JP2022542434A - 重水素化mk2経路阻害剤およびその使用方法 - Google Patents

重水素化mk2経路阻害剤およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MK2経路阻害剤およびその使用方法を提供する。【解決手段】本発明は、下記式(I):TIFF2022542434000075.tif3023(式中、A、B、およびR基は、発明を実施するための形態で定義されている通りである)の構造を有する、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置に有用な重水素化ピリジノン-ピリジニル化合物および組成物を提供する。ヒトまたは動物の対象におけるp38 MAPキナーゼ活性の阻害の方法もまた提供されている。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月31日出願の米国特許仮出願第62/881,026号の利益を主張し、これはすべての目的のために参照により全体が本明細書に組み込まれる。
種々のp38 MAPキナーゼ阻害が公知である。
本明細書での実施形態は、A、B、およびR基が本明細書で定義されている式(I)の構造を有する化合物、またはその誘導体に関する:
Figure 2022542434000002
種々の実施形態では、本明細書の実施形態に記載されている化合物、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤および/もしくは追加の薬学的活性のある化合物を含む医薬組成物が提供される。
他の実施形態では、状態を処置するための方法であって、本明細書の実施形態に記載されている治療有効量の化合物を単独でまたは他の薬学的活性のある化合物と組み合わせて対象に投与することを含み、処置される状態としては、これらに限定されないが、自己免疫障害、慢性炎症性障害、急性炎症性障害、自己炎症性障害、疼痛、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、線維性疾患、代謝障害、がん、新生物、白血病、リンパ腫、関節リウマチ、および特発性肺線維症が挙げられる、方法が提供される。
0.1mg/kg(mpk)の静脈内(IV)での実施例1-D2および実施例1-H2の血漿経時的データを示す。 0.3mpkのIVでの実施例1-D2および実施例1-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例1-D2、実施例1-H2および実施例13-D6の血漿経時的データを示す。 2mpkの経口(PO)での実施例1-D2および実施例1-H2の血漿経時的データを示す。 0.1mpkのIVでの実施例3-D2および実施例3-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例3-D2および実施例3-H2の血漿経時的データを示す。 3mpkのIVでの実施例3-D2および実施例3-H2の血漿経時的データを示す。 0.1mpkのIVでの実施例5-D2および実施例5-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例5-D2および実施例5-H2の血漿経時的データを示す。 0.1mpkのIVでの実施例7-D2および実施例7-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例7-D2および実施例7-H2の血漿経時的データを示す。 0.1mpkのIVでの実施例9-D2および実施例9-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例9-D2および実施例9-H2の血漿経時的データを示す。 0.1mpkのIVでの実施例11-D2および実施例11-H2の血漿経時的データを示す。 1mpkのIVでの実施例11-D2および実施例11-H2の血漿経時的データを示す。 ラット、イヌ、ミニブタ、サル、およびヒト肝細胞における実施例1-D2の提案された代謝経路を示す。 ラット、イヌ、ミニブタ、サル、およびヒト肝細胞における実施例1-H2の提案された代謝経路を示す。
本発明の組成物および方法を記載する前に、本発明は、記載されている特定のプロセス、組成物、または方法論に限定されないことを理解されたい。これらは変動し得るからである。本記載に使用されている用語は、特定のバージョンまたは実施形態のみを記載することを目的とし、添付の特許請求の範囲のみに限定されることになる本明細書での実施形態の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。他に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術用語および科学用語は当業者により共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の任意の方法および材料を本明細書の実施形態を実施または試験するのに使用することができるが、好ましい方法、デバイス、および材料はここに記載されている。本明細書に記述されているすべての刊行物はこれら全体が参照により組み込まれている。本明細書のいかなる開示内容も、先行発明が存在するとして本明細書の実施形態がそのような開示に先行する権利が無いという承認として解釈されるべきではない。
定義
本明細書で使用される場合および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の言及を含むことにもまた注目されたい。よって、例えば、「p38 MAPキナーゼ阻害剤」についての言及は、当業者に公知の1種または複数種のp38 MAPキナーゼ阻害剤およびその同等物などについての言及である。
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、それが修飾する数値的な値を認定し、誤差の範囲内での変数としてこのような値を表示することを意図する。例えば、データのチャートまたは表で付与される平均値に対する標準偏差などの特定の誤差の範囲が列挙されていない場合、「約」という用語は、共に使用されている数の数値のプラスマイナス10%を意味すると考えられるべきである。したがって、約50%は45%~55%の範囲を意味する。
含むという用語が転移句として使用されている実施形態または請求項では、このような実施形態はまた、「含む」という用語を「からなる」または「から本質的になる」という用語で置き換えることも想定し得る。
本明細書で使用される場合、「からなる(consists of)」または「からなる(consisting of)」という用語は、医薬組成物、組成物または方法が特定の特許請求された実施形態または請求項に具体的に列挙された要素、ステップ、または成分のみを含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、「から本質的になっている(consisting essentially of)または「から本質的になる(consists essentially of)」という用語は、医薬組成物、または方法が特定の特許請求された実施形態または請求項に具体的に列挙された要素、ステップまたは成分のみを含み、特定の実施形態または請求項の基本的および新規の特徴に物質的に影響を与えない追加の要素、ステップまたは成分を含んでもよいことを意味する。例えば、特定された状態(例えば、栄養枯渇)を処置する組成物または方法における唯一の活性成分は、特定の実施形態または請求項において具体的に列挙された治療剤である。
本明細書で使用される場合、2つの実施形態は、一方が他方とは異なるものであると定義された場合、「相互に排他的」である。例えば、2つの基が組み合わさってシクロアルキルを形成する実施形態は、一方の基がエチルであり、他方の基が水素である実施形態とは相互に排他的である。同様に、1つの基がCH2である実施形態は、同じ基がNHである実施形態とは相互に排他的である。
本明細書で使用される場合、「その誘導体」という用語は、その塩、その薬学的に許容される塩、そのエステル、その遊離酸形態、その遊離塩基形態、その溶媒和物、その共結晶、その水和物、そのN-オキシド、そのクラスレート、そのプロドラッグ、その多形、その立体異性体、その幾何異性体、その互変異性体、その互変異性体の混合物、そのエナンチオマー、そのジアステレオマー、そのラセミ体、その立体異性体の混合物、またはこれらの組合せを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、患者、例えば、哺乳動物への投与が許容される塩基または酸から調製した塩を指す。「薬学的に許容される塩」という用語は、アルカリ金属塩を形成するために、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩を包含する。塩の性質は重大ではないが、ただし、塩は薬学的に許容されるものとする。このような塩は、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基からおよび薬学的に許容される無機酸または有機酸から誘導することができる。
値の範囲が開示されている場合、および「n1からn2まで」または「n1とn2の間」(式中、n1およびn2は数である)という表記が使用されている場合、他に特定されていない限り、この表記は、数そのものおよびこれらの間の範囲を含むことを意図する。この範囲は終端値との間および終端値を含めた整数または連続的なものであってもよい。例として、「2から6個の炭素」という範囲は、炭素は整数で存在するので、2、3、4、5、および6個の炭素を含むことを意図する。これに対して、例として、「1から3μM(マイクロモル)」という範囲は、1μM、3μM、およびその間の有効数字の任意の数のすべて(例えば、1.255μM、2.1μM、2.9999μMなど)を含むことを意図する。
「アシル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルケニル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、または任意の他の部分(カルボニルに結合している原子が炭素である)に結合しているカルボニルを指す。「アセチル」基とは-C(O)CH3基を指す。「アルキルカルボニル」または「アルカノイル」基とは、カルボニル基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。このような基の例として、メチルカルボニルおよびエチルカルボニルが挙げられる。アシル基の例として、ホルミル、アルカノイルおよびアロイルが挙げられる。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1つまたは複数の二重結合を有し、2~20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。ある特定の実施形態では、前記アルケニルは2~6個の炭素原子を含む。「アルケニレン」という用語は、2つまたはそれよりも多くの位置で結合している炭素-炭素二重結合系、例えば、エテニレン[(-CH=CH-)、(-C::C-)]を指す。適切なアルケニル基の例として、エテニル、プロペニル、2-メチルプロペニル、1,4-ブタジエニルなどが挙げられる。他に特定されていない限り、「アルケニル」という用語は「アルケニレン」基を含むことができる。
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルキルという用語が以下に定義されている通りである、アルキルエーテル基を指す。適切なアルキルエーテル基の例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1~20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、前記アルキルは1~10個の炭素原子を含む。さらなる実施形態では、前記アルキルは1~8個の炭素原子を含む。アルキル基は本明細書で定義されたように置換されていてもよい。
アルキル基の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル(noyl)などが挙げられる。「アルキレン」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、2つまたはより多くの位置で結合している直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から誘導される飽和脂肪族基、例えば、メチレン(-CH2-)を指す。他に特定されていない限り、「アルキル」という用語は「アルキレン」基を含むことができる。
「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アミノ基を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。適切なアルキルアミノ基は、モノジアルキル化またはジアルキル化されていてもよく、例えば、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-エチルメチルアミノなどの基を形成する。
「アルキリデン」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、炭素-炭素二重結合の1個の炭素原子が、アルケニル基が結合している部分に属する、アルケニル基を指す。
「アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルキルという用語が上で定義された通りであり、硫黄が1回または2回酸化されていてもよいアルキルチオエーテル(R-S-)基を指す。適切なアルキルチオエーテル基の例として、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソ-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、メタンスルホニル、エタンスルフィニルなどが挙げられる。
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1つまたは複数の三重結合を有し、2~20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝の鎖炭化水素基を指す。ある特定の実施形態では、前記アルキニルは2~6個の炭素原子を含む。さらなる実施形態では、前記アルキニルは2~4個の炭素原子を含む。「アルキニレン」という用語は、2つの位置で結合している炭素-炭素三重結合、例えば、エチニレン(-C:::C-、-C≡C-)を指す。
アルキニル基の例として、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチン-1-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシン-2-イルなどが挙げられる。他に特定されていない限り、「アルキニル」という用語は「アルキニレン」基を含むことができる。
「アミド」および「カルバモイル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、カルボニル基を介して親分子部分に結合している以下に記載されているようなアミノ基を指し、または逆もまた同様である。「C-アミド」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、本明細書で定義されたような、または具体的に列挙された、指定された「R」基により定義されるようなRおよびR’を有する、-C(O)N(RR’)基を指す。「N-アミド」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、本明細書で定義されたような、または具体的に列挙された、指定された「R」基により定義されるようなRおよびR’を有する、RC(O)NH(R’)-基を指す。「アシルアミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アミノ基を介して親部分に結合しているアシル基を包含する。「アシルアミノ」基の例はアセチルアミノ(CH3C(O)NH-)である。
「アミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-NRR’を指し、ここで、RおよびR’は独立して水素、アルキル、アシル、ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルから選択され、これらのいずれもが、それら自体置換されていてもよい。さらに、RおよびR’が組み合わさって、ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、これらのいずれもが置換されていてもよい。
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、このような多環式環系が一緒に縮合している、1、2または3つの環を含有する炭素環式芳香族系を意味する。「アリール」という用語は、芳香族基、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフェナントリルを包含する。
「アリールアルケニル」または「アラルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルケニル基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
「アリールアルコキシ」または「アラルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルコキシ基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルキル基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
「アリールアルキニル」または「アラルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルキニル基を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
「アリールアルカノイル」または「アラルカノイル」または「アロイル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アリール置換アルカンカルボン酸から誘導されたアシル基、例えば、ベンゾイル、ナフトイル(napthoyl)、フェニルアセチル、3-フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイル)、4-フェニルブチリル、(2-ナフチル)アセチル、4-クロロヒドロシンナモイルなどを指す。
アリールオキシという用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、オキシを介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。
「ベンゾ」および「ベンズ」」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、ベンゼンから誘導される二価の基C64=を指す。例としてベンゾチオフェンおよびベンゾイミダゾールが挙げられる。
「カルバメート」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、窒素または酸末端のいずれかから親分子部分に結合していてもよく、本明細書で定義されたように置換されていてもよいカルバミン酸エステル(-NHCOO-)を指す。
「O-カルバミル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、RおよびR’が本明細書で定義された通りである、-OC(O)NRR’基を指す。
「N-カルバミル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、RおよびR’が本明細書で定義された通りである、ROC(O)NR’-基を指す。
「カルボニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独の場合にはホルミル[-C(O)H]を含み、組み合わせた場合には-C(O)-基である。
「カルボキシル」または「カルボキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、-C(O)OH、またはカルボン酸塩の場合のような、対応する「カルボン酸」アニオンを指す。「O-カルボキシ」基とは、Rが本明細書で定義された通りである、RC(O)O-基を指す。「C-カルボキシ」基とは-C(O)OR基を指し、Rは本明細書で定義された通りである。
「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、示されている構造のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体を含むことを意図する。
「シアノ」」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-CNを指す。
「シクロアルキル」、または代わりに、「炭素環」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、各環式部分が3~12個の炭素原子環員を含有し、本明細書で定義されたように置換されていてもよいベンゾ縮合環系であってもよい、飽和または部分的に飽和した、単環式、二環式または三環式アルキル基を指す。ある特定の実施形態では、前記シクロアルキルは5~7個の炭素原子を含む。このようなシクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル(tetrahydronapthyl)、インダニル、オクタヒドロナフチル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル、アダマンチルなどが挙げられる。「二環式」および「三環式」とは、本明細書で使用される場合、両方の縮合環式、例えば、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレンならびに多環式(多中心性)の飽和または部分的に不飽和した種類を含むことを意図する。後者の種類の異性体は一般的に、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、カンファー、アダマンタン、およびビシクロ[3,2,1]オクタンにより例示される。
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、炭素原子で連結している2つの部分を架橋するカルボキシ基を指す。
「エーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、炭素原子において連結している2つの部分を架橋しているオキシ基を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、酸素原子を介して親分子部分に結合しているハロアルキル基を指す。
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1個または複数の水素がハロゲンで置き換えられている、上で定義されたような意味を有するアルキル基を指す。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基が包含される。モノハロアルキル基は、1つの例として、基内にヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロ原子を有し得る。ジハロアルキル基およびポリハロアルキル基は、2個またはそれよりも多くの同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有し得る。ハロアルキル基の例として、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。「ハロアルキレン」とは、2つまたはそれよりも多くの位置で結合しているハロアルキル基を指す。例として、フルオロメチレン(-CFH-)、ジフルオロメチレン(-CF2-)、クロロメチレン(-CHCl-)などが挙げられる。
「ハロシクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1つまたは複数の水素がハロゲンで置き換えられている、上で定義されたような意味を有するシクロアルキル基を指す。モノハロシクロアルキル、ジハロシクロアルキルおよびポリハロシクロアルキル(polyhalochaloalkyl)基が具体的に包含される。1つの例として、モノハロアルキル基は、基内にヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロ原子を有し得る。ジハロアルキル基およびポリハロアルキル基は2個またはそれよりも多くの同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有し得る。ハロアルキル基の例として、フルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、フルオロシクロブチル、クロロシクロブチル、およびクロロシクロペンチルが挙げられる。
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、完全に飽和したまたは1~3の不飽和度を含有し、述べられた数の炭素原子ならびにN、O、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子からなる、安定した直鎖もしくは分枝鎖、またはこれらの組合せを指し、ここで、NおよびS原子は酸化されていてもよく、Nヘテロ原子は四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部の位置に配置されてもよい。2個までのヘテロ原子は、例えば、-CH2-NH-OCH3のように連続していてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、5~15員の不飽和のヘテロ単環式の環、または縮合した単環式、二環式、または三環式環系を指し、縮合環の少なくとも1つは芳香族であり、N、O、およびSから選択される少なくとも1個の原子を含有する。ある特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、環員として1~4個のヘテロ原子を含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロアリールは、環員として1~2個のヘテロ原子を含む。ある特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、5~7個の原子を含む。この用語は、複素環がアリール環と縮合している、ヘテロアリール環が他のヘテロアリール環と縮合している、ヘテロアリール環がヘテロシクロアルキル環と縮合している、またはヘテロアリール環がシクロアルキル環と縮合している、縮合した多環式の基も包含する。ヘテロアリール基の例として、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、ピラニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾロピリダジニル、テトラヒドロイソキノリニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニルなどが挙げられる。例示的三環式ヘテロ環式基として、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル」および、互換的な「複素環」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含有する、飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の(ただし、非芳香族)単環式、二環式、または三環式ヘテロ環式基をそれぞれ指し、前記各ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択されてもよい。ある特定の実施形態では、前記ヘテロシクロアルキル(hetercycloalkyl)は1~4個のヘテロ原子を環員として含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは1~2個のヘテロ原子を環員として含む。ある特定の実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは3~8個の環員を各環内に含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは3~7個の環員を各環内に含む。またさらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、5~6個の環員を各環内に含む。「ヘテロシクロアルキル」および「複素環」は、スルホン、スルホキシド、第3級窒素環員のN-オキシド、ならびに炭素環式縮合およびベンゾ縮合環系を含むことを意図する。さらに、両方の用語はまた、複素環が本明細書で定義されたようなアリール基と、または追加の複素環基と縮合している系も含む。複素環基の例として、アジリジニル、アゼチジニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシンノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニルなどが挙げられる。複素環基は、具体的に禁止されていない限り、置換されていてもよい。
「ヒドラジニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、単結合で連結された2つのアミノ基、すなわち、-N-N-を指す。
「ヒドロキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-OHを指す。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、アルキル基を介して親分子部分に結合しているヒドロキシ基を指す。
「イミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、=N-を指す。
「イミノヒドロキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、=N(OH)および=N-O-を指す。
「主鎖内で」という句は、本明細書に開示されている式のいずれか1つの化合物までの、基の結合点から開始する最も長い連続するまたは隣接する炭素原子の鎖を指す。
「イソシアナト」という用語は-NCO基を指す。
「イソチオシアナト」という用語は-NCS基を指す。
「直鎖の原子」という句は、炭素、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される原子の最も長い直鎖を指す。
「低級アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、具体的に定義されていない限り、1~6個(6を含む)の炭素原子(すなわち、C1-C6アルキル)を含有することを意味する。
「低級アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、フェニルまたはナフチルを意味し、いずれも定められたように置換されていてもよい。
「低級ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、1)5または6環員を含む単環式ヘテロアリールであり、1~4個の間の前記員はN、O、およびSから選択されるヘテロ原子であってよい、または2)二環式ヘテロアリールであり、縮合環のそれぞれは5または6環員を含み、N、O、およびSから選択される1~4個の間のヘテロ原子を含む、のいずれかを意味する。
「低級シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、3および6個の間の環員(すなわち、C3-C6シクロアルキル)を有する単環式シクロアルキルを意味する。低級シクロアルキルは不飽和であってよい。低級シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
「低級ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、4~6個の間の環員を有し、このうち1~4個の間の環員がN、O、およびSから選択されるヘテロ原子(すなわち、C3-C6ヘテロシクロアルキル)であってよい単環式ヘテロシクロアルキルを意味する。低級ヘテロシクロアルキルの例として、オキセタン、アゼチジエン(azetidiene)、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびモルホリニルが挙げられる。低級ヘテロシクロアルキルは不飽和であってよい。
「低級アミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、RおよびR’が、独立して、水素および低級アルキルから選択され、これらのうちのいずれかは置換されていてもよい、-NRR’を指す。
「メルカプチル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、Rが本明細書で定義された通りであるRS-基を指す。
「ニトロ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-NO2を指す。
「N-オキシド」という用語は、好都合な酸化剤を使用して、分子内に存在する第3級塩基アミンまたはイミンから形成される。
「オキシ」または「オキサ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-O-を指す。
「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、=Oを指す。
「パーハロアルコキシ」という用語は、水素原子のすべてがハロゲン原子で置き換えられているアルコキシ基を指す。
「パーハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、すべての水素原子がハロゲン原子で置き換えられているアルキル基を指す。
本明細書で使用される場合、「アトロプ異性体純度」および「アトロプ異性体過剰率」(ae)という用語は交換可能であり、各アトロプ異性体のモル分率間の絶対差の測定値を指す場合があり、ほとんどの場合、パーセンテージとして表される。%アトロプ異性体過剰率は、式:
%ae=|A-B|×100
