JP2022551352A - 歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具及び歯科矯正装具の接着方法 - Google Patents

歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具及び歯科矯正装具の接着方法 Download PDF

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Abstract

歯科矯正装具を患者の口腔内で接着するためのカスタム器具であって、患者の複数の歯の顔面側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための顔面側本体と、患者の複数の歯の舌側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための舌側本体と、を備え、顔面側本体と舌側本体とは、患者の歯と組み合わされて、歯科矯正装具を複数の歯上に位置決めするように構成されている。

Description

ブラケットなどの歯科矯正装具は、患者の歯列内の1つ以上の歯を(位置異常又は不正咬合と呼ばれることがある)初期位置から所望の位置まで移動させるために、歯科矯正治療において使用される。例えば、歯科矯正治療を用いて、歯の唇側が互いに整列するように患者の歯を移動し、それにより、歯列全体の審美的に好ましい外観を達成又は最大化することができる。更に、場合によっては、不正咬合を矯正するために1本以上の歯を移動させることができる。歯の移動は、典型的にはブラケットを介して歯に取り付けられ、所望の位置に向かってより長期にわたって歯に力を加える、予め付勢された弾性アーチワイヤによって達成される。歯科矯正アーチワイヤの端部は、バッカルチューブとして知られる小さな装具に接続されることが多く、バッカルチューブは次に患者の大臼歯に固定される。多くの場合、ブラケット、バッカルチューブ及びアーチワイヤのセットが、患者の上顎歯列弓及び下顎歯列弓のそれぞれに対して設けられる。
多くのタイプの歯科矯正技法において、歯科矯正装具が歯上の正確な位置にあることは、歯をその意図された最終的な位置へ移動することを確実にするのに役立つ重要な要素である。例えば、歯科矯正治療技法の1つの一般的なタイプは、治療完了時にアーチワイヤが水平面内にある「ストレートワイヤ」法として知られている。例えば、ブラケットが、歯の咬合先端部又は外側先端部に近過ぎる位置で歯に取り付けられた場合、ストレートワイヤ法を使用する歯科矯正医は、最終的な位置にある歯が過度に中に押し込まれていることに気付く可能性がある。一方、ブラケットが、適切な位置より歯肉に近い位置で歯に取り付けられた場合、歯の最終的な位置は、所望の位置よりも外に押し出される傾向がある。
特定の治療計画システムが、実際のあらゆる治療に先立って、コンピュータシミュレーションで歯の所望の位置を決定するために使用されてきた。そのような計画システムは、例えば、初期位置から外れた歯の位置で歯とブラケットが衝突することを回避するのに役立ち、更に、ブラケット及びアーチワイヤが、様々な臨床状況に合うように、例えば、初期位置、所望位置、及びそれらの間の位置にある歯の位置に合うように、設計され配置されることを可能にする。そのような治療計画が、舌側ブラケットに関して広く用いられる。歯は、唇側表面を除き、舌側表面の形状がそれぞれ大幅に異なるため、通常は「1つのサイズがすべてに合う(one size fits all)」ブラケット形状を用いることができず、舌側ブラケットは、歯及び患者ごとに個別のカスタマイズされた設計とされることが多い。いくつかの治療計画システムでは、患者の歯の表面及び必要とされる臨床状況に正確に合わせた、そのようなカスタマイズされたブラケットを設計することも可能である。したがって、カスタマイズされたブラケットは、典型的には、治療計画中に事前に決定された歯上の位置に正確に配置される必要がある。患者の歯上にブラケットを正確に配置することを容易とするため、また、歯科矯正医の参照のため、ブラケットは、患者の歯を複製した石膏モデル上に事前に配置されて提供されることが多い。治療計画ソフトウェアの一例は、PCT国際公開第2001/80761号「Interactive Orthodontic Care System Based on Intra-oral Scanning of Teeth.」に開示されている。開示されるように、治療計画ソフトウェアは、ブラケットを歯上に仮想的に重ね合わせて、三次元歯オブジェクトとそれらの意図された位置における仮想ブラケットとを含む、三次元モデルを生成する。この三次元モデルは、ブラケットが上に重ね合わされた状態の歯のプラスチックモデルを積層造形するためのステレオリソグラフィ(SLA)装置に提供される。熱可塑性箔がSLAモデル上に置かれ、モデル及び箔が圧力チャンバ内に置かれる。チャンバが加圧されて、箔が歯列及びブラケットを包み込む。したがって、箔は、ブラケットを配置することができる小さな陥凹部を得る。
歯列矯正において、ブラケットが配置された石膏モデルは、ブラケットを患者の歯上へ配置することを容易にするための、いわゆる「移動トレイ」を作製するために使用されることがある。移動トレイは、典型的に、ブラケットの完全なセットを所定の位置に保持し、ブラケットが「インダイレクトボンディング」の間にすべて一度に一回のステップで歯上に配置されて接着されることを可能にするように適合される。
一般に、インダイレクトボンディング法は、患者の歯列弓の少なくとも一部分の構成と一致する形状を有する移動トレイの使用を伴う。ブラケットなどの歯科矯正装具のセットが、トレイの特定の所定位置に取り外し可能に接続される。接着剤が各装具の基部に適用され、次にトレイが患者の歯上に接着剤が硬化するまで置かれる。次に、トレイが歯及び装具から取り外され、その結果、従前ではトレイに接続されていた全ての装具が、意図された所定の位置で今度はそれぞれの歯に接着される。歯科矯正装具用の移動トレイを作製する方法の一例は、公開された欧州特許出願第12196586号「Mockup Representing a Dental Arch Including Analogs Approximating Orthodontic Brackets and Method of Making the Mockup.」に開示されている。歯科矯正装具用の移動トレイを作製する方法の別の例は、米国特許第9,763,750号「Rapid Prototimed Transfer Tray for Orthodontic Appliances.」に開示されている。
患者の歯上の歯科矯正装具の位置を事前決定する方法及び歯科矯正装具の配置のための器具においていくらかの進歩がなされているが、更なる進歩が歯科矯正医及び彼らの患者により望まれている。
本開示は、患者の口腔内で歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具、そのようなカスタム器具を生成するための技術及び歯科修復のための方法、ならびに患者の口腔内で歯科矯正装具を接着する方法に関する。
一実施例では、本開示は、歯科矯正装具を患者の口腔内で接着するためのカスタム器具に関する。カスタム器具は、患者の複数の歯の顔面側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための顔面側本体であって、複数の歯に位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部を含む、顔面側本体と、患者の複数の歯の舌側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための舌側本体と、を備え、顔面側本体と舌側本体とが、相互連結するように構成されており、顔面側本体と舌側本体とが、患者の歯と組み合わされて、歯科矯正装具を複数の歯上の受け部内に位置決めするように構成されている。
別の例では、本開示は、患者の口腔内で歯科矯正装具を接着する方法に関する。この方法は、歯科矯正装具を受容するために、患者の歯の舌側とのカスタマイズされた嵌め合いを有し、第1の係合部分を含む、患者固有の舌側本体を、患者の複数の歯に隣接して位置決めすることと、患者の歯の顔面側とのカスタマイズされた嵌め合いと、第1の係合部分と、複数の歯と位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部であって、開口部である、受け部と、を有する、患者固有の顔面側本体を、複数の歯に隣接して位置決めすることと、顔面側本体の第1の係合部分を舌側本体の第1の係合部分と相互連結させて、患者の歯と組み合わせることと、複数の受け部内のそれぞれに歯科矯正装具を配置して、歯科矯正装具を複数の歯上に位置決めすることと、歯科矯正装具を複数の歯に接着することと、顔面側本体及び舌側本体を複数の歯から取り外すことと、を含む。
歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具の一部であり得る顔面側本体の一実施形態の正面図である。 図1の顔面側本体の背面図である。 図1の顔面側本体の底面図である。 歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具の一部であり得る舌側本体の一実施形態の正面図である。 図4の舌側本体の背面図である。 図4の舌側本体の底面図である。 相互連結する前の、図1の顔面側本体及び図4の舌側本体の斜視図である。 図1の顔面側本体と図4の舌側本体とがどのように相互連結して、歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具の一実施形態を形成し得るかを示すのに都合が良い底面図である。 図1の顔面側本体と図4の舌側本体とがどのように相互連結して、歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具の一実施形態を形成し得るかを示すのに都合が良い底面図である。 図8Bのカスタム器具の斜視図である。 歯科患者の口腔内における図9のカスタム器具の底面図である。 図9の器具を使用して、歯科矯正患者の口腔内で歯科矯正装具を位置決めし接着するための例示的な工程を示す。 図9の器具を使用して、歯科矯正患者の口腔内で歯科矯正装具を位置決めし接着するための例示的な工程を示す。 図9の器具を使用して、歯科矯正患者の口腔内で歯科矯正装具を位置決めし接着するための例示的な工程を示す。 歯科矯正患者の口腔内で歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具の別の実施形態の斜視図である。
歯科矯正の主な目的は、患者の歯を、歯が適切に機能し審美的に満足できる位置に移動させることである。歯科矯正治療には、標準化されたブラケット及びワイヤ、例えば、「ストレートワイヤ」装具システムの構成要素などが含まれ得る。ブラケットなどの従来の歯科矯正装具は、標準化された配置規則に従って定められた位置及び向きで歯科矯正医によって手で位置決めされる。歯科矯正医はまた、適切なブラケットの位置を視覚的に測定し、治療の結果を推測することもできる。配置が決定された後、ブラケットは、各ブラケットの基部に置かれた少量の接着剤によって接着される。ブラケットは、二液型化学硬化接着剤又は一液型光硬化接着剤のいずれかを使用して歯に接着され得る。未硬化の接着剤は、最終接着前の一時的な接着及び視覚的調整を可能にするように十分に粘性かつ粘着性である。このブラケットの配置方法は、「ダイレクトボンディング」として知られている。時間の節約と取り扱いの容易さのため、いくつかのブラケットが3M Company(St.Paul,Minnesota)から市販されているAdhesive Pre-Coated(APC)として提供され、工場からの出荷時、ブラケット基部上に未硬化の接着剤を含む。
歯科矯正装具が歯上に接着されると、アーチワイヤと歯科矯正装具との組み合わせが、経時的に調整されて、歯をその意図された最終位置に向かって移動させる。
熟練した歯科矯正医は、適切なブラケット位置を視覚的に計測し、患者のための治療結果を推測することに熟達し得る。しかしながら、この技術を取得するのに長年かかる可能性があり、それでもなお、その後の治療においてワイヤを手で屈曲しブラケットを再配置することが、僅かな配置誤差を補正して、より良好な結果を達成するために必要とされることがある。
本発明は、歯科矯正装具をダイレクトボンディングするためのカスタム器具を提供する。これらのカスタム器具は、正確なブラケット配置を提供するためにインダイレクトボンディングプロセスで使用されることが多い仮想治療計画ソフトウェアを使用して形成されるが、装具を歯の表面に垂直にダイレクトボンディングするという利点を含み、それによって良好な接着信頼性を提供する。インダイレクトボンディングの1つの考え得る欠点は、歯科矯正装具が、歯の顔面側又は舌側表面上を咬合面歯肉方向に滑り、したがって、歯上の装具の目標位置に置かれる前にブラケット基部から接着剤を擦り取る又は拭き取ることである。これは、歯科矯正装具と歯との間の不十分な接着をもたらし、再接着若しくは再配置、効果のない治療、又は意図しない装具の浪費につながり得る。インダイレクトボンディングの別の欠点は、トレイの特定の所定位置に取り外し可能に接続されるよう歯科矯正装具を移動トレイに事前に装填する繊細な追加ステップ、又は、患者の歯列の物理モデルの作成、モデルへのブラケットの適用、及びモデルに対するインダイレクトボンディングテンプレートの作成、のいずれかを必要とすることである。いずれにしても、これらは時間がかかり、技術的に繊細な手順である。
本発明の歯科カスタム器具は、インダイレクトボンディングトレイ及び配置手順の欠点を有さない。本発明のカスタム器具はまた、手動によるダイレクトボンディングと比較して、測定及び分析がより正確であることを含め、歯科矯正装具のより正確な配置を提供する。更に、カスタム器具及びその使用は、医師/患者が椅子に座っている時間を短縮し、より良好な治療結果をもたらす。実際、歯科矯正医は、各装具の位置を計画することが椅子脇での手順から除外されるため、歯科矯正装具を接着する手順を別の十分に資格があるスタッフメンバーに委任することができる。
本発明のカスタム器具は、インダイレクトボンディング手順及びテンプレートのように、歯科矯正装具の配置及び接着をすべて一度に可能にはしないが、歯科矯正装具が、すべて一度にではなく、ひとつずつ接着されるため、接着剤の送達に関してより優れた制御を可能にする。例えば、カスタム器具は、充填された接着剤が過剰(すなわち、基部の外周部からのバリ)になる可能性を制御し、基部と歯との間に接着剤の滑らかな薄膜を形成するなど、歯科矯正配置のより微細な態様にわたってより優れた制御を提供する。また、ブラケットが患者によって紛失又は損傷した場合、元のカスタム器具を新しいブラケットと共に使用して容易に再接着することができる。
更に、インダイレクトボンディングのトレイ及び配置手順と比較して、本発明のカスタム器具は、テンプレート及び/又はブラケットが歯上に正しく位置決めされているかどうかをより容易に判定するためのより優れた視認性を提供する。これは、歯を視覚的に参照する際にブラケットを覆い隠す材料が少ないためである。また、シリコーンから形成されたものなど、いくつかのインダイレクトボンディングのトレイは、接着後にトレイが取り外されるときにブラケットの鋭いアンダーカット特徴部(例えば、フック及びタイウィング)がブラケット受け部を引き裂くことによって、一度使用した後に損傷し得る。言い換えれば、そのようなトレイは、一度の使用によって損傷する可能性がある。これにより、治療中の接着不良又は喪失によって、その後ブラケットを再接着するためにトレイが使用される場合に、トレイがブラケットをその意図された位置に正確に保持できない状態となる可能性がある。対照的に、本発明のカスタム器具は、再利用可能であり、同じカスタム器具を使用して特定のブラケットを再接着する選択肢を提供する。最後に、カスタム器具は、デジタルで設計され積層造形により印刷されて、患者固有のカスタマイズされた器具を提供することができる。
歯科矯正の主な目的は、患者の歯を、歯が適切に機能し審美的に満足できる位置に移動させることである。歯科矯正治療には、標準化されたブラケット及びワイヤ、例えば、「ストレートワイヤ」装具システムの構成要素などが含まれ得る。ブラケットなどの従来の歯科矯正装具は、標準化された配置規則に従って定められた位置及び向きで歯科矯正医によって手で位置決めされる。歯科矯正医はまた、適切なブラケットの位置を視覚的に測定し、治療の結果を推測することもできる。配置が決定された後、ブラケットは、各ブラケットの基部に置かれた少量の接着剤によって接着される。ブラケットは、二液型化学硬化接着剤又は一液型光硬化接着剤のいずれかを使用して歯に接着され得る。未硬化の接着剤は、最終接着前の一時的な接着及び視覚的調整を可能にするように十分に粘性かつ粘着性である。このブラケットの配置方法は、「ダイレクトボンディング」として知られている。時間の節約と取り扱いの容易さのため、いくつかのブラケットが3M Company(St.Paul,Minnesota)から市販されているAdhesive Pre-Coated(APC)として提供され、工場からの出荷時、ブラケット基部上に未硬化の接着剤を含む。歯科矯正装具が歯上に接着されると、アーチワイヤと装具との組み合わせが、経時的に調整されて、歯をそれらの意図された最終位置に向かって移動させる。
