JP2022553873A - 固体酸化物電気化学セルのスタック構造体 - Google Patents

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Abstract

様々な実施形態では、相互接続プレート、シールおよび/またはエンドプレートなどの固体酸化物燃料電池デバイスの構成要素は、アルミニウム、銅、および/またはグラファイトを含む材料から構成することができる。様々な実施形態では、構成要素は、例えば、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、またはアルミニウム金属間化合物などの材料によりコーティングされていてもよい。

Description

関連出願
本出願は、それらの各々の全開示が参照により本明細書に組み込まれている、2019年11月12日出願の米国特許出願第16/680,699号および2019年11月12日出願の米国特許出願第16/680,701号の利益および優先権を主張する。
政府支援
本発明は、米国エネルギー省のエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)によって助成された契約番号DE-AR0000494の下、米国政府支援により行われたものである。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
技術分野
様々な実施形態では、本発明は、固体酸化物燃料電池などの固体状態の電気化学セル、および特にそのためのスタック構造体に関する。
背景
固体酸化物燃料電池(SOFC)は、固体電気化学セル(または固体状態の酸化物電気化学セル)のクラスであり、これらのセルは、高度に効率的であり、環境に優しく、水素、水素含有燃料(例えば、アンモニアまたはNH)、炭化水素または炭素含有燃料(例えば、一酸化炭素)などの燃料中に貯蔵された化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能である。SOFCの動作中、イオン(例えば、酸素イオンまたはプロトン)は、高密度固体酸化物またはセラミック電解質を介して、カソードとアノードの間を移動する。アノードでは、酸化反応が起こり(すなわち、電子が出る)一方、カソードでは、還元反応が起こる(すなわち、電子が入る)。例えば、酸素イオン伝導性固体酸化物電解質を含むSOFCの場合、アノードでは、酸素イオンが燃料を酸化し、外部回路に向かうことができる電子が生成する。SOFCは、例えば、分散発電に、またはオフグリッドおよび携帯電源にさえ使用することができる。さらなる固体状態の電気化学デバイスとしては、固体酸化物形電解セル(SOEC)および固体酸化物膜(SOM)反応器が挙げられる。
様々なSOFCは、複数のセルが一緒に積層されて、SOFCによって利用される空気および燃料のストリームをやはり分離する、導電性プレートまたは相互接続部によって互いに分離されている構造体を利用している。従来のSOFCは、固体電解質中で十分に高いイオン伝導性を実現して、かなり大きな電流出力を発生させるため、高温で動作する。例えば、多数のSOFCは、800℃~950℃の範囲の温度で動作し、したがって、SOFCスタック内の特殊かつ高価な材料の使用が必要となる。様々な理由(例えば、一層高い信頼性、一層高いセル効率、一層迅速な起動時間、低費用など)のため、より低い温度での動作が魅力的であるが、得られる出力密度は、任意の特定のSOFC構造体の場合の動作温度では低下し、不適切であるため、この型のものは従来のSOFCの場合、伝統的に避けられてきた。
したがって、SOFCスタック材料および構造体の賢明な選択による、SOFCの信頼性、費用効果およびセル効率を改善する機会が存在する。
概要
本発明の様々な実施形態によれば、SOFCスタック構造体は、例えば、熱移動、機械的応力、シール漏出、費用および重量のうちの1つまたは複数を含めた様々な問題に対処するため、アルミニウムおよび/またはグラファイト(および/または合金、コンポジット、または一方もしくは両方を含む金属-マトリックスコンポジット)を含む、これらから本質的になるまたはこれらからなる、1つまたは複数の構成要素を組み込む。本発明の実施形態による例示的な金属-マトリックスコンポジットとしては、Alと、アルミナ、炭化ケイ素、グラファイトまたはカーボンナノチューブのうちの1種または複数とのコンポジットが挙げられる。このようなコンポジットでは、強度および/または剛性を高めるために、非Al構成要素は、粒子、繊維、ウイスカ、プレートレットなどとして、Alマトリックス中に存在してもよい。
様々な実施形態では、アルミニウムは、1種または複数種のSOFC構成要素中で銅と合金を形成していてもよいか、または銅により置き換えられてもよい。したがって、本明細書において、アルミニウムと言う場合、特に示さない限り、「アルミニウムおよび/または銅」を意味することが理解され得る。さらに、「アルミニウム」は、金属アルミニウム(および/または金属銅)を指し、アルミナなどのアルミニウム(および/または銅)を含むセラミック材料を含まないことが理解される。本発明の実施形態は、例えば、空気中でのアルミニウムの酸化による表面の不動態層の形態を除き、アルミナを含まないかもしれない(すなわち、本発明の実施形態は、少なくとも、表面から離れた物体のバルク中では、アルミナを含まない)。(アルミニウムを含有するコンポジットまたは金属-マトリックスコンポジットは、アルミナを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができるセラミック相をやはり含有してもよいことに留意されたい)。本明細書において、アルミニウムを含む物体は、主要成分として、アルミニウムを含有する(すなわち、他の金属または他の元素は、より大きな質量分率または体積分率で存在しない)。例えば、アルミニウム物体は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%のアルミニウムを含有してもよい。様々な実施形態では、銅は、ニッケルクラッド銅もしくはニッケルコーティング銅の形態にあってもよく、またはアルミニウムクラッド銅もしくはアルミニウムコーティング銅の形態でさえあってもよい。様々な実施形態では、アルミニウム(または純粋なアルミニウム)の1つの合金は、別のタイプのアルミニウム合金をクラッドしてもよい。
さらに、本明細書において利用される場合、「グラファイト」は、グラフェン、剥離グラファイト、フレーク状グラファイト、アモルファスグラファイト、結晶性グラファイト、熱分解グラファイト、高配向性熱分解グラファイト(HPOG)、熱分解カーボン、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、グラフェン、多結晶性グラファイト、合成グラファイト、および/またはガラス様カーボン(例えば、ガラス状またはガラス質カーボン)を含む、他の非ダイヤモンド形態の炭素を含む。本明細書において、グラファイトを含む物体は、主要成分(すなわち、例えば、結合剤、細孔形成剤などとしてその中に存在する炭素を有するガスケットなどの物体とは対照的に、他の金属または他の元素は、より大きな質量分率または体積分率で存在しない)として、グラファイトを含有する。例えば、グラファイト物体は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%のグラファイトを含有することができる。本発明の実施形態による構造体を有するSOFCは、より低い温度(例えば、約400℃~約850℃、約400℃~約700℃、または約400℃~約550℃の範囲の温度)で動作するのが有益となり得る。本発明の様々な実施形態では、アルミニウム、銅および/またはグラファイトが、相互接続部、エンドプレートおよび/またはシールなどのSOFC構成要素内に組み込まれ得る。
様々な実施形態では、アルミニウム、銅および/またはグラファイトを使用すると、SOFCスタック内でのより優れた温度拡散、および同時に、SOFCスタック内の有害な熱勾配の低下または消滅がもたらされる。これらの材料は、比較的高い熱伝導性(ステンレス鋼の場合、約16~25W/m-Kであるのに比べて、アルミニウムの場合、約237W/m-K、グラファイトの場合、約128~400W/m-K、および銅の場合、約385W/m-K)を有しており、SOFCスタック内でのこのような熱拡散が促進される。さらに、アルミニウムは、ステンレス鋼の体積比熱容量(約3760kJ/m/K)に比べて、優れた体積比熱容量(約2430kJ/m/K)を有しており、起動、負荷追従および燃料組成の変化などの条件に対するSOFCスタックの優れた熱的応答をもたらす。
様々な実施形態では、コーティングが、1つまたは複数のSOFCスタック構成要素をコーティングするために使用される。様々な実施形態では、コーティングは、ニッケル、銀、マンガンコバルト酸化物(MCO)、アルミニウム、アルミニウム金属間化合物(例えば、TiAl、MgAl、FeAl、NiAl、NiAl、NiAl、NiAl、NiAlなど)、グラファイト、窒化物(例えば、TiN、TiAlN、ZrN、窒化タンタル、窒化タングステンなど)、炭化物(例えば、TiC、SiC、TaC、NbC、ZrC、WCなど)、および/または化成コーティング(例えば、イリダイトNCPなどのクロメート化成プロセス、またはCa、Ba、Zn、MnもしくはFeに基づくものを含めた、ホスフェート化成コーティング)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。(当業者に公知の通り、化成コーティングとは、構成要素の表面に、それを別の物質に変換するコーティング材料による化学的または電気化学的プロセスが施される、コーティングのことである)。
様々な実施形態では、化成コーティングの構造は、基材の上部に2つまたはそれより多い層を含む、これらから本質的になるまたはこれらからなることができる。様々な実施形態では、第1の層は、第1の層の上部に存在する1つまたは複数の化成コーティング薄膜層を有する界面層である。様々な実施形態では、界面層は、基材材料中の元素と化成コーティング薄膜の1つもしくは複数の元素との混合物、または化成コーティング溶液中に存在する様々な化合物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物などのハロゲン化物;ホスフェートまたはリン化物;およびスルフェートまたはスルフィド)に由来する1種もしくは複数種の元素を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、追加の層、または界面層と外側化成コーティング薄膜層との間の層は、他の層の組成間の範囲にある段階的組成物を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、基材は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金またはステンレス鋼(例えば、オーステナイト系(300シリーズ)またはフェライト系(400シリーズ)の種類)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、界面薄膜に存在してもよい元素は、Al、Cu、Fe、Ni、F、P、S、Br、I、Kおよび/またはClを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、酸素は、界面薄膜中にさらに存在する。様々な実施形態では、化成コーティング薄膜層はまた、遷移金属(例えば、Mo、Zr、Ti、W、Cr、Mn、V、W、Fe、Co、Ni、CuまたはZn)および/または希土類(例えば、Ce、La、NdまたはPr)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、化成コーティング薄膜層は、界面層よりもかなり厚い。様々な実施形態では、界面層の厚さは、約0.001ミクロン~約0.01ミクロンの間の範囲にある一方、化成コーティング薄膜層(複数可)の全厚さは、約0.025ミクロン~約10ミクロンの間の範囲にある。様々な実施形態では、界面層の厚さは、約0.002ミクロン~約0.006ミクロンの間の範囲である一方、化成コーティング薄膜層(複数可)の全厚さは、約0.05ミクロン~約5ミクロンの間の範囲にある。様々な実施形態では、界面層の厚さは、約0.002ミクロン~約0.006ミクロンの間の範囲にある一方、化成コーティング薄膜層(複数可)の全厚さは、約0.075ミクロン~約3ミクロンの間の範囲にある。
化学化成コーティングを堆積させるための市販で入手可能な様々なプロセスおよび化学溶液が存在する。イリダイトNCPは、Zr、FおよびWを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる最終薄膜を伴う、ジルコニウムおよびタングステンを含むフッ化物溶液である。Chemeon TCP-HFは、Cr、K、Na、S、Zr、ならびに少量のPrおよびCaを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる最終薄膜を伴う、ジルコニウムを含む硫酸クロム(III)(Cr(SO)溶液である。Henkel Alodine 5200は、Ti、Zr、KおよびFを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる薄膜をもたらす、ヘキサフルオロジルコン酸カリウム(KZrF)およびヘキサフルオロチタン酸(HTiF)溶液である。
1つまたは複数のコーティングは、アルミニウム、銅またはグラファイトスタック構成要素(例えば、相互接続部、端子相互接続部および/またはエンドプレート)のうちの1つまたは複数の表面の全体または一部に堆積させることができる。コーティングはまた、アルミニウム、銅またはグラファイト以外の材料から作製されているスタック構成要素の1つまたは複数の表面の全体または一部に堆積させることができる。例えば、コーティングは、ステンレス鋼(例えば、304または316などの300シリーズのステンレス鋼;430、440または441などの400シリーズのステンレス鋼;インコネルまたはハステロイなどの高温ニッケル合金;およびCrofer APU22などのSOFCスタックに時として使用されるより特殊な材料)表面に堆積させることができる。様々な実施形態では、コーティングは、機械的接合および冶金学的(すなわち、クラッディング)による2種またはそれより多くの材料の接合、ならびに2種またはそれより多くの材料間でのその後の拡散および界面層の生成を伴う必要に応じた追加の加熱処理によって形成される。コーティングとは異なり、クラッディングは、広い範囲の可能な厚さも被覆する、非常に高密度な層をもたらすことができる。様々な実施形態では、クラッディングの厚さは、約125ミクロン~約5mmの間で様々となり得る。様々な実施形態では、クラッディングの厚さは、約250ミクロン~約3mmの間で様々となり得る。様々な実施形態では、クラッディングの厚さは、約300ミクロン~約1mmの間で様々となり得る。様々な実施形態では、クラッディングの外側層は、この部分の全厚さ(すなわち、コアおよびクラッド層の厚さを一緒にしたもの)の約2%~60%である。様々な実施形態では、クラッディングの外側層は、この部分の全厚さ(すなわち、コアおよびクラッド層の厚さを一緒にしたもの)の約5%~50%である。様々な実施形態では、クラッディングの外側層は、この部分の全厚さ(すなわち、コアおよびクラッド層の厚さを一緒にしたもの)の約10%~35%である。様々な実施形態では、クラッディングの外側層は、この部分の全厚さ(すなわち、コアおよびクラッド層の厚さを一緒にしたもの)の約20%~30%である。
非常に密度の高いクラッディングは、望ましくない化学種(例えば、酸素)の拡散がコア材料に到達するのを軽減または防止することができ、これは、例えば、コアの望ましくない酸化を回避する結果をもたらし得る。様々な実施形態では、クラッディング層は、約0%~約5%の開放および/または閉鎖多孔度を有することができる。様々な実施形態では、クラッディング層は、約0%~約3%の開放多孔度(すなわち、貫通多孔度)および/または閉鎖多孔度を有することができる。様々な実施形態では、クラッディング層は、約0%~約1%の開放多孔度および/または閉鎖多孔度を有することができる。様々な実施形態では、クラッディング層は、約0%~約0.5%の開放多孔度および/または閉鎖多孔度を有することができる。様々な実施形態では、クラッディング層は、約0%~約0.1%の開放多孔度および/または閉鎖多孔度を有することができる。
様々な実施形態では、クラッディングはまた、クラッディングが接合する層と同じ厚さを有することができる(すなわち、基材が存在しない)。様々な実施形態では、クラッディングは、コア層のいずれか一方の側にクラッディング層が存在する場合、クラッディングが接合する層よりも厚くなり得る。様々な実施形態では、クラッディングは、コア上にオーバーレイする(すなわち、コアの外側表面の全体または一部を被覆する)。様々な実施形態では、クラッディングは、コア上にインレイする(すなわち、コア全体または一部に埋め込まれる)。様々な実施形態では、クラッディングは、コアの縁部内および/またはこれに沿って存在する。様々な実施形態では、クラッディングは、オーバーレイクラッド、インレイクラッドまたは縁部クラッド層化のいくつかの組合せを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、クラッディングは、コア層の外側表面全体の被覆を含む、これから本質的になる、またはそれからなることができる。
様々な実施形態では、相互接続部またはエンドプレートなどのスタック構成要素は、少なくとも1つの追加の材料に接合した、アルミニウム、銅、チタンまたはニッケルのうちの1種または複数種の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、スタック構成要素は、アルミニウム、銅、チタンもしくはニッケルのうちの1種または複数種の層を有する、ステンレス鋼、高温ニッケル合金、銅、アルミニウム、ニッケルまたはグラファイト材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタック構成要素は、コア材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができるか、または基材材料は、コア材料または基材材料の複数の側に接合された、アルミニウム、銅、チタンまたはニッケルの層を有する。様々な実施形態では、スタック構成要素(例えば、相互接続部)は、構成要素の両側の表面(例えば、カソードおよびアノード側の両方の表面)にニッケルの層を有する、ステンレス鋼製コアまたは基材(例えば、430または441ステンレス鋼)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタック構成要素(例えば、相互接続部)は、構成要素の一方の側の表面(例えば、アノード側の表面)にニッケルの層、および構成要素の他方の側の表面(例えば、カソード側の表面)にアルミニウムの層を有する、ステンレス鋼製コアまたは基材(例えば、430または441ステンレス鋼)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタック構成要素(例えば、相互接続部)は、例えば、クラッドコアの1つまたは複数の外側層のどちらか一方または両方と接触している追加の1つまたは複数の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、スタック構成要素(例えば、相互接続部)は、構成要素の一方の側の表面(例えば、アノード側の表面)にニッケルの層、および構成要素の他方の側の表面(例えば、カソード側の表面)にアルミニウムの層を有する、ステンレス鋼製コアまたは基材(例えば、430または441ステンレス鋼)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができ、ここで、追加のコーティング(例えば、TiNなどの窒化物またはSiCなどの炭化物)が、アルミニウム層の上部に存在する。様々な実施形態では、アルミニウムの1つまたは複数の合金(例えば、1XXXまたは6XXXシリーズからの合金)は、別のタイプのアルミニウム合金(例えば、2XXXシリーズからの合金)をクラッディングして、例えば、強度および腐食耐性の組合せ強化を得ることができる。
様々な実施形態では、シール/ガスケットを使用して、SOFCスタック構成要素をシールする。(本明細書において、「シール」および「ガスケット」は、特に示さない限り、互換的に利用される)。様々な実施形態では、シールは、雲母、バーミキュライト、ガラス、ろう付け用合金、アスベスト、ポリアミド(例えば、アラミド)、タルク、ポリイミド(例えば、Kapton)、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon)、ポリシロキサン(例えば、シリコーン)、および/またはシルセスキオキサン(例えば、フェニルシルセスキオキサン)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。シール材料は、SOFCスタック内部で単独型シールとして使用されてもよく、または2種もしくは複数のシール材料が、ハイブリッドシールとして一緒に利用されてもよい。例えば、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアミド-イミドまたはシルセスキオキサンは、雲母またはバーミキュライト製ガスケットの全体または一部の表面にコーティングされてもよい。代替的に、2個の別のガスケットを互いの上部に単純に積層させて(それらの間に接着剤を使用して、または使用しないで)、ハイブリッドシールを形成させてもよい。様々な実施形態では、シールはまた、2種またはそれより多い材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる、コンポジットシールであってもよい。例えば、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアミド-イミドまたはシルセスキオキサンは、雲母、タルクまたはバーミキュライトと一緒に混合されて、シールを形成することができる。様々な実施形態では、コンポジットシールは、少なくとも20%、少なくとも30%またはさらには少なくとも40%のポリマー材料または他の炭素ベースの材料を含む。シールは、アルミニウム、銅もしくはグラファイトから作製されたスタック構成要素と共に、またはアルミニウム、銅もしくはグラファイトから作製されたスタック構成要素の間に、セラミック構成要素(例えば、セル)をシールするために使用されてもよい。このシールはまた、ステンレス鋼または他のスタック構成要素(例えば、304または316などの300シリーズのステンレス鋼;430、440または441などの400シリーズのステンレス鋼;インコネルまたはハステロイなどの高温ニッケル合金;およびCrofer APU22などのSOFCスタックに時として使用されるより特殊な材料)にセラミック構成要素(例えば、セル)をシールするために使用されてもよい。
本発明の実施形態によるSOFCデバイスはまた、従来のデバイスと比較した場合、優れた機械的特性を示すことができる。例えば、アルミニウムの比強度(約115kN-m/kg)は、ステンレス鋼の比強度(約63.1kN-m/kg)よりも高く、アルミニウムはまた、ステンレス鋼などの材料よりも水素曝露によって脆くなる可能性はかなり低い。アルミニウムおよびグラファイトなどの本発明の実施形態によるSOFC構成要素の材料はまた、ステンレス鋼または他の特殊な高温金属合金よりも少なくとも約3倍軽く、SOFCスタックの重量を低下させて、機械的強度要件を緩和する。
特定のタイプの燃料電池(例えば、低温ポリマー電解質膜(PEM)燃料電池(プロトン交換膜燃料電池としても公知)および固体酸燃料電池(SAFC))用の燃料電池スタックもまた、アルミニウムおよび/またはグラファイトスタック構成要素を利用することができる。しかし、これらのタイプの燃料電池はセラミックベースではなく、動作温度は、典型的なPEM燃料電池の場合は約100℃、高温PEM燃料電池の場合は約200℃、SAFC技術の場合は約300℃に限定される。SOFCは、より高い温度で動作する(例えば、400℃~900℃、または350℃という低さでさえも理論的に可能である)。PEM燃料電池は、ポリマー電解質を使用し、SAFCは、固体酸電解質を使用し、この場合、固体酸は、塩と酸との化学的中間体である。本発明の様々な実施形態によるSOFCは、PEM燃料電池などのヒドロニウムイオン(H)伝導体およびSAFCなどのプロトン伝導体とは対照的に、酸素イオン伝導体である(しかし、以下で一層詳細に説明されている通り、本発明の実施形態によるいくつかのSOFCは、プロトン伝導性である)。PEM燃料電池およびSAFCとは異なり、SOFCおよび本発明の実施形態による他のデバイスは、セラミック電解質を利用する。
本明細書において利用される場合、「セラミック」は、主にイオン結合および共有結合で保持された金属、非金属またはメタロイド原子からなる無機化合物を含む固体材料である。これには、すべての金属および非金属元素固体の酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、ケイ化物およびケイ酸塩が含まれる。セラミックは、1種または複数種の非金属元素固体の組合せ(例えば、SiC)、または金属と非金属元素固体の間の組合せ(例えば、TiC)とすることができる。対照的に、SAFCは、通常、結晶性塩構造(例えば、CsSO)に組み込まれた本質的に酸性のプロトン(例えば、HSO)である固体酸を特色とする。塩はイオン結合のみ有し、したがって、固体酸は、主に水素結合およびイオン結合を有する。さらに、水素は典型的なSAFC材料(M(XOの形態であり、Mは、一価または二価の陽イオンであり、XOは、四面体のオキシ陰イオンである)の分子結晶構造の一部であり、オキシ陰イオン性基を連結して、3D構造(および、時には、二量体または鎖も形成する)を形成する、水素結合ネットワークを形成する。水素は、セラミックプロトン伝導性電解質の結晶構造の一部ではない。セラミックプロトン伝導体は、ペロブスカイトになる傾向がある。セラミックプロトン伝導性材料を使用するデバイスの動作中に、水素が、結晶構造に(例えば、格子間原子および/または空孔として)組み込まれることがあるが、結晶構造の一部ではない。したがって、本発明の実施形態は、プロトン伝導性セラミック電解質を組み込んだSOFCを含む。
アルミニウムおよびアルミニウム合金は、比較的低い溶融温度を有しており、電気抵抗性の酸化層を形成し、これにより、SOFCの動作条件で、それぞれ構造安定性問題および非常に高い抵抗が生じることがある。大部分のSOFCは、高温(例えば、≧800℃)で動作し、したがって、開発者/研究者は、通常、表面酸化とその結果生じる抵抗の増加を回避するため、コーティングされたステンレス鋼を利用する。Alの熱膨張係数は、ステンレス鋼およびSOFCの熱膨張係数の約2倍である。熱の不適合により、SOFCのひび割れまたはスタック漏出が起こる恐れがある。さらに、PEMFCまたはSAFCが、一部の例では、SOFCスタック構成要素においてアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することができるものの、このような燃料電池の実際の上限実用動作温度(例えば、約300℃)は、先進SOFCの場合の下限動作温度(bottom-end operation temperature)(例えば、約400℃)から十分に離れているので、単にSOFCスタックにアルミニウムまたは銅を使用した場合に起こり得るこのような問題は、PEMFCまたはSAFCの場合には、問題にならない(または、問題は同じである)。これらの理由のため、アルミニウムおよびアルミニウム合金ベースの構成要素は、SOFC、SOEC、SOMおよび関連デバイスにおいてこれまで使用されてこなかった。銅の場合の状況も似ている。
従来のSOFCは、SOFCの動作温度が高い(通常、≧800℃)ことが一部、理由のため、通常、ガラスおよび/またはセラミック製シールを使用する。通常、グラファイトは約500℃を超える温度で酸化し、分解し始め、これが、グラファイトベースのスタック構成要素が、SOFC、SOEC、SOMおよび関連デバイスにおいてこれまで使用されていなかった理由の1つである。さらに、グラファイトの熱膨張係数(TEC)は異方性であるが、グラファイトの厚さ方向のTECは、SOFCまたは従来のステンレス鋼スタック構成要素のTECの約2~3倍になり得る。面内TECは、通常、SOFCまたは従来のステンレス鋼製スタック構成要素のTECの半分より小さい。特殊な核グレードのグラファイト構成要素は、一層等方性となるか、または半等方性となるように設計されており、SOFCまたは従来のステンレス鋼製スタック構成要素のTECの約60%未満となる、すべての方向でより均一なTECを有する。さらに、PEMFCまたはSAFCが、一部の例では、グラファイトを使用することができるものの、このような燃料電池の上限実用動作温度(例えば、約300℃)は、先進SOFCの場合の下限動作温度(例えば、約400℃)から十分に離れているので、単にSOFCスタックにグラファイトを使用した場合に起こり得るこのような問題は、PEMFCまたはSAFCの場合に、問題にならない(または、問題は同じである)。
ポリマーベースのシールは、分解温度が比較的低く、比較的低い温度で酸化する恐れがあり、これは、シールの構造的完全性に悪影響を及ぼし得、スタックの漏出につながる恐れがある。大部分のポリマーの融点および分解温度は、SOFCの最低動作温度範囲(例えば、≦350℃)を十分に下回る。典型的なSOFCは、800℃超で動作するので、開発者および研究者は、ポリマーシールを使用しようとすることに動機付けされないと思われる。SOFC動作のより低い温度範囲(例えば、400~550℃)においてさえも、とりわけ、従来のポリマーシールを使用した場合、酸化およびその後の漏出のリスクがあるため、研究者はポリマーシールを使用することに動機付けされないと思われる。
炭化物および窒化物コーティングは、高温で酸化する、およびまたは分解する傾向がある。さらに、多くの場合、炭化物および窒化物の導電率は、温度の上昇と共に低下する。最後に、温度が上昇すると、コーティングと基材(例えば、相互接続部)もしくはコーティングとSOFCセルが反応してSOFC性能を低下させる、またはこれらが反応して、SOFCスタック性能を低下させる、相互接続部表面に望ましくない(例えば、絶縁性)相またはスケールを生成するというリスクが増大する。典型的なSOFCは、800℃を超えて動作するので、開発者および研究者は、材料間で酸化および他の望ましくない反応が起こるのを防止するために、追加の構造体または層を使用しないで、窒化物または炭化物のコーティングを使用しようとする動機付けがされないと思われる。さらに、PEMFCまたはSAFCが、一部の例では、炭化物および窒化物コーティングを使用することができるものの、このような燃料電池の上限実用動作温度(例えば、約300℃)は、先進SOFCの場合の下限動作温度(例えば、約400℃)から十分に離れているので、単にSOFCに起こり得るこのような問題は、PEMFCまたはSAFCの場合に、問題にならない。アルミニウム金属間化合物および化成コーティングについても同じことを言うことができる。
本発明の実施形態によるSOFCは、固体セラミックおよび/または固体酸化物電解質を利用し、少なくとも400℃の温度で動作することができる(本明細書において利用する場合、「セラミック電解質」は、「固体酸化物」を含む、これから本質的になる、またはこれからなる電解質を含むと理解される)。したがって、本発明の実施形態によるSOFCは、ポリマーベースのセルまたはポリマーベースのセル構成要素(例えば、ポリマー電解質)、液体加湿膜、液体電解質、固体酸電解質(例えば、固体酸燃料電池)、または溶融塩電解質(例えば、溶融炭酸塩燃料電池)を組み込まない(CsHPOなどの固体酸電解質は、本明細書において定義されている通り、SOFCのセラミック電解質ではないことに留意されたい)。固体酸は、プロトン化されている「酸」プロトン(例えば、HSO)が結晶構造に組み込まれている化合物のクラスである(例えば、1/2CsSO+1/2HSO→CsHSO)。固体酸燃料電池の電解質は、通常、プロトン伝導性オキシ陰イオン塩であり、セラミックでもセラミック酸化物でもない。
本発明の様々な実施形態は、例えば、それらの全開示が参照により本明細書に組み込まれている、どちらも2017年3月17日出願の米国特許出願第15/461,708号および同第15/461,709号(第’708号および第’709号出願)に開示されている通り、電解質とカソードとの間の界面抵抗を低下させるために、電解質とカソードとの間に薄い機能層(すなわち、カソード機能層)を組み込む。例えば、機能層は、ガドリニウムをドープした酸化セリウム(IV)と混合したコバルト(Co-GDC、例えば、Co-Ce0.9Gd0.11.95、またはコバルトをドープしたCe0.9Gd0.11.95)、またはサマリウムをドープした酸化セリウム(IV)と混合したコバルト(Co-SDC、例えば、Co-Ce0.8Sm0.21.9またはコバルトをドープしたCe0.8Sm0.21.9)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができ、機能層は、固体電解質およびカソード材料に直接接触させて配設されてもよい。
本発明の実施形態はまた、電解質とアノードとの間に薄い機能層(すなわち、アノード機能層)を利用してもよく、この層によって、アノード支持層(ASL)と電解質との間の化学的、機械的および/または電気化学的適合性の増強をもたらす、ならびに/あるいは電気触媒活性の増強をもたらす。アノード機能層は、ASLと異なる組成物(これは、等級分けされていることがある)、粒子サイズ、ねじれおよび/または幾何形状を有し得る。
SOFCは、本発明の実施形態の記載における例示的なデバイスとして本明細書において利用されるが、本発明の実施形態はまた、他のタイプの固体状態の電気化学セルも包含することを理解すべきである。例えば、第2のタイプの固体状態の電気化学セルは、固体酸化物形電解セル(SOEC)として知られており、これは、逆方向に動作するSOFCに似ている。言い換えると、SOECは、SOFCの逆反応を推進するための入力として電気を受け取り、この場合、水(および/または二酸化炭素)は、燃料(または水素)電極において水素(および/または一酸化炭素)に、および酸素電極において酸素に変換される。SOECにおける電解質がプロトン伝導体である場合、酸素電極は蒸気電極と呼ばれることもある。SOECは、電気エネルギーの化学エネルギーへの変換が関与する電解セルである一方、SOFCは、化学エネルギーの電気エネルギーへの変換が関与するガルバニ電池である。SOFCと同様に、SOECは、通常、500℃~800℃(または可能性として、約400℃と低い)の間で動作し、固体酸化物(セラミック)電解質、燃料電極および酸素電極を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる層化構造である。例えば、電解SOECモードでは、燃料電極がカソードとなり、酸素電極がアノードとなる。SOFCと同様に、SOECの最も一般的な電解質は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含む高密度イオン伝導体である。他のいくつかの選択肢は、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、ドープした酸化セリウム(IV)ベースの電解質または没食子酸ランタン材料である。最も一般的な燃料電極材料は、Ni-YSZサーメットである。サーメットは、金属-セラミックコンポジット材料である。ペロブスカイト型ランタンストロンチウムマンガン(LSM)は、最も一般的な酸素-電極材料の1つであるが、他の材料も可能である。SOECは、SOFCと全く同様に、平面または管状であってもよい。SOEC電解質はまた、酸素イオンではなくプロトンを伝導することができる。さらに、SOECは、ある種の場合、SOFCと全く同じであり、SOFCモードとSOECモードの両方で使用することができる。これは、可逆性または再生燃料電池として知られている。