(式中、AおよびBは、A+B=1となる混合物中のアトロプ異性体のそれぞれのモル分率である)で決定することができる。ラセミ混合物のアトロプ異性体過剰率は0%であるが、完全に純粋な単一のアトロプ異性体のアトロプ異性体過剰率は100%である。一例として、P異性体が70%、Mが30%の試料では、アトロプ異性体過剰率は40%になる。これはまた、40%の純粋なPと60%のラセミ混合物(これは、全体の組成に30%のPと30%のMとを与える)との混合物と考えることができる。
「実質的に含まない」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)、または液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)を含むいかなる手段により測定される検出限界内の他のすべての化合物も含まない化合物を指す。
「スルホネート」、「スルホン酸」および「スルホン酸の」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、スルホン酸が塩形成において使用されている-SO3H基およびそのアニオンを指す。
「スルファニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-S-を指す。
「スルフィニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-S(O)-を指す。
「スルホニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-S(O)2-を指す。
「N-スルホンアミド」という用語は、RおよびR’が本明細書で定義された通りであるRS(=O)2NR’-基を指す。
「S-スルホンアミド」という用語は、RおよびR’が本明細書で定義された通りである-S(=O)2NRR’基を指す。
「チア」および「チオ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、酸素が硫黄で置き換えられている-S-基またはエーテルを指す。チオ基の酸化誘導体、すなわちスルフィニルおよびスルホニルはチアおよびチオの定義に含まれている。
「チオール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、-SH基を指す。
「チオカルボニル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独の場合、チオホルミル-C(S)Hを含み、組み合わせて-C(S)-基である。
「N-チオカルバミル」という用語は、RおよびR’が本明細書で定義された通りであるROC(S)NR’-基を指す。
「O-チオカルバミル」という用語は、RおよびR’が本明細書で定義された通りである-OC(S)NRR’基を指す。
「チオシアナト」という用語は-CNS基を指す。
「トリハロメタンスルホンアミド」という用語は、Xがハロゲンであり、Rが本明細書で定義された通りであるX3CS(O)2NR-基を指す。
「トリハロメタンスルホニル」という用語は、XがハロゲンであるX3CS(O)2-基を指す。
「トリハロメトキシ」という用語は、XがハロゲンであるX3CO-基を指す。
「三置換シリル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは組み合わせて、その3つの自由原子価にてアミノという定義で本明細書で列挙された基で置換された珪素基を指す。例として、トリメチルシリル(trimethysilyl)、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
本明細書のいかなる定義も、他のいずれかの定義と組み合わせて使用することによって、複合構造基について記載することができる。慣例により、任意のこのような定義の付随要素は親部分に結合している。例えば、複合基アルキルアミドは、アミド基を介して親分子に結合しているアルキル基を表し、アルコキシアルキルという用語は、アルキル基を介して親分子に結合しているアルコキシ基を表す。
基が「無効(ヌル)」と定義される場合、前記基は存在しないことを意味する。
「置換されていてもよい」という用語は、先行する基が置換または非置換であってよいことを意味する。置換されている場合、「置換されていてもよい」基の置換基として、制限なしで、単独でまたは組み合わせて、以下の群または特定の指定された一連の群から独立して選択される1つまたは複数の置換基を挙げることができる:低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級ヘテロアルキル、低級ヘテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級パーハロアルキル、低級パーハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキサミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、低級ハロアルキルチオ、低級パーハロアルキルチオ、アリールチオ、スルホネート、スルホン酸、三置換シリル、N3、SH、SCH3、C(O)CH3、CO2CH3、CO2H、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバメート、および低級ウレア。構造的に可能な場合、2つの置換基は一緒に連結して、0~3個のヘテロ原子からなる縮合5、6、または7員の炭素環式または複素環式環を形成する、例えばメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを形成することができる。置換されていてもよい基は、非置換(例えば、-CH2CH3)、完全置換(例えば、-CF2CF3)、一置換(例えば、-CH2CH2F)または完全置換と一置換との間のいずれかの置換レベル(例えば、-CH2CF3)であってよい。置換に関する認定なしに置換基が列挙されている場合、置換と非置換の両方の形態が包含される。置換基が「置換」という条件を満たしている場合、置換形態が具体的に意図される。さらに、特定の部分に対する異なる一連の任意の置換基が必要に応じて定義されていてもよく、これらの場合には、任意の置換は、多くの場合、「~で置換されていてもよい」という句の直後に定義されている通りである。
それ自体で出現し、番号指定を有さないRという用語またはR’という用語は、他に定義されない限り、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルから選択される部分を指し、これらのいずれもが置換されていてもよい。このようなRおよびR’基は、本明細書で定義されたように置換されていてもよいと理解されたい。R基が番号指定を有するかどうかに関わらず、R、R’およびRn(式中、n=(1、2、3、…n)である)を含めたすべてのR基、すべての置換基、およびすべての用語は、群からの選択に関していずれとも互いに独立していると理解されたい。いずれの可変基、置換基、または用語(例えばアリール、複素環、Rなど)が式または一般的構造において1回より多く出現したとしても,その定義は出現ごとに、他のすべての出現における定義から独立したものである。当業者であれば、ある特定の基は親分子に結合していてもよいし、または記載されているように、元素の鎖におけるいずれかの末端からの位置を占有してもよいことをさらに認識するであろう。例えば、非対称の基、例えば、-C(O)N(R)-は、炭素または窒素のいずれかにおいて親部分に結合していてもよい。
立体中心は、本明細書で開示されている化合物に存在する。これらの中心は、立体中心周辺での置換基の立体配置に応じて記号「R」または「S」により指定される。本発明は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、ならびにd-異性体および1-異性体、ならびにこれらの混合物を含む、すべての立体異性形態を包含することを理解されたい。化合物の個々の立体異性体は、定義された立体化学的配置を含有する市販の出発材料から合成により調製することができ、またはジアステレオマー混合物への変換による立体異性生成物の混合物の分離、これに続く、分離または再結晶化、クロマトグラフィー技術、キラルクロマトグラフィーカラムでの立体異性体の直接分離、または当技術分野で公知の他の任意の適当な方法により調製することができる。特定の立体配置の出発化合物は、市販のものであるか、または当技術分野で公知の技術により作製し、分割することができる。さらに、本明細書で開示されている化合物は、幾何異性体として存在し得る。本発明は、すべてのcis、trans、syn、anti、エンド、エキソ、エントゲーゲン(E)、およびツザメン(Z)異性体ならびにこれらの適当な混合物を含む。さらに、化合物は、互変異性体として存在してもよい。すべての互変異性異性体が本発明により提供される。さらに、本明細書で開示されている化合物は、薬学的に許容される溶媒、例えば、水、エタノールなどと共に、非溶媒和ならびに溶媒和形態で存在することができる。一般的に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であると考えられる。
「結合」という用語は、結合により連結された原子がより大きな下位構造の一部であると考えられる場合、2個の原子間または2つの部分間の共有結合を指す。結合は、他に特定されていない限り、単結合、二重結合、または三重結合であってよい。分子の図中の2個の原子間の破線は、追加の結合がその位置に存在してもよいし、または存在しなくてもよいことを示唆している。
「疾患」という用語は、本明細書で使用される場合すべてが、正常な機能を損なうようなヒトもしくは動物の身体の異常な状態またはヒトもしくは動物の身体の一部分の異常な状態を反映するという意味で、「障害」、「症候群」、および「状態」という用語(医学的状態における状態など)と一般的に同義であることを意図し、これらと互換的に使用されており、典型的に特徴的な兆しおよび症状により明らかとなり、ヒトまたは動物に寿命または生活の質の減少をもたらす。
「併用療法」という用語は、本開示に記載されている治療状態または障害を処置するために2種またはそれより多くの治療剤を投与することを意味する。このような投与は、これらの治療剤を、例えば活性成分の固定比率を有する単一のカプセル剤で、または各活性成分に対する複数の、別個のカプセル剤で、実質的に同時の方式で共投与することを包含する。加えて、このような投与はまた、各種類の治療剤の逐次的な方式での使用も包含する。どちらの場合にも、処置レジメンは、本明細書に記載されている状態または障害の処置において薬物併用の有益な作用を提供する。
本明細書において「p38 MAPキナーゼ阻害剤」とは、p38 MAPキナーゼ活性に関して、本明細書で一般的に記載されているp38 MAPキナーゼ酵素アッセイで測定したときに、約100μM以下のIC50、より典型的には約50μM以下のIC50を示す化合物を指す。一部の実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して、約1μM~約50μMのIC50を示す。IC50とは、酵素活性(例えば、p38 MAPキナーゼ)を最大半量のレベルに減少させる阻害剤の濃度である。本明細書で開示されているある特定の化合物は、38MAPキナーゼに対する阻害を示すことが発見された。一部の実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して約300nM以下のIC50を示す。一部の実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して約1nM以下のIC50を示す。ある特定の実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して約50μM以下のIC50を示す;さらなる実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して約10μM以下のIC50を示す;またさらなる実施形態では、化合物は、p38 MAPキナーゼに関して約5μM以下のIC50を示す;またさらなる実施形態では、化合物は、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼアッセイで測定すると、p38 MAPキナーゼに関して約1μM以下のIC50を示す。
「治療的に有効」という句は、疾患または障害の処置または臨床的評価項目を実行するのに使用される活性成分の量を認定することを意図する。
本明細書で使用される場合、「治療用物質(therapeutic)」または「治療剤(therapeutic agent)」または「薬学的活性のある薬剤」という用語は、患者の望ましくない状態または疾患を処置する、これと闘う、回復させる、予防するまたは改善するために利用される薬剤を意味する。部分的に、本発明の実施形態は、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置に関する。
組成物の「治療有効量」または「有効量」とは、所望の作用を達成する、すなわち、細胞の活性化、移動、または増殖を阻害する、遮断する、または逆転するために計算された既定の量である。本発明の方法により想定される活性は、必要に応じて医学的治療と予防的処置の両方、または医学的治療もしくは予防的処置を含む。治療的および/または予防的作用を得るために本発明に従い投与される化合物の特定の用量は当然、例えば、投与される化合物、投与経路、および処置を受けている状態を含めた、その事例を取り囲む特定の状況により決定されることになる。化合物は幅広い用量範囲にわたり有効であり、例えば、1日当たりの用量は通常、0.001~10mg/kgの範囲内、より普通には、0.01~1mg/kgの範囲内に入る。しかし、投与される有効量は、処置される状態、投与される化合物の選択、および選択された投与経路を含む関連する状況を考慮して医師により決定されることになり、したがって上記用量範囲は決して本発明の範囲を限定することを意図するわけではないことを理解されたい。本発明の化合物の治療有効量とは通常、それが生理学的に許容される賦形剤組成物で投与された場合、組織内で有効な全身濃度または局所的濃度を達成するのに十分であるような量である。
「治療上許容される」という用語は、過度の毒性、刺激、およびアレルギー反応なしに患者の組織と接触させて使用するのに適切であり、妥当な損益比に見合い、これらの意図した使用に対して有効であるような化合物、またはその誘導体を指す。
「処置する(treat)」「処置される(treated)」「処置している(treating)」または「処置(treatment)」という用語は、本明細書で使用される場合、治療的処置と防止的手段または予防的手段との両方を指し、その目的は、所望しない生理学的状態、障害もしくは疾患を予防するもしくは減速させる(和らげる)こと、または有益なもしくは所望の臨床結果を得ることである。本発明の目的のため、有益なもしくは所望の臨床結果は、これらに限定されないが、症状の軽減;状態、障害または疾患の範囲の減退;状態、障害または疾患の状況の安定化(すなわち、悪化しない);状態、障害もしくは疾患の発症の遅延、または状態、障害もしくは疾患の進行の減速;状態、障害または病態の回復;および検出可能もしくは検出不能であるかに関わらず、緩解(部分的または全体的であるかに関わらず、その誘導または維持であるかに関わらず)、または状態、障害もしくは疾患の増強もしくは改善を含む。処置は、過剰なレベルの副作用なしに、臨床的に著しい応答を導き出すことを含む。処置はまた、生存期間を、処置を受けなかった場合に予想される生存期間と比較して延長することも含む。処置はまた本質的に予防的なこともある、すなわち、処置は疾患の予防も含み得る。疾患の予防は、例えば、病原体による感染症の予防の場合のように疾患からの完全な保護を含んでもよいし、または疾患の進行の予防を含んでもよい。例えば、疾患の予防は、任意のレベルでの疾患に関係するいずれかの作用を完全に抑え込むことを意味しなくてもよいが、代わりに疾患の症状を臨床的に有意なまたは検出可能なレベルまで予防することを意味し得る。疾患の予防とはまた、疾患が疾患の後期段階まで進行するのを予防し、疾患を患っていない生存期間を、処置を受けていなかった場合の疾患を患っていない生存期間と比較して延長することを意味し得る。
「投与する」とは、治療剤と併せて使用された場合、治療剤を標的組織内、もしくは標的組織上に直接投与すること、または治療剤を患者に投与し、これによって、治療剤が、標的とする組織にプラスに影響することを意味する。よって、本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、本明細書の実施形態の化合物と併せて使用される場合、これらに限定されないが、化合物を標的組織内または標的組織上に提供すること;化合物を患者に、例えば、静脈内注射により全身的に提供し、これによって治療剤が標的組織に到達すること;化合物を、その配列をコードする形態で標的組織へ提供すること(例えば,いわゆる遺伝子治療技術により)を含むことができる。組成物を「投与する」ことは、注射、局所的、経口的、またはこれらの方法のいずれかを他の公知の技術と組み合わせることにより達成することができる。
「患者」という用語は、一般的に「対象」という用語と同じ意味であり、ヒトを含むすべての哺乳動物を含む。患者の例として、ヒト、畜産、例えば、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギなど、ならびに伴侶動物、例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、およびウマなどが挙げられる。好ましくは、患者はヒトである。
「プロドラッグ」という用語は、in vivoにおいてより活性のあるように作られた化合物を指す。本明細書で開示されているある特定の化合物は、Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism: Chemistry, Biochemistry, and Enzymology (Testa, Bernard and Mayer, Joachim M. Wiley-VHCA, Zurich, Switzerland 2003)に記載されているようなプロドラッグとしても存在し得る。本明細書に記載されている化合物プロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化を受けて化合物をもたらす、構造的に修飾された形態の化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法で化合物へと変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬を有する経皮パッチリザーバー内に配置された場合、化合物にゆっくりと変換され得る。プロドラッグは、一部の状況では、化合物、または親薬物よりも投与し易いこともあるので、多くの場合有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与により生物学的に利用可能となり得るが、親薬物はそうでない。プロドラッグはまた、医薬組成物中の溶解度が親薬物よりも改善されていることもある。多種多様なプロドラッグ誘導体は、例えば、プロドラッグの加水分解的切断または酸化的活性化に依存するものなど、当技術分野で公知である。プロドラッグの例は、エステルとして投与されるが(「プロドラッグ」)、次に代謝的に加水分解されて、カルボン酸、すなわち活性のある実体となる化合物であるが、これらに制限されない。追加の例は、化合物のペプチジル誘導体を含む。
「賦形剤」および「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、一般的に同義であることを意図し、「担体」「薬学的に許容される担体」、「希釈剤」、「薬学的に許容される希釈剤」という用語と互換的に使用される。
「治療上許容される塩」という用語は、本明細書で使用される場合、水溶性または油溶性または分散性があり、本明細書で定義されたような治療上許容される、本明細書で開示されている化合物の塩または双性イオン形態を表す。塩は、化合物の最終の単離および精製の間に、または適当な化合物を別々に、遊離塩基の形態で適切な酸と反応させることにより調製することができる。代表的な酸付加塩として、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L-アスコルビン酸塩、アスパラギン酸、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL-マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩(3-phenylproprionate)、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオネート、ピログルタメート、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L-酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ-トルエンスルホン酸塩(p-トシル酸塩)、およびウンデカン酸塩が挙げられる。また、本明細書で開示されている化合物の塩基性基は、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、および塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、および臭化ブチル、ならびにヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、およびヨウ化ブチル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミル;塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、および塩化ステアリル(steryl chloride)、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、および臭化ステアリル、ならびにヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、およびヨウ化ステアリル;ならびに臭化ベンジルおよび臭化フェネチルで四級化することができる。治療上許容される付加塩を形成するために利用することができる酸の例として、無機酸、例えば、塩酸、臭水素酸、硫酸、およびリン酸など、ならびに有機酸、例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などが挙げられる。塩はまたアルカリ金属またはアルカリ土類イオンを有する化合物の配位により形成することができる。したがって、本発明は、本明細書で開示されている化合物のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩を想定している。
本発明の実施形態は、p38 MAPキナーゼを阻害することが判明している化合物およびこのような化合物を含む医薬組成物を、これらの化合物を投与することにより患者においてp38 MAPキナーゼ媒介性疾患を処置するための方法を含み(それらの方法に制限されない)、これらの化合物を合成および使用する方法に関する。一部の実施形態では、化合物および医薬組成物は局所的に投与される。
略語のリスト
ACN アセトニトリル
BOC tert-ブトキシカルボニル
Bu ブチル
Bpy 2,2’-ビピリジン
DCA ジクロロ酢酸
DCI ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタンまたは塩化メチレン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMAP 4-ジメチルアミノピリジンまたはN,N-ジメチルアミノピリジン
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
CuBr2 臭化銅(II)
EDAC N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩
eq. 当量
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー(high pressure liquid chromatography)
h 時間
IPA イソプロピルアルコール
2CO3 炭酸カリウム
KOtBu カリウムtert-ブトキシド
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LC/MS 液体クロマトグラフィー質量分析
LC/MS/MS 液体クロマトグラフィータンデム質量分析
mCPBA m-クロロ過安息香酸
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MgSO4 硫酸マグネシウム
mL ミリリットル
mmol ミリモル
NaH 水素化ナトリウム
NaN(TMS)2 ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
NCS N-クロロスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
NMP N-メチルピロリドン
Pd/C パラジウム炭素
Ph フェニル
PPA ポリリン酸
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TOSMIC トルエンスルホニルメチルイソシアニド
TSA p-トルエンスルホン酸。
化合物
本明細書の実施形態は、p38 MAPキナーゼを阻害することが判明している化合物およびこのような化合物を含む医薬組成物と共に、化合物を合成および使用する方法に関する。一部の実施形態は、本明細書の実施形態の化合物を投与することにより、患者において疾患を処置するための方法を含む。
本明細書で開示されているある特定の化合物は、有用なp38 MAPキナーゼ阻害活性を保有することができ、p38 MAPキナーゼが活発な役割を果たす疾患または状態の処置または予防において使用することができる。よって、実施形態はまた、本明細書で開示されている1つまたは複数の化合物を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物、ならびに化合物および組成物を作製および使用する方法に関する。ある特定の実施形態は、p38 MAPキナーゼを阻害するための方法に関する。他の実施形態は、このような処置を必要とする患者においてp38 MAPキナーゼ媒介性障害を処置するための方法であって、前記患者に、治療有効量の本発明による化合物または組成物を投与することを含む方法に関する。p38 MAPキナーゼの阻害により回復される疾患または状態の処置のための医薬の製造における、本明細書で開示されているある特定の化合物の使用もまた提供される。
本明細書の任意の実施形態を、特に述べられていない限り、かつ、組合せが相互に排他的ではない限り、他の実施形態のうちの任意の1つまたは複数と組み合わせることができる実施形態もまた提供される。
本明細書で開示されている実施例から選択された化合物もまた提供される。本明細書の実施形態の化合物はまた、その誘導体、または本明細書の実施形態の前述の化合物の組合せを指すことができる。
本明細書に記載されている化合物は、1つまたは複数の立体中心を含有してもよく、よって立体異性体として存在してもよい。本明細書の実施形態は、実質的に純粋な分割された立体異性体、それらのラセミ混合物、ならびにジアステレオマーの混合物としてすべてのこのような可能な立体異性体を含む。一部の実施形態では、ある特定の位置における明確な立体化学なしで式が示されている。他の実施形態では、化合物は、単一の立体異性体として単離されるが、立体中心の絶対配置は不明であるか、または相対的な立体化学的配置(すなわち、cisまたはtrans異性)のみが公知である。このような実施形態では、式は、これらが単一の立体異性体であることを表すために、暫定的に割り当てられた絶対的配置と共に示されており、相対的な立体化学的配置は同様に記載されている。本明細書の実施形態はこのような式のすべての立体異性体およびその薬学的に許容される塩を含む。エナンチオマーのジアステレオ異性体対は、例えば、適切な溶媒からの分別結晶化により分離することができ、こうして得たエナンチオマー対は、従来の手段で、例えば、光学活性のある酸または塩基を分割剤として使用して、またはキラルHPLCカラムにより個々の立体異性体へと分離することができる。さらに、一般式の化合物のいずれの立体異性体も、光学的に純粋なまたはエナンチオ富化された、公知の立体配置の出発材料または試薬を使用した立体特異性または立体選択的合成により得ることができる。記載されているおよび特許請求されたような本明細書の実施形態の範囲は、化合物のラセミ体ならびに個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、および立体異性体富化した混合物を包含する。
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術は、適切なエナンチオ富化したまたは光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ体分割を含む。代わりに、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は、適切な光学活性化合物、例えば、アルコール、または、化合物が酸性または塩基性部分を含有する場合、酸または塩基、例えば、酒石酸または1-フェニルエチルアミンなどと反応させることもできる。生成したジアステレオマー混合物はクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化で分離することができ、ジアステレオ異性体の1つまたは両方は当業者に周知の手段で対応する純粋なエナンチオマーに変換させることができる。本明細書の実施形態のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、通常、0~50%イソプロパノール、通常2~20%、および0~5%のアルキルアミン、通常0.1%のジエチルアミンを含む炭化水素、通常ヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を有する非対称樹脂上でHPLCを使用して、エナンチオ富化された形態で得ることができる。溶出液の濃縮により、富化された混合物が生成される。立体異性体集合体は、当業者に公知の従来の技術により分離することができる。例えば、"Stereochemistry of Organic Compounds" by Ernest L. Eliel (Wiley, New York, 1994)を参照されたい。
アトロプ異性体は、回転に対する立体ねじれ障壁が配座異性体の単離を可能にするくらい十分に高い場合、単結合の周りの束縛回転から生じる立体異性体である。この現象により、軸不斉を示す立体異性体が生成される。
Oki (Oki, M; Topics in Stereochemistry 1983, 1)は、アトロプ異性体を、所与の温度において1000秒を超える半減期で相互変換する配座異性体として定義した。記載および特許請求された本明細書の実施形態の範囲は、化合物のラセミ体ならびに個々のアトロプ異性体(その対応するアトロプ異性体を「実質的に含まない」エナンチオマー)および立体異性体富化した混合物、すなわち、アトロプ異性体の混合物を包含する。
アトロプ異性体の分離はキラル分割方法、例えば、選択的結晶化などにより行うことができる。アトロプエナンチオ選択的またはアトロプ選択的合成において、1つのアトロプ異性体は他を犠牲にして形成される。アトロプ選択的合成は、クニホロンの全合成における、Corey-Bakshi-Shibata(CBS)触媒(プロリンから誘導された非対称触媒)などのキラル助剤の使用により、または異性化反応で1つのアトロプ異性体が他よりも有利になる場合、熱力学の平衡化に基づく手法により行うことができる。
以下のスキームは、本発明の特定のピリジノン-ピリジン化合物に関する「アトロプ異性」を示している:
Figure 2022542434000003
本発明の化合物のX環とY環との間の結合は妨げられ、容易に回転することができない。回転に対する立体ひずみ障壁は十分に高いため、個々の配座異性体を単離することができる。本発明の化合物は、アトロプ異性体、すなわちキラル回転異性体として存在する。本発明は、ラセミ体、分割されたアトロプ異性体、およびそれらの混合物を包含する。アトロプ異性体は、二酸化炭素およびエタノール/メタノールの移動相を使用した超臨界流体クロマトグラフィーによって分離することができる。
アトロプ異性体は一般に安定であるが、多くの場合、熱的に平衡化することができる。アトロプ異性体は、同一であるが反対の旋光度を有する。各アトロプ異性体は、酵素または受容体に結合すると異なる特性を有する場合があり、多くの場合、一方の異性体は他方よりも強力であり得る。アトロプ異性体は医薬剤として頻繁に使用される。公知の例としては、バンコマイシンおよび誘導体が挙げられる。
アトロプ異性体の配置は、Bringmann, G. et. al., Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 5384およびそこに引用されている参考文献に記載されているように、置換基の相対位置を説明するための命名法(M)-および(P)-を使用して記載することができる。構造は描画の通りに示されるが、(P)-または(M)-異性体のいずれかが望ましい場合があることが理解される。
本明細書で実施形態の化合物の適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。これらの塩のすべては、例えば、化合物を適当な酸または塩基で処置することにより、本明細書で実施形態の対応する化合物から従来の手段で調製することができる。
薬学的に許容される酸として、無機酸、例えば塩酸、臭水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、リン酸および二リン酸;ならびに有機酸、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、メシル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、マロン酸、ガラクト酸(galactic)、ガラクツロン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、ムコ酸、アスコルビン酸、シュウ酸、パントテン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、キシナホ酸(1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ナパジシル酸(1,5-ナフタレン二スルホン酸)などが挙げられる。
薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩として、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩として、アルキルアミン、アリールアルキルアミン、ヘテロシクリルアミン、環状アミン、天然由来のアミンなどを含む、第1級、第2級および第3級アミンの塩、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、N-メチルグルカミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
