JP2022551160A - 植物の果実の発育を促進するための温室フィルムにおけるケイ酸塩の使用 - Google Patents

植物の果実の発育を促進するための温室フィルムにおけるケイ酸塩の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、植物の果実発育を促進するための、温室フィルムにおけるケイ酸塩の使用に関し、このフィルムは、少なくともマトリックスとケイ酸塩とを含む。前記発明は、植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩とを含むフィルム、及び植物の果実発育を促進するために温室において少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩とを含むフィルムを使用することにも関する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物の果実発育を促進するための、温室フィルムにおけるケイ酸塩の使用に関し、このフィルムは、少なくともマトリックスとケイ酸塩とを含む。前記発明は、植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩とを含むフィルム、及び植物の果実発育を促進するために温室において少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩とを含むフィルムを使用することにも関する。
世界的な人口の増加に伴い、農業のニーズのために改良された組成物を提供することが継続的に求められている。そのような農薬組成物は、植物の成長を促進し、作物の収量を増やすという点で効率的である必要がある。そのため、高い植物生産性を得ることの一般的な要望が存在する。前記生産性を促進することを目的として、作物の生産性を促進するために有機製品が非常に頻繁に使用されてきたが、哺乳類、特にヒトに対するこれらの製品の長期的な影響について懸念が高まっている。したがって、製品の長期的な影響の懸念なしに前記製品の助けを借りて作物の生産性を改善する必要もある。
植物の成長は、通常、植物の成長速度を促進、増加、若しくは改善すること、又は植物のサイズの増加を上昇又は促進することとして定義されるものの、成熟に到達するための植物の生育に関しての唯一の因子ではない。そのバイオマスの増加に加えて、果物の適切な発育、すなわち植物によって生産される果実の数、それらのサイズ及び/又は品質を確保にする必要もある。実際には、生の果物及び野菜は、サイズ及び品質を維持するために、特に食品ロス及び廃棄物を減らすために、栽培者、貯蔵管理者、加工業者、及び小売業者による協調的な活動を必要とする腐りやすい生きた製品である。The Food and Agriculture Organizationは、2009年に世界で生産された全ての食品の32%(重量ベース)が失われたか廃棄されたと推定した。カロリーに換算すると、世界の損失は生産された全ての食品の約24%に相当する。これらの食品は必須栄養素を提供し、国内の及び国際的な収入源となることから、品質を高め、生の果物や野菜のロス及び廃棄物を減らすことが重要である。
農業の持続可能性は、土地の単位面積あたりの生産がコスト効率の高い方法で増加することを要求する。果物の量及び質を増加させるために生育を操作できるようにすることが、長い間栽培者の目標である。果実の総収量は多くの因子の影響を受ける。例えば、果実の量は花の数と花をつけることができる枝の数とに依存する一方で、果実のサイズは着果の数に依存する。果実のサイズは、光合成の生成物を果実に輸送する葉の数によっても影響を受ける。根、塊茎、及び球根の作物も、植物の地下部分に光合成産物を輸送する葉の数によって同様に影響を受ける。植物の地上と地下の部分は、果物の生産に追加の影響を与えるホルモンを産生する。根の発達、栄養素の取り込み、水の利用可能性、気候、及びストレス(非生物的及び生物的)は、全て光合成及び植物代謝に影響を与え、結果として果実のサイズに影響を与える。加えて、生産の全ての態様は、剪定、施肥、灌漑、並びに栄養補給及び植物成長調整剤の使用などの農業慣行の影響を受ける。
現在、植物成長調整剤(PGR)は、果実の生育を操作するために利用可能な最も強力なツールのうちの1つである。一年生、二年生、及び多年生の様々な作物について、PGRは生産上の問題を解決するために使用されてきた。例えば、悪い気象条件を回避したり、収穫を市場がより経済的に有利な時期にシフトしたりするために、PGRは、開花を増やしたり、開花を同期させたり、開花時期を変更したりするための葉面散布剤としてうまく使用されてきた。驚くべきことに、これらの成功は、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、及びエチレンの5つの古典的なグループのうちの1つであるか、その合成に影響を与える適度な数の市販のPGRで達成された。
しかしながら、多くのPGRは天然植物ホルモンの効果を模倣する合成化合物であるため、それらは様々な規制を受け、有機生産物を好む消費者の成長するセグメントに好意的に受け入れられていない。そのため、果物の生産を増やすために天然化合物を使用する組成物及び方法が当該技術分野において求められている。
さらに、外観、食感、風味、及び栄養価などの生鮮農産物の属性が従来の品質基準であったが、農場から消費者までのサプライチェーンに沿った全ての役割を担う人々にとって、ますます安全性(化学的、毒物学的、及び微生物学的)及びトレーサビリティが重要になってきている。
本発明は、この技術的問題及び対処されていない問題を解決することを目的とする。実際、植物と直接接触せず、且つ放射誘導放出効率を有する農薬組成物は、植物によって産生される果実の数、それらのサイズ及び/又は品質などの果実の発育において優れた結果を示すようである。そして今回、天然の植物ホルモンに影響を与えるために化学物質を使用せず、且つ前記製品の長期的な影響に関する懸念なしで、果物の生育を促進することを可能にする植物処理を設定することが可能なようである。
その結果、本発明は、果実の発育を促進するという点で非常に有効な植物の処理を提供し、これは作物収量の改善をもたらす。さらに、本発明で使用される処理は、優れた物理化学的特性、特に貯蔵時の改善された安定性を有する。粒子の無機的な性質は、環境への影響も少なく、特に哺乳類、特にヒトへの長期的な影響が少ない。
かくして、本発明は、植物の果実発育を促進するための、温室フィルムにおけるケイ酸塩S1の使用に関し、このフィルムは、少なくともマトリックス及びケイ酸塩S1、好ましくはマトリックス中に分散されたケイ酸塩S1粒子を含み、前記ケイ酸塩S1は:
(a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
(b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
を示す。
本発明は、植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩S1とを含むフィルム、及び植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスと前記ケイ酸塩S1とを含むフィルムの、温室における使用にも関する。そのようなフィルム、及びその結果としてケイ酸塩S1は、温室(温室の屋根、壁)の製造又は建設に有利に使用される。
本発明のケイ酸塩は、フィルムが太陽光又は人工放射、好ましくはUV放射を特に青色光及び/又は赤色光に変換すること、或いは代わりに太陽又は人工放射、好ましくはUV放射、特に太陽光のUV放射を低エネルギーの放射に変換し、その結果果実の発育を改善することを可能にするようである。
定義
以下の用語は当業者によって理解されると考えられるが、以下の定義は、本明細書で開示されている主題の説明をし易くするために示されている。別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術的な用語及び科学的な用語の全ては、本明細書で開示されている主題に関する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似の又は均等な任意の方法、装置、及び材料を、本明細書に開示されている主題の実施又は試験に使用することができるが、代表的な方法、装置、及び材料を以下に説明する。
参照により本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願及び刊行物の開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
本明細書の全体にわたり、文脈が他に必要としない限り、「備える(comprise)」又は「含む(include)」という語又は変形形態、例えば「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」は、記載された要素若しくは方法の工程又は要素若しくは方法の工程の群を包含するが、任意の他の要素若しくは方法の工程又は要素若しくは方法の工程の群を排除するものではないことを意味すると理解される。好ましい実施形態によれば、「備える(comprise)」及び「含む(include)」という単語、及びそれらの変形形態は、「のみからなる(consist exclusively of)」を意味する。
本明細書において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数形の態様を含む。用語「及び/又は」は、「及び」、「又は」の意味及びまた、この用語に関連する要素の他の可能な組み合わせも全て包含する。
用語「~と~との間」は、限界点を含むと理解されるべきである。
比、濃度、量及び他の数値データは、本明細書において範囲形式で示される場合がある。このような範囲形式は、単に便宜上及び簡潔さのために使用され、範囲の限界点として明示的に列挙される数値を包含するだけでなく、それぞれの数値及び部分範囲が明示的に列挙されるかのようにその範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲を包含するように柔軟に解釈されるものと理解すべきである。例えば、約120℃~約150℃の温度範囲は、約120℃~約150℃の明示的に列挙された限界点を包含するだけでなく、125℃~145℃、130℃~150℃等の部分範囲、並びに例えば122.2℃、140.6℃、及び141.3℃など、小数量などの明記した範囲内の個々の量をも包含するように解釈されるべきである。
