JP2022543764A - 安定なリン光体変換型ledおよびそれを用いたシステム - Google Patents

安定なリン光体変換型ledおよびそれを用いたシステム Download PDF

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Abstract

いくつかの実施形態によれば、内側にキャビティを定めており、キャビティは深さ寸法を有しているエンクロージャと;少なくとも1つのLEDチップと;カプセル化材料とリン光体組成物とのブレンドを含んでおり、少なくとも1つのLEDチップを覆い、キャビティ内に配置された層と;を備え、リン光体組成物は、黄緑色リン光体と、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体とを含み、式Iは、Ax[MFy]:Mn4+(I)であって、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR4、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MFy]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7である装置および方法が提供され、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有し、LED照明装置は、作動時に約2500K~約3700Kの相関色温度(CCT)を有する可視光を放射する。多数の他の態様も提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、安定なリン光体変換型LEDおよびそれを用いたシステムに関する。
LEDパッケージ業界は、リン光体変換型LEDパッケージからの狭い赤色発光を高く評価している。高い光束に対する耐損傷性を改善しつつ、LED光源からの所与の光束レベルの青色光からの向上した赤色光ダウンコンバージョンを得ることは、難題である。LEDパッケージに使用される場合、改善されたリン光体性能(例えば、より高い変換効率)およびより高いリン光体の信頼性(例えば、より高いLED光束レベルにおいて材料の損傷がより少ない)が常に求められる。
改良されたリン光体変換型LEDパッケージのためのシステムおよび方法を提供することが、望ましいと考えられる。
韓国特許出願公開第10-2016-0085315号明細書
いくつかの実施形態によれば、LED照明装置が提供され、このLED照明装置は、内側にキャビティを定めており、キャビティは深さ寸法を有しているエンクロージャと;少なくとも1つのLEDチップと;カプセル化材料とリン光体組成物とのブレンドを含んでおり、少なくとも1つのLEDチップを覆い、キャビティ内に配置された層と;を備え、リン光体組成物は、黄緑色リン光体と、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体とを含み、式IはA[MF]:Mn4+(I)であって、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MF]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7であり、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有し、このLED照明装置は、作動時に約2500K~約3700Kの相関色温度(CCT)を有する可視光を発する。
いくつかの実施形態によれば、黄緑色リン光体と、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体とを含むリン光体組成物のためのリン光体前駆体であって、式IはA[MF]:Mn4+(I)であり、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MF]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7であるリン光体前駆体を受け取るステップと;約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有する式Iのリン光体組成物のためのリン光体前駆体を生成するステップと;約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有する生成されたリン光体前駆体から、式Iのリン光体組成物を生成するステップと;生成されたリン光体組成物でLED照明装置を構築するステップと;構築されたLED照明装置を作動させた場合に、約2500K~約3700KのCCTを有する可視光を放射するステップと;を含む方法が提供される。
本開示は、一般に、リン光体変換型LEDからの赤色発光に関する。より詳細には、本開示は、青色光または紫色光(LEDチップが発する青色光など)によって励起され、可視スペクトルの赤色領域において発光するマンガン活性化発光材料、およびそのような材料を含むLEDパッケージに関する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態のいくつかの技術的効果は、同じ所与のMn4+ドーピングレベルの従来からのシステムと比較して、Mn活性化赤色リン光体の性能および信頼性の改善を示す改善された照明装置である。
以下で明らかになるこの利点および特徴ならびに他の利点および特徴と共に、本発明の性質のより完全な理解を、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって得ることができる。
従来からの大きな粒径のPFSの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 いくつかの実施形態による小さな粒径のPFSのSEM画像である。 従来からの大きな粒径のPFSをいくつかの実施形態による小さな粒径のPFSと比較する図である。 いくつかの実施形態によるプロセスである。 いくつかの実施形態による照明装置の第1の非網羅的な例である。 いくつかの実施形態による照明装置の第2の非網羅的な例である。 いくつかの実施形態による照明装置の第3の非網羅的な例である。 いくつかの実施形態による照明装置の第4の非網羅的な例である。 いくつかの実施形態による照明装置の第4の非網羅的な例である。
