JP2022545675A - 微生物叢を認識および構築させるための改変菌体外多糖受容体 - Google Patents
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Abstract
本開示の一態様は、(i)異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、および/または、(ii)異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを有している、遺伝子組換え植物に関する。EPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび/またはEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している。本開示の他の態様は、上記の植物の作製方法と、上記の遺伝子組換え植物の栽培に関する。本開示のさらなる態様は、植物根の微生物叢と相互作用できる有用な共生微生物を同定する方法に関する。
Description
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、米国仮出願第62/888,944(2019年8月19日出願)の利益を主張する。同仮出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
本出願は、米国仮出願第62/888,944(2019年8月19日出願)の利益を主張する。同仮出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
〔配列表(ASCIIテキストファイル)の提出〕
ASCIIテキストファイルで提出した下記の内容は、参照によりその全体が本明細書に組込まれる:コンピュータ可読形態の配列表(ファイル名:794542000940SEQLIST.TXT、記録日:2020年8月13日、サイズ:723キロバイト)。
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〔技術分野〕
本開示は、遺伝子組換え植物に関する。とりわけ、本開示は、(i)異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、および/または、(ii)異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを有している遺伝子組換え植物に関する。この遺伝子組換え植物においては、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドおよび/またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している。
本開示は、遺伝子組換え植物に関する。とりわけ、本開示は、(i)異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、および/または、(ii)異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを有している遺伝子組換え植物に関する。この遺伝子組換え植物においては、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドおよび/またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している。
微生物は、リポ多糖や菌体外多糖(EPS)などの細胞外多糖を産生する。これらの細胞外多糖は、細胞表面に提示されたり、環境中に分泌されたりすることがある。この多糖は、多糖を産生する微生物の種類によって特徴的であり、そのため、哺乳動物および植物は、受容体を介した認識において、微生物に関連する分子パターンとして多糖を利用している。
このような認識の一例が、マメ科植物に見られる。マメ科植物は、周囲の土壌におけるEPSの分子組成をモニターして、根粒菌のための植物中の共生経路を亢進させるべきか抑制させるべきかを決定している。マメ科植物と窒素を固定する根粒菌との共生は、二段階の受容体を介した認識システムにより管理されている。第一段階では、根粒菌のリポキトオリゴ糖(LCO;Nod因子とも称する)が、植物のLCO受容体に受容される。LCOが受容されると、根粒原基が形成され、湾曲した根毛により根粒菌が閉じ込められ、細菌感染へ向けた植物のプログラムが開始されるようになる。第二段階では、根粒菌のEPSが認識される。これにより、引続く根粒への感染の進行が制御される。マメ科植物のLotus japonicusでは、1回膜貫通型受容体キナーゼであるEPR3が、Lotus属の共生菌であるMesorhizobium lotiが産生したR7AのEPSを認識する。根粒菌および宿主植物の変異体に関する研究が明らかにしたところによると、EPSの認識およびそれに続くEPR3シグナル伝達により、Lotus属の根の表皮組織および皮質組織における感染が促進される(Kawaharada, Y. et al. Nature 2015 523: 308-312; Kawaharada, Y. et al. Nat Commun 2017 8: 14534)。正しいR7AのEPSが存在しなければ、根粒菌の感染およびコロニー形成は、EPR3に依存した様式で阻害される(Kawaharada, Y. et al. Nature 2015 523: 308-312; Kelly, S. J. et al. Mol. Plant Microbe Interact 2013 26: 319-329)。これは、マメ科植物と根粒菌との相互作用の適合がEPSの認識により決定されることを示唆している。しかしこの結果は、EPSの役割を、窒素固定根粒菌との共生プロセスにおける第一段階および第二段階という限られた文脈において特徴付けているに過ぎない。ほとんどの作物を含む植物種は窒素固定共生を確立しておらず、その代わりに、植物関連微生物集団(微生物叢)の複合体という形態で植物-微生物相互作用を有しているが、これは余り特徴付けられていない。
窒素固定共生を別にしても、土壌に棲息する微生物は、栄養の利用可能性を高めたり、病原体に対する耐性を与えたり、無生物性のストレスに対する抵抗性を向上させたりすることにより、植物の健康を増進させることができる。昨今の研究により、植物の微生物叢に関する理解は深まっている。しかし、植物は微生物叢を選択しているのかどうか(どのように選択しているのか)、植物は局所的な土壌空間の中で健康な微生物叢を促進しているのかどうか(どのように促進しているのか)といった原則については、大部分が未知のままである。また、微生物叢の選択におけるEPSの役割も、未だ分かっていない。自然界において健康な植物が伴っている微生物叢には、持続可能な農業に利用できる大いなる可能性がある。植物が微生物叢を選択する機構をよく理解することなくしては、微生物層という有望な資源は利用できない。
窒素固定共生に際したEPSの認識におけるEPR3の役割をより理解するために、EPR3の結晶構造を決定した。驚くべきことに、この結晶構造により、EPR3は、新規なクラスのEPS受容体の一種として同定された。これらのEPS受容体は、同じ全体構造を共有しており、双子葉植物(マメ科植物および非マメ科植物)に加えて単子葉植物(穀類など)においても保存されていた。このことが実証するところによると、この新規なクラスの受容体は、窒素固定細菌との共生における単なる第二関門よりも大きな役割を有しているに違いない。さらに、EPR3受容体のホモログであるEPR3aを、L. japonicusにおいて同定した。驚くべきことに、EPR3aは、根の根粒形成における細菌感染過程にも重要であることが示された。さらに驚くべきことに、epr3変異体であるL. japonicus植物体は、自然土壌で生長させた場合に適応度が有意に低下し、野生型植物とは異なる細菌叢を発達させることが判明した。これらの結果が示すところによると、新規なクラスのEPR3受容体を介するEPSシグナル伝達は、微生物が豊富な環境における植物の生長にとって極めて重要である。そして、新規なクラスのEPR3受容体のより大きな役割とは、有用な共生微生物を選択し、植物一般の根および根圏周囲の健康な微生物叢を組織化することにある。新規なクラスのEPS受容体が双子葉植物および単子葉植物を横断して保存されているという驚くべき発見、EPR3受容体のホモログであるEPR3aの発見、微生物叢の選択におけるEPR3媒介EPSシグナル伝達の役割の発見は、本発明者らによってなされた驚くべき発見であり、本開示の多くの態様およびその種々の実施形態の基礎となる。
EPR3受容体およびEPR3a受容体の役割の決定により、当業者は、植物を遺伝的に改変して、植物に有用な共生微生物を認識および選択させることができるようになるであろう。例えば、種々の有用な共生微生物を認識および選択する植物に由来する異種のEPR3またはEPR3a受容体を付加することにより、植物を改変できる。あるいは、内在性EPR3受容体または内在性EPR3a受容体の細胞外ドメインを改変して、選択される有用な共生微生物に対する選択性を変更することにより、植物を改変できる。さらに、この決定により、当業者は、植物と相互作用できる有用な共生微生物を同定できるようになる。有用な共生微生物またはその菌体外多糖のサンプルを、EPR3受容体またはEPR3a受容体の細胞外ドメインに対する結合能またはシグナル伝達の誘導能についてスクリーニングすることにより、この同定を実施できる。同定をしたら、種子の処理などにより、これらの有用な共生微生物を使用して植物の栽培を促進できる。
本発明の一態様は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分を含んでいる。この異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、植物またはその部分を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第15ポリペプチド。この態様のさらに他の実施形態は、下記からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドが含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチドからなる群より選択される。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかの異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全の全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその部分は、微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現、および、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。微生物が産生するEPSを含んでいる上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である。この態様のさらなる実施形態は、下記から選択される窒素固定細菌を含んでいる:Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、またはこれらの任意の組合せ。あるいは、この態様のさらなる実施形態は、下記から選択される菌根菌を含んでいる:Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、またはこれらの任意の組合せ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。植物細胞の細胞膜に局在化している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、根細胞である植物細胞を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根表皮細胞または根皮層細胞である根細胞を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、下記からなる群より選択される:キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウまたはアサ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、機能性の根粒菌Nod因子受容体を欠失している。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、マメ科植物ではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、A. thaliana、N. tabacum、L. japonicusまたはM. truncatulaではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物の部分は、下記のいずれかである:葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。この態様のさらなる実施形態は、果実、仁または穀粒である植物の部分を含んでいる。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の花粉粒または胚珠に関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る植物から作製されるプロトプラストに関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態の植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物に関する。この細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される:葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚または分裂組織細胞。
本開示のさらなる態様は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む。この態様のさらなる実施形態は、第1プロモーターに作動可能に連結されている第1核酸配列を含んでいる。この態様のさらに他の実施形態は、根特異的なプロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらに他の実施形態は、構成的プロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む。この態様のさらなる実施形態は、第2プロモーターに作動可能に連結されている第2核酸配列を含んでいる。この態様のさらに他の実施形態は、根特異的なプロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらに他の実施形態は、構成的プロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、第1核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1内在性プロモーターを含んでいる。第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2内在性プロモーターを含んでいる。
本開示のさらなる態様は、改変されたポリペプチドを有している上述の実施形態のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかである異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルを含んでいる:タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである。この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかである、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルを含んでいる:タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、上述の実施形態のいずれか1つの方法によって作製される、植物または植物の部分を含んでいる。
本開示のさらなる態様は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分を含んでいる。この異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも、有用な共生微生物に対する選択性が向上している。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、植物またはその部分を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかである、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第15ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドおよび異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。この発現により、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現を含んでいる。この発現により、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。この態様のさらなる実施形態においては、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現、および、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。微生物が産生するEPSを含んでいる上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、微生物は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)または菌根菌である。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される窒素固定細菌を含んでいる:Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、またはこれらの任意の組合せ。あるいは、この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される菌根菌を含んでいる:Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、またはこれらの任意の組合せ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。植物細胞の細胞膜に局在化している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、根細胞である植物細胞を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根表皮細胞または根皮層細胞である根細胞を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、下記からなる群より選択される:キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウまたはアサ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、機能性の根粒菌Nod因子受容体を欠失している。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、マメ科植物ではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、A. thaliana、N. tabacum、L. japonicus、またはM. truncatulaではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物の部分は、下記のいずれかである:葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。この態様のさらなる実施形態は、果実、仁または穀粒である植物の部分を含んでいる。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の花粉粒または胚珠に関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る植物から作製されるプロトプラストに関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態の植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物に関する。この細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される:葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚または分裂組織細胞。
本開示のさらなる態様は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む。この態様のさらなる実施形態は、第1プロモーターに作動可能に連結されている第1核酸配列を含んでいる。この態様のさらに他の実施形態は、根特異的なプロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択されるNFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらに他の実施形態は、構成的プロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む。この態様のさらなる実施形態は、第2プロモーターに作動可能に連結されている第2核酸配列を含んでいる。この態様のさらに他の実施形態は、根特異的なプロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらに他の実施形態は、構成的プロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、第1核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1内在性プロモーターを含んでいる。第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2内在性プロモーターを含んでいる。
本開示のさらなる態様は、改変されたポリペプチドを有している上述の実施形態のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかである、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルを含んでいる:タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである。この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかである異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルを含んでいる:タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、上述の実施形態のいずれか1つの方法によって作製される、植物または植物の部分を含んでいる。
本開示のさらに他の態様は、下記(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法に関する:(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3またはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPS、または上記表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される工程。任意構成で、植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から任意的に選択される機能性アッセイにより行われる:(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる:(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。この態様のさらなる実施形態は、工程(a)において、植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、第2ポリペプチドと第1ポリペプチドとを接触させる。この態様のさらなる実施形態は、下記工程(d)をさらに含む:(d)工程(c)において結合が検出された場合に、有用な共生微生物を培養する工程。この態様のさらに他の実施形態は、工程(e)をさらに含む:(e)植物またはその一部に、有用な共生微生物を適用する工程。この態様のさらなる実施形態は、植物の種苗である植物の部分(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の種苗に適用する(任意構成で、種子コーティングの一部としての種子に適用する、塊茎に適用する、または栄養分体の根に適用する)。この態様のさらなる実施形態は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)である植物の部分を含んでおり、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に有用な共生微生物を適用する(任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する)。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインに対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインに対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。この態様のさらに他の実施形態は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)または菌根菌である有用な共生微生物を含んでいる。
本開示のさらに他の態様は、下記(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法に関する:(a)植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPS、または上記表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される工程。任意構成で、植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から任意的に選択される機能性アッセイにより行われる:(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる:(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。この態様のさらなる実施形態は、工程(a)において、植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、第2ポリペプチドと第1ポリペプチドとを接触させる。この態様のさらなる実施形態は、下記工程(d)をさらに含む:(d)工程(c)において結合が検出された場合に、有用な共生微生物を培養する工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)植物またはその部分に有用な共生微生物を適用する工程。この態様のさらなる実施形態は、植物の種苗である植物の部分(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の種苗に適用する(任意構成で、種子コーティングの一部としての種子に適用する、塊茎に適用する、または栄養分体の根に適用する)。この態様のさらなる実施形態は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)である植物の部分を含んでおり、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に有用な共生微生物を適用する(任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する)。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインに対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインに対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。この態様のさらに他の実施形態は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)または菌根菌である有用な共生微生物を含んでいる。
〔実施形態の列挙〕
(実施形態1)
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態1)
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態2)
上記有用な共生微生物は、菌根菌である、実施形態1の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記有用な共生微生物は、菌根菌である、実施形態1の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態3)
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
実施形態2の遺伝子組換え植物またはその部分。
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
実施形態2の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態4)
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態3の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態3の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態5)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
実施形態3の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
実施形態3の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態6)
下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドと上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドとの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
実施形態5の遺伝子組換え植物。
下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドと上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドとの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
実施形態5の遺伝子組換え植物。
(実施形態7)
下記の工程を含む、実施形態3の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している上記植物に、遺伝子変化を導入する工程。
下記の工程を含む、実施形態3の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している上記植物に、遺伝子変化を導入する工程。
(実施形態8)
植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態3に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPRa3ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態3に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPRa3ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
(実施形態9)
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態10)
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにおり、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
実施形態9の遺伝子組換え植物またはその部分。
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにおり、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
実施形態9の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態11)
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態10の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態10の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態12)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
実施形態10の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
実施形態10の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態13)
下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
実施形態12の遺伝子組換え植物またはその部分。
下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
実施形態12の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態14)
下記の工程を含む、実施形態10の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程。
下記の工程を含む、実施形態10の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程。
(実施形態15)
植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態10に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較ことにより特定する、工程
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている工程。
植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態10に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較ことにより特定する、工程
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている工程。
(実施形態16)
下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
(実施形態17)
工程(a)において、上記植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態16の方法。
工程(a)において、上記植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態16の方法。
(実施形態18)
下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
(実施形態19)
工程(a)において、上記植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態18の方法。
工程(a)において、上記植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態18の方法。
(実施形態20)
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、遺伝子組換え植物またはその部分。
異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態21)
上記植物またはその部分は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、実施形態20の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記植物またはその部分は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、実施形態20の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態22)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される、実施形態20または21の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;
配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;
配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;
配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド
配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;
配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;
配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;
配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;
配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド:
配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;
配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;
配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;
配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;
配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;
配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される、実施形態20または21の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;
配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;
配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;
配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド
配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;
配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;
配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;
配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;
配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド:
配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;
配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;
配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;
配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;
配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;
配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。
(実施形態23)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態22の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]、および配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態22の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]、および配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
(実施形態24)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態21~23のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態21~23のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。
(実施形態25)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記のいずれかである、実施形態24の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記のいずれかである、実施形態24の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。
(実施形態26)
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態20~25のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態20~25のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態27)
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部が置換されている、
実施形態26の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部が置換されている、
実施形態26の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態28)
