JP2022546501A - 汎用地上低減重力システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、宇宙に存在する条件のような現実に近い微小重力条件および他の低減重力条件で、生物学的および非生物学的な、生体および非生体のさまざまな材料系を評価、合成、適応、改変、処理および生産するための、地上の低減重力システムおよびその使用方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組込まれている2019年8月30日出願の米国仮特許出願第62/894,667号に対する優先権を主張するものである。
本発明は、重力による影響を受けるまたは重力に対する応答性を有する材料系を格納し非回転流体媒質と接触している仕切られた領域または容積の内部において周囲環境内で非ゼロの有限重力の存在下の可変的かつ低減重力条件を創出するかまたは他の形で誘発する方法および装置に関する。
低減重力条件(<1g)を創出することのできるシステム、詳細には地上システムを開発することに対する関心およびニーズが増々大きくなっている。このようなシステムの開発に対する関心は、なかでも、人類の宇宙開発の世界規模の追求、低減重力環境における非生物学的材料ならびに非生体および生体の生物学的材料および系ならびに非生物学的材料をより深く理解するための、専門化された研究開発用地上システムに対するニーズ、低減重力環境における地球ベースの利用分野および極限宇宙環境のための高性能材料、デバイスおよびシステムを生産する高度な製造システムに対するニーズ、そして低減重力環境内でのさまざまな材料系の評価、合成、処理または生産のために一般的に利用可能でありかつ拡張可能である比較的廉価でよりアクセス可能な実用的地上システムに対するニーズ、から生じたものである。
これまでのところ、重力場の影響下の環境にある間に、ポリマ、セラミクス、金属およびそれらの複合材料などの非生物学的材料系、ならびに非生体および生体の生物学的材料系、および非生物学的材料および生物学的材料の両方で構成されたハイブリッド材料系に対する重力の影響を削減することのできる条件を創出する能力を有する工学的な方法および装置は限られた数しか存在しない。これらには、地上の地球環境内で動作するために開発された方法および装置、そして単位重力(1-gまたは9.81m2/s)が存在する地面上すなわち惑星表面または地球の表面上で動作するために開発された方法および装置が含まれる。地上の低減重力システムの例としては、なかでも、落下塔および落下管、バルーン、放物線飛行パターンを行なう航空機、観測用ロケット、衛星および低軌道宇宙ステーション、例えば国際宇宙ステーション(ISS)が含まれる。地上低減重力システムの例としては、なかでも、浮上システム(音響、磁気、電磁、静電、落下管)、パルスEMAGシステム、組合せ型電磁(EMAG)/浮力システム、ランダム測位システム、遠心分離システム、懸吊システム(動物用)、ヘッドアップ/ティルトダウンシステム、水浸漬システムおよび流体回転システムが含まれる。
既存の低減重力システムには、なかでも、シミュレートされた無重力条件内で被試験物を試験するために重力環境内に被試験物を支持するケーブルシステム;微小重力内で人が操作する製造装置;乗客にG力または無重量の体験を提供する、加圧ガスによって旅客車両を発射する中空発射管を含む装置および方法;加熱され融解した物質を浮上させるべく磁場を生成し、その後冷却して材料形状をより精密に制御する装置および方法;エアロゾルおよび他の小さい液体/固体試料を浮上させ濃縮させるための低出力音響方法および装置;材料合成に影響を及ぼす目的で小さなコンテナなどの局所領域内で低重力または過剰重力環境をシミュレートすることのできる磁場を生成する装置および方法;低減重力環境をシミュレートする自己修正重心を有する放物線飛行経路を実行する航空機内に懸吊された試験チャンバ;訓練、教育、娯楽およびレジャーを目的として低減重力環境内での散歩を可能にする静的に平衡な、調整可能なばね装置を含む装置および方法;シミュレートされた低減重力環境の効果を経験する荷重に取付けられたケーブルを伴う水平方向に移動可能な台車を含む可変重力場シミュレータ装置および方法;自由落下式下降中の乗客制御用に構成された対話型タワートラックおよびライドヒヒクルを含む装置および方法、が含まれる。
材料の合成および処理に関しては、既存のシステムには、低減重力条件下での結晶の成長の動的制御を可能にする高い磁場によって誘発される反磁性条件を創出する装置および方法;細胞、粒子、タンパク質および溶質の分離および精製を改善するために自由電気泳動と多段抽出を組合わせる装置および方法;自由落下中の微粒子状の融解物の凝固を可能にする静電浮上炉内の落下管タイプの結晶体を生成するデバイスを含む装置および方法;無重量条件下での融解物の凝固を生成する静電浮上炉を含む装置および方法;宇宙で積層造形プロセスを利用して鋳造金属物体を創出するための装置および方法が含まれる。
細胞および組織の生物反応器に関しては、既存のシステムには、生きた細胞および組織を成長させるために回転壁容器生物反応器を利用することによってシミュレートした微小重力条件を誘発する装置および方法が含まれる。1879年にJulius Sachsによって最初に紹介された古典的クリノスタットとして公知の関連システムは、類似の回転システムを使用しているが、これらの関連システムは、重力屈性反応を査定するために種子および小型植物のために利用される。しかしながら、これらのシステムのいずれも、微小重力の極めて重要な特徴、すなわち被試験物の周りの液体および気体中での対流による混合の削除をシミュレートしていない。
したがって、長時間にわたり自由落下条件が維持されるように、非回転動的流体媒質中に浸漬されている、重力による影響を受ける材料系を格納する周囲重力場に付されたチャンバまたはコンテナなどの仕切られた領域または容積を含む汎用の地上低減重力技術プラットフォームに対するニーズが存在する。本発明は、このニーズを満たすものである。
一態様において、本発明は、入口および出口と連通状態にある少なくとも1つの管腔を有する少なくとも1つの導管であって、入口が出口の高さの下方の高さに位置付けされている、導管と;流体流動誘発装置によって少なくとも1つの導管を通して流動可能である流体媒質と;少なくとも1つの導管の少なくとも1つの管腔の内部を自由に移動するようにサイズ決定された仕切られたチャンバと;を含む、低減重力システムに関する。
一実施形態において、少なくとも1つの導管は、引力に対して垂直な平面との関係において一定の角度に整列されており、この角度は約1°~179°である。一実施形態において、少なくとも1つの導管は、入口と出口の間に仕切られたチャンバを収容するようにサイズ決定されている。一実施形態において、少なくとも1つの導管は、仕切られたチャンバの軸方向長さよりも大きい軸方向長さ規模を有する。一実施形態において、少なくとも1つの導管は約1cm~100mの長さを有する。一実施形態において、少なくとも1つの導管は、入口と出口の間に仕切られたチャンバを収容するようにサイズ決定された軸方向長さと幅または半径の間のアスペクト比を少なくとも1つの導管が含むことになるような幅または半径を有している。一実施形態において、少なくとも1つの導管は約1cm~10mの幅を有する。一実施形態において、アスペクト比は約1:1~100:1である。
一実施形態において、流体媒質は、水、油、ゲル、空気、窒素、不活性ガス、単相流体、多相流体およびそれらの組合せの中から選択される。一実施形態において、流体媒質は、粘度、密度、化学的特性(pHおよび極性)、および流動変形挙動(ニュートン挙動または非ニュートン挙動)に関して選択される。
一実施形態において、該システムは、1つ以上のエネルギ源、流体タンク、センサ、アクチュエータおよびコントローラをさらに含む。一実施形態において、1つ以上のセンサは、光学センサ、位置決めデバイス、加速度計、ジャイロスコープ、超音波センサおよび容量変位センサからなる群の中から選択される。一実施形態において、1つ以上のアクチュエータは、手動式、空気圧式、液圧式および電気式アクチュエータの中から選択される。一実施形態において、システムは、レーザ、高および低放射エネルギエミッタ、光エミッタ、赤外線エミッタ、紫外線エミッタ、超音波トランスジューサ、音波エミッタ、放射線エミッタ、磁場エミッタ、電波エミッタ、X線エミッタおよび電極からなる群の中から選択される1つ以上のエネルギエミッタをさらに含む。
一実施形態において、仕切られたチャンバは、中空内部を取り囲む外側エンクロージャを含んでいる。仕切られたチャンバは、球、円盤、円筒、立方体、円錐、直角プリズムおよび箱からなる群の中から選択される幾何形状を有する。一実施形態において、中空内部は、単一の内部を含むかまたは多区画内部へと区分化されている。一実施形態において、中空内部は、この中空内部内に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたリング、リングの中央孔の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定された中空コア、およびコアの空洞の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたプラグを含む障壁要素によって2つの区画に区分化されている。一実施形態において、プラグは、コアの空洞を遮断解除し2つの区画を流体連結するために開放可能であるゲートまたはバルブである。一実施形態において、プラグは、コアの空洞を遮断解除し2つの区画を流体連結するために経時的に融解または分裂する溶解可能または分解可能な材料を含んでいる。一実施形態において、仕切られたチャンバの外側エンクロージャの領域は半透膜を含む。一実施形態において、仕切られたチャンバの外側エンクロージャは、少なくとも1つの導管を通って流動可能である流体媒質と不混和性の一定体積の流体を含んでいる。一実施形態において、仕切られたチャンバは、少なくとも1つの管腔の断面積の50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%である断面積を有する。一実施形態において、少なくとも1つの導管および仕切られたチャンバは少なくとも部分的に透明または半透明である。
