JP2022540481A - プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタ、プリンタ用の清掃装置およびプリンタを保守する方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタであって、搬送方向（４１）で正逆に移動可能な、インクジェット印刷原理にしたがって印刷媒体に印刷する少なくとも１つの印刷ヘッド（１０４，１０５）を有する印刷ユニット（１００）と、印刷ユニット（１００）をクリーニングするクリーニングユニット（２００）とを備え、クリーニングユニット（２００）は、印刷ヘッド（１０４，１０５）からインクを吸出方向（４２）で吸出する清掃装置（２１０）を有し、クリーニングユニット（２００）は、加えて清掃装置（２１０）を様々な運転位置に移動させる駆動装置（２５０）を有する、プリンタに関する。さらに本発明は、このようなプリンタ用の清掃装置（２１０）およびプリンタを保守する方法に関する。

Description

本発明は、プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタであって、搬送方向で正逆に移動可能な、インクジェット印刷原理にしたがって印刷媒体に印刷する少なくとも１つの印刷ヘッドを有する印刷ユニットと、印刷ユニットをクリーニングするクリーニングユニットとを備え、クリーニングユニットは、印刷ヘッドからインクを吸出方向で吸出する清掃装置を有する、プリンタに関する。さらに本発明は、このようなプリンタ用の清掃装置およびプリンタを保守する方法に関する。

独国実用新案第２０２００６００５４５８号明細書において、このようなプリンタに加え、電気機器、コネクタ、ケーブル等にマーキングするために設けられたプレート状の印刷媒体も公知である。プレート状の印刷媒体は、カードとしてまたはマーカとして形成されており、複数がまとめられて１つのマットを形成している。プレート状の印刷媒体には、プリンタに通すとき、印刷が施される。このためにプリンタは、印刷ヘッドを備えており、印刷ヘッドは、以下では印刷部とも称呼する。

独国実用新案第２０２０１２１０１９９８号明細書も、プレート状の印刷媒体用のこのようなプリンタを開示している。プリンタは、個別化装置を備えており、個別化装置は、印刷媒体をパイルから個別化するために設けられている。

印刷ユニットをクリーニングすべく、この種のプリンタ内には、印刷ヘッド用のクリーニングユニットが設けられている。

プリンタは、実際の使用において良好に実証されている。このような印刷される印刷媒体の産業上の生産における高い需要と、それゆえにその大きな処理量とに基づき、しかし、定期的にプリンタの保守を行う必要がある。

本発明の課題は、プリンタの保守が迅速かつ簡単に可能であり、その結果、保守にかかる手間あるいはコストが僅かで済む、プレート状の印刷媒体用のプリンタと、プリンタ用のクリーニングユニットとを提供することである。

上記課題は、独立請求項１の特徴を備えるプリンタ、独立請求項１３の特徴を備える清掃装置および独立請求項１４の特徴を備えるプリンタを保守する方法により解決される。有利な実施の形態は、従属請求項に看取可能である。

このために、プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタ、特に、電気機器、コネクタ、ケーブル等のマーキング用の１つまたは複数のマーカを有するマーカカードに印刷するプリンタが提供される。プリンタは、搬送方向で正逆に移動可能な、インクジェット印刷原理にしたがって印刷媒体に印刷する少なくとも１つの印刷ヘッドを有する印刷ユニットを備えている。さらにプリンタは、印刷ユニットをクリーニングするクリーニングユニットを備えており、クリーニングユニットは、印刷ヘッドからインクを吸出方向で吸出する清掃装置を有している。

クリーニングユニットは、加えて清掃装置を様々な運転位置に移動させる駆動装置を有している。

プリンタは、有利には、清掃装置が、駆動装置により保守位置に移動可能であり、保守位置において清掃装置は、プリンタから完全に取り外し可能であることを特徴とする。このことは、様々な形で実現可能である。これにより清掃装置は、プリンタの外でクリーニングされることができ、または部分的にもしくは完全に置換されることができる。清掃装置のクリーニングは、而して大幅に簡単化され、かつ高速化される。

清掃装置をプリンタ内で移動させることができるように、清掃装置は、好ましくはフレームを有し、フレームには、１つまたは複数の歯部が、好ましくはラックに類似してフレームに形成されて、またはそれぞれフレームに設けられたラックにより実現されて、配置されている。歯部は、それぞれ、駆動装置の被動ピニオンと噛み合い係合し、その結果、清掃装置は、駆動装置の駆動時、移動可能である。保守位置において清掃装置を取り外すべく、歯部と被動ピニオンとは、係合解除可能である。それゆえ清掃装置は、保守位置においてプリンタから簡単に取り外し可能である。

このために歯部は、好ましくは線形の方向、特に吸出方向で延在していてもよい。空間的な状況によっては、歯部は、しかし、これとは別の延びを有していてもよく、例えば弧状に延びていてもよく、その結果、清掃装置は、保守位置へ移動させられる際、非線形の走行経路を辿る。