用語「アリール」は、単環(例えばフェニル)若しくは多環(例えばビフェニル)、又は多環縮合(縮)環(例えばナフチル又はアントラニル)を有する6~18個の炭素原子の芳香族炭素環基を指す。また、アリール基は、多環、例えばテトラリンを形成するように、芳香族でない脂肪族環又は複素環と縮合するか又は架橋されてもよい。「アリール」という用語には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン、及びビフェニルなどの芳香族ラジカルが包含される。「アリーレン」基は、アリール基の二価類似体である。
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環内に(2つ以上の環が存在する場合)、酸素、窒素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子を有する3~10個の炭素原子を有する芳香族環基を指す。
用語「脂肪族」は、1~18個の炭素原子を有する置換又は無置換の飽和アルキル鎖、1~18個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルケニル鎖、1~18個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキニル鎖を指す。
本明細書で使用される「アルキル」基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどの直鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルなどの環状アルキル基(又は「シクロアルキル」又は「脂環式」又は「炭素環式」基);イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、及びイソブチルなどの分岐鎖アルキル基;並びにアルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基などのアルキル置換アルキル基;を含む、1つ以上の炭素原子を有する飽和炭化水素が含まれる。用語「脂肪族基」は、1~18個の間の炭素原子を典型的に有する、直鎖又は分岐鎖を特徴とする有機部分が含まれる。複雑な構造においては、鎖は分岐、橋かけしていてもよく、又は架橋していてもよい。脂肪族基には、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が含まれる。
本明細書で使用される「アルケニル」又は「アルケニル基」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖又は分岐状であり得る脂肪族炭化水素ラジカルを指す。アルケニル基の例には、これらに限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、i-ブテニル、3-メチルブト-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等が含まれる。用語「アルキニル」は、エチニルなどの少なくとも1つの三重炭素-炭素結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を指す。
用語「アリール脂肪族」は、脂肪族に共有結合しているアリール基を指し、この中アリール及び脂肪族は本明細書に定義されている。
用語「脂環式」は、部分的に不飽和であってもよい単環式環又は多環縮合環を有する、3~20個の炭素原子の炭素環基を指し、この中のアリール及び脂肪族は本明細書で定義されている。用語「複素環基」には、環中の炭素原子の1個以上が炭素以外の元素(例えば窒素、硫黄、又は酸素)である炭素環基に類似した閉環構造が含まれる。複素環基は飽和であっても不飽和であってもよい。
「アルコキシ」という用語は、それぞれが1個~約24個の炭素原子、又は好ましくは1個~約12個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖又は分岐のオキシ含有基を指す。そのようなラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシが挙げられる。
本明細書で使用される有機基に関する専門用語「(Cn~Cm)」(式中、n及びmはそれぞれ整数である)は、この基が、基当たりn個の炭素原子からm個の炭素原子を含有してもよいことを示す。
本明細書で使用される「植物」という用語は、植物界のうちの1要素を指し、限定するものではないが、種子などの植物のライフサイクルの全ての段階を含み、全ての植物の部分を含む。本発明による植物は、農業植物及び園芸植物、低木、樹木、及び草であってよく、以下で集合的に植物と呼ばれることもある。
本明細書で使用される「果実」という用語は、植物によって生産される経済的価値を有するあらゆるものを意味するとして理解されるべきである。それは、例えば、植物学的な果実、野菜、料理用の野菜、液果、及び種子であってよい。植物学では、果実は顕花植物の子房から発達する種子を有する構造である一方で、野菜は根、葉、及び茎などの他の全ての植物の部分である。植物学的な果実は1つ又は複数の花の成熟により生じ、花の雌しべが果実の全部又は一部を形成する。野菜は、料理用野菜として使用される食用部分のために栽培されるキャベツ、ジャガイモ、マメ、カブなどの草本植物として一般に定義される。種子、葉、根、球根などの植物の食用部分は、果物とは対照的である。しかしながら、トマトは植物学的には果物であるとみなされていることから、本開示の目的のための果物又は野菜という用語は、野菜であるか果物であるかにかかわらず生産される植物として定義される。
「バイオマス」という用語は、所定の時点における、植物組織、植物全体、又は植物の集団の総質量又は重量(生又は乾燥)を意味する。バイオマスは、通常、単位面積あたりの重量として示される。増加したバイオマスには、限定するものではないが、増加した鞘バイオマス、茎バイオマス、及び根バイオマスが含まれる。
「フィルム」という用語は、フィルムの他の特徴的な寸法(特に長さ、幅)と比較してその厚さ(平面間の距離)が小さい、3次元固体としての幾何学的構成を有するフィルム又はシート、構造要素を含むような一般的な意味で使用することができる。フィルムは、通常、面積又は体積を分離するため、アイテムを保持するため、バリアとして機能するため、又は印刷可能な表面として使用される。
「温室」という用語は、作物の保護及び成長に使用されるあらゆる種類のシェルターを網羅するものとして、その最も広い意味で本明細書では理解されるべきである。例えば、それらは、特にCIPAにより発行されたパンフレット(Congres International du Plastique dans l’Agriculture),65 rue de Prony Paris、Jean-Pierre Joueotによる「L’evolution de la plasticulture dans le Monde」に記載されているような、プラスチック温室及び大きなプラスチックトンネル、ガラス温室、大きいシェルター、半促成トンネル、平らな保護シート、壁、マルチング(マルチフィルム)であってよい。温室は、園芸キット及び発芽のキットを指す場合もある。
「発光」という用語は、発光材料の励起スペクトルに一致する励起波長の下で発光材料によって放出される光子に対応する。
「ピーク波長」という用語は、一般に認識されている意味を意味し、本明細書では、これは、最大強度/吸収を有する発光/吸収(好ましくは発光)スペクトルのメインピークと、メインピークよりも小さい強度/吸収を有するサイドピークの両方を含み得る。ピーク波長という用語は、サイドピークに関する場合がある。ピーク波長という用語は、最大強度/吸収を持つメインピークに関する場合がある。
これに関連して、「放射誘導放出効率」という用語も理解されるべきである。すなわち、ケイ酸塩は、特定の波長範囲の放射を吸収し、特定の効率で別の波長範囲の放射を放出する。
植物
農業植物又は園芸植物などの本発明による植物は、単子葉植物であっても双子葉植物であってもよく、また農産物又は園芸製品、例えば、穀物、食品、繊維などの生産のために植えられ得る。植物は、穀物植物であってよい。
本発明のフィルム及び使用は、事実上あらゆる種類の植物及び果実に適用することができる。植物は、限定するものではないが、以下のリストから選択することができる:
- 食用作物:トウモロコシ/コーン(Zea mays)、ソルガム(Sorghum spp.)、キビ(Panicum miliaceum、P.sumatrense)、米(Oryza sativa indica、Oryza sativa japonica)、小麦(Triticum sativa)、大麦(Hordeum vulgare)、ライ麦(Secale cereale)、ライ小麦(Triticum X Secale)、及びオーツ麦(Avena fatua)を含む穀物など;
- 葉物野菜:キャベツ、ブロッコリー、チンゲン菜、ルッコラなどのアブラナ科の植物;ほうれん草、クレス、バジル、及びレタスなどのサラダ用野菜など;
- 果菜類及び花菜類:アボカド、スイートコーン、アーティチョーク、ウリ(curcubit)、例えばスクワッシュ、キュウリ、メロン、スイカ、スクワッシュ類、例えばズッキーニ、パンプキン;ナス科の野菜/果物(例えばトマト、ナス、及びトウガラシ)など;
- さや野菜:落花生、エンドウ豆、豆、レンズ豆、ひよこ豆、及びオクラなど;
- 球根状及び茎状の野菜:アスパラガス、セロリ、ネギ属作物、例えばニンニク、タマネギ、及びリーキなど;
- 根及び塊茎野菜:ニンジン、ビート、タケノコ、キャッサバ、ヤムイモ、生姜、キクイモ、パースニップ、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、カブ、及びわさびなど;
- 糖科作物:テンサイ(Beta vulgaris)及びサトウキビ(Saccharum officinarum)など;
- ノンアルコール飲料及び刺激剤の製造のために栽培される作物:コーヒー、紅茶、ハーブ茶、緑茶、ココア、及びタバコなど;
- 果実作物:液果果実(例えばキウイフルーツ、ブドウ、スグリ、グースベリー、グアバ、フェイジョア、ザクロ)、柑橘系果実(例えばオレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ)、子房上果実(例えばバナナ、クランベリー、ブルーベリー)、集合果(ブラックベリー、ラズベリー、ボイセンベリー)、多花果(例えばパイナップル、イチジク)、核果作物(例えばアプリコット、ピーチ、チェリー、プラム)、種子果(例えばリンゴ、ナシ)、及びイチゴやヒマワリ種子などのその他のものなど;
