JP2023004125A - 液圧駆動装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023004125000001
【課題】チャージポンプから第1ポンプポートに作動液により確実に補給することができる液圧駆動装置を提供する。
【解決手段】液圧駆動装置1は、作動液を給排することによって液圧シリンダ3を駆動する液圧駆動装置であって、第1及び第2ポンプポート21b,21cを有し、第1及び第2ポンプポートのうち一方のポンプポートから作動液を吸入し、且つ他方のポンプポートから作動液を吐出するメインポンプ21と、液圧シリンダのロッド側ポート11aと第1ポンプポートとを接続し、且つ液圧シリンダのヘッド側ポート11bと第2ポンプポートとを接続することによって閉回路を構成する液圧回路23と、一方のポンプポートに作動液を補給するチャージポンプ24と、を備え、液圧回路は、ロッド側ポートと第1ポンプポートとを接続するロッド側通路31に介在し、且つ開度を制御可能な制御弁37を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、作動液を給排することによって液圧シリンダを駆動する液圧駆動装置に関する。
作動液を給排することによって液圧シリンダを駆動する液圧駆動装置が実用に供されている。液圧駆動装置の一例として、例えば特許文献1の油圧閉回路が知られている。特許文献1の油圧閉回路は、油圧シリンダと可変容量ポンプと共に閉回路を構成している。また、油圧閉回路は、チャージポンプを備えている。チャージポンプは、油圧シリンダのロッド側ポートからヘッド側ポートに作動油を導く際に、不足する作動油を補給する。
特開昭59-133804号公報
特許文献1の油圧閉回路では、油圧ポンプから油圧シリンダに流す作動油の方向をヘッド側ポートからロッド側ポートに切り替える際、ヘッド側ポート及びロッド側ポートが共に高圧となる場合がある。そうすると、油圧ポンプの吸入側ポート(例えば、第1ポンプポート)が高圧となる。チャージポンプの吐出圧が低圧に設定されている。それ故、第1ポンプポートが高圧になると作動油を油圧ポンプに補給することができない。そうすると、油圧ポンプからヘッド側ポートに供給される作動油の流量が不足するので、油圧シリンダをスムーズに作動させることができない。
そこで本発明は、チャージポンプから第1ポンプポートに作動液をより確実に補給することができる液圧駆動装置を提供することを目的としている。
本発明の液圧駆動装置は、作動液を給排することによって液圧シリンダを駆動する液圧駆動装置であって、第1及び第2ポンプポートを有し、前記第1及び第2ポンプポートのうち一方の前記ポンプポートから作動液を吸入し、且つ他方の前記ポンプポートから作動液を吐出するメインポンプと、前記液圧シリンダのロッド側ポートと前記第1ポンプポートとを接続し、且つ前記液圧シリンダのヘッド側ポートと前記第2ポンプポートとを接続することによって閉回路を構成する液圧回路と、前記一方のポンプポートに作動液を補給するチャージポンプと、を備え、前記液圧回路は、前記ロッド側ポートと前記第1ポンプポートとを接続するロッド側通路に介在し、且つ開度を調整可能な制御弁を有しているものである。
本発明に従えば、ヘッド側ポートに作動液を供給し、且つロッド側ポートから第1ポンプポートに作動液を吸入する際、制御弁の開度を調整することによって、第1ポンプポート側の液圧を調整することができる。これにより、例えば第1ポンプポート側の液圧をチャージポンプの吐出圧以下に抑えることができる。それ故、チャージポンプから第1ポンプポートに作動液をより確実に補給することができる。
本発明によれば、チャージポンプから第1ポンプポートに作動液をより確実に補給することができる。
本発明の液圧駆動装置の構成を示す回路図である。 図1の液圧駆動装置において、各ポートの圧力の経時変化を示すグラフである。 図1の液圧駆動装置における開度制御処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態の液圧駆動装置1について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する液圧駆動装置1は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
<液圧機器>
