JP2023001087A - 毛髪用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、クセ毛や縮毛に対して高い毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を有する毛髪用組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の毛髪用組成物は、(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種と、(B)グリコール酸、キシリトールおよびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種である前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分とを含むことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、クセ毛や縮毛に対して高い毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を実現することができる毛髪用組成物に関する。
一般的な縮毛矯正効果を有する組成物には、主成分に還元剤、酸化剤が含まれており、これらの作用により毛髪のクセが抑制される。しかし、還元剤、酸化剤の作用は毛髪ダメージを伴うことが多く、毛髪のなめらかさ、指通りの良さ、さらさら感、うるおい感が損なわれ、縮毛矯正処理後の毛髪の感触が悪くなるほか、毛髪表面が荒れることにより、外観上のつやが失われ、毛髪の風合いが低下してしまう。このような酸化剤、還元剤の髪に対する影響は一般消費者にも広く認識されており、縮毛矯正を避ける大きな要因になっている。
このため還元剤や酸化剤を含まずに、クセ毛の抑制や縮毛の矯正を行うことができる毛髪用組成物が求められている。
このため還元剤や酸化剤を含まずに、クセ毛の抑制や縮毛の矯正を行うことができる毛髪用組成物が求められている。
クセ毛や縮毛に対して矯正力を有するとともに、毛髪へのダメージが少ない成分の一つとしてグリオキシル酸が知られている。しかし、グリオキシル酸による毛髪矯正効果は十分でなく、単独で用いたときの効果が満足できるものではない場合があった。そこで、グリオキシル酸の毛髪矯正効果を向上する技術が開発されている。
特許文献1には、グリオキシル酸とグアニジン塩および/または尿素とを組み合わせて用いることが提案されており、これによってグリオキシル酸による毛髪矯正効果が向上されている。しかしながら、グリオキシル酸により十分な矯正効果を得るためには毛髪処理剤のpHを1.0~2.5の範囲にする必要があるため、酸性が強すぎて毛髪が過度に収斂し、きしみやゴワゴワ感を生じる場合があった。
特許文献2には、グリオキシル酸とグルコノラクトンおよび/またはエルカラクトンとを特定の比率で組み合わせて用いることが提案されており、これによって毛髪や頭皮のpHに近いpH2.0~3.8の範囲で高い毛髪矯正効果を得ている。しかしながら、特許文献2の組成物では矯正を維持する効果については満足のいくものではなかった。
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、毛髪や頭皮のpHに近いpH範囲において高い矯正効果および矯正維持効果を有する毛髪用組成物を提供することを目的とする。
発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、グリコール酸、キシリトールおよび/またはアデノシン類が、毛髪内部へのグリオキシル酸の浸透量および毛髪表面でのグリオキシル酸の残存量を増加させる効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を少なくとも0.1質量%、および、
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが4以下であることを特徴とする、毛髪用組成物(以下、「第1の毛髪用組成物」ともいう)を提供する。
(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を少なくとも0.1質量%、および、
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが4以下であることを特徴とする、毛髪用組成物(以下、「第1の毛髪用組成物」ともいう)を提供する。
上記の第1の毛髪用組成物は、毛髪内部へのグリオキシル酸の浸透量および毛髪表面でのグリオキシル酸の残存量を増加させる効果を有する成分を配合しているため、従来の縮毛矯正剤に比較して穏やかな条件で使用できる。一方、上記のグリオキシル酸の配合量およびpH条件では、サロンにおける縮毛矯正には適しているが、いわゆるホーム・ユース用とするには困難が伴う。また、グリオキシル酸の配合量が多く、酸性が強いと、染色した毛髪が褪色するという別の問題が生じる懸念があった。
本発明者等は、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種の成分が、毛髪内部へのグリオキシル酸の浸透量および毛髪表面でのグリオキシル酸の残存量を増加させる効果を有するため、グリオキシル酸の配合量を低減することができるとともに、酸性条件を緩和した場合であっても十分な縮毛矯正効果を発揮させることができ、かつ、染色した毛髪の褪色を抑制することができることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を、少なくとも0.0005質量%、および