本明細書の実施形態による他の好ましい塩は、当量のアニオン(X-)がN原子の正電荷に付随している第4級アンモニウム化合物である。X-は、様々な鉱酸のアニオン、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなど、または有機酸のアニオン、例えば、酢酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、マンデル酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオンおよびp-トルエンスルホン酸イオンであってよい。X-は好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、マレイン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオンまたはトリフルオロ酢酸イオンから選択されるアニオンである。より好ましくはX-は塩化物イオン、臭化物イオン、トリフルオロ酢酸イオンまたはメタンスルホン酸イオンである。
本明細書の実施形態の化合物は、非溶媒和形態と溶媒和形態の両方で存在し得る。溶媒和物という用語は、本明細書で本明細書の実施形態の化合物およびある量の1個または複数の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体について記載するように使用されている。前記溶媒が水の場合、水和物という用語が利用される。溶媒和物形態の例として、水、アセトン、ジクロロメタン、2-プロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、またはこれらの混合物と結合している本明細書の実施形態の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の実施形態において、1個の溶媒分子は、本明細書の実施形態の化合物の1個の分子に結合している、例えば、水和物であり得ることが具体的に想定される。
さらに、本明細書の実施形態において、1個より多くの溶媒分子が本明細書の実施形態の化合物の1個の分子に結合していてもよい、例えば、二水和物が具体的に想定される。加えて、本明細書の実施形態において1個未満の溶媒分子が本明細書の実施形態の化合物の1個の分子に結合していてもよい、例えば、半水和物が具体的に想定される。さらに、本明細書の実施形態の溶媒和物は、化合物の非溶媒和物形態の生物学的有効性を保持する本明細書の実施形態の化合物の溶媒和物として想定される。
「H」として表示されている、または水素原子が表示されていない化学構造の位置では、化合物は、その位置に天然存在度の重水素を有すると想定される。「D」で表示された化学構造の位置では、化合物は、その位置において重水素が天然存在度よりも高い。
「同位体濃縮」または「同位体濃縮係数」という用語は、試料中に天然に存在する量の重水素と比較して、水素を重水素で置換する程度を表す。例えば、2つの重水素原子を有し、98%d2および1.5%d1の同位体濃縮を有するものとして描画された化合物の試料は、試料の98%には指定された位置に2つの重水素原子が含まれ、試料の1.5%には、指定された位置に1つの重水素原子および1つの水素原子が含まれ、0.5%には、指定された位置に天然存在度の重水素が含まれていることを意味する。
同位体の富化係数は、質量分析法(MS)および核磁気共鳴(NMR)を含む、当業者に公知の従来の分析法を使用して決定することができる。
本明細書に記載されている化合物のプロドラッグもまた本明細書の実施形態の範囲内である。よって、本明細書の実施形態の化合物のある特定の誘導体は、(これらの誘導体はそれら自体は、わずかな薬理学的活性しか有さない、または薬理学的活性を有さなくてもよい)、体内または身体上に投与された場合、例えば、加水分解的開裂により、所望の活性を有する本明細書の実施形態化合物へと変換され得る。このような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用に対するさらなる情報については、Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. Higuchi and W. Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (ed. E. B. Roche, American Pharmaceutical Association)において見出すことができる。
本明細書の実施形態によるプロドラッグは、例えば、本明細書の実施形態の化合物に存在する適当な官能基を、例えば、Design of Prodrugs by H. Bundgaard (Elsevier, 1985)に記載されているような、「プロ部分」として当業者に公知のある特定の部分で置き換えることにより生成することができる。
固体である本明細書の実施形態の化合物の場合、本発明の化合物および塩は、異なる結晶形態もしくは多形形態、または非晶質形態で存在することができ、これらのすべては、本明細書の実施形態の範囲内であることが意図されることが当業者により理解される。
本明細書に開示される化合物は、すべての立体異性体、アトロプ異性体、互変異性体、立体配座異性体、およびすべての比率のそれらの混合物として存在することができ、したがってそれらを含むことができる。
本明細書で開示されている化合物は、治療上許容される塩として存在できる。本発明は、酸付加塩を含む塩の形態で上記に列挙された化合物を含む。適切な塩は、有機酸と無機酸の両方と共に形成されるものを含む。このような酸付加塩は通常薬学的に許容される。しかし、非薬学的に許容される塩である塩は、対象とする化合物の調製および精製において有用となり得る。塩基性の付加塩も形成することができ、薬学的に許容され得る。塩の調製および選択のより完全な考察については、Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use (Stahl, P. Heinrich. Wiley-VCHA, Zurich, Switzerland, 2002)を参照されたい。
塩基性付加塩は、化合物の最終の単離および精製の間に、カルボキシ基を、適切な塩基、例えば、金属カチオンの水酸化物イオン、炭酸イオン、もしくは炭酸水素イオンまたはアンモニアもしくは有機第1級、第2級、もしくは第3級アミンと反応させることにより調製することができる。治療上許容される塩のカチオンとして、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム、ならびに非毒性第4級アミンカチオン、例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、およびN,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどが挙げられる。塩基付加塩の形成に対して有用な他の代表的な有機アミンとして、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンが挙げられる。
ある特定の実施形態では、化合物は、式(I)の構造を有する化合物:
Figure 2022542434000004
(式中、
AおよびBは、水素および重水素から独立して選択され、AまたはBの少なくとも1つの事例が重水素であり;
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、前記アリールまたは前記ヘテロアリールは、ハロゲン、C1-5アルキル、OH、O-C1-5アルキルおよびCNから選択される1個または複数の基で置換されていてもよく、各アルキル基は、1個または複数のハロゲンで置換されていてもよい)
または、その誘導体を提供する。
本発明の実施形態は、式(I)の化合物の以下の実施例によりさらに例示される。
Figure 2022542434000005
Figure 2022542434000006
Figure 2022542434000007
一部の実施形態は、以下の構造:
Figure 2022542434000008
を有する化合物、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、または、その誘導体を提供する。
一部の実施形態では、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体は、単一のアトロプ異性体であり、前記単一のアトロプ異性体は(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体である。一部の実施形態では、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体は、対応するM異性体に対し約90%以上、対応するM異性体に対し約91%以上、対応するM異性体に対し約92%以上、対応するM異性体に対し約93%以上、対応するM異性体に対し約94%以上、対応するM異性体に対し約95%以上、対応するM異性体に対し約96%以上、対応するM異性体に対し約97%以上、対応するM異性体に対し約97.5%以上、対応するM異性体に対し約98%以上、対応するM異性体に対し約99%以上、対応するM異性体に対し約99.1%以上、対応するM異性体に対し約99.2%以上、対応するM異性体に対し約99.3%以上、対応するM異性体に対し約99.4%以上、対応するM異性体に対し約99.5%以上、対応するM異性体に対し約99.6%以上、対応するM異性体に対し約99.7%以上、約99.75%以上対応するM異性体、対応するM異性体に対し約99.8%以上、対応するM異性体に対し約99.9%以上、対応するM異性体に対し約99.91%以上、対応するM異性体に対し約99.92%以上、約対応するM異性体より99.93%以上、対応するM異性体に対し約99.94%以上、対応するM異性体に対し約99.95%以上、対応するM異性体に対し約99.96%以上、対応するM異性体、対応するM異性体に対し約99.97%以上、対応するM異性体に対し約99.98%以上、または対応するM異性体に対し約99.99%以上、のアトロプ異性体純度を有する。一部の実施形態では、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体は、対応するM異性体を実質的に含まない。
一部の実施形態では、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体は、単一のアトロプ異性体であり、前記単一のアトロプ異性体は(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体である。一部の実施形態では、(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体は、対応するP異性体に対し約90%以上、対応するP異性体に対し約91%以上、対応するP異性体に対し約92%以上、対応するP異性体に対し約93%以上、対応するP異性体に対し約94%以上、対応するP異性体に対し約95%以上、対応するP異性体に対し約96%以上、対応するP異性体に対し約97%以上、対応するP異性体に対し約97.5%以上、対応するP異性体に対し約98%以上、対応するP異性体に対し約99%以上、対応するP異性体に対し約99.1%以上、対応するP異性体に対し約99.2%以上、対応するP異性体に対し約99.3%以上、対応するP異性体に対し約99.4%以上、対応するP異性体に対し約99.5%以上、対応するP異性体に対し約99.6%以上、対応するP異性体に対し約99.7%以上、約99.75%以上対応するP異性体、対応するP異性体に対し約99.8%以上、対応するP異性体に対し約99.9%以上、対応するP異性体に対し約99.91%以上、対応するP異性体に対し約99.92%以上、約対応するP異性体より99.93%以上、対応するP異性体に対し約99.94%以上、対応するP異性体に対し約99.95%以上、対応するP異性体に対し約99.96%以上、対応するP異性体、対応するP異性体に対し約99.97%以上、対応するP異性体に対し約99.98%以上、または対応するP異性体に対し約99.99%以上、のアトロプ異性体純度を有する。一部の実施形態では、(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体は、対応するP異性体を実質的に含まない。
一部の実施形態では、式(I)の化合物またはその誘導体は、Pアトロプ異性体およびMアトロプ異性体の混合物として存在し、混合物は、Pアトロプ異性体およびMアトロプ異性体の任意の比率で存在し得る。
一部の実施形態では、式(I)の化合物またはその誘導体は、式(P)-IIまたはその誘導体、および式(M)-IIまたはその誘導体:
Figure 2022542434000009
に示される個々のアトロプ異性体に分離され得る。
ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を0%含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を0.01%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を0.05%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を0.1%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を0.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を1%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を1.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を2%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を2.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を2%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を3.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を4%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を4.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(P)-IIの化合物は、その対応するM異性体を5%未満含有する。
ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を0%含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を0.01%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を0.05%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を0.1%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を0.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を1%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を1.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を2%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を2.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を3%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を3.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を4%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を4.5%未満含有する。ある特定の実施形態では、式(M)-IIの化合物は、その対応するP異性体を5%未満含有する。
本明細書に開示されている化合物のある特定の実施形態では、構造中の表示された各位置での同位体濃縮は、70%以上である。本明細書に開示される化合物のある特定の実施形態では、構造中の表示された各位置での同位体濃縮は、80%以上である。本明細書に開示される化合物のある特定の実施形態では、構造中の表示された各位置での同位体濃縮は、90%以上である。本明細書に開示される化合物のある特定の実施形態では、構造中の表示された各位置での同位体濃縮は、95%以上である。本明細書に開示される化合物のある特定の実施形態では、構造中の表示された各位置での同位体濃縮は、99%以上である。
医薬組成物
本明細書の一部の実施形態は、本明細書に記載されている式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。ある特定の実施形態では、医薬組成物のそれぞれは、式(P)-IIの化合物またはその誘導体を含み、医薬組成物は、その対応するM異性体を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、医薬組成物のそれぞれは、式(M)-IIの化合物またはその誘導体を含み、医薬組成物は、その対応するP異性体を実質的に含まない。
本明細書で開示されている化合物を、薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物もまた提供される。
本明細書に記載されている化合物を原薬として投与することが可能であり得る一方、それらを医薬組成物として提示することもまた可能である。したがって、本明細書で開示されている、1つまたは複数のある特定の化合物、またはその誘導体を、1種または複数種の薬学的に許容されるその賦形剤と、任意に1種または複数種の他の治療用成分と一緒に含む医薬組成物が本明細書で提供されている。賦形剤は、製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントにとって有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。医薬組成物の適正な製剤は選択される投与経路に依存する。周知の技術、および賦形剤のいずれも適切であり、当技術分野で理解されるものとして使用することができる。本明細書で開示されている医薬組成物は、当技術分野で公知の任意の方式、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠の作製、粉砕、乳化、カプセル化、封入または圧縮プロセスの手段により製造することができる。
一部の実施形態では、本明細書の実施形態による使用のための医薬組成物は、1種または複数種の生理学的に許容される賦形剤を使用する従来の方式で製剤化することができる。
組成物には、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、および髄内を含む)、腹腔内、髄腔内、硬膜内、経粘膜、経皮、直腸、鼻腔内、局所的(例えば、皮膚、口腔内頬側、舌下および眼内を含む)、硝子体内、または膣内投与に対して適切なものが含まれるが、ただし、最も適切な経路は、例えば、レシピエントの状態および障害に依存し得る。組成物は、デポー注射またはインプラントによる投与に対して適切なものを含むことができる。組成物は、吸入による投与に対して適切なもの、例えば、気体、蒸気、または粉末などを含むことができる。組成物は、例えば、ネブライザー、加湿器、吸入器および気化器などを介するエアゾール剤としての投与に対して適切なものを含むことができる。組成物は、好都合に単位剤形で提示することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかにより調製することができる。通常、これらの方法は、本明細書で開示されている化合物またはその誘導体(「活性成分」)を、1種または複数種の副成分を構成する担体と合わせるステップを含む。一般的に、組成物は活性成分を液体担体または微細に分割された固体担体または両方と均一におよび密に合わせ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の組成物へと成形することにより調製される。
経口投与に対して適切な本明細書で開示されている化合物の組成物は、それぞれが既定量の活性成分を含有する独立した単位、例えば、カプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤などとして、粉末もしくは粒剤として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として提示されてもよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペースト剤として提示されてもよい。
経口的に使用することができる薬学的調製物として、錠剤、ゼラチンで作製された押し込み型のカプセル剤、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤で作製された軟質の、密閉カプセル剤が挙げられる。錠剤は、任意に1種または複数種の副成分と共に圧縮または成型することにより作製される。圧縮錠は、適切な機器内で活性成分を自由流体、例えば、粉末または粒剤などの形態で圧縮し、任意に結合剤、不活性希釈剤、または滑沢剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らした粉末状化合物の混合物を適切な機器内で成型することによって作製することができる。錠剤は、コーティングしたり、刻みをいれたりしてもよく、その中の活性成分のゆっくりとした放出または制御放出を提供するように製剤化することもできる。経口投与用のすべての組成物は、このような投与に対して適切な投与量であるべきである。押し込み型カプセル剤は、活性成分を、充填剤、例えば、ラクトース、結合剤、例えば、デンプン、および/または滑沢剤、例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウム、任意に安定剤と混合して含有することができる。軟質カプセル剤内で、活性化合物は、適切な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁させることができる。加えて、安定剤を加えてもよい。糖衣錠コアは適切なコーティングを伴って提供される。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、これは、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい。活性化合物の用量の異なる組合せを識別するまたは特徴付けるために染料または色素を錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
本化合物は、注射による、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために製剤化することができる。注射用組成物は、例えば、アンプルまたは多回用量容器内に、保存剤が加えられた単位剤形で提示されてもよい。医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳液などの形態を取ることができ、製剤化剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含有することができる。組成物は、単回用量または多回用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルに入れて提示することができ、使用直前に、無菌液体担体、例えば、生理食塩水または発熱物質を含まない滅菌水の添加のみが必要な粉末形態または冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時調製注射液および懸濁液は、以前に記述された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
非経口投与のための医薬組成物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および対象レシピエントの血液との等張性を組成物に付与する溶質を含有することができる活性化合物の水性および非水性(油性)滅菌注射液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含む。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド、またはリポソームを含む。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含有することができる。任意に、懸濁液はまた、化合物の溶解度を増加させて、高度に濃縮された溶液の調製を可能にする適切な安定剤または薬剤を含有することができる。
以前に記載した医薬組成物に加えて、化合物はまたデポー剤調製物として製剤化することもできる。このような長時間作用型組成物は、インプランテーション(例えば、皮下または筋肉内)により、または筋肉注射により投与することができる。よって、例えば、化合物は、適切なポリマー性物質または疎水性物質(例えば、許容される油中の乳剤など)またはイオン交換樹脂と共に、または難溶性の誘導体、例えば、難溶性塩として製剤化することができる。
口腔内頬側または舌下の投与のため、医薬組成物は、従来の方式で製剤化された錠剤、ロゼンジ剤、パステル剤、またはゲル剤の形態を取ることができる。このような組成物は、活性成分を香味づけたベース、例えば、スクロースおよびアカシアまたはトラガント中に含むことができる。
化合物はまた、従来の坐剤基剤、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または他のグリセリドなどを含有する坐剤または保持性浣腸剤などの直腸用組成物に製剤化することもできる。
本明細書で開示されているある特定の化合物は局所的投与、すなわち非全身投与することができる。これは、本明細書で開示されている化合物を外部から表皮または口腔に適用すること、ならびにこのような化合物を耳、眼および鼻に滴下することを含む。対照的に、全身投与とは、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を指す。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物は眼科的に投与することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物は、眼用組成物として投与することができる。本明細書の実施形態の化合物は、例えば、洗眼液、スプレー、または点眼剤を含む、局所投与のための液体調製物として投与することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物は、例えば、眼瞼に適用される半固体調製物、例えば、クリーム剤、ローション剤、ゲル、軟膏剤、またはペースト剤として投与することができる。一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物は、固体剤形として、例えば、眼表面に適用して、改変された放出をもたらす、例えば、粉末として投与することができる。一部の実施形態では、本明細書の実施形態の化合物は、手術によるインプランテーション、非経口製品(例えば、角膜内または硝子体内製品)、洗浄用液体などのためのデバイスを介して投与される。一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物を含む医薬組成物は、滅菌されており、微粒子物質を含まない。一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物は、眼内注射、眼窩内注射、または硝子体内注射により投与することができる。一部の実施形態では、眼内注射は、眼の前眼房、眼の後眼房、またはこれらの組合せに対するものであってよい。例えば、本明細書で開示されている化合物は、眼の後部眼窩内領域に投与することができる。
一部の実施形態では、局所投与に対して適切な医薬組成物として、皮膚を介して炎症部位に浸透するのに適切な液体または半液体調製物、例えば、眼、耳または鼻への投与に対して適切な溶液、粉末、流体乳剤、流体懸濁液、半固体、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ゲル剤、ゼリー、発泡剤、塗布剤、ローション剤、およびドロップ剤が挙げられる。局所投与のための活性成分は、例えば、組成物の0.001%~10%w/w(質量)を含み得る。ある特定の実施形態では,活性成分は、10%w/wもの量を含み得る。他の実施形態では、活性成分は5%w/w未満を含み得る。ある特定の実施形態では、活性成分は2%w/w~5%w/wを含み得る。他の実施形態では、活性成分は0.1%~1%w/wの組成物を含み得る。
局所的または経皮的投与のためのゲル剤は、一般的に、揮発性溶媒、不揮発性溶媒、および水の混合物を含み得る。ある特定の実施形態では、緩衝溶媒系の揮発性溶媒構成成分は低級(C1-C6)アルキルアルコール、低級アルキルグリコールおよび低級グリコールポリマーを含み得る。さらなる実施形態では、揮発性溶媒はエタノールである。揮発性溶媒構成成分は、浸透促進剤として作用すると考えられ、その一方でまたそれが蒸発する際に皮膚に冷却作用をもたらす。緩衝溶媒系の不揮発性溶媒部分は、低級アルキレングリコールおよび低級グリコールポリマーから選択される。ある特定の実施形態では、プロピレングリコールが使用される。不揮発性溶媒は、揮発性溶媒の蒸発を遅らせ、緩衝溶媒系の蒸気圧を減少させる。この不揮発性溶媒構成成分の量は、揮発性溶媒と同様に、使用される薬学的化合物または薬物により決定される。系内の不揮発性溶媒が少なすぎる場合、揮発性溶媒の蒸発により、薬学的化合物は結晶化することがあり、過剰量は、溶媒混合物からの薬物放出が弱いため、バイオアベイラビリティーの欠如をもたらし得る。緩衝溶媒系の緩衝構成成分は、当技術分野で一般的に使用されているいずれの緩衝液から選択することができ、ある特定の実施形態では、水が使用される。成分の公比は、不揮発性溶媒約20%、揮発性溶媒約40%、および水約40%である。局所的組成物に加えることができるいくつかの任意の成分が存在する。これらとして、これらに限定されないが、キレート化剤およびゲル化剤が挙げられる。適当なゲル化剤として、これらに限定されないが、半合成のセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)および合成ポリマー、および化粧品用薬剤を挙げることができる。
ローション剤として、皮膚または眼への適用に対して適切なものが挙げられる。洗眼液は、殺菌剤を含有してもよい滅菌水溶液を含むことができ、ドロップ剤の調製のための方法と類似の方法で調製することができる。皮膚への適用のためのローション剤または塗布剤はまた、乾燥を速め、皮膚を冷却するための薬剤、例えば、アルコールまたはアセトン、および/または加湿剤、例えば、グリセロールまたは油、例えば、ヒマシ油または落花生油を含むことができる。
クリーム剤、軟膏剤またはペースト剤は、外部適用のための活性成分の半固体医薬組成物である。これらは、細かく分割したまたは粉末形態で活性成分を、単独で、または水性もしくは非水性流体中の溶液もしくは懸濁液中で、適切な装置の助けを借りて、グリース状または非グリース状基剤と共に混合することにより作製することができる。基剤は、炭化水素、例えば、硬質、軟質または流動パラフィン、グリセロール、蜜ろう、金属石鹸;粘液;天然由来の油、例えば、アーモンド油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油またはオリーブ油;羊毛脂もしくはその誘導体または脂肪酸、例えば、ステアリン酸またはオレイン酸を、アルコール、例えば、プロピレングリコールまたはマクロゲルと一緒に含むことができる。医薬組成物は、任意の適切な界面活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤など、例えば、ソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体を組み込むことができる。懸濁剤、例えば、天然ガム、セルロース誘導体、または無機材料、例えば、ケイ素質シリカ、およびラノリンなどの他の成分も含めることができる。
ドロップ剤は、滅菌された水性または油性の溶液または懸濁液を含むことができ、活性成分を、殺菌剤および/もしくは抗菌剤ならびに/または任意の他の適切な保存剤の適切な水溶液に、さらにある特定の実施形態では、界面活性剤を含む適切な水溶液に溶解することにより調製することができる。次いで、生成した溶液を濾過で浄化し、適切な容器に移し、次いでこれを密閉し、オートクレーブにより、または98~100℃で30分間維持することにより滅菌することができる。代わりに、溶液は硝酸フェニル水銀または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンズアルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)であるドロップ剤の中に包含するのに適切な殺真菌剤で滅菌することもできる。油性溶液の調製に対して適切な溶媒はグリセロール、希釈アルコールおよびプロピレングリコールを含む。
例えば、口腔内頬側または舌下などの口内への局所投与のための医薬組成物として、香味づけた基剤、例えば、スクロースおよびアカシアまたはトラガント内に活性成分を含むロゼンジ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に活性成分を含むパステル剤が挙げられる。
吸入による投与のために、化合物は、好都合なことに、インサフレーター、ネブライザー加圧式パックまたはエアゾールスプレー剤を送達する他の好都合な手段で送達することができる。加圧式パックは、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体を含むことができる。加圧エアゾール剤の場合、投与量単位は、定量を送達する弁を提供することにより決定することができる。代わりに、吸入または吹送法による投与のため、本発明による化合物は、乾燥粉末組成物、例えば、化合物のパウダーミックスおよび適切な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンなどの形態を取ることもできる。粉末組成物は、単位剤形で、例えば、吸入器もしくはインサフレーターの助けを借りてそこから粉末を投与することができるカプセル剤、カートリッジ、ゼラチンまたはブリスターパックなどで提示することもできる。
