JP2022547121A - ホスホジエステラーゼ-4阻害剤の投与からの副作用を低減するための方法 - Google Patents

ホスホジエステラーゼ-4阻害剤の投与からの副作用を低減するための方法 Download PDF

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Abstract

PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストを含有する医薬配合物のPKプロファイルを変化させてCmaxにおけるスパイクを低減するための方法。Cmaxにおけるスパイクは、PDE-4阻害剤を1種類以上のリン酸エステル界面活性剤と組み合わせて局所投与することによって低減される。Cmaxにおけるスパイクを低減することは、胃腸の副作用を低減し、結果としてよりよい患者のコンプライアンスをもたらすであろう。【選択図】図1

Description

本発明は、医学的障害の処置のための局所薬物療法の分野に属する。特に、本発明は、酵素ホスホジエステラーゼ-4の阻害剤である有効医薬成分を含有する局所用配合物に属する。配合物は、薬学的に有効であるが、減少した胃腸の副作用を有する。
酵素ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)を阻害する薬物は、多くの医学的病気、最も注目されるのは乾癬性関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の医学的処置において有用であることがわかっている。そのような薬物の例は、アプレミラスト、シロミラスト、クリサボロール、イブジラスト、ピクラミラスト、ロフルミラストおよびロリプラムを含む。これらの薬物は臨床的に有用であるが、それらの使用は、それらの投与と関係する下痢、体重減少、悪心、頭痛、背部痛、不眠症、めまい、インフルエンザ様症状および食欲減退を含む副作用の高い発生率のため、時々制限されてきた。これらの副作用、特に胃腸の副作用は、患者のコンプライアンスに重大な影響を有し得る。
ロフルミラスト(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシ-N-[3,5-ジ-クロロピリド-イル]-ベンズアミド)およびその活性代謝産物であるロフルミラストN-オキシド(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシ-N-(3,5-ジクロロピリド-4-イル 1-オキシド)ベンズアミド)は、PDE-4を阻害する薬物のクラスの代表的なメンバーとして本明細書に記載されている。ロフルミラストは、気管支療法剤としてならびに炎症性障害の処置のために適切であることが知られている。ロフルミラストを含有する組成物は、ヒトおよび獣医学において使用され、以下を含むがそれらに限定されない疾患の処置および予防に関して提案されてきた:炎症性およびアレルゲン誘発性気道障害(例えば気管支炎、喘息、COPD);皮膚疾患(例えば増殖性、炎症性およびアレルゲン誘発性皮膚障害)および胃腸領域における汎発性炎症(クローン病および潰瘍性大腸炎)。現在、ロフルミラストは、肺に関わる炎症性障害、例えば喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置するために全身投与されている。
ロフルミラストおよびその合成は、参照により本明細書に援用される米国特許第5,712,298号(“298特許”)に記載されている。別途示されない限り、参照により本明細書に援用される参考文献は、全ての目的に関してそのまま援用される。)ロフルミラストは、米国において、商品名DALIRESP(登録商標)(AstraZeneca Pharmaceuticals LP,デラウェア州ウィルミントン)の下で、そして欧州において商品名DAXAS(登録商標)(Takeda GmbH、コンスタンツ、ドイツ)の下で認可されている。DALIRESP(登録商標)およびDAXAS(登録商標)は、COPDの処置のために500mcg錠剤として1日1回経口投与される。
重度の悪心および下痢を含む胃腸の副作用の高い発生率のため、DALIRESP(登録商標)に関する処方情報は、処置中止率を低減するために療法上有効用量の半分である250mcgを1日1回4週間服用した後1日あたり500mcgの療法上有効用量を開始することが有益である可能性があることを指示している。DAXAS(登録商標)に関する処方情報は、患者に療法的用量を服用する前に低減した非療法上有効投与量を服用するように指示していない。しかし、DAXAS(登録商標)に関する処方情報は、この薬物療法と関係する下痢、悪心および腹痛の高い発生率を報告している。
ロフルミラストが経口投与された場合、その薬物は急速に吸収され、結果として血漿中濃度における鋭いスパイクをもたらす。FDAに提出された文書によれば、ロフルミラスト錠の初回投与の際に、投与の1時間後のTmax(投与後Cmaxに達するまでの時間)でスパイクした7.34mcg/lのCmax(ピーク血漿中濃度)が500mcg錠により発生し、1時間のTmaxでスパイクした3.99mcg/lのCmaxが250mcg錠により発生した。Cmaxにおけるスパイクは、明確な用量反応関係に従っていた。類似の用量反応関係が、胃腸の副作用の発生に関して示され、これは、これらの副作用がCmaxにおけるスパイクと関係していることを示している。
経口ロフルミラストの複数回用量が投与された場合、曝露は、‘ピークからトラフへ’のパターンに従う。これは、結果として薬物の血中レベルにおけるエピソード的変動および薬物の各投与後の更新された高スパイクCmaxレベルによる持続する胃腸の副作用をもたらす。
Bolle、米国特許出願公開第2006/0084684号は、ロフルミラスト、ロフルミラストの塩類、ロフルミラストのN-オキシドおよびN-オキシドの塩類の局所用配合物を開示している。Bolleは、そのような配合物が皮膚障害の局所処置のために皮膚病変に適用するのに、または皮膚障害および他の障害、例えばCOPDの全身処置のために局所投与するのに有用であることを開示している。Bolleは、ロフルミラスト配合物の局所適用の全身作用が経口剤形の全身作用に匹敵することを開示している。
Bolleはさらに、段落0080において、“経口投与との比較は、局所用調製物の組成にかかわらず、類似のCmaxおよびAUCならびに尿による類似の排泄が達成されることを示している”ことを開示している。
Bolleは、ロフルミラスト配合物の局所投与後に発生する副作用の発生率を論じていないが、局所用配合物によるCmaxは局所用配合物の組成にかかわらず経口投与される配合物により得られるCmaxと類似しているため、そして副作用はCmaxと相関しているため、局所用配合物のいずれの投与も組成にかかわらず経口投与される配合物により引き起こされる副作用と類似した副作用の発生率をもたらすであろうことが、予想されるであろう。
ロフルミラストの経口錠剤は商業化されてきたが、局所および非経口投与は、国際公開第95/01338号(298号特許に対応し、参照により本明細書に援用される)において21℃でわずか0.53mg/lであると報告されている化合物の低い水溶性のため、異なる配合物を必要とする。この低い水溶性は、水を含有する非経口製剤および局所用エマルジョン、懸濁液、ゲルまたは溶液の開発に関して問題であった。米国特許第9,205,044号(参照により本明細書に援用される)では、ロフルミラストの乏しい水溶性は、アルコキシル化脂肪、具体的にはポリオキシエチル化12-ヒドロキシステアリン酸を非経口投与のための共溶媒として使用することによって克服された。米国特許第9,884,050号(参照により本明細書に援用される)において、ロフルミラストの乏しい水溶性は、ヘキシレングリコールを使用することによって克服された。欧州特許第1511516B1号(参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第14/075,035号に対応する)では、ロフルミラストの低い水溶性は、局所用エマルジョン(クリーム)配合物においてポリエチレングリコール400(PEG 400)を62%(w/w)を超える濃度で配合する一方で水の重量百分率を10%未満に保つことにより克服された。
ロフルミラストのような強力な薬理学的薬剤の局所適用は、優れた送達および患者にとってより大きい使用し易さを提供することがわかっている。化合物の分子構造は、最終的に製品が適用される組織の上皮を通過する薬物の能力を規定する。皮膚への局所適用に関して、配合物の構成要素の選択は、配合剤(formulator)が達成することができる最大皮膚浸透を規定する。クリーム、ローション、ゲル、軟膏および泡状物質は、皮膚への適用のための有効医薬成分(API)を含有する局所用製品のより馴染みのある形態のほんの数例である。
療法上有効用量で全身投与された場合に結果としてCmaxにおけるスパイクをもたらさない一方でなお高いAUCを提供し、従って薬学的に有効であるが胃腸副作用の低下した発生率と関係するロフルミラストのようなPDE-4阻害剤を含有する医薬配合物を開発し、提供することは、有利であろう。
米国特許第5,712,298号 米国特許出願公開第2006/0084684号 国際公開第95/01338号 米国特許第9,205,044号 米国特許第9,884,050号 欧州特許第1511516B1号 米国特許出願公開第14/075,035号
本発明によれば、PDE-4阻害剤を含有する局所用配合物中に1種類以上のリン酸エステル界面活性剤を含ませることは、Cmaxにおけるスパイクを低減する一方でなお高いAUCをもたらすことが発見されている。Cmaxにおけるスパイクの低減は、胃腸の副作用を低減し、それは、よりよい患者のコンプライアンスをもたらすであろう。
図1は、本発明の2種類の配合物、配合物1および配合物2の薬物動態(PK)プロファイルならびに先行技術の配合物、配合物3のPKプロファイルを比較する線グラフである。 図2は、配合物4(リン酸ジセチル/セテス-10ホスフェート)のCmaxへの遅い上昇を比較配合物5(セチルリン酸カリウム)および比較配合物6(セトステアリルアルコールおよびステアリン酸グリセリル/PEG-100ステアレート)を投与した後の有意に大きいロフルミラストのCmaxピーク値と比較したグラフである。 図3は、0.15%ロフルミラスト局所用クリームの1日1回投与後の1日目および28日目のPKプロファイルを示す線グラフである。 図4は、0.3%ロフルミラスト局所用クリームの1日1回投与後の1日目および14日目のPKプロファイルを示す線グラフである。 図5は、0.5%ロフルミラスト局所用クリームの1日1回投与後の1日目および28日目のPKプロファイルを示す線グラフである。 図6は、1.0%ロフルミラスト局所用クリームの1日1回投与後の1日目および28日目のPKプロファイルを示す線グラフである。 図7A、7Bおよび7Cは、0.15%ロフルミラスト局所用クリームおよび0.5%ロフルミラスト局所用クリームに関する標的プラーク重症度スコアおよび/または標的プラーク面積におけるベースラインにおける変化を示す。 図7A、7Bおよび7Cは、0.15%ロフルミラスト局所用クリームおよび0.5%ロフルミラスト局所用クリームに関する標的プラーク重症度スコアおよび/または標的プラーク面積におけるベースラインにおける変化を示す。 図7A、7Bおよび7Cは、0.15%ロフルミラスト局所用クリームおよび0.5%ロフルミラスト局所用クリームに関する標的プラーク重症度スコアおよび/または標的プラーク面積におけるベースラインにおける変化を示す。 図8Aおよび8Bは、0.15%ロフルミラスト局所用クリームおよび0.5%ロフルミラスト局所用クリームに関する1日目および28日目のロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシドの血漿中濃度(薬物動態集団)を示している。 図8Aおよび8Bは、0.15%ロフルミラスト局所用クリームおよび0.5%ロフルミラスト局所用クリームに関する1日目および28日目のロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシドの血漿中濃度(薬物動態集団)を示している。 図9は、1日1回のEucrisa(登録商標)局所用軟膏の適用後のPDE4阻害剤クリサボロールに関する1日目の単一用量薬物動態プロファイルおよび8日目の定常状態薬物動態プロファイルを示す線グラフである。 図10は、0.3%クリサボロールまたは0.3%ロフルミラストのどちらかを含有するCrodafos-CESクリームの1日1回投与後の1日目の単一用量PKプロファイルを示す線グラフである。
