JP2022541821A - 微生物を使用したエタノール含有飲料を製造するシステム及び方法 - Google Patents

微生物を使用したエタノール含有飲料を製造するシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般に、種々の微生物を使用してアルコール含有製品の樽熟成又は仕上げ工程を迅速にシミュレートして、熟成又は仕上げ工程中に香味及び芳香を付与することに関する。アルコール含有製品を熟成させる又は仕上げる工程において使用される製品及び方法も提供する。

Description

関連出願データ
本出願は、2019年7月22日に出願した米国仮特許出願第62/876,845号からの優先権及びその利益を主張するものであり、その開示はその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は一般に、種々の微生物を使用して、エタノール含有液体の熟成又は仕上げ工程を迅速にシミュレートして、熟成又は仕上げ工程中に香味及び芳香を付与することに関する。
種々の食品及び飲料は、木や他の香味を付与するために、木樽を使用して熟成し香味付けされる。木材の前処理は、製品に付与される香味を顕著に変化させる可能性がある。例えば、ウイスキーの製造では、樽にチャーリングを施し、樽を構成する樽板にトースティングを施して、ウイスキーの品質を変えることはよくあることである。木材がウイスキーの品質を向上させることが知られているため、樽を作製する前に、木材を屋外で一定期間熟成させてもよい。ワインでは、さまざまな程度にトースティングを施した木材チップを使用して、ワインに木の香味を加えることはよくあることである。このトースティング工程により、木材中の種々の炭水化物やリグニンが分解され、それらが木質構造から外に出ることが容易になる。これらの前処理は、液体の香味付け工程の重要な側面の可能性がある。
この様な木材の前処理を行っても、高品質の香味付けされた製品に求められる香味を実現するためには、通常、何年もかかる。これは、液体を非常に長い期間(例.場合によっては20年以上)熟成させる場合がある、ウイスキーや酢(例.バルサミコ酢)に対しては、特に当てはまることである。
熟成工程は広範に研究されている。最終製品における芳香及び香味の多くは、熟成工程中に形成されるエステル由来であることが知られている。これらのエステルは、木材から抽出された材料と液体の間で起こる遅い反応から生じると考えられている。これらの反応の活性化エネルギーは相対的に高く、それゆえ高い温度、圧力及び/又は無機触媒の存在によって触媒された場合にのみ促進できる。
熟成工程中に導き出されるエステルの多くは、生物学的手段によって生産することもできる。例えば、果実の香りは果実からも生産される。これらの反応は、伝統的な樽熟成において観察されるものよりも非常に早い。
いくつかの生物体が、エタノールを種々の物質に代謝する能力を有することが知られている。真菌、酵母、細菌及び/又は他の微生物の増殖が、バーボン、カナディアンウイスキー、アイリッシュウイスキー、スコッチといったウイスキー及びラム酒、テキーラ、並びに他のスピリッツの、熟成に関連するエステルを作り出すことに関与する、という仮説が立てられている。これはいくつかの要因によって支持される。第1に、ウイスキーは約100゜F(37.8℃)で最も良く「熟成する」ことが知られている。より高い温度及びより低い温度では、熟成工程に対する効果が劣る傾向にある。この温度は、大部分の生物系が最適増殖のために好む温度とよく相関する。第2に、先行する研究により、熟成に関連するエステルの多くがエタノールからの生成物であることが示されている。このことは、エタノールの炭素14標識法を使用してエタノールから形成されるものを追跡した、Baldwin及びByrneの研究(Baldwin and Byrne, "Chemical mechanism of whiskey maturation", Annual Meeting of the American Society of Enologists, June 24-27, 1981, San Diego, California, USA)によって支持された。このことは単純なエステル、例えば酢酸エチルの場合には分かりやすいが、複雑なエステルの場合には、エタノールからそのようなエステルが直接形成されることを想像するのは困難である。このことは、生物学的なメカニズムが起こっているという見解を支持する。第3に、文献により、複雑なエステルは、高い温度、圧力及び触媒で製造されることが支持されている。これによって、熟成ウイスキーに多くの場合関連するフルーティーな香味が作り出される。フルーティーなエステルの第2の供給源は果物それ自体である。さらに、アセトバクター属(Acetobacters)及びグルコノバクター属(Gluconobacters)が、ワイン中のエチルアルコールのよく知られた消費菌であり、ここではそれらがエチルアルコールを、熟成ウイスキー中に見いだされる共通の化合物である酢酸エチルを形成するための前駆体である酢酸へと変換する。これらの細菌はアセトアルデヒドも生成可能であるが、アセトアルデヒドは熟成ウイスキーに関連する別の化合物である(Guillamon, J.M., Mas, A., “Acetic Acid Bacteria”, Molecular Wine Microbiology, 2011;Esteve-Zarzoso, B. et al, “Applied Wine Microbiology”, Molecular Wine Microbiology, 2011;Jackson, R.S., “Postfermentation Treatments and Related Topics”, Wine Science (Third Edition), 2008;Jackson, R.S., “Post-Fermentation Treatment and Related Topics”, Wine Science(Fourth Edition), 2014)。したがって、生物学が実際にこれら香味を作り出すために機能しているということは妥当であると思われる。第4に、醸造業においては、酵母の種類、温度及び他の要因が、醸造酒のフルーティーさに影響を及ぼすことがよく知られている。このように、生物体が製品のフルーティーさに影響を与える可能性があることは知られている。第5に、未使用のオーク樽により、芳醇なフルーティーな香味が作り出される傾向がある。これは、新しい樽中に存在する多量の可溶性材料に起因する可能性がある。しかし、樽熟成において、高プルーフのエタノール中で生きることができる有機体はごくわずかであり、樽内の高エタノール含有物(high ethanol content)と木製樽中に存在する勾配との間の狭い境界面に追いやられる可能性がある。
したがって、アルコール含有製品、特に高プルーフのエタノール含有飲料を熟成させる及び/又は仕上げるさらなる方法が必要である。
本発明の態様は、ウイスキー、酢といったエタノール含有物質、及び木樽内で熟成されるテキーラ、ラム酒、コニャック、ブランデー、ワイン、ポートなどを含むがそれらに限定されない他の液体の香味付けを強化するために、微生物を使用する方法を提供する。
特に、本発明の態様は、エタノール供給源を木質材料に晒し、エタノール含有飲料がもたらされるような微生物の制御された増殖をサポートする条件下で抽出処理することを含む、エタノール含有飲料を調製する方法を含む。この方法は、エタノールの供給源を一連の容器に晒すことを含むことができる。微生物は、酵母、真菌、カビ、細菌及び/又は他の微生物のうちの少なくとも1つから選択する。
本発明の態様は、容器の内部を分ける仕切り;液体が容器間を自由に流れるのを防ぐように構成された弁;及び加熱機構を含む一連の容器を含む、エタノール含有飲料を製造するシステムを更に含む。容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体(biological growth medium)及び/又は物理的な支持体も含んでもよく、容器を導管システムによって接続してもよい。
本発明の態様は、木質材料を含む複数の容器;及び加熱機構を含む、エタノール含有飲料を製造するシステムも含む。複数の容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体及び/又は物理的な支持体も含んでもよい。
本発明の態様は、本明細書に記載の方法によって製造される、樽内で熟成させる製品と類似する迅速に仕上げたアルコール含有飲料を更に提供する。本発明の態様は、本明細書に記載の方法によって製造されるブレンドアルコール含有製品を更に提供する。