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが9以下であることを特徴とする、毛髪用組成物(以下、「第2の毛髪用組成物」ともいう)を提供する。
(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を、少なくとも0.0005質量%、および
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが9以下であることを特徴とする、毛髪用組成物(以下、「第2の毛髪用組成物」ともいう)を提供する。
本発明に係る第1の毛髪用組成物は、上記構成とすることにより、グリオキシル酸の毛髪への浸透量および毛髪表面での残存量が増加することに起因して、毛髪や頭皮のpHに近いpH範囲において、クセ毛や縮毛に対して高い毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を発揮することができる。また、従来の毛髪処理剤に比して優れた矯正維持効果を有する。本発明に係る毛髪用組成物は、毛髪や頭皮に近いpH条件下で十分な毛髪矯正効果を実現できるため、毛髪や頭皮に対して低刺激であり、安全性に優れ、当該毛髪用組成物使用後の毛髪の質感も良好である。
本発明の第2の毛髪用組成物は、上記構成とすることにより、クセ毛や縮毛に対して十分な毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を発揮しながら、染色した毛髪の褪色を抑制することができる。
本発明の第2の毛髪用組成物は、上記構成とすることにより、クセ毛や縮毛に対して十分な毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を発揮しながら、染色した毛髪の褪色を抑制することができる。
本発明に係る毛髪用組成物は、(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種と、(B)(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分とを含むことを特徴とする。以下、本発明の組成物を構成する各成分について詳述する。
[第1の毛髪用組成物]
本発明に係る第1の毛髪用組成物は、(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種と、(B)(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分とを含み、pHが4以下であることを特徴とする。
本発明に係る第1の毛髪用組成物は、(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種と、(B)(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分とを含み、pHが4以下であることを特徴とする。
<(A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種>
本発明の(A)成分は、グリオキシル酸、グリオキシル酸の水和物、およびグリオキシル酸の塩から選択される1種以上である。
グリオキシル酸は、下記式で表される、1分子の中にアルデヒド基とカルボキシル基を有するカルボン酸の一種である。本発明のグリオキシル酸としては、化粧品や医薬部外品に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。
本発明の(A)成分は、グリオキシル酸、グリオキシル酸の水和物、およびグリオキシル酸の塩から選択される1種以上である。
グリオキシル酸は、下記式で表される、1分子の中にアルデヒド基とカルボキシル基を有するカルボン酸の一種である。本発明のグリオキシル酸としては、化粧品や医薬部外品に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。
グリオキシル酸水和物の例としては、グリオキシル酸一水和物が挙げられる。
グリオキシル酸塩の例としては、グリオキシル酸アルカリ金属塩、グリオキシル酸アルカリ土類金属塩、グリオキシル酸第三級または第四級アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
グリオキシル酸塩の例としては、グリオキシル酸アルカリ金属塩、グリオキシル酸アルカリ土類金属塩、グリオキシル酸第三級または第四級アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
本発明の第1の毛髪用組成物における(A)成分の配合量は、通常毛髪用組成物に一般的に配合される量であれば限定されないが、十分な矯正効果を得る観点から、グリオキシル酸の純分換算で、本発明の組成物全量に対して、下限値が0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.5質量%、0.8質量%あるいは1質量%以上であることが好ましく、上限値が20質量%、15質量%、10質量%、8質量%あるいは5質量%であることが好ましい。よって、好ましい配合量範囲として0.1~20質量%、0.5~15質量%、0.8~10質量%、1~8質量%等が挙げられる。配合量が少なすぎると毛髪の十分な矯正効果を得ることができず、一方、20質量%を超えて配合しても配合量に見合った毛髪矯正効果の向上は期待できない。
