおよびnはそれぞれ独立して1以上40以下の整数を示す。
アセチレン系界面活性剤としては、アセチレンアルコール系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられ、具体的には、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールおよび2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールおよび2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
界面活性剤としては、インキのボタ落ち、滲み、および裏抜けの抑制の観点から、上記界面活性剤の内、ポリオキシアルキレン系界面活性剤を用いることが好ましく、さらには、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを用いる事がより好ましい。
さらには、下記一般式(2)である、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを用いる事が特に好ましい。
Figure 2023005427000003
一般式(2)中、a、bおよびcは、それぞれ正数を示す。
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの平均分子量は、100以上100000以下であることが好ましく、1000以上50000以下であることがより好ましく、5000以上30000以下であることがさらに好ましく、10000以上15000以下であることが特に好ましい。
なお、ボタ落ちとは、インキを用いて筆記するペンのペン先を鉛直下向き状態にした場合、非筆記時であっても、大気圧の変化によるインキの溢れ出し、または衝撃や振動によるインキの漏れ出し、が生じる現象をいう。なお、以下では、鉛直下向きを、単に、下向きと称して説明する場合がある。着色剤を含まないインキ組成物である透明色のインキ組成物は、特にボタ落ちが発生しやすい傾向にある。このため、透明色のインキ組成物は、特に、界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含むことが好ましい。
界面活性剤の含有量は、インキ組成物の全質量に対して0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
防腐剤としては、例えば、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3オン、N-(n-ブチル)-1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-ピリジンチオール-1-オキシドナトリウム、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバマート、安息香酸ナトリウム、ベンゾトリアゾールおよびフェノール等が挙げられる。以下、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンをBITと表記する場合がある。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、サポニン、またはジアルキルチオ尿素等が挙げられる。また、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。さらに、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等含むエマルジョンを添加することができる。
さらには、インキ組成物の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩等が挙げられる。
本実施形態のインキ組成物およびインキは、後述する万年筆のように、一時的にインキを貯留するくし溝と、インキ流通路と、空気通路と、を有するペン芯を介してインキをペン先に供給する機構を備える筆記具に好適に用いられる。また、本実施形態のインキ組成物およびインキは、ガラス瓶などのインキ収容器に収容される場合がある。ガラス瓶は、安価で成形が容易であり且つ所望の強度が得られやすい。その反面、ガラス瓶として特に廉価で汎用性の高いソーダ石灰ガラスなどを用いた場合には、水性インキ組成物を長期間収容することで、水性インキ組成物中にガラス中のアルカリ成分が溶出する可能性が高い。この溶出したアルカリ成分と水性インキ組成物の成分とが反応し、析出物が形成される可能性がある。このため、この析出物により、上記インキ流通路が塞がれてしまい、筆跡のかすれや、筆記不能等が生じる場合がある。
このため、上記析出物を抑制し、筆跡のかすれや筆記不能等の発生を抑制する観点から、本実施形態のインキ組成物は、キレート剤を含むことが好ましい。インキ組成物がキレート剤を含むことで、ガラス製のインキ収容器から溶出するアルカリ成分をキレート剤が捕捉し、該アルカリ成分とインキ組成物中の成分が反応して生じる水に不溶な析出物などの発生を抑制することができる。
また、アルカリ成分の十分な補足、および水性インキ組成物のキレート剤の配合前後の物性や性能に変化を与えにくいことなどを考慮すると、キレート剤の中でも、アミノカルボン酸およびその塩を用いることが好ましく、より考慮すれば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩を用いることが好ましい。
