JP2023001056A - バルブ機構 - Google Patents

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【課題】簡易な構造によって、流路を通過している流動体に関わらず、確実な流路の閉塞を行うための手段を提供する。【解決手段】流動体を通過させる流路に配設されるバルブ機構において、上記流路の横断面の断面積を縮小可能に構成されるバルブ体を有し、上記バルブ体は、内部に流体を貯留することで膨張し、上記流路の少なくとも一部を遮る。【選択図】図1

Description

本発明は、流動体を流通させる流路の開閉を行うバルブ機構に関するものである。
一般的に流体や粉粒体等の流動体を移動させる流路には、流動体の移動量の調整又は移動を止めるためのバルブ機構が設けられている。
例えば、貯留槽内の穀粒を乾燥させる穀物乾燥機において、貯留槽内の穀粒を貯留槽の中央部の開口から横送スクリューに落下させ、乾燥機の中央から外周方向に搬送して横送スクリューの終端に配した揚穀スロワーによって揚穀しているものが知られ(例えば特許文献1参照)、貯留槽と横送スクリューとの間にスライドシャッタが配設されて、貯留槽から落下して排出される穀粒の排出量の調整等を行っている。
また、雨水貯留設備においては、雨水貯留槽にバルブ機構付きの排水管が設けられ、貯留された雨水の水位に応じてバルブ機構を開放することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、一般的に生コンクリートを混錬する混錬装置が利用されており、生コンクリートの排出口には排出シャッタが設けられており、生コンクリートを混錬しているときは排出シャッタを閉塞状態にして生コンクリートを排出するときには、排出シャッタを開放状態にしている。
特開2011-085345号公報 特開2009-185496号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたスライドシャッタや特許文献2に記載されたバルブは、流路の開閉箇所に所定以上の大きさのゴミ等の異物に引っ掛かると流路を閉じることができなくなるという問題がある。また、異物に引っ掛かったまま、無理に流路を閉じようとシャッタ又はバルブを動作させてしまうと、シャッタ又はバルブが変形又は破損してバルブ機構の故障によって流路が閉じられなくなるという問題がある。特に、生コンクリート等の如く流動体の内容構成物が液体や粉体、砂状物、粗骨材等の固形物を含んでいる複合体によって構成される対象を扱っている場合、粗骨材等の不定形で堅固な固形物がシャッタによる閉塞を阻害し易いという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、流路を通過している流動体の種類や性能、形態に関わらず、確実に流路を閉塞するための手段を提供することを目的とする。
本発明のバルブ機構は、流動体を通過させる流路に配設されるバルブ機構において、上記流路の横断面の断面積を縮小可能に構成されるバルブ体を有し、上記バルブ体は、内部に流体を貯留することで膨張し、上記流路の少なくとも一部を遮ることを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体が流路に対する全開状態と全閉状態との間で遷移することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体の内部に流体を供給する供給部と、バルブ体の内部から流体を排出する排出部と、を具え、バルブ体は、排出部によって流体を排出することで、収縮して流路を開放することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、排出部がバルブ体内部から流体を吸引することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体が可撓性を有して袋状であることを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体が中央部に流路が通過する開口を有する無端形状を有し、収縮状態のとき、開口を作出して前記流動体を通過させ、膨張状態のとき、開口を閉塞して流路を閉塞することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、流動体を挟んで対向するようにバルブ体を複数配し、複数のバルブ体が膨張することで、流路の横断面の断面積を縮小させ、複数の前記バルブ体同士が直接的に又は間接的に接触することで、流路を閉塞することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、流動体が不定形の固形物を含むことを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、供給部からバルブ体に供給される流体、及び/又は排出部によって排出される流体が通過する通路を具えることを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、流動体を通過させる流路としての可撓性を有する流路管を有し、バルブ体は、流路管の周囲に配し、膨張状態のとき流路管を押圧して閉塞することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、流路管を挟んで複数のバルブ体を配し、膨張状態のとき、複数のバルブ体によって流路管を挟んで閉塞することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、流路管を囲繞する流路保護管を有し、流路保護管は流動体による流路管の膨張を規制し得ることを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体の横断面形状が略扇形状を有し、その弧形状部分によって流路管を押圧することを特徴とする。