以下の詳細な説明において、実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細が述べられる。しかしながら、これらの具体的詳細によらずに実施形態を実施できることを、当業者であれば理解できるであろう。他の場合に、周知の方法、手順、構成要素、および回路は、実施形態をわかりにくくしてしまわないように、詳細には説明されていない。
本発明の1つ以上の具体的な実施形態が、以下で説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、必ずしも実際の実施態様のすべての特徴は、本明細書において説明されないかもしれない。あらゆる工学または設計プロジェクトと同様に、そのような実際の実施態様の開発においては、実施態様ごとにさまざまであり得るシステム関連および事業関連の制約の順守などの開発者の特定の目的を達成するために、実施態様に特有の多数の決定が行われる可能性があることを、理解すべきである。さらに、そのような開発の努力が、複雑かつ時間を必要とするものであり得るが、それでもなお、本開示の恩恵を被る当業者にとって設計、製作、および製造の日常的な取組みにすぎないと考えられることを、理解すべきである。
本明細書および特許請求の範囲の全体を通してここで使用される近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用可能である。したがって、「約」などの1つ以上の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。場合により、近似を表す文言は、値を測定する機器の精度に対応することもある。例えば、波長値の文脈において使用される「約」という用語は、指定された波長値の±20nmまでの波長の値を指すことができ、本明細書の全体を通して波長値について本明細書で使用される「約」という用語のすべての出現に適用可能である。
本明細書において使用されるとき、用語「リン光体」または「リン光体材料」または「リン光体組成物」は、単一のリン光体組成物および2つ以上のリン光体組成物のブレンドの両方を指して使用可能である。本明細書において使用されるとき、用語「ランプ」または「照明装置」または「照明システム」は、発光ダイオードによって励起されたときに発光を生み出す少なくとも1つの発光要素(例えば、リン光体材料)によって生じさせることができる可視光および/または紫外光のあらゆる光源を指す。
上述したように、本開示は、青色光または紫色光(LEDチップが発する青色光など)によって励起され、可視スペクトルの赤色領域において発光するマンガン活性化発光材料、およびそのような材料を含むLEDパッケージに関する。そのような発光材料は、本開示において、式IのMn活性化赤色リン光体、Mn4+アクティベータ、またはMn4+ドープ複合フッ化物リン光体と呼ばれることもあり、ここで式Iは以下のとおり、すなわち
[MF]:Mn4+(I)
であり、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MF]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7である。「低級」アルキル基は、通常は、炭素数が1個~約4個のヒドロカルビル基である。
Mn活性化赤色リン光体の1つの非網羅的な例は、PFS(KSiF:Mn4+)リン光体である。この物質は、LED製造業者にとって、LEDパッケージに取り入れるために利用可能である。
本開示は、LEDパッケージにMn活性化赤色リン光体を使用するシステムであって、Mn4+アクティベータの同じ所与のドーピングレベルの従来からのシステムと比較して、赤色リン光体の改善された性能および信頼性を示すシステムを記載する。いくつかの実施形態は、典型的なMn活性化赤色リン光体粒径(約30マイクロメートル)と比較して著しく小さい(約5マイクロメートル)赤色リン光体粒子を利用することができる。LEDパッケージをカプセル化する樹脂に、より小さい粒径のMn活性化赤色リン光体を取り入れることにより、結果として得られるLEDパッケージは、赤色リン光体変換効率の向上、および高い光束からの損傷に対する感受性の低下を示すことができる。
本明細書において使用されるとき、「赤色リン光体変換効率」と呼ばれ、場合によっては「赤色-青色出力比」とも呼ばれるLEDパッケージの特性パラメータが、多くの場合に使用される。これは、どちらの呼び名であっても、ホストマトリクス内のMnアクティベータの一定の含有量において、青色LED励起下の樹脂カプセル化赤色リン光体の赤色領域における発光曲線の下方の積分出力(例えば、測定の単位は放射ワット)の青色光励起の出力に対する比を指すことができる。非限定的な一例として、青色出力を、400nm~477nmの範囲のパッケージからの放射出力を積分することによって測定することができる一方で、赤色出力を、550nm~700nmの範囲のパッケージからの放射出力を積分することによって測定することができる(しかしながら、積分の正確な波長範囲は、すべての測定された赤色および青色出力が計算において考慮されることを保証するように選択されることに留意されたい。これらの特定の範囲は、当業者であれば充分に理解されるとおり、ソースおよび発光スペクトルに依存する)。KSiF:Mn4+(すなわち、PFS)であるMn活性化赤色リン光体の場合、樹脂でカプセル化された小さな粒径のPFSを使用する1つ以上の実施形態のLEDパッケージは、KSiFに対するMn4+のモル含有量が同じであるが、より大きな粒径のPFSを使用する同一のLEDパッケージと比較して、高い赤色リン光体変換効率を示すことができる。当然ながら、上記の式Iの範囲によって示唆されるように、他のホストマトリクスも可能である(例えば、KTiF:Mn4+赤色リン光体のKTiFなど)。
