JP2023000271A - コルゲートチューブ及びワイヤハーネス - Google Patents

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照 郷
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Abstract

Figure 2023000271000001
【課題】様々な環境下において適正に配索することができるコルゲートチューブ及びワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】コルゲートチューブ100は、電線に外装される蛇腹部1を備える。この蛇腹部1は、第1山部11の肉厚E1と第1谷部12の肉厚E3と第1繋ぎ部13の肉厚E5とが均一である肉厚蛇腹部10と、第2山部21の肉厚E2と第2繋ぎ部23の肉厚E6とが、第2谷部22の肉厚E4よりも薄い肉薄蛇腹部20とを含む。肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とは、肉薄蛇腹部20の第2山部21の肉厚E2が肉厚蛇腹部10の第1山部11の肉厚E1よりも薄く、かつ、肉薄蛇腹部20の第2繋ぎ部23の第2山部21側の肉厚E6が当該第2繋ぎ部の第2谷部22側の肉厚E6よりも薄い。
【選択図】図3

Description

本発明は、コルゲートチューブ及びワイヤハーネスに関する。
従来、コルゲートチューブとして、例えば、特許文献1には、大径円筒部および小径円筒部が同一軸線に沿って交互に配置されたコルゲートチューブが記載されている。このコルゲートチューブは、大径円筒部の肉厚寸法を小径円筒部の肉厚寸法よりも小さく設定することにより、軽量化を図っている。
特開2000-205460号公報
ところで、上述の特許文献1に記載のコルゲートチューブは、例えば、強度を必要とする環境や急な曲げを必要とする環境でも配索できることが望まれている。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、様々な環境下において適正に配索することができるコルゲートチューブ及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコルゲートチューブは、軸線周りに環状に形成され前記軸線と交差する径方向に沿って突出した複数の山部、前記山部の隣りに設けられ前記軸線周りに環状に形成され前記径方向に沿って前記山部よりも窪んだ複数の谷部、及び、隣り合う前記山部と前記谷部とを繋ぐ複数の繋ぎ部を含み、前記軸線に沿う軸線方向に沿って前記山部と前記谷部とが前記繋ぎ部を介して交互に並んで設けられ、電線に外装される蛇腹部を備え、前記蛇腹部は、前記山部の肉厚と前記谷部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが均一である肉厚蛇腹部と、前記山部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが前記谷部の肉厚よりも薄い肉薄蛇腹部とを含み、前記肉厚蛇腹部と前記肉薄蛇腹部とは、前記肉厚蛇腹部の前記山部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記山部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔と前記肉薄蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の肉厚と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の肉厚とが同等であり、前記肉薄蛇腹部の前記山部の肉厚が前記肉厚蛇腹部の前記山部の肉厚よりも薄く、かつ、前記肉薄蛇腹部の前記繋ぎ部の前記山部側の肉厚が当該繋ぎ部の前記谷部側の肉厚よりも薄いことを特徴とする。
