JP2022546408A - 遺伝子発現を調節するためのシステム - Google Patents
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Abstract
遺伝子発現の調節に関する組成物及び方法を記載する。【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月30日出願の米国仮出願第62/894,611号、2019年9月23日出願の米国仮出願第62/904,635号、及び2020年6月24日出願の米国仮出願第63/043,504号の優先権を主張し、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年8月30日出願の米国仮出願第62/894,611号、2019年9月23日出願の米国仮出願第62/904,635号、及び2020年6月24日出願の米国仮出願第63/043,504号の優先権を主張し、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府のライセンス権
本発明は、米国立衛生研究所によって授与されたEB013584の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
本発明は、米国立衛生研究所によって授与されたEB013584の下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
遺伝子の発現を調節するための核酸ベースの構築物は、感受性を増加させ、漏出性を低減させることによって改善することができる。
本開示は、調節可能な遺伝子産物の発現に関連する核酸構築物の発見を認識する。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸構築物を使用する遺伝子発現の調節のための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、核酸構築物における遺伝子発現の調節における選択的スプライシングの有用性を認識する。いくつかの実施形態では、本開示は、リガンド結合アプタマーを利用して遺伝子発現を調節することの有用性を認識する。
いくつかの実施形態では、本開示は、5’から3’の方向で、5’スプライスドナー部位と、操作されたイントロンと、第1の3’スプライスアクセプター部位と、1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、第2の3’スプライスアクセプター部位と、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列と、を含む、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む、遺伝子発現を調節するためのシステムを提供する。
いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、3つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、スリーウェイジャンクションを含むポリAスイッチを含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションは、1つ以上のRNA二本鎖ステムのジャンクションを含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションの部分は一本鎖である。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、リガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、5’UTRを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞における遺伝子産物の発現を調節するための方法を提供する。本方法は、細胞に、5’から3’方向で、5’スプライスドナー部位と、操作されたイントロンと、第1の3’スプライスアクセプター部位と、1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、第2の3’スプライスアクセプター部位と、を含むシステムを導入するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって発現される遺伝子産物は、細胞に対して外因性である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法によって発現される遺伝子産物は、細胞に対して内因性である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、リガンドはグルコースであり、個体は糖尿病、糖尿病前症、または糖尿病による合併症を有し、及び/または発現可能なポリヌクレオチドはインスリンである。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、発現可能なポリヌクレオチドは、ヒト成長ホルモン、凝固因子X、またはジストロフィンなどの治療用遺伝子産物である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体の1つ以上の細胞において生じ、リガンドは、がんバイオマーカーの遺伝子産物であり、発現可能なポリヌクレオチドは、自殺遺伝子である。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体において生じ、発現可能なポリヌクレオチドはレポーター遺伝子であり、レポーター遺伝子の発現の位置及び/または強度は、個体の1つ以上の細胞におけるリガンドの空間分布、時間変動、またはその両方に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、本開示によって提供される方法は、個体、組織、または細胞において生じ、発現可能なポリヌクレオチドは、検出可能な遺伝子産物をコードし、それぞれの個体、組織、または細胞は、画像化される。
特定の実施形態の詳細な説明
いくつかの実施形態では、本開示は、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、とりわけ、1つ以上のスプライスドナー部位、1つ以上のスプライスアクセプター部位、操作されたイントロン、ポリAスイッチ、及び発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのポリA切断シグナルを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、RNA二本鎖ステムを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、調節可能な遺伝子産物発現のための組成物及び方法は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、とりわけ、1つ以上のスプライスドナー部位、1つ以上のスプライスアクセプター部位、操作されたイントロン、ポリAスイッチ、及び発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、少なくとも1つのポリA切断シグナルを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、RNA二本鎖ステムを含む。
アプタマー
アプタマーは、受容体のように折り畳まれ、特定のリガンドに結合する短いRNA配列である。特定のリガンドに対する高い親和性を有するアプタマーを生成するための効率的なインビトロ進化方法が十分に確立されている。アプタマーの結合親和性は、多くの場合、抗体の結合親和性に匹敵するナノモル範囲に到達することができる。この点で、アプタマーは、RNAで作製された抗体とみなすことができる。アプタマーを抗体と区別するのは、その小さなサイズ(多くの場合、50塩基未満)及びそのモジュール性質である。これらの特徴により、アプタマーは結合機能を失うことなく他のRNA構造と統合し制御することができる。アプタマーは、自己切断RNAリボザイムを形質転換してリガンド依存的に動作し、試験管内及び細胞内で分子スイッチのように機能することが実証されている。
アプタマーは、受容体のように折り畳まれ、特定のリガンドに結合する短いRNA配列である。特定のリガンドに対する高い親和性を有するアプタマーを生成するための効率的なインビトロ進化方法が十分に確立されている。アプタマーの結合親和性は、多くの場合、抗体の結合親和性に匹敵するナノモル範囲に到達することができる。この点で、アプタマーは、RNAで作製された抗体とみなすことができる。アプタマーを抗体と区別するのは、その小さなサイズ(多くの場合、50塩基未満)及びそのモジュール性質である。これらの特徴により、アプタマーは結合機能を失うことなく他のRNA構造と統合し制御することができる。アプタマーは、自己切断RNAリボザイムを形質転換してリガンド依存的に動作し、試験管内及び細胞内で分子スイッチのように機能することが実証されている。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のRNA二本鎖ステムを含む。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、単一のポリAアプタマーポリヌクレオチド内に含まれる相補的核酸の分子内塩基対合によって形成される核酸構造である。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムはまた、アームと称され得る。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のRNA二本鎖ステムを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つのRNA二本鎖ステムを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、3つのRNA二本鎖ステムを含む。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、リガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つのリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、3つのリガンド結合アプタマーを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのRNA二本鎖ステムが連結されて、ジャンクションを形成する。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムのジャンクションは、一本鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、3つのRNAステムが会合して、スリーウェイジャンクションを形成する。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションは、少なくとも1つの一本鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションは、1つ、2つ、または3つの一本鎖領域を含む。
いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムのジャンクションによって形成される一本鎖領域は、少なくとも1つの核酸を含む。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムのジャンクションによって形成される一本鎖領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上の核酸を含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションは、第1、第2、及び第3の一本鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、第1の一本鎖領域は、C及びAから選択される少なくとも1つの塩基を含む。いくつかの実施形態では、第2の一本鎖領域は、C及びAから選択される少なくとも1つの塩基を含む。
いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、30、20、10、または5塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、5~30、10~30、20~30、5~10、5~20、5~30、または10~20塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、最大30塩基対の長さである。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、30、20、または10塩基対未満の長さである。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のアプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つのアプタマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、3つのアプタマーを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドに含まれるアプタマーは、少なくとも1つの一本鎖領域と、少なくとも1つのアプタマーRNA二本鎖ステムと、を含む。いくつかの実施形態では、アプタマーRNA二本鎖ステムは、一本鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、
(例えば、アーム2-2)の配列を有するRNA二本鎖ステムを有する。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、
(例えば、3-2である)の配列を有するRNA二本鎖ステムを有する。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、長さが6~10、7~11、8~12、9~13、10~14塩基対の範囲の長さを有するRNA二本鎖ステムを有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドに含まれるアプタマーは、少なくとも1つの一本鎖領域と、少なくとも1つのアプタマーRNA二本鎖ステムと、を含む。いくつかの実施形態では、アプタマーRNA二本鎖ステムは、一本鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、
(例えば、アーム2-2)の配列を有するRNA二本鎖ステムを有する。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、
(例えば、3-2である)の配列を有するRNA二本鎖ステムを有する。いくつかの実施形態では、アプタマーRNAは、長さが6~10、7~11、8~12、9~13、10~14塩基対の範囲の長さを有するRNA二本鎖ステムを有する。
ポリA切断シグナル
