JP2022552828A - 共振周波数を変化させるのに役立つ非線形でスマートなメタマテリアル - Google Patents

共振周波数を変化させるのに役立つ非線形でスマートなメタマテリアル Download PDF

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Abstract

受動的MRI増強の実施形態は、複数の共振器を含み、被検体によって放出され、MRI装置によって捕捉される高周波信号の信号対雑音比を増加させる。この装置は、MRI装置から被検体への信号送信中に、及び/又は、被検体からMRI装置への信号受信中に、高周波エネルギーの磁場成分を増加させる。本装置の使用により、MRI装置によって生成される画像が向上し、及び/又は、画像の捕捉のためにMRI装置が必要とする時間が短縮される。アイソレータの実施形態は、分離構成と送信構成とに交互に制御可能に構成可能な非線形共振器と、第2の共振器とを備える。非線形共振器は、非線形共振器が分離構成にある場合には、通信ポートに結合され、実質的に第2の共振器から実質的に通信可能に分離され、非線形共振器が送信構成にある場合には、第2の共振器に通信可能に結合される。

Description

関連出願
本特許出願は、2019年10月8日に「Nonlinear and Smart Metamaterials Useful to Change Resonance Frequencies」と題され、Xin Zhang、Stephan Anderson、Xiaoguang Zhao及びGuangwu Duanらを発明者として指定して出願された米国仮特許出願第62/912,369号の優先権を主張するものであり、また、2019年6月17日に「Apparatus for Improving Magnetic Resonance Imaging」と題され、Xin Zhang、Stephan Anderson、Guangwu Duan及びXiaoguang Zhaoらを発明者として指定して出願された米国非仮特許出願第16/443,126号[実務者ファイル32730-12503]にも関連している。これは、2018年6月7日に「Apparatus for Improving Magnetic Resonance Imaging」と題され、Xin Zhang、Stephan Anderson、Guangwu Duan及びXiaoguang Zhaoらを発明者として指定して出願された米国非仮特許出願第16/002,458号、現行の米国特許第10,324,152号明細書[実務者ファイル32730-12501]の継続出願であり、2017年6月7日に「Apparatus for Improving Magnetic Resonance Imaging」と題され、Xin Zhang、Stephan Anderson、Guangwu Duan及びXiaoguang Zhaoらを発明者として指定して出願された米国仮特許出願第62/516,376号[実務者ファイル32730-11901]の優先権を主張している。従って、前述した各々の開示は、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
政府支援
本発明は、国立衛生研究所によって授与された契約番号EB024673の下で政府支援を受けて行われたものである。従って、本発明においては政府が一定の権利を有している。
技術分野
本発明は、共振回路に関し、より詳細には、共振周波数が制御可能な回路に関する。
背景技術
磁気共鳴撮像(「MRI」)は、X線を使用せずに被検体の内部構造の画像を捕捉する医療用画像診断技術である。MRI装置は、被検体に強力な磁場と電磁刺激とを与え、被検体の原子はそれに応じて電磁信号の放出を引き起こす。このMRI装置は、被検体によって放出された電磁信号を捕捉し、捕捉されたそれらの信号から画像を構築する。
MRI装置の既知の限界は、捕捉された信号の信号対雑音比(SNR)である。ノイズは、MRI装置自体の回路を含む種々のソースによって生成され、被検体によって放出される信号を変造し不明瞭にする。SNRは、例えば静磁場の強度の増加によって信号を高めることによって、又は、例えばMRI装置の信号処理回路の改善によりノイズを低減することによって、又は、両方を組み合わせることによって、改善される場合がある。しかしながら、そのような取り組みは理想的とは言い難く、生きている動物などの一部の被検体には安全に印加し得る電力量に限界があり、従って、ノイズを完全に除去することはできない。
種々の実施形態の概要
例示的な実施形態は、MRI装置のボア内において使用するための信号拡大アクセサリを開示する。MRI装置は、送信モードにおいて、送信周波数を有する励起信号をボア内の被検体に送信するように配置された送信コイルと、受信モードにおいて、応答周波数を有する応答信号を被検体から受信するように配置された受容コイルとを備えている。
第1の実施形態においては、アクセサリは、複数のメタマテリアル共振器を有する共振器アレイを含み、メタマテリアル共振器の各々は共振周波数を有し、メタマテリアル共振器は、印加された電磁信号に応じて相互に誘導結合するように配置されている。アレイの例示的な実施形態は、少なくとも2つのメタマテリアル共振器を含むが、2よりも多いメタマテリアル共振器、例えばそのような共振器のN×M個のアレイを含むことも可能であり、ただし、N及びMは、整数である(例えば2,3,4,5,6,7,8など)。
アクセサリは、(a)共振器コイル及び(b)当該共振器コイルに結合された制御可能なインピーダンスを有する非線形制御共振器も含む。この制御共振器は、制御可能なインピーダンスが第1のインピーダンス状態にある場合には第1の共振周波数を有し、制御可能なインピーダンスが第2のインピーダンス状態にある場合には第2の共振周波数を有する。
共振器コイル及び制御可能インピーダンスは、(i)MRI装置が送信モードにある場合には、共振器アレイと協働して送信周波数からオフセットされた第1のアレイ共振周波数を生成し、(ii)MRI装置が受信モードにある場合には、共振器アレイと協働して応答信号を拡大するように応答周波数に等しい第2のアレイ共振周波数を生成する制御共振器が構成されるように、選択される。
例示的な実施形態は、共振器アレイと非線形共振器との間に配置され、かつ、共振器アレイと非線形共振器との間のギャップ(d)を画定するスペーサ層も含む。
いくつかの実施形態においては、共振器コイルは、第1の端部と第2の端部とを有し、制御可能なインピーダンスは、第1の端部と第2の端部との間で電気的に結合される。例えば、いくつかの実施形態においては、制御可能インピーダンスは、バラクタダイオードであり、当該バラクタダイオードは、MRI装置が送信モードにある場合にはMRI装置からの励起信号のバラクタダイオードによる受信に応じて第1のインピーダンス状態を想定するように構成されている。他の例として、いくつかの実施形態においては、共振器コイルは、スプリットリング共振器を含み、制御可能なインピーダンスは、バラクタであり又はバラクタを含み、当該バラクタは、送信モードにおいてMRI装置からの高周波励起信号の受信に応じて第1のキャパシタンスを想定し、MRI装置が受容モードにある場合には第2のキャパシタンスを想定するように構成されている。いくつかのそのような実施形態においては、バラクタダイオードは、MRI装置が受信モードにある場合にはMRI装置からの励起信号の欠如状態で第2のインピーダンス状態を想定するように構成されている。
例示的な実施形態における共振器アレイは、共振器平面を画定し、制御共振器は、共振器平面からゼロでない距離(d)における共振器平面に対して実質的に平行に配置される。例えば、いくつかの実施形態においては、制御共振器は、共振器平面から2センチメートルの距離(d)で共振器平面に対して実質的に平行に配置される。他の実施形態においては、制御共振器は、共振器平面から0センチメートルの距離(d)において共振器平面に対して実質的に平行に配置される。そのような実施形態においては、制御共振器は、共振器アレイを取り囲む。
いくつかの実施形態は、共振器アレイと制御共振器との間のスペーサ層内に配置されたスペーサ装置をさらに含む。このスペーサ装置は、好適な実施形態においては、非金属及び非磁性固体材料である。スペーサ装置は、アレイから所定の距離で制御共振器を保持する。
他の実施形態は、MRI装置のボア内の被検体からの応答信号を増幅する方法を開示する。
本方法は、作業周波数を有するMRI装置のボア内に、例えば上述した制御可能なアレイアセンブリなどの制御可能なアレイアセンブリを設けるステップを含む。いくつかの実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリは、(a)MRI装置の動作周波数において相互に誘導結合するように構成された複数のメタマテリアル共振器を含む共振器アレイと、(b)制御可能なインピーダンスを有する非線形制御共振器とを含む。
本方法は、MRI装置が送信モードにある場合には制御可能なアレイアセンブリをパススルーモードに構成するステップと、MRI装置が受信モードにある場合には制御可能なアレイアセンブリを増幅モードに構成するステップとを含む。
いくつかの実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリをパススルーモードに構成するステップは、非線形制御共振器を第1の共振モードに自動的に構成するステップを含み、ここで、第1の共振モードの非線形制御共振器は、制御可能なアレイアセンブリにおいて、MRI装置の作業周波数からオフセットされたアセンブリ共振周波数を生成するために共振器アレイに結合される。いくつかのそのような実施形態においては、非線形制御共振器を第1の共振モードに自動的に構成するステップは、制御可能なインピーダンスに、MRI装置から送信された高周波励起信号を提供するステップを含む。
いくつかの実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリを増幅モードに構成するステップは、非線形制御共振器を第2の共振モードに自動的に構成するステップを含み、ここで、第2の共振モードの非線形制御共振器は、制御可能なアレイアセンブリにおいて、MRI装置の作業周波数におけるアセンブリ共振周波数を生成するために共振器アレイに結合される。いくつかのそのような実施形態においては、非線形制御共振器を第2の共振モードに自動的に構成するステップは、制御可能なインピーダンスから、MRI装置から送信された励起信号を差し控えるステップを含む。
さらに他の実施形態は、アイソレータ回路を提供する。
一実施形態においては、そのような回路は、特性共振周波数を有する第1の共振器と、非線形共振器が特性共振周波数に等しい第1の共振周波数を有する第1の共振状態、及び、非線形共振器が第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有する第2の共振状態に制御可能に構成可能である非線形共振器と、を備える。
いくつかのそのような実施形態においては、第1の共振器は、第1のポートに結合するように構成され、非線形共振器は、第2のポートに結合するように構成され、ここで、第1の共振状態においては、非線形共振器は、第1の共振器からの信号が第2のポートに通信可能に結合されるように第1の共振器に誘導結合するように構成され、第2の共振状態においては、非線形共振器は、第2のポートを第1の共振器から分離するように構成される。
そのために、非線形共振器は、いくつかの実施形態においては、第1の端部及び第2の端部を有するメタマテリアル共振器と、第1の端部と第2の端部との間に電気的に配置された結合器とを含み、ここで、結合器は、複数のインピーダンス状態に制御可能に構成可能であり、非線形共振器を第1の共振状態に構成する第1のインピーダンス状態と、非線形共振器を第2の共振状態に構成する第2のインピーダンス状態とを含む。
いくつかのそのような実施形態においては、メタマテリアル共振器は、スプリットリング共振器を含む。
いくつかの実施形態においては、結合器はバラクタを含み、当該バラクタは、(a)第2のポートから結合器に入射する高周波信号に応じて第2のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、非線形共振器は、第2の共振状態にありかつ第2のポートが第1の共振器から分離され、さらにバラクタは、(b)第2のポートからの搬送波周波数においてそのような高周波信号がない場合には第1のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、非線形共振器は、第1の共振状態にありかつ第1の共振器を第2のポートに通信可能に結合するように構成される。
他の実施形態においては、結合器はバラクタを含み、当該バラクタは、(a)第2のポートから結合器に入射する高周波信号に応じて第1のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、非線形共振器は、第1の共振状態にありかつ第2のポートを第1の共振器に通信可能に結合するように構成され、さらにバラクタは、(b)第2のポートからの搬送波周波数においてそのような高周波信号がない場合には第2のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、非線形共振器は、第2の共振状態にありかつ第2のポートは第1の共振器から分離される。
他の実施形態においては、結合器は、スイッチを含み、これは、例えば、トランジスタ又はMEMSスイッチであるものとしてもよい。
線形共振器について、いくつかの実施形態においては、第1の共振器は、例えばヘリックス共振器などの線形共振器である。
他の実施形態においては、方法が提供され、当該方法は、分離モード共振周波数を有する分離構成、及び、分離モード共振周波数とは異なる受容モード共振周波数を有する受容構成に制御可能に構成された非線形共振器、並びに、受容モード共振周波数に等しい第2の共振周波数を有する第2の共振器を設けるステップと、第1のモードにおいて、非線形共振器を分離構成に構成するステップであって、それによって、非線形共振器は、実質的に第2の共振器から通信可能に分離される、ステップと、を含む。
いくつかのそのような方法は、第2のモードにおいて、非線形共振器を受容構成に構成するステップも含み、それによって、非線形共振器は、第2の共振器と共振通信するように構成される。
その上さらに、いくつかの実施形態においては、本方法は、非線形共振器を受容構成に構成した後、第2の共振器に信号を提供するステップと、非線形共振器において信号を受信するステップも含む。