<(B)(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分>
本発明の(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)は、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)は、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種である。
グリコール酸(別名ヒドロキシ酢酸)は、αヒドロキシ酸の一つであり、化粧品や医薬部外品に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。市販品の例としては、グリピュア99(デュポン社製)が挙げられる。
キシリトールは、糖アルコールの一種であり、化粧品や医薬部外品に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。市販品の例としては、キシリトールC(ダニスコジャパン社製)が挙げられる。
アデノシン類には、アデノシン、アデノシン5’-リン酸およびアデノシン5’-リン酸の塩等が含まれる。アデノシン(6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-9H-プリン)は、リボヌクレオシドの一つで塩基部分にプリン誘導体であるアデニンを含むものであり、例えば、RNAを加水分解することによって得ることができ、化粧品や医薬部外品に一般的に用いられるものであれば特に限定されずに用いることができる。
アデノシン5’-リン酸は5’-アデニル酸とも呼ばれ、アデノシンのリボースの5’位のヒドロキシル基にリン酸が1分子結合したヌクレオチドである。アデノシン5’-リン酸の塩において、塩を形成する対イオンとしては、酸と対イオンを形成する物質であればいずれの物質でもよく、例えばナトリウム,カリウム,カルシウム等を挙げることができる。また、アデノシン5’-リン酸の塩としては、その水和物を使用することもできる。
アデノシンの市販品の例としては、アデノシン(ヤマサ醤油社製)が挙げられる。
アデノシン5’-リン酸は5’-アデニル酸とも呼ばれ、アデノシンのリボースの5’位のヒドロキシル基にリン酸が1分子結合したヌクレオチドである。アデノシン5’-リン酸の塩において、塩を形成する対イオンとしては、酸と対イオンを形成する物質であればいずれの物質でもよく、例えばナトリウム,カリウム,カルシウム等を挙げることができる。また、アデノシン5’-リン酸の塩としては、その水和物を使用することもできる。
アデノシンの市販品の例としては、アデノシン(ヤマサ醤油社製)が挙げられる。
本発明の第1の毛髪用組成物における(B)成分の配合量は、通常毛髪用組成物に一般的に配合される量であれば良い。例として、本発明の組成物全量に対して、0.1~10質量%、0.3~7質量%、0.5~5質量%、または0.75~3質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%未満ではグリオキシル酸の浸透促進効果を十分に得ることができず、一方、10質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果の向上は期待できない。
本発明の第1の毛髪用組成物では、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比率(質量比)を、(A)成分:(B)成分が10:1~1:10の範囲となるように配合することが好ましい。また、十分な矯正効果および矯正維持効果を得る観点から、当該配合比率を6:1~1:6、さらには6:1~1:1の範囲とすることが好ましい。
本発明においては、前記(A)成分と前記(B)成分を組み合わせることによりグリオキシル酸の毛髪への浸透量および毛髪表面での残存量が増加することに起因して、高い毛髪矯正効果(毛髪伸長効果)を得ることができる。また、本発明においては、前記(A)成分と前記(B)成分を組み合わせることにより、従来の毛髪処理剤に比して、向上した毛髪矯正維持効果を奏する。ここで、「毛髪矯正効果」とはクセ毛(うねりぐせを含む)および縮毛に対する当該毛髪用組成物処理直後の毛髪伸長効果を指し、「毛髪矯正維持効果」とは、当該毛髪用組成物処理後に例えば洗髪を複数回行った後に残存する毛髪伸長効果を指す。
<pH>
本発明の第1の毛髪用組成物は、pHを4.0以下とすることが必要である。pHが4.0を超えると、毛髪の十分な矯正効果を得ることができない。また、当該pHを1.5~4.0、好ましくは2.0~3.8、さらに好ましくは2.2~3.6の範囲、より好ましくは2.4~3.5の範囲、特に好ましくは2.5~3.3の範囲とすることにより、施術後の毛髪の使用感触が良好であり、かつ、矯正効果が高い組成物を得ることができる。
本発明の第1の毛髪用組成物は、pHを4.0以下とすることが必要である。pHが4.0を超えると、毛髪の十分な矯正効果を得ることができない。また、当該pHを1.5~4.0、好ましくは2.0~3.8、さらに好ましくは2.2~3.6の範囲、より好ましくは2.4~3.5の範囲、特に好ましくは2.5~3.3の範囲とすることにより、施術後の毛髪の使用感触が良好であり、かつ、矯正効果が高い組成物を得ることができる。
[第2の毛髪用組成物]