- 料理用及び薬用ハーブ:ローズマリー、バジル、ゲッケイジュ、コリアンダー、ミント、ディル、オトギリソウ、ジギタリス、アロエベラ、及びローズヒップなど;
- スパイスを産生する作物:ブラックペッパー、クミンシナモン、ナツメグ、ショウガ、クローブ、サフラン、カルダモン、メイス、パプリカ、マサラ、及びスターアニスなど;
- ナッツやオイルの製造のために栽培される作物:アーモンド及びクルミ、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ココナッツ、クリ、マカダミアナッツ、ピスタチオナッツ;ピーナッツ、ピーカンナッツ、ダイズ、綿花、オリーブ、ヒマワリ、ゴマ、ルピナス種及びアブラナ科の作物(例えばキャノーラ/ナタネ)など;
- ビール、ワイン、及びその他のアルコール飲料の製造のために栽培される作物(例えばブドウ、ホップ);
- 食用キノコ(例えばホワイトマッシュルーム、シイタケ、及びヒラタケ);
- 牧畜農業で使用される植物:マメ科植物:シャジクソウ(Trifolium)種、アルファルファ(Medicago)種、ハス(Lotus)種;シロツメクサ(T.repens);ムラサキツメクサ(T.pratense);コーカシアンクローバー(T.ambigum);サブタレニアンクローバー(T.subterraneum);アルファルファ/ルツェルン(Medicago sativum);一年生Medicago属牧草;バレルメディック;コメツブウマゴヤシ;イガマメ(Onobrychis viciifolia);ミヤコグサ(Lotus corniculatus);ネビキミヤコグサ(Lotus pedunculatus)など;
- 飼料及びアメニティグラス:ロリウム(Lolium)種などの寒地型牧草;フェスツカ(Festuca)種;アグロスティス種(Agrostis spp.)、ドクムギ(Lolium perenne);ネズミムギ(Lolium hybridum);一年生ライグラス(Lolium multiflorum)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea);ヒロハノウシノケグサ(Festuca pratensis);オオウシノケグサ(Festuca rubra);フェスツカ オヴィナ(Festuca ovina);フェストロリウム(ロリウム(Lolium)Xフェスツカ(Festuca)交配);カモガヤ(Dactylis glomerata);ケンタッキーブルーグラスポアプラテンシス(Poa pratensis);ポア パルストリス(Poa palustris);ポア ネモラリス(Poa nemoralis);ポア トリビアリス(Poa trivialis);ポア コンプレサ(Poa compresa);スズメノチャヒキ(Bromus)種;ファラリス(Phleum)種;アルヘナセラム エラチウス(Arrhenatherum elatius);アグロピロン(Agropyron)種;アベナ ストリゴサ(Avena strigosa);及びセタリア イタリック(Setaria italic)など;
- 暖地型牧草:ファラリス(Phalaris)種;ブラキアリア(Brachiaria)種;エラグロスティス(Eragrosti)種;パニカム(Panicum)種;バハイグラス(Paspalum notatum);ブラキポディウム(Brachypodium)種など;
- バイオ燃料生産に使用される草:スイッチグラス(Panicum virgatum)及びミスカンツス(Miscanthus)種など;
- 繊維作物:麻、ジュート、ココナッツ、サイザル麻、亜麻(Linum spp.);ニュージーランド亜麻(ホルミウム(Phormium)種);針葉樹や広葉樹林種などの紙及び集成材繊維製品のために収穫されるプランテーション及び天然の森林種など;
- プランテーション林業及びバイオ燃料作物で使用される樹木及び低木種:マツ(Pinus種);モミ(Pseudotsuga種);トウヒ(Picea種);イトスギ(Cupressus種);アカシア(Acacia種);ハンノキ(Alnus種);オーク種(Quercus種);セコイア(Sequoiadendron種);ヤナギ(Salix種);シラカバ(Betula種);ヒマラヤスギ(Cedurus種);セイヨウトネリコ(Fraxinus種);カラマツ(Larix種);ユーカリプタス(Eucalyptus)種;タケ(Bambuseae種)、及びポプラ(Populus種)など;
- 抽出処理、生物学的処理、物理的処理、又は生化学的処理によってエネルギー、バイオ燃料、又は工業製品に変換するために栽培される植物:油ヤシ、サンゴ油桐、及び亜麻仁などの産油植物など;
- ラテックス産生植物:パラゴムノキ、ヘベア ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis)、メキシコゴムノキ、カスティーリャ エラスティカ(Castilla elastica)など;
- 糖科作物(例えばビート、サトウキビ)、デンプン産生作物(例えばC及びC穀物作物及び塊茎作物)、森林樹などのセルロース作物(例えば松、ユーカリ)、及びグラミナセウス(Graminaceous)及びイネ科植物(竹、スイッチグラス、ススキなど)などの、バイオ燃料の生産のための直接的な又は間接的な原料として、すなわち、バイオ燃料や工業溶媒や化学製品(例えばエタノール若しくはブタノール、プロパンジオール、又は他の燃料若しくは工業材料)の製造中の化学的変換、物理的(例えば熱又は触媒的)変換、又は生化学的(例えば酵素的前処理)若しくは生物的(例えば微生物発酵による)変換の後に使用される植物;
- バイオ炭の生産あり又はなしでの、ガス化及び/又はガスのバイオ燃料若しくは溶媒や他の工業原料(溶媒又はプラスチックなど)への微生物変換又は触媒変換による、エネルギー、バイオ燃料、又は工業用化学物質の生産に使用される作物(例えば、針葉樹、ユーカリ、熱帯又は広葉樹の森林樹木、グラミナセウス(Graminaceous)及びイネ科作物(竹、スイッチグラス、ススキ、サトウキビ、又は麻など)、又は軟材(ポプラ、ヤナギなど));
- バイオ炭の生産に使用されるバイオマス作物;
-製薬産業、農業、栄養補助食品産業、及び薬用化粧品産業に有用な天然物を産生する作物:医薬品の前駆体若しくは化合物、又は栄養補助食品並びに薬用化粧品の化合物及び材料を産生する作物、例えばスターアニス(シキミ酸)、イタドリ(レスベラトロール)、キウイフルーツ(可溶性繊維、タンパク質分解酵素)など
- 審美的又は環境的特性のために栽培された花卉園芸植物、観賞用植物、及びアメニティ植物:バラ、チューリップ、キク等の花など;
- ツゲ、ヘーベ、ローザ、ロードデンドロン、及びヘデラなどの観賞用低木;
- プラタナス、ショワジャ、エスカロニア、ユーフォルビア、及びスゲなどのアメニティ植物;
- ミズゴケなどのコケ;並びに
- バイオレメディエーションのために栽培される植物:ヒマワリ(Helianthus)、アブラナ(Brassica)、シダレヤナギ(Salix)、ハコヤナギ(Populus)、及びユーカリ(Eucalyptus)。
植物種としては、限定するものではないが、トウモロコシ(Zea mays)、アブラナ属(Brassica sp.)(例えばB.napus、B.rapa、B.juncea)、アルファルファ(Medicago sativa)、米(Oryza sativa)、ライ麦(Secale cereale)、ソルガム(Sorghum bicolor、Sorghum vulgare)、キビ(例えばパールミレット(Pennisetum glaucum))、キビ(Panicum miliaceum)、アワ(Setaria italica)、シコクビエ(Eleusine coracana))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、サフラワー(Carthamus tinctorius)、コムギ(Triticum aestivum)、ダイズ(Glycine max)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、綿(Gossypium barbadense、Gossypium hirsutum)、サツマイモ(Ipomoea batatus)、キャッサバ(Manihot esculenta)、コーヒー(Cofea spp.)、ココナッツ(Cocos nucifera)、パイナップル(Ananas comosus)、柑橘類の木(Citrus spp.)、ココア(Theobroma cacao)、チャノキ(Camellia sinensis)、バナナ(Musa spp.)、アボカド(Persea americana)、イチジク(Ficus casica)、グアバ(Psidium guajava)、マンゴー(Mangifera indica)、オリーブ(Olea europaea)、パパイヤ(Carica papaya)、カシュー(Anacardium occidentale)、マカダミア(Macadamia integrifolia)、アーモンド(Prunus amygdalus)、テンサイ(Beta vulgaris)、サトウキビ(Saccharum spp.)、トマト(Solanum lycopersicum)、レタス(例えばLactuca sativa)、サヤマメ(Phaseolus vulgaris)、ライマメ(Phaseolus limensis)、エンドウ豆(Lathyrus spp.)