JP2022551931A - 改変エンドヌクレアーゼおよび関連方法 - Google Patents

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Abstract

オフターゲット活性が減少しているCRISPR/Cas9システムなどの改変エンドヌクレアーゼを産生するための組成物および方法が提供される。改変エンドヌクレアーゼを使用してin vitroおよびin vivoでポリヌクレオチドを編集する方法も開示される。一態様では、本開示は、エンドヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに共有結合している1つまたは複数の混合電荷部分を含み、それぞれの混合電荷部分が約10~約400の正電荷部分および約10~約400の負電荷部分を含み、負電荷部分の数に対する正電荷部分の数の比が約1:0.5~約1:2である、改変エンドヌクレアーゼを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月11日に提出の米国特許仮出願第62/913,916号の利益を主張するものであり、前記特許文献の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
配列表に関する声明
本出願に関連する配列表はハードコピーの代わりにテキスト形式で提供され、それによって参照により本明細書に組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は72968_SEQ_final-2020-10-7.txtである。テキストファイルサイズは27.2KBであり2020年10月7日に作成され、明細書のとじ込みと一緒にEFS-Webを経て提出されている。
政府のライセンス権の声明
本発明は、国立衛生研究所より授与された、認可番号R21 GM128004の下で政府支援により行われた。政府は本発明にある種の権利を有する。
発明の背景
CRISPR/Casシステムは、種々の生物および細胞型でのゲノム編集用に広く使用されているツールである。不運なことに、CRISPR/Casシステムは、オンターゲット配列に似ているオフターゲット部位で望ましくない突然変異も引き起こすことがある。オフターゲット突然変異は、CRISPR/Cas9 RNPによるDNA配列の非特異的認識により引き起こされる。Cas9は、最適PAM配列5’-NGG-3’の他にも5’-NAG-3’または5’-NGA-3’ PAMを有する部位も切断することができるが、切断はそれほど効率的ではないことは実証されている。さらに、20ntのシングルガイドRNA(sgRNA)は、sgRNAを有する3~5もの塩基対ミスマッチを宿すDNA配列を認識することができ、ヒトゲノムには所与のヌクレアーゼに対する最大何千もの考えられる結合部位が存在することを示唆している。さらに、CRISPR/Cas9は、RNAガイド鎖と比べて数個の余分な塩基(「DNAバルジ」)または数個のミッシング塩基(「RNAバルジ」)を含有するDNA配列でのオフターゲット切断を誘導することができる。オフターゲットDNA切断は意図されないゲノム遺伝子座に突然変異ならびに欠失、逆位、および転座などの大規模染色体再編を生じることができる。望ましくない部位でのこれらの突然変異は、腫瘍抑制遺伝子の能力をなくすまたは発がん遺伝子を活性化させる場合がある。転座は、慢性骨髄性白血病の考えられる原因であることが知られてきた。
これらのオフターゲット効果を妨げる、回避する、または少なくとも減らすことは、いかなる下流ゲノム編集応用の成功にとって極めて重大である。一般に使用されているCas9ヌクレアーゼのゲノム全体でのオフターゲット突然変異を減らすための種々の戦略、例えば、標的相補性の短縮領域を保有する切詰めsgRNA、Cas9突然変異体、対になったCas9ニッカーゼ、および非特異的FokIヌクレアーゼに対して触媒的に不活性なCas9の二量体融合物が開発されてきた。しかし、これらのアプローチは、部分的にしか効果的ではないおよび/またはさらに多くのオフターゲット部位を作り出す可能性を有する。さらに、これらのアプローチは、複数のsgRNAの発現および/またはCas9への追加の機能的ドメインの融合も必要とする場合があり、このせいでターゲティング範囲が減少し、核酸のペイロードサイズが限られているウイルスベクターを使用する送達に難問を生じることがある。
従って、CRISPR/Cas9システムのオフターゲット効果を減少させることができる単純で頑強な戦略およびオフターゲット効果が減少しているCRISPR/Cas9システムの必要性が残っている。
概要
本概要は、下の詳細な説明においてさらに記載される単純化された形での概念の選択を導入するために提供される。本概要は、特許請求されている主題のキーとなる特長を特定することを意図されておらず、特許請求されている主題の範囲を決定する補助として使用されることも意図されていない。
一態様では、本開示は、エンドヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに共有結合している1つまたは複数の混合電荷部分を含み、それぞれの混合電荷部分が約10~約400の正電荷部分および約10~約400の負電荷部分を含み、負電荷部分の数に対する正電荷部分の数の比が約1:0.5~約1:2である、改変エンドヌクレアーゼを提供する。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約7.4のpHで実質的に電子的に中性である。
一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、核酸ガイドヌクレアーゼシステムタンパク質である。一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、CRISPR-関連(Cas)タンパク質、例えば、Cas9、Cas12、Cas13、Cas14、またはその突然変異体もしくはバリアントである。一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、Cas9、またはその突然変異体もしくはバリアントである。
一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、CRISPR/Casシステムにおいて活性であり、CRISPR/Casシステムは、野生型CRISPR/Casシステムと比べて減少したオフターゲット編集活性および維持されたオンターゲット編集活性を示す。一部の実施形態では、オフターゲット編集活性は、非改変エンドヌクレアーゼと比べて、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%減少している。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、エンドヌクレアーゼのアミノ酸の側鎖に、エンドヌクレアーゼのN末端アミノ基に、および/またはエンドヌクレアーゼのC末端カルボキシル基に共有結合している。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、約2kDa~約130kDaの分子量を有するペプチドである。
一部の実施形態では、改変エンドヌクレアーゼは融合タンパク質であり、混合電荷部分は、
a)複数の負電荷アミノ酸、
b)複数の正電荷アミノ酸、および
c)任意選択で、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸
からなり、
負電荷アミノ酸の数に対する正電荷アミノ酸の数の比は約1:0.5~約1:2である混合電荷ドメインである。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインはランダム配列を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、配列(X1-X2-X3)を含み、X1は正電荷アミノ酸であり、X2は負電荷アミノ酸であり、X3は何もないまたはプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される追加のアミノ酸であり、nは約5~約50の整数である。
一部の実施形態では、複数の負電荷アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびその誘導体からなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、複数の正電荷アミノ酸は、リシン、ヒスチジン、アルギニン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは複数の追加のアミノ酸を含まない。一部の実施形態では、複数の正電荷アミノ酸はリシンであり、複数の負電荷アミノ酸はグルタミン酸である。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のリシンならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のヒスチジンならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は、プロリン、セリン、およびグリシンからなる群から選択される。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は、複数のプロリンである。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のリシン、複数のグルタミン酸、および複数のプロリンを含む。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、約2kDa~約80kDaの分子量を有する合成ポリマーである。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリ(カルボキシベタイン)(PCB)、ポリ(スルホベタイン)(PSB)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC)、およびポリ(トリメチルアミンオキシド)(TMAO)ポリマーからなる群から選択される。一部の実施形態では、ポリマーはポリ(カルボキシベタイン)(PCB)である。
別の態様では、本開示は、本明細書で開示される改変エンドヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸を提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の核酸およびそれに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクターを提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の核酸または発現ベクターを含む細胞を提供する。一部の実施形態では、細胞は原核細胞または真核細胞である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、細胞は細胞培養物中にある。一部の実施形態では、細胞は生物中にある。
別の態様では、本開示は、細胞においてまたは対象においてポリヌクレオチドを編集するための方法であって、本開示の少なくとも1つの改変エンドヌクレアーゼ、核酸、または発現ベクターを細胞または対象中に導入するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAである。一部の実施形態では、核酸は改変エンドヌクレアーゼをコードするmRNAである。
前述の態様および本発明の付随する利点の多くは、添付図面と併せて解釈して以下の詳細な説明を参照することにより、これらのことがもっとよく理解されるようになるに従ってもっと容易に認識されるようになる。
