JP2022543638A - 光ファイバスプライス接続方法 - Google Patents

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Abstract

スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法は、2本の光ファイバを準備するステップであって、光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバである、ステップと、2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ、光ファイバの端部同士が離間されるように、光ファイバのうちの一方の端部を光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、前融着段階を実施するステップであって、前融着段階が、光ファイバの端部に近接する位置に電気アークを印加して端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの端部同士を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越える位置まで移動させて、端部同士が融着された融着部分を形成するステップとを含む、ステップと、少なくとも1回の押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、電気アークが印加されない冷却期間を実施するステップと、冷却期間の終了時に、融着部分に電気アークを印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの融着端部同士をさらに押し付けるステップとを含む、ステップとを含む。

Description

本発明は、光ファイバ同士をスプライス接続するための方法と、光ファイバをスプライス接続するための方法を実施する際に使用される装置とに関する。
いくつかの用途は、連続長を形成するために光ファイバの2つの部分を接合することを必要とする。この接合部はスプライスとして知られており、接合プロセスはスプライス接続と呼ばれる。主要な例として電気通信の分野があり、この場合、光通信信号を伝送するのに十分な展開可能な長さのファイバを作製して維持し、展開されたファイバを通信リンクの端部において光学送受信機器に結合するには、光ファイバ同士を接合する必要がある。信号伝送量を最大にするために、スプライスは、光がスプライスを横切ってファイバのある部分から別の部分に伝わるときに導入する光損失の量を最小限に抑えるべきである。
スプライス接続は一般に、光ファイバの準備された端部同士を慎重に位置合わせし、ファイバ端部の材料(一般にはガラス)を軟化させ、その後端部同士を押し付けて軟化した材料が融着するのを可能にすることによって行われる。市販のスプライス接続システム、特に光ファイバ通信ネットワークを設置するために使用されるシステムの大部分は、電気アーク放電を使用してファイバ端部を加熱して軟化させる。いくつかの特殊実験室または工場ベース用途では、上記のかわりにレーザ光線または通電金属フィラメントによって熱を加えることができる。
ファイバスプライス接続システムは、全固体光ファイバを加工するために開発された。全固体光ファイバでは、ファイバのコアとクラッディングの両方が、固体材料、一般的にはガラスで作られる。より最近では、クラッディングがクラッディング材料内に空気穴のアレイを備える光ファイバが開発されている。この構成は、クラッディングの屈折率の周期的変動を導入し、この変動を生じさせる部分は一般に微細構造と呼ばれる。したがって、このようなファイバを微細構造ファイバと呼ぶことができる。そのようなファイバのコアは中実にすることができ、またはコアは、空気(もしくは別の気体)が充填される中空ボイドを備えてもよく、その場合、ファイバを中空コアファイバもしくは中空コア微細構造ファイバと呼ぶことができる。
微細構造および中空コアが存在することによって、これらのファイバは、スプライス接続時に損傷を受けやすくなる。ガラス材料を軟化させるとともにファイバ端部同士を押し付けることによって、穴が変形して潰れ、微細構造が破壊され、その結果スプライス損失が多くなる。
したがって、中空コア光ファイバの損失の少ないスプライス接続を可能にするスプライス接続技法が関心をもたれている。
US 9,904,008 WO 2015/185761
J Broeng et al, "Analysis of air-guiding photonic bandgap fibers", Optics Letters vol. 25(2), 96-98, 2000 Francesco Poletti, "Nested antiresonant nodeless hollow core fiber," Opt. Express, vol. 22, 23807-23828, 2014 JR Hayes et al, "Antiresonant hollow core fiber with an octave spanning bandwidth for short haul data communications", Journal of Lightwave Technology vol. 35(3), 437-442, 2017 P. J. Bennett, T. M. Monro, and D. J. Richardson, "Toward practical holey fiber technology: Fabrication, splicing, modelling, and characterization," Opt. Lett., vol. 24(17), 1203-1205, 1999 B. Bourliaguet, C. Pare, F. Emond, A. Croteau, A. Proulx, and R. Vallee, "Microstructured fiber splicing," Opt. Express, vol. 11(25), 3412-3417, 2003 J Wooler et al, "Robust low loss splicing of hollow core microstructured photonic bandgap fiber to itself", Proc. Opt. Fiber Commun. Conf., 2013 J Wooler et al, "Overcoming the challenges of splicing dissimilar diameter solid-core and hollow-core photonic band gap fibers", Workshop on Speciality Optical Fibers and their Applications, Optical Society of America, 2013
各態様および実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第1の態様によれば、スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法であって、2本の光ファイバを準備するステップであって、光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバである、ステップと、2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ、光ファイバの端部同士が離間されるように、光ファイバのうちの一方の端部を光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、前融着段階を実施するステップであって、前融着段階が、光ファイバの端部に近接する位置に電気アークを印加して端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの端部同士を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越える位置まで移動させて、端部同士が融着された融着部分を形成するステップとを含む、ステップと、少なくとも1回の押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、電気アークが印加されない冷却期間を実施するステップと、冷却期間の終了時に、融着部分に電気アークを印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの融着端部同士をさらに押し付けるステップとを含む、ステップとを含む方法が提供される。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第2の態様によれば、2本の光ファイバの端部を受け入れ、第1の態様による方法を使用してスプライスを形成することによって2本の光ファイバを接合するように構成された電気アーク融着スプライス接続装置が提供される。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第3の態様によれば、記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実施可能命令であって、電気アーク融着スプライス接続装置を制御するための命令が、コンピュータプロセッサによって実施されたときに、電気アーク融着スプライス接続装置が、第1の態様による方法を使用してスプライスを形成することによって2本の光ファイバを接合するのを可能にするコンピュータ実施可能命令が提供される。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第4の態様によれば、2本の光ファイバを接合するスプライスであって、2本の光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバであり、スプライスが、第1の態様による方法を使用して形成されるスプライスが提供される。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第5の態様によれば、2本の光ファイバを接合するスプライスであって、2本の光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバであり、スプライスは、0.5dB未満の光伝送損失と、3Nよりも大きいスプライス強度を有する、スプライスが提供される。