、カリフラワー(Brassica oleracea)、ブロッコリー(Brassica oleracea)、カブ(Brassica rapa var.rapa)、ダイコン(Raphanus raphanistrum subsp.Sativus)、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、キャベツ(Brassica oleracea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、タマネギ(Allium cepa)、ニンニク(Allium sativum)、コショウ(Piperaceae)、例えばパイパー ニグラム(Piper nigrum)、パイパーキュベバ(Piper cubeba)、パイパー ログナム(Piper longum)、パイパー レトロフラクタム(Piper retrofractum)、パイパー ボルボネンス(Piper borbonense)、及びパイパー ギニーセ(Piper guineense)、セロリ(Apium graveolens)、キュウリ属のもの、例えばキュウリ(Cucumis sativus)、カンタロープ(Cucumis cantalupensis)、及びマスクメロン(Cucumis melo)、オーツ麦(Avena sativa)、大麦(Hordeum vulgare)、ウリ科の植物、例えばスクワッシュ(Cucurbita pepo)、パンプキン(Cucurbita maxima)、及びズッキーニ(Cucurbita pepo)、リンゴ(Malusdomestica)、ナシ(Pyrus spp.)、マルメロ(Cydonia oblonga)、プラム(Prunus subg. Prunus)、ピーチ(Prunus persica)、チェリー(Prunus aviumやPrunus cerasusなど)、ネクタリン(Prunus persica var.nucipersica)、アプリコット(Prunus armeniaca、Prunus brigantina、Prunus mandshurica、Prunus mume、Prunus zhengheensis、及びPrunus sibiricaなど)、イチゴ(Fragaria×ananassa)、ブドウ(Vitis vinifera)、ラズベリー(植物属Rubus)、ブラックベリー(Rubus ursinus、Rubus laciniatus、Rubus argutus、Rubus armeniacus、Rubus plicatus、Rubus ulmifolius、及びRubus allegheniensis)、ソルガム(Sorghum bicolor)、菜種(Brassica napus)、クローバー(Syzygium aromaticum)、ニンジン(Daucus carota)、レンチル(Lens culinaris)、及びシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)が挙げられる。
さらに、限定するものではないが、アジサイ(Macrophylla hydrangea)、ハイビスカス(Hibiscus rosasanensis)、ペチュニア(Petunia hybrida)、バラ(Rosa spp.)、ツツジ(Rhododendron spp.)、チューリップ(Tulipa spp.)、スイセン(Narcissus spp.)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)、及びキク(Chrysanthemum indicum)などの鑑賞植物種;並びに限定するものではないが、マツ、例えばテーダマツ(Pinus taeda)、スラッシュマツ(Pinus elliotii)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、コントルタマツ(Pinus contorta)、及びモントレーマツ(Pinus radiata)、ベイマツ(Pseudotsuga menziesii);アメリカツガ(Tsuga canadensis);シトカスプルース(Picea glauca);セコイア(Sequoia sempervirens);モミ、例えばシルバーファー(Abies amabilis)及びバルサムモミ(Abies balsamea);並びにヒマラヤスギ、例えばウエスタンレッドシダー(Thuja plicata)及びアラスカイエローシダー(Chamaecyparis nootkatensis);を含む針葉樹植物種を挙げることができる。
本発明との関係における植物は、特に多年生果実植物、特に リンゴ、アプリコット、アボカド、柑橘類(例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、タンジェリン、ライム、及びシトロン)、モモ、ナシ、ピーカン、ピスタチオ、及びプラムから構成される群から選択される植物とすることができる。本発明における植物は、特に一年生作物、例えば特にセロリ、ホウレンソウ、及びトマトから構成される群から選択される作物であってもよい。
好ましくは、植物は、トマト(Solanum lycopersicum)、スイカ(Cucurbitaceae lanatus)、コショウ、ズッキーニ、キュウリ、メロン、イチゴ、ブルーベリー、及びラズベリーから構成される群の中で選択される。これらは例えばトマトである。
具体的には、対象となるトマトの種類は、長寿命、溝付き、房採り、スムース、又はサラダ用トマト、チェリートマト、及びイタリアントマトから構成される群から選択することができる。いくつかの品種の例としては、Alicante、Trujillo、Genio、Cocktail、Beefsteak、Marmande、Conquista、Kumato、Adoration、Better Boy、Big Raimbow、Black Krim、Brandwyne、Campari、Canario、Tomkin、Early Girl、Garden peach、Hanover、Jersey Boy、Jubilee、Matt’s Wild Cherry、Micro Tom、Montesora、Mortgage Lifter、Plum Tomato、Raf Tomato、Delizia、Roma、San Marzano、Santorini、Super Sweet 10、Tomaccio、Pear Tomato、及びYellow Pearを挙げることができる。
ケイ酸塩
本発明によるケイ酸塩S1は、
(a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
(b)440nmを超える波長で、15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である吸収、
を示す。
発光スペクトルは、キセノンランプ及び2つのモノクロメーター(1つは励起波長用であり、1つは放出波長用である)を備えたJobin Yvon HORIBA Fluoromax-4+を使用して得ることができる。励起波長は370nmに固定され、スペクトルは390~750nmで記録される。
吸収は、拡散反射スペクトルから得ることができる。このようなスペクトルは、キセノンランプ及び同期して働くことができる2つのモノクロメーター(1つは励起波長用であり、1つは放出波長用である)を備えたJobin Yvon HORIBA Fluoromax-4+分光計を使用して記録することができる。製品に関しては、各所定の波長の値について、反射(Rproduct)値(強度)が得られ、これは最終的に反射スペクトル(波長の関数におけるRproduct)を与える。BaSOの第1の反射(Rwhite)スペクトルは、280nm~500nmで記録される。BaSOスペクトルは、100%の光反射に相当する(「白色」と称される)。黒色炭素の第2の反射(Rblack)スペクトルは、280nm~500nmで記録される。黒色炭素のスペクトルは、0%の光反射に相当する(「黒色」と称される)。サンプルの反射(Rsample)スペクトルは、280nm~500nmで記録される。各波長について、以下の関係:A=1-Rが計算され、Rは(Rsample-Rblack)/(Rwhite-Rblack)に等しい、つまりA=(Rwhite-Rsample)/(Rwhite-Rblack)であり、これは各波長における吸収を表し、(波長の関数における)吸収スペクトルを与える。
本発明において使用されるケイ酸塩S1は、少なくともバリウム、マグネシウム、及びケイ素を含む化合物であってよい。好ましくは、ケイ酸塩S1において、バリウム及びマグネシウムは、例えばユーロピウム、プラセオジム、及び/又はマンガンなどの少なくとも別の元素で置換されていてもよい。
ケイ酸塩S1は、特に式(I)の化合物:
aMO.a’M’O.bM’’O.b’M’’’O.cSiO (I)
であってよく、式中、M及びM’’は、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、又はこれらの組み合わせから構成される群から選択され、M’及びM’’’は、ユーロピウム、マンガン、プラセオジム、ガドリニウム、イットリウムから構成される群から選択され、0.5<a≦3、0.5<b≦3、0<a’≦0.5、0<b’≦0.5、且つ1≦c≦2である。
フィルムは、ケイ酸塩S1に加えて、例えばBaSiO(例えば微量として)などの他のタイプのケイ酸塩を含み得る。
ケイ酸塩は、特に式(II)の化合物:
aBaO.xEuO.cMgO.yMnO.eSiO (II)
であってよく、式中、0.5<a≦3、0<x≦0.5、0<c≦1、0<y≦0.5、1≦e≦2である。
好ましくは、a+b+c+d+eは、90%~100%、より好ましくは95%~99%に含まれ、通常は98重量%以上である。
式(II)において、好ましくは0.0001≦x≦0.4且つ0.0001≦y≦0.4、より好ましくは0.01≦x≦0.35且つ0.04≦y≦0.15である。
式(II)の化合物において、バリウム、マグネシウム、及びケイ素は、上記以外の元素で部分的に置き換えられていてもよい。したがって、バリウムは、最大約30%であってよい割合でカルシウム及び/又はストロンチウムで部分的に置き換えられていてもよく、この割合は、置換/(置換+バリウム)原子比によって表される。マグネシウムは、最大約30%であってよい割合で部分的に亜鉛に置き換えられていてもよく、この割合は、Zn/(Zn+Mg)原子比によっても表される。最後に、ケイ素は、最大約10%であってよい割合でゲルマニウム、アルミニウム、及び/又はリンで部分的に置き換えられていてもよく、この割合は、置換/(置換+ケイ素)原子比によって表される。
ユーロピウムがドープされたケイ酸バリウムマグネシウムは青色範囲で発光する一方で、ドーパントとしてマンガンが存在すると、この化合物の発光を赤色の範囲に向けることができる。Eu/Mn比を変化させることにより、本発明の添加剤の発光の比色を調整することが可能である。
式(II)のケイ酸塩S1において、バリウム、マグネシウム、及びケイ素は、好ましくは、ユーロピウムとマンガン以外の元素で置き換えられていない。
式(II)のケイ酸塩S1は、以下から構成される群において選択され得る:
Ba2.7Eu0.3Mg0.9Mn0.1Si
