JP2022552005A - 細菌代謝産物を対象に送達するための組成物および方法 - Google Patents

細菌代謝産物を対象に送達するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、未培養糞便細菌の調製物を含む組成物、その組成物を製造する方法、および腸内ディスバイオシスに関連する障害を処置するためにその組成物を使用する方法に関する。

Description

関連出願
本出願は、2019年10月18日に出願された米国仮特許出願第62/916,847号、2020年2月21日に出願された米国仮特許出願第62/979,891号、および2020年5月29日に出願された米国仮特許出願第63/032,108号に対する優先権を主張し、これらの内容は、その全体が本明細書において引用により援用される。
病人の腸へのヒト結腸微生物叢の移植または投与は、糞便微生物叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)と呼ばれ、一般に糞便微生物治療法としても知られている。FMTは、多様な微生物を腸に再配置し、それが主要な病原体の増殖および生存に不利な生態学的環境を作り出すことによってそれらの病原体を制御すると考えられている。これは、正常な組成的および機能的腸微生物コミュニティの迅速な再構成を可能にする治療プロトコルを表すものである。
FMTは、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI:Clostridium difficile infection)を処置するために使用されてきた。加えてFMTは、たとえば大腸菌(E.coli)およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE:Vancomycin resistant Enterococci)などの他の腸感染因子の処置も示唆されている。FMTは、ホモジナイズされた糞便か、または培養されたたとえばクロストリジウムなどの糞便成分のいずれかの形態でのヒト微生物叢を、結腸鏡、浣腸、または鼻空腸管によって注入して結腸に移植することを必要とし、それによって、たとえばC.ディフィシル(C.difficile)などの病原性細菌を置換または根絶する。加えて糞便微生物治療法は、たとえばASD、パーキンソン病、ならびに多発性硬化症および慢性疲労症候群などの神経学的要素を有する状態を処置することに成功している。
FMTを実施するための組成物は、典型的には、健常ヒトドナーから採取された糞便の糞便微生物叢を組み込む。しかし、糞便の微生物含有量は、ドナー間で均一ではなく、同じドナーから採取された異なるサンプル間でも長期的に均一ではない。結果として、FMT組成物の異なる用量では、たとえば細菌の特定の株の存在もしくは不在、または細菌株の相対存在量などの微生物の構成が変動し得る。
特定の細菌株または株群が、たとえば患者の細胞において治療応答を誘導することなどによる状態の処置に関連するか、または必要とされるとき、FMT製剤中の細菌株の同一性および/または相対存在量を調節できないことによって、患者に投与されたときの有効性が低下および/または変動し得る可能性がある。
米国仮特許出願第62/916,847号 米国仮特許出願第62/979,891号 米国仮特許出願第63/032,108号
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA:short chain fatty acid)を産生するように選択され、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、糞便細菌の調製物が凍結乾燥細菌を含む、医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む、少なくとも1つのSCFAを必要な対象に送達する方法を提供する。
ある態様では、本開示は、本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む、必要な対象において腸内ディスバイオシスを処置する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、必要な対象の腸に短鎖脂肪酸(SCFA)を送達する方法を提供し、この方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで(1)未培養糞便細菌が閾値レベル以上のSCFAを産生するように選択されるか、(2)健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上のSCFAを産生するか、または(3)健常ヒトドナーが閾値レベル以上のSCFAを含む糞便を生成する。
ある態様では、本開示は、対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することと、少なくとも1つのSCFAのレベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を対象に投与することとを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む。
別の態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって産生される代謝産物のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、代謝産物のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌をドナーの糞便から抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
ある態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって産生される短鎖脂肪酸(SCFA)のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、SCFAのレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、1つ以上の短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
ある態様では、本開示は、第1の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であることをドナーの第1の糞便から決定することと、第2の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であることをドナーの第2の糞便から決定することと、第1および第2の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌をドナーの糞便から抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、機能アッセイにおいて、ドナーの第1の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定することと、機能アッセイにおいて、ドナーの第2の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定することと、機能アッセイにおいて第1および第2の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生するという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
ある態様では、本開示は、1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であることをドナーの第1の糞便から決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であることをドナーの第2の糞便から決定することと、第1および第2の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、ブチレートの閾値レベル以上の量のブチレートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、ブチレートの閾値レベルが少なくとも40mMである、医薬組成物を提供する。
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、アセテートの閾値レベル以上の量のアセテートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、アセテートの閾値レベルが少なくとも60mMである、医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、プロピオナートの閾値レベル以上の量のプロピオナートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、プロピオナートの閾値レベルが少なくとも10mMである、医薬組成物を提供する。
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌の調製物が短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株を含み、SCFA産生細菌株が糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも40%に相当し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含む、医薬組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法を提供し、健常ヒトドナーは、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の糞便代謝産物について予め選択される。
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法を提供し、健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが閾値レベル以上の糞便代謝産物を含む。
別の態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法を提供し、健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは閾値レベル以上の糞便代謝産物を産生できる。
ある態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象は、対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される。
別の態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを含む。
ある態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを産生できる。
別の態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象は、対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される。
ある態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを含む。
別の態様では、本開示は、必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを産生できる。
別の態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を提供し、ここで(i)糞便細菌は、少なくとも1つの胆汁酸を産生するように選択されるか、(ii)健常ヒトドナーは、少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株のレベルについて選択されるか、または(iii)健常ヒトドナーは、所定のレベルの少なくとも1つの胆汁酸もしくは少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を有し、ここで糞便細菌は未培養細菌を含み、糞便細菌の調製物は凍結乾燥された細菌を含む。
さらに別の態様では、本開示は、個体の第1の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、ドナーの第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、第1および第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法を提供する。
ある態様では、本開示は、個体の糞便における二次胆汁酸の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる細菌の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに糞便を選択することとを含む、糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、胆汁酸変換株に関連する潜在的なドナーの糞便微生物遺伝子含有量をスクリーニングすることによって、所望のドナーを選択する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、胆汁酸変換株が豊富な糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD:irritable bowel disease)患者を処置する方法を提供し、必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有する。
さらなる態様では、本開示は、二次胆汁酸のある相対存在量を有する糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD)患者を処置する方法を提供し、必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有し、その二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上である。
別の態様では、本開示は、閾値を超える量の二次胆汁酸および胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、不十分な胆汁酸代謝を有する必要な患者における過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、不十分な胆汁酸代謝を有する患者におけるクローン病または潰瘍性大腸炎を処置する方法を提供し、この方法は、(i)二次胆汁酸の量および(ii)胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを含み、その量は所定の閾値以上である。
さらなる態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有するクローン病患者を処置する方法を提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。
さらに別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有する潰瘍性大腸炎患者を処置する方法を提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。
別の態様では、本開示は、胆汁酸変換細菌を必要な対象の腸に送達するための方法を提供し、この方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで未培養糞便細菌が閾値レベル以上で一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換するように選択されるか、健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上の二次胆汁酸を産生するか、または健常ヒトドナーが閾値レベル以上の二次胆汁酸を含む糞便を生成する。
別の態様では、本開示は、少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含む対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを決定し、少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を対象に投与する方法も提供し、この医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む。
別の態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法も提供する。
さらなる態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本開示は、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
よりさらなる態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌がある量の一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換し、二次胆汁酸が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートしたときに二次胆汁酸の閾値レベル以上であり、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、二次胆汁酸の閾値レベルが少なくとも100μMである、医薬組成物を提供する。
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法を提供し、健常ヒトドナーは、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の二次胆汁酸について予め選択される。
エクスビボアッセイにおいて炭水化物基質との12時間のインキュベーション後に糞便細菌によって産生されたブチレート濃度(mM)を示す図である。図1~図3のすべてについて、x軸は、エクスビボアッセイに使用した糞便のドナー(G、S、E、P、またはU)を表す。ドナーGおよびUの各々は、2つのサンプルを提供した(Gについては2018年8月29日および9月20日に採取し、Uについては2018年8月29日および30日に採取した)。「SPB」は対照リン酸ナトリウム緩衝液である(対照として各ドナーサンプルにも使用される)。y軸は、エクスビボアッセイ中に産生されたブチレートのmMを表す。 エクスビボアッセイにおいて炭水化物基質との12時間のインキュベーション後に糞便細菌によって産生されたアセテート濃度(mM)を示す図である。 エクスビボアッセイにおいて炭水化物基質との12時間のインキュベーション後に糞便細菌によって産生されたプロピオナート濃度(mM)を示す図である。 健常ヒトドナーの糞便から決定されたブチレート濃度(μg/g)を示す図である。 図4Aの各ドナーからの糞便細菌を含有するFMTを受けた後のIBD患者(クローン病(CD:Crohn’s Disease)または潰瘍性大腸炎(UC:Ulcerative Colitis)と診断)の糞便において誘導されたブチレート濃度の変化(μg/g)を示す図である。 2人のドナーにおける経時的なブチレート濃度の変化(μg/g)を示す図である。 ドナーブチレート濃度と患者ベースラインブチレート濃度との差と、クローン病(CD)または潰瘍性大腸炎(UC)患者におけるFMT後ブチレート濃度とベースラインブチレート濃度との差との相関を示す図である。 FMT処置後の患者におけるフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)存在量(黒色線)とブチレート濃度(灰色線)との相関を示す図である。スピアマン相関をサブプロットのタイトルに示す。破線は、フィーカリバクテリム(Faecalibacterim)(黒色破線)およびブチレート(灰色破線)の両方の平均ドナー値を示す。 FMT処置後の患者におけるフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)存在量(黒色線)とブチレート濃度(灰色線)との相関を示す図である。スピアマン相関をサブプロットのタイトルに示す。破線は、フィーカリバクテリム(Faecalibacterim)(黒色破線)およびブチレート(灰色破線)の両方の平均ドナー値を示す。 FMT処置後の患者におけるフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)存在量(黒色線)とブチレート濃度(灰色線)との相関を示す図である。スピアマン相関をサブプロットのタイトルに示す。破線は、フィーカリバクテリム(Faecalibacterim)(黒色破線)およびブチレート(灰色破線)の両方の平均ドナー値を示す。 FMT処置後12週目における潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)患者の両方におけるファーミキューテス(Firmicutes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、およびバクテロイデス門(Bacteroidetes)の存在量シフトとブチレート濃度との相関分析を示す図である。 FMT処置後のUC(図8A)およびCD(図8B)患者におけるファーミキューテス(Firmicutes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、およびバクテロイデス門(Bacteroidetes)の存在量を示す図である。 患者のUCについての部分メイヨー(Mayo)指数(図9A)およびCDについてのハーベリー・ブラッドショー(Harvery-Bradshaw)指数(図9B)と、プロテオバクテリア(Proteobacteria)存在量との相関を示す図である(相関p値はUCについてp=0.150、CDについてp=0.502)。 FMT処置後の週数におけるドナーに対するUC(図10A)およびCD(図10B)患者の類似性の分析を示す図である。 自身のドナーにより類似した患者におけるブチレート濃度変化の分析を示す図である。 115人の糞便ドナーの糞便におけるブチレート産生体の相対存在量を示す図である。 個々のドナーの糞便微生物叢間の細菌分類群の存在および存在量の自然変動を考慮したドナー選択戦略の有効性を示す分析を示す図である。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が引用により援用されることが具体的かつ個別に示されたときと同程度に、本明細書において引用により援用される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別様を指示しない限り、複数の指示対象を含む。例として、「要素(an element)」は、少なくとも1つの要素を意味し、2つ以上の要素を含み得る。
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、品質を修飾するために使用されるとき、一般的にその品質が失われることなく、ある程度の変動を許容する。たとえば、特定の態様では、こうした変動の程度は0.1%未満、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、1~2%の間、2~3%の間、3~4%の間、4~5%の間、または5%もしくは10%超であり得る。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在値が、本開示に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界に従って、これらも本開示に包含される。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
本明細書で使用される場合、「相対存在量」という用語は、特定のコミュニティ(たとえば、未培養糞便細菌の調製物または細菌混合物など)における類似の性質のすべての生物に対する特定の種類の生物(たとえば、細菌株、種、または属など)の相対的な提示を示す。相対存在量は、特定の種類の生物の数を、特定のコミュニティにおける類似の性質のすべての生物の総数で割ることによって計算される。ある態様では、相対存在量は、目的の特定の細菌株を標的とする16Sプライマーを用いて生成されたPCR産物を、すべての16S配列を標的とするユニバーサルプライマーを用いて生成されたPCR産物と比較するqPCRによって測定される。たとえば、チュー(Chu)、N.らの「生存細菌のプロファイリングは糞便微生物叢移植の調製物の情報を与える(Profiling living bacteria informs preparation of fecal microbiota transplantations)。」プロスワン(PLoS One)12(1):1-16(2017)などを参照。別の態様では、相対存在量は、ハイスループット配列決定を介して検出された配列リードの数に基づいて測定される。別段の指定がない限り、本明細書で言及される細菌相対存在量は、ハイスループット配列決定によって測定される。さらなる態様では、チューらのプロスワン(PLoS One)12(1):1-16(2017)に示されるとおり、プロピジウムモノアジド(PMA:propidium monoazide)を用いて生存可能な糞便微生物と死んだ糞便微生物とを区別する。
本明細書で使用される場合、「処置する」という用語は、(i)疾患、障害、または状態を完全または部分的に阻害すること、たとえば、その進行を停止させることなど、(ii)疾患、障害、または状態を完全または部分的に軽減すること、たとえば、疾患、障害、および/または状態の退行を引き起こすことなど、あるいは(iii)疾患、障害、および/または状態の素因を有し得るが、まだそれを有するとは診断されていない患者において、疾患、障害、または状態が生じるのを完全または部分的に予防することを示す。同様に、「処置」は、治療的処置および予防的または防止的手段の両方を示す。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト、実験動物(たとえば霊長類、ラット、マウスなど)、家畜(たとえばウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、ニワトリなど)、および家庭用ペット(たとえばイヌ、ネコ、げっ歯類など)を含む任意の動物対象を示す。好ましい対象はヒト対象である。ヒト対象は、小児、成人、または老人の対象であってもよい。いくつかの態様では、「患者」および「対象」という用語は、互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、糞便とは、排便によって哺乳動物(たとえばヒトなど)によって放出される固形物片またはその一部を示す。
本明細書で使用される場合、「微生物叢」および「フローラ」は、真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス(すなわち、ファージ)を含む)を含む、持続的および一時的の両方で対象の体内または体表に生存する微生物のコミュニティを示す。「糞便微生物叢」または「糞便微生物叢調製物」は、対象の糞便中に存在するか、またはそこから調製される微生物のコミュニティを示す。典型的には、本明細書に記載される医薬組成物は、糞便微生物叢を糞便からの精製後に培養せずに、こうした糞便微生物叢を組成物に組み込むことによって調製される。本明細書において、「未培養糞便細菌」または「未培養糞便細菌の調製物」は、(たとえば、培養培地中で)株を培養することなく、1つ以上の糞便サンプルから採取、抽出、または精製された複数の非病原性の生存可能な細菌株を含む調製物を示す。こうした未培養糞便細菌の調製物は、未培養糞便細菌の採取物または未培養糞便細菌の集団と呼ぶこともできる。
いくつかの態様では、未培養糞便細菌の調製物は、非選択糞便細菌を含む。本明細書において、「非選択糞便細菌」とは、抽出された細菌を、(たとえば、細菌の特定の株の意図的な除去、エタノールもしくはクロロホルムなどの薬剤による細菌の処理、または培養などによる)細菌の特定のタイプ、状態、または分類カテゴリーを意図的に選択する環境条件に供することなく、1つ以上の糞便サンプルから抽出された(たとえば、糞便微生物叢に存在する)生存可能な糞便細菌株の採取物を示す。こうした非選択糞便細菌は、正常で健常なヒトの糞便微生物叢または腸内微生物叢における対応する細菌株に比例した含有量の細菌株を含み得る。糞便サンプルから糞便細菌を非選択的に抽出するために行われるステップとしては、たとえば、糞便サンプルをホモジナイズおよび濾過して、たとえば繊維および粗い粒子状物質などの非細胞性糞便物質、ならびにたとえば真核生物宿主細胞およびウイルスなどから糞便細菌株を分離するステップが挙げられ得る。本明細書において、典型的には、非選択糞便細菌調製物は、好気性条件もしくは嫌気性条件のいずれか、またはそれらの組み合わせにおいて調製できる。特定の態様では、非選択糞便細菌の調製物は、糞便サンプルの糞便微生物叢の細菌のすべてまたは実質的にすべてを含む。特定の態様では、非選択糞便細菌の調製物は、糞便サンプルの糞便微生物叢の株のすべてまたは実質的にすべてを含む。特定の態様では、非選択糞便細菌の調製物は、糞便サンプルの糞便微生物叢の種のすべてまたは実質的にすべてを含む。特定の態様では、非選択糞便細菌の調製物は、糞便サンプルの糞便微生物叢の属のすべてまたは実質的にすべてを含む。特定の態様では、非選択糞便細菌の調製物は、糞便サンプルの糞便微生物叢の門のすべてまたは実質的にすべてを含む。したがって、こうした非選択糞便微生物叢は、こうした糞便サンプル中に見出される微生物構成成分および細菌集団構造に実質的に類似し得る。
ある態様では、未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも2、5、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、または600の細菌種または株を含む。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、2~5、5~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~100、100~200、200~300、300~400、400~500、または500~600の細菌種または株を含む。
ある態様では、未培養糞便細菌および/または非選択糞便細菌の調製物は、細菌の抗生物質耐性集団を含まない。
別の態様では、未培養糞便細菌を含む組成物の調製は、(たとえば、細菌の特定の株の意図的な除去、エタノールもしくはクロロホルムなどの選択剤による集団の処理、および/または閾値レベル以上の代謝産物を産生する能力に対する細菌のスクリーニングなどによって)細菌の特定のタイプ、状態、または分類カテゴリーについて選択するステップを含み得る。
本明細書において、未培養糞便細菌は、たとえば細菌単離物などの単一の精製された細菌株とは区別される。本明細書で使用される場合、「細菌単離物」とは、単一の先行細菌細胞からの二分裂を介した増殖によって(たとえば、細菌を培養することによって)生成された、実質的に遺伝的に同一の細菌細胞の単離群を示す。典型的には、細菌単離物は、元々は単一細胞または遺伝的に純粋な細胞群として、たとえば固体培養培地上の単一コロニーとして、または液体培養における連続希釈を介して単離され、その後、単離物の一貫した安定な供給源を提供するために(たとえば、凍結ストックとして)保管される。一旦単離されると、いくつかの態様では、細菌単離物は、細胞の純粋な培養物として生育され得る。他の態様では、複数の細菌単離物が混合培養物として同じ容器中で同時に生育され得る。「実質的に遺伝的に同一」という用語は、細菌単離物の汚染されていない純粋な組成物中の異なる細胞によって共有される非常に高い(たとえば>99.9%の)遺伝的同一性を示し、これはそれらの細胞が共通の祖先から増殖したことによるものであるが、比較的稀な突然変異の蓄積による細胞間の軽微な遺伝的非類似性を考慮している。一般的に、細菌単離物は、細菌細胞の純粋培養物と同義である。典型的には、本明細書において、細菌単離物は非病原性細菌からなる。ある態様では、細菌単離物は、プロバイオティクスであるか、またはプロバイオティクスの成分であり得る。
本明細書で使用される場合、「細菌カクテル」という用語は、「細菌コンソーシアム」または「合成細菌混合物」と呼ばれることもあり、複数の細菌単離物の定義されたコンソーシアムを含む細菌の操作された混合物を示す。「複数の細菌単離物の定義されたコンソーシアム」という用語は、細菌カクテルが2つ以上の細菌単離物を含有すること、およびカクテル中の各細菌単離物の同一性が既知であり、したがってカクテルが、別々のバッチにわたって安定した組成および特性を有するように(たとえば、単離された細菌株を組み合わせることなどによって)一貫して生成され得ることを意味する。本明細書において、細菌単離物の「同一性」とは、単離物を1つ以上の他の細菌単離物または細菌株とは異なるものとして独自に同定する単離物の任意の特徴を示し得る。細菌単離物を同定する特徴の例としては、たとえば16S rRNA配列などのヌクレオチド配列、核酸の1つ以上のコード領域もしくは非コード領域の配列、および全ゲノム配列、遺伝子発現のレベル、生理学的形質もしくは代謝的形質、またはたとえば染色パターンもしくは細胞壁の特徴などの解剖学的形質が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「細菌混合物」は、生存可能な細菌細胞を含む操作された組成物を示す。いくつかの態様では、細菌混合物は、1つ以上の非病原性細菌単離物を含む(たとえば、SCFA産生細菌株を含む)。いくつかの態様では、細菌混合物は、未培養糞便細菌の調製物を含む。いくつかの態様では、細菌混合物は、1つ以上の非病原性細菌単離物および未培養糞便細菌の調製物の両方を含む。
本明細書で使用される場合、「SCFA産生細菌株」は、「SCFA産生細菌単離物」と呼ばれることもあり、これはSCFAを産生および/または分泌できる細菌株を示す。一態様では、SCFA産生細菌株は、細菌単離物の形態である。別の態様では、SCFA産生細菌株は、未培養糞便細菌の調製物の一部または成分である。態様では、SCFA産生細菌株は、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、またはアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)のメンバーであり得る。ある態様では、SCFA産生細菌株は、クロストリジウム(Clostridium)クラスターIVまたはXIVaのメンバーであり得る。
本明細書で使用される場合、「治療的に有効な量」、「有効量」、または「薬学的に活性な用量」とは、指定された疾患、障害、状態、または症状の処置に有効である組成物の量を示す。
本明細書で使用される場合、「単離された」または「精製された」とは、(1)最初に生成されたときに関連していた成分の少なくともいくらかから分離された(最初に天然で生成されたか、または実験的設定で生成されたかにかかわらず)、ならびに/あるいは(2)人の手によって生成、調製、精製、および/または製造された、細菌または他の実体もしくは物質を示す。単離または精製された細菌は、それらが最初に関連していた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上から分離され得る。
本明細書で使用される場合、細菌または任意の他の生物もしくは実体に関する「非病原性」という用語は、その生物または実体を含有する宿主生物の疾患、障害、または状態を引き起こすことも、それに影響を及ぼすこともできない任意のこうした生物または実体を含む。
本明細書で使用される場合、「胞子」または「胞子」の集団は、一般的に生存可能であり、同じ細菌の栄養型よりも熱および殺菌剤などの環境の影響に対してより耐性があり、典型的に発芽および成長が可能な細菌(または他の単細胞生物)を含む。「胞子形成体」または「胞子を形成できる」細菌とは、好適な環境条件下で胞子を産生するための遺伝子および他の必要な能力を含有する細菌である。
本明細書で使用される場合、「コロニー形成単位」(CFU:colony forming units)は、所与のサンプル中の生存可能微生物細胞の数の推定値を示す。CFUの数は、サンプル中の生存可能な細菌細胞の数を決定するための標準的な方法と同様に、寒天プレート上のコロニー数を計数することによって評価できる。
本明細書で使用される場合、「生存可能な」とは、増殖する能力を有することを意味する。細菌集団の生存率は、細胞の膜完全性の関数としてモニターできる。損なわれた膜を有する細胞は、死んでいるかまたは死につつあると考えられ、一方で無傷の膜を有する細胞は、生きていると考えられる。たとえば、SYTO9およびヨウ化プロピジウムを用いて、生存する細菌および死んだ細菌を染色および区別する。ストックス(Stocks)、サイトメトリーA(Cytometry A)2004 Oct;61(2):189-95を参照。加えて細胞生存率は、たとえばPCRに基づくアプローチなどの分子生存率分析によって評価でき、これは、生存可能細胞に関連する核酸を不活性化細胞に関連する核酸と区別し得るものである。カンジェロシ(Cangelosi)およびメシュケ(Mescheke)、アプライド・アンド・エンバイロンメンタル・マイクロバイオロジー(Appl Environ Microbiol.)2014 Oct;80(19):5884-5891を参照。
本明細書で使用される場合、「シャノン多様性指数」は、次の式を使用して、所与のコミュニティに存在する種の存在量および均一性を考慮した多様性指数を示す。
Figure 2022552005000002
式中、Hはシャノン多様性指数であり、Rはコミュニティにおける種の総数であり、pはi番目の種から構成されるRの割合である。より高い値は、多様かつ同等に分布したコミュニティを示し、0の値は、1つの種のみが所定のコミュニティに存在することを示す。さらなる参照については、シャノン(Shannon)およびウィーバー(Weaver)、(1949)「コミュニケーションの数学理論(The mathematical theory of communication)。」イリノイ大学出版局(The University of Illinois Press)、アーバナ(Urbana)117ppを参照されたい。
本明細書で使用される場合、「抗生物質」とは、細菌を死滅させるか、細菌の成長を阻害するか、または細菌の生存率を低下させることによって、細菌感染症を処置および/または予防するために使用される物質を示す。
本明細書で使用される場合、「有害事象(AE:adverse events)」とは、手技関連または微生物叢関連の徴候または症状をもたらす任意の用量を示す。本明細書で使用される場合、「重篤な有害事象(SAE:serious adverse events)」とは、任意の用量で、死をもたらすか、または生命を脅かすような任意の医学的出来事を示す。本明細書で使用される場合、「生命を脅かす」とは、その事象の時点で患者が死亡する危険性がある事象を示す。有害事象は、当業者によって使用されるスケール(たとえば、米国国立癌研究所(NCI:National Cancer Institute)の有害事象共通用語規準(CTCAE:Common Terminology Criteria for Adverse Events)など)に従って等級付けされる。
細菌を含む医薬組成物、障害を処置または予防するためにその医薬組成物を使用する方法、およびその医薬組成物を製造する方法が本明細書に記載される。
本開示の態様では、医薬組成物は、患者に投与されたときに代謝産物を産生、放出、または分泌するように選択された未培養糞便細菌の調製物を含む。たとえば、ある態様では、ドナーの糞便から抽出された未培養糞便細菌(たとえば、糞便微生物叢の形態)をスクリーニング、アッセイ、または検査に供して、細菌が目的の特定の代謝産物(たとえば、SCFAまたは二次胆汁酸など)を産生する能力または可能性または可能性を決定でき、次いで、そのスクリーニング、アッセイ、または検査の結果に基づいて、その糞便細菌を医薬組成物に含めるために選択できる。別の態様では、ドナーの生の糞便または生の糞便のサンプル(すなわち、糞便細菌およびたとえば繊維などの非フローラ物質を含むもの)をスクリーニング、アッセイ、または検査に供して、目的の特定の代謝産物の存在、不在、および/または量を決定でき、次いで、そのスクリーニング、アッセイ、または検査の結果に基づいて、生の糞便中の糞便細菌(すなわち、代謝産物を産生したもの)を医薬組成物に含めるために選択できる。
ある態様では、医薬組成物は、たとえば閾値レベルより高いレベルなどで一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換する細菌の能力に基づいて組成物に含めるために選択された未培養糞便細菌の調製物を含む。ある態様では、細菌、細菌分類群、または細菌単離物に関する「胆汁酸変換細菌」とは、一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる1つ以上の細菌株を示す。理論に束縛されることは望まないが、一次胆汁酸は、肝臓において、コレステロール分解の主要経路を構成するプロセスにおいてコレステロールから合成される。合成後、胆汁酸は胆嚢に貯蔵され、その後十二指腸に分泌される。胆汁は、食物脂質の乳化、ならびに脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミン、およびその他の疎水性食物成分の消化および吸収のために重要である。分泌された胆汁酸の大部分は小腸で再吸収される。小腸で吸収されない胆汁酸は大腸に移動し、そこで通常は微生物叢によって代謝された後、結腸から再吸収される。フィアモンシニ(Fiamoncini)、J.、「胆汁酸と腸内微生物叢とのクロストーク(The Cross Talk Between Bile Acids and intestinal Microbiota)」、マイクロバイオーム・アンド・メタボローム・イン・ダイアグノシス・セラピー・アンド・アザー・ストラテジック・アプリケーションズ(Microbiome and Metabolome in Diagnosis,Therapy,and other Strategic Applications)。(2019)。デオキシコール酸、リトコール酸、およびウルソデオキシコール酸は、ヒト腸内の一次胆汁酸の細菌代謝によって形成される最も一般的な二次胆汁酸である。
本開示のある態様では、一次胆汁酸は、コール酸(CA:cholic acid)、ケノデオキシコール酸(CDCA:chenodeoxycholic acid)、グリココール酸(GCA:glycocholic acid)、タウロコール酸(TCA:taurocholic acid)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA:glycochenodeoxycholic acid)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA:taurochenodeoxycholic acid)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本開示のある態様においては、200μM未満を含む医薬組成物を提供する。別の態様では、医薬組成物は、150μM、100μM、50μM、25μM、20μM、15μM、10μM、または5μM未満を含む。
本開示の別の態様では、二次二次胆汁酸は、デオキシコール酸(DCA:deoxycholic acid)、イソデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸(GDCA:glycodeoxycholic acid)、タウロデオキシコール酸(TDCA:taurodeoxycholic acid)、グリコリトコール酸(GLCA:glycolithocholic acid)、タウロリトコール酸(TLCA:taurolithocholic acid)、リトコール酸(LCA:lithocholic acid)、ウルソデオキシコール酸(UDCA:ursodeoxycholic acid)、イソウルソデオキシコール酸、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA:glycoursodeoxycholic acid)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA:tauroursodeoxycholic acid)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。フィアモンシニ(Fiamoncini)、ジャーリー(Jarlei)、「第14章 - 胆汁酸と腸内微生物叢とのクロストーク:代謝疾患および減量手術に注目(Chapter 14 - The Cross Talk Between Bile Acids and Intestinal Microbiota:Focus on Metabolic Diseases and Bariatric Surgery)」、マイクロバイオーム・アンド・マタボローム・イン・ダイアグノシス・セラピー・アンド・アザー・ストラテジック・アプリケーションズ(Microbiome and Matabolome in Diagnosis、Therapy、and other Strategic Applications)、139-145頁(2019)(本明細書において引用により援用される)を参照。ある態様では、本開示は、閾値レベル以上の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの二次胆汁酸を含む未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を提供する。ある態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はデオキシコール酸(DCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、200μM、300μM、350μM、400μM、450μM、または500μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はデオキシコール酸(DCA)であり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、200μM~400μM、200μM~600μM、400μM~800μM、または200μM~800μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はグリコデオキシコール酸(GDCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はGDCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はタウロデオキシコール酸(TDCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はTDCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。さらに別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はグリコリトコール酸(GLCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はGLCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はリトコール酸(LCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、調製物の供給源として使用される生の糞便中のLCAの閾値レベルは、少なくとも5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はLCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はLCAであり、閾値は、ドナーの生の糞便中に少なくとも800μM、少なくとも1000μM、少なくとも1200μM、少なくとも1400μM、少なくとも1600μM、少なくとも1800μM、少なくとも2000μM、または2000μM超である。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はウルソデオキシコール酸(UDCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はUDCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。さらに別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はUDCAであり、調製物の供給源として使用される生の糞便中のUDCAの閾値レベルは、少なくとも0.25μg/mg、少なくとも0.5μg/mg、少なくとも0.75μg/mg、少なくとも1.0μg/mg、少なくとも1.25μg/mg、少なくとも1.5μg/mg、少なくとも1.75μg/mg、少なくとも2.0μg/mg、少なくとも2.25μg/mg、少なくとも2.5μg/mg、少なくとも2.75μg/mg、または少なくとも3.0μg/mgの生の糞便である。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はUDCAであり、調製物の供給源として使用される生の糞便中のUDCAの閾値レベルは、3.0μg/mgの生の糞便より高い。さらなる態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はデオキシコール酸(DCA)であり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。よりさらなる態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)であり、閾値レベルは100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。別の態様では、少なくとも1つの二次胆汁酸はTUDCAであり、閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。
ある態様では、医薬組成物に組み込まれる未培養糞便細菌の調製物は、1つ以上の胆汁酸変換細菌分類群(たとえば、門、綱、目、科、属、種、または株など)を含む。別の例では、医薬組成物に組み込まれる未培養糞便細菌の調製物は、一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる1つ以上の細菌分類群(たとえば、門、綱、目、科、属、種、または株など)を含む。
本開示の別の態様では、胆汁酸変換細菌株は、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである。
本開示の別の態様では、胆汁酸変換細菌株は、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)、バクテロイデス科(Bacteroidacaeae)、ポルフィロモナス科(Porphyromonadaceae)科、またはプレボテラ科(Prevotellaceae)の科のメンバーである。
ある態様では、医薬組成物は、たとえば閾値レベルより高いレベルなどで1つ以上の短鎖脂肪酸(SCFA)を産生する細菌の能力に基づいて組成物に含めるために選択された未培養糞便細菌の調製物を含む。本明細書で使用される場合、「短鎖脂肪酸」または「SCFA」とは、1~6個の炭素原子の脂肪族尾部を有する脂肪酸を示す。SCFAは、たとえば炭水化物、タンパク質、ペプチド、および糖タンパク質前駆体などの発酵などの細菌代謝の際に、細菌によって産生され得る。例示的なSCFAとしては、酢酸(アセテートとしても知られる)、酪酸(ブチレートとしても知られる)、カプロン酸(ヘキサン酸またはカプロエートとしても知られる)、ギ酸(メタン酸としても知られる)、ヘプタン酸(エナント酸またはヘプタノエートとしても知られる)、イソ酪酸(2-メチルプロパン酸またはイソブチレートとしても知られる)、イソカプロン酸(4-メチルペンタン酸または4-メチル吉草酸またはイソカプロエートとしても知られる)、イソ吉草酸(3-メチルブタン酸またはβ-メチル酪酸またはイソバレレートとしても知られる)、プロピオン酸(プロパン酸またはプロピオナートとしても知られる)、および吉草酸(ペンタン酸またはバレレートとしても知られる)が挙げられるが、これらに限定されない。理論に束縛されることは望まないが、SCFAは、結腸粘膜の健康を維持する上で必須の役割を果たすと考えられており、SCFAを産生する腸細菌の存在は、たとえば炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)などの特定の腸内ディスバイオシスの持続的な臨床的寛解に関連付けられる。したがって、いくつかの態様では、本明細書に記載される医薬組成物に組み込まれる細菌(たとえば、未培養糞便細菌など)は、1つ以上のSCFAを産生するように選択される。たとえば、未培養糞便細菌は、組成物が対象(たとえば、IBDを有する対象)に投与された後に、対象の腸内で1つ以上のSCFAを産生できる。別の例では、未培養糞便細菌は、たとえば糞便細菌によって産生されるSCFAのレベルを検出および/または測定し得るアッセイなどの実施中に、1つ以上のSCFAをエクスビボで産生できる。
ある態様では、医薬組成物は、特定の閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生するように選択された細菌(たとえば、未培養糞便細菌)を含む。たとえば、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、少なくとも11.5、少なくとも12、少なくとも12.5、少なくとも13、少なくとも13.5、少なくとも14、少なくとも14.5、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、または200mM超のブチレートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたブチレートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、または200mM超のアセテートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたアセテートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、少なくとも11.5、少なくとも12、少なくとも12.5、少なくとも13、少なくとも13.5、少なくとも14、少なくとも14.5、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、または100mM超のプロピオナートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたプロピオナートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.2、少なくとも0.4、少なくとも0.6、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.4、少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のカプロエートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたカプロエートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.2、少なくとも0.4、少なくとも0.6、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.4、少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のヘプタノエートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたヘプタノエートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のイソブチレートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたイソブチレートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のイソカプロエートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたイソカプロエートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.2、少なくとも0.4、少なくとも0.6、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.4、少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のイソバレレートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたイソバレレートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