本明細書で説明するいくつかの実施形態の第6の態様によれば、スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法であって、2本の光ファイバを準備するステップであって、光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバである、ステップと、2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ光ファイバの端部同士が離間されるように、光ファイバのうちの一方の端部を光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、前融着段階を実施するステップであって、前融着段階が、光ファイバの端部に近接する位置に1条または複数のレーザ光線を印加して端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの端部同士を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越える位置まで移動させて、端部同士が融着された融着部分を形成するステップとを含む、ステップと、少なくとも1つの押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、レーザ光線が印加されない冷却期間を実施するステップと、冷却期間の終了時に、融着部分に1条または複数のレーザ光線を印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの融着端部同士をさらに押し付けるステップとを含む、ステップとを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態のこれらの態様およびさらなる態様は、添付の独立請求項および従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴が互いに組み合わされてもよく、かつ特許請求の範囲に明示的に記載された組合せ以外の組合せで独立請求項の特徴と組み合されてもよいことが諒解されよう。さらに、本明細書で説明する手法は、以下に記載されたような特定の実施形態に制限されず、本明細書で提示する特徴の任意の適切な組合せを含み構想する。たとえば、必要に応じて以下に説明する様々な特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含む本明細書で説明する手法による方法および装置が提供されてもよい。
本発明についてよりよく理解し、本発明がどのように実施され得るかを示すために、例として添付の図面を参照する。
全固体光ファイバの横断面図である。 本明細書で開示するスプライス接続方法を実施するのに適した電気アーク融着スプライス接続装置の概略図である。 全固体光ファイバの電気アーク融着スプライス接続のための従来の方法におけるステップのフローチャートである。 フォトニックバンドギャップ中空コア微細構造光ファイバ(HCPBF)の一例の横断面図である。 第1の例示的な反共振中空コア微細構造光ファイバの横断面図である。 第2の例示的な反共振中空コア微細構造光ファイバの横断面図である。 本明細書で開示する中空コア微細構造光ファイバの電気アーク融着スプライス接続のための例示的な方法におけるステップのフローチャートである。 第1の種類の電気アーク融着装置を使用して、本明細書で開示する方法に従って形成された中空コアファイバスプライスの数に対する測定されたスプライス接続損失のヒストグラムである。 第2の種類の電気アーク融着装置を使用して、本明細書で開示する方法に従って形成された中空コアファイバスプライスの数に対する測定されたスプライス接続損失のヒストグラムである。 図8と同じ中空コアファイバスプライスについての測定されたスプライス強度のヒストグラムである。 図9と同じ中空コアファイバスプライスについての測定されたスプライス強度のヒストグラムである。
本明細書では、いくつかの例および実施形態の態様および特徴について説明する。いくつかの例および実施形態のいくつかの態様および特徴は、従来から実施されている場合があり、説明を簡潔にするため、これらについては詳しく説明しない。したがって、本明細書で説明する方法および装置の態様および特徴のうちで詳しく説明しない態様および特徴は、そのような態様および特徴を実施するための従来の技法に従って実施されてもよいことを諒解されたい。
光ファイバが発明されてから長年にわたって、全固体ファイバが標準とされており、全固体ファイバでは、コア領域とクラッディング領域の両方が1つまたは複数の固体材料、一般にはシリカなどのガラスによって形成される。
図1は、全固体光ファイバの横断面図を示し、光がファイバ内を伝播するファイバの長さ方向に直交する平面である。ファイバ1は、第1の屈折率を有する固体ガラス材料の中央コア領域またはコア2を備え、コア2は、第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する固体ガラス材料のクラッディング領域またはクラッディング3によって囲まれる。コア2は、クラッディング3内に、ファイバ1の中央長手方向軸に沿って同軸に配設される。ファイバ1内を伝播する光は、コア2とクラッディング3との間の境界における全内部反射によってコア2に沿って誘導され、この全内部反射は、屈折率の差によって生じる。
図2は、光ファイバの2つの部分間にスプライスを形成しファイバ部分同士を接合して連続長のファイバを得るための例示的な電気アーク融着スプライス接続装置または機器の簡略化された概略図を示す。市販の電気アーク融着スプライサには、Fujikura Europe Limitedから入手できるFujikura FSM-100MおよびFurukawa Electric Europe Limitedから入手できるFitel model S178LDFが含まれる。これらの機器はどちらも比較的小型であり、したがって、光ファイバ通信システム設置など、現場での使用に適している。様々な代替機器も利用可能である。
図2の装置は、一対のクランプ12を備え、各クランプ12内に光ファイバ10の一部の端部16を取り付けることができる。クランプ12は、コントローラ14(たとえば、プログラム可能なマイクロプロセッサとして実装されてもよい。ただし、ソフトウェアの代わりにまたはソフトウェアに加えてハードウェアおよびファームウェアを使用する構成は除外されない)の制御下にある。コントローラ14は、クランプ12を調整してファイバ10の端部16を三次元において互いに対して移動させるように操作可能である。x-y平面における移動は、ファイバ10の長さに対して横方向の移動であり、ファイバ10の物理的構造同士が空間内で整合し、それによって、端部16がスプライスを形成するようにまとめられるときにコアとクラッディングが位置合わせされ整合するように、ファイバ10同士を位置合わせするように実施される。このことは、光が、2つのファイバ部分10間の界面において顕著な損失を受けずに一方のファイバ部分10のコアから他方のファイバ部分10のコアまで伝わることができるようにスプライス損失を少なくするうえで重要である。コアの位置ずれは、光がクラッディング内に漏れて最終的にファイバから漏れ出るのが可能になることがあり、それによって、スプライス全体にわたって光伝送損失が生じる。これによって、後方反射が生じることもある。z方向への移動は、ファイバ10の長手方向軸に平行なファイバ10の移動であり、ファイバ端部16同士を接触させてスプライスを形成するように行われる。クランプ12はさらに、ファイバ端部16を長手方向軸の周りを回転させる(x-y平面における回転)ように構成されてもよい。この移動は、偏波保持ファイバなど、円対称性を有さない内部構造を有するファイバ同士を位置合わせするのに有用である場合がある。