特定の小さな粒径のMn活性化赤色リン光体がLEDパッケージをカプセル化する樹脂に含まれる場合、より大きな粒径のMn活性化赤色リン光体を含む従来からのLEDパッケージと比べ、より効率的に、かつより高い光束レベルで動作することができるより堅牢な赤色リン光体含有LEDパッケージを得ることができる。性能向上は、リン光体の粒径が約30μmから約5μmに減少するときに最も顕著になり得るが、他の値も可能である。上述したように、本開示に従って製造されたLEDパッケージは、青色LEDによって励起されたときに変換される赤色光が著しく多くなり得る。理論によって限定されるものではないが、(Mn活性化赤色リン光体の粒径が小さいがゆえに)この赤色リン光体は、白色LEDの製造に一般的に使用される樹脂カプセル化材料(例えば、業界標準のシリコーンエポキシ)中により良好に分散したままであり得ると考えられる。そのような向上した分散は、より高い光束において赤色リン光体の損傷をより少なくすることを可能にし得る。シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、またはこれらの組合せなどの他の種類のカプセル化材料でも、同様の結果を得ることができることに留意されたい。
本開示のシステムを、堅牢なMn活性化赤色リン光体を有し、屋内または屋外照明あるいはディスプレイに適用される温白色LEDパッケージ、冷白色LEDパッケージ、または任意の他の適切なLEDパッケージを構築するために使用することができる。
赤色リン光体
「本開示の赤色リン光体」は、式IのMnドープ赤色リン光体を意味する。そのような赤色リン光体の非網羅的な例は、PFS、すなわちKSiF:Mnである。
小粒径赤色リン光体
本開示の小粒径赤色リン光体(10ミクロン以下の粒径を有する)は、任意の適切な方法によって作成されてよく、例えば、1ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の式Iの赤色リン光体の達成を示しており、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれるBeersの米国特許出願公開第20160289553号に記載されている湿式粉砕システムによって作成されてよい。そこに記載されているように、得られるマンガンドープ赤色リン光体の性能および安定性を向上させるために、リン光体前駆体を粉砕して粒子にした後に、粉砕された粒子を処理し、粉砕および処理されたリン光体前駆体粒子をさらに処理することで、最終的なマンガンドープ赤色リン光体がもたらされる。リン光体前駆体は、所望の特性に合わせて粒径を小さくするために、粉砕(または、研削)される。式Iのリン光体前駆体の粒子の粉砕または研削を、粉砕前の粒子のサイズおよび粉砕後に得られる粒子の所望のサイズに部分的に応じた回転粉砕速度で選択された時間期間にわたって行うことができる。本開示によって説明される小さなサイズを達成するための他の方法も可能である。
いくつかの実施形態においては、粉砕の前または後に、得られる小さな粒径のMnドープ赤色リン光体の性能および安定性を高めるように粒子を処理することができる。上述の性能および安定性の向上の処理の一部として、一実施形態においては、粉砕後の粒子を、高温でガス状のフッ素含有酸化剤に接触させることができる。性能および安定性を向上させるための他の方法も可能であり得る。いくつかの実施形態(ただし、他の実施形態では異なる)においては、どちらもあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる本出願と所有者が共通である先行の米国特許出願公開第20150361335号明細書および米国特許第9698314号明細書に開示されているように、高温のフッ素含有酸化雰囲気中でのアニーリングなどにより、本開示の小粒径赤色リン光体に色安定化処理を施すことができる。
粒径の測定
本開示において使用される場合、約10ミクロン以下の公称直径を有するMnドープ赤色リン光体の粒径の決定は、画像分析を介して実行される。すなわち、公称直径が約10ミクロン以下である場合、Mnドープ赤色リン光体の粒径の決定に、レーザ光散乱技術は通常は使用されない。代わりに、通常はSEM(走査型電子顕微鏡法)を使用して、顕微鏡画像分析が行われる。当業者であれば、一次粒子、すなわち非凝集粒子の平均粒径を決定するために走査型電子顕微鏡法を使用するやり方を、理解できるであろう。例えば、粉末試料の走査型電子顕微鏡画像を、1500倍の倍率で得ることができる。この画像に後処理を施すことができ、画像処理は、粒子のエッジを強調し、画像を2値画像に変換するために適用される。次いで、粒子統計を収集することができ、体積ベースの粒径分布報告を抽出して、d50という粒径指標に到達することができ、ここで、試料中の粒子の50%がd50値よりも大きく、試料中の粒子の50%がd50値よりも小さい。これは本質的に、10ミクロン以下の公称直径を有するPFSリン光体の粒径を発見するための本開示で定義される方法である。一般に、分布を、粒子の総数または粒子の総体積のいずれかに対して正規化することができる。しかしながら、業界標準の報告(例えば、回折に基づく測定システム)と一致するように、ここでは体積に基づいて報告される。要約すると、画像が取得され、所与の倍率で、一次粒子の平均サイズが決定される。
高い光束に対する安定性