また、本発明のバルブ機構は、バルブ体がバルブ体ハウジング内に配設されて膨張の形態が制御されることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造によって流路を通過している流動体に関わらず、確実な流路の閉塞を行うことができる。
本実施形態のバルブ機構を示す図である。 バルブ体の形状を示す図である。 変動的慣性力作用装置を示す図である。 流動体に変動的な慣性力を与える方向を説明するための概略図である。 気泡微細化の第一のメカニズムを模式的に表した図である。 気泡微細化の第二のメカニズムを模式的に表した図である。 気泡微細化の第三のメカニズムを模式的に表した図である。 変動部の一例を示す図である。 変動的慣性力作用装置の配設例を示す図である。 バルブ体の膨張・収縮による排出口の開閉を示し、(a)は収縮状態の断面図、(b)は膨張状態の断面図、(c)は固形物に沿って変形している閉塞状態の断面図である。 二つのバルブ体を有するバルブ機構を示す概略構成図である。 バルブ体の膨張状態を示す図である。 三つの扇形形状のバルブ体の配設例を示す図である。 バルブ体の配設例を示す断面図である。 バルブ体の他の例を示す図である。 バルブ体による開閉を示し、(a)は全開状態を示す図、(b)は全閉状態を示す図である。 バルブ機構を示す図である。 他のバルブ機構を示し、(a)は正面図、(b)はA-A断面図である。 バルブ体を示す横断面図である。 バルブ機構のB-B断面図である。 全閉状態のときのバルブ機構を示すB-B断面図である。 流路管を示す断面図である。
以下に本発明のバルブ機構の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態のバルブ機構1の概略構成を示す図であり、バルブ機構1は、膨張状態から収縮状態までの間で形状を遷移させ得るバルブ体2と、給排部4と、バルブ体2及び給排部4に接続される通路6を有する。
バルブ機構1は、流動体の流路等に配設され、バルブ体2を膨張させて成る全閉状態と、バルブ体2を収縮させて成る全開状態との間を遷移可能で、全開状態と全閉状態との間の中間状態の適宜の開口量によって流動体の流量を制御する。
バルブ体2は、流動体の流路の横断面の断面積を縮小可能に構成される。具体的にバルブ体2は、可撓性及び/又は伸縮性及び強靭性を有する、ゴム材、樹脂材又はこれらを混合させた材料或いはカーボンやその他の繊維等で強化を図った材料等で形成される。また、給排部4から供給される気体(流体)が溜まり得る略袋形状を有する。またバルブ体2は、通路6と連通して流体が通過し得る給排口を有しており、給排口を介して流体が流入することで膨張し、給排口を介して流体を排出することで収縮する。
ここでバルブ体2に供給する流体としては、気体、特に空気を用いることを挙げるが、勿論これに限らず、窒素ガスやアルゴンガス或いは水蒸気等の気体でもよくまた水や油などの如くの液体を用いてもよい。
バルブ体2は、耐薬品性や耐傷性、強靭性等に優れた材料で形成することが望ましく。例えば、NBR、水素添加NBR、NBR/ポリ塩化ビニル(PVC)のブレンド、NBR/エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)のブレンド、NBR/エチレンアクリルゴム(AEM)のブレンド、NBR/アクリルゴム(ACM)のブレンド、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、及びACMのうち1種のゴム又は2種以上を組み合わせたブレンドゴム等で構成し得る。勿論、これらのゴムに対してカーボン繊維等の強化材を付加して高強度化、高耐久化を図ってもよいことは言うまでもない。
バルブ体2の形状は、例えば、図2に示すように収縮状態のとき、中央部が開口している環状(図2(a)参照)を成し、膨張状態において、径方向内側に膨らんで中央部の開口面積が窄まる(図2(b)参照)ように設定し得る。なお、バルブ体2が無端形状の場合、径方向外側に膨らむのを規制するために外周面を囲繞する規制部(不図示)を配してもよい。
なお、バルブ体2は、無端形状に限定されるものではなく、膨張したときに球体状となるもの等であってもよい。
給排部4は、バルブ体2の内部に向かう流体流又はバルブ体2から外部に向かう流体流を切り替え可能に発生させる機能を有する。即ち、給排部4は、流体を排出することで、バルブ体2内に流体を供給するための供給部として機能し、更に本体部2内の流体の吸引することで、バルブ体2外に流体を排出するための排出部として機能する。
このような給排部4は、例えば、正逆回転可能なファン又はスクリュ等を配して成すことが出来、正転方向に回転したときにバルブ体2の内部に向かう流体流を発生させ、逆転方向に回転したときにバルブ体2から外部に向かう流体流を発生させるようにすればよい。勿論、給排部4を実現するための構成は、これに限定するものではないことは言うまでもない。
なお、給排部4は、コンプレッサ、ポンプ、シリンダ/ピストン、アクチュエータ、鞴、インフレー等の駆動源を具え、このような駆動源で流体流を発生させてもよい。
通路6は、バルブ体2と給排部4との間で流体が移動し得るように配設される。即ち、通路6は、バルブ体2の内部空間と連通し、給排部4で発生しバルブ体2に供給される流体及びバルブ体2から排出され給排部4に吸引される流体が通過し得る。
次に本実施形態のバルブ機構1を配した変動的慣性力作用装置100について説明する。図3は変動的慣性力作用装置100を示す図であり、変動的慣性力作用装置100は、流動体に変動的な慣性力を作用させる装置であって、変動部102、及び変動部102を鉛直方向(上下方向)に往復動させ得る慣性力作用機構104、底面部106を有する。変動部102は、後述する流動体を受容する受容部(不図示)を有する。またバルブ機構1は、変動部102における流動体の流路上の適宜の部位(後述する)を閉塞し得るように、変動部102の上部に配される。即ち、バルブ機構1は、バルブ体2が環状である場合、収縮状態であるバルブ体2の中央部開口を排出部に連通させて配する。