ここで、イエロー色の着色剤を含むインキ組成物は、用いる着色剤によっては、混合時のインキがくすんでしまうなど、混合時のインキ発色鮮明性に課題が生じたり、また、花咲き現象が生じやすい傾向がある。花咲き現象とは、水分の蒸発によってインキ組成物中の着色剤などの固形成分が筆記具のペン先に析出する現象である。
そこで、上述した着色剤のうち、イエロー色のインキ組成物に含まれる着色剤としては、混合時のインキ発色鮮明性の向上の観点から、C.I.アシッドイエロー23(タートラジン)を用いる事が好ましい。
また、インキ組成物に含まれる水性媒体は、花咲き現象の抑制の観点から、多価アルコールおよびアルカノールアミンを含むことが好ましい。また、花咲き現象の更なる抑制効果を考慮すると、インキ組成物に含まれる水性媒体は、尿素を更に含むことが好ましい。
また、花咲き現象の抑制の観点から、多価アルコールについては、グリセリンを用いることが好ましい。さらには、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物の全てのインキ組成物における経時安定性を良好にし、且つ混色時のインキ安定性も考慮すると、多価アルコールは、グリセリンとジエチレングリコールを含んでなることが特に好ましい。
また、アルカノールアミンは、アルカン骨格にヒドロキシ基とアミノ基をもつ化合物である。本実施形態においては、下記式(3)で表されるアルカノールアミンを用いることが好ましい。
Figure 2023005427000004
式(3)中、Rはエチレン基、トリメチレン基、またはプロピレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素、メチル基、エチル基、または-R-OH基を示す。
このようなアルカノールアミンの具体例として、例えば、メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
本実施形態においては、インキの経時安定性、および花咲き現象の抑制を考慮すると、上記アルカノールアミンの中でも、弱塩基性であるトリエタノールアミンを用いることが好ましい。
よって、インキ組成物に含まれる水性媒体は、花咲き現象の抑制、およびインキ組成物およびインキの経時安定性を考慮すると、グリセリン、トリエタノールアミン、および尿素を含んでなることが特に好ましく、さらには、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、および尿素を含んでなることが最も好ましい。
(インキ組成物の製造方法)
本実施形態の筆記具用水性インキセットに含まれるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を必要量配合し、マグネットスターラー、プロペラ攪拌機、ホモジナイザー攪拌機、ホモディスパー、ホモミキサー、または自転公転攪拌機等の各種攪拌機やビーズミル等の各種分散機等にて混合し製造することができる。
本実施形態では、添加する着色剤の種類を調整することで、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、最大吸収波長の差が上記関係を満たし、かつ互いに色の異なるシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物、の各々を製造する。
また、添加する着色剤の種類を調整することで、最大吸収波長が上記関係を満たすブラック色のインキ組成物を製造することができる。すなわち、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物のいずれか2つの最大吸収波長の間に最大吸収波長を有するブラック色のインキ組成物を製造することができる。
透明色のインキ組成物は、着色剤を含まないインキ組成物として製造すればよい。
インキ組成物の最大吸収波長は、以下の方法により測定される。具体的には、最大吸収波長は、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計UV-2550を用いて、インキ組成物をイオン交換水で5000倍に希釈した溶液を光路長10mmの石英セルに装填し、波長範囲400nm以上900nm以下、スキャンスピード中速、サンプリングピッチ2.0nmの条件により吸収波長を測定する。そして、測定結果から最大吸収波長を特定する。
(筆記具用水性インキセット)
本実施形態の筆記具用水性インキセットは、上記したシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物を少なくとも備える。
詳細には、筆記具用水性インキセットは、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、かつ互いに色の異なるシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物を備える。そして、シアン色のインキ組成物の最大吸収波長とマゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上であり、マゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長とイエロー色のインキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上である。