この装置はまた、尖った電極18の対を備え、尖った電極18は、アーク領域20を挟んで互いに対向するように配置される。電極18同士はまた、接続され、コントローラ14の制御下にあり、コントローラ14は、電圧を印加して電極18間にアーク電流の流れを生じさせ、アーク領域にプラズマを発生させることによって電極18を作動させる。アーク電流が発生する間ファイバ10の端部16をアーク領域20内に配置することによって、端部がアークに近接する位置に配置され、それによってファイバ端部16の材料に熱を加えることができる。これによって、材料が軟化し、端部同士を接触させた場合に端部同士を融着させることができる。
コントローラは、ファイバ端部同士の間に所望の間隔および接触を実現し、所望の期間(アーク時間)にわたって所望の電流レベル(アーク電流)で電気アークを印加するようにプログラムすることができる。
図3は、電気アーク融着装置を使用して全固体光ファイバ同士を融着させるための公知の従来の方法の一例におけるステップまたは段階のフローチャートを示す。全固体光ファイバの一例は、Corning (RTM)によって製造されている、広く使用されている単一モードシリカファイバSMF-28e (RTM)であり、このファイバは、クラッディング直径が125μmである。
第1のステップS1において、スプライス接続すべき光ファイバの2つの部分の端部を準備し、図2の例のような融着スプライス接続機器に取り付けることによってスプライス接続できるようにする。準備は一般に、ファイバクラッディングを囲む任意の外部ジャケットを剥離し、ファイバの端部をクリーブしてファイバ用の平坦で比較的清浄な端面を得ることを含む。ファイバの端部同士を図2に示す分離距離だけ離間させてファイバを融着スプライス接続機器に取り付ける。
ファイバを取り付けた後、ステップS2を実行する。ステップS2は、電極からアークを印加することによってファイバの端部を洗浄する洗浄段階である。ファイバ端部または先端をアーク領域に配置し、洗浄隙間だけ分離させた場合、アークが電極全体にわたって生じてアーク領域にプラズマが発生する。プラズマは、ファイバ端面およびファイバ端部の互いに隣接する側面から任意の汚染物質を分解して蒸発させる。この洗浄段階が実施されるのは、より強度が高くかつ損失が確実により少ないスプライスは、清浄な端面から実現できるからである。洗浄段階について、隙間は、端面をプラズマにさらすのを可能にするが、ファイバ材料を顕著に軟化させることのない100μmなどの選択された値を有する。洗浄プラズマを発生させるために、約16mAのアーク電流(たとえば、SMF-28eをスプライス接続するのに適している)から約150msのアーク時間にわたってアークを印加してもよい。
この方法では次いで、アライメント段階のステップ3に進み、ステップ3では、ファイバの端部同士をx-y平面において互いに対して移動させ(直線運動および場合によっては回転運動)、2つの端部の構造要素が適切に空間的に位置合わせされてスプライス全体にわたって滑らかに連続するコアおよびクラッディング構造を形成する位置に移動させる。アライメントを実現するには様々な技法が利用可能である。これらには、コアアライメントおよびクラッディングアライメントが含まれ、この場合、隣接するファイバ端部の画像が視覚的に検査されるか、または画像処理を介して検査され、2つのコアもしくは2つのクラッディング(またはその両方)が適切に空間的に位置合わせされる。代替手法は、パワーアライメントであり、その場合、ファイバ端部同士を接近させ、一方のファイバの反対側の端部に光を入射させ、互いに隣接する端部を横切って伝わった後に第2のファイバの反対側の端部で検出する。ファイバ位置は、第2のファイバの端部で検出される伝送パワーを最大にするように調整される。これらのアライメント技法のうちのいずれを選択しても融着プロセスに影響はない。
次のステップS4は、前融着段階であり、ファイバ端部同士が前融着される。x-y平面アライメントの後、ファイバ端部同士を選択された前融着隙間だけz方向に離間させてアーク領域内に配置する。標準前融着隙間サイズは約15μmである。選択されたアーク時間にわたって選択されたアーク電流によって電極からアークを生じさせ、ファイバ端部におけるファイバ材料の温度を材料の軟化点まで上昇させる。材料がこの軟化状態にある間、クランプを操作することによってファイバ端部同士を一緒に移動させて押し付け互いに接触させる。接触後、一般に、移動は接触点を越えた後にさらなる距離継続し、この距離は重ね合わせまたは重ね合わせ距離と呼ばれる。材料が柔らかいので、ファイバの端部同士が重ね合わせられるときに可塑的に変形し、2つの端部からの材料が融着してファイバの融着部分を形成する。重ね合わせ距離にわたる押し付けは、選択された時間にわたって継続し、この時間は前融着押し付け時間と呼ばれることがある。前融着段階のためにファイバが移動する間アークが維持される。
次に、ステップS5において、融着段階が実行される。融着段階において、重ね合わせが実現された後に、融着段階の終了時に得られたファイバの位置が維持され、アークはまた、一般により高いアーク電流で継続する。これによって、ファイバの端部が軟化状態に維持され、それによって、2つの端部の材料がともに流動することができ、それによって、ファイバ端部の物理的接合が向上する。融着は、選択されたアーク時間にわたって、一般的には2から3秒程度施される。
適切なレベルの融着が実現された後、最終ステップS6においてスプライス接続されたファイバをパッケージングすることができる。ファイバ端部を冷却させて再凝固させ、スプライス接続されたファイバをスプライス機器から取り外す。露出され接合されたファイバ材料を保護するにはスプライスの周りにある形態のスプライスプロテクタを配置する。このことをパッケージングと呼ぶ。
この手法は、全固体ファイバに対して非常に有効である。しかし、より最近開発されたファイバは、長手方向軸に平行なファイバの長さに沿って延びる穴、毛管、またはルーメンのアレイまたは配列をファイバ材料内に備える構造を有する。この構造は、図3のスプライス接続方法によって損傷を受けることがあり、スプライス損失が多くなる。穴の配列を微細構造と呼ぶことがあり、それによって、そのようなファイバを微細構造ファイバと見なすことができる。一般に、微細構造は、ファイバのクラッディングの少なくとも一部を形成し、その場合、クラッディング微細構造によって囲まれるファイバの中央領域は、全固体ファイバと同様にコアを形成する。コアは、固体であってもよく、または空気もしくは別の気体が充填された中空のボイドであってもよい。この後者の種類のファイバは、中空コア微細構造ファイバと呼ぶことがあり、またはより単純に中空コアファイバと呼ぶことがある。
中空コアファイバを含む微細構造ファイバを考慮したときの関連パラメータは、空気充填率である。ファイバの微細構造部分は、長手方向穴が形成された内側クラッディングを備え、空気およびガラスから形成される。空気充填率は、微細構造の空気充填部の体積と微細構造の全体積の比である。したがって、空気充填率は、0から1の間の値を有する。同様に、空気充填率は、ファイバの横断面における対応する面積の比として定義されてもよく、同じ結果が得られる。また、空気充填率はパーセンテージとして表されてもよい。初期の微細構造ファイバ(中実コアを有する)は微細構造の大部分をガラスが占めており、空気充填率は低く約0.1(10%)または0.2(20%)であったが、特に中空コアタイプのより最近開発されたファイバは、0.9(90%)以上(>90%)の空気充填率を含む、ずっと高い空気充填率を有し、したがって、微細構造は、主としてガラスではなく、主として空気である。この増大によって、これらのファイバタイプはスプライス接続時に特に損傷を受けやすく、したがって、スプライス接続技法の開発には高い関心がもたれている。
上記で指摘したように、中空コア光ファイバは、中央ボイド(一般的には空気が充填されるが、代替的に別の気体もしくは気体の混合物、または真空が充填される)を備える光学誘導コアを有し、光学誘導コアは、ファイバ長に沿って延びる長手方向毛管の構造化配列、すなわち、微細構造を備えるクラッディング領域によって囲まれる。固体ガラスコアが存在しないことによって可能になる空気中の光の伝播によって、ガラス内を伝播する誘導される光波の割合が、中実コアファイバと比べて低下し、伝播速度の増大、吸収と散乱の両方による損失の低減、非線形相互作用の低減などの利点が得られる。したがって、中空コアファイバは、通信用途に非常に魅力的であり、真空中の光の速度に近い速度で、より高い光パワーで、より広い光帯域幅にわたって、固体ファイバ内を伝わる光に影響を与えることがある非線形の熱光学効果などの問題が比較的回避されるデータベース伝送を可能にする。
中空コアファイバは、光学誘導機構に従って2つの主要なクラスまたはタイプ、すなわち、中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(HCPBF、代替的に中空コアフォノティック結晶ファイバHCPCFとも呼ばれる)[1]、および反共振中空コアファイバ(AR-HCFまたはARF)[2]に分類することができる。カゴメファイバ[3]、入れ子状反共振ノードレスファイバ(NANF)[4]、および管状ファイバ[5]を含む、幾何学的構造を特徴とするARFの様々な下位範疇がある。本開示は、この2つの主要なクラスおよびそれに関連するサブタイプと他の中空コア設計を含め、すべての種類の中空コアファイバに適用可能である。当技術分野では、様々な種類のファイバについていくつかの用語が重複して使用される。本開示の目的では、「中空コアファイバ」および「中空コア微細構造ファイバ」という用語は、上述の中空コアを有するすべての種類のこれらのファイバを対象とすることが意図されている。「HCPBF」および「HCPCF」という用語は、(以下でより詳しく説明する)フォトニックバンドギャップ効果によって導波を行う構造を有する中空コアファイバを指すために使用される。「ARF」および「反共振中空コアファイバ」という用語は、(以下でより詳しく説明する)反共振効果によって導波を行う構造を有する中空コアファイバを指すために使用される。