用語“PDE-4阻害剤”は、ヒトに投与された場合に酵素ホスホジエステラーゼ-4を阻害する薬物のクラスの1以上のメンバーを指す。このクラスの薬物のメンバーの例は、アプレミラスト、シロミラスト、クリサボロール、イブジラスト、ピクラミラスト、ロフルミラストおよびロリプラムを含む。
用語“ロフルミラスト”は、本出願で使用される際、別途明記されない限り、またはその言及がロフルミラスト自体に対するものであることが文脈において明らかでない限り、ロフルミラスト、その塩類、ロフルミラストのN-オキシドおよびその塩類を指す。用語“ロフルミラストのN-オキシド”および“ロフルミラストまたはロフルミラストのN-オキシドのどちらかの塩類”は、具体的にはN-オキシドまたはロフルミラストもしくはそのN-オキシドのどちらかの塩類を指す。ロフルミラストは、本明細書においてPDE-4阻害剤のクラスの代表的なメンバーとしておよびロフルミラスト自体としての両方の意味で記載されており、それは、文脈に応じてロフルミラスト自体、その塩類、ロフルミラストのN-オキシドおよびN-オキシドの塩類を含む。ロフルミラスト配合物は、当技術分野で既知の方法によって調製されることができる(例えば298号特許および米国特許出願公開第14/075,035号を参照)。
ロフルミラストは、式(I)の化合物であり:
Figure 2022547121000002
式中、R1は、ジフルオロメトキシであり、R2は、シクロプロピルメトキシであり、R3は、3,5-ジクロロピリド-4-イルである。
この化合物は、化学名N-(3,5-ジクロロピリド-4-イル)-3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシベンズアミド(INN:ロフルミラスト)を有する。
用語“塩類”は、ロフルミラストまたはロフルミラストのN-オキシドに言及する場合、米国特許出願公開第2006/0084684号の段落[0012]および[0013]に記載されているような塩を意味し、その開示は、参照により本明細書に援用される。
先行技術の定説とは全く対照的に、PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストを含有する医薬配合物、例えば局所適用される医薬配合物は、配合物が1種類以上のリン酸エステル界面活性剤を含有する場合に、リン酸エステル界面活性剤(単数または複数)を含まないPDE-4阻害剤を含有する医薬配合物と比較して、低減したCmaxを有する、またはCmaxに達する低減した吸収速度を有する変化したPK(薬物動態)プロファイルを提供することが、意外にも発見されている。特に、ロフルミラストおよび1種類以上のリン酸エステル界面活性剤を含有する医薬配合物は、個体に局所投与された場合、経口投与で達成されるレベルに匹敵するかまたはそれよりもさらに大きいPDE-4阻害剤の全身的に有効なレベルを遅い吸収により血流中へのPDE-4阻害剤のCmaxスパイクなしで提供することが、意外にも発見されている。
薬物動態学的観点では、PDE-4阻害薬、例えばロフルミラストおよびリン酸エステル界面活性剤を含有する配合物は、例えば個体の皮膚に局所適用することによって個体に投与される場合、PDE-4阻害薬の全身的に有効なレベルを達成するために十分に高い曲線下面積(AUC)を、胃腸の副作用と関係するピーク血漿濃度(Cmax)を急速に生成することなく提供する。すなわち、Cmaxに達する薬物の吸収速度は、本出願の配合物が投与される場合、先行技術の配合物の投与と比較して低下する。
本明細書で使用される際、用語“Cmaxに達する吸収速度”は、薬物を含有する配合物の投与からCmaxまでの間のPK曲線の勾配または配合物の連続複数回用量投与後のトラフおよび隣接するピークの間のPK曲線の勾配を意味する。
従って、従来技術の教示とは対照的に、本出願の配合物は、意外にもPDE-4阻害剤を含有する先行技術の配合物と比較して、著しく異なるPKプロファイルを有する。本出願の配合物は、Cmaxにおけるスパイクを生成することなく、PDE-4阻害剤の全身的に有効なレベルを達成するのに十分に高いAUCを提供する。本発明の配合物の局所適用後に得られるCmaxへの漸進的上昇は、先行技術の配合物のものとは著しく異なるが、AUCは類似している。加えて、配合物の複数回用量の後、PKプロファイルは、薬物を含有する先行技術の配合物での日毎の投与を複数回行った後に得られるピークからトラフへのパターンおよび最初のCmaxスパイクを欠いている。
この発見は、いくつかの予想外の利点を提供する。主に、それは、望ましくない副作用、特に胃腸の副作用の発生率を最小限にするPDE-4阻害剤の投与に応答する医学的病気の処置のための手段を提供する。これは、今度はより大きい患者のコンプライアンスおよびそのような副作用の発現による処置の中止の発生率の低減につながる。
さらに、Cmaxへの上昇がそのように遅く、Cmaxのスパイクが回避されるため、本発明の配合物は、結果として先行技術の配合物で可能であるよりも高い全身曝露レベル(AUC)をCmaxスパイクと関係する副作用、例えば胃腸系の副作用を伴わずにもたらすことができる。そのような以前には得ることができなかった曝露レベルは、疾患の処置においてより大きい有効性を提供するであろう。
さらに、投与後にCmaxに到達した後、薬物の血中レベルにおいて非常に平坦かつ延長されたプラトーが存在することが、意外にも発見されている。加えて、本出願の配合物の複数回用量後に得られるPKプロファイルは、極めてかつ意外にも平坦で延長されており、28日間の投与後に極めて小さいピークからトラフへの変動を有する。このPKプロファイルの平坦性は、配合物がさらにジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する場合に特に明白である。
療法的作用を提供するために必要とされる量の配合物からのPDE-4阻害剤の吸収は高いCmaxを提供するために吸収におけるスパイクに依存しないため、そしてPDE-4阻害剤の吸収は安定であり平坦なPKプロファイルを有するため、配合物の個々の使用者は、時々用量を摂取し損ねてなお処置の有効性を維持することができる。
本発明の配合物の重要な利点は、Cmaxへの上昇がそのように遅く、Cmaxスパイクが回避されるため、本発明の配合物は先行技術の配合物で可能であるよりも高い全身曝露レベル(AUC)を得ることを可能にし、かつCmaxスパイクと関係する副作用、例えば胃腸系の副作用がないことである。そのような以前には得られなかった曝露レベルは、疾患の処置においてより大きな有効性を提供するであろう。
第1態様において、本発明は、PDE-4阻害薬をそれを必要とする個体に投与するための医薬配合物である。
この態様によれば、本発明の医薬配合物は、1種類以上のPDE-4阻害薬を含有する。そのようなPDE-4阻害薬は、アプレミラスト、シロミラスト、クリサボロール、イブジラスト、ピクラミラスト、ロフルミラストおよび/またはロリプラムを含み得る。好ましい態様において、配合物は、ロフルミラストを含有する。PDE-4阻害薬の濃度は、PDE-4阻害薬の投与に反応する医学的病気、例えば乾癬性関節炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息およびCOPDを改善するために十分である濃度である。
配合物は、さらに1種類以上のリン酸エステル界面活性剤を含有する。本出願の配合物に含まれ得るリン酸エステル界面活性剤の例は、以下のリン酸エステル界面活性剤を含むが、それらに限定されない:セチルリン酸カリウム、C9~15アルキルリン酸カリウム、C11~15アルキルリン酸カリウム、C12~13アルキルリン酸カリウム、C12~14アルキルリン酸カリウム、ラウリルリン酸カリウム、C8~10アルキルエチルホスフェート、C9~15アルキルホスフェート、C20~22アルキルホスフェート、ヒマシ油ホスフェート、セテス-10ホスフェート、セテス-20ホスフェート、セテス-8ホスフェート、セテアリルホスフェート、セチルホスフェート、ジメチコンPEG-7ホスフェート、ラウリルリン酸二ナトリウム、オレイルリン酸二ナトリウム、ラウリルホスフェート、ミリスチルホスフェート、オクチルデシルホスフェート、オレス-10ホスフェート、オレス-5ホスフェート、オレス-3ホスフェート、オレイルエチルホスフェート、オレイルホスフェート、PEG-26-PPG-30ホスフェート、PPG-5 セテアレス-10ホスフェート、PPG-5 セテス-10ホスフェート、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウレス-4リン酸ナトリウム、ステアリルホスフェート、DEA-セチルホスフェート、DEA-オレス-10ホスフェート、DEA-オレス-3ホスフェート、DEA-C8~C18ペルフルオロアルキルエチルホスフェート、ジセチルホスフェート、ジラウレス-10ホスフェート、ジミリスチルホスフェート、ジオレイルホスフェート、トリセチルホスフェート、トリセテアレス-4ホスフェート、トリラウレス-4ホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリオレイル(triolyeyl)ホスフェートおよびトリステアリルホスフェート。
配合物は、場合により1種類以上のリン酸エステル界面活性剤に加えてジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有することができる。ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールとして、またはDEGEEとしても知られており、TRANSCUTOL(登録商標)(Gattefosse Corporation,ニュージャージー州パラマス)、CARBITOL(商標)(The Dow Chemical Company,ミシガン州ミッドランド)、DIOXITOL(登録商標)(Shell Oil Company,テキサス州ヒューストン)およびPOLY-SOLV DM(Monument Chemical,テキサス州ヒューストン)を含むいくつかの商標の下で商業化されている。
DEGEEは、しばしば配合物中の薬物の溶解度を増大させるために共溶媒として局所用製品に添加される。局所用配合物へのDEGEEの添加は、局所投与された医薬有効物質の皮膚浸透を増進する、すなわちCmaxを増大させることも示されている。Percutaneous Penetration Enhancers Chemical Methods in Penetration Enhancement: Modification of the Stratum Corneum (N. Dragicevic, H.I. Maibach, 編集) Springer-Verlag Berlin Heidelberg 2016中のJavadzadeh et al、第12章、195-205ページを参照。
配合物中のPDE-4阻害剤、例えばロフルミラストの濃度は、配合物が個体の皮膚に適用される場合、所望の全身薬理学的作用を得るために十分である濃度である。この濃度は、配合物内に含有される特定のPDE-4阻害剤および処置されるべき疾患または病気に基づいて必然的に異なるであろう。ロフルミラストの場合、配合物内の濃度は、典型的には0.001~25重量%の範囲であり、好ましい範囲は0.01~5%であり、より好ましい範囲は0.05~1%であり、最も好ましい範囲は0.1~0.5%である。特に好ましい態様において、配合物中のロフルミラストの濃度は、0.05%~0.5%、例えば0.05%、0.15%、0.3%および0.5重量%である。
配合物中のリン酸エステル界面活性剤の濃度は、均一な小球サイズを有する安定なエマルジョンを生成するのに十分である濃度である。所望であれば、より低い濃度のリン酸エステル界面活性剤が、他の乳化剤と組み合わせられて均一な小球サイズを有する安定なエマルジョンを生成することができる。リン酸エステル界面活性剤は、クリーム中のロフルミラストの溶解度を増大させることもできる。リン酸エステル界面活性剤の濃度は、一般に1.0重量%~25重量%のあらゆる濃度であることができる。好ましい濃度は、異なる投与形態に関して異なり得る。好ましい態様において、配合物がクリームまたは軟膏である場合、リン酸エステル界面活性剤の濃度は、2.5%~20%であり、より好ましい濃度は5%~15%の範囲であり、最も好ましい濃度は約10重量%である。配合物が泡状物質の形成である場合、濃度は、好ましくは1.0%~10%、より好ましくは1.0%~10%、最も好ましくは2%である。
