JP2023004425A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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厚史 長尾
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耕治 岡田
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Abstract

【課題】ポリカーボネート樹脂が本来有する発色性、衝撃性、耐熱性、熱安定性等を保持したまま、抗菌性を有し、かつ熱安定性を改善したポリカーボネート樹脂組成物を提供する。【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.1~5.0重量部、下記一般式に示すポリエーテル誘導体(C)0.2~1.5重量部含有する、ポリカーボネート樹脂組成物。一般式:RO-(X-O)m(Y-O)n-R’(式中、RおよびR’は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4のアルキレン基を、Yは、炭素数3~5の分岐アルキレン基を、m及びnは、それぞれ独立して、3~60の整数を示し、m+nは、8~90の整数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌性及び熱安定性を有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、発色性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、これら特長を活かし、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。最近では、これらの特長に加え、快適・清潔・安全につながる性能が求められている。これらの諸性能を満足するために、一般的には、ポリカーボネート樹脂に有機または無機系の抗菌剤が使用されている。
ポリカーボネート樹脂に抗菌性を付与する抗菌剤として、安全性や熱安定性が優れていることから、無機系の抗菌剤が従来から使用されていた。例えば、細菌に対して強い抗菌作用を示す銀や亜鉛などの金属イオンを担持させたゼオライト(特許文献1)や当該金属イオンを含有する溶解性ガラス(特許文献2および3)からなる抗菌剤が挙げられる。また、非透湿構造の合成樹脂や高吸水性樹脂中に、銀イオンを放出する水溶性ガラスを含む抗菌性を有する合成樹脂成形体や、高吸水性樹脂体が開示されている(特許文献4および5)。
しかしながら、実際の成形品における射出成形加工では、成形品の形状や大きさによっては、射出成形機のシリンダー内で長時間の樹脂の滞留が発生することから、場合によっては抗菌剤と樹脂が反応し、熱安定性の低下による変色をもたらすという問題があった。
一方、ポリカーボネート樹脂の熱安定性を改良する目的でポリカーボネート樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を配合した樹脂組成物が提案されている(特許文献6)。しかしながら、当該酸化防止剤を添加することにより、ある一定の熱安定性改良効果は認められるものの、十分とはいえず、さらなる改良が望まれていた。
特許3293639号公報 特許2135769号公報 特開平7-25635号公報 特開平1-313531号公報 特開平1-153748号公報 特開2009-299004号公報
本発明の課題は、ポリカーボネート樹脂が本来有する発色性、衝撃性、耐熱性、熱安定性等を保持したまま、抗菌性を有し、かつ熱安定性を改善したポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定の抗菌剤とポリエーテル誘導体を配合することにより、抗菌性能を保持しつつ熱安定性等を著しく改善したポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.1~5.0重量部、下記一般式に示すポリエーテル誘導体(C)0.2~1.5重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
一般式:
RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
(式中、RおよびR’は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4のアルキレン基を、Yは、炭素数3~5の分岐アルキレン基を、m及びnは、それぞれ独立して、3~60の整数を示し、m+nは、8~90の整数を示す。)
本発明の抗菌性および熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた耐衝撃性、耐熱性の性能を保持したまま、抗菌性および熱安定性を著しく改善したものであり、かかる樹脂組成物から得られた成形品において滞留による変色が抑えられる。これに加えて、抗菌性を有することから快適・清潔・安全等の機能が求められる家電製品、文房具などの構成部品に好適に用いられ、その実用上の利用価値は極めて高い。
以下に、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは当業者が本発明を充分に理解するために以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本発明の実施形態のポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)、ポリエーテル誘導体(C)を含有するものであり、必要に応じて、酸化防止剤(D)、離型剤(E)、紫外線吸収剤(F)及びその他の成分等の1種類以上を含むことができる。
本発明の実施形態において、「ポリカーボネート樹脂(A)」は、芳香族化合物に基づくポリカーボネート樹脂であって、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる限り特に制限されることはない。そのようなポリカーボネート樹脂として、例えば、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体を例示できる。代表例は、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂を含む。
前記ジヒドロキシジアリール化合物として、ビスフェノールAの他に、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-第三ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3、5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類を例示できる。これらは単独で又は組み合わせて使用できる。これらの他にも、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル等を組み合わせて使用することができる。
さらに、前記ジヒドロキシジアリール化合物と、例えば以下に示す3価以上の芳香族化合物とを組み合わせて使用してもよい。