熟練した歯科矯正医は、適切なブラケット位置を視覚的に計測し、患者のための治療結果を推測することに熟達し得る。しかしながら、この技術を取得するのに長年かかる可能性があり、それでもなお、その後の治療においてワイヤを手で屈曲しブラケットを再配置することが、僅かな配置誤差を補正して、より良好な結果を達成するために必要とされることがある。
本発明は、歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具を提供する。すべての歯科矯正装具は、患者の歯に、一回で、順次、又は一度にひとつずつ適用されてもよい。これらのカスタム器具は、正確なブラケット配置を提供するためにインダイレクトボンディングプロセスで使用されることが多い仮想治療計画ソフトウェアを使用して形成されるが、装具を歯の表面に垂直にダイレクトボンディングするという利点を含み、それによって良好な接着信頼性を提供する。
インダイレクトボンディングの1つの考え得る欠点は、歯科矯正装具は、歯の顔面側又は舌側表面上を咬合面歯肉方向に滑り、したがって、歯上の装具の目標位置に置かれる前にブラケット基部から接着剤を擦り取る又は拭き取ることである。これは、歯科矯正装具と歯との間の不十分な接着をもたらし、再接着若しくは再配置、効果のない治療、又は意図しない装具の浪費につながり得る。インダイレクトボンディングの別の欠点は、トレイの特定の所定位置に取り外し可能に接続されるよう歯科矯正装具を移動トレイに事前に装填する繊細な追加ステップ、又は、患者の歯列の物理モデルの作成、モデルへのブラケットの配置、及びモデル対するインダイレクトボンディングテンプレートの作成、のいずれかを必要とすることである。いずれにしても、これらは時間がかかり、技術的に繊細な手順である。
本発明の歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具は、インダイレクトボンディングトレイ及び配置手順の欠点を有さない。本発明のカスタム器具はまた、手動によるダイレクトボンディングと比較して、測定及び分析がより正確であることを含め、歯科矯正装具のより正確な配置を提供する。更に、カスタム器具及びその使用は、医師/患者が椅子に座っている時間を短縮し、より良好な治療結果をもたらす。実際、歯科矯正医は、各装具の位置を計画することが椅子脇での手順から除外されるため、歯科矯正装具を接着する手順を別の十分に資格があるスタッフメンバーに委任することができる。
本発明のカスタム器具は、同じ患者に再利用可能であり得、同じカスタム器具を使用して特定のブラケットを再接着する選択肢を提供する。例えば、最初の試みが失敗した場合、ブラケットを容易に再接着することができる。歯の移動が開始した後の治療において、後に再接着するために、個々のブラケットが個々の歯の基準特徴(例えば、咬合面)を使用して再接着され得るようにカスタムテンプレートを分割することができる。更に、本発明は、ブラケットが歯の顔面側表面に対して実質的に垂直な方向から歯にアプローチすることを可能にし、硬化前に歯の顔面側表面にわたって接着剤を滑らせる問題を排除する。デジタル設計されたカスタム器具はまた、ブラケットを、非均一な接着剤の厚さ(例えば、遠心よりも近心でより薄い)で正確に歯に配置することを可能にし、これは、非カスタム器具を使用する患者の治療をカスタマイズするときに有用であり得る。
本明細書に記載されるカスタム器具は、器具の2つの主要な部分と相互連結する特定の係合部分との間に干渉をもたらすように設計された機能部を含んでもよく、この機能部は全体として、部分同士が複数の方向に相対的に移動することを防止するのに役立ち、器具が歯科矯正患者の歯をより良好にクランプして、歯科矯正装具が患者の歯上に所定の位置及び向きで正確に置かれるように2つの部分を共に位置決めするのに役立つ。このような干渉は、カスタム本体を設計し製造するときに、カスタム本体にデジタル設計で組み込まれる。従来の歯科用器具本体は、デジタル設計された干渉を有さない。2つの部分を相互連結する又は互いから分離するためには、それらの部分は変形又は屈曲する必要があり得る。加えて、本明細書に記載される器具は、外部器具の必要性を排除することができ、代わりに自己完結型であるため、患者の歯上により迅速かつ容易に取り付けられる。また、つなぎ留め式ドアは、組み立てる必要がある個別の部品の低減をもたらし、個別の部品を紛失する可能性を低下させる。最後に、本明細書に記載の器具は、より従来型のスキル、器具、及び技術を使用する施術者と比較して、歯科矯正装具を患者の歯上に所定の位置かつ所定の向きで配置及び接着することに対してより正確な制御を提供する。
各カスタム器具10は、特定の患者(「患者固有」)に適合するようにカスタム設計され、したがって、患者の歯列弓内の複数の歯72とカスタマイズされた嵌め合いを有する。カスタム器具は、特定の患者の歯列弓に対して位置合わせされ適合するように特別に設計されている。これを達成するため、本明細書に記載されるカスタム器具は、デジタル設計されてもよい。例えば、ツールは、患者の歯牙構造(例えば、患者の歯列の全部若しくは一部の口腔内スキャン、又は従来の印象若しくはモデルのスキャンから得られる)の三次元(3D)モデルを使用して設計することができる。器具は、例えば、3D印刷などの加法技術、又はCAD/CAMミリングなどの減法技術を使用してデジタルデータから製造することができる。
開示された技術は、従来の接着技術と比較して、精度の改善、時間及び/又はスキル要件の低減により、患者の歯に歯科矯正装具を高品質で接着することを容易にするのに役立つ
図1、図2、及び図3は、本発明のカスタム器具10の顔面側部分12の一実施形態を示す。図4、図5、及び図6は、本発明のカスタム器具10の舌側部分14の一実施形態を示す。特許請求の範囲を含む本明細書で使用される「顔面側」は、患者の頬又は唇(すなわち頬側及び唇側)に向かって方向付けられた、舌側方向とは反対の方向を指す。特許請求の範囲を含む本明細書で使用するとき、「舌側」は、患者の舌に向かって方向付けられた、顔面側方向とは反対の方向を指す。図7、図8A、図8B、及び図9は、顔面側部分12と舌側部分14とがどのように互いに嵌め合い、歯科矯正装具80を接着するための完成したカスタム器具10を形成するかを示している。
図1~図3は、ブラケットなどの歯科矯正装具80を、所定の位置及び所定の向きで接着するためのカスタム器具10の顔面側本体12の一実施形態の図である。器具10は、顔面側本体12を含み、顔面側本体12は、患者の歯列弓とのカスタマイズされた嵌め合いを提供するように構成され得る。例えば、顔面側本体12は、患者の歯の顔面側の表面に隣接して嵌り、嵌合するように具体的に設計されてもよい。図1に示される例では、顔面側本体12は、装具位置決め部分16及び係合部分18を含む。施術者は、カスタム器具10の装具位置決め部分16を使用して、患者の口腔内で歯科矯正装具80を歯に対して位置決めし、次いで接着する。歯科矯正装具80は、特別に設計された受け部内の所定の位置に保持される。受け部は、受け部の対応する歯上に、歯上の所定の位置に、かつ歯に対する所定の向きで、歯科矯正装具を受容し、正しく位置決めする任意の形態であり得る。図は、2つの異なる実施形態における受け部、開放受け部90又は部分的に取り囲まれた受け部100を示すが、他の実施形態も当業者によって想定され得る。両方のタイプの受け部を以下でより詳細に説明する。
歯科矯正装具を正確に配置するために、顔面側本体12と舌側本体14と患者の歯との間に緊密な嵌め合いを有することが好ましい。特定の状況では、顔面側及び舌側本体は、歯への完全な適合から緩められて、挿入するためのアクセスを提供し、不正咬合の歯への適用中に、過度のアンダーカットを回避することができる。器具を歯に固定するのを助けるために、装具位置決め部分16の両端に配置された2つの係合部分18a、18bが存在する。これは理想的だが、必須ではない。例えば、顔面側本体12は、装具位置決め部分16に隣接して配置された係合部分18を1つのみ含むこともある。しかし、2つの係合部分18a、18bを有するカスタム器具10では、舌側本体14と顔面側本体12との間に2つの相互連結点が提供される。
