JP2022549886A - 組成物中の小分子修飾ポリマーを評価する方法 - Google Patents
組成物中の小分子修飾ポリマーを評価する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022549886A JP2022549886A JP2022519247A JP2022519247A JP2022549886A JP 2022549886 A JP2022549886 A JP 2022549886A JP 2022519247 A JP2022519247 A JP 2022519247A JP 2022519247 A JP2022519247 A JP 2022519247A JP 2022549886 A JP2022549886 A JP 2022549886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- formula
- polymer
- iii
- modified
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08B—POLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
- C08B37/00—Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
- C08B37/006—Heteroglycans, i.e. polysaccharides having more than one sugar residue in the main chain in either alternating or less regular sequence; Gellans; Succinoglycans; Arabinogalactans; Tragacanth or gum tragacanth or traganth from Astragalus; Gum Karaya from Sterculia urens; Gum Ghatti from Anogeissus latifolia; Derivatives thereof
- C08B37/0084—Guluromannuronans, e.g. alginic acid, i.e. D-mannuronic acid and D-guluronic acid units linked with alternating alpha- and beta-1,4-glycosidic bonds; Derivatives thereof, e.g. alginates
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/15—Medicinal preparations ; Physical properties thereof, e.g. dissolubility
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/50—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
- A61K47/51—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
- A61K47/56—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic macromolecular compound, e.g. an oligomeric, polymeric or dendrimeric molecule
- A61K47/61—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic macromolecular compound, e.g. an oligomeric, polymeric or dendrimeric molecule the organic macromolecular compound being a polysaccharide or a derivative thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/48—Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
- A61K9/50—Microcapsules having a gas, liquid or semi-solid filling; Solid microparticles or pellets surrounded by a distinct coating layer, e.g. coated microspheres, coated drug crystals
- A61K9/5005—Wall or coating material
- A61K9/5021—Organic macromolecular compounds
- A61K9/5036—Polysaccharides, e.g. gums, alginate; Cyclodextrin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L5/00—Compositions of polysaccharides or of their derivatives not provided for in groups C08L1/00 or C08L3/00
- C08L5/04—Alginic acid; Derivatives thereof
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
本願で説明されているのは、小分子化合物(例えば抗線維性化合物)で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であり、例えば、前記化合物の濃度レベルを決定する方法である。
Description
[背景]
慢性疾患及び遺伝性疾患を処置し得る治療剤を産生するように組み換えられている細胞を移植することによるそのような疾患の処置には、そのような疾患の患者の健康を改善するという刺激的な可能性がある。この可能性を完全に達成するためには、移植された細胞は、生存できるように患者の免疫反応から保護されなければならず、且つ移植された細胞はまた、数週間、数ヶ月、又はさらに長い期間にわたり、所望の治療剤の治療レベルを産生する能力も有しなければならない。そのような細胞治療を送達するための一つのアプローチは、デバイス構造がこの細胞を宿主免疫系細胞から単離する一方で、この細胞のための栄養素の進入及び産生された治療剤の排出を可能にすることを目的として、組み換え細胞を半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)にカプセル化することである。場合によっては、これらの半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)を、小分子化合物等の様々な物質で修飾し得る。例えば、これらの半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)に結合した小分子化合物の濃度を定量することによりこれらのデバイスを評価する方法を改善することが必要とされており、この小分子化合物は、これらのデバイスの長期安定性及び対象中に移植された場合に宿主異物反応(FBR)を回避する能力に影響を及ぼす可能性がある。
慢性疾患及び遺伝性疾患を処置し得る治療剤を産生するように組み換えられている細胞を移植することによるそのような疾患の処置には、そのような疾患の患者の健康を改善するという刺激的な可能性がある。この可能性を完全に達成するためには、移植された細胞は、生存できるように患者の免疫反応から保護されなければならず、且つ移植された細胞はまた、数週間、数ヶ月、又はさらに長い期間にわたり、所望の治療剤の治療レベルを産生する能力も有しなければならない。そのような細胞治療を送達するための一つのアプローチは、デバイス構造がこの細胞を宿主免疫系細胞から単離する一方で、この細胞のための栄養素の進入及び産生された治療剤の排出を可能にすることを目的として、組み換え細胞を半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)にカプセル化することである。場合によっては、これらの半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)を、小分子化合物等の様々な物質で修飾し得る。例えば、これらの半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)に結合した小分子化合物の濃度を定量することによりこれらのデバイスを評価する方法を改善することが必要とされており、この小分子化合物は、これらのデバイスの長期安定性及び対象中に移植された場合に宿主異物反応(FBR)を回避する能力に影響を及ぼす可能性がある。
[概要]
本開示は、小分子化合物で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を、少なくとも部分的に提供する。ある実施形態において、この評価することは、ポリマー組成物内の小分子化合物の濃度を決定することを含む。このポリマー組成物を使用して、治療薬を発現し得る複数の細胞をカプセル化する少なくとも1つの区画を含む半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)を調製し得、この治療薬は、例えば対象中への移植時に、このデバイスから放出され得る。ある実施形態において、修飾ポリマーに結合したある特定の小分子化合物は、ポリマー組成物及び/又は半透過性のデバイスの宿主異物反応(FBR)を緩和し得る。例えば、ある特定の小分子化合物を含むポリマー組成物及び半透過性のデバイスは、前記小分子化合物を含まないポリマー組成物及び半透過性のデバイスにより誘発される誘発された宿主FBRと比較して低い宿主FBRを示している。
本開示は、小分子化合物で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を、少なくとも部分的に提供する。ある実施形態において、この評価することは、ポリマー組成物内の小分子化合物の濃度を決定することを含む。このポリマー組成物を使用して、治療薬を発現し得る複数の細胞をカプセル化する少なくとも1つの区画を含む半透過性のデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)を調製し得、この治療薬は、例えば対象中への移植時に、このデバイスから放出され得る。ある実施形態において、修飾ポリマーに結合したある特定の小分子化合物は、ポリマー組成物及び/又は半透過性のデバイスの宿主異物反応(FBR)を緩和し得る。例えば、ある特定の小分子化合物を含むポリマー組成物及び半透過性のデバイスは、前記小分子化合物を含まないポリマー組成物及び半透過性のデバイスにより誘発される誘発された宿主FBRと比較して低い宿主FBRを示している。
理論に拘束されることを望むものではないが、半透過性のデバイスを調製するために使用されるポリマー組成物内のある特定の小分子化合物(例えば抗線維性(afibrotic)化合物)の濃度は、宿主FBRを緩和する組成物及び/又はデバイスの能力に大きな影響を及ぼす可能性がある。従って、例えば必要に応じてFBRを調節するために、ポリマー組成物に含まれる小分子化合物の濃度を決定することが有用であり得る。しかしながら、ある特定の小分子の濃度を定量するための現在の方法は、本明細書で説明されているポリマー組成物の評価での使用には理想的ではない。下記で説明する方法は、これらの傷害を回避し、且つポリマー組成物内の修飾ポリマーのある特定の小分子化合物の濃度を信頼性の高い方法で提供するように設計されている。
一態様において、本開示は、小分子化合物で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、このポリマー組成物を、この修飾ポリマーからのこの小分子化合物の放出を可能にする反応条件にさらすことを含む方法を特徴とする。この方法は、修飾ポリマーに結合した小分子化合物の濃度の値を取得することをさらに含み得る。ある実施形態において、修飾ポリマー中のポリマーは、多糖である。ある実施形態において、この多糖は、アルギン酸塩(例えば、平均分子量が75kD~150kDaである及び/又はグルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上であるアルギン酸塩)である。
小分子化合物は、修飾ポリマー中のポリマー(例えばアルギン酸塩)に共有結合し得るか、又は非共有結合的に結合し得る。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、例えば結合基を介して、ポリマー(例えばアルギン酸塩)に供給結合している。ある実施形態において、小分子は、抗線維性化合物である。ある実施形態において、この抗線維性化合物は、式(I):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、変数A、L1、M、L2、P、L3、及びZ、並びに関連するサブ変数は、本明細書で定義されている。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、式(I-a)、(II)、(II-a)、(II-b)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、又は(III-e))は、本明細書で説明されている化合物であり、例えば、本明細書の表1で示されている化合物の内の1つが挙げられる。ある実施形態において、この抗線維性化合物は、表1で示されている化合物100、化合物101、又は化合物102である。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、変数A、L1、M、L2、P、L3、及びZ、並びに関連するサブ変数は、本明細書で定義されている。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、式(I-a)、(II)、(II-a)、(II-b)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、又は(III-e))は、本明細書で説明されている化合物であり、例えば、本明細書の表1で示されている化合物の内の1つが挙げられる。ある実施形態において、この抗線維性化合物は、表1で示されている化合物100、化合物101、又は化合物102である。
いくつかの実施形態において、修飾ポリマーからの小分子化合物の放出を可能にする反応条件は、このポリマーと、酸性溶液、塩基性溶液、酵素溶液、光、マイクロ波照射、加熱、又はこれらの組み合わせとを接触させることを含む。ある実施形態において、この方法は、分離工程をさらに含み、この分離工程を、小分子化合物の濃度を取得する前に実行し得る。例示的な分離工程として、ろ過、又はクロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、若しくは疎水性相互作用クロマトグラフィー)が挙げられる。ある実施形態において、小分子化合物の濃度の値を取得することは、この小分子化合物のクロマトグラムピークの面積を決定することを含む。ある実施形態において、小分子化合物の濃度の値の濃度を取得することは、標準(例えば、式(I)の化合物等の小分子化合物)との比較を伴う。修飾ポリマーに結合した小分子化合物の濃度は、例えば、0.5%~10%(w/w)の修飾ポリマーの範囲であり得、例えば、約0.5%~5%、1%~5%、1%~4%、又は1~3%(w/w)の修飾ポリマーの範囲であり得る。
ある実施形態において、この方法は、ポリマー組成物中の非コンジュゲート小分子化合物(即ち、「遊離」小分子化合物)の濃度を取得することをさらに含む。ポリマー組成物中における遊離小分子化合物(例えば遊離抗線維性化合物)の濃度は、約1%(w/w)未満の修飾ポリマーであり得、例えば、約0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、又は0.5%(w/w)未満の修飾ポリマーであり得る。
別の態様において、本開示は、小分子化合物で修飾されたポリマー(例えば修飾ポリマー)を含むポリマー組成物を評価する方法であって、このポリマー組成物を、この修飾ポリマーからこの小分子化合物の放出を可能にする反応条件にさらすことを含まない方法を特徴とする。ある実施形態において、この方法は、ポリマー組成物中における修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)全小分子化合物の値を取得すること;及び得られた値を使用して、この修飾ポリマーの濃度の値を取得することをさらに含み、それにより、このポリマー組成物を評価する。ある実施形態において、修飾ポリマーは、修飾多糖である。ある実施形態において、修飾ポリマー中のポリマー(例えば、この修飾ポリマーを調製するために使用されるポリマー)は、アルギン酸塩(例えば、平均分子量が75kD~150kDaである及び/又はグルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上であるアルギン酸塩)である。ある実施形態において、小分子化合物は、抗線維性化合物である。ある実施形態において、抗線維性化合物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば本明細書で説明されている塩)である。ある実施形態において、この方法は、ポリマー組成物の屈折率の値を取得することを含む。ある実施形態において、屈折率の値を取得することは、特定の波長及び/又は特定の温度での屈折計読取値(refractometer reading)(nd)を取得することを含む。
別の態様において、本開示は、約0.5%~5%、1%~5%、1%~4%、又は1~3%(w/w)の修飾ポリマーの1種又は複数種の小分子化合物の濃度を含む修飾ポリマー及びポリマー組成物を特徴とする。
本開示の1つ又は複数の実施形態の詳細が本明細書において記載されている。本開示の他の特徴、対象及び利点は、発明を実施するための形態、図面、実施例及び特許請求の範囲から明らかであろう。
[詳細な説明]
本開示は、小分子化合物(例えば抗線維性化合物)で修飾された少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を特徴とする。このポリマー組成物を使用して、デバイスが対象(例えばヒト)に移植された場合に治療薬を発現し得る複数の細胞(例えば生細胞)をカプセル化し得る。ある実施形態において、このポリマー組成物及びデバイスは、宿主FBRを緩和し得る。ある実施形態において、このポリマー組成物及びデバイスは、これらに含まれる生細胞の生存率及び/又は産生性を改善するための手段をさらに含む。
本開示は、小分子化合物(例えば抗線維性化合物)で修飾された少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を特徴とする。このポリマー組成物を使用して、デバイスが対象(例えばヒト)に移植された場合に治療薬を発現し得る複数の細胞(例えば生細胞)をカプセル化し得る。ある実施形態において、このポリマー組成物及びデバイスは、宿主FBRを緩和し得る。ある実施形態において、このポリマー組成物及びデバイスは、これらに含まれる生細胞の生存率及び/又は産生性を改善するための手段をさらに含む。
ある実施形態において、ポリマー組成物を、このポリマー組成物中におけるポリマーに(共有結合的に又は非共有結合的に)結合した小分子化合物の濃度を定量することにより評価する。この結合した小分子化合物の濃度を、例えば、ポリマー組成物の第1のサンプル中における(結合している及び結合していない)小分子化合物(即ち、「全小分子」)の総濃度の値を取得すること、ポリマー組成物の第2のサンプル中における結合していない小分子化合物(即ち、「遊離小分子」)の濃度の値を取得すること、並びにこの全小分子の濃度からこの遊離小分子の濃度を減算することにより、評価し得る。別の実施形態において、ポリマー組成物を、このポリマー組成物の屈折率の値を取得することにより評価する。このポリマー組成物を、修飾ポリマーから小分子化合物を加水分解するための条件に供してもよいし供しなくてもよい。ポリマー組成物内の小分子化合物濃度を決定する方法は、本明細書で説明されている。
略語及び定義
本開示の詳細な説明及び実施例の全体を通して、下記の略語が使用される。
CBP:細胞結合ポリペプチド
CBP-ポリマー:リンカーを介してCBPで共有結合的に修飾されたポリマー
CM-Alg:化学修飾アルギン酸塩
CM-LMW-Alg:化学修飾された、低分子量アルギン酸塩
CM-HMW-Alg:化学修飾された、高分子量アルギン酸塩
CM-MMW-Alg:化学修飾された、中間分子量アルギン酸塩
HMW-Alg:高分子量アルギン酸塩
MMW-Alg:中間分子量アルギン酸塩
RGD-アルギン酸塩:アミノ酸配列RGDを含むペプチドで共有結合的に修飾されたアルギン酸塩
U-Alg:非修飾アルギン酸塩
U-HMW-Alg:非修飾高分子量アルギン酸塩
U-LMW-Alg:非修飾低分子量アルギン酸塩
U-MMW-Alg:非修飾中間分子量アルギン酸塩
70:30のCM-Alg:U-Alg:化学修飾アルギン酸塩及び非修飾アルギン酸塩の70:30混合物(V:V)、例えば、実施例2に記載のとおり
本開示の詳細な説明及び実施例の全体を通して、下記の略語が使用される。
CBP:細胞結合ポリペプチド
CBP-ポリマー:リンカーを介してCBPで共有結合的に修飾されたポリマー
CM-Alg:化学修飾アルギン酸塩
CM-LMW-Alg:化学修飾された、低分子量アルギン酸塩
CM-HMW-Alg:化学修飾された、高分子量アルギン酸塩
CM-MMW-Alg:化学修飾された、中間分子量アルギン酸塩
HMW-Alg:高分子量アルギン酸塩
MMW-Alg:中間分子量アルギン酸塩
RGD-アルギン酸塩:アミノ酸配列RGDを含むペプチドで共有結合的に修飾されたアルギン酸塩
U-Alg:非修飾アルギン酸塩
U-HMW-Alg:非修飾高分子量アルギン酸塩
U-LMW-Alg:非修飾低分子量アルギン酸塩
U-MMW-Alg:非修飾中間分子量アルギン酸塩
70:30のCM-Alg:U-Alg:化学修飾アルギン酸塩及び非修飾アルギン酸塩の70:30混合物(V:V)、例えば、実施例2に記載のとおり
本開示が、より容易に理解され得るように、本明細書において使用されるいくつかの専門用語及び科学用語が、以下に具体的に定義される。本明細書において他の箇所に特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての他の専門用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
添付の特許請求の範囲を含め、本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、及び「the」などの単数形の用語は、文脈上特に明記されない限り、それらの対応する複数の指示対象を含む。
「約」又は「おおよそ」は、数値として定義されたパラメータ(例えば、ヒドロゲルカプセルの物理的性質、例えば、直径、球形度、このカプセル中でカプセル化された細胞の数、調製物中のカプセルの数)を修飾するために本明細書で使用される場合には、引用された数値が、当業者により決定された場合に、定義されたパラメータの許容可能な機能的範囲内であることを意味し、この機能的範囲は、この数値がどのように測定されるか又は決定されるかに部分的に依存し、例えば、この測定システムの許容可能な誤差範囲等の測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、引用された数値の20%上下の範囲を意味し得る。いくつかの実施形態において、用語「約」は、修飾されたパラメータが、このパラメータに関して述べられた数値の15%、10%、又は5%上下だけ変動し得ることを意味する。或いは、特に、本明細書で説明されているデバイスのある特定の特性(例えば、ポリマー組成物の小分子化合物の密度)に関して、用語「約」は、引用された値の一桁内(例えば、5倍、4倍、3倍、2倍、又は1倍以内)の上下を意味し得る。
本明細書において用いられるところ、「取得する(Acquire)」又は「取得している(acquiring)」は、値又は物理的エンティティを「直接的に取得する」又は「間接的に取得する」ことによる、値(例えば数値若しくはイメージ)、又は、物理的エンティティ(例えばサンプル)の入手を達成することを指す。「直接的に取得する」とは、プロセスを実施(例えば分析方法又はプロトコルの実施)して、値又は物理的エンティティを得ることを意味する。「間接的に取得する」とは、他の団体又は提供者(例えば、物理的エンティティ又は値を直接的に取得した第三者の実験室)から値又は物理的エンティティを受け取ることを指す。値又は物理的エンティティを直接的に取得するステップは、物理的な物質における物理的な変更、又は、機器若しくはデバイスの使用を含むプロセスの実施を含む。値を直接的に取得するステップの例としては、ヒト対象からのサンプルの入手が挙げられる。値を直接取得することは、機器又はデバイスを使用するプロセスを実施することを含み、例えば、蛍光顕微鏡を使用して蛍光顕微鏡データを取得すること、又は屈折計を使用して屈折率を取得することを含む。
「投与する(administer)」、「投与する(administering)」、又は「投与」は、本明細書で使用される場合、本明細書で説明されている実体(例えば、デバイス、若しくはデバイスの調製物)を対象に移植するか、吸収させるか、摂取させるか、注射するか、若しくは別の方法で導入することを指すか、又は投与のためにそのような実体を対象に提供することを指す。
「抗線維性」は、本明細書で使用される場合、異物反応(FBR)を軽減する化合物又は物質を意味する。例えば、抗線維性化合物を含むデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)の組織への移植により誘発される生体組織中でのFBRの量は、抗線維性なしの参照デバイス(即ち、あらゆる抗線維性化合物を欠くが、組成(例えば、同一のCBP-ポリマー、同一の細胞型)及び構造(例えば、サイズ、形状、区画の数)が実質的に同一のデバイス)の移植により誘発されるFBRと比べて少ない。実施形態において、FBRの程度は、例えば、国際公開第2017/075630号パンフレットに記載される当該技術分野において公知のアッセイを用いて、又はVegas,A.,et al.,Nature Biotechnol(上掲)に記載されるアッセイ/方法(例えば、移植されたカプセルの皮下カテプシン測定、組織切片のマッソンのトリクローム(MT)、ヘマトキシリン又はエオジン染色、コラーゲン密度の定量化、マクロファージ(CD68又はF4/80)細胞染色及び共焦点顕微鏡検査、筋線維芽細胞(α平滑筋アクチン(alpha-muscle actin)、SMA)又は一般的な細胞付着、公知の炎症因子及び免疫細胞マーカーの79RNA配列の定量化、又は好適な被験体、例えば、免疫応答性マウスの腹腔内で14日後に回収されたデバイス(例えば、カプセル)におけるマクロファージ及び好中球についてのFACS分析のうちの1つ又は複数を用いて、例えば、タンパク質吸着、マクロファージ、多核異物巨細胞、線維芽細胞、及び血管新生を含み得る移植されたデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)を含む組織における免疫応答によって評価される。実施形態において、FBRは、免疫応答の1つ又は複数のバイオマーカー、例えば、カテプシン、TNF-α、IL-13、IL-6、G-CSF、GM-CSF、IL-4、CCL2、又はCCL4の半透過性のデバイスを含む組織におけるレベルを測定することによって評価される。いくつかの実施形態において、本発明の半透過性のデバイス(例えば、外面上に配置された抗線維性化合物を含むヒドロゲルカプセル)により誘発されたFBRは、FBRなしの参照デバイス(例えば、FBRを軽減するための手段を欠く以外は試験デバイス又は特許請求されているデバイスと実質的に同一である半透過性のデバイス(例えば、抗線維性化合物を含まないが、それ以外は特許請求されているカプセルと実質的に同一であるヒドロゲルカプセル))により誘発されたFBRと比べて少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約100%低い。いくつかの実施形態において、FBR(例えば、バイオマーカーのレベル)は、約30分、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約1週間、約2週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約6ヶ月、又は約より長い後に測定されている。
「細胞」は、本明細書で使用される場合、組み換えられた細胞を指すか、又は組み換えられていない細胞を指す。ある実施形態において、細胞は、不死化細胞であるか、又は不死化細胞に由来する組み換え細胞である。ある実施形態において、細胞は、生細胞であり、例えば、本明細書で説明されているか又は当該技術分野で既知の任意の技術により測定した場合に生存している。
「細胞結合ペプチド(CBP)」は、本明細書で使用される場合、細胞付着分子(CAM)(例えば、細胞-マトリックス接合又は細胞-細胞接合を媒介するCAM)のリガンドの細胞結合ドメインに由来するアミノ酸配列を含む直鎖状又は環状のペプチドを意味する。ある実施形態において、CBPは、細胞付着分子(CAM)、又は細胞-マトリックス接合、若しくは細胞-細胞接合、若しくは他の受容体媒介シグナル伝達を媒介する他の細胞表面分子のリガンドの少なくとも1つの活性を模倣し得る。CBPは、50個、40個、30個、25個、20個、15個、又は10個未満のアミノ酸の長さであり得る。ある実施形態において、CBPは、3~12個のアミノ酸の長さであるか、4~10個のアミノ酸の長さであるか、又は3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、若しくは10個のアミノ酸の長さである。CBPのアミノ酸配列は、天然に存在する結合ドメイン配列と同一であってもよいし、その保存的に置換された変異体であってもよい。ある実施形態において、CAMリガンドは、哺乳動物タンパク質である。ある実施形態において、CBPは、RGDペプチドであり、これは、このペプチドが、アミノ酸配列RGDを含み、任意選択的に、N末端及びC末端の内の一方又は両方に位置する1つ又は複数の追加のアミノ酸を含むことを意味する。ある実施形態において、CBPは、RGDを含む環状ペプチドであり、例えば、Vilaca,H.et al.,Tetrahedron 70(35):5420-5427(2014)で説明されている環状RGDペプチドの内の1つである。ある実施形態において、CBPは、RGDを含む直鎖状ペプチドであり、且つ6個未満のアミノ酸の長さである。ある実施形態において、CBPは、RGD又はRGDSPから本質的になる直鎖状ペプチドである。
「CBP-ポリマー」は、本明細書で使用される場合、ポリマーであって、リンカーを介してこのポリマーに共有結合的に付着している少なくとも1つのCBPを含むポリマーを意味する。ある実施形態において、このポリマーは、ペプチドでもポリペプチドでもない。ある実施形態において、CBP-ポリマー中のポリマーは、あらゆるアミノ酸を含まない。ある実施形態において、CBP-ポリマー中のポリマーは、合成の又は天然に存在する多糖であり、例えばアルギン酸塩であり、例えばアルギン酸ナトリウムである。ある実施形態において、CBPが共有結合的に付着している多糖部分の数は、下記の値の内のいずれか未満である:99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%。
本明細書及び特許請求の範囲を通して用いられるところの「から本質的になる(consists essentially of)」、及び「から本質的になる(consist essentially of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」などの変化形は、任意の記載される要素又は要素の群の包含、及び規定の分子、組成物、デバイス、又は方法の基本的又は新規な性質を実質的に変化させない、記載される要素と類似の又は異なる性質の他の要素の任意選択の包含を示す。非限定的な例として、列挙されたアミノ酸配列から本質的になるペプチド又はポリペプチドはまた、それぞれ、この細胞結合ペプチド又は治療用タンパク質の関連する生物学的活性に実質的に影響を及ぼさない1つ又は複数のアミノ酸残基のこの列挙されたアミノ酸配列中の置換を含む1つ又は複数のアミノ酸も含み得る。別の非限定的な例として、列挙されたアミノ酸配列から本質的になるペプチド又はポリペプチドは、この細胞結合ペプチドの関連する生物学的活性(例えば、本明細書で説明されているカプセル化された細胞の生存率又は産生性を増加させる能力)を実質的に変化させない、1つ又は複数の共有結合的に付着した部分(例えば、放射性標識又は蛍光標識)を含み得る。
