JP2022538733A - 新規抗cd25抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規抗CD25抗体、およびがんまたは感染症を治療するためのその使用に関する。

Description

本発明は、がんおよび感染症の治療の分野に関するものであり、特に、がんおよび感染症の治療に使用することができる新規抗CD25抗体を開示している。
制御性T細胞(Treg)は、一般に自己免疫から身体を保護する免疫寛容の重要なメディエーターである。しかし、がんでは、Tregは、論議を呼ぶ役割を果たしているように見える。
実際に、がんの間、腫瘍微小環境は、多くの場合、Tregの分化および動員に有利に働き、それにより抗腫瘍エフェクターT細胞機能を抑制し得る。したがって、Tregは、免疫療法の主要な障害となり得る。この現象は、多くのヒトのがんおよび腫瘍成長のほとんどのマウスモデルにおいて説明されており、Tregの頻度およびそれらのサプレッサ機能は、健康な対照について報告されているものと比較して、増加している。特に、Tregは、腫瘍由来ケモカインの存在下で腫瘍内に蓄積し、一旦配置されると、腫瘍微小環境に浸潤する免疫細胞によって媒介される抗腫瘍応答を防止するかまたは鈍化するように進行することが示されている。したがって、蓄積するTregは、抗腫瘍免疫エフェクター細胞をサイレンシングすることにより、自身の宿主免疫系からの脱出を促進する腫瘍の複数の試みのうちの1つと見なすことができる。
エフェクターT細胞の抗腫瘍機能を抑制する能力が増強することを考慮して、Tregは、抗腫瘍機能を回復するために明確にサイレンシングさせるかまたは消失させる必要がある腫瘍脱出のメディエーターとして認識されている。
制御性T細胞は、インターロイキン-2(IL-2)に結合し、Tregの発生および恒常性を調節するインターロイキン-2受容体α鎖である、構成的に高レベルのCD25を発現するマウスCD4T細胞の循環サブセットとして、Sakaguchiらによって最初に報告された。
様々な研究において、マウスモデルにおけるIL-2とCD25との相互作用が分析されている。担癌マウスにおいて、例えばPC61などの抗CD25抗体により、IL-2のCD25への結合が遮断されることにより、FoxP3発現およびTreg抑制機能の両方の喪失がもたらされることが示されている。これらの結果は、IL2の剥奪が、がんの発生を防止するための有望な方法であることを示唆している。近年では、Vargasらは、PC61抗体のFc最適化形態を開発し、これにより、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体媒介性細胞傷害メカニズム(CDC)を介する腫瘍内Tregの枯渇が可能になり、マウス腫瘍モデルに有意な治療利益をもたらした。したがって、TregにおけるIL-2経路の生理学的重要性を考えると、この経路の遮断は強力かつ有望な抗腫瘍免疫療法であるように思われた。
有効な抗腫瘍免疫療法が依然として必要とされている。
本発明は、単離された抗ヒトCD25抗体またはその抗原結合断片に関し、当該抗体は、インターロイキン-2(IL-2)のCD25への結合を阻害するものではなく、好ましくは、当該抗体はモノクローナルである。
一実施形態では、抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である。
一実施形態では、
重鎖の可変領域(HCVR)は、以下の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの相補性決定領域(CDR):
-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここでXは、DまたはNである:
-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
-CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
もしくは、配列番号1~3と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む;および/または
軽鎖の可変領域(LCVR)は、以下の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つのCDR:
-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである;
もしくは、配列番号4~6と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む。
一実施形態では、
(i)HCVRは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの、上記で定義された通りのCDRを含み、
(ii)LCVRは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの、上記で定義された通りのCDRを含む。
一実施形態では、
(i)HCVRは、以下のCDR:
-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここで、Xは、DまたはNである;
-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)を含み;
(ii)LCVRは、以下のCDR:
-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである;
もしくは、配列番号1~6と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む。
一実施形態では、
HCVRは、以下のCDR:
-CDR1:DHAMA(配列番号7);
-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
-CDR3:GGNSGYD(配列番号3);を含み
抗体またはその抗原結合断片のLCVRは、以下のCDR:
-CDR1:KASQNVNKFLN(配列番号8);
-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含む。
一実施形態では、
(i)抗体またはその抗原結合断片のHCVRは、以下のCDR:
-CDR1:NHAMA(配列番号10);
-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
-CDR3:GGNSGYD(配列番号3);を含み
(ii)抗体またはその抗原結合断片のLCVRは、以下のCDR:
-CDR1:KASQNVNKFVN(配列番号11);
-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含む。
一実施形態では、
(i)抗体またはその抗原結合断片のHCVRは、以下のCDR:
-CDR1:NHAMA(配列番号10);
-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
-CDR3:GGNSGYD(配列番号3);を含み
(ii)抗体またはその抗原結合断片のLCVRは、以下のCDR:
-CDR1:KGSQNVNKFLN(配列番号12);
-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
-CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性抗体である。
本発明はさらに、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片を含む融合タンパク質に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片または融合タンパク質をコードする核酸に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の核酸を含む発現ベクターに関する。
一実施形態では、抗体または抗原結合断片は、抗体依存性細胞傷害、補体依存性細胞傷害、または抗体依存性食作用を媒介する。
本発明は、単離された抗体もしくはその抗原結合断片、または本明細書に記載の融合タンパク質、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物にさらに関する。
本発明は、医薬として使用するための、本明細書に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片、または本明細書に記載の融合タンパク質にさらに関する。
本発明は、がんまたは感染症の治療に使用するための、本明細書に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片にさらに関する。
本発明は、がんまたは感染症の治療に使用するための、本明細書に記載の融合タンパク質にさらに関する。
本発明は、対象におけるがんまたは感染症の治療に使用するための、免疫療法と、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片との組み合わせにさらに関する。
本発明はさらに、対象におけるがんまたは感染症の治療に使用するための、免疫療法と、本明細書に記載の融合タンパク質との組み合わせに関する。
本発明はさらに、T細胞においてIL-2シグナル伝達を阻害することなく、CD25陽性細胞の特異的溶解を誘導する方法に関し、本方法は、本明細書に開示の治療有効量の単離された抗体もしくは抗原結合断片、または本明細書に記載の治療有効量の融合タンパク質、または本明細書に開示の治療有効量の医薬組成物を対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、対象は、免疫療法を受けているか、または受けた。
本発明は、対象に免疫療法を施すステップを含む方法にさらに関し、対象は、本明細書に開示の治療有効量の単離された抗体もしくは抗原結合断片、または本明細書に記載の治療有効量の融合タンパク質、または本明細書に開示の治療有効量の医薬組成物を投与されているか、または投与される。いくつかの実施形態では、治療有効量は、T細胞においてIL-2シグナル伝達を阻害することなく、CD25陽性細胞の特異的溶解を誘導するのに有効な量である。
図1は、CD25陽性細胞株上での本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)または対照抗体の結合を示すヒストグラムである。 図2は、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)とmAb 7G7B6(IL-2非競合抗体)との結合競合を示すヒストグラムである。 図3は、IgG1対照抗体またはバシリキシマブと比較した、IL-2により誘導されるエフェクターT細胞の増殖に対する本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)の影響を示すヒストグラムである。 図4は、本発明の抗体によって誘導される抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を示すグラフ(A)およびヒストグラム(B)の組み合わせを示す図である。図4Aは、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)またはバシリキシマブとのインキュベーションによって誘導されたCD25陽性細胞の溶解を示す。図4Bは、IgG1対照抗体と比較した、1μg/mLまたは10μg/mLでの本発明の抗体(ALD25H2およびALD25H4)とのインキュベーションによって誘導された、SUDHL-1細胞のアポトーシスに対応するCFSE+7AAD+細胞の割合を表す。データは平均±SEMとして表す。 図5は、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)、または7G7B6またはmAb MA-251(IL-2非競合抗体)またはバシリキシマブのIL-2により誘導されるT細胞の増殖に対する影響を示すグラフである。「アイソタイプCtl」:アイソタイプ対照抗体。エラーバーは、semを表す。 図6は、Treg細胞の枯渇に対する本発明の抗体(ALD25H4)の影響を示す5つのヒストグラム(A~E)の組み合わせを示す図である。エラーバーは、semを表す。図6Aは、ALD25H4、7G7B6、またはビヒクルで処置されたヒト化マウスの腫瘍浸潤CD4T細胞内のCD4CD25FoxP3Treg細胞の割合を表す。図6Bは、抗CD25モノクローナル抗体によって得られたCD4CD25FoxP3Treg細胞枯渇の割合を表す。図6Cは、ALD25H4で処置されたかまたは処置されていないヒト化マウスのMDA-MB-231またはHT29によって誘導された腫瘍内のCD45白血球集団内のCD4CD25CD127FoxP3Treg細胞の割合を表す。図6Dは、ALD25H4で処置されたかまたは処置されていないヒト化マウス内のMDA-MB-231またはHT29によって誘導された腫瘍内のCD45白血球集団内のCD4CD25FoxP3Tエフェクター細胞(CD4Tエフェクター細胞)の割合を表す。図6Eは、ALD25H4で処置されたかまたは処置されていないヒト化マウスのMDA-MB-231またはHT29によって誘導された腫瘍内のCD45白血球集団内のCD8CD25FoxP3Tエフェクター細胞(CD8Tエフェクター細胞)の割合を表す。 同上。 図7は、IgG1対照抗体またはバシリキシマブと比較した、in vitroでのIL-2の結合に対する1μg/mLまたは10μg/mLでの本発明の抗体(ALD25H4)の影響を示すヒストグラムである。 図8は、IgG1対照抗体と比較した、本発明の抗体(ALD25H4)によって誘導された抗体依存性食作用(ADCP)の割合を示すヒストグラムである。データは平均±SEMとして表す。 図9は、CD45+リンパ球集団内のTreg細胞枯渇に対する本発明の抗体の影響を示す3つのヒストグラム(A、BおよびC)の組み合わせを示す図である。図9Aは、IgG1対照抗体、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)またはバシリキシマブとのインキュベーション後のCD45+リンパ球集団内のTreg細胞の割合を表す。図9Bは、IgG1対照抗体、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)またはバシリキシマブとのインキュベーション後のCD45+リンパ球集団内のCD4+Tエフェクター細胞の割合を表す。図9Cは、IgG1対照抗体、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)またはバシリキシマブとのインキュベーション後のCD45+リンパ球集団内のCD8+Tエフェクター細胞の割合を表す。データは平均±SEMとして表す。
定義
本発明において、以下の用語は、以下の意味を有する。
数字の前にある「約」は、その数字の値のプラスマイナス10%以下を含む。「約」という用語が指す値は、それ自体も具体的にかつ好ましくは開示されることを理解されたい。
モノボディとしても公知である「アドネクチン」は、当技術分野において周知であり、抗原に対して高い親和性および特異性で結合するように設計されたタンパク質を指す。それらは、まとめて「抗体模倣体」と呼ばれる分子のクラスに属している。
細胞透過性アルファボディとも呼ばれ得る「アルファボディ」は、様々な抗原に結合するように操作された小さい10kDaタンパク質からなる抗体模倣体の一種を指す。アルファボディは、細胞内タンパク質標的に到達して結合することができる。
「アフィボディ」は、当技術分野において周知であり、ブドウ球菌プロテインAのIgG結合ドメインのうちの1つに由来する58のアミノ酸残基のタンパク質ドメインに基づく親和性タンパク質を指す(Frejd&Kim,2017.Exp Mol Med.49(3):e306;米国特許第5,831,012号明細書)。
「アフィリン」は、当技術分野において周知であり、抗原に選択的に結合するように設計された人工タンパク質を指す。これらは、抗原に対する親和性および特異性において抗体に類似しているが、それらを一種の抗体模倣体にする構造ではない。
「親和性」および「アビディティ」は、当技術分野において周知であり、抗体-抗原複合体の強度を定義するために使用される。親和性は、エピトープと抗体の抗原結合部位との間の相互作用の強度を測定する。それは、親和定数Kまたは解離定数Kによって表され得る。アビディティ(または機能的親和性)は、抗体-抗原複合体の全体的な強度の尺度を提供する。これは、特に抗体またはその抗原結合断片のエピトープに対する親和性、(ii)抗体および抗原の両方の結合価、ならびに(iii)相互作用する部分の構造的配置など、異なるパラメータに依存し得る。
本明細書で使用される場合、「抗体」および「免疫グロブリン」という用語は同義的に使用され得、関連する任意の特定の免疫反応性を有するか否かにかかわらず、2つの重鎖および2つの軽鎖の組み合わせを有するタンパク質を指す。「抗体」は、目的の抗原(例えば、ヒトCD25)に対して有意な既知の特異的免疫反応性活性を有する集合体を指す。「抗hCD25抗体」という用語は、本明細書では、ヒトCD25タンパク質に対して免疫学的特異性を呈する抗体を指すために使用される。本明細書の他の場所で説明しているとおり、ヒトCD25の「特異性」は、例えば、hCD25の種相同体と(サルCD25となど)の交差反応を除外するものではない。
抗体および免疫グロブリンは、それらの間の鎖間共有結合の有無にかかわらず、軽鎖および重鎖を含む。脊椎動物系における基本的な免疫グロブリンの構造は、比較的よく理解されている。「免疫グロブリン」という総称は、生化学的に区別できる5つの異なるクラスの抗体で構成されている。以下の議論は一般に免疫グロブリン分子のIgGクラスに向けられるが、5つのクラスの抗体すべてが本発明の範囲内にある。IgGに関して、免疫グロブリンは、分子量が約23kDaの2つの同一の軽ポリペプチド鎖、および分子量が約53~70kDaの2つの同一の重鎖を含む。4つの鎖は、「Y」構成でジスルフィド結合によって結合されており、軽鎖は、「Y」の口から開始し、可変領域を通って続く重鎖を包み込む。抗体の軽鎖は、カッパ(κ)またはラムダ(λ)のいずれかに分類される。各重鎖クラスは、κまたはλ軽鎖のいずれかと結合され得る。一般に、軽鎖および重鎖は互いに共有結合により結合し、免疫グロブリンがハイブリドーマ、B細胞または遺伝子操作された宿主細胞のいずれかによって生成される場合、2つの重鎖の「テール」領域は、共有二硫化物結合または非共有結合によって互いに結合する。重鎖では、アミノ酸配列は、Y構成のフォーク型端部のN末端から各鎖の下部のC末端まで延在している。当業者であれば、重鎖がガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)またはイプシロン(ε)として分類され、それらの中にいくつかのサブクラス(例えば、γ1~γ4)があることを理解するであろう。抗体の「クラス」をそれぞれIgG、IgM、IgA IgD、またはIgEと決定するのは、この鎖の性質である。免疫グロブリンのサブクラスまたは「アイソタイプ」(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1など)は特徴が十分に明らかになっており、機能的な特異化をもたらすことが公知である。これらのクラスおよびアイソタイプのそれぞれの修飾型は、本開示の観点から当業者には容易に識別可能であり、したがって、本発明の範囲内である。上述したとおり、抗体の可変領域では、抗体が抗原上のエピトープを選択的に認識し、特異的に結合することが可能になる。すなわち、抗体の軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)と重鎖可変ドメイン(VHドメイン)が組み合わさって、三次元抗原結合部位を画定する可変領域を形成する。この四次抗体構造は、「Y」の各アームの端部に存在する抗原結合部位を形成する。より具体的には、抗原結合部位は、VH鎖およびVL鎖のそれぞれの3つの相補性決定領域(CDR)によって画定される。
「アフィチン」は、もともとスルフォロブス属の2つの7kDa DNA結合ポリペプチドであるSac7dおよびSso7dに由来する、非常に安定した操作された親和性タンパク質を指す。
「アンチカリン」は、当技術分野において周知であり、結合特異性がリポカリンに由来する抗体模倣技術を指す。アンチカリンは、デュオカリンと呼ばれる二重標的化タンパク質としてフォーマットされ得る。
本明細書で使用される「抗原結合断片」という用語は、抗体全体よりも少ないアミノ酸残基を含む、本発明による抗体の一部または領域を指す。「抗原結合断片」は、抗原に結合し、かつ/またはそれが由来する抗体全体と抗原結合(例えば、ヒトCD25への特異的結合)について競合する。抗体抗原結合断片としては、これらに限定されないが、単鎖抗体、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab)’、Fd、脱フコシル化抗体、ダイアボディ、トライアボディ、およびテトラボディが挙げられる。
本明細書で使用される「アルマジロリピートタンパク質ベースの足場」は、アルマジロリピートタンパク質に基づく人工ペプチド結合足場に対応する一種の抗体模倣体を指す。アルマジロリピートタンパク質は、ペプチドまたはタンパク質との相互作用を媒介する、約42アミノ酸のタンデムアルマジロリピートで構成されるアルマジロドメインを特徴とする。
「アトリマー」は、当技術分野において周知であり、それらの生物学的活性の必要条件として三量体化する標的タンパク質の結合分子を指す。それらは他の抗体模倣足場と比較して比較的大きい。
「アビマー」は、当技術分野において周知であり、抗体模倣技術を指す。
本明細書で使用される場合、「CD25」という用語は、特に明記しない限り、霊長目(例えば、ヒト)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物など、任意の脊椎動物源からの任意の天然CD25を指す。インターロイキン-2受容体アルファ鎖(CD25とも呼ばれる)タンパク質は、IL2RA遺伝子によってコードされる。IL-2受容体の2つの形態を記載した:第1の形態はアルファサブユニット(CD25)、ベータサブユニット(CD122)およびガンマサブユニット(CD132)を含み、第2の形態はベータおよびガンマサブユニットのみを含む(すなわち、CD122およびCD132)。この用語は、「全長」または未処置のCD25、および細胞内での処置から生じる任意の形態のCD25を含む。この用語はまた、CD25の天然に存在するバリアント(例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント)を包含する。ある実施形態では、CD25は、ヒトCD25である。例えば、CD25は、抗原またはマイトジェン刺激に応答する活性化Tリンパ球および活性化Bリンパ球によって発現する。CD25は、制御性T細胞(CD25highFoxP3制御性T細胞)によっても発現する。一実施形態では、CD25は、ヒトCD25(Uniprotアクセッション番号P01589)を指す。
本明細書で使用される場合、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内に見出される非隣接抗原組み合わせ部位を意味する。所与のCDRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabatら(1991年)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」第5版、Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(1997年)JMB 273:927-948(「Chothia」番号付けスキーム)により記載されるスキームを含むいくつかの周知であるスキームのいずれか、またはこれらの組み合わせを使用して決定することができる。より近年では、ユニバーサルナンバリングシステムが開発され、ImMunoGeneTics(IMGT)Information System(登録商標)が広く採用されている(Lefrancら、Nucleic Acids Res.27:209-2121999)。IMGTは、ヒトおよび他の脊椎動物の免疫グロブリン(IG)、T細胞受容体(TR)、ならびに主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に特化した統合情報システムである。本明細書では、CDRは、アミノ酸配列および軽鎖または重鎖内の位置の両方に関して言及されている。免疫グロブリン可変ドメインの構造内のCDRの「位置」は種間で保存されており、ループと呼ばれる構造内に存在するため、構造的特徴に従って可変ドメイン配列を整列させる番号付けシステムを使用することにより、CDRおよびフレームワーク残基が容易に特定され得る。この情報は、ある種の免疫グロブリンからのCDR残基を、典型的には、ヒト抗体からのアクセプターフレームワークへ移植するおよび置き換える際に使用できる。Kabat番号付けシステムとIMGT固有の番号付けシステムとの間の対応もまた、当業者において周知である(例えば、Lefrancら、前出)。したがって、一実施形態では、CDR領域またはCDRによって、IMGT(登録商標)番号付けシステム(例えば、Lefrancら、前出)によって定義される免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を示すことが意図されている。
DARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質)は、当技術分野において周知であり、非抗体ポリペプチドの結合能力を利用するために開発された抗体模倣DRP(設計されたリピートタンパク質)技術を指す。
本明細書で使用されるとき、「ダイアボディ」は、可変ドメインの鎖間ペアリングが達成されるが、鎖内ペアリングは達成されないように、HCVRとLCVRとの間に短いリンカー(約5~10残基)を有するscFv断片を構築することによって調製される小さい抗体断片を指し、結果として、二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片となる。二重特異性ダイアボディは、2つの「クロスオーバー」scFv断片のヘテロダイマーであり、2つの抗体のHCVRおよびLCVRが異なるポリペプチド鎖に存在する。ダイアボディは、欧州特許第0404097号、国際公開第1993011161号、およびHolligerら、1993.Proc Natl Acad Sci USA.90(14):6444-8に、より完全に記載されている。
「ドメイン抗体」は、当技術分野において周知であり、抗体の重鎖または軽鎖のいずれかの可変領域に対応する、抗体の最小の機能的結合単位を指す。
「ドメインクニッツペプチド」は、抗体模倣体の一種を指し、プロテアーゼの機能を阻害するタンパク質の活性ドメインに基づいている。
「エフェクターT細胞」という用語は、いくつかのT細胞型(例えば、CD4およびCD8T細胞)を含む細胞のグループを指す。これには、B細胞の血漿細胞および記憶B細胞への成熟などの免疫過程で他の白血球を助けるヘルパーT細胞(Th細胞)、ならびにウイルス感染細胞および腫瘍細胞を破壊し、移植片拒絶反応にも関与する細胞傷害性T細胞(Tc細胞、CTL、Tキラー細胞、キラーT細胞)を含む。
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、抗体またはその抗原結合断片または抗体模倣体が結合するタンパク質(複数可)上に位置するアミノ酸の特定の配置を指す。エピトープは、多くの場合、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面グループで構成され、特定の三次元構造特性および特定の電荷特性を有する。エピトープは、直鎖状(もしくは連続的)または立体配座であってもよく、すなわち、必ずしも隣接していなくてもよい抗原の様々な領域にあるアミノ酸の2つ以上の配列が関与している。
「エバシン」は、当技術分野において周知であり、ケモカイン結合タンパク質のクラスを指す。
本明細書で使用される場合、「フレームワーク領域」または「FR領域」という用語は、可変領域の一部であるが、CDRの一部ではない(例えば、CDRのIMGT(登録商標)番号付け定義を使用する)アミノ酸残基を含む。軽鎖のフレームワーク領域は、LCVRのCDRの各々によって同様に分離されている。天然に存在する抗体では、各単量体抗体に存在する6つのCDRは、アミノ酸の短い非隣接配列であり、抗体が水性環境でその三次元構成をとるときに、抗原結合部位を形成するように特異的に位置される。重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの残りの部分は、アミノ酸配列内の分子間変動が少なく、フレームワーク領域と呼ばれる。フレームワーク領域は、主にβシートコンフォメーションを採用し、CDRはループを形成して接続し、場合によってはβシート構造の一部を形成する。したがって、これらのフレームワーク領域は、非共有結合による鎖間相互作用によって、6つのCDRを正しい配向に位置させるための足場を形成するように作用する。位置されたCDRによって形成される抗原結合部位は、免疫反応性抗原上のエピトープに相補的な表面を画定する。この相補的な表面では、免疫反応性抗原エピトープへの抗体の非共有結合による結合が促進する。CDRの位置は、当業者によって容易に特定することができる。
「Fcドメイン」、「Fc部分」、および「Fc領域」という用語は、抗体重鎖のC末端断片、例えば、ヒトガンマ重鎖の約アミノ酸(aa)230~約aa450まで、または他のタイプの抗体重鎖におけるその対応する配列(例えば、ヒト抗体の場合はα、δ、εおよびμ)、またはその天然に存在するアロタイプを指す。
「ファイノマー」は、当技術分野において周知であり、これは、抗体模倣体のクラスに属するタンパク質を指す。このタンパク質は、高い熱安定性および免疫原性の低下により、魅力的な結合分子である。
本明細書で使用される「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体断片を指す。この断片は、緊密な非共有結合による会合内の1つのHCVRおよび1つのLCVRの二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みから、抗原結合に寄与し、抗体に抗原結合特異性を付与する6つの超可変ループ(重鎖および軽鎖からそれぞれ3つのループ)が発生する。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的である3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、結合部位全体よりも親和性は低いが、抗原を認識して結合する能力を有する。
本明細書で使用される場合、「重鎖領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖の定常ドメインに由来するアミノ酸配列を含む。重鎖領域を含むタンパク質は、C1ドメイン、ヒンジ(例えば、上部、中間、および/または下部ヒンジ領域)ドメイン、C2ドメイン、C3ドメイン、またはそれらのバリアントもしくは断片のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、免疫グロブリン重鎖のFc領域(例えば、ヒンジ部分、C2ドメイン、およびC3ドメイン)を含み得る。別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも定常ドメインの領域(例えば、C2ドメインの全部または一部)を含まない。ある実施形態では、定常ドメインの少なくとも1つ、好ましくはすべては、ヒト免疫グロブリン重鎖に由来する。例えば、1つの好ましい実施形態では、重鎖領域は、完全ヒトヒンジドメインを含む。他の好ましい実施形態では、重鎖領域は、完全ヒトFc領域(例えば、ヒト免疫グロブリンからのヒンジ、C2およびC3ドメイン配列)を含む。ある実施形態では、重鎖領域の構成定常ドメインは、異なる免疫グロブリン分子に由来する。例えば、タンパク質の重鎖領域は、IgG1分子に由来するC2ドメインと、IgG3またはIgG4分子に由来するヒンジ領域とを含み得る。他の実施形態では、定常ドメインは、異なる免疫グロブリン分子の領域を含むキメラドメインである。例えば、ヒンジは、IgG1分子からの第1の領域と、IgG3またはIgG4分子からの第2の領域と、を含み得る。上記のとおり、当業者であれば、重鎖領域の定常ドメインは、それらが天然に存在する(野生型)免疫グロブリン分子からアミノ酸配列が異なるように修飾され得ることが理解されるであろう。すなわち、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、1つ以上の重鎖定常ドメイン(C1、ヒンジ、C2またはC3)および/または軽鎖定常ドメイン(C)への改変または修飾を含み得る。例示的な修飾には、1つ以上のドメインにおける1つ以上のアミノ酸の付加、欠失または置換が含まれる。
本明細書で使用される場合、「ヒンジ領域」という用語は、C1ドメインをC2ドメインに結合する重鎖分子の領域を含む。このヒンジ領域は、約25残基を含み、柔軟性があるため、2つのN末端抗原結合領域を独立して移動させることが可能になる。ヒンジ領域は、上部、中間、下部のヒンジドメインの3つの異なるドメインに細分化させ得る(Rouxら、1998.J Immunol.161(8):4083-90)。
「超可変ループ」という用語は、相補性決定領域(CDR)と厳密に同義ではない。これは、超可変ループ(HV)は、構造に基づいて画定される一方で、CDRは、配列の変動性に基づいて画定されるためであり(Kabatら、1991.Sequences of proteins of immunological interest(第5版).Bethesda,MD:U.S.Dep.of Health and Human Services)、HVとCDRとの境界は、一部のVドメインおよびVドメインにおいて異なり得る。VおよびVドメインのCDRは、典型的には、上記ですでに説明したように、Kabat/Chothiaの定義によって定義され得る。