図4は、例示的なHCPBF 20の断面図を示す。このファイバタイプでは、構造化内側クラッディング21は、多数の小さいガラス毛管の規則的な密にパッケージングされたアレイを備え、ガラス毛管から、実質的に円形の中空コア22を画定するために中央グループは除外される。クラッディング構造の周期性によって、実質的に周期的に構造化された屈折率、したがって、伝播する光波をコアの方へ制限するフォトニックバンドギャップ効果が生じる。これらのファイバについて、コア22を形成するように除外されるクラッディング毛管または「セル」の数の観点から説明する。図4の例では、アレイにおける中央の19個のセルは、コア領域には存在せず、19セルコアHCPBFが形成される。構造化クラッディング21は、内側クラッディング21の外面の真円度を向上させるためにコア22を囲むセルの6つのリングと、7番目のリング内のいくつかのセルから形成される。外側クラッディング23は構造化クラッディング21を囲む。この例示的なファイバの空気充填率は90%よりも高い。
HCPBFに対して、反共振中空コアファイバは、反共振光学誘導効果によって光を誘導する。ARFの構造化クラッディングは、より単純な構成を有し、HCPBFよりもずっと少ない数のより大きいガラス毛管またはチューブを備え、高度の周期性が存在しない構造をもたらし、それによって、フォトニックバンドギャップ効果は顕著ではないが、各チューブが均等に離間されているのでより規模が大きい場合にはある程度の周期性を有する。この構造は、クラッディング毛管の壁厚さと共振しない伝播波長に反共振性がもたらされ、言い換えれば、クラッディング毛管壁厚さによって画定される反共振窓における波長に反共振性がもたらされることを意味する。クラッディング毛管は、ファイバの中空コアを形成し、反共振的に誘導される光学モードに対応することができる、中央ボイドまたはキャビティを囲む。構造化クラッディングはまた、主として毛管内部、毛管壁のガラス内、またはクラッディング毛管とファイバの外側クラッディングとの間の空間または隙間内を伝播することができるクラッディングモードに対応することができる。これらの追加の非コア誘導モードの損失は一般に、コア誘導モードの損失よりもずっと多い。基本コア誘導モードは一般に、コア誘導モードのうちで損失が最も少ない。伝播光の波長と共振しない毛管壁厚さによってもたらされる反共振性は、基本コアモードと任意のクラッディングモードとの間の結合を抑制する働きをし、それによって、光はコアに制限され、損失を非常に少なくして伝播することができる。
図5は、例示的な単純な反共振中空コアファイバの横断面図である。ファイバ20は外側管状クラッディング23を有する。構造化内側クラッディング21は、複数の管状クラッディング毛管24、この例では同じ断面サイズおよび形状の7つの毛管を備え、毛管は外側クラッディング23の内側にリング状に配置され、それによって、各クラッディング毛管24および外側クラッディング23の長手方向軸が実質的に平行になる。各クラッディング毛管24は、位置25において外側クラッディング23の内面と接触し(内面に結合され)、それによって、クラッディング毛管24は、外側クラッディング23の内周に沿って均等に離間されて配置され、また互いに離間されて配置され、隣接する毛管同士は接触しない。ARFのいくつかの設計では、クラッディングチューブ24は、互いに接触して配置されてもよい(言い換えれば、図5とは異なり離間されない)が、この接触をなくすための間隔はファイバの光学性能を向上させる。間隔は、隣接するチューブ間の接点に生じ、損失を増大させる望ましくない共振を生じさせる傾向があるノードを除去する。したがって、離間されたクラッディング毛管を有するファイバを「ノードレス反共振中空コアファイバ」と呼ぶこともある。
クラッディング毛管24を管状の外側クラッディング23の内側に沿ってリング状に配置すると、ファイバ20内に中央空間、キャビティ、またはボイドが形成され、また、中央空間、キャビティ、またはボイドの長手方向軸が、外側クラッディング23および毛管24の長手方向軸に平行になり、中央空間、キャビティ、またはボイドはファイバの中空コア22となる。コア22は、クラッディング毛管24の外面の内側に面する部分を境界とする。これはコア境界であり、この境界を構成する毛管壁の材料(たとえば、ガラスまたはポリマー)は、必要な反共振光学誘導効果または機構をもたらす。毛管24は、ARFにおいて反共振光学誘導が生じる波長を画定する厚さをコア境界に有する。この例の空気充填率は90%を超える。
図6は、第2の例示的なARFの横断面図を示す。ARF 20は、管状の外側クラッディング23の内面に沿って均等に離間された配置され、中空コア22を囲む6つのクラッディング毛管24を備える構造化内側クラッディング21を有する。各クラッディング毛管24は、入れ子にされたより小さい二次毛管26を有し、二次毛管26は、この例では一次毛管24と外側クラッディング23との間の結合点と同じ方位角位置25においてクラッディング毛管24の内面に結合される。これらの追加のより小さい毛管26は、光学損失を低減させることができる。追加のさらに小さい三次毛管が二次毛管26内部に入れ子にされてもよい。二次的であって任意により小さいさらなる毛管を有するこの種のARF設計を「入れ子反共振ノードレスファイバ」またはNANFと呼ぶこともある。他のNANF設計では、1つまたは複数の追加の毛管が、一次毛管と外側クラッディングとの間の結合点とは異なる方位角位置において入れ子にされてもよい。追加の毛管の対が、たとえば、結合点から均等にまたは不均等に変位されてもよい。
ARFの構造化クラッディング用の多数の他の毛管構成が可能であり、本開示は上述の例に限定されない。たとえば、毛管は、円形断面を有する必要はなく、ならびに/またはすべてが同じサイズおよび/もしくは形状を有してもよくもしくは有さなくてもよい。コアを囲む毛管の数は、たとえば、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれよりも多くてもよい。
本明細書では、中空コア光ファイバ、中空コアファイバ、中空コア導波路、中空コア光導波路、中空コア微細構造ファイバ、中空コア微細構造導波路、および同様の用語は、上記の例および同様の構造のいずれかに従って構成された光導波路構造を対象とすることが意図され、この場合、光は、複数の長手方向毛管を備える構造化(微細構造)クラッディングによって囲まれた中空の細長いボイドまたはコアにおいていくつかの誘導機構(フォトニックバンドギャップ誘導、反共振誘導、および/または抑制結合誘導)のうちのいずれかによって誘導される。これらの様々な用語は、本開示では交換可能に使用されてもよい。
図3に関して説明したような従来の融着スプライス接続手法は、中空コアファイバの内部構造に損傷を与える傾向があり、それによって、全固体ファイバについて実現可能なスプライスと比較して非常に損失が多くなる。このことは、特に空気充填率の高いファイバに特に関連がある。その理由は、より影響を受けやすい微細構造は、スプライス接続プロセス中により容易に障害を受け、結果として生じる障害は、ファイバの光伝播機能により顕著な影響を及ぼす。この問題は、中空コアが存在すると悪化する。公知のスプライス接続プロセスは、ファイバ端部を加熱したときに微細構造の穴および/またはコアボイドを歪ませるかまたは潰す傾向がある。穴および/またはコアボイドが潰れると、2つの点で損失に影響が及ぶ。第1に、光誘導構造が破壊され、第2に、2つのファイバ部分において潰れ状態が異なる場合、スプライス全体にわたってモード不一致が生じる。
この問題に対する初期の試みではほどほどの成功しか収められなかった。第1の報告された実験では、空気充填率が約0.2である中実コア微細構造ファイバを従来の全固体分散シフトファイバにスプライス接続したところ、伝播光波長が1.55μであるときに損失はおよそ1.5dBであった[6]。その後の実験では、空気充填率が0.12である中実コア微細構造ファイバを中実コア微細構造ファイバ自体にスプライス接続したところ、損失範囲は約0.08dBから約3dBとなり、このように損失範囲が広がったのは、穴のいくつかまたはすべてが潰れたことが原因であった[7]。
より最近の実験として、より空気充填率の高い中空コア微細構造ファイバに関する実験を行い、そのような中空コア微細構造ファイバ同士をスプライス接続し[8]、かつそのような中空コア微細構造ファイバを全固体ファイバにスプライス接続した[9]。中空コアファイバ間のスプライスは、伝送損失が少なく0.16dBであり、保証試験において200ms以上の期間にわたって加えた2Nの力に耐えることができた。ファイバスプライスの強度は、通信リンクにおいて展開されるファイバを接合するのにきわめて適切である。しかし、この結果は、現場での光ファイバネットワークの設置に適さない特殊実験機器を使用して得られた結果である。