本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する電線と、軸線周りに環状に形成され前記軸線と交差する径方向に沿って突出した複数の山部、前記山部の隣りに設けられ前記軸線周りに環状に形成され前記径方向に沿って前記山部よりも窪んだ複数の谷部、及び、隣り合う前記山部と前記谷部とを繋ぐ複数の繋ぎ部を含み、前記軸線に沿う軸線方向に沿って前記山部と前記谷部とが前記繋ぎ部を介して交互に並んで設けられ、前記電線に外装される蛇腹部と、を備え、前記蛇腹部は、前記山部の肉厚と前記谷部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが均一である肉厚蛇腹部と、前記山部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが前記谷部の肉厚よりも薄い肉薄蛇腹部とを含み、前記肉厚蛇腹部と前記肉薄蛇腹部とは、前記肉厚蛇腹部の前記山部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記山部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔と前記肉薄蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の肉厚と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の肉厚とが同等であり、前記肉薄蛇腹部の前記山部の肉厚が前記肉厚蛇腹部の前記山部の肉厚よりも薄く、かつ、前記肉薄蛇腹部の前記繋ぎ部の前記山部側の肉厚が当該繋ぎ部の前記谷部側の肉厚よりも薄いことを特徴とする。
本発明に係るコルゲートチューブ及びワイヤハーネスは、肉厚蛇腹部と肉薄蛇腹部とを含むことにより、様々な環境下において適正に配索することができる。
図1は、実施形態に係るワイヤハーネスの構成例を示す正面図である。 図2は、実施形態に係るコルゲートチューブの構成例を示す断面図である。 図3は、実施形態に係るコルゲートチューブの構成例を示す拡大断面図である。 図4は、比較例に係る蛇腹部の機能例を示す図である。 図5は、実施形態に係る蛇腹部の機能例を示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態〕
図面を参照しながら実施形態に係るワイヤハーネスWHについて説明する。ワイヤハーネスWHは、自動車等の車両に搭載される電線Wを外部から保護する部材として使用するものであり、導電性を有する電線Wと、当該電線Wに外装されるコルゲートチューブ100とを含んで構成される。電線Wは、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部(芯線)の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものであり、コルゲートチューブ100の内側に挿通される。
コルゲートチューブ100は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を材料にして成形される。コルゲートチューブ100は、軸線P周りに筒状に形成され、電線Wに外装されて当該電線Wを保護する。ここで、軸線Pに沿った方向を軸線方向Xと称し、軸線Pと交差する方向を径方向Yと称する。軸線方向Xと径方向Yとは、典型的には、互いに直交する。コルゲートチューブ100は、図1、図2に示すように、蛇腹部1を備える。
蛇腹部1は、可撓性を有し、電線Wの延在方向の形状に応じて屈曲自在に当該電線Wに外装されるものである。蛇腹部1は、肉厚蛇腹部10と、肉薄蛇腹部20とを含み、加熱溶融させた樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却及び固化させることによって、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とが一体成形されている。
肉厚蛇腹部10は、相対的に肉厚に形成された部分である。肉厚蛇腹部10は、筒状に形成され、複数の第1山部11と、複数の第1谷部12と、複数の第1繋ぎ部13とを含んで構成される。
複数の第1山部11は、軸線P周りに環状に形成され、径方向Yに沿って突出した部位である。複数の第1山部11は、それぞれが同じ環状に形成され、軸線方向Xに沿って並んで設けられている。複数の第1山部11は、例えば、軸線P周りに筒状に形成され、ここでは、円筒状に形成されている。複数の第1山部11は、例えば、外側に露出した外壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成され、かつ、径方向Yにおいて外壁面とは反対側に位置する内側の内壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成されている。第1山部11は、第1谷部12よりも軸線方向Xの長さが長く形成されている。複数の第1山部11は、図3に示すように、それぞれの肉厚E1が同じ厚みである。ここで、第1山部11の肉厚E1とは、第1山部11の径方向Yの厚みである。隣り合う一方の第1山部11と他方の第1山部11との間には、第1繋ぎ部13を介して第1谷部12が設けられている。つまり、肉厚蛇腹部10は、軸線方向Xに沿って第1山部11と第1谷部12とが第1繋ぎ部13を介して交互に並んで設けられている。