いくつかの実施形態においては、本方法は、非線形共振器において信号を受信した後、非線形共振器を第2の共振器上の信号から分離しかつ第2の共振器を非線形共振器上の他の信号から分離するように非線形共振器を分離構成に構成するステップも含む。いくつかのそのような実施形態においては、分離構成における第2の共振器と非線形アイソレータとの間の共振結合は、受容構成における第2の共振器と非線形アイソレータとの間の共振結合より少なくとも9dB小さい。
他の実施形態においては、特性共振周波数を有しかつ印加された電磁信号に応じて共振するための第1の共振手段と、第1の共振手段と共振して選択的に通信するための非線形共振手段とを含む回路であって、当該非線形共振手段は、特性共振周波数に等しい第1の共振周波数を有する第1の共振状態と、第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有する第2の共振状態とに構成可能である、回路が提供される。
いくつかの実施形態においては、非線形共振手段が第2の共振状態にある場合には、非線形共振手段は、実質的に第1の共振手段から通信可能に分離される。
特許文献又は出願文献ファイルには、カラー版の少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面を含むこの特許文献又は特許出願公報の写しは、要求と所要手数料の支払いとに応じて官庁から提供される。
前述した実施形態の特徴は、添付の図面に基づいて行われる以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
MRI装置の一実施形態を概略的に示した図である。 MRI装置の一実施形態を概略的に示した図である。 MRI装置の一実施形態を概略的に示した図である。 MRI装置の一実施形態を概略的に示した図である。 共振器アレイを使用せずに捕捉されたMRI画像である。 共振器アレイの一実施形態を使用して捕捉されたMRI画像である。 共振器アレイの他の実施形態を使用して捕捉されたMRI画像である。 共振器アレイの一実施形態を概略的に示した図である。 共振器アレイの一実施形態を概略的に示した図である。 ハニカム型共振器アレイの一実施形態を概略的に示した図である。 共振構造の品質係数を示したグラフである。 MRI装置の作業周波数に対する共振器アレイの周期性とその周波数応答との間の関係をグラフにより示した図である。 ヘリカル共振器の一実施形態を概略的に示した図である。 ヘリカル共振器の一実施形態を概略的に示した図である。 ヘリカル共振器の一実施形態を概略的に示した図である。 ヘリカル共振器のアレイの一実施形態の動作特性を概略的に示した図である。 ヘリカル共振器のアレイの一実施形態の動作特性を概略的に示した図である。 付加的なインピーダンスを有するヘリカル共振器セルを概略的に示した図である。 ユニットセルの共振周波数と、ユニットセルの内部容積の誘電率との間の関係を実証するための、シャーレ内に水と共に配置されたユニットセルの一実施形態を概略的に示した図である。 ユニットセルの共振周波数と、ユニットセルの内部容積の誘電率との間の関係を実証するための、シャーレ内に水と共に配置されたユニットセルの一実施形態を概略的に示した図である。 ユニットセルの共振周波数と、ユニットセルの内部容積の誘電率との間の関係を概略的に示した図である。 ブロードサイド結合型スプリットリング共振器の一実施形態及びその一部の特性を概略的に示した図である。 ブロードサイド結合型スプリットリング共振器の一実施形態及びその一部の特性を概略的に示した図である。 ブロードサイド結合型スプリットリング共振器の一実施形態及びその一部の特性を概略的に示した図である。 ブロードサイド結合型スプリットリング共振器の一実施形態及びその一部の特性を概略的に示した図である。 ブロードサイド結合型スプリットリング共振器の一実施形態及びその一部の特性を概略的に示した図である。 可撓性共振器アレイの実施形態を概略的に示した図である。 可撓性共振器アレイの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 同調可能なユニットセルの実施形態を概略的に示した図である。 被検体を画像化する方法のフローチャートである。 非線形共振器の一実施形態を概略的に示した図である。 非線形共振器の一実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの一実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 アレイと非線形共振器との間の異なるギャップに対する制御可能なアレイアセンブリのスペクトルを示すグラフである。 制御可能なアレイアセンブリの高励起の場合及び低励起の場合のスペクトルを示すグラフである。 アレイ(LMM)の上面から異なる場所の点に対する磁場(B)増強比を示すグラフである。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリの他の実施形態を概略的に示した図である。 制御可能なアレイアセンブリを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。 アイソレータシステムの一実施形態を概略的に示した図である。 集積回路上のアイソレータシステムの一実施形態を概略的に示した図である。 アイソレータを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。
特定の実施形態の詳細な説明
複数の共振器を有する装置は、被検体によって放出され、MRI装置によって捕捉される高周波(「RF」)信号の信号対雑音比を増加させ、MRI装置によって送信される電力を増加させることなくこれを実現する。いくつかの実施形態においては、本装置は、MRI装置から被検体への高周波エネルギーの信号送信及び被検体からMRI装置への高周波信号の送信の両方の間で高周波エネルギーの磁場成分を増加させるが、他の実施形態においては、本装置は、高周波エネルギーの磁場成分を被検体からMRI装置への高周波信号の送信中にのみ増加させ、MRI装置から被検体への高周波エネルギーの送信中には増加させない。その上さらに、本装置は、不要な電界の発生や増加を実質的に回避することによって被検体の安全性を高める。本装置の使用により、MRI装置によって生成される画像が向上し、及び/又は、画像の捕捉のためにMRI装置に必要とされる時間が短縮される。
定義
MRI装置に関連する用語「送信モード」とは、MRI装置がMRI装置のボア内の被検体に励起信号を提供するモードを意味する。
MRI装置に関連する用語「受容モード」(又は「受信」モード)とは、MRI装置がMRI装置のボア内の被検体から応答信号を受信するモードを意味する。
MRI装置に関連する用語「励起信号」とは、被検体から応答信号を引き出すためにMRI装置のボア内の被検体にMRI装置によって提供される信号を意味する。
MRI装置に関連する用語「応答信号」(又は「被検体応答信号」)とは、励起信号に応じてMRI装置のボア内の被検体によって生成される信号を意味する。
図1Aは、MRI装置100の断面を概略的に示し、そのような装置のよく知られた複数の特徴を示している。MRI装置によって走査される被検体99は、架台101上に置かれる。典型的には、被検体99は、30分以上になり得る走査持続時間の間、可能な限り静かに横たわっていなければならない。
MRI装置は、被検体99を取り巻き及び被検体99を通る磁場(これは、「主要」磁場とも称され得る)を生成する「主要」磁石110を含む。例示的な実施形態においては、主要磁場は、静的で均一な磁場である。いくつかのMRI装置100においては、主要磁石110は永久磁石である。他のMRI装置100においては、主要磁石は、被検体99を取り巻き及び被検体99を通る磁場を生成する主要磁場コイル110を含む。いくつかのMRI装置100は、主要磁場コイル110によって生成される主要磁場の均質性のシフトを補正するための1つ又は複数のシムコイル111も含む。いくつかのMRI装置100は、主要磁場コイル110によって生成される磁場に加えて、走査されるべき領域を局所化するために使用される可変磁場を生成する1つ又は複数の勾配コイル115も含む。
MRI装置100は、被検体99に高周波励起信号を送信し、この励起信号に応じて被検体99によって生成されたMR信号(例えば被検体応答信号)を受信する1つ又は複数のシステム(これらは、一般に、「RFコイル」又は「高周波コイル」とも称され得る)を備えている。いくつかのRFコイルには、「鳥かご型」コイルと称されるものもある。歴史的に、MRI装置は、各々が送信及び受信の両方の機能を有するコイルを含むものであった。しかしながら、いくつかのMRI装置は、被検体99に高周波信号を送信するためのシステム(例えば、1つ又は複数のコイルのセット)と、被検体99によって生成されたMR信号を受信するための別個のシステム(例えば、1つ又は複数のコイルのセット)とを含む。後述する例示的な実施形態は、被検体99に高周波信号を送信し、被検体99によって生成されたMR信号を受信する両方を行う本体コイル120を含む。いくつかの実施形態は、励起信号を被検体99に送信する送信コイルと、被検体99から応答信号を受信する、送信コイルとは別個の受信コイルとを含む。MRI装置のコンポーネントとしてのRFコイルのいくつかの例は、Otakeらによる米国特許出願公開第2019/0041476号明細書、及び、Biberらによる米国特許出願公開第2009/0096456号明細書に開示されている。
送信モードにおいて、本体コイル120は、高周波信号を送信し、これによって、電磁(例えば高周波)刺激を被検体99に与える。その結果、それらの送信機としての能力において言及する場合、本体コイル120は、「送信」コイル、「送信機」コイル、又は、「駆動」コイルとも称され得る。
これに応じて、被検体の原子は、本体コイル120(受容モードにおいて)及び/又は被検体コイル130によって検出され得る電磁パルス(又は「MR」信号)を放出する。被検体コイル130(これは時として「表面」コイルとも称され得る)は、それらが被検体99のより近傍に配置可能でかつより離隔した本体コイル120によって生成される信号よりも大きい信号対雑音比(「SNR」)の信号を生成することができるので、いくつかの状況においては好適となる場合がある。
コンピュータ150は、通信リンク151などによってMRI装置100とデータ通信を行い、本体コイル120及び/又は被検体コイル130によって受信された信号を受信して処理し、被検体の内部構造の画像を生成する。本体コイル120及び被検体コイル130は、MRI装置100に有線接続されている。本体コイル120は、MRI装置100と電力通信及び制御通信を行い、電磁刺激を生成するために必要な電力及び制御信号を受信する。本体コイル120及び被検体コイル130の両方は、被検体99から検出した信号をMRI装置100に提供するためにMRI装置100とデータ通信を行う。このために、MRI装置のいくつかの実施形態は、制御信号821に関連して後述するように、MRI装置及び/又はアレイに制御信号を提供するように、及び/又は、本体コイル120及び被検体コイル130から信号を受信するように構成されたコントローラ140を含む。
画像の品質と、MRI装置100にとって画像を生成するのに十分な数の放出信号を収集するのに必要な時間とは、受信した信号の信号対雑音比(「SNR」)に部分的に依存している。当業者には周知であるように、信号対雑音比は、MRI装置100による被検体99の励起に応じて被検体99によって放出される信号の比である。信号対雑音比は、信号出力(例えば、被検体99によって放出された信号における出力であり、「信号出力」又は「P」とも称され得る)と、MRI装置によって受信された信号における雑音の出力(「雑音出力」又は「P」とも称され得る)との無次元の比である。信号対雑音比は、典型的には、SNR=P/Pにより記述される。信号対雑音比は、次の式、SNR(dB)=10log10/Pに従ってデシベル(dB)により表されるものとしてもよいが、必ずしもデシベルにより表す必要はない。
SNRの増加は、MRIの出力を改善することができ、及び/又は、被検体99によって放出される信号を収集するのに必要な時間を短縮することができる。
図1A及び図1Bの各々は、MRI装置の動作及びMRI装置によってもたらされた結果を改善するための共振器アレイ300の一実施形態を概略的に示している。使用時に、共振器アレイ300は、被検体99と、主要磁場110及び本体コイル120及びシムコイル111及び勾配コイル115との間に配置される。例示的な実施形態においては、使用時に、共振器アレイ300は、被検体99の径方向外側に配置され、主要磁場110及び本体コイル120及びシムコイル111及び勾配コイル115の径方向内側に配置される。
図1Aにおいては、被検体コイル130は、被検体99と共振器アレイ300との間に配置され、図1Bにおいては、共振器アレイ300は、被検体99(この図においては、被検体99の四肢又は付属肢799)と被検体コイル130との間に配置される。いくつかの実施形態においては、共振器アレイ300は、例えば、MRI装置100が本体コイル120を使用して被検体99によって放出された電磁パルスを受信する場合、被検体コイル130なしでMRI装置のボア102内に配置されるものとしてもよい。本明細書において使用されるように、MRI装置100の用語「ボア」102とは、MRI装置100によって撮像される場合に被検体99が配置される場所を意味している。例えば、閉鎖型MRI装置100においては、ボア102は装置のトロイド区分の内部であり、開放型MRI装置100においては、ボア102は装置の上部磁場領域と下部磁場領域との間の空間であり、開放直立型MRI装置100においては、ボア102は装置の左方磁場領域と右方磁場領域との間の空間である。例示的な実施形態においては、MRI装置100のボア102は、MRI装置100のコンポーネントによって画定される。例えば、例示的な実施形態においては、MRI装置100のコンポーネント[例えば、磁石110(限定されることなく主要磁場コイル110を含む)、シムコイル111、勾配コイル115、本体コイル120、(存在すれば)被検体コイル130(ただし、これは、ボア102内に配置されるものとしてもよい)]によって画定される。
図1A及び図1Bには、被検体コイル130及び共振器アレイ300と、架台との間に被検体99が示されているが、これは、共振器アレイ300の使用上の限定を意味するものではなく、この共振器アレイ300は、図1C及び図1Dに概略的に示されるように、被検体コイル130を伴って又はそれを伴わずに被検体99と架台101との間に配置されるものとしてもよい。
