JP2022540256A - かみそり及びかみそりカートリッジ - Google Patents

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Abstract

かみそりカートリッジであって、カートリッジの前部の近位にあり、かつその上に配置された1つ以上の第1のコーティングを有する第1の刃と、カートリッジの後部の近位にあり、かつその上に配置された1つ以上の第2のコーティングを有する第2の刃と、を有し、第1の刃の上に配置された1つ以上の第1のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さが、第2の刃の上に配置された1つ以上の第2のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さよりも薄い、かみそりカートリッジ。

Description

本発明は、かみそりに関し、より具体的には、かみそりカートリッジに関し、更により具体的には、かみそりカートリッジ内のかみそり刃及びそれらのコーティングに関する。
剃毛する際、密着した剃毛を達成すると同時に、除毛中に快適な経験も提供することが望ましい。それぞれが鋭利な縁部を有する複数のかみそり刃が内部に収容されているかみそりカートリッジを提供することが望ましい。鋭利な縁部は、基材と、基材上に堆積した1つ以上のコーティングとで構成され、このコーティングが毛髪と係合して快適な剃り心地を提供する。密着した剃毛及び良好な快適性の両方を提供することが意図された、コーティングされた鋭利な縁部を備えた刃を使用する場合であっても、全体的な剃毛体験が一部のユーザーにとって依然として不快である場合があることが見出された。
密着性又は他の剃毛属性を損なうことなく快適な剃り心地を改善する、コーティングされた鋭利な縁部を備えた刃を有するかみそりカートリッジを提供することが望ましい。
かみそり用のかみそりカートリッジが提供される。かみそりカートリッジは、ガードと、キャップと、ガードとキャップとの間に位置する、平行な鋭利な縁部を有する少なくとも2つの刃とを備える。第1の刃は、ガードに最も近い刃先を画定し、第2の刃は、キャップに最も近い刃先を画定する。本発明はまた、第1の刃が、ガードに最も近いものではないが、第2の刃よりもガードにより近接している又はより近い刃を画定すること、及び、第2の刃が第1の刃よりもキャップにより近接している又はより近いことも企図する。本発明において、第1の刃は、第2の刃のコーティング厚さよりも薄い厚さを有する1つ以上のコーティングを有する。本発明はまた、複数のコーティングを有するかみそり刃において、1つのコーティングのみが、第1の刃と第2の刃との間で厚さが変化することも想到する。本発明は、第1の刃のハードコーティングが、第2の刃のハードコーティングよりも厚さが薄いことを企図する。
第1の実施形態では、本発明は、かみそりカートリッジであって、カートリッジの前部の近位にある第1の刃であって、その上に配置された1つ以上の第1のコーティングを有する、第1の刃と、カートリッジの後部の近位にある第2の刃であって、その上に配置された1つ以上の第2のコーティングを有する、第2の刃と、を備え、第1の刃の上に配置された1つ以上の第1のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さが、第2の刃の上に配置された1つ以上の第2のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さよりも薄い、かみそりカートリッジに関する。1つ以上の第1のコーティングのうちの少なくとも1つは、第1のハードコーティングであり、1つ以上の第2のコーティングのうちの少なくとも1つは、第2のハードコーティングである。カートリッジの前部はガード領域を含み、カートリッジの後部はキャップ領域を含む。第1のかみそり刃はガード領域に隣接している。第2のかみそり刃はキャップ構造体に隣接している。1つ以上の第2のコーティングのうちの少なくとも1つは、1つ以上の第1のコーティングのうちの少なくとも1つの少なくとも2倍の厚さである。第1のハードコーティングの厚さは、約150オングストローム~約1800オングストロームの範囲である。第2のハードコーティングの厚さは、約500オングストローム~約3500オングストロームの範囲である。
別の実施形態では、本発明は、かみそりカートリッジであって、第1のハードコーティングを有する第1のかみそり刃と、第2のハードコーティングを有する第2のかみそり刃とを備え、第1の刃は、第2の刃よりもかみそりカートリッジのガード領域に近接して配置されており、第2の刃は、第1の刃よりもかみそりカートリッジのキャップ領域に近接して配置されており、第2のハードコーティングが、第1のハードコーティングの第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する、かみそりカートリッジに関する。
第1のハードコーティング又は第2のハードコーティングは、炭素含有材料、クロム含有材料、ニオブ含有材料、ホウ素含有材料、及びチタン含有材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む。第1のかみそり刃はガード領域に隣接している。第2のかみそり刃はキャップ領域に隣接している。かみそりカートリッジは、少なくとも1つの第3のハードコーティングを有する少なくとも1つの第3のかみそり刃を更に備え、少なくとも1つの第3のかみそり刃は、第1のかみそり刃と第2のかみそり刃との間に配置されている。少なくとも1つの第3のハードコーティングのうちの少なくとも1つは、第1のハードコーティングと実質的に同じである。少なくとも1つの第3のハードコーティングのうちの少なくとも1つは、第2のハードコーティングと実質的に同じである。第2のハードコーティングは、第1のハードコーティングの少なくとも2倍の厚さである。第1のハードコーティングの厚さは、約800オングストローム未満の厚さの範囲であり、第2のハードコーティングの厚さは約800オングストローム超である。第2の厚さの第1の厚さに対する比は、約1.5~約4.5である。第1の刃は、第2の刃の厚さの少なくとも約2.75分の1である厚さの1つ以上のコーティングを有する。
別の実施形態では、かみそりカートリッジであって、カートリッジ内に、かみそりカートリッジの前部領域から後部領域まで配置された複数のかみそり刃を備え、刃のそれぞれはコーティングを備え、コーティングの厚さが前部領域から後部領域に向かって増加する、かみそりカートリッジ、が提供される。
更に別の実施形態では、かみそりカートリッジには、コーティングされたかみそり刃が設けられ、当該コーティングされたかみそり刃のうちの1つは、当該カートリッジのガード領域のより近くに配置され、かつ当該カートリッジ内の当該コーティングされたかみそり刃の全コーティング厚さのうちで最も薄いコーティング厚さを有する。
かみそりが複数の刃を有する場合、1つ以上の刃は、厚さが低減されたコーティングを備えて設計され得る一方で、他の刃は、より厚いコーティング(複数可)を有するように設計され得る。異なるコーティング厚さを有する異なる刃のこの組み合わせは、密着性を維持しながらも改善された快適性を有する剃毛を提供する。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の明細書に記述する。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
本明細書は、本発明としてみなされる主題を詳細に示しかつ明確に特許請求する特許請求の範囲をもって完結するが、本発明は、以下の説明文を添付の図面と併せて読むことで更に深い理解がなされるものと考えられる。
1つ以上の刃が、かみそり内に配置された少なくとも1つの他の刃よりも相対的に厚いコーティングを有する、複数の刃を有するかみそりカートリッジを示す。 1つ以上の刃が、かみそり内に配置された少なくとも1つの他の刃よりも相対的に厚いコーティングを有する、複数の刃を有するかみそりカートリッジを示す。 1つ以上の刃が、かみそり内に配置された少なくとも1つの他の刃よりも相対的に厚いコーティングを有する、複数の刃を有するかみそりカートリッジを示す。 1つ以上の刃が、かみそり内に配置された少なくとも1つの他の刃よりも相対的に厚いコーティングを有する、複数の刃を有するかみそりカートリッジを示す。 第1、第2、及び第3の刃を有する、図4の実施形態に示される実際のかみそりカートリッジの断面図である。 本発明のかみそりカートリッジ(例えば、図1~図4)の第1及び第2の刃を示す概略断面図である。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 本発明のかみそりカートリッジ内のかみそり刃のかみそり刃コーティングの相対的な厚さの配置を示す概略断面図を示す。 コーティングされた基材を有する完成した第1の刃を示す概略断面図である。 コーティングされた基材を有する完成した第2の刃を示す概略断面図である。 コーティングされた基材を有する完成した第2の刃の代替実施形態を示す概略断面図である。 本発明の代替えの完成した第1又は第2の刃を示す概略断面図である。 全体的なハードコーティングを有する厚さを示す第1の刃を示す概略断面図である。 全体的なハードコーティングを有する厚さを示す第2の刃を示す線図である。 カートリッジ及び刃から皮膚に加わる応力を示す、従来技術のカートリッジ及び皮膚プロファイルの断面図である。 カートリッジ及び刃から皮膚に加わる応力を示す、従来技術のカートリッジ及び皮膚プロファイルの断面図である。 刃負荷を示すグラフである。 刃負荷を示すグラフである。 本発明の第1及び第2の刃からの基材内の応力を示す等高線図である。 本発明の個々の刃負荷の関数としての皮膚応力を示すグラフである。 第1及び第2の刃を表す着色された刃を示す、本発明のかみそりカートリッジである。