好ましい単位投与量医薬組成物は、本明細書で以下に列挙されている活性成分の有効用量、またはその適当な画分を含有する。
特に上述された成分に加えて、上記に記載された医薬組成物は、対象とする医薬組成物の種類を考慮して、当技術分野の他の従来薬剤を含むことができ、例えば経口投与に対して適切な医薬組成物は香味剤を含むことができることを理解されたい。
化合物は、1日当たり0.1~500mg/kgの用量で投与することができる。成人ヒトに対する用量範囲は一般的に5mg~2g/日である。独立した単位で提供される錠剤または他の提示形態は、好都合なことに、このような投与量で有効である量の1種または複数種の化合物を含有しても、またはその複数分として、例えば、5mg~500mg、普通は約10mg~200mgを含有する単位を含有してもよい。
担体材料と組み合わせて、単一剤形を生成することができる活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与モードに応じて変動することになる。
医薬品として利用する場合、化合物は医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は薬学分野で周知の方式で調製することができ、局部的処置または全身処置が所望されるかどうか、および処置すべき領域に応じて、様々な経路で投与することができる。開示化合物または組成物の投与は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、および髄内を含む)、肺(例えば、ネブライザーによるものを含めた、粉末またはエアゾール剤の吸入または吹送法;気管内または鼻腔内により)、腹腔内、経粘膜的、経皮的、直腸、局所的(皮膚、口腔内頬側、舌下および眼内を含む)、または膣内投与であってよい。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内または注射もしくは点滴;または脳内、例えば、髄腔内または側脳室内投与を含む。非経口投与は単一のボーラス投与の形態であるか、または例えば、連続的な潅流ポンプによるものであり得る。局所投与のための医薬組成物は、発泡剤、経皮パッチ、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、溶液、流体乳剤、流体懸濁剤、半固体、ペースト剤、ドロップ剤、坐剤、スプレー剤、液体および散剤を含むことができる。従来の薬学的担体、水性、粉末または油性の基剤、増粘剤などが必要または望ましいこともある。コーティングしたコンドーム、手袋などもまた有用となり得る。一部の実施形態では、化合物は、薬学的に許容される希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、疎水性ビヒクル、水溶性ビヒクル、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、加湿剤、可溶化剤、保存剤などと共にこのような医薬組成物中に含有することができる。当業者であれば、手引きとしての様々な薬理学的参考文献を参照することができる。例えば、Modern Pharmaceutics, 5th Edition, Banker & Rhodes, CRC Press (2009);およびGoodman & Gilman's The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, 13th Edition, McGraw Hill, New York (2018)を閲覧することができる。
一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患を処置する方法は、本明細書で開示されている実施形態の医薬組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、化合物は治療有効量内である。一部の実施形態では、治療有効量は本明細書で開示されている量である。
本明細書で開示されている一部の実施形態はまた、活性成分としての本明細書で開示されている1つまたは複数の化合物を、1種または複数種の薬学的に許容される担体(賦形剤)と組み合わせて含有する医薬組成物を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物を作製する方法は、活性成分を賦形剤と混合すること、賦形剤を使用して活性成分を希釈すること、または例えば、カプセル剤、サシェ剤、紙、もしくは他の容器の形態で、担体内に活性成分を包み込むことを含む。賦形剤が希釈剤としての機能を果たす場合、賦形剤は固体、半固体、または液体の材料であり得、活性成分に対してビヒクル、担体または媒体として作用する。よって、医薬組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳剤、溶液、シロップ剤、エアゾール剤(固体としてまたは液体媒体で)、軟膏剤、例えば、10質量%までの活性化合物を含有する、軟質および硬質ゼラチンカプセル、坐剤、注射可能な滅菌溶液、ならびに滅菌包装された粉末の形態であり得る。
適切な賦形剤のいくつかの例として、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ剤、および共晶溶媒、共晶ベースのイオン性液体、またはイオン性液体を含むメチルセルロースが挙げられる。加えて、医薬組成物は滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;保存剤、例えば、メチル-およびヒドロキシ安息香酸プロピル;甘味剤;ならびに香味剤を含むことができる。医薬組成物は、当技術分野で公知の手順を利用することにより患者に投与した後で活性成分の急速放出、持続放出または遅延放出が生じるように製剤化することができる。
医薬組成物は単位剤形に製剤化することができる。「単位剤形」という用語は、各単位が所望の治療効果をもたらすように計算した既定量の活性物質を、適切な医薬賦形剤と一緒に含有する、ヒト対象および他の哺乳動物のための一単位剤形として適切な物理的に独立した単位を指す。
活性化合物は、幅広い投与量範囲にわたり有効であり得、治療有効量で一般的に投与することができる。しかし、実際に投与される化合物の量は普通、処置される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重症度などを含む、関連する状況に従い医師により決定されることになることを理解されたい。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約0.01%~約50%の本明細書で開示されている1つまたは複数の化合物を含むことができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の化合物は、約0.01%~約50%、約0.01%~約45%、約0.01%~約40%、約0.01%~約30%、約0.01%~約20%、約0.01%~約10%、約0.01%~約5%、約0.05%~約50%、約0.05%~約45%、約0.05%~約40%、約0.05%~約30%、約0.05%~約20%、約0.05%~約10%、約0.1%~約50%、約0.1%~約45%、約0.1%~約40%、約0.1%~約30%、約0.1%~約20%、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.5%~約50%、約0.5%~約45%、約0.5%~約40%、約0.5%~約30%、約0.5%~約20%、約0.5%~約10%、約0.5%~約5%、約1%~約50%、約1%~約45%、約1%~約40%、約1%~約35%、約1%~約30%、約1%~約25%、約1%~約20%、約1%~約15%、約1%~約10%、約1%~約5%、約5%~約45%、約5%~約40%、約5%~約35%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約45%、約10%~約40%、約10%~約35%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、約10%~約15%の量内、またはこれらの範囲のうちの1つの範囲内の値である。具体例は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはこれらの値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含むことができる。これらはすべて医薬組成物の質量パーセンテージを表す。一部の実施形態では、医薬組成物は局所投与に対して適切である。一部の実施形態では、医薬組成物は経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、および髄内を含む)、腹腔内、髄腔内、硬膜内、経粘膜的、経皮的、直腸、鼻腔内、局所的(例えば、皮膚、口腔内頬側、舌下および眼内を含む)、硝子体内、または膣内の投与に対して適切である。
一部の実施形態では、化合物は治療有効量内である。一部の実施形態では、治療有効量は、約1mg~約1000mg、約1mg~約900mg、約1mg~約800mg、約1mg~約700mg、約1mg~約600mg、約1mg~約500mg、約1mg~約400mg、約1mg~約300mg、約1mg~約200mg、約1mg~約100mg、約10mg~約1000mg、約50mg~約1000mg、約100mg~約1000mg、約200mg~約1000mg、約300mg~約1000mg、約400mg~約1000mg、約500mg~約1000mg、約10mg~約500mg、約50mg~約500mg、約100mg~約500mg、約10mg~約300mg、約50mg~約300mg、約100mg~約300mg、約10mg~約150mg、約50mg~約150mg、約60mg~約120mg、約50mg~約120mgまたはこれらの値いずれか2つの値の間の範囲であってよい。具体例として、例えば、約1000mg、約900mg、約800mg、約700mg、約750mg、約600mg、約500mg、約400mg、約450mg、約300mg、約250mg、約200mg、約175mg、約150mg、約125mg、約120mg、約110mg、約100mg、約90mg、約80mg、約70mg、約60mg、約50mg、約30mg、約20mg、または上記に開示された範囲の間の任意の値が挙げられる。
一部の実施形態では、治療有効量は、例えば、処置が行われる特定の使用、化合物の投与方式、患者の健康および状態、ならびに処方する医師の判断に従い変動し得る。医薬組成物中の化合物の割合または濃度は、投与量、化学的特徴(例えば、疎水性)、および投与経路を含むいくつかの要因に応じて変動し得る。例えば、化合物は、約0.1~約10%w/vの化合物を含有する非経口投与用の水性の生理学的緩衝液で提供することができる。化合物に対するいくつかの典型的な用量範囲は1日当たり約1μg/kg~約1g/kg(体重)である。一部の実施形態では、用量範囲は1日当たり約0.01mg/kg~約100mg/kg(体重)である。投与量は、疾患または障害の種類および進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的効力、賦形剤の組成、およびその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験システムから誘導された用量反応曲線から外挿することができる。
患者に投与される化合物または組成物の量は、何が投与されか、投与の目的、例えば、予防または療法、患者の状態、投与の方式などに応じて変動することになる。治療的用途において、組成物は、すでに疾患を患っている患者に、疾患およびその合併症の症状を治癒させるまたは少なくとも部分的に抑止するのに十分な量で投与することができる。
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分は、医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体の予備製剤組成物を形成することができる。これらの予備製剤組成物を均質と称する場合、医薬組成物が同等に治療的に有効な単位剤形、例えば、錠剤、丸剤およびカプセル剤へと容易に再分割され得るように、活性成分は通常医薬組成物全体にわたり均一に分散している。次いで、この固体の予備製剤を、例えば、約0.1~約1000mgの活性成分を含有する上記に記載されている種類の単位剤形へと再分割する。
本発明の錠剤または丸剤は、コーティングしてもよく、またはさもなければ混合して、長期的作用という利点をもたらす剤形を提供することもできる。例えば、錠剤または丸剤は内剤および外剤の構成成分を含むことができ、後者は前者の上に被さった外被の形態である。2つの構成成分は、胃の中での崩壊に耐え、内側の構成成分が無傷で十二指腸へと送り出されることまたは放出を遅延させることを可能にする働きをする腸溶層で分離してもよい。このような腸溶層またはコーティングに対して様々な材料を使用することができ、このような材料は、いくつかのポリマー酸およびポリマー酸とセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料との混合物を含む。
経口的投与または注射による投与のために本発明の化合物および組成物を組み込むことができる液体形態として、水溶液、適切に香味づけたシロップ剤、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはピーナッツ油などの食用油を有する香味づけた乳剤、ならびにエリキシル剤および類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
吸入または吹送法のための組成物として、薬学的に許容される、水性もしくは有機溶媒またはこれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに散剤が挙げられる。液体または固体組成物は、上記に記載されているような適切な薬学的に許容される賦形剤を含有することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、局部的または全身作用のために、経口経路または経鼻呼吸経路により投与される。組成物は不活性ガスの使用により噴霧することができる。噴霧溶液は直接噴霧装置から吸うことができ、または噴霧装置をフェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸機器に取り付けることもできる。溶液、懸濁液、または粉末組成物を、組成物を適当な方式で送達するデバイスから経口的にまたは経鼻的に投与することができる。
一部の実施形態では、患者へ投与される医薬組成物は、上記に記載されている医薬組成物の形態であり得る。一部の実施形態では、これらの組成物は、従来の殺菌技術で滅菌することができ、または無菌化濾過してもよい。水溶液は、そのまま使用するようにパッケージ化し、または凍結乾燥されてもよく、この凍結乾燥した調製物を投与前に滅菌された水性担体と合わせる。一部の実施形態では、化合物の調製物のpHは、約3~約11、約5~約9、約5.5~約6.5、または約5.5~約7.5である。ある特定の前述の賦形剤、担体、または安定剤の使用が薬学的塩の形成をもたらすことを理解されたい。
使用の方法
本発明は、対象におけるp38 MAPキナーゼ媒介機能をモジュレートする方法であって、治療有効量の式(I)の化合物または本明細書に開示されている前記化合物を含有する医薬組成物の投与を含む方法に関する。ある特定の実施形態では、投与される化合物は、式(P)-IIの化合物、またはその誘導体、またはそれを含む医薬組成物であり、対応するM異性体を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、投与される化合物は、式(M)-IIの化合物、またはその誘導体、またはそれを含む医薬組成物であり、対応するP異性体を実質的に含まない。
一部の実施形態では、投与される化合物は、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体、またはそれらを含む医薬組成物である。一部の実施形態では、投与される化合物は、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体、またはそれらを含む医薬組成物であり、対応するM異性体を実質的に含まない。一部の実施形態では、投与される化合物は、(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体、またはそれらを含む医薬組成物であり、対応するP異性体を実質的に含まない。
本発明はまた、少なくとも1種のp38 MAPキナーゼ機能を阻害する方法であって、p38 MAPキナーゼを、本明細書に記載されている化合物に接触させるステップを含む方法に関する。p38 MAPキナーゼの細胞表現型、細胞増殖、活性、活性のあるp38 MAPキナーゼにより生成される生化学的出力の変化、p38 MAPキナーゼの発現、またはp38 MAPキナーゼの天然結合パートナーとの結合をモニターして、本明細書に記載の化合物で達成されるp38 MAPキナーゼモジュレーションのレベルを決定することができる。このような方法は、疾患の処置のモード、生物学的アッセイ、細胞アッセイ、または生化学的アッセイなどであってもよい。
p38 MAPキナーゼ媒介性疾患を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書で開示されている化合物、その誘導体、またはこれらの組合せを投与することを含む方法もまた本明細書に提供されている。ある特定の実施形態では、治療有効量の本明細書で開示されている化合物、その誘導体、またはこれらの組合せは、医薬組成物の形態であってよい。実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
実施形態では、本発明の化合物により処置されるp38 MAPキナーゼに関連する疾患または障害として、自己免疫障害、慢性炎症性障害、急性炎症性障害、自己炎症性障害、線維性障害、代謝障害、新生物、または心血管もしくは脳血管障害が挙げられる。よって、一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者においてp38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害を処置するための方法であって、前記患者に、治療有効量の提供された化合物、またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。このようなp38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害として、本明細書に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、前記p38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害は、皮膚障害、掻痒症、脱毛障害、がん、新生物、アルツハイマー病、炎症状態、結合組織疾患および自己免疫性状態から選択される。
ある特定の実施形態では、前記p38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害は、新生物、悪性腫瘍、骨髄増殖性障害、造血性新生物、骨髄性新生物、骨髄線維症、原発性骨髄線維症を含むリンパ新生物、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、急性および慢性白血病、リンパ腫、菌状息肉腫を含む皮膚リンパ腫、他の骨髄性悪性腫瘍、および骨髄異形成症候群である。
一実施形態では、本明細書に記載の方法および組成物に従って処置される炎症状態は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、尋常性乾癬、痛風、炎症性腸疾患、化膿性汗腺炎、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、急性、慢性、および再発性心膜炎を含む心膜炎、強直性脊椎炎、全身性若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性骨障害、変形性関節症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、エンドトキシン誘発性毒性ショック、トキシックショック症候群、敗血症、敗血症性ショック、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、喘息、再灌流傷害、神経虚血、脳卒中、移植片対宿主病、同種移植片拒絶、糸球体腎炎、肺炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性冠不全症候群、心不全、アトピー性皮膚炎、がん(例えば、乳がん、膵臓がん、結腸直腸がん、肺がん)、線維性疾患、サイトカイン放出症候群、および急性呼吸窮迫症候群、から選択される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される炎症状態は、関節炎、特に関節リウマチである。一部の実施形態では、処置される状態は化膿性汗腺炎である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、痛風である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、尋常性乾癬または乾癬性関節炎である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、強直性脊椎炎である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、急性心膜炎、再発性心膜炎、および慢性心膜炎を含む心膜炎である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、マックルウェルズ症候群および家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)を含むクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、壊疽性膿皮症である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、若年性特発性関節炎とも呼ばれるスティルス病である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、アトピー性皮膚炎である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、急性冠不全症候群である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、心不全である。一部の実施形態では、処置される炎症状態は、乳がん、膵臓がん、結腸直腸がん、および肺がんを含むがんであるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、炎症状態は、サイトカイン放出症候群である。一部の実施形態では、炎症状態は、急性呼吸窮迫症候群である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、調節不全のサイトカイン、酵素および/または炎症性メディエーターの産生、安定性、分泌、翻訳後プロセシングから生じる障害を有する患者を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、感染症(例えば、ウイルス感染症)およびある特定の薬物(CAR T細胞療法)を含む様々な要因によって引き起こされる全身性炎症反応であるサイトカイン放出症候群を有する患者を処置するために使用される。調節不全の可能性があるサイトカインの例としては、インターロイキン1、2、6、8、10、12、17、22、および23と共に、腫瘍壊死因子アルファおよびインターフェロンアルファ、ベータ、およびガンマが挙げられる。調節不全の可能性がある炎症性メディエーターの例としては、一酸化窒素、プロスタグランジン、およびロイコトリエンが挙げられる。酵素の例としては、シクロオキシゲナーゼ、一酸化窒素シンターゼ、およびマトリックスメタロプロテアーゼが挙げられる。
ある特定の実施形態では、前記p38 MAPキナーゼ媒介性疾患は、自己免疫障害または自己免疫応答、免疫応答の広範な活性化、細菌感染症、ウイルス感染症、炎症、慢性および/もしくは急性炎症性障害もしくは状態、および/または自己炎症性障害、線維性障害、代謝障害、新生物、または心血管障害もしくは脳血管障害、皮膚障害、掻痒症、脱毛障害、がんもしくは悪性腫瘍、自己免疫性結合組織疾患および自己免疫性状態;スティル病、成人発症型スティル病、Th17関連炎症、多発軟骨炎(例えば、再発性多発軟骨炎);筋炎、多発性筋炎、自己免疫性筋炎、皮膚筋炎、若年性皮膚筋炎;重症筋無力症;関節炎(例えば、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身開始若年性関節リウマチ、骨関節炎、感染性関節炎、炎症性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、特発性関節炎、若年性特発性関節炎、全身性若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎)、椎骨炎/脊椎関節炎/脊椎関節症(強直性脊椎炎)、痛風、強皮症(全身性強皮症、若年性強皮症)、ライター症候群/反応性関節炎、ライム病、ループス/全身性エリテマトーデス(SLE)、エリテマトーデス、小児性全身性エリテマトーデス、皮膚ループス(準急性皮膚ループス、慢性皮膚ループス/円板状ループス、凍瘡エリテマトーデス)、リウマチ性多発筋痛症、腱付着部炎、混合性結合組織疾患、腱付着部症;心炎、心筋炎、血管新生障害、骨髄異形成症候群、アテローム性動脈硬化症、再狭窄(アテローム硬化型の冠動脈の再狭窄)、急性冠不全症候群、心筋梗塞、心臓同種異系移植血管障害、移植動脈症;血管炎(大血管血管炎、小血管血管炎、巨細胞動脈炎、結節性多発動脈炎、血管炎症候群:高安動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット氏病を含む)、乳児発症性のインターフェロン遺伝子刺激物質(STING)関連血管障害(SAVI);消化器疾患、小腸結腸炎、大腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、過敏性腸症候群、腸炎症候群/痙性結腸、セリアック病;急性および慢性膵炎;原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、黄疸、肝硬変症、例えば、原発性胆汁性肝硬変または脂肪肝疾患による肝硬変症(例えば、アルコール性および非アルコール性脂肪変性);食道炎、胃炎、胃および十二指腸潰瘍、腹膜炎;腎症:免疫媒介性糸球体腎症、自己免疫性腎症、膜性糸球体症、慢性進行性腎症、糖尿病性腎臓疾患/糖尿病性腎症、腎臓線維症、腎臓虚血性/再灌流傷害、HIV関連腎症、尿管閉塞性腎症、糸球体硬化症、タンパク質尿、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎、免疫媒介性腎症である腎症、自己免疫性腎症、慢性進行性腎症、糖尿病性腎症、腎臓線維症、関連する虚血性/再灌流傷害、HIV関連腎症、尿管閉塞性腎症、糸球体腎炎、慢性腎臓疾患(例えば、糖尿病性腎症)、高血圧誘発性腎症、糸球体硬化症、タンパク質尿、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎、糖尿病性腎臓疾患、ループス腎炎;間質性膀胱炎;歯周炎、歯肉炎;肺炎症、副鼻腔炎、肺炎、気管支炎、喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、アレルギー性気管支肺真菌症、アスピリン誘発性喘息、成人発症型喘息、固定性気流閉塞を伴う喘息、運動誘発喘息、咳喘息、職業性喘息、夜間(夜行性)喘息、肥満に伴う喘息、好酸球性喘息、ステロイド耐性喘息/重症喘息、外因性喘息、内因性/原因不明の喘息、チャーグストラウス症候群、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患(肺線維症、特発性肺線維症)、急性肺損傷、肺線維症(例えば、特発性肺線維症または嚢胞性線維症)、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促迫症候群、急性肺損傷、薬物誘発性肺損傷;メニエール病;眼の障害、(例えば)、眼の炎症、ブドウ膜炎、ドライアイ/乾性角結膜炎、強膜炎、上強膜炎、角膜炎/角膜症、脈絡膜炎、レチナール血管炎、視神経炎、網膜症(糖尿病性網膜症、免疫介在性網膜症、黄斑変性、滲出型黄斑変性、萎縮型(加齢に伴う)黄斑変性)を含めたものなど;肥満細胞症、鉄欠損症貧血、尿毒症、好酸球増加症候群(HES)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、骨髄異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病;骨吸収疾患;神経変性障害、神経系/神経筋の障害(例えば)、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(家族性ALS、散発性ALS)、アルツハイマー病、重症筋無力症、ランバートイートン筋無力症候群(LEMS)、ギランバレー症候群、髄膜炎、脳炎、外傷性脳傷害;神経系損傷、寄生虫妄想症、ニューロンプロセスおよび感覚性認知の異常調節、脳卒中/ニューロンの虚血、脊髄損傷、末梢神経障害、幻触、脊髄損傷、精神疾患;疼痛(急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、または線維筋痛)知覚異常、神経刺激、末梢神経障害;掻痒症/かゆみ(アトピー性掻痒症、乾性掻痒症、乾癬関連の掻痒症/乾癬のかゆみ/乾癬関連のかゆみ)、急性掻痒症、慢性掻痒症、特発性掻痒症、慢性特発性のかゆみ、胆管のかゆみ、肝胆道関連のかゆみ、腎臓関連のかゆみ/腎臓のかゆみ、尿毒性かゆみ、胆汁うっ滞、妊娠時の肝内胆汁うっ滞、慢性単純性苔癬関連の掻痒症、リンパ腫関連のかゆみ、白血病関連のかゆみ、結節性痒疹、アトピー性皮膚炎関連のかゆみ、アトピー性かゆみ/アトピー性掻痒症、水疱性かゆみ、腕橈骨の掻痒症)神経原性かゆみ、神経障害性かゆみ、背部錯感覚症、HIVのそう痒性丘疹状発疹、心因性かゆみ、沼地皮膚症、掻痒症または尿毒性かゆみ、じんま疹性かゆみ;皮膚の障害、(例えば)皮膚の薬物反応/薬疹、乾燥症/乾燥皮膚、皮膚発疹、皮膚増感作用、皮膚刺激、日焼け、髭剃り疹、ヒトジラミ、アタマジラミ/シラミ寄生症、毛ジラミ、皮膚幼虫移行症、疥癬、寄生虫感染症、昆虫寄生、じんま疹性/発疹、丘疹状じんま疹、虫刺され、昆虫刺傷、フケ、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、ヘルペス、水痘/水疱瘡、好酸球性毛包炎、妊娠時の皮膚病/妊娠時のそう痒性じんま疹性丘疹およびプラーク(PUPP)、炎症性皮膚病、好中球皮膚病、組織球好中球皮膚病、腸バイパス症候群皮膚病、乾癬/尋常性乾癬、扁平苔癬、硬化性苔癬、ざ瘡(尋常性ざ瘡、面皰性のざ瘡、炎症性ざ瘡、小節嚢胞性ざ瘡、瘢痕性ざ瘡、ケロイドざ瘡項部)、アトピー(アレルギー性接触感作、アレルギー性皮膚炎)皮膚炎(アトピー性皮膚炎/湿疹、接触性皮膚炎、光線皮膚炎、脂漏性皮膚炎、うっ血皮膚炎、急性熱性好中球皮膚病(スイート症候群)、リポジストロフィおよび発熱症候群を伴う慢性非定型好中球皮膚病(CANDLE症候群)、化膿性汗腺炎、発疹、壊疽性膿皮症、脱毛症(眉脱毛症、鼻孔間毛の脱毛症、瘢痕性脱毛症(例えば、瘢痕性の脱毛症、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、扁平毛孔性苔癬、前頭部線維形成性脱毛症、禿髪性毛包炎)、非瘢痕性脱毛症(円形脱毛症(AA)(斑点状AA、全頭脱毛症(AT)、汎発性脱毛症(AU)、蛇行性パターン円形脱毛症、sisaihpoパターン円形脱毛症))、アンドロゲン性/男性ホルモン性脱毛症(AGA)/男性および女性パターンのAGA)、休止期脱毛、頭部白癬、貧毛症(遺伝性単純性貧毛症)、扁平毛孔性苔癬(前頭部線維形成性脱毛症)、点状掌蹠角皮症、持久性隆起性紅斑(EED)、好中球性漏出分泌汗腺炎、円柱細胞好中球肉芽腫性皮膚炎、好中球じんま疹性皮膚病、分節型尋常性白斑を含む尋常性白斑(vitiligo)(単分節型尋常性白斑、二分節型尋常性白斑、多分節性尋常性白斑)非分節型尋常性白斑(指趾、顔面、または四肢顔面型尋常性白斑、顔面中央型尋常性白斑、粘膜型尋常性白斑、コンフェッティ型尋常性白斑、三色尋常性白斑、辺縁炎症性尋常性白斑、四色尋常性白斑、青色尋常性白斑、ケブネル現象、尋常性白斑(vulgaris vitiligo)、汎発型尋常性白斑、全身型尋常性白斑)、混合型尋常性白斑/分節型関連の非分節型尋常性白斑、限局型尋常性白斑、単独の粘膜型尋常性白斑または白毛症(leukotricia)(体毛を含む)を伴うもしくは伴わない尋常性白斑;水疱性疾患、免疫水疱性疾患(水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、線状IgA疾患)、