本発明の態様は、アルコール含有製品に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料を更に提供する。
本発明の態様は、アルコール含有製品に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料を製造する方法であって、木質材料を微生物の特定の組合せに曝露することを含む方法も提供する。
本発明のさらなる態様は、ハウジング、木質材料、微生物の組合せ;並びに、任意に、木質材料の使用、並びに/又は木質材料及び/若しくは微生物の保管条件に関する説明書を含むシステムを含み、ここで微生物は、木質材料を使用することによって得られる製品に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択される。
このように本開示の主題を一般的な用語で記載してきたので、次に図を参照する。
図1は、樽及びスクリーンを使用して、木材チップ層全体に液体の勾配を作り出す技術の概略図を表す。 図2は、従来の方法で熟成させた製品と比較した、本発明の態様による投入物及び産出物のガスクロマトグラフを示す。
以下に、本発明の態様をより完全に記載する。しかし、態様は多くの異なる形態に具体化されてもよく、本明細書に明記される態様に限定されると解釈すべきではない。むしろ、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示により本態様の範囲が当業者に完全に伝達されるように、これらの態様を提供する。
本明細書で使用される専門用語は、特定の態様のみを記載する目的のためのものであり、本態様を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により明らかに別様に示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書において使用される場合、明言された特徴、番号、工程、操作、要素、成分又はそれらの組合せの存在を明記するが、1つ以上の、他の特徴、番号、工程、操作、要素、成分又はそれらの組合せの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解されよう。さらに、本発明の態様によって、本発明は本明細書に記載の要素を含んでもよく、それらから本質的になってもよく、又はそれらからなってもよい。
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、列挙される関連項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組合せを含む。「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素の列挙に続く場合、要素の列挙の全体を修飾し、列挙のうちの個々の要素は修飾しない。
別様に定義されない限り、本明細書で使用される技術及び科学用語を含む全ての用語は、態様例が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。用語、例えば通常使用される辞書において定義される用語は、関係する分野の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明白にそのように定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されないであろうことが更に理解されよう。本特許出願において参照される全ての特許、特許出願及び引用文献は、本明細書に完全に明記されるかのように、その全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、アルコール含有製品を製造する方法及びシステムに関し、より特に、種々の微生物を使用してアルコール含有飲料の調製及びその仕上げを加速して熟成又は仕上げ工程中に香味及び芳香を付与するための方法及びシステムに関する。
本発明の態様によれば、液体を熟成させる方法は、最初に新鮮な木質材料に晒すことである。これは、樽、樽板、木材チップ、木材フレーク、削りくず、粉末状の木材又は伐採木材であってもよい。この新鮮な木質材料を、トースティング、酵素、真菌、細菌、他の微生物又は他の化学物質を用いた分解、或いは熱及び圧力を含む物理的工程によって前処理して、木材の炭水化物及びリグニンの除去を強化してもよい。木質材料又は伐採木材で強化された液体は、次いで木材チップ層を通過する。木材チップを木炭又は他の炭素材料と混合して望ましくない香味又は芳香に対する吸収剤として機能させてもよい。いくつかの態様では、木材チップ層を部分的に液体に浸して、エタノールと水の勾配がチップ層全体にわたって存在するようにする。いくつかの態様では、木質材料に加えられた選択された微生物の維持及び/又はそれらの制御された増殖をサポートする条件で、木材チップ層に、エタノール濃度の勾配中で生きることが可能な酵母、真菌、カビ、細菌又は他の微生物を植菌してもよい。
或いは、酵母、真菌、カビ、細菌又は他の微生物を液体に加え、液体及び/又は木質材料に加えられた選択された微生物の維持及び/又は制御された増殖を助ける生物増殖媒体及び/又は支持体上に及び/又はその中に浮遊させてもよい。そのような例には、セルロース繊維又は他の天然繊維からなる紙タイプの材料、合成ポリマー、例えばポリエチレン、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、再生セルロース、ガラスファイバー及び他の合成有機及び無機繊維から作られる不織布材料が含まれていてもよい。支持媒体は、多孔質材料、例えばセルローススポンジ、固体状の発泡体であってポリエチレン、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、再生セルロース、ガラス、キチン、キトサン、デンプン、ヘミセルロースを含むがそれらに限定されない種々のポリマーから作られる固体状の発泡体、及び生物学的支持体の形成が可能な他の材料からなっていてもよい。さらに、容器の多孔質構造内で酵母、真菌、カビ、細菌又は他の微生物が生きることが可能なように、液体用の容器を構築してもよい。例として、木材は、木材の厚みにわたってエタノールと水分の勾配が築かれるその構造中に、酵母、真菌、カビ、細菌又は他の微生物を含有してもよい。他の容器を、容器の厚みにわたってエタノールと水の勾配が存在するように構築してもよい。これらは、材料中に微細孔構造が存在するように、材料、例えばポリエチレン、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、再生セルロース、ガラスファイバー、及び他の合成有機及び無機材料から構築してもよい。液体は、通常、高プルーフのエタノール液体、例えば、ウイスキー、ラム酒、テキーラ又は他のスピリッツの作製に適した蒸留酒である。液体は、低プルーフのエタノール含有液体、例えばワイン又は酢でもあってもよい。木材チップは、ステンレス鋼、ガラス、プラスチック、木材、又は液体を含有することが可能な他の適した材料からなってもよい容器の内部に含有させる。次いで、容器を生物の増殖を助ける温度にまで加熱する。この温度は約23℃~約60℃であってもよい。加熱は、直接又は間接的に行ってもよい。容器は、容器内部の酸素の量を制御又は排出できるように密封しなければならない。チップは、チップの一部が「乾く」ことができるように位置させなければならない、又は液体で完全に飽和させてはならない。すなわち、チップ層の少なくとも一部には、遊離の液体が存在しない。次いで、約1時間~約1か月、所望の温度で液面を維持する。次いで、液面を上昇させてチップ層を約1分~約2日浸水させ、その後再び液面を低下させる。この工程により、所望の生成物を、液体と容器中の空気の境界面で増殖している生物から洗い流す。その後、その工程を繰り返す。木材で強化された液体は、所望の香味及び芳香を作り出すために必要な新鮮な栄養分及び材料を供給し続ける。このチップ層は、何度も繰り返される工程に再利用できる。異なる香味及び芳香を作り出すために、異なる生物を含有する又は異なる温度で保持される複数の容器を、連続して又は並行して使用してもよい。さらに、液体に次第に香味及び芳香を付与するために、同じ液体を同じ容器中で再循環させてもよい。