第3のタイプの固体状態の電気化学セルは、固体酸化物膜(SOM)反応器または電気触媒反応器として知られている。反応器は、高温(通常、600℃~1,000℃)において、酸化物イオン(および/またはプロトン)を輸送することができる固体酸化物、気密セラミック電解質または膜によって分離された2つのチャンバーを有する。このような電気化学セルは、電解モードで動作し、投入原料化学品(例えば、CH)を他の価値がより高い化学品(例えば、エチレン)に変換することができる、および/または反応は、膜のいずれかの側の圧力または濃度勾配によって推進され得る。各チャンバー内の触媒は、特定の生成物にとって他よりも一層有利な反応部位を提供する、および/または反応経路を生成することによって、この生成物への選択性を高めることができる。SOM反応器はまた、メタンからシンガス(主に水素および一酸化炭素)が形成する部分酸化反応、エタンおよびエチレンを形成するメタンの酸化的カップリング(OCM)、およびさらには空気からの高純度酸素の生成を推進するために使用されてきた。SOM反応器は、SOFCと全く同様に、平面または管状であり得る。
本発明の開示および実施形態は、「SOEC」、可逆性または再生SOFC、「SOM」、電気触媒反応器または他の固体状態の電気化学セル、および関連デバイスを含めた、SOFC以外の固体酸化物電気化学セルデバイスに適用される。本明細書において、SOFCを言う場合、特に示さない限り、「SOEC」、可逆性または再生SOFC、「SOM」、電気触媒反応器、または他の固体状態の電気化学セル、および関連デバイスを含み、これらを包含すると理解することができる。様々なデバイスにおける様々な電極および電解質に使用される用語は、デバイスが、通常、動作する動作モード(例えば、ガルバニ対電解)に起因して、または動作中にデバイスの特定の側に流れるガス状副生物または反応剤に起因して異なることがある。アノードは、酸化が起こる場所である(つまり、電子が電極を離れる)。カソードは、還元が起こる場所である(つまり、電子が電極に入る)。電解動作モード(例えば、SOECを使用する場合など)では、アノードは、酸素電極(例えば、酸素源が流れるデバイスの側)として知られていることがある一方、カソードは、燃料電極または水素電極(例えば、「燃料」が流れるデバイスの側)として知られていることがある。SOECにおける電解質が、プロトン伝導体である場合、蒸気が酸素源となることが多いので、酸素電極は、蒸気電極と呼ばれることもある。本発明の実施形態による、様々なタイプのデバイスのための典型的なアノード、カソードおよび全体的な反応には、以下が含まれる:

SOFC
アノード:2H+2O2-→2HO+4e
カソード:O+4e→2O2-
全体:2H+O→2H

PC-SOFC(プロトンが伝導する)
アノード:H→2H+2e
カソード:1/2O+2H+2e→H
全体:H+1/2O→H

SOEC
アノード:O2-→1/2O+2e(O電極)
カソード:HO+2e→H+O2-(燃料またはH電極)
全体:HO→H+1/2O

P-SOEC(プロトンが伝導する)
アノード:HO→2H+1/2O+2e
カソード:2H+2e→H
全体:HO→H+1/2O

COの電気化学的/電気触媒的還元(酸素イオン伝導体)
アノード:2O2-→O+4e
カソード:2CO+4e→2CO+2O2-
全体:2CO→2CO+O
一態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、および上部エンドプレートと底部エンドプレートとの間に配設されている1つまたは複数の繰り返しユニットを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。各繰り返しユニットは、セル、固体、導電性相互接続プレートおよびシールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。相互接続プレートは、セルから電流を伝導する。シールは、相互接続プレートとセルとの間の、繰り返しユニットの少なくとも外縁に配設される。シールは、繰り返しユニットからのガス漏出を低減する。相互接続プレートおよびセルは、シールにおいて互いに電気絶縁されている。デバイスでは、(i)相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、もしくはこれらからなる、(ii)シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、もしくはこれからなる、ならびに/または(iii)底部エンドプレートおよび/もしくは上部エンドプレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/もしくは銅を含む、これらから本質的になる、もしくはこれらからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。繰り返しユニットは、直列で電気的に接続され得る。シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムまたは銅を含まなくてもよい、これらから本質的にならなくてもよい、またはこれらからならなくてもよい。相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、グラファイトを含まなくてもよい、これから本質的にならなくてもよい、またはこれからならなくてもよい。シールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。底部エンドプレートおよび/または上部エンドプレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムまたは銅を含まなくてもよい、これらから本質的にならなくてもよい、またはこれらからならなくてもよい。相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、グラファイトを含まなくてもよい、これらから本質的にならなくてもよい、またはこれらからならなくてもよい。シールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
デバイスは、相互接続プレート、底部エンドプレートおよび/または上部エンドプレート上に配設されているコーティングを含んでもよい。コーティングは、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、相互接続プレートをセルに電気的に接続するための複数の突出した接触フィーチャを画定することができる。導電性コーティングまたはクラッディングを、接触フィーチャの少なくとも上部表面の上に配設してもよい。相互接続プレートは、それを通る燃料および/または酸素源の伝導のための1つまたは複数のフローチャネルを画定することができる。導電性の多孔質またはメッシュ状の集電体を、セルと相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設することができる。外部シールを繰り返しユニットの外縁の周囲に配設することができ、相互接続プレートおよび/またはシールを封入して、その酸化を低減することができる。デバイスは、電気絶縁性の第1の層および/または電気絶縁性の第2の層を含むことができる。第1の層は、シールと相互接続プレートとの間に配設することができる。第2の層は、シールとセルとの間に配設することができる。シールは、第1の層および第2の層を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の層および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の層および/または第2の層は、導電性であってもよい。デバイスは、シールの第1の表面に配設されている電気絶縁性の第1のコーティング、および/またはシールの第1の表面の反対側の第2の表面に配設されている電気絶縁性の第2のコーティングを含むことができる。1つまたは複数の繰り返しユニットは、上部エンドプレートおよび底部エンドプレートに電気的に接続され得る。1つまたは複数の繰り返しユニットは、上部エンドプレートおよび底部エンドプレートに電気的に接続されていなくてもよい。上部端子相互接続プレートは、上部エンドプレートと複数の繰り返しユニットとの間に配設することができる。上部端子相互接続プレートは、複数の繰り返しユニットに電気的に接続されていてもよい。底部端子相互接続プレートは、底部エンドプレートと複数の繰り返しユニットとの間に配設されていてもよい。底部端子相互接続プレートは、複数の繰り返しユニットに電気的に接続されていてもよい。相互接続プレートの周縁部は、それらの間にシールなしに、隣接する繰り返しユニットのセルに直接接触するように成形されていてもよい。
別の態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、および上部エンドプレートと底部エンドプレートとの間に配設されている、(i)セル、(ii)固体の導電性の第1の相互接続プレート、(iii)固体の導電性の第2の相互接続プレート、(iv)第1のシールおよび(v)第2のシールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる、固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。セルは、上部表面、および上部表面の反対側に底部表面を有する。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。第1の相互接続プレートは、セルの上部表面の上に配設されており、セルに電気的に接続されている。第2の相互接続プレートは、セルの底部表面の下に配置されており、セルに電気的に接続されている。第1のシールは、第1の相互接続プレートとセルとの間に、第1の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設される。第1の相互接続プレートおよびセルは、第1のシールにおいて互いに電気絶縁されている。第2のシールは、第2の相互接続プレートとセルとの間に、第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設される。第2の相互接続プレートおよびセルは、第2のシールにおいて互いに電気絶縁されている。デバイスにおいて、(i)第1の相互接続部および/もしくは第2の相互接続部は、グラファイト、アルミニウムおよび/もしくは銅を含む、これらから本質的になる、もしくはこれらからなる、ならびに/または(ii)第1のシールおよび/もしくは第2のシールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、もしくはこれからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。スペーサーは、セルの周縁部の周囲、かつ第1のシールと第2のシールとの間に配設することができる。外部シールは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、第1のシールおよび/または第2のシールの外側周縁部の周囲に配設されてもよく、これを封入してもよい。導電性の多孔質またはメッシュ状の第1の集電体を、セルと第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設することができる。導電性の多孔質またはメッシュ状の第2の集電体を、セルと第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設することができる。デバイスは、第1のシールと第1の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、第1のシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層、第2のシールと第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第3の層、および/または第2のシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第4の層を含むことができる。第1のシールは、第1の層および第2の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の層および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第2のシールは、第3の層および第4の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第3および第4の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。デバイスは、セルの上部表面に面する第1の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第1のコーティング、および/またはセルの底部表面に面する第2の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第2のコーティングを含むことができる。
第1のシールおよび/または第2のシールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムまたは銅を含まなくてもよい、これらから本質的にならなくてもよい、またはこれらからならなくてもよい。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1のシールおよび/または第2のシールは、グラファイトを含まなくてもよく、これから本質的にならなくてもよく、またはこれからならなくてもよい。第1のシールおよび/または第2のシールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。コーティングは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、底部エンドプレート、および/または上部エンドプレート上に配設されていてもよい。コーティングは、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、上部エンドプレートと底部エンドプレートとの間に配設されている、(i)セル、(ii)固体の導電性の第1の相互接続プレート、(iii)固体の導電性の第2の相互接続プレート、および(iv)第2の相互接続プレートとセルとの間に、第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されているシールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる、固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。セルは、上部表面、および上部表面の反対側に底部表面を有する。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。第1の相互接続プレートは、セルの上部表面の上に配設されており、セルに電気的に接続されている。第1の相互接続プレートの周縁部は、セルに直接的に機械的接触させて配設されている。第2の相互接続プレートは、セルの底部表面の下に配置されており、セルに電気的に接続されている。第2の相互接続プレートおよびセルは、シールにおいて互いに電気絶縁されている。デバイスでは、(i)第1の相互接続部および/もしくは第2の相互接続部は、グラファイト、アルミニウムおよび/もしくは銅を含む、これらから本質的になる、もしくはこれらからなる、ならびに/または(ii)シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、もしくはこれからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。スペーサーは、セルの周縁部の周囲、かつ第1の相互接続プレートとシールとの間に配設することができる。デバイスは、第1の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第1の外部シール、および/または第2の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第2の外部シールを含むことができる。デバイスは、セルと第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/またはセルと第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体を含むことができる。デバイスは、シールと第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、および/またはシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層を含むことができる。シールは、第1の層および第2の層を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の層および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。デバイスは、セルの上部表面に面する第1の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第1のコーティング、および/またはセルの底部表面に面する第2の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第2のコーティングを含むことができる。
シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムまたは銅を含まなくてもよい、これらから本質的にならなくてもよい、またはこれらからならなくてもよい。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、グラファイトを含まなくてもよい、これから本質的にならなくてもよい、またはこれからならなくてもよい。シールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。コーティングは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、底部エンドプレート、および/または上部エンドプレート上に配設されていてもよい。コーティングは、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
別の態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、上部エンドプレートと底部エンドプレートとの間に配設されている1つまたは複数の繰り返しユニット、およびコーティングを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。各繰り返しユニットは、(i)セル、(ii)セルから電流を伝導するための固体の導電性相互接続プレート、および(iii)繰り返しユニットからのガス漏出を低減するための、相互接続プレートとセルとの間に、繰り返しユニットの少なくとも外縁に配設されているシールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。相互接続プレートおよびセルは、シールにおいて互いに電気絶縁されている。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。コーティングは、相互接続プレート、底部エンドプレートおよび/または上部エンドプレート上に配設されている。コーティングは、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。相互接続プレートは、端子相互接続プレートを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。コーティングは、クラッディングを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。コーティングは、複数の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第1の層は、窒化物セラミックを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第2の層は、金属を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。金属は、アルミニウムを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。繰り返しユニットは、直列で電気的に接続され得る。シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。相互接続プレートは、相互接続プレートをセルに電気的に接続するための複数の突出した接触フィーチャを画定することができる。導電性コーティングまたはクラッディングを、接触フィーチャの少なくとも上部表面の上に配設することができる。相互接続プレートは、それを通る燃料および/または酸素源の伝導のための1つまたは複数のフローチャネルを画定することができる。導電性の多孔質またはメッシュ状の集電体を、セルと相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設することができる。
外部シールを繰り返しユニットの外縁の周囲に配設することができ、相互接続プレートおよび/またはシールを封入して、その酸化を低減することができる。デバイスは、シールと相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、および/またはシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層を含むことができる。シールは、第1の層および第2の層を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の層または第2の層は、導電性であってもよい。デバイスは、シールの第1の表面に配設されている電気絶縁性の第1のコーティング、および/またはシールの第1の表面の反対側の第2の表面に配設されている電気絶縁性の第2のコーティングを含むことができる。上部エンドプレートおよび/または底部エンドプレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。1つまたは複数の繰り返しユニットは、上部エンドプレートおよび底部エンドプレートに電気的に接続され得る。1つまたは複数の繰り返しユニットは、上部エンドプレートおよび底部エンドプレートに電気的に接続されていなくてもよい。デバイスは、上部エンドプレートと複数の繰り返しユニットとの間に配設されている上部端子相互接続プレートを含むことができる。上部端子相互接続プレートは、複数の繰り返しユニットに電気的に接続されていてもよい。デバイスは、底部エンドプレートと複数の繰り返しユニットとの間に配設されている底部端子相互接続プレートを含むことができる。底部端子相互接続プレートは、複数の繰り返しユニットに電気的に接続されていてもよい。相互接続プレートの周縁部は、それらの間にシールなしに、隣接する繰り返しユニットのセルに直接接触するように成形されていてもよい。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、コーティング、ならびに上部と底部エンドプレートの間に配設されている、(i)上部表面および上部表面の反対側に底部表面を有するセル、(ii)セルの上部表面の上に配設されており、セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレート、(iii)セルの底部表面の下に配設されており、セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート、(iv)第1の相互接続プレートとセルとの間に、第1の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている、第1のシール、および(v)第2の相互接続プレートとセルとの間に、第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている、第2のシールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。第1の相互接続プレートおよびセルは、第1のシールにおいて互いに電気絶縁されている。第2の相互接続プレートおよびセルは、第2のシールにおいて互いに電気絶縁されている。コーティングは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、底部エンドプレート、および/または上部エンドプレート上に配設されている。コーティングは、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、端子相互接続プレートを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。コーティングは、クラッディングを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。コーティングは、複数の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第1の層は、窒化物セラミックを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第2の層は、金属を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。金属は、アルミニウムを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。スペーサーは、セルの周縁部の周囲、かつ第1のシールと第2のシールとの間に配設することができる。外部シールは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、第1のシールおよび/または第2のシールの外側周縁部の周囲に配設されてもよく、これを封入してもよい。デバイスは、セルと第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/またはセルと第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体を含むことができる。
デバイスは、(i)第1のシールと第1の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、(ii)第1のシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層、(iii)第2のシールと第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第3の層、および/または(iv)第2のシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第4の層を含むことができる。第1のシールは、第1の層および第2の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の層および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第2のシールは、第3の層および第4の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第3および第4の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1のシールおよび/または第2のシールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1のシールおよび/または第2のシールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
別の態様では、本発明の実施形態は、底部エンドプレート、上部エンドプレート、コーティング、ならびに上部エンドプレートと底部エンドプレートの間に配設されている、(i)上部表面および上部表面の反対側に底部表面を有するセル、(ii)セルの上部表面の上に配設されており、セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレート、(iii)セルの底部表面の下に配設されており、セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート、および(iv)第2の相互接続プレートとセルとの間に、第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている、シールを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる固体酸化物燃料電池デバイスを特色とする。セルは、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。第1の相互接続プレートの周縁部は、セルに直接的に機械的接触させて配設されている。第2の相互接続プレートおよびセルは、シールにおいて互いに電気絶縁されている。コーティングは、第1の相互接続プレート、第2の相互接続プレート、底部エンドプレート、および/または上部エンドプレート上に配設されている。コーティングは、グラファイト、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティング、および/またはアルミニウム金属間化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の実施形態は、様々な組合せのいずれかにおいて、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、端子相互接続プレートとすることができる。コーティングは、クラッディングであってもよい。コーティングは、複数の層を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第1の層は、窒化物セラミックを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。層のうちの少なくとも第2の層は、金属を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。金属は、アルミニウムを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。スペーサーは、セルの周縁部の周囲、かつ第1の相互接続プレートとシールとの間に配設することができる。デバイスは、第1の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第1の外部シール、および/または第2の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第2の外部シールを含むことができる。デバイスは、セルと第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/またはセルと第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体を含むことができる。デバイスは、シールと第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、および/またはシールとセルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層を含むことができる。シールは、第1の層および第2の層を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の層および第2の層は、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。シールは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、ステンレス鋼および/またはニッケル基超合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。第1の相互接続プレートおよび/または第2の相互接続プレートは、グラファイト、アルミニウムおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シールは、ガラス、1種もしくは複数種のろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料、および/またはポリマー材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
これらおよび他の目的は、本明細書において開示されている本発明の利点および特色と共に、以下の記載、添付の図面および特許請求の範囲を参照することにより、一層明らかになろう。さらに、本明細書に記載されている様々な実施形態の特色は、相互に排他的なものではなく、様々に組み合わせておよび変更して存在し得ることが理解されるべきである。本明細書において使用する場合、「約」および「実質的に」という用語は、±10%を意味し、一部の実施形態では、±5%を意味する。「から本質的になる」という用語は、本明細書において特に定義しない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それでもやはり、このような他の材料は、まとめてまたは別に、微量で存在することがある。例えば、1種または複数種の金属から本質的になる構造体は、その金属(またはそれらの金属)のみと、化学分析では検出することができるが機能には寄与しない意図しない不純物(これは、金属であってもよく、または非金属であってもよい)のみを一般に含む。
図面では、同じ参照文字は、一般に、異なる図全体で同じ部分を参照する。同様に、図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示するために一般に強調がなされている。以下の記載において、本発明の様々な実施形態は、以下の図面を参照して記載される。