本発明の第2の毛髪用組成物における(A)成分の配合量は、グリオキシル酸の純分換算で、本発明の組成物全量に対して、下限値が0.0005質量%、0.0008質量%あるいは0.001質量%であることが好ましく、上限値が0.4質量%、0.2質量%、0.1質量%あるいは0.08質量%であることが好ましい。よって、好ましい配合量範囲として0.0005~0.4質量%、0.0008~0.1質量%、0.001~0.08質量%等が挙げられる。配合量が0.0005質量%未満であると毛髪の十分な矯正効果を得ることができず、一方、0.4質量%を超えて配合すると染色した毛髪に対する褪色の影響が大きくなる場合がある。
本発明の第2の毛髪用組成物における(A)成分の配合量は、グリオキシル酸の純分換算で、本発明の組成物全量に対して、下限値が0.0005質量%、0.0008質量%あるいは0.001質量%であることが好ましく、上限値が0.4質量%、0.2質量%、0.1質量%あるいは0.08質量%であることが好ましい。よって、好ましい配合量範囲として0.0005~0.4質量%、0.0008~0.1質量%、0.001~0.08質量%等が挙げられる。配合量が0.0005質量%未満であると毛髪の十分な矯正効果を得ることができず、一方、0.4質量%を超えて配合すると染色した毛髪に対する褪色の影響が大きくなる場合がある。
本発明の第2の毛髪用組成物における(B)成分の配合量は、本発明の組成物全量に対して、0.005~3.0質量%、0.01~2.0質量%、または0.015~1.5質量%であることが好ましい。配合量が0.005質量%未満ではグリオキシル酸の浸透促進効果を十分に得ることができず、一方、3.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果の向上は期待できない。
本発明の第2の毛髪用組成物では、縮毛矯正効果と染色毛髪褪色抑制効果とを得る観点から、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比率(質量比)を、(A)成分:(B)成分が1:1~1:30の範囲となるように配合することが好ましい。また、縮毛矯正効果と染色毛髪褪色抑制効果を最大限得る観点から、当該配合比率を1:1~1:20、さらには1:1~1:15の範囲とすることが好ましい。
本発明の第2の毛髪用組成物は、縮毛矯正効果と染色毛髪褪色抑制効果とを得る観点から、pHを9.0以下とすることが好ましい。また、当該pHを3.0~9.0の範囲とすることにより、縮毛矯正効果と染色毛髪褪色抑制効果を最大限得ることができる。
毛髪用組成物のpHを上記範囲に調整するためのアルカリ剤としては、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。
本発明に係る毛髪用組成物は、上記(A)および(B)成分以外にも、通常毛髪処理剤、毛髪化粧料、化粧品および医薬品等に用いられる他の任意添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。このような成分として以下の成分が挙げられる。
任意添加成分として、例えば、増粘剤を配合することにより、毛髪用組成物が垂れ落ちにくくなるなど使用性をさらに向上することができる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、トラガントガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、カゼインナトリウム、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、グアガム、キサンタンガム等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、トラガントガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、カゼインナトリウム、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、グアガム、キサンタンガム等が挙げられる。
増粘剤を配合する場合には、例えば、毛髪用組成物の粘度が2000~5000mPa・sとなるように配合量を調節するのが好ましい。ここで前記粘度は、25℃でB型粘度計により測定される値であり、より具体的には、VDA型粘度計(DIGITAL VISMETRON VDA、芝浦システム社製)、ローターNo.1、ローターNo.2またはローターNo.3、回転数12rpm、1分間の条件で測定される値である。
また、任意添加成分として、多価アルコールを配合することにより、使用性をさらに向上することができる。
多価アルコールとしては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
さらに、任意添加成分として、油分を配合することにより、本発明の毛髪用組成物処理後の毛髪の質感をさらに向上することができる。
油分としては、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル等の極性油、ミネラルオイル、水添ポリイソブテン、シリコーンオイル等の非極性油が挙げられる。
油分としては、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル等の極性油、ミネラルオイル、水添ポリイソブテン、シリコーンオイル等の非極性油が挙げられる。
その他の任意添加成分としては、カチオン界面活性剤、高級アルコール、高分子ポリマー、香料、pH調整剤(上記のアルカリ剤以外)、水等を含有することができる。
本発明に係る毛髪用組成物の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。