他の側面によれば、本発明は、エタノール供給源を木質材料に晒し、エタノール含有飲料がもたらされるような微生物の制御された増殖をサポートする条件下で抽出処理することを含む、エタノール含有製品の製造方法を提供する。この方法は、エタノールの供給源を一連の容器に晒すことも含んでもよい。一連の容器を、木樽、ボトル、フラスコ、ジャー及び/又は同類のものから選択する。システムは、製品を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り出すことが可能なように設計してもよい。本明細書で使用される「製品」は、容器の内容物若しくはその一部、及び/又は容器の内容物に加えられた成分、例えば香味料、着色料、芳香、微生物などのことを指してもよい。いくつかの態様では、容器を、各容器の間に弁を備える導管システムによって接続してもよい。導管システムは、適した材料、例えば金属、ガラス、ゴムなどからなる配管システムであってもよい。具体的な態様では、容器のうちの少なくとも1つを加熱する。加えて、制御された量の気体を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り除くことができる。いくつかの態様では、気体は空気、酸素、窒素、二酸化炭素又はヘリウムである。空気は、異なる量の窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素、ネオン、メタン、ヘリウム、クリプトン、水素、キセノン、オゾン、二酸化窒素、ヨウ素、一酸化炭素及び/又はアンモニアを含んでもよい気体の組合せを含む。他の態様では、木質材料をエタノールの供給源をもたらす液体中に部分的に浸して、木質材料全体にわたってエタノールと水の勾配が存在するようにする。木質材料は、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである。木質材料は加熱してもよく、トースティングも施してもよく、チャーリングも施してもよく、圧力に晒してもよく、酵素で処理もしてもよく、及び/又は微生物に曝露してもよい。木材は、約100℃~約325℃及び約101kPa~約18.7MPaで処理してもよい。酵素は、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなどを含んでもよい。微生物を、酵母、真菌、カビ、細菌又は他の微生物のうちの少なくとも1つから選択する。微生物は、基材及び/若しくは製品中に残っていてもよく、又は工程中若しくは工程の終わりに部分的又若しくは完全に取り除いてもよい。
種々の酵母の種や株を本明細書の態様に従って使用でき、遺伝子組換え多様体又は既知種の「シャーシ」に基づく合成酵母を用意できる。本明細書の態様に従って使用できる、工業的に適用可能な特徴を有する代表的な酵母としては、サッカロマイセス属の種(例.サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス バヤヌス(S. bayanus)、サッカロマイセス ブラルディ(S. boulardii))、カンジダ属の種(例.カンジダ ウチリス(Candida utilis)、カンジダ クルセイ(C. krusei))、シゾサッカロマイセス属の種(例.シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、シゾサッカロマイセス ジャポニカス(S. japonicas))、ピキア属又はハンゼヌラ属の種(例.ピキア パストリス(Pichia pastoris)又はハンゼヌラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha))、ザイゴサッカロマイセス属の種、オーレオバシディウム属の種、クロエケラ属の種、ブレタノマイセス属の種(例.ブレタノマイセス クラウセニィ(Brettanomyces claussenii))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の酵母には、サッカロマイセス セレビシエ及びS.カールスベルゲンシス(S. carlsburgiensis)が含まれる。特定の態様では、少なくとも1種の微生物が1種以上の酵母である。
種々の真菌の種や株を本明細書の態様に従って使用でき、遺伝子組換え多様体又は既知種の「シャーシ」に基づく合成真菌を用意できる。本明細書の態様に従って使用できる、工業的に適用可能な特徴を有する代表的な真菌としては、ペニシリウム(Penicillium)属、クニンガメラ(Cunninghamella)属、ベルチシリウム(Verticillium)属、ビューベリア(Beauveria)属、クサレケカビ(Mortieriella)属、フォーマ(Phoma)属、スコレコバシディウム(Scolecobasidium)属、トリポクラジウム(Tolypocladium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、グラフィウム(Graphium)属、ペシロマイセス(Paecilomyces)属、フサリウム(Fusarium)属、アクレモニウム(Acremonium)属、モルチエレラ(Mortierella)属、グリオクラジウム(Gliocladium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属又はスフェロプシス(Sphaeropsidales)属が挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的な態様では、少なくとも1種の微生物が1種以上の真菌である。
種々のカビの種や株を本明細書の態様に従って使用でき、遺伝子組換え多様体又は既知種の「シャーシ」に基づく合成カビを用意できる。本明細書の態様に従って使用でき、工業的に適用可能な特徴を有する代表的なカビとしては、アブシディア(Absidia)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アルテルナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、オーレオバシディウム(Aureobasidium)属、バウドニア(Baudoinia)属(例.カンパニアセンシス(Compniacensis)種)、ケトミウム(Chaetomium)属、クリソニリア(Chrysonilia)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、カーブラリア(Curvularia)属、エメリセラ(Emericella)属、エピコッカム(Epicoccum)属、ユーロチウム(Eurotium)属、フサリウム(Fusarium)属、ゲオミケス(Geomyces)属、ゲオトリクム(Geotrichum)属、グリオクラジウム(Gliocladium)属、グリオマスチックス(Gliomastix)属、メムノニエラ(Memnoniella)属、ムコール(Mucor)属、ミロテシウム(Myrothecium)属、オジオデンドロン(Oidiodendron)属、ペシロマイセス(Paecilomyces)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フィアロフォラ(Phialophora)属、フォーマ(Phoma)属、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)属、シストトレマ(Sistotrema)属、スタキボトリス(Stachybotrys)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ウロクラジウム(Ulocladium)属及びワレミア(Wallemia)属が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の態様では、少なくとも1種の微生物が1種以上のカビである。いくつかの態様では、カビはペニシリウム属である。他の態様では、カビはペニシリウム クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム クラビフォルメ(P. claviforme)、ペニシリウム コミューン(P. commune)、ペニシリウム クルストサム(P. crustosum)、ペニシリウム ディギタータム(P. digitatum)、ペニシリウム エキヌラタム(P. echinulatum)、ペニシリウム エクスパンサム(P. expansum)、ペニシリウム グラブラム(P. glabrum)、ペニシリウム イムラニアナム(P. imranianum)、ペニシリウム イタリカム(P. italicum)、ペニシリウム ラクサルミエンテイ(P. lacussarmientei)、ペニシリウム ラシタナム(P. lusitanum)、ペニシリウム プルプロゲナム(P. purpurogenum)、ペニシリウム ロクエフォルティ(P. roqueforti)、ペニシリウム ストロニフェルム(P. stoloniferum)、ペニシリウム ウライエンス(P. ulaiense)、ペニシリウム ベルコサム(P. verrucosum)及び/又はペニシリウム ビリディカタム(P. viridicatum)である。さらに他の態様では、カビはペニシリウム属SCAU-F-3種及び/又はペニシリウム属SCAU-F-191種である。