本明細書で使用される場合、「同一性」または「同一」という用語は、2つ以上のアミノ酸配列の配列間、または2つ以上の核酸配列の配列間の関係で使用される場合、2つ以上のアミノ酸残基または核酸残基のストリング間の一致数によって決定されるため、アミノ酸配列間または核酸配列間の配列関連性の程度を指す。「同一性」は、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって指定されたギャップアラインメント(存在する場合)を有する2つ以上の配列のうちの小さい方の間の同一の一致の割合(パーセント)を測定する。関連するアミノ酸配列または核酸配列の同一性は、既知の方法によって容易に計算することができる。このような方法としては、これらに限定されないが、Lesk A.M.(1988).Computational molecular biology:Sources and methods for sequence analysis.New York,NY:Oxford University Press;Smith D.W.(1993).Biocomputing:Informatics and genome projects.San Diego,CA:Academic Press;Griffin A.M.&Griffin H.G.(1994).Computer analysis of sequence data,Part 1.Totowa,NJ:Humana Press;von Heijne G.(1987).Sequence analysis in molecular biology:treasure trove or trivial pursuit.San Diego,CA:Academic press;Gribskov M.R.&Devereux J.(1991).Sequence analysis primer.New York,NY:Stockton Press;Carilloら、1988.SIAM J Appl Math.48(5):1073-82に記載されているものが挙げられる。同一性を決定するための好ましい方法は、試験対象の配列間で最大の一致が得られるように設計されている。同一性を決定する方法は、公開されているコンピュータプログラム内に記載されている。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法には、GAP(Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI;Devereuxら、1984.Nucleic Acids Res.12(1 Pt 1):387-95),BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Altschulら、1990.J Mol Biol.215(3):403-10)などのGCGプログラムパッケージが含まれる。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)および他の情報源(BLAST Manual,Altschulら、NCB/NLM/NIH Bethesda,Md.20894)から公開されている。周知のSmith Watermanアルゴリズムを使用して、同一性を決定することもできる。
本明細書で使用される場合、「インターロイキン-2」または「IL-2」という用語は、特に明記しない限り、霊長目(例えば、ヒト)およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物など、任意の脊椎動物源からの任意の天然IL-2を指す。この用語は、未処置のIL-2のみでなく、細胞内での処置から生じるあらゆる形態のIL-2を含む。この用語はまた、IL-2の天然に存在するバリアント(例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント)を包含する。
「ノッチン」(阻害剤シスチンノット(cystine not)と呼ばれることもある)は、3つのジスルフィド架橋を含むタンパク質構造モチーフを含む抗体模倣体を指す。
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、ヒト、家畜、ならびにイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどの動物園、スポーツ、またはペット動物など、任意の哺乳動物を指す。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質である抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して向けられている。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して向けられた異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して向けられている。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体によって汚染されずに合成され得るという点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明によるモノクローナル抗体またはそれらの抗原結合断片は、Kohlerら、1975.Nature.256(5517):495-7によって最初に記述されたハイブリドーマ方法論によって調製され得るか、または細菌、真核動物もしくは植物細胞において組換えDNA法を使用して作成されてもよい(米国特許第4,816,567号明細書)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら、1991.Nature.352(6336):624-8およびMarksら、1991.J Mol Biol.222(3):581-97に記載されている技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーからも単離され得る。
「ナノボディ」は、当技術分野において周知であり、天然に存在する重鎖抗体の固有の構造的および機能的特性を含む抗体由来の治療用タンパク質を指す(Muyldermans,2013.Annu Rev Biochem.82:775-97)。これらの重鎖抗体には、単一の可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(C2およびC3)が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「防止する(prevent)」、「防止すること(preventing)」および「防止(prevention)」という用語は、予防的手段および防止的手段を指し、その目的は、対象が所与の期間にわたって病的状態または障害を発症する可能性を低下させることである。そのような低下は、例えば、対象の病的状態または障害の少なくとも1つの症状の発症の遅延に反映され得る。
本明細書で使用される場合、「制御性T細胞」または「Treg細胞」という用語は、他のT細胞の応答を抑制することができる特殊な型のT細胞、特にCD4T細胞を指す。Treg細胞は一般に、CD4、IL-2受容体のα-サブユニット(CD25)、および転写因子フォークヘッドボックスP3(Foxp3)の発現を特徴とし(Sakaguchi,Annu Rev Immunol 22,531-62(2004))、腫瘍によって発現されるものなど、抗原に対する末梢性自己寛容の誘導および維持において重要な役割を果たす。近年では、CD8Tregについても、記載されている。
本明細書で使用される「単鎖抗体」は、これに限定されないが、(1)単鎖Fv分子(scFv);(2)1つの軽鎖可変ドメインのみを含む単鎖タンパク質、または関連する重鎖部分を含まない、軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含むその断片:および(3)1つの重鎖可変領域のみを含む単鎖タンパク質、または関連する軽鎖部分を含まない、重鎖可変領域の3つのCDRを含むその断片など、隣接するアミノ酸残基の1つの途切れない配列を含むかまたはそれからなる一次構造を有するタンパク質である任意の抗体またはその断片を指す。
「sFv」または「scFv」とも略される「単鎖Fv」は、単一のアミノ酸鎖に接続されたVおよびV抗体ドメインを含む抗体断片を指す。好ましくは、scFvアミノ酸配列は、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することが可能になる、VドメインとVドメインとの間のペプチドリンカーをさらに含む(Pluckthun,1994.Antibodies from Escherichia coli.In Rosenberg&Moore(編),The pharmacology of monoclonal antibodies.Handbook of Experimental Pharmacology,113:269-315.Springer:Berlin,Heidelberg)。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物、好ましくはヒトを指す。一実施形態では、対象は、「患者」、すなわち、温血動物、より好ましくはヒトであり得、医療を受けるのを待機している、もしくは医療を受けているか、または医療処置の対象であった/対象である/対象となるであろうか、または疾患の発症が監視されている。本明細書では、「哺乳動物」という用語は、ヒト、家畜、ならびにイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどの動物園、スポーツ、またはペット動物など、任意の哺乳動物を指す。好ましくは、哺乳動物は、霊長類、より好ましくはヒトである。
「治療有効量」という用語は、標的に有意な負のまたは有害な副作用を引き起こすことなく、(1)疾患、障害または状態の発症を遅延させるまたは防止する;(2)疾患、障害、または状態の1つ以上の症状の進行、増悪、または悪化を遅らせる、または停止させる;(3)疾患、障害、または状態の症状の改善をもたらす;(4)疾患、障害、もしくは状態の重症度もしくは発生率を低下させる;または(5)疾患、障害、もしくは状態を治癒する;ことを目的とした本明細書に記載の抗体のレベルまたは量を指す。治療有効量は、予防的または防止的作用のために、疾患、障害または状態の発症の前に投与され得る。あるいはまたはさらに、治療有効量は、治療作用のために、疾患、障害または状態の開始後に投与され得る。
本明細書で使用される場合、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」または「緩和」という用語は、治療的治療および予防的手段または防止的手段の両方を指す。この目的は、標的となる病的状態または障害を防止するかまたは減速(軽減)することである。治療が必要な場合には、すでに障害を有している場合のみでなく、障害を起こしやすい場合または障害を防止する場合も含む。本発明の方法に従って治療量の抗体を投与された後、患者が、以下のがん細胞(または腫瘍サイズ)もしくは病原性細胞の数の減少;がん性もしくは病原性の全細胞の割合の減少のうちの1つ以上の観察可能および/もしくは測定可能な減少または非存在を示す場合、かつ/または患者が、特定の疾患もしくは状態に関連する症状のうちの1つ以上のある程度の緩和、罹患率および死亡率の低下、ならびに生活の質の問題の改善を示す場合、対象または哺乳動物は、がんまたは感染症に対して首尾よく「治療」されている。治療の奏功および疾患の改善を判定するための上記のパラメータは、医師が精通しているルーチン手順によって容易に測定可能である。
本明細書で使用される場合、「腫瘍浸潤性Treg」という用語は、浸潤の増加、局所拡大、生存の利点、および従来のCD4またはCD8細胞からのin situ発生などのいくつかの異なるメカニズムの結果として、腫瘍性病変内に蓄積するCD25+/hiFoxp3制御性T細胞に関する。
「ユニボディ」は、当技術分野において周知であり、IgG4抗体のヒンジ領域を含まない抗体断片を指す。ヒンジ領域の欠失により、従来のIgG4抗体の本質的に半分のサイズであり、IgG4抗体の二価の結合領域ではなく一価の結合領域を有する分子となる。
本明細書で使用される場合、「可変」という用語は、可変ドメインVおよびVの特定の領域は、配列が抗体間で広範囲にわたって異なり、かつこれらの領域が、その標的抗原に対する各特定の抗体の結合および特異性において使用されることを指す。しかし、変動性は抗体の可変ドメイン全体に均等に分散していない。それは、抗原結合部位の一部を形成するVドメインおよびVドメインのそれぞれ内において「超可変ループ」と呼ばれる3つのセグメント内に集中している。Vλ軽鎖ドメインの第1、第2、および第3の超可変ループは、本明細書ではL1(λ)、L2(λ)およびL3(λ)と呼ばれ、Vドメイン内に、残基24~33(L1(λ)、9、10または11アミノ酸残基からなる)、49~53(L2(λ)、3残基からなる)および90~96(L3(λ)、6残基からなる)を含むものとして定義され得る(Moreaら、2000.Methods.20(3):267-79)。Vκ軽鎖ドメインの第1、第2、および第3の超可変ループは、本明細書ではL1(κ)、L2(κ)およびL3(κ)と呼ばれ、Vドメイン内に、残基25~33(L1(κ)、6、7、8、11、12または13残基からなる)、49~53(L2(κ)、3残基からなる)および90~97(L3(κ)、6残基からなる)を含むものとして定義され得る(Moreaら、2000.Methods.20(3):267-79)。Vドメインの第1、第2、および第3の超可変ループは、本明細書ではH1、H2およびH3と呼ばれ、VHドメイン内に、残基25~33(H1、7、8または9残基からなる)、52~56(H2、3または4残基からなる)および91~105(H3、長さは大きく変動可能である)を含むものとして定義され得る(Moreaら、2000.Methods.20(3):267-79)。特に明記しない限り、用語L1、L2、およびL3は、それぞれVLドメインの第1、第2、および第3の超可変ループを指し、VκおよびVλアイソタイプの両方から得られる超可変ループを含む。用語H1、H2、およびH3は、それぞれVドメインの第1、第2、および第3の超可変ループを指し、ガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)またはイプシロン(ε)など、既知の重鎖アイソタイプのいずれかから得られた超可変ループを含む。超可変ループL1、L2、L3、H1、H2およびH3はそれぞれ、上記で定義されるとおり、「相補性決定領域」または「CDR」の一部を含み得る。
「バーサボディ」は、当技術分野において周知であり、別の抗体模倣技術を指す。それらは、15%超のシステインを有する3~5kDaの小さいタンパク質であり、典型的なタンパク質が有する疎水性コアに代わって、高ジスルフィド密度の足場を形成する。疎水性コアを含む多数の疎水性アミノ酸を少数のジスルフィドで置き換えることにより、より小さく、より親水性になり(凝集および非特異的結合が少なく)、プロテアーゼおよび熱に対してより耐性があり、より低密度のT細胞エピトープを有するタンパク質となる。これは、MHCの提示に最も寄与する残基が、疎水性であるためである。これらの4つの特性はすべて免疫原性に影響を与えることがよく知られており、これらが一緒になった免疫原性の大幅な低下を引き起こすことが予想される。
詳細な説明
抗腫瘍免疫療法として、IL-2経路遮断が明らかに見込まれるとしても、IL-2経路の操作は、免疫刺激機能および免疫調節機能を双方とも調節するため、慎重に検討する必要がある。実際に、IL-2経路は、免疫応答の調節および末梢性自己寛容の維持に重要な役割を果たすが、T細胞の増殖および生存、ならびにエフェクターT細胞およびメモリーT細胞の生成に不可欠なT細胞成長因子としても作用する。さらに、IL-2受容体は、エフェクターT細胞内および骨髄樹状細胞内でも一過性に発現するため、IL-2経路を操作することにより、例えば、抗腫瘍エフェクターT細胞、特にCD8エフェクターT細胞の機能の改変など、予測できない結果が生じ、その結果、がんが進行する可能性がある。
エフェクターCD8T細胞は、免疫系の構成要素として、腫瘍の抑制に重要な役割を有する。例えば、エフェクターCD8T細胞は、グランザイムおよびパーフォリンなどの細胞傷害性分子で腫瘍細胞を殺すことができる。CD8T細胞によって産生されるIFN-γにより、腫瘍細胞によるMHCクラスI抗原の発現が増加し、それによってCD8T細胞のより良い標的となり得る。したがって、がんの間、エフェクターCD8T細胞は、腫瘍性細胞の消失に重要である。
ここで、出願人は、がんの間の効率的なエフェクターT細胞応答を維持しながら、Tregを消失させるかまたはサイレンシングさせることを目的とした。したがって、本発明は、特にIL-2シグナル伝達経路を遮断することなく、Tregを枯渇させることによって強力な抗癌効果を示し、それによってIL-2がエフェクターT細胞を刺激できるようにする新規抗CD25抗体に関する。
本発明は、ヒトCD25(hCD25)に結合する単離されたタンパク質に関する。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質は、単離された抗体またはその抗原結合断片であり、抗体またはその抗原結合断片は、ヒトCD25(hCD25)に結合する。
本明細書で使用される「単離されたタンパク質」、特に「単離された抗体」は、タンパク質、特に異なる抗原特異性を有する他のタンパク質または抗体を実質的に含まない抗体(例えば、hCD25に特異的に結合する単離されたタンパク質または抗体は、hCD25以外の抗原に特異的に結合するタンパク質または抗体を実質的に含まない)を指すことを意図する。しかし、hCD25に特異的に結合する単離されたタンパク質、特に単離された抗体は、他の種からのhCD25分子など、他の抗原に対して交差反応性を有し得る。さらに、単離されたタンパク質または抗体は、他の細胞物質および/または化学物質、特に、タンパク質または抗体の診断的または治療的使用を妨害するもの、これらに限定されないが、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性成分などを実質的に含まなくてもよい。
一実施形態では、単離されたタンパク質、特に単離された抗体またはその抗原結合断片は精製される。
一実施形態では、単離されたタンパク質または抗体またはその抗原結合断片は、
(1)ローリー法で測定した場合、タンパク質または抗体またはその抗原結合断片の80重量%、85重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%超、またはそれ以上、最も好ましくは96重量%、97重量%、98重量%または99重量%超まで;
(2)スピニングカップシーケンターを使用して、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を取得するのに十分な程度まで;または
(3)還元または非還元条件下で、クーマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用したSDS-PAGEによって示される均一性まで精製される。
本発明によれば、単離されたタンパク質、特に単離された抗体またはその抗原結合断片は、CD25を介するIL-2のシグナル伝達を阻害するものではない。一実施形態では、単離されたタンパク質は、インターロイキン-2(IL-2)のヒトCD25への結合を阻害するものではない。一実施形態では、単離された抗体またはその抗原結合断片は、インターロイキン-2(IL-2)のヒトCD25への結合を阻害せず、したがって、本明細書では「非遮断抗体」と呼ばれ得る。
一実施形態では、本発明によるタンパク質は、タンパク質の非存在下でのIL-2シグナル伝達と比較して、IL-2シグナル伝達の50%未満を阻害する。一実施形態では、本発明によるタンパク質は、タンパク質の非存在下でのIL-2シグナル伝達と比較して、IL-2シグナル伝達の45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%未満を阻害する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体またはその抗原結合断片の非存在下でのIL-2シグナル伝達と比較して、IL-2シグナル伝達の50%未満を阻害する。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体またはその抗原結合断片の非存在下でのIL-2シグナル伝達と比較して、IL-2シグナル伝達の45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%未満を阻害する。
IL-2シグナル伝達を測定するための方法は、当技術分野において周知であり、例えば、IL-2受容体シグナル伝達の誘導の測定(例えば、リン酸化STAT5aの検出による)、増殖の誘導(例えば、MLR実験において、IL-2の存在下でのT細胞増殖(例えば、IL-2の存在下でのCD3およびCD28を有する細胞の活性化を含む)の直接判定による、特にCellTrace(商標)細胞増殖キットを使用したKi-67の検出による)、またはIL-2に依存する細胞株(例えばCTLL2細胞株)を使用した増殖、および/または活性化マーカー(例えば、CD25、CD69、細胞傷害性分子、例えば、グランザイムBなど)の発現のアップレギュレーションが挙げられる。
一実施形態では、本発明のタンパク質は、CD4およびCD8T細胞の増殖および/または活性化を阻害するものではない。一実施形態では、本発明のタンパク質は、CD4およびCD8T細胞のIL-2誘導性増殖を阻害するものではない。
一実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、CD4およびCD8T細胞の増殖および/または活性化を阻害するものではない。一実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、CD4およびCD8T細胞のIL-2誘導性増殖を阻害するものではない(IL-2誘導性T細胞の増殖を測定するために使用され得る方法の例は、実施例部分に記載されている)。一実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、アイソタイプ対照抗体を使用したCD4およびCD8T細胞のIL-2誘導性増殖と比較して、CD4およびCD8T細胞のIL-2誘導性増殖を30%未満、好ましくは25%未満、またはそれ以下、阻害する。
別の実施形態では、本発明によるタンパク質は、CD4およびCD8T細胞におけるSTAT5aのリン酸化を阻害するものではない。
別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、CD4およびCD8T細胞におけるSTAT5aのリン酸化を阻害するものではない。
一実施形態では、本発明によるタンパク質は、タンパク質の非存在下でのCD25へのIL-2の結合と比較して、CD25へのIL-2の結合の50%未満を阻害する。一実施形態では、本発明によるタンパク質は、タンパク質の非存在下でのCD25へのIL-2の結合と比較して、CD25へのIL-2の結合の45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%未満を阻害する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体またはその抗原結合断片の非存在下でのCD25へのIL-2の結合と比較して、CD25へのIL-2の結合を50%未満を阻害する。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体またはその抗原結合断片の非存在下でのCD25へのIL-2の結合と比較して、CD25へのIL-2の結合を45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%未満を阻害する。
CD25へのIL-2の結合を測定するための方法は、当業者において周知であり、これらに限定されないが、例えば、CD25上のビオチン化または放射性標識されたIL-2などの、CD25上の標識されたIL-2の検出が挙げられる。
一実施形態では、本発明によるタンパク質は、ヒトCD25(hCD25)に特異的である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ヒトCD25(hCD25)に特異的である。
タンパク質、抗体、またはその抗原結合断片は、抗原(例えば、CD25)と検出可能なレベルで反応する場合、抗原に「特異的である」、「免疫特異的である」、または「特異的に結合」すると言われ、好ましくは、約10-1以上、好ましくは、約10-1、10-1、5x10-1、10-1、5x10-1以上またはそれ以上の親和定数(K)を有する。その同族抗原に対するタンパク質、または抗体もしくはその抗原結合断片の親和性も、一般に、平衡解離定数(K)として表される。抗体またはその抗原結合断片は、好ましくは、10-6M以下、好ましくは10-7M、5.10-8M、10-8M、5.10-9M、10-9M以下またはそれ以下のKで、検出可能なレベルで抗原(例えば、CD25)と反応する場合、抗原に対して「免疫特異的である」、「特異的である」、または「特異的に結合する」と言われる。
抗体またはその抗原結合断片の親和性は、従来の技術、例えば、Scatchard、1949.Ann NY Acad Sci.51:660-672によって記載されたものを使用して容易に決定することができる。抗体またはその抗原結合断片の抗原、細胞または組織への結合特性は、一般に、免疫検出法、例えば、ELISA、免疫蛍光ベースアッセイ、例えば、免疫組織化学(IHC)および/または蛍光活性化セルソーティング(FACS)、または表面プラズモン共鳴(SPR、例えば、BIAcore(登録商標)を使用して)などを使用して決定し、判定することができる。
一実施形態では、本発明によるタンパク質(特に抗体またはその抗原結合断片)は、約5.10-9M以下、好ましくは約4.10-9Mまたは約3.10-9M以下のヒトCD25に結合するためのKを提示する。一実施形態では、ヒトCD25に結合するための本発明のタンパク質のKは、約2,5.10-9M~3,5.10-9Mの範囲である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ポリクローナルである。
別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、モノクローナルである。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、全抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、二量体単鎖抗体、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab)’、Fd、脱フコシル化抗体、二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディを含むかまたはそれらからなる群から選択される分子である。
抗体の抗原結合断片は、標準的な方法を使用して得ることができる。例えば、FabまたはF(ab’)断片は、従来の技術に従って、単離された抗体のプロテアーゼ消化によって産生され得る。
本発明による抗体またはその抗原結合断片は、既知の方法を使用して修飾できることも理解されよう。例えば、in vivoでのクリアランスを減速させ、より望ましい薬物動態プロファイルを得るために、抗体またはその抗原結合断片をポリエチレングリコール(PEG)で修飾してもよい。PEGを抗体またはその抗原結合断片にカップリングし、部位特異的に複合体形成するための方法は、例えば、Leongら、2001.Cytokine.16(3):106-19;Delgadoら、1996.Br J Cancer.73(2):175-82に記載されている。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ユニボディ、ドメイン抗体、およびナノボディを含むかまたはそれらからなる群から選択される分子である。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質は、アフィボディ、アルファボディ、アルマジロリピートタンパク質ベースの足場、ノッチン、クニッツドメインペプチド、アフィリン、アフィチン、アドネクチン、アトリマー、エバシン、DARPin、アンチカリン、アビマー、ファイノマー、バーサボディまたはデュオカリンを含むかまたはそれからなる群から選択される抗体模倣体である。
以下では、特に明記されていない限り、CDRの番号付けおよび定義はIMGT(登録商標)番号付けシステムに準拠している。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの以下の相補性決定領域(CDR):
VH-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここで、Xは、DまたはNである:
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および/または
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)
を含む重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVと略される)を含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VH-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここで、Xは、DまたはNである:
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)
を含むHCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VH-CDR1:DHAMA(配列番号7);
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)
を含むHCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VH-CDR1:NHAMA(配列番号10);
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)
を含むHCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの以下の相補性決定領域(CDR):
VL-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および/または
VL-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである;
を含む軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVと略される)を含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである;
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFLN(配列番号8);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFVN(配列番号11);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KGSQNVNKFLN(配列番号12);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KGSQNVNKFVN(配列番号34);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFLN(配列番号8);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFVN(配列番号11);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KGSQNVNKFLN(配列番号12);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KGSQNVNKFVN(配列番号34);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)
を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの以下のCDR:
VH-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここで、Xは、DまたはNである:
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および/または
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)を含むHCVR;および
-少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および/または
VL-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである、を含むLCVRを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-3つの以下のCDR:
VH-CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここで、Xは、DまたはNである:
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)を含むHCVR;および
-3つの以下のCDR:
VL-CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここで、Xは、SまたはTである;を含むLCVR、を含む。
一実施形態では、配列番号1~3、7または10を有するHCVRのCDR1、CDR2および/またはCDR3のいずれかは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号4~6、8~9、11~13または34を有するLCVRのCDR1、CDR2および/またはCDR3のいずれかは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号1~3、7、もしくは10を有するHCVRおよび/または配列番号4~6、8~9、11~13、もしくは34を有するLCVRのCDR1、CDR2および/またはCDR3のいずれかは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号1~3、7、または10を有するHCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号4~6、8~9、11~13、もしくは34を有するLCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号1~3、7または10を有するHCVRおよび/または配列番号4~6、8~9、11~13または34を有するLCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-3つの以下のCDR:
VH-CDR1:DHAMA(配列番号7);
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)を含むHCVR;および