様々な実施形態によれば、様々なポリAシグナルのうちの任意のもの(例えば、ポリAシグナル配列によってコードされる)を使用し得る。非限定的な例として、哺乳動物細胞において使用されるポリAシグナル配列としては以下が挙げられる:AAUAAA、AUUAAA、AGUAAA、ACUAAA、UAUAAA、CAUAAA、GAUAAA、AAUAUA、AAUACA、及びAAUAGA。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、2つ以上のポリAシグナル配列(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)を含み得る。
様々な実施形態によれば、様々なポリAシグナルのうちの任意のもの(例えば、ポリAシグナル配列によってコードされる)を使用し得る。非限定的な例として、哺乳動物細胞において使用されるポリAシグナル配列としては以下が挙げられる:AAUAAA、AUUAAA、AGUAAA、ACUAAA、UAUAAA、CAUAAA、GAUAAA、AAUAUA、AAUACA、及びAAUAGA。いくつかの実施形態では、ポリAスイッチは、2つ以上のポリAシグナル配列(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)を含み得る。
ポリアデニル化は、全ての哺乳動物細胞に存在する基本的なmRNAプロセシング機構である。典型的には、哺乳動物のポリAシグナルは、3’非翻訳領域(UTR)に見出される。対照的に、本開示は、遺伝子等の発現可能なポリヌクレオチドの3’非翻訳領域(UTR)以外の位置で発現構築物中に存在するポリA切断シグナルを含む組成物及び方法を提供する。ポリAシグナルが細胞に通常見られない5’UTRにおいて人工的に作製される場合、ポリAシグナルの効率的な切断は、その部位にポリAテールを付加することをもたらす。これにより、導入遺伝子配列と関連するmRNAの後半の除去及び分解が生じ、したがって、遺伝子発現が失われる。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、発現ポリペプチドをコードする発現可能なポリヌクレオチド(mRNA)をコードする核酸配列の翻訳開始部位の上流に存在する。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、mRNAの5’UTRに位置する。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションの一本鎖領域は、ポリA切断シグナルの全部または一部を含む。いくつかの実施形態では、スリーウェイジャンクションの第3の一本鎖領域は、ポリA切断シグナルの全部または一部を含む。いくつかの実施形態では、RNA二本鎖ステムは、ポリA切断シグナルの全部または一部を含む。いくつかの実施形態では、第3のRNA二本鎖ステムは、ポリA切断シグナルの全部または一部を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるポリA切断シグナルの一部は、1つ、2つ、3つ、または4つのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリA切断シグナルは、AAUAAAの配列を有する。いくつかの実施形態では、ポリA切断シグナルは、AUUAAA、AGUAAA、ACUAAA、UAUAAA、CAUAAA、GAUAAA、AAUAUA、AAUACA、AAUAGA、AAAAAG、またはACUAAAの配列を有する。2つ以上のポリAシグナルが構築物で利用される実施形態では、ポリAシグナルは同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、発現可能なポリヌクレオチドは、RNAポリメラーゼIIによって転写されることができる。
いくつかの実施形態では、5’UTR中のポリA切断シグナルの存在は、分解のためのポリAシグナルの後のmRNAの後半を標的とし、この能力は、本開示の種々の組成物及び方法において利用される。いくつかの実施形態では、5’UTR中のポリA切断シグナルの存在は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNA/mRNAの切断をもたらす。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNA/mRNAの切断は、プレmRNA/mRNAの後半の分解をもたらす。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNA/mRNAの切断は、ポリペプチドの発現をもたらさない。
特定の実施形態では、ポリA切断シグナルは、1つ以上のリガンドが結合することができる、少なくとも1つのリガンド結合アプタマーを含むポリAアプタマーポリヌクレオチド内にある。いくつかの実施形態では、リガンドのリガンド結合アプタマーへの結合は、選択的スプライシング後のプレmRNA/mRNAにポリA切断シグナルが存在するか否かを決定する。いくつかの実施形態では、リガンドのリガンド結合アプタマーへの結合は、選択的スプライシング後にプレmRNA/mRNAが切断されるか否かを決定する。いくつかの実施形態では、リガンドのリガンド結合アプタマーへの結合は、発現可能なポリペプチドが選択的スプライシング後に発現されるか否かを決定する。
操作されたイントロン
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、操作されたイントロンを含む。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは1つ以上のスプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、スプライス部位は、スプライスドナー部位(例えば、GU配列を含む)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、スプライス部位は、スプライスアクセプター部位(例えば、AG配列を含む)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンにおけるスプライス部位(例えば、互いに及び/または1つ以上の内因性スプライス部位(複数可)と連動して)は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドから操作されたイントロンを切除するよう機能する。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、操作されたイントロンを含む。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは1つ以上のスプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、スプライス部位は、スプライスドナー部位(例えば、GU配列を含む)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、スプライス部位は、スプライスアクセプター部位(例えば、AG配列を含む)であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンにおけるスプライス部位(例えば、互いに及び/または1つ以上の内因性スプライス部位(複数可)と連動して)は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドから操作されたイントロンを切除するよう機能する。
いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、5’スプライスドナー部位の前にある。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、操作されたイントロンの5’の領域に5’スプライスドナー部位を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、操作されたイントロンの3’に第1の3’スプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドの操作されたイントロンは、5’スプライスドナー部位と、第1の3’スプライスアクセプター部位とを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列のすぐ5’に、第2の3’スプライスアクセプター部位を含む。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、スプライスドナー部位の5’にプロモーターを含む。例示的なプロモーターとしては、例えば、CMV、E1F、VAV、TCRvベータ、MCSV、SV40プロモーター、RSVプロモーター、及びPGKプロモーターが挙げられる。
いくつかの実施形態では、リガンド結合アプタマーに結合したリガンドの非存在下において、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAのスプライシングは、5’スプライスドナー部位と第1の3’スプライスアクセプター部位との間で生じる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAの5’スプライスドナー部位と第1の3’スプライスアクセプター部位との間のスプライシングは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5’UTRの前にポリA切断シグナルを含むmRNAをもたらす。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5’UTRの前のポリA切断シグナルの存在は、ポリA切断部位における切断及び発現可能なポリペプチドをコードする配列の分解をもたらす。
いくつかの実施形態では、リガンド結合アプタマーに結合したリガンドの存在下において、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAのスプライシングは、5’スプライスドナー部位と第2の3’スプライスアクセプター部位との間で生じる。いくつかの実施形態では、5’スプライスドナー部位と第2の3’スプライスアクセプター部位との間の、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAのスプライシングは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含むmRNAをもたらす。いくつかの実施形態では、5’スプライスドナー部位と第2の3’スプライスアクセプター部位との間の、記載されるポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAのスプライシングは、それをスプライシングすることによってポリA切断シグナルの除去をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチドによってコードされるプレmRNAの5’スプライスドナー部位と第2の3’スプライスアクセプター部位との間のスプライシングは、発現可能なポリペプチドの発現をもたらす。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つ以上のリガンド結合アプタマーを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のリガンド結合アプタマーのそれぞれは、異なるリガンドに結合する。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、2つ以上の別個のポリAスイッチを含む。いくつかの実施形態では、第1のポリAスイッチは、第1のリガンドに結合する第1のアプタマーを含み、第2のポリAスイッチは、第2のリガンドに結合する第2のアプタマーを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のアプタマーは同一ではなく、第1及び第2のリガンドは同一ではない。いくつかの実施形態では、第1及び第2のアプタマーは同一ではなく、第1及び第2のリガンドは同一である。
いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、任意の配列である。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、約100、200、300、400、または500ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、100~200、110~200、120~200、130~200、140~200、150~200、160~200、170~200、または180~200塩基の長さの範囲内である。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、最大でも100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220塩基の長さである。いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、以下の配列を有する:
GTGAGTCTTAAGCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATCGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATCTTCATACCTCTTATCTTCCTCTGCAG(配列番号1)
GTGAGTCTTAAGCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATCGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATCTTCATACCTCTTATCTTCCTCTGCAG(配列番号1)
いくつかの実施形態では、操作されたイントロンは、以下の配列を有する:
GTGAGTCTATGGGACCCTTGATGTTTTCTTTCCCCTTCTTTTCTATGGTTAAGTTCATGTCATAGGAAGGGGAGAAGTAACAGGGTACACATATTGACCAAATCAGGGTAATTTTGCATTTGTAATTTTAAAAAATGCTTTCTTCTTTTAATATACTTTTTTGTTTATCTTATTTCTAATACTTTCCCTAATCTCTTTCTTTCAGGGCAATAATGATACAATGTATCATGCCTCTTTGCACCATTCTAAAGAATAACAGTGATAATTTCTGGGTTAAGGCAATAGCAATATTTCTGCATATAAATATTTCTGCATATAAATTGTAACTGATGTAAGAGGTTTCATATTGCTAATAGCAGCTACAATCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATGGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATGTTCATACCTCTTATCTTCCTCCCACAG(配列番号49)
GTGAGTCTATGGGACCCTTGATGTTTTCTTTCCCCTTCTTTTCTATGGTTAAGTTCATGTCATAGGAAGGGGAGAAGTAACAGGGTACACATATTGACCAAATCAGGGTAATTTTGCATTTGTAATTTTAAAAAATGCTTTCTTCTTTTAATATACTTTTTTGTTTATCTTATTTCTAATACTTTCCCTAATCTCTTTCTTTCAGGGCAATAATGATACAATGTATCATGCCTCTTTGCACCATTCTAAAGAATAACAGTGATAATTTCTGGGTTAAGGCAATAGCAATATTTCTGCATATAAATATTTCTGCATATAAATTGTAACTGATGTAAGAGGTTTCATATTGCTAATAGCAGCTACAATCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATGGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATGTTCATACCTCTTATCTTCCTCCCACAG(配列番号49)