上述したように、ポリマーマトリクス中に分散したリン光体組成物の一部として使用される場合、および適切に小さい粒径(すなわち、10ミクロン以下)を含む場合に、本開示のリン光体組成物は、高い光束に起因する損傷が少ない可能性がある。これは、通常は、指定の時間期間にわたる青色レーザへの曝露に基づくレーザ損傷によって測定される。レーザ損傷は、リン光体組成物が使用中にLEDパッケージの一部として青色LED光に長時間さらされたときに被るであろう経年劣化または劣化の加速の代用である。例として、従来からのサイズの従来からのPFSリン光体は、通常は、試験用の青色レーザ光への24時間の曝露後に2%のレーザ損傷値を被る可能性がある。これは、指定の時間期間にわたるレーザによる処理の後に、リン光体の発光出力が2%低下することを指す。しかしながら、本開示の指定の小さな粒径(すなわち、10ミクロン以下)を有するMn活性化赤色リン光体は、(ポリマーカプセル化マトリクス中に分散させられ、特許請求の範囲に記載の発明に従って使用される場合に)従来からのPFSリン光体のわずかに半分のレーザ損傷しか示さない可能性がある。
レーザ損傷加速劣化試験を、典型的には、以下の一般的な手順に従って実施することができる。すなわち、小粒径リン光体組成物をカプセル化されたポリマー樹脂に分散させ、テープ状にする。次に、青色半導体レーザを、LEDチップがLEDパッケージにおいて存在するであろう位置と同様に、テープの底に効果的に配置する。445nmで発光するレーザダイオードを、他端にコリメータを有する光ファイバに結合させる。出力は約280mWであってよく、試料におけるビーム径は600ミクロンであってよい。これは、試料表面における約100W/cmの光束と同等である。(レーザからの散乱放射線と励起されたリン光体からの発光の組合せである)スペクトルパワー分布(SPD)スペクトルを、1メートル(直径)の積分球で収集し、データをスペクトロメータソフトウェアで処理する。2分の区間におけるレーザおよびリン光体の発光からの積分出力を、それぞれ400nm~500nmおよび550nm~700nmのSPDを積分することにより、約24時間の期間にわたって記録する。測定の最初の90分を、レーザの熱安定性に起因する影響を避けるために破棄する。レーザ放射からの積分出力およびそのピーク位置を、実験中にレーザが安定なままである(変動が1%未満である)ことを保証するために監視する。例えば、1%のレーザ損傷値が、24時間の期間にわたって所与のレーザ強度にさらされた後の赤色発光出力の低下または減少の割合を指す。
理論によって限定されるものではないが、この小さな粒径のPFSリン光体において、時間につれてのレーザ損傷が少なく、したがって劣化が少ない理由は、カプセル化樹脂中に懸濁した従来からのPFSブレンドと比較して、カプセル化樹脂中により好ましい構成で分布しているためである。
リン光体組成物
本発明の実施形態は、リン光体のブレンドまたはリン光体組成物を含む樹脂カプセル化材料に放射結合した青色半導体光源を備えるLEDパッケージに関する。放射結合とは、一方の要素からの放射が他方の要素に伝わるように、要素が互いに関連付けられることを意味する。リン光体組成物は、特定の実施形態において、白色に見える光をもたらすために、上述の小粒径Mnドープ赤色リン光体(例えば、PFS)、ならびにYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)またはLAG(ランタンアルミニウムガーネット)などの黄緑色リン光体、またはBSY効果(青色シフトの黄色)をもたらすことができる任意の有効な黄緑色リン光体を含む。いくつかの好ましい実施形態において、Mnドープ赤色リン光体の粒径のd50値は、直径が約5マイクロメートルまたは実質的に5マイクロメートルである。本開示の実施形態のLEDパッケージ内のリン光体組成物は、さらなる赤色リン光体または量子ドット(狭い、または広い)、さらなる黄色リン光体または量子ドット、さらなる緑色リン光体(例えば、ベータサイアロン)または量子ドット、青色リン光体または量子ドット、あるいはオレンジ色リン光体または量子ドットのうちの1つ以上をさらに含んでもよい。さらに、これらの発光色の1つ以上の発光量子ドットを含んでもよい(量子ドットは、一般的にはナノメートル規模の寸法の特定のサイズの発光無機半導体粒子である)。いくつかの実施形態において、黄緑色リン光体は、一部または全体がユウロピウム(II)ドープβ-SiAlONリン光体などのベータサイアロンリン光体で置き換えられてもよい。いくつかの実施形態において、さらなる赤色リン光体は、赤色ユウロピウムドープ窒化ケイ素リン光体(例えば、SCASNまたはCASN)を含んでもよい。
粒径範囲:選択および効果
本開示の小粒径Mnドープ赤色リン光体の粒径の例示的な実施形態は、5ミクロンサイズの粒子(d50)および10ミクロンサイズの粒子の使用を含んでいる。粒径を大きくすると、青色に対する赤色の発光出力比が単調に減少する。Mnドープ赤色リン光体のサイズが約20ミクロンであると、青色に対する赤色の発光出力比は、従来からの30ミクロンサイズの粒子において観察される値とあまり変わらない。本開示の実施形態によれば、d50粒径は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルの範囲内であってよい。より具体的には、d50粒径は、約5ミクロン~約10ミクロンの範囲であってよい。約1ミクロン未満では、そのような小さな粒径のマンガンドープリン光体を取り扱う際の困難が、大きくなりすぎる可能性がある。約20ミクロンを超えると、従来からの30ミクロン粒径のマンガンドープリン光体に対する赤色青色発光出力比の向上が、少なくなり、あるいは存在しない。
なお、赤色/青色比を、色点、より具体的には1931 CIE色度図からの色度(ccx,ccy)値から推定することもできる。さらに、小粒径PFSを使用するLEDパッケージによって放射された光のccx値を、従来からのより大きな粒径を有する同様のLEDパッケージと比較することによって、当業者であれば赤色/青色比の向上を推定することができる。