複数の第1谷部12は、軸線P周りに環状に形成され、径方向Yに沿って第1山部11よりも窪んだ部位である。複数の第1谷部12は、それぞれが同じ環状に形成され、軸線方向Xに沿って並んで設けられている。複数の第1谷部12は、例えば、軸線P周りに第1山部11よりも小径の筒状に形成され、ここでは、円筒状に形成されている。複数の第1谷部12は、例えば、外側に露出した外壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成され、かつ、径方向Yにおいて外壁面とは反対側に位置する内側の内壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成されている。第1谷部12は、第1山部11よりも軸線方向Xの長さが短く形成されている。複数の第1谷部12は、図3に示すように、それぞれの肉厚E3が同じ厚みである。ここで、第1谷部12の肉厚E3とは、第1谷部12の径方向Yの厚みである。隣り合う一方の第1谷部12と他方の第1谷部12との間には、第1繋ぎ部13を介して第1山部11が設けられている。
複数の第1繋ぎ部13は、隣り合う第1山部11と第1谷部12とを繋ぐ部位である。複数の第1繋ぎ部13は、それぞれが同じ形状に形成され、隣り合う第1山部11と第1谷部12との間に設けられている。複数の第1繋ぎ部13は、例えば、軸線P周りに環状に形成され、ここでは、円錐台形状に形成されている。円錐台形状の第1繋ぎ部13は、その大径側の直径が第1山部11の直径と同等であり、かつ、その小径側の直径が第1谷部12の直径と同等である。そして、円錐台形状の第1繋ぎ部13は、その大径側が第1山部11に連結され、かつ、その小径側が第1谷部12に連結されている。複数の第1繋ぎ部13は、図3に示すように、径方向Yに対して傾いて設けられ、第1山部11を挟んで対向する一対の第1繋ぎ部13が、第1谷部12側から第1山部11側に向けて徐々にその間隔D1が狭くなるように形成されている。複数の第1繋ぎ部13は、それぞれの肉厚E5が同じ厚みである。ここで、第1繋ぎ部13の肉厚E5とは、第1繋ぎ部13の外壁面(内壁面)に直交する方向の厚みである。隣り合う第1山部11と第1谷部12との間に設けられた第1繋ぎ部13は、これらの第1山部11と第1谷部12とを繋いでいる。上述の肉厚蛇腹部10は、第1山部11の肉厚E1と第1谷部12の肉厚E3と第1繋ぎ部13の肉厚E5とが均一である。
次に、肉薄蛇腹部20について説明する。肉薄蛇腹部20は、相対的に肉薄に形成された部分である。肉薄蛇腹部20は、筒状に形成され、複数の第2山部21と、複数の第2谷部22と、複数の第2繋ぎ部23とを含んで構成される。
複数の第2山部21は、軸線P周りに環状に形成され、径方向Yに沿って突出した部位である。複数の第2山部21は、それぞれが同じ環状に形成され、軸線方向Xに沿って並んで設けられている。複数の第2山部21は、例えば、軸線P周りに筒状に形成され、ここでは、円筒状に形成されている。複数の第2山部21は、例えば、外側に露出した外壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成され、かつ、径方向Yにおいて外壁面とは反対側に位置する内側の内壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成されている。第2山部21は、第2谷部22よりも軸線方向Xの長さが長く形成されている。隣り合う一方の第2山部21と他方の第2山部21との間には、第2繋ぎ部23を介して第2谷部22が設けられている。つまり、肉薄蛇腹部20は、軸線方向Xに沿って第2山部21と第2谷部22とが、第2繋ぎ部23を介して交互に並んで設けられている。