「に由来する」は、細胞に関して本明細書で使用される場合、組織、細胞株、又は細胞から得られる細胞を指し、この細胞は、次いで任意選択的に、例えば、培養され、継代され、分化され、誘導されて、由来細胞を生じる。例えば、間葉系幹細胞は、間葉系組織に由来し得、次いで、様々な細胞型に分化され得る。
「デバイス」は、本明細書で使用される場合、あらゆる移植可能な物体(例えば、粒子、ヒドロゲルカプセル、移植片、医療機器)を指し、この物体は、このデバイスの移植後に治療薬を発現し得る細胞(例えば生細胞)を含み、且つこのデバイスに細胞栄養素が入ることを可能にすることにより、この細胞の生存率を支える構造を有する。いくつかの実施形態において、このデバイスは半透過性のデバイスであり、生細胞により生成された代謝副産物及び/又は治療薬のこのデバイスからの放出が可能である。
「有効量」は、本明細書で使用される場合、例えば疾患、障害、又は状態を処置するために生物学的反応を誘発するのに十分な、デバイス、デバイス組成物、又はデバイス若しくはデバイス組成物の成分、例えば、細胞(例えば、組み換え細胞)を含む複数のヒドロゲルカプセル、又は細胞により産生された薬剤(例えば治療薬)の量を指す。いくつかの実施形態において、用語「有効量」は、デバイスの成分の量を指し、例えば、このデバイス中の細胞の数、このデバイスの表面上に及び/又はバリア区画中に配置された抗線維性化合物の濃度、又は細胞含有区画中のポリペプチド(例えば、CBP)の濃度を指す。当業者に認識されるように、有効量は、所望される生物学的エンドポイント、治療薬、組成物、又はデバイス(例えば、カプセル、粒子)の薬物動態、処置される状態、投与様式、並びに対象の年齢及び健康状態等の因子に応じて変動し得る。有効量は、治療的処置及び予防的処置を包含する。一例として、半透過性のデバイス中の修飾ポリマーに結合した小分子化合物(例えば抗線維性化合物)の有効量は、宿主FBRを調節し得る。デバイス、組成物、又は成分(例えば小分子化合物)の有効量を、当該技術分野で既知か又は本明細書で説明されている任意の技術により決定し得る。
本明細書において用いられるところ、「組み換え細胞」とは、天然のものではない改変を有する細胞であり、典型的には、同様の条件下で組み換えがなされていない他の同様の細胞中に存在していない(又は、異なるレベルで存在する)核酸配列(例えば、DNA又はRNA)又はポリペプチドを含む(外因性の核酸配列)。実施形態において、組み換え細胞は外因性の核酸を含む(例えば、ベクター又は改変染色体配列)。実施形態において、組み換え細胞は、外因性のポリペプチド、又は組み換えがなされていない同様の細胞に存在しない外因性の核酸配列、例えば配列、例えばDNA又はRNAを含む。実施形態において、外因性の核酸配列は染色体性であり、例えば、外因性の核酸配列は、内因性の染色体配列中に配置された外因性の配列である。実施形態において、外因性の核酸配列は、染色体性又は染色体外性である、例えば非組み込み型ベクターである。実施形態において、外因性の核酸配列は、ポリペプチドをコードする配列、又は、ポリペプチドとして発現される配列を含む染色体性又は染色体外性の核酸配列を含む。ある実施形態において、組み換え細胞は、組み換えられていない類似の細胞中で見出されるレベルとは異なるレベル又は分布で存在する治療薬を含む。実施形態において、組み換え細胞は、RNA又は治療用ポリペプチドを生成するために組み替えられたRPEを含む。実施形態において、組み換え細胞は、RNAとして発現される配列、例えばmRNA又は調節RNAを含む配列を含む染色体性又は染色体外性の外因性の核酸配列を含む外因性の核酸配列を含み得る。実施形態において、組み換え細胞は、ポリペプチドをコードする配列、又はポリペプチドとして発現される配列を含む染色体性又は染色体外性の核酸配列を含む外因性の核酸配列を含む。ある実施形態において、ポリペプチドは、天然に存在するコード配列と比べてポリペプチドの高い発現を達成するために、コドン最適化配列でコードされている。このコドン最適化配列は、市販のアルゴリズムを使用して生成され得、例えば、GeneOptimizer(ThermoFisher Scientific)、OptimumGene(商標)(GenScript,Piscataway,NJ USA)、GeneGPS(登録商標)(ATUM,Newark,CA USA)、又はJava Codon Adaptation Tool(JCat,www.jcat.de,Grote、A.et al.,Nucleic Acids Research,Vol 33,Issue suppl_2,pp.W526-W531(2005)を使用して生成され得る。ある実施形態において、組み換え細胞(例えばRPE細胞)は、内因性の配列の高次構造又は発現を制御する外因性の核酸配列を含む。ある実施形態において、組み換え細胞(例えばRPE細胞)は、安定的にトランスフェクトされた細胞の集団から培養されるか、又はモノクローナル細胞株から培養される。
本明細書において用いられるところ、「第VII因子タンパク質」又は「FVIIタンパク質」は、別段の定めがある場合を除き、当該技術分野において認識されているアッセイによって決定される際、FVII生物活性、例えば、血液凝固の促進を有する、天然の第VII因子タンパク質又はその変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。天然のFVIIは、一本鎖酵素前駆体、酵素前駆体様の二本鎖ポリペプチド及び完全に活性化された二本鎖形態(FVIIa)として存在する。いくつかの実施形態において、FVIIへの言及は、酵素前駆体様及びFVIIaを含む、その一本鎖及び二本鎖形態を含む。本明細書に記載のデバイス、例えば、組み換えRPE細胞を含むデバイスによって生成され得るFVIIタンパク質は、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、並びに1つ又は複数のアミノ酸置換及び/又は欠失を有する断片、突然変異体、変異体を含む、このような野生型タンパク質の変異体を含む。いくつかの実施形態において、変異体FVIIタンパク質は、野生型第VIIa因子の活性の少なくとも50%、75%、90%又はそれ以上(>100%を含む)を有する完全に活性化された二本鎖形態(第VIIa因子)へと活性化されることが可能である。FVII及びFVIIaの変異体は公知であり、例えば、マルゼプタコグアルファ(marzeptacog alfa)(活性化)(MarzAA)並びに欧州特許第1373493号明細書、米国特許第7771996号明細書、米国特許第9476037号明細書及び米国特許出願公開第20080058255号明細書に記載されている変異体である。
FVII因子生物活性は、別段の定めがある場合を除き、当該技術分野において認識されているアッセイによって定量化され得る。例えば、生体液、例えば、血漿のサンプルのFVII生物活性は、(i)脂質膜及び第X因子に埋め込まれた組織因子(TF)を含むシステムにおいて生成された第Xa因子の量を測定すること(Persson et al.,J.Biol.Chem.272:19919-19924,1997);(ii)水性系における第X因子加水分解を測定すること;(iii)表面プラズモン共鳴に基づいて機器を用いてTFへのその物理的結合を測定すること(Persson,FEBS Letts.413:359-363,1997);又は(iv)合成基質の加水分解を測定すること;及び/又は(v)TF非依存性インビトロ系におけるトロンビンの生成を測定することによって定量化され得る。実施形態において、FVII活性は、市販の発色アッセイ(BIOPHEN FVII,HYPHEN BioMed Neuville sur Oise,France)によって評価され、ここで、FVIIを含有する生体サンプルが、トロンボプラスチンカルシウム、第X及びSXa-11因子(第Xa因子に特異的な発色性基質)と混合される。
本明細書において用いられるところ、「第VIII因子タンパク質」又は「FVIIIタンパク質」は、別段の定めがある場合を除き、当該技術分野において認識されているアッセイによって決定される際、FVIII生物活性、例えば、凝固活性を有する、天然の第VIII因子ポリペプチド又はその変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。本明細書に記載のデバイス、例えば、組み換えRPE細胞を含むデバイスによって発現され得るFVIIIタンパク質は、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、並びに1つ又は複数のアミノ酸置換及び/又は欠失、Bドメイン欠失(BDD)変異体、一本鎖変異体及び半減期延長ポリペプチドを有する上記の野生型又は変異体のいずれかの融合を有する断片、突然変異体、変異体を含む、このような野生型タンパク質の変異体を含む。実施形態において、細胞は、Bドメインの完全又は部分的な欠失を有する前駆体第VIII因子ポリペプチド(例えば、シグナル配列を有する)をコードするように組み換えられる。実施形態において、細胞は、一本鎖第VIII因子ポリペプチドをコードするように組み換えられ、変異体FVIIIタンパク質は、好ましくは、対応する野生型第VIII因子の凝固活性の少なくとも50%、75%、90%又はそれ以上(>100%を含む)を有する。FVIIIタンパク質の凝固活性を測定するためのアッセイは、一段階又は二段階凝固アッセイ(Rizza et al.,1982,Coagulation assay of FVIII:C and FIXa in Bloom ed.The Hemophelias.NY Churchill Livingston 1992)又は発色性基質FVIII:Cアッセイ(Rosen,S.1984.Scand J Haematol 33:139-145、補遺)を含む。
いくつかのFVIII-BDD変異体が公知であり、例えば、以下の米国特許第4,868,112号明細書(例えば、第2欄、2行から第19欄、21行及び表2);同第5,112,950号明細書(例えば、第2欄、55~68行、図2、及び実施例1);同第5,171,844号明細書(例えば、第4欄、122行から第5欄、36行);同第5,543,502号明細書(例えば、第2欄、17~46行);同第5,595,886号明細書;同第5,610,278号明細書;同第5,789,203号明細書(例えば、第2欄、26~51行及び実施例5~8);同第5,972,885号明細書(例えば、第1欄、25行から第2欄、40行);同第6,048,720号明細書(例えば、第6欄、1~22行及び実施例1);同第6,060,447号明細書;同第6,228,620号明細書;同第6,316,226号明細書(例えば、第4欄、4行から第5欄、28行及び実施例1~5);同第6,346,513号明細書;同第6,458,563号明細書(例えば、第4欄、25~53行)及び同第7,041,635号明細書(例えば、第2欄、1行から第3欄、19行、第3欄、40行から第4欄、67行、第7欄、43行から第8欄、26行、及び第11欄、5行から第13欄、39行)のいずれかに開示されている完全又は部分的なBドメイン欠失を有する変異体が挙げられる。
いくつかの実施形態において、(例えば、デバイスに含まれる組み換え細胞によって発現される)本明細書に記載のデバイスより生成されるFVIII-BDDタンパク質は、Bドメインにおけるアミノ酸の以下の欠失の1つ又は複数を有する:(i)2つのポリペプチド鎖への一次翻訳産物の細胞内プロセシングに不可欠なアミノ末端Bドメイン配列を除くBドメインの大部分(国際公開第91/09122号パンフレット);(ii)アミノ酸747~1638(Hoeben R.C.,et al.J.Biol.Chem.265(13):7318-7323(1990));アミノ酸771~1666又はアミノ酸868~1562(Meulien P.,et al.Protein Eng.2(4):301-6(1988);アミノ酸982~1562又は760~1639(Toole et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:5939-5942(1986));アミノ酸797~1562(Eaton et al.,Biochemistry 25:8343-8347(1986));741~1646(Kaufman、国際公開第87/04187号パンフレット))、747~1560(Sarver et al.,DNA 6:553-564(1987));アミノ酸741~1648(Pasek、国際公開第88/00831号パンフレット))、アミノ酸816~1598又は741~1689(Lagner(Behring Inst.Mitt.(1988)No 82:16-25、EP295597号明細書)の欠失;フーリンプロテアーゼ認識配列における1つ又は複数の残基を含む欠失、例えば、米国特許第9,956,269号明細書、第10欄、65行から第11欄、36行に記載されている特定の欠失のいずれかを含む、アミノ酸1643~1648におけるLKRHQR(配列番号65)。
他の実施形態において、FVIII-BDDタンパク質は、以下のBドメインアミノ酸又はアミノ酸配列のいずれかを保持する:(i)Bドメインにおける1つ又は複数のN-連結されたグリコシル化部位、例えば、残基757、784、828、900、963、又は任意選択により943、最初の226アミノ酸又は最初の163アミノ酸(Miao,H.Z.,et al.,Blood 103(a):3412-3419(2004)、Kasuda,A.,et al.,J.Thromb.Haemost.6:1352-1359(2008)、及びPipe,S.W.,et al.,J.Thromb.Haemost.9:2235-2242(2011)。
いくつかの実施形態において、FVIII-BDDタンパク質は、米国特許第10,023,628号明細書、同第9,394,353号明細書及び同第9,670,267号明細書に記載されているR1645及び/又はR1648位置における置換のいずれかを含む、この部位におけるタンパク質分解による切断を防ぐフーリンプロテアーゼ認識配列における1つ又は複数のアミノ酸の置換(アミノ酸1643~1648におけるLKRHQR(配列番号65))によって生成される一本鎖変異体である。
いくつかの実施形態において、上記のFVIII-BDDタンパク質のいずれかは、以下の変位の1つ又は複数をさらに含み得る:FVIII-BDDタンパク質の発現を改善するためのF309S置換(Miao,H.Z.,et al.,Blood 103(a):3412-3419(2004);アルブミン融合(国際公開第2011/020866号パンフレット);及びFc融合(国際公開第04/101740号パンフレット)。
別段の定めがある場合を除き、本明細書において言及される全てのFVIII-BDDアミノ酸位置は、完全長ヒトFVIIIにおける位置を指す。
本明細書において用いられるところ、「第IX因子タンパク質」又は「FIXタンパク質」は、別段の定めがある場合を除き、当該技術分野において認識されているアッセイによって決定される際、FIX生物活性、例えば、凝固活性を有する天然の第IX因子タンパク質又はその変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。FIXは、不活性な酵素前駆体として生成され、これは、活性化ペプチドの第XIa因子除去によって活性な形態に転化されて、1つ又は複数のジスルフィド結合によって一緒に保持された重鎖及び軽鎖が生成される。(例えば、組み換えRPE細胞を含む半透過性のデバイス)本明細書に記載のデバイスによって生成され得るFIXタンパク質は、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、並びに半減期延長ポリペプチドを有する上記の野生型又は変異体タンパク質のいずれかの1つ又は複数のアミノ酸置換及び/又は欠失及び融合を有する断片、突然変異体、変異体を含む、このような野生型タンパク質の変異体を含む。実施形態において、細胞は、完全長野生型ヒト第IX因子ポリペプチド(例えば、シグナル配列を有する)又はその機能的変異体をコードするように組み換えられる。変異体FIXタンパク質は、好ましくは、野生型第VIX因子の凝固活性の少なくとも50%、75%、90%又はそれ以上(>100%を含む)を有する。FIXタンパク質の凝固活性を測定するためのアッセイとしては、Biophen第IX因子アッセイ(Hyphen BioMed)及び一段階凝固アッセイ(活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)(例えば、欧州特許第2032 607号明細書に記載される)、トロンビン生成時間アッセイ(TGA)及び回転式トロンボエラストメトリー(例えば、国際公開第2012/006624号パンフレットに記載される)が挙げられる。
いくつかの機能的FIX変異体が公知であり、以下の国際特許公報:国際公開第02/040544号パンフレット、4頁、9~30行及び15頁、6~31行;国際公開第03/020764 A2号パンフレット、14~24頁の表2及び3、及び12頁、1~27行;国際公開第2007/149406号パンフレット、4頁、1行から19頁、11行;国際公開第2007/149406号パンフレット、19頁、12行から20頁、9行;国際公開第08/118507号パンフレット、5頁、14行から6頁、5行;国際公開第09/051717号パンフレット、9頁、11行から20頁、2行;国際公開第09/137254号パンフレット、2頁、段落[006]から5頁、段落[011]及び16頁、段落[044]から24頁、段落[057];国際公開第09/130198 A2号パンフレット、4頁、26行から12頁、6行;国際公開第09/140015号パンフレット、11頁、段落[0043]から13頁、段落[0053];国際公開第2012/006624号パンフレット;国際公開第2015/086406号パンフレットに記載されている機能的FIX変異体のいずれかを含む本発明に記載のデバイスに封入される組み換え細胞によって発現され得る。
一定の実施形態において、FIXポリペプチドは、FIXタンパク質の半減期を延長する異種ポリペプチド又は非ポリペプチド部分に融合された野生型又は変異体配列を含む。例示的な半減期延長部分としては、Fc、アルブミン、PAS配列、トランスフェリン、CTP(その4つのO-グリカンを有するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の28アミノ酸C末端ペプチド(CTP))、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合ポリペプチド、アルブミン結合小分子、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。例示的なFIXポリペプチドは、国際公開第2012/006624号パンフレットに記載されているrFIXFcタンパク質であり、これは、Fcのヒンジ領域における2つのジスルフィド結合を介して一緒に結合されたFIXFc一本鎖(FIXF c-sc)及びFc一本鎖(Fc-sc)である。
FIX変異体は、機能獲得及び機能喪失変異体も含む。機能獲得変異体の例は、ヒトFIXの「Padua」変異体であり、これは、R(アルギニン)(配列番号2のアミノ酸位置384に対応する)の代わりに成熟タンパク質の位置338におけるL(ロイシン)を有し、野生型ヒトFIXと比較してより高い触媒及び凝固活性を有する(Chang et al.,J.Biol.Chem.,273:12089-94(1998))。機能喪失変異体の例は、成熟タンパク質の開始から5番目のアミノ酸位置におけるリジンと置換されるアラニンであり、これは、コラーゲンIVへの結合の低下(例えば、機能喪失)を有するタンパク質をもたらす。
本明細書において用いられるところ、「インターロイキン2タンパク質」又は「IL-2タンパク質」は、別段の定めがある場合を除き、当該技術分野において認識されているアッセイによって決定される際、IL-2生物活性を有する、例えば、Treg細胞におけるIL-2受容体シグナル伝達を活性化する、天然のIL-2タンパク質又はその変異体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。本明細書に記載のデバイス、例えば、組み換えRPE細胞を含むデバイスによって生成され得るIL-2タンパク質は、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、並びにこのような野生型タンパク質の変異体を含む。変異体IL-2タンパク質は、好ましくは、対応する野生型IL-2の生物活性の少なくとも50%、75%、90%又はそれ以上(>100%を含む)を有する。IL-2タンパク質のための生物活性アッセイが、米国特許第10,035,836号明細書に記載されており、例えば、CD4+CD25-/低T細胞又はNK細胞と比較して、Treg細胞におけるリン酸化STAT5タンパク質のレベルを測定することを含む。本開示のデバイス(例えば、組み換えRPE細胞を含むデバイス)によって生成され得る変異体IL-2タンパク質は、以下のアミノ酸置換:N88R、N88I、N88G、D20H、Q126L、Q126F、及びC125S又はC125Aの1つ又は複数を有するタンパク質を含む。「中間分子量アルギン酸塩」又は「MMW-Alg」は、本明細書で使用される場合、おおよその分子量が75kDa~150kDaであるアルギン酸塩を意味する。
「ポリマー組成物」とは、本明細書で使用される場合、1種又は複数種のポリマーを含む組成物(例えば、溶液、混合物)のことである。クラスとして、「ポリマー」は、ホモポリマー、ヘテロポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、ブロックコポリマーを含み、天然及び合成の両方であり得る。ホモポリマーは、1種類のビルディングブロック(即ちモノマー)を含むが、コポリマーは、複数種類のモノマーを含む。
本明細書において用いられるところ、「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して結合されたアミノ酸残基を含み、少なくとも2、いくつかの実施形態において、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150又は200のアミノ酸残基を有するポリマーを指す。
本明細書において用いられるところ、「予防(prevention)」、「予防する(prevent)」、及び「予防している(preventing)」は、投与又は治療の適用を含む処置であって、例えば、封入細胞の組成物(例えば、本明細書に記載の)を、疾病、障害、又は状態の発症の前に、前記疾病、障害、又は状態に係る物理的徴候を妨げるために投与するステップを含む処置を指す。いくつかの実施形態において、「予防(prevention)」、「予防する(prevent)」及び「予防(preventing)」は、疾病、障害又は状態の兆候又は症状が未だ発生していないか、又は、実測されていないことが必要とされる。いくつかの実施形態において、処置は、予防を含み、他の実施形態においては含まない。
「参照デバイス」は、特許請求されているデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)に関して本明細書で使用される場合、(i)特定の特徴を欠き、例えば、FBR軽減手段(例えば、小分子化合物、例えば抗線維性化合物を含むバリア区画)を欠き、(ii)特許請求されているデバイス中と同一の細胞型のほぼ同量の細胞を細胞含有区画中でカプセル化し、(iii)特定の特徴(例えば抗線維性化合物)を欠く以外は、特許請求されているデバイス中と実質的に同様のポリマー組成及び構造を有するデバイス(例えばヒドロゲルカプセル)を意味する。ある実施形態において、参照デバイスの細胞含有区画中の生細胞の数は、特許請求されているデバイスの細胞含有区画中の生細胞の数の80~120%以内であるか、又は90%~110%以内である。ある実施形態において、参照デバイス中の細胞及び特許請求されているデバイス中の細胞は、同一の細胞培養物から得られる。ある実施形態において、実質的に同様のポリマー組成物は、参照デバイス中の及び特許請求されているデバイス中の全てのポリマー(例えば、任意の抗線維性ポリマーのポリマー成分)が、該当する場合には、化学クラス及び分子量クラスが同一であること(例えば、G含有量が高く且つ分量範囲が同一のアルギン酸塩)を意味する。
「屈折率」は、本明細書で使用される場合、真空中の光速に対する媒体(例えばサンプル)中の光速の相対比を表す無次元値を指す。屈折率を使用して、媒体を通る光の位相速度(例えば、媒体(例えばサンプル)に入る場合に光路がどの程度屈折するか)を説明し得る。サンプルの屈折率を屈折計により測定し得、この屈折率は、温度及び波長に依存する。例示的な屈折率として、水(20℃でのnD=1.333)及びエタノール(20℃でのnD=1.36)が挙げられる。
「配列同一性」又は「パーセント同一」は、本明細書において、2つのヌクレオチド配列又は2つのアミノ酸配列を指すために用いられる場合、2つの配列が比較され、比較ウィンドウ(comparison window)又は指定される領域にわたって最大の一致のために整列される場合、2つの配列が規定の領域内で同じであるか、又は規定の領域内のヌクレオチド又はアミノ酸位置の規定のパーセンテージの同じヌクレオチド又はアミノ酸を有することを意味する。配列同一性は、限定されないが、米国特許出願公開第2017/02334455号明細書に記載されているアルゴリズムのいずれかを含む、当該技術分野において公知の標準的な技術を用いて決定され得る。実施形態において、同一のヌクレオチド又はアミノ酸位置の規定のパーセンテージは、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上である。
本明細書において用いられるところ、「対象」は、ヒト又は非ヒト動物を指す。実施形態において、対象は、例えば任意の年齢群のヒト(すなわち、男性又は女性)、小児科の対象(例えば乳児、小児、青年)又は成人対象(例えば、若年成人、中年成人、又は老人)である。実施形態において、対象は、非ヒト動物、例えば哺乳動物(例えば、マウス、イヌ、霊長類(例えばカニクイザル又はアカゲザル)である。実施形態において、対象は、(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、又はイヌ)の商業的に関連する哺乳動物)又は鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、又はシチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類)である。一定の実施形態において、動物は哺乳動物である。動物は、オス又はメスであり得、任意の成長段階であり得る。非ヒト動物は遺伝子組み換え動物であり得る。
本明細書において用いられるところ、「処置(treatment)」、「処置する(treat)」、及び「処置している(treating)」は、疾病、障害、若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延の1つ又は複数、又は疾病、障害、若しくは状態の症状、兆候、若しくは基礎原因の1つ又は複数の進行の阻害を指す。実施形態において、処置は、疾病、障害若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延、又は、疾病、障害若しくは状態の症状の進行の阻害を含む。実施形態において、処置は、疾病、障害若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延、又は、疾病、障害若しくは状態の兆候の進行の阻害を含む。実施形態において、処置は、疾病、障害又は状態の基礎原因の発症の低減、逆転、緩和、低減又は遅延を含む。いくつかの実施形態において、「処置(treatment)」、「処置する(treat)」及び「処置している(treating)」は、疾病、障害又は状態の兆候又は症状が発生しているか、又は、実測されていることを必要とする。他の実施形態において、処置は、疾病又は状態の兆候又は症状が不在でも、例えば予防的処置で投与されてもよい。例えば、処置は、症状の発症(例えば、症状の履歴を鑑みて、及び/又は、遺伝的又は他の感受性要因を鑑みて)の前に感受性の個体に投与され得る。処置はまた、例えば再発を遅延又は予防するために、症状が回復した後も継続してもよい。いくつかの実施形態において、処置は予防を含み、他の実施形態においては含まない。
選択される化学的定義
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙のPeriodoic Table of the Elements,CAS versionに従って識別し、特定の官能基は、ここに記載されているとおり通常どおり定義している。また、有機化学の一般原則、並びに特定の官能基部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito、1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York、2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York、1989;及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙のPeriodoic Table of the Elements,CAS versionに従って識別し、特定の官能基は、ここに記載されているとおり通常どおり定義している。また、有機化学の一般原則、並びに特定の官能基部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito、1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York、2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York、1989;及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
本明細書で用いている略語は、化学及び生物学の技術分野におけるその従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学技術分野において既知である化学原子価に係る標準的な規則に従って構成されている。
値の範囲が列挙されている場合、範囲中の各値及び部分範囲が包含されることが意図されている。例えば「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5、及びC5~C6アルキルを包含することが意図されている。
本明細書において用いられるところ、「アルキル」は、1~24個の炭素原子(「C1~C24アルキル」)を有する直鎖又は分岐飽和炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~12個の炭素原子(「C1~C12アルキル」)、1~10個の炭素原子(「C1~C12アルキル」)、1~8個の炭素原子(「C1~C8アルキル」)、1~6個の炭素原子(「C1~C6アルキル」)、1~5個の炭素原子(「C1~C5アルキル」)、1~4個の炭素原子(「C1~C4アルキル」)、1~3個の炭素原子(「C1~C3アルキル」)、1~2個の炭素原子(「C1~C2アルキル」)、又は1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~C6アルキル」)。C1~C6アルキル基の例としては、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、イソ-ブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、及びn-ヘキシル(C6)が挙げられる。アルキル基の追加の例としては、n-ヘプチル(C7)、n-オクチル(C8)などが挙げられる。アルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキル」)。