-以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFLN(配列番号8);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含む、抗体またはその抗原結合断片のLCVRを含む。
一実施形態では、配列番号7、2~3を有するHCVRおよび/または配列番号5、8~9を有するLCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
配列番号7、2および3を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖と、配列番号8、5および9を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖と、を含む抗体の一例は、Ald25H1である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-3つの以下のCDR:
VH-CDR1:NHAMA(配列番号10);
VH-CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
VH-CDR3:GGNSGYD(配列番号3)を含むHCVR;および
-以下のCDR:
VL-CDR1:KASQNVNKFVN(配列番号11);
VL-CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
VL-CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9)を含む、抗体またはその抗原結合断片のLCVRを含む。
一実施形態では、配列番号10、2~3を有するHCVRおよび/または配列番号5、9、および11を有するLCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
配列番号10、2および3を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖と、配列番号11、5および9を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖と、を含む抗体の一例は、Ald25H2である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-3つの以下のCDR:
CDR1:NHAMA(配列番号10);
CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
CDR3:GGNSGYD(配列番号3);を含むHCVRを含み
-以下のCDR:
CDR1:KGSQNVNKFLN(配列番号12);
CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13)
を含む抗体またはその抗原結合断片のLCVRを含む。
一実施形態では、配列番号10、2~3を有するHCVRおよび/または配列番号5、12~13を有するLCVRのCDR1、CDR2、および/またはCDR3のいずれかは、対応する配列番号に記載されている特定のCDRまたはCDRのセットと、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
配列番号10、2および3を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖と、配列番号12、5および13を有するCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖と、を含む抗体の一例は、Ald25H4である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号35の配列を含むかまたはそれからなるHCVRを含み、ここで、Xは、EまたはQであり、Xは、LまたはVであり、Xは、MまたはLであり、Xは、KまたはRであり、Xは、AまたはVであり、Xは、TまたはPであり、Xは、NまたはDであり、Xは、KまたはGであり、Xは、EまたはQであり、X10は、AまたはSであり、X11は、K、RまたはQであり、X12は、SまたはNであり、X13は、YまたはFであり、X14は、IまたはMであり、X15は、DまたはNであり、X16は、SまたはAであり、X17は、TまたはVであり、X18は、VまたはTであり、X19は、MまたはLである。
配列番号35
X1VQLVESGGGX2VQPGRSX3X4LSCAX5SGFX6FSX7HAMAWVRQAPX8KGLX9WVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNX10X11X12TLX13LQX14X15SLRX16EDTAX17YYCTTGGNSGYDWGQGX18X19VTVSS
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号20の配列を含むかまたはそれからなるHCVRを含み、ここで、Xは、AまたはV、Xは、PまたはTであり、Xは、DまたはN、Xは、QまたはE、Xは、R、KまたはQ、Xは、FまたはYであり、Xは、MまたはIである。
配列番号20
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAX1SGFX2FSX3HAMAWVRQAPKKGLX4WVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAX5STLX6LQX7DSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号36の配列を含むかまたはそれからなるLCVRを含み、ここで、Xは、FまたはSであり、Xは、NまたはTであり、Xは、AまたはGであり、Xは、VまたはLであり、Xは、LまたはPであり、Xは、EまたはKであり、Xは、RまたはKであり、Xは、RまたはLであり、Xは、IまたはVであり、X10は、YまたはFであり、X11は、VまたはFであり、X12は、FまたはYであり、X13は、SまたはTであり、X14は、GまたはQであり、X15は、LまたはIである。
配列番号36
DIQMTQSPSX1LSASVGDRVTIX2CKX3SQNVNKFX4NWYQQKX5GX6APX7X8LIYGTNSLQTGX9PSRFSGSGSGTDX10TLTISSLQPEDX11ATYX12CQQYX13SWPWTFGX14GTKLEX15K
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号21の配列を含むかまたはそれからなるLCVRを含み、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVであり、Xは、SまたはTである。
配列番号21
DIQMTQSPSFLSASVGDRVTINCKX1SQNVNKFX2NWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCQQYX3SWPWTFGGGTKLELK
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号35の配列を含むかまたはそれからなるHCVR(ここで、Xは、EまたはQであり、Xは、LまたはVであり、Xは、MまたはLであり、Xは、KまたはRであり、Xは、AまたはVであり、Xは、TまたはPであり、Xは、NまたはDであり、Xは、KまたはGであり、Xは、EまたはQであり、X10は、AまたはSであり、X11は、K、RまたはQであり、X12は、SまたはNであり、X13は、YまたはFであり、X14は、IまたはMであり、X15は、DまたはNであり、X16は、SまたはAであり、X17は、TまたはVであり、X18は、VまたはTであり、X19は、MまたはLである)と、
-配列番号36の配列を含むかまたはそれからなるLCVR(Xは、FまたはSであり、Xは、NまたはTであり、Xは、AまたはGであり、Xは、VまたはLであり、Xは、LまたはPであり、Xは、EまたはKであり、Xは、RまたはKであり、Xは、RまたはLであり、Xは、IまたはVであり、X10は、YまたはFであり、X11は、VまたはFであり、X12は、FまたはYであり、X13は、SまたはTであり、X14は、GまたはQであり、X15は、LまたはIである)と、を含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号20の配列を含むかまたはそれからなるHCVR(ここで、Xは、AまたはVであり、Xは、PまたはTであり、Xは、DまたはNであり、Xは、QまたはEであり、Xは、R、KまたはQであり、Xは、FまたはYであり、XはMまたはIである)と、
-配列番号21の配列を含むかまたはそれからなるLCVR(ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVであり、Xは、SまたはTである)と、を含む。
一実施形態では、配列番号35を有するHCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号20を有するHCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号36を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号21を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号35を有するHCVRおよび/または配列番号36を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号20を有するHCVRおよび/または配列番号21を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号35を有するHCVRは、配列番号35と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号20を有するHCVRは、配列番号20と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号36を有するLCVRは、配列番号36と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号21を有するLCVRは、配列番号21と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号35を有するHCVRならびに/または配列番号36を有するLCVRは、それぞれ、配列番号35および/または配列番号36と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号20を有するHCVRならびに/または配列番号21を有するLCVRは、それぞれ、配列番号20および/または配列番号21と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号35および配列番号36のアミノ酸配列に相同であるアミノ酸配列を含むHCVRおよびLCVRを含み、抗体またはその抗原結合断片は、所望の機能的特性を保持している。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、それぞれ配列番号20および配列番号21のアミノ酸配列に相同であるアミノ酸配列を含むHCVRおよびLCVRを含み、抗体またはその抗原結合断片は、所望の機能的特性を保持している。
本明細書で使用される場合、所与の配列に関して「異なるアミノ酸で置換されている[…]のアミノ酸を有することを特徴とする」という句は、前述の配列内で保存的アミノ酸修飾が生じていることを指す。
本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸修飾」という表現は、アミノ酸配列を含む抗体またはその抗原結合断片の結合特性に有意に影響を与えることのないまたは改変することのない修飾を指す。そのような保存的修飾には、アミノ酸の置換、付加、および欠失が含まれる。修飾は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発など、当技術分野において公知である標準的な技術によって、抗体またはその抗原結合断片に導入することができる。
保存的アミノ酸置換は、典型的には、アミノ酸残基が、同様の物理化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸残基により置き換えられているものである。特定の可変領域およびCDR配列は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸の挿入、欠失、および/または置換を含み得る。置換が行われる場合、好ましい置換は、保存的修飾であろう。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が挙げられる。したがって、本発明による抗体またはその抗原結合断片のCDRおよび/または可変領域内の1つ以上のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基で置き換えることができ、改変された抗体は、本明細書に記載のアッセイを使用して、保持された機能(すなわち、例えば、hCD25への結合など、本明細書に記載の特性)について試験を行うことができる。別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片のCDRおよび/または可変領域内のアミノ酸のストリングは、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または構成が異なる構造的に類似したストリングに置き換えることができる。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号14、配列番号15もしくは配列番号16の配列を含むかまたはそれらからなるHCVRを含む。別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46もしくは配列番号47の配列を含むかまたはそれらからなるHCVRを含む。
配列番号14
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAASGFPFSDHAMAWVRQAPKKGLQWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNARSTLFLQMDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号15
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAASGFTFSNHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAKSTLYLQIDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号16
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAVSGFTFSNHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAQSTLYLQMDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号37
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSNHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAQSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号38
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAQSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号39
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSNHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAKSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号40
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAKSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号41
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAASGFPFSNHAMAWVRQAPKKGLQWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNARSTLFLQMDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号42
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAASGFTFSDHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAKSTLYLQIDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号43
EVQLVESGGGLVQPGRSMKLSCAVSGFTFSDHAMAWVRQAPKKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNAQSTLYLQMDSLRSEDTATYYCTTGGNSGYDWGQGVMVTVSS
配列番号44
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNSKSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号45
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSNHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNSKSTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号46
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSDHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
配列番号47
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSNHAMAWVRQAPGKGLEWVAYISYDGDNTYYRDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCTTGGNSGYDWGQGTLVTVSS
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号17、配列番号18もしくは配列番号19の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRを含む。別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRを含む。
配列番号17
DIQMTQSPSFLSASVGDRVTINCKASQNVNKFLNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCQQYSSWPWTFGGGTKLELK
配列番号18
DIQMTQSPSFLSASVGDRVTINCKASQNVNKFVNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCQQYSSWPWTFGGGTKLELK
配列番号19
DIQMTQSPSFLSASVGDRVTINCKGSQNVNKFLNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGIPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYFCQQYTSWPWTFGGGTKLELK
配列番号48
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKGSQNVNKFLNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYTSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号49
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFLNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号50
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFVNWYQQKLGEAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号51
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFLNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号52
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFVNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号53
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKGSQNVNKFLNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYYCQQYTSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号54
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFLNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号55
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFVNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号56
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKGSQNVNKFLNWYQQKPGKAPRRLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYTSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号57
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFLNWYQQKPGKAPKLLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号58
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVNKFVNWYQQKPGKAPKLLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYSSWPWTFGQGTKLEIK
配列番号59
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKGSQNVNKFLNWYQQKPGKAPKLLIYGTNSLQTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYTSWPWTFGQGTKLEIK
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14、配列番号15または配列番号16の配列を含むかまたはそれらからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18もしくは配列番号19の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46もしくは配列番号47の配列を含むかまたはそれらからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体はAld25H1抗体であり、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号18の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号19の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号14の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号15の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体はAld25H2抗体であり、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号15の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号18の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号15の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号19の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号15の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号16の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号16の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号18の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体はAld25H4抗体であり、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号16の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号19の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号16の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号37の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号38の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号39の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号40の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号41の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号42の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号43の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号44の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号45の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号46の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、
-配列番号47の配列を含むかまたはそれからなるHCVRと;
-配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58もしくは配列番号59の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRと、を含む。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46または配列番号47を有するHCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16もしくは配列番号20を有するHCVRおよび/または配列番号17、配列番号18、配列番号19もしくは配列番号21を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46もしくは配列番号47を有するHCVRおよび/または配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59を有するLCVRは、異なるアミノ酸で置換されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35またはそれ以上のアミノ酸を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46または配列番号47を有するHCVRは、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46または配列番号47と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59を有するLCVRは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58または配列番号59と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16または配列番号20を有するHCVRおよび/または配列番号17、配列番号18、配列番号19または配列番号21を有するLCVRは、それぞれ、配列番号14、配列番号15、配列番号16または配列番号20および/または配列番号17、配列番号18、配列番号19または配列番号21と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、もしくは配列番号47を有するHCVR、および/または配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、もしくは配列番号59を有するLCVRは、それぞれ、配列番号14、配列番号15、配列番号16もしくは配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46もしくは配列番号47、および/または配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、もしくは配列番号59と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有するアミノ酸配列を有することを特徴とし得る。
一実施形態では、LCVRおよび/またはHCVRは、好ましくは、それぞれLCVRアミノ酸配列からN末端に、またはHCVRアミノ酸配列からN末端に位置するリーダー配列をさらに含む。リーダー配列の例としては、これらに限定されないが、配列番号22および23が挙げられる。
配列番号22
MDIRLSLAFLVLFIKGVQC
配列番号23
MAAVQLLGLLLLWLPAMRC
一実施形態では、LCVRは、HCVRアミノ酸配列からN末端に位置する配列番号22のアミノ酸配列リーダー配列(例えば、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号20、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、または配列番号47など)を含む。
一実施形態では、LCVRは、LCVRアミノ酸配列からN末端に位置する配列番号23のアミノ酸リーダー配列(例えば、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号21、配列番号36、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、または配列番号59など)を含む。
一実施形態では、配列番号14および配列番号17の配列を含む本発明の抗体は、本明細書ではAld25H1抗体と呼ばれる。
本発明はさらに、Ald25H1様抗体、すなわち、Ald25H1と同じエピトープ、またはAld25H1と実質的に同じエピトープに結合する抗体に関する。したがって、本発明は、CD25への結合についてAld25H1と競合する抗体にさらに関する。
一実施形態では、配列番号15および配列番号18の配列を含む本発明の抗体は、本明細書ではAld25H2抗体と呼ばれる。
本発明はさらに、Ald25H2様抗体、すなわち、Ald25H2と同じエピトープ、またはAld25H2と実質的に同じエピトープに結合する抗体に関する。したがって、本発明は、CD25への結合についてAld25H2と競合する抗体にさらに関する。
一実施形態では、配列番号16および配列番号19の配列を含む本発明の抗体は、本明細書ではAld25H4抗体と呼ばれる。
本発明はさらに、Ald25H4様抗体、すなわち、Ald25H4と同じエピトープ、またはAld25H4と実質的に同じエピトープに結合する抗体に関する。したがって、本発明は、CD25への結合についてAld25H4と競合する抗体にさらに関する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、完全にまたは実質的に完全なヒト重鎖定常領域(本明細書ではHCCRまたはCと略される)および/または軽鎖定常領域(本明細書ではLCCRまたはCと略される)を含む。
一実施形態では、定常領域はヒト起源のものである。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、完全なまたは実質的に完全なマウスのHCCRおよび/またはLCCRを含む。
一実施形態では、定常領域はマウス起源のものである。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、マウス抗体またはその断片である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、キメラ抗体またはその断片である。