第1の係合部分18a及び第2の係合部分18Bは両方とも、修復部分から離れるように延びている。図示した実施形態では、係合部分18は、修復部分16に対して概ね直角に延びている。線A-A(図2)によって概して示されている咬合平面を含む患者の口腔と比較されたときに、係合部分18は、そのような咬合平面に対して概ね垂直に延びている。
係合部分18の長さは、顔面側本体12の装具位置決め部分16からいくらかの距離だけ延びていてもよい。係合部分18、19の長さは、個々の患者のためにカスタマイズされ、最適化され得る。係合部分が長すぎる場合、係合部分が患者の顎を広げることになり、患者にとって不快である、又は痛みを伴う。係合部分が短すぎる場合、顔面側本体12は、患者の歯から係合解除される。一実施形態では、係合部分の長さは、長さ1mm~5cmであってもよい。しかしながら、これは、患者の口腔内において係合部分が正確にはどこに位置するかに依存し得る。係合部分は、切歯などの口腔の前方付近で患者の歯に取り付けられる場合には、より長くてもよい。係合部分は、口腔の後方、例えば大臼歯に取り付けられる場合には、より短くてもよい。また、患者の上側歯列弓と下側歯列弓との間の全体の開口距離も考慮事項である。
図3に示すように、顔面側本体12の係合部分18は、舌側本体14上の係合面と適切に嵌合するように構成された様々な係合面を含んでもよい。顔面側本体12の係合部分18A、18Bはそれぞれ、舌側本体14と相互連結するための突出部20A、20B、又は当該技術分野において既知のいくつかの他の機構を含んでもよい。図示した実施形態では、突出部20は、第1の係合面24、第2の係合面26、及び第3の係合面28を含む。突出部20A、20Bは、舌側本体14の陥凹部30A、30Bと相互連結する、又はスナップ嵌めされるような大きさ及び形状である。あるいは、顔面側本体12が、陥凹部30を含んでもよく、舌側本体14が、突出部20を含んでもよい。あるいは、顔面側本体12の係合部分18が、一方の端部に突出部を含み、反対側の端部の陥凹部を含むこともでき、舌側本体14が、一方の端部に陥凹部を含み、反対側の端部に突出部を含むこともでき、それにより2つの本体12、14が相互連結することを可能にする。当該技術分野における既知の様々な構造は、それらが顔面側本体12を舌側本体14にしっかりと相互連結するのに役立つ限り、突出部20及び陥凹部30の代用となり得る。例えば、蟻継ぎの垂直方向スライド、又はボタン及びスナップも係合部分の相互連結機能部として使用され得る。
顔面側本体12の係合部分18a、18bは、図7、図8A、図8B、及び図9を参照して以下により詳細に説明されるように、舌側本体14上の係合部分31、32、及び33と係合する、又は相互連結するように構築される。
図示した実施形態では、装具位置決め部分16は、患者の前歯の顔面側と嵌合するような大きさ及び形状である。係合部分18は、臼歯に隣接するような大きさ及び形状である。
図1に示される例では、顔面側本体12は、開放受け部90(又は開口部)又はドア40上の部分的に取り囲まれた受け部100のいずれかとして示される1つ以上の受け部を含む。各開放受け部90は、歯科矯正装具を受容する患者のそれぞれの歯の顔面側表面の一部分の上に位置決めされる。ドア40のそれぞれは、歯科矯正装具80を受容して保持するために好適な受け部100を有する。ドア40が対応する開口部34と嵌合されると、ドア40の表面42及び歯科矯正装具80の基部82は、歯科矯正装具を受容する歯の表面と密接に位置合わせされる。どのタイプの受け部が使用されるかに関わらず、歯科矯正装具80の基部を個々の歯の理想的な位置に位置合わせするのを助けるために、モデリングソフトウェアを使用して受け部の形状及び向きを設計する。
受け部90は、図に示されるように、実質的に取り囲まれた外周部を含んでもよい。実質的に取り囲まれた外周部は、その中に配置することが意図された特定の歯科矯正装具80の基部82の輪郭を厳密に描く大きさ及び形状とされ得る。あるいは、実質的に取り囲まれた外周部は、歯科矯正医が装具80を歯上の正しい位置に接着するよう案内するのに役立つように、受け部90の特定のセグメントの大きさ及び形状とされ得る。例えば、開放受け部90は、カスタムテンプレート10が歯から取り外されるときにブラケットにクリアランスを持たせるために、1つ以上の縁部に沿って拡大(図示せず)することができる。この場合、開放受け部90は、対応する歯科矯正装具80の基部82の縁部特徴部に係合するように構成された少なくとも1つの表面又は縁部を含むことができる。各受け部の表面又は縁部は、デジタル治療計画に従って、歯の表面上のブラケット又は歯科矯正装具80の位置及び向きを案内するのに役立つ。接着後の取り外し中のカスタム器具10の意図された運動方向に応じて、ブラケット90との干渉を回避するために、異なる縁部が様々な形状及び距離で拡大され得る。
顔面側本体12は、個々のドア40を有してもよく、それぞれが独自の受け部100を有し、全てが対応する開口部34に密接に嵌まる大きさである。ドア40と嵌合する開口部34のうちの1つ以上の形状は、歯の形状と実質的に一致するように設計され得る。ドア40のいくつかは、図示されるように、一方の端部におけるヒンジ48及びヒンジピン46と、他方の端部における取り付け機構44とにより顔面側本体12に取り付けられ得る。この場合の取り付け機構44は、クリップ44であり、クリップ44は、顔面側本体12上の係合面43に対してクリップする又はスナップ留めされるように設計されている。したがって、ヒンジ48及びヒンジピン46は、患者の歯の咬合面に隣接して又は1つの歯若しくは1つ以上の歯の切縁部の近傍に配置され、クリップ44及び係合面43は、患者の歯の歯肉に隣接する。この配置は、クリップを、患者の歯の咬合面又は切縁部の下で、舌から間隔を空けてスナップ留めするのに都合が良い。しかしながら、図示されていない他の実施形態では、それらの相対位置は、反転されてもよく、クリップ44及び係合面43が、患者の歯牙の切歯面又は咬合面に隣接し、ヒンジ48及びヒンジピン46が、歯肉に隣接してもよい。
更に、ドア40のいくつかは、図示のように2部式ヒンジを使用して顔面側本体12に取り付けられてもよく、一方の端部に第1の部分56及び第2の部分58並びにヒンジピン46を有し、反対側の端部に取り付け機構44を有する。この場合の取り付け機構44は、クリップ44であり、クリップ44は、顔面側本体12上の係合面43に対してクリップする又はスナップ留めされるように設計されている。ヒンジの第1の部分56は、ヒンジの第2の部分58よりも小さい直径を有する。2部式ヒンジは、第2の部分58を使用すると、ドア40を持ち上げて開口部34から引き離すのに都合が良い。2部式ヒンジは、ドア40を開口部34内に緊密に挿入するのに都合が良い。ヒンジピン46は、図11A及び図11Bに示されるように、ヒンジ58の直径がより小さい第1の部分と、直径がより大きい第2の部分との間で移動することができる。更に、2部式ヒンジは、既に完成したアセンブリとして3D印刷することが可能である。また、ヒンジの第2の部分58の直径がより大きいことにより、ピン46がヒンジに接着することを防止するのに役立つ。
図示した実施形態では、ドア本体40及び顔面側本体12は、ヒンジ48及びヒンジピン46を使用することによって互いに機械的に接続されている。この構成は、カスタム器具10の使用中にドア本体40と対応する開口部34との間の適切な位置合わせを維持するのに役立つ。しかしながら、ドア本体40及び顔面側本体12は、スナップ式ヒンジ、一体成形ヒンジ、バレルヒンジ、ピン接合ヒンジ、又は任意の他の好適な種類のヒンジによって接続されてもよい。ドアヒンジ48及びヒンジピン46は、ドア本体40及び/若しくは顔面側本体12とは別個に形成されてもよく、又は、ドアヒンジ48及びヒンジピン46は、ドア本体40及び/若しくは顔面側本体12の一体部分として形成されてもよい。
顔面側本体12は、第1の位置合わせ部材52を含んでもよく、第1の位置合わせ部材52は、顔面側本体12と舌側本体14とを相互連結する前に、顔面側本体12と舌側本体14とを適切に位置合わせするのを助ける。図示した実施形態では、第1の位置合わせ部材52は、ポストであり、ポストは、図4~図7にスロットとして示される舌側本体14の第2の位置合わせ部材54に嵌まる大きさである。
顔面側本体12は、歯肉に合致するが歯肉に係合しないように概ね輪郭形成されたカスタム歯肉面36を含んでもよい。顔面側本体12はまた、顔面側本体に全体的な強度をもたらすための顔面側リブ38を含んでもよい。