本明細書において用いられるところ、「アルケニル」は、2~24個の炭素原子、1つ又は複数の炭素-炭素二重結合を有し、及び三重結合を有さない直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C2~C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子(「C2~C10アルケニル」)、2~8個の炭素原子(「C2~C8アルケニル」)、2~6個の炭素原子(「C2~C6アルケニル」)、2~5個の炭素原子(「C2~C5アルケニル」)、2~4個の炭素原子(「C2~C4アルケニル」)、2~3個の炭素原子(「C2~C3アルケニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つ又は複数の炭素-炭素二重結合は、中間(2-ブテニルにおけるものなど)又は末端(1-ブテニルにおけるものなど)であることが可能である。C2~C4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)などが挙げられる。C2~C6アルケニル基の例としては、前述のC2~4アルケニル基並びにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられる。アルケニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルケニル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルケニル」)。
本明細書において用いられるところ、「アルキニル」という用語は、2~24個の炭素原子、1つ又は複数の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C2~C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2~10個の炭素原子(「C2~C10アルキニル」)、2~8個の炭素原子(「C2~C8アルキニル」)、2~6個の炭素原子(「C2~C6アルキニル」)、2~5個の炭素原子(「C2~C5アルキニル」)、2~4個の炭素原子(「C2~C4アルキニル」)、2~3個の炭素原子(「C2~C3アルキニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1つ又は複数の炭素-炭素三重結合は、中間(2-ブチニルにおけるものなど)又は末端(1-ブチニルにおけるものなど)であることが可能である。C2~C4アルキニル基の例としては、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)などが挙げられる。アルキニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキニル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1~5個の置換基、1~3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキニル」)。
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルキル」という用語は、非環式の安定な直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの組み合わせであって、少なくとも1個の炭素原子と、O、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含むものを指し、ここで、窒素原子及び硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N、P、S、及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基としては、これらに限定されないが:-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、-O-CH3、及び-O-CH2-CH3が挙げられる。2個又は3個以下のヘテロ原子が連続していてもよい(例えば-CH2-NH-OCH3及び-CH2-O-Si(CH3)3など)。「ヘテロアルキル」が引用され、続いて、特定のヘテロアルキル基が引用されている場合(-CH2O、-NRCRDなど)、用語ヘテロアルキル及び-CH2O又は-NRCRDは、重複していないか、又は相互に排他的ではないことが理解されるであろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基が追加的な明確さのために引用されている。それ故、「ヘテロアルキル」という用語は、-CH2O、-NRCRDなどの特定のヘテロアルキル基を排除していると本明細書において解釈されるべきではない。ヘテロアルキル基の各実例は、独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロアルキル」)又は例えば1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基、若しくは1個の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。
「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、又は「ヘテロアルキレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味する。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、又はヘテロアルキレン基は、例えば、C1~C6員アルキレン、C2~C6員アルケニレン、C2~C6員アルキニレン、又はC1~C6員ヘテロアルキレンと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素原子を指す。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、鎖終端の一方又は両方を占有することも可能である(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基について、連結基の式が書かれている方向によって連結基の向きは示唆されていない。例えば、式-C(O)2R’-は、-C(O)2R’-及び-R’C(O)2-の両方を表し得る。
本明細書において用いられるところ、「アリール」は、6~14個の環炭素原子及びゼロ個のヘテロ原子を芳香族環系中に有する(「C6~C14アリール」)、単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6、10、又は14個のπ電子を有する)のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチル及び2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C6~C10員アリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアリール」は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~10員単環式又は二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6又は10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロアリール二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロアリール」はまた、上記に定義されているヘテロアリール環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール又はヘテロアリール環のいずれかにある環系を含み、このような実例において、環員の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を示す。一方の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)において、結合点は、いずれかの環にあることが可能であり、すなわち、結合点は、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)又はヘテロ原子を含有しない環(例えば、5-インドリル)のいずれかにあることが可能である。ヘテロアリール基は、例えば6~10員ヘテロアリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~10員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~8員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5~6員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル及びチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられる。3又は4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれトリアジニル及びテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルが挙げられる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが挙げられる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられる。他の例示的なヘテロアリール基としては、ヘム及びヘム誘導体が挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、それぞれ、アリール及びヘテロアリールから誘導される二価ラジカルを意味する。
本明細書において用いられるところ、「シクロアルキル」は、3~10個の環炭素原子(「C3~C10シクロアルキル」)及びゼロ個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子(「C3~C8シクロアルキル」)、3~6個の環炭素原子(「C3~C6シクロアルキル」)、又は5~10個の環炭素原子を有する(「C5~C10シクロアルキル」)。シクロアルキル基は、例えば、C4~C7員シクロアルキルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。例示的なC3~C6シクロアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)などが挙げられる。例示的なC3~C8シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC3~C6シクロアルキル基並びにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、クバニル(C8)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C5)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C6)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C7)などが挙げられる。例示的なC3~C10シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC3~C8シクロアルキル基並びにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられる。前述の例に例示されているとおり、一定の実施形態において、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系を含有し(「二環式シクロアルキル」)、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。「シクロアルキル」はまた、上記に定義されているシクロアルキル環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がシクロアルキル環にある環系を含み、このような実例において、炭素の数は引き続きシクロアルキル環系中の炭素の数を示す。シクロアルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。
本明細書において用いられるところ、「ヘテロシクリル」は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系(「二環式ヘテロシクリル」)であることが可能であり、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。ヘテロシクリル二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロシクリル」はまた、上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のシクロアルキル基と縮合しており、結合点がシクロアルキル又はヘテロシクリル環のいずれかにある環系、又は上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環にある環系を含み、このような実例において、環員の数は引き続きヘテロシクリル環系中の環員の数を示す。ヘテロシクリル基は、例えば、3~7員ヘテロシクリルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中における、非水素環原子、すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素を指す。ヘテロシクリルの各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は非置換3~10員ヘテロシクリルである。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換3~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル及びピロリル-2,5-ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン-2-オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニル又はチオモルホリニル-1,1-ジオキシドが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル及びチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル及びチオカニルが挙げられる。C6アリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書において、5,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられる。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書において、6,6-二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
本明細書において用いられるところ、「アミノ」は、ラジカル-NR70R71を指し、ここで、R70及びR71は各々独立して、水素、C1~C8アルキル、C3~C10シクロアルキル、C4~C10ヘテロシクリル、C6~C10アリール、及びC5~C10ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、アミノはNH2を指す。
本明細書において用いられるところ、「シアノ」はラジカル-CNを指す。
本明細書において用いられるところ、「ハロ」又は「ハロゲン」は、独立して、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)原子を意味する。
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシ」はラジカル-OHを指す。
本明細書において定義されるところ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、任意選択により置換されている(例えば、「置換」若しくは「非置換」アルキル、「置換」若しくは「非置換」アルケニル、「置換」若しくは「非置換」アルキニル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロアルキル、「置換」若しくは「非置換」シクロアルキル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」若しくは「非置換」アリール又は「置換」若しくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換されている」という用語は、用語「任意選択により」が先行しているか否かに関わらず、ある基(例えば炭素又は窒素原子)に存在する少なくとも1個の水素が許容される置換基で置き換えられることを意味し、この置換基は、例えば、置換により安定な化合物(例えば、再配列、環化、脱離、又は他の反応などによって自発的な変換を起こさない化合物)をもたらすものである。別段の定めがある場合を除き、「置換されている」基は、その基の1つ又は複数の置換可能な位置に置換基を有し、また、いずれかの所与の構造における2つ以上の位置が置換されている場合、この置換基は各位置において同一であるか又は異なる。「置換されている」という用語は、安定な化合物が形成される本明細書に記載の置換基のいずれかなどの、有機化合物の全ての許容可能な置換基による置換を含むことが想定される。本開示は、安定な化合物を得るためのあらゆるこのような組み合わせを想定する。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たすと共に、安定な部分の形成をもたらす、水素置換基及び/又は本明細書に記載のいずれかの好適な置換基を有し得る。
2個以上の置換基は、任意選択により結合されて、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル基を形成し得る。このようないわゆる環形成置換基は、典型的には、必須ではないが、環基礎構造に結合して見出される。一実施形態において、環形成置換基は基礎構造の隣接する構成員に結合している。例えば、環基礎構造の隣接する構成員に結合する2個の環形成置換基が、縮合環構造を形成する。他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の単一の構成員に結合している。例えば、環基礎構造の単一の構成員に結合する2個の環形成置換基が、スピロ環式構造を形成する。さらに他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の隣接していない構成員に結合している。
本明細書に記載の式(I)の化合物は1つ又は複数の不斉中心を含んでいることが可能であり、それ故、例えば、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーといった種々の異性形態で存在することが可能である。例えば、本明細書に記載の化合物は個々の鏡像異性体、ジアステレオマー若しくは幾何異性体の形態であることが可能であり、又はラセミ混合物及び1種以上の立体異性体が富化された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることが可能である。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、並びにキラル塩の形成及び結晶化を含む当業者に公知の方法によって混合物から単離可能であり;又は好ましい異性体は、不斉合成により調製可能である。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。本開示はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、及び代わりに、種々の異性体の混合物として、本明細書に記載の化合物を含む。
本明細書において用いられるところ、純粋な鏡像異性化合物は、化合物の他の鏡像異性体又は立体異性体を実質的に含まない(すなわち鏡像体過剰量である)。換言すると、「S」形態の化合物は「R」形態の化合物を実質的に含まず、それ故、「R」形態が鏡像体過剰量である。「鏡像異性体的に純粋な」又は「純粋な鏡像異性体」という用語は、化合物が、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.5重量%超、又は99.9重量%超の鏡像異性体を含むことを示す。一定の実施形態において、重量は、化合物の全ての鏡像異性体又は立体異性体の総重量に基づく。
本明細書に記載の式(I)の化合物はまた、1つ又は複数の同位体置換を含んでいてもよい。例えば、Hは、1H、2H(D又は重水素)、及び3H(T又は三重水素)を含むいずれかの同位体形態であり得;Cは、12C、13C、及び14Cを含むいずれかの同位体形態であり得;Oは、16O及び18Oなどを含むいずれかの同位体形態であり得る。
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒の酸又は塩基を伴って調製される有効な化合物の塩を含むことを意味する。本開示のデバイスの提供において使用される式(I)の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の塩基と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。本開示において使用される化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の酸と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などのような無機酸から誘導されるものが挙げられ、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩が含まれる(例えば、Berge et al,Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19(1977)を参照のこと)。一定の特定の本開示のデバイスにおいて使用される化合物(例えば、粒子、ヒドロゲルカプセル)は、塩基又は酸付加塩への化合物の転換を可能とする塩基性及び酸性官能基の両方を含有する。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製され得る。当業者に公知である他の薬学的に許容可能なキャリアが本開示において使用するのに好適である。
一定の式(I)の化合物は、非溶媒和形態、並びに水和物形態を含む溶媒和形態で存在することが可能である。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。一定の式(I)の化合物は、多数の結晶性又はアモルファス形態で存在し得る。一般に、全ての物理的形態が本開示によって想定される使用について同等であり、本開示の範囲内であることが意図されている。
「溶媒和物」という用語は、通常は加溶剤分解反応による、溶剤に付随する化合物の形態を指す。この物理的な付随は水素結合を含み得る。従来の溶剤としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物としては、薬学的に許容可能な溶媒和物が挙げられ、さらに、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方が挙げられる。
「水和物」という用語は、水に付随している化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含有される水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対する確定された割合である。従って、化合物の水和物は、例えば一般式R・x H2O(式中、Rは化合物であり、xは0超の数字である)によって表され得る。
「互変異性体」という用語は、本明細書において用いられるところ、化合物構造の相互変換可能な形態であって、水素原子及び電子の変位が様々である化合物を指す。それ故、2つの構造が、π電子及び原子(通常はH)の移動を介して平衡状態にあり得る。例えば、酸又は塩基のいずれかを伴う処理によって急速に相互変換されるため、エノール及びケトンは互変異性体である。互変異性体は、対象となる化合物の最適な化学反応性及び生物活性の獲得と関連性があり得る。
本明細書において用いられるところ、記号
は、エンティティ、例えば、ポリマー(例えば、アルギン酸塩などのヒドロゲル形成ポリマー)又は移植可能なデバイス、例えば、粒子、ヒドロゲルカプセルの表面への結合を指す。
によって表される結合は、エンティティ、例えば、ポリマー又は移植可能な要素への直接結合を指してもよく、又は結合基を介したエンティティへの連結を指し得る。本明細書において用いられるところ、「結合基」は、エンティティ(例えば、本明細書に記載のポリマー又は移植可能な要素(例えば、デバイス))への式(I)の化合物の連結のための部分を指し、当該技術分野において公知であるいずれかの結合化学を含み得る。例示的な結合基の列挙は、本明細書において参照によりその全体が援用される、Bioconjugate Techniques(3rd ed,Greg T.Hermanson,Waltham,MA:Elsevier,Inc,2013)に概説されている。いくつかの実施形態において、結合基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)N(RD)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属を含み、ここで、RA、RC、RD、RF、RG、x及びyの各々は、独立して本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は、アミン、ケトン、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はチオールを含む。いくつかの実施形態において、結合基は架橋剤である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、ここで、アルキレンはR1で置換され、R1は本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、ここで、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)C(CH3)2-である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(メチレン)-であり、ここで、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)CH(CH3)-である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)C(CH3)-である。
は、エンティティ、例えば、ポリマー(例えば、アルギン酸塩などのヒドロゲル形成ポリマー)又は移植可能なデバイス、例えば、粒子、ヒドロゲルカプセルの表面への結合を指す。
によって表される結合は、エンティティ、例えば、ポリマー又は移植可能な要素への直接結合を指してもよく、又は結合基を介したエンティティへの連結を指し得る。本明細書において用いられるところ、「結合基」は、エンティティ(例えば、本明細書に記載のポリマー又は移植可能な要素(例えば、デバイス))への式(I)の化合物の連結のための部分を指し、当該技術分野において公知であるいずれかの結合化学を含み得る。例示的な結合基の列挙は、本明細書において参照によりその全体が援用される、Bioconjugate Techniques(3rd ed,Greg T.Hermanson,Waltham,MA:Elsevier,Inc,2013)に概説されている。いくつかの実施形態において、結合基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)N(RD)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属を含み、ここで、RA、RC、RD、RF、RG、x及びyの各々は、独立して本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は、アミン、ケトン、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はチオールを含む。いくつかの実施形態において、結合基は架橋剤である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、ここで、アルキレンはR1で置換され、R1は本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、ここで、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)C(CH3)2-である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)(メチレン)-であり、ここで、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)CH(CH3)-である。いくつかの実施形態において、結合基は-C(O)C(CH3)-である。
ポリマー組成物の特徴
本開示は、小分子化合物で修飾された少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を特徴とする。例えば、本明細書で説明されている方法を使用して、修飾ポリマーに結合した小分子化合物の総濃度を決定し得る。このポリマー組成物を使用して、治療薬を発現する細胞(例えば生細胞)をカプセル化し得、半透過性のデバイスであって、対象(例えばヒト対象又は他の哺乳動物対象)へのこのデバイスの移植時に治療薬を放出し得る半透過性のデバイスが形成される。本明細書で説明されている方法は、ポリマー組成物内の小分子化合物の濃度を確実に決定するための手段を提供し得、この手段は、例えば、小分子化合物修飾の経時的な安定性を計測するのに有用であり得る。
本開示は、小分子化合物で修飾された少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法を特徴とする。例えば、本明細書で説明されている方法を使用して、修飾ポリマーに結合した小分子化合物の総濃度を決定し得る。このポリマー組成物を使用して、治療薬を発現する細胞(例えば生細胞)をカプセル化し得、半透過性のデバイスであって、対象(例えばヒト対象又は他の哺乳動物対象)へのこのデバイスの移植時に治療薬を放出し得る半透過性のデバイスが形成される。本明細書で説明されている方法は、ポリマー組成物内の小分子化合物の濃度を確実に決定するための手段を提供し得、この手段は、例えば、小分子化合物修飾の経時的な安定性を計測するのに有用であり得る。
ポリマー組成物中の修飾ポリマーに結合した小分子化合物は、天然に存在する小分子、又は天然には存在しない小分子、及びこれらの変異体を含み得る。ある実施形態において、小分子化合物は、アルコール、アミン、カルボン酸、エステル、チオール、アリール、ヘテロアリール、エーテル、アルケン、アルキン、アジド、スルホン酸、ポリエチレングリコール、又は他の部分を含む。小分子化合物は、任意の方法で(例えば、アミド連結、エステル連結、チオエステル連結、ジスルフィド連結、又はエーテル連結を介して)修飾ポリマーに連結され得る。加えて、本開示と共に使用するための小分子化合物は、何らかの方法で(例えば、化学的修飾又は酵素的修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化)により)修飾され得る。
いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が100Da、200Da、250Da、300Da、400Da、500Da、600Da、700Da、800Da、900Da、1kDa、1.5kDa、2kDa、2.5kD、5kD、又はそれ以上である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が5kDa、2.5kDa、2kDa、1.5kDa、1kDa、900Da、800Da、700Da、600Da、500Da、400Da、300Da、250Da、200Da、150Da、100Da、又はそれ以下である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が100Da超である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が250Da超である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が500Da未満である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が1kDa未満である。いくつかの実施形態において、小分子化合物は、平均分子量が100Da~5kDaであり、例えば、100Da~2.5kDa、100Da~2kDa、100Da~1kDa、200Da~5kDa、200Da~2.5kDa、200Da~2kDa、200Da~1kDa、250Da~5kDa、250Da~2.5kDa、250Da~2kDa、250Da~1kDa、500Da~5kDa、500Da~2.5kDa、500Da~2kDa、又は500Da~1kDaである。
いくつかの実施形態において、小分子化合物は、抗線維性化合物である。ある実施形態において、抗線維性化合物は、式(I):
の化合物又はその塩(例えば薬学的に許容可能な塩)であり、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-、-N(RC)N(RD)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR1で任意選択により置換されており;
L1及びL3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR2で任意選択により置換されており;
L2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、不在であるか、各々が1個以上のR4で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールであり;
Zは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-ORA、-C(O)RA、-C(O)ORA、-C(O)N(RC)(RD)、-N(RC)C(O)RA、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR5で任意選択により置換されており;
RA、RB、RC、RD、RE、RF、及びRGの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR6で任意選択により置換されており;
又はRC及びRDは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR6で任意選択により置換されている環(例えば5~7員環)を形成し;
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)xRE1、-OS(O)xRE1、-N(RC1)S(O)xRE1、-S(O)xN(RC1)(RD1)、-P(RF1)y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
の化合物又はその塩(例えば薬学的に許容可能な塩)であり、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-、-N(RC)N(RD)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR1で任意選択により置換されており;
L1及びL3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR2で任意選択により置換されており;
L2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、不在であるか、各々が1個以上のR4で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールであり;
Zは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-ORA、-C(O)RA、-C(O)ORA、-C(O)N(RC)(RD)、-N(RC)C(O)RA、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR5で任意選択により置換されており;
RA、RB、RC、RD、RE、RF、及びRGの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR6で任意選択により置換されており;
又はRC及びRDは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR6で任意選択により置換されている環(例えば5~7員環)を形成し;
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)xRE1、-OS(O)xRE1、-N(RC1)S(O)xRE1、-S(O)xN(RC1)(RD1)、-P(RF1)y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-a):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)N(RD)-、N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR1で任意選択により置換されており;
L1及びL3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR2で任意選択により置換されており;
L2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、1個以上のR4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;
Zは、各々が1個以上のR5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
RA、RB、RC、RD、RE、RF、及びRGの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR6で任意選択により置換されており;
又はRC及びRDは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR6で任意選択により置換されている環(例えば5~7員環)を形成し;
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)xRE1、-OS(O)xRE1、-N(RC1)S(O)xRE1、-S(O)xN(RC1)(RD1)、-P(RF1)y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)-、-N(RC)C(O)-、-C(O)N(RC)-、-N(RC)N(RD)-、N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-、-NCN-、-C(=N(RC)(RD))O-、-S-、-S(O)x-、-OS(O)x-、-N(RC)S(O)x-、-S(O)xN(RC)-、-P(RF)y-、-Si(ORA)2-、-Si(RG)(ORA)-、-B(ORA)-、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR1で任意選択により置換されており;
L1及びL3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR2で任意選択により置換されており;
L2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、1個以上のR4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;
Zは、各々が1個以上のR5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
RA、RB、RC、RD、RE、RF、及びRGの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR6で任意選択により置換されており;
又はRC及びRDは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR6で任意選択により置換されている環(例えば5~7員環)を形成し;
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)xRE1、-OS(O)xRE1、-N(RC1)S(O)xRE1、-S(O)xN(RC1)(RD1)、-P(RF1)y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR7で任意選択により置換されており;
各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(RC)C(O)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-、又は-N(RC)-である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、又は-N(RC)-である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O-、又は-N(RC)-である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)、又は-N(RC)-である。いくつかの実施形態において、Aは、-N(RC)C(O)-、-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-、又は-N(RC)C(O)(C1~C6-アルケニレン)-である。いくつかの実施形態において、Aは-N(RC)-である。いくつかの実施形態において、Aは-N(RC)-であり、RC及びRDは独立して、水素又はアルキルである。いくつかの実施形態において、Aは-NH-である。いくつかの実施形態において、Aは-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、ここで、アルキレンはR1で置換されている。いくつかの実施形態において、Aは-N(RC)C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、R1はアルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Aは-NHC(O)CH(CH3)2-である。いくつかの実施形態において、Aは-N(RC)C(O)(メチレン)-であり、R1はアルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Aは-NHC(O)CH(CH3)-である。いくつかの実施形態において、Aは-NHC(O)C(CH3)-である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、L1は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L1は結合又はアルキルである。いくつかの実施形態において、L1は結合である。いくつかの実施形態において、L1はアルキルである。いくつかの実施形態において、L1はC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態において、L1は、-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2CH2CH2、又は-CH2CH2-である。いくつかの実施形態において、L1は、-CH2-又は-CH2CH2-である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、L3は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L3は結合である。いくつかの実施形態において、L3はアルキルである。いくつかの実施形態において、L3はC1~C12アルキルである。いくつかの実施形態において、L3はC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態において、L3は-CH2-である。いくつかの実施形態において、L3はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L3は、1個以上のR2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC1~C12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L3は、1個以上のR2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC1~C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L3は、-C(O)OCH2-、-CH2(OCH2CH2)2-、-CH2(OCH2CH2)3-、CH2CH2O-、又は-CH2O-である。いくつかの実施形態において、L3は-CH2O-である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Mは、不在、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mは不在である。いくつかの実施形態において、Mはアルキル(例えば、C1~C6アルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは-CH2-である。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル(例えば、C1~C6ヘテロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは(-OCH2CH2-)zであり、ここで、zは、1~10から選択される整数である。いくつかの実施形態において、zは、1~5から選択される整数である。いくつかの実施形態において、Mは、-OCH2CH2-、(-OCH2CH2-)2、(-OCH2CH2-)3、(-OCH2CH2-)4、又は(-OCH2CH2-)5である。いくつかの実施形態において、Mは、-OCH2CH2-、(-OCH2CH2-)2、(-OCH2CH2-)3、又は(-OCH2CH2-)4である。いくつかの実施形態において、Mは(-OCH2CH2-)3である。いくつかの実施形態において、Mはアリールである。いくつかの実施形態において、Mはフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
である。いくつかの実施形態において、Mは、R7(例えば、1個のR7)で置換されているフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
である。いくつかの実施形態において、R7はCF3である。
である。いくつかの実施形態において、Mは、R7(例えば、1個のR7)で置換されているフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
である。いくつかの実施形態において、R7はCF3である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Pは、不在、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは不在である。いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Pは、三環式、二環式、又は単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
である。いくつかの実施形態において、Pはトリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
である。
である。いくつかの実施形態において、Pはトリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
である。
いくつかの実施形態において、Pはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pは、5員ヘテロシクリル又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリジノニル(imidazolidinonyl)である。いくつかの実施形態において、Pは
である。いくつかの実施形態において、Pはチオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。
である。いくつかの実施形態において、Pはチオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。
いくつかの実施形態において、式(I)又は(I-a)について、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Zはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、単環式又は二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、4員ヘテロシクリル、5員ヘテロシクリル、又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。いくつかの実施形態において、Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
である。いくつかの実施形態において、Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
いくつかの実施形態において、Zは、二環式酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは無水フタル酸(phthalic anhydridyl)である。いくつかの実施形態において、Zは、硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはチオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。いくつかの実施形態において、Zは窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
である。いくつかの実施形態において、Zは窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
いくつかの実施形態において、Zは二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR5で任意選択により置換されている二環式窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニルである。いくつかの実施形態において、Zは
である。いくつかの実施形態において、Zは1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-オンである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
である。いくつかの実施形態において、Zは1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-オンである。いくつかの実施形態において、Zは
である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Zはアリールである。いくつかの実施形態において、Zは単環式アリールである。いくつかの実施形態において、Zはフェニルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニル(例えば、1個のR5により)である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5は窒素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5はNH2である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5は酸素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5は酸素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5はOCH3である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5はオルト位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5はメタ位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR5はパラ位にある。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C12アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C10アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1~5個のR5で置換されたC1~C8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR5で置換されたC1~C8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR5で置換されたC1~C8アルキルであり、ここで、R5は、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、又は-N(RC1)(RD1)である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR5で置換されたC1~C8アルキルであり、ここで、R5は、-ORA1又は-C(O)ORA1である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR5で置換されたC1~C8アルキルであり、ここで、R5は、-ORA1又は-C(O)OHである。いくつかの実施形態において、Zは-CH3である。
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I-a)について、Zはヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C8ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC1~C6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR5で任意選択により置換された窒素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1~5個のR5で置換された窒素及び硫黄含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、N-メチル-2-(メチルスルホニル)エタン-1-アミニルである。
いくつかの実施形態において、Zは、-ORA又は-C(O)ORAである。いくつかの実施形態において、Zは、-ORA(例えば、-OH又は-OCH3)である。いくつかの実施形態において、Zは、OCH3である。いくつかの実施形態において、Zは、-C(O)ORA(例えば、-C(O)OH)である。
いくつかの実施形態において、Zは水素である。
いくつかの実施形態において、L2は結合であり、P及びL3は独立して、不在である。いくつかの実施形態において、L2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-b):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M1は、各々が1~5個のR3で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Z1は、1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、N(R10)(R11)、O、又はSであり;RCは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、1~6個のR6で任意選択により置換されており;R3、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R10及びR11の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のR7で任意選択により置換されており;各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;各m及びnは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。いくつかの実施形態において、各R3及びR5について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、ハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで任意選択により及び独立して置換されている。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M1は、各々が1~5個のR3で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Z1は、1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、N(R10)(R11)、O、又はSであり;RCは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、1~6個のR6で任意選択により置換されており;R3、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R10及びR11の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のR7で任意選択により置換されており;各R7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;各m及びnは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。いくつかの実施形態において、各R3及びR5について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、ハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで任意選択により及び独立して置換されている。
いくつかの実施形態において、式(I-b)の化合物は、式(I-b-i):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M2は、1個以上のR3で任意選択により置換されている、アリール又はヘテロアリールであり;環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、O、又はSであり;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;又は2個のR5は一緒になって、環Z2に縮合した5~6員環を形成し;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M2は、1個以上のR3で任意選択により置換されている、アリール又はヘテロアリールであり;環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、O、又はSであり;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;又は2個のR5は一緒になって、環Z2に縮合した5~6員環を形成し;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I-b-i)の化合物は、式(I-b-ii):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2c及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2c及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-c):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2c及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;mは、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R2c及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R3及びR5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;mは、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-d):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-e):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-f):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、1個以上のR3で任意選択により置換されているアルキルであり;環Pは、1個以上のR4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;L3は、1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR5で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、R4、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、1個以上のR3で任意選択により置換されているアルキルであり;環Pは、1個以上のR4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;L3は、1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR5で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、R4、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(II):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、結合、アルキル又はアリールであり、ここで、アルキル及びアリールは、1個以上のR3で任意選択により置換されており;L3は、1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール又は-ORAであり、ここで、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1個以上のR5で任意選択により置換されており;RAは水素であり;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、結合、アルキル又はアリールであり、ここで、アルキル及びアリールは、1個以上のR3で任意選択により置換されており;L3は、1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール又は-ORAであり、ここで、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1個以上のR5で任意選択により置換されており;RAは水素であり;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、式(II-a):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、L3は、各々が1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又は-ORAであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルは、1個以上のR5で任意選択により置換されており;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;RAは水素であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、L3は、各々が1個以上のR2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又は-ORAであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルは、1個以上のR5で任意選択により置換されており;R2a及びR2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR2a及びR2bは一緒になってオキソ基を形成し;R2、R3、及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;RAは水素であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(III):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Z1は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;RCは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1~6個のR6で任意選択により置換されており;R3、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Z1は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;RCは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1~6個のR6で任意選択により置換されており;R3、R5、及びR6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(III)の化合物は、式(III-a):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(III-a)の化合物は、式(III-b):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z2は、各々が1~5個のR5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(III-a)の化合物は、式(III-c):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、式(III-c)の化合物は、式(III-d):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR2a及びR2b又はR2c及びR2dは一緒になってオキソ基を形成し;R3及びR5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;各RA1及びRB1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0~25の整数であり;xは、0、1、又は2であり;