慣性力作用機構104は、例えば、駆動部、駆動部の動作を制御する制御部、駆動部と変動部102を接続するリンク部材を有して成る。駆動部は、特に限定するものではなく、電磁式駆動源、モータ、エンジン、アクチュエータ(油圧式、空圧式、液圧式等)或いはこれらの組み合わせ等であって、機械的に変動部102を往復動させるものであればよい。例えば電磁式駆動源であれば、往復動における変動幅、単位時間あたりの変動数、繰り返し変動させる時間又は変動回数の制御を容易に行うことができる。制御部は、流動体に含まれる気泡の状態や経過時間に応じて適宜これらのパラメータを変更可能としてもよい。
流動体に変動的な慣性力を作用させるための変動部102の駆動動作は、駆動部によって作出される動作をそのまま変動部102に伝達してもよい。また駆動部の動作をリンク部材で所定の動作に変換して変動部102に伝達してもよい。例えば、リンク部材は、駆動部と変動部102を直接接続してもよい。駆動部が回転的な動作を出力するものである場合、リンク部材は回転運動を直線的運動に変換する変換機構を含んで構成されて変動部102に接続してもよい。
また慣性力作用機構104は、駆動部の動作を制御的に変更可能、或いはリンク部材で機構的に変更可能とすることで、変動部102の往復動の変動幅を変更し得るように構成してもよい。
底面部106は、変動的な慣性力が作用している流動体を支持する底面であって、流動体が外部に排出されるように形状が設定される。即ち、底面部106は、略錐形状を有し、変動部102から下方に離間して配置される。また底面部106は、側面に開口を有して開口を介して流動体を外部に排出する。
次に、変動的慣性力作用装置100による変動的な慣性力の作用機序について説明する。変動的慣性力作用装置100は、流動体中の気泡を除去するために、変動部102を鉛直方向に往復動させ、受容されている流動体全体に繰り返し慣性力を作用させる。即ち変動的な慣性力を流動体の全体にほぼ均一に行き渡るように作用させる。なお均一に変動的な慣性力を作用させる方法として、鉛直方向に往復動させる他、例えば変動的慣性力作用装置100全体或いは変動部102全体を振動させる方法等がある。
図4は流動体に変動的な慣性力を作用させる方向を説明するための概略図である。ここで変動的慣性力作用装置100は、変動部102内の流動体11に変動的な慣性力を鉛直方向に作用、即ち図4のZ方向に作用させるように設定する。鉛直方向には重力がかかっているため、重力と同方向に変動的な慣性力を作用させることにより、流動体11内において効率的に気泡12を微細化して消失させることができる。また気泡12を鉛直方向上方に移動させて外部に追いやることも可能である。
なお、変動的な慣性力を作用させる方向は、重力と同方向に限定するものではなく、水平方向、即ちXY平面に沿った方向に慣性力を作用させてもよい。更には、鉛直方向及び/又は水平方向に変動的な慣性力を発生させると共に、流動体11全体を鉛直面内回転、又は水平面内回転をするように回転運動を付与してもよい。この場合、流動体11を構成する複数の成分や物体の分離を低減することができる。また流動体11に対する慣性力の印加方法としては、一軸方向に沿った加速の変動によるもののみ成らず、流動体11全体を規制的又は不規則的に回転方向を変動させながら回転させることで変動する遠心力を作用させるように構成してもよい。
ここで、流動体とは、内部に気泡が保持される程度の粘性を有する、液体、粉体や粒体若しくは粉粒体等を有する流動性を示す固体、又は液体と固体の混合物である。流動体は、例えば、シャーベット状、ゼリー状、ペースト状、ゲル状、スラリー状、粘性流体、複数の物体が混合されて成るものやこれらの混合物等である。複数の物体が混合されてなるものにおいては、複数の物体は、それぞれ性状、形状、大小、比重、硬度、存在比等が多様な形態で混合されて成るものであってもよく、或いは均整の取れたものであってもよい。
またペースト状を成す流動体としては、液体と気体との混合系が粉体乃至顆粒状或いは顆粒状より大きな固形物等の形態の固体によって囲繞された形態を成す所謂ペンデュラー状、及び/又は、内部に気泡が存在して成る液体を粉体乃至顆粒状等の形態の固体が囲繞した形態を成す所謂フェニキュラー状、及び/又は、気泡を含有しない液体が粉体乃至顆粒状等の形態の固体に囲繞された形態を成す所謂キャピラリー状の要素体を含有して成る混成状態のもの、不規則状態のものであってもよい。本実施形態における微細化消泡装置においては、気泡が内部に保持されてしまうような高粘性の流動体や混合物として成る流動体に適用するのが好ましい。
また流動体は、自身における反応により固化するものであってもよい。即ち気泡が含まれている状態で流動体を固化すると、流動体中の気泡がそのまま空洞や窪みとして残存する。そこで変動的慣性力作用装置100を適用することにより、流動体中の気泡を外観上、及び品質上問題ない大きさにまで微細化することで、流動体が固化したとき、固化体内部に大きな空洞や、表面に窪みが存在することを抑制する。なお、ここで品質とは、気泡の微細化後或いは消泡後の流動体若しくは固化体の性状を規定する強度や剛性、弾性、質量分布、稠密性、均質性等の内、要求される特性であって、特に要求される特性が要求水準を満たすように、気泡の微細化或いは消泡がなされることが好ましい。
次に気泡が微細化されるメカニズムを図5~7を用いて以下に説明する。なお、図5~7中、慣性力の方向は、図4のZ軸と一致し、また、上下方向も図4の上下方向と一致している。またここでは流動体を単調的且つ往復的な運動によって変動的な慣性力を作用させたものとして説明しているが、運動は単調的且つ往復的な運動に限らない。