1つ以上の実施形態で開示される特定の小さい粒径範囲のMnドープ赤色リン光体を使用することにより、約2500ケルビン~約3500ケルビン(約3000Kなど)の範囲の相関色温度(CCT)の光を放出することができるLEDパッケージを提供(例えば、構成または達成)することができる。粒径が小さいがゆえに、Mnドープ赤色リン光体のリン光体導入の重量パーセントがより低くても、赤色出力の向上を達成することができる。結果として、Mnドープ赤色リン光体を比較的低い重量パーセントで使用して、LEDパッケージのキャビティの典型的な深さにおいても所望のCCTを達成することができる。なお、小さな粒径のMnドープ赤色リン光体を使用せずに約2500K~3500KのCCTを達成することは、可能であるかもしれないが、過度に大量のリン光体の導入、またはきわめて高レベルのMnドーパントを必要とすると考えられる。本発明の発明者は、カプセル化されたブレンド中のマンガンドープ赤色リン光体の重量パーセントが過度に大きいと、信頼性の問題につながる可能性があることを確認した。したがって、リン光体の導入レベルを比較的低く保つことが、有利となり得る。しかしながら、リン光体の導入が少ないという制約においてさえも、高い赤色出力は、2500ケルビン~3500ケルビンの範囲の色温度相関色温度の達成を助けることができる。1つ以上の実施形態の小粒径マンガンドープ赤色リン光体は、許容可能なリン光体導入レベルで存在する場合であっても、その発光から必要な量の赤色を放出することができるため、この二律背反への解決策である。
非網羅的な例として、1つ以上の実施形態のリン光体導入レベルは、約50重量パーセント未満であってよく、すなわち、カプセル化樹脂と全リン光体とを合わせた質量100グラムごとに、全リン光体が約50グラム未満であってよい。他の適切な量も使用可能である。1つ以上の実施形態の小さい粒径のリン光体のより高い赤色出力ゆえに、LEDパッケージを、2500K~3500Kなどの中程度の色温度において、高い信頼性で構築することができる。
いくつかの実施形態においては、本開示のLEDパッケージを、中出力構成の温白色LEDパッケージ(2500K~3500KのCCT)として構成し、36000時間を超えるL90(すなわち、36000時間後にルーメンの90%が維持される)を達成することができる。他の実施形態においては、本開示のLEDパッケージを、中出力構成の冷白色LEDパッケージ(3500K~5000KのCCT)として構成し、約1Wの中出力LEDパッケージにおいて100mA超で36000時間を超えるL90を達成することができる。
図1Aおよび図1Bを参照すると、大粒径のPFS 102(図1A)および小粒径のPFS 104(図1B)の代表的な試料のSEM画像がそれぞれ提示されている。図1Aにおいて、大きな粒径(d50粒径が約28マイクロメートル)は、多くの従来からのPFSリン光体に典型的である。この例において、図1AのPFSは、Mnドーピングレベルが1.5atom%であり、初期の赤色/青色比(100W/cm2において)が3.6であり、レーザ損傷レベルが2%であった。対照的に、図1Bは、本開示の小粒径のPFSに典型的である。これは、5マイクロメートル(d50)の粒径を有し、Mnドーパントのレベルが1.4%であるにもかかわらず、シリコーン樹脂に取り入れられ、LEDパッケージにカプセル化されたときに、初期の赤色/青色比が約6.0であり、レーザ損傷はわずか1.0%であった。
図2が、PFS中のマンガンドーパントレベルがさまざまである従来からの粒径30ミクロンのPFSリン光体に対して、本開示の粒径5ミクロンのPFSリン光体の使用に関する実験結果200を示している。図2における黒塗りの点202は、シリコーン樹脂にカプセル化され、LEDパッケージの一部を構成する30ミクロンのPFSリン光体を指す。さまざまな黒塗りの点202が、ドープされたPFSリン光体における四価のマンガンのさまざまな含有量レベルに配置されている。例えば、左下の点202は、(ホスト内の中心Si原子に対して)約1.46%のマンガンドーピングレベルの30ミクロンPFSリン光体に関する。このようなリン光体の使用は、3.5未満の赤色/青色出力比を示す。マンガンレベルを約1.77%のマンガンへと増加させても、赤色/青色比を約4.5を超えて高めることはできない。しかしながら、表Iの左上隅の白抜きの点204によって示されるように、粒径(平均d50)が5ミクロンのPFSリン光体をシリコーンカプセル化材料に分散させて使用すると、5.5を超える赤色/青色出力比の達成を可能にすることができる。X線蛍光分光法によって決定されるマンガン含有量への言及が、Mnドープ赤色リン光体中のマンガンドーパントの原子百分率の決定を指すことに留意されたい。
以下の表Iが、さまざまな公称粒径のPFSリン光体の実験結果を示している。
Figure 2022543764000002
d50粒径として測定された粒径が、表Iの第1列に与えられている。表の後続の列に、LD(レーザ損傷パラメータ)が与えられ、表の右端の列に、赤色/青色出力比が与えられている。公称粒径が30ミクロン(従来からの粒径であり、本発明の一部ではない)であり、蛍光X線によって測定したマンガンの原子百分率が1.47%である場合、レーザ損傷および赤色/青色比の値は、許容できる値ではない。或る実施において、レーザ損傷は1.6%であった(100ワット/平方センチメートルの青色出力での照射後)。この同じ試料について、赤色/青色出力比は3.48であった。別の実施において、レーザ損傷は、同じ方法で測定して2.0%であり、赤色/青色比は3.56であった。しかしながら、5ミクロンのPFSリン光体を同様のマンガン含有量(すなわち、1.54%)で使用すると、レーザ損傷はわずか1.0%であり、赤色/青色比は6.25に向上した。
なお、LEDパッケージは、本開示のLED照明装置であり、一般照明用のランプなどの一般照明用途に採用することが可能である。しかしながら、本開示のLEDパッケージを、サイネージ、ディスプレイ用バックライト、屋外照明、屋内設備、信号、テレビ、携帯機器、装飾照明、またはLEDパッケージを適切に使用することができる任意の他の用途に使用することも可能であってよい。