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)の化合物である。いくつかの実施形態において、L2は結合であり、P及びL3は独立して、不在である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-a)の化合物である。式(II-a)のいくつかの実施形態において、L2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、L2は結合であり、P及びL3は独立して、不在である。いくつかの実施形態において、L2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b)の化合物である。いくつかの実施形態において、Pは不在であり、L1は-NHCH2であり、L2は結合であり、Mはアリール(例えば、フェニル)であり、L3は-CH2Oであり、Zはヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、チオモルホリニル-1,1-ジオキシド)である。いくつかの実施形態において、式(I-b)の化合物は、化合物116である。
式(I-b)のいくつかの実施形態において、Pは不在であり、L1は-NHCH2であり、L2は結合であり、Mは不在であり、L3は結合であり、Zはヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(I-b)の化合物は、化合物105である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b-i)の化合物である。式(I-b-i)のいくつかの実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素又はCH3であり、R2c及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1又は2であり、nは1であり、XはOであり、pは0であり、M2は、1個以上のR3で任意選択により置換されているフェニルであり、R3は-CF3であり、Z2はヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(I-b-i)の化合物は、化合物100、化合物106、化合物107、化合物108、化合物109、又は化合物111である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b-ii)の化合物である。式(I-b-ii)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、qは0であり、pは0であり、mは1であり、Z2はヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル)である。いくつかの実施形態において、式(I-b-ii)の化合物は、化合物100である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-c)の化合物である。式(I-c)のいくつかの実施形態において、R2c及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、pは1であり、qは0であり、R5は-CH3であり、Zはヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、ピペラジニル)である。いくつかの実施形態において、式(I-c)の化合物は、化合物113である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-d)の化合物である。式(I-d)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは3であり、XはOであり、pは0であり、Zはヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(I-d)の化合物は、化合物110又は化合物114である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-f)の化合物である。式(I-f)のいくつかの実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、Mは-CH2-であり、Pは、窒素含有ヘテロアリール(例えば、イミダゾリル)であり、L3は-C(O)OCH2-であり、ZはCH3である。いくつかの実施形態において、式(I-f)の化合物は、化合物115である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II-a)の化合物である。式(II-a)のいくつかの実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、qは0であり、L3は-CH2(OCH2CH2)2であり、Zは-OCH3である。いくつかの実施形態において、式(II-a)の化合物は、化合物112である。
式(II-a)のいくつかの実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、L3は結合又は-CH2であり、Zは水素又は-OHである。いくつかの実施形態において、式(II-a)の化合物は、化合物103又は化合物104である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(III)の化合物である。式(III)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、RCは水素であり、Z1は、R5(例えば、-N(CH3)(CH2CH2)S(O)2CH3)で任意選択により置換されているヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物は、化合物120である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(III-b)の化合物である。式(III-b)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは0であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、Z2は、1個のR5(例えば、-NH2)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。いくつかの実施形態において、式(III-b)の化合物は、化合物102である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(III-b)の化合物である。式(III-b)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、RCは水素であり、Z2はヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、窒素含有スピロヘテロシクリル、例えば、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニル)である。いくつかの実施形態において、式(III-b)の化合物は、化合物121である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(III-d)の化合物である。式(III-d)のいくつかの実施形態において、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、3、又は4であり、pは0であり、XはS(O)2である。式(III-d)のいくつかの実施形態において、R2a及びR2bの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、3、又は4であり、pは0であり、XはS(O)2である。いくつかの実施形態において、式(III-d)の化合物は、化合物101、化合物117、化合物118、又は化合物119である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b)、(I-d)、又は(I-e)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b)、(I-d)、又は(II)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b)、(I-d)、又は(I-f)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I-b)、(I-d)、又は(III)の化合物である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、国際公開第2012/112982号パンフレット、国際公開第2012/167223号パンフレット、国際公開第2014/153126号パンフレット、国際公開第2016/019391号パンフレット、国際公開第2017/075630号パンフレットに開示されている化合物でない。ある実施形態において、式(I)の化合物は、国際公開第2018/067615号パンフレット及び同第2019/169333号パンフレットのいずれか1つに開示されている化合物であり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。
いくつかの実施形態において、抗線維性化合物(式(I)の化合物)は、表1で示されている化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
いくつかの実施形態において、修飾ポリマーに結合した小分子化合物は、式(I)(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(II)、(II-a)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、若しくは(III-d))の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
又はこれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。
又はこれらの薬学的に許容可能な塩から選択される。
各小分子化合物(例えば抗線維性化合物)は、結合基を介して、ポリマー組成物中のポリマーに結合し得る。この結合基は、アルキル、カルボニル、アミド、エステル、チオエステル、ジスルフィド結合、アルケン、又は他の部分を含み得る。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、式中、アルキレンは、R1で置換されており、R1は、本明細書で説明されている通りである。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-であり、式中、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換されている。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)C(CH3)2-である。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)(メチレン)-であり、式中、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)で置換されている。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)CH(CH3)-である。いくつかの実施形態において、結合基は、-C(O)C(CH3)-である。
ある実施形態において、ポリマー組成物は、小分子化合物で修飾された単一のポリマーを含む。別の実施形態では、ポリマー組成物は、小分子化合物で修飾された複数種のポリマーを含み、例えば、少なくとも2種の修飾ポリマー、少なくとも3種の修飾ポリマー、又は少なくとも4種の修飾ポリマーを含む。このポリマー組成物は、同一の小分子化合物で修飾された複数種のポリマーを含んでもよいし、異なる小分子化合物で修飾された複数種のポリマーを含んでもよい。ポリマー組成物は、修飾ポリマーと非修飾ポリマーとの混合物を含み得る。
ある実施形態において、ポリマー組成物は、第1の修飾ポリマーを含み、例えば、式(I)の化合物(例えば、表1で説明されている化合物)又はその薬学的に許容可能な塩で修飾された第1の修飾ポリマーを含む。別の実施形態において、ポリマー組成物は、第2の修飾ポリマーを含み、例えば、式(I)の化合物(例えば、表1で説明されている化合物)又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
ポリマー組成物中の修飾ポリマー及び非修飾ポリマーの各々は、直鎖の、分岐した、若しくは架橋したポリマーであってもよいし、分子量範囲、重合度、粘度、若しくはメルトフローレートが選択されているポリマーであってもよい。ポリマー組成物内の例示的なポリマーとして、天然に存在するポリマー、及び天然には存在しないポリマー(例えば合成ポリマー)が挙げられる。例えば、ポリマー組成物は、下記を含み得る:ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリオレフィンコポリマー、ポリ(ウレタン)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミド、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエーテル、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カーボネート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリフルオロカーボン、PEEK(登録商標)、Teflon(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、PEEK、シリコーン、エポキシ樹脂、Kevlar(登録商標)、Dacron(登録商標)(エチレングリコール及びテレフタル酸から得られる縮合ポリマー)、ポリエチレングリコール、ナイロン、ポリアルケン、フェノール樹脂、天然及び合成エラストマー、接着剤及びシーラント、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、多糖類及び天然ラテックス等のバイオポリマー、コラーゲン、セルロースポリマー(例えば、アルキルセルロース等)、ポリエチレングリコール及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、多糖類、ポリ(グリコール酸)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(乳酸グリコール酸)(PLGA)、ポリジオキサノン(PDA)、又はラセミポリ(乳酸)、ポリカーボネート、(例えば、ポリアミド(例えば、ナイロン))、フッ素樹脂、炭素繊維、アガロース、アルギン酸塩、キトサン、並びにこれらのブレンド又はコポリマー。分岐ポリマーは、下記のタイプの内の1つ又は複数を含み得る:星形ポリマー、櫛形ポリマー、ブラシ型ポリマー、デンドロン化ポリマー、ラダー、及びデンドリマー。ポリマーは、熱応答性ポリマーであり得、例えば、ゲル(例えば、熱若しくはある特定の温度への曝露時に固体若しくは液体になる)又は光架橋性ポリマーであり得る。ポリマー組成物中の修飾ポリマーの量(例えば、ポリマー組成物の重量%、ポリマーの実際の重量)は、少なくとも5%であり得、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上(例えばw/w)であり得;20%未満であり得、例えば、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%未満、又はそれ以下であり得る。
ある実施形態において、ポリマー組成物は、アルギン酸塩、キトサン、ヒアルロン酸塩、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(乳酸グリコール酸)(PLGA)、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシメチルキトサンから選択されるポリマーを含み得る。ある実施形態において、ポリマー組成物は、ポリアミドポリマーを含まない。本明細書で説明されているポリマーに加えて、ポリマー組成物は、半透過性のデバイスに構造的完全性を提供するために、及び/又はカプセル化された細胞を支持する足場を提供するために、上記で列挙されたポリマークラスの内のいずれかの1種又は複数種の非修飾の天然に存在するか又は合成のポリマーを含み得る。
ある実施形態において、修飾ポリマーは、アルギン酸塩である。アルギン酸塩は、β-D-マンヌロン酸(M)及びα-L-グルロン酸(G)で構成された多糖である。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高グルロン酸(G)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のグルロン酸(G)を含む。いくつかの実施形態において、G:Mの比は、少なくとも1.3、1.5、又は1.5超である。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高マンヌロン酸(M)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のマンヌロン酸(M)を含む。いくつかの実施形態において、M:Gの比は、約1である。いくつかの実施形態において、M:Gの比は、1未満である。ある実施形態において、ポリマー組成物は、修飾アルギン酸塩と、非修飾アルギン酸塩とを含む。
ポリマーを、当該技術分野で既知の様々な方法の内のいずれかを使用して、小分子化合物で修飾し得、例えば、Bioconjugate Techniques(3rd ed,Greg T.Hermanson,Waltham,MA:Elsevier,Inc,2013を参照されたい。例えば、修飾されるポリマーがアルギン酸塩であり、且つ小分子化合物が末端アミンを含む場合には、本明細書の実施例1で説明されているものと同様のアプローチを使用して、小分子を、アルギン酸塩モノマーのカルボキシレート基に共有結合させ得る。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物は、ポリペプチド(例えば細胞結合ペプチド(CBP))で修飾されたポリマーをさらに含む。例示的なCBPとして、RGD、RGDSP、GRGD、GRGDSP、DGEA、PHSRN、YIGSR等の配列、又はCAMリガンドタンパク質が挙げられる。ある実施形態において、修飾ポリマーは、2種、3種、又はそれ以上のCBPの混合物(例えば、RGD+DGEA、RGD+PHSRN、RGD+DGEA+PHSRN)を含む。
本明細書で説明されている修飾ポリマーを使用して、細胞をカプセル化する半透過性のデバイスを調製し得る。ある実施形態において、この半透過性のデバイスは、単一タイプの修飾ポリマー又は複数タイプの修飾ポリマーを含み得る。これらの半透過性のデバイスは、複数の細胞(例えば生細胞)を含む少なくとも1つの細胞含有区画を含む。ある実施形態において、このデバイスは、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の細胞含有区画を含む。この細胞は、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、ケラチン生成細胞、及び膵島細胞等の様々な異なる細胞型(例えばヒト細胞)であり得る。例示的な細胞型として、国際公開第2017/075631号パンフレットで列挙されている細胞型が挙げられ、このパンフレットは、その全体が参照により本明細書に援用される。ある実施形態において、この細胞は、組み換え細胞であり、例えば、治療薬(例えばタンパク質、例えば、抗体、酵素、血液凝固因子、ホルモン、又は増殖因子)を発現するように組み換えられている組み換え細胞である。
ある実施形態において、本開示のデバイスに含まれている細胞は、RPE細胞又はMSC細胞(例えば、組み換えRPE細胞又は組み換えMSC細胞)を含む。いくつかの実施形態において、半透過性のデバイスは、膵島細胞を含まない。ある実施形態において、本開示のデバイスに含まれている細胞は、下記の特徴の内の1つ又は複数を有する:(i)糖尿病、又はインスリンで処置され得る別の疾患若しくは状態を処置するのに有効な量でインスリン(例えば、インスリンA鎖、インスリンB鎖、又はプロインスリン)を産生し得ない;(ii)グルコース応答的にインスリンを産生し得ない;又は(iii)インスリン産生膵臓ベータ細胞へと組み換えられたか又は分化した人工多能性幹細胞に由来しない。
実施形態において、複数の細胞は、本明細書に記載の半透過性のデバイス、例えば、ヒドロゲルカプセル内にカプセル化される前に、細胞懸濁液の形態である。懸濁液中の細胞は、(例えば、単層細胞培養物からの)単一細胞の形態を取り得、又は例えば、マイクロキャリア(例えば、ビーズ若しくはマトリックス)上に配置された、又は細胞の3次元凝集体(例えば、細胞クラスター又はスフェロイド)としての別の形態で提供され得る。細胞懸濁液は、複数の細胞クラスター(例えば、スフェロイドとして)又はマイクロキャリアを含み得る。
いくつかの実施形態において、複数の細胞は、治療薬を産生するように組み換えられる。ある実施形態において、この治療薬は、疾患、障害、又は状態(例えば、国際公開第2017/075631号パンフレットで説明されているもの)の予防用か又は処置用である。この治療薬は、任意の生物学的物質であり得、例えば、核酸(例えば、ヌクレオチド、DNA、若しくはRNA)、ポリペプチド、脂質、糖(例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、若しくは多糖)、又は小分子であり得る。例示的な治療薬として、国際公開第2017/075631号パンフレットで列挙されている薬剤が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療薬は、タンパク質、例えば、ホルモン、酵素、サイトカイン(例えば、炎症性サイトカイン又は抗炎症性サイトカイン)、増殖因子、凝固因子、又はリポタンパク質である。組み換え細胞によって産生される、ペプチド又はポリペプチド(例えば、タンパク質、例えば、ホルモン、増殖因子、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、抗体分子、酵素、サイトカイン、サイトカイン受容体、又はサイトカイン若しくはサイトカイン受容体を含むキメラタンパク質)は、天然のアミノ酸配列を有することができ、又は天然の配列の変異体を含み得る。変異体は、基準の配列、例えば、天然の配列に対する、天然又は非天然のアミノ酸置換、突然変異、欠失又は付加であり得る。天然のアミノ酸配列は、多型変異体であり得る。天然のアミノ酸配列は、ヒト又は非ヒトアミノ酸配列であり得る。いくつかの実施形態において、天然のアミノ酸配列又はその天然の変異体は、ヒト配列である。さらに、本開示と共に使用するためのタンパク質は、何らかの方法で、例えば、化学又は酵素修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化)によって修飾され得る。いくつかの実施形態において、タンパク質は、5kD、10kD、25kD、50kD、100kD、150kD、200kD、250kD、500kD、又はそれ以上の平均分子量を有する。
いくつかの実施形態において、タンパク質は、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、例えば、血液凝固因子(blood clotting factor)又は血液凝固因子(blood coagulation factor)である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、凝固、すなわち、血液が液体から固体又はゲルへと変換される過程に関与するタンパク質である。例示的な凝固因子(clotting factor)及び凝固因子(coagulation factor)としては、第I因子(例えば、フィブリノゲン)、第II因子(例えば、プロトロンビン)、第III因子(例えば、組織因子)、第V因子(例えば、プロアクセレリン、不安定因子)、第VI因子、第VII因子(例えば、安定因子、プロコンバーチン)、第VIII因子(例えば、抗血友病因子A)、第VIIIC因子、第IX因子(例えば、抗血友病因子B)、第X因子(例えば、スチュアート・プロワー因子)、第XI因子(例えば、血漿トロンボプラスチン前駆物質)、第XII因子(例えば、ハーゲマン因子)、第XIII因子(例えば、フィブリン安定化因子)、フォン・ヴィレブランド因子(vWF)、プレカリクレイン、ヘパリン補因子II、高分子量キニノーゲン(例えば、フィッツジェラルド因子)、抗トロンビンIII、及びフィブロネクチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、プロテインCなどの抗凝固因子である。
いくつかの実施形態において、タンパク質は、補充療法又は補充タンパク質である。いくつかの実施形態において、補充療法又は補充タンパク質は、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、例えば、第VIII因子(例えば、天然のヒト第VIII因子アミノ酸配列若しくはその変異体を含む)又は第IX因子(例えば、天然のヒト第IX因子アミノ酸配列若しくはその変異体を含む)である。
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されているカプセル化細胞は、ヒト第VIII因子タンパク質(例えば組み換え第VIII因子)を発現するように組み換えられている。いくつかの実施形態において、この組み換え第VIII因子は、Bドメイン欠失組み換え第VIII因子(FVIII-BDD)である。いくつかの実施形態において、細胞は、第IX因子(例えば、ヒト第IX因子(FIX)タンパク質)を発現するように組み換えられている。
いくつかの実施形態において、カプセル化細胞は、ヒトRPE細胞株に由来し、ポリペプチドのためのコード配列に動作可能に連結されるプロモーター配列を含む外因性の核酸配列を含む。実施形態において、コード配列は、コドン最適化FVIII-BDDコード配列又はコドン最適化FIX-paduaコード配列である。
ある実施形態において、修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)中における小分子化合物(例えば式(I)の化合物)の濃度は、w/w%と定義され、例えば、本明細書で説明されているアッセイにより決定した、溶液(例えば生理食塩水)中における小分子の重量/修飾ポリマーの重量の%と定義される。ある特定の実施形態では、小分子化合物(例えば式(I)の化合物、例えば化合物101)の濃度は、約1.0w/w%~約3.0w/w%、約1.3w/w%~約2.5w/w%、又は約1.5w/w%~約2.2w/w%である。
いくつかの実施形態において、修飾ポリマー中に存在する小分子化合物(例えば抗線維性化合物、例えば式(I)の化合物)の濃度は、特定のパラメータ(例えば、クロマトグラム上の保持時間、又はクロマトグラム上の曲線下面積)と相関する。ある実施形態において、小分子化合物は、修飾ポリマーにコンジュゲートしているか、又は例えば加水分解後に、サンプル中に遊離で存在し得る。ある実施形態において、小分子化合物(例えば、ポリマー(例えばアルギン酸塩)にコンジュゲートした小分子化合物)の濃度は、0.1%~10%(w/w)である。例えば、小分子化合物(例えば、ポリマー(例えばアルギン酸塩)にコンジュゲートした小分子化合物)の濃度は、1%~10%、2%~8%、3%~6%、2%~4%、4%~6%、又は6%~8%(w/w)である。ある実施形態において、小分子化合物(例えば、ポリマー(例えばアルギン酸塩)にコンジュゲートした小分子化合物)の濃度は、4%~6%(w/w)である。ある実施形態において、小分子化合物(例えば、ポリマー(例えばアルギン酸塩)にコンジュゲートした小分子化合物)の濃度は、2%~4%(w/w)である。