従来技術では、密着した剃毛及び良好な快適性の両方を提供することが意図された、コーティングされた鋭利な縁部を備えた刃を使用する場合であっても、全体的な剃毛体験が一部のユーザーにとって依然として不快である場合がある。従来技術は、市販のかみそりカートリッジを含み、これらのかみそりカートリッジは全て、かみそりカートリッジの各位置にかみそり刃を有しており、従来技術のかみそりカートリッジ内の各刃の刃コーティングのそれぞれは同じである。驚くべきことに、このような構成を有することにより、剃毛ストローク中に、例えば、快適な剃り心地に不利益がもたらされることが認識された。各刃はかみそりカートリッジ内の異なる位置にあるが、各位置は皮膚及び毛と異なるように係合することが判明した。
例えば、カートリッジの前部に近い位置、又はガード領域に近い若しくは最も近い位置では、毛髪の切断の大半は刃(複数可)(例えば、一次刃又は一次刃先)によって達成され、また、長い毛髪のほとんどはこの刃(複数可)によって切断されるため、この刃(複数可)は相当な量の切断動作を達成する必要がある。それに応じて、カートリッジの前部近くの刃(複数可)は、最小限の皮膚管理特性を含む。
カートリッジの後部に向かう又はキャップ領域に近い若しくは最も近い刃(複数可)は、残りの毛髪に係合して切断する(例えば、一掃する)ために必要であり、実質的な皮膚管理特性を含み、このため、皮膚に係合する傾向はカートリッジの前部の刃先よりも少ないが、皮膚を傷つける、切断する、又は擦過することなく皮膚上で滑ることを促進する。これにより、剃毛後の刺激の可能性が低減し、かつ剃毛中及び剃毛後の快適性が改善する。これらの刃先はまた、より高い強度及び耐久性を有し得る。
本明細書では「第3の刃」又は「複数の第3の刃」と呼ばれる中央の刃(複数可)は、カートリッジの前部の刃と同様に機能することと、カートリッジの後部の刃と同様に機能することとの間で異なっていてもよい。5つの刃を有するかみそりカートリッジでは、一般に、各刃につき1つの5つのスロット又は5つの位置が存在する。第1の刃は、概して、ガードに最も近い第1のスロット内に配置され、第2の刃は、概して、キャップに最も近い第5のスロット内に配置され、3つの第3の刃は、概して、第1のスロットと第5のスロットとの間の第2、第3、及び第4のスロット内に配置される。
剃毛ストローク中、毛髪及び皮膚は、典型的には、カートリッジの前部からカートリッジの後部へと移動する。圧力は、単位面積当たりの皮膚に垂直な力である。皮膚及び毛髪に加えられる各刃先のこの圧力(単位面積当たりの力)は、第1の位置(カートリッジ又はガード領域の前部)の刃先と、最後の位置(カートリッジ又はキャップ領域の後部)の刃先とで異なり得る。例えば、一般に、第1の刃にかかる圧力は低く、かみそりカートリッジ内の最後の刃にかかる圧力は高い。刃から皮膚に加わる圧力が第1の刃から最後の刃に向かってこうして増加することで、鋭利な刃を有するかみそりカートリッジを用いた各剃毛ストロークは、剃毛中に不快感をもたらし得る。
意外なことに、かみそりカートリッジ内のかみそり刃上の1つ以上のコーティングが異なる場合、剃毛の快適性が最適化され得ることが判明している。本発明のコーティングの違いは、2つのかみそり刃の間だけの違いなのか、又はかみそりカートリッジ内の全ての刃にわたる違いなのかに関わらず、全体的なコーティング厚さ(例えば、全てのハードコーティング厚さを総合したもの)の違い、個々のコーティング層の異なる厚さ、及び/又は利用する材料の種類の違いを含み得る。
具体的には、たとえ1つのコーティングのみのコーティング厚さであっても、刃先のコーティング厚さを、かみそりカートリッジ内の位置に基づく意図的な方法で増加又は減少させることによって、擦過感、切り傷、切断、及び刺激をもたらす皮膚係合の可能性を大幅に改善しながら、皮膚管理が大幅に改善されることが判明している。ほとんどかみそり刃は、その上に配置されたハードコーティング及びソフトコーティングの両方を有している。特定の位置における2つの刃の間でハードコーティング厚さを変化させるだけでも、この結果が実現される。最も好ましくは、本発明では、配置された刃先のコーティングの1つ以上の厚さを、カートリッジの後部(例えば、キャップ領域)に向かって増加させることによって、及び/又は配置された刃先のコーティングの1つ以上の厚さを、カートリッジの前部(例えば、ガード領域)に向かって低減させることによって、快適な剃り心地を改善し、剃毛の密着性を損なわない。
ガードと、キャップと、ガードとキャップとの間に位置する平行な鋭利な縁部を有する少なくとも2つの刃とを備える本発明のかみそりカートリッジでは、「第1の刃」は、最も近い刃先を定義し、「第2の刃」は、キャップに最も近い刃先を定義する。本発明はまた、第1の刃が、ガードに最も近いものではないが、第2の刃よりもガードに近接している又は近い刃先を定義すること、及び、第2の刃が第1の刃よりもキャップに近接している又は近いことも企図することに留意されたい。
本発明と密接に関連して、第1の刃は1つ以上のコーティングを含み、第2の刃は1つ以上のコーティングを含み、第1の刃の1つ以上のコーティングは、第2の刃の1つ以上のコーティングの厚さよりも薄い厚さを有する。
本発明はまた、複数のコーティングを有するカミソリ刃において、1つのコーティングのみの厚さが変化し得るか、又は2つ以上のコーティングが、第1の刃と第2の刃との間で厚さが変化し得ることも想到する。複数のコーティングのうちの任意の1つ以上の厚さが変化してもよいが、本発明は、ハードコーティングが同じタイプであるか否かに関わらず、第1の刃のハードコーティングが、第2の刃のハードコーティングの厚さ未満である(例えば、薄い)厚さを有するように、変化し得る1つのコーティングが、第1の刃及び第2の刃の両方のハードコーティングの1つ以上の層であり得ることも想到する。
本明細書で使用する「応力」とは、外力によって誘発される傾向がある分離、圧縮、又は摺動に抵抗する、固体材料における単位面積当たりの力である。本発明で企図される固体材料は、皮膚又は皮膚表面などの基材である。
本明細書で使用する「圧力」は、全ての方向に均一に加えられる応力の種類として定義され、その測定値もまた単位面積当たりの力である。
本明細書で使用する「刃負荷」という用語は、個々の刃が皮膚などの基材に印加する力を意味する。刃先端部が皮膚上に接触することから生じる、皮膚に加わる応力は、多くの場合「先端応力」と呼ばれる。
本明細書で使用する「ハード」コーティングとは、潤滑性でないコーティングを意味する。本発明で企図されるハードコーティングは、炭素を含んでも含まなくてもよい微細な、結晶質、微結晶、又はナノ結晶材料、炭素含有材料、例えば、ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、ナノ結晶カーボン、又はダイヤモンドライクカーボンつまりDLCなど、窒化物(例えば、窒化ホウ素、窒化ニオブ、窒化クロム、窒化ジルコニウム、又は窒化チタン)、炭化物(例えば、炭化ケイ素)、クロム含有材料、ホウ素含有材料、チタン含有材料、酸化物(例えば、アルミナ、ジルコニア)、金属若しくは金属合金(例えば、クロム、クロム白金、チタン)、又は他のセラミック材料(ナノ層若しくはナノ複合材を含む)、これらの混合物、あるいは複数の「ハード」コーティングの積層、のうちの1つ以上から構成され得る。これら材料のいずれかには、タングステン、チタン、銀、又はクロムなどの他の元素を、例えばスパッタリング適用中にこれらの添加物をターゲット材の中に含めることにより、添加することができる。これらの材料はまた、水素、例えば水素化DLCを組み込むことができる。したがって、本発明のハードコーティングは、炭素含有材料、クロム含有材料、ホウ素含有材料、チタン含有材料、又はこれらの混合物、Ti、Al、Zn、Crの窒化物、又はこれらの混合物、例えば、限定するものではないが、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN、TiCN、及びCrNなどから構成され得る。
本明細書で使用する「層」とは、層の組成、形態、又は構造、層間の境界の存在、製品を作製するために使用されるプロセスが1つ以上の層をもたらすことが予想されるかどうか、及び1つ以上の層をもたらすために組成又は形態に十分な変化があるかどうかを含むが、これらに限定されない、様々な要因によって満たされる、刃先上の少なくとも1つの材料を意味する。例えば、密度、応力状態、又は結晶構造の変化は、実質的に異なる層をもたらす。したがって、刃先上には1種類の材料又は組成物のみが配置されてもよいが、材料の形態に変化がある場合、区別可能な層が存在し得る。材料の形態の変化は材料を層に区分し、各層は異なる形態を有する。例えば、同じ材料で作製されているにもかかわらず、1つの層は別の層よりも高密度であっても、結晶性が高くても、又はより円柱状であってもよい。
「コーティング」は、多くの場合、「層」と互換的に使用される。本明細書で使用するとき、「コーティング」は、刃先上の1つ以上の材料層を意味し得る。したがって、本発明の「コーティング」は、ハードコーティングタイプの層などの単一層、又は同様に、複数のコーティングとしての複数の層によって定義されてもよい。ほとんどのかみそりは、刃先上に配置された少なくとも1つのハードコーティングと、少なくとも1つの軟質コーティングとを有する。本発明はまた、「コーティング」という用語が、刃先上に配置されたハードコーティング材料の全ての層を含む「全体的な」すなわち合計のコーティングを意味することも企図する。したがって、完成した刃先はソフトコーティングを含んでもよいが、本発明の目的のために、「全体的な」コーティングは、概してハードコーティング層のみを含み、ソフトコーティング層を含まないことを意味する。