カスタム器具10は、舌側本体14を含んでもよく、舌側本体14も、患者の歯とのカスタマイズされた嵌め合いを提供するように構成され得る。図4、図5、及び図6は、舌側本体14の一実施形態の図を示す。顔面側本体12及び舌側本体14は、患者の歯と組み合わされて、患者の歯上に歯科矯正装具を正しく着座させるように構成されている。舌側本体14は、顔面側本体12の係合部分18及び舌側本体14の係合部分19を使用することによって、顔面側本体12と分離可能かつ係合可能である一方で、それぞれの本体は、完全性を維持する。
図4~図6に示される例では、舌側本体14は、カスタムフィッティング部分17及び係合部分19を含む。歯科矯正医は、カスタム器具のカスタムフィッティング部分17が、患者の歯の唇側表面と密接に位置合わせされ、係合するように使用する。図示した実施形態では、カスタムフィッティング部分17の両端に配置された2つの係合部分19a、19bが存在する。これは理想的だが、必須ではない。例えば、舌側本体14は、カスタムフィッティング部分17に隣接して配置された係合部分19を1つのみ含むことができる。しかし、2つの係合部分19a、19bを有するカスタム器具10では、それぞれ顔面側本体12と舌側本体14との間に2つの相互連結点が提供される。
舌側本体14は、第1の係合部分19A及び第2の係合部分19Bを含む。舌側本体14の係合部分19A、19Bは、図7、図8、及び図9を参照して以下により詳細に説明されるように、顔面側本体12上の係合部分18A、18Bと係合する、又は相互連結するように構築される。
第1の係合部分19a及び第2の係合部分19bは両方とも、カスタムフィッティング部分17から離れるように延びている。図示した実施形態では、係合部分19は、カスタムフィッティング部分17に対して概ね直角に延びている。基準線A-A(図6に示される)として図示されている咬合平面を含む患者の口腔と比較されたときに、係合部分19は、咬合平面に対して概ね垂直に延びている。
図6に示すように、舌側本体14の係合部分19は、顔面側本体12上の係合面24、26、28と適切に嵌合するように構成された様々な係合面を含んでもよい。舌側本体14の係合部分19A、19Bはそれぞれ、顔面側本体12と相互連結するための陥凹部30A、30B、又は当該技術分野において既知の何らかの他の機構を含んでもよい。図示した実施形態では、陥凹部30は、第1の係合面31、第2の係合面32、及び第3の係合面33を含む。陥凹部30A、30Bは、顔面側本体12の突出部20A、20Bと相互連結する、又はスナップ嵌めされるような大きさ及び形状である。当該技術分野における既知の様々な構造は、それらが舌側本体14を顔面側本体12にしっかりと相互連結するのに役立つ限り、陥凹部30及び突出部20の代用となり得る。
図示した実施形態では、カスタムフィッティング部分17は、患者の前歯と嵌合するような大きさ及び形状である。係合部分19は、臼歯に隣接するような大きさ及び形状である。
舌側本体14は、歯科矯正装具80を受容するために、患者の歯の咬合面に隣接する、又は歯に近接して位置する、複数の係合面43を含む。この配置は、クリップ44(図1~3に示される)が同じように同様の位置にある状態で、クリップ44が患者の歯の歯肉に隣接する係合面43とスナップ留めされるのに便利である。しかしながら、図示されない他の実施形態では、クリップ44は、患者の歯の咬合面又は切縁部の下で、舌から間隔を空けてスナップ留めされ得る。
舌側本体14は、カスタム舌側リブ39を含んで個々の患者の口腔への更なるクランプ又は嵌合をもたらすことができ、これは、舌側本体14に更なる堅さ及び/又は剛性をもたらすのに役立つ。
舌側本体14は、第1の位置合わせ部材52が嵌まる大きさ及び形状である第2の位置合わせ部材54を含んでもよい。図示した実施形態では、第2の位置合わせ部材54は、近心位置合わせ受容部であってもよい。具体的には、第2の位置合わせ部材は、顔面側本体12上のポスト52を受容する大きさのスロットであってもよい。
図8A、図8B、図9、及び図10は、顔面側本体12及び舌側本体14がどのように患者の歯の周りに一体に組み立てられて、歯科矯正装具80を器具10の受け部90、100内に、歯上の正確な位置で位置決めするかを示すために有用である。この設計の主要な利点の1つは、一度組み立てられると、顔面側本体と舌側本体との間の移動が、複数の方向及び複数の回転において制限されることである。結果として、歯科矯正医は、患者の歯の理想的な位置に歯科矯正ブラケットをより正確に配置し接着することができる。
図8A及び図8Bを基準点として、歯科矯正医は、まず、第2の位置合わせ部材54を患者の歯の咬合面に隣接して中心に置いた状態で、舌側本体14を患者の歯の後ろに配置することができる。次いで、施術者は、顔面側本体12を歯の前面を覆うように配置し、第1の位置合わせ部材52、すなわちポストを、第2の位置合わせ部材54、すなわち穴に嵌め込んで位置合わせすることができる。しかしながら、他の実施形態では、本体12、14がしるし又は位置合わせ機能部(例えば、視覚的指標、他の形態の機械的嵌合機能部、キーホール、ノッチ、インクなど)を含むことがあり、施術者が顔面側本体12及び舌側本体14を互いに、かつ患者の歯に対して適切に位置合わせし、容易に係合させるのに役立つ。
顔面側本体12及び舌側本体14は、図8A及び図8Bに示されるように、好ましくは、それらを特定の半径で曲げて、うまく相互連結させるために、可撓性材料で作製される。歯科矯正医は、突出部20A、20Bを、対応する陥凹部30A、30B内に配置することによって、本体12、14を相互連結する。突出部20A、20Bを陥凹部30A、30Bに嵌め込むのに役立つように、解放タブ22A、22Bを、任意選択で使用してもよい。
カスタム器具は、ある特定の所望の強度、可撓性、透光性、又は色を有する、一連の3D印刷された材料、成形されたポリマー材料、又はCAD/CAM成形されたポリマー材料から作製することができる。例えば、材料は、透明、半透明、又は不透明であり得るポリマー材料とすることができる。いくつかの実施形態では、透明又は実質的に透明なポリマー材料は、例えば、非晶質熱可塑性ポリマー、半結晶性熱可塑性ポリマー、透明熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーのうちの1つ以上を含んでもよい。熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、アクリル、ポリスルホン、ポリプロリレン、ポリプロピレン/エチレンコポリマー、環状オレフィンポリマー/コポリマー、ポリ-4-メチル-1ペンテン又はポリエステル/ポリカーボネートコポリマー、スチレン系ポリマー材料、ポリアミド、ポリメチルペンテン、ポリエーテルエーテルケトン、及びこれらの組み合わせから選択されてもよい。別の実施形態では、本体の材料は、透明又は実質的に透明の半結晶性熱可塑性樹脂、結晶性熱可塑性樹脂、及び複合材、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル/ポリカーボネートコポリマー、ポリオレフィン、環状オレフィンポリマー、スチレン系コポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリトリメチレンテレフタレート、並びにこれらの混合物及び組み合わせから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、本体の材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートグリコール、並びにこれらの混合物及び組み合わせから選択されるポリマー材料である。更なる実施形態では、熱硬化性ポリマーとして、アクリル、ウレタン、エステル、シリコーン、チオレン、エポキシ、オレフィンメタセシス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。更に、接着後の器具を容易に取り外すために、製造された器具を剥離コーティング(例えば、パリレン)でコーティングすることが有利であり得る。
図8Bは、顔面側本体12と舌側本体14との間に生成され得るクランプ力を説明するのに都合が良い。顔面側本体12は、ある特定の歯列弓長(C)を有し、舌側本体14は、ある特定の歯列弓長(D)を有する。カスタム器具10が作製されるとき、顔面側本体12及び/又は舌側本体14の形状が変更される。例えば、舌側本体の歯列弓長Dを維持しながら、顔面側本体12の歯列弓長Cを短縮することができ、この構成は、本体12、14が組み立てられたときに、当該2つの本体12、14の間にクランプ力を生成する。また、本体12、14は、破断又は座屈しないように十分に強く、突出部20と陥凹部30とを、患者の口腔内で過度の圧力を生じることなく相互連結させることができる。クランプ力はまた、舌側モールド本体14の曲率半径を維持しながら、顔面側モールド本体12の曲率半径をわずかに減少させることによって生成することができる。角度θは、歯列弓の接線に対するラッチ面を示す。