種々の細菌の種や株を本明細書の態様に従って使用でき、遺伝子組換え多様体又は既知種の「シャーシ」に基づく合成細菌を用意できる。本明細書の態様に従って使用でき、工業的に適用可能な特徴を有する代表的な細菌としては、バチルス属の種(例.バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス サブティリス(Bacillus subtilis)及びバチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis))、パエニバチルス属の種、ストレプトマイセス属の種、ミクロコッカス属の種、コリネバクテリウム属の種、アセトバクター属の種、グルコノバクター属の種、シアノバクテリア属の種、サルモネラ属の種、スタフィロコッカス属の種、(例.スタフィロコッカス アウレウス(S. aureus)、スタフィロコッカス アウリクラリス(S. auricularis)、スタフィロコッカス カルノサス(S. carnosus)、スタフィロコッカス エピデルミディス(S. epidermidis)、スタフィロコッカス ヘモリチカス(S. haemolyticus)、スタフィロコッカス ヒイクス-インテルメディウス(S. hyicus-intermedius)、スタフィロコッカス ルグドゥネンシス(S. lugdunensis)、スタフィロコッカス サプロフィティカス(S. saprophyticus)、スタフィロコッカス スキウリ(S. sciuri)、スタフィロコッカス シムランス(S. simulans)、スタフィロコッカス ワルネリ(S. warneri))、ロドコッカス属の種、シュードモナス属の種、ラクトバチルス属の種、エンテロコッカス属の種、アルカリゲネス属の種、クレブシエラ属の種、パエニバチルス属の種、アルスロバクター属の種、コリネバクテリウム属の種、ブレビバクテリウム属の種、テルムス アクアティクス(Thermus aquaticus)、シュードモナス スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、クロストリジウム サーモセラス(Clostridium thermocellus)及び大腸菌が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の態様では、少なくとも1種の微生物が1種以上の細菌である。いくつかの態様では、細菌はバチルス属の種及び/又はスタフィロコッカス属の種である。さらに他の態様では、細菌はスタフィロコッカス ワルネリ(Staphylococcus warneri)、スタフィロコッカス パステウリ(S. pasteuri)及び/又はテルリバチルス ゴリエンシス(Terribacillus goriensis)である。
本発明の方法は、容器に香味付け成分を加えることも含む。香味付け成分は、カラメル、シナモン、ナツメグ、スモーク、バニラ、メープルシロップの芳香又は香味、及びそれらの組合せからなる群から選択される、1種以上の芳香及び/又は香味を付与する。容器には、それらの部位及び/又は部分を含む、香辛料、果実、花、ハーブ、ベリー(例.イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、アサイーベリー、クランベリー、エルダーベリー、マルベリー、リンゴンベリー及びボイゼンベリー)、ナッツ、野菜、木材、草、植物及び/又は本明細書に記載の他の有機物も加えてもよい。
本発明の態様は、エタノール含有飲料を製造するシステムであって、容器が、容器の内部を分ける仕切り;液体が容器間を自由に流れるのを防ぐように構成された弁;及び加熱機構を含むシステムも提供する。システムは、製品を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り出すことが可能なように設計してもよい。いくつかの態様では、容器を、各容器の間に弁を備える導管システムによって接続してもよい。加えて、制御された量の気体を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り除くことができる。いくつかの態様では、気体は空気、酸素、窒素、二酸化炭素又はヘリウムである。容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体及び/又は物理的な支持体を含んでもよい。容器は木質材料も含んでもよい。木質材料は、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つであってもよい。木質材料は、未使用であるか、使用済みであるか又はきれいな木質材料であってもよい。木質材料は加熱してもよく、トースティングを施してもよく、チャーリングを施してもよく、圧力に晒してもよく、酵素で処理してもよく、及び/又は微生物に曝露してもよい。容器は木樽であってもよい。加熱機構は、加熱パッド、ブランケット、ヒートガン、ヒーター、熱風浴、水浴又は任意の適した熱源であってもよい。
本発明の態様は、木質材料を含む複数の容器;及び加熱機構を含む、エタノール含有製品を製造するシステムも提供する。システムは、製品を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り出すことが可能なように設計してもよい。加えて、制御された量の気体を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り除くことができる。いくつかの態様では、気体は空気、酸素、窒素、二酸化炭素又はヘリウムである。
複数の容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体及び/又は物理的な支持体も含んでもよい。容器は木質材料を更に含んでもよく、木質材料は加熱してもよく、トースティングを施してもよく、チャーリングを施してもよく、圧力に晒してもよく、酵素で処理してもよく、及び/又は微生物に曝露してもよい。
特定の態様では、システムは小型であり、及び/又は持ち運び可能である。そのような場合、システムは家庭用又は卓上用の装置であってもよい。システムは拡張可能であるため、他の態様では、システムはより大きく、マイクロ蒸留所、クラフト蒸留所及び/又は大量生産型の蒸留所を含む規模の大きな商業的用途に対する拡張性を提供する。いくつかの態様では、装置の容量は、その間の全ての数値を含む1リットル~2500ガロンに及ぶ。サイズにかかわらず、この装置は、対費用効果が高く、従来法で熟成させた及び/又は仕上げたアルコール含有飲料と同等の味、香味、口当たり、こく、芳香及び/又は色の製品をもたらす、アルコール含有飲料の加速された熟成及び/又は仕上げを提供できる。一般的には、システムは、従来の熟成及び/又は仕上げ技術で得られるアルコール含有飲料の化学的特徴又は官能プロファイルと類似する又は同じ化学的特徴又は官能プロファイル(例.味、香味、口当たり、こく、芳香及び/又は色)のアルコール含有飲料を提供する。
本発明の態様は、製品に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料も提供する。すなわち、特定の微生物は、微生物の木質材料への適用を考慮して、所望の特徴を製品に付与する微生物の能力に基づいて選択される。特定の態様では、製品はアルコール含有製品である。更なる態様では、微生物を、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料と類似する又は同じ化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択する。特定の態様では、木質材料は、樽、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである。さらなる態様では、微生物を、上述の酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択する。加えて、木質材料は香味付け成分を含んでもよい。