配合物中のジエチレングリコールモノエチルエーテル(存在する場合)の濃度は、有効医薬成分を溶解するために十分である濃度である。ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、ロフルミラストの皮膚浸透も増進し得る。一般に、ジエチレングリコールモノエチルエーテルの濃度は、5重量%~50重量%であり、好ましい濃度範囲は10重量%~40重量%であり、より好ましい範囲は15%~30重量%であり、特に好ましい濃度は約15~25重量%である。同様に、水は、局所用製品中で約20~90(重量)%として配合される。DEGEEおよび水のブレンドに関して、比率は、1:10~20:1の範囲であり得る。好ましくは、DEGEE:水の比率は、ロフルミラストを含有する配合物において1:4~9:1である。一般に、DEGEE-水ブレンドは、(完成した製品中)2.0%までのロフルミラストまたは好ましくは(完成した製品中)0.5%までのロフルミラストを溶解するために使用されることができる。
皮膚への局所適用のための配合物は、好ましくは、皮膚上での使用に化粧的に許容可能であり、かつ皮膚上で容易に広げることができる半固体剤形である。そのような半固体剤形の例は、エマルジョン、軟膏、クリーム、ゲルおよびペーストを含む。配合物は、あるいはスプレーまたは泡状物質として投与されることができる半固体剤形以外の形態、例えば液体であることができる。好ましくは、局所投与のための配合物は、以下の形態の1つである:
水中油型エマルジョン:局所用製品は、分離した疎水性相および連続した水相を含むエマルジョンであることができ、それは、DEGEE-水ブレンドおよび場合により1種類以上の極性親水性賦形剤ならびに溶媒、共溶媒、塩類、界面活性剤、乳化剤および他の構成要素を含む。これらのエマルジョンは、エマルジョンを安定化するのを助ける水溶性または水膨潤性ポリマーを含むことができる。
油中水型エマルジョン:組成物は、連続した疎水性相および水相を含むエマルジョン中にロフルミラストが組み込まれている配合物であることができ、それは、DEGEE-水ブレンドおよび場合により1種類以上の極性親水性キャリヤー(単数または複数)ならびに塩類または他の構成要素を含む。これらのエマルジョンは、油溶性または油膨潤性ポリマーならびにエマルジョンの安定化を助ける1種類以上の乳化剤(単数または複数)を含み得る。
水中油型エマルジョンおよび油中水型エマルジョンの両方に関して、添加の順序が重要であり得る。ロフルミラストは、DEGEE-水ブレンドを含有する連続した水相に予め溶解させられて添加されることができる。同様に、ロフルミラストは、エマルジョンの疎水性分散相に予め溶解させられることができ、次いでそれが、DEGEE-水ブレンドおよび有効成分を含有しない任意の親水性賦形剤と混合される。ロフルミラストは、エマルジョンの油相および水相の両方に予め溶解させられることができ、またはDEGEEもしくはDEGEE-水ブレンドに予め溶解させられてエマルジョンが形成された後に添加されることもできる。一部のエマルジョンは、エマルジョンの冷却の間に特定の温度範囲にわたって転相を経る。従って、ロフルミラストは、転相温度より上で油中水型エマルジョンに添加されることができ、最終的な薬物製品は、制御された室温で水中油型エマルジョンであるか、またはその逆である。
増粘水性ゲル:これらの系は、溶解したロフルミラストおよび場合により1種類以上の極性親水性キャリヤー(単数または複数)、例えばヘキシレングリコールを有するDEGEE-水ブレンドを含み、それは、下記のような適切な天然、改質天然または合成増粘剤によって増粘されている。あるいは、増粘水性ゲルは、適切なポリエトキシレートアルキル鎖界面活性剤または他の非イオン系、陽イオン系もしくは陰イオン系を使用して増粘されることができる。
増粘ハイドロアルコール性ゲル:これらの系は、溶解したロフルミラストおよび場合により1種類以上の極性親水性キャリヤー(単数または複数)、例えばヘキシレングリコールを極性相として有するDEGEE-水-アルコールブレンドを含み、それは、下記のような適切な天然、改質天然または合成ポリマーによって増粘されている。あるいは、増粘ハイドロアルコール性ゲルは、適切なポリエトキシレートアルキル鎖界面活性剤または他の非イオン系、陽イオン系または陰イオン系を使用して増粘されることができる。アルコールは、エタノール、イソプロピルアルコールまたは他の薬学的に許容可能なアルコールであり得る。
親水性または疎水性軟膏:組成物は、疎水性基剤(例えばワセリン、増粘またはゲル化水不溶性油等)と共に配合され、場合により溶解したロフルミラストを有する微量のDEGEE-水ブレンドを有する。親水性軟膏は、一般に1種類以上の界面活性剤または湿潤剤を含有する。
PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストおよびリン酸エステル界面活性剤に加えて、任意のジエチレングリコールモノエチルエーテルを伴なって、または伴なわずに、配合物は、そのような剤形に通常存在する追加の賦形剤を含有し得る。そのような賦形剤は、剤形のタイプおよび所望の特徴に依存して異なるであろう。
溶媒
本発明の組成物は、製品中の有効成分溶解度の所望のレベルを得るために1種類以上の溶媒または共溶媒を含み得る。溶媒は、局所用製品に含有される他の賦形剤の皮膚浸透または活性も改変し得る。溶媒は、アセトン、エタノール、ベンジルアルコール、ブチルアルコール、セバシン酸ジエチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アジピン酸ジイソプロピル、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、N-メチルピロリジノン、プロピレングリコールおよびSDアルコールを含むが、それらに限定されない。
保湿剤
本発明の組成物は、水和のレベルを増大させるために保湿剤を含むことができる。エマルジョンに関して、保湿剤は、しばしば分散または連続疎水性相の構成要素である。保湿剤は、湿潤剤を含む親水性材料であることができ、またはそれは、皮膚軟化剤を含む疎水性材料であることができる。適切な保湿剤は、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール200~8000、ステアリン酸ブチル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルエステルワックス、パルミチン酸セチル、ココアバター、ココナッツ油、シクロメチコン、ジメチコン、ドコサノール、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、脂肪酸、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリコール、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、ラノリン、鉱油、軽油、ラノリン、リモネン、中鎖トリグリセリド類、メントール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイン酸、オレイルアルコール、オレイン酸オレイル、オリーブ油、パラフィン、落花生油、ワセリン、Plastibase-50W、ソルビトール、ステアリン酸、ステアリルアルコールおよび尿素を含むが、それらに限定されない。
界面活性剤および乳化剤
本発明に従う組成物は、組成物を乳化させ、有効成分または賦形剤の表面を濡らすのを助けるために、場合により1種類以上の界面活性剤を含むことができる。本明細書で用いられる際、用語“界面活性剤”は、水の表面張力ならびに/または水および不混和性液体の間の表面張力を低減することができる両親媒性物質(共有結合している極性領域および非極性領域の両方を有する分子)を意味する。界面活性剤は、アルキルアリールナトリウムスルホネート、Amerchol-CAB、ラウリル硫酸アンモニウム、アプリコットカーネルオイルPEG-6エステル類、Arlacel、塩化ベンザルコニウム、Ceteareth-6、Ceteareth-12、Ceteareth-15、Ceteareth-30、セテアリルアルコール/セテアレス-20、セテアリルエチルヘキサノエート、セテス-10、セテス-10ホスフェート、セテス-2、セテス-20、セテス-23、セテス-24、コカミドエーテルサルフェート、コカミンオキシド、ココベタイン、ココジエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、ココカプリレート/カプレート、リン酸ジセチル、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、オレアミドモノエタノールアミンスルホコハク酸二ナトリウム、ドクサートナトリウム、ラウレス-2、ラウレス-23、ラウレス-4、ラウリン酸ジエタノールアミド、レシチン、メトキシPEG-16(mehoxy PEG-16)、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、メチルグルコースセスキステアレート、オレス-2、オレス-20、PEG 6~32ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-12グリセリルラウレート、PEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-15コカミン、PEG-150ジステアレート、PEG-2ステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、PEG-22メチルエーテル、PEG-25プロピレングリコールステアレート、PEG-4ジラウレート、PEG-4ラウレート、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-5オレエート、PEG-50ステアレート、PEG-54硬化ヒマシ油、PEG-6イソステアレート、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-7メチルエーテル、PEG-75ラノリン、PEG-8ラウレート、PEG-8ステアレート、Pegoxol 7ステアレート、ペンタエリスリトールココエート、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー407、ポリグリセリル-3オレエート、ポリオキシエチレンアルコール類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシル6およびポリオキシル32、ポリオキシルグリセリルステアレート、ポリオキシルステアレート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、PPG-26オレエート、PROMULGEN(商標)12、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールモノステアレート、キシレンスルホン酸ナトリウム、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ステアレス-2、ステアレス-20、ステアレス-21、ステアレス-40、獣脂グリセリド類ならびに乳化蝋剤を含むが、それらに限定されない。