本体コイル120とは対照的に、共振器アレイ300は、電力信号を要求又は受信しないという点においては受動的であり、いくつかの実施形態においては、その機能を実行するために制御信号を要求又は受信しない。図面及び文章からも理解することができるように、共振器アレイ300の例示的な実施形態は、例えば、被検体によって放出される信号の信号対雑音比を増加させるために、受動的な動作が可能である。例示的な実施形態においては、共振器アレイ300は(そのユニットセル301も含めて)、MRI装置100とは別個のものであって、その一部ではない。換言すれば、例示的な実施形態においては、共振器アレイ300は、MRI装置100のコンポーネントに加えて[例えば、磁石110(限定されることなく主要磁場コイル110を含む)、シムコイル111、勾配コイル115、本体コイル120及び(存在する場合には)被検体コイル130に加えて]存在する。
その上さらに、例示的な実施形態においては、共振器アレイ300は(そのユニットセル301も含めて)、MRI装置100(例えば、本体コイル120又は被検体コイル130、主要磁場コイル110、シムコイル111、及び、勾配コイル115)とは物理的に別個であって、MRI装置100(例えば、本体コイル120又は被検体コイル130、主要磁場コイル110、シムコイル111、及び、勾配コイル115)に有線接続されていない。また、本体コイル120及び被検体コイル130の両方とは対照的に、共振器アレイ300は、MRI装置100とデータ通信も行わない。
本発明者らは、図1A乃至図1Dに概略的に示されている、被検体コイル130を伴う又は伴わない共振器アレイ300の使用が、MRI装置100から被検体99に送信される高周波信号のSNRを向上させ、被検体99によって放射されMRI装置100によって受信される信号のSNRを向上させ、MRIの出力画像の品質を高め、及び/又は、被検体99の走査に要する時間を短縮させ得ることを発見しており、これらの各々は、既存のMRI技術にわたる改善を表している。その非凡な特性のために、共振器アレイ300及び/又はその共振器301は、メタマテリアルと考えることができる。しかしながら、これは、共振器アレイ300及び/又はそのユニットセル301が、負の屈折率、負の誘電率、及び/又は、負の透磁率を有することを要求しない。種々の実施形態においては、共振器アレイ300及び/又はそのユニットセル301は、正の屈折率、正の誘電率、及び/又は、正の透磁率を有し得る。
例えば、図2Aは、共振器アレイ300なしの従来のMRI技術を使用したMRI走査の結果を示している。これらの結果をもたらすために、本発明者らは、1.5TMRI装置のボア102内の9つの位置(図2Aの番号1乃至9)で信号の強度を測定し、MRI装置の3つの位置(番号10乃至12)においてノイズを測定した。次いで、本発明者らは、ノイズ測定値の平均を計算し、さらに、このノイズ測定値の平均に対する各信号測定値のSNRを計算した。これらの結果は以下に示すが、33.2乃至39.0の範囲のSNRが明らかになった。これらの結果は、「ベースライン」SNRと称することもある。
Figure 2022552828000002
図2Aに示す結果とは対照的に、図2B及び図2Cの各々には、ヘリカル共振器500(例えば、図5A乃至図5C)であるユニットセル301を有する共振器アレイ300を備えた同様の1.5TMRI装置を使用した同様の9つの位置におけるMRI走査の結果が示されている。これらの結果をもたらすために、本発明者らは、図2Aに関連して上述した方式で信号及び雑音を測定したが、著しく改善されたSNRが得られている。
図2Bに対する実施形態においては、SNRは、ベースラインSNRよりもかなり高かった。これらの結果は以下に示すが、68.4乃至277.3の範囲のSNRが明らかになった。図2Bにおける場所1のSNRを図2Aにおける場所1の結果と比較すると、(33.2のベースラインSNRから277.3の改善されたSNRへの)SNRの大きい増加が示されている。
Figure 2022552828000003
図2Cに対する実施形態においては、ユニットセル301が、図2Bの形成に使用されるアレイとは異なる周期性(即ち、相互に異なる間隔)を有するアレイ300が使用された。この実施形態においても、ベースラインSNRよりもかなり高いSNRが、同様の9つの位置においてもたらされた。これらの結果は、以下に示すが、46.2乃至401.5の範囲のSNRが明らかになった。図2Cにおける場所1のSNRを図2Aにおける場所1の結果と比較すると、(33.2のベースラインSNRから401.5の改善されたSNRへの)SNRの大きい増加が示されている。
Figure 2022552828000004
一般に、共振器アレイ300は、被検体によって放出された信号のSNRを増加させる。所与のMRI装置については、共振器アレイの使用なしのMRI装置によって受信された信号のSNRに対して、共振器アレイ300の実施形態においては、そのような信号のSNRが、少なくとも45.6、50、60、95、100、120、150及び/又は少なくとも193.4、又は、45と401との間の任意の点まで増加される。
共振器アレイ
共振器アレイ300の例示的な実施形態は、図3A及び図3Bに概略的に示されている。本実施形態のアレイ300は、16個のユニットセル301を4×4アレイにおいて含むが、他の実施形態においては、より多くの又はより少ないユニットセル301を使用することができ、例えば、正方形状、ハニカム状(図3C)、又は、矩形状などの異なる配置構成で配置されるものとしてもよい。
各ユニットセル301は、「共振器」と称されることもある。なぜなら、これは、印加された電磁信号、例えば、MRI装置100によって被検体99に印加された信号、及び/又は、MRI装置100内の被検体99からユニットセル301によって受信された信号などに応じて共振するように構成されているからである。例えば、各ユニットセルは、インダクタンス(L)及びキャパシタンス(C)を有し得るものであり、従って、電気工学の分野において公知のLC共振器と同様に共振する。各ユニットセル301は、図4Aに関連して説明するように共振周波数を有し、Qを有する。
図4Aは、共振デバイスの品質係数をグラフにより示している。共振ユニットセルは、部分的に、「Q係数」又は単に「Q」と称されることのあるその品質係数によって特徴付けられるものとしてもよい。ユニットセルのQ係数は、その共振特性の尺度量である。
例えば、ユニットセル301は、MRI装置100内において被検体99の原子によって、又は、MRI装置自体から放出された電磁信号を受信することができ、この電磁エネルギーは、1つ又は複数の周波数におけるエネルギーを含み得る。このエネルギーは、電気工学の分野のLC回路から公知の方式で、ユニットセル301内において共振する。
理想的には、このエネルギーは、ユニットセルの共振周波数f(401)で共振するが、ユニットセル301は、図4Aの曲線スペクトルによって示されるように、低い周波数でもある程度共振する場合がある。最大エネルギーは、周波数f(401)であるものとしてもよく、これは中心周波数とも称され、振幅A1によって表される場合もある。他の周波数においては、エネルギーは、図4Aに概略的に示されるように中心周波数401におけるエネルギーよりも少ない。中心周波数401を上回る周波数402(これは、上方3dB周波数として公知であってもよい)、及び、中心周波数を下回る他の周波数403(これは、下方3dB周波数として公知であってもよい)においては、共振信号のエネルギーは、中心周波数401におけるエネルギーの半分になる。図4Aのスペクトル400は、ユニットセル301内において共振するエネルギーの一部が、点405に示されている基底ノイズを上回ることを示している。
次いで、ユニットセル301のQは、中心周波数(f)を上方3dB周波数と下方3dB周波数との差分(Δf又はデルタf)で除算した比として定義されている。図4Aにおいては、Qは、上方3dB周波数402と下方3dB周波数403との周波数差分410で除算された中心周波数401である。このように、Qは無次元のパラメータである。
動作中に、ユニットセル301は、被検体99内の1つ又は複数の原子から、MRI装置の作業周波数又はその近傍の周波数を有する電磁エネルギー(例えば、RFエネルギー)のパケットを受信することができる。例えば、好適な実施形態においては、MRI装置の作業周波数の(境界値を含めて)±5%以内の周波数を有する電磁エネルギーは、MRI装置の作業周波数又はその近傍にあるものとして定義される。時間にわたって(例えば、MRI装置の動作中に)、各ユニットセル301は、電磁エネルギーの多くのパケットを受信し、そのエネルギーの総和を蓄積する。ユニットセル301のQが高いほど、ユニットセル301は、受信したエネルギーをより効率的に蓄積する。
付加的に、ユニットセル301が共振すると、受信された電磁エネルギーの磁場成分が増幅され、受信された電磁エネルギーの信号対雑音比も増加する。このように、各ユニットセル301は、(場合によっては任意に)近傍に存在し得る他のユニットセルに関係なく個々に共振する能力を有し、かつ、受信した電磁エネルギーの磁場成分を増幅する何らかの能力を有する。
しかしながら、本発明者らは、個々のユニットセル301の有用性にはいくつかの限界があることを発見した。第1に、単一のユニットセル301の受信された電磁エネルギーの磁場成分を増幅する能力が限られている。第2に、ユニットセル301は、MRI装置100に良好に適合しない共振周波数を有する場合があり、その場合、受信された電磁エネルギーの磁場成分を増幅する能力は、他の場合よりも効率的でなくなる。第3に、個々のユニットセル301の共振周波数及び/又はQを、少なくともユニットセル301を分解し再構築することなく変更することは不可能である。
しかしながら、本発明者らは、ユニットセル301のアレイ300が、その構成ユニットセル301の特性の単なる集合体とは異なる特性を有することも発見した。換言すれば、共振器アレイ300は、相乗効果を呈する。
例えば、ユニットセルのアレイ300は、受信された電磁エネルギーの磁場成分の均質な増幅を提供する(例えば図5D及びその図を説明する文章を参照)。
付加的に、アレイ300の共振周波数は、その構成ユニットセル301の共振周波数とそれぞれ同等でない場合がある。むしろ、ユニットセル301は、アレイ300の共振周波数を生成するために相互に結合する。そのために、好適な実施形態においては、ユニットセル301は、相互に磁気的に結合され、相互に有線接続されない。
その上さらに、アレイ300の共振周波数は、アレイ300内のユニットセル301の間隔を適合させることによって同調させるものとしてもよい。
付加的に、アレイ300は、モジュール式であり、この方式においては、アレイ300の共振特性を著しく変化させることなく、アレイ300内に既にあるユニットセル301と同様の周期性(即ち、X方向ピッチ310及び/又はY方向ピッチ311)でユニットセル301をアレイ300に追加することができる。アレイ300内に既にあるユニットセル301と同様の周期性でユニットセル301をアレイ300に追加しても、アレイの共振特性は、アレイ300のユニットセル301の周期性を変更するほどには変化しない。このようなユニットセルの追加は、例えば、アレイ300のサイズを大きくして、より大きい被検体99又は被検体99のより大きい部位を画像化するときに望ましい場合がある。
同様に、所与の周期性を伴ってアレイ300内に既に存在するユニットセル301は、アレイ300の共振特性を著しく変化させることなくアレイ300から除去することも可能である。所定の周期性を伴うユニットセル301をアレイ300から除去しても、アレイの共振特性は、アレイ300のユニットセル301の周期性を変更するほどには変化しない。ユニットセルの除去は、例えば、MRI装置100のボア102に適合するようにアレイのサイズを小さくするときに、又は、より小さい被検体99若しくは被検体99のより小さい部位を画像化するときに望ましい場合がある。
共振器アレイ300は、MRI装置100の作業周波数又はその近傍の共振周波数を有する(即ち、アレイの共振周波数は、MRI装置100の作業周波数の(境界値を含めて)±5%以内となる)ように構成される。例えば、1.5テスラ(即ち、1.5T)MRI装置の作業周波数(又は「動作周波数」)は、約64MHzであり(これは本開示の目的のために高周波である)、3テスラ(即ち、3T)MRI装置の作業周波数は、(本開示の目的の高周波でもある)約128MHzである。
共振器アレイ300の共振周波数は、アレイ300のユニットセル301の周期性(間隔)によって、また個々のユニットセル301の共振周波数によっても部分的に決定される。図3A及び図3Bの例示的な共振器アレイ300においては、共振器は等間隔であり、各ユニットセル301は、X軸方向において37.33mmの寸法、即ち、X方向ピッチ310によって、及び、Y軸方向においても37.33mmの寸法、即ち、Y方向ピッチ311によって離間されている。この構成においては、共振器アレイ300の共振周波数463は、MRI装置100の作業周波数452を中心に置いたものである。一般に、MRI装置の作業周波数452と共振器アレイ300の共振周波数との間の差分は、MRI装置の設計者又は操作者によって指定されるものとしてもよい。好適な実施形態においては、共振器アレイ300の共振周波数は、MRI装置の作業周波数452の(境界値を含めて)±5%以内である。
より大きい周期性(即ち、より大きいX方向ピッチ310及びY方向ピッチ311)では、共振器アレイ300の共振周波数は低減し、より小さい周期性(即ち、より小さいX方向ピッチ310及びY方向ピッチ311)では、共振器アレイ300の共振周波数は増加する。図4Bは、MRI装置の作業周波数452に対する共振器アレイ300の周期性とその周波数応答との間の関係をグラフにより示している。曲線462は、点463に共振周波数を有するMRI装置100の作業周波数452に同調されたアレイ300の共振を概略的に示している。対照的に、曲線460は、点461にその共振周波数を有する、MRI装置100の作業周波数452をわずかに下回る周波数450に同調されたアレイ300の共振を概略的に示しており、また曲線464は、点465にその共振周波数を有する、MRI装置の作業周波数452よりもわずかに高い周波数454に同調されたアレイ300の共振を概略的に示している。
その結果、共振器アレイ300の共振周波数は、所与のMRI装置又は用途に対して必要に応じて又は所望のように調整及び確立することができる。例えば、本発明者らは、アレイ300の近傍に軟組織が存在すると、アレイ300を取り巻く領域の誘電率が変化し得ることを認識した。そのような誘電率の変化がMRI装置100又は共振器の動作を妨害したり又は劣化させたりする場合、共振器アレイ300の共振周波数は、共振器アレイ300のユニットセル301の間隔を変更することによって調整するものとしてもよい。