一実施形態において、システムは、レーザ、高および低放射エネルギエミッタ、光エミッタ、赤外線エミッタ、紫外線エミッタ、超音波トランスジューサ、音波エミッタ、放射線エミッタ、磁場エミッタ、電波エミッタ、X線エミッタおよび電極からなる群の中から選択される1つ以上のエネルギエミッタをさらに含む。
一態様において、本発明は、シミュレートされた低減重力内でチャンバを懸吊させる方法において、入口と出口の間に延在する少なくとも1つの管腔を有し、入口が出口の高さの下方の高さに位置付けされている少なくとも1つの導管と、少なくとも1つの管腔の内部に適合するようにサイズ決定された仕切られたチャンバとを含む低減重力システムを提供するステップと;引力に対し垂直な平面との関係において一定の角度で導管を整列させるステップであって、角度が約1°~179°であるステップと;少なくとも1つの導管の入口内へそして少なくとも1つの導管の出口の外へ流体を流動させるステップであって、流体が仕切られたチャンバの密度よりも低い密度を有し、流体は、仕切られたチャンバが導管の内部で恒常な位置に維持されるような形で仕切られたチャンバを支持する流量で流動させられている、ステップと;を含む方法に関する。
一実施形態において、少なくとも1つの導管の角度は、仕切られたチャンバが経験する重力量を改変させるべく変動させられる。一実施形態において、流体は、仕切られたチャンバの密度よりも低い密度に関して選択される。
一態様において、本発明は、中空内部を取り囲む外側エンクロージャを含む仕切られたチャンバデバイスにおいて、惑星表面近くで中空内部内の重力環境をシミュレートするように構成されている仕切られたチャンバデバイスに関する。
一実施形態において、重力環境はおよそ単位重力とゼロ重力の間である。一実施形態において、中空内部は個別の区画へと区分化されている。一実施形態において、中空内部は、この中空内部内に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたリング、リングの中央孔の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定された中空コア、およびコアの空洞の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたプラグを含む障壁要素によって2つの区画に区分化されている。一実施形態において、プラグは、コアの空洞を遮断解除し2つの区画を流体連結するために開放可能であるゲートまたはバルブである。一実施形態において、プラグは、コアの空洞を遮断解除し2つの区画を流体連結するために経時的に融解または分裂する溶解可能または分解可能な材料を含んでいる。仕切られたチャンバの外側エンクロージャの領域は半透膜を含む。
一実施形態において、該デバイスは、材料の合成および処理;新たな材料の合成および処理;材料の構造、特性、処理および挙動の調査;工業的結晶化;薄膜の被着および処理;生物学的および生体材料の合成および処理;タンパク質の結晶化;医薬品の合成および処理;細胞、組織および臓器の成長および再生;金属の処理;ガラスの合成および処理;合金の合成および製作;製造;セラミクスの合成および処理;ポリマの合成および処理;半導体の合成;材料集合および自己集合;光ファイバの製作、複合材料の合成および処理;コンポーネント、デバイス、システムの性能評価;付加製造(additive manufacturing);およびバイオマニファクチャリングからなる群の中から選択されるプロセスを支援するように構成されている。
一実施形態において、デバイスは、動物および人間による占有向けにサイズ決定されている。一実施形態において、デバイスは、娯楽として低減重力をシミュレートするように構成されている。一実施形態において、デバイスは、低軌道宇宙船内の低減重力条件をシミュレートするように構成されている。
本発明の例示的実施形態についての以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読まれた場合により良く理解される。しかしながら、本発明は図面中に示された実施形態の厳密な配設および手段に限定されない、ということを理解すべきである。
図1は、例示的な低減重力導管システムを描いている。 図2は、例示的な仕切られたチャンバを描いている。 図3は、例示的な仕切られたチャンバ障壁要素(左)およびプラグ(右)の斜視図を描いている。 図4は、シミュレートされた低減重力内でチャンバを懸吊する例示的方法を描いた流れ図である。 図5は、例示的な反応チャンバの図式を示す。 図6は、例示的な垂直導管のシミュレートされた低減重力システムを描いている。 〔図10〕図10は、垂直導管のシミュレートされた低減重力システムの実験的セットアップを描いている。 図7は、光学顕微鏡法を介して20倍で見た、微小重力反応した方解石(左)および単位重力反応した方解石(右)の結果を描いている。 図8は、単位重力(A、B、C)および微小重力(D、E、F)での100%飽和溶液を用いた方解石の発達のSEM画像化の結果を描いている。AおよびDは、200倍の倍率であり;BおよびEは2500倍の倍率;CおよびFは10000倍の倍率である。 図9は、単位重力および微小重力で発達させられた方解石の動的光散乱(DLS)特徴付けの結果を描いている。グラフ1は全てのデータを組合わせたものである。グラフ2は、100%飽和溶液を用いて発達させられた方解石のみを描いている。グラフ3は、50%飽和溶液を用いて発達させられた方解石のみを描いている。グラフ4は、20%飽和溶液を用いて発達させられた方解石のみを描いている。 〔図14〕図14は、単位重力および微小重力方解石形成の観察から収集した生データを要約する表である。 〔図15〕図15は、単位重力および微小重力で方解石を形成する実験の結果を要約する表である。 図10は、方解石形成時間に対する基板材料の効果を調査する実験の結果を描いている。上のグラフはCaCl2濃度を変動させており、下のグラフはNa2CO3の濃度を変動させている。 図11は、方解石形成に対するpHの効果を調査する実験の結果を描いている。 図12は、方解石形成に対する温度の効果を調査する実験の結果を描いている。A(500倍)およびB(100倍)についての前駆物質は室温にあり、C(200倍)およびD(200倍)についての前駆物質は氷上にあった。BおよびDは、偏光下で画像化されている。 図13は、ガラスおよびプラスチック表面上で成長させられた方解石のSEM画像化の結果を描いている。A(500倍)とB(12000倍)はガラス上で成長させられている。C(1000倍)とD(5000倍)はプラスチック上で成長させられている。 図14は、さまざまな前駆物質濃度を用いて形成された方解石の動的光散乱(DLS)特徴付けの結果を描いている。 図15は、単位重力での溶液中の粒子形成および時間の動的記録の結果を描いている。 図16は、単位重力での方解石および標準的CaCO3およびNaClのX線回析(XRD)の結果を描いている。 図17は、さまざまな条件下で形成された方解石のSEM画像化の結果を描いている。Aは、10000倍で画像化された、50%飽和溶液を用いて単位重力中で発達させられた方解石である。Bは、10000倍で画像化された、50%飽和溶液を用いて微小重力中で発達させられた方解石である。Cは、10000倍で画像化された、20%飽和溶液を用いて単位重力中で発達させられた方解石である。Dは、10000倍で画像化された、20%飽和溶液を用いて微小重力中で発達させられた方解石である。 図18は、さまざまな飽和レベル下で形成された方解石についてのDLS観察の結果を描いている。 図19は、低減重力航空機上で反応させた方解石形成の結果を描いている。
本発明は、宇宙に存在する条件のような現実に近い微小重力条件および他の低減重力条件で、生物学的および非生物学的な、生体および非生体のさまざまな材料系を評価、合成、適応、改変、処理および生産するための、地上の低減重力システムおよびその使用方法を提供する。
定義
本発明の図および説明は、明確さのため、当該技術分野で典型的に見られる他の多くの要素を削除しながら、本発明を明確に理解するために適切である要素を例示するべく簡略化されているということを理解されたい。当業者であれば、他の要素および/またはステップが本発明を実装するにあたり望ましいおよび/または必要とされる、ということを認識し得る。しかしながら、このような要素およびステップが当該技術分野では周知であることおよびそれらが本発明のより良い理解を促すものでないことを理由として、このような要素およびステップの論述を本明細書中で提供することはしない。本明細書中の開示は、当業者にとっては公知のこのような要素および方法に対する全てのこのような変更および修正に向けられたものである。
他の箇所で別段の定義が無いかぎり、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本発明の実践または試験においては本明細書中に記載のものと類似のまたは等価の任意の方法および材料を使用することができるものの、例示的方法および材料が説明される。
本明細書中で使用されるように、以下の用語の各々は、本節においてそれに結び付けられている意味を有する。
冠詞「a」および「an」は、本明細書では、その冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)を意味している。一例として、「an element」は1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
量、時間的長さなどの測定可能な値に言及している場合に本明細書中で使用される「About(約)」なる用語は、規定値から±20%、±10%、±5%、±1%および±0.1%の変動が適切であることから、このような変動を包含するように意図されている。
本明細書中で使用される「Bounded(仕切られた)」なる用語は、チャンバの外部からチャンバの内部を分離する物理的境界を記述するように意図されている。こうして、仕切られたチャンバは、チャンバの中味が自由に漏出しチャンバの外部の材料と混合するのを防ぐと共に、チャンバの外部の材料がチャンバに自由に入りチャンバの中味と混合するのを防ぐ。物理的境界は、剛性または可撓性のエンクロージャであり得る。物理的境界は同様に、2つの不混和性液体の間の界面でもあり得る。物理的境界は、例えば半透膜およびポートの場合のように、粒子の出入りを選択的に可能にし得ることを理解すべきである。