このように、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、最大吸収波長の差が上記関係を示す。このため、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、これらのインキ組成物の混合により調色可能な色調の範囲を広げることができる。従って、本実施形態の筆記具用水性インキセットは、シアン色のインキ組成物とマゼンタ色のインキ組成物、およびマゼンタ色のインキ組成物とイエロー色のインキ組成物、の少なくとも一方の最大吸収波長の差が100nm未満である場合に比べて、可視光領域における調整可能な色調の範囲を広げることができる。
筆記具用水性インキセットに含まれる、シアン色のインキ組成物の最大吸収波長とマゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長との差、およびマゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長とイエロー色のインキ組成物の最大吸収波長との差、の各々の上限値は限定されない。これらの上限値は、可視光領域の波長の下限値と上限値との差以下であればよい。
可視光領域において、良好に幅広い色調の調整を図ることを考慮すると、シアン色のインキ組成物の最大吸収波長とマゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長との差、およびマゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長とイエロー色のインキ組成物の最大吸収波長との差は、180nm以下であることが好ましく、160nm以下であることがより好ましく、155nm以下であることがさらに好ましい。
また、筆記具用水性インキセットは、上記した透明色のインキ組成物およびブラック色のインキ組成物の少なくとも一方を更に備えることが好ましい。
また、色調調整を良化し、混色時の発色鮮明性に優れたインキを得ることを考慮すると、シアン色のインキ組成物の最大吸収波長は、610nm以上750nm以下であることが好ましく、マゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長は500nm以上560nm以下であることが好ましく、イエロー色のインキ組成物の最大吸収波長は400nm以上500nm以下であることが好ましい。
さらには、幅広い色調の調整の良化を考慮すると、シアン色のインキ組成物の最大吸収波長は、650nm以上700nm以下であることが特に好ましく、マゼンタ色のインキ組成物の最大吸収波長は、500nm以上530nm以下であることが特に好ましく、イエロー色のインキ組成物の最大吸収波長は、420nm以上450nm以下であることが特に好ましい。
なお、筆記具用水性インキセットを構成するシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物の各々の着色剤の含有量の差は、0質量%以上1.0質量%未満であることが好ましい。また、この含有量の差は、0質量%以上0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%以上0.1質量%以下であることが特に好ましく、0質量%であることが最も好ましい。
また、筆記具用水性インキセットが、シアン色、マゼンタ色、およびイエロー色以外の他の色であるブラック色のインキ組成物を含む構成である場合についても、これらのインキ組成物に含まれる着色剤の含有量の差を、上記範囲内としてもよい。
筆記具用水性インキセットを構成する複数のインキ組成物の着色剤の含有量の差が上記範囲内であると、複数のインキ組成物間における着色剤の溶解状態または分散状態が略同一となる。このため、筆記具用水性インキセットに含まれる複数のインキ組成物を混合して調色する際に、着色剤の濃度変化が起こりにくくなるため、着色剤同士の凝集や析出を抑制することができ、インキ安定性の向上を図ることが出来る。
また、筆記具用水性インキセットを構成するシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物に含まれる水性媒体の主成分は、同一であることが好ましい。主成分とは、水性媒体の80質量%以上、好ましくは90質量%以上の成分を意味する。
また、筆記具用水性インキセットを構成する上記以外のインキ組成物の各々に含まれる水性媒体の主成分も、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、イエロー色のインキ組成物と同一であることが好ましい。すなわち、筆記具用水性インキセットが、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物と、ブラック色のインキ組成物および透明色のインキ組成物の少なくとも一方と、を備える場合がある。このような場合についても、これらのインキ組成物に含まれる水性媒体の主成分は、同一であることが好ましい。
筆記具用水性インキセットを構成する複数のインキ組成物の各々に含まれる水性媒体の主成分を同一とすることで、複数のインキ組成物を混合して調色する際に、水性媒体の主成分の濃度変化が起こりにくくなるため、着色剤同士の凝集や析出を抑制することができ、インキ安定性の向上を図ることができる。