建設機械及び産業機械に搭載される液圧機器2は、図1に示すような液圧シリンダ3及び液圧駆動装置1を備えている。液圧機器2は、液圧駆動装置1によって液圧シリンダ3を作動させる。これにより、液圧機器2に備わる種々の構成部品(図示せず)が動かされる。
<液圧シリンダ>
液圧シリンダ3は、作動液(例えば油、又は水等の液体)を供給することによって伸縮する。また、液圧シリンダ3は、作動液の流れる方向を切換えることによって伸長及び収縮を切換えられる。より詳細に説明すると、液圧シリンダ3は、シリンダチューブ11とロッド12とを有している。シリンダチューブ11は、ロッド側ポート11a及びヘッド側ポート11bを有している。ロッド12は、シリンダチューブ11に摺動可能に挿通されている。そして、ロッド12は、シリンダチューブ11内をロッド室11c及びヘッド室11dの2つの部屋に区画している。各部屋11c,11dは、ロッド側ポート11a及びヘッド側ポート11bに夫々繋がっている。
また、液圧シリンダ3は、片ロッドシリンダである。即ち、液圧シリンダ3では、ロッド12において各部屋11c,11dに面する受圧面の面積が異なっている。それ故、液圧シリンダ3を伸縮する際に各部屋11c,11dに給排される作動液の流量が異なる。本実施形態において、液圧シリンダ3では、ヘッド室11dに給排される流量に対してロッド室11cに給排される流量が小さくなっている。
<液圧駆動装置>
液圧駆動装置1は、液圧シリンダ3に作動液を給排する。そして、液圧駆動装置1は、作動液を給排することによって液圧シリンダ3を伸縮させる。更に詳細に説明すると、液圧駆動装置1は、メインポンプ21と、電動機22と、液圧回路23と、チャージポンプ24と、ポンプ圧センサ25と、ロッド圧センサ26と、ヘッド圧センサ27と、位置センサ28と、制御装置29と、を備えている。
<メインポンプ>
メインポンプ21は、作動液を吸入して吐出する。より詳細に説明すると、メインポンプ21は、シャフト21aと、第1ポンプポート21bと、第2ポンプポート21cとを有している。メインポンプ21は、シャフト21aの回転方向(正方向及び逆方向)に応じて2つのポンプポート21b,21cのうち一方から作動液を吸入する。そして、メインポンプ21は、他方のポンプポート21c,21b(即ち、吐出側ポート)から作動液を吐出する。本実施形態において、メインポンプ21は、可変容量形の斜板ポンプである。但し、メインポンプ21は、斜板ポンプではなく斜軸ポンプ等他のポンプであってもよく、また固定容量形のポンプであってもよい。
<電動機>
電動機22は、メインポンプ21を回転駆動する。より詳細に説明すると、電動機22は、メインポンプ21のシャフト21aに連結されている。そして、電動機22は、シャフト21aを介してメインポンプ21を正方向又は逆方向に回転駆動する。本実施形態において、電動機22は、サーボモータである。即ち、電動機22は、その回動量を制御することができる。なお、電動機22は、一方向にのみ回転可能なものであってもよい。この場合、メインポンプ21には、例えば両傾転型の斜板ポンプが採用される。
<液圧回路>
液圧回路23は、液圧シリンダ3のロッド側ポート11aとメインポンプ21の第1ポンプポート21bとを接続する。また、液圧回路23は、液圧シリンダ3のヘッド側ポート11bとメインポンプ21の第2ポンプポート21cとを接続する。これにより、液圧回路23は、閉回路を構成している。更に詳細に説明すると、液圧回路23は、ロッド側通路31と、ヘッド側通路32と、補給通路33と、2つの逆止弁34,35と,リリーフ弁36と、ロッド側制御弁37と,ヘッド側開閉弁38と、を有している。
ロッド側通路31は、ロッド側ポート11aと第1ポンプポート21bとを接続している。ヘッド側通路32は、ヘッド側ポート11bと第2ポンプポート21cとを接続する。補給通路33は、タンク39と2つの通路31,32の各々とに繋がっている。更に詳細に説明すると、補給通路33の一端側が二股に分かれている。そして、補給通路33では、二股に分かれている部分が逆止弁34,35を介して各通路31,32に接続されている。逆止弁34,35は、補給通路33において通路31,32側への流れを許容し、且つその逆方向の流れを阻止する。また、補給通路33の他端側は、リリーフ弁36を介してタンク39に接続されている。
[ロッド側制御弁]
ロッド側制御弁37は、ロッド側通路31に介在している。より詳細に説明すると、ロッド側制御弁37は、ロッド側通路31において補給通路33が合流する点g1より液圧シリンダ3側(即ち、ロッド側ポート11a側)に介在している。また、ロッド側制御弁37は、開口を開閉可能に構成されている。更に、ロッド側制御弁37は、本実施形態においてホールディング弁として機能する。