本明細書中で使用される「Sealingly(保密的に)」なる用語は、気密、水密な嵌合を記述するように意図されている。第2の構成要素内に保密的に嵌合する第1の構成要素は、気体、液体および固体が保密的嵌合を通って横断するのを防止するように第1の構成要素を第2の構成要素の内部にぴったりと位置付けする。第2の構成要素の中空内部の内部に保密的に嵌合する第1の構成要素は、第2の構成要素の中空内部を複数の区分に分割して、各区分内部の気体、液体および固体が、他の各々の区分の気体、液体および固体からしっかりと隔絶されるようにするのに役立つことができる。
本開示全体を通して、本発明のさまざまな態様が範囲書式で提示される可能性がある。範囲書式での記載は単に便宜上および簡略表現のためのものにすぎず、本発明の範囲に対する、融通の利かない限定とみなされるべきものではないということを理解すべきである。したがって、一範囲の記載は、全ての考えられる部分範囲ならびにその範囲内の個別の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、例えば1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個別の数、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、6、およびその間の任意の全体的および部分的増分を具体的に開示したものとみなされるべきである。このことは、範囲の広さの如何に関わらず当てはまる。
低減重力システム
ここで図1を参照すると、例示的低減重力システム100が描かれている。低減重力システム100は、入口106と出口108の間を走る少なくとも1つの管腔104を有する少なくとも1つの導管102を含む。管腔104は、仕切られたチャンバ110に適合するようにサイズ決定されている。低減重力システム100は、管腔104を通してあらゆる好適な流体を受容するように構成されている。さまざまな実施形態において、流体は気体、液体、ゲルまたはそれらの組合せであり得る。流体の流れは、同じ体積の流体が再循環モードで連続的に導管102を通過させられる閉回路であるか、あるいは、流体源が単一パスで導管102を通って流動するように開回路であることができる。いくつかの実施形態において、管腔104は、流体流の不在下において仕切られたチャンバ110を保持するように構成されている内部プラットフォームまたは支持体を含む。好適な内部プラットフォームまたは支持体は、流体の流れを妨害せず、メッシュまたはワイヤプレート、または管腔104の幅を少なくとも部分的に跨ぐ1本以上のロッドを非限定的に含み得る。
いくつかの実施形態においては、入口106は、出口108の高さより低い高さに位置付けされ、こうして管腔104を通って流れる流体が重力の引力に対抗して流動し、管腔104の内部に位置付けされた仕切られたチャンバ110が入口106に向かって重力により引張られるようになっている。これにより、導管102を、入口106と出口108の間の相対的位置付けを維持する任意の配向で設置することができる。例えば、導管102の配向は、導管102の長手方向軸と水平平面の間の角度の観点から説明することができ、ここで完全に直立した導管102は、水平平面から90°の角度で配向されている。この構成において、導管102の配向は、水平平面との関係において約1°~90°の任意の所望の角度を有し得る。一部の実施形態では、水平平面との関係において90°で導管102を配向すると、仕切られたチャンバ110内で微小重力がシミュレートされ、一方、水平平面との関係において約1°~90°の角度で導管102を配向すると、仕切られたチャンバ110内で低減重力がシミュレートされる。
低減重力システム100は、仕切られたチャンバ110の重力を支持する速度で重力の引力に対抗する流体の流れを提供することによって、仕切られたチャンバ110内で微小重力および低減重力をシミュレートするように構成されている。このようにして、仕切られたチャンバ110は、本質的には持続的自由落下内で、導管102内部の恒常な位置に維持される。このために、低減重力システム100はさらに、1つ以上の流体流誘発手段(例えばポンプ)、エネルギ源、流体タンク、センサ、アクチュエータ(手動、空気圧、液圧、電気式など)、コントローラ(非埋込み形またはマイクロコントローラとしての比例(P)、積分(I)、微分(D)および、PI、PD、PIDなどのそれらの組合せ)などを含むことができる。一部の実施形態では、低減重力システム100は、手動式に操作され得、ここでオペレータは、仕切られたチャンバ110を恒常な位置に維持するために、導管102を通る流体の流量を手動制御することができる。手動操作は、仕切られたチャンバ110の位置を監視するために導管102上に1つ以上の外部または内部マーキングを追加することによって補助され得る。一部の実施形態において、低減重力システム100は、自動で操作され得、ここで、1つ以上の流量センサによって、流体の流量を監視することができ;1つ以上の光学センサ、位置決めデバイス、加速度計、ジャイロスコープ、超音波センサ、容量変位センサなどで、仕切られたチャンバ110を監視することができ;コントローラは、仕切られたチャンバ110を恒常な位置に維持するために、ポンプ速度および流量を自動的に調整できる。自動調整は、仕切られたチャンバ110の中味が可変的であり、質量が変わるにつれて流量に対する調整が必要となる場合に有用である。さまざまな実施形態において、低減重力システム100は、導管102のアレイを支持することができ、ここで各導管102は、同時に、逐次的にまたは非同期的に、監視され制御され得る。
さまざまな実施形態において、低減重力システム100はさらに1つ以上のエネルギトランスミッタ含むことができる。企図されているエネルギトランスミッタとしては、非限定的に、レーザ、高および低放射エネルギ、さまざまな波長の光、赤外線エミッタ、紫外線エミッタ、超音波トランスジューサ、音波エミッタ、放射線エミッタ、磁場エミッタ、電波エミッタ、X線エミッタ、電極などが含まれる。導管102および仕切られたチャンバ110にエネルギを用いてインテロゲートするため、1つの点、区分または導管102、仕切られたチャンバ110の全体またはその両方に選択的にエネルギトランスミッタの照準を定めることができる。エネルギトランスミッタは、非限定的にエレクトロポレーション、フォトポレーション、光架橋、加熱、放射線療法、磁気療法などを含めた任意の数の利用分野において有用であり得る。
仕切られたチャンバ110は、管腔104内部に適合し自由に移動するようにサイズ決定された容器である。仕切られたチャンバ110は中空内部を取り囲む外側エンクロージャを含む。外側エンクロージャは、中空内部の中味と管腔104を通過する流体の間の対流混合を防止する。中空内部は、任意の数の区画に区分化され得、反応、実験、研究、製造プロセス、製作プロセス、治療を非限定的に含めた任意の所望の作業を収容するように構成されている。そのため、仕切られたチャンバ110は、小型コンテナから、人間が占有および/または居住するように構成された部屋および建物サイズに至る広範囲の容器を包含する。仕切られたチャンバ110は、球形状を有するものとして描かれているものの、仕切られたチャンバ110は任意の特定の幾何形状に限定されない。企図された形状には、球形、円盤、立方体、箱などが含まれるが、これに限定されない。
一部の実施形態において、仕切られたチャンバ110は、各々1つの反応物質を収容する複数の区画を有するように区分化され得る。区画は、低減重力または微小重力が達成された後、反応物質を互いの中に放出するようにタイミング調整または制御され得る。いくつかの実施形態において、区画は、主要組合せチャンバに対して流体連結でき、こうして、低減重力または微小重力が達成された後、反応物質を同時にまたは順次に組合わせることができるようになっている。仕切られたチャンバ110の企図されている利用分野としては非限定的に;材料の合成および処理;新たな材料の合成および処理;材料の構造、特性、処理および挙動の調査;工業的結晶化;薄膜の被着および処理;生物学的および生体材料の合成および処理;タンパク質の結晶化;医薬品の合成および処理;細胞、組織および臓器の成長および再生;金属の処理;ガラスの合成および処理;合金の合成および製作;製造;セラミクスの合成および処理;ポリマの合成および処理;半導体の合成;材料の集合および自己集合;光ファイバの製作、複合材料の合成および処理;コンポーネント、デバイス、システムの性能評価;付加製造;およびバイオマニファクチャリングなどが含まれる。
一部の実施形態において、仕切られたチャンバ110は、部屋または建物サイズの構成体である。仕切られたチャンバ110は、動物および人間が占有できるように、かつ居住地区、実験室地区、保管地区などを含むように拡大縮小可能である。したがって、仕切られたチャンバ110は、短期的および長期的な微小重力および低減重力実験のための作業基地として使用可能である。いくつかの実施形態において、宇宙カプセル、スペースシャトルまたは宇宙ステーションなどの宇宙船内の条件を複製するために、部屋または建物サイズの仕切られたチャンバ110を使用することができる。例えば、部屋または建物サイズの仕切られたチャンバ110を使用して、低軌道(例えば国際宇宙ステーション上)または宇宙空間内で行なわれる実験を複製、認証または置換することができる。いくつかの実施形態においては、娯楽または訓練目的で仕切られたチャンバ110を使用することができる。部屋または建物の規模で動作する地上の低減重力または微小重力システムは、低減重力および微小重力作業のために動物および人間を訓練するためまたはエンタテイメントとして低減重力航空機に乗り組む実験を複製する、費用効果の高い、安全でより使用し易い方法であり得る。