図1Aは、GFP破壊アッセイおよびGFP遺伝子で使用される標的部位の模式的概要図である。 図1Bは、天然のCas9および例示的な改変Cas9(pCB-Cas9コンジュゲート)により媒介されるHEK293-GFP細胞でのGFP破壊の効率を示す図である。 図1Cは、GFP破壊アッセイにおける天然のCas9および1つ、2つ、または3つのヌクレオチド突然変異を宿すミスマッチsgRNAを有するpCB-Cas9コンジュゲートのオフターゲット編集効率を示す図である。 図2は、CRISPR/Cas9システムのオフターゲット効率を減少させる際のpCBコンジュゲーションの機構の模式図である。Cas9/sgRNA複合体は、その標的DNA部位の最適認識に必要なエネルギーよりも多くのエネルギーを有し、ミスマッチオフターゲット部位の切断をもたらす。pCBポリマーコンジュゲーションは、Cas9/sgRNA複合体と二本鎖DNAの間の非特異的結合を取り除き、それによって結合エネルギーを減少させる。残されたエネルギーは、オンターゲット結合には十分強力であるが、ミスマッチ結合には十分ではない。 図3A~3Cは、VEGF(3A)、EMX(3B)およびCLTA(3C)遺伝子座を標的にする場合のCas9:sgRNAのオンターゲットおよびオフターゲット配列を示している。 図3A~3Cは、VEGF(3A)、EMX(3B)およびCLTA(3C)遺伝子座を標的にする場合のCas9:sgRNAのオンターゲットおよびオフターゲット配列を示している。 図3A~3Cは、VEGF(3A)、EMX(3B)およびCLTA(3C)遺伝子座を標的にする場合のCas9:sgRNAのオンターゲットおよびオフターゲット配列を示している。 図3D~3Fは、3種の異なる細胞株HEK293(3D)、U2OS(3E)およびK562(3F)においてVEGF(上)、EMX(中間)およびCLTA(下)を標的にする場合の天然のCas9およびpCB-Cas9から生じるオンターゲットおよびオフターゲットDNA編集効率を示す図である。 図3D~3Fは、3種の異なる細胞株HEK293(3D)、U2OS(3E)およびK562(3F)においてVEGF(上)、EMX(中間)およびCLTA(下)を標的にする場合の天然のCas9およびpCB-Cas9から生じるオンターゲットおよびオフターゲットDNA編集効率を示す図である。 図3D~3Fは、3種の異なる細胞株HEK293(3D)、U2OS(3E)およびK562(3F)においてVEGF(上)、EMX(中間)およびCLTA(下)を標的にする場合の天然のCas9およびpCB-Cas9から生じるオンターゲットおよびオフターゲットDNA編集効率を示す図である。 図4は、例示的なpCB-Cas9コンジュゲートの調製のために使用される合成経路を示す図である。 図5は、天然Caおよび例示的なpCB10-Cas9、pCB20-Cas9、pCB50-Cas9コンジュゲートのサイズ排除クロマトグラムである。 図6Aおよび6Bは、天然Cas9(6A)およびpCB-Cas9(6B)についての例示的な最適sgRNA対タンパク質比を示す図である。実験はすべて、110μlの容積を使用する96ウェルプレートで実施した。 図6Aおよび6Bは、天然Cas9(6A)およびpCB-Cas9(6B)についての例示的な最適sgRNA対タンパク質比を示す図である。実験はすべて、110μlの容積を使用する96ウェルプレートで実施した。 図7Aおよび7Bは、Cas9/sgRNA(7A)およびpCB-Cas9/sgRNA(7B)の送達効率および細胞傷害性に対するCRISPRMAX投与の効果を示す図である。 図7Aおよび7Bは、Cas9/sgRNA(7A)およびpCB-Cas9/sgRNA(7B)の送達効率および細胞傷害性に対するCRISPRMAX投与の効果を示す図である。 図8A~8Cは、例示的な改変Cas9(Cas9-(EK)n)をコードする発現プラスミドの構築を示す図である。 図8A~8Cは、例示的な改変Cas9(Cas9-(EK)n)をコードする発現プラスミドの構築を示す図である。 図8A~8Cは、例示的な改変Cas9(Cas9-(EK)n)をコードする発現プラスミドの構築を示す図である。 図9は、in vitro転写されたCas9およびCas9-EK mRNAプレ-およびポスト-ポリアデニル化のゲル電気泳動図である。 図10は、市販のCas9 mRNAおよび実験室調製Cas9 mRNAを使用するCas9の遺伝子編集効率のグラフである。 図11A~11Cは、HEK293-GFP細胞における標的部位GFP(11A)、VEGF(11B)、およびEMX(11C)についての天然Cas9、Cas9-(EK)10、(EK)10-Cas9-(EK)10、およびCas9-(EK)30から生じるオンターゲットDNA編集のゲル電気泳動図である。 図11Dは、図11A~Cに示される定量化データのグラフである。
詳細な説明
クラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質(Cas)システムは、多くの異なる用途で広く使用されている強力なゲノム編集ツールである。しかし、意図されているオンターゲット部位以外の部位でのRNAガイドCasタンパク質により誘導される高頻度突然変異は、治療および臨床応用を妨げる大きな懸念である。理論に縛られたくはないが、大半のオフターゲットイベントはシングルガイドRNA(sgRNA)と標的DNAの間の非特異的ミスマッチから生じるので、本発明者らは、非特異的RNA-DNA相互作用を最小限に抑えることが、この問題の効果的な解決であり得るとの仮定を立てた。
本発明者らは、Cas9などのエンドヌクレアーゼを、混合電荷部分を用いて改変することにより、このミスマッチ問題は最小限に抑えることができる(例えば、Cas9を双性イオンポリマーとコンジュゲートするまたは混合電荷ペプチドドメインをエンドヌクレアーゼのNおよび/またはC末端に付加することにより)ことを実証した。本開示のCRISPR/Casリボ核タンパク質(RNP)は、オフターゲットDNA編集は減少しているが類似するレベルのオンターゲット遺伝子編集活性を示している。このアプローチは、CRISPR/Cas技術の多様なバイオテクノロジー適用および治療応用を促進する潜在力のあるゲノム編集の開発を合理化するための簡単で効果的な方法を提供する。
従って、一態様では、本開示は、エンドヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに共有結合している1つまたは複数の混合電荷部分を含み、それぞれの混合電荷部分が約10~約400の正電荷部分または基および約10~約400の負電荷部分または基を含み、負電荷部分または基の数に対する正電荷部分または基の数の比が約1:0.5~約1:2である、改変エンドヌクレアーゼを提供する。
一部の実施形態では、1つまたは複数の混合電荷部分は、約20~約300、約30~約200、約30~約150、または約30~約100の正電荷部分または基を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の混合電荷部分は、約20~約300、約30~約200、約30~約150、または約30~約100の負電荷部分または基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「混合電荷部分」とは、実質的に等しい数の正電荷基と負電荷基を有して生理的に適切なpHで実質的に電子的に中性である部分を提供する部分のことである。一部の実施形態では、混合電荷部分は約7.4のpHで実質的に電子的に中性である。混合電荷部分は双性イオン部分を含む。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に電子的に中性」とは、実質的にゼロの正味荷電を有する部分のことである。一部の実施形態では、負電荷部分または基の数に対する正電荷部分または基の数の比が約1:1.1~約1:0.5である。一部の実施形態では、負電荷部分または基の数に対する正電荷部分または基の数の比が約1:1.1~約1:0.7である。一部の実施形態では、負電荷部分または基の数に対する正電荷部分または基の数の比が約1:1.1~約1:0.9である。
本開示の改変エンドヌクレアーゼは、CRISPR/Casシステム、例えば、ゲノム工学などのポリヌクレオチド編集に適合させるクラス2クラスター化した規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)システムにおいて活性である。そのような操作されたCRISPRシステムは、典型的には2つの成分:ガイドRNA(gRNAまたはsgRNA)およびCRISPR関連エンドヌクレアーゼ(Casタンパク質)を含有する。gRNAは、Cas結合に必要なスキャフォールド配列および改変されるポリヌクレオチド(例えば、ゲノム)標的を定義するユーザー定義のヌクレオチドスペーサーで構成された短い合成RNAである。従って、Casタンパク質の標的は、gRNAに存在する標的配列を簡単に変えることにより変化させることができる。
本開示の改変エンドヌクレアーゼには、非改変(例えば、野生型)エンドヌクレアーゼと比べてある特定の有利な特性がある。具体的には、本明細書で開示される改変エンドヌクレアーゼは、CRISPR/Casシステムで使用される場合、非改変エンドヌクレアーゼと比べて減少したオフターゲット活性を有する一方でそのオンターゲット活性を実質的に維持することができる。一部の実施形態では、改変エンドヌクレアーゼは、核酸ガイドヌクレアーゼシステムタンパク質、例えば、RNAガイドヌクレアーゼなどのエンドヌクレアーゼを含む。適切なエンドヌクレアーゼは、Cas9、Cas12、Cas13、Cas14、ならびにその突然変異体およびバリアントを含む。本明細書で使用される場合、「Cas突然変異体」または「Casバリアント」とは、野生型Casタンパク質のヌクレアーゼ活性、RNA結合活性、またはDNAターゲティング活性のうちの実質的に1つまたは複数を保持するタンパク質または野生型Casタンパク質のポリペプチド誘導体のことである。一部の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドは、配列番号1によりコードされるタンパク質の断片を含む、からなる、またはから本質的になることができる。一部の実施形態では、突然変異体またはバリアントは、配列番号1によりコードされるタンパク質に少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、および少なくとも99%を含むがこれらに限定されない50%から100%までの、50%と100%を含む、任意の数字)同一である。一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼはCas9またはその突然変異体もしくはバリアントである。
本開示の改変エンドヌクレアーゼは、CRISPR/Casシステムで使用される場合、野生型CRISPR/Casシステム(すなわち、対応する非改変エンドヌクレアーゼを含むCRISPR/Casシステム)と比べて減少したオフターゲット編集活性および維持されたオンターゲット編集活性を示す。一部の実施形態では、オフターゲット編集は、望ましくないゲノム位置および/または望ましくない遺伝子標的での編集を含む。一部の実施形態では、オフターゲット編集は、望ましくないゲノム位置および/または望ましくない遺伝子標的での意図されないゲノム改変を含む。一部の実施形態では、オフターゲット編集は、非特異的および/または意図されない遺伝子改変を含む。一部の実施形態では、オフターゲット編集は、意図されない/望ましくない遺伝子改変、例えば、点突然変異、欠失、挿入、逆位および/または転座を含む。一部の実施形態では、オフターゲット編集は、挿入および/または欠失(インデル)を含む。一部の実施形態では、オフターゲット活性は、非改変エンドヌクレアーゼと比べて、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%減少する。一部の実施形態では、オフターゲット編集活性は、標的が1つ、2つ、3つ、またはそれよりも多いミスマッチを含む場合、非改変エンドヌクレアーゼと比べて、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%減少する。