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全の全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態21~25のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全の全部または一部によって置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態21~25のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態29)
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態28の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態28の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態30)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、実施形態21~29のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、実施形態21~29のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態31)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態20~30のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態20~30のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態32)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態21~31のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態21~31のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態33)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現、および、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態32の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現、および、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態32の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態34)
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、実施形態31~33のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、実施形態31~33のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態35)
下記(i)または(ii)を満たす、実施形態34の遺伝子組換え植物またはその部分:
(i)上記窒素固定細菌は、Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される;
(ii)上記菌根菌は、Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される。
下記(i)または(ii)を満たす、実施形態34の遺伝子組換え植物またはその部分:
(i)上記窒素固定細菌は、Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される;
(ii)上記菌根菌は、Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される。
(実施形態36)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している、実施態様20~35のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している、実施態様20~35のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態37)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している、実施形態21~36のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している、実施形態21~36のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態38)
上記植物細胞は、根細胞である、実施形態36または37の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記植物細胞は、根細胞である、実施形態36または37の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態39)
上記根細胞は、根表皮細胞または根皮層細胞である、実施形態38の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記根細胞は、根表皮細胞または根皮層細胞である、実施形態38の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態40)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態20~39のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態20~39のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態41)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態21~40のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態21~40のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態42)
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態20~41のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態20~41のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態43)
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態42の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態42の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態44)
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態42の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態42の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態45)
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態21~44のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態21~44のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態46)
第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態45の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態45の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態47)
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態45の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態45の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態48)
上記植物は、下記からなる群より選択される、実施形態20~47のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウおよびアサ。
上記植物は、下記からなる群より選択される、実施形態20~47のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウおよびアサ。
(実施形態49)
上記植物の部分は、下記のいずれかである、実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の部分:
葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。
上記植物の部分は、下記のいずれかである、実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の部分:
葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。
(実施形態50)
上記植物の部分は、果実、仁または穀粒である、実施形態49の遺伝子組換え植物の部分。
上記植物の部分は、果実、仁または穀粒である、実施形態49の遺伝子組換え植物の部分。
(実施形態51)
実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の、花粉粒または胚珠。
実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の、花粉粒または胚珠。
(実施形態52)
実施形態20~48のいずれか1つの植物から作製される、プロトプラスト。
実施形態20~48のいずれか1つの植物から作製される、プロトプラスト。
(実施形態53)
実施形態20~48のいずれか1つの植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物であって、
上記細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される、組織培養物:
葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚および分裂組織細胞。
実施形態20~48のいずれか1つの植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物であって、
上記細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される、組織培養物:
葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚および分裂組織細胞。
(実施形態54)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている上記第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む、実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている上記第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む、実施形態20~48のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
(実施形態55)
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態54記載の方法。
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態54記載の方法。
(実施形態56)
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態55の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態55の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態57)
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態55の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態55の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態58)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む、実施形態54~57のいずれか1つの方法。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む、実施形態54~57のいずれか1つの方法。
(実施形態59)
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態58の方法。
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態58の方法。
(実施形態60)
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態59の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態59の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態61)
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態59の方法
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態59の方法
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態62)
上記第1核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態54~61のいずれか1つの方法。
上記第1核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態54~61のいずれか1つの方法。
(実施形態63)
上記第1内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態62の方法。
上記第1内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態62の方法。
(実施形態64)
上記第2核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態58~63のいずれか1つの方法。
上記第2核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態58~63のいずれか1つの方法。
(実施形態65)
上記第2内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態64の方法。
上記第2内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態64の方法。
(実施形態66)
上記植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、上記改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態26~65のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
上記植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、上記改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態26~65のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
(実施形態67)
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである、実施形態66の方法。
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである、実施形態66の方法。
(実施形態68)
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態66または67の方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または上記有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドの上記オリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態66または67の方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または上記有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドの上記オリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
(実施形態69)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、実施形態68の方法。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、実施形態68の方法。
(実施形態70)
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである、実施形態66の方法。
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである、実施形態66の方法。
(実施形態71)
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態70の方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの上記細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態70の方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの上記細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
(実施形態72)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、実施形態71の方法。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、実施形態71の方法。
(実施形態73)
実施形態54~72のいずれか1つの方法によって作製される、植物またはその部分。
実施形態54~72のいずれか1つの方法によって作製される、植物またはその部分。
(実施形態74)
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも、有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも、有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態75)
上記植物またはその部分は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、実施形態74の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記植物またはその部分は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、実施形態74の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態76)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態74または75の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態74または75の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して、70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。
(実施形態77)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記のいずれかの異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドである、実施形態76の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記のいずれかの異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドである、実施形態76の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92。
(実施形態78)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される、実施形態75~77のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;
配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;
配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;
配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド
配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;
配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;
配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;
配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;
配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド:
配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;
配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;
配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;
配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;
配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;
配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される、実施形態75~77のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;
配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;
配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;
配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド
配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;
配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;
配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;
配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;
配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド:
配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;
配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;
配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;
配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;
配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;
配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、80%以上配列同一性、85%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。
(実施形態79)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態78の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]、および配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される、実施形態78の遺伝子組換え植物またはその部分:
配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]、および配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
(実施形態80)
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態74~79のいずれか1つの遺伝子改変植物またはその部分。
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態74~79のいずれか1つの遺伝子改変植物またはその部分。
(実施形態81)
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態80の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態80の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態82)
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態75~81のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
実施形態75~81のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態83)
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態82の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記置換されている部分は、上記細胞外ドメインの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満または90%未満であり、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部が置換されている、
実施形態82の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態84)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドおよび上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、実施形態75~83のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドおよび上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、実施形態75~83のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態85)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態74~84のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態74~84のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態86)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態75~85のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施形態75~85のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態87)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現、および、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施態様86の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現、および、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、上記植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる、実施態様86の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態88)
上記微生物は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)または菌根菌である、実施形態85~87のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記微生物は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)または菌根菌である、実施形態85~87のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態89)
下記(i)または(ii)を満たす、実施形態88の遺伝子組換え植物またはその部分:
(i)上記窒素固定細菌は、Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される;
(ii)上記菌根菌は、Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される。
下記(i)または(ii)を満たす、実施形態88の遺伝子組換え植物またはその部分:
(i)上記窒素固定細菌は、Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される;
(ii)上記菌根菌は、Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、およびこれらの任意の組合せからなる群より選択される。
(実施形態90)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在する、実施形態74~89のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在する、実施形態74~89のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態91)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在する、実施形態75~90のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在する、実施形態75~90のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態92)
上記植物細胞は、根細胞である、実施形態90または91の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記植物細胞は、根細胞である、実施形態90または91の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態93)
上記根細胞は、根表皮細胞または根皮層細胞である、実施形態92の遺伝子組換え植物またはその部分。
上記根細胞は、根表皮細胞または根皮層細胞である、実施形態92の遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態94)
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態74~93のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態74~93のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態95)
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態75~94のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している、実施形態75~94のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態96)
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態74~95のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態74~95のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態97)
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態96の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態96の遺伝子組換え植物またはその部分:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態98)
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態96の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態96の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態99)
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態75~98のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態75~98のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分。
(実施形態100)
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態99の遺伝子組換え植物またはその部分
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態99の遺伝子組換え植物またはその部分
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態101)
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態99の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態99の遺伝子組換え植物またはその部分:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態102)
上記植物は、下記からなる群より選択される、実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウおよびアサ。
上記植物は、下記からなる群より選択される、実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物またはその部分:
キャッサバ、トウモロコシ、ササゲ、イネ、オオムギ、コムギ、Trema spp.、リンゴ、ナシ、スモモ、アンズ、モモ、アーモンド、クルミ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、アカフサスグリ、クロフサスグリ、メロン、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、ブドウ、トマト、コショウおよびアサ。
(実施形態103)
上記植物の部分は、下記のいずれかである、実施形態74~102のいずれか1つの遺伝子組換え植物の部分:
葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。
上記植物の部分は、下記のいずれかである、実施形態74~102のいずれか1つの遺伝子組換え植物の部分:
葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。
(実施形態104)
上記部分は、果実、仁または穀粒である、実施形態103の遺伝子組換え植物の部分。
上記部分は、果実、仁または穀粒である、実施形態103の遺伝子組換え植物の部分。
(実施形態105)
実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物の、花粉粒または胚珠。
実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物の、花粉粒または胚珠。
(実施形態106)
実施形態74~101のいずれか1つの植物から作製される、プロトプラスト。
実施形態74~101のいずれか1つの植物から作製される、プロトプラスト。
(実施形態107)
実施形態74~101のいずれか1つの植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物であって、
上記細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される、組織培養物:
葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚および分裂組織細胞。
実施形態74~101のいずれか1つの植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物であって、
上記細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される、組織培養物:
葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚および分裂組織細胞。
(実施形態108)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む、実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む、実施形態74~101のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
(実施形態109)
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態108の方法。
上記第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態108の方法。
(実施形態110)
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態109の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第1プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態109の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態111)
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態109の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第1プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態109の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態112)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している上記植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む、実施形態75~111のいずれか1つの方法。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している上記植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含む、実施形態75~111のいずれか1つの方法。
(実施形態113)
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態112の方法。
上記第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態112の方法。
(実施形態114)
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態113の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
上記第2プロモーターは、根特異的なプロモーターであり、
任意構成で、上記根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態113の方法:
NFR1プロモーターまたはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターまたはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターおよびArabidopsis pCO2プロモーター。
(実施形態115)
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態113の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
上記第2プロモーターは、構成的プロモーターであり、
任意構成で、上記構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される、実施形態113の方法:
CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターおよびArabidopsis UBQ10プロモーター。
(実施形態116)
上記第1核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態108~115のいずれか1つの方法。
上記第1核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態108~115のいずれか1つの方法。
(実施形態117)
上記第1内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態116の方法。
上記第1内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態116の方法。
(実施形態118)
上記第2核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態112~117のいずれか1つの方法。
上記第2核酸配列は、上記植物のゲノムに挿入されており、
上記核酸配列は、第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている、
実施形態112~117のいずれか1つの方法。
(実施形態119)
上記第2内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態118の方法。
上記第2内在性プロモーターは、根特異的なプロモーターである、実施形態118の方法。
(実施形態120)
上記植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、上記改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態80~119のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
上記植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、上記改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、実施形態80~119のいずれか1つの遺伝子組換え植物の作製方法。
(実施形態121)
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである、実施形態120の方法。
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである、実施形態120の方法。
(実施形態122)
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態120または121の方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPRa3ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態120または121の方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPRa3ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
(実施形態123)
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造およびNMR構造である、実施形態122の方法。
上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造およびNMR構造である、実施形態122の方法。
(実施形態124)
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである、実施形態120の方法。
上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである、実施形態120の方法。
(実施形態125)
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態124の方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、実施形態124の方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。
(実施形態126)
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造およびNMR構造である、実施形態125の方法。
上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルは、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造およびNMR構造である、実施形態125の方法。
(実施形態127)
実施形態108~126のいずれか1つの方法によって作製される、植物またはその部分。
実施形態108~126のいずれか1つの方法によって作製される、植物またはその部分。
(実施形態128)
下記工程(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。
下記工程(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。
(実施形態129)
工程(a)において、上記植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態128の方法。
工程(a)において、上記植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態128の方法。
(実施形態130)
下記工程(d)をさらに含む、実施形態128または129の方法:
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程。
下記工程(d)をさらに含む、実施形態128または129の方法:
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程。
(実施形態131)
下記工程(e)をさらに含む、実施形態130の方法:
(e)上記植物またはその部分に、上記有用な共生微生物を適用する工程。
下記工程(e)をさらに含む、実施形態130の方法:
(e)上記植物またはその部分に、上記有用な共生微生物を適用する工程。
(実施形態132)
上記植物の部分は、植物の種苗(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)であり、
上記植物の種苗に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、種子コーティングの一部として上記種子に適用する、上記塊茎に適用する、または上記栄養分体の根に適用する、
実施形態131の方法。
上記植物の部分は、植物の種苗(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)であり、
上記植物の種苗に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、種子コーティングの一部として上記種子に適用する、上記塊茎に適用する、または上記栄養分体の根に適用する、
実施形態131の方法。
(実施形態133)
上記植物の部分は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)であり、
上記植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する、
実施形態131の方法。
上記植物の部分は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)であり、
上記植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する、
実施形態131の方法。
(実施形態134)
下記工程(e)をさらに含む、実施形態130の方法:
(e)上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
下記工程(e)をさらに含む、実施形態130の方法:
(e)上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
(実施形態135)
上記有用な共生微生物は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)、または菌根菌である、実施形態128~134のいずれか1つの方法。
上記有用な共生微生物は、共生細菌(任意構成で、窒素固定細菌)、または菌根菌である、実施形態128~134のいずれか1つの方法。
(実施形態136)
下記工程(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。
下記工程(a)~(c)を含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。
(実施形態137)
工程(a)において、上記植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態136の方法。
工程(a)において、上記植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
実施形態136の方法。
(実施形態138)
下記工程(d)をさらに含む、実施形態136または137の方法:
(d)工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程。
下記工程(d)をさらに含む、実施形態136または137の方法:
(d)工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程。
(実施形態139)
下記工程(e)をさらに含む、実施形態138の方法:
(e)上記植物またはその部分に、上記有用な共生微生物を適用する工程。
下記工程(e)をさらに含む、実施形態138の方法:
(e)上記植物またはその部分に、上記有用な共生微生物を適用する工程。
(実施形態140)
上記植物の部分は、植物の種苗(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)であり、
上記植物の種苗に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、種子コーティングの一部として上記種子に適用する、上記塊茎に適用する、または上記栄養分体の根に適用する、
実施形態139の方法。
上記植物の部分は、植物の種苗(任意構成で、種子、塊茎または栄養分体)であり、
上記植物の種苗に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、種子コーティングの一部として上記種子に適用する、上記塊茎に適用する、または上記栄養分体の根に適用する、
実施形態139の方法。
(実施形態141)
上記植物の部分は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)であり、
上記植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する、
実施形態139の方法。
上記植物の部分は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)であり、
上記植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に上記有用な共生微生物を適用し、
任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する、
実施形態139の方法。
(実施形態142)
下記工程(e)をさらに含む、実施形態138の方法:
(e)上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
下記工程(e)をさらに含む、実施形態138の方法:
(e)上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。
(実施形態143)
上記有用な共生微生物は、共生細菌、(任意構成で、窒素固定細菌)、または菌根菌である、実施形態136~142のいずれか1つの方法。
上記有用な共生微生物は、共生細菌、(任意構成で、窒素固定細菌)、または菌根菌である、実施形態136~142のいずれか1つの方法。
本特許または本特許出願には、カラーで作成された図面が1つ以上含まれている。カラー図面を含めた本特許または本特許出願の文献は、特許庁に申請し、所定の手数料を支払えば提供される。
例示的な方法、パラメータなどを下記に記載する。しかし、認識されるべきことには、これらの記載は本開示の範囲を限定するものとしては意図されていない。そうではなく、例示的な実施形態の記載として提供されている。
〔遺伝子組換え作物〕
本開示の一態様は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分を含んでいる。この異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上する。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、植物またはその部分を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビエゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上
の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。この態様のさらなる他の実施形態は、下記を含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる他の実施形態において、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92である、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチド。
本開示の一態様は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分を含んでいる。この異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上する。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、植物またはその部分を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビエゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上
の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。この態様のさらなる他の実施形態は、下記を含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる他の実施形態において、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92である、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチド。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを含んでいる(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを含んでいる)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでおり、当該異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、同じ植物種または同じ植物品種に由来する。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。この態様のさらなる実施形態においては、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現、および、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現により、植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。微生物が産生するEPSを含んでいる上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される窒素固定細菌を含んでいる:Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、またはこれらの任意の組合せ。あるいは、この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される菌根菌を含んでいる:Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、またはこれらの任意の組合せ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。植物細胞の細胞膜に局在化している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、根細胞である植物細胞を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根表皮細胞または根皮質細胞である根細胞を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、下記からなる群より選択される:
トウモロコシ(corn)(トウモロコシ(maize)、Zea maysなど);イネ(インディカ米、ジャポニカ米、香り米、もち米、Oryza sativa、Oryza glaberrimaなど);ワイルドライス(Zizania spp.、Porteresia spp.など);コムギ(普通コムギ、スペルトコムギ、デュラムコムギ、ヒトツブコムギ、エンマーコムギ、カムットコムギ、Triticum aestivum、Triticum spelta、Triticum durum、Triticum urartu、Triticum monococcum、Triticum turanicum、Triticum spp.など);オオムギ(Hordeum vulgareなど);ソルガム(Sorghum bicolorなど);キビ(シコクビエ、フォニオ、アワ、トウジンビエ、イヌビエ、Eleusine coracana、Panicum sumatrense、Panicum milaceum、Setaria italica、Pennisetum glaucum、Digitaria spp.、Echinocloa spp.など);テフ(Eragrostis tefなど);オートムギ(Avena sativaなど);ライコムギ(X Triticosecale Wittmack、Triticosecale schlanstedtense Wittm.、Triticosecale neoblaringhemii A. Camus、Triticosecale neoblaringhemii A. Camusなど);ライムギ(Secale cereale、Secale cereanumなど);サトウキビ(Saccharum officinarum、Saccharum spp.など);リンゴ(Malus pumila、Malus x domestica、Pyrus malusなど);ナシ(Pyrus communis、Pyrus×bretschneideri、Pyrus pyrifolia、Pyrus sinkiangensis、Pyrus pashia、Pyrus spp.など);スモモ(ミラベル、グリーンゲージ、ダムソン、Prunus domestica、Prunus salicina、Prunus mumeなど);アンズ(Prunus armeniaca、Prunus brigantine、Prunus mandshuricaなど);モモ(Prunus persicaなど);アーモンド(Prunus dulcis、Prunus amygdalusなど);クルミ(ペルシアクルミ、イギリスクルミ、クロクルミ、Juglans regia、Juglans nigra、Juglans cinerea、Juglans californicaなど);サクランボ(Prunus avium、Prunus cerasus、Prunus yedoensis var. nudifloraなど);イチゴ(Fragaria×ananassa、Fragaria chiloensis、Fragaria virginiana、Fragaria vescaなど);ラズベリー(ヨーロッパラズベリー、ブラックラズベリー、Rubus idaeus L.、Rubus occidentalis、Rubus strigosusなど);ブラックベリー(エバーグリーンブラックベリー、ヒマラヤブラックベリー、Rubus fruticosus、Rubus ursinus、Rubus laciniatus、Rubus argutus、Rubus armeniacus、Rubus plicatus、Rubus ulmifolius、Rubus allegheniensis、Rubus subgenus Eubatus sect. Moriferi & Ursiniなど);アカフサスグリ(シロフサスグリ、Ribes rubrumなど);クロフサスグリ(カシス、Ribes nigrumなど);スグリ(Ribes uva-crispa、Ribes grossulari、Ribes hirtellumなど);ササゲ(Vigna unguiculataなど);メロン(スイカ、トウガン、カサバメロン、カンタロープ、ハニーデューメロン、マスクメロン、Citrullus lanatus、Benincasa hispida、Cucumis melo、Cucumis melo cantalupensis、Cucumis melo inodorus、Cucumis melo reticulatusなど);キュウリ(キュウリ(slicing cucumber)、ピクルス用キュウリ、キュウリ(English cucumber)、Cucumis sativusなど);カボチャ(pumpkin)(Cucurbita pepo、Cucurbita maximaなど);カボチャ(squash)(ウリ、Cucurbita argyrosperma、Cucurbita ficifolia、Cucurbita maxima、Cucurbita moschataなど);ブドウ(Vitis vinifera、Vitis amurensis、Vitis labrusca、Vitis mustangensis、Vitis riparia、Vitis rotundifoliaなど);アサ(大麻、Cannabis sativaなど);ホップ(Humulus lupulusなど);バーチ(Betula spp.など);ビーチ(Fagus sylvatica、Fagus grandifolia、Fagus spp.など);ナツメ(ベニナツメ、Ziziphus jujubeなど);キャッサバ(マニオク、ユカ、Manihot esculentaなど);ポプラ(雑種ポプラ、Populus trichocarpa、Populus tremula、Populus alba、Populus spp.など);クリ(Castanea mollissima、Castanea crenata、Castanea dentata、Castanea spp.など);スワンプオーク(Casuarina glaucaなど);ローズガム(Eucalyptus grandisなど);オーク(コルクガシ、Quercus suber、Quercus spp.など);柑橘類(レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、シトロン、カラタチ、ベルガモットオレンジ、ダイダイ、ブラッドオレンジ、ウンシュウミカン、クレメンティン、ミカン、ユズ、フィンガーライム、コブミカン、キンカン、Citrus clementina、Citrus sinensis、Citrus trifoliata、Citrus japonica、Citrus maxima、Citrus australasica、Citrus reticulata、Citus aurantifolia、Citrus hystrix、Citrus×paradisi、Citrus×clementina、Citrus spp.など);ジャガイモ(ラセットポテト、イエローポテト、レッドポテト、Solanum tuberosumなど);トマト(Solanum lycopersicumなど);コショウ(アマトウガラシ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、Capsicum L.など);サツマイモ(Ipomoea batatasなど);ヤマノイモ(Diascorea spp.、Oxalis tuberosaなど);Trema spp.(Trema cannabina、Trema cubense、Trema discolor、Trema domingensis、Trema integerrima、Trema lamarckiana、Trema micrantha、Trema orientalis、Trema philippinensis、Trema strigilosa、Trema tomentosa、Trema levigataなど);またはJatropha spp.(Jatropha curcasなど)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、機能性の根粒菌Nod因子受容体を欠失している。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、マメ科植物ではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、A. thaliana、N. tabacum、L. japonicusまたはM. truncatulaではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物の部分は、下記から選択される:葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。この態様のさらなる実施形態は、果実、仁または穀粒である植物の部分を含んでいる。
トウモロコシ(corn)(トウモロコシ(maize)、Zea maysなど);イネ(インディカ米、ジャポニカ米、香り米、もち米、Oryza sativa、Oryza glaberrimaなど);ワイルドライス(Zizania spp.、Porteresia spp.など);コムギ(普通コムギ、スペルトコムギ、デュラムコムギ、ヒトツブコムギ、エンマーコムギ、カムットコムギ、Triticum aestivum、Triticum spelta、Triticum durum、Triticum urartu、Triticum monococcum、Triticum turanicum、Triticum spp.など);オオムギ(Hordeum vulgareなど);ソルガム(Sorghum bicolorなど);キビ(シコクビエ、フォニオ、アワ、トウジンビエ、イヌビエ、Eleusine coracana、Panicum sumatrense、Panicum milaceum、Setaria italica、Pennisetum glaucum、Digitaria spp.、Echinocloa spp.など);テフ(Eragrostis tefなど);オートムギ(Avena sativaなど);ライコムギ(X Triticosecale Wittmack、Triticosecale schlanstedtense Wittm.、Triticosecale neoblaringhemii A. Camus、Triticosecale neoblaringhemii A. Camusなど);ライムギ(Secale cereale、Secale cereanumなど);サトウキビ(Saccharum officinarum、Saccharum spp.など);リンゴ(Malus pumila、Malus x domestica、Pyrus malusなど);ナシ(Pyrus communis、Pyrus×bretschneideri、Pyrus pyrifolia、Pyrus sinkiangensis、Pyrus pashia、Pyrus spp.など);スモモ(ミラベル、グリーンゲージ、ダムソン、Prunus domestica、Prunus salicina、Prunus mumeなど);アンズ(Prunus armeniaca、Prunus brigantine、Prunus mandshuricaなど);モモ(Prunus persicaなど);アーモンド(Prunus dulcis、Prunus amygdalusなど);クルミ(ペルシアクルミ、イギリスクルミ、クロクルミ、Juglans regia、Juglans nigra、Juglans cinerea、Juglans californicaなど);サクランボ(Prunus avium、Prunus cerasus、Prunus yedoensis var. nudifloraなど);イチゴ(Fragaria×ananassa、Fragaria chiloensis、Fragaria virginiana、Fragaria vescaなど);ラズベリー(ヨーロッパラズベリー、ブラックラズベリー、Rubus idaeus L.、Rubus occidentalis、Rubus strigosusなど);ブラックベリー(エバーグリーンブラックベリー、ヒマラヤブラックベリー、Rubus fruticosus、Rubus ursinus、Rubus laciniatus、Rubus argutus、Rubus armeniacus、Rubus plicatus、Rubus ulmifolius、Rubus allegheniensis、Rubus subgenus Eubatus sect. Moriferi & Ursiniなど);アカフサスグリ(シロフサスグリ、Ribes rubrumなど);クロフサスグリ(カシス、Ribes nigrumなど);スグリ(Ribes uva-crispa、Ribes grossulari、Ribes hirtellumなど);ササゲ(Vigna unguiculataなど);メロン(スイカ、トウガン、カサバメロン、カンタロープ、ハニーデューメロン、マスクメロン、Citrullus lanatus、Benincasa hispida、Cucumis melo、Cucumis melo cantalupensis、Cucumis melo inodorus、Cucumis melo reticulatusなど);キュウリ(キュウリ(slicing cucumber)、ピクルス用キュウリ、キュウリ(English cucumber)、Cucumis sativusなど);カボチャ(pumpkin)(Cucurbita pepo、Cucurbita maximaなど);カボチャ(squash)(ウリ、Cucurbita argyrosperma、Cucurbita ficifolia、Cucurbita maxima、Cucurbita moschataなど);ブドウ(Vitis vinifera、Vitis amurensis、Vitis labrusca、Vitis mustangensis、Vitis riparia、Vitis rotundifoliaなど);アサ(大麻、Cannabis sativaなど);ホップ(Humulus lupulusなど);バーチ(Betula spp.など);ビーチ(Fagus sylvatica、Fagus grandifolia、Fagus spp.など);ナツメ(ベニナツメ、Ziziphus jujubeなど);キャッサバ(マニオク、ユカ、Manihot esculentaなど);ポプラ(雑種ポプラ、Populus trichocarpa、Populus tremula、Populus alba、Populus spp.など);クリ(Castanea mollissima、Castanea crenata、Castanea dentata、Castanea spp.など);スワンプオーク(Casuarina glaucaなど);ローズガム(Eucalyptus grandisなど);オーク(コルクガシ、Quercus suber、Quercus spp.など);柑橘類(レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、シトロン、カラタチ、ベルガモットオレンジ、ダイダイ、ブラッドオレンジ、ウンシュウミカン、クレメンティン、ミカン、ユズ、フィンガーライム、コブミカン、キンカン、Citrus clementina、Citrus sinensis、Citrus trifoliata、Citrus japonica、Citrus maxima、Citrus australasica、Citrus reticulata、Citus aurantifolia、Citrus hystrix、Citrus×paradisi、Citrus×clementina、Citrus spp.など);ジャガイモ(ラセットポテト、イエローポテト、レッドポテト、Solanum tuberosumなど);トマト(Solanum lycopersicumなど);コショウ(アマトウガラシ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、Capsicum L.など);サツマイモ(Ipomoea batatasなど);ヤマノイモ(Diascorea spp.、Oxalis tuberosaなど);Trema spp.(Trema cannabina、Trema cubense、Trema discolor、Trema domingensis、Trema integerrima、Trema lamarckiana、Trema micrantha、Trema orientalis、Trema philippinensis、Trema strigilosa、Trema tomentosa、Trema levigataなど);またはJatropha spp.(Jatropha curcasなど)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、機能性の根粒菌Nod因子受容体を欠失している。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、マメ科植物ではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、A. thaliana、N. tabacum、L. japonicusまたはM. truncatulaではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物の部分は、下記から選択される:葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。この態様のさらなる実施形態は、果実、仁または穀粒である植物の部分を含んでいる。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え作物の花粉粒または胚珠に関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る植物から作製されるプロトプラストに関する。
いくつかの態様において、本発明は上述のいずれかの実施形態の植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物に関する。この細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される:葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚または分裂組織細胞。
本開示のさらなる態様は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分を含んでいる。この異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有している、植物またはその部分を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記からなる群より選択される:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92である、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチド。異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して7
0%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第15ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
0%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している第15ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、同じ植物種または同じ植物品種に由来する、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドおよび異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの発現を含んでいる。これにより、植物またはその一部は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。この態様のさらなる実施形態においては、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの発現、および、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの発現により、植物またはその部分は、微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになる。微生物が産生するEPSを含んでいる上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される窒素固定細菌を含んでいる:Mesorhizobium loti、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium spp.、Rhizobium mongolense、Rhizobium tropici、Rhizobium etli phaseoli、Rhizobium giardinii、Rhizobium leguminosarum(任意構成でR. leguminosarum trifolii、R. leguminosarum viciaeおよびR. leguminosarum phaseoli)、Burkholderiales目(任意構成でMimosa属の共生細菌)、Sinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicae、Sinorhizobium fredii、Sinorhizobium fredii NGR234、Azorhizobium caulinodans、Bradyrhizobium japonicum、Bradyrhizobium elkanii、Bradyrhizobium liaonginense、Rhizobium spp.、Mesorhizobium spp.、Sinorhizobium spp.、Azorhizobium spp.、Frankia spp.、またはこれらの任意の組合せ。あるいは、この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される菌根菌を含んでいる:Acaulosporaceae spp.、Diversisporaceae spp.、Gigasporaceae spp.、Pacisporaceae spp.、Funneliformis spp.、Glomus spp.、Rhizophagus spp.、Sclerocystis spp.、Septoglomus spp.、Claroideoglomus spp.、Ambispora spp.、Archaeospora spp.、Geosiphon pyriformis、Paraglomus spp.、Glomeromycota門の他の種、またはこれらの任意の組合せ。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドを含んでおり、当該ポリペプチドは植物細胞の細胞膜に局在している。植物細胞の細胞膜に局在化している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、根細胞である植物細胞を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根表皮細胞または根皮質細胞である根細胞を含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、根系形成中の植物の根系において発現している。