(筆記具用水性インキセットの製造方法)
筆記具用水性インキセットは、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、最大吸収波長が上記関係を満たし、かつ互いに色の異なる複数のインキ組成物を組み合わせることで製造することができる。
詳細には、添加する着色剤の種類を調整することで、それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、最大吸収波長の差が上記関係を満たし、かつ互いに色の異なるシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物、の各々を製造する。そして、これらのインキ組成物を、筆記具用水性インキセットとして用いる。
また、筆記具用水性インキセットは、該筆記具用水性インキセットに含まれるシアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物のいずれか2つの最大吸収波長の間に最大吸収波長を有するブラック色のインキ組成物を更に組み合わせてよい。また、筆記具用水性インキセットは、透明色のインキ組成物を更に組み合わせてよい。
(水性インキ製品)
シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、イエロー色のインキ組成物、透明色のインキ組成物、およびブラック色のインキ組成物は、それぞれガラス等のインキ収容器に収容することで、例えば、水性インキ製品として提供される。
インキ収容器の構成材料は限定されない。例えば、インキ収容器は、ガラス瓶等の二酸化ケイ素を主成分とした容器やプラスチックで構成された容器等が挙げられる。
本実施形態において、各インキ組成物をガラス瓶の容器に収容する形態は、インキ中の水分が蒸発しにくく、意匠性に優れ、インキの色調や残量を確認しやすい観点から、好ましい形態のひとつである。
また、インキ組成物を収容したインキ収容器と、空容器、スポイト、メスシリンダ、および調色見本の少なくとも1つと、を水性インキ製品としてもよい。空容器は、複数のインキ組成物の混合に用いる空の容器である。スポイトは、インキ収容器内のインキ組成物を吸い上げて空容器等の別の容器等に移動させるときに用いる部材の一例である。メスシリンダは、インキ組成物の定量に用いる部材の一例である。調色見本は、筆記具用水性インキセットに含まれるインキ組成物の混合比と該混合比によって実現される色と、の対応を示す情報の記載された紙媒体または電子媒体である。
ユーザーは、本実施形態の複数のインキ組成物を任意の混合比で混合することにより、所望の色調のインキを調色することができる。
なお、本実施形態のインキ組成物および調色されたインキは、万年筆、ボールペン、筆ペン、カリグラフィー用のペン、つけペン、各種マーカー類等の各種の筆記具用の水性インキとして用いることができる。
本実施形態のインキ組成物およびインキの適用対象の一例である筆記具の構造および形状は特に限定されるものではない。
例えば、筆記具としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップをペン先としたマーキングペンや、ボールペンチップ等をペン先としたボールペン、さらに、金属製のペン先を用いた万年筆等が挙げられる。
なお、筆記具は、筆記具本体内部をインキ貯蔵体とし、インキ組成物またインキを直に充填する構成であってもよい。また、筆記具は、インキ組成物またはインキを充填するインキ貯蔵体を筆記具本体内部に具備した構成であってもよい。
インキ貯蔵体としては、筆記具本体やペン芯などに着脱自在に交換可能であり、予めインキ組成物またはインキが充填されたカートリッジ式や、インキ瓶などのようなインキ収容体からインキ組成物またはインキを充填することが可能な吸入機構を備えたインキ吸入式、などが挙げられる。
吸入機構は、筆記具本体内に直に設ける構成であってもよく、コンバーターのように筆記具本体やペン芯などに着脱可能に装着する構成であってもよい。
また、筆記具は、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式筆記具や、ノック式、回転式およびスライド式等の軸筒内にペン先を収容可能な出没式筆記具が挙げられる。
また、筆記具におけるインキ供給機構についても特に限定されるものではなく、インキ供給機構は、例えば、以下の機構1~機構4等であってもよい。
(機構1)繊維束などからなるインキ誘導芯をインキ流量調節部材として備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構。
(機構2)一時的にインキを貯留するくし溝とインキ流通路と空気通路を有するペン芯を介して水性インキ組成物をペン先に供給する機構。
(機構3)弁機構によるインキ流量調節部材を備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構。
(機構4)ペン先を具備したインキ収容体または軸筒より、水性インキ組成物を直接、ペン先に供給する機構。
特には、本実施形態のインキ組成物およびインキを用いる筆記具は、上記(機構2)を有する筆記具、すなわち、一時的にインキを貯留するくし溝とインキ流通路と空気通路を有するペン芯を備える筆記具に特に好適に用いることができる。