その際、好ましくは、第３の空間方向で互いに離間した歯部のペアは、それぞれ、第３の空間方向で互いに離間した被動ピニオンのペアに割り当てられていてもよい。これにより、清掃装置を移動させるために必要な力は、両被動ピニオンに均等に分配され、清掃装置は、移動時に傾倒したりしない。

さらに、その際、印刷ユニットは、清掃装置を保守位置に移動させるべく、クリーニングユニットに対して搬送方向とは逆方向に、印刷ユニットが搬送方向とは逆方向にクリーニングユニットから離間しているように移動可能であると、好ましい。これにより印刷ユニットは、清掃装置の取り外しを妨げない。

好ましい一実施の形態において、清掃装置は、印刷ヘッドからインクを払拭する払拭リップおよび／または印刷ヘッドからインクを吸出する吸い口を有している。払拭リップおよび／または吸い口により、印刷ヘッドは、清掃装置をプリンタから、摩耗状態および使用状態に依存して、清掃装置の細やかな保守および／または置換を実施するため、取り外さなければならなくなるまで、繰り返しクイッククリーニングされ得る。この場合、払拭リップおよび／または吸い口が、清掃装置とともに移動可能であると好ましい。これにより、払拭リップおよび／または吸い口を同時に保守または置換することが可能である。

このために払拭リップおよび／または吸い口は、好ましくは、フレームに取り付けられていてフレームに対して横方向に延在するマウントプレートに配置されている。

加えて、清掃装置が、ポンプを有し、ポンプは、吸い口に割り当てられ、印刷ヘッドからインクを吸出すべく設けられていると、好ましい。ポンプは、好ましくは、同じく清掃装置とともに移動可能であり、これにより、ポンプを清掃装置と同時に保守または置換することが可能である。

クリーニングユニットが、インク用の捕集容器を有する捕集装置を有していると、同じく好ましい。捕集容器は、定期的に空にされる必要があるので、捕集装置は、清掃装置とともに移動可能でなく、プリンタから清掃装置の交換位置において別体として取り外し可能であると、好ましい。

さらに好ましくは、クリーニングユニットは、払拭リップ用のクリーニング装置を有している。好ましくは、クリーニング装置は、捕集容器に配置されている。これによりクリーニング装置は、プリンタから捕集容器とともに取り外され、クリーニングされ得る。

払拭リップ用のクリーニング装置は、好ましくはスポンジを有し、スポンジ内には、受け口が配置されており、受け口内に払拭リップは、清掃装置の移動により可逆に導入可能である。捕集容器の取り外し後、スポンジは、取り外され、洗浄または交換され得る。

払拭リップをクリーニングすべく、スポンジは、好ましくは、２つの変位可能な壁間に配置されている。壁同士の間隔は、さらに好ましくは、払拭リップを導入したときに変化し、スポンジは、押し潰される。特に好ましくは、壁は、このために、好ましくはランプ形の輪郭を有し、ランプ形の輪郭は、清掃ユニットの移動時、マウントプレートと協働する。ランプ形の輪郭に基づいて、壁は、清掃ユニットの移動時、押し合わされていき、同時にリップは、さらに受け口内へ導入されていく。これにより、極めて良好な払拭結果が達成される。さらにスポンジは、これにより出入りの際に良好に保護される。

上記課題は、同じく、このようなプリンタ用の清掃装置により解決される。清掃ユニットは、プリンタから完全に取り外し可能であり、その結果、極めて容易かつ迅速に保守可能である。

上記課題は、さらに、プリンタ、特にこのようなプリンタを保守する方法であって、清掃装置をまず保守位置に移動させ、その後、プリンタから完全に取り外す方法により解決される。これにより、クリーニング装置の、摩耗状態および使用状態に依存して保守すべき構成部分は、極めて容易に検査可能であり、かつ場合によっては交換可能である。

以下に本発明について図面を基に説明する。図面は、例示にすぎず、一般的発明思想を限定するものではない。

印刷ユニットと、プリンタの印刷ヘッド用のクリーニングユニットとを備える本発明に係るプリンタの一部抜粋をクリーニング位置において示した図である。 図１に示した一部抜粋を印刷位置において示した図である。 図１に示した一部抜粋を払拭位置において示した図である。 図１に示した一部抜粋をリップクリーニング位置において示した図である。 図１に示した一部抜粋をプリンタの捕集装置を交換する交換位置において側面図で示した図である。 図１に示した一部抜粋をプリンタの捕集装置を交換する交換位置において斜視図で示した図である。 図１に示した一部抜粋をプリンタの清掃装置を取り外す保守位置において側面図で示した図である。 図１に示した一部抜粋をプリンタの清掃装置を取り外す保守位置において斜視図で示した図である。 印刷ユニットと、清掃装置用の駆動装置とを示した、図１のプリンタの一部抜粋の斜視図である。 プリンタの清掃装置の斜視図である。 図７に示した清掃装置用の駆動装置の要素の斜視図である。 図６および図７の清掃装置の斜視図である。 図５に示した捕集装置の斜視図である。 図１に示した一部抜粋を別の斜視図で捕集装置なしに示した図である。 図１に示した一部抜粋の別の斜視図であって、加えてプレート状の印刷媒体を示した図である。 クリーニングユニットの斜視図であって、清掃装置を捕集装置に対して移動させスライドさせていったときの様子を示した図である。 クリーニングユニットの斜視図であって、清掃装置を捕集装置に対して移動させスライドさせていったときの様子を示した図である。 クリーニングユニットの斜視図であって、清掃装置を捕集装置に対して移動させスライドさせていったときの様子を示した図である。 クリーニングユニットの斜視図であって、清掃装置を捕集装置に対して移動させスライドさせていったときの様子を示した図である。 プレート状の印刷媒体、ここでは、電気機器、コネクタ、ケーブル等のマーキング用の１つまたは複数のマーカを有するマーカカードに印刷する、従来技術によるプリンタを概略的に示した図である。