上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第1核酸配列は、第1プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第1プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は、第2プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、根特異的なプロモーターである(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、第2プロモーターは、構成的プロモーターである(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、下記からなる群より選択される:トウモロコシ(corn)(トウモロコシ(maize)、Zea maysなど);イネ(インディカ米、ジャポニカ米、香り米、もち米、Oryza sativa、Oryza glaberrimaなど);ワイルドライス(Zizania spp.、Porteresia spp.など);コムギ(普通コムギ、スペルトコムギ、デュラムコムギ、ヒトツブコムギ、エンマーコムギ、カムットコムギ、Triticum aestivum、Triticum spelta、Triticum durum、Triticum urartu、Triticum monococcum、Triticum turanicum、Triticum spp.など);オオムギ(Hordeum vulgareなど);ソルガム(Sorghum bicolorなど);キビ(シコクビエ、フォニオ、アワ、トウジンビエ、イヌビエ、Eleusine coracana、Panicum sumatrense、Panicum milaceum、Setaria italica、Pennisetum glaucum、Digitaria spp.、Echinocloa spp.など);テフ(Eragrostis tefなど);オートムギ(Avena sativaなど);ライコムギ(X Triticosecale Wittmack、Triticosecale schlanstedtense Wittm.、Triticosecale neoblaringhemii A. Camus、Triticosecale neoblaringhemii A. Camusなど);ライムギ(Secale cereale、Secale cereanumなど);サトウキビ(Saccharum officinarum、Saccharum spp.など);リンゴ(Malus pumila、Malus x domestica、Pyrus malusなど);ナシ(Pyrus communis、Pyrus×bretschneideri、Pyrus pyrifolia、Pyrus sinkiangensis、Pyrus pashia、Pyrus spp.など);スモモ(ミラベル、グリーンゲージ、ダムソン、Prunus domestica、Prunus salicina、Prunus mumeなど);アンズ(Prunus armeniaca、Prunus brigantine、Prunus mandshuricaなど);モモ(Prunus persicaなど);アーモンド(Prunus dulcis、Prunus amygdalusなど);クルミ(ペルシアクルミ、イギリスクルミ、クロクルミ、Juglans regia、Juglans nigra、Juglans cinerea、Juglans californicaなど);サクランボ(Prunus avium、Prunus cerasus、Prunus yedoensis var. nudifloraなど);イチゴ(Fragaria×ananassa、Fragaria chiloensis、Fragaria virginiana、Fragaria vescaなど);ラズベリー(ヨーロッパラズベリー、ブラックラズベリー、Rubus idaeus L.、Rubus occidentalis、Rubus strigosusなど);ブラックベリー(エバーグリーンブラックベリー、ヒマラヤブラックベリー、Rubus fruticosus、Rubus ursinus、Rubus laciniatus、Rubus argutus、Rubus armeniacus、Rubus plicatus、Rubus ulmifolius、Rubus allegheniensis、Rubus subgenus Eubatus sect. Moriferi & Ursiniなど);アカフサスグリ(シロフサスグリ、Ribes rubrumなど);クロフサスグリ(カシス、Ribes nigrumなど);スグリ(Ribes uva-crispa、Ribes grossulari、Ribes hirtellumなど);ササゲ(Vigna unguiculataなど);メロン(スイカ、トウガン、カサバメロン、カンタロープ、ハニーデューメロン、マスクメロン、Citrullus lanatus、Benincasa hispida、Cucumis melo、Cucumis melo cantalupensis、Cucumis melo inodorus、Cucumis melo reticulatusなど);キュウリ(キュウリ(slicing cucumber)、ピクルス用キュウリ、キュウリ(English cucumber)、Cucumis sativusなど);カボチャ(pumpkin)(Cucurbita pepo、Cucurbita maximaなど);カボチャ(squash)(ウリ、Cucurbita argyrosperma、Cucurbita ficifolia、Cucurbita maxima、Cucurbita moschataなど);ブドウ(Vitis vinifera、Vitis amurensis、Vitis labrusca、Vitis mustangensis、Vitis riparia、Vitis rotundifoliaなど);アサ(大麻、Cannabis sativaなど);ホップ(Humulus lupulusなど);バーチ(Betula spp.など);ビーチ(Fagus sylvatica、Fagus grandifolia、Fagus spp.など);ナツメ(ベニナツメ、Ziziphus jujubeなど);キャッサバ(マニオク、ユカ、Manihot esculentaなど);ポプラ(雑種ポプラ、Populus trichocarpa、Populus tremula、Populus alba、Populus spp.など);クリ(Castanea mollissima、Castanea crenata、Castanea dentata、Castanea spp.など);スワンプオーク(Casuarina glaucaなど);ローズガム(Eucalyptus grandisなど);オーク(コルクガシ、Quercus suber、Quercus spp.など);柑橘類(レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、シトロン、カラタチ、ベルガモットオレンジ、ダイダイ、ブラッドオレンジ、ウンシュウミカン、クレメンティン、ミカン、ユズ、フィンガーライム、コブミカン、キンカン、Citrus clementina、Citrus sinensis、Citrus trifoliata、Citrus japonica、Citrus maxima、Citrus australasica、Citrus reticulata、Citus aurantifolia、Citrus hystrix、Citrus×paradisi、Citrus×clementina、Citrus spp.など);ジャガイモ(ラセットポテト、イエローポテト、レッドポテト、Solanum tuberosumなど);トマト(Solanum lycopersicumなど);コショウ(アマトウガラシ、ピーマン、トウガラシ、チリペッパー、Capsicum L.など);サツマイモ(Ipomoea batatasなど);ヤマノイモ(Diascorea spp.、Oxalis tuberosaなど);Trema spp.(Trema cannabina、Trema cubense、Trema discolor、Trema domingensis、Trema integerrima、Trema lamarckiana、Trema micrantha、Trema orientalis、Trema philippinensis、Trema strigilosa、Trema tomentosa、Trema levigataなど);およびJatropha spp.(Jatropha curcasなど)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、機能性の根粒菌Nod因子受容体を欠失している。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、植物は、マメ科植物ではない。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物は、A. thaliana、N. tabacum、L. japonicusまたはM. truncatulaではない。上述の実施形態のいずれかと組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、植物の部分は、下記のいずれかである:葉、茎、根、根原基、花、種子、果実、仁、穀粒、細胞、またはこれらの一部。この態様のさらなる実施形態は、果実、仁または穀粒である植物の部分を含んでいる。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え作物の花粉粒または胚珠に関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態に係る植物から作製されるプロトプラストに関する。
いくつかの態様において、本開示は、上述のいずれかの実施形態の植物に由来するプロトプラストまたは細胞から作製される組織培養物に関する。この細胞またはプロトプラストは、下記からなる群より選択される植物の部分から作製される:葉、葯、雌蕊、茎、葉柄、根、根原基、根端、果実、種子、花、子葉、胚軸、胚または分裂組織細胞。
〔遺伝子組換え植物の作製・栽培方法〕
本開示の他の態様は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法を含んでいる。この方法は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む。この態様のさらなる実施形態は、第1プロモーターに作動可能に連結されている第1核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、構成的プロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、第2プロモーターに作動可能に連結されている第2核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、構成的プロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、第1核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1内在性プロモーターを含んでいる。第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2内在性プロモーターを含んでいる。植物のゲノムに挿入されている第1核酸配列または植物のゲノムに挿入されている第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、1つ以上の遺伝子編集因子の使用により生じる挿入を含んでおり、この遺伝子編集因子は、内在性プロモーターに作動可能に連結されている核ゲノム配列を標的としている。この態様のさらに他の実施形態は、下記からなる群より選択される1つ以上の遺伝子編集因子を含んでいる:核ゲノム配列を標的としているリボ核タンパク質複合体、TALENタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このTALENタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、ZFNタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このZFNタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、オリゴヌクレオチドドナー(ODN;このODNは核ゲノム配列を標的としている);または、CRISPR/Cas酵素をコードしている配列および標的配列を有しているベクター(この標的配列は核ゲノム配列を標的としている)。
本開示の他の態様は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法を含んでいる。この方法は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む。この態様のさらなる実施形態は、第1プロモーターに作動可能に連結されている第1核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、構成的プロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、第2プロモーターに作動可能に連結されている第2核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態において、構成的プロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、第1核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1内在性プロモーターを含んでいる。第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2内在性プロモーターを含んでいる。植物のゲノムに挿入されている第1核酸配列または植物のゲノムに挿入されている第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、1つ以上の遺伝子編集因子の使用により生じる挿入を含んでおり、この遺伝子編集因子は、内在性プロモーターに作動可能に連結されている核ゲノム配列を標的としている。この態様のさらに他の実施形態は、下記からなる群より選択される1つ以上の遺伝子編集因子を含んでいる:核ゲノム配列を標的としているリボ核タンパク質複合体、TALENタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このTALENタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、ZFNタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このZFNタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、オリゴヌクレオチドドナー(ODN;このODNは核ゲノム配列を標的としている);または、CRISPR/Cas酵素をコードしている配列および標的配列を有しているベクター(この標的配列は核ゲノム配列を標的としている)。
本開示のさらなる態様は、改変されたポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらに他の実施形態は、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルを含んでいる。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである。この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3aポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらに他の実施形態は、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルを含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、上述のいずれかの実施形態に係る方法によって作製される、植物または植物の部分を含んでいる。
本開示のさらなる態様は、上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程を含む。この態様のさらなる実施形態は、第1プロモーターに作動可能に連結されている第1核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、構成的プロモーターである第1プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程をさらに含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、第2プロモーターに作動可能に連結されている第2核酸配列を含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、根特異的なプロモーターは、下記からなる群より選択される:NFR1プロモーターもしくはNFR5/NFPプロモーター、EPR3プロモーターもしくはEPR3aプロモーター、Lotus NFR5プロモーター、Lotus NFR1プロモーター、トウモロコシアロチオネイン(maize allothioneine)プロモーター、キチナーゼプロモーター、トウモロコシZRP2プロモーター、トマトLeExtlプロモーター、グルタミン合成酵素ダイズ根プロモーター、RCC3プロモーター、イネアンチキチンプロモーター、LRR受容体キナーゼプロモーターまたはArabidopsis pCO2プロモーター)。この態様のさらなる実施形態は、構成的プロモーターである第2プロモーターを含んでいる(任意構成で、構成的プロモーターは、下記からなる群より選択される:CaMV35Sプロモーター、CaMV35Sプロモーターの誘導体、トウモロコシユビキチンプロモーター、トレフォイルプロモーター、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターまたはArabidopsis UBQ10プロモーター)。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態において、第1核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第1内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第1内在性プロモーターを含んでいる。第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態において、第2核酸配列は植物のゲノムに挿入されており、当該核酸配列は第2内在性プロモーターに作動可能に連結されている。この態様のさらなる実施形態は、根特異的なプロモーターである第2内在性プロモーターを含んでいる。植物のゲノムに挿入されている第1核酸配列または植物のゲノムに挿入されている第2核酸配列を有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、1つ以上の遺伝子編集因子の使用により生じる挿入を含んでおり、この遺伝子編集因子は、内在性プロモーターに作動可能に連結されている核ゲノム配列を標的としている。この態様のさらに他の実施形態は、下記からなる群より選択される1つ以上の遺伝子編集因子を含んでいる:核ゲノム配列を標的としているリボ核タンパク質複合体、TALENタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このTALENタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、ZFNタンパク質をコードしている配列を有しているベクター(このZFNタンパク質は核ゲノム配列を標的としている)、オリゴヌクレオチドドナー(ODN;このODNは核ゲノム配列を標的としている)、またはCRISPR/Cas酵素をコードしている配列および標的配列を有しているベクター(この標的配列は核ゲノム配列を標的としている)。
本開示のさらなる態様は、改変されたポリペプチドを有している上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の作製方法に関する。この方法は、植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3aポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらに他の実施形態は、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルを含んでいる。この態様のさらなる実施形態において、内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである。この態様の他の実施形態において、改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される:(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。この態様のさらに他の実施形態は、タンパク質結晶構造、分子モデル、クライオEM構造またはNMR構造である、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルを含んでいる。上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、上述のいずれかの実施形態に係る方法によって作製される、植物または植物の部分を含んでいる。
本開示のさらに他の態様は、遺伝子組換え植物を有している上述のいずれかの実施形態に係る遺伝子組換え植物の、栽培方法を含んでいる。この方法は、下記工程(a)~(c)を含む:(a)遺伝子組換えの実生、栄養分体、挿木、塊茎、根もしくは種子を土壌中に植えて、遺伝子組換え植物を作製するする工程、または、遺伝子組換えの実生、栄養分体もしくは挿木を台木または土壌中で生長している第2植物に接木して、遺伝子組換え植物を作成する工程;(b)植物を栽培して、収穫できる種子、葉、根、挿木、木材、果実、仁、塊茎および/または穀粒を生産させる工程、ならびに、収穫できる種子、葉、根、挿木、木材、果実、仁、塊茎および/または穀粒を収穫する工程;(c)収穫できる種子、葉、根、挿木、木材、果実、仁、塊茎および/または穀粒を収穫する工程。
〔有用な共生微生物を同定する方法〕
本開示のさらに他の態様は、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法に関する。この方法は、下記工程(a)~(c)を含む:(a)植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;(b)第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を有しているサンプルとを接触させる工程;(c)微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、EPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖とポリペプチドとの結合により、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される工程。任意構成で、植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる:(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる:(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。この態様のさらなる実施形態は、工程(a)において、植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、第2ポリペプチドと第1ポリペプチドとを接触させる。この態様のさらなる実施形態は、下記工程(d)をさらに含む:(d)工程(c)において結合が検出された場合に、有用な共生微生物を培養する工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)植物またはその一部に、有用な共生微生物を適用する工程。この態様のさらなる実施形態は、植物の種苗である植物の部分(任意構成で種子、塊茎または栄養分体)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の種苗に適用する(任意構成で、種子コーティングの一部として種子に適用する、塊茎に適用する、または栄養分体の根に適用する)。この態様のさらなる実施形態は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)である植物の部分を含んでおり、有用な共生微生物を植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に適用する(任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する)。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性またはは99%以上の配列同一性を有している、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。この態様のさらに他の実施形態は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、有用な共生微生物を含んでいる。
本開示のさらに他の態様は、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法に関する。この方法は、下記工程(a)~(c)を含む:(a)植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;(b)第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を有しているサンプルとを接触させる工程;(c)微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、EPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖とポリペプチドとの結合により、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される工程。任意構成で、植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる:(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる:(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。この態様のさらなる実施形態は、工程(a)において、植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、第2ポリペプチドと第1ポリペプチドとを接触させる。この態様のさらなる実施形態は、下記工程(d)をさらに含む:(d)工程(c)において結合が検出された場合に、有用な共生微生物を培養する工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)植物またはその一部に、有用な共生微生物を適用する工程。この態様のさらなる実施形態は、植物の種苗である植物の部分(任意構成で種子、塊茎または栄養分体)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の種苗に適用する(任意構成で、種子コーティングの一部として種子に適用する、塊茎に適用する、または栄養分体の根に適用する)。この態様のさらなる実施形態は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)である植物の部分を含んでおり、有用な共生微生物を植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に適用する(任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する)。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性またはは99%以上の配列同一性を有している、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。この態様のさらに他の実施形態は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、有用な共生微生物を含んでいる。
本開示のさらに他の態様は、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法に関する。この方法は、下記工程(a)~(c)を含む:(a)植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;(b)第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を有しているサンプルとを接触させる工程;(c)微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、EPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖とポリペプチドとの結合により、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される工程。任意構成で、植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる:(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizobiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、当該微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される。あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる:(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ)。この態様のさらなる実施形態は、工程(a)において、植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、第2ポリペプチドと第1ポリペプチドとを接触させる。この態様のさらなる実施形態は、下記工程(d)をさらに含む:(d)工程(c)において結合が検出された場合に、有用な共生微生物を培養する工程。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)植物またはその一部に、有用な共生微生物を適用する工程。この態様のさらなる実施形態は、植物の種苗である植物の部分(任意構成で種子、塊茎または栄養分体)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の種苗に適用する(任意構成で、種子コーティングの一部として種子に適用する、塊茎に適用する、または栄養分体の根に適用する)。この態様のさらなる実施形態は、植物の栄養生殖または生殖に関わる部分である植物の部分(任意構成で、根、シュート、茎、花粉粒または胚珠)を含んでおり、有用な共生微生物を植物の栄養生殖または生殖に関わる部分に適用する(任意構成で、コーティング、溶液または粉末の一部として適用する)。この態様のさらに他の実施形態は、下記工程(e)をさらに含む:(e)有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様の他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号62[ミヤコグサ(EPR3a)]、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92の細胞外ドメインである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらに他の実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインに対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインを有している上述のいずれかの実施形態と組合せることができる、この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]の細胞外ドメインである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン。この態様のさらに他の実施形態は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である有用な共生微生物を含んでいる。
〔遺伝子組換え植物および植物細胞を作製する分子生物学的方法〕
本発明の一実施形態が提供するのは、同じ条件下において野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性を向上させるために、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有するようにさせた(任意構成で、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有するようにさせた)、遺伝子組換え植物または植物細胞である。本発明の他の実施形態が提供するのは、同じ条件下において野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性を向上させるために、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有するようにさせた(任意構成で、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有するようにさせた)、遺伝子組換え植物または植物細胞である。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。
本発明の一実施形態が提供するのは、同じ条件下において野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性を向上させるために、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有するようにさせた(任意構成で、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有するようにさせた)、遺伝子組換え植物または植物細胞である。本発明の他の実施形態が提供するのは、同じ条件下において野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性を向上させるために、異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有するようにさせた(任意構成で、異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有するようにさせた)、遺伝子組換え植物または植物細胞である。選択性とは、有用な共生微生物に対する正の選択、共生に有用ではない他の微生物に対する負の選択、またはこれらの組合せを意味していてもよい。
本発明の特定の態様は、L. japonicusのタンパク質であるEPR3(配列番号61)に関する。EPR3は1回膜貫通型受容体キナーゼであり、球状部分およびステム部分を有している細胞外ドメインと(図3D)、膜貫通ドメインと、キナーゼドメインとを有している(図3E)。EPR3の細胞外ドメインは3つのドメインを有しており(M1、M2およびLysM3)、これらのそれぞれは、特定のαヘリックスおよびβシートの二次構造を有している(図2A)。本発明のさらなる態様は、EPR3のホモログまたはオルソログに関する(EPR3様タンパク質など)。いくつかの実施形態において、ホモログまたはオルソログは、L. japonicusのEPR3と構造的に類似している。図4A~4Cに示すように、他の植物種も、L. japonicusのEPR3に対して相同なタンパク質を有している。これらのタンパク質は同じM1ドメイン、M2ドメインおよびLysM3ドメインを有しており、これらの領域は特定のαヘリックスおよびβシートの二次構造を有している。
本開示の異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、双子葉植物(マメ科植物または非マメ科植物)または単子葉植物に由来するEPR3またはEPR3様ポリペプチドを有している。この態様のさらなる実施態様は、下記の第1ポリペプチド~第15ポリペプチドからなる群より選択される、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(BAI79269.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第1ポリペプチド;配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第2ポリペプチド;配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第3ポリペプチド;配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第4ポリペプチド;配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第5ポリペプチド;配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第6ポリペプチド;配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第7ポリペプチド;配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第8ポリペプチド;配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第9ポリペプチド;配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第10ポリペプチド;配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第11ポリペプチド;配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第12ポリペプチド;配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78
%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記を含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号93、配列番号94、配列番号95,配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186または配列番号187に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号93、配列番号94、配列番号95,配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186または配列番号187である、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。
%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第13ポリペプチド;配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第14ポリペプチド;配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、第15ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記を含んでいる:配列番号1[ミヤコグサ(EPR3)]、配列番号2[ヒヨコマメ(XP_004489790.1)]、配列番号3[タルウマゴヤシ(XP_003613165.1)]、配列番号4[ダイズ(XP_003517716.1)]、配列番号5[インゲンマメ(XP_007157313.1)]、配列番号6[ブラックコットンウッド(XP_002322185.1)]、配列番号7[リンゴ(XP_008340354.1)]、配列番号8[ヨーロッパブドウ(XP_002272814.2)]、配列番号9[カカオ(XP_007036352.1)]、配列番号10[トウゴマ(XP_002527912.1)]、配列番号11[エゾヘビイチゴ(XP_004300916.1)]、配列番号12[トウモロコシ(XP_008657477.1)]、配列番号13[イネ(XP_015628733.1)]、配列番号14[コムギ(CDM80098.1)]または配列番号15[オオムギ(MLOC_5489.2)]からなる群より選択される異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号93、配列番号94、配列番号95,配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186または配列番号187に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有している、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記のいずれかを含んでいる:配列番号93、配列番号94、配列番号95,配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123、配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127、配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186または配列番号187である、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチド。
本開示の改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメインまたはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)、EPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。この態様のさらなる実施形態は、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドである、EPR3またはEPR3様ポリペプチドを含んでいる。
本発明の特定の態様は、L. japonicusのタンパク質であるEPR3a(配列番号62)に関する。EPR3aは、EPR3に対して65%のアミノ酸同一性を有している(図11B)。EPR3と相同であるので、EPR3aも1回膜貫通型受容体キナーゼであり、球状部分およびステム部分を有している細胞外ドメインと、、膜貫通ドメインと、キナーゼドメインとを有している(図19A~19B)。本開示のさらなる態様は、EPR3aのホモログまたはオルソログに関する(EPR3a様タンパク質など)。いくつかの実施形態において、ホモログまたはオルソログは、L. japonicusのEPR3aと構造的に類似している。図25A~25Wは、L. japonicusのEPR3aおよび他の植物種に由来するEPR3a様タンパク質のアラインメントを表す。
本開示の異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、双子葉植物(マメ科植物または非マメ科植物)または単子葉植物に由来する、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる。この態様のさらなる実施形態は、下記からなる群より選択される異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる:配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92に対して70%以上の配列同一性、71%以上の配列同一性、72%以上の配列同一性、73%以上の配列同一性、74%以上の配列同一性、75%以上の配列同一性、76%以上の配列同一性、77%以上の配列同一性、78%以上の配列同一性、79%以上の配列同一性、80%以上の配列同一性、81%以上の配列同一性、82%以上の配列同一性、83%以上の配列同一性、84%以上の配列同一性、85%以上の配列同一性、86%以上の配列同一性、87%以上の配列同一性、88%以上の配列同一性、89%以上の配列同一性、90%以上の配列同一性、91%以上の配列同一性、92%以上の配列同一性、93%以上の配列同一性、94%以上の配列同一性、95%以上の配列同一性、96%以上の配列同一性、97%以上の配列同一性、98%以上の配列同一性または99%以上の配列同一性を有しているポリペプチド。この態様のさらなる実施形態は、下記を含んでいる:配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91または配列番号92からなる群より選択される異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチド。