本明細書で使用される「キメラ抗体」は、それが本来は自然に連結されていない第2のアミノ酸配列に連結された第1のアミノ酸配列を含む抗体またはその抗原結合断片を指す。アミノ酸配列は、通常、融合タンパク質内にまとめられる別々のタンパク質内に存在し得るか、または、通常は同じタンパク質内に存在するが、融合タンパク質に新しい配置で配置され得る。キメラタンパク質は、例えば、化学合成によって、またはペプチド領域が所望の関係でコードされているポリヌクレオチドを作製し、翻訳することによって作製されてもよい。「キメラ抗体」という用語は、本明細書において、
(a)定常領域またはその一部が、改変されるか、置き換えられるか、または交換されて、これにより、可変領域が、クラス、エフェクター機能および/もしくは種が異なるかまたは変化した定常領域に連結されるか、またはキメラ抗体に新しい特性を付与する全く異なる分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物などに連結されるか、または、
(b)可変領域またはその一部が、異なるかもしくは改変された抗原特異性を有する可変領域もしくはその一部、または別の種もしくは別の抗体クラスもしくはサブクラスからの対応する配列と改変されるか、置き換えられるか、または交換される、抗体およびその抗原結合断片を包含する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ヒト化抗体またはその断片である。
本明細書で使用されるとき、「ヒト化抗体」は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含むキメラ抗体またはその抗原結合断片を指す。これには、可変領域および定常領域を有する非ヒト細胞によって作製された抗体が含まれ、これは、例えば、非ヒト抗体のアミノ酸配列を改変して、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列内に見出されたアミノ酸を組み込むことにより、ヒト細胞によって作製されるであろう、より類似している抗体に改変されている。本発明によるヒト化抗体またはその抗原結合断片は、例えば、CDR内に、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダムまたは部位特異的突然変異誘発によって、またはin vivoでの体細胞突然変異によって導入される突然変異)を含み得る。「ヒト化抗体」という用語はまた、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に移植されている抗体およびその抗原結合断片を含む。換言すれば、「ヒト化抗体」という用語は、レシピエントヒト抗体のCDRがドナー非ヒト抗体のCDRに置き換えられている抗体またはその抗原結合断片を指す。ヒト化抗体またはその抗原結合断片はまた、フレームワーク配列内にドナー起源の残基を含み得る。ヒト化抗体またはその抗原結合断片は、ヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部も含み得る。ヒト化抗体および/またはその抗原結合断片はまた、レシピエント抗体にも、インポートされたCDR内またはフレームワーク配列内のいずれにも見られない残基を含み得る。ヒト化は、当技術分野において公知である方法(例えば、Jonesら、1986.Nature.321(6069):522-5;Riechmannら、1988.Nature.332(6162):323-7;Verhoeyenら、1988.Science.239(4847):1534-6;Presta,1992.Curr Opin Biotechnol.3(4):394-8;米国特許第4,816,567号明細書)、例えば、「超ヒト化」抗体(例えば、Tanら、2002.J Immunol.169(2):1119-25)および「表面再構成(resurfacing)」(例えば、Staelensら、2006.Mol Immunol.43(8):1243-57;Roguskaら、1994.Proc Natl Acad Sci USA.91(3):969-73)などの技術を用いて実施できる。
「ヒト化抗体」は、元の抗体と類似の抗原特異性を保持している。しかし、ヒト化の特定の方法を使用して、抗体の結合の親和性および/または特異性を増加させ得る。
本発明による抗体またはその抗原結合断片をヒト化するための方法は、当技術分野において周知である。ヒト化抗体またはその抗原結合断片を作製する際に使用される、軽鎖または重鎖の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させるために非常に重要である。いわゆる「ベストフィット」法によれば、本発明による抗体またはその抗原結合断片の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。次に、マウス配列に最も近いヒト配列が、ヒト化抗体のヒトフレームワーク(FR)として受け入れられる(Simsら、1993.J Immunol.151(4):2296-308;Chothia&Lesk,1987.J Mol Biol.196(4):901-17)。
本発明による抗体またはその抗原結合断片をヒト化するための別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列からの特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用できる(Carteretら、1992.Proc Natl Acad Sci USA.89(10):4285-9;Prestaら、1993.J Immunol.151(5):2623-32)。抗体が、hCD25および他の好ましい生物学的特性に対する高い親和性を保持してヒト化されることがさらに重要である。この目標を達成するために、好ましい方法によれば、ヒト化抗体およびその抗原結合断片は、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを使用する親配列および様々な概念的なヒト化産物の分析プロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に利用可能であり、当業者は精通している。選択された候補免疫グロブリン配列の可能性のある三次元構造を例示し、表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を検査することにより、候補免疫グロブリン配列を機能させることにおける残基の可能性の高い役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンがそのエピトープに結合する能力に影響を与える残基の分析が可能になる。このようにして、CDR残基は、コンセンサスおよびインポート配列から選択し、組み合わせることができるため、所望の抗体特性、例えば、hCD25に対する親和性の増加などが達成される。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を与えることに直接的にかつ最も実質的に関与する。
本発明による抗体またはその抗原結合断片をヒト化するための別の方法は、免疫化のためにヒト免疫系の一部を保有するトランスジェニックまたはトランスクロモソーム動物を使用することである。宿主として、これらの動物は、機能的なヒト免疫グロブリン遺伝子によって置き換えられた免疫グロブリン遺伝子を有する。したがって、これらの動物によって、またはこれらの動物のB細胞から作られたハイブリドーマで産生された抗体は、すでにヒト化されている。そのようなトランスジェニックまたはトランスクロモソーム動物の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
-XenoMouse(Abgenix,Fremont,CA)、米国特許第5,939,598号明細書、同第6,075,181号明細書、同第6,114,598号明細書、同第6,150,584号明細書、および同第6,162,963号明細書に記載;
-HuMAb Mouse(登録商標)(Medarex,Inc.)、Lonbergら、1994.Nature.368(6474):856-859;Lonberg&Huszar,1995.Int Rev Immunol.13(1):65-93;Harding&Lonberg,1995.Ann N Y Acad Sci.764:536-46;Taylorら、1992.Nucleic Acids Res.20(23):6287-95;Chenら、1993.Int Immunol.5(6):647-56;Tuaillonら、1993.Proc Natl Acad Sci USA.90(8):3720-4;Choiら、1993.Nat Genet.4(2):117-23;Chenら、1993.EMBO J.12(3):821-30;Tuaillonら、1994.J Immunol.152(6):2912-20;Taylorら、1994.Int Immunol.6(4):579-91;Fishwildら、1996.Nat Biotechnol.14(7):845-51に記載;
-KM Mouse(登録商標)、国際特許公開第2002043478号に記載;
-TC mice、Tomizukaら、2000.Proc Natl Acad Sci USA.97(2):722-7に記載;および
-OmniRat(商標)(OMT,Inc.)、国際公開第2008151081号;Geurtsら、2009.Science.325(5939):433;Menoretら、2010.Eur J Immunol.40(10):2932-41に記載。
ヒト化抗体およびその抗原結合断片はまた、免疫化のために、ヒト抗体レパートリーを発現するように操作された他のトランスジェニック動物を使用することによる(Jakobovitzら、1993.Nature.362(6417):255-8)、またはファージディスプレイ法を使用して抗体レパートリーを選択することによる、など、様々な他の技術に従って産生され得る。そのような技術は当業者に知られており、本出願に開示されるとおり、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片から出発して実施することができる。
いくつかの実施形態では、HCVRおよびLCVR(またはそのCDR)を含む本発明による抗体またはその抗原結合断片は、そのアミノ酸配列が完全にヒトであるかまたは実質的にヒトである第1の定常ドメイン(C1および/またはC)を含み得る。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、完全にヒト抗体であるか、または実質的にヒト抗体であるか、またはその断片である。
いくつかの実施形態では、特に本発明による抗体またはその抗原結合断片がヒトの治療用途を意図する場合、定常領域全体またはその少なくとも一部が完全にまたは実質的にヒトアミノ酸配列を有することが典型的である。したがって、C1ドメイン、ヒンジ領域、C2ドメイン、C3ドメインおよびCドメイン(および存在する場合は、C4ドメイン)のうちの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせは、そのアミノ酸配列に関して完全にヒトであり得るか、または実質的にヒトであり得る。有利には、C1ドメイン、ヒンジ領域、C2ドメイン、C3ドメインおよびCドメイン(および存在する場合は、C4ドメイン)はすべて、完全にヒトアミノ酸配列を有し得るか、または実質的にヒトアミノ酸配列を有し得る。
「実質的にヒト」という用語は、ヒト化抗体またはキメラ抗体またはその抗原結合断片の定常領域の文脈において、ヒト定常領域と少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を指す。
この文脈における「ヒトアミノ酸配列」という用語は、生殖細胞系列、再配列された、および体細胞変異した遺伝子を含む、ヒト免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を指す。本発明はまた、「完全ヒトヒンジ領域」の存在が明示的に必要とされる実施形態を除いて、ヒト配列に対して、1つ以上のアミノ酸の付加、欠失または置換によって改変された「ヒト」配列の定常ドメインを含むタンパク質を企図する。
本発明による抗体またはその抗原結合断片における「完全ヒトヒンジ領域」の存在は、免疫原性を最小化することおよび抗体の安定性を最適化することの両方に有益であり得る。1つ以上のアミノ酸の置換、挿入または欠失は、重鎖および/または軽鎖の定常領域内、特にFc領域内で行われ得ると考えられる。アミノ酸置換は、置換されるアミノ酸を異なる天然に存在するアミノ酸、または非天然もしくは修飾アミノ酸で置き換える結果となり得る。例えば、グリコシル化パターンの変化(例えば、N-またはO-連結型グリコシル化部位の付加または欠失による)などの他の構造的修飾も可能である。抗体またはその抗原結合断片の使用目的に応じて、例えばエフェクター機能を調節するために、Fc受容体へのその結合特性に関して、本発明による抗体またはその抗原結合断片を修飾することが望ましい場合がある。例えば、システイン残基(複数可)は、Fc領域に導入され得、それにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成が可能になる。このように生成されたホモ二量体抗体は、改善されたエフェクター機能を有し得る(Caronら、1992.J Exp Med.176(4):1191-5;Shopes,1992.J Immunol.148(9):2918-22)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、IgGクラスに由来する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ヒトIgG1サブクラスに由来する。別の実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ヒトIgG2サブクラスに由来する。
IgG抗体のFc領域は、細胞のFcγ受容体(FcγR)と相互作用して、下流のエフェクターメカニズムを刺激し、調節する。5つの活性化受容体、すなわちFcγRI(CD64)、FcγRIIa(CD32a)、FcγRIIc(CD32c)、FcγRIIIa(CD16a)、およびFcγRIIIb(CD16b)、ならびに1つの阻害性受容体FcγRIIb(CD32b)が存在する。IgG抗体と免疫系との通信は、FcγRによって制御され、媒介される。FcγRは、抗体によって感知され、収集された情報を免疫系に中継し、特に生物療法の文脈において、先天性免疫系と適応免疫系との間の連結をもたらす(HayesJら、2016.J Inflamm Res 9:209-219)。
IgGサブクラスは、FcγRに結合する能力が異なり、この結合の差異によって、様々な機能的応答を誘発する能力が決定する。例えば、ヒトでは、FcγRIIIaは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の活性化に関与する主要な受容体であり、IgG3はこの受容体に対して最も高い親和性を示す(僅差でIgG1が続く)。これは、ADCCを強力に誘導する能力を反映するものである。IgG2は、この受容体に対して弱い結合を有することが示されている。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、FcγRに高い親和性で結合し、好ましくは、活性化受容体に高い親和性で結合する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、FcγRIおよび/またはFcγRIIaおよび/またはFcγRIIcおよび/またはFcγRIIIaおよび/またはFcγRIIIbに高い親和性で結合する。
一実施形態では、IgG1抗体は、少なくとも1つのFc活性化受容体に結合する。例えば、抗体は、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIaおよびFcγRIIIbから選択される1つ以上の受容体に結合し得る。一実施形態では、抗体は、FcγRIIIaに結合することができる。一実施形態では、抗体は、FcγRIIaに結合することができる。一実施形態では、抗体は、FcγRIIIa、FcγRIIc、および任意によりFcγRIに結合することができる。一実施形態では、抗体は、FcγRIIIa、FcγRIIa、および任意によりFcγRIに結合することができる。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、約10-6Μ、10-7M、10-8Μ、10-9M、または10-10M未満の解離定数で少なくとも1つの活性化Fcγ受容体に結合する。
一実施形態では、IgG1抗体は、低い親和性でFcyRIIbに結合するよりも、高い親和性でFcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、および/またはFcγRIIIbに結合する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、IgG1抗体、好ましくはヒトIgG1抗体である。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ヒト重鎖定常領域配列を含み得、それらが結合しているCD25発現細胞を標的化、遮断、および/または枯渇させることができる。
一実施形態では、本発明によるタンパク質は、それらが結合しているCD25発現細胞を枯渇させる。一実施形態では、本発明によるタンパク質は、それらが結合しているTregを枯渇させる。一実施形態では、本発明によるタンパク質はまた、それらが結合している腫瘍浸潤制御性T細胞を枯渇させるかまたは減少させる。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、結合しているCD25発現細胞を枯渇させる。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、それが結合しているTregを枯渇させる。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片はまた、それが結合している腫瘍浸潤制御性T細胞を枯渇させるかまたは減少させる。
CD25発現細胞またはTregに関する「枯渇する(deplete)」または「枯渇すること(depleting)」という用語は、サンプルまたは対象内に存在するCD25発現細胞の数に悪影響を与えるような、死滅、消失、溶解、またはこうした死滅、消失、もしくは溶解の誘導を指す。一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片により、CD25発現細胞またはTreg細胞を標的化すること、これらの増殖を遮断すること、および/またはこれらを枯渇させることが可能になる。一実施形態では、枯渇は、ADCCを介する。一実施形態では、枯渇は、ADCPを介する。一実施形態では、枯渇は、CDCを介する。
したがって、一実施形態では、本発明の抗体は、直接的または間接的に、CD25発現細胞の枯渇をもたらす(例えば、CD25発現細胞の数の10%、20%、50%、60%、70%、80%、85%、またはそれ以上の消失または減少をもたらす)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、インターロイキン-2(IL-2)のCD25への結合を阻害することなく、それらが結合しているTregを枯渇させる。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導する。
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」または「ADCC」という用語は、その抗原に結合した抗体のFc領域が、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、好酸球および単核細胞(例えば、末梢血単核細胞)のようなエフェクター細胞上のFc受容体に結合するときに、抗体依存的に誘導される細胞媒介性細胞傷害を指し、それにより標的細胞の溶解がもたらされる。ADCCは、当技術分野において公知であり、利用可能なアッセイを使用して測定することができる(例えば、Clynesら、(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95,652-6)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、IgG1サブクラスに由来し、ADCC活性を有する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、抗体依存性細胞貪食(ADCP)を誘導する。
「抗体依存性細胞貪食」(ADCP)または「オプソニン化」という用語は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、食細胞、マクロファージ)が標的細胞に結合した抗体を認識し、標的細胞の食作用を誘導する細胞媒介反応を指す。ADCPは、当技術分野において公知であり、利用可能なアッセイを使用して測定することができる(例えば、Clynesら、(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95,652-6)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、IgG1サブクラスに由来し、ADCP活性を有する。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導する。
「補体依存性細胞傷害」(CDC)という用語は、補体の存在下で本発明の抗体またはその抗原結合断片によって認識される抗原発現細胞の溶解が誘導されることを指す。補体活性化経路は、補体系の最初の成分(C1q)が同族の抗原と複合体を形成した分子(例えば、抗体)に結合することによって開始される。CDCは、当技術分野において公知であり、利用可能なアッセイを使用して測定することができる(例えば、Clynesら、(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95,652-6;Gazzano-Santaroら、J.Immunol.Methods,202:163(1996))。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、IgG1サブクラスに由来し、CDC活性を有する。
抗体の定常領域は、抗体が補体を固定し、細胞依存性細胞傷害および食作用を媒介する能力において重要である。したがって、本明細書において論じられるとおり、抗体のアイソタイプは、抗体が細胞傷害/食作用を媒介することが望ましいか否かに基づいて選択され得る。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、毒性部分に連結されている。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、例えば、毒性部分などに複合体形成されていない。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、毒性部分に連結されていない。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、Fcドメインを含まない(例えば、CH2および/もしくはCH3ドメインを含まない)か、またはIgG2もしくはIgG4アイソタイプのFcドメインを含む。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ADCC、ADCPおよび/またはCDCを媒介するFc領域を含まない。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、ADCC、ADCPおよび/またはCDCを誘導しない。
したがって、一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、直接的または間接的に、CD25発現細胞の枯渇をもたらさない(例えば、CD25細胞数の10%、20%、50%、60%、またはそれ以上の消失または減少をもたらさない)。例えば、本発明の抗体は、FcγRIIIA(CD16)ポリペプチドに実質的に結合することができるFcドメインを含まない。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、操作された抗体またはその断片である。
本発明の操作された抗体には、例えば、抗体の特性を改善するために、VHおよび/またはVL内のフレームワーク残基に修飾が行われたものが含まれる。典型的には、このようなフレームワークの修飾は、抗体の免疫原性を低下させるために行われる。例えば、1つのアプローチは、1つ以上のフレームワーク残基を対応する生殖細胞系列配列に「逆変異」させることである。より具体的には、体細胞変異を受けた抗体は、抗体が由来する生殖細胞系列配列とは異なるフレームワーク残基を含み得る。そのような残基は、抗体フレームワーク配列を、抗体が由来する生殖細胞系列配列と比較することによって同定することができる。フレームワーク領域配列を生殖細胞系列構成に戻すために、体細胞変異は、例えば、部位特異的変異誘発またはPCR媒介変異誘発によって生殖細胞系列配列に「逆変異」させることができる。そのような「逆変異」抗体もまた、本発明に含まれることを意図している。別のタイプのフレームワーク修飾は、フレームワーク領域内、または1つ以上のCDR領域内でさえ1つ以上の残基を変異させてT細胞エピトープを除去し、それによって抗体の潜在的な免疫原性を低下させることを含む。このアプローチは「脱免疫化」とも呼ばれ、Carrらによる米国特許公開第20030153043号明細書にさらに詳細に記載されている。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、増強された、増加された、または改善されたADCC、ADCP、および/またはCDC応答を誘発するように操作される。
本明細書で使用される場合、「増強された、増加された、または改善されたADCC、ADCP、および/またはCDC応答」という用語は、インターロイキン2のCD25への結合を阻害しないもの、例えば、未修飾の抗CD25モノクローナル抗体など、他の抗CD25抗体で誘発されたADCC、ADCP、および/またはCDC応答と比較した、本発明による抗体またはその断片によって誘導されるADCC、ADCP、および/またはCDC応答に関連する。
ADCC、ADCPおよび/またはCDCを増加させる方法は、当技術分野において周知である。例えば、ADCCは、YB2/0細胞株での抗体の産生などにより、抗体グリカンからフコシル部分を消失させる方法によって、またはヒトlgG1のFc部分(例えば、S298A/E333A/K334A、S239D/I332E/A330L、G236A/S239D/A330L/I332E)に特定の変異を導入することによって増加され得る(Lazarら、(2006)Proc Natl Acad Sci USA 103,2005-2010;Smithら、(2012)Proc Natl 25 Acad Sci USA 109,6181-6)。ADCPは、ヒトlgG1のFc部分に特定の変異を導入することによっても増加され得る(Richardsら、(2008)Mol Cancer Ther 7,2517-27)。CDC応答は、C1q結合の親和性を高める抗体中での変異によって増加し得る(Idusogieら、(2001)J Immunol 166,2571-5)。
注目すべきことに、ADCC、ADCPおよび/またはCDCを減少させるかまたは廃止する方法もまた、当技術分野において周知である。例えば、ADCCは、免疫グロブリンのFcドメインのグリコシル化プロファイルを修飾する方法によって減少され得るかまたは廃止され得る。CDCは、抗体がC2q結合を変化させるように、1つ以上のアミノ酸を他のアミノ酸で置き換えることによって減少させ得るかまたは廃止し得る(米国特許第6,194,551号明細書、ldusogieらによる)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、そのグリコシル化を修飾するように操作される。例えば、本発明による抗体は、グリコシル化されていない(すなわち、抗体は、グリコシル化を欠いている)。グリコシル化を改変して、例えば、抗原に対する抗体の親和性を増加させること、または抗体のADCC活性を変化させることが可能である。そのような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内の1つ以上のグリコシル化部位を改変することによって達成することができる。例えば、1つ以上の可変領域フレームワークのグリコシル化部位を消失させる結果となる1つ以上のアミノ酸置換を行うことができ、それにより、その部位でのグリコシル化を消失させる。このような非グリコシル化により、抗原に対する抗体の親和性が増大し得る。こうしたアプローチについては、Coらによる米国特許第5,714,350号明細書および同第6,350,861号明細書(参照により本明細書に組み入れられる)にさらに詳細に記載されている。追加的または代替的に、フコシル残基の量が減少したもしくはフコシル残基がない低フコシル化抗体もしくは非フコシル化抗体、またはバイセクティングGlcNac構造が増加している抗体など、改変型のグリコシル化を有する抗体を作製することができる。こうした改変フコシル化パターンは、抗体のADCC能力を高めることが実証されている。こうした炭水化物修飾は、例えば、改変グリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現させることによって達成することができる。改変グリコシル化機構を有する細胞は、当技術分野において記載されており、本発明の組換え抗体を発現して、それによって改変グリコシル化を有する抗体を産生する宿主細胞として使用することができる。例えば、欧州特許第1176195号明細書、Hangら(参照により本明細書に組み込まれる)には、フコシルトランスフェラーゼをコードする機能的に破壊されたFUT8遺伝子を有する細胞株について記載されており、そのような細胞株内で発現する抗体は、低フコシル化を呈するか、またはフコシル残基を欠いている。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、低フコシル化または非フコシル化パターンを呈する細胞株、例えば、フコシルトランスフェラーゼをコードするFUT8遺伝子の発現が不十分である哺乳動物細胞株における組換え発現によって産生され得る。PrestaによるPCT公開第03/035835号(参照によって本明細書に組み込まれる)には、Asn(297)連結炭水化物にフコースを付着させる能力が低下し、その宿主細胞内で発現する抗体の低フコシル化をもたらす、バリアントCHO細胞株であるLecl3細胞について記載されている(Shields,R.L.ら、2002 J.Biol.Chem.277:26733-26740も参照のこと)。UmanaらのPCT公開第99/54342号(参照によって本明細書に組み込まれる)には、操作された細胞株内で発現した抗体が、結果として、抗体のADCC活性の増加となるバイセクティングGlcNac構造の増加を呈するように、糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、ベータ(1,4)-NアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように操作された細胞株について記載している(Umanaら、1999 Nat.Biotech.17:176-180も参照のこと)。Eureka Therapeuticsではさらに、フコシル残基を欠く哺乳動物の改変グリコシル化パターンを有する抗体を産生できる遺伝子操作されたCHO哺乳動物細胞について記載されている(http://www.eurekainc.com/a&boutus/companyoverview.html)。あるいは、本発明のヒト抗体(好ましくは、モノクローナル抗体)は、哺乳動物様のグリコシル化パターンのために操作され、グリコシル化パターンとしてフコースを欠く抗体を産生することができる酵母または糸状菌内で産生され得る(例えば、欧州特許第EP1297172(B1)号明細書参照のこと)。
一実施形態では、本発明による抗体またはその抗原結合断片は、peg化抗体またはその断片である。
抗体をpeg化して、例えば、抗体の生物学的(例えば、血清)半減期を増長させることができる。抗体をpeg化するために、抗体またはその断片は、典型的には、1つ以上のPEG基が抗体または抗体断片に付着する条件下で、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体などのポリエチレングリコール(PEG)と反応させる。Peg化は、反応性PEG分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)を用いたアシル化反応またはアルキル化反応によって実施することができる。本明細書で使用される場合、「ポリエチレングリコール」という用語は、モノ(DY12~DY120)アルコキシ-またはアリールオキシ-ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール-マレイミドなどの他のタンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの形態のいずれかを包含することを意図する。ある実施形態では、peg化される抗体は、非グリコシル化抗体である。タンパク質をpeg化するための方法は、当技術分野において公知であり、例えば、欧州特許第0154316号明細書(Nishimuraら)および欧州特許第0401384号明細書(Ishikawaら)に記載のものなど、本発明の抗体に適用することができる。
本発明は、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片を含む融合タンパク質にさらに関する。
一実施形態では、融合タンパク質は、第2の抗原結合部分を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、さらに別の分子に結合することができる。
一実施形態では、他の分子は、免疫受容体である。本発明の二重特異性抗体によって結合され得る免疫受容体の例としては、これらに限定されないが、CTLA4、PD-1、PD-L1、TIM-3、LAG-3、B7H3、B7H4、B7H6、4-1BB、OX40、ICOS、GITR、TIGIT、CD27-CD70、CD40、BTLA、HVEM、CD160およびCEACAM-1が挙げられる。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、さらに共刺激分子に結合することができる。共刺激分子の例としては、これらに限定されないが、4-1BB、ICOS、GITR、CD27-CD70、CD40およびOX40が挙げられる。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、OX40に結合することができる。一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、GITRに結合することができる。一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、ICOSに結合することができる。