したがって、現場で好都合に利用することができる、中空コア微細構造ファイバ同士を低損失で高強度のスプライスによって接合するスプライス接続方法が必要である。本開示は、3から4N以上の領域における力に耐えることのでき、損失が少なく0.5dB以下である強力なスプライスを実現することのできる教示を提示する。この損失レベルは、通信システムへの技法の適用に受け入れられ、強度機能は、この手法が現場において、データセンターなどで使用するのに適していることを示す。本開示による中空コアのスプライス接続は、簡単で可搬式の技法を使用することによって中空コアファイバ同士を(または中空コアファイバを全固体ファイバに)低損失で接合するのを可能にする。通信システムの場合、これは、ファイバリンクの長さを延ばし、すでに展開されたファイバの断線箇所を修復することを可能にし、実験室の外部および現場でのスプライス接続を容易にする。また、スプライス損失は、ファイバリンクについての全パワーバジェットの成分であり、したがって、低損失のスプライス接続は、最大実現可能リンク長を延ばす。
図7は、一実施形態による例示的な方法におけるステップのフローチャートを示す。図3に関して説明する従来の方法と同様に、この方法は、上述の市販のモデルなどの電気アーク融着スプライス接続機器を使用して実施することができる。しかし、この代わりに、他の市販のモデルまたは特注機器を含む他の電気アーク融着スプライス接続機器が使用されてもよい。本発明はこの点において限定されない。
第1のステップS11において、スプライス接続すべきファイバの端部を準備し、電気アーク融着スプライス接続機器(または様々なステップを実施するのを可能にする同様の構成)内に配置する。少なくとも1本のファイバは中空コア微細構造ファイバである。両方のファイバが中空コア微細構造ファイバであってもよい。この場合、2本のファイバは、異なる種類もしくは中空コア微細構造ファイバの構成(たとえば、上述の種類のうちのいずれか、ただし、他の設計の中空コア微細構造ファイバが除外されることはない)であってもよく、または同じ種類もしくは中空コア微細構造ファイバの構成であってもよい。他の代替実施形態では、一方のファイバは中空コア微細構造ファイバであり、他方のファイバは全固体ファイバまたは中実コア微細構造ファイバであってもよい。ファイバは、シリカなどの1つまたは複数のガラス材料で作られる。
ファイバの端部は、従来の方法で、たとえば、任意の外側コーティングまたはジャケット層を剥離して下層のガラス材料を露出させ、端部をクリーブして整然とした端部ファセットを得ることによって準備されてもよい。代替的または追加的な準備プロセスを実施してもよい。準備の特質は、添付の特許請求の範囲の範囲外であり、準備は完全に省略されてもよい。ただし、入念で適切な準備によって、特に強度に関してスプライスの品質を向上させることができる。準備後に、2つのファイバ端部を、たとえば、各端部を図2における対向するクランプの対12などのファイバクランプに取り付けることなどによってスプライス接続機器に導入する。
この方法は次いで、洗浄段階を含むステップS12に進む。洗浄段階では、ファイバ端部を融着機器の電極同士の間のアーク領域内に、z方向に洗浄隙間または距離だけ離間して配置し、電極間に電気アークを生じさせてプラズマを発生させ、ファイバ端部ファセットならびに/またはファイバ端部の隣接する外面上に存在する任意の汚染物質のうちの一部またはすべてを除去する。従来の方法でのアーク洗浄時に生じることがあるファイバ微細構造への損傷を低減させるために、より短い期間にわたってアークを印加する。全固体ファイバの従来のアーク洗浄において、アーク時間は一般に、約150msである。本アーク洗浄ステップでは、アーク時間は大幅に短縮され、たとえば、約25ms、または22msから28msの範囲内の時間、または20msから30msの範囲内の時間、または10msから40msの範囲内の時間に短縮される。アーク時間をこのように短縮すると、微細構造がさらされるアークからのエネルギーの量が低減し、それによって、穴の歪みまたは潰れを生じさせる材料の軟化によって生じる損傷が低減する。追加的または代替的に、アークが電極から生じる電流(アーク電流)を低減させることによって微細構造に到達するエネルギーを低減させることができる。有用なこととして、約11mAもしくは11.2mAのアーク電流を使用することができ、または11mAから12mAの範囲内のアーク電流、または10mAから12mAの範囲内のアーク電流、または9mAから13mAの範囲内のアーク電流、または8mAから14mAの範囲内のアーク電流を使用することができる。11.2mAの値は、一般に全固体ファイバのアーク洗浄に使用されるアーク電流のレベルの約70%に相当する。したがって、アーク電流は、全固体ファイバアーク電流から約30%低減する。
なお、洗浄段階を代替的に省略してもよく、または上述の修正されたパラメータに従うのではなく全固体ファイバについての従来のアークプラズマ洗浄に従って実施してもよい。
この方法は次いで、ステップS13に進み、ファイバ端部同士が位置合わせされる。これは、図3においてステップS3について説明した通りに行われてもよく、パワーアライメントまたはクラッディングアライメントによって行われてもよい。コアアライメントは、中空コア微細構造ファイバに現在利用可能なオプションではない。その理由は、まだ適切な画像処理ソフトウェアが開発されていないからである。しかし、これが将来利用可能になる可能性は高く、したがって、コアアライメントは、ステップS13のアライメント段階用のオプションとして本開示の範囲内に含まれる。微細構造の要素を位置合わせするために回転調整が実施されてもよい。ファイバ端部は、x-y平面において適切に位置合わせされた(2本のファイバの長手方向軸が同じ線に沿って位置する)後、z方向に間隔または隙間を開けた離間構成で、次のステップの準備の整ったスプライス接続機器のアーク領域に配置される。
この次のステップS14は前融着段階である。これは主として、図3のステップS4の前融着段階に関して説明した通りに実施することができるが、1つまたは複数のパラメータが修正される。したがって、全体的には、離間されたファイバ端部が位置するスプライス接続のアーク領域にアークを印加して、ファイバ端部の材料を軟化させる。次いで、端部同士を互いに向けて一緒に移動させ、まず接触させ、次いで軟化した材料が融着できるように重ね合わせる。これによって、2本のファイバを接合する融着部分または領域が形成される。これがスプライスである。
前融着段階に4つのパラメータが関連しており、それらのパラメータのうちのいずれかまたはすべてが、全固体ファイバの融着スプライス接続において使用されるこれらのパラメータの標準値に対して修正されてもよい。第1に、ファイバ端部間の隙間が小さくされてもよい。これによって、アークによって発生するプラズマの、微細構造に到達する能力(微細構造は、ファイバ端部の外面から半径方向内側に配置され、したがって、外側クラッディングによってある程度保護される。図4、図5、および図6を参照されたい)が制限され、それによって、微細構造を画定する材料の軟化が抑制または回避される。それによって、微細構造の形状がよりうまく維持される。全固体ファイバの従来の前融着では、約15μmの隙間サイズが一般に使用されている。ここで、前融着隙間を約5μmにするか、または約3μmから7μmの範囲内もしくは約2μmから10μmの範囲内で小さくすることを提案する。実用的には、ファイバ端部上で得ることのできる最小クリーブ角度によって前融着隙間に下限を設けてもよい。
第2に、前融着アーク電流のサイズは、一般に全固体ファイバスプライス接続に使用されるサイズと比較して小さい。アーク電流は、直径が125μmの全固体ファイバに使用される標準アーク電流である約14.9mAから約18%低減させてもよい。したがって、アーク電流は約12.2mA、または12mAから13mAの範囲内、または11mAから14mAの範囲内であってもよい。供給される電流を低減させるとファイバ端部に対する加熱が弱くなり、したがって、端部における温度上昇が低下し、端部におけるファイバ材料の軟化量が減少する。これによって、ファイバ端部を接合するときに材料が変形を受けにくくなる。
第3に、同じく微細構造の変形を低減させるために、全固体ファイバを前融着させる際に使用される標準的な重ね合わせと比較して重ね合わせ距離を短くすることができる。重ね合わせが、2つのファイバ端部を互いに向けて、端部ファセット同士が接触する位置を越えた位置まで移動させる(それによって、一方のファイバは+z方向に移動させられ、他方のファイバは-z方向に移送させられる)量であることを想起されたい。全固体ファイバについての標準的な重ね合わせは約10μmである。重ね合わせを約8μm以下にし、たとえば、7μmから8μmの範囲内もしくは6μmから8μmの範囲内で小さくすることを提案する。