これは、本実施形態のインキ組成物およびインキを用いると、ペン芯の機能を十分に働かせ、インキ貯蔵部からインキ組成物を筆記先端に供給し、かつ、インキ貯蔵部の内圧上昇に伴って溢出したインキ組成物を一時的に保持することが容易となるためである。また、ペン先からのインキ吐出性が良化し、カスレの少ない明瞭な筆跡を形成することが可能となるためである。また、外気温の変化やキャップの着脱などによって、インキ貯蔵体の内圧が変化した場合でも、くし溝間にインキが保持され、ペン先からのインキ漏れが抑制でき、優れた耐ボタ落ち性能を得ることができるためである。なお、上記筆記具の具体的例としては、万年筆、ボールペン、カリグラフィー用ペンなどが挙げられるが、中でも、本実施形態のインキ組成物は、万年筆用のインキ組成物として特に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(シアン色のインキ組成物(1))
・ジエチレングリコール 1.00質量%
・グリセリン 1.00質量%
・トリエタノールアミン 2.00質量%
・尿素 1.00質量%
・ユニルーブ75DE-2620(日油株式会社製)
(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール) 0.05質量%
・BIT 0.05質量%
・WaterBlue105(C.I.アシッドブルー90) 2.00質量%
・イオン交換水 残部
上記組成物をプロペラ撹拌機により撹拌混合を行い、シアン色のインキ組成物(1)を得た。
(インキ組成物(2)~インキ組成物(31))
インキ組成物に含まれる各成分を表1および表2に表される組成に変更した以外は、インキ組成物(1)と同様にしてインキ組成物を得た。
なお、表1および表2中には、着色剤として商品名を示した。各々の商品名の着色剤の製造元およびカラーインデックス名は以下の通りである。
・Water Blue 105(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.アシッドブルー90
・Water Blue 9(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.アシッドブルー9
・Water Blue 117-L(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.ダイレクトブルー87 ※着色剤成分25%の水溶液。表1および表2中、25%aqと示す。
・Water Red 2(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.アシッドレッド87(エオシン)
・Daiwa IJ Red 319H(ダイワ化成株式会社製):C.I.アシッドレッド289
・紅不二フロキシン(紅不二化学工業株式会社製):C.I.アシッドレッド92
・Water Red 27(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.アシッドレッド52
・Water Yellow 6C(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.アシッドイエロー42
・Water Orange 25(オリエント化学工業株式会社製):C.I.アシッドイエロー42+C.I.アシッドレッド97
・Spilon Yellow WS-1(保土谷化学工業株式会社製):C.I.アシッドイエロー23(タートラジン)
・Bayscript Black SP(LANXESS社製)※着色剤成分30%の水溶液。表1および表2中、30%aqと示す。
・Water Black 191-L(オリヱント化学工業株式会社製):C.I.ダイレクトブラック19 ※着色剤成分15%の水溶液。表1および表2中、15%aqと示す。
また、表1および表2中、ユニルーブ75DE-2620は日油株式会社製、ニューポールPE128は三洋化成工業株式会社製、エパン450は第一工業製薬株式会社製の、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの商品名である。オルフィンE1010は、日信化学工業株式会社製のアセチレングリコール系界面活性剤の商品名である。
作製したインキ組成物(1)~インキ組成物(31)の各々の吸収波長は、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計UV-2550を用いて、インキ組成物をイオン交換水で5000倍に希釈した溶液を光路長10mmの石英セルに装填し、波長範囲400nm以上900nm以下、スキャンスピード中速、サンプリングピッチ2.0nmの条件により測定する。そして、測定結果から最大吸収波長を特定した。特定結果を表1および表2に示した。
Figure 2023005427000005
Figure 2023005427000006
(実施例1)
シアン色のインキ組成物(4)、マゼンタ色のインキ組成物(8)、イエロー色のインキ組成物(19)、ブラック色のインキ組成物(25)、および透明色のインキ組成物(27)を、実施例1の筆記具用水性インキセットとした。
(実施例2~実施例17,比較例1~比較例6)