顔面側本体12と舌側本体14との間のクランプ力の程度は、患者の歯の周りに取り付けられた器具10及びその歯肉組織に対する封止の安定度と、患者の口腔への取り付け/口腔からの取り外しの容易さとのバランスをとるように調整されるべきである。クランプ力の程度は、材料、形状、顔面側本体12の短縮量を介して、本体12、14の剛性を増加させること、及び/又は顔面側本体12の曲率半径の減少によって増加させることができる。本体12、14に対する修正は、例えば、適切な収縮率を適用することによって本体全体に適用することができ、あるいは、修正は、本体の様々な領域に及び/又は2つの本体間のラッチ機構に局所的に適用することができる。ラッチ固定並びに係合及び取り外しの容易さは、ラッチ角度、ラッチ面(係合面)31、32、33の長さ、及び表面24、26、28のトポグラフィを調節して、性能の最良バランスを得ることによって調整することができる。有限要素モデリングなどのツールを使用して、以前に試験した症例の試験結果に基づいて、所与のカスタム器具についての適切なパラメータを予測することができる。機械学習は、医師からの臨床成績に関するフィードバックを含め、経時的な予測能力を改善するために、使用することができる。3D印刷又はCNC加工などのデジタル設計及び製造は、能動的なクランプ力を有するカスタム器具本体を作製するのに特に役立つ。
図8a~8bに示されるように、歯科矯正装具80(歯科矯正ブラケットとして図示)は、顔面側本体12及び舌側本体14を患者の歯列弓上にクランプする前に、すでに受け部90内に挿入されている。しかしながら、顔面側本体12及び舌側本体14が患者の歯上に設置された後に、歯科矯正装具80を開放受け部90に装填することは可能である。
図9は、嵌合している顔面側本体12と舌側本体14とを示している。図10は、患者の口腔70内の患者の歯72の周りに適切にクランプされたカスタム歯科器具10を示す。顔面側本体12の第1の係合部分18A及び舌側本体14の第1の係合部分19Aは、口腔内で相互連結され、小臼歯の咬合面からオフセットされており、患者の舌(図示せず)の方向に延びている。同様に、顔面側本体12の第2の係合部分18b及び舌側本体14の第2の係合部分19bが相互連結されている。図示の実施形態では、患者は、6つの歯に接着された歯科矯正装具80を有する。
図11A~図11Cは、カスタム器具が患者の口腔70内に適切に適用された後に、本発明のカスタム器具10を使用するための方法工程を示すのに都合が良い。図11Aは、歯科矯正装具80を受け部100に設置するためのアクセスを可能にするために開かれたドア40のいくつかを示す。この図では、歯科矯正ブラケット80の個々の基部82を見ることができる。図11bは、カスタム器具10内の歯科矯正ブラケット80の、上顎歯列弓内の患者の歯への接着を示す。図11cは、歯科矯正ブラケット80がそれらの理想的な位置で歯に接着された状態の患者の口腔70の歯72を示す。歯上の各歯科矯正装具80の理想的な位置は、以下でより詳細に説明される設計プロセスによって予め決定される。接着プロセスの後、顔面側本体12及び舌側本体14のそれぞれの係合部分18、19を互いに係合解除することによって、顔面側本体12及び舌側本体14が患者の口から取り外される。
歯科矯正装具80を接着するためのカスタム器具10の使用中、典型的には、歯科矯正医又はスタッフメンバーによって接着剤が各装具80の基部82に適用される。しかしながら、カスタム器具10はまた、接着剤がプレコーティングされた歯科矯正装具にも有用である。好適な利用可能な歯科矯正装具は、St.Paulを拠点とする3M Companyから市販されている。3M Companyは、セラミック歯科矯正ブラケットを3M(商標)Clarity(商標)ブラケットとして、金属ブラケットをVictory Series(商標)ブラケット、Unitek(商標)ブラケット、及びSmartClip(商標)自己結紮ブラケットとしてとして市販している。加えて、好適な市販のプレコーティングされた歯科矯正装具又はブラケットは、St.Paul,Minnesotaを拠点とする3M CompanyからAPC(商標)ブラケット、APC(商標)PLUSブラケット、及びAPC(商標)Flash-Freeブラケットとして、入手可能である。接着剤のコーティングがブラケット基部に適用されるか、又はプレコーティングされた器具が使用されるかに関わらず、各歯科矯正装具80は次いで、装具80の基部上の接着剤層を患者の歯上に接触させるように受け部90、100を使用して配置され、接着剤が硬化するまで所定の位置に留まる。受け部90、100は、歯科矯正装具80を歯の表面に対してほぼ垂直な方向で適用することを可能にし、次に、接着中に歯に適用される接着剤が擦れる又は他の方法で接着剤に干渉する可能性を最小限に抑えるのに役立つ。例えば、一方の接着剤成分が器具に適用され、他方の成分が歯に適用される二成分(又はA/B型)化学硬化接着剤を使用する場合に、この状況に遭遇する可能性がある。対照的に、従来のインダイレクトボンディングトレイを使用する場合、その結果として、物理的移動トレイが、咬合方向から歯肉方向に向かって患者の歯上にスライドするときに、より多くの接着剤の擦れが歯側に生じる可能性がある。擦れが接着部位における接着剤の量を減損させ、それによって接着信頼性を低下させる可能性があるため、接着剤の擦れの程度を低減することが一般的に望ましい。擦れはまた、歯の接着しない部分に不要な接着剤の薄膜を残す可能性がある。患者の歯からカスタム器具10を取り外した後、各装具80を歯に接着するために使用された接着剤は、典型的には各装具80の基部上に保持され、各装具80がその意図された位置にしっかりと接着される。
図12は、歯科矯正装具を接着するためのカスタム器具10の別の実施形態を示し、カスタム器具は、2つの異なるタイプの受け部である、開放受け部90及び部分的に取り囲まれた受け部100を示す。開放受け部90は、開放受け部90の外周部内に取り付けられた歯科矯正装具80を有する。取り囲まれた受け部100には、その中に歯科矯正装具80(見えない)が取り付けられている。歯科矯正装具80は、タイウイング84を有する。顔面側本体12及び舌側本体14は、上で詳細に説明したように、一体的にクランプされ、同じ構成の係合部分18a、18b、19a、19b、及び解放テーブル22a、22bを有する。
全ての図は、受け部90、100を有するカスタム器具10を示しており、受け部90、100は、歯科矯正医が各対応する受け部90、100と位置合わせされた患者の歯の唇側表面上に装具90を配置し、接着するのを助ける。しかしながら、本発明のカスタム器具はまた、各対応する受け部90、100と位置合わせされた患者の歯の舌側表面上に装具80を配置し、接着することを助けるように設計された舌側本体及び顔面側本体を提供し得る。
歯科矯正装具を接着するための異なる実施形態のカスタム器具10は、歯科矯正患者の口腔内の部分的な歯列弓から完全な歯列弓にわたって使用され得る。
本明細書に記載のカスタム器具は、個別の患者の歯及び口腔のデジタルモデルに基づき形成することができ、このデジタルモデルは、口腔内スキャナなど、口腔内三次元スキャンによって作成することができる。1つの具体的な例では、カスタム器具は、計画された歯科治療のデジタルモデルに基づくソリッドモデリングソフトウェアなどの、CADソフトウェアを使用してデジタル設計されてもよい。カスタム器具は、歯科矯正治療を受ける歯(装具位置決め部分)と隣接する歯の一部(係合部分)に嵌まるように設計される。その後、ブロックから歯の歯牙構造モデルをデジタル的に減算して器具を作製することができる。あるいは、ソフトウェア上で歯牙構造の反転像を反転させて、ブロックを画定してもよい。係合部分は、歯がそこから延びる歯の領域に対応する領域に位置してもよい。
器具構成要素を歯上で最終的に組み立てることを容易にするために、デジタルモデル内で、本体ブロック設計を2つのセクション(顔面側本体及び舌側本体)に分割してもよく、上述したように、所望のクランプ力をもたらすために歯列弓長に関連して特定の幾何学的干渉が選択される。デジタルモデル内で、上記でより詳細に説明したように、係合部分が患者の口腔内のどこに配置されるかに基づいて、係合部分の全体的な高さを選択して、ある特定の相互連結幾何形状を有する係合部分が設計される。