ヘリカルユニットセル
ヘリカル共振器500の形態のユニットセル301の例示的な実施形態500が、図5A及び図5B及び図5Cに概略的に示されている。共振器500は、低誘電性のコア520を取り巻くヘリカル導体510を含む。
ヘリカル導体510は、銅であるものとしてもよく、コア520を取り巻くように巻回され、それによって、コアを連続的に取り巻く各ターン(513)(又は「ループ」)がギャップ515によってその先行ターンから分離される。
ユニットセル301は、インダクタンス(L)及びキャパシタンス(C)の両方を有する。インダクタンスは、コイル状導体510から発生し、キャパシタンスは、導体510の連続するターン513間のギャップ515において発生する。その結果、ユニットセル301の共振周波数は、少なくとも部分的に、導体510のターン513の数とターン513間のギャップ515の寸法とによって決定される。従って、設計者は、コイル状導体510のその特性(例えば、ターン513の数及び/又はギャップ515)及び/又はコア520の誘電率(k)及び/又は損失角の指定を通じてインダクタンス及びキャパシタンスを確立することにより、所望の用途に適合するようにユニットセル301の共振特性を確立することができる。その上さらに、ユニットセル301のアレイ300の共振周波数は、例えば、導体510のターン513の数の増減により、及び/又は、導体510のターン513間のギャップ515の増減により、ユニットセル301の共振特性を特定又は適合することによって同調されるものとしてもよい。
いくつかの実施形態においては、導体510は、それ自体重なり合わないが、他の実施形態においては、導体510の異なる領域間に直接の電気的接触が存在しない限り、導体510は、それ自体重なり合うことが可能である。例えば、導体510は、電気絶縁性被覆512を含む場合、それ自体重なり合うことが可能である。
図5Cは、導体510なしのコア520を概略的に示している。いくつかの実施形態においては、コア520の外面523は、導体510を受容し、そのヘリカル形状を定めるヘリカル溝530を含む。
導体510の端部511は、相互にも、又は、他の導体にも、又は、他の共振器の導体510にも接続されない。その結果、導体510は、開ループ共振器又は開ループコイル又は開ループヘリカル共振器とも称され得る。
好適な実施形態においては、コア520は、低い誘電率(k)及び低い損失角を有する。例えば、コア520は、誘電率が3(k=3)であるポリ塩化ビニル(「PVC」)などの材料により作製されるものとしてもよい。本明細書において使用されているように、誘電率(比誘電率)が15より小さいものは「低誘電率」(又は「低比誘電率」)とみなされ、誘電率(比誘電率)が15以上のものは「高誘電率」(又は「高比誘電率」)とみなされる。
ただし、いくつかの実施形態におけるコア520は、3より大きい誘電率を有し得るものであり、これは、ユニットセル301のサイズを低減させる一方で、場合によってはユニットセル301の他の特性の調整を用いて同等の共振特性を維持する。例えば、本発明者らは、図5G及び図5H及び図5Iに概略的に示されるように、20℃で約80の誘電率を有する水を用いて実験した。ユニットセル500は、回路網計算機に結合された結合ループ561によって取り囲まれているシャーレ560に配置された。このシャーレ560が空気のみで満たされている場合、ユニットセル500は、図5Iの点567により示すように、63MHzの共振周波数を有する。しかしながら、水がコア520の約10パーセント(10%)を満たすようにシャーレが水を含む場合(10%における水面566)、ユニットセル500は、図5Iの点568によって示されるように55MHzの共振周波数を有している。水がコア520の約20%(20%)を満たすようにシャーレが水を含む場合(20%における水面566)、ユニットセル500は、図5Iの点569によって示されるように39MHzの共振周波数を有する。その結果、所与のユニットセル500内に空気の誘電率よりも高い誘電率を有する材料が含まれると、ユニットセル500の共振周波数が低減することが理解され得る。逆に、所与の共振周波数を有するユニットセル500を作製するために、ユニットセル500は、そのコア520内に例えば86から173の間の比較的高い比誘電率を有するユニットセル500の内部503の空気を有するユニットセル500に比較してより小さく(例えばより少ないターン513を有するように)作製することが可能である。例えば、いくつかの実施形態は、86から173の間の誘電率を有するコアを含む。いくつかの実施形態においては、比誘電率は、173よりさらに大きいものとしてもよい。そのようないくつかの実施形態には、二酸化チタンで作製されたコア520が含まれる。
いくつかの実施形態においては、コア520が省略され、ヘリカル形状に固定された導体510が含まれる(例えば、図5Bを参照)。そのような実施形態においては、空気中において、ヘリカルコイル510内の容積は、1に近い(k=1)空気の誘電率を有する。
ヘリカル共振器500の特性は、それらが使用されるMRI装置のタイプによって決定され得るものである。図5Aの実施形態においては、コア520は、外径522と、内径521と、高さ525とを有する中空の円筒形状である。しかしながら、その形状及びそれらの寸法は、すべての実施形態を限定するものではなく、数例しか挙げないが正方形又は三角形の断面を有する形状も含めて他の中実又は中空の形状が使用されるものとしてもよい。ヘリカル共振器500の例示的な実施形態の特性は、1.5TMRI装置及び3TMRI装置については以下のように与えられる。
Figure 2022552828000005
共振器アレイの動作
動作中に、共振器アレイ300は、例えば、図1A、図1B、図1C及び図1Dに概略的に示されるように、MRI装置100内の被検体99上又はその近傍に配置される。
共振器アレイ300は、MRI装置100の作業周波数452又はその付近で共振し、これによって、被検体99によって放出されたRF信号の磁場強度を増加させる。このようにして、RF信号のSNRが増加される。
共振器アレイ300は、MRI装置100による被検体99への信号送信中に、かつ、被検体99からMRI装置への高周波エネルギーの受信中に、高周波エネルギーの磁場成分を増加させる。
例えば、図5Dには、ユニットセル301がヘリカル共振器500である共振器アレイ300の一実施形態内の、ユニットセル301の(例えば、Z軸方向における)上部302上方の様々なレベルにおける磁場強度がグラフにより示されている。図5Eには、前記アレイ300の中心点における磁場増強率がユニットセル301の中央部303からの距離に依存してグラフにより示されており、これは当該増強がユニットセル301の中央部303近傍で最大となり、ユニットセルの中央部303からの距離に伴って減少することを示している。図5Dからは、磁場増強が共振器アレイ300全体にわたって実質的に均一であることに留意されたい。ヘリカル共振器500においては、磁場増強は、ヘリカル共振器500の自己共振周波数と磁場の励起周波数との間の重なり合いに起因して発生する。
有益なことに、共振器アレイ300はまた、電界の発生を実質的に回避し、又は、それらのRF信号の電界成分の増加を最小化する。例えば、共振器500の一方の端部501に発生する電界は、他方の端部502における電界をほぼ完全に打ち消す。また、種々の実施形態においては、それらのRF信号の電界成分の増加は、それらのRF信号の磁場成分の増加よりも小さい。このことは、被検体の安全性にとって有益である。なぜなら、例えば電界が被検体に火傷を負わせる可能性があるからである。具体的には、ヘリカル共振器500は、RF信号の電界と結合しないように構成されており、これにより、ヘリカル共振器500及びアレイ300によるRF信号の電界成分の増幅が緩和される。
図5Fには、ユニットセルの導体510の端部511の間に電気的に結合された付加的な固定リアクタンス550を含むヘリカル共振器500の代替的実施形態が概略的に示されている。この付加的なリアクタンス550は、導体510のインダクタンス及び/又はキャパシタンスに追加されている。付加的なリアクタンス550は、キャパシタンス(C)又はインダクタンス(L)であるものとしてもよい。実際には、付加的なリアクタンス550は、ヘリカル共振器500の他の構造のキャパシタンス又はインダクタンスと相互作用する。例えば、ヘリカル共振器500の共振周波数は、
Figure 2022552828000006
によって支配されるので、付加的なリアクタンス550にインダクタ(L)を含めると、上述したのと同様の共振特性を有するが、ターン513の数がより少ないヘリカル導体500及び/又は螺旋の直径521がより小さいヘリカル導体500が生成される。同様に、キャパシタ(C)が付加的なリアクタンス550に含まれることにより、上述したのと同様の共振特性を有するがヘリカル導体510からより小さいキャパシタンスしか要求されないヘリカル導体500が生成される。
BC-SRRユニットセル
ブロードサイド結合型スプリットリング共振器600(「BC-SRR」)の形態のユニットセル301の一実施形態が、図6Aに概略的に示されている。このBC-SRR共振器600は、2つの「C字」形状スプリットリング共振器610,620を含み、各々がギャップ611,621をそれぞれ画定している。スプリットリング共振器610,620は、図6AのX-Y平面において相互に平行に配置され、相互に交差したり又は物理的に接触したりしていない。図6Aに示されるように、スプリットリング共振器610,620は、それらのギャップ611,621が対角線上で相互に対向するように(即ち、相互に180度の位置にあるように)配置されている。BC-SRRユニットセルは、ギャップ611,621が相互に180度の位置にない場合においても良好に共振するが、発明者らはこの配置構成が最も低い電界を生成することを発見したためこれが好適な配置構成とした。上方のスプリットリング共振器610は、BC-SRR600の上面601を画定し、参考までに、BC-SRR600の下面602を画定する。
BC-SRRユニットセル600においては、磁場増強は、ユニットセル600の自己共振周波数と磁場の励起周波数との間の重なり合いに起因して発生する。BC-SRRユニットセルは、励起された電気双極子が打ち消しを呈するように構成されており、これにより、ユニットセル301及びアレイ300によるRF信号の電界成分の増幅が緩和される。
図6B乃至図6Dには、64MHzにおける共振のために構成されたBC-SRR600の動作特性が概略的に示されている。
図6Bには、単一ユニットセルBC-SRR600の、X-Z平面における断面の磁場(Bz)分布が概略的に示され、図6Cには、BC-SRR600の上面601から10ミリメートル離隔したX-Y平面におけるその磁場分布が概略的に示されている。図6Dには、BC-SRR600の上面601から10ミリメートル離隔した点における磁場増強係数が概略的に示されている。この実施形態においては、BC-SRR600の一方の端部(即ち、上面601に最も近い端部)において発生する電界は、他方の端部(即ち、下面602に最も近い端部)における電界をほぼ完全に打ち消す。
図6Eには、BC-SRRユニットセル600のアレイ300が概略的に示されている。この実施形態においては、BC-SRRは、高誘電性基板650上にフォトリソグラフィによって作製されている。
共振器アレイ300の実施形態は、剛体であるものとしてもよいし、可撓性であるものとしてもよい。例えば、図6EのBC-SRR共振器のアレイ300は、剛体であるものとしてもよいが、図7A及び図7Bのアレイ300は、可撓性である。図7AのBC-SRRアレイ300は、可撓性基板700を有するが、これは、図7Aに示すように、例えば被検体99の四肢799を取り巻くように巻回することも可能である。同様に、ヘリカル共振器500のアレイ300は、可撓性基板700を有し、これは、被検体99の身体の一部の輪郭に合わせることも、又は、円錐状に形成することさえも、可能である。
いくつかの用途においては、被検体からMRI装置への高周波信号の送信中にのみ高周波エネルギーの磁場成分を増加させ、MRI装置100から被検体99への高周波エネルギーの送信中には増加させないことが望ましい場合もある。このために、いくつかの実施形態は、同調可能なアレイ300及び同調可能なユニットセル301を含む。
図8A乃至8Gには、同調可能なユニットセル301の実施形態が概略的に示されている。この同調可能なユニットセル301を有するアレイ300は、その構成ユニットセル301の同調によって同調可能である。
図8Aには、同調可能なユニットセル301が概略的に示されている。この同調可能なユニットセル301は、例えば、上述したヘリカルコイル500又は上述したBC-SRR600を結合器801と共に含み得る。
結合器801は、当該結合器801の導電率が第2の状態におけるその導電率よりも低い第1の状態も含めて少なくとも2つの電気的状態(又は「インピーダンス」状態)を有している。換言すれば、結合器801の電気インピーダンスは、第2の状態においてよりも第1の状態においての方が高い。ユニットセル301の共振特性は、結合器801の状態に依存して変化する。
図8Aの実施形態においては、結合器801は、ヘリカルコイル(例えば500)の2つの端部511の間に電気的に結合されているが、後述するように、いくつかの方式で1つ又は複数のユニットセルに結合されるものとしてもよい。その第1の状態においては、結合器801のインピーダンスは、ユニットセル301の動作が上述したようになる十分な高さとなる。しかしながら、第2の状態においては、結合器のインピーダンスはより低くなり、コイル500の2つの端部511の間の導電パスを介して電気的接続が形成される。この電気的接続は、ヘリカルコイル500の特性を変化させ、それによって、ヘリカルコイル500がもはや共振しなくなり、又は、その共振周波数がMRI装置の作業周波数452から離隔した周波数にシフトする。一般に、結合器801が第2の状態にある場合、MRI装置の作業周波数452とヘリカルコイルの共振周波数との間の差分は、MRI装置の設計者又は操作者によって指定されるものとしてもよい。例えば、好適な実施形態においては、結合器801が第2の状態にある場合、ヘリカルコイル500の共振周波数は、(それが共振するにしても)その共振周波数がMRI装置の作業周波数452と少なくとも±15パーセント異なるように、及び/又は、結合器801が第1の状態にある場合のその共振周波数と少なくとも±15パーセント異なるように、変化する。その結果、結合器801の状態の変更により、ユニットセル301の共振特性が変化する。一般に、ユニットセル300(本例においては、ヘリカルコイル500)の共振周波数が、MRI装置の作業周波数452と少なくとも±15パーセント異なり、及び/又は、結合器801が第1の状態にある場合の共振周波数と少なくとも±15パーセント異なる場合、このユニットセルは、「実質的に非共振である」といえる。