図1は、本発明の様々な実施形態による、固体酸化物燃料電池の模式図である。 図2は、本発明の様々な実施形態による、固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの一部の模式図である。 図3Aは、本発明の様々な実施形態による、エンドプレートを備える、固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの模式図である。 図3Bは、本発明の様々な実施形態による、図3Aのデバイスのスタックの繰り返しユニットの分解図である。 図3Cおよび3Dは、本発明の様々な実施形態による、U形状およびZ形状のマニホールドの流れ配置を概略的に図示する。 図3Cおよび3Dは、本発明の様々な実施形態による、U形状およびZ形状のマニホールドの流れ配置を概略的に図示する。 図3Eは、本発明の様々な実施形態による、相互接続部が、例示的なU形状マニホールドの流れ配置におけるスタック内に配列されている際の相互接続部の分解図である。 図3Fは、本発明の様々な実施形態による、側板のマニホールドにより作製された外部流体連結部を備える、直接的なマニホールドを使用するスタックの分解図である。 図4Aは、本発明の様々な実施形態による、セルおよび相互接続部がほぼ同じサイズである、スタックの繰り返しユニットの概略斜視図である。 図4Bは、本発明の様々な実施形態による、スタックの縁部の近位の線4B-4Bに沿った、図4Aの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置と電気接触している。 図4Cは、本発明の様々な実施形態による、スタックの中間領域の近位の線4C-4Cに沿った、図4Aの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置と電気接触している。 図4Dは、本発明の様々な実施形態による、スタックの縁部の近位の線4B-4Bに沿った、図4Aの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置から電気隔離されている。 図4Eは、本発明の様々な実施形態による、スタックの中間領域の近位の線4C-4Cに沿った、図4Aの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置から電気隔離されている。 図4Fは、セルが相互接続部よりも小さい、スタックの繰り返しユニットの概略斜視図である。 図4Gは、本発明の様々な実施形態による、スタックの縁部近位の線4G-4Gの線に沿った、図4Fの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図である(図4Gは、スタックのエンドプレートが、スタックの中央部により近い1つまたは複数の位置と電気接触しているか、またはこれらから電気隔離されている実施形態と同じであることに留意されたい)。 図4Hは、本発明の様々な実施形態による、スタックの中間領域の近位の線4H-4Hに沿った、図4Fの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置と電気接触している。 図4Iは、本発明の様々な実施形態による、スタックの中間領域の近位の線4H-4Hに沿った、図4Fの固体酸化物燃料電池スタックの概略断面図であり、この場合、スタックのエンドプレートは、スタックの中央部により近い、1つまたは複数の位置から電気隔離されており、セルは、相互接続部のコンタクトリブと直接電気接触している。 図5A~5Eは、本発明の様々な実施形態による、固体酸化物燃料電池デバイスのシールの概略断面図である。 図6A~6Cは、本発明の様々な実施形態による、外部シールを含むスタックの縁部の近位の固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの概略断面図である。 図7Aは、本発明の様々な実施形態による、固体酸化物燃料電池デバイスの相互接続部の概略斜視図である。 図7Bは、線7B-7Bに沿った、図7Aの相互接続部の概略断面図である。 図8Aおよび8Bは、本発明の様々な実施形態による、絶縁層を有する固体酸化物燃料電池デバイスの構成要素の概略断面図である。 図9~11は、本発明の様々な実施形態による、スタックの中央部の近位の固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの一部の概略断面図である。 図9~11は、本発明の様々な実施形態による、スタックの中央部の近位の固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの一部の概略断面図である。 図9~11は、本発明の様々な実施形態による、スタックの中央部の近位の固体酸化物燃料電池デバイスのスタックの一部の概略断面図である。 図12は、2番目の試験例からの、フロースルー(FT)漏出の特徴付け設定を使用する、温度および背圧の関数としての、様々なガスケット材料に関する燃料漏出の程度を示すプロットである。 図13は、3番目の試験例のグラファイト/バーミキュライト(アノード)製のハイブリッドシールの構造およびバーミキュライト(カソード)製シールの構造に関する、アノードからカソードへの、およびカソードからアノードへのクロスオーバー漏出の程度を示すプロットである。 図14は、4番目の試験例の対称バーミキュライト(アノード)およびバーミキュライト(カソード)製シールの構造に関する、アノードからカソードへの、およびカソードからアノードへのクロスオーバー漏出の程度を示すプロットである。 図15は、5番目の試験例の対称グラファイト(アノード)およびグラファイト(カソード)製シールの構造に関する、時間の関数としてのアノードからカソードへのクロスオーバー率を示すプロットである。 図16は、5番目の試験例の対称グラファイト(アノード)およびグラファイト(カソード)製シールの構造に関する、時間の関数としてのカソードからアノードへのクロスオーバー率を示すプロットである。 図17A~17Cは、6番目の試験例の非対称グラファイト(アノード)およびバーミキュライト(カソード)製シールの構造に関する、クロスオーバー漏出の結果を要約するプロットである。 図18は、12時間、500℃に保持した試料に関する、時間の関数としてのAL6061に対するTiNの面積比抵抗のプロットである。 図19Aおよび19Bは、8番目の試験に由来する500℃での面積比抵抗(ASR)の測定前後のステンレス鋼試験片表面のTiNコーティングを図示する、SEM顕微鏡写真である。 図20は、11番目の試験において、475℃~550℃の間で動作した、TiNコーティングしたアルミニウム製相互接続部により組み立てたNi-サーメット/GDC電解質SOFCの場合の電流密度の関数としての、電圧および電力密度を示すプロットである。 図21は、11番目の試験において、515℃で動作し一定電流に保持した、TiNコーティングしたアルミニウム製相互接続部により組み立てたNi-サーメットSOFCの場合の長期性能を示すプロットである。
詳細な説明
図1は、動作のSOFCセル100の理論を例示するための、本発明の実施形態によるSOFCセル100を概略的に図示している。示されている通り、SOFCセル100は、カソード110、固体電解質120およびアノード130を特色とする。示されている通り、アノード130は、アノード支持体(またはアノード支持層)135およびアノード機能層(AFL)140を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。カソード110もまた、カソード層111およびカソード機能層(CFL)112を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。SOFCセル100の動作の間、酸素源150(例えば、空気)からの酸素は、カソード110によってイオン化される。得られた酸素イオンは、カソード110から固体電解質120を介してアノード130に伝導される。アノード130において、酸素イオンは、燃料160(これは、通常、ガスである)と反応して、電気を発生する。示されている通り、発生した電気は、外部負荷170を介して流れ、カソード110に戻り、カソード110においてさらなるイオン化を支持することができる。この電気化学反応はまた、アノード130において、例えば、水および二酸化炭素などの副生物を生成することがある。燃料160は、例えば、水素ガス、および/または天然ガス、プロパン、ガソリン、ディーゼルなどの炭化水素燃料、あるいはバイオ燃料、または水素含有燃料(例えば、アンモニア、すなわちNH)、または一酸化炭素などの炭素含有燃料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、燃料160は、H、CO、HO、COおよびCH(例えば、合成ガスまたはシンガス)の混合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。発電量を増加させるため、複数のSOFCセル100が、以下に詳述されている通り、積層構造で一緒に連結されてもよい。図1は平面構造のセル100を図示しているが、本発明の様々な実施形態では、SOFCセルは、同心円筒構造またはその何らかの類似した変形形態で配列されていてもよい。さらに、図1は、正方形としてセル100の断面を図示しているが、本発明の様々な実施形態では、平面セルは、異なる形状(例えば、矩形または円形)を有してもよい。同様に、円筒形セルは、様々な形状(例えば、円形の管、または丸みと平坦な表面の両方を有する長円形形状の多くを含む管)を有してもよい。例えば、酸素源150は、周りに管状電解質120およびアノード130が配設されている管状カソード110内を流れることができ、同時に、燃料160は、アノード130の外側の周りを流れることができる。代替的に、燃料160は、管状アノード130を流れることができ、この周りに管状電解質120およびカソード110が配設されている一方、酸素源150は、SOFC100の外側の周りを流れる。
本発明の様々な実施形態では、カソード110は、例えば、以下の材料:ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM、例えば、La1-xSrMnO3-δ)およびランタンカルシウムマンガナイト(LCM、例えば、La1-xCaMnO3-δ)などのランタンマンガナイト;Ln1-xSrMnO3-δ(Ln=La、Pr、Nd、Sm、Gd、YbまたはY)などのマンガナイト;Ln1-xSrCoO3-δ(Ln=La、Pr、Nd、SmまたはGd)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC、例えば、La1-xSrCo3-δ)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC、例えば、Sm0.5Sr0.5CoO3-δ)およびストロンチウムセリウムコバルタイト(SCC、例えば、Sr0.9Ce0.1CoO3-δ)などのコバルタイト;ランタンフェライト(例えば、LaFeO)、Srをドープしたランタンフェライト(例えば、La0.8Sr0.2FeO)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF、例えば、La0.6Sr0.4Co0.8Fe0.23-δ)、プラセオジムストロンチウムコバルトフェライト(PSCF、例えば、Pr1-xSrCo0.8Fe0.23-δ)およびバリウムストロンチウムコバルトフェライト(BSCF、例えば、Ba0.5Sr0.5Co0.8Fe0.23-δ)などのフェライト;鉄をドープしたニッケレート(LNF、例えば、LaFe1-xNi3-δ)およびSrをドープしたLNF(LSNF)などのニッケレート;およびLaBO(B=Co、Ni、Cu)などのKNiFタイプの構造、LaNi1-xCoO4+δなどのLa部位においてアルカリ(例えば、Sr、Ba、Ca)および希土類(例えば、NdまたはPr)のドープ、およびNi部位において遷移金属(例えば、CuまたはCo)のドープを使用するカソード材料のうちの1種または複数を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。カソード材料は、純粋な電子伝導体とすることができるか、またはそれらは、電子伝導体が電子または正孔となり得る、イオン性電子混合伝導体(MIEC)とすることができる。
一般に、固体電解質120は、電流漏出および対応する電気損失を防止するため、その内部での電子伝導を最小化すると同時に、酸素イオンを伝導する高密度セラミック材料である。しかし、固体電解質120はまた、プロトン(すなわち、Hイオン)または他のタイプのイオン(例えば、NaZrSiPO12またはNASICONなどのNaイオン伝導体)を伝導することができる。電解質120材料は純粋なイオン伝導体であってもよく、またはそれらはMIECであってもよい。電解質は、様々な電解質材料の多層(例えば、2種の異なる酸素イオン伝導体層または酸素イオン伝導体層およびプロトン伝導体層)含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。固体電解質120の厚さは、例えば、約500nm~約40μm、または1μm~約40μm、または5μm~約30μm、またはさらには約10μm~約30μmの範囲とすることができる。
本発明の様々な実施形態では、電解質120は、例えば、以下の酸素イオン伝導性材料:Y、Sc、Ce、Ca、MgまたはAlなどの1種もしくは複数種のアルカリまたは希土類ドーパントにより安定化されているジルコニアなどのジルコニアベースの固体電解質(例えば、Zr1-x2-x/2およびZr1-xSc2-x/2);Y、Yb、Sc、Ca、Mg、Zr、Gd、Sm、Y、La、Pr、Sm、Nd、BaまたはSrなどの1種もしくは複数種のアルカリまたは希土類ドーパントをドープした酸化セリウム(IV)電解質(例えば、Ce1-x2-δ、M=GdまたはSm、x=0.1~0.2);ランタンストロンチウムガリウムマグネシウムオキシドなどのLaGaOベースの電解質(LSGM、例えば、La1-xSrGa1-yMg3-δ);酸化ビスマスベースの材料(例えば、Bi0.8Er0.21.5、BiSrNbGaO11.5、Bi0.88Dy0.080.041.5およびBi0.9Cu0.15.5-δ);LnBO(B=Al、In、Sc、Y)に基づくペロブスカイト;パイロクロアおよびフルオライトタイプの材料(Y、Nb、Zr)O2-δ;LaMoベースの材料(LAMOX、例えば、LaMo、La1.7Bi0.3MoおよびLaMo1.70.3;BaInOに由来するペロブスカイトおよびブラウンミラライト様相(例えば、BaIn);アパタイトタイプの相であるA10-x(MO2-δ(式中、M=SiまたはGeであり、Aは希土類およびアルカリ土類陽イオンに相当する(例えば、Ln10Si27(式中、Ln=La、Pr、Nd、Sm、GdまたはDyである))のうちの1種または複数を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の様々な実施形態では、電解質120は、例えば、以下のプロトン伝導性材料:1)Y、Sc、Nd、Gd、Ybなどのうちの1種もしくは複数をドープした(例えば、BaCe0.90.13-δ(BCY)、BaZr0.80.23-δ(BZY)またはBaCe0.7Zr0.10.23-δ(BCZY));2)Y、Sc、Nd、GdおよびYbのうちの1種もしくは複数およびF、ClまたはBrハロゲンのうちの1種をドープした(例えば、5mol%のFをドープしたBaCe0.90Gd0.13-δまたはBCGF;および5mol%のClをドープしたBaCe0.90Gd0.13-δまたはBCGCl);3)Y、Ti、Zr、Mo、FeまたはCoなどの1種もしくは複数種の遷移金属およびGa、InまたはSnなどのポスト遷移金属をドープした(例えば、BaCo0.4Fe0.4Zr0.23-δ(BCFZ)、BaCo0.4Fe0.4Zr0.10.13-δ(BCFZY));あるいは4)NbまたはTaなどのドナードーパントを共ドープした(例えば、Ba1-xNdCe1-yNd3-(y-x)/2)、BaCeOおよびBaZrOおよび種類のもののうちの1種または複数を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の様々な実施形態では、固体電解質120は、例えば、サマリウムをドープした酸化セリウム(IV)(SDC、例えば、Ce0.8Sm0.21.9)またはガドリニウムをドープした酸化セリウム(IV)(GDC、例えば、Ce0.9Gd0.11.95)などの、様々にドープした酸化セリウム(IV)材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。このような固体電解質120は、例えば、約5~約30mol%または約10~約20mol%の範囲のドーパント濃度を有することができる。様々な実施形態では、固体電解質120は、イットリアをドープした酸化セリウム(IV)(YDC、例えば、Y0.1Ce0.91.95)、ネオジウムをドープした酸化セリウム(IV)(NdDC、例えば、Nd0.1Ce0.91.95)、プラセオジムをドープした酸化セリウム(IV)(PrDC、例えば、Pr0.1Ce0.91.95)、および/またはランタンをドープした酸化セリウム(IV)(LaDC、例えば、La0.1Ce0.91.95)などの1種または複数種のドープした酸化セリウム(IV)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。このような固体電解質120は、例えば、約5~約30mol%、または約10~約20mol%の範囲のドーパント濃度を有することができる。
カソード110は、1種または複数種のカソード材料および1種または複数種の電解質120材料のコンポジット材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。例えば、カソード110は、LSCFとGDCまたはSSCとGDCの混合物を、例えば、質量基準で約3:7~約7:3の比で含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。カソード110コンポジット材料は、イオン性伝導体と電子伝導体の両方であってもよく、カソード110は、イオン化のための酸素の接近を促進するよう、および電解質120、空気およびカソード110が出合う電気化学的に活性な三相境界(TPB)をもたらすよう多孔質であってもよい。例えば、カソード110は、約30%~約60%、または約35%~約55%、またはさらには約40%~約30%の範囲の多孔度を有することができる。様々な実施形態では、カソード110の厚さは、約0.5μm~約500μm、または約5μm~約250μm、またはさらには約10μm~約100μmとすることができる。
カソード層111と電解質120の間に、カソード機能層(CFL)112が存在していてもよい。CFL112は、カソード層111と電解質120との間の界面抵抗を低下するよう、および/またはSOFCの製造もしくは動作中に起こり得る、カソード層111と電解質120との間の望ましくない反応を防止するよう働くことができる。このようなCFL112は、一般に、かなり薄く、約1nm~約20μmの厚さとすることができる。CFL112の厚さはまた、約500nm~約10μmの間、またはさらには約1~約5μmの間であってもよい。CFL112は、カソード(例えば、LSCF)および/もしくは電解質層(例えば、GDC)に関して本明細書に記載されている材料のいずれかの組合せ、またはこのような材料内の元素(例えば、コバルトまたは酸化コバルト)を特色とするそれほど複雑ではない化合物を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。CFL112はまた、単一カソード層111または電解質120材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
カソード110と同様に、アノード130は、コンポジット材料であってもよく、好ましくは、電気化学反応を促進するため、多孔質の、イオンおよび電子(すなわち、電子および/または正孔)伝導体である。本発明の様々な実施形態では、アノード130は、単一相材料、または混合物としてコンポジット材料を、例えば、二相コンポジットの場合、質量基準で約3:7~約7:3の比で含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。様々な実施形態では、アノード130のいずれかの相またはすべての相が、MIEC材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、アノード130のいずれかの相またはすべての相が、純粋な電子伝導体またはイオン伝導体を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。本発明の様々な実施形態では、アノード130は、サーメット材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなるコンポジットである。本発明の様々な実施形態では、アノード130は、例えば、1種または複数種の固体電解質120材料とのコンポジットとして一緒に混合した様々な遷移金属(例えば、Ni、Cu、Ti、Co、Mn、V、Mo、Nb、Wおよび/またはFe)を含む、これから本質的になる、またはこれからなるサーメットである。例えば、コンポジットサーメットアノード130のセラミック構成要素は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。コンポジットサーメットアノード130中のYSZは、例えば、約2~約20mol%または約3~約12mol%の範囲のドーパント濃度を有することができる。様々な実施形態では、YSZは、8mol%のY(8YSZ、例えば、(ZrO0.92(Y0.08)および/または3mol%のY(3YSZ、例えば、(ZrO0.97(Y0.03)を含む。本発明の様々な実施形態では、アノード130は、例えば、NiおよびYSZのコンポジット(Ni-YSZ)、またはCuおよびYSZのコンポジット(Cu-YSZ)を含む、これから本質的になる、またはこれからなる。本発明の様々な他の実施形態では、コンポジットサーメットアノード130のセラミック構成要素は、例えば、GDCを含む、これから本質的になる、またはこれからなる。本発明の様々な実施形態では、アノード130は、例えば、NiおよびGDCのコンポジット(Ni-GDC)、またはCuおよびGDCのコンポジット(Cu-GDC)を含む、これから本質的になる、またはこれからなる。アノード130サーメット中の遷移金属構成要素は、製造されたままのSOFCセル100におけるセラミック(例えば、NiOなどの酸化物)として存在することができるが、還元環境(例えば、水素ガスを含むガス環境)中では、金属相(例えば、Ni金属)に変換される。
本発明の様々な実施形態では、アノード130のすべてまたは一部は、以下の導電性またはMIECセラミック材料:ランタンストロンチウムチタネート(LST、例えば、La0.4Sr0.6TiO)、Feをドープしたカルシウムチタネート(例えば、CaFeTi1-x3-δ)、チタニアをドープしたYSZ、ScおよびYをドープしたチタンジルコネート(例えば、Sc0.150.05Zr0.62Ti0.181.9)などのチタネートベースの酸化物;ランタンクロマイト(例えば、(La,Sr)CrO)および(LaA)(CrB)O系(A=Ca、SrおよびB=Mg、Mn、Fe、Co、Ni);ストロンチウム、鉄、コバルトおよびモリブデンを含有するセラミック酸化物材料を含むセラミック酸化物(すなわち、SFCM、例えば、SrFe0.1Co0.45Mo0.45、SrFe0.2Co0.4Mo0.4、SrFe0.34Co0.33Mo0.33またはSrFe0.5Co0.25Mo0.25)、SrFeCo、SrCo0.8Fe0.2およびLa0.6Sr0.4Fe0.8Co0.2(LSCF)のうちの1種または複数を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。本発明の様々な実施形態では、導電性またはMIECセラミック材料は、コンポジットアノード130として、1種または複数種の固体電解質120材料と混合される。
アノード130のすべてまたは一部は、SFCMと酸化セリウム(IV)またはGDCなどの別の材料との混合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。例えば、図1に示されている通り、アノード130は、アノード支持体135およびアノード機能層140から構成され得る。セル100を支持し、ガス(例えば、燃料)が機能層140に接近することを可能にするアノード支持体135は、例えば、SFCMと酸化セリウム(IV)との混合物を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。アノード130において電気触媒活性を促進するアノード機能層140は、例えば、SFCMとGDCとの混合物を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、アノード130は、ニッケル、酸化ニッケルおよび/またはイットリアを含まない。本発明の実施形態によれば、アノード130および/またはその一部(例えば、アノード支持体135および/またはアノード機能層140)は、「すべてがセラミック」であってもよく、すなわち、ニッケル、酸化ニッケル、およびセラミック相のネットワーク内に取り込まれていない他の金属を含まない。このような材料は、負荷追従、熱サイクルおよびレドックスサイクルの間、優れた性能および信頼性を示すことができる。
本発明の様々な実施形態では、アノード130は、サーメットまたはセラミック材料内のさらなる相として、1種または複数種のアルカリおよび希土類材料(例えば、MgO、CaO、SrOおよびCeO)の添加によりさらに修飾される。他の材料は、アノード130の表面を「修飾する」ことができ、浸潤溶液(例えば、硝酸ニッケルまたは硝酸セリウム)などの様々な技法とその後の焼成により堆積させることができる。表面「修飾」材料の他の堆積方法は、洗浄コーティング(例えば、コロイド溶液)および化学蒸着(CVD)を含む。このような材料のアノードの表面(アノード内部の細孔および界面の表面を含む)への添加により、イオン伝導性および/または電気導電性を増強することができる、触媒活性および/または電気触媒活性を増強することができる、ならびに/あるいはある種の燃料組成物(例えば、天然ガス)の存在下で、硫黄毒またはコークス化などの望ましくない反応を抑制することができる。アノード130のための追加の浸潤材料は、例えば、白金族金属(例えば、PtまたはRu)、および/またはアノード130の材料(例えば、Ni、Ce、Gd、Cu、Mg、Co、Prなど)の他の可能な組合せのいずれかからの構成体を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。
本発明の様々な実施形態では、アノード130は、アノード支持体(またはアノード支持層)135およびアノード機能層(AFL)140を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。AFLは、ASL中よりも微細な粒子を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができ、これによって、より多数の三相境界およびその結果の一層高い電気化学活性がもたらされる。AFLは、アノードと電解質との間の界面抵抗を低下させるよう、および/またはSOFCの製造もしくは動作中に起こり得る、アノード支持層135と電解質120との間の望ましくない反応を防止するよう働くことができる。このようなAFL140は、一般にかなり薄く、様々な実施形態では、AFL140は、約1nm~約20μmの厚さとすることができる。様々な実施形態では、AFL140の厚さは、約500nm~約10μmの間、またはさらには約1~約5μmの間とすることができる。AFL140は、アノードおよび/もしくは電解質層(例えば、Ni-GDC)の材料のいずれかの組合せ、またはこのような材料内の元素(例えば、コバルトまたは酸化コバルト)を特色とするそれほど複雑ではない化合物を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。アノード支持層(ASL)135の厚さは、約100μm~約2,000μmの厚さ、または約150μm~約1,000μm、または約200μm~約800μm、またはさらには約350μm~約700μmの厚さとすることができる。
様々な実施形態では、セル100は、電解質支持型である。図1を参照すると、電解質120は、電解質支持型セル100の最も厚い部分である。アノード130およびカソード110は、電解質支持型であるセル100中の電解質120よりもはるかに薄い。密度の高い電解質がセルの最も厚い部分となるので、このようなセルはより強くなる傾向があるが、他の利点の中でも、そのようなセルは、より大きな抵抗損失を有する傾向があり、したがって、電極支持型(例えば、アノード支持型)セルに比べると、性能がより低くなることが代償となる。電解質支持型セル100の場合、電解質支持層の厚さは、約75μm~約750μmの厚さ、または約125μm~約500μm、またはさらには約200μm~約350μmの厚さとすることができる。電解質支持型セル中の電解質支持層は、例えば、典型的な電解質が高密度である一方、アノードは多孔質であるため、アノード支持型セル中のアノード支持層よりも薄くなり得る。電解質支持型セル100の場合、アノード130は、約5μm~約200μm、または約10μm~約100μm、またはさらには約15μm~約50μmの厚さを有することができる。電解質支持型セル100の場合、カソード110は、約0.5μm~約500μmの厚さ、または約5μm~約250μm、またはさらには約10μm~約100μmの厚さとなる厚さを有することができる。
様々な実施形態では、セル100は、カソード支持型である。図1を参照すると、カソード110は、カソード支持型セル100の最も厚い部分である。アノード130および電解質120は、カソード支持型であるセル100中のカソード110よりもはるかに薄い。カソード支持型セルは、低分解を伴う長寿命を有することが示されているが、カソード支持型セルは、電解質支持型セルまたはアノード支持型セルよりも製造するのが難しい傾向があること、およびカソード支持型セルは、アノード支持型セルよりも低い性能を有する傾向があることが代償となる。カソード支持型セル100の場合、カソード支持層の厚さは、約125μm~約1,000μmの厚さ、または約250μm~約800μm、またはさらには約400μm~約600μmの厚さとすることができる。カソード支持型セル100の場合、アノード130は、約5μm~約200μmまたは約10μm~約100μmまたはさらには約15μm~約50μmの厚さを有することができる。カソード支持型セル100の場合、電解質110は、例えば、約500nm~約40μm、または1μm~約40μm、または5μm~約30μmまたはさらには約10μm~約30μmの範囲の厚さを有することができる。
様々な実施形態では、セル100は、金属支持型であるか、またはセラミック支持型でさえある。例えば、金属支持型セル100は、金属支持体(例えば、441ステンレス鋼などの多孔質ステンレス鋼)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができ、金属支持体の表面に、より薄いアノード材料(例えば、Ni-YSZなどのサーメット)、電解質およびカソードが配設される。このようなセルのより薄い層は、高温時に支持体と他の層との間での望ましくない反応を回避するため、薄層堆積技法(例えば、スパッタリングまたは熱/プラズマスプレー技法)を使用して堆積されることが多い。セラミック支持型セルは、多孔質セラミック支持体(例えば、YSZまたはGDC足場)を含むことができ、多孔質セラミック支持体の表面に、一層薄いアノード材料(例えば、Ni-YSZなどのサーメット)、電解質およびカソードが配設される。多孔質セラミック支持体は、セルを支持している間、アノードとして機能することはない。多孔質セラミック支持体は、導電性セラミックとすることができるか、または導電性は、足場の全体または一部をコーティングする導電性材料(例えば、ニッケル)の浸潤により導入することができる。様々な実施形態では、相互接続部は、セル支持体として使用され、こうして、別の相互接続部は、SOFCスタックに必要ではない。様々な実施形態では、多孔質金属支持型セル100またはセラミック支持型セル100は、相互接続部に接合される(例えば、ろう付けまたは溶接を使用する)。様々な実施形態では、金属、セラミックまたは相互接続部の支持体は、約100μm~約5,000μm、または約150μm~約1,000μm、またはさらには約200μm~約500μmの厚さを有することができる。
上記の通り、例えば、SOFCの動作電圧を向上するため、複数のSOFCセルは、積層した直列接続構造で、SOFCに利用され得る。図2は、このような直列接続したスタック構造の一部の模式図であり、ここでは、各セル100は、固体の相互接続プレート(または「相互接続部」)200によって隣接セル100から隔離されている。本明細書における例は、平板相互接続部を実証しているが、この相互接続部はまた、複数の非平面セルの相互接続に適合するような他の形状(例えば、管状もしくは部分的に管状の形状、または凹形状、または管状セル表面に堆積された材料の均質なストリップ)に作製されてもよい。様々な実施形態では、相互接続部は、プレート、管または部分管を含めた、様々な形状を有することができる。様々な実施形態では、相互接続部(または相互接続部のろう付け材料)は、セルの表面に直接、堆積され、セルの形状、またはセルの一部の形状と一致することができる。
相互接続部200は、電気的な(イオン的とは対照的)流れ(または、「電流」)210が、セル100間で、および最終的に、SOFCスタック自体から出て外部電気負荷に流れることが可能となるために、通常、導電性である。示される通り、相互接続部200は、例えば、相互接続部200を通過して様々な方法に延び得るリブおよびチャネルを備えて、酸素源150および燃料160の流れの分離および均一性を容易にするように成形されていてもよい。様々な実施形態では、リブおよびチャネルは、相互接続部200において、杉綾模様または蛇紋石のパターンなどの様々な形状を画定することができる。このようなパターンは、相互接続部200に沿って連続であってもよく、または不連続であってもよい。様々な実施形態では、パターンは、相互接続部200の両側の表面で同じである。様々な実施形態では、相互接続部200の一方の側の上のパターンは、相互接続部200の他方の側のパターンとは異なる。様々な実施形態では、相互接続部200は、ガス流を一部、方向付けるよう、ガスプレナムおよび/または流動場翼などの他のフィーチャを画定することさえすることができる。相互接続部200のこのような他のフィーチャは、リブおよびチャネルに関して記載されているものと同じまたは類似の設計にあることができる。図2において、上部相互接続部200の上にカソード110の一部、および底部相互接続部200の下にアノード130の一部を含ませることによって示されている通り、本発明の実施形態によるSOFCは、相互接続部200によって分離されている複数のセル100を組み込むことができる。図2および図1は、カソード110、アノード130および電解質120を同じ長さおよび幅寸法を有するように示すが、セル100における各層は、異なる長さおよび幅寸法を有してもよい。