別の例では、医薬組成物に組み込まれた未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも0.2、少なくとも0.4、少なくとも0.6、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.4、少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超のバレレートを(たとえば、組成物を投与された対象の腸において、または基質の存在下で細菌によって産生されたバレレートのレベルを測定するエクスビボアッセイにおいて)産生できるか、または産生するように選択され得る。
本明細書に記載されるとおり、未培養糞便細菌は、糞便細菌のドナーの糞便サンプル中のSCFAのレベルまたは量に基づいて、(たとえば、組成物を投与された対象の腸に1つ以上のSCFAを送達するために)本明細書に記載される医薬組成物に含めるために選択され得る。別の態様では、未培養糞便細菌は、エクスビボアッセイにおいて糞便細菌によって産生されるSCFAのレベルまたは量に基づいて、(たとえば、組成物を投与された対象の腸に1つ以上のSCFAを送達するために)本明細書に記載される医薬組成物に含めるために選択され得る。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、調製物中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて、(たとえば、組成物を投与された対象の腸に1つ以上のSCFAを送達するために)本明細書に記載される医薬組成物に含めるために選択され得る。ある態様では、(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて選択された)未培養糞便細菌の調製物を調製するための出発材料として使用される糞便のドナーは、糞便を提供する前にプレバイオティクスの投与を受ける。別の態様では、(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて選択された)未培養糞便細菌の調製物を調製するための出発材料として使用される糞便のドナーは、提供の前にプレバイオティクスの投与を受けない。
一態様では、未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便由来の糞便微生物叢の全体または実質的に完全なものを含む。一態様では、未培養糞便細菌は、生存する非病原性糞便細菌の単離または精製された集団を含む。さらなる態様では、未培養糞便細菌は、単一ドナーからの実質的に完全な糞便微生物叢調製物を含む。別の態様では、本明細書に記載される医薬組成物は、1つ以上の生存する非病原性細菌単離物と、生存する非病原性の精製または抽出された未培養糞便細菌とを含む細菌混合物を含む。
ある態様では、ドナーの糞便からの未培養糞便細菌の調製は、エタノール処理、界面活性剤処理、熱処理、照射、および超音波処理からなる群から選択される処理を含む。別の態様では、ドナーの糞便からの未培養糞便細菌の調製は、エタノール処理、界面活性剤処理、熱処理、照射、および超音波処理からなる群から選択される処理を含まない。一態様では、ドナーの糞便からの未培養糞便細菌の調製は、密度勾配、濾過(たとえば、ふるい、ナイロンメッシュなど)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを含む。別の態様では、ドナーの糞便からの未培養糞便細菌の調製は、密度勾配、濾過(たとえば、ふるい、ナイロンメッシュなど)、およびクロマトグラフィーからなる群から選択される分離ステップを含まない。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便サンプル由来の全体または実質的に全体の糞便微生物叢を含む。別の態様では、本明細書において投与される医薬組成物は、ドナー真核細胞を実質的に含まない未培養糞便細菌の調製物を含む。
ある態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、3.0以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、4.5以上、または5.0以上のシャノン多様性指数を含む未培養糞便細菌の調製物を含む。別の態様では、医薬組成物は、0.1~3.0、0.1~2.5、0.1~2.4、0.1~2.3、0.1~2.2、0.1~2.1、0.1~2.0、0.4~2.5、0.4~3.0、0.5~5.0、0.7~5.0、0.9~5.0、1.1~5.0、1.3~5.0、1.5~5.0、1.7~5.0、1.9~5.0、2.1~5.0、2.3~5.0、2.5~5.0、2.7~5.0、2.9~5.0、3.1~5.0、3.3~5.0、3.5~5.0、3.7~5.0、31.9~5.0、または4.1~5.0のシャノン多様性指数を含む糞便微生物叢を含む。一態様では、シャノン多様性指数は、門レベルで計算される。別の態様では、シャノン多様性指数は科レベルで計算される。一態様では、シャノン多様性指数は属レベルで計算される。別の態様では、シャノン多様性指数は種レベルで計算される。さらなる態様では、医薬組成物は、正常な健常ヒト糞便フローラに類似する比例的な含有量のフローラの調製物を含む。
さらなる態様では、医薬組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の異なる科からの糞便細菌(たとえば、閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生するように選択された未培養糞便細菌など)を含む。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の異なる科からの糞便細菌を含む。さらに別の態様では、医薬組成物は、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の異なる科からの糞便細菌を含む。さらなる態様では、医薬組成物は、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の異なる科からの糞便細菌を含む。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の異なる科からの糞便細菌を含む。別の態様では、医薬組成物は、1~10、10~20、20~30、30~40、40~50の異なる科からの糞便細菌を含む。ある態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%以下の非生存物質重量/生物学的物質重量を含む未培養糞便細菌の調製物を含む。別の態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以下の非生存物質重量/生物学的物質重量を含む糞便細菌の調製物を含む。別の態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、2.0mm、1.0mm、0.5mm、0.33mm、0.25mm、0.212mm、0.180mm、0.150mm、0.125mm、0.106mm、0.090mm、0.075mm、0.063mm、0.053mm、0.045mm、0.038mm、0.032mm、0.025mm、0.020mm、0.01mm、または0.002mmのふるいサイズ、排除サイズ、または粒子フィルタサイズを有するふるい、カラム、または類似の濾過装置を通過する、糞便サンプルの非生存糞便物質の粒子および/または生物学的物質の粒子を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。「非生存糞便物質」とは、糞便がドナーから採取されたときに糞便中に存在する物質を示し、それは糞便物質の処理中に添加されるたとえば凍結保護物質などの薬学的に不活性な物質などの賦形剤は含まない。「生物学的物質」とは、糞便物質中の生存する物質を示し、それはたとえば細菌および古細菌などの原核細胞(たとえば、生存する原核細胞、および胞子形成して生存する原核細胞となり得る胞子など)、たとえば原生動物および真菌などの真核細胞、ならびにウイルスを含む微生物を含む。一態様では、「生物学的物質」とは、正常で健常なヒトの腸(たとえば結腸など)に存在する、たとえば微生物、真核細胞、およびウイルスなどの生存物質を示す。ある態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、ヒト糞便の抽出物を含み、その組成物は実質的に無臭である。ある態様では、本明細書において提供または投与される医薬組成物は、凍結乾燥されたか、粗製か、半精製されたか、または精製された製剤中に糞便物質または糞便フローラ調製物を含む。
ある態様では、医薬組成物に含まれる未培養糞便細菌の調製物は、たとえば非フローラ糞便物質を実質的に含まない、高度に純化または精製された糞便フローラを含む。ある態様では、ドナーから採取された(未培養糞便細菌を含む)糞便微生物叢をさらに処理して、たとえばふるい分けの前、後、または前後に精密濾過を行い得る。別の態様では、高度に精製された糞便微生物叢生成物を限外濾過して、大きな分子は除去するが、たとえば細菌などの治療用ミクロフローラは保持する。
別の態様では、本明細書に記載される医薬組成物に組み込まれる未培養糞便細菌の調製物は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%単離されるかもしくは純粋であるか、または約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、もしくは1.0%以下もしくはそれ以上の非糞便フローラ物質を有する糞便フローラの単離物である(またはそれを含む)、実質的に単離もしくは精製された糞便フローラまたは全体(もしくは実質的に全体)の微生物叢か;あるいはサドウスキー(Sadowsky)らの国際公開第2012/122478(A1)号に記載されるか、またはボロディ(Borody)らの国際公開第2012/016287(A2)号に記載されるとおりの、実質的に単離もしくは精製された微生物叢または実質的に全体の微生物叢を含むか、または本質的にそれからなる。
ある態様では、医薬組成物に含まれる未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便の実質的に全体の糞便微生物叢を含む。別の態様では、医薬組成物の未培養糞便細菌は、抗生物質耐性細菌を含まない。別の態様では、医薬組成物は、異物(たとえば、残留繊維、DNA、RNA、ウイルス外被物質、非生存可能物質などの無細胞物質を含む無生物;および糞便物質のドナー由来の真核細胞などの生存する物質など)をほとんど含まない未培養糞便細菌の調製物を含む。
ある態様では、医薬組成物に含まれる未培養糞便細菌は、ヒトドナーの疾患スクリーニングされた糞便サンプルに由来する。ある態様では、糞便サンプルは、抗生物質耐性集団を含まない。たとえば、組成物は、抗生物質耐性集団を含まない正常で健常なヒト糞便フローラに比例的含有量が類似し得る生存可能フローラの調製物を含み得る。
一態様では、本明細書に記載され使用される未培養糞便細菌の調製物は、アシドアミノコッカス(Acidaminococcus)、アッカーマンシア(Akkermansia)、アリスチペス(Alistipes)、アナエロトランカス(Anaerotruncus)、バクテロイデス(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ブラウチア(Blautia)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、クロストリジウム(Clostridium)、コリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ドレア(Dorea)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、ヘモフィルス(Haemophilus)、ホールデマニア(Holdemania)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、モラクセラ(Moraxella)、パラバクテロイデス(Parabacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラオウルテラ(Raoultella)、ロゼブリア(Roseburia)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)、およびベイロネラ(Veillonella)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上の生存糞便微生物を含む。一態様では、未培養糞便細菌の調製物は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種ブルガタス(vulgatus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種テタイオタオミクロン(thetaiotaomicron)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)II、パラバクテロイデス・ジスタソニス(Parabacteroides distasonis)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)I、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ゲミガー・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ユーバクテリウム・シラエウム(Eubacterium siraeum)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ユーバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種A、ユーバクテリウム・ビフォルメ(Eubacterium biforme)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)I、フソバクテリウム・ルッシ(Fusobacterium russi)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、クロストリジウム・ラモスム(Clostridium ramosum)、ラクトバチルス・ライヒマニ(Lactobacillus leichmannii)、ルミノコッカス・カリダス(Ruminococcus callidus)、ブチリビブリオ・クロッソタス(Butyrivibrio crossotus)、アシドアミノコッカス・フェルメンタンス(Acidaminococcus fermentans)、ユーバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種フラジリス(fragilis)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、アエロスティペス・ハドルス(Aerostipes hadrus)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ユーバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、ティシレラ・プラエアクタ(Tissirella praeacuta)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)I、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、クロストリジウム・イノクウム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・ラモスム(Clostridium ramosum)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種オバツス(ovatus)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、大腸菌(Escherichia coli)、ゲメラ・モルビロルム(Gemella morbillorum)、フィネゴルジア・マグナス(Finegoldia magnus)、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)、ユーバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、バクテロイデス・クロストリディフォルミス(Bacteroides clostridiiformis)亜種クロストリドリフォルミス(clostridliformis)、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、プレボテラ・オラリス(Prevotella oralis)、プレボテラ・ルミニコラ(Prevotella ruminicola)、オドリバクター・スプランキニクス(Odoribacter splanchnicus)、およびデスイフォモナス・ピグラ(Desuifomonas pigra)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上の生存糞便微生物を含む。
一態様では、本明細書に記載され使用される未培養糞便細菌の調製物は、フィーカリバクテリム・プラウスニッツイ(Faecalibacterim prausnitzii)を含む。別の態様では、本明細書に記載され使用される未培養糞便細菌の調製物は、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)を含む。別の態様では、本明細書に記載され使用される未培養糞便細菌の調製物は、フィーカリバクテリム・プラウスニッツイ(Faecalibacterim prausnitzii)およびユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)を含む。さらに別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリム・ハリイ(Eubacterim hallii)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)GD/7、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)L2-50、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)A2-232、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、およびアナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)からなる群から選択される1つ以上の主要なブチレート産生細菌を含む。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、クロストリジウム(Clostridium)XIVaおよびクロストリジウム(Clostridium)IVクラスターの細菌種を含む。
一態様では、本明細書に記載される未培養糞便細菌の調製物は、1つ以上のSCFA産生細菌株を含む。態様では、糞便細菌の調製物は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、または50を超えるSCFA産生細菌株を含む。
ある態様では、医薬組成物は、調製物中(または調製物を生成した糞便中)の1つ以上のSCFA産生細菌株の存在に基づくか、または閾値相対存在量以上の調製物中(または調製物を生成した糞便中)の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて選択された未培養糞便細菌の調製物を含み得る。さまざまな態様では、医薬組成物は、調製物中に少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、または80%超の相対存在量で1つ以上のSCFA産生細菌株を含む未培養糞便細菌の調製物を含む。
一態様では、本明細書に記載され使用される未培養糞便細菌の調製物は、アシドアミノコッカス(Acidaminococcus)、アッカーマンシア(Akkermansia)、アリスチペス(Alistipes)、アナエロトランカス(Anaerotruncus)、バクテロイデス(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ブラウチア(Blautia)、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)、クロストリジウム(Clostridium)、コリンセラ(Collinsella)、コプロコッカス(Coprococcus)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ドレア(Dorea)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、ヘモフィルス(Haemophilus)、ホールデマニア(Holdemania)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、モラクセラ(Moraxella)、パラバクテロイデス(Parabacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラオウルテラ(Raoultella)、ロゼブリア(Roseburia)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)、およびベイロネラ(Veillonella)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上の生存糞便微生物を欠くか、または実質的に有さない。一態様では、未培養糞便細菌の調製物は、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種ブルガタス(vulgatus)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種テタイオタオミクロン(thetaiotaomicron)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)II、パラバクテロイデス・ジスタソニス(Parabacteroides distasonis)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)I、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ゲミガー・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ユーバクテリウム・シラエウム(Eubacterium siraeum)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ユーバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種A、ユーバクテリウム・ビフォルメ(Eubacterium biforme)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)I、フソバクテリウム・ルッシ(Fusobacterium russi)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、クロストリジウム・ラモスム(Clostridium ramosum)、ラクトバチルス・ライヒマニ(Lactobacillus leichmannii)、ルミノコッカス・カリダス(Ruminococcus callidus)、ブチリビブリオ・クロッソタス(Butyrivibrio crossotus)、アシドアミノコッカス・フェルメンタンス(Acidaminococcus fermentans)、ユーバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種フラジリス(fragilis)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、アエロスティペス・ハドルス(Aerostipes hadrus)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ユーバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、ティシレラ・プラエアクタ(Tissirella praeacuta)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)I、フソバクテリウム・ナビフォルメ(Fusobacterium naviforme)、クロストリジウム・イノクウム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・ラモスム(Clostridium ramosum)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)亜種オバツス(ovatus)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、大腸菌(Escherichia coli)、ゲメラ・モルビロルム(Gemella morbillorum)、フィネゴルジア・マグナス(Finegoldia magnus)、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)、ユーバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、バクテロイデス・クロストリディフォルミス(Bacteroides clostridiiformis)亜種クロストリドリフォルミス(clostridliformis)、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、プレボテラ・オラリス(Prevotella oralis)、プレボテラ・ルミニコラ(Prevotella ruminicola)、オドリバクター・スプランキニクス(Odoribacter splanchnicus)、およびデスイフォモナス・ピグラ(Desuifomonas pigra)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つもしくは生存するより多くの糞便微生物を欠くか、または実質的に有さない。
ある態様では、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌は、クロストリジウム・アブソヌム(Clostridium absonum)、クロストリジウム・アルゲンチネンス(Clostridium argentinense)、クロストリジウム・バラティ(Clostridium baratii)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム・カルニス(Clostridium carnis)、クロストリジウム・セラツム(Clostridium celatum)、クロストリジウム・ショウベイ(Clostridium chauvoei)、クロストリジウム・クロストリジオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・コクレアリウム(Clostridium cochlearium)、クロストリジウム・ファラックス(Clostridium fallax)、クロストリジウム・フェルシネウム(Clostridium felsineum)、クロストリジウム・ゴニイ(Clostridium ghonii)、クロストリジウム・グリコリクム(Clostridium glycolicum)、クロストリジウム・ヘモリチクム(Clostridium haemolyticum)、クロストリジウム・ハスチフォルメ(Clostridium hastiforme)、クロストリジウム・ヒストリチクム(Clostridium histolyticum)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・イレグラレ(Clostridium irregulare)、クロストリジウム・リモスム(Clostridium limosum)、クロストリジウム・マレノミナツム(Clostridium malenominatum)、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)、クロストリジウム・オロチカム(Clostridium oroticum)、クロストリジウム・パラプトリフィカム(Clostridium paraputrificum)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ピリフォルメ(Clostridium piliforme)、クロストリジウム・プトレファシエンス(Clostridium putrefaciens)、クロストリジウム・プトリフィカム(Clostridium putrificum)、クロストリジウム・サルジニエンス(Clostridium sardiniense)、クロストリジウム・サルタゴフォルメ(Clostridium sartagoforme)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、クロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)、クロストリジウム・ソルデリ(Clostridium sordellii)、クロストリジウム・スフェノイデス(Clostridium sphenoides)、クロストリジウム・スピロフォルメ(Clostridium spiroforme)、クロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・サブターミナレ(Clostridium subterminale)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・テルチウム(Clostridium tertium)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、クロストリジウム・ウェルチ(Clostridium welchii)、およびクロストリジウム・ビロスム(Clostridium villosum)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のクロストリジウム(Clostridium)種の非病原性胞子を含む。ある態様では、医薬組成物は、バクテロイデス・コプロコラ(Bacteroides coprocola)、バクテロイデス・プレビウス(Bacteroides plebeius)、バクテロイデス・マシリエンシス(Bacteroides massiliensis)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデス・ヘルコゲネス(Bacteroides helcogenes)、バクテロイデス・ピオゲネス(Bacteroides pyogenes)、バクテロイデス・テクタス(Bacteroides tectus)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)、バクテロイデス・エガーシイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・フィネゴルディイ(Bacteroides finegoldii)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・アシジファシエンス(Bacteroides acidifaciens)、バクテロイデス・カカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・ノルディイ(Bacteroides nordii)、バクテロイデス・セイリヤーシアエ(Bacteroides salyersiae)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・インテスチナリス(Bacteroides intestinalis)、バクテロイデス・コプロスイス(Bacteroides coprosuis)、バクテロイデス・ジスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス・ゴルドステイニイ(Bacteroides goldsteinii)、バクテロイデス・メルダエ(Bacteroides merdae)、バクテロイデス・フォルシサス(Bacteroides forsythus)、バクテロイデス・スプランキニクス(Bacteroides splanchnicus)、バクテロイデス・カピローサス(Bacteroides capillosus)、バクテロイデス・セルロソルベンス(Bacteroides cellulosolvens)、およびバクテロイデス・ウレオリチカス(Bacteroides ureolyticus)の群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上の非病原性バクテロイデス(Bacteroides)種を含む。
ある態様では、ドナーの糞便から抽出された未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便に元々存在した細菌株のすべて(100%)を含む。ある態様では、ドナーの糞便から抽出された未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便に元々存在した細菌株の99.9%を含む。ある態様では、ドナーの糞便から抽出された未培養糞便細菌の調製物は、ドナーの糞便に元々存在した細菌株の99.8、99.7、99.6、99.5、99.4、99.3、99.2、99.1、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、85、84、83、82、81、80、75、70、65、60、55、50、45、または40%を含む。
ある態様では、本明細書に開示される医薬組成物は、滅菌糞便濾液または非細胞性糞便濾液を含む。一態様では、滅菌糞便濾液はドナー糞便に由来する。別の態様では、滅菌糞便濾液は培養微生物に由来する。別の態様では、滅菌糞便濾液は、非細胞性の非粒子状糞便成分を含む。一態様では、滅菌糞便濾液は、2014年5月30日に公開された国際公開第2014/078911号に記載されるとおりに作製される。別の態様では、滅菌糞便濾液は、オット(Ott)ら、ガストロエンテロロジー(Gastroenterology)152:799-911(2017)に記載されるとおりに作製される。
一態様では、糞便濾液は、分泌されるか、排出されるか、または別様の液体成分もしくは微生物叢を含み、たとえば、抗生物質または抗炎症剤であり得る生物学的活性分子(BAM:biologically active molecules)などがフローラ抽出物中に保存、保持、または再構成されている。
一態様では、糞便濾液の調製は、ドナーから糞便を受け取ることと、糞便をホモジナイズおよび遠心分離することと、次いで、たとえば金属ふるいもしくはミリポア(Millipore)フィルタまたは同等物のいずれかなどを使用した非常に高レベルの濾過によって濾過して、最終的に、たとえば多くの場合には直径約5マイクロメートル未満などである細菌起源の細胞のみを残すこととを含む。最初の遠心分離後、固体物質を液体から分離することができ、次いで、たとえばミリポア濾過などを使用し、任意選択でナノ膜濾過も使用して、次第にサイズが小さくなるフィルタおよび接線フィルタで固体バンを濾過することができる。濾過は、国際公開第2012/122478号に記載されるとおりのふるいによって行うこともできるが、これとは対照的に、.0120mm未満の約.0110mmまでのふるいを使用することによって、最終的には細菌細胞のみを存在させる。
遠心分離の際に分離された上清は、いくつかの態様では、たとえばミリポア濾過または同等のシステムなどの濾過において漸進的に濾過されて、約0.22ミクロンフィルタを通して微細に濾過された液体を生成し得る。このフィルタは、細菌およびウイルスを含むすべての生物を含むすべての粒子状物質を除去する。よって生成物は無菌であるが、その目的は細菌を除去してもその分泌物を保持することであり、分泌物は特に抗菌性バクテリオシン、細菌由来のサイトカイン様生成物、およびすべての付随する生物学的活性分子(BAM)であり、これにはツリシン(ドナー糞便中の桿菌によって分泌される)、バクテリオシン(コリシン、トロウデュリキシンもしくはプタインディシン、またはミクロシンもしくはサブチロシンAを含む)、ランバイオティクス(ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ミュータシン、メルサシジン、アクタガルジン、シンナマイシンを含む)、ラクチシン、およびその他の抗菌または抗炎症化合物が含まれる。
一態様では、医薬組成物は、精製された糞便微生物叢(たとえば、未培養糞便細菌の調製物など)と非細胞性糞便濾液との組み合わせから本質的になる再構成された糞便フローラを含む。別の態様では、医薬組成物は、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分が補充された精製糞便微生物叢(たとえば、未培養糞便細菌の調製物など)を含む。一態様では、医薬組成物は、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分を含む。一態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、合成分子か、糞便微生物によって産生された生物学的活性分子か、またはその両方を含む。別の態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、生物学的に活性なタンパク質もしくはペプチド、微量栄養素、脂肪、糖、低分子炭水化物、微量元素、無機塩、灰分、粘液、アミノ酸、栄養素、ビタミン、無機物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、バクテリオシン、ランバイオティクス、およびラクチシンからなる群から選択される1つ以上の生物学的活性分子を含む。別の態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、コリシン、トロウデュリキシン、プタインディシン、ミクロシン、およびサブチロシンAからなる群から選択される1つ以上のバクテリオシンを含む。一態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、ツリシン、ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ミュータシン、メルサシジン、アクタガルジン、およびシンナマイシンからなる群から選択される1つ以上のランバイオティクスを含む。別の態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、抗胞子化合物、抗菌性化合物、抗炎症性化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。さらなる態様では、1つ以上の非細胞性非粒子状糞便成分は、インターロイキン、サイトカイン、ロイコトリエン、エイコサノイド、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
別の態様では、医薬組成物は、たとえばヒトGI微生物叢の部分的または完全な提示などの未培養糞便細菌と、フローラ(微生物叢)の単離後、処理後、濾過後、濃縮後、再構成後、および/または人工の液体成分(たとえば、糞便濾液など)との両方を含み、この液体成分は、他の成分の中でも特に、細菌分泌産物、たとえばバクテリオシン(コリシン、トロウデュリキシンもしくはプタインディシン、またはミクロシンもしくはサブチロシンAを含む、細菌によって産生されるタンパク質性毒素)、ランバイオティクス(特徴的な多環チオエーテルアミノ酸のランチオニンもしくはメチルランチオニン、ならびに不飽和アミノ酸のデヒドロアラニンおよび2-アミノイソ酪酸を含有するペプチド抗生物質のクラスであり、それはツリシン(ドナー糞便において桿菌によって分泌される)、ナイシン、スブチリン、エピデルミン、ミュータシン、メルサシジン、アクタガルジン、シンナマイシンを含む)、ラクチシン(孔形成ペプチド毒素のファミリー)、およびその他の抗菌性もしくは抗炎症性化合物、ならびに/または微生物叢の細菌もしくは他の微生物によって産生される付加的な生物学的活性分子(BAM)、ならびに/または微生物叢の「液体成分」中に見出されるものを含む。
一態様では、未培養糞便細菌(たとえば、1つ以上のSCFAを産生するように選択されたもの)の調製物を含む医薬組成物は、糞便非細胞性濾液ベースの医薬組成物と同時に使用される。別の態様では、患者は、未培養糞便細菌(たとえば、1つ以上のSCFAを産生するように選択される)を含む第2の医薬組成物を投与される前に、第1の糞便非細胞性濾液ベースの医薬組成物で処置されるか、またはその逆である。さらなる態様では、処置方法は3つのステップを含む。第1に、感染性病原体を非選択的に除去するための抗生物質前処置;第2に、選択された感染性病原体をさらに抑制するための糞便非細胞性濾液ベースの処置ステップ;および第3に、機能的腸内マイクロバイオームを再確立するために1つ以上のSCFAを産生するように選択された未培養糞便細菌を含む医薬組成物による処置である。
ある態様では、障害(たとえば、対象の腸への1つ以上のSCFAの送達によって処置できる障害)を有するかまたはそのリスクがある対象に投与される、未培養糞便細菌の調製物を含む組成物は、対象の腸内フローラの内因性の細菌細胞を、投与された細菌調製物由来の細菌細胞で置き換えることに基づいて、障害の症状の治癒、低減、または症状のあるパーセンテージの低減をもたらす。フローラの変化は、可能な限り「ほぼ完全」であり得る。典型的には、腸内フローラの変化は、健常ヒトドナーの糞便由来の一連のフローラを対象の胃腸系に導入することを含み、このことによって、こうした処置を必要とする患者(たとえば、IBDまたは結腸直腸癌の患者)の病原性腸内フローラを実質的または完全に置換することができる。ある態様では、対象の腸における投与された未培養糞便細菌の生着は、生着細菌による1つ以上のSCFAの産生および分泌をもたらし、これは、本明細書に記載されるとおり、対象において治療効果を生じることができる。
本明細書に記載される医薬組成物は、たとえば健常ヒトドナーなどのドナーの糞便サンプルに由来するたとえば細菌などの微生物を含み得る。ある態様では、組成物は、健常ヒトドナーの糞便サンプルの糞便微生物叢のすべてまたは一部に由来する未培養糞便細菌を組み込む。たとえば、組成物は、健常ヒトドナーの糞便サンプルの実質的に完全な糞便微生物叢を組み込むことができる。ある態様では、組成物は、糞便微生物叢の細菌単離物を組み込み、細菌単離物は、健常ヒトドナー由来の糞便サンプルの糞便微生物叢のすべてまたは一部から精製および/または培養されている。よって、未培養糞便細菌または細菌単離物の少なくとも1つを含む組成物を調製するために、糞便サンプルからの糞便微生物叢の採取、抽出、および/または精製が実施され得る。
一態様では、(たとえば、未培養糞便細菌を含む)本明細書に記載される組成物の調製に使用するための例示的な糞便微生物叢は、ヒトドナー由来の出発材料を含む。別の態様では、例示的な糞便微生物叢は、1人以上の健常ヒトドナー由来の材料を含む。さらに別の態様では、例示的な糞便微生物叢は、既知の定義されたドナーのプールからの出発材料を含む。別の態様では、ドナーは成人男性である。さらなる態様では、ドナーは成人女性である。さらに別の態様では、ドナーは青年期の男性である。別の態様では、ドナーは青年期の女性である。別の態様では、ドナーは女の幼児である。別の態様では、ドナーは男の幼児である。別の態様では、ドナーは健常である。一態様では、ヒトドナーは、約18、15、12、10、8、6、4、3、2、または1歳未満の小児である。別の態様では、ヒトドナーは高齢個体である。さらなる態様では、ヒトドナーは、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95歳を超える個体である。別の態様では、ドナーは1~5、2~10、3~18、21~50、21~40、21~30、50~90、60~90、70~90、60~80、または65~75歳である。一態様では、ドナーは前期高齢者個体(65~74歳)である。一態様では、ドナーは、中期高齢者個体(75~84歳)である。一態様では、ドナーは高齢者個体(>85歳)である。さらに別の態様では、ドナーは、慎重にスクリーニングされた、健常な定型発達のヒトである。
ある態様では、糞便ドナーは、その糞便マイクロバイオームプロファイルについてプレスクリーニングされ得る。別の態様では、糞便ドナーは、ドナーの糞便における1つ以上の細菌分類群(たとえば、門、綱、目、科、属、種、または株など)の存在に基づいて選択され得る。別の態様では、糞便ドナーは、閾値相対存在量を超えるレベルでのドナーの糞便における1つ以上の細菌分類群(たとえば、門、綱、目、科、属、種、または株など)の存在に基づいて選択され得る。ある態様では、糞便ドナーは、ドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の存在または相対存在量に基づいて選択され得る。別の態様では、糞便ドナーは、胆汁酸変換株の1つ以上の細菌分類群(たとえば、門、綱、目、科、属、種、または株など)の存在または相対存在量に基づいて選択され得る。
ある態様では、ドナーの糞便中の1つ以上の細菌株の相対存在量は、プロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクスの摂取の不在下での単数または複数の細菌株の相対存在量と比較して、単数または複数の細菌株の増殖または存在を促進するプレバイオティクスおよび/またはプロバイオティクスのドナーによる摂取によって増加する。ある態様では、糞便ドナーは、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製に使用するための糞便を提供する前に、(たとえば、細菌単離物としての)1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を摂取できる。SCFA産生細菌株に対する刺激剤の例としては、プロバイオティクスおよびプレバイオティクスが挙げられる。ある態様では、糞便ドナーは、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製に使用するための糞便を提供する前に、(たとえば、細菌単離物としての)1つ以上のSCFA産生細菌株を含むプロバイオティクスを摂取できる。別の態様では、糞便ドナーは、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製に使用するための糞便を提供する前に、プレバイオティクスを摂取できる。ある態様では、プレバイオティクスのドナーへの投与は、ドナーの糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量を増加させる。ある態様では、ドナーから糞便を採取する前にドナーに投与されるプレバイオティクスは、たとえばアミノ酸(たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシンなど)、乳酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖(FOS:fructooligosaccharides)、フルクトース、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴ糖(たとえば、ガラクトオリゴ糖(GOS:galactooligosaccharide)、トランス-ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS:xylooligosaccharides)、マンノオリゴ糖、またはキトオリゴ糖などを含む)、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー、タガトース、チアミン、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、発酵性多糖、食物繊維、難消化性デンプン、オオムギ、白インゲンマメ粉末、またはそれらの組み合わせなどを含む。
ある態様では、慎重にスクリーニングされたドナーは、完全な病歴および身体検査を受ける。ドナーが感染因子のリスクを有するとき、そのドナーは除外される。追加の除外基準は以下を含む。
1.B型肝炎、C型肝炎、またはHIVによる既知のウイルス感染。
2.任意の時点でのHIVまたはウイルス性肝炎への既知の曝露。
3.薬物または金銭のための性行為、男性と性行為を有する男性、過去12ヵ月以内の2人以上の性的パートナー、静脈内薬物または鼻腔内コカインの任意の過去の使用、去勢歴を含む高リスク行動。
4.12ヵ月以内の刺青または身体穿孔。
5.旅行者の下痢のリスクが米国よりも高い世界の地域への旅行。
6.現在の伝染性疾患、たとえば上気道ウイルス感染症など。
7.過敏性腸症候群の病歴。特定の症状としては、頻繁な腹部痙攣、過剰なガス、鼓脹、腹部膨満、便意切迫、下痢、便秘が挙げられ得る。
8.クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎などの炎症性腸疾患の病歴。
9.慢性下痢。
10.慢性便秘または緩下剤の使用。
11.胃腸悪性腫瘍または既知の結腸ポリポーシスの病歴。
12.たとえば胃バイパス、腸切除、虫垂切除、胆嚢摘出術などの任意の腹部手術の病歴。
13.消化を調節する目的のために潜在的ドナーによって使用されるプロバイオティクスまたは任意の他の市販の補助剤の使用。ヨーグルトおよびケフィア製品は、栄養補給剤ではなく単に食品として摂取されるときは許容される。
14.過去6ヵ月以内の任意の適応症に対する抗生物質。
15.任意の処方された免疫抑制薬または抗新生物薬。
16.確立または出現したメタボリックシンドローム。ここで定義に使用される基準は、いかなる確立された基準よりも厳しい。これらの基準には、血圧上昇の病歴、糖尿病またはグルコース不耐性の病歴が含まれる。
17.既知の全身性自己免疫、たとえば結合組織疾患、多発性硬化症など。
18.喘息または湿疹を含む既知のアトピー性疾患。
19.線維筋痛症、慢性疲労症候群を含む慢性疼痛症候群。
20.吸入器または局所クリームおよび軟膏を含む、任意の処方された薬物を(断続的であっても)使用中であること。
21.自閉症、パーキンソン病を含む神経障害、神経発達障害、および神経変性障害。
22.一般。肥満度指数>26kg/m2、中心性肥満は廃棄物(waste):臀部比率>0.85(男性)および>0.80(女性)により定義される。
23.血圧>135mmHg収縮期および>85mmHg拡張期。
24.皮膚 - 発疹、1年以内に施された入れ墨もしくは身体穿孔、または黄疸の存在。
25.肥大したリンパ節。
26.聴診時の喘鳴。
27.肝腫大または肝臓疾患の徴候。
28.関節の腫脹または圧痛。筋力低下。
29.神経学的検査の異常。
30.PCR検査による糞便クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒素B陽性。
31.サルモネラ、シゲラ、エルシニア、カンピロバクター、大腸菌(E.coli)0157:H7を含む通常の病原体のいずれかについての陽性糞便培養物。
32.卵および寄生虫検査の異常。
33.ジアルジア、クリプトスポリジウム、またはヘリコバクター・ピロリ抗原陽性。
34.HIV1および2、ウイルス性肝炎A IgM、肝炎表面抗原およびコアAbを含む任意のウイルス性疾患についてのスクリーニング陽性。
35.異常RPR(梅毒のスクリーニング)。
36.アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスアミナーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼを含む肝機能検査の任意の異常。
37.血清中トリグリセリドの上昇>150mg/Dl。
38.HDLコレステロール<40mg/dL(男性)および<50mg/dL(女性)。
39.高感受性CRP>2.4mg/L。
40.空腹時血漿グルコースの上昇(>100mg/dL)。
一態様では、本明細書において、糞便サンプルを採取および処理して、未培養糞便細菌の調製物を生じさせるためのプロセスが提供される。このプロセスは、最初に1人以上の健常な(たとえば、スクリーニングされた)ドナーから糞便サンプルを採取することを含み得る。一態様では、新鮮な糞便は、好適な無酸素(または実質的に無酸素)の適切な容器を提供できるか、またはそれを含む糞便採取デバイスを介して輸送される。一態様では、たとえば、内蔵されるかまたはクリップ留めされた、たとえば米国特許第7,541,091号に記載される酸素除去ペレットなどの酸素除去機構を容器に組み込むことなどによって容器を無酸素にできる。別の態様では、容器自体が、たとえばO2BLOCKTMに記載されるものまたは同等物などの酸素除去鉄などの酸素除去材料でできており、この酸素除去材料は、酸素除去鉄の性能増強担体として精製および修飾された層状粘土を使用し、活性鉄はポリマー中に直接分散される。一態様では、酸素除去ポリマーは、容器自体を作製するか、もしくは容器をコーティングするために使用されるか、または添加されるペレットとして使用される。これはたとえば、米国特許出願公開第20110045222号に記載されるとおりであり、これは、酸素除去活性を示す、1つ以上の不飽和オレフィンホモポリマーまたはコポリマー;1つ以上のポリアミドホモポリマーまたはコポリマー;1つ以上のポリエチレンテレフタレートホモポリマーまたはコポリマーを有するポリマー混合物を記載している。一態様では、酸素除去ポリマーは、容器自体を作製するか、もしくは容器をコーティングするために使用されるか、または添加されるペレットとして使用される。これはたとえば、米国特許出願公開第20110008554号に記載されるとおりであり、これは、ポリエステル、コポリエステルエーテル、および酸化触媒を含む組成物を記載しており、ここでコポリエステルエーテルは、ポリ(テトラメチレン-コ-アルキレンエーテル)を含むポリエーテルセグメントを含む。一態様では、酸素除去ポリマーは、容器自体を作製するか、もしくは容器をコーティングするために使用されるか、または添加されるペレットとして使用される。これはたとえば、米国特許出願公開第201000255231号に記載されるとおりであり、これは、ポリマーマトリックス中に分散した鉄/塩粒子、および酸素除去微粒子を有する酸素除去フィルムを記載している。
代替的には、酸素除去機構に加えて、またはその代わりに、容器内の空気を窒素および/またはその他の単数または複数の不活性非反応性ガスで(完全または実質的に)置換することができる。一態様では、容器は部分的に、実質的に、または完全に嫌気性環境を模倣する(作り出す)。
一態様では、糞便(たとえば、糞便サンプルなど)は、漏出も臭いもせずに嫌気性環境を維持する審美的に許容される容器内に保持される。一態様では、容器は、糞便フローラを受け取る前は無菌である。
一態様では、本明細書で提供される糞便サンプルは、その輸送および/またはたとえば「糞便バンク」などでの貯蔵の大部分またはすべての間、室温で維持される。たとえば、一旦「処理糞便バンク」に配送されると、糞便サンプルはたとえば室温などの周囲温度で貯蔵される。一態様では、採取および/または貯蔵される材料に、たとえばグリセロールなどの安定化剤が添加される。