その上さらに、そのようなユニットセル301のアレイ300においては、結合器801の状態の変更により、アレイ300の動作特性が変化する。例えば、結合器801が第1の状態にある場合、各ユニットセル301、及び、そのようなユニットセル301のアレイ300は、図3A乃至図3C、図4A乃至図4B、図5A乃至図5F及び図6A乃至図6Eに関連して上述したように動作する。結合器801が第2の状態にある場合、アレイ300の共振特性は、アレイ300によって生成される磁場の増幅が減少するように変更される。実質的に、各ユニットセル301及びアレイ300は、結合器801を第1の状態に置くことによって「ターンオン」することができ、結合器801を第2の状態に置くことによって「ターンオフ」することができる。種々の結合器801、ユニットセル301の構成、及び、アレイ300の構成については後述する。一般に、結合器801は、非線形材料又は非線形デバイスと称される場合がある。
図8Bには、BC-SRR600のアレイ300が概略的に示されている。各BC-SRRユニットセルは、少なくとも1つの結合器801を含み、いくつかの実施形態においては、2つ以上の結合器801を含む。図8Bの結合器801は、半導体パッチ810とも称される。半導体パッチ810は、例えば、MRI装置100からのRFエネルギーには反応してそのインピーダンスが変化するが、被検体99からの信号の一般的にはるかに低量のRFエネルギーには反応しないドープシリコンであるものとしてよい。半導体パッチは、非線形であると言ってよい。
例示的な実施形態においては、半導体パッチ810の半導体材料は、数例しか挙げないが、GaAs、InAs、又は、InSbであるものとしてよい。好適な実施形態は、半導体材料としてGaAsを使用する。ドープなしの真性GaAsは、2.1*10cm-3の電荷担体密度を有する。
半導体の特性は、ドープによって調整される。ドープは、半導体分野において既知である。例示的な実施形態においては、GaAsは、3*10cm-3の電荷担体密度を有するようにドープされている。
例示的な実施形態においては、半導体パッチ810は、ドープされた半導体(例えば上記のようにドープされたGaAs)の2インチ又は4インチのウェハ(0.5mm厚)から準備されるものとしてもよい。ウェハは、3mm×5mmのサイズのパッチにダイシングされ、2つの電極が、2*10-6mのようなマイクロメートルサイズのギャップで、半導体分野において既知の方式でパッチ上にパターン化される。
図8Aに概略的に示されるように、半導体パッチ810は、ユニットセル301に電気的に結合(例えばはんだ付け)される。交番磁場(例えば、高周波電磁信号)の印加により、マイクロメートルサイズのギャップにおいて、ギャップにおける衝突電離を励起する400kV/cmという高さの強電界を誘起することができる。
例示的な実施形態においては、MRI装置100がそのような交番磁場(例えば、高周波電磁信号)を印加していない場合、半導体パッチ810の導電率は、約1*10-7(Ωcm)-1である(例示的な実施形態においては、10cm-3までの電荷担体密度である)。対照的に、MRI装置100が上述したように刺激を印加する場合、半導体パッチ810のドープされたGaAsの導電率は約20(Ωcm)-1まで増加し(例示的な実施形態においては、1018cm-3までの電荷担体密度である)、その結果として、本明細書において説明するユニットセル301の共振周波数シフトが発生する。
ドープされた半導体パッチ810を例として取り上げれば、MRI装置100によるRFエネルギーの送信中に、BC-SRR600のギャップ又は金属ヘリックス500の内部における電界は非常に高くなり、そのため、ドープされたシリコン半導体パッチ810の電荷担体密度は、そのようなRFエネルギーが存在しない場合よりもはるかに高いレベルまで励起される。この状態においては、ドープされたシリコン半導体パッチ810は、導体として扱うことができる。その結果、MRI装置100によるRFエネルギーの送信中に、ユニットセル301の共振周波数は、MRI装置100によって送信されるRFエネルギーの周波数から偏差する。
対照的に、ユニットセル301による被検体99からのRF信号の受容中(これはMRI装置100がRFエネルギーを送信していない場合に発生する)、上述した電界強度ははるかに低くなり、そのため、ドープされたシリコン半導体パッチ810は有効な導体とはならない。その結果、各ユニットセル301の共振周波数は、ドープされたシリコン半導体パッチ810がアイソレータとして機能しているので、MRI装置100の作業周波数452に整合されたままである。
半導体パッチ810は、BC-SRR600における第1のSRR610の第1のギャップ611内に配置されており、MRI装置100からのRFエネルギーに応じてその状態を変化させる。より具体的には、MRI装置100からのRFエネルギーがなければ半導体パッチ810は、第1の状態(高インピーダンス)にあり、そのため、BC-SRR600は、図6A乃至6Eに関連して上述したように動作する。しかしながら、MRI装置がRFエネルギーを送信した場合、半導体パッチ810は、そのインピーダンスを第2の状態(低インピーダンス)に変化させ、従って、第1のギャップ611の相対向する端部612,613が電気的に結合され、これによって、BC-SRR600の物理的特性及び共振特性が変化し、それによって、上述したようにアレイ300の動作特性が変化する。
いくつかの実施形態においては、BC-SRR600のSRR610,620の各々は、上述したように各ユニットセル301及びアレイ300の特性をさらに変化させる半導体パッチ810を含む。
図8Cには、ヘリカルユニットセル500のアレイ300が概略的に示されている。この実施形態においては、半導体パッチ810は、隣接するユニットセル301の各端部511の間に結合されており、好適には、ヘリカルコイル自体が、例えばヘリカルターン513によって取り巻かれる場合、内部802内に配置される。この構成においては、MRI装置100からのRFエネルギーがなければ半導体パッチ810は、第1の状態(高インピーダンス)にあり、そのため、共振器500は、図5A乃至図5Fに関連して上述したように動作する。しかしながら、MRI装置がRFエネルギーを送信した場合、半導体パッチ810は、そのインピーダンスを第2の状態(低インピーダンス)に変化させ、従って、隣接するユニットセル301が共に結合され、これによって、上述したようにアレイ300の動作特性が変化する。
図8D及び図8Eには、結合器801がスイッチ820である結合器801の代替的実施形態とそのような結合器801を有するアレイ300の代替的実施形態とが概略的に示されている。これらの実施形態におけるユニットセル301は、制御信号821に応じるが(従って、MRI装置100又はそのコントローラ140と制御通信していると言ってもよい)、アレイ300の各々は、磁場の増幅と被検体99からの信号のSNRの増加のための外部エネルギーの入力を必要としない点において、依然として受動的とみなされ得る。
図8Dにおいては、各BC-SRR600の少なくとも1つのSRR610は、そのギャップ611に配置されたスイッチ820を有する。MRI装置からの(例えばコントローラ140からの)制御信号821は、スイッチ820をその第1の状態(高インピーダンス)と第2の状態(低インピーダンス)との間で変化させ、従って、第1のギャップ611の相対向する端部612,613が電気的に結合される。これらの2つの状態は、図8Bに関連して上述したように、BC-SRR600の共振特性を変化させ、それによって、アレイ300の動作特性が変化する。いくつかの実施形態においては、BC-SRR600のSRR610,620の各々は、上述したように各ユニットセル301の特性及びアレイ300の特性をさらに変化させるスイッチ820を含む。
図8Eには、ヘリカルユニットセル500のアレイ300が概略的に示されている。この実施形態においては、スイッチ820が、隣接するユニットセル301の各端部511の間に結合されている。MRI装置からの制御信号821は、スイッチ820をその第1の状態(高インピーダンス)と第2の状態(低インピーダンス)との間で変化させる。これらの2つの状態は、図8Cに関連して上述したように、ヘリカルセル500の共振特性を変化させ、それによって、アレイ300の動作特性が変化する。
図9は、被検体99を磁気共鳴イメージングする方法の一実施形態のフローチャートである。ステップ901においては、ボア102と作業周波数とを有するMRI装置100を準備することが要求される。このMRI装置100は、例えば64MHzの作業周波数を有する1.5テスラMRI装置又は128MHzの作業周波数を有する3テスラMRI装置であるものとしてよい。
ステップ902は、ボア102内に被検体を配置することを含み、ステップ903は、ユニットセル301のアレイ300を被検体と共にボア内に配置することを含む。ステップ902及び903は、相互に関連して任意の順序で実行されるものとしてもよいことに留意されたい。
好適な実施形態においては、アレイ300は、MRI装置100が被検体99を画像化する場合に、ボア102内の被検体99と共にMRI装置100のボア102内に配置可能なサイズである。例えば、ユニットセル301のアレイ300は、上述したアレイ300のいずれであってもよい。
好適な実施形態においては、アレイ300の各ユニットセル301は、共振周波数を有し、アレイ300は、MRI装置100の作業周波数又はその近傍の共振周波数を有する。
ステップ904においては、本方法により、MRI装置を用いて被検体99が当技術分野において公知の方式により画像化される。
いくつかの実施形態においては、ステップ904は、MRI装置が被検体99に(例えば高周波数の)電磁刺激を印加していない場合には結合器801がその第1の状態(高インピーダンス)になるように制御し、MRI装置が被検体にそのような刺激を印加している場合には結合器801がその第2の状態(低インピーダンス)になるように制御するステップをさらに含む。例えば、結合器801がスイッチ820である場合、ステップ904は、上述したように、コントローラ140からの制御信号821を用いてスイッチ820を制御するステップを含み得る。他の例として、結合器801が半導体パッチ810である場合、ステップ904は、MRI装置100からの電磁刺激を差し控えることによって半導体パッチ810をその第1の状態(高インピーダンス)になるように制御し、MRI装置100から電磁刺激を印加することによって半導体パッチ810をその第2の状態(低インピーダンス)になるように制御するステップを含み得る。そのような実施形態においては、結合器801は、MRIが被検体に電磁刺激を印加していないときには高インピーダンス状態(従って、ユニットセル301は共振状態)となり、また、結合器801は、MRIが被検体にそのような電磁刺激を印加しているときには低インピーダンス状態(従って、ユニットセル301は実質的に非共振状態)となる。
非線形制御可能なアレイ
いくつかの用途においては、MRI装置100によって被検体99に提供される励起信号を増幅することなく、メタマテリアルアレイ300にMRI装置100内の被検体99からの応答信号を増幅させるようにメタマテリアルアレイ300を制御することが望まれる場合がある。その上さらに、MRI装置又は別個のコントローラが、MRI装置の送信モード及び受信モードの動作を用いてメタマテリアルアレイの制御を調整することを必要とせずに、その目的のためにメタマテリアルアレイ300を自動的に制御することが望まれる場合もある。
これらの目的のために、後述する実施形態は、バラクタ装荷型スプリットリング共振器(「VLSRR」)などの非線形制御共振器1000と共に使用される線形メタマテリアル(「LMM」)300(本願で上述した1つ又は複数のメタマテリアルアレイなど)を含む制御可能なアレイアセンブリ1100(これは非線形メタマテリアル又は「NLMM」とも称され得る)を説明している。
非線形メタマテリアル1100は、MRI装置100のボア102内に配置されるように構成され、MRIのSNRを増強するように動作し、性能における顕著な改善を達成する。線形メタマテリアル300及び/又は非線形メタマテリアル1100は、MRI装置100の一部ではないことを理解されたい(例えば、それらは、MRI装置100の本体コイル102又は他のコイルの一部ではない)。代わりに、非線形メタマテリアル1100は、MRI装置100と共に使用するためのアクセサリとして説明され得る。
例示的な実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリ1100の共振は、(MRI装置100からの)高周波励起強度のより高い程度に応じて抑制され、(MRI装置100からの)その後の低い励起強度段階の間に回復し、それによって、MRI装置100からの励起信号の強度を受動的に感知し、それに従って応答することによってインテリジェント挙動又は非線形挙動を示す。NLMM1100の非線形応答は、そのような実施形態が、磁気共鳴イメージング中の信号対雑音比をかつてない程度まで高めることを可能にする。そのような実施形態は、励起強度に従ってその共振応答を適応的に変化させることができるインテリジェントな非線形メタマテリアルを実証する。
いくつかの実施形態は、「自己適応型」として、又は、「自己適応的」応答を有するものとして説明され得る。MRI装置100のRF送信段階において、強い励起RF磁場は、制御可能なアレイアセンブリ1100に非線形応答を誘起し、その共振シフトのためにその磁場増強性能を効果的にオフにする。MRI装置100のRF受信段階の間、制御可能なアレイアセンブリ1100はアクティブになり、MRI装置100の共振周波数において動作し、受信されたRF応答信号を増強する。
図10Aには、制御共振器と称され得る非線形共振器1000の一実施形態が概略的に示されている。この非線形共振器1000の非線形特性は、次のような共振特性、即ち、少なくとも2つの異なる共振周波数を有し、第1の共振周波数の1つを想定してから、第2の共振周波数の1つに切り替えるように制御することができる共振特性に由来する。
そのために、非線形共振器1000は、第1の端部1011と第2の端部1012とを有する共振器コイル1010を含む。この共振器コイル1010は、インダクタンスとキャパシタンスとを有し、電気的共振周波数を有する。