筆記具用水性インキセットとして用いるインキ組成物の組み合わせを表3および表4に表される組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットを得た。
Figure 2023005427000007
Figure 2023005427000008
図1は、実施例および比較例で用いたインキ組成物(1)~インキ組成物(31)の各々の吸収波長の測定結果を示す図である。図2~図4は、実施例および比較例の筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットに含まれるインキ組成物の吸収波長の測定結果を示す図である。図1~図4中、横軸は波長を示し、縦軸は吸光度を示す。
図2は、実施例1の筆記具用水性インキセットに含まれるインキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示す図である。図2には、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、イエロー色のインキ組成物、およびブラック色のインキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示した。図2に示すように、実施例1の筆記具用水性インキセットに含まれるシアン色のインキ組成物とマゼンタ色のインキ組成物との最大吸収波長の差は138nmであった。また、マゼンタ色のインキ組成物とイエロー色のインキ組成物との最大吸収波長の差は102nmであった。
図3は、比較例1の比較水性インキセットに含まれるインキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示す図である。図3には、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、イエロー色のインキ組成物、およびブラック色のインキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示した。図3に示すように、比較例1の比較水性インキセットに含まれるシアン色のインキ組成物とマゼンタ色のインキ組成物との最大吸収波長の差は92nmであった。また、マゼンタ色のインキ組成物とイエロー色のインキ組成物との最大吸収波長の差は112nmであった。
図4は、比較例2の比較水性インキセットに含まれるインキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示す図である。図4には、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、イエロー色のインキ組成物、およびブラック色インキ組成物の各々の吸収波長の測定結果を示した。図4に示すように、比較例2の比較水性インキセットに含まれるシアン色のインキ組成物とマゼンタ色のインキ組成物との最大吸収波長の差は64nmであった。また、マゼンタ色のインキ組成物とイエロー色のインキ組成物との最大吸収波長の差は154nmであった。
実施例2~実施例17、および比較例3~比較例6についても同様にして吸収波長を測定し、最大吸収波長の差を算出した。結果を表3および表4に示した。
(評価)
-色調調整評価-
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、色調調整評価を行った。
色調調整評価として、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々について、含まれるインキ組成物の混合比を調整し、可視光領域における調整可能な波長領域を確認した。評価基準を下記に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
A:幅広い色調に調色可能。
B:幅広い色調にやや調整可能。
C:幅広い色調に調整不可能。
―花咲き現象評価―
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、花咲き現象を評価した。詳細には、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々に含まれるイエロー色のインキ組成物を、花咲き現象の評価に用いた。
イエロー色のインキ組成物を樹脂製のコンバーター(株式会社パイロットコーポレーション製、CON-40、インキ容量0.4ml)に開口部から0.4ml注入した。このコンバーターを、万年筆形態のペン先を有する筆記具(株式会社パイロットコーポレーション製、万年筆、商品名:カクノ(字幅M))に装着した。この筆記具を試験用ペンAとした。そして、試験用ペンAを暫くペン先下向き状態にし、充填されたインキ組成物をペン先まで流入させ、筆記可能な状態とし、20℃、湿度65%の環境下に、ペン先を水平方向に向けた状態としたまま、キャップを装着せずに4週間放置した。そして、試験用ペンAのペン先への着色剤や尿素等の固形分の析出状態を評価した。花咲き現象の評価基準を下記に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
花咲き現象の評価基準
A:析出が全く発生しない(すなわち、花咲き現象の発生なし)。
B:析出が発生(すなわち、花咲き現象の発生あり)。
C:析出が多量に発生(すなわち、花咲き現象の評価基準Bに比べて、より顕著な発生が確認できる)。
―インキ安定性評価―