一態様では、糞便は、上記のとおりさまざまな病原体について検査される。一態様では、感染性物質の疑いがなくなってから、糞便サンプルをホモジナイズし、濾過して大きな粒子物質を除去する。一態様では、糞便は、たとえば5cc~3リットルまたはそれ以上などであり得る所望の体積に細分される。たとえば一態様では、容器は50グラム(g)の糞便を含み、これは、たとえば金属化ポリエチレンテレフタレートポリエステルフィルムまたは金属化MYLARTMなどの適切な耐酸素性プラスチック中に保持され得る。
一態様では、糞便は、たとえば混合、かき混ぜ、撹拌、または振とうなどによってホモジナイズされる。特定の態様では、糞便サンプルは、ホモジナイゼーション前にホモジナイゼーション緩衝液で希釈される。ホモジナイゼーション緩衝液は、たとえば凍結保護物質(たとえばトレハロースなど)、抗酸化剤または還元剤(たとえばシステインなど)、および緩衝液(たとえば、pH7.4の0.25×PBSなど)などを含有し得る。
一態様では、糞便微生物叢から非細菌成分を分離するために、糞便をホモジナイズし、粗い粒子状物質を濾過することができる。一態様では、次いで微細繊維/非生物物質を細菌から分離する。たとえば、フィルタサイズをたとえば典型的な細菌のサイズまで徐々に減少させることを伴う反復濾過などを含むいくつかの方法を使用できる。
一態様では、異なるフィルタを使用して細菌種が単離されるか、またはウィリアムス(Williams)の国際公開第2011/033310(A1)号で用いられるガーゼによる粗濾過技術を用いる技術が使用される。
一態様では、糞便全体を濾過するための濾過手順は、ほぼ100%細菌の最高濃度に達するように適切に使用される。一態様では、濾過手順は、最初の清澄化のためにガラス繊維デプスフィルタを適切に使用する2段階手順である。一態様では、糞便は陽圧下で濾過される。一態様では、この濾過は、30ミクロンのPVDFフィルタとの組み合わせまたはサンドイッチ構成を使用することになる。一態様では、このサンドイッチ手順は、陽圧下で生成物を濾過することとなる。その後、一態様では、膜濃縮を別のステップとして使用して、濾液の体積を減少させることができる。一態様では、膜濃縮は、窒素カバー下での凍結乾燥または噴霧乾燥の前に行われ得る。
濾過のために使用され得る代替の膜としては、ナイロンフィルタ、硝酸セルロースフィルタ、ポリエーテルスルホン(PES:polyethersulfone)フィルタ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluorethylene)フィルタ、TEFLON(登録商標)フィルタ、混合セルロースエステルフィルタ、ポリカーボネートフィルタ、ポリプロピレンフィルタ、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinylchloride)フィルタ、または石英フィルタが挙げられるが、これらに限定されない。これらの膜のさまざまな組み合わせを使用して、固体および液体が除去された高純度の細菌を達成できる。
別の態様では、医薬組成物は、1つ以上の細菌単離物(たとえば、プロバイオティクスなど)が補充、添加、強化、または増強された未培養糞便細菌の調製物を含む細菌混合物を含む。たとえば、細菌混合物は、1つ以上のSCFA産生細菌株を含む1つ以上の細菌単離物を添加した未培養糞便細菌の調製物を含み得る。健常ドナーの糞便サンプル(たとえば、糞便微生物叢など)に由来する未培養糞便細菌の調製物に、1つ以上の非病原性細菌単離物(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌株を含むもの)を強化または添加することによって、単数または複数の特定の細菌株(すなわち、添加された細菌単離物)の量を考慮して正確に制御することができる細菌混合物を生成できる。理論に束縛されることは望まないが、このことはたとえば、未培養糞便細菌の調製物と混合される細菌単離物が、対象の障害(たとえば、対象の腸へのSCFAの送達によって処置され得る障害)の処置にとって重要であるか、またはそれに関与するが、それ自体が対象において完全または最適な治療応答を生じさせるには不十分である場合に有利である。プロバイオティクスとは異なり、未培養糞便細菌(すなわち、健常ドナーに由来するもの)の調製物と一緒に1つ以上の細菌単離物を対象に投与することは、未培養調製物中に存在する追加の糞便細菌株によって付与される多因子性の利益と組み合わされた投与細菌単離物の利点を対象に提供する。これらの追加の糞便細菌株は、たとえば、細菌単離物が対象において最適な応答を誘導することを可能にするために必要な(たとえば、1つ以上の放出された因子を介した)状況または相互作用を提供するために組み合わされてもよいし、対象を処置するために細菌単離物によって誘導される応答と組み合わされ、かつ/または相乗作用する応答を対象において直接誘導してもよい。したがって、特定の態様では、1つ以上の細菌単離物および未培養糞便細菌の調製物の混合物を含む医薬組成物は、細菌単離物または未培養糞便細菌の調製物のいずれかを単独で含む組成物よりも、対象の障害(たとえば、対象の腸へのSCFAの送達によって処置され得る障害)の処置により有効であり得る。
医薬組成物、製剤、および投与
さまざまな製剤中に未培養糞便細菌の調製物を含む細菌混合物を含む医薬組成物が本明細書に記載される。本明細書に記載される任意の医薬組成物(および/または追加の治療剤)は、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、多粒子を含有するカプセル、粉末、溶液、エマルション(emulsion)、滴剤、坐剤、エマルション(emulsions)、エアロゾル、スプレー、懸濁物、遅延放出製剤、持続放出製剤、制御放出製剤の形態、または使用に適した任意のその他の形態をとり得る。
本明細書に記載される医薬組成物を含む製剤は、単位剤形で簡便に提供され得る。たとえば、治療剤を、1つ以上の補助成分を構成する担体と会合させるステップを含む方法によって、剤形を調製できる。たとえば、製剤は、液体担体か、細かく分割された固体担体か、またはその両方と治療剤とを均一かつ密接に会合させ、次いで、必要であれば生成物を所望の製剤の剤形に成形する(たとえば、湿式または乾式造粒、粉末混合などの後にプレス打錠する)ことによって調製される。
別の態様では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」とは、非毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバント、またはたとえば患者への投与が可能な剤形などの医薬組成物の形成を可能にするために生存細菌と混合されるその他の材料を示す。薬学的に許容される担体は、液体(たとえば、生理食塩水など)、ゲル、または固体形態の希釈剤、アジュバント、賦形剤、または耐酸性封入成分であり得る。好適な希釈剤および賦形剤としては、医薬品等級の生理食塩水、デキストロース、グリセロール、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムなど、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。別の態様では、医薬組成物は、たとえば湿潤または乳化剤、安定化またはpH緩衝剤などの補助物質を含有し得る。ある態様では、医薬組成物は、約1%~5%、5%~10%、10%~15%、15~20%、20%~25%、25~30%、30~35%、40~45%、50%~55%、1%~95%、2%~95%、5%~95%、10%~95%、15%~95%、20%~95%、25%~95%、30%~95%、35%~95%、40%~95%、45%~95%、50%~95%、55%~95%、60%~95%、65%~95%、70%~95%、45%~95%、80%~95%、または85%~95%の活性成分を含有する。ある態様では、医薬組成物は、約2%~70%、5%~60%、10%~50%、15%~40%、20%~30%、25%~60%、30%~60%、または35%~60%の活性成分を含有する。
ある態様では、医薬組成物は、錠剤、ドレンチ、ボーラス、カプセル、またはプレミックスを含むか、またはそれに組み込まれ得る。これらの活性成分をこうした剤形に製剤化することは、医薬製剤分野で周知の方法によって達成できる。たとえば、米国特許第4,394,377号などを参照。ゼラチンカプセルに任意の所望の形態の活性成分を充填することにより、カプセルが容易に生成される。所望であれば、これらの材料は、カプセルに充填するのに便利なように体積を増加させるために、たとえば糖、デンプン、粉乳、または精製結晶セルロースなどの不活性粉末希釈剤で希釈され得る。
ある態様では、たとえば錠剤などの固体組成物を調製するために、活性成分を、たとえばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、もしくはガムなどの従来の錠剤化成分か、またはたとえば水などのその他の薬学的希釈剤などの薬学的担体と混合して、本明細書に記載される組成物の均質な混合物を含有する固体予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と称するときは、活性成分が組成物全体に均一に分散されており、よって組成物をたとえば錠剤、丸剤、およびカプセルなどの同等に有効な単位剤形に容易に細分できることを意味する。次いで、この固体予備製剤組成物は、所望の量の活性成分(たとえば、少なくとも約10、10、10、10、10、1010、1011、1012、または1013CFU)を含有する上述のタイプの単位剤形に細分される。本明細書に記載の医薬組成物は、香味付けすることができる。
ある態様では、本明細書に記載される細菌混合物(および任意選択で1つ以上の追加の治療剤)を含む医薬組成物は、本明細書に記載される投与様式に適合した組成物として製剤化される。
さまざまな態様では、医薬組成物の投与は、経口、静脈内、腹腔内、および非経口のうちのいずれか1つである。たとえば、投与経路としては、経口、腹腔内、静脈内、筋肉内、または直腸内が挙げられるが、これらに限定されない。さまざまな態様では、医薬組成物の投与は、経口、経鼻胃、順行性の胃腸、逆行性の胃腸、内視鏡、または浣腸(enemic)である。
ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物は、経口投与に適合した組成物として製剤化され得る。経口送達のための組成物は、たとえば錠剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁物、顆粒、粉末、スプリンクル、エマルション、カプセル、シロップ、またはエリキシルなどの形態であり得る。経口投与される組成物は、薬学的に口当たりのよい調製物を提供するために、たとえばフルクトース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの甘味剤;たとえばペパーミント、冬緑油、またはサクランボなどの香味剤;着色剤;および保存剤などの1つ以上の薬剤を含み得る。さらに、錠剤または丸剤の形態である場合、組成物をコーティングして崩壊を遅延させ、長期間にわたって細菌混合物の持続送達を提供できる。浸透圧的に活性の薬剤を選択的透過性膜が取り囲むことも、経口投与組成物に適している。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの流体が駆動化合物によって吸収され、この駆動化合物が膨潤して薬剤または薬剤組成物を開口部を通じて移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤の添加プロファイルとは対照的に、本質的に0次の送達プロファイルを提供し得る。たとえばモノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料も有用であり得る。経口組成物は、たとえばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、エタクリル酸およびその誘導体ポリマー、ならびに炭酸マグネシウムなどの標準的な賦形剤を含み得る。ある態様では、賦形剤は医薬品等級のものである。懸濁物は、活性化合物に加えて、たとえばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントなど、ならびにそれらの混合物などの懸濁剤を含有し得る。
さまざまな態様では、医薬組成物は、たとえば錠剤、分散性粉末、顆粒、またはカプセルなどの固体剤形として製剤化される。ある態様では、医薬組成物はカプセルとして製剤化される。別の態様では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。さらに別の態様では、医薬組成物は軟質ゲルカプセルとして製剤化される。さらなる態様では、医薬組成物はゼラチンカプセルとして製剤化される。
ある態様では、医薬組成物は、適切な希釈剤で再構成することができる浣腸組成物;腸溶性カプセル;腸溶性マイクロカプセル;耐酸性錠剤;耐酸性カプセル;耐酸性マイクロカプセル;鼻-腸注入もしくは結腸鏡注入のための適切な希釈剤で再構成するための粉末;経口摂取のための適切な希釈剤、香味剤、および胃酸抑制剤で再構成するための粉末;食品もしくは飲料で再構成するための粉末;または組成物、粉末、ゼリー、もしくは液体の腸溶性および/もしくは耐酸性マイクロカプセルを含む食品もしくは食品サプリメントの形態である。
さまざまな態様では、製剤は、薬学的に許容される担体または賦形剤を追加で含み得る。当業者が認識することとなるとおり、製剤は、所望の使用および投与経路に適切な任意の好適な形態であり得る。
いくつかの剤形において、本明細書に記載される医薬組成物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦形剤もしくは担体と混合され、賦形剤はたとえば、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウムなど、ならびに/またはa)たとえばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、微結晶性セルロース、およびベーカーズ・スペシャル・シュガー(Bakers Special Sugar)などの充填剤もしくは増量剤、b)たとえばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシア、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC:hydroxypropyl cellulose)、およびヒドロキシメチルセルロースなどの結合剤、c)たとえばグリセロールなどの保湿剤、d)たとえば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウム、たとえばクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、クロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、デンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋ポリマーなどの崩壊剤、e)たとえばパラフィンなどの溶解遅延剤、f)たとえば第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)たとえばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)たとえばカオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびにi)たとえばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリルなどの潤滑剤、ならびにこうした賦形剤の混合物などである。当業者は、特定の賦形剤が、経口剤形において2つ以上の機能を有し得ることを認識するだろう。たとえばカプセルまたは錠剤などの経口剤形の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
ある態様では、細菌混合物を含む医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される凍結保護物質、凍結乾燥保護物質、結合剤、崩壊剤、賦形剤、充填剤、および/または保存剤、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、およびプロトンポンプ阻害剤、またはそれらの組み合わせと組み合わされる。
ある態様では、細菌混合物を含む医薬組成物は、たとえば胃における細菌の不活性化を弱めるための制酸剤(たとえば、ミランタ(Mylanta)、ムカイン(Mucaine)、ガストロゲル(Gastrogel)など)などの他のアジュバントと組み合わされる。別の態様では、胃における酸分泌は、H2-アンタゴニストまたはプロトンポンプ阻害剤を使用して薬理学的にも抑制され得る。H2-アンタゴニストの例はラニチジンである。プロトンポンプ阻害剤の例は、オメプラゾールである。一態様では、酸抑制剤は、医薬組成物を投与する前に投与されるか、または医薬組成物と同時投与される。
一態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、またはそれらの組み合わせをさらに含む。一態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、無生物を実質的に含まない。別の態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、残留繊維、DNA、ウイルス外被物質、および非生存可能物質からなる群から選択される無細胞物質を実質的に含まない。別の態様では、投与される医薬組成物は、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、またはそれらの組み合わせを含まない。さらに別の態様では、投与される医薬組成物は酸抑制剤を含まない。別の態様では、投与される医薬組成物は制酸剤を含まない。別の態様では、投与される医薬組成物は、H2アンタゴニストを含まない。別の態様では、投与される医薬組成物は、プロトンポンプ阻害剤を含まない。別の態様では、投与される医薬組成物は、メトクロプラミドを含まない。
ある態様では、細菌混合物は、たとえばそれが凍結乾燥細菌細胞/胞子を含むか、または乾燥結合剤、充填剤、および分散剤を含むときは、乾燥している。代替的に、細菌混合物は、たとえばそれが非乾燥結合剤、充填剤、および分散剤を含むときは、水性であり得る。
ある態様では、本明細書に記載の細菌混合物を凍結乾燥に供することができる。本明細書で使用される場合、「凍結乾燥(lyophilization)」または「フリーズドライ(freeze drying)」は、最初に材料を凍結させ、次いで真空環境中でその中の氷の昇華を促進することによって材料を乾燥させるプロセスを示す。
一態様では、細菌混合物は、還元剤および/または抗酸化剤をさらに含む凍結乾燥製剤を含む。特定の態様では、還元剤は、D-システインおよびL-システインからなる群から選択されるシステインを含む。別の態様では、システインは少なくとも約0.025%の濃度である。一態様では、システインは約0.025%の濃度である。別の態様では、システインは、0.025%の濃度である。別の態様では、システイン以外の別の還元剤が、システインの代わりに、またはシステインと組み合わせて使用される。ある態様では、別の還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、グルタチオン、メチオニン、チオグリセロール、およびアルファトコフェロールを含む群から選択される。
一態様では、システインは、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.015%、少なくとも約0.02%、少なくとも約0.025%、少なくとも約0.03%、少なくとも約0.035%、少なくとも約0.04%、少なくとも約0.045%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.055%、少なくとも約0.06%、少なくとも約0.065%、少なくとも約0.07%、少なくとも約0.075%、少なくとも約0.08%、少なくとも約0.085%、少なくとも約0.09%、少なくとも約0.095%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.12%、少なくとも約0.14%、少なくとも約0.16%、少なくとも約0.18%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.25%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約4%、少なくとも約6%、少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約12%、少なくとも約14%、少なくとも約16%、少なくとも約18%、少なくとも約20%、少なくとも約22%、少なくとも約24%、または少なくとも約26%の濃度である。
一態様では、細菌混合物は、凍結保護物質または凍結保護物質の混合物を含む。本明細書で使用される場合、「凍結保護物質」は、凍結中に活性成分を保護するために製剤に添加される物質を示す。たとえば、凍結保護物質は、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO:dimethyl sulfoxide)もしくは等価物、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG:polyethylene glycol)もしくは等価物、またはアミノ酸(たとえば、アラニン、グリシン、プロリンなど)を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなり得る。本開示のある態様では、凍結保護物質は、5%スクロース;10%スクロース;10%スキムミルク;10%トレハロースおよび2.5%スクロース;5%トレハロースおよび2.5%スクロース;5%マンニトール;5%マンニトールおよび0.1%ポリソルベート80;10%マンニトール;10%マンニトールおよび0.1%ポリソルベート80;5%トレハロース;5%トレハロースおよび0.1%ポリソルベート80;10%トレハロース;ならびに10%トレハロースおよび0.1%ポリソルベート80を含む群から選択され得る。
ある態様では、細菌混合物は凍結乾燥保護物質を含む。本明細書で使用される場合、「凍結乾燥保護物質」は、凍結乾燥中に活性成分を保護するために製剤に添加される物質を示す。一態様では、同じ物質または同じ物質の組み合わせが、凍結保護物質および凍結乾燥保護物質の両方として使用される。例示的な凍結乾燥保護物質としては、たとえばスクロースまたはトレハロースなどの糖;たとえばグルタミン酸一ナトリウムまたはヒスチジンなどのアミノ酸;たとえばベタインなどのメチルアミン;たとえば硫酸マグネシウムなどのリオトロピック塩;たとえば三価以上の糖アルコール、たとえばグリセリン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトールなどのポリオール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;プルロニック(登録商標);ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。ある態様では、凍結乾燥保護物質は、たとえばトレハロースまたはスクロースなどの非還元糖である。ある態様では、凍結保護物質または凍結乾燥保護物質は、この段落および上記の段落で言及される1つ以上の物質から本質的になるか、またはそれからなる。
ある態様では、凍結保護物質または凍結乾燥保護物質は、細胞の内側に浸透して膜破裂をもたらし得る氷晶の形成を防止する、たとえばDMSO、グリセロール、またはPEGなどの細胞内薬剤を含む。ある態様では、凍結保護物質または凍結乾燥保護物質は、細胞膜の中には浸透しないが、凍結中に生じる浸透圧不均衡を改善するように作用する、たとえばスクロース、トレハロース、またはデキストロースなどの細胞外薬剤を含む。
一態様では、本開示は、少なくとも約12.5%のトレハロースを含む凍結乾燥製剤を含む凍結乾燥糞便微生物調製物を含む医薬組成物を提供する。
ある態様では、凍結乾燥製剤はトレハロースを含む。ある態様では、凍結乾燥製剤は、2%~30%、3%~25%、4%~20%、5%~15%、6%~10%、2%~30%、2%~25%、2%~20%、2%~15%、または2%~10%のトレハロースを含む。ある態様では、凍結乾燥製剤は、少なくとも2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、または15%のトレハロースを含む。ある態様では、凍結乾燥製剤は、最大で2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、または15%のトレハロースを含む。別の態様では、凍結乾燥製剤は、約5%のトレハロースを含む。別の態様では、凍結乾燥製剤はトレハロースおよびスクロースを含む。別の態様では、凍結乾燥製剤は、約8%~12%のトレハロースを、約1.5%~3.5%のスクロースおよび約0.5%~1.5%のNaClと共に含む。
一態様では、凍結乾燥製剤は、少なくとも約5%、少なくとも約7.5%、少なくとも約10%、少なくとも約12.5%、少なくとも約13%、少なくとも約13.5%、少なくとも約14%、少なくとも約14.5%、少なくとも約15%、少なくとも約15.5%、少なくとも約16%、少なくとも約16.5%、少なくとも約17%、少なくとも約17.5%、少なくとも約18%、少なくとも約18.5%、少なくとも約19%、少なくとも約19.5%、少なくとも約20%、少なくとも約22.5%、少なくとも約25%、少なくとも約27.5%、少なくとも約30%、少なくとも約32.5%、少なくとも約35%、少なくとも約37.5%、少なくとも約40%、少なくとも約42.5%、少なくとも約45%、少なくとも約47.5%、少なくとも約50%、少なくとも約52.5%、少なくとも約55%、少なくとも約57.5%、または少なくとも約60%のトレハロースを含む。
ある態様では、本明細書で提供される医薬組成物は、周囲温度以下での少なくとも12週間の貯蔵後に、1つ以上のSCFAを患者の腸に送達することによって患者における障害を処置または予防するために有効である。ある態様では、医薬組成物は、周囲温度以下で少なくとも4、8、10、16、20、24、30、40、50、60、70、80、または100週間貯蔵した後も有効なままである。
ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物は、凍結乾燥またはフリーズドライされて、周囲温度(たとえば、室温など)か、凍結温度か、または約2℃~8℃で貯蔵され得る。ある態様では、凍結乾燥は、大部分の細胞を生存可能のままにでき、穏やかに粉砕して粉末にすることができる粉末形態の生成物を生成する。次いで、その粉末または凍結乾燥もしくはフリーズドライ組成物を、摂取のために、たとえば錠剤、ゲルタブ、丸剤、もしくはたとえば腸溶性カプセルなどのカプセルなどの担体に封入するか、または油充填カプセルに入れ得る。代替的には、フリーズドライまたは凍結乾燥された生成物または粉末は、個体への送達前に、たとえば流体、たとえば滅菌流体など、たとえば生理食塩水、緩衝液など、またはたとえば流体-グルコース-セロビオース寒天(RGCA:fluid-glucose-cellobiose agar)培地などの培地などにおいて、周囲温度で再構成され得る。
凍結乾燥のために、ある態様では、細菌は、解凍時の細胞の破裂を防止する液体中に保持される。この液体は、さまざまな安定剤、たとえばグリセロールおよび適切な緩衝液、ならびに/またはエチレングリコールなどを含み得る。ある態様では、凍結保護プロセスは、使用される安定剤に応じて、約10%~80%、20%~70%、30%~60%、または40%~50%の安定剤の最終濃度を使用し、ある態様では、これは、別様にはタンパク質構造を破壊するであろう氷晶の形成を防止することによってタンパク質を安定化することを助ける。
ある態様では、生存細菌の破壊を低減するのを助ける安定剤としては、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、およびその他のポリオールが挙げられる。たとえばデキストランおよびポリエチレングリコールなどのポリマーも、細菌細胞を安定化するために使用できる。
ある態様では、医薬組成物を製造することは、以下のステップを含み得る。(1)分離したカプセル(すなわち、別個のカプセル本体およびカプセルキャップを含むもの)の外部を外部腸溶コーティングでコーティングするステップ、(2)カプセル本体に細菌混合物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)を充填するステップ、および(3)カプセル本体上でカプセルキャップを閉じることによって、細菌混合物を腸溶性カプセル内に封入するステップ。
任意選択で、医薬組成物を製造することは、以下のステップを含み得る。(1)分離したカプセル(すなわち、別個のカプセル本体およびカプセルキャップを含むもの)の外部を外部腸溶コーティングでコーティングするステップ、(2)分離したカプセルの内部を内部コーティングでコーティングするステップ、(3)カプセル本体に細菌混合物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)を充填するステップ、および(4)カプセル本体上でカプセルキャップを閉じることによって、細菌混合物を二重コーティングカプセル内に封入するステップ。
代替的に、医薬組成物を製造することは、以下のステップを含み得る。(1)分離したカプセル(すなわち、別個のカプセル本体およびカプセルキャップを含むもの)の内部を内部コーティングでコーティングするステップ、(2)分離したカプセルの外部を外部腸溶コーティングでコーティングするステップ、(3)カプセル本体に細菌混合物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)を充填するステップ、および(4)カプセル本体上でカプセルキャップを閉じることによって、細菌混合物を二重コーティングカプセル内に封入するステップ。
ある態様では、1つ以上の追加の治療剤を医薬組成物に含め、カプセルに封入することができる。
ある態様では、ゼラチンカプセル(たとえば、サイズ#00)の本体およびキャップが分離される。外部腸溶コーティング懸濁物は、1つ以上の腸溶コーティングポリマーを他の成分と共に溶液中に分散させることによって調製される。外部腸溶コーティング懸濁物は、たとえば流動床ウルスター(Wurster)カラムコーター、流動床コーター(Fluid Bed Coater)、または等価物)などを使用して、分離されたカプセル本体およびキャップの外部に適用される。カプセルを製品ボウル内で流動化させ、外部腸溶コーティング懸濁物を噴霧して、約2mg/cm2~6mg/cm2、たとえば3mg/cm2の標的に対する外側コーティングを生成する。このステップの完了後、カプセルをたとえば約8時間~24時間乾燥させる。乾燥後、例示的なカプセルを秤量して、外部腸溶コーティングによる重量増加を計算する。カプセルの凹凸を検査することができる。
ある態様では、EUDRAGIT(登録商標)S100(ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート))、デンプン、クエン酸トリエチル、およびPlasACRYL(商標)T20を、水、エタノール、およびn-ブタノールの溶液に溶解し、混合し、次いで好適な噴霧装置に投入する。次いで、この溶液をカプセル本体およびカプセルキャップの外表面上に目標重量増加まで噴霧コーティングする。カプセル本体およびカプセルキャップは、たとえば細菌混合物の充填などのさらなる処理の前に、約8時間~約24時間またはそれ以上、たとえば1週間、1ヵ月、またはそれ以上乾燥させる。
ある態様では、カプセルの本体内に組成物を提供することに加えて、ある量の細菌混合物をカプセルのキャップに提供することが望ましいことがある。この態様では、より多くの組成物がカプセルに含まれることとなり、かつ/またはより少ない空気が閉じたカプセルに含まれることとなる。
ある態様では、カプセルの内部表面は内部コーティングを含む。
上記の組成物および材料(たとえば、細菌混合物、内部コーティング、カプセル、および外部コーティング)のいずれかを組み合わせて、本明細書に記載の医薬組成物とすることができる。当業者は、たとえば、組成物の細菌混合物に組み込まれた特定の細菌単離物、および/または細菌混合物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物、細菌単離物、および/または追加の治療剤を含むもの)の成分の対象における所望の送達位置(たとえば、結腸内または回腸、空腸、もしくは十二指腸を含む小腸内)などに基づき得る、彼/彼女の現在の必要性に従って、内部コーティング、カプセル、および外部コーティングを選択する方法を知っているだろう。
付加的な関連する教示は、その全体が本明細書において引用により援用される国際公開第2007122374号に開示されている。
ある態様では、医薬組成物の製造中に、薬学的に許容される凍結保護物質、凍結乾燥保護物質、結合剤、崩壊剤、充填剤、保存剤、酸抑制剤、制酸剤、H2アンタゴニスト、およびプロトンポンプ阻害剤、またはそれらの組み合わせを医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)に混合して、所望の特性を促進できる。
ある態様では、医薬組成物は界面活性剤を含む。使用に適した界面活性剤としては、任意の薬学的に許容される非毒性界面活性剤が挙げられるが、これに限定されない。使用に適した界面活性剤のクラスとしては、ポリエトキシル化脂肪酸、PEG-脂肪酸ジエステル、PEG-脂肪酸モノおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール-油エステル交換生成物、ポリグリセライズド脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル-グリセロールエステルの混合物、モノおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン-オリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、イオン性界面活性剤、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびクエン酸トリエチルを含むがこれらに限定されない1つ以上の界面活性剤を含み得る。
ある態様では、医薬組成物は、たとえば可撓性および硬度などの所望の機械的特性を得るために、薬学的に許容される可塑剤を含む。こうした可塑剤としては、トリアセチン、クエン酸エステル、クエン酸トリエチル、フタル酸エステル、セバシン酸ジブチル、セチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、またはその他の可塑剤が挙げられるが、これらに限定されない。
別の態様では、医薬組成物は、1つ以上の適用溶媒を含む。たとえば遅延放出コーティング組成物などを適用するために使用され得るより一般的な溶媒のいくつかとしては、イソプロピルアルコール、アセトン、および塩化メチレンなどが挙げられる。
さらに別の態様では、医薬組成物は1つ以上のアルカリ性材料を含む。組成物での使用に適したアルカリ性材料としては、たとえばリン酸、炭酸、クエン酸などの酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩、ならびにその他のアルミニウム/マグネシウム化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、アルカリ性材料は、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、および酸化マグネシウムなどの制酸材料から選択できる。
不活性希釈剤に加えて、経口投与される組成物は、たとえば甘味剤、香味剤、および芳香剤などのアジュバントも含み得る。
さまざまな態様では、医薬組成物は、全身または局所送達のために製剤化される。ある態様では、投与は全身的である。別の態様では、処置を必要とする領域に局所的に投与することが望ましいことがある。
さまざまな方法を用いて、本明細書に記載の医薬組成物(たとえば、細菌混合物および/または追加の治療剤を含むもの)を製剤化し、かつ/または目的の場所に送達することができる。たとえば、医薬組成物は、GI管への送達のために製剤化され得る。GI管は、たとえば口、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、および直腸などの消化器系の器官を含み、そのすべての小区分を含む(たとえば、小腸は十二指腸、空腸、および回腸を含んでもよく、大腸は横行結腸、下行結腸、上行結腸、S状結腸、および盲腸を含んでもよい)。たとえば、組成物は、胃、小腸、大腸、および直腸、またはそれらの任意の小区分(たとえば、十二指腸、空腸、および回腸、横行結腸、下行結腸、上行結腸、S状結腸、および盲腸など)のうちの1つ以上への1つ以上の活性薬剤の送達のために製剤化され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物は、上部または下部GI管への1つ以上の活性薬剤の送達のために製剤化され得る。ある態様では、組成物は、たとえば、GI管の粘膜組織を組成物と直接または間接的に接触させることなどによって、対象に投与することができる。
さまざまな態様では、医薬組成物の投与は、たとえば経口送達、経鼻胃管、腸管挿管(たとえば、空腸チューブまたは胃-空腸チューブなどの腸内チューブまたは栄養チューブなど)、直接注入(たとえば、十二指腸注入など)、内視鏡、結腸内視鏡、または浣腸などを介したGI管への投与である。
一態様では、方法は、医薬組成物を経口的に、浣腸によって、または直腸坐剤を介して投与することを含む。一態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、腸溶性(および/または耐酸性)カプセルもしくはマイクロカプセルとして製剤化されるか、あるいは食品、食品添加剤、乳製品、大豆製品、もしくはその派生物、ゼリー、ゼラチンベースのチュアブル(たとえば、ガム状のもの)、香味液、氷塊、アイスクリーム、もしくはヨーグルトの一部として製剤化されるか、またはそれと一緒に投与される。別の態様では、本明細書において投与される医薬組成物は、耐酸性腸溶性カプセルとして製剤化される。医薬組成物は、食品または飲料と組み合わせて販売するための粉末として提供され得る。食品または飲料は、乳製品または大豆製品であり得る。別の態様では、食品または食品サプリメントは、医薬組成物を含有する腸溶性および/または耐酸性マイクロカプセルを含有する。
ある態様では、医薬組成物は液体培養物を含む。別の態様では、医薬組成物はホモジナイズされ、凍結乾燥され、粉砕され、粉末化される。次いでそれは、浣腸剤として、たとえば生理食塩水などに溶解されて注入され得る。代替的には、粉末は、経口投与用の腸溶性および/または耐酸性遅延放出カプセルとして封入され得る。ある態様では、粉末は、経口投与用の耐酸性/遅延放出カプセルで二重封入され得る。これらのカプセルは、腸溶性および/または耐酸性の遅延放出マイクロカプセルの形態をとることができる。粉末は、飲用に再構成するため、または食品添加剤として再構成するための口当たりのよい形態で提供され得る。さらなる態様では、食品はヨーグルトである。一態様では、粉末は、経鼻十二指腸注入によって注入されるように再構成され得る。
別の態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、液体、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、発泡乾燥、凍結乾燥、または粉末の形態である。さらなる態様では、本明細書において投与される医薬組成物は、遅延または段階的腸放出形態として製剤化される。別の態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、賦形剤、生理食塩水、緩衝液、緩衝剤、または流体-グルコース-セロビオース寒天(RGCA)培地を含む。別の態様では、本明細書で投与される医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一態様では、凍結保護物質は、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、またはそれらの組み合わせを含む。
さまざまな態様では、細菌混合物を含む放出調節製剤(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)であって、その製剤が実質的な量の細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)をGI管の1つ以上の領域に放出する、放出調節製剤が本明細書において提供される。たとえば、製剤は、細菌単離物の少なくとも約60%を胃の後にGI管の1つ以上の領域に放出できる。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)の少なくとも60%を胃の後に腸の1つ以上の領域に放出できる。たとえば、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)の少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%を腸内に放出できる。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)の少なくとも60%を小腸に放出できる。たとえば、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)の少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%を小腸(たとえば、十二指腸、空腸、回腸、および回盲接合部のうちの1つ以上)に放出できる。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)の少なくとも60%を大腸に放出できる。たとえば、放出調節製剤は、細菌混合物(および/または追加の治療剤)の少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%を大腸(たとえば、盲腸、結腸の上行、横行、下行、またはS状部分、および直腸のうちの1つ以上)に放出できる。
いくつかの態様では、医薬組成物は、胃での放出のために製剤化される。他の態様では、医薬組成物は、胃内で細菌混合物を実質的に放出しないように製剤化される。
特定の態様では、放出調節製剤は、細菌混合物(および任意選択で追加の治療剤)を特定のpHで放出する。たとえば、いくつかの態様では、放出調節製剤は、酸性環境において実質的に安定であり、中性付近からアルカリ性環境において実質的に不安定である(たとえば、急速に溶解するか、または物理的に不安定である)。いくつかの態様では、安定性は実質的に放出されないことを示し、一方で不安定性は実質的に放出されることを示す。たとえば、いくつかの態様では、放出調節製剤は、約7.0以下、または約6.5以下、または約6.0以下、または約5.5以下、または約5.0以下、または約4.5以下、または約4.0以下、または約3.5以下、または約3.0以下、または約2.5以下、または約2.0以下、または約1.5以下、または約1.0以下のpHで実質的に安定である。いくつかの態様では、本製剤は、より低いpH領域において安定であり、したがって、たとえば胃などにおいて実質的に放出されない。いくつかの態様では、放出調節製剤は、約1~約4以下のpHで実質的に安定であり、より高いpH値で実質的に不安定である。これらの態様では、放出調節製剤は胃で実質的に放出されない。これらの態様では、放出調節製剤は、小腸(たとえば、十二指腸、空腸、および回腸のうちの1つ以上)および/または大腸(たとえば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸のうちの1つ以上)で実質的に放出される。いくつかの態様では、放出調節製剤は、約4~約5以下のpHで実質的に安定であり、結果的により高いpH値で実質的に不安定であり、したがって胃および/または小腸(たとえば、十二指腸、空腸、および回腸のうちの1つ以上)で実質的に放出されない。これらの態様では、放出調節製剤は、大腸(たとえば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸のうちの1つ以上)で実質的に放出される。さまざまな態様では、本明細書に列挙されるpH値は、たとえば絶食状態であるか食後状態であるかなどの対象の状態を考慮して、当技術分野で公知であるとおりに調整され得る。
いくつかの態様では、放出調節製剤は、胃液中で実質的に安定であり、腸液中で実質的に不安定であり、したがって小腸(たとえば、十二指腸、空腸、および回腸のうちの1つ以上)および/または大腸(たとえば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸のうちの1つ以上)において実質的に放出される。
いくつかの態様では、放出調節製剤は、胃液中で安定であるか、または酸性環境中で安定である。これらの放出調節製剤は、放出調節製剤中の医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)の約30重量%以下を、pH約4~約5以下の胃液、またはpH約4~約5以下の模擬胃液中で、約15分、または約30分、または約45分、または約60分、または約90分で放出する。放出調節製剤は、放出調節製剤中の組成物の約0重量%~約30重量%、約0重量%~約25重量%、約0重量%~約20重量%、約0重量%~約15重量%、約0重量%~約10重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%を、pH4~5以下の胃液またはpH4~5以下の模擬胃液中で、約15分、または約30分、または約45分、または約60分、または約90分で放出できる。放出調節製剤は、放出調節製剤中の全組成物の約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%または約10重量%を、pH5以下の胃液またはpH5以下の模擬胃液中で、約15分、または約30分、または約45分、または約60分、または約90分で放出できる。
いくつかの態様では、放出調節製剤は腸液中で不安定である。これらの放出調節製剤は、放出調節製剤中の細菌混合物および/または追加の治療剤の約70重量%以上を、腸液または模擬腸液中で、約15分、または約30分、または約45分、または約60分、または約90分で放出する。いくつかの態様では、放出調節製剤は、中性付近からアルカリ性の環境で不安定である。これらの放出調節製剤は、放出調節製剤中の細菌混合物および/または追加の治療剤の約70重量%以上を、pH約4~5以上の腸液、またはpH約4~5以上の模擬腸液中で、約15分、または約30分、または約45分、または約60分、または約90分で放出する。中性付近またはアルカリ性環境で不安定な放出調節製剤は、放出調節製剤中の医薬組成物(たとえば、微生物カクテルを含むもの)の70重量%以上を、pH約5超の流体(たとえば、pHが約5~約14、約6~約14、約7~約14、約8~約14、約9~約14、約10~約14、または約11~約14の流体)中で、約5分~約90分、または約10分~約90分、または約15分~約90分、または約20分~約90分、または約25分~約90分、または約30分~約90分、または約5分~約60分、または約10分~約60分、または約15分~約60分、または約20分~約60分、または約25分~約90分、または約30分~約60分で放出できる。
模擬胃液および模擬腸液の例としては、2005米国薬局方(Pharmacopeia)23NF/28USPの2858頁の検査溶液(Test Solutions)に開示されているもの、ならびに/または当業者に公知のその他の模擬胃液および模擬腸液、たとえば、酵素なしで調製された模擬胃液および/もしくは腸液などが挙げられるが、これらに限定されない。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、粥状液中で実質的に安定であり得る。たとえば、いくつかの態様では、投与から約10、または9、または8、または7、または6、または5、または4、または3、または2、または1時間以内に、細菌混合物中の細菌の活性または生存率の約50%、または約40%、または約30%、または約20%、または約10%未満の喪失がある。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、即時放出(たとえば、摂取時)のために設計され得る。さまざまな態様では、放出調節製剤は、持続放出プロファイル、すなわち、長期間にわたる体内(たとえば、GI管)における活性成分の緩徐な放出を有し得る。さまざまな態様では、放出調節製剤は、遅延放出プロファイルを有することができ、すなわち、摂取時に活性成分を即時放出するのではなく、たとえば、小腸(たとえば、十二指腸、空腸、回腸のうちの1つ以上)または大腸(たとえば、盲腸、結腸の上行、横行、下行、またはS状部分、および直腸のうちの1つ以上)における放出のために、組成物がGI管のより下側になるまで活性成分の放出を延期する。たとえば、組成物は、小腸または大腸に到達するまで活性成分の放出を遅延させるために腸溶性であり得る。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、たとえば遅延放出コーティングなどの1つ以上の放出調節コーティングを利用して、任意選択の追加の治療剤と共に、細菌混合物のGI管への有効な、遅延されるが実質的な送達を提供できる。
ある態様では、遅延放出コーティングは、酸性環境において実質的に安定であり、中性付近からアルカリ性環境において実質的に不安定である腸溶性薬剤を含む。ある態様では、遅延放出コーティングは、胃液中で実質的に安定である腸溶性薬剤を含有する。腸溶性薬剤は、たとえば、メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、およびEUDRAGIT(登録商標)型ポリマー(ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート、セラック、またはその他の適切な腸溶コーティングポリマーの溶液または分散物などから選択できる。EUDRAGIT(登録商標)型ポリマーとしては、たとえば、EUDRAGIT(登録商標)FS 30D、L30 D-55、L100-55、L100、L12,5、L12,5 P、RL 30D、RL PO、RL 100、RL 12,5、RS 30D、RS PO、RS 100、RS 12,5、NE 30D、NE 40D、NM 30D、S 100、S 12,5、およびS 12,5Pなどが挙げられる。類似のポリマーはKollicoat(登録商標)MAE 30DPおよびKollicoat(登録商標)MAE 100Pを含む。いくつかの態様では、EUDRAGIT(登録商標)FS 30D、L30 D-55、L100-55、L100、L12,5、L12,5 P RL 30 D、RL PO、RL 100、RL 12,5、RS 30D、RS PO、RS 100、RS 12,5、NE 30D、NE 40D、NM 30D、S 100、S 12,5 S 12,5 P、Kollicoat(登録商標)MAE 30 DP、およびKollicoat(登録商標)MAE 100Pのうちの1つ以上が使用される。さまざまな態様では、腸溶性薬剤は、前述の溶液または分散物の組み合わせであり得る。
特定の態様では、1つ以上のコーティング系添加剤が、腸溶性薬剤と共に使用される。たとえば、1つ以上のPlasACRYLTM添加剤を抗粘着剤コーティング添加剤として使用できる。例示的なPlasACRYLTM添加剤としては、PlasACRYLTM HTP20およびPlasACRYLTM T20が挙げられるが、これらに限定されない。
別の態様では、遅延放出コーティングは、溶液中のpHおよび/または酵素の存在に関係なく、水溶液中にあるときに時間の関数として分解し得る。こうしたコーティングは、水不溶性ポリマーを含み得る。したがって、水溶液中でのその溶解度はpHに依存しない。本明細書で使用される場合、「pH非依存性」という用語は、ポリマーの水浸透性および医薬成分を放出するその能力が、pHの関数ではなく、かつ/またはpHにごくわずかしか依存しないことを意味する。こうしたコーティングは、たとえば徐放性製剤などを調製するために使用され得る。好適な水不溶性ポリマーには、溶液のpHとは無関係にたとえば水などの水性媒体に実質的に不溶性である薬学的に許容される非毒性ポリマーが含まれる。好適なポリマーとしては、セルロースエーテル、セルロースエステル、またはセルロースエーテル-エステル、すなわち、セルロース骨格上のヒドロキシ基の一部がアルキル基で置換され、一部がアルカノイル基で修飾されているセルロース誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例としては、エチルセルロース、アセチルセルロース、およびニトロセルロースなどが挙げられる。不溶性ポリマーの他の例としては、ラッカー、ならびにアクリルおよび/またはメタクリルエステルポリマー、低い第4級アンモニウム含有量を有するアクリレートまたはメタクリレートのポリマーまたはコポリマー、あるいはそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。不溶性ポリマーの他の例としては、EUDRAGIT RS(登録商標)、EUDRAGIT RL(登録商標)、およびEUDRAGIT NE(登録商標)が挙げられる。不溶性ポリマーとしては、ポリビニルエステル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸エステル、およびブタジエンスチレンコポリマーなどを挙げることができる。ある態様では、結腸送達は、ゆっくりと浸食されるワックスプラグ(たとえば、PEG6000などを含むさまざまなPEG)の使用によって達成される。
さらなる態様では、遅延放出コーティングは、腸フローラに存在する微生物酵素によって分解され得る。ある態様では、遅延放出コーティングは、小腸に存在する細菌によって分解され得る。別の態様では、遅延放出コーティングは、大腸に存在する細菌によって分解され得る。
さまざまな態様では、放出調節製剤は、結腸における放出のために設計され得る。さまざまな結腸特異的送達アプローチを利用することができる。たとえば、放出調節製剤は、たとえば、その内容全体が本明細書において引用により援用されるリ(Li)ら、AAPS PharmSciTech(2002)、3(4):1-9などに記載される結腸特異的薬物送達系(CODES:colon-specific drug delivery system)を用いて製剤化され得る。こうした系における薬物放出は、pH感受性ポリマーコーティングと結合した結腸ミクロフローラによって引き起こされる。たとえば、製剤は、3層のポリマーを有するコア錠剤として設計され得る。第1のコーティングは酸可溶性ポリマー(たとえば、EUDRAGIT Eなど)であり、外側コーティングは腸溶性であり、その間にヒドロキシプロピルメチルセルロースバリア層が挿入されている。別の態様では、結腸送達は、医薬組成物(たとえば、微生物カクテルを含むもの)を、たとえばペクチンなどの結腸内で分解する特定のポリマーと共に製剤化することによって達成できる。ペクチンは、たとえば亜鉛カチオンなどのカチオンによってさらにゲル化または架橋され得る。ある態様では、製剤は、ポリマー(たとえば、EUDRAGITポリマーなど)でさらにコーティングされたイオン架橋ペクチンビーズの形態である。付加的な結腸特異的製剤としては、圧力制御薬物送達系(たとえばエチルセルロースなどを用いて調製される)および浸透圧制御薬物送達系(すなわち、ORDS-CT)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される細菌混合物(および/または追加の治療剤)の結腸特異的送達のための製剤は、たとえばインビトロ溶解検査などを使用して評価することができる。たとえば、異なる緩衝液中での並行溶解研究を行って、異なるpHレベルでの製剤の挙動を特徴付けることができる。代替的には、インビトロ酵素検査を実施することができる。たとえば、細菌に適した培地を含有する発酵槽中で製剤をインキュベートして、異なる時間間隔で放出される薬物の量を決定できる。加えて薬物放出研究は、酵素またはラットもしくはモルモットもしくはウサギの盲腸内容物を含有する緩衝培地中でも行うことができ、特定の時間に放出された薬物の量が決定される。さらなる態様では、たとえばイヌ、モルモット、ラット、およびブタなどの動物モデルを使用して、インビボ評価が行われ得る。さらに、結腸特異的薬物送達製剤の臨床評価は、RCE(薬物に対する相対的結腸組織曝露(relative colonic tissue exposure to the drug))対RSC(血液中の薬物の相対量、すなわち、薬物に対する相対的全身曝露(relative systemic exposure to the drug))の相対比率を考慮した薬物送達指数(DDI:drug delivery index)を計算することによって評価され得る。より高い薬物DDIは、より良好な結腸薬物送達を示す。結腸からの薬物の吸収は、結腸内視鏡および挿管によってモニターできる。