妊娠性類天疱瘡、色素性乾皮症;線維症および瘢痕性の障害:類線維腫、肝臓線維症、肺線維症、特発性肺線維症、軽度の瘢痕、例えば、強皮症、線維症の増大、ケロイド、手術後瘢痕;創傷治癒、手術瘢痕、放射線誘発性線維症(例えば、頭頸部、消化器系または肺)、CNS瘢痕、消化管または消化器系線維症、腎臓線維症、肝臓または胆管線維症、肝線維症(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎、C型肝炎、または肝細胞癌)、心臓線維症(例えば、心内膜心筋線維症または心房線維症)、眼用瘢痕、線維性硬化症、瘢痕増大、外傷または疥癬治癒、ケロイド、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症/オーモンド病、進行性塊状線維症、腎原性全身性線維症;シェーグレン症候群、サルコイドーシス、家族性地中海熱、クリオピリン関連周期熱症候群(マックルウェルズ症候群、家族性寒冷自己炎症症候群/家族性寒冷じんま疹/TNF受容体関連周期性症候群、新生児期発症多臓器性炎症性疾患)、過酸素症誘発性炎症、再灌流傷害、手術後外傷、組織傷害、発熱症候群;糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病)/真性糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、キャッスルマン病、副甲状腺機能亢進症、更年期障害、肥満、ステロイド-耐性、耐糖能障害、メタボリックシンドローム、甲状腺疾患、下垂体炎;全身性免疫老化;自己免疫性萎縮性胃炎、悪性貧血の自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性睾丸炎、グッドパスチャー病、シェーグレン症候群、自己免疫性血小板減少症、交感神経性眼炎;自己免疫疾患の2次的血液系所見(例えば、貧血)、自己免疫性溶血性症候群(自己免疫性溶血性貧血)、自己免疫性および炎症性肝炎、自己免疫性卵巣不全、自己免疫性血小板減少症、シリコーンインプラント関連自己免疫疾患、薬物誘発性自己免疫病、HIV関連自己免疫性症候群、金属誘発性自己免疫病、自己免疫性難聴、自己免疫性甲状腺障害;タイプI過敏反応(例:アナフィラキシーを含む)、タイプII過敏反応(例:グッドパスチャー病、自己免疫溶血性貧血)、タイプIII過敏反応疾患(例:アルサス反応、血清病)などの過敏反応を含むアレルギーおよびアレルギー反応、およびIV型過敏反応(例:接触性皮膚炎、同種移植片拒絶);急性および慢性感染症、敗血症症候群(敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、外毒素誘発性毒素性ショック、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、真菌性敗血症、毒素性ショック症候群);急性および慢性感染症、敗血症症候群(敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、外毒素誘発性毒素性ショック、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、真菌性敗血症、毒素性ショック症候群);拒絶反応:移植片対宿主反応/移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応(例えば、急性同種移植片拒絶反応または慢性同種移植片拒絶反応)、早期移植拒絶反応;悪性腫瘍、がん、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、固形腫瘍、奇形腫、転移性および骨障害、内部がん、骨、口/咽頭、食道、喉頭、胃、腸、結腸、直腸、肺のがん(例えば、非小細胞肺がんまたは小細胞肺がん)、肝臓のがん(肝臓がん)、膵臓、神経、脳のがん(例えば、神経膠腫、多形神経膠芽腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、およびシュワン細胞腫)、頭頸部、喉、卵巣、子宮、前立腺、精巣、膀胱、腎臓のがん(腎臓がん)、乳房、胆嚢、子宮頸部、甲状腺、前立腺、眼のがん(眼の悪性腫瘍)、および皮膚のがん(黒色腫、ケラトアカントーマ);ならびに線維性がん、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、骨髄増殖性障害、新生物(造血性新生物、骨髄性新生物、リンパ新生物(骨髄線維症、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症))、白血病(急性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、または前骨髄球性白血病)、多発性骨髄腫および他の骨髄性悪性腫瘍(骨髄線維症を伴う骨髄性化生(MMM)、原発性骨髄線維症(PMF)、特発性骨髄線維症(IMF))、リンパ腫(ホジキン病、皮膚リンパ腫(皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、肥満細胞腫瘍、ホジキン病または非ホジキン病);カポジ肉腫、横紋筋肉腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、甲状腺卵胞がん;外因性オピオイドまたは合成オピオイド蓄積の増加、背部錯感覚症、強迫性障害、強迫性障害関連ノスタルジア、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、障害には、器質性および心因性起源の勃起不全、性的欲求低下障害、性的興奮障害、無オルガスム症および性的疼痛障害などの性的機能障害も含まれるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、追加の例示的な障害として、臓器移植(異物移植術を含む)に起因する合併症、例えば、移植片対宿主反応(例えば、移植片対宿主疾患)、同種移植片拒絶反応(例えば、急性同種移植片拒絶反応または慢性同種移植片拒絶反応)、早期移植、糖尿病、骨髄増殖性障害、拒絶(例えば、急性同種移植片拒絶反応);骨吸収疾患、喘息(例えば、気管支喘息)、アトピー、自己免疫性甲状腺障害、リポジストロフィおよび発熱症候群を伴う慢性非定型好中球皮膚病(CANDLE症候群)、SAVI(乳児発症性のインターフェロン遺伝子刺激物質(STING)関連血管障害)、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病、潰瘍性大腸炎、ベーチェット氏病、重症筋無力症、腎症、および心筋炎、自己免疫疾患の2次的血液系所見(例えば、貧血)、自己免疫性溶血性症候群、自己免疫性および炎症性肝炎、自己免疫性卵巣不全、自己免疫性睾丸炎、自己免疫性血小板減少症、シリコーンインプラント関連自己免疫疾患、薬物誘発性自己免疫病、HIV関連自己免疫性症候群;急性および慢性感染症、敗血症症候群(例えば)敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、外毒素誘発性毒素性ショック、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、菌類の敗血症、トキシックショック症候群;過酸素症誘発性炎症、再灌流傷害、手術後外傷、組織傷害、疼痛(例えば)急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、または線維筋痛が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、前記喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、アレルギー性気管支肺真菌症、アスピリン誘発性喘息、成人発症型喘息、固定性気流閉塞を伴う喘息、運動誘発喘息、咳喘息、職業性喘息、夜間(夜行性)喘息、肥満を伴う喘息、好酸球性喘息、ステロイド-耐性喘息/重症喘息、外因性喘息、または内因性/原因不明の喘息である。
一実施形態では、前記尋常性白斑は、分節型尋常性白斑、すなわち単分節型、二分節型または多分節型尋常性白斑を含めたもの、非分節型尋常性白斑、すなわち四肢型、顔面型、または四肢顔面型尋常性白斑を含めたもの、顔面中央型尋常性白斑、粘膜型尋常性白斑、コンフェッティ型尋常性白斑、三色尋常性白斑、辺縁炎症性尋常性白斑、四色尋常性白斑、青色尋常性白斑、ケブネル現象、尋常性白斑、汎発型尋常性白斑、全身型尋常性白斑、混合型尋常性白斑(分節型関連の非分節型尋常性白斑)、限局型尋常性白斑、単独の粘膜型尋常性白斑、または白毛症(体毛を含む)を伴うもしくは伴わない尋常性白斑、または以下の表1に記載のいずれかの種類の尋常性白斑である:
Figure 2022542434000010
一実施形態では、前記皮膚障害は、アトピー性皮膚炎、乾癬、尋常性乾癬、皮膚増感作用、皮膚刺激、皮膚発疹、接触性皮膚炎、アレルギー性接触感作、アレルギー性皮膚炎、炎症性皮膚病、または好中球皮膚病である。
「掻痒症」とは、本明細書で使用される場合、「かゆみ」と交換可能である。一部の実施形態では、掻痒症は、慢性特発性掻痒症、ならびに他のそう痒性障害のそう痒性要素を含む。一部の実施形態では、掻痒症は以下からなる群から選択される疾患または状態の症状であってよい:アレルギー反応、節足動物咬傷、水虫、アトピー性皮膚炎(AD)、アトピー性のかゆみ、アトピー性皮膚炎関連のかゆみ、自己免疫性応答、自己免疫性結合組織疾患、細菌感染症、胆管のかゆみ、免疫応答の広範な活性化、ヒトジラミ、水疱性疾患、腕橈骨の掻痒症、脳腫瘍、慢性特発性掻痒症、接触性皮膚炎、胆汁うっ滞、皮膚幼虫移行症、皮膚T細胞リンパ腫、神経系損傷、フケ、寄生虫妄想症、皮膚筋炎、妊娠時の皮膚病、真性糖尿病、薬疹、ニューロンプロセスおよび感覚性認知の異常調節、湿疹、好酸球性毛包炎、皮膚上の異物またはデバイス、真菌感染症、妊娠性類天疱瘡、アタマジラミ、ヘルペス、化膿性汗腺炎、発疹、ホジキン病、副甲状腺機能亢進症、特発性慢性のかゆみ、炎症、昆虫寄生、虫刺され、昆虫刺傷、妊娠時の肝内胆汁うっ滞、鉄欠損症貧血、外因性オピオイドまたは合成オピオイド蓄積の増加、内部がん、黄疸、扁平苔癬、硬化性苔癬、エリテマトーデス、リンパ腫、リンパ腫関連のかゆみ、白血病関連のかゆみ、悪性腫瘍、肥満細胞症、更年期障害、多発性硬化症、新生物、神経刺激、神経原性かゆみ、神経障害性かゆみ、背部錯感覚症、強迫神経症性背部疼痛、知覚異常、寄生虫感染症、丘疹状じんま疹、シラミ寄生症、末梢神経障害、光線皮膚炎、真性赤血球増加症、精神疾患、心因性かゆみ、HIVのそう痒性丘疹状発疹、妊娠時のそう痒性じんま疹性丘疹およびプラーク(PUPPP)、乾癬、乾癬関連のかゆみ、乾癬のかゆみ、毛ジラミ、点状掌蹠角皮症、腎臓のかゆみ、関節リウマチ、疥癬、瘢痕増大、髭剃り疹、脂漏性皮膚炎、うっ血皮膚炎、日焼け、沼地皮膚症、全身性免疫老化、幻触、Th17関連炎症、甲状腺疾患、尿毒症、掻痒症または尿毒性かゆみ、じんま疹、じんま疹性かゆみ、水痘、ウイルス感染症、外傷または疥癬治癒、および乾燥症。
一実施形態では、脱毛障害は、脱毛症、円形脱毛症、斑点状円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、蛇行性パターン円形脱毛症、sisaihpoパターン円形脱毛症、男性型脱毛症(男性および女性パターンの脱毛)、休止期脱毛、頭部白癬、貧毛症、遺伝性単純性貧毛症、瘢痕性脱毛症、扁平毛孔性苔癬、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、禿髪性毛包炎、または前頭部線維形成性脱毛症から選択される。
一実施形態では、結合組織疾患は、SLE(全身性エリテマトーデス)、皮膚ループス(例えばSCLE、円板状ループス)、凍瘡エリテマトーデス、筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、多発軟骨炎(再発性多発軟骨炎)、血管炎、または大血管血管炎から選択される。
一実施形態では、腎症は、免疫媒介性腎症、自己免疫性腎症、慢性進行性腎症、糖尿病性腎症、腎臓線維症、関連する虚血性/再灌流傷害、HIV関連腎症、尿管閉塞性腎症、糸球体硬化症、タンパク質尿、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎または糖尿病性腎臓疾患から選択される。
一実施形態では、前記がんは固形腫瘍である。
一実施形態では、前記がんは、前立腺がん、腎臓がん、肝臓がん、乳がん、肺がん、甲状腺がん、カポジ肉腫、キャッスルマン病または膵臓がんである。
一実施形態では、前記がんは、リンパ腫、白血病、または多発性骨髄腫である。
一実施形態では、前記骨髄増殖性障害(MPD)は、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症を伴う骨髄性化生(MMM)、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、特発性骨髄線維症(IMF)、または全身性肥満細胞疾患(SMCD)である。
一実施形態では、前記骨髄増殖性障害は骨髄線維症である。
一実施形態では、前記骨髄増殖性障害は原発性骨髄線維症(PMF)である。
一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害は、がん、前立腺がん、腎臓がん、肝臓がん、乳がん、肺がん、甲状腺がん、カポジ肉腫、キャッスルマン病、膵臓がん、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、新生物、原発性悪性腫瘍、2次性または再発性悪性腫瘍、転移性悪性腫瘍、血管新生障害、急性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、前骨髄球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、肥満細胞腫瘍、ホジキン病または非ホジキン病、骨髄異形成症候群、肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、シュワン細胞腫、非黒色腫皮膚がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、メルケル細胞癌、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺卵胞がん、黒色腫、奇形腫、横紋筋肉腫、転移性および骨障害、多形神経膠芽腫、悪性腫瘍、骨髄増殖性障害、造血性新生物、骨髄性新生物、リンパ新生物、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、急性および慢性白血病、リンパ腫、皮膚リンパ腫、菌状息肉腫、他の骨髄性悪性腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄性化生、原発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、特発性骨髄線維症(IMF)、全身性肥満細胞疾患、およびこれらの組合せである。
一実施形態では、前記骨吸収疾患は、骨粗鬆症、骨関節炎、ホルモン失調関連の骨吸収、ホルモン療法関連の骨吸収、自己免疫疾患関連の骨吸収、またはがん関連の骨吸収である。
一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害は線維性障害である。例示的な線維性障害として、全身性硬化症/強皮症、ループス腎炎、結合組織疾患、創傷治癒、手術瘢痕、脊髄損傷、CNS瘢痕、急性肺損傷、肺線維症(例えば、特発性肺線維症または嚢胞性線維症)、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促迫症候群、急性肺損傷、薬物誘発性肺損傷、糸球体腎炎、慢性腎臓疾患(例えば、糖尿病性腎症)、高血圧誘発性腎症、消化管または消化器系線維症、腎臓線維症、肝臓または胆管線維症、肝線維症(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎、C型肝炎、または肝細胞癌)、肝硬変症(例えば、原発性胆汁性肝硬変または脂肪肝疾患による肝硬変症(例えば、アルコール性および非アルコール性脂肪変性)、放射線誘発性線維症(例えば、頭頸部、消化器系または肺)、原発性硬化性胆管炎、再狭窄、心臓線維症(例えば、心内膜心筋線維症または心房線維症)、眼用瘢痕性、線維性硬化症、線維性がん、類線維腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症、ケロイド、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、および腎原性全身性線維症が挙げられる。
一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性の疾患または障害は、代謝障害である。例示的な代謝障害として、肥満、ステロイド耐性、耐糖能障害、およびメタボリックシンドロームが挙げられる。一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患または障害は新生物である。例示的な新生物としてがんが挙げられる。一部の実施形態では、新生物として、原発性悪性腫瘍、2次性または再発性悪性腫瘍、または転移性悪性腫瘍が挙げられる。一部の実施形態では、例示的な新生物として、血管新生障害、多発性骨髄腫、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、または前骨髄球性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、肥満細胞腫瘍、ホジキン病または非ホジキン病)、骨髄異形成症候群、肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン細胞腫;黒色腫、非黒色腫皮膚がん(例えば、扁平上皮癌、基底細胞癌、メルケル細胞癌)、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、甲状腺卵胞がん、カポジ肉腫、黒色腫、奇形腫、横紋筋肉腫、転移性および骨障害、ならびに骨、口/咽頭、食道、喉頭、胃、腸、結腸、直腸、肺のがん(例えば、非小細胞肺がんまたは小細胞肺がん)、肝臓、膵臓、神経、脳のがん(例えば、神経膠腫または多形神経膠芽腫)、頭頸部、喉、卵巣、子宮、前立腺、精巣、膀胱、腎臓、乳房、胆嚢、子宮頸部、甲状腺、前立腺、および皮膚のがんが挙げられる。
一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性障害は心血管または脳血管障害である。例示的な心血管障害として、アテローム性動脈硬化症、アテローム硬化型冠動脈の再狭窄、急性冠不全症候群、心筋梗塞、心臓同種異系移植血管障害および脳卒中が挙げられる。例示的な脳血管疾患として、炎症性またはアポトーシス性要素を有する中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、ニューロンの虚血および末梢神経障害が挙げられる。
医薬としての使用のための、本明細書で開示されている化合物もまた本明細書に提供されている。
p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置のための医薬としての使用のための、本明細書で開示されている化合物もまた本明細書で提供されている。
医薬として本明細書で開示されている化合物の使用もまた提供されている。
p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置のための医薬としての、本明細書で開示されている化合物の使用もまた提供されている。
p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置のための医薬の製造における使用のための、本明細書で開示されている化合物もまた提供されている。
p38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置のための本明細書で開示されている化合物の使用もまた提供されている。
p38 MAPキナーゼを、本明細書で開示されている化合物、またはその誘導体に接触させるステップを含む、p38 MAPキナーゼの阻害の方法もまた本明細書に提供されている。
患者において作用を達成するための方法であって、治療有効量の本明細書で開示されている化合物、またはその塩を患者に投与することを含み、作用が認知の増強から選択される方法もまた本明細書で提供されている。
ある特定の実施形態では、p38 MAPキナーゼ媒介性疾患は、掻痒症、脱毛症、円形脱毛症、尋常性白斑、男性パターン男性型脱毛症、女性パターン男性型脱毛症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および乾癬から選択される。
化合物は、様々なモード、例えば経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、および髄内を含む)、腹腔内、髄腔内、硬膜内、経粘膜的、経皮的、直腸、鼻腔内、局所的(例えば、皮膚、口腔内頬側、舌下および眼内を含む)、硝子体内、または膣内の投与で投与することができる。任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、利用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食生活、投与の時間、投与経路、排出速度、薬物併用、処置を受けている正確な障害、および処置を受けている徴候または状態の重症度を含む様々な要因に依存することになる。また、投与経路は状態およびその重症度に応じて変動し得る。
ある特定の実施形態では、局所的または経口投与される、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤/アンタゴニストは、円形脱毛症(例えば、斑点状円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症)の処置のために、単独で、あるいは局所的もしくは病巣内コルチコステロイド、局所的ミノキシジル、経口ミノキシジル、局所用もしくは全身性抗アンドロゲン、経口フィナステリド、経口デュタステリド、局所的もしくは経口コルテキソロン17α-プロピオネート、ケトコナゾール、スピロノラクトン(spionolactone)、プロスタグランジンF2アナログ(例えばビマトプロストまたはラタノプロスト)、接触感作療法、例えば、スクアリン酸ジブチルエステル、ジニトロクロロベンゼン、ジフェンシプロン、局所的もしくは経口メトキサレン(methoxalen)および紫外線A(PUVA)を用いるもの、局所的アントラリン、毛髪移植手術、マイクロニードリング、低レベルレーザー光療法、低レベル非レーザー光療法、多血小板血漿(PRP)療法または状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、局所的にまたは経口投与される、本明細書で開示されているp38 MAPキナーゼ阻害剤/アンタゴニストは、男性もしくは女性のパターンの禿頭症(男性型脱毛症)の処置のために、単独で、あるいは局所的ミノキシジル、経口ミノキシジル、局所用もしくは全身性抗アンドロゲン、経口フィナステリド、経口デュタステリド、局所的もしくは経口コルテキソロン17α-プロピオネート、ケトコナゾール、スピロノラクトン(spionolactone)、プロスタグランジンF2アナログ(例えば、ビマトプロストまたはラタノプロスト)、接触感作療法、例えば、スクアリン酸ジブチルエステル、ジニトロクロロベンゼン、ジフェンシプロン、局所的もしくは経口メトキサレン(methoxalen)および紫外線A(PUVA)を用いるもの、局所的アントラリン、毛髪移植手術、マイクロニードリング、低レベルレーザー光療法、低レベル非レーザー光療法、多血小板血漿(PRP)療法または状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、局所的にまたは経口投与される、本明細書で開示されているp38 MAPキナーゼ阻害剤/アンタゴニストは、瘢痕性脱毛症(例えば、瘢痕性脱毛、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛、扁平毛孔性苔癬、前頭部線維形成性脱毛症、禿髪性毛包炎)の処置のために、単独で、あるいは局所的ミノキシジル、経口ミノキシジル、局所用もしくは全身性抗アンドロゲン、経口フィナステリド、経口デュタステリド、局所的もしくは経口コルテキソロン17α-プロピオネート、ケトコナゾール、スピロノラクトン(spionolactone)、プロスタグランジンF2アナログ(例えば、ビマトプロストまたはラタノプロスト)、接触感作療法、例えば、スクアリン酸ジブチルエステル、ジニトロクロロベンゼン、ジフェンシプロン、局所的または経口メトキサレン(methoxalen)および紫外線A(PUVA)を用いるもの、局所的アントラリン、毛髪移植手術、マイクロニードリング、低レベルレーザー光療法、低レベル非レーザー光療法、多血小板血漿(PRP)療法または状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、化合物は、尋常性白斑(例えば、局在型尋常性白斑、限局型尋常性白斑、汎発型尋常性白斑、分節型尋常性白斑、指趾尋常性白斑、顔面尋常性白斑、四肢顔面型尋常性白斑、粘膜型尋常性白斑、コンフェッティ型尋常性白斑、三色尋常性白斑、辺縁炎症性尋常性白斑、四色尋常性白斑、青色尋常性白斑、ケブネル現象、尋常性白斑、四肢顔面型と尋常性白斑の混合型、または全身型尋常性白斑)の処置のために、単独で、あるいは局所用コルチコステロイド、局所用タクロリムス、局所用ピメクロリムス、光線療法、例えば、UVB、狭帯域UVB、経口もしくは局所用プソラレンおよび紫外線A(PUVA)を用いた紫外線光療法、カルシポトリエンもしくは他の局所用ビタミンD類似体、エキシマーレーザー光線療法、全身性免疫抑制剤、手術による処置、例えば、皮膚ミニグラフト、自己表皮浮遊液の移植、カムフラージュ、例えば、メイクアップまたはジヒドロキシアセトンなどを用いたもの、または状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて使用することができる。
本明細書で開示されている化合物、組成物、および方法で処置されることになる特定のp38 MAPキナーゼ媒介性疾患として、皮膚障害、掻痒症、がん、アルツハイマー病、炎症状態、および自己免疫性状態が挙げられる。
一実施形態では、前記皮膚障害は、掻痒症、アトピー性皮膚炎、乾癬、尋常性ざ瘡、面皰性ざ瘡、炎症性ざ瘡、小節嚢胞性ざ瘡、瘢痕性ざ瘡、化膿性汗腺炎、壊疽性膿皮症、皮膚増感作用、皮膚刺激、皮膚発疹、接触性皮膚炎またはアレルギー性接触感作である。
ヒトの処置に対して有用であることに加えて、本明細書で開示されているある特定の化合物および組成物は、哺乳動物、げっ歯類、などを含む伴侶動物、珍しい動物および飼育動物の獣医学的治療に対しても有用となり得る。より好ましい動物として、ウマ、イヌ、およびネコが挙げられる。
併用療法
本開示の化合物および医薬組成物は、別の医薬剤の逐次的または共投与によりp38 MAPキナーゼ媒介性障害を予防または処置するために使用することができる。
本発明の化合物は、単独で、または状態、例えば、上記で以前に記述されたものなどを処置するための他の薬学的活性のある化合物と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物および他の薬学的活性のある化合物は、同時に(同じ剤形として、または別個の剤形として、のいずれかで)または逐次的に投与することができる。したがって、一実施形態では、本発明は、対象に、治療有効量の1種または複数種の本発明の化合物および1種または複数種の追加の薬学的活性のある化合物を投与することにより状態を処置するための方法を含む。
ある特定の事例では、本明細書に記載されている化合物の少なくとも1つまたはその誘導体を、別の医薬剤と組み合わせて投与することが適切であり得る。単なる例示であるが、本明細書の1つの化合物が投与された際に患者が経験した副作用の1つが高血圧である場合、抗高血圧剤を最初の医薬剤と組み合わせて投与することが適切となり得る。または、単なる例示であるが、本明細書に記載されている化合物の1つの治療有効性はアジュバントの投与により増強され得る(すなわち、アジュバントそれ自体は、治療上の最小利益のみを有し得るが、別の医薬剤と組み合わせると患者に対する治療上の全体的な利益が増強される)。または、単なる例示であるが、患者により経験される利益は、本明細書に記載されている化合物の1つを、同様に治療上の利益を有する別の医薬剤(治療用レジメンも含む)と共に投与することによって増加し得る。単なる例示であるが、本明細書に記載されている化合物の1つを投与することを含む糖尿病のための処置における治療上の利益の増加はまた、患者に糖尿病のための別の医薬剤を提供することによっても生じ得る。いずれにせよ、処置を受けている疾患、障害または状態に関わらず、患者が経験する全体的な利益は、単に2種の医薬剤の相加的な利益であってもよいし、または患者は相乗的利益を経験してもよい。
可能な併用療法の特定の非限定的例として、本明細書の実施形態の化合物の以下との使用が挙げられる:化学療法もしくは抗増殖性薬剤、抗炎症性薬剤、免疫調節剤もしくは免疫抑制剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、または免疫不全障害を処置するための薬剤。
炎症に対して可能な併用療法の特定の非限定的例として、本開示のある特定の化合物の以下との使用が挙げられる:(1)コルチコステロイド、これらに限定されないがコルチゾン、デキサメタゾン、およびメチルプレドニゾロンを含む;(2)非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、これらに限定されないが、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、フェノプロフェン(NALFON(商標))、フルルビプロフェン(ANSAID(商標))、ケトプロフェン、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN(商標))、ジクロフェナクカリウム(CATAFLAM(商標))、エトドラク(LODINE(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトロラック(TORADOL(商標))、スリンダク(CLINORIL(商標))、トルメチン(TOLECTIN(商標))、メクロフェナメート(MECLOMEN(商標))、メフェナム酸(PONSTEL(商標))、ナブメトン(RELAFEN(商標))およびピロキシカム(FELDENE(商標))を含む;(3)免疫抑制剤、これらに限定されないが、メトトレキセート(RHEUMATREX(商標))、レフルノミド(ARAVA(商標))、アザチオプリン(IMURAN(商標))、シクロスポリン(NEORAL(商標)、SANDIMMUNE(商標))、タクロリムスおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))を含む;(4)CD20遮断剤、これらに限定されないが、リツキシマブ(RITUXAN(商標))を含む;(5)腫瘍壊死因子(TNF)遮断剤、これらに限定されないが、エタネルセプト(ENBREL(商標))、インフリキシマブ(REMICADE(商標))およびアダリムマブ(HUMIRA(商標))を含む;(6)インターロイキン-1受容体アンタゴニスト、これらに限定されないが、アナキンラ(KINERET(商標))を含む;(7)インターロイキン-6阻害剤、これらに限定されないが、トシリズマブ(ACTEMRA(商標))を含む;(8)インターロイキン-17阻害剤、これらに限定されないが、AIN457を含む;(9)ヤヌスキナーゼ阻害剤、これらに限定されないが、タソシチニブを含む;および(10)syk阻害剤、これらに限定されないが、ホスタマチニブを含む。
がんの処置に対して可能な併用療法の特定の非限定的例として、本開示のある特定の化合物の以下との使用が挙げられる:(1)アルキル化剤、これらに限定されないが、シスプラチン(PLATIN(商標))、カルボプラチン(PARAPLATIN(商標))、オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))、ストレプトゾシン(ZANOSAR(商標))、ブスルファン(MYLERAN(商標))およびシクロホスファミド(ENDOXAN(商標))を含む;(2)代謝拮抗剤、これらに限定されないが、メルカプトプリン(PURINETHOL(商標))、チオグアニン、ペントスタチン(NIPENT(商標))、シトシンアラビノシド(ARA-C(商標))、ゲムシタビン(GEMZAR(商標))、フルオロウラシル(CARAC(商標))、ロイコボリン(FUSILEV(商標))およびメトトレキセート(RHEUMATREX(商標))を含む;(3)植物アルカロイドおよびテルペノイド、これらに限定されないが、ビンクリスチン(ONCOVIN(商標))、ビンブラスチンおよびパクリタキセル(TAXOL(商標))を含む;(4)トポイソメラーゼ阻害剤、これらに限定されないが、イリノテカン(CAMPTOSAR(商標))、トポテカン(HYCAMTIN(商標))およびエトポシド(EPOSIN(商標))を含む;(5)細胞傷害性抗生剤、これらに限定されないが、アクチノマイシンD(COSMEGEN(商標))、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(商標))、ブレオマイシン(BLENOXANE(商標))およびマイトマイシン(MITOSOL(商標))を含む;(6)血管新生阻害剤、これらに限定されないが、スニチニブ(SUTENT(商標))およびベバシズマブ(AVASTIN(商標))を含む;(7)チロシンキナーゼ阻害剤、これらに限定されないが、イマチニブ(GLEEVEC(商標))、エルロチニブ(TARCEVA(商標))、ラパチニブ(lapatininb)((TYKERB(商標))およびアキシチニブ(INLYTA(商標))を含む;ならびに(8)免疫チェックポイント阻害剤、これらに限定されないが、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))、アベルマブ(BAVENCIO(商標))、デュルバルマブ(IMFINZI(商標))、イピリムマブ(YERVOY(商標))、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))、ニボルマブ(OPDIVO(商標))、およびトレメリムマブを含む。
一部の実施形態では、前記組成物は、化学療法剤もしくは抗増殖剤、抗ウイルス剤、抗生剤、抗ヒスタミン剤、皮膚軟化剤、全身性光線療法、プソラレン光化学療法、レーザー療法、ホルモン補充療法、抗炎症剤、免疫調節剤もしくは免疫抑制剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、免疫不全障害を処置するための薬剤、および免疫チェックポイント阻害剤から選択される追加の医薬剤をさらに含む。本開示の化合物および薬学的に許容される組成物は、併用療法で使用することができ、すなわち、化合物および薬学的に許容される組成物は、免疫、炎症、増殖、およびアレルギー性障害の治療のための他の療法との組合せにおいて潜在的な有用性を有し得る。例としては、ステロイド、ロイコトリエンアンタゴニスト、抗ヒスタミン薬、抗がん剤、プロテインキナーゼ阻害剤、シクロスポリン、ラパマイシン、または免疫チェックポイント阻害剤との同時投与が挙げられるが、これらに限定されない。
がん細胞は、多くの場合免疫チェックポイント分子を使用して、免疫系による攻撃を回避または抑制する。したがって、がん細胞の表面上での免疫チェックポイント分子の発現は、T細胞などの免疫細胞がそれらを「外来」または「異常」として認識するのを防ぐ。したがって、免疫チェックポイント阻害剤は、T阻害性免疫チェックポイント分子を遮断し、細胞認識を介して免疫系の活性化をもたらす化合物である。
阻害性チェックポイント分子は、進行性黒色腫に対して最初に示された2つのチェックポイント阻害薬-イピリムマブ(例えば、YERVOY(商標);CTLA-4を標的とすることにより免疫系を活性化するように作用するモノクローナル抗体)、およびペムブロリズマブ(例えば、KEYTRUDA(商標);プログラム細胞死1(PD-1)受容体を標的とするヒト化抗体)の有効性のために、がん免疫療法の新しい標的として次第に考慮されるようになっている。ニボルマブ(例えば、OPDIVO(商標))として知られる別のチェックポイント阻害剤は、PD-1とプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)との相互作用を遮断し、免疫の阻害を防ぐ。