デジタルモデル内で、仮想歯科矯正装具が歯列弓モデルの歯上の所望の位置に配置されて、複合モデルを形成する。本発明の一実施形態では、歯科矯正装具は、唇側ブラケットによって表される。代替実施形態では、歯科矯正装具は、舌側ブラケットによって表される。それにかかわらず、歯に取り付けるための全体的な形状及び対応する基部を含む歯科矯正装具は、装具の製造業者によって、STLファイル又は他のデジタル画像の形態で直接提供される。1つの好適な装具製造業は、St.Paulを拠点とする3M Companyである。好ましくは、歯科矯正装具は、患者の歯に接着される物理的器具の正確な仮想複製である。
患者の仮想歯列弓モデルの歯上における仮想歯科矯正装具の所望の位置は、いくつかの方法のうちのいずれかで決定することができる。一例では、治療専門家は、ローカルコンピュータを使用して、仮想歯科矯正装具を手動で選択し直接モデル上に配置する。いくつかの実施形態では、モデリングソフトウェアは、各装具及び各歯を3D環境内の別個のオブジェクトとして処理し、対応する装具の歯に関連付けられた座標系に対する3D空間内の各歯科矯正装具の位置を固定する。次いで、モデリングソフトウェアは、例えば、仮想歯科矯正装具を、施術者によって選択された仮想アーチワイヤに仮想的に接続し、歯科矯正装具及び選択されたアーチワイヤの位置に基づいて歯の最終位置を計算することができる。次いで、モデリングソフトウェアは、治療専門家が検討するために、最終的なかみ合わせにおける仮想歯を表示することができる。
治療専門家が歯の最終予測位置に完全に満足しない場合、治療専門家は、モデリングソフトウェアを使用して、仮想歯科矯正装具のうちの1つ以上を仮想歯に対して操作することができる。これらの調整に基づいて、モデリングソフトウェアは、仮想歯科矯正装具を仮想アーチワイヤに再び仮想的に接続し、例えば、新しい最終位置への歯の動きをシミュレートすることができる。次いで、対応する仮想装具の位置によって決定された歯の新しい最終位置が計算され、検討するために表示される。これらのステップは、モデリングソフトウェアによって表される歯の最終位置に治療専門家が満足するまで、所望の回数繰り返すことができる。装具を移動させることの代替として、治療専門家は、代わりに、モデリングソフトウェアを使用して歯の所望の位置を規定し、歯をそれらの所望の位置へ移動させるために仮想歯科矯正装具を配置する好適な位置をモデリングソフトウェアに決定させてもよい。仮想歯科矯正治療の例は、発行された米国特許第6,739,869号(Kopelmanら)、第7,354,268号(Rabyら)及び第7,993,133号(Cinader,Jr.ら)に開示されている。
別の選択肢として、歯科矯正装具80の位置は、治療専門家のオフィスから離れた場所で、技術者によって実行され得る。例えば、歯科矯正装具製造業者の施設における技術者は、歯科矯正治療の原理からの基準又はガイドラインに基づき、モデリングソフトウェアを使用して歯科矯正装具を歯列弓モデルに配置することができる。このような原理は、例えば、Richard P.McLaughlin BS DDS、John C.Bennett FDS RCS、及びHugo Trevisi DDSによる教科書「Systemized Orthodontic Treatment Mechanics」第1版においてDrs.MacLaughlin、Bennett及びTrevisiが教示している。
装具の配置のためのこれらの基準又はガイドラインは、モデル内の各歯に特有であってもよく、各歯の臨床歯冠に対するアーチワイヤスロットの位置(例えば、咬合面ー歯肉間の高さ)をコールアウトしている。技術者はまた、治療専門家により提供される別個の指示に従って歯科矯正装具を配置し得る。技術者が歯科矯正装具の位置及び得られた歯の最終位置に満足すると、モデルは、治療専門家が検討するために歯科矯正装具の位置を表すデータと共に転送される。次に、治療専門家は、技術者の装具配置位置を承認する、又は必要に応じて歯科矯正装具を再配置することができる。
更に別の選択肢として、ローカルコンピュータは、歯上の歯科矯正装具の位置を治療専門家に自動的に提案することができる。この場合も、これらの提案された歯科矯正装具の位置は、任意選択的に、歯科矯正治療原理、又は当該技術分野における他の既知の基準又はガイドラインに基づいている。仮想ブラケットを歯に自動的に配置する例は、発行された米国特許第7,210,929号(Rabyら)、第8,517,727号(Rabyら)及び第7,940,258号(Starkら)に記載されており、それらは全て参照により本明細書に組み込まれる。前述のように、治療専門家は、歯科矯正装具のコンピュータ提案位置を検討する機会を有し、配置位置を承認する、又は所望に応じて歯科矯正装具を再配置することもできる。
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明の趣旨から逸脱することなく、多数の他の変形、修正、及び追加も可能である。したがって、本発明は、上記の特定の実施形態に限定されるものと見なされるべきではなく、代わりに、以下の特許請求の範囲公平な範囲及びそれらの等価物によってのみ限定されるものである。
以下の実施形態は、本開示を例示することが意図され、限定するものではない。
例示的実施形態
実施形態1は、歯科矯正装具を患者の口腔内で接着するためのカスタム器具であって、患者の複数の歯の顔面側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための顔面側本体であって、複数の歯に位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部を含む、顔面側本体と、患者の複数の歯の舌側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための舌側本体と、を備え、顔面側本体と舌側本体とが、相互連結するように構成されており、顔面側本体と舌側本体とが、患者の歯と組み合わされて、歯科矯正装具を複数の歯上の受け部内に位置決めするように構成されている、カスタム器具である。
実施形態2は、複数の受け部のうちの1つをそれぞれ有する複数のドアを更に含み、各ドアが、歯に隣接して位置する、対応する開口部と嵌合して、歯科矯正装具を受容する、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態3は、複数のドアが、顔面側本体への取り付けのためのヒンジを含む、請求項2に記載のカスタム器具である。
実施形態4は、ヒンジが、第1の直径を有する第1の部分と、第2の直径を有する第2の部分とを含む、請求項3に記載のカスタム器具である。
実施形態5は、少なくとも1つのドアが、顔面側本体への取り付けのための取り付け機構を含む、請求項4に記載のカスタム器具である。
実施形態6は、取り付け機構がクリップである、請求項5に記載のカスタム器具である。
実施形態7は、ドアのヒンジが、顔面側本体の咬合部分に隣接している、請求項2に記載のカスタム器具である。
実施形態8は、顔面側本体が、装具位置決め部分と装具位置決め部分から離れるように延びている第1の係合部分とを含み、舌側本体が、第1の係合部分を含み、顔面側本体の第1の係合部分が、舌側本体の第1の係合部分と相互連結する、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態9は、顔面側本体が、装具位置決め部分から離れるように延びている第2の係合部分を含み、舌側本体が、第2の係合部分を含み、顔面側本体の第2の部分が、舌側本体の第2の部分と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具である。
実施形態10は、複数の受け部が、歯科矯正装具をそれぞれ保持するように設計された開口部である、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態11は、複数の受け部が、歯科矯正装具をそれぞれ保持するように取り囲まれている、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態12は、患者の口腔が咬合平面を含み、顔面側本体の第1の係合部分及び舌側本体の第1の係合部分が、咬合平面に対して概ね垂直に延びている、請求項8に記載のカスタム器具である。