適切なリン酸エステル界面活性剤は、以下のリン酸エステル界面活性剤を含むが、それらに限定されない:セチルリン酸カリウム、C9~15アルキルリン酸カリウム、C11~15アルキルリン酸カリウム、C12~13アルキルリン酸カリウム、C12~14アルキルリン酸カリウム、ラウリルリン酸カリウム、C8~10アルキルエチルホスフェート、C9~15アルキルホスフェート、C20~22アルキルホスフェート、ひまし油ホスフェート、セテス-10ホスフェート、セテス-20ホスフェート(cetheth-20 phosphate)、セテス-8ホスフェート、セテアリルホスフェート、セチルホスフェート、ジメチコンPEG-7ホスフェート、ラウリルリン酸二ナトリウム、オレイルリン酸二ナトリウム、ラウリルホスフェート、ミリスチルホスフェート、オクチルデシルホスフェート、オレス-10ホスフェート、オレス-5ホスフェート、オレス-3ホスフェート、オレイルエチルホスフェート、オレイルホスフェート、PEG-26-PPG-30ホスフェート、PPG-5-セテアレス-10ホスフェート、PPG-5セテス-10ホスフェート、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウレス-4リン酸ナトリウム、ステアリルホスフェート、DEA-セチルホスフェート、DEA-オレス-10ホスフェート、DEA-オレス-3ホスフェート、DEA-C8~C18パーフルオロアルキルエチルホスフェート、リン酸ジセチル、ジラウレス-10ホスフェート、ジミリスチルホスフェート、ジオレイルホスフェート、トリセチルホスフェート、トリセテアレス-4ホスフェート、トリラウレス-4ホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリオレイル(triolyeyl)ホスフェートおよびトリステアリルホスフェート。
ポリマーおよび増粘剤
特定の適用に関して、可溶性、膨潤性または不溶性の有機性ポリマー性増粘剤、例えばアクリレートコポリマー、カルボマー1382、カルボマーコポリマーB型、カルボマーホモポリマーA型、カルボマーホモポリマーB型、カルボマーホモポリマーC型、カルボオキシビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシポリメチレン、カラギーナン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶ワックスおよびメチルセルロースを含むがそれらに限定されない天然および合成ポリマーまたは無機性増粘剤で増粘されている局所用製品を配合することが、望ましい可能性がある。
配合物は、配合物が半固体、例えばローション、ゲル、クリームまたは軟膏の形態で提供されることができるように粘性を提供するために1種類以上の増粘剤を含有することができる。適切な増粘剤の例は、以下の増粘剤を含むがそれらに限定されない可溶性、膨潤性または不溶性有機性ポリマー性増粘剤、例えば天然および合成ポリマーまたは無機性増粘剤を含むが、それらに限定されない:アクリレート類コポリマー、カルボマー1382、コポリマーB型、カルボマーホモポリマーA型、ホモポリマーB型、カルボマーホモポリマーC型、カルボキシポリメチレン、カラギーナン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶ワックス、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー類(カルボキシビニルポリマーとも呼ばれ、例えば商品名Carbopol(登録商標)(Lubrizol、オハイオ州ウィックリフ)の下で販売されている)、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ポロキサマー類、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガントおよびキサンタンガム。増粘剤は、配合物の油または親油性部分に存在し得る。適切な親油性増粘剤の例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、白蝋、微結晶ワックス、水素化ポリイソブタンポリマーおよび乳化ワックスを含む。
追加の構成要素
本発明に従う組成物は、化粧用および医薬的局所用製品に従来見られる追加の構成要素、例えば増量剤、キャリヤーおよび賦形剤と共に配合されることができる。追加の構成要素は、発泡剤、噴射剤、保存剤、抗酸化剤、封鎖剤、安定剤、緩衝剤、pH調整溶液、皮膚浸透増強剤、キレート剤、フィルム形成剤、色素、顔料、芳香剤および製品の安定性または美観を向上させるための他の賦形剤を含むが、それらに限定されない。好ましい態様において、ヘキシレングリコールが、組成物の貯蔵寿命にわたる粒径分布の変化を抑制するために添加される。ヘキシレングリコールは、重量/重量基準で0.1%~20%、好ましくは重量/重量基準で0.25%~8%、最も好ましくは重量/重量基準で0.5%~2%添加されることができる。
配合物は、所望であれば、他の薬学的に許容可能な賦形剤を含有することができる。例えば、配合物は、湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、ヘキシレングリコール、尿素またはプロピレングリコールを含有することができる。配合物は、皮膚軟化剤、例えばワセリン、ラノリン、鉱油、軽油、ステアリン酸、シクロメチコンまたはジメチコンを含有することができる。追加の任意の賦形剤は、安定剤、発泡剤、保存剤、例えばメチルパラベン、pH調節剤、例えば水酸化ナトリウム、キレート剤、例えばEDTAおよびその塩類ならびに緩衝剤を含む。
ある好ましい態様において、ロフルミラストは、頭皮への適用に特に適したエアロゾル化した泡状物質の形態である。あらゆる適切な噴射剤が、エアロゾル化した泡状物質を調製するために使用されることができる。特に好ましい噴射剤は、イソブタンA-31、Aeropin 35、ブタン48、ジメチルエーテル/N-ブタン-(53/47)、プロパン/イソブタン/N-ブタン、プロパン/イソブタン-A70およびプロパン/イソブタンA-46、N-ブタン(A-17)である。
追加の有効薬剤
本発明に従う組成物は、処置されるべき病気に応じて追加の有効薬剤と共に配合されることができる。追加の有効薬剤は、以下の薬剤を含むが、それらに限定されない:NSAID(例えばアスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン)、アプレミラスト、JAK阻害薬(例えばトファシチニブ、ルキソリチニブ、Oclacit)、ロイコトリエン阻害剤(例えばジロートン、ザフィルルカスト、モンテルカスト)、肥満細胞安定剤(例えばネドクロミル、クロモリンナトリウム、ケトチフェン、ペミロラスト)、アントラリン(ジトラノール)、アザチオプリン、タクロリムス、コールタール、メトトレキサート、メトキサレン、サリチル酸、乳酸アンモニウム、尿素、ヒドロキシ尿素、5-フルオロウラシル、プロピルチオウラシル(Propylthouracil)、6-チオグアニン、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、フマル酸エステル、コルチコステロイド類(例えばアクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、クロベタゾール、クロコルトロン(Clocotolone)、モメタゾン、トリアムシノロン、フルオシノロン、フルオシノリド、フルランドレノリド(Flurandrenolide)、ジフロラゾン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ハルシノニド、ハロベタソール、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニカルベート、プレドニゾン)、コルチコトロピン、ビタミンD類似体(例えばカルシポトリエン、カルシトリオール)、アシトレチン、タザロテン、シクロスポリン、レゾルシノール、コルヒチン、気管支拡張薬(bronchodialators)(例えばβ作動薬、抗コリン薬、テオフィリン)および抗生物質(例えばエリスロマイシン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール)。
投与および投与量
適切な医薬剤形は、エマルジョン、懸濁液、スプレー、油、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、ゲル、泡状物質、経皮パッチおよび溶液を含むが、それらに限定されない。
該組成物は、好ましくは投与量単位あたり0.005~2重量%、より好ましくは0.05~1重量%、最も好ましくは0.1~0.5重量%の量で、ロフルミラスト、ロフルミラストの塩類、ロフルミラストのN-オキシドまたはそれらの塩類を含有する。PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストを含有する局所用配合物は、所望の薬理学的作用を得るのに十分である量で皮膚に適用され、それは、典型的には医学的障害の徴候および/または症状を改善することである。適用される配合物の量は、配合物内に含有されるPDE-4阻害剤、配合物内のPDE-4阻害剤の濃度および配合物が適用される頻度に応じて変動し得る。一般に、配合物は、毎週~毎日数回、好ましくは1日おきに~毎日3回、最も好ましくは1日1回または2回の頻度で適用される。
PDE-4阻害剤を含有する配合物は、PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストの全身投与によって改善されるかまたはそれに反応する全身性の医学的病気を処置するために、獣医学においておよびヒト医学において使用され得る。そのような医学的病気の非限定的な例は、以下の病気を含むが、それらに限定されない:急性および慢性気道障害、例えば気管支炎、アレルギー性気管支炎、喘息およびCOPD;増殖性、炎症性およびアレルギー性皮膚疾患、例えば乾癬、頭皮乾癬または逆乾癬(inverse psoriasis)、刺激性およびアレルギー性接触性湿疹、手湿疹、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、単純性苔癬、日焼け、アフタ性潰瘍、扁平苔癬、白斑、生殖器または肛門領域における掻痒、円形脱毛症、肥厚性瘢痕、円板状エリテマトーデス、濾胞性および広範囲の膿皮症、内因性および外因性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、TNFおよびロイコトリエン類の過剰放出に基づく障害、PDE阻害剤により処置されることができる心臓の障害、胃腸系または中枢神経系における炎症、眼の障害、PDE阻害剤の組織弛緩作用により処置されることができる障害ならびに他の増殖性、炎症性およびアレルギー性皮膚障害;ならびに免疫介在性疾患、例えばリウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎および乾癬性関節炎を含む関節炎。
PDE-4阻害剤、例えばロフルミラストを含有する局所適用のための配合物は、局所適用のための医薬配合物の製造の技術分野で典型的に使用されるプロセスによって調製されることができる。単相配合物、例えば液体を作製するために、配合物の構成要素が組み合わせられ、有効成分の均質な溶液または懸濁液が得られるまで混合されることができる。多相配合物、例えばエマルジョンを作製するために、例えば水相および油相の構成要素が別々に組み合わせられ、均質な溶液が得られるまで混合され、次いで水溶液および油溶液が、組み合わせられて例えば剪断混合によって混合され、配合物を形成することができる。1種類以上の薬物有効物質は、溶解(分子分散)される、錯体化される、もしくは賦形剤もしくは他の有効物質と会合させられることができ、または粒子状(非晶質または結晶質)であることができる。油相が、水相に添加されることができ、または水相が、油相に添加されることができる。相は、例えば50~90℃の高温で、または20~30℃である室温で、または室温および高温の間の温度で組み合わせられて混合されることができる。
以下の実施例は、当業者が本発明の方法および組成物を作製および使用することを可能にするために提供される。これらの実施例は、本発明者らが彼らの発明とみなすものの範囲を限定することが意図されているわけではない。追加の利点および改変が、当業者には容易に明らかであろう。
以下の実施例では、ロフルミラストがPDE-4阻害薬の代表的な例として利用される。また、以下の実施例では、リン酸エステル界面活性剤であるリン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートを含有するCrodafos(商標)CES(Croda Inc.、ニュージャージー州エジソン)が、リン酸エステル界面活性剤の代表的な例として利用される。
実施例1-本発明および先行技術に従う配合物