Ba2.7Eu0.3Mg0.8Mn0.2Si
Ba2.94Eu0.06Mg0.95Mn0.05Si
Ba2.9Eu0.1Mg0.95Mn0.05Si、及び
BaMgSi:Eu,Mn。
ケイ酸塩S1は、式(III)の化合物にも対応し得る:
Ba3(1-x-y)Eu3xPr3yMg1-zMnSi2(1-3v/2)3v (III)
(式中、Mは、アルミニウム、ガリウム、又はホウ素を表し、0<x≦0.3;0<y≦0,1;0<z≦0.3;0≦v≦0,1である)。
本発明で使用されるケイ酸塩S1は、通常、高温での固相反応によって調製される。
出発物質として、必要な金属酸化物、又は加熱することによってこれらの酸化物を形成することができる有機若しくは無機化合物、例えば、前記金属の炭酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、酢酸塩、硝酸塩、又はホウ酸塩を直接使用することができる。
細かく分割された形態の全ての出発物質の適切な濃度での均質な混合物が形成される。
望まれる酸化物の前駆体及び/又は酸化物のスラリーの溶液を、例えば水性媒体中で使用する共沈によって出発混合物を調製することも想定され得る。
その後、出発物質の混合物は、約500℃~約1600℃の温度で、1時間から約100時間の期間、少なくとも1回加熱される。ユーロピウムを完全に二価の形態にするために、還元性雰囲気の下で、例えばアルゴン中の水素の下で少なくとも部分的に加熱を行うことが好ましい。加熱工程の前に、BaF、BaCl、NHCl、MgF、MgCl、Li、LiF、HBOなどのフラックスを原料混合物に添加することもできる。
本発明で使用されるケイ酸塩は、特に、国際公開第2004/044090号パンフレット、国際公開第2004/041963号パンフレットに記載の通りに製造することができる。
シリカ懸濁液と硝酸塩などの出発物質とを混合し、続いて噴霧乾燥及びか焼、特に空気及び/又は還元雰囲気によるか焼によって本発明のケイ酸塩を製造することも可能な場合がある。そのようなケイ酸塩は、特に国際公開第2016/001219号パンフレットに記載されている通りに製造することができる。
そのようにして得られるケイ酸塩の形状、形態、粒子サイズ、又は粒子サイズ分布に制限はない。これらの製品は、適用媒体への適合性又は分散を促進するために、特に有機添加剤と共に、粉砕、微粉化、ふるい分け、及び表面処理を行うことができる。
ケイ酸塩S1の粒子は、好ましくは、分散液が特定の期間にわたって安定なままであるようなものである。
ケイ酸塩S1は、好ましくは、結晶化粒子などの固体粒子の形態であり、1μm~50μm、より好ましくは2μm~10μmのサイズD50を有する。ケイ酸塩S1は、0.1μm~1.0μm、好ましくは0.1μm~0.5μmのサイズD50を有する結晶化粒子などの固体粒子の形態であってもよい。
D50は、統計で使用される通常の意味を有する。D50は、分布のメジアン値に相当する。これは、粒子の50%が前記サイズ以下であり、粒子の50%が前記サイズ以上であるような粒子サイズを表す。D50は、レーザー回折粒径分析器によって得られる(体積での)粒子サイズ分布から決定される。装置Malvern Mastersizer 3000を使用することができる。
マトリックス
本発明によれば、マトリックス材料として、透明な光硬化性ポリマー、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、ガラス基材、又はこれらのいずれかの組み合わせを好ましく使用することができる。このマトリックスは、絹、羊毛、綿、又は麻、或いはビスコース、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル、及びそれらのコポリマーなど、天然の繊維であっても非天然の繊維であってもよい。マトリックスは、無機ガラス(ケイ酸塩)又は有機ガラスであってもよい。マトリックスは、特に熱可塑性タイプのポリマーに基づくこともできる。マトリックスは、少なくとも1種のポリマーを含んでいてもよく、或いはマトリックスはポリマーであってもよい。
ポリマー系材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ブタジエンスチレンポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリルスチレン、スチレン-アクリロニトリル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリルポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチルビニルアセテートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンテトラフルオレチレンコポリマー、フェノールポリマー、メラミンポリマー、尿素ポリマー、ウレタン、エポキシ、不飽和ポリエステル、ポリアリルスルホン、ポリアリーレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステルカーボネート、ポリ乳酸、フェノール樹脂、シリコーンを好ましく使用することができる。
光硬化性ポリマーとしては、複数の種類の(メタ)アクリレートを好ましく使用することができる。無置換のアルキル-(メタ)アクリレート、例えばメチル-アクリレート、メチル-メタクリレート、エチル-アクリレート、エチル-メタクリレート、ブチル-アクリレート、ブチル-メタクリレート、2-エチルヘキシル-アクリレート、2-エチルヘキシル-メタクリレート;置換アルキル-(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシル基、エポキシ基、又はハロゲンで置換されたアルキル-(メタ)アクリレート;シクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル-(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート等。
マトリックス材料は、好ましくは0.1~50g/10分の範囲、特にポリエチレンについては0.1~7g/10分、エチルビニルアセテートコポリマーについては0.7~4g/分の範囲のメルトフローインデックスを有し得る。これは、特にMFI装置を使用して測定され、サンプルは190℃で5分間予熱され、使用される重量は2.16kgである(標準法ISO1133に準拠)。
熱硬化性ポリマーとしては、一般に知られている透明な熱硬化性ポリマーを好ましく使用することができる。
熱可塑性ポリマーとしての熱可塑性ポリマーの種類は特に限定されない。例えば、天然ゴム(屈折率(n)=1.52)、ポリイソプレン(n=1.52)、ポリ1,2-ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.51)、ポリブテン(n=1.51)、ポリ-2-ヘプチル1,3-ブタジン(n=1.50)、ポリ-2-t-ブチル-1,3-ブタジン(n=1.51)、ポリ-1,3-ブタジン(n=1.52)、ポリオキシエチレン(n=1.46)、ポリオキシプロピレン(n=1.45)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.45)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.46)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.46)、ポリエーテル、ポリビニルアセテート(n=1.47)、ポリエステル、例えばプロピオン酸ポリビニル(n=1.47)、ポリウレタン(n=1.5~1.6)、エチルセルロース(n=1.48)、ポリ塩化ビニル(n=1.54~1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.63)、ポリサルファイド(n=1.60)、フェノキシ樹脂(n=1.5~1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.47)、ポリブチルアクリレート(n=1.47)、ポリ-2-エチルヘキシルアクリレート(n=1.46)、ポリ-t-ブチルアクリレート(n=1.46)、ポリ-3-エトキシプロピルアクリレート(n=1.47)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.47)、ポリメチルアクリレート(n=1.47~1.48)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.47)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.47)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.47)、ポリ-n-プロピルメタクリレート(n=1.48)、ポリ-3,3,5-トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.48)、ポリエチルメタクリレート(n=1.49)、ポリ-2-ニトロ-2-メチルプロピルメタクリレート(n=1.49)、ポリ-1,1-ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.49)、ポリ(メタ)アクリレート、例えばポリメチルメタクリレート(n=1.49)、又はこれらのいずれかの組み合わせを、必要に応じて好ましく使用することができる。