さまざまな態様では、本製剤は、GI管における放出領域における細菌混合物(および/または追加の治療剤)の実質的に均一な送達を提供する。ある態様では、本製剤は、細菌混合物のパッチ状または不均一な放出を最小限にする。
さまざまな態様では、本製剤は、GI管に沿った1つ以上の細菌混合物の複数回用量の放出を提供する。たとえば、組成物および/または製剤は、腸に沿った異なる位置、異なる時間、および/または異なるpHで、同じ細菌混合物の複数回用量を放出できる。代替的には、組成物および/または製剤は、腸に沿った異なる位置、異なる時間、および/または異なるpHで、ある用量の異なる細菌混合物を放出できる。ある態様では、医薬組成物は、腸内の第1の位置で放出される1つ以上の細菌単離物を含む第1の細菌混合物と、腸内の第2の位置で放出される未培養糞便細菌の調製物を含む第2の細菌混合物とを含む。ある態様では、第1の細菌混合物は回腸で放出され、第2の細菌混合物は結腸で放出される。
こうした製剤の全体的な放出プロファイルは、たとえば、複数の粒子タイプまたは複数の層などを使用して調整できる。たとえば、ある態様では、第1の細菌混合物(または細菌混合物の第1の用量)は、たとえば小腸(たとえば、十二指腸、空腸、回腸のうちの1つ以上)などにおける放出のために製剤化されてもよく、一方で第2の細菌混合物(または細菌混合物の第2の用量)は、たとえば大腸(たとえば、盲腸、結腸の上行、横行、下行、またはS状部分、および直腸のうちの1つ以上)などにおける遅延放出のために製剤化される。別の例では、第1の細菌混合物(または細菌混合物の第1の用量)は、たとえば小腸(たとえば、十二指腸、空腸、回腸のうちの1つ以上)などにおける放出のために製剤化されてもよく、一方で第2の細菌混合物(または細菌混合物の第2の用量)は、たとえば小腸の別の部分(たとえば、十二指腸、空腸、回腸のうちの1つ以上)などにおける遅延放出のために製剤化される。別の態様では、第1の細菌混合物(または細菌混合物の第1の用量)は、たとえば大腸(たとえば、盲腸、結腸の上行、横行、下行、またはS状部分、および直腸のうちの1つ以上)などにおける放出のために製剤化されてもよく、一方で第2の細菌混合物(または細菌混合物の第2の用量)は、たとえば大腸の別の部分(たとえば、盲腸、結腸の上行、横行、下行、またはS状部分、および直腸のうちの1つ以上)などにおける遅延放出のために製剤化される。さまざまな態様では、組成物および/または製剤は、少なくとも1用量、少なくとも2用量、少なくとも3用量、少なくとも4用量、または少なくとも5用量の細菌混合物を、腸に沿った異なる位置、異なる時間、および/または異なるpHで放出できる。同様に、さまざまな態様では、組成物および/または製剤は、少なくとも1つの細菌混合物、少なくとも2つの細菌混合物、少なくとも3つの細菌混合物、少なくとも4つの細菌混合物、または少なくとも5つの細菌混合物を、腸に沿った異なる位置、異なる時間、および/または異なるpHで放出できる。
別の態様では、遅延または段階的腸放出製剤は、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、潤滑剤、またはそれらの混合物を含む第1の層と、ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、またはその両方を含む第2の浸透圧プッシュ層とを含む二層錠剤またはカプセルの使用を含む。ある態様では、遅延または段階的腸放出製剤は、アクリルポリマー、セルロース、ワックス、脂肪酸、セラック、ゼイン、硬化植物油、硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリジン、酢酸ビニルコポリマー、ビニルアルコールコポリマー、ポリエチレンオキシド、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレートポリマー、シアノエチルメタクリレートポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、メチルメタクリレートポリマー、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、グリシジルメタクリレートコポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、天然ワックス、合成ワックス、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、硬化脂肪、炭化水素ワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、蜜ろう、グリコワックス、カスターワックス、カルナウバワックス、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸とのコポリマー、カルボキシメチルデンプン、メタクリル酸カリウム/ジビニルベンゼンコポリマー、架橋ポリビニルピロリドン、ポリイニルアルコール(poly inylalcohols)、ポリビニルアルコールコポリマー、ポリエチレングリコール、非架橋ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される放出遅延マトリックス材料の使用を含む。ある態様では、遅延または段階的腸放出製剤は、微小環境pH調整剤の使用を含む。
本明細書に記載される医薬組成物は、たとえば各細菌混合物に対する異なる送達位置プロファイルを達成するために、複数の別個の細菌混合物を含み得ることが理解されよう。ある態様では、医薬組成物は、第1の細菌混合物が1つ以上の細菌単離物を含み、第2の細菌混合物が未培養糞便細菌の調製物を含むように、少なくとも2つの細菌混合物を含む。ある態様では、第2の細菌混合物は、第1の細菌混合物中の細菌単離物とは異なる1つ以上の細菌単離物をさらに含む。代替的には、第2の細菌混合物は、未培養糞便細菌の調製物から本質的になることができる。別の態様では、第1の細菌混合物は、ただ1つの細菌単離物を含み得る。医薬組成物は、たとえば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、または10を超える細菌混合物などの任意の数の細菌混合物を含むことができ、その各々が異なる細菌単離物、細菌単離物の異なる組み合わせ、未培養糞便細菌の調製物、または未培養糞便細菌と1つ以上の細菌単離物との異なる組み合わせを含有し得る。
ある態様では、医薬組成物は水薬であり得る。一態様では、水薬は、医薬組成物の生理食塩水懸濁形態を選択することによって調製される。一方の成分の水溶性形態と、他方の成分の水不溶性形態とは、一方の成分の懸濁物を他方の成分の水溶液によって調製することによって、共に使用され得る。いずれかの活性成分の水不溶性形態は、懸濁物として調製されるか、またはたとえばポリエチレングリコールなどの何らかの生理学的に許容される溶媒中で調製されてもよい。いずれかの活性成分の水不溶性形態の懸濁物は、特定の活性成分の溶解度に応じて、たとえば落花生油、トウモロコシ油、もしくはゴマ油などの油中か、たとえばプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなどのグリコール中か、または水中で調製できる。活性成分を懸濁状態に保つために、好適な生理学的に許容されるアジュバントが必要なことがある。アジュバントは、たとえばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、およびアルギン酸塩などの増粘剤を含むことができ、それらから選択され得る。界面活性剤は一般に、活性成分、特に脂溶性プロピオナート増強化合物を懸濁させる働きをする。液体非溶媒中の懸濁物を作製するのに最も有用なものは、アルキルフェノールポリエチレンオキシド付加物、ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルである。加えて、液体の親水性、密度、および表面張力に影響を及ぼす多くの物質は、個々の場合において懸濁物の作製を補助することができる。たとえば、シリコーン消泡剤、グリコール、ソルビトール、および糖は、有用な懸濁剤であり得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載される1つ以上の細菌単離物は、生存する栄養細胞の形態である。いくつかの態様では、本明細書に記載される1つ以上の細菌単離物は、胞子の形態である。いくつかの態様では、本明細書に記載される1つ以上の細菌単離物は凍結乾燥される。非限定的な例として、凍結乾燥は、その内容全体が本明細書によって引用により援用される米国特許第7,799,328号に記載されるものを含む、当技術分野で公知の方法によるものであり得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される凍結乾燥細菌混合物は、腸溶性軟質ゲルまたはカプセルに入れられる。
さまざまな態様では、製剤は、その内容全体が本明細書によって引用により援用される米国特許第8,535,713号および第8,9117,77号、ならびに米国特許出願公開第20120141585号、第20120141531号、第2006/001896号、第2007/0292523号、第2008/0020018号、第2008/0113031号、第2010/0203120号、第2010/0255087号、第2010/0297221号、第2011/0052645号、第2013/0243873号、第2013/0330411号、第2014/0017313号、および第2014/0234418号のうちの1つ以上に記載されるものの形態をとり得る。
さまざまな態様では、製剤は、その内容全体が本明細書によって引用により援用される国際特許公開第2008/135090号に記載されるものの形態をとり得る。
さまざまな態様では、製剤は、その内容全体が本明細書によって引用により援用される米国特許第4,196,564号;第4,196,565号;第4,247,006号;第4,250,997号;第4,268,265号;第5,317,849号;第6,572,892号;第7,712,634号;第8,074,835号;第8,398,912号;第8,440,224号;第8,557,294号;第8,646,591号;第8,739,812号;第8,810,259号;第8,852,631号;および第8,911,788号、ならびに米国特許出願公開第2014/0302132号;第2014/0227357号;第20140088202号;第20130287842号;第2013/0295188号;第2013/0307962号;および第20130184290号のうちの1つ以上に記載されるものの形態をとり得る。
投与および投与量
医薬組成物またはその中の細菌細胞(たとえば、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物を含む細菌混合物)の用量は、たとえば特定の剤形、対象への投与様式、組成物中に細菌単離物が存在するときにはその同一性、組成物中に細菌単離物が存在するときにはその数などに従って変化することが認識されよう。これらの因子、ならびに細菌混合物中の細菌の活性を改変し得る変数(たとえば、対象の体重、性別、および食事、投与時間、投与経路、排泄率、対象の状態、薬物の組み合わせ、遺伝的素因、および反応感受性など)は、本明細書に記載される障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防され得る腸内ディスバイオシスに関連する障害など)の少なくとも1つの症状の処置または予防のための有効用量または投与計画を生成するために、当業者によって考慮され得る。投与は、継続的に行われるか、または最大耐量の範囲内で1回以上の別個の用量で行われ得る。所与の条件セットに対する最適な投与速度は、従来の用量投与検査を用いて当業者によって確認され得る。
さまざまな態様では、医薬組成物またはその中の細菌細胞(たとえば、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物を含む細菌混合物)の用量は、(たとえば、患者の腸に1つ以上のSCFAを送達することによって)腸内ディスバイオシスに関連する障害の1つ以上の症状を処置または予防するために、生態学的バランスに有利に働くように患者のマイクロバイオームを調節するのに有効である。
一態様では、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015CFUの細菌単離物を含む。別の態様では、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、最大10、最大10、最大10、最大10、最大10、最大1010、最大1011、最大1012、最大1013、最大1014、または最大1015CFUの細菌単離物を含む。さらなる態様では、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、10CFU~1014CFU、10CFU~1013CFU、1010CFU~1012CFU、1010CFU~1011CFU、10CFU~1014CFU、10CFU~1012CFU、10CFU~1011CFU、10CFU~1010CFU、1010CFU~1014CFU、1010CFU~1013CFU、1011CFU~1014CFU、1011CFU~1013CFU、1012CFU~1014CFU、および1013CFU~1014CFUの細菌単離物からなる群から選択される。
ある態様では、医薬組成物は1つ以上の細菌単離物を含み、各細菌単離物は、前述の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量のうちの1つにて、約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0グラムの単位重量か、または約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0ミリリットルの単位体積で各単位用量中に存在する。
一態様では、障害の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、細菌単離物の少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015の細胞または胞子を含む。別の態様では、障害の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される、すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、細菌単離物の最大10、最大10、最大10、最大10、最大10、最大1010、最大1011、最大1012、最大1013、最大1014、または最大1015の合計細胞または胞子を含む。さらなる態様では、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、細菌単離物の10~1014、10~1013、1010~1012、1010~1011、10~1014、10~1012、10~1011、10~1010、1010~1014、1010~1013、1011~1014、1011~1013、1012~1014、および1013~1014の細胞または胞子からなる群から選択される。
ある態様では、細菌単離物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量の細胞数は、生存細胞に向けられたものである。一態様では、医薬組成物は1つ以上の細菌単離物を含み、各細菌単離物は、前述の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量のうちの1つにて、約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0グラムの単位重量か、または約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0ミリリットルの単位体積で各投与単位中に存在する。
ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物はカプセルの形態であり、各カプセルは、細菌単離物の少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015の細胞または胞子を含む。ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物はカプセルの形態であり、各カプセルは、細菌単離物の10~1014、10~1013、1010~1012、1010~1011、10~1014、10~1012、10~1011、10~1010、1010~1014、1010~1013、1011~1014、1011~1013、1012~1014、または1013~1014の細胞または胞子を含む。
一態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015CFUの未培養糞便細菌の調製物を含む。別の態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、最大10、最大10、最大10、最大10、最大10、最大1010、最大1011、最大1012、最大1013、最大1014、または最大1015CFUの未培養糞便細菌の調製物を含む。さらなる態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、10CFU~1014CFU、10CFU~1013CFU、1010CFU~1012CFU、1010CFU~1011CFU、10CFU~1014CFU、10CFU~1012CFU、10CFU~1011CFU、10CFU~1010CFU、1010CFU~1014CFU、1010CFU~1013CFU、1011CFU~1014CFU、1011CFU~1013CFU、1012CFU~1014CFU、および1013CFU~1014CFUの未培養糞便細菌の調製物からなる群から選択される。
ある態様では、未培養糞便細菌は、前述の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量のうちの1つにて、約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0グラムの単位重量か、または約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0ミリリットルの単位体積で医薬組成物の各単位用量中に存在する。
一態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、未培養糞便細菌の調製物の少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015の細胞または胞子を含む。別の態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される、すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、未培養糞便細菌の調製物の最大10、最大10、最大10、最大10、最大10、最大1010、最大1011、最大1012、最大1013、最大1014、または最大1015の合計細胞または胞子を含む。さらなる態様では、障害(たとえば、腸内ディスバイオシスに関連するもの)の少なくとも1つの症状を処置するために対象に投与される(すなわち、単回または複数回投与の)未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量は、未培養糞便細菌の調製物の10~1014、10~1013、1010~1012、1010~1011、10~1014、10~1012、10~1011、10~1010、1010~1014、1010~1013、1011~1014、1011~1013、1012~1014、および1013~1014の細胞または胞子からなる群から選択される。
ある態様では、未培養糞便細菌の調製物の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量の細胞数は、生存細胞に向けられたものである。一態様では、未培養糞便細菌の調製物は、前述の薬学的に活性な用量または治療的に有効な用量のうちの1つにて、約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0グラムの単位重量か、または約0.2、0.4、0.6、0.8、もしくは1.0ミリリットルの単位体積で医薬組成物の各単位用量中に存在する。
ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物はカプセルの形態であり、各カプセルは、未培養糞便細菌の調製物の少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも1010、少なくとも1011、少なくとも1012、少なくとも1013、少なくとも1014、または少なくとも1015の細胞または胞子を含む。ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物はカプセルの形態であり、各カプセルは、未培養糞便細菌の調製物の10~1014、10~1013、1010~1012、1010~1011、10~1014、10~1012、10~1011、10~1010、1010~1014、1010~1013、1011~1014、1011~1013、1012~1014、または1013~1014の細胞または胞子を含む。
対象は、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の1つ以上の症状の処置のために、未培養糞便細菌の調製物と組み合わせた1つ以上の細菌単離物(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌株を含むもの)を投与され得る。こうした場合、細菌単離物および未培養糞便細菌の調製物は、同じ医薬組成物中で一緒に投与されるか、または別々の組成物中で対象に投与され得る。さらに、医薬組成物(たとえば、1つ以上の細菌単離物、未培養糞便細菌の調製物、またはその両方を含むもの)は、たとえば投与計画の一部として、単回単位用量または複数回単位用量で、対象に投与され得る。ある態様では、対象に投与される未培養糞便細菌の調製物の投与量(たとえば、CFUまたは細胞/胞子数によって測定される)は、細菌単離物の投与量よりも多い。代替的には、対象に投与される未培養糞便細菌の調製物の投与量(たとえば、CFUまたは細胞/胞子数によって測定される)は、細菌単離物の投与量未満であり得る。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物の投与量(たとえば、CFUまたは細胞/胞子数によって測定される)は、細菌単離物の投与量とほぼ同じであり得る。たとえば、ある態様では、本明細書に記載される障害の1つ以上の症状を処置または予防するために、対象に、細菌単離物(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌株を含むもの)を約1010細胞の投与量で投与でき、未培養糞便細菌の調製物を約1010細胞の投与量で投与できる。
ある態様では、本明細書に記載される障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の1つ以上の症状を処置するために対象に投与される細菌単離物(たとえば、SCFA産生細菌株を含むもの)の細胞の数は、対象に投与される未培養糞便細菌の調製物の細胞の総数とほぼ同じであるか、またはそれより多い。代替的には、障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防することができる腸内ディスバイオシスに関連する障害)の1つ以上の症状を処置するために対象に投与される細菌単離物の細胞の数は、対象に投与される未培養糞便細菌の調製物の細胞の総数とほぼ同じであるか、またはそれ未満であり得る。
ある態様では、医薬組成物は、複数の細菌単離物(たとえば、その少なくとも1つが1つ以上のSCFA産生細菌株を含む)を含む細菌混合物を含む。別の態様では、少なくとも2つの細菌単離物が、ほぼ同じ量または投与量(たとえば、ほぼ同じ数の生存可能細胞もしくは胞子、またはほぼ同じCFU)で存在する。別の態様では、少なくとも3つの細菌単離物、少なくとも4つの細菌単離物、少なくとも5つの細菌単離物、少なくとも6つの細菌単離物、少なくとも7つの細菌単離物、少なくとも8つの細菌単離物、少なくとも9つの細菌単離物、少なくとも10の細菌単離物、または10を超える細菌単離物が、ほぼ同じ量または投与量(たとえば、ほぼ同じ数の生存可能細胞もしくは胞子、またはほぼ同じCFU)で医薬組成物中に存在する。別の態様では、細菌混合物中のすべての細菌単離物は、ほぼ同じ量で存在する。
ある態様では、医薬組成物は、複数の細菌単離物を含む細菌混合物を含み、複数の細菌単離物のうちの少なくとも2つは、異なる量または投与量(たとえば、異なる数の生存可能細胞もしくは胞子、または異なるCFU)で存在する。別の態様では、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、または10を超える細菌単離物が、異なる量または投与量で細菌混合物中に存在する。
医薬組成物は、未培養糞便細菌の調製物と組み合わせて、複数の細菌単離物(たとえば、そのうちの少なくとも1つがSCFA産生細菌株を含む)を含む細菌混合物を含み得る。ある態様では、各細菌単離物は、未培養糞便細菌の調製物の量または投与量よりも多い量または投与量で組成物中に存在する(たとえば、生存可能細胞もしくは胞子の数、またはCFUとして測定される)。別の態様では、各細菌単離物は、未培養糞便細菌の調製物の量または投与量よりも少ない量または投与量で組成物中に存在する(たとえば、生存可能細胞もしくは胞子の数、またはCFUとして測定される)。別の態様では、少なくとも1つの細菌単離物は、未培養糞便細菌の調製物の量または投与量よりも多い量または投与量で組成物中に存在し、少なくとも1つの細菌単離物は、未培養糞便細菌の調製物の量または投与量よりも少ない量または投与量で組成物中に存在する(たとえば、生存可能細胞もしくは胞子の数、またはCFUとして測定される)。
ある態様では、医薬組成物は、対象の腸内で細菌単離物の生着を起こすために対象に投与される必要がある細菌単離物の最小量または投与量以上である量または投与量で、1つ以上の細菌単離物を含む。たとえば、対象の腸への細菌単離物の生着のために必要とされる細菌単離物の最小投与量は、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも10細胞、少なくとも1010細胞、少なくとも1011細胞、または少なくとも1012細胞であり得る。ある態様では、微生物カクテルの第1および第2の細菌単離物は、異なる最小投与量または量で対象の腸に生着し、微生物カクテル中の第1および第2の細菌単離物の各々の投与量または量は、それぞれの細菌単離物の生着に必要なそれぞれの最小投与量または量に対応して変動する。
医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)の個々の用量は、たとえば単位剤形当たり約0.01mg~約5,000mg、約0.01mg~約4,000mg、約0.01mg~約3,000mg、約0.01mg~約2,000mg、約0.01mg~約1,000mg、約0.01mg~約950mg、約0.01mg~約900mg、約0.01mg~約850mg、約0.01mg~約800mg、約0.01mg~約750mg、約0.01mg~約700mg、約0.01mg~約650mg、約0.01mg~約600mg、約0.01mg~約550mg、約0.01mg~約500mg、約0.01mg~約450mg、約0.01mg~約400mg、約0.01mg~約350mg、約0.01mg~約300mg、約0.01mg~約250mg、約0.01mg~約200mg、約0.01mg~約150mg、約0.01mg~約100mg、約0.1mg~約90mg、約0.1mg~約80mg、約0.1mg~約70mg、約0.1mg~約60mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約40mg、約0.1mg~約30mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約1mgの活性成分、または単位剤形当たり約5mg~約80mgなどを含有する単位剤形(たとえば、錠剤またはカプセルなど)で投与され得る。たとえば、単位剤形は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1,000mg、約2,000mg、約3,000mg、約4,000mg、または約5,000mgの活性成分を含むことができ、それらの間のすべての値および範囲が包含される。
ある態様では、医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)は、1日約0.01mg~約100mgの量、1日約0.01mg~約5,000mgの量、1日約0.01mg~約4,000mg、1日約0.01mg~約3,000mg、1日約0.01mg~約2,000mg、1日約0.01mg~約1,000mg、1日約0.01mg~約950mg、1日約0.01mg~約900mg、1日約0.01mg~約850mg、1日約0.01mg~約800mg、1日約0.01mg~約750mg、1日約0.01mg~約700mg、1日約0.01mg~約650mg、1日約0.01mg~約600mg、1日約0.01mg~約550mg、1日約0.01mg~約500mg、1日約0.01mg~約450mg、1日約0.01mg~約400mg、1日約0.01mg~約350mg、1日約0.01mg~約300mg、1日約0.01mg~約250mg、1日約0.01mg~約200mg、1日約0.01mg~約150mg、1日約0.1mg~約100mg、1日約0.1mg~約95mg、1日約0.1mg~約90mg、1日約0.1mg~約85mg、1日約0.1mg~約80mg、1日約0.1mg~約75mg、1日約0.1mg~約70mg、1日約0.1mg~約65mg、1日約0.1mg~約60mg、1日約0.1mg~約55mg、1日約0.1mg~約50mg、1日約0.1mg~約45mg、1日約0.1mg~約40mg、1日約0.1mg~約35mg、1日約0.1mg~約30mg、1日約0.1mg~約25mg、1日約0.1mg~約20mg、1日約0.1mg~約15mg、1日約0.1mg~約10mg、1日約0.1mg~約5mg、1日約0.1mg~約3mg、1日約0.1mg~約1mg、または1日約5mg~約80mgの量で投与される。さまざまな態様では、細菌混合物(および/または追加の治療剤)は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1,000mg、約2,000mg、約3,000mg、約4,000mg、または約5,000mgの1日用量で投与され、それらの間のすべての値および範囲が包含される。
いくつかの態様では、医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)の好適な投与量は、対象の体重に対して約0.01mg/kg~約100mg/kgの範囲、たとえば約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、1.9mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg体重、約20mg/kg体重、約30mg/kg体重、約40mg/kg体重、約50mg/kg体重、約60mg/kg体重、約70mg/kg体重、約80mg/kg体重、約90mg/kg体重、または約100mg/kg体重などであり、それらの間のすべての値および範囲が包含される。他の態様では、組成物の好適な投与量は、約0.01mg/kg~約100mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約90mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約80mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約70mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約60mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約50mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約40mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約30mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約20mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約10mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約9mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約8mg/kg体重の範囲、約0.01mg/kg~約7mg/kg体重の範囲、0.01mg/kg~約6mg/kg体重の範囲、約0.05mg/kg~約5mg/kg体重の範囲、約0.05mg/kg~約4mg/kg体重の範囲、約0.05mg/kg~約3mg/kg体重の範囲、約0.05mg/kg~約2mg/kg体重の範囲、約0.05mg/kg~約1.5mg/kg体重の範囲、または約0.05mg/kg~約1mg/kg体重の範囲である。
特定の態様によれば、医薬組成物(たとえば、細菌混合物を含むもの)は、たとえば1日2回以上、約1日1回、約1日おき、約3日ごと、約1週間に1回、約2週間に1回、約1ヵ月に1回、約2ヵ月に1回、約3ヵ月に1回、約6ヵ月に1回、または約1年に1回投与され得る。
ある態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日1回、少なくとも連続2日間投与され得る。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1週間に2回、3回、4回、または5回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。さらなる態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。さらに別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
ある態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日2回、少なくとも連続2日間投与され得る。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。別の態様では、医薬組成物は、少なくとも2回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
本開示のある態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日3回、少なくとも連続2日間投与され得る。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。ある態様では、医薬組成物は、少なくとも3回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
ある態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日1回または2回、少なくとも連続3日間または3週間の投与スケジュールで投与され得る。ある態様では、用量は少なくとも1日1回、2回、または3回を、1~12週間、2~12週間、3~12週間、4~12週間、5~12週間、6~12週間、7~12週間、8~12週間、9~12週間、10~12週間、1~2週間、2~3週間、3~4週間、4~5週間、5~6週間、6~7週間、7~8週間、8~9週間、9~10週間、または10~11週間の期間にわたって投与される。
ある態様では、医薬組成物は、必要な患者に週1回、週2回、または週3回の投与スケジュールで投与され得る。「週1回」という用語は、用量が典型的には週に1回のみ、たとえば各週の同じ曜日などに投与されることを意味する。「週2回」とは、用量が典型的には週に2回のみ、たとえば各週の期間の同じ2つの曜日などに投与されることを意味する。「週3回」とは、用量が典型的には週に3回のみ、たとえば各週の期間の同じ3つの曜日などに投与されることを意味する。
ある態様では、医薬組成物は必要な患者に投与することができ、ここで投与は、第1の投与スケジュールに続く第2の投与スケジュールを含む。ある態様では、第1の投与スケジュールは、処置または誘導用量を含む。ある態様では、第2の投与スケジュールは、維持用量を含む。たとえば、第2の投与スケジュールの薬学的に活性な維持用量は、第1の投与スケジュールの薬学的に活性な誘導用量以下であり得る。他の例では、第2の投与スケジュールの維持用量は、第1の投与スケジュールの誘導用量よりも高くなり得る。
医薬組成物を投与するための第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、少なくとも1日1回、少なくとも1日の組成物の投与を含み得る。ある態様では、第1または第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、少なくとも1日1回、少なくとも連続2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間の組成物の投与を含む。ある態様では、第1または第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、少なくとも1日1回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間の組成物の投与を含む。ある態様では、第1または第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間の組成物の投与を含む。ある態様では、第1または第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間の組成物の投与を含む。ある態様では、第1または第2の投与スケジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年にわたって、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に組成物を投与することを含む。
ある態様では、方法において使用される第1または第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、週1回、週2回、または週3回であり得る。
ある態様では、第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、少なくとも約2、4、6、8、10、12、18、24、36、48、72、または96ヵ月間続き得る。ある態様では、第2の投与スケジュールは、永続的に、処置される対象の全生涯にわたって、または無期限に続く。ある態様では、第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、継続的な投与スケジュールである。ある態様では、第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、断続的な投与スケジュールである。ある態様では、第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の処置期間と、それに続く少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の休止期間とを含む断続的な投与スケジュールである。ある態様では、第1および第2の投与スケジュールの少なくとも1つは、1日おき、2日ごと、または3、4、5、6、7、8日ごとに用量を投与することを含む。ある態様では、用量は、漸増(または別様に投与量もしくは投与スケジュールを変更すること)を伴うか、または伴わずに、長期間にわたって投与される。
ある態様では、第1の投与スケジュールと第2の投与スケジュールとの間の間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、もしくは7日、または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12週間、または少なくとも約1、2、3、4、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヵ月である。
ある態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持用量)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期誘導用量)で使用される投与量よりも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、75、100、200、400、800、1000、5000倍、またはそれ以上低い投与量を含む。別の態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期処置投与スケジュール)以下の投与頻度を有する。ある態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期処置投与スケジュール)よりも長い投与間隔を有する。
さまざまな態様では、本明細書に記載される方法は、ヒト対象の処置に有用である。いくつかの態様では、ヒトは小児である。他の態様では、ヒトは成人である。他の態様では、ヒトは高齢者である。他の態様では、ヒトは患者と呼ばれることがある。いくつかの態様では、ヒトは女性である。いくつかの態様では、ヒトは男性である。
特定の態様では、ヒトは約1~約18ヵ月齢、約18~約36ヵ月齢、約1~約5歳、約5~約10歳、約10~約15歳、約15~約20歳、約20~約25歳、約25~約30歳、約30~約35歳、約35~約40歳、約40~約45歳、約45~約50歳、約50~約55歳、約55~約60歳、約60~約65歳、約65~約70歳、約70~約75歳、約75~約80歳、約80~約85歳、約85~約90歳、約90~約95歳、または約95~約100歳の範囲の年齢を有する。
一態様では、処置される対象はヒト患者である。一態様では、患者は男性患者である。一態様では、患者は女性患者である。一態様では、患者は未熟児である。一態様では、患者は満期産新生児である。一態様では、患者は新生児である。一態様では、患者は乳児である。一態様では、患者は幼児である。一態様では、患者は低年齢の小児である。一態様では、患者は小児である。一態様では、患者は青年である。一態様では、患者は小児患者である。一態様では、患者は高齢患者である。一態様では、ヒト患者は約18、15、12、10、8、6、4、3、2、または1歳未満の小児患者である。別の態様では、ヒト患者は成人患者である。別の態様では、ヒト患者は高齢患者である。さらなる態様では、ヒト患者は、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95歳を超える患者である。別の態様では、患者は約1~5、2~10、3~18、21~50、21~40、21~30、50~90、60~90、70~90、60~80、または65~75歳である。一態様では、患者は前期高齢患者(65~74歳)である。一態様では、患者は中期高齢患者(75~84歳)である。一態様では、患者は高齢患者(>85歳)である。
追加の治療剤および共製剤化
本明細書に記載される医薬組成物は、細菌混合物に加えて1つ以上の治療剤を含むことができ、これは本明細書に記載される方法において、必要な対象に投与され得る。追加の治療剤は、本明細書に記載される細菌混合物(たとえば、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物を含むもの)と同時に投与されるか、または逐次的に投与され得る。さらに、本組成物および製剤は、追加の治療剤を(たとえば、共製剤を介して)含み得る。たとえば、追加の治療剤と、1つ以上の細菌単離物と、未培養糞便細菌の調製物とを組み合わせて単一の製剤にすることができる。
ある態様では、追加の治療剤および細菌混合物は、対象に同時に投与される。本明細書で使用される場合、「同時に」という用語は、追加の治療剤および細菌混合物が、約60分以下、たとえば約30分以下、約20分以下、約10分以下、約5分以下、または約1分以下などの時間間隔で投与されることを意味する。追加の治療剤および細菌混合物の投与は、単一の製剤(たとえば、追加の治療剤および細菌混合物を含む製剤)または別々の製剤(たとえば、追加の治療剤を含む第1の製剤および細菌混合物を含む第2の製剤)の同時投与によるものであり得る。
同時投与は、追加の治療剤および細菌混合物(たとえば、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物を含むもの)の薬理学的活性が時間的に重複するような投与のタイミングであれば、追加の治療剤を同時に投与することを必要としない。たとえば、追加の治療剤および細菌混合物は、逐次的に投与され得る。本明細書で使用される場合、「逐次的に」という用語は、追加の治療剤および細菌混合物が、約60分を超える時間間隔で投与されることを意味する。たとえば、追加の治療剤および細菌混合物の逐次投与の間の時間は、約60分超、約2時間超、約5時間超、約10時間超、約1日超、約2日超、約3日超、または約1週間超離れ得る。最適な投与時間は、投与される追加の治療剤および細菌混合物の代謝速度、排出速度、および/または薬力学的活性に依存するだろう。追加の治療剤または細菌混合物のどちらを最初に投与してもよい。
さらなる態様では、追加の治療剤および細菌混合物は、対象に同時に投与され得るが、GI管におけるそれらのそれぞれの剤形(または共製剤化されるときは単一単位剤形)からの追加の治療剤および細菌混合物の放出は、逐次的に起こり得る。
加えて同時投与は、複数の追加の治療剤が細菌混合物と同じ投与経路によって対象に投与されることを必要としない。むしろ、各々の追加の治療剤は、任意の適切な経路によって、たとえば非経口的または経口的に投与され得る。
いくつかの態様では、追加の治療剤は、本明細書に記載される障害(たとえば、少なくとも1つのSCFAの投与によって処置または予防され得る腸内ディスバイオシスに関連する障害)の1つ以上の症状を処置または予防するために使用される薬剤である。いくつかの態様では、追加の治療剤は、イスペリドン(isperidone)、フルオキセチン、アリピプラゾール、ビタミンD、レボカルニチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの態様では、追加の治療剤は、たとえばステロイド性抗炎症剤または非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDS:non-steroidal anti-inflammatory agents)などの抗炎症剤である。ステロイド、特に副腎コルチコステロイドおよびそれらの合成類似体は、当技術分野で周知である。追加の治療剤として対象に投与され得るコルチコステロイドの非限定的な例としては、ヒドロキシルトリアムシノロン、アルファ-メチルデキサメタゾン、ベータ-メチルベタメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン酢酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、フルアドレノロン、フルクロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)アセテート、フルランドレノロン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾンアセテート、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、メチルプレドニソロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキシソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、ジフルオロゾンジアセテート、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびそのエステルの平衡物、クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ベクロメタゾンジプロピオナートが挙げられる。使用され得る(NSAIDS)としては、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチルミド(salicylmides)、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、イブプロフェン、フリンダク(fulindac)、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、フェニルブタゾン、インドメタシン、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。追加の抗炎症剤は、たとえば米国特許第4,537,776号などに記載されており、その内容全体が本明細書において引用により援用される。
いくつかの態様では、医薬組成物に組み込むことができる追加の治療剤は、プレバイオティクスである。プレバイオティクスとは、(たとえば、1つ以上の微生物によって代謝される基質を提供することによって)対象の腸内の1つ以上の微生物(たとえば、細菌など)の成長、増殖、または活性を促進するために対象に投与される単数または複数の化合物(たとえば、1つ以上の栄養素を含むもの)である。理論に束縛されることは望まないが、プレバイオティクスを医薬組成物に添加して、対象の内因性マイクロバイオームおよび/または医薬組成物自体の中の細菌を栄養的に補うことで、たとえば未培養糞便細菌の調製物の1つ以上の株および/または1つ以上の細菌単離物の成長または活性を刺激することができる。加えて、細菌細胞を新しい環境に移行させるとき、たとえば、未培養糞便細菌の調製物の単離および/もしくは精製の後、または凍結、凍結乾燥、噴霧乾燥、および溶液中での再構成などの前もしくは後などに、細菌細胞に対する「ショック」を緩衝するために、1つ以上のプレバイオティクスを組成物に添加することができる。
医薬組成物に添加できるプレバイオティクスの非限定的な例は、アミノ酸(たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシンなど)、乳酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、フルクトース、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴ糖(たとえば、ガラクトオリゴ糖(GOS)、トランス-ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、マンノオリゴ糖、またはキトオリゴ糖などを含む)、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー、タガトース、チアミン、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、発酵性多糖、食物繊維、難消化性デンプン、オオムギ、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせを含む。例示的なプレバイオティクスとしては、複合炭水化物、アミノ酸、ペプチド、または細菌組成物の生存に必須のその他の栄養成分が挙げられる。
ある態様では、対象は、医薬組成物による処置の前にプレバイオティクスで前処置されていない。別の態様では、医薬組成物にはプレバイオティクスが補充されない。
ある態様では、プレバイオティクスは、たとえば細菌混合物を含む本明細書に記載される医薬組成物中に(たとえば、乾燥形態または液体形態で)含まれ得る。
代替的または付加的に、対象に投与されるプレバイオティクスは、細菌混合物を欠く別個の医薬組成物中に(たとえば、乾燥形態または液体形態で)含まれ得る。
プレバイオティクスは、細菌混合物を含む医薬組成物の投与前、投与と同時、および/または投与後に、同じ医薬組成物または別個の医薬組成物のいずれかにおいて、対象に投与され得る。
プレバイオティクスは、単回用量または複数回用量で提供および投与され得る。単回用量として提供されるとき、単一組成物は、ただ1つのプレバイオティクスか、またはプレバイオティクスの混合物を含み得る。複数回用量で提供されるとき、対象に投与される各組成物は、単一のプレバイオティクスまたはプレバイオティクスの混合物を含むことができ、かつ/または対象に投与される第1の組成物は、対象に投与される第2の組成物とは異なる単数または複数のプレバイオティクスを含み得る。
例として、複数回用量が提供されるとき、プレバイオティクスを含む第1の組成物は、たとえばイヌリンなどの第1のプレバイオティクスを含むことができ、第2の組成物は、第1のプレバイオティクスを伴うか、または伴わずに、たとえばフラクトオリゴ糖などの異なるプレバイオティクスを含み得る。代替的に、第1の組成物は、たとえばイヌリンおよびフラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスの組み合わせを含むことができ、第2の組成物は、たとえばイヌリンおよび白インゲンマメ粉末などのプレバイオティクスの異なる組み合わせを含み得る。第1の組成物はプレバイオティクスの組み合わせを含むことができ、第2の組成物は1つのプレバイオティクスのみを含み得る。
組成物中に含まれるプレバイオティクスの量は、特定のプレバイオティクス、プレバイオティクスが標的とする単数もしくは複数の特定の細菌株、および/または対象/患者の疾患状態に依存する。
いくつかの態様では、医薬組成物に組み込まれる追加の治療剤は止瀉薬である。本明細書に記載の医薬組成物に含めるのに適した止瀉薬の非限定的な例としては、DPP-IV阻害剤、天然オピオイド、たとえばアヘンチンキ、パレゴリック、およびコデインなど、合成オピオイド、たとえばジフェノキシレート、ジフェノキシン、およびロペラミドなど、次サリチル酸ビスマス、ランレオチド、バプレオチド、およびオクトレオチド、モチリンアンタゴニスト、COX2阻害剤、たとえばセレコキシブなど、グルタミン、サリドマイド、および従来の止瀉薬、たとえばカオリン、ペクチン、ベルベリン、およびムスカリン性薬剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様では、医薬組成物に組み込まれる追加の治療剤は、鎮痛剤であり得る。本明細書に記載される組成物および方法において有用な鎮痛剤としては、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、メタドンおよび関連化合物、テバイン、オルピアビン(orpiavine)、およびそれらの誘導体、ブプレノルフィン、ピペリジン、モルフィナン、ベンゾモルファン、テトラヒドロイソキノリン、チアンブタン、ベンジルアミン、チリジン、ビミノール、ネフォパム、カプサイシン(8-メチル-N-バニリル-6E-ノネンアミド)、「合成」カプサイシン(N-バニリルノンアミド)および関連化合物、ならびにそれらの組み合わせが限定なしに挙げられる。