本発明の第1配合物(以下、配合物1と呼ばれる)は、ロフルミラストをリン酸エステル界面活性剤および水と組み合わせることによって作製された。配合物は、NaOHで緩衝されて6.5のpHを得た。
本発明の第2配合物(以下、配合物2と呼ばれる)は、上記の構成要素を組み合わせ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを添加することによって作製された。この配合物は、6.5のpHを得るようにNaOHで緩衝された。
本発明の配合物ではない配合物(以下、比較配合物3と呼ばれる)が、ロフルミラストをジエチレングリコールモノエチルエーテルと組み合わせることによって作製された。この配合物は、それが類似の粘度を有するであろうようにヒドロキシルプロピルセルロースでゲル化され、2種類のリン酸エステル界面活性剤エマルジョン配合物1および2のように皮膚上で広げられた。この半固体配合物は、同様に6.5のpHを得るようにNaOHで緩衝された。
これらの配合物の組成が、下記で表1に示されている。
Figure 2022547121000003
実施例2-実施例1の配合物の単一用量試験
オスおよびメスのブタ(Gottingen Minipig(登録商標)品種)(Marshall BioResources、ニューヨーク州ノースローズ)を、到着時に8~12kgの体重になるように注文した。0.15%のロフルミラストを含有する実施例1の局所用クリーム半固体配合物の1つの投与の前日に、毛髪を各動物の背中から刈り取った。剃毛手順のためにブタを鎮静した。皮膚を擦り剥かないように注意を払った。
ブタの体重1kgに対して2(2)グラムの実施例1のクリーム配合物の1つを、ガラスの撹拌棒またはステンレス鋼のスパーテルを用いた優しい塗擦によりクリップした皮膚領域上に分布させた。クリーム配合物を、肩甲骨領域で始まり試験部位の上を覆って尾側に移動する薄い均一なフィルムで均等に適用した。試験部位領域の幅は、脊椎により両側に分割された。6頭のブタ(オス3頭、メス3頭)に、配合物2の単一用量を投与した。投与前(時間=0)ならびに用量の投与後1、2、4、8および24時間の時点で、胸郭入口を通して前大静脈から、または他の適当な静脈から血液を採取した。1週間のウォッシュアウト(製品を投与しなかった)は、、ロフルミラストの血漿レベルを、投与前(時間=0)試料によって確認された、ゼロまで低減するのに十分であった。ウォッシュアウト期間の後、配合物1の単一用量を適用した。第2の1週間のウォッシュアウト期間の後、配合物3の単一用量を適用した。採血は、3つの群全てに関して同じであった。結果を図1に図表で示す。
図1に示されているように、先行技術の比較配合物3を投与されたブタは、投与の3時間以内にCmaxへの急速なスパイクを示した。対照的に、リン酸エステル界面活性剤Crodafos CESを含有する本発明の配合物1を投与されたブタは、Cmaxへのスパイクをほとんどまたは全く示さなかった。リン酸エステル界面活性剤およびジエチレングリコールモノエチルエーテルの両方を含有する本発明の配合物2を投与されたブタは、配合物1を投与されたブタと同様に、配合物3と比較してCmaxに対するスパイクの低減を示した。しかし、配合物2で得られたより高いCmaxは、配合物1に関するそれよりも高かった。
図1のグラフにおけるPKデータの結果は、リン酸エステル界面活性剤を含有する配合物に関する単一用量PKプロファイルデータがCmaxへの著しいスパイクを欠いており、0.36ng/mLの低いCmaxを有する一方で、4時間のサンプル点(sample point)を通して0.34ng/mLの平均血漿濃度を維持していることを示している。これは、2時間の時点で0.85ng/mlのCmaxへと急速に上昇し、次いで4時間の時点で0.57ng/mLへと速く低下するDEGEE配合物に関するPKデータとは対照的である。リン酸エステル界面活性剤をDEGEEに添加する場合、本発明の配合物は、リン酸エステル界面活性剤を含有しないDEGEE配合物に関するPKデータとは対照的に、Cmaxへの著しいスパイクを欠き、低いCmaxを有し、一方でAUCを維持している。このPKデータは、先行技術(Bolle)がCmaxおよびAUCは局所用配合物の組成にかかわらずロフルミラストを含有する局所用製剤に関して類似していることを教示しているという事実を考慮すると、特に驚くべきことである。先行技術の教示に基づいて予想するであろうものとは対照的に、リン酸エステル界面活性剤を含有する配合物1は、Cmaxへの著しいスパイクを欠いている。さらに、0.34ng/mlの平均血漿濃度は、4時間のサンプル点全体を通して維持された。対照的に、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有するがリン酸エステル界面活性剤を欠く配合物3は、2時間の時点で0.85ng/mlのCmaxへの急速なスパイク上昇を示した。リン酸エステル界面活性剤をジエチレングリコールモノエチルエーテルと組み合わせて利用した場合、配合物2の投与は、Cmaxへの著しいスパイクを生じず、配合物1および3で得られたCmaxの間のCmaxを有する一方でAUCを維持していた。
実施例3-本発明の配合物および最近の先行技術の配合物
本発明の第3態様(以下、配合物4と呼ぶ)は、0.3重量%の濃度のロフルミラストをリン酸エステル界面活性剤および水と組み合わせることによって作製された。配合物をNaOHで緩衝して5.5のpHを得た。この配合物は、ロフルミラストの濃度が0.15%ではなく0.3%であり、エマルジョンが6.5のpH値ではなく5.5のpH値に緩衝されていることを除いて、配合物1に類似している。
本発明の配合物ではない配合物(以下、比較配合物5と呼ぶ)を、リン酸エステル界面活性剤を含有する0.3%の濃度のロフルミラスト、ポリオキシルステアリルエーテル界面活性剤およびジエチレングリコールモノエチルエーテルならびに他の賦形剤を組み合わせることによって作製した。この配合物は、Crodafos CESではない頻繁に使用されるリン酸エステル界面活性剤を含有するクリーム配合物である。
本発明の配合物ではない配合物(以下、比較配合物6と呼ぶ)を、0.2%の濃度でロフルミラストを組み合わせることによって作製した。この配合物は、本発明者らに知られている最も近い先行技術のものであり、Bolleらの米国特許出願公開第2006/0084684号の実施例3に開示されている。
これらの配合物の組成が、下記で表2に示されている。
Figure 2022547121000004
Crodafos CES中のセトステアリルアルコール対リン酸ジセチル対セテス-10ホスフェートの正確な比率は、製品のバッチ間で一致するが、製造業者(Croda)によって公に開示されていない。Crodafos CESに関する安全性データシートは、この乳化剤が60~80%のセトステアリルアルコール、10~20%のリン酸ジセチルおよび10~20%のセテス-10ホスフェートで構成されていると述べている。配合物4(リン酸エステル界面活性剤ブレンド)および比較配合物5(リン酸エステルおよび非イオン界面活性剤ブレンド)および比較配合物6(非イオン界面活性剤ブレンド)の間の組成における類似性を強調するため、Crodafos CESのセトステアリルアルコール部分をCrodafos CESの界面活性剤部分とは別に表2に列挙する。
ステアリン酸グリセリル/PEG-100ステアレートは、商品名Arlacel(登録商標)165およびTego Care(登録商標)150を使用して販売されている非イオン性乳化剤ブレンドを記載するために米国食品医薬品局によって使用されている命名法である。
中鎖トリグリセリドは、Miglyol(登録商標)812およびCrodamol(登録商標)GTCCを含む商品名を使用して販売されている化粧用成分カプリル酸(Capryli)/カプリン酸トリセリドを記載するために米国食品医薬品局によって使用されている命名法である。
実施例4-実施例3の配合物の14日用量試験
オスおよびメスのブタ(Gottingen Minipig(登録商標)品種)を、到着時に8~12kgの体重になるように注文した。実施例3の局所用クリーム半固体配合物の1つの投与の前日に、毛髪を各動物の背中から刈り取った。剃毛手順のためにブタを鎮静した。皮膚を擦り剥かないように注意を払った。
ブタの体重1kgに対して2グラムの実施例3のクリーム配合物の1つを、ガラスの撹拌棒またはステンレス鋼のスパーテルを用いた優しい塗擦によりクリップした皮膚領域上に分布させた。クリーム配合物を、肩甲骨領域で始まり試験部位の上を覆って尾側に移動する薄い均一なフィルムで均等に適用した。試験部位領域の幅は、脊椎により両側に分割された。18頭のブタを6頭のブタ(オス3頭およびメス3頭)のグループ3つに分け、各グループのブタに配合物4、5または6の1つを投与した。投与前(時間=0)ならびに用量の投与後1、2、4、8および24時間の時点で、胸郭入口を通して前大静脈から、または他の適当な静脈から血液を採取した。結果を図2に図表で示す。
図2に示されているように、先行技術の配合物5を投与されたブタは、連続した1日量投与の14回目の1時間後に6.6ng/mLのCmax値への急速なスパイクを示す。対照的に、リン酸エステル界面活性剤Crodafos CESを含有する本発明の配合物4を投与されたブタは、Cmaxへのスパイクをほとんどまたは全く示さなかった。
結果は、図2のグラフにおいて、本発明の配合物に関する14日間の1日1回の投与後の定常状態PKプロファイルデータは、先行技術の配合物またはCrodafos CESではなかったリン酸エステル界面活性剤を使用する配合物に関するPKデータとは対照的に、Cmaxへの著しいスパイクを欠き低いCmaxを有する一方でAUCを維持していることを示している。これらの結果は、先行技術(Bolle)がCmaxおよびAUCは局所用配合物の組成にかかわらずロフルミラストを含有する局所用製剤に関して類似していることを教示しているという事実を考慮すると、特に驚くべきことである。
実施例5-先行技術と比較した複数回用量薬物動態に関する試験
本発明の第4の配合物は、表3に示されており、以下で配合物7と呼ばれ、上記の構成要素を組み合わせてジエチレングリコールモノエチルエーテルならびに他の成分を添加して完全な配合物を作ることにより作製された。この配合物をNaOHで緩衝して5.5のpHを得た。配合物7の定性的および定量的組成は、クリームに添加されるロフルミラストの量においてのみ異なる。1%の割合のロフルミラストが添加されると、1%の割合の水がクリームから除かれる。
Figure 2022547121000005
オスおよびメスのブタ(Gottingen Minipig(登録商標)品種)を、到着時に8~12kgの体重になるように注文した。ロフルミラストを含有する局所用クリームの投与の前日に、毛髪を各動物の背中から刈り取った。剃毛手順のためにブタを鎮静した。皮膚を擦り剥かないように注意を払った。
ブタの体重1kgに対して2グラムの異なる濃度のロフルミラストを有するクリーム配合物7を、ガラスの撹拌棒またはステンレス鋼のスパーテルを用いた優しい塗擦によりクリップした皮膚領域上に分布させた。クリームを、肩甲骨領域で始まり試験部位の上を覆って尾側に移動する薄い均一なフィルムで均等に適用した。試験部位領域の幅は、脊椎により両側に分割された。20頭のブタ(オス10頭およびメス10頭)に1%ロフルミラストクリームを投与し、12頭のブタ(オス6頭およびメス6頭)に0.5%ロフルミラストクリームを投与し、12頭のブタ(オス6頭およびメス6頭)に0.15%ロフルミラストクリームを投与し、それぞれ28日間毎日投与した。6頭のブタ(オス3頭およびメス3頭)に0.3%ロフルミラストクリーム(配合物7)を14日間それぞれ毎日投与した。投与前(時間=0)ならびに1日目の用量の投与後1、2、4、8および24時間の時点ならびに投与の28日目(または0.3%ロフルミラストに関して14日目)に、適切な静脈から血液を採取した。結果を図3(0.15%ロフルミラストクリーム)において、図4(0.3%ロフルミラスト)において、図5(0.5%ロフルミラストクリーム)においておよび図6(1.0%ロフルミラストクリーム)において図表で、ならびに表4において表の形態で示す。
図3~6の各々に示されるように、Cmaxへの漸増は、1日目の薬物動態プロファイルから明らかである。図3~6に示したデータに関して最も印象的であり驚くべきことは、定常状態の薬物送達に到達した後の28日目または14日目(0.3%ロフルミラストクリーム)の薬物動態プロファイルにおけるCmax後の薬物の血中レベルにおける非常に平坦で長引くプラトーである。