本明細書で使用される場合、イントロンは、DNA配列またはその対応するRNA配列のいずれかを指すことができる。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、ポリAアプタマーポリヌクレオチド内のポリAシグナル切断を促進、調節、または補助するための追加の配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5’かつポリA切断シグナルの3’にG-Uリッチ領域を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、ポリAアプタマーポリヌクレオチド内のスプライシングを促進、調節、または補助するための追加の配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、選択的スプライシングの強度を調節することができる核酸トリプレット配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸トリプレット配列は、5’UTR中の第2の3’アクセプター部位に対して3’である。いくつかの実施形態では、核酸トリプレット配列は、操作されたイントロンの3’である。いくつかの実施形態では、核酸トリプレット配列の配列は、任意の3つのヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸トリプレット配列の配列は、TAG、TCT、TTC、TTG、TGA、TGC、TCC、ACA、AAC、ACC、AGC、AGG、CCT、CCC、TTT、TGA、TCT、TAC、CAC、またはCATを含む。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5’かつポリA切断シグナルの3’にG-Uリッチ領域を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5’かつG-Uリッチ領域の3’にGリッチ領域を含む。いくつかの実施形態では、Gリッチ領域は、当該技術分野においてMAZ配列であると理解される。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のGリッチ領域を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上の連続したGリッチ領域を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のMAZ配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上の連続したMAZ配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのMAZ配列を含む。連続したMAZは、1つ以上のスペーサー配列によって分離され得る。いくつかの実施形態では、Gリッチ領域の配列はAACGGGGGAGGGGGAGGAAAGGGGGAGGGGGAGGAAAGGGGGAGGGGGAGGAAAGGGGGAGGGGGA(配列番号47)である。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上の開始コドンを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のフレーム外開始コドンを含む。いくつかの実施形態では、フレーム外開始コドンは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列のコード配列に対してフレーム外である。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、フレームの開始コドンのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、操作されたイントロンの3’の第1の3’スプライスアクセプター部位の3’のフレーム外開始コドンを少なくとも1つ含む。
発現可能なポリペプチド
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、5’UTRを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、3’スプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、分岐点及び3’スプライスアクセプター部位を含む。分岐点は、5’ドナースプライス部位に対する求核攻撃の開始に関与するヌクレオチドまたは複数のヌクレオチドを含むことが当該技術分野で理解されている。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、分岐点を含まない。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、スペーサー配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、少なくとも1つのCAAリピートを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、GCGGCCGCCTTAATTAACAGTGTTCACTAGAGCCAACAACAACAACAACAACAACAACAACAACGACACC(配列番号48)の配列を有する。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、5’UTRを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、3’スプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、分岐点及び3’スプライスアクセプター部位を含む。分岐点は、5’ドナースプライス部位に対する求核攻撃の開始に関与するヌクレオチドまたは複数のヌクレオチドを含むことが当該技術分野で理解されている。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、分岐点を含まない。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、スペーサー配列を含む。いくつかの実施形態では、スペーサー配列は、少なくとも1つのCAAリピートを含む。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列の5‘UTRは、GCGGCCGCCTTAATTAACAGTGTTCACTAGAGCCAACAACAACAACAACAACAACAACAACAACGACACC(配列番号48)の配列を有する。
いくつかの実施形態では、本開示で企図される発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、任意の核酸配列または任意のポリペプチドをコードする任意の遺伝子であり得る。いくつかの実施形態では、非コードRNAをコードする核酸配列である。いくつかの実施形態では、本開示で企図される発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、外因性核酸であり得る。いくつかの実施形態では、本開示において企図される発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドが導入されている対象に内因性の遺伝子であり得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、目的の遺伝子の発現を調節する個体のゲノムの領域に導入される。したがって、いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドを使用して、個体に内因性の遺伝子の発現を調節することができる。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドの発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列は、内因性核酸配列である。
いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、インスリンである。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、ヒト成長ホルモンである。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、凝固因子Xである。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、ジストロフィンである。いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、自殺タンパク質である。いくつかの実施形態では、自殺タンパク質は、細胞死を誘発するタンパク質である。例示的な自殺タンパク質としては、Mixed Lineageキナーゼドメイン様シュードキナーゼ(MLKL)、受容体相互作用セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ3(RIPK3)、受容体相互作用セリン/トレオニン-タンパク質キナーゼ1(RIPK1)、デスドメインを有するFas関連タンパク質(FADD)、またはガスダーミンD(GSDMD)、システイン-アスパラギン酸プロテアーゼ、システインアスパラギンアーゼ、またはシステイン依存性アスパラギン酸指向性プロテアーゼ(カスパーゼ-1またはCASP-1)、カスパーゼ-4、カスパーゼ-5、カスパーゼ-12、PYCARD/ASC(デスドメインを有するFas関連タンパク質を含むPYD及びCARDドメイン)、またはそのバリアントが挙げられる。
いくつかの実施形態では、発現可能なポリペプチドは、検出可能な遺伝子産物である。いくつかの実施形態では、検出可能な遺伝子産物は、レポーターである。いくつかの実施形態では、レポーターは、検出可能なシグナルを提供することができ、及び/または検出可能なシグナルを生成する能力を含む(例えば、化合物を検出可能な生成物に変換する反応を触媒することによって)タンパク質である。検出可能なシグナルは、例えば、蛍光または発光を含むことができる。検出可能なシグナル、それらを検出する方法、及びそれらを試薬(例えば、レポータータンパク質を含むポリペプチド)に組み込む方法は、当該技術分野で周知である。態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、検出可能なシグナルとしては、分光、光化学、生化学、免疫化学、電磁、放射化学、または蛍光、化学蛍光、もしくは化学発光などの化学的手段、または任意の他の適切な手段によって検出され得るシグナルが挙げられ得る。態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、レポータータンパク質は、ルシフェラーゼ、ナノルシフェラーゼ、ベータ-ラクタマーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、カタラーゼ、カルボニックアンヒドラーゼ、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、トリプシン、プロテアーゼ、短縮化レポータータンパク質を補完及び活性化するペプチド、キナーゼからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドの活性または機能は、発現可能なポリペプチドの発現によって測定される。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドの活性または機能は、誘導倍率によって測定される。いくつかの実施形態では、誘導倍率は、リガンドの存在下での発現可能なポリペプチドと、リガンドの非存在下での発現可能なポリペプチドとの比率として計算される。いくつかの実施形態では、誘導倍率は、アプタマーの存在下での発現可能なポリペプチドと、異なるアプタマーの存在下での発現可能なポリペプチドとの比率として計算される。いくつかの実施形態では、誘導倍率は、少なくとも1つのスプライスアクセプター部位及び1つのスプライスドナー部位を含むアプタマーの存在下での発現可能なポリペプチドと、スプライス部位を有しない異なるアプタマーの存在下での発現可能なポリペプチドとの比率として計算される。いくつかの実施形態では、誘導倍率は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドの導入前の内因性遺伝子の発現と、同じ内因性遺伝子の発現を調節するポリAアプタマーポリヌクレオチドの導入後の内因性遺伝子の発現との比率として計算される。
リガンド
種々の実施形態によれば、リガンドは、提供されるシステムの所望の最終目的を促進するように選択され得る。したがって、リガンドは、ポリペプチド、核酸、低分子、薬物、代謝産物、またはそれらの組み合わせであり得るか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、リガンドは、細胞代謝産物、異常な細胞タンパク質、または病原性生物(例えば、ウイルス、細菌、または真菌)によって発現されるタンパク質であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、特定の治療コンテキストで必要に応じてシステムの投与及び機能が容易に調節され得るように、外因的に投与される小分子であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、テトラサイクリンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、発現可能なポリペプチドの発現が特定の生物学的状態(例えば、感染、腫瘍形成、高または低グルコース)に応答して、例えば、細胞、組織、または対象内の1つ以上の細胞内「サイン」を検出することができるバイオセンサーシステムとして生じるように選択され得る。したがって、いくつかの実施形態では、リガンドは、対象に内因性である(例えば、内因性タンパク質)。いくつかの実施形態では、リガンドは、ネオマイシンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、テオフィリンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、グルコースである。いくつかの実施形態では、リガンドは、がんバイオマーカーである。