本明細書で開示される改変エンドヌクレアーゼでは、1つまたは複数の混合電荷部分をいかなる適切な方法でも非改変エンドヌクレアーゼに結合させることができる。一部の実施形態では、改変エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼの1つまたは複数のアミノ酸の側鎖に、例えば、リシンのアミノ基に結合している混合電荷部分を含む。部分、例えば、混合電荷部分に共有結合する方法は、当技術分野では公知である。例えば、1つのそのような例示的な方法は図4に示されている。一部の実施形態では、改変エンドヌクレアーゼは短いリンカー、例えば、2~10個の炭素原子を含み、エンドヌクレアーゼと混合電荷部分を連結している任意選択的に置換されたアルキレンまたは任意選択的に置換されたヘテロアルキレンを含むことができる。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、エンドヌクレアーゼのN末端またはC末端に結合させることができる。一部の実施形態では、エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼのN末端とC末端に結合している2つの混合電荷部分を含むことができる。
本明細書で開示されるエンドヌクレアーゼの改変に適した混合電荷部分の例は、合成ポリマーおよびペプチドを含む。一部の実施形態では、混合電荷部分は、正電荷基を有する繰り返し単位と負電荷基を有する繰り返し単位を含む合成コポリマー、例えば、ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、双性イオン性繰り返し単位を含む、すなわち、陽性基と陰性基の両方が同じ繰り返し単位中に存在している双性イオン性合成ポリマーである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、実質的に等しい数の正電荷アミノ酸と負電荷アミノ酸を含むペプチドである。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、ポリマー骨格に沿って正電荷または負電荷である広範な領域がない(すなわち、正電荷および負電荷の構成単位がポリマー骨格に沿って比較的均一に分布している)ランダムコポリマーである。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、双性イオン性ポリマーである。適切な双性イオン性ポリマーの非限定的例は、ポリ(カルボキシベタイン)(PCB)、ポリ(スルホベタイン)(PSB)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC)、およびポリ(トリメチルアミンオキシド)(TMAO)を含む。一部の実施形態では、混合電荷部分はポリ(カルボキシベタイン)(PCB)である。
一部の実施形態では、混合電荷部分は、約2kDa~約80kDaの分子量を有する合成ポリマーである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約5kDa~約50kDaの分子量を有する合成ポリマーである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約5kDa~約40kDaの分子量を有する合成ポリマーである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約5kDa~約30kDaの分子量を有する合成ポリマーである。
一部の実施形態では、混合電荷部分はペプチドである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約2kDa~約130kDaの分子量を有するペプチドである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約2kDa~約80kDaの分子量を有するペプチドである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約5kDa~約70kDaの分子量を有するペプチドである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約10kDa~約60kDaの分子量を有するペプチドである。一部の実施形態では、混合電荷部分は、約10kDa~約50kDaの分子量を有するペプチドである。
本開示の改変エンドヌクレアーゼは融合タンパク質を含む。本明細書で使用される場合、「融合タンパク質」は、単一の単位として転写され翻訳されて、単一のポリペプチドを産生するように結合されている別々の遺伝子によりコードされている少なくとも2つのドメインからなるタンパク質である。
一部の実施形態では、改変エンドヌクレアーゼは融合タンパク質であって、混合電荷部分は、
a)複数の負電荷アミノ酸、
b)複数の正電荷アミノ酸、および
c)任意選択で、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸
からなり、
正電荷アミノ酸の数に対する負電荷アミノ酸の数の比は約1:0.5~約1:2である混合電荷ドメインである、融合タンパク質。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは複数の追加のアミノ酸を含まない。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数の負電荷アミノ酸と複数の正電荷アミノ酸から本質的になる。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインはランダム配列を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、1つまたは複数の正電荷アミノ酸、1つまたは複数の負電荷アミノ酸、および1つまたは複数の追加のアミノ酸を含む配列の繰り返しを含む。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、配列(X1-X2-X3)を含み、X1は正電荷アミノ酸であり、X2は負電荷アミノ酸であり、X3はプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される追加のアミノ酸であり、nは約5~約50の整数である。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、配列(E-K-X)nを含み、ここで、Eはリシン、Kはグルタミン酸、Xは何もないまたはプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびそれらの誘導体からなる群から独立して選択される追加のアミノ酸であり、nは約5~約50の整数である。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、配列(E-K-P)nを含み、ここで、Eはリシン、Kはグルタミン酸、Pはプロリンであり、nは約5~約50の整数である。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、配列(E-K)nを含み、ここで、Eはリシン、Kはグルタミン酸であり、nは約5~約50の整数である。
混合電荷ドメインは典型的には約6またはそれよりも多いアミノ酸を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、約6~約1000アミノ酸、約20~約1000アミノ酸、約30~約1000アミノ酸、約50~約1000アミノ酸、約80~1000約アミノ酸、約80~約600アミノ酸、または約50~約500アミノ酸を含む。
本明細書で開示される融合タンパク質の混合電荷ドメインは、負電荷アミノ酸と正電荷アミノ酸を実質的に等しい数で含む。一部の実施形態では、正電荷アミノ酸の数に対する負電荷アミノ酸の数の比は、約1:0.5~約1:2、約1:0.7~約1:1.4、約1:0.8~約1:1.25、または約1:0.9~約1:1.1である。従って、混合電荷ドメインは実質的に電子的に中性である。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、約7.4のpHで実質的に電子的に中性である。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のリシン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のヒスチジン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む。
一部の実施形態では、混合電荷ドメイン中の複数の追加のアミノ酸は、セリン、アスパラギン、グリシン、およびプロリンからなる群から選択される。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は、セリン、グリシン、およびプロリンからなる群から選択される。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は、セリンおよびグリシンからなる群から選択される。改変エンドヌクレアーゼの混合電荷ドメインは、一種類のみの追加のアミノ酸(例えば、プロリン)、2つの異なる追加のアミノ酸(例えば、プロリンおよびグリシン)、3つの異なる追加のアミノ酸(例えば、セリン、グリシン、およびプロリン)を含むことができる。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは1つの追加のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、混合電荷ドメインは2つの追加のアミノ酸を含む。
一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は複数のプロリンである。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は複数のグリシンである。一部の実施形態では、複数の追加のアミノ酸は複数のセリンである。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のリシン、複数のグルタミン酸、ならびにセリン、グリシン、およびプロリンからなる群から選択される複数の追加のアミノ酸を含む。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数のリシン、複数のグルタミン酸、ならびにグリシン、およびプロリンからなる群から選択される複数の追加のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、複数の正電荷アミノ酸はリシン(K)であり複数の負電荷アミノ酸はグルタミン酸(E)である。
一部の実施形態では、混合電荷ドメインは、複数の負電荷アミノ酸、複数の正電荷アミノ酸、ならびにプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸、ならびに任意選択的に、融合タンパク質の親和性精製用に使用することができる親和性タグ、例えば、ヒスチジンタグから本質的になる。一部の実施形態では、電荷ドメインは、複数のグルタミン酸、複数のリシン、ならびにプロリンおよびグリシンからなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸、ならびに任意選択的に、融合タンパク質の親和性精製用に使用することができる親和性タグ、例えば、ヒスチジンタグから本質的になる。