いくつかの実施形態においては、共振器コイル1010は、第1の端部1011と第2の端部1012とがスプリットリング内のギャップ1013を形成しているスプリットリング共振器である。他の実施形態においては、共振器コイル1010は、図10Bに概略的に示されるような導電性ループ又はヘリカルコイルであり、この場合、第1の端部1011及び第2の端部1012は、コイル1010の端部であり、ギャップ1013を形成している。
非線形共振器1000は、第1の端部1011と第2の端部1012との間に電気的に結合された制御結合器1020も含む。この制御結合器1020は、制御可能に可変なインピーダンスを有する。
例えば、いくつかの実施形態においては、結合器1020は、第1のインピーダンス状態(例えば第1のキャパシタンス)と第2のインピーダンス状態(例えば第2のキャパシタンス)との間で制御可能に変更され得るキャパシタンスを有している。そのような制御結合器1020は、例えば、バラクタであるものとしてもよい。
他の実施形態においては、制御結合器1020は、電界効果トランジスタなどのトランジスタ、又は、微小電気機械(「MEMS」)スイッチであるものとしてもよい。いくつかの実施形態においては、結合器1020は、コイル1010の端部1011,1012に溶接される。
非線形共振器1000の共振周波数は、共振器コイル1010の共振周波数と結合器1020のインピーダンスとによって決定される。結合器1020のインピーダンスは、第1のインピーダンス状態と第2のインピーダンス状態との間において制御可能に可変であるため、非線形共振器1000の共振周波数は、これに対応して、第1の共振状態と第2の共振状態とに制御可能に構成されている。換言すれば、結合器1020が第1のインピーダンス状態にある場合、非線形共振器1000は第1の共振状態にあり、結合器1020が第2のインピーダンス状態にある場合、非線形共振器1000は第2の共振状態にある。
例示的な実施形態において、制御可能なアレイアセンブリ1100は、線形ヘリカル共振器のアレイ300と、結合されたバラクタ装荷型スプリットリング共振器1000とからなり、高出力RF励起の下で双安定的非線形応答を特徴とする。
図11Aには、制御可能なアレイアセンブリ(又は非線形メタマテリアルアセンブリ)1100の一実施形態が概略的に示されている。図11Bには、制御可能なアレイアセンブリ1100の他の実施形態及びその構成部品が概略的に示されている。例示的な実施形態は、MRIの送信段階の間は沈黙を保ち、被検体99の均一でかつ最適な励起を可能にし、受信段階の間はアクティブとなり、磁場の増強及び被検体99からの応答信号の信号対雑音比の増幅をもたらす。
制御可能なアレイアセンブリ1100は、例示的な実施形態においては、MRI装置100のボア102内の特定の信号を拡大するように構成され、信号拡大システムと称される場合もある。制御可能なアレイアセンブリ1100は、MRI装置100の一部ではなく、代わりにMRI装置100と共に使用することができるアクセサリであることに留意されたい。
制御可能なアレイアセンブリ1100は、メタマテリアル共振器のアレイ300を含む。メタマテリアル共振器のアレイ300は、例えば、本明細書に開示されるメタマテリアル共振器のアレイ300のいずれであってもよい。アレイ300の例示的な実施形態は、少なくとも2つのメタマテリアル共振器を含むが、2よりも多いメタマテリアル共振器、例えば、そのような共振器のN×M個のアレイを含むことも可能であり、ただし、N及びMは、整数である(例えば、N及び/又はMは、2,3,4,5,6,7,8のいずれかであるものとしてもよい)。
制御可能なアレイアセンブリ1100は、メタマテリアル共振器のアレイ300に隣接して配置された非線形共振器1000(「制御共振器」1000と称され得る)も含む。この非線形共振器1000及びアレイ300は、それらの間のギャップ1111を画定する。いくつかの実施形態においては、このギャップ1111は、例えば、2cmであるものとしてもよい。しかしながら、他の実施形態においては、このギャップ1111は、2cmより大きいものとしてもよいし、小さいものとしてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、非線形共振器1000は、アレイ300と同一平面上に配置されるものとしてもよく、それにより、ギャップ1111は0cm(0センチメートル)になる。図11Eは、アレイ(LMM)の上面から異なる場所の点に対する磁場(B)増強比を示すグラフである。
制御可能なアレイアセンブリ1100の例示的な実施形態は、非線形共振器1000とアレイ300との間に配置されたスペーサ層1110を含む。いくつかの実施形態においては、このスペーサ層1110は、例えば、プラスチック又は発泡体などの非金属及び非磁性材料を含む。他の実施形態においては、スペーサ層1110は、真空であるものとしてもよいし、又は、空気などの気体であるものとしてもよい。
図11Cは、アレイ300と非線形共振器1000との間の異なるギャップ1111に対する制御可能なアレイアセンブリ1100のスペクトルを示すグラフである。
図11Dは、制御可能なアレイアセンブリ1100の、高励起の場合の(即ち、MRI装置100がMRI装置のボア102内の被検体99に対して励起信号を提供する、MRI装置100の動作の送信フェーズ中の)スペクトルと、低励起の場合の(即ち、被検体99がその励起信号に応じて生成する、MRI装置100の動作の受容フェーズ中の)スペクトルとを示すグラフである。高励起(MRI動作の送信フェーズ)の場合、共振はオフ(ライン1191)であり、低励起(MRI動作の受容フェーズ)の場合、共振はオン(ライン1192)であり、被検体99によって生成される応答信号の磁場が増強される。
図12A、図12B、図12C、図12D、図12E及び図12Fには、制御可能なアレイアセンブリ1100とその構成部品の他の実施形態が概略的に示されている。
アレイ300の応答は、以下の式(式1)
Figure 2022552828000007
によって表され得るものであり、ここで、αは、共振器のモード振幅、1/τe1及び1/τ01は、それぞれ放射損失及びオーミック損失に起因する減衰率、sは、励起信号を表す。
図12Aに示すような螺旋のアレイ300からなる線形メタマテリアルの場合、そのコレクティブモードの応答は、共振周波数において最大化される共振器アレイの発振強度を用いて式(1)を使用して簡単にモデル化され得るものである。共振器の応答(|α|/|s|)は、図12Bに示す結果によって示されるように励起強度に依存しない。メタマテリアルアレイ300の共振は、アレイ300の近接磁場における磁場増強を誘起する。注目すべきことに、結合モード理論(「CMT」)は、応答の集中パラメータ記述を提供するが、設計の詳細は無視することができ、従って、このアプローチは、数例しか挙げないが、単一ユニットセル、2×1又は4×4ユニットセル構成など任意の数のユニットセルからなる線形メタマテリアルアレイ300に対してそのまま有効である。
上述した線形メタマテリアル(例えばアレイ300)の応答とは対照的に、スプリットリング共振器(図12Cに示すようなSRR)のバラクタなど、共振器1100内に既存の非線形要素1000が存在する場合、共振器1100の応答は励起強度に依存する。バラクタ装荷型スプリットリング共振器1000(VLSRR)の場合、その共振周波数は、共振器1000における発振強度に依存して変化する。スプリットリング共振器1000における発振強度が比較的低い場合、バラクタ1020は元のキャパシタンスを維持する。しかしながら、スプリットリング共振器1000における発振強度が高い(即ち、相対的に高い)場合、バラクタ1020における整流効果が、バラクタ1020に対する駆動電圧として作用し、そのキャパシタンスを増加させ、その結果として、スプリットリング共振器1000の共振周波数が低下する。スプリットリング共振器1000の励起電力依存応答は、以下の式(式2)
Figure 2022552828000008
によってモデル化される。ここで、αは、スプリットリング共振器1000のモード振幅、ωo2は、スプリットリング共振器1000の元の共振周波数、1/τe2及び1/τ02は、それぞれ放射及びオーミック損失に起因する減衰率、λは、バラクタ1020の特性によって決定する非線形係数である。
励起強度が低い場合(例えば|s|=0.001)、図12Dに示すように、スプリットリング共振器1000は、指定された共振周波数(ωo2)においてそのピーク振幅(1211)で線形的に挙動する。励起強度が増加するにつれて、VLSRRの共振周波数は、より低い周波数にシフトする(1212)。励起強度が十分に高い場合、スプリットリング共振器1000は、周波数が増加するにつれて、スペクトルにおいて急激な遷移を示す。これは、スプリットリング共振器1000の振幅応答における双安定的非線形挙動に起因するものである。周波数シフトと共に、共振器におけるピーク発振振幅は減少する。
制御可能なアレイ1100が、相互に近接するヘリカル共振器アレイ300とスプリットリング共振器1000とから構成されている場合、図12Eの実施形態に示されるように、非線形メタマテリアル(NLMM)が形成される。共振器アレイ300とスプリットリング共振器1000との間の相互作用を記述するために、結合係数(k)が以下の式(式3)のようにシステムに導入される。
Figure 2022552828000009
このシステム1100においては、2つのパラメータ、Δω及びkは、変数であるが、他のすべてのパラメータは、材料特性及び構造設計によって決定され得るものである。図12Eの例示的な実施形態は、ヘリカル共振器アレイ300とスプリットリング共振器1000との間の適度な結合度を示す結合係数k=0.2と、任意の共振周波数差分としてΔω=0.3とを有する。異なる励起強度に対して計算された発振モード振幅は、図12Fに示される。ヘリカル共振器アレイ300とスプリットリング共振器1000との間の結合効果のために、2つの共振ピーク(1231;1232)が低励起条件のスペクトルに現れる。第1のモードでは、ヘリカル共振器アレイ300とスプリットリング共振器1000との共振は同相であるが、第2のモードでは、それらは、位相がずれている。定性的には、第1のモード(ピーク1231)における強い発振振幅は、励起が低いときには、制御可能なアレイ1100の近傍において強い磁場増強をもたらす。励起電力が増加すると、両方の共振モードがより低い周波数にシフトし、励起が臨界励起強度を超えると双安定応答が現れる。ピーク発振振幅は、劇的に減少し(ピーク1232)、これは磁場増強の減少をもたらす。
図13は、制御可能なアレイアセンブリ1100の実施形態の動作を示すフローチャートである。
ステップ1310においては、本方法は、制御可能なアレイアセンブリ1100を準備するステップを含む。この制御可能なアレイアセンブリ1100の例示的な実施形態は、MRI装置100の作業周波数の信号を増幅するように構成された共振器アレイ300を含むが、これは、以下に説明するように第1のモードにおける制御共振器1000の共振器アレイ300に結合するためのものである。
ステップ1320においては、本方法は、制御可能なアレイアセンブリ1100を、それがまだその場所にない場合に、MRI装置100のボア102内に配置するステップを含む。好適な実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリ1100は、MRI装置100によって画像化すべき被検体99と共にMRI装置100のボア102内に配置される。
ステップ1330は、制御可能なアレイアセンブリ1100を第1のモード(又は「パススルー」モード)に構成するステップを含み、このパススルーモードでは、制御可能なアレイアセンブリ1100は、MRI装置100によって被検体99に提供された励起信号を実質的に増幅しない。
そのために、ステップ1330は、制御共振器1000を第1の共振状態に構成するように、制御結合器1020を第1のインピーダンス状態(Z1)に構成するステップを含む。制御共振器1000は、制御可能なアレイアセンブリ1100のためのパススルー共振周波数(F1)を確立するために、共振器アレイ300に(例えば、共振器アレイ300における各共振器に)結合される。このパススルーモードでは、制御可能なアレイアセンブリ1100のための共振周波数(F1)は、MRI装置100の作業周波数(ω)から(より大きくなるように、又は、より小さくなるように)オフセットされ、その結果、MRI装置100の本体コイル120によって被検体99に提供される刺激信号の増幅が小さくなる。パススルーモードでは、共振器アレイ300は、MRI装置100の本体コイル120によって被検体99に提供される刺激信号を、後述する増幅モードでするときよりも小さく増幅する。
ステップ1335は、MRI装置100を送信モードに制御し、MRI装置100から被検体99に刺激信号を提供するステップを含む。
ステップ1340は、MRI装置100を受容モードに制御し、被検体99によって生成された応答信号をMRI装置100で捕捉するステップを含む。好適な実施形態においては、ステップ1345は、MRI装置100が受容モードに移行した後においてのみ実行される。
ステップ1345は、制御可能なアレイアセンブリ1100を第2のモード(又は「増幅」モード)に構成するステップを含み、ここで、制御可能なアレイアセンブリ1100は、被検体によって生成され、被検体によってMRI装置100に提供される信号を実質的に増幅させる。好適な実施形態においては、制御可能なアレイアセンブリ1100を増幅モードに構成するステップ1345は、MRI装置100が送信モードにあるときには行われない。
そのために、ステップ1345は、制御共振器1000が第2の共振状態に構成されるように、制御結合器1020を第2のインピーダンス状態(Z2)に構成するステップを含む。この状態において、制御共振器1000は、制御可能なアレイアセンブリ1100のための増幅共振周波数を確立するために共振器アレイ300に(例えば共振器アレイ300内の各共振器に)結合される。この増幅モードでは、制御可能なアレイアセンブリ1100のための共振周波数(F2)は、被検体99によって生成され、本体コイル120(及び/又は患者コイル130)によって受信される応答信号の周波数に実質的に等しいので、共振器アレイ300は、アレイ300について上述した方式で被検体99によって生成される信号を増幅する。この増幅モードでは、共振器アレイ300は、MRI装置100の本体コイル120によって被検体99に提供される刺激信号を、上述のパススルーモードにおいて行う場合よりも増幅する。