実施形態13は、第1の位置合わせ部材を顔面側本体上に、かつ第2の位置合わせ部材を舌側本体上に更に含む、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態14は、顔面側本体の第1の係合部分が、突出部を含み、舌側本体の第1の係合部分が、陥凹部を含み、顔面側本体の突出部が、患者の口腔の咬合平面に隣接して舌側本体の陥凹部と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具である。
実施形態15は、顔面側本体の第1の係合部分が、陥凹部を含み、舌側本体の第1の係合部分が、突出部を含み、舌側本体の突出部が、患者の口腔の咬合平面に隣接して顔面側本体の陥凹部と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具である。
実施形態16は、顔面側本体の第1の係合部分が、舌側本体の第1の係合部分と相互連結し、相互連結部分が、顔面側本体と舌側本体との間にクランプ力を提供するように構成されている、請求項8に記載のカスタム器具である。
実施形態17は、顔面側本体が、複数の歯と位置合わせされた複数の受け部を含み、各受け部が、歯科矯正装具を保持する、請求項1に記載のカスタム器具である。
実施形態18は、歯科矯正装具が接着剤プレコーティングされている、請求項17に記載のカスタム器具である。
実施形態19は、各受け部が、受け部に対応する歯上に歯科矯正装具を所定の位置かつ所定の向きで保持する、請求項17に記載のカスタム器具である。
実施形態20は、患者の口腔内で歯科矯正装具を接着する方法であって、歯科矯正装具を受容するために、患者の歯の舌側とのカスタマイズされた嵌め合いを有し、第1の係合部分を含む、患者固有の舌側本体を、患者の複数の歯に隣接して位置決めすることと、患者の歯の顔面側とのカスタマイズされた嵌め合いと、第1の係合部分と、複数の歯と位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部であって、開口部である、受け部と、を有する、患者固有の顔面側本体を、複数の歯に隣接して位置決めすることと、顔面側本体の第1の係合部分を舌側本体の第1の係合部分と相互連結させて、患者の歯と組み合わせることと、複数の受け部内のそれぞれに歯科矯正装具を配置して、歯科矯正装具を複数の歯上に位置決めすることと、歯科矯正装具を複数の歯に接着することと、顔面側本体及び舌側本体を複数の歯から取り外すことと、を含む、方法である。
実施形態21は、接着するステップが、歯科矯正装具と歯との間の接着剤層を光硬化させることを含む、請求項20に記載の方法である。
実施形態22は、各受け部が、受け部に対応する歯上に歯科矯正装具を所定の位置かつ所定の向きで保持する、請求項20に記載の方法である。

Claims (22)

  1. 歯科矯正装具を患者の口腔内で接着するためのカスタム器具であって、
    前記患者の複数の歯の顔面側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための顔面側本体であって、前記複数の歯に位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部を含む、顔面側本体と、
    前記患者の前記複数の歯の舌側との患者固有のカスタマイズされた嵌め合いのための舌側本体と、を備え、
    前記顔面側本体と前記舌側本体とが、相互連結するように構成されており、
    前記顔面側本体と前記舌側本体とが、前記患者の前記歯と組み合わされて、歯科矯正装具を前記複数の歯上の前記受け部内に位置決めするように構成されている、
    カスタム器具。
  2. 前記複数の受け部のうちの1つをそれぞれ有する複数のドアを更に含み、各ドアが、歯に隣接して位置する、対応する開口部と嵌合して、歯科矯正装具を受容する、請求項1に記載のカスタム器具。
  3. 前記複数のドアが、前記顔面側本体への取り付けのためのヒンジを含む、請求項2に記載のカスタム器具。
  4. 前記ヒンジが、第1の直径を有する第1の部分と、第2の直径を有する第2の部分とを含む、請求項3に記載のカスタム器具。
  5. 少なくとも1つの前記ドアが、前記顔面側本体への取り付けのための取り付け機構を含む、請求項4に記載のカスタム器具。
  6. 前記取り付け機構が、クリップである、請求項5に記載のカスタム器具。
  7. 前記ドアの前記ヒンジが、前記顔面側本体の咬合部分に隣接している、請求項2に記載のカスタム器具。
  8. 前記顔面側本体が、装具位置決め部分と、前記装具位置決め部分から離れるように延びている第1の係合部分と、を含み、
    前記舌側本体が、第1の係合部分を含み、
    前記顔面側本体の前記第1の係合部分が、前記舌側本体の前記第1の係合部分と相互連結する、請求項1に記載のカスタム器具。
  9. 前記顔面側本体が、前記装具位置決め部分から離れるように延びている第2の係合部分を含み、前記舌側本体が、第2の係合部分を含み、前記顔面側本体の前記第2の部分が、前記舌側本体の前記第2の部分と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具。
  10. 前記複数の受け部が、歯科矯正装具をそれぞれ保持するように設計された開口部である、請求項1に記載のカスタム器具。
  11. 前記複数の受け部が、歯科矯正装具をそれぞれ保持するように取り囲まれている、請求項1に記載のカスタム器具。
  12. 前記患者の前記口腔が、咬合平面を含み、前記顔面側本体の前記第1の係合部分及び前記舌側本体の前記第1の係合部分が、前記咬合平面に対して概ね垂直に延びている、請求項8に記載のカスタム器具。
  13. 第1の位置合わせ部材を前記顔面側本体上に、かつ第2の位置合わせ部材を前記舌側本体上に更に含む、請求項1に記載のカスタム器具。
  14. 前記顔面側本体の前記第1の係合部分が、突出部を含み、前記舌側本体の前記第1の係合部分が、陥凹部を含み、前記顔面側本体の前記突出部が、患者の口腔の咬合平面に隣接して前記舌側本体の前記陥凹部と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具。
  15. 前記顔面側本体の前記第1の係合部分が、陥凹部を含み、前記舌側本体の前記第1の係合部分が、突出部を含み、前記舌側本体の前記突出部が、患者の口腔の咬合平面に隣接して前記顔面側本体の前記陥凹部と相互連結する、請求項8に記載のカスタム器具。
  16. 前記顔面側本体の前記第1の係合部分が、前記舌側本体の前記第1の係合部分と相互連結し、
    前記相互連結部分が、前記顔面側本体と前記舌側本体との間にクランプ力を提供するように構成されている、請求項8に記載のカスタム器具。
  17. 前記顔面側本体が、前記複数の歯と位置合わせされた複数の受け部を含み、各受け部が、歯科矯正装具を保持する、請求項1に記載のカスタム器具。
  18. 前記歯科矯正装具が、接着剤プレコーティングされている、請求項17に記載のカスタム器具。
  19. 各受け部が、前記受け部に対応する歯上に歯科矯正装具を所定の位置かつ所定の向きで保持する、請求項17に記載のカスタム器具。
  20. 患者の口腔内で歯科矯正装具を接着する方法であって、
    歯科矯正装具を受容するために、患者の歯の舌側とのカスタマイズされた嵌め合いを有し、第1の係合部分を含む、患者固有の舌側本体を、前記患者の複数の歯に隣接して位置決めすることと、
    前記患者の前記歯の顔面側とのカスタマイズされた嵌め合いと、第1の係合部分と、前記複数の歯と位置合わせされて歯科矯正装具を受容する複数の受け部であって、開口部である、受け部と、を有する、患者固有の顔面側本体を、前記複数の歯に隣接して位置決めすることと、
    前記顔面側本体の前記第1の係合部分を前記舌側本体の前記第1の係合部分と相互連結させて、前記患者の前記歯と組み合わせることと、
    前記複数の受け部内のそれぞれに歯科矯正装具を配置して、前記歯科矯正装具を前記複数の歯上に位置決めすることと、
    前記歯科矯正装具を前記複数の歯に接着することと、
    前記顔面側本体及び前記舌側本体を複数の歯から取り外すことと、
    を含む、方法。
  21. 前記接着するステップが、前記歯科矯正装具と前記歯との間の接着剤層を光硬化させることを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 各受け部が、前記受け部に対応する歯上に歯科矯正装具を所定の位置かつ所定の向きで保持する、請求項20に記載の方法。
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