より詳細に説明すると、ロッド側制御弁37は、以下のように構成されている。即ち、ロッド側制御弁37は、閉状態においてロッド側ポート11aと第1ポンプポート21bとの間を遮断する。また、ロッド側制御弁37は、開状態においてロッド側ポート11aと第1ポンプポート21bとを連通する。更に詳細に説明すると、ロッド側制御弁37は、開度を調整可能に構成されている。そして、ロッド側制御弁37は、開度を変えることによってロッド側通路31であってロッド側制御弁37の両側の液圧を調整することができる。即ち、ロッド側制御弁37は、開度を調整することによってロッド側通路31であってロッド側制御弁37より第1ポンプポート21b側及びロッド側制御弁37よりロッド側ポート11a側を夫々流れる作動液の液圧を調整する。なお、ロッド側制御弁37は、本実施形態において比例制御弁である。但し、ロッド側制御弁37は、比例制御弁に限定されず、逆比例制御弁であってもよい。
[ヘッド側開閉弁]
ヘッド側開閉弁38は、ヘッド側通路32に介在している。より詳細に説明すると、ヘッド側開閉弁38は、ヘッド側通路32において補給通路33が合流する点g2より液圧シリンダ3側(即ち、ヘッド側ポート11b側)に介在している。また、ヘッド側開閉弁38は、開口を調整可能に構成されている。ヘッド側開閉弁38は、本実施形態においてホールディング弁である。即ち、ヘッド側開閉弁38は、閉状態においてヘッド側ポート11bと第2ポンプポート21cとの間を遮断する。また、ヘッド側開閉弁38は、開状態においてヘッド側ポート11bと第2ポンプポート21cとを連通する。
<チャージポンプ>
チャージポンプ24は、第1ポンプポート21b及び第2ポンプポート21cのうち一方のポンプポート21b,21cに作動液を補給する。より詳細に説明すると、チャージポンプ24は、液圧回路23の補給通路33において分岐点とリリーフ弁36との間に接続されている。チャージポンプ24は、補給通路33に作動液を吐出する。そして、吐出された作動液が一方の逆止弁34,35を介して一方のポンプポート21b,21cに補給される。本実施形態において、チャージポンプ24は、固定容量形のポンプであって、定圧の作動液を吐出する。また、チャージポンプ24は、エンジン及び電動モータ等の原動機(図示せず)によって駆動される。
<ポンプ圧センサ>
ポンプ側液圧検出器の一例であるポンプ圧センサ25は、ロッド側制御弁37より前記第1ポンプポート21b側の液圧を検出する。より詳細に説明すると、ポンプ圧センサ25は、ロッド側通路31であってロッド側制御弁37より第1ポンプポート21b側に設けられている。そして、ポンプ圧センサ25は、そこを流れる作動液の液圧、即ち第1ポンプポート21bの液圧(ポンプ側圧力であって、メインポンプ21の吸入圧又は吐出圧に相当)を検出する。
<ロッド圧センサ>
シリンダ側液圧検出器の一例であるロッド圧センサ26は、ロッド側制御弁37よりロッド側ポート11a側の液圧を検出する。より詳細に説明すると、ロッド圧センサ26は、ロッド側通路31であってロッド側制御弁37よりロッド側ポート11a側に設けられている。そして、ロッド圧センサ26は、そこを流れる作動液の液圧、即ちロッド側ポート11aの液圧(シリンダ側圧力であって、ロッド圧に相当)を検出する。
<ヘッド圧センサ>
ヘッド圧センサ27は、ヘッド側開閉弁38よりヘッド側ポート11b側の液圧を検出する。より詳細に説明すると、ヘッド圧センサ27は、ヘッド側通路32であってヘッド側開閉弁38よりヘッド側ポート11b側に設けられている。そして、ヘッド圧センサ27は、そこを流れる液圧、即ちヘッド側ポート11bの液圧(ヘッド圧に相当)を検出する。
<位置センサ>
位置センサ28は、液圧シリンダ3のロッド12の位置を検出する。より詳細に説明すると、位置センサ28は、ロッド12のストローク量を検出する。
<制御装置>
制御装置29は、ポンプ圧センサ25、ロッド圧センサ26、ヘッド圧センサ27、及び位置センサ28の各々から検出結果を取得する。また、制御装置29は、予め記憶される動作計画(プログラム)又は図示しない操作装置の操作と前述する検出結果とに基づいてメインポンプ21、及び電動機22の動作を制御する。即ち、制御装置29は、位置センサ28で検出されるストローク量に基づいてメインポンプ21の吐出流量、即ち液圧シリンダ3のメータイン流量を制御する。これにより、液圧シリンダ3のロッド12が制御装置29によって位置制御される。