図5は気泡微細化の第一のメカニズムを模式的に表した図である。流動体中の気泡20は、流動体と気泡との界面に作用する張力Fs(以下、界面張力という。)等が加わって形成される。従って、気泡及び気泡を取り巻く流動体に変動的な慣性力を作用させる。これにより変動的な慣性力の向きが変わるときに、気泡を取り巻く流動体を構成する要素体の質量に比例して作用する慣性力Fi(特に、界面周辺に存在する流動体を構成する要素体の質量に比例して作用する慣性力をここでは界面慣性力という。)によって気泡に圧力が付与される。詳細に説明すると、単調的且つ往復的な運動に合わせた流動体の上下運動は、上方向への加速移動、上方向への減速移動、下方向への移動方向変更、下方向への加速移動、下方向への減速移動、上方向への移動方向変更を繰り返し行うことになるが、このような加速と減速を繰り返す移動の中で気泡20に慣性力Fiが作用する(図5(A)参照)。
この際、慣性力Fiの大きさが界面張力Fs若しくは後述する崩壊抵抗力よりも大きくなるように往復動を加えることにより、気泡20を変形させる(図5(B)参照)。最終的には流動体中に存在する一つの気泡20を複数の気泡20A、20Bに分断させ、小細化する(図5(C)参照)。この小細化を繰り返すことによって、流動体中の気泡が外観上及び品質上問題ない大きさにまで微細化し、流動体中の気泡を肉眼で見えない状態等として消失させることができる。
このように、変動的な慣性力の作用により、気泡と流動体との質量差からもたらされる慣性力差によって気泡を崩壊させ、更に二次の気泡分裂、三次の気泡分裂、・・・のように高次の気泡分裂へと分裂を促進し、これに伴って、気泡を微細化させて行き、所望レベルのサイズまで到達させることで消失効果を得る。従って例えば直径30mmを超える気泡であっても、分裂によって直径が数mm程度に微小化され、更なる分裂により1mm未満、或いは100μm程度の微細化された気泡を得ることもできる。
このとき気泡の総体積は、高次気泡分裂化の前後でそれほど変化せず、気泡は流動体中に微細化して残存してもよい。従って、所定レベル以下に高次気泡分裂化を進行させた結果生じる微細気泡は、例えば、直径約25~250μm程度のエントレインドエア化させることが可能となる。
図6は気泡微細化の第二のメカニズムを模式的に表した図である。気泡微細化の第二のメカニズムは、流動体が粉体乃至顆粒状等の形態の固体を含有する場合に、主に機能する。例えばコンクリートの製造のようにセメントペースト、細骨材及び粗骨材等を含む場合である。変動的慣性力の作用により、流動体30は、印加する単調的且つ往復的な運動のピークとピークの中間位置、具体的には、流動体30が上方向の移動から下方向へと移動方向を変えて下方向への加速を開始して流動体30の自由落下の速度と一致したときの位置で瞬間的に無重力に近い状態となる。
このとき、流動体30を構成する大径の粗骨材31a及び小径の粗骨材31b(粗骨材31)と、粗骨材31間に存在する細骨材32と、これら粗骨材31と細骨材32の間に介在するセメントペースト33との間に作用していた重力による摩擦力がほぼゼロになる(図6(A)参照)。次の瞬間、振動のピーク(流動体30の運動方向が下方向から上方向に移動方向を変更する位置)に達すると、これら粗骨材31、細骨材32、セメントペースト33は、互いが接触した分布としての再配置が成される。
この過程で、互いの間に作用する摩擦力や粘性抵抗力は、徐々に最大値に向かって変動するため、途中経過ではゆるい摩擦力、即ち、固相的ではなく、液相的な流動状態で、より位置エネルギー状態の低い安定状態に向かって流下する(図6(B)参照)。この流下は、気泡34周辺では流動体30から気泡34内へのセメントペースト33や細骨材32を中心とした流れ込みとして生じることになり、流れ込まれる気泡34は埋まる方向にシフトし、流れ込まれる流動体30側では気泡34内に在った気体との入れ替わりが生じることになる。このような流動体/気体交換流動は、一つの気泡34に対して一箇所で起これば、元々の気泡は崩壊するとともに、気体はより上方へと変位することになり、結果として気泡34が上方に移動したようになる。また一つの気泡34に対する流動体/気体交換流動が複数箇所で生じると、元々一つの気泡34は、より小さな複数の気泡に分裂したように、各々上方に変位する。このように連鎖的に流動崩壊を繰り返すことで、気泡は微細化されるか、又は最上部まで到達して流動体30を抜けきるかする。
図7は気泡微細化の第三のメカニズムを模式的に表した図である。上述した流動体40中には、気泡微細化の第一及び第二のメカニズムでは消失されない気泡41が存在し得る。しかしながら、気泡41は、粗骨材を含まないモルタルの場合には殆ど存在しない。従って気泡41生成の主因は粗骨材42の存在によって生成されると考えられる。つまり、気泡41は粗骨材42に近接されて存在し得、幾つかの粗骨材42に囲まれた空隙が存在して、それら粗骨材42に空気がトラップされることで構成されると考えられる。
このような構成の気泡41は、密度が比較的近い粗骨材42同士が寄り集まって且つそれら粗骨材42と密度の近いモルタル(細骨材43とセメントペースト44)をバインダー材として集合体を成している。このことから気泡41は、第一のメカニズム及び第二のメカニズムでは崩壊しない、或いは著しく崩壊し難いものと考えられる。気泡41が消失するメカニズムとしては、気泡41を構成する粗骨材42に対して、固有振動数の共振振動を作用させることが有効である。
現実的には、第一のメカニズム、第二のメカニズム、第三のメカニズムを複合した形態で気泡を微細化できるが、ここでは変動的慣性力作用装置100における変動的慣性力を作用させる条件の設定について説明する。なお主に第一のメカニズムを念頭に説明するが、第二、第三のメカニズムにも適用可能な部分は適宜置き換えて理解してもよい。
気泡を微細化するためには、気泡に働く気泡の状態を維持しようとする力(以下、「気泡の崩壊抵抗力」という。)よりも大きな力を気泡に与える。即ち振動や衝撃、遠心力(但し、定常的な遠心力のような慣性力を作用させても気泡を崩壊させることが出来ないことが少なくない。そこで、角速度を加速度的に変化させる等して非定常状態とすることが好ましい。)等を気泡に与える必要がある。