製品、例えばアルコール含有飲料に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料を製造する方法も、本明細書で提供する。この方法は、本明細書に記載の酵母、真菌、カビ及び細菌うちの少なくとも1つから選択される微生物の特定の組合せに木質材料を曝露することを含む。この方法は、木質材料に香味付け成分を加えることも含んでもよい。木質材料は、未使用であるか、使用済みであるか又はきれいな木質材料であってもよい。
木質材料を使用することによって得られる製品に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む本明細書に記載のカスタム木質材料は、例えば単一の木材チップなど、独立に使用及び/又は販売できることが企図されている。さらに一部の態様は、ハウジング、その中に若しくはその上に微生物の組合せを含んでもよい木質材料、又は木質材料に適用する微生物の組合せ;並びに、任意に、木質材料の使用、並びに/又は木質材料及び/若しくは微生物の保管条件に関する説明書を含む、キット、パッケージング又はシステムを提供し、ここでは微生物は、製品、例えばアルコール含有飲料などに特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択される。特定の態様では、ハウジングは、微生物のレベルを維持するように、又は微生物の制御された増殖をサポートするようにパッケージ化される。微生物は、本明細書に記載の酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択してもよい。さらに、木質材料は、樽、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである。木質材料は、香味付け成分及び/又は酵素も含んでもよい。木質材料、微生物の組合せ、並びに、任意に、木質材料の使用、並びに/又は木質材料及び/若しくは微生物の保管条件に関する説明書を含むパッケージングは、香味付け成分及び/又は酵素も含んでもよい。
蒸留アルコール含有飲料、例えばウイスキー又はウイスキーの香味付けがされた製品の調製が本明細書の実施例に記載されているが、ブランデー、ジン、ラム酒、スコッチ、テキーラ、ウォッカ、ブッハ又はチバリンが例示されるが、これらには限定はされない他の蒸留アルコール又はエタノール含有飲料、並びに、ビール、ムベジ、ミード、サイダー又はワインといった非蒸留エタノール含有飲料も本開示の範囲内にあるものとみなしてもよい。さらに、熟成又は仕上げの目的でエタノール又はエタノール溶液をエタノール非含有溶液と混ぜ合わせることにより作り出されるエタノール含有液体も同様に含めてもよい。例として、酢は、本明細書に記載の技術により処理されたその酢に加えられたエタノール分を有していてもよく、その後、エタノール分を留去して木材で熟成させた又は仕上げた酢を残してもよい。さらに、本発明の特定の側面は、ブレンドアルコール含有製品を製造するために使用できる製品、及び本発明の方法により製造されたアルコール含有飲料を含まないブレンド又は非ブレンドアルコール含有製品と同等の望ましい味、香味、芳香及び/又は色のブレンドアルコール含有製品も提供する。
このように、いくつかの態様では、本発明の方法は、エタノールの供給源、及びアルコール含有飲料に香味及び/又は色を付与する可能性がある成分の供給源を提供することを含んでもよい。エタノールの供給源は特に限定されず、例えばエタノールと水を含む混合物であってもよいがこれには限定はされず、ここでアルコールの量は、エタノールと水を含む混合物、すなわちエタノール/水混合物中に、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%若しくは約95%のアルコール度数(ABV)、又は約0.05%~約95%のABVであってもよい。いくつかの態様では、エタノールと水を含む混合物は、約30%~約70%のABV、水に対して約40%~約60%又は約45%~約55%のエタノールであってもよい。エタノールと水を含む混合物の供給源は、いくつかの態様では、低品質ウォッカ、グレインアルコール、ライトウイスキー、コーンウイスキー、未加工蒸留物、熟成ウイスキー、熟成スコッチ、熟成カナディアンウイスキー、ホワイトウイスキーのような非熟成ウイスキー、非熟成スコッチ、非熟成カナディアンウイスキー、非熟成ラム酒、非熟成テキーラ、ラム酒、テキーラ、新しいワイン、ブライトタンクビール、ビール、ワイン、又は同類のものが例示されるが、これらには限定されない低価格及び/又は低品質エタノール含有飲料であってもよい。いくつかの態様では、アルコールの供給源はアルコールが添加された液体であってもよい。
同様に、アルコール含有飲料に香味及び/又は色を付与する可能性がある成分は特に限定されない。いくつかの態様では、アルコール含有飲料に香味及び/又は色を加える成分は、例えば、限定はされないが:オークの木材チップ及び/又はオークの木樽板;古いバーボン樽由来の木材成分;ワイン樽由来の木材成分、木材はチャーリング、トースティング、酵素処理又は他の工程を含む使用の前に処理又は改変を行ってもよく、木材はまた、所望の香味を付与し得る他の種、例えばリンゴ、サクラ、ヒッコリー、ブナ、メスキート、カエデ、ホワイトオーク、レッドオーク、フレンチオーク、ライブオーク、ピンオーク、アカシア及び当業者には明らかであろう他の木材由来であってもよい;ワイン、ポート、バーボン、ウイスキー、香辛料、抽出された香味、果実ジュース、ホットソース、他の有機抽出物中に浸漬することによって前処理されている木材;香辛料、例えば、限定はされないが、シナモン、ナツメグ、クローブ、オールスパイス、アニス、バジル、ベイリーフ、キャラウェイシード、カルダモン、セロリシード、チャービル、コリアンダー、クミンシード、ディルシード、フェンネルシード、フェヌグリーク、ジンジャー、セイヨウワサビ、メース、マジョラム、マスタード粉、オレガノ、パプリカ、パセリ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、レッドペッパー、ハラペーニョ、ローズマリー、サフラン、セージ、セイボリー、スターアニス、タラゴン、タイム、ターメリック及びバニラ;草、例えばレモングラス及び他の草;並びに他の木、例えば、限定はされないが、リンゴ、セイヨウナシ、ペカン、サクラ、メスキート及びヒッコリー由来のチップ又は樽板の形態の木材、であってもよい。特に、アルコール含有飲料に香味及び/又は色を付与する可能性がある成分は人工香味料又は人工着色料ではない、すなわち、香味成分は天然の香味料である。
さらに、アルコール含有飲料に香味及び/又は色を付与する可能性がある成分の供給源は特に限定されない。例えば、木材チップ及び/又は樽板は、例えば、バーボン又はウイスキー蒸留所、例えば、限定はされないが、バッファロートレース、ジャックダニエル(登録商標)、ジムビーム(登録商標)、ホワイトラベル、メーカーズマーク(登録商標)、ノブクリーク(登録商標)又はウッドフォードリザーブ(登録商標)由来の熟成樽に由来するものであってもよい。
以下の例は、本開示の主題の代表的な態様を実施するための指針を当業者に提供するために含まれている。本開示及び当分野における技能の一般的な水準に照らして、当業者は、以下の例は単なる実施例としてのみ意図されており、数々の変更、改善及び改変が、本開示の主題の範囲から逸脱することなく採用され得ることを理解することができる。
実施例1
図1に技術の一態様を示す。この例では、一連のオーク樽を、銅の配管システムを介して接続する。各樽の間には、液体が樽から樽へと自由に流れるのを防ぐ弁が存在する。これらの弁は三方弁であり、それにより樽の間でサンプリングすることが可能となる。スクリーンは樽の中に挿入し、木材チップをスクリーンの上部に加えて樽内の空隙を満たす。特定の木材チップは、重度にトースティングが施されたものから全くトースティングが施されていないものまで、トースティングのレベルが異なるチップを含有する。加えて、微量の木炭を木材チップ中に混ぜる。樽間の配管を接続するポートは、スクリーンの少し上部となるように、樽のおおよそ半分の高さのところに設置する。ポートは、木材チップの底の部分だけがスピリッツと接触し、スピリッツが上向きに木材チップ層を通って吸い上げられるように設計している。各樽に加熱システムを追加する。これは樽の下部を包む電動の加熱ブランケットである。栓は化学的に不活性な合成ゴムであり、栓には穴をあけている。温度プローブをこの穴に通し、スピリッツの液面上部の空気中に伸ばす。このプローブを次いでブランケットを制御するサーモスタットに接続する。各樽の温度は独立に制御できる。この例では約100゜F(37.8℃)に制御する。