ここで図2および図3を参照すると、例示的な仕切られたチャンバ200が描かれている。仕切られたチャンバ200は、中空内部204を包み込む球形外側エンクロージャ202を含む。中空内部204は、リング206、コア208およびプラグ212から構築された障壁要素によって、2つの半分へと区分化されている。いくつかの実施形態において、障壁要素はさらに、リング206とコア208の間に位置付けされたスペーサ210を含むことができる。リング206は、中空内部204内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定された外径およびコア208と嵌合するようにサイズ決定された中央孔を伴う、扁平な円盤形状を有する。コア208は、リング206の中空内径内に保密的に嵌合するようにサイズ決定された外径を伴う中空円筒形状を含む。プラグ212は、コア208の中空内部内に保密的に嵌合するようにサイズ決定されている。プラグ212は、コア208の中空内部を一時的に塞ぐメカニズムを含み、こうして、メカニズムの活動化の時点でプラグ212がコア208の中空内部を遮断解除して中空内部204の区分化された半分を流体連結することになる。いくつかの実施形態において、プラグ212のメカニズムは機械的なもの、例えば設定された時間の経過後に電子的にまたは遠隔での活動化によって開放する、あるいはねじ巻き式メカニズムが一定量の貯蔵エネルギを使い果たした後に開放するゲートまたはバルブである。いくつかの実施形態において、プラグ212のメカニズムは、材料ベースのもの、例えばアイスプラグ、溶解可能なプラグまたは経時的に融解または分裂する分解可能なプラグである。このようにして、仕切られたチャンバ200は、2つの区分の各々の中に材料を保管し、一定の遅延後に2つの区分を混合するように構成されている。遅延混合を提供することは、中空内部204内部に微小重力または低減重力条件が確立された後に、2つの材料間の反応が所望される場合に必要である。
さまざまな実施形態において、一定の利用分野のために必要に応じて、本発明の仕切られたチャンバを修正することができる。例えば、仕切られたチャンバが、有線接続、流体または材料移送システム、または使用中低減重力システム100の外部のシステムへのいくつかの他の一時的または持続的接続を必要とする作業を収容している一部の実施形態においては、仕切られたチャンバは、外部システムに一時的に接続されるかまたは恒久的に接続され得るテザーまたは導管を含むことができる。外部システムには、エネルギ源、成長培地循環システム、空気または気体タンク、廃棄物除去システム、供試体移送システムなどが含まれ得る。一部の実施形態において、仕切られたチャンバは、半透性の外側エンクロージャまたは半透膜を含む外側エンクロージャの領域を含むことができる。例えば、仕切られたチャンバは、細胞培養、組織培養または他のいくつかの生きた有機体培養を収容し得る。仕切られたチャンバは、半透性外側エンクロージャを横断して仕切られたチャンバの内部内に拡散可能である気体または栄養素を有する流体流内に懸吊されてよい。同様にして、問題の廃棄材料および分析物は、除去または試料採取のため、仕切られたチャンバから半透性外側エンクロージャを横断して流体流内に拡散し得る。いくつかの実施形態において、仕切られたチャンバは、第1の流体とは不混和性である第2の流体の流れの中に懸吊された第1の流体のポケットを含んでいてよく、ここで、外側エンクロージャは、第1の流体と第2の流体の間の不混和性界面によって形成されている。
低減重力システム100は、好適な任意の寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態において、導管102は、仕切られたチャンバ110の軸方向長さよりも大きい軸方向長さ規模を有する。いくつかの実施形態において、導管102は、その軸方向長さとの関係におけるそのアスペクト比が入口106と出口108の間に仕切られたチャンバ110を収容するのに充分なものとなるような幅または半径を有する。いくつかの実施形態において、導管102は、非限定的に約1cm~約100m以上の長さ、および約1cm~約10m以上の幅を含めた、任意の好適な長さ(すなわち高さ)または幅を有することができる。いくつかの実施形態において、導管102は、約1:1~約100:1の長さ対幅のアスペクト比を有する。導管102は、形状が管状であるものとして描かれているものの、導管102は正方形断面、長方形断面、卵形断面などを含めた任意の所望の構成を有することができるということを理解すべきである。同様にして、仕切られたチャンバは、導管102内部に適合する任意の好適な寸法を有することができる。いくつかの実施形態において、導管102は、環状断面を有することができ、こうして同心的導管が、大気に対して開放した最内側管腔および流体が中を流れ得るリング形状の管腔を形成するようになっている。したがって、仕切られたチャンバは、環状断面を有する導管102の内部に適合するようにドーナツ形状を有することができる。いくつかの実施形態において、仕切られたチャンバのサイズは、管腔104の断面積の一定割合の断面積を有するものとして定義可能である。例えば、仕切られたチャンバは、管腔104の断面積の50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%である断面積を有することができる。
低減重力システム100は、非限定的にステンレス鋼、チタン、アルミニウム、シリコーン、PVC、ポリエチレンなどを含めた、金属、プラスチックおよびポリマなどの任意の好適な材料で構築され得る。いくつかの実施形態において、一部の構成要素または一部の構成要素の部分を透明または半透明材料で構築することができる。構成要素は、当該技術分野において公知の任意の好適な方法を使用して作製可能である。作製方法は、使用される材料に応じて変動し得る。例えば、実質的に金属を含む構成要素をより大きな金属ブロックからフライス加工するかまたは溶融金属から鋳造することができる。同様に、実質的にプラスチックまたはポリマを含む構成要素を、より大きなブロックからフライス加工するか、注型するか、または射出成形することができる。いくつかの実施形態においては、3Dプリンティングまたは当該技術分野において一般的に使用される他の積層造形技術を用いて、構成要素を製作することができる。いくつかの実施形態において、方法は、追加の構成要素、例えば回路、電極、磁石、ダイオードなどを包理し、こうして、結果として得られたシステムに電気を通してエレクトロポレーション、フォトポレーション、電気泳動、磁場などを支援できるようにすることができる。さまざまな実施形態において、エッチング、リソグラフィ、被着、スピンコーティング、浸漬被覆などの技術を用いて、コーティング、パターンおよび他の微細に構築された特徴を適用することができる。
使用方法
本発明は同様に、微小重力および低減重力条件をシミュレートするために低減重力システムを使用する方法をも含む。本明細書中の他の箇所で記載されているように、本発明の低減重力システムは、重力に対抗して流れる流体中に仕切られたチャンバを懸吊させて、仕切られたチャンバとその中味を恒常な自由落下状態に維持する能力を有する。
低減重力システムの唯一無二の能力は、さまざまな材料研究者、材料加工業者および製品開発者のグループに対して、地球に向かう製品の利用分野ならびに宇宙の探査および開発の利用分野に関連する新規の材料および付随する製造プロセスの開発を支援するものとして、物理的、化学的および生物学的材料およびプロセスに対する部分/低減重力類似物そして詳細には微小重力の効果を評価し;地上の条件では達成不可能である原子および分子構造のより慎重な制御を行ないながら、工学的材料を製造し;真の微小重力条件下でデバイスおよびシステムを動作させ評価し;低減重力システムをスケーリングしカスタマイズし;かつ広範囲の処理時間および長さ規模にわたり低減重力条件で低減重力システムを動作させる能力を提供する。
ここで図4を参照すると、シミュレートされた低減重力内にチャンバを懸吊する例示的方法300が描かれている。方法300は、ステップ302で始まり、ここで、入口と出口の間に延在する少なくとも1つの管腔を有し入口が出口の高さの下方の高さに位置付けされている少なくとも1つの導管と、少なくとも1つの管腔の内部に適合するようにサイズ決定された仕切られたチャンバとを含む低減重力システムが提供される。ステップ304では、水平平面つまり引力に対して垂直な平面との関係において一定の角度で導管の長手方向軸が整列させられる。この角度は、約1°~約179°の角度などの、任意の所望の角度であり得る。いくつかの実施形態において、角度は、1°、5°、10°、20°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、135°、140°、150°、160°、170°、175°、179°またはこれらの値の間の任意の角度または角度範囲であってよい。いくつかの実施形態において、導管102の角度は、仕切られたチャンバが受ける重力の量を改変するように変動させることができる。ステップ206では、仕切られたチャンバが導管の内部で恒常な位置に維持されるように仕切られたチャンバを支持する流量で導管の入口内へそして出口から外に流体が流動させられる。企図される流体としては非限定的に、水、細胞成長培地、血清、血漿、油、ゲル、気体、窒素、不活性ガス、空気、単相流体、多相流体、流体混合物などが含まれる。いくつかの実施形態において、流体は、温度、pH、極性(有極性または無極性)、粘度、密度、圧力、化学特性、流動変形挙動(ニュートン流体または非ニュートン流体)などについて制御可能である。
一部の実施形態において、流体は、仕切られたチャンバの密度および形状に応じて選択される。本明細書中の他の箇所に記載されているように、仕切られたチャンバの重量を支持する局所的抗力に起因して流体流内で終端速度に達した後、仕切られたチャンバ内で無重力感を生成することができる。適切な流体の選択は、以下のように行なうことができる:すなわち、恒常な温度において流体媒質内で落下する質量MB、直径DBの中実ボールについて、自由物体力図は、質量MBの物体がy軸内でのみ落下し、したがって、x軸ではいかなる力の相互作用も存在しないことを示している。この場合、物体と相互作用する力には、(a)浮力Fb、(b)地球の質量中心に向かって下向きに物体を引張る重力Fg;および(c)物体の表面積と媒質の相互作用から発生する抗力D、が含まれる。したがって、このシステムの力平衡は、以下の通りである:
Figure 2022546501000002
z軸またはx軸にはいかなる動きも存在しない、すなわち