一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質は、融合タンパク質の親和性精製用に使用することができる親和性タグ(例えば、ヒスチジンタグ)などの任意選択のドメインを含むことができる。
電荷ドメイン中のアミノ酸は、いかなる方法または配列でも、例えば、上に記載される方法で配置することができる。一部の実施形態では、電荷ドメインは、ランダムコイルポリペプチドである。
本明細書で開示される融合タンパク質は、例えば、分子クローニング技法を使用して、いかなる適切な方法ででも調製することができる。
従って、一態様では、改変エンドヌクレアーゼが融合タンパク質である場合、本開示は、本開示の改変エンドヌクレアーゼの配列を含む核酸を提供する。一実施形態では、本開示は、融合タンパク質、すなわち、改変エンドヌクレアーゼをコードする単離された核酸を提供する。単離された核酸配列はRNAまたはDNAを含むことができる。本明細書で使用される場合、「単離された核酸」は、ゲノム中のまたはcDNA配列中のその正常な周囲の核酸配列から取り除かれている核酸である。そのような単離された核酸配列は、前述したコードされたポリペプチドの発現および/または精製を促進するのに有用である追加の配列をさらに含むことができる。一部の実施形態では、核酸は、配列番号2~4によりコードされたタンパク質の断片を含む、からなる、またはから本質的になることができる。一部の実施形態では、核酸は、改変エンドヌクレアーゼをコードするmRNAである。一部の実施形態では、核酸は、配列番号2~4の配列のDNAである。
融合タンパク質、すなわち、本開示の改変エンドヌクレアーゼをコードする核酸は、適切な発現ベクター中に組み込むことができる。従って、本開示は、本開示の改変エンドヌクレアーゼをコードする核酸およびそれに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクターを提供する。発現ベクターまたは発現構築物は、特定の遺伝子を宿主細胞内に運び入れ細胞のタンパク質合成機械を使用して遺伝子にコードされたタンパク質を産生するDNA分子などの核酸である。発現ベクターは、遺伝子の効率的な転写を可能にする遺伝子発現に不可欠なエレメント、例えば、遺伝子に作動可能に連結されたプロモーター領域も含有する。タンパク質の発現は制御することが可能であり、タンパク質は、誘導物質を使用することにより、必要な時だけ有意量で産生される。大腸菌はタンパク質産生のための宿主として一般に使用されているが、他の細胞型、例えば、酵母、昆虫細胞、および哺乳動物細胞も使用可能である。
別の態様では、本開示の改変エンドヌクレアーゼをコードする核酸またはベクターを含む細胞が本明細書で提供される。細胞は原核細胞または真核細胞が可能である。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、細胞は細胞培養物中にある。一部の実施形態では、細胞は生物中にある。
一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質(すなわち、改変エンドヌクレアーゼ)はin vitroまたはin vivoで発現させることが可能である。
一部の実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質は、任意の適切な発現系、例えば、大腸菌(Escherichia coli)発現系、枯草菌(Bacillus subtilis)発現系、または任意の他の原核生物発現系を使用して合成することができる。
一部の実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)発現系を使用して合成することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質は、ヒト胚腎臓293発現系を使用して合成することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質は、チャイニーズハムスター卵巣発現系を使用して合成することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示される融合タンパク質は、無原核細胞または無真核細胞発現系を使用して合成することができる。
本明細書で開示される融合タンパク質の回収および精製は、いかなる適切な方法またはそのような方法の組合せによっても達成することができる。一部の実施形態では、タンパク質沈殿技法を使用することができる。一部の実施形態では、精製はサイズ排除クロマトグラフィーを含むことができる。一部の実施形態では、精製はイオン交換クロマトグラフィーを含むことができる。一部の実施形態では、精製は脱塩カラムの使用を含むことができる。一部の実施形態では、精製は親和性クロマトグラフィーを含むことができる。
別の態様では、細胞においてまたは対象においてポリヌクレオチドを編集するための方法であって、本開示の少なくとも1つの改変エンドヌクレアーゼ、本開示の核酸、または本明細書で開示される発現ベクターを細胞または対象中に導入するステップを含む方法が本明細書で提供される。本明細書で開示される改変エンドヌクレアーゼにより編集するのに適したポリヌクレオチドは、DNAおよびRNAを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはゲノムDNA、例えば、ヒトゲノムDNAである。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはミトコンドリアDNAである。改変エンドヌクレアーゼならびにそれをコードする核酸およびベクターは、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して細胞または対象中に導入することができる。
本開示の改変エンドヌクレアーゼは、遺伝子工学、in vivoおよびex-vivoでの治療遺伝子編集、ならびに診断適用を含む広範囲の使用を有する。
本明細書で特に定義されなければ、本明細書で使用される用語はすべて、本発明の分野の当業者にとって有すると考えられるのと同じ意味を有する。当技術分野の定義および用語については、実行者は特にSambrook J.ら、(編)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Press、Plainsview、New York(2001);Ausubel、F.M.ら、(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、New York(2010);およびColigan、J.E.ら、(編)、Current Protocols in Immunology、John Wiley&Sons、New York(2010)に案内される。さらに、分子生物学での一般用語の定義は、Benjamin Lewin、Genes IX、published by Jones and Bartlet、2008年(ISBN 0763752223);Kendrewら、(編)、The Encyclopedia of Molecular Biology、published by Blackwell Science Ltd.、1994年(ISBN 0632021829);およびRobert A.Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference、published by VCH Publishers、Inc.、1995年(ISBN 9780471185710)に見出される。対立する場合には、明細書中の用語が統制する。
特許請求の範囲での用語「または(or)」の使用は、代替物のみに言及するまたは代替物が相互に排他的であることが明白に示されていなければ「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみに言及する定義および「および/または」を支持する。単語「1つ(a)」および「1つ(an)」は、特許請求の範囲または明細書において単語「含む(comprising)」と併せて使用される場合、特に言及されなければ、1つまたは複数を意味する。
文脈が別段はっきりと要求しなければ、記述および特許請求の範囲全体を通じて、単語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」および同類のものは、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味を示していると解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語は、それぞれ複数および単数も含む。説明する目的で、「A/B」の形のまたは「Aおよび/またはB」の形の語句は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。説明する目的で、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」の形の語句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)を意味する。説明する目的で、「(A)B」の形の語句は(B)または(AB)を意味し、すなわち、Aは任意選択的要素である。さらに、単語「本明細書で」、「上の」、および「下の」、ならびに類似する意味の単語は、本出願において使用される場合、本出願全体を指し本出願のいかなる特定の部分も指さないものとする。単語「約(about)」は、記述されている参照数よりも上または下の小変動の範囲内の数を示している。例えば、一部の実施形態では、「約」は、示されている参照数よりも10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%上または下の範囲内の数字を指すことができる。
開示されている方法および組成物の産物のために使用することができる、産物と併せて使用することができる、産物の調製において使用することができる、または産物である材料、組成物、および成分が開示される。これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群、等が開示される場合、これらの成分のそれぞれの単一組合せおよび順列への特定の言及が明白に開示されていないとしても、様々な個別的および集合的組合せのそれぞれが具体的に想定されていることが理解される。この考え方は、記載されている方法におけるステップを含むがこれに限定されない本開示の態様すべてに当てはまる。従って、任意の前述の実施形態の特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わせるかまたは代わりに用いることができる。例えば、実施することができる種々の追加のステップがある場合、これらの追加のステップのそれぞれは、任意の特定の方法ステップまたは開示された方法の方法ステップの組合せを用いて実施することができること、およびそれぞれのそのような組合せまたは組合せのサブセットは具体的に想定されており開示されていると見なされるべきであることが理解されている。さらに、本明細書に記載される実施形態は、本明細書の他の場所に記載されている材料などのまたは当技術分野で公知である任意の適切な材料を使用して実行できることが理解されている。
本明細書で引用されるすべての出版物および出版物が引用される主題は、これにより参照によりその全体を具体的に組み込まれる。
以下の実施例は、本開示のある特定の特長および/または実施形態を説明するために提供される。実施例は、本開示に記載されている特定の特長または実施形態に限定すると解釈されるべきではない。
実施例1 混合電荷ポリマーとのコンジュゲーションによる例示的な改変エンドヌクレアーゼの調製
この実施例では、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来のCas9ヌクレアーゼを、親水性双性イオン性合成ポリマーとのコンジュゲーションにより改変した。