定期的にスピリッツを樽1の中に加える。この例では、スピリッツは国際公開第2018/208946号に記載される技術によって処理した。この方法で使用したチップは、Mystics Farm and Distillery(Durham, NC)から入手した中古のバーボン樽であり、機械式のチッパーで削った。スピリッツは135プルーフに処理、その後に100プルーフに低減させた。この方法では、トースティングを施した木材チップ由来の可溶性木材成分を抽出する。得られるスピリッツは、色及び香味の点からウイスキーの独特の特徴を有する。
全ての弁を閉じたまま、多量のスピリッツを番号1の樽に栓を介して加えることによって一組の樽を循環させる。次いで、新鮮なスピリッツを5~30分休ませる。次いで、樽1と樽2の間の弁を開けてそれらの液面を平衡化させる。次いで、2つの樽を再び5~30分間休ませる。その際に樽1内の液面が再び元の液面となっていることに注意しなければならない。次いで、樽3に対する弁を開けて液面を平衡化させる。樽を5~30分間休ませる。次いで、樽3と4の間の弁を開ける。すると、樽2及び3の液面がそれらの元の液面に戻る。再び、樽4内の液体を5~30分間休ませる。次いで、樽4と5の間の弁を開けて平衡化させる。樽を5~30分間休ませる。次いで、樽5と6の間の弁を開けて平衡化させる。次いで、樽を5~30分間休ませる。最後に樽6の出口の弁を開け、全ての樽の液面をそれらの元の液面に戻す。樽から出てくる製品は、この処理中に明確に変化をする。これで、スピリッツは、バーボンの独特の芳香及び香味を有する。この例では、4~6日毎に最初の樽に液体を加えた。次いで、最後の樽から取り出した製品の特徴を明らかにした。これには、酢酸エチル及び他のフルーティーな芳香、例えばバナナ、パイナップル及びサクランボの香りが含まれる。テイスティングノートについては、以下のとおりである:
- 鼻の上(on the nose)にカラメル、バタースコッチ、焦がした黒糖、少量のグラニースミスアップル、マダガスカルバニラ
- 中程で(in the midrange)シナモン、エタノール、アメリカンオーク
- 黄色種タバコ、革及び重みのある木のタンニンの香りの後味、2口目(on the second taste)でより広く行き渡る穀物の香り。
この装置で製造されたスピリッツを、ガスクロマトグラフィーによって分析した。ガスクロマトグラフィーは、一般に、試料を分解することなく材料の特徴を明らかにするための手法である。試料を蒸発させ、キャリアガスを用いてカラムに通す。異なる化合物は、カラムを通過するのにかかる時間が異なる。得られるクロマトグラフは、材料の組成に特徴的である。使用した方法は、Lynam, K.; Zou, Y. Agilent Application Note: "Analysis of Distilled Spirits Using and Agilent J&W DB-WAX Ulra Intert Capillary GC Column", 11 March 2016に基づくものであった。使用した機器は、Phenomenex社のZebron ZB-WAXキャピラリーGCカラムの30m×0.32mm×0.50μmのカラムを備えたAgilent 7820A GC(Santa Clara, CA)であった。注入口温度は250℃であり、スプリットは20:1とした。恒温槽の温度プロファイルは、40℃で4分間、12℃/分で最高200℃、200℃で5分間(合計実行時間22.333分)であった。キャリアガスとしてヘリウムを流速1.2ml/分で使用した。FID検出器で試料を測定した。空気の流れは450ml/分、水素の流れは40ml/分で、メークアップヘリウムは40ml/分で用いた。図2は、この例に記載したとおりに処理して56日後に最後の樽から取り出したスピリッツと、少なくとも2年熟成させた45%小麦のマッシュビルで作られるバーボン製品(市販の熟成製品)との比較を示す。3つの全てのガスクロマトグラフの間に類似性があることに気付くであろう。使用したプロトコールによれば、「カプロン酸エチル」(EC)のピークは、フルーティーなパイナップルの芳香に関連する化合物であり、熟成ウイスキーの指標となるものである。この装置による処理後のECピークの増加に気付くであろう。これらのピーク下面積を、試料における特定の物質の量を表すために使用してもよい。投入液体におけるECのピーク面積は5.8pA・sであるところ、この装置によって処理された試料では、ピーク面積は82.6pA・sで、液体が「熟成した」特徴の顕著な増加を表している。従来の方法に従って熟成させたスピリッツのECのピーク面積は67.5pA・sである。
実施例2
本技術の別の例では、不浸透性の容器、例えばガラス製のメディアボトルを使用する。この例では、1Lのメディアボトルを木材チップで満たす。木材チップはトースティングを施し、ごくわずかの木炭と混合する。ボトルに約150mlの蒸留スピリッツを加える。スピリッツは、21%ライ麦、4%麦芽及び75%トウモロコシのマッシュビルである。それを160プルーフ以下で蒸留する。プルーフを135に下げ、それをガラス製のメディアボトルに加える。次いでボトルを密封し、スピリッツが木材チップの全体を覆うように穏やかに回転振とうする。一連のこのようなボトルを4本作り、1から4まで順番に番号を付ける。密封したメディアボトルを、105゜F(40.6℃)の水浴中に置く。3日毎にボトルを水浴から取り出して、回転振とうしてもう一度スピリッツで木材チップを覆う。ボトル1から約75mlを取り出して、ボトル2に移す。次いで、スピリッツが木材チップを覆うようにボトル2を回転振とうする。ボトル2から約75mlのスピリッツを取り出して、ボトル3に移す。スピリッツが木材チップを覆うようにボトル3を回転振とうし、次いで75mlを取り出してボトル4の中に入れる。再びボトル4を回転振とうし、次いで75mlのスピリッツを取り出すが、この材料は、外観、芳香及び香味の点から熟成ウイスキーの特徴を有する。3日経過した後に、ボトル1に75mlの新鮮なスピリッツを加え、これらの工程を再び繰り返すことができる。熟成するにつれてウイスキーの特徴が変化することに注意しなければならない。したがって、効果的なバイオプロセッシングユニット(bio-processing unit)を確立して最大効果を得るには時間がかかる場合がある。
実施例3
この例では、図1中に示される態様を使用する。この特定の例では、一連のオーク樽を、銅の配管システムを介して接続する。各樽の間には、液体が樽から樽へと自由に流れるのを防ぐ弁が存在する。これらの弁は三方弁であり、それにより樽の間でサンプリングすることが可能となる。スクリーンは樽の中に挿入し、木材チップをスクリーンの上部に加えて樽内の空隙を満たす。特定の木材チップは、重度にトースティングが施されたものから全くトースティングが施されていないものまで、トースティングのレベルが異なるチップを含有する。加えて、微量の木炭を木材チップ中に混ぜる。樽間の配管を接続するポートは、スクリーンの少し上部となるように、樽のおおよそ半分の高さのところに設置する。ポートは、木材チップの底の部分だけがスピリッツと接触し、スピリッツが上向きに木材チップ層を通って吸い上げられるように設計している。各樽に加熱システムを追加する。これは樽の下部を包む電動の加熱ブランケットである。栓は化学的に不活性な合成ゴムであり、栓には穴をあけている。温度プローブをこの穴に通し、スピリッツの液面上部の空気中に伸ばす。このプローブを次いでブランケットを制御するサーモスタットに接続する。各樽の温度は独立に制御できる。この例では100゜F(37.8℃)に制御する。スピリッツが樽の間を移動することを可能にするのに加え、木材チップに、微生物とともに培養した木材チップを加える。これらの微生物は、最初にトースティングを施した木材チップを高プルーフ(135プルーフ)の非熟成エタノールスピリッツで湿らせて、実験室内の開放大気中に1週間置くことにより、ガラスボトル中で培養した。次いで木材チップを1Lのメディアボトルの中に入れてメディアボトルの体積を満たした。次いで、ボトルの200mlの印まで高プルーフ(135)の非熟成スピリッツを入れ、ボトルを密封した。その後、週に1回、ボトルを15分間開放し、再度密封した。一定期間後に木材チップをサンプリングし、ボトル中の微生物の特徴を明らかにした。次いで、これらのチップの一部を、栓を介して各樽に加えた。3ヶ月を超える期間の経過後、樽の中の木材チップをサンプリングし、植菌した微生物が樽の中並びに樽の木質構造内に存在することを確認した。さらなる研究により、これらの生物は、熟成スピリッツ中で着目される種々の化合物を産生できることが示された。
実施例4