本発明に適した熱可塑性ポリマーの例としては、ポリカーボネート、例えば、ポリ[メタンビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1-エーテルビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[ジフェニルメタンビス(4-フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1-シクロヘキサンビス(4-フェニル)カーボネート]、及び同族のポリマー;ポリアミド、例えばポリ(4-アミノ酪酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(6-アミノヘキサン酸)、ポリ(m-キシリレンアジパミド)、ポリ(p-キシリレンセバカミド)、ポリ(2,2,2-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(メタ-フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、及び同族のポリマー;ポリエステル、例えばポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン-1,5-ナフタレート)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)、ポリ(パラ-ヒドロキシベンゾエート)、ポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4-シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び同族のポリマー;ビニルポリマー及びそのコポリマー、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル;ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、及び同族のポリマー;アクリルポリマー、ポリアクリレート、及びそれらのコポリマー、例えばポリエチルアクリレート、ポリ(n-ブチルアクリレート)、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、ポリ(n-プロピルメタクリレート)、及びエチレンブチルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリル酸)、エチレン-アクリル酸コポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマー、アクリロニトリルコポリマー、メチルスチレンメタクリレートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、メタクリレート-ブタジエン-スチレンコポリマー、ABS、及び同族のポリマー;ポリオレフィン、例えば低密度ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、及び一般に1-ブテン及び1-ヘキセンなどの他の[アルファ]-オレフィン(これは最大1%使用され得る)と共重合されたエチレン及びプロピレンの[アルファ]-オレフィンを挙げることができる。使用される他のコモノマーは、1,4-ヘキサジエン、シクロペンタジエン、及びエチリデンノルボルネンなどの環状オレフィンであってよい。コポリマーは、アクリル酸又はメタクリル酸などのカルボン酸であってもよい。最後に、低密度の塩素化ポリ(エチレン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、ポリ(エチレン)、及びポリ(スチレン)を挙げることができる。
これらの熱可塑性ポリマーの中で、特に最も好ましいものは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン合成によって得られるポリエチレン、エチルビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンブチルアクリレートコポリマー(EBA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、(コ)ポリオレフィン、ポリエチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ポリカーボネート(PC)、並びにこれらの(コ)ポリマーに基づく混合物及びコポリマーなどの、ポリエチレン及びコポリマーである。
組成物
本発明との関係で使用される組成物は、本発明に従って使用される少なくともマトリックスとケイ酸塩とを含む。ケイ酸塩S1は、マトリックス中に分散させることができ、本発明のフィルムは、マトリックスと、マトリックス中のケイ酸塩の分散粒子とを含むことができる。好ましくは、ケイ酸塩S1は、ポリマー中に分散することができ、本発明で使用されるフィルムは、ポリマーと、ポリマー中のケイ酸塩の分散粒子とを含み得る。
フィルム中のケイ酸塩の量は、フィルムの合計量に対して、特に0.01~10重量%、特に0.1重量%~5重量%、より具体的には0.3~3重量%であってよい。好ましくは、この量は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、及び2、及びこれらの値で作られる任意の範囲である。
組成物は、任意選択的に、特に青色又は赤色光を放出する1種以上の追加の無機蛍光材料をさらに含むことができる。青色又は赤色を発する追加の無機蛍光物質としては、例えばリン光物質ハンドブックの第2章(Yen,Shinoya,Yamamoto)に記載されているような、あらゆる種類の一般に知られている材料を、必要に応じて使用することができる。
組成物は、他の添加剤、例えば安定剤、可塑剤、難燃剤、染料、光学光沢剤、潤滑剤、アンチブロッキング剤、艶消し剤、加工剤、フィルムの柔軟性若しくは機械的強度を改善するためのエラストマー若しくはエラストマー組成物、例えばアクリルコポリマー若しくはメタクリレート-ブタジエンスチレンコポリマー、接着剤、例えばポリアミドへの接着を可能にする無水マレイン酸塩でグラフトされたポリオレフィン、材料中のケイ酸塩をよりよく分布させることができる分散剤、又は多層熱可塑性フィルムの構造の製造に必要な任意の他の添加剤、特に温室用のフィルムの製造について知られており、よく使用されているもの、例えばノンドリップ若しくはアンチミスト添加剤、又は触媒も含み得る。このリストは本質的に限定的なものではない。
本発明に従って使用される組成物及びフィルムを作製するために、マトリックス中の、特に上記ポリマーなどのタイプの高分子化合物中のケイ酸塩の分散液を得るための任意の方法を使用することができる。
ケイ酸塩及び任意選択的な追加の成分のポリマーへの配合は、粉末形態での乾式混合、又は例えば不活性溶媒、水、若しくは油の中での溶液、分散液、若しくは懸濁液の形態での湿式混合などの公知の方法によって行うことができる。ケイ酸塩及び任意選択的な追加の添加剤は、例えば成形の前若しくは後に、又は溶解若しくは分散した添加剤若しくは添加剤混合物をポリマー系材料に適用することによっても、その後の溶媒若しくは懸濁剤/分散剤の蒸発あり若しくはなしで、配合することができる。それらは、例えば乾燥混合物又は粉末として、或いは溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融物として、加工装置(例えば押出機、インターナルミキサー)の中に直接添加され得る。
特に、第1のプロセスは、ケイ酸塩及び他の前述した添加剤を溶融形態のポリマー化合物中で混合し、任意選択的に、良好な分散を実現するために、例えば二軸押出装置において、混合物に高剪断をかけることからなる。別のプロセスは、分散させる添加剤を重合媒体中でモノマーと混合し、次いで重合を行うことからなる。
別のプロセスは、例えば上記プロセスのうちの1つに従って調製された、溶融形態のポリマーと、ポリマーと分散添加剤との濃縮ブレンド(マスターバッチ)を混合することからなる。マスターバッチ用のポリマーとマトリックスのポリマーは、同じタイプであっても異なっていてもよい。2つのポリマーは、好ましくは均一な混合物を形成するように相溶性である。例えば、ポリマーがエチレン-酢酸ビニルコポリマーである場合、他方のポリマーは、同じエチレン-酢酸ビニルコポリマーであっても異なるものであってもよく、或いは例えばポリエチレンのような相溶性ポリマーであってもよい。マスターバッチは、上に記載された同じ従来技術によって調製され、例えば、それは、押出機を用いて調製され得る。マスターバッチを使用する利益は、高い剪断速度を示す混合装置を使用して、粒子が十分に予備分散され得ることである。様々な添加剤(例えば上に記載された架橋剤、補助剤)が、ポリマーのいずれか一方の中に存在していてもよく、或いは別個に添加されてもよい。
本発明との関係において組成物を調製するためのプロセスでは、ポリマー(ポリマー1)とケイ酸塩、或いはポリマー(ポリマー1)とポリマー(ポリマー2)の中に予め分散されたケイ酸塩を含むマスターバッチとが、押し出される。
ケイ酸塩は、高分子化合物の合成媒体、又は任意の形態の熱可塑性ポリマー溶融物に導入することができる。これは、例えば、固体粉末の形態で、又は水若しくは有機分散剤中の分散液の形態で導入することができる。
例えば撹拌によって、或いは液体又はペースト状の媒体中で粉末濃縮物を調製し、次いでそれをマトリックスに添加することによって、ケイ酸塩化合物を粉末形態でマトリックス中に直接分散させることも可能である。濃縮物は、任意選択的には、そのデカンテーションを回避するための混合物の安定化に必要な、界面活性剤、水溶性若しくは疎水性ポリマー、或いは親水性及び疎水性末端を含むポリマー(これは極性でも非極性であってもよい)と共に、水系又は溶剤系の媒体の中で調製することができる。濃縮物の組成に含まれ得る添加剤に制限はない。
フィルム
本発明との関係おける温室フィルムは、例えば、プレート、フラットシート、正方形、長方形、円形、壁、トンネル、楕円形、半円形、シェルター、保護シート、及び温室の建築材料などの様々な形状のものであってよい。
本発明に従って使用されるフィルムは、少なくともマトリックスと、ケイ酸塩S1、好ましくはケイ酸塩S1の分散粒子とを含み、前記ケイ酸塩S1は、
(a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
(b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
を示す。
本発明との関係におけるフィルムは、それ自体で使用することができ、或いは別のフィルムやガラスなどの別の基材上に堆積することができ、或いは別の基材と組み合わせることができる。この堆積又はこの組み合わせは、例えば、共押出、積層、及びコーティングの公知の方法によって作製することができる。多層構造は、本発明に従って使用される材料の1つ以上の層から形成することができ、共押出しバインダーの層を介して、1種以上の熱可塑性ポリマー、例えばポリエチレン又はポリ塩化ビニルの1つ以上の他の層と組み合わされ、これは、フィルムの構成で重要な支持構成要素を構成し得る。そのようにして得られるフィルムは、プラスチックを変換する公知の技術に従って、一軸延伸又は二軸延伸することができる。シート又はプレートは、それらに望まれる形状を付与するために、切断、熱成形、又はスタンプされてもよい。