種々の実施形態によれば、リガンドは、提供されるシステムの所望の最終目的を促進するように選択され得る。したがって、リガンドは、ポリペプチド、核酸、低分子、薬物、代謝産物、またはそれらの組み合わせであり得るか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、リガンドは、細胞代謝産物、異常な細胞タンパク質、または病原性生物(例えば、ウイルス、細菌、または真菌)によって発現されるタンパク質であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、特定の治療コンテキストで必要に応じてシステムの投与及び機能が容易に調節され得るように、外因的に投与される小分子であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、テトラサイクリンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、発現可能なポリペプチドの発現が特定の生物学的状態(例えば、感染、腫瘍形成、高または低グルコース)に応答して、例えば、細胞、組織、または対象内の1つ以上の細胞内「サイン」を検出することができるバイオセンサーシステムとして生じるように選択され得る。したがって、いくつかの実施形態では、リガンドは、対象に内因性である(例えば、内因性タンパク質)。いくつかの実施形態では、リガンドは、ネオマイシンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、テオフィリンまたはその誘導体である。いくつかの実施形態では、リガンドは、グルコースである。いくつかの実施形態では、リガンドは、がんバイオマーカーである。
ベクター
いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、ベクターによって導入され得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターであり得る。好適なウイルスベクターとして、限定されないが、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アルファウイルス、ピコルナル(例えば、ポリオ)ワクシニア、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及び鳥痘ウイルスベクターが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、ベクターによって導入され得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターであり得る。好適なウイルスベクターとして、限定されないが、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アルファウイルス、ピコルナル(例えば、ポリオ)ワクシニア、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及び鳥痘ウイルスベクターが挙げられる。
治療を含む例示的な使用
本開示によれば、ポリAアプタマーポリヌクレオチド及び/または1つ以上のポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムは、様々な用途のいずれかにおいて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、例えば、発現可能なポリヌクレオチドによってコードされる治療用タンパク質の制御可能な発現を提供することによって、疾患に罹患している個体の治療に使用される。いくつかの実施形態では、疾患は、遺伝的障害によって引き起こされる特定のタンパク質(複数可)の欠如である。いくつかの実施形態では、疾患は、糖尿病、糖尿病前症、または糖尿病による合併症である。いくつかの実施形態では、疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、疾患は、筋ジストロフィーである。いくつかの実施形態では、疾患は、遺伝性第X因子欠乏症である。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、疾患の他の治療と併用して提供される。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、多能性幹細胞(誘導多能性幹細胞またはiPSC)への細胞のリプログラミングを誘導するために使用される。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、疾患の他の治療の前、治療中、または治療後に導入または投与される。いくつかの実施形態では、治療用タンパク質は、インスリン、成長ホルモン、ジストロフィン、アルブミン、第IX因子、Oct4、Sox2、Klf4、cMyc、及びそれらの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含む。
本開示によれば、ポリAアプタマーポリヌクレオチド及び/または1つ以上のポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムは、様々な用途のいずれかにおいて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、例えば、発現可能なポリヌクレオチドによってコードされる治療用タンパク質の制御可能な発現を提供することによって、疾患に罹患している個体の治療に使用される。いくつかの実施形態では、疾患は、遺伝的障害によって引き起こされる特定のタンパク質(複数可)の欠如である。いくつかの実施形態では、疾患は、糖尿病、糖尿病前症、または糖尿病による合併症である。いくつかの実施形態では、疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、疾患は、筋ジストロフィーである。いくつかの実施形態では、疾患は、遺伝性第X因子欠乏症である。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、疾患の他の治療と併用して提供される。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、多能性幹細胞(誘導多能性幹細胞またはiPSC)への細胞のリプログラミングを誘導するために使用される。いくつかの実施形態では、本開示のポリAアプタマーポリヌクレオチドは、疾患の他の治療の前、治療中、または治療後に導入または投与される。いくつかの実施形態では、治療用タンパク質は、インスリン、成長ホルモン、ジストロフィン、アルブミン、第IX因子、Oct4、Sox2、Klf4、cMyc、及びそれらの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含む。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムを使用して、療法が特定の対象において有効であるかどうかに関する情報を提供してもよい。1つ以上の療法が対象において有効であるかどうかを決定することが望ましいいくつかの実施形態では、療法が提供される前に、例えば、療法のための特定の指示性化合物の存在または非存在を検出するためにシステムが対象において使用され得、次いで、療法が1回以上提供された後に、特定の指示性化合物の存在または非存在を検出するために、システムが対象において使用され得る。他の実施形態では、本システムは、療法の有効性を示す特定の化合物の存在または非存在を識別するように、療法が対象に1回以上提供される後まで、療法をモニターするために使用されない。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチド及び/または1つ以上のポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムを、バイオセンサーとして使用してもよい。様々な実施形態によれば、提供されるシステムは、特定の環境(例えば、細胞内、細胞外、及び/または環境)に関する空間的及び/または時間的情報を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムを使用して、対象における1つ以上の特定の分子サインを検出し、分子サイン(複数可)の存在に応答して所望の生物学的状態を達成するために所望の発現可能なポリペプチドの産生を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、分子サインは、特定の内因性遺伝子産物(例えば、疾患関連遺伝子産物/タンパク質)の存在、毒素の存在、外因性遺伝子産物の存在、代謝産物(例えば、環境汚染物質由来の代謝産物)の存在、及びそれらの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含むことができる。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドは、1つ以上のレポーター部分(例えば、レポーター遺伝子産物、例えば、イメージングレポーター)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドに含まれる発現可能なポリヌクレオチドは、レポーター遺伝子産物(例えば、タンパク質)をコードする。いくつかの実施形態では、レポーター遺伝子産物は、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、β-ガラクトシダーゼ、赤外線蛍光タンパク質、近赤外線蛍光タンパク質、オプシン、及びそれらの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含むシステムは、レポーター遺伝子産物と治療用遺伝子産物の両方をコードし得る。いくつかのそのような実施形態では、レポーター遺伝子産物及び治療用遺伝子産物の発現は、同じアプタマーによって制御され得る。いくつかの実施形態では、レポーター遺伝子産物及び治療用遺伝子産物の発現は、異なるアプタマーによって制御され得る。
本実施例は、ポリA切断を制御するために薬物誘導性選択的スプライシングの力を利用する、応答性の高い遺伝子調節機構を記載する。図1は、本開示のいくつかの実施形態の描写を提供する。図1Aに示すように、操作された短いイントロン(ミニIVS2)及び新しいポリAシグナル(赤色)が導入遺伝子の5’UTRにおいて人工的に作製されるとき、イントロンの効率的なスプライシング及びポリAシグナルの切断は、mRNAの後半の破壊をもたらし、したがって遺伝子発現の喪失をもたらす。Y字型スイッチ(緑色)の一部として操作されたアプタマーへの特異的リガンドの結合は、効率的に代替のスプライシングを誘導する。リガンド誘導の選択的スプライシングは、Y字型構造及び人工の5’UTRポリAシグナルの除去をもたらす。これは次いで、インタクトなmRNAの保存、したがって誘導された遺伝子発現をもたらす。なお、第2の3’スプライス部位(3’ss)は、5’UTR配列に構築される。この3’スプライス部位は、アプタマーに結合したリガンド(例えば、テトラサイクリン、「Tc」)の後にのみ活性化される。Y構造の隣の4MAZ配列は、リガンド結合時に選択的スプライシングを強化するためのものである。
図1Bは、本明細書に記載される3つのアプタマーを含むポリAスイッチの実証を提供する。それぞれのアプタマーは、Y字型RNA構造の1つのアーム上に位置する。このY字型の設計には、いくつかの重要な利点がある。3つのアプタマーを組み込んで、中央のスリーウェイジャンクションに戦略的に配置されたポリAシグナル(pA)を制御する。これにより、3つの異なるアプタマーから生成されるテトラサイクリン結合効果の組み合わされた力を利用する。Y字型構造はコンパクトであり、3つのアプタマーを組み込むために全体的に短い配列を必要とする。Y字型構造は、RNA生合成中に本質的に折り畳まれるように設計される。3つのアプタマーは、アプタマー間の代替的な折り畳みの可能性を最小限に抑えるために、フォワード-フォワード-リバース方向に配置される。さらに、35bpよりも長い二本鎖RNAステムは、細胞において先天的な免疫応答を誘発することが知られている。したがって、Y構造内の全てのステムは、先天性免疫応答を排除するために、35pbよりも大幅に短くされる。
図1Cは、本明細書に記載のポリAスイッチの核酸配列の例(Y196CAA)を提供する。Y字型構造の全ての構成要素の効果を広範囲にプローブするように、370以上の構築物を設計及び試験した。これらには、(1)それぞれのアームの長さ、(2)それぞれのアームの配列、(3)それぞれのアームのループ、ならびに(4)ポリAシグナルが配置される中央のスリーウェイジャンクションの配列及びサイズが含まれる。これらの構成要素の改変の効果については、これらの非限定的な実施例にさらに記載される。
実施例1:ポリA切断シグナルの調節
位置
異なる構成であり、ポリA切断シグナルが異なる位置に位置付けされている追加のY字型構造を試験するために構築物を作製した。4つの異なる構築物を作製した:ポリAシグナル(赤色)をアプタマーCの近くに配置し、スリーウェイジャンクションによってクランプするB1~B4(図2A;B1構築物を示す)。これらは誘導を示さなかったか、または最小限の誘導を示した。スリーウェイジャンクション付近で、さらに4つのポリAシグナルを有する構築物を作製した:T1~T4(図2B)。これらはまた、最小または中程度の誘導を示した。図2Cは、3つのアプタマーがスリーウェイジャンクションなしで互いに積み重なっているポリAスイッチを例示する。この構成については最小限の誘導が観察された。図1Bに示す、ポリAシグナルがスリーウェイジャンクションの近くに配置された特定のY字型の構成は、追加の試験に使用される。この構成では、スリーウェイジャンクションは異なる向きで曲がり、ポリAシグナルをクランプするためのユニークな形状を提供する。それぞれのアームの安定性は、塩基対の数及び塩基対の組成(例えば、G-Cは、A-UまたはG-Uペアよりも安定である)の2つの因子によって決定される。
位置
異なる構成であり、ポリA切断シグナルが異なる位置に位置付けされている追加のY字型構造を試験するために構築物を作製した。4つの異なる構築物を作製した:ポリAシグナル(赤色)をアプタマーCの近くに配置し、スリーウェイジャンクションによってクランプするB1~B4(図2A;B1構築物を示す)。これらは誘導を示さなかったか、または最小限の誘導を示した。スリーウェイジャンクション付近で、さらに4つのポリAシグナルを有する構築物を作製した:T1~T4(図2B)。これらはまた、最小または中程度の誘導を示した。図2Cは、3つのアプタマーがスリーウェイジャンクションなしで互いに積み重なっているポリAスイッチを例示する。この構成については最小限の誘導が観察された。図1Bに示す、ポリAシグナルがスリーウェイジャンクションの近くに配置された特定のY字型の構成は、追加の試験に使用される。この構成では、スリーウェイジャンクションは異なる向きで曲がり、ポリAシグナルをクランプするためのユニークな形状を提供する。それぞれのアームの安定性は、塩基対の数及び塩基対の組成(例えば、G-Cは、A-UまたはG-Uペアよりも安定である)の2つの因子によって決定される。
ポリA切断シグナルの数
試験を実施して、Y字型構造におけるポリAシグナル(複数可)の最適数を評価した。図3Aは、赤いボックスによって示される2つのポリAシグナルを用いたYシリーズからの3つの構造の試験を示す。Y1は、これらの3つの構築物において最も高い約12倍の誘導を示す。この群では、アーム3-1の大部分はA-UまたはG-Uペアであるため、一定の安定性に達するためにはより長いステムが必要である。図において実証されるように、本明細書に例示される構築物のアームは、二本鎖核酸ステムを含む。アームを短くすると、3-1はより低い誘導をもたらす。図3Bは、アームの長さの効果をさらに示す。Y5~Y9は、アーム3-1(青色のボックス)及びアーム2-1(緑色のボックス)の可変長を持つ1つのポリAシグナル(赤色のボックス)のみを有する。アーム3-1及びアーム2-1の長さは、Y5からY9まで1bpずつ短くなる。この1つのポリA構成は、より良い誘導をもたらす。図3Cは、アーム1-2に2つのポリAシグナル(Y6mut)が連続して存在する場合、誘導が約半減することを示す。Y6mut:2つのポリAシグナル(赤いボックス)がアーム1-2に埋め込まれていることを除いて、Y6と同じである。これらの結果に基づいて、ポリAシグナルの最適な数及び位置が決定される:単一のポリAシグナルが、アーム1-2及びスリーウェイジャンクションに部分的に埋め込まれている。構成は、さらなる最適化の基礎として使用される。