Figure 2022547121000006
同様に、表4のデータは、本発明の配合物が局所適用される場合のロフルミラストの4つの濃度の各々に関する定常状態に達した後のトラフおよびピーク(Cmax)の間の血中濃度における極めて小さい変動を示している。
実施例6-尋常性乾癬を有する対象における臨床試験
試験設計
ARQ-151は、ロフルミラストを含有する局所用クリームである。この第1/2a相臨床試験は、2つのコホートを登録した:コホート1は、ARQ-151クリーム0.5%の単回投与を評価し、コホート2は、28日間1日1回適用されるARQ-151クリーム0.5%または0.15%を評価した。コホート1において、対象は、ARQ-151クリーム0.5%を25cmの乾癬プラーク(単数または複数)に適用した。対象は、スクリーニングされ(第1回来院)、処置およびPK採血のために診療所に戻り(第2回来院)、PK採血のためにベースライン来院の24時間後に追跡調査来院し(第3回来院)、第3回来院の7日後に安全性評価のための追跡調査の電話連絡を受けた。コホート1に登録された対象は、彼らが適格基準を満たした場合、コホート2に登録されることができ;コホート2に登録されたコホート1からの対象は、彼らのプラーク(単数または複数)の全てを5%体表面積(BSA)に至るまでコホート2で処置された。
コホート2は、平行群、二重盲検、ビヒクル対照試験設計を使用した。対象をARQ-151クリーム0.5%、ARQ-151クリーム0.15%または合わせたビヒクルに1:1:1の比率で無作為に割り当て、それを全ての乾癬プラーク(顔、間擦領域、頭皮、手のひらおよび足裏上のものを除く)に5% BSAの適用面積まで適用した。コホート2中の対象には、スクリーニングおよびベースラインの来院、1、2、3および4週目の追跡調査の来院、29日目の最終薬物動態試料採取のための追加の来院ならびに5週目の安全性評価のための追跡調査の電話があった。
コホート1は、割り当ても盲検化もしないオープンラベル処置を受けた。コホート2における処置アームへの割り当ては、コンピューターで生成された無作為化リストを用いて実施された。無作為化は、他の点では試験の実施に関与しない非盲検のPremier Researchの統計専門家によりSASを用いて生成された。ブロックサイズは、3であり;合計72のブロックが使用された。全員が、処置に対して盲検化された。
この試験は、ヘルシンキ宣言および良き臨床上の基準の原則に従って実施された。プロトコルは、全ての施設に関して研究審査委員会(リッチモンドヒル、オンタリオ州、カナダ)により承認された。全ての対象は、いずれかの試験に特有の手順の開始前に書面でのインフォームドコンセントを提供した。この試験は、ClinicalTrials.gov #NCT03392168の下で登録された。
ARQ-151クリームの製造(配合物7)
目標重量480グラムの潅注用滅菌水-USPを1000mlのガラスビーカー中に正確に秤量し、20グラムの水酸化ナトリウムペレット-NFを添加し、完全に溶解するまで撹拌棒を用いて混合した。この溶液を取っておき、1N水酸化ナトリウムと標識した。
目標重量1,000グラムの白色ワセリン-USP、500グラムのパルミチン酸イソプロピル-NFおよび1,000グラムのリン酸エステル自己乳化ワックス(CRODAFOS(商標)CES)を4Lのガラスビーカー中に秤量し、プロペラミキサーで混合しながらホットプレート上で75~80℃に加熱した。混合物を油相と標識し、75~80℃で維持した。
主製造容器(20Lステンレス鋼容器)に、目標重量4,225グラムの潅漑用滅菌水-USPおよび目標重量300グラムの1N水酸化ナトリウムを添加し、ホットプレート上で75℃~80℃に加熱した。これを水相として記録し、75~80℃で維持した。
目標重量2,400グラムのTranscutol P-NF、200グラムのヘキシレングリコール-NF、20.0グラムのメチルパラベン-NFおよび5.0グラムのプロピルパラベンNFを、7Lステンレス鋼ビーカー中に正確に秤量し、透明な均一な溶液が得られるまでプロペラ混合した。0.15%のロフルミラストクリームまたは0.5%のロフルミラストクリームのどちらかを得るために、十分な効力補正されたロフルミラストをこの溶液に添加し、これをAPI相と標識した。
75~80℃で維持された油相を、75~80℃で維持された水相に、主製造容器中でホモジナイザー混合しながら滑らかで均質なクリームが得られるまでゆっくりと添加した。プロペラ混合を用いて、クリームを45℃~50℃に冷却した。API相を主製造容器中のクリームにゆっくりと添加し、ホモジナイザーで混合した。完成したクリームのpHを測定し、1N水酸化ナトリウムまたは希塩酸、10%(w/v)-NFを用いて5.1~5.9のpH範囲内に調整した。バルク生成物の放出後、クリームをアルミニウム3/4”×3 3/4”#16密封白色チューブ中に充填し、チューブを圧着して一次容器閉鎖系を提供した。
患者
コホート1への登録に適格であるためには、対象は、18歳以上で25cm以上の慢性尋常性乾癬を有していなければならなかった。コホート2における登録に適格であるためには、顔、頭皮、間擦領域、手のひらおよび足裏を除く総BSAの0.5%~5.0%をカバーする6ヵ月以上の持続期間の慢性尋常性乾癬も有していなければならなかった。対象は、大きさが9cm以上であり標的プラーク重症度スコア(TPSS)≧4の少なくとも1個(3個まで)の標的プラーク(単数または複数)を有する必要があった。標的プラークは、膝および肘を含む身体上のあらゆる場所(顔、頭皮、間擦領域、手のひらおよび足裏のものを除く)に位置していることができた。重要な除外基準は、以下の基準を含んでいた:非プラーク形態の乾癬、薬物に誘発された乾癬、試験評価に干渉するであろう皮膚の病気、ARQ-151クリーム中の賦形剤に対する既知のアレルギー、PDE-4阻害剤に対する過敏、強いP-450シトクロム誘導剤もしくはP-450シトクロム阻害剤の使用を中止できないこと、日焼けベッドの使用を控えることができないこと、乾癬の処置のための全身もしくは局所療法を中止できないこと、ベースラインの7日以内の経口もしくは静脈内抗生物質、抗真菌剤もしくは抗ウイルス剤を必要とする活動性感染、または完全に切除された皮膚基底細胞癌、皮膚扁平上皮癌もしくは子宮頸癌を除く現在の癌もしくは5年以内の癌の病歴。
処置および適用
ARQ-151クリームとしても知られる配合物7は、0.5%または0.15%のロフルミラストを含有していた。ビヒクルは、ロフルミラストを除くARQ-151クリーム中の全ての成分を含有していた。コホート1では、ARQ-151クリーム0.5%を診療所において25cmの乾癬プラークに適用した。コホート2では、5%BSAまでの全ての乾癬病変(顔、頭皮、間擦領域、手のひらおよび足裏を除く)を対象が自宅で処置した。対象は、ARQ-151クリームおよびビヒクルの適正な用量(dosing)および投与(administration)に関して試験スタッフにより指示された。
試験評価
有効性(コホート2のみ)、薬物動態(両方のコホート)および安全性(両方のコホート)の評価を実施した。主要および副次的有効性エンドポイントは、標的プラーク重症度スコア(TPSS)および標的プラーク面積(TPA)の積に基づいて計算された。TPSSは、各対象上の各標的プラークに関して紅斑、厚さおよび鱗屑のスコアの合計として決定され、それぞれ0(なし)~4(非常に重症)の尺度で等級付けされ、PASIで用いられた重症度採点と同一であった。標的プラークの最長直径(cm)に最も広い直交する直径(cm)を掛けることにより、TPA(cm)を決定した。従って、TPSS×TPAの積は、処置されたプラークに関するPASIにおおよそ類似していた。TPSSおよびTPAの評価は、スクリーニング時、ベースライン時ならびに1、2、3および4週目に実施された。任意の写真撮影が、ベースライン時ならびに2、3、4および6回目の来院時に4つのセンターで実施された。
ロフルミラストおよびその活性代謝産物ロフルミラストN-オキシド12に関する薬物動態学プロファイルを、血漿から決定した。薬物動態分析のための血液試料を、1日目にARQ-151適用の1、2、4および6時間後に採取した。28日目に、試料を投与前(トラフレベル)ならびに適用後1、2、4、6および24時間の時点で採取した。
安全性エンドポイントは、処置下で発現した有害事象(TEAE)および重篤な有害事象(SAE)のタイプおよび発生率;適用部位反応;ならびに身体検査、生命徴候、心電図および臨床検査パラメーターにおける変化を含んでいた。安全性は、全試験来院時および電話での追跡調査時に評価された。皮膚刺激は、コホート1に関して1日目および2日目に、コホート2に関してベースライン時ならびに3、4、5および6回目の来院時に評価された。皮膚刺激は、0(刺激の証拠なし)~7(適用部位を越えて広がる強い反応)の範囲のBergerおよびBowman13によって開発された尺度を用いて評価された。加えて、他の刺激の臨床徴候が、‘A’(わずかに光沢のある外観)~‘F’(小さな点状出血性びらんおよび/または痂皮)の尺度で点数化された。追加の安全性エンドポイントは、スクリーニング時、2週目および4週目に行われた抑鬱総体症状質問票14からの結果であった。質問票は、抑鬱症状の16項目目録であり、各項目は、0~3の範囲で点数化されている。鬱病の重症度は、スコアカテゴリーに基づいており、合計スコア≦5は、鬱病なしを表わし;6~10は、軽度の鬱病を表わし;11~15は、中等度の鬱病を表わし;16~20は、重症の鬱病を表わし;そして≧21は、非常に重症の鬱病を表わす。
統計的考察
コホート2に関して、アームあたり24人の対象(合計72人の対象)のサンプルサイズが、ARQ-151クリームおよび釣り合うビヒクルアームの間の主要エンドポイントにおけるベースラインからの平均百分率変化における23%の差を検出するための80%の検出力を提供すると推定された。この推定は、α=0.025の有意水準での一元配置分散分析に基づいていた。16%の脱落率に適応させるために、総標本サイズを84人の対象まで増大させた。
TEAEは、医薬規制用語集(MedDRA)第20.1版を用いてコード化され、重症度は、グレード1(軽度)、グレード2(中等度)、グレード3(重度)、グレード4(生命を脅かす結果)またはグレード5(AEに関連する死亡)の5点尺度で等級付けされた。
Phoenix WinNonlin(v8.0)で標準的なノンコンパートメント解析を用いて各名目時点におけるロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシドの血漿中濃度値(ng/mL)を用いて薬物動態パラメーターを算出した。濃度時間曲線下面積(AUC)を、線形台形線形補間法を用いて推定した。最大血漿濃度(Cmax)および最大濃度に達するまでの時間(Tmax)は、直接評価に基づいた。定量限界未満であると報告された試料濃度値(BLQ;<0.100ng/mL)は、無視された。
主要有効性エンドポイントは、ARQ-151クリームの各用量およびビヒクル対照の間のTPSS×TPAの積におけるベースラインから4週目までの平均百分率変化における差であった。主要有効性エンドポイントを、国内の施設、処置、試験来院および試験来院による処置の相互作用を固定効果として、ベースラインのTPSS×TPAスコアを共変量として、反復される測定に関する混合モデルを用いて分析した。各処置に関して、来院時の値およびベースラインの間の平均差を算出した。各ARQ-151用量および対応するビヒクルに関するベースラインからの平均百分率変化を、モデルが収束しない限り、非構造化共分散構造を使用して比較し;その場合、適切な共分散構造を調べた。多重性に関して調整するためにBonferroni法を使用し、ここで、有効物質対プラセボの対比較の各々に関する有意水準は、α=0.025においてであった。
副次的有効性エンドポイントは、ARQ-151クリームの各用量およびビヒクル対照の間の複合TPSS×TPAスコア、TPSSおよびTPAにおける1、2および3週目のベースラインからの平均百分率変化における差を含んでいた。副次的有効性エンドポイントの統計解析は、多重性に関する調整が使用されず、全ての解析がα=0.05レベルで実施されたこと以外は、主要エンドポイントに関して使用された解析と同じであった。