1.1 N-ヒドロキシスクシンイミドポリ(カルボキシベタインアクリルアミド)(NHS-PCBAA)の合成
pCB-NHSは以前記載された通りに合成した。手短に言えば、3-アクリルアミド-N-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-N,N-ジメチルプロパン-1-アミニウム(CBAAM-tBu)を合成した。次に、典型的な可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合反応を実施して、10kDaのSH-pCBポリマーを得た。最終的な無色のNHS-活性化ポリマーは、DI水(pH6)中30分間のAMASとの1:10のモル比での反応により形成され、続いてAmicon回転透析チューブおよび48時間の凍結乾燥によって未反応のAMASを取り除いた。
1.2 pCB-Cas9コンジュゲートの調製および特徴付け
pCB-Cas9のコンジュゲートは、ポリマーのNHSエステル基をタンパク質上の利用できるアミン基と反応させることにより合成した。典型的なコンジュゲーション反応では、1:10、1:20、または1:50のモル比のCas9ヌクレアーゼとNHS-pCBを、50mMのホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9.0に溶解した。最終タンパク質濃度は約5mg/mLであった。反応混合液は4℃で2時間撹拌し、氷酢酸を用いて混合液のpHを4.5に合わせることにより停止した。ポリマー-タンパク質コンジュゲートは、分画分子量(MWCO)回転透析膜、続いてイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、タンパク質コンジュゲートの流体力学サイズを測定した。
1.3 sgRNAのin vitro合成
sgRNAのin vitro合成は、EnGen(登録商標)sgRNA合成キットを製造業者が推奨する条件で使用して実行した。sgRNA産物は、GeneJET RNAクリーンアップおよび濃縮マイクロキットを手引きに記載される通りに使用して精製した。RNAの濃度は、マイクロプレートリーダー上で260nmでの吸光度を測定することにより決定した。
1.4 哺乳動物細胞培養
HEK 293-GFP細胞は、10%のFBSを補充したDMEM培地で維持した。U2OS細胞は、25mMのHEPESおよび10%のFBSを補充したマッコイ5A改変培地で維持した。K562細胞は、10%のFBSを含有するRPMI 1640培地で増殖させた。解凍後、細胞はトランスフェクション用に使用する前に4~5回継代した。トランスフェクション用の実験を準備すると、培養された細胞は24ウェルフォーマット(500μl容積)の完全成長培地において、その次の日に約70%コンフルエンスに到達するのに必要な細胞密度で蒔いた。完全血清培地は同じであるが抗生物質を含有しない培地で、送達の少なくとも1時間前に置き換えた。培養物はすべて、加湿インキュベーターにおいて37℃で5%CO中に維持した。
1.5 Cas9タンパク質とsgRNAのin vitro同時送達
Cas9タンパク質トランスフェクションでは、200ngの精製Cas9タンパク質を5μlのOpti-MEM培地に添加し、続いて50ngのgRNAを添加した。Cas9タンパク質に対するgRNAのモル比はおおよそ1~1.2:1に保った。試料はチューブを数回穏やかにたたくことにより混合し、次に、室温で10分間インキュベートした。別の試験チューブで、0.8μlのリポフェクタミンCRISPRMAXトランスフェクション試薬をOpti-MEM培地で5μlまで希釈した。希釈されたトランスフェクション試薬は、Cas9タンパク質/gRNA複合体を含有するチューブに移し、続いて室温で10分間インキュベートし、次に全溶液を24ウェルプレートの細胞に添加し、プレートを穏やかに旋回させることにより混合した。プレートは、5%COインキュベーターにおいて37℃で48時間インキュベートした。
1.6 ヒト細胞におけるオン-およびオフ-ターゲット突然変異頻度の決定
ゲノムDNAは、Quick-DNA Miniprep(Zymo Research)を製造業者の説明書に従って使用して、U2OS、HEK293またはK562細胞からトランスフェクションの2日後に収穫した。100ngの単離されたゲノムDNAを鋳型として使用して、標的にされたゲノム部位を、プライマー対を用いてPCR増幅させた。PCR産物はPureLink(商標)PCR精製キット(Thermo Fisher)を用いて精製し、マイクロリーダー上で定量化した。250ngの精製PCR DNAを2μlのNEBuffer2(NEB)と全容積19μlで組み合わせて変性し、次に95℃で5分間、2℃/秒で95-85℃、0.2℃/秒で85-20℃の熱サイクリングで再アニールした。再アニールしたDNAは1μlのT7エンドヌクレアーゼI(10U/μl、NEB)と一緒に37℃で30分間インキュベートした。Cas9誘導切断バンドおよび非切断バンドはUV光下で可視化し、ImageJソフトウェア30を使用して定量化した。切断バンドのピーク強度は全バンド(非切断+切断バンド)の全強度で割って切断された画分を決定し、この画分を使用して遺伝子改変レベルを推定した。それぞれの試料では、トランスフェクションおよびそれに続く改変測定は異なる日に3通り実施した。オフターゲット分析は、バイオインフォーマティクスベースの検索ツールを使用して実施して潜在的オフターゲット部位を選択し、これはT7EI突然変異検出アッセイも使用して評価した。
1.7 サンガーシーケンシング
突然変異率をもっとよく決定するため、T7EIアッセイ用に使用したのと同じ精製PCR産物を配列決定して、個々の突然変異を観察し突然変異スペクトラムを決定した。サンガーシーケンシングを使用して、改変されたおよび非改変CRISPR/Cas9システムについて遺伝子改変頻度を確かめた。結果は、ICE解析(Synthego)により解析した。
1.8 結果
ヌクレアーゼの「オフターゲット」活性は、本来Cas9/sgRNA複合体が、その意図される標的DNA部位の効果的な認識のために必要とされるよりも多くのエネルギーを有するために生じる。その結果、複合体は高い特異性を欠き、オンターゲットDNA鎖に類似する配列に結合することができる。従って、本発明者らは、CRISPR/Cas9のオフターゲット効果は、その標的DNA部位との非特異的相互作用を減少させることにより最小限に抑えられると仮定した。
双性イオン性ポリ(カルボキシベタイン)(pCB)ポリマーは高度に水和され、非特異的相互作用に効果的に抵抗性である。以前、pCBポリマーは、キモトリプシン(CT)、ウリカーゼ、およびインターフェロン-α2aにコンジュゲートされてタンパク質の生物活性を保っていた。このポリマーの超親水性は、平衡を移し、基質と結合部位が相互作用するのに有利に働く環境を生み出す。pCBコンジュゲートタンパク質は、その周囲の環境との減少した非特異的相互作用を見せることが実証されてきた。本発明者らは、非特異的相互作用を減少させると、タンパク質循環時間を有意に増しタンパク質特異的抗体産生をin vivoで減少させることが示されることを以前実証した。
特異的なDNA-sgRNAマッチングは非特異的相互作用よりもはるかに強力なので、本発明者らは、pCBコンジュゲーションは非特異的相互作用を減少させ、それでもオンターゲットDNA鎖を有するほど強い特定の相互作用を維持することができると仮定した。この戦略を用いれば、CRISPR/Cas9のオフターゲット効果を最小限に抑えることができる。従って、例示的なエンドヌクレアーゼ、Cas9をpCBポリマーにコンジュゲートし、こうして得られたコンジュゲートのオンターゲットおよびオフターゲット効率は調べられてきた。pCBコンジュゲートCRISPR/Cas9システムの特異性を評価するため、複数のsgRNA標的DNAインターフェイス内に単一、二重、または三重の置換を含有する一連のミスマッチsgRNAを設計した。異なる内在性ヒト遺伝子を試験した。例示的な改変エンドヌクレアーゼ(例えば、本明細書で開示されるpCBコンジュゲート)は、非改変(野生型)Cas9と比べて、オフターゲット活性は減少しているが、類似するレベルのオンターゲット遺伝子編集効率を示した。従って、Cas9などのRNAガイドエンドヌクレアーゼを、混合電荷部分を用いて改変すると、CRISPR/Cas9システムベースの遺伝子編集に簡単で、安全で、頑強な戦略を提供できる。
CRISPR/Cas9システムのオフターゲット効率に対する双性イオン性pCBポリマーコンジュゲーションの効果を調べるため、タンパク質当たり異なる数のポリマー鎖を有する一連の例示的pCB-Cas9コンジュゲートを調製した。pCB-Cas9のコンジュゲートは、ポリマーのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基をタンパク質上の利用できるアミン基と反応させることにより合成した。反応図式は図5に図示されている。ポリマー密度は、反応でのCas9とNHS-pCBの間のモル比を変更することにより制御された。pCB10-Cas9、pCB20-Cas9、およびpCB50-Cas9と表された例示的な改変エンドヌクレアーゼは、それぞれ1:10、1:20、および1:50のモル比で合成された。天然の(非コンジュゲート)Cas9タンパク質は、本開示全体を通じて比較のために使用された。天然のCas9とpCB-Cas9コンジュゲートの間のサイズの違いは図6に示されており、この図は、ポリマー-タンパク質コンジュゲートの合成に成功していることを確証している。
ほぼすべての場合で、ポリマーとの共有結合コンジュゲーションによるタンパク質の表面改変、例えば、ペグ化はコンジュゲートタンパク質のin vitro生物活性を低下させる。従って、本発明者らは、双性イオン性ポリマーが存在すればコンジュゲーション後オンターゲット活性が損なわれるのかどうかを先ず試験した。これらの実験では、標的にされたヌクレアーゼ活性の迅速な定量化を可能にする確立したCas9誘導GFP破壊アッセイが使用された(Y.Fu、J.A.Foden、C.Khayter、M.L.Maeder、D.Reyon、J.K.Joung、J.D.Sander、Nature biotechnology 2013年、31巻、822頁、前記文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
このアッセイでは、ヒトHEK293-GFP細胞中のゲノムGFPレポーター遺伝子が標的にされた。その活性はヒトHEK293-GFP細胞中の蛍光シグナルの消失を測定することにより定量化され、この消失はオンターゲットCRISPR/Cas9切断により引き起こされる(図1A)。細胞は、10%のFBSを含有するDMEMにおいて48時間、50ngのsgRNAおよび200ngの天然Cas9/Cas9と同量pCB-Cas9コンジュゲートをCRISPRMAX(図7および8)と一緒に用いて処置してGFPレポーター遺伝子の破壊を誘導した。図1Bに示されるように、例示的なエンドヌクレアーゼpCB10-Cas9およびpCB20-Cas9は天然のCas9に匹敵する編集効率を示し、約60%の細胞が処置後そのGFP発現を失ったことが分かった。結果により、pCBポリマーが存在してもCRISPR/Cas9システムの「オンターゲット」編集効率は損なわれないことが実証された。しかし、pCB50-Cas9で処置された場合は40%のGFP陰性細胞しか見出されなかった(図1B)。これはより多くのpCBポリマーの存在のせいであり、このポリマーはDNAとCRISPR/Cas9 RNPの間の結合を物理的に妨げることができる。