試験を実施して、Y字型構造におけるポリAシグナル(複数可)の最適数を評価した。図3Aは、赤いボックスによって示される2つのポリAシグナルを用いたYシリーズからの3つの構造の試験を示す。Y1は、これらの3つの構築物において最も高い約12倍の誘導を示す。この群では、アーム3-1の大部分はA-UまたはG-Uペアであるため、一定の安定性に達するためにはより長いステムが必要である。図において実証されるように、本明細書に例示される構築物のアームは、二本鎖核酸ステムを含む。アームを短くすると、3-1はより低い誘導をもたらす。図3Bは、アームの長さの効果をさらに示す。Y5~Y9は、アーム3-1(青色のボックス)及びアーム2-1(緑色のボックス)の可変長を持つ1つのポリAシグナル(赤色のボックス)のみを有する。アーム3-1及びアーム2-1の長さは、Y5からY9まで1bpずつ短くなる。この1つのポリA構成は、より良い誘導をもたらす。図3Cは、アーム1-2に2つのポリAシグナル(Y6mut)が連続して存在する場合、誘導が約半減することを示す。Y6mut:2つのポリAシグナル(赤いボックス)がアーム1-2に埋め込まれていることを除いて、Y6と同じである。これらの結果に基づいて、ポリAシグナルの最適な数及び位置が決定される:単一のポリAシグナルが、アーム1-2及びスリーウェイジャンクションに部分的に埋め込まれている。構成は、さらなる最適化の基礎として使用される。
実施例2:スリーウェイジャンクションの最適化
スリーウェイジャンクションの環境を改変すると、ポリAシグナルのクランプに直接影響を及ぼす。したがって、Y字型スイッチの性能は、スリーウェイジャンクションの変化に非常に敏感である。最良の配列を同定するために、スリーウェイジャンクション周辺の広範な変異/挿入/欠失試験を行った。図4Aは、おそらくこの変異が、ポリAシグナルのクランプを締め付ける新しいG-U塩基ペアをアーム3-1上で生成するために、Y22におけるUからGへの変異が誘導を2倍にすることを示す。図4Bは、誘導に対する異なるスリーウェイジャンクション配列の効果を示す実施例を提供する。図4Cは、スリーウェイジャンクションのボックス-1に3塩基対1塩基を有する構築物を比較する。Y107~Y110は、ボックス1に3つの塩基を有するY79の誘導体である。Y107~Y110は、ボックス1に1つの塩基のみを有する。Y107はY79と同様の性能を発揮し、ボックス1内の1つのペアになっていない塩基で十分であることを示している。図4Dは、スリーウェイジャンクションのボックス2に1つの塩基を挿入した結果を示しており、これはスリーウェイジャンクションにおけるフォールディングの微妙な変化をもたらす。結果から、最良の構成はボックス2内の1つの対形成していない塩基であることが示唆される。図4Eの構築物については、ボックス1及びボックス2の単一塩基をランダム化した。16個の組み合わせを試験し、結果は、同日に試験した親Y79と比較した場合、Y127、Y130、及びY134がそれらの中で最良であることを示した。図4Fは、Y130を基礎として用いた構築物のさらなる最適化を示す。試験した改変のいずれも、大幅な改善をもたらさなかった。図4Gは、ほとんど誘導の変化をもたらさなかったY143に対して行われた追加の改変を示す。図4Hは、Y147に対して行われた追加の改変を示す。Y163はY147と比較してわずかに誘導性が向上するが、Y162はわずかに誘導性が低下する。図4Iは、Y163に対して行われた追加の改変を示す。Y177はY163と比較して誘導性が向上するが、Y178は誘導性が低下する。図4Jは、Y152に対して行われた改変を示す。これらの改変は、Y152と比較して大幅な改善をもたらす。特に、Y166は誘導が2倍近くになる。Y166は、さらなる最適化のための新たなベースとなる。図4Kは、Y166に対して行われた追加の改変を示す。これらの改変は、Y166と比較して大幅な改善をもたらす。また、最適化のための新しいベースとしても機能する。
スリーウェイジャンクションの環境を改変すると、ポリAシグナルのクランプに直接影響を及ぼす。したがって、Y字型スイッチの性能は、スリーウェイジャンクションの変化に非常に敏感である。最良の配列を同定するために、スリーウェイジャンクション周辺の広範な変異/挿入/欠失試験を行った。図4Aは、おそらくこの変異が、ポリAシグナルのクランプを締め付ける新しいG-U塩基ペアをアーム3-1上で生成するために、Y22におけるUからGへの変異が誘導を2倍にすることを示す。図4Bは、誘導に対する異なるスリーウェイジャンクション配列の効果を示す実施例を提供する。図4Cは、スリーウェイジャンクションのボックス-1に3塩基対1塩基を有する構築物を比較する。Y107~Y110は、ボックス1に3つの塩基を有するY79の誘導体である。Y107~Y110は、ボックス1に1つの塩基のみを有する。Y107はY79と同様の性能を発揮し、ボックス1内の1つのペアになっていない塩基で十分であることを示している。図4Dは、スリーウェイジャンクションのボックス2に1つの塩基を挿入した結果を示しており、これはスリーウェイジャンクションにおけるフォールディングの微妙な変化をもたらす。結果から、最良の構成はボックス2内の1つの対形成していない塩基であることが示唆される。図4Eの構築物については、ボックス1及びボックス2の単一塩基をランダム化した。16個の組み合わせを試験し、結果は、同日に試験した親Y79と比較した場合、Y127、Y130、及びY134がそれらの中で最良であることを示した。図4Fは、Y130を基礎として用いた構築物のさらなる最適化を示す。試験した改変のいずれも、大幅な改善をもたらさなかった。図4Gは、ほとんど誘導の変化をもたらさなかったY143に対して行われた追加の改変を示す。図4Hは、Y147に対して行われた追加の改変を示す。Y163はY147と比較してわずかに誘導性が向上するが、Y162はわずかに誘導性が低下する。図4Iは、Y163に対して行われた追加の改変を示す。Y177はY163と比較して誘導性が向上するが、Y178は誘導性が低下する。図4Jは、Y152に対して行われた改変を示す。これらの改変は、Y152と比較して大幅な改善をもたらす。特に、Y166は誘導が2倍近くになる。Y166は、さらなる最適化のための新たなベースとなる。図4Kは、Y166に対して行われた追加の改変を示す。これらの改変は、Y166と比較して大幅な改善をもたらす。また、最適化のための新しいベースとしても機能する。
Y174、Y175、Y176、及びY177(図4Lを参照されたい)は、最良のスリーウェイジャンクション配列のうちの1つである。これらの構築物は全て、ボックス1及びボックス2中に単一の塩基CまたはAを有する。これらの構築物において、ポリAシグナルAAUAAA(赤色ボックス)の最初の3塩基は、スリーウェイジャンクションのポケットに開いている。ポリAシグナルの最後の2つの塩基は、アーム1-2に埋め込まれる。
スリーウェイジャンクションのポケットに対するポリAシグナルの位置を変更すると、誘導能力を変化させることができる(図5)。Y135~Y140では、Y101に対して、スリーウェイジャンクションのポケットをポリAシグナルに沿って移動させる。その結果、ポリAシグナルはアーム1-2の奥深くに埋め込まれる。これらの改変は、より低い誘導をもたらす。Y101の誘導体であるY101mutは、潜在的な3’スプライス部位を除去する、アーム2-1内の反転C-Gペア(赤い矢印で示される)を含む。構築物Y141~Y159はY101mutに基づく。スリーウェイジャンクションポケットは、ポリAシグナルに沿って移動される。スリーウェイジャンクションポケットをポリAシグナルに沿って移動させた誘導結果を図5の最後の部分に示す。
実施例3:二本鎖ステム
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチド構築物は、核酸(例えば、RNA)二本鎖ステムを含む。このような二本鎖領域は、本開示ではアームとも称される。長さ、安定性、及びヌクレオチド組成物の改変は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドの強度及び有効性に影響を及ぼし得る。
本明細書に記載のポリAアプタマーポリヌクレオチド構築物は、核酸(例えば、RNA)二本鎖ステムを含む。このような二本鎖領域は、本開示ではアームとも称される。長さ、安定性、及びヌクレオチド組成物の改変は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドの強度及び有効性に影響を及ぼし得る。
以前の結果(構築物Y1~Y9を使用した、図3)は、アーム3-1の安定性が一定の範囲内である必要があることを示した。アーム3は、ポリAシグナルに非常に近いため、非常に敏感な領域である。アーム3の安定性のわずかな変化は、ポリAシグナルクランプの有意な変化をもたらし得るため、誘導をもたらす。Y35をベースに、アーム3を最適化するために多くの改変を行った。図6A~6Bは、アーム3の変化に基づく誘導変動を示す。これらの図において、親構築物は右側にあり、改変の結果は左側に示される。図6Aは、アーム3-1の改変の結果を示す。アーム3-2の強度が低下した構築物Y43~Y45は、Y35に基づく。アーム3-2の強度が低下した構築物Y188C及びY189Cは、Y175に基づく。アーム3-2の強度が低下した構築物Y188D及びY189Dは、Y176に基づく。様々な場所でG-CペアをG-Uペアに変更することによって、より弱い強度のアーム3-2を有する構築物Y219A~224Aは、Y197に基づく。図6Bは、アーム3-2の改変の結果を示す。構築物Y201~Y203はY175に基づく。より弱いアーム3-2を持つ構築物Y216B~217BはY208に基づく。結果は、アーム3-2の長さを増大させ、ループ配列を変化させることが、誘導を大幅に低減することを示す。
これらの改変の大部分は誘導を有意に低減させ、いずれもY35を上回るものではない。したがって、Y35のアーム3は、試験したもののY字型構造の最適なアーム3配列を表す。Y175、Y197、及びY210等の、アーム3改変に使用されるいくつかの他の親構築物は、全て、Y35の同一のアーム3配列を共有する。
アーム2(すなわち、アーム2-1及びアーム2-2)である二本鎖ステムへの改変は、アーム2の安定性を変化させる。この改変には、長さ、配列の変化、ならびにステムにミスマッチを生じさせる点変異が含まれる(図7)。図7Aは、アーム2-2の改変の結果を示す。構築物Y48~Y53はY35に基づく。図7Bは、アーム2-1改変の結果を示す。これらの改変の結果は、誘導が、アーム3のものと比較して、アーム2の安定性の変化に対して感受性が低いことを示す。これは、そのアーム2がポリAシグナルに直接接続されていないためであると推測される。それにもかかわらず、アーム2は、良好な誘導を達成するために特定のレベルの安定性を必要とする。不安定なアーム2は、非常に低い誘導をもたらす。これらの結果に示されるアーム2の配列を経験的に決定する。アーム2配列のいくつかは、すでに最適な安定性範囲内にあり、非常に効率的な誘導をもたらすほぼ最適な配列を表す。安定性のさらなる増加は、誘導を増加または減少させる。
図8は、様々な改変のアーム1-2の結果を示す。図9は、アーム1-1の様々な改変の結果を示す。
実施例4:アプタマーの方向
他のアプタマーと比較したそれぞれのアプタマーの方向は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドの機能の効果を有し得る。図10Aは、アプタマーBの向きが逆である、Y35に基づく構築物Y54~Y57の結果を示す。アプタマーBの方向を反転させることは、誘導をほとんど排除する。図10Bは、アプタマーAの向きが逆である、Y196CAAに基づく構築物Y240~Y252の誘導結果を示す。アプタマーAの方向を逆転させることは、アーム1-2の長さに関係なく、誘導を完全に排除する。
他のアプタマーと比較したそれぞれのアプタマーの方向は、ポリAアプタマーポリヌクレオチドの機能の効果を有し得る。図10Aは、アプタマーBの向きが逆である、Y35に基づく構築物Y54~Y57の結果を示す。アプタマーBの方向を反転させることは、誘導をほとんど排除する。図10Bは、アプタマーAの向きが逆である、Y196CAAに基づく構築物Y240~Y252の誘導結果を示す。アプタマーAの方向を逆転させることは、アーム1-2の長さに関係なく、誘導を完全に排除する。
実施例5:それぞれのアプタマーの誘導への寄与
図11Aは、Y字型構造のそれぞれのアプタマーの誘導への寄与を示す。Y字型構造のそれぞれのアプタマーは、そのリガンドテトラサイクリンへの結合を排除する結合ポケット内のAからCの変異(矢印)によって無効にすることができる。NA:アプタマーAは無効である。NB:アプタマーBは無効である。NC:アプタマーCは無効である。NAB:アプタマーA及びBは無効である。NBC:アプタマーB及びCは無効である。NAC:アプタマーA及びCは無効である。これらの結果は、アプタマーCが最終誘導に最も大きく寄与することを示す。この後、アプタマーB、次いでアプタマーAが続く。
図11Aは、Y字型構造のそれぞれのアプタマーの誘導への寄与を示す。Y字型構造のそれぞれのアプタマーは、そのリガンドテトラサイクリンへの結合を排除する結合ポケット内のAからCの変異(矢印)によって無効にすることができる。NA:アプタマーAは無効である。NB:アプタマーBは無効である。NC:アプタマーCは無効である。NAB:アプタマーA及びBは無効である。NBC:アプタマーB及びCは無効である。NAC:アプタマーA及びCは無効である。これらの結果は、アプタマーCが最終誘導に最も大きく寄与することを示す。この後、アプタマーB、次いでアプタマーAが続く。
図11Bは、Y字型構造からアプタマーAを除去する効果を示す。ボックスは、それぞれの構築物について除去された配列を示す。アプタマーAを除去することは、親Y196CAAと比較してレベルが有意に低減するが、中程度の誘導を保持する。
実施例6:5’UTRの改変
図12Aは、5’UTRにCAAリピート(下線)を挿入することにより、誘導レベルを変化させることができることを実証する。ここで、Y196、Y208、Y209、及びY211にCAAリピートを挿入することは、全て、より高い誘導をもたらす。Y301の5’UTRにCAAリピートを含むスペーサー配列を挿入すると、誘導に対する可変効果がもたらされる。これらのスペーサー配列は、互いにわずかに異なるに過ぎないが、誘導の大きな差異をもたらし、この領域が変化に非常に敏感であることを示す。図12Bは、S56を親構築物として使用した、強力な3’スプライス部位を有する新しい5’UTR配列の試験のいくつかの例を示す。図12Cは、CAAリピートを使用せずに翻訳開始ATGの近くの5’UTRに本質的に非構造化RNA配列を付加した結果を示す。これらの構築物は、Y300及びY305に基づく。Y300ベースの構築物の中では、Y329が最も優れている。Y305の性能を上回るものではないが、CAAリピートを使用しないという利点がある。図12Dは、CAAリピートの挿入位置が誘導にも著しく影響することを示す。