Figure 2022546501000003
であることから、
このとき、y方向に下向きに作用する重力に形状抗力D(空気または流体抵抗)と浮力(Fb)のみが対抗したとすると、このときこの条件についての力平衡は以下の通りになる:
Figure 2022546501000004
ここで、形状抗力Dは、以下の変数に関して次のように表現することができる:
Figure 2022546501000005
式中、Cdは抗力係数であり、ρM [Kg/m3]は媒質の密度であり、ABは物体の表面積であり、ここで
Figure 2022546501000006
である。浮力Fbは以下の等式4で定義される:
Figure 2022546501000007
式中、(VB)は、物体の体積であり(ここで、球については、
Figure 2022546501000008
)、ρM [Kg/m3]は媒質の密度であり、gは重力に起因する加速度である。同様に、重力により物体に作用する力が:
Figure 2022546501000009
であることを想起すると、次のようになる:
Figure 2022546501000010
終端速度について等式3を解き、さまざまな項を代入することにより、自由落下についての以下の終端速度式、等式7が得られる:
Figure 2022546501000011
等式7を検討すると、終端速度が球形物体の直径(DB)、物体(ρB)と媒質(ρM)の間の密度差および重力加速度(g)に正比例し、抗力係数(Cd)および媒質密度(ρM)に反比例することが分かる。物体と媒質の間に相対的動きが存在するかぎり、抗力および付随する抗力係数Cdが存在する。Cdは、媒質の物理的特性によって左右され、媒質のレイノルズ数(Re)にも正比例する。慣性力対粘性力の比率として定義される無次元定数であるレイノルズ数は、自由落下中のものを含めた流体中に浸漬された物体の相対的動きから発生する抗力を決定するために使用される。抗力は、Reと物体の形状により左右される。終端速度を決定するためには、問題のシステムについてのレイノルズ数を定義することが重要であり、このとき、所与の物体幾何形状について、これを抗力係数Cdの決定のために使用することができる。
概して、レイノルズ数は、明確に異なる4つの領域、すなわち領域I:Re<0.3;領域II:0.3<Re<1000;領域III:1000<Re<200000;および領域IV:Re>20000に分割され得る。所与の領域および物体幾何形状について、終端速度等式の修正版が適用可能である。
領域Iでは、気体または液体などの媒質を通って移動する球形物体の例において、それは重力(Fg)に起因するその下向きの動きとは反対の方向に抗力(Fd)を受ける。抗力が物体を引張る重力とは規模は等しいものの方向が反対であるときに、終端速度が達成される。領域I内の物体の終端速度は、等式8に示されており、式中μmは媒質の動的速度であり、gは以上で定義された通り重力加速度であり、DBはボール直径であり、ρBはボールの密度を意味し、ρMは媒質の密度である。定数18は、この動的条件における抗力係数の値を表わす。
Figure 2022546501000012
等式8を参照すると、領域I内で媒質を通って自由落下する球形中実物体について、物体の終端速度は、物体の直径および密度によって左右される。物体の密度が、物体が中を落下している媒質の密度を超えているかぎり、物体に結び付けられた終端速度が存在することになる。
領域II内では、より大きな表面積および質量を有する物体の例において、空気からの抗力および重力は大きくなる。したがって、レイノルズ数も同様に異なり、より高くなる。球形の物体について、Cdは、以下で示す等式9を介して決定され得る:
Figure 2022546501000013
領域IIIでは、抗力係数はほとんど、自由落下中のシステムの幾何形状との関係において恒常な値を有する。例えば、球形物体の場合、Cdは0.44であり、したがって球形物体についての終端速度等式を、等式10に示されている通りに修正することができる。
Figure 2022546501000014
本質的に、流体は、仕切られたチャンバの密度に基づいて選択され得、ここで、仕切られたチャンバの密度は流体の密度よりも大きい。いくつかの実施形態において、仕切られたチャンバの密度を選択された流体の密度よりも大きくなるように改変することがより実現可能であり得る。例えば、仕切られたチャンバに対して1つ以上のおもりを付加することができ、あるいは、仕切られたチャンバをより高密度のエンクロージャ内に包み込むことも可能である。
該方法は、材料科学および材料、コンポーネントおよびデバイス製造に結び付けられる工学、研究および開発の分野において有用であり得る。さらに、地球上の製造されたまたは自己集合した材料を調査し、開発し、修正し、利用する数多くの既存のおよび新興の分野および産業、ならびに、他のいわゆる極限環境のうち、宇宙といった他の環境内で製造または自己集合した材料を利用することを企図している新興の産業も存在する。
付加的な関連分野としては、非限定的に、物理科学(例えば化学、生化学、物理学、地学、地理学)、生命科学(例えば生物学、発生生物学、微生物学、生殖生物学、免疫学、医学);工学(例えば航空宇宙工学、バイオエンジニアリング、化学工学、土木建築工学、コンピュータサイエンスおよびエンジニアリング、電気工学、材料科学および工学、機械工学、原子力工学);バイオテクノロジ;情報/通信技術;マイクロエレクトロニクス/エレクトロニクスなどが含まれる。
該方法は同様に、非限定的に航空宇宙、自動車、化学、衣料品、建設/住宅、化粧品、エネルギ、ヘルスケア、食品、製造、医療用デバイス/技術、マイクロ/ナノエレクトロニクス、医薬品、輸送などを含めた関連業界における製造および製作においても有用である。同様に、該方法は、地上および宇宙での両方の利用分野のために低減重力条件下で、なかでも分析機器、医療用デバイス、生物反応器などのデバイスおよびシステムを操作、評価および検証する上でも有用であり得る。
本発明について、以下の実験例を参照してさらに詳細に説明する。これらの実施例は、単に一例として提供されているにすぎず、別段の規定のないかぎり、限定的であるように意図されていない。したがって、本発明は、いかなる形であれ、以下の実施例に限定されるものとみなされてはならず、むしろ本明細書中で提供されている教示の結果として明白となるありとあらゆる変形形態を包含するものとみなされるべきである。
さらなる説明がなくても、当業者であれば以上の説明および以下の例示的実施例を用いて、本発明の化合物を作り利用しかつ請求対象の方法を実践することができると考えられている。したがって以下の実施例は、本発明の例示的実施形態を具体的に指摘しており、いかなる形であれ、本開示の残りの部分を限定するものとみなされるべきものではない。
実施例1:単位重力環境内のシミュレートされた微小重力自由対流無しの条件下での鉱化プロセスの調査
以下の研究は、単位重力環境内で作業しながら微小重力条件をシミュレートする試験システムの実行可能性を調査する。該研究は同様に、微小重力条件下で炭酸カルシウム(CaCO3)の核生成および成長を調べることによって、試験システムを評価する。
方解石の鉱化
本研究の1つの目標は、選択された化学的前駆物質濃度および所望される環境条件について、単位重力下で以下の等式1に記されているような方解石鉱化反応を再現可能な形で実施するための標準的技術を開発することにあった。さらに、選択された特徴付け技術も同様に実施され、以下でさらに詳述されている。
Figure 2022546501000015
方解石前駆物質濃度:CaCO3の核生成および成長に対する効果
炭酸カルシウム(CaCO3)形成に対する前駆物質として、CaCl2(SolA)およびNaCO3(SolB)の原液が役立った。塩化カルシウムの溶解限度(脱イオン水(DI)および逆浸透水1mL中に塩化カルシウム0.0745g)から出発して、この塩化カルシウム飽和レベルまで、連続希釈を行なった(SolA)。同様にして、T=25℃、pH=7で、水中のその溶解限度(1mLのDI水中にNa2CO30.0714g)から出発して、一連の炭酸ナトリウム溶液(SolB)を作製した。DI水中での固体化学物質の溶解を介して、溶液(AおよびB)を作り、250mL入りのガラス瓶中に保管した。重量測定値の分散は±5%であった。
単位重力条件で行なう方解石鉱化研究を、以下のように行なった。清浄なプラスチックピペットを使用して、前駆物質原液の入ったガラス瓶から清浄な試験管の中にSolAおよびSolBの両方を2mLずつ移送し、穏やかに混合した。SolAとSolBの透明な混合物に裸眼で明らかに観察できる色変化が発生した時点として、方解石の形成を定性的に決定した。方解石の形成は同様に、X線回析(XRD)によって、定量的にも確認した。透明なDI水のみが入った対照としての1つのセット、そして混合した方解石前駆物質溶液の入ったもう1つのセットという2つの試験管セットを使用したという点に留意されたい。方解石形成の直接的視覚化を増強するために、青色の背景および反応の上方に固定される照明器具を利用した。
溶液中ならびに溶液-鉱物界面における条件によって、鉱物形成および変容の速度およびメカニズムを調節する。熱力学的因子が鉱物結晶化プロセスを調節し、これには、溶液のpH、鉱物飽和度、イオン強度、温度、およびイオン会合の程度が含まれる。この研究においては、方解石鉱物形成に対する溶液のpHおよび表面のエネルギの効果のみを調査した。
方解石形成の変化に対するpHの効果
方解石形成に対するpHの効果を、方解石鉱化実験で使用される脱イオン(DI)水のpH(5<pH<7)を変動させることによって、行なった。
方解石核生成に対する表面エネルギ特性の効果
方解石などの鉱物の不均一核生成においては、安定した固体方解石核が、溶液-鉱物界面において、すなわちコンテナの壁上で、そしてシステム内の活性化エネルギ障壁が克服された場合にのみ形成する。そのため、ガラスおよびプラスチック製の混合チャンバすなわち試験管が方解石の核生成および成長に対して有し得る潜在的効果によって、方解石の核生成および成長に対する表面エネルギ特性の効果の予備的調査が正当化された。異なる反応チャンバシステムの存在下で、重炭酸ナトリウム{Na2CO3=0.001785g/mL}に対して塩化カルシウム{CaCl2=0.0018625g/mL}を混合することによって、方解石の核生成および成長を研究し、1/4000(s)カメラを用いて捕捉した。XRD確認のための方解石試料を、精密ろ過分離方法を用いて収集した。