前記3価以上のフェノール化合物として、例えば、フロログルシン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプテン、2,4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾール、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン及び2,2-ビス-[4,4-(4,4´-ジヒドロキシジフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン等を例示できる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、10000~100000であることが好ましく、12000~30000であることがより好ましい。なお、このようなポリカーボネート樹脂(A)を製造する際には分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)は、銀イオンを溶出しうるガラス組成物から構成される。とりわけ、その組成として、銀酸化物、リン酸化物、亜鉛酸化物を含み、形状が多面体であるものが好ましい。形状が多面体の場合、樹脂中で一定の方向に配向し易くなるため、樹脂中に均一かつ容易に混合分散することができ、光の散乱が抑えられることから、発色性に優れるので好適である。
上記抗菌剤(B)のガラス組成物は、AgOを0.1~5重量%、Pを30~80重量%、ZnOを1~55重量%の範囲の配合割合で含有するものが好ましく使用される。また、これにBを0.1~15重量%および/またはCaOを0.1~15重量%の範囲で含有させても良い。前者の場合は、銀イオンを安定して放出することができるととともに、ガラスの発色性を向上させることができる。後者の場合は発色性や機械的強度に優れたガラスを得ることができる。CaOを含有させる場合には、ZnOに対するCaOの重量比率(ZnO/CaO)を1.1~15の範囲内にするとより好ましい。
また、樹脂の発色性を保持するために、ガラス組成物の平均粒径を0.1~300μmの範囲内にすることが好ましい。該抗菌性ガラスは市販品として容易に入手可能で、シナネンゼオミック社製KM10Dなどが挙げられる。
上記抗菌剤(B)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.1~5.0量部である。配合量が0.1重量部未満であると十分な抗菌効果が得られにくくなるため好ましくない。一方、5.0重量部を超えると発色性が損なわれるため好ましくない。より好ましくは、0.2~3.0重量部の範囲である。
本発明の実施形態において、ポリエーテル誘導体(C)とは、ポリエーテル化合物の誘導体であって、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる限り、特に限定されるものではない。ポリエーテル誘導体(C)としては、下記式(1)で表されるポリエーテル誘導体を使用することができる。
式(1):
RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
(式中、RおよびR’は、各々独立して水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を、Yは、炭素数2~5の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を示し、XとYは同一であっても異なっていても良く、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは6~120を示す。)
式(1)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。式(1)で表されるポリエーテル誘導体は、市販品を使用することができる。
式(1)で表されるポリエーテル誘導体は、下記式(1-1)~(1-3)で表されるいずれであっても良い。
式(1-1):
RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
(式中、RおよびR’は、各々独立して水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4の直鎖アルキレン基を、Yは、炭素数2~5の分岐アルキレン基を示し、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは8~90を示す。)
式(1-1)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。式(1-1)で表されるポリエーテル誘導体は、市販品を使用することができる。
式(1-2):
RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
(式中、RおよびR’は、各々独立して水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4の直鎖アルキレン基を、Yは、炭素数2~5の直鎖アルキレン基を示し、XとYは同一であっても異なっていても良く、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは6~100を示す。)
式(1-2)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。式(1-2)で表されるポリエーテル誘導体は、市販品を使用することができる。
式(1-3):
RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
(式中、RおよびR’は、各々独立して水素原子又は炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4の分岐アルキレン基を、Yは、炭素数2~5の分岐アルキレン基を示し、XとYは同一であっても異なっていても良く、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは6~120を示す。)
式(1-3)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。式(1-3)で表されるポリエーテル誘導体は、市販品を使用することができる。
式(1)で表されるポリエーテル誘導体は、下記式(2)で表されるポリエーテル誘導体、式(3)で表されるポリエーテル誘導体、式(4)で表されるポリエーテル誘導体、式(5)で表されるポリエーテル誘導体、式(6)で表されるポリエーテル誘導体、式(7)で表されるポリエーテル誘導体、式(8)で表されるポリエーテル誘導体、式(9)で表されるポリエーテル誘導体及び式(10)で表されるポリエーテル誘導体を含む群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(1-1)で表されるポリエーテル誘導体は、下記式(2)で表されるポリエーテル誘導体、式(3)で表されるポリエーテル誘導体、式(4)で表されるポリエーテル誘導体、式(5)で表されるポリエーテル誘導体及び式(6)で表されるポリエーテル誘導体を含む群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(1-2)で表されるポリエーテル誘導体は、式(7)で表されるポリエーテル誘導体及び式(8)で表されるポリエーテル誘導体を含む群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(1-3)で表されるポリエーテル誘導体は、式(9)で表されるポリエーテル誘導体及び式(10)で表されるポリエーテル誘導体を含む群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(2):