気泡の崩壊抵抗力は、流動体の粘性、比重、構成要素の質量、気泡のサイズ、気泡の界面張力、気泡の内圧、骨材等の固体を含んだ固液混合の流動体の場合にあっては固体間の係合によってトラップされる気体の存在性と固体による気体の囲繞度合い等をパラメータとするものである。従って、対象とする流動体の種類及び/又は気泡のサイズ、形状、形態等により、適宜設定又は推測することが可能である。
図8は変動部102の一例を示す図である。変動部102は流動体を受容する受容部110を有する。受容部110は、円筒形状の側壁によって形成された略筒形状を有し、該筒形状の上部開口が流動体の供給口112となり、下部開口が流動体の排出口114となる。
従って、受容部110には、流動体が供給口112を介して供給され、供給口112から排出口114までの間の受容空間113を通過し、排出口114から排出される。このとき変動部102が繰り返し往復動することで、流動体は、受容空間113を通過する間の一定時間に慣性力作用機構104によって変動的な慣性力が付与される。
変動的慣性力作用装置100を通して、コンクリート二次製品の型枠内に生コンクリート(流動体)を投入する場合について説明する。図9は変動的慣性力作用装置100の配設例を示す図である。ここでは生コンクリートの流動方向の上流側から下流側に向かって、生コンクリートを供給するバケット120、変動的慣性力作用装置100、型枠130を順に配し、バケット120に収容している生コンクリートは、変動的慣性力作用装置100を介して型枠130内に導入される。
バケット120は、不図示の生コンクリートを収容する収容空間を画成する収容部及び下端が開閉可能に構成されたホッパ等を具える。バケット120には、予め生コンクリートを収容しており、ホッパの開放によって変動的慣性力作用装置100に生コンクリートを供給する。
バケット120から変動的慣性力作用装置100に生コンクリートを供給するとき、バルブ機構1を開放する。即ち、図10(a)に示すように、バルブ体2を収縮(非膨張)状態にし、中央部に開口部分を作出することで、供給口112を開放させて生コンクリートを変動部102内に落下させる。
変動的慣性力作用装置100は、上述したように変動部102を往復動させることで、変動部102が受容している生コンクリートに変動的慣性力を作用させ、生コンクリート内の気泡の微細化及び/又は消泡を行う。従って変動部102から排出される生コンクリートは、内部の気泡が微細化され、結果として、美観が良く、高品質の製品を効率良く製造することができる。
なお、変動部102に落下した生コンクリートは、底面部106上に落ち、徐々に排出口114側に移動する。即ち、生コンクリートは、底面部106上に載置されて上記変動的慣性力を作用させながら、底面部106の傾斜に沿って排出口114側に移動して外部に排出される。
なお、変動的慣性力作用装置100と型枠130との間隔によっては、変動部102から排出された生コンクリートが型枠130に落下した際に、エントラップトエアを混入させてしまう虞がある。そこで変動的慣性力作用装置100を型枠130内に導入しながら生コンクリートを排出する。即ち、変動部102の排出口114を型枠130内部の底面付近に位置させて生コンクリートを排出する。この場合、変動的慣性力作用装置100及び/又は型枠130に昇降機構を設け、型枠130内の生コンクリートの液面高さに応じ変動的慣性力作用装置100を上昇及び/又は型枠130を下降させてもよい。
型枠130への生コンクリートの供給を停止するとき、バケット120のホッパを閉塞する。また、バルブ機構1により供給口112を閉塞する。即ち、給排部4から通路6を介してバルブ体2に流体を供給し、図10(b)に示すように径方向内側に膨張させることで、中央部を窄ませて開口部分を閉塞する。結果、供給口112を閉塞して受容部102内への生コンクリートの落下(排出)を停止する。
勿論、バルブ体2に供給する流体量の調整で中央部に作出する開口の大きさを調整し、単位時間当たりに型枠130に投入させる生コンクリート量を制御することも可能であり、このようにすれば、生コンクリートに変動的な慣性力を作用させる時間を制御することができる。
また、バルブ体2は、可撓性及び/又は伸縮性を有するため、生コンクリートの投入中に膨張させても、図10(c)に示すようにバルブ体2の表面が生コンクリートに含まれる粗骨材等の不定形な固形物の形状に馴染んで且つ包むように変形し、固形物に密着しながら流路を閉塞することができる。
なお、流動体を硬化させて得られるコンクリートは、セメントに水や各種充填剤(充填材)や骨材や粗骨材等を加えて硬化させ得るコンクリートの他にも、ローマンコンクリート、繊維補強コンクリートやポリマーコンクリート等のコンクリートも含む。また細骨材のみを使用したモルタルや、骨材を使用しないセメントペーストも含む。骨材としてはコンクリートに通常用いられる物や従来公知の物等、どのようなものでもよく、砂、砂利、砕石、破砕ガラス、瓦礫、人工材や廃棄物等を用いることが可能である。更にセメントも、特に限定するものではなく、例えばポルトランドセメント、ローマンセメント、レジンセメント等を使用することができる。
なお、変動的慣性力作用装置100は、コンクリートの製造以外にも適用することができる。即ち流動体の種類、配合割合、製造量等によって適用範囲が何ら限定されるものではない。流動体の種類に応じて用いる装置、器具に対して適宜変動的な慣性力を作用させ得るような構成を付加してもよい。
また例えばエポキシ樹脂のような二液混合系の樹脂、シリコーン、ゴム、口紅やマスカラ等の化粧品、石鹸、色鉛筆、ペンキ等の塗料、シーリング剤、潤滑剤、導電剤といった化学製品等の製造に適用可能である。即ち、必ずしも固化するもののみに限られず、気泡が内部に保持される程度の粘性を有する製品等の製造に適用可能である。
更に食品の製造工程において適用することができる。例えば豆乳ににがりを添加して豆腐を製造する場合のように、材料を混合して固化させる食品の製造等に適用してもよい。このような食品としては、豆腐の他にも、かまぼこ等の練り物、こんにゃく、飴、はちみつ等がある。このような食品の製造工程において、気泡を除去することで、製品の外観を良くするだけでなく、体積と質量の分布の均等化の向上を図ることができ、また気泡の混入による酸化劣化を防止する等、品質の高い食品を製造することができる。