オフターゲット活性を減少させるうえでのpCBコンジュゲートの潜在能力を探るため、1つ、2つ、または3つのミスマッチヌクレオチドを有する標的部位用のバリアントsgRNAを無作為に作製し、これらのミスマッチsgRNAがヒト細胞においてオフターゲットGFP破壊を駆り立てることができるかどうかを試験した(図1C)。pCBコンジュゲーションがオフターゲティングを減らすことができるならば、pCB-Cas9コンジュゲートは天然のCas9ほどミスマッチに耐性ではないと考えられる。図1Cに示されているように、天然のCas9は、ミスマッチsgRNAを使用する場合、ヒト細胞において実質的なGFP遺伝子破壊をそれでも誘導できる。これとは対照的に、pCB-Cas9コンジュゲートは、ミスマッチsgRNAを使用した場合、GFP破壊効率の有意な減少を示した(図1C)。1つ、2つ、または3つのヌクレオチドミスマッチがsgRNAに存在する場合、pCB10-Cas9はそれぞれ35.6%、21.9%、および5.6%のGFP破壊を誘導し、pCB20-Cas9はそれぞれ14.2%、8.9%、および0%のGFP破壊をもたらした。pCB50-Cas9は、2つまたは3つのヌクレオチドミスマッチが存在する場合、検出可能なGFP破壊を生じなかった。これらのデータは、pCBコンジュゲーションが、ミスマッチsgRNAが使用された場合、オフターゲット遺伝子編集を有意に減少できることを示唆している。オンターゲットとオフターゲット効率の両方を考慮に入れると、pCB20-Cas9は、完全なオンターゲット効率を示しオフターゲット効率を有意に減少させたが、下に記載されるさらなる研究のために選択された。
pCB-Cas9に対するミスマッチの効果をさらに評価するため、1つ、2つ、または3つのヌクレオチド突然変異を保有する追加のsgRNAを設計した。表1に示されるように、天然のCas9は単一ミスマッチシナリオでは有意なオフターゲット編集を見せた(57.4%、60.6%、および49.3%)。これらのオフターゲット編集効率は、上で考察された完全適合シナリオでのそのオンターゲット編集効率(62.6%)に非常に近い。これとは対照的に、同じミスマッチsgRNAを使用すると、例示的なpCB20-Cas9コンジュゲートは有意に減少したオフターゲット編集効率を示した(14.2%、12.6%、および6.8%)。この編集効率は、完全適合シナリオでのその編集効率(67.4%)よりも80%以上低い。この観察は、sgRNAが2つまたは3つのミスマッチを有する別の2つのシナリオで確かめられた。sgRNAに3つのミスマッチが提示されている場合、天然Cas9はそれでも正の編集効率(12.4%、7.9%、9.3%)を見せた。これとは対照的に、pCB-Cas9コンジュゲート群では「オフターゲット」効率は観察されない。これは、pCBコンジュゲートCRISPR/Cas9がDNA編集では高い分解能を有し、単一塩基のレベルでミスマッチを区別できることを示している。
Figure 2022551931000002
ヌクレアーゼの「オフターゲット」活性は根本的に、Cas9/sgRNA複合体が有する余分なエネルギーにより引き起こされ、完全な特異性の欠如をもたらすことが知られている。そのような余分なエネルギーは、主に非特異的力、特に疎水性力および静電気的力に由来する。タンパク質を非汚染性ポリマー物質で被覆すると、これらの非特異的相互作用を変更することができ、エネルギーを下げ特異的な結合を促進する鍵となる。ヌクレアーゼの「オフターゲット」活性は根本的に、Cas9/sgRNA複合体が有する余分なエネルギーにより引き起こされ、完全な特異性の欠如をもたらすことが知られている。そのような余分なエネルギーは、主に非特異的力、特に疎水性力および静電気的力に由来する。タンパク質を非汚染性ポリマー物質で被覆すると、これらの非特異的相互作用を変更することができ、エネルギーを下げ特異的な結合を促進する鍵となる。この数年にわたって、天然に存在するベタインを主成分とする双性イオン性物質、例えば、pCBは特に高い水和作用を有する。その結果、複雑な生物媒体中の超低非特異的吸着が、異なるシナリオで観察されてきた。本発明者らは、Cas9にpCBをコンジュゲートすると、Cas9/sgRNA複合体と標的DNAの間の非特異的結合力を減らすことができると仮定した。図2に示されるように、天然のCas9では、Cas9/sgRNA複合体が有するエネルギーは、sgRNAとDNAの間のオンターゲット結合に必要とされる最小エネルギーよりもはるかに高い。その結果、RNP複合体は、1つまたは複数のミスマッチヌクレオチドが存在していてもそれでも十分なエネルギーを有する。pCBコンジュゲートがあれば、前述の非特異的結合、特に疎水性-疎水性相互作用は、有意に減少する。複合体は、ミスマッチヌクレオチドが配列上に存在する場合、十分なエネルギーなしでは二本鎖DNAに結合することはできない。その結果、オフターゲット効果は有意に減らすことができる。さらに、ポリマーの超親水性から利益を得て、強固に結合した水層が周囲に形成され、RNPと双性イオン性ポリマーの間の非特異的相互作用は以前観察されたように最小限に抑えることができる。その結果、Cas9の生物活性はポリマーコンジュゲーション後に保持することができ、これはオンターゲット効率を保つのに極めて重要である。
pCBコンジュゲートCRISPR/Cas9 RNPが、ヒト細胞において他のDNAドメインに対するオフターゲット効果を減少させることができるかどうかを調べるため、VEGFA、EMX、およびCLTA遺伝子中の3つの新たなゲノム遺伝子座を、その潜在的生物医学関連性およびCas9オフターゲット研究における広い使用によって選択した。図3Dに示されているように、3つの標的すべてで、その内在性遺伝子座でのCRISPR/pCB20-Cas9媒介インデルがT7エンドヌクレアーゼI(T7EI)アッセイを使用して検出された。これら3つの標的配列のそれぞれについて、本発明者らは、他の研究で観察されているいくつかの潜在的オフターゲット部位の編集効率を調べた。本開示では、類似の傾向が観察された。選択されたオフターゲット部位での突然変異率は、細胞が天然のCRISPR/Cas9を使用して編集された場合は、非常に高く、9.4%~93.6%に及んだ。これとは対照的に、例示的なpCB20コンジュゲートCRISPR/Cas9を使用して編集された細胞では、オフターゲット突然変異率はずっと低いレベルで観察され、2.4%~10.5%に及んだ。pCB-Cas9コンジュゲートの編集効率は天然のCas9の編集効率よりもわずかに高いことは注目に値する。これは、Cas9の生物活性がコンジュゲート後に保存されているという仮説を確証している。
pCBコンジュゲーションがHEK293-GFP細胞においてCRISPR/Cas9のオフターゲット突然変異を減少させたことを実証した後、この改変Cas9は他のタイプのヒト細胞において評価された。ここでは、CRISPR/Cas9のオン-/オフ-ターゲット活性を試験するためにも広く使用されたので、U2OSおよびK562細胞株を使用した。3つの標的上での編集効率は、U2OSおよびK562細胞編集において天然のCas9またはpCB-Cas9を使用して調査した。予想通り、pCB-Cas9コンジュゲートは、標的ゲノム遺伝子座での天然のCas9と比べた場合、類似するまたはわずかに高い編集効率を生じた(図3Eおよび3F)。バリアントミスマッチを使用するオフ-ターゲット試験では、pCB-Cas9コンジュゲート群は22のオフ-ターゲット部位のうちの20部位で4%未満のインデル率を生じた。これとは対照的に、天然のCas9は2.9%~24.7%のオフターゲットインデルを生じ、そのうちの6つは10%よりも高かった。これらの結果により、pCBコンジュゲートCRISPR/Cas9が異なる細胞株において減少したオフターゲット効果を示すことがさらに実証された。
実施例2 例示的な改変エンドヌクレアーゼ(融合タンパク質Cas9-EK)の調製ならびに遺伝子編集およびオフターゲティング減少のためのex vivo Cas9-EK mRNA送達
この実施例では、NおよびC末端核移行シグナル(NLS)を有する化膿性連鎖球菌由来のCas9ヌクレアーゼをコードするヒトコドン最適化DNAをpcDNA3.1ベクター中にクローニングした。10kDaまたは30kDa長のポリ(EK)をコードするDNAは商業的に合成され、Cas9遺伝子のC末端またはC-とN-末端の両方に付加されてCas9-EK構築物を作製した(図8A~8C)。ポリ(EK)の長さおよび融合位置に基づいて、3つのCas9-EKプラスミド、Cas9-(EK)10、(EK)10-Cas9-(EK)10、およびCas9-(EK)30を構築した。ポリ(EK)配列のないCas9配列は対照配列として使用した。プラスミドおよび転写物の構成的存在は高レベルの望ましくないオフターゲット遺伝子編集を生じることがあるので、その所望の遺伝子編集効果を達成するために、in vitro転写(IVT)sgRNAとCas9 mRNAの両方をトランスフェクトすることにより、無DNAのCRISPR遺伝子編集システムを使用した。IVT mRNAはゲノム挿入のリスクを最小限に抑え、転写のための核移行の必要性を迂回し、ゲノム編集の迅速な開始をもたらす。さらに、Cas9 mRNA送達はCas9タンパク質の一過性発現を提供し、これによりオフターゲット効果が潜在的に減少する可能性がある。
Cas9およびCas9-EK mRNAは、in vitro転写を通して作製した。Cas9およびCas9-EKコードプラスミドは、BbsI(New England Biolabs)を製造業者の説明書に従って使用して直線化した。精製に続いて、Cas9およびCas9-EK mRNAは、mMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7ウルトラ転写キット(ThermoFisher)を製造業者の説明書に従って使用して、37℃、2時間のインキュベーション時間で転写した。TURBO DNaseを添加して転写を停止させた。このシステムは細胞でのCas9 mRNAの翻訳に頼っているので、in vivo翻訳が起こる前にCas9 mRNAを分解から防ぐためにはトランスフェクションに先立ってCas9およびCas9-EK mRNAのポリアデニル化(ポリ(A))が必要になる。ポリアデニル化反応は、E-PAP酵素の添加で開始され、37℃で30分間インキュベートされた。電気泳動像(図9)でのポリアデニル化後のバンド移動によりポリ(A)テールの存在が確かめられた。スミヤーバンドは分解を示していた。
mRNAを得た後、哺乳動物細胞での実験室調製Cas9 mRNAの活性は、先ずそれを市販のCas9 mRNAと比べることにより確かめられた。GFPを標的にするgRNA(配列番号5)はこの分析のために選択された。トランスフェクションの1日前、細胞は、ウェル当たり1~2×10細胞の細胞密度で24ウェルプレートに播種した。0.5μgのCas9またはCas9-EK mRNAを25μLのOpti-MEMに添加し、続いて50~100ngのgRNAを添加した。その間に、2μLのリポフェクタミンMessengerMax(ThermoFisher)を25μLのOpti-MEMに希釈し、次に、mRNA/gRNA試料と混合した。混合液は細胞への添加に先立って15分間インキュベートした。全溶液を細胞に添加し、プレートを穏やかに旋回させることにより混合した。プレートは、5%COインキュベーターにおいて37℃で48時間インキュベートした。HEK293-GFP細胞を市販のCas9または実験室調製Cas9を発現するmRNAでGFP gRNAと一緒に同時トランスフェクトした2日後に、インデル突然変異の百分率をT7EIアッセイにより定量化した。図10に示されるように、実験室調製Cas9 mRNAは市販のCas9 mRNAに類似するオンターゲット編集効率を有しており、これはin vitro転写されたCas9 mRNAの合成に成功したことを示している。