また、制御装置29は、ポンプ圧センサ25の検出結果であるポンプ側圧力に基づいてロッド側制御弁37の開度を制御する。より詳細に説明すると、制御装置29は、第1ポンプポート21bの液圧がチャージポンプ24の吐出圧以下になるようにロッド側制御弁37の開度を制御する。更に、制御装置29は、ロッド圧センサ26の検出結果であるロッド圧とポンプ側圧力との圧力差に基づいてロッド側制御弁37の開度を制御する。更に、制御装置29は、ロッド圧とヘッド圧との比較結果に基づいてロッド側制御弁37を開閉する。更に、制御装置29は、ヘッド側開閉弁38の動作も制御する。
<液圧駆動装置の動作>
液圧駆動装置1では、前述の通りロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38がホールディング弁の役割を果たしている。それ故、液圧駆動装置1は、停止状態においてロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38の開口を閉じる。そうすると、液圧シリンダ3の各部屋11c,11dに対する作動液の給排が止められる。これにより、液圧シリンダ3のロッド12がその位置にて保持される。
次に液圧駆動装置1は、動作計画又は操作装置の操作に基づいて液圧シリンダ3を収縮させる場合(即ち、ロッド側ポート11aに作動液を供給する場合)、以下のように動作する。即ち、液圧駆動装置1では、制御装置29が電動機22によってメインポンプ21のシャフト21aを逆回転させる。これにより、メインポンプ21は、第2ポンプポート21cから作動液を吸入する。そして、メインポンプ21は、第1ポンプポート21bから作動液を吐出する。
また、制御装置29は、電動機22の動きを制御すると共にロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38を開状態にする。本実施形態において、制御装置29は、ロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38を全開にする。但し、ロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38は、必ずしも全開にする必要はない。ロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38が開状態になることによって、第2ポンプポート21cから吸入された作動液が第1ポンプポート21bから吐出される。そして、作動液がロッド側ポート11aを介してロッド室11cに供給される。これにより、液圧シリンダ3が収縮する。また、制御装置29は、メインポンプ21の吐出容量及び電動機22の出力を制御することによってロッド側ポート11aへのメータイン流量を制御する。これにより、制御装置29は、動作計画又は操作装置の操作に応じた位置へとロッド12を移動させることができる。即ち、制御装置29は、液圧シリンダ3を収縮させ、ロッド12を位置制御する。なお、液圧駆動装置1では、ヘッド室11dがロッド室11cより大きいので、それらの容積の差分に相当する流量の作動液が図示しない絞り弁によってタンク39に排出される。
次に液圧駆動装置1において、動作計画又は操作装置の操作に基づいて液圧シリンダ3の動作が収縮動作から伸長動作に切り替えられた場合が説明される。動作が切換えられると、メインポンプ21からの作動液の供給先がロッド側ポート11aからヘッド側ポート11bに切り替えられる。より詳細に説明すると、液圧駆動装置1では、制御装置29が電動機22の回転方向を切換える。これにより、メインポンプ21のシャフト21aの回転方向が逆方向から正方向に切り替えられる。そうすると、液圧駆動装置1では、メインポンプ21は、第1ポンプポート21bから作動液を吸入する。そして、メインポンプ21は、第2ポンプポート21cから作動液を吐出する。
また、制御装置29は、電動機22の動きを制御すると共にヘッド側開閉弁38を開状態(本実施形態において全開)にする。これにより、第1ポンプポート21bから作動液を吸入し、また第2ポンプポート21cから吐出される作動液がヘッド側ポート11bを介してヘッド室11dに供給される。そして、制御装置29は、メインポンプ21の吐出容量及び電動機22の出力を制御することによってヘッド側ポート11bへのメータイン流量を制御する。これにより、ロッド12が動作計画又は操作装置の操作に応じた位置へロッド12を移動させることができる。即ち、制御装置29は、液圧シリンダ3を伸長させ、ロッド12を位置制御する。