いくつかの態様では、追加の治療剤は抗菌剤であり、これはセファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロール、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、およびセフトビプロール)、フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レバキン、フロキシン、テキン、アベロックス、およびノルフロックス)、テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、およびドキシサイクリン)、ペニシリン系抗生物質(アモキシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、およびメチシリン)、モノバクタム系抗生物質(アズトレオナム)、カルバペネム系抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、およびメロペネム)、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、抗菌剤は、ペニシリン、セファロスポリン、モノバクタム、およびカルバペネム系抗生物質、またはそれらの組み合わせのいずれかであり得る。
一態様では、方法は、治療用細菌混合物を投与する前に、抗生物質組成物で対象を前処置することをさらに含む。一態様では、本明細書で投与される抗生物質組成物は、リファブチン、クラリスロマイシン、クロファジミン、バンコマイシン、リファンピシン、ニトロイミダゾール、クロラムフェニコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される抗生物質を含む。別の態様では、本明細書で投与される抗生物質組成物は、リファキシミン、リファマイシン誘導体、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、リファラジル、ビコザマイシン、アミノグリコシド、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、パロモマイシン、ベルダマイシン、ムタマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン、レチマイシン、カナマイシン、アズトレオナム、アズトレオナムマクロライド、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、アジトロマイシン、次サリチル酸ビスマス、バンコマイシン、ストレプトマイシン、フィダキソマイシン、アミカシン、アルベカシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ロドストレプトマイシン、トブラマイシン、アプラマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される抗生物質を含む。別の態様では、対象は、細菌混合物を投与する前に抗生物質組成物で前処置されない。別の態様では、医薬組成物には抗生物質組成物が補充されない。さらなる態様では、方法は、細菌混合物の投与前に抗炎症薬で対象を前処置することをさらに含む。さらに別の態様では、対象は、細菌または混合物を投与する前に抗炎症薬で前処置されない。別の態様では、細菌混合物には抗炎症剤が補充されない。
本明細書に記載されるとおり、追加の治療剤の送達は、GI管のさまざまな部分を標的とすることができる。
医薬組成物の使用
対象の腸における1つ以上のSCFAの量を増加させることによって、ある状態、障害、または疾患を処置または予防するために対象に投与することができる医薬組成物が本明細書に開示される。ある態様では、本明細書に記載される組成物の投与は、医薬組成物の投与後に対象の腸において1つ以上のSCFAを産生および/または分泌するように選択された細菌(たとえば、未培養糞便細菌の調製物中のもの)を投与することによって、対象の腸におけるSCFAの濃度またはレベルを増加させる。ある態様では、本明細書に記載の細菌混合物を含む医薬組成物の投与は、投与された細菌混合物に含有される細菌株の腸内での生着と、その後の生着細菌株によるSCFAの分泌とを介して、対象の腸に1つ以上のSCFAを送達することによって障害を処置または予防する。したがって、本明細書に記載される医薬組成物は、細菌混合物の投与およびそれに含まれる細菌株のその後の生着によって、SCFAの定期的な(たとえば、毎日の)補充投与を必要とせずに、対象へのSCFAの継続的な自己持続的長期供給をもたらすので、有限量のSCFAのみを(すなわち、SCFA産生細菌株の不在下で)投与する組成物よりも有利である。
態様では、医薬組成物は、対象の腸における1つ以上のSCFAのレベルの低下によって引き起こされる障害を処置または予防することができる。こうした場合、組成物の投与は、腸における1つ以上のSCFAのレベルを増加させて障害を直接処置し、その障害の1つ以上の症状の重症度の低減をもたらすことができる。態様では、医薬組成物は、1つ以上のSCFAのレベルの低下によって直接引き起こされないが、対象の腸におけるSCFAの増加に応答するか、またはそれから利益を得ることができる1つ以上の症状を有する障害を処置または予防することができる(たとえば、障害自体は残存するかもしれないが、腸における1つ以上のSCFAの増加の結果として、障害の1つ以上の症状の重症度が低減される)。
さまざまな態様では、本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含む、必要な対象のマイクロバイオームを調節して、生態学的バランスを提供または回復する方法が本明細書において提供される。たとえば、さまざまな態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって、1つ以上の病原性細菌を減少または阻害する方法が提供される。さまざまな態様では、本明細書に記載される1つ以上の細菌単離物の投与は、投与前に患者のGI管に検出可能なほど存在せず、さまざまな態様において非病原性である少なくとも1つのタイプの細菌の成長を増大させる。
さまざまな態様では、本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含む、必要な対象における腸病原体または病原性共生生物に対する生態学的制御を回復または増強する方法が本明細書において提供される。
態様では、医薬組成物は、腸内ディスバイオシスに関連する障害を有する対象への投与のためのものである。態様では、障害は、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)、C.ディフィシル感染症(CDI:C.difficile infection)、C.ディフィシル関連疾患(CDAD:C.difficile-associated disease)、抗生物質誘発性有害作用、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
さまざまな態様では、方法は、必要な対象においてGIディスバイオシスに関連する疾患または状態を処置するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。いくつかの態様では、対象は、炎症性腸疾患(IBD)、たとえばクローン病、大腸炎(たとえば、潰瘍性大腸炎または顕微鏡的大腸炎など)、または回腸嚢炎を有する。IBDは、大腸および場合によっては小腸の一群の炎症状態である。本明細書に記載される組成物、製剤、および方法によって処置できるIBDの例としては、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、回腸嚢炎、コラーゲン大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット症候群、感染性大腸炎、および不確定大腸炎が挙げられるが、これらに限定されない。ある態様では、本明細書に記載される組成物を必要な対象に投与することを含む、潰瘍性大腸炎を処置する方法が本明細書において提供される。別の態様では、本明細書に記載される組成物を必要な対象に投与することを含む、クローン病を処置する方法が本明細書において提供される。さらなる態様では、本明細書に記載される組成物を必要な対象に投与することを含む、回腸嚢炎を処置する方法が本明細書において提供される。
さまざまな態様では、方法は、必要な対象において潰瘍性大腸炎(UC)を処置するために本明細書に記載される組成物を投与することを含む。UCは、IBDの一形態である。UCは結腸の慢性疾患であり、結腸の内層が炎症を起こし、膿および粘液を産生する小さな開放創または潰瘍を発症する。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、UCに関連する炎症および/または潰瘍を改善、低減、または排除することができる。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、腹部不快感または疼痛、頻繁な結腸の空化、便意喪失および緊急性便通、持続性の下痢、血便、食欲不振、ならびに体重減少を含むがこれらに限定されない、UCに関連する1つ以上の症状を改善、低減、または排除することができる。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、UCに罹患した小児における成長および発達の遅延を低減または予防することができる。
さまざまな態様では、方法は、必要な対象においてUCを処置するために本明細書に記載される組成物を投与することを含む。たとえば、対象の処置の成功は、以下の指標を使用して測定することができ、たとえば、本方法は、対象の活動スコア閾値を重度から中程度、軽度、もしくは寛解に変化させるか、または患者のスコアを中程度から軽度もしくは寛解に変化させるか、または患者のスコアを軽度から寛解に変化させる(表1参照)。
Figure 2022552005000003
Figure 2022552005000004
いくつかの態様では、方法は、必要な対象において過敏性腸症候群(IBS)を処置するために本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。IBSは、結腸に影響を及ぼす一般的な障害であり、痙攣、腹痛、鼓脹、ガス、下痢、および便秘を引き起こし得る。IBSは、主症状が下痢(主に下痢(diarrhea)を伴うIBS、IBS-D)か、便秘(主に便秘(constipation)を伴うIBS、IBS-C)か、または混合症状(便秘と下痢とが交互に(alternating)起こるIBS、IBS-A)かに基づいて分類される。本明細書に記載される方法は、IBS-D、IBS-C、および/またはIBS-Aの1つ以上を処置するのに有効であり得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法(たとえば、本明細書に記載される組成物を投与することを含むもの)は、IBS-D、IBS-C、および/またはIBS-Aの1つ以上に関連する1つ以上の症状を低減または排除することができる。
態様では、方法は、必要な対象における異常腸内ミクロフローラ(たとえば、腸内ディスバイオシスなど)に関連する疾患/障害を処置または予防するために、本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。病気/障害は、過敏性腸症候群または痙攣性結腸を含む胃腸障害、便秘型FBD、疼痛型FBD、上腹部FBDを含む機能性腸疾患(FBD:Functional Bowel Disease)、非潰瘍性胃腸障害(NUD:Nonulcer Dyspepsia)、胃食道逆流、クローン病を含む炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、不確定性大腸炎、コラーゲン大腸炎、顕微鏡的大腸炎、慢性クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症、偽膜性大腸炎、粘液性大腸炎、抗生物質関連大腸炎、突発性または単純性便秘、憩室性疾患、AIDS腸症、小腸細菌異常増殖、セリアック病、ポリポーシスコイル、結腸ポリープ、慢性突発性偽性閉塞症候群、および中毒性巨大結腸症から選択され得る。
態様では、方法は、必要な対象において肝障害に関連する障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。肝障害の非限定的な例としては、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎(PSC:Primary Sclerosing Cholangitis)、脂肪肝、および特発性肝硬変が挙げられる。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象においてリウマチ障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。リウマチ障害の非限定的な例としては、関節リウマチ、非関節リウマチ、非リウマチ因子陽性関節炎、強直性脊椎炎、ライム病、およびライター症候群が挙げられる。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における免疫媒介性障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。免疫媒介性障害の非限定的な例としては、糸球体腎炎、溶血性尿毒症症候群、若年型糖尿病、混合型クリオグロブリン血症、多発性動脈炎、家族性地中海熱、アミロイドーシス、強皮症、全身性紅斑性狼瘡、およびベーチェット症候群が挙げられる。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における自己免疫障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。自己免疫障害の非限定的な例としては、急性散在性脳脊髄炎(ADEM:Acute Disseminated Encephalomyelitis)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS:Antiphospholipid Syndrome)、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED:Autoimmune Inner Ear Disease)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP:Autoimmune Thrombocytopenic Purpura)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索および神経障害、バロ病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP:Chronic Inflammatory Demyelinating Polyneuropathy)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO:Chronic Recurrent Multifocal Ostomyelitis)、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素病、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜炎、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA:Granulomatosis With Polyangiitis)、グレーブズ病、ギラン-バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP:idiopathic thrombocytopenic purpura)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性突発性関節炎、若年性筋炎、川崎病、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線形IgA病(LAD:linear IgA disease)、狼瘡(全身性紅斑性狼瘡)、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合性結合組織病(MCTD:Mixed Connective Tissue Disease)、モーレン潰瘍、ムシャ-ヘイバーマン病、多発性硬化症、重症性筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(ストレプトコッカスに関連する小児自己免疫性神経精神障害(Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcus))、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH:Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria)、パリー・ロンベルグ症候群、パーソネージ-ターナー症候群、毛様体扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢ニューロパシー、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、およびIII型自己免疫性多腺性症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心臓切開術後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎(PSC)、乾せん、乾せん性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、硬皮症、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性感染性心内膜炎(SBE:Subacute Bacterial Endocarditis)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP:Thrombocytopenic Purpura)、トロサ-ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、喘息、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD:Undifferentiated Connective Tissue Disease)、ブドウ膜炎、血管炎、水疱性皮膚疾患、白斑、およびヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられる。態様では、こうした障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において神経学的症候群を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。神経学的症候群の非限定的な例としては、慢性疲労症候群、片頭痛、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、ギラン-バレー症候群、パーキンソン病、アルツハイマー病、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、およびその他の変性障害が挙げられる。態様では、こうした症候群は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における精神(psychiatric)障害または精神(mental)障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。精神(psychiatric)障害または精神(mental)障害の非限定的な例としては、慢性うつ、統合失調症、精神(psychotic)障害、躁鬱性疾患、以下を含む退行性障害、アスペルガー症候群、レット症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)、注意欠陥障害(ADD:Attention Deficit Disorder)、退行性障害、自閉症、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)、および神経性食欲不振症が挙げられる。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において皮膚疾患を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。皮膚疾患の非限定的な例としては、慢性蕁麻疹、ざ瘡、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、および血管炎障害が挙げられる。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において心血管障害および/または血管障害を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした疾患/障害は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において血流感染症(BSI:bloodstream infection)を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。こうしたBSIのリスクがある患者としては、固形臓器移植患者、たとえば血液透析中などの慢性腎疾患患者、および腫瘍患者が挙げられるが、これらに限定されない。態様では、こうしたBSIは、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象におけるカテーテルまたは血管内感染症(たとえば、中心ライン感染症など)を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における皮膚または軟組織感染症を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における手術部位感染症を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象における尿路感染症(たとえば、抗生物質耐性尿路感染症およびカテーテル関連尿路感染症など)を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において創傷感染症を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において感染症を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。感染症の非限定的な例としては、抗生物質耐性感染症および抗生物質感受性感染症が挙げられる。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、本明細書に記載される医薬組成物および方法は、髄膜炎を処置または予防することができる。態様では、髄膜炎は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において、たとえば人工呼吸器関連肺炎などの肺炎を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。態様では、肺炎は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、本明細書に記載される組成物、製剤、および方法は、外来患者環境、入院施設、および/または長期ケア施設にいる患者集団において使用できる。こうした患者集団は院内感染症のリスクがある。態様では、こうした感染症は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
態様では、方法は、必要な対象において原発性硬化性胆管炎(PSC)を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。たとえば、対象に投与される医薬組成物中に提供される1つ以上の細菌単離物は、ディスバイオシスの腸内マイクロバイオームを健全なコミュニティと置き換えることによって、少なくとも胆管炎症を低減し、かつ/または肝機能を改善し得る。
態様では、方法は、必要な対象において下痢性疾患を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。下痢性疾患の非限定的な例としては、急性血性下痢(たとえば、赤痢など)、急性水様性下痢(たとえば、コレラなど)、チェックポイント阻害剤関連大腸炎、食中毒による下痢、持続性下痢、および旅行者下痢が挙げられる。態様では、下痢は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
さまざまな態様では、本明細書に記載される医薬組成物の投与は、本明細書に記載される状態、疾患、または障害に関連する1つ以上の症状を低減、改善、または排除することができる。例示的な症状としては、下痢、血便、口腔潰瘍、肛門周囲疾患、腹痛、腹部痙攣、発熱、倦怠感、体重減少、鉄欠乏、貧血、食欲不振、体重減少、拒食症、成長遅延、思春期発育遅延、ならびに皮膚、眼、関節、肝臓、および胆管の炎症が挙げられるが、これらに限定されない。態様では、この症状は、対象の腸内ディスバイオシスに関係する。
いくつかの態様では、方法は、必要な対象のGI管における病原性細菌による感染症を処置もしくは予防し、かつ/または病原性細菌の成長を阻害するかもしくは数を減少させるために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。ある態様では、病原性細菌は、たとえばサルモネラ(Salmonella)などの腸内細菌である。さまざまな態様では、方法は、患者の腸内のさまざまな大腸菌群(毒性および/または抗生物質耐性である大腸菌群を含む)の異常増殖を軽減または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。例示的な大腸菌群には、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、ハフニア(Hafnia)、ケルブシエラ(Kelbsiella)、およびエシェリキア(Escherichia)が含まれる。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法および組成物は、耐性生物による二次感染症を予防または減少させる。
さらに他の態様では、方法は、必要な対象において腸の感染性疾患を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。腸の感染性疾患の非限定的な例としては、CDIおよび/もしくはCDAD、院内感染症、二次的緊急感染症、アメーバ症、腸結核、または寄生虫障害が挙げられる。いくつかの態様では、本明細書において提供されるのは、CDIおよび/またはCDADを処置または予防するための方法であって、本明細書に記載の医薬組成物の有効量を、必要な対象または患者に投与することを含む方法である。さまざまな態様では、CDIまたはCDADは、C.ディフィシル下痢(CDD:C.difficile diarrhea)、C.ディフィシル(difficile)腸炎症性疾患、大腸炎、偽膜性大腸炎、発熱、腹痛、脱水および電解質異常、巨大結腸症、腹膜炎、ならびに結腸の穿孔および/または破裂のうちの1つ以上を含む。
さまざまな態様では、本明細書に記載される組成物は、初期発症または再燃/再発(たとえば、抗生物質療法の継続または再開などに起因するもの)の状況におけるGIディスバイオシスに関連する疾患または状態を処置または予防するために、必要な対象に投与される。たとえば、以前にGIディスバイオシスに罹患したことがある対象において、本医薬組成物または製剤は、対象における再発の最初の症状の際に投与され得る。非限定的な例として、再発の症状は、軽度の場合、1日当たり約5~約10回の水様便通、有意な発熱なし、かつ軽度の腹部痙攣のみを含み、一方で血液検査は白血球数最大約15,000までの軽度の上昇(正常レベルは最大約10,000)を示してもよく、重篤な場合、1日当たり約12回を超える水様便、悪心、嘔吐、高熱(たとえば、約102~104°F)、直腸出血、腹部激痛(たとえば、圧痛を伴うもの)、腹部膨張、および高い白血球数(たとえば、約15,000~約40,000)を含む。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法を使用して、GIディスバイオシスに関連する疾患もしくは状態に罹患しているか、または罹患しやすい対象もしくは患者を処置することができる。たとえば、対象は、対象をGIディスバイオシスに関連する疾患または状態になりやすくするような初期療法および/または補助療法を受けているか、または受けたことがあり得る。いくつかの態様では、対象は、抗生物質による処置を受けているか、または処置を受けたことがある。たとえば、対象は、過去約30日の間に抗生物質を摂取したか、かつ/または(たとえば、慢性疾患などによる)弱い免疫系を有し得る。別の例では、患者は、最近集中治療室を含む病院内にいたことがあり得る。したがって、いくつかの態様では、方法は、必要な対象における院内(nosocomial)感染症および/または二次緊急感染症および/または院内感染症(HAI:hospital acquired infection)を処置または予防するために、本明細書に記載される組成物を投与することを含む。
さまざまな態様では、有効量の微生物治療剤(たとえば、1つ以上の細菌単離物)を必要な対象に投与することを含む、GI管における抗生物質誘発性有害作用を処置するための方法が本明細書に記載される。別の態様では、有効量の微生物治療剤を必要な対象に投与することを含む、GI管における抗生物質誘発性有害作用を予防するための方法が本明細書で提供される。
別の態様では、本明細書に開示される医薬組成物または複数の医薬組成物は、たとえば必要な対象において本明細書に記載される状態、疾患、または障害を処置するなどのための薬物の製造において使用され得る。さまざまな態様では、本明細書に記載される細菌単離物は、抗生物質誘発性の損傷から腸内マイクロバイオームを保護する。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、下痢、悪心、嘔吐、味覚異常、大腸炎、および偽膜性大腸炎の疾患および/または症状を含むがこれらに限定されない抗生物質関連有害作用を処置または予防できる。ある態様では、本明細書に記載される方法は、抗生物質関連下痢(AAD:antibiotic-associated diarrhea)を処置または予防するために使用され得る。
本明細書では、必要な対象の腸に1つ以上のSCFAを送達する方法が提供され、この方法は、1つ以上のSCFA産生細菌株が対象の腸に生着して対象の腸にSCFAを放出するように、1つ以上のSCFA産生細菌株を含む細菌混合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
本明細書では、必要な対象の腸に1つ以上のSCFAを送達する方法が提供され、この方法は、未培養糞便細菌のSCFA産生細菌株が対象の腸に生着して対象の腸にSCFAを放出するように、1つ以上のSCFAを産生するように選択された未培養糞便細菌を含む細菌混合物を対象に投与することを含む。ある態様では、医薬組成物の投与後の対象の腸における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量は、組成物の投与前の対象の腸における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量よりも多い。
本明細書では、必要な対象の腸に1つ以上のSCFAを送達する方法が提供され、この方法は、対象の腸内細菌によって産生されるSCFAのレベルを決定または診断する(すなわち、腸内細菌によって産生および/または分泌されるSCFA分子のレベルが決定される)ことと、腸内細菌によって産生されるSCFAのレベルに基づいて、本明細書に記載される医薬組成物を対象に投与することとを含む。ある態様では、医薬組成物は、腸内細菌によって産生されるSCFAのレベルが閾値レベル未満であるときに投与される。
ある態様では、対象の腸内細菌によって産生されるSCFAの存在またはレベルは、対象の糞便から直接決定される(たとえば、ガスクロマトグラフィーを使用した直接SCFA定量アッセイなどで)。
態様として、SCFAはブチレートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のブチレートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のブチレートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1nmolである。
ある態様では、SCFAはアセテートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のアセテートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のアセテートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり70、65、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1nmolである。
ある態様では、SCFAはカプロエートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のカプロエートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のカプロエートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
ある態様では、SCFAはヘプタノエートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のヘプタノエートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のヘプタノエートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり11、10.5、10、9.5、9、8.9、8.8、8.7、8.6、8.5、8.4、8.3、8.2、8.1、8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
ある態様では、SCFAはイソブチレートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のイソブチレートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のイソブチレートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
ある態様では、SCFAはイソカプロエートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のイソカプロエートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のイソカプロエートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
ある態様では、SCFAはイソバレレートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のイソバレレートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のイソバレレートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
態様として、SCFAはプロピオナートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のプロピオナートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のプロピオナートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1nmolである。
ある態様では、SCFAはバレレートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、対象の糞便中のバレレートのレベルまたは存在が閾値レベル未満であると決定されたときに対象に投与される。態様では、対象の糞便中のバレレートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1nmolである。
ある態様では、対象の腸内細菌によって産生されるSCFAの存在またはレベルは、対象の糞便から腸内細菌を抽出または採取した後の機能アッセイにおいて(たとえば、腸内細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力を直接決定する「エクスビボ」アッセイにおいて)決定される。たとえば、対象の糞便から(たとえば、濾過および/または遠心分離によって)糞便細菌を抽出し、1つ以上の基質(たとえば、イヌリン、オリゴ糖、サンファイバー、および/または白インゲンマメ粉末などの1つ以上の炭水化物基質)と共にある期間(たとえば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24時間、または24時間超)インキュベートし、その基質を代謝することによって糞便細菌が産生したSCFAの存在またはレベルをガスクロマトグラフィーを使用して決定できる)。ある態様では、本明細書に記載される医薬組成物は、(たとえば、エクスビボアッセイなどの機能アッセイにおいて)糞便細菌によって産生されたSCFAが閾値レベル未満であるという決定に基づいて、対象に投与され得る。
ある態様では、SCFAはブチレートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、機能アッセイによって決定された対象の糞便細菌によって産生されたブチレートのレベルが閾値レベル未満であるときに対象に投与される。態様では、ブチレートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は40、35、30、29、28、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mMである。
ある態様では、SCFAはアセテートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、機能アッセイによって決定された対象の糞便細菌によって産生されたアセテートのレベルが閾値レベル未満であるときに対象に投与される。態様では、アセテートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は60、55、50、45、40、35、30、29、28、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mMである。
ある態様では、SCFAはプロピオナートであり、本明細書に記載される医薬組成物は、機能アッセイによって決定された対象の糞便細菌によって産生されたプロピオナートのレベルが閾値レベル未満であるときに対象に投与される。態様では、プロピオナートの閾値レベル(すなわち、それ未満のときに医薬組成物が投与される)は25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1mMである。
ある態様では、対象の腸内細菌が閾値レベル未満の1つ以上のSCFAを産生するという決定に基づいて、医薬組成物(たとえば、調製物または未培養糞便細菌を含む細菌混合物を含むもの)を投与された対象を、投与後の対象の腸におけるSCFAレベルの増加についてモニターおよび/または検査することができる。たとえば、投与後、1つ以上のSCFAのレベルまたは存在を対象の糞便から直接定量してもよいし、機能アッセイ(たとえば、インビボアッセイなど)において糞便細菌によって産生された1つ以上のSCFAのレベルまたは存在を決定することもできる。さまざまな態様では、対象の腸における1つ以上のSCFAのレベルまたは存在の決定は、医薬組成物の投与後、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、または少なくとも16週間で実施される。
ある態様では、対象の腸内細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルを決定することと、腸内細菌によって産生される1つ以上のSCFAが閾値レベル未満であるという決定に基づいて、本明細書に記載される医薬組成物の第1の用量を投与することと、医薬組成物が投与された後に採取されたサンプル(たとえば、糞便)から対象の腸内細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルを決定することと、腸内細菌によって産生される1つ以上のSCFAが閾値レベル未満であるという決定に基づいて、医薬組成物の第2の用量を投与することとを含む。
本開示の一態様では、必要な対象を処置するために提供される方法は、(1)単一ドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物の第1の薬学的に活性な用量を対象に投与することと、(2)追加用量が必要かどうか、または用量を調整すべきかどうかの有効性を決定するために対象を検査することと、(3)複数のドナーから混合された未培養糞便細菌の調製物を含む第2の医薬組成物を投与することと、(4)任意選択で、追加用量が必要かどうか、または用量を調整すべきかどうかの有効性を決定するために対象を検査することと、(5)任意選択で、複数のドナーから混合された未培養糞便細菌の調製物を含む第3の医薬組成物を投与することとを含み、ここでの複数のドナーは(a)第2の医薬組成物のすべてのドナーおよび追加のドナーを含むか、(b)第2の医薬組成物に含まれていない糞便細菌のドナーを含むか、(c)第2の医薬組成物に含まれる糞便細菌のドナーのすべてではないが一部を含むか、または第2の医薬組成物に含まれていない糞便細菌のドナーを含む。別の態様では、第1、第2、および第3の医薬組成物は、異なる順序(すなわち、第1、第3、第2;第3、第2、第1;第3、第1、第2;第2、第1、第3など)で投与される。
GI管機能の変化および/または改善を測定する方法としては、上皮および粘膜の直接検査のための内視鏡検査;構造変化および/または免疫バイオマーカーの直接評価のための組織学的評価および/または組織調達;非吸収性糖およびLPSレベルによる透過性の評価のための尿検査;炎症および/または微生物叢変化の評価のための(たとえば、PCRなどによる)糞便検査;ならびに/あるいはCD4+細胞数、Th17細胞数、および/またはLPSレベルを含む特異的マーカーの評価のための血液検査が挙げられ得るが、これらに限定されない。
態様では、本開示は、必要な対象における障害(たとえば、C.ディフィシル(C.difficile)感染症、自閉症スペクトラム障害(ASD:autism spectrum disorder)、潰瘍性大腸炎、クローン病、または本明細書に列挙される別の適応症)を処置するための方法を提供し、この方法は、本明細書に記載される医薬組成物の薬学的に活性な用量を対象に投与することを含む。態様では、本開示は、必要な対象における障害(たとえば、C.ディフィシル(C.difficile)感染症、ASD、潰瘍性大腸炎、またはクローン病など)を処置するための方法を提供し、この方法は、本明細書に記載される医薬組成物の薬学的に活性な用量を対象に毎日投与することを含む。態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日1回、少なくとも連続2日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1週間に2回、3回、4回、または5回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日1回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日2回、少なくとも連続2日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日2回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも2回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
態様では、医薬組成物は、必要な患者に少なくとも1日3回、少なくとも連続2日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15日間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、最大で連続4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間または週間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも1日3回、最大で連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間または月間投与される。態様では、医薬組成物は、少なくとも3回を少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヵ月または年に対して、対象の全生涯にわたって慢性的に、あるいは無期限に投与される。
態様では、本開示は、必要な対象における障害(たとえば、C.ディフィシル(C.difficile)感染症、ASD、潰瘍性大腸炎、またはクローン病など)を処置するための方法を提供し、この方法は、本明細書に記載される1つ以上の生存する非病原性細菌単離物を含む医薬組成物の薬学的に活性な用量を対象に経口投与することを含み、この用量は、少なくとも1日1回または2回、少なくとも連続3日間または3週間の投与スケジュールで投与される。態様では、用量は少なくとも1日1回、2回、または3回を、1~12週間、2~12週間、3~12週間、4~12週間、5~12週間、6~12週間、7~12週間、8~12週間、9~12週間、10~12週間、1~2週間、2~3週間、3~4週間、4~5週間、5~6週間、6~7週間、7~8週間、8~9週間、9~10週間、または10~11週間の期間にわたって投与される。
一態様では、本開示は、本明細書に記載される医薬組成物を投与することによって、必要な対象においてASDを処置するための方法を提供し、この方法は単回投与スケジュールを含む。一態様では、投与スケジュールは、少なくとも連続1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16週間の処置期間を含む。ある態様では、投与スケジュールは、毎日、1日おき、2日ごと、または3、4、5、6、7、8日ごとに用量を投与することを含む。
一態様では、本開示は、本明細書に記載される医薬組成物を投与することによって、必要な対象において障害を処置するための方法を提供し、この方法は、第1の投与スケジュールに続く第2の投与スケジュールを含む。一態様では、第1の投与スケジュールは、処置または誘導用量を含む。一態様では、第1の投与スケジュールは、継続的な投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続2日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、等価用量の連続2日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、単一日の用量を含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続3日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続4日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続5日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続6日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、連続7日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第1の投与スケジュールは、少なくとも連続3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12日間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、第1の投与スケジュールの薬学的に活性な用量以下の維持用量を含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも約2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、36、48、72、または96週間続く。別の態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも連続2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、36、48、72、または96週間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも連続2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、36、48、72、または96週間の投与スケジュールを含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも連続12、14、21、28、35、42、49、56、63、70、または77日間の投与スケジュールを含む。一態様では、第2の投与スケジュールは、永続的に、処置される対象の全生涯にわたって、または無期限に続く。一態様では、第2の投与スケジュールは、継続的な投与スケジュールである。別の態様では、第2の投与スケジュールは、断続的な投与スケジュールである。さらなる態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の処置期間と、それに続く少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日の休止期間とを含む断続的な投与スケジュールである。別の態様では、第2の投与スケジュールは、第2の用量(たとえば、維持用量)を、1日おき、2日ごと、または3、4、5、6、7、8日ごとに投与することを含む。別の態様では、維持用量は、漸増(または別様に投与量もしくは投与スケジュールを変更すること)を伴うか、または伴わずに、長期間にわたって投与される。一態様では、第1および第2の投与スケジュールの間に間隔はない。別の態様では、第1および第2の投与スケジュールの間の間隔は、少なくとも1、2、3、4、5、6、または7日である。一態様では、第1および第2の投与スケジュールの間の間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16週間である。別の態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持用量)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期処置用量)で使用される投与量よりも約2、3、4、5、10、50、100、200、400、または500倍低い用量を含む。別の態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期処置投与スケジュール)以下の投与頻度を有する。別の態様では、第2の投与スケジュール(たとえば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(たとえば、初期処置投与スケジュール)よりも長い投与間隔を有する。
態様では、本開示は、必要な対象における障害(たとえば、C.ディフィシル(C.difficile)感染症、ASD、潰瘍性大腸炎、またはクローン病など)を処置するための方法を提供し、この方法は、併用処置または併用療法を含む。たとえば、この方法は、二重併用療法、三重併用療法、または四重併用療法を含み得る。
別の態様では、必要な対象における状態、疾患、または障害の予防または処置に使用するための、たとえば本明細書に開示される2つ以上の医薬組成物などの複数の医薬組成物が本明細書に開示される。態様では、第1の組成物は、本明細書に記載される1つ以上の細菌単離物を含む。態様では、第2の組成物は、未培養糞便細菌の調製物(たとえば、糞便サンプルから精製された実質的に完全な糞便微生物叢など)を含む。対象は、障害を処置または予防するために、任意の順序の第1および第2の組成物で処置され得る。たとえば、一態様では、対象は未培養糞便細菌の調製物を含む組成物で処置され、続いて1つ以上の細菌単離物を含む組成物で処置される。別の態様では、対象は1つ以上の細菌単離物を含む組成物で処置され、続いて未培養糞便細菌の調製物を含む組成物で処置される。さらに他の態様では、対象は、1つ以上の細菌単離物を含む組成物および未培養糞便細菌の調製物を含む組成物で(たとえば、細菌単離物および未培養糞便細菌の両方を含む組成物で、または各々が細菌単離物もしくは未培養糞便細菌の調製物のうちの1つを含む複数の組成物で)同時に処置され得る。
ある態様では、対象の状態、疾患、または障害を処置または予防するための方法は、(i)1つ以上の細菌単離物を含む医薬組成物と、(ii)未培養糞便細菌の調製物とを対象に投与することを含む。たとえば、1つ以上の細菌単離物は、未培養糞便細菌の前または後に投与することも、同時に(たとえば、異なる組成物中で、または同じ組成物中で一緒に)投与することもできる。別の態様では、対象の障害を処置するための方法は、(i)細菌混合物を含む医薬組成物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)と、(ii)1つ以上の抗生物質とを対象に投与することを含む。典型的には、細菌混合物からの細菌を腸に補充する前に対象の腸から有害細菌および/または病原性細菌を除去するために、細菌混合物の投与前に対象に抗生物質を投与する。ある態様では、対象の障害を処置するための方法は、(i)細菌混合物を含む医薬組成物(たとえば、未培養糞便細菌の調製物を含むもの)と、(ii)プレバイオティクスとを対象に投与することを含む。たとえば、細菌混合物は、プレバイオティクスの前または後に投与することも、同時に(たとえば、異なる組成物中で、または同じ組成物中で一緒に)投与することもできる。上記の例の各々について、処置方法における任意の所与の成分を複数回投与し得ることがさらに理解される。たとえば、未培養糞便細菌の調製物を対象に投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物の第2の投与を行い得る。
ある態様では、対象の状態、疾患、または障害を処置または予防するための方法は、(i)1つ以上の細菌単離物を含む医薬組成物と、(ii)未培養糞便細菌の調製物と、(iii)1つ以上の抗生物質とを対象に投与することを含む。(i)~(iii)の異なる成分は、任意の順序で対象に投与され得る。たとえば、対象に1つ以上の抗生物質を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与できる。別の例では、対象に1つ以上の抗生物質を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与できる。上記の例の各々について、処置方法における任意の所与の成分を複数回投与し得ることがさらに理解される。たとえば、対象に抗生物質を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物の第2の投与を行い得る。
ある態様では、対象の状態、疾患、または障害を処置または予防するための方法は、(i)1つ以上の細菌単離物を含む医薬組成物と、(ii)未培養糞便細菌の調製物と、(iii)1つ以上のプレバイオティクスとを対象に投与することを含む。(i)~(iii)の異なる成分は、任意の順序で対象に投与され得る。たとえば、対象に1つ以上のプレバイオティクスを投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与できる。別の例では、対象に1つ以上のプレバイオティクスを投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与できる。別の例では、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物の一方または両方の投与後に、対象に1つ以上のプレバイオティクスが投与され得る。上記の例の各々について、処置方法における任意の所与の成分を複数回投与し得ることがさらに理解される。たとえば、未培養糞便細菌の調製物を対象に投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いてプレバイオティクスを投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物の第2の投与を行い得る。