本明細書で使用する用語としてのコーティングの「厚さ」は、概して、特定の材料又は複数の材料の幅寸法を意味する。刃先コーティングの場合、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を使用して、厚さを可視化し、刃先又は縁部領域(例えば、最終的な先端部から、当該先端から約40マイクロメートル以上戻る範囲)の上に妥当な厚さを得る。最終的な先端部からある距離における厚さの値は、概して、先端部から当該距離におけるハードコーティングの外側表面に対する接線上の点から、基材とのコーティング界面に対する接線上の点までの直交直線に沿った直交距離によって決定される。実質的に、外側コーティング接線と、コーティング-基材界面接線との間のコーティングにわたる垂直距離は、距離での厚さ値を表す。図23及び図24は、最終的な先端部からの様々な距離における本発明のハードコーティングの厚さを示す。
ステンレス鋼は、かみそり刃の一般的な基材であるため、本発明のかみそり刃の所望の基材であるが、別の金属若しくは複数の金属、セラミック、複合材料、プラスチック、ガラス、又はこれらの任意の組み合わせからなる刃基材もまた、本発明において企図される。適切な鋭利な縁部の製造を容易にし得る1つの基材材料は、より微細に分布した炭化物を有するマルテンサイトステンレス鋼である。この種の鋼は、同様の全炭素重量パーセントを有し得る。微細炭化物基材は、より硬くかつより脆い硬化後の基材をもたらし、より薄く強度のより高い縁部の作製を可能にする。このような基材材料の例は、走査型電子顕微鏡法、SEM4000X以上によって決定するとき、100平方マイクロメートル当たり90、100、200、300、400~100平方マイクロメートル当たり600、800、1000の炭化物以上の炭化物密度を有する、より微細な平均炭化物サイズを有するマルテンサイトステンレス鋼である。
本明細書で使用する「約」という用語は、概して、およそ又は周囲を意味する。ある数字の範囲が与えられるとき、例えば、「約4~約40」が本明細書に開示される場合、本発明は、各数字の+/-10パーセントを企図する。したがって、明確にするために、参照が「約4~約40」であると記載されている場合、3.6~4.4の範囲が4の+/-10パーセントを表し、36~44の範囲が40+/-10パーセントを表すので、「3.6~44」の範囲を意味する。
図1を参照すると、かみそりカートリッジ8は、ガード10と、キャップ12と、2つの刃14及び16とを備える。第1の刃14は、第2の刃16のコーティングの厚さよりも薄いコーティングを有し、図示のように、第1の刃14はガード10と第2の刃16との間に位置付けられる。したがって、かみそりカートリッジ8が使用されるとき、第1の刃14は、第2の刃16の前に毛髪に接触することになる。
本明細書及び図面の両方において本明細書で使用するとき、用語「第1の刃」は、相対的により薄いコーティング(複数可)又はより薄いハードコーティング(複数可)を有する刃を指し、このことにより、皮膚がマイナスの影響を受けないように、第2の刃と称される刃よりも低い圧力が第1の刃に加わることが求められる。第1の刃は、良好な毛髪係合及び効率を有するが、安全性及び快適性を犠牲にしない。同様に、用語「第2の刃」は、相対的により厚いコーティング(複数可)又はより厚いハードコーティング(複数可)を有する刃を指し、このことにより、皮膚にマイナスの影響を与えることなく、第1の刃と称される刃よりも高い圧力(すなわち、面積で除した力)が第2の刃に加わることが可能となる。
図2~図4を参照すると、他のかみそりカートリッジは、ガード10と、キャップ12と、複数の刃14、15、16(それぞれ3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の刃)を備えることができる。それぞれ場合において、第2の刃16よりも薄いコーティング(複数可)を有する第1の刃14は、ガード10とキャップ12との間に位置付けられる。上述したように、第2の刃は、第1の刃よりも概ねキャップ12に最も近い又はより近い刃である。
図2に示されるように、かみそりカートリッジ8は、3つの刃を有する。第1の刃14は、より薄いコーティング(複数可)を有し、ガード10の最も近くに又はガード10に隣接して配置される(すなわち、主要位置にある)刃である。より厚いコーティング(複数可)を有する第2の刃16は、ガード10から3番目の位置に、すなわち、キャップ12に最も近い位置又は隣接する位置に配置される。第3の刃15は、第1の刃14と第2の刃16との間に配置される。第3の刃15は、第1の刃14と同一であってもよく、第2の刃16と同一であってもよく、又は第1の刃14及び第2の刃16とは異なる構成を有してもよい。好ましくは、第3の刃15は第1の刃14と同一である。
図3に示されるように、かみそりカートリッジ8は、4つの刃を備えることができる。第1の刃14は、より薄いコーティング(複数可)を有し、ガード10の最も近くに配置される(すなわち、主要位置にある)刃である。より厚いコーティング(複数可)を有する第2の刃16は、ガード10から4番目の位置に、すなわち、キャップ12に最も近い位置に配置される。2つの第3の刃15は、第1の刃14と第2の刃16との間に配置される。第3の刃15は、第1の刃14と同一であってもよく、第2の刃16と同一であってもよく、又は第1の刃14及び第2の刃16とは異なる構成を有してもよい。好ましくは、第3の刃15はそれぞれ、第1の刃14と同一であるが、第1の刃が第2の刃よりも薄いコーティング厚を有する限り、任意の構成が想到される。
図4に示されるように、かみそりカートリッジ8は5つの刃を有する。第1の刃14は、より薄いコーティング(複数可)を有し、ガード10の最も近くに配置される(すなわち、主要位置にある)刃である。より厚いコーティング(複数可)を有する第2の刃16は、ガード10から5番目の位置に、すなわち、キャップ12に最も近い位置に配置される。3つの第3の刃15(15’、15’’、及び15’’’)は、第1の刃14と第2の刃16との間に配置される。第3の刃15’、15’’、及び15’’’は、第1の刃14と同一であってもよく、第2の刃16と同一であってもよく、第1の刃14及び第2の刃16とは異なるコーティング厚さを有してもよく、又は互いの間で数の任意の異なるコーティング厚さを有してもよい。更に、各刃は、図19に示されるように、かみそりカートリッジ内の他の刃のコーティング厚さと比べて異なるコーティング厚さを有してもよい。
図5は、カートリッジの実質的な中点で取られた、図4に示される実施形態の実際のかみそりカートリッジ8の断面画像50を示す。見て分かるように、第1の刃14は、カートリッジ50aの前部に面するガード構造体10の近位の第1の位置又は刃スロット1内に配置され、第2の刃16は、カートリッジ50bの後部に面するキャップ構造体12の近位の位置又は刃スロット5内に配置され、第3の刃15は、スロットの中間部分内、すなわち、刃スロット又は位置2、3、及び4内にある。
本発明の代表的な刃の断面の例示的な図を図6に示す。本発明の第1の刃14は、基材54及びその上に堆積された第1のハードコーティング51を示す図6に示されている。ハードコーティング51は、全体的な厚さ53を有する。コーティング厚さ51は、コーティングされた刃先端部57から約4~約40マイクロメートルの位置で決定される。コーティング51は、同じ又は異なる材料、構造、又は形態の1つ以上の層から構成されてもよい。例えば、以下に詳細に記載される図20は、ハードコーティング及びソフトコーティングの両方を有する完成した第1の刃先を図示しており、第1の刃先は、全体的なコーティング51a(例えば、ソフトコーティング材料を含む)を備え、かつ、ハードコーティング51の厚さ53を形成するように積層されたいくつかの種類の材料を含むハードコーティング51を備えている。これらの個々の層はそれぞれ、様々な厚さであってもよい。
基材56と、その上に堆積されたハードコーティング52とを有する本発明の代表的な第2の刃16もまた図6に示されている。ハードコーティング52は、同じ又は異なる材料、構造、又は形態の1つ以上の層から構成されてもよい。コーティング52は、第2の刃16の先端部58から約4マイクロメートル~約40マイクロメートルの位置で決定された全体的な厚さ55を有する。第1の刃のコーティング厚さ53は、第2の刃のコーティング厚さ55よりも薄い。図示のように、コーティング52は、コーティング51よりも厚い。第1の刃コーティング51と同様に、コーティング52は、同じ又は異なる材料、構造、又は形態の1つ以上の層から構成されてもよい。例えば、以下に詳細に記載される図21は、ハードコーティング及びソフトコーティングの両方を有する完成した第2の刃先を図示しており、第2の刃先は、全体的なコーティング52a(例えば、ソフトコーティング材料を含む)を備え、かつ、ハードコーティング52の全体的な厚さ55を形成するように積層されたいくつかの種類の材料を含むハードコーティング52を備えている。これらの個々の層はそれぞれ、様々な厚さであってもよい。第1及び第2の刃コーティングの様々な種類の層については、以下の図20、図21、図21a、及び図22と併せて更に説明する。
図7~図19の実施形態において、コーティング厚さに対する全ての言及は、ハードコーティング厚さに関する。本発明の一実施形態では、図4の第3の刃15(15’、15’’、及び15’’’)はそれぞれ、第1の刃14と同一である。具体的には、第3の刃15のコーティングの厚さは、第1の刃14のコーティング厚さとそれぞれ同一である。図7は、各刃14、16上のコーティング51、52、及び基材54、56をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視したそのような図を示す。見て分かるように、第1の刃14及び3つの第3の刃15(明確にするために1番目の第3の刃15’、2番目の第3の刃15’’、及び3番目の第3の刃15’’’として示される)は、同一の厚さ53のコーティングを有し、これらは全て、第2の刃16のコーティング52のコーティング厚さ55よりも薄い。