複数の第2山部21は、図3に示すように、それぞれの肉厚E2が同じ厚みである。ここで、第2山部21の肉厚E2とは、第2山部21の径方向Yの厚みである。第2山部21の肉厚E2は、肉厚蛇腹部10の第1山部11の肉厚E1よりも薄く形成されている。例えば、第2山部21の肉厚E2は、肉厚蛇腹部10の第1山部11における肉厚E1の1/2程度である。第2山部21は、当該第2山部21の内壁側の寸法は変更せずに、当該第2山部21の外壁側を薄くすることで、第1山部11よりも薄く形成されている。つまり、第2山部21は、内側の形状である内形は第1山部11の内形と同等であり、外側の形状である外形は第1山部11の外形よりも小さく形成されている。言い換えれば、図2に示すように、肉薄蛇腹部20の第2山部21の内径R2と肉厚蛇腹部10の第1山部11の内径R1とは、同等であり、一方で、肉薄蛇腹部20の第2山部21の外径は、肉厚蛇腹部10の第1山部11の外径より短い。
複数の第2谷部22は、軸線P周りに環状に形成され、径方向Yに沿って第2山部21よりも窪んだ部位である。複数の第2谷部22は、それぞれが同じ環状に形成され、軸線方向Xに沿って並んで設けられている。複数の第2谷部22は、例えば、軸線P周りに第2山部21よりも小径の筒状に形成され、ここでは、円筒状に形成されている。複数の第2谷部22は、例えば、外側に露出した外壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成され、かつ、径方向Yにおいて外壁面とは反対側に位置する内側の内壁面が軸線方向Xに沿って円筒状に形成されている。第2谷部22の内径R4は、図2に示すように、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の内径R3と同等である。つまり、第2谷部22の内側の円筒形状は、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の内側の円筒形状と同等である。第2谷部22は、第2山部21よりも軸線方向Xの長さが短く形成されている。隣り合う一方の第2谷部22と他方の第2谷部22との間には、第2繋ぎ部23を介して第2山部21が設けられている。
複数の第2谷部22は、図3に示すように、それぞれの肉厚E4が同じ厚みである。ここで、第2谷部22の肉厚E4とは、第2谷部22の径方向Yの厚みである。第2谷部22の肉厚E4は、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の肉厚E3と同等である。つまり、第2谷部22の形状は、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の形状と同等である。
複数の第2繋ぎ部23は、隣り合う第2山部21と第2谷部22とを繋ぐ部位である。複数の第2繋ぎ部23は、それぞれが同じ形状に形成され、隣り合う第2山部21と第2谷部22との間に設けられている。複数の第2繋ぎ部23は、例えば、軸線P周りに環状に形成され、ここでは、円錐台形状に形成されている。円錐台形状の第2繋ぎ部23は、その大径側の直径が第2山部21の直径と同等であり、かつ、その小径側の直径が第2谷部22の直径と同等である。そして、円錐台形状の第2繋ぎ部23は、その大径側が第2山部21に連結され、かつ、その小径側が第2谷部22に連結されている。複数の第2繋ぎ部23は、図3に示すように、径方向Yに対して傾いて設けられ、第2山部21を挟んで対向する一対の第2繋ぎ部23が、第2谷部22側から第2山部21側に向けて徐々にその間隔D2が狭くなるように形成されている。隣り合う第2山部21と第2谷部22との間に設けられた第2繋ぎ部23は、これらの第2山部21と第2谷部22とを繋いでいる。
複数の第2繋ぎ部23は、第2繋ぎ部23の第2山部21側の肉厚E6が、当該第2繋ぎ部の第2谷部22側の肉厚E6よりも薄い。ここで、第2繋ぎ部23の肉厚E6とは、第2繋ぎ部23の外壁面(内壁面)に直交する方向の厚みである。複数の第2繋ぎ部23は、例えば、第2繋ぎ部23の第2谷部22側から第2山部21側に向けて、第2繋ぎ部23の肉厚E6が徐々に薄くなるように形成されている。すなわち、複数の第2繋ぎ部23は、第2繋ぎ部23の第2谷部22側から第2山部21側に向けて、第2繋ぎ部23の内壁面と外壁面との間隔が徐々に狭くなるように形成されている。第2繋ぎ部23の第2山部21側(径方向Yの一方側)の肉厚E6は、例えば、当該第2繋ぎ部23の第2谷部22側(径方向Yの他方側)の肉厚E6の1/2程度である。