以上、説明したように変動的慣性力作用装置は、簡易な構造によって、流路を通過している流動体の種類や性能、形態に関わらず、確実に流路を閉塞することが出来る。具体的には、流動体に直接接触するバルブ体2は、可撓性及び/又は伸縮性及び強靭性を有する材料から成る為、流動体と接触等によって変形しても、その影響を殆ど受けず確実な閉塞を行うことができる。即ち、一般的なバルブ構造に用いられるスライドシャッタ等は、鉄、アルミ、ステンレス等の剛性を有する材質によって構成されるので、流動体との接触、特に流動体内に粗骨材等の不定形な固形物との接触や挟み込みによって、変形し排出部を閉塞できなくなるが、本実施形態のバルブ体は、流動体から受ける外圧に相当する内圧が作用していれば、変形による破損が生じず閉塞不可となることが無いため、確実に流路を閉塞することができる。また、不定形な固形物が流動体に含まれていてバルブ体2がこれを挟み込んでもその可撓性によって固形物等の異物に馴染みながら変形して流路を確実に全閉させることが出来る。
なお、上述した実施形態においてバルブ体2と給排部4とに接続される通路6の数は、適宜設定し得る。即ち、複数の通路6の各々からバルブ体2に流体を供給したり、バルブ体2から流体を吸引したりしてもよい。
また、バルブ体に流体を供給するものとして説明したが、勿論これに限定するものではなく、バルブ体を膨張させ得る流体であれば液体を供給してもよい。また、流体として用いる気体は、例えば、空気や不活性ガス等が望ましい。不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソン等の希ガス類が挙げられ、希ガス類、窒素、二酸化炭素等から選択される1種以上の気体を用いることが好ましい。また、流体として用いる液体は、特に限定されるものではないが、水、油等があり得る。
なお、バルブ体2を膨張させた後に収縮させるとき、単にバルブ体2の内圧が抜けるように給排部4、通路6等を開放してバルブ体2内部の流体を外部に排出させてもよいが、流体を強制的に排出させるときは給排部4によってバルブ体2内の気体を吸引することが好ましい。
また、バルブ体は、生コンクリートを挟んで対向するように複数配置したものであってもよい。ここで図11は、二つのバルブ体50a、50bを有するバルブ機構を示す概略構成図であり、給排部4が各バルブ体50と接続されており、各バルブ体50に対して同時に流体の供給、排出を行う。
勿論、バルブ体50毎に個別に流体の供給、排出を行うようにしてもよく、例えば各バルブ体50に開閉弁等を設け、開閉弁の開閉を調整してバルブ体50毎に流体の供給量や排出量を制御するようにしてもよい。
このようなバルブ体50a、50bを有するバルブ機構は、両バルブ体50a、50b間の間隙に生コンクリート等の流動体を通過させるように配し、間隙に流動体を通過させる。また、バルブ体50a、50bを膨張させたときは、図12に示すようにバルブ体50a、50bが互いに接近、接触することによって流動体を抑止することができる。ここでは二つのバルブ体を配した場合について説明したが、これに限定するものではなく、三つ以上のバルブ体が流動体を挟んで対向するように配してもよいことは言うまでもない。
また、バルブ体は、膨張状態のときの横断面形状を、円形状、輪形状、多角形状、扇形形状等、適宜設定し得る。扇形形状とする場合、扇形の中心角はバルブ体の数に応じて定めるようにしてもよい。例えば、図13に示すように、三つの扇形形状のバルブ体50を配する場合、扇形形状の中心角を120°に設定することが出来る。同様にして、四つの扇形形状のバルブ体を配する場合、中心角を90°に設定するようにしてもよいが、勿論これに限定されるものではなくバルブ体全体として全閉状態を作出できるように構成することが好ましい。
また、バルブ体の配設位置や配設数は、特に限定するものではなく適宜設定し得る。例えば、複数のバルブ体を流動体の流動方向に沿って異なる位置に配してもよい。具体的には、図14(a)に示すように変動部102の供給口112近傍、排出口114近傍、変動部102の中途部位(供給口112と排出口114との間)にそれぞれバルブ体50を配してもよい。図14(b)に示すように、各バルブ体50を膨張させたとき、供給口112、中途部位、排出口114を閉塞でき、バルブ体50が一つの場合と比してより確実な流動体の抑止を行うことができる。
このようにバルブ体を流動体の流動方向に沿って上流側から下流側にかけて複数配し、且つその配設数を増やしていくほど、より確実な流動体の抑止を行うことも出来る。
また、バルブ体としては、図15に示すような横断面形状が輪状(トーラス環状)の外周部202と、外周部202に接続されて周方向に複数配設される遮蔽部204により構成したバルブ体200を設けてもよい。各遮蔽部204は、膨張状態のとき全体で全閉状態を作出する形状を有する。例えば、各遮蔽部204は、略扇形状を有し、扇形の中心点が外周部202の軸心(バルブ体の横断面中心)と殆ど重なる様に径方向内側に膨張し得る。更に膨張状態において、隣り合う遮蔽部204同士を周方向で密着させることができ、周方向全体を埋め尽くした場合には全閉状態を作出することも出来る。
この様なバルブ体200は、例えば鉛直方向に延在する受容部110の内壁面に外周部202を固定した場合、図16(a)に示す収縮状態の遮蔽部204は外周部202から垂下した状態となって全開状態を作出する。また、図16(b)に示す膨張状態の遮蔽部204は垂下した状態から径方向に沿うように立ち上がって受容部110の横断方向に延在し、隣り合う遮蔽部204同士が密着して流路を閉塞する全閉状態を作出することができる。