また、ヘッド側ポート11bに作動液を供給した後では、ロッド室11cの作動液がロッド12によってロッド側ポート11aからロッド側通路31に押し出される。それ故、ヘッド側ポート11bと共にロッド側ポート11aもまた高圧にて維持される。そこで、制御装置29は、ロッド側制御弁37の開度を以下のように制御する。
即ち、制御装置29は、ポンプ圧センサ25から取得するポンプ側圧力に基づいてポンプ側圧力(図2の実線参照)がチャージポンプ24の吐出圧(即ち、ブースト圧であって図2の鎖線参照)以下になるようにロッド側制御弁37の開度を制御する(図2の時刻t1以降参照)。更に詳細に説明すると、制御装置29は、ポンプ側圧力とロッド圧との圧力差に基づいてロッド側制御弁37の開度を制御する。本実施形態において、制御装置29は、ポンプ側圧力とロッド圧(図2の二点鎖線参照)との間に所定の圧力差を発生させる。これにより、ポンプ側圧力がチャージポンプ24の吐出圧以下に抑えられている。更に、制御装置29は、圧力差が上限閾値以下且つ下限閾値以上の所定範囲内に収まるようにロッド側制御弁37の開度を制御する。
より詳細に説明すると、制御装置29は、ロッド側制御弁37の開度を制御するために図3に示す開度制御処理を実行する。開度制御処理が開始されると、ステップS1に移行する。圧力差演算工程であるステップS1では、圧力差を制御装置29が演算する。より詳細に説明すると、制御装置29は、ポンプ圧センサ25からポンプ側圧力を取得し、またロッド圧センサ26からロッド圧を取得する。そして、制御装置29は、ポンプ側圧力とロッド圧との圧力差を演算する。圧力差が演算されると、ステップS2に移行する。
圧力差判定工程であるステップS2では、圧力差が所定範囲内か否かを制御装置29が判定する。そして、制御装置29が圧力差が所定範囲内と判定した場合、ロッド側制御弁37の開度を維持する。そして、ステップS1に戻る。他方、制御装置29が圧力差が上限閾値を超えると判定した場合、ステップS3に移行する。また、制御装置29が圧力差が下限閾値未満であると判定した場合、ステップS4に移行する。
第1開度調整工程であるステップS3では、制御装置29がロッド側制御弁37の開度を大きくする。これにより、ロッド圧が低下するので、圧力差を小さくすることができる。圧力差を小さくと、ステップS1に戻る。
第2開度要請工程であるステップS4では、制御装置29がロッド側制御弁37の開度を小さくする。これにより、ロッド圧が上昇するので、圧力差を大きくすることができる。圧力差を大きくすると、ステップS1に戻る。
このように制御装置29は、開度制御処理を実行することによって圧力差を所定範囲内に維持する。これにより、ポンプ側圧力をブースト圧以下に抑えることができる。また、ロッド側制御弁37によってロッド圧が高くなりすぎることを抑えることができる。それ故、液圧シリンダ3を伸長させる際、液圧シリンダ3における背圧が高くなることを抑制できる。
また、制御装置29は、ヘッド圧センサ27からヘッド圧(図2の一点鎖線参照)を取得する。そして、制御装置29は、ヘッド圧とロッド圧を比較する。制御装置29は、比較結果においてヘッド圧がロッド圧より小さい場合、ロッド側制御弁37の開度制御を続ける。他方、比較結果においてヘッド圧がロッド圧より大きい場合、制御装置29は、ロッド側制御弁37の開度制御を止める。そして、制御装置29は、ロッド側制御弁37の開度を大きく開ける(図2の時刻t2参照)。そうすると、ロッド圧を下げることができるので、ロッド12が移動する際に生じる背圧を更に低減することができる。これにより、液圧シリンダ3を伸長させる際のエネルギー効率の悪化が抑制される。
本実施形態の液圧駆動装置1では、制御装置29が以下のように動作する。即ち、制御装置29は、ヘッド側ポート11bに作動液を供給し且つロッド側ポート11aから第1ポンプポート21bに作動液を吸入する際、ロッド側制御弁37の開度を制御する。そうすると、第1ポンプポート21b側のポンプ側圧力を調整することができる。本実施形態において、第1ポンプポート21b側のポンプ側圧力をブースト圧以下に抑えることができる。それ故、チャージポンプ24から第1ポンプポート21bに作動液により確実に補給することができる。これにより、第2ポンプポート21cに作動液を供給する際にメインポンプ21の吐出流量が不足することを抑制できる。