以下の表は、作業周波数「ω」を有するMRI装置100について上記したモードをまとめたものである。
Figure 2022552828000010
ステップ1350は、MRI装置100によって被検体に提供された励起信号に応じて、被検体からMRI装置100によって受信された信号を処理するステップを含む。
上記は、MRI装置100のボア102内において使用するための信号拡大アクセサリ1100を説明しており、このMRI装置は、送信モードにおいて、送信周波数を有する励起信号をボア102内の被検体99に送信するように配置された送信コイル120と、受信モードにおいて、応答周波数を有する応答信号を被検体99から受信するように配置された受容コイル(120及び/又は130)とを備えている。本アクセサリ1100は、複数のメタマテリアル共振器を有する共振器アレイ300を含み、これらのメタマテリアル共振器の各々は、共振周波数を有し、これらのメタマテリアル共振器は、印加された電磁信号に応じて相互に誘導結合するように配置されている。
アクセサリ1100は、(i)共振器コイル1010と、(ii)当該共振器コイルに結合された制御可能なインピーダンス1020とを有する非線形制御共振器1000も含む。この制御共振器1000は、制御可能なインピーダンス1020が第1のインピーダンス状態にある場合は第1の共振周波数を有し、制御可能なインピーダンス1020が第2のインピーダンス状態にある場合は第2の共振周波数を有する。
アクセサリ1100の例示的な実施形態は、共振器アレイ300と制御共振器1000との間に配置されたスペーサ層1110も含み、当該スペーサ層1100は、共振器アレイ300と非線形制御共振器1000との間のギャップ(d)1111を画定する。共振器コイル1000及び制御可能なインピーダンス1020は、(i)MRI装置100が送信モードにある場合には共振器アレイ300と協働してMRI装置100の送信周波数からオフセットされた第1のアレイ共振周波数を生成し、(ii)MRI装置100が受信モードにある場合には共振器アレイ300と協働して応答信号を拡大するように応答周波数に等しい第2のアレイ共振周波数を生成する制御共振器1000が構成されるよう選択される。
アイソレータ
図14Aには、制御可能なアイソレータアセンブリ1400の一実施形態が概略的に示されている。図14Bには、集積回路1401上の制御可能なアイソレータアセンブリ1400の一実施形態が概略的に示されている。
制御可能なアイソレータアセンブリ1400は、強固に結合された共振器における非線形効果に基づいて動作し、これは、順方向及び逆方向に伝搬するRF信号の間で明確なコントラストを提供する。例示的な実施形態は、2つのポート1421,1411の間に2つの共振器1000,1430を含み、そのうちの1つ(1000)には、非線形応答を可能にするバラクタ(例えば1020)が装荷されている。このバラクタ1020は、共振器1000によって受容される電力により自動的にターンオン及びターンオフされるように設計することができる。例えば、共振器は、ポート1421からポート1411への信号に対してはターン「オフ」して送信を禁止することができる一方で、共振器1000は、ポート1411からポート1421への信号に対してはターン「オン」することが可能である。
例示的な実施形態においては、RF信号がポート1421から入射した場合、非線形共振器1000内のバラクタ1020を横切る電界は高く、これは、非線形共振器1000の共振周波数をシフトさせ、非線形共振器1000における共振振幅を減少させる。これにより、ポート1421からポート1411への信号の弱い送信が誘起される。しかしながら、RF信号がポート1411からのものである場合、線形共振器1430において強い共振が誘起されるが、非線形共振器1000における共振は比較的小さく、これが非線形共振器1000の共振周波数を変化させることはできない。ポート1411からポート1421への送信は、この状態では高い。
その結果、制御可能なアイソレータアセンブリ1400は、第1の共振器1430から非線形共振器1000へのギャップ1440を横切る第1の信号の送信は許容するが、反対方向の第2の信号の送信、即ち、非線形共振器1000から第1の共振器1430へのギャップ1440を横切る送信は抑制又は禁止する。
それらのために、第1の共振器1430は、特性共振周波数(Fc)を有する。いくつかの実施形態における第1の共振器1430は、一例しか挙げないが、メタマテリアル共振器などの線形共振器である。
非線形共振器1000は、非線形共振器1000が第1の共振器1430の特性共振周波数に等しい第1の共振周波数(F1)を有する第1の共振状態(Fc=F1)と、非線形共振器1000が第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数(F2)を有する第2の共振状態とに制御可能に構成可能である。例えば、非線形共振器1000は、その制御結合器1020が第1のインピーダンス状態(Z1)にある場合に第1の共振周波数(F1)を有し、その制御結合器1020が第2のインピーダンス状態(Z2)にある場合に第2の共振周波数(F2)を有している。
特性共振周波数(Fc)に等しい周波数(例えば搬送波周波数の中心周波数)を有する信号が、第1の共振器1430に提供される場合、第1の共振器1430は共振し、非線形共振器1000上の信号のコピーを誘導的に誘起させる。例示的な実施形態においては、第1の共振器1430上の信号は、アイソレータギャップ1440を横切って制御結合器1020におけるインピーダンス状態の変化を誘起するのに十分な強さではない。
対照的に、そのような信号が非線形共振器1000に提供される場合、その信号の電力は、制御結合器1020に衝突し、制御結合器1020のインピーダンスを第2のインピーダンス状態(Z2)に変化させ、それによって、非線形共振器が第2の共振周波数(F2)を有するモードに非線形共振器1000を構成する。第2の共振周波数(F2)は、第1の共振器1430の特性周波数(Fc)と同等ではない(又は、少なくとも第1の共振周波数(F1)よりも特性周波数(Fc)から離隔している)ので、第1の共振器1430から非線形共振器への信号の誘導結合は、上述のように非線形共振器1000から第1の共振器1430への誘導結合に比較して減衰される。
図14A及び図14Bの非線形共振器1000及び線形共振器1430は、単一デバイスとして表されているが、これらの実施形態は、そのような単一デバイスへの限定を意図するものではないことに留意されたい。例えば、例示的な実施形態においては、非線形共振器1000は、1つ又は複数の非線形共振器のセットであるものとしてもよく、及び/又は、線形共振器1430は、1つ又は複数の線形共振器のセットであるものとしてもよい。
図15は、アイソレータ1400を動作させる方法を説明するフローチャートである。本方法は、ステップ1510において、上記の図14A及び/又は図14Bに概略的に示されているように非線形共振器1000と第2の共振器1430とを準備するステップを含む。第2の共振器1430は、特性共振周波数を有する。非線形共振器は、特性共振周波数とは異なる分離共振周波数と、特性共振周波数に等しい送信共振周波数とを有する。ステップ1510は、非線形共振器1000を第1のポート1421に結合するステップを含み得るものであり、そのようなポート1421は、信号源、ネットワーク、又は、トランシーバ1420に結合される。
ステップ1520は、非線形共振器1000が分離共振周波数を有する分離構成に(それによって、アイソレータ1400が「分離モード」になるように)非線形共振器1000を構成するステップを含む。この分離構成(及びモード)においては、非線形共振器1000と第2の共振器1430との間の共振結合は弱くなり(少なくとも後述する送信モードよりも弱くなり)、そのため、ステップ1530で、例えば第1のポート1421によって非線形共振器1000に提供される信号は、あったとしても第2の共振器1430には弱くしか結合しない。
ステップ1540においては、本方法は、非線形共振器1000を送信構成に構成する(それによって、アイソレータ1400は「送信モード」になる)。送信構成(及びモード)においては、非線形共振器1000は、送信共振周波数を有し、「受容構成」にあると説明され得る。この構成(及びモード)においては、非線形共振器1000と第2の共振器1430との間の共振結合は強く(少なくとも上述の分離モードよりも強く)、そのため、ステップ1550で、例えば第2のポート1411によって非線形共振器1000に提供される信号は、非線形共振器1000に十分に結合される。
例えば、一実施形態において、発明者らは、-5dBmで提供される300MHzの信号の送信を評価した。信号がポート1421に提供されたとき、非線形共振器1000が分離構成にあったため、ポート1421からポート1411への信号の送信は弱かった。対照的に、信号がポート1411に供給され、非線形共振器1000が送信構成(又は受容構成)であったとき、ポート1411からポート1421への信号の送信はより高かった。本発明者らは、これら2つの送信のコントラストが15dBであったことを見出した。換言すれば、ポート1411からポート1421への送信は、ポート1421からポート1411への送信よりも15dB大きかった。他の実施形態においては、アイソレータ1400は、数例しか挙げないが、少なくとも3dB、6dB、9dB又は12dBにおける送信におけるコントラストを生成するように(例えば、構成要素;ギャップ1440の寸法の仕様及び選択によって)構成されるものとしてもよい。前記の例示的な実施形態によれば、非線形共振器1000及び線形共振器1430は、分離モード及び送信モードでのそれらの間の送信におけるコントラストが少なくとも3dB、6dB、9dB、12dB又は15dBである場合には、相互に実質的に分離されるとみなし得る。本明細書を所有する当業者は、例えば、アイソレータ1400が実装されるべき必要性に基づいて、実質的な分離を定義する比率を指定することができる。
次いで、本方法のいくつかの実施形態は、ステップ1560で、非線形アイソレータ1400を分離構成(及びモード)に戻るように構成される。
説明したように、いくつかの実施形態は、特性共振周波数を有する第1の共振器と、非線形共振器が特性共振周波数に等しい第1の共振周波数を有する第1の共振状態と、非線形共振器が第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有する第2の共振状態とに制御可能に構成可能である非線形共振器とを備える回路を含む。例示的な実施形態においては、第1の共振器は第1のポートに結合するように構成され、非線形共振器は第2のポートに結合するように構成され、ここで、第1の共振状態においては、非線形共振器は、第1の共振器からの信号が第2のポートに通信可能に結合されるように第1の共振器に誘導結合するように構成され、第2の共振状態においては、非線形共振器は、第2のポートを第1の共振器から分離するように構成される。
以下は、本明細書において使用される参照符号のリストである。
99 被検体
100 MRI装置の断面
101 架台
102 MRI装置のボア
110 主要磁場コイル
111 シムコイル
115 勾配コイル
120 本体コイル
130 被検体コイル
140 MRI装置のコントローラ
150 コンピュータ
151 コンピュータの通信リンク
300 共振器アレイ
301 ユニットセル
302 ユニットセルの上部
303 ユニットセルの中央部
310 X方向ピッチ
311 Y方向ピッチ
400 共振器の応答
401 中心周波数
402 上方3dB点
403 下方3dB点
405 ノイズレベル
410 周波数差分
450 MRI装置の作業周波数を下回る周波数
452 MRI装置の作業周波数
454 MRI装置の作業周波数を上回る周波数
460 MRI装置の作業周波数を下回る周波数に同調されたアレイの共振応答
461 MRI装置の作業周波数を下回る周波数に同調されたアレイの共振周波数
462 MRI装置の作業周波数に同調されたアレイの共振応答
463 MRI装置の作業周波数に同調されたアレイの共振周波数
464 MRI装置の作業周波数を上回る周波数に同調されたアレイの共振応答
465 MRI装置の作業周波数を上回る周波数に同調されたアレイの共振周波数
500 ヘリカル共振器
501 共振器の上端部
502 共振器の下端部
503 共振器の内部
510 導体
511 導体の端部
512 電気絶縁性被覆
513 ターン
515 導体のギャップ
520 コア
521 コア内径
522 コア外径
523 コアの外面
525 コア高さ
530 溝
550 付加的なリアクタンス
560 シャーレ
561 結合ループ
565 水
566 水面
567 乾性の共振周波数
568 水10%の共振周波数
569 水20%の共振周波数
600 BC-SRR共振器
601 BC-SRRの上面
602 BC-SRRの下面
610 第1のスプリットリング共振器
611 第1のギャップ
612,613 第1のギャップの相対向する端部
620 第2のスプリットリング共振器
621 第2のギャップ
650 高誘電性基板
700 可撓性基板
799 被検体の四肢
801 結合器
802 ヘリカルコイルの内部
810 半導体パッチ
820 スイッチ
1000 非線形共振器
1010 非線形共振器ループ
1011,1012 非線形共振器ループの端部
1013 ギャップ
1020 非線形共振器制御結合器
1100 制御可能なアレイアセンブリ
1110 スペーサ
1111 スペーサギャップ
1400 アイソレータシステム
1401 集積回路
1410 第1のトランシーバ又はネットワーク
1411 第1のポート
1420 第2のトランシーバ又はネットワーク
1421 第2のポート
1430 線形メタマテリアル共振器
1440 送信ギャップ
種々の実施形態は、この段落に続く(そして本出願の末尾に提供される実際の請求の範囲の前の)段落に記載される潜在的な請求の範囲によって特徴付けられるものとしてもよい。これらの潜在的な請求の範囲は、本出願の書面による説明の一部を構成する。従って、以下の潜在的な請求の範囲の発明特定事項は、本出願又は本出願に基づく優先権を主張する任意の出願を含めた後の手続きにおいて、実際の請求の範囲として提示される場合もある。そのような潜在的な請求の範囲の包含は、実際の請求の範囲が潜在的な請求の範囲の発明特定事項を包含しないことを意味するものと解釈されるべきではない。従って、後の手続きにおいてこれらの潜在的な請求の範囲を提示しないという決定が、発明特定事項の公共への寄贈の意に解釈されるべきではない。