方解石反応チャンバ
本研究の目的は、単位重力環境における微小重力条件内での方解石の核生成および成長を調査することにあったため、このプロジェクトの目標達成のためには、新規試験システムの設計が必要であり、不可欠であった。設計の最終目的は、終端速度条件に保たれた透明で頑丈なチャンバ内で分離された2つの方解石前駆物質の混合が発生できるようにする反応ハウジングを設計することにあった。同様に、この反応チャンバが、チャンバを微小重力条件下に置いた後でのみ前駆物質SolAおよびSolBのインサイチュ反応を開始させることができること、そして、この反応がその後微小重力の影響下で続行できること、も同様に重要である。別の極めて重要な設計仕様は、あらゆる外力を最小限に抑える実用的手段として動的流体流システム内に浸漬された状態で作動させるように企図されている反応チャンバにバルク対流的流体運動が不在であるということであり、その理由は、反応が進むにつれて維持すべき自由対流の無い条件をそれが回避させることになると考えられるからである。
概念生成において考慮された反応チャンバ設計のための支配的な概念の1つは、前駆物質溶液の混合を誘発する前に既定の時間が経過するまで、分離された区画内に方解石前駆物質SolAおよびSolBを充填し保管する能力を有するタンクチャンバを格納する2つの半分から成る透明なプラスチックのシェルを含むシステムであった。
実験用反応器試験システムへとこの概念を転換することによって、一方が方解石反応物を注入するために使用され他方がチャンバから空気を変位させ大気中に放出させるための通気孔として役立つ2つの小さなアクセスポートを各々有する2つの区画を含む球形ハウジングが開発されることになった。反応チャンバハウジングは、小売店での販売のため大き目のパッケージ内で、小さな玩具を格納するために使用される透明なプラスチックカプセルを修正して案出された。直径15.5mmの空の透明なプラスチック球を構成して、各半分の頂部には2つの孔を穿孔した。
空気が他方の孔を介して大気中に変位され放出され得るようにする一方で、早尚な混合を回避するため逐次的に一時的障壁で分離された各々の半分の反応チャンバ内に、使い捨てシリンジゲージ18を介して、公知の濃度の溶液AおよびBを1mL注いだ。流体タンクを充填した後、注入および空気変位ポートの両方を、パラフィルムで封止した。流動場の中に設置されたときのチャンバの回転および反応チャンバ内での不注意な流体混合を最小限に抑えるため、チャンバの中央部またその極近くに反応チャンバの中心重力を維持することが重要であったという点に留意されたい。比重瓶を用いてSolAおよびSolBの密度を決定し、所望される場合には適切に調整した。
必要とされる極めて重要な設計特徴は、ひとたび利用された場合の後続する化学反応メカニズムと干渉することなく、その時が所望されるまで、方解石前駆物質溶液の混合の誘発を遅延させるような形で機能し得ると考えられる反応チャンバ要素であった。このような反応チャンバの特徴は、方解石反応物の混合に先立ち微小重力条件を達成するために追加の時間を使用することが許容された微小重力試験システム(以下でさらに詳述)内にチャンバを設置するための追加の時間をなおも有しながら、反応チャンバを組立て、SolAおよびSolBでプライミングするのに必要な遅延時間に対応する必要があると思われる。
この反応チャンバ特徴のために求められる仕様を満たした設計概念は、薄く頑丈な円形プレキシグラス要素に貫通固定されたガラス管であった。この複合構造の極めて重要な特徴は、反応チャンバよりもわずかに小さい直径を有し次に水が満たされその後凍結された別個の球形ハウジングの中にこの要素を一時的に浸漬させる能力であった。この中間層氷障壁要素がひとたび凍結されると、この要素は、次に反応チャンバ内にぴったりに設置され、反応器混合遅延要素として役立つことができると考えられる。
ひとたび完全に組立てられたならば、そのとき、以上で手短かに説明した通りに方解石反応(SolA/SolB)を反応チャンバ内に注入し、その後後続して、氷の融解および後続する反応物の混合に先立って微小重力条件を試験システムが達成できるのに充分な時間を伴って、以下に説明する微小重力試験システム内に直ちに反応チャンバを設置することが可能になった。図3左(氷無し)、図3右(氷有し)で概略的に描かれているように、この中間層氷障壁要素は、4つの構成要素、すなわちダンベルの形状をした中実連続氷区分(0.8mLのH2O)、ガラスの円筒状コア(7.5×3×4mm3)、可撓性プラスチック層、および、反応チャンバハウジングの中間区分内に圧力嵌めされる剛性プレキシグラスプラスチックリング(1×2×13.5mm3)からなる。各反応チャンバ構成要素をパラフィルムで包んで、反応物の漏出および希釈を回避した。
完全に組立てられた時点で、反応チャンバは、最高1mLの流体(反応物)を保持し、等体積の変位した気体(空気)を除去し、所望の時間的遅延期間の間反応物を分離し、図2に示されているように最大で直径1.5cmの球形反応器システムを収容できる微小重力誘発型流体実験システム内に適合する能力を有する。完全に組立てられた反応器チャンバの概略的描写は、図5に示されている。
中間氷障壁の溶解による希釈効果は、単位重力条件およびシミュレートされた微小重力条件の両方の下で行なわれる方解石反応試験において説明済である、という点に留意されたい。企図された反応チャンバの設計で、実験の節の残りの部分では、案出されたシミュレートされた微小重力試験システム、および作業の手順および条件が記述される。
シミュレートされた微小重力試験システムおよび環境
本調査の前提が、単位重力条件下で行なわれる同じ反応と比較可能な形で、シミュレートされた微小重力環境内での鉱物の核生成および成長を調査することの実行可能性を決定することにあったことを想起すると、方解石の核生成および成長から発生した粒子が「終端速度条件」を達成できるようにすると考えられる微小重力試験システムを案出することも同様に必要であった。これらの微小重力試験システムの別の要件は、これらのシステムには外部の流体流摂動から生じる感知できる程度のバルク流条件が反応チャンバ内において不在であることであった。この要件は、重力場の下で動作していた反応チャンバの内部から発生する自由対流効果が、シミュレートされた微小重力条件下では本質的に不在となる、ということを保証すると考えられる。
これらの実験試験仕様が今や満たされたことから、本研究では、周知の「エレベータ内の自由落下」条件と同様の形で微小重力をシミュレートした垂直剛性導管を含む実験システムが設計され利用された。
垂直導管のシミュレートされた微小重力システム
最終目標は、微小重力をシミュレートする、実用的なベンチトップモデルを開発することにあった。図6に示されている1つの魅力的なシステムは、(実験室コックからの)一方向のH2O単一パス流で動作し、組立て分解が単純である。そのため、それは、中間層分離障壁による氷溶解の時間を超えない時間枠内で反応チャンバハウジングを受容することができる。この試験デバイスは、構築も使用も極めて単純である。それは、流動および視覚化のための透明なプラスチック管(30×38×360mm)、コネクタ、および可撓性管類(直径44mm、長さ640mmおよび510mmのスイミングプール排水ホース)で構築されている。残りの構成要素は、20cmのコネクタ、ホースクランプ、パラフィルムおよびテフロン(登録商標)のテープを含んでいた。シンクおよび水の流れに連結されて、このシステムは、透明管経路の底部から頂部までの1-D流を可能にする。反応時間全体にわたる反応チャンバ密度の変化は、外部流の増加によって補償される。
動作中、完全に準備され組立てられた反応チャンバ(外部おもりを伴う球形ボール)を、容易に取外し可能にされた透明管の頂部から垂直管試験区分の流動場内へ落下させた。終端速度が達成されたことを本質的に標示する固定の高さに反応チャンバをひとたび維持した時点で、方解石形成の直接的視覚化を用いて、単位重力およびシミュレートされた微小重力の実験結果間の形成時間の差異を決定した。
材料の特徴付けおよび確認
本研究の最終目標は、方解石の初期鉱化に対する微小重力の効果を調べることにあった。微小重力条件下で発生する方解石の核生成および成長から生じる密度差に対処するためには、反応チャンバハウジングの付加的な修正も同様に必要である。具体的には、これには必然的に、添加物として銅のプラスチック着色料および透明なマニキュア液を含む銅ペースト(密度=7.8gr/cm3)を加えることで反応チャンバの透明なプラスチックハウジングの密度を修正することが伴う。
チンダル効果から生じる色変化を利用して、単位重力および微小重力の両方の条件の下での相対的方解石形成を決定した。粒子の表面と光の相互作用により、色変化が可能になり、この場合、色変化は透明から白色である。
直接的視覚化技術による方解石形成の決定に加えて、染色方法を使用した。カルシウムベースの結晶については、カルシウムと反応したとき試験流体が赤橙色から暗桃色へと変化するアリザリンレッドを使用した。したがって、方解石反応におけるカルシウムの存在を識別するために、それを使用した。染色についての制限は、アリザリンが現像された条件ならびにpH感度によって左右される。
方解石粒子の分布には、光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(X1-30)(SEM)が含まれていた。Beckman Coulten Delsaナノシステムを用いて動的光散乱(DLS)を行ない、これにより、方解石の核生成および成長の定量的な実時間動的情報が得られた。単位重力および微小重力の両方の条件での方解石の核生成および成長、すなわち実時間でのサイズおよびサイズ分布を特徴付けるために、DLSを使用した。最後に、システム内で赤色粉末を使用して方解石の形成を確認するために、X線回析を利用した。
シミュレートされた微小重力の結果