図１４は、独国実用新案第２０２００６００５４５８号明細書に記載のプリンタ１を示しており、プリンタ１は、プレート状の印刷媒体、ここでは電気機器、コネクタ、ケーブル等のマーキング用のマーカ３を有するマーカカード２に印刷するために設けられている。各マーカカード２は、一方向の搬送方向４１で、つまり方向転換なしにプリンタ１を通して搬送される。マーカカード２に印刷すべく、プリンタ１は、複数の機能装置Ｉ，ＩＩ，ＩＩＩ，ＩＶを備えている。

第１の機能装置Ｉとして、個別化装置が設けられており、個別化装置は、マーカカード２を収容するマガジンを有している。個別化装置Ｉ内では、マガジン内に積まれたマーカカード２が個別化される。その後、マーカカード２は、第２の機能装置ＩＩ、ここでは印刷装置に供給され、印刷される。固定装置として形成された第３の機能装置ＩＩＩ内では、マーカカード２上に印刷された印刷画像が固定される。出力装置として設けられた第４の機能装置ＩＶにより、マーカカード２は、続いて出力される。この場合、出力装置は、任意選択的に冷却ゾーンを有していてもよい。

このようなプリンタ１は、インクジェット原理にしたがって作業する。このためにプリンタ１の印刷装置ＩＩは、少なくとも１つの印刷ヘッド１０４，１０５を有する印刷ユニット１００を有している。インクは、印刷ヘッド１０４，１０５により、プレート状の印刷媒体２の印刷すべき面２０上に被着される。

図１２は、本発明に係るプリンタ１の印刷装置ＩＩを斜視図で示している。印刷ユニット１００は、例えば２つの異色のインクを使用することができるように、ここでは２つの印刷ヘッド１０４，１０５を有している。所望の印刷インキの数に応じて、このようなプリンタ１は、さらに多くの印刷ヘッド１０４，１０５を備えていてもよい。

マーカカード２と、マーカカード２の印刷すべき面２０とは、ここでは、印刷中のマーカカード２の位置を説明する目的で概略的に示したものである。印刷すべき面２０は、両印刷ヘッド１０４，１０５に対面している。

印刷ヘッド１０４，１０５は、印刷ヘッドキャリア１０１に配置されており、印刷ヘッドキャリア１０１とともに搬送方向４１で正逆に２つのガイドレール１０２，１０３に沿って移動可能である。印刷ヘッド１０４，１０５は、搬送方向４１で相並んで印刷ヘッドキャリア１０１に取り付けられている。印刷ヘッドキャリア１０１を搬送方向４１で正逆に移動させるために設けられた印刷ヘッド駆動部は、ここでは図示していない。

ガイドレール１０２，１０３は、ここでは搬送方向４１に対して横方向に延在する噴射方向４２で互いに離間して配置され、かつ互いに平行に方向付けられている。図示の実施の形態において、噴射方向４２は、鉛直方向であり、搬送方向４１は、水平方向である。以下では、それゆえ、鉛直方向と噴射方向４２の概念および水平方向と搬送方向４１の概念は、それぞれ同義に使用する。

印刷ヘッド１０４，１０５をクリーニングすべく、印刷装置ＩＩは、加えてクリーニングユニット２００を有している。クリーニングユニット２００は、印刷ヘッド１０４，１０５の各々からインクを吸出可能な清掃装置２１０と、インク用の捕集容器２３１を有する捕集装置２３０とを有している。

図１２には、印刷ヘッドキャリア１０１をプリンタ１のクリーニング位置で示してあり、クリーニング位置において、印刷ヘッドキャリア１０１は、クリーニングユニット２００の上方に配置されている。クリーニング位置については、図１の説明の枠内で詳しく説明する。

クリーニングユニット２００は、さらに、清掃装置２１０のフレーム２１１を駆動する駆動装置２５０を有している。駆動装置２５０により、フレーム２１１は、印刷ユニット１００に対して相対的に鉛直方向４２で正逆にスライド可能である。このためにフレーム２１１には、歯部２１２ａ～２１２ｄが、伝動機構要素として設けられている。駆動装置２５０については、図７および図８の説明の枠内で詳しく説明する。