図2は、交差流として知られている反応剤の流れ構造を示しており、この場合、酸素源150および燃料160は、互いに垂直な方向に流れる。様々な実施形態では、SOFCスタックは、酸素源150および燃料160が互いに平行に流れる、流れ配置を利用してもよく、またはやはりこれを利用する。例えば、SOFCスタックは、並流構造(すなわち、同じ方向に平行な流路)または向流構造(すなわち、反対の方向に平行な流路)を使用してもよい。
様々な実施形態では、SOFCスタックにおけるセルは、例えば、様々な機械的および/または電気的設計規格を達成するため、直列および並列連結という様々な構造で接続される。例えば、SOFCスタックは、2組の並列に接続されたセルの組を含むことができ、この場合、各組のセルは、スタックに対して、指定される定格出力レベルで、特定の電圧出力範囲を実現するために、複数(例えば、10)の直列接続したセルを含む。様々な実施形態では、複数の異なるSOFCスタックが、依然として個別の機械アセンブリとして存在しながら、直列でまたは並列に電気的に接続されてもよい。様々な実施形態では、SOFCスタック内のある特定のセルは、機械アセンブリとして、SOFCスタックの軸に沿って積層されていながらも、全体として電気隔離されたままである(すなわち、スタックのある特定の領域は、スタックの他の領域から電気隔離されている)。
様々な実施形態では、相互接続部200は、ステンレス鋼(例えば、440、441または430ステンレス鋼などの400シリーズのステンレス鋼、または304もしくは316ステンレス鋼などの300シリーズのステンレス鋼、またはCrofer 22 APUもしくはCrofer 22 Hなどの特殊ステンレス鋼)、ハステロイなどの高温のNi基合金(例えば、Niと、Co、Cr、Mo、Fe、Si、C、Mn、V、TiもしくはWのうちの1種または複数を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる合金)、インコネル(例えば、Fe、Mo、Nb、Ta、Co、Mn、Cu、Al、Ti、Si、C、S、PもしくはBのうちの1種または複数をやはり含有する、Ni-Crベースの超合金)、またはモネル(例えば、Fe、Mn、CまたはSiのうちの1種または複数をやはり含有する、Ni-Cu合金)、グラファイト、アルミニウムもしくは銅などの1種または複数種の材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、SOFCにおける相互接続部200のすべてが、同じ材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる一方、他の実施形態では、相互接続部200の少なくとも2つは、異なる材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。様々な実施形態では、相互接続部200は、1種または複数種のアルミニウム合金(例えば、6061、2024、3003、7075または5000シリーズのアルミニウム合金)、またはアルミニウムと、Si、Cu、NiまたはFeのうちの1種もしくは複数種との合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。様々な実施形態では、相互接続部200の全厚さ(例えば、最大厚さ)は、例えば、約0.2mm~約30mm、または0.2mm~10mm、またはさらには0.5mm~4mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、相互接続部200の最小ウェブ厚さ(すなわち、どの部分でも最小厚さ)は、約0.02mm~約0.5mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、相互接続部200の最小ウェブ厚さは、約0.05mm~約0.3mmまたはさらには約0.1mm~約0.2mmの範囲とすることができる。相互接続部200は、機械加工(例えば、ミル粉砕)、スタンプ、レーザー切断、化学エッチング、ハイドロフォーミング、ウォータージェット切断、キャスティング、プレス、射出成形などの、慣用的なプロセスまたはこれらのプロセスの組合せを利用して製造され得る。
図3Aは、直列で電気的に接続されている複数のセル100および相互接続部200を特色とするSOFC300を概略的に図示している。したがって、図3Bに示されている通り、SOFC300は、複数の「繰り返しユニット」310から部分的に構成される。本発明の実施形態によるSOFCは、SOFC300スタックについて所望の電圧および出力に応じて、2つもしくはそれより多い、10もしくはそれより多い、50もしくはそれより多い、またはさらには100もしくはそれより多い、繰り返しユニット310を特色とすることができる。相互接続プレートは、正方形プレートとして示されているが、セルの幾何形状または他の制約に適合するよう、任意の他の形状(例えば、円形、矩形または長円形)を有することができる。示されている通り、繰り返しユニット310は、セル100、相互接続部200、およびセル100と隣接する相互接続部200との間に配設されている1つまたは複数のシール(または「ガスケット」)320を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。シール320は、SOFC300をシールし、外部漏出、および/もしくはSOFC300の異なる構成要素間でのクロスオーバー漏出を防止する、または最小限にする。例えば、シール320は、酸素源のための相互接続部チャネルと燃料のための相互接続部チャネルとの間のクロスオーバー漏出を実質的に防止することができる(例えば、図2を参照されたい)。シール320は、SOFC300スタックの縁部の形状に実質的に一致するフレームとして概略的に図示されているが、様々な実施形態では、1つまたは複数のシールが、セル100および/または相互接続部200のより多くの領域を被覆することができ、それを通る複数の開口部または隙間を画定することができる。シール320は、キャスト法(例えば、スリップキャスト法またはテープキャスト法)、押出、3D印刷、スクリーン印刷、レーザー切断、ダイ切断、プレード切断、ウォータージェット切断、機械加工(例えば、ミル粉砕)などの慣用的なプロセスにより形成することができる。シール320は、単一工程で形成/成形されていてもよく(例えば、スクリーン印刷したシール)、または最初に形成されて、次に、成形(例えば、テープキャスト、次いでダイ切断)されてもよい。シール320はまた、所定の位置で形成/成形されてもよく(例えば、3D印刷)、または最初に形成/成形されて、次いで、SOFC300スタックにおける構成要素の残りと組み立てられてもよい(例えば、事前切断したガスケットの使用)。適切な位置で形成/成形したシール320の追加の堆積技法には、スプレーコーティング、ならびに様々な物理的および化学的蒸着技法(例えば、スパッタリング、パルスレーザー堆積または溶媒蒸発)が含まれる。シール320はまた、ろう付け、溶接などを使用して構成要素を接合する結果として効果的に作製され得る。
本発明の様々な実施形態では、各繰り返しユニットは、セル100の一方の側だけの表面に1つまたは複数のシール320があることを特色とすることができ、このようなシールは、セルのアノード130側またはカソード110側のどちらか一方に位置する。様々な実施形態では、各繰り返しユニットは、セル100の両側に1つまたは複数のシール320があることを特色とすることができ、この場合、セルのカソード110側のシール320は、セルのアノード130のシール320と同じ幾何形状、量、構造を有しており、同じ材料からなる(すなわち、繰り返しユニットは、完全に対称なシール配置を有する)。様々な実施形態では、各繰り返しユニットは、セル100の両側に1つまたは複数のシール320があることを特色とすることができ、この場合、セルのカソード110側のシール320は、セルのアノード130側のシール320とは異なる(すなわち、繰り返しユニットは、非対称なシール配置を有する)。様々な実施形態では、セル100のそれぞれの側のシール320間の差異は、シール320の材料、幾何形状または量のうちの1つまたは複数の差異である。様々な実施形態では、セル100のカソード110側のシール320の厚さは、セルのアノード130側のシール320の厚さとは異なる。
本発明の実施形態による例示的な対称なシール配置は、セルのアノード側およびカソード側の両方にバーミキュライト製シール、およびセルのアノード側とカソード側の両方にグラファイト製シールを含む(対称なシール配置は、例えば、シール自体に一様に適用されることとは対照的に、ガラスが1つまたは複数のシールの縁部に配設(例えば、印刷)されてもよいものを含むことに留意されたい)。本発明の実施形態による例示的な非対称なシール配置は、セルのアノード側にグラファイト製シール、およびセルのカソード側にバーミキュライト製シールを含む。
本発明の様々な実施形態では、シール320は、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。1つまたは複数の相互接続部200が、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる実施形態では、1つまたは複数のシール320(例えば、そうでない場合、相互接続部200と隣接するセル100とを分離する1つまたは複数のシール320)が省略されてもよく、相互接続部200はまた、SOFCスタックでシールとして機能することができる。様々な実施形態では、シール320のうちの1つまたは複数は、雲母、バーミキュライト、ガラス、ろう付け用合金、アスベスト、ポリアミド(例えば、アラミド)、タルク、ポリイミド(例えば、Kapton)、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon)、ポリシロキサン(例えば、シリコーン)、および/またはシルセスキオキサン(例えば、フェニルシルセスキオキサン)などの1種または複数種の他の材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、ポリシロキサンシール320は、室温硬化型(RTV)シリコーンである(例えば、Hartford(CT)のPermatexから入手可能な銅RTV)。様々な実施形態では、少なくとも1つのシール320は、1種または複数種のろう付け用合金(例えば、Ag70.5Cu26.5TiおよびAg64Cu34.2Ti1.8を含む、Ag-Cu-Tiによるろう付け部;ならびにAg100、Ag72Cu28、Ag70Cu20Zn10およびAg60Cu25Zn15を含む銀ベースのろう付け部)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる。様々な実施形態では、少なくとも1つのシール320は、アルミニウムおよび/または銅(例えば、Al94.75Si5.25、Al92.5Si7.5、Al90Si10およびAl86Si10Cuを含む、Al-SiおよびAl-Si-Cuによるろう付け部;ならびにCu85SnAg、Cu75.5Ag186.5およびCu92.87.2を含むCuベースのろう付け部)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる、ろう付け用合金を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることに留意されたい。これらの例となるろう付け用合金は、名目上の組成に関して記載されており、Lucas Milhaupt(例えば、SILVALOY)、Prince&Izant Company(例えば、BAlSi)およびSAXONIA Technical Materials(例えば、BrazeTec)を含む、様々な商標/製品名でいくつかの製造業者から入手可能である。ろう付け用合金は、ペースト、ホイル、ワイヤ、ストリップまたは粉末を含めた、様々な形態で利用することができる。各場合において必要ではないが、ある種の場合、フラックス(例えば、フッ素および/またはホウ素を含有する塩)をろう付け用合金と共に使用して、例えば、ろう付け操作中の酸化を防止する、およびぬれ改善することができる。様々な実施形態では、スパッタリングした層(例えば、TiまたはNi)、または金属(例えば、NiまたはAg)と混合したガラスの中間層が、ろう付け前にセルに堆積される。様々な実施形態では、シール320のガラスは、Al、SiO、B、BaO、MgO、La、CaO、SrO、ZnOおよび/もしくはLiOを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、ガラス系は、Al-BaO-B-SiO-CaO、SiO-Al-SrO-ZnO-B-LiO、SiO-BaO-MgO-La-Al-BもしくはBaO-B-SiO-Al-ZnOを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、ガラス組成物は、1~55重量%のSiO、0~50重量%のB、0~70重量%のBaO、0~10重量%のCaO、0~50重量%のAl、0~15重量%のLa、0~30重量%のMgO、0~35重量%のSrO、0~35重量%のZnOおよび0~5重量%のLiOを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、SOFCにおけるシール320のすべてが、同じ材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる一方、他の実施形態では、シール320の少なくとも2つは、異なる材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなる。様々な実施形態では、シール320の厚さは、例えば、約0.005mm~約15mmの範囲にあることができる。様々な実施形態では、シール320の厚さは、約0.01mm~約10mm、または約0.05mm~約5mm、またはさらには約0.05mm~約2mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、繰り返しユニット(例えば、図3B)におけるシール320を構成する個々のガスケット層は、同じ厚さを有する。様々な実施形態では、繰り返しユニットにおけるシール320を構成する個々のガスケット層のうちの少なくとも2つは、異なる厚さを有する。
図3Bはまた、セル100と相互接続部200との間に配設されている1つまたは複数の集電体330を含んでいるものとして、繰り返しユニット310を図示している。本発明の様々な実施形態では、例えば、セル100および/または相互接続部200の表面の非平面性が、そうでない場合にそれらの間の電気接触を損なうか、または低減させ得る場合、集電体330は、セル100と相互接続部200との間の電気接触を容易にする、または改善することができる。集電体330はまた、例えば、SOFC300の温度サイクル(および/または動作中のSOFC300の1つまたは複数の部分内での局所加熱)により、SOFC内部での熱膨張差が生じる場合、セル100の機械的緩衝をもたらすことができる。様々な実施形態では、集電体330は、各セル100の片側(例えば、アノード側)のみに存在してもよく、すなわち、各繰り返しユニット310は、単一の集電体330のみ含むことがあり、その結果、セル100の表面の1つだけが、これにより、隣接する相互接続部から分離される。他の実施形態では、SOFC300は、集電体330を含まない。図3Bに示される通り、集電体330は、メッシュ、穴あきシート、および発泡シート、ファイバーマット、フェルト、布、フォーム(例えば、発泡フォーム)または同様の構造の形態を有するか、またはこれらから少なくとも部分的に構成されることができ、したがって、多孔度、穴または他の開口部を特色とすることができる。集電体330は、SOFC300内の機械的応力および/または非平面性に適合するよう、少なくとも部分的に可撓性、弾性、および/または弾力性があり得る。本発明の様々な実施形態では、集電体330のうちの1つもしくは複数、またはこれらの全部でさえも、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、集電体330は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、金、白金などの金属を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、集電体330は、バルク集電体330の一部またはすべての表面に金属コーティングまたはセラミックコーティングを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。例えば、集電体330は、マンガン-コバルト酸化物(MCO)によってコーティングされている430ステンレス鋼メッシュを含むことができ、これは、高温で導電性であり、ステンレス鋼の望ましくない酸化を防止し、Cr揮発性を低下させる。様々な実施形態では、集電体330は、Caおよび遷移金属をドープしたイットリウムクロマイト、またはアルカリ土類金属をドープしたランタンクロマイトなどの、セラミック材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。
様々な実施形態では、1つまたは複数の集電体330は、SOFC300の様々な構成要素、例えば、セル100および/または相互接続部200表面の薄膜または層として適用されてもよい。様々な実施形態では、集電体330の厚さは、約0.0005mm~約15mm、または約0.0005mm~約5mm、または約0.001mm~約2.5mm、または約0.005mm~約1mm、またはさらには約0.02mm~約0.75mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、セル100の一方の側または両側のセル100にある集電体330は、1つより多い層から構成されている。様々な実施形態では、セル100のそれぞれの側にある個々の集電体330は、同じ厚さを有する。様々な実施形態では、集電体330を構成する少なくとも2つの個々の集電体層は、異なる厚さを有する。
様々な実施形態では、セル100のアノード130および/またはカソード110は、アノードまたはカソードの表面に配設されている電気接触層をさらに有してもよい。様々な実施形態では、例えば、アノード130は、アノードの外側層上で堆積したニッケルまたは銀などの金属の薄層を有することができる。様々な実施形態では、カソード110は、カソードの外側層上の銀などの金属またはLSCなどのセラミックの薄層を有することができる。電気接触層は、電子を完全にまたは主に伝導し、電子がセル100と相互接続部200との間を移動するときに、アノードまたはカソードの外側表面においてシート抵抗を低下させるよう意図される。様々な実施形態では、アノード130および/またはカソード110の表面に配設されている電気接触層の厚さは、約0.005mm~約5mm、または約0.01mm~約3mm、またはさらには約0.05mm~約1mmの範囲とすることができる。電気接触は、これが接触している電極(すなわち、カソードまたはアノード)と同じ面積サイズであってもよく、またはこれより小さくてもよい。
図3Aに示されている通り、SOFC300はまた、繰り返しユニット310の上および下にエンドプレート340を組み込んでもよい。エンドプレート340は、様々な実施形態では、SOFC300が、例えば、1つまたは複数のタイ-ロッド、クランプ(例えば、ねじ、バンド/ストラップ、またはトグルタイプのクランプ)または他の留め具を介して一緒にクランプまたは固定されるので、SOFC300に機械的剛性をもたらし得る。
SOFCスタック300は、酸素供給150または燃料160がSOFCスタック300に運ばれる手段、および排気ストリームがSOFCスタック300から離れる方向に向かう手段を有する。様々な実施形態によれば、入口(供給)および出口(排気)ガスストリームがSOFCスタック300内に向かう、およびSOFCスタック300または複数のSOFCスタック300を出入りする方法は、直接的なガス接続および/またはガス分配マニホールドの使用による。マニホールドは、より大きなガス流の導管をより小さなガス流の導管分岐部へと分割するか、またはマニホールドは、より小さなガス流の導管分岐部をより大きなガス流の導管へと一緒にするものである。様々な実施形態では、ガスマニホールドは、SOFCスタック300の内部(またはこれと一体化)(すなわち、スタック自体の一部)とすることができ、ガスを各繰り返しユニット310におよびここから向かわせる。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、外部マニホールドを有しており、このマニホールドは、SOFCスタック300に流体接続する必要がある。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、内部マニホールドおよび外部マニホールドの両方を有する。様々な実施形態では、内部マニホールドおよび/または外部マニホールドは、アルミニウム、グラファイト、ステンレス鋼または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
様々な実施形態では、エンドプレート340の一方または両方がやはり、外部マニホールドの結合点として、およびSOFCスタック300の内部マニホールドの一部として機能することができる。例えば、図3Aに示されている通り、SOFCスタック300は、酸素供給150または燃料160をスタックに運び、排気ストリームをスタックから離れる方向に向かわせる、入口および出口流体接続部350を有する。SOFCスタック300の内部では、酸素供給150または燃料160は、的確な反応剤であるガスを各繰り返しユニット310のカソード110またはアノード130に送達する内部マニホールドを介して分配される。これらのガスは、異なる内部マニホールド360構造を使用して送達されてもよい。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、U形状の内部マニホールド360を有してもよく、この場合、ガスのすべてが、図3Cに示されている通り、スタックの一方の側を出入りする、または本質的に出入りする。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、Z形状の内部マニホールド360を有してもよく、この場合、図3Dに示されている通り、スタックの一方の側に入るガスストリームは、スタックの他の側から出る、またはここから本質的に出る。図3Cおよび3Dは、向流構造を示しているが、内部マニホールドは代替の流路配置(例えば、並流および交差流)を使用することもできる。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、蛇行形状の内部マニホールドなどの追加の内部マニホールド構造を有することができる。並流構造は、SOFCスタック300において、セル100にかかる最も低い熱勾配をもたらす。向流および並流構造はどちらも、SOFCスタック300において、交差流構造よりもセル100全体にはるかに低い熱勾配をもたらす。交差流構造は、アノード130とカソード110の流れストリームの分離がより大きいため、一層単純なシールおよびマニホールド配置をもたらす。SOFCスタック300においてより高い熱伝導率を有する材料(例えば、アルミニウム、グラファイトおよび銅)を使用することにより、セル100全体の熱勾配が低下し得、比較的大きな熱勾配の典型的な下部側が起こることなく、一層単純なシール/マニホールド配置のための交差流構造の使用が可能となり得る。図3Eは、例示的なSOFCスタック300構成要素(すなわち、エンドプレート340および相互接続部200)の分解図における、内部マニホールド360および流体接続部350の追加の詳細を提示する。追加の内部マニホールド構造が可能である。様々な実施形態では、SOFCスタック300の縁部に存在する入口内部マニホールド360ではなくむしろ、入口マニホールドがスタックの中央部に存在し、セル100のすべての中心部の穴を通過し得る。このような配置での排気ストリームは、内部マニホールドを経由するのではなく、単にスタックの縁部を出ることができる。
内部マニホールド360よりはむしろ、SOFCスタック300は、異なるマニホールド手法を使用してもよい。図3Fは、繰り返しユニット310およびエンドプレート340を備えるSOFCスタック300を示しているが、図3C~3E中とは異なり、エンドプレートになされる流体接続部は存在しない。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、側板370を利用して、入口および出口の流れをSOFCスタック300に分配する外部マニホールド配置を使用する。側板370は、上部エンドプレート340から底部エンドプレート340までスタックの各隅で延びるスタックフレーム380にシールされる。側板370を有する外部マニホールド配置では、シール100は、クロスオーバー漏出および外部漏出よりはむしろ、クロスオーバー漏出を防止するように配置されているので、セルおよび相互接続シール100は、セルおよび/または相互接続部の全周の周囲をシールしない。図3Fは、ガスストリームが入口流体接続部350の導入口を介してSOFCスタック300の1つの区分の繰り返しユニット310に入る蛇行流分布(交差流経路構造を有する)を示している。ガスストリームは、反対側の側板370に到達した後、方向を変えて、繰り返しユニット310の異なる区域に戻る。ガスストリームは、排気流体接続部350の導入口に到達するまで、蛇行流パターンで前後に進む。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、平行流路構造(例えば、並流または向流)で、側板370を備える外部マニホールド配置を使用する。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、Z形状またはU形状のマニホールド構造における側板370を備える外部マニホールド配置を使用する。様々な実施形態では、スタックフレーム380および/またはスタック側板370は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタック側板370および/またはスタックフレーム380は、相互接続部200に関して本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、側板370は、グラファイト、バーミキュライト、雲母および/または本明細書において詳述されている他のシール材料を使用して、スタックフレーム370および/またはエンドプレート340の側面にシールされ得る。
SOFCスタック300の入口および出口への流体接続部350は、多数の形態をとることができ、様々な接合方法のいずれかを使用して作製することができる。様々な実施形態では、SOFCスタック300の入口および出口への接続は、クランプされたフランジ(例えば、ナットおよびタイ-ロッドでクランプされている)および金属シール(例えば、銅)または他のシール(例えば、グラファイト、バーミキュライト、雲母、または本明細書において詳述されている他のシール材料)を使用して作製される。様々な実施形態では、SOFCスタック300の入口および出口流体接続部350への接続部は、チューブ/パイプおよび様々なチューブ/パイプ管継手(例えば、フレアレス管継手)を使用して作製される。様々な実施形態では、入口および出口流体接続部350への接続は、チューブまたはパイプをSOFCスタック300に直接溶接またはろう付けすることによって行われる。様々な実施形態では、SOFCスタック300への流体接続部350および/または前記流体接続部350への連結部(すなわち、チューブ/パイプおよびチューブ/パイプ管継手)は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、流体接続部350は、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、流体接続部350は、流体接続部の内側および/または外側にコーティングまたはクラッディング(例えば、ニッケルクラッディングまたはニッケルめっき)を有する。
様々な実施形態では、流体接続部350のすべてまたはいくつかへの接続は、単一本体(すなわち、複数の内部通路を有する1つの材料片)または複数の単一本体のヘッダーマニホールドから作製される。例えば、SOFCベースの電力システムでは、複数のSOFCスタック300を、外部ヘッダーマニホールドによって、単一の外部燃料改質装置(すなわち、例えば、天然ガス燃料からシンガスを生産するデバイス)および/または熱交換器に接続することができる。様々な実施形態では、燃料160ストリームの外部ヘッダーマニホールドからの分岐部は、各スタックの入口流体接続部350において、複数のSOFCスタック300と連結している。様々な実施形態では、単一本体ヘッダーは、酸素源150および燃料160を供給する。様々な実施形態では、単一本体ヘッダーは、SOFCスタック300のカソードおよびアノードストリームのための排気導管を設けている。様々な実施形態では、単一本体ヘッダーは、入口を分けて、出口(排気)ストリームを合わせる。様々な実施形態では、外部ヘッダーマニホールドは、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、外部ヘッダーマニホールドは、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、外部ヘッダーマニホールドは、グラファイト、バーミキュライト、雲母、または本明細書において詳述されている他のシール材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができるシールを用いて、SOFCスタック300のエンドプレート340にシールされている。
様々な実施形態では、一方または両方のエンドプレート340は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、一方または両方のエンドプレート340は、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、エンドプレート340の全厚さは、例えば、約0.2mm~約30mmの範囲にあることができる。様々な実施形態では、エンドプレート340の全厚さは、約1mm~約25mm、約5mm~約20mm、またはさらには約10mm~約15mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、エンドプレート340の最小ウェブ厚さは、約0.15mm~約0.5mm、または約0.2mm~約0.4mm、またはさらには約0.2mm~約0.3mmとすることができる。エンドプレート340は、機械加工(例えば、ミル粉砕)、スタンプ、レーザー切断、化学エッチング、ハイドロフォーミング、ウォータージェット切断、キャスティング、プレス、射出成形などの慣用的なプロセスを利用して製造することができる。様々な実施形態では、1つまたは複数のエンドプレート340は、1つまたは複数の相互接続部200と同じ厚さを有する。
様々な実施形態では、流体接続部350は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、流体接続部350の一方またはどちらも、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、側板370は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、側板370の一方またはどちらも、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタックフレーム380は、アルミニウム、グラファイトおよび/または銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、スタックフレーム380の一方またはどちらも、相互接続部200について本明細書において詳述されている1種または複数種の材料(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム合金)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、1つまたは複数のエンドプレート340、側板370、相互接続部200およびスタックフレーム380は、同じ材料を含む、これから本質的になる、もしくはこれからなることができるか、またはそれらの2つもしくはそれより多くが、異なる材料を含む、これから本質的になる、もしくはこれからなることができる。
様々な実施形態では、セルおよび相互接続部は、同じサイズ、またはほぼ同じサイズを有する。図4Aは、SOFCスタック300の繰り返しユニット310に関する概略斜視図であり、この場合、セル100および相互接続部200は、ほぼ同じ面内寸法(例えば、長さおよび幅がほぼ同じ長さ)を有しており、相互接続部200は、コンタクトリブ410と共に示されている。セル100が、相互接続部200とほぼ同じサイズである場合(図3Bにも示されている)、このセルは、図3Eに見られる相互接続部200の内部マニホールド360に類似した、穴または他のスルーフィーチャ(through feature)を含んでもよい。相互接続部200の流動場は、相互接続部およびセルの大部分または全体を覆ってもよい。様々な実施形態では、相互接続部200の流動場は、シール320が存在する領域を除き、相互接続部全体を覆う。様々な実施形態では、流動場のサイズは、SOFC300スタックにおいて、多孔質メッシュ、穴あきシート、および発泡シート、ファイバーマット、フェルト、布、フォーム(例えば、発泡フォーム)または同様の構造体などの、別の構成要素によって画定されており、したがって、多孔度、穴または他の開口部を特色とすることができる。様々な実施形態では、流動場のサイズは、集電体330によって画定される。
本明細書において、流動場とは、セルの入口から入口側まで、セル全体に;およびセルの出口側から出口まで流れを導いて分配させるために様々なフィーチャ(例えば、ベーン、リブ、チャネル、プレナム)を使用する領域を指す。プレナム(または、セルより前の領域)は、ガスがチャネルに入る前に、セル下のすべてのチャネル(または、同様のフィーチャ)にわたり可能な限り均一な流れを得るために主に存在する。したがって、この流動場とは、ガスが流れるこれらのフィーチャを備える領域のことである。非流動場領域には、スタックのマニホールド(個々の相互接続部の入口と出口)、外側シール面(すなわち、シール320とセル100の間に作製されたシールでも、シール320がプレナムの上に偶然に存在する場合でもない)、およびガスの流れを伴わない任意の他のフィーチャ(例えば、存在する場合、電圧タブおよび電流タブ)が含まれる。