ある態様では、対象の状態、疾患、または障害を処置または予防するための方法は、(i)1つ以上の細菌単離物を含む医薬組成物と、(ii)未培養糞便細菌の調製物と、(iii)1つ以上のプレバイオティクスと、(iv)1つ以上の抗生物質とを対象に投与することを含む。(i)~(iv)の異なる成分は、任意の順序で対象に投与され得る。たとえば、対象に1つ以上の抗生物質を投与し、続いて1つ以上のプレバイオティクスを投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与できる。別の例では、対象に1つ以上の抗生物質を投与し、続いて1つ以上のプレバイオティクスを投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与できる。別の例では、プレバイオティクスは、1つ以上の細菌単離物および/または未培養糞便細菌の調製物の一方または両方の後に投与され得る。上記の例の各々について、処置方法における任意の所与の成分を複数回投与し得ることがさらに理解される。たとえば、対象に抗生物質を投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物を投与し、続いて1つ以上の細菌単離物を投与し、続いてプレバイオティクスを投与し、続いて未培養糞便細菌の調製物の第2の投与を行い得る。
上記の併用処置の各々において、異なる処置の間(たとえば、未培養糞便細菌の調製物の投与と1つ以上の細菌単離物の投与との間)の期間は、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、または8週間超であり得る。
一態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、既に障害(たとえば、IBD、IBS、またはASDなど)を有する対象である。別の態様では、医薬組成物は、障害(たとえば、IBD、IBS、またはASDなど)の遺伝的素因またはその傾向がある臨床的に無症候性のヒト対象に投与され、臨床症状の発症を予防するのにも有用である。障害に対する遺伝的素因またはその傾向があるヒト対象は、その障害を示すかまたはそれに罹患した近親者または親戚を有するヒト対象であり得る。別の態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、障害を予防すべき対象である。別の態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、障害の素因があるか、または障害に罹患しやすい。別の態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、障害を有すると診断された対象である。一態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、その処置が必要な患者である。
一態様では、本明細書に記載される組成物を投与することによって処置される対象は、ヒト患者である。一態様では、患者は男性患者である。一態様では、患者は女性患者である。一態様では、患者は未熟児である。一態様では、患者は満期産新生児である。一態様では、患者は新生児である。一態様では、患者は乳児である。一態様では、患者は幼児である。一態様では、患者は低年齢の小児である。一態様では、患者は小児である。一態様では、患者は青年である。一態様では、患者は小児患者である。一態様では、患者は高齢患者である。一態様では、ヒト患者は約18、15、12、10、8、6、4、3、2、または1歳未満の小児患者である。別の態様では、ヒト患者は成人患者である。別の態様では、ヒト患者は高齢患者である。さらなる態様では、ヒト患者は、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95歳を超える患者である。別の態様では、患者は約1~5、2~10、3~18、21~50、21~40、21~30、50~90、60~90、70~90、60~80、または65~75歳である。一態様では、患者は前期高齢患者(65~74歳)である。一態様では、患者は中期高齢患者(75~84歳)である。一態様では、患者は高齢患者(>85歳)である。
一態様では、本開示は、必要な対象を処置するための方法を提供し、この方法は、異なる用量が、慎重にスクリーニングされた異なる健常ドナーに由来する未培養糞便細菌の調製物を含むようにして、細菌混合物を含む医薬組成物の複数の薬学的に活性な用量を対象に投与することを含む。ある態様では、対象は、投与期間にわたって医薬組成物を投与され、第1の用量は、単一のドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む少なくとも1つの医薬組成物を含み、医薬組成物の第2の用量は、第1の用量のドナーとは異なる単一のドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む。別の態様では、第1の用量は、単一のドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を含み、第2の用量は、ドナープールの未培養糞便細菌の調製物を含む。第1および第2の用量は、対象への投与の順序を示すものではなく、別々のドナー由来の未培養糞便細菌の調製物が非混合形態で使用されてもよいことを示す。さらに別の態様では、複数の慎重にスクリーニングされた健常ドナー由来の未培養糞便細菌の調製物が、混合形態で提供される。
ある態様では、本明細書で使用される医薬組成物は、予め選択された望ましい特徴を有するか、または特定の前処理を受けたドナーに由来する未培養糞便細菌の調製物を含む細菌混合物を含む。ある態様では、ドナーは、ドナー由来の未培養糞便細菌の調製物で処置されるべき障害(たとえば、IBD、IBS、またはASDなど)の現在もしくは過去の診断を有さないか、またはその症状を有さない。別の態様では、ドナーは、ドナーに由来する未培養糞便細菌の調製物で処置されるべき障害と診断されたかまたは障害の症状を示す家族または直接の親戚を有さない。別の態様では、ドナーは、ドナーに由来する未培養糞便細菌の調製物で処置されるべき障害と診断されたかまたはその症状を示す兄弟姉妹、親、または子を有さない。ある態様では、ドナーは、過去に任意の糞便微生物叢移植を受けていない。ある態様では、糞便ドナーは、過去にたとえばC.ディフィシル(C.difficile)感染症または炎症性腸疾患(IBD)などのGI障害を処置するために糞便を提供したことがある。
ある態様では、本開示は、単一ドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物の薬学的に活性な用量を対象に投与することによって、必要な対象を処置するための方法を提供する。別の態様では、投与に続いて、医薬組成物の薬学的に活性な用量の有効性を決定するための検査が行われる。別の態様では、対象の検査は、医薬組成物の活性用量を調整すべきかどうかを決定するための結果を提供する。別の態様では、検査に続いて、複数のドナーから混合された未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物が投与される。
別の態様では、本開示は、単一ドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を含有するカプセルによって、必要な対象を処置するための方法を提供する。別の態様では、カプセルは、複数のドナー由来の未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を含む。一態様では、対象は、単一であるが異なるドナー由来の未培養糞便細菌の調製物を含む2つ以上の丸剤を投与される。
一態様では、本開示は、処置期間における以前の投与と類似するかまたは異なる単一ドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を投与することを含む、必要な対象を処置するための方法を提供する。別の態様では、処置期間は、単一のドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を含む第1の用量の投与と、複数のドナーの未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を含む第2の用量の投与とを含む。
ある態様では、本開示は、胆汁酸変換株が豊富な糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な患者における過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法を提供し、必要な患者は、たとえば一次胆汁酸から二次胆汁酸への不十分な変換などの不十分な胆汁酸代謝を有する。別の態様では、本開示は、ある相対存在量の二次胆汁酸を有する糞便細菌の調製物を投与することを提供し、必要な患者は、たとえば一次胆汁酸から二次胆汁酸への不十分な変換などの不十分な胆汁酸代謝を有する。別の態様では、糞便細菌の調製物中の二次胆汁酸の相対存在量は、閾値レベル以上である。本開示のある態様では、過敏性腸疾患(IBD)患者は、クローン病患者か、潰瘍性大腸炎患者か、回腸嚢炎患者か、またはこれらの組み合わせである。
別の態様では、本開示は、閾値を超える量の二次胆汁酸および胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、不十分な胆汁酸代謝を有する必要な患者における過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法を提供する。
ある態様では、本開示は、不十分な胆汁酸代謝を有する患者におけるクローン病を処置する方法を提供する。ある態様では、本開示は、二次胆汁酸の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。別の態様では、本開示は、胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。さらなる態様では、本開示は、二次胆汁酸の量および胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することによって、患者における胆汁酸変換株を増加させることを提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。
ある態様では、本開示は、不十分な胆汁酸代謝を有する患者における潰瘍性大腸炎を処置する方法を提供する。ある態様では、本開示は、二次胆汁酸の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。別の態様では、本開示は、胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。さらなる態様では、本開示は、二次胆汁酸の量および胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを提供する。別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することによって、患者における胆汁酸変換株を増加させることを提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。
別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有する潰瘍性大腸炎患者を処置する方法を提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有するクローン病患者を処置する方法を提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。別の態様では、本開示は、閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有する過敏性腸疾患患者を処置する方法を提供し、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される。
別の態様では、本開示は、胆汁酸変換細菌を必要な対象の腸に送達するための方法を提供し、この方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで未培養糞便細菌が閾値レベル以上で一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換するように選択されるか、健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上の二次胆汁酸を産生するか、または健常ヒトドナーが閾値レベル以上の二次胆汁酸を含む糞便を生成する。
別の態様では、本開示は、少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含む対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを決定し、少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を対象に投与する方法も提供し、この医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む。
別の態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法も提供する。
さらなる態様では、本開示は、糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本開示は、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む方法を提供する。
よりさらなる態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌がある量の一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換し、二次胆汁酸が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートしたときに二次胆汁酸の閾値レベル以上であり、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、二次胆汁酸の閾値レベルが少なくとも100μMである、医薬組成物を提供する。
ある態様では、本開示は、健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法を提供し、健常ヒトドナーは、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の二次胆汁酸について予め選択される。
ある態様では、未培養糞便細菌の調製物および1つ以上の細菌単離物は、同じ医薬組成物中で、本明細書に記載の方法に従って対象に投与される。ある態様では、未培養糞便細菌の調製物および1つ以上の細菌単離物は、異なる医薬組成物中で、本明細書に記載の方法に従って対象に投与される。ある態様では、複数の細菌単離物が、同じ医薬組成物中で、本明細書に記載の方法に従って対象に投与される。ある態様では、複数の細菌単離物が、異なる医薬組成物中で、本明細書に記載の方法に従って対象に投与される。たとえば、方法は、本明細書に開示されるとおり、たとえば2つ以上の医薬組成物、3つ以上の医薬組成物、4つ以上の医薬組成物、または5つ以上の医薬組成物などの複数の医薬組成物の有効量を必要な対象に投与することを含み得る。複数の医薬組成物は、同時または逐次的に提供され得る。したがって、たとえば未培養糞便細菌の調製物および2つの細菌単離物などで対象を処置するとき、第1の組成物は2つの細菌単離物を含むことができ、第2の組成物は未培養糞便細菌の調製物を含み得る。異なる例において、未培養糞便細菌の調製物および2つの細菌単離物で対象を処置するとき、第1の組成物は、第1の細菌単離物と組み合わされた(またはそれが「添加された」)未培養糞便細菌の調製物を含むことができ、第2の組成物は第2の細菌単離物を含み得る。異なる例において、未培養糞便細菌の調製物および3つの細菌単離物で対象を処置するとき、第1の組成物は第1の細菌単離物を含むことができ、第2の組成物は第2の細菌単離物を含むことができ、第3の組成物は第3の細菌単離物を含むことができ、第4の組成物は未培養糞便細菌の調製物を含み得る。
一態様では、方法は、医薬組成物を経口的に、浣腸によって、または直腸坐剤を介して投与することを含む。一態様では、医薬組成物は、ゲルタブ、丸剤、マイクロカプセル、カプセル、または錠剤として製剤化される。一態様では、医薬組成物は、腸溶性カプセルもしくはマイクロカプセル、耐酸性カプセルもしくはマイクロカプセルとして製剤化されるか、あるいは食品、食品添加剤、乳製品、大豆製品、もしくはその派生物、ゼリー、もしくはヨーグルトの一部として製剤化されるか、またはそれらと一緒に投与される。別の態様では、医薬組成物は、耐酸性腸溶性カプセルとして製剤化される。医薬組成物は、食品または飲料と組み合わせて販売するための粉末として提供され得る。食品または飲料は、乳製品または大豆製品であり得る。別の態様では、食品または食品サプリメントは、医薬組成物を含有する腸溶性および/または耐酸性マイクロカプセルを含有する。
本明細書でさらに提供されるのは、本明細書に開示される任意の医薬組成物および使用説明書を含むキットである。たとえば、キットは、1つ以上の細菌混合物を含む1つ以上の単位剤形を含み得る。こうしたキットは、たとえば、細菌混合物(たとえば、糞便細菌の調製物を含むもの)を含む1つ以上の医薬組成物と、任意選択で対象に組成物を投与するための送達デバイスと、適切な送達経路を介して対象に投与量を投与するための説明書などを含み得る。いくつかの場合において、剤形は、任意の好適な形態の生存細菌(新鮮なもの、凍結されたもの、凍結乾燥されたものなど)を含み、ヒト対象に経口、経鼻胃管、結腸内視鏡によって、または肛門から投与するために製剤化される。本明細書に記載されるとおり、本明細書において提供されるキットに好適な剤形には、液体溶液、カプセル、錠剤、粉末、顆粒、および凍結乾燥形態が限定なしに含まれる。
キットの説明書は、たとえば、キット中の1つ以上の医薬組成物の投与情報などを説明し得る。例としては、投与の頻度および組成物の用量、たとえば所与の時間に投与されるべき医薬組成物のカプセルの数、および1日/週当たりの投与回数などである)。キットが2つ以上の組成物(たとえば、複数の細菌混合物または細菌混合物を欠く追加の医薬品)を含む態様では、説明書は、各組成物の投与を説明し得る。たとえば、1つの組成物を別の組成物より前に投与することができ、それはたとえば数分間、数時間、数日間、数週間、数ヵ月間、またはそれより長く分離された2つの医薬組成物の逐次投与などである。代替的に、2つの組成物を同時に投与することができる。
組成物の製造
さらなる態様では、本明細書に記載される障害を処置するため、または本明細書に記載される障害の1つ以上の症状の重症度を低減するための薬物の製造のための、本明細書に記載される細菌混合物の使用が本明細書で提供される。
本明細書において提供されるのは、組成物を投与された対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択された糞便細菌(たとえば、未培養糞便細菌など)を含む医薬組成物である。態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、その糞便細菌が閾値レベル以上で1つ以上のSCFAを産生できるという決定に基づいて選択される(たとえば、ドナーの糞便由来のSCFAの定量もしくはエクスビボアッセイによって決定されるか、またはドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量を評価することによって決定される)。たとえば、エクスビボアッセイの場合、ドナーの糞便から抽出された糞便細菌が閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生するとき、そのドナーの糞便(アッセイのために細菌を抽出するために使用したのと同じ糞便または異なる糞便のいずれか)由来の糞便細菌を、未培養糞便細菌の調製物への組み込みのために選択し得る。ある態様では、糞便細菌の選択は、ドナーの糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力に基づいて、同じドナーの糞便またはその一部から抽出された細菌のすべてを選択することを含む。ある態様では、糞便細菌の選択は、ドナーの糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力に基づいて、同じドナーの糞便またはその一部の完全または実質的に完全な糞便微生物叢を選択することを含む。したがって、本明細書に記載される糞便細菌を選択するときの「選択の単位」は通常、ドナーの糞便由来の細菌が(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生する能力に基づいて得られる(すなわち選択される)、同じドナーの糞便から抽出された糞便細菌であることが理解されよう。典型的には、本明細書で理解される糞便細菌の選択は、糞便から細菌を採取した後に、抽出された糞便細菌の全体から特定の細菌株を除去または選択して取り除くことを含まない。
本明細書において提供されるのは、組成物を投与された対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択された糞便細菌(たとえば、未培養糞便細菌など)を含む医薬組成物である。態様では、対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択される糞便細菌は、フィーカリバクテリム・プラウスニッツイ(Faecalibacterim prausnitzii)を含む。別の態様では、対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択される糞便細菌は、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)を含む。別の態様では、対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択される糞便細菌は、フィーカリバクテリム・プラウスニッツイ(Faecalibacterim prausnitzii)およびユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)を含む。さらに別の態様では、対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択される糞便細菌は、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリム・ハリイ(Eubacterim hallii)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)GD/7、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)L2-50、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)A2-232、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、およびアナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)からなる群から選択される1つ以上の細菌を含む。別の態様では、対象の腸において1つ以上のSCFAを産生するように選択される糞便細菌は、クロストリジウム(Clostridium)XIVaおよびクロストリジウム(Clostridium)IVクラスターの細菌種を含む。本開示は、(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生できる未培養糞便細菌を選択するために任意の方法、アッセイ、検査、またはプロトコルを使用できることを企図する。たとえばある態様では、方法は、ドナー(すなわち、糞便細菌を保有するドナー)の糞便における1つ以上のSCFAの存在または量を決定することと、ドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することと、糞便における1つ以上のSCFAの存在または量に基づいて未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。別の態様では、方法は、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出することと、糞便細菌が(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生する能力または可能性を直接決定することと、糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力に基づいて、ドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)由来の未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。別の態様では、方法は、ドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量を決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて、ドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)由来の未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。
ある態様では、方法は、ドナーの糞便における1つ以上のSCFAの存在または量を決定することと、ドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することと、糞便における1つ以上のSCFAの存在または量に基づいて未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。この態様では、糞便の糞便細菌がSCFAを産生する能力は、糞便中のSCFAのレベルに基づいて推測される。ある態様では、SCFAのレベルは、ドナーの糞便からSCFAを直接定量することによって決定される。糞便からのSCFAの量を決定または定量するために、当技術分野で公知の任意の方法を使用できる。たとえば、生の糞便のサンプル(たとえば、約250mg)を水と混合し、遠心分離することができる。次いで、ある体積の上清(たとえば、100μl)を硫酸およびジエチルエーテルと混合して遠心分離し、ガスクロマトグラフィー(たとえば、GC-FIDなど)を使用してSCFAを測定することができる。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のブチレートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のブチレートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または80nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ブチレート産生細菌の存在量の決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。ある態様では、ドナーの糞便は、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリム・ハリイ(Eubacterim hallii)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)GD/7、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)L2-50、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)A2-232、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、およびアナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上のブチレート産生細菌の存在量の決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。
ある態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーと必要なFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差に基づいて選択される。別の態様では、ドナーは、ドナーと必要なFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差に基づいて選択される。ある態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍の差である。別の態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、または90%の差である。ある態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、2~4倍、5~7倍、8~10倍、1.5~10倍、または2~10倍の差である。別の態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、10~30%、30~70%、または70~100%の差である。別の態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または80nmol超である。別の態様では、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差は、糞便中のアッセイまたはエクスビボアッセイによって測定される。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のアセテートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のアセテートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、または150nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のカプロエートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のカプロエートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、または15nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のヘプタノエートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のヘプタノエートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.2 1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、または5nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のイソブチレートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のイソブチレートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、または10nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のイソカプロエートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のイソカプロエートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、または2nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のイソバレレートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のイソバレレートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、または10nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のプロピオナートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のプロピオナートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または90nmol超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便中のバレレートが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。態様では、ドナーの糞便中のバレレートの閾値レベル(たとえば、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、新鮮な糞便または生の糞便1グラム当たり3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、または15nmol超である。
ある態様では、方法は、ドナーの糞便由来の糞便細菌が(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生する能力または可能性を直接決定することと、糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力または可能性に基づいて、同じドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)から調製した未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。この態様では、腸内細菌がインキュベーション期間中に1つ以上の基質を代謝することによってSCFAを産生する能力を、リアルタイムでスクリーニングまたはアッセイする。当業者に公知の任意の機能アッセイまたはエクスビボアッセイを使用して、細菌がSCFAを産生する能力をアッセイすることができる。典型的には、こうした機能アッセイにおいて、細菌を基質と共にインキュベートする前に、糞便細菌は非細菌性糞便物質(たとえば、繊維など)から少なくとも部分的に精製、抽出、または採取される。糞便細菌がSCFAを産生する能力をスクリーニングするためのこの方法は、生存可能であり、かつSCFAを機能的に生成できることが既知である糞便細菌の供給源(たとえば、細菌のサンプルが抽出された糞便)を同定するという点で有利である。糞便の残りの部分(すなわち、アッセイを実施する際に使用されない部分)か、または同じドナーの異なる糞便由来の細菌細胞は、次いで医薬組成物への組み込みのために未培養糞便細菌の調製物に組み込まれ得る。エクスビボアッセイの非限定的な例では、ドナー由来の生の糞便のサンプル(たとえば、約10ml)をホモジナイズして遠心分離し、ペレットを緩衝液(たとえば、リン酸ナトリウム緩衝液など)に再懸濁し、糞便細菌によって代謝されてSCFAを産生し得る1つ以上の基質と共に糞便細菌をインキュベートすることができる。機能アッセイにおいて使用できる基質の非限定的な例は、アミノ酸(たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシンなど)、乳酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、フルクトース、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴ糖(たとえば、ガラクトオリゴ糖(GOS)、トランス-ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、マンノオリゴ糖、またはキトオリゴ糖などを含む)、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー、タガトース、チアミン、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、発酵性多糖、食物繊維、難消化性デンプン、オオムギ、白インゲンマメ粉末、またはそれらの組み合わせを含む。細菌によってSCFAを産生させるのに十分な任意の期間、糞便細菌を基質と共にインキュベートでき、その期間はたとえば少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、または24時間超である。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便の糞便細菌が閾値レベル以上のブチレートを産生できるという(たとえば、機能アッセイを用いた)決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。ある態様では、機能アッセイにおいて産生されるブチレートの閾値レベル(すなわち、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、少なくとも11.5、少なくとも12、少なくとも12.5、少なくとも13、少なくとも13.5、少なくとも14、少なくとも14.5、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、または200mM超のブチレートであり得る。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便の糞便細菌が閾値レベル以上のアセテートを産生できるという(たとえば、機能アッセイを用いた)決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。ある態様では、機能アッセイにおいて産生されるアセテートの閾値レベル(すなわち、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、または200mM超のアセテートであり得る。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便の糞便細菌が閾値レベル以上のプロピオナートを産生できるという(たとえば、機能アッセイを用いた)決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。ある態様では、機能アッセイにおいて産生されるプロピオナートの閾値レベル(すなわち、そのレベル以上でドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、少なくとも11.5、少なくとも12、少なくとも12.5、少なくとも13、少なくとも13.5、少なくとも14、少なくとも14.5、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、または100mM超のプロピオナートであり得る。
さまざまな態様では、ドナーの糞便の糞便細菌は、ドナーの糞便の糞便細菌が閾値レベル以上のカプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、またはバレレートのうちの1つ以上を産生できるという(たとえば、機能アッセイを用いた)決定に基づいて、医薬組成物への組み込みのために選択される。ある態様では、機能アッセイにおいて産生されるカプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、またはバレレートの閾値レベル(すなわち、そのレベル以上で、ドナーの糞便の糞便細菌を医薬組成物に組み込むことができる)は、少なくとも0.2、少なくとも0.4、少なくとも0.6、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.4、少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3、少なくとも3.2、少なくとも3.4、少なくとも3.6、少なくとも3.8、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、または10mM超であり得る。
別の態様では、方法は、ドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量を決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて、ドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)由来の未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物に組み込むこととを含む。
ある態様では、未培養糞便細菌の調製物は、(たとえば、糞便中のSCFAの直接定量、糞便由来の糞便細菌によって産生されるSCFAのレベルを決定する機能アッセイ、または糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量の決定によって)本明細書に記載される組成物への組み込みに対する糞便の糞便細菌の適合性を決定するためにアッセイされるものと同じ糞便から調製される。たとえば、ドナーから受け取った糞便を2つ以上の部分に分割することができ、その第1の部分を、糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力を決定するための(たとえば、SCFAの直接定量、機能アッセイ、または1つ以上のSCFA産生細菌株の同定による)アッセイに供することができ、第2の部分(たとえば、残りの糞便)を決定がなされるまで凍結することができる。第1の部分の糞便細菌が(たとえば、第1の部分における1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、機能アッセイにおいて糞便細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、または第1の部分における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であると決定することによって)1つ以上のSCFAを産生できると決定されるとき、貯蔵された糞便を解凍し、処理して、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製物を生成することができる。別の態様では、糞便の第2の部分(たとえば、残りの糞便)を凍結することなく処理して、未培養糞便細菌の調製物を生成することができる。次いで、第1の部分の糞便細菌が(たとえば、第1の部分における1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、機能アッセイにおいて糞便細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、または第1の部分における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であると決定することによって)1つ以上のSCFAを産生できると決定されたことに基づいて、その調製物が医薬組成物への組み込みのために選択され得る。
別の態様では、未培養糞便細菌の調製物は、(たとえば、糞便中の1つ以上のSCFAの直接定量、糞便由来の糞便細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルを決定する機能アッセイ、または糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量の決定によって)医薬組成物への組み込みに対する糞便細菌の適合性を決定するために用いられる糞便とは異なるが、同じドナー由来の糞便から調製され得る。たとえば、ドナーから受け取った第1の糞便(またはそのサンプル)を、第1の糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力を決定するための(たとえば、SCFAの直接定量、機能アッセイ、または1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量の決定による)アッセイに供することができ、(たとえば、第1の糞便における1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、機能アッセイにおいて糞便細菌によって産生される1つ以上のSCFAのレベルが閾値レベル以上であると決定すること、または第1の糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であると決定することによる)第1の糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生できるという決定に基づいて、同じドナーから受け取った第2の糞便(またはそのサンプル)を処理して、医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製物を生成することができる。この態様では、ドナーが(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生できる糞便細菌を有する糞便を一貫して提供するとき、ドナーから受け取ったすべての提供物を検査する必要なく、そのドナーの糞便を未培養糞便細菌の供給源として使用できる。
本明細書に開示されるのは、ドナーの糞便の糞便細菌が(たとえば、閾値レベル以上の)1つ以上のSCFAを産生し得ることを決定することと、糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生し得るという決定に基づいてドナーの糞便(たとえば、同じ糞便または異なる糞便)を選択することと、選択された糞便の糞便細菌を(たとえば、未培養糞便細菌の調製物として)医薬組成物に組み込むこととを含む、糞便ドナーを選択する方法(または未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法)である。たとえば、ドナーの糞便における1つ以上のSCFAが閾値レベル以上であると決定すること、ドナーの糞便由来の糞便細菌が閾値レベル以上のレベルで1つ以上のSCFAを産生することを機能アッセイを介して決定すること、またはドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であると決定することに基づいて、ドナーを選択できる。
ある態様では、ヒト糞便ドナーを選択する方法(または未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法)は、たとえば、複数の糞便において(たとえば、エクスビボアッセイまたは糞便からの直接定量によって)閾値レベル以上のSCFAが産生されることを決定すること、または複数の糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することなどによって、ドナーの複数の糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生し得ることを決定することを含む。態様では、ドナーからの糞便を、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または20超の時点などの異なる時点で採取することができ、各時点で各糞便における糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生する能力を決定できる。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便は、ドナーの連続的な排便からのものである。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便は、同じ日に採取される。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便は、異なる日に採取される。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便のうちの少なくとも2つは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または24時間超離れて採取される。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便のうちの少なくとも2つは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または7日間超離れて採取される。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便のうちの少なくとも2つは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または20週間超離れて採取される。ある態様では、ドナーから採取された複数の糞便のうちの少なくとも2つは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、または12ヵ月超離れて採取される。
本明細書で提供されるのは、個体の第1の糞便由来の糞便細菌が閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生することを決定することと、個体の第2の糞便(たとえば、異なる時点で採取されたもの)の糞便細菌が閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生することを決定することと、第1および第2の糞便由来の糞便細菌が閾値レベル以上の1つ以上のSCFAを産生するという決定に基づいて、個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、糞便ドナーを選択する方法(または未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法)である。この方法は、(たとえば、未培養糞便細菌の調製物として)医薬組成物に組み込むために、選択されたドナーの糞便から糞便細菌を抽出することをさらに含み得る。
本明細書においてさらに提供されるのは、個体の第1の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、ドナーの第2の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、第1および第2の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、糞便ドナーを選択する方法(または未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法)である。この方法は、(たとえば、未培養糞便細菌の調製物として)医薬組成物に組み込むために、選択されたドナーの糞便から糞便細菌を抽出することをさらに含み得る。
ある態様では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、または15を超える糞便から、たとえば、糞便細菌が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定する(たとえば、生の糞便から定量されるか、またはエクスビボアッセイで定量される)こと、または1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することなどによって、各糞便の糞便細菌が1つ以上のSCFAを産生することを決定したことに基づいて、ドナーが選択される。ある態様では、糞便ドナーが選択されると、そのドナーの糞便を採取し、その糞便由来の糞便細菌を使用して、本明細書に記載の医薬組成物に組み込むための未培養糞便細菌の調製物を生成できる。
別の態様では、糞便提供を行う前に、糞便ドナーは、たとえば1つ以上のプロバイオティクスの形態などの1つ以上の細菌単離物(たとえば、1つ以上のSCFA産生細菌単離物または胆汁酸変換単離物など)を摂取し得る。ある態様では、糞便ドナーは、提供糞便の糞便細菌に細菌単離物を導入するため、すなわち細菌株(たとえば、SCFA産生細菌株または胆汁酸変換単離物など)として導入するために、糞便を提供する前に細菌単離物を摂取し得る。したがって、医薬組成物の細菌混合物に含めるのに望ましい細菌単離物を、ドナーによる細菌単離物の摂取を介して糞便ドナーの糞便細菌に導入することができ、それによって、所望の細菌単離物に由来する細菌株(たとえば、SCFA産生細菌株または胆汁酸変換単離物など)を有するか、またはそれを既に含む「既製」の未培養糞便細菌の調製物をドナーの糞便から調製することが可能になる。(たとえば、プロバイオティクスの形態の)細菌単離物を摂取したドナーの糞便から調製された未培養糞便細菌の調製物は、調製物にいかなる追加の細菌単離物も添加することなく、本明細書に記載される医薬組成物に直接組み込むこともできるし、代替的には細菌単離物の追加用量でさらに添加もしくは強化され得る。糞便ドナーに投与された細菌単離物に由来する1つ以上の所望の細菌株によって糞便ドナーの糞便微生物叢にこうした「前添加」を行うことは、ドナーの糞便微生物叢が細菌単離物と同じ分類カテゴリー(たとえば、門、綱、目、科、属、または種)の細菌株を内因的に含まないか、または閾値レベルを超える細菌単離物との遺伝的同一性を有する(たとえば、細菌単離物の16S rRNA配列に対して97%超の同一性、98%超の同一性、99%超の同一性、99.1%超の同一性、99.2%超の同一性、99.3%超の同一性、99.4%超の同一性、99.5%超の同一性、99.6%超の同一性、99.7%超の同一性、99.8%超の同一性、または99.9%超の同一性を有する16S rRNA配列を有する)細菌株を内因的に含まない場合に、特に有利であり得る。本明細書において、糞便微生物叢のドナーによる細菌単離物の摂取を介して糞便微生物叢に組み込まれる細菌単離物は、エクスビボで存在する精製された細菌単離物と区別するために、「細菌株」(すなわち、摂取された細菌単離物に由来するもの)と称される。
ある態様では、ドナーは、プロバイオティクスの摂取前にドナーの糞便中に検出可能でないか、または閾値存在量未満の相対存在量で存在する分類カテゴリーの細菌単離物(たとえば、SCFA産生細菌単離物または胆汁酸変換単離物など)を含むプロバイオティクスを摂取できる。たとえば、ドナーの糞便の微生物叢を、ドナーの糞便微生物叢における特定の分類群(門、綱、目、科、属、種、または株)の存在について(たとえば、PCRなどの核酸ハイブリダイゼーション技術などを使用して)スクリーニングできる。その分類群が糞便微生物叢に見出されないか、または閾値存在量未満の相対存在量で存在するとき、ドナーは、その分類群の細菌単離物を含むプロバイオティクスを投与されるか、または摂取できる。
ある態様では、糞便ドナーによる1つ以上の細菌単離物の摂取から、ドナーの糞便(すなわち、1つ以上の細菌単離物に由来する細菌株を含む糞便)の採取までの期間は変動し得る。たとえば、その期間は少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、少なくとも16時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも26時間、少なくとも28時間、少なくとも30時間、少なくとも32時間、少なくとも34時間、少なくとも36時間、少なくとも38時間、少なくとも40時間、少なくとも42時間、少なくとも44時間、少なくとも46時間、少なくとも48時間、少なくとも50時間、少なくとも52時間、少なくとも54時間、少なくとも56時間、少なくとも58時間、少なくとも60時間、少なくとも62時間、少なくとも64時間、少なくとも66時間、少なくとも68時間、少なくとも70時間、少なくとも72時間、または72時間超であり得る。
ある態様では、ドナーは、細菌単離物の単回または複数回用量を摂取して、ドナーの糞便微生物叢への細菌単離物の細菌株としての組み込みを促進できる。一態様では、細菌単離物の用量は、少なくとも1日1回または2回、少なくとも連続3日間または3週間にわたってドナーによって摂取され得る。別の態様では、用量は少なくとも1日1回、2回、または3回を、1~16週間、2~16週間、3~16週間、4~16週間、5~16週間、6~16週間、7~16週間、8~16週間、10~16週間、12~16週間、1~12週間、2~12週間、3~12週間、4~12週間、5~12週間、6~12週間、7~12週間、8~12週間、9~12週間、10~12週間、1~2週間、2~3週間、3~4週間、4~5週間、5~6週間、6~7週間、7~8週間、8~9週間、9~10週間、または10~11週間の期間にわたって摂取される。