図12Aは、5’UTRにCAAリピート(下線)を挿入することにより、誘導レベルを変化させることができることを実証する。ここで、Y196、Y208、Y209、及びY211にCAAリピートを挿入することは、全て、より高い誘導をもたらす。Y301の5’UTRにCAAリピートを含むスペーサー配列を挿入すると、誘導に対する可変効果がもたらされる。これらのスペーサー配列は、互いにわずかに異なるに過ぎないが、誘導の大きな差異をもたらし、この領域が変化に非常に敏感であることを示す。図12Bは、S56を親構築物として使用した、強力な3’スプライス部位を有する新しい5’UTR配列の試験のいくつかの例を示す。図12Cは、CAAリピートを使用せずに翻訳開始ATGの近くの5’UTRに本質的に非構造化RNA配列を付加した結果を示す。これらの構築物は、Y300及びY305に基づく。Y300ベースの構築物の中では、Y329が最も優れている。Y305の性能を上回るものではないが、CAAリピートを使用しないという利点がある。図12Dは、CAAリピートの挿入位置が誘導にも著しく影響することを示す。
実施例7:Gクワッド配列の重要性
我々は、誘導に対するG-クワッド配列の効果を試験した。図13Aは、親としてY196CAAを使用した2MAZと比較して、3MAZまたはCD44のG-クワッドが同様の誘導レベルに達することを示す。しかしながら、4MAZは、選択的スプライシングを効果的に誘導する能力により、誘導を劇的に倍増させた。図13Bは、S56構築物を親として使用して、4MAZのG-クワッドを置き換えるために異なるG-クワッド配列を試験したときの誘導結果を示す。これらの構築物において、4MAZは、1つのCD44のG-クワッド「TGGTGGTGGAATGGT」(S177)、2つのCD44のG-クワッド「TGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGT」(S178)、または4つのCD44G-クワッド「TGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGT」(S179)によって置き換えられる。結果は、4MAZの効果が独自であり、他のG-クワッド配列によって置き換えることができないことを示す。4MAZ配列は、独自の特性を有し、効率的なポリAシグナル切断とTc誘導選択的スプライシングの両方を必要とするハイブリッドスイッチの重要な要素である。図14は、4MAZ配列の重要性をさらに示す。RT-PCRは、薬物誘導性選択的スプライシングの機構を明らかにした。Tcの非存在下では、IVS2スプライシングRNAはポリA切断によって分解される(レーン1及び3)。Tcの存在は、Y196CAA-2MAZとY196CAA-4MAZの両方において選択的スプライシングを誘導する(レーン2及び4)。サンガー配列決定は、Tc誘導バンド(下位バンド)が、予想される選択的スプライスRNAジャンクションを含むことを確認した。Tc誘導選択的スプライシングは、Y196CAA-4MAZにおいて、Y196CAA-2MAZと比較してはるかに顕著である(レーン4対2)。この誘導された選択的スプライシングでは、Tcの存在下でポリAシグナルとY字型構造の両方が除去され、タンパク質発現の誘導が有意に増加する。
我々は、誘導に対するG-クワッド配列の効果を試験した。図13Aは、親としてY196CAAを使用した2MAZと比較して、3MAZまたはCD44のG-クワッドが同様の誘導レベルに達することを示す。しかしながら、4MAZは、選択的スプライシングを効果的に誘導する能力により、誘導を劇的に倍増させた。図13Bは、S56構築物を親として使用して、4MAZのG-クワッドを置き換えるために異なるG-クワッド配列を試験したときの誘導結果を示す。これらの構築物において、4MAZは、1つのCD44のG-クワッド「TGGTGGTGGAATGGT」(S177)、2つのCD44のG-クワッド「TGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGT」(S178)、または4つのCD44G-クワッド「TGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGTAAATGGTGGTGGAATGGT」(S179)によって置き換えられる。結果は、4MAZの効果が独自であり、他のG-クワッド配列によって置き換えることができないことを示す。4MAZ配列は、独自の特性を有し、効率的なポリAシグナル切断とTc誘導選択的スプライシングの両方を必要とするハイブリッドスイッチの重要な要素である。図14は、4MAZ配列の重要性をさらに示す。RT-PCRは、薬物誘導性選択的スプライシングの機構を明らかにした。Tcの非存在下では、IVS2スプライシングRNAはポリA切断によって分解される(レーン1及び3)。Tcの存在は、Y196CAA-2MAZとY196CAA-4MAZの両方において選択的スプライシングを誘導する(レーン2及び4)。サンガー配列決定は、Tc誘導バンド(下位バンド)が、予想される選択的スプライスRNAジャンクションを含むことを確認した。Tc誘導選択的スプライシングは、Y196CAA-4MAZにおいて、Y196CAA-2MAZと比較してはるかに顕著である(レーン4対2)。この誘導された選択的スプライシングでは、Tcの存在下でポリAシグナルとY字型構造の両方が除去され、タンパク質発現の誘導が有意に増加する。
実施例8:第1の3’スプライスアクセプター部位の調節
Tc誘導選択的スプライシングの機構をさらに最適化するために、IVS2の3’スプライス部位位置及び周囲配列/構造の効果を広範囲にプローブした。改変としては、IVS23’スプライス部位をアーム1に埋め込むこと、IVS2の3’スプライス部位をアプタマー結合部位よりも近くまたは遠くに移動させること、IVS2の3’スプライス部位をアーム1の緩いバルジに入れること、IVS2の3’スプライス部位を宿主とするアーム1の長さまたは安定性を変更すること、IVS2の3’スプライス部位のスプライシング強度を変更することが挙げられる。図15Aは、IVS2の3’スプライス部位をY196CAA-4MAZ(S1-S4)のアーム1-1内に徐々に移動させた結果を示す。また、IVS2の3’スプライス部位がCAGからCCCに変異した場合(S5)、誘導がほぼ排除されることも示されている。図15Bは、IVSの3’スプライス部位がアプタマーAのTc結合ポケット(赤矢印;S9)の近くのアーム1-1に完全に埋め込まれると、このスプライス部位が強く阻害され、非常に低い誘導をもたらすことを示す。これは、アプタマーによるIVS2の3’スプライス部位のクランプが強すぎないことを示す。さらに、アプタマーAの配列(S9m)の一部を欠失させることによって、アプタマーAのクランプ効果を減少させることで、誘導を回復させる。IVSの3’スプライス部位をS9mのアーム1に沿って移動させると、親S9mと比較して短く、同様の誘導レベルを有するS19をもたらす(図15C)。図15Dは、IVS2の3’スプライス部位CAGがアーム1-2のバルジ内に配置されるときの誘導に対する影響を示す。S47~S50はS19に基づく。1ug/mLのTcでは、それらのほとんどはより低い誘導をもたらす。5ug/mLのTcでは、S50を除いてS19と同様またはより高い誘導をもたらす。図15Eは、IVS2の3’スプライス部位の後の塩基を変異させることによるスプライシングの予測強度の変化の結果を示す。IVS2の3’スプライス部位の強度を変更しても、S9mベース及びY196CAA-4MAZベースの構成における誘導は著しくは変化しない。図15Fは、ミニIVS2の3’スプライス部位をステムのさらに内または離れて移動させた結果を示し、これらは全て、より低い誘導をもたらす。図15Gは、最高の性能を有する配列を選択するための、ミニIVS2の3’スプライス部位のCAG後の3つの塩基のランダム化による効果を示す。この構築物群(特に、Y362、Y366、及びY367)は、Y300及びY301の性能を上回る優れた切替効率を示した。試験によって同定された最良のNNN配列:Y344ベース:Y359(CAT)、Y360(TTT)、Y361(TGA)、Y362(TCT);Y358ベース:Y363(CAT)、Y366(TAC)、Y367(TTT)
Tc誘導選択的スプライシングの機構をさらに最適化するために、IVS2の3’スプライス部位位置及び周囲配列/構造の効果を広範囲にプローブした。改変としては、IVS23’スプライス部位をアーム1に埋め込むこと、IVS2の3’スプライス部位をアプタマー結合部位よりも近くまたは遠くに移動させること、IVS2の3’スプライス部位をアーム1の緩いバルジに入れること、IVS2の3’スプライス部位を宿主とするアーム1の長さまたは安定性を変更すること、IVS2の3’スプライス部位のスプライシング強度を変更することが挙げられる。図15Aは、IVS2の3’スプライス部位をY196CAA-4MAZ(S1-S4)のアーム1-1内に徐々に移動させた結果を示す。また、IVS2の3’スプライス部位がCAGからCCCに変異した場合(S5)、誘導がほぼ排除されることも示されている。図15Bは、IVSの3’スプライス部位がアプタマーAのTc結合ポケット(赤矢印;S9)の近くのアーム1-1に完全に埋め込まれると、このスプライス部位が強く阻害され、非常に低い誘導をもたらすことを示す。これは、アプタマーによるIVS2の3’スプライス部位のクランプが強すぎないことを示す。さらに、アプタマーAの配列(S9m)の一部を欠失させることによって、アプタマーAのクランプ効果を減少させることで、誘導を回復させる。IVSの3’スプライス部位をS9mのアーム1に沿って移動させると、親S9mと比較して短く、同様の誘導レベルを有するS19をもたらす(図15C)。図15Dは、IVS2の3’スプライス部位CAGがアーム1-2のバルジ内に配置されるときの誘導に対する影響を示す。S47~S50はS19に基づく。1ug/mLのTcでは、それらのほとんどはより低い誘導をもたらす。5ug/mLのTcでは、S50を除いてS19と同様またはより高い誘導をもたらす。図15Eは、IVS2の3’スプライス部位の後の塩基を変異させることによるスプライシングの予測強度の変化の結果を示す。IVS2の3’スプライス部位の強度を変更しても、S9mベース及びY196CAA-4MAZベースの構成における誘導は著しくは変化しない。図15Fは、ミニIVS2の3’スプライス部位をステムのさらに内または離れて移動させた結果を示し、これらは全て、より低い誘導をもたらす。図15Gは、最高の性能を有する配列を選択するための、ミニIVS2の3’スプライス部位のCAG後の3つの塩基のランダム化による効果を示す。この構築物群(特に、Y362、Y366、及びY367)は、Y300及びY301の性能を上回る優れた切替効率を示した。試験によって同定された最良のNNN配列:Y344ベース:Y359(CAT)、Y360(TTT)、Y361(TGA)、Y362(TCT);Y358ベース:Y363(CAT)、Y366(TAC)、Y367(TTT)
実施例9:5’UTRにおける第2の3’スプライスアクセプター部位の調節
アッセイを行い、5’UTR中の第2の強度3’スプライスアクセプター部位を調節する効果を試験した。4MAZの後及び開始コドンATGの前に位置するY196CAA-4MAZの5’UTR配列は、以下の配列を有する:
追加の分岐点(S10)、ppt(S11)を付加すること、またはCAGをCCC(S12)またはAAG(S13)に変異させることはいずれも、誘導の低減をもたらす(図16A)。正しい3’スプライス部位(IVS2の3’スプライス部位)を、Tcの非存在下で、及びTcの存在下で(第2の選択的3’スプライス部位)、活性化するために、短いイントロンを開始点とする構築物を使用し、ランダム化アプローチを使用して、5’UTR(TAGNNN)内のTAGの後の最良の3塩基を選択し、誘導を改善した(図16B)。また、これらの最良の3塩基(NNN)をY329の5’UTRに挿入して、性能を評価した(図16C)。これらの中で、Y344は最も優れた性能を発揮した。
アッセイを行い、5’UTR中の第2の強度3’スプライスアクセプター部位を調節する効果を試験した。4MAZの後及び開始コドンATGの前に位置するY196CAA-4MAZの5’UTR配列は、以下の配列を有する:
追加の分岐点(S10)、ppt(S11)を付加すること、またはCAGをCCC(S12)またはAAG(S13)に変異させることはいずれも、誘導の低減をもたらす(図16A)。正しい3’スプライス部位(IVS2の3’スプライス部位)を、Tcの非存在下で、及びTcの存在下で(第2の選択的3’スプライス部位)、活性化するために、短いイントロンを開始点とする構築物を使用し、ランダム化アプローチを使用して、5’UTR(TAGNNN)内のTAGの後の最良の3塩基を選択し、誘導を改善した(図16B)。また、これらの最良の3塩基(NNN)をY329の5’UTRに挿入して、性能を評価した(図16C)。これらの中で、Y344は最も優れた性能を発揮した。
実施例10:イントロンサイズ
IVS2イントロンのサイズを縮小することにより、ハイブリッドスイッチ全体のサイズを縮小させる効果を試験した。図17Aは、例示的なイントロン配列を示す。構築物S164~S168は、S159~S163と同様であるが、IVS2の3’スプライス部位の前の同じ位置に分岐点TACTAACが挿入されている。S164のイントロン配列を例として示す。
構築物S169~S173は、S159-S163と同様であるが、分岐点TACTAAC及びIVS2の3’スプライス部位の前の同じ位置に挿入されたさらに1つの3’スプライス部位CAGを有する。S169のイントロン配列を例として示す。
IVS2イントロンサイズを476塩基から120~200塩基に減少させると、誘導が著しく低減した(図16B)。IVS2イントロンスプライシングを強制するために異なるスプライシングエレメントを付加したY164~Y173からの結果は、それらの付加されたエレメントを含まないものと比較してさらに低い誘導をもたらす。これは、IVS2イントロンにエレメントを短縮または付加することにより、Tcの存在下で3’スプライス部位活性化の選択が変化することを示す。以前に、我々は、CAAリピートが5’UTRにおける3’スプライス部位のスプライシング強度を変化させることを示した。ここで、CAAリピート(赤色)は、S159、S164、及びS169から除去される。S56と比較して、S192(120塩基のイントロンを有する)は、1ug/mLのTcでより優れた誘導をもたらし、5ug/mLのTcで同様の誘導をもたらした。更なる改変のための新たなベースとして、イントロンの短縮によりコンパクトなS192が用いられる。
IVS2イントロンのサイズを縮小することにより、ハイブリッドスイッチ全体のサイズを縮小させる効果を試験した。図17Aは、例示的なイントロン配列を示す。構築物S164~S168は、S159~S163と同様であるが、IVS2の3’スプライス部位の前の同じ位置に分岐点TACTAACが挿入されている。S164のイントロン配列を例として示す。
構築物S169~S173は、S159-S163と同様であるが、分岐点TACTAAC及びIVS2の3’スプライス部位の前の同じ位置に挿入されたさらに1つの3’スプライス部位CAGを有する。S169のイントロン配列を例として示す。