いくつかの実施形態において、半透過性のデバイスは、国際公開第2012/112982号パンフレット、同第2012/167223号パンフレット、同第2014/153126号パンフレット、同第2016/019391号パンフレット、同第2016/187225号パンフレット、米国特許出願公開第2012-0213708号明細書、同第2016-0030359号明細書、及び同第2016-0030360号明細書の内のいずれかで開示されている任意のカプセル、デバイス、移植片、又は他の物体ではない。
修飾ポリマーを評価する方法
本開示は、ポリマー組成物内の小分子化合物(例えば抗線維性化合物)で修飾されたポリマーを評価する方法を特徴とする。評価することは、修飾ポリマーの小分子化合物(例えば抗線維性化合物)濃度を決定すること、修飾ポリマー中の小分子化合物を同定すること、又はある特定の不純物に関してポリマー組成物を調べる(query)ことを含み得る。本明細書で説明されている方法は、修飾ポリマーのサンプルを、この修飾ポリマーからの小分子化合物の放出を可能にする反応条件にさらすことを含む。この修飾ポリマーから小分子化合物(例えば抗線維性化合物)が遊離すると、この修飾ポリマーに結合していた小分子化合物(例えば抗線維性化合物)の濃度を、例えばクロマトグラフィー分析により決定し得る。
本開示は、ポリマー組成物内の小分子化合物(例えば抗線維性化合物)で修飾されたポリマーを評価する方法を特徴とする。評価することは、修飾ポリマーの小分子化合物(例えば抗線維性化合物)濃度を決定すること、修飾ポリマー中の小分子化合物を同定すること、又はある特定の不純物に関してポリマー組成物を調べる(query)ことを含み得る。本明細書で説明されている方法は、修飾ポリマーのサンプルを、この修飾ポリマーからの小分子化合物の放出を可能にする反応条件にさらすことを含む。この修飾ポリマーから小分子化合物(例えば抗線維性化合物)が遊離すると、この修飾ポリマーに結合していた小分子化合物(例えば抗線維性化合物)の濃度を、例えばクロマトグラフィー分析により決定し得る。
修飾ポリマーから小分子化合物(例えば抗線維性化合物)を遊離させるために、任意の反応条件を使用し得る。例えば、ポリマー組成物を、酸性溶液、塩基性溶液、酵素溶液、加熱、光、マイクロ波照射、水素化、又はこれらの組み合わせに供し得る。ある実施形態において、修飾ポリマーから小分子化合物(例えば抗線維性化合物)を放出させるために、ポリマー組成物を、酸性溶液(例えば、HCl、HBr、HF、H2SO4、HNO3、HClO4、CF3COOH、CH3COOH、又はCF3SO3Hを含む溶液)にさらす。ある実施形態において、酸性溶液は、pHが7未満であり、例えば、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1未満、又はそれ以下である。ポリマー組成物を加熱に供し得、例えば、約25℃、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃超、又はそれ以上の温度での加熱に供し得る。ある実施形態において、修飾ポリマーから小分子化合物(例えば抗線維性化合物)を放出させるために、ポリマー組成物を、例えば同時に、酸性溶液及び加熱に供し得る。ある実施形態において、ポリマー組成物を、例えば撹拌プレートを使用して、加熱しつつ撹拌する。
ある実施形態において、ポリマー組成物を、例えば、少なくとも1秒、2秒、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、又は55秒、1分、2.5分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、又は1時間にわたり、マイクロ波照射にさらす。ある実施形態において、ポリマー組成物を、1分~1時間にわたりマイクロ波照射に供し、例えば、1分~45分、1分~30分、1分~15分、5分~1時間、5分~45分、5分~30分、5分~15分、10分~1時間、10分~45分、10分~30分、15分~45分、及び15分~30分にわたりマイクロ波照射にさらす。ある実施形態において、ポリマー組成物を、5分~45分にわたりマイクロ波照射にさらす。ある実施形態において、ポリマー組成物を、例えばマイクロ波反応器(例えばAnton-Paar Monowaveマイクロ波反応器)中において、例えば、1分当たり100回の回転(rpm)、200rpm、300rpm、400rpm、500rpm、600rpm、700rpm、800rpm、又はそれ以上の速さで、マイクロ波照射を印加しつつ撹拌する。ある実施形態において、ポリマー組成物を、例えば同時に、酸性溶液及びマイクロ波照射にさらす。
本明細書で説明されている方法は、ポリマー組成物内の修飾ポリマーに結合した小分子化合物(例えば抗線維性化合物)の濃度の値を取得することをさらに含む。このために、ある実施形態において、加水分解ポリマー組成物の組成物を、分離工程に供し得る。任意の既知の分離工程(例えば、ろ過、電気泳動、又はクロマトグラフィー)を使用して、ポリマーから非コンジュゲート小分子化合物(即ち、「遊離」小分子化合物)を分離し得る。例示的なクロマトグラフィー法として、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、又は薄層クロマトグラフィーが挙げられる。ある実施形態において、ろ過を使用して、ポリマー組成物中のポリマーから非コンジュゲート小分子化合物を分離する。ろ過後、ある実施形態において、遊離小分子化合物の濃度を逆相クロマトグラフィーに供して、修飾ポリマーに結合した小分子化合物の濃度を決定する。
ポリマー組成物中の小分子化合物の濃度を決定するために、本明細書で説明されている方法は、サンプル中における小分子化合物の濃度と、既知の標準とを比較することをさらに含み得る。例示的な手順が本明細書で説明されており、例えば、下記の実施例2~5で説明されている。
本明細書で詳述されている方法を使用して、ポリマー組成物の不純物プロファイルも評価し得る。ある実施形態において、この方法は、ポリマー組成物中の遊離小分子化合物(即ち、非コンジュゲート小分子化合物、例えば、修飾ポリマーにこれまで結合していなかった化合物)の濃度を取得することをさらに含む。
本開示は、ポリマー組成物を分解条件(例えば加水分解条件)にさらすことを伴わない、ポリマー組成物内の小分子化合物を含む修飾ポリマーを評価する方法を特徴とする。例えば、評価することは、ポリマー組成物のサンプルに対して非分解分析方法(例えば、屈折率測定又は分光測定)を実施することを含み得る。ある実施形態において、評価する非分解方法は、サンプル中における修飾ポリマーの全濃度を決定すること、サンプル中における修飾ポリマーに結合した小分子化合物の濃度を決定すること、サンプル中における修飾ポリマーに結合した小分子化合物の物理的パラメータ(例えば、化学式、分子量、若しくは原子組成)を同定すること、又はある特定の不純物に関してポリマー組成物を調べることを含み得る。ある実施形態において、(例えば非分解方法で)ポリマー組成物を評価することは、例えば固体又は液体サンプル中におけるポリマー組成物の屈折率の値を取得することを含む。
例えば本明細書で説明されているポリマー組成物を評価するために屈折率を使用すべく、このポリマー組成物を、水性媒体(例えば生理食塩水)又は他の緩衝液(例えば、HEPES、リン酸ナトリウム、Tris、若しくはPBS)に溶解させ得る。ポリマー組成物の屈折率を、例えば、このポリマー組成物を含まずに水性媒体のみを含む対照サンプルと比較し得る。ある実施形態において、全てのサンプルを、同一波長の光及び温度で分析する。
ある実施形態において、各サンプルの比屈折率増分値(即ち、「dn/dc値」)を決定する。比屈折率増分は、ポリマー組成物の屈性率が別のパラメータ(例えば、この組成物中の小分子化合物(例えば、コンジュゲート小分子化合物又は非コンジュゲート小分子化合物)の量)に対して変化する量と関連している。ある実施形態において、比屈折率増分は、任意の次元(例えば、g/mol又は(1w/w%)で示される。例えば、小分子化合物で修飾されたアルギン酸塩(例えば式(I)の化合物、例えば化合物101)を含むポリマー組成物の場合には、小分子化合物及びアルギン酸塩の代表的な成分(例えばグルロン酸部分)の各々に関して、比屈折率増分を決定し得る。例示的な方法が、本明細書の実施例5で提供される。
ポリマー組成物の屈折率(nd)は、例えば特定の温度又は温度範囲(例えば、約2~8℃又は約22~28℃)で、1.3300~1.3400であり得る。例えば、本明細書で説明されているポリマー組成物の屈折率は、1.3310~1.3400であり得、例えば、1.3320~1.3400、1.3330~1.3400、1.3340~1.3400、1.3360~1.3400、1.3370~1.3400、及び1.3380~1.3400であり得る。ある実施形態において、ポリマー組成物の屈折率は、1.3350~1.3400である。
実施形態の列挙
1.ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(I-b):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール又はヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ又は複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、又はSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素又はアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、結合基又は前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記修飾ポリマーに結合した式(I-b)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。
1.ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(I-b):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール又はヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ又は複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、又はSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素又はアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、結合基又は前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記修飾ポリマーに結合した式(I-b)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。
2.ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(III-a):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基又は前記ポリマーへの結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基又は前記ポリマーへの結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。
3.前記修飾ポリマー中の前記ポリマーは、多糖である、実施形態1又は2に記載の方法。
4.前記多糖は、アルギン酸塩である、実施形態3に記載の方法。
5.前記アルギン酸塩は、平均分子量が75kDa~150kDaである、実施形態4に記載の方法。
6.前記アルギン酸塩は、グルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上である、実施形態4又は5に記載の方法。
7.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に共有結合している、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に非共有結合的に結合している、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
9.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、結合基(例えば、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-、式中、アルキレンは、R1で置換されており、R1は、本明細書で定義されている通りである)を介して前記修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)に共有結合している、実施形態1~6のいずれか一つに記載の方法。
10.前記ポリマー組成物は、単一タイプの修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)を含む、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
11.前記ポリマー組成物は、複数種の修飾ポリマー(例えば、少なくとも2種の修飾ポリマー、少なくとも3種のポリマー)を含む、実施形態1~9のいずれか一つに記載の方法。
12.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物である、実施形態1~11のいずれか一つに記載の方法。
13.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物113、及び化合物114から選択される、実施形態1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
15.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物101である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
16.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物110である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
17.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物113である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
18.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物114である、実施形態1~13のいずれか一つに記載の方法。
19.工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物と、酸性溶液(例えばHCl溶液、例えば1N~8NのHCl溶液)とを接触させることを含む、実施形態1~18のいずれか一つに記載の方法。
20.工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物を(例えば、約25℃、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃を超える温度、又はそれ以上の温度で)加熱することを含む、実施形態1~19のいずれか一つに記載の方法。
21.工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物をマイクロ波照射にさらすことを含む、実施形態1~20のいずれか一つに記載の方法。
22.分離工程をさらに含む実施形態1~21のいずれか一つに記載の方法。
23.前記分離工程を、工程(a)と工程(b)との間に行なう、実施形態22に記載の方法。
24.前記分離工程は、クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィー)を含む、実施形態22又は23に記載の方法。
25.工程(b)での前記濃度の値を取得することは、前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物のクロマトグラムピークの面積を決定することを含む、実施形態1~24のいずれか一つに記載の方法。
26.工程(b)での前記濃度の値を取得することは、前記クロマトグラムピークの面積と、標準(例えば、式(I-b)又は式(III-a)の化合物)とを比較することをさらに含む、実施形態25に記載の方法。
27.前記ポリマー組成物中における式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得することをさらに含む実施形態1~26のいずれか一つに記載の方法。
28.前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得することは、
(a’)前記ポリマー組成物を、ポリマー結合画分と、非ポリマー結合画分とに分離すること
を含む、実施形態27に記載の方法。
(a’)前記ポリマー組成物を、ポリマー結合画分と、非ポリマー結合画分とに分離すること
を含む、実施形態27に記載の方法。
29.(b’)前記非ポリマー結合画分を保持することをさらに含む実施形態27又は28に記載の方法。
30.(c’)前記非ポリマー結合画分中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること
をさらに含む、実施形態27~29のいずれか一つに記載の方法。
をさらに含む、実施形態27~29のいずれか一つに記載の方法。
31.工程(a’)の前記分離することは、例えば分子量カットオフフィルタによるろ過を含む、実施形態27~30のいずれか一つに記載の方法。
32.工程(c’)は、分離工程を含む、実施形態27~31のいずれか一つに記載の方法。
33.前記分離工程は、クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィー)を含む、実施形態32に記載の方法。
34.工程(c’)での前記濃度の値を取得することは、前記非ポリマー結合画分中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)のサンプルのクロマトグラムピークの面積を決定することをさらに含む、実施形態27~33のいずれか一つに記載の方法。
35.工程(c’)での前記濃度の値を取得することは、前記クロマトグラムピークの面積と、標準(例えば、式(I-b)又は式(III-a)の化合物)とを比較することをさらに含む、実施形態34に記載の方法。
36.ポリマー組成物を評価することは、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定することを含む、実施形態1~35のいずれか一つに記載の方法。
37.前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定することは、
(a’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること;
(b’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)若しくは前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること;
及び/又は
(c’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値から(例えば、工程(b’’)で決定されている)式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度の値を減算すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
実施形態36に記載の方法。
(a’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること;
(b’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)若しくは前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること;
及び/又は
(c’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値から(例えば、工程(b’’)で決定されている)式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度の値を減算すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
実施形態36に記載の方法。
38.(a’’)を含む実施形態37に記載の方法。
39.(b’’)を含む実施形態37又は38に記載の方法。
40.(c’’)を含む実施形態37~39のいずれか一つに記載の方法。
41.アルギン酸塩を含むポリマー組成物の濃度を決定する方法であって、前記アルギン酸塩は、式(I-b):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること
を含む、方法。
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること
を含む、方法。
42.(b)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること
をさらに含む実施形態41に記載の方法。
をさらに含む実施形態41に記載の方法。
43.(c)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の総濃度の値から(例えば、工程(b)で決定されている)式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度の値を減算すること
をさらに含む実施形態41又は42に記載の方法。
をさらに含む実施形態41又は42に記載の方法。
44.工程(a)を工程(b)の前に実施する、実施形態41~43のいずれか一つに記載の方法。
45.工程(b)を工程(a)の前に実施する、実施形態41~43のいずれか一つに記載の方法。
46.工程(a)は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含む、実施形態41~45のいずれか一つに記載の方法。
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含む、実施形態41~45のいずれか一つに記載の方法。
47.前記化合物は、式(I-b)の化合物である、実施形態41~46のいずれか一つに記載の方法。
48.前記化合物は、化合物100、化合物110、化合物113、若しくは化合物114、又はこれらの薬学的に許容可能な塩である、実施形態47に記載の方法。
49.前記化合物は、式(III-a)の化合物である、実施形態41~46のいずれか一つに記載の方法。
50.前記化合物は、化合物101又はその薬学的に許容可能な塩である、実施形態49に記載の方法。
51.修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)中のポリマーに結合している前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、約0.5%~約10%(w/w)の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)であり、例えば、約0.5%~5%、1%~5%、1%~4%、又は1~3%(w/w)の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)である、実施形態1~50のいずれか一つに記載の方法。
52.前記ポリマー組成物中の式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度は、約1%(w/w)未満の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)であり、例えば、約0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、又は0.5%(w/w)未満の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)である、実施形態1~51のいずれか一つに記載の方法。
53.ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(I-b):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること
を含む、方法
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること
を含む、方法
54.(b)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の全非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の全非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の値を取得すること
をさらに含む実施形態53に記載の方法。
をさらに含む実施形態53に記載の方法。
55.(c)式(I-b)又は式(III-a)の化合物で修飾された前記ポリマーの濃度の値を取得すること
をさらに含む実施形態53又は54に記載の方法。
をさらに含む実施形態53又は54に記載の方法。
56.前記取得することは、工程(a)及び(b)の各々で得られた値を使用することを含む、実施形態55に記載の方法。
57.前記ポリマーは、アルギン酸塩である、実施形態53~56のいずれか一つに記載の方法。
58.前記アルギン酸塩は、平均分子量が75kDa~150kDaである、実施形態57に記載の方法。
59.前記アルギン酸塩は、グルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上である、実施形態57又は58に記載の方法。
60.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に共有結合している、実施形態53~59のいずれか一つに記載の方法。
61.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に非共有結合的に結合している、実施形態53~59のいずれか一つに記載の方法。
62.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、結合基(例えば、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-、式中、アルキレンは、R1で置換されており、R1は、本明細書で定義されている通りである)を介して前記修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)に共有結合している、実施形態53~59のいずれか一つに記載の方法。
63.前記ポリマー組成物は、単一タイプの修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)を含む、実施形態53~62のいずれか一つに記載の方法。
64.前記ポリマー組成物は、複数種の修飾ポリマー(例えば、少なくとも2種の修飾ポリマー、少なくとも3種のポリマー)を含む、実施形態53~62のいずれか一つに記載の方法。
65.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物である、実施形態53~64のいずれか一つに記載の方法。
66.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物113、及び化合物114から選択される、実施形態53~65のいずれか一つに記載の方法。
67.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100である、実施形態53~66のいずれか一つに記載の方法。
68.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物101である、実施形態53~66のいずれか一つに記載の方法。
69.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物110である、実施形態53~66のいずれか一つに記載の方法。
70.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物113である、実施形態53~66のいずれか一つに記載の方法。
71.前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物114である、実施形態53~66のいずれか一つに記載の方法。
72.工程(b)の修飾ポリマー組成物にコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の全化合物の値を取得することは、
(b’)前記ポリマー組成物を、
(i)前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出
を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b’’)前記式(I-b)の化合物又は前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
含む、実施形態53~71のいずれか一つに記載の方法。
(b’)前記ポリマー組成物を、
(i)前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出
を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b’’)前記式(I-b)の化合物又は前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
含む、実施形態53~71のいずれか一つに記載の方法。
73.前記ポリマー組成物の成分(例えば、前記修飾ポリマーの成分)のdn/dc値を取得することをさらに含む実施形態53~71のいずれか一つに記載の方法。
74.前記方法の工程(c)において前記dn/dc値を使用して、例えば前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物で修飾された前記ポリマーの濃度の値を取得することさらに含む実施形態73に記載の方法。
75.ポリマー組成物中における、アルギン酸塩に結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する方法であって、
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること;
(b)前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)式(I-b)若しくは式(III-a)の全化合物の値を取得すること;
並びに/又は
(c)工程(a)及び(b)の各々で得られた値を試用して、修飾ポリマーにコンジュゲートした前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、ポリマー組成物中における、ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
方法。
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること;
(b)前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)式(I-b)若しくは式(III-a)の全化合物の値を取得すること;
並びに/又は
(c)工程(a)及び(b)の各々で得られた値を試用して、修飾ポリマーにコンジュゲートした前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、ポリマー組成物中における、ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