別の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、さらに共阻害分子に結合することができる。共阻害分子の例としては、これらに限定されないが、CTLA4、PD-1、PD-L1、TIM-3、LAG-3、TIGIT、BTLA、HVEM、CD160およびCEACAM-1が挙げられる。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、CTLA4に結合することができる。一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、PD-1に結合することができる。一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、TIGITに結合することができる。
一実施形態では、融合タンパク質は、免疫チェックポイントタンパク質に結合する第2の抗原結合部分を含む。免疫チェックポイントタンパク質(チェックポイント阻害剤およびチェックポイントアゴニストなど)の例を本明細書に列挙する。
一実施形態では、融合タンパク質は、例えば、CD3またはCD28などのT細胞マーカーに結合する第2の抗原結合部分を含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、例えば、活性化NK受容体などのNK細胞マーカーに結合する第2の抗原結合部分を含む。活性化NK受容体の例としては、これらに限定されないが、KIRタンパク質(例えば、KIR2DSタンパク質)、CD160-TM、NKG2D、IL-2R、IL-12R、IL-15R、IL-18RおよびIL-21Rの活性化形態が挙げられる。
一実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、治療部分、すなわち薬物と複合体形成している。治療部分は、例えば、化学療法剤、免疫抑制剤、溶解性ペプチド、放射性核種または毒素であり得る。
別の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、放射性核種(すなわち、抗体またはその抗原結合断片は放射性標識されていない)および/または毒素とコンジュゲートされていない。
放射性核種の例としては、これらに限定されないが、90Y、131I、または67Cuが挙げられる。
毒素の例としては、これらに限定されないが、ドキソルビシンおよびカリケアマイシンが挙げられる。
別の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、細胞傷害性部分と複合体形成される。細胞傷害性部分は、例えば、タキソール;サイトカラシンB;グラミシジンD;臭化エチジウム;エメチン;マイトマイシン;エトポシド;テノポシド(tenoposide);ビンクリスチン;ビンブラスチン;コルヒチン(colchicin);ドキソルビシン;ダウノルビシン;ジヒドロキシアントラシンジオン;チューブリン阻害剤、例えば、メイタンシンまたはその類似体または誘導体;モノメチルアウリスタチンEまたはFなどの有糸分裂阻害剤またはその類似体もしくは誘導体;ドラスタチン10もしくは15またはその類似体;イリノテカンまたはその類似体;ミトキサントロン;ミトラマイシン;アクチノマイシンD;1-デヒドロテストステロン(1-dehydrotestosterone);糖質コルチコイド;プロカイン;テトラカイン;リドカイン;プロプラノロール;ピューロマイシン;カリケアマイシンまたはその類似体または誘導体;メトトレキサート、6メルカプトプリン、6チオグアニン、シタラビン、フルダラビン、5フルオロウラシル、デカルバジン(decarbazine)、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、またはクラドリビンなどの代謝拮抗剤;メクロレタミン、チオエパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、ダカルバジン(DTIC)、プロカルバジン、マイトマイシンCなどのアルキル化剤;シスプラチンまたはカルボプラチンなどの白金誘導体;デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンSA、ラケルマイシン(CC-1065)、またはその類似体または誘導体;ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、アントラマイシン(AMC)などの抗生物質;ピロロ[2,l-c][1,4]-ベンゾジアゼピン(PDB);ジフテリア毒素およびジフテリアA鎖およびその活性断片およびハイブリッド分子などの関連分子、リシンAまたは脱グリコシル化リシンA鎖毒素などのリシン毒素、コレラ毒素、志賀様毒素、例えば、SLT I、SLT II、SLT IIV、LT毒素、C3毒素、志賀毒素、百日咳毒素、破傷風毒素、大豆ボーマン-バークプロテアーゼ阻害剤、シュードモナス外毒素、アロリン、サポリン、モデシン、ゲラニン(gelanin)、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファサルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca americana)タンパク質、例えば、PAPI、PAPII、およびPAP-S、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サポンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ジェロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、およびエノマイシン毒素;リボヌクレアーゼ(RNase);DNase I、ブドウ球菌エンテロトキシンA;ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質;ジフテリン毒素;およびシュードモナスエンドトキシンからなる群から選択され得る。
抗体に対して、分子の複合体形成を行うための技術は、当技術分野において周知である(例えば、Arnonら、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy(Reisfeldら、編、Alan R.Liss,Inc.,1985);Hellstromら、「Antibodies For Drug Delivery」Controlled Drug Delivery(Robinsonら、編、Marcel Deiker,Inc.,第2版、1987);Thorpe「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review」Monoclonal Antibodies’84:Biological And Clinical Applications(Pincheraら、編、1985);「Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy」Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy(Baldwinら、編、Academic Press,1985);およびThorpeら、1982,Immunol.Rev.62:119-58を参照のこと。また、例えば、PCT公開第89/12624号明細書を参照のこと)。典型的には、核酸分子は、それぞれN-ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはマレイミド官能基を介して、抗体上のリジンまたはシステインに共有結合により付着している。操作されたシステインを使用した複合体形成または非天然アミノ酸の取り込みの方法により、複合体の均一性が改善されることが報告されている(Axup,J.Y.,Bajjuri,K.M.,Ritland,M.,Hutchins,B.M.,Kim,C.H.,Kazane,S.A.,Halder,R.,Forsyth,J.S.,Santidrian,A.F.,Stafin,K.,ら、(2012).Synthesis of site-specific antibody-drug conjugates using unnatural amino acids.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 109,16101-16106.;Junutula,J.R.,Flagella,K.M.,Graham,R.A.,Parsons,K.L.,Ha,E.,Raab,H.,Bhakta,S.,Nguyen,T.,Dugger,D.L.,Li,G.,ら、(2010).Engineered thio-trastuzumab-DM1 conjugate with an improved therapeutic index to target humanepidermal growth factor receptor 2-positive breast cancer.Clin.Cancer Res.16,4769-4778.)。Junutulaら(2008)は、「THIOMAB」(TDC)と呼ばれるシステインベースの部位特異的複合体形成を開発した。これは、従来の複合体形成法と比較して改善された治療指数を示すことが主張されている。抗体に組み込まれている非天然アミノ酸への複合体形成もADCについて検討されているが、このアプローチの一般性は依然として確立されていない(Axupら、2012)。特に、当業者はまた、ポリペプチド操作(例えば、ポリペプチドのアミノ酸の欠失、挿入、置換、または突然変異を介して)によって反応性になるアシル供与体グルタミン含有タグ(例えば、Gin含有ペプチドタグまたはQ-タグ)または内因性グルタミンで操作されたFc含有ポリペプチドを想定することができる。次に、トランスグルタミナーゼは、アミン供与剤(例えば、反応性アミンを含むか、または反応性アミンに付着した小分子)と共有結合により架橋して、アミン供与剤との操作されたFc含有ポリペプチド複合体の安定で均質な集団を形成することができる。この複合体は、アシルドナーグルタミン含有タグまたはアクセス可能/曝露/反応性内因性グルタミンを介して、Fc含有ポリペプチドに対して部位特異的に複合体形成している(国際公開第2012059882号)。
本発明の別の目的は、本発明によるヒトCD25に結合する抗体またはその抗原結合断片をコードする単離された核酸である。本発明の別の目的は、本発明による融合タンパク質をコードする単離された核酸である。
本明細書で使用されるとき、「単離された核酸」は、他のゲノムDNA配列、ならびに天然配列に自然に付随するリボソームおよびポリメラーゼなどのタンパク質または複合体から実質的に分離されている核酸を指すことを意図する。この用語は、自然に発生する環境から取り出された核酸配列を包含し、組換えまたはクローン化されたDNA単離物、および化学合成された類似体または異種系によって生物学的に合成された類似体を含む。実質的に純粋な核酸には、単離された形態の核酸が含まれる。当然のことながら、これは最初に単離された核酸を指し、後にヒトの手によって単離された核酸に付加された遺伝子または配列を除外するものではない。
一実施形態では、単離された核酸は、精製される。
一実施形態では、単離された核酸は、
(1)吸光度法または蛍光法(例えば、260と280nmとの吸光度の比(A260/280)による測定など)によって決定したときに、80重量%、85重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%超またはそれ以上、最も好ましくは96重量%、97重量%、98重量%、または99重量%超の核酸まで、または
(2)アガロースゲル電気泳動によって、および臭化エチジウム、SYBR Green、GelGreenなどの挿入剤を使用して示された均一性まで、
精製される。
一実施形態では、核酸は、本発明による抗体の少なくとも重鎖可変領域または軽鎖可変領域をコードする。一実施形態では、核酸は、本発明による抗体の可変領域および定常領域をコードし得る。一実施形態では、核酸は、別個の核酸上または同じ核酸分子上で抗体の重鎖および軽鎖をコードし得る。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、配列番号24の配列、または配列番号24と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなる。
配列番号24
GAGGTGCAGCTGGTGGAX1TCTGGGGGCGGCTTAGTGCAGCCTGGAAGGTCCATGAAACTCTCCTGTGCAGX2CTCAGGATTCX3CTTTCAGTX4ACCATGCCATGGCCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAAGAAGGGTCTGX5AGTGGGTCGCATACATTAGTTATGATGGGATAACACTTACTATCGAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACTATCTCCAGAGATAATGCAX6X7AAGX8ACCCTATX9CCTGCAAATX10GACAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCACTTATTAX11TGTACAACAGGGGGTAATTCGGGGTACGACTGGGGCCAAGGAGTCATGGTCACAGTCTCCTCA
ここで、Xは、GまたはAであり、Xは、CまたはTであり、Xは、CまたはAであり、Xは、GまたはAであり、Xは、CまたはGであり、Xは、AまたはCであり、Xは、GまたはAであり、Xは、TまたはCであり、Xは、TまたはAであり、X10は、GまたはTであり、X11はCまたはTである。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、配列番号25の配列、または配列番号25と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなる。
配列番号25
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCATTCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACX1ATCAACTGCAAAGX2AAGTCAGAATGTTAACAAGTTCX3TAAACTGGTATCAGCAAAAGCTTGGAGAAGCTCCCAGACGCCTGATCTATGGTACAAACAGTTTGCAAACCGGCATCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGX4ACAGATTACACACTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCCACGTATTTCTGCCAGCAGTATAX5CAGTTGGCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAATTGAAA
ここで、Xは、CまたはTであり、Xは、CまたはGであり、Xは、TまたはGであり、Xは、TまたはAであり、Xは、GまたはCである。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列と;
-本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列と、を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号24の配列、または配列番号24と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の同一性を共有する任意の配列と;
-配列番号25の配列、または配列番号25と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の同一性を共有する任意の配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、配列番号26、配列番号27、配列番号28の配列、または配列番号26、配列番号27、もしくは配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなる。
配列番号26
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGCGGCTTAGTGCAGCCTGGAAGGTCCATGAAACTCTCCTGTGCAGCCTCAGGATTCCCTTTCAGTGACCATGCCATGGCCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAAGAAGGGTCTGCAGTGGGTCGCATACATTAGTTATGATGGGGATAACACTTACTATCGAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACTATCTCCAGAGATAATGCAAGAAGTACCCTATTCCTGCAAATGGACAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCACTTATTATTGTACAACAGGGGGTAATTCGGGGTACGACTGGGGCCAAGGAGTCATGGTCACAGTCTCCTCA

配列番号27
GAGGTGCAGCTGGTGGAATCTGGGGGCGGCTTAGTGCAGCCTGGAAGGTCCATGAAACTCTCCTGTGCAGCCTCAGGATTCACTTTCAGTAACCATGCCATGGCCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAAGAAGGGTCTGGAGTGGGTCGCATACATTAGTTATGATGGGGATAACACTTACTATCGAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACTATCTCCAGAGATAATGCAAAAAGCACCCTATACCTGCAAATTGACAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCACTTATTACTGTACAACAGGGGGTAATTCGGGGTACGACTGGGGCCAAGGAGTCATGGTCACAGTCTCCTCA

配列番号28
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGCGGCTTAGTGCAGCCTGGAAGGTCCATGAAACTCTCCTGTGCAGTCTCAGGATTCACTTTCAGTAACCATGCCATGGCCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAAGAAGGGTCTGGAGTGGGTCGCATACATTAGTTATGATGGGGATAACACTTACTATCGAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACTATCTCCAGAGATAATGCACAAAGCACCCTATACCTGCAAATGGACAGTCTGAGGTCTGAGGACACGGCCACTTATTACTGTACAACAGGGGGTAATTCGGGGTACGACTGGGGCCAAGGAGTCATGGTCACAGTCTCCTCA
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、配列番号29、配列番号30、配列番号31の配列、または配列番号29、配列番号30、もしくは配列番号31と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなる。
配列番号29
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCATTCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACCATCAACTGCAAAGCAAGTCAGAATGTTAACAAGTTCTTAAACTGGTATCAGCAAAAGCTTGGAGAAGCTCCCAGACGCCTGATCTATGGTACAAACAGTTTGCAAACCGGCATCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGTACAGATTACACACTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCCACGTATTTCTGCCAGCAGTATAGCAGTTGGCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAATTGAAA

配列番号30
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCATTCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACTATCAACTGCAAAGCAAGTCAGAATGTTAACAAGTTCGTAAACTGGTATCAGCAAAAGCTTGGAGAAGCTCCCAGACGCCTGATCTATGGTACAAACAGTTTGCAAACCGGCATCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGAACAGATTACACACTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCCACGTATTTCTGCCAGCAGTATAGCAGTTGGCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAATTGAAA

配列番号31
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCTTCATTCCTGTCTGCATCTGTGGGAGACAGAGTCACTATCAACTGCAAAGGAAGTCAGAATGTTAACAAGTTCTTAAACTGGTATCAGCAAAAGCTTGGAGAAGCTCCCAGACGCCTGATCTATGGTACAAACAGTTTGCAAACCGGCATCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGTACAGATTACACACTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATGTTGCCACGTATTTCTGCCAGCAGTATACCAGTTGGCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAATTGAAA
一実施形態では、本発明による核酸は、
-本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列と;
-本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列と、を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号26、配列番号27、配列番号28の配列、または配列番号26、配列番号27、もしくは配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列と;
-配列番号29、配列番号30、配列番号31の配列、または配列番号29、配列番号30、もしくは配列番号31と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号26の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号29の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号27の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号30の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号28の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号31の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、HCVRおよび/またはLCVRは、好ましくは、それぞれ、HCVR核酸配列から5’に、またはLCVR核酸配列から5’に位置するリーダー配列をさらに含む。リーダー配列の例としては、これらに限定されないが、配列番号32および配列番号33によってそれぞれコードされた配列番号22および23が挙げられる。
配列番号32
ATGGACATCAGGCTCAGCTTGGCTTTCCTTGTCCTTTTCATAAAAGGTGTCCAGTGT

配列番号33
ATGGCTGCAGTTCAACTCTTAGGGCTGCTGCTGCTTTGGCTCCCAGCCATGAGATGT
一実施形態では、HCVRは、HCVR核酸配列から5’に位置する配列番号32の核酸リーダー配列(配列番号24、配列番号26、配列番号27または配列番号28)を含む。
一実施形態では、LCVRは、HCVR核酸配列から5’に位置する配列番号33の核酸配列リーダー配列(配列番号25、配列番号29、配列番号30または配列番号31)を含む。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片の完全にまたは実質的に完全にヒトのHCCRおよび/またはLCCRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
そのような実施形態では、定常領域は、任意のヒト抗体定常領域に由来し得る。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明による抗体またはその抗原結合断片の完全にまたは実質的に完全にマウスのHCCRおよび/またはLCCRをコードする配列を含むかまたはそれからなる。
そのような実施形態では、定常領域は、任意のマウス抗体定常領域に由来し得る。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明によるキメラ抗体またはその抗原結合断片の重鎖をコードする配列を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明によるキメラ抗体またはその抗原結合断片の軽鎖をコードする配列を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明によるヒト化抗体またはその抗原結合断片の重鎖をコードする配列を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、本発明によるヒト化抗体またはその抗原結合断片の軽鎖をコードする配列を含むかまたはそれらからなる。
典型的には、核酸は、DNAまたはRNA分子であり、例えば、プラスミド、コシムド(cosimd)、エピソーム、人工染色体、ファージまたはウイルスベクターなど、任意の好適なベクター内に含まれ得る。
したがって、本発明の別の目的は、本発明によるヒトCD25に結合する抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸を含む発現ベクターである。本発明の別の目的は、本発明による融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターである。
「ベクター」、「クローニングベクター」および「発現ベクター」という用語は、宿主を形質転換し、導入された配列の発現(例えば、転写および翻訳)を促進するために、DNAまたはRNA配列(例えば、外来遺伝子)を宿主細胞に導入することができるビヒクルを意味する。そのようなベクターは、対象への投与時に抗体の発現を引き起こすかまたは指示するための、プロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどの調節エレメントを含み得る。動物細胞の発現ベクターで使用されるプロモーターおよびエンハンサーの例には、SV40の初期プロモーターおよびエンハンサー、モロニーマウス白血病ウイルスのLTRプロモーターおよびエンハンサー、免疫グロブリンH鎖のプロモーターおよびエンハンサーなどが含まれる。ヒト抗体C領域をコードする遺伝子を挿入して発現させることができる限り、動物細胞用の任意の発現ベクターを使用することができる。好適なベクターの例としては、pAGE107、pAGE103、pHSG274、pKCR、pSG1ベータd2-4などが挙げられる。プラスミドの他の例には、複製起点を含む複製プラスミド、または統合プラスミド(例えばpUC、pcDNA、pBRなど)が含まれる。ウイルスベクターの他の例には、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルスおよびAAVベクターが含まれる。そのような組換えウイルスは、パッケージング細胞をトランスフェクトすることによって、またはヘルパープラスミドもしくはウイルスによる一過性トランスフェクションによってなど、当技術分野において公知である技術によって産生され得る。ウイルスパッケージング細胞の典型的な例には、PA317細胞、PsiCRIP細胞、GPenv+細胞、293細胞などが含まれる。このような複製欠損組換えウイルスを産生するための詳細なプロトコルは、例えば、国際公開第95/14785号、国際公開第96/22378号、米国特許第5,882,877号明細書、米国特許第6,013,516号明細書、米国特許第4,861,719号明細書、米国特許第5,278,056号明細書、および国際公開第94/19478号に見出すことができる。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28の配列、または配列番号24、配列番号26、配列番号27、もしくは配列番号28と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、配列番号25、配列番号29、配列番号30、配列番号31の配列、または配列番号25、配列番号29、配列番号30もしくは配列番号31と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、
-調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCVRをコードする配列と;
-調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCVRをコードする配列と;を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、
-配列番号24、配列番号26、配列番号27、配列番号28の配列、または配列番号24、配列番号26、配列番号27もしくは配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなるHCVRをコードする配列と、
-配列番号25、配列番号29、配列番号30、配列番号31の配列、または配列番号29、配列番号30もしくは配列番号31と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の同一性を共有する任意の配列を含むかまたはそれらからなるLCVRをコードする配列と、を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、
-配列番号24の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号25の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、
-配列番号26の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号29の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含む。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号27の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号30の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による核酸は、
-配列番号28の配列を含むかまたはそれからなるHCVRをコードする配列と;
-配列番号31の配列を含むかまたはそれからなるLCVRをコードする配列と;を含むかまたはそれらからなる。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCCRをコードする配列を含み、HCCRは、任意のヒト抗体HCCRに由来し得る。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCCRをコードする配列を含み、LCCRは、任意のヒト抗体LCCRに由来し得る。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のHCCRをコードする配列を含み、HCCRは、任意のマウス抗体HCCRに由来し得る。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明による抗体またはその抗原結合断片のLCCRをコードする配列を含み、LCCRは、任意のマウス抗体LCCRに由来し得る。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明によるキメラ抗体またはその抗原結合断片の重鎖をコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明によるキメラ抗体またはその抗原結合断片の軽鎖をコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明によるヒト化抗体またはその抗原結合断片の重鎖をコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、調節エレメントに操作可能に連結された、本発明によるヒト化抗体またはその抗原結合断片の軽鎖をコードする配列を含む。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、モノシストロン性である。