また、上述した実施形態において、バルブ体2と給排部4との間の通路6に流体が往復移動する構成としたが、図17(a)に示すように通路6を二本設けて一方の通路6aには、給排部4からバルブ体2に向かう流体が通過し、他方の通路6bには、バルブ体2から給排部4に排出される流体が通過するように設定してもよい。このような場合、バルブ体2を膨張させるときは、通路6bを開閉弁等によって閉塞させる。
また、給排部の代わりに図17(b)に示す供給部150のみをバルブ体2に接続し、バルブ体2から流体を外部に排出する外部排出口152を設けるようにしてもよい。その場合バルブ体2の膨張は供給部150からの流体の供給によって行い、バルブ体の収縮は外部排出口を開放し流体を外部に排出することによって行う。勿論バルブ体2を外側から圧縮して流体の排出を促進させるように、圧縮機構を設けてもよいことは言うまでもない。
また、給排部の代わりに供給部と排出部とを個別に配するようにしてもよい。即ち、図17(c)に示すようにバルブ体2に流体を供給するための供給部150と、バルブ体2内から流体を吸引して排出する排出部160とを設けてもよい。その場合、供給部150に接続している通路6a及び排出部160に接続している通路6bにそれぞれ開閉弁を設けて一方の動作中、他方の開閉弁を閉じるようにする。例えば、バルブ体2を膨張させるとき、通路6aの開閉弁を開いて流体の供給を行うと共に、通路6bの開閉弁を閉じるようにする。
また、排出部160から流体を排出する際の排出先は、外部としてもよいが、排出部160から排出した流体を供給部150に戻すことで流体供給部150、バルブ体2、排出部160の順に流体が循環するようにしてもよい。
また、バルブ体は、流体の供給によって膨張するものを例に説明したが、バルブ体を、流体を圧入していない自然状態で略全閉状態となる中空状の形態に形成してもよい。この場合のバルブ体は、全開状態を作出する為には、内部の空気を吸引して圧縮状態にする。また、圧縮状態から膨張状態とする場合は、単に吸引を止めて外気によって元の状態に戻るようにすることも出来るが、流体を供給して強制的に膨張させることも可能である。特に流体を供給すれば、流動体の流動による外圧に抗してバルブ体の膨張状態をより確実に維持することができる。
また、給排部及び/又はバルブ体に圧力計を設け、該圧力計によって得られる圧力情報(通路内の圧力、バルブ体内部の圧力等)に基づいてバルブ体に供給する流体量を制御等、バルブ体内の圧力を制御するようにしてもよい。
また、流動体11を通過させる流路に設けるバルブ体は、流路の内側に設けるものに限定されるものではなく、流路の外側に配してもよい。例えば、流路の少なくとも一部を略筒状の流路管とし、バルブ体によって流路管を軸直交方向に圧し潰し流路の開閉を行うようにしてもよい。
図18は他の例のバルブ機構250を示し、(a)は正面図、(b)はA-A断面図である。バルブ機構250は、バケット120の下流側で且つ、不図示の慣性力作用機構よりも上流側に配置され、バケット120から慣性力作用機構に向かう流動体の流量を制御する。また、流路の少なくとも一部を成す流路管260が、バルブ機構250を通過するように配設される。
流路管260は、可撓性を有するホース或いはチューブ様の部材であり、一端部がバケット120側に接続され、他端部が慣性力作用機構側に接続されることで、バケット120から排出される流動体を慣性力作用機構側に導く。流路管260は、流動体の流動方向に直交する方向に圧し潰し可能であればよく、例えばゴム、樹脂、布又はこれらの組合せ等の材料で形成でき、更に補強材としての合成樹脂繊維や金属繊維等を含んでいてもよい。
尚、圧し潰された流路管260は、バルブ体252の内圧を開放して膨張状態を解除した際に自発的に中空状に復帰するように構成してもよく、或いは自発的には元の断面形状に復帰しない構成としてもよい。
バルブ機構250は、流路管260の周囲に配するバルブ体252、バルブ体252に接続される通路245の他、通路254を介してバルブ体252に流体の供給又は排出を行うための給排部(不図示)等を具える。
バルブ体252は、図19に示す流路管260の軸方向に直交する横断面形状が略扇形状を有し、該扇の中心近傍箇所が通路254と接続するための接続部分であり、その扇における弧形状部分が流路管260を押圧する押圧部256となる。ここでバルブ体252の形状は、略扇形状として説明しているが、必ずしも扇形状である必要はなく、流路管260を開閉させ得るものであればよい。
図20は、バルブ機構のB-B断面図である。バルブ体252は、流路管260を挟むように対向する二箇所にそれぞれ配置され、各々の押圧部256を流路管260に当接させる。また図20はバルブ体252を収縮させた全開状態を示しており、押圧部256は、流路管260内での流動体の流動を維持するように、一部又は全体が凹状に窪んだ形状となる。この窪んだ形状は、給排部による流体の排出によって作出してもよく、流路管260の弾性的な復元性によって作出してもよく、或いは流路管260内での流動体の流勢によって作出してもよい。
これに対し、図21はバルブ機構のB-B断面図であって全閉状態を示す。バルブ体252を膨張させた全閉状態のとき、押圧部256は、流路管260を押圧し、対向する押圧部256同士で両側から流路管260を圧し潰して流路管260を閉塞する。即ち、バルブ体252に流体を供給して膨張させたとき、押圧部256が流路管260及び対向するもう一方のバルブ体252側に変位する。従って、流路管260は、二つのバルブ体252の押圧部256に挟まれて圧し潰される(挟まれている箇所において、内部空間が閉塞される状態まで圧縮される)。
図22は流路管260を示す断面図であり、流動体の流動方向に沿う流路管260の断面を示している。流路管260は、可撓性を有するため内圧の上昇によって膨張することがあり得る。そこで流路管260の過度な膨張を防止するための部材をバルブ機構の250の上流側(及び下流側に)設けてもよい。具体的には流路保護管270の内側に流路管260を配した二重管様の構造とすることができる。即ち、図22に示すように、流路管260の外側に流路保護管270を配する。ここで、流路保護管270は、内周面によって囲繞される内部空間に流路管260を配するために、流路管260の外径以上で且つ少なくとも流路管260が破裂し得ない範囲での膨張を許容する内径に設定される。