図3~図7を参照すると、照明装置40の例(図4、図5、図6、図7)およびいくつかの実施形態による動作の例が示されている。特に、図3が、いくつかの実施形態によるプロセス300のフロー図を示している。プロセス300、および本明細書に記載の任意の他のプロセスを、ハードウェア(例えば、回路)、ソフトウェア、または手動の手段の任意の適切な組合せを使用して実行することができる。これらのプロセスの例が、システムの実施形態に関して以下で説明されるが、実施形態はこれらに限定されない。本明細書で説明されるフロー図は、ステップの固定された順序を意味するものではなく、本発明の実施形態は、実行可能な任意の順序で実施することが可能である。
特に、図3を参照すると、照明装置40で使用するための小粒径リン光体組成物を作成するためのプロセスが提供される。最初に、S310において、リン光体前駆体を受け取る。次いで、S312において、リン光体前駆体は処理される。1つ以上の実施形態においては、リン光体前駆体を、所望の粒径を得るために処理することができる。上述したように、非網羅的な例として、処理は、リン光体前駆体を粉砕することを含むことができる。いくつかの実施形態においては、粒径を、例えば粉砕後の粒径が所望のサイズ(すなわち、小さい粒径)であるかどうかを判定するために、走査型電子顕微鏡法(SEM)によって測定することができる。さらに、1つ以上の実施形態においては、リン光体前駆体を、粉砕の前または後に、最終的に生じる小さな粒径の赤色リン光体の性能および安定性を高めるように処理することができる。非網羅的な例として、リン光体前駆体を、高温でガス状のフッ素含有酸化剤に接触させることができ、高温のフッ素含有酸化雰囲気でのアニーリングなどによる色安定化処理に供することができる。次に、S314において、リン光体が、リン光体前駆体を使用し、任意の適切なリン光体生成プロセスを介して生成される。次いで、生成された小粒径赤色リン光体は、S316において照明装置の構築に使用される。1つ以上の実施形態において、照明装置は、作動時に、約2500K~約3700KのCCTを含む可視光を放射する。いくつかの実施形態において、照明装置は、作動時に、約2500K~約3500KのCCTを含む可視光を放射する。
図4を参照すると、本開示のいくつかの実施形態による光源に放射結合したリン光体材料を含む照明装置40が提供される。本明細書において使用されるとき、「照明装置」、「照明装置」、「発光アセンブリ」、および「ランプ」という用語は、互換的に使用され得る。照明装置40は、エンクロージャ(例えば、エンベロープ/シェル/カプセル化材料18)を含み、エンクロージャ18内にキャビティ10が定められ、キャビティ10は、約200ミクロン~約800ミクロンの深さ寸法を備える。照明装置40は、発光ダイオード(LED)チップ42として示されている半導体放射源と、LEDチップ42に電気的に取り付けられたリード44とを含む。リード44は、より厚いリードフレーム46によって支持された細いワイヤであってよく、あるいはリードは自己支持電極であってよく、リードフレームは省略されてもよい。リード44は、LEDチップ42に電流を供給することで、放射線を放射させる。図4~図6の例は、1つのLEDチップを示しているが、他の適切な数のLEDチップが照明装置40に含まれてよい。
照明装置40は、放射した放射線が本開示の小粒径赤色リン光体へと向けられたときに白色光を生み出すことができる任意の半導体青色または紫外光源を含むことができる。一実施形態において、半導体光源は青色発光LEDである。LEDチップ42は、任意の好適なIII-V、II-VI、またはIV-IV半導体層に基づき、約250nm~550nmの発光波長を有する半導体ダイオードを備えることができる。LEDチップ42は、例えば、約250nmよりも大きく約550nmよりも小さい発光波長を有する式InGaAlN(式中、0≦i、0≦j、0≦k、かつi+j+k=lである)の窒化化合物半導体に基づくことができる。より具体的には、LEDチップ42は、約350nm~約500nmのピーク発光波長を有する近UVまたは青色発光LEDであってよい。放射源は、便宜上本明細書においてLEDとして説明される。しかしながら、本明細書において使用されるとき、この用語は、例えば半導体レーザダイオードを含むすべての半導体放射源を包含するように意図される。さらに、本明細書において論じられる本発明の例示的な構造の一般的な考察は、無機LEDベースの光源を対象としているが、特に明記されない限り、LEDチップを別の放射源で置き換えることが可能であり、半導体、半導体LED、またはLEDチップへの言及が、これに限られるわけではないが有機発光ダイオードを含む任意の適切な放射源の単なる代表にすぎないことを、理解すべきである。
照明装置40において、カプセル化材料20と本開示の小粒径赤色リン光体とのブレンドを含む層22が、キャビティ内に配置された少なくとも1つのLEDチップ42に重ねられる。図4などのいくつかの実施形態において、重ねられた層22は、少なくとも1つのLEDチップ42に直接接触してよいが、図5および図6などのいくつかの実施形態において、重ねられた層122、222は、少なくとも1つのLEDチップ42に直接接触しなくてもよいことに留意されたい。層22、122、222は、キャビティ10内に配置されてよい。層22は、チップ42に放射結合する。層22を、当技術分野で知られている任意の適切な方法によってLED42上に堆積させることができる。例えば、リン光体の水性懸濁液を形成し、リン光体層としてLED表面に適用することができる。1つのそのような方法において、リン光体粒子をランダムに懸濁されたシリコーンスラリーがLEDの周りに配置される。この方法は、層22およびLED42の可能な配置の単なる例示である。したがって、層22を、LEDチップ42へのリン光体懸濁液のコーティングおよび乾燥によって、LEDチップ42の発光面を覆ってコーティング、またはLEDチップ42の発光面上に直接コーティングすることができる。シリコーン系懸濁液の場合、懸濁液を適切な温度で硬化させる。