Cas9-EK mRNAを哺乳動物細胞において染色体DNAを切断するようにgRNAによってプログラムすることができるかどうかを調べるため、同じアッセイを使用してCas9-(EK)10、(EK)10-Cas9-(EK)10、およびCas9-(EK)30の遺伝子編集効率を試験した。図11Aに示されるように、3つのCas9-EK mRNAすべてが、GFP配列を標的にした場合、Cas9 mRNAに類似する編集レベルを示す。ポリ(EK)が存在しても、選択されたオンターゲット部位上でオンターゲット遺伝子編集効率は損なわれなかった。この効果がターゲティング部位特異的ではないことを承認するため、類似する編集頻度が、ゲノム遺伝子座VEGF(GGGTGGGGGGAGTTTGCTCC)(図11B)およびEMX(GAGTCCGAGCAGAAGAAGAA)(図11C)を用いてさらに検証された。定量化されたデータは図11Dにまとめられ提示されている。3つのCas9-EK融合物はすべて、VEGFとEMX標的遺伝子座位の両方で、天然のCas9 mRNAに類似するレベルのオンターゲット編集効率を示す。
ポリ(EK)が存在すればヒト細胞においてオフターゲット効果を減少できるかどうかを調べるため、VEGFおよびEMA標的遺伝子座位についてのいくつかの潜在的なオフターゲット部位を選択し、これらの部位は他の研究で観察されていた。結果は表2に示されている。Cas9-(EK)10では、オフターゲット活性は、天然のCas9と比べて、いくつかのオフターゲット部位について類似しているまたはわずかに減少していた。理論に縛られたくはないが、これは、gRNAと二本鎖DNAの間の非特異的力を減らすことができない不十分な長さのポリ(EK)のせいであると考えられる。しかし、(EK)10-Cas9-(EK)10とCas9-(EK)30の両方は、1.2%~3.5%に及ぶ有意に減少したオフターゲット編集効率を示した。これらの結果により、Cas9-EKが異なるゲノム遺伝子座に対して減少したオフターゲット効果を示すことが実証された。
Figure 2022551931000003
ポリ(EK)融合物がHEK293-GFP細胞においてCRISPR/Cas9のオフターゲット突然変異を減少させることが実証された後、このEK化Cas9は他のタイプのヒト細胞において評価された。ここでは、U2OSおよびK562細胞株が、CRISPR/Cas9のオン-/オフ-ターゲット活性を試験するのにも広く使用されたので、これらの細胞を用いた。2つの標的上での編集効率は、U2OSおよびK562細胞編集において天然のCas9またはCas9-EKを使用して調査した。予想通り、Cas9-EK融合物は、標的ゲノム遺伝子座で天然のCas9と比べた場合、類似するオンターゲット編集効率を生じた(表2)。バリアントミスマッチを使用するオフターゲット試験では、Cas9-(EK)10は、天然のCas9に類似するオフターゲット遺伝子編集効率を示す。しかし、(EK)10-Cas9-(EK)10およびCas9-(EK)30は、有意に減少したオフターゲット編集効率が、36のオフターゲット部位のうち29で3%未満のインデル率を引き起こすことを示した。これとは対照的に、天然のCas9 mRNAは2.5%~21.5%のオフターゲットインデルを生じ、このうち4つは10%より高かった。これらの結果により、ポリ(EK)融合CRISPR/Cas9が異なる細胞株において減少したオフターゲット効果を示すことがさらに実証された。
実施例3 混合電荷ポリペプチドと融合されたCRISPR/Cas9システムのex vivoおよびin vivo mRNA送達
例示的なシステムの有効性はex vivoシステムにおいてさらに実証することができる。上記のプロトコルは、突然変異のある一次細胞の遺伝子編集用に使用することができる。例えば、パラロガスγ-グロブリン遺伝子(HBG1/2)の再発現は、重症β-グロビン障害鎌状赤血球症(SCD)および胎児ヘモグロビンの誘導によるβ-サラセミア(HbF、α2γ2)を寛解させる普遍的な戦略になれると考えられる。BCL11A赤血球エンハンサーでのコア配列が成体段階の赤血球細胞でのHbFの抑制に必要であるが、非赤血球細胞では必ずしも必要ではないことが知られていた。BCL11A赤血球エンハンサーでのGATA1結合部位内でのCas9:sgRNA媒介切断は、このモチーフの高度に浸透性の破壊、BCL11A発現の減少、および胎児性γ-グロビンの誘導をもたらすことがある。実験は、SCD患者またはβ-サラセミア患者から収穫されたヒト成人造血幹および前駆細胞(HSPC)を用いて実施される。Cas9/Cas9-(EK) mRNAおよびsgRNA(配列番号21~24)は上記の通りに送達される。編集効率は、T7EIアッセイ、部位特異的サンガーシーケンシング、ならびにオンターゲットおよび推定オフターゲット部位のディープシーケンシングにより評価される。HSPCは、非相同末端結合修復を優先的に受けると予想される。編集された移植SCD HSCの赤血球子孫は治療レベルのHbFを発現して鎌状赤血球化に抵抗すると予想され、β-サラセミアを有する患者由来の赤血球子孫は回復されたグロビン鎖バランスを示すと予想される。CRISPR/Cas9システムを用いて編集した後、ヒトCD34HSPCを免疫不全NOD.Cg-KitW-41JTyrPrkdcscidIl2rgtm1Wjl(NBSGW)マウスに注射して、HSPCに対するBCL11Aエンハンサー編集の影響を調べた。非照射NBSGWメスマウス(4~5週齢)に、DPBSに再懸濁された0.2~0.8MのCD34HSPCを用いた後眼窩注射により注入する。骨髄は、生着16週後ヒト異種移植片分析用に単離される。一次レシピエント由来の骨髄細胞の後眼窩注射を使用して連続移植を実行する。フローサイトメトリーでは、骨髄細胞の分析を行って百分率ヒト生着を測定する。
実施例4 混合電荷ポリペプチドを融合させたCRISPR/Cas9システムのin vivo mRNA送達
CRISPR/Cas9遺伝子編集は、Cas9とsgRNAの両方をコードするDNAプラスミドの形質転換により成し遂げられるが、プラスミドおよび転写物の構成的な存在は、高レベルの望ましくないオフターゲット遺伝子編集をもたらすことがある。多くの研究者が、その所望の遺伝子編集効果を達成するために、in vitro転写sgRNAとCas9 mRNAの両方をトランスフェクトすることにより無DNA CRISPR遺伝子編集システムのほうに変わりつつある。この実施例では、NおよびC末端核移行シグナル(NLS)を有する化膿性連鎖球菌由来のCas9ヌクレアーゼをコードするヒトコドン最適化DNAをpcDNA3.1ベクター(GenScript)中にクローニングする。10kDaまたは30kDa長のポリ(EK)をコードするDNA配列は商業的に合成され、Cas9遺伝子の3’-末端または5’-と3’-末端の両方に付加されてCas9-EK構築物を作製する。gRNAは、マウスゲノムにおいて多数のオフターゲット部位(オンターゲット部位に対して2つまたはそれよりも少ないミスマッチ)を示したマウスPcsk9エクソン内でオンターゲット配列を探索することにより同定する。Cas9およびCas9-EK mRNAは、mMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7ウルトラ転写キット(ThermoFisher)を製造業者の説明書に従って使用してin vitro転写を通して作製する。Cas9またはCas9-EK mRNAおよびgRNAは全身送達のために脂質ナノ粒子(LNP)にカプセル化される。
in vivo Pcsk9遺伝子編集では、9~11週齢オスマウスはgRNAに対してCas9の一貫した比の尾部静脈注射をリン酸緩衝食塩水と一緒に受ける。末梢血はmRNA投与前(基準線)、ウイルス投与の1週間後および終了時(mRNA投与の4日または3週間後)に試料採取される。動物は、実験エンドポイントで、イソフルラン麻酔下、心臓穿刺により安楽死させる。肝臓、脾臓、肺、腎臓、筋肉、脳および精巣を含む臓器が解体され、液体窒素に瞬間凍結され、さらなる分析まで-80℃で保存される。末梢血は、研究の間に小伏在静脈からおよび終了時に心臓穿刺によりEDTA被覆毛細管チューブに収集される。血漿中のマウスPcsk9のレベルは、標準ELISAキットを製造業者の説明書に従って用いて決定される。アデノウイルス注射マウスの肝臓組織由来のゲノムDNAは、インデル分析のため処置後の4日目および3週目に抽出される。オンターゲット部位および種々の同定された潜在的オフターゲット部位はディープシーケンシングにより分析される。
まとめると、上記実施例は、CRISPR/Casシステムが直面する「オフターゲット」懸案事項は混合電荷部分を用いた改変により取り組むことができることを実証している。混合電荷ポリマーまたは混合電荷ペプチドで改変した後、例示的なCRISPR/Cas9システムは「オフターゲット」効率の有意な減少を示した。さらに重要なことに、減少した「オンターゲット」頻度は、通常多くの戦略で気づかれるが、全く観察されなかった。この技術は、広範囲のCRISPR/Cas9ベースの生物学および臨床応用の効率および安全性を改善する単純で頑強な戦略を提供することができる。
説明的な実施形態が解説され記載されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そこに種々の変化を加えることができることは認識されている。
排他的所有権または特権が請求されている本発明の実施形態は以下の通り定義される。

Claims (60)

  1. エンドヌクレアーゼおよび前記エンドヌクレアーゼに共有結合している1つまたは複数の混合電荷部分を含み、それぞれの混合電荷部分が約10~約400の正電荷部分および約10~約400の負電荷部分を含み、負電荷部分の数に対する正電荷部分の数の比が約1:0.5~約1:2である、改変エンドヌクレアーゼ。
  2. 前記エンドヌクレアーゼが、核酸ガイドヌクレアーゼシステムタンパク質である、
    請求項1に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  3. 前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR関連(Cas)タンパク質である、請求項1または2のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  4. 前記エンドヌクレアーゼが、Cas9、Cas12、Cas13、Cas14、またはその突然変異体もしくはバリアントである、請求項1~3のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  5. 前記エンドヌクレアーゼが、Cas9またはその突然変異体もしくはバリアントである、請求項1~4のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  6. 前記混合電荷部分が、約7.4のpHで実質的に電子的に中性である、請求項1~5のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  7. 前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR/Casシステムにおいて活性であり、前記CRISPR/Casシステムが、野生型CRISPR/Casシステムと比べて減少したオフターゲット編集活性および維持されたオンターゲット編集活性を示す、請求項1~6のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  8. 前記オフターゲット編集活性が、非改変エンドヌクレアーゼと比べて、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%減少している、請求項7に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  9. 前記混合電荷部分が、前記エンドヌクレアーゼのアミノ酸の側鎖に、前記エンドヌクレアーゼのN末端アミノ基に、および/または前記エンドヌクレアーゼのC末端カルボキシル基に共有結合している、請求項1~8のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  10. 前記混合電荷部分が、約2kDa~約130kDaの分子量を有するペプチドである、請求項1~9のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  11. 前記改変エンドヌクレアーゼが融合タンパク質であり、前記混合電荷部分が、