また流路保護管270は、流動体によって膨張した流路管260の圧力に抗する十分な強度や圧力耐性を有する材料、例えば、炭素鋼鋼管、合金鋼鋼管、ステンレス管、アルミ管、銅管、鉛管、鋳鉄管等の金属管、樹脂管(ポリ塩化ビニル管、塩化ビニル管、ポリエチレン管、ポリブテン管等)、コンクリート管等の非金属管等により形成することができる。勿論、これらの材料に限定するものではない。
また、バルブ体252の径方向外側には、バルブ体252の膨張方向を、流路管260の径方向内側に限定するように規制するバルブ体ハウジング272を配することができる。即ち、バルブ体ハウジング272は、流動体の流動方向に沿った方向の膨張、流路管260の径方向外側に沿った方向の膨張を規制するように、バルブ体252周りの一部を覆うように設ける。
このように流路管260の外側にバルブ体252を配置した場合であっても、バルブ体252の膨張によって流路管260の確実な閉塞を行うことができる。また、バルブ体252が直接流動体と接触することがないため、流動体との接触によるバルブ体252の破損を防止でき、バルブ機構を長期間に亘って安定して動作させることができる。また、流路管260内に流動体を流すため、バルブ体252によって流動体の流動を塞き止めているときに、流動体を流路管260内に留めることができる。
また、流路保護管270を設けることにより、流路管260が意図した領域を超えて膨張しないように、流路管260を保護・補強することができる。特にバルブ機構250を閉めている状態にあってはバルブ機構250の上流側において、流動体の集積によって流路管260の内圧が上昇する可能性がある。更に流路管260には、内圧の上昇に伴い、異常膨張による破損や不具合が発生し得る。これに対し流路保護管270を設けたことで、流路管260の破損、不具合の発生を確実に防止することができる。
また、バルブ体ハウジング272を設けることにより、バルブ体252が膨張した時の形態を確実に所望の形態となるように制御できる。従って、バルブ体252の押圧部256によって確実に流路管260を圧し潰して全閉状態を作出することができる。
1,250…バルブ機構、2,252…バルブ体、4…給排部、6,254…通路、11…流動体、12…気泡、100…変動的慣性力作用装置、102…変動部、104…慣性力作用機構、110…受容部、112…供給口、114…排出口、256…押圧部、260…流路管。

Claims (13)

  1. 流動体を通過させる流路に配設されるバルブ機構において、
    上記流路の横断面の断面積を縮小可能に構成されるバルブ体を有し、
    上記バルブ体は、内部に流体を貯留することで膨張し、上記流路の少なくとも一部を遮ることを特徴とするバルブ機構。
  2. 前記バルブ体は、上記流路に対する全開状態と全閉状態との間で遷移することを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。
  3. 前記バルブ体の内部に前記流体を供給する供給部と、
    前記バルブ体の内部から前記流体を排出する排出部と、を具え、
    前記バルブ体は、上記排出部によって前記流体を排出することで、収縮して前記流路を開放することを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。
  4. 前記排出部は、前記バルブ体内部から前記流体を吸引することを特徴とする請求項3記載のバルブ機構。
  5. 前記バルブ体は、可撓性を有して袋状であることを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。
  6. 前記流動体が不定形の固形物を含むことを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。
  7. 前記バルブ体は、中央部に前記流路が通過する開口を有する無端形状を有し、
    収縮状態のとき、上記開口を作出して前記流動体を通過させ、
    膨張状態のとき、上記開口を閉塞して前記流路を閉塞することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のバルブ機構。
  8. 前記流動体を挟んで対向するように前記バルブ体を複数配し、
    複数の前記バルブ体が膨張することで、前記流路の横断面の断面積を縮小させ、
    複数の前記バルブ体同士が直接的又は間接的に接触することで、前記流路を閉塞することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のバルブ機構。
  9. 前記流動体を通過させる前記流路としての可撓性を有する流路管を有し、
    前記バルブ体は、上記流路管の周囲に配し、膨張状態のとき上記流路管を押圧して閉塞することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のバルブ機構。
  10. 前記流路管を挟んで複数の前記バルブ体を配し、
    膨張状態のとき、複数の前記バルブ体によって前記流路管を挟んで閉塞することを特徴とする請求項9記載のバルブ機構。
  11. 前記流路管を囲繞する流路保護管を有し、
    上記流路保護管は、前記流動体による前記流路管の膨張を規制し得ることを特徴とする請求項9記載のバルブ機構。
  12. 前記バルブ体は、横断面形状が略扇形状を有し、その弧形状部分によって前記流路管を押圧することを特徴とする請求項9記載のバルブ機構。
  13. 前記バルブ体は、バルブ体ハウジング内に配設されて膨張の形態が制御されることを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。
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