図8は、各刃14、16上のコーティング51、52、及び基材54、56をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図を示す。見て分かるように、第2の刃16及び3つの第3の刃15’、15’’、及び15’’’は、同一の厚さ55のコーティングを有し、これらは全て、第1の刃14のコーティング厚さ53よりも厚い。
図9は、各刃14、16上のコーティング51、52、及び基材54、56をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図を示す。見て分かるように、第1の刃14、及び隣接する刃である3つの第3の刃15のうちの第1の15’は、同一の厚さ53のコーティングを有し、これらは両方とも、第2の刃16及び残りの2つの第3の刃15’’及び15’’’のコーティング厚さ55よりも薄い。
図10は、各刃14、16上のコーティング51、52、及び基材54、56をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図を示す。見て分かるように、第1の刃14及び3つの第3の刃のうちの2つ(15’及び15’’)は、同一の厚さ53のコーティングを有し、これらは全て、第2の刃16及び残りの1つの第3の刃15のコーティング厚さ55よりも薄い。
上述したように、本発明は、第1の刃が必ずしもガードに対して最も近位又は最も近い刃である必要はなく、第2の刃の位置と比較したときにガードにより近接している又はより近い刃先として定義され得ることを企図している。同様に、本発明は、第2の刃が必ずしもキャップに対して最も近位又は最も近い刃である必要はなく、第1の刃の位置と比較したときにキャップにより近接している又はより近い刃先として定義され得ることを企図している。
したがって、本発明は、各刃14、16上のコーティング51、52、及び基材54、56をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図を示す図11に示されるように、より厚いコーティングを有する第2の刃16が、かみそりカートリッジの第3の刃の位置に配置されることを企図している。ここでは、第3の刃15’’’及び第2の刃16は、前と同様に番号付けされているが、第3の刃15’’’のより厚いコーティングは、本発明の目的のために、第3の刃15’’’を機能的にカートリッジの「第2の刃」の状態にする。第3の刃15’’’及び第2の刃は、効果的に交換された位置を有すると考えることができる。第3の刃15’’’(又は第3の刃15’’’の位置にある事実上の「第2の刃」)は、それでもなお第1の刃14よりもキャップにより近接している又はより近い。図11では、第1の刃14、及び第1の刃14に隣接する3つの第3の刃のうちの2つ(15’及び15’’)は、図示のようにキャップ12に対して最も近位又は最も近い、第2の刃16又は交換物であると仮定される事実上の第3の刃15’’’と共に、同一の厚さ53のコーティングを有し、これらの全ての寸法は、第3の刃15’’’のコーティング厚さ55よりも薄い。事実上、この構成の「第2の刃」は、かみそりカートリッジの位置4にある。この実施形態では、第3の刃15’’’のコーティング厚さよりも薄いコーティング厚さを有する3つの刃(すなわち、第1の刃14、及び隣接する第3の刃15’及び15’’、並びに第2の刃16)が存在する。あるいは、1番目の第3の刃15’及び2番目の第3の刃15’’がそれぞれ、図11の3番目の第3の刃15’’’と同じ厚さを有している図12に示されるように、また、1番目の第3の刃15のみが図11の3番目の第3の刃15’’’と実質的に同じ厚さを有している図13に示されるように、また、2番目の第3の刃15’’のみが図11の3番目の第3の刃15’’’と実質的に同じ厚さを有している図14に示されるように、1番目の第3の刃及び3番目の第3の刃の一方又は両方が、3番目の第3の刃15’’’と同じ厚さを有してもよい。これらの実施形態では、キャップに最も近い第2の刃16は、第1の刃14とほぼ同一の厚さを有する。このような構成では、第3の刃のうちの1つ以上は、キャップ構造体に近い刃であり、第1の刃よりも厚いコーティングを有するという点で、かみそりカートリッジの「第2の刃」として効果的に作用する。
図15に示される別の実施形態では、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図が示されており、各刃14、16上のコーティング51、52及び基材54、56がそれぞれ示され、第1の刃14はガード10に最も近い主要位置にあり、1番目の第3の刃15’は、第1の刃14に隣接する次の位置にある。1番目の第3の刃15’のコーティングの厚さは、ガード10に最も近い位置に配置された第2の刃16の厚さと実質的に同一である。第1の刃14は、1番目の第3の刃15’及び第2の刃16の両方のコーティング厚さ55よりも薄いコーティング厚さ53を有する。図示される他の第3の刃15である第3の刃15’’及び15’’’は、第1の刃14のコーティング厚さと同一であるコーティング厚さを有する。
更になお、図16の代替実施形態に示されるように、1番目の第3の刃15’及び3番目の第3の刃15’’’がそれぞれ、第2の刃16のコーティング厚さと実質的に同一であるコーティング厚さを有してもよく、図17の代替実施形態に示されるように、2番目の第3の刃15’’が第2の刃16のコーティングと実質的に同一であるコーティングを有し、1番目の刃15’及び3番目の刃15’’’が第1の刃14のコーティングと実質的に同一であるコーティングを有してもよく、また、図18の代替実施形態に示されるように、1番目の第3の刃15’及び2番目の第3の刃15’’がそれぞれ、第2の刃16のコーティング厚さと実質的に同一であるコーティング厚さを有してもよい。
図19は、各刃上のコーティング及び基材20をそれぞれ示す、かみそりカートリッジ8内の刃先の一部を断面視した図を示す。見て分かるように、コーティング厚さは、第1の刃14から第3の刃のそれぞれまで、及び第3の刃から第2の刃16まで、かみそりカートリッジにわたって漸増的に増加する。かみそり刃上のコーティング厚さはどれも同一ではない。図示のように、第1の刃14に隣接する1番目の第3の刃15’の第1のコーティング23は、第1の刃14のコーティング21のコーティング厚さ22と同一ではなく、むしろ第1の刃14のコーティング21よりも厚いコーティング厚さ24を有する。2番目の第3の刃15’’’は、厚さ26を有するコーティング25を有し、この厚さ26は、第1の刃14のコーティング21の厚さ、又は第3の刃15’の一番目のコーティング23と同一ではなく、むしろ第1の刃のコーティング21及び第3の刃15’の一番目のコーティング23の両方よりも厚い。3番目の第3の刃15’’’は、厚さ28を有するコーティング27を有し、この厚さ28は、第1の刃14又は最初の2つの第3の刃15’又は15’’のコーティング(例えば、それぞれコーティング21、23、及び25)のいずれとも同一ではなく、むしろ第1の刃又は最初の2つの第3の刃の厚さよりも厚い。最後に、第2の刃16は、厚さ30を有するコーティング29を有する。厚さ30は、かみそりカートリッジ(図示せず)内に配置された全ての刃14、15’、15’’、15’’’のうちで最も厚いコーティングである。
言及したように、第3の刃のうちの1つ以上は、本発明の「第2の刃」として機能することができる。かみそりカートリッジが例示的な厚さで上述され、図示されているが、かみそりカートリッジ全体にわたるかみそり刃先上の様々なコーティング厚さの全ての並べ換えは、本発明の範囲内であり、本発明において企図される。また、2つ、3つ、4つ、及び5つの刃を有するかみそりカートリッジが示されているが、6つ以上の刃を有するかみそりカートリッジもまた望ましい場合がある。
好ましくは、本発明の刃は、それらが漸進的形状を有するようにかみそりカートリッジ内に配置される。漸進的形状を有するように配置された刃を有するかみそりカートリッジの例は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,212,777号に記載されている。
場合によっては、第1の刃は、第2の刃のコーティング厚さよりも少なくとも5%小さいコーティング厚さを有する。好ましくは、第1の刃は、第2の刃のコーティング厚さよりも少なくとも約10%小さく、第2の刃のコーティング厚さよりも最大で約50%小さいコーティング厚さを有する。
広くは、第1の刃のハードコーティング厚さは、約300オングストローム~1800オングストローム、好ましくは約500~約1000オングストローム、より好ましくは約600~約925オングストロームである。これらの範囲は、第1の刃の全体的なハードコーティングを構成する全てのハードコーティング材料を含む、全てのハードコーティング材料を組み込む。
第1の刃のハードコーティング厚さは、第2の刃のハードコーティング厚さよりも小さい。好ましくは、第1の刃は、第2の刃のコーティング厚さの少なくとも約2分の1であるハードコーティング厚さを有する。
全体的なハードコーティングの一部とはみなされないが、完成した第1の刃又は第2の刃に適用されるソフトコーティングは、概して、ハードコーティング全体に約200オングストローム~約5000オングストローム加え得ることに留意されたい。
広くは、第2の刃のハードコーティング厚さは、約500オングストローム~約3500オングストローム、好ましくは約1500オングストローム~約2700オングストロームである。第2の刃のハードコーティングは、第1の刃のハードコーティングよりも厚い。これらの範囲は、第1の刃の全体的なハードコーティングを構成する全てのハードコーティング材料を含む、全てのハードコーティング材料を組み込む。したがって、2種類以上の材料がハードコーティング層を構成する場合には、各ハードコーティング層の厚さの合計が、ハードコーティング全体の厚さとして利用される。