    a)複数の負電荷アミノ酸、
    b)複数の正電荷アミノ酸、および
    c)任意選択で、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸
    からなり、
    負電荷アミノ酸の数に対する正電荷アミノ酸の数の比が約1:0.5~約1:2である混合電荷ドメインである、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  12. 前記複数の負電荷アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびその誘導体からなる群から独立して選択される、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  13. 前記複数の正電荷アミノ酸が、リシン、ヒスチジン、アルギニン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  14. 前記混合電荷ドメインが複数の追加のアミノ酸を含まない、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  15. 前記複数の正電荷アミノ酸がリシンであり、複数の負電荷アミノ酸がグルタミン酸である、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  16. 前記混合電荷ドメインがランダム配列を含む、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  17. 前記混合電荷ドメインが、配列(X1-X2-X3)を含み、X1が正電荷アミノ酸であり、X2が負電荷アミノ酸であり、X3が何もないまたはプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される追加のアミノ酸であり、nが約5~約50の整数である、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  18. 前記混合電荷ドメインが、複数のリシン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  19. 前記混合電荷ドメインが、複数のヒスチジン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  20. 前記複数の追加のアミノ酸が、プロリン、セリン、およびグリシンからなる群から選択される、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  21. 前記複数の追加のアミノ酸が複数のプロリンである、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  22. 前記混合電荷ドメインは、複数のリシン、複数のグルタミン酸、および複数のプロリンを含む、請求項10に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  23. 前記混合電荷部分が、約2kDa~約80kDaの分子量を有する合成ポリマーである、請求項1~9のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  24. 前記ポリマーが、ポリ(カルボキシベタイン)(PCB)、ポリ(スルホベタイン)(PSB)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC)、およびポリ(トリメチルアミンオキシド)(TMAO)ポリマーからなる群から選択される、請求項23に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  25. 前記ポリマーがポリ(カルボキシベタイン)(PCB)である、請求項23または24のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼ。
  26. 請求項1~22のいずれか1項に記載の改変エンドヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸。
  27. 請求項26に記載の核酸およびそれに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクター。
  28. 請求項26に記載の核酸または請求項27に記載の発現ベクターを含む細胞。
  29. 前記細胞が原核細胞または真核細胞である、請求項28に記載の細胞。
  30. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項28に記載の細胞。
  31. 前記細胞が細胞培養物中にある、請求項28に記載の細胞。
  32. 前記細胞が生物中にある、請求項28に記載の細胞。
  33. 細胞においてまたは対象においてポリヌクレオチドを編集するための方法であって、請求項1~25のいずれか1項に記載の少なくとも1つの改変エンドヌクレアーゼ、請求項26に記載の核酸、または請求項27に記載の発現ベクターを前記細胞または前記対象中に導入するステップを含む前記方法。
  34. 前記ポリヌクレオチドがDNAまたはRNAである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記核酸が前記改変エンドヌクレアーゼをコードするmRNAである、請求項33または34に記載の方法。
  36. 前記改変エンドヌクレアーゼが、エンドヌクレアーゼに共有結合している混合電荷部分を含み、前記混合電荷部分が約10~約400の正電荷部分および約10~約400の負電荷部分を含み、負電荷部分の数に対する正電荷部分の数の比が約1:0.5~約1:2である、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記エンドヌクレアーゼが、核酸ガイドヌクレアーゼシステムタンパク質である、
    請求項33~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR関連(Cas)タンパク質である、請求項33~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記エンドヌクレアーゼが、Cas9、Cas12、Cas13、Cas14、またはその突然変異体もしくはバリアントである、請求項33~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記エンドヌクレアーゼが、Cas9またはその突然変異体もしくはバリアントである、請求項33~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記混合電荷部分が、約7.4のpHで実質的に電子的に中性である、請求項34~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR/Casシステムにおいて活性であり、前記CRISPR/Casシステムが、野生型CRISPR/Casシステムと比べて減少したオフターゲット編集活性および維持されたオンターゲット編集活性を示す、請求項33~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記オフターゲット編集活性が、非改変エンドヌクレアーゼと比べて、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%減少している、請求項42に記載の方法。
  44. 前記混合電荷部分が、前記エンドヌクレアーゼのアミノ酸の側鎖に、前記エンドヌクレアーゼのN末端アミノ基に、および/または前記エンドヌクレアーゼのC末端カルボキシル基に共有結合している、請求項33~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記混合電荷部分が、約2kDa~約130kDaの分子量を有するペプチドである、請求項33~44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記改変エンドヌクレアーゼが融合タンパク質であって、前記混合電荷部分が、
    a)複数の負電荷アミノ酸、
    b)複数の正電荷アミノ酸、および
    c)任意選択で、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される複数の追加のアミノ酸
    からなり、
    正電荷アミノ酸の数に対する負電荷アミノ酸の数の比が約1:0.5~約1:2である混合電荷ドメインである、請求項45に記載の方法。
  47. 前記複数の負電荷アミノ酸が、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびその誘導体からなる群から独立して選択される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記複数の正電荷アミノ酸が、リシン、ヒスチジン、アルギニン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される、請求項46に記載の方法。
  49. 前記混合電荷ドメインが複数の追加のアミノ酸を含まない、請求項46に記載の方法。
  50. 前記複数の正電荷アミノ酸がリシンであり、複数の負電荷アミノ酸がグルタミン酸である、請求項46に記載の方法。
  51. 前記混合電荷ドメインがランダム配列を含む、請求項46に記載の方法。
  52. 前記混合電荷ドメインが、配列(X1-X2-X3)を含み、X1が負電荷アミノ酸であり、X2が正電荷アミノ酸であり、X3が何もないまたはプロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、およびその誘導体からなる群から独立して選択される追加のアミノ酸であり、nが約5~約50の整数である、請求項46に記載の方法。
  53. 前記混合電荷ドメインが、複数のリシン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む、請求項46に記載の方法。
  54. 前記混合電荷ドメインが、複数のヒスチジン、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される複数の負電荷アミノ酸を含む、請求項46に記載の方法。
  55. 前記複数の追加のアミノ酸が、プロリン、セリン、およびグリシンからなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
  56. 前記複数の追加のアミノ酸が複数のプロリンである、請求項46に記載の方法。
  57. 前記混合電荷ドメインは、複数のリシン、複数のグルタミン酸、および複数のプロリンを含む、請求項46に記載の方法。
  58. 前記混合電荷部分が、約2kDa~約80kDaの分子量を有する合成ポリマーである、請求項33~44のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記ポリマーが、ポリ(カルボキシベタイン)(PCB)、ポリ(スルホベタイン)(PSB)、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(PMPC)、およびポリ(トリメチルアミンオキシド)(TMAO)ポリマーからなる群から選択される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記ポリマーがポリ(カルボキシベタイン)(PCB)である、請求項58または請求項59に記載の方法。
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