本発明に係る毛髪用組成物は、通常毛髪用組成物に用いられる一般的な方法で製造することができる。
本発明に係る毛髪用組成物は、通常毛髪用組成物に用いられる一般的な方法で製造することができる。
本発明に係る第1の毛髪用組成物は、クセ毛や縮毛を伸長するための毛髪処理剤または縮毛矯正剤、うねりくせを改善する効果を有するコンディショナーおよびトリートメント等の毛髪化粧料等として調製されるのに適している。
また、本発明に係る第2の毛髪用組成物は、染色した毛髪のクセ毛や縮毛を伸長するための毛髪処理剤または縮毛矯正剤、染色した毛髪のうねりくせを改善する効果を有するコンディショナーおよびトリートメント等の毛髪化粧料等として調製されるのに適する。
また、本発明に係る第2の毛髪用組成物は、染色した毛髪のクセ毛や縮毛を伸長するための毛髪処理剤または縮毛矯正剤、染色した毛髪のうねりくせを改善する効果を有するコンディショナーおよびトリートメント等の毛髪化粧料等として調製されるのに適する。
本発明に係る毛髪用組成物を毛髪処理剤として用いる場合には、以下のような(1)~(5)の工程を含む使用方法に従って毛髪に施術することにより、クセ毛や縮毛を矯正し、伸長することができる。
(1)本発明に係る毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程。
(2)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤を毛髪に十分に作用させる工程。
任意で、(3)毛髪を水洗して毛髪処理剤を洗い流す工程。
(4)毛髪を乾燥させる工程。
(5)整髪用アイロンで毛髪を矯正する工程。
(1)本発明に係る毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程。
(2)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤を毛髪に十分に作用させる工程。
任意で、(3)毛髪を水洗して毛髪処理剤を洗い流す工程。
(4)毛髪を乾燥させる工程。
(5)整髪用アイロンで毛髪を矯正する工程。
(1)塗布工程
本発明に係る毛髪処理剤は、シャンプー前のドライ毛に適用することも可能であるが、毛髪処理剤が毛髪に浸透しやすいことから、シャンプーで予め洗浄し水分を切ったウェット毛や、付着した水分をタオルで取り除いたタオルドライ毛に適用することが好ましい。
(2)放置工程
毛髪処理剤の塗布後、室温(約25℃)にて5~30分間、より好ましくは10~20分間放置し、毛髪処理剤を毛髪に作用させる。放置時間が5分間未満では、毛髪の十分な伸長効果を得ることができず、一方、放置時間が30分間を超えても、放置時間に見合った毛髪矯正効果のさらなる向上は期待できない。
本発明に係る毛髪処理剤は、シャンプー前のドライ毛に適用することも可能であるが、毛髪処理剤が毛髪に浸透しやすいことから、シャンプーで予め洗浄し水分を切ったウェット毛や、付着した水分をタオルで取り除いたタオルドライ毛に適用することが好ましい。
(2)放置工程
毛髪処理剤の塗布後、室温(約25℃)にて5~30分間、より好ましくは10~20分間放置し、毛髪処理剤を毛髪に作用させる。放置時間が5分間未満では、毛髪の十分な伸長効果を得ることができず、一方、放置時間が30分間を超えても、放置時間に見合った毛髪矯正効果のさらなる向上は期待できない。
(3)水洗工程
毛髪を水またはぬるま湯ですすぎ、毛髪処理剤を毛髪から洗い流す。毛髪から毛髪処理剤を洗い流すことにより、その後の毛髪の乾燥や、取り扱いが容易になる。
(4)乾燥工程
水分をタオルで拭き取った後に、ヘアドライヤーで乾燥させる。
(5)アイロン工程
140~200℃、好ましくは約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力および熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばす。
毛髪を水またはぬるま湯ですすぎ、毛髪処理剤を毛髪から洗い流す。毛髪から毛髪処理剤を洗い流すことにより、その後の毛髪の乾燥や、取り扱いが容易になる。
(4)乾燥工程
水分をタオルで拭き取った後に、ヘアドライヤーで乾燥させる。
(5)アイロン工程
140~200℃、好ましくは約180℃に熱した整髪用アイロンで毛髪に機械力および熱を加えながら毛髪をストレート状に伸ばす。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
1.グリオキシル酸の毛髪への浸透量および毛髪表面での残存量の測定
洗浄済み毛髪40mgを試験管に入れ、下記表1に示す試料1~5の各溶液10mlに漬け、室温に10分間置いた。その後、水分を拭き取り、アセトン3mlを添加した後、20分間超音波を与えてグリオキシル酸を抽出した。抽出したグリオキシル酸は、TSKgel Amide-80カラム(粒子径3μm、サイズ2.0mmI.D×5cm、TSK社製)を用いて、液体クロマトグラフ質量分析計(アジレント6450三連四重液体クロマトグラフィ質量分析システム、アジレント・テクノロジー社製)にて測定した。測定は、各試料について各々3回行い、平均して得た値を各試料の測定値とした。
洗浄済み毛髪40mgを試験管に入れ、下記表1に示す試料1~5の各溶液10mlに漬け、室温に10分間置いた。その後、水分を拭き取り、アセトン3mlを添加した後、20分間超音波を与えてグリオキシル酸を抽出した。抽出したグリオキシル酸は、TSKgel Amide-80カラム(粒子径3μm、サイズ2.0mmI.D×5cm、TSK社製)を用いて、液体クロマトグラフ質量分析計(アジレント6450三連四重液体クロマトグラフィ質量分析システム、アジレント・テクノロジー社製)にて測定した。測定は、各試料について各々3回行い、平均して得た値を各試料の測定値とした。