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、混合時のインキ安定性を評価した。詳細には、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々について、シアン色のインキ組成物、マゼンタ色のインキ組成物、およびイエロー色のインキ組成物を、1対1対1の質量比で混合しインキを調整した。調整したインキをガラス製の容器(アズワン株式会社製,製品名ラボランスクリュー管瓶50ml)に50ml入れ、容器に蓋をした状態で、50℃環境下に12週間放置した。そして、容器の底部からインキを採取し、当該インキを顕微鏡観察により観察した。インキ安定性評価の評価基準を下記に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
インキ安定性評価の評価基準
A:析出物が全く見られない。
B:析出物が観察される。
―インキ発色鮮明性評価―
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、混合時のインキにより得られる筆跡の発色鮮明性を評価した。詳細には、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々について、含まれるイエロー色のインキ組成物と、シアン色のインキ組成物、を質量比で49対1の混合比で混合し、インキを調整した。
調整したインキを、樹脂製のコンバーター(株式会社パイロットコーポレーション製、CON-40、インキ容量0.4ml)に開口部から0.4ml注入した。このコンバーターを、万年筆形態のペン先を有する筆記具(株式会社パイロットコーポレーション製、万年筆、商品名:カクノ(字幅M))に装着した。この筆記具を試験用ペンBとした。この試験用ペンBを暫くペン先下向き状態にし、充填されたインキをペン先まで流入させ、筆記可能な状態とした。そして、試験用ペンBで任意の文字を筆記し、得られた筆跡の状態を目視により観察し、インキ発色鮮明性を評価した。インキ発色鮮明性評価の評価基準を下記に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
インキ発色鮮明性評価の評価基準
A:鮮やかな色調を調整可能。
B:色調がくすみ、鮮やかな色調を調整不可能。
―ボタ落ち評価―
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、ボタ落ちを評価した。詳細には、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々に含まれる透明色のインキ組成物をボタ落ちの評価に用いた。
透明色のインキ組成物を、樹脂製のインキ貯蔵体(インキ容量0.9ml)に、その開口部から0.3ml注入した。このインキ貯蔵体を、金メッキしたステンレス製の字幅Mのペン先を有し、一時的にインキを貯留するくし溝とインキ流通路と空気通路を有するペン芯を備えたノック式の万年筆(株式会社パイロットコーポレーション製、商品名:キャップレス(字幅M))に装着した。この筆記具を試験用ペンCとした。
作製した試験用ペンCを、ペン先下向き状態にし、減圧デシケータ中に静置した。この状態で、5分間でデシケータ内を大気圧との相対圧力で-70mmHgまで減圧させた。その後、大気圧との相対圧力で-70mmHgの減圧状態を保持したまま、更に5分間、デシケータ中に試験用ペンCを放置した。減圧時および減圧状態の保持時における、試験用ペンCのペン先からのインキの漏れ出しであるボタ落ちの有無を確認した。ボタ落ち評価の評価基準を以下に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
ボタ落ち評価の評価基準
A:ペン先からのインキ組成物のボタ落ち発生なし。
B:ペン先からのインキ組成物のボタ落ち発生あり。
―滲み・裏抜け評価―
実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセット、および比較例1~比較例6の比較水性インキセットの各々について、滲み・裏抜けを評価した。詳細には、筆記具用水性インキセットおよび比較水性インキセットの各々に含まれるマゼンタ色のインキ組成物を滲み・裏抜けの評価に用いた。
マゼンタ色のインキ組成物を樹脂製のコンバーター(株式会社パイロットコーポレーション製、CON-40、インキ容量0.4ml)に開口部から0.4ml注入した。このコンバーターを、万年筆形態のペン先を有する筆記具(株式会社パイロットコーポレーション製、万年筆、商品名:カクノ(字幅M))に装着した。この筆記具を試験用ペンDとした。作製した試験用ペンDを、ペン先下向き状態にし、充填されたインキ組成物をペン先まで流入させ、筆記可能な状態とした。その状態で、筆記試験用紙(JIS P3201 筆記用紙A)上に「永」という文字(文字の大きさは縦横約1cm)を筆記した。筆記したインキによる筆跡の滲み・裏抜けを評価した。滲み・裏抜けの評価基準を以下に示した。また、評価結果を表3および表4に示した。
滲み・裏抜けの評価基準
A:滲みおよび裏抜けがない。
B:微少な滲みおよび裏抜けがある。
C:滲みおよび裏抜けがあるが、実用上問題なし。
上記評価結果から明らかなように、実施例1~実施例17の筆記具用水性インキセットは、比較例1~比較例6の比較水性インキセットに比べて、幅広い色調に調整可能であった。