1つ以上の実施形態においては、LEDチップ42を、少なくとも部分的に、LEDチップ42を囲むエンベロープ18またはレンズ19(図8)およびカプセル化材料20によって覆うことができる。エンベロープ18およびカプセル化材料20はどちらも、放射された光がこれらの要素を透過できるように、透明でなければならない。エンベロープ18は、例えばガラスまたはプラスチックであってよい。LEDチップ42を、カプセル化材料20によって包むことができる。カプセル化材料20は、低温ガラス、熱可塑性物質、熱硬化性ポリマー、およびシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂などの当技術分野で知られている樹脂のうちの少なくとも1つであってよい。代替の実施形態において、照明装置40は、キャビティ10を形成するためのエンベロープ18を持たずにカプセル化材料20のみを含んでもよい。同じ種類のカプセル化材料を、ブレンド層22、122、222およびキャビティ10を形成するカプセル化材料20の両方に使用してもよいことに留意されたい。
照明装置40の種々の構造が、当技術分野で知られている。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の小粒径赤色リン光体22(一実施形態においては、図4のチップ42の表面上に配置される)を、代案において、LEDチップ42上に直接配置する代わりに、図5に122として示されるようにカプセル化材料120内に散在させてもよい。図4~図6の対応する数字(例えば、図4の22および図5の122)は、特に明記されない限り、各々の図中の対応する構造に関する。(粉末の形態の)本開示の小粒径赤色リン光体122を、カプセル化材料120の単一の領域内に散在させても、カプセル化材料の全体積にわたって散在させてもよい。LEDチップによって放射された放射線(図4には示されておらず、図5および図6にはそれぞれ126および226として示されている)は、本開示の小粒径赤色リン光体22/122/222によって放射された光と混ざり合い、所望の発光(図4の矢印24、図5の矢印124、および図6の矢印224によって示される)を生じさせる。小粒径赤色リン光体材料122がカプセル化材料120の材料内に散在する場合、本開示の小粒径赤色リン光体粉末をポリマーまたはシリコーン前駆体に添加でき、次いで混合物を硬化させて、ポリマーまたはシリコーン材料を固化させることができる。ポリマー前駆体の例として、例えばエポキシ樹脂など、熱可塑性または熱硬化性のポリマーまたは樹脂が挙げられる。トランスファーローディング(transfer loading)など、リン光体を散在させる他の既知の方法も使用可能である。
いくつかの他の実施形態においては、本開示の小粒径赤色リン光体を、図6に示されるように、エンベロープ218の表面上にコーティングしてもよい。本開示の小粒径の赤色リン光体222は、好ましくは、エンベロープ218の内側表面にコーティングされるが、本開示の小粒径赤色リン光体は、必要に応じて、エンベロープ218の外側表面にコーティングされてもよい。本開示の小粒径赤色リン光体は、エンベロープの全表面にコーティングされても、エンベロープの表面の上部のみにコーティングされてもよい。LEDチップ42によって発せられた放射線は、本開示の小粒径赤色リン光体によって発せられた光と混ざり合い、混合光が白色光224として現れる。当然ながら、図4~図6の構造を組み合わせることが可能であり、本開示の小粒径赤色リン光体は、いずれか2箇所または3箇所すべてに配置されてよく、あるいはシェルとは別個またはLEDに一体化など、任意の他の好適な場所に配置されてよい。さらに、構造の異なる部分に異なるリン光体ブレンドを使用してもよい。
(特に、バックライト用途のための)別の構造は、例えば図7に示されるような表面実装デバイス(「SMD」)型発光ダイオード700である。このSMDは、「側面発光型」であり、導光部材704の突出部分に発光窓702を有する。SMDパッケージは、本明細書に記載のようなLEDチップと、本開示の小粒径赤色リン光体とを含むことができる。他のバックライト装置として、これらに限られるわけではないが、テレビ、コンピュータ、ならびにスマートフォンおよびタブレットコンピュータなどのハンドヘルドデバイスが挙げられる。
上記の構造のいずれにおいても、照明装置40は、放出された光を散乱または拡散させるための複数の粒子(図示せず)をさらに含むことができる。これらの散乱粒子は、一般に、カプセル化材料20/120/220に埋め込まれる。散乱粒子は、例えば、アルミナ(Al)または二酸化チタン(TiO)から作られた粒子を含むことができる。散乱粒子は、好ましくは無視できるほどの吸収量で、LEDチップ42から放射された光を効果的に散乱させることができる。
本発明の特定の特徴だけを本明細書において例示および説明してきたが、当業者であれば、多数の修正および変更に想到できるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、そのようなすべての修正および変更を本発明の真の精神の範囲に包含されるものとして含むように意図されていることを、理解すべきである。
10 キャビティ
18 エンクロージャ、エンベロープ、カプセル化材料
19 レンズ
20 カプセル化材料
22 ブレンド層、層、赤色リン光体
24 矢印
40 照明装置
42 LEDチップ
44 リード
46 リードフレーム
120 カプセル化材料
122 ブレンド層、層、赤色リン光体
124 矢印
200 実験結果
218 エンベロープ
220 カプセル化材料
222 ブレンド層、層、赤色リン光体
224 白色光、矢印
300 プロセス
700 表面実装デバイス(「SMD」)型発光ダイオード
702 発光窓
704 導光部材

Claims (17)

  1. 内側にキャビティ(10)を定めており、前記キャビティ(10)は深さ寸法を有しているエンクロージャ(18)と、
    少なくとも1つのLEDチップ(42)と、
    カプセル化材料(20)とリン光体組成物とのブレンドを含んでおり、前記少なくとも1つのLEDチップ(42)を覆い、前記キャビティ(10)内に配置された層(22)と
    を備えており、
    前記リン光体組成物は、黄緑色リン光体と、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体とを含み、式Iは