アーク電流を低減させたことに起因して公知の方法よりも材料の軟化量が少ないと仮定した場合に前融着段階において2つの端部を接触させたときに2つの端部の材料の適切な融着を実現するために、第4に、ファイバ端部同士を一緒に移動させ押し付けて重ね合わせを実現する時間を延ばすことを提案する。前融着アークはこの前融着押圧時間の間印加される。少なくとも400msの前融着押圧時間、たとえば、400msから500msの範囲内、または400msから600msの範囲内、または400msから700msの範囲内、または400msから800msの範囲内、または600msから800msの範囲内の時間を提案する。しかし、800msを超える時間が除外されることはなく、必要に応じて使用されてもよい。
全固体ファイバの従来のアーク融着スプライス接続では、融着段階(図3におけるステップS5)が最も長く最も高温の段階である。中空コア微細構造ファイバに適用される場合、融着段階によって微細構造が顕著に破壊され、スプライス損失が多くなることがある。本開示の方法によって、中空コアファイバをスプライス接続するときに従来の融着段階を省略することを提案する。
スプライスの強度は、スプライスが所与の期間にわたって耐えることのできる加えられる力の量によって定義され、少なくとも部分的に重ね合わせによって導出される。上記で指摘したように、修正された前融着段階では、より小さい重ね合わせが提案され、その場合、スプライス強度が低下することがある。これを補償するために、新規の方法は、省略される融着段階を新たに考案された押圧段階で置き換え、この押圧段階では、微細構造に対する損傷を制限するようにファイバ材料が受ける加熱、したがって軟化の量を制限するプロセスの間重ね合わせが大きくされる。
したがって、ステップS14の前融着段階に続いて、この方法は押圧段階S15に進み、第1の「ホットプッシュ」が実施される。最初、アーク領域に電気アークが印加されない冷却期間の間ファイバ端部を冷却させる。これによって、前融着段階において発生した熱がファイバの融着部分から散逸するのを可能にし、それによって、微細構造が安定化することができる。冷却期間は、持続時間がたとえば200msであってもよい。ファイバ10が、一般に軟化点よりも実質的に低いレベルまで、十分に冷却された後、電極同士の間にアークが生じて、アーク領域において融着されたファイバ端部が再加熱される。たとえば、約12.5mAのアーク電流が使用されてもよい。アークは、特にファイバ端部の外側部分を加熱し、ある程度軟化させる。熱を加えた後、融着部分のファイバ材料を再び軟化させ、ファイバ端部同士が移動させるかまたは押し付ける。言い換えれば、ファイバ端部同士をz方向に沿って互いに逆方向に移動させる。追加の押圧距離は、すでに前融着段階S14において実現された重ね合わせ距離の約25%であってもよい。重ね合わせは約8μm、たとえば、6μmから8μmの間であってもよく、ホットプッシュにおける追加の押圧距離は、約1μmから5μmの範囲であってもよいことを想起されたい。
押圧を実施する前にアークをオフにしてもよく、または代替的に押圧の間アークを維持することができる。押圧段階用のアーク時間は、200ms以上、たとえば、最長で約800ms、または必要に応じてそれよりもいくらか長い時間とすることができる。したがって、アーク時間は、200msから800ms、または300msから800ms、または400msから800ms、または500msから800ms、または600msから800ms、または700msから800ms、または750msから850ms、または700ms-900msの範囲内とすることができる。アークを印加している間に押圧を実施する場合、アーク時間の最後の部分の間、たとえば、アーク時間の最後の200ms間、または最後の150ms間、または最後の175ms、または最後の225ms、または最後の250ms間に実施することができる。しかし、他の持続時間が除外されることはない。
場合によっては、押圧段階が繰り返されてもよく、その場合、この方法はステップS16に進む。この方法は、たとえば、数回のホットプッシュまたは1回から10回の範囲内の押圧段階を含んでもよい。特に有用な数は、3回、4回、または5回の押圧段階であることがわかっている。この数は、適切な強度を有するスプライスをもたらすことができる。場合によっては、1回または2回の押圧段階によって所望の強度のスプライスを実現することがあり、他のケースでは、5回よりも多くの押圧段階が適切であることもある。押圧段階の回数は、たとえば、光ファイバの直径、したがって、融着すべきガラス材料の量に依存することがあり、また、ファイバのスプライス接続長の用途に依存することもあり、その場合、用途が異なると、ファイバスプライスに要求される堅牢性のレベルが異なる場合がある。
各押圧段階では、ファイバ端部を接点を越えてさらに移動させ、したがって、重ね合わせが増大する。したがって、最終ホットプッシュ後の総重ね合わせは、前融着重ね合わせ距離およびすべてのホットプッシュ距離の和である。一例として、前融着重ね合わせは8μmであり、各々の押圧距離が2μmである3回のホットプッシュでは、最終重ね合わせ距離が14μmになる。従来の全固体ファイバ融着スプライスでは、重ね合わせが約10μmである場合があり、したがって、提案する融着スプライス方法では、最終重ね合わせを全固体ファイバ同士の間のスプライスの標準的な重ね合わせ距離よりも長くすることができる。このことは、スプライス強度を向上させる助けとすることができる。
所望の回数のホットプッシュが実施された後、この方法は任意の最終ステップS17に進み、スプライスがその保護のためにパッケージングされる。任意のパッケージング技法を使用することができる。代替的に、スプライスはパッケージングしないままであってもよく、または何らかの他の方法でさらに加工してもよい。
全体として、本開示は、少なくとも1本のファイバが中空コアファイバであるときに光ファイバ同士の間に低損失高強度のスプライスを形成するのに適した方法を作成するために公知のアーク融着スプライス接続の様々な修正実施形態および適応実施形態を提案する。2本の全固体ファイバの従来の融着スプライス接続の様々な段階について提案される違いは以下のように要約することができる。
- 洗浄段階:
アーク時間短縮
アーク電流低減のうちのいくつかまたはすべて
-前融着段階:
ファイバ端部同士の間の隙間の縮小
アーク電流の低減
重ね合わせ距離の短縮
押圧時間の延長のうちのいくつかまたはすべて
-融着段階
省略
-押圧段階(ホットプッシュ)
追加の段階、少なくとも1回から約10回までの「ホットプッシュ」を含む。
上記で指摘したように、洗浄段階は、非修正形態で実施されてもよく、代替形態で実施されてもよく、または実施されなくてもよい。前融着段階の修正、および融着段階のホットプッシュとの置き換えは、ファイバ微細構造の完全性を維持するのを助けるうえでより重要であると見なされる。場合によっては、単にこれらの変更のうちの1つから十分な効果を得ることができ、したがって、修正された前融着段階の後に従来の(もしくは他の)融着段階が実施されるか、従来の(もしくは他の)融着段階の後に1回または複数回のホットプッシュが実施されることがある。
図7の例示的な方法に従った方法を使用して製造された様々なスプライスを試験して、損失が少なく強度が高いスプライスを形成するこれらの方法の能力を実証した。
図8は、Fujikura FSM-100Mスプライス接続機器(Fujikura Europe Limited)上で実施された提案する方法を使用して2種類の長さのコアファイバ間に作った10個のスプライスの損失を測定した結果のヒストグラムを示す。中空コアファイバは、クラッディング直径が235μm、微細構造直径が90μm、コア直径が30μm、空気充填率が約93%であった。損失は、1550nmの波長において測定されたデシベル(dB)単位のスプライス接続損失として示される。これは、具体的には、前融着段階およびホットプッシュによって導入される損失を意味する。この測定では、ファイバ端部ファセットのクリーブ角度のばらつきなどの主として幾何学的な影響による損失に対する寄与がなくなる。このような影響は、提案する方法とは無関係である。スプライス接続損失は、アライメント段階後に一方のファイバから他方のファイバに伝送されたパワーを押圧段階後に伝送されたパワーと比較することによって測定される。アライメント後に、ファイバ端部同士を5μmの隙間を空けて離間させた。この隙間はレイリー長よりもずっと短いので、スプライスを作ることによって隙間を閉じることの測定されるスプライス接続損失に対する影響は無視できる。
図を見るとわかるように、-0.4dBを超えかつ0.5dB未満のスプライス接続損失の範囲が実現され、最大数のスプライスの損失は、0dBから0.1dBの間であった。これは、魅力的な低レベルの損失であり、公知のスプライス接続方法に対する顕著な向上を表す。従来のアーク融着スプライス接続方法を使用して中空コアファイバ同士を接合した場合、スプライス接続損失は数dBになったと考えられる。
図9は、別の10個のスプライスの損失を測定した結果のヒストグラムを示す。今回は、Fitel model S178LDFスプライス接続機器(Furukawa Europe Limited)を使用してスプライスを作ったが、他の点では、図8のデータの場合のスプライスと同じファイバおよび条件を用いた。この場合も、-0.1dBから0.3dBの範囲の非常に少ないスプライス接続損失が実現された。