この例では、例1に記載されるものと同じ態様を使用する。使用する高プルーフのスピリッツは、ウイスキーベースではなくラム酒である。スピリッツは、実施例に記載されるとおりに、及び以前に開示された技術(例えば国際公開第2018/208946号を参照)を使用して最初に処理されてもよく、又はそれを清澄なスピリッツとして加えてもよい。
本発明の方法及びシステムは、アルコール含有飲料の迅速な熟成並びに熟成及び非熟成アルコール含有飲料の迅速な仕上げ技術を提供する。この方法は、一般に、複数の条件下での微生物の制御された増殖を必要とする方法を使用して、かつ従来技術とは異なる設備及び試薬を使用して実現可能である。この技術の利点には、迅速に熟成させた他の製品、又は約2~35年に及んでもよい熟成工程において成熟させた他の製品と比較した場合に、期待以上の、口当たり、こく、味、芳香、安定性、拡張性、迅速な熟成、ブレンドの適性、費用の低減、及び/又は製品と関連する市場への投入までの時間の短縮が含まれるが、これらに限定されるものではない。検出可能な口当たり、こく、味、芳香及び/又は色の比較は、消費者味覚パネル官能試験において注目できる。
実施例5
木材チップを図1に示す技術の態様から回収した。木材チップ試料は、樽の内部で使用され、樽の体積を満たし、樽内の生物の増殖のための支持媒体であった。樽番号1及び樽番号6をサンプリングし、その試料を50mlの滅菌コニカルチューブに入れた後、冷蔵庫に入れて処理前まで保管した。樽1から11.63gの木材チップを回収し、樽6からは16.14gを回収した。樽1及び樽6の木材(wood core)を各樽の2つの場所-1つは液体境界面の上部、1つは液体面の下部-から採取した。次いで各樽材を半分に切って、内側と外側の樽の切片を用意した。
試料の回収後、Qiagen社のPower SoilゲノムDNA(gDNA)単離キットを使用して試料から微生物のDNAを単離した。推奨される量の試料を使用して、Power SoilゲノムDNA単離プロトコールに従った。以下の表1に示す12の試料のうち、1つ(#8)のみがDNAライブラリーの調製に必要となる十分な量のDNA(約40ng/ulのDNA、総体積50ul)をもたらした。
Figure 2022541821000002
gDNAの収量を改善するために、木材チップ及び樽材から微生物を継代培養する新たな試みを行った。この例では、それぞれの試料に由来する木材断片を使用して、5mlの、LB培地又は0.2%のグルコースを加えたM9培地のいずれかに植菌した。液体培養液を塗り広げたプレートを作製した。表2に示すように、以下の試料に由来する木材を植菌した培養液から、コロニーを増殖させた。
5つの分離株に対して、汎用の16S rDNA(8F及び1492R)並びに真菌のITSプライマー(ITS1及びITS2)を使用して、コロニーPCRを実施した。5つの分離株全てについてPCR増幅が成功し、増幅DNAのシーケンシングをEton Biosciences社に委託した。配列のBLAST解析を行い表2に示される分離株を同定した。
Figure 2022541821000003
スタフィロコッカス ワルネリ及びスタフィロコッカス パステウリは、ありふれた皮膚細菌叢の菌であるが、土壌中及び園芸用混合物(potting mix)中にも見いだされており(スタフィロコッカス ワルネリ)、かつ有益な植物内部寄生菌としても見いだされている(例.ジュート、スタフィロコッカス パステウリ)。ペニシリウム属の種は、リグノセルロースの分解菌であり、高レベルのエタノールに耐えることもできる。テルリバチルス ゴリエンシスは、元々は韓国の釜山沖由来の海水から単離されたグラム陽性で耐塩性が中程度の好気性細菌である。
理解を明確にする目的で、例示及び例によって上述の主題をいくらか詳細に記載してきたが、特定の変更及び改善を特許請求の範囲内において実施できることを、当業者は理解するであろう。

Claims (70)

  1. エタノール供給源を木質材料に晒し、エタノール含有飲料がもたらされるような微生物の制御された増殖をサポートする条件下で抽出処理することを含む、エタノール含有飲料の製造方法。
  2. 前記方法はエタノールの供給源を一連の容器に晒すことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一連の容器は、木樽、ボトル、フラスコ及び/又はジャーから選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記容器は、各容器の間に弁を備える導管システムによって接続される、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記容器の少なくとも1つは加熱される、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記木質材料の全体にエタノールと水の勾配が存在するように、前記木質材料をエタノールの供給源を含む液体中に部分的に浸す、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記木質材料は、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記木質材料は、トースティング及び/又はチャーリングが施されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記木質材料は、加熱され、トースティングが施され、チャーリングが施され、圧力に晒され、酵素で処理され、及び/又は微生物に曝露されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記木質材料は、リンゴ、サクラ、ヒッコリー、メスキート、オーク及びペカン並びにそれらの組合せからなる群から選択される木材に由来する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記木質材料は、バーボン樽、ウイスキー樽及び/又はワイン樽に由来する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記方法は、エタノールの供給源を含む液体に微生物を加えることを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記微生物は、生物増殖媒体及び/又は支持体内の液体中に浮遊している、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記方法は、香味付け成分を加えることを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記香味付け成分は、カラメル、シナモン、ナツメグ、スモーク、バニラ、メープルシロップの芳香又は香味、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の芳香及び/又は香味を付与する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記エタノール含有飲料は、ウイスキー、バーボン、スコッチ、ラム酒、ブランデー、コニャック、ジン、ウォッカ、テキーラ、ワイン、シェリー酒、ポート、ミード、サイダー、ビール又は酢である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記方法は、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料と類似する又は同じ化学的特徴及び/若しくは官能プロファイルを有する迅速な仕上げ工程を提供する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記方法は、エタノール含有飲料を熟成させる及び/又は仕上げる従来の方法で実現される香味及び/若しくは芳香と類似する又は同じ香味及び/若しくは芳香を提供する、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. エタノール含有飲料を製造するシステムであって、
    一連の容器、ここで前記容器は内部を分ける仕切りを有する;
    液体が前記容器の間を自由に流れるのを防ぐように構成された弁;及び
    加熱機構
    を含むシステム。
  22. 前記容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体及び/又は物理的な支持体を更に含む、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記容器は木質材料を含む、請求項21又は22に記載のシステム。