本発明において、第1の刃は、第2の刃コーティングのコーティング厚さよりも少なくとも約500オングストローム少ないコーティング厚さを有する。一実施形態では、第1のハードコーティングの厚さは約800オングストローム未満の厚さを有し、第2のハードコーティングの厚さは約800オングストロームを超える。本発明において、第2のコーティングの厚さの第1のコーティングに対する比は、約1.5~約4.5であり、より好ましくは、比は約2.7である。好ましくは、本発明において、第2のハードコーティングの厚さの第1のハードコーティングに対する比は、約1.5~約4.5倍、好ましくは少なくとも約2、最も好ましくは約2.7である。
より厚いコーティング(複数可)を有する刃を提供することは、刃先上の全体的なコーティングを構成する層のうちの1つ以上をより厚くすることによって達成することができる。例えば、図20を参照すると、基材54と、中間層134、ハードコーティング層136、オーバーコート層138、及び外層130などの複数のコーティング層とを有する全体的なコーティング51を備える、完成した第1の刃14が示されている。基材54は、典型的にはステンレス鋼で作製されるが、他の材料を用いることができる。基材、中間層、ハードコーティング層、オーバーコート層及び外層を有するかみそり刃の例は、米国特許第6,684,513号に記載されている。
中間層134は、ハードコーティング層136の基材50への結合を容易にするために使用される。好適な中間層材料の例は、ニオブ、チタン、及びクロム含有材料である。特定の中間層は、約100オングストローム超、好ましくは約500オングストローム未満の厚さのニオブで作製される。中間層は、約150オングストローム~約350オングストローム、より好ましくは約160~240オングストロームの厚さを有し得る。国際出願PCT92/03330は、ニオブ中間層の使用について記載している。
ハードコーティング層136は、改善された強度、耐腐食性、及び剃毛能力を提供し、上記の材料のいずれかから作製することができる。好ましくは、ハードコーティング層136は、ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、又はDLCで作製される。刃14のハードコーティング136は、厚さ137を有する。第1の刃14の特定の実施形態は、約100オングストローム~約1,000オングストローム、好ましくは約200オングストローム~約750オングストローム、より好ましくは約300オングストローム~約600オングストローム、最も好ましくは約450オングストローム~約550オングストロームの厚さ137を有するDLCからなるハードコーティングを含む。DLC層及び堆積方法は、米国特許第5,232,568号に記載されている。「Handbook of Physical Vapor Deposition(PVD)Processing」に記載されているように、「DLCは、ダイヤモンドの望ましい特性の多くを示すが、ダイヤモンドの結晶構造を有さない非晶質炭素材料である」。
オーバーコート層138は、ハードコーティングされた縁部の先端が丸くなるのを低減するために、及び、外側層のハードコーティングへの結合を容易にする一方で、両方の利益を依然として維持するために使用される。オーバーコート層138は、好ましくはクロム含有材料、例えば、クロム若しくはクロム合金、又はポリテトラフルオロエチレンと適合するクロム化合物、例えば、クロム白金から作製される。特定のオーバーコート層は、約100~約200オングストロームの厚さのクロムである。オーバーコート層は、約50オングストローム~約500オングストローム、好ましくは約100オングストローム~約300オングストローム、最も好ましくは約180オングストローム~約250オングストロームの厚さを有し得る。第1の刃14は、繰り返し剃毛したときに、このようなオーバーコート層を有さない場合に有することになるであろう丸みより、丸くなる程度が少ない刃先を有する。
ハードコーティング136は、全体的なハードコーティング厚さ53にその厚さが含められるハードコーティングである。ニオブからなる中間層134はハードコーティング層と見なされ、したがって、その厚さはハードコーティング厚さ53に含められる。クロムからなるオーバーコート層138もハードコーティングであると見なされ、その厚さはハードコーティング厚さ53に含められる。
外層130は、摩擦の低減をもたらすために使用される。外層130は、ポリマー組成物又は改質ポリマー組成物などの潤滑性材料のソフトコーティングであってもよい。ポリマー組成物は、ポリフルオロカーボンであってよい。好適なポリフルオロカーボンは、テロマーと呼ばれることもあるポリテトラフルオロエチレンである。特定のポリテトラフルオロエチレン材料は、Chemours(旧Dupont)から入手可能なKrytox LW 1200である。この材料は、安定な分散体をもたらす小さな粒子からなる不燃性及び安定な乾燥潤滑剤である。これは、20固形分重量%の水性分散体として供給され、浸漬、噴霧、又はブラッシングによって適用することができ、その後、空気乾燥又は溶融コーティングすることができる。層は、好ましくは5,000オングストローム未満であり、典型的には1,500オングストローム~4,000オングストロームであり得るが、連続コーティングが維持される限り、100オングストロームという薄さであってもよい。連続コーティングが達成された場合には、テロマーコーティングの厚さの減少は、改善された最初の剃毛結果を提供することができる。参照により本明細書に援用される米国特許第5,263,256号、同第5,985,459号、及び同第10,118,304号は、適用されるテロマー層の厚さを変化させるために使用することができる技術について記載している。
第1の刃14は、概して、上記の参照特許に記載されているプロセスに従って作製される。特定の実施形態は、ニオブ中間層134、DLCハードコート層136、クロムオーバーコート層138、及びKrytox LW1200ポリテトラフルオロエチレン外側コーティング層130を含む。クロムオーバーコート層138は、最小で100オングストローム及び最大で500オングストロームに堆積される。クロムオーバーコート層138は、直流バイアス(-50ボルトよりも負側、好ましくは-200ボルトよりも負側)及び約2ミリトルのアルゴン圧力を使用してスパッタリングによって堆積される。増加した負のバイアスは、クロムオーバーコート層において圧縮応力(引張応力ではなく)を助長すると考えられ、これが、良好な剃毛性能を維持しながら、先端が丸くなることに対する改善された抵抗を促進すると考えられる。第1の刃14は、好ましくは、オーバーコート層138の適用後及び外層130の追加前にSEMによって測定して、約200~約400オングストロームの範囲の先端半径を有する。
ここで図21を参照すると、ハードコーティング52、及びハードコーティング52と外層135などのソフトコーティングとを含む全体的なコーティング52aを有する基材56を含む、完成した第2の刃16が示されている。ハードコーティング52は、ハードコーティング52の一部を構成し得る個々の層である中間層131、ハードコーティング層132a、及びオーバーコート層133を含んでもよい。基材56は、典型的にはステンレス鋼で作製されるが、他の材料を用いることができる。基材、中間層、ハードコーティング層、オーバーコート層、及び外層を有するかみそり刃の例は、米国特許第6,684,513号に記載されている。
第1の刃14と同様に、中間層131は、ハードコーティング層132の基材56への結合を容易にするために使用され得る。好適な中間層材料の例は、ニオブ、チタン、及びクロム含有材料である。特定の中間層は、約100オングストローム超、好ましくは約500オングストローム未満の厚さを有するニオブで作製される。例えば、中間層は、約150オングストローム~約350オングストローム、より好ましくは約160~240オングストロームの厚さを有し得る。国際出願PCT92/03330は、ニオブ中間層の使用について記載している。
ハードコーティング層132は、改善された強度、耐腐食性、及び剃毛能力を提供し、本明細書に記載される材料のいずれかから作製することができる。好ましくは、コーティング層132は、ダイヤモンド、非晶質ダイヤモンド、又はDLCで作製される。刃16のハードコーティング132は、厚さ139を有する。本発明において、ハードコーティング厚さ139は、望ましくは、第1の刃の厚さ137よりも約1.5~4.5倍大きく又は厚く、好ましくは厚さ137よりも少なくとも約2倍厚く、最も好ましくは第1の刃14の厚さ137よりも約2.75倍厚い。第2の刃16の特定の実施形態は、約400~約3000オングストローム、約900オングストローム~約2500オングストローム、好ましくは1000オングストローム超、より好ましくは1200オングストローム超、最も好ましくは約1700~約2500オングストロームの範囲のハードコーティング又はDLC厚さを含む。DLC層及び堆積方法は、米国特許第5,232,568号に記載されている。「Handbook of Physical Vapor Deposition(PVD)Processing」に記載されているように、「DLCは、ダイヤモンドの望ましい特性の多くを示すが、ダイヤモンドの結晶構造を有さない非晶質炭素材料である。
オーバーコート層133は、ハードコーティングされた縁部の先端が丸くなるのを低減するために、及び、外側層のハードコーティングへの結合を容易にする一方で、両方の利益を依然として維持するために使用される。オーバーコート層133は、好ましくはクロム含有材料、例えば、クロム若しくはクロム合金、又はポリテトラフルオロエチレンと適合するクロム化合物、例えば、クロム白金から作製される。特定のオーバーコート層は、約100~約200オングストロームの厚さのクロムである。オーバーコート層は、約50オングストローム~約500オングストローム、好ましくは約100オングストローム~約300オングストローム、最も好ましくは180オングストローム~約250オングストロームの厚さを有し得る。第2の刃16は、繰り返し剃毛したときに、このようなオーバーコート層を有さない場合に有することになるであろう丸みより、丸くなる程度が少ない刃先を有する。