図10は、スプライス接続損失が図8に示されるスプライスの測定されたスプライス強度のヒストグラムを示す。この強度は、スプライスにおける光ファイバの部分の一方をMecmesin BFGフォースゲージに取り付け、光ファイバの他方のスプライス接続部分に力を加え、スプライスが破壊されるまで力を強めた。フォースゲージによって測定される破断時の力をスプライス強度と呼ぶ。図を見るとわかるように、スプライスは、3Nを超えかつ4.5N未満の範囲の比較的高い強度を有していた。
図11は、スプライス接続損失が図9に示されるスプライスについての対応するデータのヒストグラムを示す。同様のスプライス強度が観測され、この場合は3Nを超えかつ5N未満の範囲であった。
これらのレベルのスプライス強度は、通信システム環境における光ファイバスプライスに対する要求に応えるのに適した強度を上回る強度と見なされる。
上述のSMF-28e全固体ファイバには、適切な電気アーク融着パラメータが確立されており、このファイバのクラッディング直径は125μmである。これに対して、図8から図11における結果は、235μmのより大きい直径を有する中空コア微細構造ファイバに関する。このより大きいサイズは中空コアファイバにはきわめて一般的なサイズであり、中空コアファイバは、直径が一般に200μmを超えることがある。融着アークからより大きい中空コアファイバおよびより小さい全固体ファイバに同じ量のエネルギーを送った場合、中空コアファイバの方が温度の上昇が小さくなる。これに応じて程度を弱めたファイバ材料軟化は、中空コアファイバタイプにおいて堅牢なスプライスを形成するには不適切と見なされがちである。したがって、本明細書で提案する方法が、従来よりも低いアーク電流を使用することによって中空コアファイバ同士を首尾よくスプライス接続することが可能であることは驚くべき結果である。首尾よくスプライス接続が可能になるのは、低いアーク電流を使用することによって、さらにファイバ材料において実現される加熱の量が低減するからである。
様々な種類およびサイズの中空コア微細構造ファイバにおいて高品質のスプライス接続を実現し、また、材料の特性を調整することを目的としてそれぞれに異なる濃度の1つまたは複数のドーパントを含む材料から製造された微細構造ファイバにおいて高品質のスプライス接続を実現するために、アーク電流、アーク時間、重ね合わせサイズ、および押圧距離などの様々なスプライスパラメータを調整することができる。本明細書で与える例示的なパラメータは、直径が220μmから250μmの中空コア微細構造ファイバに特に適切であるが、これよりも大きいかまたは小さいファイバにほとんどまたはまったく調整せずに首尾よく使用され得る。これらの方法は、任意のレベルの空気充填率(たとえば、0.1以上)を有する中空コアファイバに対して使用することができるが、有用なこととして、現在生産されており、空気充填率が0.9以上、または0.8以上、または0.7以上である、ますます壊れやすくなっている微細構造に適用可能である。
融着スプライス接続は、環境条件、電極摩耗、およびファイバ形状を含む様々な状況およびパラメータの影響を受けることがわかっている。たとえば、当業者には諒解されるように、スプライス機器において長時間使用された電極は、劣化し性能が衰える傾向がある。温度、湿度、および圧力を含む大気条件も経時的に変化し、プラズマ発生に影響を与える。したがって、本明細書で与える様々なアーク電流は標準的なアーク電流に過ぎず、現実世界の状況ではある程度の調整を必要とする。そのような調整および修正は、請求される発明の範囲内であると理解されるべきである。
光ファイバは、中空コアファイバの製造に関して知られているガラスベースの材料のうちの任意の材料、特にシリカから作られてもよい。ガラスの種類には、多数の例が存在する化合物シリカ(二酸化ケイ素または石英)をベースとする「ケイ酸塩ガラス」または「シリカベースガラス」が含まれる。光ファイバに適切な他のガラスには、限定はしないが、ドープシリカガラスが含まれる。このような材料は、吸収または透過を修正することなど、ファイバの光学特性を調整すること、またはファイバ製造を容易にすること、信頼性を向上させること、または特定の最終用途を可能にするかもしくは強化することなどのために材料の特性を調整することを目的として1つまたは複数のドーパントを含んでもよい。
本開示は、中空コアファイバをスプライス接続するための装置にも関する。提案する方法による中空コアファイバの電気アーク融着スプライス接続は、特注の電気アーク融着スプライス接続機器または装置を使用して実施することができ、この電気アーク融着スプライス接続機器または装置は、本明細書で説明する段階およびパラメータを使用してスプライス接続を実行するように構成される。有用なこととして、この装置は、様々なファイバタイプのスプライス接続についてパラメータを再設定するように調整することができる。このことは、装置の様々な構成要素(ファイバクランプおよび電極)用の制御信号を生成するプログラム可能なコントローラまたは制御ユニットまたはプロセッサを備えるように装置を実装することによって容易に実現することができる。これらの構成要素の動作に関する様々な設定を変更するのを可能にするようにユーザインターフェースを設けることができ、それによって、アーク時間、アーク電流、ファイバ端部隙間、重ね合わせ距離、ならびにホットプッシュ距離、時間、および数などのパラメータを必要に応じて変更することができる。
代替的に、既存のアーク融着スプライス接続機器(市販のアーク融着スプライス接続機器を含む)が提案する方法に従ってスプライスを作るように動作可能になるようにこのような機器のパラメータを修正または設定することが可能である。そのような機器がソフトウェア制御の下で動作するプログラム可能なコントローラを含む場合、コントローラ内のプロセッサによって実行されたときに機器が提案する方法に従って動作するのを可能にするソフトウェアを提供することが可能である。ソフトウェアは、機器のメモリに記憶された既存の制御ソフトウェアに代わるか、または既存のソフトウェアを更新するかもしくは補助することができる。したがって、本開示はまた、本明細書で説明するように中空コアファイバスプライスを形成するように電気アーク融着スプライス接続機器を制御することができるコンピュータプロセッサ上で実行されるのに適したコンピュータ実施可能命令にも関する。
したがって、本開示は、電気アーク融着技法による中空コア光ファイバの融着スプライス接続に関するものであるが、電気アークの代わりに、ファイバ端部の近傍に印加されるレーザ光線を使用してファイバ材料を加熱し軟化させることによって融着スプライス接続を実行することも可能である。全固体ファイバを融着させるための従来の手法は、レーザ融着とアーク融着のどちらでも同じであるかまたは同様である。したがって、本明細書で提案するアーク融着方法に対する修正もレーザ融着方法に適用可能であると考えられる。したがって、同じく本開示の範囲内である方法は、スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法であって、2本の光ファイバを準備するステップであって、光ファイバのうちの少なくとも一方が中空コア光ファイバである、ステップと、2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ光ファイバの端部同士が離間されるように、光ファイバのうちの一方の端部を光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、前融着段階を実施するステップであって、前融着段階が、光ファイバの端部に近接する位置に1条または複数のビーム光線を印加して端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの端部を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越えるように移動させて、端部同士が融着された融着部分を形成するステップとを含む、ステップと、少なくとも1回の押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、レーザ光線が印加されない冷却期間を実施するステップと、冷却期間の終了時に、1条または複数のレーザ光線を融着部分に印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、光ファイバの融着端部同士を押し付けるステップとを含む、ステップとを含む方法を含む。
本明細書で説明する様々な実施形態は、請求される特徴の理解および教示を助けることのみのために提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供されており、網羅的なものでもならびに/または排他的なものでもない。本明細書で説明する利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様を、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に対する制限または特許請求の範囲の均等物に対する制限と見なすべきではなく、他の実施形態が利用されてもよく、かつ請求される発明の範囲から逸脱せずに修正が施されてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、開示される要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの、本明細書で具体的に説明した組合せ以外の適切な組合せを適切に備え、またはそのような組合せからなり、または基本的にそのような組合せからなってもよい。さらに、本開示は、現在請求されていないが、将来請求される場合がある他の発明を含んでもよい。