  24. 前記木質材料は、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記木質材料は、トースティング及び/又はチャーリングが施されている、請求項23又は24に記載のシステム。
  26. 前記木質材料は、加熱され、トースティングが施され、チャーリングが施され、圧力に晒され、酵素で処理され、及び/又は微生物に曝露されている、請求項23~25のいずれか一項に記載のシステム。
  27. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項22~26のいずれか一項に記載のシステム。
  28. 前記容器は木樽である、請求項21~27のいずれか一項に記載のシステム。
  29. 前記加熱機構は加熱パッド又は加熱ブランケットである、請求項21~28のいずれか一項に記載のシステム。
  30. 前記容器は配管システムによって接続される、請求項21~29のいずれか一項に記載のシステム。
  31. 製品を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り出すことができる、請求項21~30のいずれか一項に記載のシステム。
  32. 制御された量の気体を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り除くことができる、請求項21~31のいずれか一項に記載のシステム。
  33. 前記気体が、空気、酸素、窒素、二酸化炭素又はヘリウムである、請求項21~32のいずれか一項に記載のシステム。
  34. エタノール含有飲料を製造するシステムであって、
    木質材料を含む複数の容器;及び
    加熱機構
    を含むシステム。
  35. 前記複数の容器は、微生物の増殖を促進するための生物増殖媒体及び/又は物理的な支持体を更に含む、請求項34に記載のシステム。
  36. 前記システムは、前記容器の内容物を撹拌又は振とうするための手段を更に含む、請求項34又は35に記載のシステム。
  37. 前記木質材料は、樽、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである、請求項36に記載のシステム。
  38. 前記木質材料は、トースティング及び/又はチャーリングが施されている、請求項34~37のいずれか一項に記載のシステム。
  39. 前記木質材料は、加熱され、トースティングが施され、チャーリングが施され、圧力に晒され、酵素で処理され、及び/又は微生物に曝露されている、請求項34~38のいずれか一項に記載のシステム。
  40. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項35~39のいずれか一項に記載のシステム。
  41. 前記容器は、ボトル、フラスコ及び/又はジャーから選択される、請求項34~40のいずれか一項に記載のシステム。
  42. 前記加熱機構は、加熱パッド、ブランケット又は浴槽である、請求項34~41のいずれか一項に記載のシステム。
  43. 前記容器は配管システムによって接続される、請求項34~42のいずれか一項に記載のシステム。
  44. 製品を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り出すことができる、請求項34~43のいずれか一項に記載のシステム。
  45. 制御された量の気体を個々の容器に加えること及び/又は個々の容器から取り除くことができる、請求項34~44のいずれか一項に記載のシステム。
  46. 前記気体が、空気、酸素、窒素、二酸化炭素又はヘリウムである、請求項34~45のいずれか一項に記載のシステム。
  47. 前記システムは持ち運びできる、請求項21~33又は34~46のいずれか一項に記載のシステム。
  48. 前記システムは卓上用の装置である、請求項21~33又は34~47のいずれか一項に記載のシステム。
  49. 請求項1~20のいずれか一項に記載の前記方法によって製造される、迅速に熟成させたアルコール含有飲料。
  50. 前記迅速に熟成させたアルコール含有飲料は、ウイスキー、バーボン、スコッチ、ラム酒、ブランデー、コニャック、ジン、ウォッカ、テキーラ、ワイン、シェリー酒、ポート、ミード、サイダー、ビール又は酢である、請求項49に記載の迅速に熟成させたアルコール含有飲料。
  51. 前記迅速に熟成させたアルコール含有飲料は、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料と類似する又は同じ化学的特徴及び/又は官能プロファイルを有する、請求項49又は50に記載の迅速に熟成させたアルコール含有飲料。
  52. 前記迅速に熟成させたアルコール含有飲料を製造する費用及び/又はそれを市場に出すまでの時間が、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料よりも少ない、請求項49~51のいずれか一項に記載の迅速に熟成させたアルコール含有飲料。
  53. 請求項1~20のいずれか一項に記載の前記方法によって製造される、ブレンドアルコール含有製品。
  54. 前記ブレンドアルコール含有製品は、ウイスキー、バーボン、スコッチ、ラム酒、ブランデー、コニャック、ジン、ウォッカ、テキーラ、ワイン、シェリー酒、ポート、ミード、サイダー又はビールである、請求項53に記載のブレンドアルコール含有製品。
  55. 前記ブレンドアルコール含有製品が、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料と類似する又は同じ化学的特徴及び/又は官能プロファイルを有する、請求項53又は54に記載のブレンドアルコール含有製品。
  56. アルコール含有飲料に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料。
  57. 前記化学的特徴及び/又は官能プロファイルが、従来の熟成及び/又は仕上げ工程で得られるアルコール含有飲料と類似する又は同じである、請求項56に記載の木質材料。
  58. 前記木質材料は、樽、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである、請求項57に記載の木質材料。
  59. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項56~58のいずれか一項に記載の木質材料。
  60. 前記微生物は、スタフィロコッカス属、ペニシリウム属又はテリバシラス属のうちの少なくとも1つから選択される、請求項56~59のいずれか一項に記載の木質材料。
  61. 前記木質材料が香味付け成分を更に含む、請求項56~60のいずれか一項に記載の木質材料。
  62. アルコール含有飲料に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択された微生物の組合せを含む木質材料の製造方法であって、前記方法が、木質材料を、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される微生物の特定の組合せに曝露することを含む方法。
  63. 前記方法は、前記木質材料に香味付け成分を加えることを更に含む、請求項62に記載の方法。
  64. ハウジング;
    木質材料;
    微生物の組合せ;並びに
    任意に、前記木質材料の使用、並びに/又は前記木質材料及び/若しくは微生物の保管条件に関する説明書
    を含み、
    前記微生物は、アルコール含有飲料に特定の化学的特徴及び/又は官能プロファイルがもたらされるように選択される、システム。
  65. 前記ハウジングが、前記微生物のレベルを維持するように、又は前記微生物の制御された増殖をサポートするようにパッケージ化される、請求項64に記載のシステム。
  66. 前記微生物は、酵母、真菌、カビ及び細菌のうちの少なくとも1つから選択される、請求項64又は65のいずれか一項に記載のシステム。
  67. 前記木質材料は、樽、樽板、チップ、フレーク、削りくず、粉末状の木材及び/又は伐採木材のうちのいずれか1つである、請求項64~66のいずれか一項に記載のシステム。
  68. 前記木質材料が香味付け成分及び/又は酵素を更に含む、請求項64~68のいずれか一項に記載のシステム。
  69. 前記木質材料が微生物の組合せを含む、請求項64~69のいずれか一項に記載のシステム。
  70. 前記システムが香味付け成分及び/又は酵素を更に含む、請求項64~70のいずれか一項に記載のシステム。
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