事後解析では、4週目までの各試験来院時のTPSS×TPAにおけるベースラインからの向上が75%および90%であった対象の百分率(75%奏効者および90%奏効者)も、評価された。
安全性解析は、少なくとも1用量の試験薬を与えられた全ての対象を含む安全性集団で実施され、それは、受けた処置に基づいていた。薬物動態解析は、薬物動態集団で実施され、それは、検体採取に同意し、プロファイルを定めるのに十分なロフルミラストの血漿中濃度で有効薬物を与えられた全ての対象を含んでいた。有効性分析は、修正された治療企図集団で実施され、それは、1用量以上の試験薬を与えられ1回以上のベースライン後の有効性評価を有する全てのコホート2の対象で構成されていた。
欠けているデータには補完は用いられなかった。データ処理、記述統計の集計、推測統計の計算およびグラフ表現(PKパラメーター推定を除く)は、主にSAS(リリース9.4)を用いて実施された。全てのPKパラメータの推定は、WinNonlin(登録商標)バージョン6.4以降を用いて実施された。
結果
患者
対象は、2017年12月5日(最初の患者が登録された)~2018年5月2日(最終追跡調査来院)にカナダの7つの試験施設および米国の1つの施設から募集された。8人の対象がコホート1に登録され、89人の対象がコホート2に登録され、それはARQ-151クリーム0.5%(N=30)、ARQ-151クリーム0.15%(N=28)およびビヒクル(N=31)にランダムに割り当てられた。コホート1中の全対象は、処置を受け、試験を完了し、6例は、コホート2にも参加した。コホート2中の4人の対象は、追跡不能(n=3)または他の理由(n=1)のため試験を早期に中止した。有害事象による中止はなかった。安全性集団は、コホート1中の8人の対象全ておよびコホート2中の89人の対象全てを含んでいた。PK集団は、配合物7(ARQ-151クリーム)0.5%を与えられた20人の対象および配合物7(ARQ-151クリーム)0.15%を与えられた22人の対象を含んでいた。有効性集団は、コホート2中の全対象を含んでいた。
コホート1に関して平均年齢(標準偏差[SD])は51.6(16.9)歳であり、コホート2の処置アームにわたって平均年齢は47.5~55.3歳の範囲であった(表5)。ほとんどの対象は、白人であった。病変の平均BSAは、全処置群において約2%であった。コホート2に登録された89人の対象の内で、35人(39.3%)が、膝、肘または両方に位置する標的プラークを有していた。
Figure 2022547121000007
有効性の結果
主要有効性エンドポイントは、満たされた:4週目のTPSS×TPAにおけるベースラインからの平均百分率変化は、ARQ-151クリーム0.5%(P=0.0007)およびARQ-151クリーム0.15%(P=0.0011)に関してビヒクルと有意に異なっていた(図7A)。ARQ-151クリームの両方の濃度に関して、ベースラインからの最小二乗(LS)平均百分率変化に基づいて、ビヒクルに関する38%に対してベースラインからの66%~67%の向上が、4週間の処置後に主要エンドポイントにおいて観察された。ビヒクルからの統計的分離は、両方の薬物製品濃度に関して処置の2週目に早くも達成され、薬物製品およびビヒクルの間の差は、4週目まで増大し続けた。両方の配合物7、ARQ-151クリーム0.5%および0.15%は、試験期間全体を通してこの主要エンドポイントにおいて類似の有効性を示した。
TPSSにおけるベースラインからの変化の副次的有効性エンドポイント(図7B)およびTPAにおけるベースラインからの変化(図7C)は、4週間の処置後に両方の有効物質濃度でのARQ-151およびビヒクルの間で統計的に有意に異なっていた。ビヒクルに対するARQ-151の両方の有効物質濃度に関して、TPSSにおけるベースラインからの変化は、2週間で早くも統計的有意に達したが、TPAでは達しなかった。
4週間の処置後に配合物7、ARQ-151クリーム0.5%および0.15%ならびにビヒクルを与えられた患者を、彼らのそれぞれのTPSS×TPAスコアと共にベースラインと比較した。注目すべきことに、ビヒクル処置された対象は、主に鱗屑の外観において向上を有するように見えた(皮膚軟化剤クリームに関して予想可能である)。ARQ-151クリーム0.5%および0.15%を与えられた対象は、両方とも肘または膝における実質的な向上の例を示し、それは、乾癬の処置抵抗性領域で有り得る。実際、対象の39.3%は、肘および/または膝に標的プラークを有していた。
事後解析では、4週目における75%奏効率(TPSS×TPAにおけるベースラインからの75%の向上)も、評価された。ARQ-151クリーム0.5%群では、10人の対象(35.7%)が、このレベルの改善を達成し(P=0.0090)、ARQ-151クリーム0.15%群では、7人の対象(25.9%)が、75%奏効者であった(P=0.0700)。ビヒクル群には、2人の75%奏効者が存在した。この同じ解析において、4週目における90%奏効率も、評価された。ARQ-151クリーム0.5%群では、4人の対象(14.3%)が、このレベルの改善を達成し、ARQ-151クリーム0.15%群では、3人の対象(11.1%)が、90%奏効者であった;しかし、90%奏効率のいずれも、統計学的に有意ではなかった。ビヒクル群には1人の90%奏効者が存在した。
薬物動態の結果
コホート1では、ARQ-151 0.5%の25cmの乾癬プラークへの単回局所投与後に、ロフルミラストまたはロフルミラストN-オキシドへの全身血漿曝露の限られた証拠が観察された(データは示されていない)。コホート2では、ロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシドへの全身血漿曝露が、0.5%~5% BSAをカバーする乾癬プラークへの配合物7(ARQ-151)の単回または複数回適用後に観察された(表8、0.5%配合物7、ARQ-151クリームに関して図8A、および0.15%配合物7、ARQ-151クリームに関して図8B)。1日目に、ロフルミラスト曝露は、用量依存的様式で増大するようであったが、ロフルミラストN-オキシド曝露は、そうではなかった。28日目には、血漿中濃度対時間プロファイルは、比較的平坦(非常に小さなピークからトラフまでの差)であり、これは、ロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシド曝露は定常状態を達成し、用量依存的様式で増大するようであることを示唆している。局所投与後のN-オキシド対ロフルミラストの比率は、ロフルミラストの経口投与後の12と比較して、4.7~5.9の範囲であり、後者は、初回通過代謝からの寄与の増大のため、より高かった。
図8Aおよび8Bに示されているように、ロフルミラストがリン酸エステル界面活性剤Crodafos CESを含有するクリーム中に配合される場合、Cmaxへの漸増は、単一用量および定常状態の薬物動態プロファイルにおいて明らかである。図8Aおよび8Bに示されているように、ヒト対象における0.15%または0.5%配合物7(ARQ-151クリーム)の初回適用後24時間のCmax後の薬物の血中レベルにおける非常に平坦かつ長引くプラトーが存在する。皮膚に配合物7を投与した後のロフルミラストの薬物動態プロファイルは、ヒトまたはブタに適用した場合、同じようにCmaxへの低い上昇の形状を有する。
Figure 2022547121000008
安全性の結果
コホート1において、1人の対象のみがTEAEを報告し、それは、処置とは無関係であると考えられた(表9)。コホート2において、0.15%群におけるTEAEのパーセントは、0.5%群またはビヒクル群におけるよりも低く(処置に関連するTEAEに関してそれぞれ7.1%対23.3%および25.8%;そして全てのTEAEに関してそれぞれ25%対40%および35.5%)(表9);全てが重症度において軽度または中等度であった。SAEはこの試験では報告されず、TEAEのために試験を中止した対象もいなかった。全ての処置に関連するTEAEは、適用部位と関係しており、17件の事象を占めていた。適用部位のTEAEは、一般に重症度および数において軽度であり(16件の事象は軽度であり、1件の事象は中等度であった)、薬物製品およびビヒクルの間で一貫した差を示さなかった。身体検査、生命徴候、心電図または臨床検査室パラメーターにおける変化で臨床的に意味があると考えられたものはなかった。処置群の間で体重変化における臨床的に有意な差はなかった。0.5%処置群における1人の対象は、中等度の重症度の悪心の1回のエピソードを報告したが、試験の残りの3週間においてそれ以上のエピソードを報告しなかった。嘔吐または下痢を報告した対象はいなかった。皮膚刺激(皮膚反応)の徴候は、コホート1では認められなかった。コホート2に関して、ARQ-151クリーム0.5%、0.15%およびビヒクルに関するベースラインにおける平均(SD)皮膚反応スコアは、それぞれ0.2(0.5)、0.0(0.2)および0.2(0.4)であり、4週目における平均(SD)皮膚反応スコアは、0.1(0.5)、0.0(0.0)および0.1(0.4)であった。
Figure 2022547121000009
考察
この第1/2a相臨床試験では、配合物7(ARQ-151クリーム)0.5%および0.15%は、十分に耐容され、安全であり、かつ慢性尋常性乾癬の処置に有効であった。試験された両方の用量の配合物7(ARQ-151クリーム)は、プラークの重症度およびサイズにおけるビヒクルと比較して統計学的に有意な低減により示されるような強い有効性を実証した。
ARQ-151(0.15%または0.5%ロフルミラストを含有する配合物7)の主要試験エンドポイントにおけるビヒクルと比較した統計学的に有意な有効性は、処置開始2週間後という早い時点で両方の有効物質用量で観察され、ARQ-151およびビヒクルの間の差は、4週目の最終来院時まで増加し続けた。LS平均TPSS×TPA値は、試験の過程にわたってビヒクルで38%減少し;この作用の優勢は、処置の1週目の間に生じ、それにはおそらく皮膚軟化剤クリームによって引き起こされる観察者の眼への鱗屑の明らかな減少が寄与していた。4週目において、主要エンドポイント(TPSS×TPAにおけるベースラインからの百分率変化)においてARQ-151クリーム0.5%および0.15%の間で有効性に差はなかった。しかし、4週目の75%奏効率は、0.5%クリーム(35.7%;ビヒクルに対してP=0.0090)が0.15%濃度(25.9%;P=0.0700)よりもいくらか有効であることを示唆した。両方の有効薬物濃度で、4週間の投薬後に、TPSS×TPA値は、LS平均に基づいてベースラインから66%~67%既に減少していた。しかし、TPSS×TPAは、ARQ-151で処置された対象においてプラトーに達することがなく、これは、より長い処置期間がさらに大きな有効性を提供し得ることを示唆していた。
TPSS×TPAエンドポイントは、全身乾癬面積および重症度指数(PASI)測定に類似するように選択された。両方とも同じプラーク重症度尺度を用いており、それは、本試験では1~3個の標的病変に適用されたのに対し、PASIでは全身に適用された。TPAの‘面積’関数は、PASIにおけるプラーク関与評価の面積とは異なるが、我々は、TPSS×TPAの積が全身に関するPASIに対する‘標的プラーク(単数または複数)’の類似の評価を提供することを提案するであろう。この仮定に基づき、4週間の投与後の局所ARQ-151の有効性(0.5%クリームに関して対象の35.7%が75%の向上に達した)は、Taclonex(登録商標)の第3相試験におけるクラス1ステロイドであるベタメタゾンジプロピオネート0.064%の有効性(4週間の投与後のPASI75奏効率32.7%)に匹敵する可能性がある。
0.5%および0.15%の両方における配合物7(ARQ-151クリーム)の安全性プロファイルは、ビヒクルに類似しており、それは、少なくとも部分的に薬物動態学的知見によって説明される。COPDに経口投与された場合、ロフルミラストは、少数の患者において胃腸系副作用(下痢、悪心)、頭痛および体重減少と関係している可能性がある。典型的には、経口使用のためのPDE-4阻害剤の臨床開発は、胃腸作用、例えば吐き気および嘔吐により制限されてきた。実際、悪心、嘔吐および体重減少は、脳のレベルで媒介されると信じられている。経口投与とは対照的に、我々の研究におけるロフルミラストの局所投与は、複数の日にわたる最高血漿中濃度への遅い上昇ならびに投与期間全体を通したロフルミラストおよびその活性代謝産物であるロフルミラストN-オキシドへの平坦な曝露(すなわち投与期間にわたるCmax ~ Cmin)と関係していた。本試験で見られた悪心および嘔吐の欠如は、おそらく‘ピークからトラフへの’Cmax変動の欠如;経口投与後に観察されたよりも低いCmax値;または局所投与による胃腸管の迂回に起因し得る。