「モノシストロン性」とは、単一の核酸が単一の発現ベクター内で発現されることを意味する。
一実施形態では、本発明による発現ベクターは、ポリシストロン性である。
「ポリシストロン性」とは、少なくとも2つ以上の核酸が単一の発現ベクター内で発現されることを意味する。
本発明の別の目的は、ベクターを含む単離された宿主細胞である。この宿主細胞は、本発明の抗体の組換え生産のために使用され得る。
一実施形態では、宿主細胞は、原核生物、酵母、または真核生物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、例えば、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児腎臓株(浮遊培養での成長のためにサブクローン化された293または293細胞、Grahamら、J.Gen.Virol.36:59(1977));乳児ハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980));マウス骨髄腫細胞SP2/0-AG14(ATCC CRL 1581;ATCC CRL 8287)またはNSO(HPA培養コレクション番号85110503);サル腎臓細胞(CVl ATCC CCL 70);アフリカングリーンサル腎臓細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982));MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝癌株(Hep G2)、ならびにDSM PERC-6細胞株であり得る。これらの宿主細胞のそれぞれでの使用に好適である発現ベクターもまた、当技術分野において一般的に公知である。「宿主細胞」という用語は、一般に、培養細胞株を指すことに留意されたい。本発明による抗原結合タンパク質をコードする発現ベクターが導入された全ヒトは、「宿主細胞」の定義から明示的に除外される。
本発明の別の目的は、本発明による、ヒトCD25(hCD25)に結合する、単離された抗体またはその抗原結合断片を産生し、精製する方法である。
一実施形態では、この方法は、
-上記の組換え核酸またはベクターをin vitroまたはex vivoでコンピテント宿主細胞に導入することと;
-抗体またはその抗原結合断片の発現に好適な条件下で、本発明による核酸または発現ベクターで形質転換されたin vitroまたはex vivo宿主細胞を培養することと;
-任意により、抗体を発現および/または分泌する細胞を選択することと;
-発現した抗体またはその抗原結合断片を回収することと、を含む。
この組換えプロセスは、in vitro、ex vivoおよび/またはin vivoの治療的使用および/または診断的使用を目的としたモノクローナル抗体など、抗体またはその抗原結合断片の大規模産生に使用することができる。
これらのプロセスは、当技術分野において周知である(Subramanian(編),2004.Antibodies(第1版、第1巻:Production and Purification).New York,NY:Springer US)。
一実施形態では、発現された抗体またはその抗原結合断片はさらに精製される。
本発明による抗体またはその抗原結合断片を精製するための方法は、当技術分野において周知であり(Subramanian(編),2004.Antibodies(第1版、第1巻:Production and Purification).New York,NY:Springer US)、これらに限定されないが、プロテインA-セファロース、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、好ましくはアフィニティークロマトグラフィー、より好ましくはプロテインLアガロースでのアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。
本発明の別の目的は、ヒトCD25(hCD25)に結合する本発明による少なくとも1つのタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物である。
本発明の別の目的は、ヒトCD25(hCD25)に結合する本発明による少なくとも1つの抗体またはその少なくとも1つの抗原結合断片を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物である。
本発明の別の目的は、本発明による少なくとも1つの融合タンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物である。
本発明のさらなる目的は、hCD25に結合する本発明による抗体もしくはその抗原結合断片、または本発明による融合タンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる組成物である。
本発明のさらなる目的は、hCD25に結合する本発明による少なくとも1つのタンパク質、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる医薬組成物である。
本発明の別の目的は、ヒトCD25(hCD25)に結合する本発明による少なくとも1つの抗体またはその少なくとも1つの抗原結合断片、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる医薬組成物である。
本発明の別の目的は、本発明による少なくとも1つの融合タンパク質、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる医薬組成物である。
本発明のさらなる目的は、hCD25に結合する本発明による抗体もしくはその抗原結合断片、または本発明による融合タンパク質をコードする少なくとも1つの核酸、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる医薬組成物である。
本発明のさらなる目的は、本発明によるhCD25に結合する抗体またはその抗原結合断片をコードする少なくとも1つの核酸を含む少なくとも1つの発現ベクター、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる医薬組成物である。
本明細書で使用される場合、組成物に関して「本質的にからなる」とは、少なくとも1つのタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸または発現ベクターが、前述の組成物内で生物学的活性を有する唯一の治療剤または剤であることを意味する。
「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、あらゆる任意の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。賦形剤は、動物、好ましくはヒトに投与された場合、有害な、アレルギー性の、または他の不都合な反応を引き起こさない。ヒト投与の場合、調製物は、例えば、FDA OfficeまたはEMAなどの規制当局が要求する滅菌性、発熱性、ならびに一般的な安全性および純度の基準を満たす必要がある。
これらの組成物に使用され得る薬学的に許容される賦形剤としては、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(ヒト血清アルブミンなど)、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
一実施形態では、本発明による医薬組成物は、対象に注射することができる製剤に対して薬学的に許容されるビヒクルを含む。これらは、特に等張性、滅菌、生理食塩水(リン酸一ナトリウムまたは二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムなど、またはそのような塩の混合物)、または乾燥、特に凍結乾燥された組成物であり得、場合によっては、滅菌水または生理食塩水を添加したときに、注射用溶液の構成が可能になる。
本発明のさらなる目的は、本発明によるhCD25に結合する少なくとも1つのタンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる薬剤である。
本発明のさらなる目的は、本発明によるhCD25に結合する少なくとも1つの抗体またはその少なくとも1つの抗原結合断片を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる薬剤である。
本発明のさらなる目的は、本発明による少なくとも1つの融合タンパク質を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる薬剤である。
本発明のさらなる目的は、本発明によるhCD25に結合する抗体もしくはその抗原結合断片、または本発明による融合タンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる薬剤である。
本発明のさらなる目的は、本発明によるヒトCD25(hCD25)に結合する抗体またはその抗原結合断片をコードする少なくとも1つの核酸を含む少なくとも1つの発現ベクターを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる薬剤である。
対象への投与に使用するために、組成物、医薬組成物または薬剤は、対象への投与用に製剤化される。本発明による組成物、医薬組成物または薬剤は、非経口的に、吸入スプレーによって、直腸的に、経鼻的に、または埋め込まれたリザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用される投与という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射技術または注入技術を含む。
注射に適合した形態の例としては、これらに限定されないが、溶液(例えば、滅菌水溶液)、ゲル、分散液、エマルジョン、懸濁液、固体形態(例えば、粉末、リポソーム形態など、使用前に液体を添加して溶液または懸濁液を調製するために使用するのに好適であるもの)が挙げられる。
本発明の組成物の滅菌注射用形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当技術分野において公知である技術に従って製剤化され得る。滅菌注射調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒に含まれる滅菌注射用溶液または懸濁液であり得る。使用され得る許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油は、従来、溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなど、任意の低刺激性固定油が使用され得る。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、特にポリオキシエチル化型のオリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油と同様に、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液はまた、エマルジョンおよび懸濁液などの薬学的に許容される剤形の製剤中に一般的に使用されるカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造に一般的に使用される、Tween、Spanおよび他の乳化剤または生物学的利用能増強剤などの他の一般的に使用される界面活性剤もまた、製剤の目的に使用され得る。
一実施形態では、治療有効量の本発明による単離されたタンパク質、単離された抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤が、それを必要とする対象に投与される。
しかし、本発明による単離されたタンパク質、単離された抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤の毎日の総投与量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることは理解されるだろう。任意の特定の患者に対する特定の治療有効用量レベルは、治療している疾患および疾患の重症度;使用される単離されたタンパク質、単離された抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤の活性;対象の年齢、体重、全身健康、性別および食事;使用される特定の単離されたタンパク質、単離された抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤の投与時間、投与経路、および排泄率;治療期間;使用される特定の単離されたタンパク質、単離された抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤と組み合わせてまたは同時に使用される薬物、ならびに医学において周知である同様の要因など、様々な要因に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、当業者の技術の範囲内である。各治療に必要な総用量は、複数回投与または単回投与で投与してもよい。
タンパク質、抗体または融合タンパク質の投与に使用されるレジメンまたは投与量は、様々なパラメータに対応させて、特に、使用される投与様式、関連する病状、または所望の治療期間に対応させて、適合させることができる。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルでタンパク質、抗体、または融合タンパク質の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、当業者の技術の範囲内である。タンパク質、抗体、または融合タンパク質の1日の投与量は、成人1名あたり1日0.01~1000mgの広い範囲で変動し得る。組成物は、治療される対象への投与量の症候性調整のために、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、250、および500mgの有効成分を含み得る。医薬組成物または薬剤は、典型的には、約0.01mg~約500mgの有効成分を含む。治療有効量の薬剤は、通常、1日あたり0.0002mg/kg~約20mg/kg体重の投与量レベルで供給される。例えば、本発明の組成物、医薬組成物または薬剤中に存在するタンパク質、抗体、融合タンパク質は、1mg/mL~約100mg/mLの範囲の濃度、例えば、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、50mg/mL、または100mg/mLの濃度で供給され得る。一実施形態では、タンパク質、抗体または融合タンパク質は、100mg(10mL)または500mg(50mL)の単回使用バイアルのいずれかで約10mg/mLの濃度で供給される。これらの投与量は例示的なものであり、臨床試験で決定されなければならない医薬組成物中の特定の抗体の親和性および耐容性を考慮して最適な投与量を適合させることができることが理解されよう。
本発明は、それを必要とする対象の疾患、障害または症状を治療するための(または治療において使用するための)、本明細書に記載の少なくとも1つの単離されたタンパク質に関する。
本発明は、それを必要とする対象の疾患、障害または症状を治療するための(または治療において使用するための)、本明細書に記載の少なくとも1つの単離された抗体もしくはその抗原結合断片、組成物もしくは医薬組成物、または薬剤に関する。
本発明は、それを必要とする対象の疾患、障害または症状を治療するための(または治療において使用するための)、本明細書に記載の少なくとも1つの融合タンパク質に関する。
したがって、本発明は、それを必要とする対象における疾患、障害または症状を治療するための方法にさらに関し、本方法は、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、組成物もしくは医薬組成物、または薬剤を対象に投与することを含む。
したがって、本発明は、それを必要とする対象の疾患、障害または症状を治療するための方法にさらに関し、本方法は、本明細書に記載の単離されたタンパク質または融合タンパク質を対象に投与することを含む。
上記の単離されたタンパク質、抗体もしくはその断片、または融合タンパク質により治療され得る疾患の例としては、これらに限定されないが、がんおよび感染症が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質は、それを必要とする対象のがんの治療において使用することができる。
したがって、本発明は、がんの治療またはがんの治療において使用するための、(好ましくは、上記の組成物、医薬組成物または薬剤中の)上記の単離されたタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質に関する。
一実施形態では、治療有効量のタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質が、対象に投与されるか、または投与されることになっている。
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、これらに限定されないが、固形腫瘍および血液系腫瘍が挙げられる。がんという用語には、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液、および血管の疾患が含まれる。「がん」という用語は、原発性がんおよび転移性がんの両方をさらに包含する。本発明の方法および組成物によって治療され得るがんの例としては、これらに限定されないが、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、胸、結腸、食道、胃腸、歯肉、頭、肝臓、肝臓、肺、鼻咽頭、首、卵巣、前立腺、皮膚、腹部、睾丸、舌、または子宮のがん細胞が挙げられる。さらに、がんは、これらに限定されないが、特に以下の組織型であり得る:新生物、悪性;癌腫;癌腫、未分化;巨大および紡錘細胞癌;小細胞癌;乳頭癌;扁平上皮癌;リンパ上皮癌;基底細胞癌;毛母癌;移行上皮癌;乳頭状移行上皮癌;腺癌;ガストリノーマ、悪性;胆管癌;肝細胞癌;肝細胞癌と胆管癌の混合型;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫性ポリープ内腺癌腺;腺癌、家族性大腸腺腫症;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支肺胞腺癌(branchiolo-alveolar adenocarcinoma);乳頭型腺癌;嫌色素性癌;好酸性癌;好酸性腺癌;好塩基球癌;明細胞腺癌;顆粒細胞癌;濾胞腺癌;乳頭状・ろ胞腺癌;非被包性硬化癌;副腎皮質癌;類内膜癌(endometroid carcinoma);皮膚付属器癌;アポクリン腺癌;脂腺癌;耳垢腺癌;粘表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭状嚢胞腺癌;乳頭状漿液性嚢胞腺癌;粘液性嚢胞腺癌;粘液腺癌;印環細胞癌;浸潤性導管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;paget病、乳房;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌;胸腺腫、悪性;卵巣間質腫瘍、悪性;莢膜細胞腫、悪性;顆粒膜細胞腫瘍、悪性;アンドロブラストーマ、悪性;セルトリ細胞癌;ライディッヒ細胞腫瘍、悪性;脂質細胞腫瘍、悪性;傍神経節腫、悪性;乳房外傍神経節腫、悪性;褐色細胞腫;グロムス血管肉腫;悪性黒色腫;無色素性黒色腫;表層拡大性黒色腫;巨大色素性母斑内悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;青色母斑、悪性;肉腫;線維肉腫;線維性組織球腫、悪性;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胎芽性横紋筋肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質肉腫;混合腫瘍、悪性;ミュラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽腫;癌肉腫;間葉腫、悪性;ブレンナー腫瘍、悪性;葉状腫瘍、悪性;滑膜肉腫;中皮腫、悪性;未分化胚腫;胎芽性癌;奇形腫、悪性;卵巣甲状腺腫、悪性;絨毛癌;中腎腫、悪性;血管肉腫;血管内皮腫、悪性;カポジ肉腫;血管外皮腫、悪性;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍皮質骨肉腫;軟骨肉腫;軟骨芽腫、悪性;間葉性軟骨肉腫;骨巨細胞腫瘍;Ewing肉腫;歯原性腫瘍、悪性;エナメル上皮歯牙肉腫;エナメル上皮腫、悪性;エナメル上皮線維肉腫;松果体腫、悪性;脊索腫;グリオーマ、悪性;上衣腫;アストロサイトーマ;原形質性アストロサイトーマ;細線維性アストロサイトーマ;星芽腫;膠芽腫;希突起膠腫;希突起芽腫;原始神経外胚葉;小脳肉腫;神経節神経芽腫;神経芽腫;網膜芽腫;嗅神経原腫瘍;髄膜腫、悪性;神経線維肉腫;神経鞘腫、悪性;顆粒細胞腫瘍、悪性;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキンリンパ腫;傍肉芽腫;悪性リンパ腫、小リンパ球;悪性リンパ腫、大細胞、びまん性;悪性リンパ腫、ろ胞性;菌状息肉症;他の特定の非ホジキンリンパ腫;悪性組織球症;多発性骨髄腫;肥満細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;形質細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞白血病;骨髄性白血病;好塩基性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;肥満細胞白血病;巨核芽球性白血病;骨髄性肉腫;および有毛細胞白血病。
別の実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質は、それを必要とする対象における感染症、障害または症状の治療において使用され得る。
一実施形態では、治療有効量の本発明のタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質が、対象に投与されるか、または投与されることになっている。
したがって、本発明は、感染症、障害、もしくは症状の治療または感染症、障害、もしくは症状の治療に使用するための、(好ましくは、上記の組成物、医薬組成物または薬剤中の)上記の単離されたタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質に関する。
本明細書で使用される「感染症」という用語は、ウイルス、細菌、原虫、カビまたは真菌によって引き起こされるあらゆる感染症を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、アレナウイルス科、アストロウイルス科、ビルナウイルス科、ブロモウイルス科、ブニヤウイルス科、カリシウイルス科、クロステロウイルス科、コモウイルス科、シストウイルス科、フラビウイルス科、フレキシウイルス科、ヘペウイルス属、レビウイルス科、ルテオウイルス科、モノネガウイルス目、モザイクウイルス属、ニドウイルス目、ノダウイルス科、オルトミクソウイルス科、ピコビルナウイルス属、ピコルナウイルス科、ポティウイルス科、レオウイルス科、レトロウイルス科、セキウイルス科、テヌイウイルス属、トガウイルス科、トンブスウイルス科、トティウイルス科、ティモウイルス科、ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、パラミクソウイルス科またはパピローマウイルス科のウイルスからなる群から選択される1つ以上のウイルスによる感染を含む。RNAウイルスの関連する分類学的ファミリーとしては、これらに限定されないが、アストロウイルス科、ビルナウイルス科、ブロモウイルス科、カリシウイルス科、クロステロウイルス科、コモウイルス科、シストウイルス科、フラビウイルス科、フレキシウイルス科、ヘペウイルス属、レビウイルス科、ルテオウイルス科、モノネガウイルス目、モザイクウイルス属、ニドウイルス目、ノダウイルス科、オルトミクソウイルス科、ピコビルナウイルス属、ピコルナウイルス科、ポティウイルス科、レオウイルス科、レトロウイルス科、セキウイルス科、テヌイウイルス属、トガウイルス科、トンブスウイルス科、トティウイルス科、およびティモウイルス科のウイルスが挙げられる。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、アデノウイルス、ライノウイルス、肝炎、免疫不全ウイルス、ポリオ、麻疹、エボラ、コクサッキー、ライノ、ウエストナイル、天然痘、脳炎、黄熱病、デング熱、インフルエンザ(ヒト、トリ、およびブタなど)、ラッサ熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、フニン、マチュポ(machuppo)、グアナリト、ハンタウイルス、リフトバレー熱、ラクロス、カリフォルニア脳炎、クリミア・コンゴ、マールブルグ、日本脳炎、キャサヌール森林病、ベネズエラウマ脳炎、東部ウマ脳炎、西部ウマ脳炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、パラインフルエンザ、呼吸器多核体、プンタトロ(Punta Toro)、タカリベ(Tacaribe)、パチンデウイルス(pachindae viruses)、アデノウイルス、デング熱、インフルエンザAおよびインフルエンザB(ヒト、トリ、およびブタなど)、フニン、麻疹、パラインフルエンザ、ピチンデ、プンタトロ、呼吸器多核体、ライノウイルス、リフトバレー熱、重症急性呼吸器症候群(SARS)、タカリベ、ベネズエラ馬脳炎、ウエストナイルウイルスと黄熱病ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレーバレーウイルス、ポワサンウイルス、ロシオウイルス、跳躍病ウイルス、バンジウイルス、イルヘウスウイルス、ココベラウイルス、クンジンウイルス、アルフイ(Alfuy)ウイルス、ウシ下痢症ウイルス、およびキャサヌール森林病からなる群から選択される1つ以上のウイルスによる感染を含む。本発明に従って治療することができる細菌感染症としては、これらに限定されないが、以下によって引き起こされる感染症が挙げられる:ブドウ球菌;レンサ球菌、例えば、化膿レンサ球菌;腸球菌;バチルス、例えば、炭疽菌、および乳酸菌;リステリア;コリネバクテリウムジフセリエ;ガードネレラ、例えば、G.バギナリス;ノカルジア;ストレプトマイセス;サーモアクチノマイセス・ブルガリス;トレポネーマ;カンピロバクター(Camplyobacter)、シュードモナス、例えば、緑膿菌;レジオネラ;ナイセリア、例えば、淋菌および髄膜炎菌;フラボバクテリウム、例えば、F.メニンゴセプチカムおよびF.オドラターン;ブルセラ;ボルデテラ、例えば、百日咳菌およびB.ブロンキセプチカ;エシェリキア属、例えば、大腸菌;クレブシエラ;エンテロバクター、セラチア、例えばS.マルセッセンスおよびS.リクファシエンス;エドワジエラ;プロテウス、例えばP.ミラビリスおよびP.ブルガリス;レンサ桿菌;リケッチア科、例えば、R.フィッケツフィ(fickettsfi);クラミジア、例えば、C.シッタシおよびC.トラコマチス(trachornatis);マイコバクテリウム、例えば、結核菌、M.イントラセルラーレ、M.フォルイターン(folluiturn)、M.レプラエ(laprae)、M.アビウム、ウシ型結核菌、M.アフリカヌム、M.カンサシ、M.イントラセルラーレ、およびネズミらい菌;およびノカルジア。本発明に従って治療され得る原虫感染症としては、これらに限定されないが、リーシュマニア、コクジジオア、およびトリパノソーマによって引き起こされる感染症が挙げられる。完全な感染症リストは、Center for Disease Control(CDC)のNational Center for Infectious Disease(NCID)のWebサイト(ワールドワイドウェブ(www)cdc.gov/ncidod/diseases/)で確認できる。本リストは、参照により本明細書に組み込まれる。疾患のすべては、本発明による組成物を使用する治療の候補である。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、単独で使用される。
別の実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、1つのさらなる治療剤、例えば、化学療法剤、標的がん療法、放射線療法または免疫療法剤、または感染症を治療するために使用され得る剤と組み合わせて使用される。
このような投与は、同時、別個、または連続的であってよい。同時投与の場合、剤は、必要に応じて、1つの組成物または別個の組成物として投与し得る。さらなる治療剤は、典型的には、治療される障害に関連している。例示的治療剤としては、例えば、抗がん抗体、細胞毒性剤、化学療法剤、抗血管新生剤、抗がん免疫原、細胞周期制御/アポトーシス調節剤、ホルモン調節剤、ならびにコルチコイド、例えば糖質コルチコイドから選択された他の免疫抑制薬および/または抗炎症薬が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、化学療法剤と組み合わせて使用される。
「化学療法剤」という用語は、腫瘍の成長を阻害する際に有効な化合物を指す。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパおよびシクロスホスファミド;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa);エチレンイミンおよびメチルアメラミン、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaorarnide)およびトリメチルオロメラミン(trimethylolomelamine);アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(carnptothecin)(合成類似体トポテカン(topotecan)など);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体など);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCBI-TMIなど);エリュテロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラルヌスチン(estrarnustine)、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン(prednimus tine)、トロホスファミド、ウラシルマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロスウレア(nitrosurea);エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシン(11およびカリケアマイシン211、例えば、Agnew Chem Intl.編Engl.33:183-186(1994)を参照のこと);ダイネミシン、例えば、ダイネミシンA;エスペラミシン;ネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カニノマイシン(canninomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンなど)、エピルビシン、エソルビシン、イダンルビシン(idanrbicin)、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラルナイシン(nogalarnycin)、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトムグリン(streptomgrin)、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝産物、例えば、メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類縁体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FUなど;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎;フロリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファルニド(aldophospharnide)グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;マイタンシンおよびアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲンンナニウム(spirogennanium);テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチラルニン(2,2’,2”-trichlorotriethylarnine);トリコテセン(特にT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロムトール(mitobromtol);ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(タキソール(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)およびドキセタキセル(doxetaxel)(タキソテール(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer、Antony,France);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロン酸塩;CPT-1 1;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;カペシタビン;および上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が挙げられる。