清掃装置２１０は、加えてマウントプレート２１３を有しており、マウントプレート２１３は、フレーム２１１に配置されており、マウントプレート２１３には、各印刷ヘッド１０４，１０５のためにそれぞれ１つの吸い口２１５，２１６が配置されている。吸い口２１５，２１６は、搬送方向４１で相並んで配置され、印刷ヘッド１０４，１０５と同じ間隔の分だけ互いに離間している。クリーニング位置Ｒにおいて、吸い口２１５，２１６は、それゆえ、ちょうど印刷ヘッド１０４，１０５の下に配置されているようにポジショニングされている。

さらにマウントプレート２１３には、払拭リップ２１４が配置されており、払拭リップ２１４は、印刷ヘッド１０４，１０５からインクを払拭するために設けられている。払拭リップ２１４をクリーニングすべく、クリーニングユニットは、払拭リップ２１４用のクリーニング装置２４０も有している。

図１には、印刷ユニット１００をクリーニング位置Ｒで示してある。マウントプレート２１３上には、第１の吸い口２１５と第２の吸い口２１６とが配置されている。クリーニング位置Ｒにおいて、印刷ヘッド１０４，１０５は、水平方向で吸い口２１５，２１６に対応するように吸い口２１５，２１６の上方にポジショニングされている。さらに清掃装置２１０は、鉛直方向上方に移動させられているので、吸い口２１５，２１６は、印刷ヘッド１０４，１０５のノズル側（図示せず）に密着している。

吸い口２１５，２１６は、このために、それぞれ、第１の管路２１７，２１９を介してポンプに接続されており、ポンプは、印刷ヘッド１０４，１０５からインクを吸出可能である。ポンプ２２１，２２２の各々は、それぞれ、第２の管路２１８，２２０を介して捕集装置２３０の捕集容器２３１に、第２の管路２１８，２２０の自由端である管路端部２２３，２２４が捕集容器２３１内に導入されていることによって接続されている。捕集装置２３０の捕集容器２３１内には、余剰のインクが集められる。管路２１７，２１８あるいは２１９，２２０は、好ましくは、変形可能であるように、弾性的なチューブから形成されている（これについては図１１および図９も参照）。吸出時、印刷ヘッド１０４，１０５のノズル側は、それぞれ、吸い口２１５，２１６により有利には周囲の雰囲気に対してシールされている。

ポンプ２２１，２２２により、それぞれ、余剰のインクは、ポンプ２２１，２２２に接続された吸い口２１５，２１６を通して、吸い口２１５，２１６が当接している印刷ヘッド１０４，１０５から吸出可能である。各印刷ヘッド１０４，１０５には、それぞれ、１つのポンプ２２１，２２２と、１つの吸い口２１５，２１６とが割り当てられているので、吸出は、１回の作業ステップで実施可能である。余剰のインクは、ポンプ２２１，２２２により捕集装置２３０の捕集容器２３１内に搬送される。

ポンプ２２１，２２２は、ここでは、クリーニングユニット２００のフレーム２１１に取り付けられているので、清掃装置２１０とともに駆動装置２５０により移動可能である。これによりポンプ２２１，２２２は、クリーニングユニット２００とともに保守または交換可能である。

印刷ユニット１００および清掃装置２１０は、プリンタが、「スタンバイ」運転モードにあるとき、つまり、運転準備は整っているが、今すぐには印刷ジョブを処理する必要がないとき、または停止されているときは常に、クリーニング位置に存在している。こうして印刷ヘッドは、シールされることができ、残留している可能性のあるインクは、乾燥せず、あるいは印刷ヘッドは固着してしまわない。

図２には、自由移動可能な印刷ユニット１００を示してある。プリンタ１は、それゆえ印刷位置Ｄに存在している。ここでは「自由」とは、印刷ユニット１００が清掃ユニット２１０の上方を、清掃ユニット２１０に接触せず水平方向４１で正逆に移動可能である範囲で、清掃ユニット２１０が鉛直方向４２で印刷ヘッド１０４，１０５の下方に存在していることを意味している。

図３では、プリンタは、払拭位置Ａに存在し、払拭位置Ａにおいて、印刷ユニット１００を移動させたとき、払拭リップ２１４により印刷ヘッド１０４，１０５からインクを払拭することができる。マウントプレート２１３には、払拭リップ２１４がこのために、払拭リップ２１４の自由端がマウントプレート２１３から鉛直方向４２とは逆方向上向きに延在しているように取り付けられている。さらに清掃装置２１０は、このために、払拭リップ２１４の自由端（図示せず）が１つの印刷ヘッド１０４，１０５のノズル側（図示せず）と接触するところまで、鉛直方向４２とは逆方向に移動させられている。而して印刷ユニット１００は、水平方向で払拭リップ２１４上を移動させられ、このとき、余剰のインクは、払拭リップ２１４によって、払拭リップ２１４がまさにそれに沿って相対移動される印刷ヘッド１０４，１０５のノズル側から払拭される。このことは、好ましくは設定可能な時間インターバルで実施される。余剰のインクの払拭実施後、払拭リップ２１４は、定期的にクリーニングされる。