ハードコーティング132は、その厚さが全体的なハードコーティング厚さ55に含められるハードコーティングである。ニオブからなる中間層131は、全体的なハードコーティング52の一部と見なされ、したがって、その厚さはハードコーティング厚さ55に含められる。クロムからなるオーバーコート層133もハードコーティング52の一部であると見なされ、その厚さはハードコーティング厚さ55に含められる。
外層135は、摩擦の低減をもたらすために使用される。外層135は、ポリマー組成物又は改質ポリマー組成物などの潤滑性材料のソフトコーティングであってもよい。ポリマー組成物は、ポリフルオロカーボンであってよい。好適なポリフルオロカーボンは、テロマーと呼ばれることもあるポリテトラフルオロエチレンである。特定のポリテトラフルオロエチレン材料は、Dupontから入手可能なKrytox LW 1200である。この材料は、安定な分散体をもたらす小さな粒子からなる不燃性及び安定な乾燥潤滑剤である。これは、20固形分重量%の水性分散体として供給され、浸漬、噴霧、又はブラッシングによって適用することができ、その後、空気乾燥又は溶融コーティングすることができる。層は、好ましくは5,000オングストローム未満であり、典型的には1,500オングストローム~4,000オングストロームであり得、連続コーティングが維持される限り、100オングストロームという薄さであってもよい。連続コーティングが達成された場合には、テロマーコーティングの厚さの減少は、改善された最初の剃毛結果を提供することができる。参照により本明細書に援用される米国特許第5,263,256号、同第5,985,459号、及び同第10,118,304号は、適用されるテロマー層の厚さを変化させるために使用することができる技術について記載している。
第2の刃16は、概して、上記の参照特許に記載されているプロセスに従って作製される。第2の刃16の特定の実施形態は、ニオブ中間層131、DLC又は炭素含有ハードコーティング層132、クロム含有オーバーコート層133、及びKrytox LW1200ポリテトラフルオロエチレン外側コーティング層135を含む。クロム含有オーバーコート層133は、最小で100オングストローム及び最大で500オングストロームに堆積される。オーバーコート層133は、直流バイアス(-50ボルトよりも負側、好ましくは-200ボルトよりも負側)及び約2ミリトルのアルゴン圧力を使用してスパッタリングによって堆積される。増加した負のバイアスは、クロムオーバーコート層において圧縮応力(引張応力ではなく)を助長すると考えられ、これが、良好な剃毛性能を維持しながら、先端が丸くなることに対する改善された抵抗を促進すると考えられる。第2の刃16は、好ましくは、オーバーコート層133の適用後及び外層135の追加前にSEMによって測定して、約200~約400オングストロームの先端半径を有する。
ここで図21aを参照すると、ハードコーティング52、及びハードコーティング52と外層135などのソフトコーティングとを含む全体的なコーティング52aを有する基材56を含む、完成した第2の刃16が示されている。ハードコーティング52は、個々の層である中間層131、ハードコーティング層132a、及びオーバーコート層133を含んでもよい。図21aでは、図20と比較すると、1つの層のみが異なる厚さを有する。図21aの第2の刃16のハードコーティング層132aは、図20のハードコーティング136よりも厚い、又は厚さ137は厚さ139a未満である。ハードコーティング層132aは、ハードコーティング52の一部であり、その厚さは全体的なハードコーティング厚さ55に含められる。しかしながら、ニオブからなる中間層131はハードコーティング52の一部と見なされ、したがって、その厚さはハードコーティング厚さ55に含められ、クロムからなるオーバーコート層133もハードコーティング52の一部であると見なされ、その厚さはハードコーティング厚さ55に含められる。
本発明は、任意の他の実現可能なコーティングを有する刃を企図する。例えば、図22に示すように、本発明のかみそりカートリッジ内の第1又は第2の刃60の代替実施形態は、基材64を有し、全体的なコーティング61aは、クロムのみの材料、又は白金クロム材料、窒化クロム、炭化クロム、若しくは任意の他のクロム含有材料などのクロム含有材料(添加されるか、混合されるか、ないしは別の方法で含むのかを問わず)で構成される第1の層62と、ポリテトラフルオロエチレンなどの潤滑性外側コーティング層63とを含む。コーティング61aはまた、任意の他の実現可能な材料で構成されてもよい。第1の層62は、刃60における唯一のハードコーティングであり、したがって、第1の層62のコーティング厚さ65は、全体的なハードコーティング厚さを占める。
また、本発明は、図20の第1の刃14の基材54と、図21の第2の刃16の基材56とが異なり得ることも想到される。例えば、基材56は、基材54よりも小さい形状、より鋭利な輪郭を有してもよく、又は基材54とは異なる材料を含んでもよく、又はその逆であってもよい。同様に、図22の基材64は、基材54又は56のいずれかとは異なる形状又は外形又は材料を有してもよい。
第1の刃14のコーティングされた縁部領域141の線図が図23に示されている。第1の刃14は、本明細書に記載されるようにコーティング51がその上に配置されたステンレス鋼本体部分、つまり基材54を含む。コーティングされた楔形の鋭利な縁部141は、先端部146を有する。先端部146は、好ましくは、約125~約300オングストロームの半径を有し、ファセットA及びBが先端146から分岐している。コーティング51は、刃先端部146から4マイクロメートルの距離142において測定したとき、約300オングストローム~約1800オングストロームの厚さ143を有する。厚さ143は、ハードコーティング51の外側表面51aに接する線上の距離142における点T1から、基材54とのコーティング界面51bに接する線上の点T2までの線P1に沿った直交距離によって決定される。外側表面51aと垂直線P1とで90度の角度が形成される。事実上、コーティングにわたるT1とT2との間の垂直距離は、距離142における厚さ143を表す。
コーティング51は、刃先端部146から10マイクロメートルの距離144において測定したとき、約300オングストローム~約1800オングストロームの厚さ145を有する。厚さ145は、コーティング51の外側表面51c上で、距離144においてハードコーティングの外側表面に接する線上の点T3から、基材54とのコーティング界面51dに接する線上の点T4までの線P2に沿った直交距離によって決定される。外側表面51cと垂直線P2とで90度の角度が形成される。事実上、コーティングにわたるT3とT4との間の垂直距離は、距離144における厚さ145を表す。刃先端部から10マイクロメートルを超える距離では、コーティング51は実質的に同じ厚さである。コーティング51は、先端部から更に反対方向に進むにつれて(例えば、40マイクロメートル以上)より薄い厚さへと漸減してもよい。
第2の刃16のコーティングされた縁部領域151の線図が図24に示されている。第2の刃16は、本明細書に記載されるようにコーティング52がその上に配置されたステンレス鋼本体部分、つまり基材56を含む。コーティングされた楔形の鋭利な縁部151は、先端部156を有する。先端部156は、好ましくは、約125~約300オングストロームの半径を有し、ファセットA及びBが先端部156から分岐している。コーティング52は、刃先端部156から4マイクロメートルの距離152において測定したとき、約600オングストローム~約3000オングストロームの厚さ153を有する。
適切な厚さの値の比較を提供するために、第2の刃の厚さは、同じ手法を使用して、第1の刃の厚さと同じ最終的な先端部からの距離において、同じ方法で決定される。
厚さ153は、距離152における、ハードコーティング52の外側表面52a上の接線上の点T5から、基材54とのコーティング界面52bに対する接線上の点T6までの線P3に沿った直交距離によって決定される。外側表面52aと垂直線P3とで90度の角度が形成される。事実上、コーティング52にわたるT5とT6との間の垂直距離は、距離152における厚さ153を表す。
コーティング52は、刃先端部156から10マイクロメートルの距離154において測定したとき、約600オングストローム~約3000オングストロームの厚さ155を有する。厚さ155は、距離154における、コーティング52の外側表面52cに対する接線上の点T7から、基材54とのコーティング界面52dに対する接線上の点T8までの線P4に沿った直交距離によって決定される。外側表面52cと垂直線P4との間に90度の角度が形成される。事実上、コーティング52にわたるT7とT8との間の垂直距離は、距離154における厚さ155を表す。刃先端部から10マイクロメートルを超える距離では、コーティング52は実質的に同じ厚さである。コーティング52は、先端部から更に反対方向に進むにつれて(例えば、40マイクロメートル以上)より薄い厚さへと漸減してもよい。
皮膚の機械的複雑性は負荷に応答することから、シミュレーションモデリングは、剃毛ストローク中に見られる状況などの様々な動的負荷状況の間の皮膚の機械的挙動を予測することができる。このようなシミュレーション技法の1つは、有限要素解析モデルである。皮膚、毛髪、及び剃毛装置による有限要素解析技術の一例は、本明細書の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第8,306,753号に記載されている。