本明細書に開示されるのは、健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物である。ある態様では、糞便細菌は未培養細菌を含む。別の態様では、糞便細菌は胆汁酸変換株を含む。別の態様では、糞便細菌は、少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含むように選択される。さらに別の態様では、糞便細菌の調製物は、ある量の二次胆汁酸を含む。別の態様では、糞便細菌は凍結乾燥細菌を含む。さらに別の態様では、二次胆汁酸の量は、所定の閾値レベル以上である。ある態様では、所定の閾値レベルは、少なくとも100μMである。別の態様では、閾値レベルは5μM、10μM、15μM、20μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、120μM、140μM、150μM、170μM、または200μMである。さらに別の態様では、所定の閾値レベルは5μM~20μM、5μM~50μM、5μM~100μM、および5μM~150μM、5μM~200μM、5μM~800μM、10μM~20μM、10μM~50μM、10μM~100μM、10μM~150μM、10μM~200μM、50μM~100μM、50μM~200μM、100μM~200μM、または200μM~800μMである。さらなる態様では、糞便細菌の調製物はSCFAをさらに含む。
本明細書において開示されるのは、個体の第1の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、ドナーの第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、第1および第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法である。別の態様では、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法は、個体の糞便における二次胆汁酸の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに個体を糞便ドナーとして選択することとを含む。さらなる態様では、糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法は、一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる細菌の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに糞便を選択することとを含む。さらに別の態様では、本開示は、胆汁酸変換株に関連する潜在的なドナーの糞便微生物遺伝子含有量をスクリーニングすることによって、所望のドナーを選択する方法を提供する。
本明細書において開示されるのは、医薬組成物を製造する方法であり、この方法は、健常ヒトドナーの糞便の糞便細菌から未培養糞便細菌の調製物を生成することと、未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物として製剤化することとを含み、未培養糞便細菌の調製物は、健常ヒトドナーによって摂取された細菌単離物(たとえば、SCFA産生細菌単離物または胆汁酸変換単離物など)に由来する細菌株を含む。
本明細書に記載される組成物、剤形、および薬物は、精製された糞便微生物叢組成物に1つ以上の追加の化合物もしくは薬物が添加されるか、または別様にそれと共投与される併用医薬組成物を含むことが認識されるであろう。
ある態様では、本開示は以下の実施形態を提供する。
実施例1。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)を産生するように選択され、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、糞便細菌の調製物が凍結乾燥細菌を含む、医薬組成物。
実施例2。
少なくとも1つのSCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1に記載の医薬組成物。
実施形態3。
糞便細菌が、閾値レベル以上のレベルで少なくとも1つのSCFAを産生するように選択される、実施形態1または実施形態2のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態4。
糞便細菌が、少なくとも1つのSCFAのレベルを決定するための機能アッセイを使用して選択される、実施形態3に記載の医薬組成物。
実施形態5。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態4に記載の医薬組成物。
実施形態6。
エクスビボアッセイが、糞便細菌を基質と接触させることと、基質を代謝することによって糞便細菌によって産生された少なくとも1つのSCFAの量を決定することとを含む、実施形態5に記載の医薬組成物。
実施形態7。
基質がイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態6に記載の医薬組成物。
実施形態8。
糞便細菌を基質と少なくとも5時間接触させる、実施形態6または実施形態7に記載の医薬組成物。
実施形態9。
糞便細菌を基質と少なくとも10時間接触させる、実施形態6または実施形態7に記載の医薬組成物。
実施形態10。
少なくとも1つのSCFAがブチレートを含む、実施形態3~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態11。
ブチレートの閾値レベルが20mMである、実施形態10に記載の医薬組成物。
実施形態12。
ブチレートの閾値レベルが40mMである、実施形態10に記載の医薬組成物。
実施形態13。
ブチレートの閾値レベルが60mMである、実施形態10に記載の医薬組成物。
実施形態14。
ブチレートの閾値レベルが80mMである、実施形態10に記載の医薬組成物。
実施形態15。
少なくとも1つのSCFAがアセテートである、実施形態3~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態16。
アセテートの閾値レベルが20mMである、実施形態15に記載の医薬組成物。
実施形態17。
アセテートの閾値レベルが40mMである、実施形態15に記載の医薬組成物。
実施形態18。
アセテートの閾値レベルが60mMである、実施形態15に記載の医薬組成物。
実施形態19。
アセテートの閾値レベルが80mMである、実施形態15に記載の医薬組成物。
実施形態20。
アセテートの閾値レベルが100mMである、実施形態15に記載の医薬組成物。
実施形態21。
少なくとも1つのSCFAがプロピオナートである、実施形態3~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態22。
プロピオナートの閾値レベルが10mMである、実施形態21に記載の医薬組成物。
実施形態23。
プロピオナートの閾値レベルが15mMである、実施形態21に記載の医薬組成物。
実施形態24。
プロピオナートの閾値レベルが20mMである、実施形態21に記載の医薬組成物。
実施形態25。
プロピオナートの閾値レベルが25mMである、実施形態21に記載の医薬組成物。
実施形態26。
糞便細菌が、ドナーの生の糞便由来の少なくとも1つのSCFAの含有量を決定することによって選択される、実施形態3に記載の医薬組成物。
実施形態27。
少なくとも1つのSCFAがブチレートである、実施形態26に記載の医薬組成物。
実施形態28。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり25nMである、実施形態27に記載の医薬組成物。
実施形態29。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態27に記載の医薬組成物。
実施形態30。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり50nMである、実施形態27に記載の医薬組成物。
実施形態31。
少なくとも1つのSCFAがアセテートである、実施形態26に記載の医薬組成物。
実施形態32。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり50nMである、実施形態31に記載の医薬組成物。
実施形態33。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり75nMである、実施形態31に記載の医薬組成物。
実施形態34。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり90nMである、実施形態31に記載の医薬組成物。
実施形態35。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり100nMである、実施形態31に記載の医薬組成物。
実施形態36。
少なくとも1つのSCFAがプロピオナートである、実施形態26に記載の医薬組成物。
実施形態37。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり20nMである、実施形態36に記載の医薬組成物。
実施形態38。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり30nMである、実施形態36に記載の医薬組成物。
実施形態39。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態36に記載の医薬組成物。
実施形態40。
糞便細菌が、ドナーの糞便における1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量に基づいて選択される、実施形態1または実施形態2に記載の医薬組成物。
実施形態41。
1つ以上のSCFA産生細菌株は、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである、実施形態40に記載の医薬組成物。
実施形態42。
組成物がSCFAをさらに含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態43。
組成物がプレバイオティクスをさらに含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態44。
プレバイオティクスがイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態43に記載の医薬組成物。
実施形態45。
糞便細菌の調製物が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される凍結保護物質をさらに含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態46。
医薬組成物が経口投与用に製剤化されている、実施形態1~45のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態47。
医薬組成物が糞便細菌の調製物を封入するためのカプセルを含む、実施形態46に記載の医薬組成物。
実施形態48。
カプセルが遅延放出コーティングを含む、実施形態47に記載の医薬組成物。
実施形態49。
糞便細菌が、組成物を投与された対象の腸において少なくとも1つのSCFAを産生する、実施形態1~48のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態50。
実施形態1~49のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む、必要な対象に少なくとも1つのSCFAを送達する方法。
実施形態51。
実施形態1~49のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与することを含む、必要な対象における腸内ディスバイオシスを処置する方法。
実施形態52。
腸内ディスバイオシスが、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)、C.ディフィシル(C.difficile)感染症(CDI)、過敏性腸症候群、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態51に記載の方法。
実施形態53。
IBDが、クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸嚢炎、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態52に記載の方法。
実施形態54。
必要な対象の腸に短鎖脂肪酸(SCFA)を送達する方法であって、この方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで未培養糞便細菌が閾値レベル以上のSCFAを産生するように選択されるか、健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上のSCFAを産生するか、または健常ヒトドナーが閾値レベル以上のSCFAを含む糞便を生成する、方法。
実施形態55。
プレバイオティクスを対象に投与することをさらに含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態56。
プレバイオティクスは、アミノ酸(たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシンなど)、乳酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、フルクトース、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴ糖(たとえば、ガラクトオリゴ糖(GOS)、トランス-ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、マンノオリゴ糖、またはキトオリゴ糖などを含む)、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー、タガトース、チアミン、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、発酵性多糖、食物繊維、難消化性デンプン、オオムギ、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態55に記載の方法。
実施形態57。
医薬組成物を対象に投与する前に、抗生物質で対象を前処置することをさらに含む、実施形態54~56のいずれか1つに記載の方法。
実施形態58。
SCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態54~57のいずれか1つに記載の方法。
実施形態59。
糞便細菌が、ドナーの糞便中の少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することによって選択される、実施形態54~58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60。
医薬組成物を対象に投与する前に、対象の糞便細菌によって産生されるSCFAの量が閾値レベル未満であることを決定することをさらに含む、実施形態54~59のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61。
医薬組成物を投与することが、対象における障害を処置または予防し、障害がC.ディフィシル(C.difficile)感染症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態54~60のいずれか1つに記載の方法。
実施形態62。
対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することと、少なくとも1つのSCFAのレベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を対象に投与することとを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む、方法。
実施形態63。
少なくとも1つのSCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態62に記載の方法。
実施形態64。
少なくとも1つのSCFAのレベルが、対象の生の糞便から決定される、実施形態62または実施形態63に記載の方法。
実施形態65。
少なくとも1つのSCFAがブチレートである、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
実施形態66。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり2nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態67。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり5nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態68。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり10nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態69。
少なくとも1つのSCFAがアセテートである、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
実施形態70。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり10nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態71。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり25nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態72。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態73。
少なくとも1つのSCFAがプロピオナートである、実施形態62~64のいずれか1つに記載の方法。
実施形態74。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり2nMである、実施形態73に記載の方法。
実施形態75。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり8nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態76。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり12nMである、実施形態65に記載の方法。
実施形態77。
未培養糞便細菌が、対象の腸において少なくとも1つのSCFAを産生するように選択される、実施形態62~76のいずれか1つに記載の方法。
実施形態78。
未培養糞便細菌が、少なくとも1つのSCFAのレベルを決定するための機能アッセイを使用して選択される、実施形態77に記載の方法。
実施形態79。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態78に記載の方法。
実施形態80。
エクスビボアッセイが、未培養糞便細菌を基質と接触させることと、基質を代謝することによって未培養糞便細菌によって産生された少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することとを含む、実施形態79に記載の方法。
実施形態81。
基質がイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態80に記載の方法。
実施形態82。
未培養糞便細菌が、ドナーの糞便由来の少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することによって選択される、実施形態77に記載の方法。
実施形態83。
医薬組成物を投与することが、対象の腸における少なくとも1つのSCFAのレベルを閾値レベルを超えて増加させる、実施形態62~82のいずれか1つに記載の方法。
実施形態84。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも5%増加させる、実施形態83に記載の方法。
実施形態85。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも10%増加させる、実施形態83に記載の方法。
実施形態86。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも15%増加させる、実施形態83に記載の方法。
実施形態87。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも20%増加させる、実施形態83に記載の方法。
実施形態88。
糞便細菌細胞によって産生される代謝産物のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、代謝産物のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌をドナーの糞便から抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態89。
代謝産物が短鎖脂肪酸(SCFA)または胆汁酸である、実施形態88に記載の方法。
実施形態90。
糞便細菌細胞および糞便細菌が、ドナーの同じ糞便に由来する、実施形態88または実施形態89に記載の方法。
実施形態91。
糞便細菌細胞および糞便細菌が、ドナーの異なる糞便に由来する、実施形態88または実施形態89に記載の方法。
実施形態92。
代謝産物のレベルを決定することが、ドナーの生の糞便中の代謝産物のレベルを決定することを含む、実施形態88~91のいずれか1つに記載の方法。
実施形態93。
代謝産物のレベルを決定することが、機能アッセイにおいて糞便細菌細胞によって産生される代謝産物のレベルを決定することを含む、実施形態88~91のいずれか1つに記載の方法。
実施形態94。
機能アッセイがエクスビボアッセイである、実施形態93に記載の方法。
実施形態95。
未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物として製剤化することをさらに含む、実施形態88~94のいずれか1つに記載の方法。
実施形態96。
糞便細菌細胞によって産生される短鎖脂肪酸(SCFA)のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、SCFAのレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態97。
糞便細菌が、糞便細菌細胞によって産生されるSCFAのレベルが閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便から選択される、実施形態96に記載の方法。
実施形態98。
糞便細菌細胞が、糞便細菌細胞によって産生されるSCFAのレベルが閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便とは異なる糞便から選択される、実施形態96に記載の方法。
実施形態99。
少なくとも1つのSCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態96~98のいずれか1つに記載の方法。
実施形態100。
SCFAのレベルを決定することが、機能アッセイにおいて糞便細菌細胞によって産生されるSCFAのレベルを決定することを含む、実施形態99に記載の方法。
実施形態101。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態100に記載の方法。
実施形態102。
エクスビボアッセイが、糞便細菌細胞を基質と接触させることと、基質を代謝することによって糞便細菌細胞によって産生されたSCFAの量を決定することとを含む、実施形態101に記載の方法。
実施形態103。
基質がイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態102に記載の方法。
実施形態104。
糞便細菌細胞を基質と少なくとも5時間接触させる、実施形態102または実施形態103に記載の方法。
実施形態105。
糞便細菌細胞を基質と少なくとも10時間接触させる、実施形態102または実施形態103に記載の方法。
実施形態106。
SCFAがブチレートである、実施形態99~105のいずれか1つに記載の方法。
実施形態107。
ブチレートの閾値レベルが20mMである、実施形態106に記載の方法。
実施形態108。
ブチレートの閾値レベルが40mMである、実施形態106に記載の方法。
実施形態109。
ブチレートの閾値レベルが60mMである、実施形態106に記載の方法。
実施形態110。
ブチレートの閾値レベルが80mMである、実施形態106に記載の方法。
実施形態111。
SCFAがアセテートである、実施形態99~105のいずれか1つに記載の方法。
実施形態112。
アセテートの閾値レベルが40mMである、実施形態111に記載の方法。
実施形態113。
アセテートの閾値レベルが60mMである、実施形態111に記載の方法。
実施形態114。
アセテートの閾値レベルが80mMである、実施形態111に記載の方法。
実施形態115。
アセテートの閾値レベルが100mMである、実施形態111に記載の方法。
実施形態116。
SCFAがプロピオナートである、実施形態99~105のいずれか1つに記載の方法。
実施形態117。
プロピオナートの閾値レベルが10mMである、実施形態116に記載の方法。
実施形態118。
プロピオナートの閾値レベルが15mMである、実施形態116に記載の方法。
実施形態119。
プロピオナートの閾値レベルが20mMである、実施形態116に記載の方法。
実施形態120。
プロピオナートの閾値レベルが25mMである、実施形態116に記載の方法。
実施形態121。
SCFAのレベルを決定することが、ドナーの生の糞便中のSCFAのレベルを決定することを含む、実施形態99に記載の方法。
実施形態122。
SCFAがブチレートである、実施形態121に記載の方法。
実施形態123。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり25nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態124。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態125。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり50nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態126。
SCFAがアセテートである、実施形態121に記載の方法。
実施形態127。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり50nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態128。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり75nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態129。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり100nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態130。
SCFAがプロピオナートである、実施形態121に記載の方法。
実施形態131。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり20nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態132。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり30nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態133。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態122に記載の方法。
実施形態134。
この方法が、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合する前に、ドナーの糞便から選択された糞便細菌を抽出することをさらに含む、実施形態96~133のいずれか1つに記載の方法。
実施形態135。
抽出することが、選択された糞便細菌を濾過することを含む、実施形態134に記載の方法。
実施形態136。
凍結保護物質が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態96~135のいずれか1つに記載の方法。
実施形態137。
未培養糞便細菌の調製物が抗酸化剤をさらに含む、実施形態96~136のいずれか1つに記載の方法。
実施形態138。
この方法が、未培養糞便細菌の調製物を薬学的に許容される担体に封入することをさらに含む、実施形態96~137のいずれか1つに記載の方法。
実施形態139。
薬学的に許容される担体が、錠剤、ゲルタブ、丸剤、またはカプセルを含む、実施形態138に記載の方法。
実施形態140。
薬学的に許容される担体がカプセルであり、カプセルが耐酸性である、実施形態139に記載の方法。
実施形態141。
1つ以上の短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態142。
糞便細菌が、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便から選択される、実施形態141に記載の方法。
実施形態143。
糞便細菌が、1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便とは異なる糞便から選択される、実施形態141に記載の方法。
実施形態144。
1つ以上のSCFA産生細菌株は、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである、実施形態141~143のいずれか1つに記載の方法。
実施形態145。
1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が少なくとも10%である、実施形態141~144のいずれか1つに記載の方法。
実施形態146。
1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が少なくとも25%である、実施形態141~145のいずれか1つに記載の方法。
実施形態147。
1つ以上のSCFA産生細菌株の相対存在量が少なくとも50%である、実施形態141~146のいずれか1つに記載の方法。
実施形態148。
第1の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であることをドナーの第1の糞便から決定することと、第2の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であることをドナーの第2の糞便から決定することと、第1および第2の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌をドナーの糞便から抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態149。
機能アッセイにおいて、ドナーの第1の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定することと、機能アッセイにおいて、ドナーの第2の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定することと、機能アッセイにおいて第1および第2の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生するという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態150。
1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であることをドナーの第1の糞便から決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であることをドナーの第2の糞便から決定することと、第1および第2の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態151。
ドナーの糞便から糞便細菌を抽出することが、第1および第2の糞便のうちの少なくとも1つから糞便細菌を抽出することを含む、実施形態148~150のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
実施形態152。
SCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態148~151のいずれか1つに記載の方法。
実施形態153。
ドナーの第1の糞便が第1の時点で採取され、ドナーの第2の糞便が第2の時点で採取される、実施形態148~152のいずれか1つに記載の方法。
実施形態154。
第1および第2の時点が、少なくとも24時間離れている、実施形態153に記載の方法。
実施形態155。
第1および第2の時点が、少なくとも3日間離れている、実施形態153に記載の方法。
実施形態156。
第1および第2の時点が、少なくとも1週間離れている、実施形態153に記載の方法。
実施形態157。
抽出することが、糞便細菌を濾過することを含む、実施形態148~156のいずれか1つに記載の方法。
実施形態158。
未培養糞便細菌の調製物が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される凍結保護物質をさらに含む、実施形態148~157のいずれか1つに記載の方法。
実施形態159。
未培養糞便細菌の調製物が抗酸化剤をさらに含む、実施形態148~158のいずれか1つに記載の方法。
実施形態160。
この方法が、未培養糞便細菌の調製物を薬学的に許容される担体に封入することをさらに含む、実施形態148~159のいずれか1つに記載の方法。
実施形態161。
薬学的に許容される担体が、錠剤、ゲルタブ、丸剤、またはカプセルを含む、実施形態160に記載の方法。
実施形態162。
薬学的に許容される担体がカプセルであり、カプセルが耐酸性である、実施形態161に記載の方法。
実施形態163。
1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤をヒトドナーに投与することをさらに含む、実施形態88~162のいずれか1つに記載の方法。
実施形態164。
ヒトドナーの糞便が、1つ以上の短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株に対する刺激剤の摂取によって上昇したレベルの少なくとも1つのSCFAを含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態165。
ヒトドナーの糞便が、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤の摂取によって上昇したレベルの少なくとも1つのSCFA産生細菌株を含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態166。
ヒトドナーが、糞便の提供前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日間、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を毎日摂取する、実施形態164または165に記載の医薬組成物。
実施形態167。
ヒトドナーが、糞便の提供の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日前に、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を摂取する、実施形態164または165に記載の医薬組成物。
実施形態168。
ヒトドナーが、糞便の提供の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、24、または48時間前に、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を摂取する、実施形態実施形態64または165に記載の医薬組成物。
実施形態169。
ヒトドナーが、糞便の提供前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14週間、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を毎日摂取する、実施形態164または165に記載の医薬組成物。
実施形態170。
ヒトドナーが、糞便の提供前の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14週間、1つ以上のSCFA産生細菌株に対する刺激剤を1日おきに摂取する、実施形態164または165に記載の医薬組成物。
実施形態171。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、ブチレートの閾値レベル以上の量のブチレートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、ブチレートの閾値レベルが少なくとも40mMである、医薬組成物。
実施形態172。
ブチレートの閾値レベルが少なくとも60mMである、実施形態171に記載の医薬組成物。
実施形態173。
ブチレートの閾値レベルが少なくとも80mMである、実施形態171に記載の医薬組成物。
実施形態174。
基質がイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態171~173のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態175。
基質が白インゲンマメ粉末である、実施形態174に記載の医薬組成物。
実施形態176。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、アセテートの閾値レベル以上の量のアセテートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、アセテートの閾値レベルが少なくとも60mMである、医薬組成物。
実施形態177。
アセテートの閾値レベルが少なくとも80mMである、実施形態176に記載の医薬組成物。
実施形態178。
アセテートの閾値レベルが少なくとも100mMである、実施形態176に記載の医薬組成物。
実施形態179。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、プロピオナートの閾値レベル以上の量のプロピオナートを産生し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、プロピオナートの閾値レベルが少なくとも10mMである、医薬組成物。
実施形態180。
プロピオナートの閾値レベルが少なくとも20mMである、実施形態179に記載の医薬組成物。
実施形態181。
アセテートの閾値レベルが少なくとも25mMである、実施形態180に記載の医薬組成物。
実施形態182。
基質がイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態176~181のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態183。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態171~182のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態184。
糞便細菌を基質と共に少なくとも6時間インキュベートする、実施形態171~183のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態185。
糞便細菌を基質と共に少なくとも10時間インキュベートする、実施形態171~183のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態186。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌の調製物が短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株を含み、SCFA産生細菌株が糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも40%に相当し、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含む、医薬組成物。
実施形態187。
SCFA産生細菌株が、糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも50%に相当する、実施形態186に記載の医薬組成物。
実施形態188。
SCFA産生細菌株が、糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも60%に相当する、実施形態186に記載の医薬組成物。
実施形態189。
SCFA産生細菌株が、糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも70%に相当する、実施形態186に記載の医薬組成物。
実施形態190。
組成物が短鎖脂肪酸(SCFA)をさらに含む、実施形態171~189のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態191。
組成物がプレバイオティクスをさらに含む、実施形態171~190のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態192。
プレバイオティクスがイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態191に記載の医薬組成物。
実施形態193。
糞便細菌の調製物が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される凍結保護物質をさらに含む、実施形態171~192のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態194。
医薬組成物が経口投与用に製剤化されている、実施形態171~193のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態195。
医薬組成物が糞便細菌の調製物を封入するためのカプセルを含む、実施形態194に記載の医薬組成物。
実施形態196。
カプセルが遅延放出コーティングを含む、実施形態195に記載の医薬組成物。
実施形態197。
健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、健常ヒトドナーは、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の糞便代謝産物について予め選択される、方法。
実施形態198。
健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが閾値レベル以上の糞便代謝産物を含む、方法。
実施形態199。
健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが閾値レベル以上の糞便代謝産物を産生できる、方法。
実施形態200。
糞便代謝産物が短鎖脂肪酸(SCFA)である、実施形態197~199のいずれか1つに記載の方法。
実施形態201。
この方法が、ドナーの生の糞便サンプル中の代謝産物のレベルを決定することを含む、実施形態197~200のいずれか1つに記載の方法。
実施形態202。
この方法が、機能アッセイにおいて糞便細菌細胞によって産生された代謝産物のレベルを決定することを含む、実施形態197~200のいずれか1つに記載の方法。
実施形態203。
機能アッセイがエクスビボアッセイである、実施形態202に記載の方法。
実施形態204。
未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物として製剤化することをさらに含む、実施形態197~203のいずれか1つに記載の方法。
実施形態205。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象は、対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、方法。
実施形態206。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを含む、方法。
実施形態207。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを産生できる、方法。
実施形態208。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象は、対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、方法。
実施形態209。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを含む、方法。
実施形態210。
必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを産生できる、方法。
実施形態211。
少なくとも1つのSCFAが、ブチレート、アセテート、カプロエート、ヘプタノエート、イソブチレート、イソカプロエート、イソバレレート、プロピオナート、バレレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態205~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態212。
少なくとも1つのSCFAのレベルが、対象の生の糞便から決定される、実施形態205~211のいずれか1つに記載の方法。
実施形態213。
少なくとも1つのSCFAがブチレートである、実施形態205~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態214。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり2nMである、実施形態213に記載の方法。
実施形態215。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり5nMである、実施形態213に記載の方法。
実施形態216。
ブチレートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり10nMである、実施形態213に記載の方法。
実施形態217。
少なくとも1つのSCFAがアセテートである、実施形態205~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態218。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり10nMである、実施形態217に記載の方法。
実施形態219。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり25nMである、実施形態217に記載の方法。
実施形態220。
アセテートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり40nMである、実施形態217に記載の方法。
実施形態221。
少なくとも1つのSCFAがプロピオナートである、実施形態205~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態222。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり2nMである、実施形態221に記載の方法。
実施形態223。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり8nMである、実施形態221に記載の方法。
実施形態224。
プロピオナートの閾値レベルが、生の糞便1グラム当たり12nMである、実施形態221に記載の方法。
実施形態225。
医薬組成物を投与することが、対象の腸における少なくとも1つのSCFAのレベルを閾値レベルを超えて増加させる、実施形態205~224のいずれか1つに記載の方法。
実施形態226。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも5%増加させる、実施形態225に記載の方法。
実施形態227。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも10%増加させる、実施形態225に記載の方法。
実施形態228。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも15%増加させる、実施形態225に記載の方法。
実施形態229。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも20%増加させる、実施形態225に記載の方法。
実施形態230。
医薬組成物を投与することが、対象の腸における少なくとも1つのSCFAのレベルを閾値レベルを超えて減少させる、実施形態205~224のいずれか1つに記載の方法。
実施形態231。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも5%減少させる、実施形態230に記載の方法。
実施形態232。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも10%減少させる、実施形態230に記載の方法。
実施形態233。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも15%減少させる、実施形態230に記載の方法。
実施形態234。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを少なくとも20%減少させる、実施形態230に記載の方法。
実施形態235。
健常ヒトドナーが、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプル中の閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、実施形態205~207のいずれか1つに記載の方法。
実施形態236。
対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを含む、実施形態205~207のいずれか1つに記載の方法。
実施形態237。
健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが、閾値レベル以上で少なくとも1つのSCFAを産生できる、実施形態205~207のいずれか1つに記載の方法。
実施形態238。
健常ヒトドナーが、ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプル中の閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、実施形態208~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態239。
対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを含む、実施形態208~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態240。
健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが、閾値レベル以下で少なくとも1つのSCFAを産生できる、実施形態208~210のいずれか1つに記載の方法。
実施形態241。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌が少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含むように選択され、糞便細菌が未培養細菌を含み、糞便細菌の調製物が凍結乾燥細菌を含む、医薬組成物。
実施形態242。
胆汁酸変換細菌株が、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、およびタウロケノデオキシコール酸(TCDCA)からなる群から選択される少なくとも1つの一次胆汁酸を変換できる、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態243。
糞便細菌が、閾値レベル以上で少なくとも1つの二次胆汁酸を産生するように選択される、実施形態241または実施形態242のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態244。
二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、およびタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)からなる群から選択される、実施形態243に記載の医薬組成物。
実施形態245。
糞便細菌が、少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株のレベルを決定するための機能アッセイを使用して選択される、実施形態243に記載の医薬組成物。
実施形態246。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態245に記載の医薬組成物。
実施形態247。
少なくとも1つの二次胆汁酸の閾値レベルが100μMである、実施形態243に記載の医薬組成物。
実施形態248。
糞便細菌が、ドナーの糞便中の2つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量に基づいて選択される、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態249。
少なくとも1つの胆汁酸転換細菌株が、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態250。
組成物がSCFAをさらに含む、実施形態241~249のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態251。
組成物がプレバイオティクスをさらに含む、実施形態241~250のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態252。
プレバイオティクスがイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態251に記載の医薬組成物。
実施形態253。
糞便細菌の調製物が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される凍結保護物質をさらに含む、実施形態241~252のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態254。
医薬組成物が経口投与用に製剤化されている、実施形態241~253のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態255。