払拭リップ２１４のこのクリーニングについては、図４および図１３ａ～図１３ｄにおいて説明する。

捕集装置２３０は、余剰のインク用の捕集容器２３１に対して付加的に、払拭リップ２１４用のクリーニング装置２４０を有している。クリーニング装置２４０は、捕集容器２３１に配置されている。クリーニング装置２４０は、スポンジ２４２を有しており、スポンジ２４２内には、払拭リップ２１４用の受け口２４４が配置されている。スポンジ２４２の両側には、変位可能な壁２４６ａ，ｂが設けられており、壁２４６ａ，ｂは、それぞれ１つのランプ状の輪郭を有しており、ランプ状の輪郭は、ここではリブ２４８ａ，ｂ，２４９ａ，ｂにより形成されている。リブ２４８ａ，ｂ，２４９ａ，ｂに作用する圧力により、壁２４６ａ，ｂは、水平方向４１にまたは水平方向４１とは逆方向に変位可能であり、このとき、スポンジ２４２は、壁２４６ａ，ｂにより圧迫される。

払拭リップ２１４をクリーニング装置２４０によりクリーニングすべく、清掃装置２１０は、鉛直方向４２で下向きに走行する。清掃装置２１０とともに、マウントプレート２１３は、下向きに動かされる。

クリーニング装置２４０は、捕集容器２３１の、マウントプレート２１３に対面した側（図示せず）に、捕集容器２３１から突出するように配置されている。水平方向４１で払拭リップ２１４の両側に、マウントプレート２１３は、加えて貫通部２２５，２２６を有している。さらに払拭リップ２１４は、リップクリーニング位置Ｌでスポンジ２４２の受け口２４４の上方に配置されており、この位置から払拭リップ２１４は、クリーニングのために移動可能である。

鉛直方向４２への移動時、払拭リップは、それゆえ受け口２４４内に進入し、スポンジ２４２と、スポンジ２４２を囲む壁２４６ａ，ｂとは、マウントプレート２１３の貫通部２２５，２２６内に進入していく。リブ２４８ａ，ｂ，２４９ａ，ｂがランプ形に形成されているため、壁２４６ａ，ｂは、このとき、圧迫されていく。これによりスポンジ２４２は、圧縮されていく。図１３ａ～図１３ｄは、このプロセスを示している。

図１３ｄにおいて、清掃装置２１０は、払拭リップ２１４が完全にスポンジ２４２の受け口２４４内に進入させられ、これによりクリーニングされたところまで移動させられている。時間的／空間的に調整された進入により、スポンジは、フレームによって損傷されず、リップとだけクリーニングのためにコンタクト／接触する。

図５ａおよび図５ｂは、それぞれ交換位置Ｔを示しており、交換位置Ｔにおいて捕集容器は、プリンタ１から取り外し可能である。このために印刷ユニット１００は、水平方向４１とは逆方向に清掃装置２１０に対してオフセットされて配置されているところまで、水平に移動させられる。続いて清掃装置２１０は、払拭リップ２１４が完全にクリーニング装置２４０から走出されているところまで、鉛直方向とは逆方向に移動させられる。第２の管路２１８，２２０の端部に設けられたニードル２２３，２２４は、而して鉛直方向４２で捕集装置２３０の捕集容器２３１の上方に配置されている。この交換位置Ｔにおいて捕集装置２３０は、捕集装置２３０に取り付けられたクリーニング装置２４０とともに、特に手動でプリンタ１から取り出し可能である。捕集容器２３１には、このために把手２３４が設けられている（図５ｂ参照）。

捕集装置２３０の交換は、約２０００～３０００枚のマーカカード２の印刷後に実施され得る。捕集装置２３０の具体的な交換インターバルは、クリーニングユニット２００によって吸出あるいは払拭されたインクの体積による。

プリンタ１からの清掃装置２１０の完全な取り外しは、図６ａおよび図６ｂに示してある。このために清掃装置２１０は、清掃装置２１０の歯部２１２ａ～ｄが駆動装置２５０の被動ピニオン２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂとの係合から外れるまで、鉛直方向４２とは逆方向に移動させられる。清掃装置２１０は、而して保守位置Ｗに存在している。

交換位置Ｔと同様、印刷ユニット１００は、保守位置Ｗのために、同じく水平方向４１とは逆方向に清掃装置２１０に対してオフセットされて配置されているところまで、水平に移動させられている必要がある。

清掃装置２１０の保守あるいは交換は、例えばプリンタをある特定の時間運転した後、例えば２～３年の後、必要とされる場合がある。清掃装置２１０の具体的な交換インターバルは、摩耗状態および使用状態に依存している。

図７ａは、駆動装置２５０および印刷ユニット１００を鉛直方向で上下の例示的な位置で、清掃装置２１０および捕集装置２３０なしに示している。これにより、駆動装置２５０は、互いに平行な２つの駆動軸２５２，２５３を有しており、駆動軸２５２，２５３は、水平方向４１および鉛直方向４２に対して横方向の第３の空間方向４３で延在していることが看取可能である。駆動軸２５２，２５３の互いに反対側に位置する端部（図示せず）には、それぞれ、清掃装置２１０の歯部２１２ａ～ｄを駆動する被動ピニオン２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂが配置されている。被動ピニオン２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂは、図８にも示してある。