図4Bは、破線4B-4Bに沿った図4Aの断面図であり、エンドプレート340がそれぞれ、繰り返しユニット310のセル100と電気接触しているSOFC300の実施形態の断面概略図を表す。このような実施形態では、SOFC300によって発生する電力は、エンドプレート(複数可)340から、またはバスバーから、またはエンドプレート340と電気接触しているチューブまたは他の伝導体からさえも引くことができる。図4Bは、SOFC300の縁部近傍の部分からの断面図と考えることができる(または、その側面図でもある)。したがって、エンドプレート340は、図4Bにおいてはシール320によってセル100から分離されているように見えるが、エンドプレート340、およびこれに最も近いセル100は、スタックの中央部により近い1つまたは複数の位置において電気接触している。本発明の様々な実施形態では、エンドプレート340の両方ではなく、エンドプレート340の1つだけが、セル100と電気接触している。様々な実施形態では、少なくとも1つのセル100は、少なくとも1つのエンドプレート340と電気接触しており、この場合、少なくとも1つのエンドプレート340は、セルと電気接触している側でパターン化されており(例えば、リブ、チャネルまたは他の流動場フィーチャ)、エンドプレート340の反対側は、実質的に平面となり得る。
図4Cは、破線4C-4Cに沿った図4Aの断面図であり、SOFCスタック300の中間領域の近位のSOFC300の実施形態の断面概略図を表しており、エンドプレート340がそれぞれ、セル100と電気接触している。図4Aは、概略斜視図において相互接続部200とセル100とを部分的に区別するため、この相互接続部における流動場フィーチャ(例えば、リブ)を示している。図4Cは、多孔質集電体330(例えば、メッシュ)を含む構造を強調するため、相互接続部200(いずれのエンドプレート340にもない)上のリブフィーチャを示していない。しかし、図4Cはまた、流動場が、SOFC300の少なくとも活性領域において、相互接続部200またはエンドプレート340におけるパターン化されたフィーチャ(例えば、コンタクトリブ)ではなく、多孔質集電体330(例えば、1つまたは複数のメッシュ)だけによって画定されている実施形態の断面を表すことができる。集電体330は、セル100の縁部に沿ったシール320の存在に適合するようセルより小さい。様々な実施形態では、セル100のいずれかの縁部上のシール320の幅は、約0.5mm~約30mm、または約1mm~約20mm、またはさらには約5mm~約15mmと様々になり得る。図4Cは、シール320と集電体330との間の側面の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、シール320および集電体330の縁部は、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、シールと集電体との間に隙間が存在しなくてもよい)。
様々な実施形態では、一方または両方のエンドプレート340は、繰り返しユニット310のセル100から電気隔離されている。電気隔離は、絶縁ガスケット、絶縁コーティングまたは他の絶縁材料の使用など、多数の異なる方法で達成することができる。このようなフィーチャはまた、タイ-ロッドまたはクランプ留め具がエンドプレート340の電気隔離を維持することを確実にするために利用することができる。図4Dは、破線4B-4Bに沿った図4Aの断面図であり、エンドプレート340が、セル100と電気接触していないSOFC300の実施形態の断面概略図を表す。図4Dは、図4Bの様式において、SOFC300の縁部近傍の部分からの断面図と考えることができる(または、その側面図でさえもある)。したがって、SOFCスタックにおける層の構造は、スタックの中央部により近い1つまたは複数の位置で様々となり得る。示されている通り、SOFCスタックの上部および底部におけるセル100は、エンドプレート340と電気接触していない。むしろ、これらのセル100は、端子相互接続部400に電気的に接続されており、これは、全SOFCスタックから電力を引き出すために利用することができる。様々な実施形態では、端子相互接続部400は、アルミニウム、銅および/もしくはグラファイト、または相互接続部200に関して本明細書において説明されている1種または複数種の材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、端子相互接続部400は、相互接続部200に類似してもよいが、セル100と電気接触している側だけにパターン化されていてもよく(例えば、ガス流用のリブおよびチャネルを用いる;図2を参照されたい)、端子相互接続部400の反対側は、実質的に平面となり得る。図4Eは、破線4C-4Cに沿った図4Aの断面図であり、SOFCスタック300の中間領域の近位のSOFC300の実施形態の断面概略図を表しており、エンドプレート340がそれぞれ、セル100から電気隔離されている。図4Eは、多孔質集電体330(例えば、メッシュ)を含む構造を強調するため、相互接続部200上のリブフィーチャを示していない。しかし、図4Eはまた、流動場が、SOFC300の少なくとも活性領域において、相互接続部200または端子相互接続部400におけるパターン化されたフィーチャ(例えば、コンタクトリブ)ではなく、多孔質集電体330(例えば、1つまたは複数のメッシュ)だけによって画定されている実施形態の断面を表すことができる。
様々な実施形態では、セルおよび相互接続部は、同じサイズではない。図4Fは、セル100の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)の少なくとも1つが相互接続部200の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)より小さい、SOFCスタック300の繰り返しユニット310の概略斜視図である。図4Fは、概略斜視図における相互接続部200とセル100とを部分的に区別するため、相互接続部における流動場フィーチャ(例えば、リブ)を示している。セル100が相互接続部よりも小さい場合、セルは、穴または他のスルーフィーチャを含む必要はないが、含んでもよい。さらに、セルが相互接続部200よりも小さい場合、SOFCスタック300は、スペーサーを利用して、セル100と重ならない相互接続部のある特定の領域にシール320を支持することができる。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、相互接続部200、および端子相互接続部400(存在する場合)、および/または一方もしくは両方のエンドプレート340の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)よりも小さい、セル100の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)を有する。これは、例えば、図4Gに例示されており、これは、破線4G-4Gに沿った図4Fの断面であり、エンドプレート340がそれぞれ、繰り返しユニット310のセル100と電気接触している、SOFC300の実施形態の断面概略図を表す。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、セル100と重ならない相互接続部200の領域にスペーサー420を含む。様々な実施形態では、スペーサー420は、相互接続部200(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、グラファイトなど)、または相互接続部に関して本明細書に記載されているいずれか1種または複数種の材料と同じ材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、スペーサー420は、シール320、またはシールに関して本明細書に記載されているいずれか1種または複数種の材料と同じ材料を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、スペーサー420およびシール320は、単片の材料または単一本体(すなわち、単一構成要素に一体化されている)である。
図4Hは、破線4H-4Hに沿った図4Fの断面図であり、SOFCスタック300の中間領域の近位のSOFC300の実施形態の断面概略図を表し、エンドプレート340がそれぞれ、セル100と電気接触している。図4Fは、概略斜視図における相互接続部200とセル100とを部分的に区別するため、相互接続部における流動場フィーチャ(例えば、リブ)を示している。図4Hは、多孔質集電体330(例えば、メッシュ)を含む構造を強調するため、相互接続部200上のリブフィーチャを示していない。しかし、図4Hはまた、流動場が、SOFC300の少なくとも活性領域において、相互接続部200におけるパターン化されているフィーチャ(例えば、コンタクトリブ)ではなく、多孔質集電体330(例えば、1つまたは複数のメッシュ)だけによって画定されている実施形態の断面を表すことができる。集電体330は、セル100の縁部に沿ってシール320の存在に適合するよう、セルより小さい。シール320は、セル100の縁部からスペーサー420まで延在する。図4Hは、スペーサー420の縁部の最後まで延在するシール320の外側縁部を示す。様々な実施形態では、シール320の外側縁部は、スペーサー420の縁部の最後まで延在する。様々な実施形態では、スペーサー420の外側縁部は、SOFCスタック300の所与の繰り返しユニット310のいずれに対しても、シール320の一方または両方を超えて延在する。様々な実施形態では、シール320の一方または両方の外側縁部は、スペーサー420を超えて延在する。図4Hは、シール320と集電体330との間の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、シール320および集電体330の縁部は、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、シールと集電体との間に隙間が存在しなくてもよい)。図4Hは、シール320と集電体330との間の側面の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、シール320および集電体330の縁部は、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、シールと集電体との間に隙間が存在しなくてもよい)。同様に、図4Hは、スペーサー420とセル100との間の側面の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、スペーサー420およびセル100の縁部は、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、スペーサーとセルとの間に隙間が存在しなくてもよい)。
様々な実施形態では、SOFCスタック300は、相互接続部200および端子相互接続部400(存在する場合)の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)よりも小さい、セル100の面内寸法(例えば、長さおよび/または幅)を有しており、ならびに/あるいはエンドプレート340の一方もしくは両方が、繰り返しユニット310のセル100から電気隔離されている。電気隔離は、絶縁ガスケット、絶縁コーティングまたは他の絶縁材料の使用など、多数の異なる方法で達成され得る。このようなフィーチャはまた、タイ-ロッドまたはクランプ留め具がエンドプレート340の電気隔離を維持することを確実にするために利用され得る。図4Iは、破線4H-4Hに沿った図4Fの断面図であり、SOFCスタック300の中間領域の近位のSOFC300の実施形態の断面概略図を表し、エンドプレート340がそれぞれ、セル100から電気隔離されている。図4Hと異なり、図4Iにおける相互接続部200および端子相互接続部400は、リブ流れフィーチャを含むが、集電体330は含まない。図4Iは、シール320と集電体330との間の側面の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、シール320の縁部および相互接続部200または端子相互接続部400のリブフィーチャは、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、シールと集電体との間に隙間が存在しなくてもよい)。同様に、図4Iは、スペーサー420とセル100との間の側面の隙間と共に示されているが、様々な実施形態では、スペーサー420およびセル100の縁部は、互いに隣接していてもよく、またはほぼ隣接していてもよい(すなわち、スペーサーとセルとの間に隙間が存在しなくてもよい)。
本発明の様々な実施形態は、それぞれが2種またはそれより多くの異なる材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなるハイブリッドまたは多層シール320を利用することができる。このようなシール320は、金属材料をセラミック材料にシールするため、および/または2種の異なる金属もしくはセラミック材料を一緒にシールするために有利となり得る。このようなハイブリッドまたは多層シール320はまた、シール材料が導電性(例えば、グラファイト)である場合に有利となり得、こうして、ハイブリッドまたは多層構造に第2のシール材料を使用することにより、いくつかのスタック設計における電気的短絡を防止することができる。ハイブリッドまたは多層シール320はまた、シール材料が、例えば、酸化環境よりも還元環境において安定であり(またはその逆)、こうして、ハイブリッドシールが、少なくとも酸化環境(または少なくとも還元環境)において安定な別の材料との組合せによって第1の材料の使用を可能にする場合に有利となり得る。(本発明の様々な実施形態によれば、酸素の分圧が10-18atm未満またはこれに等しい場合、ガス環境は「還元性」であり、酸素の分圧が10-18atmより大きい場合、ガス環境は「酸化性」である)。図5Aは、層500、510から構成されているハイブリッドシール320の側面図である。様々な実施形態では、層500、510の少なくとも1つは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる。様々な実施形態では、層500、510の一方は、導電性である一方、他方の層は、電気絶縁性である。(本明細書において利用される場合、「導電性」である構成要素または層は、少なくとも動作温度(例えば、約400℃~約800℃、またはさらに一層高い)において、少なくとも10S/m、または約10S/m~約10S/mの範囲、または約10~10S/mの範囲、またはさらに高い、最小導電率を有する。「電気絶縁」されている構成要素または層は、少なくとも動作温度において、少なくとも10オーム-m、または約10オーム-m~約10オーム-mの範囲、またはさらに一層高い最小抵抗率を有する)。
シール320(および/または層500、510)がグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる様々な実施形態では、シール320、および/または層500、510の一方または両方において使用されるグラファイト材料は、それぞれ、フレーク状グラファイト、アモルファスグラファイト、結晶性グラファイト、熱分解グラファイト、高配向性熱分解グラファイト(HPOG)、熱分解カーボン、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、グラフェン、多結晶性グラファイト、合成グラファイト、および/またはガラス様カーボン(例えば、ガラス状またはガラス質カーボン)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、層500、510はそれぞれ、異なるタイプのグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。例えば、一方の層は酸化されたグラファイト(例えば、酸化雰囲気に曝露されたグラファイト)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる一方、他方の層は、還元されたグラファイト(例えば、還元雰囲気に曝露されたグラファイト)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。別の例において、一方の層はガラス状カーボン(すなわち、ガラス質グラファイト)を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる一方、他方の層は、フレーク状グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、層500、510の1つは、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる一方、他方の層は、雲母、バーミキュライト、ガラス、ろう付け用合金、アスベスト、ポリアミド(例えば、アラミド)、タルク、ポリイミド(例えば、Kapton)、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon)、ポリシロキサン(例えば、シリコーンまたはRTVシリコーン)、および/またはシルセスキオキサン(例えば、フェニルシルセスキオキサン)などの1種または複数種の他の材料を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、層500、510は、層500、510のいずれか一方を構成する炭素/グラファイトとは異なるタイプの炭素/グラファイトによりコーティングされ得る。様々な実施形態では、シール320におけるポリイミド、ポリアミド、ポリアミド-イミド、ポリシロキサンまたはシルセスキオキサンをベースとする材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約750℃の範囲である。様々な実施形態では、シール320におけるポリイミド、ポリアミド、ポリシロキサンまたはシルセスキオキサンをベースとする材料の適切な動作温度の帯域は、約350℃~約650℃の範囲にある。様々な実施形態では、シール320におけるポリイミド、ポリアミド、ポリアミド-イミド、ポリシロキサンまたはシルセスキオキサンをベースとする材料の適切な動作温度の帯域は、約400℃~約500℃の範囲にある。様々な実施形態では、還元環境における、シール320の場合のグラファイトベースの材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約1000℃の範囲にある。様々な実施形態では、還元環境における、シール320におけるグラファイトベースの材料の適切な動作温度の帯域は、約350℃~約850℃の範囲にある。様々な実施形態では、酸化環境における、シール320のグラファイトベースの材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約750℃の範囲にある。様々な実施形態では、酸化環境における、シール320のグラファイトベースの材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約650℃の範囲にある。様々な実施形態では、酸化環境における、シール320におけるグラファイトベースの材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約550℃の範囲にある。様々な実施形態では、酸化環境または還元環境における、シール320における雲母、バーミキュライト、ガラス、ろう付け用合金、アスベストまたはタルク材料の適切な動作温度の帯域は、約300℃~約1000℃の範囲にある。
接着剤を利用して、層500、510を一緒に接合するか、または320にシールしてもよい。このような接着剤の使用は、層500と510との間に優れた界面シールを形成する、および/または単にスタック300の組み立てプロセスの一助とするために有利となり得る。様々な実施形態では、接着剤は、層の一方または両方に適用される。様々な実施形態では、層500、510は、接着剤が塗布された後に、積層される(例えば、カレンダー加工による積層化を使用)。様々な実施形態では、接着剤は、単一の構成要素または複数の構成要素を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、低いまたは高い熱伝導率で電気抵抗性となり得るか、またはそれらは、高い熱伝導率を伴って導電性となり得る。様々な実施形態では、接着剤は、有機化合物および/または無機化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、結合剤および/または反応性化合物を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、無機材料(例えば、石灰、MgO、Al、Zr、YSZ、および/または様々なタイプのセラミックセメント)を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、接着剤に使用されるセラミックセメントは、リン酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、および/またはケイ酸カルシウムを含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、有機材料(例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、および/またはニトリルブタジエンゴム(NBR))を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、グラファイトベースの接着剤(例えば、Aremco製のCeramabond 551-RNおよびCeramabond 669)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、接着剤は、電気抵抗性接着剤を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができ、これはまた、熱抵抗性(例えば、Cotronics製のResbond 919)または熱伝導性(例えば、Cotronics製のResbond 920)のいずれかであってもよい。様々な実施形態では、接着剤は、導電性接着剤(例えば、Cotronics製のDurabond 950、952または954;またはAremco製のCorr-Paint、例えばCP30xxシリーズ)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。
図5Bおよび5Cに示されている通り、例えば、SOFCスタックにおける異なる構成要素間での界面シールを強化するため、シール320(図5Aに示されている均一シールまたはハイブリッド/多層シールのいずれか)をそのシール面の一方または両方にコーティングしてもよい。このようなコーティングは、例えば、シールがグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる、あるいはグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる1つまたは複数の層から構成される実施形態では、有利に利用することができる。例えば、シール320の一方または両方のシール面(例えば、上部表面および/または底部表面)は、例えば、ガラス、またはバーミキュライト、雲母、アスベスト、ポリシロキサン(例えば、RTVシリコーン)、ろう付け材料、ポリアミド(例えば、アラミド)、タルク、ポリイミド(例えば、Kapton)、ポリアミド-イミド(例えば、Torlon)またはシルセスキオキサン(例えば、フェニルシルセスキオキサン)などの非ガラスシーラントを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる、コーティング520によりコーティングされていてもよい。様々な実施形態では、コーティング520は、例えば、SOFCスタック内の電気的短絡を回避する一助とするため、電気絶縁性である。図5Dおよび5Eに示されている通り、シール320のシール面の一方または他方の一部だけコーティング520によりコーティングすることが有利なることがある。例えば、他の方法では適合性がない、または容易には一緒にシールされない(例えば、異なる材料から構成されている)SOFCスタックの様々な部分をシールする場合、部分コーティング520を利用することができる。
本発明の様々な実施形態によるSOFCは、1つまたは複数のシール320に加えて、SOFCスタックの1つまたは複数の外側表面(例えば、SOFCスタックの層間ではなく、SOFCスタック上またはその周囲に配設される)上にある、1つまたは複数の外部シールまたは「封止材」を特色とすることができる。このような外部シールは、酸化しやすい材料(例えば、グラファイト)を含む、これから本質的になる、またはこれからなる、SOFCスタックの1つまたは複数の構成要素の周囲空気への曝露を防止するため(例えば、酸化を予防するため)、このような構成要素を封入するために有利となり得る。図6Aおよび6Bは、外部シール600の配置を例示する、SOFCスタックの縁部分を通る概略断面図である(すなわち、図4Aの様式で)。図6Aおよび6Bの断面図は、SOFCスタックのいずれかの側の外部シール600を必然的に図示しているが、本発明の様々な実施形態では、外部シール600は、SOFCスタックの周囲全体を包み込む。様々な実施形態では、外部シール600は、ガラス、ポリシロキサン(例えば、RTVシリコーン)などの非ガラスシーラント、またはセラミックセメントを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。セラミックセメントは、リン酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、Al、MgO、ZrまたはYSZ(例えば、Aremco製のCeramabondという商標名およびCotronics製のDurapotという商標名の様々な製品提供)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、外部シール600は、電気絶縁性である。様々な実施形態では、外部シール600は、伝導体の抵抗率と絶縁体の抵抗率との間の抵抗率を有する半導体である。図6Aは、セル100、シール320、および相互接続部200の少なくとも一部を横切って延在する外部シール600を図示する(図6Aは、相互接続部200の一部のみ覆う外部シール600を図示しているが、本発明の実施形態は、1つまたは複数の相互接続部200の側面全体が外部シール600によって覆われている実施形態を含む)。図6Bは、外部シール600が、シール320とセル100の一部および相互接続部200を横切って延在していると図示しており、すなわち、本質的に、シール320だけが、外部シール600によって完全に封入されている。本発明の様々な実施形態では、相互接続部200の一方または両方は、エンドプレート340および/または端子相互接続部400によって置き換えられることができる。したがって、本発明の様々な実施形態では、1つまたは複数の外部シール600を利用して、グラファイトを少なくとも一部、含む、これから本質的になる、またはこれからなる、SOFCスタックの1つまたは複数の構成要素の側面を封入することができる。様々な実施形態では、外部シール600は、SOFCスタック全体の外部表面の全体または実質的に全体を覆うことができる(例えば、図3Aに示されているSOFC300)。様々な実施形態では、外部シール600は、SOFCスタック全体の外側表面の約0.01%~約100%を覆う。様々な実施形態では、外部シール600は、SOFCスタック全体の外側表面の約15%~約75%、さらには約25%~約50%を覆う。様々な実施形態では、外部シール600は、SOFCスタック300の層間に存在するが、シール320よりもスタックの中央部からさらに離れて配置され(例えば、図4Iの様式の図6C)、例えば、シール320を「封入する」。様々な実施形態では、外部シール600はシール320と同じ厚さである。様々な実施形態では、外部シール600の厚さは、約0.001mm~約20mm、約0.1mm~約10mm、さらには約1mm~約5mmの範囲である。
本発明の様々な実施形態では、相互接続部200の1つまたは複数の部分は、特にSOFCの動作中に、高い導電率を維持するためにコーティングされる。図7Aは、フローチャネル710によって分離された複数のコンタクトリブ700を示す、相互接続部200の流動場領域の概略斜視図である。様々な実施形態では、図2にも示されている通り、コンタクトリブ700は、隣接するセル100との電気接触を維持する一方、フローチャネル710は、これを通して、酸素源150および/または燃料160を流す。示されている通り、コンタクトリブ700およびフローチャネル710は、導電性であるコーティング720によってコーティングされていてもよい(本明細書において利用される場合、「コーティング」は、堆積されたコーティングだけでなく、積層したクラッディングも指すと理解されるが、「クラッディング」は、クラッディングのみ含み、他のタイプのコーティングを含まない)。様々な実施形態では、コーティング720は、コンタクトリブ700の酸化を遅らせる、または防止し、それによりその高い導電性を維持する。様々な実施形態では、流動場の他の部分(例えば、入口または出口プレナム)は、コーティング720によってコーティングされていてもよい。コーティング720は、相互接続部200がアルミニウムを含む、これから本質的になる、またはこれからなる場合、特に有利となり得るが、コーティング720はまた、相互接続部200に関して本明細書において詳述されている他の相互接続部の材料(例えば、ステンレス鋼または銅)と共に利用してもよい。様々な実施形態では、コーティング720は、例えば、窒化物層(例えば、TiN、ZrN、窒化ニッケル、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化インジウム、窒化ガリウム、Zn、CuN、窒化ホウ素、Si、Cなど)、炭化物層(例えば、TiC、SiC、TaC、NbC、ZrC、WCなど)、1種または複数種の金属(例えば、Agおよび/またはNi)、1種または複数種のアルミニウム金属間化合物(例えば、TiAl、MgAl、FeAlまたはNiAl)、グラファイト、および/またはマンガン-コバルトオキサイド(MCO)などの導電性セラミック酸化物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。様々な実施形態では、窒化物は、窒素とLi、Ba、SrまたはCaのうちの1つ;およびV、Nb、Ta、Hf、Zr、Ti、Si、Ge、C、B、W、Mo、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、In、Ga、Al、Bi、Sb、SnまたはYのうちの1つ(例えば、CaNiNまたはSrNiN);または窒素;MgまたはZnの1つ;およびV、Nb、a、Hf、Zr、Ti、Si、Ge、C、B、W、Mo、Cr、Mn、SbまたはSnのうちの1つ(例えば、MgTa);または窒素;NaまたはKの1つ;およびV、Nb、a、Hf、Zr、Ti、Si、Ge、C、B、W、Mo、Cr、MnまたはSnのうちの1つ;または窒素;NbまたはTaの1つ;およびFe、Co、Ni、SiまたはZrのうちの1つ(例えば、TaNiN);または窒素;Al;およびNb、Hf、Zr、TiまたはCのうちの1つ(例えば、TiAlNまたはTiAlN);または窒素;Mo;およびMn、Fe、Co、NiまたはSiのうちの1つ(例えば、NiMoN)を含む、三元系またはこれより高次の化合物である。様々な実施形態では、炭化物は、炭素と、Ti、V、Zr、Cr、Nb、HfまたはTaのうちの1つ;およびAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、S、P、SiまたはZnのうちの1つ(例えば、TiSiC)を含む、三元系またはこれより高次の化合物である。様々な実施形態では、コーティング720は、相互接続部200の材料を組み込んだ、およびこれから部分的に形成された(例えば、化学的または電気化学的プロセスで)化成コーティングを含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。様々な実施形態では、コーティングは、それらの耐酸化性を増大させるか、またはそうでない場合、酸化の開始温度を向上させるために、イオン注入(例えば、TiNへのAlイオン注入)により処理されてもよい。
様々な実施形態では、コーティング720は、ニッケルを含む、これから本質的になる、またはこれからなる。例えば、グラファイト製の相互接続部200は、ニッケルコーティング720を含んで、界面の導電性を改善することができる。ある種の場合、相互接続部の一方の側にこのようなNiコーティングを使用することができるが、SOFCの動作温度において、抵抗性酸化ニッケルへのニッケルの酸化を回避するため、アノードに使用するのがより適切である。様々な実施形態では、相互接続部200は、銅を酸化から保護するためのニッケルコーティング720を有してもよく、これは、酸化ニッケルコーティングが抵抗性になる場合でさえも、電気の多量の伝導に依然として使用することができる。このようなコーティングは、相互接続部のアノードまたはカソード側のどちらか一方に使用され得る。様々な実施形態では、相互接続部200は、アルミニウム、銅またはステンレス鋼のコーティングを有してもよい。様々な実施形態では、アルミニウム製の相互接続部200は、銅、ニッケルまたはステンレス鋼のコーティングを有する。様々な実施形態では、銅製の相互接続部200は、アルミニウム、ニッケルまたはステンレス鋼のコーティングを有する。様々な実施形態では、ステンレス鋼製相互接続部200は、銅、ニッケルまたはアルミニウムのコーティングを有する。様々な実施形態では、コーティングはクラッディングである。
図7Bは、破線7B-7Bに沿った図7Aの断面である。示されている通り、本発明の様々な実施形態では、コーティング720は、コンタクトリブ700の上部表面だけではなく、コンタクトリブ700の側面およびフローチャネル710の底部表面もコーティングしてもよい(例えば、共形にコーティングする)。しかし、他の実施形態では、隣接する構成要素に接触するコンタクトリブリブ700の上部表面だけがコーティング720によりコーティングされている一方、コンタクトリブ700の側面および/またはフローチャネル710の底部表面はコーティングされていない。様々な実施形態では、コーティング720の厚さは、例えば、約0.0001mm~約10mmの範囲であり得る。様々な実施形態では、コーティング720の厚さは、約0.0005mm~約1mm、約0.001mm~約0.75mm、またはさらには約0.005~約0.5mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、コーティング720は、例えば、物理蒸着、化学蒸着、スプレーコーティング、ディップコーティング、めっき、拡散浸透処理、拡散コーティング、化成コーティング、スクリーン印刷、グラビア印刷またはパッド印刷などの従来のプロセスにより形成されてもよい。様々な実施形態では、コーティング720は、クラッディングプロセスにより形成され、このプロセスは、例えば、様々な積層、押出、ろう付け、レーザー焼結(すなわち、レーザークラッディング)、またはさらには拡散接合工程を利用することができる。本発明の様々な実施形態では、相互接続部は、2つの異なる表面(例えば、上部表面および底部表面)上にコーティング720を有してもよく、2つのコーティング720が、異なる組成を有してもよい。さらに、一方の表面のコーティング720は、コンタクトリブ700の上部だけをコーティングすることができる一方、他方の表面のコーティング720は、コンタクトリブ700の上部だけでなく、コンタクトリブ700の側面および/またはフローチャネル710の底部表面などの表面の他の部分もコーティングしてもよい。