フィルムは、上記ポリマー又はシリコーンベースのコーティング(例えばSiOx)若しくは酸化アルミニウム、又はプラズマ、ウェブコーティング、若しくは電子ビームコーティングによって設けられる任意の他のコーティングでコーティングすることもできる。
本発明との関係におけるフィルムは、共押出、押出コーティング、積層、蒸着コーティング、溶剤コーティング、エマルジョンコーティング、及び/又は懸濁コーティングのうちの1つ以上を含む、任意の従来の又は適切な方法によって一緒に結合されるポリマー系材料又は他の材料から形成された少なくとも2つの層を有する多層フィルムであってもよい。多層フィルムの層のうちの少なくとも1つは、少なくともケイ酸塩S1を含む。
通常、フィルムは透明且つ可撓性を有する。
フィルムの層の厚さは、50μm~1mm、好ましくは100μm~800μm、より好ましくは200μm~700μmの範囲であってよい。
本発明との関係におけるフィルムは、80%以上、好ましくは85%~98%の透過率を示し得る。透過率は、BYKのGardner Haze-gard i(4775)Haze Meterを使用して、例えば標準法ASTM D1003に従って測定することができる。
用途
本発明は、成長培地中の植物に光処理と共に本発明に従う温室フィルムを提供することによる、植物の果実発育を促進するための方法にも関する。本発明は、温室フィルムによって提供される発光によって果実の発育が刺激される、植物の果実の発育を促進するための方法にも関する。本発明は、温室フィルムを含む温室内にある植物の果実発育を促進するための方法にも関する。
フィルムは温室(屋根、壁)のカバーを形成し、周囲の影響から植物を保護することができ、或いはフィルムは、人工的な散水又は除草剤及び/若しくは殺虫剤の噴霧などの内部から生じる影響から植物又は植物の一部を守るか保護するために、温室の内部で使用することができる。
成長培地は、植物を栽培することができる農業的に適切な周知の培地である。例としては、農業に適した成分(例えば砂、土壌、バーミキュライト、泥炭)を含む任意の様々な培地;アガーゲル;並びに水、グラスウール、又はPerlite(登録商標)などの任意の様々な水耕栽培培地が挙げられる。水及び無機栄養素は、園芸活動や農業活動に不可欠な2つの添加物であり、これらの基質の施用の管理は、収量と品質の両方に大きな影響を与え得る。植物の要件を満たすためにこれら2つの基質を施用し得る多種多様な方法が存在する。いくつかの実施形態では、これらは、土壌又は無土壌基質(すなわちコココイア、泥炭など)に施用することができ、その場合、土壌又は無土壌基質は、水及び無機栄養素を吸収し、これらの基質の貯蔵場所として機能する。別の実施形態では、これらは水耕システムで供給することもでき、これは、根の湛水、ミスト噴霧、ドリッピング、吸い上げ、又は直接の浸漬によって、水及び無機栄養素への一定の直接的なアクセスを提供する。植物の根は、溶液中で直接成長することも、基質中に成長することもできる。植物が基質中で水耕栽培される場合、それは「培地ベースの水耕栽培」と呼ばれる。基質が高いカチオン交換容量(及びアニオン交換容量)を有する場合、それは典型的には無土壌生産として分類され、基質がカチオン/アニオン交換容量をほとんど又は全く有さない場合には、培地ベースの水耕栽培として分類される。水耕栽培基質の例としては、限定するものではないが、ココナッツ繊維、バーミキュライト、パーライト、発泡粘土ペレット、及びロックウール(ストーンウール)が挙げられる。
太陽又は人工照明のいずれかの光処理は、成長期を通して長時間の高効率の光合成に十分な強度及び継続時間を有し得る。適切な照射強度は、400~2000μmol/m/sの光合成有効放射(400~700nm)であり、通常、直射日光が十分な照明を提供する。人工照明は、例えば、LED又はナトリウム及び/又は水銀ランプを使用することによって得ることができる。
最適な成長のために、通常10℃から35℃以上に含まれる温度での熱処理が植物に適用され得る。
前述したように、果実の発育には、特に、植物によって産生される果実の数、それらのサイズ及び/又は品質が含まれ、果実の収量の増加をもたらす。
本発明による果実の発育は、未処理の植物と比較して、植物によって産生される果実の数の少なくとも10%、好ましくは10%~80%、好ましくは15~50%の増加とみなすことができる。これは、例えば植物ごとに、ロットごとに、又はmごとに計算することができる。
いくつかの実施形態では、果実サイズの増加は、以下のうちの1つ以上を含む:
- 作物あたりの平均果実直径が、未処理の作物と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は10~90%増加;
- 作物あたりの平均果実重量が、未処理の作物と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、又は10~90%増加;
- 作物あたりの総果実重量が、未処理の作物と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は10~90%増加。
果実のサイズには、果実の重量、長さ、面積、直径、円周、又は体積が含まれ得る。
好ましい実施形態では、果実生産の増加は、果実生産において少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、75%、85%、95%、100%、150%、200%の正味の増加であり、これは、未処理の対照植物のそれぞれの値と比較した、作物あたりの果実の数(合計、大きい、又は商品価値のある)、作物あたりの果実の重量(合計、大きい、又は商品価値のある)、又は作物あたりの果実の総収量に対応する。
果実の生産は、一般的に、作物あたりの果実の総キログラム、作物あたりの果実あたりの平均キログラム、作物あたりの果実の総数、作物あたりの果実の平均数、果実あたりの直径の平均ミリメートル、又は果物あたりの平均グラムで表される。
本発明は、ここで、以下の非限定的な実施例により、さらに例証されるだろう。
実施例1:Ba2.7Eu0.3Mg0.9Mn0.1Siの合成
Ba2.7Eu0.3Mg0.9Mn0.1Si (P1)の粒子は、以下のプロセスに従って合成する:
水溶液は、以下の組成のバリウム、マグネシウム、ユーロピウム、及びマンガンの硝酸塩の混合物から製造した。
Ba(NO 113.51g
Mg(NO.6HO 37.11g
Mn(NO.4HO 4.00g
Eu(NO 40.44g
水をこの硝酸塩混合物に添加して、0.27モル/lの最終カチオン濃度に到達させた。ヒュームドシリカ(比表面積:50m/g)懸濁液も、0.71モル/lのSi濃度で調製した。硝酸塩溶液とヒュームドシリカの懸濁液とを混合して全体的な懸濁液を得た。
この懸濁液を、350℃の入口側温度及び140℃の出口側温度を有するフラッシュ噴霧乾燥器で乾燥させた。乾燥生成物を、空気中900℃で6時間、次いで、Ar/H(95/5)雰囲気下1200℃で6時間焼成した。
粒子は5.2μmのサイズD50を有する。
これらの粒子は、
(a)第1のピーク波長が438nmであり、第2のピーク波長が620nmの範囲である発光、及び
(b)440nmを超える波長で10%未満の吸収、
を示す。
実施例2:Ba2.94Eu0.06Mg0.95Mn0.05Siの合成
Ba2.94Eu0.06Mg0.95Mn0.05Siの粒子(P2)は、以下のプロセスに従って合成する:
溶液は、以下の組成のバリウム、マグネシウム、ユーロピウム、及びマンガンの硝酸塩の混合物から製造した。
Ba(NO 124.60g
Mg(NO.6HO 39.49g
Mn(NO.4HO 2.01g
Eu(NO 8.15g
水をこの硝酸塩混合物に添加して、0.27モル/lの最終カチオン濃度に到達させた。ヒュームドシリカ(比表面積:50m/g)懸濁液も、0.71モル/lのSi濃度で調製した。硝酸塩溶液とヒュームドシリカの懸濁液とを混合して全体的な懸濁液を得た。
この懸濁液を、350℃の入口側温度及び140℃の出口側温度を有するフラッシュ噴霧乾燥器で乾燥させた。乾燥生成物を、空気中900℃で6時間、次いで、Ar/H(95/5)雰囲気下1200℃で6時間、焼成した。
粒子は5.2μmのサイズD50を有する。
これらの粒子は、
(a)第1のピーク波長が438nmであり、第2のピーク波長が620nmの範囲である発光、及び
(b)440nmを超える波長で10%未満の吸収、
を示す。
実施例3:ポリマーフィルムの製造
この実施例は、ポリマーフィルム中で実施例1及び2の粒子を使用して、それぞれフィルム1及びフィルム2を製造することを示している。
共回転二軸押出機タイプPrism 25D(直径16mm、L/D比25、スクリュープロファイル25.5)を使用して、90重量%のエチレン/酢酸ビニルコポリマー(Elvax(登録商標)150、DuPontから市販)と10重量%のケイ酸塩とを含むマスターバッチMB1を調製した。
エチレン/酢酸ビニルコポリマーのペレット及びケイ酸塩S1を回転ミキサー中で10分間予備混合し、次いで、以下の操作条件下で押出機に導入した:
Figure 2022551160000001
このようにしてマスターバッチMB1をペレットの形態で得た。
フィルム1を得るために、402gのMB1を、7650gの純粋なエチレン/酢酸ビニルコポリマー(最終組成物中で0.5重量%のケイ酸塩添加量に相当)と回転ブレンダー中で10分間混合し、次いで、スロットダイ(幅300mm、厚さ450~500ミクロン)を備えた共回転二軸押出機Leistritz LMM 30/34型(直径34mm及びL/D比 25、スクリュープロファイル:脱気なしのL16)を使用して押し出した。押し出しパラメータは次の表に報告されている:
Figure 2022551160000002
1206gのMB1を6848gの純粋なエチレン/酢酸ビニルコポリマー(最終組成物において1.5重量%のケイ酸塩添加量に相当)と混合することによって、同様のフィルムを作製してフィルム2を得た。
得られたものは平均450μmの厚さを有していた。
フィルム1の透過率は90.6%であり、フィルム2の透過率は85.7%である(標準法ASTM D1003に従って、BYKのGardner Haze-gard i(4775)Haze Meterで測定)。
得られたフィルム1は、365nmの波長で照射されると深紅色を発する。
得られたフィルム2は、365nmの波長で照射されると深紅色を発する。
また、粒子のないフィルム0も製造される。得られたフィルム0は、365nmの波長で照射されたとききにいかなる色も発しない。
実施例4:農学的試験