また、実施例1~実施例3に示すように、ブラック色のインキ組成物を含む実施例1の筆記具用水性インキセットは、ブラック色のインキ組成物を含まない実施例2および実施例3の筆記具用水性インキセットに比べて、更に幅広い色調に調整可能であった。
また、着色剤としてタートラジンを用いたイエロー色のインキ組成物による実施例1~実施例4および実施例11~実施例17は、タートラジン以外の着色剤を用いたイエロー色のインキ組成物による実施例5~実施例10に比べて、良好なインキ発色鮮明性の評価結果が得られた。
また、着色剤としてタートラジンを用いたイエロー色のインキ組成物による実施例1~実施例4および実施例11~実施例17の内、多価アルコールおよびアルカノールアミンを含む実施例11、多価アルコール、アルカノールアミン、および尿素を含む実施例1~実施例4、実施例12~実施例13、並びに実施例15~実施例17は、多価アルコール、アルカノールアミン、および尿素を含まない実施例14に比べて、花咲き現象の発生が抑制された。
また、含まれる複数のインキ組成物の水性媒体の主成分が同一、および、着色剤の含有量の差が0質量%以上1.0質量%未満、の双方の要件を満たす実施例1~実施例6、実施例9、および実施例10は、これらの主成分および含有量の少なくとも一方を満たさない実施例7~実施例8および実施例11~実施例17に比べて、インキ安定性について良好な評価結果が得られた。
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含むマゼンタ色のインキ組成物を用いた実施例1~実施例16は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを含まないマゼンタ色のインキ組成物を用いた実施例17に比べて、滲み・裏抜け評価で良好な結果が得られた。
本発明による筆記具用水性インキセットに含まれるインキ組成物およびその混合物であるインキは、万年筆、ボールペン、筆ペン、カリグラフィー用のペン、つけペン、各種マーカー類等各種の筆記具用水性インキとして用いることができる。

Claims (12)

  1. それぞれが可視光領域に最大吸収波長を有し、かつ互いに色の異なる第1インキ組成物、第2インキ組成物、および第3インキ組成物を備え、
    前記第1インキ組成物の最大吸収波長と前記第2インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上であり、
    前記第2インキ組成物の最大吸収波長と前記第3インキ組成物の最大吸収波長との差が100nm以上である、
    筆記具用水性インキセット。
  2. 前記第1インキ組成物はシアン色のインキ組成物であり、前記第2インキ組成物はマゼンタ色のインキ組成物であり、前記第3インキ組成物はイエロー色のインキ組成物である、
    請求項1に記載の筆記具用水性インキセット。
  3. 前記第3インキ組成物がタートラジンを含む、
    請求項2に記載の筆記具用水性インキセット。
  4. 透明色の第4インキ組成物を更に備える、
    請求項1~請求項3の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
  5. 前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物のいずれか2つの最大吸収波長の間に最大吸収波長を有する第5インキ組成物を更に備える、
    請求項1~請求項4の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
  6. 前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物は着色剤を含み、前記着色剤の含有量の差が0質量%以上1.0質量%未満である、
    請求項1~請求項5の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
  7. 前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物は水性媒体を含む、
    請求項1~請求項6の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
  8. 前記水性媒体は、
    多価アルコールおよびアルカノールアミンを含む、
    請求項7に記載の筆記具用水性インキセット。
  9. 前記水性媒体は、
    尿素を更に含む、請求項8に記載の筆記具用水性インキセット。
  10. 前記水性媒体は、界面活性剤を含む、
    請求項7~請求項9の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
  11. 前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤およびアセチレン系界面活性剤の少なくとも一方を含んでなる、請求項10に記載の筆記具用水性インキセット。
  12. 前記第1インキ組成物、前記第2インキ組成物、および前記第3インキ組成物の前記水性媒体の主成分が同一である、
    請求項7~請求項11の何れか1項に記載の筆記具用水性インキセット。
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