第2繋ぎ部23は、当該第2繋ぎ部23の内壁側の寸法は変更せずに、当該第2繋ぎ部23の外壁側を薄くすることで、第2繋ぎ部23の内壁面と外壁面との間隔が徐々に狭くなるように形成されている。つまり、第2繋ぎ部23は、内側の形状である内形は第1繋ぎ部13の内形と同等であり、外側の形状である外形は第1繋ぎ部13の外形よりも小さく形成されている。言い換えれば、図3に示すように、肉薄蛇腹部20の一対の第2繋ぎ部23において対向する内壁の間隔D2と、肉厚蛇腹部10の一対の第1繋ぎ部13において対向する内壁の間隔D1とは、同等である。つまり、肉薄蛇腹部20の第2繋ぎ部23の径方向Yにおいて第1繋ぎ部13と同じ位置で対向する内壁の間隔D2と、肉厚蛇腹部10の第1繋ぎ部13の径方向Yにおいて第2繋ぎ部23と同じ位置で対向する内壁の間隔D1とは、同等である。一方で、肉薄蛇腹部20の第2繋ぎ部23の外壁の間隔F2は、第2谷部22側を除いて、肉厚蛇腹部10の第1繋ぎ部13の外壁の間隔F1より大きい(F2>F1)。つまり、肉薄蛇腹部20の第2繋ぎ部23の径方向Yにおいて第1繋ぎ部13と同じ位置で対向する外壁の間隔F2は、肉厚蛇腹部10の第1繋ぎ部13の径方向Yにおいて第2繋ぎ部23と同じ位置で対向する外壁の間隔F1より大きい。上述の肉薄蛇腹部20は、第2山部21の肉厚E2と第2繋ぎ部23の肉厚E6とが、第2谷部22の肉厚E4よりも薄い。
上述のように構成された蛇腹部1は、複数の肉厚蛇腹部10と複数の肉薄蛇腹部20とを含み、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とは、それぞれ軸線方向Xに沿って交互に設けられる。この場合に、複数の肉厚蛇腹部10は、それぞれが同じ数の第1山部11及び第1谷部12を含み、複数の肉薄蛇腹部20は、それぞれが同じ数の第2山部21及び第2谷部22を含む。この例では、それぞれの肉厚蛇腹部10の第1山部11及び第1谷部12の数は、それぞれの肉薄蛇腹部20の第2山部21及び第2谷部22の数よりも多く、強度の向上を図っている。
次に、コルゲートチューブ100の蛇腹部1の機能例について説明する。図4は、比較例に係る蛇腹部1Aの機能例を示す図である。図5は、実施形態に係る蛇腹部1の機能例を示す図である。比較例に係る蛇腹部1Aは、肉薄蛇腹部20を含まずに肉厚蛇腹部10から構成されている。そして、蛇腹部1Aは、肉薄蛇腹部20を含まないため、図4に示すように、肉厚蛇腹部10で屈曲される。図4に示す例では、蛇腹部1Aは、肉厚蛇腹部10で約90度、屈曲されており、この場合に、隣り合う一方の第1繋ぎ部13と他方の第1繋ぎ部13とは、互いの外壁の間隔F1(図3参照)が相対的に狭いために衝突して急な曲げに対応することが困難である。
これに対して、蛇腹部1は、肉薄蛇腹部20を含むため、図5に示すように、肉厚蛇腹部10ではなく肉薄蛇腹部20で屈曲される。図5に示す例では、蛇腹部1は、肉薄蛇腹部20で約90度、屈曲されており、この場合に、隣り合う一方の第2繋ぎ部23と他方の第2繋ぎ部23とは、互いの外壁の間隔F2(図3参照)が上述の間隔F1よりも広いため、衝突せずに急な曲げに対応することができる。
以上のように、実施形態に係るコルゲートチューブ100は、電線Wに外装される蛇腹部1を備える。この蛇腹部1は、第1山部11の肉厚E1と第1谷部12の肉厚E3と第1繋ぎ部13の肉厚E5とが均一である肉厚蛇腹部10と、第2山部21の肉厚E2と第2繋ぎ部23の肉厚E6とが、第2谷部22の肉厚E4よりも薄い肉薄蛇腹部20とを含む。肉厚蛇腹部10は、軸線P周りに環状に形成され軸線Pと交差する径方向Yに沿って突出した複数の第1山部11、第1山部11の隣りに設けられ軸線P周りに環状に形成され径方向Yに沿って第1山部11よりも窪んだ複数の第1谷部12、及び、隣り合う第1山部11と第1谷部12とを繋ぐ複数の第1繋ぎ部13を含み、軸線Pに沿う軸線方向Xに沿って第1山部11と第1谷部12とが第1繋ぎ部13を介して交互に並んで設けられる。肉薄蛇腹部20は、軸線P周りに環状に形成され軸線Pと交差する径方向Yに沿って突出した複数の第2山部21、第2山部21の隣りに設けられ軸線P周りに環状に形成され径方向Yに沿って第2山部21よりも窪んだ複数の第2谷部22、及び、隣り合う第2山部21と第2谷部22とを繋ぐ複数の第2繋ぎ部23を含み、軸線Pに沿う軸線方向Xに沿って第2山部21と第2谷部22とが第2繋ぎ部23を介して交互に並んで設けられる。