本開示の改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメインまたはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している)、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる。この態様のさらなる実施形態において、置換されている部分は、細胞外ドメインの10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、40%以上、41%以上、42%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、50%以上、51%以上、52%以上、53%以上、54%以上、55%以上、56%以上、57%以上、58%以上、59%以上、60%以上、61%以上、62%以上、63%以上、64%以上、65%以上、66%以上、67%以上、68%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、21%未満、22%未満、23%未満、24%未満、25%未満、26%未満、27%未満、28%未満、29%未満、30%未満、31%未満、32%未満、33%未満、34%未満、35%未満、36%未満、37%未満、38%未満、39%未満、40%未満、41%未満、42%未満、43%未満、44%未満、45%未満、46%未満、47%未満、48%未満、49%未満、50%未満、51%未満、52%未満、53%未満、54%未満、55%未満、56%未満、57%未満、58%未満、59%未満、60%未満、61%未満、62%未満、63%未満、64%未満、65%未満、66%未満、67%未満、68%未満、69%未満、70%未満、71%未満、72%未満、73%未満、74%未満、75%未満、76%未満、77%未満、78%未満、79%未満、80%未満、81%未満、82%未満、83%未満、84%未満、85%未満、86%未満、87%未満、88%未満、89%未満または90%未満である(任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部もしくは一部で置換されている)。この態様のさらなる実施形態は、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドである、EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを含んでいる。
図26A~26L、図27A~27Lおよび図28A~28Mに示すのは、L. japonicusのEPR3ポリペプチド(EPR3_Lj:配列番号61)、L. japonicusのEPR3aポリペプチド(EPR3A_Lj:配列番号62)、ならびに広範な他の植物種に由来するEPR3様およびEPR3a様ポリペプチドのアラインメントである。
本開示のEPR3またはEPR3様ポリペプチドを同定するために、当業者であれば、本開示の教示を応用するであろう。例えば、第1段階においては、潜在的なEPR3受容体またはEPR3様受容体のアミノ酸配列と、1つ以上の公知のEPR3受容体またはEPR3様受容体の配列とをアラインメントする。例示的な公知のEPR3受容体は、L. japonicusのEPR3である。アラインメントを利用して、M1ドメインの位置を決定する。M1ドメインは細胞外ドメインのN末端に位置しており、標準的なLysM受容体におけるLysM1ドメインの位置に対応している(図6)。第2段階においては、ab initioなタンパク質構造予測プログラム(Quark(Xu and Zhang Proteins 2012 80:1715-1735)など)を使用して、新候補のM1ドメインの構造およびフォールディングを予測する。次に、潜在的なEPR3受容体またはEPR3様受容体のモデルにおけるM1ドメインが、同じトポロジー(βαββフォールディング)を共有しており、L. japonicusのEPR3のM1ドメインと充分に重なり合うならば、その候補はEPR3またはEPR3様ポリペプチドである。
L. japonicusのEPR3のキナーゼドメインは、キナーゼ活性を有している(図11K)。これは、L. japonicusのEPR3sのキナーゼドメインも同様である(図11L~11M)。したがって、理論に拘束されることを望むものではないが、EPR3受容体、EPR3様受容体、EPR3a受容体およびEPR3a様受容体は、それゆえに、独立した受容体として作用できるか、または他のタンパク質との共役受容体として作用できる可能性がある(例えば、図19A~19Bおよび図34A~34Bを参照)。EPR3受容体またはEPR3様受容体の共役受容体は、対応するEPR3a受容体またはEPR3a様受容体であってもよい。同様に、EPR3a受容体またはEPR3a様受容体の共役受容体は、対応するEPR3受容体またはEPR3様受容体であってもよい。共役受容体の有無は、認識されるシグナルの種類に依存していてもよい。一部の微生物のシグナルは、EPR3受容体、EPR3様受容体、EPR3a受容体またはEPR3a様受容体のみによって伝達されてもよい。
遺伝子を組換えた単子葉植物細胞および双子葉植物細胞を形質転換および作製する方法は、本技術分野において周知である。Weising et al., Ann. Rev. Genet. 22:421-477 (1988);米国特許第5,679,558号;Agrobacterium Protocols, ed: Gartland, Humana Press Inc. (1995);およびWang et al. Acta Hort. 461:401-408 (1998)を参照。どの方法を選択するかは、形質転換させる植物の種類、特定の用途および/または所望の結果によって変化する。当業者であれば、適切な形質転換の技術を容易に選択する。
細胞DNA(例えば、ゲノムDNAおよびオルガネラDNA)を欠失、挿入または他の方法で改変するための本技術分野において周知の任意の方法を、本明細書に記載の本発明の実施において使用できる。例えば、Agrobacterium tumefaciensに含まれているTiプラスミドを無毒化して、標的遺伝子を欠失または挿入させるための遺伝子コンストラクトを格納すれば、植物細胞の形質転換に使用できる。次に、本技術分野において開示されている手順によって、形質転換された植物細胞から形質転換された植物体を再生できる(例えば、EP0116718、EP0270822、国際公開第84/02913号、欧州特許出願EP0242246を参照)。Tiプラスミドベクターは、TiプラスミドのT-DNAの境界配列の間に遺伝子を含んでいるか、少なくとも右側の境界配列の左側に遺伝子を含んでいる。もちろん、他の種類のベクターを使用して、植物細胞を形質転換させてもよい。具体例を挙げると、直接的な遺伝子導入(例えば、EP0233247を参照);花粉を媒介した形質転換(例えば、EP0270356、国際公開第85/01856号および米国特許第4,684,611号を参照);植物RNAウイルスを媒介した形質転換(例えば、EP0067553および米国特許第4,407,956号を参照);リポソームを媒介した形質転換(例えば、米国特許第4,536,475号を参照);および他の方法が挙げられる。他の方法の例としては、トウモロコシの特定の系統を形質転換させる方法(米国特許第6,140,553号;Fromm et al., Bio/Technology (1990) 8, 833-839;Gordon-Kamm et al., The Plant Cell, (1990) 2, 603-618など);イネの特定の系統を形質転換させる方法(Shimamoto et al., Nature, (1989) 338, 274-276;Datta et al., Bio/Technology, (1990) 8, 736-740);単子葉植物を形質転換させる一般的な方法(国際公開第92/09696号)が挙げられる。綿の形質転換に関しては、国際公開第00/71733号に記載の方法を使用できる。ダイズの形質転換に関しては、本技術分野において周知の方法(Hinchee et al. (Bio/Technology, (1988) 6, 915);Christou et al. (Trends Biotech, (1990) 8, 145)など)、国際公開第00/42207号に記載の方法が挙げられる。
本発明の遺伝子組換え植物に従来の植物の育種方法を適用して、同じ特徴を有している遺伝子組換え植物をより多く作製したり、同じまたは関連する植物種の他の品種に遺伝子変化を導入したりしてもよい。改変された植物から得られる種子は、好ましくは、遺伝子変化を有している。この遺伝子変化は、核DNA中に安定に挿入されていてもよいし、内在性の遺伝子またはプロモーターに対する改変であってもよい。本発明に係る遺伝子変化を有している植物には、本発明の遺伝子変化を有している植物の台木を含んでいる植物体(または、当該台木に由来する植物体)も含まれる(果樹または観賞植物など)。したがって、形質転換された植物体またはその部分に接木された、トランスジェニックでない植物の部分も、本発明に含まれる。
導入遺伝子を発現させる発現ベクターまたは発現カセットであったとしても、導入された遺伝因子は、通常、植物で発現可能なプロモーターを利用する。本明細書において使用されるとき、「植物で発現可能なプロモーター」とは、植物細胞において本発明の遺伝子変化を確実に発現させるプロモーターを表す。植物において、構成的な発現をもたらすプロモーターの例は、本技術分野において周知である。その例としては、下記が挙げられる:カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)強力な構成的35Sプロモーター(「35Sプロモーター」;CM1841単離物(Gardner et al., Nucleic Acids Res, (1981) 9, 2871-2887)、CabbB S(Franck et al., Cell (1980) 21, 285-294; Kay et al., Science, (1987) 236, 4805)、およびCabbB JI(Hull and Howell, Virology, (1987) 86, 482-493)など);キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV);ユビキチンファミリーに由来するプロモーター(トウモロコシユビキチンプロモーター(Christensen et al., Plant Mol Biol, (1992) 18, 675-689)、A. thaliana UBQ10プロモーター(Norris et al. Plant Mol. Biol. (1993) 21, 895-906)など);gos2プロモーター(de Pater et al., The Plant J (1992) 2, 834-844);emuプロモーター(Last et al., Theor Appl Genet, (1990) 81, 581-588);アクチンプロモーター(An et al. (The Plant J, (1996) 10, 107)に開示されているものなど);イネアクチンプロモーター(Zhang et al. (The Plant Cell, (1991) 3, 1155-1165)を参照);キャッサバ葉脈モザイクウイルスのプロモーター(国際公開第97/48819号、Verdaguer et al. (Plant Mol Biol, (1998) 37, 1055-1067);サブタレニアンクローバースタントウイルスに由来するプロモーターのpPLEXシリーズ(国際公開第96/06932号、とりわけS4プロモーターまたはS7プロモーター);アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター(pAdh1S(GenBankのアクセッション番号:X04049、X00581)など);それぞれ、TDNAの1’遺伝子および2’遺伝子を発現させるTR1’プロモーターおよびTR2’プロモーター(「TR1’プロモーター」および「TR2’プロモーター」;Velten et al., EMBO J, (1984) 3, 2723 2730)。
あるいは、植物で発現可能なプロモーターは、組織特異的なプロモーターであってもよい。すなわち、植物のある細胞または組織において(例えば、葉肉細胞において)、高発現するプロモーターであってもよい。好適な実施形態においては、葉肉特異的なプロモーターまたは葉孔辺細胞特異的なプロモーターを使用する。非限定的な例としては、下記が挙げられる:葉特異的Rbcs1Aプロモーター(A. thaliana RuBisCO小サブユニット1A(AT1G67090)プロモーター);GAPA-1プロモーター(A. thalianaグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼAサブユニット1(AT3G26650)プロモーター);およびFBA2プロモーター(A. thalianaフルクトース2リン酸アルドラーゼ2 317(AT4G38970)プロモーター;Kromdijk et al., Science, 2016)。さらなる非限定的な例としては、下記が挙げられる:葉肉特異的FBPaseプロモーター(Peleget al., Plant J, 2007);トウモロコシまたはイネのrbcSプロモーター(Nomura et al., Plant Mol Biol, 2000);葉孔辺細胞特異的A. thaliana KAT1プロモーター(Nakamura et al., Plant Phys, 1995);A. thalianaミロシナーゼ-チオグルコシドグルコヒドロラーゼ1(TGG1)プロモーター(Husebye et al., Plant Phys, 2002);A. thaliana rha1プロモーター(Terryn et al., Plant Cell, 1993);A. thaliana AtCHX20プロモーター(Padmanaban et al., Plant Phys, 2007);A. thaliana HIC(高二酸化炭素)プロモーター(Gray et al., Nature, 2000);A. thalianaシトクロムP450 86A2(CYP86A2)モノオキシゲナーゼプロモーター(pCYP;Francia et al., Plant Signal&Behav, 2008;Galbiati et al., The Plant Journal, 2008);ジャガイモADP-グルコースピロホスホリラーゼ(AGPase)プロモーター(Muller-Rober et al., The Plant Cell 1994);ブドウR2R3 MYB60転写因子プロモーター(Galbiati et al., BMC Plant Bio, 2011);A. thaliana AtMYB60プロモーター(Cominelli et al., Current Bio, 2005;Cominelli et al., BMC Plant Bio, 2011);A. thaliana At1g22690プロモーター(pGC1;Yang et al., Plant Methods, 2008);A. thaliana AtMYB 61プロモーター(Liang et al., Curr Biol, 2005)。これらの植物プロモーターは、所望の発現プロファイルで確実に発現させるために、エンハンサー因子と組合せてもよいし、最小プロモーター因子と組合せてもよいし、反復因子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、植物細胞における発現を増加させるための遺伝因子を利用してもよい。遺伝因子の例としては、導入遺伝子の5’末端もしくは3’末端または導入遺伝子のコーディング配列中に位置している、イントロンが挙げられる(hsp70イントロンなど)。他の遺伝因子の例としては、プロモーターエンハンサー因子;二重化または三重化したプロモーター領域;5’リーダー配列(他の導入遺伝子とも、内在性遺伝子(植物宿主の遺伝子)のリーダー配列とも異なる);3’トレーラー配列(他の導入遺伝子とも、内在性遺伝子(植物宿主の遺伝子)のトレーラー配列とも異なる)が挙げられる(ただし、これらには限定されない)。
本発明の導入遺伝子を宿主細胞のDNAに挿入するときには、挿入される遺伝子部分が適切な3’末端転写調節シグナル(転写物形成シグナル、ポリアデニル化シグナルなど)の上流側(5’側)に位置するように挿入してもよい。好ましくは、植物細胞のゲノム(核または葉緑体)に遺伝子を挿入することによって挿入する。好ましいポリアデニル化シグナルおよび転写物形成シグナルの例としては、以下が挙げられる:A.tumefaciensノパリン合成酵素遺伝子のシグナル(Nosターミネーター;Depicker et al., J.Molec Appl Gen, (1982) 1, 561-573);オクトピン合成酵素遺伝子のシグナル(OCSターミネーター;Gielen et al., EMBO J, (1984) 3:835 845);A. thaliana熱ショックタンパク質ターミネーター(HSPターミネーター)のシグナル;SCSVまたはリンゴ酸酵素ターミネーターのシグナル(Schunmann et al., Plant Funct Biol, (2003) 30:453-460);T DNA遺伝子7のシグナル(Velten and Schell, Nucleic Acids Res, (1985) 13, 6981 6998)。これらは、形質転換した植物細胞において、3’非翻訳DNA配列として作用する。いくつかの実施形態において、1つ以上の導入遺伝子は、核ゲノムに安定に組込まれている。核酸配列が核ゲノムに組込まれたままであり、以降の植物世代を通じて発現され続ける(例えば、検出可能なmRNA転写物またはタンパク質が産生される)場合を、安定な組込みと称する。核ゲノムへの安定な組込みおよび/または核ゲノムの編集は、本技術分野において周知の任意の方法によって実施できる(微粒子銃、Agrobacteriumが媒介する形質転換、CRISPR/Cas9、プロトプラストのエレクトロポレーション、マイクロインジェクションなど)。
用語「組換え核酸」または「改変核酸」とは、2つの別々に分離された断片を組合せることによって作製されるポリヌクレオチドを表す。この組合せは、ポリヌクレオチドの単離断片を、遺伝子工学技術または化学合成により人為的に操作することによって達成される。このとき、所望の機能のポリヌクレオチド断片を一緒に連結して、所望の機能の組合せを得てもよい。
本明細書において使用されるとき、用語「過剰発現」および「上方制御」とは、遺伝子改変の結果、野生型の生物(植物など)における発現(mRNA、ポリペプチドなどの発現)と比較して、発現が増加することを表す。いくつかの実施形態において、発現の増加は僅かな増加であり、野生型における発現よりも約10%多い。いくつかの実施形態において、発現の増加は、野生型における発現と比較して50%以上の増加である(例えば、60%、70%、80%、100%の増加)。いくつかの実施形態においては、内在性遺伝子が過剰発現している。いくつかの実施形態においては、発現によって外来性遺伝子が過剰発現している。植物における遺伝子の過剰発現は、本技術分野において周知の任意の方法により達成できる。その例としては、下記から選択される1つ以上が挙げられる:構成的プロモーター、誘導性プロモーター、高発現プロモーター、エンハンサー、転写調節配列および/または翻訳調節配列、コドン最適化、改変転写因子、過剰発現させようとする遺伝子の発現を制御する変異体または改変遺伝子の使用(ただし、これらには限定されない)。
組換え核酸が、特定の配列の発現、クローニングまたは複製を目的とする場合、宿主細胞に導入するために作製するDNAコンストラクトは、通常、宿主に認識される複製システム(ベクターなど)を有している。この複製システムは、所望のポリペプチドをコードしている意図したDNA断片を有しており、当該ポリペプチドをコードしている断片に作動可能に連結されている転写調節配列および翻訳開始調節配列をさらに有していてもよい。また、このコンストラクトは、細胞局在化シグナル(原形質膜局在化シグナルなど)を有していてもよい。好適な実施形態においては、このDNAコンストラクトを、宿主細胞のゲノムDNA、葉緑体DNAまたはミトコンドリアDNAに導入する。
いくつかの実施形態においては、非組込み型の発現システムを使用して、1つ以上の導入遺伝子の発現を誘導してもよい。発現システム(発現ベクター)は、例えば、複製起点もしくは自発的に複製する配列(ARS)および発現制御配列、プロモーター、エンハンサー、必要なプロセシング情報部位を有している。プロセシング情報部位の例としては、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、転写終了配列およびmRNA安定化配列が挙げられる。また、適切である場合は、同種または関連種の分泌ポリペプチドに由来するシグナルペプチドを含んでいてもよい。シグナルペプチドにより、タンパク質は、細胞膜または細胞壁を通過したり、留まったりできる。あるいは、シグナルペプチドにより、タンパク質は、細胞から分泌される。
本明細書に記載の本発明の方法を実施するときに有用な選択マーカーは、正の選択マーカーでありうる。通常、正の選択が表すケースでは、所定の組換えポリヌクレオチドが細胞内に存在する場合に限り、遺伝子組換え細胞が毒性物質の存在下で生存できる。負の選択マーカーおよびスクリーニングマーカーもまた、本技術分野において周知であり、本発明において意図されている。当業者であれば理解するであろうところによると、本明細書に記載の本発明の実施においては、利用可能な任意の関連マーカーを利用してよい。
本発明の組換え株のスクリーニングおよび分子解析は、核酸ハイブリダイゼーション技術を利用して実施できる。ハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチド(本明細書に記載される技術を用いて改変され、本明細書に記載の有用な対象調節配列に対して充分な相同性を有しているポリヌクレオチドなど)の同定に有用である。特定のハイブリダイゼーション技術は、本発明にとって必須ではない。ハイブリダイゼーション技術は改良が進んでいるので、この技術は当業者によって容易に利用できる。当業者に周知の任意の適切な標識を用いて、ハイブリダイゼーション用のプローブをラベリングしてよい。ハイブリダイゼーション条件および洗浄条件(温度および塩分濃度など)を変更すれば、検出閾値のストリンジェンシーを変化させられる。ハイブリダイゼーション条件に関するさらなる情報は、例えば、Sambrook et al. (1989) vide infraまたはAusubel et al. (1995) Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NY, N.Y.を参照。
また、遺伝子組換え株のスクリーニングおよび分子解析に加えて、所望の単離された核酸の作製は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して実施できる。PCRは、反復的かつ酵素的な、核酸配列の主要な合成方法である。この方法は当業者に周知であり、当業者によって一般的に使用される(Mullis, 米国特許第4,683,195号、第4,683,202号および第4,800,159号;Saiki et al. (1985) Science 230:1350-1354を参照)。PCRは、所定のDNA断片の酵素的な増幅に基づいている。この所定のDNA断片は2つのオリゴヌクレオチドプライマーによって隣接されており、2つのプライマーは標的配列の逆側のストランドにハイブリダイズする。プライマーは、3’末端が互いに向き合うように配向されている。鋳型の熱変性、相補的配列に対するプライマーのアニーリング、およびDNAポリメラーゼによるアニーリングされたプライマーの延伸という反復サイクルにより、PCRプライマーの5’末端によって規定される断片が増幅される。各プライマーの伸長産物は、他のプライマーの鋳型となりうるので、各サイクルを経るたびに、前のサイクルで産生されたDNA鋳型の量は基本的に2倍になる。そのため、特異的な標的断片は指数関数的に蓄積され、数時間で数百万倍にも及ぶ。熱安定性DNAポリメラーゼ(好熱性細菌のThermus aquaticusから単離されるTaqポリメラーゼなど)を使用することによって、増幅プロセスを完全に自動化することができる。使用できる他の酵素は、当業者とって周知である。
本発明の核酸およびタンパク質はまた、具体的に開示された配列の相同体を包含しうる。相同性(配列同一性など)は、50%~100%であってもよい。いくつかの例において、相同性は、80%超、85%超、90%超または95%超である。任意の意図する使用において配列に必要とされる相同性または同一性の程度は、当業者によって容易に決定される。本明細書において使用されるとき、2つの核酸の配列同一性の割合は、本技術分野において周知のアルゴリズムを使用して決定する(Karlin and Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268に開示され、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877にて改良されたアルゴリズムなど)。このようなアルゴリズムは、Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:402-410のプログラムである、BLASTN、BLASTPおよびBLASTXに組込まれている。BLASTによるヌクレオチド検索は、BLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12の条件で実行すれば、所望の割合の配列同一性を有しているヌクレオチド配列が得られる。比較の目的でギャップアラインメントを得るためには、ギャップBLASTを使用する(Altschul et al. (1997) Nucl. Acids. Res. 25:3389-3402を参照)。BLASTおよびギャップBLASTプログラムを利用するときには、それぞれのプログラム(BLASTNおよびBLASTX)のデフォルトのパラメータを使用する(www.ncbi.nih.govを参照)。当業者であれば、参照配列の中にあるアミノ酸または核酸に対応する位置を、所定の配列の中から容易に決定できる。これには、適切なBLASTプログラムおよびデフォルト設定を使用して、参照配列と所定の配列とをアラインメントする。デフォルト設定は、例えば、BLASTPについては、ギャップ開始ペナルティ:11、ギャップ延伸ペナルティ:1、期待値:10、ワードサイズ:3、最大スコア:25、最大アラインメント:15、マトリクス:blosum62である。BLASTNについては、ギャップ開始ペナルティ:5、ギャップ延伸ペナルティ:2、核マッチ:1、核ミスマッチ:-3、期待値:10、ワードサイズ:11、最大スコア:25、最大アラインメント:15である。
好ましい宿主細胞は、植物細胞である。本明細書において、組換え宿主細胞とは、下記のいずれかである:単離された核酸分子を有するように遺伝子改変された細胞;宿主細胞中に通常存在し機能性である1つ以上の遺伝子が、欠失または他の方法で非機能性にされている細胞;1つ以上の遺伝子を有しており、1つ以上の組換えタンパク質を産生する細胞。本発明のタンパク質をコードしている核酸は、特定の種類の細胞に適している、当業者に周知の任意の手段によって導入できる。このような手段の例としては、形質転換、リポフェクション、エレクトロポレーション、または当業者に周知の任意の他の方法が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。
〔植物の育種方法〕
植物の育種は、現在の生殖質の分析、現在の生殖質の問題点および弱点の定義、プログラム目標の設定、および具体的な育種目標の定義から始まる。次の段階は、プログラムの目標を満たす形質を有している生殖質の選抜である。所望の形質を組込むために選抜した生殖質を交配し、選抜を通じて、品種または親系統が開発される。この目標は、親の生殖質に由来する所望の形質の改善された組合せを、単一の品種または交配種において組合せることである。重要な形質の例としては、高収量化、圃場性能、果実および農業品質の改善、病気および害虫などの生物学的ストレスに対する耐性、旱魃および熱などの環境ストレスに対する耐性が挙げられる。
植物の育種は、現在の生殖質の分析、現在の生殖質の問題点および弱点の定義、プログラム目標の設定、および具体的な育種目標の定義から始まる。次の段階は、プログラムの目標を満たす形質を有している生殖質の選抜である。所望の形質を組込むために選抜した生殖質を交配し、選抜を通じて、品種または親系統が開発される。この目標は、親の生殖質に由来する所望の形質の改善された組合せを、単一の品種または交配種において組合せることである。重要な形質の例としては、高収量化、圃場性能、果実および農業品質の改善、病気および害虫などの生物学的ストレスに対する耐性、旱魃および熱などの環境ストレスに対する耐性が挙げられる。
育種プログラムには、育種手順の効率に対する定期的かつ客観的な評価が含まれるべきである。評価基準は、目標および目的に応じて異なるが、適切な標準との比較に基づく選抜による1年あたりの利益、改良された育種系統の総合的な値、および投入単位あたり(1年あたり、費やしたドルあたりなど)に生産された成功した栽培品種の数量を評価基準に含めるべきである。有望な改良された育種系統を徹底的に試験し、販売予定地域を代表する環境において、3年間以上にわたり適切な標準と比較する。最良の系統は、新しい市販用の栽培品種の候補である。依然として少数の形質が不足している系統は、親として使用され、さらなる選抜のための新しい個体群を生産する。マーケティングおよび流通の最終段階につながるこれらのプロセスは、通常、最初の交配または選抜が行われる時点から起算して5~10年間を要する。
育種または選抜方法は、植物の生殖形態、改善すべき形質の遺伝性、および市販されている栽培品種の種類(F1交配栽培品種、純系栽培品種など)に応じて選択する。遺伝性が高い形質については、1箇所において評価して、優れている個体の植物を選抜することが有効である。一方、遺伝性の低い形質については、関連する植物の科の繰返し評価から得られる平均値に基づいて選抜すべきである。遺伝の複雑さはまた、育種方法の選択にも影響を及ぼす。戻し交配育種は、遺伝性の高い形質について、1または少数の遺伝子を所望の栽培品種に移すために用いられる(例えば、病気に強い栽培品種を育種するため)。反復選抜の技術は、多数の遺伝子によって制御され定量的に遺伝する形質のために用いられ、様々な反復選抜の技術が用いられる。一般的に使用される選抜方法の例としては、系統選抜、改良された系統選抜、集団選抜および反復選抜が挙げられる。
系統選抜は、一般的に、自家受粉作物または他家受粉作物の近交系の改善に使用される。好ましく相補的な形質を有している2つの親を交配して、F1を構築する。1または数個ののF1を自殖させるか、または2つのF1を交配することによって、F2の個体群を構築する(同胞交配)。最良の個体の選抜は、通常、F2の個体群の中から開始する。次に、F3での選抜を開始し、最良の系統の最良の個体を選抜する。F4では、しばしば、系統の反復試験(または、当該系統の個体に関する交配の組合せの反復試験)を行い、遺伝性が低い形質について選抜の有効性を改善させる。近親交配を進めた段階(すなわち、F6およびF7)においては、表現型が類似した系統のうち最良の系統または混合系統を、新規な栽培品種として出荷できる可能性について試験する。
集団選抜および反復選抜は、自家受粉作物または他家受粉作物のいずれかの個体群の改善に利用できる。いくつかの異なる親を交配することによって、ヘテロ接合個体による遺伝的に可変な個体群を同定または作出する。個体の優位性、優秀な子孫、または優れた組合せ能力に基づいて、最良の植物を選抜する。選抜した植物を相互交配して新規な個体群を構築し、この個体群の中でさらなる選抜サイクルを継続する。
戻し交配育種(反復選抜)を利用して、単純に遺伝し、遺伝性の高い形質に関する遺伝子を、反復親である所望のホモ接合の栽培品種または系統に移動させてもよい。移動させる形質の源は、ドナー親と呼ばれる。結果として得られる植物には、反復親(栽培品種など)の特性と、ドナー親から移動させた所望の形質とを有していることが期待される。最初の交配の後、ドナー親の表現型を有している個体を選抜し、反復親と繰返し交配(戻し交配)する。結果として得られる植物は、反復親(栽培品種など)の特性と、ドナー親から移動させた所望の形質とを有していることが期待される。
厳密な意味での単粒系統法とは、個体群を隔離して植え、1つの植物あたり1個の種子サンプルを採取し、当該1個の種子のサンプルを使用して次世代を植えることを表す。個体群が、F2から所望の水準の近親交配へと進んだとき、系統が由来する植物は、それぞれ異なったF2個体に遡る。いくつかの種子が発芽しなかったり、いくつかの植物が少なくとも1個の種子を算出しなかったりするため、個体群の植物の数は各世代で減少する。その結果、世代の進行が完了した時点においては、個体群において最初にサンプリングしたF2植物の全てが子孫によって代表されている訳ではない。
表現型の観察に加えて、植物の遺伝型を調べてもよい。植物の遺伝型の分析、比較および特徴付けに利用できる実験室ベースの技術は、多数存在している。このような技術の例としては、アイソザイム電気泳動、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、任意開始ポリメラーゼ連鎖反応(AP-PCR)、DNA増幅フィンガープリンティング(DAF)、配列特性増幅領域(SCAR)、増幅断片長多型(AFLP)、単純反復配列(SSR、マイクロサテライトとも呼ばれる)および一塩基多型(SNP)が挙げられる。
質的な形質を選抜するための育種プロセスにおいて、分子マーカー(または「マーカー」)を使用してもよい。例えば、アレルと密接に連結しているマーカーまたは実際の所定のアレル内に配列を有しているマーカーは、目的のアレルを有している植物の選抜に使用できる。選抜プロセスにおけるマーカーの使用は、しばしば、遺伝マーカー増強選抜またはマーカーアシスト選抜と呼ばれる。マーカー分析を行う方法は、当業者に一般的に知られている。
突然変異育種を使用して、植物品種に新規な形質を導入してもよい。自然に生じるまたは人工的に誘導される変異は、植物の育種家にとって品種の有用な源でありうる。人工変異誘発の目標は、所望の特徴の変異率を向上させることにある。多くの様々な手段によって、変異率を向上できる。このような手段の例としては、下記が挙げられる:温度、長期間にわたる種子の保存、組織培養の条件、放射線照射(X線、ガンマ線、中性子線、β線または紫外線などの照射)、化学的変異誘発物質(5-ブロモウラシルのような塩基アナログなど)、抗生物質、アルキル化剤(硫黄マスタード、窒素マスタード、エポキシド、エチレンアミン、硫酸塩、スルホン酸塩、スルホンまたはラクトンなど)、アジド、ヒドロキシルアミン、亜硝酸またはアクリジン。変異誘発において所望の形質が観察されるたならば、次に、従来の育種技術によって既存の生殖質に形質を組込める。変異育種の詳細については、Principles of Cultivar Development: Theory and Technique, Walter Fehr (1991), Agronomy Books, 1 (https://lib.dr.iastate.edu/agron_books/1)を参照。
倍加半数体の作製は、育種プログラムにおけるホモ接合系統の開発にも利用できる。ヘテロ接合植物に由来する染色体のセットを2倍にすることにより倍加半数体を作製し、完全にホモ接合の個体を得る。例えば、Wan, et al., Theor. Appl. Genet., 77:889-892, 1989を参照。
使用できる育種方法のさらなる非限定的な例としては、Principles of Plant Breeding, John Wiley and Son, pp. 115-161 (1960); Principles of Cultivar Development: Theory and Technique, Walter Fehr (1991), Agronomy Books, 1 (https://lib.dr.iastate.edu/agron_books/1)に記載の方法が挙げられる(ただし、これらには限定されない)。これらの文献は、参照により本明細書に組込まれる。
本発明の一般的な説明を施したが、特定の実施例を参照することにより、本発明をよりよく理解するであろう。この実施例は、本発明をさらに説明するために本明細書に含まれており、特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲を限定することは意図していない。
下記実施例において、本開示をさらに詳細に説明する。ただし、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を限定することは、いかなる形であっても意図していない。添付の図面は、本開示の明細書および記載にとって不可欠な部分とみなされるように作成されている。下記実施例は、例示を目的として提供されており、特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を限定するものではない。
〔実施例1:細菌の菌体外多糖を認識する植物の受容体の構造〕
本実施例では、Lotus japonicasのExopolysaccharide Receptor 3(EPR3)の細胞外ドメインの結晶構造の決定について説明する。
本実施例では、Lotus japonicasのExopolysaccharide Receptor 3(EPR3)の細胞外ドメインの結晶構造の決定について説明する。
[材料および方法]
(L. japonicusのEPR3細胞外ドメインタンパク質の作製)
L. japonicus ecotype GifuのEPR3の細胞外ドメイン(ED)の発現および精製は、既報に従って行った(Kawaharada, Y et al. Nature 2015 523: 308-312)。要約すると、次の通りである。EPR3の第33位~第232位の残基(EPR3 EDに対応している)をコードしているDNAを、昆虫細胞における発現のためにコドン最適化し(GenScript)、pOET2ベクター(Oxford Expression Technologies)に挿入した。この時挿入したDNAは、N端末にgp67分泌シグナルを有しており、C端末に6xHisタグを有していた。Sf9細胞への感染に使用するバキュロウイルスを、flashBAC GOLDシステム(OET)を使用して得た。このバキュロウイルスは、無血清のHyClone SFXInsect培地(FisherScientific)の懸濁液中で培養されていたものである。感染から5日後、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるバッファに対して培地を透析した。次に、培地を遠心分離し、HisTrap excelアフィニティカラム(GE Healthcare)にロードした。50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるバッファに対して溶出したタンパク質を透析し、HisTrap HPアフィニティカラム(GE Healthcare)でさらに精製した。結晶化のために、EPR3 EDを、PNGアーゼF(重量比率1:15)で、室温にて1時間および4℃にて一晩処理して、N結合しているオリゴ糖を除去した。次に、EPR3 EDを、Mono S 5/50カラム(GE Healthcare)で精製し、50~300mM NaClと50mM Tris-HCl(pH7.0)との直線勾配で溶出させた。グリコシル化EPR3 EDおよび脱グリコシル化EPR3 EDの両方を、Superdex 75 10/300カラム(GE Healthcare)で最終的に精製した。カラムには、(i)50mM KH2-PO4(pH7.8)および200mM NaCl(マイクロスケール熱泳動結合実験用)、または、(ii)50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaCl(結晶化用)を含んでいる、ゲル濾過バッファを充填した。
(L. japonicusのEPR3細胞外ドメインタンパク質の作製)
L. japonicus ecotype GifuのEPR3の細胞外ドメイン(ED)の発現および精製は、既報に従って行った(Kawaharada, Y et al. Nature 2015 523: 308-312)。要約すると、次の通りである。EPR3の第33位~第232位の残基(EPR3 EDに対応している)をコードしているDNAを、昆虫細胞における発現のためにコドン最適化し(GenScript)、pOET2ベクター(Oxford Expression Technologies)に挿入した。この時挿入したDNAは、N端末にgp67分泌シグナルを有しており、C端末に6xHisタグを有していた。Sf9細胞への感染に使用するバキュロウイルスを、flashBAC GOLDシステム(OET)を使用して得た。このバキュロウイルスは、無血清のHyClone SFXInsect培地(FisherScientific)の懸濁液中で培養されていたものである。感染から5日後、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるバッファに対して培地を透析した。次に、培地を遠心分離し、HisTrap excelアフィニティカラム(GE Healthcare)にロードした。50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるバッファに対して溶出したタンパク質を透析し、HisTrap HPアフィニティカラム(GE Healthcare)でさらに精製した。結晶化のために、EPR3 EDを、PNGアーゼF(重量比率1:15)で、室温にて1時間および4℃にて一晩処理して、N結合しているオリゴ糖を除去した。次に、EPR3 EDを、Mono S 5/50カラム(GE Healthcare)で精製し、50~300mM NaClと50mM Tris-HCl(pH7.0)との直線勾配で溶出させた。グリコシル化EPR3 EDおよび脱グリコシル化EPR3 EDの両方を、Superdex 75 10/300カラム(GE Healthcare)で最終的に精製した。カラムには、(i)50mM KH2-PO4(pH7.8)および200mM NaCl(マイクロスケール熱泳動結合実験用)、または、(ii)50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaCl(結晶化用)を含んでいる、ゲル濾過バッファを充填した。
(ナノボディの作製)
100μgの精製EPR3 EDにより、ラマ(Lama glama)を4回免疫化した。血液サンプルから末梢血リンパ球を単離し、RNase Plus Mini Kit(Qiagen)を用いてRNAを抽出した。Superscript III First-Strand Kit(Invitrogen)およびランダムヘキサマープライマーを使用して、全cDNAを作製した。ナノボディ(Nb)のコーディング領域をPCRによって増幅し、ファージミドベクター骨格に挿入した。このとき、NbのC末端にEタグを融合させ、これに続いてpIIIコートタンパク質を融合させた。VCSM13ヘルパーファージを使用して、最終的なM13ファージディスプレイNbライブラリーを作製した。選別のために、Chromalink NHS labelling system(Solulink)を使用して、一級アミンカップリングによりEPR3 EDをビオチン化した。2%BSAを添加したPBS(100μL)中において、MyOne Streptavidin T1 Dynabeads(Thermo Fisher Scientific)に、20μgのEPR3抗原を加えた。M13ファージ粒子(2.5×1013)を加え、EPR3により被覆されたDynabeadsと共に1時間インキュベートした。次に、0.1%Tween 20を添加した1mLのPBSにより、15回洗浄した。ビーズを0.2Mグリシン(pH2.2)と共に15分間インキュベートして、ファージを溶出させた。溶出させたファージ粒子を増幅させ、2回目のファージディスプレイで使用した。2回目のファージディスプレイでは、EPR3 ED抗原の量を減らし(2μg)、M13ファージ粒子の数も減らした(2.5×1012)。2段階のファージディスプレイによる選別の後、1つのコロニーを採取し、96ウェルプレートに注入したLB媒体中で6時間増殖させた。次に、0.8mM IPTGを用いて30℃にて一晩、Nbの発現を誘導した。96ウェルプレートを遠心分離し、50μLの上清を、EPR3 EDで被覆したELISAプレートに移した。このプレートは、各ウェルを0.1μgのEPR3 EDで被覆し、0.1%Tween 20および2%BSAを添加したPBSでブロッキングすることにより作製したものである。上清を加えた後、EPR3 EDで被覆したELISAプレートを1時間インキュベートした。次に、0.1%Tween 20を添加したPBSで6回洗浄した。次に、抗E-タグHPR抗体(Bethyl)を1:10,000稀釈で加えた。プレートを1時間インキュベートし、洗浄し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンで展開した。1M HClで反応を停止させ、450nmにおける吸光度を測定した。陽性クローンに由来するファージミドを単離し、配列を決定した。さらに、コードしているDNAをpET22b(+)(Novagen)でクローニングして、細菌において発現させた。Nb186を、E. coli LOBSTR細胞(Andersen, K.R. et al. Proteins 2013 81: 1857-1861)中で発現させた。この細胞を、600nmにおけるの光学密度が0.6になるまで増殖させた。次に、0.2mM IPTGを用いて、18℃にて一晩、タンパク質の発現を誘導した。50mM Tris-HCl(pH8.0)、500mM NaCl、20mMイミダゾールおよび1mMベンズアミジンを含有しているバッファで、細胞を溶解させた。清澄化した上清を、Ni Sepharose 6 FFアフィニティカラム(GE Healthcare)にロードし、さらに洗浄した後、500mMイミダゾールを添加した溶解バッファで溶出させた。Superdex 75 10/300ゲル濾過カラム(GE Healthcare)を用いて、最終的にNb186を精製した。このカラムには、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含有しているゲル濾過バッファを充填していた。EPR3 EDとNb186との間の複合体形成を、analytic Superdex 75 Increase 3.2/300カラムで分析した。ゲル濾過における移動度シフトによって表されるように、ナノボディNb186は高い親和性を有しており、EPR3 EDと密接な複合体を形成していた(図1A)。図1Bは、精製したEPR3 ED-Nb186複合体の単離を表す。