方法。
76.(a)を含む実施形態75に記載の方法。
77.(b)を含む実施形態75又は76に記載の方法。
78.(c)を含む実施形態75~77のいずれか一つに記載の方法。
79.前記化合物は、式(I-b)の化合物である、実施形態75~78のいずれか一つに記載の方法。
80.前記化合物は、化合物100、化合物110、化合物113、若しくは化合物114、又はこれらの薬学的に許容可能な塩である、実施形態79に記載の方法。
81.前記化合物は、式(III-a)の化合物である、実施形態75~78のいずれか一つに記載の方法。
82.前記化合物は、化合物101又はその薬学的に許容可能な塩である、実施形態81に記載の方法。
83.式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物であって、前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、例えば、実施形態1~82のいずれか一つに記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
84.式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含むポリマー組成物であって、前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、例えば、実施形態1~82のいずれか一つに記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
85.表1に示されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、及び/又は化合物114から選択される化合物で修飾されたアルギン酸塩を含むポリマー組成物であって、前記化合物の濃度は、例えば、実施形態1~82のいずれか一つに記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
[実施例]
本明細書に記載の本開示がより完全に理解され得るよう、以下の実施例が記載されている。本出願に記載されている実施例は、本明細書において提供されているデバイス(例えば、カプセル、粒子、化学修飾、組成物及び方法を例示するために提供されており、如何様にもその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
本明細書に記載の本開示がより完全に理解され得るよう、以下の実施例が記載されている。本出願に記載されている実施例は、本明細書において提供されているデバイス(例えば、カプセル、粒子、化学修飾、組成物及び方法を例示するために提供されており、如何様にもその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
[実施例1.例示的な修飾ポリマーの調製]
当該技術分野で既知の方法を使用して、ポリマー材料を、半透過性のデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)の形成前に、小分子化合物(例えば、抗線維化化合物)又はその薬学的に許容可能な塩で化学的に修飾し得る。
当該技術分野で既知の方法を使用して、ポリマー材料を、半透過性のデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)の形成前に、小分子化合物(例えば、抗線維化化合物)又はその薬学的に許容可能な塩で化学的に修飾し得る。
例えば、アルギン酸塩の場合、アルギン酸塩カルボン酸が、抗線維化化合物(afibrotic compound)、例えば、式(I)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を得るために1つ又は複数のアミン官能化化合物に対するカップリングのために活性化される。アルギン酸塩ポリマーを、水(30mL/グラムポリマー)に溶解させ、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(0.5当量)N-メチルモルホリン(1当量)で処理する。この混合物に、アセトニトリル(0.3M)中の対象とする化合物(例えば、表4に示される化合物101)の溶液を添加する。目的の化合物を、当該技術分野で既知の方法(例えば、全体が参照に本明細書に組み込まれる国際公開第2018/067615号パンフレットで説明されている)を使用して調製し得る。
添加される化合物及びカップリング試薬の量は、アルギン酸塩に結合される化合物の所望の濃度に応じて決まる。CM-LMW-Alg-101-Mediumポリマー溶液を調製するために、溶解された非修飾低分子量アルギン酸塩(およその分子量<75kDa、G:M比≧1.5)を、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(5.1mmol/gアルギン酸塩)及びN-メチルモルホリン(10.2mmol/gアルギン酸塩)及び化合物101(5.4mmol/gアルギン酸塩)で処理する。CM-LMW-Alg-101-Highポリマー溶液を調製するために、溶解された非修飾低分子量アルギン酸塩(およその分子量<75kDa、G:M比≧1.5)を、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(5.1mmol/gアルギン酸塩)及びN-メチルモルホリン(10.2mmol/gアルギン酸塩)及び化合物101(5.4mmol/gアルギン酸塩)で処理する。
反応を55℃に16時間温め、次いで室温に冷却し、ロータリー蒸発で穏やかに濃縮し、次いで、残渣を水に溶解させる。混合物をシアノ修飾シリカゲル(Silicycle)ベッドを通してろ過し、ろ過ケーキを水で洗浄する。次いで、得られる溶液を、十分に透析し(10,000MWCOメンブラン)、アルギン酸塩溶液を、凍結乾燥によって濃縮して、所望の化学修飾アルギン酸塩を固体として得るか、又は25cP~35cPの粘度を有する化学修飾アルギン酸塩溶液を生成するのに好適な任意の技術を用いて濃縮する。
ある実施形態において、アルギン酸塩に結合した小分子化合物の濃度を、下記の実施例2~5で説明するプロトコルを使用して決定する。下記の実施例27で説明するように。
[実施例2.抗線維性化合物で修飾されたサンプル中における全抗線維性化合物の決定]
ポリマー組成物中における抗線維性化合物(遊離抗線維性化合物及びコンジュゲート抗線維性化合物の両方を含む)の総量を決定するために、このポリマー組成物を酸加水分解に供して、修飾ポリマーからコンジュゲート抗線維性化合物を開裂し得る。次いで、得られた非コンジュゲート抗線維性化合物の濃度を、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定し得る。ここで、全抗線維性化合物を、下記で説明する修飾アルギン酸塩のサンプル中で定量する。
ポリマー組成物中における抗線維性化合物(遊離抗線維性化合物及びコンジュゲート抗線維性化合物の両方を含む)の総量を決定するために、このポリマー組成物を酸加水分解に供して、修飾ポリマーからコンジュゲート抗線維性化合物を開裂し得る。次いで、得られた非コンジュゲート抗線維性化合物の濃度を、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定し得る。ここで、全抗線維性化合物を、下記で説明する修飾アルギン酸塩のサンプル中で定量する。
修飾ポリマーの酸加水分解.抗線維性化合物で修飾されたアルギン酸塩の凍結乾燥固体 50±5mg、又は抗線維性化合物で修飾されたアルギン酸塩の生理食塩水(1000±50mg)溶液を反応バイル中に秤量し、このバイアルの底に固形物が残っていることを確認した。次いで、このバイアルに、撹拌子と共に2N HCl(10mL)を入れた。密封したバイアルを120℃まで加熱し、120分にわたり400rpmで撹拌し、次いで周囲温度まで冷却した。次いで、溶液全体を25mLのメスフラスコに移し、空の反応バイアルをLCMSグレードの水 5mLで3回十分にすすぎ、(サンプルを確実に且つ完全に移すために同一のピペットを使用して)メスフラスコに移した。次いで、このメスフラスコをLCMSグレードの水で定容し、50mLの遠心チューブに移し、10分にわたり1分当たり3000回の回転(rpm)で遠心分離した。次いで、上清をHPLC分析により分析し、及び/又は使用するまで2~8℃で保存した。
或いは、抗線維性化合物で修飾されたアルギン酸塩(化合物101がコンジュゲートしたアルギン酸塩)の加水分解を、マイクロ波照射により実行した。簡潔に説明すると、生理食塩水溶液中の抗線維性化合物がコンジュゲートしたアルギン酸塩 1000±50mgを、マイクロ波バイアルに秤量した。次いで、このバイルに、撹拌子と共に6N HCl(10mL)溶液を入れ、このバイアルに蓋をかぶせ、マイクロ波オートサンプラーに入れた。各サンプルを、下記の条件に従って処理した。
各バイアルを取り出し、内容物をメスフラスコに移し、LCMSグレード水 2mLを添加した(×2回)。このフラスコに蓋をかぶせ、反転して混合し、次いで、内容物を50mLの遠心チューブに移した。サンプルを、約10分にわたり5000rpmで遠心分離した。次いで、上清 1mLをLCバイアルに移し、一晩2~8℃で保存した。翌日、サンプルを60℃まで加熱し、窒素流をサンプル上に直接送る針を(この針がサンプルに確実に触れないように)配置することにより、完全に乾燥させた。乾燥後、このLCバイアルに0.1μmol/mLの内部標準混合物(下記の調製を参照されたい)0.25mLを入れ、溶液を十分にボルテックスし、次いで、インサート 0.25mLが入った別のLCバイアルに移した。このサンプルを、使用するまで2~8℃で保存した。
HPLC条件.HPLCを、XBridge C18、2.5μm、4.6×50mm(Waters 186006037)カラムを使用する及びAPI-ES MS検出器を備えた、DAD及びSQ MSを有するAgilent 1260 LCで実施した。使用する移動水相は、0.1%のアンモニアであり、移動有機相は、アセトニトリル中の0.1%のアンモニアであり、1.0mL/分の流速であった。カラムは、30℃であった。UV検出器を、220nmの波長に設定した。
サンプルを、設定したシークエンスに従って10μLの量で注入した。最初に、水の2つのブランクサンプルを順に注入し、続いて0.01mg/mLの遊離アミン標準を5回繰り返した。次いで、サンプルを順に流し、10個のサンプル毎に標準遊離抗線維性化合物溶液の注入を挟んだ。HPLCシークエンスを、1.0mg/mLの抗線維性化合物標準の注入、その後の50/50水-アセトニトリルによるカラム洗浄により終了した。総抗線維性化合物濃度を決定するための酸加水分解サンプルから得られた例示的なHPLCクロマトグラムを、図1に示す。
システムの適合性の基準.データを、下記のような適合性の基準に対してチェックした:UV及びTIC(任意選択)での有意な干渉がない;最初の5回の注入における保持時間の2%以下の相対標準偏差(RSD);最初の5回の注入における面積の10%以下のRSD;最初の5回の注入及び全てのブラケット注入における保持時間の2%以下のRSD;最初の5回の注入及び全てのブラケット注入における面積の10%以下のRSD;並びに任意選択的な、m/zが392.1±0.5である抗線維性化合物ピーク。
データ解析及び算出.サンプル中における総抗線維性化合物濃度(mg/mL)を、下記式を使用して算出した:[総抗線維性化合物の濃度(mg/mL)]=[面積(加水分解されたサンプル)]/[面積(1.0mg/mL標準)]×[濃度(1.0mg/mL標準)]。
修飾アルギン酸塩中における総抗線維性化合物の濃度(%)を、下記式を使用して算出した:修飾アルギン酸塩中における総抗線維性化合物の濃度(%)=[サンプル中における総抗線維性化合物の濃度(mg/mL)]×25mL/[修飾アルギン酸塩の重量(mg)×100]。
[実施例3.抗線維性化合物で修飾されたアルギン酸塩中における遊離抗線維性化合物の決定]
全修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)のサンプル中における非コンジュゲート抗線維性化合物(即ち、「遊離」抗線維性化合物)の量を決定するために、遊離抗線維性化合物を修飾ポリマーから分離して定量し得る。ここで、下記の手順を使用して、遊離抗線維性化合物を修飾アルギン酸塩のサンプルから分離して定量した。
全修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)のサンプル中における非コンジュゲート抗線維性化合物(即ち、「遊離」抗線維性化合物)の量を決定するために、遊離抗線維性化合物を修飾ポリマーから分離して定量し得る。ここで、下記の手順を使用して、遊離抗線維性化合物を修飾アルギン酸塩のサンプルから分離して定量した。
サンプル調製.抗線維性アルギン酸塩の凍結乾燥固体サンプル(50±5mg)をシンチレーションバイアル中に秤量し、続いて生理食塩水 5.0mLを添加した。次いで、10分にわたりこの混合物を振盪し且つボルテックスルすることにより完全に溶解させ、次いで、分子量カットオフ(MWCO)フィルタが取り付けられたチューブに移した。次いで、MWCOチューブを、60分にわたり5000rpmで遠心分離した。遠心分離後、このチューブから、抗線維性アルギン酸塩を含むMWCOフィルタ上の上清を取り出して廃棄した。次いで、遊離抗線維性化合物を含むMWCOチューブの底からのサンプルを5mLのメスフラスコに移し、水又は生理食塩水で定容し、反転させて十分似混合した。その後、この溶液を、2~8℃にてシンチレーションバイアル中で保存した。
生理食塩水溶液中の抗線維性アルギン酸塩の溶液もまた、生理食塩水 4mLが入ったMWCOチューブに、生理食塩水中の抗線維性アルギン酸塩 1000±50mgを入れることにより、上記で概説した同一の方法で分析し、このチューブを90分にわたり遠心分離した。
遊離アミン標準溶液の調製.抗線維性化合物(標準)50±5mgをシンチレーションバイアル中に秤量し、続いて、LCMSグレードの水 約10mLを秤量し、振盪し且つボルテックスすることにより、固形物を完全に溶解させた。次いで、この溶液を50mLのメスフラスコに移し、バイアルをLCMグレードの水で2回さらにすすいでこのメスフラスコに移した。次いで、このメスフラスコを定容し、十分に混合して、1mg/mLの遊離抗線維性化合物標準溶液を得た。1mg/mLの標準溶液 100μLを10mLのメスフラスコに移し、このフラスコをLCMSグレードの水で定容し、十分に混合することにより、0.01mg/mLの遊離抗線維性化合物標準溶液も調製した。両方の標準溶液を、2~8℃で保存した。
HPLC条件.HPLCを、実施例2で概説したように実施した。
サンプルを、設定したシークエンスに従って10μLの量で注入した。最初に、水の2つのブランクサンプルを順に注入し、続いて0.01mg/mLの遊離抗線維性化合物標準を5回繰り返した。次いで、サンプルを順に流し、10個のサンプル毎に標準遊離抗線維性化合物溶液の注入を挟んだ。HPLCシークエンスを、1.0mg/mLの遊離抗線維性化合物標準の注入、その後の50/50水-アセトニトリルによるカラム洗浄により終了した。例示的なHPLCクロマトグラムを、標準サンプル(図2A)及び遊離抗線維性化合物を含む例示的なサンプル(図2B)を含む図2A-2Bに見出し得る。
システムの適合性の基準.データを、下記のような適合性の基準に対してチェックした:UV及びTIC(任意選択)での有意な干渉がない;最初の5回の注入における保持時間の2%以下の相対標準偏差(RSD);最初の5回の注入における面積の10%以下のRSD;最初の5回の注入及び全てのブラケット注入における保持時間の2%以下のRSD;最初の5回の注入及び全てのブラケット注入における面積の10%以下のRSD;並びに任意選択的な、m/zが392.1±0.5である抗線維性化合物ピーク。
データ解析及び算出.遊離抗線維性化合物ピークは、m/zが392.1±0.5であり、且つ保持時間が、標準遊離抗線維性化合物溶液で見出されるピークと一致していることを確認した。
標準遊離抗線維性化合物溶液の濃度(mg/mL)を、下記式を使用して算出した:標準遊離抗線維性化合物濃度(mg/mL)=[遊離抗線維性化合物の重量(mg)]/50mL/希釈係数(式中、希釈係数は、1.0mg/mLの遊離抗線維性化合標準の場合には1であり、0.01mg/mLの遊離アミン標準の場合は100である)。
サンプル中における遊離抗線維性化合物の濃度(mg/mL)を、下記式を使用して、HPLCデータから算出した:サンプル中における遊離抗線維性化合物の濃度(mg/mL)=面積(遊離抗線維性化合物サンプル)/[面積(遊離抗線維性化合物標準)]×[遊離抗線維性化合物標準の濃度(mg/mL)]。
次いで、修飾アルギン酸塩中における遊離抗線維性化合物の濃度(%)を、下記式を使用して算出した:修飾アルギン酸塩中における遊離抗線維性化合物の濃度(%)={[サンプル中における遊離抗線維性化合物の濃度(mg/mL)]×5mL}/[(修飾アルギン酸塩の質量)×100]。
(実施例4.抗線維性化合物で修飾されたポリマー中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の決定)
修飾ポリマーのサンプル中における遊離抗線維性化合物及び全抗線維性化合物(遊離抗線維性化合物+コンジュゲート抗線維性化合物)の量が既知である場合には、修飾ポリマー中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の量を容易に算出し得る。遊離抗線維性化合物の量が2%未満である場合には、コンジュゲート抗線維性化合物の量は全抗線維性化合物の値と等しいと報告し得る。それ以外にも、コンジュゲート抗線維性化合物の濃度を、全抗線維性化合物の量(例えば、実施例2で算出された量)から遊離抗線維性化合物の量(例えば、実施例3で算出された量)を減算することにより算出し得る。この算出を、下記式により表し得る:コンジュゲート抗線維性化合物(w/w%)=全抗線維性化合物(w/w%)-遊離抗線維性化合物(w/w%)。
修飾ポリマーのサンプル中における遊離抗線維性化合物及び全抗線維性化合物(遊離抗線維性化合物+コンジュゲート抗線維性化合物)の量が既知である場合には、修飾ポリマー中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の量を容易に算出し得る。遊離抗線維性化合物の量が2%未満である場合には、コンジュゲート抗線維性化合物の量は全抗線維性化合物の値と等しいと報告し得る。それ以外にも、コンジュゲート抗線維性化合物の濃度を、全抗線維性化合物の量(例えば、実施例2で算出された量)から遊離抗線維性化合物の量(例えば、実施例3で算出された量)を減算することにより算出し得る。この算出を、下記式により表し得る:コンジュゲート抗線維性化合物(w/w%)=全抗線維性化合物(w/w%)-遊離抗線維性化合物(w/w%)。
生理食塩水溶液中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の量の同等の固体サンプルへの変換.修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)の生理食塩水溶液中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の量を、単純な変換を使用して、凍結乾燥固体としての同等の形態のコンジュゲート抗線維性化合物の対応する量へと変換し得る。この変換のためには、生理食塩水溶液中の修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)の濃度を決定する必要があり、この濃度を、実施例5で概説するプロトコルに従って得ることができる。次いで、生理食塩水溶液に関して得られたコンジュゲート抗線維性化合物の量を、生理食塩水溶液中における修飾ポリマーの濃度で単純に除算する(100を乗算する)ことにより、同等の固体サンプル中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の量を導き出し得る。この算出は、下記式により表される:固体サンプル中におけるコンジュゲート抗線維性化合物(w/w%)=[生理食塩水中におけるコンジュゲート抗線維性化合物(w/w%)]/([生理食塩水中における修飾アルギン酸塩の濃度(w/w%)]×100)。
例えば、生理食塩水溶液中の抗線維性アルギン酸塩を、全抗線維性化合物が1.97w/w%であり、且つ遊離抗線維性化合物が0.01w/w%未満であると算出した。遊離抗線維性化合物の量が2%未満であったことから、コンジュゲート抗線維性化合物の量が1.97w/w%である(全抗線維性化合物と同一である)と決定した。生理食塩水サンプル中における抗線維性アルギン酸塩の濃度を、(実施例5のプロトコルに従って)4.91w/w%と決定した。次いで、対応する固体サンプル中におけるコンジュゲート抗線維性化合物の算出された量を、40.12w/w%と算出した([1.97w/w%]/[{4.91w/w%×100}]=40.12w/w%)。
[実施例5.屈折率を使用する、溶液中におおける修飾ポリマーの濃度の決定]
ポリマーからポリマー修飾物(例えば抗線維性化合物)を除することなく(即ち、酸加水分解を実施することなく)、溶液中における修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)の濃度を決定するために、屈折率(RI)を使用した。生理食塩水溶液中における修飾ポリマーの濃度を決定するために、屈折計を使用し得る。ここで、抗線維性アルギン酸塩の濃度を、下記で概説するプロトコルに従って、屈折計を使用して決定した。
ポリマーからポリマー修飾物(例えば抗線維性化合物)を除することなく(即ち、酸加水分解を実施することなく)、溶液中における修飾ポリマー(例えば抗線維性アルギン酸塩)の濃度を決定するために、屈折率(RI)を使用した。生理食塩水溶液中における修飾ポリマーの濃度を決定するために、屈折計を使用し得る。ここで、抗線維性アルギン酸塩の濃度を、下記で概説するプロトコルに従って、屈折計を使用して決定した。
標準調製.凍結乾燥固体形態の抗線維性アルギン酸塩 約1200mgを、シンチレーションバイアル中に秤量し、実重量(Ws)を記録した。次いで、滅菌生理食塩水溶液を、最終濃度を6.0%とするのに必要な量で添加し、実際の最終重量(Wt)を記録した。次いで、この混合物を、少なくとも2時間にわたり20rpmにてチューブローテータで緩やかに混合し、次いで一晩2~8℃で保存して十分に溶解させた。翌日、サンプルを室温まで温め、20rpmにてチューブローテータで少なくとも4時間にわたり緩やかに混合した。得られた6.0%ストック溶液は、いかなる固体残渣もない均一であるべきである。
希釈.5.5%、5.0%、4.5%、及び4.0%の目標濃度で、一連の希釈を実行して約5g溶液を調製した。各濃度に関して、上記で調製した6.0%ストック溶液の適量をバイアルに移し、実重量(Wx)を記録した。次いで、滅菌生理食塩水溶液 約5000mgを添加し、実際の総重量(Wt)を記録した。次いで、各バイアルを、少なくとも1時間にわたり20rpmにてチューブローテータ-で緩やかに混合し、2~8℃で保存した。トリアゾール修飾アルギン酸塩に関して得られた実際の重量、濃度、及び屈折率を、下記の表2に示す。
屈折計による測定.少なくとも5滴のサンプル(周囲温度)を、LAXCO RBD-5001屈折計の清潔で乾燥したプリズムに、このサンプルがこのプリズムの底を完全に覆うように且つこのプリズム上の気泡が壊れるか又は除去されるように添加した。測定値を、20℃の温度で得た。このプリズムを生理食塩水溶液で2回すすぎ、2回目の生理食塩水によるすすぎを測定することにより、ブランク測定値を得、このブランク測定値はnDが1.3343~1.3347であった。全ての測定値を、三重で得た。
例示的な試験順序.一連のサンプルの測定を、下記のプロトコルで実行した。生理食塩水溶液を測定し、続いて標準溶液を測定した。次いで、サンプル1を三重で測定し、続いてそれ以降の各サンプルを三重で測定した。最後に、標準を再度測定し、続いて生理食塩水を測定した。全ての測定の間に、プリズムをすすいだ。
標準較正曲線.上記で調製した標準溶液(6.0%、5.5%、5.0%、4.5%、及び4.0%の標準溶液)の各々に関して測定した屈折率(nd)を、算出された濃度(表2に示されている)に対してプロットし、線形回帰を実施して、傾き及びY切片を得た。
適合性の基準.0.9%の生理食塩水の屈折率の読み取りは、1.3343~1.3347内でなければならず、算出された濃度は、理論濃度の90%~110%内であるべきである。
標準曲線の外挿.サンプルの濃度を、下記の2つの方法の内の一方で決定した。第1の方法では、標準曲線からの外挿により、各抗線維性アルギン酸塩の濃度を決定した。例えば、サンプルの濃度を、下記のように算出した:濃度=m×屈折率+b(式中、mは、曲線にフィットされた直線の傾きであり、bは、Y切片である)。決定係数は、0.95以上であった。
dn/dcの決定:第2の方法では、溶液中における抗線維性アルギン酸塩の濃度を、比屈折率増分(即ち、dn/dc値)との比較により決定した。この値を、化合物101と、グルクロン酸部分との両方に関して、最初に、実際のWs及びWtを使用して各成分(化合物101又はグルクロン酸)の実際の濃度(μmol/g)又は(w/w%)を決定し、次いで、補正された屈折率値に対してプロットすることにより算出した。dn/dc値は、特定の波長及び温度での各成分の定数であることを意味する。例えば、標準濃度を、下記のように定量した。
標準の濃度(μmol/g)=Ws(mg)/MW(g/mol)/Wt(mg)×1,000,000;
又は
標準の濃度(w/w%)=Ws(mg)/Wt(mg)×100。
標準の濃度(μmol/g)=Ws(mg)/MW(g/mol)/Wt(mg)×1,000,000;
又は
標準の濃度(w/w%)=Ws(mg)/Wt(mg)×100。
次いで、補正された屈折率値を、下記のように算出した。
RI、標準-RI、生理食塩水=dn/dC×標準の濃度(式中、示差RI(dn/dC)は、曲線にフィットされた直線の傾きである)
RI、標準-RI、生理食塩水=dn/dC×標準の濃度(式中、示差RI(dn/dC)は、曲線にフィットされた直線の傾きである)
例示的なdn/dc値の概要を、表3にまとめる。
サンプル分析:この方法での溶液中における抗線維性アルギン酸塩の全濃度を算出するために、サンプルの屈折率値を測定し(RI、サンプル)、下記式で使用して抗線維性アルギン酸塩濃度を決定した。
非修飾アルギン酸塩の濃度(w/w%又はμmol/g)=[((RI、サンプル)-(RI、生理食塩水)-(dn/dc、化合物101))×(濃度、化合物101)]/(dn/dc、GA)
例えば、RIにより決定された抗線維性アルギン酸塩の濃度を、下記に示す。
[実施例6:ヒドロゲルカプセルの調製]
単一細胞としてRPE細胞をカプセル化するカプセル。カプセル化の直前に、治療用タンパク質を発現するように組み換えられた単一ARPE-19細胞を、1分にわたり1,400r.p.mで遠心分離し、カルシウムフリーKrebs-Henseleit(KH)緩衝液(4.7mM KCl、25mM HEPES、1.2mM KH2PO4、1.2mM MgSO4×7H2O、135mM NaCl、pH≒7.4、約290mOsm)で洗浄した。洗浄後、この細胞を再度遠心分離し、上清の全てを吸引した。いくつかの実験では、次いで、細胞ペレットを、アルギン酸塩溶液 1ml当たり懸濁単一細胞の所望の密度で、70:30 CM-LMW-Alg:U-HMW-Alg溶液(対照カプセル)に再懸濁させるか、又は実施例1の表4で説明されている修飾アルギン酸塩溶液の内の1つに再懸濁させた。
単一細胞としてRPE細胞をカプセル化するカプセル。カプセル化の直前に、治療用タンパク質を発現するように組み換えられた単一ARPE-19細胞を、1分にわたり1,400r.p.mで遠心分離し、カルシウムフリーKrebs-Henseleit(KH)緩衝液(4.7mM KCl、25mM HEPES、1.2mM KH2PO4、1.2mM MgSO4×7H2O、135mM NaCl、pH≒7.4、約290mOsm)で洗浄した。洗浄後、この細胞を再度遠心分離し、上清の全てを吸引した。いくつかの実験では、次いで、細胞ペレットを、アルギン酸塩溶液 1ml当たり懸濁単一細胞の所望の密度で、70:30 CM-LMW-Alg:U-HMW-Alg溶液(対照カプセル)に再懸濁させるか、又は実施例1の表4で説明されている修飾アルギン酸塩溶液の内の1つに再懸濁させた。
1区画ヒドロゲルカプセル及び2区画ヒドロゲルカプセルの作製の前に、緩衝液及びアルギン酸塩溶液を、無菌プロセスを使用して0.2μmフィルタに通すろ過により滅菌した。
細胞をカプセル化する約1.5mmの直径の1区画ヒドロゲルカプセルの作製のために、所望の数の細胞を、所望のアルギン酸塩溶液(例えば、対照カプセルで使用される70:30 CM-LMW-Alg:U-HMW-Alg溶液、又は実施例1で説明されている実験的アルギン酸塩溶液の内の1つ)に懸濁させ、生じた細胞懸濁液をシリンジに充填し、18ゲージの平滑先端針(SAI Infusion Technologies)でキャップした。このシリンジを、架橋溶液が入っている皿の上で垂直に配向されたシリンジポンプに入れた。この針に高電圧発電機を接続し、バイオセイフティーキャビネットに接地させた。このシリンジポンプ及び発電機をオンにし、0.16mL/分又は10mL/時間の流量で、且つ10秒当たり12滴の滴下速度になるまで5~9kVの範囲で電圧を調整しつつ、アルギン酸塩溶液を、針に通して押し出した。
約1.5mmの直径の2区画ヒドロゲルミリカプセルとして構成されるデバイスを調製するために、静電液滴生成装置を下記のように設定した:ESシリーズ0~100kV、20ワット高電圧発電機(EQ series,Matsusada,NC,USA)を、同心針(22Gの内腔、18Gの外腔、Rame-Hart Instrument Co.,Succasunna,NJ,USA)の上部及び下部に連結した。内腔を、BD Luer-Lok(商標)チップ(BD(カタログ番号309646),Franklin Lakes,NJ,USA)を備えた第1のBD使い捨て5mlシリンジに取り付け、このシリンジを、垂直に配向されたシリンジポンプ(Pump 11 Pico Plus,Harvard Apparatus,Holliston,MA,USA)に接続した。外腔を、第2の5ml Luer-lockシリンジにluerカップリングを介して接続し、このシリンジを、垂直に配向された第2のシリンジポンプ(Pump 11 Pico Plus)に接続した。第1の(内側)区画のみに細胞をカプセル化するために、(単一細胞懸濁液として)細胞を含む第1のアルギン酸塩溶液((対照としての)70:30 CM-Alg-101:UM-Alg溶液、又は実施例1で説明されている実験的アルギン酸塩溶液の内の1つ)を、第1のシリンジに入れ、抗線維性化合物を含む第2の細胞フリーアルギン酸塩溶液(例えば、CM-LMW-Alg-101及びU-HMW-Alg)を、第2のシリンジに入れた。下記の実施例での対照2区画ヒドロゲルカプセルの場合には、第2の(外側)区画を、70:30 CM-LMW-Alg-101:U-HMW-Alg溶液を使用して形成した。2個のシリンジポンプは、第1及び第2のアルギン酸塩溶液を、同心針の両方の腔を通ってシリンジから移動させ、両方のアルギン酸塩溶液を含む単一の液滴が、針から、架橋溶液が入っているガラス皿へと押し出される。各Pico Plusシリンジポンプの設定は、12.06mmの直径であり、各ポンプの流量を、2種のアルギン酸塩溶液に関して1:1の流量比を達成するように調整した。そのため、10ml/時で設定された総流量で、各アルギン酸塩溶液の流量は、約5ml/時であった。
2区画及び1区画ミリカプセルの両方の作製のために、アルギン酸塩溶液の所望の体積の押し出しの後、アルギン酸塩液滴を、25mMのHEPES、20mMのBaCl2、0.2Mのマンニトール、及びポロキサマー188を含有する架橋溶液中で5分間にわたって架橋させた。架橋容器の底に落下したカプセルを、コニカルチューブ中にピペッティングすることによって収集した。カプセルがチューブ中で沈降した後、架橋緩衝液を除去し、カプセルを洗浄した。細胞を含まないカプセルを、HEPES緩衝液(NaCl 15.428g、KCl 0.70g、MgCl2・6H2O 0.488g、2リットルの脱イオン水中の50mlのHEPES(1M)緩衝液(Gibco,Life Technologies,California,USA))で4回洗浄し、使用するまで4℃で貯蔵した。細胞をカプセル化するカプセルを、HEPES緩衝液で4回、0.9%の生理食塩水で2回、及び培養培地で2回洗浄し、37℃で培養器中に貯蔵した。