HO-(CHCHCHCHO)m(CH(CH)CHO)n-H
(式中、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(2)で表されるポリエーテル誘導体として、テトラメチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットを含む変性グリコールが好適である。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ポリセリンDCB-1000(重量平均分子量1000)、ポリセリンDCB-2000(重量平均分子量2000)、ポリセリンDCB-4000(重量平均分子量4000)等を利用できる。式(2)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(3):
HO-(CHCHCHCHO)m(CHCHCH(CH)CHO)n-H
(式中、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(3)で表されるポリエーテル誘導体として、テトラメチレングリコールユニットと2-メチルテトラメチレングリコールユニットを含む変性グリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、保土谷化学工業(株)製のPTG-L1000(重量平均分子量1000)、PTG-L2000(重量平均分子量2000)、又はPTG-L3000(重量平均分子量3000)等を利用できる。式(3)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(4):
HO-(CHCHO)m(CH(CH)CHO)n-H
(式中、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(4)で表されるポリエーテル誘導体として、エチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットを含む変性グリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ユニルーブ50DE-25(重量平均分子量1750)、ユニルーブ75DE-25(重量平均分子量1400)等を使用できる。式(4)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(5):
RO-(CHCHCHCHO)m(CH(CH)CHO)n-H
(式中、Rは炭素数1~30のアルキル基を示し、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(5)で表されるポリエーテル誘導体として、テトラメチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットを含む、片末端ブチル基又は片末端ステアリル基の変性グリコールが好適である。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ポリセリンBC-1000(片末端ブチル基、重量平均分子量1000)、ポリセリンSC-1000(片末端ステアリル基、重量平均分子量1000)等を使用できる。式(5)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(6):
RO-(CHCHO)m(CH(CH)CHO)n-H
(式中、Rは炭素数1~30のアルキル基を示し、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(6)で表されるポリエーテル誘導体として、エチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットを含む、片末端ブチル基又は片末端ステアリル基の変性グリコールが好適である。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ユニルーブ50MB-11(片末端ブチル基、重量平均分子量1000)、ユニルーブ50MB-26(片末端ブチル基、重量平均分子量2000)、ユニルーブ50MB-72(片末端ブチル基、重量平均分子量3000)、ユニルーブ10MS-250KB(片末端ステアリル基、重量平均分子量2000)等を利用できる。
式(6)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(7):
HO-(CHCHCHCHO)m(CHCHO)n-H
(式中、m及びnは、各々独立して、3~60を示し、m+nは、8~90を示す。)
式(7)で表されるポリエーテル誘導体として、テトラメチレングリコールユニットとエチレングリコールユニットを含む変性グリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ポリセリンDC3000E(重量平均分子量3000)、ポリセリンDC1800E(重量平均分子量1800)等を使用できる。式(7)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(8):
HO-(CHCHCHCHO)p-H
(式中、pは、6~100を示す。)
式(8)で表されるポリエーテル誘導体として、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、保土谷化学工業(株)製のPTG-650SN(重量平均分子量650)、PTG-850SN(重量平均分子量850)、PTG-1000SN(重量平均分子量1000)、PTG-1400SN(重量平均分子量1400)、PTG-2000SN(重量平均分子量2000)、又はPTG-2900(重量平均分子量2900)等を使用できる。式(8)で表されるポリエーテル誘導体(ポリテトラメチレングリコール)の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(9):
式:HO-(CH(CH)CHO)q-H
(式中、qは、7~120を示す。)
式(9)で表されるポリエーテル誘導体として、ポリプロピレングリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、ダウケミカル製ポリグリコールP2000P(重量平均分子量2000)、日油(株)製、ユニオールD-1000(重量平均分子量1000)、ユニオールD-2000(重量平均分子量2000)、ユニオールD-4000(重量平均分子量4000)等を使用できる。
式(9)で表されるポリエーテル誘導体(ポリプロピレングリコール)の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
式(10):
HO-(CH(C)CHO)r-H
(式中、rは、6~100を示す。)
式(10)で表されるポリエーテル誘導体として、ポリブチレングリコールが好ましい。そのようなポリエーテル誘導体として、市販品を使用することができ、例えば、日油(株)製、ユニオールPB-500(重量平均分子量500)、ユニオールPB-1000(重量平均分子量1000)、ユニオールPB-2000(重量平均分子量2000)等を使用できる。
式(10)で表されるポリエーテル誘導体(ポリブチレングリコール)の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表されるポリエーテル誘導体を配合することにより、従来から課題であった、抗菌剤(B)を配合したポリカーボネート樹脂組成物を成形した場合における変色を抑制することができる。