結果を図1のグラフに示す。グリオキシル酸単独溶液(試料1)あるいは、特許文献2に記載のグリオキシル酸とグルコノラクトンの混合溶液(試料2)に比して、グリオキシル酸とグリコール酸の混合溶液(試料3)、グリオキシル酸とキシリトールの混合溶液(試料4)およびグリオキシル酸とアデノシンの混合溶液(試料5)では、毛髪へのグリオキシル酸の浸透量および毛髪表面での残存量が顕著に増加したことが示された。
2.毛髪矯正効果および矯正維持効果の評価
本発明に係る毛髪用組成物(第1または第2)を調製し、矯正施術直後の毛髪矯正効果(矯正効果)と、矯正施術後に水洗を複数回行った後に残存する矯正効果(矯正維持効果)について評価した。それぞれの矯正効果の測定方法と評価方法について以下に詳述する。
本発明に係る毛髪用組成物(第1または第2)を調製し、矯正施術直後の毛髪矯正効果(矯正効果)と、矯正施術後に水洗を複数回行った後に残存する矯正効果(矯正維持効果)について評価した。それぞれの矯正効果の測定方法と評価方法について以下に詳述する。
(1)矯正効果
矯正施術直後の毛髪矯正効果を以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
波状に縮れたインド人毛(同一人)の毛束から、全長約25cm(ただし、伸ばさずに自然の状態で測定)、重さ0.5gの毛束を調製した。この毛束をストランドシャンプー(4.7質量%のラウレス硫酸TEAおよび11.1質量%のラウレス硫酸Naを含むシャンプー剤)にて洗浄した後、実施例または比較例の各組成物を0.5g塗布し、室温で5分間放置後、タオルドライ後にドライヤー乾燥し、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いてストレート状に伸長した。室温で30分放置後、1分間水洗し、自然乾燥して、縮毛矯正処理とした。なお、実施例1~8および比較例1~5に用いた毛束については、前記縮毛矯正処理を1回施した後、実施例9~13および比較例6~8に用いた毛束については、前記縮毛矯正処理を5回繰り返して施した後に、矯正効果の評価を行った。
矯正施術直後の毛髪矯正効果を以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
波状に縮れたインド人毛(同一人)の毛束から、全長約25cm(ただし、伸ばさずに自然の状態で測定)、重さ0.5gの毛束を調製した。この毛束をストランドシャンプー(4.7質量%のラウレス硫酸TEAおよび11.1質量%のラウレス硫酸Naを含むシャンプー剤)にて洗浄した後、実施例または比較例の各組成物を0.5g塗布し、室温で5分間放置後、タオルドライ後にドライヤー乾燥し、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いてストレート状に伸長した。室温で30分放置後、1分間水洗し、自然乾燥して、縮毛矯正処理とした。なお、実施例1~8および比較例1~5に用いた毛束については、前記縮毛矯正処理を1回施した後、実施例9~13および比較例6~8に用いた毛束については、前記縮毛矯正処理を5回繰り返して施した後に、矯正効果の評価を行った。
(ロ)評価方法
前記縮毛矯正処後の毛束の一端をパネルに固定して垂らし、全長を測定し、下記の式により、縮毛矯正率を求めた。
縮毛矯正率=(b-a)/(c-a)
a:縮毛矯正処理前の毛束の自然状態での全長(mm)
b:縮毛矯正処理後の毛束の全長(mm)
c:高温整髪用アイロンによりストレート状に伸長したときの毛束の全長(mm)
(ハ)評価基準
A+:縮毛矯正率80%以上
A:縮毛矯正率70%以上かつ80%未満
B:縮毛矯正率60%以上かつ70%未満
C:縮毛矯正率60%未満
前記縮毛矯正処後の毛束の一端をパネルに固定して垂らし、全長を測定し、下記の式により、縮毛矯正率を求めた。
縮毛矯正率=(b-a)/(c-a)
a:縮毛矯正処理前の毛束の自然状態での全長(mm)
b:縮毛矯正処理後の毛束の全長(mm)
c:高温整髪用アイロンによりストレート状に伸長したときの毛束の全長(mm)
(ハ)評価基準
A+:縮毛矯正率80%以上
A:縮毛矯正率70%以上かつ80%未満
B:縮毛矯正率60%以上かつ70%未満
C:縮毛矯正率60%未満
(2)矯正維持効果
矯正施術後に複数回の洗髪を行った後に残存する毛髪矯正効果を以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
前記縮毛矯正処理を施した毛束に対して、ストランドシャンプーで洗浄した後自然乾燥する工程を10回繰り返した。
矯正施術後に複数回の洗髪を行った後に残存する毛髪矯正効果を以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
前記縮毛矯正処理を施した毛束に対して、ストランドシャンプーで洗浄した後自然乾燥する工程を10回繰り返した。
(ロ)評価方法
前記洗髪10回後の毛束の一端をパネルに固定して垂らし、全長を測定し、下記の式により、縮毛矯正率を求めた。
縮毛矯正率=(b-a)/(c-a)
a:縮毛矯正処理前の毛束の自然状態での全長(mm)
b:縮毛矯正処理後に洗髪を10回行った後の毛束の全長(mm)
c:高温整髪用アイロンによりストレート状に伸長したときの毛束の全長(mm)
(ハ)評価基準
A+:洗髪10回後の縮毛矯正率80%以上