図7は、左側に微小重力型方解石を、右側に単位重力型方解石を示している。この写真は、顕微鏡を介して撮ったものである。その後にXRD、SEMおよびDLSデータが続く。SEM画像は、結晶の形態についてのより多くの情報を捕捉した。図8は、飽和溶液および発達した方解石のSEM画像である。A、Dは500倍の倍率の方解石であり、B、Eは2500倍の倍率、CおよびFは10000倍の倍率である。A、BおよびCは単位重力内で発達させたものであり、一方D、E、Fはシミュレートされた微小重力内で作製されたものである。
実験の完了後に、単位重力および微小重力についてのDLS(動的光散乱)を行なった。図9はこれらの試験の結果を示す。単位重力および微小重力(垂直導管)を観察して収集した生データは表1に提示されている。
Figure 2022546501000016
この研究プロジェクトの全体的最終目標は、単位重力環境内での鉱化システムに対する微小重力の効果の調査の実行可能性を査定することにある。これを達成するためには、方解石鉱物の核生成および成長時点の微小重力条件をシミュレートできるプロトタイプの実験的試験システムを案出することが必要であった。最も関連性の高い結果のまとめを、表2で示されているように詳述する。
Figure 2022546501000017
単位重力内での方解石の形成
本プロジェクトの開始時点で、方解石の核生成および成長に対する微小重力の効果を調査するために、一連の実験を行なった。この研究においては、方解石形成の直接的な目視観察を使用し、これにより、溶液の色の明確な変化に基づいて35μmを超える方解石粒子の形成が可能であった。色変化を検出した時間は、鉱物の初期核生成の後、典型的に長いものであった。広範囲の飽和(20~100%飽和)にわたる方解石溶液の核生成および成長をこのようにして研究した。方解石鉱化を直接観察して得た結果は、図10に示されている。図を見れば明らかであるように、データは、方解石前駆物質濃度に対する冪法則の依存性を示唆している。図10に示されているように、反応物濃度が低下するにつれて、方解石形成を最初に観察する時間は増大する。方解石形成の部位は、反応物濃度が上昇するにつれて、反応チャンバの壁(不均一核生成)から溶液(均一核生成)へと変動することが観察された。SolAとSolBの間の密度差は僅かである状態で、SolBの方が密度が高い場合に常にSolBとSolAを混合する決断が下された。
初期試験の間、方解石形成時間の有意な変動が観察され、これを、システム中のDI水のpHに対してトレースした。図11に示されているように、SolAおよびSolBを構成するDI水のpH間の1pH単位の差異でさえ、反応遅延の形で方解石形成速度を有意に改変し得る。
初期実験セットは、平底ガラス試験管内で行なった。これらのガラス試験管は、非常に入念に清浄されたものである。不均一核生成および成長プロセスは表面エネルギ特性によって影響されることから、これらの試験を、プラスチック管内で反復した。図12に示されたこれらの初期実験の結果は、プラスチック表面とガラス表面の間で大きな差異を示していないものの、図13中のSEMから得た画像は、ガラス表面とプラスチック表面の間で異なる結晶形態を正に示している。しかしながら、方解石粒度分布は、ガラスとプラスチックの間でほぼ同じであるように思われた。
この一連の実験のために試験された別の要因は、方解石鉱化のために使用された反応物溶液の温度差であった。これらの実験では、摂氏0度と摂氏25度(室温)の原液温度を使用した。得られた方解石試料をSEMで撮像し、得られた結果を図13に示す。ここで分かるように、方解石結晶は、形態が類似しているように見え、唯一の差異は粒度分布に見られる。同様に、0℃の方解石前駆物質は、室温に保たれた溶液に比べてより多くの結晶を生成するように思われた。研究対象の全ての方解石前駆物質濃度について行なった動的光散乱試験の結果は、図14および図15に要約されている。DLSデータは、核生成および成長の時間(システム内の最初の出現の時間)が、前駆物質濃度の低下につれて増大することを示している。アリザリンレッド染色試験が、システム内のカルシウムの存在の予備的標示を提供した。XRD特徴付けを用いて、本節で後述する方解石の形成を確認した。
反応器ハウジング設計
一連の代替的反応器ハウジング設計概念が、材料合成を目的として開発されてきた。ここでは、材料合成は、単位重力試験環境における微小重力試験条件下での方解石の鉱化の研究に関係していた。研究のこの部分の最も重要な最終目標は、試験条件が確立されるまで反応物の隔離を維持することのできる反応器ハウジングを開発することであった。反応器ハウジングは、流動安定性を高めるため球形となるよう選択されており、ここで球形の各半分は、溶液(SolAまたはSolB)を注入するためのものと空気を変位させるためのものという2つのアクセスホールを有していた。反応器の中間区分は、単位重力および微小重力条件が確立された後で、かつ方解石前駆物質が反応する前にのみSolAとSolBが混合できるように当初氷で遮断される輸送管を有するプラスチックインサートを用いて封止された。この設計では、隔離されたSolAおよびSolBの反応物溶液が球形反応器にセットアップされる時点から、この反応器がシミュレートされた微小重力内に置かれる時点までにおおよそ98秒の遅延が存在した。反応に干渉することなく反応物を隔離するための分解可能な材料に対するニーズが存在したため、氷が選択された。一連のさまざまな分解可能な設計が研究されたが、大部分が、主に初期核生成に伴う困難な事態を提示した。最終的設計では、システムのコアは、図16に示されているようなダンベルの形状の氷を伴うガラス管である。この設計に基づくと、最高180(s)までチャネルを閉じた状態に保つのに必要とされる氷の体積は、約0.8mLである。この研究のための別の設計基準は、粒度および周波数との関係における終端速度の調整であった。
シミュレートされた微小重力システムと結果
方解石の鉱化のための終端速度を達成できる垂直流導管を設計した。このシステムを用いた実験的微小重力シミュレーションを行ない、その後、収集した試料を分析した。20%、50%および100%飽和という3つの方解石飽和条件を選択した。
光学および走査電子顕微鏡法を、試料に対し行なった。光学顕微鏡法から得た結果が、図8に提示されており、これによると、単位重力条件と微小重力条件の間に粒子数および形状の変化が見られる。さらに、SEM結果は、粒子の確かな形態学的差異を明らかにした(図17)。より具体的には、飽和した単位重力試料は、より明確な幾何形状(立方体形態)を示し、一方微小重力試料は、より球形の形状を示した。XRDの結果は、微小重力試料中では方解石ではなかったものの単位重力試料中には存在しなかった有機材料の存在を示し(図9);この観察事実の理由は汚染であるかもしれない。図9では、単位重力における50%飽和の試験条件について、結晶は大部分が立方体形態をしているが、微小重力においては、100%飽和の微小重力試験結果で見られたものに類似した立方体と球形の間での変化が存在している。区分CおよびDは、単位重力についての立方体幾何形状を表わし、微小重力の試料については、非常に不規則な幾何形状を表わしている。
単位重力および微小重力実験が終わった後に行なったDLSから得た結果(図18)は、飽和溶液が微小重力よりも単位重力においてより大きい直径の方解石粒子を提供することを標示していた。50%飽和のシミュレートされた微小重力は、単位重力におけるよりもさらに多くの粒子が生成される結果をもたらし、20%飽和の結果にも類似の傾向が存在する。
図14中で提供されている直接的目視観察から得た結果は、全ての事例において、単位重力と微小重力の間の方解石鉱化についての有意な時間的遅延を標示した。計算された終端速度は、この場合、微小重力条件をシミュレートするために垂直パイプの中央区分内に懸吊された状態で球形反応器を恒常な高さに維持するための流量で反対方向に流れる水によって達成される、等しい相反する力が重力を無効にするはずであるという仮定に基づいたものである。これらの実験から得た結果(図15で強調されている)は、飽和条件についての終端速度が、シミュレートされた微小重力条件における理論値より約11%低いものであることを標示していた。実験上の誤差のさまざまな発生源(例えばシステムを閉鎖するために使用されるパラフィルムは+/-0.02grの誤差を有し、化学物質を移動させるために使用されるシリンジは+/-0.1mLの誤差ならびに反応器ハウジングの平均密度に直接影響を及ぼし得るシステム内での気泡の発生の危険性を有する)を認識すると、図18に示された結果は、アーチファクトであるとは思われない。
先に言及したように、最終目標は、微小重力システムを開発し、図19で再現されているような先行データに対し結果を確認することにあった。この図は、パラメータτが、高速DLS対1/ln(1+σ)2を介して収集された核生成時間であり、式中σは飽和度であることを標示している。この図においては、微小重力内のラインの勾配が単位重力内のラインの勾配より4倍大きいことが標示されている。本明細書中で報告された垂直導管システムから得た結果については、これらの結果は、(SEMおよび光学)顕微鏡法の結果と一貫性あるものである(図14参照)。図15および図18で提示されているデータにおいては、インサイチュでDLSを行なうことは不可能であった。したがって、微小重力実行の時点とDLSデータが記録された時点の間に時間差が存在した。XRDの結果は、微小重力と単位重力の間の差が核生成および成長プロセスに影響を及ぼす可能性があることを標示していた。最終的に、図18に示されているように、単位重力条件で最初に得た結果については、単位重力と微小重力の間に有意な時間的遅延が存在した。これらの結果は、地上放物線飛行システムから得た図19に示された結果と一貫性あるものである。
本明細書中で引用されているいずれの特許、特許出願および刊行物の開示も、その全体が参照により本明細書に組込まれている。本発明は、特定の実施形態に関連して開示されてきたものの、本発明の他の実施形態および変形形態が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって案出されてよい、ということは明白である。添付クレームは、このような実施形態および等価の変形形態を全て含むものとみなされるように意図されている。

Claims (39)

  1. 入口および出口と連通状態にある少なくとも1つの管腔を有する少なくとも1つの導管であって、前記入口が前記出口の高さの下方の高さに位置付けされている、導管と;