この定義にはまた、抗エストロゲンなどの腫瘍に対するホルモン作用を調節するかまたは阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン);ならびに抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、およびゴセレリン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体も含まれる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、標的がん療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「標的がん療法」という用語は、がんの成長、進行、および拡大に関与する特定の分子(「分子標的」)を妨害することによってがんの成長および拡大を遮断する薬物または他の物質である。標的がん療法は、「分子標的薬」、「分子標的療法」、「精密医療」、または類似の名前で呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、標的療法は、対象にチロシンキナーゼ阻害剤を投与することにより構成される。「チロシンキナーゼ阻害剤」という用語は、受容体および/または非受容体チロシンキナーゼの選択的または非選択的阻害剤として作用する様々な治療剤または治療薬のいずれかを指す。チロシンキナーゼ阻害剤および関連化合物は、当技術分野において周知であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2007/0254295号明細書に記載されている。チロシンキナーゼ阻害剤に関連する化合物が、チロシンキナーゼ阻害剤の効果を再現すること、例えば、関連する化合物が、チロシンキナーゼシグナル伝達経路の異なるメンバーに作用して、そのチロシンキナーゼのチロシンキナーゼ阻害剤と同じ効果を生み出すことは、当業者であれば認識するであろう。本発明の実施形態の方法での使用に好適であるチロシンキナーゼ阻害剤および関連化合物の例としては、これらに限定されないが、ダサチニブ(BMS-354825)、PP2、BEZ235、サラカチニブ、ゲフィチニブ(イレッサ)、スニチニブ(スーテント;SU11248)、エルロチニブ(タルセバ;OSI-1774)、ラパチニブ(GW572016;GW2016)、カネルチニブ(CI 1033)、セマキシニブ(SU5416)、ヴァタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY 43-9006)、イマチニブ(Gleevec;グリベック;STI571)、レフルノミド(SU101)、バンデタニブ(ザクティマ;ZD6474)、MK-2206(8-[4-アミノシクロブチル)フェニル]-9-フェニル-1,2,4-トリアゾロ[3,4-f][1,6]ナフチリジン-3(2H)-オン塩酸塩)それらの誘導体、それらの類似体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明での使用に好適である追加のチロシンキナーゼ阻害剤および関連化合物は、例えば、米国特許公開第2007/0254295号明細書、同第5,618,829号明細書、同第5,639,757号明細書、同第5,728,868号明細書、同第5,804,396号明細書、同第6,100,254号明細書、同第6,127,374号明細書、同第6,245,759号明細書、同第6,306,874号明細書、同第6,313,138号明細書、同第6,316,444号明細書、同第6,329,380号明細書、同第6,344,459号明細書、同第6,420,382号明細書、同第6,479,512号明細書、同第6,498,165号明細書、同第6,544,988号明細書、同第6,562,818号明細書、同第6,586,423号明細書、同第6,586,424号明細書、同第6,740,665号明細書、同第6,794,393号明細書、同第6,875,767号明細書、同第6,927,293号明細書、および6,958,340号明細書に記載されており、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、経口投与され、少なくとも1つの第I相臨床試験、より好ましくは少なくとも1つの第II相臨床試験、さらにより好ましくは少なくとも1つの第III相臨床試験、最も好ましくは、少なくとも1つの血液学的または腫瘍学的適応症についてFDAによって承認されているものの対象となった小分子キナーゼ阻害剤である。そのような阻害剤の例としては、これらに限定されないが、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、BMS-599626(AC-480)、ネラチニブ、KRN-633、CEP-11981、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、AZM-475271、CP-724714、TAK-165、スニチニブ、ヴァタラニブ、CP-547632、バンデタニブ、ボスチニブ、レスタウルチニブ、タンドゥチニブ、ミドスタウリン、エンザスタウリン、AEE-788、パゾパニブ、アキシチニブ、モタセニブ(motasenib)、OSI-930、セジラニブ、KRN-951、ドビチニブ、セリシクリブ、SNS-032、PD-0332991、MKC-I(Ro-317453;R-440)、ソラフェニブ、ABT-869、ブリバニブ(BMS-582664)、SU-14813、テラチニブ、SU-6668、(TSU-68)、L-21649、MLN-8054、AEW-541、およびPD-0325901が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、放射線療法と組み合わせて使用される。
「放射線療法」という用語は、患者への放射線または関連する放射性医薬品を投与することを含み得る。放射線源は、治療される患者の外部または内部のいずれかであり得る(放射線治療は、例えば、外照射放射線療法(EBRT)または小線源治療(BT)の形態であり得る)。そのような方法の実施に使用され得る放射性元素としては、例えば、ラジウム、セシウム-137、イリジウム-192、アメリシウム-241、金-198、コバルト-57、銅-67、テクネチウム-99、ヨウ素-123、ヨウ素-131、およびインジウム-111が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、免疫療法剤または免疫療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される「免疫療法剤」または「免疫療法」という用語は、がん細胞に対する身体の免疫応答を間接的または直接的に増強、刺激または増加させる、および/または他の抗がん療法の副作用を減少させる化合物、組成物または治療を指す。したがって、免疫療法は、がん細胞に対する免疫系の応答を直接的または間接的に刺激するかまたは増強する、および/または他の抗がん剤によって引き起こされた可能性のある副作用を軽減する療法である。免疫療法はまた、当技術分野では、免疫療法、生物学的療法、生物学的応答修飾剤療法、および生物療法とも呼ばれる。当技術分野において公知である一般的な免疫療法剤または免疫療法の例としては、これらに限定されないが、サイトカイン、チェックポイント阻害剤、チェックポイントアゴニスト(T細胞アゴニストとも呼ばれる)、モノクローナル抗体、抗体ドメイン、抗体断片、二重特異性抗体などの抗体、防止用および治療用ワクチン、腫瘍溶解性ウイルス、免疫細胞(T細胞、NK、細胞、樹状細胞、B細胞…)の養子移入が挙げられる。
がん免疫療法の基礎となる中心的な前提の1つは、がん細胞内で選択的または豊富に発現するかまたは変異する抗原が存在することであり、したがって、がん細胞の特定の認識およびその後の破壊が可能になる。このような抗原は、一般に腫瘍特異的抗原と呼ばれる。がん免疫療法の基礎となるもう1つの中心的な前提は、腫瘍内にリンパ球、すなわち腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、特に上記の腫瘍特異的抗原を認識することを介して、腫瘍細胞を標的にして死滅させることができるエフェクターTILが存在することである。
免疫療法剤または治療法は受動的であってもよい。受動免疫療法剤は、モノクローナル抗体などの免疫細胞因子の投与により即時作用をもたらす剤である。受動免疫療法の結果は、一時的に剤の投与に関連しているため、長期の応答には継続的な投与が必要になり得る)。別の実施形態では、免疫療法剤または治療法は活性である。活性免疫療法剤は、免疫記憶を誘導することによって持続的で耐久性のある応答を生み出す剤である。これは、通常の免疫応答に最もよく類似している。しかし、健康な集団において免疫系機能が変化するのと同じように、能動免疫療法剤に対する応答のレベルは、個々の要因に依存する)。
活性免疫療法剤としては、非特異的活性剤(すなわち、一般的に、ヒトの身体ががん細胞の成長および/または拡散と戦う際により有効になるように免疫系をブーストする剤)および特異的活性剤(すなわち、がん細胞によって発現される特定の抗原に焦点を合わせた細胞性および抗体免疫応答の生成を誘導する剤)の両方が含まれる。非特異的免疫療法剤は、がん治療の主な治療法として単独で、また主な治療法に加えて、使用されている。後者の場合、非特異的免疫療法剤は、他の療法(例えば、がんワクチン)の有効性を高めるためのアジュバントとして機能する。また、この後者の状況において、非特異的免疫療法剤は、他の療法の副作用、例えば、特定の化学療法剤によって誘導される骨髄抑制を低減させるように機能し得る。非特異的免疫療法剤は、主要な免疫系細胞に作用し、二次応答、例えば、サイトカインおよび免疫グロブリンの産生増加などを引き起こし得る。あるいは、剤自体がサイトカインを含むことができる。非特異的免疫療法剤は、一般にサイトカインまたは非サイトカインアジュバントとして分類される。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、サイトカイン療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「サイトカイン療法」は、対象への少なくとも1つのサイトカインを投与することとして定義される。
複数のサイトカインは、免疫系を強化するように設計された一般的な非特異的免疫療法、または他の療法と共に提供されるアジュバントのいずれかとして、がんの治療における適用が見出されている。好適なサイトカインとしては、これらに限定されないが、インターフェロン、インターロイキン、およびコロニー刺激因子が挙げられる。本発明によって企図されるインターフェロン(IFN)としては、一般的なタイプのIFN、IFN-アルファ(IFN-α)、IFN-ベータ(IFN-β)およびIFN-ガンマ(IFN-γ)が挙げられる。IFNは、例えば、がん細胞の成長を遅らせること、より正常な挙動を有する細胞への発達を促進すること、かつ/または抗原の産生を増加させることにより、がん細胞に直接作用することができ、したがって、免疫系ががん細胞をより容易に認識し、破壊するようになる。IFNはまた、例えば、血管新生を遅れさせること、免疫系を強化すること、かつ/またはナチュラルキラー(NK)細胞、T細胞、およびマクロファージを刺激することにより、がん細胞に間接的に作用し得る。組換えIFN-αは、Roferon(Roche Pharmaceuticals)およびIntron A(Schering Corporation)として市販されている。本発明によって企図されるインターロイキンとしては、IL-2、IL-4、IL-11およびIL-12が挙げられる。市販の組換えインターロイキンの例としては、プロロイキン(Proleukin)(登録商標)(IL-2;Chiron Corporation)およびノイメガ(Neumega)(登録商標)(IL-12;Wyeth Pharmaceuticals)が挙げられる。Zymogenetics,Inc.(Seattle,Wash.)は現在、IL-21の組換え型を試験しており、これも本発明の組み合わせでの使用が企図されている。本発明によって企図されるコロニー刺激因子(CSF)としては、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSFまたはフィルグラスチム)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSFまたはサルグラモスティム)およびエリスロポエチン(エポエチンアルファ、ダルベポエチン)が挙げられる。1つ以上の成長因子による治療は、従来の化学療法を受けている対象において、新しい血球の生成を刺激する補助となり得る。したがって、CSFによる治療は、化学療法に関連する副作用を軽減するのに有用であり得、より高用量の化学療法剤の使用が可能になり得る。様々な組換えコロニー刺激因子、例えば、ニューポゲン(Neupogen)(登録商標)(G-CSF;Amgen)、ニューラスタ(Neulasta)(ペルフィルグラスチム;Amgen)、ロイキン(Leukine)(GM-CSF;Berlex)、プロクリット(Procrit)(エリスロポエチン;Ortho Biotech)、エポゲン(Epogen)(エリスロポエチン;Amgen)、アラネスプ(Arnesp)(エリスロポエチン)が市販されている。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、サイトカイン模倣体、例えば、IL-2模倣体と組み合わせて使用される。一実施形態では、IL-2模倣体は、CD25に結合できない。一実施形態では、IL-2模倣体は、α、βおよびγサブユニットを含むIL-2Rと比較して、βおよびγサブユニットを含むIL-2Rに優先的に結合する。使用され得るIL-2模倣体の非限定的な例は、NKTR-214(Nektar Therapeutics)である。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、チェックポイント阻害剤療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「チェックポイント阻害剤療法」は、対象への少なくとも1つのチェックポイント阻害剤の投与として定義される。
チェックポイント阻害剤(CPI、免疫チェックポイント阻害剤またはICIとも呼ばれ得る)分子、多くの場合抗体は、T細胞に発現する阻害性受容体(IR)とそのリガンドと間の相互作用を遮断する。がん治療として、チェックポイント阻害剤療法は、腫瘍細胞によって発現されるリガンドによるT細胞上に発現する阻害性受容体の活性化を防止することを目的としている。このように、チェックポイント阻害剤療法は、腫瘍内に存在するT細胞、すなわち腫瘍浸潤T細胞の阻害を防止することを目的とし、したがって、腫瘍細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的としている。
チェックポイント阻害剤の例としては、これらに限定されないが、細胞表面受容体PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)の阻害剤(CD279(クラスター分化279)としても公知である);リガンドPD-L1(プログラムデスリガンド1)の阻害剤(CD274(分化のクラスター274)またはB7-H1(B7ホモログ1)としても公知である);細胞表面受容体CTLA4またはCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4)の阻害剤(CD152(分化のクラスター152)としても公知である);LAG-3(リンパ球活性化遺伝子3)の阻害剤(CD223(クラスター分化223)としても公知である);TIM-3(T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有-3)の阻害剤(HAVCR2(A型肝炎ウイルス細胞受容体2)またはCD366(クラスター分化366)としても公知である);TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)の阻害剤(VSIG9(Vセットおよび免疫グロブリンドメイン含有タンパク質9)またはVSTM3(Vセットおよび膜貫通ドメイン含有タンパク質3)としても公知である);BTLA(BおよびTリンパ球アテニュエータ)の阻害剤(CD272(クラスター分化272)としても公知である);CEACAM-1(がん胎児性抗原関連細胞接着分子1)(CD66a(クラスター分化66a)としても公知である)の阻害剤が挙げられる。
一実施形態では、少なくとも1つのチェックポイント阻害剤は、PD-1の阻害剤、PD-L1の阻害剤、CTLA-4の阻害剤、およびそれらの任意の混合物を含むかまたはそれらからなる群から選択される。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、チェックポイントアゴニスト療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「チェックポイントアゴニスト療法」は、対象への少なくとも1つのTチェックポイントアゴニストの投与として定義される。
チェックポイントアゴニストは、T細胞などの免疫細胞に発現する刺激性受容体(共刺激性受容体)を活性化することによって作用する。本明細書で使用される場合、「刺激性受容体」という用語は、活性化時に刺激性シグナルを誘導し、したがって免疫応答の増強をもたらす受容体を指す。がん治療として、チェックポイントアゴニスト療法は、腫瘍内に存在する免疫細胞に発現する刺激性受容体を活性化することを目的としている。特に、T細胞アゴニスト療法は、腫瘍内に存在するT細胞、すなわち腫瘍浸潤T細胞の活性化を増強することを目的とし、したがって、腫瘍細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的としている。現在、チェックポイントアゴニスト療法の潜在的な複数の標的が特定されている。
チェックポイントアゴニストの例としては、これらに限定されないが、CD137(クラスター分化137)のアゴニスト(4-1BBまたはTNFRS9(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー9)としても公知である);OX40受容体のアゴニスト(CD134(クラスター分化134)またはTNFRSF4(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー4)としても公知である);GITR(糖質コルチコイド誘導性TNF受容体ファミリー関連タンパク質)のアゴニスト;ICOS(誘導性共刺激剤)のアゴニスト;CD27-CD70(クラスター分化27-クラスター分化70)のアゴニスト;およびCD40(クラスター分化40)のアゴニストが挙げられる。
一実施形態では、少なくとも1つのチェックポイントアゴニストは、CD137のアゴニスト、OX40のアゴニスト、GITRのアゴニスト、ICOSのアゴニスト、CD27~CD70のアゴニスト、CD40のアゴニストおよびそれらの任意の混合物を含むかまたはそれらからなる群から選択される。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、免疫受容体または共刺激分子に特異的な二次抗体と組み合わせて使用される。
免疫受容体に特異的な抗体の例としては、これらに限定されないが、抗CTLA4抗体(例えば、イピリムマブ)、抗PD1抗体、抗PDL1抗体、抗TIM3抗体、抗LAG3抗体、抗B7H3抗体、抗B7H4抗体、抗B7H6抗体、抗4-1BB抗体および抗OX40抗体が挙げられる。免疫受容体に特異的な抗体の他の例は、抗TIGIT抗体である。
別の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性であり、免疫受容体または共刺激分子にさらに結合することができる。
免疫受容体の例としては、これらに限定されないが、CTLA4、PD1、PDL1、TIM3、LAG3、B7H3、B7H4、B7H6、4-1BB、TIGITおよびOX40が挙げられる。
共刺激分子の例としては、これらに限定されないが、CTLA4、PD1、PDL1、TIM3、LAG3、B7H3、B7H4、B7H6、4-1BBおよびOX40が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、二次抗体が結合する抗原を発現する細胞の死を、ADCCを介して誘導する二次抗体と組み合わせて使用される。一実施形態では、(例えば、IgG1またはIgG3アイソタイプの)二次抗体は、抗体が結合する細胞に対してADCCを誘導する。NK細胞は、ADCCの誘導において重要な役割を有しており、NK細胞の反応性の増加は、このような二次抗体の使用により、標的細胞に向けることができる。一実施形態では、二次抗体は、細胞表面抗原、例えば、膜抗原に特異的である。いくつかの実施形態では、二次抗体は、CD20、CD52、ErbB2(またはHER2/Neu)、CD33、CD22、CD25、MUC-1、CEA、KDR、αVβ3など、特にリンパ腫抗原(例えば、CD20)などの上記の腫瘍抗原(例えば、腫瘍細胞によって特異的に発現する分子)に特異的である。したがって、本発明はまた、腫瘍抗原(複数可)に対して向けられるモノクローナル抗体の抗腫瘍効果を増強するための方法を提供する。
本発明の方法において、1つ以上の腫瘍抗原に対して向けられる抗体、および本発明の抗体の順次投与によって、ADCC機能は、特異的に増強され、次いで、標的細胞の死滅を増強する。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、NK細胞活性化受容体の天然リガンドまたはNK細胞活性化受容体に結合して活性化する抗体と組み合わせて使用される。
一実施形態では、剤は、標的細胞(例えば、感染細胞または腫瘍細胞)の表面上のNK細胞活性化受容体の天然リガンドの存在を増加させる剤である。本明細書で使用される場合、「活性化NK受容体」という用語は、NK細胞の表面上の任意の分子を指し、これは、刺激されたときに、サイトカイン(例えば、IFN-γおよびTNF-α)産生などNK活性に関連するものとして当技術分野において公知である任意の特性または活性の測定可能な増加、細胞内遊離カルシウムレベル、再配向された死滅アッセイで細胞を標的化する能力、またはNK細胞の増殖を刺激する能力の増加を引き起こす。「活性化NK受容体」の例としては、これらに限定されないが、KIRタンパク質(例えば、KIR2DSタンパク質)、CD160-TM、NKG2D、IL-2R、IL-12R、IL-15R、IL-18RおよびIL-21Rの活性化形態が挙げられる。受容体を活性化する際にアゴニストとして作用するリガンドの例としては、例えば、IL-2、IL-15、IL-21ポリペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、二次抗体は、CD137に特異的である。本明細書で使用される場合、「CD137」という用語は、当技術分野においてその一般的な意味を有し、Ly63、ILAまたは4-1BBとも呼ばれ得る。CD137は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーのメンバーである。この受容体ファミリーのメンバーおよびそれらの構造的に関連するリガンドは、多種多様な生理学的プロセスの重要な調節因子であり、免疫応答の調節において重要な役割を果たしている。CD137は、活性化されたNK細胞、TおよびBリンパ球、ならびに単球/マクロファージによって発現する。この遺伝子は、細胞外ドメイン(この受容体ファミリーの特徴)に3つのシステインリッチモチーフ、膜貫通領域、および潜在的なリン酸化部位を含む短いN末端細胞質部分を有する255アミノ酸のタンパク質をコードする。一次細胞での発現は、厳密に活性化依存性である。受容体のリガンドはTNFSF9である。ヒトCD137は、そのリガンドにのみ結合することが報告されている。アゴニストとしては、ネイティブリガンド(TNFSF9)、アプタマー(McNamaraら、(2008)J.Clin.Invest.1 18:376-386を参照のこと)、および抗体が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、治療用ワクチンまたは治療ワクチンと組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、治療用ワクチンは、少なくとも1つの腫瘍特異的抗原(例えば、合成長ペプチドまたはSLP)もしくは腫瘍特異的抗原をコードする核酸の投与;腫瘍細胞に選択的に侵入するかつ/もしくは複製する組換えウイルスベクターの投与;腫瘍細胞の投与;ならびに/または腫瘍特異的抗原を提示し、これらの抗原に対する免疫応答を誘発するように操作された免疫細胞(例えば、樹状細胞)の投与として定義される。
がん治療として、治療用ワクチンは、腫瘍細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的としている。
腫瘍細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的とした治療用ワクチンの例としては、これらに限定されるものではないが、アデノウイルス(例えば、腫瘍溶解性アデノウイルス)、ワクシニアウイルス(例えば、修飾ワクシニアアンカラ(MVA))、アルファウイルス(例えば、セムリキ森林ウイルス(SFV))、麻疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、およびコクサッキーウイルスなどのウイルスベクターベースの治療用ワクチン;合成長鎖ペプチド(SLP)ワクチン;RNAベースワクチン、および樹状細胞ワクチンが挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、腫瘍溶解性ウイルス療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、腫瘍溶解性ウイルス療法は、対象への少なくとも1つの腫瘍溶解性ウイルスの投与として定義される。
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な非がん細胞よりもがん細胞に優先的に感染して死滅させるウイルスとして定義されている。がん治療として、腫瘍溶解性ウイルス療法は、がん細胞を死滅させる、および/またはがん細胞に対する免疫応答を誘発するかまたは増強することを目的としている。
腫瘍溶解性ウイルスの例としては、これらに限定されないが、タリモジェンラヘルパレプベック(またはT-VEC)またはHSV-1716などの修飾型単純ヘルペス1型ウイルス;Ad5-DNX-2401などの修飾型アデノウイルス;MV-NISなどの修飾型麻疹ウイルス;ワクシニアウイルスTG6002などの修飾型ワクシニアウイルス(VV);およびPVS-RIPOなどの修飾型ポリオウイルスが挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、養子細胞療法とも呼ばれる細胞の養子移入(両方ともACTとも呼ばれる)、例えば、それぞれT細胞またはNK細胞の養子移入(養子T細胞療法または養子NK細胞療法とも呼ばれる)などと組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「細胞の養子移入」または「養子細胞療法」は、対象への免疫細胞の移入、例えば、注入または再注入として定義される。がん治療として、対象への免疫細胞の養子移入は、がん細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的としている。
細胞療法のために使用され得る免疫細胞の例としては、これに限定されないが、細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、CD8T細胞、およびナチュラルキラー(NK)細胞T細胞)、エフェクターT細胞(例えば、CD4T細胞およびCD8T細胞)、アルファベータ(αβ)T細胞、およびガンマデルタ(γδ)T細胞、抗体発現B細胞または他の抗体産生または提示細胞および樹状細胞が挙げられる。
一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、抗原特異的細胞である。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、抗原特異的免疫細胞であり、抗原は、がん細胞によって特異的および/または豊富に発現される。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、腫瘍特異的免疫細胞であり、換言すると、上記のとおり移入された免疫細胞は、がん細胞または腫瘍細胞によって特異的および/または豊富に発現する抗原を介して、がん細胞または腫瘍細胞を特異的に認識する。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、腫瘍特異的エフェクターT細胞である。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、腫瘍特異的CD8エフェクターT細胞、特に腫瘍特異的細胞傷害性CD8T細胞である。一実施形態では、移入された細胞は、腫瘍浸潤細胞(TIL)である。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、腫瘍特異的細胞傷害性細胞である。一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、腫瘍特異的NK細胞である。
腫瘍特異的抗原、すなわち、がん細胞によって特異的および/または豊富に発現する抗原の例としては、これらに限定されないが、ネオアンチゲン(新しい抗原または変異抗原とも呼ばれる)、9D7、ART4、β-カテニン、BING-4、Bcr-abl、BRCA1/2、カルシウム活性化クロライドチャネル2、CDK4、CEA(癌胎児性抗原)、CML66、サイクリンB1、CypB、EBV(エプスタインバーウイルス)関連抗原(LMP-1、LMP-2、EBNA1およびBARF1など)、Ep-CAM、EphA3、フィブロネクチン、Gp100/pmel17、Her2/neu、HPV(ヒトパピローマウイルス)E6、HPV E7、hTERT、IDH1、IDH2、未成熟ラミニン受容体、MC1R、メラン-A/MART-1、MART-2、メソテリン、MUC1、MUC2、MUM-1、MUM-2、MUM-3、NY-ESO-1/LAGE-2、p53、PRAME、前立腺特異抗原(PSA)、PSMA(前立腺特異的膜抗原)、Ras、SAP-1、SART-1、SART-2、SART-3、SSX-2、サバイビン、TAG-72、テロメラーゼ、TGF-βRII、TRP-1/-2、チロシナーゼ、WT1、BAGEファミリーの抗原、CAGEファミリーの抗原、GAGEファミリーの抗原、MAGEファミリーの抗原、SAGEファミリーの抗原、およびXAGEファミリーの抗原が挙げられる。
本明細書で使用される場合、ネオアンチゲン(新しい抗原または変異抗原とも呼ばれる)は、腫瘍によって獲得された体細胞変異または遺伝子再配列によって影響を受けるタンパク質に由来する抗原に対応する。ネオアンチゲンは、各々の個々の対象に特異的であり得、したがって、個別化された免疫療法を開発するための標的を提供する可能性がある。ネオアンチゲンの例としては、これらに限定されないが、例えば、CDK4のR24C変異体、CDK4のR24L変異体、コドン12で変異したKRAS、変異したp53、BRAFのV599E変異体、およびIDH1のR132H変異体が挙げられる。
一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、CTAのクラス(がん/精巣抗原、MAGE型抗原としても知られる)、ネオアンチゲンのクラス、およびウイルス抗原のクラスを含むかまたはこれらからなる群から選択される腫瘍抗原に対して特異的である。
本明細書で使用される場合、CTAのクラスは、腫瘍細胞で発現されるが、雄生殖細胞系列細胞を除いて正常組織では発現されない遺伝子によってコードされる抗原に相当する。CTAの例としては、これらに限定されないが、MAGE-A1、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-C2、NY-ESO-1、PRAMEおよびSSX-2が挙げられる。
本明細書で使用される場合、ウイルス抗原のクラスは、ウイルス発がん性タンパク質に由来する抗原に対応する。ウイルス抗原の例としては、これらに限定されないが、E6およびE7などのHPV(ヒトパピローマウイルス)関連抗原、ならびにLMP-1、LMP-2、EBNA1およびBARF1などのEBV(エプスタインバーウイルス)関連抗原が挙げられる。
一実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、自己免疫細胞、特に自己T細胞である。別の実施形態では、上記のとおり移入された免疫細胞は、同種(allogenic)(または同種(allogenous))の免疫細胞、特に同種NK細胞である。
例えば、自己T細胞は、対象から単離された抗原特異的T細胞の拡大によって、または遺伝子操作による対象のT細胞の再配向によって、ex vivoで生成することができる。
一実施形態では、注入される免疫細胞は、対象に注入される前にex vivoで修飾される。
対象からT細胞、特に抗原特異的T細胞、例えば腫瘍特異的T細胞を単離する方法は、当技術分野において周知である(例えば、Rosenberg&Restifo,2015,Science 348,62-68;Prickettら、2016,Cancer Immunol Res 4,669-678;またはHinrichs&Rosenberg,2014,Immunol Rev 257,56-71を参照のこと)。Ex vivoでT細胞を拡大させる方法は、当技術分野において周知である(例えば、Rosenberg&Restifo,2015,Science 348,62-68;Prickettら、2016,Cancer Immunol Res 4,669-678;またはHinrichs&Rosenberg,2014,Immunol Rev 257,56-71を参照のこと)。注入前のコンディショニングレジメンを含む、対象におけるT細胞の注入のためのプロトコルは、当技術分野において周知である(例えば、Rosenberg&Restifo,2015,Science 348,62-68;Prickettら、2016,Cancer Immunol Res 4,669-678;またはHinrichs&Rosenberg,2014,Immunol Rev 257,56-71を参照のこと)。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、CAR免疫細胞療法、特にCAR T細胞療法またはCAR NK細胞療法と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、CAR免疫細胞療法は、移入された細胞が、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子操作されたT細胞またはNK細胞などの上記の免疫細胞である養子細胞療法である。がん治療として、対象へのCAR免疫細胞の養子移入は、がん細胞に対する対象の免疫応答を増強することを目的としている。