図25は、皮膚の有限要素解析モデル上に適用された従来技術の刃84、85、及び86を有するかみそりカートリッジ80の断面図70を示しており、カートリッジが皮膚72を圧迫して負荷を加えているものとして示されている。
ガード71及びキャップ73は、暗色領域、赤色、又は網掛け74によって示されるように皮膚への応力が最も高くなり得るかみそりカートリッジ80の2つの領域である。従来技術のカートリッジの刃はまた、領域74内の皮膚への応力も示しており、特に、キャップに面する刃、例えば、刃85’’’及び86は、最も高い応力を含むように示されている。
図26は、図25のような従来技術のカートリッジの5つの刃96、95’、95’’、95’’’、及び94の皮膚92上の圧力領域A及びBを示す3次元有限要素モデル90を示す。図25と同様に、キャップ92に最も近い位置に配置されたかみそり刃96は、暗色領域Aによって示されるように、最も高い程度の圧力領域Aを有し、続いて刃95’’’、95’’、及び95’はそれぞれ、領域Aと比較してわずかに低い程度の圧力領域Bを有し、ガード構造体95に最も近い刃94は、領域Cに示されるように実質的に圧力を有さないように見える。
本明細書に記載される従来技術のカートリッジにおける全カートリッジ負荷のパーセンテージとしての各刃の個々の刃負荷の代表的なグラフを図27に見ることができる。刃5(例えば、図26の刃96)は約7.6の最も高い刃負荷を有し、刃4(例えば、図26の刃95’’’)は約5.9の負荷を有し、刃3(例えば、図26の刃95’’)は約3.9の負荷を有し、刃2(例えば、図26の刃95’)は約0.3の負荷を有し、刃1(ガード構造体に最も近い、図26の刃94)は負荷を有さない。
本発明の1つの利点は、特定のかみそりカートリッジ内の刃の配置(例えば、図7)によって実現することができ、図28に示されるように、代表的なグラフは、各刃の個々の刃負荷の低下を全カートリッジ負荷のパーセンテージとして示している。図28において、刃5(例えば、図7の刃16)の負荷は、約7.6の負荷から約5.7の負荷まで著しく低減される。依然として最も高い刃負荷ではあるが、この低減は、快適性及び剃毛性能の改善に非常に役立つ。刃4(例えば、図7の刃15’’’)は約3の負荷を有し、刃3(例えば、図7の刃15’’)は約3.5の負荷を有し、刃2(例えば、図7の刃15’)は約3の負荷を有し、刃1(ガード構造体に最も近い、図7の刃14)は負荷を有さない。
図29は、剃毛負荷下での刃との接触から生じる、基材(例えば、模擬皮膚)における応力を示す4つの等高線図又はマップ300、310、320、及び330を示す。言及したように、単位面積当たりの力として定義される応力は、基材上に異なる方向に作用し得る。かみそりカートリッジは、望ましくは、刃負荷を設計負荷シナリオに又はそれ未満に制御するように設計される。刃が設計された負荷を超えることは、過剰な負荷が快適性を低下させるか、又は剃毛中に切り傷、切断、又は他の損傷を引き起こす場合があるため、望ましくない。「設計負荷」は、刃に加えられる力として定義することができ、それにより、最大応力強度及び大きさの位置は、接触中の刃の先端部ではなく刃の肩部に位置するのが望ましい。力が設計負荷以下で刃に加えられると、設計負荷を超えたときの尖端における応力の極度の集中とは対照的に、刃の肩部(例えば、最終的な先端部から約1マイクロメートル以下に位置する)からの負荷支持がより大きくなる。
本明細書に記載される第2の刃16上のより厚いコーティングは、図示のように形状を変化させ、第1の刃14の設計負荷が第2の刃16の設計負荷よりも低くなるように設計負荷に影響を及ぼす。したがって、第2の刃16よりも薄いコーティングを有する第1の刃14は、負荷を超えたときに、第2の刃よりも、切り傷及び切断などのより高い負荷条件に対して敏感であると考えることができる。コーティング厚さの異なる刃は、カートリッジ内の位置によって所望の設計負荷コンプライアンスが維持されることを確実にするように配置され得る。例えば、より厚いコーティングを有する本発明の第2の刃は、快適性、皮膚管理を提供し、かつ切り傷及び切断の少ない、「皮膚にとって安全な」タイプの刃であると考えることができ、これに対し、第2の刃と比べて厚さの低減されたコーティングを有する第1の刃は、毛髪をより高い密着性でより効果的に最適に切断するために必要であり得る。したがって、第1の刃は、第2の刃よりもカートリッジの前部に近くなるように(ガード構造体の近く又は最も近くに)配置されることが望ましい。
プロット300及び320は、本発明の第1の刃14及び第2の刃16とそれぞれ同じスケールでモデル化された設計負荷での刃の剃毛を示す。刃の接触から生じる基材(例えば、皮膚)305における応力は、等高線302によって示され、概してより暗い領域307はより大きな応力を示し、より明るい領域314は、より小さい応力を示す。プロット300に見られるように、設計負荷で基材に接触する第1の刃14からの得られた応力の分布は、刃306の先端部における応力集中301、及びベベル領域又は肩部領域308における応力集中307を含む。プロット300における刃14からの応力集中は、刃の先端部306及び肩部領域308における緊密に配置された等高線を有する暗色領域によって示される。これらの領域は、一般に、刃の外形の曲率が基材305と最も接触して変化する場所で生じる。同様に、プロット320中の刃16は、先端部316における応力集中303及び肩部領域318における応力集中309を有する等高線302を示す。第2の刃16を第1の刃14と比較すると、第1の刃14及び第2の刃16のそれぞれ先端部306及び316及び肩部308及び318における応力集中の大きさは、第1の刃14よりも第2の刃に関して概ね小さい又はより低い。したがって、それらのそれぞれの設計負荷において、第1の刃14は、第2の刃16よりも基材305に対して少しより大きな応力を有する。しかしながら、それらのそれぞれの設計負荷において、刃14及び16の両方は、プロット300及び320に示されるように、先端部306及び316よりも肩部308及び318においてより高い応力集中の大きさを有する。したがって、設計負荷以下では、プロット300及び320に示されるように、応力の大部分又は全てを肩部にかつ先端部から離れて分配することが望ましい。
設計負荷を超えた場合、コーティングが異なる(例えば、コーティング厚さが異なる)ことに起因して、第1の刃14は第2の刃16よりも基材に対してより多くの応力を有するという結果になる。プロット310及び330は、所望の設計レベルを超える剃毛負荷を示し、また、本発明の第1及び第2の刃が基材(例えば、皮膚)にどのように接触するかを示す。プロット300及び320の設計負荷シナリオにおける応力は、プロット310及び330の設計負荷シナリオを超える応力よりも小さいことに留意されたい。上記のように、基材(例えば、皮膚)305との刃の接触は、等高線302と、応力の大きさ及び集中がより大きい領域を示す、刃先端部306における領域311及び刃14の刃の肩部308における領域317のように、より緊密に配置された等高線の概してより暗い領域とによって示されている。同様に、基材305と接触する刃16からの応力313及び319の集中は、それぞれ先端部316及び肩部318で生じる。プロット310に見られるように、設計負荷を超えたときに基材305にかかる第1の刃14の応力は、刃の先端部306における応力311、及びベベル領域又は肩部領域308における応力317を含む。同様に、プロット330では、設計負荷を超えたときに基材305にかかる第2の刃16の応力は、先端部316における応力集中313、及び肩部318における応力集中部319を含む。しかしながら、両方のプロット310及び330のように設計負荷を超えたシナリオでは、両方の刃14及び16の肩部308及び318よりも、先端部306及び316において、応力の大きさ及び集中がそれぞれ大きくなることが観察され得る。両方のプロット310及び330のように両方の刃14及び16の設計負荷を超えた場合、応力は、肩部308及び318よりも先端部306及び316においてより高い強度及び大きさで集中する。設計負荷を超えると、肩部308及び318よりも先端部306及び316において高い応力が集中し、先端部における応力の高強度は、快適性を低下させるか、又は剃毛中に切り傷、切断、又は他の損傷を引き起こす場合があるため、望ましくない。
プロット310及び330はまた、図中の刃先端部の左側の領域に基材(例えば、皮膚)の隆起領域315を示す。この隆起領域は、プロット300及び300では顕著ではない。隆起領域315は、概して、第1の刃であるか第2の刃であるかにかかわらず、刃によって過剰な負荷が基材に加えられたことに対する基材の反応である。この隆起部は、剃毛中に刃が移動する方向を誘導する刃の前部にあるので、剃毛による不快感、切り傷、切断、又は他の望ましくない効果を回避するために、隆起領域315を最小化することが望ましい。
プロット310及び330に示されるように、同じ負荷である場合(これらのプロットでは設計負荷を超える)、第1の刃14は、第2の刃16よりも先端部及び肩部の両方において基材に対してより大きな応力を有する。設計負荷を超える場合、先端部における応力が小さくなることが望ましい。
望ましくは、応力は、設計負荷以下では先端部及び肩部の両方に均等に分配される。ところが、設計負荷を超えると、応力は先端部に分配される可能性がより高くなり、一部の応力が肩部に分配される。より望ましくは、応力は、先端部が皮膚の破損応力を超えないように、肩部で皮膚を支持するように分配される。
ここで図30を参照すると、代表的なかみそりカートリッジ(例えば、図25)の刃負荷406の値(例えば411、412、413、414、415)の関数としての刃先端部405からの皮膚応力のグラフ400が示されている。かみそりを使用している最中のかみそりの使用者は、ハンドルを介してカートリッジの剃毛面に力を加える。この力は、密着性と快適性のバランスをとることに関するかみそりの使用者の好みによって変化する。一般に、かみそりの使用者によって加えられる負荷は、約50重量グラム(gF)~約1000重量グラム(gF)の範囲であり得る。カートリッジは、この剃毛負荷の一部を刃の上に分配するように設計されている。刃(複数可)に加わる個々の力は、この負荷分配から生じる。