IVS2イントロンサイズを476塩基から120~200塩基に減少させると、誘導が著しく低減した(図16B)。IVS2イントロンスプライシングを強制するために異なるスプライシングエレメントを付加したY164~Y173からの結果は、それらの付加されたエレメントを含まないものと比較してさらに低い誘導をもたらす。これは、IVS2イントロンにエレメントを短縮または付加することにより、Tcの存在下で3’スプライス部位活性化の選択が変化することを示す。以前に、我々は、CAAリピートが5’UTRにおける3’スプライス部位のスプライシング強度を変化させることを示した。ここで、CAAリピート(赤色)は、S159、S164、及びS169から除去される。S56と比較して、S192(120塩基のイントロンを有する)は、1ug/mLのTcでより優れた誘導をもたらし、5ug/mLのTcで同様の誘導をもたらした。更なる改変のための新たなベースとして、イントロンの短縮によりコンパクトなS192が用いられる。
実施例11:上流フレーム外AUG(μORF)の付加
フレーム外上流AUGを導入して、IVS2スプライシング転写産物からのレポーター遺伝子翻訳に対する効果を試験するために、構築物S192を導入した。改変は以下を含む:(1)IVS2の3’スプライス部位の直後でTACをATGに変更して新たな開始コドン(赤いボックス)を作製すること、(2)ステムにおける塩基対形成を維持するためにアーム1の反対側の対応する塩基を変更すること、ならびに(3)フレーム内停止コドンtgaをアーム2-1のagaに変異させること(赤い矢印)により、この新たなATGからの翻訳は、かなり長いタンパク質を作製することができるようになること。図18Aを参照されたい。
フレーム外上流AUGを導入して、IVS2スプライシング転写産物からのレポーター遺伝子翻訳に対する効果を試験するために、構築物S192を導入した。改変は以下を含む:(1)IVS2の3’スプライス部位の直後でTACをATGに変更して新たな開始コドン(赤いボックス)を作製すること、(2)ステムにおける塩基対形成を維持するためにアーム1の反対側の対応する塩基を変更すること、ならびに(3)フレーム内停止コドンtgaをアーム2-1のagaに変異させること(赤い矢印)により、この新たなATGからの翻訳は、かなり長いタンパク質を作製することができるようになること。図18Aを参照されたい。
IVS2の3’スプライス部位CAG後の配列を示す。新しいμORFは下線が付される。
このアプローチは、IVS2スプライシング転写産物からの漏出発現を著しく低下させ、したがって、S206の結果によって実証されるように、誘導を著しく増加させる。
このアプローチは、IVS2スプライシング転写産物からの漏出発現を著しく低下させ、したがって、S206の結果によって実証されるように、誘導を著しく増加させる。
この構築物は、S206に基づいて5’UTR配列を微調整することによってさらに最適化される(図18B)。これらの構築物は全て、非常に良好な誘導を示す。これらの構築物は、より短いイントロン及び部分的に欠失したアプタマーAのためによりコンパクトであり、1ug/mLの低いTc濃度で非常に良好に機能し、5ug/mLで約700倍という高い誘導に達する。
要約すると、IVS2の3’スプライス部位と選択的3’スプライス部位との間のスプライシング選択に対するTc効果を最適化するプロセスにおいて、IVS2の3’スプライス部位を配置するための最良の位置は、Y構造のアーム1内にそれを埋め込むことであることを見出した。IVS2の3’スプライス部位をその位置に配置するために、アプタマーAをY構造から欠失させる。IVS2スプライシング転写産物からのレポーター遺伝子翻訳を排除する上流フレーム外AUG(μORF)を作製することは、漏出発現を減少させる。Y196CAA-4MAZと比較して、S222(図17C)は、より低い薬物濃度でより高い倍率での誘導、より高い遺伝子発現レベル、及びおそらくより重要であるが、S222は、Tcに対して非常に感受性が高く、低いTc濃度で良好に機能する。
構築物の性能
図19Aは、Y196CAA-4MAZに対する代表的なSシリーズ構築物の性能の比較を示す。図18Bは、顕微鏡検査によって可視化したハイブリッドスイッチ構築物からの発現の用量反応を示す。
図19Aは、Y196CAA-4MAZに対する代表的なSシリーズ構築物の性能の比較を示す。図18Bは、顕微鏡検査によって可視化したハイブリッドスイッチ構築物からの発現の用量反応を示す。
上流のオープンリーディングフレーム(μORF)のタンパク質翻訳によって生じる潜在的な免疫原性を回避するために、S222の性能を上回ることを目的としたμORFなしの別のハイブリッドスイッチを構築した。この新しいハイブリッドスイッチを構築するために、S222には2つのアプタマーと比較して3つのアプタマーがあるため、Y196CAA-4MAZ設計に戻った。Y196CAA-4MAZをさらに改善するために、(1)120塩基を有するミニIVS2イントロンを使用し、(2)ミニIVS2配列の3’スプライス部位を最適化し、(3)下流の選択的3’スプライス部位を含む5’UTR配列を最適化する。これらの努力により、一群の構築物は性能的にS222を上回ることとなった。テトラサイクリンによる誘導は、0.5~1μg/mlという低い薬物濃度で遺伝子発現を最大レベルの50%(EC50)まで誘導するほど効率的である。このテトラサイクリン濃度は、FDAが承認した投与量を使用してヒト血清で日常的に達成することができ、いずれかのRNAベースの遺伝子調節技術を使用して以前に達成されたものよりも低い桁である。図19Cは、これらの新しい構築物の性能をS222の性能と比較することを示す。Y300の5’UTR配列:
Y301:5’UTRを改変したY300をベースに基づく
図19Dは、ルシフェラーゼアッセイによって決定されるY362及びY367の性能を示す。図19Eは、eGFPレポーターシグナルを使用した蛍光標識細胞分取(FACS)によって決定される、Y362及びY367の1ug/mlテトラサイクリンに対する応答を示す。全ての結果における「誘導倍率」を、テトラサイクリンの存在下対非存在下での導入遺伝子発現の比率として計算した。
Y301:5’UTRを改変したY300をベースに基づく
図19Dは、ルシフェラーゼアッセイによって決定されるY362及びY367の性能を示す。図19Eは、eGFPレポーターシグナルを使用した蛍光標識細胞分取(FACS)によって決定される、Y362及びY367の1ug/mlテトラサイクリンに対する応答を示す。全ての結果における「誘導倍率」を、テトラサイクリンの存在下対非存在下での導入遺伝子発現の比率として計算した。
実施例12:内因性部位におけるリボスイッチの挿入
Y字型ポリAスイッチは、CRISPRと組み合わせると、哺乳動物ゲノムにおける任意の内因性遺伝子の発現を制御するための強力な技術プラットフォームを作り出す。図20は、原理を実証するために幹細胞膜タンパク質であるCD133を使用する概略図を提供する。内因性CD133の条件的遺伝子発現は、CRISPR-Cas9及び修復マトリックスを使用して、CD133の5’UTRにY196リボスイッチを挿入することによって達成される。図20A上部:3つのgRNA(g1、g2、及びg3)を用いて、CD133の翻訳開始付近のCRISPR-Cas9切断の位置を特定する。図20A下部:CD133に上流及び下流の相同配列に隣接するミニCMVプロモーター、IVS2イントロン、及びY196リボスイッチを含む修復マトリックスを修復に使用する。図20Bは、実験手順の概略図を提供する。Y196リボスイッチを、まず、CRISPR-Cas9によって、親CD133-細胞に挿入した。次に、正常に操作された細胞は、用量依存的様式でTcに応答してCD133発現をオンにする。CD133タンパク質に対するFITCコンジュゲート抗体を使用して、Tcに応答する細胞を標識し、単離した。図19Cは、内因性CD133の条件的発現がTcによって調節されたことを示す。遺伝子操作細胞クローン(この場合は293T細胞)におけるCD133の発現は、バックグラウンド漏出をほとんどまたは全く示さなかった。CD133発現は、Tcによって特異的に誘導されるが、その類似体Doxyによっては誘導されない。ND:薬物処理なし、Tc:テトラサイクリン、Doxy:ドキシサイクリン。細胞クローンを、薬物を伴って、または薬物なしで2日間処理し、次いでフロー分析のために収穫した。X軸は、個々の細胞の抗体染色の強度を示した。図20Dは、予想通り、Tcによって誘導されたCD133タンパク質(FITC-抗CD133抗体によって明らかにされるように)を、正常な内因性CD133タンパク質と同様に、細胞膜に局在化したことを示す。安定した細胞クローンを、2μg/mlの薬物で2日間、または薬物なしで処理し、次いで、画像フロー分析(Amnis)のために収穫した。同様に、誘導は明らかにTcに特異的であるが、Doxyには特異的ではない。
Y字型ポリAスイッチは、CRISPRと組み合わせると、哺乳動物ゲノムにおける任意の内因性遺伝子の発現を制御するための強力な技術プラットフォームを作り出す。図20は、原理を実証するために幹細胞膜タンパク質であるCD133を使用する概略図を提供する。内因性CD133の条件的遺伝子発現は、CRISPR-Cas9及び修復マトリックスを使用して、CD133の5’UTRにY196リボスイッチを挿入することによって達成される。図20A上部:3つのgRNA(g1、g2、及びg3)を用いて、CD133の翻訳開始付近のCRISPR-Cas9切断の位置を特定する。図20A下部:CD133に上流及び下流の相同配列に隣接するミニCMVプロモーター、IVS2イントロン、及びY196リボスイッチを含む修復マトリックスを修復に使用する。図20Bは、実験手順の概略図を提供する。Y196リボスイッチを、まず、CRISPR-Cas9によって、親CD133-細胞に挿入した。次に、正常に操作された細胞は、用量依存的様式でTcに応答してCD133発現をオンにする。CD133タンパク質に対するFITCコンジュゲート抗体を使用して、Tcに応答する細胞を標識し、単離した。図19Cは、内因性CD133の条件的発現がTcによって調節されたことを示す。遺伝子操作細胞クローン(この場合は293T細胞)におけるCD133の発現は、バックグラウンド漏出をほとんどまたは全く示さなかった。CD133発現は、Tcによって特異的に誘導されるが、その類似体Doxyによっては誘導されない。ND:薬物処理なし、Tc:テトラサイクリン、Doxy:ドキシサイクリン。細胞クローンを、薬物を伴って、または薬物なしで2日間処理し、次いでフロー分析のために収穫した。X軸は、個々の細胞の抗体染色の強度を示した。図20Dは、予想通り、Tcによって誘導されたCD133タンパク質(FITC-抗CD133抗体によって明らかにされるように)を、正常な内因性CD133タンパク質と同様に、細胞膜に局在化したことを示す。安定した細胞クローンを、2μg/mlの薬物で2日間、または薬物なしで処理し、次いで、画像フロー分析(Amnis)のために収穫した。同様に、誘導は明らかにTcに特異的であるが、Doxyには特異的ではない。
記載されるデータは、ポリA切断を制御するために薬物誘導性選択的スプライシングの力を利用する、応答性の高い遺伝子調節機構を提供する。操作された組み合わせは、低分子薬物によって制御され得る感受性RNAベースのスイッチを作製し、哺乳動物細胞における遺伝子発現の緊密な調節を可能にする。他の報告された方法とは対照的に、本明細書に記載のこのハイブリッドスイッチ技術は、非常に低い漏出性発現を示し、ヒト細胞における700倍近くの導入遺伝子発現を効果的にオンにする。さらに、テトラサイクリンによる誘導は、0.5~1μg/mlという低い薬物濃度で遺伝子発現を最大レベルの50%(EC50)まで誘導するほど効率的である。このテトラサイクリン濃度は、FDAが承認した投与量を使用してヒト血清で日常的に達成することができ、他のRNAベースの遺伝子調節技術を使用して以前に達成されたものよりも低い桁である。
したがって、このハイブリッドスイッチ技術は、治療用遺伝子または導入遺伝子の発現を制御するためにヒト患者において使用することが有利に安全である。したがって、本開示は、ヒトの摂取に安全な薬物濃度で細胞内の目的の遺伝子を調節するための高効率かつ非免疫原性技術を提供する当該技術分野における長年の要望を満たす。
実施例13:3箇所での単一塩基変化の組み合わせ
Y字型構造の配列に対する3つの塩基変化の組み合わせを試験し、ポリAアプタマーの誘導性能に対する累積効果を決定した。図21に記載されるように、3つの変異は、アーム1-1における「A」欠失、アーム2-2における非対形成切断を閉じるための「A」から「G」への変化、及びポリAシグナルの前のスリーウェイジャンクションにおける「A」挿入からなる。これらの変異は、ミニIVS2イントロンの後方に異なる塩基を有する4つの異なる親構築物を使用して実施した。全てにおいて、表1に記載されている12個の構築物は、累積効果をプローブするように設計されている。
Y字型構造の配列に対する3つの塩基変化の組み合わせを試験し、ポリAアプタマーの誘導性能に対する累積効果を決定した。図21に記載されるように、3つの変異は、アーム1-1における「A」欠失、アーム2-2における非対形成切断を閉じるための「A」から「G」への変化、及びポリAシグナルの前のスリーウェイジャンクションにおける「A」挿入からなる。これらの変異は、ミニIVS2イントロンの後方に異なる塩基を有する4つの異なる親構築物を使用して実施した。全てにおいて、表1に記載されている12個の構築物は、累積効果をプローブするように設計されている。
図22は、3つの単一塩基変化の組み合わせが、低い薬物濃度で誘導を有意に増加させることを実証している。さらに、図23A及び23Bは、構築物Y362及びY387の用量反応分析を示す。Y362及びY387は、1ug/mlのテトラサイクリンのみを使用して、293T細胞における最大650~700倍の導入遺伝子発現を効果的にオンにする。両方の構築物について、テトラサイクリンによる誘導が、EC100参照としての最大誘導倍率を使用して、0.5~1μg/mlのTcという低いレベルで、最大レベルの50%(EC50)に達することを示す(図23A)。EC100参照としての親構築物(同様の配列を有するが、Y字型構造を有しないHDM-Luc)の最大発現レベルを使用した計算も、0.5~1.2μg/mlという低さで、同様のEC50値を示す(図23B)。Y387は、使用されるEC100参照にかかわらず、0.5μg/mlのEC50値を示すため、特に効果的な設計である。
実施例14:方法
本明細書に提出された図に記載されているアッセイを以下のように行った:
本明細書に提出された図に記載されているアッセイを以下のように行った:
ルシフェラーゼアッセイ
細胞を、25000~30000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベートの後、それぞれのウェルを50ngのDNAベクターでトランスフェクトし、テトラサイクリンを含まないか、または様々な濃度を含む地と共にさらに18時間インキュベートした。ルシフェラーゼ活性を、Polarstar Omegaプレートリーダー(BMG Labtech,USA)を用いて相対光単位(RLU)で測定した。36mLのアッセイ緩衝液を作製するために、144μLの1MのDTT、108μLの0.1MのATP、252μLの0.1Mのルシフェリン、及び360μLの0.05MのCoAを35mLの基本緩衝液(25mMのトリシン、0.5mMのEDTA-Na2、0.54mMのNa-三リン酸塩、16.3mMのMgSO4.7H2O、及び0.8%のTriton X-100)に添加した。細胞培地を除去した後、40μLのアッセイ緩衝液をそれぞれのウェルに添加し、ルシフェラーゼ活性をPolarstar Omegaプレートリーダーで2回読み取った。誘導倍率を、テトラサイクリンの存在下対非存在下での導入遺伝子発現の比率として計算した。