本発明の様々な実施形態では、様々な構成要素またはその一部をSOFCスタック内の他の構成要素から電気的に隔離するのが有利となり得る。図8Aおよび8Bは、構成要素800が、1つまたは複数の表面に1つまたは複数の絶縁層810を組み込んだ構造の断面図を図示している。構成要素800は、例えば、相互接続部200、端子相互接続部400、エンドプレート340またはシール320とすることができる。絶縁層810は、SOFCスタック内の他の構成要素との界面における1つまたは複数の位置の構成要素800上に存在することができ、この場合、構成要素800と他の構成要素(複数可)との間の電気的絶縁が望ましい(例えば、SOFCスタックの外側縁部において)。様々な実施形態では、絶縁層810は、例えば、ガラスおよび/またはセラミック層(例えば、窒化ケイ素などの窒化物、および/または酸化アルミニウムもしくは酸化マグネシウムなどの酸化物、または本明細書において列挙されている窒化物もしくは炭化物のいずれかなどの、この化合物への酸素の付加を伴うオキシ窒化物あるいはオキシ炭化物さえも)を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。構成要素800がアルミニウムを含む、これから本質的になる、またはこれからなる実施形態では、絶縁層810の全体または一部は、酸化アルミニウム(例えば、自然酸化アルミニウム)を含む、これから本質的になる、またはこれからなることができる。例えば、相互接続部200は、相互接続部の流動場領域の上に配設されているコーティング720を有することができる一方、相互接続部200の残り(例えば、縁部)の部分は、酸素含有雰囲気中で熱処理されて、残りの部分の上に酸化アルミニウム絶縁層810を形成することができる。様々な実施形態では、絶縁層810の厚さは、例えば、約10nm~約5mmの範囲とすることができる。様々な実施形態では、絶縁層810は、例えば、物理蒸着、化学蒸着、スプレーコーティング、ディップコーティング、めっき、化成コーティング、スクリーン印刷、グラビア印刷またはパッド印刷などの従来のプロセスにより形成されてもよい。
シール320が、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる様々な実施形態では、シール320の少なくとも1つのシール表面(例えば、上部表面および/または底部表面)の全体または一部が、その上に絶縁層810を組み込んで、シール320を介する導電を阻止することができる。このように、本発明の実施形態によるSOFC内のシール320および相互接続部200のどちらも、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれらからなることができる。シール320が、金属(例えば、アルミニウムまたは銅)または導電性セラミックを含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる様々な実施形態では、シール320の少なくとも1つのシール表面(例えば、上部表面および/または底部表面)の全体または一部が、その上に絶縁層810を組み込んで、シール320を介する導電を阻止することができる。
本発明の実施形態は、SOFCスタック内の相互接続部200および/またはシール320の様々な異なる構造を特色とする。図9は、繰り返しユニット310および隣接する相互接続部200の断面概略図であり、それらの構造を示す。図4A~4Hの断面図とは対照的に、図9は、SOFCスタックの中央部付近で、フローチャネルおよび相互接続リブに垂直に(図7Aにおける破線7B-7Bの様式で)切り取ったSOFC300の断面図であり、SOFC層構造の様々な詳細を明らかにしている。示される通り、セル100は、2つの相互接続部200の間に配設されてこれらと電気接触しており、集電体330およびコーティング720は、セル100のいずれかいずれかの側の電気接続を容易にする。様々な実施形態では、セル100のいずれかの側の集電体330は、同じ組成を有してもよいか、またはそれらは、異なる組成を有してもよい。同様に、セルのいずれかの側の集電体330に接触させるコーティング720(すなわち、各相互接続部200のいずれかの側のコーティング720)は、同じ組成を有してもよいか、またはそれらは、異なる組成を有してもよい。
SOFCスタックの外縁により近い、層500、510を有するハイブリッドシール320もまた、セル100の各側と隣接する相互接続部200との間に配設される。示されている通り、各ハイブリッドシール320の両側は、その表面に配設されている絶縁層810を有することができる。様々な実施形態では、ハイブリッドシール320の表面の1つだけ(すなわち、層500、510のうちの1つだけ)が、表面上に配設されている絶縁層810を有してもよいか、または、ハイブリッドシール320(またはその一部、例えば、層500および/または層510)が電気的に絶縁性である実施形態では特に、絶縁層810のすべてが省略されてもよい。外部シール600は、封入および酸化の防止(または取り巻く雰囲気への他の有害な曝露)のために、図9に示されているアセンブリの周囲に配設することができる。外部シール600は、相互接続部200またはハイブリッドシール320の全体または一部がグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる本発明の実施形態では、特に有利となり得る。図9はまた、セル100のいずれかの側での2つのハイブリッドシール320の間に配設されているスペーサー900を図示している。様々な実施形態では、スペーサー900は、セル100とほぼ同じ厚さを有しており、セル100が相互接続部200および/またはシール320と同じ横方向の距離だけ延在しない実施形態では、ハイブリッドスペーサー320間の隙間を占め、これにより、SOFCスタックに機械的強度および安定性を与える。スペーサー900は、特性および/または構造のいずれを有してもよく、および/またはスペーサー420に関して本明細書に詳述されている材料のいずれから構成されてもよい。様々な実施形態では、スペーサー900は、個別の構成要素よりはむしろ、シール320の一方または両方の延在部とすることができる。様々な実施形態では、スペーサー900は、相互接続部200またはシール320について本明細書に詳述されている材料のいずれかから選択される組成を有する。様々な実施形態では、スペーサー900は電気絶縁性であるが、他の実施形態(特に、図9に示されている通り、絶縁層810が存在する実施形態)では、スペーサー900は導電性となり得る。
図10は、本発明の実施形態による、スタックの中央部の近位にある、SOFCスタックの一部の別の断面概略図を図示している。図10に図示されている実施形態では、相互接続部200は、その外周において、少なくとも相互接続部200の1つの表面にシールを設けるよう(すなわち、シール320と同様に機能するよう)に成形されている。示されている通り、相互接続部200の1つの表面は、それ自体が、セル100(および存在する場合、必要に応じたスペーサー900)に直接的に機械的接触している一方、シール320(様々な実施形態では、ハイブリッドシール320であってもよい)が、セル100と他の相互接続部200の反対側の表面との間に配設されている。示されている通り、絶縁層810は、シール320の1つまたは複数(例えば、上部および/または底部)の表面に存在してもよい。やはり示されている通り、外部シール600は、SOFCスタックの周囲に配設されて、少なくとも各相互接続部200を封入し、この配置は、相互接続部200がグラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる実施形態では、特に有利となり得る。様々な実施形態では、相互接続部200は、相互接続部200の上部表面および底部表面の両方へのシールとして機能するように成形されていてもよく、すなわち、相互接続部200の上部表面の外周は、セル100と直接接触するように成形されていてもよく、こうして、セル100は、セル100の反対側の相互接続部200によってその外周で直接接触している。しかし、様々な実施形態では、シール320は、一層機械的に柔軟性または可撓性があり、温度変化している間にスタックの様々な構成要素が膨張または収縮した場合でさえ、スタックのシールを維持するので、別個のシール320の使用は、幅広い条件下で、例えば、起動中などの様々な温度レジメン下で、SOFCスタックを容易にシールすることができる。
図10に示されている通り、外部シール600は、SOFCスタックの1つまたは複数の層の全体または一部、例えばシール320および/またはスペーサー900を覆うことも、封入することもないかもしれない。しかし、様々な実施形態では、このようないずれの層も、グラファイトを含む、これから本質的になる、またはこれからなる場合、外部シール600は、その酸化を低減または防止するために、このような層を覆い、封入することができる。
図11は、図10と同様であるが、必要に応じた集電体330を含まない本発明の実施形態を図示している断面概略図である。むしろ、示されている通り、セル100自体は、例えば、必要に応じたコーティング720(すなわち、様々な実施形態では、コーティング720は、相互接続部200表面に存在しなくてもよく、これは、依然として、セル100に直接的に機械的接触することができる)を介して、相互接続部200と直接的な機械的(および電気)接触させて配設されている。
様々な実施形態では、相互接続された支持型セルは、アルミニウム、グラファイトまたは銅を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなる、相互接続部の上部に配設されている。様々な実施形態では、相互接続支持型セルの相互接続部は、十分に高密度である(すなわち、有意な(例えば、>1%)開放多孔度を欠く)。様々な実施形態では、相互接続支持型セルの相互接続部の一部は、多孔質である(すなわち、開放多孔度を有する)。様々な実施形態では、相互接続支持型セルの相互接続部の一方の側(すなわち、アノード側またはカソード側)は多孔質である。様々な実施形態では、相互接続支持型セルの相互接続部の両側が、多孔質である。様々な実施形態では、相互接続部の多孔質部分の範囲は、相互接続部の全厚さの約10%~約80%である。様々な実施形態では、相互接続部の多孔質部分の範囲は、相互接続部の全厚さの約15%~約60%である。様々な実施形態では、相互接続部の多孔質部分の範囲は、相互接続部の全厚さの約20%~約50%である。
様々な実施形態では、SOFCスタック300は、長期使用(例えば、10年間または20年間などの複数年間)するよう設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、長期使用(例えば、複数年間)するよう設計されておらず、むしろ短期間使用向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、5年未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、3年未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、12か月未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、6か月未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、1か月未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。様々な実施形態では、SOFCスタック300は、1週間未満またはこれに等しい有用寿命向けに設計されている。
様々な異なる材料、コーティングおよび構造を利用し、高温で、SOFCスタック構成要素(ガスケットおよび相互接続部)の性能を独立して、および一体化したSOFCスタックを用いて評価した。ガスケットを含む1番目の試験では、様々なガスケット材料のよどみ流(stagnant flow:SF)タイプ構造でスクリーニングし、バルクおよび界面漏出経路を測定した。この装置は、各フランジに溶接したステンレス鋼製チューブを備えた2つのステンレス鋼製フランジを特色とした。SF構造では、ガスケット材料のディスクを両フランジ間に置き、ねじ付きタイ-ロッド、ナットおよびスプリングワッシャを使用して圧縮した。ガスケットディスクの非圧縮中央部は、様々なガスケット材料の中央部を通るバルク漏出経路の評価を可能にする本質的に膜とした。多孔性支持体を使用して、高いガス背圧下で、ガスケットの中央区域が破裂しないようにした。
様々なガス環境下(不活性、還元性および酸化性)、およびこの装置の上流側の背圧レギュレータ(BPR)で維持した0.5psigの背圧において、試験具をクラムシェル型炉中、350℃と650℃との間の様々な温度に加熱した。単一サイクルは、100℃ずつの段階で約100℃から350℃まで、および最終的には650℃までの傾斜からなった。各温度の設定点を、約4時間、維持した。最後の段階の後、炉を約100℃まで冷却して戻し、このプロセスを繰り返した。漏出測定値を各段階で連続的に収集した。このプロセスは、50時間にわたり、合計で3回のサイクルを繰り返した。試験具への流れはすべて、マスフローコントローラ(MFC)を介してコンピュータ制御し、高精度のデジタル体積流量計を使用して検証した。膜の一方の側に水素を流した一方、その反対側にヘリウム掃引ガスを流した。ガスクロマトグラフィーを使用して掃引ガスの水素をモニタリングし、ガスケットからのバルク漏出量を定量した。化学種の収支を行い、界面での漏出率およびバルク漏出率を定量した。
バーミキュライトおよびグラファイトのガスケット材料は、様々な動作温度およびガスケットの締付け圧(すなわち、低圧、中圧および高圧)において検討した。タルクベースのガスケットも評価したが、多孔性支持体が存在するにもかかわらず、比較的弱いタルクガスケットが、SF構造の非圧縮領域において機械的強度の問題を受けたので、十分に追及することはしなかった。タルクベースのガスケットは、破裂を防止するため好ましくは強化すべきである。
異なる温度に関して、各材料およびガスケット締付け応力の組合せについて燃料の漏出割合を比較した。いずれの場合も、グラファイト製ガスケットの漏出率は、この装置に注入された水素の1%未満であった。中程度のおよび高い締付け応力の場合、バーミキュライト製ガスケットは、1%未満の漏出率を有した。しかし、低い締付け応力の場合、バーミキュライト製ガスケットは、350℃~550℃の場合、1.5%~2%の間の漏出率を示した。650℃では、漏出率は約7%と高かった。各材料の大部分の場合において、温度の上昇に伴って漏出率がわずかに低下するという一般的な傾向があり、これは、より高い温度ではフランジがガスケット材料に対してさらに膨張するにつれて、界面での漏出が低下することに関連した。グラファイト製ガスケットの場合、100℃~650℃の間の様々な温度での複数の熱サイクルは、シーリング性能にほとんど影響を及ぼさなかった。1つの場合では、グラファイト製ガスケットに160時間にわたって合計10サイクルを行い、漏出率にほとんどまたはまったく変化が示されなかった。一方、バーミキュライト製ガスケットの性能は、より大きな緩和の程度を示し、一部の場合、熱サイクル中に変化したように見えた。表1は、低いおよび高い締付け応力でのグラファイトおよびバーミキュライトのガスケット材料に対して、約450℃でSF構造の測定から導かれた、総漏出率(漏出した投入ストリームの百分率)の要約を提示している。予想通り、高い締付け応力の試料は、低い締付け応力の試料よりも低い漏出率を有した。グラファイト製ガスケットは、バーミキュライト製ガスケットよりも総合的にはるかに優れた性能を発揮した(低い応力のバーミキュライト試料の場合、径がより小さいタイ-ロッドを、低い応力のグラファイト試料と同じトルク値になるまで絞めつけ、これによって、わずかに異なる締付け応力をもたらしたことに留意されたい)。
Figure 2022553873000002
バーミキュライトは、[(AlSi)10]・(OH)・4HOという繰り返し単位を有する、含水ケイ酸塩物質である。事後分析を行った際に、水素と接触しているバーミキュライトの領域は一貫して目視によれば黒くなり、水素の存在下、高温ではこの材料が還元されたことを示している。材料の還元により、バーミキュライト製シールの多孔度が変化し、高温での漏出がこのように大きくなった可能性があるか、または、バーミキュライト製シールの体積変化が、最終的なシール圧に影響を及ぼした可能性がある。さらに、バーミキュライトの層内に捕捉された水は、600℃以上の高温で放出される。これにより、ガスケットの層の膨張、開口および/または破裂が引き起こされる恐れがある。一方、グラファイトは、還元可能な化学種を有しておらず、水による同じ問題を受けないため、還元環境による悪影響を受けない。しかし、純粋なグラファイトは、約455℃から空気中で酸化を受け始め得るが、約550℃を超えるまで認識できる程度には起こらない。例えば、温度を最大で約500℃まで変えながら、ガスクロマトグラフィーを使用して排気物組成をモニタリングすると同時に、複数のグラファイト製シールを用いてシールしたステンレス鋼製熱交換器アセンブリに空気を流した。熱交換器の平均温度が、460℃よりも高く、アセンブリの部分(potion)が、500℃と同じ程度に熱い場合でさえも、測定したCO濃度は、周囲空気中の現在の平均CO濃度(すなわち、約418ppm)とほぼ等しく、この温度では3.5日間にわたり、ほとんど変化しなかった。特別な酸化防止剤を添加することにより、バルクグラファイトの酸化速度を大幅に低下させることができ、こうして、700℃より高い温度の空気への長時間のガスケットの薄い縁部の曝露が可能となる。
本発明の様々な実施形態によれば、酸化防止剤は、ホウ素およびリン含有添加剤を含む、これらから本質的になる、またはこれからなることができる。ホウ素含有添加剤には、ホウ酸、炭化ホウ素、ホウ素粉末およびホウ酸塩が含まれる。リン含有添加剤には、トリブチルホスフェート、リン酸エステル、有機リン酸などの有機リン化合物、またはリン酸、五酸化リン、または中性もしくは酸性のリン酸塩などの無機リン化合物が含まれる。酸化防止剤はまた、ホウ素およびリンの酸化物、ならびにホウ酸およびリン酸の金属塩、ならびにそれらの混合物を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。酸化防止剤はまた、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛またはホウ酸を含む、これらから本質的になる、またはこれらからなることができる。
したがって、1番目の試験は、グラファイトが、スタック用の非常に有効なガスケット材料となり得ることを示し、少なくともSF試験の構造では、650℃という高い温度でガス漏出を最小化する際に、バーミキュライト材料よりも優れていることが示された。グラファイト材料はまた、多くの熱サイクル後に漏出の最小変化という特徴を伴う、むしろロバストであることが示された。
ガスケットを含む2番目の試験では、グラファイトおよびバーミキュライトのガスケット材料を、燃料電池のスタックにおける流れ状態を一層厳密に表すフロースルー(FT)構造で評価した。スタックのある特定の領域(例えば、スタックのマニホールドから各相互接続部の流動場への移行部)では、はるかに高い背圧が発生することがある。より高い背圧の影響を適切に測定するため、各シールの界面での漏出の程度をFT構造で測定した。ガスケットシートを中央部に穴を有するディスクへと裁断し、1番目のガスケット試験のSF構造において使用したものと同じ2つのフランジ間で高い締付け応力(つまり、約16.5MPa)で圧縮した。FT構造では、BPRはフランジ付きアセンブリの下流に存在した。FT構造の場合、測定された排出流を既知の(較正後の)入口流から単純に減算すると、界面での漏出率が得られた。BPRを使用して、フランジアセンブリの入口と出口との間の差圧を、様々な温度(25℃、200℃、350℃、500℃および650℃)で、約0.5psiから約5.5psiまで変化させた。
グラファイト製ガスケットとバーミキュライトのガスケット材料との間の差異は、350℃および500℃で同様であったが、バーミキュライト製ガスケットは、一貫してより大きな漏出を示した。200℃および約1psi未満では、燃料漏出は、どちらの材料も1%未満であるが、500℃では、バーミキュライトは、わずか0.5psiで1%をわずかに超える漏出を示す。低い背圧(すなわち、約0.5psi~約1.5psi)では、FT構造の試験から導かれた界面での漏出率は、SF構造の試験から求まった漏出率に類似した。
図12は、1psi、3psiおよび4.5psiの背圧に対する温度(25℃、200℃、350℃、500℃、650℃)の関数としてのFT構造の測定から求めた燃料漏出の程度を示す。650℃での追加データは、グラファイト製ガスケットについてのみ収集した。試験したすべての温度にわたり、バーミキュライト製ガスケットは、各背圧においてグラファイト製ガスケットよりも漏出は多かった。さらに、グラファイト製ガスケットは、バーミキュライトよりも背圧の変化に対する感度が低いように思われる。1psiの背圧の場合、および低温では、グラファイト製ガスケットおよびバーミキュライト製ガスケットは、類似した界面での燃料漏出率を有する。しかし、約350℃を超える温度では、バーミキュライト製ガスケットの界面での漏出率は、グラファイト製ガスケットの界面での漏出率に比べて上昇する。図12の強調表示された部分に示されている通り、200℃および350℃の間では、すべての背圧におけるバーミキュライト製ガスケットのデータは、両方のガスケット材料に対し、下向きの傾き傾向での不連続性が観察されたことを示している。この漏出率の増加は、バーミキュライトの還元の結果と考えられ、これは、水素の存在下で色も変化する。空気中で試験した場合、バーミキュライトに関すると、色の変化も漏出率の上昇も観察されない。
バーミキュライト製シールの漏出率は、還元性の燃料環境に導入されると増加するように思われるが、性能は経時的に安定している。グラファイトも、還元条件で非常に良好に機能し、やはり安定していた。したがって、グラファイトのガスケット材料は、非常に良好な燃料漏出特性を有することが示され、評価した温度および背圧のすべてに対して、バーミキュライトよりも優れていた。
ガスケットを含む3番目の試験では、グラファイト/バーミキュライト(アノード)製のハイブリッドシールの構造およびバーミキュライト(カソード)シール構造を、実際のステンレス鋼スタックのハードウェアを備える単一の繰り返しユニットにおいて試験した。グラファイト/バーミキュライト製シールは、グラファイト層およびバーミキュライト層を組み合わせたものであった。高密度アルミナ(Al)シートを、動作スタックに使用した10cm×10cmのSOFCと総合的に同じ幾何形状を有する代理セルとして使用した。これにより、セルの平坦度/縁部のシール特性に変化がないことを確実にした。ガスケットをクロスオーバー漏出率および安定性を評価するために使用したガスクロマトグラフィーを備える標準スタック試験装置で評価した。アノード流出物(大部分がヘリウム)中のNおよびOの割合をGCでモニタリングした一方、カソード流出物(大部分が空気)では、ヘリウムの割合を測定した。このような試験に対するアノードおよびカソードの掃引ガスの流量は、どちらも100sccmとし、これは、このサイズのセルの場合の繰り返しユニットあたりの典型的な空気および燃料流量よりも少ない。これらの試験条件を選択し、GCを用いて良好な分割を得た(すなわち、漏出量が全流量の一層大きな比率となるよう、比較的少ない流量を入口に使用した)。カソードとアノードとの間の圧力差は、予想される動作条件と同様であった(<0.1psid)。
3番目の試験に関するガスケット構造は、以下の構成要素の配置を有した(「IC」は、流動場を有する相互接続部(または、エンドプレート)を表す):アノードIC/グラファイト|バーミキュライト/(ガラス)Al代理セル/バーミキュライト/カソードIC。
いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でスタックアセンブリ全体をクランプした。漏出試験は、アノード入口の流量を100sccmのヘリウムに設定した一方、カソード入口を100sccmの空気に設定し、約650℃で行った。アノード排気物中のCOのごくわずかな変化が検出された。さらに、試験後の分析により、周囲空気に曝露したグラファイト製ガスケットの縁部でさえ、グラファイトは、目立つ酸化を何ら受けなかったように見えたことが明らかになった。図13で分かる通り、アノードからカソードへのヘリウムのクロスオーバーは、50時間にわたり比較的一定に留まる。25時間頃に始まるカソードからアノードへのNのクロスオーバーの増大は、ハイブリッドシール構造が経時的にわずかに変化したことを示している。さらに、Nクロスオーバーは、試験の開始時でさえもヘリウムのアノードからカソードへのクロスオーバーより大きいので、漏出経路は、ヘリウムのような小さなガス種に対して優先的ではないように思われる。これらの観察は、グラファイト製ガスケットを含めた、様々なガスケット材料に対して起こることが知られているガスケットのクリープという一般に観察される現象の結果である可能性が高い。経時的にガスケットが弛緩し、この場合、これは、カソードストリームからアノードストリームへのNクロスオーバーの増大をもたらしたと考えられる。ガスケットのクリープは、わずかに増加したシール圧の使用またはスプリングワッシャの使用によるなどの機械的改善によって管理することができる。
したがって、3番目の試験のグラファイト/バーミキュライト(アノード)製ハイブリッドシールの構造およびバーミキュライト(カソード)シール構造は、非常に良好なアノードからカソードへのクロスオーバー漏出性能、および許容されるカソードからアノードへのクロスオーバー漏出性能を有することが示され、これらの性能は、スタック設計によりさらに改善され得る。さらに、このシール構造では、グラファイト/バーミキュライト製のハイブリッドガスケット内のバーミキュライトは、アノードを電気絶縁し、一層高い温度において酸化からグラファイトを保護する。
ガスケットを含む4番目の試験では、対称的なバーミキュライト(アノード)とバーミキュライト(カソード)のシール構造を検討した。高密度アルミナ(Al)シートを、動作スタックにおいて使用した10cm×10cmのSOFCと全体として同じ幾何形状を有する代理セルとして使用した。3番目の試験に使用したものと同じ試験具を使用して、以下の配置:アノードIC/バーミキュライト/(ガラス)Al代理セル/バーミキュライト/カソードICを有する対称バーミキュライト製シール構造を試験した。
いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でスタックアセンブリ全体をクランプした。漏出試験は、アノード入口の流量を100sccmのヘリウムに設定した一方、カソード入口を100sccmの空気に設定し、約650℃で行った。図14に示される通り、カソードからアノードへのクロスオーバー(すなわち、アノード排気物中で測定されたN)は、最初には、3番目の試験(図13)のグラファイト/バーミキュライトのハイブリッド構造と類似した値を有するが、時間が経過するにつれて増加しない。アノードからカソードへのヘリウムのクロスオーバー(すなわち、カソードの排気物中で測定されたヘリウム)は、4番目の試験の対称バーミキュライト製シール構造の場合、比較的高かった。
使用したグラファイトが標準材料であり、特別な酸化防止性添加剤が何ら存在しないことを考慮し、3番目の試験のグラファイト/バーミキュライトのハイブリッド構造をかなり過酷な環境で試験した(つまり、酸化が進んでいるはずである)。アノードコンパートメントにおける水素が1LPMと高いことさえある一層適切な流量の場合のこれらの結果を推定すると、3番目の試験のグラファイト/バーミキュライト製ハイブリッドシールの構造は、わずか約0.5%となる等価な燃料クロスオーバーを有する一方、4番目の試験の対称バーミキュライト構造は、約1%となる等価な燃料クロスオーバーを有する。バーミキュライトは、経時的にクリープしないが、この材料は、無機ガスケットからCOおよびHOの損失を受け、600℃を超えると、再結晶化を受ける。これらの2つの現象は、3番目の試験のグラファイト/バーミキュライトのハイブリッド構造においてグラファイトで観察されたクリープ挙動をほとんど抑制しているように思われる。2番目の試験のFT構造の実験から、少なくとも還元環境(例えば、水素)に曝露された場合、グラファイトは、バーミキュライトと比較して、優れたシール特性を有することが観察された。バーミキュライトは、Hと反応するが、ヘリウムとは反応しないことが示された。
したがって、4番目の試験からの結果は、このシール構造をスタックに使用することができることを示唆する。しかし、図13および図14に示されているデータの比較により、3番目の試験からのグラファイト/バーミキュライト製ハイブリッドシールの構造は、4番目の試験からの対称バーミキュライト(アノード)およびバーミキュライト(カソード)シール構造と比較すると、燃料クロスオーバーが約50%低下していることが示されている。さらに、スタック設計に大きな変更を加えることなく、グラファイトにおけるガスケットクリープを克服するための安定性の改善が可能である。
ガスケットを含む5番目の試験では、対称グラファイト(アノード)およびグラファイト(カソード)のシール構造を検討した。高密度アルミナ(Al)シートを、動作スタックにおいて使用した10cm×10cmのSOFCと全体として同じ幾何形状を有する代理セルとして使用した。3番目および4番目の試験に使用したものと同じ試験具を使用して、以下の配置:アノードIC/グラファイト/Al代理セル/グラファイト/カソードICを有する対称グラファイト製シール構造を試験した。
3番目および4番目の試験とは異なり、5番目の試験の対称グラファイト製シール構造はガラスを使用しなかった。いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でスタックアセンブリ全体をクランプした。図15は、アノード入口において100sccmのヘリウム、およびカソード入口において100sccmの空気を流した場合の、500℃でのアノードからカソードへのクロスオーバー漏出結果を表す。図16は、時間の関数としてのカソードからアノードへのクロスオーバー率を表す。クロスオーバー漏出率は、それぞれ、0.3%未満である。特に、5番目の試験の対称グラファイト製シール構造ではガラスが使用されておらず、グラファイトがカソード側で空気に直接曝露されているので、これは非常に目覚ましい結果である。
試験中のグラファイトの酸化の程度を評価するため、COの排気ガス中濃度を測定した。しかし、空気排気物中のCOの変化は、COの測定不確かさが10ppm未満で判定不能であり、このことは、グラファイト製ガスケットが無視できる程度の酸化しか受けなかったことを示している。より低い温度での空気中でのグラファイト分解がないため、アノードとカソードの両方のシールにグラファイトを使用することが可能である。
グラファイト製ガスケット構造の長期安定性を、500℃で約2.5週間、評価し、シールは、漏出率に大きな変化なく非常に安定であった。これを同じ構造を用いる別の試験において繰り返し、同様の結果が得られた。対称グラファイト製シール構造もまた、550℃において良好に機能した。試験後の分析により、アノードガスケットおよびカソードガスケットの両方の外観は、550℃という高温への曝露および500℃での長期曝露の後に変化しなかったように見えることが明らかになった。したがって、発生した漏出率のわずかな変化は、ガスケットのクリープに起因するように思われ、これは、追加のスプリングワッシャを使用して補償し、ガスケットの締付け応力をさらに一定に保持することができる。
5番目の試験からの結果は、グラファイトベースのガスケットをスタックのアノードシールとカソードシールの両方に、より低い動作温度(例えば、約550℃未満)で同時に使用することができることを示している。対称グラファイト構造は、500℃で2.5週間、非常に安定であった。酸化防止性添加剤を含むグラファイト材料は、700℃という高温まで、アノードおよびカソードのシールとして使用することができる。5番目の試験における構造は、ガラスを何ら利用していないが、アノード側およびカソード側の両方で使用されるグラファイト製ガスケットの場合、優れた結果となる可能性があり得る。さらに、グラファイトは、比較的、軟質であり、シール表面に適合するが、この構造の場合のアノード側および/またはカソード側にガラスを追加すると、一層高い温度で動作した場合、5番目の試験に使用した理想的なAl代理セルほど平面になることができない、実際のSOFCをシールするのに有益となり得る。
ガスケットを含む6番目の試験では、非対称グラファイト(アノード)製およびバーミキュライト(カソード)製シール構造を、以下の構成要素の配置:アノードIC/グラファイト/Al代理セル(ガラス)/バーミキュライト/カソードICを用いて検討した。
高密度アルミナ(Al)シートを、動作スタックにおいて使用した10cm×10cmのSOFCと全体として同じ幾何形状を有する代理セルとして使用した。3番目および4番目の試験と同様に、6番目の試験の非対称グラファイト(アノード)製およびバーミキュライト(カソード)製のシール構造は、ガラスがAl代理セルのカソード側にあることを除いて、ガラスを使用した。3番目、4番目および5番目の試験で使用したものと同じ試験具を使用して、ヘリウムトレーサーを使用しない、より現実的な動作条件(500sccmのH、1500sccmの空気)を用いる、このような非対称シール構造を試験した。6番目の試験のガスケット構造を650℃で評価した。いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でスタックアセンブリ全体をクランプした。
ガスクロマトグラフィーを使用して、アノード排気ストリーム中のNおよびCOを測定した。カソードのストリーム中のHOの量は、排気ストリームの実際の温度に合わせて調整した相対湿度センサーを使用して測定した。図17Aは、アノード排気物中で測定したNは、恐らくは、3番目の試験のグラファイト/バーミキュライト製ハイブリッドシールの構造を用いた場合に観察されたものと同じガスケットのクリープ現象のために、経時的に増加したことを示している。アノード排気物中のCOの対応する増加もまた観察される(図17B)が、COの量は、アノードにおけるNクロスオーバーに対するカソードのストリームの比例した量と正確に一致する。例えば、アノード排気物中に、10時間時に測定されたN濃度は2%であり、CO濃度は10ppmである。カソード空気から生じると予想されるCOは、((2%のN)/(79%のN))×(400ppmのCO)であり、これは、10.1ppmのCOに等しい。さらなるCOが何らないことは、グラファイト製ガスケットが650℃でさえも分解しないという追加の証拠を提示する。6番目の試験の非対称グラファイト(アノード)およびバーミキュライト(カソード)製シールの構造では、アノードにグラファイトのみが存在し(つまり、ガラスがない)ことを考慮すると、ヘリウムではなくHが使用されているので、上記のことは、特に目覚ましい結果である。3番目、4番目および5番目のガスケット構造の試験とは異なり、650℃において、カソードに漏出したいずれのHも、酸素と直ちに反応して蒸気を形成するので、カソード排気物中のHOを測定して、アノードからカソードへのクロスオーバーを決定した。図17Cに示す通り、カソードの排気物中のHOの増加が観察され、これは、Nクロスオーバーの傾向と一致する。6番目の試験のシール構造における漏出の性質は、他のものよりも対称的であるように見える(つまり、アノードからカソードへの漏出とカソードからアノードへの漏出が同様である)が、大きさは小さい。排気物中に2%~6.5%のNが存在することは、カソードからアノードへのクロスオーバー率がわずか0.7%~2.2%であることに相当し、カソード排気物中の0.1%~0.2%のHOは、0.3%~0.6%のアノードからカソードへのクロスオーバーに相当する。