上記の応力領域によって示されるように、各刃にかかる負荷は、概して、最小である、ガードに最も近い又はより近い第1の刃から、ガードよりもキャップに最も近い又はより近い第2の刃にかかる最大まで増加する。個々の刃の負荷は、概して、平均剃毛負荷(例えば、約250gF~約375gF)で約0gF~約25gFの範囲であり得る。
本発明のコーティングの厚さによって決定される刃先端部及び縁部の設計は、かみそりカートリッジの切断動作と皮膚管理特性とのバランスを提供する。刃負荷及びコーティングの厚さは、剃毛される表面に及ぼされる応力に影響を及ぼす。図30のグラフ400に示すように、全ての刃負荷を考慮した場合、ある範囲の応力が、剃毛された表面結果に及ぼされる。
図30では、相当な量の切断動作を達成するように最適化されたより薄いコーティングを有する、曲線420によって表される本発明の第1の刃14は、実質的な皮膚管理特性を達成するように最適化されたより厚いコーティングを有し、刃負荷の関数としてのより小さな応力を及ぼす、曲線430によって表される第2の刃16よりも、刃負荷の関数としてのより大きい応力を及ぼす。
このようにして、第1の刃14はより大きな応力を及ぼすが、第1の刃にかかる負荷が不快感の閾値未満に制御されるように第1の刃14をカートリッジ内に配置することができる。第2の刃は、負荷の関数としての全体的により少ない応力を及ぼし、密着性に求められるようにより高い負荷に対応するようにカートリッジ内に配置され得る。本発明では、第1の刃は、ガード構造体の近く又は最も近くに位置付けられ、第2の刃はキャップ構造体の近く又は最も近くに位置付けられる)。
このグラフは、413、414、及び415などの高刃負荷値下では、第2の刃のタイプ(例えば、より厚いコーティング)の刃先端部下皮膚応力はより小さいため、第2の刃が望ましい場合があることを示す。グラフ400の411又は412などの低刃負荷値下では、本発明の第1の刃14が選択され得るという結果になり得る。
従来技術の曲線440及び450は、市販のGilletteかみそりに見られるものなどの、2つの異なる従来技術の刃に加わる応力を表す。
従来技術の曲線は、かみそりカートリッジ内のキャップにより近い又は最も近い1つの刃が、ガードにより近い又は最も近い別の刃のコーティングよりも厚いコーティングを有していない、従来技術のカートリッジの2つの刃に基づくものである。本発明の第1の刃14及び第2の刃16の両方の図30における刃先端部応力は、従来技術の刃の従来技術の曲線440及び450の十分に外側であることに留意されたい。これは、第2の刃が第1の刃のコーティングよりも厚いコーティングを有することに起因し得る。
本発明は、第1の刃14及び第2の刃16が、それらの厚さを区別するために異なる色を含んでもよいことも企図する。例えば、第1の刃は青色に着色された刃であってもよく、第2の刃は、追加の色が無くても(例えば、鋼の色であっても)よく、又は緑色若しくは金、又は更には淡い色調の青色などの、第1の刃の青色以外の任意の異なる色であってもよい。本発明の第3の刃はまた、第2の刃の色と同じか又は異なるかどうかにかかわらず、任意の色であってもよい。このようにして、ユーザーは、カートリッジ内に配置された刃の色に基づいてカートリッジの種類を認識することができる。例えば、記載した実施形態のいずれかに基づく刃厚さを用いた本発明の色構成、又は実現可能に配置することが可能である色構成が考えられる。したがって、図7の実施形態の厚さ構成を表す、ガード540及びキャップ530を有するカートリッジ500は、第1の刃540s及び最初の4つの刃の位置にある全ての第3の刃550の色として図31に示されるような4つの青色の刃と、5番目の刃の位置にある第2の刃560の灰色とを有してもよい。異なる色の刃を有するこれらのカートリッジは、認識可能な属性を有すると見なされてもよく、又は、例えば、ユーザーにとって「効率的な」、「快適な」カートリッジ、又は「感度の良い」カートリッジとして宣伝されてもよい。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
「発明を実施するための形態」の中で引用される文献は全て、関連部分において参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義が優先するものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。

Claims (15)

  1. かみそりカートリッジであって、
    前記カートリッジの前部の近位にある第1の刃であって、その上に配置された1つ以上の第1のコーティングを有する、第1の刃と、
    前記カートリッジの後部の近位にある第2の刃であって、その上に配置された1つ以上の第2のコーティングを有する、第2の刃と、を備え、
    前記第1の刃の上に配置された前記1つ以上の第1のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さが、前記第2の刃の上に配置された前記1つ以上の第2のコーティングのうちの少なくとも1つの厚さよりも薄いことを特徴とする、かみそりカートリッジ。
  2. 前記1つ以上の第1のコーティングのうちの前記少なくとも1つが、第1のハードコーティングである、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
  3. 前記1つ以上の第2のコーティングのうちの前記少なくとも1つが、第2のハードコーティングである、請求項1又は2に記載のかみそりカートリッジ。
  4. 前記カートリッジの前記前部がガード領域を含み、前記カートリッジの前記後部がキャップ領域を含み、前記第1のかみそり刃が前記ガード領域に隣接している、前記第2のかみそり刃が前記キャップ構造体に隣接している、又はその両方である、請求項1~3のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  5. 前記1つ以上の第2のコーティングのうちの前記少なくとも1つが、前記1つ以上の第1のコーティングのうちの前記少なくとも1つ少なくとも2倍の厚さである、請求項1~4のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  6. 前記第1のハードコーティングの厚さが、約150オングストローム~約1800オングストロームの範囲であり、前記第2のハードコーティングの厚さが、約500オングストローム~約3500オングストロームの範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  7. かみそりカートリッジであって、第1のハードコーティングを有する第1のかみそり刃と、第2のハードコーティングを有する第2のかみそり刃と、を備え、前記第1の刃は、前記第2の刃よりも前記かみそりカートリッジのガード領域に近接して配置されており、前記第2の刃は、前記第1の刃よりも前記かみそりカートリッジのキャップ領域に近接して配置されており、前記第2のハードコーティングが、前記第1のハードコーティングの第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有することを特徴とする、かみそりカートリッジ。
  8. 前記第1のハードコーティング又は前記第2のハードコーティングが、炭素含有材料、クロム含有材料、ニオブ含有材料、ホウ素含有材料、及びチタン含有材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項7に記載のかみそりカートリッジ。
  9. 前記第1のかみそり刃が前記ガード領域に隣接している、前記第2のかみそり刃が前記キャップ領域に隣接している、又はその両方である、請求項7又は8に記載のかみそりカートリッジ。
  10. 少なくとも1つの第3のハードコーティングを有する少なくとも1つの第3のかみそり刃を更に備え、前記少なくとも1つの第3のかみそり刃は、前記第1のかみそり刃と前記第2のかみそり刃との間に配置されている、請求項7~9のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  11. 前記少なくとも1つの第3のハードコーティングのうちの少なくとも1つが、前記第1のハードコーティングと実質的に同じである、請求項7~10のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  12. 前記第2のハードコーティングが、前記第1のハードコーティングの少なくとも2倍の厚さである、請求項7~11のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  13. 前記第1のハードコーティングの厚さが約800オングストローム未満の厚さの範囲であり、前記第2のハードコーティングの厚さが約800オングストローム超である、請求項7~12のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  14. 前記第2の厚さの前記第1の厚さに対する比が、約1.5~約4.5である、請求項7~13のいずれか一項に記載のかみそりカートリッジ。
  15. かみそりカートリッジであって、前記カートリッジ内に、前記かみそりカートリッジの前部領域から後部領域まで配置された複数のかみそり刃を備え、前記刃のそれぞれはコーティングを備え、前記コーティングの厚さが、前記前部領域から後部領域に向かって増加することを特徴とする、かみそりカートリッジ。
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