細胞を、25000~30000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。24時間のインキュベートの後、それぞれのウェルを50ngのDNAベクターでトランスフェクトし、テトラサイクリンを含まないか、または様々な濃度を含む地と共にさらに18時間インキュベートした。ルシフェラーゼ活性を、Polarstar Omegaプレートリーダー(BMG Labtech,USA)を用いて相対光単位(RLU)で測定した。36mLのアッセイ緩衝液を作製するために、144μLの1MのDTT、108μLの0.1MのATP、252μLの0.1Mのルシフェリン、及び360μLの0.05MのCoAを35mLの基本緩衝液(25mMのトリシン、0.5mMのEDTA-Na2、0.54mMのNa-三リン酸塩、16.3mMのMgSO4.7H2O、及び0.8%のTriton X-100)に添加した。細胞培地を除去した後、40μLのアッセイ緩衝液をそれぞれのウェルに添加し、ルシフェラーゼ活性をPolarstar Omegaプレートリーダーで2回読み取った。誘導倍率を、テトラサイクリンの存在下対非存在下での導入遺伝子発現の比率として計算した。
RT-PCR
それぞれの構築物でトランスフェクトした細胞を、テトラサイクリンの非存在下または存在下で、培地中で37℃で18時間増殖させた。RiboPure(商標)RNA精製キット(Ambion,Austin,TX)と共に供給されるプロトコールに従って全RNAを単離した。RT-PCRについては、製造業者のプロトコールに従ってSuperScript III(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いてRTを行い、転写物及びレポーター遺伝子の開始を標的とするプライマーを用いてPCRを行った。
それぞれの構築物でトランスフェクトした細胞を、テトラサイクリンの非存在下または存在下で、培地中で37℃で18時間増殖させた。RiboPure(商標)RNA精製キット(Ambion,Austin,TX)と共に供給されるプロトコールに従って全RNAを単離した。RT-PCRについては、製造業者のプロトコールに従ってSuperScript III(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いてRTを行い、転写物及びレポーター遺伝子の開始を標的とするプライマーを用いてPCRを行った。
蛍光顕微鏡
細胞を12ウェルプレートに、1.2×105細胞/ウェルの密度で播種した。24時間のインキュベートの後、それぞれのウェルを500ngのDNAベクターでトランスフェクトし、テトラサイクリンを含まないか、または様々な濃度を含む地と共にさらに18時間インキュベートした。蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 40CFL)で200倍の倍率で画像を撮影した。
細胞を12ウェルプレートに、1.2×105細胞/ウェルの密度で播種した。24時間のインキュベートの後、それぞれのウェルを500ngのDNAベクターでトランスフェクトし、テトラサイクリンを含まないか、または様々な濃度を含む地と共にさらに18時間インキュベートした。蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 40CFL)で200倍の倍率で画像を撮影した。
実施例15:例示的な構築物配列
以下の配列は、本明細書に記載のシステムの構成要素の実施形態の追加の例である。配列は、RNAアプタマーの成分を転写するときのDNA配列として提供される。
+1:転写開始
ブラック:5’リーディングRNA配列
下線:IVS2イントロンまたはミニIVS2イントロン
太字:Y字型ポリAスイッチ(4MAZに下線を付す)
斜体:5’UTR
ATG:太字は翻訳開始
以下の配列は、本明細書に記載のシステムの構成要素の実施形態の追加の例である。配列は、RNAアプタマーの成分を転写するときのDNA配列として提供される。
+1:転写開始
ブラック:5’リーディングRNA配列
下線:IVS2イントロンまたはミニIVS2イントロン
太字:Y字型ポリAスイッチ(4MAZに下線を付す)
斜体:5’UTR
ATG:太字は翻訳開始
均等物
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に記述されるようなものである。
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に記述されるようなものである。
Claims (61)
- 遺伝子発現を調節するためのシステムであって、5’から3’の方向で、
a)5’スプライスドナー部位と、
b)操作されたイントロンと、
c)第1の3’スプライスアクセプター部位と、
d)1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、
e)第2の3’スプライスアクセプター部位と、
f)発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列と、を含む、ポリAアプタマーポリヌクレオチドを含む、前記システム。 - 前記ポリAスイッチが、2つのリガンド結合アプタマーを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記ポリAスイッチが、3つのリガンド結合アプタマーを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記ポリAスイッチが、スリーウェイジャンクションを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記スリーウェイジャンクションが、第1の二本鎖RNAステム、第2の二本鎖RNAステム、及び第3の二本鎖RNAステムのジャンクションを含む、請求項4に記載のシステム。
- 前記第1の二本鎖RNAステムがリガンド結合アプタマーを含まない、請求項5に記載のシステム。
- 前記第1、前記第2、及び前記第3の二本鎖RNAステムのそれぞれが、リガンド結合アプタマーを含む、請求項5に記載のシステム。
- 前記スリーウェイジャンクションが少なくとも1つの一本鎖領域を含む、請求項5に記載のシステム。
- 前記スリーウェイジャンクションが、第1の一本鎖領域、第2の一本鎖領域、及び第3の一本鎖領域を含む、請求項8に記載のシステム。
- 前記第1の一本鎖領域が、前記第1の二本鎖RNAステムと前記第2の二本鎖RNAステムとの間に位置する、請求項9に記載のシステム。
- 前記第2の一本鎖領域が、前記第2の二本鎖RNAステムと前記第3の二本鎖RNAステムとの間に位置する、請求項9に記載のシステム。
- 前記第3の一本鎖領域が、第1のアプタマーの前記第3の二本鎖RNAステムと前記第1の二本鎖RNAステムとの間に位置する、請求項9に記載のシステム。
- 前記第1のアプタマー及び第2のアプタマーが、5’から3’の方向で、同じ方向にある、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
- 第3のアプタマーが、5’から3’の方向で、前記第1のアプタマー及び前記第2のアプタマーとは反対の方向にある、先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
- 前記ポリA切断シグナルの1つ以上のヌクレオチドが、スリーウェイジャンクション、第3の二本鎖RNAステム、第3の一本鎖領域、または第1の二本鎖RNAステム内にある、請求項1に記載のシステム。
- 前記第3の一本鎖領域が、前記ポリA切断シグナルの最初の4つの塩基を含む、請求項15に記載のシステム。
- 前記第1の二本鎖RNAステムが、前記ポリA切断シグナルの最後の2つの塩基を含む、請求項15に記載のシステム。
- 前記第1の二本鎖RNAステムが、前記ポリA切断シグナルの全体を含む、請求項15に記載のシステム。
- 第3のアプタマーの結合ポケットとスリーウェイジャンクションとの間の二本鎖RNAステムが、10~15塩基対の長さである、請求項3に記載のシステム。
- 前記第1の一本鎖領域が、C及びAから選択される少なくとも1つの塩基を含む、請求項10に記載のシステム。
- 前記第2の一本鎖領域が、C及びAから選択される少なくとも1つの塩基を含む、請求項11に記載のシステム。
- 前記第2の二本鎖RNAステムの配列が、配列番号3である、請求項5に記載のシステム。
- 前記第3の二本鎖RNAステムの配列が、配列番号2である、請求項5に記載のシステム。
- 前記第1の二本鎖RNAステムの配列が、配列番号4である、請求項5に記載のシステム。
- 前記第1の二本鎖RNAステムの配列が、配列番号5である、請求項5に記載のシステム。
- 前記発現可能なポリペプチドをコードする前記核酸配列が、5’UTRをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記5’UTRが、CAAリピートをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
- 前記5’UTRが、1つ以上の3’スプライスアクセプター部位をさらに含む、請求項26に記載のシステム。
- 操作された5’UTRが、配列番号48の配列を有する、請求項26に記載のシステム。
- 前記発現可能なポリペプチドをコードする前記核酸配列の5’かつ前記ポリA切断シグナルの3’に、G-Uリッチ領域をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
- 3’アクセプター部位に、選択的スプライシングの強度を調節する核酸トリプレット配列が続く、請求項29に記載のシステム。
- 前記核酸トリプレットが、前記5’UTRにおける第2の3’アクセプター部位に対して3’にあり、TAG、TCT、TTC、TTG、TGA、TGC、TCC、ACA、AAC、ACC、AGC、AGG、CCT、及びCCCから選択される配列を有する、請求項31に記載のシステム。
- 前記発現可能なポリペプチドをコードする前記核酸配列の5’かつ前記G-Uリッチ領域の3’に、Gリッチ領域をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記Gリッチ領域が、4個のMAZ配列を含む、請求項33に記載のシステム。
- 前記操作されたイントロンが、100~200塩基の長さの配列を有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記操作されたイントロンが配列番号1の配列を有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記操作されたイントロンに、イントロンスプライシングの強度を調節する核酸トリプレット配列が続く、請求項1に記載のシステム。
- 前記核酸トリプレット配列が、TTT、TGA、TCT、TAC、CAC、及びCATから選択される、請求項37に記載のシステム。
- 前記システムが、配列番号6~配列番号56の群から選択される配列を含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記システムが、配列番号6、配列番号13、配列番号14、配列番号28、配列番号32、配列番号33、配列番号36、配列番号38、配列番号44、配列番号46、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56の群から選択される配列を含む、請求項39に記載のシステム。
- 請求項1に記載のシステムの送達のためのベクター。
- 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項41に記載のベクター。
- 前記ベクターが、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ポリオウイルスベクター、及びレトロウイルスベクターから選択される、請求項42に記載のベクター。
- 細胞における遺伝子産物の発現を調節するための方法であって、
前記細胞に、5’から3’の方向で、
a)5’スプライスドナー部位と、
b)操作されたイントロンと、
c)第1の3’スプライスアクセプター部位と、
d)1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、
e)第2の3’スプライスアクセプター部位と、を含むシステムを導入するステップを含む、前記方法。 - 前記遺伝子産物が前記細胞に対して外因性である、請求項44に記載の方法。
- 前記システムが、前記e)のスプライス部位のすぐ3’に、前記遺伝子産物をコードする核酸配列をさらに含む、請求項45に記載の方法。
- 前記遺伝子産物が前記細胞に対して内因性である、請求項44に記載の方法。
- 前記方法が、内因性遺伝子産物の発現を阻害するためにリガンドを投与することを含まない、請求項47に記載の方法。
- 前記システムが、前記a)のスプライス部位の5’にプロモーターをさらに含む、請求項44に記載の方法。
- 前記プロモーターが、CMVプロモーターである、請求項49に記載の方法。
- 前記方法が、個体の1つ以上の細胞において生じ、前記リガンドがグルコースであり、前記個体が、糖尿病、糖尿病前症、または糖尿病による合併症を有し、及び/または発現可能なポリヌクレオチドがインスリンである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法が、個体の1つ以上の細胞において生じ、前記リガンドが、がんバイオマーカーの遺伝子産物であり、前記発現可能なポリヌクレオチドが自殺遺伝子である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法が、個体において生じ、前記発現可能なポリヌクレオチドがレポーター遺伝子であり、前記レポーター遺伝子の発現の位置及び/または強度が、前記個体の1つ以上の細胞におけるリガンドの空間分布、時間変動、またはその両方に関する情報を提供する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法が、個体、組織、または細胞において生じ、前記発現可能なポリヌクレオチドが検出可能な遺伝子産物をコードし、前記個体、前記組織、または前記細胞のそれぞれが画像化される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 前記a)のベクター及び/または前記b)の細胞が、療法の前、療法の間、及び/または療法の後に個体に提供される、請求項50に記載の方法。
- 5’から3’の方向で、
a)5’スプライスドナー部位と、
b)操作されたイントロンと、
c)第1の3’スプライスアクセプター部位と、
d)1つ以上のリガンド結合ポケットを有する2つ以上のリガンド結合アプタマー、及びその中に少なくとも1つのポリA切断シグナルを含むポリAスイッチと、
e)第2の3’スプライスアクセプター部位と、
f)発現可能なポリペプチドをコードする核酸配列と、を含む、ポリAアプタマーポリヌクレオチドをコードする、核酸分子。 - 前記核酸がDNAである、請求項56に記載の核酸分子。
- 前記核酸がRNAである、請求項56に記載の核酸分子。
- 請求項56に記載の核酸の送達のためのベクター。
- 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項59に記載のベクター。
- 前記ベクターが、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ポリオウイルスベクター、及びレトロウイルスベクターから選択される、請求項59に記載のベクター。
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