尚、前記式(1)~式(10)で表されるポリエーテル誘導体の各々は、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物及び成形品を得られる限り、各式に記載の繰り返し単位以外の繰り返し単位を含むことができる。そのような繰り返し単位として、例えば、ポリエーテル誘導体の出発原料中に含まれ得る不純物に基づく繰り返し単位、重合の際に使用される開始剤(重合開始剤)に基づく繰り返し単位等を例示することができる。
重合開始剤が使用される場合には、重合開始剤として、例えば、下記の化合物を例示することができる。水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA、イソソルバイド、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース等を例示することができる。
このような重合開始剤に基づく繰り返し単位を含むポリエーテル誘導体として、例えば、上記式(2)に該当し得るポリセリン60DB-2000H(日油(株)製)を例示することができる(式2-2参照)。
式(2-2):
Figure 2023004425000001
(式中、m1+m2が、式(2)のmに対応し、n1+n2が、式(2)のnに各々対応する。)
式(2-2)で表されるポリエーテル誘導体の重量平均分子量は、500~8000であることが好ましく、1000~4000であることがより好ましい。
また、本発明にて使用されるポリエーテル誘導体(C)は、適度な親油性を有することから、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性にも優れるので、該ポリエーテル誘導体(B)を配合したポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品の透明性を低下させることがなく透明性を維持できる。このようなポリエーテル誘導体(C)の重量平均分子量は、500~8000が好ましく1000~4000がより好ましい。
更に、本発明にて使用されるポリエーテル誘導体(C)のCPR(単位:無次元)(Controlled Polymerization Rate:ポリエーテル誘導体中の塩基性物質の量を示す指標:JIS K1557-4に準拠して測定される)は、2.0以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。CPRが2.0以下である場合、ポリエーテル誘導体(C)は、ポリカーボネート樹脂との相溶性に優れるとともに、分解及び劣化が抑制されて、貯蔵安定性に優れ、得られるポリカーボネート樹脂組成物の色相に悪影響を与えにくい。例えば、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(C)に該当するポリセリンDCB-2000のCPRは、1.0未満であり、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(C)に該当するポリセリン60DB-2000H(日油(株)製)のCPRは1.0未満であり、上述の式(8)で表されるポリエーテル誘導体(B)に該当するPTG-1000SN(保土谷化学工業(株)社製)のCPRは1.0未満である。
更にまた、本発明にて使用されるポリエーテル誘導体(C)のpH(JIS K1557-5に準拠して測定される)は、5.0以上、7.5未満であることが好ましく、6.0以上、7.0未満であることがより好ましい。ポリエーテル誘導体(C)のpHが、5.0以上、7.5未満である場合、分解及び劣化が抑制されて、貯蔵安定性に優れ、得られるポリカーボネート樹脂組成物の色相に悪影響を与えにくい。例えば、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(C)に該当するポリセリンDCB-2000のpHは、6.7であり、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(B)に該当するポリセリン60DB-2000H(日油(株)製)のpHは6.8であり、上述の式(8)で表されるポリエーテル誘導体(C)に該当するPTG-1000SN(保土谷化学工業(株)社製)のpHは6.7である。
更に、本発明にて使用されるポリエーテル誘導体(C)の90%重量となる温度(又は重量減少率が10%となる温度)(JIS K7120に準拠する熱重量測定で測定される)は、300℃以上であることが好ましく、330℃以上であることがより好ましい。ポリエーテル誘導体(C)の90%重量となる温度が、300℃以上である場合、分解及び劣化が抑制されて、貯蔵安定性に優れ、得られるポリカーボネート樹脂組成物の色相に悪影響を与えにくい。例えば、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(B)に該当するポリセリンDCB-2000の90%重量となる温度は、330℃であり、上述の式(2)で表されるポリエーテル誘導体(B)に該当するポリセリン60DB-2000H(日油(株)製)の90%重量となる温度は400℃である。
ポリエーテル誘導体の量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.2~1.5重量部であり、0.4~1.2重量部が好ましい。ポリエーテル誘導体の量が0.2重量部未満の場合は、変色抑制効果が不充分となり得る。逆にポリエーテル誘導体の量が1.5重量部を超える場合は、機械的強度が低下し得る。
本発明の実施形態のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリエーテル誘導体(C)と共に、以下の式の芳香族化合物を含んで良い。このように、ポリエーテル誘導体(C)と該芳香族化合物とを併用することにより、得られるポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品の使用状況に起因する劣化やエージングなどの長期信頼性における劣化を防止することが出来る。
式:
Figure 2023004425000002
本発明の実施形態で使用される芳香族化合物の量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.0001以上0.05重量部未満であり、0.0005重量部以上0.003重量部以下が好ましい。芳香族化合物の量が0.0001重量部未満の場合は、長期信頼性における抑止効果が不充分である。逆に芳香族化合物の量が0.05重量部以上の場合、良好な色相を達成できない場合があるため望ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤から選択される1種以上の酸化防止剤(D)を含むことが好ましい。
リン系酸化防止剤は、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物を得られる限り特に制限されることはないが、下記亜リン酸エステル構造を有する亜リン酸エステル化合物を含むことが好ましい。
Figure 2023004425000003
本発明の実施形態のポリカーボネート樹脂組成物は、前記リン系酸化防止剤(D)が、下記式(11)で表される亜リン酸エステル化合物、下記式(12)で表される亜リン酸エステル化合物、下記式(13)で表される亜リン酸エステル化合物及び下記式(14)で表される亜リン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種以上の化合物を含むことが好ましい。