1種または複数種の免疫チェックポイント分子を阻害することができるどのような分子も、追加の医薬剤として本明細書に開示されている方法において使用することができる。このような免疫チェックポイント阻害剤としては、限定されないが、抗体もしくはその機能的断片、阻害性ポリペプチド、小分子化学化合物、および/または阻害性核酸(例として、これらに限定されないが、アンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子阻害RNA(siRNA)(small inhibitory RNAs)、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、および/またはリボザイムなどの触媒核酸)が挙げられる。本明細書に開示されている方法のいずれかで使用するためのチェックポイント阻害剤による標的化に適した免疫チェックポイント分子としては、これらに限定されないが、アデノシンA2A受容体(A2AR)、B7-H3(別名CD276;例えば、MGA271)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4;別名CD152;例えば、イピリムマブ;AGEN-1884(Agenus)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1;別名CD274;例えば、MDX-1105(Bristol Myers Squibb)、WBP-3155(C-stone)、LY3300054(Eli Lilly))プログラム細胞死タンパク質1(PD-1;別名CD279;例えば、ペムブロリズマブ、SHR-1210(Incyte)、STI-A1110(Sorrento)、REGN2810(Regeneron)、CT-011(ピジリズマブ;Curetech)、PDR-001(Novartis)、BGB-A317(BeiGene)、TSR-042(Tesaro)、ENUMC-8(Enumeral)、MGD-013(Macrogenics;PD1およびLag3の二重特異性抗体)、B7-H4(別名VTCN1)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有-3(TIM3;別名HAVCR2)、Bリンパ球およびTリンパ球アテニュエータ(BTLA;別名CD272)、インドールアミン-ピロール2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR;例えば、リリルマブ)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3;例えば、BMS-986016)、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT;別名WUCAMおよびVstm3)、ILT-3、ILT-4、および/またはT細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、のうちの1種または複数種が挙げられる。
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、イピリムマブ(Bristol-Myers Squibb)、ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)、ペンブロリズマブ(Merck)、デュルバルマブ(Medimmune)、アテゾリズマブ(Genentech/Roche)、トレメリムマブ(Medimmune)、および/またはアベルマブ(Pfizer)のうちの1種または複数種などであるアンタゴニスト抗体であるが、これらに限定されない。
本開示の化合物および医薬組成物は、別の医薬剤の逐次的または共投与によりJAK1および/またはJAK3媒介性疾患を予防または処置するために使用することができる。
一部の実施形態では、本明細書の実施形態において開示された化合物はまた、様々な他の医薬剤または処置、例えば、経口的または非経口的に全身投与される医薬剤または処置と共に共投与することができる(並行的または逐次的に)。このような全身処置の例として、局所用または全身性コルチコステロイド(例えば、プレドニゾンなど)、抗生剤(例えば、エリスロマイシン、テトラサイクリン、およびジクロキサシリン)、抗真菌剤(例えば、ケトコナゾールおよびフルコナゾール、商標名Diflucan(商標)で市販)、抗ウイルス剤(例えば、バラシクロビル、商標名Valtrex(商標)で市販、アシクロビル、およびファムシクロビル、商標名Famvir(商標)で市販)、コルチコステロイド、免疫抑制剤(例えば、シクロホスファミド、商標名Cytoxan(商標)で市販、アザチオプリン、メトトレキセート、ミコフェノレート)、生物製剤(例えば、リツキシマブ、商標名Rituxan(商標)で市販、エタネルセプト、商標名Enbrel(商標)で市販、アダリムマブ、商標名Humira(商標)で市販、インフリキシマブ、商標名Remicade(商標)で市販、ウステキヌマブ、商標名Stelara(商標)で市販、およびアレファセプト、商標名Amevive(商標)で市販)、ならびに/または甲状腺ホルモン代用品が挙げられる。
一部の実施形態では、本明細書で開示されている化合物と組み合わせて使用することができる他の治療剤として、例えば、メルカプトプリン、局所用または全身性コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロン、アルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、シロリムスおよびタクロリムス、イノシンモノホスファートデヒドロゲナーゼ阻害剤(IMPDH)、例えば、ミコフェノレート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、様々な抗体、例えば、抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3)、ならびに照射が挙げられる。これらの様々な薬剤は、薬物の市販の形態に添付されている処方情報に特定されているこれらの標準的または一般的投与量に従い使用することができる(処方情報については、2006 Edition of The Physician's Desk Referenceも参照されたい)。一部の実施形態では、これらの薬剤の標準的投与量は、本明細書の実施形態の化合物と組み合わせて使用する場合、減少させることができる。本開示の範囲を限定することなく、このような組合せは、より良い効力、より低い毒性、より長い作用期間、または療法に対するより急速な応答と共に相乗的結果をもたらすことができると考えられている。一部の実施形態では、本明細書の実施形態における併用療法は、本明細書の実施形態の化合物または追加の医薬剤のいずれかを治療量以下の量で、または両方とも治療量以下の量で投与することができる。アザチオプリンはSalix Pharmaceuticals,Inc.から商品名Azasan(商標)で現在入手可能である;メルカプトプリンはGate Pharmaceuticals,Inc.から商品名Purinethol(商標)で現在入手可能である;プレドニゾンおよびプレドニゾロンは、Roxane Laboratories,Inc.から現在入手可能である;メチルプレドニゾロンはPfizerから現在入手可能である;シロリムス(ラパマイシン)はWyeth-Ayerstから商品名Rapamune(商標)で現在入手可能である;タクロリムスはFujisawaから商品名Prograf(商標)で現在入手可能である;シクロスポリンはNovartisから商品名Sandimmune(商標)で現在入手可能であり、Abbottから商品名Gengraf(商標)で現在入手可能である;IMPDH阻害剤、例えば、ミコフェノール酸モフェチルおよびミコフェノール酸は、Rocheから商品名Cellcept(商標)で、Novartisから商品名Myfortic(商標)で現在入手可能である;アザチオプリンはGlaxo Smith Klineから商品名Imuran(商標)で現在入手可能である;ならびに、抗体は、Ortho Biotechから商品名Orthoclone(商標)で、Novartisから商品名Simulect(商標)(バシリキシマブ)で、Rocheから商品名Zenapax(商標)(ダクリズマブ)で現在入手可能である。
一部の実施形態では、本明細書の実施形態の化合物は、上記医薬剤もしくは治療法および/または別の疾患のための医薬剤もしくは療法と共に、同時にまたは補助的に投与される。例えば、本明細書の実施形態の化合物は、甲状腺ホルモン補充療法または抗炎症療法もしくは免疫調節療法と組み合わせることができる。
一部の実施形態では、本明細書の実施形態における併用療法は、本明細書の実施形態の化合物または追加の医薬剤のいずれかを治療量以下の量で、または両方とも治療量以下の量で投与することができる。
がんおよび新生物疾患で使用するために、p38 MAPキナーゼ阻害剤は、以下のクラスの薬物のうちの1種または複数種と一緒に最適に使用される:抗がん剤は、EGFRキナーゼ阻害剤、MEK阻害剤、VEGFR阻害剤、抗VEGFR2抗体、KDR抗体、AKT阻害剤、PDK-1阻害剤、PI3K阻害剤、c-kit/Kdrチロシンキナーゼ阻害剤、Bcr-Ablチロシンキナー阻害剤、VEGFR2阻害剤、PDGFR-ベータ阻害剤、KIT阻害剤、Flt3チロシンキナーゼ阻害剤、PDGF受容体ファミリー阻害剤、Flt3チロシンキナーゼ阻害剤、RETチロシンキナーゼ受容体ファミリー阻害剤、VEGF-3受容体アンタゴニスト、Rafプロテインキナーゼファミリー阻害剤、血管新生阻害剤、Erb2阻害剤、mTOR阻害剤、IGF-1R抗体、NFkB阻害剤、プロテオソーム阻害剤、化学療法剤、またはグルコース降下剤。
いずれにせよ、複数の医薬剤(本明細書で開示されている化合物であるものの少なくとも1つ)が任意の順序で、または同時に投与され得る。同時に投与される場合、複数の医薬剤は、単一の、統合された形態で、または複数の形態で(単なる例示であるが、単一の丸剤として、または2つの別個の丸剤として)提供することができる。医薬剤のうちの1つが複数回投与で付与されてもよいし、または両方とも複数回投与で付与されてもよい。同時でない場合、複数回投与の間のタイミングは、数分間から8週間の範囲の任意の期間であってもよいし、または所望の治療効果を維持するのに適当な任意の間隔であってよい。一部の実施形態では、複数回投与の間のタイミングは、1分間、1時間、6時間、1日、2日、3日、4日、5日,6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間であってよい。
よって、別の態様では、ある特定の実施形態は、このような処置を必要とするヒトまたは動物対象においてp38 MAPキナーゼ媒介性障害を処置するための方法であって、前記対象に、対象において前記障害を減少または予防するのに有効な量の本明細書で開示されている化合物を、当技術分野で公知の前記障害の処置のための少なくとも1種の追加の薬剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。関連した態様では、ある特定の実施形態は、本明細書で開示されている少なくとも1種の化合物を、p38 MAPキナーゼ媒介性障害の処置のための1種または複数種の追加の薬剤と組み合わせて含む治療用組成物を提供する。
別の実施形態では、1種または複数種の本発明の化合物、1種または複数種の追加の薬学的活性のある化合物、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
別の実施形態では、1種または複数種の追加の薬学的活性のある化合物は、抗炎症剤、抗アテローム性動脈硬化剤、免疫抑制薬、免疫調節薬、細胞分裂停止薬、抗増殖剤、血管新生阻害剤、キナーゼ阻害剤、サイトカイン遮断剤および細胞接着分子の阻害剤からなる群から選択される。
別の実施形態では、医薬組成物は、1種または複数種の追加の医薬剤、例えば、化学療法剤、ステロイド、抗炎症性化合物、または免疫抑制剤をさらに含むことができる。
本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤組成物はまた、処置される状態に対するこれらの治療的価値が故に選択される他の治療試薬と組み合わせて使用されてもよい。一般的に、本明細書に記載されている医薬組成物および併用療法が利用される実施形態では、他の薬剤は、同じ医薬組成物で投与される必要はなく、異なる物理的および化学的特徴のために、異なる経路で投与されてもよい。最初の投与は一般的に確立したプロトコルに従い行われ、次に観測された作用に基づき、投与の用量、投与モードおよび投与の時間は引き続き修正される。ある特定の事例では、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤組成物を別の治療剤と組み合わせて投与するのが適当である。単なる例示であるが、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤組成物の投与を受けた際に患者が経験した副作用の1種が発疹である場合、最初の治療剤と組み合わせて抗ヒスタミン剤を投与するのが適当である。または、単なる例示ではあるが、p38 MAPキナーゼ阻害剤の治療有効性は、同様に治療上の利益を有する別の治療剤(治療用レジメンも含む)の投与により増強される。いずれにせよ、処置を受けている疾患、障害または状態に関わらず、患者が経験する全体的な利益は、単に2種の治療剤の相加的な利益であってもよいし、または患者は相乗的利益を経験してもよい。
治療有効投与量は、薬物が処置の併用で使用される場合変動する。併用処置レジメンで使用するための薬物および他の薬剤の治療有効投与量を実験的に判定するための方法は方法論において記録されている。併用処置は、患者の臨床管理を援助するために様々な時間において開始および停止する周期的処置をさらに含む。いずれにせよ、複数種の治療剤(そのうちの1種が本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤である)は、任意の順序、または同時でも投与される。同時に投与される場合、複数種の治療剤は、単一の、一体化された形態で提供されてもよいし、または複数の形態で提供されてもよい(単なる例示であるが、単一の丸剤としてまたは2個の別個の丸剤として)。
一部の実施形態では、治療剤の1種が複数回投与で付与されるか、または両方とも複数回投与として付与される。同時に投与されない場合、複数回投与の間のタイミングは、0週間から12週間未満まで変動してもよい。
加えて、併用方法および組成物は、2種の薬剤のみの使用に限定されず、複数種の治療剤の組合せの使用もまた想定される。緩和が探究される状態を処置する、予防する、または回復させるための投与量レジメンは、様々な要因により修正されてもよいことは理解される。これらの要因は、対象が患っている障害、ならびに対象の年齢、体重、性別、食事、および医学的状態を含む。よって、実際に利用される投与量レジメンは一部の実施形態では広く変動し、したがって本明細書に記載の投与量レジメンから外れる。
本明細書で開示されている併用療法を構成する医薬剤は、実質的に同時の投与を意図した、合わせた剤形または別個の剤形であってよい。併用療法を構成する医薬剤はまた、2段階投与が指示されているレジメンで投与されるいずれかの薬剤と逐次的に投与されてもよい。2段階投与レジメンでは、活性剤の連続的投与または別個の活性剤の間隔をあけた投与が指示されてもよい。複数の投与段階の間の期間は、各医薬剤の特性、例えば、医薬剤の作用強度、溶解度、バイオアベイラビリティー、血漿半減期および動力学的プロファイルに応じて、数分間から数時間の範囲である。任意的に、標的分子濃度の概日変化を使用して、最適な投与間隔を決定してもよい。
別の実施形態では、p38 MAPキナーゼ阻害剤は、追加のまたは相乗的利益を患者にもたらす手段と組み合わせて使用されてもよい。p38 MAPキナーゼ阻害剤および追加の療法は、疾患または状態の発症前、発症中、または発症後に投与されてもよく、一部の実施形態では、p38 MAPキナーゼ阻害剤を含有する医薬組成物を投与するタイミングは変動する。よって、例えば、p38 MAPキナーゼ阻害剤は防止用に使用され、状態または疾患を発症する傾向がある対象に、疾患または状態の発症を予防するために逐次的に投与される。p38 MAPキナーゼ阻害剤および組成物は、症状が開始している間、またはできるだけその直後に対象投与されてもよい。本発明の実施形態は本明細書に示され、記載されているが、このような実施形態は単に例示として提供されることは当業者には明らかである。多くの変化形、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、ここで当業者に思い浮かぶであろう。本発明の一部の実施形態では、本明細書に記載されている実施形態に対する様々な代替形態が本発明の実施に利用されることを理解されたい。
p38 MAPキナーゼ阻害剤は、以下のクラスの薬物と組み合わせて使用することができる:NSAID、免疫抑制薬、免疫調節薬、細胞分裂停止薬、抗増殖剤、血管新生阻害剤、生物学的作用物質、ステロイド、ビタミンD3アナログ、レチノイド、他のキナーゼ阻害剤、サイトカイン遮断剤、コルチコステロイドおよび細胞接着分子の阻害剤。対象がアテローム動脈硬化症またはアテローム動脈硬化症に関連する状態を患っているまたは患うリスクがある場合、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤組成物は、1種または複数種の薬剤またはアテローム動脈硬化症またはアテローム動脈硬化症に関連する状態を処置するための方法と任意の組合せで一緒に使用されてもよい。アテローム動脈硬化症またはアテローム動脈硬化症に関連する状態を処置するための治療剤/処置の例として、これらに限定されないが、以下のうちのいずれかが挙げられる:トルセトラピブ、アスピリン、ナイアシン、HMG CoA還元酵素阻害剤(例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチン)、コレセベラム、コレスチラミン、コレスチポール、ゲムフィブロジル、プロブコールおよびクロフィブラート)。
対象が炎症状態を患っているまたは患うリスクがある場合、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤組成物は、炎症状態を処置するための1種または複数種の薬剤または方法と任意の組合せで一緒に使用されてもよい。
ある特定の実施形態では、追加の医薬剤は、タキサン、bcr-ablの阻害剤、EGFRの阻害剤、DNA損傷剤、代謝拮抗剤、パクリタキセル、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、アントラサイクリン、AraC、5-FU、カンプトテシン、ドキソルビシン、イダルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、MEK阻害剤、U0126、KSP阻害剤、ボリノスタット、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、トレメリムマブ、およびデュルバルマブから選択される。
一部の実施形態では、前記組成物は、化学療法剤もしくは抗増殖剤、抗ウイルス剤、抗生剤、抗ヒスタミン剤、皮膚軟化剤、全身性光線療法、プソラレン光化学療法、レーザー療法、ホルモン補充療法、抗炎症剤、免疫調節剤もしくは免疫抑制剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、および免疫不全障害を処置するための薬剤から選択される追加の医薬剤をさらに含む。
一部の実施形態では、本明細書の実施形態の1種または複数種の化合物は、p38 MAPキナーゼ媒介性障害の処置に使用されている1種または複数種の他の治療剤と組み合わせて使用することができ、他の治療剤単独に対する応答と比較して、その毒性作用を悪化させることなく、治療応答を改善することができる。一部の実施形態では、本明細書の実施形態の化合物は、p38 MAPキナーゼ媒介性障害の処置のための1種または複数種のJAK1および/またはJAK3阻害剤および/またはJAK2阻害剤および/またはTYK2阻害剤と組み合わせて使用することができる。相加効果または相乗効果は、このような組合せの望ましい結果である。追加の薬剤は、単一剤形内または連続式剤形内で本発明の化合物と組み合わせることができ、または薬剤は、別個の剤形として同時にまたは逐次的に投与することができる。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の薬剤は、患者に、少なくとも1種の本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害剤/アンタゴニストと組み合わせて投与することができ、この場合追加の薬剤は、連続的投与とは対照的に、断続的投与で投与される。
例えば、ある特定の実施形態では、局所的または経口投与される、JAK1および/またはJAK3阻害剤/アンタゴニストは、円形脱毛症(例えば斑点状円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症)の処置のために、単独であるいは局所的もしくは病巣内コルチコステロイド、局所的ミノキシジル、経口フィナステリド、経口デュタステリド、接触感作療法、例えば、スクアリン酸ジブチルエステル、ジニトロクロロベンゼン、ジフェンシプロン、局所的もしくは経口メトキサレンおよび紫外線A(PUVA)を用いるもの、局所的アントラリン、毛髪移植手術、または状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害化合物と共に投与することができる。
例えば、ある特定の実施形態では、局所的または経口投与される、JAK1および/またはJAK3阻害剤/アンタゴニストは、男性もしくは女性のパターンの禿頭症(男性型脱毛症)の処置のために、単独でまたは局所的ミノキシジル、経口フィナステリド(男性用)、経口デュタステリド(男性用)、局所用抗アンドロゲン、毛髪移植手術、もしくは状態に有益な作用があることが知られている他の治療法と組み合わせて、本明細書に記載されているp38 MAPキナーゼ阻害化合物と組み合わせて投与することができる。
例えば、ある特定の実施形態では、化合物は、尋常性白斑(例えば、局在型尋常性白斑、限局性尋常性白斑、汎発型尋常性白斑、分節型尋常性白斑、指趾尋常性白斑、顔面尋常性白斑、四肢顔面型尋常性白斑、粘膜型尋常性白斑、コンフェッティ型尋常性白斑、三色尋常性白斑、辺縁炎症性尋常性白斑、四色尋常性白斑、青色尋常性白斑、ケブネル現象、尋常性白斑、混合型四肢顔面型および尋常性白斑、もしくは全身型尋常性白斑)の処置のために、単独で、あるいは局所用コルチコステロイド、局所用タクロリムス、局所用ピメクロリムス、光線療法、例えば、UVB、狭帯域UVB、経口もしくは局所用プソラレンおよび紫外線A(PUVA)を用いた紫外線光療法、カルシポトリエンもしくは他の局所用ビタミンD類似体、エキシマーレーザー光線療法、全身性免疫抑制剤、手術による処置、例えば、皮膚ミニグラフト、自己表皮浮遊液の移植、カムフラージュ、例えば、メイクアップもしくはジヒドロキシアセトンなどによるカムフラージュ、および状態に有益な作用があることが知られているこのような治療法または他の治療法と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、消化器疾患の処置を実行するために、同じ機序または異なる機序で作用する1種または複数種の薬剤と組み合わせて使用することができる。異なる薬剤は、逐次的にまたは同時に(別個の組成物または同じ組成物中で)投与されてよい。併用療法に有用なクラスの薬剤として、アミノサリチル酸塩、ステロイド、全身性免疫抑制剤、抗NFα抗体、TNFアルファリガンド阻害剤、TNF結合剤、抗VLA-4抗体、抗インテグリンCv37抗体、抗菌性薬剤、グルココルチコイドアゴニスト、核因子カッパB阻害剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、インテグリンアルファ-4/ベータ-7アンタゴニスト、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、IL-23アンタゴニスト、ロイコトリエンBLT受容体アンタゴニスト、IL-6アンタゴニスト、IL-8アンタゴニスト、インテグリンアンタゴニスト、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト、PPARガンマアゴニスト、スフィンゴシン-1-リン酸塩受容体-1モジュレーター、Bリンパ球抗原CD20阻害剤、カルシニューリン阻害剤、CD3アンタゴニスト、細胞接着分子阻害剤、好酸球ペルオキシダーゼ阻害剤、ヘパリンアゴニスト、ICAM1遺伝子阻害剤、IL-13アンタゴニスト、IL-2受容体アルファサブユニット阻害剤、インスリン感受性改善薬、インターフェロンベータリガンド、インターフェロンガンマ受容体アンタゴニスト、インターロイキン-1ベータリガンドモジュレーター、MAdCAM阻害剤、PDE4阻害剤、スフィンゴシン-1-リン酸塩受容体-1アゴニスト、TLR-9アゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ACTH受容体アゴニスト、アクチビン受容体アンタゴニスト、CCR5ケモカインアンタゴニスト、CCR9ケモカインアンタゴニスト、および止瀉薬が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の開示化合物と組み合わせて使用することができるアミノサリチル酸塩として、これらに限定されないが、メサラミン、オサラジンおよびスルファサラジンが挙げられる。ステロイドの例として、これらに限定されないが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、ブデソニド、ベクロメタゾン、およびフルチカゾンが挙げられる。炎症性障害の処置に有用な全身性免疫抑制剤として、これらに限定されないがシクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、およびタクロリムスが挙げられる。さらに、これらに限定されないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、およびセルトリズマブを含む抗TNFα抗体は、併用療法で使用することができる。他の機序で作用する有用な化合物には、抗VLA-4抗体、例えば、ナタリズマブ、抗インテグリンα4β7抗体、例えば、ベドリズマブ、抗菌剤、例えば、リファキシミン、および止瀉薬、例えば、ロペラミドが含まれる。(Mozaffari et al. Expert Opin. Biol. Ther. 2014, 14, 583-600; Danese, Gut, 2012, 61, 918-932; Lam et al., Immunotherapy, 2014, 6, 963-971)
本発明の開示化合物と組み合わせて使用することができる他の化合物として、これらに限定されないが、オパガニブ、アバタセプト、モンジャーセン、フィルゴチニブ、LYC-30937、BI-655130、ミリキズマブ、アダリムマブ、タクロリムス、リツキシマブ、GSK-2982772、アンデカリキシマブ、ナルトレキソン、リサンキズマブ、QBECO、アリカホルセン、エトロリズマブ、フォラルマブ、オクレリズマブ、ベドリズマブ、アミセリモド、オザニモド、ドルカナチド、カトリデカゴク、ブデソニド、STNM-01、カンナビジオール、テロトリスタットエチプレート、SHP-647、カロテグラストメチル、ペグイロデカキン、TOP-1288、イベロガストN、PF-06480605、ペフィシチニブ、ベクロメタゾン、組換えインターフェロンベータ-1a、インフリキシマブ、ゴリムマブ、トラロキヌマブ、ウステキヌマブ、セルトリズマブペゴル、サリドマイド、ウパダシチニブ、アプレミラスト、ナタリズマブ、インターフェロンベータ-1a、リファキシミン、RBX-2660、エトラシモド、ジレウトン、フィンゴリモド、コビトリモド、ロピバカイン、ABX-464、PF-06700841、プレドニゾロン、GLPG-0974、バルガンシクロビル、シクロスポリン、VB-201、ツリネルセプト、MDGN-002、PTG-100、デキサメタゾン、GED-0507-34-Levo、ベルチリムマブ、ブラジクマブ、KHK-4083、ロシグリタゾン、モクラビモド、ソトラスタウリン、KAG-308、PUR-0110、E-6007、バルサラジド、バシリキシマブ、LP-02、ASP-3291、豚鞭虫(Trichuris suis ova)、K(D)PT、ミジスマーゼ、DNVX-078、バテリズマブ、アレクエル、低分子量ヘパリン、メテンケファリン、トリデカクチド、HMPL-004、SB-012、オルサラジン、バルサラジド、プロピオニル-L-カルニチン(camitine)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、ベクロメタゾンおよびアセマンナンが挙げられる。
化合物を調製するための一般的な合成法
本発明の化合物は、以下に詳述される一般的合成スキームおよび実験手順において例示されている方法を使用して調製することができる。一般的合成スキームおよび実験手順は例示目的で提示され、限定を意図するものではない。本発明の化合物を調製するために使用される出発材料は、市販のものであるか、または当技術分野で公知の定型の方法を使用して調製することができる。本発明の化合物の調製のための代表的な手順は以下のスキーム1および2に概説されている。溶媒および試薬はその合成調製が以下に記載されていないが、これらはSIGMA-AldrichまたはFisher Scientificから購入することができる。
重水素で非置換である化合物は、スキーム1に示されるような以下の一般的な方法によって調製された。
スキーム1
Figure 2022542434000011
最終ステップでベンジル置換基R1が付加される所望の化合物の合成をスキーム1に示す。ピリジノン1cは、スキーム1に記載されているように、ジオキサンなどの溶媒中でのアセタール1aとピリジン1bとの反応によって達成することができる。1cのフェノールを臭化ベンジルで保護すると、ベンジル化された1dが得られる。パラジウム触媒の存在下で1dをビニルスズ試薬と反応させると、メチルケトン1eが得られる。イソプロパノールなどの溶媒中でN-クロロスクシンイミドを使用して1eをハロゲン化すると、1fが得られる。1fとN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールとの反応によるインサイチュでのエナミン形成によって中間体が得られ、次にこれをDMFなどの溶媒中で2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオナミジンと反応させてピリミジノン1gを得る。1gをHClなどの酸で処理することによるベンジル基の脱保護によって、1hが得られる。フェノール1hを所望のR1CH2BrまたはR1CH2Cl置換基でアルキル化すると、所望のピリジノン1iが得られる。得られたアトロプ異性体の混合物を、二酸化炭素およびエタノールの移動相を用いた超臨界流体クロマトグラフィーによって分割することができる。
同位体濃縮を、単一イオン記録モードでWaters Acquity UPLCおよびSQD質量分析計を使用する質量分析によって判定し、データを、Empower 3ソフトウェア(Waters)を使用して分析した。
スキーム2は、Aが重水素である式(I)および式(II)の化合物の一般的な合成および単離を示す。
スキーム2:重水素を含有するp38/MK2阻害剤の一般的な合成
Figure 2022542434000012
一般的な手順- N,N-ジメチルホルムアミド(20mmol)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン(1.0mmol)および炭酸カリウム(3.0mmol)の懸濁液を、d2クロロメチルアレーン中間体(1.2mmol)で処理し、周辺温度において添加し、次に混合物を60℃まで16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、冷水で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。
2クロロメチルアレーンを、類似の方法によって調製した。
スキーム3:2-(クロロメチル-d2)-3,5-ジフルオロピリジンの調製
Figure 2022542434000013
ステップ1:メチル3,5-ジフルオロピコリネートの調製
Figure 2022542434000014
メタノール(20mL)中の3,5-ジフルオロピコリン酸(2g、12.5mmol)の溶液に、0℃で塩化チオニル(2mL)を加え、溶液を60℃に3時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、減圧下で濃縮して揮発性物質を除去し、残渣を飽和炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、メチル3,5-ジフルオロピコリネートを無色の液体として得た(1.9g、粗製):MS (ES) m/z 174.1(M+H)。
ステップ2:(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000015
メチル3,5-ジフルオロピコリネート(0.5g、2.89mmol)を、メタン-d3-オール-d:テトラヒドロフラン(10mL:10mL)混合物に溶解した。重水素化ホウ素ナトリウム(0.36g、8.67mmol、99原子%D)および塩化カルシウム(1.28g、11.5mmol)を周辺温度で加え、得られた混合物を55℃に2時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを介して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて、残渣を重水素酸化物でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メタン-d2-オールを無色の液体(0.3g、粗製)として得た:MS (ES) m/z 148.1(M+H)。
ステップ3:2-(クロロメチル-d2)-3,5-ジフルオロピリジンの調製
Figure 2022542434000016
ジクロロメタン(5mL)中の(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メタン-d2-オール(0.3g、2.04mmol)の撹拌溶液に、塩化チオニル(0.3mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(触媒)を0℃で加え、得られた溶液を周辺温度で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、2-(クロロメチル-d2)-3,5-ジフルオロピリジンを液体として得た(0.3g、粗製):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (s, 1H), 7.22-7.25 (m, 1H).