駆動軸２５２，２５３は、相対回動不能に駆動軸２５２，２５３に取り付けられて片持ち支持された歯車２６０ａ，ｂにより駆動され、歯車２６０ａ，ｂは、互いに係合している。この場合、加えて両歯車２６０ａ，ｂの第１の歯車は、駆動モータ２５６の駆動ピニオン２５５と噛み合っている。それゆえ、駆動ピニオン２５５ならびに両歯車２６０ａおよび２６０ｂは、駆動モータ２５６が運転されているとき、両歯車２６０ａ，２６０ｂが逆向きに回転するため、逆転伝動機構を形成している。駆動モータ２５６は、ここでは電気モータとして形成されている。

駆動装置２５０は、ベースプレート２５１を有しており、ベースプレート２５１内には、駆動軸２５２，２５３のそれぞれ一方の端部が回転可能に支持されている。ベースプレート２５１に対向して、駆動装置２５０は、さらに軸受シールド２５４を有しており、軸受シールド２５４内には、駆動軸２５２，２５３の他方の端部が回転可能に支持されている。軸受シールド２５４とベースプレート２５１とは、スペーサストリップ２５９ａ，２５９ｂ，２５９ｃにより互いに結合されている。軸受シールド２５４、ベースプレート２５１およびスペーサストリップ２５９ａ，２５９ｂ，２５９ｃは、位置固定に設けられている。

それぞれの被動ピニオン２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂは、それぞれの被動ピニオン２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂと噛み合う歯部２１２ａ～ｄとともに、ラック伝動機構を形成し、計４つのラック伝動機構が、同期した速度で動作し、それゆえ鉛直方向４２で正逆の清掃装置２１０の一様な運動を実現する。

図７ｂには、清掃装置２１０単体を斜視図で示してある。

図９は、クリーニングユニット２００を立体図で示している。清掃装置２１０と、捕集装置２３０と、払拭リップ２１４用のクリーニング装置２４０と、駆動装置２５０とが看取可能である。

図１０には、捕集装置２３０を、隣接する部品なしに立体的に示してある。２つの貫通孔２３２，２３３が良好に看取可能であり、貫通孔２３２，２３３内には、捕集装置２３０の組み込み状態で、清掃装置２１０の第２の管路２１８，２２０の端部に設けられたそれぞれ１つのニードル２２３，２２４が係合する。捕集装置２３０の簡単な取り扱いのために、把手２３４が捕集容器２３１に１ピースに一体成形されていてもよい。ドーム状の、捕集容器２３１に１ピースに一体成形された直方体形の付設部２４１内には、払拭リップ２１４用のクリーニングユニット２４０が配置されている。

払拭リップ２１４のクリーニングユニット２４０は、ここでは例示的に直方体形のスポンジ２４２を有しており、スポンジ２４２は、多孔質のまたは発泡材状の素材から製造されている。スポンジは、付設部２４１内に装入されている。このために付設部２４１は、スポンジ２４２に対応する形状を有している。

払拭リップ２１４を受け入れることができるように、スポンジ２４２の中央に受け口２４４が設けられている。

付設部２４１は、スポンジ２４２の領域に４つの壁２４５ａ，２４５ｂ，２４６ａ，２４６ｂを有しており、壁２４５ａ，２４５ｂ，２４６ａ，２４６ｂは、装入部２４３を形成している。スポンジ２４２のレベルで、受け口２４４に対して平行に延びる壁２４６ａ，ｂは、これらの壁２４６ａ，ｂに対して横方向に延びる壁２４５ａ，２４５ｂに結合されていない。むしろ、受け口に平行な壁２４６ａ，２４６ｂと、横方向に延びる壁２４５ａ，２４５ｂとの間には、それぞれ１つの間隙２４７ａ，２４７ｂ，２４７ｃ，２４７ｄが延びている。間隙２４７ａ，２４７ｂ，２４７ｃ，２４７ｄは、図１０に抜粋拡大して示してある。間隙２４７ａ，２４７ｂあるいは２４７ｃ，２４７ｄは、受け口２４４に対して平行に延びる壁２４６ａ，２４６ｂがそれぞれ水平方向４１にあるいは水平方向４１とは逆方向に少なくとも限定的に可動であるようにしている。

受け口２４４に対して平行に延びる壁２４６ａ，２４６ｂは、受け口２４４から背離した側に、それぞれ、ランプ形のリブ２４８ａ，２４８ｂあるいは２４９ａ，２４９ｂを有している。