式(11):
Figure 2023004425000004
(式中、Rは、炭素数1~20のアルキル基を示し、aは、0~3の整数を示す)
前記式(11)において、Rは、炭素数1~20のアルキル基であるが、さらには、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましい。
式(11)で表される化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等が挙げられる。これらの中でも、特にトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトが好適であり、例えば、BASF社製のイルガフォス168(「イルガフォス」はビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標)として商業的に入手可能である。
式(12):
Figure 2023004425000005
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基又はフェニル基を示す。Rは、水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を示す。Xは、単結合、硫黄原子又は式:-CHR-(ここで、Rは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基又は炭素数5~8のシクロアルキル基を示す)で表される基を示す。Aは、炭素数1~8のアルキレン基又は式:*-COR-(ここで、Rは、単結合又は炭素数1~8のアルキレン基を示し、*は、酸素側の結合手であることを示す)で表される基を示す。Y及びZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1~8のアルコキシ基又は炭素数7~12のアラルキルオキシ基を示し、もう一方が水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を示す。)
式(12)において、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基又はフェニル基を示す。
ここで、炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、t-ペンチル基、i-オクチル基、t-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。炭素数5~8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、1-メチルシクロペンチル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-メチル-4-i-プロピルシクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数7~12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α-メチルベンジル基、α,α-ジメチルベンジル基等が挙げられる。
前記R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~8のシクロアルキル基又は炭素数6~12のアルキルシクロアルキル基であることが好ましい。特に、R及びRは、それぞれ独立して、t-ブチル基、t-ペンチル基、t-オクチル基等のt-アルキル基、シクロヘキシル基又は1-メチルシクロヘキシル基であることが好ましい。特に、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、t-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、メチル基、t-ブチル基又はt-ペンチル基であることがさらに好ましい。
前記Rは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基又は炭素数5~8のシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、t-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基であることがさらに好ましい。
式(12)において、Rは、水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を示す。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、前記R、R、R及びRの説明にて例示したアルキル基が挙げられる。特に、Rは、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
式(12)において、Xは、単結合、硫黄原子又は式:-CHR-で表される基を示す。ここで、式:-CHR-中のRは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基又は炭素数5~8のシクロアルキル基を示す。炭素数1~8のアルキル基及び炭素数5~8のシクロアルキル基としては、例えば、それぞれ前記R、R、R及びRの説明にて例示したアルキル基及びシクロアルキル基が挙げられる。特に、Xは、単結合、メチレン基、又はメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基等で置換されたメチレン基であることが好ましく、単結合であることがさらに好ましい。
式(12)において、Aは、炭素数1~8のアルキレン基又は式:*-COR-で表される基を示す。炭素数1~8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン基等が挙げられ、好ましくはプロピレン基である。また、式:*-COR-におけるRは、単結合又は炭素数1~8のアルキレン基を示す。Rを示す炭素数1~8のアルキレン基としては、例えば、前記Aの説明にて例示したアルキレン基が挙げられる。Rは、単結合又はエチレン基であることが好ましい。また、式:*-COR-における*は、酸素側の結合手であり、カルボニル基がフォスファイト基の酸素原子と結合していることを示す。
式(12)において、Y及びZは、いずれか一方がヒドロキシル基、炭素数1~8のアルコキシ基又は炭素数7~12のアラルキルオキシ基を示し、もう一方が水素原子又は炭素数1~8のアルキル基を示す。炭素数1~8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。炭素数7~12のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、α-メチルベンジルオキシ基、α,α-ジメチルベンジルオキシ基等が挙げられる。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、前記R、R、R及びRの説明にて例示したアルキル基が挙げられる。