PDE-4阻害は、口腔乾癬療法に関しては検証された作用機序であるが、局所乾癬療法に関しては新たな作用機序である。軽症~中等症の疾患を有する患者は、乾癬集団の大部分に相当する。この患者集団は、より重度の疾患を有する患者において使用される最近の生物学的療法の導入から利益を得ていなかった。しかし、PDE-4阻害が乾癬の処置に関する有効なモダリティ(modality)であることは、驚くにあたらない。アプレミラストは、2014年に乾癬の経口処置に関して承認された。クリサボロールは、現在アトピー性皮膚炎の処置に関して2%の濃度で承認されている。ロフルミラストは、非常に強力なPDE-4阻害剤であり、異なるPDE-4イソ型および亜型に関してロフルミラストおよびロフルミラストN-オキシドの両方の半最大阻害濃度(IC50)値をnM以下の効力で示す。ロルミラストは、異なるPDE-4イソ型および亜型に対してアプレミラストまたはクリサボロールのどちらよりも50~300倍効力が高い。わずか0.5mg/日であるロフルミラストの経口用量は、この極めて高い効力を反映している。
実施例7-クリサボロールの単一および複数回用量のヒト薬物動態
Eucrisa(登録商標)の添付文書(Pfizer Labs,ニューヨーク州ニューヨーク)に記載されているように、PDE4阻害剤である2%クリサボロールは、白色ワセリン、プロピレングリコール、モノおよびジグリセリド、パラフィン、ブチル化ヒドロキシトルエンならびにエデト酸カルシウム二ナトリウムからなる局所用軟膏として配合される。この配合物は、リン酸エステル界面活性剤を含有しない。
疾患状態の皮膚の体表面積が25%以上であるアトピー性皮膚炎患者が、Eucrisa(登録商標)軟膏を1日1回適用した。Eucrisa(登録商標)において有効なPDE4阻害剤であるクリサボロールに関する単一用量(1日目)の薬物動態は、承認審査概要(SBOA)の非機密部分において公開されており、図9において再現されている。同じ患者に関して、クリサボロールに関する定常状態の薬物動態データが、Eucrisa(登録商標)による1日1回の処置後8日目に得られた。この定常薬物動態データは、Eucrisa(登録商標)SBOAから得られ、図9において再現されている。見て分かるように、PDE4阻害剤クリサボロールは、商業化された局所用軟膏から投与された場合、4時間の時点のCmaxスパイクへと急速に上昇し、次いで1日1回投与の24時間以内に投与前のレベル付近まで低下する。このPDE4阻害剤の高いCmaxスパイクは、単回局所適用後および1日1回の軟膏適用の定常状態投与後に生じる。
実施例8-Crodafos CESクリームから送達されたクリサボロールの単一用量薬物動態の同じクリームからのロフルミラストの送達との比較
Crodafos CES(セトステアリルアルコール、リン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートの商業的ブレンド)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルならびに他の成分を組み合わせることによりクリサボロール(0.3重量%)をクリーム配合物8として配合し、完全な市販可能な配合物を作製した。配合物8は、本発明の配合物7と同じ賦形剤を同じ比率で有する。2つの配合物の唯一の違いは、配合物8が0.3%クリサボロールをPDE-4阻害薬の有効物質として含有し、配合物7が0.3%ロフルミラストをPDE-4阻害薬の有効物質として含有することである。両方の配合物は、NaOHで緩衝されてpH5.5を得た。
Figure 2022547121000010
オスおよびメスのブタ(Gottingen Minipig(登録商標)品種)を、到着時に8~12kgの体重になるように注文した。ロフルミラストを含有する局所用クリームの投与の前日に、毛髪を各動物の背中から刈り取った。剃毛手順のためにブタを鎮静した。皮膚を擦り剥かないように注意を払った。
ブタの体重1kgに対して2グラムのクリーム配合物8(0.3%クリサボロールを含有する)を、ガラスの撹拌棒またはステンレス鋼のスパーテルを用いた優しい塗擦により刈り取りされた皮膚領域上に分布させた。クリームを肩甲骨領域で始まり試験部位の上を覆って尾側に移動する薄い均一なフィルムで均等に適用した。試験部位領域の幅は、脊椎により両側に分割された。12頭のブタ(オス6頭およびメス6頭)に、0.3%クリサボロールクリーム(配合物8)を1回投与した。6頭のブタ(オス3頭およびメス3頭)に0.3%ロフルミラスト(配合物7)を1回投与した。血液を適切な静脈から投与前(時間=0)ならびに用量の投与後1、2、4、8および24時間の時点で試料採取した。これらの2種類のPDE-4阻害剤に関する単一用量の結果を図10に図表で示す
図10に示されるように、PDE-4阻害剤がリン酸エステル界面活性剤Crodafos CESを含有するクリーム中に配合される場合、Cmaxへの漸増は、単一用量の薬物動態プロファイルにおいて明らかである。図10に示されているデータに関して最も印象的で驚くべきことは、ブタにおける0.3%クリサボロールクリームの初回適用後24時間における、Cmax後の薬物の血中レベルにおける非常に平坦かつ長引くプラトーである。PDE4阻害薬ロフルミラストおよびクリサボロールの薬物動態プロファイルは、同じCrodafos CESクリーム配合物から送達された場合、同じCmaxへの低い上昇の形状を有する。このCmaxへの低い上昇のPKプロファイルは、Crodafos CESを含有しない配合物において局所適用される場合、ロフルミラストまたはクリサボロールの局所用配合物では見られない。
本明細書で記載された本発明のさらなる改変、使用および適用は、当業者には明らかであろう。そのような改変は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (23)

  1. PDE-4阻害薬の投与による胃腸副作用に苦しんでいる、または胃腸副作用に苦しむ可能性がある患者において胃腸副作用を低減するための方法であって、前記の患者に該薬物の全身作用を提供するのに十分な濃度のPDE-4阻害薬をセトステアリルアルコール、リン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートを含むリン酸エステル界面活性剤との組み合わせで含む組成物を投与することを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、該組成物が、局所投与される方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、該PDE-4阻害薬が、アプレミラスト、シロミラスト、クリサボロール、イブジラスト、ピクラミラスト、ロフルミラストおよびロリプラムからなる群から選択される方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、該PDE-4阻害薬が、ロフルミラストである方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、該組成物が、半固体の形態である方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、該組成物が、さらにジエチレングリコールモノエチルエーテルを含む方法。
  7. 請求項4に記載の方法であって、前記のロフルミラストが、0.005~2重量%の量である方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記のロフルミラストが、0.05~1重量%の量である方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記のロフルミラストが、0.1~0.5重量%の量である方法。
  10. 請求項3に記載の方法であって、前記のロフルミラストが、0.3重量%の量である方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記の組成物が、水中油型エマルジョン、増粘水性ゲル、増粘ハイドロアルコール性ゲル、親水性ゲルおよび親水性または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記のロフルミラスト組成物が、さらに溶媒、保湿剤、界面活性剤または乳化剤、ポリマーまたは増粘剤、消泡剤、保存剤、抗酸化剤、封鎖剤、安定剤、緩衝剤、pH調整溶液、皮膚浸透増強剤、フィルム形成剤、色素、顔料および芳香剤からなる群から選択される少なくとも1種類の追加の構成要素を含む方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、前記のロフルミラスト組成物が、さらに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、アプレミラスト、JAK阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、肥満細胞安定剤、アントラリン、アザチオプリン、タクロリムス、コールタール、メトトレキサート、メトキサレン、サリチル酸、乳酸アンモニウム、尿素、ヒドロキシ尿素、5-フルオロウラシル、プロピルチオウラシル、6-チオグアニン、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、フマル酸エステル、コルチコステロイド類、コルチコトロピン、ビタミンD類似体、アシトレチン、タザロテン、シクロスポリン、レゾルシノール、コルヒチン、気管支拡張薬および抗生物質からなる群から選択される追加の有効薬剤を含む方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、前記の患者が、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患っている方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、前記の患者が、炎症性の病気を患っている方法。
  16. 請求項13に記載の方法であって、前記の患者が、アトピー性皮膚炎を患っている方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、該組成物が、半固体または液体形態で投与される方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、該組成物が、エマルジョン、懸濁液、軟膏、油、クリーム、ゲル、ペースト、経皮パッチ、スプレーおよび泡状物質からなる群から選択される形態で投与される方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、該組成物が、泡状物質の形態で投与される方法。
  20. PDE-4阻害薬の投与の結果もたらされるCmaxにおけるスパイクを低減するための方法であって、前記の患者に該薬物の全身作用を提供するのに十分な濃度のPDE-4阻害薬をリン酸エステル界面活性剤との組み合わせで含む組成物を投与することを含み、前記のリン酸エステル界面活性剤が、セトステアリルアルコール、リン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートを含む方法。
  21. PDE-4阻害薬をセトステアリルアルコール、リン酸ジセチルおよびセテス-10ホスフェートを含むリン酸エステル界面活性剤との組み合わせで含む組成物。
  22. 請求項21に記載の組成物であって、該組成物が、エマルジョン、懸濁液、軟膏、油、クリーム、ゲル、ペースト、経皮パッチ、スプレーおよび泡状物質からなる群から選択される形態である組成物。
  23. 請求項22に記載の方法であって、該組成物が、クリームまたは泡状物質の形態である方法。
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