100μgの精製EPR3 EDにより、ラマ(Lama glama)を4回免疫化した。血液サンプルから末梢血リンパ球を単離し、RNase Plus Mini Kit(Qiagen)を用いてRNAを抽出した。Superscript III First-Strand Kit(Invitrogen)およびランダムヘキサマープライマーを使用して、全cDNAを作製した。ナノボディ(Nb)のコーディング領域をPCRによって増幅し、ファージミドベクター骨格に挿入した。このとき、NbのC末端にEタグを融合させ、これに続いてpIIIコートタンパク質を融合させた。VCSM13ヘルパーファージを使用して、最終的なM13ファージディスプレイNbライブラリーを作製した。選別のために、Chromalink NHS labelling system(Solulink)を使用して、一級アミンカップリングによりEPR3 EDをビオチン化した。2%BSAを添加したPBS(100μL)中において、MyOne Streptavidin T1 Dynabeads(Thermo Fisher Scientific)に、20μgのEPR3抗原を加えた。M13ファージ粒子(2.5×1013)を加え、EPR3により被覆されたDynabeadsと共に1時間インキュベートした。次に、0.1%Tween 20を添加した1mLのPBSにより、15回洗浄した。ビーズを0.2Mグリシン(pH2.2)と共に15分間インキュベートして、ファージを溶出させた。溶出させたファージ粒子を増幅させ、2回目のファージディスプレイで使用した。2回目のファージディスプレイでは、EPR3 ED抗原の量を減らし(2μg)、M13ファージ粒子の数も減らした(2.5×1012)。2段階のファージディスプレイによる選別の後、1つのコロニーを採取し、96ウェルプレートに注入したLB媒体中で6時間増殖させた。次に、0.8mM IPTGを用いて30℃にて一晩、Nbの発現を誘導した。96ウェルプレートを遠心分離し、50μLの上清を、EPR3 EDで被覆したELISAプレートに移した。このプレートは、各ウェルを0.1μgのEPR3 EDで被覆し、0.1%Tween 20および2%BSAを添加したPBSでブロッキングすることにより作製したものである。上清を加えた後、EPR3 EDで被覆したELISAプレートを1時間インキュベートした。次に、0.1%Tween 20を添加したPBSで6回洗浄した。次に、抗E-タグHPR抗体(Bethyl)を1:10,000稀釈で加えた。プレートを1時間インキュベートし、洗浄し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンで展開した。1M HClで反応を停止させ、450nmにおける吸光度を測定した。陽性クローンに由来するファージミドを単離し、配列を決定した。さらに、コードしているDNAをpET22b(+)(Novagen)でクローニングして、細菌において発現させた。Nb186を、E. coli LOBSTR細胞(Andersen, K.R. et al. Proteins 2013 81: 1857-1861)中で発現させた。この細胞を、600nmにおけるの光学密度が0.6になるまで増殖させた。次に、0.2mM IPTGを用いて、18℃にて一晩、タンパク質の発現を誘導した。50mM Tris-HCl(pH8.0)、500mM NaCl、20mMイミダゾールおよび1mMベンズアミジンを含有しているバッファで、細胞を溶解させた。清澄化した上清を、Ni Sepharose 6 FFアフィニティカラム(GE Healthcare)にロードし、さらに洗浄した後、500mMイミダゾールを添加した溶解バッファで溶出させた。Superdex 75 10/300ゲル濾過カラム(GE Healthcare)を用いて、最終的にNb186を精製した。このカラムには、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含有しているゲル濾過バッファを充填していた。EPR3 EDとNb186との間の複合体形成を、analytic Superdex 75 Increase 3.2/300カラムで分析した。ゲル濾過における移動度シフトによって表されるように、ナノボディNb186は高い親和性を有しており、EPR3 EDと密接な複合体を形成していた(図1A)。図1Bは、精製したEPR3 ED-Nb186複合体の単離を表す。
(結晶化および構造決定)
精製した脱グリコシル化EPR3 EDおよびNb186を、1:1.1のモル比で混合した。氷上で1時間インキュベートした後、Superdex 75 10/300カラムで精製した。EPR3 ED-Nb186複合体を含んでいるピーク画分をプールし、VivaSpin filter(Sartorius)により5~8mg/mLに濃縮した。等容量のタンパク質およびリザーバー溶液(18% 2-プロパノール、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH5.5)、および20%PEG4000)を混合することによって、蒸気拡散法により結晶化させた。母液に20%エチレングリコールを加えて凍害を防止した後、液体窒素中で結晶を瞬間凍結させた。
精製した脱グリコシル化EPR3 EDおよびNb186を、1:1.1のモル比で混合した。氷上で1時間インキュベートした後、Superdex 75 10/300カラムで精製した。EPR3 ED-Nb186複合体を含んでいるピーク画分をプールし、VivaSpin filter(Sartorius)により5~8mg/mLに濃縮した。等容量のタンパク質およびリザーバー溶液(18% 2-プロパノール、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH5.5)、および20%PEG4000)を混合することによって、蒸気拡散法により結晶化させた。母液に20%エチレングリコールを加えて凍害を防止した後、液体窒素中で結晶を瞬間凍結させた。
DESY PX14ビームラインを用いて、波長:0.9763Åで回折データ測定した。データ還元は、XDS(Kabsch, W. XDS. Acta Crystallographica Section D Biological Crystallography 2010 66:125-132)により行った。phenix.phaser(McCoy,A.J.et al.Journal of Applied Crystallography 2007 40: 658-674)によって分子置換の解を求めた。このとき、Phyre2(Kelley,L.A.et al.Nat Protoc 2015 10: 845-858)によって作製したNb186の相同性モデルにおいて、その相補性決定領域(CDR)を除外したものを用いた。第2段階の分子置換検索では、Phyre2で作製し、CERK1構造に基づいて高度なb因子領域を除外したEPR3の相同性モデルを配置した(PDBエントリー:4EBZ)。EPR3-Nb186複合体の構造を、Coot(Emsley, P. et al. Acta Crystallographica Section D Biological Crystallography 2010 66:486-501)で構築した。phenix.refine(Adams,P.D.et al.Acta Crystallographica Section D Biological Crystallography 2010 66: 213-221)を用いて、座標および温度因子を精密化させた。最終モデルは、Nb186の第1位~第119位の残基と、EPR3の第36位~第216位の残基を含んでいた。98%のタンパク質残基が好適な領域にあり、Ramachandranプロットの不許可領域にはタンパク質残基がなかった。PyMOLを用いて図を作製した。データおよび精密化の統計を表1に要約する。EPR3 ED-Nb186複合体の構造は、充分に回折する結晶から決定した(図1C)。1.9Åの分解能まで拡張したデータで精密化した(図1Dおよび表1)。
(モデル化)
L. japonicusのEPR3およびEPR3相同体(L. japonicusのEPR3の第56位~第99位の残基に対応する)のM1ドメインのde novoのモデリングを、原子レベルの知識に基づく力場シミュレーションによって実行した(Xu, D. et al. Proteins 2012 80: 1715-1735)。
(小角X線散乱(SAXS))
EPR3 EDを、ゲル濾過バッファ中でゲル濾過して精製した。単分散ピーク画分を回収し、SAXS測定に使用した。EPR3 EDサンプル(リガンドを含まない、R7AのEPS(1mM)を含む、またはR7AのexoU EPS(1mM)を含むのいずれか)の散乱を、EMBL P12 beamLine PETRA IIIにより収集した。濃度は、0.6~22.0mg/mLの範囲とした(異なる濃度において、複数回の技術的複製を行った)。測定は温度制御セル(20℃)内で行い、測定波長は1.24Åの波長とした。正規化、半径方向平均化およびバッファ減算を、自動パイプラインを用いたビームラインで行った。データ解析およびab initioの低解像度モデリングを、DAMMIN(Svergun, D. I. Biophysical Journal 1999 76: 2879-2886)で行った。散布図、ギニエプロットおよび二点間距離分布プロットは、GraphPad Prism 7 softwareで作成した(図4A~図4C、図8A~図8G)。
EPR3 EDを、ゲル濾過バッファ中でゲル濾過して精製した。単分散ピーク画分を回収し、SAXS測定に使用した。EPR3 EDサンプル(リガンドを含まない、R7AのEPS(1mM)を含む、またはR7AのexoU EPS(1mM)を含むのいずれか)の散乱を、EMBL P12 beamLine PETRA IIIにより収集した。濃度は、0.6~22.0mg/mLの範囲とした(異なる濃度において、複数回の技術的複製を行った)。測定は温度制御セル(20℃)内で行い、測定波長は1.24Åの波長とした。正規化、半径方向平均化およびバッファ減算を、自動パイプラインを用いたビームラインで行った。データ解析およびab initioの低解像度モデリングを、DAMMIN(Svergun, D. I. Biophysical Journal 1999 76: 2879-2886)で行った。散布図、ギニエプロットおよび二点間距離分布プロットは、GraphPad Prism 7 softwareで作成した(図4A~図4C、図8A~図8G)。
[結果]
(EPR3の細胞外ドメインの結晶構造)
EPS認識の基礎を理解するために、L. japonicusのEPR3の細胞外ドメイン(以下、EPR3 EDと称する)を昆虫細胞で発現させた。さらに、EPR3 EDを標的とするラマ由来ミニチュア抗体(ナノボディ)を利用して、EPR3 EDを精製し、結晶化させた(Bukowska, M.A. & Gruetter, M.G. Current Opinion in Structural Biology 2013 23: 409-416; Hansen, S.B. et al. Acta Crystallographica D Structural Biology 2017 73: 804-813)。EPR3 EDの全体構造は、クローバー葉形状に配置された3つの相互連結ドメイン(M1、M2およびLysM3)を有しており、3つの内部ジスルフィド架橋によって安定化されていることが分かった(図2A)。興味深いことに、EPR3 EDの結晶構造によりM1ドメインの新規なフォールディングが明らかとなり、これは固有の構造を有していた。M1は、1つのαへリックスと、3つの細長いβストランドからなる(βαββのトポロジー)。外側にあるβ2ストランドは、隣接するβ3鎖との7つの骨格水素結合によって安定化されている。このため、M1は全体としてβαββ構造となり、3つのβストランドは伸長する逆並行βシートを形成している(図2B)。また、EPR3 EDのM2ドメインも、通常ではない構造であった。具体的に、M2はβαβフォールディングを有しており、これまで知られていたLysMドメインと比較すると、はっきりとした2つ目のαヘリックスを欠いていた(図2C)。LysM3は、βααβフォールディングを有しており、L. japonicusのキチン受容体であるCERK613のLysM3ドメインに対する平均二乗偏差(RMSD)は1.2Åであった(図2D)。興味深いことに、Protein Data Bank(PDB)の検索では、EPR3 EDのM1には構造の近いホモログがヒットせず、M2はLysM構造と関連しており、LysM3は標準的なLysMモチーフ(Holm, L. & Rosenstroem, P. Nucleic Acids Research 2010 38:W545-9; Krissinel, E. & Henrick, K. in Computational Life Sciences (Springer Berlin Heidelberg) 2005 3695: 67-78)に分類された。
(EPR3の細胞外ドメインの結晶構造)
EPS認識の基礎を理解するために、L. japonicusのEPR3の細胞外ドメイン(以下、EPR3 EDと称する)を昆虫細胞で発現させた。さらに、EPR3 EDを標的とするラマ由来ミニチュア抗体(ナノボディ)を利用して、EPR3 EDを精製し、結晶化させた(Bukowska, M.A. & Gruetter, M.G. Current Opinion in Structural Biology 2013 23: 409-416; Hansen, S.B. et al. Acta Crystallographica D Structural Biology 2017 73: 804-813)。EPR3 EDの全体構造は、クローバー葉形状に配置された3つの相互連結ドメイン(M1、M2およびLysM3)を有しており、3つの内部ジスルフィド架橋によって安定化されていることが分かった(図2A)。興味深いことに、EPR3 EDの結晶構造によりM1ドメインの新規なフォールディングが明らかとなり、これは固有の構造を有していた。M1は、1つのαへリックスと、3つの細長いβストランドからなる(βαββのトポロジー)。外側にあるβ2ストランドは、隣接するβ3鎖との7つの骨格水素結合によって安定化されている。このため、M1は全体としてβαββ構造となり、3つのβストランドは伸長する逆並行βシートを形成している(図2B)。また、EPR3 EDのM2ドメインも、通常ではない構造であった。具体的に、M2はβαβフォールディングを有しており、これまで知られていたLysMドメインと比較すると、はっきりとした2つ目のαヘリックスを欠いていた(図2C)。LysM3は、βααβフォールディングを有しており、L. japonicusのキチン受容体であるCERK613のLysM3ドメインに対する平均二乗偏差(RMSD)は1.2Åであった(図2D)。興味深いことに、Protein Data Bank(PDB)の検索では、EPR3 EDのM1には構造の近いホモログがヒットせず、M2はLysM構造と関連しており、LysM3は標準的なLysMモチーフ(Holm, L. & Rosenstroem, P. Nucleic Acids Research 2010 38:W545-9; Krissinel, E. & Henrick, K. in Computational Life Sciences (Springer Berlin Heidelberg) 2005 3695: 67-78)に分類された。
(EPR3のC末端の構造)
X線散乱(SAXS)実験を行って、EPR3 EDのC末端の構造を決定した。また、溶液中におけるEPR3 EDの構造を確認した(図3A~3Cおよび表2)。
X線散乱(SAXS)実験を行って、EPR3 EDのC末端の構造を決定した。また、溶液中におけるEPR3 EDの構造を確認した(図3A~3Cおよび表2)。
驚くべきことに、距離分布から判明したところによると、溶液中のEPR3 EDの長さは、結晶構造中におけるEPR3 EDの長さのほぼ2倍であったが、分子量は同じまま維持されていた(図3C)。低解像度のSAXSエンベロープからは球状の塊と、その一端から突出するステム様構造が明らかになった(図3D)。EPR3 EDの結晶構造はエンベロープの球状部分と整合しており、また失われたC末端残基はステム様構造と良好に分子がフィッティングするようにモデル化されていた(図3A、図3D)。興味深いことに、EPR3 EDのステム様構造は溶液中においてより明確となり、これはNFPについて観察されたものと同様であった(未公表のデータ)。ステム領域は、EPR3のホモログの間において、長さおよび組成の両方が保存されいた。ステム領域は、グリシン残基と、正に荷電したリシン残基およびアルギニン残基とにより特徴付けられていた(図3F)。理論に拘束されることを望むものではないが、上記の結果が示唆するところによると、効果的なシグナル伝達にとって重要である細胞膜電位に対するスペーサーを伴って、これらの受容体は配置されている(図3E)。
(固有な構造のEPR3 EDのM1ドメインにより新規なクラスの受容体が規定される)
EPR3 EDの一次配列および二次構造は、N末端にある固有のM1フォールディング(βαββ)と、通常ではないM2フォールディング(βαβ)と、これに続いて標準的なLysM3ドメイン(βααβ)を有しているものであった。この一次配列および二次構造は高度に保存されており、新規なクラスの受容体として規定された(図4A~4C、図5A~5C)。このクラスの受容体は、マメ科植物のみならず、非マメ科植物および単子葉植物にも存在していた(図4A~4C)。このことは、EPS(または他の微生物性の表面糖鎖)の認識が、植物において広く保存された形質であることを示唆している。この所見を強固にするために、EPR3のホモログに含まれている小さいM1ドメイン(約43残基)を、原子レベルの力場シミュレーションを用いてモデル化した。関連する受容体は同じトポロジーおよびβαββフォールディングを共有していた。また、モデル化した全てのドメインは、L. japonicusのEPR3に含まれているM1ドメインに対して、非常によく重ね合せられた(図5A~5C)。これらの受容体のM1は、表面に露出するβシートを形成していた。この点は、これまでに知られている天然に同定された全ての糖鎖結合ドメイン(Hashimoto, H. Cell. Mol. Life. Sci. 2006 63: 2954-2967)とは、構造的に異なっている。図6に示すように、キチン受容体であるCERK6の細胞外ドメインおよびLCO受容体NFPの細胞外ドメインと対比すると、EPR3 EDが異なるクラスの受容体として規定されることは明白である。
EPR3 EDの一次配列および二次構造は、N末端にある固有のM1フォールディング(βαββ)と、通常ではないM2フォールディング(βαβ)と、これに続いて標準的なLysM3ドメイン(βααβ)を有しているものであった。この一次配列および二次構造は高度に保存されており、新規なクラスの受容体として規定された(図4A~4C、図5A~5C)。このクラスの受容体は、マメ科植物のみならず、非マメ科植物および単子葉植物にも存在していた(図4A~4C)。このことは、EPS(または他の微生物性の表面糖鎖)の認識が、植物において広く保存された形質であることを示唆している。この所見を強固にするために、EPR3のホモログに含まれている小さいM1ドメイン(約43残基)を、原子レベルの力場シミュレーションを用いてモデル化した。関連する受容体は同じトポロジーおよびβαββフォールディングを共有していた。また、モデル化した全てのドメインは、L. japonicusのEPR3に含まれているM1ドメインに対して、非常によく重ね合せられた(図5A~5C)。これらの受容体のM1は、表面に露出するβシートを形成していた。この点は、これまでに知られている天然に同定された全ての糖鎖結合ドメイン(Hashimoto, H. Cell. Mol. Life. Sci. 2006 63: 2954-2967)とは、構造的に異なっている。図6に示すように、キチン受容体であるCERK6の細胞外ドメインおよびLCO受容体NFPの細胞外ドメインと対比すると、EPR3 EDが異なるクラスの受容体として規定されることは明白である。
要約すると、これらの結果により実証されたところによると、EPR3 EDのM1-M2-LysM3構造は、新規の保存された受容体のクラスを規定する。このクラスは、キチン受容体およびLCO LysM受容体とは、進化的に異なっている。
〔実施例2:EPR3の特異性の決定〕
本実施例では、マイクロスケール熱泳動(MST)実験について説明する。この実験では、種々の構造および組成のEPSの間において、溶液中でのEPR3の結合能および識別能を測定する。
本実施例では、マイクロスケール熱泳動(MST)実験について説明する。この実験では、種々の構造および組成のEPSの間において、溶液中でのEPR3の結合能および識別能を測定する。
[材料および方法]
(菌体外多糖(EPS)リガンドの特徴付け)
種々の根粒菌株から低分子量(LMM)の菌体外多糖(EPS)を単離した。用いた根粒菌株には、Mesorhizobium loti strain R7A ndvB6、R. leguminosarum bv. viciae 3855(本研究)、および環状グルカンの産生能を欠失しているSinorhizobium meliloti B578(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)が含まれていた。根粒菌株は最小培地で増殖させ、この培地は唯一の炭素源としてグルコースを含んでいた。LMM EPSを細菌培養の上清から単離し、6容量の99.8%EtOH(v/v)で沈澱させた後、9容量のEtOH(v/v)で沈澱させて精製した。既報に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって精製した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。12.5%のNH4OHで未変性のEPSサンプルを穏やかに一晩処理することにより、O-アセチル基を化学的に除去した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。未変性サンプルおよび脱O-アセチル化サンプルをマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)により検証した。装置としては、Applied Biosystems AB SCIEX TOF/TOF 5800 systemを用いた。正イオン化または負イオン化させて、リフレクタモードで測定した。グリコシルの組成および結合は、既報に従って決定した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。EPSリガンドの推定構造およびMALDI-TOF MSの結果を図7A~7Fに示す。
(菌体外多糖(EPS)リガンドの特徴付け)
種々の根粒菌株から低分子量(LMM)の菌体外多糖(EPS)を単離した。用いた根粒菌株には、Mesorhizobium loti strain R7A ndvB6、R. leguminosarum bv. viciae 3855(本研究)、および環状グルカンの産生能を欠失しているSinorhizobium meliloti B578(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)が含まれていた。根粒菌株は最小培地で増殖させ、この培地は唯一の炭素源としてグルコースを含んでいた。LMM EPSを細菌培養の上清から単離し、6容量の99.8%EtOH(v/v)で沈澱させた後、9容量のEtOH(v/v)で沈澱させて精製した。既報に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって精製した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。12.5%のNH4OHで未変性のEPSサンプルを穏やかに一晩処理することにより、O-アセチル基を化学的に除去した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。未変性サンプルおよび脱O-アセチル化サンプルをマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)により検証した。装置としては、Applied Biosystems AB SCIEX TOF/TOF 5800 systemを用いた。正イオン化または負イオン化させて、リフレクタモードで測定した。グリコシルの組成および結合は、既報に従って決定した(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。EPSリガンドの推定構造およびMALDI-TOF MSの結果を図7A~7Fに示す。
(未変性および脱O-アセチル化したR7AのEPS)
既報によると、M. loti strain R7Aが産生するLMM EPSは、高分子量EPSポリマーに構造的に類似している、O-アセチル化した八糖である。その構造は、(2,3/3-OAc)β-D-RibfA-(1→4)-a-D-GlcpA-(1→4)-β-D-Glcp-(1→6)-(3OAc)β-D-Glcp-(1→6)-(2OAc)β-D-Glcp-(1→4)-(2/3OAc)β-D-Glcp-(1→4)-β-D-Glcp-(1→3)-β-D-Galである。また、平均的な分子では、非化学量論的な割合で、4つのグリコシル残基において3つのO-アセチル基が置換されている(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。実験を再現したところ、単離されたLMM EPSは、同じような構造的特性を示した。とりわけ、MALDI TOF-MS解析で確認されたところによると、R7AΔndvBのEPSの平均的な分子の[M-H]-質量は、M/z:1437.40であった。この値は、RibAGlcAGlc5GalOAc3と整合している(図7A)。野生型の未変性のR7AΔndvBのEPSを脱O-アセチル化することにより、分子量は、M/z:1437.40からM/z:1311.18へと変化した。この変化は、八糖であるRibAGlcAGlc5Galから3つのO-アセチル基が全て欠落したことと整合している(図7B)。
既報によると、M. loti strain R7Aが産生するLMM EPSは、高分子量EPSポリマーに構造的に類似している、O-アセチル化した八糖である。その構造は、(2,3/3-OAc)β-D-RibfA-(1→4)-a-D-GlcpA-(1→4)-β-D-Glcp-(1→6)-(3OAc)β-D-Glcp-(1→6)-(2OAc)β-D-Glcp-(1→4)-(2/3OAc)β-D-Glcp-(1→4)-β-D-Glcp-(1→3)-β-D-Galである。また、平均的な分子では、非化学量論的な割合で、4つのグリコシル残基において3つのO-アセチル基が置換されている(Muszynski, A. et al. J. Biol. Chem. 2016 291: 20946-20961)。実験を再現したところ、単離されたLMM EPSは、同じような構造的特性を示した。とりわけ、MALDI TOF-MS解析で確認されたところによると、R7AΔndvBのEPSの平均的な分子の[M-H]-質量は、M/z:1437.40であった。この値は、RibAGlcAGlc5GalOAc3と整合している(図7A)。野生型の未変性のR7AΔndvBのEPSを脱O-アセチル化することにより、分子量は、M/z:1437.40からM/z:1311.18へと変化した。この変化は、八糖であるRibAGlcAGlc5Galから3つのO-アセチル基が全て欠落したことと整合している(図7B)。
(R7AのexoU EPS)
さらに、M. loti strain R7AのexoU変異体を最小培地において培養したものの上清から、低分子量オリゴ糖を単離した。既報によると、この株は、Glcトランスフェラーゼの発現が欠失している。このトランスフェラーゼは、R7AのEPS前駆体の生合成において、6番目のヘキソースの追加に関与していると推測されている(Kelly, S.J. et al. Mol. Plant Microbe Interact. 2013 26: 319-329)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、3位に結合したGalp、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcAおよび末端位に結合したGlcpが存在している。正イオン化モードのMALDI-TOF MS分析が示すところによると、主要な[M+Na]+イオンは、m/z:935.33であった。この値は、3つのアセチル化部位のうち2つのO-アセチル基が非化学量論的に置換されている、Glc4Gal五糖に対応している可能性が高い。(図7C)。
さらに、M. loti strain R7AのexoU変異体を最小培地において培養したものの上清から、低分子量オリゴ糖を単離した。既報によると、この株は、Glcトランスフェラーゼの発現が欠失している。このトランスフェラーゼは、R7AのEPS前駆体の生合成において、6番目のヘキソースの追加に関与していると推測されている(Kelly, S.J. et al. Mol. Plant Microbe Interact. 2013 26: 319-329)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、3位に結合したGalp、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcAおよび末端位に結合したGlcpが存在している。正イオン化モードのMALDI-TOF MS分析が示すところによると、主要な[M+Na]+イオンは、m/z:935.33であった。この値は、3つのアセチル化部位のうち2つのO-アセチル基が非化学量論的に置換されている、Glc4Gal五糖に対応している可能性が高い。(図7C)。
(キトヘキソース(CO6))
CO6は、Megazymeから得た(図7D)。
CO6は、Megazymeから得た(図7D)。
(R. leguminosarumのEPS)
既報に従って、ndvB遺伝子に自殺ベクターを挿入することにより、Rhizobium leguminosarum bv. viciae 3855のndvB変異体を構築した(Kelly, S. J. et al. Mol. Plant Microbe Interact. 2013 26: 319-329)。天然のR. leguminosarum 3855 ndvBのEPSのSECを、9容量のEtOHで精製してEPSを沈澱させ、1つの主要な低分子量画分(LMM EPS)を得た。R. leguminosarum 3855(本実験)およびR. leguminosarum bv. viciae 3855は、八糖からなるEPSを産生する。その内訳は、5個のD-グルコース残基、2個のD-グルクロン酸残基および1個のD-ガラクトース残基である。さらに、3個の2-O-アセチル基(または3-O-アセチル基)、2個の4,6-ピルビル基および1個のヒドロキシブタノイル基で置換されている(Philip-Hollingsworth, S. et al. J. Biol. Chem. 1989 264: 5710-5714; Robertsen, B.K. et al. Plant Physiol. 1981 67: 5710-5714; O'Neil, M.A. et al. J. Biol. Chem 1991 266: 9549-9555)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcp、4位に結合したGlcpA、4位および6位に結合したGlcp、4位および6位に結合したGalp3、4位および6位に結合したGlcp(全ての分枝状の糖は、ピルビン酸による4,6置換の結果と見られる)、ならびに末端に結合したGlcpが存在している。負イオン化モードのMALDI-TOF MS解析が示すところによると、非炭化水素置換基が異なる複数種類のHex6HexA2八糖の混合物である。主要な[M-H]-イオンは、M/z:1656.37であった。この結果によると、八糖は、2個のO-アセチル基および2個の4,6-ピルビル基で置換されている可能性が高い。ヒドロキシブタノエートで置換された構造も検出されたが、これらは主要な部分ではなかった(図7E)。
既報に従って、ndvB遺伝子に自殺ベクターを挿入することにより、Rhizobium leguminosarum bv. viciae 3855のndvB変異体を構築した(Kelly, S. J. et al. Mol. Plant Microbe Interact. 2013 26: 319-329)。天然のR. leguminosarum 3855 ndvBのEPSのSECを、9容量のEtOHで精製してEPSを沈澱させ、1つの主要な低分子量画分(LMM EPS)を得た。R. leguminosarum 3855(本実験)およびR. leguminosarum bv. viciae 3855は、八糖からなるEPSを産生する。その内訳は、5個のD-グルコース残基、2個のD-グルクロン酸残基および1個のD-ガラクトース残基である。さらに、3個の2-O-アセチル基(または3-O-アセチル基)、2個の4,6-ピルビル基および1個のヒドロキシブタノイル基で置換されている(Philip-Hollingsworth, S. et al. J. Biol. Chem. 1989 264: 5710-5714; Robertsen, B.K. et al. Plant Physiol. 1981 67: 5710-5714; O'Neil, M.A. et al. J. Biol. Chem 1991 266: 9549-9555)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcp、4位に結合したGlcpA、4位および6位に結合したGlcp、4位および6位に結合したGalp3、4位および6位に結合したGlcp(全ての分枝状の糖は、ピルビン酸による4,6置換の結果と見られる)、ならびに末端に結合したGlcpが存在している。負イオン化モードのMALDI-TOF MS解析が示すところによると、非炭化水素置換基が異なる複数種類のHex6HexA2八糖の混合物である。主要な[M-H]-イオンは、M/z:1656.37であった。この結果によると、八糖は、2個のO-アセチル基および2個の4,6-ピルビル基で置換されている可能性が高い。ヒドロキシブタノエートで置換された構造も検出されたが、これらは主要な部分ではなかった(図7E)。
(S. melilotiのEPS)
沈澱したS. melilotiのEPSをSECで精製することにより、1つの主要な低分子量画分(LMM EPS)が得られた。S. meliloti B587は、Rm1021のndvB変異体であり、通常のEPS産生における環状グルカンの産生能を欠失しているとされている(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)。Rm1021のEPS(スクシノグリカン)またはEPS Iは、7個のD-グルコース残基および1個のD-ガラクトース残基からなる八糖である。また、6-O-スクシニル基、6-O-アセチル基、および4,6-ピルビル基で置換されている(Reinhold, B.B. et al. Journal of Bacteriology 1994 176: 1997-2002; Choulry, C. et al. Int. J. Bio. Macromol. 1995 17:357-363; Wang, L.X. et al. Journal of Bacteriology 1999 181: 6788-6796)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、3位に結合したGalp、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcp、3位に結合したGlcp、ならびに4位および6位に結合したGlcp(ピルビン酸による4,6置換の結果と見られる)が存在している。既報(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)と同じく、2位に結合したグルコースは検出されず、環状グルカンの産生能がないことが確認された。負イオン化モードのマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)解析によると、主要な[M-H]-イオンは、m/z:1525.20であった。このイオンは、O-アセタチル基、4,6-ピルビル基およびスクシニル基で置換された8個のヘキソース残基からなる八糖(Hex8OAcOSucPyr)に相当する(図7F)。
沈澱したS. melilotiのEPSをSECで精製することにより、1つの主要な低分子量画分(LMM EPS)が得られた。S. meliloti B587は、Rm1021のndvB変異体であり、通常のEPS産生における環状グルカンの産生能を欠失しているとされている(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)。Rm1021のEPS(スクシノグリカン)またはEPS Iは、7個のD-グルコース残基および1個のD-ガラクトース残基からなる八糖である。また、6-O-スクシニル基、6-O-アセチル基、および4,6-ピルビル基で置換されている(Reinhold, B.B. et al. Journal of Bacteriology 1994 176: 1997-2002; Choulry, C. et al. Int. J. Bio. Macromol. 1995 17:357-363; Wang, L.X. et al. Journal of Bacteriology 1999 181: 6788-6796)。組成およびグリコシル結合分析が示すところによると、3位に結合したGalp、4位に結合したGlcp、6位に結合したGlcp、3位に結合したGlcp、ならびに4位および6位に結合したGlcp(ピルビン酸による4,6置換の結果と見られる)が存在している。既報(Griffitts, J. S. et al. Mol. Microbiol. 2008 69: 479-490)と同じく、2位に結合したグルコースは検出されず、環状グルカンの産生能がないことが確認された。負イオン化モードのマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)解析によると、主要な[M-H]-イオンは、m/z:1525.20であった。このイオンは、O-アセタチル基、4,6-ピルビル基およびスクシニル基で置換された8個のヘキソース残基からなる八糖(Hex8OAcOSucPyr)に相当する(図7F)。
(マイクロスケール熱泳動(MST)結合実験)
製造者の説明書に従ってMonolith NT.115TM Protein Labelling Kit Blue NHS(NanoTemper Technologies)を使用し、精製したEPR3を蛍光標識した。全ての実験は、MSTバッファ(50mM K2PO4(pH7.8)、500mM NaClおよび0.05%Tween-20)の中で行った。EPR3 EDの濃度は一定とし(100nM、標識効率:約50%)、種々のリガンドの稀釈系列を用いた。サンプルを室温にて30分間インキュベートした。次に、標準キャピラリにロードして、Monolith NT.115 TM instrument(NanoTemper Technologies)で測定した。測定温度は25℃、青色LEDの強度は50%、MSTの強度は20%であった。実験誤差を正確に測定し、データの再現性を確保するために、全てのMST結合実験は、独立に精製したEPR3のサンプルを3つ以上用いて行った。リガンド濃度が最大のとき、蛍光標識自体への弱いリガンド結合が観察されたことがあった。この非特異的な結合リガンドを正確に評価するために、50nMの遊離蛍光標識に対する結合を測定した。微小なバックグラウンドを、全てのMST結合測定値から減算した。競合実験は、次のように行った。まず、標識したEPR3 EDを、250μMのR7AのEPSまたは250μMのR7AのexoU EPSと共にプレインキュベートした。次に、EPR3 EDと、滴定したR7AのexoU EPSまたはR7AのEPSとの結合を評価した。結合データをGraphPad Prism 7 software(GraphPad Software,Inc.)で処理して、シグモイド用量応答方程式を用いて平衡解離定数(Kd)値(95%信頼区間)を計算した。
製造者の説明書に従ってMonolith NT.115TM Protein Labelling Kit Blue NHS(NanoTemper Technologies)を使用し、精製したEPR3を蛍光標識した。全ての実験は、MSTバッファ(50mM K2PO4(pH7.8)、500mM NaClおよび0.05%Tween-20)の中で行った。EPR3 EDの濃度は一定とし(100nM、標識効率:約50%)、種々のリガンドの稀釈系列を用いた。サンプルを室温にて30分間インキュベートした。次に、標準キャピラリにロードして、Monolith NT.115 TM instrument(NanoTemper Technologies)で測定した。測定温度は25℃、青色LEDの強度は50%、MSTの強度は20%であった。実験誤差を正確に測定し、データの再現性を確保するために、全てのMST結合実験は、独立に精製したEPR3のサンプルを3つ以上用いて行った。リガンド濃度が最大のとき、蛍光標識自体への弱いリガンド結合が観察されたことがあった。この非特異的な結合リガンドを正確に評価するために、50nMの遊離蛍光標識に対する結合を測定した。微小なバックグラウンドを、全てのMST結合測定値から減算した。競合実験は、次のように行った。まず、標識したEPR3 EDを、250μMのR7AのEPSまたは250μMのR7AのexoU EPSと共にプレインキュベートした。次に、EPR3 EDと、滴定したR7AのexoU EPSまたはR7AのEPSとの結合を評価した。結合データをGraphPad Prism 7 software(GraphPad Software,Inc.)で処理して、シグモイド用量応答方程式を用いて平衡解離定数(Kd)値(95%信頼区間)を計算した。
(小角X線散乱(SAXS))
EPR3 EDをゲル濾過バッファでゲル濾過して精製し、単分散ピーク画分を回収して、SAXS測定に使用した。EPR3 EDサンプル(リガンドを加えない、R7AのEPS(1mM)を加える、またはR7AのexoU EPS(1mM)を加えるのいずれか)の散乱を、EMBL P12 beamLine PETRA IIIにより収集した。濃度は、0.6~22.0mg/mLの範囲とした。測定は温度制御セル(20℃)内で行い、測定波長は1.24Åの波長とした。正規化、半径方向平均化およびバッファ減算を、自動パイプラインを用いたビームラインで行った。データ解析およびab initioの低解像度モデリングを、DAMMIN(Svergun, D. I. Biophysical Journal 1999 76: 2879-2886)で行った。散布図、ギニエプロットおよびP(r)距離分布プロットは、GraphPad Prism 7 softwareで作成した。潜在的なシグナル伝達機構として、EPR3 EDのオリゴマー化にリガンド結合が影響を及ぼすかどうかを検出するために、R7AのEPSまたはR7AのexoU EPSを取込んだ状態におけるEPR3 EDの溶液のSAXSを解析した。