    流体流動誘発装置によって前記少なくとも1つの導管を通して流動可能である流体媒質と;
    前記少なくとも1つの導管の前記少なくとも1つの管腔の内部を自由に移動するようにサイズ決定された仕切られたチャンバと;
    を含む、低減重力システム。
  2. 前記少なくとも1つの導管が、引力に対して垂直な平面との関係において一定の角度に整列されており、前記角度が約1°~179°である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記少なくとも1つの導管が、前記入口と前記出口の間に前記仕切られたチャンバを収容するようにサイズ決定されている、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記少なくとも1つの導管が、前記仕切られたチャンバの軸方向長さよりも大きい軸方向長さ規模を有する、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記少なくとも1つの導管が約1cm~100mの長さを有する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1つの導管が、前記入口と前記出口の間に前記仕切られたチャンバを収容するようにサイズ決定された軸方向長さと幅または半径の間のアスペクト比を前記少なくとも1つの導管が含むことになるような幅または半径を有している、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記少なくとも1つの導管が約1cm~10mの幅を有する、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記アスペクト比が約1:1~100:1である、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記流体媒質が、水、油、ゲル、空気、窒素、不活性ガス、単相流体、多相流体およびそれらの組合せの中から選択される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記流体媒質が、粘度、密度、化学的特性(pHおよび極性)、および流動変形挙動(ニュートン挙動または非ニュートン挙動)に関して選択される、請求項9に記載のシステム。
  11. 1つ以上のエネルギ源、流体タンク、センサ、アクチュエータおよびコントローラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記1つ以上のセンサが、光学センサ、位置決めデバイス、加速度計、ジャイロスコープ、超音波センサおよび容量変位センサからなる群の中から選択される、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記1つ以上のアクチュエータが、手動式、空気圧式、液圧式および電気式アクチュエータの中から選択される、請求項11に記載のシステム。
  14. レーザ、高および低放射エネルギエミッタ、光エミッタ、赤外線エミッタ、紫外線エミッタ、超音波トランスジューサ、音波エミッタ、放射線エミッタ、磁場エミッタ、電波エミッタ、X線エミッタおよび電極からなる群の中から選択される1つ以上のエネルギエミッタをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記仕切られたチャンバが、中空内部を取り囲む外側エンクロージャを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記仕切られたチャンバが、球、円盤、円筒、立方体、円錐、直角プリズムおよび箱からなる群の中から選択される幾何形状を有する、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記中空内部が、単一の内部を含むかまたは多区画内部へと区分化されている、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記中空内部が、この中空内部内に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたリング、前記リングの中央孔の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定された中空コア、および前記コアの空洞の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたプラグを含む障壁要素によって2つの区画に区分化されている、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記プラグが、前記コアの前記空洞を遮断解除し前記2つの区画を流体連結するために開放可能であるゲートまたはバルブである、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記プラグが、前記コアの前記空洞を遮断解除し前記2つの区画を流体連結するために経時的に融解または分裂する溶解可能または分解可能な材料を含んでいる、請求項18に記載のシステム。
  21. 前記仕切られたチャンバの前記外側エンクロージャの領域が半透膜を含む、請求項15に記載のシステム。
  22. 前記仕切られたチャンバの前記外側エンクロージャが、前記少なくとも1つの導管を通って流動可能である前記流体媒質と不混和性の一定体積の流体を含んでいる、請求項15に記載のシステム。
  23. 前記仕切られたチャンバが、前記少なくとも1つの管腔の断面積の50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%である断面積を有する、請求項1に記載のシステム。
  24. 前記少なくとも1つの導管および前記仕切られたチャンバが少なくとも部分的に透明または半透明である、請求項1に記載のシステム。
  25. 前記システムが、レーザ、高および低放射エネルギエミッタ、光エミッタ、赤外線エミッタ、紫外線エミッタ、超音波トランスジューサ、音波エミッタ、放射線エミッタ、磁場エミッタ、電波エミッタ、X線エミッタおよび電極からなる群の中から選択される1つ以上のエネルギエミッタをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  26. シミュレートされた低減重力内でチャンバを懸吊させる方法において、
    入口と出口の間に延在する少なくとも1つの管腔を有し、前記入口が前記出口の高さの下方の高さに位置付けされている少なくとも1つの導管と、前記少なくとも1つの管腔の内部に適合するようにサイズ決定された仕切られたチャンバとを含む低減重力システムを提供するステップと;
    引力に対し垂直な平面との関係において一定の角度で前記導管を整列させるステップであって、前記角度が約1°~179°である、整列させるステップと;
    前記少なくとも1つの導管の入口内へそして前記少なくとも1つの導管の出口の外へ流体を流動させるステップであって、前記流体が前記仕切られたチャンバの密度よりも低い密度を有し、前記流体は、前記仕切られたチャンバが前記導管の内部で恒常な位置に維持されるような形で前記仕切られたチャンバを支持する流量で流動させられている、流動させるステップと;
    を含む方法。
  27. 前記少なくとも1つの導管の前記角度が、前記仕切られたチャンバが経験する重力量を改変させるべく変動させられる、請求項26に記載の方法。
  28. 前記流体が、前記仕切られたチャンバの密度よりも低い密度に関して選択される、請求項26に記載の方法。
  29. 中空内部を取り囲む外側エンクロージャを含む仕切られたチャンバデバイスにおいて、
    惑星表面近くで前記中空内部内の重力環境をシミュレートするように構成されている仕切られたチャンバデバイス。
  30. 前記重力環境がおよそ単位重力とゼロ重力の間である、請求項29に記載のデバイス。
  31. 前記中空内部が個別の区画へと区分化されている、請求項29に記載のデバイス。
  32. 前記中空内部が、この中空内部内に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたリング、前記リングの中央孔の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定された中空コア、および前記コアの空洞の内部に保密的に嵌合するようにサイズ決定されたプラグを含む障壁要素によって2つの区画に区分化されている、請求項31に記載のデバイス。
  33. 前記プラグが、前記コアの前記空洞を遮断解除し前記2つの区画を流体連結するために開放可能であるゲートまたはバルブである、請求項32に記載のデバイス。
  34. 前記プラグが、前記コアの前記空洞を遮断解除し前記2つの区画を流体連結するために経時的に融解または分裂する溶解可能または分解可能な材料を含んでいる、請求項32に記載のデバイス。
  35. 前記仕切られたチャンバの前記外側エンクロージャの領域が半透膜を含む、請求項29に記載のデバイス。
  36. 材料の合成および処理;新たな材料の合成および処理;材料の構造、特性、処理および挙動の調査;工業的結晶化;薄膜の被着および処理;生物学的および生体材料の合成および処理;タンパク質の結晶化;医薬品の合成および処理;細胞、組織および臓器の成長および再生;金属の処理;ガラスの合成および処理;合金の合成および製作;製造;セラミクスの合成および処理;ポリマの合成および処理;半導体の合成;材料の集合および自己集合;光ファイバの製作、複合材料の合成および処理;コンポーネント、デバイス、システムの性能評価;付加製造;およびバイオマニファクチャリングからなる群の中から選択されるプロセスを支援するように構成されている、請求項29に記載のデバイス。
  37. 動物および人間による占有向けにサイズ決定されている、請求項29に記載のデバイス。
  38. 娯楽として低減重力をシミュレートするように構成されている、請求項37に記載のデバイス。
  39. 低軌道宇宙船内の低減重力条件をシミュレートするように構成されている、請求項37に記載のデバイス。
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