式(12)で表される化合物としては、例えば、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-〔3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン、6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ]-4,8-ジ-t-ブチル-2,10-ジメチル-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、6-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-4,8-ジ-t-ブチル-2,10-ジメチル-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン等が挙げられる。これらの中でも、特に光学特性が求められる分野に、得られるポリカーボネート樹脂組成物を用いる場合には、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-〔3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピンが好適であり、例えば、住友化学(株)製のスミライザーGP(「スミライザー」は登録商標)として商業的に入手可能である。
式(13):
Figure 2023004425000006
(式中、R及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1~20のアルキル基又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示し、b及びcは、それぞれ独立して、0~3の整数を示す。)
式(13)で表される化合物としては、例えば、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト等が挙げられる。ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトは、ADEKA社製、商品名「アデカスタブPEP-24G」として商業的に入手可能である。(株)ADEKA製のアデカスタブPEP-36(「アデカスタブ」は登録商標)が商業的に入手可能である。
式(14):
Figure 2023004425000007
(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、炭素数1~3のアルキル基またはアルケニル基を示す。R11とR12、R13とR14、R15とR16、R17とR18とは、互いに結合して環を形成していても良い。R19~R22は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を示す。d~gは、それぞれ独立して、0~5の整数である。X~Xは、それぞれ独立に、単結合または炭素原子を示す。X~Xが単結合である場合、R11~R22のうち、当該単結合に繋がった官能基は一般式(14)から除外される。)
式(14)で表される化合物の具体例としては、例えばビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトが挙げられる。これは、Dover Chemical社製、商品名「Doverphos(登録商標) S-9228」、ADEKA社製、商品名「アデカスタブPEP-45」(ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト)として商業的に入手可能である。
さらに、上記の他にもテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイト等が挙げられる。このような、有機ホスホナイト化合物としては、具体的には、例えば、クラリアントジャパン社製Sandstab PEPQ等も挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、下記式(15)で表される化合物が挙げられる。
式(15)
Figure 2023004425000008
(式中において、R23は炭素数1~20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)
式(5)の化合物としては、ADEKA社製アデカスタブAO-50(n-オクタデシル-3(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)が商業的に入手可能である。
酸化防止剤(D)の添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0~0.5重量部とすることができる。0.5重量部を超えると物性の低下や、成形加工中の滞留時に熱安定性が不十分となり、変色するために好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、金型内へ射出充填された樹脂成形品を取り出す際の離型性を改善することを目的として離型剤(E)を含むことが好ましい。
離型剤(E)は、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物を得られる限り特に制限されることはないが、天然蜜蝋、脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオール脂肪酸エステルなど、単独または2種以上を併用して添加することができる。
脂肪酸エステルとしては、通常の脂肪族カルボン酸とアルコールとの縮合化合物を用いることができる。
前記脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等が挙げられる。なお、該脂肪族カルボン酸には、脂環式カルボン酸も含まれる。これらの中でも、炭素数6~36の、モノカルボン酸及びジカルボン酸が好ましく、炭素数6~36の飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。
前記脂肪族カルボン酸の具体例としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
前記アルコールとしては、飽和又は不飽和の、一価アルコール及び多価アルコールが挙げられ、これらのアルコールは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらの中でも、炭素数30以下の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の、脂肪族飽和一価アルコール及び脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、脂肪族アルコールには、脂環式アルコールも含まれる。
前記アルコールの具体例としては、例えば、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ベヘニルベヘネート、オクチルドデシルベヘネート、ステアリルステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ペンタエリスリトールステアレートが好適であり、例えば、エメリーオレオ社ロキシオールVPG861等が商業的に入手可能である。
離型剤(E)の添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0~1.0重量部とすることができる。1.0重量部を超えると物性の低下や、成形加工中の滞留時に熱安定性が不十分となり、変色するために好ましくない。