そして、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とは、肉厚蛇腹部10の第1山部11の内径R1と肉薄蛇腹部20の第2山部21の内径R2とが同等であり、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の内径R3と肉薄蛇腹部20の第2谷部22の内径R4とが同等であり、肉厚蛇腹部10において対向する第1繋ぎ部13の内壁の間隔D1と肉薄蛇腹部20において対向する第2繋ぎ部23の内壁の間隔D2とが同等であり、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の肉厚E3と肉薄蛇腹部20の第2谷部22の肉厚E4とが同等である。一方で、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とは、肉薄蛇腹部20の第2山部21の肉厚E2が肉厚蛇腹部10の第1山部11の肉厚E1よりも薄く、かつ、肉薄蛇腹部20の第2繋ぎ部23の第2山部21側の肉厚E6が当該第2繋ぎ部の第2谷部22側の肉厚E6よりも薄い。
この構成により、コルゲートチューブ100は、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とにおいて内側の形状を同等とすることで汎用性を確保することができる。例えば、コルゲートチューブ100は、コルゲートチューブ100を取付対象に取り付ける際の取付治具を従来の取付治具と同等のものを使用することができる。また、コルゲートチューブ100は、その内形が従来のコルゲートチューブと同じなので、電線収容率などを従来品と同等に取り扱うことができる。コルゲートチューブ100は、肉厚蛇腹部10の第1谷部12の肉厚E3と肉薄蛇腹部20の第2谷部22の肉厚E4とが同等であるため、コルゲートチューブ100をプロテクタなどの取付対象に肉薄蛇腹部20で噛み合わせた場合でも保持力を維持することができ、コルゲートチューブ100が取付対象から脱落することを抑制できる。その上で、コルゲートチューブ100は、肉厚蛇腹部10により強度の低下を抑制し、さらに、肉薄蛇腹部20において隣り合う第2山部21の間隔F2を相対的に広くすることで曲げの自由度を高くしているので、強度を必要とする環境や曲げを必要とする環境等の様々な環境(レイアウト)下において適正に配索することができる。
上記コルゲートチューブ100において、蛇腹部1は、複数の肉厚蛇腹部10と、複数の肉薄蛇腹部20とを含み、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とがそれぞれ軸線方向Xに沿って交互に設けられる。この構成により、コルゲートチューブ100は、複数の曲げを必要とする環境において、それぞれの肉薄蛇腹部20で曲げることで当該曲げの環境に対応することができ、さらに、曲げ以外の箇所においては肉厚蛇腹部10で強度を確保することができ、様々な環境下において適正に配索することができる。
実施形態に係るワイヤハーネスWHは、導電性を有する電線Wと、電線Wに外装されるコルゲートチューブ100を備えるものであり、上述のコルゲートチューブ100と同等の効果を奏する。
なお、上記説明では、蛇腹部1は、複数の肉厚蛇腹部10と、複数の肉薄蛇腹部20とを含み、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とがそれぞれ交互に設けられる例について説明したが、これに限定されず、肉厚蛇腹部10と肉薄蛇腹部20とが複数含まれなくてもよい。
複数の肉厚蛇腹部10は、それぞれが同じ数の第1山部11及び第1谷部12を含み、複数の肉薄蛇腹部20は、それぞれが同じ数の第2山部21及び第2谷部22を含む例について説明したが、これに限定されず、例えば、複数の肉厚蛇腹部10は、他とは異なる数の第1山部11及び第1谷部12を有する肉厚蛇腹部10を含み、複数の肉薄蛇腹部20は、他とは異なる数の第2山部21及び第2谷部22を有する肉薄蛇腹部20を含んでもよい。
肉厚蛇腹部10の第1山部11及び第1谷部12の数は、肉薄蛇腹部20の第2山部21及び第2谷部22の数よりも多い例について説明したが、これに限定されず、例えば、肉薄蛇腹部20の第2山部21及び第2谷部22の数は、肉厚蛇腹部10の第1山部11及び第1谷部12の数よりも多くしてもよい。