EPR3 EDをゲル濾過バッファでゲル濾過して精製し、単分散ピーク画分を回収して、SAXS測定に使用した。EPR3 EDサンプル(リガンドを加えない、R7AのEPS(1mM)を加える、またはR7AのexoU EPS(1mM)を加えるのいずれか)の散乱を、EMBL P12 beamLine PETRA IIIにより収集した。濃度は、0.6~22.0mg/mLの範囲とした。測定は温度制御セル(20℃)内で行い、測定波長は1.24Åの波長とした。正規化、半径方向平均化およびバッファ減算を、自動パイプラインを用いたビームラインで行った。データ解析およびab initioの低解像度モデリングを、DAMMIN(Svergun, D. I. Biophysical Journal 1999 76: 2879-2886)で行った。散布図、ギニエプロットおよびP(r)距離分布プロットは、GraphPad Prism 7 softwareで作成した。潜在的なシグナル伝達機構として、EPR3 EDのオリゴマー化にリガンド結合が影響を及ぼすかどうかを検出するために、R7AのEPSまたはR7AのexoU EPSを取込んだ状態におけるEPR3 EDの溶液のSAXSを解析した。
[結果]
EPR3 EDは、八糖であるR7AのEPSの単量体に結合した(このEPSは根粒菌M. lotiに由来しており、M. lotiはL. japonicusとの間で根粒を形成する)。結合の平衡解離定数(Kd)は、38.1±7.5μMであった(図8Aおよび10A)。興味深いことに、EPR3 EDは、適合しないように短縮された五糖であるR7AのexoU EPSとも結合した。この結合の親和性は、R7AのEPSと比較して6倍高い(Kd:6.1±1.5μM、図8B)
潜在的なシグナル伝達機構として、EPR3 EDのオリゴマー化にリガンド結合が影響を及ぼすかどうかを検出するために、R7AのEPSまたはR7AのexoU EPSを取込んだ状態におけるEPR3 EDの溶液のSAXSを解析した。散乱測定およびab initioな再構成が示すところによると、リガンドが結合している受容体は、リガンドが存在しない単独の状態と同じ全体構造、寸法およびステムの配置が維持される(図10A~10Cおよび表2)。また、このデータが示すところによると、EPR3 EDは、適合するEPSおよび適合しないEPSの両方に結合でき、その際には単独の構造を維持している。理論に拘束されることを望まないが、上記の結果が示すところによると、EPSを欠失した共生細菌に感染させたミヤコグサ、アルファルファおよびエンドウマメにおいて観察された不完全な感染の表現型は、リガンドにより誘導される、下流へのシグナル伝達のを受容体が活性化する能力に関連している。
EPR3 EDは、八糖であるR7AのEPSの単量体に結合した(このEPSは根粒菌M. lotiに由来しており、M. lotiはL. japonicusとの間で根粒を形成する)。結合の平衡解離定数(Kd)は、38.1±7.5μMであった(図8Aおよび10A)。興味深いことに、EPR3 EDは、適合しないように短縮された五糖であるR7AのexoU EPSとも結合した。この結合の親和性は、R7AのEPSと比較して6倍高い(Kd:6.1±1.5μM、図8B)
潜在的なシグナル伝達機構として、EPR3 EDのオリゴマー化にリガンド結合が影響を及ぼすかどうかを検出するために、R7AのEPSまたはR7AのexoU EPSを取込んだ状態におけるEPR3 EDの溶液のSAXSを解析した。散乱測定およびab initioな再構成が示すところによると、リガンドが結合している受容体は、リガンドが存在しない単独の状態と同じ全体構造、寸法およびステムの配置が維持される(図10A~10Cおよび表2)。また、このデータが示すところによると、EPR3 EDは、適合するEPSおよび適合しないEPSの両方に結合でき、その際には単独の構造を維持している。理論に拘束されることを望まないが、上記の結果が示すところによると、EPSを欠失した共生細菌に感染させたミヤコグサ、アルファルファおよびエンドウマメにおいて観察された不完全な感染の表現型は、リガンドにより誘導される、下流へのシグナル伝達のを受容体が活性化する能力に関連している。
リガンドに対する選択性を検討するために、EPR3 EDと免疫応答誘発性のキチンポリマー(CO6)とが結合するかどうかを評価した。標準的なLysM受容体は、CO6を認識することが知られている(Bozsoki, Z. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2017 114: E8118-E8127; Liu, T. et al. Science 2012 336: 1160-1164; Liu, S. et al. Structure 2016 24: 1192-1200)。結果が示すところによると、EPR3 EDはCO6と結合できない(図8C)。この結果は、EPR3が固有のクラスの受容体に属するという構造データを支持していた。キチンポリマーのN-アセチル基は、LysMタンパク質との重要な接触点であることが実証されている(Liu, T. et al. Science 2012 336: 1160-1164; Hayafune, M. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2014 111: E404-13; Wong, J. E. M. M. et al. FEBS J. 2014 281:1196-1208; Sanchez-Vallet, A. et al. Elife 2013 2: e00790)。これを踏まえて、EPSにおける対応部分であるO-アセチル基が、EPR3 EDによって認識される重要部位であるかどうかを検討した。しかし、O-アセチル基を化学的に脱離させたR7AのEPS(deOAc-EPS)は、結合に影響を及ぼさなかった。EPR3 EDとR7AのdeOAc-EPSとの結合のKdは31.3±11.7μMであり、完全にO-アセチル化されているR7AのEPSと同程度であった(図8D)。この結果が示唆するところによると、キチンリガンドに結合する古典的LysM受容体(AtCERK1(Liu, T. et al. Science 2012 336: 1160-1164)など)とEPR3 EDとでは、リガンドの認識機構が異なる。AtCERK1の結晶構造において、LysM2の結合ポケットの中におけるキチンの位置は、N-アセチル部分のカルボニルの酸素と主鎖骨格のアミドの窒素とが水素結合を形成できる位置である(Liu, T. et al. Science 2012 336: 1160-1164)。このような厳密な認識は、EPSのO-アセチル基については適当ではないと考えられる。なぜならば、キチンはN-アセチル基が均一に分布しているのに対し、EPSは非化学量論的にO-アセチル化されているからである。
この考えを補強するために、R. leguminosarumおよびS. melilotiに由来する八糖の単量体であるEPSを精製し、特徴付けした(図7A~7F)。これらのEPSは、O-アセチル化パターンが異なっている。これらの根粒菌は、通常はL. japonicusに感染しない。しかし興味深いことに、EPR3 EDとR. leguminosarumのEPSである八糖との結合のKdは9.0±3.7μMであり(図8E)、S. melilotiのEPS(スクシノグリカン)との結合のKdは221.9±102.3μMであった(図8F~8G)。このことは、EPR3が種々の細菌種に由来するEPSと結合できる、無差別な受容体であることを示している。マメ科植物においては、適合するEPSの認識により細菌の感染が促進され、適合しない株の根への侵入を拒絶すると考えられている(Kawaharada, Y. et al. Nature 2015 523: 308-213; Kawaharada, Y. et al. Nat Commun. 2017 8: 14534; Kelly, S.J. et al. Mol. Plant Microbe Interact. 2013 26: 319-329)。本実施例のデータが示唆するところによると、リガンドとの結合は、それ自体としては、適合する細菌または適合しない細菌に対する応答を誘発する唯一の識別因子ではない。
要約すると、EPR3は、種々の細菌種に由来するEPSを直接的に認識できる、新しい植物の受容体のクラスの一つと規定され、このクラスは大きく、かつ保存されている。進化的な保存が観察され、このことは、植物におけるEPSまたは他の微生物の表面糖鎖を認識するための広範な条件を強調している。
〔実施例3:Epr3のホモログであるEpr3aの同定および特徴付け〕
本実施例では、Epr3aの同定について記載する。Epr3aは、L. japonicusにおけるEpr3のホモログであり、Epr3aとのアミノ酸同一性は65%である。さらに、本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aおよびEpr3の変異の生成と、2つの遺伝子の機能性および表現型に関する研究について説明する。
本実施例では、Epr3aの同定について記載する。Epr3aは、L. japonicusにおけるEpr3のホモログであり、Epr3aとのアミノ酸同一性は65%である。さらに、本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aおよびEpr3の変異の生成と、2つの遺伝子の機能性および表現型に関する研究について説明する。
[材料および方法]
(Epr3aの同定)
L. japonicusのEPR3aは、Epr3とのアミノ酸同一性が65%であることにに基づいて同定した(図11B)。
(Epr3aの同定)
L. japonicusのEPR3aは、Epr3とのアミノ酸同一性が65%であることにに基づいて同定した(図11B)。
(Epr3およびEpr3aのアレル変異および植物株)
LORE1変異体リソース(https://lotus.au.dk/)から、Lotus retrotransposon 1の要素である、Epr3およびEpr3aのLORE1変異アレルを単離した。図11Aは、Epr3遺伝子およびEpr3a遺伝子におけるLORE1の位置の模式図を表す。PCRでジェノタイピングすることにより、ホモ接合性変異体を同定した。
LORE1変異体リソース(https://lotus.au.dk/)から、Lotus retrotransposon 1の要素である、Epr3およびEpr3aのLORE1変異アレルを単離した。図11Aは、Epr3遺伝子およびEpr3a遺伝子におけるLORE1の位置の模式図を表す。PCRでジェノタイピングすることにより、ホモ接合性変異体を同定した。
epr3-11変異体とepr3A-2変異体との交配から、二変異体を単離した。PCRでジェノタイピングすることにより、ホモ接合性の二変異体を同定した。
(EPR3a EDの精製)
EPR3a EDを昆虫細胞で発現させ、実施例1に記載のようにタンパク質を精製した(図11D)。
EPR3a EDを昆虫細胞で発現させ、実施例1に記載のようにタンパク質を精製した(図11D)。
(EPR3およびEPR3aのキナーゼドメインの精製)
EPR3およびEPR3aのキナーゼドメインをE. coliで発現させ、タンパク質を精製した。EPR3およびEPR3aのキナーゼをE. coli LOBSTR細胞で発現させた。600nmにおける光学密度が0.6になるまで細胞を増殖させた。次に、0.2mM IPTGを用いて、18℃にて一晩、タンパク質発現を誘導した。50mM Tris-HCl(pH8.0)、500mM NaCl、20mMイミダゾールおよび1mMベンズアミジンを含んでいるバッファで細胞を溶解させた。清澄化した上清を、Ni Sepharose 6 FF affinity column(GE Healthcare)にロードした。洗浄した後、500mMイミダゾールを添加した溶解バッファで溶出させた。EPR3およびEPR3aのキナーゼにある精製タグを、3Cプロテアーゼで酵素的に除去した。最終的に、Superdex 75 10/300 gel filtration column(GE Healthcare)でタンパク質を精製した。カラムには、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるゲル濾過バッファが充填されていた。
EPR3およびEPR3aのキナーゼドメインをE. coliで発現させ、タンパク質を精製した。EPR3およびEPR3aのキナーゼをE. coli LOBSTR細胞で発現させた。600nmにおける光学密度が0.6になるまで細胞を増殖させた。次に、0.2mM IPTGを用いて、18℃にて一晩、タンパク質発現を誘導した。50mM Tris-HCl(pH8.0)、500mM NaCl、20mMイミダゾールおよび1mMベンズアミジンを含んでいるバッファで細胞を溶解させた。清澄化した上清を、Ni Sepharose 6 FF affinity column(GE Healthcare)にロードした。洗浄した後、500mMイミダゾールを添加した溶解バッファで溶出させた。EPR3およびEPR3aのキナーゼにある精製タグを、3Cプロテアーゼで酵素的に除去した。最終的に、Superdex 75 10/300 gel filtration column(GE Healthcare)でタンパク質を精製した。カラムには、50mM Tris-HCl(pH8.0)および200mM NaClを含んでいるゲル濾過バッファが充填されていた。
(EPR3およびEPR3aのキナーゼ活性アッセイ)
10mM MgCl2、5mM MnCl2および20μM未標識ATPを添加した50mM Tris-HCl(pH8)バッファの中で、室温にて1時間、100 nCi [γ32-P]ATP(PerkinElmer)と共にタンパク質をインキュベートした。次に、サンプルをSDS/PAGEゲルで分離させ、これを蛍光プレート(Molecular Dynamics)の上に一晩曝露させた。蛍光プレートをtyphoon TRIO scanner(Amersham Biosciences)でスキャンした。キナーゼ活性アッセイの結果を、図11K~11Mに示す。
10mM MgCl2、5mM MnCl2および20μM未標識ATPを添加した50mM Tris-HCl(pH8)バッファの中で、室温にて1時間、100 nCi [γ32-P]ATP(PerkinElmer)と共にタンパク質をインキュベートした。次に、サンプルをSDS/PAGEゲルで分離させ、これを蛍光プレート(Molecular Dynamics)の上に一晩曝露させた。蛍光プレートをtyphoon TRIO scanner(Amersham Biosciences)でスキャンした。キナーゼ活性アッセイの結果を、図11K~11Mに示す。
(マイクロスケール熱泳動(MST)結合実験)
実施例2(図11C、11E~11J)に記載のように、MST実験を行った。
実施例2(図11C、11E~11J)に記載のように、MST実験を行った。
(RNA-seqによるL. japonicusの遺伝子発現のプロファイリング)
RNA-seqにより、Epr3およびEpr3aの発現を、L. japonicusの組織を横断して測定した。野生型のL. japonicusを、水または共生細菌であるM. loti strain R7Aで処理した。M. loti strain R7Aで処理した組織については、M. loti strain R7A処理から1日後、3日後、7日後または21日後にRNAを回収した(図12)。NucleoSpin (R) RNA Plant kit(Macherey-Nagel)を使用して、製造者の説明書に従って全RNAを抽出した。RNAの品質をAgilent 2100 Bioanalyserで評価し、ライブラリー作製およびシークエンシングのためにサンプルをGATC-Biotechに送った。L. japonicus v.3.0ゲノムにリード数をマッピングした。CLC Genomics Workbench 9.5.3(Qiagen)を用いて、遺伝子発現の差異を解析した。各サンプルには3000万以上のリード数があり、90%超のリード数を参照ゲノムにマッピングした。シュート、根粒、根粒原基、根毛および根における、Epr3およびEpr3aの相対発現レベルを計算した。
RNA-seqにより、Epr3およびEpr3aの発現を、L. japonicusの組織を横断して測定した。野生型のL. japonicusを、水または共生細菌であるM. loti strain R7Aで処理した。M. loti strain R7Aで処理した組織については、M. loti strain R7A処理から1日後、3日後、7日後または21日後にRNAを回収した(図12)。NucleoSpin (R) RNA Plant kit(Macherey-Nagel)を使用して、製造者の説明書に従って全RNAを抽出した。RNAの品質をAgilent 2100 Bioanalyserで評価し、ライブラリー作製およびシークエンシングのためにサンプルをGATC-Biotechに送った。L. japonicus v.3.0ゲノムにリード数をマッピングした。CLC Genomics Workbench 9.5.3(Qiagen)を用いて、遺伝子発現の差異を解析した。各サンプルには3000万以上のリード数があり、90%超のリード数を参照ゲノムにマッピングした。シュート、根粒、根粒原基、根毛および根における、Epr3およびEpr3aの相対発現レベルを計算した。
(プレート上における根粒形成アッセイ)
M. loti strain R7Aを加えたまたは加えない条件下で、L. japonicusの植物体を寒天上で生長させた。植物体あたりの根粒の数を計数した(図13A~13B)。種子の表面をサンドペーパーで傷つけ、0.5%漂白剤で表面を滅菌し、湿った濾紙の上で3日間発芽させた。幼根が発生した種子を、正方形のペトリ皿(Sigma-Aldrich)に移植した。ペトリ皿には、0.25×B&D培地を含んでいる寒天傾斜が設けられていた。プレートの培地を1.4%Agar Noble(Difco)で固化させた。傾斜面を濾紙(AGF 651、Frisenette ApS)で覆った。根のための3mmの穴が設けられている金属棒を、寒天傾斜の上部に挿入した。特別製のボックス内で直立させた状態で、プレートをインキュベートした。このとき、金属棒の下にある根は遮光した。21℃、16時間の明期間/8時間の暗期間のサイクルにて、植物体をインキュベートした。それぞれプレートは10個の植物体を含んでいおり、750μLのM. lotiを感染させた(OD600における光学濃度:0.02)。
M. loti strain R7Aを加えたまたは加えない条件下で、L. japonicusの植物体を寒天上で生長させた。植物体あたりの根粒の数を計数した(図13A~13B)。種子の表面をサンドペーパーで傷つけ、0.5%漂白剤で表面を滅菌し、湿った濾紙の上で3日間発芽させた。幼根が発生した種子を、正方形のペトリ皿(Sigma-Aldrich)に移植した。ペトリ皿には、0.25×B&D培地を含んでいる寒天傾斜が設けられていた。プレートの培地を1.4%Agar Noble(Difco)で固化させた。傾斜面を濾紙(AGF 651、Frisenette ApS)で覆った。根のための3mmの穴が設けられている金属棒を、寒天傾斜の上部に挿入した。特別製のボックス内で直立させた状態で、プレートをインキュベートした。このとき、金属棒の下にある根は遮光した。21℃、16時間の明期間/8時間の暗期間のサイクルにて、植物体をインキュベートした。それぞれプレートは10個の植物体を含んでいおり、750μLのM. lotiを感染させた(OD600における光学濃度:0.02)。
(植物体あたりの根粒)
L. japonicusの植物体あたりに形成された根粒の数を計測した(図14A、15A、16A)。
L. japonicusの植物体あたりに形成された根粒の数を計測した(図14A、15A、16A)。
(植物体のシュートの重量)
根からシュートを分離させ、精密秤で秤量することにより、根粒形成アッセイの最後に植物体のシュートの重量を測定した(図14B、15B、16B)。
根からシュートを分離させ、精密秤で秤量することにより、根粒形成アッセイの最後に植物体のシュートの重量を測定した(図14B、15B、16B)。
(感染糸)
L. japonicusの根粒形成の際に形成された感染糸の数を計数した(図17)。Zeiss Axioplan 2 image蛍光顕微鏡を使用して、感染糸を測定するために使用した根を観察した。
L. japonicusの根粒形成の際に形成された感染糸の数を計数した(図17)。Zeiss Axioplan 2 image蛍光顕微鏡を使用して、感染糸を測定するために使用した根を観察した。
(qRT-PCR)
qRT-PCRを行い、共生遺伝子であるGh3.3、Nfya1およびNpIの絶対発現量を測定した。野生型のL. japonicus (Gifu)またはepr3およびepr3aの少なくとも一方に変異を有しているL. japonicusを、水またはM. loti strain R7Aで処理した。処理から3日および7日経過後に、共生遺伝子の発現を測定した(図18A~18C)。NucleoSpin RNA Plant kit(Macherey-Nagel)を用いてRNAを単離した。RevertAid Reverse Transcriptase(Thermo)を使用して、製造者のプロトコルに従ってcDNAを合成した。NIN遺伝子プロモーターに特異的なプライマーを使用して、全てのcDNAサンプルについてゲノムDNAのコンタミネーションを試験した。LightCycler480 instrumentおよびLightCycler480 SYBR Green I master (Roche Diagnostics)をリアルタイム定量的PCRに使用した。ATP合成酵素およびユビキチン結合酵素を基準遺伝子とした。各遺伝子について、単位複製配列あたりのPCR効率(LinRegPCRを用いて計算した)からcDNAの開始濃度を計算した。3つの生物学的複製(それぞれ10個の植物体からなる)について、標的遺伝子をハウスキーピング遺伝子の幾何平均と比較した。各分析において、2回以上の技術的複製を行った。
qRT-PCRを行い、共生遺伝子であるGh3.3、Nfya1およびNpIの絶対発現量を測定した。野生型のL. japonicus (Gifu)またはepr3およびepr3aの少なくとも一方に変異を有しているL. japonicusを、水またはM. loti strain R7Aで処理した。処理から3日および7日経過後に、共生遺伝子の発現を測定した(図18A~18C)。NucleoSpin RNA Plant kit(Macherey-Nagel)を用いてRNAを単離した。RevertAid Reverse Transcriptase(Thermo)を使用して、製造者のプロトコルに従ってcDNAを合成した。NIN遺伝子プロモーターに特異的なプライマーを使用して、全てのcDNAサンプルについてゲノムDNAのコンタミネーションを試験した。LightCycler480 instrumentおよびLightCycler480 SYBR Green I master (Roche Diagnostics)をリアルタイム定量的PCRに使用した。ATP合成酵素およびユビキチン結合酵素を基準遺伝子とした。各遺伝子について、単位複製配列あたりのPCR効率(LinRegPCRを用いて計算した)からcDNAの開始濃度を計算した。3つの生物学的複製(それぞれ10個の植物体からなる)について、標的遺伝子をハウスキーピング遺伝子の幾何平均と比較した。各分析において、2回以上の技術的複製を行った。
[結果]
(Epr3aの特徴付け)
EPR3a EDを精製し、MST実験によってM. lotiのEPSとの結合性を試験した(図11C)。EPR3a EDとM. lotiのEPSとの結合の平衡解離定数は、Kd=25.6μMであった。このことから、EPR3と同様に、EPR3aもEPSに結合するタンパク質であると示唆された。
(Epr3aの特徴付け)
EPR3a EDを精製し、MST実験によってM. lotiのEPSとの結合性を試験した(図11C)。EPR3a EDとM. lotiのEPSとの結合の平衡解離定数は、Kd=25.6μMであった。このことから、EPR3と同様に、EPR3aもEPSに結合するタンパク質であると示唆された。
さらに、EPR3a EDを精製し、生化学的研究に適した、純粋で単分散の調製物を得た(図11Dを参照)。MST実験を行い、図11Dに示すEPR3a ED調製物と、M. lotiのEPS、M. lotiの脱O-アセチル化したEPS、S. melilotiのEPS、R. leguminosarumのEPS、キチン(キトテトラオース)またはマルトデキストリンとの結合能を試験した(図11E~11J)。EPR3a EDとの結合における平衡解離定数は、M. lotiのEPSではKd=44.4±11.2μM(図11E)、M. lotiの脱O-アセチル化したEPSではKd=57.2±15.6μM(図11F)、S. melilotiのEPSではKd=936.7±389.4μM(図11G)、R. leguminosarumのEPSではKd=12.5±4.0μM(図11H)であった。EPR3a EDは、キチンまたはマルトデキストリンには結合しなかった(図11I~11Jを参照)。
(Epr3およびEpr3aのキナーゼ活性の比較) EPR3およびEPR3aのキナーゼドメインをE. coliから精製し、キナーゼ活性を測定した。EPR3およびEPR3aのキナーゼドメインは、いずれも強力なキナーゼ活性を示し、自己リン酸化活性およびアクセプタータンパク質(MBP)のリン酸化活性の両方を有していた(図11K~11Mを参照)。
(Epr3とEpr3aとの発現の比較)
L. japonicusのRNA-seqデータおよびqRT-PCRの結果を分析したところ、根においては、Epr3の発現はM. loti strain R7Aによって誘導されたのに対して、Epr3aは非感染の根(H2O処理)で発現していた。Epr3およびEpr3aは、いずれも、M. loti strain R7A処理した根粒原基において発現していた。根組織において、Epr3aの発現は低レベルであり、Epr3aの転写は根粒菌への感染に応答しなかった(図12は相対発現を表しているので、シュートと比較すると根における発現が高く見えることに注意)。一方、Epr3の発現は、M. loti strain R7A処理により上方制御された(図12)。Epr3aの発現は、他の根組織と比較すると、根粒原基および成熟根粒において最も高かった(図12)。
L. japonicusのRNA-seqデータおよびqRT-PCRの結果を分析したところ、根においては、Epr3の発現はM. loti strain R7Aによって誘導されたのに対して、Epr3aは非感染の根(H2O処理)で発現していた。Epr3およびEpr3aは、いずれも、M. loti strain R7A処理した根粒原基において発現していた。根組織において、Epr3aの発現は低レベルであり、Epr3aの転写は根粒菌への感染に応答しなかった(図12は相対発現を表しているので、シュートと比較すると根における発現が高く見えることに注意)。一方、Epr3の発現は、M. loti strain R7A処理により上方制御された(図12)。Epr3aの発現は、他の根組織と比較すると、根粒原基および成熟根粒において最も高かった(図12)。
(野生型のL. japonicusとepr3および/またはepr3a変異体を有しているL. japonicusとの表現型の比較)
epr3a一変異体の共生の表現型では、窒素固定根粒の形成が減少し、適合する共生菌であるM. loti strain R7Aに対して形成される感染糸の数が顕著に減少した(図14A)。epr3/epr3a二変異体では、野生型と比較して感染糸の形成および共生の表現型が減少したが、その程度はepr3a-1一変異体およびepr3a-2一変異体における感染糸形成の減少ほど顕著ではなかった(図17)。EPSを欠失したM. loti strain R7AexoY/F変異体では、共生の表現型について同程度の結果が見られた(図15A)。epr3一変異体、epr3a一変異体およびepr3/epr3a二変異体は、短縮されたEPSを産生するM. loti strain R7AexoUと共に根粒を形成できた。一方、野生型のL. japonicus Gifuは、M. loti strain R7AexoUと共に根粒を形成できなかった(図16A)。
epr3a一変異体の共生の表現型では、窒素固定根粒の形成が減少し、適合する共生菌であるM. loti strain R7Aに対して形成される感染糸の数が顕著に減少した(図14A)。epr3/epr3a二変異体では、野生型と比較して感染糸の形成および共生の表現型が減少したが、その程度はepr3a-1一変異体およびepr3a-2一変異体における感染糸形成の減少ほど顕著ではなかった(図17)。EPSを欠失したM. loti strain R7AexoY/F変異体では、共生の表現型について同程度の結果が見られた(図15A)。epr3一変異体、epr3a一変異体およびepr3/epr3a二変異体は、短縮されたEPSを産生するM. loti strain R7AexoUと共に根粒を形成できた。一方、野生型のL. japonicus Gifuは、M. loti strain R7AexoUと共に根粒を形成できなかった(図16A)。
(共生遺伝子の誘導)
qRT-PCR分析が示すところによると、epr3a一変異体においては、M. loti strain R7Aに応答する共生遺伝子の誘導が低下した。一方、epr3一変異体およびepr3/epr3a二変異体においては、共生遺伝子の誘導のレベルは、野生型と同程度であった(図13A~13B)。
qRT-PCR分析が示すところによると、epr3a一変異体においては、M. loti strain R7Aに応答する共生遺伝子の誘導が低下した。一方、epr3一変異体およびepr3/epr3a二変異体においては、共生遺伝子の誘導のレベルは、野生型と同程度であった(図13A~13B)。
感染糸の表現型および共生遺伝子の誘導の表現型で見られたように、Epr3aおよびEpr3は、遺伝的エピスタシスを示した(図17、18A~18C)。表現型の比較では、Epr3aおよびEpr3の両遺伝子の二重変異によって、Epr3aのみが変異した植物において見られた欠陥が除かれていた。
全体として、結果が示すところによると、EPR3aおよびEPR3は、いずれも、共生細菌とL. japonicusとの相互作用の機能にとって重要なEPS受容体である。図19A~19B、33A~33Bは、それぞれ、EPR3aおよびEPR3との共生シグナルのモデルを提供する。
〔実施例4:土壌中の微生物叢の多様性構築におけるL. japonicusのEPR3の機能〕
本実施例では、土壌栽培した野生型のL. japonicus (Gifu)の根の微生物叢と、菌体外多糖の認識が不全である変異体植物(epr3)根の微生物叢との比較について説明する。
本実施例では、土壌栽培した野生型のL. japonicus (Gifu)の根の微生物叢と、菌体外多糖の認識が不全である変異体植物(epr3)根の微生物叢との比較について説明する。
[材料および方法]
(細菌叢の16S rRNAシークエンシング)
野生型のL. japonicus(生態型:Gifu)と、Epr3変異体のL. japonicus(epr3-11、epr3-10およびepr3-13)とを、自然土壌で並行栽培した。植物を栽培していない土壌、根圏区分、ならびに根および内部圏区分の細菌叢を、確立されたプロトコルに従って特徴付けした(Zgadzaj, R. et al. P Natl Acad Sci USA 2016 113: E7996-E8005)。植物体の遺伝型は、野生型およびepr3-13遺伝型であった。抽苔期の植物を特徴付けの対象とした。目に見える根粒および根粒原基を根から除去してから、細菌叢のプロファイリングのためにサンプルを処理した。上述の遺伝型および区分から、細菌の16S rRNA遺伝子のV5~V7超可変領域を増幅して、Illuminaを用いてシークエンシングした。低品質のリードを除去し、キメラおよび配列は植物由来のオルガネラのDNAに割り当てた。3つの生物学的複製および3つの技術的複製をシークエンシングした。
(細菌叢の16S rRNAシークエンシング)
野生型のL. japonicus(生態型:Gifu)と、Epr3変異体のL. japonicus(epr3-11、epr3-10およびepr3-13)とを、自然土壌で並行栽培した。植物を栽培していない土壌、根圏区分、ならびに根および内部圏区分の細菌叢を、確立されたプロトコルに従って特徴付けした(Zgadzaj, R. et al. P Natl Acad Sci USA 2016 113: E7996-E8005)。植物体の遺伝型は、野生型およびepr3-13遺伝型であった。抽苔期の植物を特徴付けの対象とした。目に見える根粒および根粒原基を根から除去してから、細菌叢のプロファイリングのためにサンプルを処理した。上述の遺伝型および区分から、細菌の16S rRNA遺伝子のV5~V7超可変領域を増幅して、Illuminaを用いてシークエンシングした。低品質のリードを除去し、キメラおよび配列は植物由来のオルガネラのDNAに割り当てた。3つの生物学的複製および3つの技術的複製をシークエンシングした。
(操作的分類単位(OTU)のクラスタリング)
同定したV5~V7アンプリコンを、97%配列類似性で操作的分類単位(OTU)にクラスタリングした。これらの分類学的配置に基づいてOTUを配置することにより、観察された細菌叢の変化を解析した。これによって、細菌叢の組成に対してEPR3変異が及ぼす効果を決定した。
同定したV5~V7アンプリコンを、97%配列類似性で操作的分類単位(OTU)にクラスタリングした。これらの分類学的配置に基づいてOTUを配置することにより、観察された細菌叢の変化を解析した。これによって、細菌叢の組成に対してEPR3変異が及ぼす効果を決定した。
(α多様性およびβ多様性ならびにOTUの豊富さの計算)
各区分における操作的分類単位(OTU)の数および相対的な存在度に関する情報を用いて、異なる区分および遺伝型における、α多様性(シャノン指数、サンプル内の多様性)およびβ多様性(Bray-Curtis距離、サンプル間の多様性)、OTUの豊富さならびにタクソンの組成を計算した。各サンプルを稀薄化して、シャノン指数を計算した。全てのサンプルにおける最小のリード数に基づいて、各サンプルにつき14,041のリード数を稀薄化した。QIIME1のスクリプトであるalpha_diversity.pyを使用して、シャノン指数を計算した。OTU表を規格化して、Bray-Curtis距離を計算した。規格化の方法としては、各サンプルにおけるの各OTUの相対的な存在度を採用した。OTUの相対的な存在度において存在度が0.01%未満のOTUは、Bray-Curtis距離を計算する前に除外した。QIIME1のスクリプトであるbeta_diversity.pyを使用して、Bray-Curtis距離を計算した。Rスクリプトを使用して、α多様性およびβ多様性を可視化した。
各区分における操作的分類単位(OTU)の数および相対的な存在度に関する情報を用いて、異なる区分および遺伝型における、α多様性(シャノン指数、サンプル内の多様性)およびβ多様性(Bray-Curtis距離、サンプル間の多様性)、OTUの豊富さならびにタクソンの組成を計算した。各サンプルを稀薄化して、シャノン指数を計算した。全てのサンプルにおける最小のリード数に基づいて、各サンプルにつき14,041のリード数を稀薄化した。QIIME1のスクリプトであるalpha_diversity.pyを使用して、シャノン指数を計算した。OTU表を規格化して、Bray-Curtis距離を計算した。規格化の方法としては、各サンプルにおけるの各OTUの相対的な存在度を採用した。OTUの相対的な存在度において存在度が0.01%未満のOTUは、Bray-Curtis距離を計算する前に除外した。QIIME1のスクリプトであるbeta_diversity.pyを使用して、Bray-Curtis距離を計算した。Rスクリプトを使用して、α多様性およびβ多様性を可視化した。
(主成分座標の正準分析)
異なる宿主区分および遺伝型が細菌叢の組成に及ぼす影響を評価するために、主成分座標の正準分析(CAP)を行った。Rのveganパッケージのcapscale関数を用いてCAP分析を行った。生物学的複製および技術的複製の影響は、部分的に排除された。
異なる宿主区分および遺伝型が細菌叢の組成に及ぼす影響を評価するために、主成分座標の正準分析(CAP)を行った。Rのveganパッケージのcapscale関数を用いてCAP分析を行った。生物学的複製および技術的複製の影響は、部分的に排除された。
[結果]
健康な植物が伴う微生物叢の研究から導かれたパラダイムによると、植物の根には、植物自体の利益のために、選ばれた微生物のタクソンを土壌中に存在する豊富な環境から誘引し収容する固有の能力がある(Bulgarelli, D. et al. Annu Rev Plant Biol 2013 64: 807-838)。EPR3が根の微生物叢の組成に及ぼす影響を決定するために、野生型のL. japonicus(生態型:Gifu)と、L. japonicusのEpr3変異体(epr3-11、epr3-10およびepr3-13;図20Dに概略的に示す)とを、自然土壌で並行して栽培した。全ての遺伝型の植物の外見は健康であり、多数の共生根粒が形成された(図20A)。表現型としては明確に充分に発達していたが、epr3変異体植物は、シュート長、シュートの新鮮重量および植物体あたりの根粒の数が、野生型と比較して有意に減少していた(図20B、図20C)。この結果が示唆するところによると、遺伝的にEPR3が破壊されると、自然土壌で生長する植物の健康にとって悪影響を与える。
健康な植物が伴う微生物叢の研究から導かれたパラダイムによると、植物の根には、植物自体の利益のために、選ばれた微生物のタクソンを土壌中に存在する豊富な環境から誘引し収容する固有の能力がある(Bulgarelli, D. et al. Annu Rev Plant Biol 2013 64: 807-838)。EPR3が根の微生物叢の組成に及ぼす影響を決定するために、野生型のL. japonicus(生態型:Gifu)と、L. japonicusのEpr3変異体(epr3-11、epr3-10およびepr3-13;図20Dに概略的に示す)とを、自然土壌で並行して栽培した。全ての遺伝型の植物の外見は健康であり、多数の共生根粒が形成された(図20A)。表現型としては明確に充分に発達していたが、epr3変異体植物は、シュート長、シュートの新鮮重量および植物体あたりの根粒の数が、野生型と比較して有意に減少していた(図20B、図20C)。この結果が示唆するところによると、遺伝的にEPR3が破壊されると、自然土壌で生長する植物の健康にとって悪影響を与える。
α多様性の分析から明らかになったところによると、植物を栽培していない土壌から、根圏区分、内部圏/根区分、そして根粒区分へと、細菌叢の複雑性が一般的に減少していった。この結果は、L. japonicusおよびA. thalianaの微生物叢に関する先行研究と整合している(Bulgarelli, D. et al. Nature 2012 488: 91-95; Lundberg, D. S. et al. Nature 2012 488: 86; Zgadzaj, R. et al. P Natl Acad Sci USA 2016 113: E7996-E8005)。変異体と野生型との間に有意差は見られず、サンプル内の多様性に有意な変化がないことが示された(図21A)。
異なる宿主区分および遺伝型が細菌叢の組成に及ぼす影響を評価するために、主成分座標の正準分析(CAP)を行った(図21B~21C)。その結果、内部圏/根区分および根圏区分のいずれにおいても、試験した植物の遺伝型における細菌叢の明確な相違が明らかになった。また、16S rRNAデータの全分散のうち、宿主の遺伝型により説明されるのは、8%にも及ぶことも明らかになった(図21D、P<0.002)。野生型植物の根圏区分および内部圏区分の細菌叢は、epr3変異体の細菌叢とは異なることが分かった(図21C、21D)。この結果から、区分に加えて宿主の遺伝型も、根に伴う細菌叢に対して顕著な影響を及ぼすことが明らかになった(データセットにおける分散のうち36.9%が、区分および遺伝型によって説明される)。興味深いことに、根粒区分におけるβ多様性の分析によると、野生型と変異体との間には有意差がないことが明らかになった(図21B)。この結果は、共生根器官内で構築されている細菌組成が類似していることを示している。
EPR3の変異が細菌叢の組成に及ぼす影響を決定するために、分類学的配置に従ってOTUを配置することによって、観察された細菌叢の変化を解析した。
この結果明らかになったところによると、根圏および内部圏のいずれにおいても、Burkholderiales目またはRhizobiales目のOTUを除く他の目のOTUのうち、野生型植物とepr3変異体植物との間における相対的な存在度に有意差があるものは、ごく僅かしかない(図22A~22B)。注目すべきことに、epr3変異体の内部圏/根区分および根圏区分においては、Burkholderiales目およびRhizobiales目に属する多数のOTUの存在度が野生型よりも有意に減少していた(図22A~22B)。このことは、分類学的に選択的な枯渇を示している。野生型の根圏区分においては、Burkholderiales目の全てのOTU(328個)のうち75個と、Rhizobiales目の全てのOTU(199個)のうち42個が、epr3変異体よりも存在度が増加していた(図22A~22B)。野生型の根圏において同定された上位100個のOTUのうち、epr3-13の根圏で枯渇したものは、76個のBurkholderiales目のOTUのうち48個と、15個のRhizobiales目のOTUのうち11個であった(図23A~23D)。これらのOTUは、合計すると、全体の存在度のうち0.66を占める。内部圏/根区分においては、それほど顕著ではないが、依然として有意な影響が確認された。具体的に、野生型における存在度が高い上位100個のOTUのうち、変異体の内部圏/根区分において存在度が減少していたものは、Burkholderiales目のOTU(38個)のうち12個と、Rhizobiales目のOTU(39個)のうち7個であった。epr3変異体の内部圏/根および根圏では、Burkholderiaceae科およびOxalobacteraceae科のタクソンの多数が枯渇したことに伴い、Comamonadaceae科が増殖した。この結果は、Burkholderiales目の細菌叢から補償的にニッチが置換されたことを示唆している。
この結果明らかになったところによると、根圏および内部圏のいずれにおいても、Burkholderiales目またはRhizobiales目のOTUを除く他の目のOTUのうち、野生型植物とepr3変異体植物との間における相対的な存在度に有意差があるものは、ごく僅かしかない(図22A~22B)。注目すべきことに、epr3変異体の内部圏/根区分および根圏区分においては、Burkholderiales目およびRhizobiales目に属する多数のOTUの存在度が野生型よりも有意に減少していた(図22A~22B)。このことは、分類学的に選択的な枯渇を示している。野生型の根圏区分においては、Burkholderiales目の全てのOTU(328個)のうち75個と、Rhizobiales目の全てのOTU(199個)のうち42個が、epr3変異体よりも存在度が増加していた(図22A~22B)。野生型の根圏において同定された上位100個のOTUのうち、epr3-13の根圏で枯渇したものは、76個のBurkholderiales目のOTUのうち48個と、15個のRhizobiales目のOTUのうち11個であった(図23A~23D)。これらのOTUは、合計すると、全体の存在度のうち0.66を占める。内部圏/根区分においては、それほど顕著ではないが、依然として有意な影響が確認された。具体的に、野生型における存在度が高い上位100個のOTUのうち、変異体の内部圏/根区分において存在度が減少していたものは、Burkholderiales目のOTU(38個)のうち12個と、Rhizobiales目のOTU(39個)のうち7個であった。epr3変異体の内部圏/根および根圏では、Burkholderiaceae科およびOxalobacteraceae科のタクソンの多数が枯渇したことに伴い、Comamonadaceae科が増殖した。この結果は、Burkholderiales目の細菌叢から補償的にニッチが置換されたことを示唆している。