また、本実施形態の液圧駆動装置1では、制御装置29が第1ポンプポート21b側の液圧をブースト圧以下に抑えるようにロッド側制御弁37をフィードバック制御する。それ故、チャージポンプ24から第1ポンプポート21bに作動液により確実に補給することができる。
更に、本実施形態の液圧駆動装置1では、制御装置29が圧力差に基づいてロッド側制御弁37の開度を制御する。これにより、ロッド側ポート11aの液圧が高止まりすることを抑制できる。これにより、液圧シリンダ3における背圧の高止まりを抑えることができる。それ故、メインポンプ21の吐出圧を低く抑えることができる。即ち、液圧駆動装置1におけるエネルギー損失が抑制される。
更に、本実施形態の液圧駆動装置1では、制御装置29は、圧力差が下限閾値未満の場合に開度を絞り、圧力差が上限閾値を超える場合に開度を開く。そして、制御装置29は、圧力差が所定範囲内においてロッド側制御弁37の開度を維持する。このように制御装置29は、ロッド側制御弁37の開度と圧力差の関係に関してヒステリシス特性を持たせることによって、ロッド側制御弁37の開度変動に起因してロッド圧に圧力ハンチングが生じることを抑制することができる。
更に、本実施形態の液圧駆動装置1では、ロッド側制御弁37がホールディング弁として機能している。それ故、液圧駆動装置1において、部品点数を低減することができる。
[その他の実施形態について]
本実施形態の液圧駆動装置1において、ヘッド側開閉弁38は、開閉を切換え可能な開閉弁であるが、ヘッド側開閉弁38に代えてロッド側制御弁37と同様の制御弁が設けられてもよい。また、ロッド側制御弁37及びヘッド側開閉弁38は、ホールディング弁として機能しているが、必ずしもそのような機能を有する必要はない。また、液圧駆動装置1において、ホールディング弁が別途設けられてもよい。
また、本実施形態の液圧駆動装置1において、制御装置29は、圧力差に応じてロッド側制御弁37の開度を制御しているが、第1ポンプポート21bのポンプ側圧力だけ又はロッド圧だけに応じてロッド側制御弁37の開度を制御してもよい。
1 液圧駆動装置
3 液圧シリンダ
11a ロッド側ポート
11b ヘッド側ポート
21 メインポンプ
21b 第1ポンプポート
21c 第2ポンプポート
23 液圧回路
24 チャージポンプ
25 ポンプ圧センサ(ポンプ側液圧検出器)
26 ロッド圧センサ(シリンダ側液圧検出器)
29 制御装置
31 ロッド側通路
37 ロッド側制御弁

Claims (5)

  1. 作動液を給排することによって液圧シリンダを駆動する液圧駆動装置であって、
    第1及び第2ポンプポートを有し、前記第1及び第2ポンプポートのうち一方の前記ポンプポートから作動液を吸入し、且つ他方の前記ポンプポートから作動液を吐出するメインポンプと、
    前記液圧シリンダのロッド側ポートと前記第1ポンプポートとを接続し、且つ前記液圧シリンダのヘッド側ポートと前記第2ポンプポートとを接続することによって閉回路を構成する液圧回路と、
    前記一方のポンプポートに作動液を補給するチャージポンプと、を備え、
    前記液圧回路は、前記ロッド側ポートと前記第1ポンプポートとを接続するロッド側通路に介在し、且つ開度を調整可能な制御弁を有している、液圧駆動装置。
  2. 前記ロッド側通路において、前記制御弁より前記第1ポンプポート側の液圧を検出するポンプ側液圧検出器と、
    前記ポンプ側液圧検出器の検出結果に基づいて前記制御弁の開度を制御する制御装置と、を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1ポンプポートの液圧が前記チャージポンプの吐出圧以下になるように前記制御弁の開度を制御する、請求項1に記載の液圧駆動装置。
  3. 前記ロッド側通路において、前記制御弁より前記ロッド側ポート側の液圧を検出するシリンダ側液圧検出器を更に備え、
    前記制御装置は、前記ポンプ側液圧検出器の検出結果であるポンプ側圧力と前記シリンダ側液圧検出器の検出結果であるシリンダ側圧力との圧力差に基づいて、前記制御弁の開度を制御する、請求項2に記載の液圧駆動装置。
  4. 前記制御装置は、前記圧力差が所定の下限閾値未満になると前記制御弁の開度を絞り、前記圧力差が所定の上限閾値を超えると前記制御弁の開度を開く、請求項3に記載の液圧駆動装置。
  5. 前記制御弁は、前記ロッド側ポートの液圧を保持するホールディング弁である、請求項1乃至4の何れか1つに記載の液圧駆動装置。
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