スキーム4:3-(クロロメチル-d2)-1-メチル-1H-ピラゾールの調製
Figure 2022542434000017
ステップ1:(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000018
メチル1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(0.5g、3.57mmol)を、メタン-d3-オール-d:テトラヒドロフラン(10mL:10mL)の混合物に加えた。重水素化ホウ素ナトリウム(0.74g、17.8mmol、99%D)および塩化カルシウム(1.58g、14.2mmol)を周辺温度で加え、得られた混合物を55℃に2時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を重水素酸化物でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタン-d2-オールを無色の液体として得た(0.4g、粗製):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31 (s, 1H), 6.21 (s, 1H), 3.89 (s, 3H).
ステップ2:3-(クロロメチル-d2)-1-メチル-1H-ピラゾールの調製
Figure 2022542434000019
ジクロロメタン(8mL)中の(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタン-d2-オール(0.4g、3.5mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.38mL)を0℃で加えた。溶液を周辺温度で2時間撹拌し、混合物を減圧下で濃縮して、3-(クロロメチル-d2)-1-メチル-1H-ピラゾールを液体として得た(0.4g、粗製):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.59 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 4.19 (s, 3H).
スキーム5:(クロロメチル-d2)ベンゼンの調製
Figure 2022542434000020
ステップ1:安息香酸メチルの調製
Figure 2022542434000021
メタノール(20mL)中の安息香酸(2g、16.3mmol)の撹拌溶液に、0℃で塩化チオニル(2mL)を加え、溶液を60℃に3時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、減圧下で濃縮して揮発性物質を除去し、残渣を飽和炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、安息香酸メチルを無色の液体として得た(1.7g、75%収率):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.44 (d, J = 7.6Hz, 2H), 7.54-7.64 (m, 1H), 7.42-7.45 (m, 2H), 3.92 (s, 3H).
ステップ2:フェニルメタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000022
メタン-d3-オール-d(4mL)中の安息香酸メチル(0.5g、3.67mmol)の溶液に、重水素化ホウ素ナトリウム(0.46g、11.02mmol、99%D)を周辺温度で加えた。得られた混合物を、60℃に16時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトを介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を重水素酸化物でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、フェニルメタン-d2-オールを無色の液体として得た(0.15g、37%収率):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.37 (m, 4H), 7.30-7.32 (m, 1H).
ステップ3:(クロロメチル-d2)ベンゼンの調製
Figure 2022542434000023
ジクロロメタン(4mL)中のフェニルメタン-d2-オール(0.15g、1.36mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.2mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(触媒)を0℃で加えた。得られた溶液を周辺温度で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下(<30℃)で濃縮して、(クロロメチル-d2)ベンゼンを液体として得た(0.1g、粗製)。
スキーム6:1-(クロロメチル-d2)-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンの調製
Figure 2022542434000024
ステップ1:(3-(トリフルオロメチル)フェニル)メタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000025
メタン-d3-オール-d(4mL)中のメチル3-(トリフルオロメチル)ベンゾエート(0.25g、1.22mmol)の溶液に、重水素化ホウ素ナトリウム(0.15g、3.67mmol、99%D)を周辺温度で加え、溶液を、60℃に16時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、減圧化で濃縮して、残渣を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、(3-(トリフルオロメチル)フェニル)メタン-d2-オールを無色の液体として得た(0.2g、粗製):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.64 (s, 1H), 7.55 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.46-7.50 (m, 1H).
ステップ2:1-(クロロメチル-d2)-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンの調製
Figure 2022542434000026
ジクロロメタン(2mL)中の(3-(トリフルオロメチル)フェニル)メタン-d2-オール(0.2g、1.11mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.25mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(触媒)を0℃で加えた。得られた溶液を周辺温度で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下(<30℃)で濃縮して、1-(クロロメチル-d2)-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンを液体として得た(0.2g、粗):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.65 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.47-7.51 (m, 1H).
スキーム7:1-(クロロメチル-d2)-3-メトキシベンゼンの調製
Figure 2022542434000027
ステップ1:(3-メトキシフェニル)メタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000028
メタン-d3-オール-d(4mL)中のメチル3-メトキシベンゾエート(0.4g、2.4mmol)の溶液に、重水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、12mmol、99%D)を周辺温度で加え、溶液を、60℃に36時間加熱した。反応混合物を周辺温度に冷却し、減圧下濃縮して、粗残渣を得た。粗残渣を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、(3-メトキシフェニル)メタン-d2-オールを無色の液体として得た(0.15g、45%収率):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29 (s, 1H), 6.44 (d, J = 6.4Hz, 2H), 6.83-6.85 (m, 1H).
ステップ2:1-(クロロメチル-d2)-3-メトキシベンゼンの調製
Figure 2022542434000029
ジクロロメタン(4mL)中の(3-メトキシフェニル)メタン-d2-オール(0.23g、1.64mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.4mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(触媒)を0℃で加え、溶液を周辺温度で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下(<30℃)で濃縮して、1-(クロロメチル-d2)-3-メトキシベンゼンを液体として得た(0.25g、粗製):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.29 (s, 1H), 6.93-6.97 (m, 2H), 6.85-6.87 (m, 1H).
スキーム8:1-(クロロメチル-d2)-2,4-ジフルオロベンゼンの調製
Figure 2022542434000030
ステップ1:(2,4-ジフルオロフェニル)メタン-d2-オールの調製
Figure 2022542434000031
メタン-d3-オール-d(4mL)中のメチル2,4-ジフルオロベンゾエート(0.25g、1.45mmol)の溶液に、重水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、2.9mmol、99%D)を0℃で加え、溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧化で濃縮して、残渣を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、(2,4-ジフルオロフェニル)メタン-d2-オールを無色の液体として得た(0.2g、粗製)1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.42 (m, 1H), 6.79-6.9 (m, 2H), 4.65 (br s, 0.09 H).
ステップ2:1-(クロロメチル-d2)-2,4-ジフルオロベンゼンの調製
Figure 2022542434000032
ジクロロメタン(2mL)中の(2,4-ジフルオロフェニル)メタン-d2-オール(0.2g、1.36mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.2mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(触媒)を0℃で加え、溶液を周辺温度で2時間撹拌した。反応溶媒を減圧下で蒸発させて、1-(クロロメチル-d2)-2,4-ジフルオロベンゼンを液体として得た(0.1g、粗製)::1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.03 (s, 1H), 7.38-7.40 (m, 1H), 6.84-6.88 (m, 1H).
実施例1および2:3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの調製
Figure 2022542434000033
スキーム9:3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンのアトロプ異性体の調製
Figure 2022542434000034
ステップ1:3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの調製
Figure 2022542434000035
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン(0.4g、1.03mmol)および炭酸カリウム(0.42g、3.1mmol)の懸濁液に、2-(クロロメチル-d2)-3,5-ジフルオロピリジン(0.2g、1.24mmol)を周辺温度で加えた。混合物を、60℃に16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、冷水で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(4.5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンをオフホワイトの固体として得た(0.34g、64%収率)。
アトロプ異性体を、以下のキラル分取HPLC法により分離した。
分析用条件:
カラム:CHIRALPAK IC(100mm×4.6mm×3mic)
移動相:0.1%DEAを含むエタノール
流速:1mL/分
(実施例1)
(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、アトロプ異性体1
Figure 2022542434000036
オフホワイトの固体(0.14g、19%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 ( d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.67 (s, 1H ), 8.59 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.2 Hz, 1H ), 8.06-8.1 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.24 (s, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.51 (d, J = 4 Hz, 6H); MS (ES) m/z 516.2 (M+H). 94.4% d2, 5.4% d1.
(実施例2)
(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、アトロプ異性体2
Figure 2022542434000037
オフホワイトの固体(0.12g、16%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 ( d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.67 (s, 1H ), 8.59 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4.8 Hz, 1H ), 8.06-8.1 (m, 1H ), 6.82 (s, 1H), 5.24 (s, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.51 (d, J = 4 Hz, 6H); MS (ES) m/z 516.2 (M+H).
表2の実施例を、上記の一般的な方法によって調製した。
表2.実施例3~12
Figure 2022542434000038
Figure 2022542434000039
Figure 2022542434000040
Figure 2022542434000041
実施例13および14:3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)のアトロプ異性体の調製
Figure 2022542434000042
スキーム10.2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミドアミド-3,3,3-d3の調製
Figure 2022542434000043
ステップ1:2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンニトリル-3,3,3-d3の調製
Figure 2022542434000044
ジクロロメタン(10mL)中のプロパン-2-オン-d6(99%原子D)(1g、15.6mmol)の溶液に、塩化亜鉛(0.21g、1.5mmol)およびトリメチルシランカルボニトリル(1.85g、18mmol)を0℃で加え、溶液を室温まで温め、16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンニトリル-3,3,3-d3を無色の液体として得た(0.9g、粗製):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.35 (s, 1H).
ステップ2:エチル2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミデート-3,3,3-d3の調製
Figure 2022542434000045
HClガスを、エタノール(15mL)中の2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンニトリル-3,3,3-d3(0.9g、9.8mmol)の溶液において0℃にて30分間パージして、溶液を周辺温度で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して揮発性物質を除去し、エチル2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミデート-3,3,3-d3を粘性の液体として得た(1g、粗製):MS (ES) m/z 138.2(M+H)。
ステップ3.2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミドアミド-3,3,3-d3の調製
Figure 2022542434000046
アンモニアガスをエタノール(10mL)中のエチル2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミデート-3,3,3-d3(1g、7.2mmol)の溶液において0℃にて30分間パージして、周辺温度で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して揮発性物質を除去し、残渣をジエチルエーテルで粉砕して、2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミドアミド-3,3,3-d3をオフホワイトの固体として得た(0.8g、粗製):MS (ES) m/z 109.2(M+H)。
スキーム11.3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)のアトロプ異性体の調製
Figure 2022542434000047
ステップ1:4-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの調製
Figure 2022542434000048
N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中の(E)-4-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2’-(3-(ジメチルアミノ)アクリロイル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン(0.85g、1.94mmol)および炭酸カリウム(0.8g、5.8mmol)の懸濁液を、2-ヒドロキシ-2-(メチル-d3)プロパンイミドアミド-3,3,3-d3塩酸塩(0.7g、4.86mmol)で処理し、得られた混合物を、75℃で16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、冷水で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(4.5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、4-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンをオフホワイトの固体として得た(0.65g、65%収率):MS (ES) m/z 483.3(M+H)。
ステップ2:3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの調製
Figure 2022542434000049
濃HCl(6mL)中の4-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの溶液(0.3g、0.62mmol)を、60℃で16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。粗残渣をジエチルエーテルで粉砕して3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを黄色の固体として得た(0.25g、粗製):MS (ES) m/z 392.9(M+H)。
ステップ3:3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)の調製
Figure 2022542434000050
N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン(0.25g、0.63mmol)および炭酸カリウム(0.26g、1.9mmol)の懸濁液を、2-(クロロメチル)-3,5-ジフルオロピリジン(0.15g、0.95mmol)で処理し、得られた混合物を、60℃で16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、冷水で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(3.8%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)をオフホワイトの固体として得た(0.25g、75%収率)。
アトロプ異性体を、以下のキラル分取HPLC法により分離した。
分析用条件:
カラム:CHIRALPAK IC(100mm×4.6mm×3mic)
移動相:0.1%DEAを含むエタノール
流速:0.5mL/分
(実施例13)
3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)、アトロプ異性体1
Figure 2022542434000051
オフホワイトの固体(0.08g、24%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.22 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.05 - 8.1 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.48 (s, 2H), 5.19 (s, 1H), 2.09 (s, 3H), 1.96 (s, 3H); MS (ES) m/z 520.1 (M+H). 93.44 % d6, 2.98% d5, 3.05% d4, 0.11% d3, 0.23% d2, 0.20% d1, 0.40% d0.
(実施例14)
3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン)、アトロプ異性体2
Figure 2022542434000052
オフホワイトの固体(0.08g、23%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.95 (d, J = 4 Hz, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4 Hz, 1H), 8.05 - 8.10 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.48 (s, 2H), 5.19 (s, 1H), 2.09 (s, 3H), 1.96 (s, 3H); MS (ES) m/z 520.1 (M+H).
実施例15および16:3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンのアトロプ異性体の調製
Figure 2022542434000053
スキーム12.3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンのアトロプ異性体の調製
Figure 2022542434000054
ステップ1:3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンの調製
Figure 2022542434000055
N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン(0.3g、0.76mmol)および炭酸カリウム(0.52g、3.82mmol)の撹拌溶液に、3-(クロロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(0.24g、1.91mmol)を加え、混合物を、60℃に16時間加熱した。反応物を周辺温度に冷却し、酢酸エチルで希釈し、冷水で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(4%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンをオフホワイトの固体として得た(0.15g、40%収率)。
アトロプ異性体を、以下のキラル分取HPLC法により分離した。
分析用条件:
カラム:CHIRALPAK IC(100mm×4.6mm×3mic)
移動相:0.1%DEA中の100%エタノール
流速:0.5mL/分
(実施例15)
3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、アトロプ異性体1
Figure 2022542434000056
オフホワイトの固体(0.04g、12%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.18 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.96 (s, 3H); MS (ES) m/z 487.2 (M+H). 96.33 % d6, 2.92% d5, 0.27% d4, 0.13% d3, 0.20% d2, 0.15% d1, 0.45% d0
(実施例16)
3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル-1,1,1,3,3,3-d6)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、アトロプ異性体2
Figure 2022542434000057
オフホワイトの固体(0.05g、12%収率):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 5.18 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.96 (s, 3H); MS (ES) m/z 487.2 (M+H).