Rhizobiales目のOTU1は、野生型およびepr3の根粒から検出された最も豊富な細菌のタクソンである(相対的存在度:93.9%)。OTU1は、epr3変異体の内部圏/根において、野生型よりも豊富に認められた(図24)。具体的には、内部圏/根における相対的存在度は0.11であり、野生型における相対的存在度は0.04であった。L. japonicusのEPR3変異体に対して適合する共生菌によって明らかになった感染パターンを顕微鏡レベルで詳細に研究することにより、表皮から根粒皮質への感染の進行が阻害されることが明らかになった(Kawaharada, Y. et al. Nature 2015 523: 308-312)。epr3の内部圏/根においてみられるOTU1の存在度の増加は、自然土壌に存在する適合する共生菌にとっての類似のパターンを反映しているのかもしれない。根が感染を開始させる能力は、EPR3の変異によっては制限されないように思われる。しかし、モデル株であるM. loti R7Aと同様に、根区分への感染が阻害され、根粒形成の減少につながる可能性がある。
Burkholderiales目およびRhizobiales目の細菌は、感染率が高く、異なる環境でも存在するために、鍵となるタクソンであると指摘されている(Thompson, L. R. et al. Nature 2017 551: 457-463)。しかし、これら2つの目のうち特定の種に関する詳細な知識はごく限られており、共生するジアゾ栄養生物および病原性の単離菌のものしかない(Angus, A. A. et al. PLoS One 2014 9: e83779; Chen, W. M. et al. J Bacteriol 2003 185: 7266-7272; Denny, T. in Plant-Associated Bacteria 2007)。これらは、健康な植物の根において常在性のコロニーを形成する(内生菌である)ことが判明しているBurkholderiales目およびRhizobiales目のタクソンの全体うち、ほんの一部を代表しているに過ぎない(Banerjee, S. et al. Nat Rev Microbiol 2018 16: 567-576; Garrido-Oter, R. et al. Cell Host Microbe 2018 24: 155-167)。現在のところ、広汎な環境に及ぶこれらのタクソンの感染率および存在度に関する分子ベースの説明は知られておらず、植物の生長および発達に対するこれらのタクソンの寄与も知られていない。
植物宿主は土壌中のバイオームから2種類の細菌の目のうち特定のものを増加させられることに関して、本実施例の結果は最初の遺伝学的証拠を与えるものである。L. japonicusのEPR3受容体によりEPSが認識されると、内部圏/根および根圏において、Burkholderiales目およびRhizobiales目の区別できる細菌がコロニーを形成するようになり、植物の健康を増進させた。
〔実施例5:Epr3およびEpr3aの工学的改変〕
本実施例では、植物(ササゲ、ダイズ、キャッサバ、イネ、ダイズ、コムギ、タバコなど)のEpr3の遺伝子工学について説明する。
本実施例では、植物(ササゲ、ダイズ、キャッサバ、イネ、ダイズ、コムギ、タバコなど)のEpr3の遺伝子工学について説明する。
[材料および方法]
(Epr3およびEpr3aの工学的改変に関連する材料および方法)
実施例2に記載のように、EPR3およびEPR3aの改変アレルのEPS結合特異性を特徴付けする。
(Epr3およびEpr3aの工学的改変に関連する材料および方法)
実施例2に記載のように、EPR3およびEPR3aの改変アレルのEPS結合特異性を特徴付けする。
実施例4に記載のように、形質転換した植物系統の土壌中の微生物叢を特徴付けする。
[結果]
(植物における内在性のEpr3またはEpr3aの遺伝子工学)
Epr3またはEpr3aの遺伝子組換えアレルを作物植物に導入し、内在性のEpr3またはEpr3aの1つ以上のコピーを置換する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。改変されたEpr3またはEpr3aを有している作物植物は、野生型のEpr3またはEpr3aを有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっていると考えられる。
(植物における内在性のEpr3またはEpr3aの遺伝子工学)
Epr3またはEpr3aの遺伝子組換えアレルを作物植物に導入し、内在性のEpr3またはEpr3aの1つ以上のコピーを置換する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。改変されたEpr3またはEpr3aを有している作物植物は、野生型のEpr3またはEpr3aを有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっていると考えられる。
(植物におけるEpr3のキメラアレルの作製)
Epr3遺伝子のホモログに由来するM1ドメイン(または、Epr3遺伝子のホモログに由来する細胞外ドメイン配列)を有しているEpr3のキメラアレルを、作物植物に導入する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。キメラEpr3を有している作物植物は、野生型のEpr3を有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっていると考えられる。
Epr3遺伝子のホモログに由来するM1ドメイン(または、Epr3遺伝子のホモログに由来する細胞外ドメイン配列)を有しているEpr3のキメラアレルを、作物植物に導入する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。キメラEpr3を有している作物植物は、野生型のEpr3を有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっていると考えられる。
(追加コピーとしてのEpr3またはEpr3aの植物への挿入)
外来性のEpr3またはEpr3aのコピーを、作物植物に追加で挿入する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。Epr3またはEpr3aの追加のコピーを有している作物植物は、野生型のEpr3またはEpr3a有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっている考えられる。
外来性のEpr3またはEpr3aのコピーを、作物植物に追加で挿入する。根圏および根の細菌叢の組成を、16S rRNAシークエンシングによって測定する。Epr3またはEpr3aの追加のコピーを有している作物植物は、野生型のEpr3またはEpr3a有している植物と比較して、根圏および/または根の細菌叢の組成が異なっている考えられる。
(土壌中の共生細菌の増加)
遺伝子組換えEpr3アレルまたはコピー数多型を有している作物植物を栽培する。土壌中の微生物叢の組成を、16Sシークエンシングによって測定する。組換えEpr3遺伝子を有している作物植物は土壌中の微生物叢に影響を及ぼし、適合する細菌は植物の局所的な環境において増加する。
遺伝子組換えEpr3アレルまたはコピー数多型を有している作物植物を栽培する。土壌中の微生物叢の組成を、16Sシークエンシングによって測定する。組換えEpr3遺伝子を有している作物植物は土壌中の微生物叢に影響を及ぼし、適合する細菌は植物の局所的な環境において増加する。
(適合する共生細菌のスクリーニング)
共生細菌であるM. lotiが産生するEPSを認識する手段として、EPR3 EDに対する結合を利用する。
共生細菌であるM. lotiが産生するEPSを認識する手段として、EPR3 EDに対する結合を利用する。
〔実施例6:新規なEPR3受容体を同定するための例示的な構造配列〕
新規なEPR3受容体を同定するために本開示の教示を適用することは、当業者にとって困難ではない。例示的な工程は下記の通りである。
新規なEPR3受容体を同定するために本開示の教示を適用することは、当業者にとって困難ではない。例示的な工程は下記の通りである。
1. 潜在的なEPR3受容体のアミノ酸配列と、1つ以上の公知のEPR3受容体の配列とをアラインメントする(図4A~4Cを参照)。このアラインメントを利用して、細胞外ドメインのN端末にあるM1ドメインの位置を決定する。M1ドメインの位置は、標準的なLysM受容体におけるLysM1ドメインの位置に対応している(図6)。L. japonicusのEPR3におけるM1ドメインは、43残基である(EPR3のアミノ酸残基の第55位~第97位;NSLLYHISIGLKVEEIARFYSVNLSRIKPITRGTKQDYLVSVP)。この配列を、新たなM1配列候補を同定するためにアラインメントしてもよい。
2. ab initioなタンパク質構造予測プログラム(Quarkなど)を用いて、新規なM1ドメイン候補の構造およびフォールディングを予測する(Xu and Zhang Proteins 2012 80: 1715-1735)。ab initioなタンパク質構造予測プログラムによって作成される構造は、非常に正確である(図5Bを参照)。Quarkから出力された構造(ミヤコグサのEPR3のM1のモデル)は、同じトポロジー(βαββフォールディング)を有しており、ミヤコグサのEPR3の結晶構造(RMSD:1.33Å)のM1ドメインと非常によく重ね合せられる。
3. 潜在的なEPR3受容体のモデルのM1ドメインが、同じトポロジー(βαββフォールディング)を有しており、L. japonicusのEPR3のM1ドメインとよく重ね合うならば、新規なEPR3のホモログである。
〔実施例7:EPR3受容体の同定〕
本実施例では、種々の植物種におけるEpr3およびEpr3a遺伝子のホモログの同定について説明する。
本実施例では、種々の植物種におけるEpr3およびEpr3a遺伝子のホモログの同定について説明する。
[材料および方法]
(EPR3受容体の同定)
EPR3受容体のホモログを同定するために、アミノ酸配列のアラインメント、ab initioなタンパク質構造の予測、およびM1ドメイン構造のモデル化を、実施例6に記載のように行った。Lotus、Medicago、ダイズ、Parasponia、Trema、Populus、Malus、Fragaria、トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、Datisca、Lupinus、Arabidopsis、Brassica rapaおよびBrassica napusのゲノムを分析した(図29Aを参照)。
(EPR3受容体の同定)
EPR3受容体のホモログを同定するために、アミノ酸配列のアラインメント、ab initioなタンパク質構造の予測、およびM1ドメイン構造のモデル化を、実施例6に記載のように行った。Lotus、Medicago、ダイズ、Parasponia、Trema、Populus、Malus、Fragaria、トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、Datisca、Lupinus、Arabidopsis、Brassica rapaおよびBrassica napusのゲノムを分析した(図29Aを参照)。
[結果]
利用可能な植物ゲノム配列の分析により、アーバスキュラー菌根菌、外生菌根菌および/または植物と共生する根粒菌と相互作用(共生)を形成するほとんどの植物種において、EPR3およびEPR3aのパラログが同定された(図29A)。双子葉植物および単子葉植物の両方を含む多くの植物は、EPR3クラスの受容体のコピーを2つ有していた(図29A)。これは、トウモロコシ、イネ、コムギおよびオオムギを含む重要な作物に該当した(図29A)。Arabidopsis thaliana、Brassica rapaおよびBrassica napusは相互作用を形成せず、EPR3遺伝子とEPR3a遺伝子のいずれをも有していなかった(図29A)。
利用可能な植物ゲノム配列の分析により、アーバスキュラー菌根菌、外生菌根菌および/または植物と共生する根粒菌と相互作用(共生)を形成するほとんどの植物種において、EPR3およびEPR3aのパラログが同定された(図29A)。双子葉植物および単子葉植物の両方を含む多くの植物は、EPR3クラスの受容体のコピーを2つ有していた(図29A)。これは、トウモロコシ、イネ、コムギおよびオオムギを含む重要な作物に該当した(図29A)。Arabidopsis thaliana、Brassica rapaおよびBrassica napusは相互作用を形成せず、EPR3遺伝子とEPR3a遺伝子のいずれをも有していなかった(図29A)。
固有な受容体のクラスの特徴であるM1ドメインの力場モデリングによると、全ての受容体がβαββフォールディングを有していることが明らかになった。ミヤコグサのEPR3およびEPR3aについて、保存されているβαββフォールディング構造を図29B~29Dに示す。
〔実施例8:アーバスキュラー菌根共生におけるEpr3aの機能〕
本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aおよびEpr3の遺伝子発現および表現型の研究につい説明する。さらに、M. truncatulaにおけるEPR3/EPR3a様遺伝子の遺伝子発現の解析についても説明する。
本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aおよびEpr3の遺伝子発現および表現型の研究につい説明する。さらに、M. truncatulaにおけるEPR3/EPR3a様遺伝子の遺伝子発現の解析についても説明する。
[材料および方法]
(qRT-PCR)
qRT-PCRを行い、リン酸輸送体PT4(アーバスキュラー菌根共生の遺伝子発現マーカー)、Epr3aおよびEpr3の絶対発現量を測定した。野生型のL. japonicus (Gifu)にアーバスキュラー菌根を感染させたものと、感染させない対照とを用意した。感染から2日、7日、14日、21日または28日経過後に、遺伝子発現を測定した(図30A)。qRT-PCRは、実施例3に記載のように行った。
(qRT-PCR)
qRT-PCRを行い、リン酸輸送体PT4(アーバスキュラー菌根共生の遺伝子発現マーカー)、Epr3aおよびEpr3の絶対発現量を測定した。野生型のL. japonicus (Gifu)にアーバスキュラー菌根を感染させたものと、感染させない対照とを用意した。感染から2日、7日、14日、21日または28日経過後に、遺伝子発現を測定した(図30A)。qRT-PCRは、実施例3に記載のように行った。
(植物根におけるEpr3aプロモーターの活性)
Epr3aプロモーターをGUSの上流に配置し、L. japonicusを形質転換させた。pEpr3a-GUSコンストラクトを発現する有根毛植物に、アーバスキュラー菌根の胞子を感染させた。GUS活性を測定することにより、プロモーター活性を測定した(図30B)。さらに、可視化のために、蛍光標識したコムギ胚芽凝集素(WGA)でアーバスキュラー菌根を標識した。
Epr3aプロモーターをGUSの上流に配置し、L. japonicusを形質転換させた。pEpr3a-GUSコンストラクトを発現する有根毛植物に、アーバスキュラー菌根の胞子を感染させた。GUS活性を測定することにより、プロモーター活性を測定した(図30B)。さらに、可視化のために、蛍光標識したコムギ胚芽凝集素(WGA)でアーバスキュラー菌根を標識した。
(Epr3およびEpr3aの変異アレルならびに植物株)
実施例3(図31)に記載のように、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusの系統を使用した。
実施例3(図31)に記載のように、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusの系統を使用した。
(アーバスキュラー菌根共生の表現型)
野生型のL. japonicus Gifuと、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusに、アーバスキュラー菌根を感染させた。感染から6週間後、根をインクで染色し、Zeiss Axioplan II光学顕微鏡を用いて20倍の対物レンズで観察した。観察した各視野について、真菌菌糸、樹枝状体および植物細胞内の嚢状体の発生率(%)を測定した(図31)。
野生型のL. japonicus Gifuと、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusに、アーバスキュラー菌根を感染させた。感染から6週間後、根をインクで染色し、Zeiss Axioplan II光学顕微鏡を用いて20倍の対物レンズで観察した。観察した各視野について、真菌菌糸、樹枝状体および植物細胞内の嚢状体の発生率(%)を測定した(図31)。
[結果]
qRT-PCR分析が示すところによると、アーバスキュラー菌根共生において、Epr3aの発現は誘導されたが、Epr3の発現は誘導されなかった(図30A)。Epr3aの発現パターンは、アーバスキュラー菌根共生の遺伝子発現マーカーであるPT4リン酸輸送体の発現パターンと酷似していた(Harrison et al., Plant Cell 2002 14: 2413-2429)。この発現パターンは、EPR3aがアーバスキュラー菌根共生に関与すること示唆ししている。そこで、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusの系統において、アーバスキュラー菌根共生に関連する表現型を測定した。epr3a一変異体およびepr3/epr3a二変異体においては、いずれも、真菌感染および樹枝状体形成が統計的に有意に減少しており、アーバスキュラー菌根の嚢状体の存在が統計的に有意に増加していた(図31)。epr3変異体においては、アーバスキュラー菌根共生における有意差は見られなかった。さらに、Epr3aプロモーターの活性を分析したところ、アーバスキュラー菌根がコロニーを形成する際に、L. japonicusの根の樹枝状体が形成されている細胞層においてプロモーターが発現していた(図30B)。
qRT-PCR分析が示すところによると、アーバスキュラー菌根共生において、Epr3aの発現は誘導されたが、Epr3の発現は誘導されなかった(図30A)。Epr3aの発現パターンは、アーバスキュラー菌根共生の遺伝子発現マーカーであるPT4リン酸輸送体の発現パターンと酷似していた(Harrison et al., Plant Cell 2002 14: 2413-2429)。この発現パターンは、EPR3aがアーバスキュラー菌根共生に関与すること示唆ししている。そこで、epr3および/またはepr3aに変異を有しているL. japonicusの系統において、アーバスキュラー菌根共生に関連する表現型を測定した。epr3a一変異体およびepr3/epr3a二変異体においては、いずれも、真菌感染および樹枝状体形成が統計的に有意に減少しており、アーバスキュラー菌根の嚢状体の存在が統計的に有意に増加していた(図31)。epr3変異体においては、アーバスキュラー菌根共生における有意差は見られなかった。さらに、Epr3aプロモーターの活性を分析したところ、アーバスキュラー菌根がコロニーを形成する際に、L. japonicusの根の樹枝状体が形成されている細胞層においてプロモーターが発現していた(図30B)。
さらに、アーバスキュラー菌根共生における、M. truncatula A17のEPR3/EPR3a様遺伝子であるMtrunA17_Chr5g0413071(Lyk10)の発現を測定した。測定は、Gobbato, E. et al. (Curr Biol 2012 22(23):2236-41)に記載のRNA-seqデータを分析することによって行った。MtrunA17_Chr5g0413071の発現は、未感染の対照と比較すると、アーバスキュラー菌根共生において上昇していた(図32を参照)。
最後に、根粒共生(RNS)およびアーバスキュラー菌根共生(AMS)における、EPR3およびEPR3aのシグナル伝達のモデルを提供する(図33A~33B)。共生根粒菌はEPR3を誘導するのに対して、アーバスキュラー菌根菌はEPR3aを誘導する。いずれの受容体も、根粒共生において適合する根粒菌による感染を促進する正のシグナル伝達に寄与する。しかし、菌根共生においてアーバスキュラー菌根のコロニー形成に対する正のシグナル伝達に寄与するのは、EPR3aのみである。
〔実施例9:非共生のBurkholderiales目によるコロニー形成におけるEpr3aの機能の分析〕
本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aの表現型の研究について記載する。具体的には、M. lotiおよびBurkholderiales目の共感染によるコロニーの形成を補助する、野生型およびepr3a変異体のL. japonicusの能力を試験した。
本実施例では、L. japonicusにおけるEpr3aの表現型の研究について記載する。具体的には、M. lotiおよびBurkholderiales目の共感染によるコロニーの形成を補助する、野生型およびepr3a変異体のL. japonicusの能力を試験した。
[材料および方法]
(Epr3およびEpr3aの変異アレルならびに植物株)
野生型のL. japonicus (Gifu)と、epr3a一変異(アレルepr3a-1およびepr3a-2)を有しているL. japonicusまたはepr3/epr3a二変異(図34A~34BにおけるDM)を有しているL. japonicusとを用意して、種々のBurkholderiales目細菌によるコロニー形成を補助する能力を試験した。実施例3(図31)に記載のように、epr3aに変異を有しているまたはepr3aおよびepr3に変異を有しているL. japonicusの系統を使用した。
(Epr3およびEpr3aの変異アレルならびに植物株)
野生型のL. japonicus (Gifu)と、epr3a一変異(アレルepr3a-1およびepr3a-2)を有しているL. japonicusまたはepr3/epr3a二変異(図34A~34BにおけるDM)を有しているL. japonicusとを用意して、種々のBurkholderiales目細菌によるコロニー形成を補助する能力を試験した。実施例3(図31)に記載のように、epr3aに変異を有しているまたはepr3aおよびepr3に変異を有しているL. japonicusの系統を使用した。
(M. lotiおよびBurkholderiales目細菌の感染)
Burkholderiales目に由来する25種類の細菌の単離細菌を、M. loti R7A exoU細菌と共感染させた。共感染させたBurkholderiales目は、下記の属に属していた。LjRoot223:Burkholderia、LjRoot280:Duganella、LjRoot194:Acidovorax、LjRoot230:Burkholderia、LjRoot241:Burkholderia、LjRoot70:Pseudoduganella、LjRoot29:Burkholderia、LjRoot1:Achromobacter、LjRoot131:Polaromonas、LjRoot296:Cupriavidus、LjRoot122:Massilia、LjRoot39:Pseudorhodoferax、LjRoot294:Variovorax。M. loti R7A exoU細菌を使用した理由は、当該細菌には感染糸の誘導能があり、この感染糸により他の細菌(Burkholderiales目細菌など)が根内部圏へ侵入できるようになるためである。M. loti R7A exoU細菌によって誘導される感染糸の数は、植物によって変化する。
Burkholderiales目に由来する25種類の細菌の単離細菌を、M. loti R7A exoU細菌と共感染させた。共感染させたBurkholderiales目は、下記の属に属していた。LjRoot223:Burkholderia、LjRoot280:Duganella、LjRoot194:Acidovorax、LjRoot230:Burkholderia、LjRoot241:Burkholderia、LjRoot70:Pseudoduganella、LjRoot29:Burkholderia、LjRoot1:Achromobacter、LjRoot131:Polaromonas、LjRoot296:Cupriavidus、LjRoot122:Massilia、LjRoot39:Pseudorhodoferax、LjRoot294:Variovorax。M. loti R7A exoU細菌を使用した理由は、当該細菌には感染糸の誘導能があり、この感染糸により他の細菌(Burkholderiales目細菌など)が根内部圏へ侵入できるようになるためである。M. loti R7A exoU細菌によって誘導される感染糸の数は、植物によって変化する。
オートクレーブ処理したMagenta boxから構成されているノトバイオート系を使用した。Magenta boxの中は、充分に洗浄した軽量膨張粘土凝集体(LECA)基質で満たした。Burkholderiales目の単離細菌を、振盪インキュベーター中、28℃にて、増殖が指数段階に達するまで10%TSB液体培地中で増殖させた。細菌によって産生される二次代謝産物の影響を制限するために、細菌の液体培養物を2回洗浄し、1/4B&D培地に再懸濁させた。次に、それぞれの単離細菌のOD600を測定して等濃度に調節し、全ての細菌を一緒に混合した。感染時の最終OD600は、0.02であった。各遺伝型(Gifu、epr3a-1、epr3a-2およびepr3/epr3a二変異体)について、5つの生物学的複製を用いて、感染細菌と共に植物体を4週間生長させた。感染から28日後には、全ての遺伝型が根粒原基を形成していた。このことは、M. loti共生菌には活性があり、Burkholderiales目の単離細菌の存在下において共生プロセスを開始できることを示している。同じMagenta boxで育てた植物体を回収し、滅菌水(30秒×2回)、80%エタノール(30秒間×1回)および漂白剤(30秒×1回)で洗浄して、根面から細菌を除去した。次に滅菌水で3回洗浄して、エタノールおよび漂白剤を除去した。
(細菌の相対的な存在度の測定)
それぞれの植物体から根および根粒原基組織を回収し、液体窒素を用いて乳鉢で粉砕することによってホモジナイズした。FastDNA Spin kit for Soil(MP Bioproducts)を製造者のプロトコルに従って使用して、DNAを抽出した。蛍光定量によりDNA濃度を測定し(Quant-iT (TM) 425 PicoGreen dsDNA assay kit, Life Technologies, Darmstadt, Germany)、3.5ng/μLに調節した。16S rRNA遺伝子の可変V5~V7領域を、MAUI-seqアプローチに基づいて増幅させた。Nextera XTバーコードプライマーを用いて、サンプルを識別した。PCR産物を精製し、プールし、Illumina Iseqを使用してシークエンシングした。入力された単離細菌の16S配列に対してリードをマッピングし、相対的な存在度を計算した(図34A)。
それぞれの植物体から根および根粒原基組織を回収し、液体窒素を用いて乳鉢で粉砕することによってホモジナイズした。FastDNA Spin kit for Soil(MP Bioproducts)を製造者のプロトコルに従って使用して、DNAを抽出した。蛍光定量によりDNA濃度を測定し(Quant-iT (TM) 425 PicoGreen dsDNA assay kit, Life Technologies, Darmstadt, Germany)、3.5ng/μLに調節した。16S rRNA遺伝子の可変V5~V7領域を、MAUI-seqアプローチに基づいて増幅させた。Nextera XTバーコードプライマーを用いて、サンプルを識別した。PCR産物を精製し、プールし、Illumina Iseqを使用してシークエンシングした。入力された単離細菌の16S配列に対してリードをマッピングし、相対的な存在度を計算した(図34A)。
[結果]
半共生的細菌、非共生細菌の検出におけるEPR3aの役割を検討するために、野生型のL. japonicus(Gifu)、epr3a変異体(アレルepr3a-1およびepr3a-2)およびepr3/epr3A二変異体植物の、Burkholderiales目の異なる細菌によるコロニー形成を補助する能力を試験した(図34A~34B)。Burkholderiales目の単離細菌による根および根粒でのコロニー形成においてEPR3aが重要ならば、野生型植物と変異体植物の間でBurkholderiales目の存在度に差があるという仮説を立てた。
半共生的細菌、非共生細菌の検出におけるEPR3aの役割を検討するために、野生型のL. japonicus(Gifu)、epr3a変異体(アレルepr3a-1およびepr3a-2)およびepr3/epr3A二変異体植物の、Burkholderiales目の異なる細菌によるコロニー形成を補助する能力を試験した(図34A~34B)。Burkholderiales目の単離細菌による根および根粒でのコロニー形成においてEPR3aが重要ならば、野生型植物と変異体植物の間でBurkholderiales目の存在度に差があるという仮説を立てた。
図34A~34Bに示すように、野生型植物においては、根および根粒は共生菌であるM. lotiによってほとんど排他的に占有されていた。一方、epr3aおよびepr3/epr3a変異体植物では、M. lotiの相対的な存在度が大幅に減少し、これに対応してLjRoot223、LjRoot280、LjRoot194、LjRoot230、LjRoot241およびLjRoot70などのBurkholderiales目の単離細菌の存在度が増加していた。この結果から示唆されるところによると、野生型植物において、EPR3aは、Burkholderiales目に属する半共生、非共生細菌の感染糸によるコロニー形成を抑制する。Burkholderiales目の単離細菌であるLjRoot29、LjRoot1、LjRoot131、LjRoot296、LjRoot122、LjRoot39およびLjRoot294は、存在度が変化しなかった。これらの細菌の個々の相対的な存在度は、図34A~34Bに示されていない。ただし、これらの細菌の累積した相対的な存在度は、図34A~34Bの全Burkholderialesの値に含まれている。
変異体のコロニー形成は、Burkholderiales目の単離細菌によって異なっていた。理論に束縛されることを望まないが、これは、適合するEPSを産生するBurkholderiales目の単離細菌の能力に基づいていると予測される。生物学的複製の間において大きな変動が見られた。epr3A変異体におけるBurkholderiales目の存在度の増加は、統計学的に有意でないことが分かった。理論に束縛されることを望まないが、変動が大きいのは、M. loti R7A exoU細菌が感染糸を誘導する能力が非常に可変的であり、そのため他の細菌が根内部圏に侵入できるようになったためだと考えられる。野生型植物と変異体植物の間で観察された差異(とりわけ、全Burkholderiales目の存在度)は、EPR3aには根の微生物叢を選択的に調節する作用があることを示している。
Claims (19)
- 異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。 - 上記有用な共生微生物は、菌根菌である、請求項1に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。
- 異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
請求項2に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
請求項3に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
請求項3に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドと上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドとの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
請求項5に記載の遺伝子組換え植物。 - 下記の工程を含む、請求項3に記載の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している上記植物に、遺伝子変化を導入する工程。 - 植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、請求項3に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPRa3ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における上記1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程。 - 異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している、遺伝子組換え植物またはその部分であって、
上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドまたは上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
遺伝子組換え植物またはその部分。 - 異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列をさらに有しており、
上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドまたは改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドにより、同じ条件下において、野生型植物よりも有用な共生微生物に対する選択性が向上している、
請求項9に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部で置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインの全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有しており、
任意構成で、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、またはこれら3つ全ての全部または一部により置換されている改変細胞外ドメインを有している、
請求項10に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、またはこれらの組合せの発現により、上記植物またはその部分は、上記微生物が産生する菌体外多糖(EPS)、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖を認識できるようになり、
上記微生物は、共生細菌(任意構成で窒素固定細菌)または菌根菌である、
請求項10に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 下記(i)または(ii)であり、
(i)上記異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記改変されたEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、または上記改変されたEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドは、植物細胞の細胞膜に局在している;
(ii)上記EPR3またはEPR3様ポリペプチドおよび上記EPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの両方は、植物細胞の細胞膜に局在している;
上記植物細胞は、根細胞である、
請求項12に記載の遺伝子組換え植物またはその部分。 - 下記の工程を含む、請求項10に記載の遺伝子組換え植物の作製方法:
異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドをコードしている第1核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程;
さらに、任意構成で、異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドをコードしている第2核酸配列を有している植物に、遺伝子変化を導入する工程。 - 植物における内在性LysM受容体ポリペプチドをコードしている遺伝子を遺伝子編集して、改変細胞外ドメインを有するようにさせる工程を含む、請求項10に記載の遺伝子組換え植物の作製方法であって、下記(i)または(ii)である作製方法:
(i)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3ポリペプチドまたは内在性EPR3様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3またはEPR3様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している異種のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較ことにより特定する、工程
(c)上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3またはEPR3様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3またはEPR3様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている、工程;
(ii)上記内在性LysM受容体ポリペプチドは、内在性EPR3aポリペプチドまたは内在性EPR3a様ポリペプチドであり、
上記改変されたEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドは、下記工程(a)~(c)によって作製される、作製方法:
(a)異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルと、改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドと、を提供する工程であって、
上記モデルは、M1ドメイン、M2ドメイン、LysM3ドメイン、これらの任意の組合せ、または有用な共生微生物に対する選択性を有している上記異種のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメインについての、構造モデル、分子モデル、表面特性モデルおよび/または静電ポテンシャルモデルを含んでいる、工程;
(b)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおいて、変更する1つ以上のアミノ酸残基を特定する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドにおけるオリゴ糖結合特性のアミノ酸残基と、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのモデルにおける対応するアミノ酸残基とを比較することにより特定する、工程;
(c)上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドを作製する工程であって、
上記改変されていないEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドのオリゴ糖結合特性における1つ以上のアミノ酸残基は、上記異種のEPR3aまたはEPR3a様ポリペプチドの対応するアミノ酸残基で置換されている工程。 - 下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が上記植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。 - 工程(a)において、上記植物のEPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
請求項16に記載の方法。 - 下記工程(a)~(c)を含み、任意構成で下記工程(d)~(e)をさらに含む、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物を同定する方法:
(a)上記植物の、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチド、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3もしくはEPR3様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第1ポリペプチドを提供する工程;
(b)上記第1ポリペプチドと、微生物または当該微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSもしくは表面糖鎖を含んでいるサンプルとを接触させる工程;
(c)上記微生物が産生するEPS、β-グルカン、環状β-グルカン、LPSまたは表面糖鎖と、上記ポリペプチドとの結合を検出する工程であって、
上記EPS、上記β-グルカン、上記環状β-グルカン、上記LPSまたは上記表面糖鎖と上記ポリペプチドとの結合により、上記微生物が、植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示され、
任意構成で、上記検出は、下記(i)~(iii)のうち1つ以上から選択される機能性アッセイにより行われる、検出する工程:
(i)植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンの豊富さを検出し、当該植物の根圏または内部圏においてBurkholderiales目および/またはRhizohiales目に含まれるタクソンが豊富であるならば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(ii)植物の根系における根粒形成を検出し、根粒が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
(iii)植物の根系における菌根形成を検出し、菌根が形成されれば、上記微生物が植物根の微生物叢に参入できる有用な共生微生物であることが示される;
あるいは、任意構成で、上記検出は、下記(1)または(2)から任意的に選択される直接結合アッセイにより行われる、検出する工程:
(1)競合アッセイ(任意構成で、公知のシグナル用糖類との競合アッセイ);
(2)親和性アッセイ(任意構成で、検出された親和性と公知のシグナル用糖類に対する親和性とを比較する親和性アッセイ);
(d)上記工程(c)において結合が検出された場合に、上記有用な共生微生物を培養する工程;
(e)上記植物またはその一部に、上記有用な共生微生物を適用する工程、あるいは、上記有用な共生微生物を適用する工程(任意構成で、土壌に適した担体、真菌用の担体、または上記植物が生長しているもしくはこれから生長する生長用媒体(任意構成で土壌)との混合物として適用する工程)。 - 工程(a)において、上記植物のEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチド、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドの細胞外ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM1ドメイン、EPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのM2ドメイン、またはEPR3aもしくはEPR3a様ポリペプチドのLysM3ドメインを有している、第2ポリペプチドを提供する工程をさらに含み、
上記第2ポリペプチドと上記第1ポリペプチドとを接触させる、
請求項18に記載の方法。
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