    [MF]:Mn4+(I)
    であって、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MF]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7であり、
    前記式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有し、
    作動時に約2500K~約3700Kの相関色温度(CCT)を有する可視光を放射する、LED照明装置(40)。
  2. 前記CCTは、約2500K~約3500Kである、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  3. 前記深さ寸法は、約200ミクロン~約800ミクロンである、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  4. 前記カプセル化材料(20)は、低温ガラス、熱可塑性物質、熱硬化性ポリマー、および樹脂のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  5. 前記樹脂は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂の一方である、請求項4に記載のLED照明装置(40)。
  6. 前記LEDチップ(42)および前記層(22)は、前記エンクロージャ(18)によって部分的に覆われている、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  7. 前記カプセル化材料(20)は、前記エンクロージャ(18)を形成する、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  8. 前記LEDチップ(42)およびカプセル化材料(20)は、レンズ(19)によって少なくとも部分的に覆われている、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  9. 前記カプセル化材料(20)とリン光体組成物とのブレンドを含む前記層(22)は、前記LEDチップ(42)に放射結合している、請求項1に記載のLED照明装置(40)。
  10. 黄緑色リン光体と、式IのMn4+ドープ複合フッ化物リン光体とを含むリン光体組成物のためのリン光体前駆体であって、式Iは
    [MF]:Mn4+(I)
    であり、式中、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NR、またはこれらの組合せであり、Mは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Al、Ga、In、Sc、Hf、Y、La、Nb、Ta、Bi、Gd、またはこれらの組合せであり、Rは、H、低級アルキル基、またはこれらの組合せであり、xは、[MF]イオンの電荷の絶対値であり、yは、5、6、または7であるリン光体前駆体を受け取るステップと、
    約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有する式Iのリン光体組成物のためのリン光体前駆体を生成するステップと、
    約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有する前記生成されたリン光体前駆体から、式Iのリン光体組成物を生成するステップと、
    前記生成されたリン光体組成物でLED照明装置(40)を構築するステップと、
    前記構築されたLED照明装置(40)を作動させた場合に、約2500K~約3700KのCCTを有する可視光を放射するステップと
    を含む方法。
  11. 前記LED照明装置(40)を構築するステップは、
    キャビティ(10)を定めるエンクロージャ(18)を用意することと、
    カプセル化材料(20)と前記生成されたリン光体組成物とのブレンドを含む層(22)を生成することと、
    前記生成された層(22)を前記LED照明装置(40)の少なくとも1つのLEDチップ(42)に被せることと
    をさらに含み、前記少なくとも1つのLEDチップ(42)は、前記キャビティ(10)内に配置される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記キャビティ(10)は、約200ミクロン~約800ミクロンの深さ寸法を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記層(22)は、前記少なくとも1つのLEDチップ(42)に放射結合する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有する式Iのリン光体組成物のためのリン光体前駆体を生成するステップは、
    前記リン光体前駆体を約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径に粉砕すること
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記粉砕されたリン光体前駆体が約1マイクロメートル~約10マイクロメートルのd50粒径を有することを走査型電子顕微鏡法(SEM)によって判断すること
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記CCTは、約2500K~約3500Kである、請求項10に記載の方法。
  17. 前記カプセル化材料(20)は、低温ガラス、熱可塑性物質、熱硬化性ポリマー、および樹脂のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
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