医薬組成物が糞便細菌の調製物を封入するためのカプセルを含む、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態256。
カプセルが遅延放出コーティングを含む、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態257。
糞便細菌が、組成物を投与された対象の腸において少なくとも1つの二次胆汁酸を産生する、実施形態241に記載の医薬組成物。
実施形態258。
個体の第1の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、ドナーの第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、第1および第2の糞便における二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいて、個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
実施形態259。
個体の糞便における二次胆汁酸の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
実施形態260。
一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる細菌の相対存在量を決定することと、二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であるときに糞便を選択することとを含む、糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
実施形態261。
胆汁酸変換株に関連する潜在的なドナーの糞便微生物遺伝子含有量をスクリーニングすることによって、所望のドナーを選択する方法。
実施形態262。
胆汁酸変換株が豊富な糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD)患者を処置する方法であって、必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有する、方法。
実施形態263。
二次胆汁酸のある相対存在量を有する糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD)患者を処置する方法であって、必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有し、その二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上である、方法。
実施形態264。
閾値を超える量の二次胆汁酸および胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、不十分な胆汁酸代謝を有する必要な患者における過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法。
実施形態265。
IBDが、クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸嚢炎、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態262、263、または264のいずれか1つに記載の方法。
実施形態266。
二次胆汁酸の閾値レベルが少なくとも100μMである、実施形態258、259、260、263、または264のいずれか1つに記載の方法。
実施形態267。
不十分な胆汁酸代謝を有する患者におけるクローン病または潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、(i)二次胆汁酸の量および(ii)胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で患者を処置することを含み、その量は所定の閾値以上である、方法。
実施形態268。
二次胆汁酸の量の所定の閾値が100μMである、実施形態267に記載の方法。
実施形態269。
糞便細菌が、ドナーの糞便における3つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量に基づいて選択される、実施形態248に記載の方法。
実施形態270。
閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有するクローン病患者を処置する方法であって、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される、方法。
実施形態271。
閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有する潰瘍性大腸炎患者を処置する方法であって、ここで患者の胆汁酸代謝が回復される、方法。
実施形態272。
胆汁酸変換細菌を必要な対象の腸に送達する方法であって、この方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、ここで未培養糞便細菌が閾値レベル以上で一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換するように選択されるか、健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上の二次胆汁酸を産生するか、または健常ヒトドナーが閾値レベル以上の二次胆汁酸を含む糞便を生成する、方法。
実施形態273。
プレバイオティクスを対象に投与することをさらに含む、実施形態272に記載の方法。
実施形態274。
プレバイオティクスは、アミノ酸(たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシンなど)、乳酸、硝酸アンモニウム、アミロース、オオムギマルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、フルクトース、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖、ヒスチジン、ホモ多糖、ヒドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴ糖(たとえば、ガラクトオリゴ糖(GOS)、トランス-ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、マンノオリゴ糖、またはキトオリゴ糖などを含む)、ペクチン、リン酸塩、リン、ポリデキストロース、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー、タガトース、チアミン、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、発酵性多糖、食物繊維、難消化性デンプン、オオムギ、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態272に記載の方法。
実施形態275。
医薬組成物を対象に投与する前に、抗生物質で対象を前処置することをさらに含む、実施形態272~274のいずれか1つに記載の方法。
実施形態276。
二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、およびタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)からなる群から選択される、実施形態272~275のいずれか1つに記載の方法。
実施形態277。
糞便細菌が、ドナーの糞便中の少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを決定することによって選択される、実施形態272~276のいずれか1つに記載の方法。
実施形態278。
医薬組成物を対象に投与する前に、対象の糞便細菌によって産生される二次胆汁酸の量が閾値レベル未満であることを決定することをさらに含む、実施形態272~277のいずれか1つに記載の方法。
実施形態279。
医薬組成物を投与することが、対象における障害を処置または予防し、障害がC.ディフィシル(C.difficile)感染症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態272~278のいずれか1つに記載の方法。
実施形態280。
少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含む対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを決定することと、少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を対象に投与することとを含む方法であって、この医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む、方法。
実施形態281。
少なくとも1つの二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、およびタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)からなる群から選択される、実施形態280に記載の方法。
実施形態282。
少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルが、対象の生の糞便から決定される、実施形態280または実施形態281に記載の方法。
実施形態283。
少なくとも1つの二次胆汁酸がデオキシコール酸(DCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態284。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコデオキシコール酸(GDCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態285。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロデオキシコール酸(TDCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態286。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコリトコール酸(GLCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態287。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロリトコール酸(TLCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態288。
少なくとも1つの二次胆汁酸がリトコール酸(LCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態289。
少なくとも1つの二次胆汁酸がウルソデオキシコール酸(UDCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態290。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態291。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)である、実施形態281に記載の方法。
実施形態292。
医薬組成物を投与することが、対象の腸における少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを閾値レベルを超えて増加させる、実施形態280に記載の方法。
実施形態293。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを少なくとも5%増加させる、実施形態280に記載の方法。
実施形態294。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを少なくとも10%増加させる、実施形態280に記載の方法。
実施形態295。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを少なくとも15%増加させる、実施形態280に記載の方法。
実施形態296。
医薬組成物を投与することが、対象の腸内細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを少なくとも20%増加させる、実施形態280に記載の方法。
実施形態297。
少なくとも1つの胆汁酸転換細菌株が、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである、実施形態280に記載の方法。
実施形態298。
糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態299。
糞便細菌細胞および糞便細菌が、ドナーの同じ糞便に由来する、実施形態298に記載の方法。
実施形態300。
糞便細菌細胞および糞便細菌が、ドナーの異なる糞便に由来する、実施形態298に記載の方法。
実施形態301。
二次胆汁酸のレベルを決定することが、ドナーの生の糞便における二次胆汁酸のレベルを決定することを含む、実施形態298に記載の方法。
実施形態302。
二次胆汁酸のレベルを決定することが、機能アッセイにおいて糞便細菌細胞によって産生される二次胆汁酸のレベルを決定することを含む、実施形態298に記載の方法。
実施形態303。
機能アッセイがエクスビボアッセイである、実施形態302に記載の方法。
実施形態304。
未培養糞便細菌の調製物を医薬組成物として製剤化することをさらに含む、実施形態298~303のいずれか1つに記載の方法。
実施形態305。
少なくとも1つの二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、およびタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)からなる群から選択される、実施形態298に記載の方法。
実施形態306。
糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、その糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態307。
糞便細菌が、糞便細菌細胞によって産生される二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便から選択される、実施形態306に記載の方法。
実施形態308。
糞便細菌細胞が、糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便とは異なる糞便から選択される、実施形態306に記載の方法。
実施形態309。
二次胆汁酸のレベルを決定することが、機能アッセイにおいて糞便細菌細胞によって変換される二次胆汁酸のレベルを決定することを含む、実施形態306に記載の方法。
実施形態310。
機能アッセイがエクスビボアッセイを含む、実施形態309に記載の方法。
実施形態311。
二次胆汁酸のレベルを決定することが、ドナーの生の糞便における二次胆汁酸のレベルを決定することを含む、実施形態306に記載の方法。
実施形態312。
二次胆汁酸が、デオキシコール酸(DCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、リトコール酸(LCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態306に記載の方法。
実施形態313。
少なくとも1つの二次胆汁酸がデオキシコール酸(DCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態314。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコデオキシコール酸(GDCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態315。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロデオキシコール酸(TDCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態316。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコリトコール酸(GLCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態317。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロリトコール酸(TLCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態318。
少なくとも1つの二次胆汁酸がリトコール酸(LCA)であり、閾値レベルが300μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態319。
少なくとも1つの二次胆汁酸がウルソデオキシコール酸(UDCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態320。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態321。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態312に記載の方法。
実施形態322。
この方法が、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合する前に、ドナーの糞便から選択された糞便細菌を抽出することをさらに含む、実施形態306~321のいずれか1つに記載の方法。
実施形態323。
抽出することが、選択された糞便細菌を濾過することを含む、実施形態322に記載の方法。
実施形態324。
凍結保護物質が、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態306~323のいずれか1つに記載の方法。
実施形態325。
未培養糞便細菌の調製物が抗酸化剤をさらに含む、実施形態306~324のいずれか1つに記載の方法。
実施形態326。
この方法が、未培養糞便細菌の調製物を薬学的に許容される担体に封入することをさらに含む、実施形態306~325のいずれか1つに記載の方法。
実施形態327。
薬学的に許容される担体が、錠剤、ゲルタブ、丸剤、またはカプセルを含む、実施形態326に記載の方法。
実施形態328。
薬学的に許容される担体がカプセルであり、カプセルが耐酸性である、実施形態326に記載の方法。
実施形態329。
1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であるという決定に基づいてドナーの糞便細菌を選択することであって、選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
実施形態330。
糞便細菌が、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便から選択される、実施形態329に記載の方法。
実施形態331。
糞便細菌が、1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定するために使用されるドナーの糞便とは異なる糞便から選択される、実施形態329に記載の方法。
実施形態332。
1つ以上のSCFA産生細菌株は、ファーミキューテス(Firmicutes)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、ユーバクテリウム(Eubacterium)種、クロストリジウム(Clostridium)種、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)種、ロゼブリア(Roseburia)種、ブチリビブリオ(Butyrivibrio)種、アナエロスティペス(Anaerostipes)種、コプロコッカス(Coprococcus)種、サブドリグラヌルム(Subdoligranulum)種、アナエロツルンカス(Anaerotruncus)種、ルミノコッカス(Ruminococcus)種、ユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロゼブリア・ホミニス(Roseburia hominis)、ロゼブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ユーバクテリウム・ラムルス(Eubacterium ramulus)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、ユーバクテリウム・ルミナンチウム(Eubacterium ruminantium)、ユーバクテリウム・シリンドロイデス(Eubacterium cylindroides)、ユーバクテリウム・オキシドレドゥセンス(Eubacterium oxidoreducens)、コプロコッカス・カツス(Coprococcus catus)、コプロコッカス・ユータクツス(Coprococcus eutactus)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、クロストリジウム・ネキシレ(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)からなる群から選択される分類群のメンバーである、実施形態329~331のいずれか1つに記載の方法。
実施形態333。
1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が少なくとも10%である、実施形態329~332のいずれか1つに記載の方法。
実施形態334。
1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が少なくとも25%である、実施形態329~333のいずれか1つに記載の方法。
実施形態335。
1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が少なくとも50%である、実施形態329~334のいずれか1つに記載の方法。
実施形態336。
健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、糞便細菌がある量の一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換し、二次胆汁酸が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートしたときに二次胆汁酸の閾値レベル以上であり、糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、二次胆汁酸の閾値レベルが少なくとも100μMである、医薬組成物。
実施形態337。
少なくとも1つの二次胆汁酸がデオキシコール酸(DCA)であり、閾値レベルが100μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態338。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコデオキシコール酸(GDCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態339。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロデオキシコール酸(TDCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態340。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコリトコール酸(GLCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態341。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロリトコール酸(TLCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態342。
少なくとも1つの二次胆汁酸がリトコール酸(LCA)であり、閾値レベルが300μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態343。
少なくとも1つの二次胆汁酸がウルソデオキシコール酸(UDCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態344。
少なくとも1つの二次胆汁酸がグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態345。
少なくとも1つの二次胆汁酸がタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)であり、閾値レベルが50μMである、実施形態336に記載の方法。
実施形態346。
健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、健常ヒトドナーは、1つ以上、2つ以上、3における閾値レベル以上の二次胆汁酸について予め選択される、方法。
本開示は、本開示の例示として提供される以下の非限定的な実施例を参照することによって、よりよく理解されるだろう。以下の実施例は、本開示の好ましい態様をより完全に例示するために提示されるものであるが、決して本開示の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書に含まれる態様の記載に限定されるべきではない。
[実施例1]
エクスビボ糞便微生物叢アッセイを用いたSCFAの定量
10mlの生の糞便を15mlコニカルチューブ中で3220×gで15分間遠心分離する。上清を廃棄し、10mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7(SPB:sodium phosphate buffer)をペレットに添加し、ペレットがホモジナイズされるまでチューブをボルテックスして糞便細菌懸濁物を生成する。150μlの糞便細菌を、5つの異なる96ウェルプレート(0時間、6時間、9時間、12時間、および24時間の時点を表す)において150μlの各SCFA基質と混合する。SCFA基質は、アガベイヌリン(2g/50ml SPB中0.05%L-システイン)、フラクトオリゴ糖(FOS)(2g/50ml SPB中0.05%L-システイン)、サンファイバー部分加水分解グアーガム(PHGG:partially hydrolyzed guar gum)(2g/50ml SPB中0.05%L-システイン)、白インゲンマメ粉末(2g/50ml SPB中0.05%L-システイン)、および濾過した白インゲンマメ粉末(2g/50ml SPB、32,20×gで5分間遠心分離し、60℃に加熱して滅菌濾過し、L-システインを0.05%まで添加)である。各時点で、それぞれのアッセイプレートを直ちにドライアイス上に2~5分間置き、プレートを3220×gで15分間遠心分離する。100μlの上清を、2mLガラスバイアル中で10μlの50%硫酸と、500μlの5mM 2-メチルペンタン酸を含有するジエチルエーテルと混合する。サンプルを3,220gで10分間遠心分離して、明瞭な相境界を得る。以下のパラメータを使用して、水素炎イオン化型検出器(FID:Flame Ionization Detector)を備えたガスクロマトグラフ(GC:Gas Chromatograph)を使用してSCFAを測定する。
- 注入:1μLのサンプル1を、速いプランジャー速度で8mmのサンプル深さで注入し、サンプルを4回洗浄する。
- 入口:スプリット比20:1の225℃でのスプリットモード。
- 担体ガス:ヘリウム。
- オーブン:140℃で5分間の等温温度プログラム。
- カラム:ニトロテレフタル酸修飾/ポリエチレングリコール(PEG)キャピラリーカラムは、直径0.25mm、長さ約30m、膜厚0.25μmである。カラムを6.0mL/分の一定流量にて維持する。
- 水素炎イオン化型検出器(FID):温度を225℃に設定する。水素の流量は30.0mL/分である。空気の流量は400.0mL/分である。ヘリウムの補給流量は20.0mL/分である。
図1は、12時間の時点で糞便細菌によって産生されたブチレートの濃度(mM)を示す。図2は、12時間の時点で糞便細菌によって産生されたアセテートの濃度(mM)を示す。図3は、12時間の時点で糞便細菌によって産生されたプロピオナートの濃度(mM)を示す。各グラフは、5人の異なるドナー(1、16、76、81、および8)の糞便からの結果を示す。ドナー1および8については、2つの異なる糞便サンプルからの結果を示す。エクスビボアッセイの結果は、糞便細菌によるSCFA産生のレベルがドナー間で変動し得ることを示す。たとえば、ドナー1からの糞便細菌は、エクスビボアッセイにおいて、示されるその他のドナーからの糞便細菌よりも高いレベルのブチレートを産生する。
[実施例2]
生の糞便からのSCFAの直接定量
250mgの生の糞便を、5mlコニカルチューブ中で1.25mlのHPLC水と混合する。サンプルを3200×gで15分間遠心分離する。100μlの上清を、2mLガラスバイアル中で10μlの50%硫酸と、500μlの5mM 2-メチルペンタン酸を含有するジエチルエーテルと混合する。サンプルを3,220gで10分間遠心分離して、明瞭な相境界を得る。SCFAは、実施例1に記載されるとおり、水素炎イオン化型検出器(FID)を備えたガスクロマトグラフ(GC)を使用して測定される。
SCFAのアセテート(A)、ブチレート(B)、カプロエート(C)、ヘプタノエート(H)、イソブチレート(Ib)、イソカプロエート(Ic)、イソバレレート(Iv)、プロピオナート(P)、およびバレレート(V)についての定量結果を表2に示す。エクスビボアッセイの結果と同様に、表2は、糞便SCFAレベルがドナー間で変動することを示す。たとえば、ドナー7に由来する糞便は、示されるその他のドナーの糞便よりも高いレベルのブチレートを含有する。
Figure 2022552005000005
[実施例3]
ブチレートを産生するように選択された細菌混合物の生成
スクリーニングされた健常ヒトドナーから糞便を採取し、実施例1に記載されるエクスビボアッセイに従って糞便中の糞便細菌のブチレート産生能力の決定に使用するために10mlの糞便をアリコートし、基質として白インゲンマメ粉末を使用する。糞便サンプルの残りの部分を、15%トレハロースおよび0.05%システインを含むPBS生理食塩水で希釈し、ホモジナイズし、濾過する。濾液を-80℃で貯蔵する。エクスビボアッセイの結果が、糞便サンプル中に30mMを超えるレベルのブチレートが存在することを示すとき、濾液を解凍し、凍結乾燥して、未培養糞便細菌の凍結乾燥調製物を得る。次いで、凍結乾燥調製物を耐酸性カプセルに封入して、ブチレートを産生するように選択された未培養糞便細菌を含有する医薬組成物を生成する。
[実施例4]
ブチレートを産生する未培養糞便細菌によるIBDの処置
2人の糞便ドナー(AおよびB)の糞便サンプル中のブチレートレベルを、サンプルのアリコートから直接定量する。糞便サンプルの残りの部分を使用して、IBD(潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD))と診断された患者にFMT結腸内視鏡によって投与される未培養糞便細菌調製物を調製する。次いで、各患者の糞便中のFMT後ブチレートレベルを、FMT投与の1週間後、8週間後、および12週間後の時点の各患者の糞便から直接定量する。次いで、各患者のブチレートレベルを時点にわたって平均し、ベースライン濃度を差し引く。
図4Aは、ドナー糞便におけるブチレートの量が、ドナーAについては約190μg/gであり、ドナーBについては200μg/gであると決定されたことを示す。各ドナーからFMTを受けた後の患者の糞便におけるブチレートレベルの変化(μg/g)を図4Bに示す。CDおよびUC患者診断の両方について、ドナーBの糞便細菌を含有するFMTによって誘導された患者ブチレートの変化は、ドナーAの糞便細菌を含有するFMTによって誘導された患者ブチレートの変化よりも大きい。これらの結果は、ドナーの糞便においてブチレートを産生する能力について選択された糞便細菌が、より低いレベルのブチレートを産生する糞便細菌と比較して、FMT投与後の患者においてより高いレベルのブチレートを誘導し得ることを示す。
図4Cは、ドナー糞便中のブチレートの量が経時的に変動し得ることを示す。処置されたCDまたはUC患者におけるFMT後ブチレートとベースラインブチレートとの間の変化は、ドナーブチレートと患者ベースラインブチレートレベルとの間の差と相関する(図5)。したがって、処置された患者におけるFMT後のブチレートレベルのより大きな増加を提供するために、ドナーとFMT前の患者との糞便のブチレートレベルの差に基づいてドナーが選択され得る。
研究は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ(Faecalibacterium prausnitzii)およびユーバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)/ロゼブリア(Roseburia)種が重要なブチレート産生細菌であることを報告している。ルイス(Louis)、P.およびフリント(Flint)、H.、FEMSマイクロバイオロジー・レターズ(FEMS Microbiol Lett.)294:1-8(2009)(本明細書において引用により援用される)を参照。図6は、FMT処置後の患者サンプルの分析によって、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)の存在量(黒色線)がしばしばブチレート(灰色線)と協調して移動することが示されることを示す。
図7は、FMT処置後12週目の潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)患者の両方において、ブチレートの増加がファーミキューテス(Firmicutes)の増加およびプロテオバクテリア(Proteobacteria)の減少と有意に相関することを示す。加えて、FMT処置後、UCおよびCD患者において、ファーミキューテス(Firmicutes)およびバクテロイデス門(Bacteroidetes)の両方が増加するのに対し、プロテオバクテリア(Proteobacteria)レベルは減少する(図8)。患者の部分メイヨー(Mayo)指数およびハーベリー・ブラッドショー(Harvery-Bradshaw)指数の考察は、患者のIBD改善がプロテオバクテリア(Proteobacteria)の減少と弱く相関することを示す(図9;相関p値はUCに対してp=0.150、CDに対してp=0.502)。
ドナーFMTで処置されたUCおよびCD患者の微生物叢細菌組成は、FMT処置後にドナーの微生物叢細菌組成により類似するようになる(図10)。図11は、患者糞便ブチレートレベルのFMT後の変化が、患者およびドナーのマイクロバイオームの類似性の増加と相関することを示す。
図12は、115人の糞便ドナーの糞便におけるSCFA産生細菌株(すなわち、ブチレート産生体)の相対存在量がドナー間で変動することを示す。グラフを作成するために、各ドナーの糞便由来のOTUの16S rRNA配列を、公開データ(ビタル(Vital)ら、(2017)、「ヒトにおける結腸ブチレート産生コミュニティ:オミクスデータを用いた概説(Colonic butyrate-producing communities in humans:an overview using omics data)」アメリカン・ソサエティ・フォー・マイクロバイオロジー(American Society for Microbiology)2(6):e00130-17;ビタル(Vital)ら、(2014)、「(メタ)ゲノムデータの分析による細菌ブチレート合成経路の解明(Revealing the bacterial butyrate synthesis pathways by analyzing (meta)genomic data)」mbio 5(2):e00889-14)に基づいてブチレート産生体であると予測される細菌株由来の16S rRNA配列と比較した。各サンプル中のブチレート産生OTUからのリード数を合計し、サンプルから得られた細菌リードの総数で割ることによって、各ドナーについての相対存在量を決定した。
[実施例5]
潰瘍性大腸炎の処置のためのドナーの選択
潰瘍性大腸炎(UC)などの適応症におけるさまざまなドナー有効性が報告されている。糞便移植およびその他のドナー由来療法は、微生物株および種の存在量が広範に変動し得るため、薬物効力の差異をもたらし得る。図1に例示されるとおり、生成物の変動性を最小化するために、ドナー選択、プール、および株補完の3つのアプローチが役立ち得る。所望の特徴の存在に対して、ドナーまたは糞便が選択され得る。ドナー間のプールは、非遍在性の生物が生成物に含まれる可能性を増加させ得るが、これらの存在量は希釈されることとなる。送達に重要な特定の成分が存在するとき、別個に培養された単一株によってコミュニティ全体の生成物を補完するハイブリッド戦略は、別の治療アプローチを提供する。加えてコミュニティ全体の生成物は、添加された株の生着を最適化するためのバックグラウンドの健全な生態系を提供する。
個々のドナーの疾患関連微生物の存在および存在量における自然な変動は、生成物の均一性を改善するための戦略の動機となる。主要な細菌分類群の示差的存在量は、HMP2 16Sアンプリコン配列決定データセットにおけるUC対非IBD対照を比較することによって計算される(赤色:UCにおいて富む;青色:UCにおいて枯渇する;存在量は科レベルで崩壊する)(ロイド-プライス(Lloyd-Price)、J.ら(2019)「炎症性腸疾患における腸微生物生態系のマルチオミクス(Multi-omics of the gut microbial ecosystem in inflammatory bowel diseases)。」ネイチャー(Nature)569、655-662)。これらの分類群の存在量は、UCにおけるジェイコブ(Jacob)(2017)FMT試験において使用された4人のドナーにおいて示されている(黄色のバー)(ジェイコブら、(2017)「結腸内視鏡による多様性の高い糞便微生物叢調製物の単回送達は、安全かつ活動性潰瘍性大腸炎における微生物多様性の増加に有効である(Single delivery of high-diversity fecal microbiota preparation by colonoscopy is safe and effective in increasing microbial diversity in active ulcerative colitis)。」インフラマトリー・バウエル・ディジーズ(Inflammatory Bowel Disease)23(6):903-911)。ドナー間で普及率が異なる2つのUC枯渇分類群が示されている(オレンジ色の矢印)。3つの緩和戦略が示されている。(1)ジェイコブらにおいて、各々の患者は、4人のドナーのうちの2つを受ける。このドナープール戦略は、送達される株の多様性を増加させる。(2)所望の成分を含有するドナーについて予めスクリーニングする。たとえばドナー1は、すべての同定されたUC枯渇分類群を含有する。(3)全体のコミュニティと共に、重要な成分の均一な送達を確実にするために別個に培養された株を同時投与することによる補完。

Claims (41)

  1. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌が少なくとも1つの短鎖脂肪酸(SCFA)を産生するように選択され、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、前記糞便細菌の調製物が凍結乾燥細菌を含む、医薬組成物。
  2. 必要な対象の腸に短鎖脂肪酸(SCFA)を送達する方法であって、前記方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記未培養糞便細菌が閾値レベル以上の前記SCFAを産生するように選択されるか、
    前記健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上の前記SCFAを産生するか、または
    前記健常ヒトドナーが閾値レベル以上の前記SCFAを含む糞便を生成する、方法。
  3. 対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つのSCFAのレベルを決定することと、前記少なくとも1つのSCFAの前記レベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を前記対象に投与することとを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む、方法。
  4. 糞便細菌細胞によって産生される代謝産物のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、前記糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、
    前記代謝産物の前記レベルが前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌を前記ドナーの糞便から抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  5. 糞便細菌細胞によって産生される短鎖脂肪酸(SCFA)のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、前記糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、
    前記SCFAの前記レベルが前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて前記ドナーの糞便細菌を選択することであって、前記選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、
    前記選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  6. 1つ以上の短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、
    前記1つ以上のSCFA産生細菌株の前記相対存在量が前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて前記ドナーの糞便細菌を選択することであって、前記選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、
    前記選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  7. 第1の糞便中のSCFAが閾値レベル以上であることをドナーの前記第1の糞便から決定することと、第2の糞便中の前記SCFAが前記閾値レベル以上であることを前記ドナーの前記第2の糞便から決定することと、前記第1および第2の糞便中の前記SCFAが閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌を前記ドナーの糞便から抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  8. 機能アッセイにおいて、ドナーの第1の糞便由来の糞便細菌細胞が閾値レベル以上のSCFAを産生することを決定することと、前記機能アッセイにおいて、前記ドナーの第2の糞便由来の糞便細菌細胞が前記閾値レベル以上の前記SCFAを産生することを決定することと、前記機能アッセイにおいて前記第1および第2の糞便由来の前記糞便細菌細胞が前記閾値レベル以上の前記SCFAを産生するという決定に基づいて、前記ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  9. 1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が閾値レベル以上であることをドナーの第1の糞便から決定することと、1つ以上のSCFA産生細菌の相対存在量が前記閾値レベル以上であることを前記ドナーの第2の糞便から決定することと、前記第1および第2の糞便中の1つ以上のSCFA産生細菌の前記相対存在量が前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて、前記ドナーの糞便から糞便細菌を抽出して未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  10. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、ブチレートの閾値レベル以上の量のブチレートを産生し、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、ブチレートの前記閾値レベルが少なくとも40mMである、医薬組成物。
  11. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、アセテートの閾値レベル以上の量のアセテートを産生し、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、アセテートの前記閾値レベルが少なくとも60mMである、医薬組成物。
  12. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートされたときに、プロピオナートの閾値レベル以上の量のプロピオナートを産生し、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、前記閾値レベル、医薬組成物。
  13. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌の調製物が短鎖脂肪酸(SCFA)産生細菌株を含み、前記SCFA産生細菌株が前記糞便細菌の調製物中の細菌株の総数の少なくとも40%に相当し、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含む、医薬組成物。
  14. 前記プレバイオティクスがイヌリン、フラクトオリゴ糖、サンファイバー、白インゲンマメ粉末、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項191に記載の医薬組成物。
  15. 健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、前記健常ヒトドナーは、前記ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の糞便代謝産物について予め選択される、方法。
  16. 健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、前記健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが閾値レベル以上の糞便代謝産物を含む、方法。
  17. 健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、前記健常ヒトドナーの1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルが閾値レベル以上の糞便代謝産物を産生できる、方法。
  18. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象は、前記対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、方法。
  19. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを含む、方法。
  20. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以下の少なくとも1つのSCFAを産生できる、方法。
  21. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象は、前記対象由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAについて予め選択される、方法。
  22. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを含む、方法。
  23. 必要な対象に医薬組成物を投与することを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便由来の未培養糞便細菌の調製物を含み、前記対象の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルは、閾値レベル以上の少なくとも1つのSCFAを産生できる、方法。
  24. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌が少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含むように選択され、前記糞便細菌が未培養細菌を含み、前記糞便細菌の調製物が凍結乾燥細菌を含む、医薬組成物。
  25. 個体の第1の糞便における二次胆汁酸の前記相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、ドナーの第2の糞便における前記二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上であることを決定することと、前記第1および第2の糞便における前記二次胆汁酸の前記相対存在量が前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて、前記個体を前記糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
  26. 個体の糞便における二次胆汁酸の前記相対存在量を決定することと、前記二次胆汁酸の前記相対存在量が閾値レベル以上であるときに前記個体を糞便ドナーとして選択することとを含む、未培養糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
  27. 一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換できる細菌の前記相対存在量を決定することと、前記二次胆汁酸の前記相対存在量が前記閾値レベル以上であるときに前記糞便を選択することとを含む、糞便細菌の調製物を生成するためにドナーの糞便を選択する方法。
  28. 胆汁酸変換株に関連する潜在的なドナーの糞便微生物遺伝子含有量をスクリーニングすることによって、所望のドナーを選択する方法。
  29. 胆汁酸変換株が豊富な糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD)患者を処置する方法であって、前記必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有する、方法。
  30. 二次胆汁酸のある相対存在量を有する糞便細菌の調製物を投与することを含む、必要な過敏性腸疾患(IBD)患者を処置する方法であって、前記必要な患者は不十分な胆汁酸代謝を有し、前記二次胆汁酸の相対存在量が閾値レベル以上である、方法。
  31. 閾値を超える量の二次胆汁酸および胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、不十分な胆汁酸代謝を有する必要な前記患者における過敏性腸疾患(IBD)を処置する方法。
  32. 不十分な胆汁酸代謝を有する患者におけるクローン病または潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、(i)二次胆汁酸の量および(ii)胆汁酸変換株の量が豊富なドナー物質で前記患者を処置することを含み、前記量は所定の閾値以上である、方法。
  33. 閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、前記患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有するクローン病患者を処置する方法であって、前記患者の胆汁酸代謝が回復される、方法。
  34. 閾値レベル以上の量の胆汁酸変換株を有するドナーに由来する糞便細菌の調製物を患者に投与することを含む、前記患者における胆汁酸変換株を増加させることによって、不十分な胆汁酸代謝を有する潰瘍性大腸炎患者を処置する方法であって、前記患者の胆汁酸代謝が回復される、方法。
  35. 必要な対象の腸に胆汁酸変換細菌を送達する方法であって、前記方法は、健常ヒトドナーの糞便に由来する未培養糞便細菌の調製物を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記未培養糞便細菌が閾値レベル以上で一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換するように選択されるか、
    前記健常ヒトドナーの糞便中の糞便細菌が閾値レベル以上の前記二次胆汁酸を産生するか、または
    前記健常ヒトドナーが閾値レベル以上の前記二次胆汁酸を含む糞便を生成する、方法。
  36. 少なくとも1つの胆汁酸変換細菌株を含む対象の糞便細菌によって産生される少なくとも1つの二次胆汁酸のレベルを決定することと、前記少なくとも1つの二次胆汁酸の前記レベルが閾値レベル未満であるという決定に基づいて医薬組成物を前記対象に投与することとを含む方法であって、前記医薬組成物は、健常ヒトドナーの糞便の未培養糞便細菌の調製物を含む、方法。
  37. 糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、前記糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、
    前記二次胆汁酸の前記レベルが前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて、糞便細菌を前記ドナーの糞便から抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  38. 糞便細菌細胞によって変換された二次胆汁酸のレベルが閾値レベル以上であることを決定することであって、前記糞便細菌細胞が健常ヒトドナーの糞便に由来する、決定することと、
    前記二次胆汁酸の前記レベルが前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて前記ドナーの糞便細菌を選択することであって、前記選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、
    前記選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  39. 1つ以上の胆汁酸変換細菌株の相対存在量が健常ヒトドナーの糞便中で閾値レベル以上であることを決定することと、
    前記1つ以上の胆汁酸変換細菌株の前記相対存在量が前記閾値レベル以上であるという決定に基づいて前記ドナーの糞便細菌を選択することであって、前記選択された糞便細菌が未培養である、選択することと、
    前記選択された糞便細菌を凍結保護物質と混合して、未培養糞便細菌の調製物を生成することとを含む、方法。
  40. 健常ヒトドナーの糞便由来の糞便細菌の調製物を含む医薬組成物であって、前記糞便細菌がある量の一次胆汁酸を二次胆汁酸に変換し、前記二次胆汁酸が、機能アッセイにおいて基質と共にインキュベートしたときに二次胆汁酸の閾値レベル以上であり、前記糞便細菌の調製物が未培養細菌を含み、前記二次胆汁酸の前記閾値レベルが少なくとも100μMである、医薬組成物。
  41. 健常ヒトドナーの糞便から糞便細菌を抽出して、未培養糞便細菌の調製物を生成することを含む方法であって、前記健常ヒトドナーは、前記ドナー由来の1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、または10以上の糞便サンプルにおける閾値レベル以上の二次胆汁酸について予め選択される、方法。
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