壁２４５ａ，２４５ｂ，２４６ａ，２４６ｂを有する付設部２４１あるいは囲枠２４３は、清掃装置２１０が捕集装置２３０に対して相対的に鉛直方向下向きに移動させられる際、マウントプレート２１３の貫通部２２５，２２６内に係合可能であるように寸法設定されている。ランプ状のリブ２４８ａ，２４８ｂあるいは２４９ａ，２４９ｂを介して、マウントプレート２１３の鉛直の運動は、受け口２４２に対して平行なそれぞれの壁２４６ａ，２４６ｂの略水平の運動へと偏向される。その際、スポンジ２４２は、受け口２４４内に連続的に進入していく払拭リップ２１４に押し付けられ、払拭リップ２１４は、スポンジ２４２によりクリーニングされる。払拭リップ２１４に付着していたインクは、その際、スポンジ２４２に吸収され、捕集容器２３１内へ流出する。スポンジは、このとき、運動によってフレームとはコンタクトしない。

図１１には、クリーニングユニット２００を捕集装置２３０なしで示してある。さらに管路２１７，２１８には、第１の印刷ヘッド１０４のクリーニングプロセス中の余剰のインクの流動方向を示す方向矢印を付してある。ここに示したクリーニングプロセスでは、第１の吸い口２１５により第１の管路２１７を介して、余剰のインクが第１の印刷ヘッド１０４から吸出され、第２の管路２１８を介して、自由端であるここではマンドレル状の管路端部２２３を通して捕集装置２３０の捕集容器２３１内に搬送される。捕集容器２３１に第２の管路２１８は、管体により取り付けられている。インクを吸出するために、第１のポンプ２２１が、その際、駆動される。

第２の印刷ヘッド１０５は、同様に第２の吸い口２１６と、第２の印刷ヘッド１０５に割り当てられた第１の管路２１９と、第２のポンプ２２２と、第２の印刷ヘッド１０５に割り当てられた第２の管路２２０とに接続されている。この第２の管路２２０も、自由端であるここではマンドレル状の第２の管路端部２２４を有しており、第２の管路端部２２４は、捕集装置２３０の捕集容器２３１内に入る。捕集容器２３１に第２の管路２２０は、管体により取り付けられている。第２の印刷ヘッド１０５内のインクは、それゆえ同様に第２のポンプ２２２の駆動により吸出可能である。より見やすくするために、第２の吸い口２１６を第２のポンプ２２２に接続する第１の管路２１９および第２の管路２２０は、ここではしかし、図示していない（その代わりとして例えば図９参照）。

１ プリンタ
Ｒ クリーニング位置
Ｄ 印刷位置
Ａ 払拭位置
Ｌ リップクリーニング位置
Ｔ 交換位置
Ｗ 保守位置
２ マーカカード
２０ 印刷すべき面
３ マーカ
４１ 搬送方向、特に水平方向
４２ 吸出方向、特に鉛直方向
４３ 第３の空間方向
１００ 印刷ユニット
１０１ 印刷ヘッドキャリア
１０２ 第１のガイドレール
１０３ 第２のガイドレール
１０４ 第１の印刷ヘッド
１０５ 第２の印刷ヘッド
２００ クリーニングユニット
２１０ 清掃装置
２１１ フレーム
２１２ａ，ｂ，ｃ，ｄ 歯部、伝動機構要素
２１３ マウントプレート
２１４ 払拭リップ
２１５ 第１の吸い口
２１６ 第２の吸い口
２１７ 第１の管路
２１８ 第２の管路
２１９ 第１の管路
２２０ 第２の管路
２２１ 第１のポンプ
２２２ 第２のポンプ
２２３ 自由端である第１の管路端部
２２４ 自由端である第２の管路端部
２２５ 第１の貫通部
２２６ 第２の貫通部
２３０ 捕集装置
２３１ 捕集容器
２３２ 貫通孔
２３３ 貫通孔
２３４ 把手
２４０ 払拭リップ用のクリーニング装置
２４１ 付設部
２４２ スポンジ
２４３ 装入部
２４４ 受け口
２４５ａ，ｂ 第１の壁
２４６ａ，ｂ 第２の壁
２４７ａ，ｂ，ｃ，ｄ 間隙
２４８ａ，ｂ 第１のリブ
２４９ａ，ｂ 第２のリブ
２５０ 駆動装置
２５１ ベースプレート
２５２ 第１の駆動軸
２５３ 第２の駆動軸
２５４ 軸受シールド
２５５ 駆動ピニオン
２５６ 駆動モータ
２５７ａ，ｂ 被動ピニオンのペア
２５８ａ，ｂ 被動ピニオンのペア
２５９ａ，ｂ，ｃ スペーサストリップ
２６０ａ，ｂ 歯車
Ｉ，ＩＩ，ＩＩＩ，ＩＶ 機能装置

Claims (14)

1. プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタ（１）、特に、電気機器、コネクタ、ケーブル等のマーキング用の１つまたは複数のマーカ（３）を有するマーカカード（２）に印刷するプリンタ（１）であって、
   前記プリンタは、
   搬送方向（４１）で正逆に移動可能な、インクジェット印刷原理にしたがって前記印刷媒体に印刷する少なくとも１つの印刷ヘッド（１０４，１０５）を有する印刷ユニット（１００）と、
   前記印刷ヘッド（１０４，１０５）をクリーニングするクリーニングユニット（２００）と、
   を備え、
   前記クリーニングユニット（２００）は、前記印刷ヘッド（１０４，１０５）からインクを吸出方向（４２）で吸出する清掃装置（２１０）を有し、前記クリーニングユニット（２００）は、加えて前記清掃装置（２１０）を様々な運転位置（Ｒ，Ｄ，Ａ，Ｌ，Ｔ，Ｗ）に移動させる駆動装置（２５０）を有する、
   プリンタ（１）において、
   前記清掃装置（２１０）は、前記駆動装置（２５０）により保守位置（Ｗ）に移動可能であり、前記保守位置（Ｗ）において前記清掃装置（２１０）は、前記プリンタ（１）から完全に取り外し可能である、
   ことを特徴とする、プレート状の印刷媒体に印刷するプリンタ（１）。
2. 前記清掃装置（２１０）は、フレーム（２１１）を有し、前記フレーム（２１１）には、歯部（２１２ａ～ｄ）が配置されており、前記歯部（２１２ａ～ｄ）は、前記清掃装置（２１０）を移動させるべく、それぞれ、前記駆動装置（２５０）の被動ピニオン（２５７ａ，ｂ，２５８ａ，ｂ）と噛み合い係合し、かつ前記保守位置（Ｗ）において前記清掃装置（２１０）を取り外すべく、係合解除可能であることを特徴とする、請求項１記載のプリンタ（１）。
3. 前記歯部（２１２ａ～ｄ）は、線形の方向、特に吸出方向（４２）で延在することを特徴とする、請求項１または２記載のプリンタ（１）。
4. 第３の空間方向（４３）で互いに離間した歯部（２５７ａ，ｂ；２５８ａ，ｂ）のペアは、それぞれ、前記第３の空間方向（４３）で互いに離間した被動ピニオン（２１２ａ，ｂ；２１２ｃ，ｄ）のペアに割り当てられていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
5. 前記印刷ユニット（１００）は、前記清掃装置（２１０）を前記保守位置（Ｗ）に移動させるべく、前記クリーニングユニット（２００）に対して前記搬送方向（４１）とは逆方向に、前記印刷ユニット（１００）が前記搬送方向（４１）とは逆方向に前記クリーニングユニット（２００）から離間しているように移動させられていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
6. 前記清掃装置（２１０）は、前記印刷ヘッド（１０４，１０５）からインクを払拭する払拭リップ（２１４）および／または前記印刷ヘッド（１０４，１０５）からインクを吸出する吸い口（２１５，２１６）を有し、前記払拭リップ（２１４）または前記吸い口（２１５，２１６）は、前記清掃装置（２１０）とともに移動可能であることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
7. 前記払拭リップ（２１４）および／または前記吸い口（２１５，２１６）は、前記フレーム（２１１）に取り付けられていて前記フレーム（２１１）に対して横方向に延在するマウントプレート（２１３）に配置されていることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
8. 前記清掃装置（２１０）は、ポンプ（２２１，２２２）を有し、前記ポンプ（２２１，２２２）は、前記吸い口（２１５，２１６）に割り当てられ、インクを吸出すべく設けられており、前記清掃装置（２１０）とともに移動可能であることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
9. 前記クリーニングユニット（２００）は、インク用の捕集容器（２３１）を有する捕集装置（２３０）を有し、前記捕集装置（２３０）は、前記清掃装置（２１０）とともに移動可能でなく、前記プリンタ（１）から前記清掃装置（２１０）の交換位置（Ｔ）において別体として取り外し可能であることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
10. 前記クリーニングユニット（２００）は、前記払拭リップ（２１４）用のクリーニング装置（２４０）を有し、前記クリーニング装置（２４０）は、前記捕集容器（２３１）に配置されていることを特徴とする、請求項１から９までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
11. 前記払拭リップ（２１４）用の前記クリーニング装置（２４０）は、スポンジ（２４２）を有し、前記スポンジ（２４２）内には、受け口（２４４）が配置されており、前記受け口（２４４）内に前記払拭リップ（２１４）は、前記清掃装置（２１０）の移動時、可逆に導入可能であることを特徴とする、請求項１から１０までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
12. 前記スポンジ（２４２）は、２つの変位可能な壁（２４６ａ，ｂ）間に配置されており、前記壁（２４６ａ，ｂ）の間隔は、前記払拭リップ（２１４）を導入したときに変化し、前記スポンジ（２４２）は、押し潰されることを特徴とする、請求項１から１１までのいずれか１項記載のプリンタ（１）。
13. 請求項１から１２までのいずれか１項記載のプリンタ（１）用の清掃装置（２１０）。
14. プリンタ（１）、特に請求項１から１２までのいずれか１項記載のプリンタ（１）を保守する方法であって、清掃装置（２１０）をまず保守位置（Ｗ）に移動させ、その後、前記プリンタ（１）から完全に取り外す、プリンタ（１）を保守する方法。

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