トマト作物の農学的挙動の評価を、フィルム1、2、及び3を使用して、温室内のプラスチック屋根の下で行った。
これらの試験は、総面積20mの特殊な温室の中で行った。この温室は5つの異なるケージに分けられており、各ケージの屋根には異なるフィルムプラスチックカバーが取り付けられている。この温室は、自動システムによって制御される冷却システムを備えた能動的な気候制御システムを備えている。このシステムは、設定温度と冷却の活性化が26℃に設定されている。トマト作物は、ココナッツファイバーバッグ内の基質の中で栽培された。トマト作物の灌漑と施肥は、点滴灌漑システムを使用して行われ、各植物に1対の列のドリッパーラインが配置され、50cmごとに同じ点滴ホルダー分岐内にエミッターが配置される。点滴灌漑の設置物は、3リットル/時間/ドリッパーの単位流量の自己補償型ドリッパーを有していた。この試験中に使用された施肥システムは、プログラマーと濃縮養液の1つのタンクとを備えた灌漑ユニットで自動的に制御された。
実地試験は、冬春トマトの作付サイクル(5か月間)の間に展開した。トマト作物(ソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum)種「Trujillo」)を、苗床で発芽してから20日以上経過し、3枚の葉が完全に成長した状態で温室に移植した。
使用した植物密度は1mに6植物であった。この試験中、トマト作物は、温室のワイヤー構造に垂直に結合された黒いポリプロピレンコードを使用して誘導した。トマトの作付サイクルの合計期間は131日であった。
トマト作物を移植する前に、温室内で3種の異なるプラスチックフィルムの設置を行った。各ケージの屋根に異なるプラスチックフィルムが取り付けたため、温室の各ケージは異なる実験的処理が施された。実験的処理(ケージ)ごとに6つの植物が存在した。評価された実験的処理は、ブロックの分配に続いて温室内で分配した。
全ての試験期間中、26℃の設定温度を超える冷却システムを使用して気温を継続的に制御し、処理の外部から内部に空気を放出することで冷却システムを作動させ、空気の更新と気温の低下を可能にした。
トマト作物の発育中の7つの異なる時点で、様々なパラメータを測定した。
各測定では、各処理の6つのトマト植物を評価した。測定されたパラメータは、茎の根元直径、植物の長さ、成長した葉の数、及び成長した果実の数であった。受粉は、花の振動の手動システムによって行った。
果実収穫の各エピソード(4回の果実収穫エピソード中)において収穫される収量は、可販果と可販果ではない果実を区別して、各実験的処理で収穫された生体重と果実の数を測定することによって特徴付けられる。この特性評価は、実験的処理ごとに6つの植物のグループの各植物で行った。
結果を以下の表1に報告する:
Figure 2022551160000003
表2は、成長した果実の数の推移と累積可販果収量の結果を示している。これは、果実収穫の各エピソード及び評価された各実験処理における収穫果実の生体重、及び試験中に収穫された可販果収量の累積値として表されている。前記表は、各実験的処理及び果実収穫の各エピソードにおける収穫された果実の生体重の累積値の結果も示している。
同様に、表2には、試験中に得られた果実の可販果及び合計(可販果+非可販果)の収量の生産された果実の累積量(果実の複数の収穫の各エピソード及び評価された各実験的処理で収穫された果実の数の平均値として表される)の結果が示されている。表2には、各実験的処理及び試験中に行われた複数の果実収穫の各エピソードで収穫された果実の数の平均値も示されている。
カテゴリMMM(直径40~47mm)の累積可販果収量も報告されている。
Figure 2022551160000004

Claims (19)

  1. 植物の果実発育を促進するための、温室フィルムにおけるケイ酸塩S1の使用であって、前記フィルムが、少なくともマトリックスとケイ酸塩S1とを含み、前記ケイ酸塩S1が、
    (a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
    (b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
    を示す、使用。
  2. 前記ケイ酸塩S1が式(I)の化合物である、請求項1に記載の使用:
    aMO.a’M’O.bM’’O.b’M’’’O.cSiO (I)
    (式中、M及びM’’は、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、又はこれらの組み合わせから構成される群から選択され、M’及びM’’’は、ユーロピウム、マンガン、プラセオジム、ガドリニウム、イットリウムから選択され、0.5<a≦3、0.5<b≦3、0<a’≦0.5、0<b’≦0.5、且つ1≦c≦2である)。
  3. 前記ケイ酸塩S1が式(II)の化合物である、請求項1又は2に記載の使用:
    aBaO.xEuO.cMgO.yMnO.eSiO (II)
    (式中、0<a≦3、0<x≦0.5、0<c≦1、0<y≦0.5、0<e≦2である)。
  4. 式(II)において、0.0001≦x≦0.4且つ0.0001≦y≦0.4である、請求項3に記載の使用。
  5. 式(II)において、0.01≦x≦0.35且つ0.04≦y≦0.15である、請求項3に記載の使用。
  6. 式(II)において、前記バリウム、前記マグネシウム、及びケイ素が、ユーロピウムとマンガン以外の元素で置き換えられていない、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記式(II)の化合物がBa2.7Eu0.3Mg0.9Mn0.1Siである、請求項3に記載の使用。
  8. 前記式(II)の化合物がBa2.94Eu0.06Mg0.95Mn0.05Siである、請求項3に記載の使用。
  9. 前記ケイ酸塩S1が式(III)の化合物である、請求項1に記載の使用:
    Ba3(1-x-y)Eu3xPr3yMg1-zMnSi2(1-3v/2)3v (III)
    (式中、Mは、アルミニウム、ガリウム、又はホウ素を表し、0<x≦0.3;0<y≦0,1;0<z≦0.3;0≦v≦0,1である)。
  10. 前記フィルム中のケイ酸塩S1の量が、フィルムの総量に対して、0.01~10重量%、より具体的には0.1~5重量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記ケイ酸塩S1が、1μm~50μm、好ましくは2μm~10μmのサイズD50を有する固体粒子の形態である、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記ケイ酸塩S1が、0.1μm~1.0μm、好ましくは0.1μm~0.5μmのサイズD50を有する固体粒子の形態である、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記マトリックスが少なくとも1種のポリマーを含む、又は前記マトリックスがポリマーである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記マトリックスが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン合成によって得られるポリエチレン、エチルビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンブチルアクリレートコポリマー(EBA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、(コ)ポリオレフィン、ポリエチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ポリカーボネート(PC)、並びにこれらの(コ)ポリマーに基づく混合物及びコポリマーを含むポリエチレン及びコポリマーから構成される群から選択されるポリマーに基づく、請求項13に記載の使用。
  15. 植物が、トマト、スイカ、コショウ、ズッキーニ、キュウリ、メロン、イチゴ、ブルーベリー、及びラズベリーから構成される群の中で選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用。
  16. 植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスとケイ酸塩S1とを含むフィルムであって、前記ケイ酸塩S1が、
    (a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
    (b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
    を示す、フィルム。
  17. 植物の果実発育を促進するための、少なくともマトリックスとケイ酸塩S1とを含むフィルムの温室における使用であって、前記ケイ酸塩S1が、
    (a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
    (b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
    を示す、使用。
  18. 温室フィルムによって提供される発光によって果実の発育が刺激される、植物の果実発育を促進させる方法であって、前記フィルムが少なくともマトリックスとケイ酸塩S1とを含み、前記ケイ酸塩S1が、
    (a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
    (b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
    を示す、方法。
  19. 温室フィルムを含む温室内にある植物の果実発育を促進する方法であって、前記フィルムが少なくともマトリックスとケイ酸塩S1とを含み、前記ケイ酸塩S1が、
    (a)400nm~500nmの範囲、好ましくは420nm~455nmの範囲の第1のピーク波長と、550nm~700nm、好ましくは590nm~660nmの範囲の第2のピーク波長とを有する発光、及び
    (b)440nmを超える波長で、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、場合によっては5%以下である吸収、
    を示す、方法。
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