A:洗髪10回後の縮毛矯正率70%以上かつ80%未満
B:洗髪10回後の縮毛矯正率60%以上かつ70%未満
C:洗髪10回後の縮毛矯正率60%未満
前記洗髪10回後の毛束の一端をパネルに固定して垂らし、全長を測定し、下記の式により、縮毛矯正率を求めた。
縮毛矯正率=(b-a)/(c-a)
a:縮毛矯正処理前の毛束の自然状態での全長(mm)
b:縮毛矯正処理後に洗髪を10回行った後の毛束の全長(mm)
c:高温整髪用アイロンによりストレート状に伸長したときの毛束の全長(mm)
(ハ)評価基準
A+:洗髪10回後の縮毛矯正率80%以上
A:洗髪10回後の縮毛矯正率70%以上かつ80%未満
B:洗髪10回後の縮毛矯正率60%以上かつ70%未満
C:洗髪10回後の縮毛矯正率60%未満
(3)褪色試験
縮毛矯正処理により生じるヘアカラーの褪色の度合いを以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
ヘアカラー毛、矯正処理毛およびコントロール処理毛の調製
全長10cm、重さ2gの白髪毛束を、ストランドシャンプーにて洗浄した後、市販の酸化染毛剤(ブラウン系)を使用し、規定の方法で白髪毛束を染色した。具体的には、白髪毛束に酸化染色剤を0.5g塗布し、25℃で30分間放置し、その後、ストランドシャンプーで洗浄し、風乾させた。このように調製した毛束をヘアカラー毛とした。
調製したヘアカラー毛に、実施例または比較例の各組成物を0.5g塗布し、室温で5分間放置後、タオルドライ後にドライヤー乾燥し、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いて毛束を3回ストレート状に伸長して、縮毛矯正処理を施した。この縮毛矯正処理を1~5回繰り返し施した毛束を矯正処理毛とした。
一方、調製したヘアカラー毛を、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いて3回ストレート状に伸長した。このアイロン処理のみを1~5回繰り返し施した毛束を、前記縮毛矯正処理を1~5回繰り返した矯正処理毛に対する各回のコントロール処理毛とした。
縮毛矯正処理により生じるヘアカラーの褪色の度合いを以下の方法により評価した。
(イ)実験方法
ヘアカラー毛、矯正処理毛およびコントロール処理毛の調製
全長10cm、重さ2gの白髪毛束を、ストランドシャンプーにて洗浄した後、市販の酸化染毛剤(ブラウン系)を使用し、規定の方法で白髪毛束を染色した。具体的には、白髪毛束に酸化染色剤を0.5g塗布し、25℃で30分間放置し、その後、ストランドシャンプーで洗浄し、風乾させた。このように調製した毛束をヘアカラー毛とした。
調製したヘアカラー毛に、実施例または比較例の各組成物を0.5g塗布し、室温で5分間放置後、タオルドライ後にドライヤー乾燥し、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いて毛束を3回ストレート状に伸長して、縮毛矯正処理を施した。この縮毛矯正処理を1~5回繰り返し施した毛束を矯正処理毛とした。
一方、調製したヘアカラー毛を、180℃に設定した高温整髪用アイロンを用いて3回ストレート状に伸長した。このアイロン処理のみを1~5回繰り返し施した毛束を、前記縮毛矯正処理を1~5回繰り返した矯正処理毛に対する各回のコントロール処理毛とした。
(ロ)評価方法
褪色度合いを示す色差(ΔE*ab)の測定
分光測色計(CM-3600d、コニカミノルタ社製)を用いて各毛束の色相(a*1、b*1)および明度(L*1)を測定した。まず、ヘアカラー毛の色相および明度を測定し、次いでコントロール処理毛、矯正処理毛の色相および明度を測定した。得られた測定結果を以下の式1に導入して色差(ΔE*ab)を算出した。
(ハ)評価基準
ヘアカラー毛の色相と明度を基準値とし、コントロール処理毛の色差(△E)および矯正処理毛の色差(△E)をそれぞれ算出し、2つの値の差(コントロール処理毛の色差値-矯正処理毛の色差値)に基づいて、縮毛矯正処理によるヘアカラー毛の褪色への影響を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+3未満
B:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+3以上かつ+5未満
C:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+5以上
褪色度合いを示す色差(ΔE*ab)の測定
分光測色計(CM-3600d、コニカミノルタ社製)を用いて各毛束の色相(a*1、b*1)および明度(L*1)を測定した。まず、ヘアカラー毛の色相および明度を測定し、次いでコントロール処理毛、矯正処理毛の色相および明度を測定した。得られた測定結果を以下の式1に導入して色差(ΔE*ab)を算出した。
ヘアカラー毛の色相と明度を基準値とし、コントロール処理毛の色差(△E)および矯正処理毛の色差(△E)をそれぞれ算出し、2つの値の差(コントロール処理毛の色差値-矯正処理毛の色差値)に基づいて、縮毛矯正処理によるヘアカラー毛の褪色への影響を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+3未満
B:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+3以上かつ+5未満
C:矯正処理毛の色差がコントロール処理毛の色差の+5以上
<実施例1~8および比較例1~5>