6番目の試験は、非対称グラファイト(アノード)製およびバーミキュライト(カソード)製シールの構造が、少なくとも最大で650℃までのSOFC動作条件において、首尾よく使用することができることを示している。グラファイト製ガスケットの明らかな分解はなく、スタック繰り返しユニットのアノード側およびカソード側の両方において、シール全体が非常に良好である。グラファイトは、650℃未満の不活性環境または還元環境中では、損傷を受けない。これらの温度における同様の試験により、高濃度の蒸気でさえも、グラファイトが分解を受けないことがやはり確認された(例えば、全SOFC電力システムにおいて予期される通り、蒸気改質装置からのHOが>40体積%となる)。
アルミニウムスタック構成要素を含む7番目の試験では、スタックのような構造および関連するSOFC動作条件でのその機械的完全性を評価するために、様々なアルミニウム合金を評価した。表2は、SOFCスタックにおいて使用について評価した、様々な合金に関する融点データの要約を提示している。融点は、おおよその固相線から液相線までの温度範囲として示されている。鍛造合金は、主要な合金元素に基づいて様々な分類に分けられる。1XXXシリーズのアルミニウム合金(例えば、AL1100)は、約99重量%~約99.99重量%の間のアルミニウム濃度を有しており、かなり良好な耐食性を有する。6XXXシリーズのアルミニウム(例えば、AL6061)は、主にケイ素およびマグネシウムと合金にされており、約95.7重量%~約98.9重量%のアルミニウム濃度を有する。2XXXシリーズのアルミニウム(例えば、AL2024)は、主に銅と合金にされており、約92.5重量%~約96.7重量%の間のアルミニウム濃度を有する。7XXXシリーズ(例えば、AL7075)は、約85.7重量%~約99重量%のアルミニウム濃度を有しており、亜鉛と主に合金にされている。3XXX、4XXX、5XXXおよび8XXXシリーズのアルミニウムは、7番目の試験では試験しなかった。3XXXシリーズのアルミニウム(例えば、AL3003)は、マンガンと主に合金にされており、約97.8重量%~約99.8重量%の範囲のアルミニウム濃度を有する。4XXXシリーズは、ケイ素と主に合金にされており、約85重量%~約98.3重量%の間のアルミニウムを含有する。5XXXシリーズは、マグネシウムと主に合金にされており、約93.5重量%~約99.3重量%の範囲のアルミニウム濃度を有する。8XXXシリーズは、約87.5重量%~約99.3重量%のアルミニウムを有しており、他の分類のシリーズに適合しない、様々な元素の混合物と合金にされている(例えば、リチウム、バナジウム、ゲルマニウム、ケイ素、マンガン、チタン、ジルコニウムおよび/または銅と一緒にした主に鉄)。鋳造アルミニウム合金は、#xx.xという形式のわずかに異なる命名法を使用しており、この場合、#は1~8までの数字であり、これは、鍛造合金としての分類と同じ意味を有することに留意されたい(例えば、1xx.xは、1XXXシリーズと同じである)。
Figure 2022553873000003
各合金を、0.063インチまたは0.039インチのどちらか一方の厚さとなり、以下の構造:430SSエンドプレート/430SS相互接続部/アルミニウム合金/430SS相互接続部/430SSエンドプレートに配置された、5インチ×3インチまたは3インチ×3インチのアルミニウム片を使用して評価した。
これらの試験において使用した430SS相互接続部は、流動場フィーチャ(すなわち、リブおよびチャネル)を有したが、試験前には、アセンブリの中央部のアルミニウム合金は、平坦であるか、または本質的に平坦であり、滑らかな表面仕上げを有した。約1MPaの負荷でステンレス鋼製のタイ-ロッドおよびナットを使用して、このアセンブリをクランプした。各アルミニウム材料の第1の試料を400℃で評価した。同じ材料の第2の試料もまた、500℃で評価した。
このアセンブリを温度制御した窯に載せて、一定温度で100時間、保持した。各アルミニウム板の寸法は、高温への曝露前後に測定し、次に、2枚のステンレス鋼製エンドプレートの間にアルミニウム板をクランプすることによって、この板またはシートに均一な応力を適用した。アルミニウム板またはシートの一方の側に、アルミニウムにかかる最悪の場合の応力集中部分を示す、流動場を備えるステンレス鋼製相互接続部が存在する。バルク変形は存在しなかったが、アルミニウム合金は、ステンレス鋼製相互接続部のリブと列をなす、いくつかの小さな表面のへこみがあることを示した。一部のアルミニウム合金は、他の合金よりも大きなくぼみがあることを示した。非接触光学表面形状測定装置(Keyence VR-3200)を使用して、表面の変形の程度を定量した。例えば、500℃で試験した後のAL6061の表面変形の平均深さは、わずか30ミクロンであった一方、AL1100の場合の変形深さは、60ミクロンであった。このような変形は、SOFCの動作の場合、長期間使用する場合でさえも重要ではない。すべてのアルミニウム合金は、アルミニウムスタックでの使用に十分であると考えられるが、AL6061は、試験したものの間で最もロバストな材料であるように思われる。さらに、高純度の合金および高純粋なアルミニウム材料は、一層高い融点を有するが、これらの材料は、一部の場合、表面の変形を防止または最小限にするというコーティングの恩恵を受けるであろう。純度がそれほど高くないアルミニウム合金(例えば、AL6061、AL2024またはAL7075)は、このようなコーティングの恩恵を受けることがあるか、または受けることがない。耐酸化性に関すると、500℃で100時間、試験した様々な合金の間で、視覚的な差異があった。試験した合金のうち、AL1100の表面は比較的光沢が依然として残っていた一方、AL6061、AL2024およびAL7075は、外観がくすんでいた。AL6061の表面は、同様の外観を有する、AL2024およびAL7075ほどくすんでいなかった。使用される材料の中で、これらの低純度から中純度のアルミニウム合金(約90重量%~99重量%のアルミニウムを含む合金)は、7番目の試験で試験した温度の場合、表面変形と融点との間に、最良の妥協点をもたらすように思われる。試験したそれらの合金の中で、約95重量%~99重量%のアルミニウムを含むものは、酸化に対して最良の固有の耐性をもたらすように思われる。不純物のより多い合金は、不純物のより少ない合金よりも強い傾向がある。総合的な性能を改善するために、低不純物アルミニウムを、低濃度アルミニウムを有するコアに積層する、クラッドするまたはコーティングすることによって、不純物がより多い合金の固有の耐酸化性を改善することができる。
アルミニウムスタック構成要素を含む8番目の試験では、6061アルミニウムおよび400シリーズのステンレス鋼製相互接続部基材片への様々なコーティングを、様々な温度での安定性について評価した。検討した材料には、窒化チタン(TiN)、銀(Ag)、マンガンコバルタイト((Mn,Co)OまたはMCO)、および非クロメートプロセス化成コーティング(イリダイトNCP)が含まれる。銀ペーストおよび筆を使用してステンレス鋼片に、Agコーティングを堆積させて、次いで、≧650℃でアニーリングした。銀ペーストは、Agフレークおよび有機ペーストビヒクル(溶媒および結合剤)から作製した。MCOコーティングは、スラリースプレーコーティングプロセスを使用してステンレス鋼片に堆積し、この場合、スラリーは、MCO粉末、溶媒および結合剤から構成された。このコーティングは、最初に空気中で、次に3%Hおよび97%Nの混合物中、約800℃でアニーリングした。化学溶液浴中への試験片の出現(emersion)によって、イリダイトNCPをアルミニウム片に堆積させた。400シリーズのステンレス鋼および6061アルミニウム片の両方の表面に、PVDプロセスを使用してTiNコーティングを堆積させた。
各片を、白金集電体を備えたアルミナ(Al)具に上記片をクランプした試験装置において、個別に評価した。これらの片を、高温の窯中、滞留空気だけに曝露させた。金または銀のワイヤを一方の端(熱区域中)で白金集電体に接続し、ワイヤのもう一方の端部を、4点抵抗測定用の高解像度マルチメーターに接続した。図18は、空気中、500℃で12時間、保持したAL6061上のTiNの面積比抵抗(ASR)を示している。このASR値は、かなり安定しており、TiNおよびAL6061の合わせたASRを表す。見かけ上のASRは、500℃において約50mΩ-cmである。400℃で試験したTiNコーティングアルミニウムのASRは、500℃において試験した試料のASRよりもわずかに低かった(すなわち、名目上で約20mΩ-cm)。TiNの500℃における平均ASRを表3中の他のコーティングと比較する。
Figure 2022553873000004
TiNコーティングの堆積したままおよび試験後のSEM画像が、それぞれ図19Aおよび図19Bに示されている。SEMの試料調製は、理想未満であり、堆積したままの試料の薄膜の一部にいくらかの損傷が存在したことに留意されたい。TiNコーティングは、約2ミクロンの厚さであり、基材の表面に良好に適合した。高温への曝露後、すべてのTiN薄膜が受けた色の変化がわずかであったにもかかわらず、試験後の薄膜は、堆積させたままの薄膜と比べて、ほとんど変化しなかったように見える。TiNは、約500℃~550℃超で酸化し始めることが知られているが、これは、SOFCおよび関連デバイスにおいて使用する場合、その性能に影響を及ぼすようには思われない。さらに、TiN薄膜へのイオン注入(例えば、Alイオン注入)により、TiNの酸化の開始温度を≧700℃まで向上することができることも示されている。銀ペーストのコーティングのSEM画像は、薄膜の厚さが約15~20ミクロンを有する、閉鎖および開放多孔度の両方を示した。MCOコーティングのSEM画像は、約7ミクロンの厚さを示した。
8番目の試験の結果は、一部のコーティングがSOFC用途に対して他のものよりも優れた特性を有することを実証している。TiNコーティングは、高温において、アルミニウム合金およびステンレス鋼の両方に良好な電気コーティングを実現することが示された。ステンレス鋼(≧650℃でアニーリング)表面のAgコーティングは、非常に良好な電気性能を有した。アルミニウム表面のイリダイトNCPコーティングもやはり、十分な電気性能を有した。ステンレス鋼表面のMCOコーティングは、余りにも抵抗が高すぎるので、500℃でのSOFCスタックには有用ではない可能性が高い。
9番目の試験では、ステンレス鋼製相互接続部を使用したスタックで、3つの5cm×5cmのNi-サーメットセルを試験した。ステンレス鋼製相互接続部は、400シリーズのステンレス鋼から作製し、様々な流動場フィーチャ(すなわち、リブおよびチャネル)を有した。銀コーティングは、銀の粉末および有機ペーストビヒクル(溶媒および結合剤)から作製されたペーストを使用し、ブラシで塗布した。銀コーティングを各ステンレス鋼製相互接続部表面の流動場およびバスバーおよび電圧プローブタブの接続部に塗布して乾燥し、その後、≧650℃でアニーリングした。各5cm×5cmセルは、Ni-サーメットアノード、GDC電解質およびLSCF-GDCカソードを特色とした。3番目の試験の構造と同様の対称バーミキュライト製ガスケット配置を使用したが、セルのアノード側およびカソード側の両方にガラスを使用した。スタックアセンブリ全体を、ステンレス鋼製エンドプレートと共に、いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドとナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でクランプした。空気および燃料の予熱コイルを備えるガス入口および出口マニホールドをSOFCスタックに接続した。電流接続はステンレス鋼製バスバーを介して行った。電圧プローブの測定は、別のワイヤを用いて行った。アセンブリをコンピュータ制御窯に載せた。ガス入口は、コンピュータ制御したMFCに接続した一方、排気出口には通気孔を設けた。クロスオーバー漏出を評価するため、ガスクロマトグラフィーを使用した。スタックは、加湿水素をアノードストリームの燃料源として、およびカソードストリームのためにコンプレッサ空気を使用して、650℃~500℃の間で動作させた。Ni-サーメットアノード中の酸化ニッケルは、650℃で還元した。電気的物性評価は、適切な電子負荷およびインピーダンスアナライザーハードウェアを使用して実施した。
ステンレス鋼製相互接続部を備えたスタックのためのシール品質は優れており、燃料(アノード)排気ストリーム中で検出されたNはわずか約0.3%であり、これは本質的に、カソードからアノードへのクロスオーバーが0.1%未満となる。SOFCスタックにおける3つのセルはそれぞれ、各試験条件において、ほぼ同じ性能を有した。650℃において、および外部負荷電流がゼロの場合、セルは、約0.83Vの開回路電位(OCP)、および0.2Ω-cmとなる合計ASR(すなわち、セル、相互接続部および集電体)を有した。550℃におけるOCPとASRは、それぞれ、0.89Vおよび1.00Ω-cmであった。500℃では、OCPは0.90Vであり、ASRは、2.11Ω-cmであった。動作電圧0.75Vにおけるセルの電力密度は、550℃において0.12W/cmであり、500℃において0.06W/cmであった。動作電圧が0.60Vの場合、電力密度は、550℃では0.18W/cmであり、500℃では0.09W/cmであった。これらの結果は、銀コーティングされたステンレス鋼製相互接続部が、これらの動作温度において、SOFCスタック動作の実行可能な組合せとなることを示している。
アルミニウムスタック構成要素を含む10番目の試験では、銀でコーティングしたアルミニウム製相互接続部および5cm×5cmのセルを使用して、単一セルスタックを組み立てた。アルミニウム製相互接続部は、6061アルミニウムから作製し、9番目の試験のステンレス鋼製相互接続部と同じ幾何形状を有する様々な流動場フィーチャ(例えば、リブおよびチャネル)を有した。電流接続はステンレス鋼製バスバーを介して行った。電圧プローブの測定は、別のワイヤを用いて行った。銀コーティングは、銀のフレークおよび有機ペーストビヒクル(溶媒および結合剤)から作製したペーストを使用し、ブラシで塗布した。銀コーティングを、各アルミニウム製相互接続部表面の流動場およびバスバーおよび電圧プローブ接続部に塗布した。アルミニウム表面の銀コーティングは、約500℃でアニーリングした一方、ステンレス鋼製バスバー表面の銀コーティングは、≧650℃でアニーリングした。5cm×5cmのセルは、Ni-サーメットアノード、GDC電解質およびLSCF-GDCカソードを有した。対称バーミキュライト製ガスケット配置を使用した。シール構造は、3番目の試験で使用したものと類似したが、セルのアノード表面にガラスの代わりに、セルのカソード側にRTVシリコーンシーラントを使用した。スタックアセンブリ全体は、ステンレス鋼製エンドプレートと共に、いくつかのステンレス製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でクランプした。空気および燃料の予熱コイルを備えるガス入口および出口マニホールドをスタックエンドプレートに接続した。電流バスバーおよび電圧ワイヤを接続した後、アセンブリ全体をコンピュータ制御窯に載せた。ガス入口は、コンピュータ制御したMFCに接続したが、排気出口には通気孔を設けた。クロスオーバー漏出を評価するため、ガスクロマトグラフィーを使用した。電気的物性評価は、適切な電子負荷およびインピーダンスアナライザーハードウェアを使用して実施した。
10番目の試験におけるスタックアセンブリは、約500℃もの高さでのみ動作した。セルが475℃において水素中で還元された後、GC測定は、カソードからアノードへのクロスオーバーがわずか約0.5%であることを示した。10番目の試験におけるシール品質は、9番目の試験において観察されたクロスオーバー漏出ほど低くはないが、依然として非常に良好であると考えられ、還元性ガスの雰囲気であるため、セルのアノード側でRTVシールを使用した場合、改善され得る。不運なことに、10番目の試験の銀コーティングアルミニウム製相互接続部は、異常な程度に低いOCPおよび高いASR値(例えば、500℃において、約0.4VのOCPおよび>7Ω-cm)をもたらした。
しかし、ブラシ処理をした銀コーティングは、良好に機能せず、ASRが高く、OCPが低い理由であると断定した。9番目の試験からの銀コーティングは、≧650℃においてアニーリングを使用したため、かなり良好に接着されたが、アルミニウムコーティングは、約500℃でアニーリングだけを行った。一層低いアニーリング温度を使用すると、コーティングとアルミニウム製相互接続部との間の接着は不良で、それらの間の高い界面接触抵抗をもたらした。これによって、大きな電圧降下をもたらし、異常な程にOCPが低くなり、ASRが非常に高くなった。銀がアルミニウムに良好に接着することができる場合(例えば、電気めっきなどの異なるプロセスを使用した場合)、結果はより良いものになると期待される。したがって、10番目の試験は、アルミニウムへの不適切な接着を伴う銀コーティングは、SOFCスタックでの使用には適していないことを実証した。上記の通り、SOFCスタックでは、十分に接着された(例えば、≧650℃でアニーリングする)銀コーティングが、本発明者らにとっては適切である。
比較的高温であるにもかかわらず、バーミキュライト製ガスケットを備えるRTVを使用すると、良好なシールをもたらした。実際、別の例では、同じシール構造により、カソードからアノードへのクロスオーバーが0.1%未満のシールがもたらされた。RTVシリコーンとセラミックとの間、またはRTVシリコーンと金属との間の結合は、SOFCの動作条件に長期間、曝露した後でさえもかなり強力である。試験後の走査型電子顕微鏡(SEM)画像により、RTVシリコーンはガラス様シールを形成したことが明らかになった。RTVシリコーンが、500℃においてこのような良好なシールを形成したことは、すべての主要供給業者が、RTVシリコーンが350~400℃の最高温度範囲であると指定しているので、予想外の結果であった。したがって、10番目の試験はまた、RTVシリコーンを使用すると、SOFC用の高品質シールを得ることができることも実証した。
窒化チタン(TiN)コーティングを有するアルミニウム製相互接続部を含む11番目の試験では、TiNコーティングしたアルミニウム製相互接続部および5cm×5cmのセルを使用し、単一セルスタックを組み立てた。アルミニウム製相互接続部は、6061アルミニウムから構成されており、9番目の試験におけるステンレス鋼製相互接続部および10番目の試験に由来する銀コーティングしたアルミニウム製相互接続部と同じ幾何形状を有する様々な流動場フィーチャ(例えば、リブおよびチャネル)を有した。導電性TiNコーティングを流動場活性領域(つまり、スタック繰り返しユニット内のセルとほぼ重なる領域)に堆積した。TiNコーティングをアルミニウム製相互接続部のバスバーおよび電圧プローブタブにも堆積させた。
TiNコーティングは、物理蒸着(PVD)を使用して堆積させた。シャドウマスクを使用して、相互接続部のある特定の領域を選択的にコーティングした。得られた薄膜は金色であった。相互接続部のTiNコーティングは、見かけ上2ミクロンの厚さであった。
5cm×5cmのセルは、Ni-サーメットアノード、GDC電解質およびLSCF-GDCカソードを有した。対称バーミキュライト製ガスケット配置を使用した。シール構造は、3番目および10番目の試験で使用したものと類似したが、セルのアノード表面のガラスまたはセルのカソード表面のRTVシリコーンの代わりに、バーミキュライトの他に、他のシーラントは使用しなかった。アセンブリとしてのスタック全体は、ステンレス鋼製エンドプレートと共に、いくつかのステンレス鋼製タイ-ロッドおよびナットを使用し、ガスケットに約0.3MPa未満の締付け応力でクランプした。空気および燃料の予熱コイルを備えるガス入口および出口マニホールドをスタックエンドプレートに接続した。電流接続は、ステンレス鋼製バスバーを介して行われ、これは、≧650℃でアニーリングした銀コーティングを有した。電圧プローブの測定は、別のワイヤを用いて行った。アセンブリをコンピュータ制御窯に載せた。ガス入口は、コンピュータ制御したMFCに接続した一方、排気出口には通気孔を設けた。Ni-サーメットアノードの酸化ニッケルは、475℃で還元した。クロスオーバー漏出を評価するため、ガスクロマトグラフィーを使用した。電気的物性評価は、適切な電子負荷およびインピーダンスアナライザーハードウェアを使用して実施した。
アノード排気物のGC測定は、0.8%未満のNを示し、これは、0.3%未満のカソードからアノードへのクロスオーバーに等しい。これは、10回目の試験からの結果を含め、他のアルミニウム製相互接続部の試験におけるシール結果に非常に類似している。セルの電気特性は、約475℃、500℃、515℃、530℃および550℃で測定した。
図20は、475℃~550℃の間の電流密度(A/cm)の関数として測定した電圧および電力密度の物性評価を示す。475℃および515℃におけるOCPは、0.88Vであり、温度が550℃まで上昇すると、0.87Vへとわずかに低下した。515℃でのASRは1.24Ω-cmである一方、550℃では、ASRは0.74Ω-cmであった。これにより、515℃および550℃において、それぞれ0.15W/cmおよび0.24W/cmの最大電力密度(MPD)がもたらされた。550℃および0.75Vの動作電圧において、11番目の試験のセルは、0.12A/cmにおいて0.09W/cmを発生した。
11番目の試験でのTiNコーティングしたアルミニウム製相互接続部を備えるNi-サーメットセル(475℃で還元)の性能は、9番目の試験でのAgコーティングしたステンレス製相互接続部を備えたNi-サーメットセル(650℃で還元)とよく匹敵する。表4は、これらの2つの試験に関する、OCP、ASRおよび電力密度(PD)の結果を要約している。500℃および550℃の両方において、11番目の試験からのセルは、9番目の試験からのセルよりも約20mV低いOCPを有した。11番目の試験におけるセルのOCPがわずかに低いことは、その試験に使用したセルの電解質にピンホールがあるためと考えられる。これらの結果は、アルミニウムスタック構成要素が、SOFCの動作に適切に機能したことを含め、複数の理由のため重要である。さらに、Ni-サーメットSOFCのアノードが、より低い温度(例えば、約600℃未満)で還元された場合、還元速度が遅くなると、それほど最適ではないアノード微細構造体が生じる恐れがある。過去の微細構造分析により、Ni-サーメットセルをより低い温度で還元した場合のニッケルの濡れ問題により、電気的接続性が不良となることがあることが示されており、これは、セルの大きな電圧降下、およびしたがって低いOCPをもたらし得か、または単にASRが高くなり得る。しかし、11番目の試験からの性能は許容された。
Figure 2022553873000005
9番目の試験からの単一セルスタックのOCPは、11番目の試験からの単一セルスタックよりも、約3%高かっただけであるが、後者の単一セルスタックは、500℃および550℃の両方において、前者の単一セルスタックよりも約25%、低いASRを有した。これにより、両方の動作温度において、同様の電力密度特性をもたらす。しかし、0.75Vでは、9番目の試験からの単一セルスタックのOCPが高いほど、11番目の試験からの単一セルスタックよりもわずかに高い電力密度がもたらされ、より低い温度での動作では、それらの間のギャップが近づく。より高い電流密度では、9番目および11番目の試験からの単一セルスタックもやはり、同様の電力密度を示した。しかし、11番目の試験からの単一セルスタックは、9番目の試験からの単一セルスタックと比較して、ASRがより低いため、動作電圧0.6Vでは高い電力密度を有した。9番目の試験からの単一セルスタックは、MPDまで物性評価されていないが、500℃におけるその試験に対して記録された最高電力密度は、0.2A/cmおよび動作電圧0.52Vにおいて0.1W/cmとなった。11番目の試験からの単一セルスタックは、0.2A/cmおよび0.55Vにおいて、0.11W/cmを発生した。11番目の試験からの単一セルスタックのMPDは、500℃において0.12W/cmであった。
11番目の試験からのセルスタックの最初の約120時間の動作には、475℃~550℃の間での、アノードの還元、セルのコンディショニング工程およびその後の物性評価(例えば、電流-電圧、一過性応答およびクロスオーバー漏出測定)が含まれた。最初の物性評価後、セルスタックを0.21A/cmの定電流で、515℃で300時間(すなわち、約120時間~420時間)保持した。図21において分かる通り、定電流動作条件下での電圧は、この期間にわたり、それほど変化しなかった。試験までの約300時間時に、電流は短時間にゼロアンペアまで低下し、これは、この期間の間、OCPもやはり変化しなかったことを示す。さらに、GCベースの漏出率測定により、11番目の試験の定電流部分全体の間、カソードからアノードへのクロスオーバー漏出率に本質的に変化がなかったことが示される。
11番目の試験が一旦、完了し、スタックが冷却されると、室温での圧力減衰試験は、11番目の試験の前に行った同様の測定の結果と本質的に同じ結果を有する。これらの結果により、シールの完全性が確認される。スタックを分解した後、構成要素の視覚的な異常に関して検査し、アルミニウム製相互接続部での>400時間の試験期間中の550℃という高温での試験および総合的な高温曝露の影響を判定した。相互接続部に変形または他の問題の兆候はなかった。
マルチメーターを使用して、11番目の試験に使用したアルミニウム製相互接続部の様々な領域の試験後の室温での抵抗を比較した。電気抵抗は、相互接続部の活性領域(つまり、繰り返しユニット内のセルとほぼ重なる領域)におけるTiNコーティングから、バスバーと電気接続が行われる相互接続部の領域のTiNコーティングまで測定した。電気抵抗もまた、同じ距離にわたるが、アルミニウム製相互接続部の非コーティング領域で測定した。コーティング領域の室温での抵抗は、測定がアノード側の相互接続部で行われたかカソード側の相互接続部で行われたかに関係なく、11番目の試験前の室温での抵抗と同様であった。試験前に、非コーティング領域およびコーティング領域は、同様の室温での抵抗を有した。しかし、11番目の試験後、非コーティング領域の抵抗は、コーティング領域よりも10~10倍も大きな抵抗であった。非コーティング領域が酸化され、絶縁性の自然酸化物(すなわち、Al)薄膜が形成される。抵抗値が低いアルミニウムの非コーティング領域のある特定の領域が存在したが、測定された抵抗は相互接続部のコーティング領域よりも依然として高かった。これらの領域は、ガスケットが相互接続部と接触している領域と一致したので、ガスケットが、酸化速度を局所的に低下させ、試験中のより激しい酸化からアルミニウムを本質的に保護した可能性がある。
11番目の試験からの結果により、アルミニウム構成要素(例えば、アルミニウム製相互接続部)は、少なくとも550℃という高温において、400時間にわたり、ステンレス鋼製構成要素に匹敵する性能で、スタックに首尾よく使用できることが示された。これらの結果は、アルミニウムの熱膨張係数がSOFCの約2倍であるにもかかわらず(すなわち、アルミニウムの場合の約20ppm/℃に対し、SOFCの場合の約12ppm/℃)、このようなアルミニウム構成要素をセラミック製SOFCに使用することができることを示している。TiNコーティングは、11番目の試験の試験条件の場合の、酸化環境および還元環境の両方において、十分に高い導電性および耐久性を有する。アルミニウム製相互接続部の非コーティング領域に形成される自然酸化物は、電気絶縁性である。一部のスタック設計では、これなどの絶縁層は、スタック内での電気的短絡の形成を防止するのに有利なことがある。相互接続部の所望の部分をTiNなどの導電層によりコーティングした後、例えば、相互接続部を高温で酸化環境に曝露した後により、自然酸化物を形成することができる。自然酸化物は、スタックの組み立て前に、または11番目の試験において行ったようにインシチュで形成することができる。この方法での自然酸化物絶縁層の形成は、絶縁材料の追加コーティングを使用するよりも有利となり得る。
アルミニウムスタックの機械的、熱機械的および熱的性能に及ぼす予測される影響を評価するため、アルミニウムスタック構成要素の使用のモデル化を含む12番目の試験において。カスタムマルチフィジックスモデルを使用して、アルミニウムスタック構成要素がセラミックセルの接触圧に及ぼす影響およびスタックの組み立て後のアルミニウム構成要素の室温での変形を予測/シミュレートした。マルチフィジックスモデルを、動作中のスタック内の熱勾配に及ぼすアルミニウムスタック構成要素の影響を評価するためにも使用した。マルチフィジックスモデルは、現実的な構成要素の幾何形状を使用した。単純なスプレッドシートモデルを使用して、様々な動作温度の動作時におけるアルミニウム構成要素のスタックとステンレス鋼製構成要素のスタックの合計熱膨張を計算した。別のスプレッドシートモデルを使用して、アルミニウムとステンレス鋼製スタック構成要素間の熱応答の差異を評価した。モデルは、目的の材料の熱物理データ、およびスタック構成要素に関する関連幾何形状(実際または簡略化)を利用した。
マルチフィジックスモデルは、スタックの機械的完全性に及ぼすアルミニウムスタック材料の影響を評価するためのものであった。スタックの組み立て中に受けた条件を再現するために適切な境界条件を使用して、マルチセルスタックの組み立てを室温で検討した。組み立て後のスタック内の局所ひずみテンソル分布を、アルミニウム製およびステンレス鋼製スタック構成要素について比較した。セラミックセルへの接触圧は、両方の材料に対して同様であり、許容範囲内(すなわち、0.02MPa未満)であったが、アルミニウム製相互接続部を使用した場合、セルへの接触圧はわずかに高い。さらに、モデルシミュレーションにより、スタックの組み立て中に、アルミニウム構成要素もステンレス鋼製構成要素も変形しないはずであることが予想される。
スタックは、多数の異なる材料から構成され、様々な形状およびサイズを有することができる、多数の構成要素を含む。スタックが、高温に加熱されると、スタック内部の様々な構成要素が、互いに異なって挙動し得る。例えば、スタック構成要素の熱膨張の差異により、部品が変形する、またはセラミック製セルもしくはシール材料の破損さえ引き起こす恐れのある、過度の熱応力が発生し得る。スプレッドシートモデルを使用して、ステンレス鋼製相互接続部対アルミニウムまたは銅から作製された相互接続部の熱膨張の差異による、スタック内部の機械的応力分布を比較した。アルミニウムの熱膨張係数(TEC)は、合金および温度範囲に応じて、約19μm/m/℃~24μm/m/℃の範囲である。400シリーズのステンレス鋼のTECは、10μm/m/℃~13μm/m/℃の程度である一方、300シリーズのステンレス鋼の場合、TECは、約14μm/m/℃~18μm/m/℃の間である。銅の場合、TECは約17μm/m/℃である一方、銅合金のTECは、16μm/m/℃~22μm/m/℃の間で様々となり得る。
ステンレス鋼製構成要素を備えるスタックは、十分にロバストであることが周知であり、例えば、750℃という高温でさえ受けるTECの不一致に起因する熱応力に対処することができる。アルミニウムは、400シリーズのステンレス鋼よりもはるかに高い熱膨張を有する(例えば、約2倍の高さ)が、アルミニウムベースのスタックの動作枠は低く、上限動作温度は、恐らく約650℃以下である。予期される動作温度の範囲(すなわち、約400℃~約600℃)で発生する熱膨張は、既知の許容される膨張の約88%~約130%の間である。さらに、11番目の試験は、アルミニウムスタックが少なくとも550℃まで良好に動作することを示した。したがって、このモデルは、アルミニウムの熱膨張係数(CTE)がはるかに高いにもかかわらず、400シリーズのステンレス鋼から作製された構成要素と比較すると、動作温度範囲を考慮した場合、TECの不一致に起因するスタックの機械的応力は、大幅に増加しないことを予測する。
マルチフィジックスモデルを使用して、スタック内部の温度勾配に関して、アルミニウム製相互接続部に何ら利点があるかどうかを検討した。アルミニウムの熱伝導率は、ステンレス鋼の約4.5倍高い。さらに、銅は、アルミニウムの2倍の熱伝導率を有する(すなわち、ステンレス鋼の熱伝導率の約9倍高い)。2つの異なるタイプのシミュレーションを実行し、アルミニウムと銅がセルおよびスタック全体の温度分布にどのように影響を及ぼすかを判定した。第1のタイプのシミュレーションは、入口から出口までの単一の繰り返しユニット全体の温度分布の差異を試験した。第2のタイプのシミュレーションは、スタック全体の温度均一性の変化(すなわち、温度が、スタックの底部から上部へどのように変わるか)に焦点を当てた。
第1のタイプの熱勾配シミュレーションを、450℃および650℃の動作温度において、400シリーズのステンレス鋼、アルミニウムおよび銅の材料に対して実行した。この試験からの結果は、アルミニウムおよび銅の両方について、温度均一性が大幅に改善されたことを示している。温度が低下すると、所与の材料に対して発生する温度勾配がわずかに低下する。いずれにせよ、試験材料の任意の2つの間の熱均一性の差異は、動作温度の各々においてかなり一定した(すなわち、温度による熱均一性の変化は、材料間で一貫した)。このシミュレーションは、450℃におけるアルミニウム製相互接続部の繰り返しユニットに対する2点間の最大温度差が、ステンレス鋼製相互接続部の場合よりも約50%小さいと予測する。銅の場合、最大温度差は、ステンレス鋼の場合よりも約65%、小さい。このような改善は、セル内部の熱応力の低下を含めた、様々な理由のため重要であり、これにより、セルスタックが一層ロバストになる。
第2のタイプの熱勾配シミュレーションは、アルミニウムおよびステンレス鋼製スタック構成要素の両方に対して、650℃および550℃で実行した。各繰り返しユニットに関する最大温度差は、相互接続部材料に関わらず、より低い動作温度においてより一様になる(つまり、より類似する)。しかし、アルミニウム材料は、依然として、両方の温度においてスタック全体でかなり一層一様な熱プロファイルを実現する。650℃では、アルミニウムスタック構成要素を使用すると、ステンレス鋼製構成要素を使用した場合と比較して、スタック全体の熱均一性が約41%改善する。550℃では、アルミニウムスタック構成要素により、スタック全体の温度均一性の約72%の改善が実現する。スタックの上部および下部が比較的低温であるほど、高温の中間区域がさらなる電力の発生を制限する可能性が低くなるため、スタック全体の熱均一性のこのような改善により、スタック内部でさらなる電力を発生させることが可能となる。優れた熱均一性により、スタック内部の極端な温度を冷却するためにそれほど過度な空気を必要としないので、システムの送風機に関連する寄生損失も減少する(すなわち、システム効率が向上し、資本設備コストが削減される)。