CARは、単一の融合分子または複数の分子の1つ以上のシグナル伝達ドメインと結合している標的化部分からなる合成受容体である。一般に、CARの結合部分は、単鎖抗体(scFv)の抗原結合ドメインからなり、柔軟なリンカーによって結合されたモノクローナル抗体の軽鎖可変断片を含む。受容体またはリガンドドメインに基づく結合部分もまた首尾よく使用されている。第1世代のCARのシグナル伝達ドメインは、通常、CD3ゼータの細胞質領域またはFc受容体ガンマ鎖に由来する。第1世代のCARは、T細胞の細胞傷害性を首尾よく再配向することが示されているが、in vivoでの長期的な拡大および抗腫瘍活性をもたらすことはできなかった。そのため、CD28、OX-40(CD134)、および4-1BB(CD137)などの共刺激分子からのシグナル伝達ドメインが単独(第2世代)または組み合わせ(第3世代)で添加され、CAR修飾T細胞の生存率が増長し、増殖が増加している。
したがって、一実施形態では、上記のとおり移入されたT細胞は、CAR T細胞である。CARの発現により、T細胞は、選択された抗原、例えば、がん細胞の表面で発現する抗原などに対して再配向される。一実施形態では、移入されたCAR T細胞は、腫瘍特異的抗原を認識する。
別の実施形態では、上記のとおり移入されたNK細胞は、CAR NK細胞である。CARの発現により、NK細胞は、選択された抗原、例えば、がん細胞の表面で発現する抗原などに対して再配向される。一実施形態では、移入されたCAR NK細胞は、腫瘍特異的抗原を認識する。
腫瘍特異的抗原の例は、上記に記載している。
一実施形態では、移入されたCAR T細胞またはCAR NK細胞は、EGFR、特にEGFRvIII、メソテリン、PSMA、PSA、CD47、CD70、CD133、CD171、CEA、FAP、GD2、HER2、IL-13Rα、αvβ6インテグリン、ROR1、MUC1、GPC3、EphA2、CD19、CD21、およびCD20を含むかまたはそれらからなる群から選択される腫瘍特異的抗原を認識する。
一実施形態では、上記のCAR免疫細胞は、自己CAR免疫細胞、特に自己CAR T細胞である。別の実施形態では、上記のCAR免疫細胞は、同種(allogenic)(または同種(allogenous))CAR免疫細胞、特に同種CAR NK細胞である。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、抗生物質と組み合わせて使用される。抗生物質の例としては、これらに限定されないが、ペニシリン(例えば、ペニシリン、アモキシシリン)、テトラサイクリン(例えば、ドキシサイクリエント(doxycyclient)、テトラサイクリン、ミノサイクリン)、セファロスポリン(例えば、セフロキシム、セフトリアキソン、セフジニル)、キノロン(例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン)、リンコマイシン(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン)、マクロライド(例えば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン)、スルホンアミド(例えば、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、スルファサラジン、スルフィソキサゾール)、糖ペプチド(例えば、ダルババンシン、オリタバンシン、テラバンシン、バンコマイシン)、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン)およびカルバペネム(例えば、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム)が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、抗ウイルス薬と組み合わせて使用される。抗ウイルス薬の例としては、これらに限定されないが、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリジェン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラビル(balavir)、シドフォビル、コンビビル、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルタイド、エンテカビル、エコリーバー(ecoliever)、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロンIII型、インターフェロンII型、インターフェロンI型、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル(nexavir)、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノルビル、オセルタミビル、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン(pyramidine)、サキナビル、ソホスブビル、スタブジン、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、ティプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、ザナミビル、およびジドブジンが挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、抗真菌剤と組み合わせて使用される。抗真菌剤の例としては、これらに限定されないが、ポリエン系抗真菌剤(例えば、アムホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン)、イミダゾール系抗真菌剤(例えば、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール)、トリアゾール系抗真菌剤(例えば、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール)、チアゾール系抗真菌剤(例えば、アバファンギン)、アリルアミン、エキノカンジン(例えば、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン)が挙げられる。
一実施形態では、本発明による単離されたタンパク質、抗体またはその抗原結合断片、融合タンパク質、核酸、発現ベクター、組成物、医薬組成物または薬剤は、駆虫剤と組み合わせて使用される。駆虫剤の例としては、これらに限定されないが、広範囲の駆虫剤(例えば、ニタゾキサニド)、抗原虫薬(例えば、メラルソプロール、エフロルニチン、メトロニダゾール、チニダゾール、ミルテフォシン)、駆虫薬(これらに限定されないが、抗線虫薬(イヌ鉤虫、メベンダゾール、ピランテルパモエート、チアベンダゾール、ジエチルカルバマジン、イベルメクチン)、抗条虫薬(例えば、ニクロサミド、プラジカンテル、アルベンダゾール)、抗吸虫薬(例えば、プラジカンテル)が含まれる)、抗アメーバ薬(例えば、リファンピン、アムホテリシンB)が挙げられる。
本発明の別の目的は、それを必要とする対象の疾患の治療における、抗体またはその抗原結合断片と、上記の別の治療剤との使用に関し、抗体またはその抗原結合断片は、治療剤のアジュバントとして使用される。
本発明の別の目的は、それを必要とする対象の疾患の治療における、本明細書に記載の融合タンパク質と上記の別の治療剤との使用に関し、融合タンパク質は、治療剤のアジュバントとして使用される。
したがって、本発明は、がん療法においてアジュバントとして使用するための、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合断片、または本明細書に記載の融合タンパク質(好ましくは、組成物、医薬組成物または薬剤に含まれる)に関する。したがって、本発明は、感染症の治療法におけるアジュバントとして使用するための、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質(好ましくは、組成物、医薬組成物または薬剤に含まれる)に関する。
一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者においてがん療法によって誘導される免疫応答を増強するための、本明細書に記載の抗体またはその断片または本明細書に記載の融合タンパク質の使用に関する。
一実施形態では、本発明による抗体もしくはその断片、または本発明による融合タンパク質は、免疫療法剤として、特に多種多様ながん(例えば、免疫抑制および/または免疫疲弊に関連するがん)を治療するために使用することができる。
一実施形態では、本発明による抗体またはその断片または融合タンパク質は、患者においてがん療法によって誘導される免疫応答を増強し得、本治療は、患者においてがん療法によって誘導される免疫応答を増強するのに有効な量で、対象に抗体またはその断片または融合タンパク質を投与することを含む。
本明細書で使用される場合、「アジュバント」という用語は、例えば、がん療法などの療法において増強する化合物または化合物の組み合わせを指す。アジュバントは、低免疫原性腫瘍細胞または非免疫原性腫瘍細胞に対する有効な免疫応答を高める可能性がある。一実施形態では、アジュバントは、がん治療において周知であるがん治療剤と共に使用され、したがってがん細胞に対する免疫応答を増強する。例えば、アジュバントは、がん療法中の免疫応答を増強し得、(T細胞の活性化を低下させることなく)T細胞の疲弊を減少させ得、T細胞の生存を増長させ得、NK細胞の細胞傷害性を高め得、腫瘍の成長および/または腫瘍のサイズを減少させ得、かつ/または生存率を高め得、がんの転移を治療するかまたは防止し得る。一実施形態では、アジュバントの存在下でのがん療法の増強は、単独で投与されるがん療法との比較によって定義される。
別の実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその断片または融合タンパク質は、対象の免疫応答を増加させるかまたは改善することができる。
本明細書で使用される場合、「免疫応答」は、刺激に対する免疫系の細胞、例えば、B細胞、T細胞(CD4またはCD8)、制御性T細胞、抗原提示細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、NKT細胞、NK細胞、好塩基球、好酸球、または好中球などによる応答を指す。いずれかの態様のいくつかの実施形態では、応答は、特定の抗原に特異的であり(「抗原特異的応答」)、それらの抗原特異的受容体を介したCD4 T細胞、CD8 T細胞、またはB細胞による応答を指す。いずれかの態様のいくつかの実施形態では、免疫応答は、CD4応答またはCD8応答などのT細胞応答である。これらの細胞によるそのような応答は、例えば、細胞傷害性、増殖、サイトカインまたはケモカインの産生、輸送、または食作用を含み得、応答を受ける免疫細胞の性質に依存し得る。
他の既知の免疫療法剤と同様に、本発明による抗体もしくはその断片または融合タンパク質の、患者において免疫応答を増強する能力は、がん分野外でより広い治療的意味を有し得る。例えば、免疫増強剤は、多種多様な感染症、特に、免疫抑制および/または免疫疲弊を促進する病原体の治療に有用であり得ることが提唱されている。また、そのような免疫増強剤は、ワクチン(例えば、感染症およびがんワクチン)の免疫化効果をブーストするのに有用であり得る。
本発明の別の目的は、それを必要とする対象において、CD25発現Treg細胞を枯渇させるための、本発明による抗体もしくはその抗原結合断片、または本発明による融合タンパク質の使用に関し、治療有効量の抗体もしくはその断片、または本発明の融合タンパク質が対象に投与される。
したがって、本発明は、それを必要とする対象におけるCD25発現Treg細胞を枯渇させるための方法にさらに関し、本方法は、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質、組成物、医薬組成物、または薬剤を対象に投与することを含む。
一実施形態では、上記の抗体もしくはその抗原結合断片、または融合タンパク質(好ましくは、上記の組成物、医薬組成物または薬剤に含まれる)は、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用されるものである。
一実施形態では、CD25発現Treg細胞は、腫瘍浸潤性Tregである。
一実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための上記の抗体またはその抗原結合断片は、IgG、好ましくはIgG1である。
一実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための上記の抗体またはその抗原結合断片は、高い親和性で、好ましくは、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIIから選択される少なくとも1つの活性化Fcγ受容体に結合する。
一実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための上記の抗体またはその抗原結合断片は、ADCC、ADCPおよび/またはCDC応答の増強、好ましくはADCCおよび/またはADCP応答の増加、より好ましくはADCC応答の増加を誘発する。
一実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための記載された抗体またはその抗原結合断片は、CD25を介するIL-2シグナル伝達を阻害するものではない。したがって、一実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための記載された抗体またはその抗原結合断片は、CD4およびCD8T細胞(またはエフェクターT細胞)の増殖および/または活性化を阻害するものではない。別の実施形態では、CD25発現Treg細胞を枯渇させるために使用するための記載されている抗体またはその抗原結合断片は、CD4およびCD8T細胞(またはエフェクターT細胞)におけるSTAT5aのリン酸化を阻害するものではない。
従来技術の抗CD25抗体と比較して、本発明の抗体は、以下の利点を提示し得る:
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較して、CD25に対する増加した親和性を提示する;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較して、CD25に対する増加したアビディティを提示する;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、培養中のT細胞のIL-2依存性活性化の増加、および好ましくは培養中のT細胞の増殖の増加を誘導する;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較して、培養中のIL-2により誘導されるT細胞の増殖を阻害誘導する割合が低い;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較して、CD25発現細胞、好ましくはCD25発現T細胞、より好ましくはCD25発現Treg細胞に対してADCC活性の増加を提示する;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較して、CD25発現細胞、好ましくはCD25発現T細胞、より好ましくはCD25発現Treg細胞に対してADCP活性の増加を提示する;
-いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、先行技術のCD25抗体と比較してより高い有効性で、CD25発現細胞、好ましくはCD25発現T細胞、より好ましくはCD25発現Treg細胞の枯渇(好ましくはin vivo枯渇)を誘導する。
材料および方法
CD25特異的mAbの結合:
CD25陽性SU-DHL1細胞株を、FITC標識mIgG対照またはALD25-H1、H2、およびH4抗CD25抗体のいずれかと10μg/mlで4℃で30分間インキュベートした。フローサイトメトリー分析(LSR fortessa)の前に、細胞をPBSで洗浄した。
IL2結合アッセイ
SU-DHL1細胞は、ヒトIgG1対照アイソタイプ、ALD25H4またはバシリキシマブ(1μg/mLまたは10μg/ml)と室温で1時間プレインキュベートした。次に、細胞をビオチン化複合体形成IL2(125ng/ml)およびAPC結合ストレプトアビジンと共に室温で30分間連続してインキュベートした。手順の各ステップの間にPBS洗浄を行った。Cytoflex(Beckman Coulter)でのフローサイトメトリーによって細胞を分析し、FlowJoソフトウェアによりデータを分析した。データは、ゲーティングした生SU-DHL1細胞でのAPCの平均蛍光強度の平均±SDとして表す(n=3)。
「IL2非競合」mAb7G7B6との結合競合:
CD25陽性SU-DHL1細胞株は、市販の対照huIgGまたは組換え型精製huALD25-H1、H2、またはH4抗体のいずれかと10μg/mlで4℃で30分間プレインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、7G7B6-APC抗体(10μg/ml)またはAPC-IgG対照(対照mAbヒストグラム)で4℃で30分間染色した。次に、分析前に細胞をPBSで洗浄した。
IL-2により誘導されるT細胞の増殖への影響:
新たに単離した末梢血単核細胞(PBMC)を、5μg/mlのPHAを含む完全RPMI培地(10%FCS、2%グルタミン、1%抗生物質)で72時間培養した。PBMCをCFSEで染色し、24時間飢餓状態にし、次に磁気セルソーティングによって活性化T細胞を単離させた。T細胞を50UI/mlのIL-2および1μg/mlの抗体と共に72時間培養した。細胞分裂後にフローサイトメトリーを行った。
「抗体依存性細胞傷害(ADCC)によるCD25陽性細胞特異的溶解:
抗CD25誘導抗体依存性細胞傷害(ADCC)は、IL-2事前活性化PBMC(エフェクター細胞として)とCFSE染色SU-DHL1(標的細胞)を異なる比率で、1μg/mlまたは10μg/mLのhIgG対照または抗CD25抗体のいずれかと16時間共培養することによって得た。細胞特異的溶解は、培地中のLDH放出を定量化する比色法によって得た。あるいは、細胞死は、生存率染料染色(7AAD)を用いたフローサイトメトリーによって評価した。CFSE+7AAD+細胞の割合は、標的細胞のアポトーシスに対応する。
抗体依存性細胞食作用(ADCP)によるCD25陽性細胞特異的溶解:
抗CD25誘導ADCPは、THP-1細胞(エフェクター細胞として)およびCFSE染色SUDHL-1細胞(標的細胞)を異なる比率で、hIgG対照または抗CD25抗体のいずれかを1μg/mlで4時間共培養することによって得た。この時点で、抗CD33 APC抗体を共培養に添加する。フローサイトメトリー分析の前に細胞を洗浄する。CD33+CFSE+細胞の割合は、誘導された食作用のレベルに対応する。
IL-2により誘導されるT細胞の増殖:
新たに単離した末梢血単核細胞(PBMC)を、5μg/mlのPHAを含む完全RPMI培地(10%FCS、2%グルタミン、1%抗生物質)で72時間培養した。PBMCは、CFSEで染色され、24時間飢餓状態になった。次に、活性化されたT細胞を磁気セルソーティングによって単離した。ソーティングされたT細胞は、50UI/mlのIL-2および1μg/mlのアイソタイプ対照またはCD25特異的抗体と共に72時間培養した。細胞分裂後に、CFSE希釈を調べることによるフローサイトメトリーを実施した。
Treg細胞枯渇への影響
CD34再構成ヒト化マウスに腫瘍細胞を注射した。腫瘍が100mmに達したとき、マウスには、ビヒクル、ALD25H4または7G7B6 CD25特異的モノクローナル抗体を10mg/mLで週1回腹腔内投与した。腫瘍生着後29日目にマウスを屠殺し、CD4CD25FoxP3Treg細胞の量をフローサイトメトリーにより評価した。
Tregの枯渇
PBMC(2x10/ml)を、ヒトIgG1対照アイソタイプ、ALD25H1、ALD25H2、ALD25H4、またはバシリキシマブ(10μg/ml)と抗CD3/抗CD28結合ビーズ(Dako)と共にインキュベートした。6日間のインキュベーション後、抗CD8-FITC、抗CD4-PE、抗CD39-PerCP-Cy5.5、抗CD127-PE-Cy7、抗CD3-APC、および抗CD45-Pacific Blue抗体の混合物を使用して標識を行った。Cytoflex(Beckman Coulter)でのフローサイトメトリーによって細胞を分析し、FlowJoソフトウェアによりデータを分析した。Tregは、CD3CD4CD39CD127low/-細胞集団として同定した。結果は、CD45+リンパ球集団内のTregの平均%±SDとして表す(n=3ドナー)。
結果
図1は、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)がCD25に結合することができることを示している。さらに、本発明の抗体は、CD25を発現しない細胞への無視できるまたは低レベルのバックグラウンド結合を示し(データは示さず)、これは、CD25に対する本発明の抗体の高い特異性を実証している。
図2は、競合アッセイの結果であり、本発明の抗体がモノクローナル抗体7G7B6と競合することを実証している。7G7B6が、IL-2非競合抗体であることは、当技術分野において周知である。
さらに、図7は、本発明の抗体ALD25H4が10μg/mLでSUDHL-1細胞へのIL-2の結合を有意に遮断しないのに対し、IL-2遮断CD25特異的mAbであるバシリキシマブは、同じ濃度で、IL-2の結合を完全に遮断することを示している。
さらに、図3は、抗体ALD25H1、ALD25H2、およびALD25H4が、IL-2により誘導されるエフェクターT細胞の増殖にまったく影響を及ぼさないか、または非常に限定的な影響のみ及ぼすことを示している。
次に、本発明の抗体(ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4)がIL-2により誘導されるT細胞の増殖に影響を与える能力を測定し、7G7B6およびMA-251の能力と比較した。この目的のために、強力な増殖を誘導するために、PHA活性化T細胞を単離し、50UI/mlのIL-2と共に培養した。細胞は、アイソタイプ対照またはCD25特異的抗体のいずれかの存在下で成長させた。予想どおり、図5および表1に示すとおり、バシリキシマブは、T細胞の増殖を90%阻害した。対照的に、ALD25H1、ALD25H2、およびALD25H4は、IL-2によって誘導されるT細胞の増殖に20%~30%の影響のみ与えた。7G7B6およびMA-251は、IL-2誘導T細胞成長に対して有意に高い影響を示し、それぞれ一定の45%および52%の阻害であった。
Figure 2022538733000001
次に、CD45リンパ球集団からのTreg細胞のin vitro枯渇を誘導する本発明の抗体の能力を測定し、バシキシリマブの能力と比較した(図9)。図9Aに示すとおり、本発明の抗体は、Treg細胞の枯渇を誘導する。CD4エフェクターT細胞およびCD8エフェクターT細胞ではいずれでも細胞枯渇が観察されなかったため、この効果はTreg細胞に特異的である(図9Bおよび9C)。
さらに、動物に腫瘍細胞を注射するマウスモデルにおいて、本発明の抗体(ALD25H4)がTreg細胞の枯渇を誘導する能力を測定し、7G7B6の能力と比較した。図6Aおよび図6Bに示すとおり、ALD25H4を投与することにより、腫瘍内のCD4CD25FoxP3Treg細胞の大規模な枯渇が誘導され、88%の枯渇に到達した。対照的に、7G7B6の投与後にTreg細胞の59%のみが枯渇したため、7G7B6はTreg細胞の枯渇の誘導には、有効性が低かった。さらに、図6C、6D、および6Eに示すとおり、TIL CD4T細胞またはTIL CD8T細胞のいずれのTエフェクター細胞の枯渇も観察されないため、このT細胞の枯渇はTreg細胞に特異的である。
まとめると、これらの結果は、本発明の抗体が非遮断抗体であること、すなわち、それらがT細胞においてIL-2シグナル伝達を阻害しないことを実証している。
これらの結果は、CD25に結合するALD25H1、ALD25H2、およびALD25H4が、7G7B6およびMA-251とは異なる挙動をし、IL-2活性への影響が有意に少ないことをさらに実証している。IL-2は、がんにおけるT細胞の増殖および生存に重要であり、ALD25H1、ALD25H2およびALD25H4は、7G7B6およびMA-251よりもIL-2機能に対する中性が高いため、がん特異的T細胞ベースの免疫応答の誘導に決定的な利点を有する。
図4Aおよび図4Bは、本発明の抗体が、ADCCによるCD25陽性細胞の効率的な特異的溶解を誘導し、特異的溶解率がバシリキシマブについて測定されたものと同等であることを示している。さらに、本発明の抗体はまた、図8に示されるとおり、ADCPによる細胞溶解を誘導する。
要するに、これらの結果は、がんを治療するための本発明の抗体の治療可能性を実証している。

Claims (19)

  1. 単離された抗ヒトCD25抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体は、インターロイキン-2(IL-2)のCD25への結合を阻害せず、好ましくは、前記抗体はモノクローナルである、抗ヒトCD25抗体またはその抗原結合断片。
  2. キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項1に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  3. 重鎖の可変領域(HCVR)が、以下の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの相補性決定領域(CDR):
    -CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここでXは、DまたはNである:
    -CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
    -CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
    もしくは、配列番号1~3と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む;および/または
    軽鎖の可変領域(LCVR)が、以下の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つのCDR:
    -CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
    -CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
    -CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここでXは、SまたはTである;
    もしくは、配列番号4~6と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む、
    請求項1または2に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  4. (i)前記HCVRが、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの、請求項3で定義される通りのCDRを含み、
    (ii)前記LCVRが、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つの、請求項3で定義される通りのCDRを含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  5. 前記HCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:XHAMA(配列番号1)、ここでXは、DまたはNである;
    -CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
    -CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
    を含み、
    前記LCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:KXSQNVNKFXN(配列番号4)、ここで、Xは、AまたはGであり、Xは、LまたはVである;
    -CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
    -CDR3:QQYXSWPWT(配列番号6)、ここでXはSまたはTである;
    もしくは、配列番号1~6と少なくとも約70%の同一性を共有するアミノ酸配列を有する任意のCDRを含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  6. 前記HCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:DHAMA(配列番号7);
    -CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
    -CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
    を含み、
    前記抗体またはその抗原結合断片のLCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:KASQNVNKFLN(配列番号8);
    -CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
    -CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9);
    を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  7. 前記抗体またはその抗原結合断片の前記HCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:NHAMA(配列番号10);
    -CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
    -CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
    を含み、
    前記抗体またはその抗原結合断片の前記LCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:KASQNVNKFVN(配列番号11);
    -CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
    -CDR3:QQYSSWPWT(配列番号9);
    を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  8. 前記抗体またはその抗原結合断片の前記HCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:NHAMA(配列番号10);
    -CDR2:YISYDGDNTYYRDSVKG(配列番号2);および
    -CDR3:GGNSGYD(配列番号3);
    を含み、
    前記抗体またはその抗原結合断片の前記LCVRが、以下のCDR:
    -CDR1:KGSQNVNKFLN(配列番号12);
    -CDR2:GTNSLQT(配列番号5);および
    -CDR3:QQYTSWPWT(配列番号13);
    を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  9. 二重特異性抗体である、請求項1~8のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  10. 前記単離された抗体またはその抗原結合断片を含む、融合タンパク質。
  11. 請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片または請求項10に記載の融合タンパク質をコードする、核酸。
  12. 請求項11に記載の核酸を含む、発現ベクター。
  13. 前記抗体または抗原結合断片が、抗体依存性細胞傷害、補体依存性細胞傷害または抗体依存性食作用を媒介する、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体またはその抗原結合断片。
  14. 請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片または請求項10に記載の融合タンパク質と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
  15. 医薬として使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片または請求項10に記載の融合タンパク質。
  16. がんまたは感染症の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片または請求項10に記載の融合タンパク質。
  17. 対象におけるがんまたは感染症の治療に使用するための、免疫療法と、請求項1~9もしくは13のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片または請求項10に記載の融合タンパク質との組み合わせ。
  18. T細胞においてIL-2シグナル伝達を阻害することなくCD25陽性細胞の特異的溶解を誘導する方法であって、前記方法は、
    治療有効量の請求項1~9もしくは13のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片もしくは請求項10に記載の融合タンパク質、または
    治療有効量の請求項14に記載の医薬組成物、を対象に投与するステップを含み、
    好ましくは、前記対象は、免疫療法を受けているか、または受けた対象である、方法。
  19. 対象に免疫療法を施すステップを含む方法であって、前記対象が、
    治療有効量の請求項1~9もしくは13のいずれか一項に記載の単離された抗体もしくはその抗原結合断片もしくは請求項10に記載の融合タンパク質、または
    治療有効量の請求項14に記載の医薬組成物を投与された対象であるか、または投与されており、
    好ましくは、前記治療有効量は、T細胞内におけるIL-2シグナル伝達を阻害することなくCD25陽性細胞の特異的溶解を誘導するのに有効な量である、方法。
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