ワイヤハーネスWHは、電線W及びコルゲートチューブ100の他に、さらに、プロテクタ、グロメット、樹脂テープ等の外装部材、電気接続箱、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。
1 蛇腹部
10 肉厚蛇腹部
11 第1山部(山部)
12 第1谷部(谷部)
13 第1繋ぎ部(繋ぎ部)
20 肉薄蛇腹部
21 第2山部(山部)
22 第2谷部(谷部)
23 第2繋ぎ部(繋ぎ部)
100 コルゲートチューブ
D1、D2 間隔
E1~E6 肉厚
P 軸線
R1~R4 内径
WH ワイヤハーネス
X 軸線方向
Y 径方向

Claims (3)

  1. 軸線周りに環状に形成され前記軸線と交差する径方向に沿って突出した複数の山部、前記山部の隣りに設けられ前記軸線周りに環状に形成され前記径方向に沿って前記山部よりも窪んだ複数の谷部、及び、隣り合う前記山部と前記谷部とを繋ぐ複数の繋ぎ部を含み、前記軸線に沿う軸線方向に沿って前記山部と前記谷部とが前記繋ぎ部を介して交互に並んで設けられ、電線に外装される蛇腹部を備え、
    前記蛇腹部は、前記山部の肉厚と前記谷部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが均一である肉厚蛇腹部と、前記山部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが前記谷部の肉厚よりも薄い肉薄蛇腹部とを含み、
    前記肉厚蛇腹部と前記肉薄蛇腹部とは、
    前記肉厚蛇腹部の前記山部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記山部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔と前記肉薄蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の肉厚と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の肉厚とが同等であり、
    前記肉薄蛇腹部の前記山部の肉厚が前記肉厚蛇腹部の前記山部の肉厚よりも薄く、かつ、前記肉薄蛇腹部の前記繋ぎ部の前記山部側の肉厚が当該繋ぎ部の前記谷部側の肉厚よりも薄いことを特徴とするコルゲートチューブ。
  2. 前記蛇腹部は、複数の前記肉厚蛇腹部と、複数の前記肉薄蛇腹部とを含み、前記肉厚蛇腹部と前記肉薄蛇腹部とがそれぞれ前記軸線方向に沿って交互に設けられる請求項1に記載のコルゲートチューブ。
  3. 導電性を有する電線と、
    軸線周りに環状に形成され前記軸線と交差する径方向に沿って突出した複数の山部、前記山部の隣りに設けられ前記軸線周りに環状に形成され前記径方向に沿って前記山部よりも窪んだ複数の谷部、及び、隣り合う前記山部と前記谷部とを繋ぐ複数の繋ぎ部を含み、前記軸線に沿う軸線方向に沿って前記山部と前記谷部とが前記繋ぎ部を介して交互に並んで設けられ、前記電線に外装される蛇腹部と、を備え、
    前記蛇腹部は、前記山部の肉厚と前記谷部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが均一である肉厚蛇腹部と、前記山部の肉厚と前記繋ぎ部の肉厚とが前記谷部の肉厚よりも薄い肉薄蛇腹部とを含み、
    前記肉厚蛇腹部と前記肉薄蛇腹部とは、
    前記肉厚蛇腹部の前記山部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記山部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の内径と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の内径とが同等であり、前記肉厚蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔と前記肉薄蛇腹部において対向する前記繋ぎ部の内壁の間隔とが同等であり、前記肉厚蛇腹部の前記谷部の肉厚と前記肉薄蛇腹部の前記谷部の肉厚とが同等であり、
    前記肉薄蛇腹部の前記山部の肉厚が前記肉厚蛇腹部の前記山部の肉厚よりも薄く、かつ、前記肉薄蛇腹部の前記繋ぎ部の前記山部側の肉厚が当該繋ぎ部の前記谷部側の肉厚よりも薄いことを特徴とするワイヤハーネス。
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