生物学的活性アッセイ
生物学的評価の略語のリスト
p38 ストレス刺激に反応するマイトジェン活性化プロテインキナーゼのクラス
MAP マイトジェン活性化プロテインキナーゼ
MK2 MAPKAPK2としても知られている。MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2を指す
PRAK p38調節/活性化キナーゼ
GST グルタチオンS-トランスフェラーゼ
Hsp27 熱ショックタンパク質27
BSA ウシ血清アルブミン
DTT ジチオスレイトール
ATP アデノシン三リン酸
IC50 プロセスを半分阻害するために必要な薬物の量
EC50 指定された曝露時間後にベースラインと最大値の中間の応答を誘発する薬物の濃度
TNF 腫瘍壊死因子
IL インターロイキン
JNK c-Jun N末端キナーゼ
RPMI ロズウェルパーク記念研究所培地。細胞および組織培養用の培地
HWB ヒト全血
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地。ビタミンおよび栄養素が豊富な細胞培養。
FBS ウシ胎児血清
RASF 関節リウマチ滑膜線維芽細胞
薬物動態パラメータを決定するための一般的手順
一部の実施例の薬物動態パラメータを、静脈内(IV)および経口(PO)投与後の雄Sprague Dawley(SD)ラットにおいて評価した。雄SDラット(5~6週齢)を12時間絶食させた後、目的の化合物を投与した。動物は投与の2時間後に餌へのアクセスを許可され、水は自由に与えられた。実施例13の化合物を除いて、重水素含有化合物と非重水素含有化合物を比較する薬物動態実験を、同じ動物のコホートを使用して同時に実行した。実施例13の化合物の薬物動態特性を別に評価し、以前に生成されたデータと比較した。
IV投与のために、試験化合物の0.5mg/mL溶液を、5%DMSO、5%クレモフォア、90%通常生理食塩水からなるビヒクル中で調製した。1mpk用量の場合、2mL/kgのこの投与ビヒクルを、尾静脈へのボーラス注射によって各ラットに投与した。低用量の場合、投与溶液を適切な量のビヒクルで希釈した。実施例3を、同じビヒクル中で1.5mg/mLの溶液を調製し、2mL/kgを投与することにより、3mpkで評価した。各動物からの血液試料を、投与後0.12、0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、8.0、および24.0時間でEDTA二ナトリウムコーティング容器に収集した。血漿を、採取後15分以内に血液試料から分離し、分析前に-20±5℃で貯蔵した。
経口(PO)投薬のために、試験化合物の0.2mg/mL懸濁液を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.5%メチルセルロース中の0.5%Tween-20を含むビヒクル中で調製した。2mpk用量の場合、10mL/kgのこの投薬ビヒクルを、強制経口投与した。各動物からの血液試料を、投与後0.25、0.5、1.0、2.0、4.0、8.0、10.0および24.0時間でEDTA二ナトリウムコーティング容器に収集した。血漿を、採取後15分以内に血液試料から分離し、分析前に-20±5℃で貯蔵した。
検量線を、メタノール中の公知の濃度を有する試験化合物のストック溶液から生成した。5~20,000ng/mLの範囲の公知の濃度の使用液を、メタノール:水(80:20 v/v)で希釈することによりストック溶液から調製した。分析用の標準試料を提供するために、5μLの使用液を45μLのブランクラット血漿に加えた。
投与後にラットから収集した血漿試料を、室温に到達させた。各血漿試料および検量線血漿試料の50μLアリコートを、内部標準(100ng/mL;ワルファリン/ジクロフェナク)を含有する200μLのアセトニトリルで処理し、十分に混合した。試料を5分間ボルテックスした後、4℃にて14000rpmで5分間遠心分離した。上清(10uL)をLC-MS/MSで分析して(LC:Shimadzu SIL HTc、MS:MDS Sciex API-5500&4000、Milli-Q水中の75%/25%アセトニトリル/0.2%ギ酸、流速:1.0mL/分、実行時間3分、Atlantis dC18(50×4.6mm、3um;Waters(商標)))、各時点でラットから収集された血漿試料中の試験化合物の濃度を、検量線試料との比較によって決定した。
ノンコンパートメント解析(NCA)法により、Phoenix WinNonlin(バージョン7.0)を使用して、薬物動態パラメータを各時点での血漿濃度から計算した。クリアランス値は、mL/分/kgとして報告される。AUC値は、ng・時間/mLとして報告される。
グラフおよび統計分析を、GraphPad Prism(バージョン8.1.0)を使用して生成した。
(実施例17)
雄SDラットにおける実施例1および実施例13のIV薬物動態
Figure 2022542434000058
実施例1のIV薬物動態を、0.1、0.3および1.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図1~3および表3で、実施例1-H2として表示され、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例1-D2として表示されている。実施例13は、実施例1-D2とは異なる位置に重水素が組み込まれており、1mpk IVで評価された。明確性のため、これは表3および図3で例13-D6として表示されている。実施例1-H2および実施例1-D2を比較する薬物動態実験を、同じ動物のコホートを使用して同時に実行した。実施例13-D6の薬物動態特性を別々に評価し、実施例1-H2のデータと比較した。
Figure 2022542434000059

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例1-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
図1~3および表3から分かるように、式(I)の位置Aでの重水素置換によって、3種の用量すべてにおいて、この特定のR1基に関しクリアランスの統計的に有意な低下がもたらされた。式(I)のB位置での重水素置換は、実験におけるクリアランスに有意な影響を与えなかった。
(実施例18)
雄SDラットにおける実施例1のPO薬物動態
Figure 2022542434000060
実施例1のPO薬物動態を、2mpkで雄SDラットにて測定して、この用量での曝露を評価した。比較物質として、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図4および表4で、実施例1-H2として表示され、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例1-D2として表示されている。
Figure 2022542434000061

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例1-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
これらのデータは、A位置での重水素置換によって、経口投与後の実施例1の化合物の有意に高い曝露がもたらされることを示している。
(実施例19)
雄SDラットにおける実施例3のIV薬物動態パラメータの決定
Figure 2022542434000062
実施例3のIV薬物動態を、0.1、1.0および3.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図5~7および表4で、実施例3-H2として表示され、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メトキシ-d2)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例3-D2として表示されている。
Figure 2022542434000063

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例3-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
この実施例において、実施例1から得られた結果とは対照的に、試験されたIV用量のいずれにおいても、クリアランスの統計的に有意な低下はない。
(実施例20)
雄SDラットにおける実施例5のIV PKパラメータの決定
Figure 2022542434000064
実施例5のIV薬物動態を、0.1および1.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-(フェニルメトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図8および図9および表5で、実施例5-H2として表示され、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-(フェニルメトキシ-d2)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例5-D2として表示されている。
Figure 2022542434000065

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例5-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
この実施例において、実施例1から得られた結果とは対照的に、試験されたIV用量のいずれにおいても、クリアランスの統計的に有意な低下はない。
(実施例21)
雄SDラットにおける実施例7のIV PKパラメータの決定
Figure 2022542434000066
実施例7のIV薬物動態を、0.1および1.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)メトキシ)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図10および図11および表6で、実施例7-H2として表示され、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-4-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)メトキシ-d2)-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例7-D2として表示されている。
Figure 2022542434000067

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例7-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
この実施例では、おそらく、実施例1-H2の0.1mpk用量群内のばらつきが大きいため、実施例1、3および5から得られた結果とは対照的に、0.1mpk用量でのクリアランスの統計的に有意な低下はないが、重水素化された材料は、1.0mpkで有意に高いクリアランスを有する。どちらの場合も、この実施例では重水素置換のクリアランスに明確な改善はない。
(実施例22)
雄SDラットにおける実施例9のIV PKパラメータの決定
Figure 2022542434000068
実施例9のIV薬物動態を、0.1および1.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-4-((3-メトキシフェニル)メトキシ)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図12および図13および表7で、実施例9-H2として表示され、3-クロロ-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-4-((3-メトキシフェニル)メトキシ-d2)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例9-D2として表示されている。
Figure 2022542434000069

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例9-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
この実施例では、0.1mpkの用量での重水素置換ではクリアランスに差がなく、1mpkの用量での重水素化材料ではクリアランスがより迅速であった。
(実施例23)
雄SDラットにおける実施例11のIV PKパラメータの決定
Figure 2022542434000070
実施例11のIV薬物動態を、0.1および1.0mpk用量で雄SDラットにて測定して、各用量でのクリアランス速度を評価した。比較物質として、3-クロロ-4-((2,4-ジフルオロフェニル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンを評価した。明確性のため、この比較物質は、図13および図14および表8で、実施例11-H2として表示され、3-クロロ-4-((2,4-ジフルオロフェニル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン)-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンは、実施例11-D2として表示されている。
Figure 2022542434000071

値の範囲は、1標準偏差を表す。対応のないパラメトリックt検定(GraphPad Prismバージョン8.1.0)を使用して、所定の用量での実施例11-H2と比較することにより、両側P値を決定した。
この実施例では、重水素置換によって、0.1mpk用量ではクリアランスは明らかに低下するが、1mpkでは統計的に有意な低下はない。実施例11-H2のクリアランスは、より高いIV用量でのクリアランスの飽和または阻害を示唆する強い用量依存性を示し、一方、実施例11-D2は、異なる挙動を示す。
前述の実施例からのデータは、この化学系統内で、式(I)のA位置での重水素置換によって、R1基の選択に応じて異なる結果が生じる可能性があることを示している。クリアランスに明確な改善が見られない場合もあれば、非線形の薬物動態が見られる場合もあり、重水素置換によりクリアランスが高くなる場合もある。1つの場合、すなわち、実施例1の化合物では、すべての用量にわたって位置Aでの重水素置換によりクリアランスにおいて明確かつ一貫した低下がある。実施例1はまた、AUCによって測定されるように、PO投与後の曝露の増加を示した。しかし、位置Bでの重水素置換によっては、実施例13と比較して示されるように、クリアランスの統計的に有意な低下は生じなかった。
(実施例24)
p38阻害効力およびp38/MK2基質選択性
この研究では、p38経路を阻害する際の本明細書に記載の化合物の効力を評価した。p38はリン酸化を介してMK2およびPRAKを活性化し、MK2およびPRAKの両方ともHsp27と相互作用して、炎症を増加させ、ショックを管理する能力を低下させる。この研究では、MK2およびPRAKの活性化を半分阻害するために必要な本発明の化合物の量を測定した。これは、本発明の化合物が炎症反応を低下させるのを助けるのにどれほど有効であるかの測定であり、自己免疫状態、リンパ腫、および関節リウマチを含む多くの疾患の処置に役立つ。化合物の新規のMK2基質選択的阻害機序は、HSP-27由来ペプチド基質のp38/MK2対p38/PRAK誘導リン酸化の遮断における阻害剤の効力を比較する酵素アッセイで評価される。活性化ホスホ-p38αを阻害する化合物の能力は、p38α/MK2およびp38α/PRAKカスケードアッセイフォーマットを使用して評価される。p38αのキナーゼ活性は、GST-MK2またはGST-PRAKをリン酸化する能力によって決定される。p38αによるMK2またはPRAKの活性化は、蛍光標識されたMK2/PRAK特異的ペプチド基質であるHsp27ペプチド(FITC-KKKALSRQLSVAA、American Peptideカタログ番号222 310945、Sunnyvale、CA)のリン酸化を測定することによって定量化される。Hsp27ペプチドのリン酸化は、IMAP technology(Molecular Devices、Sunnyvale CA)を使用して定量化される。キナーゼ反応は、384ウェルプレート(Greiner、781280)内で、20mM HEPES pH 7.5、10mM MgCl2、0.01%Triton X-100、0.01%BSA、1mM DTT、および2%DMSOにおいて実行する。阻害剤濃度は0.02~30,000nMの間で変化するが、Hsp27ペプチド基質およびMgATPをそれぞれ、1μMおよび10μMで一定に保つ。カスケード反応における非リン酸化1nM GST-MK2との反応のために、活性化p38αを最終濃度が30pMになるように加える。p38α/PRAKカスケードの場合、非活性化GST-PRAKを10nMで一定に保ち、p38αを最終濃度が200pMになるように加える。キナーゼ反応物を室温でインキュベートし、120分後にIMAP結合溶液を加えることによりクエンチする。これらの条件下では、基質Hsp27ペプチドのおよそ20%がリン酸化される。Hsp27ペプチドおよびMgATPの添加によって反応が開始されるプレインキュベーション実験を除いて、活性化p38αの添加によって反応が開始される。p38αと阻害剤またはp38αと非活性化GST-MK2もしくは非活性化GST-PRAKおよび阻害剤とのプレインキュベーションは、ATPとHsp27ペプチドを加えて触媒作用を開始する240分前に、室温で2倍の最終アッセイ濃度で行う。p38α化合物阻害効力を、p38α/MK2カスケードアッセイからの用量反応IC50値またはKi値から定量化し、一方、基質選択性を、p38α/PRAK IC50値:p38α/MK2 IC50値の比として計算する。このアッセイで評価された、上記の式(I)の種化合物は、自己免疫疾患およびリンパ腫などのp38 MAPキナーゼ媒介性疾患の処置において治療上の利益を提供することが期待される。
実施例17に記載されているように、実施例1-D2および実施例1-H2を、上記のアッセイに従って試験して、表9に記載されているIC50値が得られた。
Figure 2022542434000072
(実施例25)
肝細胞における実施例1のインビトロ代謝産物プロファイルの決定
この研究は、ラット(SHQY;カタログ番号BQR1000.H15)、イヌ(SHQY;カタログ番号BQD1000.H15)、ミニブタ(BIOIVT;カタログ番号M00615)、サル(XENOTECH;カタログ番号P2000H15)、およびヒト(SHQY;カタログ番号BQHPCH10)由来の凍結保存肝細胞において、実施例17に記載されるように、実施例1-D2および実施例1-H2のインビトロ代謝産物プロファイルを評価および比較した。要約すると、各試験化合物(10μMを含有する最終濃度0.1%DMSO)を、ラット、イヌ、ミニブタ、サル、またはヒト肝細胞(最終生細胞密度 1×106細胞/mL)と、HI肝細胞維持培地(BIOIVT;カタログ番号Z99009)中で5%CO2を伴い37℃で120分間インキュベートした。反応は、HI維持培地中に20μMの試験化合物と0.2%DMSOとを含有する200μLの予熱した2×投与溶液と、HI維持培地中に2×106細胞/mLを含有する200μLの予熱した肝細胞溶液を合わせることによって開始した。1200μLのアセトニトリルで反応をクエンチすることにより、0分(T0)および120分(T120)で、試料を採取した。クエンチ後、試料を2分間超音波処理し、1400rpmで5分間遠心分離した。上澄みの1400μLのアリコートを、乾燥するまでN2流下で蒸発させた。次に、乾燥抽出物を200μLのアセトニトリル:H2O(1:3v/v)で再構成し、2分間ボルテックスし、14000rpmで5分間遠心分離した。上澄みの2μLアリコートを、分析のために陽イオンエレクトロスプレーイオン化を伴うXevo UPLC-UV-G2-S Q-Tofシステム(Waters(商標))に注入した。クロマトグラフィーによる分離を、Acquity UPLC(商標)BEH C18カラム(2.1×50mm、1.7μm;Waters(商標))で、合計実行時間10分にわたって400μL/分の一定流量で、移動相A(0.1%ギ酸を含むH2O)と移動相B(0.1%ギ酸を含むアセトニトリル)の様々な比率を使用した勾配溶出によって達成した。T120試料のLC-UV-MS抽出イオンクロマトグラム(EIC)をT0試料と比較して、Mm/zと名付けられた主要な推定代謝物を同定した。
表10および図16に示されるように、実施例1-D2は、O-脱アルキル化生成物(M387)および4種のヒドロキシル化生成物(M532b、M532c、M532d、およびM532e)を含む合計5種の代謝産物に変換された。実施例1-H2について、これらの同じ5種の生体内変化を表す代謝産物、すなわちM387、M530b、M530c、M530d、およびM530eに加えて、O-脱アルキル化およびグルクロン酸抱合の生成物(M563)も観察された(表10および図17)。したがって、実施例1-D2の各代謝産物は、肝細胞の実施例1-H2とのインキュベート後に存在した。しかし、肝細胞において、実施例1-D2と実施例1-H2との間に明らかな量的差異が観察された。具体的には、実施例1-H2と比較して1-D2に関して、120分のインキュベーションの終了時における親化合物と各代謝産物のパーセンテージを比較すると、残っている親のパーセンテージが一貫してより大きく、形成されたO-脱アルキル化生成物M387のパーセンテージが一貫して小さいことが示された。対照的に、4種のヒドロキシル化生成物の重水素化形態と非重水素化形態の間に明らかな量的差異はなかった。
この実施例では、重水素置換によって、異なる種からの肝細胞でのインキュベーション後に新規代謝産物は導入されなかったが、親化合物の喪失と、3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ部分のベンジル炭素(すなわち、重水素化の部位)での酸化的O-脱アルキル化の生成物であるM387の形成の両方に明らかな減衰があった。実施例1-H2と比較した実施例1-D2について得られた結果は、重水素化形態の重水素速度論的同位体効果と一致している。
Figure 2022542434000073

Claims (13)

  1. 下記構造:
    Figure 2022542434000074
    を有する3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、または、その誘導体。
  2. 3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体が、単一のアトロプ異性体であり、前記単一のアトロプ異性体は、(P)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体である、請求項1に記載の化合物。
  3. 3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オンまたはその誘導体が、単一のアトロプ異性体であり、前記単一のアトロプ異性体は、(M)-3-クロロ-4-((3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-2’-(2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-5’,6-ジメチル-2H-[1,4’-ビピリジン]-2-オン、またはその誘導体である、請求項1に記載の化合物。
  4. 構造中の表示された各位置での同位体濃縮が、70%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 構造中の表示された各位置での同位体濃縮が、80%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 構造中の表示された各位置での同位体濃縮が、90%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 構造中の表示された各位置での同位体濃縮が、95%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 構造中の表示された各位置での同位体濃縮が、99%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載の治療有効量の化合物、その誘導体、またはその組合せ、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  10. 処置を必要とする対象においてp38 MAPキナーゼ媒介性疾患を処置する方法であって、対象に、請求項1~9のいずれか1項に記載の治療有効量の化合物、その誘導体、またはその組合せを投与することを含む方法。
  11. 別の治療剤を投与することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記p38 MAPキナーゼ媒介性疾患が、自己免疫障害または自己免疫応答、免疫応答の活性化、細菌感染症、ウイルス感染症、炎症、慢性炎症性状態、急性炎症性障害もしくは状態、自己炎症性障害、線維性障害、代謝障害、新生物、心血管障害、脳血管障害、皮膚障害、掻痒症、脱毛障害、自己免疫性結合組織疾患、スティル病、成人発症型スティル病、Th17関連炎症、多発軟骨炎、再発性多発軟骨炎、筋炎、多発性筋炎、自己免疫性筋炎、皮膚筋炎、若年性皮膚筋炎、重症筋無力症、関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身開始若年性関節リウマチ、骨関節炎、感染性関節炎、炎症性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、特発性関節炎、若年性特発性関節炎、全身性若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、椎骨炎/脊椎関節炎/脊椎関節症、痛風、強皮症、ライター症候群/反応性関節炎、ライム病、全身性エリテマトーデス(SLE)、エリテマトーデス、小児性全身性エリテマトーデス、皮膚ループス、準急性皮膚ループス、慢性皮膚ループス/円板状ループス、凍瘡エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症、腱付着部炎、混合性結合組織疾患、腱付着部症、心炎、心筋炎、血管新生障害、骨髄異形成症候群、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、急性冠不全症候群、心筋梗塞、心臓同種異系移植血管障害、移植動脈症、血管炎、大血管血管炎、小血管血管炎、巨細胞動脈炎、結節性多発動脈炎、高安動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット氏病、乳児発症性のインターフェロン遺伝子刺激物質(STING)関連血管障害(SAVI)、消化器疾患、小腸結腸炎、大腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、腸炎症候群/痙性結腸、セリアック病;急性膵炎、慢性膵炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、黄疸、肝硬変症、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝疾患による肝硬変症、食道炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腹膜炎、腎症、免疫媒介性糸球体腎症、自己免疫性腎症、膜性糸球体症、慢性進行性腎症、糖尿病性腎臓疾患/糖尿病性腎症、腎臓線維症、腎臓虚血性/再灌流傷害、HIV関連腎症、尿管閉塞性腎症、糸球体硬化症、タンパク質尿、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎、免疫媒介性腎症である腎症、自己免疫性腎症、慢性進行性腎症、糖尿病性腎症、関連する虚血性/再灌流傷害、尿管閉塞性腎症、糸球体腎炎、慢性腎臓疾患、高血圧誘発性腎症、糸球体硬化症、タンパク質尿、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎、糖尿病性腎臓疾患、ループス腎炎、間質性膀胱炎、歯周炎、歯肉炎、肺炎症、副鼻腔炎、肺炎、気管支炎、喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、アレルギー性気管支肺真菌症、アスピリン誘発性喘息、成人発症型喘息、固定性気流閉塞を伴う喘息、運動誘発喘息、咳喘息、職業性喘息、夜間喘息、肥満に伴う喘息、好酸球性喘息、ステロイド耐性喘息/重症喘息、外因性喘息、内因性/原因不明の喘息、チャーグストラウス症候群、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、肺線維症、特発性肺線維症、急性肺損傷、嚢胞性線維症、成人呼吸促迫症候群、急性肺損傷、薬物誘発性肺損傷、メニエール病、眼の障害、眼の炎症、ブドウ膜炎、ドライアイ/乾性角結膜炎、強膜炎、上強膜炎、角膜炎/角膜症、脈絡膜炎、レチナール血管炎、視神経炎、網膜症、糖尿病性網膜症、免疫介在性網膜症、黄斑変性、滲出型黄斑変性、萎縮型(加齢に伴う)黄斑変性、肥満細胞症、鉄欠損症貧血、尿毒症、好酸球増加症候群(HES)、全身性肥満細胞疾患(SMCD)、骨髄異形成症候群、特発性血小板減少性紫斑病、骨吸収疾患、神経変性障害、神経系/神経筋の障害、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、ランバートイートン筋無力症候群(LEMS)、ギランバレー症候群、髄膜炎、脳炎、外傷性脳傷害、神経系損傷、寄生虫妄想症、ニューロンプロセスおよび感覚性認知の異常調節、脳卒中/ニューロンの虚血、脊髄損傷、末梢神経障害、幻触、脊髄損傷、精神疾患、疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、線維筋痛、知覚異常、神経刺激、末梢神経障害、掻痒症/かゆみ、アトピー性掻痒症、乾性掻痒症、乾癬関連の掻痒症/乾癬のかゆみ/乾癬関連のかゆみ、急性掻痒症、慢性掻痒症、特発性掻痒症、慢性特発性のかゆみ、胆管のかゆみ、肝胆道関連のかゆみ、腎臓関連のかゆみ/腎臓のかゆみ、尿毒性かゆみ、胆汁うっ滞、妊娠時の肝内胆汁うっ滞、慢性単純性苔癬関連の掻痒症、リンパ腫関連のかゆみ、白血病関連のかゆみ、結節性痒疹、アトピー性皮膚炎関連のかゆみ、アトピー性かゆみ/アトピー性掻痒症、水疱性かゆみ、腕橈骨の掻痒症)神経原性かゆみ、神経障害性かゆみ、背部錯感覚症、HIVのそう痒性丘疹状発疹、心因性かゆみ、沼地皮膚症、掻痒症または尿毒性かゆみ、じんま疹性かゆみ、皮膚の障害、皮膚の薬物反応/薬疹、乾燥症/乾燥皮膚、皮膚発疹、皮膚増感作用、皮膚刺激、日焼け、髭剃り疹、ヒトジラミ、アタマジラミ/シラミ寄生症、毛ジラミ、皮膚幼虫移行症、疥癬、寄生虫感染症、昆虫寄生、じんま疹性/発疹、丘疹状じんま疹、虫刺され、昆虫刺傷、フケ、真菌感染症、ヘルペス、水痘/水疱瘡、好酸球性毛包炎、妊娠時の皮膚病/妊娠時のそう痒性じんま疹性丘疹およびプラーク(PUPP)、炎症性皮膚病、好中球皮膚病、組織球好中球皮膚病、腸バイパス症候群皮膚病、乾癬/尋常性乾癬、扁平苔癬、硬化性苔癬、ざ瘡、尋常性ざ瘡、面皰性のざ瘡、炎症性ざ瘡、小節嚢胞性ざ瘡、瘢痕性ざ瘡、ケロイドざ瘡項部、アトピー、アレルギー性接触感作、アレルギー性皮膚炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎/湿疹、接触性皮膚炎、光線皮膚炎、脂漏性皮膚炎、うっ血皮膚炎、急性熱性好中球皮膚病(スイート症候群)、リポジストロフィおよび発熱症候群を伴う慢性非定型好中球皮膚病(CANDLE症候群)、化膿性汗腺炎、発疹、壊疽性膿皮症、脱毛症、眉脱毛症、鼻孔間毛の脱毛症、瘢痕性脱毛症、瘢痕性の脱毛症、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、扁平毛孔性苔癬、前頭部線維形成性脱毛症、禿髪性毛包炎、非瘢痕性脱毛症、円形脱毛症(AA)、斑点状AA、全頭脱毛症(AT)、汎発性脱毛症(AU)、蛇行性パターン円形脱毛症、sisaihpoパターン円形脱毛症、アンドロゲン性/男性ホルモン性脱毛症(AGA)/男性および女性パターンのAGA)、休止期脱毛、頭部白癬、貧毛症(遺伝性単純性貧毛症)、扁平毛孔性苔癬(前頭部線維形成性脱毛症)、点状掌蹠角皮症、持久性隆起性紅斑(EED)、好中球性漏出分泌汗腺炎、円柱細胞好中球肉芽腫性皮膚炎、好中球じんま疹性皮膚病、尋常性白斑、分節型尋常性白斑、単分節型尋常性白斑、二分節型尋常性白斑、多分節性尋常性白斑、非分節型尋常性白斑、指趾尋常性白斑、顔面尋常性白斑、四肢顔面型尋常性白斑、顔面中央型尋常性白斑、粘膜型尋常性白斑、コンフェッティ型尋常性白斑、三色尋常性白斑、辺縁炎症性尋常性白斑、四色尋常性白斑、青色尋常性白斑、ケブネル現象、尋常性白斑、汎発型尋常性白斑、全身型尋常性白斑、混合型尋常性白斑/分節型関連の非分節型尋常性白斑、限局型尋常性白斑、単独の粘膜型尋常性白斑、白毛症(leukotricia)を伴うもしくは伴わない尋常性白斑、水疱性疾患、免疫水疱性疾患、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、線状IgA疾患、妊娠性類天疱瘡、色素性乾皮症、類線維腫、肝臓線維症、強皮症、線維症、ケロイド、手術後瘢痕、創傷治癒、手術瘢痕、放射線誘発性線維症、CNS瘢痕、消化器系線維症、胆管線維症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、C型肝炎、肝細胞癌、心臓線維症、心内膜心筋線維症、心房線維症、眼用瘢痕、線維性硬化症、瘢痕増大、ケロイド、縦隔線維症、後腹膜線維症/オーモンド病、進行性塊状線維症、腎原性全身性線維症、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、家族性地中海熱、クリオピリン関連周期熱症候群、マックルウェルズ症候群、家族性寒冷自己炎症症候群/家族性寒冷じんま疹/TNF受容体関連周期性症候群、新生児期発症多臓器性炎症性疾患、過酸素症誘発性炎症、手術後外傷、組織傷害、発熱症候群;糖尿病、I型糖尿病、II型糖尿病、真性糖尿病、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、キャッスルマン病、副甲状腺機能亢進症、更年期障害、肥満、ステロイド-耐性、耐糖能障害、メタボリックシンドローム、甲状腺疾患、下垂体炎、全身性免疫老化、自己免疫性萎縮性胃炎、悪性貧血の自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性睾丸炎、グッドパスチャー病、自己免疫性血小板減少症、交感神経性眼炎;自己免疫疾患の2次的血液系所見、自己免疫性溶血性症候群、自己免疫性および炎症性肝炎、自己免疫性卵巣不全、自己免疫性血小板減少症、シリコーンインプラント関連自己免疫疾患、薬物誘発性自己免疫病、HIV関連自己免疫性症候群、金属誘発性自己免疫病、自己免疫性難聴、自己免疫性甲状腺障害、タイプI過敏反応、タイプII過敏反応、タイプIII過敏反応疾患、IV型過敏反応、急性感染症、慢性感染症、敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、外毒素誘発性毒素性ショック、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、真菌性敗血症、毒素性ショック症候群、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、早期移植拒絶反応、リンパ腫、白血病、固形腫瘍、奇形腫、内部がん、骨がん、口/咽頭がん、食道がん、喉頭がん、胃がん、腸がん、結腸がん、直腸がん、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、神経がん、脳のがん、頭頸部がん、喉のがん、卵巣がん、子宮がん、前立腺がん、精巣がん、膀胱がん、腎臓のがん(腎臓がん)、乳がん、胆嚢がん、子宮頸がん、甲状腺がん、眼のがん、皮膚のがん、線維性がん、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、骨髄増殖性障害、造血性新生物、骨髄性新生物、リンパ新生物、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、急性リンパ性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、前骨髄球性白血病、多発性骨髄腫、骨髄線維症を伴う骨髄性化生(MMM)、特発性骨髄線維症(IMF)、ホジキン病、皮膚リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、肥満細胞腫瘍、非ホジキン病、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、甲状腺卵胞がん、外因性オピオイドまたは合成オピオイド蓄積の増加、背部錯感覚症、強迫性障害、強迫性障害関連ノスタルジア、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 他の治療剤が、化学療法剤、抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、神経栄養因子、心血管疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、免疫不全障害を処置するための薬剤、およびそれらの組合せから選択される、請求項11に記載の方法。
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