実施の形態に係るポリカーボネート樹脂組成物へは、例えば、得られるポリカーボネート樹脂組成物の耐候性をより向上させる成分である紫外線吸収剤を、ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品の用途に応じて適宜用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シュウ酸アニリド系化合物等の、ポリカーボネート樹脂に通常配合される紫外線吸収剤を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-tert-butyl-2-hydroxy-5-methylphenyl)-5-chloro-2H-benzotriazole、2-(3,5-di-tert-pentyl-2-hydroxyphenyl)-2H-benzotriazole、2-(2H-benzotriazole-2-yl)-4-methyl-6-(3,4,5,6-tetrahydrophthalimidylmethyl)phenol、2-(2-hydroxy-4-octyloxyphenyl)-2H-benzotriazole、2-(2-hydroxy-5-tert-octylphenyl)-2H-benzotriazole、2-[2’-hydroxy-3,5-di(1,1-dimethylbenzyl)phenyl]-2H-benzotriazole、2,2’-Methylenbis[6-(2H-benzotriazol-2-yl)4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)phenol]などが挙げられる。なかでも、特に、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が好適であり、例えば、BASF社製のTINUVIN 329(TINUVINは登録商標)、シプロ化成(株)製のシーソーブ709、ケミプロ化成(株)製のケミソーブ79等が商業的に入手可能である。
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシフェニル-4-ヘキシルオキシフェニル)1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]フェノール等が挙げられ、例えば、BASF社製のTINUVIN 1577等が商業的に入手可能である。
シュウ酸アニリド系化合物としては、例えば、クラリアントジャパン(株)製のSanduvor VSU等が商業的に入手可能である。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2、4-dihydroxybenzophenone、2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenoneなどが挙げられる。
紫外線吸収剤の量は、射出成形あるいは押出成形など加工方法に応じて、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して0~1.0重量部添加することができる。紫外線吸収剤の量が1.0重量部を超える場合は、得られるポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が低下するおそれがある。
本発明の実施形態のポリカーボネート樹脂組成物は、エポキシ化合物を含むことができる。
エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を分子内に有し、本発明が目的とするポリカーボネート樹脂組成物を得られる限り、特に制限されることはない。エポキシ化合物は、例えば、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ化大豆油、ε-カプロラクトン変性 3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エポキシ基含有アクリル・スチレン系ポリマー、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン-ジグリシジルエーテル等を含むことができる。
本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、抗菌剤(B)及びポリエーテル誘導体(C)と、任意で配合される他の成分とを、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、以上の成分に加えて、必要に応じて他の公知の着色剤(酸化チタン、カーボンブラック、染料等)、充填剤(ガラスファイバー、ガラスフレーク、カーボンファイバー、ワラストナイト、ウィスカー、タルク、マイカ等)、意匠性や特殊な外観を得るために添加される顔料(メタリック顔料、パール顔料等)、熱安定剤、軟化剤、帯電防止剤、衝撃性改良剤、難燃剤、蛍光増白剤、展着剤(流動パラフィン等)等、又、他の樹脂を配合することができる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
原料として以下のものを使用した。
1.ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAと塩化カルボニルとから合成されたポリカーボネート樹脂
粘度平均分子量:21500、住化ポリカーボネート(株)製のSDポリカ 200-13、「SDポリカ」は住化ポリカーボネート(株)の登録商標、以下(A1)と略記。
2.抗菌剤(B):
2-1.富士ケミカル社製バクテキラーBM-102SD、以下(B1)と略記。
2-2.シナネンゼオミック社製KM10D、以下(B2)と略記。
2-3.石塚硝子社製イオンピュアIPI、以下(B3)と略記。
2-4.興亜硝子社製ミリオンガードPG711、以下(B4)と略記。
3.ポリエーテル誘導体(C):
3-1.テトラメチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットからなる変性グリコール(ランダム共重合)
重量平均分子量:2000、pH:6.7(JIS K1557-5)、日油(株)製のポリセリンDCB-2000(商品名)、以下(C1)と略記。
3-2.エチレングリコールユニットとプロピレングリコールユニットからなる変性グリコール(ランダム共重合)
重量平均分子量:1750、日油(株)製のユニルーブ50DE-25(商品名)、以下(C2)と略記。
3-3.ポリテトラメチレングリコール
重量平均分子量:1000、保土谷化学工業(株)製のPTG-1000SN(商品名)、以下(C3)と略記。
3-4.以下の式で表されるポリエーテル誘導体
重量平均分子量:2000、日油(株)製のポリセリン60DB-2000H(商品名)、以下(C4)と略記。
Figure 2023004425000009
4.酸化防止剤(D):
4-1.以下の式で表される、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト
Figure 2023004425000010
BASF社製のイルガフォス168(商品名)、以下(D1)と略記。
4-2.以下の式で表される、2,4,8,10-テトラ-t-ブチル-6-〔3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロポキシ〕ジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン
Figure 2023004425000011
住友化学(株)製のスミライザーGP(商品名)、以下(D2)と略記。
4-3.以下の式で表される、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(IUPAC名:3,9-ビス[2,4-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン)