(参考文献)
1 ファイバ
2 コア
3 クラッディング
10 光ファイバ
12 クランプ
14 コントローラ
16 端部
18 尖った電極
20 アーク領域
21 クラッディング
22 中空コア
23 外側クラッディング
24 クラッディング毛管
25 位置
26 毛管

Claims (22)

  1. スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法であって、
    2本の光ファイバを準備するステップであって、前記光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバである、ステップと、
    前記2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ、前記光ファイバの端部同士が離間されるように、前記光ファイバのうちの一方の端部を前記光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、
    前融着段階を実施するステップであって、前記前融着段階が、
    前記光ファイバの前記端部に近接する位置に電気アークを印加して前記端部の材料を軟化させるステップと、
    前記光ファイバの前記端部同士を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越える位置まで移動させて、前記端部同士が融着された融着部分を形成するステップと
    を含む、ステップと、
    少なくとも1回の押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、
    電気アークが印加されない冷却期間を実施するステップと、
    前記冷却期間の終了時に、前記融着部分に電気アークを印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、
    前記光ファイバの融着端部同士をさらに押し付けるステップと
    を含む、ステップと
    を含む、方法。
  2. 前記少なくとも1回の押圧段階は、最大で10回の押圧段階を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1回の押圧段階は、3回、4回、または5回の押圧段階を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1回の押圧段階は、電気アークが印加される間、前記光ファイバの前記融着端部同士を押し付けるステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 押圧は、前記電気アークが前記少なくとも1回の押圧段階において印加されるアーク時間の最後の部分の間に実施される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記アーク時間は、200ms以上であり、前記押圧は、150msから250msの範囲である前記アーク時間の最後の部分の間に実施される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1回の押圧段階において、前記光ファイバの前記融着端部は、前融着段階における前記重ね合わせ距離の20%から30%の間である距離だけさらに互いに押し付けられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記位置合わせにおいて、前記光ファイバの前記端部は、前記前融着段階を実施する前に、約2μmから10μmの範囲の隙間を設けて離間される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記前融着段階の間、前記重ね合わせ距離は、6μmから8μmの範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記前融着段階の間、前記電気アークは、11mAから14mAの範囲の電流を使用して生成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記位置合わせの前に洗浄段階を実施するステップであって、前記洗浄段階は、
    前記光ファイバを前記光ファイバの前記端部が離間されるように配置するステップと、
    前記光ファイバの前記端部に近接する位置に電気アークを印加して、前記ファイバ端部間の空間においてプラズマを発生させるステップであって、前記プラズマが、前記光ファイバの端面から汚染物質を除去する、ステップと
    を含む、ステップ
    をさらに含み、
    前記電気アークは、20msから30msの範囲内の洗浄アーク時間にわたって印加される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記電気アークは、8mAから14mAの範囲の電流を使用して生成される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記中空コア光ファイバは、空気充填率が少なくとも0.9である微細構造クラッディングによって囲まれた中空コアを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記中空コア光ファイバは、反共振中空コアファイバを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記中空コア光ファイバは、フォトニックバンドギャップ中空コアファイバを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記2本の光ファイバはどちらも中空コアファイバである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記光ファイバのうちの一方が、全固体光ファイバである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 2本の光ファイバの端部を受け入れ、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を使用してスプライスを形成することによって前記2本の光ファイバを接合するように構成された、電気アーク融着スプライス接続装置。
  19. 記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実施可能命令であって、電気アーク融着スプライス接続装置を制御するための前記命令が、コンピュータプロセッサによって実施されたときに、電気アーク融着スプライス接続装置が、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を使用してスプライスを形成することによって2本の光ファイバを接合することを可能にする、コンピュータ実施可能命令。
  20. 2本の光ファイバを接合するスプライスであって、前記2本の光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバであり、前記スプライスが、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を使用して形成される、スプライス。
  21. 2本の光ファイバを接合するスプライスであって、前記2本の光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバであり、前記スプライスが、0.5dB未満の光伝送損失と、3Nよりも大きいスプライス強度とを有する、スプライス。
  22. スプライスを形成して2本の光ファイバを接合する方法であって、
    2本の光ファイバを準備するステップであって、前記光ファイバのうちの少なくとも一方が、中空コア光ファイバである、ステップと、
    前記2本の光ファイバの長手方向軸が実質的に同じ線に沿い、かつ、前記光ファイバの端部同士が離間されるように、前記光ファイバのうちの一方の端部を前記光ファイバのうちの他方の端部と位置合わせするステップと、
    前融着段階を実施するステップであって、前記前融着段階が、
    前記光ファイバの前記端部に近接する位置に1条または複数のレーザ光線を印加して前記端部の材料を軟化させるステップと、
    前記光ファイバの前記端部同士を一緒に移動させて接触させ、次いで接点を重ね合わせ距離だけ越える位置まで移動させて、前記端部同士が融着された融着部分を形成するステップと
    を含む、ステップと、
    少なくとも1回の押圧段階を実施するステップであって、各押圧段階が、
    レーザ光線が印加されない冷却期間を実施するステップと、
    前記冷却期間の終了時に、前記融着部分に1条または複数のレーザ光線を印加して融着端部の材料を軟化させるステップと、
    前記光ファイバの融着端部同士をさらに押し付けるステップと
    を含む、ステップと
    を含む、方法。
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