特定の用途に応じて、急速に加熱または冷却するスタックが望ましいことがある。スタックの熱応答は、スタック構成要素の質量、材料の熱容量および温度変化の大きさに依存する。スプレッドシートモデルを使用して、ステンレス鋼、アルミニウムおよび銅の材料の熱応答を比較した。アルミニウムの熱伝導率および熱容量は、ステンレス鋼よりも、それぞれ約4.5倍および約1.9倍、高い。一方、銅の場合、熱伝導率はステンレス鋼の場合よりも約9倍高いが、熱容量は実際には、ステンレス鋼の場合よりも約19%低い。同じサイズであるが、異なる材料から作製されたスタック構成要素(例えば、エンドプレートおよび相互接続部)を想定すると、アルミニウムスタックは、考慮されるアルミニウムの合金またはステンレス鋼に応じて、ステンレス鋼よりも30%~40%速い熱応答を有する。銅は、ステンレス鋼より7%~14%速い熱応答を有する。
13番目の試験では、2種の異なる接着剤を使用して、図5Aのように、バーミキュライト製ガスケットとグラファイト製ガスケットをハイブリッドガスケットとして互いに接合した。セラミック接着剤(すなわち、Corr-Paint 30XX)の湿式コーティングをバーミキュライト製シートのガスケットの一方の側とグラファイト製シートのガスケットの一方の側に塗布した。接着剤を塗布した後、2種のガスケット材料の接着剤を互いに接触させて置いた。次に、層が互いに接着するまで、手作業によって軽く圧力をかけたか、または一軸プレスにおいてより高い圧力を印加した。一軸プレスでプレスした接着剤を含む試料を、1MPaで圧縮した。対照として、グラファイト製ガスケットおよびバーミキュライト製ガスケットを、接着剤を使用せずに一軸プレスで、1MPaで圧縮した。接着剤を使用していないハイブリッドガスケット(1MPaに圧縮)における2つの層は、加熱処理前でさえも互いに接着しなかった。接着剤を含まないハイブリッドガスケットを5MPaに圧縮した場合にも、同じ結果が起こった。接着剤を使用しないハイブリッドガスケットは、層が互いに接着する前に、26MPaの圧縮を必要とした。各構造の2つの試料を調製し、空気中、24時間、650℃まで加熱した。接着剤のないハイブリッドガスケットの場合、1つの試料(26MPaに圧縮した試料)だけに加熱処理を施した。
加熱処理後、接着剤を使用した、手作業によって軽く圧縮した2つの試料のうちの1つは、部分的に剥離した。これらの試料のうちの第2のものは完全に付着したままであった。接着剤を使用した、1MPaで圧縮したハイブリッドガスケットの試料はどちらも、加熱処理後、剥離の兆候が何らなしに、完全に無傷であった。接着剤なしで、26MPaに圧縮したハイブリッドガスケットは、加熱処理後に完全に剥離した。したがって、13番目の試験は、接着剤が、固体酸化物燃料電池スタックに使用することができる、ハイブリッドガスケットにおいて層を接着する一助となり得ることを示した。
本明細書において使用される用語および表現は、説明の用語および表現として使用され、限定ではなく、このような用語および表現の使用において、示されて説明される特徴またはその一部の均等物を除外することを意図するものではない。さらに、本発明のある特定の実施形態を説明したので、本明細書において開示されている概念を組み込んだ他の実施形態が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく使用されることができることが当業者には明白であろう。したがって、記載された実施形態は、すべての点において、単なる例示であり、限定的ではないと見なされるべきである。

Claims (113)

  1. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、複数の繰り返しユニットであって、各々が、以下:
    燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、セル、
    前記セルから電流を伝導するための固体の導電性の相互接続プレート、および
    前記繰り返しユニットからのガス漏出を低減するための、前記相互接続プレートと前記セルとの間に、前記繰り返しユニットの少なくとも外縁に配設されているシールであり、前記相互接続プレートおよび前記セルが、前記シールにおいて互いに電気絶縁されている、前記シール
    を備える、前記繰り返しユニット
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイスであって、
    (i)前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムもしくは銅のうちの少なくとも1種を含む、(ii)前記シールが、グラファイトを含む、および/または(iii)前記底部エンドプレートもしくは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムもしくは銅のうちの少なくとも1種を含む、
    前記固体酸化物燃料電池デバイス。
  2. 前記繰り返しユニットが、直列で電気的に接続されている、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記シールがグラファイトを含む、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅から構成されていない、請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記相互接続プレートが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項3に記載のデバイス。
  7. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記シールがグラファイトから構成されていない、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記シールが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のデバイス。
  11. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅から構成されていない、請求項10に記載のデバイス。
  12. 前記相互接続プレートが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項10に記載のデバイス。
  14. 前記シールがグラファイトから構成されていない、請求項10に記載のデバイス。
  15. 前記シールが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記シールがグラファイトを含む、請求項10に記載のデバイス。
  17. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングをさらに備え、前記コーティングが、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載のデバイス。
  19. 前記相互接続プレートが、前記相互接続プレートを前記セルに電気的に接続するための複数の突出した接触フィーチャを画定する、請求項1に記載のデバイス。
  20. 前記接触フィーチャの少なくとも上部表面の上に配設されている導電性コーティングまたはクラッディングをさらに備える、請求項19に記載のデバイス。
  21. 前記相互接続プレートが、それを通る前記燃料および/または前記酸素源の伝導のための1つまたは複数のフローチャネルを画定する、請求項1に記載のデバイス。
  22. 前記セルと前記相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質またはメッシュ状の集電体をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
  23. 前記繰り返しユニットの前記外縁の周囲に配設されており、前記相互接続プレートまたは前記シールのうちの少なくとも1つを封入して、その酸化を低減する外部シールをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
  24. 前記シールと前記相互接続プレートとの間に配設されている、電気絶縁性の第1の層、および/または
    前記シールと前記セルとの間に配設されている、電気絶縁性の第2の層
    をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
  25. 前記シールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
  26. 前記第1の層または前記第2の層が導電性である、請求項25に記載のデバイス。
  27. 前記シールの第1の表面に配設されている電気絶縁性の第1のコーティング、および/または
    前記シールの、前記第1の表面の反対側の第2の表面に配設されている電気絶縁性の第2のコーティング
    をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
  28. 前記複数の繰り返しユニットが、前記上部エンドプレートおよび前記底部エンドプレートに電気的に接続されている、請求項1に記載のデバイス。
  29. 前記複数の繰り返しユニットが、前記上部エンドプレートおよび前記底部エンドプレートに電気的に接続されていない、請求項1に記載のデバイス。
  30. (i)前記上部エンドプレートと前記複数の繰り返しユニットとの間に配設されており、(ii)前記複数の繰り返しユニットに電気的に接続されている、上部端子相互接続プレート、および
    (i)前記底部エンドプレートと前記複数の繰り返しユニットとの間に配設されており、(ii)前記複数の繰り返しユニットに電気的に接続されている、底部端子相互接続プレート
    をさらに備える、請求項29に記載のデバイス。
  31. 前記相互接続プレートの周縁部が、それらの間にシールなしに、隣接する繰り返しユニットの前記セルに直接接触するように成形されている、請求項1に記載のデバイス。
  32. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、ならびに
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、
    上部表面および前記上部表面の反対側の底部表面を有するセルであって、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、前記セル、
    前記セルの前記上部表面の上に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレート、
    前記セルの前記底部表面の下に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート、
    前記第1の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第1の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている第1のシールであり、前記第1の相互接続プレートおよび前記セルが、前記第1のシールにおいて互いに電気絶縁されている、前記第1のシール、および
    前記第2の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている第2のシールであり、前記第2の相互接続プレートおよび前記セルが、前記第2のシールにおいて互いに電気絶縁されている、前記第2のシール
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイスであって、
    (i)前記第1の相互接続部もしくは前記第2の相互接続部のうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムもしくは銅のうちの少なくとも1種を含む、および/または(ii)前記第1のシールもしくは前記第2のシールのうちの少なくとも1つが、グラファイトを含む、
    前記固体酸化物燃料電池デバイス。
  33. 前記セルの周縁部の周囲、かつ前記第1のシールと前記第2のシールとの間に配設されているスペーサーをさらに備える、請求項32に記載のデバイス。
  34. 前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する外部シールをさらに備える、請求項32に記載のデバイス。
  35. 前記セルと前記第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/または
    前記セルと前記第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体
    をさらに備える、請求項32に記載のデバイス。
  36. 前記第1のシールと前記第1の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、
    前記第1のシールと前記セルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層、
    前記第2のシールと前記第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第3の層、および/または
    前記第2のシールと前記セルとの間に配設されている電気絶縁性の第4の層
    をさらに備える、請求項32に記載のデバイス。
  37. 前記第1のシールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、ならびに/または
    前記第2のシールが第3の層および第4の層を含み、前記第3の層および前記第4の層が異なる材料を含む
    請求項32に記載のデバイス。
  38. 前記セルの前記上部表面に面する前記第1の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第1のコーティング、および/または
    前記セルの前記底部表面に面する前記第2の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第2のコーティング
    をさらに備える、請求項32に記載のデバイス。
  39. 前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つがグラファイトを含む、請求項32に記載のデバイス。
  40. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅から構成されていない、請求項39に記載のデバイス。
  41. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項40に記載のデバイス。
  42. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項39に記載のデバイス。
  43. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項32に記載のデバイス。
  44. 前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つが、グラファイトから構成されていない、請求項43に記載のデバイス。
  45. 前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項44に記載のデバイス。
  46. 前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングをさらに備え、前記コーティングが、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項32に記載のデバイス。
  47. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、ならびに
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、
    上部表面および前記上部表面の反対側の底部表面を有するセルであって、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、前記セル、
    前記セルの前記上部表面の上に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレートであって、前記第1の相互接続プレートの周縁部が、前記セルに直接的に機械的接触させて配設されている、前記固体の導電性の第1の相互接続プレート、
    前記セルの前記底部表面の下に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート、および
    前記第2の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されているシールであり、前記第2の相互接続プレートおよび前記セルが、前記シールにおいて互いに電気絶縁されている、前記シール
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイスであって、
    (i)前記第1の相互接続部もしくは前記第2の相互接続部のうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムもしくは銅のうちの少なくとも1種を含む、および/または(ii)前記シールが、グラファイトを含む、
    前記固体酸化物燃料電池デバイス。
  48. 前記セルの周縁部の周囲、かつ前記第1の相互接続プレートと前記シールとの間に配設されているスペーサーをさらに備える、請求項47に記載のデバイス。
  49. 前記第1の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第1の外部シール、および/または
    前記第2の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第2の外部シール
    をさらに備える、請求項47に記載のデバイス。
  50. 前記セルと前記第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/または
    前記セルと前記第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体
    をさらに備える、請求項47に記載のデバイス。
  51. 前記シールと前記第2の相互接続プレートとの間に配設されている、電気絶縁性の第1の層、および/または
    前記シールと前記セルとの間に配設されている、電気絶縁性の第2の層
    をさらに備える、請求項47に記載のデバイス。
  52. 前記シールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、請求項47に記載のデバイス。
  53. 前記セルの前記上部表面に面する前記第1の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第1のコーティング、および/または
    前記セルの前記底部表面に面する前記第2の相互接続プレートの表面に配設されている導電性の第2のコーティング
    をさらに備える、請求項47に記載のデバイス。
  54. 前記シールがグラファイトを含む、請求項47に記載のデバイス。
  55. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅から構成されていない、請求項54に記載のデバイス。
  56. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項55に記載のデバイス。
  57. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項54に記載のデバイス。
  58. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項47に記載のデバイス。
  59. 前記シールがグラファイトから構成されていない、請求項58に記載のデバイス。
  60. 前記シールが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項59に記載のデバイス。
  61. 前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングをさらに備え、前記コーティングが、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項47に記載のデバイス。
  62. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、複数の繰り返しユニットであって、各々が、以下:
    燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、セル、
    前記セルから電流を伝導するための固体の導電性の相互接続プレート、および
    前記繰り返しユニットからのガス漏出を低減するための、前記相互接続プレートと前記セルとの間に、前記繰り返しユニットの少なくとも外縁に配設されているシールであり、前記相互接続プレートおよび前記セルが、前記シールにおいて互いに電気絶縁されている、前記シール
    を備える、前記繰り返しユニット、ならびに
    前記相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングであって、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、前記コーティング
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイス。
  63. 前記相互接続プレートが端子相互接続プレートである、請求項62に記載のデバイス。
  64. 前記コーティングがクラッディングである、請求項62に記載のデバイス。
  65. 前記コーティングが、複数の層を含み、前記層のうちの少なくとも第1の層が窒化物セラミックを含み、前記層のうちの少なくとも第2の層が金属を含む、請求項62に記載のデバイス。
  66. 前記金属がアルミニウムを含む、請求項65に記載のデバイス。
  67. 前記繰り返しユニットが直列で電気的に接続されている、請求項62に記載のデバイス。
  68. 前記シールがグラファイトを含む、請求項62に記載のデバイス。
  69. 前記相互接続プレートが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項62に記載のデバイス。
  70. 前記相互接続プレートが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項62に記載のデバイス。
  71. 前記シールが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項62に記載のデバイス。
  72. 前記相互接続プレートが、前記相互接続プレートを前記セルに電気的に接続するための複数の突出した接触フィーチャを画定する、請求項62に記載のデバイス。
  73. 前記接触フィーチャの少なくとも上部表面の上に配設されている導電性コーティングまたはクラッディングをさらに備える、請求項72に記載のデバイス。
  74. 前記相互接続プレートが、それを通る前記燃料および/または前記酸素源の伝導のための1つまたは複数のフローチャネルを画定する、請求項62に記載のデバイス。
  75. 前記セルと前記相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質またはメッシュ状の集電体をさらに備える、請求項62に記載のデバイス。
  76. 前記繰り返しユニットの前記外縁の周囲に配設されており、前記相互接続プレートまたは前記シールのうちの少なくとも1つを封入して、その酸化を低減する外部シールをさらに備える、請求項62に記載のデバイス。
  77. 前記シールと前記相互接続プレートとの間に配設されている、電気絶縁性の第1の層、および/または
    前記シールと前記セルとの間に配設されている、電気絶縁性の第2の層
    をさらに備える、請求項62に記載のデバイス。
  78. 前記シールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、請求項62に記載のデバイス。
  79. 前記第1の層または前記第2の層が導電性である、請求項78に記載のデバイス。
  80. 前記シールの第1の表面に配設されている電気絶縁性の第1のコーティング、および/または
    前記シールの、前記第1の表面の反対側の第2の表面に配設されている電気絶縁性の第2のコーティング
    をさらに備える、請求項62に記載のデバイス。
  81. 前記上部エンドプレートまたは前記底部エンドプレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項62に記載のデバイス。
  82. 前記複数の繰り返しユニットが、前記上部エンドプレートおよび前記底部エンドプレートに電気的に接続されている、請求項62に記載のデバイス。
  83. 前記複数の繰り返しユニットが、前記上部エンドプレートおよび前記底部エンドプレートに電気的に接続されていない、請求項62に記載のデバイス。
  84. (i)前記上部エンドプレートと前記複数の繰り返しユニットとの間に配設されており、(ii)前記複数の繰り返しユニットに電気的に接続されている、上部端子相互接続プレート、および
    (i)前記底部エンドプレートと前記複数の繰り返しユニットとの間に配設されており、(ii)前記複数の繰り返しユニットに電気的に接続されている、底部端子相互接続プレート
    をさらに備える、請求項83に記載のデバイス。
  85. 前記相互接続プレートの周縁部が、それらの間にシールなしに、隣接する繰り返しユニットの前記セルに直接接触するように成形されている、請求項62に記載のデバイス。
  86. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、
    上部表面および前記上部表面の反対側の底部表面を有するセルであって、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、前記セル
    前記セルの前記上部表面の上に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレート
    前記セルの前記底部表面の下に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート
    前記第1の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第1の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている第1のシールであって、前記第1の相互接続プレートおよび前記セルが、前記第1のシールにおいて互いに電気絶縁されている、前記第1のシール、および
    前記第2の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されている第2のシールであって、前記第2の相互接続プレートおよび前記セルが、前記第2のシールにおいて互いに電気絶縁されている、前記第2のシール、ならびに
    前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングであって、グラファイト、銅、アルミニウム、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、前記コーティング
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイス。
  87. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、端子相互接続プレートである、請求項86に記載のデバイス。
  88. 前記コーティングがクラッディングである、請求項86に記載のデバイス。
  89. 前記コーティングが、複数の層を含み、前記層のうちの少なくとも第1の層が窒化物セラミックを含み、前記層のうちの少なくとも第2の層が金属を含む、請求項86に記載のデバイス。
  90. 前記金属がアルミニウムを含む、請求項89に記載のデバイス。
  91. 前記セルの周縁部の周囲、かつ前記第1のシールと前記第2のシールとの間に配設されているスペーサーをさらに備える、請求項86に記載のデバイス。
  92. 前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する外部シールをさらに備える、請求項86に記載のデバイス。
  93. 前記セルと前記第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/または
    前記セルと前記第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体
    をさらに備える、請求項86に記載のデバイス。
  94. 前記第1のシールと前記第1の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第1の層、
    前記第1のシールと前記セルとの間に配設されている電気絶縁性の第2の層、
    前記第2のシールと前記第2の相互接続プレートとの間に配設されている電気絶縁性の第3の層、および/または
    前記第2のシールと前記セルとの間に配設されている電気絶縁性の第4の層
    をさらに備える、請求項86に記載のデバイス。
  95. 前記第1のシールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、ならびに/または
    前記第2のシールが第3の層および第4の層を含み、前記第3の層および前記第4の層が異なる材料を含む
    請求項86に記載のデバイス。
  96. 前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つがグラファイトを含む、請求項86に記載のデバイス。
  97. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項86に記載のデバイス。
  98. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項86に記載のデバイス。
  99. 前記第1のシールまたは前記第2のシールのうちの少なくとも1つが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項86に記載のデバイス。
  100. 底部エンドプレート、
    上部エンドプレート、
    前記上部エンドプレートと前記底部エンドプレートとの間に配設されている、
    上部表面および前記上部表面の反対側の底部表面を有するセルであって、燃料および酸素源が関与する酸化反応および還元反応によって電気を生成するための、(i)カソード、(ii)固体セラミック電解質および(iii)アノードを含む、前記セル、
    前記セルの前記上部表面の上に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第1の相互接続プレートであって、前記第1の相互接続プレートの周縁部が、前記セルに直接的に機械的接触させて配設されている、前記固体の導電性の第1の相互接続プレート、
    前記セルの前記底部表面の下に配設されており、前記セルに電気的に接続されている、固体の導電性の第2の相互接続プレート、および
    前記第2の相互接続プレートと前記セルとの間に、前記第2の相互接続プレートの少なくとも外縁に配設されているシールであって、前記第2の相互接続プレートおよび前記セルが、前記シールにおいて互いに電気絶縁されている、前記シール、ならびに
    前記第1の相互接続プレート、前記第2の相互接続プレート、前記底部エンドプレートまたは前記上部エンドプレートのうちの少なくとも1つ上に配設されているコーティングであって、グラファイト、炭化物セラミック、窒化物セラミック、化成コーティングまたはアルミニウム金属間化合物のうちの少なくとも1種を含む、前記コーティング
    を備える、固体酸化物燃料電池デバイス。
  101. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、端子相互接続プレートである、請求項100に記載のデバイス。
  102. 前記コーティングがクラッディングである、請求項100に記載のデバイス。
  103. 前記コーティングが複数の層を含み、前記層のうちの少なくとも第1の層が窒化物セラミックを含み、前記層のうちの少なくとも第2の層が金属を含む、請求項100に記載のデバイス。
  104. 前記金属がアルミニウムを含む、請求項103に記載のデバイス。
  105. 前記セルの周縁部の周囲、かつ前記第1の相互接続プレートと前記シールとの間に配設されているスペーサーをさらに備える、請求項100に記載のデバイス。
  106. 前記第1の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第1の外部シール、および/または
    前記第2の相互接続プレートの外側周縁部の周囲に配設されてこれを封入する第2の外部シール
    をさらに備える、請求項100に記載のデバイス。
  107. 前記セルと前記第1の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第1の集電体、および/または
    前記セルと前記第2の相互接続プレートとの間にそれらと接触させて配設されている導電性の多孔質もしくはメッシュ状の第2の集電体
    をさらに備える、請求項100に記載のデバイス。
  108. 前記シールと前記第2の相互接続プレートとの間に配設されている、電気絶縁性の第1の層、および/または
    前記シールと前記セルとの間に配設されている、電気絶縁性の第2の層
    をさらに備える、請求項100に記載のデバイス。
  109. 前記シールが第1の層および第2の層を含み、前記第1の層および前記第2の層が異なる材料を含む、請求項100に記載のデバイス。
  110. 前記シールがグラファイトを含む、請求項100に記載のデバイス。
  111. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、ステンレス鋼またはニッケル基超合金を含む、請求項100に記載のデバイス。
  112. 前記第1の相互接続プレートまたは前記第2の相互接続プレートのうちの少なくとも1つが、グラファイト、アルミニウムまたは銅のうちの少なくとも1種を含む、請求項100に記載のデバイス。
  113. 前記シールが、ガラス、ろう付け用合金、タルク、雲母、バーミキュライト、アスベスト、セラミック材料またはポリマー材料のうちの少なくとも1種を含む、請求項100に記載のデバイス。
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