Figure 2023004425000012
Dover Chemical社製のDoverphos S-9228(商品名)、以下(D3)と略記。
4-4.以下の式で表される、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(IUPAC名:3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン)
Figure 2023004425000013
ADEKA製のアデカスタブPEP-36(商品名)、以下(D4)と略記。
4-5.以下の式で表される、(n-オクタデシル-3(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
Figure 2023004425000014
ADEKA社製アデカスタブAO-50(商品名)、以下(D5)と略記。
5.離型剤(E):
5-1.グリセリンモノステアレート
理研ビタミン社製のリケマールS-100A(商品名)、以下(E1)と略記。
5-2.ペンタエリスリトールステアレート
エメリーオレオ社製のロキシオールVPG861(商品名)、以下(E2)と略記。
5-3.Bee’s wax(蜜蝋)、以下(E3)と略記。
6.紫外線吸収剤:
6-1.2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
ケミプロ化成社製のケミソーブ79(商品名)、以下(H1)と略記。
6-2.2-エチル,2’-エトキシ-オキシアニリド
クラリアントジャパン社製のSanduvor VSU(商品名)、以下(H2)と略記。
6-3.2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]フェノール
BASF社製のTINUVIN 1577(商品名)、以下(H3)と略記。
7.エポキシ化合物
3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート
(株)ダイセル化学工業製のセロキサイド2021P(商品名)、以下(F1)と略記。
8.芳香族化合物:
3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン
和光純薬工業(株)製、以下(G1)と略記。
前述の各種原料を表1および2に示す配合比率にて、それぞれタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α、軸直径=30mmφ、L/D=41)を用いて、溶融温度250℃にて混錬し、評価用のペレットを得た。
得られたペレットをそれぞれ120℃×4時間の条件にて事前に乾燥を行った後、射出成形機(日本製鋼所製J100E2P)を用い、シリンダー設定温度270℃、310℃の条件にて縦50mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。
以下、本発明における各種評価項目及び測定方法について説明する。
1.変色性
シリンダー設定温度270℃および310℃で得られた平板試験片を用いて、スペクトロフォトメーター(村上色彩技術研究所製CMS-35SP)により、YIの変化(ΔYI)をASTM D-1925に準拠して測定した。YIとは、黄味の程度を表し、YIが小さい程、黄味は小さく着色が少ない。ΔYIは、310℃で得られた平板試験片におけるYI値から270℃で得られた平板試験片のYIの差とした。評価基準としては、ΔYIの値が5.0未満であるものを良好(○)、5.0以上であるものを不良(×)とした。
2.抗菌性
抗菌性試験はJIS Z 2801(フィルム密着法)に基づいて実施した。具体的には、初期着色性の評価と同様の条件(シリンダー設定温度270℃)で得られた平板試験片の表面に、大腸菌を10個含む菌液を滴下し、その上からPE製フィルムを密着させ、35℃で24時間放置後にPE製フィルム及び平板試験片に付着している菌体をSCDLP培地で洗い出し、シャーレに移して35℃で45時間培養後に、大腸菌の生菌数(y)をカウントした。なお、評価の基準は、本発明の抗菌剤(B)を含まない樹脂組成物からなる平板試験片を用いてフィルム密着法によりカウントした大腸菌の生菌数をxとしたときに、log10(x/y)(以下、抗菌活性値と略記)が2.0以上であるものを良好(○)、2.0未満であるものを不良(×)とした。
さらに、大腸菌を黄色ブドウ球菌に変更する以外は全て上記と同じ操作・条件で抗菌性試験を行い、抗菌活性値を求め、同様の基準で評価した。
3.総合判定
変色性および抗菌性の評価において、全て良好であるものを良好(○)そうでないものを不良(×)とした。
実施例及び比較例のポリカーボネート樹脂組成物の組成と、評価結果を表1~表4に示す。
Figure 2023004425000015
Figure 2023004425000016
Figure 2023004425000017
Figure 2023004425000018
実施例1~23に係るポリカーボネート樹脂組成物は、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤とポリエーテル誘導体とを上述した配合量の範囲内で含有しており、いずれも初期着色性、熱安定性、発色性、抗菌性および耐薬品は良好な結果を示した。
本発明は、各種の外装材等を構成するポリカーボネート樹脂組成物として利用できる。

Claims (5)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、銀イオンを溶出するガラスを必須成分とする抗菌剤(B)0.1~5.0重量部、下記一般式に示すポリエーテル誘導体(C)0.2~1.5重量部含有する、ポリカーボネート樹脂組成物。
    一般式:
    RO-(X-O)m(Y-O)n-R’
    (式中、RおよびR’は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1~30のアルキル基を示し、Xは、炭素数2~4のアルキレン基を、Yは、炭素数3~5の分岐アルキレン基を、m及びnは、それぞれ独立して、3~60の整数を示し、m+nは、8~90の整数を示す。)
  2. リン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤から選択される1種以上の酸化防止剤(D)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.5重量部以下含有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 離型剤(E)を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、1.0重量部以下含有する、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 紫外線吸収剤を、前記芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、1.0重量部以下含有する、請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 熱安定剤、着色剤、軟化剤、帯電防止剤及び衝撃性改良剤を含有する群から選択される少なくとも1種を更に含有する、請求項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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