下記の表2に掲げた組成を有する第1の毛髪用組成物を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。各組成物についての毛髪矯正効果および毛髪矯正維持効果の評価結果を併せて表に示す。
下記の表2に掲げた組成を有する第1の毛髪用組成物を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。各組成物についての毛髪矯正効果および毛髪矯正維持効果の評価結果を併せて表に示す。
表2のL-グルタミン酸、ヒドロキシエチルウレアは、毛髪用組成物に配合されることが多い成分であり、グルコノラクトンは特許文献2においてグリオキシル酸と組み合わせることによってpH2.0~3.8の範囲で高い毛髪矯正効果が得られることが記載されている成分である。
表2に示されるように、グリオキシル酸のみを配合する比較例1、グリオキシル酸とL-グルタミン酸を含む比較例2、グリオキシル酸とヒドロキシエチルウレアを含む比較例3の組成物はいずれも、十分な矯正効果が見られず、洗髪10回後の矯正維持効果も劣っていた。また、グリオキシル酸とグルコノラクトンを含む比較例4および5の組成物は、十分な矯正効果が得られたが、洗髪10回後の矯正維持効果についてはいずれの組成物でも劣っていた。
一方、グリオキシル酸とキシリトール、アデノシンまたはグリコール酸を含む実施例1~8の組成物では、十分な矯正効果が得られ、洗髪を繰り返した後であっても矯正効果が保たれており、十分な矯正維持効果もあった。また、実施例7および8の組成物により示されるように、グリオキシル酸の配合量が1質量%であっても、十分な矯正効果が得られた。
一方、グリオキシル酸とキシリトール、アデノシンまたはグリコール酸を含む実施例1~8の組成物では、十分な矯正効果が得られ、洗髪を繰り返した後であっても矯正効果が保たれており、十分な矯正維持効果もあった。また、実施例7および8の組成物により示されるように、グリオキシル酸の配合量が1質量%であっても、十分な矯正効果が得られた。
<実施例9~13および比較例6~8>
下記の表3に掲げた組成を有する第2の毛髪用組成物を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。各組成物についての毛髪矯正効果、毛髪矯正維持効果および褪色試験の評価結果を併せて表に示す。
下記の表3に掲げた組成を有する第2の毛髪用組成物を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。各組成物についての毛髪矯正効果、毛髪矯正維持効果および褪色試験の評価結果を併せて表に示す。
本発明の(B)成分を含まず、pHを3.0とした比較例6の組成物では、矯正維持効果が低く、縮毛矯正処理を2回以上施した場合にヘアカラーが著しく褪色した。また、本発明の(B)成分を含まず、pHを9.0とした比較例7の組成物では、比較例6ほどの褪色は見られなかったが、矯正効果および矯正維持効果がともに劣っていた。この比較例6および比較例7の結果は、グリオキシル酸が低いpHにおいて高い矯正効果を発揮することを反映していると思われる。また、グリオキシル酸の配合量を0.001質量%とした比較例8の組成物では、ヘアカラーの褪色は見られないものの、低いpHであっても矯正効果および矯正維持効果が共に劣っていた。
少ない量のグリオキシル酸を本発明の(B)成分とともに配合した実施例9~13の組成物はいずれも、矯正効果および矯正維持効果に優れると同時に、ヘアカラーの褪色を十分に抑制した。実施例9と比較例8との比較から明らかなように、本発明の(B)成分を配合することによって、グリオキシル酸の配合量が少ないにもかかわらず十分な矯正効果および矯正維持効果が発揮され、かつヘアカラーの褪色抑制の効果があることがわかる。また、本発明の(B)成分を配合することにより、pH9.0の条件下でも十分な矯正効果および矯正維持効果とヘアカラーの褪色抑制効果がある組成物が得られた(実施例12および実施例13)。
Claims (6)
- (A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を少なくとも0.1質量%、および、
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが4.0以下であることを特徴とする、毛髪用組成物。 - さらにアルカリ剤を含み、pHが2.0~3.8である、請求項1に記載の毛髪用組成物。
- 前記(A)成分と前記(B)成分の配合比率(質量比)が、(A):(B)=6:1~1:6である、請求項1または2に記載の毛髪用組成物。
- 前記(A)成分の配合量が、組成物全量に対して0.8~10質量%である、請求項1に記載の毛髪用組成物。
- (A)グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、およびグリオキシル酸塩から選択される少なくとも1種を、少なくとも0.0005質量%、および
(B)前記(A)成分の毛髪への浸透を促進する成分、
を含有し、
前記(B)浸透を促進する成分が、グリコール酸、キシリトール、およびアデノシン類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
pHが9.0以下であることを特徴とする、毛髪用組成物。 - 前記(A)成分と前記(B)成分の配合比率(質量比)が、(A):(B)=1:1~1:30の範囲である、請求項5に記載の毛髪用組成物。
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