均等物及び範囲
本出願は、それらの全体が参照により本明細書において援用されている、種々の発行された特許、公開された特許出願、学術記事、書籍、マニュアル及び他の刊行物を参照する。援用された文献のいずれかと、本明細書との間に齟齬が存在する場合、本明細書が優先されるべきである。加えて、従来技術に属する本開示の特定の実施形態のいずれかは、いずれかの1つ又は複数の請求項からは明示的に除外され得る。このような実施形態は技術分野における当業者に公知であるとみなされるため、これらは、本明細書において明示的に除外されていない場合においても除外され得る。本開示の特定の実施形態のいずれかは、従来技術の存在に関連しているかに関係なく、いかなる理由によってもいずれかの請求項から除外可能である。
本出願は、それらの全体が参照により本明細書において援用されている、種々の発行された特許、公開された特許出願、学術記事、書籍、マニュアル及び他の刊行物を参照する。援用された文献のいずれかと、本明細書との間に齟齬が存在する場合、本明細書が優先されるべきである。加えて、従来技術に属する本開示の特定の実施形態のいずれかは、いずれかの1つ又は複数の請求項からは明示的に除外され得る。このような実施形態は技術分野における当業者に公知であるとみなされるため、これらは、本明細書において明示的に除外されていない場合においても除外され得る。本開示の特定の実施形態のいずれかは、従来技術の存在に関連しているかに関係なく、いかなる理由によってもいずれかの請求項から除外可能である。
当業者は、多くのルーチン的な実験を行うことなく、本明細書に記載の特定の実施形態の均等物を認識又は確認可能である。本明細書に記載の本実施形態の範囲が上記の明細書、図面又は実施例に限定されることは意図されておらず、添付の特許請求の範囲に記載されているとおりであることが意図されている。当業者は、以下の特許請求の範囲において定義されているとおり、本開示の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本記載に対する種々の変更及び修正が可能であり得ることを認めるであろう。
Claims (61)
- ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(I-b):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール又はヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ又は複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、又はSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素又はアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
は、結合基又は前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記修飾ポリマーに結合した式(I-b)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。 - ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(III-a):
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、又は-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基又は前記ポリマーへの結合を指す、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物又は半透過性のデバイスを評価する、
方法。 - 前記修飾ポリマー中の前記ポリマーは、多糖である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記多糖は、アルギン酸塩である、請求項3に記載の方法。
- 前記アルギン酸塩は、平均分子量が75kDa~150kDaである、請求項4に記載の方法。
- 前記アルギン酸塩は、グルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上である、請求項4に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に共有結合している、請求項1に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に非共有結合的に結合している、請求項1に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、結合基(例えば、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-、式中、アルキレンは、R1で置換されており、R1は、本特許請求の範囲で定義されている通りである)を介して前記修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)に共有結合している、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物は、単一タイプの修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物は、複数種の修飾ポリマー(例えば、少なくとも2種の修飾ポリマー、少なくとも3種のポリマー)を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物113、及び化合物114から選択される、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物と、酸性溶液(例えばHCl溶液、例えば1N~8NのHCl溶液)とを接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物を(例えば、約25℃、40℃、60℃、80℃、100℃、120℃を超える温度、又はそれ以上の温度で)加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)での前記反応条件は、前記ポリマー組成物をマイクロ波照射にさらすことを含む、請求項1に記載の方法。
- 分離工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記分離工程を、工程(a)と工程(b)との間に行なう、請求項17に記載の方法。
- 前記分離工程は、クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィー)を含む、請求項17又は18に記載の方法。
- 工程(b)での前記濃度の値を取得することは、前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物のクロマトグラムピークの面積を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)での前記濃度の値を取得することは、前記クロマトグラムピークの面積と、標準(例えば、式(I-b)又は式(III-a)の化合物)とを比較することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物中における式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得することは、
(a’)前記ポリマー組成物を、ポリマー結合画分と、非ポリマー結合画分とに分離すること;
(b’)前記非ポリマー結合画分を保持すること;
及び
(c’)前記非ポリマー結合画分中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること
を含む、請求項22に記載の方法。 - 工程(a’)の前記分離することは、例えば分子量カットオフフィルタによるろ過を含む、請求項23に記載の方法。
- 工程(c’)は、分離工程を含む、請求項23又は24に記載の方法。
- 前記分離工程は、クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、又は疎水性相互作用クロマトグラフィー)を含む、請求項25に記載の方法。
- 工程(c’)での前記濃度の値を取得することは、前記非ポリマー結合画分中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)又は前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)のサンプルのクロマトグラムピークの面積を決定することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
- 工程(c’)での前記濃度の値を取得することは、前記クロマトグラムピークの面積と、標準(例えば、式(I-b)又は式(III-a)の化合物)とを比較することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- ポリマー組成物を評価することは、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定することは、
(a’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること;
(b’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)若しくは前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること;
及び/又は
(c’’)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値から(例えば、工程(b’’)で決定されている)式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度の値を減算すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
請求項29に記載の方法。 - アルギン酸塩を含むポリマー組成物の濃度を決定する方法であって、前記アルギン酸塩は、式(I-b):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値を取得すること;
(b)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)若しくは前記式(III-a)の非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の濃度の値を取得すること;
及び/又は
(c)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物の総濃度の値から(例えば、工程(b)で決定されている)式(I-b)の遊離化合物若しくは式(III-a)の遊離化合物の濃度の値を減算すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
方法。 - 工程(a)を工程(b)の前に実施する、請求項31に記載の方法。
- 工程(b)を工程(a)の前に実施する、請求項31に記載の方法。
- 工程(a)は、
(a)前記ポリマー組成物を、前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出を可能にする反応条件にさらすこと;
及び
(b)式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含む、請求項31に記載の方法。 - 前記化合物は、式(I-b)の化合物である、請求項31に記載の方法。
- 前記化合物は、化合物100、化合物110、化合物113、若しくは化合物114、又はこれらの薬学的に許容可能な塩である、請求項35に記載の方法。
- 前記化合物は、式(III-a)の化合物である、請求項31に記載の方法。
- 前記化合物は、化合物101又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項37に記載の方法。
- 修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)中のポリマーに結合している前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、約0.5%~約10%(w/w)の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)であり、例えば、約0.5%~5%、1%~5%、1%~4%、又は1~3%(w/w)の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)である、請求項31に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物中の式(I-b)の遊離化合物又は式(III-a)の遊離化合物の濃度は、約1%(w/w)未満の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)であり、例えば、約0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、又は0.5%(w/w)未満の修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)である、請求項31に記載の方法。
- ポリマーを含むポリマー組成物を評価する方法であって、前記ポリマーは、式(I-b):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環M1は、アリール若しくはヘテロアリールであり、各アリール及びヘテロアリールは、1つ若しくは複数のR3で任意選択的に置換されており;
環Z1は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、各シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールは、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであるか、又はR2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し;
Xは、不在であるか、O、若しくはSであり;
各R3及びR5は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ若しくは複数のハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、若しくはヘテロシクリルで任意選択的に置換されているか;又は2つのR5は、一緒になって、環Z1に融合している5~6員の環を形成し;
Rcは、水素若しくはアルキルであり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーに対する結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されているか、
又は
式(III-a):
の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、
環Z2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、若しくはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のR5で任意選択的に置換されており;
R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであるか;又は
R2a及びR2b、若しくはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し;
R3及びR5の各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、若しくは-C(O)RB1であり;
各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、若しくはヘテロアルキルであり;
m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、若しくは6であり;
o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、若しくは5であり;
qは、0~25の整数であり;
は、結合基若しくは前記ポリマーへの結合を指す、
化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩により修飾されており、
前記方法は、
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること;
(b)前記ポリマー組成物中における前記式(I-b)の全非コンジュゲート化合物(即ち、式(I-b)の「遊離」化合物)若しくは前記式(III-a)の全非コンジュゲート化合物(即ち、式(III-a)の「遊離」化合物)の値を取得すること;
及び/又は
(c)工程(a)及び(b)の各々で得られた値を使用して、式(I-b)若しくは式(III-a)の化合物で修飾された前記ポリマーの濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、前記ポリマー組成物を評価する、
方法。 - 前記アルギン酸塩は、平均分子量が75kDa~150kDaである、請求項41に記載の方法。
- 前記アルギン酸塩は、グルロン酸塩対マンヌロン酸塩(G:M)比が1.5以上である、請求項41に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に共有結合している、請求項41に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、前記修飾ポリマー中において前記ポリマー(例えばアルギン酸塩)に非共有結合的に結合している、請求項41に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、結合基(例えば、-C(O)(C1~C6-アルキレン)-、式中、アルキレンは、R1で置換されており、R1は、本特許請求の範囲で定義されている通りである)を介して前記修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)に共有結合している、請求項41に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物は、単一タイプの修飾ポリマー(例えば修飾アルギン酸塩)を含む、請求項41に記載の方法。
- 前記ポリマー組成物は、複数種の修飾ポリマー(例えば、少なくとも2種の修飾ポリマー、少なくとも3種のポリマー)を含む、請求項41に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物である、請求項41に記載の方法。
- 前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物は、表1で列挙されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物113、及び化合物114から選択される、請求項41に記載の方法。
- 工程(b)の修飾ポリマー組成物にコンジュゲートした(例えば共有結合した)前記式(I-b)又は式(III-a)の全化合物の値を取得することは、
(b’)前記ポリマー組成物を、
(i)前記修飾ポリマーからの前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の放出
を可能にする反応条件にさらすこと;
(b’’)前記式(I-b)の化合物又は前記式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
含む、請求項41に記載の方法。 - 前記ポリマー組成物の成分(例えば、前記修飾ポリマーの成分)のdn/dc値を取得することをさらに含む請求項41に記載の方法。
- 前記方法の工程(c)において前記dn/dc値を使用して、式(I-b)又は式(III-a)の化合物で修飾された前記ポリマーの濃度の値を取得することさらに含む請求項52に記載の方法。
- ポリマー組成物中におけるアルギン酸塩に結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する方法であって、
(a)前記ポリマー組成物の屈折率の値を取得すること;
(b)前記ポリマー組成物中における、修飾ポリマーにコンジュゲートした(例えば共有結合した)式(I-b)又は式(III-a)の全化合物の値を取得すること;
(c)工程(a)及び(b)の各々で得られた値を試用して、修飾ポリマーにコンジュゲートした前記式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度の値を取得すること
を含み、
それにより、ポリマー組成物中における、ポリマーに結合した式(I-b)又は式(III-a)の化合物の濃度を決定する、
方法。 - 前記化合物は、式(I-b)の化合物である、請求項54に記載の方法。
- 前記化合物は、化合物100、化合物110、化合物113、若しくは化合物114、又はこれらの薬学的に許容可能な塩である、請求項55に記載の方法。
- 前記化合物は、式(III-a)の化合物である、請求項54に記載の方法。
- 前記化合物は、化合物101又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項57に記載の方法。
- 式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物で修飾されたポリマーを含むポリマー組成物であって、前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、例えば、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
- 式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含むポリマー組成物であって、前記式(I-b)の化合物又は式(III-a)の化合物の濃度は、例えば、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
- 表1に示されている化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、及び/又は化合物114から選択される化合物で修飾されたアルギン酸塩を含むポリマー組成物であって、前記化合物の濃度は、例えば、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法により決定した場合に、0.5%~5%(w/w)の修飾アルギン酸塩である、ポリマー組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201962907400P | 2019-09-27 | 2019-09-27 | |
US62/907,400 | 2019-09-27 | ||
PCT/US2020/052880 WO2021062273A1 (en) | 2019-09-27 | 2020-09-25 | Methods of evaluating small molecule-modified polymers in compositions |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022549886A true JP2022549886A (ja) | 2022-11-29 |
Family
ID=75166867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022519247A Pending JP2022549886A (ja) | 2019-09-27 | 2020-09-25 | 組成物中の小分子修飾ポリマーを評価する方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20230003706A1 (ja) |
EP (1) | EP4034110A4 (ja) |
JP (1) | JP2022549886A (ja) |
CN (1) | CN114786667A (ja) |
AU (1) | AU2020356621A1 (ja) |
CA (1) | CA3155929A1 (ja) |
WO (1) | WO2021062273A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2020114616A (ru) * | 2017-09-27 | 2021-10-28 | Сайджилон Терапьютикс, Инк. | Способы, композиции и имплантируемые элементы, содержащие активные клетки |
WO2023230524A1 (en) | 2022-05-25 | 2023-11-30 | Flagship Pioneering Innovations Vi, Llc | Compositions of secretory and/or catalytic cells and methods using the same |
WO2023235884A1 (en) | 2022-06-03 | 2023-12-07 | Flagship Pioneering Innovations Vi, Llc | Compositions and methods |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3702843A (en) * | 1970-05-25 | 1972-11-14 | Schweiger Richard Georg | Nitrite,nitrate and sulfate esters of polyhydroxy polymers |
AU6419899A (en) * | 1998-10-09 | 2000-05-01 | Regents Of The University Of Michigan, The | Hydrogels and water soluble polymeric carriers for drug delivery |
JP2010209130A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Teijin Ltd | アルギン酸誘導体およびその製造方法 |
US10226417B2 (en) * | 2011-09-16 | 2019-03-12 | Peter Jarrett | Drug delivery systems and applications |
EP3519399A1 (en) * | 2016-10-03 | 2019-08-07 | Sigilon Therapeutics, Inc. | Compounds, devices, and uses thereof |
RU2020114616A (ru) * | 2017-09-27 | 2021-10-28 | Сайджилон Терапьютикс, Инк. | Способы, композиции и имплантируемые элементы, содержащие активные клетки |
-
2020
- 2020-09-25 EP EP20868961.2A patent/EP4034110A4/en active Pending
- 2020-09-25 WO PCT/US2020/052880 patent/WO2021062273A1/en active Application Filing
- 2020-09-25 CA CA3155929A patent/CA3155929A1/en active Pending
- 2020-09-25 US US17/764,101 patent/US20230003706A1/en active Pending
- 2020-09-25 JP JP2022519247A patent/JP2022549886A/ja active Pending
- 2020-09-25 AU AU2020356621A patent/AU2020356621A1/en active Pending
- 2020-09-25 CN CN202080077567.2A patent/CN114786667A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU2020356621A1 (en) | 2022-04-14 |
EP4034110A4 (en) | 2023-10-18 |
EP4034110A1 (en) | 2022-08-03 |
CN114786667A (zh) | 2022-07-22 |
US20230003706A1 (en) | 2023-01-05 |
CA3155929A1 (en) | 2021-04-01 |
WO2021062273A1 (en) | 2021-04-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2022549886A (ja) | 組成物中の小分子修飾ポリマーを評価する方法 | |
US11660343B2 (en) | Viscosity-reducing excipient compounds for protein formulations | |
KR20210005630A (ko) | 글루코스-반응성 인슐린 | |
CN113347998A (zh) | 用于细胞治疗的可植入装置及相关方法 | |
US20220349896A1 (en) | Methods of evaluating polypeptide-modified polymers in compositions | |
BR112012015977B1 (pt) | Complexo de um polímero iônico, composição de micropartícula de liberação prolongada de droga, e, método para preparar a composição de liberação prolongada de droga | |
EP4324482A2 (en) | Excipient compounds for biopolymer formulations | |
AU2020248101A1 (en) | Compositions, devices and methods for factor VII therapy | |
EP4189101A2 (en) | Genetically modified cell lines expressing an exogenous substance and uses thereof | |
WO2022164931A2 (en) | Compositions, devices and methods for inducing antigen-specific immune tolerance | |
CA3209738A1 (en) | Compositions, devices and methods for treating immune-mediated inflammatory diseases | |
AU2022376537A1 (en) | Compositions for cell-based therapies and related methods | |
WO2022164933A2 (en) | Biocompatible devices for cell-based therapies and related methods | |
KR20230123959A (ko) | 화학 가교 알긴산을 사용한 이식용 디바이스 | |
Liew et al. | Biopharmaceuticals: A review of their development and contribution to healthcare |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230922 |