限定を意図するものではないが、請求の範囲に記載され得る潜在的な発明特定事項(以下に提示される実際の特許請求の範囲との混乱を避けるために文字「P」を前置きする)には、以下のものが含まれる。
P1.特性共振周波数を有しかつ印加された電磁信号に応じて共振するための第1の共振手段と、第1の共振手段と共振して選択的に通信するための非線形共振手段とを含む回路であって、当該非線形共振手段は、特性共振周波数に等しい第1の共振周波数を有する第1の共振状態と、第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有する第2の共振状態とに構成可能である、回路。
P2.非線形共振手段が第2の共振状態にある場合には、非線形共振手段は、実質的に第1の共振手段から通信可能に分離される、P1に記載の回路。
P3.MRI装置のボア内において使用するための信号拡大アクセサリであって、MRI装置は、送信モードにおいて、送信周波数を有する励起信号をボア内の被検体に送信し、受信モードにおいて、応答周波数を有する応答信号を被検体から受信するように配置された本体コイルを備え、当該アクセサリは、複数のメタマテリアル共振器を含みかつメタマテリアル共振器の各々は共振周波数を有しかつメタマテリアル共振器は印加された電磁信号に応じて相互に誘導結合するように配置されている共振器アレイと、(i)MRI装置が送信モードにある場合には共振器アレイと協働して送信周波数からオフセットされた第1のアレイ共振周波数を生成し、(ii)MRI装置が受信モードにある場合には共振器アレイと協働して応答信号を拡大するように応答周波数に等しい第2のアレイ共振周波数を生成するように構成された非線形制御手段とを含む、信号拡大アクセサリ。
P4.複数のメタマテリアル共振器は、複数のヘリカルコイル共振器を含む、P3に記載の信号拡大アクセサリ。
P5.複数のメタマテリアル共振器は、複数のスプリットリング共振器を含む、P3に記載の信号拡大アクセサリ。
P6.複数のメタマテリアル共振器は、複数の広側面結合型スプリットリング共振器を含む、P3に記載の信号拡大アクセサリ。
P7.非線形制御手段は、ギャップを画定するスプリットリング共振器と、ギャップ内において電気的に結合されるバラクタとを含む、P3に記載の信号拡大アクセサリ。
上述した発明の実施形態は、単なる例示的なものであるべきことが意図されており、多数の変形形態及び修正形態が当業者には明らかであろう。そのようなすべての変形形態及び修正形態は、添付の任意の請求の範囲で定義される本発明の範囲内にあるべきことが意図されている。

Claims (30)

  1. 特性共振周波数を有する第1の共振器と、
    非線形共振器が前記特性共振周波数に等しい第1の共振周波数を有する第1の共振状態と、前記非線形共振器が前記第1の共振周波数とは異なる第2の共振周波数を有する第2の共振状態とに制御可能に構成可能である非線形共振器と、
    を備えている回路。
  2. 前記第1の共振器は、第1のポートに結合するように構成され、前記非線形共振器は、第2のポートに結合するように構成され、前記第1の共振状態においては、前記非線形共振器は、前記第1の共振器からの信号が前記第2のポートに通信可能に結合されるように前記第1の共振器に誘導結合するように構成され、前記第2の共振状態においては、前記非線形共振器は、前記第2のポートを前記第1の共振器から分離するように構成される、請求項1に記載の回路。
  3. 前記非線形共振器は、第1の端部及び第2の端部を有するメタマテリアル共振器と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に電気的に配置された結合器とを含み、前記結合器は、複数のインピーダンス状態に制御可能に構成可能であり、前記非線形共振器を前記第1の共振状態に構成する第1のインピーダンス状態と、前記非線形共振器を前記第2の共振状態に構成する第2のインピーダンス状態とを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記メタマテリアル共振器は、スプリットリング共振器を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記結合器は、バラクタを含み、前記バラクタは、
    (a)前記第2のポートから前記結合器に入射する高周波信号に応じて前記第2のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、前記非線形共振器は、前記第2の共振状態にありかつ前記第2のポートが前記第1の共振器から分離され、さらに前記バラクタは、
    (b)前記第2のポートからの搬送波周波数においてそのような高周波信号がない場合には前記第1のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、前記非線形共振器は、前記第1の共振状態にありかつ前記第1の共振器を前記第2のポートに通信可能に結合するように構成される、請求項3に記載の回路。
  6. 前記結合器は、バラクタを含み、前記バラクタは、
    (a)前記第2のポートから前記結合器に入射する高周波信号に応じて前記第1のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、前記非線形共振器は、前記第1の共振状態にありかつ前記第2のポートを前記第1の共振器に通信可能に結合するように構成され、さらに前記バラクタは、
    (b)前記第2のポートからの搬送波周波数においてそのような高周波信号がない場合には前記第2のインピーダンス状態を有するように構成され、それによって、前記非線形共振器は、前記第2の共振状態にありかつ前記第2のポートは前記第1の共振器から分離される、請求項3に記載の回路。
  7. 前記結合器は、スイッチを含む、請求項3に記載の回路。
  8. 前記スイッチは、トランジスタを含む、請求項7に記載の回路。
  9. 前記第1の共振器は、線形共振器である、請求項2に記載の回路。
  10. 前記線形共振器は、ヘリックス共振器である、請求項9に記載の回路。
  11. 分離モード共振周波数を有する分離構成、及び、前記分離モード共振周波数とは異なる受容モード共振周波数を有する受容構成に制御可能に構成された非線形共振器、並びに、前記受容モード共振周波数に等しい第2の共振周波数を有する第2の共振器を設けるステップと、
    第1のモードにおいて、前記非線形共振器を前記分離構成に構成するステップであって、それによって、前記非線形共振器は、実質的に前記第2の共振器から通信可能に分離される、ステップと、
    を含む方法。
  12. 第2のモードにおいて、前記非線形共振器を前記受容構成に構成するステップであって、それによって、前記非線形共振器は、前記第2の共振器と共振通信するように構成される、ステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記非線形共振器を前記受容構成に構成した後、前記第2の共振器に信号を提供するステップと、
    前記非線形共振器において信号を受信するステップと、
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記非線形共振器において信号を受信した後、前記非線形共振器を前記第2の共振器上の信号から分離しかつ前記第2の共振器を前記非線形共振器上の他の信号から分離するように前記非線形共振器を前記分離構成に構成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記分離構成における前記第2の共振器と非線形アイソレータとの間の共振結合は、前記受容構成における前記第2の共振器と前記非線形アイソレータとの間の共振結合より少なくとも9dB小さい、請求項14に記載の方法。
  16. MRI装置のボア内において使用するための信号拡大アクセサリであって、
    前記MRI装置は、送信モードにおいて、送信周波数を有する励起信号を前記ボア内の被検体に送信するように配置された送信コイルと、受信モードにおいて、応答周波数を有する応答信号を前記被検体から受信するように配置された受容コイルとを備え、
    前記アクセサリは、
    複数のメタマテリアル共振器を含み、かつ、前記メタマテリアル共振器の各々は共振周波数を有し、かつ、前記メタマテリアル共振器は、印加された電磁信号に応じて相互に誘導結合するように配置されている共振器アレイと、
    共振器コイル及び前記共振器コイルに結合された制御可能なインピーダンスを含む非線形制御共振器であって、前記制御共振器は、前記制御可能なインピーダンスが第1のインピーダンス状態にある場合には第1の共振周波数を有し、前記制御可能なインピーダンスが第2のインピーダンス状態にある場合には第2の共振周波数を有する、非線形制御共振器と、
    前記共振器アレイと前記非線形共振器との間に配置され、かつ、前記共振器アレイと前記非線形共振器との間のギャップ(d)を画定するスペーサ層とを含み、
    (i)前記MRI装置が前記送信モードにある場合には、前記共振器アレイと協働して送信周波数からオフセットされた第1のアレイ共振周波数を生成し、(ii)前記MRI装置が前記受信モードにある場合には、前記共振器アレイと協働して応答信号を拡大するように応答周波数に等しい第2のアレイ共振周波数を生成する制御共振器が構成されるように、前記共振器コイル及び前記制御可能インピーダンスは、選択される、信号拡大アクセサリ。
  17. 前記共振器コイルは、第1の端部と第2の端部とを有し、前記制御可能なインピーダンスは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で電気的に結合される、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  18. 前記共振器コイルは、スプリットリング共振器を含み、制御可能なインピーダンスは、バラクタを含み、前記バラクタは、送信モードにおいてMRI装置からの高周波励起信号の受信に応じて第1のキャパシタンスを想定し、MRI装置が受容モードにある場合には、第2のキャパシタンスを想定するように構成されている、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  19. 前記制御可能なインピーダンスは、バラクタダイオードであり、前記バラクタダイオードは、前記MRI装置が送信モードにある場合には、前記MRI装置からの励起信号の前記バラクタダイオードによる受信に応じて前記第1のインピーダンス状態を想定するように構成されている、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  20. 前記バラクタダイオードは、前記MRI装置が受信モードにある場合には前記MRI装置からの励起信号の欠如状態で前記第2のインピーダンス状態を想定するように構成されている、請求項19に記載の信号拡大アクセサリ。
  21. 前記共振器アレイは、共振器平面を画定し、前記制御共振器は、前記共振器平面からゼロでない距離(d)における共振器平面に対して実質的に平行に配置される、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  22. 前記共振器アレイは、共振器平面を画定し、前記制御共振器は、前記共振器平面から2センチメートルの距離(d)において前記共振器平面に対して実質的に平行に配置される、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  23. 前記共振器アレイは、共振器平面を画定し、前記制御共振器は、前記共振器平面から0センチメートルの距離(d)において前記共振器平面に対して実質的に平行に配置される、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  24. 前記信号拡大アクセサリは、前記共振器アレイと前記制御共振器との間の前記スペーサ層内に配置されたスペーサ装置をさらに含み、前記スペーサ装置は、非金属及び非磁性固体材料を含み、前記スペーサ装置は、前記アレイから所定の距離において前記制御共振器を保持する、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  25. 前記共振器アレイは、少なくとも2つのメタマテリアル共振器を含む、請求項16に記載の信号拡大アクセサリ。
  26. MRI装置のボア内の被検体からの応答信号を増幅する方法であって、
    作業周波数を有する前記MRI装置のボア内に、制御可能なアレイアセンブリを設けるステップであって、前記制御可能なアレイアセンブリは、前記MRI装置の動作周波数において相互に誘導結合するように構成された複数のメタマテリアル共振器を含む共振器アレイと、制御可能なインピーダンスを有する非線形制御共振器とを含む、ステップと、
    前記MRI装置が送信モードにある場合には、前記制御可能なアレイアセンブリをパススルーモードに構成するステップと、
    前記MRI装置が受信モードにある場合には、前記制御可能なアレイアセンブリを増幅モードに構成するステップと、
    を含む方法。
  27. 前記制御可能なアレイアセンブリをパススルーモードに構成するステップは、前記非線形制御共振器を第1の共振モードに自動的に構成するステップを含み、第1の共振器モードの前記非線形制御共振器は、前記制御可能なアレイアセンブリにおいて、前記MRI装置の作業周波数からオフセットされたアセンブリ共振周波数を生成するために前記共振器アレイに結合される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記非線形制御共振器を第1の共振モードに自動的に構成するステップは、制御可能なインピーダンスに、前記MRI装置から送信された高周波励起信号を提供するステップを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記制御可能なアレイアセンブリを増幅モードに構成するステップは、前記非線形制御共振器を第2の共振モードに自動的に構成するステップを含み、第2の共振器モードの前記非線形制御共振器は、前記制御可能なアレイアセンブリにおいて、前記MRI装置の作業周波数におけるアセンブリ共振周波数を生成するために前記共振器アレイに結合される、請求項26に記載の方法。
  30. 前記非線形制御共振器を第2の共振モードに自動的に構成するステップは、制御可能なインピーダンスから、前記MRI装置から送信された励起信号を差し控えるステップを含む、請求項29に記載の方法。
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